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おまけ 時期は↑で泊まってる時 京太郎「さて、思っていたより早く会えましたね、ハギヨシさん」 ハギヨシ「ええ、インターハイで会えると思いませんでしたよ」 京太郎「俺もですよ。さて、鹿児島からこっそり持ってきましたよ。九州の方言の娘のDVD」 京太郎「いやー、場所によって細かい違いはありますけど、方言って結構いいもので。また声もすばらですよ」 ハギヨシ「それはそれは。本場九州のもの、楽しみです。では、こちらを」 京太郎「ほほぅ、コスプレもののDVD」 ハギヨシ「衣装はシスター、くノ一等、あまり見ないものです。そして衣装のマニアックさの割りに、かなり上質のものです」 京太郎「それは女優がですか?」 ハギヨシ「コスプレとしても、決して全部脱がず、しかしコスチュームの大切なコンセプトは残すという辺りが絶妙でして」 ハギヨシ「個人的には新スク水と旧スク水を同時に相手にする辺りが最高で」 京太郎「それはそれは楽しみです。いや、DVDもいいものですね」 ハギヨシ「えぇ。当然新しい本もありますよ?」 ハギヨシ「この……地味目な娘をアイドルのように磨いてからという過程がすばらしい本が……」 京太郎「どれ……なんですかこのけしからんすばらな胸は。ありがとうございます」 京太郎「ではこれを。こう、貧乳を装って実はサラシで隠していただけというのはまたギャップがいいもので」 ハギヨシ「ほほぅ。なんとこれをサラシで隠すなんてとんでもない……いや、素晴らしいです」 京太郎「いやいや。夜はこれから、まだ、持ってきたものはありますよ?」 ハギヨシ「それはそれは。もちろん、こちらも新しく揃えたものがたっぷりと…」 彼らもまた、彼らなりの形で再会を喜んでいたのだった おまけ、カンッ!!
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特別編 勝った嬉しさからメールしてみました 小蒔「zzz...zzz...ん?なんですか?」ピリリリリ 小蒔「!?きょ、京太郎さんから!!え、えっと確かこうして……」 小蒔「できました!!へぇ、京太郎さんの初勝利!良かったですね!!」 小蒔「えっと……お・め・で・と・う・ご・ざ・い・ま・す、です!」 煌「ん?これはこれは京太郎くんからメール……」 煌「すばら!あの3人に勝つなんてすばらです京太郎くん!!」 姫子「花田ー?どがんしたとー?」 煌「姫子さん、このメール見てください!」 姫子「んー?京太郎からのメール……はぁ!?あの3人相手でトップ!?」 煌「そうです!!すばらですよね!!」 姫子(いやそれ以前にあの3人に勝つとか何があったのか気にならんと?普通じゃ勝てんメンツやろ) 煌「こうしてはいられません!!私ももっともっと練習です!!」 姫子「あ、あぁ、そうやね!私も付き合う!」 竜華「お、メール……おぉ!やるやん京太郎!!」 怜「どしたん?」膝枕中 竜華「いや、京太郎が初めてトップ取ったってメールが来たんよ。それも清澄の一年3人相手に」 怜「ほー、やるやん。京太郎もウチみたいになんか目覚めたんかな」 竜華「なんや、京太郎病弱キャラやないやん」 怜「普通は勝てん相手やしな。こう、一回死にかけて未来が見えるようになったり」 竜華「怜やあるまいし」 怜「何度か意識朦朧とした先に新しい境地に目覚めたり」 竜華「そんなしょっちゅう意識朦朧とせんやろー。あ、返事せんと」 怜「あ、ウチの分もー」 豊音「んー?あ、メールが来てるよー」 塞「豊音、勉強中だって」 白望「ダル……」 豊音「ちょっとだけだよー。あ、京太郎くんだー。えー!?ちょーすごいよー!!」 塞「もう、なんて書いてあったの?」 豊音「えっとねー、宮永さんと原村さんと、片岡さんと麻雀してトップだったんだってー!」 白望「……え?」 塞「……はい?京太郎って、そんなに上手かったっけ?」 豊音「でもー、勝ったのちょーすごいよー」 塞(いや、そんな普通の打ち方だったらまず原村和には勝てないって) 白望(京太郎なら……あのうるさいの相手じゃ東場で飛びそうだけど……) 塞・白望(どうやって勝ったんだろう……) 豊音「えへへー、おーめーでーとーうー、っと」 照「……京ちゃんからメール?」 照「……そっか、初めてトップだったんだ」 照「……おめでとう、京ちゃん」 照「でもあの3人相手か……成長したね、京ちゃん」 おまけ 洋榎「ん?なんやこんな遅くに……」 洋榎「ぬあっ!?」 洋榎「ぐぬぬぬぬ……性懲りもなくまたこんな写真を……」 洋榎「うっわ、うまそうなから揚げ……まだあるん!?」 洋榎「あああやめぇぇぇ……こんな時間に食うたらぁぁぁ……」 洋榎「あ?勝った?」 洋榎「へぇ、結構やるやん」 洋榎「ってまたぁ!?なんやから揚げ丼って!!ご飯はアカンやろご飯は!!」 洋榎「あああああああああ……食べたいぃぃぃぃ……」 雅枝「やかましい!!遅くに騒ぐなや!!後また夜に食う気か!?あんた食うても胸いかんやろ!!」
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http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1362666103/ 新人戦当日。 私は暗い顔で清澄高校の控室にいた。 女子日程は無事に終わり、これから男子日程が始まる。 私は睡眠不足と昨日の「あれ」からか体調は最悪だった。 そして須賀君の出番が近づくにつれて私の心の動揺は強くなっていった。 「久、顔色が悪いぞ。大丈夫か?」 こうやってまこに心配されるぐらい、私の体調の悪さは傍目に見てもよくわかるらしい。 「大丈夫、ちょっと寝不足なだけ。昨日眠れなくてね……」 「なんじゃ、緊張でもししたんか?」 「そうみたい……。まぁ、教え子の晴れ舞台だからね」 嘘はついていない。 彼が新人戦でどの程度やれるのかというのは非常に心配していることだ。 だが、それ以上に私が落ち着かないのは昨日の一件からだ。 ちらりと須賀君に目をやる。 「きょ、京太郎。あー腹とか減ってないか? ほら、タコスとかどうだじぇ?」 「ゆーき、落ち着きましょう。まずは落ち着いて落ち着けば落ち着けるはずです」 「いや、お前らが落ち着けよ」 優希と和はひどく落ち着かない様子で須賀君に話しかけている。 肝心の須賀君はそんな二人を呆れながら見ていた。 「あーここまで来たらなるようにしかならん。とにかくおとなしくしとれ」 まこにそう窘められ和と優希は渋々といった感じに椅子に座った。 まぁ、気持ちはわかる。 やるべきことはやった。教えるべきことはすべて教えた。 後は、全て須賀君次第だ。 聞きたいことは、ある。それでも今は須賀君の勝利を祈ろう。 「あれ? 咲ちゃんは?」 「そういえば、先ほどトイレに行ったきり帰ってきませんね」 優希と和がきょろきょろと辺りを見回すが咲の姿が見当たらない。 「まさか……」 まこが呻くような声を出す。 控え室に妙な空気が流れた。 「いや……まさか、この会場が初めてってわけでもないですし」 和がフォローを入れるが声に力が全くなかった。 「咲ちゃん、携帯置いてっちゃってるじぇ……」 そんな優希の言葉が引き金だった。 須賀君が立ち上がる。 「俺、ちょっと咲を探してきます。多分また迷子に……」 「待って」 私は、反射的に声を上げた。 殆ど無意識に。 「須賀君はすぐに試合なんだから、ここでおとなしくしていなさい。私が行くわ」 もっともらしい理由だったけど、それ以上に須賀君の口から咲という言葉を聞きたくなかった。 「そうですよ須賀君。じゃあ、私と優希と染谷先輩で探しに行きますか」 「仕方ない咲ちゃんだじぇー」 「むぅ、すまんが頼んだぞ。何かあったら連絡するけぇ」 他の3人が私の言葉を支援してくれる。 須賀君は渋々といった感じで座ってお願いします、と言って頭を下げた。 やはり、私は悪運が強い。 こういう時ばかり、どんなに低い確率でもその結果を掴み取る。 「た、竹井せんぱいー。よかったー」 私と優希と和でそれぞれ別のところを探しているというのに、私が一番に見つけてしまった。 咲が、私のところに近寄ってくる。 「お、おトイレ見つけたのはいいんですけど、帰り道が分からなくなっちゃって。け、携帯も置いていっちゃって」 咲は涙目になりながらも私に合流できたことに安堵しているようだ。 私はそんな咲を見ながら、私の心に芽生える嫉妬心を抑えることに必死だった。 なんで なんで、こんな子に 麻雀意外にろくに取り柄がないような、こんな子に 私の方が 私の方がずっと…… そんなことを考えてはいけないと必死に抑え込む。 一緒に歩んできた仲間。 大切な仲間なのだ。 こんなこと、考えてはいけないのだ。 「……竹井先輩?」 返事を返さない私に不思議がったのか、咲が再び声をかけてくる。 私は思考を切り替え、無理矢理笑った。 「咲の方向音痴も筋金入りね。戻る前に皆に連絡するからちょっと待ってね」 私はメンバーにメールを送りながら咲をちらりと見る。 いつものように、気が抜けるような柔らかな顔をしている。 思わず、心の中で舌打ちをした。 「さて、行きましょうか?」 メールを送り終り、控え室に向けて歩き出す。 咲も返事をして私の横に並んだ。 横に並んで歩く咲を見る。 こうなって初めて分かった。 私にも女としてのプライドがあるようだ。 私と比べると大分背が小さい。 顔つきもまだまだ子供っぽい。 体型だって中学生、下手すれば小学生でも通じるかもしれない。 そんな子に、須賀君が……。 そう考えるだけで言いようのない感情が爆発しそうになる。 「ねぇ……」 そんな精神状態だからだろうか。 思わず、私は咲に問いかけた。 「須賀君と付き合ってるの?」 「えぇ!?」 突然の話に咲は素っ頓狂な声を上げて驚いた。 「この前、休みの日に2人で寄り添って歩いているのを見ちゃってね。ずいぶん仲よさそうだったわよ」 そういうと咲は心当たりがあるのか顔を赤くした。 そして、何かを考え込んでいるのか、迷っているのか、落ち着かない態度を取っている。 「えっと」 ――否定しろ 「その」 ――違うと言え 「……」 ――違うと、言ってほしい 「はい……」 「ふぅん、いつから?」 意外と冷静にその言葉を発することができた。 叫びさなかったこと、泣き出さなかったことに驚いた。 いや、違う。 その咲の嬉しそうに、恥ずかしそうにする肯定する姿を見て私の心は凍りついたのだ。 「えっと、あの、長野予選の後ぐらいから。京ちゃんちょっと落ち込んでる時期があって」 咲は何かを懐かしむように、目を細めた。 「それで、一緒に居て励ましてるうちに……その、京ちゃんのこと、すごくすごく大切に思えて」 咲は頬をますます染める。 自分で言ってることが相当恥かしいようだ。 「その、それで、私が京ちゃんに好きって言って……それから」 あぁ、なるほど。 須賀君が負けたあの時から。 つまり私はそもそも出る幕がなかったということか。 余りにも、滑稽すぎる。 「ご、ごめんなさい黙っていて! その、新人戦が終わって落ち着いてから言おうって京ちゃんと……」 「別に怒ってないわよ」 笑って言った。 笑った、つもりだった。 ちゃんと笑えているかはわからなかった。 「仲良くやっているみたいね。それで、どこまで行ってるのかしら?」 私は心の中の嵐を抑えながら、いつもの人をからかう時の表情を顔に浮かべた。 咲はそれを聞いて慌て始める。 「ど、どこまでってっ!?」 「そりゃあ、ねぇ。年頃の男と女じゃない? そういったことも……」 「してません!」 咲が私の言葉を慌てて遮る。 「きょ、京ちゃん優しいから、べ、別に焦らなくていいって」 「あら? そこまで聞いてないわよ?」 くすり、と笑ってみせる。 内心、咲に対する嘲りの感情もあったが。 咲は恥ずかしさが限界まで来たのか顔を伏せた。 私は、それを聞いて芽生えた感情に無理矢理蓋をして控え室までの道を急いだ。 その後、控え室に戻って須賀君の新人戦を見守った。 メンバー的にはとくに有名選手がそろっているわけではないので、須賀君にも勝ち目がないわけではなかった。 だが、この日彼は運に恵まれなかった。 とにかく手が入らない。 仕掛けを入れるのも難しかったり、そもそも他家の手が早く太刀打ちができないなど、悲惨な状況だ。 『ツモ。1,000-2,000』 そして今、南3局。須賀君の最後の親が流された。 モニタを見つめる全員の瞳は暗かった。 「厳しいのぅ。この親で何とかアガりたかったが」 まこが苦しげに呻く。 私は和が描いているメモを横から覗き込んだ。 『オーラス開始時点』 上田 18,200 松本 34,300 京太郎 17,400 須坂 30,100(親) 「満ガンツモでは届かないというのが厳しいですね……直撃なら満ガンでもいいんですが」 「でも2着でいいこの個人戦、オーラスどこまで前に出てきてくれるかわからないじぇ」 「……何とか、逆転の手が入ってくれることを祈りましょう」 私はそう言って手を組みあわせた。 そう、いろいろ悩みはある。でも今は彼に、彼に勝利を。 控え室の全員がモニタを見つめた。 そして、配牌が配られた。 『京太郎配牌』 1125699m3s28p西西白 ドラ7s 「混一色……か」 その配牌を見てまこがポツリと呟いた。 「やむなし、ですね。この手で跳満を作るにはそれぐらいしか見えません」 「苦しい形だけど……頑張って、京ちゃん」 だが、これまでの不幸の反動を受けるように須賀君の手は目覚ましい伸びを見せていった。 【1順目】 1125699m3s28p西西白 ツモ3m 打3s 【3順目】 11235699m28p西西白 ツモ西 打2p 【6順目】 11235699m8p西西西白 ツモ7m 打8p 【7順目】 112356799m西西西白 ツモ8m 打白 そして、9順目。 そのツモを見た控室は歓声に包まれた。 【9順目】 1123567899m西西西 ツモ9m 「引きおった! よく引いたぞ京太郎!」 望外の聴牌。ここまで順調に引けるとは予想外だった。 だが、優希が嬉しさ半分といった表情で告げた。 「でも、4萬がすべて切れてちゃったじぇ。跳満の種が……」 「いえ、この引きならまだ未来があります」 和が断言する。思わず、そちらに視線が集まる。 「須賀君が九萬を暗刻にしてくれたので符が高くなりました。黙聴で構えて、1-4萬か5-8萬で直撃が取れれば……」 「あっ、逆転! 混一色のみだけど、6,400点直撃なら100点差で逆転できるよ!」 メモを見ながら咲が嬉しそうな声を上げていた。 「えぇ、とは言え簡単に取れるものでもありませんから……リーチをかけてツモ裏狙いで跳満を狙うというのも選択肢の一つです」 モニタの中の須賀君は必死に何かを考えているようだった。 場況を必死に見て考え、決断を下そうとしている。 そして、ゆっくりと1萬を切り出した。 4578萬待ち。 だが、4萬はさっき優希が言ったように枯れているし、5-8萬でなければ符が足りないため実質そこだけの待ちだ。 直撃狙い。 須賀君はそれを選択したようだ。 「8萬切りで1-4萬受けなら、2萬3萬を引いてきた時にリーチしてツモればぴったり跳満! ってできそうだじぇ?」 「悪くないとは思うんですが、1萬が1枚場に切られてて4萬は全枯れ。 2萬も2枚場に切られてますからちょっと厳しいって判断したんでしょうね」 「京太郎……こういう微妙な計算もできるようになったんじゃな」 まだ勝負が終わったわけではないが、まこは嬉しそうにそういった。 なぜか、自分か褒められた気がして私も嬉しかった。 場は進む。 次巡は何も起こらず、2着目も当たり牌を切らずに終わった。 そして、その次の順目だった。 【11順目】 1235678999m西西西 ツモ東 ドラ7s 場に1枚切れの東。 私だったら思わずそれでリーチを打ってしまいそうなツモだった。 まぁ、さすがにツモ切るだろう。 控え室にいる人間は全員そう思っていただろう。 だが、須賀君は長考に入った。 「手を変える気ですか? まぁ、確かに6,400点確定でまだ直撃がとりやすいかもしれませんが……」 「だが、残り2枚。少し、苦しいじゃろうな」 いつかのインターハイでの出来事が思い出される。 あの時の彼は私の真似をして悪い待ちを選び、それで敗北した。 どこか似た状況に私の心は高鳴った。 小さな期待があった。 散々そんなことはしてはいけないといったけれども。 なぜかどこか私はそれに期待をしていた。 あんなことがあったからだろうか、私はそんなことを想っていた。 そして、長い長考の後、須賀君はついに決断した。 「リーチっ!」 1235678999m西西西 ツモ東 打8m ドラ7s ――あぁ 私は、その打牌を見た瞬間に言いようのない幸福感に包まれていた。 それとは対照的にそれを見た和はいつかのように叫び声をあげた。 「な、何でリーチを!? 直撃狙いなのに何故!?」 「て、点数が足りてないからリーチしなくちゃとか思ったのか?」 「いや、そうじゃったら聴牌の時点でリーチを打っとるじゃろう」 優希もまこも慌てている。 直撃狙いなのに、わざわざ聴牌を告げるリーチ宣言。 わざわざ自分で悪い方へ打っている。 だが、それが私。 私の打ち方なのだ。 彼の心の中に、まだ私があるのだ。 この数か月彼と接し続けて、彼の中に私が残したものが、残っているのだ。 まだ、私に憧れてくれているのだ。 私があれほどやめろ言ったのに、それでも捨てきれずにこうして打ってくれたのだ。 そして、咲に対する優越感があった。 須賀君はあなたじゃない、私を選んだ。 貴方の大好きな須賀君に、貴方の大好きな麻雀の中では、貴方はないのだ。 麻雀という人生の中に占めるにはほんの少しの部分かもしれないけど。 咲じゃない、私があるのだ。 ざまぁみろと、言ってやりたかった。 「須賀君、あれほどしないと言ったのに……。なぜわざわざ悪い待ちを」 和が何か呻いているが、耳に入らない。 ――本当に、いい子。 ――私の大切な子。 ――大好きよ。須賀君 ――私の…… 「違うよ」 はっきりとした咲の声が、控室に響いた。 慌てていた3人も、幸福の中に落ちていた私もその声に反射的に顔を向ける。 私は何か水が差されたかのように不機嫌を隠せずに咲を見た。 「咲さん。違う、とは?」 和が訪ねる。 そうだ、何が違うというのだ。 あれは、私の麻雀。 私が残し、彼が選んでくれたもの。 それの、何が違うというのだ。 そんな私の思考を断ち切るように、咲は微笑み、愛しげにモニタを見て呟いた。 「悪い待ちなんかじゃないよ」 咲はすっと、軽くモニタを撫でた。 その言い方が、ひどく腹が立った。 私の残したものなのだ。 咲にそのように言われる筋合いは…… 「悪い待ちじゃなくて……」 「カンできる待ちを、選んだんだよ」 それは、いつか私が言った言葉。 冷や水をかけられたように私の心が冷たくなっていく。 違う。 そんなはずが、ない。 彼は私の打ち方を、私を選んでくれたのだ。 そこに、咲の姿があるわけがない。 あっては、いけない。 そんなことが、あるはずがない。 歯がガチガチと鳴る。 動揺が隠せない。 それに対して咲は落ち着き払って、慈愛に満ちた目でモニタを見つめていた。 倒れこみそうになりながらも、私もモニタを見つめた。 1発目は空振りで、今からその次の牌をツモるところだった。 酷く、悪い予感があった。 私の足元から全て崩れていくような。 全て終わってしまうような。 そんな予感があった。 モニタの中の須賀君が、ツモを手に取る。 ――やめて。 ――引かないで。 ――そんな、そんなこと、あるわけがない。 ――だから、引かないで。 「カンっ!」 123567999m東西西西 ツモ9m ドラ7s 「嘘……」 和が口をぽかんと開けていた。 優希もまこも呆然としていた。 咲は、それを当たり前かのように微笑みながら見守っていた。 須賀君は震えながらも新ドラをめくった。乗っていない。 そして、須賀君は嶺上牌に手を伸ばしていく。 頭がまた痛くなってくる。 体が震える。 思わず吐きそうになる。 逃げ出したくなる。 ――ありえない。 ――なぜ、なぜ? ――私を選んでくれたんじゃ、ない、の? ――お願い ――私が残したもの、私が残そうとしたもの ――そこまで、そこまでは咲に渡したくない ――そこだけは、私のものなの ――だから、お願い ――お願いだから ――引かないで、須賀君! その時、私は確かに須賀君の『敗北』を願った。 「ツモ。立直、ツモ、混一色。……それと、嶺上開花で3,000-6,000!」 123567m東西西西 カン9999 ツモ東 『終局』 上田 15,200 松本 31,300 京太郎 29,400 須坂 24,100 控え室が歓声に包まれる。 咲が涙を流しながら飛び跳ねている。 優希が近くにいたまこに飛びついて喜んでいる。 まこがそれを受け止めて同じように喜んでいる。 和が何か言いたげだけどそれでも、嬉しそうに笑っている。 そんな4人を私は遠い世界のものを見るように眺めていた。 須賀君は、咲を選んだ。 咲は、私が残そうとしたそれまで奪い去っていった。 不条理な理屈だとは思う。 自分でも混乱していると、どこか冷静な自分もいた。 それでも、その感情は止められなかった。 「嫉妬」という、暗い感情を。 許せない 全て、咲に持ってかれてしまう そんなのは嫌だ あんな、あんな子に あんな子にすべて持って行かれてしまうなんて そんなのは絶対に嫌だ ――してません! ――きょ、京ちゃん優しいから、べ、別に焦らなくていいって ふと、先ほどの咲の言葉を思い出した。 あぁ、まだ まだ、間に合うかもしれない 私の欲しいもの まだ手に入るかもしれない そう、あの子はもともと もともと私の「おもちゃ」だったのだ 咲のじゃない 私のだ 私のものなのだ だから 「渡さない」 ぼそりと言った、私の呟きは控室の喧騒にかき消され、誰の耳にも入ることはなかった。 須賀京太郎は、対局室から全力で控室に戻る道を走っていった。 皆に今すぐにでも伝えたかった。 特に、受験や進路のことで多忙を極めるのに自分のために時間を使い丁寧に指導してくれた久に、一番に報告したかった。 貴方の弟子は何とか勝てたと報告したかった。 「はぁ、はぁ……」 息が切れるが、それすらも幸せだった。 控え室前にたどり着き、扉を勢いよく開けた。 「勝ちました! やりました!」 そう勢いよく叫ぶ。 そんな彼を麻雀部のメンバーが取り囲んだ。 「京ちゃん! すごいよ!」 「やってくれたじぇ京太郎!」 「まったく、また非効率なことを……。まぁ、裏ドラは乗ってなかったですし、あのアガリじゃなければ跳満は届かなかったですし、その、えっと」 「全く、和は素直じゃないのう」 和やかな空間。 喜びを分かち合えることに京太郎はさらなる幸福感を味わっていた。 そして、視界の端に久の姿を捉えた。 「竹井先輩! 勝ちました!」 その声を聴いて、うつむいていた久はゆっくりと顔を上げた。 無表情だった。 その姿に京太郎はどきりとする。 だが、そんな京太郎を気にせず、久は口を開いた。 「おめでとう、須賀君」 にぃ、と今まで見たことのないような笑みを見て、京太郎は何か、ぞくりとする何かを感じた。 だが、その笑みも気が付けばいつもの悪戯を思いついた子供の笑みに変わっており、再度確かめることはできなかった。 「あーあ、残念だったじぇー」 新人戦を終え私たち清澄高校麻雀部一同は帰途についていた。 歩きながら、全国進出を決めたはずの優希がそんな声を漏らす。 「あぁ。ほんの1枚ツモがずれてたら俺が700-1,300アガって逆転だったんだけど」 あの後、須賀君は2回戦に進出し、そこではそこそこ手に恵まれ、危なげなく3回戦に駒を進めた。 3回戦では軽い手をアガった後に1人が飛んである種棚ボタな2着通過。 だが、次の4回戦ではオーラスで2着まで2,000点差状況まで漕ぎ着けたのだが、2着目とのめくり合いに競り負け、そこで敗退が決まった。 「もうちょっとで決勝卓だったのにね。そうすれば京ちゃんも全国にいけたかもしれないのに……」 咲は須賀君以上に残念そうな顔をしている。 それを見た須賀君は苦笑しながら咲の頭を軽くぽん、と叩いた。 「もちろん全国には行きたかったけどな。でも、やれるだけのことはやった。悔いはないさ」 「えぇ。高校で初めて麻雀を覚えてここまで勝ちあがれたんです。立派だと思います」 「総合18位かー。確かに中々のもんだじぇ。あの人数の中ではかなり上のほうだし」 普段厳しい和やよくからかってくる優希の言葉に須賀君は照れたようにそっぽを向いた。 そして何かをごまかすように少し言葉に詰まりながら喋りだす。 「ま、まぁ、せっかくだったら、11位ぐらいにはなりたかったな」 「なんでだじぇ?」 「ほら、今日11月11日だろ? 11位だったらなんか得した感じじゃん?」 「なにそれ」 少し暗い顔をしていた咲だったが、須賀君の言葉にようやく笑みを見せた。 それを見て何かを安心したかのように須賀君は笑った後、ふと真剣な顔を見せた。 「まぁ、皆に比べれば吹けば飛ぶような実績だけどさ。それでも勝てたことが、結構嬉しいんだ」 「うむ。この調子でこれからもっと力をつけていけば、もっといい成績を残せるじゃろう。全国だって、見えてくるかも知れん」 「全国……」 須賀君は何か酷く尊いものを見たかのような口振りでそう呟いた。 「頑張ってね、須賀君」 私はそんな姿の須賀君を見ていたら気がついたら口を開いていた。 「来年になれば、男子部員だって増えてくるかもしれない。そしたら、男子も団体戦に出られるわ」 「そうなると京太郎は男子団体戦の大将じゃな」 私の発言にまこがニヤニヤと笑いながら続いた。 「ちょ、やめてくださいよ」 「何を照れておるんじゃ。男子ではおんしが最上級生になるんじゃぞ? あながちありえない話でもあるまい」 「そうよ、須賀君。それに」 その光景を想像すると、私の心は高鳴った。 「私も見てみたいわ。須賀君が男子を率いて団体戦に挑むところ」 そうなったら応援に行くわよ、と付け足すと須賀君は何か真剣な表情をして、ポツリと呟いた。 「……団体戦かぁ」 須賀君がどこか遠い目をしている。 その気持ちは私にも痛いほど分かった。 私だってずっと同じ思いだったからだ。 「大将じゃなくてもいいから、出てみたいですね」 「そうだね。来年は、男子も女子も一緒に団体戦、出たいね」 そう話しながら、当たり前のように須賀君の隣を歩く咲に軽く苛立つ。 まぁ、今はいい。 今は。 だがその場所を私のものにしてみせる。 そんなことを考えていると秋の冷たい風が強く吹いた。 優希が体をすくませながらコートのポケットに手を入れた。 「うー、寒いじぇ……」 「もう11月ですからね。最近朝も寒くて寒くて」 「あー、わかるわかる。布団から出るの辛いよな」 「京ちゃんのそれはいつもことでしょ」 楽しそうに話している1年生を見ていたまこが何かを思いついたように口を開いた。 「そうじゃな。暖まりがてら、茶でも飲んでいくか?」 まこが指差す先には喫茶店があった。 時間的にはまだ夕方だし、お茶を飲む時間ぐらいはあるだろう。 1年生全員は乗り気なようでまこの言葉に賛成していた。 「ごめんなさい、私はちょっと先に帰らなくちゃいけないから。皆で行ってきて」 だが、私はその誘いを断った。 いろいろ考えたいことも多いし、早く一人になりたかった。 「む、そうか。残念じゃな」 「えぇ。それじゃあ、私は先に失礼するわね」 そう言って一同に手を振る。 それぞれ残念そうに私を見送ってくれる。 そして私は去り際に須賀君のほうをチラリと見た。 須賀君も何か言いたげに名残惜しそうに私を見ている。 本当に、かわいい子だ。 「それじゃあ、また、ね」 私はそう言ってその場を立ち去った。 心の暗い感情を、押し隠したまま。 私はその日の夜、私はベットに横になっていた。 そして、これからどうするかと言うことに思考を巡らせる。 須賀君を、咲から引き離す。 そうするにはどうすればいいか? 話を聞く限り、いわゆる「そういうこと」はまだしていないらしい。 ちょっと意外。 あのエッチな須賀君が手を出していないとは。 確かに咲は奥手だろうが男の子と言うのは「そういうこと」をしたいものではないのか? 私とてそこまで色恋沙汰の経験があるわけではないが、そう言ったものだと聞く。 咲に対して見栄を張っているのか、はたまた男の意地と言うやつなのか。 ともかく2人はまだいわゆる「清いお付き合い」と言う奴なのだろう。 2人の間に決定的な何かは、きっとまだ無い筈だ。 その上で考えられる手段。 「やれる、かしらね。私に」 その手段を考えたとき、思わず口に出た。 ふらりと立ち上がり、クローゼットの扉を開いた。 扉の内側には大きめの鏡が付いており、私の体を映していた。 鏡の中の自分と目が会う。 疲れきった顔だった。 ふと、咲の朗らかな笑顔が思い出された。 それと同時に黒い感情が、私の心を支配していく。 無意識に、私は着ていたシャツのボタンに手をかけた。 「負けて」 呟きながらボタンをはずし、シャツを脱いだ。 それと同じように、履いていたスカートにも手をかける。 「負けてない」 ぱさりと音を立てて床にスカートが落ちた。 鏡に下着姿の自分が映された。 その姿をじっと見つめる。 こうやって自分の姿を見つめ続けた経験など殆どなかった。 ましてや下着姿だ。 どこか、滑稽な感じもした。 それでも、私はその姿を見て、自分に暗示をかけるかのように呟いた。 「私は、負けてない」 和と比べてしまうと霞むだろうけど、胸はそこそこに膨らんでいる。 腰だってくびれている。 お尻もまぁ、いい形をしていると思う。 そんなことを考えて若干優越感を抱いた。 そしてすぐに、自分の惨めさに涙が出そうだった。 でも、仕方ないのだ。 咲になくて、私にあるものはもう、これしかない。 その現実に心が痛くなる。 この数ヶ月、私が彼に残したと思っていたものは、結局咲には勝てなった。 須賀君は、あの状況で咲を選んだ。 そして勝った。 私の打ち方をしたときは勝てなかったのに。 その現実が、咲と私の差を見せ付けられているようで。 私の滑稽さを、惨めさを突きつけられているようで。 それらが 「咲には、渡さない」 私に暗い決意をさせた。 ―――――――――――――――――――― それと同じころ、須賀京太郎は自室で牌譜を眺めていた。 「本当に引けたんだな、俺」 その牌譜は新人戦1回戦の牌譜だった。 和の綺麗な字で書かれたそれは京太郎がオーラスで跳満をツモり逆転2位になったことを表していた。 「……俺、勝てたんだ」 大会が終わって時間が経った今でも、京太郎は喜びに包まれていた。 この数ヶ月ひたすら麻雀に打ち込み、ひたすらに努力を重ねてきた。 無論、あの新人戦に参加した殆どの人間が京太郎と同じように努力してきただろう。 京太郎より長く麻雀に打ち込んできた人間もいただろう。 そんな中でも、京太郎は小さいとは言え勝利を掴むことができた。 京太郎にはコンプレックスがあった。 自分のやっていることなど無駄なのではないか? 自分は皆と同じように勝つことが出来る人間なのだろうか? いつか、麻雀部の皆から弱さを指差され、嘲笑われてしまうのではないか? そんな不安を抱えていた。 でも、勝つことは出来た。 本当に小さいものではあったが、勝つことが出来た。 その事実が嬉しくてたまらなかった。 そして、心の中で決意を固めた。 (うっし、また来週から頑張るか) (大会後だから来週の練習日少なめだけど、自主練だ自主練) (んで、これからも必死に練習して、来年のインターハイは全国を目指して……) そこまで考えたとき、ふと蘇った言葉があった。 ――それでも申し訳ないと思うんだったら、新人戦で勝ってちょうだい―― ――そうすれば、私も報われるわ―― 「そっか、竹井先輩……」 京太郎はインターハイ後、新人戦までの教育は久が受け持つとまこから言われていた。 事実、夏からこの新人戦までマンツーマンといっていいほど、ひたすらに指導を受けてきた。 だが、それは新人戦が終わった今、もう終わりと言うことを理解した。 「馬鹿。これから忙しくなるんだから、無茶言うな」 久は将来に向けて大事な時期でありこれ以上時間を割かせるわけにはいかない。 そう考え心によぎった気持ちを振り払い、頭を振った。 (でも……ちゃんとお礼ぐらいは、言いたいなぁ) 京太郎は大会後、ドタバタしており、久とあまり話ができていなかった。 帰り道でも久は先に帰ってしまい話すチャンスがなかった。 「どうすっかなぁ」 そう、呟いたときだった。 机に置かれた京太郎の携帯が震え始め、ガタガタと音を立てた。 京太郎は携帯を手に取り、液晶画面に目にやった。 「竹井先輩?」 そこには『部長』と表示されていた。 毎回毎回直そうと思うのだが忘れてしまうその登録名を見て首を傾げつつ、電話を取った。 『須賀君? 遅くにごめんなさいね』 「いえ、大丈夫っすよ。まだ起きてますし」 『ありがとう。とりあえず、今日はお疲れ様』 「いえ、こちらこそ応援に来てくれてありがとうございます」 『いいのよ、後輩の晴れ舞台なんだからね』 そこで久は電話の向こうで一呼吸を置き、言った 『本当に、よく頑張ったわね。立派だったわ』 「……あ、ありがとうございます」 久のその言葉、電話越しでも伝わってくるその優しさに満ちた言葉に京太郎は心を弾ませた。 これまでの礼を言うつもりだったのだが、それ以上言葉が出なかった。 『で、私は残念ながら受験に集中しなくちゃいけないから、これからはあまり部に顔を出せなくなるわ』 「はい……」 京太郎自身わかっていたことだが、本人の口からそう言われるとやはり心に来るものがあった。 『あら? 寂しい?』 からかうような口振り。 京太郎は電話の向こうで久がいつもの笑みを浮かべているのを思い浮かべた。 いつものように、軽く返そうとした。 だが、それができなかった。 これまでのことが蘇り、思わずポツリと本音が出た。 「……寂しいです」 『えっ?』 「竹井先輩にはいろいろ教えてもらいました。練習は厳しかったですけど、それでも」 京太郎はこの数か月のことを思い出していた。 毎日毎日麻雀ばかりやっていてろくに遊んでいなかった。 久に振り回されることもしょっちゅうだった。 からかわれることもしょっちゅうだった。 それでも、とても充実した数か月だった。 尊敬する先輩の元、日ごとに自分が強くなるのを感じられるのが楽しかった。 久にたまに褒められるのが嬉しかった。 これほど幸せな時間というものは、そうそうあるものではなかった。 だから、京太郎は素直にこう思った。 「この数ヶ月すごく楽しかったです。だから、それがなくなっちゃうのは、やっぱり寂しいです」 ―――――――――――――――――――― 『先輩?』 電話の向こうで返事を返さない私を心配した須賀君が声をかけてくる。 でも、私は言葉が出なかった。 どうして、どうしてこの子はこうなのだ。 そんなことを言われると期待をしてしまう。 本当は私のことが好きなのではないかと期待をしてしまう。 そこにあるのは私に対する敬意だけだというのに、なぜそんなに夢を見させようとするのだろう。 諦められない。 この子を諦められない。 須賀君は酷い子だ。 でも、そんな子だから私は好きになったのだろう。 だから、渡したくない。 咲には渡したくない。 「なんでもないわ。ちょっとびっくりしちゃっただけ。須賀君がそんな可愛いことを言うなんて」 軽く、笑ってみせる。 電話の向こうで照れているのかちょっとうめき声が聞こえてきた。 「それでなんだけど、最後にひとつだけお願いがあるの」 『お願い、ですか?』 心臓が高鳴り始める。もう引き返せない。 だが、それでも、進むしかない。 自分が欲しいものを手に入れるために。 「えぇ、大したことじゃないんだけどね。須賀君の教育のために私、本やら牌譜やらいろいろ持ち込んだでしょ?」 『あぁ、はい。そうですね』 「それで、部室に置きっぱなしになっている私物を後片付けも兼ねて回収しに行こうと思って。悪いんだけど、手伝ってくれない?」 嘘はついて居ないが、これは当然彼を呼び出す口実だ。 なるべく不自然でないものを考えた。 『いいですよ、それぐらいでしたら。手伝わせてください。』 乗ってきた。 彼の性格上、断られることはまずないだろうと踏んでいたが、安心した。 「ありがとう。早速なんだけど明日、月曜日って大丈夫? 来週は活動日って水曜日だけらしいし、そこを避けて行きたいのよ」 『月曜日ですか? はい、だいじょ……』 そこまで言って須賀君の言葉が止まった。 その時まるで悪戯が見つかりかけている子供のように、心臓が跳ねるのを感じた。 『……あー』 なにやら間抜けな声が聞こえる。 何を悩んでいるのだろう? 『すみません、月曜日には用事がありました。火曜日じゃ駄目ですか?』 ほっと胸をなでおろす。 それと同時に小さな疑念が沸いた。 「月曜日はバイト?」 『いや、その、ちょっと家の用事で早く帰らなくちゃいけなくて』 言葉を濁したその言い方。明らかに何かを隠している。 咲とデートだろうか? 思わず拳を握った。本当のことを問い詰めたくなる。 落ち着け。仮にデートだとしてもあの2人だ。 昨日の今日でどうこうなるものじゃない。 だから、落ち着こう。 「わかったわ。じゃあ、火曜日の放課後に」 『はい。その日は皆用事で居ないはずなんで丁度いいですね。全部済ませちゃいましょう』 「そう、ね」 確かに、丁度いい。 この後まこに電話してその日は他のメンバーを部室に近寄らせないように頼むつもりだったのだ。 大方まこには私の気持ちなんて悟られている。 彼と2人で話がしたいと頼めばきっと協力してくれただろう。 まぁ、ここまでのことを考えているとは想像してないだろうけど。 だが、その必要はなくなった。 本当に、丁度いい。 『うぃっす。じゃあ、火曜日に』 「えぇ、よろしくね。ちゃんと手伝ってくれたご褒美あげるから」 『マジですか!? なんだろ、楽しみだー』 口元に笑みが浮かぶ。 そう、私も楽しみだ。 「ふふ、それじゃあ、おやすみなさい」 『はい、おやすみなさい』 電話を切り、大きく息を吐いた。 もう賽は投げられた。 後は私は私の全てを使ってでも、彼を振り向かせて見せる。 不安はある。 拒絶されないか。 軽蔑されないか。 体に触れられることに対する僅かな怯えもある。 惨めさもある。 だが、不思議な胸の高鳴りもあった。 私が彼の体に触れること。 彼が私の体に触れること。 そのことを想像すると、大きく心臓が鼓動する。 その感情が、心地よかった。 あぁ、やっぱりそうなんだ。 醜い嫉妬もある。 酷く歪んでいるかもしれない。 あまりにも愚かかもしれない。 それでも、彼のことを想うと胸が高鳴って、とても幸せなのだ。 だから、間違いなく―― 私は彼に恋をしているんだ。 それから火曜日までの時間は熱に浮かされたようだった。 学校にも行っているし、議会室にも顔を出したはずなのだが、ほとんど記憶がない。 副会長から何か心配された気もするが、おぼろげだ。 気が付けば、火曜日になっていた。。 帰りのSHRの時間になると、こんな日に限ってダラダラと話す担任を酷くじれったく感じた。 ようやく話が終わり、挨拶が済んで放課後となった。 やってきたのだ。彼との時間が。 胸が高鳴る。 まるで初めてのデートに行く気分だった。 これから私がしようとしていることはそんな綺麗な物ではないのだけれど。 それでも、この胸の高鳴りは本物だ。 あぁ、楽しみだ。 まずは何を話そう。 まずは何をしてみよう。 須賀君の喜ぶことなら何でもしてあげよう。 須賀君の望むことなら何でもしてあげよう。 きっと、そうすれば……。 「ふふっ」 思わず笑みが漏れた。 カバンを片手に立ち上がり旧校舎に向けて歩き出す。 思わずスキップの1つでもしたくなる気分だった。 軽い足取りのまま、歩みを進めた。 385 : ◆CwzTH05pAY [saga]:2013/03/24(日) 04 16 33.55 ID AOdJqAWXo 旧校舎に近づくと、見知った姿があった。 「あっ……」 旧校舎前に須賀君がいた。 携帯を触りながら入り口前に立っている。 私はわずかな緊張感を胸に軽く息を吸った」 「須賀くーん」 手を振ってみる。 その声に気づいた須賀君は顔を上げながらわずかに携帯を操作した後にこちらに手を振り返してくる。 それを見て慌てて駆け寄った。 「どうしたの? 先に行ってればよかったじゃない?」 「いや、先輩もうすぐ来るかなぁ、って思って待ってたんですよ。一緒に行こうと思って」 可愛い子だ。 まこも言っていたように本当に犬みたい。 「ふふ、ありがとう。じゃあ、行きましょっか?」 「はい」 あまり人気のない旧校舎の中を2人並んで歩く。 たったそれだけなのに胸の中が温かくなってくる。 恋とは偉大だ。 その熱に浮かされたまま須賀君に声ををかけてみる。 「手伝ってもらっちゃってごめんね? 部室に元々あったものとごちゃごちゃになってるから整理が大変そうでね」 「あー、なるほど。確かにそれは仕訳がめんどくさそうですね」 そういうと須賀君は何か楽しそうににっこりと笑った。 「でも手伝うぐらいは全然かまいませんよ。それに、ご褒美も貰えるみたいですし」 「あら? しっかり覚えているのね?」 「もちろん! で、なんですかご褒美って?」 「ふふ、いいものよ。楽しみにしてて」 私はそう言って笑った。 そう、私にあげられる最後のものだ。 だから、愛してほしい。 「部長?」 須賀君に声をかけられて我に返る。 気が付けばもう部室の前まで歩いていたようだ。 須賀君が部室の扉を半分開けた状態できょとんとしていた。 「あ、大丈夫よ。行きましょ」 「はい」 そう言って須賀君は先に部室に入った。 まずは、後ろ手に鍵を閉めないとね。 熱に浮かされたような頭のまま、私はそう考えながら須賀君に続いた。 「先輩、お誕生日おめでとうございます!」 部室に入った途端そんな声が聞こえた。 それと同時にパン、と何かがはじけるような音が聞こえる。 そこには須賀君だけじゃない。 まこも、咲も、優希も、和も。麻雀部の全員がいた。 須賀君を除いた全員、手にはクラッカーを持っている。 「……えっ?」 状況が、理解できない。 何が、起こっているんだろう? 何故みんないるのだろう? なに? なんなの? 「どうした久、驚きすぎて言葉もでんか?」 まこが笑いながら話しかけてくる。 思わずきょとんとした顔を向けてしまった。 私の顔を見たまこはどこか訝しげな顔をした。 「……まさかとは思うが、自分の誕生日忘れとったんか?」 「あっ……」 11月13日。 確かに私の誕生日だ。 この数日あまりにもいろいろ考えていたせいだろうか? なぜかその意識がすっぽりと抜けていた。 「えっ? 竹井先輩気づいてなかったんですか? 絶対バレてると思ったんだけどなぁ」 須賀君がちょっと驚いた顔をしている。 つまり、あの時1日引き伸ばしたのは……。 「後から聞いてあきれたじぇ。そんな露骨に自分の誕生日に会う日を合わせればバレるのが当たり前だじぇ」 「い、いや、俺だって電話中にギリギリで思い出して咄嗟だったんだからしょうがないだろ」 「てっきり気づいて乗ってくれてるものだと思ったじょ。意外意外」 優希が須賀君のことをからかいながらつついている。 和がくすくすと笑いながら私に近づいてきた。 「須賀君の企画なんですよ。で、月曜日にみんなで集まっていろいろ考えて」 「この部室も今日の朝早くにみんなで集まってやりました!」 和と咲の言葉に周りを見回すと部室がまるでパーティ会場のように折り紙やらビニール紐やらで飾りつけされている。 ホワイトボードには「お誕生日おめでとうございます」と大きく書かれており、その周りにはいろいろイラストが描かれている。 いつもの麻雀卓は脇によけられており、代わりにテーブルが置かれている。 そしてそのテーブルにはケーキとお菓子が並んでいた。 「さっ、先輩座って座って!」 咲がいまだに混乱している私の手を引いた。 そしてテーブルに備え付けられた椅子に座らされる。 私はそれにされるがままだった。 頭が混乱している。 この状況は一体なんだろう? 何故、こういう状況になっているのだろう。 部室に入る前までの高揚感がどこかに行ってしまった。 その分、抜け殻のようになった私の心はいまだに現状が正しく理解できないでいる。 「ふーむ、こりゃ驚きすぎてネジが飛んでおるな」 まこが私の顔をまじまじと見てから須賀君に向き直った。 「京太郎。いっちょ目の覚めるような挨拶をしたれ」 「えぇ、いきなりですか!?」 「何を言う。もともとおんしが久に礼を言いたいと言い出して始めた会じゃろう。ほれ、さっさと言わんかい」 「マジっすか……」 そういいながら須賀君は私の座る椅子の対面に立った。 そしてポケットから何やら紙を広げた。 私はどうしていいかわからず、それを呆然と見つめていた。 「……あー、なんか改めていうのも恥ずかしいんですけど」 須賀君がそんなことを言うと1年生3人娘からからかいの声やら応援の声が飛ぶ。 須賀君は、大きく息を吸い込んでから、口を開いた。 「竹井先輩。お誕生日おめでとうございます」 「その、誕生日のあいさつとはあまり関係ないかもしれないんですけど、この場を借りてお礼を言わせてください」 「竹井先輩、本当に、今までありがとうございました」 須賀君はそこまで言って頭を下げた。 そして再び顔を起こして、言葉を続けた。 「最初は初心者の男一人で正直不安でした。やってけるかって」 「けど、先輩は皆との練習の合間を縫って、ネト麻しながらいろいろ教えてくれました」 「俺、それがすごくうれしかったです。先輩に見捨てられてないんだって。ちゃんと、見てもらえるんだって」 その言葉に心がずきりと痛んだ。 違う。 本当は、本当はあなたを利用しようとしていただけ。 辞められると困るから適当に折を見て声をかけていただけ。 貴方にうまくなってほしいとかはその時は考えてなかった。 「だから、練習でも雑用でも、頑張れました」 「先輩が勝ってくれるなら、って思えば辛くなかったです」 やめて。 私はその気持ちを利用することしか考えていなかった。 その気持ちに報いるとか、そんなことその時は全然考えていなかった。 「本当にそれが嬉しくて……。だから、夏の大会の時、俺がポカしたとき見捨てられるんじゃないかって、不安でした」 「先輩に呆れられて、見込みがないとか思われたらどうしようかと思うと、不安でした」 私はその時ようやく自分の愚かさに気づいたころだった。 貴方がそんな不安を抱えていた何で思いもしなかった。 「でも……」 「でも、先輩は俺みたいなやつのためにいろいろ考えていてくれました」 違う。 それも、違う。 福路さんに言われてようやくたどり着いたこと。 きっと彼女に言われなきゃ有耶無耶にしてあなたのことを忘れようとしていた。 「練習プランとか、バイトとか、テストとか、本当に」 須賀君の眼が、潤んでいる。 心がざわざわと騒ぎ出した。 「本当にいろいろ考えててくれて、受験とかいろいろあるのに、俺の、俺のため、ために」 ぐすっと鼻をすする音が須賀君から聞こえる。 心が痛い。 酷く痛い。 「俺のためにたくさんたくさん時間割いてくれて。申し訳ないって思ったんですけど、それ以上に嬉しくて」 「それに、先輩、俺が勝ってくれればそれが嬉しいって、言ってくれて」 違う。 それは須賀君が私に言ってくれたこと。 私はそれを、そのまま返しただけ。 それに、私は、私はあなたが負けることを、祈って……。 「だから、一生懸命、頑張りました。全国には行けなかったけど……」 「勝てました。先輩の、おかげです。先輩の指導を無駄にせずに済みました」 「俺が、ここまでやってこれたのは先輩のおかげです」 ふと須賀君を見ると、ぽろりと涙が一筋零れていた。 胸が締め付けられる。 何かが、私の心を蝕んでいくのを感じていた。 私は、今日この日彼に何をしてでも奪い取る気でいた。 その決意を固めてきたはずだった。 だが、その決意に何かがジワリとしみこんでくるのを感じた。 須賀君は目元の涙を拭っている。 後ろでほかのメンバーと並んで聞いている咲が小さく頑張って、と声をかけている。 優希もそれに乗って小さくしっかりしろ、と言っている。 須賀君はそれを受けて大きく息を吸った。 「先輩は、酷い人です」 その言葉に心臓が激しく跳ねた。 「悪戯好きで」 「人のことをからかうし」 「悪巧みばっかりするし」 「突拍子もないこと言って人を驚かせるし」 須賀君はそこで、涙を拭うのを諦めたようだ。 ぽろぽろと、次から次へと零れ落ちている。 「でも」 鼻を大きくすすって、須賀君は必死に言葉を紡いでいく 「それ以上に部のために一生懸命だし」 違う。私の目的のためだ。 「皆のためにも一生懸命だし」 違う。それも結局は私の目的のためなのだ。 「何だかんだでフォローも忘れないし」 違う。ただ、部の空気を壊さないように取り繕っていただけだ。 「俺みたいなやつの面倒を見てくれる後輩思いだし」 違う、違うの。 だかから、それは……。 「だから、だから、俺……俺……」 聞きたくない。 それ以上、聞きたくない。 お願い、言わないで。 「俺、先輩の後輩でよかった」 「先輩の下で麻雀がやれて、本当に楽しかったです」 「先輩の後輩でいれて本当に、よかったです」 「尊敬する人に教えてもらって、幸せでした」 「特にこの数か月、つきっきりでいろいろ教えてもらって」 「本当に、本当に嬉しかったです」 須賀君の顔はひどいことになっている。 涙で目が真っ赤だ。 鼻水だって垂れている。 それでも、その顔から目を逸らせない。 「これからも、頑張ります」 「もっともっと頑張って、来年は全国を目指します」 「先輩みたいにかっこいい打ち方はできないかもしれないですけど」 「先輩みたいに強く打てるかどうかはわからないけど」 「先輩が俺に残してくれたことを忘れずに、闘っていきます」 「だから、先輩も頑張ってください」 「先輩のファン第1号として、応援してます」 「本当に、その、本当に……」 須賀君は手に持っていた紙をおろし、直立不動の体制を取った。 そして倒れてしまうんじゃないか、って思う勢いで頭を下げて、叫んだ。 「今までありがとうございました!」 咲たちが拍手をしている。 他のメンバーももらい泣きをしているようだ。 「なかなかいい挨拶じゃったぞ、京太郎」 涙を拭うためにはずしていた眼鏡をかけながらまだ頭を下げている須賀君の背中を軽く叩いた。 「誕生日のあいさつかと言われるとちと微妙じゃが。久、どうじゃ……?」 まこの言葉がしりすぼみになっていく。 私の顔を見て驚いているようだ。 そっと、自分の頬に指を当ててみる。 濡れていた。 まぁ、当り前だろう。 私の眼からも涙が零れていた。 本当に、愚かな子だ。 私の本質を何もわかってない。 私の性質なんて何も理解してない。 自分が利用されていたなんて欠片も思っていない。 あの子の中では私はとてつもなくいい先輩なのだろう。 見る目がない、本当に見る目がない。 馬鹿だ。 本当に、馬鹿な子だ。 あぁ、でもやっぱり、違う。 結局、私のような女に引っかからなかったのだ。 やっぱり見る目があるのか。 ほら、咲も貰い泣きが過ぎて顔が酷いことになってる。 お似合いだ。 人のために泣けるこ同志、お似合いじゃないか。 でも、奪い取ってやろうと思ったのに。 その場所を奪い取ってやろうと思ったのに。 でも でも、それは 須賀君にとって大切な「尊敬する先輩である竹井久」を壊してしまう。 そうなったら須賀君はどうなるだろう。 私の好きだった須賀君で居てくれるだろうか。 考えるまでもない。 そんなわけが、ない。 そんなことがあるわけがないのだ。 私が好きだった須賀君は 単純で エッチで 子供っぽいけど それでもひたむきで まっすぐで 努力家で 人のために力を尽くせる 本当に、いい子。 私が咲から奪い取ったところできっと須賀君はそのことで苦しむことになる。 きっと笑うこともできなくなってしまう。 苦しんで苦しんで、きっと彼は笑えなくなってしまう。 何もかも嫌になってしまうかもしれない。 そんな子なのだ。 ちょっと考えればわかることだった。 でも、ここ数日の私はそんな単純なことを考えられなかった。 ただひたすら、自分のことしか考えていなかった。 自分が隣に立つことしか考えていなくて、そのことで彼がどうなるのか、考えていなかった。 「あぁ……」 最初から、出る幕などなかったのだ。 全てが遅かったのだ。 何もかも遅かったのだ。 ――部長、俺、頑張ります コンビニでああ言ってくれた時、何故こう言ってくれたのかをもう少し考えればよかった。 もしかして、須賀君って私のことが好きなの? などとおめでたい想像でもしておけばよかった。 よくある少女漫画の主人公のように胸をときめかせていればよかった。 そうすれば、彼のことをもっと早く見ることができた。 ――部長、勝ってくださいね インターハイ前の部室でそう言ってくれた時も、もう少し考えればよかった。 彼がどれほど尽くしてくれ、どれほど私のことを想っているのかを理解しようとすればよかった。 そうすれば彼を「おもちゃ」などと思わず、一人の人間として向き合えたのかもしれない。 彼が負けた後、もう少し落ち着いて言葉がかけられたかもしれない。 あれが、最後のチャンスだったんだ。 でも、私はそのチャンスをすべて捨ててしまった。 全て、自分の意志で。 そこまで考えて、私は顔に手を当てた。 涙が止めどもなく溢れ出てくる。 「あぁ、あああああああああ」 私は、声を上げて泣いた。 手の隙間から涙が零れ落ちるほどに。 私の背中を誰かが撫でてくる。 恐らくまこだろうが、それでも私の涙は止まらなかった。 失ってしまった。 欲しかったものがどうしても手に入らないことに気づいてしまった。 でも、それはすべて自分の蒔いた種だった。 誰のせいでもない。 手に入れようと思えば、手に入れられたかもしれない。 もっと違う未来があったのかもしれない。 だけど、私は失ってしまった。 欲しいものは目の前にあるのに、手に入れられないと理解してしまった。 心の中のぐちゃぐちゃな感情に任せて、私は泣いた。 後悔だろうか。 やるせなさだろうか。 失恋の痛みだろうか。 それらすべてだろうか? 私の涙はしばらく止まらなかった。 悪女を気取って、人を手玉に取る策士を気取って、気付けば全てを棒に振っていた。 だけど、すでに人のものになった彼を奪い取ることも、もうできなかった。 彼の信頼を壊すこと。 彼の笑顔を壊すこと。 彼を『彼』としているそれを壊すこと。 そんなことは出来なかった。 そう、私は悪女でも何でもない。 全部失った後で気づき、無いものねだりをしようとしても、彼を傷つけることを恐れてできない。 ただ中途半端な、ひたすらに愚かな女だった。 ―――――――――――――――――――― ―――――――――― ――――― 今でも鮮明に思い出せる、彼の心に焼きついたものがあった。 『手牌』 3334m345678s345p ドラ3m タンピンドラ3。高目なら三色のオマケつきだった。 まだ役もおぼつかない当時の彼でもかなりの大物手であることは理解できた。 だが同時に、何故立直をしないんだろう、と首をかしげていた。 そして数巡ダマで回してからだった。 『手牌』 3334m345678s345p ドラ3m ツモ東 場に1枚切れの東。 彼から見れば即ツモ切りのどうとでもないものだった。 だが、彼女は迷いない手つきで牌を抜き、場に打ち出して宣言した。 ――リーチ 『手牌』 3334m345678s345p ドラ3m ツモ東 打4m ようやく基本的な打ち筋というものを理解し始めていた彼にとってそれは衝撃の一打だった。 役も、待ちも、点数もすべて台無しにする1打。 意図が読めなかった。 跳満をツモればトップ逆転の状況で、その条件を満たした手を捨てる。 彼は呆然とその手を見つめていたが、変化はすぐに訪れた。 彼女のツモがふわりと宙を舞い、パシリと卓に叩きつけられた。 ――ツモッ! 『手牌』 333m345678s345p東 ドラ3m ツモ東 ――立直一発ツモドラ3。裏ドラは見ずとも逆転ね。 そう言って彼女は後ろを振り返った。 そして、手を眺めていた彼に向けて悪戯っぽい笑みを浮かべてVサインをした。 ありえない一打だった。 たまたまだと切り捨てることもできた。 それでも彼はそれに心惹かれ、それは心に深く刻み込まれた。 恐らく、一生忘れることはないだろう。 これは、彼の麻雀の原点。 その記憶だった。 ―――――――――――――――――――― ―――――――――― ――――― 「先輩、探しましたよ……」 京太郎は息を切らせながら部室に駆け込んだ。 そして部室の窓からボーっと外を眺めている久に声をかける。 「あら? 須賀君、どうしたの?」 「どうしたの、じゃないですよ。卒業式後は校門のところで待ち合わせって言ったじゃないですか」 「ごめんね。最後にちょっとここに寄り道したかったから」 卒業式後、麻雀部一同で集まって写真を撮ることになっていた。 だが、久がなかなか現れず、電話にも出なかったため京太郎がこうやって走り回る羽目となった。 文句の1つも言おうと思っていた京太郎だが、それを聞いて何も言えなくなり、体を休めるため無言で椅子に座った。 それを見て久も京太郎の対面に座った。 「……そういえば先輩、一人暮らし始めるんでしたっけ?」 「えぇ。やっぱり通うのに3時間近くかかっちゃうのは少し大変だからね」 「そっかぁ。ここから結構遠いんですよね……」 「何言ってるの。遠いとは言っても同じ長野県内じゃない。落ち着いたらみんなで遊びに来てね」 「うっす」 とは言え、以前のようには会えなくなる。 麻雀を教えてもらうことができなくなる。 からかわれたりすることもなくなってしまう。 そう考えると京太郎の酷く寂しい気持ちに包まれた。 当たり前だったものがなくなるというのがこれ程の悲しいことだとは想像をしてなかった。 「また遊びに来るから。ちゃんとインターハイも応援に行くわ。だから、頑張ってね」 「はい……」 まるで聞き分けのない子供を諭すように久は京太郎の頭を撫でた。 それを受けてようやく京太郎は久に笑みを見せた。 「よろしい。全く、手のかかる教え子ね」 「うっ、すみません」 くすくすと笑う久にばつの悪そうな顔をする京太郎。 すると、久は何かを思い立ったかのように、口を開いた。 「須賀君、ちょっと聞きたいことがあるんだけどいいかしら?」 「何ですか?」 京太郎は軽く返事を返すが、久は酷く緊張した様子で口を開いた。 「新人戦1回戦のこと、覚えてる?」 「えっ? それはもちろん」 突然の問いに面食らいつつもはっきりと頷く京太郎。 初勝利の牌譜はもう何度も眺めた。 苦しいときも、その牌譜を見て自分の支えとして頑張った。 忘れるはずがなかった。 「そう、だったらあのオーラスで……何故東単騎でリーチしたのかしら? 直撃狙いだったわよね?」 「はい。2着目から何としても打ち取るって考えてました」 「じゃあ、何故東単騎のリーチだったのかしら? 東単騎待ちはまだわかるけど、リーチの必要はないわよね」 「あぁ、それは……」 京太郎は眼を閉じてあの時のことを思い出した。 苦しい状況だった。 ツモでは裏期待になってしまう状況。 不安だったため直撃狙いとしたが、打ち取れる自信はあまりなかった。 だが、次巡で東を引いてきたとき、そう、電流が走った。 「以前、県予選で咲が多面張を捨てて単騎待ちに受けたことがありましたよね?」 「えぇ……」 何処か久は寂しそうな顔をしたが、それに気づかず京太郎は続けた。 「東単騎はカン出来る待ちだった。なんて言うかそれをあの時に思い出したんです」 「やっぱり、そうだったのね」 久は苦笑を浮かべて、椅子にもたれかかった。 何かひどく疲れたかのように。 だが、京太郎は首を振った。 「でも、それだけじゃないんです」 「えっ?」 思いもがけない京太郎の言葉に久の口から驚きの声が漏れた。 「先輩。先輩だったらあの状況だったらどうしてました?」 「えっ? わ、私だったらやっぱり東単騎でリーチを打つかしら」 「やっぱり、そうですよね。だから……」 突然の問いかけに戸惑いながらもそう答えると京太郎は嬉しそうに、満足そうに笑った。 「咲と先輩。2人それぞれ目指しているものは別かもしれないですけど」 「ただ……その、俺の好きな人と憧れている人が選ぶであろう牌が……」 「選ぶその牌が同じだろうって、気づいたんです」 「セオリーとか、そういうものを無視した一打っていうのはわかっていたんです」 「インターハイで先輩に怒られたことを忘れたわけじゃないんです」 「だけど、その……」 「それに気づいちゃって、どうしても東単騎に受けてみたくなったんです」 「咲のように嶺上から必要牌を持ってくることはできないですし、部長のように悪待ちを引けるわけでもないですけど」 「俺の好きな人と、憧れている人が選ぶ待ち。それがその」 「すごい最強の待ちに見えて。この待ちだったら、勝てそうな気がしたんです」 「2人の力があれば、勝てそうな気がして、東単騎を選んだんです」 「結果論かもしれませんけど、引くことができて勝つことができました」 「俺、本当に嬉しかったんです。勝つことができたこともそうですけど……」 「その、えっと、あー……俺にとって大切な、大切なモノの待ちでアガることができて、それがすごく嬉しかったんです」 「お、俺何言ってるんすかね。あーはずかしい……」 目の前で須賀君が照れながら笑っている。 だけど私は笑うことができず、涙をこらえることに必死だった。 ずっと聞きたかったことだった。 本当に彼の中にもう私はないのか。 咲の言うとおり、彼はあの時咲を選んだのか。 本当に、そう考えて東単騎のリーチを選んだのか。 未練がましいかもしれなかったけど、聞きたかった。 でも、聞くのが怖くて怖くて卒業式までもつれ込んでしまったけど。 でも、聞けて良かった。 残っていた。 彼の中に、私がやっぱり残っていたのだ。 咲だけじゃなくて、私がある。 残せていたんだ。 奪われてなんていなかった。 須賀君はそれを大切にしていてくれた。 その言葉が聞けたことが、本当にうれしかった。 残念だったわね、咲。 やられっぱなしには、ならなかったみたい。 「そ……う……」 目頭が熱くなる中、須賀君に必死に返事をする。 駄目だ。 泣いては駄目だ。 泣いて縋り付いたところで、私の欲しいものは手に入らないのだ。 もう、全て遅かったのだ。 だからせめて、最後まで彼の大切な「竹井久」を守ろう。 さぁ、須賀君をからかってやろう。 慌てる彼を見て笑ってやろう。 ふてぶてしく笑おう。 「ずいぶんクサいわね、須賀君」 「勘弁してください。今すごく逃げ出したい気分です」 「ふふ、冗談よ。まぁ、でも、嬉しかったわ。だから」 私はポケットに手を入れた。 何時も入れているアレがあるはず。 「ご褒美、あげる」 「えっ?」 「ドタバタで部室の片付けのご褒美もあげてなかったしね。頑張った須賀君に先輩からのご褒美です。ほら、手を出して」 「はっ、はい」 私の声に咄嗟に須賀君は手を出した。 本当に犬みたいだ。 可笑しさに笑いつつも、私は彼の手にそれを置いた。 「……ヘアゴム?」 「そう。私が中学から高校までで大事な試合の時に使ってたやつよ」 「えっ!?」 「願掛けってほどでもないけどそれで髪を結っていた試合はいつもいい成績を残せたわ。きっとご利益あるわよ」 「受け取れませんよ、そんな大切なもの!」 須賀君は慌てて私に手を差し出し突き返そうとした。 だけど私はその手を優しく握り、押し返した。 「いいの。ほら、もうひとつあるし」 私はポケットからもうひとつのヘアゴムを取り出して笑った。 それでも須賀君は納得がいかなそうだった。 私は佇まいを直して、須賀君に向き直った。 「ねぇ、須賀君。須賀君はこれから厳しい戦いが待ってると思う。でも、私はもう今までのように須賀君に何かを教えるのは難しいわ」 特に異質な能力があるわけでもない須賀君はこれから苦しむことになるかもしれない。 その差に絶望してしまうかもしれない。 でも、私はもう今までのように力になることはできない。 私はもう別の道を歩き始めなければならない。 「もう私にはほんの小さなゲン担ぎぐらいしかできないけど……須賀君の力にならせて。お願い」 そう、せめて彼の愛する先輩として、須賀君の力になりたい。 私の最後の願いだった。 「……わかりました。ありがとうございます」 須賀君は私の言葉にようやく納得してくれたようだ。 顔を伏せて押し殺したように返事をする。 私は受け取ってくれたことにほっと胸をなでおろした。 「ふふ、ほら。折角だから着けてあげる」 私は須賀君の手からヘアゴムを取り髪に手を伸ばした。 さらりとした感触に少し胸が高鳴る。 須賀君は驚きの表情を見せながらもされるがままだった。 「俺、そこまで髪長くないですけど」 「大丈夫大丈夫。前髪をちょんまげにするぐらいだったら……ほらできた」 前髪を上げた形でちょんと結えられた須賀君は何やらかわいらしかった。 須賀君が首を振ると結えられた髪が小さく揺れて思わず笑みがこぼれる。 「な、なんか変な感じっすね」 「似合ってる似合ってる。可愛いわよ」 「可愛いって褒められてもまったく嬉しくないですね……」 ふと、彼との距離が近くなっていることに気が付いた。 当然だ。髪を結うには近づかなければならない。 彼の顔が、近い。 心臓が高鳴った。 ――もう手に払いらないものなのに。 ――あぁ、でも ――本当に ――本当にこれが ――これが、最後だから ――許して、ほしい 頭の中が真っ白になっていく。 何も、何も考えられない。 だから、その行動はほとんど無意識だった。 「あと、これはおまけ」 私はそう言って少し背伸びをして 「せんぱ……い?」 彼の頬に、軽くキスをした。 心臓が破裂してしまうのではないかと思うぐらい鼓動していた。 顔が赤くなっていないかどうか不安だった。 あぁ、ほら、彼も呆然としている。 いけないいけない。 思わず、あんなことをしてしまった。 ほら、いつも通りに。 最後まで、いつも通りに。 まずは笑おう。 「ふふふ、びっくりした?」 「えっ、あっ、うっ?」 須賀君がうろたえている。 あぁ、本当にいい表情をする。 須賀君をからかうのは、これがあるから楽しいのだ。 「咲とケンカしたときは遊びにいらっしゃい。ちゃーんと慰めてあげるわよ」 にやりと笑って私は踵を返す。 部室の扉を開けて廊下に一歩足を運ぶ。 そして駆け出す直前に私は振り返った。 相変わらず、須賀君は呆然としている。 「何だったら須賀君の大好きなエッチなことでも、ね」 「えっ、え?」 「ほら、先に行ってるわよ」 そう言って私は駆け出した。 廊下を走る。 ただ、走る。 少しすると慌てて追いかけてきたのか後ろからも走る音が聞こえた。 「ちょ、先輩待って」 「いやーよ、今捕まったら須賀君酷いことされちゃうわ」 そう、追いつかれるわけにはいかない。 なぜか零れてしまった涙が見られてしまう。 それだけは、駄目なのだ。 私は走りを緩めることもなく旧校舎の廊下を走り続けた。 すると私を追いかける須賀君は私の言葉に焦れたように叫んだ。 「あーもう! この悪女!」 須賀君の口から洩れたその言葉に思わず心の中で苦笑した。 私は悪女でも何でもない。 ただの愚かな女だ。 ギリギリで踏みとどまれたけど、須賀君の大切なものを壊そうとした愚かな女だ。 なのに須賀君からそう言われることが何かおかしかった。 走りながら、涙を拭う。 早く笑わなければいけない。 もう、この感情は終わりにしなければならない。 私の恋は実らなかった。 全て遅かったのだ。 全て終わったことなのだ。 だから、泣くのも終わりにしなければならない。 私は新しい道を歩まなくてはいけないのだ。 だから…… ――さようなら、須賀君 ――本当に大好きだった 私は旧校舎を出て、ほころび始めた桜の木の下で、自分の恋に別れを告げた。 完!
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特別編 文化祭おまけ 照「…………」紅茶まみれ 咲「あ、えっと……その……」 「み、宮永さん!?も、申し訳ありませんお客様!!」 「すぐに何か拭くものを!!」 照「……咲?」 咲「ひっ!?」 照「怒ってないよ?ただ、さすがにこれは無いよね?」 咲「お、お姉ちゃんごめんなさい……」 照「転んで飲み物を狙ったようにかけるなんて……私でも中1までしかやってないよ(ボソッ)」 咲「うぅ……」 京太郎「……咲?それに照さん!?」 照「京ちゃん!?そ、その恰好……」 京太郎「あ、やべ……ゴホン、照お嬢様、一体どうなさいました?大体の予想はつきますが……」 照「て、照お嬢様!?」 咲「きょ、京ちゃん……その……」 京太郎「申し訳ありません、こちらの不手際でこのような不快な思いをさせてしまって……すぐにシャワーとお召し物のご用意をさせていただきます」 京太郎「おい、シャワー室と何か女子のジャージかなんか用意できないか?」 「シャワーはすぐいけると思うけど……ジャージなんて持ってきてる人いる?」 「いても汚れてたり使ってたりでしょ。宮永さんの制服とかは?」 咲「私メイド服で帰るの!?」 京太郎「さすがに原因とはいえ咲が可哀想だな……俺もジャージとかないし、俺の服貸す訳にもな……」 咲「お姉ちゃーん、京ちゃんの制服でいいー?」 照「おっけー」 京太郎「おい咲!?照さんもいいの!?あ、よろしいのですか?」 照「別にいい。それより」 京太郎「はい?」 照「執事が失態を犯して、何も無し?」ニッコリ 京太郎「はい、照お嬢様、アーン」 照「あーん……ん、おいしい」 京太郎「それは何よりです」 照「次は紅茶が欲しいかな」 京太郎「……照お嬢様?」 照「何?」 京太郎「差し出がましいことを言うようですが……さすがに男性の膝の上にずっと座っているというのは、少々はしたないのでは?」 照「執事が命令を聞けないというの?」 京太郎「……了解致しました。紅茶の砂糖はいくつになさいます?」 照「2つで」 咲「お姉ちゃんずるい……」 「執事な須賀くんの膝の上に座ってアーンまで……羨ましすぎる……」 「おまけにそのまま30分も……これがチャンピオン……」 「宮永さん、私にこの紅茶かけて」 咲「それ熱いやつだよね!?やめてって!!」 照「次はスコーンで、もちろん食べさせてね」 京太郎「……そろそろ勘弁してもらえませんか?」 照「……だーめ」 京太郎「かしこまりました……麻雀部の方に行くまでにはお願いします」 照「……京ちゃん次第かな」 この後、嫉妬の化身と化した咲とのインハイ時以上の対局が始まるのだった
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霞「さて、みんなの着替えも済んだことですし午前の仕事を分担しましょうか」 霞「二人は文化祭を回りつつ宣伝、集客」 霞「ばらばらでも二人で行動してもいいわよ」 霞「残った四人は接客・お茶入れをします」 霞「基本的に一人一卓、強そうな人が来た場合はその時々で相談ね」 霞「それじゃあ始めましょうか」 京太郎「えーっと、俺の仕事はー」 京太郎「俺と憩さんが集客ですね」 憩「せやね、どこ行こか?」 京太郎「遊ぶ気満々すね」 憩「京太郎くんと遊べるんやから張り切らんとね」ニコッ 京太郎「そ、そうですね」テレッ 憩「あ、京太郎くん照れとるーぅ」 京太郎「照れてません!」 憩「照れとる!」 京太郎「照れてません!」 泉「手いれ取る?」 憩「照れとる!」 泉「ひゅ~どろどろ~」 京太郎「照れてませんってば!」 憩「照れてますーぅ!」 泉「あ、あの……」 京太郎「絶対照れてません!」 憩「ぜーったい照れとる!」 泉「ここまで無視されると……もう……」 京太郎「ん?泉いたのか」 泉「酷くないですか!?」 憩「ひぃっ!」 泉「怖いですよね?そうでしょうそうでしょう」 憩「いつの間に!」 泉「そっち!?手の込んだメーキャップよりも突っ込むところそこなんですか!?」 京太郎「千里山はお化け屋敷だったっけ?」 泉「はい、こっちですよ」 京太郎「面白そうだし行ってみましょうよ」 憩「お、お化け屋敷……」ガクガク 泉「荒川さんはお化け屋敷苦手ですか?」フフッ 憩「そ、そんなことないですーぅ!」 憩「ここやな、一緒にいくで京太郎くん!」グイッ 京太郎「えっ、あっ、憩さん!?」 泉「行ってらっしゃーい」 ヒュードロドロ カァーカァー 京太郎「和風のお化け屋敷ですか、よく用意しましたね」 憩「うぅ……」 京太郎「憩さん?」 憩「ちょっと待ってな、すぐ行くから」ガクガク 京太郎「待ってますよ、ゆっくり行きましょう」 憩「うん……おおきに」 「……ら……し……」 怜「トリプルや!!!」クワッ 憩「ひゃあっ!」ダキッ 京太郎「んんっ!?」 怜「見える……見えるで……」クワッ クワッ クワッ←赤い目 憩「いや、いやぁ……来んといてぇ」ナミダメ 怜「トリプルや!!!」 憩「きゃあぁっ!」ギュッ 京太郎「憩さん!当たってます!」 憩「きゃああっ!」ギュッ 京太郎(小っちゃいけど……ありだな)グッ 怜「ふふっ、ええ仕事したな」ドヤッ 【廊下】 京太郎「落ち着きましたか?」ナデナデ 憩「……うん」ションボリ 京太郎「憩さん、お化け屋敷苦手だったんですね」 憩「ごめんな……」 京太郎「なんで謝るんですか?誰だって苦手なものはあるじゃないですか」 京太郎「元気出して笑ってくださいよ、いつも通り」 憩「これで、ええか?」ニコッ 京太郎「はい、上出来です」ニコッ 憩「……なぁ」 京太郎「はい?」ナデナデ 憩「いつまで頭撫でとるん?」 京太郎「さあ?」 咏「よーっす、おっ仲良さそうじゃん」 憩「まあ……ね」 京太郎「色々あったんだよ」 咏「お化け屋敷の奥にあるベッドでやらかしてきたとかかぃ?」ケラケラ 京太郎「?なんだそりゃ」 憩「やらかっ……///」カァァ 咏「そろそろ戻ってこいってさ、仕事分担しなおすんだと」 京太郎「はいはい、行きましょうか」 憩「うん」 咏「あ、そういや宣伝はしてきたん?」 京太郎「宣伝……だと?」 憩「一応やってたつもりやで」 咏「ふーん、まいっか速く行こうぜー」 京太郎「今度は接客か、どんな人が来るんだろうなー」 郁乃「いらっしゃいませ~、二番の卓へどうぞ~」 京太郎「郁乃さんはああいうのもできるのか」 京太郎「お客さんが来たな、上手く接客しよう……」 煌「コスプレ雀荘とは実にすばらです!」 京太郎(裏声)「いらっしゃいませー」 煌「おや?貴方は準決勝ではお見かけしませんでしたが?」 京太郎(裏声)「今学期から入部したので、お手柔らかにお願いします」 煌「そうでしたか、初心者の方!なるほどすばらです!」 京太郎(罪悪感が半端ねー!) 哩「よろしく」 哩(姫子ば下してバツゲームばさせる!)メラメラ 姫子「よろしくお願いします」 姫子(部長ば倒して罰ゲームばさせる!)メラメラ 京太郎(裏声)「よろしくお願いします」 京太郎(なんでこの二人もいるんだよ!) 京太郎(裏声)「終わり……ですね」 煌「なんともすばら!姫子と部長を相手にトップとは!」 京太郎(裏声)「そ、そうでしょうか?」 煌「はい、たいっへんにすばらです!」グイッ 京太郎(顔近いって!) 煌「さあさあ!それでは罰ゲームを!」 哩「遠慮なく」 京太郎(裏声)「えーっと、それじゃあ……」 京太郎(裏声)「おしりペンペンで」 煌「な、なるほど……」 姫子「花田がすばら言わん!?」 哩「おしりペンペン……よか」コウコツ 姫子「ぶ、ぶちょー!?」 京太郎(裏声)「卓に手をついておしりを出してください」 哩(この命令される感じ……たまらん) 京太郎(……ごくり) 京太郎「いきますよー」ペシッ 哩「んっ」 ペシッ 哩「あっ」 ペシッペシッペシッ 哩「あっ、あっ、んんっ!///」 姫子「ぶちょー……」 京太郎(やばい、白水さんがすごくエロい)ペシッペシッ 哩「もっと!もっとぉ!」 煌(あ、あわわ、なんということでしょう……ん?) 煌「ウィッグ?」 京太郎「なにっ!」 姫子「急に声ば低くなった?」 煌「というか、貴方は須賀さんではありませんか!」 哩「つぎぃ、はやくぅ……」ビクン 京太郎「やばっ!」 煌「まあ、騙される方も騙される方ですからね。ここがコスプレ雀荘ということを失念していました」 煌「ただ、姫子には注意した方がいいですよ」ボソッ 京太郎「えっ」 姫子「」ゴゴゴゴゴ 哩「つよくぅ、つよく……っ」ビクンビクン 京太郎「……あーこれ無理だわ」 京太郎「亀甲縛りの刑ってなんでだよ」 京太郎「次も接客か、頑張って行こう」 ゾロゾロ 京太郎「早速お客さんが来たな」 京太郎(裏声)「いらっしゃいませー」 穏乃「お願いします!」 初美「よろしくですよー」 梢「宜しくお願いします」 京太郎(裏声)「よろしくお願いします」 初美「須賀くんはいないのですかー?」 京太郎(裏声)「外回りの方に行ってますので」 穏乃「お姉さん、大阪の人なのに関西弁じゃないんですね!」 京太郎(それはお前もだろ!) 梢「そうですね、不思議です」 京太郎(あんたもでしょ!?) 京太郎(裏声)「あ、あはは、じゃあ始めましょうか」 初美「和了れなかったのですよー」 穏乃「お姉さん強いですね!どうしてそんなに強いんですか!」 京太郎(裏声)「え、いや……」 梢「負けてしまいましたか……」 穏乃「落ち込まないでくださいよ!まだ次がありますから!」 梢「そう……ですね、ありがとうございます」 初美「それで罰ゲームはどうするんですかー?」 京太郎(裏声)「罰ゲームをするので、ついてきてください」キリッ 梢「はいっ!」ビクッ 梢(何でしょうか……今の) 梢(まるで殿方のような……でもこの方はどこからどう見ても女性の方ですし……)カァァ 京太郎(裏声)「離れると危ないので」ニギッ 梢「はうっ///」 梢(この方の手、とても逞しい) 梢(でも私をどこへ連れて行くつもりなのでしょうか?) 京太郎(裏声)「着きました」 梢「ここは……?」 梢(人気が無い、ここって……まるで……いやでも私たちは女性同士ですし、そんな……)カァァ 京太郎(裏声)「こちらを向いてもらってもよろしいでしょうか」 梢「!」ドキッ 梢「はい……」ドクンドクン 梢(これが告白、というものなのでしょうか……)ドクンドクン 京太郎(裏声)「これが俺の正体のハンサム顔だ!」ババーン! 梢「」ポカーン 京太郎「」ババーン! 京太郎「さ、帰りましょうか」 京太郎(裏声)「お待たせしましたー」 穏乃「あ、ありがとうございましたー……」イソイソ←一部始終を見てた 初美「なのですよー」イソイソ←上に同じ 京太郎「……なんかさっきの対局で変な感じがしたけど……まいっか」 京太郎「放課後はどうしよっかな」 霞「京太郎くーん、片づけ手伝ってくれるかしらー」 京太郎「今行っきまーす!」 京太郎「コスプレのまんまなんすね」 霞「着替えるのも面倒くさいからね」 京太郎「俺は何をすれば?」 霞「そうね……誰か適当な人を手伝ってくれる?」 京太郎「了解です!」 霞「よろしくね」 咏「んしょ、んしょ」 京太郎(ダンボールを棚の上に乗っけようとしてるけど高さが足りねえのか……よし) 京太郎「咏、手伝おうか?」 咏「ふんっ」プイッ 京太郎「まだ怒ってんのか?」 咏「当たり前だろ、バカ」ツーン 咏「それにお前の手助けなんかいらねーっつうの」 京太郎「あれはごめん、って」 咏「もういいからあっち行けよ」 咏「んしょっ!」 ダンボール山「」グラッ 京太郎「あぶねえっ!」 京太郎「咏っ!」ダッ 咏「――――っ!」 ドサッドサドサッ 霞「咏ちゃん!?」 京太郎「いっつっつ……」 咏「京太郎……?」 京太郎「怪我、ねえか?」 咏「お、おう……」 郁乃「二人とも大丈夫……はっ!」 憩「ふ、二人とも、それは大胆すぎるっちゅうか、その……」モジモジ 京太郎「へ?」 咏「は?」 京太郎「…………」←咏を押し倒してる 咏「…………」←京太郎に押し倒されてる 京太郎「あっ、えーっと……」 咏「……」カァァ 咏「はっ!はやく離れろ!」 京太郎「すまん……」 咏「ふんっだ!」プイッ 京太郎(はぁ……なんでまたこうなるんだよ) 咏(……京太郎) 咏(私が京太郎とそんなことになるなんて……まだ百年も先だよな) 咏(……素直になりてえな) 咏「……ありがとよ」ボソッ 京太郎「さーてと、もう夕方か」 京太郎「どこいこっかなー」 京太郎「勉強するか」 京太郎「街に行けば今日文化祭に来てた人とも会えたかもしれなかったけど、宿題出てるしな」 京太郎「大人しく行こう」 京太郎「……誰か誘ってみよっかな」 京太郎「早速この問題から解いてみよう!」 ポキッ 京太郎「うっ、芯出しすぎたか、もう一回!」 ポキッ 京太郎「失敗失敗、やり直しだ」 ポキッ 京太郎「えい!」 ポキッ 京太郎「……」 ポキッ 京太郎「……メゲるわ……」 夜 京太郎「メゲずにもいっかい!」 京太郎「不屈の闘志の京太郎に敵はない!」 京太郎「今度は課題のプリントを片付けるぞ!」 カキカキ 京太郎「ふむふむ」 カキカキ 京太郎「なるほどなるほど」 カキカキ 京太郎「うっし!完成だ!」 京太郎「不屈の闘志の京太郎に敵は無いんだぜ!ヒャッホー!」カチャッ 京太郎「……ん?」 コーヒー「」ドバァッ 京太郎「…………」 京太郎「嘘……だろ……」 京太郎「あーもうなんかもう!やってられないんだぜ!」 【一日目】終 【10月第2週 休日】 【三箇牧・千里山合同文化祭】 【二日目】 京太郎「今日は千里山の方でやるんだよな」 京太郎「ちょっと早めにでてくか」 京太郎「千里山まで結構かかるんだよな」 京太郎「そういえば前の体育祭のときは泉と行ったっけ?」 京太郎「あ、でもあれは三箇牧か」 セーラ「なーにブツブツ言うとんのや?」パシッ 京太郎「痛っ!って、江口さんですか」 セーラ「須賀と会うんは久しぶりやな」 京太郎「話すのは体育祭以来ですね」 セーラ「いっつも竜華とか怜とかとおるからなー、たまにはオレとも話そうや!」 京太郎「そうですねーじゃあ何について話しましょうか」 セーラ「んーせやなー」 セーラ「せや、オレトランクス派なんやけど―――」ムグッ 京太郎「女の子が下着の話を男子にするものじゃありません」 セーラ「オレはオトコや!」 京太郎「いえ、どこからどう見ても女の子です」 京太郎「……そういえば、江口さんは文化祭でなにやるんですか?」 セーラ「オレは大道具作ったで!」 京太郎「妖怪とかにはならなかったんすか?」 セーラ「あ……それは……やな」ポッ 京太郎「のっぺらぼうとか?」 セーラ「せやったら良かったんやけど……化け猫なんや」 京太郎「化け猫?」 セーラ「ネコ耳にしっぽ付けて、襲い掛かるいうやつなんや」 京太郎「あー、憩さんみたいな感じですか」 セーラ「浩子に無理やり着せられたんや……」 京太郎「でも結構似合いそうですけどね」 セーラ「似合わん似合わん」プイプイ 京太郎「江口さん元が可愛いから似合うと思うんだけどなぁ」 セーラ「!」バッ セーラ「かっかわい!?」 京太郎「江口さん可愛いなぁって」 セーラ「……~~~!」カァァ セーラ「須賀のアホー!」ダダダダダダダ 京太郎「ええええええっ!」 京太郎「何で逃げるんすか!待ってくださいよ!」 セーラ「嫌やー!」ダダダダダダ 京太郎「準備も終わったし、二日目も頑張るぞ!」 京太郎「接客かー」フヘー 京太郎「また裏声でやらなきゃなんだよな……」 霞「あ、そのことなんだけど『チャンピオンはいないんですか!』っていう人がいっぱいいてね」 霞「人寄せパンダってことでウィッグは取ってやって頂戴」 京太郎「制服はどうするんです?」 霞「うちはコスプレ雀荘よ?何言ってるのかしら」 京太郎「」 京太郎「裏声出さないでいいってのは楽だな」 京太郎「お、誰か来たな」 京太郎「いらっしゃいませー……え」 菫「……あ」 菫「…………」マジマジ 菫「そうか、つまり君はそういうやつだったんだな」 京太郎「エーミールですか!」 はやり「あっ!理沙ちゃん理沙ちゃん!須賀くんがいるよっ☆」 理沙「久しぶり!」プンスカ 菫「瑞原プロに……野依プロ!?」 京太郎「どうも、お久しぶりです」 菫「おい、この二人と知り合いなのか?」ボソボソ 京太郎「ええ、まあ」 菫「…………」 菫「私にはお前のことがわからないよ……」 「京ちゃん!危ないよ!」 「ばか!見捨てられねえだろ!」 「京太郎!」 京太郎(……なんだ、今の) 京太郎(咲とモモの声が聞こえたような……) 京太郎(あっ、俺の番か)トン はやり「ロン、12000」 京太郎「まだ一巡目ですよ!?」 はやり「人和じゃないだけラッキーだったよ」 京太郎「跳満でも十分アンラッキーなんですけどね」 理沙「ドンマイ!」プンスカ 京太郎「ありがとうございます」 京太郎「じゃあ次行きましょうか……」 理沙「ロン!」 京太郎「ハコワレ……」 菫「まあその……なんだ、すまなかった」 理沙「ごめん!」プンスカ はやり「ごめんね」 京太郎「いえ、俺が弱いだけですから……」 京太郎「罰ゲーム、どうします?」 はやり「そういえばそんなルールだったね、それじゃあ……」 はやり「ねーねー、理沙ちゃんブログやってたよね?」 理沙「一応!」プンスカ はやり「菫ちゃんは?」 菫「わっ、私ですか!?」 はやり「うんっ☆」 菫「い、一応やっております」 はやり「それじゃあ須賀君への罰ゲーム!」 はやり「はやりたちとツーショットを撮ってブログにアップするよっ☆」 京太郎「それって、この状態で……ですか?」 はやり「もちろん☆」 京太郎「……わかりました、いいですよ」 はやり「まずははやりからだよ!」 理沙「撮影!」プンスカ! はやり「ほら須賀くん、もっと近くに!」ムギュッ モニュッ 京太郎「Oh……」 京太郎(なんたるおもち!なんたる巨乳よ!まさにこれは母のめぐみ!) 理沙「チーズ!」プンスカ! はやり「うん!いい笑顔だね!次は理沙ちゃん!」 理沙「近く!」ムギュッ フニュッ 京太郎(これもまたはやりさんではないほどだがやわらかく、すばらなおもち!) はやり「はい、チーズ!」パシャッ はやり「さーさー次は菫ちゃんだよ!」 菫「は、はい……」 はやり「ほらほらもっと近くに寄って!」プッシュ 菫「うぐっ」フニュッ 京太郎(これもなかなかのなかなか……) 理沙「チーズ!」プンスカ! はやり「いい写真が撮れたよ!それじゃあね須賀くん!」 理沙「バイバイ!」 菫「じゃあな」 京太郎「はい、またのお越しを!」ニコニコ 京太郎「いい罰ゲームだった、実にいい罰ゲームだった」 昼 京太郎「今度は俺と霞さんで集客ですか」 霞「よろしくね」 京太郎「じゃあどこ行きましょうか?」 霞「うーん、今日は体育館かしらね」 京太郎「ライブ会場ですか」 霞「生徒さんがいっぱいいると思うから行ってみましょう」 キーミート ハイ! イッショガイチバン! 霞「みんな楽しそうね」 京太郎「ですねー」 ザワザワ ワーワー 霞「段々人が増えてきたわね」 京太郎「はぐれないように気を付けてくださいよ?」 霞「京太郎くんこそね」 京太郎「もちろんっすよ」 霞「ふふっ……んっ」 京太郎「どうしました?」 霞「い、いま……誰かが、その……ぅっ!」モゾモゾ 京太郎「大丈夫ですか!?」 霞「大丈夫だから、楽しんでて」ハァハァ 京太郎「……ひょっとして、痴漢、とか?」 霞「」コクッ 京太郎「……それじゃあ出ましょうか、気分悪いですよね」 霞「……もうどこかに行ったみたいだから、大丈夫よ」 京太郎「そうですか……」 霞「ほら、もっと楽しみましょう?」ニコッ 京太郎「……はい」 京太郎「霞さん、無理しなくていいんですよ」 霞「大丈夫だから、ね?そろそろ帰りましょうか」 京太郎「……はい」 桃子「あ、京太郎!」 京太郎「モモ!?」 桃子「一か月ぶりっすね!」ムギュッ 京太郎「モモ、当たってる当たってる!」 桃子「わかってないっすねー、当たってるんじゃなくて、当ててるんすよ」ニコッ 京太郎「……」ゴクリ 霞「京太郎くん?」ゴゴゴゴゴ 京太郎「すみません霞さん、こいつ幼馴染なんですよ」 霞「わかってるわよ」ムギュッ 京太郎「はあっ!?」 京太郎「霞さん!当たってますよ!」 霞「当ててるの♪」 桃子「むむっ、私に対抗するとでも?」 霞「知らなかった?京太郎くんは年上好きなのよ」 桃子「本当っすか!」 京太郎「年齢なんて関係ねーよ」 桃子「それ見ろっす!京太郎はおっぱいが好きなんっすよ!」 京太郎「モモ、公衆の面前で何言ってんだ!」 霞「おっぱいでも私の方が勝ってるけどね」 桃子「ぐぬぬ……とにかく私は負けないっすからね!」 京太郎(なんかすっごい満足感) 昼 照「…………」 京太郎「いらっしゃいま……せ」 照「……京……」アワレミ 京太郎「……はい」※女子の制服 照「に、似合ってると思う……よ」 京太郎「顔引き攣ってんぞ」 智葉「宮永照!」 照「うわ……」 智葉「ここであったが百年目!」 照「インターハイで打ったじゃん」 桃子「あっ!」 桃子「ここで会ったが百年目っすね!」 照「それもう聞いた」 桃子「ふっふっふ、今日こそは負けないっすよ」 智葉「私もだ、はやく打とう」 照「…………」 京太郎「なーに突っ立ってんだ?はやく卓につけよ」 京太郎「打とうぜ、麻雀」 京太郎「うがー勝てねー!」 桃子「ふふっ、やっぱり私には遠く及ばないみたいっすね!」 京太郎「結構僅差だったじゃねえか」 智葉「…………私って何なんだ?」 照(京とモモ……懐かしい) 照(でも、足りない) 京太郎「そうだ照、罰ゲームはどうするんだ?」 照「罰ゲーム?」 京太郎「辻垣内さんに何か一つ罰ゲームを与えていいんだぜ」 智葉「もういい!何でも来い!」 照「ん……じゃあ……」 照「ここに寿司がある、食べて」 智葉「寿司、だと?」 照「辻垣内さんが好きそうな大トロだよ」 智葉「確かに、確かに好きだが……」 京太郎「どーせわさびを入れてあるとかなんだろ」 照「ぎくっ」 桃子「そういえば出店にわさび大量寿司が売ってたっすね」 照「ぎくぎくっ」 智葉「やはり裏があったわけか」 照「ぎくぎくぎくっ」 照「ばれてしまっては仕方がない、さあ食べようか」アーン 智葉「や、やめろ!」 照「食べちゃえば終わるから、ね?」 桃子「それ食べてる人、確か思いっきりむせて死にかけてたっすよ」 智葉「っ、それ見ろ!」 照「ルールは従うためにあるんだよ」グイグイ 智葉「そのルールを知らなかったお前が言うな!」 照「あ、UFOだ」 智葉「なにっ!どこだ!」 照「えいっ」ヒョイ 智葉「」パクッ 智葉「…………」 智葉「げほっ、げほっ!」 智葉「からっ!みずっ!げほっ!水をくれ!」 京太郎「はい、ただいま!」 智葉「がはっ!ごほっ、けほっけほっ、おえっ」 桃子「うわぁ……」 照「つ、辻垣内さん大丈夫?」 智葉「ごほっ、けはっ、ぜぇ、はっっ!」 京太郎「大丈夫ですか!これ、飲んで」 智葉「んっ、んぅ……はぁ、はぁ……」 照「……ごめん」 智葉「いいんだ、負けた私が悪いんだ……」 智葉「須賀も、すまなかったな。もう帰るよ……」トボトボ 京太郎「辻垣内さん!」 照「…………」ズーン 照「……ごめん」 京太郎「謝るなら辻垣内さんにだな」 桃子「私も行ってあげるっすよ」 照「うん、行こう」 京太郎「……照!」 照「……何?」 京太郎「お前が戻ってくるの、待ってるから!」 照「…………」 照「私に勝てたらね」 京太郎「もうすぐ文化祭も終わりか」 京太郎「後は投票結果の発表とキャンプファイヤーだけ」 京太郎「最後まで楽しもう!」 放課後 京太郎「霞さーん、俺何すればいいっすかー」 霞「特にすることもないし、どっか適当にぶらついて来なさいな」 京太郎「いいんですか!」 霞「京太郎くんのおかげでプロが二人も来たんだもの、それに照ちゃんも」 霞「さ、行ってきなさい」 京太郎「ではお言葉に甘えて行ってきまーす!」 京太郎「適当にぶらつくっつっても女子高だし何もないよなー」 京太郎「……女子更衣室にでも忍び込むか?」 京太郎「いやいや、それは違う、違うようん」 京太郎「……暇だ」 恒子「およ?」 京太郎「……あっ」 恒子「君……確かー」 京太郎(福与アナ?どうしてここに?) えり「福与アナ、一体何を?」 京太郎(針生アナまで?) 恒子「ねーねー針生アナ、この子誰だっけ?」 えり「この子?うーん……」マジマジ 京太郎(おお、なんかいい匂いがする)ドキドキ 恒子「気になるよねー」マジマジ 京太郎「って!俺ですよ!須賀京太郎!会ったことあるじゃないですか!」 恒子「須賀?……あー電話帳にあったよーなないよーな」 えり「ああ、男子個人戦チャンピオンの」 京太郎「そうです!その須賀です!」 恒子「そういえばいたねーそんなの」 京太郎「そんなのって……」 えり「福与アナ、この際ですし最後は須賀くんでいいんじゃないんですか?」 恒子「だね!さっさと済ませちゃおう!」 京太郎(針生アナの方が年上だったよな……?) 京太郎「取材って何のですか?」 えり「最近の高校生事情とかですね」 京太郎「恋愛とか部活とか?」 恒子「そーそー、恋愛が真っ先に出てくるあたり須賀くんもそっちの人間なんだね!」 京太郎「そっちってどっちですか」 恒子「針生アナとは逆の方!」 えり「」イラッ 京太郎「失礼ですよね思いっきり」 恒子「というわけで体育館裏!」 えり「いやなんでですか」 恒子「ほらナイショの話は体育館裏でって言うでしょ!」 京太郎「女子高なんで頻度は少ないですよ」 恒子「あ、そだねー」 京太郎(針生アナがいるとツッコミ楽だな) えり(須賀くんがいるとつっこまなくてもいいんですね……) 恒子「そんじゃこっち側の須賀くんには恋愛事情を訊いちゃおうかな!」 京太郎「だからこっちってどっちですか」 恒子「そんでどうなの?好きな子いるの?」 恒子「麻雀部の子だったりする?それとも千里山の方?ひょっとして遠距離?」 えり「福与アナ、がっつきすぎですよ」 恒子「こんくらいの距離感がいいんだよ!それでどうなの?」 京太郎「好きな人……ですか」 えり「いるかいないかで十分ですよ」 恒子「どーせなら誰かとか訊きたいなー」 えり「プライバシーは大事ですよ」 京太郎(好きな人なんて考えたことないしなー) 京太郎(……何て答えよう) 京太郎(好き……恋愛の好きとは違うけど) 京太郎「幼馴染が好きです」キリッ えり「幼馴染さん……ですか」 恒子「確か宮永照と宮永咲ともう一人……誰だっけ?」 えり「東横選手ですよ」 恒子「あ、あーいたねそんなの」 京太郎「影が薄いからわからないですよね」 恒子「そーそー」 えり「だから失礼ですってば」 恒子「じゃあ須賀くんは幼馴染三人でハーレムを作ろうと画策している、と」 京太郎「根も葉もないこと書かないでくださいよ」 恒子「根はあるよ根は!」 えり「葉がなければだめです」 恒子「ぶー」 京太郎「なんだか姉妹みたいですね」 恒子「私と姉妹だったら針生アナはストレスで死んじゃうよ」 えり「自覚があるのなら自重してください」 恒子「あっはっは、私ってバカ!」 えり「そっちの自嘲じゃないです」 恒子「それじゃー次ね」 恒子「じゃあさ!須賀くんがプロで付き合うなら誰?」 えり「そんな内容でしたか?」 恒子「気になるじゃん!すこやんにも頼まれてたし!」 えり「はぁ……」 恒子「で、どーなのどーなの?」 京太郎「えっ、えぇぇ……」 えり「無理して答えなくていいですからね」 恒子「そんなんだから針生アナは生き遅れるんですよー」 えり「なっ、福与アナだって彼氏いない歴=年齢じゃないですか!」 恒子「針生アナこそずっと女子校通いの箱入り娘!」 えり「どうしてそれを!」 恒子「ウ○くる!?でやってた!」 えり「フリーじゃないですから出てませんよ」 恒子「あそっかー」 えり「」イラッ 京太郎(大変そうだなー) 恒子「そんで誰なの?」 京太郎「針生アナ、じゃだめですか?」 恒子「えっ」 えり「えっ……」 えり「えっ?」 京太郎「なんで二回も聞き返したんですか」 えり「まず確認しましょう、質問内容は?」 恒子「プロで付き合うなら誰?」 えり「それに対する須賀くんの回答は?」 京太郎「針生アナじゃだめですか?」 えり「」テレッ 恒子「あれ?針生アナ照れてない?照れてなくなくなくなくない?」 えり「照れてませんから!大体なんで『プロで』と訊いたのに私なんですか!」 京太郎「プロ以上に針生アナの方がかっこいいと思ったので……」 京太郎「テレビで見るときはいっつもキリッとしてますし、今みたいに福与アナを上手く抑えてるじゃないですか」 恒子「むむっ、その言いぐさだと私が馬かなにかみたいだね」 えり「お馬鹿さんですからね」 恒子「むむっ」 京太郎「スタイルいいし、顔も可愛いです、というか綺麗ですし」 京太郎「それでいて苦労人で、頼りになってそこに惹かれるっていうかなんというか……」 恒子「つまり須賀くんは針生アナのヒモになりたい、と」 えり(ヒモ……聞こえは悪いですけど一生一緒に……ってことですよね) えり(ということは……その……)カァァ 恒子「おや?針生アナも満更でもない感じ?」 えり「ば、バカ言わないでください!もうっ!」カァァ 京太郎「クールそうな針生アナもそんなに顔赤くしたりするんですね、可愛いです」 えり「」ボンッ! 恒子「お、おう……やるねぇ」 京太郎「あれ?今何かおかしなこと言いました?」 恒子「無自覚か……」 えり「……可愛い……私が……えへへ……///」 恒子「ありゃりゃ、針生アナがポンコツになっちゃったからここまでだね」 恒子「それじゃあまたどこかで遭おう!」 京太郎「はい、さようなら」 恒子「いい返事だな!ほら行きますよ」 えり「…………えへへ」 京太郎「福与アナも敬語は使うんだな……ってそりゃそうか」 京太郎「そろそろ体育館に行くか」 「麻雀部対決の結果はーーー!」 「18%三箇牧、82%千里山ということで!」 「千里山女子高校麻雀部の勝利ィィィイイイ!」 京太郎「……負けたか」 霞「京太郎くん、ここにいたのね」 京太郎「霞さん、その……すみませんでした」 霞「京太郎くんの責任じゃないわよ、それで千里山の方の要求なんだけど」 『練習のために男子チャンピオンをレンタルできる権利』 京太郎「えっ、何すかそれ」 霞「権利って言ってるからいつでも何回でも使えるのよね」 京太郎「ええっ」 霞「まあそういうルールと日本語だからね、休日に来てくれればいいって」 京太郎「えええっ」 霞「平日にも何回来てもいいけど、毎月最低一回は来るように、ですって」 京太郎「拒否権は……」 霞「諦めなさい」 京太郎「…………」 京太郎「そんなのないっすよおおお!」 京太郎「気を取り直してキャンプファイヤーだ!フォークダンスだ!」 京太郎「前半は校外の人も参加するらしい、後半は校内の人で踊るそうだ」 京太郎「俺も参加するぞ!」 京太郎「さーて相手はいないかなー」キョロキョロ 京太郎「おっ、あの人は……!」 京太郎「針生アナー!」 えり「」ビクッ 京太郎「また会えましたね!」 えり「私はあれですからね!ただ取材のために来たので!」 京太郎「福与アナはいらっしゃらないみたいっすけど?」 えり「あぅ、そ、それは……」 えり(言えない!須賀くんにまた会えるかもと思って来ちゃいました、なんて)テレッ えり(それに須賀くんだってクールな私がす、すすす好きって言ってくれたんですから、そんな浮ついたところなんて……)カァァ えり(でも、あそこまで言ってくれたんですし……)モジモジ えり(未来のある須賀くんに私みたいな年増が近づくなんて恐れ多い……)ズーン 京太郎「じゃあ、取材ついでと言ってはなんですけど、一緒に踊りませんか?」 えり「はい!よろこんで!」ニコッ えり「えっ」 京太郎「えっ」 京太郎「まあ踊りましょうか」 えり「……はい」 えり「…………」カァァ 京太郎(フォークダンスっつっても案外暇だなー) 京太郎(なんか話しかけてみるか) 京太郎(そういえばさっきから顔赤いよな) 京太郎(福与アナが言うには箱入り娘だったらしいし、高橋真○アナみたいな感じだったのか?) 京太郎(いや、なんかイメージ違うな) 京太郎(男が苦手だからなのかな……?)ウーン えり(須賀くんがさっきからずっと見てきます……)カァァ 京太郎(また赤くなってる、ひょっとして体調が悪いからなのか?) えり(私の顔に何かついてるんでしょうか……?) 京太郎「あのー針生アナ?」 えり「はい、なんでしょうか?」 京太郎「さっきから顔赤いですけど、大丈夫ですか?」 えり(赤い……私ったらまた須賀くんを意識して……)カァァ 京太郎「ほらまた、ちょっと失礼しますね」スッ えり「えっ?」 ピタッ←頬に手を当てる えり「……~~~~ッ!」カァァーッ 京太郎「やっぱり熱いですね、風邪とか?」 京太郎(ほっぺやわらけー) えり「か、風邪じゃないですから!大丈夫です!」 京太郎「あ、そうですか」 えり「はい、なので続きを」 京太郎「わかりました、でも無理なようなら行ってくださいね」 京太郎「針生アナが倒れたりしたら一大事なので」 えり「……お気遣いありがとうございます」 京太郎「どういたしまして」 えり(男の人はオオカミだとお母さんに言われてましたけど……優しいじゃないですか) 京太郎「ようやく終わった……」 京太郎「針生アナの手もほっぺもやわらかかったなー、なんか幸せだ」 京太郎「他は誰がいるのかな?」 憩「あ、京太郎くーん!」 憩「探したで!ウチと踊らへん?」 京太郎「いいですけど、後半でもよかったのでは?」 憩「わかってないなー、ここで踊るからこそウチらの仲良しさがアピールできるんや!」 京太郎「ああーなるほど」 京太郎「わかってないですけどわかりました、それじゃあ……」スッ 京太郎「お手をどうぞ、お姫様」ニコッ 憩「もう、京太郎くんはキザやなぁ」 京太郎「そうですかね?」 憩「~♪」 京太郎「楽しいですか?」 憩「もちろん!」 京太郎「でも明日から学校なんですよね……」ズーン 憩「せやな……」ズーン 京太郎「なんで振替休日とかないんでしょうか……」 京太郎(学校と言えば、憩さんの試験の結果ってどうだったんだろうか) 京太郎(前は照も憩さんも学年一位だって言ってたよな) 京太郎「そういえば、試験の結果って?」 憩「ウチの?」 京太郎「はい」 憩「あー……ウチは学年7位やったんよ」 京太郎「7位、ですか」 憩「うん、せやからお父さんに怒られてな、連れ戻されてもうた」 京太郎「…………そうなんですか」 憩「元々勉強は頑張るって条件やったから当然なんやけどね、あはは」 京太郎「じゃあまた試験で頑張れば戻ってくるってことですよね」 憩「さあ、わからん」 憩「多分無理や、お父さんが許してくれへんさかい」 京太郎「そう……ですか」 憩「でも麻雀部の活動はオッケーやから、そないにしんみりせんでええんよ?」 京太郎「ですね、じゃあもっと楽しみましょうか」 憩「……お手柔らかにな」 京太郎(……なら、どうして秘書さんの話をしたときに誤魔化したんだ) 京太郎(俺の思い違いだったのか……?) 「おっとごめんよ」ドンッ 京太郎「えっ」 憩「へ?」 チュッ 京太郎「……っ」 憩「……ん!」ムグッ 京太郎「す、すみません!」バッ 憩「こ、こっちこそ!」バッ 京太郎「…………」カァァ 憩「…………///」カァァ 憩「……その、ごめん、先帰るわ!」ドヒューン 京太郎「あっ、憩さん!」 京太郎「…………二回目、か」 京太郎「そろそろ後半だな、次は誰がいるかなー」 京太郎「絶対憩さんも嫌がってるよな……もうやだ」 エイスリン「ドシタノ?」 京太郎「エイスリンさん、いえなんでもないですよ」 エイスリン「ソーナノ?」 京太郎「そーなんす」 京太郎「エイスリンさんは一緒に踊る人とかいないんですか?」 エイスリン「ボッチダカラネ……」 京太郎「それじゃあ……」スッ 京太郎「Shall we dance?」 エイスリン「Sure!」 エイスリン「チャッチャカチャンチャン♪」 京太郎「楽しいですか?」 エイスリン「ウン!」 京太郎「そういえば、エイスリンさんの夢って何なんですか?」 エイスリン「ユメ?」 京太郎「dreamです、眠らない方の」 エイスリン「フムナル!」ポンッ エイスリン「artist!」 京太郎「あー画家、ですか」 エイスリン「!」グッ エイスリン「…………!」カキカキ バッ! |ベレー帽を被る大きな男の人、エイスリンの絵| 京太郎(でかっ!3mくらいないか!?) 京太郎(大きな男の人……お父さん?でもすごく大きいよな……) 京太郎「あっ、おじいさんに教わるってことですか?」 エイスリン「」コクッコクッ 京太郎「エイスリンさんのおじいさんは画家なんですね」 エイスリン「エッヘン!」 京太郎「じゃあ、いつかはエイスリンさんともお別れしないといけないんっすね」 エイスリン「…………ァ」 京太郎「…………」 エイスリン「……イヤダ」シュン 京太郎「俺も……です」 京太郎「だからこそ、今このときを楽しみましょうよ」 エイスリン「…………」コクッ 京太郎「Continue to dance!ですよ!」ニコッ エイスリン「!」パァァ エイスリン「Enjoy now!」ニコッ 京太郎「その意気です、頑張りましょう!」 エイスリン「オー!」 京太郎(何この青春してる感) 京太郎「そろそろ終わりも近い、か」 京太郎「最後は誰と踊ろっかなー……っとあれは……」 京太郎「おーい咏ー!」 咏「おっ、京太郎!」 京太郎「よかったら一緒に踊んねえか?」 咏「へっ、京太郎がナンパかーでっかくなったじゃん」 京太郎「お前がちっちぇんだよ」 咏「なんだとー!」ウデグルグル 京太郎「効かぬ!効かぬぞ!」アタマオサエ 咏「ぬおー!」ススメナイ 京太郎「はっはっはー!」 京太郎「文化祭どうだった?」 咏「まー良かったんじゃないの?知らんけど」 京太郎「知らんって……」 京太郎「そういえばよ」 咏「んーなんだー?」 京太郎「機嫌直ったんだな」 咏「まーなー」 咏「あ、だからっつってもお前を許したわけじゃないかんな!」 京太郎「わかってるよ、悪かった」 咏「あんな服見たら誰でも引っ張るに決まってんだろ、しゃあねえんだよ」 京太郎「そんなもんかなー」 咏「そんなもんなんじゃねえの?あっはっは!」 京太郎「まあ実際お前の裸見たところでなーんも思わねえけどな!」 咏「あっ!お前それは許さねえかんな!」 京太郎「へへっじゃあ俺に追いついてみやがれ!」ドヒューン 咏「せっけー!待てよー!」 京太郎「いーやだーねー!」 京太郎「学校終わりー!」 京太郎「今日は部活で打ち上げもあるらしいけどどうしよっかなー」
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【12日目】開始 京太郎「三回戦、もっと強い人と戦えるのか……」 京太郎「燃えてきた!」 京太郎「今日も頑張ろう!」 午前 京太郎「三回戦ともなると人が多くなってくるな」 京太郎「気引き締めないと!」 三回戦開始(2位以上で通過) 親 男I 25000 男G 25000 男H 25000 京太郎 25000 京太郎「ロン、16000」 男H(こいつの雰囲気……鹿児島の県予選に……) 男I(都の予選の彼に……) 東2局 男I 25000 親 男G 25000 男H 9000 京太郎 41000 男I「ツモ、500・1000」 男I(彼はなんというか、陰鬱なものに包まれていましたね) 男I(自分の打ち筋を持たず、誰かを頼っているかのように) 男I(この人は、どうなんでしょうか) 東3局 男I 27000 男G 24000 親 男H 8500 京太郎 40500 京太郎(ここまでトントン拍子) 京太郎(このまま優勝!) 京太郎(なーんて上手くはいかないよな) 京太郎「ロン、16000」 三回戦通過 男I 27000 男G 24000 男H -7500 京太郎 56500 三回戦開始 親 憩 25000 女F 25000 女G 25000 由子 25000 全員ノーテンのため、流局 東2局一本場 憩 25000 親 女F 25000 女G 25000 由子 25000 女F「ロン、16300」 憩「え……?」 由子(荒川さん、それはどうなのよー?) 女G(個人戦二位、大したことない) 東2局二本場 憩 8700 親 女F 41300 女G 25000 由子 25000 全員ノーテンのため、流局 東3局三本場 憩 8700 女F 41300 親 女G 25000 由子 25000 憩「ロン、8900」 憩(まだまだ腐らんで!) オーラス 憩 17600 女F 41300 女G 16100 親 由子 25000 由子(焼き鳥、でもこのまま流せば通過なのよー)トン 憩(そ、そこで来るかー!) 憩(ノミ手……どうすりゃええんや……) 憩(真瀬さんに直撃なら最低でも3900) 憩(ツモなら1300・2600) 憩(また練り直さな……) 憩(一旦捨てて) 憩(またツモを……) 由子(荒川さん、少し笑顔が崩れてるのよー) 憩(よし、そんで)トン 女F(とりあえず勝ち抜け決定、と) 憩(来たで……ごめんな真瀬さん) 憩「ツモ、1300・2600!」 由子「まくられちゃったのよー」アハハ 憩「すみません」 由子「別にいいのよー、これが勝負なんやから」 三回戦通過 憩 22800 女F 41300 女G 16100 由子 22400 夜 京太郎「今日もあっさり勝ってしまった」 京太郎「そろそろ照みたいな人が出てくるかな?」 京太郎「こわいけど楽しみだ」 洋榎「さっきからなにブツクサ言っとんねん」 京太郎「洋榎さん?いつからそこに」 洋榎「ずっとおったんやけどな……まあええわ」 洋榎「そういえば由子、荒川に負けたらしいで」 京太郎「そうなんですか……すみません」 洋榎「……由子は強いから、大丈夫やで」 洋榎「それにそないなこと須賀が言うことやないやん」 洋榎「気分転換になんかしようや」 京太郎「そうですね、それじゃあ……」 洋榎「で、何しよか」 京太郎「何かしたいものとかあります?」 由子「二人の好きなのでいいのよー」 洋榎「ほなババ抜きやろ!ババ抜き!」 京太郎「またですか!」 洋榎「前は二人だけやったけど今は由子もおるから楽しいで!」 京太郎「それもそうですね、由子さんもそれでいいですか?」 由子「うん」 京太郎「うはぁ、負けたぁ……」グデー 洋榎「由子は強いなぁ、五戦五勝やん」 京太郎「ずっとニコニコしてるんですもん、わかるわけないじゃないですか」 由子「二人とも表情がわかりやすいだけなのよー」 由子「そんなことやったらまだまだ勝てないのよー」 洋榎「あーなんか今ムカついたわ、腹立ったわ」 洋榎「次はジジ抜きで勝負や!」 京太郎「結局あまり変わってない!?」 京太郎「いやでもジジ抜きなら表情は関係ないよな……」 由子「1抜けなのよー」 洋榎「ムダヅモ一つもあらへんのはおかしいやろ……」 京太郎「次は神経衰弱で!」 由子「27ペア揃えたのよー」 洋榎「なんで1巡だけで終わんねん」 京太郎「勝てる気がしない……」 京太郎「こうなったら次は……!」 【12日目】終了 【13日目】開始 京太郎「あの後も俺たちの負けは続いた」 京太郎「七並べに至っては8を4色とも止められてたし、おかしすぎるだろ」 京太郎「少し疲れた……」 午前 京太郎「準決勝前だから特訓をしておこう」 京太郎「照や憩さんも頑張ってるだろうし」 京太郎「姫松の人に手伝ってもらうのもありだな」 ※憩と照も特訓をしています 京太郎「やっぱり実戦あるのみだよな!」 京太郎「近くに雀荘あるし」 京太郎「誰か誘ってみよう!」 京太郎「というわけでサイコロころころー」 洋榎「なんやまたチビっこかいな」 咏「京太郎に呼ばれて来てみたらまたアンタかよ」 洋榎「今回も勝たせてもらうわ」 咏「でけえ口叩けんのも今の内だぜぃ、しらんけど」 由子「ふ、二人とも落ち着くのよー」 東1局 親 由子 25000 咏 25000 洋榎 25000 京太郎 25000 京太郎「ロン、12000」 咏「うげっ」 洋榎「なんやアタリ牌もわからんのかいな」 洋榎「これだからお子様は嫌やなぁ」 咏「むかっ、ちょーっとそれは私をなめすぎてるんじゃねぇか?」 洋榎「なんや?ウチに勝てる言うんか?」 咏「ああ勝ってやるとも、お前なんかちょちょいのちょいだってーの」 洋榎「まあ楽しみにしとくわ」 【灼熱の矛】発動! 東2局 由子 25000 親 咏 13000 洋榎 25000 京太郎 37000 京太郎「ツモ、4000・8000」 咏「親っかぶりかよぉ……」 洋榎「ええでーやったれー!」 由子「洋榎ったらまた」 咏「次は和了るぜ!絶対に!知らんけど!」 洋榎「いやどっちやねん」 洋榎「ま、ウチも容赦はせんけどな」 【灼熱の矛】発動! 東3局 由子 21000 咏 5000 親 洋榎 21000 京太郎 53000 京太郎「あ、ロン12000」 咏「えっ」 京太郎「終わり、だな」 咏「えぅ……」グスッ 京太郎「ごめん、ごめんって」 洋榎「せ、せやこの後ウチとどっか遊びに行こ、な?」オロオロ 由子「洋榎は試合があるのよー」 洋榎「あ、せやった」 由子「もう、三尋木ちゃん、私と少し出かけるのよー」 咏「……うん」 由子「それじゃあ二人とも頑張るのよー」 京太郎「はい」 洋榎「はい」 ガチャ バタム 洋榎「……雰囲気悪うなってしもたな」 京太郎「すみません」 終局 由子 21000 咏 -7000 洋榎 21000 京太郎 65000 京太郎「会場まで来たけど、咏のやつ大丈夫かな」 京太郎「俺も自分の心配しなきゃなんだけど」 京太郎「準決勝頑張るぞ!」 準決勝開始(2位以上で通過) 【絶対平和空間】により、流局 男I「ノーテン」 平太郎「ノーテンです」 水太郎「ゲホッ、ノーテン」 京太郎「テンパイです」 京太郎(なんだこの雰囲気) 京太郎(温かいのか寒いのかわからない) 京太郎(変な気分だ……) 東2局 男I 24000 親 平太郎 24000 水太郎 24000 京太郎 28000 【絶対平和空間】により、流局 平太郎(私の支配が裏目に出ましたか) 平太郎(しかしそれも一興、平和に行きましょう) 京太郎(親の人のアタリ牌ばっかりツモってたのか、危なかったな) 京太郎(次は和了るぞ!) 東2局流れ二本場 男I 23000 親 平太郎 27000 水太郎 23000 京太郎 27000 京太郎「ロン、12600です」 水太郎「はい、ゲホッゲホッ」 京太郎「ちょ、大丈夫ですか?」 水太郎「なんとか、はい。次行きましょう、次」 東3局 男I 23000 平太郎 27000 親 水太郎 10400 京太郎 39600 京太郎「ロン、12000」 男I「相変わらず大きいですね」タハハ 平太郎(このままだと私は2位通過) 平太郎(それもいいですが) 平太郎(微妙ですね……) 東4局 男I 11000 平太郎 27000 親 水太郎 10400 京太郎 51600 【絶対平和空間】により、流局 平太郎(今回は上手くいったようです) 平太郎(私の場合支配というよりは流れを加速させる、と言った方がよいのですが) 平太郎(とりあえずはあの高目を処理できたようでよかったです) 水太郎(役満……危なかった) 東4局流れ一本場 男I 9500 平太郎 25500 水太郎 11900 親 京太郎 53100 【絶対平和空間】により 水太郎(リーチかけずに数え役満……これでを対面の人に当てれば2位通過) 水太郎(親の人に当てればまくれる) 水太郎(あと少し、あと少し) 男I(都予選のときにはやられましたが) 男I(ようやく準決勝まで来れたんです) 男I(まだ希望はある!)トン 水太郎「ロン、32000の一本場は32300」 水太郎「終わりです」 男I「な……に……?」 平太郎(あちゃー) 終局 男I -21500 平太郎 25500 水太郎 43900 京太郎 53100 【side-憩】 憩(今朝から特訓もしたし、今日も頑張るで!) 憩(相手は誰やろなー) 穏乃「あ、荒川さん!今日はよろしくお願いします!」 憩「高鴨さんが相手か、よろしく」 竜華「ウチもおるで」 憩「予選の時以来ですね」 竜華「今日は負けへんで!」 穏乃「私もです!」 準決勝開始 親 憩 25000 女F 25000 穏乃 25000 竜華 25000 竜華「ツモ、700・1300やで」 憩「親流されたかー残念や」 穏乃「凄い笑顔なのですが、それは」 東2局 憩 23700 親 女F 24300 穏乃 24300 竜華 27600 穏乃「ツモ!3翻で90符なので満貫!」 穏乃「2000・4000です!」 竜華「カン多すぎやろ」 穏乃「宮永さんの真似をしてみました!」 東3局 憩 21700 女F 20300 親 穏乃 32300 竜華 25600 憩(高鴨さんも清水谷さんも強いから) 憩(早めに使っとこか)ピキーン 【孔穿つ閃光】発動! 憩「ロン!6400!」 女F「はい」 憩(できればあの二人に当てたかったんやけど、しゃあない) 憩(まだまだやで!) 竜華(……ときちゃん?) 【ときちゃんパワー】発動! 東4局 憩 28100 女F 13900 穏乃 32300 親 竜華 25600 竜華(見える、見えるで怜!) 竜華(これが怜の見とった世界なんやな!) とき(ちょっと違うけどな) 竜華「ロン、3900や」 東4局一本場 憩 28100 女F 10000 穏乃 32300 親 竜華 29500 穏乃「ツモ!1100・2100!」 穏乃「このまま一位通過しますよ!」 竜華「なかなか言うやないか、そう簡単には負けへんで」 穏乃「上等です!」 【インフレーションギア】がレベルアップしました! 竜華に飛び火しました 南1局 親 憩 27000 女F 8900 穏乃 36600 竜華 27400 女F「ロン、8000です」 穏乃「うわっ!……はい」 女F「どうもです」 憩(一位まで近くなったけど、どうしよ) 南2局 憩 27000 親 女F 16900 穏乃 28600 竜華 27400 穏乃「ロン!12000です!」 女F「せっかくとれたのに……」 穏乃「あ、すみません」 女F「いえいえ、大丈夫ですから気にしなくていいですよ」 南3局 憩 27000 女F 4900 親 穏乃 40600 竜華 27400 憩(あの子に当てればウチにも勝ちが見える) 憩(もういっちょ)ピキーン 【孔穿つ閃光】発動! 憩(今度は高かったな) 憩「ツモ!3000・6000!」 憩「まくったで!」 穏乃「うおお!凄い!」 穏乃「私も負けてられません!」 【インフレーションギア】がレベルダウンしてレベルアップしました オーラス 憩 39000 女F 1900 穏乃 34600 親 竜華 24400 穏乃「ツモ!4000・8000!」 穏乃「まくりかえしましたよ!」 穏乃「よっしゃああああ!」 竜華「賑やかな子やな」 憩「そうですね」 竜華「ウチのぶんもよろしくな、応援しとるで」 憩「おおきに」ニコッ 終局 憩 35000 女F -2100 穏乃 50600 竜華 16400 夜 京太郎「メールでもするか」 京太郎「……よし、照に送ろう」 京太郎「決勝戦前だから気を楽にしておいてやろう」 京太郎『あンた、背中が煤けてるぜ』 京太郎「送信っと」ピッ ヴーッヴーッ 照『何、どういうこと?』 照『かちかち山?』 京太郎「実を言うと俺もあんまし知らないんだよな」 京太郎『かちかち山って本当は狸がお婆さんの煮汁をお爺さんに飲ませるんだってな』 京太郎『切って煮てって』ピッ 照『何でそんなことを話すの』 照『寝れなくなるじゃない!』 京太郎『そうそう、シンデレラ、もとい灰かぶりでも』 京太郎『あの義理のお母さんと姉たちいたじゃん?』 京太郎『あの人たち、最後に鳩に目をくりぬかれたらしいぞ』 京太郎『痛そうだよな、目だぜ?目』ピッ 京太郎「あれを知った時は衝撃的だったな」ウーン ヴーッヴーッ 京太郎「電話?……照からだ」 照『……京のばか』 京太郎『え?』 照『ばかばかばかばかばか!』 照『もう知らない!』プツッ プーップーッ 京太郎「……やりすぎたな、謝っておくか」ポチポチ 京太郎『すまなかった』ピッ 照『わかればいいんだよ、わかれば』 照『次変なこと言ったらもう許さないからね!』 京太郎『P.S.そのお姉さんの方はガラスの靴に入れるために親指を切り落としたらしいぞ』ピッ 京太郎「勢いで送ってしまったけど、いいよな?」 ヴーッヴーッ 京太郎「また電話か」 照『きょ・う・た・ろ・う?』ゴゴゴ 京太郎「ヒィッ」 京太郎(電話越しでも伝わるこの殺気!) 京太郎(ま、間違いねえこいつぁ……) 京太郎(俺の命が危ない!) 照『あとで覚えておいてね』プチッ プーップーッ 京太郎「照をからかうのはやめよう」 京太郎「いや昔も結構からかってたけどさ」 京太郎「……やっぱりあいつでも緊張とかしてんのかな」 京太郎「気になるけど寝よ寝よ」 照(猟奇ものはまあ慣れてるから) 照(京も私に気を遣ってくれたのかな) 照(気になるけど寝よ寝よ) 【13日目】終了 【14日目】開始 京太郎「決勝戦!」 京太郎「いやーまさかここまで来れるとは思ってなかったぜ」 京太郎「照や咲、モモは全中まで行ってたのに俺だけ県予選落ち」 京太郎「でもこれで胸を張ってあいつらと対等になったって言えるんだ」 京太郎「負けてられない!」 午前 京太郎「牌を握ってないと落ち着かないな」 京太郎「ちょっとばかしウォームアップでもするか」 ※照と憩も特訓を始めました 京太郎「洋榎さん!」 洋榎「な、なんや朝っぱらから」 京太郎「俺に稽古をつけてください!」 洋榎「今日が決勝か……ええわ!付き合うたる!」 洋榎「ウチがおれば百人力やからな!」 京太郎「ありがとうございます!」 洋榎「ほなまずはツモ切り3340回からや!」 京太郎「……え?」 京太郎「こんな特訓になんの意味ががががが」トン 洋榎「余計なこと考えんでツモって切るんや!」 京太郎「うごごごご」トン 京太郎「あれ、お守りが見当たらないけど、まあいいや」 京太郎「そろそろ行こう」 洋榎「須賀!頑張ってな!」 京太郎「はい、待っててくださいね」 京太郎(絶対に、勝つ)ゴッ 決勝戦開始 親 京太郎 25000 水太郎 25000 狂太郎 25000 学太郎 25000 京太郎「ロン、18000」 学太郎「はいよ」 京太郎「一本場」 京太郎(やっべープレッシャーすげー) 京太郎(でもみんな見てるんだから頑張らねえと!) 京太郎(決勝戦でトビなんてなったらその日は……)グヘヘ 京太郎(頑張るぞ!) 東1局一本場 親 京太郎 43000 水太郎 25000 狂太郎 25000 学太郎 7000 狂太郎「ツモ、1000・2000は1100・2100」 狂太郎「んーまだまだ、こっからだよ」 狂太郎「狂気は続くよどこまでも」 学太郎(何言ってんだこつ) 東2局 京太郎 40900 親 水太郎 23900 狂太郎 29300 学太郎 5900 京太郎(テンパイ……なんだか照みたいだな) 京太郎(これで終わるかもな) 狂太郎(これが終わったら女子の会場でロリ探しをしに行くか)トン 京太郎「えーっと、ロンです、国士無双」 京太郎「32000です」 狂太郎「」 学太郎「それは消せない……無念」 水太郎(二位なのに嬉しくない) 終局 京太郎 72900 水太郎 23900 狂太郎 -2700 学太郎 5900 男子個人戦で優勝しました! 京太郎「ありがとうございました」 狂太郎「なんでだよおおおお!」 狂太郎「ざっけんじゃねえ、くそ!くそ!くそっ!」 水太郎「目が血走ってる……」 学太郎「これが彼の言う狂気、か」 狂太郎「アウアウアー!」 京太郎「とりあえず外に出るか」 京太郎「だぁーっ、疲れたーっ」 京太郎「それにしても優勝か、実感湧かないな」 京太郎「最後の国士、和了るとき……」 京太郎「少し、懐かしい気がした」 京太郎「あの感覚は一体……?」 京太郎「気のせいか、そりゃそうだよな」 京太郎「みんなで一緒に打ったのも遠い話だし」 京太郎「とりあえず咏に教わったこの技術、あとでお礼しておくか」 京太郎「……ところで」 京太郎「取材とか誰も来ないのな」ポツーン 【side-憩】 憩(個人戦決勝、こっちの方が心地ええわ) 憩(ほな、化け物退治といきますか) 照「……今日はよろしく」 憩「負けへんで」 決勝戦開始 親 憩 25000 照 25000 小蒔 25000 穏乃 25000 小蒔「ツモ、4000・8000」 照(この感じ、前やったときとは違う?) 照(この前よりも強大になってる) 照(それに……何も見えない) 憩(神代さん強いなぁ……) 憩(まだこっからや) 【照魔鏡】の発動が阻止されました 東2局 憩 17000 親 照 21000 小蒔 41000 穏乃 21000 小蒔「ツモ、4000・8000」 穏乃(さっきから高いのばっかり、すごい) 穏乃(私も頑張らないと)ギュッ 照(阿知賀の人……そうだよね) 照(和了らせてばっかじゃいられない) 憩(照ちゃんのアレが無かった) 憩(やっぱり神代さんのが原因?) 憩(なら、今の内や) 小蒔(……はっ!) 小蒔(私ったら、また寝ちゃってました) 小蒔(全力で前傾に!) 東3局 憩 13000 照 13000 親 小蒔 57000 穏乃 17000 小蒔「ロン!12000ですっ!」 照「……」 照(さっきと雰囲気が違う) 照(起きたのか) 憩(和了れへん……) 東3局一本場 憩 13000 照 13000 親 小蒔 69000 穏乃 5000 憩(ようやくテンパイ) 憩(ウチかて、負けっぱなしは嫌や)ピキーン 【孔穿つ閃光】発動! 小蒔(団体戦では負けてしまいましたが、こっちは頑張ります!) 小蒔(霞ちゃんも見てるかもしれませんし!)トン 憩「ロン、8300や」 小蒔「は、はい」シュン 照(和了れない……) 照(そろそろ使おうかな……) 東4局 憩 21300 照 13000 小蒔 60700 親 穏乃 5000 照「ロン、1300」 小蒔「あうっ」 照(やっぱり守りが薄い) 照(これなら、行ける) 南1局 親 憩 21300 照 14300 小蒔 59400 穏乃 5000 照(さっきは神代さんのせいで見れなかったけど) 照(前までの憩と同じなら、大丈夫のはず) 照「ロン、2000」 憩(前まで?) 憩(ウチは去年より、春より、さっきより強いさかい) 憩(今回は押し切る!) 【白衣の護り】発動!シャキーン 照(……) 照(抑えられた?) 照(でも、こっちにだって……) 【鏡開き】発動! 南2局 憩 19300 親 照 16300 小蒔 59400 穏乃 5000 ゴッ 憩(なっ!?) 穏乃(ふえっ?) 照(狙いは……神代さん) 照(鏡を開いて、相手を視る) 照(そして相手から奪う) 照(これで、一発) 照「ロン、48000」 照(捲った) 南2局一本場 憩 19300 親 照 64300 小蒔 11400 穏乃 5000 穏乃「ロン!12000の一本場は12300です!」 照「……」 照(やっぱりさっきのが結構効いてる) 照(あれも使えるかどうかわからないし……) 憩(和了っとけばよかったんかな?) 南3局 憩 19300 照 52000 親 小蒔 11400 穏乃 17300 憩(あと2局……) 憩(照ちゃんの打ち方から予想して誰かが飛ぶことはありえへん) 憩(照ちゃんまで38700点) 憩(勝ったる!) 【孔穿つ閃光】発動! 憩「ツモ、500・1000」 憩(小さい!) 憩(このまんまやと届かん!) 【インフレーションギア】【コークスクリュー】が無効となりました オーラス 憩 21300 照 51500 小蒔 9400 親 穏乃 16800 憩(あと30200点!) 憩(倍満直撃か役満和了るしかない) 憩(ここで戦わんでいつ戦うんや!) 【孔穿つ閃光】発動! 憩(ツモってもうた……) 憩(1500・2900) 憩(これやったら届かへん!) 憩(どうすればええんや……) 憩(今年こそは勝つんや!) 憩(今は……ごめんな)トン 憩「カン!」 憩(なるべくドラを増やす!) 憩(ウチは運頼りさかい、その数はなるべく増やす!) 憩(そして) 憩「リーチ!」 憩(行ったれ!) 憩(お願いや!) 憩(来た!) 憩「ツモ!リーチ一発三槓子三暗刻ドラ2!裏は、2と1」 憩「……6000・12000」 憩「……ダメ、やった」 終局 憩 45300 照 45500 小蒔 3400 穏乃 4800 照「お疲れ様でした」 小蒔「お、お疲れさまでした!」 小蒔「200点差……すごいですっ!」 小蒔「また打ちましょうね!」 穏乃「私もです!」 穏乃「またどこかの卓で!」 照「……うん」 小蒔「それではお先に失礼しますね」 穏乃「お腹すいたので私も……」 ガチャ バタム 照「……憩」 憩「いやー照ちゃんやっぱり強いわ」 憩「ウチもまだまだやな」 憩「ここで去年初めて照ちゃんと打ったときと変わっとらん」 憩「勝てへんかった」 憩「照ちゃん、おおきに」ニコッ 照「……憩」 照「無理しなくていいから」 照「まだ国麻もあるんだし、ね?」 憩「うん、わかっとる」 憩「照ちゃん、先行っててくれるか?」 照「…………」 照「また後で」 ガチャ バタム 【side-京太郎】 京太郎「インタビューなんて初めて受けたぜ」 京太郎「鼻毛出てなかったかな?」 京太郎「今日はどっと疲れた気がするー」 京太郎「女子は照が優勝、憩さんが準優勝、高鴨さんが3位、神代さんが4位」 京太郎「200点差ってすごい試合だったんだろうな」 京太郎「……洋榎さんもいないし暇だな」 京太郎「何かすることは……」 京太郎「誰かとメールでもするか」 京太郎「照……いや、憩さんにしよう」 京太郎「お世話になったからな」 京太郎「そんじゃ……」 京太郎『お疲れ様でした!準優勝おめでとうございます!』 京太郎『一位二位独占じゃないですか!?』 京太郎「こんな感じで送信っと」ポチッ 京太郎「さーてと、明日はどう過ごそうかなー」 京太郎「あれ?そういえばなんか忘れてるような……?」 ヴーッヴーッ 京太郎「お、返ってきた」 憩『おおきに!』 憩『京太郎くんも優勝おめでとな!』 憩『大阪に戻ったらお祝いしよ!』 京太郎「憩さん、元気そうだな」 京太郎「そういえば確か憩さんと何か約束をしてたんだっけか」 京太郎「どうだったっけ?」 京太郎「デート!そうだ!デートに行くんだ!」 京太郎「そんなこと忘れるなよ、まったく」 京太郎「日にちとかを聞いておこう」 京太郎『ありがとうございます』 京太郎『決勝となるとやっぱり緊張するんですね、疲れましたよ』 京太郎『あとこの前約束したデートの件なんですけど 憩『マリオパーティー、覚えててくれたん?』 憩『ウチは冗談のつもりやったんやけど』 憩『ほな明後日の朝9時にホテルの前集合やな』 憩『覚えててくれておおきに、楽しみにしとるで』 憩『おやすみ』 京太郎「おお、緊張してきた」 京太郎「明後日、ホテル……ホテル……」 京太郎「よし、覚えたぞ!」 京太郎「今日はこのままグッナイ!」 ―――――――――― 京太郎「寝れない」 京太郎「まだ10時だしな」 京太郎「あと1人くらいなら送れるか?」 京太郎「後はやっぱり照か」 京太郎『優勝おめでとう流石チャンピオンだな』 京太郎「送信っと」ポチッ ヴーッヴーッ 京太郎「相変わらず返信速いな」 照『ありがとう、京もおめでとう』 照『これでアベック優勝だね』 照『京、昔からずっと強くなった』 京太郎「そういえば男子も女子もうちが制したのか」 京太郎「よくよく考えると凄いな」 京太郎「それにしても強くなった、か照に言われると感慨もひとしおだな」 ヴーッヴーッ 京太郎「また照からか?」 照『あと、憩と話した?』 京太郎『話した、っていうかメールだけど』 京太郎『それがどうした?』ポチッ ヴーッヴーッ 照『元気そうだった?』 京太郎『見る限りは元気だったけど、どうかしたのか?』 ヴーッヴーッ 照『ならいい、おやすみ』 京太郎「ああ、おやすみ……って、また何か忘れてるような?」 京太郎「海に行くんだよな……?」 京太郎「このこともメールしておくか」 京太郎『海に行くって約束のことなんだけど』 京太郎「明日は休もう」 ヴーッヴーッ 照『ずいぶん前のことだったのに、覚えてるんだ』 照『じゃあ明々後日、朝8時にホテルの前で』 照『嬉しい、ありがと』 照『おつかれさま』 京太郎「ふむ、今日はここまでにするか」 京太郎「照と二人っきりか……誰か誘おっかな」 京太郎「とりあえず寝よ」 【14日目】終了 【15日目】 京太郎「うん、良く寝た!」 京太郎「あと3日間は東京にいるんだよな」 京太郎「思う存分楽しんで帰ろう!」 京太郎「咏を誘ってみるか」 prrr prrr 咏『は~い、咏ちゃんだけど、どうかしたのかぃ?』 京太郎『一緒に遊びに行こうぜ!』 咏『遊びに?』 京太郎『東京観光でもどうかな、と』 咏『うん……わかった、付き合ってやろうじゃねえか!』 咏『それじゃあまた後でな!』 京太郎『おう!』 プーップーッ 京太郎「あ、待ち合わせ場所伝え忘れてた」 京太郎「浜離宮恩賜庭園?」 咏「そうだよん、一回来てみたかったんだよねぃ」 咏「あの松とか、茶屋とか、風情があるなーって」 京太郎「咏って年寄りくさいよな」 咏「どういうことだい?」 京太郎「和服しか着なかったり、料理する時も割烹着で」 京太郎「盆栽もやってるし部活で淹れてくれるお茶も美味いし」 京太郎「……見た目の割に」 咏「最後の一言は余計じゃねえか?」 咏「んーまあ家がそんな感じだったからじゃねえの?知らんけど」 京太郎「そういや咏の家のこととか聞いたことなかったな」 咏「話してないからねぃ」ケラケラ 咏「まあその気になったときに、な」 咏「お!アヒルがいる!」 咏「こいつら可愛いなー」ツンツン アヒル「ガァーガァー」ヤ、ヤメロ!オレハジユウニイキルッテキメタンダ! 咏「ほら、エサやるよっと」 アヒル「ガァーガァー」フッ、ソンナミエスイタトラップニヒッカカルカ アヒル「ガガァーガ」アラ、オイシイジャナイコレ 咏「エサ食べてる!うっはー可愛えー」キャッキャッ 京太郎(アヒルと遊んでる咏も可愛いけどな」 咏「は……はぁ?」カァァ 京太郎「やばっ!声に出てたか!」 咏「か、可愛い……って……」 咏「悪くないね……知らんけど」ボソッ 午後 京太郎「さて、と」 京太郎「咏も送っていったところだし、またどっか行こっと」 京太郎「誰を誘おっかな」 京太郎「近いだろうし弘世さんでも誘ってみるか」 prrr prrr 菫『私だ、何の用だ?』 京太郎『突然ですけど、今暇ですか?』 菫『生憎だが、少し行くところがあるんだ』 京太郎『そうですか、いやー残念だなー』 京太郎『せっかくおいしそうなワッフル屋を見つけたのに』 菫『なんだと!』 京太郎『近くの公園においしそうなワッフル屋さんがあるから弘世さんでも誘おうかなって思ったんですけど』 京太郎『予定があるなら仕方ないですね』 菫『ぁぅ……』 京太郎『少し焦げてサクサクした生地にあのほんわりとしたクリーム』 菫『…………じゅるっ』 京太郎『そしてその上に乗る真っ赤なストロベリーソース』 京太郎『おいしそうだったんですけど、予定があるなら仕方ないですね、それじゃ』 菫『待て待て待て!切るな!』 菫『予定が変わった!行こうじゃないか!』 京太郎『それじゃあ○○公園で』 菫『わかった』 プーップーッ ―――――――――― 菫「どうして私はこう、全く全く」 菫「でも、ワッフルか……おっと涎が」 京太郎「お待ちしてました!」 菫「やあ」 菫「それで件のワッフル屋はどこなんだ?」キョロキョロ 京太郎「あそこにありますよ」ユビサシ 菫「お、おお!」 菫「カスタードクリームにホイップクリーム、チョコレートをかけるもよし」 菫「ブルーベリーにストロベリー……メロンとは変わり種だな」 菫「うむ、迷うな……」 京太郎「じゃあおっちゃん!「待て!」」 菫「こういうのはじっくりとだな……」 京太郎「だったら俺が適当に頼みますよ」 菫「……わかった、お前に任せよう」 京太郎「任されました!」 菫「まさかカスタードクリームのみとは」 京太郎「こういうのはシンプルなのがいいんですよ」 菫「それで、お前のはどうしたんだ?」 京太郎「あー実は俺今金欠なんですよね」 京太郎「ただここのワッフルがおいしそうだから弘世さんに教えようと思いまして」 京太郎「だからこうして見てるだけで十分です」 菫「……そうか、では」ハムッ 菫「お、おいしい……!」 菫「おいしい……」トローン 京太郎「何も二回も言わなくても」 菫「お前も食べてみろ!」 京太郎「じゃ、じゃあ」ハムッ 京太郎「……うまい!」テーレッテレー 京太郎「俺の目も節穴じゃないということですね!」 菫「ああ、ありがとうな」 京太郎「いえいえ、弘世さんには合宿のときにもお世話になりましたからね」 京太郎「このくらいどうってことないですよ」 菫「……そうか」 菫「機会があればまたここに来ような」 京太郎「はい、またいつか」 ヴーッヴーッ 菫「む、そろそろ行かなくてはいけないようだ」 菫「それではまたな」 京太郎「はい、さようなら」 夜 京太郎「定食屋来てみたけど」 京太郎「金がねえ……」 京太郎「どうするかな」 お品書き 大食いチャレンジ ご飯中盛り 100円 格安定食 150円 水 0円 京太郎「俺が頼んだのはご飯中盛り」 京太郎「たったワンコインで丼ぶり一杯分の量を食べられる」 京太郎「おかわりも自由、中盛りとは言っても大盛りはないんだな」 京太郎「これで満足しよう、米には神様がいるって言うしな」 【15日目】終
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突然だが キキキのゲ太郎 誤植編の続編を勝手に作ってしまった キキキのゲ太郎 完結編 2猫「もしもし。月刊ニャンデーの猫田です。お疲れ様です。」 水木「あれ?猫田さん声変わってませんか?」 2猫「はい。前の猫田の姉です。今日からキキキのゲ太郎の担当になりました。よろしくお願いします。」 水木「え・・・あの・・・前の猫田さんは・・・」 2猫「亡くなりました。」 水木「うそーーーーーーーーっ! な、なんで・・・」 2猫「実は初めてできた彼氏が初デートの前に倒されちゃったようで・・・」 水木「た、倒された!?」 2猫「敵にあっさり倒されちゃったそうです。」 水木「良く分かんないけどそれで自ら命を・・・!?」 2猫「いえ、ショック死です。」 水木「ショ・・・ショック死!?」 2猫「何か仕事中に警察から遺体確認の電話が来て『ありえないにゃん!』と叫んでバタンと倒れてしまいました。」 水木「最後までそのしゃべり方だったんですか・・・」 2猫「それで仕事の話に戻りますけどキキキのゲ太郎・・・」 2猫「来月号で最終回ですんで」 水木「うそーーーーーーーーっ!!」 2猫「悪く言えば打ち切りです。」 水木「わざわざ悪く言わないで下さい。」 2猫「もともとあまり人気が無かったけど今月号はぶっちぎりで不人気だったんですよ。」 水木「それは前の猫田さんのせいじゃ・・・。でも、急に最終回とか言われても困りますよ! 僕の漫画やっと盛り上がってきた所なのに・・・西洋妖怪とか出てきて・・・」 2猫「『戦いはこれからも続く・・・』みたいな終わり方でいいじゃないですか。」 水木「そういう終わり方ってよくありますけど僕のマンガの場合・・・ 敵のボスのパックベアードに主人公の従兄弟が捕まってるじゃないですか・・・ そんなわけでパックベアードを倒さないとスッキリしないというか・・・」 2猫「そうですねえ・・・」 水木「パックベアードに近づくためには四人の西洋妖怪を倒さないといけないし・・・ パックベアードを倒すためには催眠術を防ぐ手段を考えないといけないし・・・ しかも今戦ってる西洋妖怪のドラキュラは胸を正確に突き刺さないと死なないんですよ。」 2猫「なんでそんな設定に・・・」 水木「何話かひっぱろうと思って・・・ あと主人公に謎の叔父(従兄弟の父)がいるらしいことをほのめかせてるんですけど コレ、どうしましょう?」 2猫「まあうまくまとめておいて下さい。」 水木「はあ・・・」 水木(新しい担当なんか冷たい) 水木「で、そのページは何ページ貰えるんですか?」 2猫「3ページでお願いします。」 水木「うそーーーーーーーーっ!!! 何で僕そんなにひどい扱いなんですか!」 2猫「ほんと人気なくて・・・」 水木「も、もう月刊ニャンデーでは描きませんからね!」 2猫「はい」 最終話 希望を胸に すべてを終わらせる時…! 水木しける ゲ太郎「チクショオオオオ!くらえドラキュラ!髪の毛槍!」 ドラキュラ「さあ来いゲ太郎オオ!オレは実はどこを刺されても死ぬぞオオ!」 (ザン) ドラキュラ「グアアアア!こ、この西洋妖怪で妖怪医のドラキュラが…こんな小僧に…バ…バカなアアアア」 (ドドドドド) ドラキュラ「グアアアア」 フランケン「ドラキュラ・・・やられた…」 魔女「ククク…あ奴は四人の西洋妖怪の中でも最弱…」 狼男「ジャップごときに負けるとは西洋妖怪の面汚しよ…」 ゲ太郎「くらえええ!」 (ズサ) 3人「グアアアアアアア」 ゲ太郎「やった…ついに西洋妖怪を倒したぞ…これでパックベアードに近づける!!」 ベアード「よく来たなキキキのゲ太郎…待っていたぞ…」 ゲ太郎「感じる…ベアードの妖力を…」 ベアード「ゲ太郎よ…戦う前に一つ言っておくことがある お前は私の催眠術を恐れているようだが…最近ドライアイになってしまったので使えなくなった」 ゲ太郎「な、何だって!?」 ベアード「そしてお前の従兄弟はもさもさしてきたのと『撮影が!』と騒いでうるさかったので最寄りの町へ解放しておいた あとは私を倒すだけだなクックック…」 (ゴゴゴゴ) ゲ太郎「フ…上等だ…オレも一つ言っておくことがある このオレに叔父がいるような気がしていたがただの張りぼてだったぜ!」 ベアード「そうか」 ゲ太郎「ウオオオいくぞオオオ!」 ベアード「さあ来いゲ太郎!」 ゲ太郎の勇気が世界を救うと信じて…! ご愛読ありがとうございました! 短編作品一覧へ戻る
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仮面ライダー電王 色 出演者 備考 黄色 仮面ライダー電王/野上良太郎(声:佐藤健) 水色 ハナ→コハナ(声:白鳥百合子→松元環季) 緑色 仮面ライダー電王 ソードフォーム/モモタロス(声:関俊彦)
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刃部と良太刀の友情(マブダチパワー) C 火自然 (3) 呪文 マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。 ■バトルゾーンにある自分のクリーチャーを1体選ぶ。そのターン、そのクリーチャーは「パワーアタッカー+5000」と「W・ブレイカー」を得る。 ■この呪文で選んだクリーチャーは次の自分のターンのはじめまで、パワーが+2000され、相手のクリーチャーが攻撃するたび、そのクリーチャーは可能であれば選んだクリーチャーを攻撃する。 作者:viblord 収録パック DMR-ZA 「逆転輪(リバーシング)(ZA) 第Z-02弾」 フレーバーテキスト 評価 名前 コメント
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【種別】 用語 【用語】 良ちゃん 【よみがな】 りょうちゃん 【使用話】 第1話~ 姉、愛理が弟、良太郎を呼ぶ時に使う呼称 愛理が所持する携帯電話の着声にも使用されている(詳しくは携帯電話の着信音参照) 【関連するページ】 用語 第1話