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前話 次話 みさき「準決勝もついに大将戦です。この大将戦でどう動くでしょうか」 理沙「…………」 みさき「ついに無視されました」 理沙「違う!考えてた!」 咲(私の番か……ここで勝ったら決勝……お姉ちゃん……) 京太郎「咲、おい咲どした?」 咲「……京ちゃん」 京太郎「大丈夫だって。リードはあるんだ。気楽にやれよ。ほら、いつもみたく俺飛ばすくらいで」 咲「アレは京ちゃんだから飛ぶんだよ」 京太郎「なんだとこのちんちくりんは」 咲「せめて飛ばないようにしてほしいなー」 京太郎「自分の実力分かって言いやがれ。お前和優希と打つんだぞ?俺なんて飛ぶかお前に+-0にされるかだっての」 咲「……ふふっ」 京太郎「なんだよ」 咲「なんでもないよ」 咲(やっぱ京ちゃんといると安心するな) 咲「じゃ、行ってくるね」 京太郎「おう、行って来い」 ネリー「じゃー行くねー」 智葉「おう。無理するなよ」 ネリー「分かってるよー。姫松が追い上げてきてるんでしょ?」 智葉「いや……清澄だ」 ネリー「1位だから無理してこないでしょ?」 智葉「あれは多分宮永照辺りと同じだ」 ネリー「?」 恭子「い、行ってきます」カタカタ 洋榎「落ち着きや。すでにカタカタゆうてるで」 郁乃「善野さんが見てるで~?」 恭子「そ、そうやった……カタカタしてる場合じゃないわ。負けられへん!」 有珠山大将「やるだけやってくるね」 成香「が、頑張ってください!」 ネリー「ツモ!」 ネリー(んー……サトハが言うほどの感じはしないなー) 有珠山(やっぱ強いわー) 恭子(また化け物ばっかやん……)カタカタ 咲「…………」 咲「ツモ」 みさき「前半戦終了です」 理沙「……静か!」 みさき「ええ、特に大きく変わったことはありませんね」 理沙「……まだ!」 みさき「はい?」 ネリー「サトハー、清澄特に変わったとこないよー」 ダヴァン「うーん……分かりまセン」 智葉「思い違いじゃないと思うんだがな」 恭子「や、やぱっり化け物ばっかですやん!」カタカタ 郁乃「大丈夫やって~……多分」 恭子「ホンマ負けそうでメゲルわ……」 漫「あ、諦めんでください!」 由子「頑張るのよー」 恭子「くっ……やるしかないんか」 有珠山大将「アレね。ただでは帰らんって気分よ」 有珠山中堅「なんか違うんじゃない?」 咲「……ここ、どこ?」 大将後半戦 咲「カン」 有珠山大将(あ、やば) 咲「もいっこカン」 ネリー(ちょ、ちょっと何これー!?) 咲「カン」 恭子(も、もう勘弁してや……)カタカタ 咲「ツモ」 咲「ツモっ」 みさき「試合終了!!準決勝を勝ちぬけたのは清澄高校と臨海女子高校です!」 みさき「臨海を抑えて初出場の清澄が1位ですが、どうですか?」 理沙「……意外!」 みさき「はい、ありがとうございました」 咲「お疲れ様です」 ネリー「お、お疲れ様です……」 ネリー(さ、最後やばかったー……え?またこの人とやるの?) 恭子「あ、ありがとうございました……」カタカタ 恭子(……メゲるわ) 有珠山大将「お疲れ様です」 有珠山大将(後半何もやってないわー……) 試合結果 1位清澄2377+552=2929 2位臨海1645+351=1996 3位姫松1482+454=1936 4位有珠山681+150=831 夜 京太郎「明日のミーティングと最後の練習っていうし、なんか買ってこないとな」 京太郎「それにしても、全国の決勝か……まさかここまでくるなんてな」 京太郎「……俺、何にもしてねーのにな」 京太郎「……やっぱ、俺も麻雀上手くなりてーな」 京太郎「……ん?あそこにいるのは」 京太郎「あのジャージとポニテは……」 穏乃「明日か……」 京太郎「おい、何やってるんだ?」 穏乃「うわぁっ!?す、須賀くん?」 京太郎「高鴨、だったよな。何やってるんだ?」 穏乃「んー、夜風に当たろうと思って」 京太郎「こんな時間に?」 穏乃「……ちょっと、落ち着かなくてさ」 京太郎「……隣、いいか?」 穏乃「うん……明日さ、決勝じゃん?」 京太郎「あぁ」 穏乃「私達さ、優勝じゃなくて和とまた遊びたい!って目的できたんだ」 京太郎「和と遊ぶ、か。それで決勝まで来るんだから大したもんじゃねぇか」 穏乃「ありがとう。でそれが叶って、今なんか落ち着かないんだ」 穏乃「アレだね。遠足の前の夜って感じ」 京太郎「お前……全国の決勝と遠足を同じにするなよ」 穏乃「あはは」 京太郎「……高鴨は不安とか無いのか?」 穏乃「え?」 京太郎「明日、途中で飛んだり、自分がすっげえ失点したり、そういう不安」 穏乃「無いね!」 京太郎「……即答?」 穏乃「うん!だって、そういうのも込みで楽しいし!」 穏乃「だから決勝も不安とかじゃなくて、どんな麻雀ができるかの楽しみしかない!」 京太郎「……高鴨は強いな」 穏乃「そんなことないよ?宥さんとかが点は稼いでるし…」 京太郎「そういうのじゃねぇって……楽しむか、そうだよな」 京太郎(大会が終わったら、改めて麻雀しよ。楽しむために) 穏乃「ねぇ、同い年だしさ、私のことは穏乃でいいよ」 京太郎「じゃ、俺も京太郎でいいぜ」 穏乃「うん!明日、楽しみだね京太郎!」 京太郎「そうだな。俺は打てないけど、楽しみだ!」 コンビニ店員「ありがとうございましたー」 京太郎「さて、お菓子もタコスの材料も買ったし、帰るか」 京太郎「ん?あの人は……」 京太郎「……あいつ、何やってんだ?」 淡「……むー」 京太郎「よう、何やってんだ?」 淡「あ、キョータロー」 京太郎「こんな時間にこんなとこで……明日あるのにいいのか?」 淡「明日……ねーキョータロー」 京太郎「なんだ?」 淡「咲って強い?」 京太郎「なんだいきなり……まぁ、強いよ。麻雀は」 淡「そっかー……」 京太郎「なんだ?何が言いたい?」 淡「明日さー……大丈夫かなって」 京太郎「おいおい、あんなに強気だったじゃねーか」 淡「でもさー、高鴨穏乃とか、テルーの妹の咲とか、そんなんいるじゃん?」 淡「本当に今までみたいに勝てるのかなーって思って……どうしよ」 京太郎「…………」 京太郎「…………」なでなで 淡「え?ちょ、何すんの?」 京太郎「いや、なんとなく?」 淡「なんとなくで女の子の髪に触るのー?」 京太郎「昔、咲や照さん相手によくこうしたんだよ」 淡「テルーに?」 京太郎「迷子になった後だったり、喧嘩して泣いた後だったり、何か不安がった時だったり」 京太郎「あ、咲は今もか」 淡「……子供扱い?」 京太郎「んー、俺が麻雀に関してお前らに言えるようなことはないんだよなー」 京太郎「だから、こうして不安が和らぐようにするしかできない」 淡「……駄目じゃん」 京太郎「お前が信じるお前を信じろ」 淡「……なんのアニメ」 京太郎「熱いアニメなんだけど、外したか?」 淡「こういう時にアニメのセリフー?もうちょっと気のきいたこと言わないとモテないよ?」 京太郎「くっ……返す言葉もねぇ」 淡「でも……少しは元気出た。ありがとね」 京太郎「ん、まあ元気になったんならいいさ」 淡「でもさー、敵を元気にしてどうすんのー?清澄としては私がへこんでた方がいいんじゃない?」 京太郎「はぁ?何言ってんだ。そんなの関係ないだろ?これくらいやって当然だ」 淡「……キョータローってさ、結構凄いこと言うよね」 京太郎「うん?」 淡「あははっ、ありがとね!そして明日清澄負かしたらごめんね!」 京太郎「簡単には負けねーよ」 淡「じゃないと困るしー。じゃ、まったねー!」 京太郎「なんだ?……ま、元気になったしいいか。帰るか」 朝、大会会場 久「……いよいよね」 まこ「なんじゃ、緊張しとるんか?」 久「そりゃね。ずっと待って、そして部員が揃って、大会に出て、ここまで来た」 久「今日、決まるのよね……全国優勝するのが、どこか」 和(私は転校してしまうかが、ですね) 咲(お姉ちゃん……) 久「……みんな、今さらどうこう言うことは無いわ」 久「ただ、全力を尽くしましょう」 久「そして、全国優勝するわよ!」 咲、和、優希、まこ「おぉーっ!!」 久「……今さらだけど、わざとじゃないわよね?」 和「さすがにそんな人ではありませんよ……」 まこ「なんというか……今日ぐらいビシッとしたかったわ」 優希「もう、仕方ないことだじぇ」 久「そうね……と言う訳で須賀くん」 京太郎「はい」 久「咲、探してきてね?」 咲「ここ……どこ?」 京太郎「すぐに見つけてきます」 まこ「どうやったらあんな風に一致団結した後に迷子になれるんじゃろな」 優希「咲ちゃんの特殊能力か?」 和「そんなオカルト……ありそうで怖いです」 咲「どこだろ……あ!」 照「……咲?」 咲「……お姉ちゃん」 照「……ここまで来たんだね」 咲「うん……」 照「団体戦で直接当たることは無いけど……負けないから」 咲「……私だって負けないよ!」 照「うん……じゃ、会場で」 咲「うん!」 京太郎「って待てい!!」 照「あ、京ちゃん」 咲「もう!ここはかっこよく去るとこだよ!」 京太郎「お前な……会場と反対の方向に去ってどうするんだ」 咲「う……」 照「……私はちゃんと会場の方向だから」 京太郎「照さんは応援席でしたけど」 照「…………」 京太郎「2人とも連れて行くんで、手離さないでくださいね」ギュッ 咲「……またそういうことする」 照「私達は迷子じゃない」 京太郎「どの口が言いますか……」 咲「あ、私こっちから来た…」 京太郎「そっちは遠回りになるからな」 照「お菓子のにおいが……」 京太郎「控え室にあるでしょう。菫さんが買ったって言ってましたよ」 京太郎「はぁ……全国決勝前なのに、締まらないなこの姉妹」 咲・照「ねぇ京ちゃん」 京太郎「ええい静かに引っ張られてろ!」 白糸台控室 菫「本当にありがとう……毎回毎回探しに行くから助かった」 京太郎「いやいや、慣れてますから」 照「そんな毎回じゃ…」 菫「じゃあ迷子にならなかった試合言ってみろ」 照「…………」 放送「各校先鋒の方は…」 照「じゃ、行ってくるから」 菫「おいこら」 誠子「逃げた?」小声 尭深「逃げたね」小声 淡「テルー、頑張ってねー!」 照「うん」 京太郎「途中まで同じなんで、行きましょうか?」 菫「頼む。色々終わったら改めてお礼をする」 照「そこまでしなくても…」 淡「ここって決勝だけしか使われない会場だったよね。テルー分かるの?」 照「……京ちゃん、行こ」 京太郎「照さん、だからそっちじゃないですって」 菫「……チームメイトだが、アレが全国1位だと思うと複雑だ」 晴絵「さて、玄。行ってきな」 穏乃「玄さん頑張ってください!」 玄「う、うん!また宮永さんが相手だけど、頑張るよ!」 宥「が、頑張ってね」 灼「応援してる」 憧「まかせたわよ!」 智葉「さて、行くか」 ネリー「なんかいつもより気合入ってるー?」 明華「決勝だからでしょう?」 ダヴァン「いや、また宮永照が相手だからデスヨネ?」 智葉「あぁ……真向勝負だ。今度は負けん」 ハオ「頑張れ」 優希「タコスよし、マントよし。準備万端だじぇ!」 和「普通麻雀打つ前に気にしないものですが……」 まこ「今さらじゃな」 優希「京太郎はまだか」 咲「うん。お姉ちゃんを送っていくって言ってたし」 久「試合前に相手校の選手を送るって……いや、この場合送られる方が問題か」 咲「あはは……優希ちゃん、頑張ってね」 優希「まかせるじぇ!相手が高校最強だろうとなんだろうと、私は勝つ!」 和「油断は禁物ですよ」 まこ「ま。無理せずいつも通りやりゃええわ」 久「そうね。優希、いつも通りのあなたで、頑張りなさい」 優希「おう!片岡優希、行ってくるじぇ!!」 前話 次話 名前 コメント
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http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1383660043/ 咲「もうっ京ちゃんのバカッ!もう出て行ってやるんだから!!」 京太郎「何をいきなり馬鹿な事を言ってんだ咲?」 京太郎「お前と俺は…大学を卒業してすぐ結婚してから三年……」 京太郎「ケンカもしたけど今までここで、一つ屋根の下で一緒にやってきたじゃないか」 咲「それはそうだけどっ――――」 京太郎「それによぉ。俺はさ…お前の事だけは一日たりとも忘れた事も無かったって言うのによ……」 咲「よくそんな事言えるね…京ちゃん!いつもいつも私の事を騙してばかりで……」 京太郎「騙すって……人聞きの悪い事を言うな!」 咲「どうせ私が何にも知らないとでも思ってるんでしょ?!!」 京太郎「何の事だよ?」 咲「私聞いたんだからね!京ちゃんが和ちゃんと浮気してるって!!」 京太郎「!?」 咲「ふんっ…知ってるんだからね!」ぷい 京太郎「お…俺がのど――原村先生と……?そ…そんな根も葉もない嘘をよく言うよ」 京太郎「良くそんなゲスい妄想出来るもんだよ?流石…文学少女だな」 咲「……妄想じゃないよ…教えて貰ったんだもん。京ちゃんが麻雀雑誌の編集記者であるのをいい事に……」 咲「プロ雀士の和ちゃんに言い寄って、夜の密着取材をしてるって……」 京太郎「だ…誰がそんな事を……」 咲「お姉ちゃん…だよ。ほら…証拠の写真もあるよ……」す… ぱらぱら 京太郎「!?」 京太郎<こっこれは…前に和と入ったホテルの、入る時と出る時の写真……?でも……ど…どうやって?> 咲「驚いた?私も最初は信じられなかったけど、お姉ちゃんが探偵さんを雇って調べて貰ったって」 京太郎「くっ……どうしてお義姉さん……宮永先生がこんな事を……」 咲「お姉ちゃんねぇ……何年か前にあったか~い詐欺の女に好きな人を盗られたて。凄く辛い想いをしたんだって……」 京太郎<なんだよ?…あったか~い詐欺って……> 咲「それ以来…私にはそんな想いをさせたくないって、その為なら手段を選ばないって、私を見守ってくれてるの」 京太郎<何?だとすると俺は……俺と和はずっと…あの人に監視されていたのか……>ゾー 咲「どう?ぐうの音も出ないでしょ?あはは…ゲスいのは京ちゃんの方だったね?」 京太郎「……俺や…原村先生を監視(ストーキング)してるお前らにだけには、言われたくねーよ」けっ 咲「で…どうなの?これでも認めないつもりなの?」ずいっ 京太郎「……くっ―――ああそうだよ!俺は原村先生と浮気しましたよ!!」 咲「認めたね?認めましたね?京ちゃん」 京太郎「そうだよ。認めたよ!で、どうしたいんだよ…お前は?俺と別れたいとでも言うのか?」 咲「そ…それは……」 京太郎「フン…結局お前はどうなっても俺と離れようとはしないんだ。結局は惚れたお前の負けなんだよ」 咲「京ちゃん…私は……」 京太郎「ええ?お前がモテない俺が好きって言うなら、考え直してやるけどな?まぁそんな俺は俺とはいえないけどな」ニヤリ 咲「ばっ…馬鹿言ってないでよ!京ちゃん」 京太郎「馬鹿言ってるのはお前だよ?咲」 咲「京ちゃん……京ちゃんは和ちゃんに遊ばれている事にも分からない様な、可哀想な人なんだね!」 京太郎「はっ!何を言っていんだよ?咲」 咲「私…お姉ちゃんから聞いたんだよ。和ちゃんは男も女もお構いなしの、おしりが大きいのに軽い女なんだって」 咲「だから、他の女流プロ雀士からはバイパイピンクなんて言われてるんだよ?」 咲「そんな人が京ちゃんなんかに本気になる訳が無いよ?」 京太郎<バイパイピンクって……バイで倍のパイで頭の中も外もピンク色の色情魔だって事かよ!!> 咲「おまけにPMなんて呼ばれてもいるんだよ!言っとくけど午後の事じゃないよ?」 京太郎<ピンクホルスタインって事かよ!?もう言いたい放題!貶め放題だな!!> 京太郎<…………やっぱ女子プロの世界って怖えー…………知ってたけど……>しみじみ 咲「どう?目が覚めた、モテモテのモテ男の京ちゃん?」 京太郎「くっ…だったら……三年目の浮気ぐらい大目にみろよ」 咲「はっ!?」カチン 咲「京ちゃんのその…ひっ…開き直るその態度が気に入らないの!!」 京太郎「じゃあ…どうすりゃいいんだよ?」 咲「ふんだっ!もうっ……両手をついて謝ったって許してあげないんだからねっ!!」 …………。 京太郎「で…結局、お前はどうしたいんだよ?」 咲「もうっ!京ちゃんがそんな態度を取るんだったら、私から荷物をまとめて出て行ってやるんだからっ!!」 京太郎「は?出てく?お前が?」ぷぷ… 咲「なっ何よ!?」 京太郎「お前…俺が出張に行く時も、帰った時も泣いて見送る様な寂しがり屋じゃねーか」 咲「//////うっ…それは……」 京太郎「そんなお前が、荷物をまとめて涙も見せずに出ていけるのかよ?」 咲「で…出来るもんっ!!」 咲「……た…確かに……もうこうなったら末原さんに頼んで……」 京太郎「末原さん……?もしかして俺達より二つ上で関西出身の?」 咲「うん…その末原ナンとかさん」 京太郎「てか、お前あの人とは、高校、大学何度か打ってるぐらいで、殆んど面識はないじゃねーか」 咲「うっ!?」ぎくっ 咲「で…でも何度もゴッ倒してるし、今度もゴッすれば言う事を聞いてくれる様な気がして……」 京太郎「はぁ…なぁ咲さん…もうそろそろ適当に思い付きで言うのは止めろよ?」 咲「うっ!!」どきっ 京太郎「それにあの人は大阪在住だろ?脅して押し入ろうとしたって、追い返されるのがオチだぞ?」 京太郎「まったく尼崎じゃないんだからさ。そんな無茶苦茶がまかり通る訳ないだろ?」 京太郎「……ま、大阪も似た様なもんだろうけどな?知らんけど」 咲「ううう……」 京太郎「はぁ…だいたい交友関係の狭いお前g―――――」 咲「―――――はっ!!」 咲「……じゃ…じゃあっ!実家に帰らせて頂きますっ!!」 京太郎「実家?ああ…それなら出来そうじゃないか?」 咲「えっ!?」 京太郎「いや、なに…こうなったら暫くの間。お互いに距離を置いた方が良いんじゃないかって」 咲「きょっ…京ちゃんは私と離れたいの!?」 京太郎「お前…何言ってんだ?お前から先に自分から出て行くって、言ったんじゃないか?」 咲「うっ…それは……」 京太郎「まぁ…お前が言う様に、俺が和に遊ばれているって言うんなら……」 京太郎「まぁ俺もそれなりに浮気みたいな事もするけどさ……俺だって本気になれないだから、可愛いもんだと思わないか?」 咲「!!」ピキッ 咲「よくそんな事が言えるね京ちゃん!!」 咲「いくら京ちゃんでも、こんな勝手な言葉が出てくるとは思わなかったよ!!」 京太郎「そうか?」 咲「そうだよ!!最早!京ちゃんの性根を…人格を疑うレベルだよ!!」 京太郎「言ってくれるじゃねーか咲さんよ?だがな、俺がこうなったのも元はと言えばお前にも原因はあるんだぜ?」 咲「どう言う事よ?」 京太郎「どうもこうもねーよ。そりゃ…お前が沢山あったプロチームや実業団、 強豪大学の誘いを全部蹴って……俺と同じ大学を受けるって聞いた時は、そりゃ嬉しかったさ」 咲「そうだよ。京ちゃんと一緒の大学に行く為に、たくさん勉強したんだからね」 京太郎「それで大学の麻雀部に入って、最初の挨拶の時にいきなりお前が、お嫁さん違いますけど彼女です――――」 京太郎「――――なんて言い出して、いつも俺にくっついているもんだから、 みんな妙に気を遣って俺は大学時代、殆んど遊べなかったんだからな!」 咲「付き合っているんだから、それは当り前の事だよ?」 京太郎「お前の場合は束縛し過ぎなんだよ。結婚した今でも、一日にニ十回以上もメールして来るし……」 京太郎「俺はキャンパスライフをもっとエンジョイしたかったんだよっ!!」 咲「…………」 京太郎「それで大学を卒業して、少し羽を伸ばせるようになったから――――」 咲「ふーん。すっごく自己中心的な考えだね。京ちゃんらしいよ」 京太郎「お前にだけは言われたくはないよっ!」 咲「私はただ一途ってだけだよ……」 京太郎「一途って……物は言い様だな。全くお前は、何時も俺に甘えてばかりでさ……」 京太郎「今でも…ちょっと俺が他の女の子と話そうもんなら、すぐ焼きもち焼くし……」 京太郎「もうそんな事しても可愛くないんだよ。もっと大人になれよ?」 咲「――――!!京ちゃん馬鹿な事言ってないでよ!!」 京太郎「ふん。俺だって男だ、羽目を外したら、ハメたくなるってもんだろ?」 咲「……………」 京太郎「……………」 咲「京ちゃん…………サイテー……」 京太郎「確かに今のだけは最低だった」ぺこり 咲「そうだよ!今のは麻雀で言ったらチョンボ並みにサイテーだよ!」 咲「まったくこんなサイテーな京ちゃんのキョウチャンなんかチョンボしちゃうんだからね!!」 京太郎「咲……お前…本気で俺のオレをチョンボしたいのか?」 咲「うっ…………」じー 咲「……………」ごくり… 咲「……やっやっぱりそれだけは赦してあげる////////」 京太郎「フフン。やっぱりお前は『俺』と『オレ』なしじゃいられないんだよ」 咲「うっ……自惚れないでよっ!京ちゃん!!」 咲「―――――それに…私にだって、その気になれば相手はいるんだからね!!」 京太郎「へー。どこのどいつだよ?いいから言ってみろよ?」 咲「の…和ちゃん……」 京太郎「だから和だったら本末転倒だろうが!?何度も同じ事を言わすなよ、咲さん?」はぁ 咲「うっ…それはそうだけど……」 京太郎「まったく…大学時代、俺にくっ付いてばかりで、殆んど他の知り合いを作らなかったからこうなるんだぞ?」 咲「うう……だって京ちゃんがいれば、もういいって…他に何も要らないって……思ってたんだもん……」うー 京太郎「!!」どきっ 京太郎「そ…そうかよ……」 京太郎<やべっ一瞬、どきってしちまった…もう結婚して3年にもなるのにな……> 京太郎<……てか、こうは言ったものの、もし咲が本気で和に近づいたら、和は喜んで受け入れそうだな……> 京太郎<なんたってバイパイピンクとかPHとか言われてるくらいだからな……> 京太郎<しかも、和がそうなったきっかけは、どうも咲によるものらしいしな……> 京太郎<はっ!!もしかして和が俺と寝たのは…これを狙って……俺と咲を別れさせて、咲を俺から取り返す心算とか……> 京太郎<つまり俺は当て馬で…本命は咲だと言うなのか……?> 咲「?」 京太郎<……いや…それよりも…それ以前に俺にとってこいつは…咲は……> 京太郎<特別美味い物でもないけど、毎日食べても飽きない、一口食べるとほっとする…ご飯の様な存在なんだよな……> 京太郎<分かっていたけど俺はやっぱりこいつの事が――――――> 咲「ど…どうしたの京ちゃん……?急に黙りこんで……」 京太郎「……咲…………」じっ 咲「京ちゃん……?」 京太郎「……今回の事は色々あったとはいえ、俺が悪かった…俺がバカだったよ……」 咲「そっそうだよ京ちゃんが悪いおばかさんなんだからね……」 京太郎「今になって俺にはやっぱりお前が必要だって思った」 咲「京ちゃん……」じーん 京太郎「だから咲……謝るから許してくれるか?」 咲「…………ゆるs――――――やっぱり両手をついて謝ったって許してあげないっ」 京太郎「じゃ…じゃあどうすれば……」 咲「私……今すっごく欲しいものがあるの……」 京太郎「欲しいもの?お前が俺に強請るなんて珍しいな……それを用意したら許してくれるのか?」 咲「うん…許してあげる」にこ 京太郎「よし!俺が用意出来るモンだったらなんだって用意してやる!!」 咲「ほ…ほんと?京ちゃん……//////」 京太郎「ああ。男に二言は無いぜっ!!で。何が欲しいんだ?」 咲「じゃあ…じゃあ言っちゃうね……私ね……」 京太郎<……………余り高い物じゃなければいいが……>ごくり 咲「私……京ちゃんの赤ちゃんが欲しいなっ」 京太郎「え?」 咲「えっ!?」 京太郎<…………ある意味…俺が用意出来るモノの中で一番高く付くモノだった……> おしまい。
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怜「ふむふむ、お二人さんは武者修行中と」 久「こいつはただのおまけだけどね」 京太郎「なんだと、俺は一家に一人入れば大抵のことはどうにかなるという太鼓判も押されたんだぞ?」 久「あんたさ、一体アルバイトでなにやらされてきたのよ」 京太郎「執事」 久「執事喫茶ってこと?」 京太郎「そうじゃなくてものほんの」 久「……一体全体なにをしたらそんなことに」 怜「ほぇー、執事さんなんか。じゃああれやってあれ」 京太郎「お帰りなさいませ、お嬢様」 怜「……アフターはありですか?」 京太郎「もちろん」 久「なしよ、なしなし」 怜「じゃあ同伴で」 久「ダメ」 久「とにかく、そろそろ移動するわよ」 京太郎「だな」 怜「所詮はゆきずりの関係……そういうことやな」 京太郎「それでも俺は君が……!」ヒシッ 怜「うちも……!」ヒシッ 久「……で、話を進めてもいいかしら?」ピクピク 京太郎「どうぞどうぞ」 怜「かまへんでー」 久「あんたたちね……」 「あ、怜ー」 「なんや、こんなとこにおったんか」 怜「ん、こっちもツレがきた」 京太郎「じゃあゆきずりの関係も終わりだな」 久「……あれってあなたのお友達なのよね?」 怜「せやで。おなちゅーでおなこーや」 久「なるほどね……まさか千里山の人だったなんてね」 「怜、この人たちは?」 怜「暇で暇で死にそうなとこを助けてくれた恩人」 「うっ……それは、あれや」 「ごめんなー? お菓子選ぶのに時間かかってもうて」 「そうそうそれそれ」 怜「ならばよし」 久「割り込むようで悪いけど、ちょっといい?」 怜「かまへんけど、そっちは時間大丈夫なん?」 久「ちょうどよさげな相手も見つかったしね」チラッ 「ん……俺?」 久「たしか、江口セーラだっけ。雑誌で期待の一年生だって」 セーラ「あれかー、まだ大した成績もだせてへんからなー。なんか恥ずいわ」 久「麻雀の相手探してたんだけど、付き合ってくれないかしら?」 セーラ「望むところや!」 怜「……なーんか妙な流れになっとるわ。なぁ、竜華」 京太郎「へー、じゃあ清水谷って料理もできるんだ。すごいじゃん」 竜華「そんな褒めてもなんも出ぇへんよ?」 京太郎「ちなみに俺は執事経験者」 竜華「えー? そっちの方がすごいやん」 京太郎「それほどでも……あるけどな!」 竜華「あはは、須賀くんっておもろいなぁ」 怜「竜華も取られたっ!」 久「そういうわけで麻雀をしましょう」 セーラ「もちろん」 竜華「うちもええで」 怜「どうせ暇やしなー」 京太郎「じゃあ行こうぜ。早くしないと日が暮れちまう」 セーラ「場所、どうする? 俺んちは今日は無理やけど」 竜華「うちも」 怜「うちもやで。これでビンゴやな」 久「嬉しくない大当たりね」 竜華「うーん、でも場所かー……どないしよ?」 セーラ「そこらの雀荘とか?」 怜「煙いからポイーで」 セーラ「まぁたしかになぁ……あ、せやったら学校なんてどやろか」 京太郎「学校? いいのか入って」 セーラ「今日は多分誰もおらんし、問題なしなし」 竜華「……ホンマにええんかなぁ」 怜「そんな固いこと言うとると、こっちも硬くなってまうやんか」サワサワ 竜華「ひゃっ! と、怜っ」 京太郎「……くそっ、これが同性であることの強みか……!」 久「はい、馬鹿なこと言ってないでさっさと行くわよー」 京太郎「で、今日も俺がハブられるんですかね?」 久「仕方ないでしょ。弱いんだから」 京太郎「……ぐぅの音も出ない」 怜「せやったら、うちと交代でどうやろか?」 京太郎「交代?」 怜「うちも麻雀はあんまやし、体力的にもな……病弱やから」 竜華「はい、それやめーや」 怜「あいたっ」 セーラ「冗談はともかく、交代制には賛成やな」 久「そう? なら仕方ないか」 京太郎「おっしゃ! 久しぶりの出番だぜ!」 京太郎「」チーン 久「まぁ、いつも通りみたいね」 セーラ「激弱やな」 京太郎「うぐっ」グサッ 竜華「げ、元気出してっ。ほら、麻雀が激弱でダメダメでも他にも色々あるやん?」 京太郎「ぐはっ」グサッ 怜「竜華も言うなぁ」 久「笑顔で止めを刺しに行くスタイル……恐ろしいわね」 竜華「え? え?」 怜「てなわけで選手交代やでー」 久「あなたも千里山の部員なんだっけ?」 怜「まぁ、一応は」 久「そう、なら心配なさそうね」 怜「飛ばされない程度に頑張りますー」 怜「ま、こんなもんやな」 久「これは、なんというか……」 竜華「あはは……」 セーラ「怜も相変わらずやなぁ」 怜「こっちからしたらおかしいのはそっちやしー。少し運気わけてーな」 久「まぁ、飛んでないだけマシか」 竜華「体の方は大丈夫?」 怜「ん、平気やで」 久「じゃあもう半荘いきますか」 セーラ「次は引き離したるわ」 久「それはこっちのセリフよ」 久「ツモ、3900・2000」 セーラ「ロン、8000!」 竜華「ロン、5800」 怜(あかんなぁ、削られてばっかやん) 怜(やっぱセーラも竜華も、おまけに竹井さんも強いわー) 怜(対してうちはダメダメ……飛ばされんようにするのが精一杯) 怜(わかっとったけど、悔しいわぁ) 京太郎「――っ」ゾワッ 怜「――あ、れ」 竜華「怜?」 怜「う、ううん……平気平気」 怜(なに、今の) 怜(目が霞んで牌も見えんかと思っとったのに、光が差し込んだような……) 怜(……今の感覚に身を任せれば、もしかして――) 京太郎「はい、選手交代」 怜「うちはまだ……」 京太郎「そんな顔色じゃないだろ。少し休んでろ」 怜「でも、あと少しで――」 京太郎「デモもストもない。心配するだろ、みんな」 竜華「怜……」 セーラ「大丈夫か?」 怜「……わかった、ちょっと休む」 京太郎「んじゃ、いっちょかましてきますかね」 久「あんたはかまされる側でしょ」 京太郎「言ったな! テニスに逆転ホームランはないけど麻雀にはあるんだからな!」 京太郎「ふぃー、負けた負けたー!」 怜「うちら全敗やん。かえってせいせいするわ」 京太郎「これはもうやけ飲みするしかないな。てなわけでこれ、どうぞ」 怜「ペットボトル? いつの間に」 京太郎「交代で休んでる時にちょっとな」 怜「のども乾いとったし、もらうわ」 怜「……もし、未来が見れたら、どうしたい?」 京太郎「いきなりだな」 怜「いや、うちも未来が見れたら、麻雀も少しはマシになるんやないかなーって」 京太郎「たしかにそりゃいいかもな」 怜「せやろ?」 京太郎「でも……」 京太郎「俺は未来より、過去の方をどうにかしたいね」 怜「え……」 京太郎「誰だってあるだろ、黒歴史」 怜「あぁ、中学二年のころのノートとか」 京太郎「そうそう!」 京太郎(あれもこれも、まさに中二の時なんだよな……) 京太郎(なかったことにしたい黒歴史ってやつは) 怜「うちも第三の目があったらなーとか思っとったわ」 京太郎「右腕に包帯を巻いてみたり?」 怜「まさに邪気眼やな」 京太郎「ゴッドハンドスマッシュとか?」 怜「それはバイカンフーやな」 京太郎「じゃあ間をとってジャキカンフーだな」 怜「それはただの間違いやな」 京太郎「ま、なんにしてもどうしようもないんだよな」 怜「黒歴史?」 京太郎「そうそう。だからさ、過ぎ去ったことにこだわるより、前を向いてたほうがいいのかもな」 京太郎(あの一瞬、園城寺からなにか感じた) 京太郎(あれはきっと……) 京太郎「でも、前ばっか見てたらつまずくから気ぃつけろよ」 怜「せやなぁ、転んだら痛いしなぁ」 京太郎「それに、たまに足元見たら結構気づくこともあるもんだ」 怜「実感こみこみやん。もしかして痛い目見たことがあったり?」 京太郎「ノーコメント」 京太郎「それじゃーなー」 久「いい経験になったわ」 セーラ「大会には出てへんのやろ?」 久「まぁね」 セーラ「じゃあ来年やな。楽しみにしとるわ」 久「こっちもね」 竜華「怜のこと、ありがとな」 京太郎「まあ、楽しくおしゃべりしただけだけどな」 竜華「ふふ、せやな」 京太郎「お大事にって伝えといてくれ」 久「行くわよー」 京太郎「はいよー」 怜「ん……竜華、セーラ?」 竜華「目、覚めた?」 怜「あの二人は?」 セーラ「もう帰ったで。今頃は電車の中やな」 怜「そか……お別れ言えんかったのは残念やな」 竜華「うちがその分言っといたから、問題なしや」 竜華「そーれーに……アドレス交換しちゃいました!」 怜「どっちと?」 竜華「え、須賀くんやけど?」 怜「竜華……ちゃらい」 セーラ「うん」 竜華「え、え?」 久「今日の相手は真っ当な意味で手ごわかったわね」 京太郎「すっごい白熱してたもんな」 久「雑誌に載るレベルのプレイヤーだしね」 京太郎「ま、俺はいつも通りやられてただけだけどな」 久「あんたも本当に進歩がないわねぇ」 京太郎「う、運も不足してんだよ……」 久「それに技術もね」 京太郎「でもいいさ……収穫もあったし」ボソッ 久「ちょっと、なにニヤニヤしてんのよ」 京太郎「いやー、別にー」 久「……見せなさい」バッ 京太郎「あっ」 『清水谷竜華』 京太郎「……」 久「ふーん、アドレス交換してたんだ」 京太郎「わ、悪いのかよ」 久「べっつにー」 京太郎「じゃあ、携帯返してくれよ」 久「はい……このチャラ男」 京太郎「違うし……ところで明日はどこに?」 久「話題の転換が露骨すぎ」 京太郎「いいから!」
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特別編 執事と ※終わってしまった本編との関係も一切ない特別編です ※大体色んなとこを参考にしたりイメージだったりなので、理解できるかどうかは個人差があります ※深夜テンション。最後までこんなノリ 京太郎「裸エプロンに裸Yシャツ、尊いと思いませんか」 ハギヨシ「ほほぅ」 京太郎「やはりですね、ごはんにする?お風呂にする?それともわ・た・し?って言われたいでしょう!」 ハギヨシ「即お風呂でいただきますしますね」 京太郎「裸Yシャツ、朝起きたら自分のシャツを着ている、いいですよね」 ハギヨシ「こう、見えそうで見えないくらいがベストですよね」 京太郎「ちょっと恥ずかしそうにするとか、そういう恥じらいも合わさってまたよし!!」 京太郎「……どちらでも思うんですが、やっぱり巨乳がいいですね」 ハギヨシ「ほう」 京太郎「こう、エプロンの上からでも隠せないその大きさ」 京太郎「Yシャツが悲鳴を上げるその様、じっくり拝みたいですね」 ハギヨシ「それもまた正しいです」 ハギヨシ「ですが、貧乳も、貧乳の可能性もいいものですよ」 京太郎「貧乳の……可能性?」 ハギヨシ「決して忘れてはならない、心に刻むべき言葉があります」 『貧乳がいいんじゃない。貧乳なのを気にしているのがいいんだ』 京太郎「……素晴らしい、心に響きますね」 ハギヨシ「貧乳はステータス、なんてただの開き直りです。それはただの絶壁です」 ハギヨシ「本当に大事なんのはそう、気にしながらも、大事な人のために頑張る姿勢、それです」 京太郎「これは巨乳派な俺も貧乳を許せますね」 ハギヨシ「こう、不意に『小さくてごめんね?』なんて言われでもすれば」 京太郎「たまりませんね。この手で大きくしてあげたくなります」 ハギヨシ「……裸エプロンに裸Yシャツ、素晴らしいです」 ハギヨシ「が、常に更なる可能性の探求を忘れたはいけません」 京太郎「はい……俺、絶対に忘れません。あなたのおかげで学んできたことを」 紳士の心を、忘れずに 本当に、最後のカンッ!!
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11 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/05(土) 15 33 09.64 ID 7NKXhv7/O [8/14] 8 イッチだってそんなん考慮しちょらんもん…… 連続ゾロ目ボーナス! 洋榎104 洋榎「あっ……」ビクッ 京太郎「ん?」 この人から身構えるなんて…… どうしたんだ。 洋榎「ひ、久しぶりやな京太郎」アハハ 京太郎「は、はぁ……」 洋榎「すいませんでしたぁ!!」 土下座。 俺、この人に何かされたっけ?それとも俺の事をからかっているだけなのか? 京太郎「ちょ……!人が見てますから!やめてください!」 洋榎「どうか最低なうちの事を許してください!!!!」 13 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[saga] 投稿日:2014/07/05(土) 15 42 36.92 ID 7NKXhv7/O [10/14] 訂正 洋榎の部屋。 京太郎「どうして俺はここに……」 洋榎「ひっく……うっ……」ポロポロ 京太郎「ちょっと!どうして泣いてるんですか!!」 洋榎「そや、死ねばいいんや!京太郎!殺してくれ!」ポロポロ 京太郎「やめてください!何があったんですか!?」 洋榎「……」 洋榎「それはーー」 京太郎「……」 それから聞いたのは予想以上の話だった。 洋榎さんが俺を気絶させて犯した事、追い詰めて自分の者にした事。 日々の痴態を動画に収めて依存させた事。 俺の周りとの関係を全て断ち切らせた事。 最終的に俺は自殺をした事。 15 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/05(土) 15 54 17.79 ID 7NKXhv7/O [11/14] 洋榎「ど、どうしても京太郎を自分の物にしたかったんやな……」 京太郎「洋榎さん……」 思い出してしまった……俺の中でフツフツと込み上げる怒り。 洋榎「今回だって自分の物にしようとした……」 京太郎「……」 でも……俺は紛いなりにも途中からはこの人が好きだったんだ…… ただ……あんな望んでもいない事をされたから自殺しただけで…… 洋榎「もう……うちと関わらないでいいで」ニコッ 洋榎「なんなら同じ事をしてもええよ」ニコッ 安価下8 1. 俺は洋榎さんが好きです 2.帰る 28 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/05(土) 16 34 58.64 ID 7NKXhv7/O [13/14] ゾロ目ボーナス!! 三連続!!! 京太郎「俺は洋榎さんが好きです」 洋榎「え……?」 京太郎「だから過去の事なんか関係無いですよ」ニコッ 洋榎「きょ、京太郎……///」 京太郎「洋榎さん……」 洋榎「呼び捨てでええよ……///」モジモジ _ --―――-ミ _,,.. \ ヽ \ _彡 ´ ; =-―‐-ミ ) / ノ // / \_ / / / 厶=--―…/ `く | / / / / ヽ | ! /イ / // // |  ̄',. 八| l/l / ̄ ̄ /イ /. /| ′ /二二ィレ| .|芹弌く | ィ/Χ| | | ', | / /人_\|辷ン |ノ芹ミ У / |, ′ |' / /¨入 '''' 廴ソ / /. 八 i. / |/ /`、 ’ ''' /彡/ ィ∨ノ ′ / |\__゚_,,... イ ィ、 || | | | ヽ | | / /ノィ / ノ / ノ // ∨l |/丁へ. / // ⌒' { / `| /|\ \/ | , | レ∧ 〉 // |__ } | / | V {/ /⌒ヽニ、-、 \_ 八 ( | l / /ハ \\. Т¨ \ 八 ′ / \ \ヽ. ! {\ ̄ヽ | / } ′ |  ̄「_゙ト、 / / | } | | ` ¨卞¨ _彡 / ′ _ .′ヽ ゙, ′ i  ̄「\_ノ___/ / , ‐-<⌒ ' | i ,′ Ⅴ .′ { / | | ,′ } | ' / / ! ! ′ | ,/ / ′ { ' / | .′ / ′ ∧ | / ' i ' i / ′ | / / | | | ,′ ′ ! / , ′ | | | ヽ ! 〃 ' ノ ! | ≧=ヘ / / | | ≧‐=彡 ///⌒ヽ_{ / !  ̄ / '、 ∠ ヘ 、\ 、 \i\「 京太郎「洋榎……」 洋榎「な、なぁ……」ギュッ 洋榎「抱いて……///」 京太郎「洋榎……!」 29 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/05(土) 16 39 03.80 ID 7NKXhv7/O [14/14] GRANDENDING 30 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/05(土) 16 42 50.77 ID VVa3sn7fO 全国大会決勝 洋榎「ふふふっ……ここまで来たでー」ニヨニヨ 京太郎「洋榎……」グッ 洋榎「行くで!」ゴッ 憧「……!」 久「!!!」 堯深「っっ……!」 安価下6多数決 0~95 姫松Vやねん! 96 清澄優勝 97 阿知賀優勝 98 白糸台優勝 38 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/05(土) 16 56 39.04 ID HD80wm1dO [1/6] ,/ \ __ / ヽ、 , . '  ̄  ̄ ` 丶、 | i / `ヽ、 \ 〉 | / ' `ヽ \-._\| // lヽ、 ヽ、 、 ',ヽ 丶_ ゙>.、 /,'/ / ! .l .X∧ヽ i ハi ゙', l ;`iヽ、丶 / / / | i !| ', レ' ヽリ ∨! 〉 .}`〉!丿 | ヽ. ゙、 i / / ! l .l iハ '\ xヤ叭カ 〉 k┤ ´ ヽ /!. 〉. 〉 / { /l i .-什ー \ .〉 弋 _ソ /イ Y´丶 ! / / / / /.! i ! i i xヤ叭 `゙ ´ l i. ,!リ./ ./ _ / / ヽ !ヽ i', ` 弋ソ l レ,'.;/ ´ /´冫\/ /. \'マヘヽ. ` - | ト'. 〈 _ ヘ、\゙/ / ( { ! 〉. く l /|!{iヽ!. /´ 〉 .! / /.i ! _./ヽ 、l ! ヽ、 ` - ′ / }!ヽ , -─ ‐ 、 〈 ,弋!丶.v` / .! _ -彡 ` ゙ -! _ ≧‐ _ .イ /|! /./ \ i. ヽ 〉 ≦彡 ´ , -! { / }- ´ .' / ′ \ ヽ )イ/ / l .! .//.マヽ / .l ! l \ ヽ ′く / / i ! _ -/イ / 冫__./ .l i .! ! \ ', ヽ /; / , -ヽ ´ ' _.十_' ´ i l!/ ! ∧ V .;' / / , '` /´.入. \ |、´. |. / 冫 ∨i i / / / ./ l.∧ ! ヽ、 _. -. { / i 弋 { / ./ ヽ_イ /.|! ヽ _./ × γ. l { ヤ 丶 匕 、 / |i. / li l 丶 ./ l ! l. ゙.冫` 〉 .i |! / .|i / ! /\ ヘ ヽ ヽ ゙丶_i ゙ | 丶 / .∨_ _冫、 ヽ 入二| ! ゙ / \ 洋榎「うちにかかれば余裕やったな」 恒子「優勝は姫松高校ー!!!」 京太郎「うおおおおおおおお!!!!」 健夜「姫松の中堅……技術と読みなら既にトッププロクラスだね」 恭子「逃げ切れた……」 穏乃「ちぇーっ」 咲「やられた……」 淡「駄目だった……」 39 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/05(土) 16 57 30.32 ID HD80wm1dO [2/6] ーーepilogue 初めて見た時から好きでした 41 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/05(土) 17 51 07.91 ID HD80wm1dO [4/6] 月日が経ち 京太郎「ん?」 子供「……」チョコン 京太郎「お前誰だ?」 子供「……」 京太郎「何も言わないか……そうか」 京太郎「いや、何でもないよ」 京太郎「……」 京太郎「いい天気だな」 子供「……」 憩「なんや、こんな所におったん?」 京太郎「憩……さん」 春「……」ポリポリ 京太郎「あ、春さん」 春「少しの間……お邪魔します」 京太郎「大したおもてなしもできないですが……どうぞどうぞ」 42 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/05(土) 17 54 23.94 ID HD80wm1dO [5/6] 春「……」ポリポリ 京太郎「相変わらず食べますねぇ」 春「ん……」ポリポリ セーラ「おーっす」 京太郎「あ、久しぶりです」 セーラ「元気しとるかー!?」グリグリ 憩「こらっ」 セーラ「あ、すまんすまん」 洋榎「たくっ……うちの旦那に何しとんねんな」 セーラ「ははは、すまんすまん」 48 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 00 29 17.74 ID hHJZ9nPrO 京太郎「……」 子供「……」 京太郎「お前は可愛い顔をしているな」 京太郎「本当……そっくりだ」 子供「……」 洋榎「当たり前やろ、アホか」 子供「アホ」 京太郎「なっ……!」 洋榎「なっ……!」 憩「はいはい、失礼」ズイッ 憩「みんな~お茶やで~」 恭子「ありがとうな~」 絹恵「ええな~お姉ちゃん」 洋榎「そやな~」 漫「仲ええな~」 由子「憧れちゃうのよ~」 49 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 01 58 58.15 ID DglQ+DhAO [1/18] 洋榎「ーー!」 セーラ「ーー!」 ギャァギャア 憩「美味しい?」 京太郎「はい、美味しいです」ズズッ 子供「……」ズズッ 春「……」ズズッ 京太郎「ふぅ……」 京太郎「むにゃむにゃ……」 春「……」ズズッ 京太郎「皆若いなぁ」 憩「そうやな」 春「……」ズズッ 京太郎「憩さんも」 憩「……」 春「……」ポリポリ 京太郎「なぁ……春さん……どれくらい呼んでくれたんだ?」 春「7人……」ポリポリ 50 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 02 20 33.64 ID DglQ+DhAO [2/18] 京太郎「えっと……お前はお母さんの所に戻りなさい」 子供「やだ……お母さん嫌い」 京太郎「こらっ……お母さんはお前の事を心配しているんだぞ?大事に思って叱ってくれるんだ」 子供「……うん」 京太郎「早く戻りなさい」 子供「分かった……またね」 タッタッタ 憩「あなたの娘さん拝見しましたよあなたにそっくりで洋榎ちゃんに立派な子供も産んで……幸せそうやね~」 京太郎「そうか……そうだったな」 京太郎「娘の名前……忘れてしまった」 京太郎「孫娘の名前も……」 春「教える……?」 京太郎「いや……大丈夫だ」 京太郎「どうせすぐに思い出す」 春「そう……だね」 憩「なぁ……どうして孫娘さんを遠ざけるん?」 京太郎「……」 春「洋榎にそっくりで怖いから……」ポリポリ 京太郎「うっ……」 憩「なんやそれ……」 京太郎「わかったよ……おーいおーい」 娘「なんやー?」ガラッ 娘「あ、春さんこんにちはー」 春「こんにちは」 京太郎「えっと……お前目赤いな」 娘「アホ……」グスッ 京太郎「孫呼んでくれ」 娘「はいはーい」ガラッ 52 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 02 51 12.92 ID DglQ+DhAO [3/18] 子供「はーい」ガララッ 京太郎「えっと……だな」 京太郎「悪い事はするな」 子供「うん」 京太郎「好きな人には迷惑をかけるな」 子供「……うん?」 京太郎「お母さんとお父さんの言う事は聞いて」 子供「うん」 京太郎「大好きだよ」 子供「ありがとう」 京太郎「ん……もういいぞ」 子供「またね」ガララッ ピシャッ 京太郎「“またね”……か」 春「いい響き……」 京太郎「子供は純粋だ……」 春「……」 京太郎「皆は返したのか?」 春「……うん」 憩「うちだけやなー」イェイッ 京太郎「どうして憩さんとだけは話せるのかな……?」 春「看取る人としては最適……」ポリポリ 京太郎「そうか……」 憩「軽い意思疎通しか出来んけどなー」 京太郎「……」 互いに年老いた……残っているのは皺くちゃの京太郎と春。 先程までは互いの瞳に若かりし頃の姿が映っていた。 もう……京太郎の時間切れは迫っていた。 53 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 03 08 46.80 ID DglQ+DhAO [4/18] 春「私は鹿児島に帰る……」 京太郎「そうか……」 春「新しい跡継ぎの整理をしないと」 京太郎「おう、またな」 京太郎「えっと……名前は……」 京太郎「いや……」 京太郎「いきなり来たと思ったら洋榎達を呼んでくれて……」 京太郎「ありがとう」 春「親友の頼みだから気にしないで」 春「……またね」ガララッ ピシャッ 京太郎「親友……?」 憩「さ、身体拭くよー」 京太郎「お、ありがとう」 54 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 03 22 32.68 ID DglQ+DhAO [5/18] 憩「じゃ、またなー」 京太郎「あれ……?」 京太郎「えっと……憩さんが俺を看取るんじゃ……」 憩「んーん」 憩「一人おるんやで、うちより適した人」 憩「またなー」 ドロンッ 京太郎「え……」 京太郎「一人で……逝くのか?」 京太郎「はぁ……」 京太郎「まぁ悔いは無いからいいか」 「アホ」 京太郎「!」 55 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 03 23 00.93 ID DglQ+DhAO [6/18] 洋榎「ーーうちがおるやろ?」 56 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 03 25 58.13 ID DglQ+DhAO [7/18] 京太郎「……」 目を疑う。 あの時、先に逝った。 自分を置いて行った最愛の人。 洋榎が目の前に居るのだから。 京太郎「憩さんと話す事出来るんだから……そりゃあそうだよな」 京太郎「春さん……過剰演出だよ」 洋榎「最初からおったわ……ったく」 洋榎「でも、恩に着るで……親友」ニッ --- 春「……」 春「お安い御用……」ポリポリ 57 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 03 32 31.27 ID DglQ+DhAO [8/18] 洋榎「先に逝ってしまって……すまんなぁ」 京太郎「まぁ……洋榎も歳だったからしょうがない」 洋榎「そうやな」 洋榎「最初はうちで」 洋榎「その次は京太郎」 京太郎「順当に来たな」 洋榎「ん」 京太郎「……」 洋榎「泣かないんか?」 京太郎「いや……泣くほど嬉しいけど涙も出ないんだ」 洋榎「お疲れさん……」 京太郎「これほど素晴らしい人生は無いよ……」 洋榎「そうやな」 京太郎「ーー」 / / ;ィ; ハ . / | i .\ ,' / ./// / i ./\ i .ハ .} \ { /{( { i i =ヤ斧示\! 厶斗イ ハ ____ i / / .八 ! 辷 り イ テ心i }i } / `丶 i /{ .Y⌒ \| { cり ノリ / さ さ お i | ( .\i (ソi | ` |< < ん ん .つ | . \ . \`,i ! r ´ i ト、 ヽ i. こ さ か ! ,' ,'ヘ\ .!. ー ′ 人 〉 } | ろ ん れ ! / / } | | ≧。 < i./ / .| り i / / ヽ| ! `≧‐''"´ | | / .| | ./ / / |/ `ヽ. |_ i | \ / , ' . / _ r''"´ \ ノハ | ! ` ー --- ‐. / >''"´ `ヽ ∧ハ \ i / / / \ /`Y YVi \ 京太郎「ありがとう……」 洋榎「おやすみ……京太郎」 京太郎「……」 58 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 03 39 17.94 ID DglQ+DhAO [9/18] 京太郎「お……」 洋榎「お、来たな」 京太郎「ん」 京太郎「孫はうまくやれるかな?」 洋榎「うちの孫やで?」 手を取り合ってきた。 洋榎「当然やろ?」 京太郎「そうだな」 途中、手はほどかれたけど。 京太郎「大好きだよ……」 洋榎「うちもやけど……」 また手を取り合って。 洋榎「甘いなぁ」チッチッチ 洋榎「なんたってうちは」 あの時の気持ちをもう一度。 京太郎「?」 だって時間はいくらでもあるのだから。 洋榎「初めて見た時から好きでした」 . , ' \ \ //. / / .|, ヽ ヽ . //' / /| .| |‘,|`、 ',⊥_. /// . . /|_||l |_l_lノ|', . .|__ `丶、 (/| l {八「TT、 ! |/__|ハ | | ̄¨'' \ //| | l∧'笊丐 \ 、「苅「》 人′ ノ 〉 ( _.|八\ハ 乂 リ ー┘l イ 、 \ ___彡 ´  ̄ ̄/ /| |', ' | | 〉 / \、| 込、 ,、 . イ | | _/', | | ` .,_. イ|イハ| | ',. | |___/r} ノ V / ', ∧| / /ーn彡 /へ、 ', | | {_/\八 ノ >、 ', | | /⌒i|「\\/ / ヽ `、 , / / ((__ノ八、_)) / '¬ |. / , `7/ |「 ̄ l | ∨. ヽi / { l | l \ | l V 〉. 八 ∨`、 _,, ィ | 〉 `冖¨ | / `、 `、. | / 〉 〉. / { / /. / 人 / / \ `/ / これからもーー カンッ 109 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 15 22 58.79 ID D5Nz3WExO [1/11] 純 20 智紀 85 一 93 透華 9 衣 68 睦月 25 佳織 91 智美 7 桃子 好感度MAX 依存度MAX ゆみ 85 今回は大会を終えた頃の休息期間を描いた鶴賀のお話です(三回目) 夏休みです。 通学路 京太郎「入学してから結構経ったなぁ」 京太郎「皆、本当凄かったなぁ」 まぁ、俺も負けないように頑張りますよっと。 京太郎「あ、あれは」 0~9 純 10~19 智紀 20~29 一 当たり 30~39 透華 40~49 衣 当たり 50~59睦月 60~69佳織 70~79智美 80~89 桃子 外れ 90~99 ゆみ 当たり 120 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 15 54 32.93 ID D5Nz3WExO [3/11] 衣 118 衣「むっ」 京太郎「あっ……」 京太郎「?」 小さな可愛らしい子供だ。 京太郎「お嬢さん、迷子かな?」 |./_イ>――‐- 、 ,. - 」k∠_ `ヽ. イ-‐¬''''¬‐ =ト、 \ / ´ \ \ / l | | ト、 \ \ \ \ / | ! | ∥ ! >,-‐+‐い \ \. / / ,' ! | _」ェt |\代≧、 ト、 .!l .\ \ f ,イ | ∨ |イ ト、|\! ヾゝケ弍廴 !l | \ ヽ______ |/ | | . .Vト、!弍'气 \ `l さ, !l ! ` ――――――― |' |仆. い从《 { さ 弋辷シ !l ヽ 从 ヾ|入 ミ, 弋ソ "¨ !l \ 入 \! ,,,, ´ "" /!l \ / ` / ヽ = ,イ || ト、 . / ! f > 、 __.. '´ | || ヽ ! \ | .|、 .! \ _,,!_, -‐" ̄」| \ ! .\ ヽ . . 辷」\ `zM<_ ,ィニニ‐ヽ \\ `''ニ二三三三 `" ¬';;;;;;;;;;;;;Y´;;;;;;;;;;;;;l彳´ ヾト、 \\ !;;;;;;;;;;;r‐!;;;;;;;;;;;;;;;;レ´ \\ \`―――――‐. /;;;;;;;;;ヽレ';;;;;;;;;;;;;,イ }  ̄`"¬ニ二二辷―― f;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;l ! ! `ミニニ |;;;;;;;;;;人;;;;;;;;;;;;;;;;! | ト、 \ 7¨¨´|;/`'―‐く / { \ 、 . /;;;;;;;;;;l.|;;;;;;;;;;;;;;;;〈 | \ \ 廴;;;;;;;;|.|;;;;;;;;;;;;;;;;; \ ノ \ \ 衣「今、お嬢さんと呼んだが?」 京太郎「? まぁそうだけど」 衣「称賛に値するぞ。因みに迷子ではない、馬鹿にするな軟派」 京太郎「あ、ごめん。名前は?」 衣「天江衣。龍門渕高校の二年生だ」 京太郎「……え?」 衣「そして……久方ぶりだ」 衣「悠久の時を経て、望みが叶うとは」 衣 好感度判定あんか 124 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 15 59 29.35 ID D5Nz3WExO [5/11] 衣 128 衣「まだ……あの時を思い出せないか?」 京太郎「……?」 衣「さぁ何処に行く?」 京太郎「え?遊ぶの!?」 衣「無論!」 衣「さぁ!」ウキウキ 京太郎「……」 やけに楽しそうだな。 / / / / ヽ ヽ / / / / /,イ | ! l ヽ ! ./,イ / / // l | .ハ | | | /// i i / ,' | | |',| Ⅵ i!| | | .〃 i i! ||― A.」 | | | i! ,斗―- ,リ| | | || | | !| ||! | | |\ハ | レく | / /! / i! |! W.!l !|ヘ l N {!ヘ N | /ル' リ .,イ! i! | ヘ从 i!i! ヘ! \ ! !/' / //'! i! ∧ 从z≠气x `\,z≠ミx 厶イ | | / ヾ=トゝ `/ | | / { ' / ! ! / 人 ヽ ノ ,/ | | / / > . . イ/,/ | | / / ̄ ̄\/ |\> --‐<彡 {」 || ! .八/ / Y´ ̄} >v<´ | || 「 ̄\\ 京太郎「んーそうだな」 京太郎「ーー」 1.レストラン 2.定食屋 3.自然が豊かな所( 1は全く長野分からないので分かる人が居たら教えてね☆) 安価下4 137 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 17 45 16.17 ID D5Nz3WExO [10/11] 133 135 ありがとうございます . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .(⌒ (⌒ヽ . . . , ' ⌒) . . . . . . . . . . . . (⌒ヽ ⌒ヽ. . . . . . . . . . . .. .. . . . . . . . . . . . . . . . . ( . . .)ヽ . . . . . . . . . . .( ( . .⌒⌒ ⌒ ⌒) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ( ⌒). . . . ); . . .⌒ . . ) . . . . . . . . . . ( (⌒ . . (⌒ ) . ⌒) . . . . . . . . . .. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .`ー' ー'⌒`ー' ヽ_ ノ. . . . . . . . . . . . . .`ー' `ー' . .`ー '. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ;;;;;ヾ);;;) ;;;;;ヾ);;;);;;;) ;(; 〃;;;|!;;;);;;;;;) _,,.-‐''" "'- 、 , -'"`'ー-、_ ;;;;;ヾ);;;)ヾ);;;;;) _,,.-‐''" ; ; ; ; "'- 、_,..-'''" ; ; ; ゙''ー-、,_ ;(; 〃;ヾ);;;) ;(; 〃;ヾ);;;)/;;;;;;;); (; ;;;;;;;);ヾ);;;) ;;;;;ヾ);|!;;) ;;;;;ヾ);;;);:、; ;" ;";`; ;" :、; ;" ;";`; ;" :、; ;" ;";`; ;" :、; ;" ;";`; ;" (;;;;;ヾ);;;));;;) ;(; 〃;ヾ;);;/;;;ヾ);;;);:、; ii" ;";ii`; ;":、; ;"ii ;";`; ;":、; ;" ;";`; ;"ii ;" ;";`; ;":、; ;" ;";`; ;":i、; i;"";`; ;" (; 〃;);;|!;;;ヾ);;;) ;;;;;;;;;;;;)|! ;;;;;ヾ);;;);,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;;;ヾ);;;);;;ヾ);;;);;;;;ヾ);;;;;ヾ);;;);;;;;ヾ);;;) - - ; ; ; ; ; ; ; ; ;- ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;-; ; ; ; ; ; ; - ; (;;ヾ);;;);ヽ)|!;);;/;;ヾ) ;;;;;ヾ);;;) - _ ; ; ; ; ; ; ; ; ; _ ; ; _ ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; _ ;;’ (;;;;;);;;;;ヾ);;;);;;;;ヾ);;; |ii| - _ - -_ |ii ,.(.;; 。; (.,⌒.;; ⌒.⌒) - - - ,(.;⌒(.; :、; (. ,.;⌒ (.;; :⌒ ,(..;; 。; ;; :(.、,.;; 。; ;; :、);,. ; `" "'" ̄'"" .. "'" ̄""'''""""'''"" "'" ̄'"" ..`"'';;,. ; `"`"'';; (. ,.;; 。;,.;; 。; (.;; :、;(.; ;; 京太郎「おお……着いたな」 衣「うん!」 京太郎「なぁ……どうして衣は早死したんだろう」 衣「……!」パアァ 衣「分からない、でも……衣は嬉しい。また会えて嬉しいぞ」 0~50 ハギヨシ 51~99 ステルスさん 140 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 17 55 16.88 ID D5Nz3WExO [11/11] / ヽ / | | , i ! ! ハ ! ! | / / /l/| /|!ヽ | | | / _ L / / イん心 | | | | | /ヽ / / ゞ゚|!' j! ! ! '; | イん心!/ '' |! | | | } 八| ! トゞ゚'' 、 |! /| | | | | ト!込 ''' 、_, ' |!イ | | | | | | ! ` ト--- イ|! | | | | | | | ! _/弋_ _斗´{ | / ! | 川 | !-―「 } | /!イl/__ V | ! / ハ / . .、 / | \ ―.、 ,' | !〈 { ヽハ- イ、' .! ./ l ! ヽ `ヽ 〉 ;. . ! .| _/ ! 〉 } / / /. . ', } \ { ;′ ∨ // \ /. . . . ', / O〉 '; ! } ;' ` -- ∨. . . . . .∨ ;イ 〉 | j ! ヽ. . ./ ´ / ! _,ノ‐-ミ '; ∨! / ′ `,イ ト-- -―…  ̄ / 桃子「……何やってるんすか?」 京太郎「げっ!!モモ!!」 桃子「私と言う物がありながら……許せないっす」 桃子「この……龍門渕の大将さん」ユラッ 京太郎「げっ!消えやがった!」 衣「???」 京太郎「逃げるぞ!」 ダキッ 衣「久しい感触だ!」ワーイ 0~40 ハギヨシ 41~99 ガシッ 142 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 18 05 15.48 ID DhingoohO ハギヨシ「……」ニコッ 桃子「あっ……」 ハギヨシ「お帰りください……」 桃子「あ……はい」 ハギヨシ「さて……京太郎君」 京太郎「すげえ……」 衣「ハギヨシなら当然っ!」 ハギヨシ「準備は出来ています。衣様を連れてお逃げください」 京太郎「え……え?」 0~50 衣を連れて長野市へ 51~99 龍門渕の追手 144 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 19 56 58.43 ID sX0iXa0GO [1/25] 京太郎「うーん」 衣「……」 衣「恐らく衣を嫌う人間だろう」 京太郎「……」 衣「産まれてはいけないって……」 京太郎「……」 京太郎「産まれちゃいけない人間なんて居ない」 衣「……」 京太郎「だろ?」 衣「うん」 0~60 県外へ 61~99 龍門渕の追手 147 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 20 16 30.95 ID sX0iXa0GO [2/25] 追手「居たぞ!!」 京太郎「っ!」 京太郎「衣……掴まってろよ!」 衣「うむ!」ガシッ 京太郎「くそっ……!」ダダダ 0~50 逃げって県外へ 51~99 追手増える 149 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 20 21 15.06 ID sX0iXa0GO [3/25] 京太郎「……!」 衣「京太郎……?」 京太郎「どうするか」 衣「衣を置いて……」 京太郎「嫌だ!」 衣「京太郎……」 京太郎「行くぞ……」 0~40 逃げ切って他県へ 41~99 ガシッ 163 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 21 01 38.74 ID sX0iXa0GO [6/25] 煌「おや、こんな所でどうしましたか?」 京太郎「ちょっと泊まるところを探してて……」 煌「なら、私の家へどうぞ」 衣「いいのか!?」 煌「ええ、勿論です」ニコッ 京太郎「ありがとうございます!」 0~60 長野へ 61~99 追手 165 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 21 04 47.91 ID sX0iXa0GO [7/25] 京太郎「煌さんには助けられたな」 衣「うむ」 京太郎「よし、長野に戻るぞ」 衣「私もお祖父様と話をしたかった所だ」 京太郎「よし、行くか」 0~70 龍門渕へ 71~99 追手 167 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 21 13 49.99 ID sX0iXa0GO [8/25] 「ほお……わざわざ厄子を連れて来たか」 「この家に居るだけならいいが……」 「何度も男に外へ連れ出されたらたまらん」 「つがいは必要ない」 「さぁ、渡せ」 京太郎「へっ……やだね」 ハギヨシ「……」 京太郎「衣は俺と生きる。ならその呪いやら全部を俺にかけてもいいぜ?」 「馬鹿か……一人で押さえ切れるものでは」 ハギヨシ「いえ、彼に賭けましょう」 「萩原……!」 京太郎「ハギヨシさん……!」 衣「どうしてだ京太郎……どうして私の為にそこまで」 京太郎「龍門渕の汚れ……全部俺が背負うって決めたからな」 京太郎「お前の為に」 168 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 21 15 11.94 ID sX0iXa0GO [9/25] 0~70 ハッピーエンド 71~99 駄目 安価下9 多数決 181 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 21 25 02.42 ID sX0iXa0GO [11/25] 一編 エピローグ 真の愛 ハギヨシ「ゴフッ……役目は果たせました」 ハギヨシ「衣様も……一も……良かった」 ハギヨシの手から落ちる写真。 一と若き日のハギヨシが写っていた。 一「え……お父さん?」 一「お父さん……だったの?」ポロポロ ハギヨシ「一……」 ハギヨシ「今まで言い出せなくてすまない」 ハギヨシ「京太郎君に迷惑をかけないで……」 京太郎「ハギヨシさん……」 ハギヨシ「京太郎君……娘をお願いします」 ハギヨシ「今度のあなたは……誰よりも長く……娘と過ごすことになるのだから……」 183 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[saga] 投稿日:2014/07/06(日) 21 27 03.79 ID sX0iXa0GO [12/25] 数年後 一「お父さん……死んじゃった」 京太郎「……」ギュッ 京太郎「これからはずっと一緒だ」 一「うん……よろしくね」 一「あなた」 京太郎「おう」 これからは、俺が護る。 ずっとずっとーー カンッ 184 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 21 28 23.45 ID sX0iXa0GO [13/25] HAPPYENDING 185 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 21 29 51.73 ID sX0iXa0GO [14/25] ーーepilogue その身が朽ち果てようとも 187 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 21 45 58.85 ID sX0iXa0GO [15/25] 京太郎「……」 衣「なんとも無いな」 衣「やはり天は衣に味方していたみたいだ」 京太郎「そうだな」 衣「天晴れ!」 ハギヨシ「……」ニコッ 京太郎「あ、ハギヨシさん」 ハギヨシ「私はお暇を頂ました」 ハギヨシ「それでは」 衣「行ってしまうのか?」 ハギヨシ「ええ、絶対に止めないでください」 衣「並々ならぬ覚悟を感じる……分かった」 京太郎「ハギヨシさん……ありがとう」 ハギヨシ「……」ニコッ 188 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 21 50 06.11 ID sX0iXa0GO [16/25] 季節は冬。 ハギヨシ「京太郎君……もう手は貸せそうにありません」 雪が降り積もる長野。 ハギヨシ「娘と仕える家と衣様……」 ハギヨシ「私が呪いを受けた事で守る事が出来て良かった……」 当てもなく歩く。 その足取りは不確かで、今にも崩れ落ちそうであった。 ハギヨシ「ああーー」 走馬灯のように映る衣と一と京太郎の笑顔。 娘を見守って行きたかったがーー ハギヨシ「悔いは無い」 ドサッ 安らかな笑顔で男は役目を終えた。 カンッ 195 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 22 08 58.02 ID sX0iXa0GO [20/25] 意識が混濁としている。 酷い夢を見ているようだ。 何回も何回も酷い目にーー 咲……? 京太郎「はっっ……!」ガバッ 京太郎「夢か……」 京太郎「嫌な夢を見てしまった」 京太郎「そんな事よりも今日は入学式だ!」 京太郎「楽しみだな」 可愛い女の子と……うへへ。 次に行く高校は? 0~30 白糸台 31~60 臨海 61~99 清澄 安価下8 多数決 206 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 22 16 03.32 ID sX0iXa0GO [21/25] 臨海と清澄で決勝安価 0~50 臨海 51~99 清澄 安価下5 多数決 213 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 22 22 26.55 ID sX0iXa0GO [22/25] 咲さんといかに遭遇しないようにするか、ですね 判定 安価下3 智葉 安価下5 ハオ 安価下7 明華 安価下9 ダヴァン 安価下11 ネリー 226 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 22 38 32.47 ID sX0iXa0GO [23/25] それでは最後のルート始まります 智葉 61 ハオ 89 明華 47 ダヴァン 72 ネリー 38 --- 特別プロローグ ーー逃げろ。 逃げて、逃げて、逃げてきた。 だが…… それも通用しない。 どうしたらいい? どうしたら最愛の人をーー どうしたらあいつからーー 救えるのだろう。 京太郎「うわっ!」ガバッ チュンチュン 驚く程に朝。 京太郎「やべっ!臨海の入学式だ!」 ドタドタ 母「もうっ……」 0~20 智葉 21~40 ハオ 41~60 明華 61~80 ダヴァン 81~99 ネリー 228 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 22 43 34.38 ID sX0iXa0GO [24/25] ハオ「おはようございます」 京太郎「あ、ハオさん」 ハオ「行こう、学校」 京太郎「はい!」 ハオ 高感度上昇安価 0~30 小 31~60 中 61~99 大 230 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 22 48 36.16 ID sX0iXa0GO [25/25] ハオ 109 ハオ「体験入部してくれたけど……」 ハオ「入部してくれるの?」 京太郎「はい!勿論です!」 ハオ「なら良かった」クスッ 京太郎「へへっ」デレデレ --- 放課後 京太郎「よし……」 京太郎「たのもー!」 ガララッ 智葉「お、来てくれたな。期待している」 京太郎「はい!」 智葉「まずはレギュラーの紹介からだな」 京太郎「よろしくお願いします!」 智葉 好感度上昇 0~30 小 31~60 中 61~99 大 235 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/07(月) 09 00 55.66 ID EtKiL+vnO 智葉71 明華「あら、本当に入部を」 京太郎「はい!頑張ります!」 明華「入部してくれるのは嬉しいけど……」 明華「この部活……」 京太郎「いえ!大丈夫です!競争を勝ち抜いてみせます!」 明華「男子一人も居ませんよ?」 明華「京太郎君を除いて」 京太郎「えっ……?」 明華 好感度上昇 0~30 小 31~60 中 61~99 大 237 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/07(月) 12 45 23.19 ID 4xdCKSKWO [1/2] 明華 77 ダヴァン「ハハハ!」 ダヴァン「ダイジョウブですよ!」 ダヴァン「きっとさらに部員はやって来マス!」 京太郎「……」 京太郎「智葉さん……」 智葉「……」ビクッ 京太郎「まだ……様子見で」 智葉「ま、まぁ……それでも大丈夫だ」 ダヴァン「頑張れば大丈夫でスヨ!」 京太郎「何を頑張れって言うんだ」 ダヴァン 好感度上昇 0~30 小 31~60 中 61~99 大 239 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/07(月) 12 56 55.64 ID 4xdCKSKWO [2/2] ダヴァン 92 ネリー「あーあの時の」 京太郎「ようっ!」 ネリー「むー本当に入るんだー」 京太郎「それに関しては考慮させていただきます」 ネリー「あ、知ってるんだ」 京太郎「どうしてあの時教えてくれなかった……」 ネリー「私も知ったのは今日だよ……」 京太郎「」 ネリー 好感度上昇安価 0~30 小 31~60 中 61~99 大 242 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/07(月) 17 53 35.48 ID GqxPqtFdO ネリー 88 行動フェイズ 夕方 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.バイト 7.TwitterとFacebookに登録 8.自由安価 安価下4 247 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 00 22 16.33 ID TR42E7l1O [1/7] 京太郎「街をうろうろするかな」 --- 京太郎「おお、流石大都会」 アスファルト照らす歩道の上、何処に行こうか悩む。 京太郎「ん?」 ふと後ろを見るとーー 0~50 照 51~99 照以外の東京在住であろう好きなキャラを 256 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 00 53 08.20 ID TR42E7l1O [3/7] 尭深「……」ペラッ 京太郎「……」 本を読みながら歩いている端正な顔立ちをした白糸台の制服を着た女性。 足取りがおぼつかなく、正直かなり危なっかしい。 チリンチリンッ 京太郎「危ないっ!」 グイッ キキキィー 京太郎「危なかった……」 尭深「ありがとう……」 腕を引っ張って自分の元へ引き寄せ、難なく助ける事が出来た。 無事で何よりだ。 尭深 好感度判定 安価下 260 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 01 13 45.89 ID TR42E7l1O [5/7] 尭深 87 ネリー 88 行動フェイズ 夜 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.TwitterとFacebookに登録 7.自由安価 安価下4 294 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 21 03 27.76 ID m3tOFKXXO [7/18] 照「ん……どうしたの?」 京太郎「出るの早いですね」 照「なんとなく予想できた」 京太郎「それは良かった……」 どんな話題を振る? 自由安価 安価下3 298 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 21 19 47.55 ID m3tOFKXXO [8/18] 京太郎「今から会えませんか?」 照「……」 果たしてそれは許されるのか。 またーーあの時と同じ事を繰り返してしまうのか。 3回目は懲り懲り。 きっと今回も私は一人で生きて行くのだろう。 それで、皆幸せ…… 全て思い出した。 過去の自分はとても滑稽と言う事だけが理解できた。 照「それなのに……どうしてやり直すのかな……私」ボソッ 京太郎「照さん?」 照「ごめんね……家遠いし夜も遅いから」 京太郎「あ、分かりました。おやすみなさい」 照「うん、おやすみ」 プツッ 照「……馬鹿だ」プルプル 299 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 21 20 20.31 ID m3tOFKXXO [9/18] 夜 京太郎の部屋 京太郎「よーっし電話するか」 安価下5 前週キャラあり 自由安価 305 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 21 25 05.67 ID m3tOFKXXO [10/18] prrrr 照「……」 prrrrr 照「京太郎……」 prrr 照「ごめんね……」 照「私はそこまで強くない」 照「うん……」 一日が終わりました 307 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 21 26 03.00 ID m3tOFKXXO [11/18] 朝 行動フェイズ 1.登校 2.引きこもる 3.サボる 4.自由安価 安価下3 311 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 21 33 16.48 ID m3tOFKXXO [12/18] どんだけてるてる愛されてるんじゃあ…… 京太郎「照さんに会いに行くぞ……!」 京太郎「よし決めた!」 京太郎「咲の事とか聞きたいんだよ!」 京太郎「……あいつ泣いてた」ボソッ 0~50 白糸台到着 あわあわと会う 51~99 白糸台到着 あわあわとてるてる以外の白糸台生徒と会う 316 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 22 23 55.24 ID m3tOFKXXO [13/18] 京太郎「!」ピキーンッ 頭が……熱い! 頭が熱い…… --- 京太郎「照……出来ることなら……お前とこれからもずっと……」 ポタッ 照「うん……分かった。叶える」 京太郎「ありがとうーー」ガクッ ポタッ --- 京太郎「ああーー綺麗だ」 京太郎「ーー綺麗だよ」 照「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」 --- 京太郎「はぁ……はぁ……!」 京太郎「あ……」 / .. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .\ / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ヽ . ' . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .゚。 . ' . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ゚。 . ' . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ./ . . . . . . / . . . . i . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .゚ . ' . . . . . . . .. . . . . . . . . . . . . . . . . . . ' . . / . . . . . / . . . . . i . ,| i . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ゚ . ' . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ' . . .′ . . . /i . . . . ,|ノ | ト、 . i . . . . . . . . . . . . . . . . ゚ / . . . . . . . . i . . . . . . . . . . . . . . . .. ' . . | . . . . . ' | . . . / | | | ヽ . . ト、_ . . . . i . . . . . . . . . ゚ ./ . . . . . . | . . . . . . . . . . . . . . ' . . | . . . . ' | . . . | | |_」 -| . .Τ 丶 i | . . . . . . . . ハ / . . . . . /| . . . . . . . . . . . . . ' . . . | . . . . ' | . . . | |/| ,′ | . ./ Ⅵ | . . . . i . . . ./∧ ./ . . . . 'フ . | . . . . . . . . . . . . i. . . . | . . . . ' | . . . .i '| |' . . 」ィ芹丐 Ⅵ| . . ∧ . // . .i / . . . '´ / . ∧ . . . . . . . . . . . . |. . . ∧ .;. ′ | . . / |' . .x豕刋 芍⌒マⅥ . ∧ V .'i . . | ./ . . '´ ' . . / ∧ . . . . . . . . . /|. . . ' V ;| | . / . . . ,狄i[_ o -i| . . }! | / i i . | . ′ / . '´ .i . /i/ ∧ . . . . . . . / | . . . .' ∨| | / . . . . . .汽,. 、汐 . . リ .|イ / / . . | . ′./'´ .| . / .| / ∧ . . . . . . i′ | . . .;' V| |' . . . . . . . .`¨¨´ ' ' / |_/ / . . . |/ .| / | ./ ∧ .. . . . . | | . / ゙| . . . , '´ .| / . ∧| .|' .| / ./ .∧ . . . . | | / . .; ´ |イ . . ./ .| .| | / . / ∧ . . . . Ⅳ |' -‐--- '´ ' /i/ .| / . / /i . \ . . .| iム / 、 イ /| .| . ./ / .| . . . .\ .从_ムー---‐ ´ .イ '! / .| / ./ .| . . . . 厂 ´ト、. ヽ _.. / / |′ .|' ./ | . . . ∧ . /| . `¨¨へ '´ ./ iル′ .|/' | / ∨ !、 . / |>o。_ / .!-ー-- .._ {. | ./ ∨{. Y/ | . . . ./i . ¨7 T¨¨¨¨¨¨´ ^ー 、 ` ̄--- 1.てる編第二章エピローグ 2.本編続行 安価下7 324 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 23 11 51.27 ID m3tOFKXXO [14/18] 健夜「……邪魔された邪魔された邪魔された邪魔された邪魔された邪魔された邪魔された邪魔」ブツブツ 咲「えっと……健夜さん?」 健夜「何……?」ジロッ 咲「協力……しましょうか?」 健夜「……?」 咲「……」ニコッ 326 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 23 20 13.30 ID m3tOFKXXO [15/18] 京太郎「照っ!」 照「京太郎……」 全国大会の会場、二人は再び再開を果たした。 京太郎「元気か!?」 照「うん……」 京太郎「久しぶりにデートしないか?」 照「それがいい、私もそのつもりだった」 京太郎「よしっ!行くぜ!」 / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . `丶 / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .\ / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ヽ / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ./ . . . . . . . . . . . . . . . . . / . . . . . . . / . . . . . . . . . ,イ } . . . . . . . . . . . . . . . . ′ i . . ./| . . ./{ハ ./ | . /\ . ./ハ . . | . . . . .i i . . . . | . / l . ./ ∨ レ' ∨ }Ⅵ . . . . .| | . |. . . .Ⅳ V | . . . . .| | . |. . . .| ___,. 、____ | . . . . .| | . |. . . .| ´ ` | . . . . .| | . |. . . .| ,斗ぅ芋ミ 斗ぅ芋ミ | . . . . .| | . |. . . .| {. 乂辷ソ 乂辷ソ .} | . . . . .| | . |. . . .|ハ ハ| . . . . .| | . |. . . .lヽ{ ' }ノ| . . . . .| | . |. . . .| .人 __ 人 | . . .| | | . |. . . .l | . | ...  ̄ ̄ イ l . | . . .| | |八 . . .ト、| . | . .r‐}` ー--‐ {‐ァ | .| | . . .| | \l _ |-‐'{厂 ア}ー- . _ | . 八| _ ,. < | | ノ/=ー-、 〈 | | 〉 ∧ ヽ / ∧ 健夜「……」 327 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 23 23 31.35 ID m3tOFKXXO [16/18] 京太郎「楽しいか?」 照「うん。とっても楽しいよ」 京太郎「それは良かった!」 久しぶりの再会。 出会い。 奇跡的な運命。 もう邪魔する人間は居ない……そう思っていたのに…… サクッ 京太郎「えーー?」 照「あ……」ゴフッ 京太郎「ちょっ……」 330 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 23 28 57.08 ID m3tOFKXXO [17/18] ドサッ 照「あ……あ……」 健夜「いい所に刺しちゃった」 醜く口角が上がる。 健夜「これで京太郎君は私の物だね」ニヤリッ 照「あっ……あっ」ピクピク 照「京太郎……京太郎……」ポロポロ 咲「久しぶりだね」スッ 照「咲……あぁそうか」 照「思い出したーー」 ガクッ 京太郎「咲……小鍛冶健夜……!」ギリギリ 京太郎「うわぁぁぁぁ!!!」ダッ その後どうなったのかは覚えたいない。 ただ確実に俺は人として死んだ。 それだけしか分からない。 332 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 23 31 13.21 ID m3tOFKXXO [18/18] 本編再会 京太郎「あ……」フラッ ドサッ 淡「んー?」 淡「どうしてこんな所に人が?」 淡「テルー!テルー!」 淡「人が倒れてるよー!」 照「……!」 照「京……太郎」 淡「え?ねぇねぇ?知り合い?」 333 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 00 11 27.71 ID Lb8sBZhrO [1/13] 京太郎「ん……ここは」 病院? 京太郎「はぁ……倒れちまったか」 照「良かった……怪我は無い?」ウルウル 京太郎「照……」 照「っ!」 照「思い……出した?」 京太郎「おう、バッチリ」 照「ーー」 0~50 「そう……帰るね」 51~99 「本当……?」 336 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 00 24 48.02 ID Lb8sBZhrO [2/13] 照「本当……」 京太郎「ああ」 照「もし本当なら私と関わらない方が良い」 京太郎「どうしてさ」 照「本当に分かってる?」 京太郎「健夜さんと咲に襲われるかもなぁ」 照「っ!」 京太郎「でもな……俺はお前が好きなんだ」 照「……」 照「帰る……またね」ガチャッ 京太郎「照……」 337 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 00 25 38.15 ID Lb8sBZhrO [3/13] 行動フェイズ 夜 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.TwitterとFacebookに登録 7.自由安価 安価下4 342 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 00 33 34.84 ID Lb8sBZhrO [4/13] 京太郎「メールしようかな」 自由安価 前週キャラあり 安価下4 347 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 00 36 58.57 ID Lb8sBZhrO [5/13] 京太郎「……」 --- 次こそはうまくやりたい。 考えさせて。 どうしてさ。 とても難しいから --- 京太郎「難しいか……」 京太郎「助けたい……」 京太郎「今度こそ……」 348 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 00 37 38.26 ID Lb8sBZhrO [6/13] 夜 京太郎の部屋 京太郎「ん?電話……」 安価下5 前週キャラなし 自由安価 355 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[saga] 投稿日:2014/07/09(水) 01 29 04.21 ID Lb8sBZhrO [7/13] 京太郎「もしもし」 照「もしもし」 京太郎「照、どうした?」 照「もう……別れよう?」 京太郎「そっか……そうだよな」 照「きっとまた、苦しい思いをする」 苦しい思いをするのは自分だけで十分…… きっとそう、これからも。 京太郎にはもう辛い思いをさせたくはないのだ。 全国大会になったら私は殺されるかもしれない……だけど。 一人で死ぬ事に意味がある。 京太郎「なにかあったら電話しろよ……」 照「うん。またね」 プツッ 京太郎「照……」 一日が終わりました 356 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 01 31 18.60 ID Lb8sBZhrO [8/13] これからは登場人物選択に照を選ぶ事が全国大会の日まで出来ません(すぐ全国大会になります) それまで周りのキャラの好感度をあげるなり人脈を広めるなりしましょう。 朝 行動フェイズ 1.登校 2.引きこもる 3.サボる 4.自由安価 安価下3 363 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 01 48 44.64 ID Lb8sBZhrO [9/13] 361 Yes 京太郎「よし、学校行くか!」 京太郎「照なんか忘れて……!」 京太郎「照なんか……」 0~20 智葉 21~40 ハオ 41~60 明華 61~80 ダヴァン 81~99 ネリー 366 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 02 02 06.95 ID Lb8sBZhrO [10/13] 明華「こんにちは」ニコッ 明華「昨日はおやすみしていましたけど……大丈夫ですか?」 京太郎「あ、勿論大丈夫ですよ!」 京太郎「大丈夫……」 明華「明らかに落ち込んでいらっしゃいますね……」 京太郎「うぅ……」 明華「……」サワッ 彼女の手が俺の頬に触れる。 明華「今度……一緒に唄いませんか?」 京太郎「唄ったら気分が晴れるから……とか?」 明華「Oui!」 好感度上昇安価 0~30 小 31~60 中 61~99 大 368 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 02 14 41.00 ID Lb8sBZhrO [11/13] 明華 107 キンコーンカーンコーン 京太郎「よし、放課後はどうしようかな」 1.麻雀部に顔を出す 2.デートをする 3.奉仕活動に勤しむ 4.まだしばらく教室で時間を潰す 安価下3 372 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 02 46 25.72 ID Lb8sBZhrO [12/13] 京太郎「ちょっと……時間潰すか」 智葉「ん?」 智葉「どうした」 京太郎「すこし暇潰しを」 智葉「そうか……」 智葉は思案する。 二度三度京太郎を見てから思い立った事を口にする。 智葉「なぁ……麻雀部は嫌か?」 京太郎「いえ……これからもよろしくお願いします」 智葉「という事は……!」 京太郎「はい、正式に入部します」 智葉「それは嬉しい限りだ」 レギュラー全員の希望が叶った。 京太郎「……メガネ外してると可愛いですね」 智葉「……っ!」カァァァ 威力の強い不意打ち、だったそうな。 0~30 小 31~60 中 61~99 大 375 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 02 50 44.25 ID Lb8sBZhrO [13/13] ゾロ目ボーナス!! 智葉 121 行動フェイズ 夕方 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.TwitterとFacebookに登録 7.自由安価 安価下4 382 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 09 38 33.03 ID j/BmDiVYO 自分の行動が知られるようになりました。 京太郎「よーし、TwitterとFacebookに登録だ!」 --- 京太郎「よし……登録出来たっと」 ピロロン 京太郎「ん?」 京太郎「……メッセージだ、誰だろう?」 安価下3 自由安価 健夜と咲と照以外 ここでの接触は強制前週キャラはありません 386 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 10 46 56.56 ID 1JHCYstNO [1/2] ビッグスター あなた、うちの学校の前で倒れてたよね きょーたろー え?なんで知ってるんですか? ビッグスター だって私が第一発見者でテルーに報告したんだから きょーたろー ありがとうございます ビッグスター じゃあ今度お菓子でもおごってよ きょーたろー お安い御用です! ビッグスター じゃあ今度私の学校来てねー ビッグスター 顔は私が覚えてるからだいじょーぶ! 京太郎「照さんの事……知ってるし悪い人ではないだろう……多分」 387 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 10 47 42.08 ID 1JHCYstNO [2/2] 行動フェイズ 夜 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.TwitterとFacebookに登録 7.自由安価 安価下4 394 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 12 05 46.22 ID Lx3yXQmKO [1/3] ヤンデレにならなきゃあ良いんですよ!ヤンデレにならなきゃあ! 京太郎「雀荘行くか」 0~20 すこやん 21~40 うたたん 41~60 のよりん 61~80 はやりん 81~99 かいのん 396 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 12 29 38.32 ID Lx3yXQmKO [2/3] 良子「さぁ……打ちますか」 京太郎「あなた……プロの」 一度会った事あったな。 良子「ふむ……酷い物が憑いてますね」 京太郎「へぇ……」 良子「これは怖い怖い」 良子「祓ってあげましょうか?」ニコッ 京太郎「……」 良子「……」 良子 好感度判定 安価下 405 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 23 46 37.21 ID T3vhuWAfO 良子 好感度max 依存度max 顔が酷く歪んでいた……気がする。 良子「そうだ。私の家に行きましょう」 良子「私の家なら“道具”も揃っている。きっと祓えますよ」ニコニコ 京太郎「“戒能”プロの家かぁ……」 きっと高級マンションの最上階とかなんだろうなぁ…… 良子「……」ピクッ 良子「善は急げですよ?」 良子「今こうしている間にも……」 真剣な眼差しで見つめる。手をしっかりと握って…… 0~90 「分かりました。お願いします」 91~99 (あれ……俺の知っている戒能プロと口調が違う?) 410 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 00 38 16.18 ID cayVmblrO [1/18] ??? 依存度2/10 エピローグ キュルキュル 京太郎「ここが戒能さんの家かぁ……」 高層マンションの最上階。 窓ガラスは綺麗な夜景、笑顔の京太郎と……良子を映していた。 良子「いつもこの景色は独り占めしてきましたが……」 キュルキュル 良子「さ、早く祓いますよ」 京太郎「お願いします」 良子「目……瞑ってください。」 京太郎「はい」 シュルシュル キュッ 良子「はい」 京太郎「目隠し……ですか?」 良子「はい、簡易的な物ですが」 良子「……」ブツブツ 京太郎「……」 良子はお経のような……独特な言葉を小さな声で読んでいく。 そしてーー 411 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 00 38 44.15 ID cayVmblrO [2/18] キュルキュル 照「京太郎……」 キュルキュル 412 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 00 42 21.59 ID cayVmblrO [3/18] 京太郎「照っ!!」 照「大好きだよ……」 京太郎「照っ!」ダキッ ギュウウウウ 照「あ……激しい」 キュルキュル 照「来て……私……初めてだよ」 キュルキュル ドロォッ 京太郎「っ!」 京太郎「照っ!」 視界が歪む、照が崩れる、何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度もーー 照「イエス……グッドですね」 414 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 00 45 52.05 ID cayVmblrO [4/18] 京太郎「うわぁぁぁっ!」 良子「大丈夫……ですか?」 キュルキュル 良子「ひどいドリームにうなされていましたが」 京太郎「俺……戒能プロにお祓いしてもらって」 良子「お祓いは成功……ですよ?」 京太郎「ああ、それなら良かった」 良子「……」ニコッ 京太郎「照」 良子「そうですよ、京太郎」 カンッ 417 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 00 47 49.54 ID cayVmblrO [5/18] 淡とのFacebookTwitter安価は記録されています。 朝から再開 キュルキュル 朝 行動フェイズ 1.登校 2.引きこもる 3.サボる 4.自由安価 安価下3 421 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 00 52 16.58 ID cayVmblrO [6/18] 京太郎「よし、学校行くか」 0~20 智葉 21~40 ハオ 41~60 明華 61~80 ダヴァン 81~99 ネリー 423 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 01 09 05.48 ID cayVmblrO [7/18] ハオ「おはようございます」 京太郎「おはようございます」 ハオ「麻雀、上手になりましたね」 京太郎「そうですか?」 ハオ「ええ、とっても」 京太郎「へへっ……ハオさんに言ってもらえると嬉しいなぁ」 ハオ「私はまだ全然ですよ」 ハオ「そうだ」 鞄を後ろ手に持って踵を返し京太郎に視線を向ける。 ハオ「下手な者同士、今度二人で勉強しましょう♪」 京太郎「はい!勿論です!」 0~30 小 31~60 中 61~99 大 425 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 01 10 48.36 ID cayVmblrO [8/18] ハオ 139 キンコーンカーンコーン 京太郎「よし、放課後はどうしようかな」 1.麻雀部に顔を出す 2.デートをする 3.奉仕活動に勤しむ 4.まだしばらく教室で時間を潰す 安価下3 429 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 01 18 05.62 ID cayVmblrO [9/18] 京太郎「失礼しまーっす」 0~20 智葉 21~40 ハオ 41~60 明華 61~80 ダヴァン 81~99 ネリー 431 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 01 22 50.23 ID cayVmblrO [10/18] ダヴァン「oh!ブラザー!」hahaha 京太郎「ダヴァンさん!」 ダヴァン「教えますネー!」 京太郎「はい!お願いします!」 ダヴァン「……」ニコッ 0~30 小 31~60 中 61~99 大 434 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 01 25 50.55 ID cayVmblrO [11/18] ダヴァン 102 行動フェイズ 夕方 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.TwitterとFacebookに登録 7.自由安価 安価下4 439 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 01 32 46.65 ID cayVmblrO [12/18] 京太郎「メールしようかな」 自由安価 前週キャラあり 安価下4 447 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 01 45 30.97 ID cayVmblrO [14/18] あれー?私のアドレス知ってた? まあな いつ教えたっけ? 内緒だ ふーん 今度白糸台に行っていいか? すぐに全国大会だよ? わすれてたぜ また……テルーに会えるよ、うん 448 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 01 46 22.53 ID cayVmblrO [15/18] 行動フェイズ 夜 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.TwitterとFacebookに登録 7.自由安価 安価下4 453 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 02 01 30.21 ID cayVmblrO [16/18] 京太郎「街をウロウロするか」 0~50 あらふぉー 51~99 お好きなプロ 456 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 02 07 28.94 ID cayVmblrO [17/18] 健夜「ああ……」 京太郎「っっ!」ビクッ 健夜「お久しぶりだね、京太郎君」ニコォ 京太郎「お久しぶりですね健夜さん」ギリッ 健夜「うん、大丈夫、怖くないよ」 京太郎「そんな野良猫を呼ぶような事しなくても大丈夫ですよ」 健夜「はぁ……私の物になって欲しいのに」 京太郎「最初はこんな人じゃなかったのに……」 健夜「君の所為だよ、全部」 京太郎「……今日は見逃しもらえますか?」 健夜「……うん」 457 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 02 08 30.52 ID cayVmblrO [18/18] 夜 京太郎の部屋 prrr 京太郎「ん?電話か」 安価下2 自由安価 前週キャラ無し 461 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 17 33 49.32 ID 8Fle5fhXO [1/2] 117 明華「あ、もしもし」 京太郎「はい」 明華「一緒に唄うにしてもどこにしますか?」 京太郎「あー」 そうだったな、そんな約束していたな。 京太郎「カラオケとか?」 明華「?」 京太郎「分からないですか?」 明華「カラオケ……」 明華「楽しみにしてますねっ!」 プツッ 京太郎「うーむ……嫌な予感が……」 一日が終わりました 462 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 17 34 23.93 ID 8Fle5fhXO [2/2] 朝 行動フェイズ 1.登校 2.引きこもる 3.サボる 4.自由安価 安価下3 466 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/11(金) 00 19 16.97 ID mSAh+wpHO [1/3] 京太郎「よし、学校行くか」 0~20 智葉 21~40 ハオ 41~60 明華 61~80 ダヴァン 81~99 ネリー 468 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/11(金) 00 37 39.82 ID Ht2BuppNO [1/4] ネリー「おはよ」 京太郎「おう、おはよう」 ネリー「最近元気ないよ?」 京太郎「そう見えちゃう?」 ネリー「うん、ネリー的にもそう見えちゃう」 ネリー「皆心配してるよ」 京太郎「そうか……ありがとな」 ネリー「べ、別に……たまたまなんだからね」 0~30 小 31~60 中 61~99 大 470 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/11(金) 00 41 12.08 ID Ht2BuppNO [2/4] ネリー 98 キンコーンカーンコーン 京太郎「よし、放課後はどうしようかな」 1.麻雀部に顔を出す 2.デートをする 3.奉仕活動に勤しむ 4.まだしばらく教室で時間を潰す 安価下3 474 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/11(金) 01 25 39.54 ID Ht2BuppNO [3/4] 京太郎「……ゴミ拾いするか」 健全な行いをしてこそ健全な人間になれるってもんだ。 --- 京太郎「お、ここにも」ヒョイッ 智葉「感心だな」 京太郎「あ、智葉さん」 智葉「どうだ?ゴミ拾いの方は」 京太郎「中々集まりましたよ、ほら」 智葉「……」 ゴミ袋と俺を一瞥する。 智葉「よくやったじゃないか」 智葉「よし……これから麻雀を教えてやろうじゃあないか」 京太郎「お手柔らかにお願いします」アハハ 0~30 小 31~60 中 61~99 大 476 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/11(金) 01 28 48.87 ID Ht2BuppNO [4/4] 智葉「……」ジュルリ --- 智葉 151 行動フェイズ 夕方 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.TwitterとFacebookに登録 7.自由安価 安価下2 480 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/11(金) 15 59 23.68 ID mSAh+wpHO [2/3] 京太郎「街をうろうろするか」 0~50 良子 51~99 お好きなプロ 482 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/11(金) 16 09 08.65 ID mSAh+wpHO [3/3] 咏「おっ君は……須賀京太郎……君だったかな?」 京太郎「三尋木咏プロがどうして俺の名前を?」 --- ファミレス 咏「とある人から君の事をよくきいてたんだよ、しらねーけど」 京太郎「あ、そうだったんですか」 咏「で、見かけたらすぐ連絡を寄越せって」 京太郎「……!」ジリッ 咏「まぁ面倒だしそんな事しないよ、わっかんねーけど」 京太郎「……」ホッ うたたん 好感度判定 安価下 487 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/12(土) 00 16 14.59 ID MtPd7yv3O [1/11] うたたん 72 行動フェイズ 夜 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.TwitterとFacebookに登録 7.自由安価 安価下4 497 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/12(土) 00 48 58.79 ID MtPd7yv3O [4/11] 京太郎「こんな人……居たっけ?」 --- あのー へえ え?誰ですか? ううん、気にしないで ? 大丈夫 よく意味が分からないんですけど…… よろしくね --- 穏乃好感度上昇安価 安価下 0~30 31~60 61~99
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http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1379321075/ 10・ 京太郎「さあ、一回戦だ!」 先鋒、八坂。次鋒、友人。終了。 一太「さて、僕の番ですね」 京太郎「頑張ってください!」 オーラス。 一太「あの日のことを思い出すな……」 次々に麻雀部をやめていく部員たち。 部員が減るたびに、久の寂しい顔を見なければならなかった。 それが、つらかった。 そして、やってはいけないことをした。 自分も部活をやめたのだ。 近くで久の顔を見ているのが辛くなったから。 怖かったから。 あのとき、やめるべきではなかった。 一太「ツモ!」 一二三①②③112233西西 京太郎「出たー! 一太先輩必殺、3以下の数牌を集める『ロリロリハンターズ』??」 一回戦突破。 京太郎「さあ、決勝だ!」 八坂「気をつけろ……ここの大将はマジでヤバい」 大将戦。 京太郎「はあ……はあ……はあ……、くそっ」 近江「麻雀ってよぉ、クソみてえな競技だよなぁ」 京太郎「……運ゲーだからか?」 近江「違う違う、そういうことじゃねえよ」 近江「言い方が悪かったな……人間を悪に染める競技、ってことだ」 近江「普段は温厚な奴が、麻雀やってると怒りっぽくなったり」 近江「他人のためにいろいろやれる人間が、麻雀をやるとマナー悪く他者を貶し始めたり」 近江「虫も殺せない奴が、他人を低く見て侮ったり。負けてりゃ不機嫌。勝ったら聞きたくもねえ自分の麻雀理論を語り始めたり」 近江「初心者がいると勝てねえとか言うやつもいるな……自分よりも圧倒的に強いやつがいても勝てねえくせにな」 近江「そういう奴が欲しいのは自分よりも少し弱いやつなんだ。勝ちてえから、そんなクズみてえになる」 近江「俺は麻雀が嫌いだぜ? だから麻雀やってる奴を潰して、競技人口を減らし、この世から麻雀を消してやろうと思ってる」 すでに、京太郎と近江以外の2人は精神を壊されている。 近江「だから、負けてくれや。俺は全国へ行ってたくさんの選手を潰す必要がある」 京太郎「……いい夢だな。応援してえよ」 京太郎「色んな俺が、みんな口を揃えて同じことを言うんだ」 京太郎「『たとえ負けても、俺は麻雀が好きだ』『才能はねーかもしれねーけど、麻雀を打つのが好きなんだ』 京太郎「『嫌いって言ったけど、やっぱり俺……麻雀のことを忘れられない。俺、こんなにも麻雀が好きだったんだ』 京太郎「『麻雀が好きなんだ』『麻雀が好きだ』『麻雀が好き』『麻雀が好き』『麻雀が好き』」 京太郎「いろんな世界の俺――みんな『麻雀が好き』としか言わない」 京太郎「気持ち悪かった」 京太郎「麻雀が嫌いだとは言えない空気」 京太郎「たとえ嫌いになっても、最後には好きになるという収束感」 京太郎「麻雀が好きじゃないといけない、みたいな強制感」 京太郎「たとえどんな理不尽なことが起こっても麻雀を好きと言わないといけないという押しつけ感」 京太郎「『麻雀が好き』というセリフで誰かを惚れされないといけないという展開の束縛感」 京太郎「麻雀を嫌っちゃいけないのか?」 京太郎「永遠に一生、嫌いなままで麻雀を続けたらいけないのか?」 京太郎「麻雀が嫌いな俺には生きる価値がないのか?」 京太郎「ずっと、そうやって生きてきた」 京太郎「だからお前の行為を否定しない」 京太郎「だからといって、理解もしない」 京太郎「お前を更生される言葉なんて俺には思いつかない」 京太郎「お前を更生されるような劇的な過去、俺にはない」 京太郎「ただ俺は、全国に行きたいからお前を倒す」 ……… …… … 京太郎「ツモ! 字一色!」 近江「この俺がああああああ??」 京太郎「ついに来た……! 全国の舞台、東京!」 千歳「へえ……君が長野代表かい?」 京太郎「誰だ??」 本藤「て、てめえは……インハイチャンピオン千歳真!」 京太郎「インハイ……チャンピオン」 千歳「ねえ、一局打とうよ」 京太郎「出場校どうしは打てない決まりじゃ……」 千歳「いいんだよあんなルール。あんなのはただのオカルト持ちが勝ちやすくなるようにするためにできたルールだ。従う必要はない」 京太郎「だけど」 本藤「いや、やっておけ、須賀。一度体験しておいた方がいい」 本藤「インハイ史上、『最弱』のチャンピオンと呼ばれたやつの打ち方を」 京太郎「最……弱?」 京太郎vs千歳 京太郎「勝ってしまった……!」 千歳「ふー強いね須賀君。……悔しいな。でも」 千歳「麻雀って楽しいな!」 京太郎「……負けたのに楽しいのかよ」 千歳「そりゃ、勝ったり負けたりするのが麻雀じゃないか」 千歳「勝ってるときだけ『楽しい!』って言って、負けてるときだけ『麻雀はクソゲー』とか言うやつもいるけど」 千歳「そういうやつは麻雀を楽しんでるんじゃない」 京太郎「……じゃあ、何を楽しんでるんだ」 千歳「そういうやつらが楽しんでるのはね、勝つことだよ。勝つことを楽しんでるんだ」 京太郎「いったいこの世に、お前が言う意味で麻雀を楽しんでる奴は何人いるんだろうな」 千歳「さあね。ま、君との再戦、楽しみにしてるよ」 そう言うと千歳は去っていった。 本藤「千歳真……。やつの全対局の連対率は三割を切る」 京太郎「それなのにどうやってインハイチャンピオンに……?」 本藤「やつには、ここぞというときに必ず勝つ魔力がある」 本藤「……逆に負けてもいい場面は必ずと言っていいほど負ける。手を抜いているわけではなく、そういう風になってるんだ」 京太郎「だから……『最弱のインハイチャンピオン』」 全国一回戦。先鋒。 八坂「よろしく」 霊山「よろしく」 八坂「(アイドル雀士、霊山祥哉……。あいつの力は……)」 オーラス。 モブ 140000 八坂 130000 モブ 130000 霊山 0 八坂「(宮永顔負けの得点調整力……!)」 咲のプラマイゼロは29600~30500点という幅がある。もちろんこれを狙ってやるのは十分化け物じみているが……。 八坂「(こいつは、本当の意味で0点……。幅はない、少しでも間違えたらトビ終了だ)」 霊山「さーて、0点完成。反撃といきますか」 彼がアイドル雀士と呼ばれる理由は顔の良さだけではない。 0点からの逆転という華やかさ。 これが観客を惹きつけるのだ。 霊山「親は俺だ。まずは天和」 八坂「くっ」 それが霊山の力。一度0点になると最強の力を発揮する。 霊山「リーチ」 霊山「ツモ。12000オール」 八坂「(……強い! この状態になった霊山は上崎にも匹敵する!)」 あの日、麻雀をやめることを決めた日を思い出す。 憧れであり、自分の目標だった小鍛治さんが始めて負けた日のこと。 決勝は9番勝負だった。 そのとき卓にいたのは、永世七冠「小鍛治健夜」。 世界ランキング一位「ライアン・グリーン」。役満率一割越え、役満のクイーン「雪蘭」。 そうそうたるメンバーの中に異彩を放つ存在がいた。 当時、六歳の少年「上崎永楽」だった。 その9番勝負は、たった5戦目で終わってしまったけど、対局時間は過去最長だった。 親である上崎がテンパイし続け、それ以外の三人がノーテン罰符を払い続けることを25回×5局し続けたのだ。 上崎「牌の神様を殺したから」 インタビューでそう答えた上崎を見て、八坂は麻雀をやめた。 八坂「……だけど、決めた」 八坂「上崎を、倒すことを」 八坂「だから、こんなところで立ち止まれねえ!」 ……… …… … 八坂「ロン! 12000!」 霊山「ぐはあああああ」 決勝、オーラス。 千歳「こ、このボクがこんな大切な場面で負けるなんて」 京太郎「悪いな……俺にはこいつがいる」 首から下げたチェーンの先に、一萬がつけられていた。 京太郎「もう一度、会うと決めたんだ」 ――おめでと、きょーにぃ。 京太郎「!」 「紅」べに色の花。あでやかな花。転じて、花のような女性。 「姜」美しい娘。美女。 「生」生きていること。 「紅生姜」とは、生きている美しい少女のこと。 つまり、「紅生姜のない」は、美しい少女が死んだことを表す。 つまり、みなもの死。 「牛」で思い出すのは、牽牛――つまり、彦星だ。 「丼」の「真ん中の点」は清い水の溜まった様子。 牽牛が俺で、清い水が天の川。紅生姜がみなも。 この物語は、七夕伝説と同じだ。 天の川の向こうにいるみなもには、会えない。 京太郎「でも、やっぱりいたんだ」 直接触れ合えなくても、俺のことを見ている。 天の川の向こうで、確かに。 京太郎とみなもの物語は、一言で言うと。 京太郎「紅生姜のない牛丼屋――か」 カン! 他SS批判が唐突すぎる -- 名無しさん (2019-08-09 23 37 31) これが自分の編集してまで言いたかったこと←Enter押して途中送信して焦った人 -- 名無しさん (2019-08-09 23 38 56) 名前 コメント
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http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1379321075/ 4・ 京太郎「別に俺、メイド服でもいいですよ」 まこ「いや、そりゃぁちぃと……」 京太郎「ていうか、メイド服の方がいいです」 まこ「別にそがぁに頑張らのぉても……」 京太郎「ぶっちゃけ、メイド服が着たいです」 まこ「本音はそれか!」 長期的な麻雀ブームの到来により、雀荘も増加傾向にある。 それにつれて雀荘同士の客取り競争は激化しており、サービスの多い雀荘も最近では珍しくなくなってきた。 ペット雀荘。カラオケ雀荘。レストラン雀荘。添い寝雀荘。膝枕雀荘。ネットカフェ雀荘。 商売って大変である。 そして、雀荘「Roof-top」はメイド雀荘であった。 京太郎「メイド雀荘なんだから俺もメイド服を着てしかるべきですよね」 まこ「執事服を着んさい」 京太郎「メイド服がダメなら全裸でも……!」 まこ「執事服を着ろ」 京太郎「……うっす」 しぶしぶ執事服を着る。メイド服のほうが良かったけど、それでもやはり普段しない格好というのは新鮮だ。 執事服を着ると、不思議と気持ちがシャンとした。 紳士的な性格になったかのようだった。 まこ「お、ええのぉ。似おぉとるよ」 京太郎「ふふ、ありがとうございます。染谷先輩のメイド服も美しい! 私、ドキッとしました」 まこ「な、なんかキャラが変わっとらんか?」 京太郎「そうですか? 私は、いつもどおりですよ。普段と格好が違うので、そういう風に見えるのかもしれませんね」 まこ父「君が今日のバイト……須賀君だね。ふむ……私の若いころにそっくりだ」 京太郎「そうなんですか? 光栄です」 まこ父「麻雀の修行も兼ねてるんだったか?」 京太郎「はい。バイトで修行というのは誠実さに欠けるかもしれませんが……」 まこ父「はっはっは、構わないよ。……実はね、私も高校生だったころ、ここで君と同じようなことをしたんだ」 京太郎「バイトしながら修行、ですか」 まこ父「そのときこの雀荘の看板娘だった染谷奏――それが今の私の妻だ」 京太郎「婿入りですか? ロマンチックな話ですね」 まこ「な……なんか恥ずかしぃけぇ、あんたら、やめぇ」 まこ父「奏の父――つまりまこの祖父も似たような経験があるらしい」 京太郎「なにか……運命のようなものを感じますね」 まこ「ひょっとしてこれわしで遊んどる?」 客A「すみませ~ん! アイスコーヒーアリアリで!」 客B「あ、俺はナシナシ頼むわ」 客C「こっちはアリナシー」 客D「アリアリこっちにもひとつ」 客E「二人目と同じやつ、よろしゅう」 客F「じゃあこいつの逆をひとつ」 客C「やっぱりアリとナシ逆にしてくれる?」 客A「俺も逆にしてもらおうかな」 客G「どん兵衛お願い!」 客H「ソースかつ丼」 客I「かつ丼にとき卵じゃなくソースかける野蛮人が! あ、レモンステーキお願いします」 客J「レモンステーキはステーキじゃない。佐世保市民はおかしい。冷茶ひとつ」 客K「私は熱茶をお願いしようか」 客L「ここまでで一番多く注文されたやつをひとつ」 客M「それじゃ僕は二番目に多く注文されたやつにしようかな?」 京太郎「かしこまりました。少々お待ちくださいませ」 暗記ゲームかよ。 暗記力にはそこそこ自信があるけど。 客N「わー今日は執事さんがいるー! 私今日この人と打つー!」 京太郎「ご指名ありがとうございます」 客O「ふっ、執事か。たまには趣向を変えて執事と打つのも悪く無い」 京太郎「ありがとうございます」 客P「ちょっと執事さん。手袋かじってみてください」 京太郎「はい」 客P「……イイッ」 京太郎「ありがとうございます」 5半荘終了。だが10半荘ぐらいやったような疲れだった。 京太郎(今日の成績は……連対率4割、トップは0……ノーレートじゃなかったらタダ働きになるところだった) 客Q「店員さん、本走、入ってくれよ」 京太郎「はい、ただいまー……って、あっ」 客Q「よう、京ちゃん」 それは京太郎の新しいクラスメイトである八坂という少年だった。 京太郎「やっさん……麻雀打つんだな」 八坂「遊びだけどな」 京太郎「麻雀歴は?」 八坂「秘密」 京太郎「強いのか」 八坂「俺にとって麻雀は遊びだから……」 京太郎「強いんだろ?」 八坂「……どうしてそう思う」 京太郎「纏っているオーラが強者のそれだ――なんて言えたらかっこいいんだけどな。俺はそういうの見えないし、ただの勘だ」 八坂「頼りにならない勘だな。……俺は弱いよ」 サイコロを回す。親は八坂だった。 八坂「正直、諦めてたんだ」トンッ 京太郎「なにを」 八坂「麻雀」 京太郎「……へえ」 八坂「ありがちな挫折を経験してな。本当にありがちでつまんない挫折を」 京太郎「麻雀が嫌いになったってか」 八坂「お前は好きなのか」 京太郎「……………………」 八坂「まあいい。別に嫌いになってなんかいねえよ。ただ麻雀を真剣にやるのがアホらしくなっただけだ」 京太郎「真剣にやったほうが楽しいだろ」 八坂「思ってもないこと言うなよ」 京太郎「ははは……ひどいな」 八坂「俺はな、去年までクラブチームに入ってた」 京太郎(やっぱりか……) 八坂「恵比寿のJrユースだ」 京太郎「!」 八坂「俺はプロになりたかった」 京太郎(おい……おいおいおい、まじかよ……。只者じゃないって気はしてたけど、Jrユース出身とはな……) Jrユースとは中学生対象のプロ養成組織。恵比寿はあの小鍛治健夜が過去に所属していた強豪チームだ。 そこのJrユースのメンバーということはつまり、麻雀のエリート中のエリートということ。 京太郎「かんべんして欲しいぜ……負けてもへこたれない精神とか、俺にはねーのに」 他者を圧倒する強運も。 負けても次に向かおうとするガッツも。 ……麻雀が好き、とかいう言った者勝ちな言葉も。 八坂「お前の麻雀歴は」 京太郎「一年とちょっと、お前とは比べ物にならないくらい短いよ」 八坂「嘘だろ、それ」 確信めいた言い方だった。 京太郎「勘、か?」 八坂「違えーよ。見たことあるんだ、お前を」 京太郎「………………」 八坂「ジュニアチームでな」 Jrユースが中学生対象のプロ養成組織なら、ジュニアは小学生対象のプロ養成組織だ。 八坂「確かあれは長野のジュニアチームだった」 八坂「たった一度だけ戦って――それ以降そいつに会うことはなかった」 八坂「あのとき俺は誰よりも強かった」 八坂「小学生に敵はいないと思ってた」 八坂「井の中の蛙の典型だな」 八坂「だけど、お前に――負けた」 八坂「運が悪いとか、調子が悪いとか、そういう言い訳もできないほど完敗だった」 なにも、答えられない。 言葉がなかった。 八坂「……配牌6シャンテンから和了る確率は10パーセントを切るとも言われてる」 八坂「お前の配牌は6シャンテンと言っても最悪な方の6シャンテン」 八坂「七対子がなきゃ8シャンテンのクズ配牌。和了る確率は5パーセントも無いんじゃないか?」 八坂「本来、お前は一回も和了れないのが正しいんだ」 八坂「なのにお前は、負けてるとはいえ和了れてる」 八坂「それはお前が強いから」 八坂「配牌運は最悪。ツモ運も凡人並」 八坂「だけどお前は、それ以外のパラメータがマックスなんだ」 八坂「麻雀漫画でよくいるよな? すごい観察眼を持つやつ」 八坂「相手の視線移動、発汗、理牌の動き、どこから捨てたか、文字で書くだけなら簡単だからみんなが使いたがる設定」 八坂「言うまでもなく、リアルじゃほとんどありえない、出来るわけがない、そういう観察眼」 八坂「そんな馬鹿げた技術を馬鹿なお前は本当に身につけちまってるんだ」 八坂「当然、点数期待値の計算を完璧にこなして、どこで押すか引くかを理解してな」 八坂「言うまでもなく強くなりえたのに」 八坂「それを無に帰す配牌の運の悪さ」 八坂「苦労も努力も水の泡と化す悪運」 一呼吸おいて、彼は言った。 八坂「……お前、いったい何をした」 八坂「何をしでかしたらそんなことになる」 八坂「なぜお前は麻雀をやめた」 八坂「8年前、なにがあった」 京太郎「……さあ、知らね」 八坂「知らないってことはないだろ」 京太郎「……誤魔化してるわけでも、煙にまこうとしてるわけでもないぜ? そんな昔のことはもう忘れた」 八坂「ふーん、忘れた、か」 京太郎「でも1つだけ言っとく。長野のチームをやめたのは、たぶん引っ越しが原因だ」 八坂「引っ越し?」 京太郎「小2の頃に長野から奈良の方へ引っ越したんだよ。それが原因でやめたんじゃねーの」 八坂「まるで他人事のようだな」 京太郎「奈良に行く前のことはもう記憶も薄いし……なによりその頃を思い出そうとすると頭が痛くなる」 八坂「やっぱりなんかあったんじゃねえか」 京太郎「知らない。あったのかもしれないし別に何も無かったのかもしれない。無理に思い出そうとは思わない」 八坂「ふん、ならいい」 そのとき京太郎は二萬五萬の両面待ちでテンパイ。 珍しく役がすでに一つあったためリーチをかけない。 リーチすべき局面ではあったが、そのとき京太郎は八坂の力を見たいと考えた。 リーチをかけてしまうとその力を見過ごすかもしれなかったのだ。 八坂「カン」 二萬でカン。京太郎の和了り牌が一種類消えた。 八坂「追加のカンだ」 五萬でカン。これで現在の形からは和了れない。 京太郎(三萬と四萬の使い道がほとんどなくなった……。これがやっさんの当たり牌なら……恐ろしい打ち手だ) 京太郎(試してみたい) 選択したのは三萬。四枚見えてる五萬から考えてもっとも妥当なはずの牌。 八坂「ロン、6800」 京太郎「70符……こんなに符が怖いと思ったことはないぜ」 そして今日のバイトはこれで終了。 いろいろあった一日だった気がする。 牌の世界。 今日も来た。 部室に一番乗りして牌に触れ、この世界に来るのが京太郎の日課だった。 京太郎「ひさしぶり」 牌「昨日も来たじゃん」 京太郎「24時間ぶり」 牌「……うん」 一番最初に来たときより、この世界は少し明るくなった気がする。 深海から少し海面に上昇したかのような。 いや、比喩はいらない。 この世界は海の中を模した世界だった。 暗くて分かりにくいが泡があり、変な形の魚がいる。 息苦しいとかそういうのはなく、水族館にいる感じ。 京太郎「今日はBDプレーヤーとまどマギを持ってきたぞ」 牌「まどマギ!? SFの皮をかぶった百合ものとして有名な、あのまどマギ!?」 京太郎「そうそう、ガチ百合アニメとして人気なまどマギ」 牌「グッジョブ!」 京太郎「任せろ」 牌「ちょ、これの使い方は? BDプレーヤー使うの初めて!」 京太郎「あ、これはな」 牌「近づかないで!」 京太郎「無茶言うな」 いけすかない神様にささやかな仕返しをしてやろうと後ろから抱きつくように使い方を解説する。 牌「く……屈辱!」 京太郎「こうしないと教えにくい」 牌「うそだうそだ! 嫌がらせしようと企んでるんだ!」 京太郎「んなわけないだろ……俺はそういうことはしないよ」 嫌がらせじゃなくて仕返しだし。 牌「くぅぅ……まどマギのために我慢、まどマギのために我慢……」 京太郎「……一応神様なんだろお前」 牌「一応も何も神様なのだ!」 京太郎「はいはい」 そういえばまどかも神になったわけだし、こういう神様が居てもおかしくはないか。 そして、操作方法を教え終わり、そっと牌から離れる。 牌「体が温い……」 京太郎「はっはっは」 牌「気持ち悪い……」 京太郎「あきらめろ」 牌「まどマギを見て忘れるのだ……」 京太郎「おーう、そうしろそうしろ」 二日目のバイトが始まる。 昨日より慣れたとはいえ、やはり忙しい。 やっさんが来るんじゃないかと待ち構えていたが、姿を現すことはなかった。 三日目。 京太郎「な、なんですか……このメイド服」 休憩時間、京太郎はピンク色と青色の奇妙な改造メイド服を発見する。 まこ「いいじゃろ、それ」 京太郎「だ、誰が着るんですか……これ」 まこ「それがのぉ……誰も着なぃんじゃ。寂しぃわ」 京太郎「百合的には正統派メイド服しか認めない」 まこ「百合的……? 着てみたら良さがわかるゆぅて思うんじゃが」 京太郎「これはないと思いますけどねえ……。あ、ちょっと着てみていいですか」 まこ「着るんかい」 精神を女の子にして、服に袖を通す。 まこ「どうじゃ?」 京太郎「アリですね」 アリでした。 広がっていくストライクゾーン。アウト取り放題になりそうで怖い。 四日目。 女性A「ソースかつ丼はないだろ! カツ丼好きをバカにしている!」 女性B「そっちこそ! んな心の狭さでかつ丼好きを名乗るなんて、おこがましいにも程がある! ソースカツ丼のほうが旨いのよ!?」 女性AB「ぐぬぬぬぬぬぬぬ」 まこ「京太郎」 京太郎「はい」 まこ「行ってこい」 京太郎「嫌すぎる……」 結局二人をなだめるために麻雀を打ち、京太郎はミンチにされる。 京太郎「これじゃ出来上がるのはミンチカツ丼……これが話のオチじゃないことを祈る、ぜ……」ガクッ 結局二人は「カツ丼ってなんでも美味しいよね」という結論に到り、二人仲良く外へかつ丼を食べに行った。 疲れ損である。 五日目。 今度は牌の世界。 ちなみに三日間ほど牌がアニメに夢中で、話しかけてもほとんど返事をしなかったので、語るに語れない。 牌「私、まどか教の信者になる!」 京太郎「こらこら神様」 牌「まあそれは冗談として」 京太郎「冗談でよかった」 牌「急いでコミスタとパソコンを買ってきて」 京太郎「……おい、お前」 牌「今ならコミスタを持ってれば無償でクリスタも手に入るんだよ! このサービスもうすぐ終わるらしいから! 急ぐのだ!」 京太郎「時間軸おかしくなるからやめろ」 牌「同人誌描いて……コミケで発表するのだ」 京太郎「コミケ行けないだろ」 牌「大丈夫、私が行くのは天上界のコミケだから!」 京太郎「何やってんだよ神様たちは!」 牌「ブッダさんがいつも開催するんだけどね」 京太郎「オーケー、わかった。バイト代で買ってくるから……そこまでにしておこう」 楽しそうだな天上界。 百合オンリーイベントはあるんだろうか。 牌「まどマギについてだけど」 京太郎「続くのか」 牌「男にうつつを抜かした青いやつが不人気なのは納得だね」 京太郎「いや待てよ不人気だなんて誰が決めたんだ捏造だよそんなのは。『杏さや』も『さや杏』も最高だったろ」 牌「……京太郎ってさ、最初は対立してる系が好きだよね」 京太郎「確かに」 牌「それも良かったけど『ほむまど』には勝てないよね」 京太郎「何でだよ!」 一人分、キャラ不在のまま、激論が始まったのだった。 バイト最終日。 まこ「お疲れさん、よう頑張ったの」 京太郎「一週間、ありがとうございました。……なんだか寂しいですね」 まこ「一生うちで働いてもええよ?」 京太郎「それも、いいですね」 本当に、そう思った。 まこ「この一週間、どうじゃった?」 京太郎「こう言ったら失礼なのかもしれませんけど……楽しかったです」 まこ「失礼じゃない、わしもそう思うとるし」 京太郎「そうなんですか?」 まこ「わしゃぁね、将来この雀荘を継ごうて思うとる」 京太郎「……他のことをやりたいと思ったことってないんですか」 まこ「ある。当然な。昔はわしも『親の敷いたレールは嫌』なんて軒並みなことを言ぅとったし」 まこ「ホンマはここでの仕事が一番好きなんにのぉ」 まこ「ただ反発したいっちゅう理由ばっかしでそがぁなことを言ったんじゃ」 京太郎「何だか、染谷先輩がそんなことを言う姿、想像出来ないです」 まこ「初めはのぉ、この雀荘はお姉ちゃんが継ぐはずじゃったんだんじゃ」 京太郎「お姉さんいるんですか?」 まこ「知らんかったか?」 京太郎「なんとなくお兄さんがいるイメージでした」 まこ「カツオお兄ちゃんなんかおらんわ」 そこまでは言ってない。 まこ「お姉ちゃんはキャビンアテンダントになる、って言ぅて、家を出てったわ」 まこ「今は海外の航空会社のキャビンアテンダントをやっとる」 京太郎「うおっ、海外ですか」 まこ「海外から徐々にステップアップして、日本の航空会社に入るんが普通のルートらしい。今はベトナムじゃって」 京太郎「すごいなぁ……真似できない」 まこ「この前は研修で無人島に行って、『この蛇は食えるから探して捕まえてこい!』やら『この虫は毒があるから倒し方を教える!」 まこ「こうだ! さあお前ら、探して殺して連れて来い!』やら『イカダを作ってここから脱出しろ!』とか言われたらしいわ」 京太郎「わお……」 なんだかイメージと違う。 きらびやかなイメージとは真逆の体育会系的な研修。 京太郎「今どき、そんなの必要なんですかね……。遭難してもすぐに救助が来るでしょうし」 京太郎「なにより、飛行機ってほとんど事故らないんでしょ?」 まこ「そうじゃのう……確か……最後に飛行機が事故を起こしたのは……」 この話をするべきじゃなかったのかもしれない。 深く掘り下げてはいけなかったのかもしれない。 今さら後悔しても遅いのだけど。 そう思わずにはいられなかった。 まこ「8年前。そう8年前じゃな。あれが最後の飛行機事故じゃ」 目の前の景色が目まぐるしく変わっていく。 巻き戻すかのように、意識が過去に過去にへと向かっていく。 血液の流れがはっきりと感じられるようになった。 吐き気がする。 意識は、奈良へ引っ越したあのときに到達した。 京太郎(戻るな……!) 京太郎(これ以上、戻るなっ!!) 思い出せないはずの、消えてしまったはずの9年前。 そこにいたのは見覚えのある少女、見知らぬ年上の少女――。 ――そして、牌ちゃん。 京太郎(俺は、昔――牌に会ったことがあるのか?) 止まっていたと思っていた時間は、止まってなんかいなかった。 ずっとずっと、進んでいたのだ。 ただそれを、止まったと信じて投げ出した。自分を騙して消し去った。 彼は、その一つを取り戻す。 4・終
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http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1361454483/ バタン 久「ちょ、須賀くん!?」 まこ「京太郎!?」 優希「ただいまー」ガチャ 優希「タコス買ってきたじぇーっと……あれ?」 優希「京太郎はどこ行ったんだじぇ?」 咲「優希ちゃん……」 和「そ、それが…別ブロックの準決勝戦のビデオを見ていたら急に……」 優希「急に?」 まこ「発狂して出て行ったんじゃ」 久「ちょっと、まこ……」 優希「は、発狂?」 和「……」 咲「わ、私行ってきます!」 久「やめておきなさい」 咲「でも…」 久「咲じゃすぐ迷っちゃうわ、龍門渕の執事さんに頼んでみるから」プルル 久「皆、大人しくしててね……あ、龍門渕さん?」ガチャ まこ「……」 まこ「やはり京太郎は、耐えれんかったか…」 優希「耐えられなかったって、どういうことだじょ……」 和「……」 まこ「京太郎は、麻雀向いてないってことじゃ」 和「そ、そんなのありえません!!」 咲「和ちゃ……」 和「麻雀に向き不向きがあるなんて!!」 和「それも天性の…そんな」 和「そんなオカルト……」 和「……」 優希「ど、どういうことだじぇ?」 咲「……」 まこ「ま、ワシらにはよう分からん世界ってことじゃ」 優希「結局京太郎は……」 まこ「分からん」 優希「分からん、って」 まこ「何が見えたんじゃろうな、この試合で」 … …… 京太郎「はぁ…はぁ……」 京太郎「げほっ、げほ!!」 京太郎「……」 京太郎「気持ち悪ぃ……」 淡「でねー、テルー」 照「……」 照「あの人、気分悪そう」 淡「えー、酔っ払いでしょー?」 照「学生服着てる……」 淡「もー!仕方ないなぁ」トコトコ 淡「お兄さーん、どうかしましたー?」 京太郎「あ、いえ……」 京太郎「ひっ!?」 淡「?」 京太郎「う、うわぁぁぁぁぁあ!!!!!??」 淡「な、なになに?」 淡「え、どうしたの!?」 京太郎「うわぁぁぁあ!!!!!」ダッ 淡「……」 淡「い、行っちゃった…」 照「……」 淡「何あの人、怖い……」 淡「テルー?」 照「ん…」 照「なに」 淡「なにじゃないですよ、本当怖かったんだから!」 照「ごめんごめん…」 … …… 京太郎「じゅ、準決勝の…バケモンが、なんで街歩いてんだよ……」 京太郎「も、もういやだ、頭がいてぇ…」 京太郎「帰りたい……」 京太郎「……」 健夜「あ、あの……」 京太郎「は、はい」 健夜「君、大丈夫?」 健夜「具合悪そうにしてたから……」 京太郎「あ、あぁ…なんでも」 京太郎「ウッ」 健夜「?」 京太郎「オ、オエェェッ!」ゲロ 健夜「え!?」 健夜「……」 健夜「た、大変だよこれ!」 健夜「え、えーっとえーっと!」 健夜「とりあえずこーこちゃん!」 京太郎「はぁ…はぁ……」フラフラ 健夜「ちょ、ちょっと、どこに行くの!?」 京太郎「……」フラフラ 京太郎「……」ドサ 健夜「……」 健夜「た」 健夜「大変だ!!」 健夜「えーっと…」 健夜「とりあえず寝かせなきゃ」 健夜「ここが公園で良かったよ…ベンチがあそこに……」 健夜「あそこに運ぼう…よいしょ」 健夜「う、うー!うー!」 健夜「……」 健夜「重い!!」 健夜「……」 健夜「引きずってごめんねー……」ズルズル 健夜「お、重」 健夜「ふー、ふー……」 健夜「よいしょ……っと」 健夜「ふー」 健夜「あ、こーこちゃんに電話してたの忘れてたよ」 健夜「まだ繋がってないし…」 健夜「仕事中だもんね、ごめんねこーこちゃん」 健夜「……ふぅ、疲れたー」 健夜「……」 健夜「休憩しちゃダメだよ私!」 健夜「えーっと、吐いてたし……」 京太郎「……」 健夜「顔色、良くないよね……」 健夜「息も荒いし……」 健夜「水は、水道水じゃダメだよね」 健夜「……か、買ってこなきゃ」 健夜「こんな時に限ってなんで誰も居ないの、この公園」 健夜「いつも居ないけどさ……」 … …… 健夜「つ、疲れた……久しぶりに走ったよ…」 健夜「まだ誰も来てないし…」 健夜「ウェットティッシュで、口の周りを拭いてあげなきゃ」 健夜「……」 健夜「(犯罪に見えてないよね、これ)」 健夜「そんなことどうでもいいよ!」 健夜「人の命が掛かってるから!」 健夜「セーフ、セーフ!」 健夜「つ、次は水を……」 健夜「……」プルプル 健夜「悪いけど、起きてもらおっと…」 健夜「あのー…ちょっと起きてー…」 京太郎「……」 健夜「起きてー!」ポンポン 京太郎「う……」 健夜「く、苦しそう」 健夜「起こしちゃダメかな……」 健夜「おかーさんに電話しよう…」プルル 健夜「……」 健夜「……」 健夜「なんで出ないの!?」 健夜「いや、パートだからなんだけどさ」 健夜「いつもはバンバンかかってくるのにぃ」 健夜「このままじゃ、私……」 健夜「だ、ダメな20代になっちゃうよ」 京太郎「……」 健夜「ごめんね、ごめんね……ダメな独身20代でごめんね……」 京太郎「う、うーん」 健夜「お、起きてくれた!」 京太郎「うぅ……」 京太郎「どこだここ…」 健夜「あ、あの!」 京太郎「えっ?」 京太郎「だ、誰っすか」 健夜「き、君…吐いて、倒れちゃったから……」 健夜「とりあえず水飲んで!」 健夜「はい、これ」 京太郎「あ、はい…」 京太郎「ありがとうございます…」 健夜「ゆっくり、少しずつね」 京太郎「はい、分かりました…」 京太郎「……」 ゴク…ゴク… 健夜「……」ジー 京太郎「っはあ」 健夜「……大丈夫?」 健夜「まだ、気持ち悪い?」 京太郎「い、いえ…大丈夫です」 健夜「君、学生だよね?」 健夜「見たことない制服だけど…」 京太郎「俺、長野の方から来たんで」 健夜「長野?」 京太郎「はい、麻雀のインターハイで…」 京太郎「高校の…」 健夜「あ、そうなんだ!」 京太郎「はい」 健夜「……」ジー 京太郎「……」 健夜「……」ジー 京太郎「ど、どうかしましたか」 健夜「えっ!?」 健夜「い、いやー…気にしないで……」 健夜「(私って知名度低いのかなぁ……)」 京太郎「……」 健夜「もう一度聞くけど、体調とか大丈夫?」 京太郎「あ、大丈夫です……」 京太郎「よいしょ」 京太郎「ほら、立てました」 健夜「良かったぁ」 京太郎「すいません、助けてもらったのにお礼も…」 健夜「いいよいいよ、そんなの」 健夜「困った人は助けなきゃね、大人の女性たるもの」 京太郎「本当すいません」ペコ 健夜「いいよ、良かったよ本当に」 健夜「念のため病院とか…」 京太郎「い、いいですいいです!」 健夜「そうかな?」 京太郎「それじゃ、俺はこれで」 健夜「気をつけてねー!」 健夜「……」ヒラヒラ 京太郎「ありがとうございましたー」ヒラヒラ 健夜「……」 京太郎「……」テクテク 健夜「……」 京太郎「……」フラフラ 健夜「や、やっぱりダメダメ!!」ドドド 健夜「君、フラフラじゃん!!」ドドド 京太郎「うぅ……す、すいません」 健夜「とりあえずもう1回ベンチに戻ろう?」 健夜「ね?」 京太郎「はい…」 健夜「そういえば名前聞いてなかったよね」 京太郎「あ、そうでしたね」 京太郎「須賀京太郎です」 健夜「私は小鍛治健夜だよ」 京太郎「……」 健夜「……」ジー 京太郎「……」 健夜「……」ジー 京太郎「小鍛治……」 健夜「!」 京太郎「珍しい名字ですね」 健夜「だよね……」 京太郎「あ、すいません失礼っすよね」 健夜「いやいや、いいのいいの」 健夜「よく言われてたから……昔は」 京太郎「昔?」 健夜「!!」 健夜「い、いや違うよ?」 健夜「そういう昔じゃないよ?」 健夜「ちょっと前まではー……って意味でね」 京太郎「は、はい」 健夜「……」 健夜「(最悪だよ私、気にしすぎだよ)」 健夜「(話題変えよ…)」 健夜「それで、須賀くんはどうしてここに?」 京太郎「それは……」 健夜「ごめん、あんまり言いたくないことだったかな……」 京太郎「……」 京太郎「いや、誰かに聞いて欲しかったんで」 京太郎「ちょっと、変な話かも知れないですけど聞いてもらえますか」 健夜「うん、いいよ」 健夜「任せて、こう見えて私って聞き上手なんだよ!」 京太郎「へぇ、すごいですね」 健夜「……」 京太郎「……」 健夜「ご、ごめんね話の腰折っちゃって」 健夜「どうぞ」 京太郎「はい……」 … …… 京太郎「ていう感じで」 京太郎「白糸台の大将からグワーって来て……」 京太郎「あ、すいません意味不明っすねこれ」 健夜「……」 京太郎「小鍛治さん?」 健夜「あ、あぁ…なんでもないよ!?」 京太郎「や、やっぱり頭おかしいですよね、俺」 健夜「……」 京太郎「幻覚まで見えて……」 健夜「おかしくないよ」 京太郎「え?」 健夜「それは須賀君に才能があるからだよ!」 京太郎「さ、才能ですか」 健夜「そう、麻雀の才能!」 京太郎「麻雀に才能なんて……」 健夜「あるよ、才能!」 健夜「須賀君はきっと凄い選手になれると思うよ!」 京太郎「……」 健夜「きっと全国の人たちとも渡り合えるような!」 京太郎「……」 健夜「なんだったら私と打ってみようか。今から!」 京太郎「え……」 健夜「近くに雀荘喫茶もあるし、ほら」グイ 京太郎「おわっ……」フラフラ 京太郎「あ、すいません俺、またふらふらしちゃって」 健夜「……」 京太郎「え、今から行くんですか?」 健夜「……」 京太郎「小鍛治さん?」 健夜「さ、最低だ私……」 京太郎「こ、小鍛治さん?」 健夜「病み上がりの人を無理矢理打たせようとするなんて……」 健夜「これじゃ学生時代と変わってないよ……」 京太郎「ど、どうしたんですか急に!?」 健夜「ご、ごめんね……急に」 京太郎「いきなりどうしちゃったんですか」 健夜「……」 健夜「た、たまにね…」 健夜「すごーく、麻雀が打ちたくなるの」 京太郎「はぁ」 健夜「すごくね」 健夜「打ちたくなるんだ…」 京太郎「……」 健夜「で、打ってるときは凄く楽しいんだけど」 健夜「麻雀ってこんなに楽しいんだ!」 健夜「ってね」 京太郎「……」 健夜「でも、打ち終えた後、相手の顔は……」 健夜「……」 健夜「さっきの須賀君」 京太郎「はい?」 健夜「さっきの須賀君みたいになるの」 京太郎「え……」 健夜「だからプロになったんだ」 健夜「……」 健夜「い、意味不明だね!?」 健夜「何言ってんだろ、私……やだなー」 京太郎「ていうか、小鍛治さんってプロだったんですか!?」 健夜「そ、そうなの…一応……」 京太郎「うわ、凄い!!」 健夜「え?」 京太郎「いやー、やっぱりプロから見たら白糸台なんてまだまだなんですか?」 健夜「え?」 健夜「ま、まぁ…宮永照と大星淡は凄いと思うよ」 健夜「他にも弘世菫、渋谷尭美、亦野誠子と粒揃いだよね… 準決勝では成績不信だった人もいるけどやっぱり対戦相手との相性とかもあるし」 健夜「全体的に見てもかなり強い学校なんじゃないかな?」 京太郎「……」 健夜「(何言ってんだ私)」 京太郎「や、やっぱりいかにもプロって感じですね」 京太郎「まぁ、私よりはまだまだだけど?みたいな感じが……」 健夜「ごめんなさいごめんなさい!」 京太郎「え、どうしたんですか?」 健夜「そ、そうじゃないのそうじゃないの!」 京太郎「いや、まさにプロって感じですね」 健夜「やめて!」 健夜「私のせいでプロに変な先入観持たないで!」 京太郎「は、はぁ…」 健夜「違うのアレは…うっかりしてたの……」 京太郎「……」 京太郎「いや」 京太郎「実は俺、まだ麻雀始めたばっかりのペーペーの初心者なんですよ」 健夜「え、そうだったの!?」 京太郎「はい、役とかもまだあんまし…」 健夜「本当に初心者なんだ……」 京太郎「あ、なんかすいません」 健夜「いや、いいよいいよー」 京太郎「それで、皆大会で忙しいから…最近は雑用ばっかで」 健夜「そ、そうなんだ……」 京太郎「ネト麻でもあんまり振るってないんですよ」 京太郎「それで、あのー」 京太郎「もし、良かったら……」 健夜「!!」 健夜「い、いいよいいよ!」 健夜「全然いいよ!」 京太郎「ほ、本当っすか!」 健夜「むしろ指導させて下さいってお願いしたいくらいだよー!」 京太郎「いやいや」 健夜「……」 京太郎「え?」 健夜「また急にテンション上がっちゃった……みっともないよね…私」 京太郎「(また急にどうしたんだろうこの人)」 … …… 健夜「着いたよー」 京太郎「うわ、いかにもこだわりのって感じの…」 健夜「こう見えて結構安いんだよ」 健夜「……見た目通りかもしれないけど」 京太郎「はは……」 健夜「プロの常連さんも沢山居るんだよ」 京太郎「え、それって結構すごいことなんじゃ」 健夜「秘密だよ、これ!」 京太郎「わ、分かりました」 健夜「あと軽食メニューとかも美味しいし!」 京太郎「へぇ」 健夜「……」 京太郎「……」 健夜「私はちゃんと家で料理もしてるよ!?」 京太郎「何も言ってませんよ俺!」 健夜「ごめんごめん……いつもはツッコミがくるから」 京太郎「そうなんですか」 健夜「いやー、これがまた…」 良子「そこのお二人、店の前に立っていては他の客人の迷惑になりますよ」 健夜「あ、すみませんでした…」 良子「!?」 良子「こ、小鍛治プロ!?」 京太郎「あ、すみませんでした……って知り合いの人ですか」 良子「……」 良子「……こちらの少年は」 健夜「ま、まぁまぁ良子ちゃんの言う通り、迷惑になっちゃうから中に入ろ」 良子「そうでした」 健夜「お邪魔しまーす…」ガラガラ 良子「今日もお世話になります、店長」 良子「アイスコーヒーひとつお願いします」 良子「……」 良子「小鍛治プロ、今日は……」 健夜「な、なにかな良子ちゃん」 良子「まさかその少年と…」チラ 京太郎「はい?」 健夜「ち、違うよ違うよ!」 健夜「今日は指導、この子初心者らしいから」 良子「そうでしたか、では」 良子「また時間が空きましたら、私にもご指導ご鞭撻の程よろしくお願いします」ペコ 健夜「う、うん」 良子「では」スタスタ 京太郎「今の人、凄いきっちりした人ですね」 健夜「良子ちゃんもプロだよ」 健夜「新人なのに何本か賞も取ってるんだよ」 健夜「最近の若手プロの中では多分、1番強いんじゃないかな?」 京太郎「へぇ……」 健夜「須賀くんも5年後はああならなきゃ」 京太郎「男ですよ俺」 健夜「いや、そういう意味じゃなくてね」 京太郎「あの、小鍛治さんってもしかしてかなり凄い人だったりするんですか」 京太郎「さっきの人もすごい頭下げてたし」 健夜「いやいや、良子ちゃんは礼儀正しいから」 健夜「先輩と後輩の関係を凄くきちっと守ってるというか…」 京太郎「なるほど」 健夜「……」 京太郎「なに落ち込んでるんですか」 健夜「気にしないで……」 健夜「あ、須賀くん何か頼む?」 京太郎「いや、いいですよ」 京太郎「さっきもらった水もありますし」 健夜「そう?」 健夜「遠慮しないでいいんだよ、カツ丼とかでも」 京太郎「カツ丼なんてあるんですか」 健夜「あはは…今から麻雀するのにカツ丼は無いよね」 健夜「(食べながら打つ人もいるけど)」 健夜「じゃ、私もアイスコーヒーでお願いします」 京太郎「奥の卓の方で待ってますね」 健夜「お願いしまーす」 … …… 京太郎「ありがとうございました」ジャラジャラ 健夜「うーん……」 京太郎「ダメダメですね、俺……」 健夜「だ、ダメだよ…すぐマイナスの方向行っちゃ」 健夜「さっきも言ったけど、ちゃんと反省してプラスの方向持っていかないと」 京太郎「はい…」 健夜「(あれから後ろに付いて何回か見たけど)」 健夜「(本当に初心者なんだなぁ)」 健夜「(対人戦もあんまりやったことないみたいだし…)」 健夜「(いいもの持ってるとは思うんだけど…)」 健夜「……」 健夜「(良子ちゃんは、今どんな感じかな)」チラ 健夜「……」ソワソワ 京太郎「小鍛治さん」 健夜「ひゃい!?」 京太郎「気になるなら、見てきても…」 健夜「え、でも」 京太郎「いや、俺はしばらくこの卓でおじさんたちに相手してもらうんで」 京太郎「さっきのはちょっといけそうだつた気もするんで」 おっさん「おいおい、ペーパー免許のボウズが何言ってんだ」 \ドッ/ 京太郎「多分、しばらく見てもらってもすぐモノには出来ないと思いますから」 健夜「そ、それじゃあ少しだけ…ごめんね」 京太郎「はい) … …… 健夜「良子ちゃん、どんな感じかな」 良子「小鍛治プロ」 おっさんB「相変わらず全く歯が立たねぇ」 良子「ありがとうございました」 おっさんB「はいはい、俺は抜けるぜ」 良子「1人空きが出来ました」 良子「小鍛治プロ、良かったらお願い出来ますか?」 健夜「ちょ、ちょっと外ではあんまり…」 良子「申し訳ありません、小鍛治さん」ペコ 健夜「……」 良子「ご指導、よろしくお願いします」 健夜「……」 健夜「うん」 … …… 良子「……」 良子「(やはり……)」 良子「(この人、小鍛治プロとの対局は)」 良子「(本当に牌が……『来ない!』)」 良子「(だがいくら無敗王者といえ、もうプロという同じ土俵に立っている者同士)」 良子「(非公式でも関係ない)」 良子「(この試合、勝つ気で行かせて貰います)」 良子「……」ゴウッ 健夜「(良子ちゃん、打ち方かなり変えてきてる)」 健夜「(完全デジタルの子だと思ってたけど…)」 良子「ポン」 良子「(感覚で、掴みにいく)」 健夜「(非公式だからかな、こんな打ち方も出来る子なんだ…)」 健夜「……」 健夜「(ふふ)」 健夜「(やっぱり麻雀って楽しいね、こーこちゃん)」 健夜「(でも私、負けないよ)」ゴウッ おっさんB「側から見てると素人同士の打ち合いに見えるんだけどなぁ」 おっさんC「あれがプロの打ち方なんだよ、あれで来るの」 おっさんB「マジかよ、シャレにならねぇ」 ガタッ! おっさん「お、おい!兄ちゃん!?」 京太郎「あ、は…い」 京太郎「……はぁっ、はぁっ!」 おっさん「だ、大丈夫か!?」 おっさんB「なんか向こうが騒がしいな」 おっさんC「この対局、見逃すと後悔するぞ」 おっさんB「分かってるよ」 健夜「(向こうでなにかあったのかな?)」 良子「小鍛治プロ」 健夜「あぁ、ごめんね」 良子「(さっきのポンでも顔色一つ変えませんでしたか。まぁ当然かも知れませんが)」 良子「(かなりプレイスタイルを変えて臨んでいるハズなのですが)」 良子「……」 良子「(本当この方は…)」 健夜「……」ゴウッ 良子「(得体の知れない、モンスターですね)」 京太郎「……あ」フラフラ ドサ おっさん「お、おい!?」 おっさん「大変だ、人が倒れた!!」 おっさんD「すぐ救急車「それには及びません」 おっさん「だ、誰だあんた?」 ハギヨシ「その方の友人です」 ハギヨシ「この店で大事になるのも避けたい」 店長「……」コク ハギヨシ「彼は私が責任を持って、連れていきます」 京太郎「は、ハギヨシさ…」 ハギヨシ「喋らないで、京太郎くん」 ハギヨシ「男にお姫様だっこされるのは、嫌かもしれませんが」 京太郎「はぁっ、はぁっ……」 ハギヨシ「(かなり、苦しそうですね)」 ハギヨシ「(それにしても何故こんな場所に)」 ハギヨシ「……」 ハギヨシ「(考えるのは後回しですね)」 ハギヨシ「ふッ!」ヒョイ おっさん「すげぇな、あんた」 ハギヨシ「執事ですので」 ハギヨシ「では、私はこれで」ペコ おっさん「お、おう…大事にしてやってくれな」 ハギヨシ「……」ペコ 良子「!」 健夜「良子ちゃん?」 良子「人が……」 健夜「えっ?」クル 健夜「……」 健夜「あ……」 健夜「す、須賀……くん?」 良子「お連れの少年でしたか」 良子「すいません、今回は私の負けということで」 健夜「え?」 良子「失礼します」ガタ 良子「……」ダッ 健夜「わ、私も行くよ!」ガタ … …… 良子「どうなされたのですか」 ハギヨシ「少し気分が優れなかったようです」 ハギヨシ「熱も少し出ていますしね」 良子「何か手伝うことはできますか」 ハギヨシ「大変ありがたい申し出ですが、私1人で十分です」 ハギヨシ「親切にありがとうございます、淑女のお二人方」ペコ 良子「いえ、当然の事ですので」ペコ ハギヨシ「それでは、お騒がせいたしました」 健夜「……」 良子「(小鍛治プロのお連れの方ではなかったのでしょうか)」 健夜「……」 健夜「っ!」ダッ 良子「小鍛治プロ、どこへ?」 健夜「ご、ごめんなさい、店長さん!」 健夜「ツケでお願いします!」ガチャ バタン 良子「……」 良子「(まぁ)」 良子「(対局中のそれと人間性は、同じものではありませんよね)」 良子「(私としたことが、年長者に対するリスペクトが足りなかったようです)」 良子「彼女の分は私が払いますので」 店長「……」コク ハギヨシ「吐き気はしますか?」 京太郎「す、少し……」 ハギヨシ「病院までなるべく早く揺らさずに行きますが、吐きたくなったらいつでも言ってくださいね」 京太郎「は、はい……」 ハギヨシ「……」バダム 健夜「すみません!」ガチャ ハギヨシ「おや、あなたはさっきの……」 健夜「あの……」 ハギヨシ「……もしかして、小鍛治プロでは」 健夜「そ、そうですけど!」 健夜「お願いします、私も乗せて下さい!」ペコ ハギヨシ「……」 ハギヨシ「後部座席へ、彼を看てやっていて下さい」 健夜「!」 健夜「ありがとうございます!」 … …… 健夜「は、はやい」 ハギヨシ「法定速度は守っていますので、心配なさらず」 健夜「えっ、あの…はい」 京太郎「……」 健夜「ごめんね、須賀君……」 ハギヨシ「……」 ハギヨシ「小鍛治プロ、彼の容態に何か心当たりが?」 健夜「……倒れたんです、須賀君」 健夜「私、散歩してたんですけど」 健夜「そうしてたら、彼が苦しそうにしてるのが見えたので……」 健夜「その後、話しかけたら吐いたあと気絶しちゃって…」 ハギヨシ「それは、ご迷惑を」 健夜「い、いえ!その後がいけなかったんです」 健夜「彼が、起きた後に私が麻雀喫茶になんか……つ、連れていったから…」 健夜「うっ…ぐす……」 健夜「す、須賀君、インハイの試合見て、気持ち悪く、なったって、言ってたのに……」グス ハギヨシ「……」 ハギヨシ「小鍛治プロは悪くありませんよ」 健夜「ふ、ふぇ?」 ハギヨシ「彼らや、彼女らに関して無知すぎる私たちが悪いのです」 健夜「そ、それってどういう……」 ハギヨシ「私が仕えているお方も、小さなころは大変でしたから」 ハギヨシ「窓ガラスの修繕スキルが上がりましたよ」 健夜「ま、窓ガラスのですか」 ハギヨシ「おや、私もおかしな話をしてしまった」 ハギヨシ「これでおあいこですね。しばらく運転に集中します」 健夜「は、はい…」 京太郎「……」 健夜「ごめんね、須賀君……」 ハギヨシ「……」 … …… 京太郎「お待たせしましたー」 ハギヨシ「京太郎くん」 健夜「!」ガタッ 京太郎「すいません、色々迷惑かけちゃって」 ハギヨシ「いえいえ、竹井さんから保険証のコピーを借りておいて良かった」 健夜「す、須賀君……わ、私」 京太郎「えっ、小鍛治さん!?」 京太郎「す、すいませんわざわざ!」 京太郎「俺また倒れちゃって、ホントいつの間に病弱キャラになっちゃったのか…」 健夜「……」 京太郎「小鍛治さん?」 健夜「よ、よかったよぉ……」グズ 京太郎「え!?」 ハギヨシ「私は先に車で待っていますので」 京太郎「ちょ、どうしたんスか!?」 健夜「ごめんね、私、私が悪いのに、ピーピー泣きすぎだよね……」 京太郎「え、いやー…俺の方こそなんかすいません」 京太郎「まさかこんなに自分が貧弱だとは……」 健夜「ち、違うんだよ……須賀君のせいじゃないんだよ…」 京太郎「……」 京太郎「……小鍛治さん」 健夜「な、なにかな?」 京太郎「俺、実は麻雀やめようかなーって思ってたんですよ」 京太郎「ホントに」 健夜「え……?」 京太郎「だって女子でアレですよ?」 京太郎「男子だったらどんな事になるか…」 健夜「……」 京太郎「でも、やめました」 健夜「え……」 京太郎「あ、辞めるのをやめたって事です。ややこしいっすね」 京太郎「小鍛治さんに教えてもらってちょっと自信もらったんですよ、実は」 健夜「で、でも私、すぐに良子ちゃんの方に」 京太郎「いや、プロのお姉さんに後ろで見てもらって強くならない男は居ませんよ!」 健夜「そうかなぁ…?」 … …… おっさん「いやー、でもボウズが抜けてくれて一応助かったわ」 おっさんB「何言ってんだ、縁起でもねぇ」 おっさん「そうだけどよ」 おっさん「だって見ろよ、ボウズの手牌」 おっさんB「どれどれ」 良子「これは……」 おっさん「お、戒能プロ」 良子「失礼」 おっさん「後ろについてた小鍛治プロが居なくなって、しばらくしたらコレだよ」 おっさん「ワザと弱いフリでもして甘えてたのかね?」 良子「ふむ」 良子「……結局」 良子「あの少年は一体何者だったんでしょうか」 おっさん「さぁ?」 おっさん「小鍛治プロのツバメじゃねえのか」 おっさんB「ツバメって、おい」 良子「そんな話は聞いたことありませんが…」 おっさん「そうなのか」 良子「今日、初めて会いました」 良子「ですが私自身、小鍛治プロとプライベートの付き合いがそれほど多い訳ではありませんので…」 おっさんB「ま、もしそんなん囲ってたら、こーこちゃんが言いふらして回ってるだろうさ」 良子「……それもそうですね」 … …… 京太郎「ただいまー」ガチャ 京太郎「心配かけてすいませんでしたー!」 久「……」 まこ「……」 咲「……」 和「……」 優希「……」 シーン 京太郎「あ、あれ?」 まこ「お、おう…」 まこ「まぁ、よう帰「どこ行ってたんだバカこの犬!!!」 咲「優希ちゃ」 優希「皆がどれだけ心配したと思ってるんだじぇ!!」 京太郎「わ、悪い悪い……」 京太郎「ちょっと気分悪くなってさ」 咲「京ちゃん、もう大丈夫なの?」 京太郎「ああ、もちろん!」 京太郎「今なら5キロ先のスーパーでもダッシュで買い出しに行けますよ、部長!」 久「え、えぇ……はぁ」 和「大事にならなくて良かったです、本当に」 京太郎「和、もしかして心配してくれたのか!?」 和「当たり前ですよ……」 京太郎「ま、マジか」 京太郎「そ、そうだ!帰ったら皆自慢しようと思ってたんだよ!!」 優希「何を?」 京太郎「ちょい待ってろ」ゴソゴソ 京太郎「じゃーん!!」 咲「色紙?」 京太郎「小鍛治プロのサイン色紙!!」 久「え!?」 京太郎「しかも宛名付き!!」 まこ「そんなもんどこで……」 優希「京太郎の事だから怪しい露店商に引っかったに違いないじぇ!」 京太郎「チッチッチ、違うんだなそれが」 京太郎「もちろん、本人から直接書いてもらったんだよ」 京太郎「なんなら本人に直接確認取ってもいいんだぜ?」 優希「なに!?」 京太郎「ちょっと待ってな」プルル 咲「よ、よくわからないんですけど…」 咲「京ちゃんはその、小鍛治プロって人に助けてもらったって事ですか?」 久「龍門渕の執事さんによるとね……って」 久「咲、小鍛治プロのこと知らないの?」 咲「は、はい」 和「元世界ランキング2位の超有名選手ですよ」 まこ「ま、最近テレビでは解説でしか出番がないからの」 咲「そ、そんなに凄い人だったんですか……じゃあ、このサインってかなり貴重なんじゃ」 久「好きな人は何十万も出すんじゃないかしら」 咲「そ、そんなに!?」 まこ「店に飾っておこうかの」 久「……」 和「部長、まさかオークションにでも出品する気じゃ」 久「そ、そんなことしないわよ!?」 久「ホラ、宛名も付いてるし!!」 和「焦りすぎです」 久「ぐぬ…言うようになったわね、和も」 咲「なんにしても、京ちゃんが無事で良かったです」 久「ホント、その通りね」 和「試合には出れなくても同じ仲間ですからね」 まこ「……」 久「まこ?」 まこ「あ、あぁ……いや、なんでもない」 京太郎「ほら!」 優希「もしもーし?」 小鍛治『も、もしもし、健夜ですけど』 小鍛治『須賀君?』 小鍛治『どうしたの?』 小鍛治『も、もしかしてサインの名前間違ってたとか……』 小鍛治『ど、どーしよ……あ、またご飯でもご馳走させてね、その時ついでに』 優希「ふん!」 ガシャーン! 京太郎「ぁぁぁあ!!!俺の携帯がぁぁあ!!!!」 優希「手が滑った!!」 京太郎「俺のサイン色紙に水がぁぁあ!!!」 優希「心配させた罰だじぇ!!」 京太郎「ふふふ……」 優希「な、何笑ってるんだじぇ」 京太郎「こんなこともあろうかと!!」 京太郎「サイン色紙にサランラップを巻いておいたのだ!!」 優希「何!?」 京太郎「ははは、俺の作戦勝ちだな優希!!」 優希「く、京太郎の癖に生意気だじぇ!」 京太郎「これは渡さん、家宝にする!!」 優希「アラフォー手前のベテラン選手のサイン色紙を家宝にするなんて情けないやつだじぇ!!」 京太郎「何とでも言え!!」ガチャ バタン 優希「待てこのやろー!」ガチャ バタン 和「携帯の方はどうでもいいんでしょうか……」 … …… 健夜「……」ソワソワ 恒子「なにソワソワしてんの、すこやん」 健夜「し、してないよ!?」 恒子「ふーん」ニヤニヤ 健夜「な、なに?」 恒子「もしかして例のツバメくん?」 健夜「何で知ってるの!?」ガタ 健夜「ていうかツバメじゃないよ!?」 恒子「え、当たってたの!!」 恒子「つぶやこーっと」 恒子「すこやん、親鳥なう。っと」 健夜「……」グググ 恒子「冗談冗談」グググ 健夜「やめてよ……本当そんなんじゃないんだから」 恒子「へぇー」 健夜「ていうかもう1回聞くけど、なんで知ってるの?」 恒子「教えなーい」 健夜「……」サッ 恒子「……」ガッ 健夜「……」グググ 恒子「……」グググ 恒子「ちょ、強い!今日のすこやん力強い!」ギギギ 健夜「うるさいよ!?」 健夜「結局誰に聞いたのこーこちゃん……」 恒子「すこやんのお母様からお聞きしました」 健夜「……」 健夜「え……」 健夜「なんでおかーさんが知ってるの……」 恒子「さぁ」 健夜「良子ちゃんがバラすはずないし……」 恒子「え、なに?」 恒子「戒能プロも知ってるの?」 健夜「一応……」 恒子「選手生命終わったね!」 健夜「……」 恒子「冗談冗談!」 健夜「びっくりさせないでよ……」 健夜「プロで知ってるのは良子ちゃんだけだと思うんだけど」 健夜「……と、思いたい」 恒子「え?」 恒子「なんで戒能プロだけ」 健夜「えーっと、それはね」 恒子「待って!」 恒子「私、当ててみるから」 健夜「ハズレ」 恒子「まだ何も言ってないよ!?」 健夜「だって、こーこちゃん絶対ふざけたこと言うもん!」 恒子「真面目に答えるから!」 健夜「えー…」 恒子「う~ん……」 恒子「2人で高校生相手に逆ナンしてお持ち帰りしてきた!」 健夜「(ほら来た……)」 恒子「違う?」ドヤ 健夜「なんで自信ありげなの……」 恒子「もー、今日のすこやんノリ悪いよー?」バンバン 健夜「え、そうかな……ごめんね」 恒子「気を付けてよね!」バンバン 健夜「いたいいたい……」 健夜「……」 健夜「(……考えてみたら、私がこーこちゃんのギャグに乗った事って数えるくらいしかないんじゃ)」 健夜「あれ、私っていつもこんな感じだからノリ悪いも良いも無いんじゃ……」 恒子「今思えばそうだねー」チュー 健夜「……」 恒子「ストローで飲むグレープフルーツジュースってなんでこんなに美味しいんだろ」 健夜「いや知らないよ……」 健夜「……」 健夜「私も頼もうっと」 恒子「で、どうなの」 健夜「え、何が?」 恒子「何が、じゃないよすこやん!」 恒子「ツバメくんのことに決まってんじゃん!」 健夜「そのツバメくんってのやめない!?」 恒子「ごめん、なんかリアルだもんね」 健夜「今日のこーこちゃん言いたい放題だね」 恒子「じゃ、仮称Tくんで」 健夜「イニシャルも何も全然関係ない名前になっちゃったよ……」 恒子「じゃ、名前教えてよ」 健夜「う……」 健夜「や、やだ」 恒子「うわ……」 健夜「うわ……ってなに!?」 恒子「いや、なんかすこやんが別の生き物にメタモルフォーゼしたかのような空気を感じ取ったの」 健夜「なにソレ……」 恒子「で、どうなの」 健夜「どうって……」 恒子「須賀京太郎くんとはどんな感じなの?」 健夜「……え」 健夜「うわぁぁぁぁあ!?」 恒子「ふふふふふふふふ」 恒子「私が知らないとでも思ったか魔人アラフォー!!」 健夜「何、その嫌な名前の魔人!」 恒子「昨日の仲間は今日の敵!」 恒子「仲間を疑うことも考えた方がいいよ!」 健夜「……」 健夜「どうせ、おかーさんでしょ……」 恒子「まぁ、そうなんだけどね!」 恒子「で?」 健夜「……」 健夜「まぁ、一応今度ご飯どうかなって…」 恒子「……」 恒子「手出すの早ッ!!」 健夜「そういうツッコミやめてよ!?」 恒子「ごめんごめん、なんか興奮しちゃって」 健夜「ていうかまだ会って2日しか経ってないんだけど」 恒子「大会終わったら帰っちゃうしね!」 健夜「……」 恒子「もう1年遊べるドン!」 健夜「ぷっ! な、なにそれ……」 健夜「しかもちょっと似てるし…」 恒子「ね、それっていつ?」 健夜「右ブロックの準決勝戦終わってからの夜だけど…」 恒子「マジ!?」 健夜「う、うん…」 恒子「私その日解説終わったら、後何もないから」 健夜「う、うん?」 恒子「一緒に行く!」 健夜「え……」 健夜「本気で言ってるのそれ」 恒子「マジマジ! ツバ付けとかなきゃ!」 恒子「もちろん、すこやんがね!」 健夜「急に行きたく無くなってきたよ…」 … …… 京太郎「……」 京太郎「や、やべぇ緊張してきた」プルル 京太郎「あ、電話かかってきた」 ガチャ 透華『もしもし、ハギヨシですか?』 京太郎「え、須賀ですけど……」 透華『も、申し訳ありません。間違えましたわ』 京太郎「いえ」ガチャ ツーツー 京太郎「……」プルル ガチャ 透華『もしもし、ハギヨシですか?』 京太郎「いえ、須賀です」 透華『ど、どうなっていますの!?』 京太郎「すみません。俺、今日携帯壊しちゃってハギヨシさんに貸してもらってたんです」 透華『ああ、そうでしたか』 京太郎「あ、今帰ってきたんで変わりますね」 ハギヨシ「申し訳ありません。透華お嬢様」 透華『気にしていませんわ』 ハギヨシ「京太郎くんも、すみません」 ハギヨシ「それで、何か御用でしたか」 … …… … …… 健夜「須賀君!」 京太郎「小鍛治さん! ……と」 恒子「おっす少年!」 京太郎「え……」 京太郎「も、もしかして福与アナ!?」 京太郎「本物!?」 健夜「(そっちは知ってたんだ…)」 恒子「え、あたしのこと知ってるの?」 京太郎「ええ、そりゃもう」 京太郎「……顔くらいは」 恒子「顔だけかい」 京太郎「もしかして今中継してたり?」キョロキョロ 健夜「あはは…大丈夫、大丈夫…」 京太郎「ですよね」 恒子「うんうん」 恒子「ネット配信はしてるけどね!」 健夜「今すぐやめて!」 京太郎「……」ポカーン 健夜「ハッ!」 健夜「(つい、いつものノリでツッコミしちゃったよ……)」 恒子「すこやん、ちょっと落ち着きなよ」 恒子「Tくん困ってるよー」 京太郎「Tくん?」 健夜「……」 健夜「……」ゴゴゴゴゴ 恒子「じゃ、入ろうか須賀君」 京太郎「え…あ、はい」 健夜「入る前から疲れたよ……」 健夜「ファミレスでごめんね…」 恒子「いきつけのファミレスです」 健夜「(また余計な事を!)」 京太郎「えっ」 京太郎「プロ御用達って事ですか」 健夜「……」 恒子「……」 健夜「変なコメント重ねないで、こーこちゃん!」 恒子「正直反省してます」 京太郎「?」 京太郎「えーっと、福与アナ?と…小鍛治プロはすごい仲いいんですね」 恒子「年の功だね!」 健夜「意味不明だよ…」 恒子「あ」 恒子「こーこちゃんって呼んでもいいんだよ」 京太郎「こ、こーこちゃん?」 恒子「そうそう」 恒子「で、こっちがすこやん」 健夜「え、私にも振るの」 京太郎「す……」 京太郎「すこやん……」 健夜「……」 健夜「……」カァ 恒子「おー、照れてる」 健夜「やめてよ!?」 … …… 恒子「ドリンクバー3つで!」 京太郎「え、俺は…」 恒子「いいっていいって!」 恒子「今日はすこやんが奢ってくれるから!」 京太郎「いや、悪いですって」 健夜「いいんだよ、須賀君。色々迷惑もかけちゃったしね」 恒子「金なら浴びるほど持ってるしね!」 健夜「……」ヒュッ 恒子「飲み物取ってくるよー!」スカッ 健夜「(躱された!)」 京太郎「あ、それなら俺行きますよ!」スタスタ 恒子「え……」 健夜「……」 恒子「調子乗ってすいませんでした」 健夜「え? 何? 聞こえないよ?」 恒子「もー!ごめんってば」 健夜「あー……疲れた」 健夜「本当ドッと疲れたよ……」 恒子「……」 健夜「……」 健夜「歳のせいじゃないよ!?」 恒子「いや分かってるよ!」 健夜「こーこちゃん、ちょっとはしゃぎ過ぎだよ」 恒子「いやー、なんか久しぶりにプライベートであういう世代の子と話したからさー」 恒子「いやー、いいわ……汚れてない男子高生って」 健夜「おじさんみたいだよ、こーこちゃん……」 健夜「それに須賀君からしたら、おばさん2人がはしゃいでるように見えてるかもしれないんだよ!?」 恒子「それは嫌だな!!」 恒子「でも私まだ、20代前半だよ?」 健夜「私だって20代だよ」 恒子「……」 健夜「……」 恒子「やめようか、この話……」 健夜「うん……」 京太郎「すみません」トトト 恒子「おろ、少年」 健夜「須賀君、どうしたの?」 京太郎「考えたら俺2人の飲みたいもの聞いてないと思って……」 健夜「そんな、なんでもいいのに…」 健夜「ごめんね、気を使わせちゃって」 恒子「いい子だなー」 健夜「(こーこちゃんは悪過ぎるよ……)」 恒子「よし、ここはおねーさんが行ってきてあげよう!」 恒子「何がいい?」 京太郎「え、いやでも」 恒子「遠慮すんな!」 恒子「私ドリンクバー大好きだから!」 健夜「(どんな意味で言ってるんだろう)」 京太郎「えーと、んじゃ炭酸で」 恒子「炭酸ね、炭酸!」 京太郎「すいません」ペコ 恒子「いいっていいってー!」 恒子「じゃ!」 京太郎「ちょ、小鍛治さんは…」 健夜「私はいいよ……」 京太郎「え?」 健夜「どうせ違うの持ってくるし…」 健夜「(流石に須賀君のはちゃんと入れてくると思うけど)」 京太郎「俺、なんか持ってきましょうか?」 健夜「いやいや、いいよ」 京太郎「でも…」 健夜「えーと、ほら」 健夜「私、水が好きだから!!」 健夜「……」 健夜「(我ながら苦しいフォロー)」 京太郎「水、水ですか…」 健夜「う、うん」 京太郎「……」 京太郎「も、もっと持ってきましょうか!?」 健夜「え、いいよ!?」 健夜「(須賀君もなんかたまにボケるんだよなぁ……)」 健夜「本当に気なんて使わなくていいから」 京太郎「いやー、でも皆に聞いた相当凄い選手って言ってまして」 京太郎「元世界ランキング2位って」 健夜「あぁ……それは、まぁ」 京太郎「……」 健夜「……」 健夜「ちょ、ちょっと頑張ったなぁ私っていうのはあったから……」 健夜「謙遜しませんでした、ごめんなさい……」 京太郎「(なんで謝ってるんだろう)」 健夜「こーこちゃん、遅いなぁ」 京太郎「もしかしてファンにサインでも求められてるとか」 健夜「無くはないけど、多分違うと思うよ」 健夜「多分また混ぜてるんだと思う…」 京太郎「混ぜてる?」 京太郎「……」 京太郎「まさか」 健夜「ホント小学生みたいでしょ……」 京太郎「は、はは……」 健夜「須賀君からもビシッと言ってやってよ…」 健夜「年下に言われたらきっとこーこちゃんも」 健夜「……」 健夜「いや、あの子は直さないな」 京太郎「(最近咲に同じことやったからな、俺も)」 恒子「お待たせー!」 京太郎「あ、帰ってきた」 健夜「うわ、うわうわうわ……」 健夜「やっぱり混ぜてるし!!」 京太郎「すげぇ色してますね…」 恒子「いやー、やっぱり」 恒子「これがなきゃファミレス来た意味がないでしょ!」 恒子「ねぇ?」 京太郎「……」 京太郎「はい!」 恒子「おお」 健夜「……」 健夜「(あれ?)」 健夜「(須賀君もそっち側?)」 健夜「誰が飲むのこれ…」 恒子「すこやん」 健夜「無理」 京太郎「じゃあ俺が!」 恒子「行け、若人!」 健夜「や、やめときなよ須賀君」 健夜「お腹壊しちゃうよー……」フルフル 京太郎「……」 キュン 恒子「あ、今キュンと来たでしょ」 京太郎「!?」 恒子「見た目はヤンキーなのに可愛いなー!」ガシガシ 京太郎「ちょ、やめ……やめて!」ガシガシ 恒子「はいやめた」パッ 京太郎「早ッ」 恒子「メニューメニューっと」 健夜「わ、私は、えーと、えっと」 健夜「な、なんにしようかなー」 恒子「うわ露骨」 恒子「すこやん焦りすぎー」 健夜「誰のせいだと……」 恒子「あ、ねぇねぇ須賀君」 京太郎「はい?」 恒子「目の前のお姉さん、いくつか当ててみ!」 健夜「……」ピク 健夜「……」シュバ 恒子「お花摘みにいってきまーす☆」スカッ 京太郎「えぇ!」 健夜「……」ゴゴゴ 恒子「ふんふふんふすこーやん」スタスタ 京太郎「行ってしまった……」 健夜「……」 京太郎「……」 シーン 健夜「す、須賀君」 京太郎「はい!?」 健夜「あ、あの……」 健夜「私、いくつに見える……かな……」 京太郎「(続くのかよこれ)」 京太郎「えーと」 健夜「……」 京太郎「(この質問、どう答えてもいい方向に転ばない気が)」 京太郎「あぁー、もう最初見た印象で」 京太郎「23、4くらいかな?」 健夜「……」 健夜「え!? ウソでしょ!!」 京太郎「(ほらやっぱり!)」 京太郎「いや、今は正直福与アナより1、2歳上くらいかなと」 京太郎「さっき小鍛治さんのが年上みたいなこと言ってましたから」 健夜「……」 健夜「マジ?」 京太郎「はい、割りとマジです」 健夜「お、おぉ……」 健夜「うおぉお」 京太郎「(割と面白い反応するんだなこの人)」 京太郎「結局のところ本当の年齢は?」 健夜「……っ! えーと!」 健夜「ひ、秘密!」 京太郎「ですよね」 健夜「……」 健夜「(なんだろう、このあしらわれてる感)」 咏「ファミレスファミレスーっと」 えり「子どもですか」 咏「いいじゃんよお、えりちゃん」 えり「やめて下さいよそれ……」 健夜「あれ、咏ちゃんだ」 京太郎「咏ちゃん?」 咏「およ」 咏「あれ、すこやんプロじゃね?」 えり「あなた達に上下関係というものは無いんですか?」 咏「こかじプロー」フラフラ 健夜「咏ちゃーん」 えり「聞いてないし……」 咏「奇遇ですねぃ、小鍛治プロ」 健夜「そ、そうだね…咏ちゃんはあんまりここに来ないし」 咏「……およ?」 京太郎「え?」 咏「お、おぉぉぉぉお……?」ズイ 京太郎「!?」 えり「三尋木プロ、初対面の方に失礼ですよ」ヒョイ 咏「ぐえ」グイ 健夜「あはは……」 咏「相席いいですかー?」 健夜「え……あ、いい?」 京太郎「お、俺は構いませんけど」 えり「迷惑ですよ、三尋木プロ……その」チラ 京太郎「……」 えり「お、お二人方に?」 京太郎「(まぁ、疑問系だよな)」 咏「そのお二人方は付き合ってらっしゃるんですか?」ニヤニヤ えり「な……」 健夜「は!?」 健夜「……」 健夜「えっ!?」 健夜「……」 健夜「え、えぇ!?」 京太郎「(相当混乱してるな小鍛治さん……)」 健夜「な、何言ってるんだろ!?」 健夜「ねぇ!?」 京太郎「え、俺!?」 咏「おー……」 咏「これが、じゅんじょ」 咏「う痛っ!」ポコ えり「流石にからかい過ぎです!」 咏「何も叩くことないじゃん…」 えり「年長者は敬うべきです!」 健夜「……」 京太郎「(また落ち込んでる……)」 恒子「あれ、針生アナ?」 えり「……」 チッ 京太郎「(今、舌打ちの音が……)」 恒子「うわ、やっぱり!」 恒子「針生さんだー!」バッ えり「触らないで下さい」スカッ 恒子「……」バッ えり「……」スカッ チッ 恒子「ちょ!?」 恒子「今の聞いた!? 須賀君!」 恒子「舌打ちしたよこの人!」 えり「気のせいです」 えり「……小鍛治プロが居るからにはもしかしてとは思っていましたが」 えり「やはり居ましたか…」 … …… 健夜「あ、須賀くん…この子……この人はね」 咏「おっす」 京太郎「ちゅ、中学生?」 咏「……」 咏「ぷっ…」 咏「あっはっは!なんっだ、それ!」ケラケラ 健夜「(見えるけどね)」 咏「ひー」 健夜「三尋木咏プロだよ」 京太郎「ぷ、プロですか?」 健夜「そう、それに日本代表選手も兼ねてるんだ」 京太郎「日本代表!?」 咏「ピース」 京太郎「ほ、本当はいくつなんですか?」 咏「なになに、気になんの?」 京太郎「いや、マジで一瞬小中学生かと……」 健夜「ま、まぁ…わかるよその気持ち」 咏「おいおい!」 咏「なになに、機嫌取ろうとしてんの?知らんけど」 咏「褒めて何か出させようとしてんの?」 京太郎「いや、別に……」 咏「アメとかならあるけど」コト 京太郎「黒飴……」 咏「もひとつあった」コト 京太郎「キンカンのど飴……」 咏「ほい」コト 京太郎「パインアメ……」 咏「いやー」 咏「ほんとババアかってのね! はっはっは!」ケラケラ 健夜「……」ピク 京太郎「……」 健夜「まだ何も言ってないよ!?」 京太郎「俺も言ってませんよ!?」 恒子「よいしょっと」 えり「行きましょう、三尋木プロ」 咏「え」 えり「ここよりいい店知ってますから、ほら」 咏「今日のえりちゃん強引だね」 えり「一刻も早くここを離れたいので」 咏「じゃあねぇーい」フリフリ 恒子「ここよりいいチェーン店なんてあるもんか!」 健夜「なんでチェーン店限定なの……」 恒子「ったくよー、態度悪いよ針生アナ!」 京太郎「ヤンキーですか」 恒子「お前の方がヤンキーだろうが! キンキンの髪しやがって!」ガシガシ 京太郎「じじじげですって!」ガシガシ 健夜「こーこちゃんの方が後輩なんだから……」 恒子「関係無いね!」 健夜「え、あるでしょ!?」 京太郎「まぁ、側から見たら仲良く見えましたけど」 恒子「まっさか!」 恒子「私が仲良くしてあげてるんだよ」 健夜「いないからって好き放題言っちゃダメだよこーこちゃん…」 恒子「針生アナって友達少ないからさー」 恒子「しかもロリコンだし!」 健夜「それは違うと思うな……」 恒子「あ、そういやメニュー頼んでない」 京太郎「……」ギュルルル 健夜「……」 京太郎「……すいません、俺です」 恒子「育ち盛りか!!」ガシガシ 京太郎「ぐわぁぁ……」ガシガシ 健夜「い、いやその通りだよこーこちゃん! やめてあげてよ!」 恒子「ほら、すこやんもやってやれ!」 京太郎「うぇ!」ズイ 健夜「え!?」 健夜「……」 健夜「……」ソーッ 健夜「……」サワッ 京太郎「……」ピクッ 恒子「何やってんのあんた達……」 恒子「ま、そんなことよりメニューっと」 恒子「……」 恒子「ステーキ食べなよ、須賀君」 恒子「一番高いやつね!」 京太郎「え」 健夜「もー、こーこちゃんダメだよ……」 健夜「ほら、もひとつメニューあるし」ヒョイ 京太郎「あっ ありがとうございます」 健夜「好きなの選んでいいんだよ」 京太郎「……」ペラ 京太郎「……」ペラ 京太郎「……」ピタ 京太郎「れ、レディースセットって……」 健夜「ん?」 京太郎「美味しそうだなぁって、ははは…」 恒子「男ならステーキでしょ!」 健夜「もう、絡まないの」 健夜「……!」 健夜「じゃ、私が頼むよ!」 京太郎「え、いいんですか?」 健夜「私の分は、須賀君が頼んでくれたらいいし……」 京太郎「そ、それじゃあお言葉に甘えちゃっていいですか」 健夜「全然いいよー」 恒子「……」 恒子「(す、すこやんが……)」 健夜「こーこちゃん?」 恒子「保護者してる!」 健夜「……ど、どういう意味なのそれ」 恒子「いや、深い意味はないよ!」シャキーン 健夜「……」 京太郎「いや、実は長野でもこうやってレディースランチ頼んで食ってた事があるんですよね」 恒子「!?」 健夜「!?」 恒子「(も、もしかして彼女持ちなのこの子)」 健夜「……」 恒子「すこやん?」 健夜「え、何?」 恒子「(案外冷静だ……)」 健夜「(こーこちゃんが珍しく難しい顔してる…)」 恒子「(よし、ここは私がすこやんの為にひと肌脱ぐよ!)」 健夜「(また余計なこと考えてないといいんだけど…)」 恒子「須賀くんやーい」 京太郎「はい」 恒子「そのレディースランチの子って…」 恒子「コレ?」 健夜「(小指!)」 京太郎「いえ、違いますけど」 恒子「なぁーんだ」 健夜「ホッ……」 健夜「(その前に意味が通じてよかったよ)」 … …… 恒子「以上でお願いしまーす」 京太郎「ありがとうございます」 健夜「ふぅ……」 京太郎「疲れてるんですか、小鍛治さん」 健夜「ご、ごめんね…」 恒子「すこやん体力無いからね!」 京太郎「注文前に話し過ぎましたね、ちょっと」 京太郎「俺はかなり楽しかったですけど」 健夜「そ、そう!?」 恒子「(落ち込んだり元気になったり忙しいなぁ)」 … …… 恒子「以上でお願いしまーす」 京太郎「ありがとうございます」 健夜「ふぅ……」 京太郎「疲れてるんですか、小鍛治さん」 健夜「ご、ごめんね…」 恒子「すこやん体力無いからね!」 京太郎「注文前に話し過ぎましたね、ちょっと」 京太郎「俺はかなり楽しかったですけど」 健夜「そ、そう!?」 恒子「(落ち込んだり元気になったり忙しいなぁ)」 … …… 久「須賀くん、今頃いいもの食べてるんでしょうねぇ」 まこ「ホテルのレストランも十分豪華じゃと思うが」 優希「決勝、前に! 1人外食なんて! 気がたるみすぎだじぇ!」 和「優希、行儀悪いですよ」 優希「ヤケ食いだじぇ!!」ガツガツ 咲「……」 和「どうしたんですか、咲さん」 咲「京ちゃんは、麻雀やってて楽しいのかなぁって」 和「……」 咲「い、嫌味じゃないよ!?」 咲「ただ、私たちが試合してるとき、京ちゃんは1人きりで見学してて」 咲「私の方が後から入ったのに……」 咲「それで、京ちゃんは麻雀を楽しめてるのかなぁって」 咲「そう、思ってたんだ…」 和「咲さん……」 久「心配してもラチがあかないわよ、そんなこと」 和「部長」 久「案外、麻雀でもなんでも、今1番楽しんでるのは須賀くんだったりしてね?」 … …… 京太郎「食い足りない……」 恒子「ほらー、やっぱりレディースセットなんてシケたもの頼むから!」 健夜「シケたものって……」 健夜「あ、良かったら私の食べる?」 恒子「アラフォーが攻撃をしかけた!」 健夜「うるさいよ!」 京太郎「じゃ、じゃあ一口だけ」 恒子「ほら、あーんってしろ!」 京太郎「え!?」 京太郎「むぐ!」 健夜「ちょ!? こーこちゃん?」 京太郎「死ぬかと思った……」 恒子「ほら、すこやんも!」 健夜「え!? 私!?」 京太郎「え」 恒子「ほらほら!」 健夜「え、えーと! ……じゃ、じゃあ」 健夜「あ、あーん?」 京太郎「……」モグモグ 京太郎「あ、ありがとうございます」 健夜「……」 健夜「……」カァ 恒子「また照れてやんの」 健夜「う、うるさいよ……」 京太郎「……」 京太郎「小鍛治さん、福与さん」 小鍛治「何かな?」 京太郎「俺、今最高に楽しいっす!」ニカ 恒子「ふむ?」 小鍛治「な、なんだかよく分かんないけど……」 小鍛治「須賀君が楽しんでくれて、良かったよ」ニコ … …… 京太郎「ごちそうさまでした、小鍛治さん」 恒子「いいってことよ!」 健夜「全然いいよー」 健夜「って、なんで私より先にこーこちゃんが返事してるの……」 京太郎「つーか、あの」 恒子「んー?」 京太郎「ホテルの方向こっちじゃないんですけど」 健夜「え!」 恒子「当然じゃん」 京太郎「はぁ!?」 恒子「今、デパート向かってますから!」 … …… えり「本当に、こんなデパートでいいんですか?」 咏「いいんだよー」フラフラ えり「(まさか一杯で酔うとは…)」 えり「それで、何が欲しいんですか?」 咏「えりちゃんかねぃ」ニヤニヤ えり「またそんなことを…」 咏「冗談冗談ー」 えり「はぁ……」 えり「で、何が欲しいんですか?」 咏「うーん」 咏「……」 咏「下駄?」 えり「えっ……」 えり「(デパートで下駄?) えり「デパートで下駄って売ってるんでしょうか…」 咏「わっかんねー」フラフラ えり「……」 えり「(普段の倍、適当さが増している気が)」 えり「ま、まぁとりあえず靴売り場に」 咏「あつい……」 えり「お願いですから脱がないで下さいよ」 咏「えりちゃん固すぎだぜー」ケラケラ えり「脱ぐのに硬いも柔らかいのもないのでは…」 咏「……」 えり「……」 咏「なんか急に頭がスッキリした」 えり「?」 … …… 恒子「着いたー!」バタン 健夜「ご、ごめんね須賀君」 京太郎「……」ポカーン 健夜「このおバカさんが…」 恒子「おバカさん……」 恒子「まぁまぁすこやん、ちょいちょい」 健夜「なに……」 恒子「(もうすぐ須賀君帰るんだし、記念にプレゼントくらい買ってあげないと!)」 健夜「(なんか重くないかなそれ)」 健夜「(会って2日の相手にプレゼントって)」 恒子「(大丈夫大丈夫!)」 恒子「(出会って2日でご飯奢ってる時点で十分重いから!)」 健夜「……」 健夜「(それもうアウトじゃん!?)」 恒子「須賀君やーい!」 京太郎「ってな感じです……はい、遅れます……はい…はい」 京太郎「えっ、お土産?」 健夜「電話中みたいだね」 京太郎「……す、すみません…ちょ、手持ちが……」 京太郎「…ごめんなさい、ごめんなさい……明日はバリバリ働きますんで……」 恒子「……」 健夜「こーこちゃん?」 恒子「……」 恒子「急に罪悪感がしてきた……」 健夜「遅いよ……」 京太郎「お待たせしましたー!」タタタ 恒子「お、おう…」 京太郎「?」 健夜「ちょっと反省してるみたいだから放っておいてあげてね…」 京太郎「はい?」 恒子「……」 恒子「須賀少年や」 健夜「(もう復活した!)」 恒子「須賀少年が長野に帰る前に私たちがなんかプレゼントをと思ってねー」 京太郎「え」 恒子「このイ○ンでな!」 健夜「(急にスケールが小さくなった感が)」 京太郎「え、いいですよそんなの……あと須賀少年ってなんすか」 恒子「ま、細かい事は気にせずに」グイ 京太郎「ぐえ」グイ 健夜「ちょ、こーこちゃんダメだよ引っ張っちゃ!」 恒子「……」 健夜「どうしたの?」 恒子「今、一瞬針生さんが見えた気がする」グググ 京太郎「ぎ、ギブギブ!」グググ 恒子「おっ、ごめんよ」 京太郎「はぁ…はぁ……」 健夜「大丈夫?」 京太郎「は、はい」 恒子「……」 恒子「ちょっと驚かしてやろっか」 京太郎「え?」 … …… えり「流石にスニーカーくらいしか見当たりませんね……」キョロキョロ 咏「んー」 咏「……」 咏「おっ、これは」 えり「どうしました、三尋木プロ」 咏「見て見て!」 えり「?」 咏「このスニーカー、ピッタリじゃね?」 えり「……」 えり「(小学生に見える……)」 咏「おおー! 走れる走れるー!」トトト えり「ちょ、商品ですよ!」 えり「(着物でも走れるのか)」 恒子「いやー、困りますねお客様」 恒子「我が社の商品で勝手に遊んでもらっては」 京太郎「(我が社の商品?)」 健夜「(色々おかしいよ…)」 えり「す、すいません! 今すぐ…」クル 恒子「……」ニヤ えり「……」 えり「あ、あなた達は…」 えり「(何故全員サングラスなのだろうか)」 … …… 恒子「で、何してたのー?」 えり「少し、買い物を……」 健夜「あ」 健夜「そういえば今日、咏ちゃんの誕生日だったよね」 京太郎「あれ、そうだったんですか」 恒子「……」ジー えり「な、なんですか」 恒子「……」ニヤニヤ えり「……」 恒子「邪魔しちゃ悪いから私たちは退散しよっかー☆」クル 京太郎「……」 健夜「……」 京太郎「(今さら何を言ってるんでしょうか、あの人)」 健夜「(絶対何か企んでるんだよ…)」 えり「ま、待って下さい!」 恒子「んー?」 えり「ど、どうせなら一緒に行動を…」 えり「(このまま目を離すと何をされるか分かったものではありません)」 恒子「全然いいよー!」 恒子「……」 恒子「(計画通り)」 京太郎「すごく悪い顔してますね」 健夜「生まれながらのイタズラっ子なんだよ、多分」 えり「三尋木プロ、三尋木プロ」 咏「んー?」トトト 恒子「ちはす!」 咏「おー、さっきの三人組じゃん」 咏「何してんの?」 恒子「いやー、今日が三尋木プロの誕生日と聞いて」 恒子「駆けつけました!」 咏「おぉ……マジで?」 恒子「もちろん」 京太郎「……」 健夜「……」 えり「……」 えり「急に大所帯になりましたが……」 えり「そちらの少年、時間は大丈夫なんですか?」 京太郎「あ、よく考えたらダメですね」 恒子「だーいじょうぶだって!」 えり「何を根拠に……」 恒子「この時間イ○ンで騒いでるチャラチャラした集団なんてよく見かけるし!」 健夜「それがどう関係あるの…」 咏「わっかんねー」 えり「頭痛が……」 恒子「ま、姉妹でなんとか通せるでしょ!」 健夜「どうやって通すの!?」 京太郎「……」 えり「……」 恒子「……」 恒子「がんばれ、四女!」ポン 京太郎「四女!?」 恒子「プチ女装プチ女装!」 京太郎「ちょ、本気ですか!?」 恒子「いけるいける!」 京太郎「無理無理無理!」 恒子「素材はいいから!」 恒子「ね、すこやん!」 健夜「……」 健夜「え、私!?」 えり「今のうちに置いて行きましょう」 恒子「どこ行く気だこら!」 チッ 咏「おもしれぇー」ケラケラ えり「面白くありませんよ……」 … …… 咏「ふーん、じゃあもう暫くしたら帰るんだ」 京太郎「はい、まぁそうです」 京太郎「三尋木プロ? は今日が誕生日だったんですね」 咏「そうなんだよねぃ」 咏「今日で25になりました!」 京太郎「25!?」 恒子「因みに私より年上だから」 京太郎「……」 京太郎「お、おめでとうございます……」 咏「せんきゅー」 咏「お、アイス」 恒子「デパートといえばスイーツ」 恒子「入るよ!」 健夜「私はちょっといいかな…」 えり「私も遠慮しておきます」 咏「誕生日なのに……」ボソ えり「……」 えり「はぁ……」 恒子「甘いね、お母さん」 えり「誰がお母さんですか」 … …… 咏「ちょっと見ててみ」ニヤ 京太郎「?」 咏「……」トコトコ 咏「抹茶ひとつ、コーン」 咏「学割で」 京太郎「!?」 店員「はい、どうぞ」 咏「さんきゅー」トコトコ 健夜「学割……」 恒子「うわ、いいなアレ」 恒子「いっつもあんなことやってんの」 えり「初めて見ました……」 恒子「ダメだよ、パートナーの事はしっかり把握しとかなきゃ!」 えり「別にパートナーという訳じゃ……」 恒子「ま、この話はここまでにして……」 えり「……」 恒子「おーい、須賀君は何がいい?」 京太郎「俺、自分で払いますよ」 恒子「素直に奢られとけって!」 京太郎「……じゃあ、バニラで」 恒子「オッケー」 恒子「すみませーん」 店員「はい」 恒子「バニラお願いします」 店員「はい」 恒子「あ、三段で!」 京太郎「三段!?」 … …… 店員「どうぞ、バニラのトリプルになります」 京太郎「う、うぉぉお……」 恒子「落とすなよー」 京太郎「ちょ、ちょっと無理が……」ヨタヨタ 恒子「……」 恒子「つんつん」 京太郎「うわっ!?」 健夜「こーこちゃん、余計なことしちゃダメだよ」 京太郎「俺、三段も食べれませんよ」 恒子「大丈夫!」 恒子「私たち3人で食べるから!」 京太郎「は!?」 健夜「!?」ガタッ 咏「えりちゃん、ひと口あげよっかー?」 えり「!?」 えり「い、いりませんって!」 咏「かてーこと言うなっての」 えり「う、う……」 咏「ほら、あーん」 えり「ちょ、ちょっ待っ……」 咏「あははは!」ケラケラ 咏「えりちゃん焦りすぎ!」 えり「……」グター えり「(疲れた…今までで間違いなく一番疲れてる……今日……)」 京太郎「……」プルプル 恒子「ガブっといけ!ガブっと!」 健夜「無理だよ!? なに言ってるの!」 恒子「じゃあ私が!」 健夜「それもダメだよ!?」 えり「(何をやってるんだろうあの人たち……)」 咏「……」パクパク 咏「……」 咏「お、おお!?」キーン えり「何やってるんですか」 京太郎「あ」 恒子「三段目ー!!」 健夜「お、落ちちゃう!」 えり「!」 えり「……ッ!」シュバ ビチャ 咏「おお…」 咏「えりちゃん、ナイスキャッチ!」 恒子「ナイスキャッチ!」 えり「……」ズーン えり「カップ貰ってきます……」 京太郎「す、すいません!」 えり「いえ……」 えり「自然に体が動いた自分が悪いので」スタスタ 京太郎「(自然にだったのかあれ)」 咏「えりちゃん、勿体ないのが嫌いだからね」 恒子「なんか、すこやんみたいだねー」 健夜「……」 健夜「私がおばさんみたいってこと!?」 咏「絶好調ですねぃ」 京太郎「(小鍛治さん……)」 … …… 久「で、お土産は?」 京太郎「……」コト 咲「アメ?」 ~~~~~~ 咏「ほー」 咏「長野に帰るからプレゼントを……」 恒子「そうなんですよ!」 咏「んじゃ、私からもなんかあげようかねぃ」 京太郎「え、本当ですか!?」 恒子「やったじゃん!」 咏「はい、アメ」 コト 京太郎「……」 恒子「……」 ~~~~~~ 京太郎「もうひとつ……」コト 咲「ボールペン、かな?」 久「某テレビ局のマークがあるわね」 ~~~~~~ 咏「えりちゃんもなんかあげなよー」 えり「え、私ですか!?」 京太郎「そんな、無理してもらわなくても…」 えり「……」ゴソゴソ えり「こんなのなら……」コト 恒子「私も持ってるよこのボールペン…」 京太郎「あ、ありがとうございます」 ~~~~~~ 久「他には何かないの?」 京太郎「一応、皆にと思って自腹でお菓子なんかを」ガサ 咲「ありがとう、京ちゃん」 京太郎「ああ」 久「サインは?」 京太郎「貰ってないですけど」 久「なんで貰ってこないの……」 京太郎「流石に図々しいかと思って」 咲「小鍛治プロには何も貰わなかったの?」 京太郎「ああ……まぁ」 久「煮え切らないわね」 久「私は部屋に戻るから」 久「須賀君も寝過ごしちゃダメよ」 京太郎「はい」 久「それじゃ、お休みなさい」ガチャ バタン 京太郎「咲も戻れよ、試合近いんだから」 咲「……」 咲「京ちゃん、何か貰ったでしょ」 京太郎「……」 京太郎「一応、最後に3人でプリクラ撮った」 咲「え、見せて見せて!」 京太郎「ダメに決まってんだろ」 京太郎「もう早く寝ろ、試合近いんだから!」 咲「京ちゃんのケチ!」ガチャ バタン … …… 恒子「それケータイに貼るの?」 健夜「いやいや絶対無理だよ!」 恒子「じゃ、どーするの?」 健夜「……」 健夜「どーしよ…」 恒子「額縁に入れて飾っておくとか!」 健夜「なんか怖いよそれ……」 健夜「でも」 健夜「……」 健夜「大切にはしたい、かな」 恒子「……」 恒子「いい顔しちゃって!」 おわり
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エイスリンさんに初めてを捧げて、憩さんから口づけというクリスマスプレゼントをもらった夜は、当の昔に過ぎ去った 大晦日はみんなと霞さんの家で年越しそばをごちそうになって、おせちまで用意してもらった 霞さんにお年玉をねだったら俺のお年玉を狙われたのは、まあ、いい思い出だ 照は推薦を使わず、一般で関西の最高学府へ入学。エイスリンさんは大阪の大学へ入った 郁乃さんは身体を元に戻して、元の職業だったプロ雀士のメンタルトレーナーに復職した 卒業式の日は、エイスリンさんに泣きながら抱き着かれ、照に卒業祝いのお菓子をおごらされたりもした 郁乃さんには襲われかけたが、逆に襲い返そうとすると急にしおらしくなり 「えっ……え、本気……なんか?」 「私なんて、どうせおばさんやし、お、襲っても気持ちよくなんかないで」 「せやから……そないなこと……」 こんなことを頬を赤らめて目をこちらに合わせまいとしながら言ってくるおかげで、嗜虐心をそそられて本当に襲ってしまおうか迷ってしまうほどだった ちなみに、メンタルトレーナーというのは、日々削られる雀士の精神を調整する仕事らしい 941 名前: ◆r05KxLrr0E[saga] 投稿日:2013/11/10(日) 23 27 14.59 ID Lo7QWEYqo [5/5] そうして新しい春を迎えた清々荘の二つの部屋は空いたが、そこへ記念すべき後輩一号くんと二号ちゃんが入った 入学式が終わったあと、例年通り新しい二人の住人のために歓迎会を催した 二人とも麻雀をしていて、三箇牧の活躍を見て入学したらしい 一号くんはいわゆる男の娘で、二号ちゃんは綺麗系の女の子で、見た目的には麻雀部は俺のハーレムに見えるらしく、クラスの男衆からの反感を買った 結局、新たな男子部員の獲得はできず、俺と一号くんは個人戦で頑張ることとなった 女子部員は二号ちゃんも含めて三人ほどが入部し、なぜか華菜さんも入部し、新生三箇牧麻雀部の女子は千里山を破り二年連続でインターハイへの出場を果たした たまに照が霞さんの家に寄ったり、郁乃さんが押しかけてきたり、絵を描いているエイスリンさんを川辺で見かけることがあり、三人とも、やはり一年前とは変わっているんだな、という風に感じた インターハイの女子団体の部、第一シードの俺たちの初戦の二回戦の前日、憩さんは一年前以上の緊張を背負っていた あの日の憩さんは危なっかしくて、試合会場の前で車に轢かれそうにもなった 今にも泣きそうな憩さんは見るに堪えず、安心させるために強く抱きしめた 「みんながいるから大丈夫ですよ」 「俺がずっと応援しているんで、頑張ってください」 そんなことを耳元で語りかけて、キスをしてあげると、憩さんはいつもの笑顔になった 943 名前: ◆r05KxLrr0E[saga] 投稿日:2013/11/11(月) 00 20 31.73 ID a4CeryH+o [1/3] インターハイは準決勝で大将の華菜さんが捲られに捲られて敗退、個人戦は、俺と憩さんで男女優勝を果たし、咏は女子の部の三位に入賞した 大阪へ帰る前に、部員全員で海水浴に行き、一年前と同じく憩さんとデートへ行った コースは一年前とほぼ同じ、下着屋には行かなかった。二人で懐かしさを感じながらぶらついているだけだったが、それでも十分楽しかった 俺たちは、友達以上恋人未満、と言う関係よりもほぼ恋人に近い関係を築いていたが、互いに告白をしようとはしなかった 憩さんと華菜さんが引退して、俺が部長、咏が副部長となり、女子は秋の新人戦に臨んだが、結果は泉率いる千里山に敗北した 顔にこそ出さなかったが、咏は責任を感じているらしく、見かねた俺は咏をかつて二人で初めて行った喫茶店へ連れて行った 「私、このままでいいんかな、て心配なんだよねぃ」 「新人戦も、個人戦もびみょーだったじゃん?」 「……こんなんで、あの子たちのこと引っ張っていけるのかどうか気になって」 「……お前の隣に、立ちたいんだよ」 俺みたいに強くなって、俺と対等になりたい、それが咏の願いだった 憩さんのようになりたいと思っていたようだ 咏の悩みを聞くこと数時間、ようやく気を取り直したらしい咏と店を出て、金木犀の香る道を歩いた なんとなく、咏の手を握ってやると、咏は口をとがらせた 「な、いきなり何すんだよ」 「秋の風も寒いよなーって」 「だからって手ぇ繋ぐかよ」 「ああ繋ぐぜ、咏の手は安心するんだぜ」 「なんだよ……それ」 ぼそぼそ動く咏の頬は、赤くなっているように見えた 944 名前: ◆r05KxLrr0E[saga] 投稿日:2013/11/11(月) 00 59 55.38 ID a4CeryH+o [2/3] 「京太郎!遊びに来た!」 「これまた珍しいですね」 「ウン!」 ある秋の休日、エイスリンさんが俺の部屋へ遊びに来た もしあの日に妊娠してしまっていたなら、今頃は俺とエイスリンさんの子どもがいたんだろうな、と考えながら昼食を拵えた エイスリンさんの日本語は流暢になっていてとても驚かされた 「京太郎にここまで上手くなったんだよ、って教えたかった!」 「凄いでしょ?」 満点の笑顔で話しかけてくるエイスリンさんは天使で、大学で変な男に絡まれていないかどうか心配になった エイスリンさんは一年前の清々荘のみんなを描いた絵を俺に見せに来たのだと言って、俺にその絵を見せてくれた 霞さんの家の前で、俺に後ろから抱き着く郁乃さん、右腕を抱く照、左腕を抱く咏、俺ら四人を見て微笑む憩さんとエイスリンさんと霞さん 霞さんの家の屋根に乗ってる猫は華菜さんだったのだろうか? その後、エイスリンさんと街へ繰り出し、部屋で夕食を一緒に作って食べた 「去年も京太郎と一緒に寝たよね」 「あの風邪うつらなかったですか?」 「ううん、うつらなかったよ」 「…………」 「…………」 「京太郎……キス、しよっか」 「えっ」 今度のエイスリンさんは小悪魔のように笑った 二年生のクリスマスには、プロ・アマ交流戦が行われず、余りある冬休みを過ごす俺の元を照が訪れた 「京、クリスマスケーキ作って」 「今もうクリスマスの8時だからな!?」 「シフォンケーキなら焼くだけでできるから大丈夫」 「この部屋オーブンとか無いし、電子レンジもそこまでできるほどじゃないんだけど」 「私と京の熱であっためればなんとかなるはず」 「無理だからな?大体お前そんなキャラだったっけ?」 照と咲は、小母さんと小父さんの長らく続いたきのこたけのこ戦争を和平に持ち込み、仲直りをさせたらしい 大晦日は家族四人で旅行に行くので、年が終わる前に俺にまた会いに来たかったそうだ 「今年は何が貰えるかな」 「今年?あの赤と白の服を着たおじさんのことか?」 「うん、去年は読みたかった文庫本とブックカバーをもらった」 「そ、そうか、今年も貰えるといいな」 「朝起きたら枕元に京との子どもがいれば満足、ナイスサンタさん」 「それはコウノトリの仕事だ」 「た、たまにはコウノトリにソリを引いてもらうサンタさんがいてもいい」 「コウノトリ酷使するなよ!ホワイトなのに腹ん中ブラックじゃねえかサンタさん!」 「…………」 「…………」 「……うわぁ、みたいな顔するのやめて」 後から聞いた話によると、霞さんが照にクリスマスプレゼントを渡していたらしい バレないようにミニスカサンタのコスプレをして、住人のみんなにプレゼントをしていたそうな ……通りであの日の霞さんの目が少し怖かったわけだ 「京は私の気持ちに気づいているよね」 「……京の気持ちも、考えも、私は多分わかる」 「京が私の方だけを見ていなくても、それでいい」 「京が私のことを好きでいてくれるなら、それで満足できる」 「こうして一緒に寝れるだけで、私は幸せになれる」 「ちっぽけな幸せだけど、このくらいが十分心地いい」 「私も京も、まだまだ子どもで、私には勇気なんてないから」 「今は……こうしている…………だけ」 「ん……」 「……胸が苦しいと思ったら、抱き着かれてたのか」 布団から少しはみ出た照の髪をさらりと撫でた 胸元に漏れる照の吐息があたたかくてくすぐったかった 憩さんや、咏、エイスリンさんと照との距離は、この一年間でもっと縮まったように思えた 郁乃さんにはほとんど会っていなかったが、ほぼ毎日メールのやり取りを行っていたので、縮まった、といえば縮まっただろう ――――俺は、どうやって応えればいいんだろう 一年間、ずっと考えてきたことだ ――――どうすれば、誰も泣かない未来をつくれるんだろう 悩んで 思って 想って 考えて ようやく、答えが出た 憩「……ほんまに、来てくれたんやな」 京太郎「憩さんと三箇牧で過ごせる最後の日に呼び出されたら、行くに決まってますよ」 京太郎「お別れ会まですることもないですし」 憩「ふふっ、京太郎くんは友だちおれへんもんねー」 京太郎「余計なお世話ですよっ」 憩「来年から、部長さん頑張ってな」 憩「ウチの跡継ぎさんなんやから、しっかりしてくれないと困るで?」 京太郎「その辺は任せてください、三箇牧の名に恥じないような立派な部長になります」 憩「うん、そら頼もしいわ」 憩「……あ、でも新入生の子に手ぇ出したらだめやで」 京太郎「出しませんよ、俺を何だと思ってるんですか」 憩「んー……女ったらし?」 京太郎「どういう認識ですか!?」 憩「だって、京太郎くん、エイちゃんとか、照ちゃんも部屋に連れ込んでたやん」 憩「咏ちゃんとも二人だけ遅くまで残って部活してるらしいし」 京太郎「そう言うと俺がすっごいいやらしい男に聞こえるんですけど!」 京太郎「エイスリンさんと照はあっちから入って来ただけで、咏とはちゃんと部室の掃除とかやってんですよ!」 憩「うん、知ってたで」 京太郎「知ってたんかい!」 京太郎「何すか、俺の今の弁解意味ないじゃないですか!」 憩「まーまー落ち着いて」 京太郎(段々憩さんが郁乃さんに汚染されていっているような気がする) 京太郎「そういや、この公園に来るの、久しぶりですよね」 憩「……京太郎くんに出会った日に来た場所やね」 憩「一緒にたこ焼き食べてるの、覚えてる?」 京太郎「ええ、間接キスしましたよね」 憩「わ、わかっててあんなこと……」 京太郎「いやーだって言いにくかったじゃないですか」 憩「それも、そうやけど……」 京太郎「二年ぶりに、たこ焼き食べますか?」 憩「……ううん」 憩「今日はたこ焼きを食べに来たわけやない」 憩「それに、正確に言うと一年半やで」 憩「去年の夏祭りのときに、みんなで食べたやろ?」 京太郎「じゃあ、本題はなんですか?」 憩「……はぁ」 憩「ずーっと、話そうか迷ってたんやけどな」 憩「それで別の話してたのに、京太郎くんど直球すぎるわ」 憩「……もう、勇気出すしかないやん、あほ」 京太郎「……すんません」 憩「ううん、構わんで」 憩「……すぅー……はぁぁ」 憩「……これから話すウチのコト、聞いてくれる?」 憩「大事な、大事なウチの話――」 憩「――ずっと伝えたかった、ウチの想い」 憩「単刀直入に言うと、な」 憩「ウチは、京太郎くんのことが大好きや」 憩「こうして、二人で一緒にベンチで座ってた頃から」 憩「ウチと京太郎くんでたこ焼きを食べていたときから」 憩「……ちゃうな」 憩「京太郎くんと出会って、励ましてもらったときから」 憩「ずっと……少しずつやけど、好きな気持ちが積み重なって来たんや」 憩「……今もこうして、胸から溢れそうになってる」 憩「ウチは、京太郎くんのことが好きで、好きで好きでたまらへん」 憩「これだけは、卒業するまでに伝えたかったんや」 憩「……あらためて、言うな」 憩「ウチ、荒川憩は――」 . .-――-. . . . ´ .` . / ヽ . . / / l ヽ ヽ . / / / / l l l . ′ . . . ′/ | ハ ト、 ヘ i l |. | 1 | .|{ ‘. ヽ\_ ; | | | | | | |-―.lハ{\ fヾ\` i l |l | | | | | |{ ヽ \ { \ \ | 八 | | | レ _ 、 `r==ミx } ∧ . 八 ヽ | r㌃⌒` ムイ } ヽ / \ヾ ,,,,,,,, , '''''''' | ノ \ / 八 ハ .... 、 「 ヽ > / / >-、 ( ノ イ l l ヾ \ 須賀京太郎のことが、大好きや -=≦ / ゝ ー ' < l ∧ |` ー---` ∠ イ ∧ ト、 ≧=r-- 1 /レ' .V / \ { ヾr‐ァ' トヘ/ ___/ \ __ / \_____ / \ /ー一ヘ / ハ ハ \/ }/ ̄} / i ヽ } } | У } ∨ .| ′ / } } .. {. / { } } . | | } ,. i i ハ } ' . | 京太郎「…………憩さん」 憩「はぁー……」 憩「ようやく、言えたわ」 憩「京太郎くんがウチの実家に来てくれたとき、本当にうれしかったんやで」 憩「去年のインターハイに励ましてくれたときも、もちろん」 京太郎「俺も、憩さんが好きです」 京太郎「憩さんが俺を思うそれよりも、遥かに俺が憩さんを想う気持ちの方が強い、ってくらいに、好きです」 京太郎「……けど」 京太郎「俺は、照や、郁乃さん、咏、エイスリンさんも好きなんです」 京太郎「みんなのことが同じくらい大好きで、同じくらいに愛していて、同じくらい恋い焦がれていたんです」 京太郎「……俺には、誰か一人だけを選ぶなんて真似、できません」 京太郎「女の人の泣き顔は見たくないですから」 憩「…………やっぱりなぁ」 憩「ええよ、わかってる」 憩「京太郎くんが他に好きな子がおるの、気づいてた」 憩「ウチも含めてみんな京太郎くんのことが大好きで、京太郎くんもみんなのことが大好き」 憩「……女の子は、矢印を見つけるのが得意なんやで」 京太郎「……俺、最近考えてたことがあるんです」 京太郎「どうすれば、誰も選ばずに、誰も泣かずに済む未来が作れるのか」 京太郎「俺なんかのために泣く人がいなくなるんだろうか」 京太郎「……自信過剰か、って話なんでしょうけど」 京太郎「それでも、みんなのことが大好きで、大切だったんです」 京太郎「そして……この間、答えを出しました」 京太郎「どうしたって誰も選べないなら、選ばなくていい」 京太郎「みんなのことが大好きだから、みんなと家族になればいい――――」 / , / / / / | | . . . / / / ' | | | | i| | . イ ' /| /| l | | | | l| | |// / | | { ' . | | } | l| | { ' 〃 | | | | ト, /| /| /| ' ∧|/ / .' , ' Ⅵ |_'. | | | | l | ' }/ }/ / .イ `\{/ / / / / { | Ⅵ≧!、,| | 、 | _/ム斗七 / . / }' ' ,イ / | { 从 | イ { しメ∧ l Ⅵ イ { し刈 `ヽ' ' }/' / /イ Ⅵ . Ⅵ Vzり \ 、 } / Vzり }/ // | 从 | \ ∨/ , / _∨∧ . ` \ , _ノ> 、_ , <//////{/{{`∧ 、 / }}//////> 、´//////////// l| ,∧ _ ∧ ||///////////>/////////////从 { 、 _ ィ -vノ ' } /'///////////// ――俺は、みんなと幸せな未来を生きたいッ!/////////////{/∧ l\ ー=≦__ , ´ /' / イ∧//////////////////////////|//∧ . \ / / /'////}///////////// 憩「……ははっ」 憩「あははっ!」 憩「やっぱりおもろいなぁ、京太郎くん」 京太郎「そうっすかね……」 京太郎「俺からも、一つ、いいですか?」 憩「うん」 京太郎「……では」 京太郎「……こんなに情けない俺でも」 京太郎「常識的に考えて、ありえない俺でも」 京太郎「途方もなくバカげている俺でも」 京太郎「それでも、憩さん――貴方は、俺のことを好きでいて、くれますか?」 捨てられないのなら、和了ってしまうしかない 例えそれが、チョンボ――――不完全な役であっても 俺には、捨てられない だから、和了る これが俺に選べる唯一の手なのだから、和了るしかない 情けなくても 常識的に考えて、ありえなくても 途方もなくバカげていても どうであろうと、俺は進む これが俺の出した答えだ 照も 咏も エイスリンさんも 郁乃さんも 憩さんも 誰も、誰一人として、悲しませない未来を作る 言ってみると大袈裟で、行おうとしても途轍もなく難しい それでも俺は、女の人の涙は見たくない そう、照を救えなかったあの日に誓った 咲とモモの涙を見てしまったあの日の俺に戒めた ようやく思い出せたあの日のようにはしたくないと決めたから 好きでいて、くれますか? ずるいな、と我ながら思い、嫌悪した そんな一言二言で、嫌いになるわけがないということは端からわかっていたことだ 憩さんなら、怒らないだろうと期待したから、こんな尋ね方をしたんだ 憩さんは、俺の目を真剣にじっと見た後、口元を綻ばせた 随分と前に見たあの笑顔を浮かべた 一年と八か月前、俺と憩さんが出会い、俺が部員を集めることを約束した後で見せたような、 俺たち二人を照らす夕日のように、 明るく、そしてあたたかい笑顔で、その緩む頬を動かした それでも、大好きやで 京太郎「…………」 憩「今通ったん、いつもの公園やね」 京太郎「そうですねー」 憩「もーそろそろ敬語なしでもええんやないの?」 憩「お父さんの挨拶もたったいま済んだことやし」 京太郎「いやぁ……なんか性分みたいなもんで、抜け切れないんですよね」 憩「まあ、お医者さんやから真面目に見えてええかもしれへんけど……」 京太郎「ん……じゃあ直してみるよ、憩」 憩「あーやっぱ京太郎くんには似合わんわ」 京太郎「いやいや、どっちやねん」 秘書「はいはい、お二人さん、もうすぐ着くわよ」 京太郎「秘書さんは十年たっても全然変わらないっすね」 秘書「余計なお世話よ」 憩「車で送ってもらってありがとうございますーぅ」 秘書「いえ、院長が憩さんのお体に負担をかけないように、と」 京憩(なんか誤解されてる!?) 京太郎(憩さんとはまだゴム無しでやったことないから、そういうのは先なんだけど……) 憩(照ちゃん、エイちゃん、郁乃さんはもうおるから、そろそろ欲しいなぁ……) 秘書「はい、到着。それじゃあ、また」 京憩「「ありがとうございました!」」 憩「……さっきな、京太郎に告白した日のこと思い出してたわ」 京太郎「俺もですよ」 京太郎「あのときの選択は、間違っていなかったのかな、って考えちゃいました」 憩「間違ってないと思うで」 憩「少なくとも、ウチは幸せや」 憩「みんなも幸せそうで、楽しそうやろ?」 憩「……これからみんなでもっと楽しくなるんやから、そんなこと考えたらあかんで」 京太郎「やっぱり、そうっすよね」 憩「あ、ウチが今日夕食作るん忘れてたわ」 憩「悪いけど、買い物行ってくるな」 京太郎「俺先に家に行ってますね」 憩「うん、みんなによろしく言うといてー」 京太郎「わかってますよー」 京太郎「しかし、ここに戻ってくるのも八年ぶりくらいかぁ」 京太郎「霞さんの代わりに大家になったけど、どんな人が住んでんだろ」 京太郎「とりあえず家に入るか」 エイスリン「京太郎?遅かったね」 京太郎「ただいま、エイスリンさん」 「パパおかえり!」 京太郎「ただいま、望」 「ただいまー!」 「ねーねーいまねーママとパパの絵、かいてたんだー」 京太郎「そうか、どれどれ」 エイスリン「上手く描けてるでしょ、絵の下手なお父さんとは違って私に似たのかもね」クスッ 京太郎「むっ、そんなことないですよ、目元だって俺そっくり、髪の毛も……」 「パパもママもきんぱつだよ?」 エイスリン「京太郎よりも髪が綺麗だから私よりね」 「ね!」 京太郎「ぐぬぬ……」 「ケイお姉さんはいっしょじゃないの?」 京太郎「ああ、憩さんは買い物に行ってるよ」 「きょうは私もごはんつくるんだー」 京太郎「そうか、そりゃ楽しみだな」 「きたいしててよね!」 京太郎「おう、頑張れ~」ナデナデ 「えっへっへ~」 エイスリン「病院はどんな感じだったの?」 京太郎「良い雰囲気でしたよ、お世話になった先生にも挨拶してきました」 エイスリン「そろそろまたお世話になりたいけど、どう?」 京太郎「もうちょい待ってくれるとありがたいかな……と」 エイスリン「たまにはみんな一緒に相手してくれてもいいのよ?」 京太郎(そっちのが尚更困るんだよなぁ) 京太郎「エイスリンさんは新作を描いてるんですか?」 エイスリン「うん、ここを描こうと思うの、もう少ししたら今日はやめるつもり」 京太郎「風邪はひかないようにしてくださいね」 エイスリン「はいはい」 京太郎(エイスリンさんが日本語を完全に習得して随分経つけど、前はカタコトだったんだよな) 京太郎(あの頃の俺からすると、今のエイスリンさんなんて検討もつかないんだろうな……) 京太郎「ただいまー」 「げっ」 照「げっ」 京太郎「お菓子抱えて何してるんだぁ?うちの作家さんとくいしんぼさんは」 照「輝を慰めるためにお菓子をあげようと思ってた」 「今日もおとこみたいな名前だなーってからかわれた」 京太郎「そうでなくてもお前らは食べすぎだ、ボッシュートです」 京太郎「テレッテレッ……おい放せ」グイッ 「放さない」 照「放してたまるか」 照「「このお菓子」」 京太郎「そんな川柳いらないから!そんなんじゃ二人とも太るぞ!」 照「輝がお腹にいたときと変わらないから、どうでも……」 「母さんは太らないタイプだったから、別に……」 京太郎「お菓子代がかさむんだよぉ……」 照「そろそろ新作書ける、ついでにタイトル戦もあるから大丈夫」 京太郎「本当に稼いでくるから何ともいえねぇ」 「私もしょうらい母さんみたいに年中家にこもっておかし食べる簡単なしごとする」 京太郎「いやそれダメ人間の一歩手前だから、やめておきなさい」 照「失敬な、たまに外にもお菓子を食べに行く」 照「この間駅前にできたクレープ屋さん行って来た、おいしかった」 「ずるい、なんで私をさそってくれなかったの」 照「京と一緒に行って来たから、輝は誘えなかった」 「それは……仕方なくもなくもなくもない」 京太郎「どっちかわからん」 照「京は莫迦だなぁ、四重否定だからすごく強い肯定、京は莫迦だなぁ」 京太郎「そんな二回も言わなくていいからな!?」 照「ふふん、隙あり」グイッ 「逃げるー」トテテ 京太郎「おいィちょっと待てぇぃ!」 京太郎「だぁーっ、疲れたぁー」 咏「ふぁぁ、よく寝たー」 京太郎「今の今まで寝てたのか?」 咏「そーそー、10時に起きたんだけど、コロッと寝ちゃって15時に起きたけどまたコロ~ッと寝ちゃってね~」 咏「17時となると、休日無駄にした感じが凄いんだよねぃ」 京太郎「そんで目ぇ覚まそうと縁側に来た、と」 咏「お前らうるさすぎるんだよ、ちょっとは労働者気遣えっつーの」 京太郎「れっきとした労働者の郁乃さんも十分うるさいけどな」 咏「京太郎が私を鳴かせてくれればもうちょい疲れも取れるんだけどねぃ、肌も綺麗になるっつうし」 京太郎「その効果はよくわからんが、咏は可愛いと思うぞ!」 咏「もう26歳なのに可愛いはどうかと思うんだよねぃ、瑞原プロはあの様だろ?」 京太郎「早く誰か貰ってやればいいのになぁ……」 咏「つーわけで、そろそろ私を大人にしろー!」 京太郎「大人っていっても、十年前と何も変わらないじゃん」 咏「こー見えても身長2cm、胸も1カップ増えたんだぜぃ」 京太郎「ごめん、よくわっかんねー」 咏「なんなら触って確かめてみるかぃ?おっ?」 京太郎「おっさんか、少しは慎みというものを……あっ、ちゃんと慎み深かったな」 咏「おぅい?今どこ見ていったぁ?」 京太郎「わっかんねー、ぜんっぜんわっかんねー」 郁乃「おとん~先に帰ってたんやな~」 「おとんただいま~」 京太郎「おかえりなさい」 郁乃「お風呂もう入ったん~?」 京太郎「たったいま咏と入ってきたところですよ」 郁乃「ほな侑佳もおとんと入りいこな~」 「わ~い!」 京太郎「ちょっ、話聞いてました!?もう入ったんですよ!」 郁乃「ま~そんなん構わんって~」 京太郎「俺に訊いた意味どこ行った!?」 「おとん~お風呂~」グイグイ 郁乃「は~や~く~」グイグイ 京太郎「どこにそんな力がぁ~~~~~っ!」ズルズル 「おとん~あたまあらってーな」 京太郎「ちゃーんと目は閉じてろよー」ワシャワシャ 「は~い」 郁乃「京太郎くんのおとんも大分様になってきたな~」 京太郎「これから一緒に住むことですし、もっと頑張っていきますよ~」ワシャワシャ 郁乃「ほな、あと二人くらい欲しいな~」 京太郎「子どもの前でそういう話はやめましょうよ」 「どういう話~?」 京太郎「なんでもないぞー」 「なんや~なんでもないんか~」 郁乃「今ならおっぱいも大きなっとるし、お母さんプレイもできるで~」 京太郎「いや、今は出ないでしょうが」 郁乃「え?出るで?」 京太郎「マジで!?」 郁乃「試してみる~?」 京太郎「ええ、是非!」 「おとん~?」 京太郎「って、何させるんですかもー!」 郁乃「ちぇっ、あとちょっとやったのにな~」 「目ぇとじるのつかれてきた~」 京太郎「今から流すからもうちょっち待ってろ~」シャー 郁乃「次は私の背中流して~」 京太郎「今度は自分でやってくださいよー?」 郁乃「そう言いながらも洗ってくれるところが大好きなんやで~」 京太郎「そういうこと言うからやりたくなるんですよ」 憩「はーい、カレーできたでー」 「私がサラダ作ったんだよ、えっへん!」 照「甘口……甘口はないの……」 「母さん、みんな中辛まで食べられるんだよ……」 照「くっ、しくじったか……」 咏「辛さ調整スティック?なんての買って来たぜぃ」 照「三袋もらう!」ドバァー 京太郎「あ、バッカお前……」 郁乃「冷める前に食べよか~」 「いただきま~す」 照「いただきます」モグモグ 照「…………っ!」 京太郎「辛さ調整って辛くすることしかできないからな、あれ」 照「咏に騙された……」 咏「へへーん、そっちが勝手にだまされたんだろ~」 エイスリン「二人とも喧嘩しないで、ご飯は仲良く食べましょ?」 咏「へいへーい」 照「ぐぬぬぅ……」 郁乃「憩ちゃんも望ちゃんの料理も美味しいなぁ~」 「ほんまやね~」 憩「そう言うてもらえると、腕によりをかけた甲斐があるってもんや」 京太郎「いやぁ、ほんっと美味いっすよこれ!」 憩「そう?そんなに褒めてくれるんやったら……ご褒美とか、欲しいなぁ」 京太郎「ご褒美ですか?」 憩「一番手っ取り早いのは……ほら、わかるやろ?」ツンツン 咏「いやいや、京太郎と今夜寝んのは私だから邪魔すんなよな」 憩「そんなん誰がいつ決めたんや?何月何日何時何分何十秒地球が何回まわった日?」 咏「さあ?知らんけど」 「憩お姉ちゃん、こどもみたいだね」 「せやね~」 咏「とーにかく!京太郎は私と寝るんだよ!」グイッ 憩「ちゃうもん、ウチが寝るんやー」グイッ 京太郎「喧嘩は止めてー♪」 エイスリン「京太郎は私と寝るのよ」グイッ 京太郎「二人を止めてー♪」 照「違う、私と」グイッ 郁乃「ほな私も私も~」グイグイ 京太郎「やめてって言ってるでしょうがぁー!」 俺がここを初めて訪れてから、もう十年の時が経つ 荒川病院を継ぐべく、某国立大学医学部へ進学し、医者となった俺は霞さんの後を継いでここの管理人になった 照はプロとしては下火となったものの活動は続けているが、今は主に作家活動をして稼いでいる。その稼ぎの大半はお菓子に変換されていくのは言うまでもないだろう 憩さんは荒川病院で看護師として働いている、地元の患者さんには老若男女問わず人気があるらしくお義父さんもそれを誇りに思っているようだ 咏も今となっては立派なOLで、お義母さんの会社を継ぐために働いている、会社帰りにコンビニで酒を買おうとするが毎度毎度店員に高校生だと誤解され買えずじまいでいつも愚痴をこぼしている エイスリンさんは自由気ままな人気画家で、日中は絵を描きながら我が家の娘三人の面倒を見てくれている。これ以上に無いまでの嫁さんだと思う 郁乃さんは教員免許を取得し、三箇牧高校に勤めて麻雀部の顧問をしている、年長者でありながら責任感の無さは相変わらずだ 憩さんの言う通り、こうやってみんなで笑いあえて、飯を食べているんだから、俺の答えは間違っていなかったんだと思う 娘三人が家族に加わった後でも、この思いは変わらなかった こんな未来をずっと前の俺は望んでいて、期待していたんだから、きっとこの先もこの思いは変わらないんだろう これから何があっても、何も無くても、ずっと変わらないんだろう 恋しあいながら 愛しあいながら 笑いあいながら いつか終わるそのときまでずっと ずっと、これから先も、ずっと 俺たちはまた、ここで生きていくんだ ――――そう、ここで、この場所で 京太郎「清々荘にて」 カン!
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京太郎「こんなにたくさん女の子がいるんだ、俺にも彼女くらい出来るはず…」 京太郎「よし!じゃあハギヨシさんに告白しよう!」 京太郎「って男じゃねえか!ダメだろ!」 京太郎「まあ安価は絶対だしな…どうせ告白しても成功しないだろ…」 京太郎「それじゃあ行ってくるか…」 ハギヨシ「それで話というのは?」 京太郎「いや実はですね…」 京太郎「前からあなたの事が好きでした。付き合ってください。」 ハギヨシ「!?」 京太郎(やべー…言っちまったよ…) ハギヨシ「それは…本気で言ってるのですか…?」 京太郎「はい?」 ハギヨシ「本気で言っているのかと聞いているんです。」 京太郎「え、ええ…もちろんです。」 ハギヨシ「そうですか…分かりました…」 京太郎(怒らせちゃったかな…) ハギヨシ「実は私も貴方の事が好きでした。喜んでお付き合いさせて頂きます。」 京太郎「えっ」 ハギヨシ「それでは服をお脱ぎ下さいませ…」 京太郎「えっ?いやっ、ちょっ…やめ…」 大沼「何をしとるんじゃ!お前ら!」 京太郎「あなたは確か…大沼プロ!」 ハギヨシ「ちっ…邪魔が入ったか…」 大沼「まったく…近頃の若い奴は…ワシも一緒にやらせんか!」ポロンッ 京太郎「」 大沼「ほれ、さっさと尻を出さんか。」 京太郎「ちょっ…やめっ…」 ハギヨシ「お待ち下さい。私の方が先です。」 大沼「なんじゃと!老人に先に譲らんか!」 ハギヨシ「いいえ。こればかりは譲る訳にはいきません。」 京太郎(何なんだこいつら…) 大沼「さっさと譲らんか!この若造が!」 ハギヨシ「いいえ。こればかりは絶対に譲れません。」 京太郎「二人とも落ち着いて…」 大沼 ハギヨシ「うるせえ!黙ってろ!」 京太郎「(´・ω・ `) 」 ハギヨシ「分かりました。ならばどちらが京太郎様を満足させられるか勝負しましょう。」 大沼「ふん…小癪な…まあ良いだろう…」 大沼「それでルールは?」 ハギヨシ「お互いに挿れ合って先にイった方が負けという事でどうでしょうか。」 大沼「良いだろう…ワシに勝負を挑んだ事を後悔させてくれるわ!」 京太郎(今のうちに逃げよう…) 京太郎「やっと逃げてきた…まさか裸のまま追ってくるとは…」 京太郎「偶然警察の人にすれ違わなかったらヤバかったな…」 照「君は確か咲の高校の…」 京太郎「そういうあなたはチャンピオンの宮永照じゃないですか。こんなところで何を?」 照「それはこちらのセリフ。きみこそ何をしているの。」 京太郎「えーとですね…ちょっと危ない奴らから逃げて来たというか…そういうあなたは何を?」 照「「すがきょうたろう」とかいう咲にくっつく虫がいるそうなので始末しにきた。」 京太郎「えっ」 照「ところでまだ君の名前を聞いていなかったけど…」 照「君…名前は?」 京太郎「え…えーと赤木しげるです!」 照「アカギ…?どこかで聞いた事がある名前…」 京太郎「いやちょっと色々とやってるんですよ…はは…」 照「まあすがきょうたろうじゃないならいいよ。」 ハギヨシ「京太郎様…私達から逃げてこんなところで何を…?」 京太郎「お前…どうしてここに…」 照「おい…京太郎とはどういう事…?」 ハギヨシ「フフフ…今度は逃がしませんよ…」 京太郎(色々やべえ!こうなったら狂言を吐いて場を混乱させるしかない!) 京太郎「こいつが須賀京太郎です!錯乱して俺と中身が入れ替わったと思い込んでいるんです!」 ハギヨシ「なっ…」 照「そうなの?」 ハギヨシ「いやそんな訳無いでしょ!」 京太郎「やっぱコイツ錯乱してますよ!咲さんに手を出す前にやっちゃって下さい!」 照「よし…君たちホモセックスしよう…」 京太郎「うんうん!…って何だってええええええ!?」 京太郎「何でそんな事しなきゃいけないんですか!普通に始末すれば良いでしょ!」 照「いやだってコイツをホモにすれば咲に手を出さなくなるし….それに咲も京太郎にホモになって欲しいって言ってたからな。」 京太郎(咲…お前…) 照「さあ始めよう…逃げようとしたら…わかるよね…?」ギュルルルルル 京太郎「うう…」 ハギヨシ「( ´ ▽ ` )」 照「さあ早く」 ハギヨシ「wktk」 京太郎(もう終わりか…さようなら俺の童貞と処女…) 大沼「やめんかお前ら!」 京ハギ照「!?」. 京太郎(げええええ!よりによって今一番来て欲しくない奴が!) 京太郎(ん?待てよ…これを利用して…!) 京太郎「あのチャンピオン…ちょっといいですか?」 照「何…?」 京太郎「実は大沼プロはホモなんです。なので大沼プロとヤらせた方が色々と良いかと。」 照「そうなの…?ならそうしようかな…」 京太郎(よっしゃああああああ!) 照「さあ…早く始めて…」 ハギ 大沼「いやいやいや!」 照「…」ギュルルルルルル ハギ 大沼「はいいいい!」 京太郎(今のうちに逃げる!) 京太郎「やっと家に着いた…もう疲れた…」 京太郎(よく考えたら彼女を作ろうとしたらこうなったんだよな…もう彼女なんかこりごりだ…) 咲「あ!京ちゃんどこいってたの!」 京太郎「おう咲…ちょっと色々とな…」 咲「もう!心配させないでよ!すごく心配してたんだからね!」 京太郎「ごめん…」 咲「本当に悪いと思ってる…?」 京太郎「ああ…当然だろ。」 咲「ならキスして。」 京太郎「えええ?ドユコト?」 咲「本気で悪いと思ってるんでしょ?なら謝るかわりにキスして。ね…?」 京太郎(えーとつまりこれは告白ですか!?咲が!?俺に!?) 咲「早くしてよ…誰か来ちゃう…」 京太郎(こいつこんなに可愛かったっけ…?くそっ咲の癖に!もうやっちまえ!) チュッ 咲「んっ……はあっ」 京太郎(やっちまった…) 京太郎「…咲…何でこんな事を…」 咲「何でって?決まってるでしょ…京ちゃんが好きだからだよ。」 京太郎「そうか…………咲」 咲「何?京ちゃん?」 京太郎「好きだ。付き合ってくれ。」 カン