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新作シミュレーションRPG(仮) 公式サイト 機種 PS Vita 発売日 未定 定価 未定 ジャンル シミュレーションRPG 発売元 マーベラスAQL 開発元 マーベラスAQL オフラインプレイ人数 多人数プレイ要素 年齢区分 審査予定 初回特典 限定版 備考 プレイ画像 PV
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【TOP】【←prev】【SEGA SATURN】【next→】 SANKYO FEVER 実機シミュレーションS Vol.2 タイトル SANKYO FEVER 実機シミュレーションS Vol.2 サンキョーフィーバー 機種 セガサターン 型番 T-32103G ジャンル テーブルゲーム(パチンコ) 発売元 ティー・イー・エヌ研究所 発売日 1998-1-15 価格 5800円(税別) サンキョーフィーバー 関連 Console Game SFC SANKYO Fever ! フィーバー ! 本家 SANKYO FEVER 実機シミュレーション 本家 SANKYO FEVER 実機シミュレーション 2 本家 SANKYO FEVER 実機シミュレーション 3 PS SANKYO FEVER 実機シミュレーション SANKYO FEVER ダウンタウン劇場 SANKYO FEVER 実機シミュレーション Vol.2 SANKYO FEVER 実機シミュレーション Vol.3 FEVER SANKYO 公式パチンコシミュレーション FEVER 2 SANKYO 公式パチンコシミュレーション FEVER 3 SANKYO 公式パチンコシミュレーション FEVER 4 SANKYO 公式パチンコシミュレーション FEVER 5 SANKYO 公式パチンコシミュレーション SS SANKYO FEVER 実機シミュレーションS SANKYO FEVER 実機シミュレーションS Vol.2 SANKYO FEVER 実機シミュレーションS Vol.3 Handheld Game WS FEVER SANKYO 公式パチンコシミュレーション 駿河屋で購入 セガサターン
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NONMEM での確率論的シミュレーション NONMEM で stochastic simulation を実施する際に,考えなければならないのは次の四点である. データをどう作成するか. パラメータをどう発生させるか. 多数回の実行をどう自動化するか. 多数回の実行結果をどう集計するか. 1. データをどう作成するか NONMEM にできるのは,与えられたデータセットに従った計算を行うことだけである.したがって,デザイン(どういう TIME にどういうイベントが発生するか)が異なる複数被験者の計算を行いたいなら,それに応じたデータを事前に用意しておく必要がある. したがって,「採血時点をランダムにする試験デザイン」でのシミュレーションを行いたい場合には,NONMEM だけではどうしようもない.NONMEM 内部で TIME をランダムに発生させることは不可能なので.よって,別のプログラム (SAS, S-Plus, Excel Visual BASIC) でデータファイルを発生させておいた上で,そのデータを用いて NONMEM 計算を行う,という手順を踏むことになる.(実は,あるトリックを使えばこの問題はクリアできなくはない.ただし,かなりトリッキーだし,制限もあるのでわざわざこのアプローチを取ることもないだろう) なお,同一デザインでよいならば,一人分のデータを用意しておいて,$SIM NSUB=n で多数人数分の計算を実施する,ということは可能である. 2. パラメータをどう発生させるか 固定効果と個体間変動分散の推定値を用いて個人のパラメータを発生させ,そのパラメータを用いてシミュレーションしたい,この状況ならば NONMEM の $SIM で簡単に実行できる.発生させたデータに対してまたモデルを当てはめてパラメータ推定値を得たい,という場合であっても NONMEM だけで実行可能である. そうではなくて,推定誤差を考慮して,多変量正規分布によってパラメータを発生させたい,という場合.これは S-Plus を使うのがほぼデファクト・スタンダードである,と私は思う.SAS で多変量正規分布にしたがう乱数を発生させるのは結構厄介なので(SAS/IML で行列計算するとか).ただし,個体間変動(および個体内変動)に相関を仮定したい場合には,多変量正規分布でのシミュレーションは正しくない.ウィッシャート分布?を用いて分散共分散行列を発生させる必要がある. それよりも,ブートストラップによってパラメータを発生させる方が,ある意味,楽. 3. 多数回の実行をどう自動化するか NONMEM の $SIM NSUB=n1 の機能で自動化できる場合もある.あるいは,$SUPER NITER=n2 が使える場合もあるかもしれない($SUPER はいろいろ厄介な制限があるので,私はほとんど使わない). しかし,あるひとつのコントロールファイルではシミュレーションを 1 回だけ行うようにしておいて,その代わり,そのコントロールファイルの run を多数回行う,というアプローチを取るほうが,結局のところわかりやすかったりする.データが毎回異なっていたり,パラメータの値が毎回変化するような場合にはこのアプローチを取らざるを得ない. NONMEM の自動実行自体は,いろいろな方法で実現可能である.SAS あるいは S-Plus から NONMEM を起動することも別に難しくない.Excel の Visual BASIC からでも可能だし,もちろん,Access VBA からでもできるだろう.Perl を使う方法もある.なんだっていい. 4. 多数回の実行結果をどう集計するか もちろん,手作業では不可能である. 標準のアウトプットを何らかのプログラムに取り込んで必要な情報を抽出する方法をとってもいいし,あるいは $PK INFN= の機能を利用して,パラメータ推定値だけ別ファイルに書き出しておいてもいい. 多数回の実行結果を要約する際には,SAS なり S-Plus なり,何らかの統計ソフトを用いることが多いであろう.その際には,その統計ソフトで結果を取り込むようなプログラムを書いておくのが一番である.もちろん,Excel でも可能だし,Perl で取り込んでおいて,csv ファイルに書き出す,という方法でもよい. なお,INFN の機能は $SUB で使えるものなので,ADVAN を使わない場合,すなわち $PRED にモデルを書く場合は INFN 機能は利用できない.しかし,同等のこと(すなわち,パラメータ推定値を別ファイルに書き出すこと)は $PRED の中でも実現可能である.(→$PREDでINFN)
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アクアノートの休日 アジト3 あいどるプロモーション~すずきゆみえ~ ヴァンピール 吸血鬼伝説 SDガンダム GGENERATION-F オウバードフォース オウバードフォースアフター カルネージハート ガンホーブリゲイド ギレンの野望~ジオンの系譜~ キャプテン・ラヴ クリック・メディック ゲームソフトをつくろう 高機動幻想 ガンパレード・マーチ 個人教授 ザ・ゲームメーカー 売れ売れ100万本げっとだぜ! ザ・ビストロ That s QT シヴィザード シヴィライゼーションⅡ シムシティ2000 新・戦闘国家グローバルフォース 蒼天の白き神の座 ~GREAT PEAK~ 大航海時代Ⅱ 小さな王国エルトリア チャルメラ テーマ アクアリウム テーマ ホスピタル DEVICEREIGN TOYS DREAM トゥルー・ラブストーリー ときめきメモリアル2 どっちも・メチャメチャ・ドッチメチャ! DRAGON SEEDS~最終進化形態~ ネオアトラス ネクタリス パイロットになろう! パネキット パロウォーズ 秘密結社Q 漂流記 ファイヤーウーマン纏組 ファミレスへようこそ! フィッシュアイズ フィッシュアイズ2 プリズムコート BOXER S ROAD 星の丘学園物語 学園祭 マイガーデン メリーメント・キャリング・キャラバン 免許をとろう ロード オブ モンスターズ ワールド・ネバーランド ~プルト共和国物語~
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タフ・シミュレーション 概要:新統合軍と合同模擬戦を行え。 天候 時刻 制限時間 レベル 目標 機体固定 - - 10 00 1 敵を殲滅せよ なし 敵機 初期配置 ディフェンダー 22機 ファランクス 10機 VF-171 9機 モンスター 3機 ランク 39350PT以上でSランク 41100PT以上でSSランク 37920PT以上でSでました。 -- 名無しさん (2008-11-10 00 15 23) 36150PT以上でSランク 出ました。 -- 名無しさん (2008-11-27 23 10 53) 36090PT以上でSランク出ました -- 名無しさん (2010-11-20 14 27 17) 名前 コメント
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遊び方:高校野球シミュレーション4の初期設定を簡単にではありますが解説します! チャットルーム:だから~部公式チャットルームです! 大会:ぷよ学園ココシミュ大会の概要と結果 みんなのチーム(年度別):年度ごとにみんなのチームを掲載 みんなのチーム(縛りなし):年度なんて関係ない!みんなのベストチームを掲載
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シミュレーションユニット シミュレーションユニットを設定すると、冒険中、自動的に発動する効果を獲得できます。 戦闘中やダンジョンの攻略語など、効果を受けるタイミングは様々です。 セットの仕組み メイン、サブ 大まかに、5種類のユニットに分けられます。 破壊 - 単純に火力が増えて攻撃的。 流出 - HPやEEの回復がしやすくなる。 停止 - 主に耐久力が上昇する。 代償 - 何かを引き換えに強力な効果を得る。 超越 - その他。 5つの内、2つを選び、それぞれ、メインユニットとサブユニットにセットできます。 メインユニットに選んだユニットはサブユニットに選んだ時よりも効果が高くなります。 ただし、1種類のユニットをメイン、サブにそれぞれユニットとしてセットすることはできません。 主橋、副橋、側橋 5種類のユニットはそれぞれ9種類の細かな効果を持ちます。 メインユニットからは、主橋で3つのうち1つ、副橋で3つのうち1つ、側橋で3つのうち1つを選べます。 サブユニットからは、副橋で3つのうち1つ、側橋で3つのうち1つを選べます。
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【TOP】【←prev】【SUPER Famicom】【next→】 本家 SANKYO FEVER 実機シミュレーション タイトル 本家 SANKYO FEVER 実機シミュレーション 本家 サンキョーフィーバー 機種 スーパーファミコン 型番 SHVC-AFPJ ジャンル テーブルゲーム(パチンコ) 発売元 DEN S 発売日 1995-6-10 価格 10800円(税別) サンキョーフィーバー 関連 Console Game SFC SANKYO Fever ! フィーバー ! 本家 SANKYO FEVER 実機シミュレーション 本家 SANKYO FEVER 実機シミュレーション 2 本家 SANKYO FEVER 実機シミュレーション 3 PS SANKYO FEVER 実機シミュレーション SANKYO FEVER ダウンタウン劇場 SANKYO FEVER 実機シミュレーション Vol.2 SANKYO FEVER 実機シミュレーション Vol.3 FEVER SANKYO 公式パチンコシミュレーション FEVER 2 SANKYO 公式パチンコシミュレーション FEVER 3 SANKYO 公式パチンコシミュレーション FEVER 4 SANKYO 公式パチンコシミュレーション FEVER 5 SANKYO 公式パチンコシミュレーション SS SANKYO FEVER 実機シミュレーションS SANKYO FEVER 実機シミュレーションS Vol.2 SANKYO FEVER 実機シミュレーションS Vol.3 Handheld Game WS FEVER SANKYO 公式パチンコシミュレーション 駿河屋で購入 スーパーファミコン
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「この世界の戦争は、土地や人民を手に入れる国家間交渉の一手段とされている。その為に被害を最小にする目的で戦争代理人として騎士、そしてメサイアが用いられる。 何故?―――当然だからだ」 教壇に立つ教師―――長野教官は、そう語る。 「考えても見ろ」 その眼は、教室にいる全員を押さえつけるかのごとく、危険に光り輝いている。 「誰が黒こげになった土地など欲しがる? 誰が廃墟になった都市など欲しがる? 誰が難民となった市民など欲しがる? 欲しいのは、そのままの土地と人なのだ。 さかのぼること約半世紀前、敵地を焦土にし、敵国の国力を奪う焦土主義が広く流布していたのは事実だ。 それがいかに間違いであったかは、あの戦争の後始末が教えてくれた! あの忌まわしき北米大陸戦争―――赤色戦争において、戦勝国となったプロイセン、ブルボン、ヴィクトリアといった世界に冠たる帝国は、戦いで荒廃した占領地の復旧といういわば後始末のためだけに戦費を上回るほどの莫大な費用の捻出を余儀なくされ、結果として、10年と経たない内に敗戦国だったアメリカに喰われた。 戦で勝ちを収めたにもかかわらず、その後で負ける。 まさに真の負け戦というべきだろう。 その苦い経験があればこそ、世界は変わった。 銃の発展に伴い、戦場の檜舞台から降りたはずの我ら騎士が再び返り咲いた。 一般兵で編成される軍隊を前面に出すのではなく、我ら騎士という選ばれた者達が、あらゆる被害を最小限に抑えて戦争を終わらせる。 それを台無しにしてくれる艦隊戦や空爆なんて多大な被害が予想される作戦は、サル以上の脳みそがあれば原則行わない。 平気でそんなバカは、アメ公か中華主義者にやらせておけばいい」 教官は、そこまで言うと、教壇を降りた。 「いくら貴様等がクソでも、ここにいる以上、こんなことは百もご承知とは思う」 檻の中に閉じこめられた熊のように、教官は机と机の合間を歩きながら言う。 「貴様等ウジ虫のクソ溜が、あろうことか畏れ多くも天皇陛下よりお預かりすることになるだろう、それがメサイアだ」 生徒達はテキストを読むフリをして息を潜めている。 「騎士の手足となり、あらゆる敵を殺す世界最強の兵器。どんな攻撃にも耐えうる万能の鎧に身を固め、計り知れぬ力で居並ぶ敵を叩いて砕く。決して倒れる事もなく死ぬ事もなく、ただひたすら操縦者の意のままに闘い続ける不死身の兵士。海であろうが空であろうが闘う場所を選ばない。勝利する事のみを目的とした完全なる兵器―――そして、その裏付けとなる現代魔法技術の昇華」 教官は目的もなしに歩いているのではない。 教室の端まで来ると、くるりとターンして、別な隙間を歩き、目的地を目指す。 「1950年代の東南アジア動乱。ケサン攻防戦がメサイアのデビュー戦となったことは知っているだろう。後先考えずに、物量だけで民間人を巻き込みながら戦う、あの芸のないヤンキー共の顔面に、彼らは痛烈な一撃を加えることに成功した―――わずか、10騎のメサイア、「スターリン」によってな」 ピタッ 教官の足が止まる。 その視線の先にいるのは――― 「祷子……祷子ってば」 横に座る生徒が定規を使って脇から突くが、肝心の生徒は微動だにしない。 机に突っ伏す長い髪。 騎士にしては小柄な体つき。 間違いなく、女性だ。 「メサイアはご存じの通り、人型兵器だ。 考えてみれば当たり前の話だ。 その道具が使えるか、使えないかの分かれ目は道具の使い方、ノウハウがどれだけ蓄積されているか、そこに集約される。 そして、兵器としてのノウハウがもっとも蓄積されているのは、何と言っても「人体」だ。 各種格闘技、刀剣や銃を用いた戦闘。人類は長い歴史の中で「人体」の使用方法についてノウハウを蓄積してきた。 戦闘機や戦車など、人間以上の存在に関するノウハウの蓄積など、せいぜいここ100年足らずしかないだろう。 しかも、性能自体が次々に変化する「乗り物」系兵器に対し、「人体」は有史以来大きな変化がない。つまり、過去のあらゆるノウハウが、いかに性能が上がろうと、基本的に全て使用可能なのだ。 その意味で、人間にとって、人型兵器が、もっとも使いやすい道具であるのは、ある面当然なのだが……」 隣の生徒は、定規で突くことを止め、テキストに目を落としている。 「その最強の兵器を使う貴様等ヒヨコ(パイロット候補生)の中には、その意義どころか、ここにいる理由すらわかっていないバカがいるらしいな……」 教官の額には青筋が走り、体から発せられる怒気が周囲の温度を急激に冷やす。 クシャンッ 可愛らしいくしゃみの音が室内に響き、机に突っ伏していた生徒が起きあがる。 「あ……あれ?」 まだ授業中なのに驚いているのは明らかだ。 そして、後ろを振り向くなり、教官と視線が合った彼女は、気まずそうにやや引きつり気味な作り笑顔を浮かべる。 教官は、震える声で、それでも紳士的な言葉を口からひねり出した。 「お目覚めかな?候補生」 「まったく!」 バンッ! 職員室に戻ってきた先程の教官は、苛立たしさをこめて教本をデスクに叩き付けた。 「長野教官、どうなさったのですか?」 横のデスクで書類仕事をしていた女性教官が訊ねる。 「候補生達に、何か問題でも?」 「問題ばかりですよ!」 教官―――長野雅也(ながの・まさや)大尉は、乱暴に椅子に腰を下ろしながら言う。 「また、あの風間です!」 「ああ。あの、鳴り物入りの?」 女性教官、二宮真理(にのみや・まり)中佐は、生徒達の履歴から該当する名前を思い出した。 「そうです。あの“ボンクラちゃん”です」 「“ボンクラちゃん”?」 「生徒達がそう呼んでいるんですよ。無理もないですけど」 「生徒同士で、愛称で呼ぶのは禁止されているはずですが?」 「固いことはいいっこなしにしましょう」 「長野大尉は、生徒達の肩を持つおつもりですか?」 「こういうことだけはね」 長野は肩をすくめてウィンクしてみせる。 不服そうな二宮は言う。 「それで?何ですか?もう明日には生徒達はシミュレーター訓練に」 「今回の選抜は、絶対に何かの間違いだと、そう言っているのです!」 ダンッ! 長野はデスクに拳を振り下ろし、荒い語気でまくし立てた。 「大体、なんなんですかあの面子は!俺はいつから女子校に配属になったんです!?」 「メサイアの操縦に筋力は必要ないですからね」 二宮はニコリと微笑みながら長野に答えた。 「メサイアのセミ・トレーサー・ライド・システム(STRシステム)はバネ仕掛けではないんですから」 「俺はそうであったらどれほど素晴らしいか。そう思っていますよ」 長野はそっぽを向きながらそう答える。 「とくに、あの“ボンクラちゃん”と来た日にゃ」 顔は苦々しげに歪む。 「―――あいつが芸能人養成の学校にいたことは知っています!ですけど、ですけどね?メサイアって、どんなものか位は知っていて当然でしょう!? それが、最初の基礎講習では…… 俺『以上が、メサイアの運用する兵器の基本構造だ。何か、質問は?』 ボンクラ(以下、ボと略してやる!)『あのぉ』 俺『風間候補生、何だ?』 ボ『ロケットパンチは、ないんですか?』 俺『あるかっ!』 騎体構造の授業になればなったで…… 俺『以上、メサイアの基本構造だ。質問は』 ボ『メサイアって、ガソリンで動くんですか?』 俺『……いつ、俺がそんなこと言った?』 ボ『だって、エンジンって……』 サバイバル訓練になればもう…… 俺『以上だ……風間候補生』 ボ『はい?』 俺『頼むから、何も言うな』 ボ『あのぉ……私、サバイバル訓練って、テントの張り方とか食料の確保の仕方を習うのかと思ってたんですけど』 俺『テントで敵が殺せるか!?』 しまいにゃ…… 俺『メサイアで戦うこととは何かわかっているのか!?風間候補生!』 ボ『えっと……ロボットに乗り込んで戦うリアルロボット対戦ゲーム?』 ……。 そうです。 あいつは、絶対にどこかおかしいんです。 そんな奴が、軍隊に入ること自体、何かの間違いなのです。 そうは思いませんか?」 「し、史上最強のギャグですよ……ププッ……それ」 吹き出すまいと必死に堪えつつ、二宮は震えながらそう言った。 「ロボットに乗り込んで戦うリアルロボット対戦ゲーム?な、成る程?」 「笑い事じゃありませんって」 「まぁ……懸念はわかりますよ?」 二宮は言った。 「貴重なメサイア、それをあんな若い女の子達が動かす。それが気に入らないんでしょう?戦場は女の死に場所じゃないって」 「……悪いですか?」 「いえ?ヒロイックな視点からすれば正しいと思います。ですが、これは日本全国の可能性のある全員を選抜した結果であること。その結果として、彼女達がこの養成過程に在籍していること。なにより、我々には、教育課程参加に関して、生徒を選別する権限は与えられていない。あくまで送りこれてくる殻付きのヒヨコ達を、どう猛な猛禽に変えてやる。それが我々にとっての全てですよ」 「……まぁ、そういうことにしておきましょう」 長野は深いため息と共にいかつい肩を落とした。 「バカでも(ピー)でも、使えればいいんですからね」 「もうっ。そういう口の悪いところ、直した方がいいですよ?娘さんにまた嫌われますよ?」 「何」 長野は苦笑してそれに答えた。 「長女の口の悪さと来たらこんなもんじゃありません。何度殴りそうになったか……。聞いてくださいよ。あいつ、私立行きたいなんて言うんですよ?しかも医学部」 「あら。いいじゃないですか」 「よくありません!」 長野は目を丸くして抗議した。 「学費、いくらかかると思ってるんですか!?俺が近衛軍医科大のパンフもっていってやったら、“行かない”の一言で斬り捨てられて!」 近衛軍医科大学は、近衛軍の軍医養成機関。在学中の学費と生活費は免除。ただし、軍隊同然の厳しい規律と、卒業後かなりの年数、軍医としての勤務が強いられることで知られる、帝国でもトップクラスの名門医科大学だ。 「軍隊は、いつだって子供達には好かれませんからね」 二宮は自嘲気味に口元を歪めた。 「かくいう私も、あの子達位の年頃には、近衛なんて絶対イヤだ!って言ってた口ですけど」 「泣く子も黙る二宮教官の言葉とも思えません」 「まぁヒドイ」 「ところで」 長野は声のトーンを落とした。 「教官、どう思います?」 「えっ?」 「例の作戦ですけど」 「アフリカですか?」 「決行日が決定したそうです」 ●翌日 「シミュレーター。これが本物なら、貴様等の棺桶と呼ぶところだ」 富士学校の一角に二宮の声が響く。 トラックがそのまま走れそうなほど広く、最低限の照明でようやく室内がわかる程度の明るさしかないその室内にあるのは、飛行機のコクピット部分だけを切り取ってきたような白い機械の塊。 その塊の各所に繋がれたケーブルと、下回りを支える複雑なアブソーバーやスプリングが、一体どういう使い方をするか、何となくわからせてくれる。 つまり、日常において定義される「普通でマトモなこと」には決して使われない。 そういうことだ。 「メサイアのコクピットで五体満足な死体が残ることはほとんどない」 二宮は言った。 「挽肉にされるか、生きたまま火葬されるか……口さがないアメリカ人達が、メサイアのコクピットを“挽肉製造器(ハンバーグ・メーカー)”とか、“未亡人製造器(ウイドウ・メーカー)”と呼ぶのは伊達ではない」 それを聞く候補生達は顔色一つ変えることはない。 全周約3メートルの円形状のコクピットでどうしてそんなことが起きる? 目の前の教官の言葉を、単なる脅しだと思っているからだ。 二宮は顔をしかめた。 彼女は決して嘘や脅しを言っているのではない。 そうやって死んだ仲間を、実際に見聞している。 つまり、事実を言っているのだ。 だが、その経験のない候補生達は、どれほど言っても、コクピットで騎士が挽肉になるなんて想像さえ出来ない。 「……まぁ、いい」 二宮は諦めている。 新米教官だった頃は、蕩々と言葉の意味を説教したものだが、すでに無駄だと悟っているのだ。 ただ、はったりだと思われるのだけは、面白くはない。 「今日、貴様等の乗るのは、単なるシミュレーターに過ぎない。何かの間違いで、本物に乗った時には、私が言っていることが正しかったと理解するだろう―――多くは、死んだ後に」 二宮はそんなイヤミを言うだけに止めた。 「全く……お前達と来た日には……他の分隊は全部、実騎搭乗訓練まで行っているというのに、これからシミュレーター搭乗なんて、恥ずかしいと思え」 「はいっ!教官っ!」 「……返事だけは一人前なんだから」 二宮は教本を開いた。 「操縦方法は、座学で教えた通りだ。もっとも。座学ではご不満らしく、独特な睡眠学習で勉強していた者もかなりいたが」 二宮の前で整列する候補生達は直立不動の姿勢を崩すことなく、健気なまでに教官のイヤミに聞き流している。 「まぁ。どっちにしろ、我々教官は、教えることは教えたつもりだ」 二宮は、あえて教え子を突っぱねるような口調になった。 「限られた時間の中で、ただ聞く人形をやっても何の意味もないことは、これまでの訓練の中で骨身にしみているだろうし?これだって、単なるオモチャのつもりなら、待っているのは、貴様等の確実な死そのもの。それだって百もご承知だな?」 「はいっ!」 訓練生達の返答を聞いた二宮は、手元の資料をめくりながら言った。 「まず、本シミュレーターは、メサイアの動きを完全に再現するために、コクピット回りを構成するものだ。だが、単にコクピットの形だけを再現しても何の意味もない」 訓練生の何人かが、首を傾げた。 「早瀬。意味がわからないという顔をしているな」 「はぁ……」 早瀬さつきは首を傾げながら言った。 「シミュレーターって、コクピットを再現して、その操縦に慣れさせるための装置ではないのですか?」 「ふむ……本来なら腕立て20というところだが、まぁ、いい」 青くなる早瀬は、小さく安堵のため息をついた。 「メサイアを操る以上、メサイアの高い機動にパイロットはついていかなければならない。しかも、かなり厳しい動きに、だ」 候補生達の顔は、一様に「わかっている」という顔だ。 「だからこそ、このシミュレーターは、メサイアの機動を完全に再現出来るように作られている。具体的には、各種G、振動、衝撃―――これらによりメサイアが受けるダメージが、操縦システムを通じてパイロットにダイレクトに来ることは、座学で説明済みだな?泉」 「はい」 「時には、下手をすれば廃人になる程度では済まない程のダメージを求める、擬似的な実戦を搭乗者に味わわせるための装置。メサイアの“負”の部分を前もって味わわせる。それがコイツだ。単に操縦を知るという、“正”の部分のみに目を向けて、デパートの屋上にあるオモチャと一緒に見るな」 「……」 候補生達から返答はない。 「よし。数の問題がある。ペアを組め」 早瀬さつきが搭乗することになったのは、シミュレーター2号機。 ペアは祷子だ。 「じゃ、準備開始するよ?」 シミュレーターの前に立つ整備兵の一人が、手元の装置をいじり出す。 シミュレーターの前面部分が二つに割れ、中からシートがせり出してきた。 「あれ?」 それがさつきには疑問だった。 「コクピットって、上から入るんじゃなかった?」 「それは実騎」 整備兵は言った。 「実騎は、専属パイロットの身体的特徴にあわせたセッティングがされてるけどさ?不特定の騎士が乗るシミュレーターではそうはいかないだろ?その関係で、あえてシステムをコクピットから引き出して、騎士の体格に合わせてセッティングする。―――ま、他の国じゃ、こういうタイプのコクピットの方が一般的だけどな」 「近衛のコクピットは、もう、その騎士専用にセッティングされてるの?」 「Lサイズの服しか着れないヤツに、Sサイズの服を着ろって命じているようなモンさ」 「ふぅん?よくわかんないけど」 まぁいいさ。ほら、さっさと“ブーツ”に脚入れて―――思ったより短けぇな……痛てぇっ! 「騎士の動作を最大限活かすために、騎士の身体情報やクセを元にグローブやブーツは絶妙なセッティングがなされる。言い換えれば、それほど厳しいセッティングがなされているから、そのメサイアを他の騎士が動かそうってしても、そうそう上手くいかないってことさ。ほれ、腕部セッティング完了―――腕振ってみな」 「へぇ?思ったよりずっと軽い」 さつきは自分の腕を覆うゴツイ操縦システムを軽く振ってみた。 腕が包まれ、軽く引っ張られる感じはあるが、ほとんど重さを感じない。 まるで手袋付きのジャンパーに腕を突っ込んでいるような、そんな感じだ。 「綿みたい」 「だろ?」 そのさつきの答えが気に入ったのか、整備兵はニンマリと笑った。 「帝国のメサイアは世界で一番操縦に優れているんだ。ロシアのスターリンや、まして中華の“赤兎(せきと)”じゃ、こうはいかねぇ。あんなのは大リーグ養成ギプス並のシロモノだからな」 整備兵は胸を張っていった。 「これが帝国クオリティだ!」 「ふぅん?」 さつきは、少しだけ感心したように言った。 「じゃ、近衛のメサイアは、乗っ取られる心配もなければ、操縦系も他の国に比べて格段に優れていると」 「開発費年間数千億オーバーはダテじゃねぇからな」 「……税金の無駄遣い」 「二宮教官に言ってやろうか?」 「……だ、黙っていてね?お願いだから」 「今日、暑いなぁ」 「……冷たいジュース、差し入れるから」 「ペット5本で」 「……わかったわよぉ」 「よし。商談成立―――で、グローブとブーツ装着したら、このブレストガードとヘルメットが下がる仕組みで……嬢ちゃん、胸までないのかよ―――グアッ!?ブ、ブーツで蹴るか!? コクピット。 そう言われれば、 座席があって、 レバーがあって、 ペダルがあって、 計器類があって、 ……そんな光景を想像するだろう。 メサイアのコクピットは違う。 座席はないに等しい。座席の代わりに、脊椎を固定するパーツがあるだけ。 そこを中心に、手を突っ込むパーツと、脚を突っ込む場所がある。 一般には、これを総じて“コントロールユニット”、もしくは単に“ユニット”とか“システム”とか呼ぶ。 ユニットを動かす騎士の四肢の動作を信号として読みとり、メサイアに伝達するセミ・トレーサー・ライド・システム(STRシステム)によって、メサイアの動きとして反映させる仕組みだ。 前進後進は、これをつけたパイロットの脚を動かすことで行われるし、手や腕の動きは、上半身部分のシステムの検知結果がダイレクトに反映される。 「腰を固定された状態でジタバタやって、それで敵を倒せ―――要はそういうことさ」 システム各部をさつきの体に合わせてセッティングしながら、その整備兵は言った。 「最初は慣れないかもしれないけど、後は場数だよ―――胸、きつくないか?」 「大丈夫。ありがと」 年頃の女の子としては、男に体をベタベタされるのは嫌だが、しかたのないことだと、さつきは割り切りながら答えた。 「コントロールユニットのうち、俺達がグローブって呼ぶ腕部操縦システムや、ブーツって呼ぶ脚部操縦システムから体を離していれば、その間は騎士の動きはメサイアに反映されない。だから、起動シークエンスとか、そういったことは、システム装着とは別にやってくれよ?でないと、メサイアが一生懸命、空中を押すなんて無様なことやらかすことになるからな」 「ププッ……そんなバカいないでしょう?」 「それがいるんだよ……慣れないと。それと」 なぜか教官達の方をちらと見た整備兵がさつきに渡したのは、ビニール袋だ。 「何?」 「すぐにわかる」 整備兵は、意味ありげな顔で言った。 「頼むからこいつで済ませてくれよ?後始末、俺達なんで」 何でこんなものが必要なんだろう。 それはイヤでもわかった。 起動手順はクリア。 スイッチや計器類が書かれた紙を壁に貼り付け、二宮の指導の元、指が痛くなるほど押し続けた賜(たまもの)だ。 後はシステムを動かすだけ。 恐る恐る脚を動かし、メサイアの動作を表示するモーションモニターの端に表示されるメサイア稼動情報表示を見る。 一歩踏み出していた。 また一歩。 また一歩。 歩いている。 世界最強の兵器が自分の意のままに動くことは、さつきにとって新鮮な感動だ。 「すご……」 モニターが映し出すのは、疑似環境。 手足が動く感覚が、皮膚越しに伝わってくる。 その感覚は、スノーボードを趣味とするさつきから言わせると、あの分厚い防寒服であるスノボウェアを着ているのとよく似ている。 それでも、メサイアが手を動かし、歩くというのがどういうことか、さつきにきちんと教えてくれる。 わずか1分足らずで、さつきはメサイアの感覚に慣れてしまった。 もっと揺れるかと覚悟していたが、魔法により完全に近い慣性制御が施されたコクピットは、システムが微弱な揺れを情報として伝えてくる程度で、この程度の動作では全く揺れないに等しいと、冷静に判断する余裕さえあった。 掌を見ようと右手を動かすと、モニターの向こうでメサイアの手が動き、首を動かせばメサイアの視界がそちらの方向へ動く。 「こういうものなんだ……」 『早瀬候補生』 通信機に教官の声が入る。 「はい」 『歩行訓練はクリアした。これからは戦闘機動に移ってもらう』 「戦闘機動?ま、待ってください!私、そんなの!」 『すべてオートで行われる。その際のシステムの動きを、今のウチに味わっておけ―――やりたきゃマニュアルでもいいぞ?』 そんな無茶な! 私はまだ歩ける程度だよ! そんなさつきのもっともらしい抗議は、最後には言葉にすらならなかった。 「大丈夫ですか?」 シミュレーターから降ろされ、床にノびたさつきの顔を心配そうにのぞき込むのは、ペアを組んだ祷子だ。 同性として羨ましいを通り越している美貌の持ち主である祷子の顔を間近で見られるのは嬉しい限りだが、時と場合にもよる。 「……死んだと思った」 そういうのが精一杯だ。 胃の中のものは全て戻してしまった。 グローブに腕をとられてビニール袋を開く暇すらなかった。 今朝に限って、教官達がやたらと「メシちゃんと食え!」と言って回ってきた理由がわかった。 最後には胃液すら出なかったが、あれは辛かった。 三半規管がどうにかなったみたいだ。 目の前がぐらぐら揺れている。 この気持ち悪さは説明が出来ない。 「そんなに揺れるんですか?」 「最初がウソみたい……戦闘機動に切り替わった途端、振動とか、とにかく全部がすさまじくシビアになって……」 「はぁ」 祷子が辺りを見回した視線の先。 先程、先発でシミュレーターに乗って、今、立っているのは美奈代だけだ。 足下ではバケツを抱えた都築がノビている。 「泉さん以外、みんなぐったりされています」 「あいつ、バケモノよ」 「敵2撃破ですよ?スゴイです」 「私の気絶回数は……そんなもんじゃない」 「ふふっ……」 笑う祷子に、さつきは気づいた。 「美奈代、戦ったの?」 「というか……他人の楯なんてごめんだって、マニュアル操縦を」 「突発的に出来ることなの?戦闘機動よ?」 「普通の人にケンカが出来るかどうか―――その問いと同じだって二宮教官は言ってました」 祷子はなぜかペロリと舌を出した。 「同じ事、教官に聞いて怒られちゃいました。座学で何を学んでいた!って」 「ふふっ……声マネ似てない」 「あら。ヒドイ」 笑おうとして吐き気に襲われたさつきは、口元を抑えながら言った。 「私も戦えば良かった……そう言いたいけど、こんなの、人間の乗れる代物じゃない……」 「スピーカーから、皆さんの悲鳴が聞こえてましたけど……」 「あんたも乗ってみればわかる」 そういうものか。 祷子は、かなり待たされてシミュレーターに乗った。 先発の候補生達がコクピット内部に盛大に吐きまくった後始末のせいだ。 「ボンクラちゃん。大丈夫かい?」 搭乗するのが、候補生であることそのものが何かの冗談とさえ言われる祷子だ。 さすがに整備兵達も心配なのか、セッティング中に何度もそう訊ねてくる。 「はい」 消臭剤や消毒用のアルコールのにおいがツンと鼻を突く中、祷子は、何も考えていないとしか言い様のない微笑みで答えた。 「ご飯、ちゃんと食べましたし」 「そ、そうかい」 その返事が出る時点でもうアウトだ。 整備兵は、そんな表情を見せた。 ちらりと他のシミュレーターを見ながら、整備兵は言った。 「あーあ。神城の嬢ちゃん達、泣いてるぜ?」 「まぁ。大変」 「すぐにボンクラちゃんも大変になるんだからよ……よしっ。出来た!」 問題は、むしろ外で起きた。 それは、祷子がシミュレーターを起動し終えた瞬間から始まった。 『風間候補生、待て』 モニターにシミュレーション中断を告げる表示が出る。 「え?」 祷子はきょとん。として動きを止めた。 システムはオールグリーン。 警告表示は何一つ点灯していない。 『システムエラーが発生した可能性がある。システムを再起動する。しばらく待て』 1時間後。 「どういうことです?」 シミュレーターコントロールルームで二宮は2号機担当の技官にくってかかった。 祷子の乗るシミュレーターの前では、美奈代達が何事か話しながら様子をうかがっている。 「何故、風間候補生だけ、起動中断、再開を?」 それがわからない。 教官として見る限り、祷子は問題なくシミュレーターを起動させている。 そのまま、次の過程に進めるのに。 「間違いないな?」 他の技官と話し合っていた技官は、ようやく二宮に気づいたという顔で言った。 「これを、見て下さいよ」 技官が指さすのは、数字の羅列。 それは、起動開始から完了までの時間だ。 「?」 「起動完了までの時間が早すぎるんです。それに、メサイアが安定していません」 「起動は問題ないじゃないてずか。安定は……知りませんが」 「問題なのです」 技官は呆れた。という顔で言った。 「こんなスピードでこなせるのは、高レベルの熟練騎士だけです」 「それを風間がやっている?」 「だから確認していたのですよ」 「私がおかしいと思うのは、あなたの方です」 二宮は睨み付けるように技官を見た。 背の高い、いかにも理系という、どこか人間らしくない冷たい顔立ち。 その皮膚の下で流れているのがどんな化学薬品なのか知りたくもない。 全てが気に入らなかった。 「今回は謎が多すぎます。第一、あなた達開発局βチームが訓練の監督を行うなんて」 「お答えできません」 ため息混じり。見下げた口調と態度で技官は答えた、二宮の神経をブチ切れる一歩手前に追いやった。 「すべては機密事項。また、こちらはあなた方の都合に合わせる必要はないので」 「実戦経験者にケンカ売ってます?」 「どうしてそういうとらえ方しかできないんですかねぇ」 二宮に拳をめり込まされる一歩手前で技官は言った。 「教官にこんな事言いたくないんですけどね?風間候補生は負荷をかけています」 「負荷?」 「ええ。シミュレーターにとって、風間候補生は、自らを操る“パートナー”ではありません。いいですか?メサイアと騎士、そしてMCは、共に戦う“パートナー”であることが求められるのです。三者のバランスが崩れたメサイアは戦力としての存在価値を激減させる。ご存じでしょう」 「言葉が不明瞭に過ぎます。独りよがりの会話は止めてください」 「……あなたの方がよほどけんか腰だ」 「どうも。それで?」 「シミュレーターは、風間候補生を恐れています。パートナーではなく、自分を酷使する支配者として」 「?」 「ごく希な現象ではありますけどね。自分では耐えられないほどの動きを求める騎士を、メサイアは恐れます。“他を当たってくれ”とでもいいましょうか?」 「……あれは机上の空論であり、現実には起きるはずがないと」 「確率は何億分の一以下です。確かに。しかし、この起動の素早さは、メサイアがあの娘に怯え、機嫌を損ねたくないと考えている証拠。それだけに興味があるんですよ。あの娘には」 技官はそう言ってモニターの一角を突いた。 表示されているのは、祷子のパーソナルデータ。 メサイアの操縦適正能力を示すSMD。 レベル一つの差で戦闘能力差はケタ違いに開く。 一般的な最高レベルであるレベルAと、最低のD同士で戦おうとしても、戦うことすら出来ないほどだ。 レベルFL。 現在、認定されている最高レベルの上から2番目というハイスペック。 認定されている女性騎士は人類でも5人といない。 近衛どころか、全人類規模で見た方が正しいほど、貴重なレベルだ。 近衛騎士の平均レベルがAA+。 それで世界最高レベルどころか、異常とさえ言われる。 世界最大の米軍ですら、平均レベルはBBB。もっと世界を広く見れば、BBが精一杯。 そういうものだ。 「この娘はそれだけじゃないんです」 「はっ?」 「いずれ、開発局でいただく人材です。大切に扱ってくださいね?くだらないシゴキで傷モノにされては困ります」 技官は肩をすくめた。 「開発局勤務だって、いろいろと制約というか、圧力かけられてるんですから」 「……わかりました」 二宮は言った。 「しかし、次のカリキュラムにも影響します。データ分析で対処して下さい」 「……了解。風間候補生、待たせて済まない。次のプロセスへ移行する」 二宮は、メサイアの情報に目をやりながら、祷子の操縦を見守った。 スゴイ。 それが祷子の感想だ。 メサイアの四肢が、いや、メサイアそのものが、自分の体になったような不思議な錯覚すら覚える。 だから、祷子は不思議だった。 皆がメサイアに乗って気分を悪くするのが理解できない。 自分の体を動かして気分が悪くなるはずはないのに―――。 ただ、そんな疑問も快適さすら、戦闘機動に移るまでのこと。 「―――っ!!」 急激なGに振り回されながら、祷子は奇妙な違和感を感じていた。 戦闘。 祷子にもそれはわかる。 わからないのは、 戦闘機動に移った途端、先程のメサイアとの一体感が全くなくなったこと。 全てが強い違和感となって祷子を襲う。 何故? 何が? どうして違ってきた? それに、この違和感は? 違和感? 違う。 これは不快感? いや―――不満そのものだ。 揺れるモニターに映し出されるのは、敵。 ドイツ帝国の主力メサイア“ノイシア”。 クリーム色の重厚な装甲に身を包み、シールドとメイスを装備している、世界的に見ても“有力”なメサイアだ。 日本も立憲君主国であることから、同帝国とは友好関係にあるが、やはり仮想敵となることは避けられないようだ。 敵は3騎。 戦況モニターに映し出される状況は、お世辞にも芳しいものではない。 祷子の騎は、その動きの稚拙さもあって、三角陣形のど真ん中に包囲されている。 前方にノイシアA。 左後ろにノイシアB。 右後ろにノイシアC。 それが、戦況モニター上で割り当てられた敵の名。 敵の戦況モニターに自分の騎が何と映し出されるのか、祷子は知らない。 ドンッ! モニターの中で、土煙と振動をあげ、ノイシアが突撃してきた。 迎え撃とうとした祷子だが―――。 「えっ?何で?」 思わずそう叫ぶ。 何のことはない。 騎体が、敵の攻撃を後退して避けたのだ。 「何で下がるの?」 あそこで下がっちゃダメ。 祷子の心のどこかで、何かがそう叫ぶ。 あそこで下がったら!! 祷子の目は、戦況モニターに移る。 彼我の配置が映し出されるモニターには、自騎と目の前の敵騎、そして―――。 背後には分散して伏せる敵数騎。 下がれば囲まれる。 囲まれれば殺される! わかっているはずだ。 それなのに、何故、下がった? 「きゃあっ!」 理由を知る術もないコクピットを激震が貫いた。 「ひ、被害は!?」 騎体の状況を示すステイタスモニターは、背部に中程度の損傷が発生したことを告げている。 「ちっ―――っ!?」 メサイアを動かそうとした祷子だったが、それが無理な注文であることを、すぐに思い知らされた。 騎体が動かない。 「操縦が!?」 力任せにシステムを動かそうとしても全く反応しない。 何とかしなくては。 そう思い、スクリーンモニターを見た次の瞬間、 ガンッ! 頭が割れたかと思った。 ヘルメット越しに伝わる激震。 それは頭部への一撃があった証拠。 敵の攻撃は、それだけでは終わらない。 メイスが振り下ろされるたびに、被害箇所に痛みが走る。 「―――っ!」 目をつむり、歯を食いしばるがそれでも痛みはやってくる。 メサイアはついに膝をついた。 動きはしない。 ただただこのシミュレーションが終わるのを待つ。 それが自分に出来るただ一つのこと。 ただ一つの? ……。 違う。 祷子は思った。 私はパイロットだ。 パイロットにしか出来ないことがある。 私は、それをしなければならない! 祷子は脇にどけていたコンソールを引き出し、騎体設定の操縦権限を外部・コントロールからコクピット・コントロールに設定、コントロールシステムを握りしめた。 「!」 ガギィンッ! 次の瞬間、シールドを装備した左腕が頭部をガード。メイスの一撃を凌いだ。 「う、動く!」 祷子は震える声で言った。 「いけるっ!」 ノイシアが狼狽した様子に見えたのは、祷子の錯覚にすぎない。 反撃に移る敵への対処を担当するコンピューターが次の処理をノイシアAに告げるために生じたわずかなタイムラグなのだ。 時間にしてわずか数秒足らずこと。 だが、祷子にはそれで十分だった。 ガンッ! 左腕の肘を引き、突き技の要領でシールドのエッジをノイシアAの股関節に突き立てた。 装甲スカートの隙間をねらい澄ましたような一撃を受けたノイシアAは脚部を切断され、バランスを失った。祷子の騎は、崩れ落ちてきたノイシアAを肩に背負う形になる。 「一騎!」 祷子はノイシアAをプロレス技の要領でノイシアBに投げつけ、同時に立ち上がった。 「バランサー、生きてるけど!」 思うように踏ん張りの効かない足回りをねじ伏せながら、祷子はメサイアを旋回させ、腰の刀を抜き放ち様、ノイシアCの腰部を切断した。 警告音が鳴り響くコクピット。 エラー表示で真っ赤になったモニター越しに、ノイシアA、Bが崩れ落ちるのが映し出される。 「いけっ!」 刀の慣性と騎体の関節の負荷をねじ伏せながら、祷子は刀を無理矢理メサイアの頭上にまで移動させ、一気に刀でノイシア2騎を串刺しにすべく、コントローラーを操作して……。 「騎体は……まぁ、仕方ない」 二宮は祷子に言った。 「騎士の機動にメサイアがついていかない故に騎体が破損するケースは、ごくわずかだが、実例として存在はする。また、今回の訓練にしても、元々は、メサイア戦の恐ろしさを、まず知ってもらうことが目的だ。目的は達成されたものと判断される」 「……はい」 「操縦権を自らのモノとして、敵を撃破した判断についても、決して非難されるものではない」 「……」 「あの状況でメサイア全騎を倒したことについては、文句はないということだ」 「……ありがとうございます」 「問題は、だ」 二宮の鋭い眼光を受け、祷子はすくみ上がった。 「騎の負担を考えない機動を行ったことだ」 「す……すみません」 「騎が貴様の操縦についていけず、エラーを宣言しているのを無視、あまつさえ、関節はガタガタにして……3騎撃破の代償として騎体は行動不能……自爆させたというのは、評価どころか、大減点対象だ」 祷子に返す言葉はなかった。 ノイシアCを撃破した次の瞬間。 右膝関節の構造パーツが破断、右脚部は膝関節から外れた。 祷子の騎はノイシア2騎を覆い被さるように転倒。 串刺しには成功したものの、祷子の騎そのものも行動不能。 システムは、祷子に脱出と自爆を要求してきた。 自爆システムを起動させた時の、自分の不甲斐なさと悔しさを思い出し、祷子は泣き出しそうになった。 「敵を倒す。それは評価出来る。だが、ああも騎体を安く見てもらっては困る」 「……」 「騎体を安く見る。それは、自分の命を安く見ているのと同じだ」 二宮はコーヒーポットに手を伸ばしながら言った。 「騎士の価値は、生きていればこそのもの。死んだ騎士に価値はない。なにより」 「はい」 「私は、貴様等に死ぬ方法を教えているわけではない」 そう言う二宮の目は、どこか慈愛すら感じさせる優しさを持っていた。 「近衛の騎士として、どんな戦いでも生きて功を成すための術を教えているつもりだ」 「……教官」 「敵を倒すことにこだわるな。生きる術と敵を倒す術はいつもイコールではつながらない。教えたはずだぞ?常に戦況を冷静に見定め、生き残ることを考えろと」 じっ。と祷子を見た二宮はため息混じりに言った。 「貴様や泉に言っても無駄か」 「?あの……私は確かに居眠りとか、いろいろありますけど……?」 「……泉は」 二宮はコーヒーを注ぐ手に注意しながら言った。 「単なる試験秀才……試験の時だけ成績はいいが、実践で活かせるタイプではない」 「えっ?」 「学校の成績はいいが、社会に出てその経験や知識が活かせない、そんなタイプだ。見ていてわかる。あいつは軍人、いや、社会人になれば絶対、苦労するタイプだ。私なら、さっさと結婚して専業主婦になることを勧める」 「……」 「第一、泉は知られていないが、お前以上の特技がある」 「はい?」 「目を開けたまま眠れるんだ。自習で知識は得ているようだが、授業ではよく寝ているぞ?」 「う、ウソ……ですよね」 「教官を舐めるな。そして、お前並に頭に血が上ると視野が狭くなる。……先程の説教は、すでに泉に話したことだし?ま、お前とは別な意味で劣等生といえば劣等生だ。―――飲むか?」 コーヒーの入った紙コップを祷子に渡しながら、 「そういえば、何故居眠りが多いか聞いていなかったな」 「……怒られます」 「聞かねば怒りようがない」 「……消灯の後、ヴァイオリンの練習を」 「ヴァイオリン?」 「近衛に入ったら、音楽大学に通わせてくれる。軍楽隊の指導もつける。そう言われていたんですが」 「無理だな……なんだ?そんなにヴァイオリンってのは難しいのか?」 「感覚が鈍るんです。しばらく使っていないと」 「……そうか」 二宮はふと思いついたように言った。 「一曲、弾いてくれないか?」
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【TOP】【←prev】【PlayStation】【next→】 プロ野球シミュレーション ダグアウト 99 タイトル プロ野球シミュレーション ダグアウト 99 機種 プレイステーション 型番 SLPS-02333 ジャンル シミュレーション 発売元 デジキューブ 発売日 1999-10-28 価格 5800円(税別) 駿河屋で購入 プレイステーション