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time――out ◆.ji0E9MT9g ◆ 「クソッ……何でこうなるんだよ……!」 時間は少しの間巻き戻る。 志村の犯行自白を聞き届け橘が戦地に向かうのを見た戦士たちが彼の加勢に向かおうとした瞬間に巧が蹲ってしまったのだ。 良太郎がイマジンと契約したのかと巧を訝しげに見る中で、一人事情を知っている士は静かに口を開いた。 「見ての通りだ、こいつの命はもう、消えかけてる」 「何だって……、それはどういうことだ、ディケイド」 思わず掴みかかりそうになる拳を収めながら、フィリップが問う。 それに対しまたも説明を開始しようとした士を制したのは、巧であった。 「そのままの意味だ。俺はもう寿命で、多分何をしてももう何時間もしないうちに死ぬ。……どこまで持つかも、正直分からねぇ」 そう言って、彼は一旦灰の止まった掌を見る。 しかしもうそれが人の形を留めているのすら奇跡といえる状況で、彼が笑顔を浮かべるはずもなく。 それに対しやるせなさに息を吐き出したのは、フィリップであった。 「そんな身体で、ライジングアルティメットと二回も戦ったりしたら……寿命が縮まって当然だ……!」 言われて、巧は思い出す。 人間に捕まりオルフェノクの細胞を破壊し寿命を縮める薬を投与された後に戦った相手は、どれも強大極まりなかった。 オルフェノクとして生きる決意を固めた木場、オルフェノクの王、そしてここに連れてこられてからもテラーにユートピア、ガドルにライジングアルティメット、そしてウェザー……。 そのどれもが万全の装備を備えても勝利を確信できるような相手ではなく、またその戦闘でファイズを、オルフェノクの力を使う度に、彼の寿命は加速度的に摩耗していった。 元々ファイズの鎧を走るフォトンブラッドはオルフェノクにとって害になるものなのだから、弱り切った身体で纏えばそうした副作用が如実に出ても仕方なかったのだ。 しかし彼は文字通り命を燃やし戦い続けた。 その身が崩れ去るその瞬間まで、何かを守るために戦いたい、とそう願って。 しかし、もうそれも叶うまい。 先ほど村上に遭遇した際オルフェノクの力を使い戦闘に至らなかったのは、禁止エリアなど理由ではなく、オルフェノクとして戦えばあそこで寿命を迎えるだろうことを、理解してしまったからだ。 理屈ではなく直感での理解だったが、恐らく間違ってはいない。 その証拠として、今この瞬間に戦闘を介してもいないのにこれほどの灰がこの身から吐き出されているのだから。 『お前らは全員殺す。この世界で唯一、未来永劫生き続け全ての力の頂点に立ち続けるこの俺を、ここまでこけにした礼としてな』 と、ふと戦場に意識を移せば、アンデッドとして真の姿を現した志村が、橘と村上に勝利宣言をしていた。 それを見て、立ち上がろうと突き立てたはずの拳に感覚が宿らない為に大きくバランスを崩しながら、巧は地べたに頬を擦り付けてしまう。 それに士とフィリップが気を取られている隙に、デイパックすら持たぬまま良太郎はジョーカーの下へ走り出して。 「あの馬鹿……ッ!フィリップ、巧を頼む!」 生身のままアルビノジョーカーに立ち向かう良太郎の背を見て、士も続く。 それを見送ったフィリップの横で、巧もまたその消えかける足をしかと地面に突き立てて。 「止めないでくれフィリップ、俺は――」 「――止めないさ」 しかし、止められるのを覚悟した巧に、フィリップはまるでそうして立ち上がることさえお見通しだったように呟く。 その瞳の先にはアルビノジョーカー。 姉を殺した相手の言動に、知らぬ間に先日風都タワーを襲撃した大道克美の姿を、彼は幻視していた。 不死の存在として生きる内、日々人間性を失う代償を負った、NEVERの兵士たち。 そんなものを真に永遠などとフィリップは思えもしなかったし、同時に自分にとっては良太郎の述べる誰かの心の中で生きる永遠の方が余程尊く思えた。 だから同時に、今目の前で命の火を絶やそうとする巧に、その輝きを止める資格なども自分には、ない。 「……すまねぇな」 そんな中、巧はポツリと謝罪を漏らす。 それが何に対する謝罪なのか、フィリップには正直特定できない。 乾巧という人間がそのつっけんどんな言葉の裏に優しさを秘めた人間なのか、少しくらい理解しているつもりだったから。 だから、彼はそれに少し笑みを返しただけで何も答えなかった。 きっと、巧も許しを得ようと口にした謝罪ではないだろうことを、理解していたから。 それを受け、巧は遂に走り出す。 その身体からは止めどなく灰が零れ出ているが、しかしだからといって彼の背中が弱く見えることなど、あり得なかった。 その背中に、仮面ライダー、としての最高のものを見た気がしたから。 ◆ ファイズが放つ未知の粒子迸る紅の剣を、その手に持つ鎌で受け止めるのは、彼に対峙するジョーカーであった。 しかし、数回の打ち合いしか成していないというのに、もうファイズの肩は上がっている。 既に限界を超えたダメージを蓄積した中で寿命をも迎えかけているのだから、それは最早どうしようもなく当然のことであった。 しかし彼の中の闘志は衰えず、むしろ高まっていく。 だがそんな彼と相対するジョーカーは変わることなく嘲笑を浮かべ。 「どうしました、もう限界ですか?“乾さん“」 「――ッ!」 明らかな挑発に対しかけ声一つエッジを大きく凪ぐが、しかし難なくそれを躱されむしろその腹に蹴りを食らってしまう。 それに呻き声を上げる暇もなくその身にヘルファイアの炎が容赦なく降り注いだために、ファイズは大きく吹き飛ばされた。 その身を木に強く打ち付けながら、彼はそのまま力なく座り込む。 そうして目前に徐々に迫り来る白いジョーカーを見やりながら、彼は二人の男を思い出していた。 『――冴子は、僕の妻でね。ここに来る前に少しいざこざはあったけど、賢く美人で、自慢の妻なんだ』 知り合いについて情報を交換している時に、どこか遠くを見ながらしかし嬉しそうにその名を言っていた霧彦のことを。 彼が街と同じほどに愛した生涯ただ一人の伴侶、それをこいつが、殺した。 『あきらは俺の弟子じゃなかったけど、よく知ってるよ。ちょっと融通聞かないこともあったけど、真面目で良い子だった』 イブキにどう言えばいいんだろうなぁとぼやきながらあきらとの思い出を考えるヒビキのことを。 彼が気にかけた友の元弟子で、既に一般人として鬼の道を諦めた、しかし心優しい彼女を、こいつが、殺した。 それを思う度、彼の腕の、既に消えかけたはずの感覚が鮮明になっていく。 そのまま勢いよく顔を持ち上げたかと思えば、彼はジョーカーの振り降ろす鎌をその剣で受け止めた。 限界を超えたファイズの攻撃に狼狽えるジョーカーを気にもとめず、ファイズは自身のドライバーに手を伸ばして。 ――EXCEED CHARGE 瞬間彼の身体を走ったファトンブラッドは、彼の右手に流れ込み、その赤い刀身を一層輝かせた。 それにジョーカーが反応する前に、彼は大きく剣をなぎ払い。 スパークルカットの名を持つ一撃を、デスサイスにぶつける。 それを受け数瞬デスサイスが悲鳴を上げるが、しかしそれすら気にせずファイズはエッジを振り切った。 赤いφの字が宙に浮かぶ中、ジョーカーは苛立ちと共に半分に折れたその得物を投げ捨てる。 それを機とみたかファイズはミッションメモリーをファイズショットに入れ替え、その手につけたファイズアクセルから黒と赤のミッションメモリーを抜き去って。 ――COMPLETE それをファイズフォンに挿入すれば、その身は一瞬で黒の身体に銀のラインの走る戦士、仮面ライダーファイズアクセルフォームのものへと変貌する。 ――START UP 防御力と引き替えに驚異のスピードを得た彼は、傷つき既に限界の身体を、しかし加速してジョーカーに神速の勢いで肉薄。 「――ラァァァァァァッ!!!!」 咆哮と共に縦横無尽に飛び交いそしてその拳を幾度となくジョーカーに放つ。 全ての彼に騙され殺されたものたちの怒りを、その拳に込めるように。 ヒビキという、誰しもを信じ、誰しもが心を開く、誰よりも大人だった男の思いも乗せて。 「いい加減に……しろぉ!」 しかしそれを受けるジョーカーも何時までもただでやられているはずはない。 いきなり周囲を紫の閃光が支配したかと思えば、それは辺りを爆炎で包み込む。 それはまるで、自分がその神速の勢いについていけないなら、全てを破壊すればいいと言わんばかりの乱雑な攻撃だった。 しかし、それは少なくとも攻撃のみに神経を振り絞っていたファイズが相手のこの状況では、有効であった。 ただでさえ薄くなったアーマーの、その奥のコアに衝撃が直接到来して、ファイズは形容しがたい悲痛な叫びを以て大きく吹き飛ばされた。 強かにその身を地面に仰向けに横たえながら、その身を通常のファイズのものへと変えて。 まだ倒れるわけにはいかない、まだ諦めるわけにはいかないとそう感じながらも、抗いがたい睡魔に襲われて。 巧は、遂にその瞳を閉じた。 ◆ ――目を覚ますと、そこは緩やかな斜面をした緑の大地であった。 それは確かに自分がこの場に連れてこられる前、真理と啓太朗と共に寝転がっていた河原の土手。 今までの全てが夢だったのか、と巧が混乱しつつも、ここは本当に気持ちの良い場所だと、その心地よさのままにその目を閉じかけるが、しかしそんな彼に対し降ってくる声が一つ。 「――乾君、良い場所を知っているものだね、ここは風都のように良い風が吹く」 ふと声のした左側に視線を移すと、そこには既に灰になり風になったはずの霧彦の姿。 どうしてお前が、そんな投げかけを本来ならするべきだろうが、それをする気にはなれなかった。 「あぁ、たまにはこうして地に寝そべり天を見上げるのも悪くない」 右側から聞こえた声に振り向けば、そこには自身や霧彦と同じく仰向けに寛ぐ天道の姿。 既に死んだものたちが何事もないように自分と会話していることをしかし不思議に思うこともなく、彼は導き出した一つの答えを口にする。 「死んだのか、俺」 遠い目をしながらそう呟くと、しかし心のどこかがすっと軽くなるのを感じた。 もうこれ以上誰かの為に戦う必要もない、痛い思いも、辛い思いもしなくていいのだと。 「――本当に、それでいいのか?」 天道が、自分の心を見透かしたようにそう問う。 その顔はいつもの彼のように自信満々といった様子ではない。 ただ、本当に問うているのだ、自分の覚悟が、その程度のものだったのか、と。 それに対し、巧は黙って空を見上げる。 多くの人を騙し殺したあの悪魔は、許されざる邪悪だ。 しかしそれに負けて死んでしまった自分が、これ以上何か出来るとでも言うのか。 あれだけ頑張ったのだからもう休んでもいいではないか、と生前には抱くことのなかったような思いを顔に浮かべつつ、しかしそれを口にはしない。 それを口にした瞬間全てが終わってしまう気がしたのはもちろん、それだけでは終わらない自分が確かにいるのを感じたから。 「乾君、君が今死んだら、僕のスカーフはどうなるんだい?一体誰がそれを洗濯するなんて思うんだ?」 黙りこくる巧に、霧彦が起き上がりつつそう問う。 その顔には笑顔が浮かんでいたが、それは彼を嘲るものでなく、彼の出す答えが分かっているための悪戯な笑顔に見えた。 それを横目で見やりつつ、しかし巧は何も言わず寝そべるまま。 「――お婆ちゃんが言っていた」 そんな巧に降ってくるのは――あぁ、見なくてもわかる――その人差し指を天に向け、儚げな表情を浮かべた天道の声。 「人に足が生えているのは、天に少しでも近づこうと努力した結果だ、もし地に伏せ空を見上げるだけでは、天に届くことはない、ってな。――お前も俺の夢を継いだなら、立ち上がれ、乾」 お前が天そのものだって言いてぇのかよ、と相変わらず主語の大きい彼の言葉をしかしどこか微笑ましい気持ちで受け止める巧。 彼は黙ったままだったが、しかしその顔には先ほどのような緩やかな死に対する思いは見られなかった。 「あーあ、ったく少しの間寝させてもくれねぇってのかよ」 がばっとその身を一気に起き上がらせながら、巧はぼやく。 その髪をぼさぼさと掻きむしって、その手に灰がついていることに、最早何も感じぬままに。 「心配するな、これで終わりだ。それが終われば、彼女にも会える」 達観したようにそう呟く天道の声を聞きながら、彼の意識はぼやけていく。 いや、むしろ急速に浮上して言っているという方が、正しいのか。 ともかく、天道の言う彼女、というのが誰なのか、思考の纏まらぬままに彼はその瞳を閉じかけて。 ――巧! ◆ もう一度目を覚ましたとき、そこにあったのは先ほどとは違って冷たい大地と戦闘による嗅ぎ慣れた、しかしいつまで経っても嫌悪を覚える臭いだった。 その身を先ほどより何倍も重く感じながら、しかし確かに起き上がると、目前のジョーカーは今度こそ恐怖にも似た声を上げてファイズを見やる。 橘朔也に、乾巧、呆気なく刈り取れると思ったはずの命が、何故こうまで自分の邪魔をし続けるのか、何も理解できないと言わんばかりに彼は狼狽する。 その姿に仮面ライダーの何たるかを深い部分で理解していなかったと判断できて、巧は思わず彼を笑った。 「何が可笑しい……もう死にかけの分際で、全てを支配し永遠に生き続けるこの俺を……笑うなぁ!」 それに怒りが爆発したのか、ジョーカーは猛進する。 先ほどまでの冷静さを、どこかに置き去りにしたように吠える彼を前に、ファイズは手首をスナップさせるのみ。 思い切り振りかぶったジョーカーの拳を刹那で躱しながら、ファイズはその右手を強かに彼の腹に放った。 呻き声と共に緑の血を吐き出す彼を前に、ファイズはその手にポインターを持ちながら、ふと思い出したことを口にする。 「――そういやお前、真理がお人好しって言ってたっけな」 その言葉は先ほど自分が村上に対して放った言葉だったはずだ、とジョーカーは思い出す。 しかし何の脈略もなく放たれたその言葉に、彼はただ困惑を残して。 「あの女はなぁ、お人好しなんかじゃねぇんだよ。俺が猫舌なのを知ってて夕飯に鍋焼きうどんを出してくるような、意地の悪い女なんだ」 「……何が言いたい?」 どこか遠くを見ながらぽつりぽつりと漏らすファイズに、思わずジョーカーは問う。 しかしそれを気にもせず、彼はドライバーに手を伸ばした。 ――EXCEED CHARGE 再び放たれた電子音声と共に、高まりゆくエネルギーを感じながら彼は妨害せんと近づいたジョーカーを殴り飛ばす。 今までを大きく超えるようなその拳のダメージにジョーカーが呻く中、彼は大きくその身を飛び上がらせて。 「――あいつを何もしらねぇくせに、偉そうにあいつを語ってんじゃねぇ!!!」 かけ声一つ、その右足を真っ直ぐにジョーカーに向けた。 瞬間、彼の身体を赤い円錐と共にファイズが貫いて。 その白の身体に大きくφの記号を浮かび上がらせながら、死神ジョーカーは、遂にその身をゆっくりと倒した。 ◆ 「……ぐっ」 呻き声と共に仰向けに横たわるのは、この場で志村純一、正義の仮面ライダーを名乗ったアルビノジョーカーであった。 自身の正体が村上にばれた時彼は、この場で殺せるだけの人間を殺してすぐに離脱することを考えた。 その場に現れた橘に負けはないと確信を持って挑んだが、勝負は痛み分け。 どころか手にするナイトの鎧がギャレンのそれを本来大きく凌いでいることを考えれば、負けを認めなくてはならないもので。 それは橘という男を長年見下し続けてきた彼には心底納得のいかないものだった。 故に彼だけでも殺す決意を以て本来の姿に変じたが、そこに野上良太郎が現れた。 自分が永遠の存在である、という言葉を否定し剰え生身で自分を押し倒した彼に苛立ちを募らせればそこに門矢が現れ、次は乾巧だ。 とはいえ既に灰を吐き出し見るからに死に体だったために容易に殺すことが出来るだろう、最低限彼と橘、村上を始末してこの場を去ろうと考え、戦闘を開始したのだが。 その結果が、これだ。 ほぼ万全に近い装備を得ながらの敗北に、彼は全く理解の追いつくことが出来なかった。 と、ふと視線を動かせば、そこには自身をこの状況に追い込んだ村上の姿。 「何の……用だ」 息も絶え絶えにそう彼に問いかけると、村上は自分を興味深げに見つめ。 「あなたの敗因はたった一つですよ、志村純一」 そう言い放った。 自分の敗因などという言葉に、志村はただ困惑する。 そんなもの、自分が彼らの実力を見誤ったとも思えないし、彼には一切理解の追いつかない部分であった。 「――あなたは、もっとも怒らせてはいけない男を怒らせてしまった……、ただそれだけです」 それが、自身を打ち倒した乾巧のことなのか、自身のペースを掻き乱しナイトを打ち破る大金星を上げた橘朔也のことなのか、それともそもそも彼らと戦う状況にまで持ち込んだ村上自身のことなのか。 そのいずれかは全く見当のつかないものの、彼はそれ以上村上に問うことも出来なかった。 パキン、と気持ちの良い音が響いた後見覚えのある緑の光に自分が包まれ、その意識を深い闇の中に、彼の身体は封印のカードの中に押し込められたのだから。 それを静かに拾い上げながら、村上はゆっくりとその場から踵を返し静かに離れていくのだった。 ◆ 志村純一がその身をカードの中に封じ込められたのを見て、フィリップは姉の敵が取られたことを実感する。 出来ればこの手で討ち取りたかったが、士から事情を聞いた巧の戦いを、自分が汚すわけにもいかないとそう思い、その戦いを見守ることにしたのだ。 戦いが終わってもなおただ天を見上げるのみで立ち尽くすファイズに近づきながら、フィリップは慎重に言葉を選ぶために思考を巡らせ続ける。 「巧……お前は――」 「言うな門矢、何も言わなくて良い」 しかしそんなフィリップより先に、かけるべき適切な言葉が見つからないながらにその口を開いた士を、ファイズは止める。 その少しの動作だけでファイズの鎧でも抑えきれぬほどの灰が全身から吐き出されて、事情を聞いていない橘にも彼に先はないことを察することが出来てしまって。 誰もが黙り続ける沈黙の中で、しかしファイズはゆっくりとその顔を上げた。 「お前らに、夢……ってのはあるか」 唐突ながら聞いたそれは、その実問いではない。 ただ彼らの胸に自分自身が聞けばそれでいい、そんな言葉であった。 「俺は、他人からたくさん夢を託されてきた。例えば、霧彦とかな」 言いながら自身の懐より彼のスカーフを取り出したファイズは、それをフィリップに手渡す。 そのスカーフには幾分か灰がついていたが、しかしフィリップはそれを払うことはしなかった。 「フィリップ、このスカーフを洗濯してやってくれ。そしてお前の街で、一番良い風が吹くところにおいてやってほしい。それが、あいつの夢だった」 「当然だ、任せてくれ」 真っ直ぐな瞳で、しかしその眼を赤く充血させ潤わせながら言う彼を見て、ファイズは少し笑った。 それがなお悟った人間の笑い方のように見えて、フィリップは思わず彼を直視できなくなってしまう。 それを気にする暇もなく、彼は今度は士の方へ振り向いて。 思えば短い間の仲だったが、色々知った口を聞かれ様々なことを思った男だった。 こいつが破壊者だとしても、信じようと決めた自分を泣かせぬ為にも、彼は一歩進む。 「それからこれは、天道総司って男の夢だ。あいつと同じ顔をした、黒いカブトに変身する男に伝えてくれ。アメンボから人間まで、全ての命を平等に守る、それが天道の夢だってな」 「――あぁ、わかった」 返答に僅かに時間を要したことを少し気がかりに思いながら、彼は最後にそこにいる全員の顔を見渡す。 フィリップ、士、橘、良太郎。全員、善良な仮面ライダーであるはずだ。 少なくともこの中に志村のような正義を利用する邪悪は存在しないと、彼は信じたかった。 だから、継いでもらおう。 自分の夢も、彼らになら任せられるから。 「それから、世界中の洗濯物が真っ白になるみたいに、皆が幸せになれるように。……これが俺の夢だ。お前らに、後を任せたい」 そう言って目を閉じかけて、もう一つ夢を思いつく。 どうせ最後なのだから、少しくらい臭い台詞も悪くない、とそう感じて。 「そして、皆の夢が、きっと叶いますように――」 そこまで言うと、彼の身からファイズの鎧は失せていく。 変身制限を迎えたために、その役目を終えたのだ。 しかしそのフォトンブラッドによる輝きが消えた後、そこにいるはずの巧の姿はもう存在しなかった。 灰の山に置き去りになったファイズドライバーと首輪を見て、しかし誰も泣いたりはしなかった。 彼という男が自分たちに残した夢の意味を、これ以上ないほど分かっているつもりだったから。 風にさらわれていく灰はいずれ、彼の友が愛した街や天にも届くと、そう確信できたから。 ◆ 「なるほど、ここにカイザドライバーがあったのですね」 乾巧の死にただ一人その場で向き合わなかった男、村上は少し離れたGトレーラーで自身もよく知る王を守るためのベルトの一本を見つける。 草加雅人に支給されていただろうそれに全てのツールを取り付けながら、他の支給品に目を移そうかと考えたその時。 「――ここで、何してるんですか」 ふと、後方から訪れた声に振り向いた。 そこには、未だイマジンも取り付いていない生身の野上良太郎の姿。 それを視認しながらも、しかし彼は別段驚いた様子もなかった。 「貴方がここにいると言うことは、乾さんは逝ってしまったんですね」 ゆっくりと空を見上げた彼に、良太郎は警戒の目を向け続ける。 その手には自分のデイパックの他にもう一つを持ち合わせているようで、恐らくは村上のものだろうことが把握できた。 自分に届けに来たのだろうそれを受け取ろうと手を伸ばせば、良太郎は抵抗するようにその手を引っ込める。 恐らくはこんなところで単身行動していたことを彼は訝しんでいるのだろう。 それに気付いたのか、村上はいつものようにふっ、と笑ってGトレーラーより舞い降りた。 「心配しなくとも、このドライバーを秘匿するつもりなどありませんよ、私は志村純一とは違い、皆さんを出し抜くつもりなど少しも持ち合わせてはいない」 恐らく問題なく私のものと認められるでしょうしね、と意味深な言葉を続けながら、彼はカイザギアを手に垂らす。 それを見てもなおデイパックを渡そうとしない良太郎に困惑の表情を向けると、彼はその瞳を先ほどと同じく真っ直ぐ向けた。 「何で、乾さんが死ぬとき、そばにいなかったんですか」 その声は、静かな怒りに燃えている。 彼の死に際にこんなところで自分の戦力を確保している動きが単純に気に入らなかったということか、と村上は思い至った。 その程度のことで、とも思うが、しかしここで彼の機嫌を損ねれば今後自分の主催戦での立場も危うい。 それは新たに抱いた自分の方針にも背くことになる、と彼は一つ息を吸い込んで。 「彼が死ぬ間際に私がいる必要はないからですよ、それに――」 「あなたが乾さんと敵だからですか?あんなになってまで戦ったのに、その人が死ぬときまで、あなたは彼を憎んでたんですか?」 記憶。 それは人と人を繋ぐなによりも大事なものだ。 電王として戦い、また記憶を犠牲に戦う侑斗を目にして、その思いは良太郎の仲で非常に大きいものになった。 だから、その人を覚えている人の記憶は、一つでも良いものを持っていて欲しかった。 例えば死に際に残した言葉などは、その人の人となりを表すようなものだ。 だからそれを聞かずもしも村上が巧を恨み続けているというのなら、それは絶対に彼にとって許せないことであった。 しかしそれを聞いた村上は何も思うところはないようにいつものような凜とした顔をしている。 それに思わず良太郎は声を荒げそうになって、しかし村上はそれを制しゆっくりと話し出した。 「――あなたは何か勘違いをしているようだ。確かに彼と私の間には深い確執がありました。しかしそれはお互いの信念に基づくものだ、それが消える死の後にまで、私は彼という有能な同族を憎んだりはしない」 「なら、なんで……」 「私がいては、彼が笑顔で逝くことが出来ないからですよ」 村上は、臆面もなく告げる。 それに呆気に取られた良太郎を気にも留めず、彼は良太郎を真っ直ぐ見据えて。 「人は泣いて産まれてくる。それは仕方のないことですが……しかし死の瞬間の表情を決めるのはその人自身だ。私は、死の瞬間浮かべる表情にこそその人物の全てが現れると思っている」 自身の人生哲学を語る彼に、良太郎は何も言えない。 それを見ながら、しかし村上は続ける。 「私の信頼に応え志村純一を打ち倒した乾さんは、上の上たる存在だ。そんな存在が死に際に私の顔を見てその表情を曇らせるというのなら、私はその死に際から潔く去りましょう」 彼の言い方からすれば死に際の志村の前に現れたのはその逆という意味か、と良太郎は思うが、ともかく。 そこまでを一気に言い切って、村上は息をつき、しかしまた顔を持ち上げた。 「――乾さんは、笑顔で逝きましたか?」 「わかりません、最後まで、変身していたので……」 「そうですか」 短く答えた村上は、そのままゆっくりと廃病院の方へ足を進めようとする。 良太郎の手から力なくぶら下がるデイパックを受けとり、その中にカイザギアとオーガフォンを詰め込んで。 「――あの!」 その背中に、思わず良太郎は叫ぶ。 それに思わず振り返りながらも、村上は意外そうな表情を浮かべた。 「何ですか、野上さん」 「何で貴方は人間とオルフェノクの共存を考えたりしないんですか、そんなにオルフェノクに優しいなら、人間と戦わない道を探すことだって――」 「――我々に戦争以外の道はない」 どこまでも甘い良太郎の言葉に対する村上の言葉は、先ほどよりも強かった。 そこに揺るがぬ彼の持つ正義を感じて、思わず良太郎は怯んでしまう。 そんな彼を見て「もう結構ですか?」と踵を返し廃病院に向かう彼を見やりながら、しかし良太郎は彼を悪と断じることは出来ぬままで。 「それでも、僕は信じたい。貴方のことも、オルフェノクと人間が共存できるってことも」 誰からも甘いと断じられそうな危うい思考を抱きながら、しかしその瞳に誰より強い意志を抱いて、彼は村上の後を追うように駆け出した。 もう、誰も死なせたくないと決意を新たに抱いて。 誰よりも弱い彼は、しかしそれでも諦めず何かを救うために今日も走るのであった。 【乾巧@仮面ライダー555 死亡確認】 【志村純一@仮面ライダー剣 封印】 【残り20人】 【二日目 深夜】 【E-5 病院跡地】 【門矢士@仮面ライダーディケイド】 【時間軸】MOVIE大戦終了後 【状態】ダメージ(中)、疲労(中)、決意 【装備】ディケイドライバー@仮面ライダーディケイド、ライダーカード一式@仮面ライダーディケイド、ディエンドライバー+ライダーカード(G3、サイガ、コーカサス)@仮面ライダーディケイド 【道具】支給品一式×2、不明支給品×2、ケータッチ@仮面ライダーディケイド、キバーラ@仮面ライダーディケイド、 【思考・状況】 基本行動方針:大ショッカーは、俺が潰す! 0:どんな状況だろうと、自分の信じる仮面ライダーとして戦う。 1:巧に託された夢を果たす。 2:友好的な仮面ライダーと協力する。 3:ユウスケを見つけたらとっちめる。 4:ダグバへの強い関心。 5:音也への借りがあるので、紅渡を元に戻す。 6:仲間との合流。 7:涼、ヒビキへの感謝。 8:黒いカブトに天道の夢を伝えるかどうかは……? 【備考】 ※現在、ライダーカードはディケイド、クウガ、ファイズ、ブレイド、響鬼の力を使う事が出来ます。 ※該当するライダーと出会い、互いに信頼を得ればカードは力を取り戻します。 ※参戦時期のズレに気づきました。 ※仮面ライダーキバーラへの変身は光夏海以外には出来ないようです。 ※巧の遺した黒いカブトという存在に剣崎を殺した相手を同一と考えているかどうかは後続の書き手さんにお任せします。 【橘朔也@仮面ライダー剣】 【時間軸】第42話終了後 【状態】ダメージ(大)、疲労(大)、精神疲労(中)、仲間の死に対しての罪悪感、自分の不甲斐なさへの怒り、クウガとダグバ及びに大ショッカーに対する恐怖(緩和)、仲間である仮面ライダーへの信頼、仮面ライダーギャレンに1時間45分変身不能、仮面ライダーザビーに1時間50分変身不能 【装備】ギャレンバックル@仮面ライダー剣、ラウズカード(ダイヤA~6、9、J)@仮面ライダー剣、ラウズアブゾーバー@仮面ライダー剣、ガイアメモリ(ライアー)@仮面ライダーW、、ザビーブレス@仮面ライダーカブト 【道具】支給品一式×4、ゼクトルーパースーツ&ヘルメット(マシンガンブレードは付いてません)@仮面ライダーカブト、ディスクアニマル(アカネタカ)@仮面ライダー響鬼、変身音叉・音角@仮面ライダー響鬼 【思考・状況】 0:仮面ライダーとして、人々を護る。 1:まずは今後の方針を考える。 2:乾に託された夢を果たす。 3:首輪の種類は一体幾つあるんだ……。 4:信頼できる仲間と共にみんなを守る。 5:小野寺が心配。 6:キング(@仮面ライダー剣)、(殺し合いに乗っていたら)相川始は自分が封印する。 7:出来るなら、始を信じたい。 【備考】 ※『Wの世界万能説』が誤解であると気づきました。 ※参戦時期のズレに気づきました。 ※ザビーゼクターに認められました。 ※首輪には種類が存在することを知りました。 【フィリップ@仮面ライダーW】 【時間軸】原作第44話及び劇場版(A to Z)以降 【状態】ダメージ(中)、疲労(中)、照井、亜樹子、病院組の仲間達の死による悲しみ 、仮面ライダーサイクロンに1時間45分変身不能 【装備】ガイアドライバー@仮面ライダーW、ファングメモリ@仮面ライダーW、ロストドライバー+(T2サイクロン+T2エターナル)@仮面ライダーW 【道具】支給品一式×2、ダブルドライバー+ガイアメモリ(サイクロン+ヒート+ルナ)@仮面ライダーW、メモリガジェットセット(バットショット+バットメモリ、スパイダーショック+スパイダーメモリ@仮面ライダーW)、ツッコミ用のスリッパ@仮面ライダーW、エクストリームメモリ@仮面ライダーW、首輪(北岡)、首輪の考案について纏めたファイル、工具箱@現実 、首輪解析機@オリジナル 、霧彦のスカーフ@仮面ライダーW 【思考・状況】 1:大ショッカーは信用しない。 2:巧に託された夢を果たす。 3:友好的な人物と出会い、情報を集めたい。 4:首輪の解除は、状況が落ち着いてもっと情報と人数が揃ってから取りかかる。 【備考】 ※バットショットにアルビノジョーカーの鮮明な画像を保存しています。 ※鳴海亜樹子と惹かれ合っているタブーメモリに変身を拒否されました。 ※T2サイクロンと惹かれあっています。ドーパントに変身しても毒素の影響はありません。 ※病院にあった首輪解析機をエクストリームメモリのガイアスペース内に収納しています。 【野上良太郎@仮面ライダー電王】 【時間軸】第38話終了後 【状態】強い決意、疲労(中)、ダメージ(中)、仮面ライダー電王に1時間45分変身不能 【装備】デンオウベルト&ライダーパス@仮面ライダー電王、サソードヤイバー@仮面ライダーカブト 【道具】支給品一式 【思考・状況】 基本行動方針:モモタロスの分まで、皆を守る為に戦いたい。 0:極力自分の力で、自分に出来る事、やるべき事をやる。 1:まずはここで情報を交換したい。 2:巧に託された夢を果たす。 3:リュウタロスを捜す。 4:殺し合いに乗っている人物に警戒 5:相川始を警戒。 6:あのゼロノスは一体…? 【備考】 ※変身制限について把握しました。 ※ハナが劇中で述べていた「イマジンによって破壊された世界」は「ライダーによって破壊された世界」ではないかと考えています。確証はしていません。 ※キンタロス、ウラタロスが憑依しています。 ※ブレイドの世界の大まかな情報を得ました。 ※現れたゼロノスに関しては、桜井侑斗ではない危険人物が使っていると推測しています。 ※冴子から、ガイアメモリと『Wの世界』の人物に関する情報を得ました。 ※ただし、ガイアメモリの毒性に関しては伏せられており、ミュージアムは『人類の繁栄のために動く組織』と嘘を流されています。 【村上峡児@仮面ライダー555】 【時間軸】不明 少なくとも死亡前 【状態】ダメージ(中)、疲労(中)、バードメモリに溺れ気味、ローズオルフェノクに1時間45分変身不能 【装備】オーガギア@劇場版 仮面ライダー555 パラダイス・ロスト、カイザギア(ドライバー+ブレイガン+ショット+ポインター)@仮面ライダー555 【道具】支給品一式、バードメモリ@仮面ライダーW 不明支給品×1(確認済み)、ラウズカード(アルビノジョーカー)@仮面ライダー剣 【思考・状況】 基本行動方針:殺し合いには乗らないが、不要なものは殺す。 1:人は許せない、がここでは……? 2:まずは情報を交換したい。 3:乾さん、あなたの思いは無駄にはしませんよ……。 4:世界の破壊者、という士の肩書きに興味。 【備考】 ※変身制限について把握しました。 ※冴子から、ガイアメモリと『Wの世界』の人物に関する情報を得ました。 ※ただし、ガイアメモリの毒性に関しては伏せられており、ミュージアムは『人類の繁栄のために動く組織』と嘘を流されています。 ※オーガギアは、村上にとっても満足の行く性能でした。 ※今後この場で使えない、と判断した人材であっても殺害をするかどうかは不明です。 【全体備考】 E-5エリアに志村純一のデイパックと首輪、乾巧のデイパックと首輪が存在しています。 117 time――rebirth 時系列順 118 師弟対決♭キミはありのままで(前編) 投下順 門矢士 123 決める覚悟 乾巧 GAME OVER 村上峡児 123 決める覚悟 野上良太郎 橘朔也 志村純一 GAME OVER フィリップ 123 決める覚悟
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良子「お疲れ、グッドタイムだったよ」 竜華「お疲れ様でした!」 京太郎「お疲れ様でした」 おっさま「お疲れさ~ん」 良子「清水谷、さんは良い打ち手だ、選考会を楽しみにしているよ」 竜華「は、はい!」 良子「そうだ、須賀くんに伝えることがあったんだ」 京太郎「はい、なんですか?」 良子「近畿A、つまり大阪選抜チームのプラクティスは府の上位三校と合同で行われる」 良子「君はその練習に参加してくれ」 京太郎「え、いいんすか?」 良子「男子個人戦チャンピオンを利用しない手はないからね」 良子「それに……一人ぼっちは寂しいだろうし」ボソッ 京太郎「なるほど、了解です!」 良子「グッド、それでは私は失礼するよ」 竜華「お疲れ様でした!」 良子「ははっ、それはさっき聞いたよ」 竜華「あっ……」カァァ カランコロン 京太郎(戒能さんの人見知りも治ってきたのか?) 京太郎(まあ何にせよいいことだな)ウンウン 竜華「あぁ~緊張した~」グデー 竜華「あはは、強すぎるわ、なんなんあれ」 京太郎「昨年の新人王ですからね」 竜華「しんどいなぁ……はっ!」 竜華「忘れとった!」ガサガサ 京太郎「どうしたんすか?」 竜華「勉強せんと!もうすぐ期末なんや!」 京太郎「……あ」 京太郎「俺もいいですかね?」 竜華「京くんも試験なん?」 京太郎「そろそろ中間が」 竜華「ほな一緒に勉強しよか!はよ行こ!」 竜華「――――っと」 京太郎「なるほどなるほど~」 竜華「ここは――して――すれば……」 京太郎「へぇ、なるほど!」 京太郎「今日はありがとうございました!」 竜華「うん、また誘ってくれれば手伝うで!」 京太郎「でも、そうすると竜華さんの時間が無くなるじゃないですか」 竜華「ええってええって、ウチと京くんの仲やろ?」ニコッ 京太郎「あ……はい」 竜華「ん?どうしたんや?」 京太郎「あっ、いえなんでもないですよ!」 京太郎(ちょっと見惚れてた、なかなかの破壊力だよな……) 竜華「そっか、何かあったらウチに相談してな、先輩やし!」ムネハリッ 京太郎「」ブフォッ 竜華「あれ?京くん?鼻血!?」 竜華「京くん、京くーん!」ユッサユッサ 京太郎(お、おお、真横でおもちがががが)ブフォッ 竜華「京くーーーん!」 京太郎「もう夜、か」 ヴーッ ヴーッ 京太郎「メール?」 恭子『主将に教えてもらったんで送りました、登録よろしく』 京太郎「末原先輩からか、そういえば霜崎さんは大丈夫だったんだろうか……?」 京太郎「そういえば竜華さんも試験が近いんだよな」 京太郎「ということは泉の試験も近いというわけ、か」 京太郎「一緒に勉強したいな、やっぱり竜華さんとかエイスリンさんとかだと迷惑になっちゃうし、少しでも年が近い方がいいし」 京太郎「できれば千里山で……ぐふふ」 京太郎「さーて、なんて送ろうかな」ピッ 京太郎「ん?」 『今度学校にお邪魔していいですか?』 京太郎「……あれー」 京太郎「なんで送っちゃってるのかな俺の心の声」 京太郎「なんで敬語になってんのかなー」 京太郎「これってまずいんじゃ……」 京太郎「いや、でも案外――」 泉『図書室ならだれでも入れますからそこで勉強しましょう』 京太郎「って返ってくるかもしれないな」 京太郎「うん、賭けてみよう」 ヴーッ ヴーッ 京太郎「お、来た」 泉『そ、それはそこまでして私に会いたい、ってことなんですか?』 泉『せやったら嬉しいですけど、さすがに学校はダメです』 京太郎「真面目だな、おい」 京太郎「会いたい、ってことは泉も俺と一緒に勉強したいってことなんだろうな」 京太郎「このまま勉強の約束するか?」 京太郎「それとも無難に話して終わらせるか?」 京太郎「やっぱり少しでも勉強をしておきたいよな」 京太郎「いつ誘おうかなー」 京太郎「図書館の人に結構目を付けられてるから、なるべく家とかでやりたいよな」 京太郎『じゃあ来週の月曜日に泉の家でいいか?』 京太郎「俺の部屋に連れ込んだら誰に何言われるかわからないし、これでいいだろ」 京太郎「送信っと」ピッ ヴーッ ヴーッ 泉「……こ、これって」 泉「京太郎くん積極的やろ……いきなり家で、なんて」 泉「どうしよ……図書館辺りが無難やんな」 泉「……えい!」 ヴーッ ヴーッ 京太郎「お、返って来た」 泉『さ、さすがに家はどうかと』 泉『図書館でええですか?』 京太郎「……まあしょうがねえか」 京太郎『了解、国麻頑張れよ』 京太郎『泉なら大丈夫だから』 京太郎『んじゃ、またな』 京太郎「よし、これで完璧」ピッ 京太郎「そろそろ寝よ」 【9月第3週 平日】終 【9月第3週 休日】 京太郎「今日が国麻の選考会か」 京太郎「俺は行く必要ないけど、観戦とかに行くのもいいな」 京太郎「さてと、どうするか」 朝 京太郎「照に会いに東京に行こうかな」 京太郎「でもあっちも選考会やってるんだよな……」 京太郎「そもそも会えるかどうかわからないし」 京太郎「長野と違って父さんや母さんが交通費出してくれるわけじゃないし……」 京太郎「何より勉強もできないんだよな」 京太郎「行くか、行かぬか」 京太郎「やっぱり勉強するか」 京太郎「そういえば今ここにいるのって誰なんだ?」 京太郎「部員のみんなは行っちゃっただろうし霞さんも付き添いで行ったはず」 京太郎「とすると……」ユビオリ 京太郎「あれ、誰もいなくないか?」 京太郎「一人で黙々と頑張ろう」 京太郎「よし、社会をやろう」 京太郎「身分差別とか石油とかか」 京太郎「少しめんどくさそうだな」ウムム 京太郎「うむ、うむ!」 京太郎「覚えきった覚えきった!」 京太郎「この調子ならいける!」 京太郎「今回こそ学年一位だ!」 京太郎「さて、昼は何をしよう」 京太郎「息抜きにバイトでもするか」 京太郎「今日はどんなのがあるのかなーっと」 ヴーッ ヴーッ 京太郎「お、戒能さんからメールだ」 良子『実は君にミッションがあったんだ』 良子『子どもたちの麻雀教室なんだけれど、勉強の息抜きにでもどうかと思ってね』 良子『都合が悪ければ断ってくれて構わない、人材はもうすでに集めてあるから』 良子『男子個人戦チャンピオンというサプライズもよいと思うんだ』 良子『場所は―――だ、交通費は先方が出してくれる手筈だ』 良子『よろしく』 京太郎「……ふむ」 京太郎「行ってみるか」 「さあみんな!今日はスペシャルゲストが来てるよ!」 「インターハイ男子個人戦チャンピオン!」 「須賀京太郎くんだぁぁあぁあ!」 ワー! カッコイイー! サインシテー! 「今日は京太郎お兄さんの麻雀教室だよ!」 「さあみんな!張り切っていこう!」 「お疲れ様でしたー」 京太郎「お疲れ様でした」 「いやーよかったよ須賀くん!」 「私も君と同じ長野出身でね、いやー鼻が高いね!」 「一応テレビ関係の仕事だから君を出すように上に掛け合ったりしてみるよ!」 「今日はありがとね!」 京太郎「はい!お疲れ様でした!」 京太郎「いい仕事をした気がする」 京太郎「部屋に帰ったら何をしよう」 京太郎「みんなは一緒に晩飯食べって帰ってくるらしい」 京太郎「仲良いよな……」 夕 京太郎「街に行ってみるか」 京太郎「だれかに会えるかもしれないし」 京太郎「コンビニに行くか」 京太郎「さて、何を買おうかなー」 エイスリン「キョウタロー?」カシゲ 京太郎「あ、エイスリンさん、どうだったんですか選考会は」 エイスリン「ガンバッタ!」ムフー 京太郎「何を買いに来たんですか?」 エイスリン「ゴホウビ!」 京太郎「頑張った自分に、ですか?」 エイスリン「」コクッコクッ 京太郎「んーそうですかー」 京太郎(労いの品か、みんなプリンとか買ってけば喜ぶかな) 京太郎(とりあえず、何を買おうか) 京太郎「きのこの山にするかな」 エイスリン「」ジーッ 京太郎「どうかしましたか?」 エイスリン「」ブンブン 京太郎(これ、どうしようかな) 京太郎(みんなにプレゼントして回るか、それとも一つだけ俺用に買うか) 京太郎(前の小走さんと弘世さんみたいになったらアレだからな) 京太郎(エイスリンさんはコ○アラのマーチみたいな感じがするし) 京太郎「それじゃ、帰りましょうか」 エイスリン「ウン!」 京太郎「また何か買ったんですか?」 エイスリン「コレ!」 京太郎「ああ、ア○ルフォートですか」 エイスリン「キョウタローハ、mushroom?」 京太郎「俺は無所属ですからね、なんでも食べますよ」 エイスリン「ヨカッタ!」ニコッ 京太郎「それはよかったです」 京太郎(やっぱりみんなの間にも派閥があるのか?) 夜 京太郎「久しぶりに読書をしよう」 京太郎「WEEKLY 麻雀 TODAYを読もう!」 京太郎「といっても何か月も前のやつなんだよな……」 京太郎「ま、適当に読むか」 京太郎「大して得られるものもなかったなー」 京太郎「インターハイ前ならまだ役に立ったかもしれないな」 夜 京太郎「ちょっくら散歩に行ってくるか」 京太郎「もう毎週恒例だな」 京太郎「今日はどっちへ行こうかな」 京太郎「今日は誰もいないみたいだな」 京太郎「そろそろ帰るかー……っと」 京太郎「星が綺麗だなー、長野みたいだ」 京太郎「よし!来週も頑張ってくぞ!」 【9月第3週 休日】 【side-京-】終了 時を少し遡り 【9月第3週 休日】 【side-咏-】開始 咏「なーなー、京太郎置いてってよかったん?」 霞「試験期間中だからなるべく来ないほうがいいかなーってね」 郁乃「あ、着いたで~」 憩「2か月ぶりやねー」 エイスリン「ガンバル!」 霞「この中に入ったらみんな敵同士よ、情けなんていらない」 霞「思う存分やってきなさい」 「はい!」 雅枝「えー、今日はみんなよう集まってくれた」 雅枝「いろんな高校が集まっとる、高校ごとに理念の違いはある」 雅枝「例えば千里山女子高校であれば『常にトップを目指すこと』を心掛けとる」 雅枝「今日はその理念を守りつつ、それぞれ楽しんでくれたらええと思う」 雅枝「試合の組み合わせはこれから後ろのモニターに出る」 雅枝「お、出たな」 雅枝「ほな、選考会開始や!」 咏「うえぇ、なんか調子わりぃ……」 咏「対局室C、ここかぃ?」 泉「あ、三尋木さん」 咏「おっほ、泉じゃ~ん、咏でいいぜぃ咏で」 泉「えーっと、咏……ちゃん?」 咏「いいねぃいいねぃ、んじゃ行こっか」 ギギギー 開局 咏「うっし、リーチ!」 良子(今回はハルの打ち筋を使ってみましょうか) 良子「チー」 良子(3翻30符) 良子(後は誰かが気づくのを待つだけです) 泉(咏ちゃんのリーチ、なるべく警戒せんと) 泉(これなら、通るか?)トン 良子「ロン」 良子「5800」 泉「あ……はい」 良子(……ふむ) セーラ(泉が振り込んでもうたか) セーラ(今日はプロが相手やから、初っ端からとばすで!) 【待望背負いし大砲】発動! 東一局一本場 親 良子 30800 セーラ 25000 泉 19200 咏 25000 セーラ「ふっふ~ん」 良子「ポン」 良子「チー」 咏(戒能プロ、さっきから鳴いてばっかだねぃ) 咏(おかげでさっきのも流されたし) 咏(……そうか) 咏(この辺りかねぃ?) 良子「ロン」 良子「4200です」 セーラ「うへっ、和了られるかー」 セーラ(プロやっちゅうんにこまけーな) 東一局二本場 親 良子 35000 セーラ 25000 泉 19200 咏 20800 良子(さてと、ダマで跳満) 良子(このままで行きますか) 咏(やっべー聴牌できねー) 咏(今度は戒能プロが高い感じだし) 咏(勝てっかなー) 良子「ツモ、6200オール」 良子(和了りすぎましたね……) 良子(少し抑えますか) 東一局三本場 親 良子 53600 セーラ 18800 泉 13000 咏 14600 咏(判断基準はわっかんねーけど、とりあえず上位に食い込むようにしねえと) 咏(よし、跳満テンパイ) 咏(いずみんに当ててもぎりぎり残るし) 咏(これで行くかねぃ) 泉(あかん……) 泉(京太郎くんが応援してくれたのに) 泉(そういえば、図書館デートの約束してたんや!) 泉(って何思い出してるんや、こんな状況で!)トン 咏「ロン!12900!」 泉「はわっ」 セーラ(泉があかんな) セーラ(なるべく戒能プロと三尋木から取ってまくったる!) 【待望背負いし大砲】発動! 東二局 良子 53600 親 セーラ 18800 泉 100 咏 27500 咏(なんでここまで来てテンパイできないかねぃ) 咏(対面のやつはテンパイしてそうだし) 咏(やっばいねー) セーラ(あちゃー、ここで来てまうかー) セーラ(泉には酷やけど……) セーラ(しゃあないよな) 泉(咏ちゃんも戒能プロも、もちろん江口先輩も強い) 泉(でも、私かてこの二か月何もしてこなかったわけやない) 泉(こっからまくる!) セーラ「ツモ、6000オール」 泉「……は?」 終局 良子 47600 セーラ 36800 咏 21500 泉 -5900 良子「お疲れ」 セーラ「お疲れっした!」 泉「お疲れさま……でした」 咏「お疲れぃ」 咏(ま、次で取り返すかねぃ) 泉(こんなんでだいじょうぶなんやろか……) 二回戦 咏=61+117+60-30=208 郁乃=87+124+60=271 漫=81+116+30+30=257 雅枝=33+160+90=283 郁乃「お疲れさん~」 雅枝「お疲れ」 漫「ふーっ、ふーっ」 咏「……お疲れ」 雅枝「上重はトンパツのあの和了りよかったで、三尋木は和了に執着した方がええ」 雅枝「赤阪は……なんて言えばええんやろ」 雅枝「ようわからんかった」 咏(やべぇ……やべえよ……) 三回戦[咏・恭子・怜・絹恵] 怜「けほっ、けほっ」 怜「うぅ、なんか調子悪いなぁ」 怜「対局室は……ここか」 怜「早く竜華のひざまくらがほしいな……」 ギギギー 恭子「メゲるわ……」ズーン 絹恵「あ、あはははは」ウツロ 咏「はぁ……」ズーン 怜「なんやここ……」 咏=90+117+60-30=237 恭子=43+120+15+15=193 怜=17+100+60+15=192 絹恵=81+108+15+30=234 怜「あーあ、あと100点届かんかったかー」 絹恵「あと300点……」 恭子「なんやこの接戦」 咏「はっはー!やっと1位だぜ!」 怜「この調子やとダメかもな、こほっ」 恭子「私もや……」 絹恵「だ、大丈夫ですよ!末原先輩も園城寺先輩も私より強いですし!」 怜「二位に言われてもな……」チラッ 怜「……竜華みたいな乳しよって」ジトッ 絹恵「乳!?」 恭子「はぁ……」 咏「はぁ……」 怜「はぁ……」 絹恵「三人そろって!?私どんだけ恨まれとるんですか!」 四回戦 [咏・竜華・浩子・由子] 咏「さーてと、次も勝っちゃおうかねぃ~」 ダダダダ 咏「ん?」 浩子「ちょっとそれ捕まえて!」タッタッ 竜華「トキ!トキ!トキィィィィィィイイ!」タッタッ 由子「そこ!なのよー」ゲシッ 竜華「ウガァァァアア!」 浩子「確保!」 浩子「ご協力感謝します」 由子「どうってことないのよー」 咏「い、今のは?」 浩子「清水谷部長の禁断症状、気にせんでええよ」 竜華「トキィ……トキィ……」ハァハァ 咏「ほんとにいいのかよ……」 咏=42+120+60-30=192 竜華=22+120+25=167 浩子=8+116+15+15=154 由子=87+120+15=222 由子「私がトップなのよー」 浩子「真瀬由子……ノーマークやった」 竜華「トキ、トキハドコ?トキ?トキ?トキィィィィイイ」 咏「お、おい、本当にだいじょうぶなのかよ」 浩子「この『ときちゃんボイスチェンジャー』をつかえば……」 浩子(怜ボイス)「りゅうかーこっちやでー」 竜華「トキ!?トキ!」ダダダダダッダ 咏「逃がしちゃってよかったん?」 浩子「ああ、次は二人が同卓するはずやから」 最終戦 [咏・洋榎・憩・エイスリン] 開局 洋榎(テンパイでけへんなー) エイスリン「カン!」 エイスリン「カン!」 エイスリン「カン!」 咏「三連続カンって……」 憩「咲ちゃんみたいやなー」トン 咏(つってもこれで2翻80符、タンヤオも絡んでたらやばいねぃ)トン エイスリン「ロン!」 エイスリン「タンヤオ!サンカンツ!」 エイスリン「12000!」 咏「うえっ」 洋榎(なるほど、な) 洋榎(一人は素人みたいやから、ねらい目) 洋榎(一発いったるで!) 【灼熱の矛】発動! 東一局一本場 親 エイスリン 37000 洋榎 25000 憩 25000 咏 13000 洋榎(三尋木は手作りがちょっとばかし遅い、せやったら速く作るだけ) 洋榎(初心者は和了られないように気を付ければええ) 洋榎(荒川は……ようわからん) 洋榎「この局はこの愛宕洋榎がもろたで!」 「「「「ノーテン」」」」 洋榎「なんでや……」 東二局二本場 エイスリン 37000 親 洋榎 25000 憩 25000 咏 13000 同コンマのため、流局 咏(まーた調子わりぃなぁ) 咏(一応テンパイできたけど、和了れねえだろこれ) 咏(次に賭けるかねぃ) 洋榎(流局か……) 洋榎(今度こそ和了ったる!) 【灼熱の矛】発動! 東二局三本場 エイスリン 35500 親 洋榎 26500 憩 23500 咏 14500 洋榎(チートイドラ2、スジひっかけにもなる) 洋榎(この初心者なら引っかかるやろ) 洋榎「速攻親リーチ!」 咏「うげっ」 憩(愛宕さんが親リーかぁ……まあこれなら通るやろ) エイスリン(カスミ!) エイスリン(スジ!)トン 洋榎「ロン、18900」 エイスリン「エッ」 咏(そういやこの前霞がスジを教えてたねぃ) 咏(しゃあねえか……) 東二局四本場 エイスリン 16600 親 洋榎 45400 憩 23500 咏 14500 同コンマのため、流局 「「「「テンパイ」」」」 洋榎「いや、流れすぎやろ」 東二局五本場 エイスリン 16600 親 洋榎 45400 憩 23500 咏 14500 洋榎「カン!」 洋榎「嶺上!……ならず!」タン 咏(嶺上、ってことはもうテンパイしてるってことだよな) 憩(喰いチャンタ、安そうな手やな) エイスリン(カスミ……) 洋榎「来るでー、今度こそ来るでー」スチャ 洋榎「……って来とらんやないか!」 咏(さっきからうっせーな……ったく) エイスリン(テンパイ!) エイスリン「リーチ!」ニコニコ 洋榎「あ」 エイスリン「エッ?」 洋榎「荒川から和了ろ思うとったんやけど……ロン」 洋榎「49500」 エイスリン「…………」ブワッ 終局 洋榎 94900 憩 23500 咏 14500 エイスリン -33900 エイスリン「アリガトウ……ゴザイマシタ」 洋榎「あ、ほんま……ごめんな」 エイスリン「Losers are always in the wrong.」 エイスリン「All right」ニコッ 洋榎「え?」 咏「大丈夫だから気にするなってよ」 『対局が終わった各選手は中央ホールに集合してください』 憩「ほな行こか」 エイスリン「……ウン」 雅枝「あー、今日はお疲れ」 雅枝「選抜メンバーは後日学校の方に通達する、それまで練習を怠らんようにな」 雅枝「それと、選抜を決めるのはこの選考会の結果だけやない」 雅枝「今までの成果とかも関係しとるから、調子が悪くても落ち込まんように」 雅枝「私からは以上や」 雅枝「ほなこれにて解散!」 憩「エイちゃん、まだチャンスあるって!」 咏「府大会でもインターハイでも頑張ったんだから大丈夫なんじゃねえの?」 エイスリン「ウン……ウン……」 憩「せや!自分にご褒美でも買ってきたらええんとちゃう?」 エイスリン「ゴホウ、ビ?」カキカキ バッ |ごぼうの絵| 憩「ごぼう、やなくてご褒美や」 咏「頑張った人にあげるプレゼントだよ」 エイスリン「present……ゴホウビ!」 咏「そーそー、ほらあそこにコンビニあるから買ってくれば?」 エイスリン「ウン!アリガト!」 咏「気ぃつけろよー」 憩「咏ちゃんはどうやったん?」 咏「びみょーだねぃ」 憩「ウチも」 咏「ほんっと、長い一日だったよ」 憩「せやねー」 咏「あれ、そういやぁ……勉強ってどうなってたんだっけ」 憩「ウチはもう準備万端やでー」ニコニコ 咏「なんだよその笑顔!やっべーよさっさと帰んねーと!」タッタッ 憩「気ぃつけてなー」 憩「んーっ、今日は疲れたなぁ」 【9月第3週 休日】終 【9月第4週 平日】 朝、秋晴れの空に向かって手を伸ばす 京太郎「んーっ!」 京太郎「今日も今日とていい天気だ!」 明日から行われる試験から目をそらして今日の天気に目を向ける まあ、きっと大丈夫だからな、前回も学年上位だったし…… 京太郎「今日も頑張っていくかー!……ん?」 体の芯を伸ばして左右していると何かが目に入った 門の前に立っている人がいたのだ こんなアパートに何の用なんだ?尋ねてみよう そう思って門へ向かう 近づくほど、だんだんと相手の様子が見えてくる 門の前に立っていたのは、スーツ姿の大人の女性だった 黒縁の眼鏡と銀色の綺麗な腕時計の似合う綺麗な人 霞さんほど、とはいかないまでも、おもちもそれなり まさにザ・大人、というような人だった 京太郎「あのー、何か用でも?」 「貴方は……須賀京太郎ね」 京太郎「……なんで俺の名前を知っているんですか?」 「今の貴方には関係ないわ、ふーん……」 女性が俺の顔と身体をまじまじと見る、舐めまわすように、ってこんな感じなのだろうか 「いい顔にいい体格してるわね」 京太郎「はあ、どうも」 「これ、用があったら連絡して頂戴」 女性が俺に差し出したのは……名刺というやつか 女性の名前と電話番号が書かれてある あれ?顔を褒めたあとに連絡先を渡してくるって、ひょっとして…… 「あ、男に興味は無いから」 でっすよねー そう言うと、女性は清々荘を去って行った あらためて名刺を見てみる ふむふむ、秘書をやっているのか、秘書さんって呼ぼうかなー とか、そんなことを考えていると、ある見慣れた単語が目についた 京太郎「荒川、病院?」 京太郎「それにしても綺麗な人だったな」 京太郎「ちょっと目はきつかったけど……おっ」 憩「…………」ブツブツ 京太郎「憩さんじゃないか、ちょっと驚かしてみよう」 憩「ここが…………」ブツブツ バッ 憩「わわっ!?」 京太郎「だーれだ?」 憩「もう、京太郎くんかぁ」 京太郎「おはようございます、すごく集中してましたけど、ちゃんと前見てないと事故りますよ?」 憩「あーうん、ごめんな、昨日あんまりでけへんかったから」 京太郎「体壊したりするのもなんですから、気を付けてくださいね」 憩「うん、おおきに」ニコッ 京太郎「勉強中に悪いんですけど、これ」 さっき受け取った名刺を見せる 憩「なんや?」 京太郎「この人、知ってますか?」 憩「…………」 憩さんの表情が少しだけ曇る、笑顔のまま 憩「なんでそれを持っとるんや?」 京太郎「今朝清々荘の前にいて、少し話を」 憩「……そっか」 憩「あーごめん、ウチちょっと用事あったから先行くわ!じゃあ!」 京太郎「憩さん?」 こちらに微笑んで、憩さんは走って行ってしまった まるで何かを誤魔化すように 京太郎「うーん……」ムムム 咏(京太郎のやつ、何考えてるんだ?) 「ねーねー聞いた?転校生が来るいうウワサ!」 「来週来るらしいやん!」 「楽しみやわ~」 京太郎「転校生……秘書さん……病院……」ムムム 咏「何なんだ?一体」 京太郎「今日は屋上じゃなくて気分転換に部室に行くか」 京太郎「あれ?そもそも部室って空いてるのか?」 京太郎「まあいっか、失礼しまーす」 ガチャ 京太郎「空いてなかったか……どうしよ」 憩「京太郎くん?」 京太郎「部室空いてないんですね」 憩「鍵も借りられへんかったからね」 憩「せや、京太郎くんも一緒に食べへん?」 京太郎「どこでですか?」 憩「んー……グラウンドとか?」 京太郎「じゃあ行きましょうか」 憩「ここでええな、京太郎くん」ポンポン 京太郎「隣っと」 憩「今日は購買の弁当なんやね」 京太郎「気まぐれですからね」 憩「気まぐれ……か」 京太郎「そういえば、国麻の後に新人戦があるんですよね」 憩「あー秋季大会やね、ウチらは部員足りへんから出られんけどね」 憩「個人戦はあるけど、どうせならまたみんなでやりたいな」 京太郎「ですね……来年のインターハイまでお預けですか」 憩「出ること確定なん?」 京太郎「あっ……まあ出られるでしょう、憩さんと咏がいれば」 憩「来年、部員集まるとええな」 京太郎「また俺が集めますよ」 憩「それもええけど、今度はみんなでやりたいな」 京太郎「それはいいんですか……」 京太郎「放課後かー何もすることないなー」 京太郎「でも、何かあったような?」 京太郎「そうだ!泉と勉強をするんだった!」 京太郎「あっぶねー忘れるところだった」 京太郎「図書館でよかったよな」 京太郎「急いでいかねえと!」 泉「京太郎くん、まだかな」ソワソワ 泉「私の勘違いやったんかな……」 泉「ちゃんと着替えてきたのに……」 京太郎「おーい!泉ー!」 泉「京太郎くん!」 京太郎「ごめん、待たせたな」 泉「い、いえ今来たとこです」 京太郎「じゃ、中に入るか」 泉「はい!」 泉「図書館デート、楽しみや!」 京太郎「えっ?」 京太郎「今日は勉強しに来たんだけど、デート?」 泉「えっ、あ……ぁぅ……」カァァ 泉(結局私の勘違いやったんか……恥ずかしい!) 京太郎「あーあれか、関西人のボケか、泉でもするんだなー」 泉「えっ、ええ、そうです、デートなんてそんなわけないですよー」 京太郎「だっ、だよなー」 泉「ですよー」 京泉「「あはははははは」」 京泉(*1) 泉「――――っと、こんなところでしょうか」 京太郎「ふ~むなるほどなるほどなるほど~」 泉「本当にわかってるんですか?」 京太郎「おう!泉は頭がいいんだな!」ニカッ 泉「そ、そんな……」カァァ 泉「よく本を読んだりしてるので……」メオヨギ 京太郎「へぇー、それじゃあ次行こうぜ次!」 泉「ここはですね―――」フニッ 京太郎「お、おう……」 泉「それでここは―――」 京太郎(泉がよりかかってくるから当たってる!せんべいだけど!) 泉「ちゃんと聞いてます?」 京太郎「おう、ばっちりだ!」 泉「ここは―――」 京太郎(集中できねー!) 夕 泉「こんなところでしょうか」 京太郎「教えてくれてありがとな」 泉「いえ、私の勉強にもなりますし」 泉「京太郎くんはまだここに残るんですか?」モジモジ 京太郎「ああ、そのつもりだけど、どうかしたか?」 泉「い、いえっ、別に一緒に残りたいとかそういうわけやないですから!」 京太郎(泉がいると楽だからなー、でも泉にも予定があるだろうし、どうしよ) 京太郎「泉、まだいいか?」 泉「ええ、もちろんですとも!」 京太郎「そうか、よかった、それでここなんだけどさ」 泉「ああ、それは―――」 泉「ここは―――とあるので―――ということですね」 京太郎「うん」 泉(京太郎くんの顔がこんな近くに……)カァァ 京太郎(振り向けばすぐ近くに泉がいるんだよな……)カァァ 京太郎(よくよく考えたら泉って結構レベル高いよな) 京太郎(顔も可愛いし……でもあの制服って何なんだ?) 京太郎(似合ってるし可愛いけど、誘ってるようにしか見えないんだよな……)モンモン 泉「きょっ、京太郎くん!聞いてます?」 京太郎「おっ、おう、もちろんだぜ!」 京太郎(集中できねー!) 京太郎「いよいよ明日から試験か……」 京太郎「あんまり寝られないからメールでもしよう」 京太郎「照に送るか、ふぁあ」 京太郎「眠いな」 京太郎『おやすみなさい、また明日』 京太郎「送信っと」 京太郎「おやすみー」 照「京からメール」ワクワク 『おやすみなさい、また明日』 照「……は?」 照『どういうこと?』 三時間後 照「返ってこない……」ズーン 照「わけがわからないよ……」 【9月第4週 平日】終 テストの結果 国語 87(-13) 数学 62(-37) 科学 49(-44) 社会 70(-30) 英語(ぞろ目) 100(+13) 【9月第4週 休日】 京太郎「科学自信ねえ……」 京太郎「国語は教えてもらっただけあって解けたけど、うああ……」 京太郎「どうしよう……」 朝 京太郎「本でも読むか」 京太郎「どれを読もう……」 京太郎「WEEKLY麻雀TODAYを読み終えよう」 京太郎「お、戒能さんが載ってる」 京太郎「瑞原プロも載ってるし、野依プロも載ってる」 京太郎「俺、この人たちと知り合いなんだよな……」 京太郎「なんか自慢だな」 京太郎「よっし、読み込むぞ!」 京太郎「三人とも立派なおもちだよな、写真集とか無いんだろうか」 京太郎「そういえば、今日から選抜の練習だっけ、あくまで選考会の一部らしいけど」 京太郎「俺も行ってみようかな」 昼 京太郎「よし、行ってみるか!」 京太郎「場所は……千里山か」 京太郎「入れるかな……」 京太郎「戒能さんに連絡入れとけばいいか」 京太郎「なんとか入れたな」 良子「はろー、須賀くん」 京太郎「どうも、こんにちは」 良子「麻雀部の部室は、知ってるよね?」 京太郎「来たことはあるので」 良子「なら良かった、私は少しやることがあるからここまで」 良子「また後で」 京太郎「はい、また後で」 京太郎「さて、と何をしよう」 京太郎「特訓は他の人に手伝ってもらうのもなんだから戒能さんとかに手伝ってもらおう」 京太郎(みんな集中してるな……) 良子「やっ、どうだい?」 京太郎「皆さん集中してるから俺が邪魔していいのかなーと」 良子「それなら私が話し相手になろうか?」 京太郎「戒能さんもそんなことが言えるようになったんですね」 良子「まあね、君のおかげだよ」 良子「コーヒー飲むかい?」 京太郎「いただきます」 良子「ブラックでいい?」 京太郎「大丈夫です」 良子「さて、何の話をしようか」 京太郎「んーじゃあ、戒能さんの趣味って何ですか?」 良子「趣味、か見ての通り麻雀一筋だったからね、無いよ」 良子「たまに読書したりテレビも見たり、インターネットもするけど、趣味と言うほどではないね」 良子「逆に聞くけど、須賀くんの趣味は何?」 京太郎「俺は……俺も同じですね」 京太郎「趣味という趣味は持ってないですよ」 良子「ふふっ、似たもの同士というやつだな」 京太郎「ですね」 京太郎「そうだ、前から聞きたいと思ってたんですけど」 良子「ん?何かな」 京太郎「麻雀に最も必要なものって何だと思いますか?」 良子「ネセサリーか……うーん」 良子「そんなことは考えてもみなかったよ」 良子「そうだな……楽しむこと、とか?」 京太郎「楽しむこと、ですか」 良子「イエス、楽しくなければやってられないだろうし、色々な人たちと楽しむためにここまで来たんだから」 良子「私のアンサーは楽しむこと、だね」 京太郎「なるほど、ためになります」 良子「そういってもらえるとグラッドだよ」 良子「……そういえば、清水谷さんとはどういう関係?」 京太郎「竜華さんですか?」 良子「この前も名前で呼び合っていたし……ひょっとしてこ、こここっ、恋人、とか?」 京太郎「まさか、ただ仲良くしてもらってるだけの友だちですよ」 良子「じゃ、じゃあ!」ガタッ 良子「わっ、わたっ、私のことも、そのっ、戒能さんじゃなくて、えっと、そのっ……」カァァ 京太郎「どうしたんですか? 773」 京太郎「どうしたんですか?良子さん」 良子「えっ」 良子「今、何て……」 京太郎「あ……やっぱりダメですか?」 京太郎「てっきり名前で呼んでほしいのかと」 京太郎「すみません、生意気でしたね」 良子「そんなこと、ないよ」 良子「むしろオールライトだよ、もしかしてエスパー?」 京太郎「良子さんだからわかったんですよ、友だちじゃないですか」 良子「そ、そうだよね、えと、じゃあ、きょっ、きょきょきょ、きょうた……ふぅ」 良子「そうだよね、これからもよろしく、京太郎」ニコッ 京太郎「…………」 良子「京太郎?」 京太郎「あ、はい!こちらこそ!」 京太郎(笑顔も綺麗だなぁ、おい!) 京太郎(友だちって何なんだよ……) 京太郎「そうだ、良子さん」 良子「ワッツ?」 京太郎「特訓手伝ってくれませんか?」 良子「トレーニングだね、いいよ」 良子「京太郎のフォローもしなければいけないからね」 京太郎(牌の感覚、卓の雰囲気) 京太郎(この感じ、なんだか……) 良子「こんなところだね……ん?」 京太郎「…………」 良子「今、何か考えているか?」 京太郎「つい最近なんですけど、麻雀をしてると思い出すんですよね」 京太郎「昔のこと、照と咲とモモ……あっ、宮永姉妹と東横桃子と打ってたときのことなんですけど」 良子「その感覚が戻ってきてる、と?」 京太郎「そんな感じでしょうかね」 良子「そうか……」 京太郎「何かわかりますか?」 良子「いや、何も」 京太郎「ですよねー」 京太郎「あの三人ともまだ互角に打てていた気がするんですよね、明確ではないんですけど」 良子「……それは少しインタレスティングだね」 良子「もう少しやってみようか」 良子「で、どう?」 京太郎「どう、と言われましても、まだぼんやりと思い出す程度なので」 良子「そうか……力不足だったね、すまない」 京太郎「いえ、良子さんはありがたいですよ」 京太郎「こんな俺の話を聞いてくれて、ありがとうございます」ニカッ 良子「う、うむ、そうだね、うん」カァァ 夕 京太郎「まだ練習は続いてるみたいだし、俺も残るか」 京太郎「次は何をしよっかな」 京太郎「うろちょろするのもあれだし、何か手伝うか」 京太郎「データをまとめよう、牌譜の整理でもするか」 京太郎「そうと決まれば……このパソコン使っていいんだよな」 良子「何やってるんだ?京太郎」 京太郎「牌譜の整理をしようと思いまして、このパソコン使っていいんですよね」 良子「確かそのはずだったと思う」 霞「あら、京太郎くんが牌譜まとめてくれるの?」 京太郎「何かやらなきゃな、って思ったんで」 霞「それじゃあこれもお願いね、今までの牌譜」 京太郎「わかりました」 霞「そうだ、私も手伝おうかしら、一人じゃ大変でしょ?」 京太郎「いいですよ、俺一人で大丈夫ですから」 霞「まあまあそう言わずに、ね?」 京太郎「……そうですね、お願いします」 良子(カスミと京太郎、仲良い……)ジーッ 良子「…………」ムムム 京太郎「良子さん、どうかしました?」 良子「あーいやー、なんでもない、私も手伝っていいかな?」 京太郎「はい、お願いします」 京太郎「これは、怜さんに竜華さん……千里山の人たちの牌譜ですね」 良子「」ピクッ 霞「学校ごとにまとめておいたのよ、でも細かくまとめるのはちょっとね」 京太郎「やっぱり霞さんは頼りになりますね」 良子「」ピクッ 霞「そういう京太郎くんこそ」 良子「」ピクッ 京太郎「いえいえ霞さんこそ」 霞「京太郎くんこそー」 京太郎「霞さんこそー」 良子「きょっ、京太郎!は仲のいい友だちが多くないか!」 京太郎「名前で呼んでる人のことですか?」 良子「オフコース!」 京太郎「そうですね、咲、照、モモ、憩さん、霞さん、エイスリンさん、咏、郁乃さん、怜さん、竜華さん、泉、淡、洋榎さんに由子さん」ユビオリ 良子「……ずるい」 良子「京太郎はなんでそんなに友だちが多いんだ!」 京太郎「良子さん、静かにしましょうよ」 良子「ん……そうだね、ごめん」 良子(どうやってそんなに作ったんだろう……) 京太郎(牌譜牌譜ーっと) 霞(友だち、そうよね……って何を期待してるの私は!) 霞「このくらいかしらね」 京太郎「お疲れ様でした」 良子「私も疲れた……」 京太郎「コーヒー入れてきますね」 霞「私は他の子たちを見に行くからいいわよ」 京太郎「了解です」 良子「はぁ……」グデー 京太郎「そうだ、もう一回特訓に付き合ってくれませんか?」 良子「うん?いいよ、さっきの続きだね」 京太郎「よろしくお願いします」 京太郎「ロン、16000です」 良子「おお、だんだん私に食って掛かるようになったね、グッド」 京太郎「そういえば良子さんってイタコで傭兵なんですよね」 良子「のーうぇいのーうぇい、それは噂だよ」 京太郎「でもよく他の人の打ち方を真似してるとか」 良子「うーん、私はその人の雰囲気を真似るだけだからね」 京太郎「でも他の人の真似をするってすごくないですか?」 良子「そうでもないよ、京太郎くんだってやろうと思えばできるはず」 良子「今回はそれをやってみようか?」 京太郎「……そうですね、やってみましょう!」 良子「まずは相手の手元を見て、相手の顔を見る」 良子「とにかく相手のことを見るんだ」 京太郎「相手のことを……見る!」 京太郎(ブラウスに覆われてるけど、いいおもちだなぁ)ジーッ 良子(京太郎から変な視線を感じる……集中してるんだね、実にグッドだよ) 京太郎「今日の練習はいろいろ刺激的だったな」 京太郎「特に良子さんのおもち……ごくり」 京太郎「今夜は何をしようかな」 夜 京太郎「暇だし、メールするか」 京太郎「この前があれだったし、照に送ろう」 京太郎「何て送ろうかなー」 京太郎「あいつ、白糸台でうまくやれてんのかな」 京太郎「長くメールするのも迷惑だろうし、練習とかもあるだろうから一通だけでいいよな」 京太郎『白糸台でうまくやれてるか?』 京太郎『ちょっと心配なんだよな(笑)、おやすみ』 京太郎「まあこんなもんだよな」ピッ ヴーッ ヴーッ 照「!京から……」 照「……ありがとう」 照『うまくやれてるよ、そっちも頑張ってね。おやすみ』 照「おやすみ」ピッ 京太郎「もう一人誰かに送ってみよう」 京太郎「誰に送ろっかな」 京太郎「咲にも何か送っとくか」 京太郎「あいつらは中部なんだよな、中部ってーと他に愛知とか」 京太郎「対木さんは愛知だったっけな、個人戦にも出てたし……」 京太郎「長野だと龍門渕さんとこと咲のとこと……あとはどこだ?」 京太郎「まあ誰がいても咲なら余裕だろ」 京太郎『元気してるか?』 京太郎「送信っと」ピッ 京太郎「咲の胸ももっと成長しねーかなー」 ヴーッ ヴーッ 咲『こっちは元気だよ、そっちはどう?』 咲『麻雀でわからないことがあったら教えてあげるけど?』 京太郎「むっ、俺だって良子さんに褒められたんだ」 京太郎『咲のくせに生意気だぞー』 京太郎『今度会ったら頭ごりごりの刑だな』ピッ ヴーッ ヴーッ 咲『あれは痛いからやめて』 咲『それに私だってか弱い女の子なんだよ!』 咲『いつまでも子どもの時と一緒にしないでよね!』 京太郎『女の子……ねえ』 京太郎『照を見てる限りだと伸び代なさそうだけどな』ピッ ヴーッ ヴーッ 咲『京ちゃんったらまたエッチなこと考えてる!』 咲『京ちゃんの変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態!』 京太郎「なんだよこれぇ……」 京太郎『ごめん、そんなに本気になるなよ』 京太郎『確かに咲はちんちくりんで貧しくて方向音痴なぽんこつちゃんだけど可愛いと思うぜ』 京太郎『きっと誰かが貰ってくれるよ、うん』ピッ ヴーッ ヴーッ 咲『バカにしたところの方が多くない!?』 咲『まあでも、そのくらい京ちゃんは私をわかってるってことだからね、許してあげるよ』 咲『そろそろ寝るね、おやすみ』 咲「送信!」ピッ 咲「……えへへ」 咲「可愛い、か……えへへ」テレテレ 咲「あ、全然嬉しくなんかないよ!……でもちょっと、いやちょびーっと、ほんのちょこっとは……嬉しかったかな」カァァ 咲「って誰に言ってるんだろ……もう寝よっ、おやすみっ!」 咲「…………」 咲「…………」ドキドキ 咲「…………」ドキドキ 咲「あーもう!」バサッ 咲「京ちゃんのせいで全然寝れないよ、どうしよう……」 咲「……」ポクポク 咲「そうだ!」チーン! 咲「モモちゃんに自慢しよっと」ピッピッピッ
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【種別】 登場人物・出演俳優(TVシリーズ ゲスト出演俳優) 【名前】 佐々木征史 【よみがな】 ささき まさし 【役名】 医者 【登場話】 第44話 前作、劇場版 仮面ライダー電王 俺、誕生で、良太郎の父、野上真一で出演。 【主な出演作品】 劇場版 仮面ライダー電王 俺、誕生 (野上真一) 【関連サイト】(外部リンク) 【関連するページ】 第44話
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__,,......,,,,___ ,. 7 ! `ヽ. / ! ! i ,.! i o _」 _;; ) ( 、 ./`.7-i-r‐ r‐ i_! !ハ ⌒ ヽ. i !/!,_,ハ_ハ,.- -‐ ‐ i__! i. , ! i !.´ __、 ,.-- 、 i i i ! ` 7ヽ!. ´ ` "ノ / i イ !. ハ" ___ くン 、/ ´ ヽ,ヘ. .. ヾ ..ノ ,.イ/ コーヒー飲みますか? .`>, -=´_,.!-、 r-、 _,く` ーrr- " 〈ヽ、.__ ,,..-ヽ; `ヽ. ,.イ´ -‐-<-‐ " / `ヽ. ‐ i i / !; ! i´ ̄`i i ; ! i Λ Λ ━┳(0|0) ⊂ 、゜ Λ ゜ pヽ <良太郎!逃げるなーーー!俺より目立ちやがって!! ⊆/  ̄三三 ̄ヘ⊇ ┌|{○} ̄ ̄{○}|┐ |_=[MAC-J5]=_| llll ̄  ̄  ̄llll ブォォォォォ ノノヽヾ ,,, d ゜ Д゜)⊃ <あ~ん,モオタロスゥ!僕を虐めちゃらめぇ!! (つ y / | (⌒) し ∠コ _冂冂冂____________∠/_____ ///ゝ ,_______________________________ / / /⊂⊃⊂⊂⊃⊂⊃⊂⊃⊂⊃⊂⊃⊂⊃⊂⊃⊂⊃ |ロ| /_/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙[__] ∠_=_____________________________ /____イ◎〓◎ ____└───┘____ ◎〓◎__ ――――時の電車デンライナー 〃⌒ ヽフ 良太郎電車酔いの為 / rノ このスレで一時停車します Ο Ο_); ゚。o ∧∧∧∧∧∧∧ ____ < 時の流れが > | 別 | <変わるのを阻止> | の | VVVVVV≠≠≠、_,、_,、_,、_,、_,、_,、_,、_,、_,| 未 | _ノノ `ー~~~~~~~~| 来 | 電王" ̄ |___| ____ ____ vs ___ ____ . 近 ..イマジン 2 過 . .〃... 現 0 未 エエエエ 過 Zエエエエエ .. 0 エエエエエエエエエエエエエエエエ 去 . 在 7 来 . 去 く二ニ=.. 年 く二二二二ニニニニ= . ___ . ̄ ̄  ̄ ̄∧∧∧∧  ̄ ̄ ̄∧∧∧∧ ∧∧∧∧ < イマジン > < 契約者の > < イマジン群 > < 時を変える >< 願いを叶える > < 来襲 > < ポイントへ > VVVVVVVV VVVVVVV VVVVVVV A A ( {・} ) いーじゃん!いーじゃん! ,O゙゙)=⊂二 ) すげーじゃん?! / ノ(( ̄_ノニニニフ =-=、\ _ノ/,.==-\ ≡3 ≡3 ( ◎)゙ー―― ( ◎)  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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宮永家 朝 咲の部屋 ジリリリリリリ!ガチャ! 咲「お~寝みぃ……」 咲「まったく、水曜日の学校はいやだな、鬱になる」 咲「カピに餌やらないと……カピー!」 シーン 咲「あれ?カピはどこいった?…ていうかなんか部屋が違うような…」 咲「……何処だここ、何があった」 咲「……誘拐かなんかか?まさか、昨日俺は自分の部屋で寝たんだぜ、ありえねえ」 咲「体に異常は……このピンクのパジャマはなんだ」 咲「……あれ?なんか体がいつもと違う、なにかがない気がするぞ」 咲「…………………あ」 咲「はぁ~~~~!?」 咲「なんだこりゃ!女になってるぞ!」 咲「くっそ!意味がわかんねえ!とりあえず鏡だ!」 咲「たぶんここらへんに…あった!」 咲「……ははは、夢だと疑いたくなるぜ」 咲「咲になってる…」 咲「待て、落ち着け、須賀京太郎、幸いアニメとかでこの手の展開はよく見る、つまりはそれに習って、最善の行動をとるんだ」 咲「まず、俺が咲になっているということは十中八九俺の体には咲が取り付いてやがる」 咲「たまにランダムに移動するタイプもあるけど考えたくねえな」 咲「……俺が最初にするべき行動は……咲への連絡!」 咲「須賀、須賀、あった!」 プルルルルプルルルル、だだ今、電話に出ることは 咲「くそっ!咲着信拒否してやがる!現実逃避するなよ!」 咲「俺ん家は仮病なんて許さねえからな、おそらく咲は無理矢理に登校させられる」 咲「くそっ!一回登校したら取れる手はずいぶんと限られてくるぞ!お互いのモノマネとかその程度か」 咲「お互いのモノマネ?」 咲「……もぅ~きょ~ちゃ~ん聞いてよ~、和ちゃんがへんなことをいってくるよぉ~」 咲「……だめだ、絶対」 咲「そんなになったらもう遅い、そうなったら取れる手段は一つ!」 咲「……一回学校に行くしかねぇ、危険だけどな」 咲「まったく、どうしてこうなったんだか……用意しよう」 コンッコンッ! 咲「ん?石?……まさか!」 京太郎「」モジモジ 咲「咲!」 京太郎「ただいま・・・じゃなくておじゃまします・・・」 咲「おす」 京太郎「ううう・・・どうしよぉ・・・」モジモジ 咲「頼むから内股で涙目はやめてくれ。予想以上にキモい」 京太郎「そんなこと言ったって・・・」 咲「もうちょい背筋伸ばして胸張れよ。学校で変な噂が流れたらどうしてくれるんだ」 京太郎「ええっ 学校いくの?」ズキズキ 咲「しょうがねえだろ?サボって戻るわけでもないし・・・もっかい頭ぶつけてみるか?」ズキズキ 京太郎「いや」 咲「じゃあ着替えるの手伝えよ。服多すぎで靴下どこかわかんねぇしネクタイ結べねえし」 京太郎「普通だと思うけどな・・・」ゴソゴソ 京太郎「はい。」 咲「サンキュ」ヌギヌギ 京太郎「ちょっと待って!脱ぐの?」 咲「脱がなきゃ着替えられんだろ」 京太郎「ダメ!見ちゃダメ!絶対ダメ!」 咲「そんな無茶な」 京太郎「いい?絶対取ったらダメだからね」ギュッ 咲「わかったわかった。わかったから早くしてくれ、遅刻しちまうよ」 京太郎「人のボタン外すのってちょっと慣れないね・・・」プチ プチ 京太郎「はい。脚抜いて」スルッ 咲「よいしょ」 咲(しかしこれは客観的に見たら・・・) ガチャ 咲父「おーい咲、起きてるか―?朝飯・・・」 京太郎「あ」 咲「あっ」 咲父「・・・・・・ふー。」シュボッ 咲父「京太郎くん。君のことは咲の良き友人として信用していたんだがね。」 京太郎「違うのお父さん!」 咲父「誰がお義父さんだぶち殺すぞこのクソガキがあああああぁぁぁ!」 バキッ 京太郎「きゃあっ!」 咲「あわわわわ」 ー30分後ー 咲父「すまなかった、大丈夫か、咲」 京太郎「うん。なんか京ちゃんの体だとすぐ痛くなくなるみたい」 咲父「早とちりして娘に手をあげるなんて・・・本当にすまん」 咲(まあ普通の人間なら早とちると思う) 京太郎「ううん。誤解だったけど、お父さんが私のために本気で怒ってくれて、嬉しかったかも」 咲父「咲・・・」ジ~ン 京太郎「ありがとう・・・」 咲「すいません。親子愛に水を差す気は無いんですが、ホモホモしいのでそのへんで・・・」 咲「しかし、よくこの奇天烈な状況にあっさり納得してくれましたね」 咲父「うむ。・・・・・・実は若いころに似たような経験があってね」 京太郎「えっ」 咲「マジですか」 咲父「あれは私が丁度高校に入学したばかりの頃だった・・・」 京太郎「どうやって戻ったの!?そこだけ今教えて!!」 咲父「う、うむ」 咲(明らかに回想が始まりそうだった気がするけど黙っとこう) 咲父「入れ替わった相手は咲、母さんだ」 京太郎「ええーーーっ!」 咲「ほほう」 咲父「その頃男子の部員が少なくてな。実力の足りなかったオレは主に女子麻雀部の使い走りをやらされていた」 咲「心中お察しします」 咲父「で、まあ、ある日入れ替わって、一月くらいで元に戻った」 京太郎「え?」 咲「戻る方法は?」 咲父「正直、いつの間にか戻ってたとしか・・・まあ色々あったからなあ、色々・・・」(遠い目) 咲父「あえて言うならキスしたのがきっかけのような気もするが・・・」 京太郎「//////」 咲「な、なるほど、割りとベタですね」 咲父「別にその瞬間に戻ったわけじゃないから、確信は無いんだが」 咲「じゃあまあ、早速、するか」 京太郎「あ、え、えーと、う、うん」 咲父「やってみろ」ユラリ 咲父「オレの目の黒いうちは娘に手を出すことは許さん」ゴゴゴゴ 咲「いやいやいや落ち着いてください。その娘はいま息子になってるんですよ」 咲父「別にそうだと決まったわけじゃない。今は待て・・・久しぶりにあいつに連絡を取って、心当たりがないか聞いてみよう」 京太郎「・・・・・・」 咲「はあ、お願いします」 咲父「取り敢えずもうこんな時間だ。2人は学校に行きなさい」 京太郎「学校行くんだ・・・やっぱり」 咲父「京太郎くん。みなまでは言わない。くれぐれも、くれぐれも自重するように」 咲「は・・・はい」 京太郎「行ってきまーす」 ダダダダダダダ 咲「おい、まてっって」ハァハァ 京太郎「あははは、すごい、脚はやーーい」 咲「くそおおっなんじゃこりゃあ バランサーがイカれてやがる。しかも遅い!」ハァハァ 京太郎「いつもこのへんで和ちゃんに会うんだけど、今日は流石にいないねー」 咲「わかってるな、咲、じゃなくてえー京ちゃん。お前は京太郎なんだぞ」 京太郎「うん。あっ・・・お、おう」 咲「女子更衣室入るなよ女子トイレ入るなよ」 京太郎「あっ。そうか!危なかったー」 咲「大丈夫かよ。頼むから俺の人生を終わらせないでくれ」 咲(しかしさしあたって・・・・・・トイレどうしよう) 京太郎「あぐらかいたり、下ねた言ったり、あとあと色々全部気をつけてよね!」 咲「わかったわかった」ハァハァ 京太郎「で、京ちゃんの方は?」 咲「俺は裏表のない素晴らしい性格だから、咲の見てる俺のイメージで適当にやってくれ」 京太郎「そんなんでいいの!?」 ポン 男子「おーっす。京太郎、ギリギリセーフだったな」 京太郎「あ、ああ、・・・・・・まあな」 女子「んー。なんか須賀くん今日雰囲気違わない?」 咲(!) 京太郎「おっ。ついに俺の魅力に気付いちゃった?」 男子「言ってろw」 女子「あははは」 ワイワイガヤガヤ 咲(うむ。その調子だ、咲。しかし・・・) シーン 咲(咲に麻雀部以外に友達がいなくてよかっ・・・・・・た?)ホロリ ー休み時間ー 咲「この離れのトイレなら誰も来ないだろ」 京太郎「大丈夫かなあ・・・」 咲「じゃあまずチャックを下ろして」 京太郎「はい先生」ジジー 咲「トランクスの股の方に穴が空いてるので、そこからチンコを取り出します」 京太郎「チン///・・・は、はい」ポロリ 咲「もうちょっと小便器に近づくんだ。そして照準を合わせて主に排水口の辺りを狙い撃つ」 京太郎「うう・・・ちょっと触るのやだなあ・・・」 咲「ちゃんと洗ってるから!しっかり銃身を握って狙いを定めないとえらいことになるぞ」 京太郎「そうなんだ・・・」ムズムズ 咲「出そうか?」 京太郎「うっうん・・・あっ」ジョー 京太郎「なんか、変、この感覚、新しいかも・・・」ジョワー 咲「お、おい咲、顔がやばいぞ。よだれ・・・」 京太郎「え?ご、ごめん」ジュルッ 咲(男の放尿って女より気持ちいいのかな) 咲「そして終わった後はブルンブルン震わせて尿の雫を切るんだ」 京太郎「あははは、これなんか面白いかも」 咲「切り終わったらさっきと逆に仕舞う。あと絶対にチャックにチンコを挟むなよ。15分は行動不能になるぞ」 京太郎「えっティッシュで拭かないの?」 咲「どこにそんなもんがあるんだよ。ちなみにハンカチなんて基本持ってないぞ。手洗ったらズボンで拭く」 京太郎「ふーん男の子って不潔なんだね」 咲「そうか?」 京太郎「『咲』はちゃんとハンカチ使ってよね。ポケットに入ってるから」 咲「へーへー。ところで『京ちゃん』・・・俺も小便したくなったんだが・・・」 京太郎「うー・・・・・・・・・・・・しょうがない、よね」 ガチャ 咲「いちいち個室っていうのが面倒くさいな」 京太郎「しょうがないでしょ」 咲「しかし何も脱がなくていいのは楽かもしれん」 咲「ん・・・っと。ほほう、綺麗なピンク色だな」 京太郎「勝手に拡げないで!!」 咲「す、すいません」 京太郎「もう、女の子の一番デリケートなところなんだからね!」クニ 咲「はぅ///」 京太郎「変な声出さないで・・・こっちの小っちゃい穴がおしっこが出るところで、その下の方が・・・」 咲「チンコ挿れるところか」 京太郎「赤ちゃんが出てくるところ!」 咲「順番的にはこっちが正しいぞ」 京太郎「うう・・・京ちゃん最低・・・もうお嫁に行けない・・・」 咲「男は元々行けないから安心しろ」 京太郎「京ちゃんは見られて、ていうか見て、平気なの?」 咲「・・・まあ正直、鼻血出そう」ハァハァ 京太郎「ヘンタイ」 チョロロロロロロロ チョッ チョッ チョロッ 咲「ふぅ・・・女って小便我慢できないんだな」 京太郎「そうなの?」 咲「ああ、多分。なんか途中で止めれなそうな感じ」 京太郎「終わったらティッシュで綺麗に拭いて。トイレットペーパーだと切れ端が残りやすいから特に注意してね」 咲「はいよ」フキフキ 京太郎「・・・・・・」 咲「ウンコはどっちも同じだから講習の必要はないですよね?w先生・・・」 京太郎「・・・・・・っ」 咲「・・・おいどうした、咲」 京太郎「どうしよう京ちゃん・・・なんかあそこが変なの・・・」 咲「!・・・立てるか?」 京太郎「ん・・・痛っ・・・これって」モッコリ 咲「ついにこの瞬間が来てしまったか・・・」 京太郎「これって・・・くっ」 咲「うん、取り敢えず苦しいだろうから外に出してやる」 カチャカチャ ジー 京太郎「うわぁすごい・・・全然、さっきと形も大きさも違う・・・こんなに膨らむんだぁ・・・」ギンギン 咲「あー・・・恐らく咲もある程度知っているかもしれないが、これがいわゆる勃起ですね」 咲(裏から見るの思ったよりグロいな) 京太郎「これが・・・大丈夫なの?どんどん大きくなって破裂しない?」 咲「それはないから安心しろ」 京太郎「どうしようどうしよう京ちゃあん」オロオロ 咲「落ち着き給え。ちゃんと静める方法も伝授してやるから」 咲「まずひとつは一時的な対処療法だ。瞑想をするように心を落ち着けて、静かに無心でいればそのうち収まる」 京太郎「」コクコク 咲「ふたつめは元を断つ。チンコを主に手で扱いて精子を出してスッキリさせてやるんだ」 京太郎「どっちが、どっちがいいの?」 咲(色々あって忘れてたけどそういえばオナ禁してたんだった) 咲「溜まってれば授業中に不意勃って戻らないっていうことも有り得る。ここは・・・」 咲「一旦落ち着け、いいか? なるべく気持ちの悪いことを考えるんだ」 京太郎「気持ちの悪い事?」 咲「例えば・・・咲って何か嫌いな物とかないか?」 京太郎「嫌いな物・・・ええと」 京太郎(嫌いな物嫌いな物・・・・うーーん) 京太郎「虫とか・・・かな」 咲「虫か! ならゴキブリが卵を生んでいる所を考・・・うぅぇえええ」 京太郎「なにそれ・・・」シナシナ 京太郎「ちょっと京ちゃん、あんまり気持ちの悪い事言わないでよ」シュンシュン 咲「ああ、だけど見てみろ咲 萎んだだろ?」 京太郎「あっ! 本当だ!」 咲(しかし、自分から言っといてなんだがなんだろう今の・・・) 咲(すんげー気分悪くなったな・・・大抵そういうの考えたところでここまで気持ち悪くならないのに・・・) 咲(これも咲と入れ替わったせいか? まあいいか) 咲「ところで咲――― ガチャ モブ子A「そういえば昨日のテレビ見たー?」 モブ子B「うん 見たよー!」 咲「!?」 ガタッ 京太郎「!???」 ガタッ モブ子A「ん?」 モブ子B「え? どうかした?」 モブ子A「いや・・・何でもない 所でさ」 京太郎(京ちゃん動いちゃダメだよ!!) 咲(わかってる! 今ここで何かあって京太郎であるお前がバレたら俺の学校生活は終わる!!) モブ子A「って言ってたんだよねー」 モブ子B「えー そうだっただー!」 咲(・・・) 京太郎(・・・) モブ子A「それでさー!」 モブ子B「うんうん」 咲「・・・いつまでいるんだこいつら? もう十分はいるぞ?」ボソッ 京太郎「あはは・・・女の子はお喋りだから」ボソッ ~~~~~♪ 咲・京太郎「「!!??」」 モブ子A「え?」 モブ子B「ケータイ?」 モブ子A「そういえば私たちがここに来てからまだ誰も入ってこなかったよね」 モブ子B「そういえば確かに」 京太郎「きょきょきょ京ちゃん! 何でケータイマナーモードにしてなかったの!?」 咲「いや、いつもは学校につく前にはマナーモードにしてたけど今日は違うだろ!??」 京太郎「どうしよ」 ガンガン モブ子A「大丈夫ですかー?」 咲・京太郎「「!!??」」 モブ子B「随分長い間トイレ入ってるみたいだけど・・・何か体調悪いんだったら先生呼んでこようかー?」 京太郎「ああええと、だ!大丈夫です!! 心配しないでください!」 モブ子A「!!??」 モブ子B「!!!!」 咲(あああっ!!!!) 京太郎「あっ・・・」 モブ子A「お、男の声・・・!?」 モブ子B「ここ女子トイレだよね・・・?」 モブ子A「ちょっとあんた!! ここで何してんの!??」ガンガン 咲(終わった・・・) 京太郎(ブルブル)ウルウル 咲(いや、考えろ! ここで何かしないと俺の高校生活が終わる!!) 咲「あーあーおほんおほん!!!」 咲「間違えて電話してたのをスピーカーにしちゃったー(棒)」 咲「もしもしー 京ちゃーん?」 京太郎「!?」 京太郎「あーーもしもしーどうしたーー?」 咲「今ちょっと電話に出れないからまたかけ直すねー」 京太郎「あ、あー分かった」 ガチャ スタスタ 咲「あの、お騒がせしてすいません ケータイをずっと弄ってて・・・」 モブ子B「え?、ああ・・・なるほど」 モブ子A「え? でも男の声は??」 咲「それは電話してきた相手の声で、私が間違えてスピーカーにしちゃったんですよ」 モブ子A「あぁな~んだ、 てっきり女子トイレに入る変態がいるのかと思ったよ」 咲「ははは」 咲(危なかった・・・) キーンコーンカーンコーン モブ子A「あ、予鈴」 モブ子B「そういえばモブ子A、会長に何か頼まれてなかったっけ?」 モブ子A「あっ!! そうだった! 早く行かないと!」 タッタッタ ガチャン 咲「・・・・・・ふぅ・・・」 咲「咲ー出てきても大丈夫だぞー」 スタスタ 京太郎「・・・・はぁ もうダメかと思ったよ」 咲「お前なー・・・グニィ」 京太郎「ひふぁいふぉふぉうふぁん」 咲「それよりさっさと出よう 誰かに見られたら即OUTだっからな」 京太郎「うん」 ガチャ スタスタ 咲「ふぅ・・・しかしまじで危なかったな」 京太郎「うん・・・正直もうダメかと思ったよ」 咲「お前がテンパって返事しなけりゃよかったのにな」グニグニ 京太郎「ふぁふぁらいふぁいふぉきょうちゃん!」 咲「おっと・・・取り敢えず今から気を取り直すぞ さ・・・京ちゃん」 京太郎「うん 咲」 ??「・・・・・・」 ??「あれは咲ちゃんと・・・・京太郎? あそこって女子トイレじゃ」 ??「どうして咲ちゃんと京太郎が・・・」 ~昼休み~ 咲「ふぅ・・・なんとか授業中や休み時間は誰にも怪しまれずに済んだな」 京太郎「ky・・・咲はずっと授業中寝てたからでしょ!」 京太郎「わ俺なんていろんな人が喋りかけてきて大変だったんだから!寝てるわけにもいかないし!」 咲「はいはいご苦労さま」 京太郎「京ちゃん はいは一回でいいよ」 咲「はいよ」 咲「それよりもだ」 咲「取り敢えず今後のことを話さないといけないから、和と優希には悪いけど今日は二人で食べてもらうとするか」 京太郎「うん、そうだね」 咲「さてと・・・・・どうしますか」 京太郎「お父さんが朝言ってた事を思い出してみると 咲父「で、まあ、ある日入れ替わって、一月くらいで元に戻った」 咲父「正直、いつの間にか戻ってたとしか・・・まあ色々あったからなあ、色々・・・」(遠い目) 京太郎「ってことだから正直今のわた・・・俺たちにはどうすることもできないよ」 咲「そうだな・・・ それよりも今おれ・・・私たちが入れ替わっていることを和たちに話すかどうかだな・・・」 京太郎「うん・・・ 正直信じてもらえるか分からないよね・・・」 咲「まあそりゃそーだろ 俺と咲が入れ替わってるんですー」 咲「なんていったって和はそんなオカルトありえませんとかいって絶対信じないだろうし」 咲「優希や部長は面白半分でしか話聞かなそうだし」 咲「染谷先輩もなんていうか予測がつかないしな・・・」 京太郎「けど、隠し通せるとも思えないよ・・・?」 咲「一ヶ月だもんな・・・短いようで長いし・・・」 咲「まあ最悪何か違和感が隠しきれなくなったら正直に白状するしかないだろ」 京太郎「っていうことは今はまだ言わないって事?」 咲「もしお前が、誰かと誰かが入れ替わってるって知って今までどおり接することができるか?」 咲「そんなぎこちないことになるぐらいなら隠していたほうがマシだと思うんだ」 京太郎「そっか・・・そう言われるとそうかも」 咲「そう・・・・・・・・・・・」ピーーン 咲(・・・・・待てよ?) 咲(そういえば、今の俺の体は咲。つまり女子だ) 咲(それって・・・・・・俺が今考えている以上に今・・・) 咲(とても幸運な状態なんじゃないのか・・・?) 咲(さっきまではあまりそういうことを考えずに入れ替わりは隠そうとしてたけど・・・) 咲(・・・・・・・・・・・・)ニヤリ 京太郎「京ちゃん・・・?」 ~昼休み~ ??「むむむ・・・何だか二人共楽しそう」 ??「それに何故だか咲ちゃんが今まで見たこともないような悪い顔をしているじょ・・・」 ??「それよりも二人で・・・・まさかあの二人・・・・・・」 ??「京太郎・・・・」 ?「・・・・さんどうして須賀君と二人で・・・」 ??「ん?あれは・・・?」 ?「どうして私じゃなくて須賀君と二人で・・・」 ??「のどちゃん・・・」 ?「え? あ、優希」 ~放課後~ 咲(授業が終わるまで何も起こらなかったな・・・段々咲になりきるのも慣れてきたし・・・) 咲(・・・・・・・・・・) 咲(ダメだ・・・考えるのをやめるんだ・・・・これ以上考えるとニヤケが止まらなくなる)ニヤニヤ 京太郎「何ニヤニヤしているんだ咲・・・」 咲「いや、何でもない」 咲(咲と入れ替わった・・・まず咲と仲のいい女子で外せないのはもちろん・・・・) 咲「和だ!!!!」 京太郎「」ビクッ 京太郎「・・・・・? はっ」ピーン 京太郎「・・・・咲 和ちゃんに何かしたら許さないよ」 咲「!?」 咲「ななにを言ってるんだ咲?俺は咲の体なら俺でも嶺上開花和了れるんじゃないか試してみようと思っただけだぞ?」 京太郎「ほんと~?」 京太郎「あぁ、そういうことだから・・・じゃ・・・」 咲「・・・・・・」テクテクテク 咲「・・・・・・・」テッテッテッ 咲「・・・・・・・・」タタタタタタタ 咲(待ってろよお!和ぁ!) 和「宮永さん・・・どうして・・・」ブツブツ 咲「原村さん!」 和「宮永さん?!・・・どうしたんですか?」ハッ 咲「えへへ・・・」ギュッ 和「宮永さん?!」 咲「前から原村さんの胸の谷間に挟まってみたかったんだ~」 和「わ・・・わ・・・私も」 バタン 京太郎「ちょ、ちょっと!何やってるの?!」 咲「わっ!びっくりさせないでよ京ちゃん」 咲(ちっ勘づきやがったかこのチンチクリン) 京太郎「やっぱり原村さんの胸が目当てだったんだね・・・許さないよきょ、咲」ゴゴゴゴゴ 咲「あわわわわ」 京太郎「さぁこっちにきてゆっくりお話s──」 和「やめてください!」 咲「!」 京太郎「え・・・はら・・・和?」 和「どうして須賀君が怒るんですか?宮永さんがクラブメイトと交友を図ることのなにがいけないというのですか?」 京太郎「いやでもぉ・・・いくらなんでも抱きついて胸に顔擦り付けるのは行き過ぎなんじゃ・・・」 和「スキンシップです。相手が男性というわけでもないのだから校内の秩序を乱すような行為になるとは思えませんが」 和「それとも須賀君個人として私と宮永さんが仲良くすることに、なにか蟠りでもあるのでしょうか」 京太郎「それは・・・」 京太郎(もぉ・・・なんでか知らないけど原村さんの逆鱗に触れちゃったよぉ・・・) 京太郎(京ちゃんなんとかして・・・)チラッ 咲「ふぇぇ~原村さ~ん」ギュウウウゥゥ 京太郎「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」グギ 和「反論がないのなら消えてください。私たちはこれからもっとお互いを知りあう必要があるのですから・・・さ、宮永さん」 咲「うん!」 京太郎「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 京太郎「」ガシッ 咲「へ?」 京太郎「きて」 和「ちょっと、あたなまだ──!」 京太郎「」ギロッ 和「ひっ」 咲「いやちょっと待ってどこ触ってあ、あ、ああああああれえええぇぇぇぇぇぇ~~」 和(連れてかれちゃいましたね・・・) 和(でも、須賀君のあの射殺すようなまなざし・・・) 和(・・・・・・・・・・・・・・・・・ポッ) 咲「サキサンカワイイー」 京太郎「まったく京ちゃんはいっつもおっぱいおっぱい言って・・・」 咲「サキサンカワイイー」 京太郎「その年になって恥ずかしいと思わないの?」 咲「サキサンカワイイー」 京太郎「だいたいおっぱいなら手頃なのが近くにあると思うなー」 咲「リンシャンカイホー」 京太郎「だいたい胸って大きさだけじゃないと思うし──」 久「なにあれ」 咲「おっと、俺ここから帰るわ」 京太郎「ちょっと、そっちは京ちゃんの家でしょ?京ちゃんは私の家に帰らないと」 咲「おっと、そうだったな」 京太郎「じゃあ、私はきょうちゃんの家に帰るね」 ~宮永家~ 咲「ただいまー」 咲父「おう、おかえり。 何かいい方法は見つかりそうかな?」 咲「いや、まったく…」 咲父「そうか、とりあえず今日はもう部屋に戻って休んでなさい」 咲「? 部屋って、どの?」 咲父「咲の部屋に決まってるじゃないか」 咲「」 ~in咲部屋~ 咲(すげぇ、なんかかわいい小物がいっぱいあるな…) 咲(しかもめっちゃいい匂いがする、これが女の子の部屋か…) 咲「ん?これは…」 咲「洗濯物…だと?」 咲(いやこれはさすがにまずい) 咲(バレたら殺されるよな…) 咲「…」 咲(ちょっとだけならいいよな…)スッ 咲(綿ぱんつか、あいつらしいな…)プラーン 咲「…」 咲「ちょっと、ちょっと嗅ぐだけ…」 咲「…」クンカクンカ 咲(んん~まんだむ) 咲「さて次は……ん……あいつ…ブラジャーつける必要あんのか?」 咲「…」 咲「確かめてみるか…」 咲「」モミモミ 咲「……?」 咲「」モミモミモミモミ 咲「……!?」 / / ... / ′ / . . ..... ./. / ! . . .i ..! . ヽ. { . . . . . ハ ピピピ…. /.〃/ ...../ ′'. | i . . . . | i _{__| .| . . .i | . ヽ. ... / ~` ' // ′ /斗 十 | . . . . . . }}ハ ハ { ≧ト| |. / おもち力・・・ {// { /|i 八 {=从 { i N孑弐{ミト∨ | |< .. i 从 {イァ う{ミト爪ト ┌──‐┐'; | ,--|. たったの1か・・・. |. | \《 { } ヽ\| cロ ュ T ~ 日 | . | ! |ハト.乂__ノ ヽ__√\. 日 | | ゴミめ・・・ 八 | | i /i, , , /i/ , } ゝー、‐' 人____ (__) l . i. / 入 / { | V 入 {~`ソ }/} }/ { |人 ∨ >... ` . ィ升| / 咲「……元の身体と大差無い……」 次の日 京太郎「お邪魔しまーす」 咲「いらっしゃい京ちゃん」 咲「今、飲み物用意してくるね」 京太郎「おう!」 京太郎「なんかだんだん違和感なくなってきたけど大丈夫なのかな…」 咲の部屋 咲「和とイチャラブするためには…やはり麻雀だ!」 京太郎「アー、ソウダネ」 咲「なんで棒読みなんだよ」 京太郎「だって京ちゃん、麻雀ヘタでしょ」 咲「ぐっ…!?だがしかし咲の身体ならひょっとしたらと言うことも!」 京太郎「ひょっとするかなぁ…?とりあえずインターネットの麻雀してみる?」 咲「フフフのフ…期待の新星の実力、見せてやるぜ!」 ツモ!白一色! 咲「」 京太郎「…まぁ、こうなるよねぇ」 咲「じゅ、10回やって全部はんちゃんもたずにはこわれ…」 京太郎「一ヶ月なら大会前には戻れるかもだけど、それまで皆の足を引っ張っちゃう…よねぇ」 咲「さ、さきぃ…どうしよう…俺…」 京太郎(あ…姿は自分なのに凹んでる京ちゃんすごく可愛い…) 咲「和とイチャラブどころじゃなかった…このままじゃ俺のせいで…」 京太郎「京ちゃん」ヨシヨシ 咲「咲ぃ」ギュー 京太郎(わ、自分の姿なのに潤んだ目で抱きつかれたら…なんていうか、グッときちゃう) 京太郎「あ…」 京太郎(まただ…また、私…) 咲「──。──」 京太郎(私たち……ホントにこのまま戻れるのかな……) 咲「──。──!」 京太郎(もしかしたらずっとこのまま……) 咲「──ぃ!おい咲!」 京太郎「っ……なに?京ちゃん」 咲「お前何か変なこと考えてんじゃねぇだろうな……顔真っ青だったぞ」 京太郎「な、何かって何?」アセアセ 咲「どうせ咲のことだから何かくだらない事でも考えてるのかと思った」 京太郎「くだらない事って…そんなこと考えてないよ」 咲「本当か?」 京太郎「本当!」 咲「……」 京太郎「………」 咲「………」 京太郎「………少しだけ」 咲「やっぱりじゃねぇか」 京太郎「ごめんね」 咲「いや、別に謝られるようなことじゃないけど…」 京太郎「………」 咲「………」 咲「あのさ咲」 京太郎「?」 咲「大丈夫だから! 俺を信じてくれ!」 京太郎「なにさいきなり……京ちゃんを信じたからってどうなるものでもないんじゃないの?」 咲「そうだな……でもさ、少なからずこの一ヶ月はお互いが信じ合えてないとやっていけないだろうからさ」 咲「俺は咲のこと信じてるよ」 咲(今は取り敢えずこの心配性の咲をどうにかしないとな) 咲「だから咲も、俺を信じてくれ」 京太郎「…………うん」 京太郎「私がこの家に着いた時のやり取りあったじゃない?」 咲「ああ」 京太郎「あの時は冗談交じりに体に沿ってお互いを演技あってただけなんだけど」 京太郎「ふとした瞬間の京ちゃんがとる私の仕草、とか言動に……なんだろ……」 京太郎「女を感じるっていうか…異性的魅力に目がつくようになるって言うか…」 京太郎「あ、もちろんナルシストとかそういうわけじゃなくってね?」 咲「実は言うと俺もその感覚はある」 京太郎「え?」 咲「基本咲は俺の体でもナヨナヨしてくれてるから機会は少ないんだけど」 咲「密着した時に感じた体のたくましさとか、腕まくったりするとことか見るとなんかドキッとしたり……」 咲「って!これじゃほんとに自分に酔ってるヤバい奴みたいだな!」 京太郎「あはは……うん。そうそう……多分そんな感じなんだろうけど」 京太郎「そういうことを通していくうちに自分の意識がだんだんと男性に流れて行ってるような」 京太郎「私って意識が京ちゃんの意識に変わってっちゃうみたいな、そんな気がしてきてさ」 京太郎「私たち……元に…もどれるのかなぁ……」ポロポロ ギュッ 京太郎「……京ちゃん?」 咲「大丈夫だよ」ナデナデ 咲「うん…うん、ごめんね、ほんとにごめん…」 京太郎「だからもう泣かなくていい、任せとけよ」 咲「…ぁ」 京太郎(そんな顔で上目づかいで見つめられたら…) 京太郎「…」 咲(だ、駄目だよ京ちゃん…そこで目をつむっちゃっうなんて…キス、しちゃうよ…) チュ 京太郎・咲「ってもどってたぁ??!」 後日 咲父「いやぁ随分アッサりと戻ったもんだ。俺と母さんの時はもっと時間がかかったもんだけどなぁ」 咲父「二人の仲は俺が思っていたよりもずっと進展していたようだ」ギリギリギリ 京太郎「お、お義父さん。くっ苦しいッス」パンパンパン 咲「お父さんやめて~私の京ちゃんに乱暴しないで~!」 咲父「」パッ 京太郎「ゲホっ……ゲホ……」 咲父「いいか!エッチは20歳を超えてからだ!それと!俺はお前のお義父さんでは……」 咲父「ない!」バターン!! 咲「もう……お父さんってば……大丈夫、京ちゃん?」 京太郎「あ、あぁ……まぁ問題ないよ」 咲「……」 咲「結局入れ替わった原因ってなんだったんだろうね?」 咲「お父さんたちはキスで戻ったっていってたけど私たちはする前にはもう戻ってたし」 京太郎「わっかんねぇ……けどまぁ」 京太郎「俺としてはかわいい彼女が出来るきっかけになったことだし……一概に厄災だったとも言い難いんだけどな」 咲「も、もぉ京ちゃんは///」 京太郎「咲…」 咲「京……ちゃん…」 二人は幸せなキスをして終了
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坂元弥太郎 坂元 弥太郎(さかもと やたろう、1982年5月24日 - )は広島県広島市生まれ、埼玉県蕨市育ちの東京ヤクルトスワローズ所属の野球選手。切れ味鋭いスライダーと強気のピッチングが信条の本格派右腕である。 ==来歴・人物 == 男ばかり四人兄弟の第二子として出生。中学卒業直前に実母が胃癌で逝去(享年44)する試練を乗り越え野球に打ち込む。 2000年 浦和学院高3年次に全国高等学校野球選手権大会(夏の甲子園)に出場。八幡商戦で1試合19奪三振を記録する。これは56年ぶりのタイ記録。2回戦で香月良太(現・オリックス・バファローズ投手)がいた柳川高に敗れた。 2001年 ドラフト4位でヤクルトに入団。背番号は63。 2002年 一軍初登板。シーズン100奪三振を挙げる。第15回IBAFインターコンチネンタルカップ日本代表に選出される。 2003年 背番号を11に変更。 2005年 背番号を山本樹の着用していた45に変更。 私生活では平尾博嗣(現西武ライオンズ内野手)の従妹にあたる浦和学院高の一期後輩の女性と2003年結婚、妻との間に女児が二人いる。 引用元 http //ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9D%82%E5%85%83%E5%BC%A5%E5%A4%AA%E9%83%8E
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京:部屋はここ、ですよね 白衣(憩):せやで、頑張ろな 京:ええ、勝って帰りましょう . .-――-. . . . ´ .` . / ヽ . . / / l ヽ ヽ . / / / / l l l . ′ . . . ′/ | ハ ト、 ヘ i l |. | 1 | .|{ ‘. ヽ\_ ; | | | | | | |-―.lハ{\ fヾ\` i l |l | | | | | |{ ヽ \ { \ \ | 八 | | | レ _ 、 `r==ミx } ∧ . 八 ヽ | r㌃⌒` ムイ } ヽ / \ヾ ,,,,,,,, , '''''''' | ノ \ / 八 ハ .... 、 「 ヽ > / / >-、 ( ノ イ l l ヾ \ CPU1:お待ちしてましたーぁ -=≦ / ゝ ー ' < l ∧ |` ー---` ∠ イ ∧ ト、 ≧=r-- 1 /レ' .V / \ { ヾr‐ァ' トヘ/白衣:! / / / / \ \ / / / // / ./ | | ゚ . / / / . / / ./ ./ . Ⅳ . . .| ゚ . . ′/ // _/__,/ _ / ./ . | ゚ . .| ゚ .. | /.| . /7´/ _」 / . /┼ ┼ ゚ .l | |. |// l /| | ./ ∧ ,」 . . | ゚ .\ .リ | |. |/ | ./ . | l/ l/ ‘ .| 八 | | / l | | / | / | | ___--、 ‘ .| ‘ | | /} / リリ . .| / 从{ |ァ´ ̄ ̄`ヾ \{ __-‘__, |// / / / | | / | ´ ̄ ̄`ヾ/イ / / | | __彡 / | 〃〃 ′ | /Χ | | `ー------=彡ク | _ 〃〃 |/´ ̄`∨ ∨ / .人 |  ̄`ヽ. / l \ / / / \ / 、__彡イ ト、 .\ /_ _ _ _ 彡 //l \ `ー‐ _. . ≦ | .从 八 --- ` CPU2:今日はウチらが、お相手しますーぅ l/ ./`ト . _ _ -‐ | _ _ _ /| / \ \ 八 ./ | .∧ Τ {_ノ∧ l/ ` \ ∨ j/ /´ | __ -‐ \ 京:姿形まで憩さんと同じか、凄く凝ってるな 白衣:ちょっとびっくりしたわ 京:まあいいです、始めましょうか 半荘戦開始 東一局 親 京 25000 CPU2 25000 白衣 25000 CPU1 25000 京太郎(半荘戦の起家か……最初から流れを掴んでいこう) 京太郎(麻雀を、状況を楽しみつつ……) 京太郎(推して参る!) 同コンマのため、流局となります 流局 京太郎(流れたか……だがまだ親番だ、頑張ろう) 憩(牌が偏ってるわけでもないみたいやな) 憩(ま、さすがにそこまでずるいことはしいひんやろ) 東一局一本場 親 京 26500 CPU2 23500 白衣 26500 CPU1 23500 CPU2:ロン、三翻の六十符は7700、一本付で8000やね 白衣:自分から和了られるって、変な感じやな 京:俺の親がぁ…… 東二局 京 26500 親 CPU2 31500 白衣 18500 CPU1 23500 京:カン 京太郎(俺の親に好き勝手やられて、黙ってられるかよ) 憩(京太郎くんの……混一色みたいやな) 憩(とすると……) 京:ポン 京:カン CPU2:リーチ 京:ロン、混一ドラ2赤1 京太郎(これで、一旦リードだ) 東三局 京 34500 CPU2 23500 親 白衣 18500 CPU1 23500 憩(京太郎くんが頑張ってるんや) 憩(ウチやって!) 京太郎(あっちが和了りそうだから……) 京:チー 京太郎(亜空間殺法だったっけな) 憩(これで、テンパイ) 憩(連荘もしたいし、ここは早めに!) 白衣:ロン、タンヤオのみ 白衣:一翻五十符で2400ですーぅ 東三局一本場 京 34500 CPU2 23500 親 白衣 20900 CPU1 21100 CPU2:ツモ、二翻五十符の一本場は900・1700やね 憩(親被り、辛いなぁ) 京太郎(やはり一筋縄にはいかないか) 京太郎(なるべく点差を離せるといいんだけど……) 東四局 京 33600 CPU2 23500 白衣 19200 親 CPU1 20200 東四局開始時の点数は以下のようになります 京 33700 CPU2 23500 白衣 19500 CPU1 20300 CPU1:ロン、六翻五十符で18000 白衣:えっ 京:なっ 京太郎(親の跳満、これで4600点差) 京太郎(それに、憩さんが……) 東四局一本場 京 33600 CPU2 23500 白衣 1200 親 CPU1 38200 京太郎(一体どうすりゃいいんだよ……っ!) 京太郎(……ツモっちまった) 京太郎(タンヤオと赤1で二翻三十符で600と1100) 京太郎(これでトップに近づくけど、次の局に憩さんに当たったら……) 京太郎(ここは……) 京:カン 京太郎(一旦突き放す) CPU1:カン 京太郎(……マジかよ) 京太郎(タンヤオ赤1、今のカンでドラ2) 京太郎(そんでもって……ツモっちまったじゃねえか) 京太郎(これなら課題は達成できる、だが……) 京太郎(……憩さんを飛ばしていいのかよ) 京太郎(憩さんを飛ばして勝つか、また見逃すか) 京太郎(どうすりゃいいんだよ……) 白衣:京太郎くん 白衣:これは、京太郎くんの戦いなんや 白衣:ウチはこの子たちと同じ、敵なんや 白衣:せやから……ね? 京太郎(……そうだ) 京太郎(これは俺とあの人との戦いなんだ) 京太郎(人を飛ばして逃げきったって、それで俺の勝ちなんだ) 京太郎(ためらうな、言ってしまえ) 京:ツモ 京:五翻五十符の一本場は、2100・4100です 終局 京 42000 CPU1 34200 CPU2 21400 白衣 -600 京太郎(――――俺は、勝ったんだ) 荒川父(……潔いな) 荒川父(たかが遊びだというのに、優しい子だ) 荒川父(やはり私が間違っていた、大人の事情のために子どもを利用するなど) 荒川父(私のただ一人の家族をただの金なんぞにくれてたまるか) 荒川父「先生に電話をしてくれ」 秘書「かしこまりました」 憩「お疲れ様、京太郎くん」 京太郎「すみません、最後に飛ばしてしまって」 憩「京太郎くんは京太郎くんにできることをしたんやから、気にせんでええで」 憩「それに、飛んだからって言うたって死ぬわけやないやん」 京太郎「そうですね、ところで……」 秘書「院長は今、書斎にいるわ」 京太郎「じゃあ今すぐ行って話をつけないと!」 秘書「「何があっても、婚約は無しにする」って言ってたわよ」 京太郎「なんだ、よかったぁ……」 憩「……あの話、実は無理矢理つけられた話やったんや」 京太郎「無理矢理?」 憩「……うん、昔、この病院を建てるときにお世話になった人がおってな」 憩「その人から借りた金は返さへんでいい、って言われてたんやけど、この前急に手のひらを返して」 憩「ウチと息子を結婚させろ、ってお父さんに言うてきたんや」 憩「そうすれば金は返さへんでええし、そうしいひんとお母さんのことをばらすって」 憩「その婚約者さん、家で煙たがられてて、それでここの院長にあてがえば一家の名目は保たれる、とかもいうてて」 秘書「お嬢様、どうしてそのことを知っているんですか?」 憩「お父さんとおじさんが話してるのを聞いてしもうたんや」 京太郎「お母さんの話……」 京太郎(そんな交換条件に出すぐらいなんだから、聞いちゃ悪いよな) 京太郎「は聞かないでおくとして、それじゃあお父さんに悪いことをしてしまったんじゃないんでしょうか」 秘書「むしろ、決心がついたみたいで良かったんじゃないかしら」 京太郎「……そうです、か」 秘書「そうそう、戻って来るまで二人は居間で待ってろ、って言っていたわね」 京太郎「じゃあ行きましょうか、憩さん」 憩「うん」 荒川父「世間体なんて気にしません、私には憩さえいてくれればいいんです」 荒川父「例の縁談、丁重にお断りさせていただきます、では」 『荒川君、すこ――――』プツッ 荒川父「……ふぅ」 荒川父「これで、いいんだよな」 荒川父「憩、今日から清々荘に帰っていいぞ」 憩「ほんまに!」 荒川父「ああ、だが、たまにはこっちにも顔を出してくれよ」 憩「うん!たまーにな!」 京太郎「お父さんも憩さんもすごい笑顔ですね」ヒソヒソ 秘書「院長は吹っ切れて、お嬢様は自由になった、それもそうよね」ヒソヒソ 荒川父「そして鮫のオクトパスが言ったんだ、へっ、そんなんじゃあさめざめするなってね」ドッ 憩「あはははっ!なんで鮫なのにオクトパスなんや!」 京太郎「……大人しく見守りましょうか」ヒソヒソ 秘書「……そうね」ヒソヒソ 秘書「荷物は一時間もすればアパートに届くはずです」 荒川父「困ったときは帰ってきなさい、たとえば……京太郎君に乱暴されたときとか」 京太郎「しませんよそんなこと!」 荒川父「はっはっは、わかっているよ、今度来るときは是非二人で挨拶に来てほしいな」 京太郎「挨拶?」 憩「どういう意味?」 秘書(それは伝わりませんよ院長……) 荒川父「こほん、まあとにかく、京太郎君も元気でいてくれたまえ」 京太郎「はい!」 荒川父「それでは、またいつか」 京太郎「はい、おじゃましました」 憩「また来るなー」 憩「♪」 京太郎「はぁぁぁぁぁ~~」 京太郎(ちょー緊張したよー) 京太郎(たった数時間なのに滅茶苦茶長く感じたぞ、どうなってんだ時間細胞) 憩「京太郎くん、ありがとな」 / / / / \ \ / / / // / ./ | | ゚ . / / / . / / ./ ./ . Ⅳ . . .| ゚ . . ′/ // _/__,/ _ / ./ . | ゚ . .| ゚ .. | /.| . /7´/ _」 / . /┼ ┼ ゚ .l | |. |// l /| | ./ ∧ ,」 . . | ゚ .\ .リ | |. |/ | ./ . | l/ l/ ‘ .| 八 | | / l | | / | / | | ___--、 ‘ .| ‘ | | /} / リリ . .| / 从{ |ァ´ ̄ ̄`ヾ \{ __-‘__, |// / / / | | / | ´ ̄ ̄`ヾ/イ / / | | __彡 / | 〃〃 ′ | /Χ | | `ー------=彡ク | _ 〃〃 |/´ ̄`∨ ∨ / .人 |  ̄`ヽ. / l \ 「これからも、よろしくな」 / / / \ / 、__彡イ ト、 .\ /_ _ _ _ 彡 //l \ `ー‐ _. . ≦ | .从 八 --- ` l/ ./`ト . _ _ -‐ | _ _ _ /| / \ \ 八 ./ | .∧ Τ {_ノ∧ l/ ` \ ∨ j/ /´ | __ -‐ \  ̄ ̄ __/ /lノr‐ \ --‐ / /~⌒l / \ / { / ∧ \ / \ 京太郎(まあでも、こうして憩さんが笑っているんだ) 京太郎(一件落着、だな) 憩が清々荘に戻ってきました! 憩「ただいまー」 憩(ここに帰って来るんも久しぶりやな) 憩(京太郎くんがウチに決心させてくれたから、ウチはここにおるんや) 憩(感謝しても、し足りひんくらいや……) 京太郎『俺が憩さんのことを幸せにするッ!!!』 憩(……って、何思い出しとるんやウチ!) 憩(幸せに……まあ京太郎くんのことやからウチの想像とは違う意味やろ、うん) 憩(……ウチ、京太郎くんのこと好きなんかな) 憩(あれ言われて嬉しかったし、京太郎くんが傍にいてくれて心強かった) 憩(デートも楽しかったし、初めて会ったときやって……) 憩(それに、偶然とはいえキスまでしてもうたし……!) 憩「~~~っ!」パタパタ 憩(あーもうなんやこれ、なんやこの気持ちー!) 京太郎「今日はよく眠れそうな気がする……」 京太郎「明日はクリスマスイブ、そんでもって今年最後の大会」 京太郎「……俺、プロ相手に生き残れるのか?」 夜 京太郎(エイスリンさんの強さを証明する) 京太郎(まだ、エイスリンさんに麻雀を楽しんでいてもらいたいんだ) 京太郎(今日こそは誘えるように……) 京太郎「霞さんの家に来てくれませんか? そこで決着をつけましょう……っと」 ヴーッ ヴーッ エイスリン『りょうかいしたよ』 京太郎「よし、んじゃああとは誰を誘うか、だけど……」 京太郎「こんばんはー」ガララ 霞「あら、一体どうしたの?」 京太郎「ちょっと雀卓を……そうだ、霞さんも一緒に打ちませんか?」 霞「ええ、構わないけど他の面子は?」 憩「何の話しとるん?」 京太郎「憩さん?どうしてここにいるんですか?」 憩「帰って来た挨拶しに来たんよ、で、どうしたん?」 京太郎「エイスリンさんと麻雀を打ちに来たんですよ、憩さんも一緒にどうです?」 憩「うん、ええでー」 京太郎「よし、これで面子は揃いましたね」 ガララ エイスリン「コンニチハ!」 霞「夜はこんばんは、よ」 エイスリン「アッ……コンバンハ!」 霞「京太郎くんと麻雀打つんでしょ、さあ上がって」 勝利条件:エイスリンを使って、エイスリンが一位になること 京太郎「それでは、始めましょうか」 エイスリン(キョウタローのお願いだから、真剣に頑張る) エイスリン(それでも、結果は……) 半荘戦開始 京太郎『エイスリンさんには、まだ諦めてほしくないんです!』 憩『その話を聞く限りは同意やけど……それ、手を抜くってことやろ?』 京太郎『いや、むしろ本気で当たって欲しいんです!』 憩『一位を狙いに行けっていうこと?』 京太郎『はい、そんな手加減された麻雀なんて楽しくありませんから』 憩(って言われたし、今度は勝たせてもらうで、京太郎くん!)ピキィィィン 【孔穿つ閃光】発動! 憩「リーチ」 京太郎「!」 霞(この雰囲気、憩ちゃんのリーチ……ということは) 京太郎(まだ十巡目だから海底、河底は無いとして有り得る珍しい役は……) 憩「カン」 憩「リンシャンツモ、裏4」 憩「3000・6000や」 京太郎(淡みたいな和了り方だな……) 東二局 京太郎 19000 親 憩 37000 エイスリン 22000 霞 22000 京太郎「カン!」 京太郎「もいっこカン!」 京太郎「そんで、リーチだ!」 エイスリン(キョウタローがリーチ!) エイスリン(それなのに……ついてない) 京太郎「憩さん、それです!」 京太郎「リーチ混一!8000!」 東三局 京太郎 27000 憩 29000 親 エイスリン 22000 霞 22000 憩(早速追いつかれ気味やし……) 憩(もう一回、行かせてもらおか!)キィィン! 【孔穿つ閃光】発動! 憩「リーッチ!」 京太郎「げっ、またですか」 エイスリン(また、ケイのリーチ……) 憩「ツモ!リーチ一発、三翻七十符で2000・4000や!」 東四局 京太郎 25000 憩 37000 エイスリン 18000 親 霞 20000 エイスリン(最下位……取り返さなきゃ) エイスリン(……勝ちたい!) エイスリン「……」ムーッ エイスリン「……」ムーッ エイスリン「!」 エイスリン(テンパイ!) エイスリン「……」ムーッ エイスリン(誰か、振り込んで……) エイスリン「!」 エイスリン「ロン!3900!」 エイスリン(やっと、和了れた!) 京太郎「…………」 京太郎(勝つための麻雀、楽しむための麻雀、そんなの人それぞれだ) 京太郎(でも、どっちだって全力でやらなきゃ成り立たねえ) 京太郎(だから、まだまだ行かせてもらうぜ!) 【金色放つ海】のブースト効果が発動されました! 南一局 親 京太郎 25000 憩 33100 エイスリン 21900 霞 20000 京太郎(あっれー……有効牌が全然来ねえ) 京太郎(俺の運無いな……) エイスリン「ツモ!1300・2600!」 京太郎(と思ったら親被りするし……まあ振り込まなかっただけいいか) 京太郎(って、逆転された!?) 南二局 京太郎 22400 親 憩 31800 エイスリン 27100 霞 18700 憩(……これ、完全にエイちゃんの流れや) 憩(まだ諦めてないってことやんな) 憩(流石に親被りも振り込みも勘弁やけど……)トン エイスリン「ロン!8000!」 憩「うっ、やってもうた……」 南三局 京太郎 22400 憩 23800 親 エイスリン 35100 霞 18700 憩(11300点差、このままやと負けそうやけど……) 憩(ウチもまだ、勝てるはずや) 【孔穿つ閃光】発動! 憩「カン」 霞(ここまで振り込み無しで来てはいるのだけど、ツモばかりで削られているわね) 憩「リーチ」 霞(今回は危ナイ臭いがプンプンするわね……) 霞(これなら、通るかしら?)タン 憩「……ロン、リーチ一発ドラ1赤1裏1」 憩「五翻の八十符は8000ですーぅ」 オーラス 京太郎 22400 憩 31800 エイスリン 35100 親 霞 10700 京太郎(エイスリンさんも、勝とうとしてるし、実際今は勝ってる) 京太郎(このまま平和に終われば、思い直してくれるはず……) 霞「ツモ、6000オール」 京太郎(全然平和じゃねえじゃねえか!) 京太郎(まあいいや、今度こそ押さえてやる!) 【金色放つ海】のブースト効果が発動されました! オーラス一本場 京太郎 16400 憩 25800 エイスリン 29100 親 霞 28700 エイスリン(……テンパイ) エイスリン(ここで和了れば私の勝ち)ドキドキ エイスリン(そうしたら、私は弱くない) 京太郎「リーチ!」 エイスリン(これが証明なんだね、キョウタロー) エイスリン「ロン!」 エイスリン(私は強い) エイスリン「1000ノイッポンバハ1300!」 エイスリン(もう、諦めない) 終局 京太郎 15100 憩 25800 エイスリン 30400 霞 28700 京太郎「……ふぅー」 京太郎「エイスリンさん、これでわかったでしょう?」 京太郎「エイスリンさんは俺にも憩さんにも霞さんにも勝てるくらい強いんです」 京太郎「足手まといじゃない、まだ諦めなくていいんですよ」 エイスリン「……ウン」 エイスリン「キョウタローノマージャン、タノシカッタ」 エイスリン「カテテウレシカッタ、アガラレテクヤシカッタ」 エイスリン「……マダマージャンシタイ」 京太郎「はい!まだみんなで続けましょうよ!」 エイスリン「ウン!」 霞「エイスリンちゃん、来週には母国に帰る予定だったけど、どうやらそれは無くなりそうね」 憩「エイちゃんも卒業式までおられるってことですか?」 霞「ええ、多分ね」 「お母さん、元気にしてた?」 「お父さんもみんな元気よ、そっちはどう?」 「私も元気だよ」 「それで、今日は何の話をしてくれるのかしら、またキョウタローくんの話?」 「大学の話、私ね、そっちで勉強するのやめる」 「高校卒業したら、こっちの大学に行く、そうしたら私の夢ももう一回決めてみる」 「……何があったのか知らないけど、まだマージャンを諦めてないってことよね?」 「うん、大学に行っても続けるつもり、いい?」 「あなたが決めたなら、文句は言わないわよ」 「勉強もマージャンも……それにボーイフレンドもね」 「ボ、ボーイフレンドなんていないよ!」 「あら、キョウタローくんはどうなのかしら?」 「キョウタローは……」 「早く伝えないと他の子に取られちゃうわよ、お父さんと出かけるから電話切るわね」 「お母さんの意地悪!」 「はいはい、じゃあねー」 「はーい」 エイスリンが年内に清々荘から離れることはなくなりました! prrr prrr 京太郎「何だよ父さん、こんな時間に」 須賀父「暑いぞーニュージーランドはー」 須賀父「まさかクリスマスイブに海で泳げるとは思わなかったぞ」 京太郎「大晦日だけは母さんのとこに帰ってやれよ」 須賀父「クリスマスイブといえば、お前、彼女はできたのか?」 京太郎「いない、明日は大会だから早く寝ないとなんだよ」 須賀父「モモちゃんや咲ちゃんとはどうなってるんだ?」 京太郎「大阪と長野じゃ遠いだろうが」 須賀父「そうかそうか、そうだったな」 須賀父「俺もお前くらいの歳は……」 京太郎「父さんに母さん以外の恋人なんていたのか?」 須賀父「じいちゃんやばあちゃんたちとこたつに入ってたな……」 京太郎「なんだよ……」 須賀父「まあ何にせよ、命短し恋せよ漢、だ!」 須賀父「好きな子の十人や二十人いるだろ?」 京太郎「…………いねーよ」 須賀父「お?今一瞬戸惑ったな?戸惑っただろ?」 京太郎「戸惑ってない、じゃあな」 須賀父「あっ、ちょっ」 プーッ プーッ 京太郎「疲れた、今日は一日中疲れた」 京太郎「もう寝よ……」 【冬休み十日目】終 【冬休み11日目】 京太郎「今日が終われば、年末は好き放題か」 京太郎「うっし、今日も頑張るぞぉー!」 京太郎「霞さんのメモ、久しぶりだな」 京太郎「っと、何々……」 霞『今夜、清々荘のみんなでクリスマスパーティーを開きます。よかったら来てね』 京太郎「清々荘のみんなで……か」 京太郎「そういや、郁乃さんはどこ行ったんだろ」 京太郎「冬休みに入ってから一回も会ってない気がするし……」 京太郎「繋がるといいな」ピッピッ prrr prrrr prrrrr prrrrrr 『………………』 京太郎「郁乃さん?」 『………………』 京太郎「出てるんですよね?」 郁乃『……京太郎……くん?』 郁乃『せやで……いくのん、やで~』 郁乃『今日はどうしたん?』 京太郎「今日の俺の試合、見に来ますか?」 郁乃『試合?』 京太郎「今日、プロ・アマ交流戦ってのがあるんですよ」 京太郎「高校生の各学年の選抜六チームと、プロチーム、教員チームで試合をするんです」 京太郎「三箇牧からは俺と照と憩さんと咏、あと霞さんも善野さんも出るんですよ」 京太郎「来てみませんか?」 郁乃『それは……ちょっと無理、みたいやな』 郁乃『げほっ、ごめんな、見に行きたいのは山々なんやけど』 京太郎「そうですか……」 京太郎(なんだ、さっきからおかしいぞ郁乃さん) 京太郎(元気無いみたいだし、それを取り繕ってみせてる) 京太郎(それに、あっちがやけに静かだ) 京太郎(旅館とかにいる可能性もあるけど、だったら最初の空白は何だ?) 京太郎(何て、言えばいいんだ) 京太郎「…………」 京太郎「俺、郁乃さんのためならどこにだって駆けつけますから」 京太郎「郁乃さんが困っているんだったら助けます」 京太郎「だから、困っていることがあるなら言ってくださいよ」 郁乃『な、何を言うとるんや?』 京太郎「俺も同じく清々荘の住人じゃないっすか、こんな俺でも力になれればな、って」 郁乃『…………』 郁乃『せやったら、助けに来て』 郁乃『私を助けて』 郁乃『場所は…………や』 京太郎「わかりました」 郁乃『あっ、やっ!』プツッ 『ツーッ ツーッ』 京太郎「場所は何とか聞き取れた、けど」 京太郎「竜華さんとの約束を破るわけにもいかないし……」 京太郎「助けて、って言われて行かないやつがどこにいるんだよ」 京太郎「竜華さんたちには悪いけど……」ピッ prrr prrr 泉『二条ですけど、何の用ですか?』 京太郎「泉、遊びに行かねえか?」 泉『遊びって、二人で……ですか?』 京太郎「そーそー、二人いるよ」 泉『え、じゃあ……行きます』 京太郎「オッケー、待ち合わせ場所は――――」 prrr prrr 竜華『なんや京太郎くん?』 京太郎「もしもし、竜華さん」 京太郎「実はこれから用事ができちゃったんで、俺はちょっとパスで」 竜華『えっ?どういうこと?』 京太郎「細かいことは話せないですけど、この埋め合わせは絶対にするんで!」 竜華『急いでるみたいやし……わかったわ』 京太郎「あ、あとそっちに泉を向かわせたんで、一緒に遊んでください」 竜華『へ?なんで泉?』 京太郎「それじゃあ俺もう行くんで!ほんっとすみません!」 竜華『ようわからんけど、頑張ってな!』 京太郎「はい!」 【三箇牧の街】 京太郎「郁乃さんに言われた通りだと……この辺か」 善野「あれ?須賀君こんなとこで何しとるん?」 京太郎「善野さん!?」 善野「なんやそのオバQを見たようなリアクションー」 京太郎「なんでよりにもよってオバQなんすか」 善野「ま、須賀くんがここにおるってことは、郁乃のこと助けに来たんやろ?」 京太郎「ということは、善野さんも郁乃さんのこと知ってるんですか?」 善野「郁乃の居場所、ようやく突き止めたんや」 善野「あの子、人のことよう見とる割に自分は遠慮するからな、ほんま困ったもんや」 京太郎「遠慮、って?」 善野「誰にも迷惑をかけたくなかったみたいや、薬の実験台にされとるっちゅうのに」 京太郎「そっか、最初に小さくなった郁乃さんが行った場所は、善野さんのところでしたね」 善野「石戸先生から相談を受けて探してみたら、京太郎くんが郁乃を庇ったあの組織、相当ヤバいらしいで」 善野「通称は黒の組織、主に薬の製造から暗殺、闇取引等々、薬と殺しに関しては闇組織の中でトップクラス」 善野「どうやら郁乃がはまったんはその研究中の薬らしいんや」 京太郎「そんな……それの実験台って」 善野「ああ、はよ行かんとな」 京太郎「じゃあ、俺が先進むんで後からついてきてください!」ダダダダ 善野「あっ、ちょっと!」 善野「……はぁ、頼もしいなぁ、あの子」 善野「黒の死神に出くわさんとええんやけど……」 チンピラ1「人が情けかけて電話出させたらこれか、ホンマ困るなぁ、オイゴラァ!」 チンピラ3「アニキィ、この女もうヤっちゃってええんやないっすか?」 チンピラ2「上に止められとったけど、流石にこれはなぁ」 チンピラ4「7Pでっかぁ、良さそうやなぁ」 チンピラ5「身体はギリギリ合格ラインってとこやから、ええやろ」 郁乃「げほっ、げほっ」 京太郎(郁乃さんが血を吐くまで……っ!) 善野「落ち着くんや須賀くん」ヒソヒソ 善野「一人一人はこいつみたいに弱いかも知れへんけど」 チンピラ6「ダレカキタデー……」ボコボコ 善野「二人で五人相手は無理があるわ、何か作戦でも立てんと」ヒソヒソ 京太郎「作戦……」 京太郎「誰かに連絡して応援に来てもらう……とか?」ヒソヒソ 善野「他の人を危ない目に遭わせるんか?ヘタすれば死ぬかもしれないんやで?」 京太郎「うっ……それは確かに」ヒソヒソ 善野「……私が囮になってる間に須賀くんが郁乃を助ける、これで行こうや」ヒソヒソ 京太郎「なっ、ダメっすよそんなの!」ヒソヒソ 京太郎「それだったら俺が行きます、前もそうしましたから大丈夫です」ヒソヒソ 善野「……ほな、作戦開始や」 善野『まずは相手に向かって閃光弾と音爆弾を投げるんや』 善野『その間に須賀くんはできれば一人以上の相手を潰す』 善野『このジャスティスハンマーで叩けば一発のはずや』 京太郎(そして俺が発見、コテンパンにされている間に善野さんが郁乃さんを助ける……作戦は完璧だ!) 京太郎「うぉぉぉぉおおおおお!」ヒュン!ヒュン! パァン! チンピラ1「うわっ!」 チンピラ2「のわっ!」 チンピラ3「そげぶっ!」 チンピラ4「くっ!」 チンピラ5「目が、目がぁ~!」 キィィィン! チンピラ5「あぁっ!」 京太郎(よし、今の内だ!) ――― 一ターン目 チンピラ1「誰や、こんなことしやがったんは……ぁっ!」 京太郎(こいつ……こいつが郁乃さんに薬を……) 京太郎(絶対に許さない!)ドガッ チンピラ1「ごはっ!」バタッ 京太郎(できるだけ完璧に完膚なきまでに叩き潰すんだ) 京太郎(躊躇うな、躊躇ったらこっちがやられるんだ!)ドガッドガッバキッ チンピラ1「」 京太郎「これで一人、と……つぎは……」 ――― 二ターン目 京太郎(なるべく郁乃さんの周りからどかしておくか……) 京太郎「郁乃さん、すぐに終わらせますからね」 郁乃「京、太郎……くん」 京太郎「ドラァ!」ドガッ!ドガッ!ボコッ チンピラ2「」 チンピラ3「ア、アニキィィィィィイイイ!」 チンピラ4「おい!兄ちゃんここで何しとるんや!」 京太郎「やべっ、見つかった!」 ――― 二ターン目 京太郎(見つかったからには……生かしておけねぇ!) 京太郎「ふんすっ!」ドガッ チンピラ3「ってぇなぁ……ふざけんなや!」ブンッ 京太郎「がはっ!」 チンピラ3「兄ちゃん、ようやってくれたなぁ」ボキボキ 京太郎(一発喰らっちまったか……) 京太郎(ここからどう引きつけるが問題だ) ――― 四ターン目 京太郎(もっと、もっと有利な状況を作るんだ!) チンピラ5「耳が、聞こえないッ!聞こえないんやッ!」ポーッ 京太郎(……あいつだ!) 京太郎「えい」ボコッ チンピラ5「痛っ!」 チンピラ3「オイゴラァ!ちょこまか動いとるんやないわ!」 チンピラ4「覚悟せえよそこん金髪ァ!」 京太郎(攻撃できてあと一回、できるだけ広い死角を作りたいが……) チンピラ3「上には連絡させてもろうたわ、もうじき組織の殺し屋が来るはずや」 チンピラ4「ほな、どう料理したろか?」 ――― 五ターン目 チンピラ4「あ~よう見たらこの兄ちゃん、わいらに突っかかってきたやつやないか」 チンピラ5「あー、あのボコボコにされとったんかー」 チンピラ3「油断しとったとはいえ、随分と舐められてんなぁ」 京太郎(ここは、攻撃だ!) 京太郎(ハンマーを投げる!頭に当たれば十分なダメージのはずだ!) 京太郎「まだ、まだだっ!」ブンッ ガシッ チンピラ5「詰めが甘いんだよガキが!」ドガッ 京太郎「ぐっ」 チンピラ3「よう散々コケにしてくれたなぁ」ゲシッ チンピラ4「ざっけんなや!」ドゴッ 京太郎「がはぁっ」 京太郎(くっ、あの二人は……) 善野「」 郁乃「」 京太郎(な、なんで……) ?「よくもここまでやったものだな」 京太郎「な……」 京太郎(なんだこの殺気……) ビリリリリッ!! 京太郎「ん、ここは……」 善野「ようやく起きたみたいやな」 京太郎「縛られてますね……」 郁乃「二人ともごめんな~」 京太郎「俺こそ、こんなことになっちゃって結局助けられませんでしたし、周りに注意していれば……」 善野「いや、今回はホンマにしゃあないわ」 善野「そら、敵が強く過ぎたからな」 京太郎「敵?」 善野「通称黒の死神と呼ばれる暗殺者……」 ギィ ?「すみません、お待たせしました」 /. } | ヽ /. /. '; ! | | .'. ! ! l /| / ハ ト、 | | . | | | / ! /} /-‐ヘ 厂ヽ lハ ! l '. l ;' | | ア7/l| / / 'ァ¬方フハ | ! | ト、 l |ヾ、 l/ | /| {弋j巧 / / ー`¨'゙ ' l 从ハ|/) ヘ | | | | ぃ ヘ l / /" | / ′ V 乂メ 〉 | | | ヽ | } ∧ |;' } / ,/. ∧| V| } /l从 ,′ 厂! リ 丿 jノ | ;ハ. 丶 ..- ,′| / ′ヘ. _,. / ノ! ハ′ 「李舜生と申します、今日はよろしくお願いします」 ヽ `¨二  ̄ / | / ̄ ̄ ` .、 __丶 / / |ー…ァ-、ヽ \ ,. _ \ / / |. / { . }. .ヽ /. ,. '" |ヽ... ´ / / V. | ̄ヽ __/. ∧ | ,. '" ,'. j j /. /. . ./ ヘ | /、 /. /. 厂`丶 /. | | ヽ /| / ハ /. /. /. \ 京郁善(なんかイケメン来たーっ!?) 京太郎「アンタ、組織の人間なのか?」 李「僕はただ、裏にいた人たちに君たちと麻雀を打てと言われただけです」 善野「麻雀、やて?」 李「はい、そこの全自動卓を使え、と」 京太郎「裏で俺らで賭けをしてる、ってことなのか?」 李「よくわからないですけど、打たないならば殺す、と言っていました」シュパッ シュパッ シュパッ 京太郎「あ、ありがとうございます」 善野「ありがとさん」 郁乃「おおきに~」 京太郎「殺す、か……」 李「ええ、それともう一つ―――」 李「ラスの人以外は全員ここから出させてもらえるそうですよ」 京太郎「誰かが犠牲になるしかないってことですか?」 李「どうやら、そのようですね」 善野「誰か一人だけ……か」 李「理解が速くて助かります、それでは、始めましょうか」 半荘戦開始 京太郎(郁乃さんは衰弱してるし、元々体が弱い善野さんもこんなとこに置いていたら不味い) 京太郎(だとすれば、残るべきは俺か、この人) 李「…………」 京太郎(だが、おそらくはこの人も組織の人間、それなら……) 京太郎(全力を以て、狙い撃つ!)ギィン! 同コンマのため、流局 京太郎(これで、テンパイだ) 李(わかりやすい殺気……) 李(……それならば)トン 善野「けほっ、けほっ」 善野(長い間考え続けるんは疲れるなぁ) 善野(手っ取り早く終わってくれると楽なんやけど) 京太郎「テンパイ、げほっ」 李「テンパイ」 郁乃「ノーテン」 善野「ノーテン」 京太郎(あれ、俺、なんで今咳なんか……) 東一局一本場 親 京太郎 26500 体力:7 李舜生 26500 体力:9 郁乃 23500 体力:9 善野 23500 体力:9 京太郎(さっきのは、躱されたのか?) 京太郎(……今度こそ)ギィン 李(二巡目で聴牌したか) 李(…………)チラッ 京太郎(ここは絶対に和了るんだ!) 李(…………) 李(……少し様子を見てみるか)トン 京太郎(何としても李さんに当ててやる!) 京太郎(善野さんと郁乃さんだけは生きて帰すんだ)ジーッ 李「」ジロッ 京太郎「!」 京太郎(今……目が合った?) 京太郎(俺の考えてることが見透かされてる?) 京太郎(いや、そんなことはない) 京太郎(この待ちなら……!) 李「…………」トン 京太郎「ロ、ロン!純全三色平和一盃口!18000の一本場は18300!」 李「あ……はい、どうぞ」ニコッ 京太郎「どうも……」 京太郎(さっきの殺気と言い、一体何なんだこの人……) 東一局二本場 親 京太郎 44800 体力:5 李舜生 8200 体力:8 郁乃 23500 体力:8 善野 23500 体力:8 京太郎「げほっ、げほっ」 京太郎(なんだ、さっきから体が重い……) 京太郎(風邪でも引いたか?) 京太郎(……いや、そんなことはどうでもいい) 京太郎(もういっちょ、追いつめる!)ギィン 郁乃「ポン」 善野「けほっ、こほっ」 李(……見たところ、向かいの女は脆弱、支配系の能力者) 李(隣の女は鳴くなどして場の流れを荒らしている) 李(そして、こいつは……) 京太郎(な、なんだ、これ……) 京太郎(平和タンヤオ二盃口清一赤1ドラ2) 京太郎(大竹林、か) 京太郎(こんなんで射抜けるかどうかわかんねえな……) 李(さっきから染めてるのか染めていないのかよくわからない捨て牌だ) 李(三索を捨てた、それなら……) 京太郎「――――ロン」 京太郎「平和タンヤオ二盃口清一赤1ドラ2」 京太郎「48000の二本場は、48600!」 李「くっ……」 終局 京太郎 93400 郁乃 23500 善野 23500 李舜生 -40400 郁乃「たった一局で終わってもうたんか?」 李「すみません、僕麻雀はそんなに得意じゃないんですよ」 善野「……あんた、一体何者なんや?」 李「僕は組織に囚われた者ですよ、さっき言いませんでしたっけ?」 京太郎「そんな麻雀が苦手なやつをここに連れてきたって意味ないじゃないですか、そんなことをあの人たちがするとは到底考えられないんですよ」 李「……実を言うと、この対局はあなた方の最期の手向けってことだったんですよ」 李「これが終われば順位に関係なくあなたがたを殺す、と」 京太郎「じゃあ、あんたが……」 李「……ですが、その必要はなくなりました」 京太郎「え?」 | | | | ,..._ ,.r-、 ,ry | | ヒ;;; } ィt 、 , ' // '''´ | | ,、.、 ,..,..._ { } }/ r'ノィー 、 | | ヾ、゙、// jr; 、 ,rヾ''"ゞ=' 'ヾ.....⊃' ! ! ヽ''ヾ 、 ;' `''",.=-、 ー'’._ ,r'う { jj ,.、、 _,... ''ヽ ,.,´ {{ ヽ. ,;'"'" ̄ヾ´,.., r ';;〃l'l ;; f'_ ヾ'〃) `ヾ / 〈 /ノ ヾ,jヽ='. ,,ヽへ-(ヾ ゙、 ゞ',.,.、 // / ヾ ゙、゙、 {{) { jj' ",,,,、 c;、ヽ=' ゙、 ゙;ヾヾ/_ ヾ / ノ ,,,,_ ( ヾ'''⊆| |P,r,r 、 , '''7 ``' ゙/〃 ゙ー' / ;}}`",.,rt 、゙´ // / ゙ー',.r 、 _`'’ r 、、ヾ-''n.く ; ゙、゙、 ヾー' { ̄ ノ!,ィ'r' | | | |''ヽ`_,,.`'ヘ;r'ノ,..- 、_ _ `='-'" | | | ___. | | |_`__|`ii'"''" /7 i'i l´______|_| |___| 「____| ` }}f´ヽ、`,..,゙、} | ̄ ̄ ̄| ̄| ゞヾ;;;jj{{;;;ノ{{ | [][] | | _i二二二ユ;; 「 ,...., ,f;ノ「 ̄ ̄ ̄「| ||ヾヾ ̄ ̄、,...... ._ | |]]]]]]]]]]]]]]]'i||__ ヾ-’_| |_____」」;;;;||_ `ヽ、_,I、ー'_,! | |--------/'| '゙、 ,i'j | ヽ...|、`ヽ、 |lllll | |..| |-------/;';'.| }}|| ,rr--- |ヽ. \ヽ、.|| .|lllll | |,,! '"-------/ ;' ||「 ̄ ̄ ̄ ̄ |` ̄ ̄_|_\. ヽ、、l !lllllTTTTTTTTTTTTTT ;' |l'| ̄ ̄「「「ニ|ニf(二二..))\ `゙、===.LLLLLLLLLLLLL! ;' ||'| |.|.|..|ヾ;;|、;;;;;;;;;;;;;;;;! \ | ニニニニニニニニ]' |.|'| |.|.|..|ヾ.| |゙、 `、! ドゴォッ! 李「あなた方はどうぞ速く逃げてください」 京太郎「今のって爆発ですか!?」 善野「大阪の街で何しとるんや……」 猫「黒、早くズラかるぞ!」 李「わかってる、例のブツは」 猫「背中に巻いてある」 郁乃「猫が喋った?」 李「気にしないでください、赤阪さんにはこれを」 郁乃「これ……薬?」 李「はい、あなたの身体を元に戻す薬です」 郁乃「これが私の身体を……」 李「飲むかどうかはあなたの自由にしてください、じゃあ!」 ドォォン! 善野「何やったんやろうな、あの人」 京太郎「まあ何にせよ早く逃げましょう!」 郁乃「…………」 善野「郁乃、はよ行くで」 郁乃「あ……うん」 組織のアジトから逃げ出した! 【公園】 京太郎「ここまで来れば大丈夫でしょうか……はぁ」 善野「げほっ、げほっ!げほげほげほっ!」 京太郎「うわっ!善野さん大丈夫っすか!?」 善野「いつものことやから……」ガクッ 京太郎「善野さぁーーーーん!」 郁乃「それ、いつもの死んだふりごっこやで~」 京太郎「そうなんですか?」 善野「げほっ、ぐほっ、ごほっ、ごほぉっ!ごへぁっ!ごはぁっ!はっくしょん!」 京太郎「そうじゃないみたいなんですけど」 郁乃「まあ気にせんといてや~」 京太郎「郁乃さんがそう言うなら……」 郁乃「京太郎くん……今日はごめんな」 郁乃「大事な試合がある日やのに、こんな迷惑かけてもうて」 京太郎「いいっすよ、俺は郁乃さんを助けたかっただけなんすから」 京太郎「身体痛くって参りますけどね」 郁乃「ほんま、ありがとな」 京太郎「郁乃さんのためです、どうってことないっすよ」 京太郎「それより……その薬、飲まなくていいんすか?」 郁乃「これは、まだええかな」 郁乃「これ飲んだらまた一人暮らしの生活して、姫松で善野ちゃんと一緒にコーチやって」 郁乃「そうしたら京太郎くんとも、霞ちゃんとも住めへんやろ?」 郁乃「せやからまだ飲まへん方がええかな~って」 京太郎「そう……っすか」 郁乃「またお世話になるな」 京太郎「上等です、もう慣れてきましたから」 郁乃「……寒いな」 京太郎「冬ですからね」 郁乃「手、繋いでもええ?」 京太郎「ええですよ」ギュッ 郁乃「……おおきに」 京太郎「あ、そういえば」 郁乃「どうしたん?」 京太郎「郁乃さんの口調、おかしくありませんか?」 郁乃「え~そんなことあらへんよ~?」 京太郎「今思いっきり作りましたよね!」 郁乃「戻してへんも~んこれが本来やも~ん」 京太郎「この人のウソを見破れない自分が悔しい!」 善野「…………寒いなぁ」 善野「ほな、二人とも後でな」 京太郎「ありがとうございました!」 郁乃「ほんま、ごめんな~」 善野「郁乃に振り回されるんはいつものことやからな……」メソラシ 郁乃「も~そんなことないや~ん」 京太郎「俺たちも帰りますよ、郁乃さん」 郁乃「はいは~い」フラフラー トリアエズカエッタラフロハイッテクダサイヨ エーソンナクサナイヤロー 善野(弱ったとき、口調も元気の無さも隠さない郁乃は久しぶりやった) 善野(須賀くんやったら、郁乃のことちゃんと面倒看られるかもな) 善野(そういえば、遊園地のペアチケットもろうとったっけ……) 京太郎(こうして郁乃さんと一緒に歩くなんていつぐらいからだろ……) 郁乃「学年選抜か~懐かしいなぁ~」 京太郎「郁乃さんの頃はどんなんだったんですか?」 郁乃「私は参加してへんかったんや~」 京太郎「あ……すみません、言いづらいことを」 郁乃「まあ開かれてすらないからな~」 京太郎「」イラッ 京太郎(苛立ちはするけど、今はこの苛立ちも気持ちいい) 京太郎(仲間が戻ってきたって実感できるんだ) 京太郎(薬も手に入ったし、あとは郁乃さんとの時間を楽しめるといいな) , '"  ̄` 、 / ヘ ./ ヽ、 ヘ ′ i !ハ ∧ i| | ! ヤ ∧ |i | / リ从 ∧ | /´レ勹´ _`_キ ∧ | !' ,r=‐ ⌒i| \____ | 爪 ´,, ″| ヽ、 `ヽ 郁乃「も~私の話聞いとる~?」 | ゝ .,ノ 从 `ヽ、 | 心 _/.)^._ イ´ ∧\ }..,ィ|i /./ | i \ } ソ{ ./ | ,'‐^ュ `k | i \"´ji { 广 ̄丁 j’ ´ ‐''ノ从 |-ミ } ji ル / 人__,,斗宀'" i \|ノ; /i | 彳"/ /' │ !"¨ ./ |ゝ-弋./ /__ __ _/i / |!/| | / / `´ |/ | i| | / / | | i| 京太郎「ええ、聞いてますよ」 京太郎(このまま聞いていたいぐらいですよ) 郁乃が清々荘に戻ってきました! 京太郎「たった四時間で無茶苦茶疲れたぞ……」 京太郎「試合まであと三、四時間くらいか」 京太郎「何しよ」 京太郎「疲れたし、他の人の部屋で和みに行こう」 京太郎「腹が痛い……」 京太郎「照も憩さんも試合があるだろうし、エイスリンさんの部屋に行くか」 コンコン 京太郎「エイスリンさーん、あっそびーましょー」 エイスリン「キョウタロー……?」ガチャ 京太郎「ども!これから遊びませんか?」 エイスリン「イイヨ!」グッ エイスリン「タイシタオカマイハデキマセンガ……」オズオズ 京太郎(相変わらず何で日本語の勉強してんだろうなこの人) 京太郎(可愛いからいいけど) エイスリン「キョウタロー、コレ!」 京太郎「花札ですか?」 エイスリン「カスミカラモラッタ!」 京太郎「じゃあやりましょうか負けませんよ?」 エイスリン「キョウタロー、マケナイ!」フンス! 京太郎(この手札……これならエイスリンさんに勝てる!) 京太郎「エイスリンさん、ルール追加ってどうですか?」 エイスリン「rule?」 京太郎「これに負けた方が、勝った方の言うことを何でも聞くっていうのです」 エイスリン「オモシロイ!」 京太郎「ふっふっふ」 京太郎(何を命令してやろう……脱いでもらうとか……グヘヘ……)チラッ エイスリン「~♪」ニコニコ 京太郎(…………) 京太郎(こんな純真な人に何考えてんだ俺……) 京太郎「負けた……俺が負けた……」 エイスリン「ヤッタ!」グッ 京太郎(この天使のような笑顔が見れればどうでもいいや……) エイスリン「キョウタロー、キョウタロー」 京太郎「いやーエイスリンさん強いですね、初心者とは思えないですよーあははー」 エイスリン「ナンデモスルッテイッタヨネ?」 京太郎「え……し、知らないなぁー」 エイスリン「キョウタロー、ナンデモスルッテ……」ショボン 京太郎「うぐっ」 エイスリン「ウウッ……」グスッ 京太郎「い、言いました!覚えてましたよ!」 エイスリン「ヤッタ!」ニコッ エイスリン「ソレジャー……」 京太郎(今の俺、嵌めようとしたのに嵌められた……?) エイスリン「ジャァ……キョウタロート……」 京太郎「俺と?」 エイスリン「…………///」プシュー 京太郎「ちょっ、エイスリンさん!」 エイスリン「キョウタロゥト、イッショニネタイ」 京太郎(寝たい!?いやいや、ネクタイだろ、ネクタイ、そうに違いない) エイスリン「///」カァァ カキカキ 京太郎(エイスリンさんがホワイトボードに絵描いてんの久しぶりに見たな) エイスリン「!」バッ |京太郎とエイスリンが一緒の布団で寝る絵| 京太郎「……つまり、今夜、俺と一緒の布団で寝てほしいと」 エイスリン「///」コクッ 京太郎(それっていいのか?霞さん的に) 京太郎(いや、俺だってエイスリンさんと寝れるなんて願ったり叶ったりだけど、そんなのゲームなんかでやっていいことなのか……) エイスリン「……ダメ、カナ?」 京太郎(上目遣いでこっち見ないでくださいよ、頬染めないでくださいよ!どこで覚えたんですかそんな技術!) 京太郎(無理だ、こんなん逆らえるわけがねえ……) 京太郎「勿論、万事オッケーっすよ!」 京太郎(霞さんにバレたら死ぬな、男として)
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京太郎「こんなにたくさん女の子がいるんだ、俺にも彼女くらい出来るはず…」 京太郎「よし!じゃあハギヨシさんに告白しよう!」 京太郎「って男じゃねえか!ダメだろ!」 京太郎「まあ安価は絶対だしな…どうせ告白しても成功しないだろ…」 京太郎「それじゃあ行ってくるか…」 ハギヨシ「それで話というのは?」 京太郎「いや実はですね…」 京太郎「前からあなたの事が好きでした。付き合ってください。」 ハギヨシ「!?」 京太郎(やべー…言っちまったよ…) ハギヨシ「それは…本気で言ってるのですか…?」 京太郎「はい?」 ハギヨシ「本気で言っているのかと聞いているんです。」 京太郎「え、ええ…もちろんです。」 ハギヨシ「そうですか…分かりました…」 京太郎(怒らせちゃったかな…) ハギヨシ「実は私も貴方の事が好きでした。喜んでお付き合いさせて頂きます。」 京太郎「えっ」 ハギヨシ「それでは服をお脱ぎ下さいませ…」 京太郎「えっ?いやっ、ちょっ…やめ…」 大沼「何をしとるんじゃ!お前ら!」 京太郎「あなたは確か…大沼プロ!」 ハギヨシ「ちっ…邪魔が入ったか…」 大沼「まったく…近頃の若い奴は…ワシも一緒にやらせんか!」ポロンッ 京太郎「」 大沼「ほれ、さっさと尻を出さんか。」 京太郎「ちょっ…やめっ…」 ハギヨシ「お待ち下さい。私の方が先です。」 大沼「なんじゃと!老人に先に譲らんか!」 ハギヨシ「いいえ。こればかりは譲る訳にはいきません。」 京太郎(何なんだこいつら…) 大沼「さっさと譲らんか!この若造が!」 ハギヨシ「いいえ。こればかりは絶対に譲れません。」 京太郎「二人とも落ち着いて…」 大沼 ハギヨシ「うるせえ!黙ってろ!」 京太郎「(´・ω・ `) 」 ハギヨシ「分かりました。ならばどちらが京太郎様を満足させられるか勝負しましょう。」 大沼「ふん…小癪な…まあ良いだろう…」 大沼「それでルールは?」 ハギヨシ「お互いに挿れ合って先にイった方が負けという事でどうでしょうか。」 大沼「良いだろう…ワシに勝負を挑んだ事を後悔させてくれるわ!」 京太郎(今のうちに逃げよう…) 京太郎「やっと逃げてきた…まさか裸のまま追ってくるとは…」 京太郎「偶然警察の人にすれ違わなかったらヤバかったな…」 照「君は確か咲の高校の…」 京太郎「そういうあなたはチャンピオンの宮永照じゃないですか。こんなところで何を?」 照「それはこちらのセリフ。きみこそ何をしているの。」 京太郎「えーとですね…ちょっと危ない奴らから逃げて来たというか…そういうあなたは何を?」 照「「すがきょうたろう」とかいう咲にくっつく虫がいるそうなので始末しにきた。」 京太郎「えっ」 照「ところでまだ君の名前を聞いていなかったけど…」 照「君…名前は?」 京太郎「え…えーと赤木しげるです!」 照「アカギ…?どこかで聞いた事がある名前…」 京太郎「いやちょっと色々とやってるんですよ…はは…」 照「まあすがきょうたろうじゃないならいいよ。」 ハギヨシ「京太郎様…私達から逃げてこんなところで何を…?」 京太郎「お前…どうしてここに…」 照「おい…京太郎とはどういう事…?」 ハギヨシ「フフフ…今度は逃がしませんよ…」 京太郎(色々やべえ!こうなったら狂言を吐いて場を混乱させるしかない!) 京太郎「こいつが須賀京太郎です!錯乱して俺と中身が入れ替わったと思い込んでいるんです!」 ハギヨシ「なっ…」 照「そうなの?」 ハギヨシ「いやそんな訳無いでしょ!」 京太郎「やっぱコイツ錯乱してますよ!咲さんに手を出す前にやっちゃって下さい!」 照「よし…君たちホモセックスしよう…」 京太郎「うんうん!…って何だってええええええ!?」 京太郎「何でそんな事しなきゃいけないんですか!普通に始末すれば良いでしょ!」 照「いやだってコイツをホモにすれば咲に手を出さなくなるし….それに咲も京太郎にホモになって欲しいって言ってたからな。」 京太郎(咲…お前…) 照「さあ始めよう…逃げようとしたら…わかるよね…?」ギュルルルルル 京太郎「うう…」 ハギヨシ「( ´ ▽ ` )」 照「さあ早く」 ハギヨシ「wktk」 京太郎(もう終わりか…さようなら俺の童貞と処女…) 大沼「やめんかお前ら!」 京ハギ照「!?」. 京太郎(げええええ!よりによって今一番来て欲しくない奴が!) 京太郎(ん?待てよ…これを利用して…!) 京太郎「あのチャンピオン…ちょっといいですか?」 照「何…?」 京太郎「実は大沼プロはホモなんです。なので大沼プロとヤらせた方が色々と良いかと。」 照「そうなの…?ならそうしようかな…」 京太郎(よっしゃああああああ!) 照「さあ…早く始めて…」 ハギ 大沼「いやいやいや!」 照「…」ギュルルルルルル ハギ 大沼「はいいいい!」 京太郎(今のうちに逃げる!) 京太郎「やっと家に着いた…もう疲れた…」 京太郎(よく考えたら彼女を作ろうとしたらこうなったんだよな…もう彼女なんかこりごりだ…) 咲「あ!京ちゃんどこいってたの!」 京太郎「おう咲…ちょっと色々とな…」 咲「もう!心配させないでよ!すごく心配してたんだからね!」 京太郎「ごめん…」 咲「本当に悪いと思ってる…?」 京太郎「ああ…当然だろ。」 咲「ならキスして。」 京太郎「えええ?ドユコト?」 咲「本気で悪いと思ってるんでしょ?なら謝るかわりにキスして。ね…?」 京太郎(えーとつまりこれは告白ですか!?咲が!?俺に!?) 咲「早くしてよ…誰か来ちゃう…」 京太郎(こいつこんなに可愛かったっけ…?くそっ咲の癖に!もうやっちまえ!) チュッ 咲「んっ……はあっ」 京太郎(やっちまった…) 京太郎「…咲…何でこんな事を…」 咲「何でって?決まってるでしょ…京ちゃんが好きだからだよ。」 京太郎「そうか…………咲」 咲「何?京ちゃん?」 京太郎「好きだ。付き合ってくれ。」 カン
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http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1363548712/ 京太郎「いや、お前何を言ってんの?」 優希「照れるな照れるな! この美少女たる優希ちゃんに求婚されて本当は嬉しいくせに!」 京太郎「何この子すごいムカつく」 優希「それに片岡京太郎っていい名前だと思うだろ?」 京太郎「それが俺にさえ関係してなかったらな。 つーかマジで婿扱いなのか」 優希「結婚したら私がプロになって稼ぎまくるから、京太郎は家でタコスを作って待っていてくれ!」 京太郎「しかも俺が主夫かよ! あのな優希、俺は結婚するなら家庭的で胸の大きい女の子がいいんだ」 京太郎「悪いけどお前ではその条件にまるで当てはまらない」 優希「それでそれで、子供はだな……」 京太郎「おい、だから人を使って変な事考えるな、なんだそのにやけ面は!」 優希「のどちゃんで変な事考えてる京太郎っていつもこんな感じだじょ」 京太郎「……マジか」 【片岡優希はタコス娘】 京太郎「ほら、タコス買ってきたぞ」 優希「おお、ご苦労! タコスタコス~♪」 京太郎「……」 優希「タコスウマー♪」モグモグ 京太郎「お前って本当タコス好きだよな」 優希「好き? ふう、これだから素人は嫌になるじぇ」 京太郎「なんだよ、違うのか?」 優希「京太郎、お前は酸素が好きか?」 京太郎「は? いや、そんなの考えた事もねえよ」 優希「そういう事だじょ」 京太郎「意味がわからないんだが」 優希「察しが悪いな…タコスはな私にとっていわば酸素、好き嫌いを超えて私の血と肉とDNAを形成するなくてはならないものなのだ!」 京太郎「お前は何者なんだよ!?」 優希「タコス好きの呪われし血族って前に言わなかったか?」 京太郎「メキシコに謝れ! つーか好きって自分で言ってんじゃねぇか!」 【須賀京太郎はマネージャーじゃありません、部員なんです】 久「須賀君、買い出しお願いできるかしら」 京太郎「はい、わかりました!」 咲「えーっと、この前の牌譜どれだっけ……?」 京太郎「あー、それは確かこっちのファイルに……」 和「あ、あら? 卓の調子が……」 京太郎「どれどれ、ちょっと見せてみ……ああこれくらいなら俺でもなんとかなるかも。 工具、工具っと……」 まこ「おっ、京太郎が一番乗りか」 京太郎「おはようございます染谷先輩。 ちょっと待ってて下さい、もうすぐ掃除終わるんで」 京太郎「あっ、もうすぐお茶なくなるな……今の内に買ってくるか」 優希「京太郎」 京太郎「なんだ優希? ああ、タコスならそこの袋に入ってるから」 優希「いや、そうじゃなくて……京太郎は麻雀部のなんなんだじょ」 京太郎「なんだ今更、俺は麻雀部唯一の男子部員だろ。 悪い、これから買い出し行くから話の続きがあるなら後で聞く!」ガチャッ 優希「あ」 優希「……それなら牌磨き以外に牌触ってないのってどうなんだじょ」 【ステルス京の独壇場!】 京太郎「うーん」 優希「どうした京太郎、悩みがあるなら私が聞いてやってもいいじょ」 京太郎「いや、部長に言われて全国出場校の牌譜を集めてたんだけどよ」 優希「牌譜って各校の部室にあるんじゃないのか?」 京太郎「そうなんだよ、だから俺も素直にもらえるか半信半疑だったんだけど」 優希「女子校もあるのによく入れたもんだじぇ」 京太郎「校門に警備とかいたけど意外にすんなり通してくれたぜ?なぜか普通に扉開けて入った時中の人達にビックリされたけど」 優希「……ん?」 京太郎「誰も何にも言わないから問題ないのかって思いつつもある牌譜全部写してきたんだけどさ」 京太郎「挨拶もなかったのはちょっとショックだったな」 優希「……」 京太郎「あー、でも宮守と永水だけは入れなかったな」 京太郎「永水はお札貼られたし、宮守はなんかお婆さんにすっげえ見られて入りにくくてよ」 優希「京太郎……」 京太郎「ん?」 優希「今日は帰りに私がタコスおごってやるじょ」 京太郎「えっ、いいのか? それじゃありがたくいただくぜ」 優希「……私はちゃんと見てるからな」 京太郎「んん? なんかよくわからないけど、サンキューな」 【ごく自然に受け入れられた風潮被害】 優希「京太郎、タコスを買ってくるんだじょ!」 優希「京太郎、放課後タコス屋につきあえ!」 優希「京太郎、今度の休みにタコス巡りをするじぇ!」 優希「京太郎ー、タコスはまだかー!」 京太郎「ええい、今作ってるから少し落ち着け!」 咲「あれ?」 和「どうしました咲さん?」 咲「いや、ちょっと……優希ちゃん?」 優希「なんだじぇ、咲ちゃん?」 咲「最近京ちゃんの事、犬って言わないんだね?」 優希「えっ」 和「あっ、言われてみれば最近聞きませんね」 和「人を犬呼ばわりなんて注意しなきゃいけないとは思ってましたけど、ちゃんと直したんですねゆーき」 優希「いや、あの」 咲「どうしたの?」 優希「私、京太郎を犬扱いした事なんか一、二回くらいしかないじぇ……」 咲「あれ、そうだったっけ?」 和「おかしいですね、ゆーきは頻繁に須賀君を犬扱いしてた気がしたんですが」 優希「ひどい風潮被害だじぇ……」 【東風の神片岡優希】 優希『ここからは私の連荘で終わらせる。 この試合に東2局はこない!』キリッ 優希『ここに山を築く。 誰にも賽は振らせない……!!』キリッ 優希「」 京太郎「いやー、さすがに全国優勝校の先鋒は言う事が違うな」 優希「お、お前、なんで、これ!」 京太郎「姫松の監督代行って人から麻雀部宛てに送られてきたんだよ」 優希「あのデコのところか! えっ、麻雀部宛て……?」 京太郎「ああ、だからみんなももう聞いてるぞ」 京太郎「部長とか染谷先輩は『これも若さゆえのなんとやら』って言ってたし、咲は苦笑いくらいで何も言わなかったし……」 京太郎「だからまあ、そんなに悪くは思ってないだろ」 優希「な、な、な……」 京太郎「問題は和なんだよなあ。 あいつ『なんですかこのトラッシュトークは!』ってすっげえ怒ってたぞ」 優希「あ、あわわわ、麻雀関係で怒ったのどちゃんには会いたくないじぇ。 今すぐ逃げ」 ユーキ、ドコニイルンデスカユーキ!! 優希「ひぃっ!?」 京太郎「あー……ご愁傷様」ポンッ 優希「いやあああああ……!」 ちなみにこの世界での決勝はこんな感じになっております 優希(咲ちゃんのお姉さんでチャンピオン、相手にとって不足なしだじぇ!)ゴッ 照(準決勝は10万点で二位、だったらここで20万点奪い取る……)ギギギ 玄(もう準決勝みたいにはさせない。復活のドラゴンロード、松実玄に今度こそおまかせあれ!)ゴッ 漫(なにこの卓こわい) 番外『この世界での決勝大将戦』 咲(なにこれ、カンが出来ない……!?) 淡(またやられた……せっかくテルが稼いでみんなが繋いでくれたのに!) 穏乃(いける、今なら私達阿知賀が……!)タンッ 末原「ロン」 穏乃「えっ……」 末原「国士無双、48000。 Wありなら十三面待ちやったから阿知賀のトビ終了やったな……これで姫松がトップや」 穏乃「そんなっ……」 末原「さっきから黙って見てれば人をほったらかしにしてお互いの顔色を窺ってばかり」 末原「そりゃあんたらには色々見えて私には見えんかもしれんけど」 咲「す、末原さん……?」カタカタ 末原「だけどなあ、あんまり私ら凡人を舐めるなよ魔物共」 淡(なにこいつ、能力とかないはずなのに、怖い……!)ビクッ 末原「私は麻雀をしに来たんや、やれ支配だのやれ能力だのこれ以上――」 穏乃「っ……!」ゾクッ 末原「――お前らにつきあってられるか」 末原さん……というより姫松高校にはおそらく唯一残ってる無能力者のみの高校らしく麻雀をして戦っていただきたい所存 【のどっちからは逃げられない】 優希「どうしようどうしようどうしよう、このままじゃのどちゃんのスパルタ麻雀教室がああ……!」 京太郎「そんなに怯えるほど怖いのか?」 優希「……卓に座らされて配牌から和了るまで常に最善手を打たなきゃいけないんだじぇ」 京太郎「うわ、それはキツいな……でも1局分ならいつかはなんとかなるだろ」 優希「大会と同じ半荘二回分、上級者編は一回でも間違えたら東1局からやり直しでもか?」 京太郎「」 ユーキ、ココニイルンデスカ!? 優希「ひいっ、来たじぇー!」バッ 京太郎「お前何してんだ……」 優希「シー! 私はベッドの中に隠れてるからのどちゃんが来たらまだ私は来てないって言ってくれ!」 京太郎「はあ、わかったよ」 京太郎(ベッドが盛り上がって不自然なんだよなあ) 和「ゆーき!」 京太郎「よ、よぉ、和」 和「須賀君……ゆーきはどこですか?」 京太郎「いや、まだ来てないぞ?」 和「そうですか……」チラッ 京太郎(あっ、ベッド見た) 和「……」ジー 京太郎(すっげえ見てる……優希、俺は何も出来なかったよ) 和「……」カツカツ 和「何をしてるんですか、ゆーき?」バサッ 優希「あっ」 和「ゆーき……」 優希「の、のどちゃん……」カタカタ 和「今日は上級者編です」ニッコリ 優希「いやあああああ! 」ズルズル 京太郎「優希、すまん……へ?」ガシッ 和「須賀君もゆーきと共犯だったみたいですし、ちょうどいいですから一緒に勉強しましょう?」ニッコリ 京太郎「」 和「さあ、2人共行きましょうか」ズルズル 京太郎「う、うわあああああ!!」 優希「誰か助けてえええええ……!!」 バタンッ、ズルズル…… 【誰しも休息は必要です】 優希「一番乗りだじぇ! おっ?」 京太郎「むにゃむにゃ」 優希「京太郎、探してもいないと思ったらこんなところで寝てたのか」 京太郎「すー……」 優希「マヌケな寝顔だじょ。 これはイタズラをしなさいというタコスの神様の導きだな!」 優希「それじゃあまずこのペンで落書きするじぇ!」 優希「えーっとまずは額にっと。 うーん、インパクトが足りないじぇ。 なら頬に……あとはー……」カキカキ 京太郎「んっ……ふぁぁ、よく寝た」 優希「タコスタコスー」 京太郎「なんだ優希来てたのか?」 優希「お目覚めか京太郎! なら早速タコスを買ってくるのだ!」 京太郎「今まさに食おうと持ってんじゃねえか、まだ必要ないだろ……」 優希「ちいっ、失敗か」 京太郎「失敗?」 優希「あっ! な、なんでもないじょ!」 京太郎「怪しいな……」 咲「こんにちはー」 京太郎「よっ、咲」 咲「こんにちは、京ちゃ……」 京太郎「んっ、どうした?」 咲「え、えっとその顔」 京太郎「顔?」 咲「て、手鏡貸すから見てみればわかるよ……」 京太郎「どれどれ……」 『片岡優希専用』 『発情期なので近づかないでください』 『大きなおっぱいが大好きなので気をつけてください』 京太郎「」 咲「き、京ちゃん?」 京太郎「ゆ・う・き……」 咲「あっ、優希ちゃんなら今走って出て……」 京太郎「逃げやがったなあの野郎!」ダッ 咲「あっ、京ちゃん待って、落書き落とした方が……」 ユウキドコダー! ス、スガクンナンデスカソノカオハ! ゲッ、ノドカコレハ…… アラアラ、タノシソウナコトシテルジャナイスガクン? ブ、ブチョウ!?ヤメテ、シャメハヤメテクダサイ!イヤアアアアア…… 咲「き、京ちゃん……」 【京太郎の癒やし】 京太郎「買い出しは別にいいけどこんな頻繁にする必要ってあるのか……?」 優希「気にしたら負けだじぇ」 京太郎「つーかお前なんでついてきてんの?」 優希「食堂のタコスが売り切れてたからだじょ!」 京太郎「言っとくけど奢んねえぞ」 優希「えー」 京太郎「えー、じゃないからな……あっ」 優希「んっ?」 子猫「ニャー」 京太郎「子猫だ、よしよし」ヒョイ 子猫「ニャー」ペロペロ 京太郎「おいおい、くすぐったいって! はは、人懐っこいなあ」 優希「首輪ついてるから飼い猫じゃないか?」 京太郎「おっ、本当だ」 優希「京太郎って動物好きなのか?」 京太郎「好きというか動物と戯れてると癒されるというか……家のカピなんか手もかからないしなあ」 優希「まるで他に手のかかる動物を相手してるみたいな言い方だじょ」 京太郎「……」 咲『き、京ちゃん、迷っちゃった……なんかここ変な音してるし、助けてぇ……』 優希『さあさあさあ、早くタコスを渡すんだじぇ、タコスタコスタコスー!』 京太郎「ああ、すっげえ手のかかるのが2人いるわ」 優希「そうか、大変なんだな京太郎……」 京太郎「……」 【魔境清澄高校】 優希「うむむ」 京太郎「どうした?」タンッ 優希「この前咲ちゃん達と染谷先輩の雀荘に遊びに行ったら麻雀だけはするなと言われたんだじぇ」タンッ 咲「私はいいけど優希ちゃんと和ちゃんはダメなんだって」タンッ 和「はい……」タンッ 京太郎「雀荘で麻雀するなってのも変な話だな……」タンッ 優希「京太郎、それロンだじぇ!」 京太郎「うおっ、狙い打ちかよ! これでラス転落かあ」ジャラッ 和「須賀君はもう少し捨てる牌に気を使った方がいいですね」タンッ 京太郎「あはは、教えてもらってるのに面目ない」タンッ 優希「話を続けるじぇ。 それで理由を聞いたんだけど」タンッ 京太郎「聞いたんだけど?」タンッ 咲「知らない方がいいって教えてもらえなかったんだ。 私達何かしちゃったのかなあ」タンッ 和「見当もつきませんね……ツモ、4000オールで連荘です」 京太郎「ひええ、やっぱり強いなあお前ら」ジャラッ 優希「京太郎には負ける気はしないじぇ!」 京太郎「言ってくれたな!」 和「2人共落ち着いてください」タンッ 京太郎「ふっ、ダブルリーチだ!」タンッ 優希「なぬっ!?」タンッ 咲「うわあ、京ちゃんすごいすごい!」タンッ 和「まだ和了ったわけじゃないんですから……」タンッ 京太郎「へっへっへ、一位は俺がいただくぜ!」タンッ 咲「あっ……ごめん京ちゃん、カン」 京太郎「うげっ!?」 咲「も、もういっこカン、もういっこカン」 優希「うわあ……」 咲「もういっこカン……」 和「これは……」 咲「り、嶺上開花……責任払いで京ちゃんのトビ終了、だよ」 京太郎「オーマイガー……せっかくの役満が夢と消えたぜ……」ガクッ 久「まこ、店で優希と和の麻雀を禁止したんですって?」 まこ「あいつらと打ったらせっかくの客がトラウマ抱えて逃げてしまうんじゃ。 手加減が出来る咲ですらあんまり入れたくないわ」 久「でも須賀君はあれだけやられて普通よ?」 まこ「あれはあいつがおかしいんじゃよ」 【自販機の謎飲料】 京太郎「カフェオレカフェオレと……」ピッ 京太郎「あ、売り切れたな。 最後の一個買えてよかっ……ん?」 『新発売、濃厚タコスジュース!!』 京太郎「これはまたピンポイントで誰かを狙ってるというか何というか……」 優希「京太郎ー!」 京太郎「噂をすればだな」 優希「何の話だ?」 京太郎「いや、これお前が好きそうだなーって思ってさ」 優希「これ? うおおおっ!?」 京太郎「うわっ、すごい食いつきだな」 優希「タ、タコスジュース……まさかこんな夢のようなアイテムが実在していたとは」 京太郎「んな大げさな」 優希「何を言う、これさえあれば私の長年の夢『タコスを飲んでタコスを食べる』が実現するんだじょ!」 京太郎「なんだそのよくわからん夢は」 優希「早速買うじぇ! えっと二百円と……」 京太郎「自販機のものにしては高いな」 優希「こ、これがタコスジュース……すごい重量感だじぇ」ズシッ 京太郎(なになに、『具材80%』……まさかこれタコスがそのまま入ってんのか?) 優希「いただきまーす」ジュルジュル 京太郎「どうだ?」 優希「……」 京太郎「優希?」 優希「うええ……」 京太郎「お、おい!」 優希「マズい、話にならないくらいマズいじょ……昔食べた京太郎のタコスミタコスよりマズいじぇ」 京太郎「マジか……いやな予感はしてたけど」 優希「京太郎にやるじょ」スッ 京太郎「タコスの名前があってもお前が拒否するような代物を飲めってか!?」 優希「いいから飲んでみろ!」 京太郎「むごっ!?」 優希「えいっ!」ギュッ 京太郎「むぐっ、むぐっ、むぐっ……」ゴクッ 優希「ふう、処分完了だじょ」 京太郎「……意外に美味いぞ、これ」 優希「えっ」 【結果オーライ?】 京太郎「さーて、今日の部活も終了っと」 優希「京太郎!」 京太郎「んー? なんだよ優希」 優希「これからタコスを買いに行くから付き合え!」 京太郎「おいおい、まさか俺に奢らせる気か?」 優希「ふふん、まだまだだな京太郎! 今日の私はいつもとは一味違うじぇ……」 優希「今日はこの優希ちゃんがお前にタコスを奢ってやろう!!」 京太郎「……よし、あるな」 優希「なんで急に鞄を見てるんだじょ?」 京太郎「いや、今日は夕立か嵐になりそうだから折り畳み傘を確認してたんだよ」 優希「……どういう意味だコラー!」 ――…… 優希「……」ズーン 京太郎「あー……優希?」 優希「こ、こんなのおかしいじぇ……なんで今日に限って売り切れとか臨時休業とか……」 京太郎「慣れないことはするなって事じゃね?」 優希「こんなはずじゃなかったのに……うー」 京太郎「……なあ」 優希「なんだじょ……私は今落ち込んでるんだじぇ」 京太郎「なんなら、家来るか?」 優希「……え?」 ――…… 京太郎「ただいまー……って靴ないからいないみたいだな」 優希「お、お邪魔します!」 京太郎「なにお前、緊張してんのか?」 優希「き、緊張なんかしてないじぇ!! 私がどうして緊張しなきゃ……ゴニョゴニョ」 京太郎「まっ、いいけどな。 飲み物持ってくるからリビングで待っててくれよ」 優希「お、おう!」 優希「……」 優希「まさか、京太郎の家に来れるなんて思わなかったじょ」 優希「な、なんか落ち着かない……」 京太郎「お待たせ、ってお前なんで正座してんの」 優希「そ、そういう気分なんだじぇ」 京太郎「ふーん。 じゃあ早速作るとしますか」 優希「本当にタコス作ってもらっていいのか?」 京太郎「よくなきゃ誘わねーよ。 やっぱりお前の感想聞きたいしな」 優希「そ、そうか」 京太郎「じゃあちょっと待ってろなー」スタスタ 優希「……放課後デートは出来なかったけど、結果オーライだじぇ」 優希「えへへ……」 【片岡優希の日記1】 ○月×日 今日は咲ちゃん、のどちゃん、京太郎と一緒にお昼を食べた。 京太郎がのどちゃんで不埒な妄想をしてたから、罰として肉まんを奪ったら勢いで押し倒された。 思わず今はダメって言っちゃった……後ならいいのかってつっこまれなくて本当に良かったじぇ。 だって、そう言われたら私は、京太郎を…… 優希「……ううう」 優希「あああ! もうこんなのこれ以上書けるわけないじぇ!」 優希「だいたい言われたらなんなんだ! べ、別に私は京太郎の事なんて……」 優希「……どう、思ってるんだ?」 優希「のどちゃんを見てデレデレしてるのは腹が立つけど、それ以外はいいやつだし……」 優希「私のわがままも口では色々言うけどちゃんと聞いてくれる」 優希「京太郎を見てると胸がキュンキュンしちゃうし……やっぱり、私は……」 優希「――京太郎が好きなのかな……」 【ごく自然に受け入れられた風潮被害・京太郎の場合】 教師「須賀! またお前はそんな金髪に染めてきたのか!」 京太郎「これは地毛ですよ!」 京太郎「あっ、ハンカチ落としましたよ?」 モブ女子「えっ、ありが……ひっ、き、金髪……もしかして不良?」 京太郎「あのー?」 モブ女子「あ、ありがとうございます!」タタッ 京太郎「えっ、ちょっと……なんで逃げるんだ」 京太郎「おっ、それ新巻か。 読み終わったら貸してくれよ」 モブ男子「ひいっ!」 京太郎「えっ」 モブ男子「べ、別に今貸してもいいよ! か、返すのはいつでもいいから!」タタッ 京太郎「お、おい! また逃げられた……」 京太郎「ええっとタコスタコスっと……」キョロキョロ 不良「おいこら、そこの金髪!」 京太郎「へっ?」 不良「お前今ガンつけたよな、ええ?」 京太郎「ご、誤解だ!」 不良「とぼけてんじゃねえ、その金髪見る限りどこかの所属なんだろ……ちょっとこっち来いや!」 京太郎「じ、冗談じゃねえー!」ダダダッ! 不良「あっ、待てやこらあ!」 京太郎「はあ、はあ……なんで俺がこんな目にあわなきゃいけないんだよ!」 優希「帰ってきたか京太郎! さあタコスを補給させるんだじぇ!」 京太郎「悪い、絡まれて逃げてきたからまだ買ってねえ……」 優希「なにぃ!?」 風潮『須賀京太郎の金髪だけなぜか不良扱いされる』 【ステルスは1人じゃない】 優希「今日も京太郎のタコス作りの技術を極めるためにタコス屋巡りをするじぇ!」 優希「京太郎には頑張ってタコス界の頂点にたってほしいからな!」 優希「えっ……そ、そうか?」 優希「わ、わかった、今度作ってきてやるじぇ」 優希「私のタコスを食べて自信をなくしても知らないからな!」 ゆみ「全く蒲原の奴にも困ったものだ……やっぱりモモもそう思うか?」 ゆみ「……確かになんだかんだ言ってもあいつには部長としての器はあるしそれを認めてないわけじゃない」 ゆみ「いや、私は未熟さ……なんだ、否定してくれないのか?」 ゆみ「待て、確かにあれは今振り返ればとんでもない事をしたと思う」 ゆみ「だがあれくらいしなきゃモモは麻雀部に入ってくれなかっただろう?」 ゆみ「な、何を言ってるんだ!」 優希「ん?」 ゆみ「おや?」 優希「誰かと思えば鶴賀の部長じゃないか!」 ゆみ「私は部長じゃないんだが……そういう君は清澄の先鋒か、合宿についての話を清澄でした時にもいたな」 優希「おお、覚えてたか! えっ、なんだ京太郎……うん、あの時はお菓子も食べられると思ってたからな!」 ゆみ「ん? いや違うんだモモ、その時は久や龍門渕、風越のキャプテンも一緒だったんだ、決して2人きりというわけじゃ……」 優希「……」 ゆみ「……」 優希「と、とりあえず私達はこれからタコス屋に行くんで失礼するじぇ! 次の全国大会でまた会おう! 行くぞ京太郎!」 ゆみ「私は卒業だし鶴賀は部員集めからしなければいけないがな……ああ、頼んだぞモモ」 京太郎「なあなあ、優希」 優希「なんだ?」 京太郎「さっきの鶴賀の人、時々何もない所見て話してなかったか?」 優希「言うな! きっとあの鶴賀の部長には見えてはいけないものが見えてるに違いないじぇ……!」 京太郎「マジかよ」 モモ「先輩」 ゆみ「どうしたモモ」 モモ「あのタコスさん、時々何もない所見て話してたっすけど……」 ゆみ「あの子はもしかしたら見えてはいけないものが見えるのかもしれないな……」 モモ「ひえっ、本当っすか」 京太郎「それは怖いな……」 モモ「それは怖い話っすね……」 【変わる顔】 京太郎「ふんふんふん」 優希「ジー」 京太郎「ん、なんだよ優希? 人の顔じっと見て」 優希「いや、京太郎の顔が変わったような気がしたんだじぇ」 京太郎「はあ? おいおい、俺は産まれてから今に至るまでこの顔だぞ」 優希「いや、それはわかってるんだけど」 京太郎「じゃあどういう意味だよ」 優希「初めて会った時は普通に男だったのに、今は女と言っても不思議じゃない気がするじょ」 京太郎「ええっ、俺そんな女顔じゃねえだろ?」 優希「昔はそうだったけど……」 優希「でも考えてみれば京太郎は咲ちゃんがいなきゃ女装して出場させられてたはずだし、今の女顔が正しい姿なのかもな」 優希「今の京太郎は下手したら龍門渕のノッポより女の子っぽいじょ」 京太郎「嬉しくないぞ、それ」 優希「まあ安心しろ、たとえ京太郎が女だったという衝撃の事実が発覚しても私は一緒にいてやるからな!」 京太郎「不吉な事を言うんじゃねえ!」 『変わる顔・優希の場合』 京太郎「だいたい人にはそんな事言うけどお前はどうなんだよ!」 優希「何の話だ? 私はずっと美少女のまんまだじょ」 京太郎「ふん、確かに黙ってれば可愛い部類だろうけどな。 だけどお前が変わってないとは言わせねえぞ!」 優希「えっ、かわ……」 京太郎「まあ、これを見てみろ」 優希『ここに山を築く。 誰にも賽は振らせない……!!』キリッ 優希「これはこの前私をのどちゃん地獄教室に引き込んだアレじゃないか」 京太郎「この時のお前は可愛いというよりかっこいい部類だ。 お前も人の事言えないくらいに変わってるってこった!」 優希「ふむ、つまり女顔になってる京太郎とかっこよくなってる私、バランスがよくなってるわけだ!」 京太郎「お前のそのポジティブさはどこからくるんだよ……あっ、そういえばお前咲が初めて来た時何を思ったか敬語使って……」 優希「それは言うな!」 京太郎「なんだよ、そんな怒るなよ」 久「やっほー、まだ2人しか来てないの?」 京太郎・優希「……」 久「な、なに? 2人してそんな見ないでよ、恥ずかしいじゃない」 京太郎「いや、俺達はなんて不毛な会話をしてたんだろうなって」 久「へっ?」 優希「変わったといえば一番変わった人を忘れてたじぇ……昔の部長はまるでムー……」 久「喧嘩なら買うわよ」 京太郎・優希「ごめんなさい」ドゲザー 【もしも優希が敬語キャラだったら】 優希「学食でタコス買ってきましたー」 優希「確実に勝つなんてありえません」 優希「天才なんですけどねっ! 集中力が持続しないんです」 優希「私の得意な東場が――またやってきました!!」 優希「よくやりました! あなたは使える犬です!」 優希「えっ、あなたもタコス好きの呪われた血族なんですか!?」 優希「なんだか、みんなを馬鹿にされたみたいです……」 優希「うちの県が弱いかどうか――今見せてあげます!」 優希「その程度で消える勢いなら――最初から願い下げです!」 優希「ここからは私の連荘で終わらせます。 この試合に東2局はきません!」 優希「ここに山を築きましょう。 誰にも賽は振らせません……!!」 優希「い、今はダメです……いやぁ」 優希「ほら、パンチラです」 京太郎「……」 優希「ど、どうだった?」 京太郎「若干和と被らんでもないな……というかいつものお前と過ごしてると誰だこれ感が否めない」 優希「そうか……」 京太郎「まっ、お前はいつも通りでいいんじゃね?」 優希「じょ?」 京太郎「正直こんなキャラだったら俺も調子狂うしなー。 今みたいに気安く話せる気がしないわ」 優希「そ、そうか……なら、よかったじぇ」 【須賀京太郎タコス布教作戦】 京太郎「新作ランチ、ウマー」モグモグ モブ男子「俺はそのために咲ちゃんや原村、片岡との飯の誘いを蹴ったお前が理解できない」 京太郎「だって今の内に食べとかないとなくなるかもしれないだろ? 三人との飯はまだ二年はできるんだし」ズズー モブ男子「はあ、こういうところが理解できないんだよ……普通気になる女子と飯が食えるならそっちを優先するだろうに」 京太郎「まあ、な」 京太郎(正直和はもう目がないのわかりきってて積極的にいく気になれないんだよなあ……) 京太郎(俺、もしかしたら逃げてるだけなのか?)ヴーヴー モブ男子「須賀、携帯鳴ってるぞ」 京太郎「ん、本当だ……優希か、もしもし?」 京太郎「は? タコスの危機? ああ、なるほどなるほど……そういう事か」 京太郎「ああいいぜ、わざわざコンビニまで行かされるのもめんどいしな」ピッ モブ男子「どうした?」 京太郎「優希の奴がこのままだとタコスがなくなるかもしれんから広めてほしいんだと」 京太郎「まああいつくらいしか食ってる奴いないしなあ」ガタッ モブ男子「広めるってどうやって?」 京太郎「そりゃまあ……実際に食ってもらうしかないだろ」スタスタ モブ男子「は?」 オバチャーン、タコスコレデカエルダケクレー ハイヨー、マタカノジョサンノタメカイ? アイツハソンナンジャネーッテ! 京太郎「ほら」ドサッ モブ男子「えっ」 京太郎「ここにいるお前の知り合いに配ってくれよ。 ついでにお前も食べて気に入ったなら今後も買ってくれると嬉しい」 モブ男子「それはいいけどお前……わざわざそのためにこんなに買ったのか?」 京太郎「コンビニで買わされるよりは安いから問題ないだろ。 じゃあ俺も行ってくるから頼むなー」 モブ男子「……」 ナアナア、チョットコレタベテクレヨ。オレノオゴリダカラサ……ウマイカ、ジャアコンゴモココノタコスヲゴヒイキニー モブ男子「やっぱりあいつは時々理解できない……」 【片岡優希の日記2】 ○月□日 今日は咲ちゃん、のどちゃんの三人で屋上でお昼ご飯 京太郎は私達を見捨てて学食の新作ランチを食べに行ったらしくていなかった 全く美少女三人とのご飯を蹴るなんてあいつはおかしい! でもちょうどいいから最近私以外買ってくれないと食堂のおばちゃんがぼやいていたタコスを広めるように言っておいた やってくれないのも覚悟はしてたけどどうやら本当に頑張ってくれたらしい、タコスは好評だったって言ってた! やっぱり京太郎はいいやつだな! 優希「おばちゃんも喜んでたし、タコスは続いていくしいい事尽くめだじぇ!」 優希「本当に京太郎はいいやつだじょ!」 優希「だから私は京太郎が……」 優希「な、なんか顔が熱いじぇ……早く寝よう、うん」 優希「今日は本当にありがとうな、京太郎……おやすみなさいだじぇ」 【京優捕物帖】※咲日和ネタ 京太郎「さてと今日は買い出しもないし少しは打てるかな……」 猫「ニャー」タタタッ 京太郎「猫? なんでこんなとこに」 優希「待てー!」 京太郎「優希、どうしたんだよ?」 優希「京太郎、こっちに猫が来なかったか!?」 京太郎「ああ、今通り過ぎてったぞ。 なんだ、あの猫お前が連れてきたのか?」 優希「そんな事はどうでもいいんだじょ! 早くあの猫を捕まえないと……麻雀が出来なくなってしまう!」 京太郎「はいぃ!?」 ――…… 京太郎「なるほど、つまり染谷先輩の雀荘を繁盛させるために猫雀荘をしようとしてお試しに猫を部室に連れてきたのか」 優希「そういう事だじぇ。 だけど思った以上に猫がやんちゃ揃いでな!」 京太郎「牌やら点棒やらくわえて逃げ出したと……つーかさ、一応麻雀部員なのに俺には何の話もなかったんだけど」 優希「来たら話す予定だったんだじょ。 昼は京太郎いなかったし」 京太郎「連絡してくれてもバチは当たらないと思うんだが……まあいい、とりあえず今は猫だ」 優希「中をくわえた奴さえ捕らえれば全ての牌は揃う! 協力を求む京太郎!」 京太郎「しかたねえな、いっちょ張り切っていきますか!」 ――…… 京太郎「おい優希、そっち行ったぞ!」 優希「任せろ! てりゃああ!」スカッ 京太郎「ダメじゃねえか!」 ――…… 優希「捕まえたー!」 京太郎「本当か!?」 優希「ほれ!」 池田「いったいなんなんだし!」 京太郎「すいませんすいません! 優希、猫違いだバカたれ!」 ――…… 優希「ふう、一休み一休み。 タコス補給っと」 京太郎「サボるなあ!!」ゴチンッ 優希「あいたあ!」 ――…… 京太郎「と、言うわけで……」 優希「見事捕まえて牌を取り返してきたじぇ! ミッションコンプリートだじょ!」 久「あ、ありがとうね、2人共」 京太郎「いてて、ひっかかれたせいで傷だらけだぜ」 優希「私もだじょ……玉のお肌がボロボロ、タコスを食べなきゃ治りそうにないじぇ」 京太郎「それで治るのか!?」 久(予備の牌があった事は言わない方がよさそうね……うん) 【タコの付くものパワー】 京太郎「たこ焼き、タコさんウインナー、タコライス……」カキカキ 咲「何してるの京ちゃん」 京太郎「いやほら、県予選決勝で優希がタコス食べられちまった時があっただろ?」 咲「うん、龍門渕の井上さんに食べられちゃって優希ちゃん泣いちゃったんだよね」 京太郎「あの時は風越の福路さんがお弁当のタコさんウインナーを分けてくれたから助かったけど」 京太郎「いつもそんな助けがくるとは限らないって部長が言ってな」 咲「確かに……」 京太郎「だから今の内にタコの付くもののレシピを覚えておいて、優希がタコス切れになった時に備えようって話になったわけなんだ」 咲「京ちゃん、料理できたの?」 京太郎「簡単なのならともかく凝ったのは出来ねえけど、でもこういう事で少しでも役に立てるなら俺も嬉しいし」 咲「京ちゃん……」 京太郎「それにちゃんと用意してやらないと優希の奴うるさいしなー。 まっ、頑張ってみるさ」 咲「そっか……じゃあもし私に手伝える事があったら言って。 家庭料理なら一応一通り出来るから」 京太郎「おっ、サンキュー。 じゃあさっそくで悪いんだけどタコのつく料理出来る限り教えてくれよ」 咲「うん、いいよ」 京太郎「いっそ自分でタコス作れるようになったら楽なんだけどな」 咲「あはは、それを言ったら元も子もないよ」 京太郎「違いない」 優希「……」ジー 優希「京太郎と咲ちゃん、何楽しそうに話してるんだ?」 優希「……なんか胸がモヤモヤするじぇ」モグモグ 【いつの間にか自然に受けいられた風潮・京太郎の場合その2】 京太郎「全国大会も終わって最近部の空気が緩くなってきたな」 京太郎「よし、ここは1つドッキリでも仕掛けて皆をシャキッとさせるか!」 京太郎「そうと決まれば早速ロッカーに隠れてっと……おっと携帯の電源は切っておかないとな」 京太郎「さあて最初は誰が来るかなー」 ――30分後―― 京太郎「遅いな……」 京太郎「部長は学生議会、染谷先輩は家の用事ってところか?」 京太郎「だけど咲達はもう来てもいいはずなんだけど……もう少し待ってみるか」 ――1時間後―― 京太郎「あれ、もしかして今日って休みだったか?」 京太郎「いや、でもそんなの聞いた覚えないし……」 京太郎「きっとなんか用事で遅れてるだけだろ……うん」 ――4時間後―― 京太郎「結局誰も来ず……何やってんだ俺、馬鹿みたいだな……」 京太郎「もう帰ろう……ああ、一応電源入れとかないと」ピッ ヴーヴー! 京太郎「あれ、メールと着信が……もしもし?」 優希『京太郎!!』 京太郎「うわっ!? な、なんだよ優希……」 優希『お前今どこにいるんだじぇ!』 京太郎「いや、部室だけど」 優希『はあああ!? 今日は染谷先輩の雀荘に集まって麻雀部員みんなで慰労会をやろうって話だっただろ!』 京太郎「そ、そんなの聞いてないぞ!?」 優希『いーや言った! この前京太郎がタコスを作ってる時にちゃんと私は伝えたじょ!』 京太郎「タコス作ってる時……あ」 ――…… 優希「京太郎、今度みんなで慰労会をやろうって話になったんだけど京太郎も来るよな?」 京太郎「んー」 優希「それは肯定なのか?」 京太郎「んー」 優希「わかったじぇ、じゃあ参加って事で○日の○時に染谷先輩の雀荘に集合だからな!」 京太郎「んー」 ――…… 京太郎「わ、悪い……」 優希『謝ってる暇があるならさっさと来い! みんな京太郎を待ってるんだからな! 』 優希『咲ちゃんなんか何かあったんじゃないかって、な、泣きそうに、なって……』 京太郎「本当にすまん! 今すぐ行くから!」 優希『早く来い、バカァ……』 風潮【須賀京太郎は清澄麻雀部で集まる時連絡すらされずハブられて気にもされない】 【ごく自然に受け入れられた風潮被害・優希の場合その2】 京太郎「優希、ちょっと話があるんだ」 優希「どうしたんだ? そんな真面目な顔、京太郎らしくないじぇ」 京太郎「実際真面目な話だからな……」 優希「そうなのかー。 で、話って?」 京太郎「ああ実はな、俺……」 優希「うんうん」 優希(あれ、待てよ……夕日の射し込む教室で向かい合って真面目な話……) 優希(これって咲ちゃんから借りた本にもあった告白のシチュエーションに似てるじょ) 優希(……告白!?) 京太郎「な、なんだか改めて言うとなると緊張するな……」 優希「ま、待つから落ち着くまで深呼吸でもすればいいんじゃないか?」 京太郎「そうだな……すう、はあ……」 優希(京太郎が私に告白……ゆ、夢みたいだじぇ! ど、どうしよう、答えは決まってるけどなんて返せば……) 京太郎「よし、もう大丈夫だ。 優希」 優希「は、はい!」 京太郎「俺な……」 京太郎「――咲と付き合う事になったんだ」 優希「――えっ」 京太郎「だからな、今までみたいに放課後つき合えないし、誘うのも自重してほしいんだ」 優希「うっ、えっ」 京太郎「言いたい事はそれだけだ……じゃあな」 優希「京太郎、ま、待って! 私、私は……!」 ガラガラッ、ピシャンッ 優希「あっ……」 優希「こ、こんなのってないじぇ……うっ、ううっ……うわああああん!!」 ――…… 優希「あ……ゆ、め?」 優希「よかった、じぇ……」 ――…… 京太郎「……」スタスタ 優希「……」トテトテ 京太郎「なあ、なんでさっきからついてきてんだ?」 優希「別になんでもないじょ」 京太郎「いや、なんでもないって事はないだろ」 優希「なんでもないんだ!」 京太郎「なんなんだよ……」スタスタ 優希「……」トテトテ 風潮【片岡優希は須賀京太郎との恋愛において高確率で噛ませ犬になる】 【キングエトペンの王冠と翼は誰が受け継ぐか?】※咲日和ネタ 優希「むう、何がいけなかったんだじょ」 京太郎「……お前、王冠と翼なんかつけて何してんだ」 優希「のどちゃんのエトペンを全国に備えてこれをつけたキングエトペンに強化したんだけど、なぜか返されてしまったんだじぇ」 京太郎「そりゃそうだろう……その王冠とかそれなりの大きさあるし刺さってもろ痛そうじゃないか」 優希「おお、そう言われればこの王冠ではのどちゃんのキングおっぱいには耐えられそうにないな!」 京太郎「キングおっぱい……なんだ、このアホなような響きなのになぜか心ときめく単語は……!」 ――奈良県―― 玄「むむっ、キングおっぱいよりおもちキングの方がロマンを追求してる気がするのです!」クワッ 宥「ひいっ! く、玄ちゃんが壊れちゃった……」 ――…… 京太郎「それにしてもお前がつけてると妙に似合うな、それ」 優希「そうか? まっ、この優希ちゃんの高貴なオーラにかかれば……」 京太郎「すっげえ子供っぽい」 優希「んなあっ!?」 京太郎「今のお前なら小学校の劇に混じってても違和感ないぞ……ぷふっ!」 優希「ええい、笑うな笑うな! そんな奴にはこうだじぇ!」 京太郎「うおっ!」 優希「キング京太郎だ! ぷっ、似合わないにも程があるじぇ!」パシャッ 京太郎「今写真撮りやがったか!?」 優希「同時にメールでみんなに一斉送信だじょ! よし、今度は翼をつけた姿も撮ってやろう!」 京太郎「やめい! お前、よくもやってくれたな!」 優希「あはは、悔しかったら私を捕まえてみろ!」トテテッ 京太郎「逃がすか! 王冠と翼つけたお前の写真撮って小学生ですって周りに送ってやる!」スタタッ 優希「きゃー!」 和「楽しそうですね2人共」 咲「本人たちは本気なのかもしれないけど、端から見たらじゃれあってるようにしか見えないよね」 【京太郎はお金持ち?】 優希「ううう……」 京太郎「どうした、財布見てうなり声なんかあげて」 優希「タコスを買う軍資金が底をついたんだじぇ……お小遣いまでまだ3日はあるのに」 京太郎「後先考えずに調子に乗って買いまくるからだろ」 優希「そんな事言ったってタコスを食べなきゃ私人の形を保てないし……」シュン 京太郎「……ったく、しょうがねえな」ゴソゴソ 優希「京太郎?」 京太郎「ほら、五千円貸してやるからこれで3日間なんとかしろ」 優希「うえっ!? さ、さすがにこんな大金受け取れないじょ!」 京太郎「別にいいんだよ、どうせ今小遣い余ってるし」 優希「……ちなみに、月いくらくらいもらってるんだ?」 京太郎「うーん、昼飯代合わせて月4万くらいか?」 ※ちなみに高校生のお小遣いの平均は5600円 優希「」 京太郎「俺ほとんど学食とか購買だし肉体労働が多いから、それなりにもらっとかないとやってけないんだよ」 優希(わ、私でさえタコス代込みで月2万円なのに……上には上がいたのか) 京太郎「今月は意外に使わなかったからちゃんと返してくれるなら貸すぞ?」 優希「……じゃあ、お言葉に甘えるじぇ」 京太郎「了解、返すのはいつでもいいからな」 優希「京太郎に貸しを作るのはアレだから早めに返すじょ」 京太郎「まっ、そこは好きにしてくれ」 優希(京太郎って意外にお金持ちなんだな……新しい発見だじぇ) 【優希は幼児体型?】 優希「タコスウマー♪」モグモグ 京太郎「毎日毎日そんなに食べてよく飽きないな……」 優希「ん、なんか言ったか京太郎?」 京太郎「なんでもない、強いて言うならよくもそんなに食べて太らないなって思っただけだ」 優希「むぐっ……」 京太郎「優希?」 優希「わ、私は太らない体質だからな……」 京太郎「……なんかすまん」 優希「な、何を謝ってるんだ? 意味がわからないじょ」 京太郎「いや、気にしてるなら謝るべきだろうなと」 優希「……ええい、もうこの話は終わりだ終わり!」 優希「だいたい女の子に向かって体重関係の話をするなんてデリカシーがなさすぎる!」 京太郎「だ、だから謝ってるだろ。 そんな怒るなよ……」 優希「ううー……」 優希(最近確かにおなか周りがプニプニしてきたけど、まだ取り返しがつかないわけじゃないじぇ……うん、大丈夫) 京太郎(こいつの体型ってモロに幼児のそれなんだよなあ……その手の人が見たら結構たまらないんじゃないか?) 優希「……」モグモグ ※ちなみにタコスのカロリーは164kcal 優希は普段タコスを3つは食べるため合計は492kcal、高1女子の1日に必要な平均カロリーは2250kcal 意外に普段の優希のタコス消費量には問題がないのかもしれません 【須賀京太郎の日記】 ○月△日 いよいよ全国大会本番 優希に必要なタコス屋を探して動いていたら長野で会った執事服の人にまた会って店を教えてもらった 店は会場から結構遠くてどうしたもんかと悩んでたら、 さっきの執事さんがタコスを自作できるらしくて明日から作り方を教えてもらえる事になった! これでわざわざ買いに行かなくてもよくなるかもしれない! 待ってろよ優希、お前が驚くくらい美味いタコスを作ってやるぜ! それにしてもあの執事さん、龍門渕の人だったんだな……だったら県予選の時は塩送られたって事か、なんか悔しい 京太郎「ふう」 京太郎「本当によかった……ついてきたはいいけど全く役に立たないなんてごめんだからな」 京太郎「これで、俺も少しはみんなの役に立てればいいんだけどな……」 京太郎「よし、明日から頑張って修行開始だ!」 【掃除も雑用の内】 久「今日はみんなで大掃除と荷物整理をしましょう」 まこ「ここは色々あるからのう……やるとしたら1日がかりになりそうじゃ」 和「そもそも関係ない物が多すぎる気がします……」 咲「そういえば最近ここの本読めてないなあ」 優希「よし、私は外のビーチチェアーが壊れてないか実際に寝てチェックを……」 京太郎「露骨にサボるフラグを立てるなよ!」 久「はいはい、それぞれ何をするかは任せるけど出来るだけサボらないようにね? じゃあ始めましょう!」 咲「あっ、この本、日に焼けちゃってる……背表紙も擦れてるし古い本なのかな」 咲「……ちょっと中身を確認するだけなら、いいよね?」 咲「……」ペラッ、ペラッ…… 京太郎「ええっとこの箱はこっちに……」 和「あら、ベッドの下に何か……これ、エトペンのキーホルダー……」 優希「おお、それ前に私が持ってきてなくしたやつだじぇ。 そんなところにあったのかー」 和「……」キラキラ 優希「のどちゃん、欲しいならあげるよ?」 和「えっ、いいんですか!?」 優希「のどちゃんなら大切に扱ってくれそうだしな! 私が持ってるよりはそいつも幸せだじぇ!」 和「あ、ありがとうございますゆーき!」 京太郎「窓ガラスもだいぶ汚れてんな……雑巾、雑巾っと」 まこ「おんや、これは……」 久「まこ?」 まこ「ああ、見てくれ部長。 随分と懐かしい写真が出てきたんじゃ」 久「それまこが入部してきた時に撮った……」 まこ「この頃はまさか全国出場どころか優勝するなんて思いもせんかったわ」 まこ「正直お前さんが築いたここを引き継ぐというのは相当なプレッシャーじゃが……」 久「まこならできるわよ、私が保証する。 私が卒業した後の麻雀部をお願いね?」 まこ「うむ、精々努力はさせてもらう」 京太郎「自動卓も汚れてんな、ほとんどタコスのソースのせいっぽいけど」 ――…… 京太郎「なんで俺しか分担終わってないんですか!?」 久「ご、ごめんなさい……つい思い出話に花が咲いちゃったわ」 まこ「すまん、やってしもうた……」 和「エトペンのキーホルダーに夢中になってしまいました……ごめんなさい」 優希「そ、掃除は何か見つけちゃうとはかどらないものなんだじぇ……」 咲「結局本一冊読みきっちゃった……ごめんね、京ちゃん」 京太郎「ダメだこりゃ……」ガクッ 【猫蛇セアミィの謎】 優希「るんたった、るんたった♪」 京太郎「随分とご機嫌なこって……そんなにタコス食えるのが嬉しいのか?」 優希「まーなー♪」 優希(休みに2人で出かけるなんてまさしくデートに違いない! これが楽しくないわけないじょ!) 京太郎「ふーん……そういえばさ」 優希「なんだー?」 京太郎「お前私服でもその猫?蛇?だかのアクセサリーつけてんのな」 優希「おお、これか。 これはのどちゃんが私のために選んでくれたお気に入りだからな! 出来る限りつけるようにしてるんだじぇ」 京太郎「へえ、確かにあのペンギンといい和の趣味っぽいな」 優希「ふふふ、美少女たるこの優希ちゃんにのどちゃんの見立てたこの猫蛇セアミィが加わればまさに最強! 」 優希「向かうところ敵なしだじぇー!」 京太郎「自信過剰な気もするが……まあ、確かに似合ってはいるんじゃね?」 優希「あはは、京太郎が素直に褒めるなんて珍しい事もあるな。 なんだか照れちゃうじょ」モジモジ 京太郎「何言ってんだか……ん?」 セアミィ「///」 京太郎「」 京太郎(えっ、なにあれ。 さっきまで普通のぬいぐるみだったセアミィ?」 京太郎(だったかなんだかが今見たら優希みたいに照れてるんだけど) 優希「京太郎?」 セアミィ「?」 京太郎(また優希に合わせたみたいに顔変えた!? なんなんだよ、まさかアレ生きてるのか!?) 優希「おーい、無視するんじゃない!」 セアミィ「」プンプン! 京太郎「あ、ああ悪い……」 京太郎(聞くべきか、いや、でもそんなバカな話があるわけ……) 優希「よろしい! じゃあ早くタコス屋に行くじぇ!」トテテッ 京太郎「あっ、待てよ!」タタタッ 京太郎(気のせい、だよな。 うん、そうに決まってる……和じゃないけどそんなオカルトありえないって) セアミィ「」ニコニコ 【本にあるからといってそれが正しいとは限らない】 優希「うぐぐ、京太郎め。 いつになったら私の魅力にメロメロになるのだ。 色々試してるのにな……」ペラッ ・男女に友情なし、ぐいぐい行けば必ず落とせる! 優希「京太郎!」 京太郎「どうした優希」 優希「新しいタコス屋が出来たらしいから明日の休み、私につきあえ!」 京太郎「なんで休みにまでつきあわされなきゃ……わかったわかった、行くからそんな目で俺を見るな」 優希「よし、約束だからな!」 優希(休日デート、これで京太郎も少しは私を意識するはず!) 京太郎(仲のいい妹とかいたらこんな感じなのかね……おごらされる未来しか見えないから財布に補充しとこ) ・意識させるような発言を繰り返してみよう! 京太郎「今日は俺達以外まだ誰も来てないのか」 優希「2人っきりだじぇ、あなた♪」 京太郎「はいはい、俺はネトマしてるからタコスでも食べておとなしくしてなさい」 優希「京太郎が食べさせてくれないのか?」 京太郎「お前なあ……」 優希(焦ってる焦ってる♪) 京太郎(まるで子供だな……なんで今の内に父親体験をしなきゃならんのだ) ・男は狼、セクシーに迫ればいける! 優希「き、京太郎……」 京太郎「どうした? おい、なんでお前スカートの裾なんか握って……」 優希「わ、私京太郎になら見せてもいいんだじょ……」チラッ 京太郎「は、はあ!? ちょっと待て、いくらなんでもそれは……」 優希「京太郎……」 京太郎(マズい、この前のメイド服と違って恥じらってるからなんかくるものが…いやいや、そんなわけない! 俺がこいつにそんな……) 和「こんにちは」ガチャッ 京太郎「」 優希「あ」 和「……」 スガクン、ユーキニナニヲヤラセテルンデスカ! ゴカイダ、キイテクレノドカ!コレハユウキノヤツガ、マッテケイサツハヤメテ! 優希(後少しだったのに……) 京太郎(なるほどね……優希の奴、和が来るのわかっててやりがったのか……) 京太郎(ちくしょう、気の迷いとはいえあの時ちょっとドキッとした俺がバカだった!) 優希「今日も失敗……なんでうまくいかないんだろ」 ・男の子を落としてアラサーにならない方法 著者 小鍛治健夜 健夜「えっ、なにこれ、書いた覚えないよ」 恒子「私がやりました、テヘペロ♪」 健夜「こーこちゃん!?」 【もし京太郎が京子だったら】 京子「やっほー、咲」 咲「あっ、京ちゃん」 京子「ねぇねぇ、食堂一緒に行かない?」 咲「えっ、私今本読んでるんだけど……」 京子「本は食堂でも読めますよー。 1人一個限定のデザートがどうしても食べたいの、お願い!」 咲「ええ、普通そのためだけに食堂に誘う?」 ――…… 咲「中学で同じクラスなだけですから! 嫁さん違います!」 京子「まっこう否定ですか」 咲「えっ」 ――…… 京子「和って家庭的だよねー」 咲「そうだね」 京子「……」 和『おかえりなさい、京子さん』 京子「ふふ、うふふ……」 咲「き、京ちゃん……」 ――…… 京子「メイド服着た和、見たかったなあ……」 優希「そう言うと思って着てきたじぇ!」 京子「……」 優希「ほれ、パンチラ」 京子「いらない」 ――…… 久「先鋒優希、次鋒まこ、中堅私、副将和、大将咲!」 京子「部長、私は!」 久「京子は応援、以上!」 京子「ですよねー」 ――…… 京太郎「」 優希「うわあ」 咲「京ちゃん、女の子だったら色々すごいね」 京太郎「なにこれ、ひどい」 優希「これはのどちゃん以上のわかりやすいガチガチのアレだじぇ」 和「あはは……ゆーき、後でお説教です」 優希「ひいっ」 咲「しかも京ちゃんったら私の嫁さん違いますって言葉にあんな事言ったくせに」 咲「麻雀部に入ったのが和ちゃん目当てだったり妄想したりって節操ないよね」 京太郎「なんということだ……なんということだ……」 結論【須賀京太郎が実は女の子な場合、当初の描写のガチレズ度が指なめをした和と同等かそれ以上になる】 『よく考えると京子ちゃんだった場合』 京子「私も麻雀部に入ります!」 久「やった、これで団体戦に出られる!」 京子「すいません、私初心者なんですけど……」 久「安心しなさい、私達でちゃんと教えてあげるから!」 京子「あっ、はい!」 ――咲ちゃん加入後…… 久「京子、あの……今度の団体戦のオーダーなんだけど」 京子「私はレギュラー落ち、ですよね」 久「ごめんなさい……入ってくれた時にはあれだけ持ち上げておいて」 京子「あはは、いいですよ……私みたいな初心者より咲が入った方がいいに決まってますから」 京子「私は、みんなの分も雑用とか頑張ります!」 久「本当にごめんなさい……」 こんな事が起きるわけですね まあレギュラー落ちはしても合同合宿には参加させてもらえるでしょうから…… 京子「はあ……合宿に参加させてもらえはしたけど周りのレベルが高すぎてついていけないよ」 京子「私なんかとやって他の人は何か得るものあるのかなあ……」 京子「ダメだ、変な事ばかり考えちゃう。 早く戻ろう……あれ?」 咲「……」 和「……」 京子「咲と和だ……なんでこんなところに」 咲「じゃあ戻ろっか和ちゃん」 和「そうですね、咲さん」 京子「――えっ」 京子「咲と和が下の名前で呼び合ってる……なんで」 京子「――私はまだ、【須賀さん】なのに」 京子「なんで私より後に会って関わった時間も短い咲が、なんで、なんでなんで!?」 京子「咲……私は弱い、咲より麻雀やってきた時間も短いからレギュラーは妥当だと思うしまだいいよ」 京子「でもあんたは、私が麻雀部に入る前から好きな人も、奪うっていうの……」 京子「そんなの、あんまりだよ」 優希「京子……」 結論【京太郎が女の子なだけで清澄1年組が大変な事になります】 「須賀京子の憂鬱」 清澄高校に入学後、同級生の原村和に一目惚れして麻雀部に入部した京子。 ちょうど京子が五番目の部員で団体戦に出場できるようになると部長の久に歓待された京子は、 自分の入部動機がまさか和への恋情であるとは言えず大して興味もなかった麻雀に従事する事に。 しかし全国大会への熱意から久を筆頭に麻雀部員達に熱心に教えてもらったり、対局を繰り返して 麻雀の楽しさを知っていった京子は皆のためにもインターハイで頑張ろうと心に決める。 そして入部してから数週間後、京子は中学からのクラスメート宮永咲が麻雀の経験者であると知る。 家族麻雀でお年玉を巻き上げられていたと語る咲に彼女が初心者だと思った京子。 周りがベテランだらけであり、初心者の自分への教育に時間をとられて練習も出来ない。 それだけ時間を使わせても大会で自分が足を引っ張るのが確実な状況なのも手伝って、 初心者仲間欲しさに咲を勧誘した京子は彼女を麻雀部の部室へと連れていく。 それが自分のレギュラー転落と失恋を呼び込む行動とも知らずに…… 安価なしでスレ立てするとしてあらすじはこんな感じですかね 京太郎が京子ちゃんになるだけで不憫、寝取られ、戦犯にもなれないレギュラー落ちなどの属性がつくという…… 【京太郎のたこ修行】 京太郎「ほっ、ほっ……」 優希「到着ー! 京太郎、何してるんだ?」 京太郎「見てわからないか、たこ焼き焼いてんだよ」クルックルッ 優希「たこ焼き! ほほう、私の好物だじぇ!」 和「部室でたこ焼きを焼く意味がわかりません」 京太郎「しょうがないだろ、たこ焼き器しか持ってこれなかったんだよ」 和「答えになってません!」 優希「ジー」 京太郎「あんま近いと跳ねて火傷するぞ?」 優希「なら早く食べさせるのだ!」 京太郎「もうちょっと待てって」 咲「うわ、どうしたのこれ?」 和「須賀君がなぜだかたこ焼きを焼いてるんです、部室で卓の上にたこ焼き器を乗せて……理解できません」 京太郎「ここ電源少ないんだよ……だからといってパソコンの方だとちょっと遠いし」クルックルッ 優希「早く早く! 今日はタコスが売り切れてたからタコのつくものを食べなくては私は人の形を保てない!」 京太郎「わーってるって! ほら、一丁あがりっと」 優希「ヒャッハー!! タコだ、タコのつく食べ物だじぇー!」 和「あっ、ゆーき! そんなに慌てて食べたら火傷しますよ!」 優希「おっと……ふう、危うく美味しく食べられなくなるところだったじぇ」 京太郎「逃げやしねーからゆっくり食べろよな。 あっ、咲と和もどうだ?」 咲「これ、タコスがなくなった時のために作ったんだよね?」 京太郎「おう、今日は昼の時点でタコスがなくなってたからな。 」 京太郎「まさに前に話したタコスがなくなるシチュだったから他の物を作る事にしたんだよ」 咲「じゃあもらおうかな……京ちゃんがちゃんと美味しく作れてるか確認しないと」 京太郎「そういう言い方するなら俺は優希に食べてもらうだけでいいんだぞー?」 咲「……美味しそうだから私も食べたいです」 京太郎「素直でよろしい」 和「……」ゴクリ 京太郎「和はどうする?」 和「……わ、私は」チラッ 優希「むぐむぐ……京太郎が作ったにしてはなかなか……」 咲「あっ、美味しい……」 和「……私にもください」 京太郎「了解」 優希「京太郎、おかわりだ!」 咲「京ちゃん私も私も!」 和「わ、私もお願いします……」 京太郎「あいよー!」 久「えっ、なにこれ」 まこ「ここはいつから料理部になったんじゃ……」 【優希も本くらい読むんです】 優希「暇だじぇー。 みんないつになったら来るんだー」モグモグ 優希「うーむ……ここは1つ本でも読んでみよう!」 優希「面白い本はあるかなーっと……これにするか。 タイトルは【隣の家の少女】?」 優希「きっと隣の家の女の子を好きになっちゃうみたいな話だな!」 優希「ふふふ、これで優希ちゃんも文学少女だじぇ。 もう子供っぽいとは誰にも言わせん!」 優希「……」ペラッ 優希「……」ペラッ 優希「……」 優希「うーん、字ばっかりで飽きたじょ……もっと面白いのはないのかー?」 優希「【狂鬼降臨】、【問題外科】、【暗い森の少女】、【骨餓身峠死人葛】……」 優希「なんだかタイトルだけで頭が痛くなりそうだじぇ。 最後のなんかタイトル読めないし……」 優希「おっ、漫画みっけ! これなら私も退屈せずに読めそうだじぇ! えーっとタイトルは【ミスミソウ】? 」 優希「タイトルはよくわからないけど漫画なら面白いのは確実だじょ!」 ――…… 京太郎「ちわーっす」 優希「……」 京太郎「おっ、まだ優希だけか?」 優希「……」 京太郎「優希?」 優希「すいませんすいません、なんか生きててすいません」ガタガタ 京太郎「何があった!?」 【そういうところが好きなんです】 優希「うう、昼間は酷い目にあったじぇ……なんで部室にあんな本があるんだ。 まさか咲ちゃんの趣味じゃないだろうな……」 優希「今日は親も帰ってこないし、眠れなくなりそうだじょ……」 ガタッ! 優希「ひっ!?」 優希「か、風……?」 ガタガタッ! 優希「やあっ!?」 優希「やだやだ……誰かに電話して朝までつきあってもらいたいじょ……」 優希「でも、そんなののどちゃんには怒られるだろうし、咲ちゃんは途中で寝ちゃう気がするし……」 ガタガタガタンッ!! 優希「いやあっ!? ううう……京太郎ぉ……」 ピンポーン 優希「えっ……」 ピンポーン 優希「だ、誰だじょ……? まさか誰かが火をつけに来たとか……ひいっ」 京太郎「おい、優希ー?」 優希「――京太郎?」 京太郎「ふーむ、今日は様子が変だったから見にきたけどもう寝たのか……?」 ドタドタドタッ、ガチャッ! 優希「京太郎!」ガバッ! 京太郎「うおっ!?」 優希「京太郎京太郎……!」ブルブル 京太郎「ど、どうした? なんか怖い夢でも見たのか?」ナデナデ 優希「ううう……」 ――…… 京太郎「うん、うん……ああ、わかってるって。 じゃあ口裏合わせは頼むな」ピッ 優希「……」 京太郎「家には他のやつの家に泊まるって連絡して、そいつに口裏合わせも頼んどいた」 京太郎「で、部室でも変だったけど何かあったのか?」 優希「……部室で怖い本を読んだんだじょ。 夢にも出てきそうなくらい怖くて、今日は親もいないから……」 京太郎「心細かった、と……そういえば咲の奴がお前と全く同じ状態になった事があったわ」 京太郎「あそこヤバい本が色々あるらしくてさ、全部読んじゃったらしいあいつはもっと酷かった」 優希「そうなのか……」 京太郎「まっ、泊まるまでになったのはお前くらいだけどな」ナデナデ 優希「んっ……」 京太郎「今日は朝まで一緒にいてやるよ、お前が暗いと調子狂うしな」 優希「京太郎……」 京太郎「よし、今日は俺が夕飯作ってやるよ! ちょっとキッチン借りるな」 優希「京太郎は優しいじぇ……」 優希「――そういうところが私は好きなんだ……」 京太郎「なんか言ったか?」 優希「なんでもない!」 【それはとてもシンプルな理由】 京太郎「さて、そろそろ寝るか?」 優希「そうだな……京太郎のおかげで今日は眠れそうだじぇ」 京太郎「それは一安心だ。 じゃあ悪いけどソファー借りるな」 優希「えっ、なんで」 京太郎「なんでって……ソファーにも寝かせてくれないのかよ?」 優希「一緒に寝てくれないのか?」 京太郎「はあ?」 優希「朝まで一緒って言うからてっきり一緒のベッドで寝てくれると思ったのに……」 京太郎「……あのなあ優希。 お前自分がとんでもない事言ってる自覚あるか?」 優希「そう、か?」 京太郎「そうだよ。 いいか、もしそんな台詞を誰彼構わず言おうものなら間違いなくお前襲われるぞ? 」 京太郎「俺はそんな気にならないからまだいいけどな、世の中には色んな趣味のやつがいるんだから……」 優希「……京太郎以外に、こんな事言わないじぇ」ボソッ 京太郎「えっ? お前今なんて……」 優希「いいじゃないか。 京太郎は私を襲わないんだろ? それとも一緒にいてくれるって嘘だったの……?」 京太郎「うっ、そうきたか……はあ、わかったよ」 優希「やった!」 ――…… 京太郎「……」 優希「……」ドキドキ 優希(京太郎と一緒に寝るなんて夢みたいだじょ。 心臓の音、聞こえてないかな……) 京太郎「なあ、優希」 優希「な、なんだ!?」 京太郎「お前さ、どうして俺と一緒に寝ようなんて思ったんだ?」 優希「えっ……」 京太郎「自分で襲わないとか言いはしたけどさ……」 京太郎「普段の俺って和の事結構そういう目で見てたりするような奴だし、はっきり言ってそういう信用ある気がしないんだよ」 優希「……」 京太郎「お前が俺を信頼してくれてるなら嬉しいけど、どうしてそこまで俺を信用できるのか、ちょっと気になった」 優希「それは……」 京太郎「……悪い、なんか変な事聞いた。 もう寝ようぜ、明日は休みだけど早めに起きた方がいいしな」 優希「うん……」 ――…… 優希「京太郎、もう寝た?」 京太郎「zzz……」 優希「……さっきの質問の答えだけど、私は別に京太郎なら襲わないとか信頼してるわけじゃないんだじょ」 優希「いや、信用してないわけでもないけど」 優希「ただ、そうただ――」 優希「京太郎なら襲われてもいいって思ってるだけ」 優希「それだけだから……おやすみなさい」 京太郎「……ばかやろ」 【小さな変化、大きな前進】 優希「んっ、朝……?」 優希「あれ、京太郎……?」 京太郎「……」トントントン 優希「京太郎?」 京太郎「あっ……よ、よぉ、おはよう優希」 優希「おはようだじぇ」 京太郎「今朝飯作ってるから顔洗ってこいよ。 あっ、腹減ってると思ってまたキッチン借りたけどいいよな?」 優希「うん、お腹ペコペコだじょ……顔洗ってくる」 京太郎「おう」 京太郎「まっずいなあ……昨日のあいつの言葉聞いたせいか、まともに顔が見られないぞ」 京太郎「はあ、さすがにアレは反則だろ……」 優希「反則って何がだ?」 京太郎「なっ!? は、早いんだな?」 優希「えっ、さっきから数分は経ってるしそんなに早くないだろ?」 京太郎「あっ、そうなのか……そりゃ確かに早くないわ」 優希「京太郎、なんか挙動不審だじぇ」 京太郎「いや、そんな事はないぞ!?」 優希「そうかー?」 京太郎「そうなんだって! いいから向こう行って待ってろ、今朝飯持ってくから!」 優希「はーい」トテテ 京太郎「……くそっ、人の気も知らないで」 ――…… 京太郎「……ってな事があったわけなんだが、俺はどうしちまったんだと思うよ?」 咲『……』 京太郎「咲ー? 黙ってないでなんか言ってくれよー」 咲『京ちゃんってさ』 京太郎「おっ、なんかわかったのか?」 咲『バカでしょ』 京太郎「はああ!? お前言うに事欠いてそれはないだろ! おいこら待て、まだ話は終わってない、切るなって、おい咲!」 京太郎「切れた……なんなんだよ、もう」 【片岡優希の日記その3】 ○月◇、☆日 昨日は京太郎が泊まりに来たから書けなかった分も書く 昨日部室で怖い本を読んだ。 読み終わった後もすごく気分が暗くなってのどちゃん達にも心配をかけちゃった……当分火とボウガンは見たくない。 昨日は親が遠出してて帰ってこないから1人きりで留守番してたけど、すごく心細くて泣きそうになって。 だけど上に書いた通り、京太郎が心配して泊まりに来てくれた。 それからはドキドキしっぱなしで怖いとかほとんど関係なくなってた…… 渋られたけどなんとか押し通して一緒に寝られたしいい事づくめだった! だけど今日の朝、京太郎はちょっと様子が変だった……何かあったのかな? 優希「ふう……京太郎、どうしたんだろ? 心配だじぇ」 【端から見たらわかりやすい】 京太郎「はあ……」 咲「京ちゃん、ため息なんてついてたら幸せが逃げちゃうよ?」 京太郎「ああ……」 咲「聞いてないし」 京太郎「なあ咲……」 咲「どうしたの? この前の事( 214)でまだ悩んでるの?」 京太郎「最近優希の事が頭から離れない……俺はどうしちまったんだ……」 咲「まだこんな事言ってるよ……あのね京ちゃん、それは京ちゃんが優希ちゃんを好きって事……」 京太郎「それはない」 咲「そこ、はっきりと即答しちゃうんだ……根拠は?」 京太郎「だってあいつは俺の好みとはまるで正反対だし、和みたいに感じる事もないんだぞ?」 咲「うん」 京太郎「そりゃあ、優希だって女の子なんだなー」 京太郎「とは思うようにはなったけど、だからといってそれがイコール好きに繋がるかといったらそれは違うだろ」 咲「……」 京太郎「ああ、もう、なんかモヤモヤすんな……誰かこの気持ちをうまく説明してくれよ……」 咲(それ、和ちゃんへのは憧れで優希ちゃんへの気持ちが恋なんじゃないの?って言ったらすごい事になりそう……) 京太郎「ちくしょう、それもこれも優希があんな事言いやがったのが原因だ……どうしてくれようか、あのタコス娘……」 咲(端から見たら優希ちゃんに恋してるようにしか見えないんだけどなあ。 優希ちゃんは苦労しそうだね、今までもこれからも) 京太郎「はあ……」 咲(ため息つきたいのはこっちだよ、もう……) 【されど互いは気付かない】 優希「はあ……」 和「ゆーき? ため息なんてついて何か悩み事でもあるんですか?」 優希「のどちゃん……私、もうどうしたらいいかわからないじぇ」 和「ゆーきがそこまで言うなんてよっぽどの事があったみたいですね……よかったら聞かせてくれませんか?」 優希「実は……」 ――…… 和「須賀君に避けられてる、ですか」 優希「今までだって相手にされない事はあったけど避けられるのは初めてで……」 和「確かに、らしくはない気もしますね。 何か避けられる心当たりは?」 優希「うーん、様子が変になったのは京太郎が私の家に泊まった日からだったような……」 和「その時に何かありましたか?」 優希「一緒に寝た以外はいつも通りだったじょ」 和「一緒に寝た!? ゆーき、あなた須賀君とそんな事をしたんですか!?」 優希「えっ、ダメだったかな? 一緒の布団で眠っただけなんだけど……」 和「……それなら、いいんです」 優希「のどちゃん、何を想像したんだ?」 和「何でもありません! とにかく、須賀君がそこを分岐点に変わったとするなら一番可能性が高いのはゆーきを意識しているとか……」 優希「それはないじぇ」 和「根拠はあるんですか?」 優希「だって京太郎の好みと私は噛み合ってないし、それに……」 優希(京太郎が好きなのはのどちゃんだし……) 和「それに?」 優希「なんでもないじぇ……とにかく京太郎が私を意識してるって事はないと思う」 和「そうですか……」 優希「のどちゃん、私何かしちゃったのかな……ぐすっ」 和「そ、そんな事ありません! きっと何か行き違いがあるんだと思います。 だから泣かないでゆーき……」 優希「のどちゃあん……」 和(悔しいですがこれ以上は1人でどうにかできそうにありません……咲さんに相談してみましょう) 【ごく自然に受け入れられた風潮・京太郎の場合その3】 ハギヨシ「須賀君はなかなか筋がよろしいですね」 京太郎「そうですか?」 ハギヨシ「ええ、タコス作りを教えるようになってからまだ時間はたっていないのに随分成長しました」 京太郎「それはたぶん先生がいいからですよ」 ハギヨシ「ふふっ、そう言っていただけるとこちらとしてもお教えしたかいがありますね」 京太郎「これからもご指導よろしくお願いします」 ハギヨシ「もちろん」 京太郎「さて、時間も時間だし帰るとするか」 ハギヨシ「家までお送りしましょう。 車を出しますので少しお待ちください」 京太郎「あ、ありがとうございます! やっぱりハギヨシさんはいい人だなあ」 「あら、そこにいるのは……」 京太郎「あっ、あなたは確か和の対戦相手だった……」 透華「龍門渕透華ですわ」 京太郎「あっ、俺は……」 透華「清澄高校の須賀京太郎、でしょう? ハギヨシの交友関係くらい把握しておりますわ」 京太郎「あっ、そうなんですか……いつもハギヨシさんにはお世話になってます」 透華「別に構いませんわ、最近のハギヨシはいつにもまして楽しそうに過ごしていますもの」 京太郎「楽しそう? ハギヨシさんがですか?」 透華「ええ、正確に言えばあなたに色々指導するようになってから、ですわね」 透華「ここにいるのは女性ばかり、ハギヨシとしても同性の知り合いが出来た事が嬉しいんでしょう」 京太郎「いえ、そんな……」 透華「だからこそはっきりさせておきたい事があります」 京太郎「なんですか?」 透華「あなたはハギヨシと、懇ろな仲なんですの?」 京太郎「」ピシッ 透華「わ、私が気にしているわけではありませんわよ!? 」 透華「ただ屋敷のメイドが噂していましたから、衣の教育によろしくない関係か確かめる義務が私には……!」 京太郎「ないですないです! 俺はちゃんと女の子が好きです!」 透華「それならいいんですわ。 これからもハギヨシと仲良くしてやってくださいな」 京太郎「は、はい」 透華「それでは、ごきげんよう」 京太郎「……すごい事聞かれたぜ」 ハギヨシ「お待たせしました須賀君、行きましょう」 京太郎「あっ、はい」 京太郎(だけど、なんで俺は龍門渕さんの言葉を否定した時……) 『京太郎!』 京太郎(あいつの顔、浮かんだんだよ?) 風潮【須賀京太郎はホモである】 【傍観者達は何を思う】 和「……というわけ、なんですが須賀君はいったいどうしてしまったんでしょうか?」 咲「優希ちゃんはそんな事になってるんだ……そういう意味ではお似合いなのかな」 和「それはどういう……まさか」 咲「うん、間違いないよ。 京ちゃんと優希ちゃんは両思いなのに変なところですれ違ってるの」 和「須賀君は散々邪険にしてきた負い目から今さら自分の気持ちを認められず」 和「ゆーきは須賀君の好みとは違う自分が好かれている自信がない、といったところですか」 咲「たぶんね」 和「なんという……少し話せばあっさり解ける誤解なのに」 咲「それはしょうがないよ、京ちゃんはフレンドリーなのに肝心なところで臆病だから」 和「ゆーきも、これが須賀君でなければ当たって砕ける覚悟も出来るんでしょうね」 咲「苦労するね、お互いに」 和「全くです……ところで、いいんですか?」 咲「なにがかな?」 和「いえ、私の勝手な想像ですけれど、咲さんはそれなりに須賀君を好いていると思ってましたから」 咲「私が、京ちゃんを?」 和「気分を害されたのなら謝ります」 咲「いいよ、気にしないで……そもそもそんな事ありえないし」 和「そうですか?」 咲「うん。 確かに私にとって京ちゃんはお友達だし、一番仲のいい男の子だよ」 和「だけどそれがイコール好きに繋がるかと言ったらそうじゃないと思う」 和「……」 咲「まあ、京ちゃんは単純だし、エッチだし、馴れ馴れしいところもあるし」 咲「髪の毛のせいで軽く見られちゃうし、子供っぽいし、すぐに人をからかってくるし」 咲「わざわざレディースランチのためだけに人を連れ回すし、胸の大きな子にはデレデレしちゃうし」 咲「1つの事に集中しちゃうと周りが見えなくなるし、こういう時へたれちゃうような人だしね」 和「あの咲さん、さすがに言いすぎ……」 咲「――だけど」 咲「悪いところも確かにあるけどそんなの気にならないくらい、いい人でもあるんだよ」ニコッ 和「……!」 咲「だから早く付き合っちゃえばいいのにね、2人共」 和「そう、ですね」 和(あなたは、本当にそれでいいんですか咲さん……) 咲(……) 【まだ賽はふられてない】 優希「京太郎、今日の放課後……」 京太郎「き、今日は俺用事あるから!」 優希「あ……」 京太郎「くそっ、なんでこんな事になったんだ……」 「そうねぇ、天罰ってやつじゃないかしら?」 京太郎「それじゃあ俺が何かしたみたいじゃないですか」 「自覚ないの? 優希もかわいそうね」 京太郎「そんなの――」 京太郎(ん? ちょっと待て、俺さっきから誰と話して……)バッ 久「お疲れ様、須賀君。 なんか大変な事になってるみたいね」 京太郎「竹井先輩……別にそんな事は」 久「須賀君は嘘が下手ねぇ。 その顔見て何もないなんて信じられるわけないじゃない」 京太郎「……そんなに酷いですか?」 久「今にも死にそうね……ここは1つ元部長に相談してみない?」 京太郎「……実は」 久「へえ、優希がそんな事を言うなんてねえ」 京太郎「あんな事言われたらこれからどう接していいのか……」 久「あら、話を聞く限り簡単だと思うけど」 京太郎「えっ」 久「だって優希は須賀君が好きで、須賀君も優希が好きなんでしょう?」 京太郎「あの、俺の話聞いてました? あいつを好きとかそういうのじゃないって……」 久「須賀君、私にはあなたがそう言い聞かせるふりをして、優希と自分の気持ちを見ないようにしてるようにしか見えないわよ」 京太郎「なっ……」 久「和の時とは違う、だから自分は優希を好きじゃありませんって自分で言ってる事おかしいと思わない?」 京太郎「っ……」 久「好みが正反対なんてそれこそ根拠にもなってない愚論よ」 久「世の中の人が全員自分の好みと完璧に一致する人しか好きにならないなんて、和じゃないけどそんなオカルトありえません」 京太郎「う、ぐっ」 久「まあ須賀君は優希のアピール散々無下にしてきてるし、気まずいのかもしれないけど……」 久「いつまでも優希の好意に甘えるのはよしたら?」 京太郎「俺は!」 久「いいから黙って聞きなさい。 須賀君、ヒントをあげる……自分以外の誰かと優希が付き合ってるところ想像してみて」 京太郎「えっ」ズキッ 久「デートして、あの子が笑顔で好きって言って、言われて照れて、手を繋いで……」 京太郎「あ、つう……!」ズキッ、ズキッ 久「腕を組んで、キスして、最後にはその身体をあなた以外に襲われてもいいって……」 京太郎「やめてくださいっ!!」 【持つものにないもの、持たないものにあるもの】 優希「京太郎、今日の放課後……」 京太郎「き、今日は俺用事あるから!」 優希「あ……」 優希「どうしてこんな事になっちゃったんだじぇ……」 まこ「元気ないのう、優希」 優希「あっ、染谷先輩……」 まこ「何があったかはわからんが、いつも元気なお前さんがそこまで落ち込んどるいう事は今逃げていった奴が関係しとると見ていいか?」 優希「……」コク まこ「もしよければ悩みを詳しく聞かせてもらえんか?」 優希「……わかったじょ」 まこ「なるほどのう。 それは確かに不安にも感じるじゃろうな」 優希「私どうしたらいいかもうわからないじぇ……」 まこ「しかし優希、なぜ京太郎のやつがおんしを好きだという可能性を最初から否定するんじゃ?」 優希「だって京太郎はのどちゃんが……」 まこ「確かに京太郎が麻雀部に入った目的は和じゃし、そう思う気持ちはわからんでもないが……じゃが本当に可能性はないのかの?」 優希「えっ……」 まこ「わしはな優希、お前さんが次にツモれる聴牌をわざわざ崩しにいってるように見えるんじゃよ」 優希「聴牌をわざわざ……?」 まこ「そうじゃ。 色々な客を見てきた身から言わせてもらうなら京太郎はお前さんを好いとると思う」 優希「京太郎が、私を……」 まこ「優希、確かにお前さんになくて和が持っているものはたくさんあるじゃろう」 まこ「じゃがそれは逆もしかり、優希にあって和にないものだって同じくらいたくさんあるんじゃ」 優希「のどちゃんになくて、私にあるもの」 まこ「そうじゃ、優希はそれで勝負すればいい」 まこ「たとえどんなに削られても、心を支える点棒が尽きなければお前さんは戦えるはずなんじゃ」 優希「……」ギュッ まこ「優希、わしの言葉をどう捉えるかはお前さん次第じゃ。 それを踏まえた上でどうしたいか決めんしゃい」 優希「私、私は……京太郎と一緒にいたい。 今みたいなのは、もう嫌だ!」 まこ「ならどうすればいいか、わかっとるな?」 優希「……ありがとう、染谷先輩! 私、いってくるじょ!」タタタッ まこ「……頑張れよ、優希」 優希「はあ、はあ……」 優希「京太郎、私は決めたじぇ……私は、今日お前に告白す――」 咲「それは通らないよ、優希ちゃん」ゴッ 【もう自分に嘘はつかない】 久「やめてください、ねぇ……どうしてかしら?」 京太郎「それはっ……」 久「あなたは優希を好きじゃないんでしょう? だったらあの子が誰と付き合う事になろうと文句は言えないはずよ」 京太郎「それとも、何か心境に変化でもあったのかしら?」 京太郎「お、俺は……」 優希『私は片岡優希! よろしくな京太郎!』 優希『初心者が私に勝とうなんてまだまだ甘いじぇ!』 京太郎(あいつは、出会った時から偉そうで、その癖ちょっと気に入らない事があるとだだをこねて) 優希『京太郎! 私はタコスを所望する!』 優希『そこにいる全員にタコスを食べさせるのだ』 優希『よくやった! お前は使える犬だ!』 京太郎(人を使いっぱしりにして散々振り回す、まるで子供みたいなやつ) 優希『京太郎京太郎……!』 優希『……京太郎以外に、こんな事言わないじぇ』 優希『京太郎なら襲われてもいいって思ってるだけ』 京太郎(だけど間違いなく優希は女の子で、そんなあいつを俺は、俺は――) 京太郎「いや、です」 久「何が?」 京太郎「俺は、優希を誰にも渡したくないです。 あいつの笑顔も照れた顔も独占してしまいたい」 久「どうして?」 京太郎「俺は、優希が好きだから」 久「……手間がかかるんだから」 京太郎「すいません」 久「謝るくらいならさっさと告白でもしてきちゃいなさい! あなたのお姫様が待ってるわよ?」 京太郎「そうですね……俺、学校に戻ります!」 久「行ってらっしゃーい……本当に、ややこしいくらい素直になれないんだから、【3人共】」 京太郎「戻ったはいいけどあいつどこにいるんだ? しらみつぶしに捜すしか……」 和「何をしてるんです」 京太郎「和! ちょうど良かった、優希を見なかったか?」 和「……教えるのは構いませんがその前にいいですか?」 京太郎「お、おう」 和「――今度ゆーきをこんな形で傷つけたら私はどんな手を使ってでもあなたとゆーきの仲を引き裂きます」 京太郎「……!」ゾクッ 和「私が言いたいのはそれだけです……ゆーきは屋上に行きましたよ」 京太郎「和」 和「なんですか?」 京太郎「優希を大切に思ってくれてありがとうな。 お前のそういうところも好き【だった】よ!」タタタッ 和「……」 和「ゆーきを、お願いします須賀君」 【たとえ今は勝てなくても】 優希「咲、ちゃん」 咲「優希ちゃん……今のあなたを京ちゃんの所に行かせるつもりはないよ……」 優希「な、なんでそんな!」 咲「優希ちゃん、私ね京ちゃんの事をとっても大切な友達だと思ってるの」 優希「……」 咲「だからね、京ちゃんがもし不幸になるのなら私はそうさせる人を認めない」 優希「私がそうだって言いたいのか?」 咲「どうかな……優希ちゃん、あなたは京ちゃんをどれだけ知ってる、理解してる?」 優希「……」 咲「私は京ちゃんの悪いところを10はあげられる、だけどいいところならその倍以上あげられる自信があるよ」 咲「優希ちゃんはなんで京ちゃんが好きなのかな? 」 咲「もし京ちゃんがわがままを聞いてくれる便利な存在だから、なんて欠片でも思ってるのなら……」ゴッ 優希「っ!」 咲「――私は全力で優希ちゃんを排除するよ」 優希(咲ちゃん、もしかして……) 咲「それで? 優希ちゃんはどれだけ京ちゃんを理解してるかな?」 優希「……咲ちゃんには勝てないじょ」 優希「私は京太郎と出会ってまだ半年くらい、どうしても咲ちゃん以上に京太郎を理解なんて出来てない」 咲「そう……」 優希「だけど!」 京太郎『須賀京太郎、よろしくな優希』 京太郎『うおおっ、初心者相手に容赦ねえ!?』 優希(初めて出会った時からわかってた。 目の前の男子はのどちゃんがお気に入りなんだって) 京太郎『またかよ、お前タコスで身体が出来てんのか?』 京太郎『しょうがねえな……タコスを食わせればいいんだな?』 京太郎『犬って……』 優希(どうしようもなく鈍感でスケベで馴れ馴れしい奴) 京太郎『ど、どうした? なんか怖い夢でも見たのか?』 京太郎『今日は朝まで一緒にいてやるよ、お前が暗いと調子狂うしな』 京太郎『よ、よぉ、おはよう優希』 優希(それでも私は京太郎が好きなんだ) 優希「今は咲ちゃんに勝てなくてもいい、私はいつか必ず京太郎の理解者になる!」 咲「!」 優希「咲ちゃんが京太郎のいいところを20出すなら私は30あげられるようになってみせるじょ! だから咲ちゃん……私を行かせて!」 咲「――良かった」 優希「えっ?」 咲「優希ちゃんは本当に京ちゃんを想ってくれてるってわかったから。 行って、京ちゃんは屋上にいるはずだよ」 優希「咲ちゃん……ありがとう」タタタッ 【その嶺に花は咲かない】 咲「……あーあ、本当に世話の焼けるカップルだなあ」 咲「これは今度しっかりお礼してもらわないとね」 咲「……」 京太郎『えっと俺、須賀京太郎って言うんだ。 よろしく宮永さん』 京太郎『うーん、なんか友達にしてはよそよそしいよな俺達……』 京太郎『よし、これから宮永さんの事は咲って呼ぶからそっちも京太郎って呼んでくれよ!』 咲(……そう、これで良かった) 京太郎『まだ須賀呼びかよー……じゃあなんなら呼べるんだ?』 京太郎『き、京ちゃん? それはちょっとハードルが高いんじゃないかなー……ああ、わかったわかったから泣きそうな顔するなって!』 咲(じゃあなんで、私は今こんなに胸が痛いんだろ、泣きたいんだろ……) 京太郎『咲は高校どこにするんだ? 清澄か……じゃあ俺もそこにするわ』 京太郎『咲を1人で行かせたら大変な事になりそうだからな!』 京太郎『怒るなって、ジョークジョーク!』 咲(あ) 京太郎『咲、ノートありがとうな』 京太郎『咲、レディースランチを恵んでくれ!』 京太郎『咲、これからもよろしくな』 咲(そう、だったんだ) 和「咲さん、こんな所にいたんですか?」 咲「……」 和「咲、さん?」 咲「和ちゃん、私……」 咲「――京ちゃんの事、好きっ、だった……みたい」ポロポロ 和「咲さん……」 咲「あは、ははは……京ちゃんを散々鈍感とか言ってたくせに、私も気づいてなかったんだ、自分の気持ち……!」ポロポロ 和「……」 咲「よく考えてみたら私、京ちゃんと同じような言い訳してたよ……なに、やってるんだろうね?」ポロポロ 和「咲さん……」ギュッ 咲「今さらわかってもさあ! もう私はスタートラインにすら立てないんだよ! 」 咲「やましい心がないのかって優希ちゃんを邪魔したくせに、誰よりも私がやましい心を持っちゃってる!」ポロポロ 和「もういいです、もういいですから……!」 咲「なんで今頃わからせるの!? なんで何もかも手遅れになった後で、こんな気持ちに気付かせたの……」 和「咲さん、いいんです。 苦しまなくていいですから……思いっきり気持ちを吐き出してください」 咲「やだ、やだやだやだあ! 京ちゃんを渡したくない、私だって京ちゃんに見てほしいよぉ……!」 和「……」ナデナデ 咲「うわああああああんっ!!」 【花が散った日、風が吹いた日】 優希「はあはあ……あれ、京太郎いない……」 ガチャッ 京太郎「あっ」 優希「あっ」 京太郎「……よぉ」 優希「……なにしてたんだ、バカ」 京太郎「バカな自分に喝を入れてた。 悪かったな、待たせちまって」 優希「別に、待ってないじぇ」 京太郎「今って意味じゃなくて、もっと前からって意味だよ」 優希「……」 京太郎「俺さ、やっとわかったんだ……」 優希「なに、を」 京太郎「俺、お前に惚れてる」 優希「あ……」 京太郎「好きなんだよ優希、お前の事が」 優希「……」ポロ 京太郎「えっ」 優希「ふっ、ひっく、っ……」ポロポロ 京太郎「えっ、えっ!? な、なんで泣くんだよおい!」 優希「だって、京太郎は私の事、見てくれなかったし、何しても相手にしてくれないし……!」 京太郎「……ああ、そうだったな」 優希「みんなに言われても、私不安でっ、怖くてっ……」 京太郎「ごめんな、不安にさせて……」 優希「わ、私も京太郎が好き、好き、好きだじぇ……!」 京太郎「そうか……」 京太郎「だったら俺と――」 優希「だから私と――」 京太郎・優希「――付き合ってください」 久「あっ、まこ? これから空いてないかしら? うん、うん……ええ、私達でもう1人のお姫様を慰めてあげたいのよ」 まこ「了解じゃ、じゃあ迎えに行くか……わしらで頑張ったなって言ってやらんとな」 和「あっ、先輩方。 はい、ありがとうございます……ええ、泣き疲れて眠っちゃってますから移動はタクシーにしましょう」 咲「京、ちゃん……すう、すう……」 京太郎「……帰るか、行こうぜ優希」スッ 優希「うん!」ギュッ 京太郎「さて、これからどうするかね……」 優希「京太郎」 京太郎「なんだ?」 優希「だーい好きだじぇ!」ニコッ 【須賀京太郎と片岡優希の日記】 ○月◎日 今日は俺にとって色々激動の1日だった。 なんせ初めての彼女が出来た日だからな! 竹井先輩には感謝してもしきれないぜ……今度お礼しないと それにしても俺が優希と、か……今でも少し信じられない気もするけど夢じゃないんだよな…… 頑張ろう、あいつの彼氏だって恥じる事なく胸を張れるようにな 京太郎「今日は本当に色々あったなあ……」 京太郎「彼女、か……く、くくっ、やべえ、にやけが止まらねえ!」 京太郎「ふう……優希、何してんのかな」 ○月◎日 き、き~~~~(波線部分は文字が滲んでよく読めない) 今日京太郎と付き~~事になったた ま、まだま手を~~~らいだどいずれは~~~ 相談にのってくれたのどちゃん、背中を押してくれた染谷先輩、そして咲ちゃん、ありがとう 優希「うわああ、前半部分が酷い事になってるじぇー!」 優希「ううう……今でも心臓がドキドキ言ってるじょ」 優希「京太郎もドキドキしてくれてるのかな……」 番外【ごく自然に受け入れられた風潮被害・和の場合】 咲「――京ちゃんの事、好きっ、だった……みたい」ポロポロ 和「咲さん……」 和(ああああ!! 咲さん咲さん咲さん、泣き顔も素敵です、美しいです!) 咲「あは、ははは……京ちゃんを散々鈍感とか言ってたくせに、私も気づいてなかったんだ、自分の気持ち……!」ポロポロ 和「……」 和(だけど咲さんを泣かせた罪は許しませんよ、2人共……!) 咲「よく考えてみたら私、京ちゃんと同じような言い訳してたよ……なに、やってるんだろうね?」ポロポロ 和「咲さん……」ギュッ 和(よっしゃあああ!! 自然に咲さんに抱きつけたあああ! 咲さんの髪の匂いクンカクンカ! 涙もペロペロしたいですう!) 咲「今さらわかってもさあ! もう私はスタートラインにすら立てないんだよ! やましい心がないのかって優希ちゃんを邪魔したくせに、誰よりも私がやましい心を持っちゃってる!」ポロポロ 和「もういいです、もういいですから……!」 和(今はあんな男より私の感触を感じてくださいよ! ああ、忌々しい男、早くこの手で八つ裂きにしてやりたい!) 咲「なんで今頃わからせるの!? なんで何もかも手遅れになった後で、こんな気持ちに気付かせたの……」 和「咲さん、いいんです。 苦しまなくていいですから……思いっきり気持ちを吐き出してください」 和(一番吐き出してほしいのは私への愛なんですけどね!) 咲「やだ、やだやだやだあ! 京ちゃんを渡したくない、私だって京ちゃんに見てほしいよぉ……!」 和「……」ナデナデ 和(だけどこれで邪魔者は消えました、後は私がじっくり咲さんを……2人への天誅はその後にしましょう……) 咲「うわああああああんっ!!」 和(ふふふ!) ――…… 久「……なんて考えてたりしてね、あはは」 和「今すぐ卓に座りなさい部長! 麻雀で泣かせて差し上げます!!」 まこ「お、落ち着くんじゃ、和!」 和「私がそんな事を考えるわけがないでしょう! だいたい須賀君はゆーきの大切な……あ」 咲「……」 和「あ、あの咲さん、その……」 咲「大丈夫だよ、和ちゃん。 あの時泣かせてもらって少しスッキリしたから……」 和「咲さん……」 風潮【原村和は咲狂いで結ばれるためには平気で周りや親友の優希すらも踏みにじる】 番外【ごく自然に受け入れられた風潮被害・咲の場合】 咲「やだ、やだやだやだあ! 京ちゃんを渡したくない、私だって京ちゃんに見てほしいよぉ……!」 和「……」ナデナデ 咲「――あっ、そうだあ」 和「えっ」 咲「そうだよ……なんで気づかなかったんだろう……ふふふふふ」 和「さ、咲さん……?」 咲「京ちゃんと結ばれないなら優希ちゃんを排除すればよかったんだあ……」 和「さ、咲さん!? 何を……」 咲「カン」ドグシャア!! 和「あうっ!?」 咲「ごめんねぇ、和ちゃん……私これから京ちゃん、優希ちゃんと麻雀をしてこなきゃいけないから」 咲「待っててね京ちゃん……優希ちゃんを消したら、その心を壊して家で大事に大事に飼ってあげるからね!」 和「ゲホッ、ゲホッ、咲、さん……」ガクッ 咲「あっはははははははは!!」 ――…… 久「咲はこれくらいアグレッシブでも……」 咲「それもうアグレッシブじゃないですよ!」 和「ただの頭おかしい人じゃないですか!」 まこ「あんたは何がしたいんじゃ……?」 久「んー、さすがにやりすぎたか。 まあ、でもこれで少しは気が紛れたんじゃない?」 咲「えっ……」 久「すぐに吹っ切れなんて言わない、でも少しずつこの失恋を乗り越えていきましょう……」 久「咲は泣き顔もかわいいけど笑顔の方がもっとかわいいんだから」ナデナデ 咲「部長……」 久「ふふっ、私はもう部長じゃないわよ?」 まこ「ええじゃないか、わしを含めた麻雀部員達にとって部長はやっぱりあんたなんじゃよ」 久「しょうがないわねぇ……これじゃいつまでも卒業ができないじゃない」 咲「ごめんなさい……」 久「謝らなくていいわ。 じゃあ卒業までは頑張って先輩やらせてもらおうかしら?」 まこ「今だって入り浸ったとるじゃろうが……」 久「まあね!」 和「……いい話にしようとしてますが、私はさっきの妄想を許す気はありませんよ?」 久「あはは、別に打つのは構わないわよ? 泣かされるのは和かもだけどね」 和「言いましたね!」 久「まこと咲も入りなさい! 今日は徹夜で打ちまくるわよー!」 まこ「しょうがないのう、じゃあちょっくら揉んでやるか!」 咲「……」 咲(みんな、私を元気づけようとしてくれるのがわかる……嬉しいなあ) 和「咲さん?」 咲「あっ、今行くよ!」 風潮【宮永咲はヤンデレ魔王】 【新しい1日の始まり】 優希「……んふぁ……よく寝たじぇ」 優希「……」パカッ 『須賀京太郎 グループ……恋人』 優希「……夢じゃない」 優希「えへ……へへへへ///」コロン 優希「私、もう京太郎の彼女なんだ……」コロコロ 優希「にやけが止まらないじぇー!」コロコロコロコロ ドサッ! 優希「あいたっ!?」 優希「えっと……あっ、いた! 京太郎! お、おはよう!」 京太郎「ああ、おはよう優希」 優希「待っててくれたのか?」 京太郎「まあな。 一緒の登下校とかいかにも恋人っぽいだろ」 優希「こ……」 京太郎「な、なんだよ」 優希「は、恥ずかしい事言うな、バカ!」 京太郎「べ、別に恥ずかしくないだろ! 本当の事、なんだからよ」 優希「そういうのが恥ずかしいって言ってるんだじょ!」 京太郎「……んだよ、じゃあお前には俺達の関係は恥ずかしい事なのか?」 優希「えっ、そ、そんなんじゃ……」 京太郎「ふーん、いいよいいよ。 俺は恥ずかしいなんて別に思ってなかったんだけどお前がそう思うなら、俺達合わないのかも……」 優希「そ、そんな……ちょっと待って! 私はそんなつもりは……あれ?」 京太郎「くっ、くく……」 優希「……おい」 京太郎「お、お前がまさかそんな……ちくしょう、かわいいじゃねえか!」 優希「このやろ! よくも人を笑い物にしたなあ!」 京太郎「ははは! せっかくつき合えたのに俺が合わないのかもなんて考えるかよ!」 優希「むうう……!」 京太郎「ほら、さっさと行こうぜ。 学校遅刻しちまうからな」 優希「……おりゃ!」ギュッ 京太郎「のわっ! 優希、お前何を……」 優希「さっきのはどうしても許せん! 罰として私を背負って学校に行くのだ!」 京太郎「は、離れろよ!」 優希「いーやーだー! おやおや、京太郎……顔がなんだか赤い気がするじょ」 京太郎「なあっ!?」 優希「ふふん、私の魅力的なボディにメロメロになってきたんだな! よしよし、たっぷり堪能させてやろう!」ギュウッ 京太郎「うおおお、やめろぉ!」スタタッ! 優希「あはははは、早い早い! そらそら超特急で行くのだー!」 京太郎「ちくしょうううう!!」 【須賀京太郎の女子力】 優希「お昼だじぇ!」 京太郎「屋上は風が気持ちいいもんだなー……そういえば他に誰か誘ったか?」 優希「のどちゃんや咲ちゃんは部長達とどこか行ったらしいじょ」 京太郎「ふうん、じゃあ今日は2人きりってわけか」 優希「そういう事だな! さあ、存分にいちゃつこうじゃないか!」 京太郎「じゃあ食べさせあいでもするか?」 優希「」 京太郎「あれ? おーい優希?」 優希「……はっ!」 京太郎「おっ、戻ってきたか」 優希「ま、また変な事を……」 京太郎「いちゃつこうって言いだしたのはお前じゃん」 優希「そ、そうだけど……」 京太郎「まあ、それは後でにするとして弁当食うか」 優希「弁当? なんだ京太郎、お弁当を作れたのか?」 京太郎「お前のために料理勉強したんだからな……少し食うか?」 優希「もちろんいただくじぇ!」 京太郎「おう、食え食え」 優希「おっ、タコさんウインナー! タコめしにタコのやわらか煮、タコの和え物もあるじぇ!」 京太郎「須賀京太郎特製タコ尽くし弁当だ! とくとご賞味あれ!」 優希「いただきまーす! モグモグ……」 京太郎「どうだ?」 優希「うまい! よくやるじゃないか京太郎!」 京太郎「そうかそうか! まだまだあるからたくさん食べていいからな」 優希「言われずとも!」 京太郎「さて俺も食うか。 うん、我ながらよくできた!」 優希「タコスにタコ料理に幸せなご飯だじぇー♪」 京太郎「これはまだまだ改善出来るか……メモっとこ」 優希「……」 京太郎「ん、どうした?」 優希「なんでもないじぇ」 優希(なんだろう……美味しいんだけどなんか女子力的な意味で負けた気がするじぇ。 私も作れた方がいいのか……?) 京太郎「今度はタコライスでも作るかー」 優希(……でもとりあえずは今目の前にあるお弁当に集中するじぇ!) 優希「タコさんウインナーいただき!」 京太郎「おおい!? 人のまで取るなよ!」 優希「早い者勝ちだじょ! お弁当うまー!」 京太郎「ええい、やめんか! このタコ好き娘がー!」 【最後のわがまま】 京太郎「部活、行くかあ」 優希「相談したんだし、みんなに報告した方がいいのか?」 京太郎「どうだろうなあ……聞かれたら答えるって感じでいい気もするけど」 優希「じゃあ私はのどちゃんと染谷先輩には言っておくじょ」 京太郎「だったら俺は部長と咲に……」 優希「京太郎、その事なんだけど……」 ――…… 京太郎「ちーっす」 優希「来たじぇ!」 咲「あ」 優希「あ」 京太郎「なんだ、咲だけか?」 咲「う、うん……」 京太郎「そうか、じゃあ俺は出とくわ」 咲「えっ、京ちゃん?」 京太郎「優希、とりあえずみんな来たら止めとくから」 優希「……頼んだ」 京太郎「任された」ガチャッ、バタンッ 咲「あ、あの優希ちゃん?」 優希「咲ちゃん……私、京太郎と付き合う事になったじょ」 咲「あっ……そ、そうなんだ、よかったね!」 優希「……1つ聞きたいんだけど、もしかして咲ちゃんもだった?」 咲「えっ、あっ…………うん」 優希「やっぱり、そうだったんだ」 咲「気付いたのは……優希ちゃんを行かせた後、だったけどね」 優希「はは、まるで京太郎みたいだじぇ」 咲「自分でも、そう思うよ」 優希「咲ちゃん」 咲「なに、かな?」 優希「ごめんとは、言わないじょ。 京太郎が好きな気持ちに関しては咲ちゃんに負けてるつもりはないから」 咲「うん……私も謝ってほしくはないかな」 優希「だから、その、言いたいのは1つだけ……ありがとうだじぇ、咲ちゃん」 咲「うん……ねえ優希ちゃん、私友達としてだけど優希ちゃんが好き」 咲「だから甘い考えかもしれないけどこんな顔色窺うみたいにギクシャクしたくない」 優希「私も、咲ちゃんは大好きな友達だから……ギクシャクなんてイヤだじぇ」 咲「だから優希ちゃん、もしよかったら1つだけ私のわがまま、聞いてくれる?」 優希「わがまま?」 咲「――今度、京ちゃんの家に一緒に泊まってくれないかな?」 優希「えっ……えええええっ!?」 【須賀京太郎と片岡優希と???の日記】 ◆月○日 俺の知らない間に何が起こったか、優希と咲が今度泊まりに来る事になった。 しかもいつの間にか家にも許可を取ってたらしいし…… いったいどういうつもりなんだ、2人して? 京太郎「……なんなんだろうな、本当に」 京太郎「わからねー、女の子の考える事なんて全くもってわからねー」 京太郎「……寝よ」 ◆月○日 今日、咲ちゃんと話して1つの計画を立てた。 最初に一緒に京太郎の家に泊まろうと言われた時はビックリしたけど、咲ちゃんを見たら断るなんて選択肢にもなかった。 今度の休みは忙しくなりそう…… 後お昼に食べた京太郎のお弁当になんだか女の子として自信がなくなったのはここだけの秘密 優希「咲ちゃん……」 優希「……寝るじぇ」 ◆月○日 今日優希ちゃんに最後のわがままだってお願いをした。 それは優希ちゃんと一緒に京ちゃんの家にお泊まりする事……優希ちゃんは驚いてたけどすぐにいいって返事をくれた。 ありがとう優希ちゃん……私、頑張るからね。 咲「……これで、きっと私は吹っ切れるよ」 咲「京ちゃん……」
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部室 竜華「お疲れーって寒っ!! 京太郎「あ、お疲れ様です」 竜華「なんなんこれ!?いつもやったら暖房付いとるやろ!?」 京太郎「なんか今日整備だかなんかで付かないらしいですよ」 竜華「こんな中で部活とか無理やろ!怜とか動かなくなるで!」 京太郎「ああ……手遅れでした」 怜「保健室の布団あったかいわー」 竜華「で、他はどこ行ったん?」 京太郎「さすがに寒すぎるんで休みでもいいって監督が言って、ほとんど帰りましたね」 京太郎「でもレギュラーの3人はいますよ。今はカイロとかあったかい飲み物買いに行きましたけど」 竜華「で、京太郎は?」 京太郎「いや、こういう時こそ隅々まで綺麗に掃除できるんで」 竜華「あのな……働きすぎやで?今帰っても誰も文句言わんよ?」 京太郎「いいんですって。こういうの好きですし、これでみなさんが喜んでくれるんなら十分ですよ」 竜華「ホンマにもう……」 京太郎「それと竜華さん、どうぞ」学ラン 竜華「へ?」 京太郎「俺は体動かして温まってきましたし、無いよりいいですよ」 竜華「ええの?じゃ、ありがたく」 竜華「……あったかい」 京太郎「さっきまで着てましたしね」 竜華(ホンマあったかいわ……それに京太郎の学ランやし) 竜華(京太郎に抱きしめられてるみたい……京太郎を感じるなぁ……) 竜華「……ありがとな」 カンッ!! おまけ セーラ「帰ったでー!」 泉「もう、いきなり走りださんでくださいよ」 浩子「全く、……ホンマ……やわ」 竜華「おー、おかえりー」学ラン着用中 京太郎「早かったですね」学ラン無し セーラ「……なんで京太郎脱いどるん?」 泉「いや、清水谷部長に着せてあげたんでしょう」 浩子「ほほう……あ、うちも寒なってきたなー」 竜華「え?」 泉「ああ、そういやうちも……」 セーラ「そーいや俺も」 竜華「あんたは嘘やろ!」 浩子「という訳で貸して下さい」 泉「そーです。平等にいきましょ」 セーラ「いっそ竜華剥く?」 浩子「なるほど」ワキワキ 泉「了解しました!」ワキワキ 竜華「ちょ、ま、やめ……浩子何スカートに手ぇかけて……やめ、寒い……そっちまで脱がすなー!!」 京太郎「……役得役得」 カンッ!! おまけ2 別バージョン 竜華「ツモ!」 泉「あっちゃあ……駄目やった」 セーラ「竜華今日は調子いいなー」 浩子「ホンマですね。最高状態と同じかそれ以上ですよ」 竜華「今日のうちは一人やないからな!」 セーラ「また怜かー?」 竜華「今日は……ここに京太郎がおるからな」自分の胸叩く 浩子「ちっ、のろけか」 泉「あはは……抱きしめられたとかそんなんですかね」 竜華(昨日京太郎元気やったからな……まだ中に残っとるわ) 竜華(あ、アカンたれてきた……もう、またトイレいかんと) カンッ!!