約 2,463,749 件
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/3050.html
『anko3000をお知らせします』 1KB 小ネタ とにかく3000番を奪いたかったんだぜ 『anko3000をお知らせします』 D.O 私は今、一匹の赤れいむを手のひらに乗せ、 頭を優しく撫でてあげている。 「ゆぅ~ん。ゆっくち~」 とても幸せそうだ。 私も思わず微笑んでしまう。 思えばこれまで、この赤れいむが乗る手のひらは、 幾千、いや、幾十万のゆっくりの命を奪ってきたのだ。 ある時はあんよを焼き ある時は冷蔵庫内に放置し ある時は瞳をくり抜き ある時は群れごと叩き潰し尽くし… anko3000…それは、星の数に匹敵するほど無数に生まれ散っていった 羽毛よりも軽い命を持つ存在達の、輝きに満ちた歴史。 私はその中のほんの一部を生み出したに過ぎないが それとて奪った生命の数は1000の位に収まる程度では無い。 その餡子に染められた両手が今 世の中の悪意も知らず、自分の一点の染みも無い輝ける未来を信じる 一匹の赤れいむを優しく包みこんでいるのだ。 偽善…あるいはそうかもしれない。 だが、この記念すべき節目である今日この時だけは 私もゆっくり達の友人でありたいと願う。 そう、せめてこの赤れいむが、 私の目の前に置かれた家庭用ジューサーに放り込まれるまでは。 やっぱ赤れいむは美味いわ。
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/3639.html
『賢いゆっくり』 20KB 日常模様 群れ 野良ゆ ゲス 現代 駄作凡作を積み重ねていつの間にか20作 気ままあき 「みんなゆっくりおはよう!きょうのおしごとさんをせつめいするからゆっくりきいてねっ!」 ここは住宅地の中にあるごくごく普通の児童公園。 こう公園には20~30匹程度の野良ゆっくりの群れがあった。 今その公園の片隅で群れの長と思われる若いまりさと、 長を取り囲むようにして話を聞いている群れの野良ゆたちがいる。 毎日毎朝行われている群れの朝礼である。 この群れは様々な理由で公園に流れ着いてきたゆっくり達で構成されている。 先祖代々の野良だったり、元飼いゆっくりだったり、郊外から来た野性ゆっくりだったりと色々だ。 そんな多種多様なゆっくり達で構成されているこの群れだが、全ゆんに共通していることが一つある。 それは人間に迷惑をかけようというゆっくりはただの一匹もいないということだ。 まず賢明といっていい群れであり人間の強さ、賢さ、団結力……その恐ろしさをみんなよく理解していた。 よってこの群れにはゲスなど一切いない。 人間に対してゲス行為をしようというゆっくりは群れの掟により即制裁である。 この群れの野良ゆっくり達は半年ほど前にさまざまな苦労の末、近所に住む人間たちと「協定」を結ぶ事に成功した。 その協定の内容に従って人間たちに課せられた「お仕事」を毎日する事で群れはこの公園に住む事が許されているのだ。 お仕事は公園のゴミ拾い、花壇の水撒き、空き缶集めや雑草取りなど様々である。 「ちぇんたちはごみひろいさんをしてね!はんいはぶらんこさんやすべりだいさんのまわりだよ!」 「ゆっくりりかいしたよー!」 「ありすたちはかだんさんにおみずをあげてね!ただしいちどにあげすぎないように、なんかいかにわけてあげてね!」 「とかいはにおはなさんにおみずさんをあげるわ!」 「のこりのみんなは、しばふのざっそうとりさんだよ!こんしゅうちゅうにはぜんぶおわらせようね!」 「「「「「ゆっくりりかいしたよっ!」」」」」 長であるまだ若いまりさが群れのゆっくりに号令をかける。 指示を受け取った群れのゆっくり達はそれぞれの持ち場へと散っていった。 と、そこへ年老いたぱちゅりーが長まりさの元へやってきた。 「むきゅきゅ。がんばっているようねまりさ」 「あ、おさ!ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね……それともうぱちゅはおさじゃないわ。おさのざはまりさにゆずったはずよ?」 「わかってるよ!でもまりさにとってぱちゅりーはいまだにそんけいするむれのおさだよ!」 「むきゅっありがとうまりさ」 実はこのぱちぇりー、この群れの先代の長である。 人間との協定をなんとか結び、群れの運営が軌道に乗りかけてきた三ヶ月前に長を辞任したのだ。 老齢で身体がきかなくなってきた。こんな老いぼれが群れのみんなを率いる事などできないというのが理由だ。 そして後釜の次期長として新進気鋭の若いまりさを抜擢した。 まりさはまだ若いが分別があり真面目で行動力に優れ、若いゆっくりの中心的存在で人気があるのが理由だ。 まりさは最初は断わっていたが群れのみんなにお願いされ、やがて推戴されて長に就任した。 就任したての当時はあぶなっかしい場面も度々あったが今では長としてよく群れをまとめている。 ぱちぇりーは密かに自分の目は確かだったとまりさの頑張りを嬉しく思っていた。 「さて……おさ?きょうぱちぇりーはどんなおしごとをすればいいのかしら?ゆっくりしじさんをちょうだい」 「ゆっ!お……ぱちぇりーはむれのおちびちゃんたちのきょうっいくっをたのむよ!いろいろなきまりをおしえて りっぱなむれのいちいんにそだててね!」 「ゆっくりりかいしたわおさ。それじゃさっそくおちびちゃんたちをむかえるじゅんびをしないと。またあとでねおさ」 「ゆっくりがんばってね!お…ぱちぇりー!」 先代ぱちぇりーも自分が担当する群れの学校へと向かった。 長まりさもおちびちゃん時代はぱちぇりーの学校に通っていろいろな事を教わったものだ。 教師としても長としても。まりさにとって先代ぱちぇりーは恩師ともいえるべき存在であった。 こうして公園の群れの一日が始まる。 成体の野良ゆっくり達はそれぞれ割り当てられた仕事をし、 おうちの留守を預かるゆっくりは家の掃除をしたりおちびちゃんの世話をしたり。 ある程度の大きさに育ったおちびちゃんは先代ぱちぇりーの学校で生きていく為の様々なことを学ぶ。 そうだここでは誰も彼もがのんべんだらりとだらだらゆっくりしようとはせず、なにかしら働いている。 山中で見かける野性ゆっくりの群れのような一つの社会形式をこの群れは形成しているのだ。 「おーす。頑張ってるか長ー」 「ゆっ!にんげんのおにーさん!ゆっくりしていってね!」 そして仕事もだいぶ進んだ午後1時頃。 半袖のシャツを来た若い男が棒アイスを舐めながら雑草とりをしている長まりさの所へ来た。 この男は公園の近所のアパートで一人暮らしをしている大学生である。 この群れとの協定の内容に従い近所の持ち回りで順番に、こうして群れの様子を見にくるのだ。 「おー。だいぶ芝生がきれいになってきたじゃないか?ちゃんと仕事してるようで安心したよ」 「ゆんっ!まりさたちはにんげんさんとのきょうていをきちんとまもってるよ!」 「ああたいしたもんだ。実際お前らほど聞き分けのいい賢いゆっくりを俺は他に知らんよ」 「ゆっ…」 「あーあ、お前らみたいにすべてのゆっくりが賢くなればいいのになー」 愚痴りながらアイスを食べている男を見て長まりさはわずかに顔をしかめた。 この男も過去におうち宣言だの物乞いだのと野良ゆっくりの被害にあっているのだろう。 野良ゆっくりそのものにはいい感情はもってないがこの群れのゆっくり達だけは一応認めているようだ。 そして男はまりさのそんな小さな変化には気付ず、手にもった袋を長まりさに見せて言った。 「あ、そうそう……これ近所のみんなから。いつも頑張ってるお前らにご褒美だとさ」 「……ゆっ?ゆわ~~っ!こ、これはもしかしてゆっくりふーどさん!?」 「全部やるよ。たまには群れのみんなに腹いっぱい食べさせてやれ」 「ありがとうにんげんさん!これでみんなゆっくりできるよっ!」 「まあいいってことよ」 厚くお礼を言うと長まりさは男から「ゆっくりフード・それなりー味」を受け取った。 協定を遵守して人間と良好な関係を維持していれば、たまにはこんなご褒美もある。 生きるためにゆっくりできないお仕事をし続ける日々もこれで少しは報われようというものだ。 長まりさがそんな事を考えていると、すこし離れた場所からゆっくりの怒鳴り声が聞こえてきた。 「おいっ!きこえているのぜこのくそどれい!?まりさはそのあまあまをよこしてねっていってるんだぜっ!」 「ぷぷぷっ!かわいそうにくそにんげんはことばがわからないほどていっのうっなんだね!ばかなの?しぬの?」 「くちょにんぎぇんはさいっきょうっのまりちゃちゅまにあみゃみゃをよこちぇー!」 「れいみゅ、きゃわいくっちぇぎょめんにぇえ~~♪」 声のする方向へ男と長まりさが顔を向けると…… いかにもゲスな野良ゆっくりの一家がベンチに座っておにぎりを食べている男にそれをよこせと恐喝をしていた。 ベンチの男は黙って食事しているが内心は相当キてるのだろう、青筋がピキィ!と浮き出していた。 その様子を見ていた大学生の男は呆れ顔。一方の長まりさは顔面蒼白になっていた。 「……なあ長。アレもお前の群れのゆっくりなのか?」 「し、しらないよ!あんなおやこ、まりさのむれにはあんなのいないよっ!し、しんじてね!? しんじてねにんげんさんっっ!!」 「ああわかってるよ。一応聞いてみただけだ……あの野良親子はあまりにも汚すぎるからな。 お前の群れにあそこまで汚い野良ゆはいない。大方そこへんの路地裏から抜け出してきた 群れに属していない野良親子だろうよ」 男の理解あるセリフに思わず安堵の溜息をつく長まりさ。 確かにあのゲス風の野良親子は公園の群れの一員ではない。 だが人間にとってはそんな区別などつくはずがないではないか。 関係のない野良ゆの行動でとばっちりを受けて群れが一勢駆除なんてことになったらたまったものではない。 だがゲス野良親子はそんな長まりさの思惑など知ったことじゃないとばかりに ベンチの男に対するゲス行為はますますエスカレートしていく…… 「いいかげんにあまあまをよこすんだぜ!おんこうなまりさでもがまんのげんっかいっなのぜ!」 「いいからもうせいっさいっしてね!れいむのまりさならこんなよわよわなくそにんげんなんていちげきだよ!」 「やっちゃうのじぇ!おとうしゃんならしゅんっさつっなのぜ!」 「くしょにんげんをきょろちたらあみゃあみゃをれいみゅにちょうらいにぇえ!ぜんびゅでいいよ!」 「この野郎……」 いよいよ剣呑な雰囲気になってきた。 ゲス野良親子の手前勝手な言い草に、男がいい加減イラだってきたのだ。 やがてフラリとベンチから立ち上がり…… 「まりさのさいっきょうのたっくるをくらって、ゆっくりしねぇぇぇぇっ!!」 「やかましい。てめーらが死ね」 「ぎゃんばれおちょうしゃ……ゆびゅっ!?」 「…………ゆっ?」 男は一歩踏み出し子まりちゃを一撃の下に踏み殺した。 親まりさに親れいむ、子れいみゅは何が起きたかすぐに理解できず固まっている。 きっかり30秒後……状況を把握した親れいむがとりあえず叫ぼうとしたが。 「ゆ、ゆんやああああっ!?どぼじでれいむのおちびじゃ…ぐべえっ!」 「うっせ。死ね糞どもが」 「ど、どぼじでごんなひどいごとずるのぉぉぉぉぉっ!?ばりざたちだっていぎているんだよぉぉぉおっ!?」 「やかましい!」 「ゆぎゃっ!?」 「ゆぇぇぇぇんっ!おちょうしゃぁぁぁぁんっ!おかあしゃぁぁぁぁんっ!!」 この後は男による一方的な暴力の嵐がやむ事なく延々と吹き荒れた。 まりさとれいむは蹴られ殴られ、顔中ボコボコにされながら命乞いをするが男は当然のごとく頑として聞き入れない。 そりゃそうだろう。殺意をもって相手を殺しにきた殺人未遂犯が返り討ちにあったとたん、 命は大切だとか詭弁を吐いて報復を逃れようとしているのだ。 こんなふざけた連中をどうしてを許せよう。 「ゆびぃ!も、もっと……ゆっくじ……」 「ば、ばりざぁぁぁっ!よ、よぐもれいぶのばりざをごろじだなぁぁぁっ!ゆるざないっ!ぜっだいにおばえを ゆるずもんがぁぁぁ!……ゆげごっ!?」 「お前らの許しなんぞ誰がいるかカス。さて後は……」 「ゆぴぃぃぃっ!ころちゃにゃいでにぇ!きゃわいいれいみゅをころちゃにゃいでにぇええええ!?」 「そうだなあ……まあ許してやってもいいが…」 「ほ、ほんちょ?……ゆふんっ!にゃらくしょにんげんはおわびとしてあみゃあみゃをもっちぇきちぇね! あとびゆっくちもよういちてれいみゅをゆっくちしゃしぇてにぇえ!しょしたらくしょにんげんはちんでにぇ!」 「やっぱ許すのやーめた」 「ゆびぇっ!?」 許してもらえると思ったとたん態度を豹変させたれいみゅを男はこともなげに踏み殺す。 そしてそのまま公園を出て行ってしまった。 その様子を見ていた大学生の男と長まりさはそれぞれ深い溜息をつく。 「まったくあの野郎……ゲスを潰すのはかまわないが最低限、自分で後始末はやれってんだ。 長……悪いんだけどあのゲス野良どもの死体の後始末を頼む。俺がやってもいいんだがその……協定だしな」 「ゆっくりりかいしているよにんげんさん……こうえんないのごみさんはできるかぎりむれでかたずける ……それがきょうていだからね」 「俺も午後の授業があるんでそろそろ行くわ。それじゃな長……がんばれよ」 「にんげんさんもゆっくりおべんきょうさんをがんばってね!」 男は長まりさにひらひら手を振りながら帰っていった。 長まりさはゴミ袋をひとつ持ってくると浮かない顔で潰されたゲス親子の屍の所へと向かった。 さてどう袋に詰めようか……とまりさが思っていると。 群れのゆっくり達が何匹かまりさに近付いてきた。 皆あの騒ぎを公園のあちこちで恐る恐る見ていたのだ。 長まりさの元へ来たのはまりさが信頼を寄せている群れの幹部ゆっくりたちである。 「またばかなゆっくりがにんげんさんにつぶされたんだねー。まったくそういうのはよそでやってほしいよー」 「ほんとね!もしありすたちまでまきぞえになってたらとおもうと餡子がぞーっとするわ! みのほどをしらないこいつらはほんとうにいなかものよ!」 「いまだににんげんさんとのちからのさがわからないなんて、みょんはしんじられないんだみょん!」 「おさ!ゆっくりできないししゅうさんがこうえんじゅうにひろまるまえになんとかしようね!」 「ゆっそうだね!れいむのいうとおりだよ!」 「むれのおちびちゃんに、こんないなかもののにおいはかがせられないわ!」 「ちょくせつさわるとししゅうさんがうつってゆっくりできないみょん!」 「じゃあこのこのえださんでつついてふくろさんにいれればいいんだねー!みんなめんどうだけどがんばろうねー!」 「「「「「ゆっゆっおー!」」」」」 こうして長まりさと四匹の幹部ゆっくりは口に加えた木の枝で潰されたゲス親子の屍を移動させ、 ゴミ袋の中へと全部押し込んだのだった。 ゆっくりが嫌がるゆっくりの死臭に晒されながらの重労働だ。 みな餡子を吐きたい気持ちを抑えて黙々と行う、まさに必死の作業であったろう。 みんなで力を合わせたおかげか30分後まりさ達はゲス親子の死体の片付けをどうにかやり遂げたのであった。 そして夕方…… 仕事を終えた野良ゆっくり達はダンボールのおうちが立ち並ぶ群れの本拠地へと帰ってきた。 長まりさは疲れた身体をひきずって一刻もはやく帰宅しようとする群れのゆっくり達を集め、 今日公園に訪れた大学生の男の話をした。 「きょうみまわりにきたにんげんさんがむれのみんなをほめていたよ! そしてごほうびにゆっくりふーどさんをこんなにくれたよ! みんなにこうへいにわけるから、こんやはおちびちゃんたちにおなかいっぱいたべさせてあげてね!」 「ゆわーい!ゆっくりできるよ!」 「ありがとう!おさはとってもとかいはね!」 「まりさはむれのほこりだみょん!」 「ちがうよっ!むれのみおんなでがんばったから、にんげんさんがごほうびをくれたんだよ!」 「まりちゃ、おおきくなっちゃらおしゃみたいなゆっくちになるんだじぇ!」 「おしゃはとてもゆっくちちてるにぇえ!れいみゅがおよめしゃんになっちぇあげちぇもいいよ!」 「ゆふふ!もうおちびちゃんたちったらおませさんね!」 思わぬサプライズに群れのあちこちから喜びの声が沸きあがった。 みんな珍しく美味しいごはんをお腹いっぱい食べられることにもうご機嫌だ。 長として群れのみんなが幸せーになってくれることほど嬉しいものはないだろう。 幹部ゆっくり達によってゆっくりフードは公平に同じ量づつ群れのみんなに渡されていく。 その光景を飽きることなく見続ける長まりさに寄り添うように。ゆっくりと近付くれいむがいた。 「ゆん……まりさ、きょうもおつかれさまだよ」 「れいむみてよ……みんなすごくゆっくりしているよ」 「ほんとだね!みんながゆっくりしててれいむもうれしいよ!」 このれいむは長まりさの番である。 まりさが長の仕事という激務を日々必死になってこなしている為に子作りする暇が作れず、 夫婦でありながらいまだにおちびちゃんはいないが…… このれいむは不平ひとつ言わずに誰よりもまりさを理解し支えている。 長まりさのよき理解者なのだ。 「……」 「うかないかおをしてるね……?まりさがなにをかんがえているのか、なんとなくれいむにはわかるよ。 ひるまにんげんさんにつぶされたあのおやこのことをかんがえているんでしょ?」 「あれは……あいつらがばかなだけだよ。まりさはきになんかしてないよ」 「ほんとうにそうおもってるの?」 「おもってるよ。ゆっくりのくせににんげんさんにけんかをうるなんて、ただのおおばかものだよ」 「そう……そうだね。れいむもそうおもうよ」 「……」 「……」 そしてその日の夜……午後11時。群れの全ゆんが寝静まる頃…… 長まりさとれいむが住むダンボールハウスではちょっとした異変が起きていた。 「ゆっ……ゆぐぐぐぐっ……ゆっくりぃ……!ゆっくりぃぃぃ……!」 「ゆう。まりさ……またうなされているんだね……」 まりさは眠りながらうなされ苦しんでいた。だがこの事態は今回が初めてではない 長になってから……いや長になる前から時々うなされて苦しんでいた。 なぜまりさは苦しむのだろうか?その理由は……そうゆっくりしていないから……であった。 (にんげんっ!にんげんっ!にんげんっ!まりさ、ほんとうはにんげんさんなんかだいっきらいだよっ!!) 長まりさは実は人間が大嫌いだった。まあ別にゆっくりの人間嫌いは珍しくもないだろう。 ゆっくりはこの世で一番偉くて尊い種族。 世界中の生き物はゆっくりがゆっくりできるように奉仕しなければならない。 まりさ達の本能に刻まれているゆっくりの有り様とはそういうものだ。 なのにこの世界の生き物……特に人間はゆっくりをまるでゆっくりさせてくれない! 人間はゆっくりできない。 なにがどうゆっくりできないかと問われれば具体的にこうだとは答えられないが とにかく人間を見てゆっくりがゆっくりすることはできない。 ゆっくりできない種である人間は蔑み憐れみの対象であり、 使い道のないクズである人間はせめて奴隷として有効に使ってやる。それが人間にとっての幸せというものだ。 それはすべてのゆっくりが当然のごとくもっている考え方であり常識である。 (でも……でもゆっくりはにんげんさんにはかなわないよ…!ちからも……あたまのよさも……なにもかもっ!) ゆっくりにとって、ゆっくりする事のみが至上命題である。 力が強いとか頭がいいとか、そんなものはゆっくりという種にとっては何の意味ももたない。 ゆっくりだ。ゆっくりさえしていればそれでよい。ゆっくりしている者はこの世で一番偉いのだ。 なのにいつもいつも……ゆっくりがゆっくりしようとすると下種な人間が邪魔しにくる。 住みやすそうなお家に引越ししたら恐ろしい人間がやってきて家族皆殺しにされた。 お野菜が勝手に生えてくるゆっくりプレイスを先に見つけたのに、これは全部俺のものだと独り占めをする。 いつもそうだ。力でゆっくりを屈服させようとする野蛮な生き物……それが人間なのだ。 そんなに力が強いのが自慢なのだろうか?まりさにはわからない。 力が強い事がゆっくりする事になんの関係がある? (くやしいよっ!くやしいよっ!なんでゆっくりはにんげんさんのいいなりにならなければいけないのっ!?) ゆっくりできない下等種である人間に上位種であるゆっくりが媚びへつらう! これほどの屈辱が他にあるだろうか? 今日貰ったゆっくりフードだってそうだ。「しあわせー味」でも「まじぱねぇ味」でもなく「それなりー味」である。 人間は群れのゆっくりの舌が肥えすぎないように配慮してわざと味のランクが落ちるものを選んだのだ。 気を利かせたのかもしれない。だがそれはゆっくりにとって屈辱以外の何者でもなかった。 食事の味まで人間ごときにいちいち管理されているなんて! 大学生の男はアイスを食べてゆっくりしていたが、ああいう光景を見るだけで長まりさは不愉快になる。 自分達ゆっくりがこんなにゆっくりできてないのに人間がゆっくりするなんて間違ってる! (ゆう……ほんとうは……ほんとうはまりさ、あのげすおやこがうらやましかったよっ……!) 人間につっかかってあっさり潰されたあのゲス親子。 他ゆんが見たら愚かと言うかもしれない。まさに馬鹿者……大馬鹿者の犬死と言うかもしれない。 だがまりさの見方はまるで違っていた。 人間の男を見下し、あまあまを要求したあの瞬間……あの親子は誰よりもゆっくりしていた。そう見えた。 まさに至高のゆっくりと言っていいほどのゆっくりっぷりだった。 あそこまでゆっくりできれば直後に惨殺されたとしても恐らく悔いなどないのではないか?そう思うほどに…… (まりさも……できることならあのげすおやこのように、おもううままにゆっくりしたいよっ!) ゲスが羨ましい!無能が羨ましい!バカが羨ましい! 自分も頭が悪ければどれほど気を楽にしてゆっくりできたことか! だがしかしぱちゅりー門下の秀才である長まりさは賢かった。 不運な事に賢いゆっくりであった。 賢いからこそ自分がそんな無責任な行動をしたらどんな結果になるかがすぐに予測できた。 長として群れのみんなをゆっくりさせなければならない。 ゆっくりさせるには生きなければならない。 生きる為にはおうちやごはんさんが必要だ。 それらを手に入れる為に群れのゆっくりは屈辱に耐えて人間と協定を結び、 この公園というゆっくりプレイスを手に入れたのではないか! ごはんさんを手に入れる為に人間が定めたお仕事を毎日しているのではないか! そう身勝手は許されない。 長であるまりさはもう自分だけゆっくりできればそれでいいという考えが許される立場ではない。 そんなことはまりさ自身が痛いほどによく理解している。 だが屈辱は屈辱なのだ。人間にお情けをもらっているという現状は身悶えするほどゆっくりできない。 だから……長まりさは時々こうして苦しむのだ。 理想と現実、自由と責任、理性と本能、その狭間に苦しみ続ける。 ゆっくりとしてはいささか賢すぎるゆえに…… 「ゆっ……」 「まりさ?ゆっくりしていってね……?」 「ありがとぉぉ……れいむぅ……」 泣きながら汗だくでうなされていた長まりさが突然目を覚ました。 そのままよれよれとダンボールのおうちを出て行った。 れいむには分かっていた……まりさはこのどうしようもない感情を発散させる為に外へ泣きにいったのだと。 「……」 長まりさはよろよろと公園の公衆便所の裏へと来た。 群れから少し離れた場所にあるここならば少しぐらいの物音をたてたって群れのみんなに聞こえることはない。 何故わざわざこんな所に来たのかというと理由はひとつしかない。 長たる者が泣くところなんてみっともなくて群れのみんなには見せられないからだ。 だが意外なことにこの場所には先客がいた。 ありす、ちぇん、みょん、れいむ……幹部ゆっくりの面々である。先代ぱちぇりーもいた。 「ゆぐっ……ゆぐっ……とかいば……とかいばになりだいぃぃぃっ」 「わきゃらにゃいぃぃ……わきゃらないよー…わきゃらないぃぃ……」 「みょぉぉぉぉん……みょぉぉぉんっ……!」 「ゆっくじ……ゆっくじぃぃぃぃっ……」 「むきゅぅぅぅぅぅっ……むきゅきゅぅぅぅぅぅ……」 泣いていた。みんな泣いていた。 昼間のゲス親子を見てみんな長まりさと同じことを感じたのだろう。 みんな苦しんでいたのだ。群れのみんなに尊敬のまなざしで見られている幹部である彼女たちが苦しんでいる。 いや生き延びる為にみんなして先代ぱちゅりーの元で共に学んだ仲なのだ。 幹部に選ばれるほどに賢い連中である。むしろ当然と言うべきか…… 「ゆぇぇぇぇ……!ゆぇぇぇぇぇぇんっ!!」 まりさも泣いた。声を押し殺して泣いた。 本当は大声で「どぼじで!どぼじでぇぇぇっ!」と泣き喚いて地面に転がりたかった。 だがここは住宅地の中にある児童公園だ。大声で泣くとうるさいと付近の人間が怒鳴り込んでくるだろう。 下手をしたら問答無用で一勢駆除の対象にされるかもしれない。 泣くことすら人間をはばかって自分の思うようにできない。 その情けない現実を思ってまりさはさらに声を押し殺して泣きに泣いた。 「みんなゆっくりおはよう!きょうのおしごとさんをせつめいするからゆっくりきいてねっ!」 そして今日も群れの一日が始まる。 ゆっくりプレイスを維持していくため、群れのみんなをゆっくりさせるために。 今日も長まりさと幹部ゆっくり達は内心の自分を、ゆっくりしたいという願望を押し殺して人間に服従する。 それが野良ゆっくりが街で公園で「賢く」生きる道なのだ。 今まで書いたもの anko3367人間に飼われるというのは… anko3370野良ゆは人間に関わってはいけないという話 anko3379親の罪は anko3401たすけあい anko3410世紀の凶悪立てこもり事件 anko3416選んだのはお前だ anko3440ぷくー!をしてみた anko3479この世はでっかいゴミ捨て場 anko3486胴つきさんはゆっくりできない anko3501胴つきさんはゆっくりできるね! anko3503じゃまもの anko3509ゆっくりいーたー anko3522野性のゆっくりとゆっくりしてみた anko3526気持ち悪い! anko3534ゆっくりしているゆっくり anko3537野性のゆっくりとゆっくりしてみた2 anko3545霊園の野良ゆ対策 anko3570自画自賛 anko3582親と子の契約
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/3500.html
『まりさ一家の転落ゆん生』 35KB いじめ 虐待 制裁 観察 自業自得 番い 群れ 野良ゆ 赤ゆ 子ゆ 現代 13作目 照明が消える。 ざわついていた場内がしんと静かになった。 真っ白なスクリーンに、パッと色鮮やかな風景が映し出された。 一家の大黒柱、親まりさ。 子供たちの憧れ、親ありす。 そんな二人に溺愛されて育った子まりさ。 生まれたばかりの赤ありすと赤まりさ。 「ゆっ、ゆっ、ゆ~♪」 「ゆっくち、ゆっくちっ」 「ときゃいはっ、ときゃいはっ」 「ゆっくりしていってね! ゆっくりしていってね!」 「ゆふふ、おちびちゃんたちはとってもとかいはね!」 ゆっくりできる山の中で、とてもゆっくりしている家族。 彼らはこれから、もっともっとゆっくりしているゆっくりプレイスに向かうのだった。 「さあ、おちびちゃんたち! これからにんげんさんの『まち』にむかうよ!」 「とってもとかいはで、とってもゆっくりできるプレイスなのよ!」 「ゆわわああい! まりさ、ゆっくりするよっ!」 「ありちゅも! ありちゅもときゃいはっ!」 「まりちゃも、ゆっくちすりゅ!」 朗らかに笑い合うゆっくりたちを、濁った瞳で見つめながら。 そのゆっくりたちは、静かに涙を零した。 「まりさ一家の転落ゆん生」 マンネリあき 事の発端は、まりさとありすがうっかりすっきりをしてしまったことだった。 無事越冬が完了して春になり、気が抜けたせいだろうか。 群れで厳禁とされていたすっきりをした挙げ句、おちびちゃんをにんっしんしてしまったのだ。 「まりさ、ありす。ついっほうされるほうがいい? それともおちびちゃんをえいえんにゆっくりさせる?」 「だめえええええ! えいえんにゆっくりさせるのはだめええええ! おちびちゃんはっ! おちびちゃんはとってもとってもとってもとってもとおおおおおおおおおっても、とかいはあああなのよおおおおおおおおおおおおお!」 親ありすがじたばたと暴れ狂った。 「おさ……。 まりさきめたよ、にんげんさんのゆっくりプレイスにひっこすよ!」 「そ。つまり『ついっほう』をえらぶのね。 ……そういうことなら、にんげんさんのゆっくりプレイスまであんないする ゆっくりをつれてくるわ」 「ゆゆ!? そんなゆっくりがいるの!?」 まりさは初耳だった。 人間さんのゆっくりプレイスへ、わざわざ案内してくれるゆっくりがいるだなんて! 「すのなかのしょくりょうを、いまのうちにたべておきなさい。 おちびちゃんのためにもね」 「ゆっくりりかいしたよ! おさ! ありがとお!」 「ありがとう、ぱちゅりー! とってもとかいはだわ!」 「ありがとう、おさ!」 「ときゃいは! ときゃいは!」 「ゆっくちときゃいは!」 家族を見送ったあと、ぱちゅりーはやれやれと溜息をついた。 「にんげんさんのゆっくりプレイス……ね。 はたして、それがゆっくりにとってのゆっくりプレイスなのかしら?」 だが、どんなに忠告しても無駄だろう。 元より、忠告する義理もない。彼らは本能に負けて、群れの掟を破った。 そして、おちびちゃんを殺すよりもゆっくりする方を選んだ。 その時点で、長ぱちゅりーにとっては群れの障害以外の何者でもないのだ。 数日後。 ぱちゅりーに指定された場所で、 ゆっくりした表情のまりさ一家は案内ゆっくりを待っていた。 少し前に出産された赤ゆ二匹は、既にまりさの帽子の中で「ゆぴー、ゆぴー」とお休み中だ。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆ、ゆ……れいむ?」 まりさ一家は、現れたゆっくりれいむに戸惑いを見せた。 (あんまりゆっくりしてないれいむだよ……) そのれいむは、おめめが変なゆっくりだった。 何か銀色でキラキラして、デコボコしていた。 「れいむ、へんなおめめでごめんね! でもだいじょうぶだよ! ちゃんとあんないするからね!」 「ゆ、ゆっくり……していってね」 まりさが愛想笑いを浮かべていると、ありすが大声で囁いた。 「まりさ……このれいむ、とかいはじゃないわ……! ゆっくりできないわ!」 子まりさも当然それに同調する。 「ゆっくりしてないれいむだね! せいっさいしてもいい?」 「ゆゆ、ゆっくりおちついてね。れいむはたしかにゆっくりしてないれいむだけど。 こんなれいむでもいきているんだよっ。 おかざりもきれいだし、おめめがちょっとへんなくらい、がまんしてあげようね!」 傲慢とも言える言葉だが、それでもまりさは譲歩したつもりらしい。 「……しかたないわね」 「ゆっくりりかいしたよ……」 れいむへ蔑んだ表情を隠そうともせず、ありすと子まりさは頷いた。 「おはなしはおわった? それじゃ、れいむのすぃーにのせてあげるね!」 ずるずると、れいむが巨大なすぃーをひっぱってきた。 何と、屋根までついた豪華なすぃーだ。 「ゆわあ……このすぃー、とってもゆっくりしているね!」 「ふん、このすぃーだけはとってもとかいはね」 「まりさ、このすぃーほしいよ! おとうさん、これほしい! れいむにあげるようにいってね!」 「ゆふふ。このすぃーは、れいむにしかうんってんできないんだよ! ゆっくりおちびちゃんもりかいしてね!」 その言葉にカチンときたらしい子まりさが、威嚇のぷくーをしながら叫んだ。 「まりさはおまえのおちびちゃんなんかじゃないよ! れいむは、まりさのことをまりささまってよぶんだよ! ぷっくぅぅぅぅ!」 ……が、れいむは子まりさのぷくーを見ることすらなく、 「それじゃゆっくりしゅっぱつしんこうだよっ」 といって、すぃーを走らせ始めていた。 「ぷくー! ぷっくぅぅぅぅぅ……は、はやいいいいいいいいいいいいい!?」 すぃーは恐るべき速度で発進した。 周囲をけっかいさんで守られているとはいえ、さすがにこのスピードは空前絶後の体験だった。 「きょ、きょわいよおおおおおおおおおおおおおおお!」 ぷしゃー! と勢いよくおそろしーしーを垂れ流す子まりさ。 「たちゅけてえええええええええええええええええ!」 「ゆっくち! ゆっくちいいいいいいいいいいいい!」 同じくおそろしーしーを垂れ流す赤ありすと赤まりさ。 「とかいはじゃないわあああああああああああああ!」 「とめてえええええええええええええええええええ!」 ……そして、おそろしーしーを噴射する親ありすと親まりさ。 結局、全員がおそろしーしーを垂れ流しながらすぃーを走らせること十五分。 「「「「「ゆわあああ……」」」」」 群れが言うところの「ぎんいろのもり」――人間たちのゆっくりプレイスに辿り着いたのだった。 五匹はすぃーを下ろされ、想像以上に高いビルにぽかーんと口を開いている。 「とっても……とかいは、だわ……」 「そうだね……とかいは、だよ……」 親まりさと親ありすは、うっとりとその雑居ビルを見上げていた。 「ゆぅ~……これならまりさのゆっくりぷれいすにしてあげてもいいよ」 「「ゆっくちちたーい!」」 そんな家族を、銀目のれいむはニコニコ見ながら思い出したように言った。 「そうそう。ひとつだけ、きをつけてね。 このにんげんさんのゆっくりプレイスは、ゆっくりしているゆっくりたちに、 ときどき『とっぷうさん』をふかせることがあるよ!」 「とっぷうさん?」 「つよいつよいかぜさんだね! それがふいたら、そこからたちさったほうがいいよ! だいじょうぶだよね! ゆっくりしているゆっくりだってしょうこなんだから、とっぷうさんがふくのは、 むしろこうっえいだとおもってね!」 「「「「「ゆっくりりかいしたよ!」」」」」 あまりよく分からないが、とりあえずゆっくりしているゆっくりという褒め言葉に 気をよくしたまりさ一家は、声を揃えてそう言った。 「それじゃあ、まずはごきんじょさんをあんないしてあげるね!」 銀目れいむはそう言って、彼らを先導するように歩き出した。 時折こちらを振り返って、銀目でじっと家族を見つめている。 「ゆふふ。とてもゆっくりした一家だね! このゆっくりプレイスでもゆっくりできるように、れいむいのってるよ!」 「ゆうん。へんなおめめのわりにはおめがたかいわね!」 親ありすがくねくねしていた。 親まりさは赤ありすと赤まりさが帽子のつばで飛び跳ねるので、少しハラハラしている。 「おちびちゃん、おねがいだからそこでとばないでねっ! おっこちたらいたいいたいだよ!」 「「ゆっくち、ゆっくち~♪」」 子まりさは、初めて見る人間さんのゆっくりプレイスに目を輝かせて、きょろきょろしている。 そのせいで、ついつい遅れがちだ。 「ゆ! にんげんさん! ゆっくりしていっ――」 通りすがった人間に挨拶するが、その挨拶を聞くことすらなく、人間たちは去っていく。 最初の方こそ、聞こえなかったのだろうと思っていた子まりさも、次第に不満を覚え始めていた。 「おとうさん、にんげんさんがちっともゆっくりしてくれないよ!」 その言葉に親まりさが振り返り、怪訝そうに人間を見る。 ちなみに、彼らは銀目れいむの誘導により歩道の端っこを歩いていたが、 次第に真ん中にずれ始めていた。 「ゆゆ? ほんとうだ、にんげんさん! おちびちゃんのあいさつにちゃんとこたえてね!」 「そうよ、このいなかもの! あいさつにこたえないなんて、とかいはじゃないげすのすることよ!」 「「げーちゅ! げーちゅ!」」 「うるせえ、どけ!」 「いなかも――――――ぽぎゅ!?」 歩道の真ん中でぎゃあぎゃあ騒いでいたのが気にくわなかったのだろう。 一人の人間が、ありすを軽く蹴り飛ばした。 「「「「お、おかあしゃあああああああああああああん!?」」」」 「ほ、ぐっ……!? ぐぼ!?」 「……」 「にんげんさん、ごめんなさいね!」 銀目れいむがそう言うと、その人間が『ああ』と納得して鼻で笑った。 「お前等、あんまり歩道の真ん中を歩くんじゃねえぞ。いいな?」 「ありす! ありす! ありすうううう!」 「おかああしゃああん!」 「と……きゃ……いはっ……!」 親まりさと子供たちは重傷でもないのに取りすがって泣きじゃくり、親ありすは重傷でもないのにぴくぴくと痙攣していた。 「……聞いちゃいねえ」 呆れた様子で、人間は立ち去った。 「さいなんだったね! でもだいじょうぶ! あのにんげんさんは、ちょっとありすがゆっくりしすぎていたことにいらいらっ、てしたんだね!」 「ゆう……ゆっくりしているゆっくりをみれば、ゆっくりできるはずなのに……」 「そうだね! まあでも、どうでもいいことだからさきにいこう! もうちょっといけば、あまあまがあるよ!」 「「「「「あまあまはゆっくりできるね!」」」」」 あまあまという言葉に、あっさりと痛みを忘れてまりさ一家は飛び跳ねる。 やがて銀目れいむはビルとビルの隙間に入り込み、まりさ一家もそれに続いた。 「ゆ。きんじょのめーりんとまりさだね、ゆっくりあいさつしようね!」 銀目れいむがそう言うと、まりさ一家は一斉に蔑んだ表情を浮かべた。 「めーりん? めーりんって、あのゆっくりしてないめーりん?」 「なにかのまちがいじゃないの? こんなゆっくりプレイスにめーりんがいるの?」 「めーりんってゆっくりしてないげしゅ、なんだよね?」 「めーりんゆっくちちてない! ぷひゅひゅひゅ!」 ダンボールのおうちから、のそのそとめーりんとまりさが出てきた。 「ゆう……うるさいんだぜ。せっかくのおひるねたいむをじゃまするんじゃ……ゆぅ!?」 街のまりさが銀目れいむを見て、ぎょっと立ちすくんだ。 「ゆっくりしていってね! れいむはぎんめのれいむだよ!」 銀目れいむがそう言って挨拶すると、街のまりさははああああと溜息をついた。 「じゃおう……」 街のめーりんも何だか元気なさげに街のまりさにすり寄る。 「ゆっくりしているゆっくりのしょうかいなのぜ?」 「そう! このまりさたちはとってもゆっくりしているんだよ!」 「ふうん……ゆっくりしていってね」 街まりさが睨むようにまりさ一家を見る。 まりさ一家は、這い出てきたまりさを見て――――ゲラゲラと笑い出していた。 「ゆぷぷぷぷ! まりさ! まりさ! あのまりさのおぼうし……ぷぷぷぷ!」 「しーっ。わらっちゃわるいよありす! でもあのおぼうし……ぷ、ぷぷ……ゆぷぷぷぷ! ぜんっぜん……ゆっくりしてないね……ぷぷぷぷ!」 親ありすと親まりさは、街まりさのツギハギだらけの帽子を見て嗤っていたのだ。 全身、どことなく薄汚れている様は、薄汚いドブネズミを思わせた。 おさげも少し千切れて短くなってしまっている。 「おまけにめーりんとつがいなんてっ……ゆぷぷぷ! ありすだったらしにたくなるわあ!」 「げらげらげら! いいすぎだよありす! まりさだったら、れみりゃにあんこすわれるほうがいいけどね……ゆぷぷぷぷ!」 さて、こんな「ゆっくりしていない」ゆっくりを見て、子まりさたちは何を考えるであろうか? 答えは簡単。親の真似事である。 「ぷぷぷ! これじゃ、まりさのどれいになるていどしかつかいみちがないよ! でもまりさかんっだいだから、どれいにもやさしくするよ!」 子まりさはそう言って、自分の数倍以上の体積を持つ街まりさに命令した。 「おい、どぶまりさ! あまあまもってきてね! すぐだよ! すぐ!」 親まりさと親ありすも、その暴挙を止めることがない。 何故なら、彼らは「ゆっくり」という単一の価値観で暮らしてきたからだ。 「ゆっくりしていないゆっくりは、何をさておいてもゆっくりしているゆっくりに奉仕しなければならない」 「ゆっくりしていないゆっくりは、ゆっくりしているゆっくりよりも弱っちい(ゆっくりしていないから)」 そんなことを、本気で当たり前のように考えている。 いや、実際にある程度の群れではそれは正解なのだ。 「ゆっくりしてないゆっくり」より「ゆっくりしているゆっくり」の方が数が多い以上、 数の暴力で圧殺できる。 無論、賢い長がいて幹部たちの統率がきちんとされていた場合は異なるが……。 いずれにせよ、子まりさの発言はそこそこ正当性があったのだ。 ただし子まりさの理論が通じるのは、野生の群れだけである。 「そうだね、おちびちゃんのいうとおりだね。まりさたちはおなかぺーこぺこなんだよ! だから、ごはんさんをまりさたちにちょうだいね!」 親まりさがそう言うと、街まりさはあっさりと答えた。 「は? いやだぜ」 「…………」 「…………」 「…………」 「どぼじでごどわるのおおおおおおおおおおおおおおおおお!? まりさはどぶまりさでしょおお!? ゆっくりしてないでしょおお!? ゆっくりしてないんだから、ゆっくりしているまりさたちにごはんをさしだすべきでしょおおお!」 「なんってとかいはじゃないのおおおお! このいなかものおおお! ありすたちにごほうしっできることを、こうっえいに おもわないのおおおおおおおおお!?」 「このくそまりさああああ! このまりささまがせいっさいしてあげるからね! ないてもしらないよ! いたいいたいしてもしらないからね!」 ぽすん、ぽすん、と体当たりしてくる子まりさを絶対零度の視線で見つめた街まりさは、 短いおさげでぱん、と子まりさをはたいた。 「ゆびいい!? いじゃい! いじゃいいいいいいい! おとうしゃあああん! どぶまりしゃがあああ! どぶまりしゃがぶっだああああああ!」 「そっちがぶつかってきたんだぜ?」 「うるざあああああい! どぶのくせにっ! ゆっくりしてないぐぜにいいいいい!」 「おちびちゃああああん! よくもおちびちゃんをおおおおおおおおおおお! ゆるさないよおおおお! ぷっくうううううううううううううううううう!」 親まりさがいきり立ってぷくーっと膨れ上がった。 街まりさと街めーりんが、ちらりと銀目れいむを見た。 「……」 銀目れいむが無言で頷いたのを見て、まずめーりんが仕掛けた。 「じゃお!」 「ぷっくうううう…………ぼべ!?」 親まりさが思い切り吹き飛ばされ、壁に叩きつけられた。 ……言うまでもないが、めーりんの皮の厚さは他ゆっくりとは一線を画している。 野生で厚い皮を持つ親まりさといえども、めーりんのポテンシャルには及ばないのだ。 「いだあああい! いだい! いだいいいいいい!」 何より。彼らは今まで、戦うことなどほとんど知らずに生きてきた野生ゆっくりである。 れみりゃが生息していたり、みょんが戦う術を教えていればまた違ったかもしれないが……。 「まりさああああ! まりさあああああ!」 「おとおしゃあああああん! まりさのつよくてたくましくてりっぱでゆっくりしているおとうしゃああああん!」 「じゃお……」 「めーりん。そんなやつに、ごはんさんをあたえることないんだぜ」 「じゃおう……」 「れいむからもおねがいするよ!」 「ゆ? ……なら、いいんだぜ。めーりん! ほぞんしょくと、しょうみきげんさんがきけんなものをくれてやるんだぜ!」 街まりさと街めーりんが、がさごそとダンボールの中から幾許かの食料を取りだした。 「ゆ……あま……あま?」 「ぜいたくいうなだぜ」 街まりさは寄り添って啜り泣く一家に、ビニール袋に包まれた食料を投げ渡した。 「ごはんさん! ごはんさんよ、おちびちゃん!」 ありすが喜び勇んで、ビニール袋をくわえ込んだ。 「とっととうせろ、だぜ!」 「「「「「ゆっびいいいいいいいいいい!」」」」」 悲鳴をあげながら、まりさ一家は這々の体で逃げ出した。 「じゃおう……」 「かわいそう? たしかにちょっとどうじょうはするのぜ。 でもあいつはめーりんをめーりんというだけでさげすんだのぜ。 どうじょうのよち、なしだぜ」 「……じゃおう!」 「れいむがくれたあまあまでもたべて、またすこしねるのぜ……。 ゆうがたになれば、にんげんさんのてつだいなのぜ」 この二匹、ビルの管理者からはお目こぼしされている。 その代わり、人間でも嫌がるような不衛生な箇所の掃除やゴキブリ退治を 請け負うことで代償を支払っているのだ。 仕事はあまりゆっくりできないが、こうしてのんびりめーりんと暮らすことが できるので、不満はない。 「じゃおーう」 街まりさと街めーりんは揃ってダンボールに潜り込み、再び眠り出した。 ……。 ……。 ……。 「ゆふう……ひどいめにあったよ……」 「なんていなかもののめーりんとまりさ……ちのうしすうがひくいのかしら……」 「まりさ、おなかぺーこぺこだよう……」 「ゆっくちおなかがすいたよ!」 「ゆふん。そうだね、おちびちゃんたち。ごはんさんにしようか」 まりさがビニール袋を引っ繰り返した。ぱらぱらと、保存食用の枯れかけた雑草と腐りかけのからあげがぽろりと零れ落ちた。 期待に満ちていたまりさ一家の表情が、たちまちがっかりしたものに変わった。 「ごはんしゃん……すくないにぇ……」 「これだけなのお……?」 「で、でも。このからあげさんはとってもゆっくりできるものよ!」 「しょれなら、まりしゃがたべるよ!」 「ありちゅも!」 二匹の赤ゆっくりが一斉にかぶりついた。 「むーしゃむーしゃ……ゆげ!? ぐび……ま、ま、まじゅいいいいい!」 「こんにゃのいにゃかもののたべものよおおおおお! ちょかいひゃのありしゅにはむりよおおおお!」 「えええ? そんなはず……ゆび、うべえ! まずい、まずいわああ!」 腐りかけのからあげである。 美味い不味い以前に腐臭が口の中に篭もるせいで、味覚が刺激されてしまうのだ。 「ゆび……でも……ありすたちがむーしゃむーしゃしないと……」 ありすはけなげにも、雑草を食べさせることにしたらしい。 「まりさにまかせてね……!」 まりさが一旦、雑草をむーしゃむーしゃと咀嚼してからぺっと吐き出した。 こうすれば、雑草の苦みはまりさの唾液で少し甘くなる。 「おちびちゃん……ゆっくりごちそうだよ……」 「むーしゃ……むーしゃ……しょれなりー」 「ちょっとだけ……ちょかいはだわ……」 「ゆあああん……あまあまたべたいよおお……」 泣きながら子供たちが雑草と平らげるのを見届け、 親まりさと親ありすは腐ったからあげを半分こずつにして、吐き気を堪えながら何とか飲み込んだ。 「ゆべ……ぎもぢばるい……」 「とかいは……どがいばあ……」 既にまりさ一家は、このゆっくりプレイスに来たことを後悔し始めていた。 ……が、後悔はあっても反省という言葉などまりさ一家には存在しない。 自分たちがゆっくりできないのは、当然環境の方が間違っているのだと考える。 「まりさ……ぎめだよ……うぷっ……このまちを……ただしいほうこうに…… みちびくよ……」 「ありすもてつだうわ……こんないなかもののまち……」 「まりさも……」 「まりちゃも……」「ありちゅも……」 結束を新たにしたまりさ一家を面白そうに眺めながら、銀目れいむが告げた。 「それじゃあ、そろそろこうえんさんにいこうね! ゆっくりたちがたくさんすんでいるよ!」 「ゆっくりたちが……」 まりさ一家に希望が満ちる。 そうだ、ゆっくりの群れに行けばいい。 そうすれば、このゆっくりプレイスを支配することも夢ではない。 いや待て。まず、あのはぐれのめーりんとまりさをせいっさいしよう。 こんなゆっくりした一家ならば、二つ返事で言うことを聞いてくれるはずだ。 「れいむ! そこにあんないしてね! まりさは、そこの『おさ』になってあげるよ!」 親まりさが胸を張った。その頼もしい言葉も目を輝かせる。 「ゆっくりわかったよ!」 銀目れいむは満面の笑顔で頷いた。 小さな公園には、野良ゆっくりたちがいつものように雑草を引き抜いていた。 「ゆんしょ、ゆんしょ。ふいー、やっとぬけたよ!」 「れいむ。くささんをしょくりょうこにはこんでちょうだい!」 「ゆっくりわかったよ!」 「ゆうか! おはなさんはどう?」 「とてもゆっくりしているわ。もうすぐおはなさんがいっぱいにさくわよ」 ゆらゆらゆれるつぼみを見ながら、ありすとゆうかはニッコリ笑った。 「ゆふふ。たのしみね!」 金バッジをつけたゆうかは野良ではない。飼いゆっくりである。 優しい飼い主の下、ゆっくり暮らしていたゆうかだが一つだけ不満があった。 マンション住まいのため、小さなプランターしか育てることができないのだ。 花を育てることをアイデンティティーとするゆうかにとっては、辛いことだが飼い主の 家の事情も理解しているため、無理に要求することはなかった。 そんな折り、散歩途中にたまたまこの公園を見つけたのである。 放置されていた花壇に我慢ならなくなったゆうかは、飼い主にお願いした。 あの公園の花を育てさせてくれ、と。 飼い主も駄目元で役所に陳情したところ、すんなり話が通ってしまった。 早速ゆうかは花壇の花を育て始めたのだが、困ったことが一つある。 「ゆう……いつまでもここでみはっているわけにもいかないわね」 公園の花壇は、ゲスゆっくりや無知なゆっくりたちにとっては餌なのだ。 飼いゆっくりであるゆうかの前でトラブルを引き起こすゆっくりはいなくとも、 彼女が見ていなければ、花壇を無茶苦茶に荒らすこともあるだろう。 そこで、ゆうかは野良ゆっくりの群れと交渉し、ゆっくりフードを定期的に分け与える 代わりに、ありすたちに花壇の見張りを依頼したのだ。 ありすたちにとっても悪くない取引である。 花は味が薄い割にボリュームも少なく、腹持ちもあまりよくない。 そんなものを食べるよりは、花を育ててゆっくりフードを貰った方が遙かに良いのである。 何より、鮮やかな花は見るだけでゆっくりできるものなのだ。 「あら? あのまりさたちはしんいりさん?」 ゆうかが気付いた。 小さな群れだからだろう、ゆうかは全員の顔を記憶している。 「まりさ? まりさってどのまりさ……」 くるりとありすが振り返り、ぎょっとした。 見慣れぬまりさ一家と銀目のれいむが、そこにいた。 「ごめんなさい、ちょっとはなしてくるわね」 ありすはゆうかにそういって、ぴょんぴょんとまりさ一家の下へとやってきた。 (……いなかものだわ) 一目でありすは見抜いた。 どいつもこいつも、自信満々で薄ら笑いを浮かべながら群れを見回している。 「ゆふふ……みんなゆっくりしてないね!」 「これならだいじょうぶだわ!」 「みーんな、まりさのどれいにしてあげるね!」 「ゆっくち、どれい!」 「どれーい!」 決定的だ、ありすは溜息をついて挨拶した。 「ゆっくりしていってね!」 「「「「「ゆっくりしていってね!」」」」」 親まりさが尋ねる。 「ありすがここのおさ?」 「そうよ。あなたたちは、ひょっとしておやまさんからきたのかしら?」 「ゆゆ!? どうしてわかったの!」 まるわかりよ、とありすはつぶやいた。 「それで、なんのよう? むれにはいりたいの?」 「むれに……はいりたい?」 「そうよ。だからきたんでしょう?」 親まりさと親ありすは顔を見合わせ――笑いだした。 「ゆぷぷぷぷ! むれにはいりたい? むれにはいりたいだって! こんなゆっくりしてないむれに『はいりたい』だなんておもう!?」 「しかたないわあ! みんないなかものっ、だもの! とかいはなありすたちについてこれるはずないわ!」 「いい、おさのありす? よーくきいてね? たったいまから、このむれはまりさがおさになってあげるよ!!」 その言葉に長ありすも、群れの皆も、無関係なゆうかでさえポカンと口を開けた。 「「「…………は?」」」 「は? じゃないよ、あたりまえでしょ! このむれをゆっくりさせてあげるから、おさになってあげるって いってるの!」 「そうよおお! おさありすも、このむれのみなも、ぜんっぜんゆっくりしてないわ! だから、まりさとありすがむれをひっぱっていってあげる!」 「おとうしゃん、りーだーっ!」 「ゆっくちりーだー! りーだー!」 「…………」 餡子脳ならずともフリーズしてしまいそうな発言を、 ようやくアリスはのみ込んだ。 それから、こんな厄介種を連れてきた銀目れいむを恨めしそうに見る。 「ええと、おことわりするわ。 わるいことはいわないから、いますぐやまにかえったほうがいいわよ」 「なにいっでるのおお! ゆっくりしたまりさがおさになってあげるっていってるんだから! ありすはだまっておさのざをゆずるべきでしょおおおお!」 「おさのざをゆずるきはないわ。 いまならまだちょっといたいおもいをしただけで、 やまにかえることができるわよ」 無論、そのためにはおちびちゃんを『永遠にゆっくりさせる』ことが 必要なのだが。 「ゆぎいいいい! もう、ほんっとうにありすはわがままだね!」 「ほんと! おなじありすとして、うすよごれたあなたはけいべつするわ!」 「そうだね! こっちのありすとくらべて、おさありすのかちゅーしゃは すごくきたならしいね!」 「いなかものね! かちゅーしゃのていれくらい、ちゃんとしておくべきなのに! ものぐさなのかしら!」 「……ふうん」 長ありすの冷たい声に、果たしてまりさ一家は気付いたかどうか。 さて、そんな風に親まりさと親ありすが揉めている間に、腹を空かせたおちびちゃん たちは、真っ直ぐ花壇へと向かっていた。 「ゆっくち、ゆっくち。おなかぺーこぺこさん! くささん、くささん。 まりさたちにたべられてね!」 「ゆっくち……おなかすいちゃ……」 「おはなしゃん……たべちゃい……」 花壇に辿り着いた彼らは、躊躇いもなく咲きかけの花を食べようとする。 「ふん!」 ――となれば、当然のようにゆうかが反応する。 彼女の軽い体当たりで、子まりさと赤まりさ、赤れいむは一匹残らず跳ね飛ばされた。 「ゆびゃあ!? いじゃい! いじゃいいいい!」 「ゆっち……いじゃいよおおお!」 「ぎゅうぇぇえ! いじゃいいい!」 その悲鳴に、親まりさと親ありすが反応した。 見れば、飾りのついてないゆうかがおちびちゃんたちをいじめているではないか。 「なにするんだあああああ! まりさのっ、まりさのだいじなだいじなおちびちゃんにいいいいい!」 「このげすゆうかあああ! いなかものはいなかものらしくできないのおおおお!?」 「ちょ、なにやって……やめなさあああああああああああい!」 長ありすが顔面蒼白になって制止する。 このままでは、ゆうかは殺されないまでも傷つけられるかもしれない。 そうなっては、下手をすれば一斉駆除という運命が待ち受けている。 「ゆうか、にげてえええええ!」 「いやよ! こんなれんちゅうにせなかをむけるなんて!」 ゆうかもゆうかで逃げられない事情がある。 背中には大事に育てた花壇があるのだ。 この状況で逃げられるはずもない。 「みんなああああ! そのまりさたちをとめるのよおおお!」 長ありすの号令と共に、群れのゆっくりたちが一斉に彼らに襲いかかり――。 「わわわ、とっぷうだよっ!」 そんな言葉と共に、物凄い勢いで親まりさと親ありすが蹴り飛ばされた。 「ゆべ!?」 「ゆぼお!?」 あまりの衝撃に、二匹は数メートル以上すっ飛んだ。 「…………」 「…………」 親まりさと親ありすはしばし見つめ合い――。 「「いじゃあああああああああああああああああああああああい!」」 そう言って、びだんびだんと体を跳ねさせて泣き叫び始めた。 「あの……ええと……」 「れいむはぎんめのれいむだよ」 ゆうかが救出されたにも関わらず、奇妙な目でれいむを見つめていた。 「さすがにかいゆっくりにけがをさせたらだいもんだいだからねっ」 「はあ……」 「ゆうか、だいじょうぶ?」 「ええ、くるまえにけりとばされたもの。それじゃ、もうすぐごはんさんの じかんだし、ゆうかもかえるわね。これはいつものゆっくりふーど」 ゆうかが手近のビニール袋を差し出した。中にはゆっくりフードが全員に行き渡るくらいに 詰め込まれている。 「ありがとう、ゆうか。 それじゃ、ありすたちはあのばかまりさたちをせいっさいするから」 そう言って、長ありすは凍るような瞳で痛みに悶えるまりさ一家たちを睨み付けた。 まりさ一家は、周囲をぐるりと成体ゆっくりに囲まれていた。 銀目れいむは、ニヤニヤとそれを見守っている。 「いったいなにを……ゆべえ!」 何かを言おうとした親まりさの顔に、石がブチ当たった。 取り囲んでいたれいむが、吹いたのだ。 「ゆっくりだまってね! おさ! こいつはむれのおさになろうとしただけじゃなく、 かいゆっくりまできずつけようとしたよ!」 「そうね。ほんらいなら、おやまについっほうがだとうだったけど、 ゆうかにけがをさせようとしたのは、ぜったいにゆるせないわ! みんな、えださんをよういして!」 言葉と同時、周囲のゆっくりが一斉に枝を口に咥えた。 「あ、ありす。とかいはに、とかいはになりましょう? ありすなら、それがわかってるはずよね? ね、ね、ね? とかいは……とかいはああ!」 「やめてね! やるならまりさをやってね!」 おそろしーしーを垂れ流しながら、親ありすと親ありすたちがそう叫ぶ。 「ゆ、ゆ、ゆっくりできてないゆっくりたちのくせになまいきだよ! いますぐまりさたちをかいほうしてね!」 空気を読まない子まりさの言葉。 「ゆわああ……きょわいのじぇえ……」 「ちょかいは……ちょかいは……」 赤ゆたちは震えるだけだ。 長ありすはそれを見て、すうっと息を吸って叫んだ。 「せいっさい、かいし! まずはおめめさんよ!」 「ゆああああああ! やめで! やめでやめでやめで……いじゃいいいいいいいいいいい! ありすの! ありすのおべべがあああああああああああああ!」 「まりさの! まりさのをやっで……いだいいいいいい! おべべ! おべべぷーすぷーすしないで! おねがい! おねがいいいいいいいい!」 「まりさ、ぷくーするよ! ぷくー……おべええええ! いじゃいいいいい! しゃしゃないじぇえええ! ぷーすぷーすやじゃああああ! おごっ、ごっ、ごああああああ! おめめさん! おめめざんがあああああ!」 「ゆぴ……ゆぴ……ゆげええええええええええええええ! ゆっくち! ゆっくちいいいいい!」 「ちょかいはあああああああああ!」 まず、それぞれ片目を抉られた。 白く柔らかい瞳を、荒い枝で突き刺し、こねくり回した。 「あんよをやっちゃって!」 「ざあああわあああるうううううなああああ! いじゃいよおおおおおお!」 「まりさの! まりさのしゅんっそくあんよさんがあああああああ!」 「まりちゃのあじもおおおおお!? やだよおおお! まりちゃのかもしかあんよをいだいいだいじないでええええええ!」 「「いじゃいいいいいいいいい! いじゃいよおおおおおおお!」」 次に、あんよを走れない程度にぷーすぷーすれた。 ささくれだった枝が、あんよの頑丈な皮をズタズタに斬り裂いた。 餡子がたちまち漏れ出すが、無理矢理立たされることで流出を防がれる。 しかし、傷がある部分を自身の体重で押さえつけているのだ。 痛くないはずがない。 「かみよ!」 枝を捨てたゆっくりたちが、次々とまりさ一家の髪に噛みついて毟っている。 「いやよおおおおおお! だずげでまりざざあああああああああああ!」 「やべでぐだざい! ありずの! ありずのきらきらかみのけをむしっちゃだめえええ! とってもとってもきれいなんでずうう! どがいばなかみのげえええええ!」 「いじゃいよおおおおお! まりしゃのかみのけにいだいいだいはやめええええ!」 「ゆくじ! いじゃああああああああああああ!」 「いじめにゃいでええええ! ちょがいばあああ! ぢょがいばあああああああ!」 たちまち、落ち武者のような饅頭が五匹誕生した。 「ぺにぺにとまむまむも! あにゃるはだめよ! そこらじゅうでたれながされたらゆっくりできないわ!」 成体ゆっくりたちは、親まりさたちを挟み込んで揺らした。 発情した彼らがぺにぺにを露出させた瞬間、枝で一斉に突いた。 「……っ! そ、それだげはやべでえええええええ! おちびちゃん、おちびちゃんがつくれなくなっじゃうううううう! おぶっ! いじゃい! ぺにぺにのさきっぽがいじゃいいいいいいい!」 「んぼおおおおおおお! ありすのごくっじょうまむまむをきずつけないでええええ! てんぐうのかみざまだってじょうっでんずるのにいいいいいいい!」 「いじゃいいいい! そぎょはぞぎょはまむまうでしゅうううううう! まりしゃおちびちゃんちゅくりたいんでしゅううううう!」 「さいごに、おかざり!」 彼らのお飾りを強奪し、枝で引き裂き、ジャンプして壊し、噛み千切って壊した。 「やべでええええ! いながものになっじゃううううう!」 「どがいばあああ! どがいばにいいいいいいい!」 「ゆっぐりでぎなくなっじゃうよおおおおおおおおおおお!」 「まりしゃのおきゃじゃりいいい!」 「ありちゅの! ありちゅのちょかいばっておかあしゃんがほめてくれた かちゅーしゃあああああああああああ!」 「これでせいっさいはしゅうりょうよ。 このまりさいっかは、きょうからあたらしいどれいまりさよ! むれのなかまだけど、なかまじゃないわ!」 「「「ゆっくりりかいしたよ!」」」 瀕死の状態で横たわるまりさ一家は、虚ろな表情で長ありすの言葉を聞いていた。 (どれい……まりさたちが……どれい……? どれいはゆっくりしてないよ……ゆっくりしてないゆっくりがどれいになるべきだよ……) (あれ? まりさいま、ゆっくりしてない……。 じゃあ、まりさはやっぱりゆっくりしてないゆっくりなの……?) (おかしい……おかしいよ……。 こんな、はず、じゃ……) この日、まりさ一家はたった一日で完全にゆん生を転落した。 ――数日後。 「ゆふう……ゆふう……」 まりさたちは奴隷ゆっくりとなり、野良ゆっくりがやらなければならない仕事でも かなり過酷なものを押しつけられていた。 這いずり回ってゴミを拾い、ありすと共同でゴミ袋を引き摺っていく。 彼らが向かうのは、不衛生な雑居ビルの隙間などだ。 こんな場所では、幸運に恵まれて捨てられたあまあまさんを拾うことなどまずない。 ただただ、腐ったゴミをゴミ袋に入れるだけ。 それも、ドロドロした訳の分からないものを一旦口に入れて、ゴミ袋に 吐き出さなければならないのだ。 その不快さは、親まりさが餡子を吐き出しすぎて瀕死になりかかるほどだった。 いつまで経っても慣れることのない、拷問。 そればかりではない。 プライドの高い二匹には、とてつもなく辛いことが待っているのだ。 「……」 「めーりん……まりさ……ゆっくり……」 「ゆっくりしているゆっくりにしては、ずいぶんとまあさえないんだぜ」 街まりさの冷たい言葉。 そして――。 「じゃおん……」 何よりも堪えるのが、街めーりんの同情した目線なのだ。 冷たく睨まれるのは、もう慣れてしまった。 だが、めーりんはそんな自分たちに同情してくれている。 それは、これまでめーりんをゆっくりの最下層にカテゴリしていた彼らには、とても 耐えられることのないものだった。 「ありす……いくよ……」 「とかいは……とかいは……」 ありすはぶつぶつと、とかいはという言葉を念仏のように呟いている。 唱えるのを止めれば、死んでしまうというように。 おちびちゃんたちも悲惨なものだった。 子まりさは、まずぱちゅりーが教師となる学校で働かされていた。 「むきゅ。まりさ、このくささんをたべてみなさい」 「ゆゆ!? たべさせてくれるの!? ゆっくりむーしゃむーしゃするよ!」 少量の草を喜び勇んでむーしゃむーしゃした途端、口がものすごく痒くなった。 「ゆびゃ! かゆい! かゆいよおおおおおおお!」 「いい? このくささんは、むーしゃむーしゃするととってもおくちがかゆいかゆいになるの! たくさんたべるとたくさんかゆくなるから、ゆっくりたべちゃだめよ!」 「「「ゆっくちりかいちたよ!」」」 「ぶびゃあああ! がゆいいいい! がゆいいいいいい!」 まりさは危険な食べ物を、いつも食べさせられる。 腐った食べ物、毒のある草、固くて食べられない木の実……。 そういったものを食べたらどうなるかを、きちんと教えているのだ。 何しろ、子まりさが実験台なおかげで「たべてもれいむはへいきだよ!」などと言い出すアホが 皆無になってくれるのが親たちとしては大助かりだった。 それだけではない。 「あまあまだど~♪」 「ゆんやああああ! たすげでえええええええええええええ!」 子まりさは必死になって、空をふわふわ飛ぶ子れみりゃから逃げている。 だが、周囲の群れは反応が薄い。 この子れみりゃは「飼いゆっくり」だ。飼い主に頼まれ、ときどき「かり」の真似事 をさせているのだ。 無論、なるべく殺さないという条件付で。 「ゆひいいいい! やだよおおお! れみりゃどっかいってよおおおお!」 「あまあま~♪ れみりゃのごはんになるんだど~」 子まりさは必死になって逃げ回り、子れみりゃはニコニコ笑顔であまあまを追いかける。 見守る飼い主は、「元気になってよかったなあ」などと考えている。 子まりさのゆん生は毎日毎日が、チキンレースだ。 そして、赤ありすと赤まりさは。 「ぺーろぺーろ……ぺーろぺーろ……」 「ぺーろ……うぷっ……ちょかいはじゃ……ない……」 公衆便所を舐めさせられていた。 何ともいえない不快な臭い、不潔で冷たい便器。 赤ゆたちは、何も教えられずにただひたすら舐めて綺麗にすることを命じられている。 これは銀目れいむの発案である。 「おちびちゃんのころから、べんきになれさせたらだいじょうぶかも」 確かに、赤ゆたちはここが「にんげんさんがうんうんしーしーするところ」であることを知らない。 知っていれば、ただちに餡子を吐き出して死ぬだろう。 知らなくとも、誰かに教えられてしまえばその瞬間に終わりだ。 子まりさに負けず劣らずゆん生綱渡り、それが二匹の赤ゆっくりたちだ。 ゴミを頬張る親まりさと親ありす。 「ゆべえ……ゆべえ……」 毒を食べさせられる子まりさ。 「ゆぎ……うおえ……」 便所を舐めさせられる赤ゆっくりたち。 「ぺーろ……うべ……ぺーろ……」 山にいたころのゆっくりした生き方など、もうどこにも見当たらなかった。 家族とのゆっくりした会話もほとんど皆無になり、仕事が終わればただ 寄せ集まってすーりすーりしながら啜り泣くだけだ。 疲れ切った体で眠りに就くたび、親まりさは考える。 (これは、ゆめだよ……ぜったいに、ゆめ……。 めがさめたら……きっと……なにもかも……もとどおり……) そして、目が覚めるたびに 「ゆめ……ゆめじゃ……ゆめじゃないよお……」 そう言って、嘆き続けるのだ。 ――さあ、親まりさ君。これがあなたたちのゆん生ですよ。 スクリーンの映像が停止し、照明が照らされる。 親まりさも、親ありすも、子まりさも、赤まりさも、赤ありすも。 皆、涙を流していた。 自分たちのみっともなさを、第三の視点から見てひたすら泣いていた。 銀目れいむが、ニコニコしながらまりさ一家に尋ねる。 「楽しんでいただけましたか?」 親まりさはそうして初めて「おかざり」に関係なく、目の前の『れいむだったもの』を 認識した。 「にんげん……さん……」 「おや、バレてしまいましたか。騙していてすいませんね」 白衣の中年男は、銀色のビデオカメラで親まりさを撮り続けながら再度問い掛ける。 先ほどまで腕に縛られていたれいむのリボンは、ポケットにしまい込まれていた。 「さあ、まりさ君。幸せを失った気分は、どうですか?」 だがもう、まりさ一家たちにとってはどうでもよい出来事だった。 れいむがれいむでなくなろうが。 自分の転落ゆん生を人間たちが笑って見ていようが。 自分の舐めていたものが、どれほど不潔なものかを知らされようが。 「ゆぴ……ゆぴぃ……ゆぴぃぃぃ……。 かなしいよお……かなじいいよおお…………。 いやだよお……こんなゆんせい……いやだよお……。 ゆっくりしたいよお……ゆっくりさせてよお……。 ……もう、やだよおお…………」 ただただ、あのときのしあわせーだった自分たちを思い出し――彼らは 泣き続けるしかないのだ。 <あとがき> 転落まりさ一家の下に、うんうんまりさ一家がいます。 感想スレ http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13854/1304613952/ 過去の作品 anko3216 愛するでいぶ anko3238 ゆ虐思考 anko3257 赤ゆ十連発(前編) anko3263 赤ゆ十連発(後編) anko3271 手を触れずに殺害せよ anko3274 子ゆっくりのゆん生が終わるまで anko3300 何もしない 赤ゆ編 anko3312 れうこくろりぐる anko3342 テンプレ的自滅シークエンス anko3358 くらくなるまでまってね! anko3368 ぷりぷりもるんもるん anko3428 子まりさと仲良し家族 挿絵:
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/3580.html
『気持ち悪い!』 14KB 制裁 駆除 群れ 野良ゆ 現代 独自設定 ネタ被ってるかも もし台所でゴキブリを見かけたら?普通は気持ち悪いと感じて駆除しようとするだろう。 もし天井裏でねずみがちゅーちゅー鳴きながら走り回る音が頻繁に聞こえたら? 普通は気持ち悪いと感じて駆除しようとするだろう。 じゃあもし家の中で家ゆを見かけたら……? 「おじびじゃぁぁぁんっ!にげるんだぜぇぇぇぇっ!!」 「ゆんやぁぁぁっ!おちょうしゃんもいっしょににげようよぉぉぉっ!?」 「おじびじゃんはばりざがまもるんだぜっ!こんっしんっのぷくーでぐぞにんげんは ゆっくりしないでじんでね!ぷくぅぅぅぅっ!!」 とある民家の台所。家の住人である女の子に見つかった家ゆのまりさ親子は見苦しくうろたえていた。 家ゆとは人間の住居に侵入して住み着きやすくする為に進化したゆっくり種の事である。 体が成体でも普通のゆっくりの子ゆっくりと同じ程度かそれ以下のサイズなのが特長だ。 その小ささゆえに人間に見つからずに家具の隙間や冷蔵庫の後ろ等に人知れず巣を作り、 家の中のものを好き勝手に拝借して繁殖する事が可能なのだ。 それと家ゆが普通のゆっくりに比べて違う点がある。それは人間を極度に恐れているということだ。 理由は二つ。一つは身体が小さい家ゆに進化するという事はそれだけゆっくりどもの餡子に 人間への恐怖が深く刻まれているという事実に他ならないということだ。 不法侵入しておうち宣言で人間の住居を乗っとろうとしたり力で奪おうとして結果は失敗続き…… 際限なく潰され続けて、それでも人間の住居への未練を捨てきれないからこそ家ゆへ進化したといえる。 二つめは頭部の大きさでゆっくりは自身より強いか弱いかを測るという事だ。 ならば自分の体が小さくなった家ゆが大きな頭部をもつ人間を恐れるのも無理のない事といえる。 ……といっても、あれだこれだと屁理屈つけて腹の中では人間を見下しているだろうが。 ともあれそういう訳で家ゆのまりさ親子は人間に見つかったとたんに恐慌状態に陥って こうして泣き叫んでいるというわけだ。 だがそれよりも心中穏やかでないのが…… 「き……気持ち悪い!なにこれっ!?家ゆ!?な、なんでこんなのがうちに……!とにかくスプレー!駆除しないとっ!」 その家に住んでいると思われる女の子は顔をまっ青にして家ゆ撃退用のトウガラシスプレーを探し出すと いまだに泣き喚いている家ゆ親子にさっと吹きかけた。 「おちょうしゃぁぁ……ゆぐっ!?ゆげえええええええっ!!?も、もっちょ……ゆっくじ……」 「お、おちびぃぃぃ!く、くぞにんげんんんっ!よぐもさいっあいっのばりざにのおちびを」 「キモい!キモい!はやく死んでっ!!」 「ゆげっ!……も、もっと……ゆ………」 スプレー1発で子まりさは即死。親まりさは女の子にスリッパで叩かれて 間もなく最愛のおちびとやらの後を追った。 「ううー嫌だなあ……死んでも気持ち悪いよこいつらー……ティッシュ越しでも触りたくないよ……」 女の子は後始末のことを考えると軽く鬱になったが……ふと思い出す。 家ゆは一匹見かけたら百匹いると思え!とどこかで聞いた事があることに。 「ま、まさか家中に……?もしかして私の部屋にも!?じょ、冗談じゃないわよ! 確か……そうアレ買ってあったよね?前に家族一緒に買い物いったときお母さんが念のためにって 買っておいた……えーと……あった!」 慌てて洗面台の戸棚をしばらくごそごそしていたが、どうやら目当てのモノが出てきたようだ。 家ゆ退治用のお徳用5個セットゆるサン……まさかこれを使う日がこようとは。 女の子はしばらく考えていたが… 「……よし五個全部使おう。居間とお風呂場と台所と和室に2階の部屋……家中に設置するっ!家ゆがあれだけで 他にいないのならそれでいいけど……もし家ゆがあちこちに巣を作ってたらと思うともう夜も眠れなくなるわ!」 女の子は家中を閉めきって鍵をかけ、ゆるサンを各部屋に置くと蓋をこすって次々と始動させる。 もうすぐ煙が出てきて家ゆを一勢駆除するはずだ。 すべてが終わると既に外出の準備を完了していた女の子は玄関の鍵を閉めて外へ出た。 どうせ家族はまだこの時間帰ってはこないのだ一時間ほどで終わるというし問題ないだろう。 「……ゆっ?ゆゆっ?だいじょうぶだよみんな!くそばばあはでかけたみたいだよ!」 女の子が出て行ったとたんに台所の至るところから家ゆがぞろぞろ出てきた。 数はざっと六十匹……人間が見たら身の毛もよだつ光景であろう。 「ひどいみょん……またむれのゆっくりがえいえんにゆっくりしちゃったみょん……」 「わかるよーにんげんはおにだからようしゃないんだねー」 「どぼじてごんなごとするの……?れいむたちはにんげんさんにめいわくをかけないでゆっくりしてただけなのに!」 「むきゅ。しかたないのよ……にんげんはごうよくでひとりじめばかりするかとうせいぶつだから……」 「それでもすこしくらい、ありすたちにゆっくりぷれいすをわけてもくれてもいいのにね!」 「ぜったいにゆっくりとわけあおうとはしないんだねー。けちなんだねーわかるよー!」 「まりささまたちはくそにんげんのかおをたてて、おとなしくすみっこでくらしてやってるというのに! まったくかんしゃのきもちがたりないんだぜ!」 「ほんとうならおうちせんげんして、このいえぜんぶをぱちぇたちのものにするところなのに!むきゅ!」 「にんげんはくじゅにゃにょ?おんちらずにゃの?」 「にんげんはいなかものだからね!とかいはなありすたちのこころづかいがりかいできないのよ!」 「くじゅ!にんげんはくじゅなんりゃじぇ!」 「ばーきゃ!くちょにんげんのばーきゃ!」 「ゆっくりしね!おんしらずのくそばばあはゆっくりしないでいますぐしね!」 女の子が外出したとたんに好き勝手言い始める家ゆたち。 もちろんこんなのは単なる負け惜しみ、負け犬の遠吠えという奴だ。 口で偉そうに吠えて少しでもゆっくりしようという空しい行為。 だってこいつら本当はまりさ親子が殺されているのを冷蔵庫の下や食器棚の陰から見てたのに 誰ひとり助けにいかず泣きながらガタガタ震えて見殺しにしていたのだ。 要するに自分が屑だと認めたくない為に人間を悪者にしているだけの話なのだ。 だがそんな家ゆどもの勝手な戯言ももう終わり。 ゆるサンから煙が出てくる。ゆっくりの死臭成分と辛味成分がブレンドされた死の煙が…… 「……ゆっ?なんだぜ?なんだかゆっくりできないかんじなのぜ?」 「わかるよー。けむりさんがでてきたんだねー」 「けみゅりしゃんはさいっきょうっのまりちゃがせいしゃいし……げふっ!げふっ!……ゆべえええええっ!?」 「ゆんやああああ!?れいぶのおちびちゃんがぁぁぁぁ!?」 「あ、あんこはいてえいえんにゆっくりしちゃったんだみょん!?」 「なんでぇぇぇぇ!?どぼじでぇぇぇぇぇっ!?」 「……むきゅっ!?みんなこのけむりさんをすってはいけないわ!このゆっくりしていないけむりさんが れいむのおちびちゃんをえいえんにゆっくりされたのよ!」 「なんだとぉぉぉぉっ!じね!ゆっくりしていないけむりざんにゆっくじじな……ゆげええええええっ!!?」 「れ、れいぶうううううううっ!?」 「みんな!いそいでおうちにひなんするのよ!たなさんやれいぞうこさんのうしろまでは けむりさんはこないはずだわ!」 「ゆ、ゆっくりりかいしたよっ!」 まりちゃに続いて親れいむもゆるサンの煙を吸い込んだとたんに餡子を吐いて死んだ。 残った家ゆはおうちである物陰に隠れて煙から避難しようとする。 考え方は悪くないが惜しい、家ゆ駆除専用は伊達じゃないのだ。 ゆるサンは部屋の隅々まで煙が行き届くようになっている。そう時間をかけてゆっくりと…… 「ゆふ~~!これでもうあんっしんっなのぜ!」 「とかいはなありすのおうちにまではけむりさんはこないわ!」 「けむりさんがなくなるまでれいぶはすーやすーやす……ゆんやああああっ!けむりさんがくるぅぅぅ!」 「やべちぇね!ゆっくじできないけむりさんはむこうへい……ゆげえっ!?ゆげええええっ!?」 「お、おちびちゃぁぁぁんっ!?」 まずは耐性がなくすぐに死ぬ赤ゆっくりや子ゆっくりから。 一気に吸わなければ成体なら少しは耐えられる。あくまで少しだけだが…… 「む、むきゅ……エレエレエレエレ……!も、もっと……むっきゅり……」 「ゆんやああああ!ぱちぇりーがしんじゃっだぁぁぁっ!」 「も、もうごんなぐざいとごろにはいられないよっ!れいぶはだいどころさんのむれをぬげて いまさんのむれにいぐよっ!」 ……ん?今れいむは気になることを言った。 台所の群れを抜けて、居間の群れにいく……?どういう意味だろうか? それはとりあえず置いておくとして、れいむの考えに賛同したらしい台所の家ゆどもが全部表へぞろぞろと出てきた。 その数、大小合わせて100匹超!人間に見つからずによくぞこれほどの数まで増やしたと関心するべきなのだろうか。 とりあえず果てしなくキモい光景であることだけは確かだ。 しかし物陰に隠れてやりすごそうとしていたのに表に出てきたらどうなるか。 そうたちまちゆるサンの餌食である。そして実際に多くの家ゆが餡子を吐き出して死んでいく。 まあ中には台所中央に置いてあるゆるサンに向かうバカな家ゆもいるのだが…… 「けむりさんはゆっくりしないででるのをゆっくりやめてね!」 「やめてくれないとまりさぷくーするのぜ!ぷく―――………ゆべええええええっ!」 「ゆっくりやめるみょん!ゆっくりしないでやめるみょん!やめないとせいさいす……ゆぶううううっ!?」 ぷくーとやらでゆるサンが止まると本気で思っているらしいバカな家ゆがゆるサンの周囲で次々と死んでいく。 もう台所は多数の家ゆの死骸で足の踏み場もないくらいだ。 そんな中、台所脱出に成功したれいむとまりさ、ありすが居間に向かって懸命に跳ねていた。 「だいどころさんはもうおしまいなんだぜ!いまさんのありすのむれにいれてもらうんだぜ!」 「あそこならけむりさんはとどかないはずよ!それにあのむれのおさありすはとってもとかいはだしね!」 「もうずぐだよ!もうすぐいまさんにとうっちゃくっす……ゆっ?」 「ゆ……うっ……」 「ゆっ?あれはありすのむれのまりさなんだぜ!」 「ちょうどよかったわ!ありすをあなたたちのむれにいれてちょうだいっ!」 「に、にげ……るんだ……ぜ」 「ゆゆっ!?」 「い、いまさんに……ゆっぐりできないけむりざん……が……ゆげええええっ!!」 「「「ゆううううううううっ!?」」」 言い切ったとたんに居間のまりさは餡子吐き出して永遠にゆっくりした。 居間まりさの後ろをよく見ると居間の中からもうもうと煙が出ているのがわかった。 それと聞こえてくる。居間の群れのものと思われる家ゆたちの悲鳴が…… 「い、いまさんはだめよ!けむりさんでだいどころさんとおなじじょうきょうになってるわっ!」 「じゃ、じゃあどこにいけばいいんだぜ?げんかんさん?わしつさん?どこもけむりさんだらけなのぜええええっ!!」 「ゆううううっ!げむりざんはどっかいげえ!れいぶをゆっくじざぜろおおおおおっ!!」 気がついた時にはもう手遅れで家中がゆるサンの煙に包まれていた。 女の子はご丁寧にも押し入れや洋服タンス等もすべて開けっぱなしにしておいたので それらに住んでいた家ゆは苦しさのあまり表に出てきて……そして力尽きて死んだ。 それにしても恐ろしいことで家ゆは本当に一匹見つけたら百匹はいるものだ。 あまりにも数が多くて家の中であるにも関わらずいくつかの群れがあるほどに。 まず台所にぱちゅりーが長をする百匹前後の群れがある。食料が豊富にとれるから数が多いのだろう 居間にはタンスの後ろなどを巣にしているありすを長とする八十匹前後の群れが。 玄関にもちぇんが長をする三十匹ほどの群れが靴箱を住みかに生息しているし、 和室の押し入れ等ににはだぜまりさを長とする七十匹ほどの群れがある。 さすがにトイレにはいないようだ。基本的に使ったらドアを閉めきってるからだろう ともあれそれらがゆるサンによって苦しさのあまりぞろぞろと巣から出てきて盛大に餡子吐き出して死んでいく。 げに恐るべき光景といえよう。なんというか後片付けが大変そうだ。 あ、後もうひとつ群れがある。勇者の群れと呼ばれる特別な群れが…… 「ぞうだよ!にかいのゆうじゃのむれにたすけてもらえばいいんだよ!」 「ゆうしゃってあのちぇんとみょんのむれのことなのぜ?」 「そ、そうよ!くそにんげんのにもつにかくれてにかいさんへいじゅうした、あのちぇんならたすけてくれるわ!」 そう以前女の子のお母さんが洗濯物を干そうと二階に上がったとき、 洗濯物が入った洗濯籠の中に隠れて2階へいくことに成功したちぇんとその番のみょんがいた。 連中は二階の部屋に住み着き、子供をあっという間に産んで増やして群れを作ったという。 一階の家ゆたちから勇者の群れと呼ばれて尊敬されている連中だ。 そいつらに助けてもらえばいいと台所の家ゆどもは階段の前にくると大声で二階に向けて叫ぶのだった。 「たずげてね!ちぇんたちはれいぶをたずげでね!」 「けむりざんでみんなたいへんなんだぜ!ちぇんにみょんはゆっくじじないでばりざざまたちをたずけるんだぜ!」 「……ごっ!……べっ!」 「なにじでるのおおおおっ!ざっざとたずげなざ……」 「……べっ!……ゆべえっ!」 「ゆぎゃっ!」 「も、もっど……ゆっぐじ……」 「……ゆっ……?」 「か、かいだんさんからちぇんにみょんたちがころがりおちてきたの……ぜ?」 「たずげでねー……ちぇんのむれ……が……ゆぶぶううううう……!」 「ど、どぼいうごとおおおおおおおっっ!!?」 階段から多数のちぇんとみょんの家ゆが転がり落ちてきた。 二階の部屋にも同様に女の子によってゆるサンが焚かれたからだ。 二階の群れのちぇんとみょんも一階の家ゆ同様、右往左往した挙句に次々と死んいく。 まだかろうじて生きてるちぇんとみょんたちは部屋から飛び出して、 狂乱して考えなしにあちこち逃げ回った末に階段から大量投身したというわけだ。 大抵は階段の途中で潰れて餡子の染みになるのだがまれに成体が一階にまで到達することがあった。 とはいえすぐに死ぬことに変わりはないのだが。 この調子だと二階の家ゆも全滅だろう。 「ゆうううううっ!どぼじでごんな……げほっ!ごほっ!?」 「げ、げむりざんがとうとうここまできちゃっだわ!?」 「いやだあああっ!じにだぐないぃぃぃ!ばりざはごんなどころでじんでいいゆっくりじゃないんだぁぁぁぁっ!!」 「じね!くぞけむりはゆっくじじないでじねえぇぇぇっ!!」 「ごんなのとかいばじゃないわああああっ!うっ……!?ゆぶぶぶっ……!」 「うぶぶぶぶっ!」 「うげろえおおおおおおおおおおおっっ!!?」 「「「も、もっとゆっくり……したかっ……」」」 最後の最後まで見苦しく足掻いた3匹が一勢に餡子吐き出してペラペラの皮だけになった。 これにて駆除は完了だ。ゆるサンはの煙はあと20分もすれば消えるであろう。 だがしかしこれは……家中に数百という数の家ゆが所狭しと死んでいる光景は家ゆでなくとも吐き気がする光景であろう。 まこと後片付けが大変そうである。死んでも迷惑をかけるのがゆっくりという奴とはいえ…… そしてゆるサンの効果が切れてからしばらくして……帰ってきた女の子が自宅の前にいた。 だがなぜかなかなか家に入ろうとはしない。 「うーん……どうしよう。思い切って……いやでもなあ~」 「お前……門柱から我が家を覗き込んでなにしてるんだ?」 「あ、お兄ちゃん」 「なんだ?また母さんに怒られでもしたのか?」 「違うよ!いやその……家の中にアレがいてね。で、アレ焚いて帰ってきたんだけど家の中に入る勇気がなくて……」 「はあ?ちっとも言いたいことが理解できんぞ。もうちょっと分かりやすく言えよな」 「うーつまり……」 女の子は部活から帰ってきた中学生の兄に事情を説明した。 まあ要するに、もし家の中で家ゆが大量に死んでたらと思うと怖くて入れないとかそういう事だ。 「なんだお前~来年はもう中学生になるというのにいまだにゆっくりが怖いのかよ!?」 「怖いというよりキモいじゃない!あんなの見るだけでも嫌だよ!」 「はっはっはっ。まだまだお子様だなあ……じゃあ俺と一緒に家の中に入ろうぜ。2人なら怖くないだろ?」 「それは……まあ」 「それじゃ入るぞー。まったくお前はいつまでたっても怖がりな……ん……だか……ら…………?」 「……え?」 ……兄妹が見たものは。家中で黒くなって死んでいるたくさん……とにかくたくさんの家ゆの死骸。 足の踏み場もないくらいに家ゆの死骸が床に転がっている。足元の玄関にも…… 玄関で呆然と立ち尽くしてしばらくそれらを見て黙っていた兄妹だったが…… やがて、うぞぞぞぞっと鳥肌を立てて顔を青くして…… 「うぎゃああああああああああああっっ!?」 「い、いやあああああああああああああっっ!?」 とりあえず絶叫した。 その後、家中の家ゆの死骸を集めてゴミ袋にいれて捨てにいくという苦行を兄は泣く泣くやらされることになる。 妹ちゃんは自分の部屋だけ、これまた泣く泣くちぇんやみょんの死骸を片付けたとか。 これに懲りたらこの家では以後、戸締りを厳重にして家ゆを侵入させないようにしたり 禁避剤を設置したり定期的にゆるサンを焚くなどの家ゆ対策をするようになるだろう。 家ゆはいつ、どこからやってきて、どこにどれだけ家の中にいるのか分かったもんじゃないのだ。 笑い事じゃありませんよ?そこのあなた…… あなたの家は大丈夫ですか?油断しているとほら……あなたのすぐ後ろに家ゆが…… 今まで書いたもの anko3367人間に飼われるというのは… anko3370野良ゆは人間に関わってはいけないという話 anko3379親の罪は anko3401たすけあい anko3410世紀の凶悪立てこもり事件 anko3416選んだのはお前だ anko3440ぷくー!をしてみた anko3486胴つきさんはゆっくりできない anko3501胴つきさんはゆっくりできるね! anko3503じゃまもの anko3509ゆっくりいーたー
https://w.atwiki.jp/may3dcustom/pages/256.html
旦那 あぐたん【住人】 HO-KANKO3(ホカンコサン)は旧名。現在の名称は……名無し子だったか? >要補足あぐたんのみ~子で統一できなかったらしいので、~子なのは確実である。 あぐたんが保管庫さんへの愛と技術と血と汗と欲望と煩悩と努力によって作ったアンドロイド。 そのプロジェクトは「保管庫さん補完計画」と名付けられた。 しかし、保管庫さんの褐色肌を摸すために塗った塗料が温泉に入ることで流れてしまい、計画は破綻する。 水性塗料を用いたのが原因であったようだ。 その他画像 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/3769.html
『いっしょに』 19KB 虐待 実験 思いつき子ネタです 薄暗い部屋の中、一人の男が佇んでいた。 その足下には4匹のゆっくりが、お互いの体を寄せ合っていた。 「ゆ?ここはどこ?」 最初に口を開いたのは母親れいむ、なにが起こっているのかを確認しようとあたりを見回している。 「なんだかここはゆっくりできそうなのぜ、みんなでゆっくりするのぜ~」 自分達の置かれた状況を把握しようともせず暢気な声を出すのは父親まりさ。 体を少しふるわせて周りに家族が居ることだけを確認すると、薄く目を閉じて身体を弛緩させてゆっくりしはじめてしまう。 「ゆっくり~・・・れいむおなかへったよ!」 「ゆぅ・・・ゆぅ・・・」 ぴーぴーと泣きながら餌をせがむのが子れいむ、涎を垂らしながら寝息をたてているのが子れいむよりも一回り小さな子まりさ。 4匹はいわゆる典型的なゆっくり一家だった。 彼らは野生として生活していたところを男に捕らえられつれてこられていたのだ。 と言っても逃げまどうところを無理矢理捕獲されたわけではない、一家そろってねぐらで眠っているところを運ばれたので一匹も状況を把握している者はいなかった。 「やあ」 『ゆゆっ!?』 突如男が声を出し、起きていた三匹が一斉に頭上を見上げる。 「こんにちわ」 男はさわやかな笑顔でゆっくり達を見下ろしていた。 「にんげんさん・・・?」 「そうだよ、人間さんだよ」 「ゆゆ?どうしてにんげんさんがいるんだぜ?まりさのゆっくりをじゃましないでほしいのぜ」 母れいむはわずかに怯え、父まりさは面倒くさそうに眉をひそめる。 一方子れいむは初めて見る巨大な生き物にショックを受け、声も出せずしーしーを漏らしてしまっていた。 「おやおや、驚かせてしまったね、ごめんね」 男は笑顔のままで側にあったティッシュを数枚とりだしてしゃがみ込み、子れいむを持ち上げて濡れてしまったあんよ周りと床のしーしーを綺麗にふき取る。 その様子を見て、まりさはにやにやとした笑みを浮かべた。 「ゆへへ、にんげんさんなかなかわかってるのぜ、まりさたちのどれいにしてやってもいいのぜ?」 「ふふ、それは結構だよ」 男はまりさの調子に乗った発言にも表情を崩さず、子れいむを母親の側に返してやる。 すると子れいむは言葉を発することもできず母れいむと父まりさの頬と床の隙間に身体を潜り込ませ、ぶるぶるとふるえだしてしまう。 「おちび、べつにこわいことないのぜ、このにんげんさんはいいやつなのぜ」 父まりさはすっかりと安心し、おさげを使って寝返りですこし離れてしまった子まりさを引き寄せ子供達に頬ずりをした。 「に・・・にんげんさん、にんげんさんはれいむたちをゆっくりさせてくれるの?」 母れいむは警戒を解いておらず、まりさに軽く身体を寄せながら怯えた表情で男を見上げる。 「ああ、もちろん君たちをゆっくりさせてあげるよ」 男は笑顔で母れいむ達を安心させるように努めて優しい声を出して言った。 「けれどそれは僕の思う方法で、だけどね」 そういった瞬間男の顔からは今まで張り付いていた笑顔が外れ、本当の表情が浮かび上がってしまう。 それは好奇心に魂を売った者の浮かべる狂気に満ちた笑顔だった。 「ゆひぃっ!!」 その危険な香りをいち早く察知した母れいむが恐怖の絶頂に達し、身体をがくがくとふるわせてしまう。 しーしー穴からは押さえきれなかった恐ろしーしーが勢いよくあふれ、床にたたきつけられて飛沫をとばした。 「れいむ、いったいどうしたのぜ?」 鈍感なまりさは男の発する危機感を感じ取れずに、豹変したれいむをおろおろと見つめている。 「だめじゃないか、大人なのにおもらしなんかしたら」 男は先ほど子れいむにしたようにティッシュを取り出し、母れいむをひょいと持ち上げた。 れいむがどかされたことにより父まりさの頬の弾力で床にころがされた子れいむが、あわてて父まりさの身体に駆け寄り不安そうに母れいむを見上げる。 「ゆんやあ!!ゆんやああ!!!」 ばたばたと暴れるれいむの濡れた身体をふき、床に飛び散ったしーしーを丁寧にふき取る。 けれど母れいむは子れいむのように床におろされることはなかった。 「悪い子にはお仕置きが必要だね、でも安心していいよ、僕はとっても優しいから、君を一番最初に”ゆっくり”させてあげよう」 男はれいむを抱えたままでまりさ達からくるりと背を向ける。 「ゆぎっ・・・!」 れいむの口から一瞬悲鳴にもにた声が漏れでる、しかしそれはすぐに収まり、まりさから見える男の背中からは、れいむが暴れているような様子も伺えなかった。 「な・・・なにしてるんだぜにんげんさん、はやくれいむをかえしてほしいのぜ」 ようやっと自分達の身に何かよくないことが起ころうとしているかもしれないという不安を感じ始めたまりさが、そわそわとしながら男に声をかける。 「ごめんごめん、すぐに返してあげるよ」 ごそごそと手を動かして、そばにある腰の辺りの高さの台の上で何事かをした後、男はまりさにむきなおってしゃがみ込み、丁寧にれいむをまりさの隣においた。 れいむはぼんやりとした表情を浮かべて黙っている。 「ゆゆ~ん、れいむおかえりなのぜ、ゆっくりできてるみたいでよかったのぜ」 まりさは下をのばしてれいむの頬をぺーろぺーろと舐め再会を喜んだ。 子れいむも母親にすり寄る、しかし子供ならではの敏感さが何かを察知したのか、子れいむはすぐに怪訝そうな表情を浮かべた。 男はそれを見てふふっと含み笑いをする。 「どうしたんだい、大好きなお母さんだよ」 男が優しげな口調で声をかけても、子れいむは不安げな顔を明るくすることはなかった。 「ふふふ、子供は敏感だね…やっぱりお母さんの声が聞きたいよね」 そういいながら立ち上がり、男は台の上に乗っている2つの箱のようなものに手を伸ばす。 片方は布で覆われており、もう片方にはスイッチやダイヤルが複数取り付けられ、その二つの箱の間を何本もの線がつながっていた。 男は片方の箱についたダイヤルを操作する、すると箱から何かザーザーとノイズのようなものが走り、やがてそれは認識することの出来る音に変化していった。 「…だよ…ゆ…ゆ?まっくだらよ?…ここは…どこなの?」 「のぜ?」「ゆ…」 父まりさと子れいむは箱から聞こえてきた声に顔を上げる。 「おちびちゃん、まりさ、どこにいったの?」 「れいむ?なんでれいむのこえがうえからきこえるのぜ?まりさはここだぜ!」 「おかーしゃん!」 二匹は首をかしげながらも、目の前の母れいむと声のするテーブルの上を交互に見つめ、母れいむの視界を遮るようにして体を揺らす。 けれど二匹の目の前にいる母れいむの目、その他身体一切は先ほどからぴくりとも動いていない。 「ゆ…?みんなどこにいっちゃったの…でもここはあったかいよ…ゆっくりできるよ…ゆっくり~」 困惑する二匹をよそに、箱から聞こえるれいむは夢見心地な声を出す。 その様子を男は口の端をニヤリとゆがめながらただ傍観していた。 「もう、れいむったらなんなのぜ、ひとりでゆっくりするなんてずるいぜ!」 ついに父まりさは自分の理解の及ばない状況に痺れを切らし、母れいむの身体にぽすんと軽く体当たりをした。 すると母れいむの身体はまるで人形を小突いたように抵抗なくごろりと転がってしまう。 「お、おかーしゃん!?」「れいむどうしたのぜ!?」 母れいむの予期せぬ動作に慌てふためく二匹、それを見て男はすっと片足を上げた。 「あはは、そのれいむはれいむだけどれいむじゃないよ、ほら」 男はそういって母れいむをあげた足で小突く、すると母れいむの身体はごろごろと奥へと転がっていってしまった。 「な、なにするのぜ!このぉ!!」 父まりさは憤慨して男の足に力いっぱい体当たりをした、けれどゆっくりの身体がいくら当たったところで男が怯むことはない。 「ふふっ、可愛いねほんと、でも大丈夫だって言っただろう」 父まりさの体当たりを受けていた足がすっと持ち上がる。 力の行き場を失った父まりさの身体は奥へと転がっていく、次の瞬間父まりさの背後でぐちゃりと湿った音がした。 「それ、それ、それ」 ぐちゃり、ぐちゃり、何度も男の足元から音が響く。 男は足を振り上げ、下ろす、ただその単純な動作を何度も繰り返した。 「ゆあ…あ…」 父まりさは言葉を失いただただ男の足元で黒いペーストになっていく母れいむを見つめていた。 「おきゃああああ!!!!」 子れいむが半狂乱になって叫ぶ、転がるようにして母に駆け寄るも、すでにそれは物言わぬ餡の塊だった。 男は父まりさと子れいむの様子にも眉ひとつ動かさず、手を伸ばして布の被った箱をわずかに揺らす。 「ゆゆ?」 するとダイヤルのついた箱から先ほどまでど変わらない母れいむの声が響く、その声に二匹は驚きの表情を浮かべる。 「い、いったいどういうことなのぜ?」 「おきゃあ…しゃん?」 声の聞こえる頭上を見上げる二匹、自然と男と目があった。 「種明かしをしよう」 男は片手で無造作に父まりさの頭をつかみ、もう片手で子れいむとそばで寝息を立てている子まりさを同時に持ち上げた。 三匹を机の上に乗せると、箱のほうに向き直らせ、男は机の向かい側に周り三匹に対面する形をとる。 間には男が先ほどから何度か触れている二つの箱が並べてある、男は箱にかぶせてある布を指でつまみ、三匹を見据えた。 「さあ、感動の再会だ」 男が箱にかけてあった布を取り去る、布で覆われた向こうは透明なガラスに囲われた水槽だった。 その中は透明な液体で満たされ、中心付近に黒い塊が僅かに揺れながら浮いている。 箱の底面からは何本ものコードが延び、隣にあるダイヤルのついた箱につながっていた。 「いったいなんなのぜ…?」 男は依然眠っている子まりさは無視し、口を開いたまま固まっている父まりさと子れいむにわかりやすいようにと ゆっくりとした動作で手を振り、水槽の角を小突いた。 男の手から与えられた衝撃で液面が揺らぐ、するとダイヤルの箱から声が響く。 「ゆゆ?れいむがゆっくりしてるのにじゃまするのはだれ?」 「れいむ!?」 「おきゃーしゃん!?」 こつりこつりと男が何度も水槽を小突くとそれにあわせて、ゆっゆっと母れいむの声が響いた。 「どうだい、わかったかい?」 「なんなのぜ…ぜんぜんわかんないのぜ」 父まりさは男の質問に茫然としながら答える、その視線は男の顔、水槽の中、音のする箱と右往左往し定まらない。 「まいったね、もう少し理解力があると思ったんだけどな、じゃあいっそ”直接”れいむに会ってみるかい」 男があきれたような口調で言うと、父まりさは馬鹿にされているのも気づかずに少し前に出て目を輝かせ始める。 「ゆへへ、はやくれいむにあいたいのぜ、まりさはれいむとゆっくりしたいのぜ~!あ、もちろんおちびたちもいっしょだぜ?」 そう言って後ろにいた子れいむに振り返ったとき、父まりさの帽子ごと男の手が父まりさをむんずと掴んだ。 「おとーしゃん!?」 「ゆゆっ?にんげんさんなにするのぜ、まりさのおぼうしにさわらないでほし…ゆっ?おそらをとんでるみたい!」 男の腕が持ち上がると父まりさのあんよがテーブルから離れ、浮遊感からの条件反射で父まりさが身を引き締めて鳴き声を出す。 しかしすぐに我にかえり、おさげを振り身体をよじって抵抗を始めるも、男は両手で父まりさの身体を拘束してしまう。 「なにするのぜ!なにするのぜ!なにすっゆげっ!!」 父まりさの一瞬の隙をついて男が素早くメスを父まりさの頭に突き立てた。 「あ、ごめんごめん麻酔してなかったね、ま、すぐ済むから」 「い”っ!あががっ!!ぎいぃぃい!!!」 子れいむの前でみっともない悲鳴を上げながら、父まりさは身体に走る鋭い痛みに白目をむいて身体を痙攣させる。 子れいむはそれをただ涙と恐ろしーしーを垂れ流しながら見ていることしかできなかった。 男は慣れた手つきで父まりさの頭に裂け目をつけ、そこに手を入れて素早く引き戻す。 父まりさの体内から引き抜かれたその手に握られていたのは、小さな黒い塊だった。 それをそのまま水槽の中に落とし、男は小さく笑みを浮かべてダイヤルの箱に耳をそばだてる。 「さ、会えたかな?」 「ゆゆ?なに?なんなの?なんかへんだよ?」 水槽に塊が投入された瞬間、母れいむの不安そうな声が箱から響く。 それから少しすると再びノイズのようなものが走り、次に聞こえてきたのは父まりさの声だった。 「ゆ?ここはどこなのぜ?まっくらなのぜ!」 「まりさ?まりさなの!?」 「れいむなのぜ?どこにいるのぜ?」 「へえ、お互い声は聞こえてるのか、声なのかな…?それはまだ分からないなぁ…ふむふむ…」 男は箱を見つめながら顎に手を当てて独り言を漏らす。 「おとーしゃん…おかーしゃん…」 男が注意をそらしている間に、父まりさの身体にすり寄っていた子れいむは父が母と同じ状態になっていることを知ると、 両親の声が聞こえる箱をじっと見つめて声を震わせた。 「あぁ、忘れてた、ま、せっかくだし説明してあげよう」 男は子れいむの頭をひょいとつまむと、その場で手首をひねって子れいむの視線を水槽に向ける。 「これ、キミのお母さん」 男はそのまま水槽の真ん中付近に最初から浮かんでいた黒い塊を指さしてそういった。 「ゆ?」 「これ、キミのお父さん、今入れたやつ」 次に男は先ほど父まりさから取り出した黒い塊を指さして言う。 「ゆゆ~ん、まりさまりさ、ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!れいむにあえてうれしいのぜ、でもここはどこなのぜ?おちびたちはどこなのぜ?」 「今呑気な声が聞こえてきたこれが、二人の声を出力してるスピーカー、声って言っても聞こえるもんじゃなくて 水槽に流れる電気信号や振動みたいなのを音声に出力してるんだ、これが結構調整難しいんだ」 男が説明している間に、二匹の声は混ざり合いながらノイズになってしまう。 「あ、ズレたかな、どれどれ」 それに反応して男が箱についたダイヤルをいじると、再び箱からゆんゆんと楽しげな声が聞こえてくる。 「お分かりいただけましたでしょうか」 「おとーしゃんとおかーしゃんは…いきてりゅの?ゆっくりしてりゅ?」 「んー、まあ生きてるっちゃ生きてるかな、身体は死んじゃったけどね、この黒いのがいわゆる中枢餡子ってよばれてるやつで 人間さんの脳みそみたいなものなのにあたるんだよね、あ、脳みそってのは人間さんの頭の中に詰まってるとっても大事な器官だよ、キミたちと一緒だね これがなくなると人間さんの身体は死んじゃいます、キミたちゆっくりも中枢餡がなくなると死んじゃいます、基本的にはね じゃあ中枢餡だけになったらどーなるの!?っていうのをやってみたわけなんだね、いやぁ実に面白い、こんなんでもゆっくりはゆっくりしてるんだね、すごいよ」 男は説明をしながら自分の世界に入り半ば独り言のように饒舌に言葉を並べていく。 ゆっくりの、それも子供のれいむにそれが理解できるわけもなく、子れいむは男の勢いに圧されて口を閉ざしてじっとしてしまう。 そうこうしているうちに、音の箱から聞こえてくる音声が変化していた。 「ゆゆ!まりさあんまりこっちにこないでね!ここはれいむがゆっくりしてるところだよ!くっつきすぎだよ!」 「れいむこそほっぺがあたっていたいのぜ!ちょっとまりさにもゆずるのぜ!」 男はそれを聞いて目を輝かせ、再び子れいむのことを忘れて水槽にかじりつく。 「おおお?何々、何が起きてるんだ?う~ん………んっ、これでどうだ」 何か思いついたのか、男はおもむろに水槽に入っている液体に指を入れた。 「れいむのあんよをさわってるのはだれ?」 「いたいっ!まりさのあたまをつつくんじゃないのぜ!」 「へえ…ここはれいむのあんよでまりさの頭なのか…へぇ…」 男は少年のように目を輝かせて指を抜いては違う場所に突き立てる。 それに合わせて、指を突き入れるたびに父まりさと母れいむの二匹の声がシンクロして抗議の声をあげた。 「ゆんやああ!!ゆっくりできないよ!」 「やめるのぜ!まりさおこったぜ!ぷくーするのぜ!?」 いつの間にか二匹の中枢餡はゆったりとした水流に導かれてかはたまたそれぞれの意思からか、すぐそばに寄り添うように漂っていた。 「ゆゆゆゆゆゆゆ…まりさこっちにこないでねこっちにこないでねここはれいむのばしょだよれいむのれいむの」 「なにいってるのぜここはまりさのぜれいむのじゃないのぜここはまりさのぜのぜのぜ」 中枢餡の距離が近づくにつれて二匹の声が混乱したように意味不明の内容になっていき、ついに音の箱からは頻繁にノイズが恥じるようになってしまう。 「おっといけない、さて、どうしよっかな…」 男はいったん音の箱のスイッチを切り、器具を使って水槽に入っている二匹の中枢餡の距離を離す。 再びスイッチを入れると、音声がクリアに聞こえたが、二匹の会話の内容は険悪なままだった。 「もうやだよまりさあっちにいってね!」 「れいむこそあっちにいくのぜ!」 「ハハハ、夫婦喧嘩は犬も食わないよね」 男は音の箱の音量を落とすと、テーブルの上で固まっている子れいむに視線を落とす。 「さ、じゃあ折角だからキミも入ってみようか、親子一緒にいたいだろう?」 「ゆ…」 先ほどのやり取りを見て子れいむもやっと目の前の状況がどういうことなのかをぼんやりと理解したらしく、 視線は水槽の中の二つの塊を追っていた。 「れい…みゅ…も?」 「そ、キミもお父さんとお母さんの所へ」 笑みを浮かべた男の手が伸びる、ふと子れいむは視線をそらして明後日の方向を向く。 するとそこには男が解体した父まりさの物言わぬ身体が転がっていた。 「!!!」 男の手が自らを掴みかけたところで、子れいむははじかれたように後ろに跳び男の手をかわした。 「やだ!やだやだしんじゃう!れいみゅしにたくにゃい!」 「死ぬなんて人聞きが悪いな、あの中で生きてるんだって」 「やだやだやだあ!」 子れいむは男に背を向けて駆け出し、未だに寝息を立て続けている妹のもとへ向かう。 「まりしゃおきて!ころされちゃうよぉ!」 「んぅ…あとちょっと…なの…じぇ…」 子れいむが必至で声をかけ体を押し付けて揺さぶるも、子まりさは一向に起きる気配を見せなかった。 そうこうしている間に子れいむのすぐ後ろに男の手が伸びる。 男は無造作に子れいむの髪の毛のひと房をつまみ、ひょいと持ち上げた。 「ゆんやああ!!いちゃいい!かみさんとれちゃうう!れいむのかみしゃああ!」 「うるさいなあもう、悪い子は麻酔無しアーンド荒っぽくしちゃうぞ」 「どうしてこんにゃひどいことするのぉ!?れいみゅたちはただゆっくりしてただけなのおお!」 子れいむは今日何度目かわからない大量の涙をほとばしらせながらもみあげをぴこりぴこりと揺らして悲痛な叫びをあげる。 しかし男は涼しい風でも受けるようにそれを聞き流して、微笑すら浮かべながら言い放った。 「気になるから、そして楽しいから、かな」 ずぶりと、男の人差し指が小さな子れいむの身体に沈み込む。 「ゆぎいぃぃぃぃいいいいい!!!!!」 鋭利な刃物で切られたわけでは無いじっとりとした生々しい痛みに子れいむは全身を痙攣させる。 そのままずぶずぶと奥へ奥へとはいっていく指に意味のある言葉も喋れず、 ただただ口から壊れたスピーカーのように叫び声を絞り出し続け、やがて糸が切れたようにぷつりと全身を弛緩させた。 「んゆ…ゆふぁ~…ゆっくりしていってね!」 「ハローおちびちゃん、おはよう、ちゃんと挨拶できるなんていい子だね」 小さな子まりさがぷるぷると体を震わせて起床するのを男は優しく見守り、声をかける。 「ゆへへ、ほめられちゃのじぇ!ゆゆ?ここはどこぉ?」 子まりさは男の言葉にはにかみ、きょろきょろとあたりを見渡した。 「おとーしゃん!おかーしゃん!おねーちゃん!」 子まりさが声を上げても、それにこたえるものはいない。 「大丈夫だよまりさ、みんな向こうでゆっくりしてるんだよ、まりさもみんなのとこにいきたいよね」 「もちろんだじぇ!ところでおにーしゃんだあれ…ゆ?」 男は子まりさの問には答えずにメスを子まりさの額に突き刺し縦に裂き、素早く中枢餡を取り出した。 子まりさは声をあげる間も無く身体と中枢餡を分離させられてしまう。 それを水槽に入れ、男は慎重に音の箱のダイヤルを操作した。 『----------------------!!!!!!!!!!!!!!!!!!』 ノイズが止みピタリと噛み合った瞬間、絶叫悲鳴怒号などありとあらゆる何かの混じり合った声が音の箱を震わせた。 水槽の中では長時間液体にさらされた一部の中枢餡が溶け出しその輪郭を失おうとしている。 男は唇の端をにやりと吊り上げ、テーブルのそばにあるイスに腰をおろした。 「さ、レポートレポート♪」 広げた紙に男は軽快にペンを走らせていく。 男は音の箱から響く声をBGMに終始上機嫌で作業を続けた。 終わり。 -------------------------------------------- 思いつき小ネタでした、いつか書こうと思って埃がかぶっていたネタを発掘してみたのですが、 楽しんでいただけたでしょうか。 実はこの作品でankoナンバーで数えて50作品目に達したようです。 続きものが滞っていたり、終わりと見せかけて続編を書こうと思っていたりと、 まだまだネタは色々あるのですが、あとは書く時間さえあれば!というところであります。 ここまでやってこれたのは 読んでくれ、感想をいただいたりゆっくりボタンを押していただいたり挿絵をいただいたりした皆々様のおかげでございます。 これからも細々とではありますが活動を続けていくつもりですのでどうぞこれからもよろしくお願いいたします。 あとがき文が過去作も載せているせいで縦にずいぶん長くなってしまっていますので、 次回からは削るかお勧めの作品のみの表記で済ませようと思います。 それではまた次回作でお会いしましょう。 ばや汁でした。 いつも多数のご意見ご感想ありがとうございます! この作品へのご意見ご感想も、どうぞお気軽にお寄せください。 個人用感想スレ http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13854/1278473059/ anko1748 かみさま anko1830-1831 とくべつ anko1837 ぼくのかわいいれいむちゃん anko1847 しろくろ anko1869 ぬくもり anko1896 いぢめて anko1906 どうぐ・おかえし anko1911 さくや・いぢめて おまけ anko1915 ゆなほ anko1939 たなばた anko1943 わけあり anko1959 続ゆなほ anko1965 わたしは anko1983 はこ anko2001 でぃーおー anko2007 ゆんりつせん anko2023 あるむれ anko2068 おしかけ anko2110 とおりま anko2111 おもちゃ anko2112 ぼくとペット anko2223 まちかどで anko2241 かいゆ anko2304 ぼうけん anko2332 とかいは anko2349 たたかい anko2369 ゆっくぢ anko2413 せんたく anko2427 ぶろてん anko2489 あこがれ 前編 anko2588 ひとりぼっちのまりさ anko2807 母の音 anko2887 僕とれいむと秘密基地 anko2949 野良れいむ anko3047 ぶろてん おまけ anko3058 実験01 クッキーボタン anko3067 わけあり おまけ anko3078 げすまりさ anko3090 てのりれいむ anko3096 雨 anko3107 ゆかりん anko3114 命の価値 anko3125 ちるの時々まりさ anko3129 はるですよ anko3452 れいむが愛したれいむ anko3529 てのりれいむと愉快?な仲間達 anko3625 陽射しの中の… anko3635 バトル 餡小話では消えてしまった作品も多数ありますので、過去作を読みたいと思っていただけた方は ふたば ゆっくりいじめSS保管庫ミラー-ばや汁ページ- http //www26.atwiki.jp/ankoss/pages/395.html をご活用ください。
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/3331.html
『小ネタ二本』 2KB 小ネタ お昼休みは ウキウキ ウォッチング 「某演説風」 私はゆうかが好きだ 土で汚れた深緑色の髪を振るいながら花を折ってしまわないように跳ねるその健気な姿には何度も元気付けられた 水を口一杯に含み膨らませた頬を見る度になんと可愛げのある生ものなのだろうと感じ入った 花畑を守るためなら己の命を捨てることさえ厭わないその勇姿に何度奮起させられたことか 生きることもゆっくりすることも捨て全てを花に捧げるゆうかになりたいと思えてしまう 私はゆうかが好きだ。だから、私はこれからゆうかのお花畑を壊しに行く 彼女が精魂こめて作り上げた花畑を絶対的な力で蹂躙する楽しさ 逆らおうとしてもまともに触れることさえできない無力さを嘆くゆうかの怒り 死ぬことを前提とした決死の攻撃すら意味が無いとわかった時のゆうかの絶望感 最後の一本を守ろうと必死に嘆願してくるゆうかの情けない表情 全てが私を満足させてくれるに違いない 期待に胸を膨らませ、私は軽い足取りでゆうかの花畑に向かったのだった 「○○○の夢」 大小さまざまな花が咲き乱れるお花畑の真ん中に、彼女たちは座っていた。 主と従者はその関係を忘れたかのように飛び跳ねじゃれ合い、門番と主の妹は家族のように饅頭肌を重ねあい目を閉じていた。 その横では紫と赤の饅頭が、興味深げに一冊の本を読んでいる。 主が「うー」と鳴けば、従者は「しょうしゃー」と返す。 主の妹が門番に体を預ければ、門番はお下げでしっかりと抱き寄せる。 紫が本の一節にくすりと笑えば、赤もにこやかな笑みを返す。 いつからこの光景を渇望し、夢に見てきたのだろうか。 生まれたときから?それともお姉様に閉じ込められた時から? わからない。 そんな微笑ましい光景を遠くから眺める影が一つ。 形こそはっきりしないものの、それが自分の写し身であることはすぐにわかった。 羨望の眼差しを向けるもう一人の自分。 近づけばきっとあの幸せは壊れてしまうだろう。 もう一人の自分が、おずおずと彼女たちに近づいて行く。 止めなければならない。そう思い、羽に力を込めそれの目の前に飛び出そうとしたものの、 夢の主であるにもかかわらず自分の体は一寸たりとも動いてくれなかった。 能力も、もう一人の自分もコントロールできない自分が嫌になってくる。 もう一人の自分が近づけば近づくほど彼女達の輪郭が曖昧になり、花畑も石造りの地下室の壁へと変わっていく。 彼女たちが薄い靄のようになってしまっても、それが止まることはない。 彼女たちが完全に消え去ってしまった後も、もう一人の自分だけは当てもなく地下室の中をうろうろと歩き回っている。 もう私には何もできない。 そう悟り、私は目を閉じた。 ステキあき anko3211 日記 anko3205 春 anko3174 さとりん可愛いよさとりん anko3116 美味しいピザ饅 anko3069 死んで花実が咲くものか anko2931 ゲスって何?
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/3900.html
『ある迷信』 10KB 愛で いじめ 日常模様 飼いゆ 野良ゆ 現代 お久しぶりです 注意書き *誤字脱字があるかも知れませんがご容赦を *あっさりです *虐待されるゆっくりと愛でられるゆっくりがいます *ネタが被っていたらごめんなさい 『ある迷信』 ある雨上がりの日に買い物帰りらしい男が1匹の野良まりさに通行料(笑)を要求されていた 「そこのにんげん!このみちはまりささまのみちなのぜ!とおりたかったらあまあまをよこすのぜ!」 「ちっ、雨上がりだからゆっくりは大人しくしてると思ったら考えが甘かったか」 「まりささまのいったことがりかいできたのぜ?それともいたいめにあいたいのぜ?」 「うぜぇな、潰すか・・・・お!」 絡まれた男は心底面倒臭そうにまりさを踏み潰そうとしたのだったが、あるモノを見つけるとそれを止めた 「くそにんげんはあたまだけじゃなくおみみもわるいのぜ?ばかなの?しぬの?」 「残念だが今はあまあまは持ってない、その代わりに最高のゆっくりプレイスの場所を教えてやるからここを通してくれないか?」 「ゆゆ!?さいっこうのゆっくりプレイスなのぜ!?」 『最高のゆっくりプレイス』に興味を示したまりさを見た男は更にたたみ掛ける様に話しかけた 「いつでも最高のあまあまが食べれて、最高の美ゆっくりとすっきりーもし放題!」 「ゆゆ!!!!」 「更に寝る時は最高にふかふかなベットで眠れて雨や寒さ、れみりゃに襲われる心配もない最高のゆっくりプレイスだ」 「し、しかたないのぜ!ゆっくりしないでさいっこうのゆっくりプレイスのばしょをまりささまにおしえるのぜ!」 「(ククク・・馬鹿だろコイツ・・・なんでこんな嘘に釣られるんだよ・・・)」 あっさりと『最高のゆっくりプレイス』に釣られたまりさを心の中で嘲笑いながら男は空を指差した 「それじゃ、まりさにはあの空にある虹が見えるか?」 「ゆゆ?おそらのにじさん?・・・・・ゆ!あったのぜ!にじさんがあったのぜ!」 「そう、あの虹の根元に最高のゆっくりプレイスはあるんだ」 男の指差す方を見たまりさはその先にある虹を見つけ、それを確認した男は『最高のゆっくりプレイス』の場所をまりさに教えた 「ゆへへへ、にじさんのねもとにいけばまりささまにふさわしいさいっこうのゆっくりプレイスがあるのぜ」 「さて、最高のゆっくりプレイスの場所を教えたから俺はもう行くぞ」 あるはずも無い『最高のゆっくりプレイス』を想像し顔を緩ませるまりさを尻目に男は立ち去る事を伝えた 「ゆん!ゆっくりプレイスのばしょさえわかればにんげんになんてようはないのぜ!ゆっくりせずにきえるのぜ!!」 「はいはい、ゆっくりせずに消えますよー」 こうして、まりさの虹の根元にある『最高のゆっくりプレイス』を目指す長い旅が始まったのだった 「ゆへへ、さいっこうのゆっくりプレイスについたらまずはびゆっくりとすっきりーしまくるのぜ」 「おい、あんなところに野良がいるぞ?」 「ん?本当だ!」 まりさが『最高のゆっくりプレイス』に着いてからの予定を考えながら虹の根元を目指して進んでいる様子を2人の少年が発見した 「すっきりーのあとはあまあまをむーしゃむーしゃしてそれからそれから・・・」 「何か1匹でしゃべってるみたいだけど・・・・どうする?」 「うわー、完全に自分の世界に入ってるな・・・・あんなのがそこら辺を歩き回ってると景観が損なわれるな!」 「そうだな!善良な一住民としては自分の住んでる町の景観の維持は当然の義務だな!」 「「まぁ、本当はまりさを虐めたいだけだけどな!!」」 これからの方針を決めた少年達はまりさの後を追いかけ、あっという間にまりさのすぐ後ろにたどり着いた そんなとてつもない死亡フラグが立ったのにも関わらずまりさは勝手な妄想を続けながら虹の根元を目指して跳ねている 「ふかふかさんですーやすーやしたら・・・」 「おい!そこのまりさ!」 「にんげんをどれいにしてせかいをせいっふくして・・・」 「ゆっくりの分際で人間様を無視してんじゃねえよ!!!!」 まりさに話しかけた少年達だったが、まりさは気付かずにどんどん先に進んでゆく ゆっくりに無視された事に腹を立てた片方の少年はまりさを背後から蹴飛ばした 「ゆぼっ!」 「おー、飛んだ飛んだ」 「ゆべっ!いだいいいい!おもにこうとうぶとおかおがいだいいい!・・・ゆゆ!!どうしてくそにんげんがいるのぜ!!!」 蹴飛ばされたまりさは綺麗に顔面着地を決め、痛みにしばらく悶えた後にようやく少年達に気がついた 「そんなの俺が蹴り飛ばしたからに決まってんだろ」 「あはは、そんなことも分からないなんて馬鹿だろ、死ねよ今すぐに」 「どれいのぶんざいでしゅじんのまりささまにこんなことしてただですむとおもってるのぜ!」 「何言ってんだこいつ?打ち所が悪くておかしくなったか?」 「最初からおかしかったから、もしかして足りないゆっくりって奴じゃね?」 「けど普通に喋ってるし・・・足りてないゆっくりじゃなくて残念なゆっくりか?」 「あははは、なんだよ残念なゆっくりって!ははは、だけどいいね!残念なゆっくり!うん!残念なゆっくりまりさ!!」 「だろ?もう全身から滲み出る残念オーラが半端じゃないだろ?」 「やめてくれ、笑い死にさせる気かよ、はははははは」 妄想の中では世界征服を果していたまりさは奴隷である人間が自分に危害を加えた事を攻め立てるのだったが まりさの妄想など知らない少年達はまりさを大笑いしながら馬鹿にし始め、それを聞いたまりさは更に怒りで声を張り上げた 「ふざけるなあああ!まりささまはさいっこうのゆっくりプレイスでさいっこうにゆっくりするさいっこうのゆっくりなのぜ!」 「はぁ?最高のゆっくりプレイス?そんなの聞いたことあるか?」 「いや、この辺にゆっくりが住めそうな公園も空き地も無いはずだし・・・」 「ゆへへ、ゆっくりしてないにんげんはしらないのぜ!にじさんのねもとにはさいっこうのゆっくりプレイスがあるのぜ!」 『最高のゆっくりプレイス』と言われても何の事だか分からない少年達は心当たりを探すが見当も付かずに頭を傾げた それを見て気分を良くしたまりさは男から聞いた話を自慢するように少年達に聞かせるのだったが 「・・・・・ぷっ!あははははは!聞いたか?なぁ、今の聞いたか!?」 「ははは!聞いた!虹の根元の最高のゆっくりプレイスだって!あはははは」 「ゆゆ!なんなのぜ!なんでわらってるのぜ!!なにがそんなにおかしいのぜ!!」 急に笑い出した少年達、どうして笑われるのか分からないまりさはその理由を問い詰めた 「いやいや、だってお前・・・」 「ちょっと待った!良い事思いついた!ちょっと耳かせよ」 「あー、なるほど・・・」 少年が笑っていた理由を説明しようとすると別の少年がそれをとめて、まりさに聞こえないように耳打ちし始める 「ゆ!なにこそこそしてるのぜ!!いまならどげざしてないてあやまればはんごろしでかんっべんしてやるのぜ!」 「はあ?誰がお前みたいな糞饅頭に土下座なんてするかよ」 「まりささまはさいっこうのゆっくりプレイスでさいっこうにゆっくりするさいっこうのゆっくりなのぜ!いちばんえらいのぜ!」 「最高の無駄使いし過ぎだろ」 「それにまだ最高のゆっくりプレイスに行ってないし、それにお前はここで永遠にゆっくりするんだし」 その様子が気に入らなかったまりさは少年達に食って掛かるが、少年達はそんな事は気にもせずまりさがここで死ぬ事を宣言した 「なにいってるのぜ?まりさはさいっこうのゆっくりなのぜ!えいえんにゆっくりするはずないのぜ!そもそも・・・」 少年の口から出た言葉に心底信じられないと言う顔をして自分がどれ程ゆっくりしたゆっくりかを説明しようとするまりさだったが それを遮る様に少年達はまりさと虹との間に仁王立ちすると3流漫画に出てくる悪役の様な口調で自分達の正体を打ち明けた 「フハハハハ!実は何を隠そう我々はあの最高のゆっくりプレイスを守る番人なのだ!!!」ドヤッ! 「そう!我々に勝てたゆっくりは最高のゆっくりプレイスに!負けたゆっくりは永遠にゆっくりさせるのだ!!」ドヤッ!! 「ゆっへん!それならもんっだいないのぜ!まりささまはさいっきょうなのぜ!」ドヤッ!!! 「糞饅頭がドヤ顔してんじゃねえよ!!ぼけかすが!!!!死ねよゴルァァァァァァ!!!!!」 「ごばっああああああ!いだいいいい!まりざのぷにぷにのほっぺさんがあああ!よぞらにまたたくほしのようなおめめがああ!」 まりさのドヤ顔にイラっときた少年はキャラ設定を無視してまりさを思いっきり蹴り飛ばした 顔の半分を陥没させて痛みにのた打ち回っているまりさから別の少年が帽子を奪い取って徐々に破いていく 「ほらほら!何時までもそんな所で寝てると大事な帽子がどんどん大変な事になるぞー」 「ゆんやああああ!!まりさのさいっこうにくーるなおぼうしにひどいことしないでね!!やめてね!かえしてね!!」 「騒いでる暇があったら自力で取り返してみろよ!最強なんだろがよ!!この糞饅頭!おらっ!!」 「ゆぎゃああああ!どぼじで!まりさはさいっこうのゆっくりプレイスでゆっくりするはずだったのにいいい!どぼじでえええ」 その後も少年たちによって散々痛めつけられたまりさは、糞饅頭から生ゴミへとクラスチェンジしゴミ箱に捨てられた こうして、まりさの虹の根元にある『最高のゆっくりプレイス』を目指す長い旅(笑)は幕を閉じたのだった 数日後の晴れた日、まりさに『最高のゆっくりプレイス』の場所を教えた男は飼いゆのちぇんと共に自宅の庭に居た 「んー!今日も良い天気だ!」 「わかるよー!たいようさんがとってもゆっくりしてるんだねー」 「さて、花壇に水でも撒くか」 「このあいだのあめさんからぜんぜんあめさんがふらなかったからねー」 男が水道のバルブを捻ると蛇口から出た水がホースを通り、男の持っていたノズルから霧状になって花壇に降り注いだ 「あー、この間の雨って言えば・・・・・あのまりさはどうなったやら」 「おにいさん、どうかしたの?わからないよー」 「いや、この間野良に絡まれてな」 男は野良まりさに絡まれ、虹の根元にある『最高のゆっくりプレイス』を教えた事をちぇんに話した 「わかったよー、そんなことがあったんだねー」 「そうそう、嘘だと知らずに本当に野良は馬鹿だよな」 「わからないよー!」 「ん?どうした?なにがわからないんだ?」 男はちぇんの『わかるよー』が聞こえて来るものだと思っていたのだが、予想外の『わからないよー』に驚き理由を尋ねた 「ちぇんはおにいさんといっしょにくらせてすごくしあわせーなんだよ」 「ああ、俺も今の生活には満足してるぞ」 「おにいさんはにじさんのねもとにはさいっこうのゆっくりプレイスがあるっていったんだよねー」 「ああ、人間の間で伝わってる迷信って言うか作り話で誰も信じちゃいないがな」 「すごくしあわせーなここはちぇんにとってさいっこうのゆっくりプレイスなんだよ!それに・・」 ちぇんは霧状の水が降り注いでいる花壇を2本の尻尾で指し、満面の笑みを男に向けながら続ける 「にじのねもとのさいっこうのゆっくりぷれいすはここなんだよー!おにいさんはうそつきじゃないんだよーわかってねー」 「ああ、なるほどな・・・」 尻尾が指した花壇には小さいながらも綺麗な虹が掛かっており、ちぇんからすればここが『最高のゆっくりプレイス』なのだろう 「それじゃ、最高のゆっくりプレイスの名に恥じない様に今日のおやつはホットケーキにするか!」 「わかるよー!!ほっとけーきさんはとってもゆっくりできるんだねー!!」 ちぇんの答えに満足した男は水撒きをやめ、ちぇんを抱き上げるとそのまま家の中へと戻って行く 1人と1匹は気付かなかったが空にはその様子を見守るように男の家から伸びるような1本の綺麗な虹が出ていた あとがき 空に掛かった虹を見つけて書いてみました ふたば系ゆっくりSS感想用掲示板(あるあきスレ) http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13854/1292297462/ あるあきの今まで書いた物 anko1826 『殴る』 anko1842 『伝える』 anko1862 『蹴る』 anko1989 『ある日の午後』 anko2040 『加工所in宮城』 anko2238 『ある山で』 anko2269 『ある公園で』 anko2492 『ある秋のゆっくり』 anko2581 『ある赤い目のゆっくり 前編』 anko2670 『ある赤い目のゆっくり 後編』 anko2834 『ある男の気分転換』 anko2871 『加工所in宮城 2』 anko2942 『ある幸せなゆっくり』 anko3024 『ある騒がしい午後』 anko3297 『ある遊びとれいむ一家』 anko3454 『ある選ばれたモノ達』 anko3473 『あるすーぱーむーしゃむーしゃたいむ』 anko3618 『あるドアとゆっくり』
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/3587.html
『ゆっくりしているゆっくり』 11KB 虐待 考証 現代 虐待人間 独自設定 ビキビキ度が半端じゃないと思うよ! ゆっくりしていってね! ……ゆっ?どうしてれいむがあいさつをしたのに、にんげんさんはあいさつをしてくれないの? あいさつのしかたがわからないの? ふう……まったく、うまれたばかりのおちびちゃんでもあいさつのしかたなんてしってるのに こんなじょうっしきっもしらないなんてほんとうににんげんさんはゆっくりしていないね! しかたないかられいむがあいさつのしかたをおしえてあげるよ! こういうんだよ!ゆっくりしていってね! ……はいはいゆっくりゆっくり? はあ~……まったく……あいさつもろくにできないなんてひととしてどうなんだろうね? きっとまともなきょうっいくっをうけてないんだろうね!まったくおやのかおがみてみたいよ! どうせゆっくりできてないだめおやにちがいないんだろうけどね!げらげら! ゆぅ~~ん?おっと、このおにいさんけいたいさんをとりだしていじりだしたよ! れいむをむしするきなんだね!おおっしかとしかとっ! あいさつができてないのをしてきしたらこんどはむしするきなんだね! まったくなさけないにんげんさんだねっ!たゆんとのこみゅにゅけーしょんもできないなんて きっとにーとさんでおまけにひきこもりさんにちがいないよっ! ぷぷっ!ほんとにゆっくりしてないね!にーとさんなんてしゃかいのごみだよ! ゆっ?にんげんさんがれいむをにらんでいるよ! ずぼしをさされておこったのかな?むかついたのかな?まったくふってんがひくいね! ちょーっとれいむがあおったら、すぐはらをたてるなんてね!ばかまるだし~だよ! そんなによゆうがないせいしんこうぞうしてるから、ゆっくりしていないかとうせいぶつなんていわれるんだよ? ゆっくりりかいしたらはんっせいっ!してね! おおっこわいこわい!いよいよけんのんけんのんだよ! にんげんさんがれいむをけろうとしているよ!ぎゃくたいするきまんまんだね! りくつでかてないからってすぐぼうりょくにうったえるやばんないきものの、ほんりょうはっきだよ! げしっ! れいむけられてころがるよ!おおっいたいいたい! でもえいえんにゆっくりするほどのいたさじゃないね!きっとてかげんしてるんだろうね! ゆっ?にんげんさんがれいむをほっといてどこかへいこうとしてるよ! きっとれいむにいいまかされたのがくやしいんだね! だからとりあえずぼうっりょくっでだまらせて、そのすきにとうぼうするきなんだよ! そしたらあとでこういうんだろうね! のらゆっくりがうるさかったからけりいれてだまらせてやったって!ぷぷぷっ!しょうりせんげんおつ~~!! ほんとうはかてなかったくせにかてたとねつっぞうっしていいきになるつもりなんだね! いかにもゆっくりしていないにんげんらしいゆっくりのしかただよ!げらげらげらげらっ!! ゆゆ~~?にんげんさんがひきかえしてきたよ! みけんにあおすじさんをうかびあがらせているね! おそらをとんでいるみたい!……ゆん!れいむをおもちかえりするきなんだね! わかってるよ!れいむをかいゆっくりにするために、つれかえるわけじゃないってことくらいわかってるよ! おうちにつれかえっておもうぞんぶんぎゃくたいふるこーすでいためつけるためなんだよね! わかるよ!おそとじゃほかのにんげんのめがあるもんね! じぶんにぎゃくたいしゅみがあるなんて、せけんさまにしられたくないんだよ! まったくしょうしんものだね!ぎゃくたいおにいさんなんてみんなこんなちきんさんばかりだよ! いいよ!れいむおうちにつくまでおとなしくしててあげるよ! ゆっくりぎゃくたいしていってね! それでにんげんさんがゆっくりできるかどうかはしらないけどね! でもれいむはゆっくりさせてもらうよ! ……ゆっ?おはようにんげんさん!きょうはどんなぎゃくたいをれいむにするの? あんよさんはもうやいたよね!れいむのあんよはやけこげてもううごけないよ! あまぎりさんでもする?わざわざおめめをかたほうのこしてくれてるしね! おかざりをびーりびーりしてもいいよ!もうほとんどのこってないけどね!げらげら♪ ああ、かみさんをひっこぬいてもいいし、まちばりさんやくぎさんをはりねずみさんのようにさすのもいいね! それともおくちさんをほっちきすさんでとじちゃう? でもそれじゃれいむのひめいがきこえないからにんげんさんがすっきりー!できないよね! れいむうっかりー!しちゃったよ! うーん……あとは……そうだ!れいぱーありすにれいむをまたれいぽぅさせるのはどうかな! れいむにおちびちゃんをつぎつぎとうませて、おちびちゃんをれいむのめのまえでころすんだよね! おちびちゃんのひめいもきけて、れいむにせいしんてきくつうをあたえられるからいいぎゃくたいだよね! まあにんげんさんがそれでゆっくりできるかどうかはしらないけど! れいむのおちびちゃんたち、みんなゆっくりうまれてゆっくりしんでいったものね! ゆっくちうまれりゅよ! うまれちぇしゅぐににんげんさんにたべられりゅよ!ゆっくちー! まちばりしゃんでぷーしゅぷーしゅしゃれりゅよ!いちゃいにぇえ~♪ ふらいぱんしゃんでやかれりゅよ!おいちくたべちぇね!しゅてるんにゃらちゃんとふんべちゅしてしゅててね! ゆっ?なんでにんげんしゃんはゆっくちちてないにょ? ありちゅたちはきょんにゃにゆっくちちているのににぇ! ゆぷぷ!きょーんなちっちゃいおちびしゃんにいーらいーらしちぇるなんてみっちょもないにぇえ! あかちゃんにしゅらかちぇにゃいにんげんしゃん!もっちょゆっくちちていっちぇにぇえ~♪ げらげらげらげらっ!! ゆ~ん♪みんなゆっくりしたおちびちゃんばかりだったよ! にんげんさんがぜんゆんころしちゃったけどね!みんなゆっくりしたかおでしんでったよ! またおちびちゃんうませてね!れいむがうんだおちびちゃんはすきにぎゃくたいしてね! もちろんれいむをぎゃくたいするのもおっけーだよ! ……ゆん?れいむにききたいことがあるの?いいよ!なんでもゆっくりこたえてあげるよ! ぎゃくたいされてなんでへいきなんだって?いたくないのかって? ゆ~へんなこときくね?もちろんいたいしくるしいよ! しんだおちびちゃんもちゃんといたいっていってたでしょ!いたいいたいされたらくるしいのはとうっぜんっだよ! でもいたくてくるしいのに、れいむたちはへいきだよ!なぜなら…… れいむたちはゆっくりしているゆっくりだからね! ゆっくりはゆっくりさえしていればそれでしあわせー!なんだよ! なんかみんなごかいしてるみたいだけどね! ごはんさんをむーしゃむーしゃするのも、おうちですーやすーやするのも、 おちびちゃんをうむのも、みんなみんなゆっくりするためのただのしゅだんさんにすぎないんだよ! べつにそんなことしなくてもゆっくりさえしていればそれでゆっくりできるんだよ! ぎゃくたいさんのいたいいたいもゆっくりできるよ! いたいのがすきっていうてんこみたいなのもいるものねっ!だからいくらでもやっていいよ!? え?でもそれでれいむがしんだからどうするんだって? しんだらたべることもねることも、おちびちゃんをつくることもできなくなるだろって? ふぅ~~~……………にんげんさぁ~~ん……どうしてそんなていどのひくいしつもんするかなあ? じゃあぎゃくにれいむがにんげんさんにきくよ? えいえんにゆっくりするからって、だからなんだというの? しんだらもうむーしゃむーしゃできなくなる?すーやすーやもしあわせー!もできない? ……ゆぷぷっ!かんけいないよ!ゆっくりはゆっくりさえできればそれでいいっていったでしょ! ゆっ?しんだらそのゆっくりもできなくなるだろって? しぬなんてなにもとくべつなことじゃないよ! だってれいむがしんだらすぐまたどこかでべつのれいむとしてうまれかわるだけだから! しってるでしょ?ゆっくりはけしてぜつめつしないんだよ! にんげんさんがくじょすればしただけ、べつのどこかでくじょされたかずのゆっくりがかってにうまれてくるんだよ! ぷぷぷぷっ!そんなこともしらないであせみずたらしてゆっくりをくじょするにんげんさんは ほんとうにごくろうさまだね!むだなどりょくおつだよ! ゆゆっ?なにかな?そのばけものさんをみるようなめは? にんげんさん、だんだんれいむがこわくなってきたんだね! いくらいためつけてもれいむはけろりとしているからね!きみがわるくてころすのもできないんでしょ! れいむをくるしめられない、こころもおれないでしかたなくころすんじゃにんげんさんにとってまけだものね! ほんとにんげんさんにはやすっぽいぷらいどさんしかないね! ぎゃくたいおにいさんなんてしょせんこのていどだよ!ぷぷっ!おおっあわれあわれ! ねえくやしい?れいむのこころをおれなくてくやしい? ならころせばぁ~~?いいよぉ~?いつでもむごたらしいほうほうでころしていいんだよぉ~~? にんげんさんがゆっくりしないでいっしょうけんめい、れいむをぎゃくたいしているのをみながら れいむはゆっくりしながらえいえんにゆっくりするだけから! れいむのゆっくりをうばうことだけはむりだからあきらめたほうがいいよ! ゆふ~~ん!それにしてもまったくれいむはほんとうにゆっくりしているよ! なんでれいむがこうまでゆっくりしているかききたい?ききたくない?いいからきいてね! それはね……にんげんさんがゆっくりしていないからだよ! にんげんさんがゆっくりしていないのをみればみるほどれいむはゆっくりできるんだよ! ざまぁぁ!にんげんさんゆっくりできなくてざまぁぁぁぁっ! ゆっくりしてないにんげんさんをみて、れいむゆっくりー!だよ! にんげんさんはずっとゆっくりしないでね!かわりにれいむがゆっくりしてあげるからね! …………ゆっ?どうしたの?もうれいむをぎゃくたいしないの? え?もういい?つかれたしどうでもよくなった? にんげんさんのはいぼくせんげんがついにでたよ!れいむのかちだね! ねえねえいまどんなきもち?えらそうにしているにんげんさんがくそまんじゅうにまけていまどんなきもち~~~~? ぶざまぁぁぁぁっ!にんげんさんはほんとうにぶざまだね! くそまんじゅうのれいむにまけたはいっぼくかんっにおもうぞんぶんうちひしがれてねぇぇぇっ!? ゆゆっ?おれんじじゅーすさんをれいむにかけてどうするつもりなの? ぎゃくたいしたからだをなおしてやる?とたんにたいどがひくつになったね! もなかさんをたべるかって?すっかりどれいこんじょうがしみついたようだね! おれはてきとうにくつろぐからおまえもすきにしろ?ゆ、ゆふん!いわれなくても……れいむ……は………… …… ……… ………す……な ゆ……く……する……な……! ゆっくじ……ずるなぁぁぁぁっ!! ぐぞにんげんんんんっ!おばえいまゆっくじじているなぁぁぁぁっ!? ゆっくりじている「ふり」じゃなぐで! ほんどうにっ!ごごろのぞこがらっ!おばえいまゆっぐじじでいるだろぉぉぉぉっ!? れいぶをなめるなぁぁ!おばえがゆっぐりじでいるかどうかぐらいけはいでわがるんだぁぁぁっ! やべろぉぉぉぉっ!!ゆっぐじずるなぁぁぁっ!! おばえがゆっくりずるどれいぶがゆっくじでぎないだろぉぉぉぉっ!? なに、はれやかなかおじでるんだぁぁぁっ!れいぶにこれだけいわれでくやしぐないのかぁぁぁぁっ!! のんびりてれびさんをみるなぁっ!れいぶにあばあばをもっでぐるなぁっ! りらっくすしてくつろぐなぁ!ゆっくじずるなっ!ゆっくじじていいのはれいぶだけだぁ! ゆっくじ……!ゆっくじ!ゆっくじ! ゆんやあああああっ!ゆんやあああああああっ!?ゆっぐりでぎないぃぃぃぃっ!! けんじゃもーどさんはゆっくりでぎないぃぃぃぃっ!! やべろぉ!ぞのやるだげやってずっきりじた、はれやがなかおをずるのはやべろぉぉぉぉっ!! ゆっ!ゆっ!ゆっゆっゆっゆっ!ゆっくじっ!ゆっくじぃぃぃぃ!! ぱっぴぷっぺぽおっ!ぱっぴぷっぺぽおおおおおおおおおっっ!!? …………も、もっと……ゆっくじじたがっ……だ…… ゆっくりは元々、他者をゆっくりさせることで自分もゆっくりするという種族である。 だが現在のゆっくりは自分がゆっくりするのに夢中で他者をゆっくりさせる事など忘れてしまった。 現在のゆっくりはただただひたすらに人間を不快にさせるだけの存在でしかない。 だが……もし「他者をゆっくりさせる事で自分もゆっくりできるゆっくり」から 「他者をゆっくりさせない事で自分がゆっくりできるゆっくり」に段々進化していったらどうなるだろうか? とにかく人間を不愉快にさせることに喜び、すなわちゆっくりを見いだすゆっくりの登場。 あらゆる苦痛を与えてもゆっくりできると感じるゆっくり。 それはまさに虐待鬼意惨でもどうにもできない新たなゆっくり種の進化といえる。 で、その「もし」の進化の結果が上記の有様である。ゆっくりがこのように進化したとき、 人間は忘れかけていた本当のゆっくりをゆっくりによってもたらされるのかもしれない…… まあそんな日は多分こないだろうが。 後書き いつの間にか十作越えていたのか…… 別に名無しでもかまわないけどとりあえず次までに名前考えとくかなあ。 今まで書いたもの anko3367人間に飼われるというのは… anko3370野良ゆは人間に関わってはいけないという話 anko3379親の罪は anko3401たすけあい anko3410世紀の凶悪立てこもり事件 anko3416選んだのはお前だ anko3440ぷくー!をしてみた anko3486胴つきさんはゆっくりできない anko3501胴つきさんはゆっくりできるね! anko3503じゃまもの anko3509ゆっくりいーたー anko3526気持ち悪い!
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/3406.html
『たーみれいぱー』 12KB 虐待 改造 駆除 群れ れいぱー ドスまりさ 現代 虐待人間 ぺにまむ 元ネタとは一切関係ない内容です。 れいぱー無双です。 改造ゆっくりが出ます。 タイトルの元ネタとは一切関係のない内容となっております。 一部、下品または卑猥な単語が使われております。 とある森の中にドスまりさが治めるゆっくりの群れがあった。 「そろーり・・そろーり・・」 その群れのすぐ近く。 群れに所属する1匹のゆっくりまりさが狩りをしていた。 「そろーり・・そ、ゆん!・・・ゆわ~~~い! まりさ、ゆっくりしたいもむしさんをつかまえたよ! かりのめいじんでごめ~んね~♪」 芋虫を獲ることに成功し喜ぶまりさ。 そこへ1匹のゆっくりが近づいてきた。 「ゆっ?ありす?」 それはゆっくりありすだった。 そのありすは何故か皆サングラスを掛けていた。 (ゆぅ・・・へんなありすだよ。 だけどまりさはそんなことでさべつしたりなんかしないよ。 いいこでごめ~んね♪) 奇妙な姿のありすを不信に思ったまりさであったが、一先ず挨拶することにした。 「ありす!ゆっくりしていってね!!!」 「・・・・・・・・」 「ゆっ?」 しかし、ありすは返事をしなかった。 「ゆっくりしていってね!!!」 「・・・・・・・・」 聞こえなかったのかと思いもう一度挨拶をしたが、ありすからの返事はなかった。 「ゆー・・・」 (せっかくまりさがあいさつしてるのにあいさつしてくれないなんて ぜんぜんゆっくりしてないありすだよ。) 困惑するまりさ。 返事をしてくれないありすにますます不信感をつのらせる。 一方のありすはというと。 (ユックリマリサ一体ヲ確認。バッジ無シ。マタ、体ノ汚レヤ飾リノ破損具合カラ、 野良マタハ野生ノユックリデアルト断定。ヨッテ、コレヨリターミレイプヲ開始スル) 『んほー!!』 ありすが突然雄叫びを上げた。 それはありすが『ある存在』であることを示していた。 「ゆああああああああ!れいぱーだあああああ!」 絶叫するまりさ。 すぐさまその場から逃げだそうとするがあっさりと組み敷かれてしまう。 『んほっ、んっほほん!』 「ゆぎゃあああああああああああ!!やめでえええええ!すっぎりしたくないいいいいい!」 逃げようと必死に暴れるまりさであったが恐怖の余り体がうまく動かない。 『んほっ、んっほほん!』 「すっぎりいいいいいいいいい!」 あっさりとすっきりしてしまい、体から大量の茎を生やしてまりさは息絶えた。 どういう訳か、その茎には赤ゆは1匹も実っていなかった。 『んほっ、んっほほん!』 まりさがすっきり死したのを確認したれいぱーありすはそのままドスの群れへと向かった。 「さっきのひめいはなに!?」 「ゆっくりできないよ!」 「とかいはじゃないわ!」 「あえぎごえ、くろずみてぃんぽ?」 訳(さっきの悲鳴ってまりさなんじゃ?) 「まりさになにかあったのー?わからないよー?」 ちょうどその時、群れではまりさの悲鳴を聞いた群れのゆっくりたちが 各々の巣穴から出てきて何事かと騒いでいた。 『んほっ、んっほほん!』 「ゆぎゃあああああああれいぱーだあああああ!」 「どうしてれいぱーがいるのおおおおおお!わからないよおおおおお!」」 「たすけてドスううううううう!」 「むきゅううううううう!」 「まらああああああああああああ!」 そこへ突撃するれいぱーありす。 群れのあちこちで悲鳴が上がる。 群れのゆっくりたちは次々と襲われていく。 『んほほーーーーーー!ん~ほ~ほおぉ~~~!』 「ゆああああああたずげでえええええええ!すっきりいいいいいいい!!!」 「わからないよおおおおおおお!らんしゃまああああああああ!すっぎりいいいいいいい!!!」 『んほほーーーーーー!ん~ほぉ、んーーーほおぉ~~~!』 「むぎゅうううううう!ずっきりいいいいいいい!!!」 「おなちゅーーーー!」 訳(ぱちゅりーーーー!) 『んほほーーーーーー!ん~ほ~ほおぉ~~~!』 「まらあああああああああああああ!ふくじょうしいいいいい!!!(すっきりいいいいいい!!!」 「こんなのとかいはじゃないわあああああ!ずっぎりいいいいいいい!!!」 『ん~~~~~~~ん~~~ほ~~~ほぉ~~~』 れいむが、ちぇんが、ぱちゅりーが、みょんが、次々と襲われていった。 また、れいぱーありすは同族のありすまでも襲った。 「みんな!いまたすけるよ!」 「ドスー!」 「ゆわーい!ドスだー!」 「たすかったわー!」 そこへ、ようやくドスまりさがやって来た。 すぐさまれいぱーありすに攻撃を加える。 「みんなをくるしめるれいぱーはせいっさいするよ!ドススパーク!」 ドスがドススパークを放った。 『んほっ、んっほほん!』 「ゆっ!」 しかし、れいぱーありすはゆっくりらしからぬ俊敏な動きでドススパークを避けた。 「くらええええええ!」 『んほっ、んっほほん!』 「ゆっ!?にげるなあああああああああ」 「どうしてこっちにくるのおおおおお!たすけてええええええ!」 『んほっ、んっほほん!』 「ゆんやああああああああ!」 『んほっ、んっほほん!』 しかし、れいぱーたちはドスの巧みな動きで次々と回避していき、 逃げるゆっくりばかりを襲った。 「ゆがああああ!にげるなあああああああ!」 怒り狂うドス。 「ドススパーク!ドススパーク!ドススパーク!」 怒ったドスはドススパークを連射した。 『んほっ、んっほほん!』 しかし全て避けられてしまう。 「ゆがあああああああああ!ドスス「まってドス!」ゆっ!?ぱちゅりー?」 再びドススパークを放とうとしたところ、群れの参謀のぱちゅりーが止めに入った。 「やみくもにドススパークをうつのはとくさくじゃないわ。 それに、キノコさんはもうそれでさいごのはずよ。 ここぞというときにとっておかないときけんだわ」 怒りのあまり、ドスはドススパークを撃ちすぎてしまい、 ドススパークの基となるキノコが残り一つとなっていた。 「ゆ・・・で、でも・・このままじゃみんながえいえんにゆっくりしちゃうよ」 「むきゅぅ・・・それはそうだけど・・・」 途方に暮れる2匹。 『んほっ、んっほほん!』 「やめちぇえええええええ!!れいみゅしゅきりちちゃくにゃああああああい!! たちゅけちぇ!!おきゃあしゃああああああああん!!」 「おちびちゃん!」 『んほっ、んっほほん!』 「しゅっぎりいいいいいいいいい!!」 「おちびちゃああああああああああん!!」 『んほっ、んっほほん!』 「ゆぎゃああああああ!!すっきりいいいいいい!!」 2匹が悩んでいる間にも群れのゆっくりたちが次々と襲われていた。 「どうてーちじょ!おなちゅー!」 訳(ドス!ぱちゅりー!) そこへ群れの幹部であるゆっくりみょんがやって来た。 「みょん!?」 「ちーんぽ!ひにん!」 訳(みょんに良い考えがあるよ) 「むきゅ!?ほんとなのみょん!!」 「ゆっくりおしえてね!」 「ちーんぽ!まぐろ!」 訳(みょんが囮になるよ) 「ゆっ!?」 「むきゅ!?」 驚くドスとぱちゅりー。 さらにみょんは続ける。 「どうてーちじょ!しゃせー!ちーんぽ!やりまん!ちんぎりたまつぶし!」 訳(その間にドスはドススパークでみょんごとれいぱーを討つんだ) 「なにいってるのみょん!そんなことしたらみょんもえいえんにゆっくりしちゃうわよ!」 「そうだよ!そんなのぜんぜんゆっくりできないよ!」 「なかだし!」 訳(それ以外に方法はないよ!) 「でも!」 「どうてーちじょ!!」 訳(ドス!!) 「ちーんぽ、らんこー、ぜっちょー」 訳(みょんはみんなといっしょにゆっくりできてとっても幸せーだったよ!) 「みょん・・・」 「ちんーぽ!!!」 訳(ゆっくりしていってね!!!) 突然みょんがドスとぱちゅりーに『ゆっくりしていってね!!!』と言った。 「「ゆっくりしていってね!!!」 「いーでぃー!」 訳(さようなら!) つられて返答してしまうドスとぱちゅりー。 その間にみょんはれいぱーのもとへ駆けていった。 「「はっ!!みょおおおおおおおおおおん!!!」」 我に返るドスとぱちゅりー。 しかしそのときにはもう手遅れだった。 「ぱいっぷかっとおおおおおお!!」 訳(くらえええええええええ!!) みょんはれいぱーへ飛び掛かった。 『んほ!』 しかしれいぱーは素早い動きでみょんの攻撃を避けると みょんの背後へ回り込み襲いかかった。 「きんてき!!」 訳(ぐはっ!!) バックから激しく攻められるみょん。 「「みょおおおおおおおおおん!」」 叫ぶドスとぱちゅりー。 「ちんかすぺろぺえええええろおおおおおお!!」 訳(今だやれええええええええ!) 「みょん!くっ!」 みょんが2匹に向かって叫んだ。 みょんの意図を理解したドスは口にスパークキノコを放り込む。 『んほ!』 れいぱーがドスがスパークを撃とうとしていることに気付いた。 すぐさまドススパークの射線上から離脱しようとする。 「やりにげえええええええ!!」 訳(逃がすかああああああ!!) 『んほ!?』 しかし、みょんはまむまむをキュッと閉めてれいぱーが逃げれないようにする。 「ドススパーーーーーク!!」 『んほ・・・』 「あなる・・・ふぁっく・・」 訳(みんあ・・・さようなら・・) 閃光がみょんとれいぱーを包み込んだ。 閃光が消えた後、そこには焼け焦げた饅頭が2個転がっていた。 夕暮れ時 ドスとぱちゅりー、それに群れの生き残ったゆっくりたちが1カ所に集まり みょんと犠牲に群れの仲間たちを偲んでいた。 「みょん、それにみんな・・・ごめんねドスがもっとしっかりしてれば・・・」 「ドスのせいじゃないわ。みんなれいぱーがわるいのよ」 「わかるよードスはわるくいないんだよー」 「そうよそうよ」 「えいえんにゆっくりしちゃったみんなのためにもゆっくりしようよ!」 「みんな・・・ありがとう」 生き残った群れのゆっくりたちに励まされ、 永遠にゆっくりしてしまったみんなのためにも、 生き残った群れのみんなをゆっくりさせてあげようと心に誓うドスであった。 『・・ほっ、んっ・・・ほん・・・』 「ゆっ?」 どこかから何かが聞こえてきた。 それに気付くドス。 そして、やつらは現れた。 『んほっ、んっほほん』×たくさん 陽光を受け光り輝く金髪。 『んほっ!んっほほん!』×たくさん 古のバベルの塔のように雄々しくいきり立つぺにぺに。 『んほっ!!んっほほん!!』×たくさん 全てを飲み込んでしまうような漆黒のサングラス。 『んほほーーーーーー!ん~ほ~ほおぉ~~~!』×たくさん 木の後ろから 岩の影から 茂みの中から 『んほほーーーーーー!ん~ほぉ、んーーーほおぉ~~~!』×たくさん 草をかき分け 小石を飛び越え 木の枝を踏みしめて 『んほほーーーーーー!ん~ほ~ほおぉ~~~!』×たくさん 百近い数のれいぱーありすが現れ、ドスたちの四方八方を包囲していく。 『ん~~~~~~~ん~~~ほ~~~ほぉ~~~』×たくさん その間、ドスたちは目の前の出来事が信じられずただ眺めているだけだった。 『んほっ、んっほほん!んほっ、んっほほん!んほっ、んっほほん!んほっ、んっほほん! んほっ、んっほほん!んほっ、んっほほん!んほっ、んっほほん!んほっ、んっほほん!』×たくさん あっと言う間に包囲されるドスたち。 逃げ場は無く、ドススパークも使えない。 「どうしてれいぱーがこんなにたくさんいるのおおおおおおお!!」 「むぎゅうううううううう!!エレエレー」 『んほおおおおおおおおおおおお!!』×たくさん 「ゆぎゃあああああああああああああああ!!」×たくさん 数分後。 そこには体中から大量の茎を生やしたたくさんのゆっくりたちの死がいが散乱していた。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 場所は変わって、とある一軒家。 そこのリビングには数人の男女が大きなテーブルを中心にイスに腰掛け、リビングに置かれたテレビを見ていた。 そのテレビの画面上では、サングラスを掛けたれいぱーありすたちが ドスまりさや野良ゆっくりたちをれいぽぉしていた。 「フッフッフ♪」 ほぼ全員が困惑の表情を浮かべてその映像を見ている中、ただ一人だけ得意げな表情をした女性がいた。 彼女の名は改造お姉さん。 ゆっくりを改造するのが大好きな虐待お姉さん兼マッドサイエンティストだ。 これまでに数多くの改造ゆっくりを生みだしており、 その度に、試験運用と称して改造ゆっくりを使って野良ゆっくりを虐待していた。 「ふふん♪どうだい、圧倒的だと思わないかい?」 どや顔で全員の顔を見渡すお姉さん。 数人ほど目を逸らした。 「・・・えーと・・質問していいか?」 困惑する男女たちの中、一人の青年が訪ねた。 「いいとも♪」 「何これ?」 画面に映ったれいぱーありすを指差す青年。 「ボクが野良ゆ駆除のために開発した改造れいぱーありす。その名も『たーみれいぱー』さ。 れいぱーありすの体内に特殊な機械を埋め込むことで、その行動をコントロールすることに成功。 その結果、特定のゆっくりだけを襲うれいぱーありすを作り出すことに成功したのさ。天才でごめ~んね♪」 「・・・何でれいぱーありすなの?」 「一部を除いて、ほとんどのれいぱーありすはすっきりをすることしか考えていない。 だから、普通のゆっくりよりもコントロールがしやすいのさ。 それに大半のゆっくりはれいぱーありすを恐れるから反撃されることがめったにない」 「あのサングラスは何?」 「野良の攻撃から目を守るのと、普通のありすと識別するためのものだよ」 「・・・なるほど、それじゃあ最後の質問」 「何だい?」 「そのたーみれいぱーとやらが野生ゆたちを襲っている映像を、 なんで俺の誕生日パーティーで上映したんだ?」 男女が囲っているテーブルの中央には大きなバースデーケーキが置かれていた。 今日は青年の誕生日で、親しい友人たちが集まって誕生パーティーを開いたのだ。 「最高の誕生日プレゼントだと思わないかい?」 「帰れ」 完 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 八手あき 以前書いたもの anko1354 捨てゆを拾ってみた anko1358 焼き芋を買ってみた anko1366 ゆ虐戦隊!!ヒャハレンジャー!!! anko1377 みんなのうた 大きなドスまりさ anko1386 ごめんなさい anko1398 カスタードキムチ鍋 anko1405 ぜんこーしてみた anko1417 みんなのうた むらむら anko1440 やまめに出会った。 anko1455 虐隊見参!! anko1499 壊れるまで anko1591 けーねとちょっとSなお姉さん anko1655 まりさをゆっくりさせてあげた anko2286 赤ゆを虐殺してみた anko2358 帰ってみたらなずーりんが anko2564 れいむをゆっくりさせてあげた anko2651 赤バッジ青バッジ anko2799 畑さんでゆっくりしようね anko2800 我が家のゆっくりたちをいじめてみた