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【10月第4週 平日】 京太郎「今週末から来週末にかけていよいよ国麻か……」 京太郎「絶対に決勝まで行ってやるぜ!」 キーンコーンカーンコーン 京太郎(今日もロンリー登校だった……)ガックシ 咏「京太郎のやつ、また落ち込んでるよ」ヒソヒソ 和「いつものことですね」ヒソヒソ 咏「だね」ヒソヒソ 京太郎「昼飯を食べに行くぞ!」 咏「その前に授業の課題片付けろよなー」 和「静かにしてください」 京太郎「二人とも当たり強いな!俺でも傷つくよ!」 昼 京太郎「屋上に来るのも久しぶりだな……」 京太郎「一時期は狂ってるほどに来てたけど」 郁乃「あ、京太郎くんや~」 京太郎「郁乃さんっていつもここにいますよね……」 郁乃「ん~なんでやろな~」 京太郎「聞いた俺がバカでした」 郁乃「京太郎くん酷いな~お姉ちゃん怒ってるで~」プンプン 京太郎「あんまり怒ってるように見えないんですけど」 郁乃「まあ怒っとらんから」シレッ 京太郎(何なのこの人!)イラッ 郁乃「せや~二人っきりなんやし一緒に食べへん?」 京太郎「いいですね、食べましょうか」 郁乃「~♪」モグモグ 京太郎「郁乃さんのお弁当は霞さんが作ってるんでしたっけ?」 郁乃「せやで~居候やからな~」 京太郎「ダメな大人だこの人……」 郁乃「むぅ、さっきからいろいろと酷いこと言うな~」 京太郎「冗談!冗談ですから!」 郁乃「そうなん?」 京太郎「まさか本気でダメな人だとか思ってるわけないじゃないですかー」ボウヨミ 京太郎(実際この人何もやって無さそうだな……) 郁乃「なら良かったわ~」ニコニコ 京太郎(憩さんも郁乃さんもいっつも笑ってるよな) 京太郎(照も同じくらい笑えばいいのに―――)ポワポワ 照『そっか、良かった~』ニコニコ 京太郎(可愛いけど何か違うな) 郁乃「~♪」モグモグ 京太郎(話題途切れちゃったけど、どうしよう) 京太郎「郁乃さんは……国麻に出るんですか?」 郁乃「ん~団体戦は遠慮しておきたいな~」 郁乃「末原ちゃんたちと一緒に戦う言うんは魅力的やけど……私は本当は出ちゃダメやから」 京太郎「そう……ですよね」 郁乃「個人戦は面白そうやから出るけどな~」 京太郎「じゃあ俺と当たるかもしれないですね」 郁乃「手加減はせえへんよ?」 京太郎「上等です、勝ってみせますから」 京太郎「そういえば国麻ってプロの人たちも出るんですか?」 郁乃「それは冬の全国プロ・アマ交流戦だけやな~」 京太郎「やっぱりそうなりますよね」 郁乃「なんや?小鍛治さんとかと戦いたかったん?」 京太郎「それだけは遠慮しておきます」 郁乃「私も嫌やわ~」 郁乃「せや!京太郎くんが決勝戦まで行ったらご褒美あげるわ」 京太郎「ご褒美……って前の良子さんみたいな?」 郁乃「うん、誰か呼んであげるわ~誰がええ?」 京太郎「だったら……そうですね……」 京太郎「臨海の監督さん……でも?」 郁乃「……京太郎くんはかっこいい人が好きなん?」 京太郎「確かにそうかもしれませんねーってはぁっ!?」 郁乃「だっていっつもかいのーちゃんとかカントクちゃんとかとおるやん~流石に拗ねるで?」 京太郎「ただの偶然ですって」 キーンコーンカーンコーン 京太郎「あ、予鈴だ」 郁乃「今日はここまでやな~」 京太郎「そうっすね、ありがとうございました」 郁乃「私も楽しかったで~」 放課後 京太郎「相変わらず暇だ……」 京太郎「愛宕監督曰くもうすぐオーダー決めをするとか」 京太郎「俺もそういう会議に参加したりとかしなくちゃなのか?」 京太郎「今日こそは勝ってやる!」 泉「京太郎くん!久しぶりに打ちませんか?」 京太郎「へー泉は俺に勝つ自信があると」 泉「今日こそは勝ってみせますよ!」 俺は、打っていた 暖かな陽だまりの中で 照と咲とモモと、三人の幼馴染と 俺は彼女たちと互角に戦っていた それが何故かなのはわからない 思い出そうとすると溢れてくるのは水 水に溺れる感覚 あの感覚は……一体 照「京は私たちを懐かしい気持ちにさせる」 京太郎「懐かしい気持ち?」 咲「麻雀を始めたころの初めての気持ち」 京太郎「なんだそりゃ?そんなオカルトありえねえっつーの」 桃子「それが京太郎のわけのわからない強さなんっすよ」 京太郎「強さっつっても大して勝ててないし……」 照「それは京の運が悪いだけ」 京太郎「えぇ……」ズーン 京太郎(…………) 京太郎(今のは、一体……?) 洋榎「負けた……」ガックシ 泉「今日こそは勝てる思うとったのに……」 京太郎「まあまあ、二人とも元気出して!」 泉「京太郎くんに言われたないですわ」 洋榎「せやせや、ちゃっかり二位のくせに」 京太郎(なんで責められてるんだろ) 京太郎「さっきのはなんだったんだろうな……」 雅枝「須賀、肩揉んでくれるか?」 京太郎「はいはーい」モミモミ 雅枝「あ^~気持ちええな^~」 京太郎「ってなんで俺が監督の肩揉んでるんですか!」 雅枝「なら胸もええで」 京太郎「いいんですか!」ニヘラ 京太郎「って欲しくないわそんなもん!」 雅枝「なんや失礼やなーはい続き続き」 京太郎「はぁ……」モミモミ 京太郎「監督ー何か話しません?」 雅枝「別にええでー」 京太郎「そういえば国麻のオーダーってどうなってるんですか?」 雅枝「あーそれは今夜石戸の家で話そ思うとったんやけど」 京太郎「そうですか」 雅枝「須賀も参加してくれるか?」 京太郎「俺なんかの意見を参考にしてもいいんですか?」 雅枝「ええんやないの?須賀やったら贔屓なんてせえへんやろ」 京太郎「結構信頼されてるんですね、俺」 雅枝「まあ……せやな」 京太郎「なんか間があった気がするんですけど」 雅枝「手休めずに揉みぃ」 京太郎「はいはい、ここいら辺ですか?」グイッ 雅枝「んぁぁ、ええなぁ」 夕 京太郎「こんにちはー」 店員「おっ、須賀の坊ちゃん久しぶりやな」 京太郎「どうも、お久しぶりです」 店員「今日も何人かおもろいのが来てるで」 京太郎「へー楽しみですね」 店員「まあ立ち話もなんやから入って入って」 おっさん「げっげっげ、よう来たな須賀んとこのォ!」 善野「須賀くんか、よろしくな」 良子「面子もそろったことだし、スタートしようか」 京太郎 92+177+35=304 良子 74+200+60+30=364 善野 73+200+30-15=285 おっさん 96+120+15=231 京太郎(昔のあの感じ) 京太郎(なんであの感じを忘れていたんだ……) 京太郎(もっと……自由に!)カチャカチャ←ベルトを外す ゴッ 京太郎(来た!) 良子(……これ……は) 善野(ふむふむ) 良子「ツモ、これでフィニッシュです」 善野「お疲れ様でしたー」 京太郎「お疲れ様でした」 良子「京太郎、さっきは何を……?」 京太郎「よくわからないんですよね、昔の感覚と言うかなんというか」 善野「へー面白いこともあるんやなー」 良子「中々良かったよ、それではまた後で」 善野「ほな後でなー」 京太郎「さよーならー」 京太郎「善野監督って元気そうだよな……」 京太郎「会議の前にメールでもするか」 京太郎「多治比さんに送ってみるか」 京太郎「前カス虫外道とか言われたんだよな……」 京太郎「何て送ろう」 京太郎『こんばんは』 京太郎『多治比さんって美人ですよね』ピッ ヴーッ ヴーッ 真佑子『何ですかいきなり』 真佑子『気色悪いですよ』 京太郎「歯に衣着せてねえ!」 京太郎『突然あんなメールを送ってすみません』 京太郎『なんか口説いてるみたいですよね……』ピッ ヴーッ ヴーッ 真佑子『わかってくれればいいんですよ』 真佑子『私も少し言い過ぎちゃいましたね』 真佑子『あんなことを言われたらどうしていいかわからなくて』 京太郎「言い過ぎ……うん、そうだよな」 京太郎「ん?もうそろそろ時間か、こっちを終わらせないとな」 京太郎『こちらこそすみません』 京太郎『もう用事があるので失礼しますね』ピッ 京太郎「よし、会議だ会議!」 【10月第4週 平日】終 雅枝「全員揃ったみたいやな」 良子「イエスマム」 . . . .- ― -. . .,, ,,. ´ ` ,, ´ ヽ / ヽ ヽ / / , , ハ ', / / / / / ハ ', ハ // / / / l 〃 / ! } //!ヽ {l/ l 斗イ ! メ /| ! l/ / ! \ /;, { l N ハ | / \ _ _ _! l / /ト . \ . //丶, 、 |弍芝ミ / / l l ! ! ! / ,' \ ヽ 〃 〉 \ ! 戔沁 /イ .=芸ミx | | lイ// ヽ ハ / ,' イ 弋_ソV {戔刈ミ / / \ ', ./ l /| ,,, 弋_ ソ/ / Y ∧ .! l /八 ' ,,, / /イ . l } |/! / \ 、 / / ヽ l } | .∨ ムイヽ ,, イ /> \ 〃 / ,、---- ニl --/ 'イ | \ ヽ / //! ハ ムイ.___| ヽ} { | / ] ― ハ / r‐ V⌒Y イ ム/ ヽ ', 近畿Aコーチ 戒能良子 霞「京太郎くん、お茶入れてくれるかしら?」 , ' . . . . . . . . . . . . . . . . . .ヽ ..ヽ /. . . . . . . . . . . . . . . .;、 . . . . . . ヽ .. .ヽ // . ./.. /. ; / ';. . . . . . . . . . '; ....; /,' . ;'. /. l! ;' .'; l l . . ..i /.i | lL -亠 l  ̄丁T! ‐! l l . . |. i ! 、 l l!、 _」L l l --+HL_ l .;リノ . . ...| ! .l トゝ !´__ _ヽ 川 ,,z=-zy/j;イ .| | .l . lv'筰 卞 ヽ. ´ b jヽ .!l .| l l! .辷.ノ ー.― ll .| l l. ,,, ' ''' 'l . .| l l /l .|. l .l. ャー‐ッ / l / .l l ... イ / l. l >.....___ < | l / .. ' l . / l / . /. l .. /{ | / . / l . . / ゝ´ll /,' ./> 、 l . /// ! / / イ./ ヽ. l . / ,' / / ;.' / | .i. l=;/ l / ,; ,' / ! l ,' l ./ i / / / l! .l / 丿, ' /! ;' / / ! 三箇牧高校監督 石戸霞 郁乃「棚にせんべいあるからよろしくな~」 , '"  ̄` 、 / ヘ ./ ヽ、 ヘ ′ i !ハ ∧ i| | ! ヤ ∧ |i | / リ从 ∧ | /´レ勹´ _`_キ ∧ | !' ,r=‐ ⌒i| \____ | 爪 ´,, ″| ヽ、 `ヽ | ゝ .,ノ 从 `ヽ、 | 心 _/.)^._ イ´ ∧\ }..,ィ|i /./ | i \ } ソ{ ./ | ,'‐^ュ `k | i \"´ji { 广 ̄丁 j’ ´ ‐''ノ从 |-ミ } ji ル / 人__,,斗宀'" i \|ノ; /i | 彳"/ /' │ !"¨ ./ |ゝ-弋./ /__ __ _/i / |!/| | / / `´ |/ | i| | / / | | i| 三箇牧高校次鋒 赤阪郁乃 京太郎「はいはい」 /\-――‐- 、 , --=7 丶 `ヽ /, ヽ ヽ ∠/ / 、 、 丶 i / i ! l. l i. i | / ,/ ! ! l|| ! |、 ll ! | ヽ、 /_ -7 , | l ト、| |ヽ! N , 斗 r ,'_ ト--`  ̄ //! ! Nヽ!\|,//l/ l/! N ,ハ !| ´ / ,i丶 {=== l/ == =l/ ' ノ リ // l i `i _/,、/ ´ {ハ!ヽ{ ′ /!}/ ′ 丶 ー ―‐ ' / |′ \ / | __ i ー ' ! __ , ィ'´ . /-‐ ´} / `Y´ . .\ , -‐'' ´ . ./ . . ./― - 、 ,/__ / . . . . . /`丶、 ハ . . .i ., . ,′ . i `  ̄ / . . . . ../ . . . . . . .丶、 / . . .i . . |,' . i . . . . ! ヽ / / . . . . . / . ., . . . . . . . . ,.ヽ ! . . . .ヽ .{ . .l . . . . l. i / . . . . . / . ./ . . . . . ./ . . .i インターハイ男子個人戦チャンピオン 須賀京太郎 雅枝「おお、会議っぽいな」 京太郎「雅枝さんは無かったので我慢してください」 雅枝「不公平や……」 京太郎「そういえば試合表とかどうなってるんですか?」 雅枝「あーそれはな……」ゴソゴソ 雅枝「こうなっとる」 一戦目 関東 対 東北 対 近四中 対 九州 二戦目 近畿A 対 中部 対 一戦目の下位二チーム 三戦目 一戦目の上位二チーム 対 二戦目の上位二チーム 京太郎「うちのチームは楽なんですね」 郁乃「善野ちゃんのくじ運はええからな~」 京太郎「その善野さんは?」 良子「少し気分が悪いそうなので帰ってしまった」 京太郎「そうなんですか」 雅枝「ちなみに日程表はこうや」 一日目 第一戦 二日目 第二戦 三日目 決勝戦 四日目 オフ 五日目 オフ 六日目 個人戦一回戦 七日目 個人戦二回戦 八日目 個人戦準々決勝 九日目 個人戦準決勝 十日目 個人戦決勝戦 雅枝「個人戦は一位の選手の勝ち抜けや、それ以外はそのまま敗退」 雅枝「それで本題のオーダーをどうするかや」 良子「これが選抜最終候補のレコードだよ」 京太郎「なるほどなるほど……」 京太郎(よくわかんねえ……) 雅枝「まずはどこから決めよか」 良子「エースの置き場を決めておきたいですね……」 郁乃「姫松や新道寺みたいな変則型で行くのもありやな~」 霞「そうね……どうしましょうか」 京太郎「やっぱり先鋒から決めましょうか」 霞「そうね」 良子「注意すべきは永水のコマキ、龍門渕の天江、白糸台の宮永照でしょうか」 京太郎「咲はいいんですか?」 雅枝「宮永妹は大将向きみたいやからな、先鋒よりも大将の方が使いやすいやろ」 京太郎「確かにそうっすね、それじゃあ誰にしましょうか?」 雅枝「私としては荒川やな」 京太郎「俺も憩さんは安定してると思いますね」 郁乃「え~咏ちゃんの方がええと思うな~」 良子「私はあえて清水谷がいいと思います」 良子「安定感ならこちらも十分かと」 霞「みんな色とりどりだから困るわね……」 京太郎「多数決の結果憩さんに決まりました」 霞「次は次鋒ね」 郁乃「私は咏ちゃんがええと思うな~阿知賀の子みたいな感じで巻き上げるんや~」 良子「それなら園城寺選手の方がよくないですか?」 雅枝「その形やったら江口もありやな」 京太郎「皆さん結構ひねくれてますね」 郁乃「せやろか~?」 霞「次鋒は咏ちゃんね」 郁乃「次は中堅さんやな~」 京太郎「ここは姫松の伝統通り洋榎さんで行きましょうか」 良子「江口選手もよいのでは?」 雅枝「私は園城寺がええな、そないに消耗させずに済むやろうし」 雅枝「洋榎に決定やな!」ウキウキ 京郁霞良(すっごく嬉しそう) 霞「次は副将ね、郁乃ちゃん辺りがいいかしら?」 郁乃「霞ちゃんに選ばれるってなんか嬉しいな~」 京太郎「俺は怜さんですかね」 良子「新道寺のように江口選手でどうですか?」 京太郎「無記名投票の結果、副将は怜さんになりました」 雅枝「須賀は園城寺のこと名前で呼んどるんやな」 京太郎「成り行きで……」 郁乃「京太郎くんは誰とでも仲良くなるからな~」 霞「そこが京太郎くんのいいところね」 良子「…………むぅ」 良子「なんか嫌だ……」 京太郎「次は……ってもう大将しかないですね」 雅枝「大将は勝負所やな、もう後が無い」 京太郎「一番重要ですね」 霞「これも最初は候補を絞りましょうか」 雅枝「大将は……お前が適任やな」 郁乃「え?私~?」 良子「ミートゥーです」 霞「でも私は……」 雅枝「自分の生徒が選ばれるんやから喜ぶべきやろ」 京太郎(そうだ……二人とも郁乃さんのことを知らないんだ) 京太郎「郁乃さんは……それでいいんですか?」 郁乃「……別に、大丈夫やで」 雅枝「決定やな」 オーダー 先鋒 荒川憩 次鋒 三尋木咏 中堅 愛宕洋榎 副将 園城寺怜 大将 赤阪郁乃 雅枝「次会うのは土曜日やな」 京太郎「あれ?そういえば国麻の会場って……」 霞「ここ、大阪よ。私たちは中心街の方のホテルを取ってあるわ」 京太郎「わかりました。じゃあ俺帰りますね」 霞「お疲れ様ー」 雅枝「ほな私らも帰ろか」 良子「イエスマム」 雅枝「……なあ、その呼び方やめてくれへん?」 良子「イエスマム」 【10月第4週 平日 深夜】終 【10月第4週 休日】 【国民麻雀大会1日目】 日程について 一日目 第一戦 二日目 第二戦 三日目 決勝戦 四日目 オフ 五日目 オフ 六日目 個人戦一回戦 七日目 個人戦二回戦 八日目 個人戦準々決勝 九日目 個人戦準決勝 十日目 個人戦決勝戦 ※個人戦は一位のみ勝ち抜け 京太郎「朝から現地入りだ!俺って偉い!」 京太郎「初戦は関東と東北、関西と九州だったな」 京太郎「試合は昼から見に行くことができるけど……まずは何をしよう」 朝 京太郎「試合会場の下見に行くか」 京太郎「確か試合会場は……」 哩「お、須賀じゃなか」 京太郎「白水さん、もう来てたんですね」 哩「昨日新幹線ば使うてな、須賀は……なしてここに?」 京太郎「大阪選抜のサポーターっていうかコーチみたいなことやってるんですよ」 哩「こっちはそげなんいなか……羨ましか」 京太郎「と言っても何もやってませんし……」 京太郎「そういえば鶴田さんはいないんですね、いつも一緒なのに」 哩「姫子ん奴ば「せっかく大阪に来たやけん買い物ば行ってきます!」言うてな……」 京太郎「試合開始は……あと4時間くらいですね、どうします?」 哩「ん……どうしよか」 京太郎「じゃあ探検でもしてみましょうか」 哩「探検?」 京太郎「俺もまだ入ったことないですし、どうですか?」 哩「……どうせすることもなか、よかよ」 京太郎「では行きましょうか、お姫様」 哩「調子ばよかね」 京太郎「よく言われます」 京太郎「哩さんはどこのポジションなんですか?」 哩「試合ば見てんからのお楽しみ」 京太郎「元々教えてもらえるなんて思ってませんでしたけどね」 哩「ここばステージと?」 京太郎「そうですね、団体戦の試合はすべてここでやるらしいですよ」 哩「興奮してきよったな!」 京太郎「俺もです!」 哩「願わくば明後日、ここでな」 京太郎「明日じゃないんですね」 哩「私らは強いけん、負けばせんとよ」 京太郎「俺たちも行きますからね!」 哩「うん、楽しみや」 哩「あ、そろそろ時間たい。ここまでやね」 京太郎「それではまた、どこかで」 哩「さいなら~」 京太郎「試合やってるらしいけど、情報無しっていうのも面白そうだよな」 京太郎「ってことで街をぶらつこう」 京太郎「どこ行こっかなー」 prrr prrr 京太郎「はいもしもし」 霞『京太郎くん?控室にお弁当運んでおいて、それじゃね』 京太郎「ちょっと待っ(プツッ)て!」 プーッ プーッ 京太郎「何なんだよ……」 【会場】 京太郎「お弁当って言ったって……」 『大阪選抜様』 京太郎「あ、あった」 京太郎「箱一個分か、軽いな」ヨッコイショウイチ 京太郎「えーっと俺たちの控室はーっと」キョロキョロ 京太郎「確かこっちかな?」 夕 ヴーッ ヴーッ 霞『第一戦、関東と九州が負けたわ』 霞『第二戦に備えて今夜練習をするからできれば来てちょうだい』 京太郎「照のところと白水さんのところが負けたのか!?」 京太郎「意外だな……って関西は高鴨さんと東北には姉帯さんがいるのか……誰に当たってもやばいな」 京太郎「街を回って帰るか」 京太郎「神頼みに神社に来てみたぞ!」 京太郎「でも結構寂しいところだな」 ヒュゥー 京太郎「巫女さん一人いねえや」 京太郎「おみくじもお守りも無人だし、不用心だろ……」 京太郎「おみくじでもしていくか」 京太郎「金入れて」チャリン 京太郎「箱の中からつかむ……っと」 京太郎「……おおっ!」 末吉 願望 叶う……叶います、多分 恋愛 鏡を見てから出直してきなさい 待人 来るんじゃないかな 金運 稼ぐ貴方に禍が!今すぐ本殿にある黄金の壺を買いましょう!(要十万円) 学力 信じる者は救われる 京太郎「学力の項目黄金の壺売ろうとしてんじゃねえか!」 京太郎「ホテルは……ここでいいんだな」 京太郎「部屋番号は404か、今回も誰かと一緒なのかな……」 京太郎「なんでまた一緒なんですかぁぁぁあああ!!!」 洋榎「それはウチの台詞やぁぁぁあああ!!!」 京太郎「…………」 洋榎「…………」 京太郎「異議申し立て、行きます?」 洋榎「もうええわ、いつものことやし……」 京太郎「俺も絹恵さんじゃなくて洋榎さんでよかったです」 洋榎「おっ、京太郎もようやくわかってきたな!」 洋榎「オンナは胸やない!度胸や!」 京太郎(そういうことだけどそういうことじゃないんだよなぁ……) 夜 京太郎「洋榎さーん!遊びませんかー!」 洋榎「京太郎は練習行かへんのか?」 京太郎「れ……練習……?」 洋榎「なんや知らんかったんか……来ないでええんか?」 京太郎「じゃあ行きます!」 洋榎「せやったらこっち来ぃや」 雅枝「明日はいよいよ初戦や!」 雅枝「負けたらそこでお終いやさかい、気張るようにな!」 雅枝「ほな練習開始や!」 雅枝「須賀ーこっちやこっちー」 京太郎「はいはーい、なんですか?」 良子「今日は京太郎に特訓をしようと思ってね」 京太郎「特訓っていつもやってるじゃないっすか」 雅枝「今まで蔑ろにしとった部分があったからな、ほな始めるで」 京太郎「あんまり厳しいのは御免ですよ」 良子「さあ、どうだろうね?」 京太郎「えぇぇ……」 雅枝「はいそこもっと腰振ってー」 良子「グッジョブグッジョブ」 京太郎「んっふっ!ふんっ!」ブンブン 雅枝「ええでー絶好調やでー」 良子「ガンバ!」 京太郎「あのーいつまで俺はフラフープを続けなければならないのでしょうかー」ブンブン 雅枝「私らのどっちかから和了るまでやなー」 良子「それロンだよ」 京太郎「くそぅ……これで八局目じゃないですか!」ブンブン 良子(京太郎の腹筋……逞しいな……) 雅枝「そう思うんやったら早く和了ることやなーはいローン」 京太郎「人和ってどんだけ無駄な運使ってんですか!」ブンブン 京太郎「疲れた……」 良子「大丈夫か?」 京太郎「もう眠いっすよ……ふぁ」 良子「そうか、じゃあ今日はもう諦めるか……」 京太郎「諦めるって、何をですか?」 良子「せっかくだから、京太郎にイイコトしてあげようと思ったのに……」 京太郎「イイコトですって!?」 良子「京太郎が疲れているんじゃしょうがないよな、(特訓は)また今度にしよう」 京太郎(疲れているとできないイイコト……はっ!) 京太郎「ヤります!ぜひヤりましょう!」 良子「大丈夫なのか?」 京太郎「ばっちり!オールライトですよ!」 良子「よし、それじゃあそこに座ってくれ!」 京太郎(座る!良子さんはそういうのが好みなのか!) 良子「はい、サイコロ振るよー」 京太郎「……えっ?」 京太郎(イイコトってそういうことかよ……期待した俺がバカだった!) 京太郎「……ポン」 良子(京太郎、元気無いな) 良子(マネージャー愛宕がいなくなったから?私と二人っきりだから?) 良子(京太郎は嫌なのかな……)シュン 京太郎「良子さん?どうかしたんっすか?」 良子「京太郎は私のこと嫌……!」 良子「わわわわっ!今の忘れて!フォーゲット!ドントリメンバー!」 京太郎「ええぇ!?何ですか一体!?」 良子「なんでもない!なんでもないよー」 京太郎「は、はぁ……」 【1日目】終 【2日目】 京太郎「国民麻雀選抜大会……」 京太郎「俺は皆の力になれたのかな?」 京太郎「今日は朝から練習するらしいけど、どうしよう」 京太郎「やっぱり練習に行くか」 洋榎「ぐごーごえー」 京太郎「相変わらず寝相悪ぃな……」 洋榎「ぐげー」 京太郎「洋榎さーん、練習行きますよー」 洋榎「んあ?」 京太郎「練習だけで起きるのかこの人!?」 京太郎「咏、調子はどうだ?」 咏「ま、上々なんじゃねえの?」 京太郎「いつも通りみたいだな」 咏「私がこんなところで緊張してられっかよ、そだそだ、一緒に打たね?」 京太郎「よし、俺がビシビシ鍛えてやる!」 咏「あっはっは、どっちが鍛えられんだろねー」 京太郎「何をー!」 咏「……」トン 京太郎「……」トン 咏「……」トン 京太郎「咏?」トン 咏「なんだよ」トン 京太郎「そこまで気を張らなくてもいいんだぞ」トン 咏「……」トン 京太郎「誰もお前を責めない、だからもっと自由にやればいいんだ」トン 京太郎「インターハイのときもそうだったろ?」 咏「……わかってるよ」トン 京太郎「頑張れよ」トン 咏「……」トン 咏「……ありがと」ボソッ 怜「京くん京くん」 京太郎「何っすか?」 怜「ちょっと私と打たへん?」 京太郎「打たへんって、試合前なのに大丈夫なんですか?」 怜「せやからちょっとって言うとるやん」 京太郎「んー……わかりました」 京太郎「俺で良ければ、いくらでも」 怜「そかそか、おおきに」 怜「……京くん」 京太郎「今度は何っすか?」 怜「なんでウチを選んでくれたんや?」 京太郎「え?」 怜「聞いたで、京くんもレギュラー決めに参加しとったんやろ?」 京太郎「ああ、知ってたんですか」 怜「監督から話を聞いた愛宕姉から話を聞いた愛宕妹から話を聞いた船Qが言っとったで」 京太郎「そういえば親戚でしたねあの人たち……」 怜「……ま、ええわ」 怜「誰かが信じてくれてるってわかったわけやしな」 バスガデルデー 怜「ほな頑張って来るわ」 京太郎「俺が応援してますからね」 怜「おおきに、ほな会場で」ニコッ ガチャ バタム 京太郎「……あれ?」 京太郎「バス……会場で……って!」 京太郎「俺って徒歩なの!?聞いてないよそんなの!」 京太郎「いや!今ならバスに追いつくかも!」 京太郎「うおおおおおおおおお!」 恒子「っっっっっ!さあ!やってまいりました国民麻雀大会!地区選抜団体の部!」 恒子「注目の第二戦目!実況は私!解説は関西チームコーチ瑞原プロがお送りします!」 はやり「よろしくお願いしますっ☆」 恒子「ホントはすこやんがいるはずだったんだけど負けちゃったので急遽瑞原プロに代わっていただきました」 はやり「そういうのは反感を買っちゃいますよ」 恒子「いやいや、天下のスーパーアナウンサーとトッププロに喧嘩を売るやつなんていないでしょう」 はやり「あ、それもそうですね」 恒子「というわけでバンバン実況していきます!」 はやり「解説していきますっ☆」 恒子「CMの間もチャンネルはそのままで!」 健夜「はぁ……」 健夜(こーこちゃんってばまたあんなこと言って……)ズーン 照「…………」ペラッ 照(咲と憩……それに神代さん、か) 菫「……はぁ」 菫(私が大量失点したせいであんなことに……)アウアウ 淡「…………」 淡(さんがまき!今度は負けない!)オー! 智葉「…………」 智葉(静かだな……) 小蒔「み、みなさん!今日も頑張りましょうね!」ムフー 哩「頼りばしとるとよ」 小蒔「いえ、私は昨日も大したことは」アセアセ 姫子「部長、浮気しとっとですか?」ジトッ 初美「とりあえず頑張るですよー」 小蒔「監督も何か一言!」 秋一郎「…………」 秋一郎「プリン食べたい」ボソッ 小蒔「プ、プリンですか!私も食べたいです!」 初美「勝ったらみんなでプリン食べに行きますよー」 咲「あううう、もうすぐ試合だよぉ」 衣「海千山千、実に楽しみだ試合だな!」 美穂子「ではその前にお弁当でも、どうですか?」 衣「おお!衣の大好きなえびふらいがあるぞ!」 透華「いつも衣のためにありがとうございます」 美穂子「いえいえ、こうして衣ちゃんも喜んでいることですし」 衣「ふぁひふぁはへはいほは?」(咲は食べないのか?) 咲「えーっと、じゃあ私はタコさんウインナーにしますね」 美穂子「はい、どうぞ」ニコッ 郁乃「ほな頑張っていこか~」 憩「照ちゃんたちが相手やんな」 洋榎「打ちだおれの洋榎にかかればそんなん関係あらへんわ!」 咏「誰が相手でも勝てばいいだけなんじゃねえの?知らんけど」 怜「竜華の太ももが恋しいわ……」 洋榎「ウチが膝枕したろか?」 怜「妹さんのなら喜んでしてもらっとったけど……アンタはな……ふっ」 洋榎「鼻で笑われた!?」 京太郎「はいはい皆さん、集中していきますよ」 洋榎「なんや結局着いたんか」 京太郎「ダッシュで来たんですよ!」 郁乃「おかしいな~バスで行くって昨日メールしといたはずなんやけど~」 郁乃「送れとらんかったわ、てへっ」 京太郎「てへっ、じゃないですよもう!」 京太郎(お守りと、あのときの藁人形) 京太郎(ゲン担ぎに渡しておくか) 京太郎(……藁人形は縁起悪いけど) 京太郎「憩さん!」 憩「なんや?」 京太郎「これ、お守りです。いざというときに役に立つと思うので」 憩「京太郎くんのやないん?」 京太郎「俺はもういいので、憩さんに持っていてほしいんです」 憩「大事にするな、おおきに!」ニコッ 京太郎「怜さん怜さん」つ藁人形 怜「なんやこれ、ボケか?ボケなんか?」 京太郎「お守りです」 怜「正反対やないか、縁起悪いわ」 京太郎「ふふっ、そのツッコミは想定内ですよ!まだまだですね!」 怜「むっ、京くんのくせに生意気やで」 京太郎「まあ相手の髪の毛取ってこの釘刺しておけばいいだけなんで」 怜「さらっとえげつないこと言うな……」 憩(先鋒戦……九州と関東の代表は確か――) 淡「あ!ケイだ!」 初美「こんにちはーですよー」 淡「また高校マイナス百年生とかー」 初美「マイナスってなんですかマイナスって!私の方が年上なんですよー」エッヘン 淡「どう見ても年下でしょ」 憩「そろそろ時間やし、はよ席座っといたほうがええんとちゃう?」 初美「そうですねー、中部の人はまだなんですか?」 淡「この私におびえて逃げ出したとかでしょ、あはは」 タッタッタッ 美穂子「はぁ、はぁ、すみません、遅れてしまいました」 美穂子「今日は、はぁ、よろしくお願いします」 憩「違ったみたいやね」 淡「むぅ……」 初美「中部の人も来たことですし、ぱぱっと始めるのですよー」 東一局 親 初美 100000 憩 100000 淡 100000 美穂子 100000 美穂子(関東と九州は後が怖そうだから、まずは大阪の人を) 美穂子「カン」 美穂子「ポン」 美穂子(あ、あら、ツモっちゃいました) 美穂子(でも、先手を取るのもいいですね) 美穂子「ツモ、4000・8000」 美穂子(……そして) 憩(なんでウチが親の時に……) 初美(私の出番なのですよー) 東二局 初美 92000 親 憩 96000 淡 96000 美穂子 116000 淡(北が余っちゃうなー) 淡(ハツミが北家……そんでもって和了られたら役満) 淡(ちょっとやばい気がするけど……) 淡(それでも、私は和了にいく!)トン 初美「ポンですよー」 初美(後は東さえ来れば) 初美(そう言ってる間に来ましたねー) 初美「カン!」 初美(昨日は不発でしたけど、今日はもらいますよー) 初美「ツモ!8000・16000!」 憩「親っ被りか……」 美穂子(大阪の人……危なさそうね) 東三局 初美 124000 憩 80000 親 淡 88000 美穂子 108000 淡「ロン、2900!」 淡「やられっぱなしなんてやだもんね!」 淡「連荘だよ!」 憩(全然聴牌できひん……) 憩(いや、まだまだや!) 憩(みんなにつなげたる!) 東三局一本場 初美 121100 憩 80000 親 淡 90900 美穂子 108000 美穂子(まずはここ、かしら?)トン 憩「それ、ポンで!」 淡(鳴かれると関係なくっても腹立つ……) 美穂子(大星さんはもう張ったみたいね、これなら大丈夫かしら) 憩(なんやろ、調子がええ) 憩(鳴けるし、牌も通るし) 憩「いっこ、カン!」 初美(順番飛ばされてばっかりなのですよー) 初美(ちゃんと私も混ぜてほしいですねー)トン 憩「ロン、6400や!」 東四局 初美 114400 憩 86700 淡 90900 親 美穂子 108000 美穂子(荒川さんは……染め手、みたいね) 美穂子(でも打点も高そう……) 憩「……」トン 美穂子(そうね……ここは) 美穂子「ポン」 初美(このまま逃げ切るですよー)トン 憩「ロン、24000や!」 初美「ななっ!?」 淡(うーん……三位かー) 淡(このまんまじゃカッコ悪いでしょ!) 【圏外射撃】発動! 南一局 親 初美 90400 憩 110700 淡 90900 美穂子 108000 淡「ツモ!ダブリー裏4!」 淡「3000・6000!」 初美「うう……」 初美「次はもらうのですよー!」 憩(このまんま逃げ切れたらええんやけど……) 美穂子(ここさえ乗り切れば……) 南二局 初美 84400 親 憩 107700 淡 102900 美穂子 105000 美穂子(東が二枚) 美穂子(薄墨さんは東と北で鳴いたら終わり、ならここはキープしておきましょう) 初美「カンですよー」 初美(後は東さえ来てくれればいいのですけど、持たれちゃってるみたいですからねー) 初美(ここは、混一色狙いで!)トン 初美「ツモ!北混一色」 初美「2000・4000」 淡(最後の親、ここで決めちゃうよ!) 【圏外射撃】発動! 南三局 初美 92400 憩 103700 親 淡 100900 美穂子 103000 美穂子(大星さん……また高そうな手) 美穂子(薄墨さんか荒川さんが振り込むのは可哀想……) 美穂子(それなら、私が)トン 淡「ロン!18000!」 美穂子「はい」ニコッ 南三局一本場 初美 92400 憩 103700 親 淡 118900 美穂子 85000 初美(あうう、役満和了ったのにマイナスなのですよー……) 憩(また聴牌できひんかった……) 美穂子(そろそろ……和了りにいきましょうか) 美穂子「ツモ、4100・8100」 オーラス 初美 88300 憩 99600 淡 110800 親 美穂子 101300 初美(ノーテンですかー) 初美(親の人が和了るのを待つしかないですかねー) 憩(あかん……ぜんっぜんダメや……) 淡(もっと稼ぎたかったけどここまでかなー) 美穂子(え、えーっと……これは……) 美穂子「ノーテン」 初美「ノーテン」 憩「ノーテン」 淡「ノーテン」 先鋒戦終了 関東 110800(+10800) 中部 101300(+1300) 大阪 99600(-400) 九州 88300(-11700) 京太郎「これで終わり……ですか?」 雅枝「あんまり点動かんかったな」 良子「ドライな幕切れだね」 京太郎「次は咏だな、頑張れよ!」 咏「おう!わかってるよ!」 京太郎「それじゃ、ちょっとトイレ行ってきますね」 雅枝「……はぁ」 京太郎「今まで先鋒戦が長かったせいかあんま出なかったな」 淡「あ!京太郎だ!」 京太郎「お、淡か」 淡「見てた?今の試合!」 京太郎「相変わらずのダブリーだったな」 淡「でしょでしょー、もっとどばーっと稼ぎたかったけどね!」 京太郎「見てて面白かったぞ、最後はまあアレだったけど」 淡「うん……私も同じ」 京太郎「またお前と打ちたいな」 淡「今度は打ちのめしてあげるから!」 京太郎「へへっ、俺だって強くなってんだぜ!」 淡「さーどーかなー」 京太郎「なんだと?」 淡「あはは!京太郎が怒ったー!」 京太郎「待てこらー!」 淡「やーだねー」 憩(試合会場で何しとるんやあの二人) 哩(点数ば開いとるけん、なんとかして稼ぐ!) 菫(照の妹がいる中部をマークしておくべき、か) 咏「よーっす、よろしくねぃ」 菫「ああ、よろしく」 もこ「……………………」ブツブツ もこ「…………よろしく」ボソッ 咏 100000-100000*205/209=100000-98100=-1900 菫 100000-100000*227/209=100000-108200=8200 もこ 100000-100000*216/209=100000-102800=2800 哩 100000-100000*190/209=100000-90900=-9100 次鋒戦終了 関東 119000(+8200) 中部 104100(+2800) 大阪 97700(-1900) 九州 79200(-9100) 【次鋒戦での一幕】 もこ「…………」 咏(なんだこいつ) 咏(なんか力が出ねえ……しらんけど) 菫「ロン、3900」 哩(縛りばうまくいかん……) 姫子(部長ば稼げんかった分、私が稼ぐ!)フンス 智葉「よろしく頼む」 透華「中堅戦こそは私が勝ってみせますわ」ファサ 洋榎「けったいな髪形しとんなー」 透華「な、なんですのいきなり!」 智葉「試合前なんだから集中したらどうだ」 洋榎 100000-100000*217/196=100000-110700=10700 智葉 100000-100000*193/196=100000-98000=-2000 透華 100000-100000*182/196=100000-92300=-7700 姫子 100000-100000*195/196=100000-99000=-1000 中堅戦終了 関東 117000(-2000) 中部 96400(-7700) 大阪 108400(+10700) 九州 78200(-1000) 【中堅戦ダイジェスト】 洋榎「出鼻くじきリーチ!」 智葉「くっ……」 姫子「ツモ!2000・4000!」 洋榎「何やと!?」 透華(このままだと何も目立てないまま終わってしまいますわ!) 透華(おいでまし!) 透華「ロン!12000!」 智葉(私も負けていられるか!) 智葉「ロン、16000」 洋榎(三人がかりでそこまでウチを狙うんか……まあええわ、見せたる!) 「――――――ツモ!」 怜(……竜華) 怜(ウチ一人でも頑張って来るわ) 怜(……いや、一人やなかったな) 怜(荒川さんに咏ちゃん、愛宕さん、赤阪さんやっておるんや) 怜(私、ここまで来れたんやな) 美子「あ……よろしくお願いします」 怜「こちらこそよろしくお願いします」 絃「……よろしくお願いします」ズーン 怜「あんた、関東の霜崎さんやったっけ?なんでそんなに暗いんや?」 絃「……さっき自販機に五千円札を飲まれてしまったんです……」 怜「一葉さんが!?」 美子「誰だってそんくらいのことはあっとですよ」 絃「そう……ですか?」 怜(いやあり得へんやろ……) 衣「待たせたな魑魅魍魎!永久凍土よ!」 絃「永久凍土?」 美子「魑魅魍魎って悪か意味でしたよね?」 怜(面子濃いなぁ……) 怜(この藁人形、使ってみよ) 怜「天江さん?髪にゴミついとるで」 衣「何処にだ?」 怜「ちょっと待っててな、取ってあげるわ」プチッ 怜(綺麗な髪の毛やな……) 怜(これを人形の中に入れて……) 怜 100000-100000*269/212=100000-126900=+26900 絃 100000-100000*238/212=100000-112300=+12300 衣 100000-100000*196/212=100000-92500=-7500 美子 100000-100000*147/212=100000-69300=-30700 副将戦終了 関東 129300(+12300) 中部 88900(-7500) 大阪 135300(+26900) 九州 47500(-30700) 【副将戦】 怜(あとは釘を刺せばええんやっけ?)トントン 衣「うぐぅ……」 衣(何だこれは……ァ) 衣(不可思議、奇奇怪怪……) 絃(今日も私は不幸ですか、そうですか) 絃(はぁ……) 美子(何ば起こっとると?) 美子(テンパイができん……) 怜「ロン、16000」 怜(まだや!みんなと、まだ戦うんや!) 恒子「さあいよいよやってまいりました大将戦!」 恒子「果たして最終戦まで駒を進めるのはどの地区なのか!」 恒子「それでは大将の選手紹介だ!」 恒子「まずは九州選抜!」 恒子「トップと約八万点差!この逆境から立ち直ることができるのか!」 恒子「大将は!神代小蒔ー!」 はやり「胸とトンデモ火力に要注意ですね」 恒子「お次は現在三位!無事最終戦進出となるか!」 恒子「中部選抜大将はーっ!」 恒子「宮永咲ー!」 はやり「全てにおいてバランスのとれた選手ですねっ☆」 恒子「そしてそして!逃げ切れるのか大阪選抜大将!」 恒子「赤阪郁代ー!」 はやり「よくわからない、掴めない子ですよね」 恒子「個人戦以来の姉妹戦を制するのはどちらなのか!」 恒子「関東選抜大将はーーーーぁっ!」 恒子「宮永ー!照ぅー!」 はやり「CMの後もチャンネルはそのままでっ☆」 郁乃 100000-100000*206/291=100000-70800=-29200 照 100000-100000*341/291=100000-117200=+17200 咲 100000-100000*324/291=100000-111300=+11300 小蒔 100000-100000*293/291=100000-100700=+700 第二戦目終了 関東 146500(+17200) 中部 100200(+11300) 大阪 106100(-29200) 九州 48200(+700) 郁乃「ツモ、2600オール」 照(郁乃……) 照(たとえあなたが相手でも) 照(容赦はしない)ゴッ 照「ツモ、400・600」 照「ロン、2600」 小蒔「あっ、はい……」 照「ロン、5800」 照「ツモ、3300オール」 照「ロン、12600」 小蒔「……っ」ジワッ 小蒔(このまま、負けっぱなしなんて……) 小蒔「…………」スゥ 【娘よ、力を授けるぞ】 【存分に戦え】 【不完全なその器でな】 「――――ツモ」 小蒔「4300・8300」ゴッ 咲「カン」 咲(赤阪さんに神代さん、そして……) 咲「カン」 咲(お姉ちゃん) 咲「カン」 咲(今日は負けない) 咲「もいっこ――」 咲(負けたくない!) 咲「カン!」 咲「ツモ、8000・16000」ゴッ 郁乃(なんで……なんで) 郁乃(みんな私のことを信じてくれとったのに……) 郁乃(なんで、何もできないんや!) 郁乃(私やって、まだ!) 照「……ツモ」 恒子「大将戦、決着ー!」 恒子「最終戦へと駒を進めたのはァー!」 恒子「王者宮永照擁する関東選抜!」 恒子「そして、荒川憩、愛宕洋榎のダブルエース!大阪選抜だー!」 京太郎「5900点差、ですか」 雅枝「赤阪があそこまで荒れるんは意外やったな」 霞「滅多にないのに……」 良子「他の三人がクレイジーだったんでしょう」 雅枝「……今夜の練習で見てみよか、とりあえず今は帰らんとな」 雅枝「一時間後、会場前で集合や」 雅枝「それまでは自由時間、好きにしてええで。ほな後で」 ガチャ バタム 京太郎(自由時間か……) 京太郎(会場の中でもうろつこう)
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モモタロス 赤い鬼みたいなイマジン。おそらく、良太郎の桃太郎(鬼?)のイメージで出来た姿。 大雑把でぶっきらぼうだが、なんだかんだで優しい性格で、ツッコミ的な役割もなんだかんだで果たすが、下手というよりは面倒くさいツッコミをする。 直情的で、接近戦などのわかりやすい戦い方を好む 彼が憑依した状態で戦うと、仮面ライダー電王ソードフォームという赤い電王になり、武器であるデンガッシャーはソードモードの形をとる
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「・・・あ、もうこんな時間か。」 なんとなくテレビに映っていた再放送の時代劇を見ていた桜田 ジュンは、部屋の時計を見てつぶやく。 「そういえば、そろそろ投下の時間だな。部屋に戻らないと。」 「投下・・・?」 「ああ、今2chの・・・。」 ジュンが真紅に説明をしようとしたその時、突然背後のドアから何かが落下するような大きな衝撃音が響いた。 「な・・・何があったんですぅ?!」 叫ぶ翠星石。 ジュンがとっさにドアを開けると、そこには階段から落下したと思われる何者かがいた。 「ひぃっ?!ば・・・獏人間ですぅ!!」 それはタピルスイマジンであった。 「おのれ・・・金糸雀め・・・。」 体を多少ふらつかせながらも立ち上がるタピルスイマジン。 一方、ジュンたちはイマジンの言った『金糸雀』という言葉に反応し、階段の上に注目する。 そこには、体をボロボロにしながらもファイティング・スタイルをとる金糸雀の姿があった。 「金糸雀、これはいったい?!」 問いかける真紅。 「皆・・・奴の狙いはカナひとりかしら・・・。ここはカナに任せて・・・逃げるかしら・・・。」 息を切らしながら金糸雀が言う。 だが、金糸雀の体力は先ほどの『カタストロフ』の演奏で急激に消耗し、構えるので精一杯の状況であった。 「こうなったらヤケクソだ!貴様だけでも地獄に叩き落してやるっ!!」 怒りを爆発させたタピルスイマジンは、ひと跳びで階段の上段にまで到達するほどの跳躍力で金糸雀に飛び掛る。 これに対して防御体勢を取ろうとする金糸雀。 しかし、体の疲れから反応が遅れてしまった金糸雀は、タピルスイマジンの右腕に首を捕まれ、そのまま体を壁に叩きつけられた。 「ぐっ・・・くっ・・・。」 「感謝しろ、金糸雀。お前は俺の偉大なる計画を潰した罪をこの程度の刑罰で許されるんだからな・・・。」 さらに右手に力を加えるタピルスイマジン。 そして、金糸雀の首はどんどんを絞められていき、金糸雀は苦悶の表情となった。 その時・・・。 ピンポーン。 突然鳴り響く、場違いなチャイムの音。 それに気づいたタピルスイマジンは、金糸雀を締め上げたまま後ろを向く。 「誰だ、俺の邪魔をまたしようとする奴は?!」 「は~い、俺で~す!・・・てな。」 「・・・!・・・その・・・声は・・・。」 開く扉。 そこにいたのは、先ほどの戦いで重症を負ったはずのモモタロスであった。 「何故だ?!貴様は死んだはず?!・・・いや、死んでなかったとしても、 さっきの戦いで動けないほどのダメージを追ったはずでは?!」 驚くタピルスイマジン。 無理も無い。 何故なら、モモタロスの体は先ほどまでの戦いが無かったかのように無傷のキレイな状態になっていた。 「簡単な話だ。金糸雀がお前の操っていた世界の存在を消したことで、 操られた世界の影響が与えた現象を全て消してくれたんだよ・・・俺みたくな。」 今度はジュンの部屋から聞こえてくる別の声。 そこには野上 幸太郎と彼のイマジンであるテディの姿があった。 「そんな・・・馬鹿なことが・・・。」 「あってたまるんだよ・・・この鼻垂れ野郎!!」 思わぬ事態に動揺していたタピルスイマジンは、モモタロスが背後にまで来ていたことに気づかず、 そのまま右ストレートで殴られ、再び階段下へ叩き落される。 そして、その拍子に開放された金糸雀は、幸太郎によってキャッチされるのであった。 「よう、金糸雀!偽りの記憶だったとは言え、マスターのだっこってのはやっぱ最高だろ?」 幸太郎が言う。 「ふふっ・・・みっちゃんに比べたらまだまだかしら。」 「・・・言ってくれるよな、ちびカナ。」 「俺の・・・俺の計画が・・・。」 「言ったでしょう、我々のダメージは0だと。」 悔しがるタピルスイマジンのもとに今度はオーナーが現れる。 「オーナー!・・・でも、オーナーはこの世界の人じゃないはずかしら。どうやってこの世界に来たのかしら?」 「俺のダブルライナーのおかげや、チビちゃん!」 玄関に現れるフィリップ、良太郎、侑斗、そしてイマジンズ。 「彼のダブルライナーは我々のデンライナーのように時を越えるだけでなく、 『時空』を越えるというオーバーテクノロジーを持っているのですよ。」 「だ・か・ら、僕たちも君のもとへ来れたワケ。」 「まさに『ふりっぷ』の列車の力には泣けたでぇ!」 「あ・・・お人形さん、さっきはごめんね。僕もモモタロスみたく君を守るよ!」 「最初に言っておく!女の子に手をあげるような奴は俺が許さんっ!!」 「・・・あのさ、ちょっといい?」 突然、良太郎が言う。 「どうした、良太郎?」 「ちょっと・・・狭くない?」 「ん・・・?」 ウラタロスたちが自分たちの周囲を見回す。 良太郎の言うとおり、桜田家の玄関は人間が4人、 そして人間よりも体格の大きいイマジンが4人もいたため少々ギュウギュウ詰めになっていた。 「それにさ、ここで戦ったらあの人たちに大迷惑になっちゃうからさ・・・外でやろうよ。」 「ん~、確かにそうやな。良太郎の言うとおりや!」 「・・・でも、どうやってコイツを外に運ぶ?」 ウラタロスがタピルスイマジンを指差す。 「よし、俺に任せろ!そこのイマジンくん、外に行こう!!」 「ちょっとおデブちゃん!そんな直球に言ってどうするんだよぉ!!」 「そこのイマジン・・・僕に釣られてみない?」 「男に色仕掛けって・・・おい、テンドン!なんかアイディアはあるか?」 「何度も言うが、私はテンドンじゃなくてテディだ。」 「そこのイマジン、外に出てくれるよね?答えは聞かないけど!」 「リュウタロス、駄目じゃないか!人の意見を聞いてあげるのが礼儀ってものだ!侑斗だってそう思っている!!」 「おい、デネブ!勝手に何言ってるんだよ!!」 「Zzz・・・Zzz・・・。」 勝手に騒ぐイマジンズ。 「てめぇら・・・ふざけるのもいい加減にしろぉおおおおお!!」 この状況に、再び怒りを爆発させるタピルスイマジン。 そして、怒りに任せて玄関のイマジンたちに向かってタックルを仕掛ける。 「危ない!!」 とっさに叫ぶ良太郎。 それに反応した全員が玄関の左右に体を寄せる。 そして、タピルスイマジンは一直線に玄関の外へと出てしまった。 「・・・これでええんか?」 「・・・良いんじゃないの?」 そう言って、出て行くウラタロスたち。 「俺たちも行くか、幸太郎、金糸雀。・・・あ、どーもお世話になりました~っと!」 「・・・失礼します。」 階段にいたモモタロスたちも外へと移動する。 すると、突然デネブが戻ってくる。 「あ、これお近づきの印にどうぞ!」 そう言って、ジュンたちに何粒かのキャンディを握らせるデネブ。 「最後に言っておく!侑斗をよろし・・・イテッ!」 「デネブ、何やってるんだ!早く行くぞ!!」 「せっかく異世界の人と侑斗が仲良くなるチャンスなんだから、ここは有効利用を・・・って、あ~れ~!」 侑斗にマントを引っ張られながらデネブが退場する。 「・・・。」 「・・・何だったんですぅか、あの鬼人間たちは?」 「強面だったけど、悪そうには見えなかったの。」 「・・・とりあえず、部屋に戻るのだわ。」 「賛成ですぅ。」 「なの。」 そう言って、真紅たちは何事も無かったかのように居間へと戻っていった。 一方、イマジンズたちは外でタピルスイマジンと対立していた。 「さて・・・鼻垂れ野郎!ここからがクライマックスだ、準備は出来てるだろうな!?」 そう言って、モモタロスォードを構えるモモタロス。 「お前ら・・・俺ひとりに対して8人で寄って集って戦おうとしているのか?」 「あぁん?いけねえか?」 「てめぇら、いくらなんでも卑怯過ぎるだろっ!」 「金糸雀を操って闇討ちしようとしたお前に言われたかねぇっ!!」 モモタロスォードの一閃がタピルスイマジンを吹き飛ばす。 「・・・しかし、考えようによってはそいつの言うとおりだ。」 デネブが指からのデネブバルカンでタピルスイマジンを銃撃しながら言う。 「おい、おデブ!何言ってるんだよ!!」 「確かに俺たちであいつをフルボッコ・・・って酷いっちゃあ酷いかもしれんな。」 キンタロスが迫るタピルスイマジンを突っ張りで吹き飛ばしながら言う。 「・・・じゃあ、テンコ盛りで戦えば良いんじゃない?」 リュウタロスがリュウボルバーでタピルスイマジンを狙撃しながら言う。 「いや、それは困る。私も幸太郎もあいつに酷い目にあったのだ。だから、ここは私たちが戦うべきだ!」 テディがテディスォードでタピルスイマジンを追撃しながら言う。 「カナに良いアイディアがあるかしら!」 「何か策があるのかい、お嬢ちゃん?」 ウラタロスがふたたび迫るタピルスイマジンをウラタロッドで吹き飛ばしながら金糸雀に聞く。 「クライマックスフォームにデネブさんとテンドンさんを合体させればいいかしら!」 「そんなこと・・・出来るの?」 良太郎が聞く。 「『ローゼンメイデンの策士』に抜かりは無いかしら!」 そう言うと、金糸雀はバイオリンを取り出した。 BGM:http //www.youtube.com/watch?v=wkufUXKeLdU NR=1 演奏する金糸雀。 バイオリンから奏でられるその音はイマジンズを高揚させていく。 「これは・・・うぉおおおおおっ!なんだか燃えてきたぁあああああ!!」 興奮するモモタロス。 ・・・と同時にモモタロスの体が光の塊となる。 そして、モモタロスだけでなく他のイマジンたちも光の塊となり、それらは良太郎の手にするケータロスへと集まっていった。 「よし、皆・・・行くよ!」 ケータロスを自身の電王ベルトに装着する良太郎。 CLIMAX FORM!! 音声とともにケータロスから出現する4つの電仮面。 それらは良太郎の体に合体し、仮面ライダー電王 クライマックスフォームを形成する。 さらに、デネブの光が飛び出すと、 それはデネブの腕を模したツインキャノンとベガフォームを思わせるマントとなって電王の背中に合体する。 そして、最後にテディがマーチェテディとなって電王の右手に握られた。 ここに、新たなクライマックスフォームが誕生した!! 『おおっ、なんかすげぇ感じだ!』 思わず叫ぶモモタロスの意識。 「これで文句は言えないかしら!」 『よっしゃ!鼻垂れ野郎、ここから真のクライマックスだ! ジェットコースター並みにフルスロットルで行くから目を離すんじゃねぇぞ!!行くぜ行くぜ行くぜぇえええええ!!!』 マーチェテディを振り回しながら、電王がタピルスイマジンに突撃する。 「おのれ・・・野郎ども、出て来い!!」 クライマックスフォームの登場に危機を感じ、叫ぶタピルスイマジン。 すると、その声に反応して数体のモールイマジンが地中から出現するのであった。 『げっ・・・なんでモグラ野郎が?!』 『・・・6・・・7・・・8か。なら私に任せろ。10カウントで終わらせる。』 テディの意識がそう言うと、電王はNEW電王を思わせる剣の構えを取り、 そのまま一直線にモールイマジンへと突っ込んでいくのであった。 素早い太刀筋で切りつけられていくモールイマジン。 『・・・7・・・6・・・5・・・。』 そして、8体全てのモールイマジンはカウントを4残して全滅した。 しかし、今度は背後から3体のモールイマジンが飛び掛る。 『むっ!?後ろからとは卑怯な!!』 背後からの攻撃に気づいたデネブの意識が、ツインキャノンを後方に傾けて発砲する。 放たれる3発のエネルギー弾。 うち2発は空中のモールイマジンを粉砕したものの、残りの1発は敵を叩き落すに留まった。 「くそっ・・・。」 起き上がろうとするモールイマジン。 だが、そこへ金糸雀が現れる。 「おねんねの時間かしら!」 そう言って、子守唄を演奏する金糸雀。 すると、あっという間にモールイマジンは深い眠りにつくのであった。 『金糸雀、ナイスアシスト!』 「どういたしましてかしら!あとはアイツだけかしら!!」 金糸雀と電王がタピルスイマジンを見る。 「こうなったら・・・ヤケクソだぁっ!!」 ついに自棄になったタピルスイマジンが電王へタックルによる特攻を仕掛ける。 『どすこいっ!!』 だが、タピルスイマジンのタックルも電王の張り手によって簡単に吹き飛ばされてしまった。 『さて・・・とどめと行きますか。』 そう言って、電王はライダーパスをケータッチにセタッチする。 CHARGE AND UP!! ケータッチから発せられる莫大なエネルギー。 それらは電王のツインキャノンとマーチェテディに集約されると、 電王から分離してファンネルのように電王の周囲を、弧を描きながら漂い始める。 また、電王本体のほうにも再度エネルギーが集約され、中央のリュウ仮面が光を放ちながら解放される。 『必殺、俺たちの必殺技・・・シューティングヴァージョン!!!』 ファンネルとリュウ仮面から同時発射される光線。 それらは一気にタピルスイマジンを包み込み、そして敵の体を完全に蒸発させるのであった。 『俺たち・・・大勝利!!』 そして、締めと一言といった感じで『俺、フィーバー!』のポーズをとる電王。 こうして、彼らの戦いは終わりを告げるのであった。 「ひとつ聞いて良いかしら?」 モモタロスに抱っこされながら夕日を見る金糸雀がモモタロスに質問する。 「おう、何だ?」 「・・・どうして、金糸雀をあんな一生懸命に守ってくれたかしら?」 金糸雀は疑問に思っていた。 自分をおもちゃのごとく振り回したリュウタロスに対して尋常じゃない怒りを見せ、 そしてタピルスイマジンに操られて襲い掛かっても金糸雀を信じ続けたモモタロス。 だが、この異常なまでの『信頼』はどこから来ていたのだろうか? 何十年も付き合っていた戦友ならいざ知らず、会って数十分もない金糸雀を信頼し続けたことを・・・。 「・・・守ることに理由は要るか?」 「・・・そんなこと無いかしら。ちょっと疑問に思っただけかしら。」 「まあ、あるとすれば・・・。」 「あるとすれば・・・?」 「何たって、俺はテレビの前のちびっ子たちのヒーローだからな!ちびっ子を守ってやらないと人気が出ねぇだろ?」 「ちょ・・・そんな理由だったのかしら?!」 「冗談だよ、金糸雀。」 そう言って、モモタロスは金糸雀のおでこを突っついた。 「・・・あ、みっちゃんかしら!」 金糸雀が帰宅途中である、本来のマスターの草笛 みつの姿を見つける。 「ちょっといいかしら?」 そう言って金糸雀はモモタロスから降りると、みつの方へと走り出していった。 「・・・あら、カナ!」 駆けてくる金糸雀に気づいたみつは、金糸雀を抱え上げ、いつもの『ほっぺの摩擦でまさちゅーせっちゅ!』を行なう。 「あじゃじゃじゃじゃ!!」 「・・・ところでカナ、どうしたの?何か用事があって走ってきたんじゃないの?」 「・・・そうだったかしら!あのね、みっちゃん!みっちゃんに会わせたい人がいるかしら!!」 「会わせたい人?」 「ほら、あそこにいるモモタロ・・・あら?」 金糸雀が後ろを向いて指差すが、先程までモモタロスがいたはずの場所には誰もいなくなっていた。 「カナ、会わせたい人ってどこ?」 「あれ・・・?」 とりあえず、先程の場所に戻ってみる金糸雀。 だが、やはりモモタロスの姿は無かった。 「どうしたの?」 「・・・ごめんなさい、なんでもないかしら。」 「ふふっ、変なカナ。まるで『不思議の国のアリス』の最後の場面みたいね。」 「アリス・・・?」 「そう。アリスが夢のような世界を旅するんだけど、実際は本当に夢だった・・・ってアレよ。 カナの不思議そうな顔とドレス姿でなんか連想しちゃった。」 そう言って、笑うみつ。 「夢・・・だったのかしら・・・?」 「そうだ、せっかくだからラーメンでも食べに・・・あら?カナ、その足元にあるの何?」 「・・・ん?」 一方、デンライナーに戻ったモモタロスはコーヒーを飲みながら外の風景を見ていた。 「・・・ねぇ、モモタロスったらいったいどうしたの?えらく静かにしてるけど・・・。」 コハナが小声でウラタロスに聞く。 「さぁ・・・?でも、なんとなく上機嫌っぽいよね。」 「そうそう、なんと言うか・・・好きな人に会えたみたいな・・・。」 良太郎が言う。 「そういえば、先輩は金糸雀ちゃんに異常なほどの愛情を見せてたよね。もしかして先輩って・・・ロリコン・・・なのかな?」 「へぇー、モモタロスってロリコンだったんだ!やーい、ロリタロスゥ~!!」 「わっ?!リュウタ!!」 大声をあげるリュウタロスをウラタロスが押さえる。 だが、モモタロスはリュウタロスの言葉に気づかず、そのまま嬉しそうな顔で黙っていた。 「「「「・・・。」」」」 そして、良太郎たちも思わず黙ってしまうのであった。 モモタロスは思い返していた。 それはモモタロスにとっては過去の出来事・・・。 そして、金糸雀にとって遠い未来の出来事・・・。 ひとりの男性のもとに大きなカバンが届けられた。 カバンを開ける男性。 その中には、まるで生きているかのような精巧な人形が横たわっていた。 男性はカバンの中から螺子を取り出し、人形の螺子を巻く。 その回転数がある程度までいった時、人形の内部から『カチリ』という音が発せられ、そして人形は動き出すのであった。 「・・・ふ・・・ふあぁ~。あら、ちょっとはしたないかしら・・・。」 「お前が・・・ローゼンメイデン・・・なのか?」 「ふっふっふ、あなたがカナの新しいマスターね。私は『ローゼンメイデンの策士』と呼ばれたドール、その名も金糸雀かしら!!」 「・・・神奈川?」 「だぁ~っ!違うかしら!!」 「・・・金沢?」 「それも違うかしら!!」 「・・・島根?」 「全然違う・・・ってか、なんで都道府県ばっかりかしら!!」 「へへっ!冗談だよ、金糸雀。」 そう言って、男性は金糸雀のおでこを突っついた。 「・・・あれ?この光景、どこかで見たことあるかしら・・・。」 「ん?どうしたんだ?」 「いや・・・なんでもないかしら。」 そう言って、カバンの中から出る金糸雀。 その時、彼女のドレスから一枚のカードが落ちてきた。 「金糸雀、何か落としたぞ。」 「あら・・・あ、これは・・・。」 金糸雀が拾い上げたカードを見て、何かを思い出す。 「・・・?」 「・・・分かったかしら、モモタロスがカナを守ってくれた理由が。」 「桃太郎が・・・何だって?」 「あ・・・なんでもないかしら!」 そう言って、金糸雀はカードをカバンにしまうのであった。 金糸雀が手にしたカード、それは汚い字で『また会おうな!』と書かれた、今日の日付のデンライナーチケットであった。 おわり
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【銭湯】 一同「混浴!?」 番頭「最近お客が来なくなってねえ、これなら家族もアベックも来やすいと思ってねえ」 京太郎(この面子で混浴なんて願ってもみないビッグチャンスじゃないか!) エイスリン「コンヨク?」 華菜「京太郎と一緒に入れるってことだし!」 エイスリン「イクノ?」 郁乃「京太郎くんと一緒に入れるってことやで~」 エイスリン「ヤタッ!」ニコッ 華菜「なんで無視するんだし!」 照「京、私のスタイルに酔いしれるといい」 京太郎「いやそれだけはないから安心しろ」 霞「昔は別々だったのに……」 京太郎(これで霞さんの胸を生で……) 番頭「あ、水着は着るようにな」 京太郎「は……?」 カポーン 京太郎「シャワーが共同なだけまだマシか……」 京太郎「皆が入って来るまで何しよ」 京太郎「待ってるか……」 ガララ 照「京、もう来てたの」 京太郎(レーザーレーサー!?身体洗えねえだろ!) 照「これが似合ってるって言われた」フフン 京太郎「出るとこ出てないからだろ」 照「…………」ズーン エイスリン「キョウタロー、オマタセ!」 京太郎「」ブフォッ 京太郎(白の紐……だと……)ドバドバ 京太郎(エイスリンさんは無いものだから興味が無かったが)ドバドバドバドバ 京太郎(くっ……)ドバドバドバドバドバドバドバドバ 京太郎「天使、か」ガクッ 照「きょ、京ーー!!」 華菜「おーい京太郎ー起きろー」ペシペシ 京太郎「ん……」ムクッ 霞「顔色悪いけど、大丈夫?」 京太郎(ハイレグ……)チラッ 霞「京太郎くん?」ドタプーン 郁乃「も~寝るの早いで~」 京太郎(この中だと郁乃さんが一番普通なんじゃ……)チラッ 郁乃「どうどう?似合っとるか~?」ポニョン 京太郎「郁乃さんらしくていいと思いますよ……」チラッ 霞「こっちはどうかしら?」ドタプーン 京太郎「」ブフォッ 霞「えっ?京太郎くん?京太郎くん?」ユッサユッサ 怜(先生に行ってみたらどうや、って言われて近所の銭湯に来たはええけど……) 照「これなら泳げるかも」←レーザーレーサー エイスリン「~♪」シャアァー←白の紐水着 華菜「はぁー今日も疲れたなー」←薄桃色のワンピース 郁乃「京太郎く~ん、大丈夫~?」←黒のマイクロビキニ 霞「京太郎くん!京太郎くん!」←白のハイレグ 京太郎「Oh yes...」ドバドバ 怜「何やこの惨状は……」 京太郎「うおぉ……クラクラするぅ……」 照「京、大丈夫?」 京太郎「お前なら何とか大丈夫だ」 照「…………」ジトッ 京太郎「冗談だから!殺気感じるからやめて!」 照「…………わかった」 照「その代わりに、京の背中を流す」 京太郎「何の代わりだよ……」 照「私に任せて」 京太郎「……じゃあよろしく」 照「うん」 照「どう?」ゴシゴシ 京太郎「んー気持ちいいぞー」 照「良かった」ゴシゴシ 京太郎「毎日やってほしいくらいだぜ」 照「…………」 京太郎「照?手ぇ止まってるぞ?」 照「ごめん」 照(毎日……) 照「……」ギュッ 京太郎「おっ、おい、照、何だよ?」 照「京の背中、大きい」ギュッ 京太郎「おーい?聞こえてるかー?」 京太郎「ちょっと当たってんだけど……」 照「……当たってるんじゃない、当ててる」ギュッ 京太郎「お前に言われてもなぁ……」 照「」プチッ ミシミシミシミシ 京太郎「照!?腹!腹がおかしなことになるガハッ!」 ミシミシミシミシ 京太郎「柔らかい!十分柔らかいから!興奮するから!」 照「…………」 照(ずっとこうしていたい)ギュッ ミシミシミシミシ 京太郎「グハァッ!」 京太郎「」チーン 怜「京くーん、起きとるかー」ツンツン シャァー 照「終わったよ」 京太郎「おう、あんがとな」 照「身体洗ってくるから先にお風呂入ってて」 京太郎「あー、じゃあ俺が洗ってもいいか?」 照「えっ……」 京太郎「おい何だその汚物を見るような眼は」 照「だって京はセクハラしてきそうだし……」 京太郎「しねーよするわけねーだろ」 照「」プチッ メキメキメキメキ 京太郎「あああああアイアンクローやめて!」 メキメキメキメキ 京太郎「わかった!セクハラするから!照の身体エロくてセクハラしちゃうから放して!」 照「そういうことなら……いい」 京太郎(何だこのやり取り!) シャアー 京太郎「シャンプー入るかもしんないから目瞑ってろよ」 照「子どもじゃないんだから大丈イッ!」 京太郎「ほれ言わんこっちゃねえ」 照「…………」シュン 京太郎「顔は後で洗えよ、で問題は身体だけど……」 京太郎(レーザーレーサーぴっちりしすぎだろ……) 京太郎(洗う方法つったら脱がせる……禁止されてるからダメだな) 京太郎(だとすれば……) 京太郎(水着の中に手を入れる!) 京太郎「照、ちょっと我慢しろよ」 照「何をする気、ひゃっ!」 京太郎「こうでもしねえと洗えねえんだよ」ゴシゴシ 照「……後で覚えてて」 京太郎「やなこった」ゴシゴシ 照「冷たいよ」 京太郎「俺はあったかいぜー」 京太郎(照の肌、こんなに柔らかかったんだな) 京太郎(洗ったばかりだからいい匂いもするし、少し色っぽい) 京太郎「」ムクッ 照「?」ビクッ 照「京、骨が当たってるみたい」 京太郎「骨?」 JR京太郎「ムクッ」 京太郎(サポーターが効いていないのか!?) 京太郎「お、おう、もうちょい待っててな」ゴシゴシ ムニョムニョ 京太郎(今は萎えるのを待つしかない!)ゴシゴシ ムニョムニョ 照(さっきからくすぐったい……でも人の身体にこんな尖った骨があるのかな?) 照「……」フリムキ 京太郎「うわっ、見るな!」 照「…………」 京太郎「」ムクッ 照「」 京太郎(これってひょっとしたら死ぬんじゃあ……)ダラダラ 照「…………」ツンッ 照「京、この骨は何?」 京太郎(……気づいていないのか?) 照「少し柔らかいけど……」ツンツン 京太郎(保健体育とかは寝てそうだもんなぁ……) 照「?」ツンツン 京太郎(照には男特有の骨ってことで納得してもらった) 京太郎(昔は四人で風呂入ったんだけどな……) 霞「はぁ……」 京太郎「そんなため息ついてどうしたんすか?」 霞「私の身体、少し水着だと洗いにくいのよね……」 京太郎「……ああ、なるほど」 霞「この際京太郎くんでいいかしら……でも……」ブツブツ 京太郎(俺ってどんだけ信頼無いんだろう) 京太郎「霞さん!俺を信じてください!絶対に霞さんのおっぱいを弄ったり揉んだりしたいなんて思ってませんから!」 霞「いまいち信じられないのよね……」 京太郎「この目を見てください!」ギン 霞「心底信頼できなさそうね」 京太郎「俺の評価低すぎるでしょ!」 霞「そうねぇ……目隠ししてくれたら、お願いするけど」 京太郎「了解しました!」キラキラ シャァー キュッ 京太郎「終わりましたよ」メカクシ 霞「ありがとう、助かったわ」 京太郎「いえいえ、どういたしまして」 京太郎(予想外だった……) 京太郎(まさか目隠しをするだけではなく) 霞「」ニギッ 京太郎(玉質を取るとは……!) 霞(はっちゃんの男対策実際にやってみたけど……) 霞(……癖になりそうな触り心地ね)ニギッ 京太郎「ヒィッ」 京太郎「死ぬかと思った……」 エイスリン「」ジーッ 京太郎「?」 京太郎(何か視線を感じるような……)チラッ エイスリン「……」プクーッ 京太郎「エイスリンさん?」 エイスリン「!」アワワワ 京太郎「何やってるんですか?」 エイスリン「キョウタロー、ワタシモ!」 京太郎「え?」 エイスリン「ワタシモ!……?」ハテ? エイスリン「…………アゥゥ」 京太郎(エイスリンさん、何が言いたいんだ?) 京太郎(ホワイトボードも無いし……そうだ!) 京太郎「エイスリンさん!」フキフキ エイスリン「?」 |write me!| 京太郎(鏡を使えばいいんじゃないか!) エイスリン「!」フキフキ |エイスリンが泡だらけになっている絵| 京太郎「つまりエイスリンさんも俺に洗え、と」 エイスリン「!」コクコク 京太郎(他の二人よりは楽そうだし……まあいっか) 京太郎「そこで洗いましょうか」 エイスリン「アリガトウ!」 京太郎「どういたしまして」 京太郎「お痒いところはございませんかー?」ゴシゴシ エイスリン「ダイジョーブ!」 京太郎(胸は中寄りの小、さして興味はない) 京太郎(だがこの水着がいけない、どう考えたって誘ってるんだもの) エイスリン「キョウタロー?」 京太郎(いや待てよ?照がアレだったんだ、エイスリンさんなら……)ゴクリ 京太郎「あー手が滑ってしまったぞー」ボウヨミ ツルッ エイスリン「ンッ……?」 京太郎(集中しろ!須賀京太郎!) サワッ エイスリン「ッ!」 エイスリン「……キョウタロー……?」 京太郎「まだじっとしててくださいねー」 エイスリン「……?」 サワサワ エイスリン「ンンッ!!」 京太郎(触るだけでこんなになるなんてどれだけ……) 京太郎(あと一回……いや三回、いやいや五回……) サワッ エイスリン「ハァッ……ハァッ……」ビクッ ビクッ 京太郎(やりすぎたかな?) 京太郎(あとはちゃんと脚とか洗わないと……) 京太郎「あーすっきりしたー!」 照「気持ち良かった」ポカポカ エイスリン「キモチヨカッタ!」ポカポカ 霞「たまにはこういうのもいいかもしれないわね」ポカポカ 郁乃「楽しかったな~」ポカポカ 華菜「カナちゃんを楽しませるとはよくやるし!」 怜「なんでこの人たちと一緒におるんやろ……」 郁乃「お風呂上りと言えばやっぱりコーヒー牛乳やな~」 照「いちご牛乳が一番だと思う」 霞「普通の牛乳もいいと思うけど?」 怜「フルーツ牛乳でもええやろ」 エイスリン「?」 華菜「コーラに決まってるだろ!」 ヤイノヤイノ 京太郎(俺はどうしようか) 京太郎(こういう銭湯とかに来たときはいちご牛乳って決めてるんだよな) 京太郎「照ー、いちご牛乳買おうぜー!」 照「やっぱり京はわかる子だね」グッ 京太郎「風呂上りだと牛乳といちごの両方の甘さが強まって美味いんだよな!」 照「それがあの人たちにはわからんのですよ」 京太郎「くくくっ、可哀想な奴らめ」 一同「」イラッ 照「それじゃあ買いに行こう」 京太郎「おうよ!」 京太郎(……だんだん、照の言葉の端に気持ちが見えるようになってきた) 京太郎(気のせいかもしれないけど) 照「京、一口いる?」 京太郎「俺とお前で同じもの飲んでるだろ」 照「それもそうだけど……」 照「…………」シュン 京太郎「…………はぁ」 京太郎「ほらよ、一口」つ瓶 照「ありがとう、私も」つ瓶 ゴクッ 京太郎「うん、やっぱり美味い!」 照「うん」 京太郎(あれ?これって間接キスなんじゃ……)チラッ 照「?」 京太郎(……ま、照がそんなこと知ってるわけないし) 京太郎(照が狙ってるとは思えないから、違うか) 京太郎(畜生、恥ずかしがってる照を期待した俺がバカだったぜ!) 【11月第4週 平日2】終 【夜】 「年末にはそっちに帰って勉強するつもりだよ」 「その話だけど、あなたはいいの?」 「そっちでできたお友達と過ごせる時間、ニホンならあと四か月もあるんでしょ?」 「もうやりたいことはやれたからいいよ」 「ニホンの大学にだって、支援はしてあげるのに、どうして画家なんて目指すの?」 「麻雀もまだ続けたいんでしょ?」 「麻雀は、みんなの足を引っ張ってばかりだからやめようと思うの」 「それならニホンにいるより、そっちの大学に行って、おじいちゃんのところで絵の勉強がしたいなって」 「……そう、わかったわ。そっちはもう夜遅いんでしょう?もう切るわね」 「ありがとう、お母さん」 「おやすみ、エイスリン」 エイスリンが清々荘からいなくなるつもりのようです 【街】 郁乃「~♪」 郁乃(今日も楽しかったな~) 郁乃(京太郎くんといっぱい話せたし~こんなんやったらずっとこのままでもええかもな~) 「おい、そこの姉ちゃん」 郁乃「は~……」 「ちょっと寝たってな」 ドゴッ 郁乃「ッ!」 チンピラ1「ええ顔のしかめ方やなぁ」 チンピラ5「あーせや、こんな顔やったわ。まさか最新の睡眠薬が成長を退行化?させる薬やったとはなぁ」 チンピラ4「写真ともピッタシ!正真正銘の赤阪郁乃はんやな」 チンピラ2「あぁ、元姫松の代表やったっけ?」 チンピラ3「こないな上玉襲おうとしとったとはなぁ」 チンピラ1「なんでもええ、はよ車に運びぃ」 郁乃(この人たち……あんときの……) 郁乃(なんで、また見つかってもうたんや) チンピラ6「クルマガデルデー」 郁乃(助けて……) 郁乃が清々荘からいなくなりました 【11月第4週 休日】 京太郎「あんな広い風呂に入ったおかげからか身体が楽だ!」 京太郎「早起きも楽々だし、絶好調だ」 京太郎「こんな朝は何をしよっかなー」 朝 京太郎「ちはーっす!」 由子「京ちゃん、こんにちはなのよー」 おっさま「今日も頑張ってなー」 京太郎「今日はエイスリンさんいないんですか?」 おっさま「奥におるけど、少し元気が無いように見えたな」 京太郎「そうですか、わかりました」 由子「あっちの卓にホットコーヒーよろしくなのよー」 エイスリン「ワカッタ」 京太郎「エイスリンさんそれアイスティーですよ!」 エイスリン「ア……」 京太郎「ホットコーヒーはこっちです、しっかりしてくださいね」 エイスリン「ウン……」シュン 京太郎(なんかいつもと違うような気がするな……) カランコロン 京太郎「あっ、いらっしゃいませ!」 京太郎「――――って、照かよ」 照「京、にエイスリン?」 京太郎「ああ、俺たちここで働いてるんだよ」 照「ふーん……じゃあ次、私と打って」 京太郎「おう!受けて立つぜ!」 結果 京太郎 51+200+35+30=316 照 1+152+90=243 由子 73+120+15=208 エイスリン 57+105+15=177 京太郎「ツモ、4000・8000」 由子「また京ちゃんの一人浮きなのよー」 照(……京ちゃん?) エイスリン「マタ、キョウタローニマケタ」シュン 照(キョウタロー……) 京太郎「ここまで照に勝てるようになるとはなー、あっはっはー!」 由子「最近の京ちゃんはホンマ強いわぁ」 照(京ちゃん……) 照(なんかむかむかする……)ムスー 京太郎「照、どうかしたか?」 照「なんでもない」ムスー 京太郎「?」 由子「お茶いれてきたのよー」 京太郎「ありがとうございます!由子さんのお茶好きなんですよ!」 由子「京ちゃんに喜んでもらえるとこっちもうれしいのよー」 キャッキャ 照「むぅ……」プクー カランコロン 京太郎「いらっしゃいませー」 洋榎「ほぇー、こんなとこで働いとったんかー」 雅枝「京太郎、リベンジや!はよ卓に着きぃ!」 京太郎「ええっ、何すかいきなり!」 洋榎「京太郎に勝てばウチが日本一なんや!はよ卓に着きぃ!」 京太郎(なんだこの親子……面倒くせぇ) カランコロン 由子「いらっしゃいませー」 小蒔「わぁ、ここが雀荘ですかぁ」 初美「滅多に来れませんからねー」 初美「むむっ!あそこに須賀京太郎がいるのですよー」 京太郎(さらに面倒くさい雰囲気……!) 京太郎「あ、あははー、どうもー」 小蒔「須賀さん、お久しぶりですっ!」ペコッ タユン 京太郎(前言撤回、ここはさながら天国だ) 洋榎「あ!アンタ永水の先鋒やないか!」 小蒔「愛宕さん、でしたっけ?もお久しぶりですっ!」ペコッ タユン 洋榎「」イラッ 洋榎「なぁ、オカン、ウチ神代と打ってもええか?」 小蒔「えっ、どうしてですか!?」 洋榎「けったいな胸しよってからに……」ギリッ 京太郎「今回も勝ちますよ!」 小蒔「私が勝ちます!」グッ タユン 洋榎「神代……飛ばしたるわ」イライラ 初美「姫松の主将も子どもっぽいですねー」 洋榎「見た目小学生に言われたないわ!」 結果 京太郎 24+200+35+30=289 小蒔 52+(100+160)÷2+30=212 洋榎 88+133+15+15=251 初美 12+116+30-30=128 初美「なんで蚊帳の外だったはずの私が一人沈みなんですかー……」 洋榎「やっぱり女は胸やないっちゅうことやな!」ペターン 小蒔「はっちゃん、元気出してください!」タユン 初美「うわーん!姫様ー!」 小蒔「いいこいいこー」ナデナデ 洋榎「やっぱり洋榎ちゃ「なんか」」 京太郎「こうして見てると親子みたいですね」 小蒔「そうですか?」 洋榎「あ、あのー」 京太郎「薄墨さんが子どもで神代さんがお母さん、みたいな?」 小蒔「それなら須賀さんはお父さんですね!一緒にはっちゃんをなでなでしましょう!」 京太郎「どういう理屈!?」 洋榎「…………」ブ゙ワッ 京太郎「いいこいいこー」ナデナデ 小蒔「いいこいいこー」ナデナデ 初美「私はそこまで子どもじゃないのですよー」ニヘニヘ 洋榎(あかん……入りにくい雰囲気が作られとる……) 京太郎「言動と行動が一致していないような……あ、洋榎さんもなでなでしますか?」 洋榎「ええんか!?」パァァ 京太郎「洋榎さんは姉ポジションということで」 洋榎「ほなウチも!」ガバッ 初美「もうこれ以上撫でないでほしいのですよー」 洋榎「…………」ガーン 洋榎「…………」シュン 雅枝「京太郎、国麻から勢いづいとるな」 由子「ここ最近負けなしなのよー」 雅枝「男子やっちゃうんに大したやつやなぁ」 エイスリン「…………」 夕 京太郎「今日はなんかいっぱいもらえたな」 京太郎「奮発して買い物しよっと」 京太郎「何を買おうかなーっと」 京太郎「麻雀教本、小説、参考書……あれ、あの人は……」 お品書き 1.牌のお姉さんの麻雀教本 中級編…2000円 2.牌のお姉さんの麻雀教本 上級編…2800円 3.小鍛治健夜の目指せ!グランドマスター!…2800円 4.戒能良子のものまね王!…2800円 5.迫り来る怒涛の修羅場…2000円 6.女性を落とす40の方法…1000円 7.ライトノベル…600円 8.小説…600円 9.参考書…900円 憩「文系科目はええとして、理系科目……」 京太郎「」コソコソ 憩「数学はやっぱり赤チャートがええかな……」ブツブツ 京太郎「わっ!」 憩「ひゃぁっ!」 京太郎「びっくりしました?」 憩「なんや京太郎くんかぁ、心臓が止まるか思ったわ」 京太郎「何探してるんですか?」 憩「参考書を探しとったんやけど、京太郎くんは?」 京太郎「俺は麻雀の教本とラノベを」 憩「京太郎くんも勉強せなあかんで」 京太郎「それはわかってんですけど、どうも集中できないというか……」 憩「ふふっ、京太郎くんらしいなぁ」 京太郎「憩さんはどうしてそこまで勉強をするんですか?」 憩「お医者さんになれー、って言われとるからなぁ」 京太郎「ああ、お父さんでしたっけ」 憩「……うん」 京太郎「嫌なら嫌、って言った方がいいと思いますよ」 憩「それもそうなんやろうけど……」 憩「……あ、もうこんな時間かぁ。ごめんな、もう行かな」 京太郎「そうですか、じゃあまた!」 憩「はーい、またなー!」 京太郎「憩さん、あんなんでいいのかよ……」 京太郎「あーもう!暇だ!」 夜 京太郎「そうだ、今日は照と菓子パーティーか」 京太郎「メールで呼べばいいだろ」 京太郎「さて、何を食べよう」 ガチャ バタム 京太郎(出てくるの早いな) トタトタ ズルッ 京太郎(なんでこの短距離で転ぶんだよ!) コンコン 京太郎「おう、入れ入れ」 照「……うぇぅ、ぐすっ」ボロボロッ 京太郎「あーあ、膝擦り剥けてるじゃんか、早く入れ」 照「うん」 京太郎「ったく、どういう転び方したんだよ」 照「こう、ズルッと」 京太郎「わからんわ」 京太郎「絆創膏付けて終わりっと」 照「お菓子、どこ?」 京太郎「お前それしか頭にねえのな」 照「そのために来たから」 京太郎「……どうせ俺はどうでもいいんだよな……」ウジウジ 照「あ……そ、そんなことはないよ」アセアセ 照「京も、大好きだよ……?」 京太郎「どうして疑問形なんだよ、まあいいや早く食おうぜ」 照「お菓子は?」 京太郎「ああ、これだよ」 照「こっ、これは……!」 照「東京駅の名店のスイーツセット!」 京太郎「他にもあるけど今日はこれだ」 照「美味しそう……」ジュルリ 京太郎「涎垂れてるぞ」 照「あうっ」フキフキ 京太郎「チーズケーキとプリンケーキ、どっち食べたい?」 照「どっちも」 京太郎「どっちか」 照「…………」ウーン 照「…………」ウーーン 照「…………」ウーーーン 京太郎「おーい、照ー」 照「…………Zzz」 京太郎「寝るな」ペシッ 照「うむっ!」 京太郎「じゃあ半分こでいいか?プリンケーキとチーズケーキそれぞれ」 照「全部食べたい」 京太郎「お前なぁ……」 照「……しょうがない、従う」 京太郎「じゃあ照が先にプリンで、俺がチーズな」ヒョイ 照「うん」 京太郎「いただきます」 照「いただきます」 京太郎「ん……」パクッ 照「……」パクッ 京太郎「うまい!」テーレッテレー 京太郎「そっちはどうだ?」 照「」ニコニコ 京太郎「美味いんだな」 照「京、はい」スッ 京太郎「いいのか?」 照「こうすれば簡単に半分こできるから、あーん」 京太郎「あーん」パクッ 京太郎「お!こっちも美味いな!じゃあ今度は……」スクッ 京太郎「ほい、あーん」 照「……」パクッ 照「……」ニコニコ 京太郎「美味いか?」 照「うん」 京太郎「ふー、食った食ったー」 照「おいしかった」 京太郎「また暇があったら食べるか?」 照「また半分こしたい」 京太郎「だな」 照「スプーンと容器持って帰ってもいい?」 京太郎「綺麗だもんな、二つともいいぞ」 照「ありがとう、じゃあもう帰る」 京太郎「おう、じゃあな」 照「……ふふ」 ガチャ バタム 京太郎「何か今背筋がゾクッとしたような……」 京太郎「風呂入ろ」 シャァー 京太郎「ケーキ美味かったなー、食べさせ合いは予想外だったけど……!?」 京太郎「待てよ……俺がやっていたのは……」 【照の部屋】 照「」クンクン 照(京の匂い……)クンクン 照(これは残った食べかすがあるから……)ペロッ 照「……おいしい」 夜 京太郎「もうすることもないし寝よ……」 「いよいよ夢の対決!」 「男子トッププロVS女子トッププロ!」 「男子代表は須賀京太郎!」 「彼を卓で待つのは女子のツートップ!野依理沙!戒能良子だぁぁー!」 ワァァァ- 理沙「負けない!」プンスカ 良子「たとえ京太郎が相手でも、ベストを尽くすよ」 京太郎「上等です。下剋上、見せてやりますよ!」 ワァァァー! 「男女対抗戦!開始ィィィィッ!」 【11月第4週 休日】終 【12月第1週 平日】 京太郎「充実した夢を見た気がした」 京太郎「身近に感じてたけど、良子さんも凄い人なんだよな」 京太郎「俺もいつかあの人たちに並び立てるのかな……」 朝 京太郎「うぅ寒ぃ……」 京太郎「マフラー編まないとな……」ガクガク 郁乃「京太郎く~ん!」タッタッ 京太郎「おはようございます、郁乃さん」 郁乃「おっはよ~」 京太郎「?痩せましたか?」 郁乃「そないにスリムに見える~?」 京太郎「ええ、まあ」 郁乃「えへへ~なんか照れるな~」 京太郎(そういえば、土日は郁乃さん見かけなかったな……) 京太郎「そうだ、来年のスマブラの新作ってどう思います?」 郁乃「むらびとさんはおもろかったな~、それになかなか強いやんあれ」 京太郎「チャージショットを拾うとか正気の沙汰じゃないですよね」 郁乃「まあうちのガノンちゃんにはつう」 郁乃「WiiFitトレーナーさんも、人選おかしいやろ」 京太郎「今回はネタに走りすぎてる気がしますね」 郁乃「切り札もマリオに似とるしな~」 京太郎「ロックマンはかっこよかったですよね」 郁乃「あの子ははよ使うてみたいな~エグゼくんもおってプログラムアドバンスとかも使えればさらに面白そうやけど」 京太郎「他キャラとソウルユニゾンとかも……ってカービィで十分か」 郁乃「クッパソウルとか見てみたいな~」 京太郎「来年買ったら皆でやりましょうか、果たして誰が一番強いのか!」 郁乃「…………来年、か」 京太郎「どうかしました?」 郁乃「いや~来年でスマブラ歴15年の私を舐めてもろたら困るな~」 京太郎「俺だって伊達にスマブラ歴12年を名乗ってませんからね、負けませんよ」 郁乃「そういえばポケモンって――――」 昼 エイスリン「……」カキカキ 京太郎「誰かいますかー」 エイスリン「」ビクッ 京太郎「エイスリンさん?珍しいですね、部室にいるなんて」 エイスリン「キョウタロー、オベントウ?」 京太郎「一緒に食べますか?」 エイスリン「ウン!」 京太郎「今日は部室の絵を描いてるんですか?」 エイスリン「オモイデヅクリ」 京太郎「あと3か月ですもんね」 エイスリン「…………」ウツムキ 京太郎「エイスリンさんは、どうするんですか?」 エイスリン「……カエル」 京太郎「ニュージーランドの大学ですか」 エイスリン「」コクッ 京太郎「でも確かニュージーランドには麻雀はまだマイナー競技なんですよね」 エイスリン「ダカラ、マージャンヤメル」ウルウル 京太郎「えっ?」 エイスリン「キョウタローモ……アエナイ」ポロポロ 京太郎「…………そうですか」 京太郎(エイスリンさん……予想はできたことだけど) 京太郎(ああして泣いてるのを見るのは、堪えるなぁ) 京太郎「俺と照が見学か」 照「菫とは違ってお菓子食べ放題」 京太郎「あんまり食うと太るぞ」 照「……」ムニッ 照「…………」ガーン 照「暇つぶし」ピッ 京太郎「だからってなんでテレビつけんだよ……」 テレビ「六月に統一牌騒動で世間を騒がせた加藤良三氏は――――」 京太郎「あ、この人こんなことになってんのか」 照「誰?」 京太郎「六月くらいにプロリーグであっただろ、統一牌問題」 照「統一牌?」 京太郎「従来の統一牌は削りにくいように作られてたんだけどこの人が作ったのは削りやすく作られてたんだよ」 照「削る?」 京太郎「まあ細かいことは置いておいて、そんでそんときのこの人の言葉が「私は知らなかった」とかで無責任だーって言われてたんだよ」 照「……?」 京太郎「お前には難しい話だったな、ごめん」 照「莫迦にしないで、私にもわかる」 京太郎「疑問符散々出してたやつが何言ってやがる……」 霞「京太郎くん、ちょっとこっちに来てくれるかしら、照ちゃんは卓に入ってて」 照「わかった」 京太郎「頑張れよ」 照「言われるまでもない」 京太郎「ははっ、そうかよ」 京太郎「で、何の話ですか?」 霞「連盟から連絡があってね、これ」 京太郎「えーっと、プロ・アマ交流戦監督に就任……?」 霞「今年の交流戦は学年対抗らしいのよ」 霞「各学年二チーム、プロは一チームと高麻連公認の選手、つまり私たち教員+プロの一チーム」 霞「合計八チームで行われるんですって」 京太郎「それで俺には二つ目の一年生チームの監督をしろ、と」 霞「そゆこと、あなたは兼任監督だけどね」 京太郎「じゃあ俺も打てるってことですか?」 霞「まあそうね、一年生の候補シートはその二枚目にあるから頑張って考えてね」 京太郎「はい!……てか決定事項なのかよ」 霞「それじゃあみんなのところへ戻りましょうか」 プロ・アマ交流戦、一年生チームBの兼任監督に選ばれました! 夕 京太郎「対戦方式はいつもとは違って四人制」 京太郎「先鋒、次鋒、副将、大将の四人と学生は二人の補欠」 京太郎「俺がどっかに入るとしてあと五人か……」 京太郎「部屋に戻って考えるか、誰かと帰りながら相談でもしようかな」 照「京、これで帰るの?」 京太郎「待ってたのか?」 照「べっ、別に京のことを待とうと思ってここに立ってたわけじゃないんだからね」マガオ 京太郎「その台詞をお前から、しかもそんな無表情で言われてもな……」 照「せっかく本読んで勉強したのに」 京太郎「その本はアテにならないから捨てておけ」 照「そうする」 照「京が好きな台詞とかは無いの?」 京太郎「好きな台詞?」 照「私に言われてみたいこと」 京太郎「そう言われてもなぁ……」 京太郎「俺が言われてみたいのはだなー」ゴニョゴニョ 照「……そう」 照「じゃあ、言うね……」 京太郎「……」ゴクリ 照「今日産婦人科行って来たんだ」 照「…………」 照「先生に言われたんだ……おめでただって」サスサス 京太郎(いいなぁこの一線越えた感じ)グッ 照「ごめんね、京まだ結婚できないのに」 京太郎「ん?」 照「私のせいで京に迷惑がかかる」 京太郎「おい、もう終わってるんじゃないのか」 照「ごめんね、ごめんね、子どもなんか作っちゃって」 照「もう京の目の前には現れないから、じゃあね」 京太郎「なんで鬱になってんだよぉ!?」 照「こっちの方が京が好きかと思って、あと本に載ってた」 京太郎「もうその本燃やせ」 照「でも、どうやったら子どもは腹にできるの?」 京太郎「…………」 京太郎「お前は純粋なままでいてくれ」 照「?」 京太郎「俺が言われてみたいのはだなー」ゴニョゴニョ 照「……そう」 照「じゃあ、言うね……」 京太郎「……」ゴクリ 照「今日産婦人科行って来たんだ」 照「…………」 照「先生に言われたんだ……おめでただって」サスサス 京太郎(いいなぁこの一線越えた感じ)グッ 照「ごめんね、京まだ結婚できないのに」 京太郎「ん?」 照「私のせいで京に迷惑がかかる」 京太郎「おい、もう終わってるんじゃないのか」 照「ごめんね、ごめんね、子どもなんか作っちゃって」 照「もう京の目の前には現れないから、じゃあね」 京太郎「なんで鬱になってんだよぉ!?」 照「こっちの方が京が好きかと思って、あと本に載ってた」 京太郎「もうその本燃やせ」 照「でも、どうやったら子どもは腹にできるの?」 京太郎「…………」 京太郎「お前は純粋なままでいてくれ」 照「?」 京太郎「俺が監督……ってことは女の子たちとウハウハできるのか……」 京太郎「ここは最近の女子高生の話を聞いておこう」 京太郎「できれば同学年で……片岡は論外、泉は身体の感覚おかしいし、もこもアテにならなさそうだし」 京太郎「淡も……あいつは寝てそうだな」 京太郎「咲に送ってみるか」 京太郎『元気かー』ピッ ヴーッ ヴーッ 咲『何なのいきなり』 京太郎『咲に聞きたいことがあったんだ』ピッ ヴーッ ヴーッ 咲『今小説のちょうどいいところなんだけど』 京太郎「懐かしい流れだな、ここは……」 京太郎『咲にしか頼めないことなんだ!お願いします咲様!』ピッ ヴーッ ヴーッ 咲『しょうがないなぁ、天使な咲ちゃんにお任せあれ!』 京太郎『どこが天使だよちんちくりんのくせに』ピッ ヴーッ ヴーッ 咲『へぇーそんなこと言っていいんだ?』 京太郎『ごめんなさい許してください俺の話を聞いてください』ピッ ヴーッ ヴーッ 咲『いいよ、何?』 京太郎『全国大会で可愛かった一年生おせーて』ピッ ヴーッ ヴーッ 咲『ねえ京ちゃん怒っていいかな?怒っていいよね?怒るしかないよね?怒らずにはいられないよね?』 京太郎『もちろん咲は可愛いと思うぞ、ちんちくりんだけど 咲を除いた子だと誰が可愛いかなって思ってさ』ピッ ヴーッ ヴーッ 咲『一言余計だよね でもそういうことならまずは』 京太郎「よし、咲の話を聞いて作ってみたぞ!」 岩手 南浦数絵 ポニーテールなクール系可愛い 東京 大星淡 天真爛漫だけど心が折れそうになった時の表情が可愛い ?慧宇 留学生で、日本語も上手、お団子が可愛い、胸もある(画像検索参照) 長野 片岡優希 タコス モモ 胸がある、可愛い 愛知 対木もこ 小柄で可愛い、どこか放っておけない感じ 大阪 二条泉 夏服はヘソ出しノースリーブの大胆ファッション、おびえたときの声が可愛い 奈良 高鴨穏乃 血気盛んなポニーテールっこ、案外小柄で可愛い 新子憧 モダンな雰囲気の女子高生、男が苦手らしい 兵庫 森垣友香 帰国生、胸もある、元気で可愛い 安福莉子 花のカチューシャ、高鴨に振り込んだときの顔が可愛い 鹿児島 滝見春 黒糖をいつも食べてる、ポニーテール?で胸もある、大人しいけどごくごく稀に見せる笑顔が可愛い 京太郎「ふぅ、こんなもんか」 咲『こんなところかな』 京太郎『参考になった!ありがとな、咲がいてくれてよかったよ』ピッ ヴーッ ヴーッ 咲『いつもよくそんなことが言えるね、それじゃあおやすみ』 京太郎『おやすみー』ピッ 京太郎「大会はクリスマスイブ、そのちょっと前に合宿を開くこともできるそうだ」 京太郎「日程とかも俺が考えなきゃいけないのか……面倒くさそうだな」 【12月第1週 平日】終 京太郎「候補リストは……これか」 京太郎「手順はメンバー六人、俺がいるから五人を選出」 京太郎「後に合宿、もしくは全員練習を行いオーダーを決定、連盟へ提出か」 京太郎「メンバーを先に決めなきゃならねえのが難点だな」 京太郎「候補リストは……これか」 岩手 宮守 南浦数絵 雀力124 東京 白糸台 大星淡 雀力124 臨海女子 ハオ慧宇 雀力136 埼玉 越谷 水村史織 雀力108 神奈川 妙香寺 三尋木咏 雀力132 長野 清澄 宮永咲 雀力156 清澄 片岡優希 雀力116 清澄 東横桃子 雀力128 愛知 覚山王 対木もこ 雀力112 奈良 阿知賀女子 高鴨穏乃 雀力124 阿知賀女子 新子憧 雀力132 大阪 千里山女子 二条泉 雀力120 兵庫 劔谷 森垣友香 雀力128 劔谷 安福莉子 雀力116 鹿児島 永水女子 滝見春 雀力124 京太郎「この中から選ぶのか……」 京太郎「詳細情報は次のページから、か」 京太郎「誰のを見てみよう」 京太郎「南浦さんは南場からの勢いが圧倒的、対照的に片岡は東場の勢いが強い」 京太郎「淡は他家の手を遅めてからの早和了り、ハオさんは随分と変な和了りをするみたいだ……なぜだ?」 京太郎「水村さんと安福さんと森垣さんはデータが少ないから何とも言えないが、森垣さんは帰国子女で高火力選手か」 京太郎「滝見さんは守備が堅いみたいだ」 京太郎「泉と憧は安定して上手いらしいな」 京太郎「……さて、誰を選ぼう」 京太郎「本気で勝ちに行くなら咲と淡は呼んでおこう」 京太郎「他の三人は……」 京太郎「咲、淡……」 京太郎「高鴨、と滝見さんが安牌か?」 京太郎「これで俺も含めて五人、っと」 京太郎「あと一人……どうしよう」 残留候補リスト 岩手 宮守 南浦数絵 雀力124 東京 臨海女子 ハオ慧宇 雀力136 埼玉 越谷 水村史織 雀力108 神奈川 妙香寺 三尋木咏 雀力132 長野 清澄 片岡優希 雀力116 清澄 東横桃子 雀力128 愛知 覚山王 対木もこ 雀力112 奈良 阿知賀女子 新子憧 雀力132 大阪 千里山女子 二条泉 雀力120 兵庫 劔谷 森垣友香 雀力128 劔谷 安福莉子 雀力116 京太郎「咏がこのリストにいるってことは麻雀はまだ続けてるってことなんだよな」 京太郎「…………」 京太郎「また、あいつと一緒に戦いたいな」 京太郎「……決めた!」 京太郎「咲、淡、高鴨、滝見さん、咏」 京太郎「これでいいよな、うん」 京太郎「でも咲の情報と照らし合わせると……」 咲→まな板 淡→大人しい 高鴨→平地 咏→せんべい 滝見さん→大きい 京太郎「…………」 京太郎「巨乳ハーレムかぁ、やってみたかったなぁ」 京太郎「まあいいや、次は合宿の日程だな」 京太郎「大会は三週間後で今週は無理らしいから来週か再来週のどっちかだよな」 京太郎「再来週から冬休みだからそこ使うか、他のところも大体そうだろうし」 京太郎「あれ?そういえば来週って……」 日程 12月第2週 期末試験 12月第2週休日 冬休み開始 12月第4週(冬休み11日目) プロ・アマ交流戦 京太郎「期末試験忘れてたぁぁぁぁあああ!!!!」 京太郎「合宿プランは三泊四日にして、旅館は温泉があるところにしとくか」 京太郎「次はいつから始めるかだけど……」 京太郎「真ん中辺りにやるか、その方が前も後ろも休めて楽だし」 京太郎「これを連盟に送れば第一段階は終わりだな」 京太郎「……明日から試験勉強しないと……」 【12月第1週 平日】終
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【冬休み一日目】 憧「朝から女子の……触るとかほんっとあり得ない!」 京太郎「寝相だったんだからしょうがないだろ!ってかそれが嫌なら布団離せばよかったじゃねえか!」 憧「そ、それは……っ」 京太郎「何だよ?」 憧「せっかく須賀が敷いてくれたのに悪いと思って……」 京太郎「…………」 憧「……ちょっとは、信じてたのに」 京太郎「……お、おう」 京太郎(何だろう、俺がとんでもないことやっちゃったみたいになってるんだけど……) 京太郎「じゃ、じゃあ俺朝飯作るから、新子さんは待っててくれ」 憧「御馳走様でした」 京太郎「お粗末さん、どうだった?俺の朝飯」 憧「……良かったと思うわよ」 京太郎「ん、そっか」 憧「それじゃ、もう帰るから」 京太郎「おう、またいつでも来いよ!」 憧「誰が来るか、べーっ!」 ガチャ バタム 晴絵「お前らー忘れ物は無いなー」 穏乃「はーい!」 玄「当然なのです!」 灼「問題ない」 宥「マフラーに、手袋に、セーターに、ちゃんちゃんこに、ホッカイロに、湯たんぽ、七輪……大丈夫です」 憧「七輪持ってるんだ!?」 晴絵「あ、そうだ、望から連絡があったんだけど三日くらい家族旅行に行くから憧はここに泊まってろだってさ」 憧「ここ、って……須賀の部屋に!?」 晴絵「石戸先生の家に泊まればいいさ、ひょっとして須賀くんの部屋が良かった?」 憧「そんなわけないでしょ!何なのよウチはもう……」 晴絵「ま、私たちも大阪観光するから、何かあったら連絡ね」 憧「ちょっ、なら私も連れて行ってよ!」 晴絵「ごっめーん、この車五人乗りなんだー」 玄「憧ちゃんもそろそろ男の子と仲良くなった方がいいと思うから、頑張ってね!」 憧「行き六人乗ってたよね!頑張るって何を!?」 宥「じゃあね~」 穏乃「憧なら大丈夫!」 灼「それじゃ……」 憧「しず!?宥姉に灼さんまで!」 ブロロロロロロ 憧「なんで、なんでこんなことに……」ガクッ 京太郎「新子さん?もう行ったんじゃないのか?」 憧「うるさいわよバカ!」ゲシゲシゲシゲシ 京太郎「暴力反対!脛痛いから!」 朝 京太郎「冬休みの初日だし、ジョギングに行こう」 京太郎「ふぅ……特に何もなかったな」 京太郎「今日から冬休み、頑張っていくぞー!」 昼 京太郎「昨日の鍋パーティー、憩さんたちがいればもっと楽しかったんだろうな……」 京太郎「…………」 京太郎「一回憩さんの家に行ってみよう」 京太郎「確かあっちの方だったよな」 【荒川邸】 京太郎「うわっ」 京太郎(なんつー豪邸だよ……) 京太郎(門大きいし、中も広そうだし、流石は大病院の院長ってか) 京太郎(でも、どうやって入ればいいんだ……?) 京太郎(ここは正面突破がベストだろうな) 京太郎(そうと決まればチャイムは……あった) 京太郎(指の腹でしっかりと押して……) 京太郎(…………) 京太郎(んんっ!?) 京太郎(押せない!押そうと思っているのにいざとなると緊張して押せない!) 京太郎(落ち着け……落ち着くんだ京太郎、モモたちの家に行くときのように……) 京太郎(深呼吸するんだ……) 京太郎(よし!)ポチッ ピンポーン 京太郎(押してしまったぁぁあっぁああ!!) 京太郎(やばい、どうしよう、同姓の他の人のだったらどうしよう!誰もいなかったらどうしよう!うわぁあぁぁあぁああ!!) 秘書『入りなさい』 ギギィィィィ 京太郎(あっ、開いた) 京太郎(門から家まで長い、一本道じゃなかったら迷うぞ……) 京太郎(ここにチャイムは……ないか) コンコン 京太郎「こ、こんにちはー、須賀京太郎というものですがー」 ガチャ 秘書「院長が貴方を待ってるわ、はやく上がって頂戴」 京太郎「お邪魔しまーす……」 秘書「で、今日は何をしに来たのかしら」 京太郎「憩さんについて聞きに来たんですけど」 秘書「貴方は、お嬢様に戻って来てほしいのかしら?」 京太郎「勿論です、憩さんも俺たちと同じ、清々荘の住人なんですから」 秘書「……そう」 秘書「この先に院長がいるわ、私はここまで」 秘書「それじゃあ、頑張って頂戴」ガチャ 秘書「院長、須賀様がお見えになられました」 京太郎(まずは元気のいい高校生でいってみよう!) 京太郎「こんにちはっ!」 荒川父「…………」ジロッ 京太郎(えっ、なにもう怖い、帰りたい、漏れそう) 荒川父「ははっ」 荒川父「元気がいいな、入りたまえ」 京太郎「はいっ!失礼します!」 荒川父「座るといい、それとそこの紅茶もどうぞ」 京太郎「はい、ありがとうございます」 荒川父「君が須賀京太郎君、そうだね?」 荒川父「話は憩と秘書から聞いているよ、それに国麻も見た」 荒川父「新聞で見た通り、なかなかいい顔をしているね」 京太郎「そうですか?そう言われると……照れますね」 荒川父「……それで、そんな君がここに何の用だい?」 京太郎「えっと、ですね……」 京太郎(今日は憩さんの話を聞きに来たんだよな……) 京太郎(秘書さんの『連れ戻した』っていうのも気になるし) 京太郎(それこそ、憩さんの『高校だけでも自由でいたいなー』っていうのも気になる) 京太郎(何を聞けばいいんだ?) 京太郎「まずお聞きしたいことがあるんですけど……」 荒川父「うむ、何でも聞きたまえ」 京太郎「じゃあ……憩さんを『連れ戻した』っていうのはどういうことなんですか?」 荒川父「それは憩から聞いていなかったかな、憩の試験の点数が悪かったからたるんでいると思って連れ戻したんだよ」 京太郎「……あ」 京太郎(そういえば憩さんもそんなことを言っていたような) 荒川父「君が聞きたいのはそれだけかい?」 京太郎(あれ?でも確か今回の憩さんの試験の成績は……) 京太郎「憩さんの成績、今回は1位でしたよね?」 京太郎「それなら、憩さんがここに住む理由はもうないのではないでしょうか?」 荒川父「…………」 荒川父「なるほど、君はやはり憩に帰ってきてほしいんだね」 荒川父「……だが、残念ながらそれはできない」 荒川父「ここから先は私たち家族の話なんでね、君の聞きたいことがそれだけなら私はそろそろお暇するよ」 荒川父「午後から診療があるのでね、さあ、どうする?」 京太郎「言われるがままに出てきてしまった」 京太郎「なんだか緊張したし、仕方ない、うん」 京太郎「それにしても、憩さんをこっちに返せない理由か……」 京太郎「お父さんはもう話してくれなさそうだし、他の人に聞くしかないか」 夜 京太郎「はぁ……疲れた」 京太郎「今日はあと何しよ……」 京太郎「…………」 京太郎「エイスリンさんを説得してみよう」 京太郎「……今ならエイスリンさん起きてるかな?」 京太郎「まずはエイスリンさんを誘ってみよう」 京太郎「場所は……霞さんの卓を貸してもらえばいいか」 京太郎「そうと決まればメールで……」ピッ 京太郎「…………」 京太郎「返ってこない……だと……」 京太郎「……はぁ」 京太郎「他のことしよ」 夜 京太郎「エイスリンさんからは返ってこないし……」 京太郎「他の人にメールしてみよう」 京太郎「今日家に行ったんだし、憩さんに何か言っておくべきかな」 京太郎「さてと、どう送ろう」 京太郎『今日憩さんのお父様へご挨拶に行きました』 京太郎「単純志向でいこう」ピッ ヴーッ ヴーッ 憩『ええっΣ(・□・;) お父さんそんなこと言ってなかったんやけど…… でもなんで?』 京太郎『憩さんがどうしてまだ実家に残っているのかを聞きたかったんですよ 結局よくわからないままなんですけどね』ピッ ヴーッ ヴーッ 憩『それは…… 京太郎くんでも無理、かも』 京太郎「やっぱり無理……なのか」 京太郎「けど、諦めずに聞けば聞きだせるかもしれない」 京太郎「……どうすればいい」 京太郎「…………」 京太郎『わかりました、家族の話ですもんね 込み入ったことを聞いてすみませんでした おやすみなさい』 京太郎「…………」ピッ ヴーッ ヴーッ 憩『こっちも……ごめんな おやすみ』 京太郎「なんで逃げたんだろ……」 京太郎「気を取り直して雅枝さんにメールしてみよう」 京太郎「監督のノウハウとかも聞いておきたいし」 京太郎「といってもそこまで統率力はいらないよな……?」 京太郎『こんばんは!須賀です! リーダーシップについてコツを教えて下さい!』ピッ ヴーッ ヴーッ 雅枝『なんや、藪から棒に』 京太郎『ほら、今度大会じゃないですか 俺が一年の監督になるんでそれに向けての志?を教えてほしいな、と』ピッ ヴーッ ヴーッ 雅枝『そういうことか、なら――――』 雅枝『――――ということを念頭に置けばええと思うで』 京太郎『なるほど、わかりました!』ピッ ヴーッ ヴーッ 雅枝『夜遅くまで感心やな ゆっくり寝るんやで』 京太郎『ありがとうございました!』ピッ 京太郎「よしっ、何かがつかめた気がするぞ!」 【冬休み一日目】終 【冬休み二日目】 京太郎「布団から出たくねえ……あったけえー」ヌクヌク 京太郎「はぁ……何もしたくない……」 朝 京太郎「このままでいると体に悪そうだからちょっとでかけるか」 京太郎「……やっぱりやめようかな」 京太郎(本屋まで来てみたけど……) 京太郎(寒いから中に入ろう) ウィーン 京太郎(あったけ~) 京太郎「……あ」 照「京?」 京太郎「朝から本屋って凄いな、感心するぞ」 照「そうかな、用は済んだから私は帰るけど、京は何をしているの?」 京太郎「あー、俺はちょっと寄り道をな」 照「……そう、じゃあね」 京太郎「ん、またな」 ウィーン 京太郎「朝から照と外で会うとはな……」 京太郎「あれ?今のは照も誘って一緒に散歩すればよかったんじゃないか?」 散歩へ行った! 昼 京太郎(これからどうしようって思ったけど……) 京太郎(このまま何かがつっかえたままなんて嫌だ) 京太郎(ってなわけで来ちゃった……) 【荒川】 京太郎(やっぱり広いなぁ……) ピンポーン 秘書『今日は何の用?』 京太郎「今日は……」 京太郎「憩さんのお父さんとまた話せればな、と」 秘書『冬休みの昼間から御苦労なことね、遊びに行く友だちとかはいないの?』 京太郎「遊びに行くほどの友だちは……いないです」 秘書『そう、院長に聞いてみるわね』 京太郎「今の件必要だったんですか!?」 秘書『一寸そこで待っていて頂戴』 京太郎「はい」 秘書『今日は無理だそうよ』 京太郎「そうなんすか……じゃあ……」 京太郎「もう帰りますね」 秘書『あら、てっきりお嬢様を押し倒しに来たのかと』 京太郎「こんなところでするわけないでしょう、というかそんなことしませんから!」 秘書『それでも本当のところは……』 京太郎「機会があれば、そりゃあ……」 秘書『ですって、お嬢様』 京太郎「えっ!憩さんそこにいるんですか!?」 秘書『いないわよ、何を言っているの』 京太郎「何なんすかもう……」 秘書『またのお越しをお待ちしております』 京太郎「話ぶったぎった!?ってそうじゃない」 京太郎「こちらこそ失礼しました」ペコッ 京太郎(今日は無理かぁ、今度行けばまた話せるかな……) 夜 京太郎「今日も誰かにメールしてみようかな……」 京太郎「そういえば明日から合宿じゃねえか、後で準備しないとな」 京太郎「チームは違うけど、もこにしてみよう」 京太郎「そういえば他のチームはどこに泊まるんだろう?」 京太郎「俺らと同じところだと鉢合わせできるかもしれないけど……」 京太郎『もこ、起きてるか? 俺のチーム明日から合宿なんだけど もこだったらお菓子に何持っていく?』ピッ ヴーッ ヴーッ もこ『舌が纏う磯海の香り、伯方の味』 京太郎『のりしお味か、俺はガーリックが好きだな』ピッ ヴーッ ヴーッ もこ『ガーリック……それならコンソメの方が美味』 京太郎『コンソメかー、安定だよな 他には何が好きなんだ?』ピッ ヴーッ ヴーッ もこ『祖国の母の味、漆黒の実』 京太郎『ココアの方か、それは俺も好きだな』ピッ ヴーッ ヴーッ もこ『京太郎はよく解している 合宿頑張って』 京太郎『そっちもな! お互い試合も頑張ろうぜ!』ピッ ヴーッ ヴーッ もこ『おやすみなさい』 京太郎『おう、おやすみ』ピッ 京太郎「次は……憩さんだな」 京太郎「でも昨日も送ったしな……」 京太郎『大会頑張ってきます、超応援してください』ピッ 京太郎「大会までは……あと十日くらいだな」 ヴーッ ヴーッ 憩『ちょっと気早ない? それに京太郎くんが敵やったら応援しいひんで』 京太郎『そうなったら憩さんに見せつけてあげますよ 俺の凄い所!図太く逞しく憩さんが涙目になるまでにね!』ピッ 京太郎「憩さんはどっちのチームなんだ?」 京太郎「つっても、どうせ決勝戦で当たるよな」 ヴーッ ヴーッ 憩『京太郎くん……いくら夜やからってはっちゃけすぎやない?』 京太郎「どういう意味だ?」 京太郎『はっちゃける、ってどういう?』 一時間後 京太郎「……全然返って来ない」 ヴーッ ヴーッ 京太郎「噂をすれば、か」 憩『返すの遅くなってごめんなー 京太郎くんはこんな遅くまで起きてないで早く寝るんやで』 京太郎『憩さんこそ、クマ作ったりしないでくださいよ それではおやすみなさい』ピッ ヴーッ ヴーッ 憩『おやすみー』 京太郎「ホントに憩さん何やってたんだ?」 京太郎「まあ真面目な憩さんのことだし勉強でもしてたんだろ」 京太郎「俺も明日のために少し打って寝よう!」 【冬休み二日目】終 【冬休み三日目】(合宿一日目) 11:00 京太郎「寒っ!東京寒っ!」 京太郎「夏はあんなに暑かったのに冬はここまで寒いのかよぉ」 京太郎「移動諸々含めて全員住所バラバラだから12時にホテル集合ってことにしておいたんだけど」 京太郎「用心に用心を重ねて11時に着いてしまった……」 京太郎「誰か来ないかな、そうすれば時間も潰せるのに……」 京太郎「へっくしょん!」 京太郎「なんか足元が凍えてきた気がするぞ」ガクガク 京太郎「そういや股間と脇の間は血管があるからあったかいんだっけ」 京太郎「こうなったら直接……」ゴソゴソ 咏「…………」 京太郎「ほぁーあったけぇ~……」←手を第三階層へ 咏「…………」ジーッ 京太郎「…………」 咏「何やってんだよお前……」 京太郎「ち、違う!これは俺のせいじゃないんだ!」 咏「両腕股間に埋まってろ!」ゲシッ ゴキィィィン 京太郎「あふっ」 京太郎「ふぅ、ようやく収まって来たぜ」 咏「みっともねえからやめろよな、あーゆーこと」 京太郎「それもそうだなー」 咏「んで、最近どうなのさ」 京太郎「どうって、部活か?」 咏「んーまあ、それもあるし……あとは……京太郎のこと、とか……知らんけど」 京太郎「最近って言われてもなぁ……」 京太郎「やっぱり、咏がいなくて寂しかったかな」 咏「えっ……」 京太郎「みんなで銭湯に行ったり、鍋パーティーやったりしたんだけどさ、なんか物足りなかったんだよ」 京太郎「俺につっかかってくる咏がいなくて、学校でもお前がいないと変な気分だった」 咏「……そっか」 京太郎「そーなんだよな、咏がいないとテストの範囲が分からなくなって困るし、勉強の相談もできないし」 咏「おい」 京太郎「ま、何だかんだで俺は元気にやってるよ、そっちはどうなんだ?」 咏「おい、流すんじゃねえよ」 咏「こっちも……まあ悪かないかねぃ」 京太郎「そっか」 咏「あっ……私も……」 京太郎「ん?どした?」 咏「私も、京太郎がいなくて……」カァァ 京太郎「あん?もうちょいちゃんと声出せよ」 咏「寂しかったんだよ!京太郎がいなくて!」カァァ 京太郎「どうどう、落ち着けー咏ー」 咏「なんだよ!なんだよぉー!」ブンブン 京太郎「はーい、ストォーップ」ガシッ 咏「頭押さえるな!新喜劇かよぉーっ!」ブンブン スカスカ 京太郎「あはははははは」 咏「笑うんじゃねー!」ブンブン スカスカ 京太郎「これで全員揃ったか?」 咏「ひーふーみー……そうなんじゃね?知らんけど」 春「…………」ポリポリ 穏乃「宮永さん久しぶり!」 咲「ひ、久しぶりだね」 淡「たかかもしずの!ここで会ったが百年目!覚悟しててよ!」 京太郎「……なんか個性的な面子揃えちゃったな……」 昼 京太郎「えっと、俺が選手兼任監督の須賀京太郎です」 京太郎「この度は遠路はるばるお集まりいただき……あ、何て言うんだっけ?」 咏「そーゆーのいーから、まずは何すんだよ」 淡「はいはーい!私、人生ゲームやりたーい!」 咲「大星さん、私たち合宿に来たんだよ?」 淡「もーサキサキはわかってないなー」 咲「サキサキ?」 春「……合宿だからこそ遊ぶ」ポリポリ 淡「おぉ!タキミンわかってるね~」 春「…………」ポリポリ 穏乃「それで、何するの?」 京太郎「普通に練習だ」 淡「えー!つまんないよ!ぶー!ぶー!」 京太郎「まずはどれだけ打てるかを見たいからな」 淡「そんなんこの淡ちゃんが一番に決まってんじゃん!」 京太郎「その一番を決めようって話なんだけどな」 淡「それでも私が一番なんだけどね~」 咏「さあどうだろうねぃ、威勢だけなんじゃねえの?」 咲「打つなら本気で打つよ?」 穏乃「私も精一杯頑張る!」 淡「……ふん!蹴散らしてあげるもんね!」 京太郎「んじゃ、まずは咲と高鴨と咏と滝見さんで打っててくれ」 咏「へいへーい」 穏乃「頑張るぞー!おー!」 咲「よろしくお願いしまー……す」 春「…………」ポリポリ 淡「ねえ私は!?私も打ちたい!打ちたい!」 京太郎「お前は後だ、今は俺と特訓だ」 淡「えぇ~京太郎と~?」 京太郎「なんだよ不満か?」 淡「ま、私の厚意に感謝することだね」 京太郎「なんでお前が上から目線なんだよ」 咲「ロン、1300です」 淡「やっぱり私もあっちで打ちたい!」 京太郎「どっちなんだよ」 淡「でも京太郎に教えてもらうっていうのも……」ウーン 京太郎「考え事はいいから、次の問題行くぞ」 淡「こんな何切るなんかやったって、どうせダブリーかければ済む話だもん!」 京太郎「お前はダブリーと絶対安全圏に頼りすぎなんだよ」 淡「そっちの方が楽だし強いじゃんかー」 京太郎「実際はそうかもしれんが、素の力も重要だぞ」 京太郎「咲や照みたいに上手くなって、その力があればもっと速く強くなれる」 淡「そうなの?」 京太郎「多分な、やる気になったか?」 淡「ふふっ、しょうがないなーそこまで言うならやってあげよう!」 淡「ぐへぇー集中するの疲れたー」 京太郎「こんだけなら……まあ十分か」 咲「ツモ、1700オールです」 京太郎「あっちは咲の七連荘で終わってないみたいだな」チラッ 淡「もう何もしたくなーい」グデー 京太郎「起きろ、淡」 淡「えーなにさー」 京太郎「もうちょい続けるぞ」 淡「んぅぅ……こんなのアレだよ!過剰労働だよ!ブラック企業だよ!白糸台とは真逆だよ!」 京太郎「ホワイトだけに、ってか?」 淡「そーそーホワイトだけにね!……ってネタばらししないでよ!」 京太郎「うん、元気みたいだな、じゃあ続きやるぞー」 淡「ぐぬぬ……」 京太郎「次の問題行くぞー」 淡「…………ぐぅ……」 京太郎「おーい、淡ー」 淡「むにゃむにゃ……もう食べられないよぉ……」 京太郎「くっ、なんだこのテンプレ的な寝言は……」 京太郎「けど幸せそうに寝てるし、邪魔するのも悪いな」 京太郎「風邪引かないように上着かけて、っと」 淡「……んぅ……おいしぃ……」 京太郎「お疲れさん」ナデナデ 京太郎(……夢の中のこいつは何食べてんだ?) 淡「きょうたろーのうで……おいしぃ……」 京太郎「」 咲「ロン、1000は4000です」 咏「十本場ってどういうことだよ……」 穏乃「くそぉ、勝てなかったー……」 春「…………」 咲「京ちゃん、こっちは終わったよ!」 京太郎「ん、お疲れさん」ナデナデ 淡「すぅ……」 咲「京ちゃん、大星さんに何してるの?アイスティーに睡眠薬でも入れたの?」ムッ 京太郎「どういう発想なんだよ、疲れて寝ちまったみたいでさ」ナデナデ 咲「それで、私たちはどうすればいいの?」 京太郎「んーそうだな……じゃあ各自自由時間、休憩ってことで」 咲「はーい」 カポーン 京太郎「ぱぱっと風呂入ってゆっくり休むかなー」 京太郎「今日は淡と咏の相手で疲れたんだよな……」 京太郎「それにしても、学年選抜の合宿で温泉貸切にできるってすげーな……」 京太郎「おまけに男子は俺一人だし、ゆっくり―――」 ガララ 京太郎(男子は俺一人のはずだけど……誰だ?) 京太郎(ひょっとすると滝見さんか……?)クルッ 臨海「…………」 京太郎「…………」 臨海「キョウタロウ、言い残すことは無いか?」ニコッ 京太郎「俺がお仕置きされる方なんですか!?そっちが後でしょ!?」 臨海「確かにそうかもしれないが、今現在キョウタロウは私の裸を見ているわけだ」 京太郎「なら隠しましょうよ!隠してくださいよ!」 臨海「問答無用!」 京太郎「理不尽すぎる!」 ブオン 京太郎(何これ速っ!?) 京太郎「グヘアぁっ!」 ドバァァァァアアン 京太郎「うっ……」ズキッ 臨海「ようやく目が覚めたか」 京太郎「監督さん……ここは……?」 臨海「浅めの風呂があったから連れてきたんだ」 臨海「よくよく考えると私が悪かったな……すまなかった」 京太郎「だからそう言ったじゃないですか……」 京太郎(あれ?ちょっと待てよ?) 京太郎(俺の目の前には監督さんの顔と、白い物体) 京太郎(頭の下はやたらと柔らかいものがある……ってことは……)チラッ 臨海「元気になったか?」ナデナデ 京太郎「膝枕ぁ!?」ガバッ 臨海「!」ビクッ 臨海「…………」 臨海「キョウタロウ…………?」 臨海「膝枕なんて……嫌、だったか?」 臨海「こんな年増の膝枕なんて、嫌だったか?」ウルウル 京太郎(なんで泣きそうになってんのこの人!?) 京太郎「そんなことないですよ!気持ち良かったです!むしろずっとしてほしかったですけど、誰かに見つかるかもしれないじゃないですか!」 臨海「あう……それはそうだな……」 臨海「……わかった、後はゆっくりしていてくれ。私は先に上がるよ」 京太郎「あ……はい」 ガララ ピシャッ 京太郎「…………」 京太郎(膝枕気持ち良かったなぁ……) JR京太郎「激しく同意」 京太郎(…………抜いとくか) 京太郎「ふぅ……すっきりした……」 夜 京太郎「また練習するぞー」 穏乃「その前に卓球したい!」 淡「もう寝たーい」 咲「二人とも、京ちゃんの言うこと聞こうよ」 咏「ま、初日だしこんなもんじゃねえの?」 春「…………」ポリポリ 京太郎(滝見さん全然しゃべらないな……) 淡「ようやく私の番だね!」 春「早くサイコロ振って」ポリポリ 淡「何それおいしそー!ちょーだい!」 春「…………」ウーン 春「……考えておく」ポリポリ 穏乃「今回こそ勝つ!」 咲「私も負けないよ!」 京太郎「―――と、まああっちの四人は打たせておいて」 京太郎「俺たち何する?」 咏「べっつになんでもいんじゃね?知らんけど」 京太郎「そんじゃあ茶でも飲みながらまったりするか」 咏「それいいねぃ~、んじゃそれにしよっか」 京太郎「咏って、どうして神奈川に帰ったんだ?」 咏「何だよ藪から棒に……」 京太郎「だって、急すぎやしないか?」 京太郎「ついこの前ゴキブリを退治したと思ったら、お前はもう部屋にいないんだから」 咏「……京太郎なら、そう言うと思ってたよ」 咏「私さ、地元が嫌だったから大阪まで逃げたんだよ」 咏「半年間っていう条件付きでさ」 京太郎「半年……?」 咏「まあ国麻もあったから、厳密には七か月くらいだったんだけどねぃ」 京太郎「たった半年って、何だよそれ」 咏「それだけでも、私は十分楽しかったぜぃ」 咏「私の実家、三尋木屋って知ってっか?」 咏「元々呉服屋とかやってて、今は関東を中心にデパートとかもやってんだけどさ、私はそこの社長令嬢なわけなんよ」 京太郎「……は?」 京太郎「お前が金持ちの社長令嬢?」 京太郎「そんなこと聞いたことねえぞ」 咏「だーぁって言ったことねえもーん」 京太郎「お前なぁ……」 京太郎「結局、お前が清々荘に帰ってくるのには親の許可が必要ってことなのか?」 咏「んー……そうなんじゃね?」 京太郎「……そうか」 京太郎「一筋縄じゃ、いかないみたいだな」 淡「うがー、勝てなかったー」 京太郎「どんまいどんまい」 淡「ダブリーかけたらサキサキがタキミンの見え見えに振り込んじゃうし、絶対安全圏も効いてないみたいだし……」 京太郎「じゃあ俺と特訓して強くなろうぜ!負けっぱなしなんて嫌だろ?」 淡「そうなんだけどさー……眠いんだよねー……」 京太郎「あと一時間くらいなんだから頑張れよ」ナデナデ 淡「んむー……京太郎が言うなら頑張らないこともないけどさぁ……」 淡「……ねえ、私って強くなれるかな?」 京太郎「そりゃなれるんじゃねえの、いつもの淡のやる気があればもっと強くなれるさ」 淡「いつもの私?」 京太郎「天上天下唯我独尊!みたいな感じで、自信満々の淡なら大丈夫だ」 淡「サキサキにも勝てる?」 京太郎「もっと努力しないとダメだけどな」 淡「しずのにも勝てる?」 京太郎「手加減したり油断しなきゃ勝てるはずだ」 淡「自信、か……」 淡「わかった!頑張ってみる!」 淡「ダメ……疲れた……眠い……」 京太郎「ギリギリ一時間……もうそろそろ上がるか」 京太郎「部屋はここをそのまんま使うんだよな」 穏乃「ツモ!2000オール!」 京太郎「あいつらが終わるまでに布団敷いておくか」 穏乃「わっはー!お布団ふっかふかー!」 京太郎「高鴨ー、ちゃんと歯磨きして寝ろよ」 穏乃「はーい!」 咏「六枚布団敷いてっけど、どう寝るん?」 京太郎「あっ、そういえば……」 | 京 | 淡 | 春 | ↓ ↓ ↑ ↑ ―――――――――― A B C D | 穏 | 咏 | 咲 | ↑ ↓ ↓ ↑ 淡「それじゃー何話そっか!」 京太郎「話そっか!じゃなくて大人しく寝ろよ」 淡「だって合宿だよ!?六人部屋だよ!?寝る前にすることと言ったらガールズトークしかないでしょ!」 京太郎「俺はボーイなんだけど……」 穏乃「あーそれ憧がよく言ってたなー」 淡「でしょでしょ!さあ話そうよ!」 京太郎「頼むから静かにしてくれ……」 咏「ガールズトークっつっても何話すんだ?」 淡「やっぱりここは恋の話でしょ!ウタはわかってないな~」 咲「そういうものなの?」 淡「そーゆーもんなの!」 春「…………」 春(黒糖食べたい) 春(でも歯磨きしちゃったから無理……)ガクッ 淡「タキミンもこっち来なよ!」グイッ 穏乃「恋の話って言っても私んとこ女子高だから何にもないんだよねー」 淡「こっちは共学だけど男の方が情けないんだよー、私に見合う男はどこにいんだろ」 咏「お前の程度が低いだけなんじゃね?知らんけど」 淡「そういう咏はどうなの?……あっ、咏みたいなのに寄ってくるのは性犯罪者くらいしかいないかーごめんごめ~ん」 咏「ふんっ、こっちだって彼氏の一人や二人……」チラッ 京太郎「咏は彼氏いたことあるのか……」 咲「京ちゃんの方こそ、あっちでたくさん女の子ひっかけてそうだけど?」 京太郎「俺が女子をひっかける?ないないノーウェイノーウェイ」 京太郎「一緒に昼飯食う友だちはおろか、一緒に帰る友だちもいないんだぜ?」 咲「へ、へぇ……」 咲「……ごめん」 京太郎「謝るな!なんか惨めになる!」 穏乃「じゃあ須賀は好きな子とかいないの?」 咏「!」 咲「!」 京太郎「ん?俺か?そうだなー……」 咏「……」ゴクリ 咲「……」ゴクリ 京太郎「照、かな」 咏「は?」 咲「ひ?」 淡「えー、テルー?」 春「……インターハイチャンピオン」 淡「テルーが好きって、それちょっとおかしいんじゃないの?」 京太郎「お前も十分おかしいだろうが」 咲「ねえ京ちゃん、京ちゃんはお姉ちゃんのどこが好きなの?」ゴゴゴゴゴゴ 京太郎「あ、あのー、咲さん?いや咲様?背中から何やら悍ましいものが……」 咏「それは私も聞きたいところだねぃ」ゴゴゴゴゴゴ 京太郎「咏まで!?なんでそんなに怒ってるの!」 淡「まーまーネタの一つってことでー」 京太郎「ぐ……それはだな……」 京太郎「んっと……そうだな……」 京太郎(不安で放っておけないっていうのもあるし、それに反して頼りになるあのかっこよさ) 京太郎(などなどいろいろあるけど……) 咲「ねえ、京ちゃん?」 京太郎「なんd……!?」ビクゥ / .. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .\ / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ヽ . ' . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .゚。 . ' . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ゚。 . ' . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ./ . . . . . . / . . . . i . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .゚ . ' . . . . . . . .. . . . . . . . . . . . . . . . . . . ' . . / . . . . . / . . . . . i . ,| i . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ゚ . ' . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ' . . .′ . . . /i . . . . ,|ノ | ト、 . i . . . . . . . . . . . . . . . . ゚ / . . . . . . . . i . . . . . . . . . . . . . . . .. ' . . | . . . . . ' | . . . / | | | ヽ . . ト、_ . . . . i . . . . . . . . . ゚ ./ . . . . . . | . . . . . . . . . . . . . . ' . . | . . . . ' | . . . | | |_」 -| . .Τ 丶 i | . . . . . . . . ハ / . . . . . /| . . . . . . . . . . . . . ' . . . | . . . . ' | . . . | |/| ,′ | . ./ Ⅵ | . . . . i . . . ./∧ ./ . . . . 'フ . | . . . . . . . . . . . . i. . . . | . . . . ' | . . . .i '| |' . . 」ィ芹丐 Ⅵ| . . ∧ . // . .i / . . . '´ / . ∧ . . . . . . . . . . . . |. . . ∧ .;. ′ | . . / |' . .x豕刋 芍⌒マⅥ . ∧ V .'i . . | ./ . . '´ ' . . / ∧ . . . . . . . . . /|. . . ' V ;| | . / . . . ,狄i[_ o -i| . . }! | / i i . | . ′ / . '´ .i . /i/ ∧ . . . . . . . / | . . . .' ∨| | / . . . . . .汽,. 、汐 . . リ .|イ / / . . | . ′./'´ .| . / .| / ∧ . . . . . . i′ | . . .;' V| |' . . . . . . . .`¨¨´ ' ' / |_/ / . . . |/ .| / | ./ ∧ .. . . . . | | . / ゙| . . . , '´ .| / . ∧| .|' .| / ./ .∧ . . . . | | / . .; ´ |イ . . ./ .| .| | / . / ∧ . . . . Ⅳ |' -‐--- '´ ' /i/ .| / . / /i . \ . . .| iム / 、 イ /| .| . ./ / .| . . . .\ .从_ムー---‐ ´ .イ '! / .| / ./ .| . . . . 厂 ´ト、. ヽ _.. / / |′ .|' ./ | . . . ∧ . /| . `¨¨へ '´ ./ iル′ .|/' | / ∨ !、 . / |>o。_ / .!-ー-- .._ {. | ./ ∨{. Y/ | . . . ./i . ¨7 T¨¨¨¨¨¨´ ^ー 、 ` ̄ 咲「早く答えてよ」 京太郎「ヒィッ!」 咲「ねえ、早く」 京太郎(なんで微妙に遠いのにあんなに怖いんだよ!なんだよあの目力!) 京太郎「……嘘でした」 咲「そ、良かった」 _____ ... ´ ` .. / 、 / \ 丶 / \ \. ′ |. .| ヽー'⌒ | i i l i l\ | | | | ∧ | . l .i l⌒ヽ. .| | | |匕Ⅵ /ト、 /从 | | | 八 .i | { V ノ ∨ ,ィ | |. ヽ 从 _ ≠⌒ Ⅵ /} \ {⌒\ .{ r==ミ , Y 乂 \r' uノ 丶、 _ー‐、 r‐ ー' フ / _ヘr─ァ、ー ┬ 、 ≦-─、 京太郎(恐い!その笑顔すら恐いっす咲さん!) 【冬休み三日目】(合宿一日目)終了 【冬休み四日目】(合宿二日目) 京太郎「ん……ふぁぁ……」 京太郎(起床は8時にしておいたけど今は……) 京太郎(まだ7時か、起きようかな) 京太郎「……?」 京太郎(体の周りに変な感覚…………) 京太郎(何なんだ?) 京太郎(胸にあるのは……顔?頭?) 京太郎(腹に巻きついてるものがあって、腰には何やらやわらかいものが……って!) 京太郎(何ですとぉっ!?)ガバッ 春「…………くしゅん!」 春「…………」パチクリ 京太郎「…………」ゴクリ 春「…………何してるの?」 京太郎「それはこっちの台詞のような気がしないでもない」 京太郎(そっか、髪下ろしてるのか) 京太郎(ポニーテールも可愛かったけどこれもこれで可愛いな」 春「…………」ジトッ 京太郎「何でそんな目で見てるんですか……」 春「霞が言ってた、須賀京太郎は胸のある子には野獣だから気を付けてって」 京太郎「くっ、またこうして俺に対する誤解が生まれたのか……」 春「……今何時?」 京太郎「まだ7時だけど、どうする?」 春「…………寝る」ギュッ 京太郎「えっ、なんでそれで抱き着くの」 春「須賀君は抱き枕役」 京太郎「抱き枕に役なんて無いと思うけど……」 春「学芸会の石ころ役、みたいな」 京太郎「何だよそれ!その役の子可哀想だろ!端役にも程があるだろ!」 春「……うるさい」 京太郎「……すまなかった」 春「わかればいい、おやすみ」 京太郎「ん、おやすみ」ナデナデ 春「!」ビクッ 京太郎「すまん、寝やすいだろうと思ったんだけど……嫌だったか?」 春「……続けて」 京太郎「……なあ、一つ聞いてもいいか?」 咲「何かな?」 京太郎「どうして俺は布団に巻かれているんだ?」 咲「滝見さんを布団に連れ込んで抱きしめていた京ちゃんを罰するためだよ」ニコッ 京太郎「いや待て俺は何もしていないんだけど」 咲「小説の犯罪者って大体そう言うよ」 京太郎「無実だ!俺は無実だ!」 咲「じゃあそんな京ちゃんへの罰を言い渡しまーす」ニコニコ 京太郎(目が笑ってない!目が笑ってないぞ咲!) 咲「そーれーはー」 京太郎「」ゴクリ 咲「朝ごはん抜き!」 京太郎(意外に軽い!?) 朝 淡「はーおいしかったー!」 穏乃「朝からラーメン食べられるなんて思わなかったなー」 咏「和食まで充実してたしすげーよなここ」 京太郎「腹減った……」グゥゥゥ トントン 京太郎「ん?」 春「……須賀君、黒糖」 京太郎「いいのか?」 春「…………」コクッ 穏乃「今度は私が須賀に教わる番だね!」 京太郎「おう、ビシビシ鍛えてやるぞ」 穏乃「おっし!それじゃあ走りに行こう!」 京太郎「えっ、はっ?なんで!?」 穏乃「ほらほら!遅かった方が速かった方におごるんだからね!」 京太郎「おい!待てって!せめて下は穿けって!」 穏乃「大丈夫大丈夫!スパッツ穿いてるから!」 京太郎「風邪引いたら困るから穿けって!」 穏乃「風邪引いたことないから大丈夫だって!」 京太郎「何なんだよこの健康優良児!」 京太郎「ごらぁぁあぁ!待てぇぇええ!」ダダダダ 穏乃「男子のくせに足遅いよー!」タッタッ 京太郎「つーか真面目に麻雀しろよ!」ダダダダ 穏乃「私は走れば走るほど強くなるんだよー!」タッタッ 京太郎「そんなバカなことがあるかー!」ダダダダ 晴絵「おっシズじゃーん!」 穏乃「え、赤土さん!?」キキーッ 京太郎「どうしてここにいるんですか?」キキーッ 晴絵「そっか、シズたちも昨日から合宿だったっけ」 晴絵「で、何してんの?」 京太郎「高鴨がジャージの下を穿いてないのに部屋から飛び出していったんですよ」 穏乃「いやぁーちょっとストレス解消に」 晴絵「なるほどなるほど、じゃあシズは私たち二人でしごこうか」 穏乃「え゙っ」 京太郎「よーし、覚悟しろよ高鴨ー!」 穏乃「えええっーーー!」 京太郎「走ったらまた腹減ったぞ……」 淡「それじゃあ私との練習は無しってことで!」 京太郎「それはダメだ」 淡「戦士にだって休息は必要なんだよ!」 京太郎「そういうことは真面目に戦ってから言え」 淡「飽きたー!」 京太郎「昨日の勢いはどうしたんだよ」 淡「きょーたろーの言うことはわかってるよ?」 淡「だけどやる気が湧かないって言うか……何だろ、よくわかんないんだよね」 京太郎「じゃあ頑張ったら俺が何かしてやるよ」 淡「何か、って何でもいいの?」 京太郎「可能なことなら何でもいいけど」 淡「そっかーきょーたろーに何でもかぁ~」 京太郎「特訓始めるぞー」 淡(やっぱり一緒に買い物とか?それともタキミンみたいに一緒に寝てもらうとかも……)ホワホワ 京太郎(あ、これダメなパターンのやつだ) 朝 京太郎「まだまだ練習するぞー!」 咏「いくらなんでも根詰めすぎなんじゃねーの?」 京太郎「三泊四日なわけだし、まだまだこれからだ!」 穏乃「そうそう!まだまだ頑張ろう!」 淡「なんで熱血麻雀バカが二人もいんだろ……」 春「……黒糖おいしかった?」 京太郎「ああ、さっきはありがとな」 春「……どういたしまして」 春「…………」ポリポリ 京太郎「…………」 春「…………」ポリポリ 京太郎(滝見さんって大人しそうだけど、虫とか見たらおびえるのかな?) 京太郎(怪談とかは霞さんと同じ巫女さんだから大丈夫だろうけど) 京太郎(普段無口な子がふとした拍子で出しちゃった声とか可愛いんだよな……)チラッ 春「…………?」ポリポリ 京太郎(ポニーテールでうなじも綺麗だし、胸も大きい、顔も可愛い) 京太郎(あの四人とは大違いだな) 咲咏淡穏「くしゅん!」 春「……須賀君、教えて」 京太郎「お、ああ、ごめんごめん」 京太郎(でも無表情なのが難点か) 春「……さっきから何考えてるの?」 京太郎「いや、なんでもないぞ!これっぽちも考えてないぞ!」 春「……そう、ここ教えて」 京太郎「えっと、ここはな―――」 咲「京ちゃんは対局やらないの?」 京太郎「あっちは牌譜を見て、こっちでしっかり個人を見る!」 京太郎「どうだ、監督らしいだろ?」 咲「そうなのかな?よくわかんないけど……」 咲「見るって、滝見さんの時はどこを見てたんだろうね?」 京太郎「もちろん滝見さんの腕とかを見ていたさ!」 京太郎(細くて白かったなぁ) 咲「へぇ……腕ねぇ……」 咲「普通、そういうときは腕前っていうものだと思うけど」 京太郎「ぎくっ」 京太郎「……ってかさ、咲、お前さっきから滝見さんのことばっか気にしすぎじゃね?」 咲「ぎくっ」 咲「それは……京ちゃん昔から大きい方が好きだったし……」 咲「私なんかよりもずっと見てることが多かったし」 咲「それが気になるっていうか、不満だったの!悪い!?」 京太郎「なんで逆ギレしてんだよ……」 京太郎「ま、安心しろ」 京太郎「ちゃんと咲のことは見てるから、な?」 咲「……優しいなぁ、京ちゃんは」 京太郎「だろ?もっと俺を信じろって!」 咲「それでも朝のことは許さないけどね」ジトッ 京太郎「だから俺は何もしてないって言ってるだろ!」 咲「さあどうだか、京ちゃんのことだもん」 京太郎「お前なぁー!こうしてやるぞ!」フニフニ 咲「いひゃいよ!ほっへふはははいへよひょうひゃん!」 京太郎「苦しめ苦しめげっへっへ!」 咏(真面目に練習しろよあいつら……) 夜 京太郎「いてて……」ヒリヒリ 京太郎「なんで頭叩くんだよ!」 咲「京ちゃんが放してくれないからでしょ!」 京咲「「むむむむむ!」」ジーッ 穏乃「二人とも落ち着いて、ビークールだよ?」 咏「あいつら仲良いな……」 京太郎「次は滝見さんの番だな」 春「またよろしく」ポリポリ 京太郎「滝見さんは高鴨や淡とは違って、言うこと聞いてくれるからやりやすいよ」 春「……そういうといやらしく聞こえる」 京太郎「そういうつもりじゃなかったんだけどな、あはは」 春「…………」ポリポリ 京太郎「なあ、滝見さん?」 春「……何?」 京太郎(話しかけられときは食べやめるんだな) 京太郎「結構好きなんだな、黒糖」 春「これがないと生きていけない」 春「むしろ生きているから食べる」 春「いわば対価」 京太郎「食べないとバターみたいに溶けるってか」 春「黒糖の無い人生なんて無い方がマシ」 京太郎「そこまで好きなのか……」 春「うん、大好き」ニコッ 京太郎「」ドキッ 春「……どうしたの?」 京太郎「い、いや、なんでもない」 春「次の問題は?」 京太郎「次は……これだ」 春「考えてみる」 京太郎(何だよ今の笑顔……天使か?エイスリンさんに負けずとも劣らない天使なのか?) 咲「お疲れ様、京ちゃん」 咲「対局早めに終わったからお夜食作ってみたんだけど、食べる?」 京太郎「何作ったんだ?」 咲「えーっとね……サムゲタン!」 京太郎「なんか力が漲って来た気がする」ギンギン 咲「そ、良かった」 京太郎「でも今更漲っても相手は咲だからなー」 咲「なにそれどういう意味?」 京太郎「俺が咲に教えられることなんて無いだろ?咲は麻雀上手いし」 咲「京ちゃんとモモちゃんに麻雀教えたのも私とお姉ちゃんだもんね」 京太郎「ああ、そうだったらしいな」 咲「京ちゃんってさ、麻雀してきて良かったと思う?」 京太郎「俺か?」 咲「京ちゃんならもっと向いてることもあったんじゃないかな、って」 咲「京ちゃん運動神経もいいんだからスポーツとかやれば、男の子の友だちも増えて人気者になれたかもって最近思うんだ」 京太郎「そういうことか……」 京太郎「まあ、俺は正解だったと思うぜ、後悔なんかしてない」 京太郎「確かに男子麻雀はレベルも低くてこの頃は競技人口も衰退してきて、同じ部活の男友達なんていないけど、それでも楽しい」 京太郎「麻雀があったから照や咲やモモともっと仲良くなって、色んな人たちにも知り合えた、友だちっていうかどうかは別として」 京太郎「照たちと一緒に戦って、咲たちと打って、そんで今は咲と一緒に戦える」 京太郎「こうして咲と仲良く話してるのだって麻雀あってこそなんだ」 京太郎「それに、他人と知り合うために楽しい麻雀をやめて、何かを始める、とかしないだろ?」 京太郎「俺はそれでいいんだよ、咲が心配するようなことじゃねえ」ナデナデ 咲「もう頭撫でないでよ!子どもじゃないんだから」 京太郎「俺にとっちゃ、咲なんていつまでも変わんないちんちくりんだよ」 咲「ちんちくりん、って……」ジトッ 京太郎「俺たちはずっと友だちなんだよ、麻雀が無くてもさ」 京太郎「二人だけの思い出も、みんなとの思い出もある、良い思い出も、悪い思い出だって」 京太郎「全部咲たちがいたから作れた思い出なんだ、麻雀だけが作った思い出じゃない」 京太郎「咲もそう思うだろ?」 咲「……そうだね」 咲「私、京ちゃんと出会えて良かったと思うよ」 京太郎「何だよ、今日の咲少しおかしいぞ」 咲「ちょっと色々考えちゃったんだ、えへへ」 京太郎「ん、そっか」 咲(そして、これでわかっちゃった) 咲(私、京ちゃんのこと――――) 京太郎「っておい、麻雀しろよ」 咲「あ、そうだった」 京太郎「今日も疲れたー!」 京太郎「風呂上りは何飲もっかなー」 ガララ 京太郎「今日は……誰もいないよな」 京太郎「昨日みたいなことが無いようにさっさと上がろう」 ガララ 京太郎(もう来たの!?ってか来る前提ってどういう思考だよ俺……) 雅枝「んー!ええ場所やなー!」 雅枝「まさか日替わりでごっつい温泉楽しめるなんて思えへんかったわ、今度絹たちも連れてこー」 京太郎(雅枝さんか……だがしかし今は子煩悩モード、すきを突いて出れば……) ガララ 京太郎(ってまた誰か来た!?) 春「…………」 京太郎(滝見さんまで!?あ、また髪下ろしてる……いいなぁ) 京太郎(ってそうじゃない!二人もいたら抜け出せないじゃないか!) 京太郎(どうする俺!どうすればいいんだ!) 絹恵「お母さんの背中流したる」 洋榎「嫌や!オカンの背中はウチが洗うんや!」 雅枝「オカンの背中は半分こでけへんでー」 雅枝(みたいなことになればええなぁ……)ホワホワ 京太郎(雅枝さんは問題ないとして、滝見さんを意識しつつ出よう) 京太郎(身体はまた後で洗えばいいし)ソーッ 春「~♪」シャァー 京太郎(なんか鼻歌歌ってご機嫌みたいだな) 京太郎(シャワーのせいで見えないけど、やっぱり大きいな……) 京太郎(そうじゃねえ、早く出ないと)ソーッ 春(今日は頑張った)シャアー 春(良子たちと戦って勝つ)シャアー 春(須賀君たちと頑張る)シャアー 春(明日も頑張る)キュッ 春(早く風呂に入って寝る) 春「…………」 京太郎「あ」 春「…………」ジトッ 京太郎(見つかってしまったー!) 京太郎(やばい何だよこれどうしよう!) 京太郎(こうなったら……!) 雅枝「お前……何しとるんや?」 京太郎「はぁっ!?」 雅枝「……正面堂々女湯覗きとはええ度胸やな……」ゴゴゴゴゴ 京太郎「正面堂々入って来たのはそっちでしょうが!」 雅枝「そこの子!はやくここから出るんや!そして通報や!」 京太郎「通報ってどういうこと!?」 雅枝「それまで私が時間を稼ぐ!」ゴギッ 京太郎「腕挫十字固めだとぉ!?」ゴギゴギ 雅枝「これで堪忍したか覗き魔!はよギブアップせい!」 京太郎「痛い!痛いですよ雅枝さん!」 京太郎(あれ?手首に柔らかい感覚が……) 雅枝「なんで私の名前知っとるんや!まさかストーカーか!ストーカーなんか!?」 京太郎(あぁ~やわらけ~) 雅枝「何とか言わんかボケェ!」ゴギィッ ボキッ 京太郎「……あ」 雅枝「かーっ、まさか京太郎やったとは思わんかったわー、ほい、いちご牛乳」 京太郎「目が悪かったから男湯と女湯の区別がつかなかったってどういうことっすか」 雅枝「部屋に眼鏡置いてきたからわからんかったんや、いやー悪かったなー」 京太郎「幸い腕は大丈夫でしたし……」 京太郎(それに胸も合法的に触れたしな) 京太郎(そういえば、滝見さんはどうして男湯に入ってたんだ……?) | 咏 | 淡 | 咲 | ―――――――――― | 春 | 京 | 穏 | 淡「今日もガールズトークするよー!」 京太郎「俺はボーイなんで寝ますねー」 グイッ 春「寝ちゃだめ」ポリポリ 京太郎「えぇぇぇ……」 穏乃「そうだよ!この瞬間、このひと時も大事な思い出なんだよ!」 京太郎「なんでそんなに無駄に熱いんだよお前……」 咲「それで今日の議題は?」 淡「ん~コイバナは昨日したから……ガールズトーク……ガールズトーク……」 京太郎「話題が無いなら寝るぞー」 グイッ 春「寝ちゃだめ」ポリポリ 京太郎「だからなんでだよ……ってか黒糖こぼれるから布団の上で食べるのやめとけ」 春「……わかった」ムスッ ――十分後 淡「そだっ!趣味の話しよっ!」 京太郎「おせーよ!何分かかってんだよ!」 淡「私と喋るの……きょうたろーは嫌なの?」ウルウル 京太郎「うっ」 淡「私がやっと思いついたのに……」ウルウル 京太郎「……あーもう、しょうがねえ!さっさと喋って寝るぞ」 淡「やたっ!きょうたろーありがと!」 春「……泣き落とし」 咏「だなー」 咏(私もああすれば京太郎に可愛がってもらえんのかねぃ……知らんけど) 淡「サキサキの趣味は何ー?」 咲「私は読書、かな」 淡「へー、じゃあテルーと一緒だ!」 京太郎「二人で静かに本読んでばっかだったからな、友だちもできなかったんだよ」 咲「京ちゃんに言われたくないもん」 京太郎「俺だって友だちくらいいるさ、織斑くんだろ、葉山くんだろ、それに……」 咏「男友達に君付けしないだろ、ふつー」 京太郎「ぎくっ」 淡「まーきょうたろーは置いといて、タキミンは?」 春「黒糖探し」ポリポリ 淡「ん……そ、そっかー、黒糖探しね、うんうんわかるわかるよー」 京太郎「嘘つけ」ペシッ 淡「あわっ」 京太郎「んで、高鴨はどうなんだ?」 穏乃「私は山登ったり、たまにお母さんの手伝いとかしてるよ」 京太郎「手伝い?」 穏乃「ウチの実家和菓子屋さんでさ、こう見えて和菓子作りは得意なんだ」エッヘン 京太郎「和菓子作りは、か」 穏乃「あ、料理はインスタントラーメンくらいしかできないよ」 京太郎「だろうな」 なんだかんだで話は盛り上がった 【冬休み4日目】(合宿二日目) 終
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登場人物紹介!!! パーティキャラ 南光太郎(仮面ライダーBLACK) 深見レツ(ゲキブルー) さくら(ボウケンピンク) 野上良太郎(仮面ライダー電王) モモタロス(仮面ライダー電王 Sword Form) ウラタロス(仮面ライダー電王 Rod Form) リュウタロス(仮面ライダー電王Gun Form) キンタロス(仮面ライダー電王Ax Form) 葦原涼(仮面ライダーギルス) 敵組織 ゴルゴム ボーン怪人 創世王
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仮面ライダー幽汽(Masked Rider Yuuki) 商品画像 情報 登場作品:劇場版 さらば仮面ライダー電王 ファイナル・カウントダウン 定価:3,885円 受注開始:2009年01月23日(金) 16 00 受注締切:2009年03月16日(月) 16 00 発送開始:2009年05月26日(月) 商品全高:約140mm 付属品 手首:×6(握り手×2、持ち手×2、開き手×2) 武器:ゴーストイマジンの剣、死郎のムチ、独楽、ザヴェジガッシャー その他:分割状態のザヴェジガッシャー、スカルフォーム用頭部パーツ、マフラーパーツ、ハイジャックフォーム用額パーツ、後頭部パーツ、左腕パーツ、マフラーパーツ キャラクター概要 ゴーストイマジンによって支配された野上良太郎、または死郎が変身するライダー。 黒いカラーとロングコートが特徴。憑依された良太郎はスカルフォームに、死郎はハイジャックフォームにそれぞれ変身する。 商品解説 「B★SHOP」と「魂ウェブ商店」で受注限定販売された限定アイテム。 装着変身を髣髴とさせるフォームチェンジが可能である。 現在ではオークションなどで価格が倍以上まで高騰しているため、定価近くでの入手は非常に困難である。 良い点 フォームチェンジを再現するために充実した付属品。 安定した造型。 悪い点 足首の可動に不具合が多い。 不具合情報 関連商品 仮面ライダーNEW電王 ストライクフォーム 仮面ライダーNEW電王 ストライクフォーム(トリロジーVer.) 仮面ライダーNEW電王 ベガフォーム 仮面ライダーガオウ 仮面ライダー電王 ソードフォーム 仮面ライダー電王 ガンフォーム&電王 ロッドフォーム 仮面ライダー電王 アックスフォーム 仮面ライダー電王 ライナーフォーム 仮面ライダー電王 クライマックスフォーム 仮面ライダー電王 超クライマックスフォーム コメント 名前 コメント
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特別編、永水ver とある執事との交流 ハギヨシ『こうやって話すのも久しぶりですね』 京太郎『そうですね。新しい学校やらでこっちも忙しくて』 ハギヨシ『いえいえ、私の方こそ連絡ができず申し訳ない限りです。ところで、今は鹿児島でしたっけ?』 京太郎『はい。元女子校の永水にいます』 ハギヨシ『ほほう、永水ですか……去年のインターハイにお供した時に何度か見ましたが……』 京太郎『……巫女服ですね』 ハギヨシ『巫女服です。それを着ている方々も素晴らしかったです。それを機会に巫女ものが数冊増えたものです』 京太郎『分かります。それと、こっちは暑さからか薄着になるのが早くて』 ハギヨシ『いいですねぇ、こちらはまだまだ長袖の方が多いですよ』 京太郎『こっちで仕入れた素人ものでも今月は送りましょうか?』 ハギヨシ『ふむ、ではそれと水着ものを是非。そちらでなら良質のものが手に入るととある筋からの情報が』 京太郎『水着もの……確かに少し探しただけで良作が多いです。分かりました』 ハギヨシ『ではこちらは巫女ものと……そうですね、個人的なおススメをいくつかご用意しましょう』 京太郎『ええ、ではまたいつものように。品名は「参考書で」』 ハギヨシ『はい、こちらの品名は「月刊誌」でよろしくお願いします』 漢達の友情は決して途切れない こうやって月1でエロ本をまとめて貸し借りしている2人であった カンッ!!
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【16日目】 京太郎「朝か、財布が軽いや……ははっ」 京太郎「どっかに落ちてないかな……」 午前 京太郎「現在朝7時、待ち合わせは9時」 京太郎「懐は……」 京太郎「どうにかして稼げないかな」 京太郎「落ちてないか探しに行こう」 京太郎「チャンピオンが何やってんだろうな」 京太郎「ひーふーみー」 京太郎「480円か、拾えただけ十分だよな」 京太郎「待ち合わせまであと1時間」 京太郎「まだできることはある!」 京太郎「雀荘に行ってみるか」 京太郎「これでも一応チャンピオンなんだ」 京太郎「どれだけ稼げるか試してやるぜ!」 京太郎「よろしくお願いします」 男A「あんた、そのお面外してくんねえか?」 男B「集中できない」 京太郎「す、少しわけがありまして」 男C「まあ、いいだろ、早く始めようぜ」 一位 京太郎 188 二位 男B 132 三位 男A 97 四位 男C 34 トビ 男C「なんつー火力だよ」 男B「しかし、その打ち筋どっかで見たような……」 京太郎「気のせいですよ、気のせい」 男A「もう一回打つぞ!」 京太郎(待ち合わせまでできて一回……どうしよう) 京太郎「受けて立ちましょう」 男A「よし、じゃあお前が負けたらそのお面を取ってくれ」 男B「たしかに、興味がある」 男C「今度は負けねえ!」 一位 京太郎 220 二位 男B 167 三位 男A 104 四位 男C 42 トビ 男C「はは……あはは」 男B「やりすぎちまったな」 京太郎「ですね……」 男A「まあ後は俺が見とくからお前は帰りな」 男B「またどこかの卓でな」 京太郎「ありがとうございました!」 男A「おう、チャンピオンは礼儀正しいな」 京太郎「ば、ばれてました!?」 男A「三連続三倍満なんてお前以外にできねえからな」 男B「ま、誰にも言わねえから安心しろ、じゃあな」 京太郎「は、はい!それでは!」 カランコロン 男C「はっ!俺は一体!?」 男B「もう半荘打つぞ」 男A「俺たちも若いのには負けてらんねえからな」 京太郎「待ち合わせは9時だったのだけど」 京太郎「8時半、もう少しゆっくり来ればよかったか?」 京太郎「でも朝から疲れたな……少しベンチで休むか」 京太郎「ん、そういえば俺は男子のチャンピオン、憩さんは女子の二位だったんだよな、それじゃあ……」 『チャンピオンの女性関係に迫る!』 『激写!夜のチャンピオン!』 京太郎「……ってなことになりかねないぞ!」 京太郎「ま、考えすぎか」 憩「京太郎くん、待った?」ハァハァ 京太郎「いや、今来たところですよ」 憩「そか、よかったぁ」 憩(デート前日に5回もスるなんて何やっとるんやウチは~!) 憩(おまけに今朝は3回もヤってもうたし……) 京太郎「じゃ、行きましょうか」 憩「イく!?」 京太郎「えっ?」 憩「ああいや、なんでもないで」 憩「ほなレッツラゴーや!」 ―――――――――― 【築地】 京太郎「一回来てみたかったんですよねー」 憩「テレビとかでもようやってたな」 京太郎「あ!あそこでマグロの解体ショーやってますよ!」 憩「うわぁ、でっかいなぁ」 京太郎「ですね!」 「お、あんたら高校生かい?」 京太郎「はい!」 「するってえとインターハイ帰りの観光ってところだな、どうだ、あんたらもやってみないか?」 京太郎「いいんですか!」 「おうともよ、姉ちゃんはどうする?」 憩「んー、ウチは遠慮しとくわ」 「そうか、んじゃ兄ちゃんは?」 京太郎「俺は……」 京太郎「やります!」 「元気がいいな!ほらよ、このあたりを切ってみな」 ―――――――――― 京太郎「楽しかったですね!」 憩「せやねー」 京太郎「どうして憩さんはやらなかったんですか?」 憩「ウチ……魚がちょっと苦手やさかい、ごめんな?」 憩「食べるのは大丈夫なんやけど、触るのは、少し」 京太郎「そうだったんですか……すみません」 憩「ええってええって、ほな次行こ、次!」 京太郎「スカイツリー高っ!」 憩「ほんまやなぁ」 京太郎「高い所は大丈夫なんですか?」 憩「うん、流石にそれは」 京太郎「にしてもきれいですね、東京の街」 憩「都心の高層ビルに下町の一軒家、色々あっておもろいね」 京太郎「東京って大きいんですねー」 憩「せやな」 憩「この東京に住んでる人のほとんどがインターハイ見とったんや、って思うと、こう……来るもんがあるな」 京太郎「何人の人が応援してくれていたんでしょうね」 京太郎「店に来てみたぞ」 憩「このストラップかわええな~」ニコニコ 憩「決めた!ウチこれ買いますーぅ」 京太郎「じゃあ俺は……」 ラインナップ マスコットのストラップ 400円 スカイツリーの置物(小) 600円 スカイツリーの置物(大) 1200円 スカイツリークッキー 800円 京太郎「お土産にクッキーを買ったぞ」 憩「クッキー、買ったん?」 京太郎「はい、おいしそうなので」 憩「ふーん……」 京太郎「あれ、どうかしましたか?」 憩「別になんでもないですよーぅ」 京太郎「次はどこ行きましょうか?」 憩「お腹空いてきたからどっかで食事したいなぁ」 京太郎「あ、あそこに丁度良さそうな喫茶店がありますよ」 憩「ネコカフェ……猫がいっぱいおるところなんやろか?」 京太郎「とりあえず行ってみます?」 憩「うん!」 ニャーニャーニャー 憩「可愛い~!」 京太郎「本当に猫がたくさんだ」 「こちらのネコカフェは子猫ちゃんたちと遊びながらお茶を楽しめます」 憩「にゃにゃんにゃんにゃん?」 ニャーニャニャウー 憩「にゃにゃー」 ニャニャニャー 京太郎「猫と会話を?」 憩「うん、かわええわ~」フニョフニョ 京太郎「憩さんが楽しめてるようで良かったな」 ニャニャーニャー 憩「あ、ちょっ、どこ入ってるん、やぁっ///」 京太郎「ね、猫が憩さんのスカートの中に!」 ウニャー 憩「あっ、そこっ、にゃ、あっ」 京太郎「猫よ、ありがとう」 京太郎「もう大丈夫ですか?」 憩「うん、おおきに」 憩(濡れてもうた……) 憩(このまま行くと―――) ―――――――――― 京太郎「お城のようなホテル!こんなところですることはただ一つ!」 憩「や、やめてぇ……」 京太郎「涙目ほどそそるものはない!」ガバッ 京太郎「……濡れている……だと?」 京太郎「けいさんはいんらんだったんですね、げんめつしました」 ―――――――――― 憩(―――なんてことに!) 憩「ダメやダメや!」 京太郎「どうしました?」 憩「ななななんでもないで!」 憩「う、ウチお花摘みに行ってくるわ!」ダダダ 京太郎「お花摘み?なんのことだ?」 京太郎「さっきから少し様子おかしいみたいだったし、ついて行ってみるか?」 京太郎「つけてみよう!」 京太郎「まだそう遠くへは行っていないはずだし」 京太郎「ん?あれは……下着屋?」 京太郎「なるほど、お花摘みとはそういうことだったのか」ウムウム 京太郎「しょうがないよな!一緒に遊びに行ってる人が入っていったんだから!」 京太郎「俺はそれについていっただけだから!」 バタム 「いらっしゃいま……せー……」 京太郎(くっ、やっぱり視線が痛いぜっ!) 憩「京太郎くん!?」 京太郎「早速見つかった!」 憩「な、なんでここに……?」 京太郎「いや、お花摘みの意味がわからなかったんで」 京太郎「こんなところにいたら悪いですよね、外で待ってます」 憩「待って!」ギュッ 憩「……えっとぉ、その……」 憩「一緒に選んで……くれへん?」ウワメ 京太郎「へ?」 憩「あわっ!何言うとんやウチは!」 京太郎「……憩さんがそういうなら……これとか」 憩「なんで手元にあんねん」 京太郎「これとかどうですか?」 憩「これ、ウチのと似とるな」ジトッ 京太郎「し、知りませんよ!偶然ですって!」 憩「ほんまやろなぁ?」ニコッ 京太郎「笑顔が恐い!?大体俺が憩さんのぱんつを見たことがあるだなんてそんなオカルトあり……ありましたね」 憩「いつ見たんや?」ゴゴゴ 京太郎「いつってほら、あの日ですよ、俺と憩さんが初めて会った日」 憩「……そういえば」 京太郎「あれが憩さんらしいなって思ってたんで」 憩「そっか、まだ覚えててくれたんやな」 憩「……って、そんな話夏祭りのときにもしたな」 京太郎「あの日のことは忘れないですって、言いましたからね」 憩「京太郎、くん」 京太郎「…………憩さん」 憩「…………」ゴクリ 京太郎「さ、試しに穿いてみてください!」 憩「……えぇぇ」 憩(良い雰囲気やったのに……) 憩「デートのしめと言ったら観覧車やな」 憩「京太郎くん、今日は楽しかった?」 京太郎「ええ、色々な憩さんが見れてよかったです」 憩「そっか、よかったぁ」ニコッ 京太郎「」ドキッ 憩「……あのときも言うたけど」 憩「ウチ、京太郎くんと出会えてよかった」 憩「照ちゃんやエイちゃんたちとインターハイ優勝できたし」 憩「……でも、照ちゃんにはまた勝てへんかった」 憩「ウチ……やっぱりダメな子やなって思う」 憩「みんなを集めたのは京太郎くん、勝てたのは照ちゃん」 憩「ウチはなんもできへん」 京太郎「そ、そんなこと……!」 憩「みんなが羨ましいんや、エイちゃんや咏ちゃんみたいに可愛くなくて」 憩「照ちゃんや郁乃さんみたいに強うなくて」 憩「霞さんみたいに……あるわけでもない」 憩「後輩の京太郎くんの方が強うなってるし」 京太郎「…………」 憩「ウチの取り柄って、何なんやろって、あはっ」 京太郎(憩さんの顔、笑ってるのに) 京太郎(どうして、どうして……っ) 憩「そろそろウチらの番やな」 憩「さ、乗ろか」 京太郎(……何か言わないと) 京太郎(あのときみたいに、俺が止めないと) 憩「デートのしめと言ったら観覧車やな」 憩「京太郎くん、今日は楽しかった?」 京太郎「ええ、色々な憩さんが見れてよかったです」 憩「そっか、よかったぁ」ニコッ 京太郎「」ドキッ 憩「……あのときも言うたけど」 憩「ウチ、京太郎くんと出会えてよかった」 憩「照ちゃんやエイちゃんたちとインターハイ優勝できたし」 憩「……でも、照ちゃんにはまた勝てへんかった」 憩「ウチ……やっぱりダメな子やなって思う」 憩「みんなを集めたのは京太郎くん、勝てたのは照ちゃん」 憩「ウチはなんもできへん」 京太郎「そ、そんなこと……!」 憩「みんなが羨ましいんや、エイちゃんや咏ちゃんみたいに可愛くなくて」 憩「照ちゃんや郁乃さんみたいに強うなくて」 憩「霞さんみたいに……あるわけでもない」 憩「後輩の京太郎くんの方が強うなってるし」 京太郎「…………」 憩「ウチの取り柄って、何なんやろって、あはっ」 京太郎(憩さんの顔、笑ってるのに) 京太郎(どうして、どうして……っ) 憩「そろそろウチらの番やな」 憩「さ、乗ろか」 京太郎(……何か言わないと) 京太郎(あのときみたいに、俺が止めないと) 京太郎「……憩さん」 憩「なんや?」 京太郎「俺に全て教えて、見せてくれませんか?」 京太郎「憩さんのホントの気持ち!」 憩「せやから、ウチはみんなに会えてよかった、京太郎くんに会えてよかった」 憩「でも、ちょっぴりみんなが羨ましいなーって」 憩「そう思っ「違います!」」 京太郎「違います、憩さんが思ってるのはそんなことじゃないはずです」 京太郎「ちょっぴり、なんかじゃないはずです」 憩「ほんまや!」 京太郎「本当なんですか?」 京太郎「嘘ついてないなら、まずは俺の目をしっかり見てくれませんか?」 京太郎「どうして、ずっと俯いてるんですか?」 京太郎「どうして、笑顔を見せようとするんですか?」 憩「……っ」 京太郎「憩さんはナンバーワンです。誰にも負けない、強い人です」 憩「そんなこと……ない」 京太郎「可愛くないって言いましたけど憩さんの笑顔は素敵で無敵です、強くないって言いましたけど強くなかったら個人戦二位も団体戦一位も取れないじゃないですか」 京太郎「忘れたんですか?三箇牧高校麻雀部の部長は憩さんなんですよ」 京太郎「あともう一つは……しょうがないですけど、大きいからいいってわけじゃないと思います」 京太郎「それに、ある人は言いました「ナンバーワンにならなくてもいい、もともと特別なオンリーワン」と」 京太郎「憩さんは俺にとってのナンバーワンでオンリーワンなんです」 憩「ぅ……ぅ……」 京太郎「さっきも言いましたけど、憩さんはナンバーワンです。誰にも負けない、強い人です」 京太郎「でも、俺の前では素直になって良いんですよ」 京太郎「涙をこらえて笑わないで、その涙を見せても」 京太郎「『女の人の泣き顔は、見たくないです』けど、泣くのをこらえている女の人の顔は、もっと見たくないです」 憩「ぅぇっ、ぇう………」ポロポロ 憩「悔しい、悔しいよぉ……」ポロポロ 京太郎「よしよし」ポンポン 憩「ひぐっ、うえっ……」 京太郎「一年かけて照に勝てないんだったら今度は二年かければいいんです」 京太郎「それでも勝てなかったら四年かければいいんです」 京太郎「照を追いかけて、プロになって負かせればいいんじゃないすか?」 憩「うんっ……うんっ……」ポロポロ 京太郎「もうそろそろ着いちゃいますね」 憩「もう少し……このまま」ギュッ 京太郎「わかりましたよ、お姫様」 憩「今日はおおきに」ニコッ 京太郎「どういたしまして」 憩「また、一緒に遊びに行こな」 京太郎「はい、またいつか」 憩「あ!あっちにUFOが!」 京太郎「えっ!どこですか!?」チュッ 京太郎「……え?」 京太郎「憩さん、今何を……?」 憩「ひ・み・つ、やで」ニコッ 憩「じゃあねー!」 京太郎「……なんだったんだ一体?」 夜 京太郎「ただいまですよー」 洋榎「なんや、嬉しそうやな」 京太郎「ええ、まあ」 洋榎「そかそか、弟子が楽しそうなのはええことや」 洋榎「そういえば、昨日ウチのこと放置しとったよな?」 京太郎「放置?」 洋榎「トイレの紙のうなってもうたのに呼んでも来てくれんかったやないか!」 京太郎「いやいやそんなことあるわけないですって」 洋榎「とにかく今夜はウチに付き合ってもらうで!」 京太郎「で、何するんです?」 洋榎「豆まきや!」 京太郎「豆まき、って節分じゃないんですから」 洋榎「へ?今節分やろ?」 京太郎「……まあいいとして、鬼役は誰にするんですか?」 洋榎「漫辺りでええんとちゃう?」 コンコンコン 漫「こんな時間に誰や?」 漫「もう少し待ってやー」 コンコンコンコン ゴンッ パラパラ 漫「何の音!?」ガチャ 洋榎「今や!」 洋京「おにはーそとー」パラパラ 洋京「ふくはーうちー」パラパラ 漫「ちょ、主将!?い、痛っ!」 洋榎「まだまだこれからや!」ビシュッ!ビシュッ! 京太郎「うおおおおおお!」ドビュシッ!ドビュシッ! 漫「きゃああああああ!」 恭子「なにやってるんですか全く」 洋榎「すみません」 京太郎「ごめんなさい」 恭子「君、須賀君やったっけ?主将のアホには付き合わんでええですから」 京太郎「はい……」 漫「うぅぅぅぅ……男は敵や!」ガルル 恭子「とりあえず主将は掃除をお願いしますね」 洋榎「ウチはダメで須賀はええんか!?」 恭子「須賀君に落度は無いんで」 洋榎「須賀ぁ……」 京太郎「えーっと、その」 恭子「」キッ 京太郎「ひとりで頑張ってください」 洋榎「う、裏切り者ぉー!」 【16日目】終了 【17日目(最終日)】開始 京太郎「今日で東京ともお別れか」 京太郎「荷物のほとんどはもうあっちに送っておいたし、これでこのホテルからもおさらば」 京太郎「色んなことがあったな、ほんと」 午前 照「……暑い」 京太郎「しょうがないだろ、夏なんだから」 照「その中でもとりわけ暑い、まず日焼け止め塗って」 京太郎「自分でやれ」 照「背中とか塗れないから」 京太郎「はぁ……わかったよ」 照「そこくすぐっ、はぁっ」 京太郎「変な声をだすな」ペシッ 照「健全な美少女の背中をたたくなんて京はひどい」 京太郎「健全なんだったら泳げるだろ、行こうぜ」 照「美少女の方は否定しないんだ……」ボソッ 京太郎「ん、どうかしたか?」 照「いや、なんでも……でも行かない」 京太郎「はぁ?お前海来て泳がねえとか何言ってんの?」 照「まだ泳げないから」ユビツンツン 京太郎「はぁ……なんだよそんなことか」 京太郎「いいから来い」グイッ 照「ちょっと、何を」 京太郎「俺が泳ぎを教えてやるよ、それでいいんだろ?」 照「……」コクッ 照「」バシャバシャ 京太郎「よーし放すぞー」 照「うわっ、ぬぅ!」バシャ、バシャ…… 照「京、助け……て……」ゴボゴボ 京太郎「なんで水深1mでおぼれるんだよ……」 照「暑い……疲れた……ウゴケナイ」 京太郎「まだ1mも泳げてないだろ、ほら」 照「かき氷食べたら泳げるかも」 京太郎「あのなぁ……」 照「かき氷、かき氷」 京太郎「わかったよ、絶対にはぐれんなよ」 照「だいじょーぶ!」 京太郎「信用できないんだよなぁ」 照「むぅー」 京太郎「ほらよ」 照「な、なに」 京太郎「こうして握ってればはぐれないだろ?」ニギッ 照「うん……そうだね」 京太郎「じゃあちゃっちゃと食ってまた泳ぐぞ!」 照「泳ぎたくない……」 京太郎「でもさあ、どうするんだ?」 京太郎「彼氏ができて、いざ海水浴とかプールに行ったら泳げねえって」 京太郎「嫌だろ?」 照「……京が彼氏なら」 照「だいじょーぶ」 京太郎「……そっか」ポリポリ 照「うん」 照「あ、私イチゴ、お代はよろしく」 京太郎「いや待てそれはおかしい」 照「お財布持ってきてないし、こういうのは彼氏がおごるのが道理」 京太郎「彼氏じゃねえからな!」 照「ごっこってことで」 京太郎「はぁ……」 「ありがとうございましたー」 京太郎「はいよ」 照「ん」ガツガツ 京太郎「食べるスピード速くね!?」 照「おいしかった、あうっ!」キーン 京太郎「ったく、一気に食うからだぞ」 照「むぅ……正論」 京太郎「ふんっ!」プシュー 京太郎「ふんっ!」プシュー 照「なにしてるの?」 京太郎「浮き輪だよ、照が泳げねえとつまんねえからな」 照「私のために?」 京太郎「安物だけどあった方がいいなって」 照「そっか、ありがとう」 照「後は私がやるから、京は泳いでていいよ」 京太郎「お前一人にすると迷うじゃん」 照「だいじょーぶ」プシュー 照「はぁ、っ」プシュー 照(よく考えたら、これって……間接キス?) 照「~~~!///」プシュー 京太郎「ん?何ショートしてんだ?おーい」 照「完成」 京太郎「じゃあ早速行こうぜ!」 照「う、うん……」プイッ 京太郎「?」 京太郎(俺、何かしたか?) 京太郎「沖に行くぞ!」 照「ん……わかった」 京太郎「来れるかー?」 照「待って」バシャバシャ 照「はぁ、疲れた」 京太郎「もう少しだから頑張れ、頑張ったら……なんかしてやるよ」 照「本当に?」 京太郎「あんま金かかるのは無しな」 照「頑張る」 京太郎「よし、じゃあ行くぞ」 照「うん」 照(どんどん京が遠くに行っちゃう……)バシャバシャ 照(頑張らないと、頑張ったら……) 照「っ!?」 照(足がつって)バシャ…… 京太郎「照ー?どうしたー?」 ザバァーン 照(な、波が……) 京太郎「……照っ!」 照(……せっかく) 照(せっかく二人っきりだったのに……) 溺れたのはこれで二回目だった 目が覚めた 目の前にあったのは二人の女の子の泣き顔だった 妹と、私の友だち ―――隣ではもう一人の友だちが寝ていた これが一回目の時の記憶 胸に痛みを感じて、目が覚めた 目の前にあったのは顔、汗でまみれた顔だった ずっと昔からの”友だち”の顔だった 目が覚めた 目の前にあったのは知らない天井、感じたのは窓から射しこむ夏の陽光 そして、私の手を包む温かさだった 照「寝てる……の?」 京太郎「……すぅ……んんっ!」ビクゥッ 照「うわっ」 京太郎「すぅ……ごご……」 照「なんだ、よくあるアレ」 照「あのとき……」 京太郎『照!照ッ!』 照「あんなに顔が近かった……つまり……///」ボフッ 照「違う、京はそんなに大胆じゃないはず」 照「…………」 照「もう一眠り」 京太郎「浮き輪、流されちゃったな」 照「うん」 京太郎「また、いつか来るか?」 照「うん」 京太郎「……ごめんな」 照「うん」 照「それは違うと思う」 照「前も、今日も溺れた私を助けてくれたのは京」 照「そばにいてくれたのも京、寝てたけど」 照「だから謝るのはこっち、感謝するのはこっちだから」 照「京は謝らないでいい」 照「ね?」 京太郎「……ごめn」チュッ 照「ありがとう」ニコッ 京太郎「照……?」 照「さ、帰ろ?」 京太郎「お、おう……」 咏「おーい、こっちだよ~」 霞「あらあら、二人仲良く手を繋いじゃって、青春ねぇ」 郁乃「霞ちゃん、おばさんくs」ガシッ 霞「何か言いましたかねぇ?」 郁乃「な、なんも~」メソラシ 憩「京太郎くんは毎日大変やね!」プイッ 京太郎「えっ?どうしました?憩さん?」 エイスリン「ケイ!シット!」 憩「エ、エイちゃん!」 京太郎「シット……sit……座る?」 霞「みんな揃ったことだから、行くわよ?」 霞「あ、そうそう帰りも千里山の子たちが乗るからそこはよろしくね」 竜華「お願いしますーほら怜も」 怜「お願いします」 霞「そんなのいいから早く乗っちゃいなさい」 郁乃「今日は何やろか~」 咏「ちょーっといくのんは黙っててくんないかねぃ」 憩「次に東京に来るんはいつなんやろなー」 照「来年は大阪のはず」 エイスリン「マタキタイ!」 京太郎「ですね、また頑張りましょう」 竜華「ウチらも負けへんで!」 怜「泉と船Qがおるからそう簡単には行かんで」 京太郎「俺は関係ないですね」 霞「あら、そうとも言えないわよ?女装して出てもらうかもしれないし?」 京太郎「は……?」 京太郎(車の中、暇だけど何しよう) 京太郎「何かして遊びましょうか」 郁乃「お、ええな~」 憩「嫌な予感しかしいひん……」 照「同じく」 郁乃「何にする?ウノ?トランプ?王様ゲーム?」 京太郎「そうですね…… 50とか?」 京太郎「王様ゲームとか?」 郁乃「了解やで~」 憩「もう嫌や嫌や嫌や」 郁乃「まあまあそう言わずに~」 京太郎「そうですよ、楽しみましょうよ!」ニンマリ 竜華「うっわ、凄い笑顔やな」 怜「なんかゲスいわ」 咏「ま、私はなんでもいいんだけどねぃ」 京太郎「それじゃあ、王様だーれだ!」 憩「ウチが王様や!」 憩「行きのリベンジしたるで!」 憩「3番が4番に膝枕する、や!」 郁乃「私4番~」 咏「さ、3番……」 エイスリン「ハヤク!」 咏「うぅ、早く来いよ……」 郁乃「ほな遠慮なく~」 郁乃「あ~やわらかいわ~」 郁乃「咏ちゃんの太もも最高やな~」 怜「竜華のが一番や!」 郁乃「比べてみるか~?」 怜「上等や!失礼するで」 咏「うわっ、ちょっ」 怜「ん……やっぱり竜華のがええな、ほら」フニッ 咏「ひゃわっ!」 怜「竜華のはちゃうねん、もっとやわらかいんや、こうむちっと」 郁乃「ん~確かにな~」フニフニフニ 咏「あうっ……お、お前らぁ~!」カァァ 郁乃「ほな次いこか~」 怜「せやな」 エイスリン「オーサマダーレダ!」 郁乃「私が王様やで~」 咏「うげっ」 憩「うわっ」 照「むっ」 京太郎「三者三様に轢かれてますね」 郁乃「ん~ほな、1番の人と5番の人が服をチェ~ンジや~」 照「1番、私」 憩「ウチが5番やな」 京太郎(これが咏と竜華さんだったら……)ゴクリ 照「京は見ないで」 京太郎「はいはーい」 憩「うーん、少し胸のあたりがキツイなぁ」 照「むっ、そっちだってお尻ブカブカ」 憩「そっちの方がええんですーぅ」 竜華「服替えても大差ないな」 怜「せやな」 憩照「ぐぬぬ……」 郁乃「また私やな~」 京太郎「これでラストですよ?」 郁乃「わかってるわかってる」 郁乃「命令は~ドゥルルルルルル」 怜「はよせや」 郁乃「4番の子と6番の子で服をチェンジや~」 エイスリン「4!」 竜華「ウチが6番や」 京太郎(竜華さん来たああああ!」 竜華「えっ……?」 憩「お薬の時間やね?」 竜華「んっ、この服キツイなぁ」 怜「竜華、そんなに揺らすと飛ぶで」 竜華「何が?」 京太郎(あー服がぱっつんぱっつんになってらぁ) 京太郎(極・楽!) エイスリン「……」ペタペタ 服「」シワァ エイスリン「マケタ……」 照「まだ大丈夫」 憩「せやせや」 エイスリン「ミンナ!」パァァ 竜華「きっ、つぅ」バシィーン 咏「あ、ボタンが」 京太郎「ふぇ?」トーン! 京太郎「痛たたた、何だこれ……ボタン?」 京太郎「ボタン!?」ガタッ 竜華「ボタン、飛んでもうた」キクズシ 京太郎「おもち、おもおもおmち」 京太郎「生まれてきてよかった」 【SA到着】 京太郎「売店か、どこも大体同じのしか売ってないんだよなー」 京太郎「んーと、何買おっかな」 ラインナップ 1.ご当地ま○もっこり 400円 2.うなぎクッキー 800円 3.胡散臭い指輪 800円 4.うなぎTシャツ 1000円 5.木刀 800円 6.ペナント 800円 京太郎「これにこれに……これと」 京太郎「木刀……見ると買いたくなるんだよな」 灼「ハルちゃん、これ似合うと思う?」 晴絵「う、うなぎTシャツ……?」 灼「可愛いんだけど、どうかな?」 晴絵「あ、ああ、そうだな、似合うんじゃないか?」 灼「わかった、ありがと」スタスタ 晴絵「ん?ちょっと待て、灼ってMだったっけ?」 灼「私はS、これはハルちゃんの分」 灼「お揃いだよ」ニコッ 晴絵「ストーップ!」 晴絵「一旦落ち着こう灼、な?」 灼「私はもともと落ち着いてるけど」 晴絵(嫌だ、流石にうなぎTシャツなんか着られない!) 晴絵(望になんて言われるか……) 晴絵(どうしたものか……んんっ!?) 晴絵「なあ、そこの君」 京太郎「はい、なんですか?」 京太郎(この人、それに……鷺森さん?) 晴絵「君、個人戦1位の須賀くんだよな?」 灼「えっ」 京太郎「ええ、まあ」 灼「えっ」 灼「ちょっと待って、君が男子のチャンピオンだったの?」 京太郎「あのときは言い忘れてましたね」 灼「」カタン カタン 晴絵(いまだ!)シュッ シュッ 灼(雑用かと思ってた……) 京太郎「あ、Tシャツ落ちましたよ」 灼「あ、ありがと……あれ、無い」 晴絵「灼ーそろそろ戻ろうか」 灼「うん……腑に落ちないけどわかった」 晴絵「ありがとな、須賀君」ボソッ 京太郎「はぁ……?」 京太郎(何だったんだ?) 京太郎「いいもの買えたし満足満足」 泉「あ、京太郎くーん」 セーラ「遅いでー!」 京太郎「えっと、時間は……やべっもうすぐじゃねえか!」 泉「まったく、しっかりしてくださいよ」 京太郎「うん、ごめん」 郁乃「今度は何して遊ぼか~?」 エイスリン「オーサマ、ダメ」カタカタ 憩「かなりへこんどるなー」 照「あれはしょうがない」 京太郎「じゃあ大富豪をしましょう!」 郁乃「大富豪やな~」 京太郎「大富豪です!」 エイスリン「ダイフゴウ?」 憩「大富豪ですーぅ」 セーラ「カードクバルデー」 泉「こういうのあんまり得意やないんですよね」 エイスリン「イチアガリ!」 照「大貧民……」 照「なんもかんも政治が悪い」 郁乃「そんな照ちゃんには罰ゲームやで~」 郁乃「エイスリンちゃんどうぞ~」 エイスリン「テル!福岡弁!」 照「福岡弁……そいは無理やけん」 照「ばってん、大阪弁ならなんとかなるやろ」 セーラ「できとるやん」 京太郎「俺の大富豪ですね」 京太郎「ちなみに都落ちは大貧民によるもののみとしてます」 セーラ「オレが大貧民か……」 京太郎「ふんふむ、江口さんですか……」 憩「えっちなのはだめやで」 京太郎「わ、わかってますよ、はははっ」 泉「わざとらしいですねー」 照「江口さんは無いけん、大丈夫やろ」 セーラ「なんやとー!」 京太郎「うむむ……照の場合もあるから、江口さんは男言葉禁止!憩さんとか泉みたいな女言葉でお願いします!」 セーラ「そ、そな、そないなこと……」 京太郎「はいはいはいはい!」 エイスリン「エグチセーラノ!」 エイ京「「ちょっといいとこ見てみたい!」」 京太郎「標準語でもいいですよ」 セーラ「う……わかりました」カァァ セーラ「いやっ、恥ずかしいです!」 泉「ほぉ……」カシャン セーラ「何録ってるの!」 泉「いえ、船久保先輩たちに送ろうかと」 セーラ「やめて!」 京太郎(くっくっく、手札は8が2枚とそれ以外は全てK以上) 京太郎(この勝負、もらった!) 郁乃「革命やで~」 京太郎「……は?」 京太郎「いや、革命返しだ!」 郁乃「ん~それは意外やったけど~」 セーラ「革命返し返し!」 京太郎「なっ!」 郁乃「これで、私の1抜けやな」 京太郎「大貧民……負けた」 郁乃「ほな罰ゲームたーいむ」ガバッ 京太郎「うわっ、ちょっ、何するん、あっ、そこは!」 郁乃「はい完成~」 -‐.  ̄ ¨ .‐- . , '´ `丶 , ' \ / / ヽ .' / / / / / '. i ! l | l / / / / ,.イ ,' l l ', ノ/ l | / / / / / ,' ハ | | | ヽ. //.| l | / /// / / / / V | | }! ト} // || | |/∠_// / /_/ ∠.._ト、| } /l\┴、. // /l| l Vチ≧z、 / / 斗≦升ラ ,' / | \ ヽ. /´_ /|! ヽ マセッfム、〃ノ,tfヒ込ソ / / l | ', \ `ヽ __レ´ . ヽ ヽヽ  ̄ . } . / / /,イ. | 、. \( }/ / / ヽ_ > ヽ ∠ ノj ' { .l { ヽ (`ヽ し'ノ. / リ .>、 'ニ ヽ ∠イ | | ', 人 r‐、_)^ ヽr廴r-イjノリ l fr>、_.∠rf^⌒! l lヽ.ゝ-ィ'ー┬´ , -‐- 、´l ノ从} `i^Y´ // ! l∧{ | | |____ / Yi | rゝ、ヽ.} //// 、 | l / \ / ⊥≠≦-ーr=チー‐ /  ̄ ¬´ \ / r‐ 'ノ ̄/ ̄ ゝ-f'ヽ `丶. / ヽ. { ( ̄ / ,' /´ | `、 r‐ヽ ! 〉 ', .ゝ / (/ l ヽ `)r'´ | / { _ (´ / | \r'レ' | .| / l _/_ヽ廴 / | ノヽ. | .| ∧ r f‐┴、 ヽ(_r‐、 } ' . | .| / ∧ ヽ | l ヽr= |// ) r‐、 | (て V .| r、_ノヽ ノ \ \ uヘ | .// (__r'廴 ) し'¬フ | ∨て ∧ \ \ ヽ l// / `T´ | l __ム ∧ ヽ \ ヽ ', l/ / | | レ' ヽ /| / \ \ \ \ ∨ l ,' } ', `(⌒メ. l ∧ \ \ \ \ ※京太郎です 泉「可愛え……」 エイスリン「イクノ、スゴイ!」 郁乃「せやろ~さすがやろ~」 京太郎「穴があったら入りたい……」 霞「大阪到着ー!」 泉「お世話になりました」 セーラ「おーきにー」 泉「江口先輩、ちゃんと挨拶せんと」 セーラ『お呼びですか?ご主人様』ニャン セーラ「やめーや!」 泉「それじゃ」 セ泉「「お世話になりました」」 霞「またみんなで遊びに行けたらいいわね」 憩「待ってるで」 エイスリン「ウン!」 泉「ほなさいならです」 セーラ「デンシャガデルデー」 霞「さて、私たちも帰りましょうか」 霞「清々荘へ」 咏「んーっ、この景色、久しぶりだねぃ」 憩「せやね、相変わらず綺麗や」 霞「はいはい、今日はもう遅いから各自解散ね」 霞「打ちたくなったらまた私のところに来ていいから」 霞「それじゃあ、解散!」 「おつかれさまでしたー」 京太郎「そういえばあと1週間だか2週間で夏休み終わりなんだよな……」 京太郎「宿題大丈夫かな……」 エイスリン「キョウタローオヤスミ!」ガチャ 京太郎「おやすみなさい」 憩「おやすみー」ガチャ 咏「おやすみ」ガチャ 京太郎「まだまだ俺の夏はこれから!……ってか」 京太郎「頑張ろ」 照「京」 京太郎「のわっ、って、照か」 照「話したいことがあるから、私の部屋に来てくれる?」 京太郎「話?」 照「」コクッ 照「荷物置いた後でもいいから」 京太郎「んー……どうしよ」 夜 京太郎「わかった、ちょっと待っててな」 照「ありがとう」 荷物を置いて、うーんやっぱりほこりはたまるよな 明日くらいに大掃除しておくか さーて照の部屋照の部屋ーっと 京太郎「入るぞー」ガチャ バタム 照「そこに座って」 京太郎「おう、なんだか広いな、照にしては珍しい」 照「あまり物は無いから」 京太郎「そっか」 部屋の中に置いてあるのは簡単な机とゴミ箱、鞄、本棚そして少しの服 それだけだった 生活感が無いというか、まるで――― まるでここに泊まっているかのようだった 京太郎「それで、話って何なんだ?」 照「…………」 照「責任」ボソッ 照「責任取って」 京太郎「責任?」 照「昼間のこと、覚えてる?」 京太郎「照が溺れた時のことか?」 照「そう、その責任」 京太郎「確かに照から離れてた俺が悪かったけど、それが何かあるのか?」 照「違う、そっちじゃなくて」 照「……私を助けたときのこと」 照は俯いた、一瞬だけ見えた頬は少し赤くなっているようだった 京太郎「心臓マッサージか?あれは強くやらないとダメって聞いたからさ、ごめんな」 照「そっちじゃない」 むぅ、とこちらに目を向けてくる 心臓マッサージじゃないとしたら何だ? 人工呼吸はする前に照が起きたからやってな……ああ、そうか 京太郎「人工呼吸のことか?」 照「……そう」 ぷいっ、とまた俯いてしまった 首ふり人形か何かなのか?こいつ 照「私の……初めて、を京に取られた、だから責任取って、訴訟」 照「大体、本人の合意なしにそんな……嫌だよ」 照「嫌、だよ」 今度は肩まで震えだしたぞ、まったく勘違いも甚だしいな 京太郎「言っておくが、人工呼吸なんてやってないぞ」 照「えっ」 照「…………」 照「えっ」 京太郎「なぜ二回言った」 照「信じられなかったから」 俺の信頼ってどんなもんなの? ちょっとこれはお仕置きが必要みたいだな 照「京みたいな女の子が好きで好きでたまらないような男の子が私みたいな美少女を目の前にして暴走しないほうがおかしいと思う」 だから俺どんな人間!? 照「……でも、なら……いいや」 京太郎「何が良いんだ?」 照「ううん、なんでもない」 京太郎「何でもないようには見えないんだが?」 髪をくるくるいじったり、微妙にそわそわしたり、こっちに目を合わせようとしなかったり 照「大丈夫ったら大丈夫」 京太郎「そっか、で、話はそんだけか?」 照「あっ」 今思い出した!みたいな顔して、照は見ていて飽きないな 照「京、今度は真面目に聞いてくれる?」 京太郎「さっきも十分真面目なはずだったんだけどな」 照「……じゃあもっと真面目に聞いて」 ぱちっ、ぱちっ、と蛍光灯の明かりが少し暗くなったり明るくなったりしている 少ない家具 無愛想な部屋 ここに住む基本無表情な照は、ゆっくりと口を開いた まるで時が止まったかのように 「私は東京に帰る」 その言葉は、俺の脳裏をゆっくりと横切り しっかりとその余韻を残していた 第三章【全国】終了
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【冬休み五日目】(合宿三日目) 京太郎(はうっ……!) 京太郎(体が重い……!けれど俺の眼は開いている!) 京太郎(これが世に聞く金縛りと言うやつなのか……!) 京太郎(……でも本当に重いな、何なんだろ) 京太郎(何だこの柔らかい感触)プニプニ 京太郎(弾力があって、スベスベで……)プニプニ 京太郎(こんな抱き枕あったっけ?)プニプニ 京太郎「……」バサッ 穏乃「…………ん~」ギュゥ 京太郎「なんだ高鴨か……」プニプニ 京太郎「……高鴨!?」 京太郎(何これなんだよこれ!なんで俺裸なの?ってかなんで高鴨まで裸なの!?) 穏乃「京太郎……寒い……」ギュゥ 京太郎「ちょっ、そんな寄せられるとまずっ―――!」 穏乃「んっ…………」モゾモゾ 京太郎(こっ、これは世に聞く素股……!?) 京太郎(回復技「あさのひざし」で覚醒したマイサンが高鴨の太ももに包み込まれているだとォ!) 京太郎(まずい、この状況は非常にまずい!) 京太郎(第一この状況を咲に見られでもしたらまず冥土直行便!) 京太郎(高鴨を起こせば事情は聞ける、だがこの快感は得られなくなってしまう……!) 京太郎(どうする!どうする俺!) 京太郎(昨日何があったかは知らないが……) 京太郎(こんなところにいられるか!俺は布団に戻る!) 京太郎(さーて寝巻寝巻ー) 京太郎「なんで高鴨の布団にあるんだよ……へくしょん!」 京太郎「さむっ、早く着替えないと」 京太郎(高鴨が俺の布団で寝てるから、俺は高鴨の布団で寝ないとか) 京太郎(夜話してたとき、あいつずっと枕抱きしめてたよな……) 京太郎「」クンクン 京太郎(何これ、高鴨みたいなのでもこんな匂いするのか) 京太郎(すげえ、クセになりそう) 京太郎(つーか、そもそもなんであいつが俺の布団にいたんだ?) 京太郎(……まあ、起きた後で聞けばいいか……) 京太郎(…………) 京太郎(なんとか起床時間前に起きて高鴨を移動させておいた……) 京太郎(なんでああなったんだ……?) 朝 京太郎「はい、それでは練習を始めまーす」 咲「いつもより元気なくない?大丈夫?」 京太郎「ああ、大丈夫、無問題だ」 京太郎(昨日は何があったんだ……気になってしょうがないぞ) 咲「?」 穏乃「京太郎、おはよっ!」 京太郎「よっす」 穏乃「なんか元気無いね、どうしたの?」 京太郎「ん……なんでもない」 穏乃「そっかー」 京太郎(高鴨のせいだなんて言えないよな、俺の夢だったという可能性も否めないわけだし) 京太郎(って、今俺高鴨と二人っきりじゃん、話聞けるじゃん) 京太郎(どうしよ、聞いてみようかな……) 京太郎「高鴨、ちょっと聞いてもいいか?」 穏乃「え?なになに?」 京太郎「今日夢見た?」 穏乃「へ?」 京太郎「いやー、今朝俺と高鴨が裸で抱き合ってる夢見てさ」 京太郎「やっぱりそんなんありえないよなー」 穏乃「…………」 京太郎(静かになった?考えてるのか?) 穏乃「う、うん!そうだよ、私と京太郎がそんなことするなんて、そんなの絶対おかしいよ」アセアセ 京太郎「……お前って俺のこと京太郎って呼んでたっけ?」 穏乃「えっ、ほ、ほら、大星さんとか三尋木さんとか京太郎って呼んでたから私も呼ぼーって」 京太郎「そうなのか?」 穏乃「そ、そーだよ!あ!あっちの対局終わったみたいだから私行ってくるね!」 京太郎「高鴨?」 ―――時をさかのぼること、深夜 穏乃「ん……」モゾモゾ 穏乃(ダメだ、目が覚めて寝れないや) 穏乃(どうやったら寝れるかな……) 京太郎「ん~……」Zzz 穏乃(須賀……かぁ) 穏乃(男の子の身体ってどんなんなんだろ) モゾモゾ 穏乃(浴衣だから脱がしやすいなぁ)モゾモゾ 穏乃(うわ、これが男の子の身体か)サワサワ 穏乃(これ全部筋肉なのかな、あ、乳首とかもあるんだ) 穏乃(……なんか暑くなってきたな……)モゾモゾ 穏乃(誰も見てないし、脱いじゃえ!) 京太郎「んぅ……」ギュゥ 穏乃「へっ!?」 穏乃(私、抱きしめられてる?) ギュゥゥゥ 穏乃(少し苦しいけど……でも、安心する……) 穏乃(私も……)ギュゥ 穏乃(ちょっと息荒くなってきた……なんでだろ) 穏乃(眠くなってきたし……このまま……)ギュゥ 穏乃(京太郎…………京太郎、かぁ……) 穏乃(そんなことがあったなんて言えない!絶対に!)ブンブン 京太郎(結局あれは夢だったのか、一夜の過ちとかじゃなくてよかった、うん) 淡「きょうたろー、何の話してたのー?」 京太郎「ん?高鴨とか?」 淡「なーんか変な話をしてた気がするんだよねー」 京太郎「いやまさか、高鴨はそういうのに縁なんて無い方だろ」 淡「んー、だよねー」 京太郎「それで、次はお前が抜けてきたのか」 淡「そーそー、でもさ、練習ばっかだと疲れるから喋って時間つぶさない?」 京太郎「まあいいけど」 淡「じゃあ何話そっかー?」 京太郎「俺としてちょっと気になることがあんだけどさ」 淡「何?」 京太郎「なんで男女が同じ部屋に寝てるのにエロエロなイベントがほとんどないんだろうな」 淡「えっ、いくらきょうたろーでもそれは引くよ?」 京太郎「お前相手だったらこっちから願い下げだよ」 淡「いくらきょうたろーでもそれは怒るよ?」 京太郎「いやだってお前……」チラッ 淡「?」ペターン 京太郎「ふっ」 淡「鼻で笑った!今鼻で笑ったよね!」 京太郎「高鴨みたいな太もものエロさもなく、滝見さんほどの胸もない淡……ふっ」 淡「可愛いじゃん!私、可愛い!ほらほら!」 京太郎「はいはい可愛い可愛い」 淡「ばーかーにするなー!」ポイッポイッ 京太郎「痛っ!痛い!牌投げるなって!痛っ!」 昼 京太郎「午後は自由時間にするから、どっか遊びに行っていいぞー」 穏乃「やった!ラーメン!ラーメン!」 淡「サキサキー、どこ行こっかー」 咲「私は……行きたいところとかはあんまりないかな、咏ちゃんは?」 咏「んー私もよくわかんねーし、大星に任せるよ」 淡「任されたよ!じゃあれっつらごー!」 ワイワイガヤガヤ 春「…………」ポリポリ 京太郎「…………」 春「…………」ポリポリ 京太郎「滝見さんはどこか行ったりしないのか?」 春「」コクッ 京太郎「そっか、外寒いもんなー」 春「……そっちは?」 京太郎「あいつらの輪に入るのはなんか悪い気がしてな、邪魔しちゃいそうだし」 春「…………」ポリポリ ゴソゴソ 京太郎「何してるんだ?」 春「笑う犬」 京太郎「DVDなんてあるのか、知らなかった」 春「」コクッ 京太郎(……暇だ) 京太郎(部屋の中には俺と滝見さんだけ) 京太郎(何かすること……)チラッ 春「……」ポリポリ ポヨン 京太郎(胸……おっぱい……乳……おもち……) 京太郎(滝見さんの豊かな胸を観察し、研究する……天才なのか俺は!) 京太郎(……だが、どういう場面を研究すればいいんだ?) 京太郎(ここは滝見さんに揉ませてもらって、実際の揉み心地を研究しよう!) 京太郎(頼み込むなら土下座というのが古からの習わし!) 京太郎(本当にすまないという気持ちで……胸がいっぱいなら………!どこであれ土下座ができる……!たとえそれが……) 京太郎(肉焦がし……骨焼く……鉄板の上でもっ……!) 京太郎「滝見さん!」 春「……何」 ブス… ∫ ;′ ∫ ,;′ ブス…',. -――-゙、 ;' ジジジ… ; / へ ` 、'; ∫ 京太郎「俺に!胸を揉ませてください!」 _;'___{. , -/、/=;´イヽ;'_ /三三j='rー、\_ 、)_℡, ;;〉三'`、ジジ… /三三└'゙ー ;‐;;‐;;'`ー;;ヾ'`"´三'三;`、 囮ヱヱヱヱヱヱヱヱヱヱヱヱ囮 囮災炎災炎炙災炒炎災灸災炭囮 ◎┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴◎ 春「…………」 春「…………」ポリポリ ヤッタ!ヤッタ!ヤッタ! 春「……ふふっ」ポリポリ 京太郎「見なかったことにしないで!せめて反応して!寂しいから!」 春「…………許可すると思う?」 京太郎「いいえ全く」 京太郎「だが!しかし!それでも!ここで退くわけにはいかないんだ!男として!健全な青少年として!」 春「……無駄な情熱」 京太郎(本当に揉みたいという気持ちで……胸がいっぱいなら………!どこであれ土下座ができる……!たとえそれが……) 京太郎「頼む!この通りだ!」 春「……どうして?」 京太郎「俺はただ、滝見さんの胸が揉みたい!触りたい!あわよくばしゃぶりつきたい!だって欲求不満だから!」 京太郎「滝見さんなら、俺の願望を満たしてくれると思ってる!俺は滝見さん(の胸)が大好きなんだ!」 京太郎「一目見たときから思ってた!頼む!俺に揉ませてくれ!」 春「…………」 春「……病院に行くべき」ジトッ 春「頭の」 京太郎「冷たい!視線も言葉も冷たい!だが、俺は――――ッ!」 春「…………」ジトッ 京太郎「…………」 京太郎「ごめんなさいでした……」 春「…………」ポリポリ 京太郎(……俺は、何をしていたんだろう) 春「…………」ポリポリ 京太郎『俺は滝見さん(の胸)が大好きなんだ!』 春「…………」ポリ... 夜 京太郎「練習再開だ、準備しろー」 淡「えー!今晩も休ませてよ!」 京太郎「終わったら散々くつろいでるだろうが」 淡「むぅ……」 京太郎「結局お前が来るのか……」 淡「だって遊びたいんだもん!」 京太郎「お前なぁ……」 淡「ほらほら、ちゃっちゃとやっちゃお?」 京太郎「……はぁ」 淡「ねーねーきょうたろー」 京太郎「何だよ」 淡「私のこと好きー?」 京太郎「はぁ!?何言ってんだよ」 淡「どーなの?」ズイッ 京太郎「……まあ、好きか嫌いで言えば……嫌いではないけど」 淡「じゃあ好きなんだ!」 京太郎「そういうわけでもないんだが……それが何だよ」 淡「じゃあさ!じゃあさ!」 淡「私が頑張ったらさ、いっぱい甘えていい?」 京太郎「甘える?」 淡「撫でてもらったり、お菓子食べさせてもらったり?」 京太郎「ん……いいぞ、それでお前が頑張れるなら」 淡「よしっ!たくさん頑張っちゃうよ!……っとその前に」ポスン 京太郎「おい」 淡「これ知ってる?充電っていうんだよ?」 京太郎「いや知らないけど」 淡「こうすると淡ちゃんパワーがどんどん溜まっていくんだ!こう、ドバァーっと!」 京太郎「さいですか」 淡「よーし、頑張ろー!」 咏「よっす」 京太郎「よっ」 咏「あんさぁ、京太郎ってもうオーダーとか決めた?」 京太郎「いや、まだ全然だけど、そろそろ決めた方がいいか?」 咏「そうなんじゃね」 京太郎「一つ大会のことで気になってたんだけどさ、一戦目と二戦目でオーダー変更とかできんの?」 咏「ああ、できるはずだったと思うぜぃ、知らんけど」 京太郎「そっか……ちゃんと考えなきゃな」 京太郎「ほい、それロン」 咏「うげっ、また和了られた……」 京太郎「もうちょい守備堅くした方がいいぞ、大きいの和了る前に和了られてたら意味ないしな」 咏「それもそうなんだけど……京太郎が強いんだよ」 京太郎「やるからには本気でやらないとダメだろ」 咏「確かにそうなんだけどさ……」 京太郎「ま、こっからも一緒に頑張っていこうぜ」 咏「……おう」 咏(……ってか、京太郎なら多分……) 咏(……違う、今はそんなこと考えてる時間じゃねえ) 【風呂】 カポーン 京太郎「ふぅ~」 京太郎「明日で合宿最後か、今まで誰かが入ってきて落ち着けなかったけど」 京太郎「今日だけでもゆっくり休めてよかった……」 ザバッ 京太郎「うっし、明日も頑張ろう!」 京太郎(臨海の監督さんたちもここに泊まってるんだよな……) 京太郎(まだ、俺がこいつらを引っ張れてるのか不安だし、行ってみよう) 淡「ねえーきょうたろー聞いてる?」 京太郎「ん、おお聞いてる聞いてる」 淡「ホントにー?」 京太郎「ホントホント」 淡「んーとね、それで――――」 ―――一時間後 京太郎「」キョロキョロ 京太郎「作戦、開始だ」 コンコン 京太郎「失礼しまーす」 京太郎「監督さんの部屋がここだって聞いて来たんですけど……」 霞「あら、京太郎くんじゃない」 晴絵「おっす、須賀くん」 善野「何しに来たん?」 京太郎「皆さん同じ部屋で寝てるんですか……?」 トシ「そういう仕様らしいから仕方ないんだよ」 臨海「キョウタロウ?」 霞「それで、何の用なの?」 京太郎「はい、実は――――」 雅枝「なるほどな、つまりはアドバイスが欲しい、いうことやな」 晴絵「シズとかは直線的で扱いやすいと思うけどなぁ」 京太郎「あいつ以外が問題なんですよね」 臨海「それなら、私たちでレッスンしてあげるのがよいでしょうか」 霞「そうですね、少し夜が遅いですけど」 善野「須賀くん、時間大丈夫?」 京太郎「はい!頑張ります!」 トシ「それじゃあ始めようかね」 臨海「―――――と、ざっとこんなものかな」 晴絵「どうだ?勉強になった?」 京太郎「なるほど、ばっちりです!」 トシ「彼女たちと同い年の須賀くんなら、親身にもなってあげられるし、発破だってかけやすいはずさね」 雅枝「あのチームをまとめるのに適してるっちゅうわけやな」 京太郎「そうだったんですか?」 善野「せやから、須賀くんも自信持って頑張ってな」 霞「敵同士だけど、頑張ってね」 京太郎「はい!本当にありがとうございました!」 臨海「ここまでで、いいかな」 京太郎「同じホテルなのにわざわざ見送りなんていいですよ」 臨海「これでも私たちは教育者だからな、心配なものは心配なんだ」 京太郎「そうっすか、ありがとうございます」 臨海「いや、礼なんていらないよ」 京太郎「でもこんな時間に俺の相談に乗ってくれて申し訳ないというか」 臨海「……そういえば、君はどうして私を訪ねてきたんだ?石戸先生の方が相談もしやすかっただろうに」 京太郎「んー……監督さんが頼りになりそうだったから、ですかね」 京太郎「霞さんたちが頼りないってわけじゃないんですけど、一昨日とか俺のこと看ていてくれたじゃないですか」 京太郎「だから監督さんのところに行こうとしたんだと思います」 臨海「……そう、か……そう言われて悪い気はしないな」 京太郎「というわけで、ありがとうございました」 臨海「うん、頑張ってくれ」 京太郎「へへっ、負けませんからね」 臨海「こちらもそう老いぼれちゃあいないよ、じゃあな」スタスタ 京太郎「おやすみなさーい」 【冬休み5日目】(合宿三日目)終 【冬休み6日目】(合宿四日目) 京太郎(清々しい朝!冬の日差しにその寒さ!) 京太郎(けどさぁ……) 京太郎「…………」サワッ 咲「んっ」ビクッ 京太郎(なんで咲の胸を触ってるんだ俺……)サワサワサワサワ 京太郎(ってかなんでこんな後ろから抱き着いてるような体勢になってんだよ……)サワサワサワサワ 京太郎(今までないものだと思ってたけど、服越しでも案外あるもんなんだな)サワサワサワサワ 京太郎(そもそも昨日何があったんだ?)サワッ 咲「あっ、んっ……」ビクビクッ 京太郎(急に震えだしたけど、寒いのか?) 京太郎(布団もっとかけてやらないと……) バサッ スタスタ... 咲(なんか変な感じがしたから起きちゃったけど)モジモジ 咲(何なんだろうこの感じ……体がすごく熱くて……) 咲(ちょっと気持ちいい、かも……) 咲(京ちゃん、私の胸が好きなのかな) 咲(……触ってくれたってことはそういうことだよね) 咲(なんだか、嬉しいな) 朝 京太郎(……はっ!) 京太郎(朝、か?) 京太郎(でもなんか暑いような……) 咏「ぅ…………」モゾモゾ 京太郎(なんでまた俺の布団で寝てるんだよ……) 京太郎(小さいからはみ出なくっていいけどさ) 京太郎「えいえい」ツンツン 咏「にゅ……ぅ……」プニプニ 京太郎(一昨日は滝見さん、昨日は高鴨、そんで今日は咏か) 京太郎(何なの俺、何か憑いてるんじゃねえの?) 咏「んぅ…………きょぅたろぉ……」 咏「……すきぃ…………」 京太郎「!」ビクッ 京太郎(びびったぁ……寝言か、そりゃそうだよな) 京太郎(第一好かれるようなことあんました覚えないし、うん) 京太郎(けど、もし俺が咏と付き合ったら……) 京太郎(…………) 京太郎(通報されるな) 淡「今日はみんなで人生ゲームをしよー!」 京太郎「……はぁ」 咲「いいの?京ちゃん」 京太郎「ときには息抜きも必要だろうからな」 淡「私黄色使うねー!」 春「……青」 穏乃「じゃあ私は赤!」 咏「んーと……じゃあ私は緑にするかねぃ」 淡「あ、そーだ!一番金持ちの人は誰かに命令できるってことにしよ!ってかそうするから!」 京太郎(うわぁ、めんどくせぇ……) 淡「今めんどくせえって思ったでしょ!」 京太郎「なっ、どうしてそのことが!」 淡「私ときょうたろーは以心伝心だからね!愛し合ってるっていうのー?」 咲「」ムッ 咏「」ムッ 淡「んー、私が勝ったら何しよっかなー」 春「勝たないから心配しないでいい」ポリポリ 淡「へータキミン言うねー」 京太郎「とっとと始めるぞー」 一位 京太郎 二位 春 三位 穏乃 四位 淡 五位 咲 六位 咏 淡「うわ、びみょー」 咲「また家が燃えちゃったよぉ……」 咏「竜巻で飛ばされるよりまだマシだろ……」 穏乃「やった!ブラックバス釣れた!」 京太郎「何とか一位だったけど、滝見さんすげーな」 春「……ギャンブルは得意」ポリポリ 京太郎「俺が一位だから何か命令していいんだよな?」 淡「……チッ」 京太郎「あくどい顔で舌打ちするなよ!なんか恐いから!」 京太郎「じゃあ咏が俺にマッサージ、咲は滝見さんにマッサージな」 咲「え?」 咏「ふぇ?」 穏乃「そんなのでいいの?」 京太郎「ああ、気持ちよけりゃいいだけだから」 淡「なにそれつまんないー!」 春「……なんで私まで」 京太郎「細かいことは言わずに、な?」 春「…………」ポリポリ 咏「でもよぉ、マッサージってどうすりゃいいん?」 京太郎「肩揉んだりでいいぜ、そこまで本格的にやる必要はないからな」 咏「へいへい、んじゃ始めるよ」 咏「京太郎って結構肩凝ってるのな」 京太郎「んーまあな」 咏「ん……しょ」 京太郎「こういうのもいいな、なんかリラックスできるわ」 咏「それは私の腕がいいからなんじゃねーの?知らんけど」 京太郎「そうかもな、毎日やってもらいたいくらいだぜ」 咏「ま、毎日って……」 京太郎「ん?どうした?」 咏「どうもしてねえよ!」グキッ 京太郎「痛っ!?」 咲「滝見さんのうなじ、綺麗だね」 春「…………」コクッ 咲(滝見さんの胸大きいな……) 咲(私も黒糖食べれば大きくなるのかな) 咲(もし大きくなったら京ちゃんも……ってなんで京ちゃんのこと考えてるの!) 咲(京ちゃん大きいの好きだもんね……羨ましいなぁ) 咲(って、あーもう!) 春「?」 淡「つまんなかったからもう一回!」 京太郎「せめて種目変えようぜ……」 一位 京太郎 二位 穏乃 三位 淡 四位 咏 五位 咲 六位 春 京太郎「また俺の勝ちだな!」 淡「つまんないつまんないつまんないー!」 穏乃「うーん、いい線行ってたと思ったんだけどなぁ……」 咏「まあ、いっか」 咲「順位下がっちゃったよぉ……」 春「……命令は?」ポリポリ 京太郎「お、そうだったな、んじゃ、命令は――――」 京太郎「全国で充電ってのが流行ってるらしい」 咲「充電?」 京太郎「一人がもう一人の膝の上に乗ってエネルギーを蓄えるとかなんとか」 穏乃「へー、今度憧にやってもらおうかな!」 京太郎「つーわけで、俺が滝見さんに充電をする」 咏「は?」 淡「え?」 春「…………」ポリポリ 京太郎「ほら、俺今二連勝だから最下位の滝見さんに運気を注入するっていうか」 咲「それって滝見さんが京ちゃんの上に座るってことだよね?」 京太郎「ん、それがどうかしたか?」 咲「どうかしたか、って……」 京太郎「よし、んじゃ滝見さん乗ってくれ」 春「…………」ポスン 淡「……それだけ?」 京太郎「これだけ」 淡「なにそれ!またつまんないよ!」 春「……黒糖食べさせて」 京太郎「おう、いいぞ」ヒョイ 春「…………」ポリポリ 咏「なんでこんなん見てないといけないんだよ……」 穏乃「滝見さん、充電されてる感じとかするの?」 淡「まっさかーそんなことあるわけ……」 春「……須賀くんが伝わってくる」 淡「何その効果!?」 淡「もう一回!もう一回!」 咲「もう昼だからそろそろやめない?」 淡「諦めちゃだめだよサキサキ!」 咲「諦めるも何もないと思うけど……どうする?京ちゃん」 京太郎「俺も黒糖食べていいか?」 春「……食べさせてあげる」 咲(なんで向かい合ってるの!?) 京太郎「じゃあ俺も」 春「…………」ポリポリ 京太郎「…………」ポリポリ 咲(なんだか兄妹みたいで微笑ましい光景だけど、どうしよう咏ちゃん!)チラッ 京太郎「服に黒糖こぼれてるぞ」ヒョイ パクッ 春「あ……」 咏「」イラッ 咲(こっち見てないや……こうなったら高鴨さん)チラッ 穏乃「滝見さん私も黒糖食べたい!」 春「……どうぞ」 穏乃「ありがと!」ボリボリ 咲(あ、これダメなパターンだ) 咲(でも私がしっかり聞かないと!) 咲「京ちゃん、お昼ご飯食べに行く?」 京太郎「……」ナデナデ 春「…………」ポリポリ 京太郎「滝見さんの髪、綺麗だな」 春「……春でいい」 春「…………」 春「……なんでもない」 京太郎「春の髪、綺麗だな」 春「…………」カァァ 咲「」イラッ 昼 京太郎「今日の午後は自由時間だぞー」 淡「よーやくきょうたろーもわかってきたみたいだね」ウンウン 穏乃「三尋木さん!ラーメン食べに行かない?」 咏「おーいいぜぃ、どっちが食べられるか勝負な」 穏乃「よしっ!燃えてきたぞぉぉぉぉおおおお!」 淡「じゃあタキミン遊びに行こー!昨日行けなかったからね!」 春「……」コクッ 京太郎「……んじゃ、俺たちも遊びに行くか」 咲「えっ、私と?」 京太郎「咲以外に誰がいるんだよ、ほら行くぞ」 咲「あっ、ちょっと待ってよ京ちゃん!」 咲「わぁ、本がいっぱいだよ、京ちゃん!」ピョンピョン 京太郎「確かに大きいけど、はしゃぎすぎだろ」 咲「長野じゃこんなに大きいところあんまり無かったもん!ああ……いいなぁお姉ちゃん」 京太郎「咲、ホントに本のこと好きなの……」 ポツーン 京太郎「……な」 京太郎「あんにゃろうどこ行きやがった……」 京太郎(目を離したらいつもこうだ、まあ本屋なら大体……) 咲「京ちゃんどこぉ……」 咲(お手洗いにも行きたいのにぃ……) 京太郎「ったく、何やってんだよ」ギュッ 咲「ぁ……」 京太郎「トイレに行きたかったら俺に言え、連れて行ってやるから」 咲「そんなこと、言えるわけないじゃん……」 京太郎「お前がいなくなったら困るんだよ、だから、さ」 京太郎「俺がいるときは、俺に頼れ」ニコッ 咲「…………あぅ」カァァ 京太郎「スッキリしたか?」 咲「お、女の子に何言ってるの!京ちゃんのバカ!」ポカポカ 京太郎「相変わらず咲はちんまいなー」 咲「もー!」 咲「…………」ジーッ 京太郎(こうして咲と本屋に来たわけだけど……) 咲「…………」ペラッ 京太郎(……なんかつまんねえ) 京太郎(何かいたずらしてやるか) 京太郎(にしても何読んでんだ?)チラッ 咲(京ちゃんの顔が……うぅ)カァァ 京太郎(恋愛小説か?咲もそういうの読むんだな)チラッ 咲「///」ポシュー 京太郎(咲の耳……か) 京太郎(……よし) 咲(京ちゃんの顔が近いから集中できないよぉ……)カァァ 咲(でも京ちゃんに怪しく思われちゃうからちゃんと読まないと……)ジーッ 京太郎「ふーっ」 咲「ひゃぁっ!」ビクッ 京太郎「あっはっは!なんつー声出してんだよ」 咲「も、もうっ!京ちゃんのバカ!」 咲「あっち行っててよ!」 京太郎「はいはい、十分経ったらまたここに来るから絶対に動くなよ」 咲「言われなくてもわかってるもん!べーっ!」 京太郎(―――とは言われたけど、時間が来るまで何しよ) お品書き 1.牌のお姉さんの麻雀教本 中級編…2000円 2.牌のお姉さんの麻雀教本 上級編…2800円 3.小鍛治健夜の目指せ!グランドマスター!…2800円 4.戒能良子のものまね王! 5.迫り来る怒涛の修羅場…2000円 6.女性を落とす40の方法…1000円 7.ライトノベル…600円 8.小説…600円 9.恋愛小説…600円 10.野依理沙の感情コントロール法…1000円 11.一日を活用する本…1500円 12.咲が読んでたのと同じ恋愛小説…700円 京太郎(咲も読んでたし、俺も似たようなの読んでみるか) 京太郎(……思春期の恋愛模様を描いた作品、か面白そうだ) 京太郎(咲の読んでたやつはどんな話だったんだろ) 京太郎(まあいいや、買いに行こ) 「ありゃぁたっしたー」 京太郎(後は咲を探しに行くだけだな) 京太郎(この辺のコーナーだったよな……あ、いた) 咲(京ちゃんまだかな……)モジモジ 京太郎(何だあいつ?足踏みしたり脚寄せ合ったり……) 咲(なんでまたお手洗いに行きたくなっちゃうんだろう……)モジモジ 京太郎(?) 京太郎(こっちに気づいてないのか?じゃあ……) 京太郎「おい、咲」 咲「へっ……あ、京ちゃん」 京太郎「早く行くぞ」グイッ 咲「えっ、なに、どこ行くの?」 京太郎「トイレ、行きたくなったんだろ」 咲「どうしてわかったの?」 京太郎「お前のことだからな、ほら着いたぞ」 咲「あ、ありがと……」モジモジ 咲(どうして京ちゃん、私がお手洗いに行きたいってわかったんだろ) 咲(なんで私を引っ張って行ってくれるんだろ) 咲(…………) 咲(帰るときは、私から京ちゃんの手繋ごうかな) 咲(手をつないで買い物に行くって、デートみたいだよね) 咲(……こんな風に、また遊びに行けたらいいな) 咲「お待たせ、京ちゃん」 京太郎「ん、そんなに待ってねえよ」 咲「えへへ、それじゃあ帰ろっか」ギュッ 京太郎「あ……ああ、そうだな」 咲(恋人繋ぎって、ちょっと大胆だったかな) 京太郎「って咲、本買わなくていいのか?」 咲「あっ、忘れてた!ちょっと待ってて!」トテトテ 京太郎「だから走るなっての!」 夜 京太郎「いよいよこの合宿も終わりっつーわけで、練習するぞー!」 穏乃「おー!」 淡「元気150%の淡ちゃんなら負けないよ!」 咲「私も負けないもん!」 春「…………」ポリポリ 咏「うぅ……胃もたれきつぃ……」 淡「そい!リーチ!」 咲「じゃあ私も、リーチ」 咏「そんじゃ、リーチ」 穏乃「リーチ!」 「「「「……」」」」 京太郎「何やってんだあいつら……」 春「……きょうたろう、始めて」 京太郎「ん……ああ」 京太郎(春が集中できるからって充電しながらやってるけど……) 春「…………」ウツラウツラ 京太郎(人の膝の上で寝るなよなー) 春「ん……」モゾモゾ 京太郎(やばっ、動かれると流石にまずいっ) 京太郎(これは起こすしかない……よな) 京太郎「おーい、春ー」 春「…………」 京太郎「後ろからじゃ起きてんのかどうかわかんねえよ……」 京太郎「…………」 春「…………」 京太郎「……俺も寝るか」 京太郎「最後の相手は高鴨か」 穏乃「んそっ、よろしくね!」 京太郎「おう、頑張るぞ!」 穏乃「うぉぉぉぉおおおお頑張るぞぉおぉおおお!」 京太郎(なんだろう、このやり取り終わらない気がするぞ?) 穏乃「いやぁー、今日で合宿も終わりなんだねー」 京太郎「手、動かせよ」 穏乃「須賀は楽しかった?私は楽しかったよ」 京太郎「いや、だからさ」 穏乃「東京のラーメンおいしかったし、麻雀も楽しかったし!」 京太郎「集中しようぜ、集中」 穏乃「大星さんや宮永さんともまた打てたから良かった!」 穏乃「須賀はどう思う?」 京太郎「麻雀しようぜ」 穏乃「うん、やっぱり楽しかったよね!」 京太郎「どこをどう捉えればそうなる!?」 京太郎「これで合宿は終わりだ!」 京太郎「そしてぇえぇえええええーーーー!」 淡「打っち上っげだーーーー!」ドンドンパフパフ 咲「わ、わー!」 咏「いえーい!」 穏乃「ラーメン!ラーメン!」 春「…………」ポリポリ 淡「でもどこに行くのー?」 京太郎「う……んー、どうしよ」 京太郎「じゃあカラオケでいっか」 咲「えぇ……私歌とか上手くないよ?」 京太郎「楽しけりゃいいんだよ、みんなもいいだろ?」 穏乃「憧によく連れていかれたからね、オッケーだよ!」 淡「私もいいよ!」 咏「ま、いんじゃね」 春「…………」ポリポリ 京太郎「誰から歌うんだ?」 淡「その前にルール決めようよ!」 咏「ルール?」 淡「六人の内負けた人が言うこと聞くとか!」 咲「わざわざそんなことしないでもいいんじゃ……」 淡「じゃあ一番の人がきょうたろーに充電してもらうとかは?」 咲「」ピクッ 咏「」ピクッ 京太郎「おい待てそのルール、俺が一位じゃ意味ないじゃねえか」 淡「え~、どうせきょうたろーは勝てないよー」 京太郎「何だと?」 穏乃「まーまー二人とも落ち着いて」 淡「タキミンはどう思う?」 春「……いいと思う」 京太郎「くっ……」 淡「嫌だったら代替案を提案してねー」 京太郎「折衷案ってことで俺が一位になったら他の人に命令」 京太郎「他の人が一位になったら俺が充電、でどうだ?」 咲「どうだ、っていうか……」 咏「京太郎が得しすぎだろ……」 淡「うん、それでいいや!」 穏乃「じゃあ一番は私行くよ!」 春「…………」ポリポリ 穏乃「青空が眩しいー、君がいる風景はー」←16点 淡「重さじゃー測れない、こんな想いー」←52点 咲「こわいもののない世界ならー」←58点 淡「何なのこの機械!おっかしいんじゃないの!」 淡「私が52点なんてあり得ないでしょ!」 京太郎「ふっ」 淡「鼻で笑うな!」 春「雲の形、突き抜けるー」←96点 咏「毎日ナニがあって、頭抱えてもー」←92点 京太郎「たましいゴーンと、チャイムを打たれたならー、打たれちゃったら!」←61点 淡「なんできょうたろーの歌より私の方が下なの……」ガックシ 咲「それは同感かも……」ガックシ 穏乃「うん……」ガックシ 京太郎「なぜそこまで落ち込む!?」 春「きょうたろう、充電」 京太郎「お、おお、いいぞ」 春「」ポスン 春「……頭撫でて」 京太郎「ああ、よしよし」ナデナデ 淡「ちょっ、そんなオプション――――!」 淡(待てよ、ここで頭なでなでを禁止したら私が勝ってもあまり得はない!) 淡(それにこう考えている間にもタキミンのきょうたろーポイントがどんどんたまっていく!) 淡(まさかこれが――――) 春「……ふっ」 淡(先手必勝のジャスティス!勝てば魏呉蜀!) 咲(勝てば官軍だと思うけど……) 淡(ここは黙るしかない!) 京太郎「淡、どうかしたか?」 淡「ううん、なんでもないよー」 淡(タキミン……恐ろしい子……!) 春「……きょうたろう」 京太郎「どうした?」 春「何かして」 京太郎「何か、って何だよ」 春「……抱きしめたり、とか」 京太郎「なら今頭撫でてるじゃん」 春「そうじゃなく……」 京太郎「んー……じゃあ……」 京太郎(咲とかがいるからあんまり大胆なことはできないとして……) 京太郎(そうだ!) 京太郎「……春」ボソッ 春「」ビクッ 京太郎「どきどきしてるんだ、俺の胸……春を充電したい、十年も、二十年も」ボソボソ 京太郎「っ……お前のそばに居続けたい」ボソボソ 京太郎「きっと、お前のことが好きなんだ……いや、春が好きだ、断言できる」ボソッ 京太郎「りゆうはわからない、色々ありすぎて、お前の好きなところが多すぎて」ボソボソ 京太郎「……なあ、春」 春「……///」カァァァァァ 京太郎「好きだぞ」ボソッ 春「///」ボシュー 咲「あの二人何してるのかな?」 淡「さあー?じゃあ次の曲入れちゃおー!」 穏乃「信じる、それだけで越えられないものーはない」←97点 淡「ほどかれてくの、どこまでもー」←70点 咲「がんばっちゃったがんばった我々東南西北わーいわーい!」←83点 淡「だからなんで私がこうなんのよ!」 穏乃「点数上がったんだからいいじゃん」 淡「アンタが一番おかしいでしょ!」 春「君の知らない、私だけの秘密」 京太郎「春は歌上手いなー」 春「……」カァァ←31点 咏「冒険でっしょ、でっしょ!」←76点 京太郎「ハートのエッジに挑もう、思うたけ見つめてー」←92点 穏乃「今度は私だよ!」 京太郎「ぐぬぬ、あとちょっとだったのに……」 穏乃「ねぇー私にも何かしてー」 京太郎「だから何かって言われてもな……」 京太郎「んじゃ、遠慮なく」サワッ 穏乃「ふぇっ」 京太郎「高鴨の太ももって結構筋肉ついてんだな」サワサワ 穏乃「ちょっ、何触ってんのさ!」 京太郎「こんな恰好で寒くないのか?」サワサワ 穏乃「はしってるから……大丈夫、だけど……」 京太郎「でも、ちゃんと肌スベスベしてるし、女の子って感じするぜ」サワサワ 穏乃「それ、褒めてくれてるのかわかんないんだけど」 穏乃(さっきから何かが当たってる気がするし……須賀に触られてると……何だろう) 穏乃(ちょっと変な……)モゾモゾ 春「…………」ボリ!ボリ!ボリ! 咲「京ちゃん何やってんだろ……」 咏「あいつ……」 淡「タキミンまであらぶってる……」 淡「次は絶対に勝ってやるんだから!」 穏乃「私はもういいや……」 咲「私も頑張る」グッ 春「…………」ポリポリ 咏「今度こそ勝つぜぃ~」 穏乃「みみーもとで囁き呼ぶ声に振り向けば、気づかぬうち開かれていたトビラー」←66点 淡「ガッティーノ、ガッティーナ、私だけの傍にいてねー」←15点 咲「わーたっしーとしようよ、ココロが晴天ドキツモ昇天」←75点 淡「」チーン 京太郎「ぶははははは!どんだけ機械に嫌われてんだよ!」 咲「京ちゃん、淡ちゃん可哀想だよ」 京太郎「でもよぉ、あっはははは!」 淡「うっさいうっさいうっさーい!どうせきょうたろーだってこんな点になるもん!」 京太郎「ならねーよ、ま、見てればわかるけどな」フフン 春「アザレアを咲かせて、暖かい庭までー」←5点 咏「おおきな夢、夢、スキでしょ?」←83点 京太郎「本気の恋ー、それは突然花が咲くー」←90点 淡「みんなしてずっこいずっこい!」 京太郎「結局実力ってことだな」 淡「むぅ……」 咏「んで、命令何すんの?」 京太郎「おっ、そういえばそうだったな」 咲「エッチな命令とかは……ダメだよ?」ニコッ 京太郎「わ、わかってらぁ、そんぐらい」アセアセ 春「…………」ポリポリ 京太郎「んー、と、じゃあ……淡?」 淡「なによぉ……」グスッ 京太郎「いや、負けたからって泣くなよ」 淡「だって、きょうたろー程度に負けるとかありえないし……」グスッ 京太郎「ナチュラルに失礼だな、おい」 春「……命令」ポリポリ 京太郎「ああ、ちょっと考え中な」 京太郎(全員に猫のごとく甘えてもらう、とか言おうと思ってたけど俺もそこまで空気が読めない男じゃあない) 京太郎(淡が泣いたままだと嫌な気がするし……淡の脇をくすぐって励ますとかいいんじゃないか?) 京太郎(あわよくば淡の胸に触れる、って違うわ!どんだけ変態なんだ俺!) 京太郎(それにあんな胸触ったってなぁ……)ハァ 京太郎「淡」 淡「なに?」 京太郎「ほい」ガシッ ヒョイッ 淡「はぁっ!?」 咲咏穏「ええっ!!」 春「…………」ポリポリ 淡「なっ、何してんの!」 京太郎「ほーれ高い高ーい」 淡「子どもじゃないんだから降ろしてよー!」ジタバタ 京太郎「はっはっは、じたばたはHPが少なくないと威力弱いんだぜー」 淡「っていうかスカート見えるから!」ゲシッ 京太郎「ぐへぁっ」グラッ 咲「あっ!」 咏「京太郎のバランスが!」 穏乃「大星さん危ない!」 淡「きゃぁっ!」 京太郎「淡っ!」 京太郎(これだと淡が頭から落ちる、最悪病院行きだ!) 京太郎(それだけはさせない!) ドッシーン! 咲「きょ、京ちゃん!」 京太郎「いつつ……腰打ったっぽい」 咏「ったく、気ぃ付けろよなー」 京太郎「わりぃわりぃ」 淡「もー!きょうたろーのせいで危なかったじゃん!」 京太郎「人が身を挺して守ったっつうのに一言目がそれかよ……」 淡「ぁ……それはありがとう、だけど……」モジモジ 淡「って!そもそもきょうたろーが高い高いなんてしなきゃよかったんじゃん!」ウガー 京太郎(一瞬でもしおらしくてかわいいと思った俺がバカだった) 淡「こうなったらやり返してやる!えいっ」ガシッ 京太郎「うおっ!」 淡「んぐぐ……」 淡「持ち上がれぇ……!」 京太郎「淡、あんまり無理しない方がいいんじゃないか?」 淡「うっさい!やり返すったらやり返すんだから!」 ――十分後 淡「なんで持ち上がんないのさー!」 京太郎「体格差があるからしゃあないだろ」 淡「きょうたろーの筋肉硬かったし、抱きしめてるみたいで気持ち良かったよー!」 京太郎「なんでこの状況で褒められてんだろ俺」 京太郎「次で最後にするか」 咲「そうだね、もう結構遅いし」 咏「じゃさ、じゃさ、最後は全員で同じ歌歌ってその得点を競うってのはどうなん?」 淡「あ、いいねーそれ!」 穏乃「じゃあ何歌うの?」 春「……だんご三兄弟」 咲「中々古いね!?」 京太郎「そりゃみんな知ってるだろうけどさ……」 淡「じゃあセーラームーンとかは?」 咏「そっちのがおぼろげなんだよねぃ……」 穏乃「タ○リ倶楽部のオープニングは?」 京太郎「あれカラオケに入ってんのか?つーかどんなチョイスだよ」 淡「タ○リ……なにそれ?」 咲「私も土曜日は夜遅くまで本読んでるから知らないな」 京太郎「それ、見てるって言ってるようなもんだぞ」 咲「空耳しか見てないもん!」 淡「だから何それ?」 京太郎「結局、おいでよ亀有を歌うことになったぞ!」 咲「どうしてこうなっちゃうの……」 穏乃:96点 春:90点 淡:66点 咲:27点 京太郎:21点 咏:1点 咏「1点……1点……」チーン 淡「また勝てなかった……」ガクッ 咲「私だって4位だったんだから、元気出そ!」 春「…………黒糖、いる?」ポリポリ 淡「いるいるっ!ちょーだい!」 咲「ゲンキンだなぁ……」 穏乃「また私が一番かぁ……よっ!」ポスッ 京太郎「俺の膝に慣れるの早くね」 穏乃「まあ、嫌いじゃないからねー」 京太郎「新子だったら「こんなこと死んでもやらないわよっ!」とか言いそうだよな」 穏乃「あはは……有り得るね」 京太郎「今回も何かするか?」 穏乃「うんっ、おまかせで!」 京太郎「んじゃ、まずは」サラッ 穏乃「ん……」 京太郎「高鴨の髪の毛さらっさらだな」ススッ 穏乃「えーそうかな?」 京太郎「綺麗だし、いい匂いもするぞ」ソソッ 穏乃「なんかむずむずする……」 京太郎「やっぱり女の子の髪って気持ちいいな」 咲「……やっぱり?」ゴッ 京太郎「ヒッ」 咲「京ちゃん、他の女の子の髪触ったことあるの?私にはないのに?」 京太郎「そ、それは言葉の綾というやつで、触ったっつうか撫でたときとか……ほら!小さいときにお前のことも撫でてたろ!」 咲「……そういうことならいっか」 咲「ほら、続けなよ」 京太郎「は、はい……」 京太郎(なんか重い雰囲気になってんですけど!?) 京太郎(やべーよ殺されるよ、何だよあの殺気、このまま抱きしめようかと思ったけど絶対無理だよ) 穏乃「もう終わり?」 京太郎「う……ああ……うー……」 京太郎(けどまだこうしていたい自分もいるわけで……) 京太郎「いや、まだだ!」ギュッ 穏乃「わっ!」 京太郎(あっれー?どうして俺は高鴨を抱きしめてんの?おっかしいなー) 淡「髪いじって抱きしめるって……」 咏「あんさぁ、京太郎?流石に限度ってものがあると思うぜぃ」 京太郎「ちっ違うわ!これは俺が無意識下に行った行動であって俺自身の行動じゃないんだ!」 京太郎「そうっ!いわばそれは反射!思考とは真逆!目の前いる高鴨を抱きしめるのは俺の性なんだ!」 淡「なお悪いわっ!」ゲシッ 京太郎「脛はやめろって痛いから……」 京太郎(なおさら酷い雰囲気になった気がする……) 咲「」ニコニコ 淡「」ジトッ 咏「」ジーッ 穏乃「~♪」 春「」ポリポリ 京太郎「なあ、高鴨?」 穏乃「穏乃でいいよ、私も京太郎って呼ぶから!」 京太郎(この状況で何言いだしちゃってんのお前!?) 京太郎「何言っちゃってんの、おい」 穏乃「今さ、京太郎に抱きしめられてるとなんか安心するんだ」 穏乃「ウチ女子高だから、久しぶりに男子と話したのに楽しくて」 穏乃「だから京太郎とはもっといい友だちになりたいな、って」 京太郎「今言うことなのかよ……」 京太郎(しかもこの惨状で) 穏乃「なんか言うタイミング逃しちゃいそうだったからね」 京太郎「そ、そうか」 京太郎(何これ、何が言いたいのこいつ) 京太郎(言われて滅茶苦茶嬉しいけど……) 咲「ジュゴゴゴ」ニコニコ 淡「ジュゴゴゴ」ジトーッ 咏「ジュゴゴゴ」ジーッ 春「……」ポリポリ 京太郎(ストロー悲鳴あげてるから!こっち向かないで怖いから!) 穏乃「京太郎ー」 京太郎「なっ、なんでございますでしょうか」 穏乃「呼んでみただけだよ、えへへ」 京太郎(そういうことされると……もう……)カプッ 穏乃「ひゃぁっ?」 京太郎「んっ……」ハムハム 穏乃「京太郎ぉ、くすぐったいよぉ」 京太郎「ははほはっへはいへぇ」 穏乃「耳元で喋らないでよ、ふふっ」 京太郎(なんで俺、穏乃の耳咬んでんだろ……) 京太郎(あとは耳に息を吹いて終わらせよう) 咲淡咏「」ゴゴゴゴゴゴゴ 京太郎(あいつらに殺される気しかしない!) 京太郎「……ん」 京太郎(俺の唾液ですごくエロく見える……) 京太郎「ふーっ」 穏乃「んんっ!」ビクッ 京太郎「こ、これで終わりだ!」 京太郎(何やってんだろ俺……) 京太郎「かーっ!歌った歌ったー!」 淡「きょうたろーの変態」 京太郎「まだ言うか」 咲「8時くらいだけど、新幹線間に合うかな?」 咏「大丈夫なんじゃね、知らんけど」 穏乃「んー、でも確かに危ないかもね」 京太郎「じゃあここで解散っつうことでいいか?」 淡「うん!」 穏乃「だねー」 京太郎「そっか、じゃあ行くぞ」 咲「ま、待ってよ京ちゃん」 春「……お疲れ」 穏乃「またね」 淡「また来週だよー!」 咏「じゃあなー」フリフリ 京太郎「おう!頑張ろうなー!」 咲「そっか、私以外みんな博多行きなんだ」 京太郎「春は今から帰って家に着くのか?」 春「ホテルは取ってある」 穏乃「どうせだし京太郎の部屋に泊まればいいんじゃないかな」 春「……いいの?」 京太郎「いやダメだろ、年頃の男女が同じ部屋で寝泊まりなんて」 咲「つい昨日までやってたんだけどね……」 咲「あ、私こっちだから」 京太郎「そっち東北新幹線だぞ」 咲「えっ!?わわっ、危なかったよ!」 京太郎「お前、よく東京まで来れたな」 咲「バ、バカにしないでよ!」 京太郎「はいはい、バカにしませんよー」 咲「バカにする気満々でしょ!」 京太郎「長野新幹線あっちだぞー」 咲「わ、わかってたから!わかってたからね!」 京太郎「はいはい、じゃあな」ナデナデ 咲「だからバカにしないでよ!」 穏乃「京太郎って宮永さんと仲良いんだねー」 京太郎「ま、幼馴染だからな」 穏乃「いつごろから知り合ったの?」 京太郎「咲とは小学生くらいかな、なんでだ?」 穏乃「んー、ちょっと気になったから?」 春「……二人とも、はい」 京太郎「黒糖一袋!いいのか?」 穏乃「うおっ!おおおっ!」 春「お疲れ様のプレゼント」 京太郎「そっか、あんがとな」 穏乃「んー!おいしー!」ボリボリ 春「……」ニコッ 【冬休み6日目】終