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土御門対神裂のセリフが私がやるとここのウィキのセリフと違うのですが、なぜでしょうか!? -- (とある妹) 2011-03-31 17 36 07
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「紹介?」 上条が、疑問を口にする。 「はい。一人一人の名前、写真、性別、サイド…これをもとに、所属している組織や能力名、得意な魔術、個人の戦闘能力などなどを紹介させてもらいます」 「オイオイ。そりゃ、本人たちに了承は得てンのかァ?」 一方通行(アクセラレータ)が、まともな意見を述べる。 「いいえ。なので、この場で了承を得たいのですが…反論がある方は、ご自由にどうぞ」 そんな事を機械が言ってくるが、先程のことも含め、何かいえるはずはない。 「では、皆様の了承を得た、という方向で話を進めますが、よろしいでしょうか?」 なんかもうみんな疲れたような表情を浮かべる中、機械だけが淡々と喋っている。 「了承を得た、とみなしました。よって、個人の紹介に入らせてもらいます」 もう勝手にしてくれ、と全員の表情が語っていた。 「…以上で、主要人物の紹介を終わらせてもらいます」 突然部屋に現れた、巨大モニターで説明していた機械が、唐突にそんな事を言った。 今機械が言ったとおり、紹介したのは主要人物。上条や一方通行(アクセラレータ)、インデックスや美琴、神裂とかだ。 (自分も含まれているのか、上条にはよく分からないが)そんなポピュラーな人間を知らない者はいないらしく、上条にいたってはもう寝かけていた。 「それでは、次からは組織となっているものを紹介させてもらいます」 機械がそう言うと、次にモニターに写ったのは天草式の一同だった。 「天草式十字凄教の皆様です。魔術サイド所属、イギリス清教の必要悪の教会(ネセサリウス)の傘下にあります」 組織になると、主要人物の顔しか写さないらしい。 最初に神裂、次に建宮、最後に五和が写った後は、3人くらいまとめて写った写真がスクロールされていた。 「総員は50名程度。現在では神裂火織がリーダーを務めています。副リーダーとなるのは建宮斎字。そのほかの戦闘能力は、あまり差がないものと見ています。神裂火織がリーダーを務める前、副リーダーであった五和に関しては、通常戦闘要員のトップ、という扱いです」 組織図が今度はモニターに写った。簡単な上下関係を表しているものらしい。 「では次に、元アニェーゼ部隊の皆様です」 巡るましく変わっていくモニター。 それに写ったのは、三つ網のシスターだった。 「魔術サイド所属、以前はローマ清教傘下でしたが、『法の書』事件後はイギリス清教に入りました」 アニェーゼの写真が写し終わると、早くも集団写真が写されていく。 「リーダーとなるのは、アニぇーゼ=サンクティス。そのほかは役職が振られているだけです」 役職が振られている、という言葉を聞いた上条は、じゃあこの写真もそれが関係してるのか…?とか考える。 「総員は250名に上ります。戦闘方法は個人によって違いが見受けられます」 その言葉が終わるとともに、やはり写真も切り替えられる。 次に写ったのは、見慣れた少女。 「次は、組織、とはいえないのですが…」 唐突に、機械が口ごもる。 まぁ、仕方がないだろう。 馬鹿正直に、「クローンの皆様の紹介です」なんて言えないだろうから。 「…団体名のようなものも決まっておりません。通称、『妹達(シスターズ)』と呼ばれています」 無理矢理に話を進めていく機械。 そのモニターに写ったのは、最初は美琴。次に妹達(シスターズ)が集まっている写真が映し出される。 「科学サイドに所属。総員は1万弱。各自の能力は、異能力者(レベル2)、強能力者(レベル3)程度の電撃使い(エレクトロマスター)。『欠陥電気(レディオノイズ)』で通っています」 紹介されているはずの御坂妹の表情は、一つも変わっていない。 「リーダーのようなものも存在していません。変わり、『安全装置』としての役目を持ったものは1名います」 そう機械が言った後に映し出されたのは、笑顔満点な打ち止め(ラストオーダー)だった。通常時なら結構騒ぐだろうが、打ち止め(ラストオーダー)は寝ていた。 美琴が何か突っかかってくるか、と思っていた上条は、特に美琴がアクションを興さないのを見て少し驚く。 「…今更、何言ったって仕方ないでしょ」 上条の視線に気づいた美琴が、小声で言った。 「では次に、残った科学サイドの者を紹介させてもらいます」 無理矢理妹達(シスターズ)の話を終わらせた機械が言った。 「葛城妖夜。男性。長点上機学園2年、超能力者(レベル5)の第6位」 映し出されたのは、長点上機の制服を着て、以外にかしこまっている妖夜だった。 「能力は、学園都市内で3人しか所持していない『肉体変化(メタモルフォーゼ)』。自分の肉体を好きなように変化させる能力です。基盤(データ)があれば、原子から作り変えることも可能、といわれています」 「ハッ。そこまで大層な能力じゃねぇよ」 妖夜が、右手をひらひら振りながらいうが、やはり機械は無視して続ける。 「削板軍覇。男性。長点上機学園3年、超能力者(レベル5)の第7位」 と、次に映し出されたのは、妖夜と同じ制服を着ているが、きついのか第2ボタンまであけている軍覇だった。 「能力は、おそらく念動力関連であると思われる『念動砲弾(アタッククラッシュ)』。その存在はいまだ詳しくは解明できていません。そして、世界最大の『原石』が持つ能力でもあります」 「…原石?」 説明を適当に聞いていて、うつらうつらとしていた軍覇が唐突に言った。 「って?自分のことじゃねぇのかよ」 隣に座っている妖夜が、突っ込みを入れる。さっきの紹介だと妖夜のほうが年下のはずだが、おそらく年齢ではなく能力で上下関係が成立しているのだろう。 「…さっぱりだな」 自分のことを言っているとは思えないほど、あっさりという軍覇。 「原石については、あまり研究が進んでいないのでこの場での発言は控えさせてもらいます」 機械はそう言ってごまかしたが、上条は直感的に違うな、と感じた。 「そして次は…この場には居合わせておりませんが」 と、機械がそこまで言ったところで、 「この私が、自分のことを説明されているのにその場にいない、なんて状況を作るとお思いで?」 という声が聞こえた。 直後、 ドゴッ!と、 美琴が何かを殴り飛ばした音が響いた。 「…さ、さすがお姉様…わたしの『空間移動(テレポート)』を予想していたのですわね」 「…こんな公衆の場でも、あんたはあんたのまんまななのね…」 美琴が、ハァ、とため息をつきながら、立ち上がった反動で倒れた椅子を戻しながら席に座る。 「…白井か」 「御機嫌よう殿方さん。まさかとは思いますが、こんな公衆の場でもお姉様にちょっかいを出す、なんてことはしていませんわよね?」 美琴に殴られたのにもかかわらず、ダメージを感じさせない仕草で立ち上がりつつ言う黒子。 「申し訳ございません。昨日の戦闘にかかわった風紀委員(ジャッジメント)として、事情を話しておりました」 みなに頭を下げる黒子。こういうところはお嬢様って感じがするのにな…、と上条は思う。 「では、本人も来ましたので…」 「あ、ちょ、まつんだにゃー!この際この俺も登場させてもらうぜい!!」 「…まさか」 黒子が椅子に座ったのを見計らった機械が話を続けようとしたところで、妙な口調の男の声が部屋の外から響いた。それに上条は、頭を抱える。 「土御門元春様のご登場だにゃーッ!」 全く場の雰囲気を呼んでいない声が響き、『バーン!』という効果音つきで一人の男が部屋に入ってくる。 「…」 なぜか、全員がその男を冷たい視線で見つめる。 「…何故?何故にそんな視線?俺のことを知らない人はともかく、『グループ』の奴とか五和とか、そしてカミやんとかは少しは突っ込んでくれないと困るんですが?」 ヒーローの登場シーンのようなポーズを決めたまま、カチコチに固まって汗を流し始めた土御門が言うが、もちろん誰も突っ込んでくれない。 「…すみません僕が悪かったです…」 土御門がなぜか謝り、顔を思いっきり俯けたまま…アステカの魔術師の隣に向かう。 「あ、あれ?お前、何でそこなの?」 いい加減かわいそうになってきたので、上条がとりあえず土御門に言葉を投げる。 「…カミやん…やっぱりカミやんだけが俺を救ってくれるんだにゃー…」 涙を流しそうな表情で言う土御門。上条の質問には答えずに席についてしまった。 「そのことについては…多分、こいつが説明してくれる」 突然、それまでの口調と表情を切り替えて機械の方に言う土御門。 「土御門元春の紹介は後にさせてもらいます。まずは、白井黒子の紹介にさせてもらいます」 そう機械が言い、モニターには黒子の写真が写った。
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「うわあ!?なんだこの音!!」 「これはいきなり俺が相手でせうか?ってなわけで、行ってきます。」 「おお、カミヤン随分とよゆうだにゃー。」 「いえいえ、足に支障が出たらそこでバットエンドでせうよ?」 そういい残してさっさと行ってしまった。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「ん?おお!!久しぶりだなにーちゃん!!」 「やっぱりあなたでせうか…あっ、あのときはお世話になりました!!」 「いいってもんよ!!それより上条当麻という男は知らんか?どうやら他のレベル5を二人制したと聞いた!!しかもレベル0!!すんげえ根性あるやつなんだ!!早く会いたいんだが!?」 「ああ…それ俺です。」 削板は口をO型になって驚いていた。それとそうだ、今まで何故か多い人に追われているという認識しかないのだから。 「そ、そりゃすげえ!!にーちゃんどんだけ根性あるんだよ!!わくわくしてきた!!よし、にーちゃんの根性ってやつを見せてもらおうか!!」 「いいぜ?そのかわりお前の根性(幻想)をぶっ殺すから覚悟しとけ!!」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー その頃土御門はある異変を感じていた。 (待てよ?この魔力は四人魔術師がいるんじゃ!?ん?しかも一人は知らない奴…。にゃー、たまには俺も一暴れしてくるかにゃー。) いきなり立ち上がる土御門に驚く面々。 「どうしたの元春?」 「にゃー、たまには遊ぼうと思ってにゃー。」 「確かに遊ばないとつまらないかも、ってミサカはミサカは寝ぼけているのを自覚して外にさっさと飛び出してみる!!」 「寝ぼけてる事自覚してるンなら出るんじゃねェ!!」 そんなことお構い無しに打ち止めはさっさと行ってしまった。それは一方通行の鬼ごっこともうひとりのロリコンと遭遇する事を示していた。 「さてと、ってあれ誰かがこっちに来るのよね」 建宮は誰かがこっちに来るのでフランベルジェを構えたが、こっちに来るのが打ち止めだったので構えるのを止めた。 「あれ、ここで何やっているのよね?」 「さっきまで暇だったから遊んでいるの、ってミサカはミサカは言ってみたり。ところで君の名前って何だっけ?ってミサカはミサカは聞いてみたり」 「建宮斎字だけど…」 その時、もう一人こっちに近づいていることに気づいた。 「くそガキ!!勝手に動くんじゃねェ、ってなんでテメェが居るんだァ?」 「ハンターだからって言えば分かるよね。でも、俺は君とは戦う気は無いのよね。」 「テメェが戦う気は無くても俺は戦う気だぞォ。」 一方通行が建宮と戦おうとした時、 「なら、俺の後ろに居る二人が戦ってくれるのよね。」 「あァ?」 建宮の後ろにはステイルとシェリーが居た。 「じゃあ、俺は行くよね。」 「オイ、ちょっと待t「君の相手は僕達だよ。」」 途中でステイルに遮られた。 「チッ、しょうがねェなァ。テメェらを倒さなきゃ先に行け無さそうだなァ」 「そういうことだ。でも、倒すのは私達だけどな。」 そういうことで、ステイル&シェリーvs一方通行の戦いが始まる。 「オイクソガキ、陣地に戻ってろ。」 「いやいや、あそこは居ても居なくても一緒だよ。ってミサカはミサカは地下壕の荒んだ姿を思い出してみたり…」 「ンじゃ俺と一緒に居た方が安全かァ?」 そんなことを言うと電極にスイッチを入れて杖を収納する。 そして左腕で打ち止めを抱え、 右手にベクトルを集中させた。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 一方、もう二組はと言うと 削ぎ板は思いっきり拳を振り上条に『すごいパーンチ』を叩き付ける。 が、上条の右手によって打ち消される。 「にーちゃん!!何で俺のすごいパーンチが効かないんだ!?」 「説明すると思うか?」 「思わねえなぁ。」 二人はニヤリと笑うとまた『すごいパーンチ』を繰り出す。だが削板は上条の能力に疑問を持ち始めていた。 (このにーちゃん…もしかして俺みたいな原石か?どんな能力かは分からねえがちっとばかし楽しめそうだなあ!!) また、上条も思索し始めていた。 (能力はよくわかんねえけど拳が飛んでくるみたいだな…他にもかくし球がないといいんだが…) 「おいにーちゃん!!なかなかいい拳持ってんじゃねえか!!」 「こんな拳がなかったら今頃死んでるな。まあこっちも負けられない理由がありましてね……だから本気でかかってこい」 「それはおもしれぇ、ここはちょっと根性出す。まぁ、そんな訳だから……本気で潰すぞ」 直後、世間のナンバーセブンがとろうとした行動はシンプルだった。 上条の元にカツッと踏み込み、その胸を掴み、手近な大木に叩きつけようとした。 それらの行動を、音速の二倍の速度で。 が、掴もうとした腕を逆に掴まれ、力が出せなくなる。 「にーちゃん…なにモンだ…?」 「何故かと事件に巻き込まれやすいレベル0の一般的な高校生だ。覚えとけ。」 そして当麻は削板の頭に強烈な頭突きを食らわせると、すかさず掴んでいた腕を離して距離を取る。 削板は目の前の少年の強さに驚きを感じると共に、今までに無い高揚感を覚え、高笑いする。 「だーーーーーはっはっはっ! いいねいいねぇ! すっげえ根性入った頭突きじゃねーか! 頭突きだけじゃねぇ、攻撃全てに根性が詰まってやがる!」 「アンタこそ強ぇな。けどその強さも根性って奴も俺の右手でぶち殺させてもらう。そんで勝つのは俺だ」 「そうかいそりゃあ楽しみだ。こっからは小難しいこたぁ考えるのは止めだ! 俺の力の全てでてめぇに勝つ! 覚悟しろ上条当麻!」 当麻VS削板、彼らの考え無しの本気の殴り合いが再開される。 その様子を見て、削板を当麻に任せて正解だと判断した土御門は二手に分かれるように促した。 「じゃあ浜面、半蔵、郭で滝壺を守りながらハンターと戦ってくれ。守りながらの戦いはキツイだろうけど、最後まで生き残れよ」 「任せとけ! 滝壺は俺が最後まで守り抜いてやるぜ! 半蔵、郭も一緒なんだ、ある程度の奴なら大丈夫だ! 油断だけはしねーけどよ」 「それならいい。半蔵、郭、相手がどんな奴でも気を抜くなよ」 「分かってる。手を抜くとかそんなことしてたら命に関わるしな。行くぞ郭」 「はいっ半蔵様」 土白、浜滝と半蔵と郭の二班で行動することに。 ちなみに土御門、すでにいつもの口調を捨ててシリアスモードになっている。 そして土白の前に現れたのは結標。 「結標か……。お前一人で俺達二人と戦うつもりか?」 「まさか。土御門、あんたの相手は別にいるわよ。今からそいつの所まで送ってあげるわ♪」 「しまっ……!」 結標は土御門を『座標移動』で建宮を最後に見かけた辺りに移動させる。 いきなり土御門を飛ばされたことに怒りを覚える月夜だったが、結標はそれに全く動じた様子は見せない。 「あんたさ、わざわざ私達の世界、ああ、暗部とか魔術側のことだけどさ、首突っ込んできたんだ」 「それが何? あなたには関係ないことだと思うよ」 「関係ない、ねぇ。それがそうでも無いのよ」 結標がそう言うと、彼女の姿は月夜の視界から消え、気付けば警棒が喉元に添えられていた。 初めて感じた『本物の殺気』に怯えを感じた月夜は力任せに吹雪を巻き起こすが、すでに結標は吹雪から逃げていた。 「あんたがどんだけ覚悟を口にしたって、実戦で使えなかったら『グループ』のメンバーの私にも迷惑かかるのよ。覚悟が口だけじゃないってとこ、見せてみなさい」 「……いいよ。私は元春の為にこの世界に足を踏み入れた。その覚悟をあなたを倒すことで証明してあげるよ!」 「だったら余計なお喋りはこれでお終い。あんたの覚悟ってのを形にして見せることね!」 月夜は思い知る、結標淡希という少女の暗部という凄惨な世界で得た強さというものを。 結標もまた思い知る、白雪月夜のこちら側に足を踏み入れた覚悟の強さというものを。 「あんた誰だよ……?」 「アルバイトだ。」 「って事は……」 「ハンターだ。」 「「「「「………………」」」」」 しばしの沈黙、そして、 「「逃げるぞ!!」」 そんな状況でも闇咲は冷静である。 「断魔の弦」 その場で風が吹き荒れた。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「ったく、テメェらは巨人マニアですかァ?」 「僕はそんな趣味はないんだけどね?」 「私はコイツが気に入ってるだけだけどね?」 ステイルの炎剣は一方通行の右手で虹色になって弾けとんでしまうのでイノケンティウスver,天草式とエリス最強形体が出された。 「君のその右手は嫌味かい?」 「全くだね。」 「人の勝手だろうがァ(やっぱオレには右手は似合わねェのか?)」 いつか右手の似合う男になってやると一方通行は密かに誓うのだった。
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一方「…………おい……オマエ、今何つった…?」 打ち止め「え? 楽しみだなーって言ったんだよってミサカはm」 一方「ぜンっぜンちげェ!その前だっつってンだろォが!!」バァン 打ち止め「えーっと、たしか「貴方には分からないと思うから概要を説明すると、穴に棒を入れて楽しむげーむを上条さん達とするんだってってミサカはミサカはその初めての遊びがすごーく楽しみ!」って言ったと思う!」 一方「………あンのやろォ…!」ギリ 打ち止め「確かあのシスターも一緒にするよってミサカはミサカは待ち遠しい!」 一方「…!……!」ギリギリギリギリ 打ち止め「ってあれ?どうしたのってミサカはミサカは様子のおかしい貴方を心配する」 一方「………三下の糞野郎を、ぶん殴ってくる」 バタン 一方通行は金属製のドアを閉めると同時に、その手を自身の首にあるチョーカーに伸ばす。 一方「ふざけやがってェェええええええ!!!!!」 無機質な音を鳴らし、能力使用モードとなった一方通行はある青年の元へと全速力で向かっていった。 一方「三下の野郎、アイツン家に居る白いのだけじゃ飽き足らず……クソガキ、いや」 一方「この俺の打ち止めにまで手ェ出すたァ……こいつあキッツイお仕置が必要だわなァ!」 一方「さァて、首根っこ洗って待ってろやロリコン野郎がァァああ!!」 ……個人的な不満を周囲に聞こえるように叫んだ後、一方通行は携帯電話のダイヤルキーを ある男 に繋がるように押す。 ~上条宅~ イン「ね、今日は何して遊ぼっか」 イン「スフィンクスは何したい?」 猫「!……フー!フニャー!」 イン「……どうしたのスフィンクス? この部屋に変なものは一つも無いんだy ガアァァン 一方「ぴィーンぽーン、お邪魔しまァァァすゥ!!」 イン「うわわわわっ!!どど、ど、どうしたのあくせられーた?!」 一方「上条くンはどこに居るのかなァっと!」 イン「と、とうまならあの壊れたじどーはんばいきのある公園にいるかも!」 一方「……ちっ、居ねーのかよ、御協力どーもォ」 イン「行っちゃったんだよ……」 ピンポーン 土御門「あちゃー……遅かったか …」 イン「もとはるだ! どうしたの?」 土御門「いや、これは俺の責任ぜよ……本当にすまん、禁書目録」 イン「? どうしてもとはるが謝るのかな?」 土御門「さっきヤツから電話が来てにゃー…『三下の野郎が何処に住ンでるかとっとと教えろー』って」 イン「あぁ……」 イン「しょうがないよ、もとはるは何も知らなかったんだもん……私もなんだけどね」 土御門「本当にすまなかったな……軽率だった上に、ちょーっと考えたらこうなるって予想も付いたぜよ…」 ・・・・・・・・・・・・ ~~某ショッピングセンター1階 食料品売場~~ 上条「~♪」 上条「さてさて特売はっと……打ち止めが来るから、飯は豪華にいきてーよなー…財布が許す限り」 上条「お、手羽が安いな!これでいこう」ヒョイ 一方「やっと見つけたぞ糞三下ァ……!」 上条「お、一方通行じゃんか、どうしt」 一方「こンの……節操無しがァァああ!!」 一方通行は己の力を全て右の拳に集中させ、それを上条の左頬にねじ込もうとしたが、上条は間一髪右手で受け止める。 しかし、かなりの勢いがあったが為に上条をそのまま数m飛ばす事は容易であった。 上条「が、はぁ、…ッツ!!!」 一方「この野郎、どんだけ性欲旺盛なンだよ……ウサギかっての」 上条「ち、ちょっと……まて…よ……」 一方「遺言かァ?いいぜ、ゆっくりやれよ」 上条「お前が……何を考えてるか俺には分かんねえけど、なんか……勘違いしてないか…?」 一方「……ァあ?」 上条「お前は、何をしに……ここに来たんだ?」 一方「はっ、決まってンだろォが……発情期真っ盛りのオマエを殴る為ェ!!」 上条「その……理由…は…?」 一方「ヌかせェ、オマエあの白いのと打ち止めと3Pやろうとしてンだろ? 俺はそれを止める為に」 上条「」 上条「お前がとんでもない勘違いをしてるって事が今やっと分かったよ……」 一方「…?」 上条「よし、付いてきてくれ……そしたら全部解決するから」 ~~某ショッピングセンター2階 玩具コーナー~~ 上条「あった、これこれ」 一方「『黒ひげ危機一髪』? これがどう関係あンだよ」 上条「これで遊ぶんだよ」 一方「は?」 上条「いや、だからこれで遊ぶって」 一方「てこたァ棒を穴にってのは……?」 上条「棒? 棒ってよりは剣だけど……まあ棒に見えない事も無い…のか?」 上条「打ち止めは分かってて誤解をさせるような言い方をーって可能性もあるかもしらんが……」 一方「は、ハは、ハ……ふざけてやがる…」フラッ 上条「お、おい!一方通行!」 その後、打ち止めがこっぴどく叱られたのは言うまでもない。 <終>
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■11~親友 「久しぶりだなカミやん」 「久しぶりだな土御門。 ところで、俺は男にストーキングされる趣味はないんだけどな。」 一瞬にして安堵に包まれたため、自然と軽口が出る。 「にゃー。俺はカミやんがステキな場所に 積極的にエスコートしてくれてるように感じたぜよ。」 軽口でお返しがくる。二人の関係は相変わらずのようにみえた。 「で、今回の厄介事はなんだ?」 複雑な笑みを浮かべながら尋ねる。 そもそも、こんな迂遠な方法で接触してきたということは、 それなりに理由があるのだろう。 土御門は、無駄なことはしない。 それはかつて一緒にいた親友である上条が一番よく知っている。 「ふっ、しばらく見ない間に随分と察しがよくなったな。 時間がないから、短刀直入に言わせてもらうぜよ。お前は、命を狙われている。」 ■12~シナリオ 「なるほど、学園都市内にも戦争を起こした奴がいる、 ってことでいいのか?」 事もなげに答える。上条は、今や多大な影響力を持つ人物であり、 それが故に上条の命を狙う者もいる。その者らの大半の目的は戦争である。 他方金髪グラサンの男は、命を狙われていると言われて顔色一つ変えない 上条の返答に少し驚いたが、続ける。 「そういうことだ。学園都市内で交渉者であるお前が殺さされることは、 学園都市からの開戦の表明になるからな。」 「で、どんな奴らなんだ?」 「簡単に言うと学園都市の暗部の上位組織、 つまり闇の部分を担なってる者達だ。 まあ、かくいう俺もグループという暗部に所属しているわけだが。」 言うと同時に意味深にニヤリと笑う。 ■13~信頼 「で、お前は、今回は暗部としてではなく、 土御門元春として、動いてるってわけか。」 「カミやん・・。可愛いげのない奴になっちゃったにゃー。 まあ俺としても戦争は避けたいからな。 親友として、一緒に行動してやりたいとこなんだが、 立場上それはできない。こうやって接触できたのもカミやんが、 監視カメラのない廃ビルに誘ってくれたからだ。 俺ができるのは、この忠告だけだ。 じゃあな。気をつけろよ。 」 ・・・ 「ありがとう。お前も気をつけろよ土御門。」 男は後ろを向いて手を振り去って行った。 上条は土御門という男をよく知っている。 たぶん今回も、上条の知らないところで、上条のために動いていてくれている のであろう。忠告自体も上条にとって、とても有難いものだった。 漠然と命を狙われる可能性は常に考慮している上条だが、 具体的にその事実を認識できるということは、その後のきわどい場面での 対応が大きく異なる。 (土御門の奴、俺が廃ビルに入ることまで計算して尾行してやがったな。) 「まったく。かなわねぇなアイツには。」 ■14~再び 廃ビルを出た後、しばらく上条は学園都市の思い出の場所を散策していた。 本当は昨日しようと思っていたところだったのだが、 かつて、茶髪の少女と行った遊園地にまた一緒に行ってみたい という気持ちに駆られたため、今日改めて散策をしている。 丁度見慣れたファミレスを通りがけた時、 見慣れた顔の茶髪の少女に声を掛けられた。 (今日は確か平日だよなー。なんでコイツ私服なんだ?) 「ちょっと何嫌らしい目で人の事見てんのよ。」 「いいい、いやいや、御坂の私服姿なんて、珍しいなと思ってさ。ハハ」 「ふーん。まあいいわ。アンタ今から暇ある?」 「ん?まあ暇っちゃ暇だけど、」 「そう、じゃあ今から一緒にご飯食べない?」 「俺も腹減ってるから丁度いいな。行こうぜ。」 (コイツ昨日のこと全く気にする素振りないのな。まあその方が俺としてもいいか) ■15~違和感 二人は目の前のファミレスに入って食事をとることにした。 たわいのない話をして盛り上がったが、上条はどこか違和感を感じていた。 深い悲しさが瞳の奥に宿っているのは昨日も同じだったが、 昨日の少女には、例の告白の後も迷いの色が見えていた。 あの迷いは一生解決しない、そんな迷いだ。 しかし、今日の少女には、迷いの色はなく、代わりに強い決意の色が見える。 それも、昨日、今日決断したといったものではない。 ずっと前に決めた、決して揺るがない、そういう種類のものだ。 (なんだってんだ?いったい。思いすごしか。) ■16~またデート!? 「で、アンタこれから何か予定あるの?」 「予定つーほどでもないけど、ちょっと一人で都市の散策しようかなと。」 「じゃあ私もついてこっかな」 「え?」 「何?嫌なわけ?こんな可愛い子と一緒に歩ける機会めったにないわよ?」 「自分で言うかよ・・」 (正直俺と一緒にいると危ないんだけど、 ここで断ったら変に怪しんで尾行しかねない奴だからなー。 いや待てよ、昨日も一緒にいたわけだし、 暗部とやらも、それは知っているだろう。 それなら、いっそのこと一緒に行動して守ってやった方がいいかもな。) 「アンタなんか変な事考えてる?」 「いやいや、とっても嬉しい限りです美琴様。ぜひ御一緒させて下さい。」 「何よ。変な奴。」 ■17レス目~デートはおしまい その後、二人は日が暮れるまで散策した。 そして、上条が最後の目的地である、川原についた時に、ふと少女に声をかけた。 「ところでさ、 お前、誰なんだ?」 「へっ?」 ■18 疑問 「振舞い、特に歩き方が一般人のそれじゃない。 俺の知ってる御坂は、ちょっと乱暴で、ビリビリすっけど、 普通の女の子だ。」 上条の言う通り、この少女は歩く時に全く音が出ない。 確かに、人が歩く時に出る音というのはそれほど大きいものでなく、 静かに歩く人もいるだろうが、この少女のそれは、全く音がないのである。 そして、上条がその異変に気付いたのは、土御門に尾行されたことと、 忠告のおかげといってもいい。 もちろん、上条自身の洞察力もその一端を担ってはいるのであるが、 短時間で異変をかぎつけられたのは、 プロである土御門に尾行されていた事実によって、 同じような者を選別する機会を与えられたことが大きい。 女の瞳が一瞬どこか寂しげなものに変わった。 上条も気付かないほんの一瞬。 「へー。なるほどねー。御坂ミコト様の新しい一面発見て感じ?」 「そういう意味じゃなく、お前は俺の知ってる御坂とは別人なんだろ?」 「冗談よ。じゃあさ、お願いを聞いてくれたらその疑問解決してあげる。」 「お願い?」 ■19~少女のお願い 「うん。 死んで?」 邪悪な笑顔が表出し、上条は背筋を凍らせた。 少女は右手から何かを弾き、光弾が走った。 人はそれをレールガンと呼ぶ。 しかし、上条は右手をかざしてそれを打ち消している。 「くっ」 (レールガンっ!?まさか、御坂なのか?いや、) 考えがまとまらない内に女の声が聞こえてきた。 「やっぱお願い聞いてくれないのかぁ~。 じゃあ「殺す」しかないわね。」 上条の頭部に左拳の三連打がくる。 それを右手と左手で交互に受け流した後、 右の脇バラに迫る後ろ回し蹴りを、足を上げてカットする。 その瞬間全身に痺れがはしり、わずか一瞬だが、動きが止まる。 それを好機と見たか、続けざまに蹴った足を戻しつつ反動を利用した 前回し蹴りが右の上段にくる。 それを左肘と右手で受けるが、あまりの衝撃に少しよろめく。 少女の技は人を壊すものとして完成されていた。 (早い!しかも、この技のキレと威力、 特にあの回し蹴りは食らったらマズイ。 たぶん一撃で意識を駆られることになる。) 「以外とやるのねー。しかも幻想殺し左手でもできるんだ。 でもその程度なら、私に殺される選択肢しかないみたいね♪」 少女の打撃は電撃でコーティングされている。 その威力は、電撃だけを放つよりも弱いものであるが、 普通の者ならば、一撃で意識を失い、場合によっては死に至るレベルである。 上条は、幻想殺しを持つ性質のためか、異能による力の耐性に強いため、 一つ二つ受けても意識を飛ばすことはない。 だが、何発ももらえば、神経をやられ死に至る可能性も高い。 加えて、打撃自体の威力も非常に高い。 ■20~戦闘 「俺を殺す・・、戦争を起こす目的は何だ?」 ふいに上条が聞く。 「ふふふ。目的なんてないわ。 でも強いて言うなら戦争を起こす自体が目的。そんなとこかな。」 上条は、これ以上話を聞く事は不可能と考え、 動き出すとともに左のフックパンチ、右のストレオート、 左のストレートを連続して放つが、二つガートされ、 最後の一つにカウンターを合わされ、動きが止まる。 (前蹴りが腹に来るっ) 両手でガートし、足を掴もうとするが、足はすでに引かれ、 頭を少し下げた顔面に飛びひざ蹴りがくる。 それも両手でガートしたが、瞬間、両手を握った拳が背中に振り降ろされる。 上条が膝をついたところで、右の回し蹴りが襲ってきた。 これはしっかりガートしたが、威力に押され完全に地面にはいつくばった。 女は手を振りあげて真下に降ろした。 その瞬間凄まじい落雷が落ちるが、上条はうつ伏せから仰向けに反転し、 右手で打ち消す。 (やろう躊躇なく殺しにきやがる) 女にとっては、体術の行使は、正面からでは異能が効かない 上条を殺すための一過程にすぎず、 上条が意識を失った瞬間、異能の力でとどめを刺すつもりであろう。 上条が体制を整える隙を与えないまま、女は走って 上条の頭をサッカボールキックに似た右の前蹴りを試みる。 (チャンスかっ) 上条は右手で肩上まで受け流し、女の足両足が一瞬浮いたところを カウンターの拳を入れようとするが、女は体が浮いた刹那、 バスケでいうフェイダウェイシュートさながらの体制から 左足を振り上げ、女の硬い靴のつま先が上条の溝落ちにささる。 この蹴りは、カウンターをとりにいった上条の体重も乗り、 決め手の一打となった。 上条はフラフラと今にも崩れおちそうになっている。 そこにダメ押しの左のハイキックを受けて、完全に意識を失った。
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11時00分 ここはある高級住宅街にあるアパートの一室。カーテンの隙間から差す強い日差しから目をそらした。 「…もうこんな時間かァ」 覚醒した白髪の少年はベッドから上半身を起こす。無造作にかけ布団を跳ね除けると、フラフラとした歩みで洗面所へと向かった。顔を洗い、歯を磨く。そのために洗面所へと向かった。 あ? 鏡を見て、違和感を覚えた。有るべきところに、有るものが無い。 (……チョーカーが無ぇだと?) 驚愕を覚えた白髪の少年、『一方通行(アクセラレータ)』は思案した。 いや、思案していること自体に驚愕を覚えたのだ。 なぜ彼は思案することが可能なのか。これ自体すでに奇妙なことだった。 「一方通行(アクセラレータ)」はある事件以来、自己の思考能力を失っている。そのため 情報処理や能力発動時に必要な演算能力は、チョーカー型電極を通して「打ち止め(ラストオーダー)」を介するミサカネットワークに任せてある。それが、無いのだ。 一気に睡魔が吹き飛んだ。 「っ!ラストオーダーァ!」 声を出しても返事は無く、部屋中を見回しても「打ち止め(ラストオーダー)」の姿は無い。黄泉川愛穂は現在入院中であり、この一室には彼以外誰もいない。 いや、彼以外誰かが居たという形跡が何も無かった。 「どうなってんだァッ!?」 部屋にあった携帯電話を取ると、とある人物へ電話を入れた。しかし、 「この番号は現在使われておりません――――」 「んだとォ!?」 (何が起こった?『上』は出られなくてもメッセージは受け取れるはずだ。まさか、アイツラ消されたんじゃ無ェだろうな。闇が闇に葬られたってワケか?にしちゃあ処理が早すぎる) 「…しかも何で俺は歩けるんだ?」 杖を使わずとも歩行に何ら違和感が無い。その上―――― シュッ、と黒い物体が彼の眼前を通り過ぎた。 「―――能力まで元に戻っていやがる」 手元にはM93R-βカスタムと呼ばれるハンドガン型の自動小銃があった。棚に閉まってある拳銃を彼の「ベクトル」の能力で引き寄せたのだ。自身の演算に寸分の狂いもない。 昨夜、彼が眠りについたのは午前4時前後。いくら7時間の空白があるとはいえ、彼に気づかれぬままここまで大がかりなことが出来る筈がない。となるとこれは超能力か魔術の類となるだろう。様々な観点から思考を重ねていた時――― (どわぁー!?って、起きていきなり能力を使うとは何事だー!とミサカはミサカは貴方の乱暴さに避難の声を叫んでみたりー!) と、元気な「打ち止め(ラストオーダー)」の大声が―――― 「聞こえた」。 12時09分 (――――――――ということなの。信じてもらえたかな?とミサカはミ…) ガッシャーン!とテーブルにあった一枚の皿が、触れられること無く天井に叩きつけられた。 「っるせぇなあ……」 (…でも、本当のこと。ミサカはミサカは真剣に告げてみる) 「ッ!!…だからァ、うるせぇって言ってんだよおおおおォ!!」 白髪の少年は、感情のままにガラス窓に思いきり頭をぶつけた。 鈍い衝撃音と共に頭に激痛が走る。 このアパートの窓は防弾用に作られている。一人の少年が頭突きした程度では傷一つつかない。しかし、タンパク質でできた彼の額の皮膚は衝撃に耐えられず、赤い血が滲み出してきた。 だが、そんなことは瑣末な傷など痛くも痒くもない。 彼の心を貫いた大きな傷跡に比べれば――― 一時間前に遡る。 「……おい、かくれんぼはナシにしようぜェ。俺は色々聞きたいことあンだよ」 『一方通行(アクセラレータ)』は状況に混乱していた上に、近くからは間抜けなラストオーダーの声が聞こえた。今回はどれほど手の込んだイタズラを仕掛けてくれたのか。大脳の感覚器にダイレクトに電気の疑似伝達を促し、今のビジョンと感覚を見せているのだろうと考え、こんな素敵なお遊びのお返しに、このアパートの最上階からパラシュート無しのスカイダイビングをさせてあげようと思案し―――― 要するに『一方通行(アクレラレータ)』は今にもブチ切れそうだった。 しかし、待っても一向に「打ち止め(ラストオーダー)」が姿を見せる気配は無い。 「お嬢ちゃァん。隠れないで出ておいでェー。さもねぇと、辺り一面ハチの巣になるぜェ?」 聞かれただけで通報されそうなセリフを吐いたが、 返事は無い。 「…ほォ。こりゃお仕置きが必要みてェだなァ」 何の躊躇もなくM93R-βカスタムのセーフティを外し、スライドを引いた。ガチャリとパラベラム弾を装填する金属音が鳴る。 「十数える間に出てこォい。ラストオーダー」 と言いつつ、先ほど声がしたドアの方面に銃を向けた。 (…降参する気は、無ぇみてえだな。朝っぱらからとはイイ度胸してやがる) 「じゅう、きゅう、…いっちぃ、ぜーろぉ」 十全部数えるのも面倒なので、トリガーに力を込めようとした時―――――― (朝っぱらから笑えないセルフジョークをかましてるのは貴方だよー!!!ってミサカはミサカは現在の前頭葉に配信される定期型電気信号の正常機能にリサーチをかけてみたりー!?) 大声で叫ぶラストオーダーの声が「聞こえた」。 「ァッア!?どっから叫んでんだぁ!?」 脳に響くほどの大声。声は銃口を向けている方向の逆。つまり居間のほうから聞こえた。『打ち止め(ラストオーダー)』はすぐ近くにいる。それは間違いない。しかし、辺りを見回しても誰もいない。 (ミサカはいないに決まってるじゃん!って当り前のことを言わせないでってミサカはミサカは朝から緊急時の演算アプリケーションを起動させられたことにプンプン怒ってみる!) 「うおおぉオッ!?」 『一方通行(アクレラレータ)』の体がフワリと宙に舞った。 さらには右手にあった拳銃は、ユラユラと元にあった下から二番目の戸棚へ飛んでいきながら、空中でカチャリカチャリと安全装置などがかかっていく。まるで透明人間がそこにいるが如く。 「お、おいっ!これはお前の仕業かッ?とっと下ろしやがれこのクソガキがァ!」 (俺の能力が『打ち止め(ラストオーダー)』に操作されてるだと?しかも、拳銃みてェな小さい物体にあんな細かい動作も同時に演算できンのか!?) 大気の流れを組む大規模な高速演算も困難な部類に入るが、実は微小な『ベクトル』演算の方が難しい。 重い物質を動かす時にはその物体が動くほどの『ベクトル』を加えればいいし、人を吹き飛ばすほどの風圧を生み出すためには人間が吹き飛ばされ、かつ人間が死なない範囲の『ベクトル』量を加えればいいだけのことだ。しかし、空中で携帯電話のボタンを的確に押すような精密な演算は困難を極める。拳銃の場合なら些細な演算誤差で安全装置をかけるどころか引き金に『ベクトル』が向き、誤って発砲してしまうかもしれない。 地面から一メートル程の高さで何のなす術もなく浮上している彼だが、現在の状況を冷静に分析していた。 (…………ッ!!) いきなり、大きな音をたてながら彼は地面に叩きつけられた。 「がっ!…あっ」 たかだか100センチ程の高さとはいえ、受け身もとれずに仰向けに倒れると痛い。 (クソガキって言った言ったぁ!!絶対言わないって約束したのにぃー!『貴方のこと、信じてたのに!』とミサカはミサカは人気ドラマの手塚かなめの名ゼリフを真似してみりぃー!?) 頭が割れそうなくらいの大声が『一方通行(アクレラレータ)』に「聞こえた」。 (何なんだァ?こいつの声は直接脳に響くみてぇに…) ちょっと待て。直接、脳に響くだと?――――――――― 「……ラストオーダー。お前、俺のアタマに何埋め込みやがった」 腑に落ちた。姿を見せない少女の声が「聞こえた」ワケが。 しかし、疑問は募るばかりだ。 「一体何処からこのメッセージを流してンだ?…『上』にやられたのか?」 ドス黒い怒りが彼の心に湧きあがってくる。 だが、彼の心の闇をさらに濃く染め上げたのは他ならぬ彼女本人の言葉だった。 (何を言ってるのかなー?ミサカの肉体はとうの昔に無くなってるよー、ってミサカはミサカは呆れながら貴方に呟いてみる♪) 12時04分 「ふ、ふふふ、ふふふふ、不幸、か?俺は…」 ここは長点上機学園内の中央に噴水がある大広場。長椅子にもたれつつ上条当麻は呟いた。現在は正午を過ぎた頃であり、昼休みになるまであと30分ほどはある。右手には先ほど学園内にある喫茶店の少女からタダでもらったカプチーノを持っている。 チュルルー、とストローからカプチーノを飲み干して一言。 「…どうなってんだ、本当に」 携帯に表示されていた日時は、普通の世界から丸一年たった「未来」だった。 長点上機学園二年特別クラス。兼『風紀委員(ジャッジメント)』第七学区担当委員長。 これが現在の上条当麻の肩書だった。はぁー、と大きなため息をついた。 長点上機学園に編入するだけでも異例中の異例なのに、『風紀委員(ジャッジメント)』第七学区担当委員長まで務めていると来た。これはもう頭を抱えるしかないだろう。『風紀委員(ジャッジメント)』となるにも試験を含めて最低6か月程度はかかるというのに、この一年余りで生徒数が一番多いこの第七学区担当の長になるというと、正攻法では到底たどり着ける筈もない。 つまり、この一年の間に、それだけの地位につける「何か」を俺がやらかしたのだろう。 と、未来に起こりうる自分が巻き込まれる「事件」に少しブルーになった。 それに御坂美琴。一年であれだけの成長を遂げた美琴の成長ぶりにも驚きだが、それ以上に驚愕したのは彼女との関係。この一年で御坂美琴と上条当麻は、情事を軽く言い合えるほど深い関係にまで至っていた。現在の上条当麻はそんな記憶は無いので、ただ驚くばかりだ。 しかし、一つだけ分かることがある。これは単なる罰ゲームの延長線上では無く、二人の相思相愛の下で至った結果なのだと。 携帯電話の裏側を見る。 そこには顔を寄せ合い、無邪気な笑顔で写っている一枚のプリクラが貼られていた。御坂美琴と上条当麻のツーショット。そこにある二人の表情からも読み取れる。本心から互いに惹かれ合っているのだと。 「…あいつ、こんな顔で笑うんだな」 今朝に会った美琴の笑顔、仕草、言葉。上条当麻が抱いている彼女のイメージとはずいぶんと異なる。上条は彼女の知られざる一面を垣間見ているような気がした。周囲をビリビリと帯電させているような攻撃的な御坂美琴では無く、愛らしい一人の少女としての御坂美琴。そんな彼女の姿に心奪われ―――――― 「って、何考えてるんだ俺はああああああああああああああああああぁぁ!!!」 バサバサァッ!と噴水の周囲にいた鳩の群れが上条の突然の叫びに驚き、四方八方に飛び散っていく。頭を抱えながら立ち上がった上条当麻は、数回、深呼吸を繰り返し徐々に落ち着きを取り戻していった。 (冷静になれ、クールになれ。これは現実じゃない。リアルじゃないんだヨ!) 可愛らしい御坂美琴や家事を手伝ってくれるインデックスにちょっぴり心にひっかかりを覚えた上条だったが、今はそれどころでは無いと自分に言い聞かせていた。 そして――― 「カーミやーんっ。お届けもの、持ってきたぜ―い」 救世主の声が、聞こえた。 「つ、土御門っ!!」 声が聞こえた背後に振り替えると、長点上機学園の制服姿の土御門元春の姿があった。 「なっ!?そんなに大声出して、これがそんなに待ち遠しかったのかにゃー!?カミやん、今回はマ、マジでご堪能する気かー?常盤台のエース様にあんなことやこんなことをっ?この果報者がぁぁ!!」 「土御門、聞いてくれ!実はブゴハァあああっ!?」 訳も分らぬまま、上条当麻は金髪グラサンに思いっきり殴られた。 「………ほう、カミやんは俺に殴られたせいで記憶がぶっ飛んだと、そう言いたいのかにゃー?」 「だから違うって言ってんだろ!マジだ、大マジだよ!」 「わかってるって、分かってるってー。カミやんが嘘を言ってないことくらい顔見ただけでわかってるにゃー?」 「…何で最後が疑問形なんだよ」 土御門にはすべてを話した。自分が置かれている状況、記憶の全て、空白の一年があること、そして、現在は自分がいる場所では無いことを。 広場には長点上機学園の生徒がチラホラ見えてきた。時間は昼休みに入ったようだ。 「それで、土御門もこの学園の生徒なのか?」 「……マジみたいだな。いや、違うぜい。長点上機に編入したのは後にも先にもカミやんだけだ。今年の春からだったな。小萌センセーなんて、ショックで丸一週間酒とタバコを忘れていたらしいからにゃー」 「じゃあ、なんでココの制服着てんだよ」 「そりゃあ、親友の頼みの為にワザワザ危険を冒してまで来たんだぜい?」 「?その紙袋はなんだ?」 「ふっふっふっ…、それは開けてのお楽しみだにゃー。カミやんがソレを俺に頼んだんだぜい?これで前の借りは返したってことにゃー」 「???」 「まぁ、今は分からなくっていいぜい。時が経てば教えてくれるからなー」 あばよ、という感じで手を振りながら去っていく土御門。 「ちょ、ちょっと待ってくれよ。土御門!俺一人じゃあ何も出来ない。協力してくれ。この通りだ!」 上条は土御門に大きく頭を下げた。 「当たり前だろ、カミやん。今からツテに連絡を入れるところだ。残念だが俺はカミやんと同じ状態では無い。むしろカミやんのほうが異常に見える。しかし、『幻想殺し(イマジンブレイカー)』を持っているカミやんが魔術の類にかかるとは思えない。早急に手を打つぜい」 「…土御門」 いつもフニャフニャしていて義理の妹にゾッコンなアブナイ野郎だが、いざという時には頼りになる。いい友達を持ったもんだと上条は思った。 「超能力って線もあるかもな」 そう言った時、土御門の顔から笑顔が消えた。 「土御門?どうしたんだ。一体…」 「カミやん。この世に『超能力』なんて、何処にも存在しないぜ」
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相合い傘 上条「さっきまであんなに晴れてたのに・・・。はぁ・・・不幸だ・・・」上条はどす黒い空から降りしきる雨を見上げ、はぁ、と大きな溜息をつく。上条「・・・つか、この雨止むんだろうな。流石に、何時間も待つわけにはいかねえしな・・・」上条は再び空を見上げるが、雨は一向に止む気配も、弱まる気配すら見せない。それどころか、先程よりも雨脚が強くなっているような気さえする。上条「・・・はぁ。こうなったら、ずぶ濡れ覚悟で帰るしかなさそうだな・・・」美琴「・・・あれ?アンタ、こんなところで何やってんの?」上条「・・・なんだ、御坂か。見てわかんねーのか?雨宿りだよ、雨宿り」美琴「雨宿り、って・・・。アンタ、何言ってんの?この雨、明日まで止まないわよー」・・・へ?と一瞬フリーズする上条。美琴「アンタ、今朝の天気予報見てないの?夕方から明日の明け方にかけて、大雨が降るって言ってたじゃない」上条は今朝、天気予報を見ている余裕などなかった。小萌先生に出された宿題を終わらせるために徹夜していて、そのせいで大幅に寝坊をした。よって天気予報を見る時間どころか、ろくに朝飯を食べる時間さえもなかったのである。上条「・・・あ」上条は、自分の愚かさに頭を抱える。上条「・・・不幸だ」美琴「事情は分からないけど、傘を持ってくるのを忘れたみたいね。アンタも相変わらずドジねー」ううっ、と上条の心に鋭い言葉の刃が突き刺さる。美琴(・・・でも、これって逆にチャンスじゃないのかしら。 私がこいつを傘に入れてあげれば・・・!そ、それってもしかして相合い傘!?)美琴「・・・あ、あのさ」上条「・・・ん?何だ?」美琴「そ、その、よよ良かったらわ、私の傘にアンタをいいい、入れてあげても、いいけど」美琴は顔を赤らめ、持っていた傘を少しだけ上条の方へ差し出した。上条「私の傘、って・・・。・・・その少女趣味丸出しの傘に、入れと申しているのでせうか?」上条はそう言って、美琴が持っているかわいらしい水玉模様の傘を指さした。美琴「べっ、別にいいじゃない!!そ、そんな事よりほら!は、入るならさっさと入りなさいよ」上条「・・・あのー、御坂さん?」美琴「な、何よ」上条「・・・つ、つまりワタクシめと、相合い傘をして帰ろうと仰っているのでせうか?」ドキーン!と美琴の心臓が跳ね上がり、顔の赤みが更に増す。美琴「ば、ばばば馬鹿言うんじゃないわよ!!かかか勘違いしないでよね!! わ、私はあまりにもアンタが惨めすぎてかわいそうだから同情してあげようって思っただけで、 べ、別にアンタと相合い傘して帰りたいなんてこれっぽっちも考えてないんだからねっ!!」上条「・・・そうですか。・・・で、でも、本当にいいのか?」美琴「い、いいって言ってんじゃない。ったく、お、女の子に恥かかせんじゃないわよ、この馬鹿」上条「はいはい・・・。・・・んじゃ、お言葉に甘えさせてもらいますかね」そう言って上条は美琴の傘に入るが、美琴の傘は元々小さいため、二人分の身体は収まりきらない。そのため、雨から少しでも身を防ごうと必然的に二人の身体は密着し、寄り添うような感じになってしまう。美琴(ちっ、近い~~~~~ッ!!こ、コイツの息遣いが直に聞こえてくるッ!!? わっ、私今すっごいドキドキ言ってる!!こ、コイツに聞こえてないかしら・・・?)上条(なっ、何なんだこの状況はーッ!!?女の子と相合い傘とか、都市伝説じゃなかったんですか!!? つーか近い!!近すぎるッ!!あー、御坂の髪の毛からほんのりとフローラルな香りが・・・はっ!! な、何考えてんだ俺!!第一、相手は御坂だぞ!!?俺の好みは寮の管理人のお姉さんであってッ―)互いに互いを意識しすぎているせいか、どうしても無言になってしまい、周りには雨の降る音しか聞こえない。美琴「・・・ちょ、ちょっとは遠慮しなさいよ」上条「そ、そんな事言われても、これ以上寄ったら出ちまうし・・・。だ、大体、入れっつったのはお前じゃねえか」美琴「そ、それはそうだけど!!だ、だってこれじゃまるで・・・」恋人達がいちゃいちゃしてるみたいじゃない、と言おうとしたが上手く言葉が出てこない。それにそんな事を言ってしまったら、恐らく感情の制御が効かなくなり自分でもどうなるか想像がつかなかった。上条「・・・」美琴「・・・」お互い照れているのか、顔を合わせようとせず、一言も発しない。美琴(あ~もうどうしたらいいのよーッ!!願ってもないチャンスなのに、何もできないなんてッ!!)上条(俺の好みのタイプは寮の管理人のお姉さん、俺の好みのタイプは寮の管理人のお姉さん・・・)互いに色々と思考を巡らせていると、大きな水たまりが見えてきた。通れない事はないが、人ひとり通るのがやっとと言ったぐらいの道幅しかない。上条「・・・どうする?一人しか濡れずに通れないみてーだぞ」美琴はしばらく黙っていたが、何か覚悟を決めたのか、上条の胸に寄り添い、二人は縦に並ぶような形になった。上条「あっ、あの、み、みみみ御坂さん!!?こ、これは一体―」美琴「かかか、勘違いしないでよね!!こ、これは二人とも濡れないための最善の策なんだからっ!!」そう言って美琴は行くわよ!と、水たまりに向かって歩いていく。傘を持っているのは美琴の方なので、上条は濡れないように美琴に寄り添って歩いていく。美琴「・・・べ、別にこんな事やりたいとか思ってたわけじゃ、ないんだからね・・・」美琴はまるで他の誰かにではなく、自分に言い訳するように、小さく呟いた。上条達が一緒に帰り始めて十数分経つが、未だ雨は止む事を知らず、ざあざあと降りしきっている。美琴「ひうっ」突如、美琴が小さく悲鳴をあげる。揺れる傘の先から落ちた雫が、美琴の頭のてっぺんに落ちたのだ。美琴は背の高い上条に合わせて傘を差しているので、どうしても持ち方が不安定になってしまう。その事に気づいた上条は、小さく笑って美琴の持つ傘を奪い取り、やや美琴寄りに傘を掲げる。美琴「あっ・・・」上条「・・・ったく、世話の焼けるヤツだな。・・・ほ、ほら、もっとこっちに来いよ」そう言いながら上条は美琴の肩を打き寄せ、美琴が濡れないように、美琴を自分の胸に寄り添わせる。そんなほんの小さな気遣いが、美琴にとってはとても嬉しく、安心感を抱かせた。美琴(わっ、わっ・・・!う、嬉しい・・・!!)上条(べ、別にやましい気持ちなんて一切ないんでございますからねーっ!!?)美琴が上条の服の裾をきゅっと握り締めると、それと裏腹に上条の緊張のボルテージは上がっていく。そんな正反対の感情を抱いた二人は、雨の降る学園都市をゆっくりと歩いていくのであった。上条さんは美琴に寮まで送ってもらいました。上条「わりぃな。わざわざ送らせちまって」美琴「別にいいわよー。貸しって事で、また今度付き合ってもらうから」上条「・・・。あのー、御坂さん?送るって言い出したのは、アナタの方だったんじゃ・・・」美琴「いっ、いちいち細かい事気にしないのー。それじゃ、私帰るわね」じゃ、と美琴が帰ろうとしたその時、二人に迫るひとつの影が。学園都市製の清掃ロボット・・・の上に正座している、土御門舞夏だった。舞夏「・・・あれ?上条当麻と・・・、御坂じゃないかー。こんなところで何してるんだー?」美琴「・・・つ、土御門?アンタ、こんなところで何やってんの?」舞夏「私はメイドさんだし、ここには兄貴も住んでるからなー。別にいてもおかしくはないぞー。 それより二人はこんなところで一体何をやってたんだー?・・・ひょっとして、逢い引きかー?」ぶっ!!?と上条と美琴は思わず吹き出してしまう。美琴「あああアンタ!!いい、一体どこをどう見たら逢い引きしてるように見えんのよ!!」舞夏「だってー御坂の寮はこっちの方じゃないだろー?わざわざ上条当麻の寮にまで来てー、 やる事と言ったら逢い引きぐらいしかないじゃないかー」美琴「だ、だから逢い引きじゃないっつってんでしょうが!! わ、私はただ、コイツが傘持ってないから仕方なくここまで送ってあげただけであって・・・ッ!!」舞夏「なるほどー。相合い傘で帰宅というわけかー。なかなかやるなー御坂ー」美琴の顔がみるみるうちに赤く。それを見て意地悪そうに笑った舞夏は、更に二人を茶化す。舞夏「これはあれだなー。一大ニュースになるなー」美琴「な、何がよ?」舞夏「スクープ!!常盤台の超電磁砲、高校生との熱愛が発覚!!?」再び吹き出した美琴の顔は更に紅潮していき、必死に反論をする。舞夏はそれを華麗に聞き流し、楽しそうに美琴をからかう。土御門「・・・にゃー、何か外が騒がしいな・・・って舞夏と・・・カミやんと・・・誰?」上条「つっ、土御門!?・・・ま、またややこしいのが出てきた・・・」舞夏「おー兄貴ー。大スクープだぞー、上条当麻が寮の前で逢い引きしてたぞー」上条「だ、だから逢い引きじゃねえって言ってんだろうが!!・・・ん?土御門・・・?」土御門は急に打ちひしがれたように黙り込む。そして一呼吸置いて、土御門「・・・スクープ!!上条当麻、常盤台のお嬢様との交際が発覚!!?」上条「・・・あっ、アホかっ!!大体、兄妹揃って同じ事言うんじゃねーっ!!」抜け駆けはずるいぜよカミやーん!と土御門は上条に飛びかかる。一方では、美琴が清掃ロボットに座った舞夏を追いかけているがなかなか捕まらない。この後、それぞれの争いは数時間続いたとか続かなかったとか。
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ロゴ一覧 ◆一方通行 ◆打ち止め ◆御坂美琴 ◆インデックス ◆白井黒子 ◆初春飾利 ◆佐天涙子 ◆上条当麻 ◆紳裂火織 ◆土御門元春 ◆ステイル=マグヌス ◆黒妻綿流 ◆月詠小萌 ◆青髪ピアス ◆冥土帰し
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何が起きている。 青年川内一輝は、一人支給されたハンバーガーを貪りながら状況を分析していた。 無気力を体現したような、言ってしまえば堕落した性格の一輝だが、流石に怠惰にはなれなかった。 自分は、このゲームと殆ど同じような殺し合いに参加させられた筈。 最初こそいつもの無気力さを発揮していたが、何人かの仲間たちを得て本格的な主催打倒を目指していた。死体だって見たし、殺人者に襲撃されたりもした。 しかし突然、全く以て意味不明と言う他ない『放送』が流れ、気が付けばあの『開幕の場』に居た。 何が起きたのか、全く理解できない。 殺し合い――既に『前回』となったゲームにて主催者を勤めていた富山という男も居なかったし、自分の仲間たちの名前は名簿には一つも載っていなかった。 幾名か記憶にある名前はあったが、確かその名前の人物は前回のゲームにて、放送で名を呼ばれていたと記憶している。同姓同名の別人かもしれないが、そんな偶然が果たして有り得るだろうか。 (偶然……じゃなかったら何なんだ、まさか死人が生き返ったとか言う気か?) 一輝が如何に堕落した性格だとはいえ、夢と現実をごっちゃにしてしまうような人間ではない。 わざわざ『脱落者』である死人を生き返らせるような真似をしても、あの富山からしてみれば興が削がれるだけに過ぎないだろう―――それに最後の放送、そんな事は語られていなかった。 思い返せば、『お前ら』とあの男は言った筈だ。 なのに、川内一輝ただ一人がこの新たな殺し合いに呼ばれていると言うのは不自然ではないか。 もしかして自分は、前回の主催者、富山由紀夫さえ予想だにしなかった事態に巻き込まれているのではないだろうか、と頭の中に一つの可能性が浮かんでくる。 思えば前回の時だって、何の脈絡もなく突然に全てが始まったのだ。 ならば今回だって、そんな風に『常識外れ』の始まりを迎えようと何らおかしくはない。 「あー……何か唐突にだるくなってきた」 事態が元々より更に、滅茶苦茶に拗れているかもしれないと思うと、面倒になってくる。 恐らくこのゲームの元だろうとある小説を読んだことがある一輝だったが、前回も今回も、主催者は国なんて大層なものではなくただの恐らくは『一個人』だと見える。 そんな人間の考えを理解しようとするだけで、凄く『だるい』気分になるのだった。 とはいえまさか易々と殺されてやる気はないし、殺し合いに乗る気も皆無である。 また前回のように仲間を集めて布陣を固め、少しずつ主催者打倒を進めていくしかないだろう。 だが、一輝とて前回のようにいく可能性が低いことくらいは重々承知していた。 ああも順調に毎回進められるほど、楽なゲームではない。 もしも最初に、重火器を所持した殺人者などに遭遇したならそこで殺されるかもしれない。 殺さなければ殺される、その覚悟を留めておくことができなければどちらにしろ生き残れない。 それら全てを考え、様々な可能性を加味して考えていくと尚更面倒な気分になる。 (しばらくはここでじっとしてるか……自分から動いて乗った奴と出会してもあれだしな) ハンバーガーを食べ終わるとその包みを傍らに放り投げ、デイパックから支給された武器を取り出す。 前回ほど恵まれたものではなかったが、こんな大きな鋏となれば立派な武器だ。 刺したとしても普通のナイフとさほど変わりはないだろう。 見た目が少し貧相だったが、そんなことを気にしている場合ではないしむしろ目立たない方が好都合だ。 わざわざ仰々しい武器を携えた相手に迫っていく人間などそうは居ないのだから。 そうして川内一輝は、ぼーっと、押し寄せる倦怠感に耐えながらも静かに座り込んだ。 其処は学生の教室のようだったが、つい最近まで使われていたかのような様子が不気味極まりなかった。 ■ 「……愚かだわ」 学校内部にて、まだ殺し合いが始まって然程時間が経っていないにも関わらず、女性はそれを見つけた。 大量の血液。 誰が見ても致死量と判断できただろう。 女―――土御門伊織は、その光景を眉をひそめながら見下ろしていた。 彼女が此処にやって来たのは偶然と言う訳ではなく、単純に走り去る一人の人影を目撃したからだ。 途方もない年数を生きる妖怪『白澤』である伊織には、その人物が何か、罪と呼べる何かを犯した人間だということはすぐに予測が付いた。 ましてや此は殺し合い、犯す罪など人殺し以外に何があると言うのか。 追い掛けても無駄だとは思ったが、何となく校内を徘徊して、これを発見した、と言うわけだ。 十中八九下手人は先の少女と見て間違いないだろう。 年端もいかぬ、伊織にとっては赤子よりもまだ幼いとさえいえる少女だったが、あんな少女さえも殺し合いに駆り立てるとは少しばかり予想の範疇を超えていた。 しかもあの『目』は、保身などという下らない三下の目ではなかった。 あれは何かを決め、それを遂げるためにならどんなことだって惜しまないという目。 (『賞品』……あれがもたらした恩恵はかなり大きかったようね) 誰にでも願いと言うものはある。 些細なことから絶対に譲れないものまで、およそ誰もが持つものだ。 そして人々は時にその願いにすがり、時に諦め―――時に願いを遂げる為に罪人とさえなる。 尤も伊織からしてみれば、あのような連中に願いを叶えてもらうなどまさに『愚か』という他なかったのだが、そうまでして叶えたい願いを持つ者が居ることは理解できる。 そしてその『願い』を賞品に設定すること―――何とまあ、悪辣な手口だろう、と伊織は思う。 死者の蘇生、大金。或いはもう少し特殊な何かを求める人物も居るのかもしれない。 土御門伊織は、努力なくして叶える願いなど何ももたらさないと思っている。 だから賞品などに興味はないし、とりあえず生き延びることを最終目標にはしていたが、よっぽどの事がない限り進んで他人を殺める気もなかった。 が、これで確信する。 この殺し合いは、既に始まっている。 更に、悪意の渦はどんどん広がっていき、時には人を変貌させる。 「これは……早い内、お仲間見つけた方がいいかもしれない」 伊織も妖怪、いわば人外の存在だ。 人間と乖離した、言ってしまえば『能力』と呼べる常識外れの力を有している。 だがしかし、窮鼠猫を噛む、なんて事態が起きないとも限らない。 大体伊織のような人物を呼びつけてくる主催のことだ、ゲームの公平性がどうとかで普段通りに能力が使えなくなっている可能性だって十分に有り得る。 故に、油断は禁物。 侮ってかかればいずれ痛い目を見かねない。 細心の注意を払って行動し、なるべく早急に同行者を獲得する。 伊織は当分の行動指針を固め、とりあえずこの学校の中を色々探索してみることにした。 土御門伊織は、手始めに教室をしらみ潰しに見ていこうと思い立った。 □ ………お兄ちゃん。 青木百合は、廊下をゆっくりと歩きながらそう呟き嘆息した。 まさか殺し合いなんて馬鹿げたものに『また』巻き込まれるとは、夢にも思っていなかった。 彼女とその兄、青木林は、此処に来る前に既に一度殺し合いを経験している。 前回のゲームで彼女たちは殺し合いへの反逆者として、慎ましくはあったが行動を共にしていた。 しかし、あの優しい兄は百合を『ゲーム』から脱出させて自らはゲームに残るという行動に出たのだ。 青木百合は少なくとも生還することが確定し、青木林の生死はゲームの結末次第――なんて状況。 もしも林が何者かに殺されて、死を遂げていたとしたなら。 自分がどうなってしまうのか、彼女自身にも分からなかった。 平静を保てずに暴走して、本来なら想像もつかないような行動を執ってしまうかもしれないし、もしかしたら自ら命を断ってしまったかもしれない。十分に有り得る。 百合の中で、林という存在は余りにも大きくかけがえのないものだったのだ。 しかし自分はこうして新たな殺し合いに参加させられ、名簿には『青木林』の名前がしっかりとある。 林は生きているのだ。 これがあのクマの思惑通りなのかどうかは知らないが、林が生きているだけで十分だった。 もしも林の名が無かったなら百合は殺し合いに乗っていただろうし、狂乱したっておかしくはない。 今この時間、この会場で最愛の兄は、自分と同じく殺し合いをさせられている。 不謹慎ではあったが、そんな当たり前のことが彼女を安心させた。 そうして百合は、冷静さを失わずに殺し合いでの方針を決めることが出来たのである。 まず一つに、青木林との合流。 もし仮に殺し合いに乗らないとしても、林との合流を最優先して行動する。 林の情報を集めて、一分一秒でも早く兄の無事を確認したかった。 第二に、殺し合いへの参加意思。 これに関してはとりあえず保留といったところだ。 前回こそ早急に林との合流が叶ったから殺し合いへ反旗を翻したものの、今回は分からない。 何せ、青木林という存在がどれだけ青木百合にとって大切なものか、今の彼女はしっかり理解している。 林を守る為になら何にだってなる、何だってする―――それくらいの覚悟は完了していた。 殺し合いに乗ってしまえば、林を優勝させるまで生きていられるかはともかくその可能性を上げることくらいは出来る。 あの優しい兄はきっと殺し合いには今回も乗らないのだろうし、危険人物の排除が先決かもしれない。 林の敵に回るような、殺人者共を殺していく。 それもかなり合理的で、更にゲームの解体にも繋がる良いポジションだ。 只の殺人鬼となってしまうよりかは、そちらの方が幾分かハードルも低いだろうし。 しかし、まだこれに関しては決めかねる。 迷いがあるのだ。 人殺しへの迷いではない、そのくらいの覚悟はある。 ゲームの解体、林の意思の尊重―――そんな悠長なことを言っていていいのか、という話だ。 二度目のゲームで流石に百合は悟っている、『このゲームの解体は余りにも困難だ』と。 首に巻かれた首輪、狭くなっていくエリア、集まる殺人鬼達、そして最後には主催との対決。 幾つ難題があるか分かったものではない。 まずこの首輪をどうにかしなければいけないし、主催にそれを感知されでもしたら御仕舞いだ。 それだけの技術がある参加者なんてものがこの殺し合いに果たして存在するのか? 主催者からすればそんな人物を参加させることにメリットがない。 細心の注意を払って、そういったことが可能な人物を参加させていなくとも全くおかしくはない。 (そうなったら、乗るしかない) 最優先すべきは『青木林の生還』なのだ、『ゲームの解体』などは所詮スペアプランに過ぎない。 もしも殺し合いの打倒が不可能と分かったなら、そうなったら自動的に林を優勝させるように行動することになる。 林が幾ら良心的な人物だったとしても、林が自分を止めたとしても―――― (――――――私は殺す) 愛しい兄の為に、全てを壊して全てを滅ぼして、最後は自らも壊して滅ぼそう。 歪んだ少女は、しかしまだ冷静さを保った心で決意する。 躊躇いはあった。 兄はきっと自分を嫌うだろうし、そうまでして生き残ればあの兄は自ら命を断つかもしれない。 けれども、遂げる。 今はまだ『危険人物の排除』を行っていくだけだが、万一その時が来たなら覚悟を決めよう。 静かに、まるで自分に言い聞かせるように首を振り、前を向いたその時だった。 「………話し声?」 そう遠くない場所から聞こえる、確かな人の声。 どうも危険人物のようではないが、一応接触しておくに越したことはない。 まさかとは思うが林の情報を持っている可能性だってあるし、無視してしまうのは少し惜しい。 「………行こう」 支給された一本の斧を持って、不審だとは自覚しながらも百合はその声に近付いていった。 ◇ 声の出所はすぐに見つけることが出来た。 『2年C組』の教室から、確かに男性と女性の会話が聞こえる。 話の内容まではこの距離だと聞き取れないが、声の調子などから考えるに乗ってはいないようだ。 (内容……聞いておきましょうか、一応) 盗み聞きとは誠に趣味が悪いと百合は一般常識として理解していたが、この状況がまず常識という言葉を背負い投げするレベルに非常識なのだ、躊躇ってはいられないだろう。 それに危険人物の殺害を主として行動しようなんて思っている人間だと万一勘づかれれば後々面倒なことになる、最悪拘束されたりするかもしれない。 むやみやたらに人と接触するのは避けた方が賢明だろう、と百合は決める。 少しずつ、さながら忍か何かのように教室に近付いていく―――ここだ。ここなら聞き取れる。 まずあちらからこちらの姿は確認できないだろう。 代わりにこちらからもあちらの姿は確認できないのだが、今は会話の内容を聞ければそれでいい。 林の情報を得たいというのはあったが、仕方ないというものだ。 「成る程。一輝はこの殺し合いは『二度目』なのですね」 「……ああ。突然放送で別な場所に飛ばすとか言われて、気が付いたら此処に」 心臓がどきり、とした。 『一輝』と呼ばれた男の境遇が、自分と似ていたのだ。 特に『この殺し合いは二度目』という箇所。 もしかすると確認していなかっただけで、自分と同じ殺し合いに参加していたのかもしれない。 だとすれば、青木林の情報を何か保有している可能性がある。 あの後林はどうなったのか、そして突然放送で告げられたこととは何か。 「けど、俺の仲間は居ない」 「……妙ですね、それ。その『富山』という男には貴方だけをこんな場所に飛ばす理由がない――それは確かに川内さんの言う通り、この殺し合いは異常事態なのかもしれません」 富山?百合の脳内に疑問符が浮かぶ。 前回の主催者のあのクマは確か、『モノクマ』とか名乗っていた筈だ。 富山なんて人物には心当たりがないが、放送を行ったのはどうもその『富山』らしい。 おかしい。 幾らなんでも自分の知っている殺し合いと話が違いすぎている。 あのモノクマが、他人に自分の楽しみを譲ってしまうような輩には見えなかった。 あれは心の底から人々が絶望し、殺し合いをする様を見て楽しんでいたのだ。 その点では今回の主催者――『人無』だったか、よりもよっぽど性質が悪いとさえ言えるだろう。 なら、川内の言っているものは自分の経験した殺し合いでない可能性が高い。 殺し合いのゲーム、そんな悪趣味なものがまさかそこかしこで行われていたと言うのか? (……狂ってる) 覚悟を決めた筈の百合でさえも、そう言わずにはいられなかった。 異常すぎる。 何もかもを踏みにじって破壊するこのゲームを行うような人間が、この世には蔓延しているという。 どこまでこの世界が狂っているのか、百合は一瞬吐き気のようなものさえ覚えた。 「土御門、アンタは何か知ってることあるか?」 「年長者には敬語を使うものでしょうが……まあいいでしょう、私の知り合いが一人この殺し合いに参加しているようです――――そして」 次の瞬間、百合は本能的に目を瞑った。 教室の後ろのドアに、一本のナイフが突き刺さっている。 投擲に適したフォルム、俗に言う投げナイフというやつだろうか。 素人である百合には分からなかったが、とにかく『土御門』という女性に気付かれたということは分かった。既に一輝にも知れているだろうし、逃げられるかどうかは運といったところか。 どうするか。 今ここで斧を持って突入し、牽制したとしても相手の投げたナイフを打ち落とせる筈がない。 仮に逃げたとしても、後ろ姿だけでも見られてしまえば悪評を振り撒かれる可能性だってあるだろう。 「今なら、『話し合い』に応じましょう……しかし、出てこないようならそれなりの措置を執らせていただきますよ?……分かったなら早く出てきなさい」 仕方ないか、と百合は教室の、投げナイフが刺さったドアを開けて入室する。 中に居たのは二人の若い男女で、現在は情報交換の最中だったと見える。 『話し合い』に応じる、その言葉に偽りはないらしく両者共に行動を起こす様子はない。 このまま睨み合っていても仕方ないし、何よりあの土御門という女は相当、厄介そうだ。 相手のペースに飲まれてはいけない、こちらから話を振っていかなければ。 「私は青木百合と云います、殺し合いには『今のところ』乗っていません」 嘘をついたところでどうせこの女には見抜かれてしまいかねない。 そうなれば信用はがた落ち、少なくとも『真実』を言うよりも圧倒的に落ちてしまう。 「……私は危険人物、殺人者に対処していこうと思っています……場合によっては、殺すこともあるでしょう」 一輝―――川内一輝は眉間に皺を寄せ、土御門の様子を窺っている。 無理もないだろう、いきなり『危険人物限定でなら殺しもやる』と言われて警戒しないような人間はいない。 別に彼らと行動を共にする気は百合には無いのだ、情報を明かしてしまっても構わないだろう。 それに彼らとしても百合のような存在は害悪ではなく、むしろ助けられるとさえ言える。 危険人物が減ればそれだけ反逆の為の準備も楽になるのだから、当然の話ではあるが。 土御門―――土御門伊織は無言で、只何かを思案するように腕を組んでいた。 どうするか計りかねているのだろう、まさかここまで堂々と対応されるとは思うまい。 しかしそれを待つ百合ではない、速やかに自分の聞きたいことを質問することにする。 「一輝さん、土御門さん。私の兄――青木林という人物に心当たりはありませんか?」 黒い髪で学生服の少年。 余りこれと言って大きな特徴がある訳ではなかったし説明に多少困ったが、何とか特徴を説明した。 一輝は静かに首を横に振って知らない、という意思を示す。 伊織は難しそうな顔をして、只一つ百合に質問を投げ掛けた。 「百合――その方、貴女にとってどのくらい大切な方なので?」 考えるまでもなかった。 「世界を滅ぼしたって構わないくらいです」 刹那。 青木百合の視界が突如、白煙に覆われる。 伊織と一輝の慌てたような声を暫くぼうっと聞いていると、背中に何か衝撃を感じた。 その間ものの数秒。 たったそれだけの時間で、青木百合の意識は闇へと消えるのだった。 ◆ 土御門伊織と川内一輝、そして一輝に背負われている青木百合の三人は、学校を脱出していた。 誰にも出会さず―――そう、『誰にも出会すことなく』学校を脱出したのだ。 簡単に言うなら、あの時百合の視界を煙幕で遮り、あまつさえその意識を奪ったのは他ならぬ伊織である。 一輝からしてみれば余りに唐突すぎてパニックになってしまったし、今もまだ伊織に『何故青木百合を昏倒させたのか』の理由を聞けずにいる。何故だか学校から一刻も早く出なければならないと捲し立て、その勢いに反論できずこうして従っている、という訳なのだ。 「……この子は異常です」 厳かに伊織はそう切り出す。 どうにも嫌な胸騒ぎがする。 青木百合が青木林の死を知ったなら、彼女はきっと伊織達に牙を剥くだろう。 そして青木百合の青木林に対する感情は並大抵のそれではない、彼女が語った『世界を滅ぼしたって構わない』という言葉もまた、彼女にとっては誇張でも何でもなかったのかもしれない。 これは殺し合い。青木林が死亡する確率は決して低くはない。 どうするべきか―――土御門伊織は、その妖怪として生きてきた経験から思考する。 殺すか? そうすればとりあえず間近な脅威は消し去ることが出来るし、一輝も話せば反対はしないだろう。 しかし余りに早計すぎる気も否めない。 (―――なら) 単純明快。 非常に難しく面倒な手段ではあるのだが、これぐらいの愚策しか伊織にも思い付かなかった。 「……万一のことがあっても、決して青木百合に放送を聞かせないように……そういう偶然も、時としてはあり得るのですから」 無言で一輝は首を縦に振り、伊織もまた安堵する。 いずれボロは必ず出るだろうが、その時にまた対処していくしかない。 面倒だなあ、と伊織は安堵と打って変わって、深い溜め息を漏らした。 普段なら、こんなに乱暴なまねはしなかったろうが、経験が告げているのだ。 ―――――一波乱ある、と。 【F-5/学校 出口付近/一日目/朝】 【川内一輝@需要なし、むしろ-の自己満足ロワ3rd】 [状態]健康 [服装]特筆事項なし [装備]大鋏 [道具]基本支給品一式、ランダム支給品×1 [思考・行動] 基本 殺し合いには乗らないでおく。 1 土御門の行動指針に従う [備考] ※マイナー参加者ロワに飛ばされる瞬間からの参加です 【土御門伊織@オリキャラで俺得バトルロワイアル】 [状態]健康 [服装]特筆事項なし [装備]なし [道具]基本支給品一式、ランダム支給品×1、投げナイフ(残り七本) [思考・行動] 基本 生き残る。 1 とりあえずは殺し合いには乗らない。 [備考] ※俺得オリロワ参加前からの参加です 【青木百合@DOLバトルロワイアル2nd】 [状態]気絶中 [服装]特筆事項なし [装備]なし [道具]基本支給品一式、ランダム支給品×2、斧 [思考・行動] 基本 青木林の為に行動する 1 ………… [備考] ※DOLバトルロワイアル2nd、ゲーム離脱後からの参加です 支給品説明 【ハンバーガー】 川内一輝に支給。 某マクド○ルドの照り焼きバーガー、美味しい。 【大鋏】 川内一輝に支給。 園芸や調理に用いられる大型の鋏。刺しても使えるが、切れ味も相当のもの 【投げナイフ】 土御門伊織に支給。 狩猟から手品など様々な用途で用いられる投擲に特化したナイフ。八本セット。 素人でも簡単に投げられるように出来ていて、殺傷能力もそこそこ。 【煙幕弾】 土御門伊織に支給。 相手の目を眩ます為に用いられる軍用の煙幕弾。ガスは人体に無害なもの。 【斧】 青木百合に支給。 木を切ることに使われるものだが殺傷能力は十分で、軽いため簡単に振り回せる 時系列順で読む Back 咲物語-このSSは100%の悪意のみで書かれたSSです- Next 天使への昇華 投下順で読む Back 咲物語-このSSは100%の悪意のみで書かれたSSです- Next 天使への昇華 GAME START 青木百合 056 メカクシコード GAME START 川内一輝 056 メカクシコード GAME START 土御門伊織 056 メカクシコード
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俺は土御門もそこそこ強いと思ってるんだが・・・ -- (名無しさん) 2011-09-09 22 46 34