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リュウタロスは報われるんでしょうか・・ -- たま (2007-06-30 02 23 32) リュウタ可愛いよね♪声も似合ってるし! -- りゅうたろsoon (2007-07-01 16 18 01) リュウタ、幸せそう・・・ -- み (2007-09-30 09 42 22) R良太郎の寝顔が、すごい!! -- 井上由佳 (2007-10-01 20 29 34) 名前 コメント
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たいがいの人は初対面の時、緊張して上手く喋れないだろう それでも喋らなくてはいけないとなると何度か会話を投げかける努力をするものだ しかし――― 京太郎「……」 理沙「……」 京太郎「ここにはよく来るんですか?」 理沙「……っ」 理沙「……」フルフル 京太郎「みさきさんといつも話すときはどこで話すんですか?」 理沙「あっち!」 京太郎(どこだよ!!!) どうしてこうなってしまったのか それは2日前に遡る――― ───────── ────── ─── 京太郎父「明日にはお前が行ってしまうと思うと少し寂しい気もするな」 京太郎「一人暮らし興味あったし東京に親戚がいてよかったよ」 京太郎母「そうよ、みさきちゃんには改めてお礼を言わなきゃね」 京太郎父「時々ちゃんと生活できてるかみさきに寄ってもらうからな」 京太郎「わかってるって」 プルルルルル 京太郎母「ちょっと出てくるわ」 京太郎「はいはい。まぁちゃんとごみの日も確認とらせてもらったし、料理も最低限は作れるようになったから平気でしょ」 京太郎父「油断は駄目だぞ」 京太郎母「京太郎、みさきちゃんよ」 京太郎「? なんだろ?」 京太郎「もしもし」 みさき『もしもし、明日からこっちにくるんだよね』 京太郎「うん」 みさき『明日は私も手伝いにいくから』 京太郎「ありがとう」 みさき『明日は荷解きするから……明後日時間ある?』 京太郎「まぁ学校まで暇だから」 みさき『頼まれて欲しいことがあるんだけど……』 京太郎「何?」 みさき『口下手な人がいるんだけど……治すの手伝ってくれない?』 京太郎「……え?」 京太郎「どういうこと?みさきさんの知り合い?」 みさき『うん。ちょっと前に仕事で知り合った人なんだけど、結構仲良くなったの』 みさき『でもその人びっくりぐらい口下手なの』 京太郎「どのくらい?」 みさき『ほぼ単語』 京太郎「仲良くなっても?」 みさき『うん』 京太郎「…………」 みさき『しかも私とその人で高校麻雀インターハイの実況のオファーがきてるの』 京太郎「え?ほぼ単語しかしゃべらないのに?」 みさき『そうそう。流石にやばいかなぁって思って』 京太郎「……わかった。まぁみさきさんには世話になるし、それぐらいなら」 京太郎「でも何したらいいんだ?」 みさき『普通に話してくれるだけでいいよ』 京太郎(それなら全然問題なさそうだな……) 京太郎「わかった。それじゃまた明日」 みさき『うん、また明日』 プツッ 京太郎「しかしどんな人なんだろ?」 ―――次の日 東京――― みさき「うん、OK」 京太郎「ありがとう」 みさき「これから一人でやっていくんだからこれぐらいはね。今日の晩御飯は私が作ってあげるから」 京太郎「明日からは自分でか……」 みさき「頑張って」 京太郎「そういえば明日会う人ってどんな人なの?」 みさき「ご飯食べ終わったら説明するよ」 京太郎「わかった」 京太郎「うん、美味しかった」 みさき「まぁ何年も自分で作ってるからね。京太郎君もそのうち上手くなるよ」 京太郎「ならいいけど」 みさき「うん。それで明日会う人なんだけど、野依理沙っていう麻雀プロなんだけど……しらない?」 京太郎「麻雀やらないからなぁ……興味はあるんだけどな」 みさき「知らないんだ……麻雀プロの中ではかなり有名なんだけどね。国内でもトップクラスの雀士だよ」 京太郎「そんな人と仲良いの!?」 みさき「まぁたまたまね」 京太郎「アナウンサーってすごいんだなぁ」 みさき「テレビに出てるわけだから」 みさき「まぁそれは置いといて、理沙って怒ってるように見えるときがあるんだけど、それは怒ってるんじゃなくて気持ちが昂ぶってる時だからそれだけは注意してね」 京太郎「なるほど……」 京太郎「にしてもそんな感じでも麻雀プロになれるんだな」 みさき「まぁ麻雀打つのにコミュ障とか関係無いから」 京太郎「それ何気に酷くないか?」 みさき「事実だから。麻雀で語って仲良くなるってこともあるらしいし」 京太郎「麻雀『を』じゃなくて麻雀『で』なんだ」 みさき「うん。まぁそれがなくてもわりと気配り上手だから」 京太郎「へぇ」 みさき「それじゃ帰るね。明日よろしく」 京太郎「わかった。気をつけて」 バタン 京太郎「野依理沙さんか……まぁなんとかなるなる」 ―――次の日――― みさき「えっと、先に座ってもらってるんだけど……あ、いたいた」 理沙「……」ズズ 京太郎「えっと……」 理沙「……」 京太郎「……よろしくお願いします」 理沙「!?……よろ!」プイ 京太郎(これはなかなか厚そうな壁を感じるな……) みさき「それじゃ私は帰るから」 京太郎「え!?」 理沙「!?」 みさき「あれ?言ってなかったっけ?今から仕事だから」 京太郎「聞いてないって!」 理沙「」コクコクコク! みさき「でも予定なんて変えられないし、それじゃね」 トコトコ 京太郎「」パクパク 京太郎(ぜっっったいわざとだ!!!!) 京太郎(……はぁ、とりあえず座ろう)スト 理沙「……」カラカラカラ 京太郎(とりあえず何かしゃべらなきゃ) 京太郎「ここにはよく来るんですか?」 理沙「……っ」 理沙「……」フルフル 京太郎「みさきさんといつも話すときはどこで話すんですか?」 理沙「あっち!」 京太郎(どこだよ!!!) 京太郎(くそぉ……いったい何を話せばいいんだ?) 京太郎(ていうか俺も少し焦ってるな。これじゃ普通の人でも一回か二回のやりとりで終わるような言い方になってる) 京太郎(……考えてもわからんし、とりあえず適当に何か相手が食いつきそうな話題いくつか振ってみるか) 京太郎「そういえば麻雀のプロなんですよね」 理沙「!!」プンスコ! 京太郎(うおっ、頬を膨らませた!?もしかしてみさきさんが言ってたのってこれか?) 京太郎(一発目で食いついてくれる話題を振れたのはいいけど、もしかして麻雀するって思われたかな?) 京太郎(わからん、どういう反応なのか) 京太郎(とりあえず出来ないってことを言ってみるか) 京太郎「自分は麻雀出来ないんですけど、プロって凄いですね」 理沙「そ、そんなに……すごくない」ショボン 京太郎(あれ?ションボリした?麻雀出来ないって言うのは間違いだったか……) 京太郎「興味はあるんですけどきっかけがないんですよね。ルールも難しそうですし」 理沙「……!」ガタッ 理沙「い、いこ!」 京太郎「い、行くってどこにですか?」 理沙「雀荘!」 京太郎「えっと、教えてくださるってことですか?」 理沙「……っ」コクリ 京太郎(うぉおおおおお!まじか!プロに教わる機会なんてねえ!) 京太郎「よろしくお願いします」 ───────── ────── ─── 理沙「こんな感じ」 京太郎「ありがとうございました。今までやってなかったのが勿体無いくらい面白いですね」 理沙「!!」プンスコ 理沙「初めて!」 京太郎「? えっと……教えるのがですか?」 理沙「」コクコク! 京太郎「ほんとですか?すごいわかりやすかったですよ!」 理沙「よかった」ホッ 京太郎(表情は結構豊かだよな。口に出せないだけかな?) 京太郎「また教えて欲しいぐらいです」 理沙「……っ。あ、明日も」 京太郎「え?明日もいいんですか?」 理沙「」コクコク! 京太郎「自分としてはまだ学校は無いですし嬉しいですが、野依さんは大丈夫なんですか?」 理沙「大丈夫!」 京太郎「それじゃよろしくお願いします」 京太郎「そろそろ帰りましょうか。結構時間経ってますし」 理沙「」コクコク 京太郎「あ、先に連絡先交換しないと。明日合流できません」 理沙「!?」ゴソゴソ 理沙「……ふるふる」フリフリ 京太郎「あぁLINEのやつですね。ちょっと待ってください……」 京太郎「……はい、きました」 理沙「こっちも!」 京太郎「それではまた明日」 理沙「……っ」フリフリ 京太郎「……最初はちゃんと意思疎通出来るか心配だったけど、なんとなくわかるな」 京太郎「それに……可愛いし」 京太郎「って、忘れてたけどみさきさんに連絡しよう」 プルルルル プルルルルル プルルルルル 京太郎「……出ないな。ぐぬぬぬ。……なんで野依さんと俺を二人きりにしたんだろ?」 京太郎「……まぁいいか。とりあえず帰ろう」 京太郎「そうだ、飯作んなきゃいけないんだ……はぁー……」 ~♪ 京太郎「ん?」 理沙 >喫茶店 13時 京太郎「……はは、LINEでも単語なんだ」 チュンチュン 京太郎「んー!よく眠れた!」 京太郎「さて飯は……お茶漬けでいいか」 (梅) (茶漬け) 京太郎「梅茶漬けうめー!!……かちゃづけよう……」 京太郎「…………」 京太郎「人恋しいぜ……」 プルルルルル 京太郎「お?みさきさんじゃん」 ガチャ みさき『あ、もしもし?昨日どうだった?』 京太郎「どうもこうもないって!なんで仕事行くこと黙ってたんだよ!」 みさき『あはは、ごめんごめん。私がついてちゃ意味無いからね』 京太郎「それにしても先に伝えといてくれてもいいじゃねーか」 みさき『二人きりで喋るってなったらもっと躊躇してたでしょ?』 京太郎「まぁそうだけどさ」 みさき『それに理沙は楽しかったって言ってたよ』 京太郎「まじで?」 みさき『うん』 京太郎「よかった」ホッ みさき『それじゃ私は仕事だから』 京太郎「ん、それじゃ」 プチッ 京太郎「やっぱ麻雀好きなんだな」 京太郎「時間までゆっくりしてるか」 京太郎「おまたせしました」 理沙「待ってない」 京太郎「それはよかったです」 理沙「今日はこっち!」 京太郎「昨日のところじゃないんですか?」 理沙「個室」 京太郎「昨日のとこは個室って書いてたのにほぼついたて置いただけのようなとこでしたからね」 理沙「防音もある」 京太郎「へぇ凄いですね。でも高いんじゃないですか?」 理沙「常連!」 京太郎「えーっと……常連だから安くしてもらえるんですか?」 理沙「」コクリ 京太郎(てかこれって……野依さんと外に音の漏れない場所で二人っきり!?) 京太郎(おいおい、思春期の俺にそれはきついぜ。この人めっちゃ可愛いしな)ジー 理沙「……」トコトコ 京太郎(それに同級生には無い大人な雰囲気とか……正直たまらんぜよ) 京太郎(くくく、巨乳巨乳と言っているやつらにはわからんだろうな)←つい最近まで言っていた人 京太郎(こんな人と付き合えたらどんだけ最高だろうか) 京太郎(……はぁ、虚しい妄想は止めておこう) 理沙「あそこ!」 京太郎「雰囲気良さそうな場所ですね」 理沙「お気に入り!」 京太郎(他んとこの二倍以上の値段じゃねーか!) 京太郎(流石プロ、金持ってるな……今日のところはそれに甘えておこう) ───────── ────── ─── 京太郎「うーん、揃わねぇ」 理沙「みせて」ズイ 京太郎「は、はい」 京太郎(ちけーよ!いい香りだよ!!) 理沙「……基本は平和。無理に染めない」 京太郎「あー、昨日言ってましたね。すみません」 理沙「まだ二日しかやってない。これから!」 京太郎「ありがとうございます」 理沙「もっかい」スッ 京太郎(もっと体くっつけて教えてくんねーかなー……) 理沙「チートイ、ドラドラ」 京太郎「うわ、これが当たりだったんですか」 理沙「これは リーチしないほうがいい」 京太郎「なんでですか?」 理沙「手変えられるから」 京太郎「相手が出しそうなのに変えて待つのがいいってことですか?」 理沙「」コクリ 理沙「それであてた」 京太郎「捨て牌偏ってたか……でも絶対単騎で待たなきゃいけないから大変ですね。あがってみてー!」 理沙「やめたほうがいい」 京太郎「でも特殊な形ってあがってみたくなりますよ」 理沙「経験不足。もっと簡単なのから」 京太郎「はーい」 京太郎「お疲れ様でした」 理沙「おつかれ」 京太郎「こんだけ何時間も打ってたら疲れますね」 理沙「次は4人!」 京太郎「おぉようやく普通の麻雀に……でも誰か呼ぶんですか?」 理沙「店の人」 京太郎「店の人が加わってくれるんですか?」 理沙「」コクコク 京太郎「サービスいいんですね」 理沙「どこでも!」 京太郎「それが普通なのか」 京太郎「また野依さんが空いてる時お願いしてもいいですか?」 理沙「……」 クイクイ 京太郎「ん?どうしたんですか?」 理沙「理沙」 理沙「……っ。で、いい」 京太郎「下の名前で呼んでもいいってことですか?」 理沙「」コクコク! 京太郎「えっと……じゃあ理沙さんで。俺のことも下の名前で呼んでください」 理沙「京太郎!」プンスコ 京太郎「はい」ニコッ 京太郎「理沙さん……か」 京太郎「袖引っ張ってきたとき可愛かったなぁ」デヘヘ 京太郎「おっとダメだダメだ。顔がゆるむ」 ~♪ 理沙 >怒られた 麻雀無しで会話 京太郎「怒られたって……みさきさんか」 京太郎「口下手なのを治すことが目的で会ってるのに得意な麻雀通して会話したら駄目って事か」 京太郎「はっ!?これが麻雀『で』会話するってことなのか!?」 京太郎「確かに普通の時より口数多かった気がする」 京太郎「あれ?麻雀の実況するんならそれでよくね?」 京太郎「……まぁいいか。楽しいし」 京太郎 >それでは今度は普通に喫茶店かどこかで喋りましょう 理沙 >わかった 明々後日 京太郎 >大丈夫です。それでは明々後日に今日待ち合わせした喫茶店で 京太郎「ふぅ……3日後が楽しみだ!」 京太郎「あ゛~……暇だ~」 京太郎「周辺は昨日歩き回ったし、今日どうしようかな~」 京太郎「もっかい歩いてこようかな……あ、そうだ、ネット麻雀してみよう」 京太郎「ある程度ルールは覚えたし、いけるいける!」 ピンポーン 京太郎「なんだ?せっかく人が常勝街道突っ走ろうとしてるときに……はいはーい」 ガチャ みさき「あ、いたいた」 京太郎「何?」 みさき「ちゃんと生活出来てるかなぁって思って一応」 京太郎「あー、まぁあがって」 みさき「おじゃまするね」 みさき「今のとこちゃんと片付いてるね」 京太郎「そりゃまだ4、5日しか経ってないからな」 みさき「それぐらいでもぐちゃぐちゃにする人いるよ?」 京太郎「そんな馬鹿な」 京太郎「もしかして、みさきさん自身そうだったんじゃないの?」 みさき「私はそんなちらかさないの知ってるでしょ。友達だよ」 京太郎「ふーん、まぁいいや」 みさき「野菜もちゃんと食べてる?」 京太郎「食べてるよ」 みさき「何作ってるの?」 京太郎「もやしと豚肉の炒め物、きゃべつと豚肉の炒め物、青梗菜と鶏肉の炒め物」 みさき「全部炒め物!?サラダ作ろうよ」 京太郎「サラダそこまで好きじゃないんですよねー」 みさき「つべこべ言うの禁止。どうせ炒め物に入れてる野菜の量も少ないんでしょ?」 京太郎「…………」 みさき「他はちゃんと出来てる。ゴミも分けてるし」 みさき「以外としっかりしてるんだね」 京太郎「以外とってひでーな」 みさき「まぁ私の中の京太郎はもっと小さいから」 京太郎「親戚のおばさん皆それ言うよな」 みさき「…………」ゴゴゴゴゴゴッ 京太郎「すみませんでしたお姉様」フカブカ みさき「……まぁ一安心かな」 京太郎「だろ?」 みさき「調子に乗らない。高校始まってからが本番だしね」 京太郎「だよなー」ハハハ… みさき「そういえば部活とかって入るの?」 京太郎「んー、ホームページ見る限り麻雀部あるみたいだから麻雀部入ろうかなって」 みさき「あ、そうなんだ」 京太郎「……それだけ?」 みさき「うん」 京太郎「反応薄いなー」 みさき「まぁなんとなく気になっただけだから。どうせ理沙の影響でしょ」 京太郎「!」ギクッ みさき「わかりやすいって」 京太郎「まぁ楽しく感じるものがあるだけいいってことで」 みさき「そうだけどね」 みさき「現状はわかったしそろそろ帰るね」 京太郎「おつかれー」ヒラヒラ バタン 京太郎「んじゃネト麻でもしますか」 京太郎「ここに一人の天才雀士が……フフフフフ」 京太郎「」チーン 京太郎「駄目だ全然勝てねぇ」 京太郎「ネト麻やってるやつらはバケモノか!!」 京太郎「……はぁ初心者には厳しいかなぁ」 京太郎「とりあえずFLASHゲームで役作る練習するか」 京太郎「FLASHの敵もつえーじゃねーか!!」 京太郎「ぐぬぬぬ、役作る前にあがられちまうぜ」 京太郎「明日理沙さんに……って駄目だ。明日は普通に話そうって決めたじゃないか」 京太郎「飯食ったらまた挑戦するか。挑戦にこそ意味がある!」 京太郎「やった!奇跡的にもプラスになったぞ!」 京太郎「FLASHの敵が相手とはいえこれは嬉しいな」 京太郎「最後にあがったやつが理沙さんの言ってたメンタンピンってやつだよな」 京太郎「しっかり覚えとこう」 ~♪ 理沙 >明日 京太郎とおしゃべり楽しみ 京太郎「おぉ……よし、『俺もたのし』ん?」 理沙 >まちがえた 理沙 >消えない 理沙 >消えた? 京太郎「他の誰かに送るつもりだったのか?」 京太郎 >一度送っちゃうと相手側では消えませんよ 京太郎「……途絶えたな」 京太郎「にしてもなかなか好感度高いようで安心した」 京太郎「シャワー浴びて寝るか!」 ───────── ────── ─── 京太郎「…………」 理沙「…………」ブクブクブク 京太郎「あの」 理沙「っ!」プイ! 京太郎「理沙さん?」 理沙「っ!!」プイ! 京太郎(だ、駄目だ。もしかして昨日のあれが原因か?) 京太郎(何か怒らせるようなこと書いたか?) 京太郎(いやいや冷静に考えろ。相手はあの理沙さんだ) 京太郎(怒ってる以外で……間違って恥ずかしがってる?) 京太郎(とりあえず恥ずかしがってるという考えで話してみよう) 京太郎「ミスって誰にでもありますよ」 理沙「…………」ミミマッカ 京太郎(当たり……かな?) 京太郎「それでも、あの送り間違えは嬉しかったというかなんというか」 京太郎「あ、あははは、何言ってんすかね」 理沙「…………」ジー 京太郎(もう一押し!) 京太郎「それより!ほら、話しましょうよ。せっかく来たんですから。普通に話すのが億劫なら雀荘でも行きますか?なんて」 理沙「…………っ」 理沙「ご、ごめん」 京太郎「いえいえいえ、気にしないでください!」 京太郎「そういえば気になってたんですけど、あっちのほうに見える奇抜な色の建物ってなんなんでしょうか?」 理沙「! 知ってる!」 京太郎「あれってなんなんですか?」 京太郎(よかったぁ、無事気分を乗せられたみたいだ) 京太郎「結構長い間話してましたね」 理沙「五時間!」 京太郎「そんなに経ってましたか!コーヒー一杯で粘られて店員もたまったものじゃないですね」 理沙「」クスッ 京太郎(今笑った!?笑ったよな!!ひゃっはー!可愛いぞぉぉぉぉ!!) 京太郎(落ち着け、落ち着け俺。顔に出すなよ) 京太郎「ひっひっふー、ひっひっふー」 理沙「?」 京太郎「よし、おちついた」 理沙「?」クビカシゲ 京太郎(いちいち可愛いな) 京太郎「もう6時超えてるんですね。お腹減ってきましたし解散しましょうか」 理沙「……っ。た、食べに行く!」 京太郎「誰かと食べに行くんですか?約束してるなら急がないと」 理沙「違う、一緒に!」 京太郎「……俺?」 理沙「」コクコク 京太郎「あー、でも月の初めからそこまで使うわけには」 理沙「奢る!」 京太郎「いやでも、こないだとか雀荘代も出してもらいましたし……」 理沙「」ジーーーー 京太郎「……わ、わかりました。行きましょう」 京太郎(勝てねぇ。あの瞳に見つめられたら勝てる気がしねぇ) 京太郎「あの……高くないですか?」 理沙「リーズナブル!」 京太郎(いやいやいや!主食になるやつの値段どれも軽く1000円超えてんじゃん!) 京太郎(やっぱ感覚違うのかなぁ。俺の基準サイゼだしな) 理沙「好きなの!」 京太郎(好きなのって言われても名前見てわからんのもあるし……安めのやつ言っとくか) ウェイトレス「ご注文をお伺いします」 京太郎「アラビアータで」 理沙「アルフレッド」 ウェイトレス「かしこまりました」 京太郎「アルフレッドってなんですか?」 理沙「クリームパスタ」 京太郎「ふーん」 京太郎(わっかんねー) 京太郎「後で少しもらってもいいですか?」 理沙「」コクリ 京太郎「なんで今日ご飯誘ってくれたんですか?しかもお金も出してもらって」 理沙「……っ。お、お礼」 京太郎「お礼?」 理沙「楽しかった。麻雀も」 理沙「だから」 京太郎(……ええ人やでぇ。正直たまらんぜよ、とか思ったりしてすみません) ウェイトレス「おまたせしました」 京太郎(うぉい!いいとこで運んでくんなよ!ここは俺も……とか言えた場面じゃん!) 京太郎(別れ際だ、別れ際に言おう。雰囲気もばっちりだぜ) 京太郎(腹が減ってはなんとやら!ていうか良い匂いすぎて我慢できねぇ!) 京太郎「えっと、巻いて……パク。モグモグ……美味い!」テーレッテレー 理沙「よかった」 理沙「……京太郎!」 京太郎「なんですか?」 理沙「あーん」 京太郎「ふぇ!?」 京太郎(欲しいとは言ったけど!あーん!?あーんなのか!?) 理沙「あーん!」プンスコ 京太郎「あ、あーん。……モグモグ。おぉ、チーズの香り、凄くいいですねこれ」 理沙「好きなやつ!」 京太郎(なるほど、こういうのが好きなのか) 京太郎(にしても、いきなりあーんって……駄目だろ……)ドキドキ 京太郎「ごちそうさまでした。美味しかったです」 理沙「また来よう!」 京太郎「ええ、また一緒に食事出来たら嬉しいです」 京太郎「……あの」 理沙「?」 京太郎(うぉぉぉ、何故か緊張する。頑張れ俺!)ドキドキ 京太郎(これからもこうして会えたらいいなって言うだけだろ)ドキドキ 京太郎(なんでこんなに緊張してんだ)ドキドキ 京太郎「……えっと、俺も理沙さんといれて楽しいです」 京太郎「な、なので、学校が休みの時に会えたらなぁ、なんて」 京太郎「思ったり、思わなかったり……」ボソボソ 理沙「……っ!」プンスコ 理沙「ら、らいん!」 理沙「連絡する!」 京太郎「は、はい!俺も連絡する!」 京太郎「そ、それでは!」 京太郎(なんだよ!なんなんだよ!!落ちつかねぇーーー!!!) 理沙「……」フリフリ 理沙「……」 理沙「かわいい……」 チュンチュン 京太郎「……」 理沙「理沙……っ。で、いい」 理沙「あーん!」プンスコ 理沙「ら、らいん!連絡する!」 京太郎「はっ!」ブンブンブン 京太郎「い、いやー美人って怖いわ。2、3回会っただけなのにドッキドキしちゃうもんな」アハハ… 京太郎「そんなことより今日から学校だ!」 京太郎「とっもだち100人でっきるっかな♪」 京太郎(んー、連絡先交換出来たのが7人か……まぁ初日だし上等だろ) 京太郎(女子とも2人交換出来たしな) 京太郎(明日また話せなかった人とかに話しゃいいし) 京太郎(そんなことより部活だ!まさか初日に入部届けを配られるとは思わなかったぜ!) 京太郎(麻雀部っと……あ、先に先生に教室聞いとかなきゃな) 京太郎「先生、ちょっといいですか」 担任「ん?なんだ?」 京太郎「麻雀部行きたいんですけど、どこの教室ですか?」 担任「あー……すまん、須賀……だったな」 京太郎「はい」 担任「麻雀部な……廃部がほぼ決まってるんだわ」 京太郎「……わっつ?」 担任「それを言うなら Why?な まぁ単純に人数不足なんだ」 京太郎「……ちなみに今何人なんですか?」 担任「0。いやお前が入ったら1か。とにかく5人集めたら部として存続が認められる」 担任「幸い、俺が顧問だから人数さえ集めてきたらいいぞ。まぁ俺は飾りみたいなもんだから指導は出来んけどな」 担任「頑張れよ」 京太郎「どうしよーかなー……とりあえず今日知り合ったやつらに送ってみるか。幽霊部員でもいいからって」 京太郎「……よし。これで後は待つだけか」 京太郎「しっかしまさかの廃部とは。わりと一般的な競技なんだけどなぁ」 京太郎「……最近までほぼルール知らなかった俺の言えた事じゃないな」 京太郎「お、返ってきてる。……二人もオッケーか。てことはあと二人か」 京太郎「明日他のやつらに話してみるか。喋ったことないけど」 京太郎「とりあえず飯まで麻雀じゃー!!」 京太郎「CPUボッコボコにしてやんよ」シュッシュッ 京太郎「ふっ、半荘10回やって-12か……今日のところは許しといてやるよ」 ―――次の日――― 京太郎「~~~だからさ。入ってくんね?」 クラスメイトA「うーん、俺部活決めてるからなぁ」 クラスメイトB「俺いいぜ、どうせ帰宅部のつもりだったし。幽霊でもいいんだよな?」 京太郎「おう!入ってくれるだけでいいぜ!よし、あと一人か」 クラスメイトC「そういや隣のクラスに同中のやついるんだけど、そいつも部活入る気ないっていってたな」 京太郎「まじで!?紹介してくんね?」 クラスメイトC「ほいほい、ちょっと待ってて」 同級生A「わかった、幽霊でいいなら」 京太郎「助かるよ!あ、入ってくれるよしみで連絡先交換しとこうぜ」 同級生A「おう」 担任「早いなー。昨日の今日だぞ」 京太郎「友人に恵まれました。友人になって一時間経ってないやついるけど」 担任「そのコミュニケーション能力と行動力は素直に褒めてやるよ」 担任「まぁ5人集まったし部として存続は決まったわけだが……活動はするのか?他の奴らには入ってもらっただけなんだろ?」 京太郎「そうですね……とりあえずインターハイの個人戦に出ようかと。団体戦は実質無理だし」 担任「まぁお前の話だとそうなるわな。……わかった個人戦登録はこっちでしといてやるよ」 京太郎「あざーす」 担任「といってももうちょっと先の話だがな。予選はたしか……6月だったか」 担任「でも練習はどうするんだ?あてとかあるならいいが……」 京太郎「まぁ探してみます。あてがないわけでもないので」 京太郎「それと……この学校ってバイト禁止でしたっけ?」 担任「申請書さえだしてくれたら問題無い。なんだ?雀荘でバイトでもするのか?」 京太郎「まぁその方向で考えてます」 担任「そうか。とりあえず職員室に紙取りに来い。決まったら記入して俺に渡してくれ」 京太郎「了解っす」 京太郎「まぁ理沙さんに時々教えてもらえるからって毎日じゃないしな。さっそく探しにいくか!」 京太郎「俺の雀力だったらすぐ採用確定だな」フフフ ───────── ────── ─── 京太郎「何故……何故採用されないのか」 京太郎「いや、わかってる。弱すぎるんだ」 京太郎「くそー、FLASHの敵にはだいたい+で終われるようにはなってきたんだけどなぁ」 京太郎「ん?麻雀喫茶?こんなおしゃれなとこでも麻雀ができるのか。ちょっと入ってみよう」 カランカラン マスター「いらっしゃいませ」 京太郎(うお、めちゃくちゃ渋カッコイイ!) マスター「ご注文は何になさいますか?」 京太郎「うーん……このスポンジケーキとコーヒーのセット安!これにします」 マスター「かしこまりました」 京太郎(良い感じのお店だなぁ……匂いもコーヒーの匂いでなんていうか落ち着く感じ) 京太郎(自分の語彙力のなさにびっくりするがすごいいいな、この店) マスター「お待たせしました」コト 京太郎「いただきます。モグモグ……うめぇ!こんなに安くて大丈夫なんですかこれ」 マスター「恥ずかしながら、私の手作りですので」 京太郎「へぇ!たまたま入ったけどすっげー当たりじゃん!」 マスター「気に入っていただけたようで嬉しい限りでございます」 京太郎「そういえば麻雀喫茶って書いてたけど……」 マスター「実は最近アルバイトの子が辞めてしまって、この時間帯は来ていただいても一人だと出来ないのです」 マスター「申し訳ございません」 京太郎(なるほど……ひらめいた!) 京太郎「じゃあさ、俺のこと雇ってよ!学校の後のこの時間は空いてるしバイト出来るぜ」 マスター「失礼ですが麻雀は?」 京太郎「修行中です!」 マスター「……少し打ってみましょうか。今は他にお客様もいらっしゃいませんし」 京太郎「わっかりました!」 京太郎「マスター……」 マスター「なんでしょうか?」 京太郎「鬼強いっすね」 マスター「こんなお店開くくらいですから」 京太郎「ですよねー」 マスター「ふむ……最低限打てるようですので」 京太郎「てことは雇ってもらえるんですか?」キラキラ マスター「……ええ、よろしくお願いします」 京太郎「やったー!!ありがとうございます!!」 マスター「いつから来ていただけますか?」 京太郎「今すぐ……って言いたいところですけど、土日も来たほうがいいですか?」 マスター「土日は他に働いてくれる子がいるので出来れば平日の夕方がありがたいです」 京太郎「じゃあ平日学校終わってからで」 マスター「はい。水曜日は定休日ですのでそれ以外の曜日に来てください」 京太郎「わかりました」 マスター「では来週からお願いします。最後に採寸だけさせてください」 京太郎「あ、俺の制服ですか」 マスター「はい、土日の間に頼んでおくので」 京太郎「了解っす」 ───────── ────── ─── 京太郎「なんてことがあったんですよ」 理沙「頑張って!」 京太郎「理沙さんも暇があったら是非来てください」 京太郎「マスターの焼くケーキめっちゃくちゃ美味いんで!」 理沙「行く!」ガタッ 京太郎「え?今からですか?」 理沙「」コクコク 京太郎「喫茶店はしごですか」 理沙「問題無い」 バイト「いらっしゃいませー」 マスター「いらっしゃいませ……おや、京太郎君どうなさいましたか?」 京太郎「あはは……コーヒー飲みにきました」 理沙「」ヒョコ マスター「なるほど、コーヒーだけでよろしかったですか」 理沙「……っ。け、ケーキも」 マスター「かしこまりました……ん?貴女は……」 理沙「?」 マスター「いえ、失礼しました。どうぞゆっくりしていってください」 京太郎「ほんとに美味しいですから期待しててください」 京太郎「土日は結構繁盛してるんですね」 マスター「平日のランチタイムもなかなか繁盛してますよ」 京太郎「そうだったんですか」 マスター「もちろん京太郎君が働いてくれる時間も来るときは来ます。昨日は逆に珍しかったです」 京太郎「これだけ美味しかったらそうですよね」 マスター「おまたせしました」コト 理沙「良い匂い!」 理沙「パク……モグモグ……!!」 理沙「美味しい!」プンスコ 京太郎「そうですよね!いやー気に入っていただけて俺も嬉しいです!俺が作ったわけではないですけどね」 理沙「京太郎!」プンスコ 京太郎「なんですか?」 理沙「次からここ!」 京太郎「ん?……あぁいいですよ。次からはこの店に集合しましょう」 マスター「お二人はこうしてよく会っているのですか?」 京太郎「最近知り合ったばっかです」 理沙「四回目!」 京太郎「ですね、もっと会ってるような気がしますけど」 理沙「一回が長い」 京太郎「あー確かに」 京太郎「こんなに長い間いてすみません」 マスター「いえ、大丈夫ですよ」 理沙「また来る!」 マスター「ええ、また来てください」 カランカラン 京太郎「結局またこんな時間まで話してしまいましたね」 理沙「ずっといたくなる」 京太郎「あの店すっごい雰囲気いいですからね」 理沙「制服」 京太郎「ん?あぁ制服いいですよね。いかにもって感じの白黒なやつで」 理沙「京太郎も?」 京太郎「ええ着ますよ」 理沙「楽しみ!」 京太郎「なんで!?」 理沙「食べにいこ!」 理沙「奢る!」 京太郎「んー……わかりました。でもバイト代とか入り始めたらちゃんと自分の分払いますから」 理沙「わかった」 理沙「明日は雀荘!」 京太郎「なんか出してもらってばっかりだな。やっぱり今日の晩御飯は自分で……」 理沙「奢る!」 京太郎「アッハイ」 京太郎(結構押し強いんだな……ていうか今日テンション高いなー) 理沙「早く!」グイグイ 京太郎「わ、わかりましたから!」 京太郎(うおっ、手!手握られてるぅっ!) 京太郎「やわらかい……」ボソッ 理沙「? ……っ!!」バッ 理沙「い、いこ!」カオマッカ 京太郎「は、はい!」カオマッカ 京太郎「ありがとうございました」 京太郎「……ふぅ」 マスター「おつかれ」コト 京太郎「お、いいんですか」 マスター「ああ、お客様は全員捌けましたから」 京太郎「では遠慮なく」ズズ 京太郎「ん~!やっぱコーヒー美味いっすねー!」 マスター「それはよかった」 京太郎「これあれですね。こないだのやつより……えーっと……そう!酸味が利いてますね」 マスター「少しわかるようになりましたか」 京太郎「これでもしっかり覚えようとしてますから」 京太郎「……気のせいじゃなかったらですけど、なんかすっごく美味しいような気がします。香りも全然違うというか……」 マスター「なかなか良い感性をお持ちのようで。それはハワイコナと呼ばれる豆です」 京太郎「ハワイ?」 マスター「名前通りハワイが原産地です。ちなみにこの間出したエチオピア……イルガチェフェG1という豆の倍以上の値段です」 京太郎「ぶっ!?ゴホッ!ゴホッ!」 マスター「大丈夫ですか?」 京太郎「だ、大丈夫です。それより、え?倍?」 マスター「はい」 京太郎「そんなのこんな休憩の時にだして良かったんですか?」 マスター「ええ。お客様に聞かれたときにそれをすすめればいいかわかるようになってくれたら一番です」 マスター「それにせっかくここでバイトしてるんですから、コーヒーのこと好きになっていただけたらと思って」 京太郎「マスター……よし!頑張って覚えますよー!!」 ??「ここ」 ???「確かに良さげなお店だが……」 ??「ケーキ美味しいから」 ???「しかし制服でこんな店に寄るなんて……」 ??「菫は気にしすぎ。今時誰でもやってる」 菫「しかしだな……」 京太郎「お客さんですね」グイ 菫「あ、おい!待て、照っ!」 カランカラン 京太郎「いらっしゃいませ。好きなお席へどうぞ」 照「あっちの窓際に行こう」 菫「わかったから……まったく……」 京太郎「ご注文が決まりましたらお呼びください」 照「ケーキセット二つ」 菫「勝手に決めるな!」 照「……他にも頼むの?」 菫「いや……あぁもう」 京太郎(なんだコイ……この人たち……) 京太郎「あの……」 菫「あぁすまない。注文はそれでいい」 京太郎「かしこまりました」 京太郎(二年……いや三年生っぽい。俺と同い年ってことはないだろ) 京太郎(にしても二人ともレベルたけーなーおい) 京太郎(可愛いお姉さんとはよく会ってるけど、ああいうクール系も悪くないなぁ)デヘヘ マスター「……お客様が見てる前でそういう顔はしないでください」 京太郎「はっ!?」 京太郎「おまたせしました」コト コト 菫「……うん良い香りだ」 照「パクパク」 京太郎(うおっ、胸無いほうケーキ食べるのはや!クールビューティさんの方は匂いの楽しみ方がお嬢様っぽいな) 菫「パク……なるほど、美味しいな」 照「だからおすすめだって言った」 菫「お前が私を引っ張ってまでここに来た理由がわかった気がする」 照「見つけたのは最近だけど」 菫「少し奥まった位置にあるからな」 照「このスポンジケーキはここの店主の手作りらしい」 菫「なるほど、ここでしか味わえないわけだな」 京太郎(女の子同士の会話というのはなんとも言い難い、そう、素晴らしいものがあるな。二人とも美人だし) バァン! 京太郎「何事!?」 ???「見つけた!ミヤナガ テル!」 京太郎(またレベル高いのが出てきた!しかも同じ制服……うむ可愛い) 菫「お前か……」 照「モグモグ」 ???「さっき部活でやられた分、100倍にして返してやる!」 菫「落ち着け大星……って、照!それは私のスポンジケーキだ!」 照「モグモグ……ゴクン。淡、ここでやるの?」 菫「無視するな!」 淡「呼び捨てにするな!仕返しできるとこならどこでもいいよ!」 京太郎(厄介なのが現れたなー。ここでなんかすんのかな……?) 菫「すまないが雀卓を借りるぞ」 京太郎(お、麻雀か) 京太郎「あ、はい。注文いただいたお客様は半荘一回無料です」 菫「ありがとう」 淡「えー!!私何にも頼んでないよ!」 照「ケーキセット美味しい」 淡「ほんと?じゃぁ頼んじゃおうかな!おにーさん!」 京太郎(こいつらほんとは仲良いんじゃなかろうか……) 京太郎「かしこまりました。マスター」 マスター「ケーキセットですね」 淡「でも三麻かぁ」 菫「仕方ないだろう。三人しかいないのだから」 京太郎(ここは俺の出番か!) 京太郎「よろしければ混ざりましょうか?」 菫「ん?あぁなるほど。よろしく頼む」 淡「んー!美味しかった!」ニコニコ 京太郎(可愛いなー) 淡「さ、早くやろ!」 カチャカチャ 菫「……君は初心者なのか?」 京太郎「まぁ歴はそんな長くないです」 菫「本分は大星と照の対決だから問題は無いか」 京太郎(まだ打ち始めてないのにわかるもんなんだな) 京太郎(って手悪っ!なんじゃこりゃ) 淡「親なんだから早くしてくださいよ、ぶちょー」 菫「わかっている」タン 京太郎(んー、揃うかなー?)タン 照「……」タン 淡「立直!」 京太郎(はや!どうしろっていうんだよ!) 菫「……」タン 京太郎(一切動揺してないよこの人ら。むむむ、当たったら事故だよこんなの!)タン 照「……」タン 淡「カン」 菫「……」タン 京太郎(やりたい放題だな)タン 淡「ロン」グルン バシィ 京太郎(なんぞその見せ方!カッコイイ!!) 淡「裏ドラ……5だから7飜、12000」 京太郎(泣きたい……)ドウゾ 淡「立直」 京太郎(またダブル立直かよ!) 京太郎(こういう時どうしたらいいかわっかんねぇよなー……あ、今度は一巡でカンしなかった) 京太郎(お、良い感じで揃ってきたなぁ。さっきロンされた分取り戻さねぇとな) 照「ツモ、300・500」 京太郎(あちゃー先に上がられた……親流されちゃったけど点数低いしいいか) 照「ロン 2000」 菫「……」カチャ 京太郎(またあがったのか) 照「ツモ 一本場 1100オール」 京太郎(……なんかやばい匂いしてきた) 照「ロン 二本場は4500」 淡「ぐぅ……はい」 京太郎(独壇場じゃねーか!くっそぉ、引きは悪くないんだけどなぁ……最初めっちゃ酷いけど) 京太郎(あがれんのかなぁ、これ。まぁ集まってきてるのは集まってきてるんだが……) 京太郎(金髪の子はまたダブル立直してるし、親の人も怖いし……魔境に潜り込んだみたいだ)ウゥ 京太郎(……お、おぉ!きた!ほぼ無駄なツモなし!あがれれば立直と南だから……2600かな?だけどあがれるだけで悪くないぞー) 京太郎「立直!」 照「」ピク 淡「……へぇ」 菫「……」ジー 京太郎(えぇ、俺なんかしたかなぁ……) 京太郎(三人の視線がこわいよ……お!) 京太郎「つ、ツモ!えーっと立直、一発、ツモ、南で……2000・3900かな?」 菫「……三本場だから2300・4200だ」 京太郎「あ、ありがとうございます」 京太郎(な、なんかさっきよりめっちゃ見られてる……なんでなんだ……) 南3局 親:照 菫 24100 京 21200 照 33900 淡 20800 京太郎(南3局……今三位か、今までになく調子いいな……ていうか胸無い人強すぎぃ!) 京太郎(ま、まぁあの人が良い感じに二位のクールビューティーさんを削ってくれたから下三人はどっこいなわけだが……) 京太郎(高い手なら一位も見えてるし!いけるいける!) 京太郎(でもなぜか最初の配牌終わってるんだよな……ツモはいいだけにもったいないぜ) 京太郎(さて最後は……あれ?今までより悪くないんじゃないか?端っこばっかだけど……チャンタってやついけるか?) ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐ │ │六│八│九│①│②│④│.1 │.4 │.7 │.7 │.9 │.9 │ │發│萬│萬│萬│筒│筒│筒│索│索│索│索│索│索│ └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘ 京太郎(金髪のダブル立直も見慣れてきたな……3ピン、うんうん良い感じ。4ピンと入れ替えで) 京太郎(次は發か、うーん……なんかきそうだし入れとくか) 京太郎(揃った……これで發か9ソウで上がれる……あれ、一位と点差12000ちょっとだから立直したら直であてるかツモで一位いけるんじゃね?うおおおお!!) ┌──┐ │.1 索│ ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┼─┬┴┬─┬─┬─┬─┐ │ │ │七│八│九│①│②│③│.1 │.1 │.7 │.9 │.9 │ │発│発│萬│萬│萬│筒│筒│筒│索│索│索│索│索│ └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘ 京太郎「立直!」 京太郎(さぁ!こい!……一発はなかったか。しょうがない、一発じゃなくてもいけるぞ!) 淡「……」タン 京太郎「ロっ……」 京太郎(あ、つい当たり牌がきたから言っちまった……でもオーラスがある) 京太郎(どうせ金髪がリー棒出すから3飜以上で一位確定……狙うしかないな) 京太郎「ロン 立直、發、チャンタで8000です」 淡「……」ギリ 京太郎(こわっ!……そりゃそうか。一位の人を倒しに来たんだもんな) 京太郎(まぁだからといって負けたくはないけど!) 南4局 親:淡 菫 24100 京 30200 照 33900 淡 11800 京太郎(さてさて最後は……うーん……やっぱりあんまりよくないなぁ) ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐ │ │ │ │一│四│七│⑤│⑦│⑧│.1 │.3 │.4 │.7 │ │南│西│北│萬│萬│萬│筒│筒│筒│索│索│索│索│ └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘ 京太郎(ドラは5ピンだな。幸い一つ入ってる……喰いタンと678の三色で3飜……これだ!) 淡「立直!」 京太郎(うん、もうそれはわかってた。さて俺は……お!ドラが来た!てことは鳴いて鳴いてタンヤオでいける!) 照「……」タン 淡「……」タン 菫「ふむ……」タン 京太郎「チー!」 京太郎(流れが来てる!) 淡「カン!」 京太郎(きた……俺が最初振り込んだ時みたいにカンをした。最初はわからなかったがなんか寒気がする……え?) 淡「もういっこカン!」ゴッ 京太郎「!?」ビクッ 京太郎(な、なんだ!怖い……あ、あがらなきゃヤバい……頼む、当たり牌!) ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐ ┌─┬─┐ ┌─┬─┐ │三│四│五│⑤│⑤│.3 │.4 │ ┌──┤⑦│⑧│ ┌──┤.7 │.8 │ │萬│萬│萬│筒│筒│索│索│ │⑥筒│筒│筒│ │.6 索│索│索│ └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘ └──┴─┴─┘ └──┴─┴─┘ 菫「…………」タン 京太郎(くそ!違うかったか……俺のツモは……)ブルブル 京太郎(ち、ちがう……あの金髪の子、ツモ番がきたらあがる気がする……くそ!なんでこんな怖いんだ!) 照「ツモ 400・700」 京太郎「……へ?……終わった?」 菫「あぁ。照のあがりで終わりだ」 淡「……くっ!」タッタッタッ バタン! 京太郎「……お、追いかけなくていいんですか?泣いてましたよ」 菫「……まぁ少し泣かせてやったほうがいいだろう。それに私達が行ったところで反発されるだけだろうしな」 照「それより」ズイ 京太郎「な、なんですか?」 照「……なかなか」 京太郎「え……あぁそうですかね?麻雀は始めてから短いんですけど」 照「麻雀はそんなに」 京太郎「さいですか」 照「ただ面白いものを持っている」 京太郎「……?」 京太郎(わけわかんねー) 照「……また今度来る」 照「これ」 京太郎「あ、料金ですね」 照「淡の分もあるから。美味しかった」 菫「それでは失礼するよ」 京太郎「あ、ありがとうございましたー」 カランカラン 京太郎「……なんだったんだ一体」 マスター「少しは麻雀も上手くなってるみたいですね」 京太郎「まぁ結構勉強してますから」 マスター「勤勉なことはいいことですよ。……それより引きが良かったように見えましたが」 京太郎「あ、マスターもそう思いました?」 マスター「……ふむ、もしかしたらオカルトと呼ばれるものかもしれません」 京太郎「はぁ」 マスター「私はそういったことに詳しくないのですが……もしかしたら詳しい人がいるかもしれませんね。例えば……」 カランカラン 理沙「京太郎!」 京太郎「おぉ理沙さん!どうしたんですか?」 マスター(野依プロ、この人もきっと詳しいですね) 理沙「明日、会えないから来た」 京太郎「日曜は会えますよね?」 理沙「……っ!」 理沙「せ、先週……」プイ 京太郎(もしかして先週とかは会ってたし……ってことか?か、かわええええええええええ!!!!) 京太郎(勘違い!勘違いしちゃうぞコノヤロー!!) 京太郎「とりあえず座ってくださいな」 理沙「」コクリ 理沙「」ク~ 理沙「……け、軽食」 マスター「……ふむ。京太郎君、今日はもうあがりなさい」 京太郎「え?いいんですか?」 マスター「あぁ。野依さんと一緒に食事をとるといい」 京太郎「あざーっす!理沙さん、一緒に食べましょう!」 理沙「わ、わかった」 京太郎「ナポリタン美味しかったですねー」 理沙「料理上手い」 京太郎「あの人なんでも出来るよな。かっこいいぜ!」 理沙「……きょ……も……かっこ……」ボソボソ 京太郎「え?何か言いましたか?」 理沙「な、なんでもない!」プンスコ 京太郎「わ、わかりました。あ、そういえば、麻雀でオカルトってわかりますか?」 理沙「……知ってる。時々いる」 京太郎「そうなんですか。実は俺もオカルトっていうのが憑いていた?のかも。マスターがそう言ってました」 理沙「……日曜確かめる」 京太郎「わっかりました。できるだけ今日の麻雀再現しますね」 理沙「うん」 京太郎「ふんふーん♪麻雀雑誌でも読むかー」ペラペラ 京太郎「お、高校特集か。ふむふむ……へぇ東京に個人戦三位だった人がいるのか」 京太郎「お、二位の子可愛いな。どう見てもぺたんだけど」 京太郎「一位は……え?……え?」ニドミ 京太郎「えええええええええ!!!今日戦った人じゃん!!!!!」 京太郎「そりゃ強いわけだよ。てかあれも本気じゃない可能性……こわ」 京太郎「白糸台高校か……お嬢様学校だっけ?いいとこの育ちなわけだ。そりゃクールビューティーさんみたいな人がいるわな」 京太郎「にしても強い人に胸無い人多いな」 京太郎「そういや理沙さんも……いや突っ込むのはやめておこう」 京太郎「……可愛いし関係無いな!うん!さ、おやすみー」 《神戸》 京太郎「どこ連れてってくれるんですか?」 理沙「こっち!」 京太郎「にしてもこの辺って賑わってるんですね。有名なんですか?」 理沙「観光スポット」 京太郎「へぇー、そうなんですか。うみえ……でしたっけ?」 理沙「そう」 京太郎「これだけ大きかったらなんでもありそうですね」 理沙「ここ!」 京太郎「ええっと……観音屋、ですか」 理沙「チーズケーキが美味しい」 京太郎「早速入りたいですが……人すっごく多いですね」 理沙「海が見れて綺麗」 京太郎「んー、確かにこのテラスで美味しいケーキ食べらたらいいですもんね。客も来るってもんですよ」 理沙「下にもある」 京太郎「近くにもう一店舗あるんですか?そっち見に行ってみましょうか」 京太郎「お、こっちは雰囲気のいい喫茶店って感じですね」 京太郎「どうやら空いてるみたいです」 理沙「よかった」 京太郎「さっそく入っちゃいましょう。理沙さんのオススメチーズケーキ楽しみです!」 京太郎「おぉ、これが……予想と違いましたけどすっごく美味しそうです!」 京太郎「スポンジの上に本当のチーズがとろけてるんですね。こういうチーズケーキは初めてです」 京太郎「それでは一口……って結構伸びますね」 理沙「」クスクス 京太郎(可愛いなぁ) 京太郎「んー!!んまい!スポンジのほんのりとした甘さとチーズがマッチしてますね!」 京太郎「結構たっぷり乗ってるからちょっとくどいんじゃないか?って思ったんですけど全然そんなことないですよこれ!」 理沙「買って帰れる」 理沙「でも店のほうが美味しい」 京太郎「なんでなんですか?」 理沙「チーズのとろけ具合」 京太郎「あー、このチーズの感じが普通に温めただけじゃでないんですね」 京太郎「もしかしたらお店の雰囲気もあるかもしれません。お祭りみたいな」 理沙「そうかも!」 京太郎「つい買っちゃいました。どれくらい違うのか気になっちゃって」ハハハ 京太郎「観音屋も美味しかったですけどまだまだここには美味しいとこいっぱいありそうですね」 理沙「あ、ある!」グイグイ 京太郎「い、今からいくんですか?ケーキ食べたばっかですよ」 理沙「歩いてれば減る!」 京太郎「俺は大丈夫ですけど、理沙さん大丈夫ですか?」 理沙「……」 京太郎「晩御飯にどっか寄りましょう!それに今日だけじゃなくて他の日もありますから」 理沙「……わかった」ギュ 京太郎「……普通にショッピングしましょうか」ニコ カン!
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【控室】 京太郎「大会控室に直接集合ってことにしてあるけど、咲のやつは来れるのか?」 京太郎「……いかん、無性に心配になってきた」 京太郎「早く誰か来いよな……」 淡「わったしっがいっちば~ん♪」 京太郎「淡は二番目だな」フフン 淡「集合時間の15分前に着いちゃったから一番乗りだって思ったのに……」 京太郎「はっはっは!することが特になくて一時間前に着いたぜ!」 淡「ぐぬぬ……次は負けないんだからね!」 京太郎「次っつっても……来年?」 淡「来年?……うーん、それじゃ遠すぎるな……」 淡「じゃあ今度私ときょうたろーでデートして、待ち合わせに早く来た方の勝ち!」 京太郎「はぁ?なんで俺がお前みたいなのとデートしなきゃなんだよ」 淡「そりゃ……きょうたろーと遊びに行きたいからに決まってるじゃん」 京太郎「でもデートって言ったら恋人同士がするもんじゃね?」 淡「そうだけど、さ……」 京太郎「遊びに行くってんなら…… 229」 京太郎「負けた方は昼飯奢りな」 淡「ぜーったいに勝つんだもんね!」 京太郎「んじゃ、いつごろ行く?」 淡「年明けとかかな?コミュニケーション力満点の高校100年生の大星淡ちゃんの予定はびっしりなのだー!」 京太郎「なん……だと……」 淡「あっるぇー?きょうたろーくんは予定なんかなくて暇なのかなー?」 京太郎「ち、違わい!」 淡「はーいまた勝ったー!」 京太郎「負けてなんぞないわ!」 淡「きょうたろーの交友なんてたかが知れてるもんねー」 京太郎「バカにしすぎだー!」ワキワキ 淡「きょ、きょうたろー!くすぐったいよー」 京太郎「俺をバカにした罰だ!存分に思い知れー!」ワキワキ 淡「あひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!」 咲(やっぱり、京ちゃんと淡ちゃんは兄妹なのかな?)ジーッ 咲「これでみんな揃ったかな?」 京太郎「いや、咏がまだだ」 淡「咏ならさっき見たけど?」 京太郎「この会場の中でか?」 淡「うん、そうだったと思う」 穏乃「それなら私も見た気がする、大人の人と一緒にいたよーな……いないよーな?」 春「二人とも和服だったから見つけやすいと思う」 京太郎「おっけ、じゃあ探してくるわ」 咲「だったら私も手伝うよ」 京太郎「迷子ちゃんが何言ってんだよ」 咲「ここまで来れたよ!迷子じゃないよ!」 京太郎「まぐれだよまぐれ、んじゃーな」 ガチャ バタム 咲「もう、京ちゃんもあんな言い方しなくていいよね」プンスカ 淡「え、あー……」 穏乃「そうだねー……」 春「…………」ポリポリ 咲(露骨に目を逸らされてる……) 京太郎(あいつは基本携帯持ち歩かないから、電話は通じないとして……) 京太郎(和服の大人と一緒か……) 京太郎(和服で二人ってことは親御さんが見に来てるってことか?) 京太郎(でも、まだ控室に来てないってことは長話とかをしてるってことだよな) 京太郎(二人でゆっくり話せる場所っつったら……) 咏「―――――すれば、帰っていいんだろ?」 京太郎(休憩室くらいしかわかんなかったけど、正解だったみたいだな) 「ああ――――――」 京太郎(何話してんだ?) 京太郎(良く聞こえないし、近寄ってみようかな……) 京太郎(近くで聞こう)スススッ ガタッ 京太郎「やべっ!」 京太郎(なんで躓いてんの俺!?) 「誰だ?」 咏(今の声は……) 京太郎「あはは……すみません」 「お前は、須賀京太郎か」 京太郎「はい、そちらは……咏のお姉さん、でしょうか?」 「くくっ、初対面の人妻を口説こうとは、私は咏の母親だよ」 京太郎「ええっ!?」 京太郎(霞さんより若く見えるんだけど……) 京太郎「お、お会いできて光栄です」 三尋木母「ああ、こちらこそ、だがどうして須賀くんがここにいるんだ?」 京太郎「とりあえず、咏を連れて行ってもいいっすか?もうすぐ試合なんで早く行かないとまずいんすよ」 三尋木母「大概の話は済んだしな、行ってこい」 咏「……ほら行こうぜ、京太郎」 京太郎「おう!」 三尋木母「須賀くんは、まだ試合じゃないだろ?」 京太郎「そうですけど、何か?」 三尋木母「少し話があるんだ、いいだろう、咏?」 咏「……好きにしろよ」 三尋木母「私たちの話が気になるんだな?」 京太郎「そりゃ、気になりますよ」 三尋木母「……あいつには、うちの会社を継いでほしいんだ」 三尋木母「そのために今は会社の手伝いをさせてんだけど、嫌らしくってな」 三尋木母「最近はあんま口も利かなくなって、そしたらあいつから―――」 咏『今度の大会で優勝したら、大阪に帰ってもいいだろ?』 三尋木母「―――って言ってきてよ」 三尋木母「『帰る』って聞いたとき、あいつにとっての家はうちじゃないんだって考えちまって、寂しくなったんだ」 三尋木母「後で苦労するよりは、今の内から苦労しておいた方が楽だと思うんだ」 三尋木母「君は、どちらがいいと思う?」 京太郎「なぜ俺にそんなことを聞くんですか?」 三尋木母「あいつは君のことが大事みたいだからな、羨ましいくらいだよ」 京太郎「そうなんっすかね?」 三尋木母「大阪に戻ってのびのびさせるか、神奈川で将来に目を向けさせるか」 三尋木母「君の意見を教えてほしい」 京太郎「どっちか、って綺麗には答えられないですけど」 京太郎「高校を卒業するまでここにいさせる、とか、大阪に会社の支社とかがあるんならそこで勉強させればいいんじゃないんすかね?」 京太郎「咏がしたいようにさせた方が、あいつのためになるような気がするんですよ」 京太郎「……なんで、俺は優勝するために頑張ります」 三尋木母「成程、そういう案があったか」 三尋木母「とは言うが、あいつの決めたルールなのだから、今更無しになりましたーと言っても納得してくれないだろうな」 三尋木母「どうしたものか……」 <マモナクダイイチシアイガハジマリマス、カクセンシュハタイキョクシツヘシュウゴウヲオネガイシマス 京太郎「あのーそろそろ失礼してもいいですか?」 三尋木母「ああ、娘をよろしく頼む」 京太郎「任せてください!」 恒子「遂に来た!高校生とプロによる最終決戦!」 恒子「プロ・アマ交流戦の開始だーっ!」 えり「福与アナ、喧しいです」 恒子「今大会四試合の実況は、局のいろんな事情を飛び越えて、私、福与恒子と!」 えり「針生えりがお送りいたします」 恒子「もーつれないですよ針生アナー」 えり「貴女はもう少し真面目にしてください、それでは各チーム先鋒の選手の紹介です」 えり「一年生Bチーム先鋒は、今年のインターハイ団体戦優勝校、三箇牧高校で中堅を務めました、三尋木咏選手」 えり「続いて、二年生Aチームの先鋒は、インターハイ団体戦三位の阿知賀女子から、松実玄選手」 えり「三年生Aチームの先鋒は、北大阪地区予選二位の千里山女子から、江口セーラ選手」 恒子「そしてェ……プロ選抜チームの先鋒はァ!」 恒子「静寂の妖精、野依理沙だァァァァァァ!」 ワァァァァァ! グロチャーダァ゙ァ゙ァ゙ァ゙! セーラ「リーチや!」 咏「私も、リーッチ!」 理沙「……ツモ」 咏(河にも、野依プロの手牌にもドラは無しかぃ) セーラ(阿知賀の松実、話には聞いとったけど、ホンマドラ集まらんなぁ) 玄(東発から親被りだぁ……) 咏「ロン!16000!」 セーラ「しゃあ……ないな」 理沙「…………」 理沙「ロン、24000」 玄「はい……」シュン セーラ(流石プロ雀士、おもろいとか言ってる場合やないな……) 先鋒戦終了 プロ 157100 一年 116600 二年 66400 三年 59900 咏「あっぶなかったー」 咲「お疲れ様、咏ちゃん」 咏「プロ強すぎんだろ、おかしすぎるっつーの」 京太郎「そのプロ相手に+収支で帰って来たんだ、よくやったぞ咏」 咏「あんがとねぃ~」 春「きょうたろう、次、私の番」 京太郎「おう、春も頑張れよ!」ナデナデ 春「うん」ポリポリ 春(咏みたいに、私も撫でてほしい) 春(きょうたろうのために頑張る)ギュッ 春「…………」 久(悪待ち……ってわけにはいかないわよね) 久(相手は古参の男子トッププロに、一度打ったことのある滝見さん) 久(最初は様子見と行きましょうか) 秋一郎「…………」 秋一郎(滝見選手から聴牌気配) 秋一郎(……ふむ) 春「リーチ」 久(滝見さんがリーチ、ここはオリね) 姫子(ちょうど大沼プロが捨てとってよかったばい)トン 春「ロン、12000」 姫子「なっ……」 次鋒戦終了 プロ 175800 一年 124000 三年 60700 二年 39400 春(+で終わった)ホッ 春(きょうたろうに褒めてもらえるかな) 春(頭、撫でてもらえるかな) 春「…………」 淡「タキミンお帰りー!」 京太郎「お疲れ様、春」 春「ん」コクッ 春「…………」 京太郎「?」 春「…………」モゾモゾ 京太郎(対局終わったのに、黒糖食べてないよな?) 京太郎「春?」 春「なに?」 京太郎「黒糖、食べないのか?」 春「…………食べる」ムスッ 京太郎「?」 京太郎(表情が読めないからよくわかんないんだよなー) 恒子「んー、プロが圧倒っていうのは予想してたけど、まさかここまでとはねー」 えり「選手に失礼ですよ、一年生チームが食いついているので、頑張ってほしいですね」 恒子「はいはーい、それじゃあ選手紹介でーす」 恒子「現在ラスの二年生Aチームからは!愛宕の血を引くサラブレッド!愛宕姉妹の美人な妹!愛宕絹恵ー!」 恒子「三年生Aチームからは、はたまた愛宕の血を引く名門姫松のエース!愛宕姉妹の残念な姉!愛宕洋榎ー!」 えり「二位の一年生Bチームからは、国麻の覇者、須賀京太郎君です」 恒子「そっしてそして!大変大人げないプロチームの副将は!我らがアイドル!永遠の十七歳、瑞原はやりだー!」 はやり「久しぶりだね、須賀くんっ☆」 洋榎「遅いでーきょうたろー」 絹恵「こんにちはー」 京太郎「はやりさんと絹恵さんですか、楽しい試合になりそうっすね!」 はやり(久しぶりの男の子……ぐへへ」ダラーッ 絹恵「心の声漏れてますよ」 京太郎(あかん、大きなおっぱいが四つも……ぶふぉっ) 洋榎「ちょいちょいちょい待ちぃーや!」 洋榎「なんでウチのことスルーしてんねん!」 京太郎「あ、洋榎さんいたんすか」 洋榎「おったで、一番乗りやったで!」 京太郎( ´_ゝ`)フーン 洋榎「絹ぅー、京太郎のウチの扱いが雑ぅー」ウェーン 絹恵「お姉ちゃんは可愛くて麻雀上手くておもろいから大丈夫やでー」ナデナデ 洋榎「絹ぅー」ウズウズ 京太郎(う、羨ましい……っ!) 副将戦開始 洋榎 60700 はやり 175800 京太郎 124000 絹恵 39400 京太郎(咏がこっちに戻ってくるためには、ここで勝ち残って次へつなげなきゃならない) 京太郎(後ろに咲がいるから安心できるけど、俺だって男だ) 京太郎(やれるとこまで、やってやる) はやり(さてさて、ここははやりの早和了りでぱぱっと終わらせちゃおうかなー) はやり(……ん?) はやり(配牌三向聴、ツモもあまりよくないみたい) はやり(ここは自力より、他力本願かなっ!) はやり「ポン!」タンッ! 京太郎「―――ロン」 京太郎「16000」 はやり(あ……これって、京太郎くんのスジ……) はやり(なんでこんなこと、見落としたの?) 東二局 洋榎 60700 親 はやり 159800 京太郎 140000 絹恵 39400 はやり(おかしいなぁ、今回も全然だ……)トン 絹恵「ロン、3900です」 はやり「ぇあ……」 洋榎(守りの堅さと和了速度が得意やっちゅうのに、今日は調子悪いみたいやな……) 東三局 洋榎 60700 はやり 155900 親 京太郎 140000 絹恵 43300 はやり(今度は配牌二向聴だけど、ここは……) 京太郎「カン」 はやり(自風牌の明槓、それも槓ドラモロ乗り) はやり(どんな豪運なんだろ……) 京太郎「もいっかい、カン」 はやり(いつもみたいな引きじゃないけど、でも小鍛治プロみたいに支配されてる感じはしない) はやり(何かな、この感触……) 京太郎「ロン、24000」 はやり「あ…れ……」 東三局一本場 洋榎 60700 はやり 131900 親 京太郎 164000 絹恵 43300 京太郎「ツモ、1100オール」 洋榎(ここまで来てプロに逆転とは、流石やな) 洋榎(せやけど、ウチも負けてられへん) 洋榎(こっからや、こっからが勝負や!) 東三局二本場 洋榎 59600 はやり 130800 親 京太郎 167300 絹恵 42200 京太郎(まだ……まだだ) 京太郎(決勝戦に繋がるような和了を、点差をつける!) 京太郎(だからまだ、俺は和了り続ける) 京太郎「ツモ、2200オール」 東三局三本場 洋榎 57400 はやり 128600 親 京太郎 173900 絹恵 40000 はやり「ロン、5200は6100ですっ☆」 はやり(こんなところで年下の男の子に負けてたら小鍛治プロや理沙ちゃん、晴絵ちゃんに顔向けできないもんね) はやり(私の方がずっとお姉さんだってこと、優しく教えてあげるんだから) 東四局 洋榎 57400 はやり 134700 京太郎 167800 親 絹恵 40000 同コンマのため、流局 京太郎(今回はどうやら全員テンパイか……) 京太郎(変に競り合って放銃するよか、安全に流局まで待つべき、かな) 京太郎(折り返し地点だ、頑張っていくぞ) 東四局一本場 洋榎 57400 はやり 134700 京太郎 167800 親 絹恵 40000 絹恵(――――流局) 絹恵(流局の後は、場の流れが無くなる感じがするんや) 絹恵(誰かが和了り続けてても、流局の後は、なんか止まった感じがする) 絹恵(せやから、私はその隙を突く) 絹恵(ようわからん感覚やけどな) 絹恵「ツモ―――800オール」 東四局二本場 洋榎 56600 はやり 133900 京太郎 167000 親 絹恵 42400 京太郎(純全三色一盃口ドラ1) 京太郎(一応満貫手聴牌したけど……) はやり「カン」 京太郎(……えっ) 京太郎(暗槓……槓ドラ……) はやり「……」トン 京太郎(えっ……) 京太郎「ロ、ロン……です」 京太郎「16000の二本場なんで、16600……です」 はやり「…………」 はやり「…………」 はやり「えっ」 南一局 親 洋榎 56600 はやり 117300 京太郎 183600 絹恵 42400 洋榎(――――ここまでで、ウチと二位までの差は7万と7300点) 洋榎(この親番で役満二回和了れば話は楽なんやけど) 洋榎(……ちぃとキツめにいくで……) 【灼熱の矛】が発動されました! この局の間【金色放つ海】【迫り来る怒涛の火力】【極寒の盾】【潮流旋風】【星流し】が無効となります 洋榎(ウチはいつも通り上手く、自由に打つだけや) 洋榎(絹とは違うて、ウチは流れに乗って攻める!) 洋榎(そんでェ――――) 洋榎「――ツモ!6000オールや!」 南一局一本場 親 洋榎 74600 はやり 111300 京太郎 177600 絹恵 36400 洋榎(親跳ツモで満足できるほど、余裕あるわけやないんや) 洋榎(まだまだ、ウチの独擅場や) 【灼熱の矛】が発動されました! この局の間【金色放つ海】【迫り来る怒涛の火力】【極寒の盾】【潮流旋風】【星流し】が無効となります 洋榎「連荘リーッチ!」 洋榎「このまま八連荘まで行ってまうでー」 絹恵(お姉ちゃんのこの感じ……) 絹恵(ここは……) 絹恵「ポン」 絹恵(流局まで持ってけるとええんやけど) 洋榎「もー一発消さんといてぇーな」 京太郎「それ、ポンです」 同コンマのため、流局 南一局二本場 親 洋榎 74600 はやり 111300 京太郎 177600 絹恵 36400 はやり(……また、暗槓) はやり(さっきみたいなことになるのはやだけど、それでも符があるだけで点数はちゃんと変わるし) はやり(ここは、はやりの運を信じるしかないよね) はやり「カン」 はやり「―――リンシャンツモ、2000・4000の二本付ですっ☆」 南二局 洋榎 70400 親 はやり 119900 京太郎 175400 絹恵 34200 絹恵(これ以上、みんなの点を取られるわけにはいかないで!) 絹恵(私も、お姉ちゃんみたいに) 絹恵「カン」 絹恵(もっと強くなるんや) 絹恵「――ロン、3200」 南三局 洋榎 70400 はやり 119900 親 京太郎 172200 絹恵 37400 京太郎(いや、あのさぁ) 京太郎(決勝に向けて勢いつけようとか確かに言ったよ?言ったけどさ) 京太郎(清一平和二盃口) 京太郎(また倍満ってどういうことだよ……) 洋榎「逆転先制リーチや!」 京太郎「あ……ロンです」 京太郎「24000、です」 南三局一本場 洋榎 46400 はやり 119900 親 京太郎 196200 絹恵 37400 洋榎(プロが好き放題されとるってどういうことやねん、京太郎は) 洋榎(普通やったら男子の競技レベルはもっと低いはずやったのに) 洋榎(……負けてられへん) 洋榎「ロン、3900は4200や!」 洋榎「ようやく、オーラスやな」 オーラス 洋榎 50600 はやり 119900 京太郎 192000 親 絹恵 37400 京太郎(オーラス……ここまで来れば咲なら負けないだろ) 京太郎(ここで逃げてあいつに繋ぐ) 京太郎(気合入れていくか!) 【金色放つ海】のブースト効果を発動しました! 京太郎「リーチ」 洋榎「そないに稼いで、オーラスでリーチってどういうことやねん」 絹恵「まあまあお姉ちゃん、落ち着いて」 はやり(……ノミ手) はやり(……控室に戻るの嫌だな……) 洋榎「ま、京太郎には和了らせないんやけどな!」トン はやり(ドラでもいいから……)トン 京太郎「……あ」 京太郎「ツモ、リーチ清一一通」 京太郎「4000・8000で……っす」 副将戦終了 一年 208000 (+84000) プロ 115900 (-59900) 三年 46600 (-14100) 二年 29400 (-10000) 恒子「副将戦、決着ー!」 恒子「蓋を開けてみれば結果は歴然!全国一位の須賀選手のリードで、一年生Bチームが圧倒的独走状態!」 恒子「瑞原プロから約6万点を奪い、頂点へと登り詰めたー!」 恒子「あの華麗な指裁きによって三人もの少女を蹂躙!手籠めにしました!」 えり「福与アナ、言い方がいやらしいです」 えり「……あと、瑞原プロは少女というべきではないような」 恒子「さあ!大将戦が始まるまでの間、視聴者から送られたメールをお読みしまーす」 恒子「P.N.永遠の18歳さんから!」 『えりちゃん、あとで大道具の倉庫に来てねっ☆』 えり「これの送り主瑞原プロですよね!?」 恒子「大将戦はCMのあと!ちびっこの諸君はおトイレ行ってくるんだぞー!」 えり「はしたないですって!」 咲(京ちゃんが稼いでくれた点、守りきるよ!) 照「……咲が二番目、ね」 咲「お姉ちゃん……」 照「悪いけど、咲、この試合は私が勝つ」 照「これが私の、最後の戦い」 憩「ウチも負けるわけにはいかないんですーぅ」 憩「今日は、咲ちゃんも照ちゃんもよろしくなー」 咲「はい、よろしくお願いします」 照「……よろしく」 照「そして、あと一人は……」 健夜「お待たせしたかな?」 健夜「それじゃ、始めよっか」 . .-――-. . . . ´ .` . / ヽ . . / / l ヽ ヽ . / / / / l l l . ′ . . . ′/ | ハ ト、 ヘ i l |. | 1 | .|{ ‘. ヽ\_ ; | | | | | | |-―.lハ{\ fヾ\` i l |l | | | | | |{ ヽ \ { \ \ | 八 | | | レ _ 、 `r==ミx } ∧ . 八 ヽ | r㌃⌒` ムイ } ヽ / \ヾ ,,,,,,,, , '''''''' | ノ \ / 八 ハ .... 、 「 ヽ > / / >-、 ( ノ イ l l ヾ \ -=≦ / ゝ ー ' < l ∧ |` ー---` ∠ イ ∧ ト、 ≧=r-- 1 /レ' .V / \ { ヾr‐ァ' トヘ/ 荒川 憩 29400 ........ ....... .... ... / 丶 / ヽ / . / / ;イ l ! . '――‐y' / l ! !\ ! l ! l / ̄Ⅵ\ 厂 ̄\l / ! | | / ニニ \_,イニニニ ∨ / ! | | ! | | | | l / | ∨》 l 乂ソ 乂_ン ル’⌒) | / / / | / ..... ⊂ニニ⊃ _ .イ | 厶_/| / うフラT Tフ叮[ /l | l/ヽィ'゙ ̄イ゙ ゙̄/゙ ̄ ̄_厂`ミ /l/l/. √{`ヽ,乂__厶彡 ̄/ `Y 宮永 照 46600 _____ ... ´ ` .. / 、 / \ 丶 / \ \ . ′ |. .| ヽー'⌒ | i i l i l\ | | | | ∧ | . l .i l⌒ヽ. .| | | |匕Ⅵ /ト、 /从 | | | 八 .i | { V ノ ∨ ,ィ | | . ヽ 从 _ ≠⌒ Ⅵ /} \ {⌒\ .{ r==ミ , Y 乂 \r' uノ 丶、 _ー‐、 r‐ ー' フ / _ヘr─ァ、ー ┬ 、 ≦-─、 宮永 咲 208000 ,. -────- / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . `丶 / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .\ / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ヽ / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ./ . . . . . . . . . . . . . . . . . / . . . . . . . / . . . . . . . . . ,イ } . . . . . . . . . . . . . . . . ′ i . . ./| . . ./{ハ ./ | . /\ . ./ハ . . | . . . . .i i . . . . | . / l . ./ ∨ レ' ∨ }Ⅵ . . . . .| | . |. . . .Ⅳ V | . . . . .| | . |. . . .| ___,. 、____ | . . . . .| | . |. . . .| ´ ` | . . . . .| | . |. . . .| ,斗ぅ芋ミ 斗ぅ芋ミ | . . . . .| | . |. . . .| {. 乂辷ソ 乂辷ソ .} | . . . . .| | . |. . . .|ハ ハ| . . . . .| | . |. . . .lヽ{ ' }ノ| . . . . .| | . |. . . .| .人 __ 人 | . . .| | | . |. . . .l | . | ...  ̄ ̄ イ l . | . . .| | |八 . . .ト、| . | . .r‐}` ー--‐ {‐ァ | .| | . . .| | \l _ |-‐'{厂 ア}ー- . _ | . 八| _ ,. < | | ノ/=ー-、 〈 | | 〉 ∧ ヽ / ∧ 小鍛治 健夜 115900 大将戦開始 東一局 親 憩 29400 照 46600 咲 208000 健夜 115900 健夜(ここまで点差つけられてると、またこーこちゃんにプロの威厳がーとかアラフォーがーとか言われそうだよね……アラサーだけど) 健夜(……はぁ) \\// Y=ニニニニニニニニ∨ ∧ニニニニニ/⌒丶/ ./ { }ニ}ー-、 / {}} 厂 ̄ ̄ ̄⌒ヽ__=ニ∨/ }ニニニニニニ厂 ̄ 〈 }==ニニ/⌒7 ー=彡 }.//}______厂 ̄} {}} / O ,ィ彡'´ニ∨/ .ノ==ニニニ/ }ニ Y } }==厂 ,. -────- /ニニニ}__/ {}}ニニニニニニ⌒ヽ___ー=彡'"´ニニニニ/ 人ニ{ ノ/⌒´ / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . `丶/ ⌒ヽ {}}ニニニニニニマー'=ニニニニニ/ / ヽ=ニニニニヽ / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .\/⌒⌒ヽ 〉ー=彡⌒´ニニニニニニ/ / ノ===ニニニ/ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ヽ  ̄`ヽ {ニニニニニニニニ==ニニ\ / ⌒ヽニニニニ/ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ./ . . . . . . . . . . . . . . . . . \ \ニニニニニニ=ニニニ/ ′ }=ニニ/ . . . . . . . / . . . . . . . . . ,イ } . . . . . . . . . . . . . . . . } Y⌒ ̄ ̄`ヽニニ/\ γ⌒ヽ__rく==ニ′ i . . ./| . . ./{ハ ./ | . /\ . ./ハ . . | . . . . .i } } }ニ/ー- ⌒7 ̄} /{. i . . . . | . / l . ./ ∨ レ' ∨ }Ⅵ . . . . .| Y / /ニニニニニ/⌒ / / } 〃| . |. . . .Ⅳ V | . . . . .| / ̄ ̄⌒) / /ニニニニニ} ⌒)/ {{ | . |. . . .| ___,. 、____ | . . . . .|____/,ィ彡'´ Y⌒ヽ/ /==ニニニー=彡 ヽ_ _ O | . |. . . .| ´ ` | . . . . .| ニ/ / / /==ニニニニニニニ\ >`¨´ | . |. . . .| ,斗ぅ芋ミ 斗ぅ芋ミ | . . . . .| {__/ ./⌒ヽ /ニニニニニニニニニニニ厂⌒ヽ/\} ,ィ彡'⌒ | . |. . . .| {. 乂辷ソ 乂辷ソ .} | . . . . .| / /==ニニニ\/ / ̄ ̄ ̄ ニニニ/⌒) \/ 〃 | . |. . . .|ハ ハ| . . . . .| ./ /ニニニニニニニ〉 /=ニ/ _}ヽ ー=彡'´ | . |. . . .lヽ{ ' }ノ| . . . . .| | __/===ニニニニ/⌒\// __) } | . |. . . .| .人 __ 人 | . . .| | | |=====ニニニ/O Y / / \/ ___________}\ | . |. . . .l | . | ...  ̄ ̄ イ l . | . . .| | | |===ニニニ/ `¨´ /|/ニニニ〉 Y {ニニニニニニニニY.|八 . . .ト、| . | . .r‐}` ー--‐ {‐ァ | .| | . . .| | ∨ニニニニ/ / |\===/ | 〉ニニニニニニニニ \l _ |-‐'{厂 ア}ー- . _ | . 八|===ニニ/ / ヽ___/ \/ / /====ニニニニニ_ ,. < | | ノ/=ー-、ニニ〈 〃 /ニニニニニニニニニニ `¨´ ̄ ̄`ヽ====ニニニニニ〈 | | 〉/\_// {ニニニニニニニニニニニ⌒ヽ ー───ニニニニニニニニニ∧ ヽ / ∧ { {____/ニニニニニニニニニニニ 咲「うっ……」 咲(何……これ……凄い力) 咲(これがプロの力……) 咲(……私には、京ちゃんが付いてる) 咲(恐いけど、頑張るよ) 憩(小鍛治プロに、照ちゃんに、咲ちゃん) 憩(三人相手にこの点差はきっついなぁ……) 憩(東場から、捲りにいこか) 憩の【孔穿つ閃光】発動! 憩「リーチ!」 照(憩のリーチ……) 照(憩の力の発動条件は、おそらくリーチ) 照(そして、憩は必ずその手牌から予想される翻数よりも高い手で和了る) 照(単純な高目のほかにも、一発や裏ドラ、槓ドラ、海底や河底、嶺上) 照(運が絡む役を絡めて和了る) 照(ただ単純な強運、そして―――)トン 憩「ロン、24000ですーぅ」 照(その後にもたらす、影響だ) 照「…………」 照(今のは計算内、だから大丈夫) 【孔穿つ閃光】により 照の聴牌判定、和了判定、翻数判定が下がりました 【照魔鏡】が無効化されました 東一局一本場 親 憩 53400 照 22600 咲 208000 健夜 115900 健夜(荒川さんから宮永さんへのロン) 健夜(……まあ) 健夜(この点差だし、これで和了ってもいいんだよね) 憩(連荘に向けての第一打!)トン 健夜「ロン」 健夜「人和は大会ルールに無いから、三暗刻東北で8300」 憩「人……和……」 健夜「さあ、続けましょうか」 東二局 憩 45400 親 照 22600 咲 208000 健夜 123900 憩(なんや、今の和了) 憩(単なる偶然とは思えない……あんなんに勝てるんやろか……) 咲「カン」 咲「もいっこ、カン」 咲「嶺上ツモ、8000の責任払い、だね」 憩(咲ちゃんも大概やけどな……) 憩(この勝負、ウチが勝てるんやろか……) 東三局 憩 45400 照 14600 親 咲 216000 健夜 123900 照(交流戦……学年選抜同士の戦い) 照(これが私の、私たちの最後の戦い) 照(それなのに……) 照(だと、いうのに……) 咲「カン」 咲「もいっこ、カン」 咲「もいっこ、カン」 咲「――――嶺上ツモ、12000」 照(なぜ、私は何もできていないんだ) 東三局一本場 憩 45100 (+15700) 照 2600 (-44000) 親 咲 228000 (+20000) 健夜 124200 (+8300) ――大将戦前 京太郎「八万四千点ってなんつーバカヅキだよ……」 京太郎「瑞原プロ少し涙目だったし……」 京太郎「ま、決勝進出は安泰だな」 咲「あっ、京ちゃんお疲れー」 京太郎「おう、早いな」 咲「京ちゃん凄かったよ!私も頑張るから!」 京太郎「ああ、頼んだぞ、大将さん」ポン 咲「うん!じゃあね!」 咲(京ちゃんの打ち方、久しぶりだったな) 咲(……苦しそうで、必死そうで) 咲(まるで、何かに追われているような打ち方だったけど) 咲(でも、余裕があるようにも見えた) 咲(私も、まだまだ行くよ!) 咲「カン!」 咲「―――ツモ!」 咲「嶺上ツモ、責任払いで24000です」 東三局二本場 憩 21100 照 2600 親 咲 252000 健夜 124200 憩(一位と23万点差て、どんな冗談や、ほんま) 憩(せめて、収支だけでも他の二人には勝ちたいなぁ) 憩(……いかせてもらおか) 憩の【孔穿つ閃光】発動! 憩(テンパイ……やけど) 憩(リーチしても高くならなさそうやな) 憩(……ここは、ええか) 憩(照ちゃん、公式戦の調子悪いなぁ) 憩(インハイのときもいまいちみたいやったし、大丈夫やとええんやけど……) 憩(……あ) 憩「……ツモのみ、500・700」 東四局 憩 22800 照 2100 咲 245000 親 健夜 123700 照『これが私の、最後の戦い』 咲(……お姉ちゃんたちにとっては、最後の大会だったんだよね) 咲(だからって、手加減はしないし、したら失礼だよ) 咲(それが、私がお姉ちゃんから教わったこと) 咲(だから、私は――) 咲(お姉ちゃんを、全力で―――!) 三三三三ニ≠三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三=\三三三ニ≠三三三三三三三_,.-、 f=|´|三三三三三三三三ニf!三三三r‐‐ュ、三三ニ≠/三三三三ニ_,..-'´ | | |_,.! | { / ィ ヘ \三三/|//三三三r‐'´ _,..-! | `¨ __,..--レ' ̄~7 \ ヽヽ (='==! ̄!=\/三r-、/ヘfー‐、 | _,..-'´ | | j | |; / __,ヽ ノ! } } ==キ fニニ、ハニニフ rュ、) f! !_fl レ'´ _,..' | |__j--7 /、 { f´ !.ヽ`¨ro' =r==、 r、_ィ=ニハニァ=f |=ノ===、¨ __,.-‐'´ | | ゝ≠}. . i!ト、ゝ、'⌒V__ノ =、=キ=、| i! /ニハニ / ,. r、_) v く /_ _,.. ' |ヽⅥj.. i!l. .. i! . !( ( =ゝノレ'=| iK三ニヽニゝ'^|_|__,ィ ヘ、__ァ ! ,.. '! ! Ⅵ|.. !|. . i!_.jゝ‐、 ノ r、 |`¨rュネ| f!ヽ三ニニi 、___コ`ヽ=、 Ⅶ| レ' | i !.. ..Ⅵ_j レ'リ´ | ムノ/ |/ ∨ |__,=、__j__j=='三ニ三ヽ=テ= {‐‐' Vj ト. .、 ! i.. ...Ⅵ斗≠リ㌣!. /卞、≧j ∧三三ニr、ヽ三! {ゝ' } Ⅵ !、..、 、 ハ ! .. !| フセイ _ ソハ 心 | ∧三三三ハ三 、__ノ_ノ Ⅵ、 ト、 \、 、 | レ' i! i、ゝ'_ノ | ソ. | / |三三三|ハ三ニ` ̄=、r=、 Ⅵ\ ',.. ... \ 、 ゝ、 ` ノノ // , / /三三=|ⅵハ三三} / .| / .ヽゝ'\ \. \`ヽ `¨ ¨ / | /三三三| リ三三|_/ |_/ 、丶、 ヽ‥'`ー ヽ .レ'三=ト三リ三ハr=、 r=、、 \\ゝ 、 ' ` /三≠V∨/三!、ゝ' ゝ'\`ヽ \ .  ̄` , ∧三≠ |/Ⅵl \三三∧ ., ' ` / /ノ 憩(ここまでの、咲ちゃんのロン和了は全部、大明槓からの嶺上ツモの責任払い) 憩(最も楽な避け方は、生牌を極力捨てないこと) 憩(せやから……) 照(小鍛治プロの手の内が読めない以上、下手に大物手を作って撃たれるのはまずい) 照(かといってノミ手で逃げ続けるのも……)トン 咲「カン」 照(……三萬を暗槓、一筒をツモ切り) 咲「……」トン 照(河の様子からして……まだ三巡目) 照(…………) 照(……ここは、九筒でも)トン 照(……あ) 照(これ、生牌じゃ……) 咲「カン」 咲「―――ツモ」 咲「一翻八十符で2600」 照(一萬以外全ての萬子でのロン和を捨てての嶺上ツモ) 照(……これが、咲の力) 恒子「決ィィまったァァァアアア!」 恒子「プロ・アマ交流戦第一試合、プロチームを抑え、一位で決勝進出を果たしたのは!」 恒子「一年生Bチームだァァァァァ!」 えり「小鍛治プロが一度しか和了らなかったのが気になりますが、一年生チームの後半の追い上げは見事でしたね」 恒子「んじゃーヒーロインタビュー行きましょうか!」 えり「その制度、決勝戦しかありませんよ」 大将戦終了 咲 247600 (+39600) 健夜 123700 (+7800) 憩 22800 (-6600) 照 -500 (-47100) ワァァァァァァァァ 京太郎「なんつーか、あっさり勝っちまったな」 淡「私が咏の代わりに入ったらもっとあっさりだったねー」 咏「んだとー!淡じゃ私にゃかてねーよ!」 淡「咏みたいなちっこいのには負けないもんねー」 咏「体格は関係ねーだろー!」 咲「あはは、賑やかだね、二人とも」 穏乃「お帰りー、宮永さん」 咲「ただいまー」 春「黒糖、いる?」 京太郎「さっき十粒くらい食べたんだけど……」 春「もっと食べて」 京太郎「……はい」ポリポリ 咏「京太郎、この後はどうすんだ?」 京太郎「んー……」ポリポリ 京太郎「まずはオーダー決めだな」 京太郎「次の試合のオーダーは―――」 京太郎「先鋒!咏!」 咏「へいへーい」 京太郎「次鋒は……淡!」 淡「りょーかい!」 京太郎「副将と大将は変わらず、俺と咲で行く」 京太郎「次は守りじゃなくて攻めを重視して行こうと思う、だから次鋒には淡を起用してみた」 京太郎「春と穏乃は応援頼むぜ」 穏乃「私も打ちたかったけど……みんな頑張ってね!」 春「……わかった」 京太郎「んじゃ、オーダー発表終わったから各自解散、試合前にここ集合だ!」 咲「京ちゃんはこの後どうするの?」 京太郎「俺は……ちょっと疲れたからここで休んでるわ」 京太郎(昨日からずっと麻雀打ってるし、今朝はそれに加えて戦闘までしてきたからなぁ……) 咲「ふーん……私はどうしよっかなー」 春「…………」ポリポリ 淡「まったくもって、元気がないなーきょうたろーはー」 咏「お前は何もしてないから疲れてねえんだろー」 淡「きょうたろーは私の疲労を気遣ってくれてる、つまり咏よりも私の方が大事ってことだよね~」 咏「はぁ?んなわけねー、私の方が大事に決まってんだろ」 淡「咏みたいなちんちくりん、きょうたろーが大事にするわけないじゃーん」 咏「んだとー!」ウガー 淡「オトナなワガママボディの私には勝てるわけないよーだ!」 ワー キャー ワー キャー 穏乃「んー、私も暇だなー」パタパタ 京太郎「はぁ~すっきりしたぁ~」ガチャ 淡「やーっと戻ってきた~」 京太郎「ん、淡だけか、他の四人はどうしたんだ?」 淡「サキとタキミンとシズは試合見に行くって」 淡「あと、咏は携帯持って出て行ったよー」 京太郎「じゃあ俺と淡で二人っきりなのか」 淡「そだねー、何かして遊ぼ?」 京太郎「遊ぶって、俺は休みたいんだが」 淡「寝たら寝たで落書きしたりして遊ぶからいいよー」 京太郎「俺が良くねえよ!」 淡「さもなくば私の遊びに付き合えー!」 京太郎「えぇぇぇぇ……」 京太郎「じゃあちょっと遊んでやるからそれが終わったら寝かしてくれ、な?」 淡「うぅぅん……しょうがないかぁ」 淡「でも何して遊ぼうかー?」 京太郎「そうだなぁ……楽なのがいいけど……」 淡「ちょうどWiiがあるからスマブラしよー!」 京太郎「どこにあったそんなん!?そもそもなんであるんだよ!」 淡「なんかテレビの下にあったけど?」 京太郎「どうなってんだよ運営……」 淡「なんにせよ始めよー」 京太郎「釈然としねえけど……頑張るか」 京太郎「早く終わらせたいし、サドンデス戦にしようぜ」 淡「えーそんだけじゃつまんないよー」 京太郎「じゃあ三試合して二勝した方が負けた方に命令でいいだろ」 淡「またそのルール?面白いからいいけどさ」 京太郎「今度はまた何か考えてきてやるよ」 淡「よーし、始めよー!」 京太郎「ちょっと待て!ガノンドロフはダメだって!サドンデスにガノンはダメだって!」 Ready Go! ウー…ハァー! 京太郎「受けたら即落ちじゃねえか!カービィでよかったぜ!」 ハァー! 京太郎「飛びすぎて落ちた!?」 アァァァァ! ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 京太郎「負けた……」 淡「勝った~!」 淡「さあきょうたろー!私の命令タイムだよ!」 京太郎「クソッなんたる屈辱……!」 淡「私の命令はー!」 淡「命令はー…………」 京太郎「命令は?」 淡「うー……ん」 淡「…………!」 淡「…………」 淡「あの……さ」モジモジ 京太郎「なんだよ、早く命令しろよ」 淡「キ……キス……って、いいよね?」モジモジ 京太郎「…………は?」 京太郎「キスって、口づけ?」 淡「……うん」カァ 京太郎「接吻?」 淡「……うん」カァァ 京太郎「マウストゥマウス?」 淡「…………」カァァァァ 淡「い、言わなくってもわかってよ!」カーッ 京太郎「いや、おまえでもそんなこと言うんだな、って」 京太郎「……キス、か」 京太郎「…………」 京太郎「…………それは、ダメだ」 淡「なんでっ!?」 京太郎「淡さぁ、そういうのは彼氏に初めてしてもらえよ」 京太郎(寝起きドッキリで霞さんの初めて奪っちゃった俺が言うのも難なんだけどさ) 京太郎「面白半分でそんなこと言って、後で後悔しても知らねえぜ?」 淡「面白半分なんかじゃないもん!」 淡「サキはいっっつもきょうたろーと楽しそうにしゃべってて!咏なんてきょうたろーと同じアパートに住んでるじゃん!」 淡「私は、サキみたいにきょうたろーと長い付き合いじゃないし、咏みたいにきょうたろーの近くにいるわけじゃないから」 淡「だから…………」 京太郎「……じゃあ、やってやるよ」 淡「ほんっ……んっ!」 京太郎「…………」 淡「んっ……んっ……」 淡(や……舌が、入り込んで……) 京太郎「じゅるるっ……んっ」 淡(頭、押さえられて、口の中、吸われて……) 京太郎「れろっ……ちゅるっ」 淡(やだ、やだよ、こんなの)ジワッ 京太郎「……」モゾモゾ 淡(お尻まで触られてる……) 淡(……やだ、やめてよ)ポロポロ 淡(こんなの、幸せでもなんでもないよぉ……)ポロポロ 淡(おっぱいまで触られて制服しわくちゃ……) 京太郎「ん…………はぁ」 淡「…………ぷはぁ」 淡(終わった……の?) 京太郎「これで、満足かよ」 京太郎「キスねだって、ここまで好き勝手やられて、それで満足かよ」 京太郎「嫌だったろ?」 淡「……嫌だよ」グスッ 淡「嫌に、決まってるじゃん」グスッ 京太郎「そうだよな」 京太郎「そうじゃなけりゃ、お前はどうかしてるよ」 京太郎「これで、わかっただろ」 京太郎「そういうのは、淡――お前のことが好きで、お前を大事にしてくれる人にしてもらえ」 京太郎「…………すまなかった」 京太郎「俺、外出てくるわ」 京太郎(……やりすぎちまったかなぁ) 京太郎(見よう見まねでやってはみたけど……) 京太郎(淡、悲しそうだったな) 京太郎(そりゃ、初めてがあんなんだったんだから、当然か) 京太郎(…………はぁ) 京太郎(後でもう一回しっかり謝ろう) 京太郎(……死にてぇ、ぶん殴りてぇ……) 淡(なんで、あんな乱暴なんかするの) 淡(…………きょうたろーのバカ) 淡(試合のときはかっこいいって思ったのに、ずっといいやつだと思ってたのに) 京太郎『そういうのは、淡――お前のことが好きで、お前を大事にしてくれる人にしてもらえ』 淡(きょうたろーは、私のこと好きじゃないんだ) 淡『私は、サキみたいにきょうたろーと長い付き合いじゃないし、咏みたいにきょうたろーの近くにいるわけじゃないから』 淡(あんなことまで言って、期待した私がバカだったんだ) 淡(私が、キスしろなんて言わなければよかったんだ) 淡(…………) 淡(……きょうたろーに気を遣わせちゃったのかな) 京太郎(これから、どうしよう) 淡『……嫌だよ』グスッ 京太郎(三十分くらいしたら、謝りに行くか) 京太郎(けど、あんなことした後で、何て言って謝ればいいんだ) 京太郎(……ホント、酷いことしたな) 淡(制服もスカートもパンツもくしゃくしゃ……顔もくちゃくちゃ……) 京太郎「……淡、入るぞ」 淡「…………」 京太郎「淡、怒ってる……よな」 淡「あんなことされて怒らないわけないじゃん」ムスッ 京太郎「……だよな」 京太郎「…………」 京太郎「ごめん!」 京太郎「さっきの……あの時の俺はどうかしてた」 京太郎「お前を傷つけずに諭す方法なんて他にもあったのに、あんなことしかできなかった」 京太郎「淡のファーストキスを奪っておいて、謝って許されることじゃないのはわかってるけど」 京太郎「……すまなかった」 京太郎「もし、もしやり直させてくれるなら、ちゃんと優しくする」 京太郎「俺の顔なんて見たくないって言うんだったら、俺はここから出ていく」 京太郎「本当に、すまなかった」ドゲザー 淡「……きょうたろーは、私に教えてくれたんだよね?」 淡「きょうたろーにあんなことされて、きょうたろーのこと嫌いになったけど」 京太郎「……っ」 淡「恐くて、気持ち悪くて、心の中が真っ暗になって……」 淡「きょうたろーはこれを私に教えたかったんだよね」 淡「きょうたろーのやり方は雑で嫌だったけど」 淡「…………でも」 淡「後から考えたら、きょうたろーの気持ちは伝わって来た……って言うか」 淡「その……きょうたろーが私のことを傷つけちゃうほどに傷つけたくない、って、大事に思ってるのがわかったから」 淡「……あはは、何言ってるんだろうね、私」 淡「……ね、京太郎」 淡「顔、上げて?」 京太郎「…………」 淡「…………んっ」チュッ 京太郎「!?」 淡「……ぷはっ」 京太郎「あ、淡!?」 淡「これで、チャラにしてあげる!」 京太郎「はぁ?」 淡「あ、あー、なんかこの部屋暑いなー」パタパタ 淡「ちょっと出かけてこよーっと!」トタトタ 京太郎「おい!?」 京太郎(結局、嫌われたのかどうかわかんなかったな) 京太郎(呆気にとられちまったけど……) 京太郎(淡の唇も、柔らかかったな) 淡(……私の勘違いかもしれなくても) 淡(きょうたろーの気持ちは嬉しかった) 淡(やり直しのキス、っていつしてもらおうかな) 淡(…………きょうたろーの唇、焦っちゃってよくわかんなかった……) 恒子「遂に来た!高校生とプロによる最終決戦!」 えり「それさっきも言いましたよね」 恒子「……の最終決戦!」 恒子「待ちに待ったプロ・アマ交流戦最終戦!」 恒子「その対戦カードは……」 恒子「一試合目でプロチームを圧倒した!一年生Bチーム!」 えり「二試合目で教員チームに若干の差をつけられた二年生Bチーム」 恒子「残り二枠は大方の予想通り、プロチームと教員チームでーす」 えり「それでは各チーム先鋒の選手の紹介です」 健夜「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…………」 はやり「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…………」 健夜「一試合目全然よくなかった……何もできてなかったよ……」 はやり「満貫、それも人和和了れただけでいいよ、私なんて倍満に何回振り込んだことか……」 靖子「落ち着いてください、お二方!次は大丈夫ですよ!」 靖子(ほら、他の人たちも慰めてくださいよ)チラッチラッ 理沙「情けない!」プンスカ 良子「夕方のコーヒーはベリーグッドですねー」 秋一郎「……そんなこと、長い人生にしてみれば小さなことだ」 靖子(あれっ!?三人とも辛辣!?一人完全に無視してたよな!?) 晴絵「相手に野依プロ、瑞原プロ、小鍛治プロ、ですか」 トシ「おや、怖気づいてるのかい?」 晴絵「まさか、来年から打ち合う相手に今から怖気づくなんて……」ガタガタ トシ「お茶、こぼれてるよ」 「各チーム代表選手は、対局室に向かってください」 咏「んじゃ、行ってくる」 咲「みんなで勝って帰ろうね!」 淡「負けたらタダじゃおかないからね~」 春「頑張って」ポリポリ 穏乃「頑張れ~!エール送るよー!うぉぉぉぉぉ~!」 穏乃「ぴっぴっぴっ、ぴっぴっぴっ!が・ん・ば・れ!うーた!」 咏「あー……あんがとねぃ」 京太郎「相手は良子さんだけど、咏なら負けないはずだ」 京太郎「頑張れよ」 咏「わーってるよ、じゃあねぃ」 恒子「最終戦、先鋒戦の選手はこちら!」 (この試合に勝てば、あいつらの元に戻れる) 恒子「プロチームからは、昨年の新人賞を獲得した新星のトッププロ!戒能良子!」 『ああもう!最初っからそういえばいいのに!咏は素直じゃねーなー!』 『やっぱり、咏がいなくて寂しかったかな』 恒子「教員チームからは、福岡エバーグリーンズの元監督、熊倉トシ!」 (あいつの言葉に、何回振り回されてきたんだろうな) 恒子「二年生Bチームからは!姫松高校の先鋒!期待の二年生、上重漫!」 (……もう一度、あいつと一緒に学校に行きたい) 『頑張れよ』 (そうだな) (いっちょ、頑張って来るかねぃ) 先鋒戦開始 東一局 親 咏 100000 漫 100000 トシ 100000 良子 100000
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トシ(この卓も、一筋縄にいきそうにはないねえ) トシ(様子見しながら、和了っていこうかね) トシ「……ロン、3200」 東二局 咏 100000 親 漫 96800 トシ 103200 良子 100000 漫(東発から直撃とかあかんやろ) 漫(こう見えても私はもう姫松の主将!) 漫(ここで負けとったらみんなに示しがつかんわ!)タンッ! 良子「ロン、8000です」 東三局 咏 100000 漫 88800 親 トシ 103200 良子 108000 咏(ここまで焼き鳥かよ……) 咏(私は勝たなきゃいけねえっつうのによ!)タンッ 咏(この局、でっけえの和了ってやるよ!) 漫「ロン!12000!」 漫「これで原点戻しや!」 咏「う……」 咏(マジかよ……) トシ(次が戒能プロの親か……) トシ(ここで、使っておこうかねェ) 東四局 咏 88000 漫 100800 トシ 103200 親 良子 108000 良子(…………) 良子(手が進まない、ですね) 良子(さっきからムダヅモばかり、これではまるで、インターハイのハツミのようです) トシ「…………」ジロッ 良子(宮守の監督……彼女の師) 良子(おそらく、パワーのソースはあのモノクル) 良子(目的は私の親流しでしょうから、乗っておきましょうか)タン トシ「ロン、12000だね」 トシの【隻眼の老王】の効果が変更されました! 【複合】より、【爆撃】をコピーされました! 【爆撃】(下位) 発動可能回数1回 発動した局のみ、自分の聴牌判定+20、和了判定+70、翻数最低4翻 南一局 親 咏 88000 漫 100800 トシ 115200 良子 96000 トシ(姫松の子はチャンタを軸とした高火力な打ち筋) トシ(私たち相手ならそろそろ爆発してもいい頃だとは思うんだけど……) トシ(こちらの方が、早いみたいだねぇ) 咏「――――ツモ!」 咏「混全帯、小三元、混一、發中、ドラ2!」 咏「12000オール!」 良子(…………) 良子(ここからは、押していきましょうか) 南一局一本場 親 咏 124000 漫 88800 トシ 103200 良子 84000 同コンマのため、流局 南一局二本場 親 咏 124000 漫 88800 トシ 103200 良子 84000 漫(先鋒戦……長いなぁ) 漫(倒してきた先輩方の思いの重圧) 漫(こんなん、インターハイ以来や) 漫(緊張するけど、ここで和了らな!) 漫「ロン!6400は7000!」 漫(この三人に呑まれてまうやろ!) 漫の【爆撃】が発動されました! 南二局 咏 124000 親 漫 95800 トシ 96200 良子 84000 漫(入った!) 漫(混全三色、後はこれでドラが乗ればもっとええんやけど……) 漫「カン!」 漫(うー……ん、乗らんかったか) 漫(他家はまだ誰も動いとらんようやし、リーチはかけずに……) トシ「…………」トン 良子「…………」トン 咏「…………」トン 漫(早速来たな!) 漫「ロン!12000!」 漫(まだまだ続くで!) 【連鎖爆撃】が発動されました! 南二局一本場 咏 112000 親 漫 107800 トシ 96200 良子 84000 良子(……ふむ) 良子(ボンバーガールの流れは、ここで止めておきたいところですね) 良子(…………)ゴッ 良子の【悪待ち】が発動されました! 漫「リーチ!」 トシ(今度は二巡目リーチ……) トシ(塞いでおいた方がよかったかもねぇ) トシ(……どの道、次の局で止まるだろう)タン 漫「ロン!24300!」 トシ(ここが、正念場さね) トシの【防塞】が発動されました! 南二局二本場 咏 112000 親 漫 132100 トシ 71900 良子 84000 良子(……今度はウタに大きい手ですか……) 良子(他の2人に託してみましょう) 良子「チー」 良子「ポン」 良子「……カン」 トシ(なんだい、この鳴き……) トシ(一二三萬をチーして、四索をポン、暗刻の白を大明槓) トシ(切羽詰まりすぎじゃないかね……?) 良子「ポン」 トシ(九索……これで最大でも三翻ってことかぃ) トシ(……?この打ち方、確かインターハイで……) トシ(…………この辺り?)トン 良子「イグザクトリー――――」 良子「ロン、1900」 トシ(他家の大物手を警戒しての鳴き、ね) トシ(一応乗ってはあげたけど、次も成功するとは思わない方がいいよ) トシの【爆撃】が発動されました! 南三局 咏 112000 漫 132100 親 トシ 70000 良子 85900 良子(プロフェッサー熊倉のターンですが……) 良子(挑ませてもらいましょうか) 良子「リーチ」 良子の【大回転リーチ】が発動されました! 良子(また、ムダヅモですか)トン 漫(……なーんか、急に有効牌が来るようになったなー) 漫「カン!」 漫(嶺上牌まで有効牌か……私も捨てたもんやないな!) 良子(また、ですか……)トン 漫「ロン!16000!」 南四局 咏 112000 漫 148100 トシ 70000 親 良子 69900 良子(最下位で次に繋ぐのは極力回避したい……ので) 良子の【悪待ち】が発動されました! 咏(プロと四万点差で勝って、二年生に三万点差をつけられてる) 咏(こんなんで、あのバカに任せられるかよ!) 咏「リーチ!」 恒子「おーっと!ここで三尋木選手がリーチ!」 えり「三暗刻、混一、中で跳満、裏が乗れば倍満まで届くでしょうね」 恒子「学生に好き勝手やられて、大人は何してんでしょうかー」 えり「福与アナ、自重してください」 咏「ロン!12000!」 漫「…………最後の最後で……」 先鋒戦終了 二年生B 136100(+36100) 一年生B 124000(+24000) 教員 70000(-30000) プロ 69900(-30100) 咏「たっだいまぁっー!」 穏乃「おかえりー咏ー!」 淡「次は私の番か~一番だったらもっと楽だったんだけど……」 淡「そっちの方が目立つからいっかー!」 咏「つまり私はお前の温め役だってことかよ、あぁん!?」 淡「実力の面からしてもとーぜんだよ!」 京太郎「はいはい、二人ともそこまでにしとけー」 京太郎「咏は頑張ったんだし、淡は負けないように頑張って来い、喧嘩はひとまず中断だ」ナデナデ 咏「……ちっ、しゃあねえな」 淡「うん、頑張る」 京太郎「よし、じゃあ行って来い!」 淡「リーチ!」 はやり「それロン、12000!」 淡「ちょっ!ってかそれ人和じゃん!二回目じゃん!」 霞「――――ツモ、16000オール」 次鋒戦終了 一年生B 124900(+900) 二年生B 123600(-12500) 教員 83400(+13400) プロ 68100(-1800) 淡「あ、きょうたろー!」 淡「逆転してきたよー!」 京太郎「おう、よく頑張ったな」ナデナデ 淡「んへへ~凄かったでしょ~」 京太郎「ご苦労さん、後は俺と咲が頑張って来る」 京太郎「淡たちは、応援していてくれ」 淡「うん!頑張ってね、きょうたろー!」 京太郎「……あんがとな」 京太郎「んじゃ、行ってくるわ」 淡「行ってらっしゃい!」 京太郎「……あ」 淡「どしたの?」 京太郎「ほんと……さっきはごめん」 淡「もう赦したんだからいーの、じゃあね!」 京太郎「ああ、じゃあな!」 京太郎「さて……っと」 京太郎「俺が一番乗りかな……?」 尭深「…………」ズズッ 京太郎「お久しぶりですね、渋谷さん!」 尭深「……あ」 尭深「久しぶりだね、お兄ちゃん」ニコッ 京太郎「」 京太郎(まだそのノリ続けるの!?とか) 京太郎(今は大人しめなお姉ちゃんキャラがいいです!とか色々ツッコみたいけど) 京太郎(それ以上に可愛いぃぃぃぃぃいいいい!) 京太郎(こちとら先輩ばっかだから後輩とか年下との絡み無いし、あったことないし!) 京太郎(それ故に新鮮、それ故に可愛い!) 京太郎「ブフォッ」 尭深「あ、え、あ……大丈夫、須賀くん?」 京太郎「ええ、大丈夫ですとも……」 京太郎(良かった、お兄ちゃん呼び止めてくれて) 京太郎(さもないと鼻血で死にそうになるわ) 京太郎(……少しさみしいけど) 尭深「席、決めたら……?」 京太郎「そうですね、まだ誰も来ないみたいですし……」チラッ 理沙「!」ピクッ ガクガク 京太郎「の、野依プロ?ドアの前で何を……」 理沙「兄妹水入らず!」プンスカ 理沙「じっ、事情はいろいろある!」プンスカ 京太郎(何か誤解されてた!?) 副将戦開始 東一局 親 京太郎 124900 ※体力9 理沙 68100 ※体力9 善野 83400 ※体力9 尭深 123600 ※体力9 京太郎(……最初っからラッキーだな) 京太郎(ダブリー清一ってなんだこれ) 京太郎(偶に自分が恐くなるぜ) 京太郎(……今回もやってやろうじゃあねえか) 京太郎「リーチ!」キィィィン 京太郎(いきなりクライマックスだぜ!) 善野(須賀くんがダブリー……) 善野(今朝の一件のときもそうやったけど、この子は途轍もない) 善野(このダブリーも、大物手みたいやし) 善野(何とか凌ぎ切ればええな……っと) 京太郎「――――ツモ」 京太郎「ダブリー一発清一、三暗刻」 京太郎「12000オール!」 理沙「!?」 理沙(リザベーション、成功!) 対局者の能力レベルが下がった! 東一局一本場 親 京太郎 160900 ※体力9 理沙 56100 ※体力9 善野 71400 ※体力9 尭深 111600 ※体力9 京太郎(この一年間、いや、八か月か) 京太郎(俺はほぼずっと麻雀をしてきた) 京太郎(色んな人と対局したし、いろんな本も読んできた) 京太郎(その本のうちの一つに書かれてた技術) 京太郎(他の人の力を真似る技術) 京太郎(俺はまだ、全然できていないけど) 京太郎(力を貸してください、憩さん)ピキィィィィイイイン 京太郎(……この手) 京太郎(もうちょい粘れば平和一盃口ドラ2くらいにはなるんじゃないか?) 京太郎(とりあえず聴牌だけでもしとっかな)タン 理沙(須賀……京太郎……) 理沙(いつものツキが無いのも、この人のせい?) 理沙(……そんなわけないっか) 京太郎「……ツモ、600オール」 東一局二本場 親 京太郎 162700 ※体力8 理沙 55500 ※体力8 善野 70800 ※体力9 尭深 111000 ※体力8 京太郎(結局ツモのみで和了しちまった……) 京太郎(連荘狙いってことでいいよな、うん) 京太郎(じゃ、次もそれで行ってみるか!)ゴッ 理沙「カン!」プンスカ 理沙「カン!」プンスカ 理沙(カンドラ二つとも乗らず……!) 善野(野依プロは確か、新道寺の白水鶴田コンビと似たようなオカルト持ちやったっけな) 善野(和了者と翻数を予想するリザベーション、リザベーションというよりかはエクスペクテーション) 善野(なんにせよ、気をつけなあかんやつや……)タン 理沙「ロン!8600!」プンスカ 善野(うっわ……) 東二局 親 京太郎 162700 ※体力8 理沙 64100 ※体力6 善野 62200 ※体力9 尭深 111000 ※体力8 理沙「ツモ!700オール!」プンスカ 理沙(リザベーションは失敗……) 善野(あかんなぁ……白糸台の子がどんどん潤っとる) 善野(なんとかして途切れさせたいんやけど……) 東二局一本場 京太郎 162000 ※体力6 親 理沙 66200 ※体力5 善野 61500 ※体力8 尭深 110300 ※体力6 理沙「けほっ」 理沙「……」タン 善野(ようやく回り始めたかー) 善野(私と打つ人は打てば打つほど体調が悪うなる) 善野(それにつれて配牌やツモも悪うなっていく) 善野(いわば不幸のウイルスみたいなもんや) 善野(このことを知ってるのは郁乃ちゃんか愛宕さんしかおらへん) 善野(まだまだ、私の勝負どころやないんやで) 京太郎「ツモ!500・900!」 東三局 京太郎 163900 ※体力6 理沙 65300 ※体力5 親 善野 61000 ※体力8 尭深 109800 ※体力6 善野(……ん、ツモってもうたか) 善野(ピンピンロク、毎度毎度中途半端な点数やなぁ) 善野(毎局連荘で危ないけど……) 善野(和了っとかな損やろ) 善野「ツモ、3900オール」 理沙(四翻……成功) 東三局一本場 京太郎 163900 ※体力5 理沙 65300 ※体力4 親 善野 61000 ※体力8 尭深 109800 ※体力5 善野(……にしても、やっぱりおかしいのは須賀くんや) 善野(普通、プロともあろうものやったら持っとるはずの一般人とはかけはなれた豪運) 善野(しかし、野依プロが和了ったのはあまり高くないものばかり) 善野(早さも何もない手ばっかやった) 善野(白糸台の子にそんなオカルトがないことは確認済み、有り得るとすれば須賀くんしかおれへん……) 善野(……っと、ホンマか) 善野(また連荘やないか……) 善野「ツモ、6300オール」 東三局二本場 京太郎 157600 ※体力5 理沙 59000 ※体力4 親 善野 79900 ※体力8 尭深 103500 ※体力5 善野(まだ東三局やのに八局も使うとる) 善野(こっからやと少なくともオーラスまで十二局) 善野(あらかじめ国士無双十三面とか仕掛けられとったら危ないなぁ) 善野(……十四牌揃ってまえば、防ぐことのできひん天和) 善野(せやったら、それよりも多く稼くべきやね) 善野「ツモ、2800オール」 東三局二本場 京太郎 154800 ※体力3 理沙 56200 ※体力2 親 善野 88300 ※体力7 尭深 100700 ※体力3 善野(これを和了れば、9600の二本付け) 善野(……さすがにこわいな) 善野(このまま流してみるのもありやろか……) 善野(他の二人もテンパイしてるみたいやし、もうええか……) 東四局二本場 京太郎 156300 ※体力3 理沙 57700 ※体力2 善野 89800 ※体力7 親 尭深 97700 ※体力3 京太郎(善野さんの連荘がようやく終わったか……) 京太郎(……っ) 京太郎(さっきから頭痛がするな、こんなときに何だって言うんだよ) 京太郎(お、っと) 京太郎「ロン、1000は1900です」 京太郎(ようやく折り返しか) 南一局 京太郎 158200 ※体力3 理沙 55800 ※体力2 善野 89800 ※体力7 親 尭深 97700 ※体力3 京太郎(開いてきたリードは、ちゃんと守らないとな) 京太郎(親だし、本気で行くぞ!)ゴッ 京太郎(く……っ) 京太郎(久しぶりだな、この感じ……) 京太郎(力の波に、もまれていく) 京太郎(憩さんの力使った後だっての忘れてたな……) 照『京の力は、海みたいなもの』 京太郎『海?』 照『そう、金色の光を放つ海』 照『京と打っていると、懐かしい気持ちになる』 京太郎『懐かしい気持ち?』 咲『麻雀を始めたころの初めての気持ち』 京太郎『なんだそりゃ?そんなオカルトありえねえっつーの』 桃子『それが京太郎のわけのわからない強さなんっすよ』 京太郎『強さっつっても大して勝ててないし……』 照『それは京の運が悪いだけ』 京太郎『えぇ……』ズーン 照『たとえると、私たちは海の中にいて、京は海の上に立っている』 照『私たちは、麻雀の深みに嵌っていくほど、その奥底で宝物を見つける』 照『だけど、そこから出ることはできなくなる』 照『深みは、高み』 照『高い所を目指せば、色々なものが見えてくるけれど』 照『足元は、見えないんだよ』 照『原点の気持ち、初めての気持ち』 照『京はいつも麓に立っていて、水平線に立っている』 照『京と打っていると、京に呼び止められるような感じがする』 照『そうして、私たちは京に連れ戻されて水平線に立つんだ』 照『海の底から放たれる宝の金の光』 照『水平線を伝い、海に放つ、始まりの朝焼けの金の光』 照『私の鏡から見た景色は、金色を放つ海』 照『それが、京の力』 京太郎(……とか、昔言われた気がするな) 京太郎(俺だって潜ることはできるけど、その時間は短く限られている、とか) 京太郎(よくわかんなかったけど、見てみたいと思った) 京太郎(宝の金色と、朝焼けの金色に挟まれた海) 京太郎(金色を放つ海) 京太郎(俺を、鏡から見た景色) 京太郎(…………ここは、ダメっぽいな) 善野「ツモ、2000・4000」 南二局 京太郎 154200 ※体力2 親 理沙 53800 ※体力1 善野 97800 ※体力7 尭深 95700 ※体力2 理沙「げほっ、ごほっ!」 尭深「ずずっ」ズズッ 京太郎「っ……」 善野(三人とも、もう判断力も十分鈍っとるやろ) 京太郎「カっ、カンっ……!」 善野(須賀くんの手、低そうやな……) 善野(早めに差し込んどこか) 京太郎「ロン、えっと、2900です」 南三局 京太郎 157100 ※体力2 理沙 53800 ※体力1 親 善野 95900 ※体力7 尭深 95700 ※体力2 善野(ああ……でっかいのが迫って来てる感じ、するわ) 善野(こっちのオカルトのが負けそうやな……) 善野(流しとこか) 南四局一本場 京太郎 157100 ※体力0 理沙 53800 ※体力0 善野 95900 ※体力6 親 尭深 95700 ※体力0 尭深(今日は……豊作) 尭深(豊穣は民を癒す) 尭深(癒された民は、土地を豊かにする) 【収穫の時】が発動されました! 京太郎(確か、ここまでの渋谷さんの捨て牌は、白、南、中、白、發、南、中、中、白、發、發、南、南) 京太郎(最大で天和四暗刻単騎大三元字一色の六倍役満……!?) 京太郎(この大会はダブル役満無しやからいいものの、なんだよそれ) 京太郎(オカルトにも程があるだろ!) 尭深「……」トン 善野(案の定、南捨てか……) 善野(字牌一つもあらへんし……こんなん当たっても事故やん)タン 尭深「ロン、48300」 補正が弱くなりました! 南四局二本場 京太郎 157100 理沙 53800 善野 47600 親 尭深 144000 尭深「……」 尭深「カン」 理沙(リーチは無し、今回は引ける牌と、一つでも捨てられる牌を増やそうってことね) 理沙(手牌バレがあるとはいえ、待ちは狭いがわからない) 理沙(……まあ、プロを舐めないでほしい) 理沙(一巡目聴牌は、あの日に見飽きたから!) 理沙「ポン!」 ポン:二筒 尭深「……っ」 理沙(ムダヅモ、その手牌、一巡目の捨て牌でムダヅモになる牌なんて決まっているよね) 理沙「ロン、清一のみ!8600!」 善野(二筒鳴いて地獄間張待ち……か) 京太郎(なんつー豪運……) 理沙「終わり!」ムフー 副将戦終了 一年生 157100 (+32200) 二年生 135400 (+11800) プロ 62400 (-5700) 教員 47600 (-35800) 京太郎「はぁ……疲れた」 京太郎「最初の三倍満のほかに和了ったの小っちゃいのばっかだったし……」 京太郎「俺の三倍満なんて渋谷さんの役満と野依プロの満貫、善野さんの連荘で薄れちゃっただろうし……」 京太郎「春のおっぱいに癒されよう……」 咲「なに落ち込み気味に変なこと言ってるの!」 京太郎「うげぇ、咲ぃ!?」 咲「頑張ってたから褒めようと思ったのに……」ムスッ 京太郎「俺、頑張ってるように見えてたか?」 咲「放銃も少なかったし、良かったと思うよ」 咲「最初の三倍満、かっこよかったよ」ニコッ 京太郎「あ、ああ、そう言われると……なんか照れるな」ポリポリ 咲「じゃあ、ちょっと……」ギュッ 京太郎「さ、咲さん?なんで抱き着いてるんですかね?」 咲「京ちゃんのパワーを……こう、吸うというか……」ムギュー 京太郎「……お前、力弱いな」 咲「昔より握力2kgくらい増えたんだからね!」 京太郎「うわぁ、咲さんったら凶暴ー」 咲「グーで殴るよ?」ニコッ 京太郎「それ恐いんでやめてください、いやマジで」 京太郎「……ねえ、いつまでこうしてるの、お前」 咲「もうそろそろ、かな」 京太郎「鼻水つけたりしたら承知しねーぞ」 咲「京ちゃんは私のこと何だと思ってるの!?」 京太郎「ちんちくりん」 咲「何その評価!?」 京太郎「まあほら、咲は小っちゃくって撫でやすいな、と」ナデナデ 咲「むぅ……」 「各チーム大将の選手は対局室に集合してください」 咲「じゃあ、行ってくるね」 京太郎「ん、任せた」ナデナデ 咲「頑張って来るから、見ててね」ギュッ 京太郎「おう、行ってこい」 /. . . \ /... . . . ヽ . . . . /. . . ヽ . .. /. . . /. . . . /l ハ. . . l. . . /. . . . / | l . . .l. . .| |八{. . .fレ'\ |. . /j. . . . /i. . . | . . .l. . .| ,...---ミ //∧. ハ_〉ぅ `l. . {/. . . ,'斗―|. . . . .リ. . ′ / ̄ ̄⌒>=弍犲ハ 斧ミメ乂 彡イ ./ /. . . . /. / / / ` ̄`} `''’ f斧ミメ イ/./ } 「お待たせいたしました」 _ -―へ ' `''”.∠/// / / / / . 个 ー <r< / / .{ / j i { ¨¨´/' /j 「 \ 二年生Bチーム 大将 r'⌒ | // | ヾ 〃_彡リ | ヽ / ̄` ー--rヘ { 乂〃. ヽ/ ̄/ ̄ ̄`7 / ∧ 神代 小蒔 / /⌒ヽ __/ У / /Y ./ / / У / ./ / ト、 / 〉. / r'  ̄ / / { / / } V 厂ヽ 厶斗- ' __彡 / 乂 / / / ト---<ソ⌒ ./ / }ト、/ / / 〉こ{ / }三ニ=-- --=≦ / } ___ , . . .´ . . . . . . . . . .`丶 / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . \ / . . . / . . . / /| . . .ハ . . . . . . . . .ヽ ′ . . | . ./}/ |/ V}∧ . . . . . . i . | . . .Ⅳ ノ` ー-、__.Ⅵ . | | . | . . .| ー‐'_ __ | . . | | . | . . .| ,ィfチ芋 斧テ式.| . . | | . | . . .|《 V ソ V ソ 》 . . .| (おっぱい、大きいなぁ) | . | . . .ハ , } . . .| | . | . . .l .{ ノ . . | l . . . . | . ヽ. ⊂⊃ / . . . . | プロチーム 大将 | i| . .i . . | . . .i ___ ..ィ .i . i . | . .| {八 . . | . ..| . i .| | . }ノ ./| . | .,′ 小鍛治 健夜 ヽ{\|斗' ー i/._|/|/ -┬┬'、__ ̄`___´ ̄_/⌒7⌒ヽ / | |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ / / } --……-- r―‐⌒ヾ \ |∨ \ \ |/゚ 。 \. . . . . . . . . . . . . . . / \ . . . . \ . . . . . . . . . . . . . . 。 // / \ . . . . . . . . . ` .o。 . . . . . . . . . . . i ゚. /イ / . . .イ . . ー┬--- . . . __ .` . .o。 . . . . .|. ..。 i{ | ′ . .'{_|_ . . . | リV . . . . . . } .>匕、 \j--i || |/ . . ∧}リ≫┘o。v――'’xr示=ミト、 . .\}、 リ { . . . .|! ‘, ィ芹≧ュ ’|イi//| 》、 。 . . .ぃ、 「お久しぶりです、小鍛治プロ!」 | . . . . .「`ヽ《乂_゚ツ ゞ= '゚ リ/リ゚。 . .ト、i | . . . .小 , , ' , , / . . .∧ .} リ l. . . . . | }ゝ-! jハ . . . j/} .| 教員チーム 大将 。. . . { { j 八 -==ァ イ }/ j ノ ゚ 。.リ \{≧ュ。. ィ jソ ″ / 赤土 晴絵 ゞ イニ} ` ´ {ニヽ ィニ// ゝ|ニ\_ ┬==≦ニ/ニ7____ __,.|ニニムニニニニニlヽ /ニ|ニニニ/ニニニ|`-―――‐一´|ニニニムニニニニ|ニム. /ニニ |ニ7ニニニニニ| |ニニニニ}ニニニ=|ニム _....................._ ,. ´ ` .、 , ´ ,. \ / / , ´ ヽ / / / , , . .' / / / / ,.イ / | | . | 〃 / /- /-、/ ' ' ' | | | ∧ }'.' /^/ / { / { / / / / } | | | . { | { | , /' /' /イ//' -/、 ' ト . Ⅵ 、{/ィ=ミ、 /' / イ / , | \| 「よろしくお願いします!」 | 从 . . . . . _ /イ / , .| / Ⅵ ' `ヾ / イ /} / ______| 、 「 v . . イ / イ/イ 一年生Bチーム 大将 /<_ \_ `ーr---- =彡j/ {¨7=ミ、< 、 \___〉>、 宮永 咲 _| , ∨、 ` < 、 ∧ | ヽ / ̄ // | }、 . . . \、 . | /〉、 \___ 〃 | / \ . . .\、 Ⅵ /イ ∧  ̄¨/ ∨ `ー ≧='-´ / ハ . / / {二「 } | ' ∧ / . ∧ , / / } / . .〈 .∧ { | , / | / . . . .∧ . | | | 恒子「いよいよ!いぃよいよ!いよいよ!」 えり「なんで三回も言うんですか」 恒子「え……大事なことだから?」 えり「まもなく、プロ・アマ合同戦、決勝戦、大将戦開始です」 恒子「それ私が言うつもりだったのに!」 起家 健夜 62400 小蒔 135400 咲 157100 晴絵 47600 東一局 小蒔(この小娘の身体に憑くのも久しいのう) 健夜「…………」トン 小蒔(……ほう)トン 晴絵「…………」トン 咲「……」トン 小蒔(中々腕の立つ者がおるではないか) 小蒔(あの巫女共に感謝せねばならぬなァ) 小蒔(いざ、行かんや)ゴッ 咲「!」 晴絵「!」 健夜「……」 小蒔「ツモ」 小蒔「3000、6000」 東二局 健夜(永水、霧島の巫女さん……名前は……確か……) 健夜(…………) 健夜(わからないし、無理に思い出す必要もないよね……) 健夜(これは……時間稼ぎに徹しようかな) 健夜「流局です、九種九牌」 東二局一本場 咲(京ちゃん、咏ちゃん、淡ちゃん、みんなが作ってくれた点差、これを守り切れば) 咲(たとえ、勝てなくても) 咲(……負けなければ、いいんだよね)ゴッ 咲「――――ツモ」 咲「700、1300の一本場は800、1400」 東三局 晴絵(宮永咲に神代小蒔、どうやら神代は最高のコンディションみたいだし) 晴絵(宮永の方も、あのチャンピオンの妹だから、下手に攻めたら負けるだろ) 晴絵(堅実に攻めるしかないよなっ!) 小蒔「リーチ」 咲「チー」 晴絵(一発消し、か?) 晴絵(小賢しいけど嫌いじゃないね……うっと、裏目っちゃったかー) 晴絵(神代の和了りパターンとしては染め手が多い) 晴絵(筒子の染め手に直前に出した九萬なら……)トン 小蒔「……ロン、16000」 晴絵(いや……マジか) 東四局 晴絵(ようやく来た親番!) 晴絵「リーチ」 晴絵(和了らせてもらいますよ、小鍛治プロ!) 健夜(今の和了り……) 健夜(狙ってやったのかな……?)トン 晴絵「ロ……ロン!」 晴絵「一発ドラドラ!12000!」 健夜(何してるの私ー!?) 東四局一本場 小蒔「……」ウツラウツラ 小蒔「ハッ」 小蒔(え、もう東四局、ですか?) 小蒔(また、たっぷり寝ちゃっていました……)タン 健夜「ロン、8300です」 小蒔「え……まだ一巡目……ですよ、ね?」 健夜「はい、それが何か?」 南一局 健夜「リーチ」 晴絵(人和に続いて、小鍛治プロのダブリー……マズイな)ゾクッ 晴絵(あの頃を、思い出す……っ!)タン 健夜「ツモ、8000オール」 南一局一本場 健夜「リーチ」 小蒔(初めから……)トン 咲(…………)タン 晴絵(……ふふっ) 晴絵(嫌だな……) 晴絵(まだ、体が怯えている……)ゾクッ 晴絵(来年からまたあの舞台に立つってのにさ……!) 晴絵(今日、克服してやる!) 晴絵「リーチ!」 健夜(一発……ならず)タン 小蒔(な、なんだか、雰囲気が恐いです……)タン 咲「カン」 咲「もいっこ、カン」 咲「……嶺上ツモ、5200は5500の責任払いです」 南二局 健夜「リーチ」 咲「ポン」 咲「……」タン 晴絵(また一発消し……か?) 晴絵(まあ、無筋の三萬が通るのは、ありがたい!)タン 健夜「ツモ、3000・6000」 南三局 健夜(さっきのは掴まされたツモ) 健夜(あのポンは、ずらすため、その捨て牌は赤土さんのものも通るようにするため) 健夜(……だろうけど、どうしてそんなことをする?) 健夜(そこまで感じたなら、赤土さんか神代さんが振り込むのを待てばいいのに……) 咲「カン」 咲「もいっこ、カン」 咲「ツモ、1500オール」 南三局一本場 晴絵(小鍛治プロも神代も一段落ついたみたいだな……) 晴絵(……もうオーラスまで一歩手前) 晴絵(できれば、このチームで勝ちたい) 晴絵(……どうしても、小鍛治プロには勝ちたい!) 晴絵「リーチ!」 晴絵(十年前の借りを、今ここで返す!) 咲(…………) 健夜(赤土さんとインターハイで打ったのはもう十年前……) 健夜(あのときにへし折ったと思ったんだけど、プロとして復活していて、安心した) 健夜(私が目標だったのかな) 健夜(……そう簡単に、負けてあげるつもりはないよ) 咲「ポン」 晴絵「……」タン 健夜(宮永さん、また……?) 健夜(……赤土さんのツモを狙っても、自分が親被りするだけなのに)タン 咲「ポン」 咲「カン」 晴絵(かき回されてるな……) 晴絵(とは言え、一気にドラ3!さっきからありがたい!)タン 健夜(赤土さんのツモは無かった) 健夜(ツモ狙いでないとすれば、私に振り込ませようとしている……?) 健夜(そんなことするくらいなら、神代さんにした方が有利になるから、違うか……)タン 晴絵「ロン!」 晴絵「リーチ一通、赤2ドラ4……裏裏!」 晴絵「24300!」 健夜(三倍満……!?) 健夜(伍六七筒の一順子に併せて索子の六面張) 健夜(油断しすぎた……っ) オーラス 晴絵(小鍛治プロから倍満と三倍満の直取り!) 晴絵(……よくやったな、私) 晴絵(あの子たちにも、感謝しないと) 晴絵(みんなのおかげで、私はここまで来れた) 晴絵(最後まで勝ち続けてやるよ!) 咲「……」タン 晴絵(混一まで見える手だけど、この白を逃すのは勿体ない……) 晴絵(連荘するか……) 晴絵「ロン!3900!」 オーラス一本場 晴絵「……テンパイ」 健夜「テンパイ」 小蒔「テンパイです」 咲「ノーテン」 オーラス二本場 晴絵(なんとかノーテン罰符で稼げたし、あの二人の満貫も受けずに済んだ……か) 晴絵(まだ……連荘!) 晴絵「ロン!1500は2100!」 オーラス三本場 健夜(宮永さんがしてきた不可解な鳴き) 健夜(東三局のそれは、おそらく赤土さんの危険性を考えたから) 健夜(南二局は、神代さんの収支を減らすために親被りにさせた) 健夜(唯一わからないのが、南三局の鳴き) 健夜(……今まで亜空間殺法の使い手とは打ってきたけど、宮永さんは違う) 健夜(牌を自分の思うように動かすだ、なんてとても私にだってできない) 健夜(それも、全盛期から力を落とした私には無理……) 健夜(まるで全ての牌が透けているかのようなオカルトと、鳴きで牌を動かす技術) 健夜(オカルトと技術から成る完全結晶) 健夜(それが……) -=ニ二ニ ニ二二二二二二二 二二二二 二二 二二ニ ニ二二二 ニ二二二 ニ二 ニ二二ニ ニ二二  ̄ ____  ̄ニ二二ニ ニニ 二二 ニ二ニ ニ二二二二二ニ 二二ニ ニニ 二二 ニ二 ┐  ̄ニ二二二二ニ= ニ二 二ニ 二二 / /  ̄ニ二二二ニ ニ ニ ニ二二 / / /...-―≠ニア{  ̄ニ二ニ ニ二ニ ニ二 /{ / -=<.. 二ニ 二ニ ニニニ ニ ニ二 二{ ∨ -=く \二ニ ニ二 二二二二 二ニニ 二二〉 / \⌒ ニ ニ二二ニ 二ニニ= 二/ / \ \二ニ ニ 二二ニ ニニ= / / / .⌒丶ニ __二二二二ニ ニ= ⌒i | | | | | | | | |乂__ / . |二二ニニ =ニ ニ二| | | l | | l l | | l | l | l l | ̄/ |二二ニニ ニ二. 二| | | l | l l l | l\从 l | l l l/ /二二ニ 二二二ニニ 二|从 | 从八从乂{´廴}乂 从劜 ./二二二二二ニ 二ニ=- 宮永咲…………!! ニニ. 二二)イ 圦 , ∧/---- __ _/二二二二二ニ 二二ニ= 二ニ= =ニ二 ニ= 二}//> . - . イ /´ ̄∨ ̄ ̄\二ニニ 二二ニニ=ニ二二ニ 二二二 ___∠{ | ̄ _」 ./ l| | |__ 二二二ニ ニニニ ニニニ // ∧ .ー―. /} ___ } リ リ =ニ二二二ニニ 二ニ= =ニニニ ノノ \{ {\ . . /ニ/ l/ ̄\__彡'-- 、 \ニニニ==ニ二二ニ 二二 { {  ̄ハニ、 _ _, .//ニニ/ |ニニニニニニニニニニニ二\ \ニニニ二ニ ニ二 二=/\ ___/二|`ー ‐┼┼≦___} -=ニ三三三三ニ=- \ \二ニニ 二二ニ/ / ̄ ̄ 二八 ,{三三三三三三三≫  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄` \ニニ 二 ´ /二ニ =ニ二二} \三ニ=- ̄{ ̄ ̄ =ニ二二ニ== \ニニ / / 二ニ ニニニニ| \三三三ニ=- __ -=ニ二二二ニ二/ /二ニ= =二 二二ニ _| /≧=====┬=ニ三三三ニ=- ニニニニニニニ. / =ニニ二二 二二二ニニ/ {廴___/´ / ̄ ‘, ___ .... . -――-/ /ニニニ二二二二____. . | \ ___/ --- ‘, / ./ } _ _ _/ ,/ニニニ / ̄ ̄/ / 人  ̄ ̄ / | \  ̄ / / / 咲「ポン」 咲(麻雀が弱くなった京ちゃんのために編み出した技術、プラスマイナスゼロへの点数調整) 咲(勝ちも負けもしない技術) 咲(今回は使い方も違うし、収支もいつも通りのなら-5だけど……) 咲「カン」 咲(みんなのリードを守る、みんなのために戦っているんだ、って思うと) 咲(こんな打ち方でも) 咲「もいっこ、カン」 咲「ツモ」 咲(すごく、楽しい) 咲「1600・2900」 咲(……そう思える) 最終戦決着 一年生 157300 (+200) 二年生 117800 (-17600) 教員 66600 (+19000) プロ 60800 (-1600) 咲「ただいまー」 京太郎「お疲れ、咲」 淡「お疲れー」 穏乃「お疲れ様!」 春「おつかれ様」 咲「咏ちゃんは?」 京太郎「お母さんから電話だ、って出て行った」 咲「そっかぁ……あ、この後チームのみんなに取材したいって」 淡京「「いやーついに来ちゃったかー」」 淡京「「ようやく私(俺)の良さに気付いたってことだね(な)ー」」ウンウン 咲「あはは……仲良いね」 穏乃「……それって、私が出てもいいのかな」 春「……穏乃も私たちの仲間」 咲「穏乃ちゃん、私たちのこと一生懸命応援してくれてたもん、誰も気にしないよ」 京太郎「そうだそうだ、んな暗いこと考えんの穏乃らしくないぜ」 穏乃「……ありがとね、みんな」 淡「ほら早く行こーよ!サキも、シズも、ハルも!」 穏乃「うん!」 咲「確か……こっちだったっけ」 春「……きょうたろう、来ないの?」 京太郎「ん、ああ、咏が来るまで待つよ。春たちは先に行っててくれ」 春「うん」 咏「咲、ごめ……およ?」 京太郎「他はみんな取材行ってるよ」 咏「あー……おっけー」 咏「んじゃあ、京太郎は私のこと待っててくれてたん?」 京太郎「そうだよ、誰か待ってねーとだし」 京太郎「それに……お前のことも聞きたかったし」 咏「……やっぱり、そーゆーことだったんだねぃ」 咏「あいつ、清々荘、戻っていいって言ってくれたぜぃ」 咏「……あと、京太郎くんと仲良くってね」 京太郎「…………」 咏「……京太郎?」 京太郎「よっっっっっしゃぁぁぁぁぁああああ~~~!」 京太郎「これで、これでみんな戻って来てくれた!」 京太郎「ありがとう、咏!」ギュッ 咏「うわっ、はぁっ、いやっ、ちょっ!」カァァ 京太郎「よかった、よかったぁー!」ギューッ 咏「そ、そんなに抱き着かれたら、匂いとか、心音とか、色々聞こえてきてドキドキするだろ!はははは放せよ!」カァァ 京太郎「嫌だーっ!」ギューッ 咏「いい加減にしろー!」カァァ 京太郎「……ごめん」 咏「TPOを考えろよな」 京太郎「咏が戻って来てくれるのが嬉しくて……つい」 咏「…………」 京太郎「怒ってる……か?」 咏「お、怒ってるわけねーだろ!」 . . -――‐- . .. ´ ` .、 / \ / \ / i | . / | | | | . ′ | | | | | | . l | | . l从 ト、 . | | . | l | | . | \ 、_ _|__\ 」 | . | | l | .|_ _; イ  ̄ ̄__ _,)ハ . | . | | | i l i∧ l___ 斗斧i^狄 | . | | | | | ∧ 「苅 V以 } ノ . . .| i . . | まあ、今度やるときは、もうちょっと雰囲気あるときにっつーか…… | | | iハ |i以 ,,, j/ .| | . . | | | | |. l | ,, ' / | | 从 l八 八 八人 v ´} / 八| \__ \|\ \≧ .. .._ ー/ .イ | . Χ⌒ |\ \ -- / _ -‐<※| | \ \__ _ |/⌒>\/斤/...(※)......リ ト、 i\ 「 ̄` /※)..|| /※|...(※/ |../※).....+...// 八..\ . . .| )' /※)...... ||三三三三三三三|...+.../... { /......(※∨ | /※)..... (※||/..+......|※)l.| ∨※./...(※| /....+./.... Ν /※)..(※)..+ /リ.....(※ノ......从{\{...../...(※)....| /...../... (※|. /※)..+.... (※//......... /......./.. ※)...../....... +(※|'... /.... (※)...| /+....(※).. +...〈/..(※)/...+./※)....+../※)..... +........./..※)... +.. | {※).......+......(※∨.......i..... /.+.....(※/+........(※)../...{...+.......(※).|. ∨...(※)+......(※∨... |......{....(※).../....(※).....+...∨{.... (※/ +...| ∨ ...... (※)......+∨. l‐''┴――┴―――――''| .... /...(※|. |...(※)...+.. (※).∨| i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i|..../.. (※).. |. |+........(※)..... +... ‘| i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i il../ ...... (※..| 咏「……知らんけど」プイッ 京太郎「えっ?」 咏「は、早く行くぞバカ!」カラコロ 京太郎「ちょ、待てってー」 咏「るっせーっ、バーカ!バーッカ!」カァァ 咏が清々荘に戻ってくることになりました! 京太郎「春のやつ、黒糖こぼしすぎだろ……」 京太郎「淡も寝そべりながらクッキー食べてるから散らかってるし……」 京太郎「……穏乃はあの恰好でソファに座ってたんだよな……」 そう喉を鳴らしながら、俺は一人で控室を片づけていた たった半日とは言えどお世話になった部屋なんだから綺麗にしないとな 咲たちには先に帰っていてくれ、と頼んでおいたので待っている人もいないだろ 京太郎「っし、終わりっと」 控室から出ると、廊下には誰もおらず、それを照らす蛍光灯が寂しさを醸していた フロントに出てみても、ある程度の照明は落とされていて、祭りが終わった後のような物悲しさを感じる 今夜は清々荘でクリスマスパーティー…… 京太郎「やべっ、早く帰らねえと」 チームのメンバーとはまたいつか飯を食べに行こう、今日はあいつらに予定あるだろうし ゆっくりと開く自動ドアの間から、冬の寒風が吹き込んできて、思わず身を震わせる この時期は迂闊に自転車を使えないから困る、越してきてから使ってないけど などと考えつつドアを通って、顔を上げると…… そこには――――
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悪の組織は永遠!! -- NEGA (2009-06-22 23 48 25) 初です。おねがいします。 -- NEGA 改め タララ (2009-06-22 23 52 22) 楽しい -- 健太 (2009-07-09 20 34 03) 良太郎とイマジンリュウタロスがすき -- 藤田香奈 (2009-08-30 14 19 45) ネガタロスは劇場版の敵の中で一番好きb -- グリーンリバー (2009-09-05 10 21 12) 名前 コメント
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保護猫データベース 2009里親募集すみれちゃんよしくん万里くん2010里親募集くみちゃんめいちゃんトムくんハクくんミィちゃんモモエちゃんユリアちゃん=里親決定=かいくんつかさくんまおちゃんまきとくんりまちゃんオウガくんチヒロくん良太郎くん2011里親募集こすもちゃん=里親決定=
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【種別】 俺、誕生! 登場人物・出演俳優 (登場人物) 【名前】 野上加代子 【よみがな】 のがみ かよこ 【キャスト】 松井涼子 【登場話】 劇場版 仮面ライダー電王 俺、誕生! 1988年の時間の良太郎と愛理の母。31歳 目の前を走るデンライナーを見ても驚かない女傑 【関連するページ】 おばあちゃん 松井涼子
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京太郎「早く部室に着いたはいいが誰もいないな…」 京太郎「ひまだな…」 京太郎「遊ぶか」 京太郎「『遂にここまで辿り着いたか勇シャーよ』」 西「親父の敵をとってやる!魔王め!」 魔王「ふ…しょうがない、本気でかかるとするか…」 西「くらえ!ダブシャー!」 魔王「ぐはあっ!まさか…失われた奥義を使うとは…」 西「今の一撃は効いたようだな、魔王の闇の鎧が崩れていくぞ」 京太郎「『ま、まさか貴様の正体は!』」 ガチャ 咲「きょ、京ちゃん?」 京太郎「よ、よう」 咲「……」 京太郎「……」 京太郎「『お、親父!?』」 咲「!?」 京太郎「……」チラッ 咲(京ちゃんが西を片手に目配せしてくる…) 西「なぜ生きているんだ!?」 咲「せ、『成長したな…我が息子よ…』 西「一体何がどうなっているんだ!」 東「この戦いが終わったらわかるだろう!」 西「俺達は親子じゃないか!」 東「言いたいことがあるなら拳で語れ!」 西(マズイ!俺が和了したせいで親番が親父に!) 東「トンドラ3!」 西「ぐっはああああああ」 西「馬鹿な…攻撃力を上げる魔法ドラを同時に3つ複合だと!?」 東「貴様に技を教えたのは誰だったか思い出せ!」 西「そうだ…俺を育てたのは親父…なのになぜ!」 東「本当の事を教えてやろう!私は貴様の親父などではない!」 西「な、なんだって!?今まで騙していたのか!!」 東「悔しいか?悔しいなら私を殺してみたらどうだ!」 西「きさまあああああ」 西「カン!嶺上開花ドラ4!」 東「ぶふぉおおおおお!満貫だとおおお!!」 西「勝負あったな」 東「くっ…」 ガチャ 和「あ…」 咲「和…ちゃん」 京太郎「……」 和「す、すみません!私邪魔でしたらちょっと外室しますので!」 京太郎「『さあ教えてもらおうか!俺の本当の親父は誰だ!』」 咲和「!!」 和(須賀くんが倒れている東に西を近づけないようにしている…) 咲「『わかった、いつかはこうなる日がくることだろうと思っていたよ』」 咲京太郎「……」チラッ 和(咲さんが倒れている東をゆっくり起こして私に目配せを…) 和「お、『おしゃべりはそこまでだ』」シュッ 東「ぐはあッ!」 西「お、親父!」 東「すまなかった、お前の本当の親父は大魔王發なんだ…」 東「私は大魔王を裏切りお前を本当の子として育てた…大魔王を倒せるのは大魔王の血を引く者のみ」 東「できれば平和に育ててやりたかった、最後に親父と呼んでくれて…本望…だ」ガクッ 西「おやじいいいいいいいいい!!」 南「話は済んだか?」 西「貴様だけはゆるさない!」 南「私は大魔王の手下、大魔王の危機となるものを排除しに来た」 西「貴様を倒せば大魔王に会えるのか?」 南「会えるだろうな…ただし、この私を倒せたらなあ!南タテホンドラ2!!」 西「ぐはああああああああああ」 南「私の最高の攻撃だ…これをくらって立てたものは…」 西「攻撃は…終わりか?」 南「なに!?」 西「親父の愛を受け取った俺にはそんなもの効かない!!くらえ!!カン!カン!嶺上開花ツモドラ8!!」 南「ぬあああああああああああ」 西「ぐっ…何とか倒せたか…だがこれで大魔王と戦える…」 ガチャ 優希「優希ちゃん登場だじぇー!!」 咲「あ…」 和「あら…」 優希「んん?どうしたんだじょ?みんなしんみりして」 京太郎「…」 優希「どーした犬!さては腹が減っているんだな?でもこのタコスはやらないじょ!」 京太郎「……」 優希「うぅ、無反応はちょっと効くじぇ」 和「…」 咲「…」 優希「みんな、何でだれも構ってくれないんだじょ…」ウルウル 京太郎「『ぐっ…残りあとどれくらい戦えるだろうか…』」 優希「!?」 西「村のみんなを中張牌から守るためにも、大魔王を倒さなければならないのに…」 西「目を閉じると思いだす…村の皆の事を…」 咲「『やあ西ちゃんお煎餅食べる?』」 優希「!?」 西「隣に住んでたイーソウばーちゃん」 和「『西坊!お使いか?』」 優希「!?」 西「魚屋さんのチューピンおじさん」 咲和「『西にーちゃん!あそんで!』」 西「俺の可愛い妹達イーワン、イーピン」 まこ「『おかえり、飯できとるよ』」 西「俺のかーさん、東親父の妻チューワン」 西「ペットのチューソウ」 咲「『バウワウ!』」 西「そして昔っから大好きだった北」 京太郎和咲「……」チラッ 優希(村人の自己紹介をしてからのこの目配せ、なるほど!わかったじぇ) 優希「『早く起きろ西!遅刻しちゃうぞ!』」 西「皆の事を考えると力が湧いてくる…」 まこ「『フッフッフ』」 西「この不穏な空気!!貴様が!!」 發「そう、この我輩こそ大魔王發!そして、貴様の父親だ…」 西「うおおおおお!!」 發「まあそう焦るな…貴様にはまずこいつとやってもらう」 優希「『お前が俺の弟か』」 西「なに!?」 發「貴様の兄だ、さあ!楽しい兄弟喧嘩を親にみせてくれ!」 白「悪いが次の大魔王になるのはこの俺だぜ?」 西「何を言っている!俺はそこの大魔王を倒しにきたんだ!!」 白「なんだ、知らないのか?大魔王を倒した者こそが次期大魔王となれるんだぜ」 西「な、なにいいいい!!」 白「隙を見せたな!!ハクハツ三暗刻トイトイドラ3!!」 西「ぐううううああああああああ」 西「あれ…ここはどこだ?」 和「『起きなさい西』」 西(あったかい感じがする…それにどこか懐かしい…) 西「誰だ…あんた…」 中「私は貴方の母親です」 西「なんだって?」 中「話したいことはいっぱいあるけど、貴方はしんではならない…」 中「貴方も兄、白は父の血を濃く引継ぎすぎた…そのせいでとても邪悪な性格を持っている」 西「だから、父親の技をあんな簡単に…」 中「貴方は特別な力をもっている…その力の使い方を教えてあげる…」 西「こ、これは!!」 白「弟といっても大したことなかったぜ」 西「それは、どうかな…」 白「なに!?」 西「みせてやる…俺の力を!!」 發「これは!!」 西「今までの俺の思い出、数々の敵…それらの力を吸収して自分の力に換える!!」 白「なんだ!このオーラは!!」 西「国士無双!!!」 白「ぐああああああああああああ」 發「さて、私との戦いの前に本気を出してしまってもいいのか?」 西「…」 發「それでは最後の戦いをはじめようではないか!!」 西「ぐっ!!」 西(初っ端から飛ばしてきやがった…これは役満クラスの手だ!) 發「どうした!!貴様の国士を目指すには中張牌をきらなければならないのだぞ!!」 西(これを捨てたら負ける…しかし捨てなかったら俺の攻撃は当たらない…どうすれば……) 東「自分を信じるんだ」 九萬「美味しい飯作って待っとるよ!!」 西「親父!?」 中「貴方は正義の心に溢れた子よ」 西「かーさん…」 北「帰ってこなかったら承知しないんだからね!」 西「北…」 西「見つけた…」 發「なに?」 西「一つだけ見つけたよ…お前を倒す方法」 發「面白い…やってみろ!!」 西「ぬおおおおおお!!」タン 發「フハハハハ!!ヤオチュー牌を切っているではないか!それでは我輩に国士はあたらん!!」 西「馬鹿野郎…河を見てみろよ…」 發「何?こ、これは!!」 西「これで完成だ…」 發「しかし!最後のヤオチュー牌を切ることは貴様の死を意味するんだぞ!!」 西「構わねえさ…くらえ…流し満貫!!」 發「ぬおおおおおおおおおおおおおおお」 西「勝った……ぜ」バタッ 久「この戦いで大魔王の血を引く者はこの世から消え去った…彼は自分の命と引き換えに世界を平和から守った」 まこ「そんな彼にいつでも会える場所」 京太郎「彼が命と引き換えに守った場所」 優希「彼を想いつづけた者のいる場所」 咲「彼を育て、成長を見守った場所」 全員「そんな場所清澄高校麻雀部!入部歓迎!」 久「はい、以上麻雀部入部説明会を終わりまーす」 ムロ(こんなんでいいのか!?)ガビーン おわり
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まとめ 始めに 設定 本編 清澄1 清澄2 清澄3 清澄4 永水1 永水2 永水3 永水4 阿知賀1 阿知賀2 阿知賀3 特別編 特別編1 特別編2 特別編3 特別編4 特別編5 特別編6 特別編7 特別編8 特別編9 特別編10 特別編11 特別編12 特別編13 特別編14 特別編15 特別編16 特別編17 特別編18 特別編19 特別編20 特別編21 特別編22 特別編23 特別編24 特別編25 特別編26 特別編27 特別編28 特別編29 特別編30 特別編31 特別編32 特別編33 特別編34 特別編35 特別編36 特別編37 特別編38 特別編39 特別編40 特別編41 特別編42 特別編43 特別編44 特別編45 特別編46 特別編47 特別編48 特別編49 特別編50 特別編51 特別編52 特別編53 特別編54 特別編55 特別編56 特別編57 特別編58 特別編59 特別編60 特別編61 特別編62 本スレ -京太郎「俺の日記」 京太郎「俺の日記」 京太郎「俺の日記」咲「2冊目」 京太郎「俺の日記」照「3冊目」 京太郎「俺の日記」春「4冊目で」小蒔「2週目です」 京太郎「俺の日記」初美「5冊目で」霞「2週目よ」 京太郎「俺の日記」穏乃「6冊目!」憧「3週目ね」 京太郎「俺の日記」玄「7冊目の」宥「3週目だよ~」
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掌の中で意味も無く弄んでいた紫色の小箱の名前が「携帯電話」であると思い出したその瞬間、桐生萌郁の内側で何もかもが終わりを迎えた。 「…………ぁ」 全ての記憶が、取り戻された。 萌郁が生きていたのは、1980年より約30年後の未来。携帯電話が使い物にならない昭和の時代より、ずっと未来のはずだった。 萌郁が背負っていたのは、ラウンダーという肩書き。出版社のアルバイトなんて役割は、ラボメンナンバー005なんて称号は、たった一人のために捨てたはずだった。 萌郁が寄りかかっていたのは、FBと名乗った親代わりの人物。死ぬことすら満足に出来なかった自分が今まで生きたいと思えたのは、あの人がいてくれたからのはずだった。 萌郁が喪ったのは、何もかも。FBのために、芽生えかけた友情を自ら捨てた。そのFBに見捨てられ、拠り所が無くなった。そして空っぽになった胸を穿たれ、生命さえも喪った、はずだった。 こうして全てを失くした桐生萌郁は、今こうして一先ず記憶と生命を取り戻し、奇跡を巡る戦争の当事者となった。 そう。聖杯を掴めさえすれば、何だって叶えられる。失敗してしまった過去をやり直すことくらい。 ……やりなおすって、なにを。 自分がどうして全てを失くしたのかくらい、もう自覚している。 たった一人に依存するしかない惨めな自分を変えようとしなかったから。 居場所を作れない自分自身を変えず、与えられた新たな居場所も大事にしようとせず。 そうして外界から逃げて閉じこもった萌郁の性分が、萌郁自身を殺したのだ。 聖杯に託す願いなんて、見つからない。 もしも過去をやり直したって、二の舞を演じるのが目に見えているから。 今ここに居る自分自身こそが、まさに“時間を遡る力”或いは“過去をやり直す力”を使っても幸せになれなかった末路の証明だから。 過去を変えても、本当の意味では誰とも繋がることが無かった。 「……」 メールを送信してみる。当然のように、エラー。 萌郁の言葉は、誰にも届きやしない。紡いだ文字の並びは、時間という壁に遮られる。 ならば、声は。 「……」 誰も萌郁に見向きもしない雑踏が、目の前に広がっている。 声帯を震わせるを出すのが嫌になる。たどたどしい言葉が聞き遂げられず、理解されずに終わる瞬間が、怖くなる。 それでも。 「……だっ」 一度は携帯電話に頼らず誰かと話してみようと試みたあの時の自分を、取り戻す。 人混みの中、呟く。誰に向けてなのか自分でもわからないまま、声を出す。 誰かに、ただ聞いてほしくて。 桐生萌郁がここにいると主張する行為が、したくて。 聖杯でも変えられっこないだろう惨めな今を、今からでも変えられないかと信じたくて。 「誰か、はなし、きいて」 か細く、小さく、それでも絞り出した声。 それは、喧騒の中に呆気なく溶けていった。こうして、ちっぽけな度胸に任せた行為は無意味に終わる。 本当のところ分かり切っていただけの結末が訪れる。 急に恥ずかしくなって、泣きたくなる。 それで、それで。 「うん。聞くよ」 誰かが、隣に腰掛けた。 大人しそうな、柔らかく響く声。 首を傾けた先にいるのは、その声に似合った印象の青年。 「はじめまして、マスターさん。僕は……『ライダー』です」 この声に耳を傾けてくれる、桐生萌郁のサーヴァント。 ◆ 日が暮れ始める街中、二人で帰路に着きながら。 決して長くはなかった生涯を説明する自らの語り口が、要領を得たものではなかったことくらいは喋りながらでも自覚出来た。 それでも、ライダーは急かすことも無く最後まで聞いてくれた。 そして聞き終えたところで、ライダーは萌郁に問う。問い詰めるということもなく、ただ尋ねる。 「マスターさんは、どうしたいかな?」 しかし、萌郁は何も答えられない。 何かを願おうにも、何を願えばいいのか分からない。 やり直したところで、どうせ何も変わらない。 生き直したところで、きっと何も叶わない。 それでもここで生命を自ら捨てることを選ぶのは、あの時間の中で取り返しのつかない傷を与えた少女に申し訳が無いような気がして。 死んではいけない気がするから生きているだけで、その先が見つからない。 分からないだなんて言うことが許される状況ではないと、分かっているのに。 「私は、」 「うん」 もう、携帯電話には頼れない。頼らない。 電子メールの世界の中だけの饒舌な自分はもういない。ここで意思を伝えるのは、会話が苦手な素の自分。 だから、上手く二の句が継げない。 方針が固まらない、適切な言葉を選択出来ない、二つが合わさって生まれるのは沈黙。 「えっと、」 「…………」 ライダーが温厚な人柄であることは理解している。 そんな彼に、今も甘えてしまっているのだろうか。こうしていれば解答を代わりに提示してくれるかもしれないと。 そんな自分と、いい加減決別したいと思っているのに。 でも、未だに決別できなくて。 「……ぁぁ」 だから。 「ぁぁぁぁああああじれってええええっっ!!」 「っ!?」 突然に威圧的な声を張り上げたライダーに対して、ただただ怯えるしかなかった。 「おいメガネ女! さっきから黙って聞いてればいつまで待たせんだコーヒーとっくに冷めんだろオイ! 分かんねえなら分かんねえってさっさと言えっての、日が暮れんだろーが!」 別人に入れ替わったのではないかと錯覚するほどに、ライダーの全身が奮起していた。心なしか、両の瞳が赤く染まっているようにすら見える。 先程までの穏やかな、サーヴァントの勇名に不釣り合いな弱々しい雰囲気すら見せていた彼が、こうして萌郁に怒りを露わにしている。 ああ、ライダーすら怒らせてしまったのか。 コミュニケーションの不得手故に何度も他者に与えた不快感が、ライダーであっても限界を迎えるほどの物だったか。 そのことを理解し、萌郁の視界の中のライダーが揺らぎ始めていく。 「こっちだってな…………いや、そんな泣きそうな顔すんなよ。お、おい良太郎? これじゃ俺が悪者みたいじゃ……っ!?」 弱り果てる萌郁の様子を見て急に困窮し始めるライダー。 そんな彼は数秒後、突然意識を失くしたかのように首をがくんと落とした。 さらに数秒後、ゆっくりと挙げられたライダーの顔は、先程豹変するよりも前と同じ大人しめな雰囲気を纏っていた。 「えっと、ごめんね? モモタロスがビックリさせちゃって。悪い奴じゃないんだけど、ちょっと荒っぽくて」 そう言って、ライダーは事の顛末を語り出す。 人が変わったようなという比喩ではなく、ある意味では本当に人が変わっていたということ。 ライダーを別人格に変えた者の正体は、ライダーの宝具として召喚された四体の『イマジン』という精神体であること。 ここではないどこかで揃って待っている彼らは実体を持つことが出来ず、基本的にライダーでなければ交信が取れないこと。 その例外が、ライダーの持つ一種のデバイスの使用であること。 「マスターさんも話してみる?」 ライダーから差し出されたのは、一つの小箱。 赤を基調とした奇抜な形のそれは奇しくも、携帯電話。 曰く、通信機能として備えているのは彼らとの電話機能のみであるという。 「……うん」 彼らとは声でしか繋がれないのだと、突き付けられている。 いや、本当は相手が誰であっても声によって繋がるべきなのかもしれない。 そんな当たり前の事実が、やっぱり今でも恐ろしく。 でも。 「もしもし」 『あー……もしもし。なんか、悪かった』 ボタンを押して、着信。 ぶっきらぼうな声で謝るのが聞こえた。 もしかしたら、この声の主が先程の。 『さっきはキレちまったけど、別にお前が迷うの攻めようってわけじゃなくてだな』 「……うん」 『あれだ。良太郎も言ったろうけど、別に今すぐ何か決めなきゃいけねえってわけじゃなくでだな』 「うん」 『それでよ……』 モモタロスという名らしい彼は、どうやら先程の態度を気にしていたらしい。 その声色を聞き萌郁は理解する。 なんだ、話してみるとそこまで怖い人でもないのかもしれないと。 「大丈夫。気にしてない」 だから、何事も無かったことにする。 ほんのささやかな和解で、二人の間の空気が和やかになった、のだろうか。 それは萌郁には分からない。 『やーいモモタロス女の子相手にアワアワしちゃってだっさーい!』 『センパイ、女の子の扱いは大胆かつ繊細にだよ? いきなり爆発してどうすんのさ』 『そう言うなや亀の字。短気なおっちょこちょいなのがモモタロスの売りなんやから』 『……うるせー!! 俺はいじられキャラじゃねえんだぞ!』 『そう思ってるのは桃の字だけやで』 突然喧しくなった声量に、思わず絶句せざるを得なかったから。 ……そういえば、イマジンというのは四人いるのだったか。そして電話口では、その四人が四人とも声を上げているようだ。 圧倒的なボリュームの四重奏に気圧されつつ、それでも通話を切ることなく耳を傾け続けていると、 『萌郁ちゃんだっけ? そういうわけだから、良太郎だけじゃなく僕達でもお話ならいくらでも聴いてあげるよ』 『良太郎と一緒に呼ばれちゃったもんはしょうがないしね』 『……つーことだ。それと、良太郎のこと頼んだぞ。事情は何にしろ俺達全員のマスターだからな』 応援された、のだろうか。 「……うん」と答えたのが聞こえたのか聞こえていないのか確信を得るより前に、通話は切れてしまった。 どうしようかと携帯電話を持ったまま呆けている萌郁を、ライダーがにこにことした表情で見つめていた。 そんな彼のことが、不思議だった。 「どうすれば、」 「えっ?」 彼に尋ねようとして、なの上手く質問として完成させられない。 ただ、少しの時間を通しても感じられた繋がりの深さが、不思議だった。 奇妙な隣人達との、賑やかな日常。 遠い過去、あの研究所の中でもしかしたら得られたかもしれなかった時間にも重なったに思えて。 「マスターさん。願いは、望みは決まりそうにないかな?」 「……うん」 「そっか」 ライダーは、四人の仲間との絆を得た。きっと家族にも、友人にも、恋人にも恵まれた時間を過ごしたのだろうと思えた。 出会ってすぐに、「僕に望みは無い」と萌郁に語ったように。きっと彼は、満たされた生涯を遂げたのだ。 一見すると弱々しい印象を受ける、もしかしたら萌郁に似ているのではないかと一瞬でも期待してしまう彼は、萌郁とは到底異なる未来を得たのだ。 「じゃあ、今は側にいるよ。望みが決まるまで、僕達と一緒にいようよ」 「……どうして、」 そんな彼が、自分に付き合ってくれることが不思議だった。 サーヴァントだから。配下だから。隷属しているから。 そんな理屈、捨ててしまってもいいだろうに。彼本人に何も望みが無いなら、聖杯戦争などドロップアウトしても良さそうなのに。 幸福に終えた人生の延長線上を、社会不適合者と過ごす意味など無さそうなのに。 「どうして、ライダー君は優しくしてくれるの?」 再び視界を揺るがせ、さらに潤ませながら。 ようやく萌郁は、自らの感情の言語化に成功した。困らせてしまうと、分かっているような形で。 目を合わせられずに落ちた視線の先、萌郁の左手の甲で令呪が薄く輝いていた。 「大した理由じゃないよ。困っている人を、放っておけないから」 それは、童話に出てくる主人公達のような言い分。 積極的に人助けに勤しむお人好しの、歴戦の英雄という肩書きの持ち主が吐くには勇ましさに欠ける台詞。 理屈としては乏しく、理由としては単純。 「僕、運が悪いから。その分、誰かが幸せになれないのを見るのも嫌だから。だから、僕達に出来ることをするんだよ」 「……そう」 憐憫や同情の一つも並べ立てることをしない彼の言葉は、しかし偽りを感じさせない。 彼は、萌郁に何かを恵んでくれている。今は共に過ごす時間を、いずれは願いのための力をくれる。 そうして寄り添ってくれるのが、嬉しくて。 でも、ううん、だから。 「……ライダー君。これは、望み、ってほどじゃないけど」 「うん」 「ライダー君に、ここにいてほしい。私が、何かを見つけるまで」 ライダーの方から提案された内容を、萌郁の口で反芻した。 自分の声を響かせて、自分の意思でもあるのだと心に決める。時間制限を敢えて設けて、少し自分を追い詰める。 もう、誰かに一方的ににもたれかかるだけではいけないのだと、今度こそ自分に言い聞かせるために。 たとえくだらなくても、これが、今の萌郁に踏み出せる限りの新たな一歩だった。 「わかった。マスターが何かを決めるの、待つよ」 「その……ごめんなさい。とろくて」 「大丈夫」 こんな自分と話してくれる、一緒に前を向いてくれるライダーの在り方が嬉しくて、羨ましくて。 だから、聖杯への祈りとして唱えるわけでもない、単なる小さな希望が生まれる。 「マスターさん。まだ、時間はあるよ」 これからの時間の流れの中を、今度はきちんと誰かと繋がって生きたい。 たとえば、そう、今こうしてライダーと共に進んでいくように。 もう、変わることを恐れて、明日の自分を見失わないように。 【クラス】 ライダー 【真名】 野上良太郎@仮面ライダー電王 【パラメーター】 通常時 野上良太郎⇒筋力E 耐久E 敏捷E 魔力D 幸運E 宝具A+ デンオウベルト装着による変身時 ソードフォーム ⇒筋力C 耐久C 敏捷B 魔力C 幸運C 宝具A+ ロッドフォーム ⇒筋力C 耐久B 敏捷C 魔力C 幸運C 宝具A+ アックスフォーム⇒筋力B 耐久B 敏捷D 魔力C 幸運C 宝具A+ ガンフォーム ⇒筋力B 耐久D 敏捷B 魔力C 幸運C 宝具A+ プラットフォーム⇒筋力D 耐久D 敏捷D 魔力D 幸運E 宝具A+ デンオウベルト+ケータロス装着による変身時 クライマックスフォーム⇒筋力B+ 耐久B+ 敏捷B+ 魔力B+ 幸運A 宝具A+ ライナーフォーム ⇒筋力C+ 耐久C+ 敏捷C+ 魔力C+ 幸運A 宝具A+ 【属性】 秩序・善 【クラススキル】 騎乗:E/C 騎乗の才能。 『電王』の非解放時はEランクだが、解放時に限りCランクとなる。 対魔力:E/C 魔術詠唱が二節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法など、大掛かりな魔術は防げない。 『電王』の非解放時はEランクだが、解放時に限りCランクとなる。 【保有スキル】 特異点:A+ 極一部の者だけが持つ、時間からのあらゆる干渉を受けない特性。 他者が生じさせた「時間」に異変を生じさせる類のスキル・宝具等の一切の影響が自動的に無視される。 たとえ時間が停止しても、逆行しても、加速しても、改変しても、消滅しても、ライダーはその中で変わらず活動可能である。 気配感知:B サーヴァントまたはそれに類する存在の気配を感じ取る。気配遮断スキルにも対抗可能なスキル。 潜伏中・逃走中の敵サーヴァントを追跡する用途としても効果がある。本人曰く「匂い」で分かるらしい。 ライダーが「モモタロス」単体に憑依されている状態(M良太郎、ソードフォーム)に限り有効となる。 弁舌:B 巧みな話術を駆使することで、交渉や詐術等において有利な判定を得る。 ライダーが「ウラタロス」単体に憑依されている状態(U良太郎、ロッドフォーム)に限り有効となる。 勇猛:C 威圧、混乱、幻惑といった精神干渉を無効化する。また、格闘ダメージを向上させる。 ライダーが「キンタロス」単体に憑依されている状態(K良太郎、アックスフォーム)に限り有効となる。 催眠:D 他の人間を思い通りにコントロールする。既に施されている暗示や催眠の類も、高度な物でなければ無視出来る。 ただし対象には「踊る」以外の行動をさせられず、また少なくともサーヴァントには効果が無い。 ライダーが「リュウタロス」単体に憑依されている状態(R良太郎、ガンフォーム)に限り有効となる。 戦闘続行:A 名称通り戦闘を続行する為の能力。決定的な致命傷を受けない限り生き延び、瀕死の傷を負ってなお戦闘可能。 情けない頼りないと言われる野上良太郎だが、どんな不運にも苦難にも負けない不屈の精神力は誰よりも強固。 ライダーがイマジンに憑依されていない状態(良太郎、プラットフォーム、ライナーフォーム)に限り有効となる。 【宝具】 『記憶の結晶(イマジン)』 ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:- 最大補足:4人 遥か未来から時を超えて現れた精神体にしてライダーのかけがえのない仲間が、再現された宝具として参上した。 今回選ばれたのはモモタロス、ウラタロス、キンタロス、リュウタロスの四体のイマジンである。 彼等は実体を持っておらず、また聖杯戦争においては持つことも出来ない。ゆえに常時発動型の宝具でありながら魔力消費量はほぼゼロ。 普段は四人揃って「ここではないどこか」で待機している。しかしライダーの意識とのリンクによって現実世界の状況は常に把握している。 また現実世界への干渉手段として、ライダーの身体に憑依することが出来る。基本的には、一度に憑依できるのは一体のみ。 『電王/時の守り人(デンオウ)』 ランク:C 種別:対己宝具 レンジ:- 最大補足:1人 デンオウベルトの装着によって変身した戦士「電王」の姿がそのまま宝具とされた。 ライダーに憑依したイマジン毎に対応した以下の五形態へ変身する。 ①ソードフォーム、②ロッドフォーム、③アックスフォーム、④ガンフォーム、⑤プラットフォーム さらに、デンオウベルトにケータロスを追加装着した状態で変身すれば以下の二形態への変身が可能となる。 ①クライマックスフォーム(イマジン四体が同時に憑依した形態。パラメーターが最高値) ②ライナーフォーム(イマジンの憑依無しで変身した形態。保有する中で最高火力の必殺技を持つ) 『時を超える列車(デンライナー)』 ランク:A+ 種別:対軍宝具 レンジ:1~99 最大補足:100人 時の運行を守る鉄道車両型タイムマシン。ライダーの騎乗兵としての象徴とも言える宝具。 路線を空間内に自ら精製するため、地上から空中まで縦横無尽に移動可能。 全体の制御車両であるゴウカ(と付属車両)、戦闘可能な単独車両イスルギ、レッコウ、イカヅチで編成されている。 『電王』解放時にのみこの宝具も解放可能であり、また任意での運行のためには先頭車両内部でマシンデンバードを接続させ、ハンドル操作する必要がなる。 車両そのものがスキル「特異点」の効果を持っているも同然の存在であるため、車両内に搭乗しているライダー以外の者も「特異点」の恩恵を受けることが出来る。 なお、あくまで現在という時間に宝具として一時的に現界させるのみであり、過去や未来への時間移動は不可能。亜空間への突入も出来ない。 車両一両のみならともかく、全車両の召喚となるとライダー単体では叶わないため、この場合はマスターによる令呪一画の消費が必要とされる。 【weapon】 デンオウベルト+ライダーパス 電王に変身するためのベルトと、付帯するパスケース。 変身後にはデンガッシャー等が装備として追加される。 ケータロス ガラケー型のアイテム。通常の携帯電話として使用することは出来ないが、「どこか」にいるイマジンとの交信手段として使える。 電王の強化形態への変身に必要となる。ライナーフォームへの変身にもケータロスがあれば十分となっており、デンカメンソードは必ずしも必要としない。 マシンデンバード ライダーが運転する専用の二輪車。性能は市販の単車より多少良い程度。 乗り回しは単車と大差ないため騎乗スキルが無くても運転は不可能ではないが、素のライダーだけは碌に運転出来ない。 宝具『時を超える列車』の操縦には必須とされる。 【人物背景】 生まれ付きの不幸体質の青年。それ故に他人の不幸は放っておけない性格。 侵略者イマジンとの戦いに偶然巻き込まれるが、逃げることなく立ち向かい続けた。 そして家族や仲間となったイマジン達との繋がり、永遠の絆を掴み取った。 彼の生き遂げた時間は、幸せな記憶で満ち溢れている。 【サーヴァントとしての願い】 仲間や家族に恵まれた幸福な人生を送れたので、個人的な願いは特に無し。 今はマスターさんの力になりたい。僕達に出来ることをしたい。 【マスター】 桐生萌郁@STEINS;GATE 【マスターとしての願い】 誰かと繋がっていたい。 【weapon】 携帯電話 愛用していたガラケー。 聖杯戦争の舞台が携帯電話開発前の1980年であるため、連絡ツールとしては使用不可能。 【能力・技能】 携帯電話のテンキー入力が異常に速い。付いた渾名は『閃光の指圧師(シャイニングフィンガー)』。 工作員ラウンダーとしての経歴があるが、実際にどの程度の実力があるのかは不明瞭。 岡部倫太郎に組み伏せられるのを見るに、そこまで強いわけでは無いのかもしれない。 【人物背景】 未来ガジェット研究所のメンバーであり、非合法組織ラウンダーの構成員。 孤独感の中で死のうとしていた所をFBに救われ、FBのためにラウンダーとして生きるようになる。 しかしFBとの繋がりを断ち切られると共に、その生命を奪われて死を迎えることとなった。 最期に思い出せたのは既に失われた時間、未来ガジェット研究所での記憶であった。 【方針】 分からない。 今はただ、ライダー君と一緒にいたい。 【把握媒体】 ライダー(野上良太郎): TV版全49話の視聴が必須。可能ならば各種映画版も視聴するのが望ましい。 桐生萌郁: 原作ゲーム版またはアニメ版で把握可能。 プレイ動画のアップロードは版権元によって特に厳しく禁止されている。未プレイならばアニメ版の視聴が無難。 アニメ版の第19話~第20話が萌郁メインのエピソードであるため、このエピソードを見れば人柄は大体理解出来る。 なお、原作ゲーム版とアニメ版では細部が異なる点に注意。