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まりさの誕生 4の続きです 春 今日も授業は続いている 今は歴史の時間だ、幻想郷の成立…は昨日やったから今は吸血鬼騒動の話だ その時あの変異まりさがいきなり立ち上がった(というより半分つぶれた恰好からしゃきんとした) 「みんな!!!いまこそゆっくりのときだよ!!!」 その瞬間、寺子屋を地震が襲ったような激しい震動 天井を突き破り、障子を突き破り、畳を突き破り、慧音のスカートの捲り、掛け軸の裏から壁を突き破り 変異まりさとほぼ同じ大きさのゆっくりまりさが教室に乱入した その数ゆうに10匹以上…! まりさたちは逃げ惑う子供たちを踏みつけ、口にくわえ、下でからめ取っていく 我に返った慧音が戦闘態勢をとった時にはほとんどの生徒がゆっくりにつかまり、迂闊に手が出せない状況だった 「くっ…まりさ!!これはどういう真似だ!!!」 「ゆっゆっゆっゆ…けーね、まりさはこのときをずっとまっていたんだよ!にんげんにふくしゅうするそのときを!!」 ゆっゆっゆっゆ…と10匹ものまりさが汚い笑い声をあげる 慧音の後ろに隠れていた二人の子供がおびえて慧音にしがみついた 人間に復讐?確かに初めてこのまりさがここに来た時はそんなことも言っていた だが人間には勝てないと悟り共存の道を探ろうとしていたんじゃないのか? くそ!何でこんな時に妹紅はあのニートと殺し合いなんてやっているんだ!! 「うごいちゃだめだよ、けーね、うごいたらこのこたち、ゆっくりできなくなるよ」 「「そこでゆっくりみていてね!!」」 子供が人質に取られては慧音には何もできない そんな慧音の心を知ってか知らずか、まりさのうちの一匹が踏みつけていた女の子の頭にかみついた 「なっ!!」 「い、いやぁぁ!!先生!!けーね先生!!助けて!!」 「やめろっ!!私はどうなってもいいから…子供達には手を出さないでくれ!!!」 まりさは一瞬で子供をほとんど丸呑みにしてしまった 膝から先だけは口からはみ出しており、その足が痙攣していることだけが少女がまだ生きていることを伝えた 「ぺーろぺーろゆっくりー!!」 時折足の痙攣が激しくなる、どうやら口の中で舐めまわしているらしい そしてついにその足まで口の中に消えてしまった 「あ、ああ…」 「これでゆっくりできるね!!」 「うん!ゆっくりー!!」 「き、貴様ぁ!!」 「い、いやだ!!僕は食べないで!!」 「助けて!先生助けて!!」 慧音は一気に飛び出そうとした 子供に怪我をさせてしまうかもしれない しかし今自分の目の前で人を食べたこいつらは何としても消さなければいけない しかし慧音の動きが止まった、さっき少女を食べたゆっくりがいきなり震えだしたのだ 「ゆっ、ゆぎゅう…ゆっゆっゆっゆっ…」 慧音と子供たちの間に笑顔が戻った、きっとスレ的にこのゆっくりの皮を突き破って食べられた少女が飛び出す そして笑顔でさっきまで自分が入っていたゆっくりの死骸を食べながら 「これおいしーよ!」 と、天使のような笑顔を慧音に向ける それからみんなで寺子屋大饅頭大会だ、ゲストで阿求を呼んでもいいかもしれない そんな慧音の機体は一瞬で裏切られた 「ゆっくりー!!」 「すっきりー!!」 なんとまりさの体からほとんど同じ大きさのまりさが飛び出してきたではないか!! その帽子や紙には食べられた少女の服の切れ端が付いている 「ゆゆっ、せんせー!みんなー!ゆっくりになるのってとってもゆっくりできてサイコーだよ!!」 「な、なんだって!?」 「これぞぜんゆっくりとぜんじんるいをすくうきゅうきょくのけいかく!!ぜんじんるいゆっくりけいかく!!」 「ゆっくりとにんげんのあらそいをなくすためににんげんをゆっくりにしようというけいかく!」 何が起こっているんだ!? 慧音の頭は混乱しっぱなしだった 全人類をゆっくりにする!?そんなバカな!!しかし今目の前にいるあのゆっくりはなんだ!? まさか本当にあのゆっくりがあの子だったというのか!? 「さあ!こうたくん!わたしがゆっくりにしてあげる!!」 「みんなもゆっくりになろうね!!」 ゆっくり達が一斉に子供たちを食べ始める 「いかん!!お前たち、逃げるんだ!!」 慧音は自分の後ろにいた二人に向って叫んだ 急いで寺子屋の外に向かって走る二つの背中、しかしそれは畳を突き破った二つの饅頭に呑まれて消えた そのあと、畳から4匹のゆっくりまりさが飛び出してきた 「あ、ああ…」 「さあ!あとはけーねひとりだよ!!」 「だいじょうぶだよせんせー!ゆっくりになっていっぱいゆっくりしようね!!」 「ぼくたちにまかせてね!せんせー!!」 「けーねせんせいのおっぱい、おっぱい…」 たくさんのゆっくりに囲まれる、しかし慧音は動けない ここで戦えば子どもたちも傷つけてしまう もうかれらは寺子屋の生徒ではないのに ゆっくりの舌が何本も伸びてくる 舌が体中を舐めまわしている 何匹かのゆっくりが発情している そして目の前に現れる一匹のゆっくり、それは最初にゆっくりになったあの少女だった 「や、やめてくれ…」 「せんせー、わたし(僕)(まりさ)のなかで」 「「「ゆっくりゆっくりになっていってね!!!」」」 「い、嫌だあぁぁぁぁ!!!!!」 毛布を蹴とばして飛び起きる ここまで怖い夢を見たのはたぶん生まれて初めてではないだろうか? ああ、なんて夢を見てしまったんだ しかもゆっくりになってしまうところまで見てしまった気がする 暗い暗い餡子の海で服を切り裂かれ、体の隅々まで舐めまわされ、あんこを浸みこまされる そして日出る国の天子のようにゆっくりから飛び出して… 忘れよう、この夢はなかったことにしよう まりさと生活をはじめて半年近くたった まりさは定期的に巣に戻っているらしい、最近森のゆっくり達が 「ゆっくり」「にんげん」各ゆっくり種の名前 をひらがなで読めるようになった事 まだ安定供給とまではいかないがなんとか農耕が軌道に乗り始めたこと そんなことを報告してくれた どうやらその森のゆっくりも知能はけた外れにいいらしい このまりさの慕うぱちゅりーの影響だろうか そういえば近頃子供たちがこのまりさを「ドスまりさ」と呼ぶようになった 理由を聞いてみたところ、ボウガンでゆっくり狩りをしている男が 「あの大きさじゃあドスまりさだな」 と話しているのを聞いたらしい まりさ自身もこの名前で呼ばれるのを気に行っているらしい これから慧音もドスまりさと呼ぶようになった ドスまりさは今日も定期報告のために森への道を走って行く 農作業をしているおじさんと挨拶してすれ違う (ゆっくりを虐めていたがみたいだが森のゆっくりじゃない屑だからスルー) 今回はありすに「名前」について教えよう それはゆっくりのゆっくりたるゆえんを破壊してしまうかもしれない でも、それでも人間は名前を使っている 森の仲間もきっと屑からの脱出をしてくれる 農作業はうまくいっただろうか? 進み具合によっては字が読めるゆっくりを連れて人里に行ってもいいかもしれない 人間のルール取得を兼ねて、お菓子屋さんで野菜とお菓子を交換してもらおう そこまで考えてドスまりさの動きが止まった おかしい、いつもならそろそろ見張りのゆっくりがいるはず ドスまりさはここをいいゆっくりの楽園とすると同時に屑なゆっくりから完全に隔離した 「ゆっくりふぉーとれす」 に改造しようとしていた もし外からの屑ゆっくりが入ってきたばあい、仲間との衝突は免れない 最悪発展途上中の仲間が屑になる そうなったらおしまいだ そのため、仲間の集落の付近に見張り用の巣と、その内部にほかの見張り巣につながるトンネルを掘らせた 3匹ひと組で見張りに当たり内部に侵入しようとした他のゆっくりには丁重にお引き取り願う そして集落の中心部からは見張り巣よりも外側まで続く脱出用トンネルも掘らせた 最悪の場合、ここから脱出したゆっくりが人里まで行き、自分に助けを求める 人間にあったときに「どすまりさにあわせてください!!!」と言えば大丈夫だと伝えておいた この脱出用トンネルは平時に外部からの侵入を防ぐため、開通寸前で工事をやめている 最終的には人里で見た「えあがん」とかいう道具をゆっくりで自作 見張り巣と、各防衛ラインとして掘った堀の内側に配備する これならゆっくりは殺せて人間は殺せない、いいゆっくりと人間が共存するに当たり、最適な武器になるはずだ だがこの武器の制作には自分も成功していない この計画が完成するのは自分が死んだ後だろうと思っていた ゆっくりふぉーとれすの中心部は地獄だった 巣穴はとことん埋められ、脱出用トンネルはあちこち陥没している ゆっくりせいてんとして慧音に書いてもらった人間のルールの本はびりびりに破かれている さらにみんなで収穫を楽しみにしていたはずの作物は根こそぎ取られ、代わりに原形をとどめていないゆっくりの死体が埋まっていた いったい何があったのだろうか? れみりゃの群れに襲われた? それはない、れみりゃに後れを取らないだけの知能をここのゆっくりは持っている じゃあゆふらんの群れ? その可能性も低い、だってみょんにはみょんによく似た人間を参考に木の棒の装備を義務付けた 敵に突き刺すことしかできないがれみりゃやふらん程度なら撃退できるはず 事実過去にも何度か撃退したという話を聞いていたじゃないか!! 「…」 その時畑の中の死体が動いた いや死体じゃない、まだ生きている 「どぉし゛た゛の!?どおじでごん゛なごとにな゛っ゛た゛の゛ぉ゛お゛!!」 そのゆっくりはぱちゅリーの後を継いだあのありすだった 「ま、まりさ…きてくれたんだね…でもすこし…ゆっくりしすぎだよぉ…」 ゆっくりしたことに文句を言うありす しかしその顔は怒っていない、死ぬ前に友達に会えたことを喜ぶ、とてもゆっくりした顔だった アリスの話によるとこうだ 見張り巣のローテーションは三日ごとに交代だった だが、三日たって交代のゆっくり達が見張り巣に向かったがどのゆっくりも見張り巣から帰ってこなかった なにかあったのだろうか、緊急事態だろうか 今すぐ見張り巣に誰かを向かわせるか それともふぉーとれす最強の「みょん・あさると・ちーむ」(以下MAT)の出動を要請するべきか その会議のために集落のゆっくりが集まったところで異変が起きた ツタと竹を組み合わせた罠が大きな音をたてた、侵入者だ 音が鳴りやまない、数が多い ついにツタが切れてしまったのか竹が地面に落ちた すぐに大人ゆっくりとみょん・あさると・ちーむがその方向に向かう 彼らが見たのはゆっくりの地獄だった 視界を埋めつくさんばかりの発情したゆっくりありす、それが草木をかき分けながらこっちに向かってくる 先頭集団が最終防衛ラインの堀に落ちた、この里のゆっくり以外なら上る方法も渡る方法も判らない そのはずなのにありすは止まらない 敵は堀に落ちた仲間を踏み台にしてこっちに迫っているのだ えらいことになってしまったとMATのリーダーは思った このみょんは木の棒で今まで4匹のれみりゃと2匹のふらんを葬った 木の棒でれみりゃに突撃し、自分が傷つくことなく木の棒で敵をえぐり、引き抜く そんな芸当のできるみょんすらをも恐怖させるありすの群れはすぐ目前まで迫っていた 「ちんっぽー!!ぜんいんとつげきー!!」 戦いの火ぶたは切って落とされた むしろ集団レイプといった方が正しかったのかもしれない 「ゆゆ!!れいむはみぎにいくよ!!みんなゆっくりがんばってね!!」 「まりさはひだりだね!!」 「ちぇんはみょんのうしろだね、わかるよー!!」 これはたいれみりゃ用戦術 MATが正面から突撃し、他の普通部隊はれみりゃが逃げないように左右をふさぐ ちぇんはMATの後方に位置し、MATを突破してれみりゃをせん滅する いままでこの方法でれみりゃに勝ってきた だがてきはありすだ、しかも数までこちらが不利 「ちんぽー!むげんえいこうつきー!!」 みょんが木の棒をくわえたままありすに体当たりする ありす三匹が串刺しになったがみょんもまた、離脱のタイミングを逃し串刺しになった そのみょんの死体を犯しながらありすが突き進む MATは接敵から30秒で全滅した 味方の怒声が中心部まで聞こえてきた どうやら敵の方が優勢らしい 「ゆっ!こうなったらわたしがしゅつげきするわ!!」 ありすが予備の部隊をひきつれて援軍に向かった 一方的だった 大人のゆっくりは全員犯され朽ち果てるか重傷を負った 敵はまりさをリーダーとするゆっくりの群れだった いろんな種が混じっていたが異常なのは通常群れにいることが少ないアリスが1000匹近くいたことだ そのありすもほとんどが敵のゆっくりに食われ今、敵の群れの規模は100匹近くになっている 生き残り、虐待され、ありすに侵されながらもありすはこの群れは心底屑だと思った その後敵の群れはフォートレスの生き残りを全滅させ 野菜が生えてこないことに腹を立て、死体を畑に埋めていずこかへ去っていったという ありすは言った 「きっと…だれかがここのことをあのまりさにおしえたのよ…」 だれだ、こんなことをした屑中の屑は、旅ゆっくりだろうか? たしかに数世代掛けて幻想今日中を回り歩く旅ゆっくりという変わり者はいる だが彼らには他の群れの情報は教えないというルールがあったはずだ 「まりさ…おねがい…ありすの…ありすのこ…」 そこまで言って、ありすは力尽きた どすまりさはついにゆっくりのなかままで失ってしまった 途方にくれながら人里に向かう 帰ろう、そして慧音に頼んで野生のゆっくりを皆殺しにしてもらおう そんなことを考えながら、ドスまりさは寺子屋に向かっていった そのころ寺子屋の生徒二人がドスまりさの悪口を言いながら橋を渡っていた 冬の雪崩で落ちてしまい、急遽かけたその場しのぎのものであるため子供は近づいてはいけないといわれていた 「いまごろどすまりさのやつどうしてるかな?」 「きっと「どおじでごん゛なごとにな゛っ゛た゛の゛ぉ゛お゛」とか言ってるよ」 「大体生意気なんだよあいつ、饅頭のくせに俺たちより頭がいいなんて」 そう、彼らがほかのゆっくりに 「あの森は最高のゆっくりぷれいすだ」 と吹き込んでいたのだ それがただのゆっくりだったら問題はなかっただろう たいてい無視するか、忘れるか、もし衝突してもふぉーとれす陥落という事態にはならなかったはずだ だが、その時情報を聞いたのはあの群れの中の一匹だった その群れはありすを道具にすることを思いついたまりさをリーダーとしていた 他のゆっくりの集落をアリスに襲わせ、奪い取る、増えすぎたアリスは間引きし、群れの仲間の餌にする そしてその集落周辺のえさを貪り尽くし、枯渇させ、次の集落へ向かう その群れはまず見張り巣のゆっくりを襲った 一匹の見張りから10匹以上の子供を産ませ、アリス種以外はありすの餌になった その結果集落本体を襲う時に1000匹単位のありすの大群になってしまったのだ ドスまりさは里に向かう途中、そんな二人組の子供を見つけた 声をかけようと近づく、その時二人のいた橋がミシリと音をたてた このままでは崩れる、でもあの二人は気付いていない はしれ、ドスまりさ これいじょう仲間を失うわけにはいかない いまは慧音と寺子屋の子供たちだけが仲間なのだから 「ゆっくりだめえぇぇぇぇ!!!」 バチーン!!という派手な音がして子供二人が吹っ飛ぶ 手加減したため、腰を強く打ったかもしれないが二人は無事だ その直後、橋が崩れた よかった…ドスまりさは安堵した だが、その光景を猟師が見ていた、それに気づいた子供たちがにやりと笑うと嘘泣きしながら駈け出した 「助けておじさん!!あのドスまりさに殺される!!」 ドスまりさは里の広場に連れて行かれ、村人たちに農具で叩かれていた 自分は悪いことはしていない、そう言いたかったが口をふさがれていたため声が出ない そして抵抗もしない、人間には勝てないからだ ドスまりさの視界の隅で寺子屋の子供たちが泣いていた、そしてそれを慧音がなだめていた 視界の中央では自分が助けた二人組が自分に石をぶつけていた 慧音と目があった、慧音は泣いていた それを見て、慧音は自分を信じていてくれていることに気づく (ありがとう、けいね、おかげでゆっくりできるよ) 慧音が里にいる限り、いつの日か人とゆっくりが一緒にゆっくりできるだろう (おとうさん、おかあさん、ふたりはくずだったけど、ふたりがいたからここまでおおきくなれたよ) あの両親が自らを犠牲にしなければ今ここに自分はいなかった (ぱちゅりー、こんどはまりさがまもってあげるからね) そしてあのぱちゅりーがいなければじぶんはどうなっていたか (でもおねえちゃんたち、おまえたちはゆっくりしね) ドスまりさは最期まであの姉たちの愚行を許せなかった 「おはようございます、黒く正しいきめぇ丸でございます」 「ああ、おはよう…やはり一面記事はこれか」 「まったく、がっかりですよあのゆっくりだけは私と対等のまともなゆっくりだと思ったのに」 それは誤解だと目の前で高速ステップを踏むきめぇ丸に言いたかったがやめた どうせ今行っても無駄なことだ きめぇ丸は残像を残しながら、唯一のゆっくりの友人の死を悼みながら新聞を配り続けた ありすの子供が脱出用トンネルから抜け出した その子孫が真のゆっくりフォートレスを作り出すのは博麗の巫女が4代代替わりした頃である むろん、それまでゆっくりが生存していればであるが 番外編へ あとがき 遂に完結しました なんかどんどんカオスになっていって最後異様に長くなったけど許してね!!! ドスまりさの最期 5 7月28日 2129 セイン このSSに感想を付ける
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ちーちー注意! 性格の悪いゆっくりがいます。 俺設定ありです。 ____________________ 「なんなの・・・?このこは・・・?」 お母さんまりさは驚いていた。 このお母さんまりさはたった今出産を終えたばかり。 お腹型にんっしんだったので生まれた子は2匹だった。 先に生まれた赤ちゃんはお母さんに良く似た、とってもゆっくりした子だった。 きれいな帽子、金色の髪、ちっちゃなリボン。 「ゆっくちちていってね!」と声を上げる姿には、思わず顔が綻んでしまう。 しかし後から生まれた赤ちゃんゆっくりは不思議な姿だった。 金髪の髪にちっちゃなリボン。間違いなくまりさ種の赤ちゃんである。 しかし 大きく違ったのは そのこの帽子は 貝殻だった 『赤ちゃんまりさとまりさつむり』 帽子が無いわけではないので、ゆっくり出来ない子ではない。 しかし明らかに形の違う帽子(貝殻)を持っている。 それでもでもそのこが「まりさ種」と認識する事が出来る。 まりさつむりは本来水辺に生息するゆっくりまりさの亜種。 こんな森の中に貝とは場違いというものである。 しかしそんなことを知らないお母さんまりさは混乱していた。 自分ひとりでは解決できないと思ったお母さんまりさは、 同じ群れのぱちゅりーに相談することにした。 このまりさ一家は小さな群れに所属していた。 群れといっても、いわゆる「ドスまりさ」を中心としたような大規模なものではない。 このまりさ一家以外に、2つのれいむの一家、一人暮らしのぱちゅりーという小さなものである。 「むきゅ!そのこは“まりさつむり”よ!」 まりさ一家の巣にやってきたぱちゅりーは言った。 「まりさつむり?」 「そうよ!れっきとした“まりさ”よ!それもとってもめずらしいのよ!」 それを聞いた、先に生まれた赤ちゃんまりさ(以降姉まりさ)は 「ゆ!まりちゃのいもーとはとくべちゅ!しゅごい♪」 と自分のことのようによろこんでいる。 そりてぱちゅりーはまりさつむりについて知っている事を話した。 数が少ないこと、貝殻が帽子の代わりであること、貝殻は普通の帽子よりお水に強いことなど。 「でもどうしてその“まりさつむり”がうまれたんだろう・・・?」 「きっとまりさがとってもゆっくりしたおかあさんだから、かみさまがさずけたんだわ!むきゅん☆」 「ゆぅ、じゃあこのこはとってもゆっくりしたあかちゃんなんだね!」 「いもーと、ゆっくち!」 自分がゆっくりしたおかげで生まれた「まりさつむり」。特別な子。 そんなゆっくりの母親になれたことを素直に誇らしく思った。 当の赤ちゃんまりさつむりは「ゆぅー?」とくびを傾げるばかりだったが。 「おかーしゃん、おなかがすいたよ!」 「ゆっくちぺこぺこだよ!」 ぱちゅりーが巣を後にしてからほどなくして、2匹の赤ちゃんは空腹を訴えた。 「ごめんね!すっかりおそくなっちゃったけどさいしょのごはんにしようね!」 そういとお母さんまりさは、巣の蓄えの中からえさを持ってきた。 生まれたてはまだ十分にものを咬む力が無いので、出来るだけ柔らかいものを選んだ。 そしてある程度の量を集めて、巣にあるテーブル(ただの拾った小箱だが)に置いた。 「さあ、あかちゃんたちいらっしゃい!ごはんよ」 「ゆ!ごはんたべりゅよ!」 「ゆっくち!」 ぴょこぴょこと跳ねてテーブルに近づく姉まりさ。 ぴょんっとテーブルに飛び乗ると、早速ごはんにありついた。 「むーちゃ、むーちゃ、しあわちぇー☆」 その様子を見て思わず笑顔になるお母さんまりさ。 なんてゆっくりした子だろう。何てゆっくりした笑顔だろう。 見ているだけで癒されるようだった。 しかしもう1匹の赤ちゃんがまだやってこないことに気づいた。 「しゅーり、しゅーり・・・」 何故か口で足音(?)をつぶやきながら赤ちゃんまりさつむりは這うように近づいていた。 そう、まりさつむりはその貝の重さゆえ“跳ねて移動する”ことが出来ないのだ。 もともと水辺に住むまりさつむりは、藻などを主食とするため狩りを行う事がほとんど無い種である。 移動能力の変わりに外敵から、そして水から身を守る貝殻をてに入れたのがまりさつむりなのである。 そのためゆっくりとしか移動できないのである。 必死で近づく赤ちゃんの姿を見たお母さんはおもわず駆け寄った。 この子はゆっくりとしか移動できないという事が、流石に理解できたのだ。 そして赤ちゃんまりさつむりをくわえると、テーブルまで運んだ。 「ゆ♪おかーしゃん、はやいはやい♪」 そしてぽんっとテーブルにのせてあげた。 「またせてごめんね!ゆっくりたべてね!!」 「ゆっくちいただきます!」 ようやく食事にありつけた赤ちゃんまりさつむりは、しあわちぇー☆と声を上げた。 そんな様子を見ていた姉まりさ。お母さんに運んでもらったのが羨ましかったのだろう。 「ゆ!じゅるーい!まりちゃもはやいはやいちたいよ!!おかーしゃんやってやって!!」 「だめよ!あなたはじぶんでぴょんぴょんできるでしょ!」 「ゆぅ・・・」 そして食後、二匹の赤ちゃんはじゃれあって遊んでいた。 「ゆーころころー♪」 「おねーちゃん、くるくるー♪」 ころころと転がる姉まりさとそれを目で追う妹。 何の遊びをしているのか全く分からないが、二匹は楽しそうだった。 そんなときである。 「ころころー、ゆっ!」 ぽこんっ、と転がっていた姉まりさが、妹にぶつかってしまった。 ひっくり返る二匹。様子を見ていたお母さんも心配そうだ。ところが、 「ゆぅ・・・ゆ・・・!いちゃいいいいい!」 声を上げたのは姉のほうだけである。 姉まりさはぶつかったときに貝殻の突起部にぶつかったのだ。 餡子が出るほどの怪我ではないが、それでも内出血のように餡子がじんわりにじんでいた。 「ゆぅ・・・!ゆっくちできないぼうちだね!!ぷんぷん!!」 涙目になりながら姉まりさは妹の貝殻を引っ張りだした。 「やめちぇよ!おねーちゃん!まりちゃわるいことちてないよ!!」 「まりちゃがいちゃいいちゃいなのは、そのゆっくちできないぼいしさんのせいだよ!!ゆっくちりかいちてね!!」 「やめちぇぇぇぇぇ!!」 はじまる姉妹喧嘩。 思わずお母さんまりさが割ってはいる。 姉まりさは思った。お母さんが妹を叱ってくれる。ゆっくり出来ない帽子さんをどうにかしてくれる。 「なにしてるの!」 怒られたのは姉のほうだけであった。 「なにいっちぇるのおかーしゃん!まりちゃいちゃいいいちゃいなんだよ!?わるいこともちてないよ!?」 「だまりなさいね!ぶつかったのはあなたのほうからでしょ!!」 「でも・・・いもーとのぼうしさんが・・・」 「だまってね!!!ゆっくりあやまってね!!!」 「・・・ゆぅ・・・ごめんなちゃい・・・。ゆっ・・・ゆっ・・・ゆぇぇぇぇぇぇぇん!!」 「おねーちゃん・・・」 お母さんまりさの言い分は当然のものだが、理解できない赤ちゃんである姉まりさは、おもわず泣きながらその場を去ってしまった。 どうして自分だけ謝るの?悪い事してないのに?痛いのは自分だけなのに? 2匹の赤ちゃんが生まれてから数日が経過した。 能力の異なる姉妹への対応はどうしても差が出てしまう。まりさつむりの移動能力の低さは特にそれを顕著にした。 それは姉まりさにとっては「妹ばっかり贔屓されてる」と思ってしまうものでもあった。 甘えたいさかりの赤ちゃんである姉まりさにとって、なんとも面白くないことである。 いつも、食事のときは妹だけ母親がテーブルへ運ぶ。 いつも、お外に出るときは妹だけ母親の帽子に乗せててもらえる。 いつも、ちーちーのときは妹だけ母親がお外へ連れて行く。 いつも、妹だけ、いつも、妹だけ、いつも・・・・ また、特別な姿を持つ妹の姿はすぐに群れ住む、れいむの一家にも伝わった。 「ゆ!ふしぎなおぼーち!」 「かわいいあかちゃんだね!」 「ゆっくりしてるよぉ・・・」 「とくべつなあかちゃん、ゆっくりそだってね」 「おかあさんもはながたかいね!!」 「ゆっくち!いっちょにゆっくちちよう!!」 遊びに来るれいむ一家にちやほやされる妹。 決して姉が無視される訳ではないが、“ついで”のような扱いが気に入らなかった。 しかし、文句を言ってもお母さんに叱られる。 表にはそんな気持ちを出さずに、出せずにいた。 (まりちゃだってかわいいのに!おかーしゃんのあかちゃんなのに・・・!!) そんなある日のこと。 巣の蓄えが少なくなってきたことから、お母さんまりさは狩りに出かけることにした。 「これからおかーさんはごはんをとってくるからね!おなかがすいたらテーブルのごはんをたべてね! おねーちゃんはいもうとのめんどうをちゃんとみてあげてね!!!」 「ゆっくちいってらっちゃい!!」 「いってらっちゃい・・・」 「ふたりとも、いいこにおるすばんしててね!!」 お母さんまりさは巣穴の入り口を隠すと、巣を後にした。 ほどなくして、妹のまりさつむりは暇をもてあましたのか歌をうたい出した。 「ゆー♪ゆんゆんー♪ゆっくちちちぇってねー♪」 「うるちゃいよ!!ゆっくちできないからしずかにしてね!!」 突然姉に怒鳴られた。訳が分からない妹は戸惑う。 「ゆぅ・・・おねーちゃんどうちたの?どうちておこるの?」 「しずかにちてっていってるでしょ!ばかなの!?」 そういうと近くにあった小石を咥えてぶつけた。 貝殻にぶつかったので怪我どころか痛みも無いが、妹のまりさつむりはびっくりした。 「ゆぅ・・・ごめんなちゃい・・・おねーちゃん・・・」 普段はお母さんに叱られるのが嫌で強く当たらない。しかし巣に2匹だけの今は別。 姉まりさは日ごろの鬱憤をぶつけだした。 そして妹には姉の態度の理由が全く分からなかった。 しばらくすると姉まりさはお腹がすいてくる。 ぴょこぴょこと跳ねながらテーブルに向かうと、母親が用意した食事を食べだした。 「むーちゃ、むーちゃ、ちあわちぇー☆」 そんな姉まりさの姿を見て、妹のまりさつむりもお腹がすいてきたのだろう。 這いながらテーブルに向かう。 「しゅーり、しゅーり・・・」 普段母親が運んでくれる分、自力では時間がかかってしまう。 お腹がすいてることもあり、普段以上にゆっくりした動きにも思える。 そんな移動をしてる間も、姉まりさの「しあわせー☆」という食事の声が聞こえてくる。 たまらずテーブルにたどり着く前に姉まりさに言った。 「おねーちゃん!まりちゃにもごはんもってきて!おなかしゅいたよ!!」 しかし 「ゆ!ごはんもじぶんでたべられないの?ばかなの?じぶんのことくらいじぶんでやってね!ゲラゲラゲラ!」 「どうちてしょんなこというにょぉぉぉぉぉぉ!?」 姉まりさは妹の頼みを一蹴した。 しかたなく自力でテーブルに向かう。もう半泣きである。 ようやくテーブルに着く。が、今度はテーブルに乗ることが出来ない。 「おねーちゃん!テーブルにのれないよ!のちぇて!のちぇて!!」 「むーちゃ、むーちゃ、ちあわちぇー☆けぷぅ・・・」 「どうちてむしちゅるのぉぉぉぉぉぉ!?」 今度は無視である。 普段お母さんに沢山かまってもらえる妹のまりさつむりが、今は何も出来ずに泣きながら騒いでいる。 自力で何も出来ないその姿を眺めながら、姉まりさは優越感に浸っていた。 「おねーちゃん!おねーちゃんんんん!!おなかしゅいたよぉぉぉ!!」 泣きながら訴えるその姿を見ながらとる食事は最高に気分の良いものだった。 (ふん!ふだんおかーしゃんをひとりじめするばつだよ!・・・そうだ) 「しょうがないくじゅだね!でもおねーちゃんはやさしいからテーブルにのせてあげるよ!」 「ゆっ!?おねーちゃん!!はやくぅぅぅぅ!!」 テーブルの下におりると、もはや泣きじゃくるばかりの妹の踏み台になってあげる。 踏み台にされる、この行為自体が屈辱に思えたがこれからのことを考えると笑いをこらえるのに必死だった。 「ゆーちょ、ゆーちょ、ゆぅ・・・ん!」 なんとかテーブルにのれたようだ。 ようやくこれでご飯が食べられる。そう思った妹のまりさつむりがテーブルの上の異変に気づいた。 「ゆ・・・ごはんが・・・にゃいよ!?にゃんで!?にゃんでぇぇぇ!!?」 「げぇーっぷ☆」 「おねーちゃんがじぇんぶたべちゃったの!?」 「おお、まぬけまぬけ。のろまのろま。ゲラゲラゲラゲラ」 姉まりさは二匹分の食事を全て平らげてしまっていたのだ。当然テーブルには食べカス以外何もない。 「どうちてぇぇぇ!?にゃんでぇぇぇぇ!?ゆえぇぇぇぇぇぇん!!!」 「ぷっすー☆ひとりでなんにもできないのろまなくじゅなんだね!とくべちゅ(わらい)なちゅむりちゃーん!!」 「ゆぇぇぇぇん!おかーしゃん!!おかーしゃーん!!!」 「すぐそうやっておかーしゃんをひとりじめちようとしゅるからこんなめにあうんだよ!ゆっくちりかいちてね!!」 「ゆぇぇぇぇぇぇん!」 姉まりさはそんな妹の姿に大満足した。そして更にいじめが続く。 「くじゅまりちゃちゃんはテーブルからひとりでおりられるのかなー?ゲラゲラゲラ!」 「ゆ!?・・・くじゅじゃないもん!おりられるもん!!」 煽られた妹のまりさつむりはテーブルから飛び降りる。 しかし普段跳ねたりしない分、いわゆる足の部分は通常のまりさより弱い。 姉まりさがそんなことを知っているはずも無いが、結果妹のまりさつむりは着地と同時に大きな衝撃を受ける。 背中の殻の重さがそれを増徴する。 「ゆぴゅっ!」 おもわず餡子を吐いていしまう。 「ゆぇぇぇぇ・・・いちゃいいいぃぃぃぃ・・・」 全身に響く衝撃と痛みでもだえるような声しか出せない妹。 そんな姿を見て、姉まりさはゲラゲラゲラと笑うばかりである。 そのとき、あまりの痛さと苦しさに チョロロロロロ・・・・・ 「ゆ゛っ!ちーちーをもらちてるよ!?くじゅはちーちーしゅるすがたもまにゅけだね!!」 「ゆぅ・・・みにゃいでぇ・・・」 「おお、くさいくさい」 もはや叫ぶことも出来ない妹のまりさつむりはその場でうずくまり、ちーちーを漏らした。 「ちーちーのなかでおねむ!?ゲラゲラ!!そんなにちーちーがすきなら、まりちゃのもあげるよ!!!」 チョボボボボボ・・・・・ 姉まりさはちーちーを引っ掛け始めた。そこには2匹分のちーちーによるおおきな水溜りが出来ていた。 空腹と、先の号泣・お漏らしによる水分の消失、叫び続けたことから来る疲労、全身の痛み。 もううずくまったまま、ちーちーの水溜りから動くことが出来ず、気を失ってしまった。 「ぷっすー☆くじゅはちーちーのなかでおねむがおにあいだね!くさいくさい!ゲラゲラゲラ!!」 たっぷりと日ごろの不満を妹にぶつけた姉まりさ。 ひとしきり笑うと満足したのか寝床に向かい、昼寝をすることにした。 どっすん!! 「ゆびゅる!!」 餡子を吐きながら、姉まりさはめをさました。 何が起こったのか理解できない。 しかしすぐに全身を激痛と、ずっしりとした重さが支配していることに気づいた。 「ゆ・・・いちゃいいいいいいい!!」 「いだいじゃないよ!!よぐも!!よぐもあがぢゃんを!!おもうどをぉぉぉぉぉ!!」 「ゆ・・・!?おかーしゃん!?にゃんで!?どうちてこんにゃことしゅ・・・ゆぴぃ!!」 こんとは咥えられてそのまま巣の壁に叩きつけられた。 「よぐもいもうどをごろじだね!ゆっぐりでぎないあがぢゃんはおがーざんのこじゃないよ!!!」 姉まりさが昼寝を始めてから随分たった後、お母さんまりさは巣に戻ってきた。 「ゆ!これだけあればあかちゃんたちもじゅうぶんゆっくりできるよ!!」 たっぷりの食べ物を頬に、帽子にしまっているお母さんまりさ。 はやく赤ちゃんの顔が見たい。いそいそと巣穴の入り口を開き、中に入った。 「ゆっくりただいま!!たくさんごはんをとってきた・・・!?」 お母さんまりさは巣の違和感に気づいた。たちこめるあまったるい臭い。ちーちーの臭い。 そしてその中に・・・ 「あ・・・あ゛・・・あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!????」 ちーちーの水溜りで気絶した事によって皮が溶け、 そこから餡子が溶け出してしまい、 絶命した、 妹のまりさつむりの、 変わり果てた姿であった。 水に強い貝殻があっても、本体は饅頭。水溜りの中では長くは持たなかったのだ。 「どうじでぇぇぇぇ!?あがぢゃんんんん!?だれがぁぁぁぁぁ?!ゆ゛!?」 そういえばもう1匹の赤ちゃんがいない。 まさか、そのこも!? 不安になったお母さんまりさは巣の中を探し出した。 しかしあっさりと、寝息を立てて眠る赤ちゃんの無事な姿を見つけた。 ほっとするお母さんまりさ。しかし、ここでなんで妹のまりさつむりがあんな姿になっていたのか考え出した。 巣の中が荒らされていたわけじゃないし、なにより入り口はしっかりと隠していた。 外から何かが入ってきたわけではない。 巣の壁にも異変はない。 中にいたのは赤ちゃんだけ。 1匹は死んで、1匹は無事・・・ いっぴきはぶじ・・・ なかにいたのはあかちゃんだけ・・・ あかちゃんだけ・・・ まさか。まさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさか!!!!!! 次の瞬間には姉まりさに飛び掛っていた。 「よぐもぉぉぉぉぉ!!!じねぇぇぇぇぇ!!!」 「やめちぇぇぇぇぇ!!おかーしゃ・・・」 「おばえみだいなぐずが、おがーざんなんでよぶなぁぁぁぁぁ!!!」 「おかーs」 びちゃぁッ!! 姉まりさが言い切る前に、餡子が地面に広がった。 姉まりさはただの餡子の塊になった。 (どうちて・・・おかーしゃん・・・) 「ゆぐっ!ゆぐっ!まりざはっ!とぐべづなあがぢゃんをっ!さずがったのにっ!!ゆぐっ!!」 「なんで・・・・!こんなことに・・・!!」 巣に残されたのは、もはや泣くしか出来ないお母さんまりさと、地面に広がる餡子、水溜りの中のちいさな貝殻だけであった。 これまで書いたもの ゆっくりいじめ系856 赤ちゃんれいむとすりすり このSSに感想を付ける
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とある森にちょっと変わった一匹のゆっくりまりさがいた だが通常のゆっくりと比べると随分と大きいのが気になる この物語においてゆっくりの頭?の平均的な大きさはバスケットボールほどだが このまりさは大体2メートルほどと考えて貰えば良いだろう 「ゆっ……おはようなんだぜ…ゆっくりしていってね!!!」 大まりさが朝日が差した里に挨拶すると次々とゆっくりまりさ達がやってきた このまりさ達も大まりさの仲間だ 「ゆっくりしていってね!!!」 「きょうもいいてんきだね、ゆっくりしていってね!!!」 「ゆふふ…」 その中には紫色の帽子を被ったまりさも数匹存在している ゆふふ…が口癖だが問題なく群れにとけ込んでいる 今日もゆっくり曰くゆっくりした天気である、大まりさは集落の見回りをしている様だが その移動方法が羽を持たないゆっくりには珍しい浮くタイプの物であった事も付け加えておく 「まりさ~!ちょっとてつだってほしいんだぜ!!!」 大まりさを呼ぶまりさ達が数匹、慌てて来た所から何か問題が発生したと思われる 「どうしたの?すぐに向かうんだぜ!!!」 「なんかおおきないわがおちてきてるんだぜ!!!」 大まりさが向かった先は崖の下に出来た洞窟だった そこでは複数の体つきまりさが岩をどかそうと奮闘している 「まりさたいちょう!こいつびくともしないぜ!!!」 「ちっ…てまをかける……ゆんぶらびたい!うみへびをつかうぜ!!!」 「まりさたいちょう!りょうかい!!!」 「まりさたいちょうもゆっくりづかいのあらいことで!!!」 と言うように三体の体つきまりさがつるで編んだ網を用いて 岩をどかそうとしているが流石に入口を塞いでいるデカブツはどかせられない様だ 「そとのまりさやーい、そうなんしているようなきぶんだぜ!!!」 「とりあえずおちゃのもうや!そうなんちゅうのおちゃはうまいぜ!!!」 洞窟の中から聞こえるまりさ達の声、とても遭難している人の心理状態では無い…… それどころかこの状況を存分に楽しんでいるようにも見える 「まりさたいちょう!おうえんをよこしたのぜ!!!」 「おそいじゃないかぁ!まりさたちにはてにおえないとおもったのぜ!!!」 ようやく現場についた大まりさ、ゆんぶらび隊には手に負えない仕事の様だ 「おぅし、まりさ達は退いてね!この岩をどかすぜ!!!」 大まりさが高く浮く、まりさ達は大まりさを応援している と思うと突然大まりさの底面から大まりさの頭部が二つ収まる程の大きさを持つ物体が出てきたのだ その物体はまりさにおける体、黒いベストっぽいの、エプロンスカートっぽいの えーとまぁ…つまり…モデルとなった霧雨魔理沙の服装(作品は問わない)と同じ! 体つきまりさをそのまま大きくしたような外見になった 大まりさは体つき大まりさ、つまりサイコ・まりさだったのだ! 「すっげぇ!でけぇ!!!」 「ゆふふ…あれこそまりさのしんのすがた…サイコ・まりさだよ!!!」 「さぁて…岩をどかすぜ!!!」 サイコ・まりさは岩に手を掛けたかと思うといとも簡単に岩を洞窟の前からどかしてしまった 「うおっまぶしッ!!!」 「まりさ!もうすこしだけどうくつのまえにたっててね!!!」 お茶を飲んで暢気に遭難気分を味わっていたまりさ達も突然の光にまぶしそうである ともあれ、集落に起きた問題はあっというまに解決されました、大きいって凄い事だね! このまりさ達の集落、まだまだ何かありそうだけど今日はここまでにしておきましょう 「ゆふふ…Mk-2もいるよ…」 あとがき とりあえずぱっぱとネタにしてみました 理由はクイーンありすの由来がモンスターハンターシリーズの クイーンランゴスタから来ている事に気づかず (ドスまりさ、ティガれみりゃの由来は認識済み) IGLOOからビグ・ラングを元ネタにしてビグ・れいむを書いてしまったんですね それならガンダムのひときわ大きい兵器から名前を取れないかと思った結果 サイコ・ガンダムから取り、サイコ・まりさが浮かんできた訳です サイコ・ガンダムの特徴は巨大、だが変形する所にあると見ているので 思い切ってまりさも体つきになれるようにしてしまいました、それだけです ちなみにうふふなMk-2もいるみたいですよ?機会があったら書いてみたいですね byありすアリスの人 今までに書いた作品 ゆっくり信仰していってね!!! レミリアの気まぐれ レミリア編 パチュリー編 アリスとゆっくりありすの生活 その3まで ビグ・れいむ てんこと永江さん 永遠亭のゆっくり研究施設取材 本格的 パチュムキュレスリング オンバシラキャノン 幽香の悪夢 ゆ・っくりてんせいⅢ のくたーん すわこの群生地 魔理沙ととかいはなありす 【ゆイタニック号のゆ劇】運送業の意地 名前 コメント
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『でかまりさ』 21KB 制裁 駆除 現代 独自設定 ゆっくちー 若干チートなゆっくり注意。 チートな人間注意。 独自設定の塊注意。 ゆっくりしていってね。 でかまりさ 1 ある夏の日、事件は起きた。 事件の舞台となったのは双葉村。総人口は百人にも満たない、小さな、寂しい村だ。 時刻は午前九時ちょうど。双葉村の役場には、いつもと何ら変わりのない、平凡な朝の光景が広がっていた。 村長の鬼崎としあきもそんな平凡な光景に身を置いている内の一人だ。 彼は今年で齢七十になる。しかし、精悍な顔つきは若い頃のままだ。まだまだ現役だといえる。 その時、役場に一人の男が大慌てで駆けこんできた。 「村長! 大変です!」 としあきは入り口に目を遣る。 入り口ではぁはぁと息を切らしていたのは、村のはずれで農業を営んでいる、石山という壮年の男だった。 「石山君。そんなに慌てて……何かあったのかね?」 としあきは石山に訊いた。彼の慌てようは尋常ではなかった。 狭い村である。彼のことは生まれた時から知っており、今でも月に何度も顔を合わせる間柄だ。 こんなに慌てた彼を、としあきは見たことが無かった。 「それが……ゆっくりが……ゆっくりが来たんです!」 「「「ゆっくり?」」」 としあきを含め、周囲から落胆したような声があがった。 ゆっくりは数十年前に突如現れた、人の顔を模した動く饅頭だ。 繁殖力はとても強く、今では日本中どこの山に行ってもゆっくりを見ることができるようになった。 しかし、ゆっくりが増えてしまったことで問題も出てきた。ゆっくりによる農作物への被害だ。 数が少ないうちは山に自生する草花や山菜を食べて生きていたゆっくりだったが、その数が増えるにつれ、食料不足が顕になってきた。 結果、食べ物を求めて里に降り、人間の畑を荒らすようになっていったのだ。 石山が慌てているのも、ゆっくりに農作物を荒らされて困っているというとこだろう。としあきはそう判断した。 「石山君。今さらゆっくりごときに何を慌てているんじゃ。今までは自分で対処してこれたではないか。そんなに慌てることでもなかろう?」 としあきが訊いた。 一時は農家の中から自殺者が出てしまうほど深刻になったゆっくり被害だったが、最近は加工所が販売する駆除製品の品質も良くなり、被害は最小限で済むようになったからだ。 それを聞いた石山は、首をブンブン振って自身の発言を訂正する。 「違うんです! あのゆっくりは……あのまりさは……とにかくでかいんです!」 大きいまりさと聞いて、としあきは真っ先にドスまりさを思い浮かべた。 ドスまりさは、まりさ種が突然変異して大きくなったものだといわれている。 「ドスまりさは二年前に撃退したじゃろう? お前さんは討伐隊の先頭に立って、奴に立ち向かっていったではないか」 二年前、ドスまりさは自身の群れを率いて双葉村にやって来た。 ドススパークという、ドスまりさ特有の攻撃手段を交渉カードにして、アンフェアな条約の締結を求めて村を脅迫してきたのだ。 それをとしあき率いるドスまりさ討伐隊が撃退した。石山はその討伐隊の切込隊長だった。 しかし、それを聞いて石山が反論する。 「そうじゃないんです! あのまりさはドスみたいに大きいけど、ドスまりさじゃないんです! あれは、”でかまりさ”なんです!」 「でかまりさ……だと……?」 としあきは”でかまりさ”というゆっくりに心当たりがなかった。もちろん石山が名付けたからというわけではない。 地域柄、長きに渡ってゆっくり退治を行なってきたとしあきだったが、ドスまりさ級のサイズにまで成長するまりさ種を、聞いたことも見たことも無かったのだ。 その時、石山の畑の方向から、大地を震わせるような爆音が響いた。 「ゆ゛っ゛く゛り゛の゛ひ゛ー! ま゛っ゛た゛り゛の゛ひ゛ー!」 思わずその場にいた全員が耳をふさいだ。 「なんじゃ、この酷い声は!」 「村長! これがあいつの、でかまりさの声です!」 「ふむ……これが、か。たしかにドスとは違うようじゃの……」 としあきがそのように判断した理由は、”まりさ”の声質と行動だ。 ゆっくりの声は種類によって異なる。ドスまりさの声は、通常のまりさよりも若干低めなのだ。 しかし、この声は間違いなく、ただの”まりさ”だ。単純に音量が大きくなっただけなのだ。 さらにドスまりさは通常のゆっくりに比べ、頭が良い。人間に見つかるのを承知で、こんな大声を出すことは滅多にない。 「とりあえず、実際に見てみないと判断ができないのう。石山君、”まりさ”のところまで案内を頼めるか」 「わかりました。ついてきてください!」 石山は勇んで役場の外に飛び出した。としあきはソファーから重い腰を上げると、役場の人間を数人従え、石山の後を追った。 2 舗装されていない農道に砂を踏む音が響く。としあきたちの一行は、石山を先頭にして彼の畑へ向かっていた。 石山は大きな畑をいくつも持っている。 彼に道案内役を頼んだ理由は、としあきにはどの畑に”まりさ”がいるのかわからなかったからだ。 「ゆゆーん!」 だが、その心配は無用だった。 先ほどの歌のようなものに比べたらだいぶ小さいが、”まりさ”の声が、ある程度離れたところからでもはっきりと聞こえたからだ。 「あいつです!」 としあきは石山が指差す方角を見た。 彼の目に映ったのは、平均的なサイズのドスまりさより一回りほど若干大きい、十メートル程度の大きさの”まりさ”。 大きな帽子の上には一匹のれいむが乗っている。 なるほど、確かにあれは”でかまりさ”だな、ととしあきは思った。 「ぽーかぽーか! おひさまさんはゆっくりできるよ!」 「おひさまさんもゆっくりできるけど、まりさのほうがとってもゆっくりできるよぉ!」 「ゆぅーん! れいむのほうが、もっとゆっくりできるよ!」 恐らくすべてでかまりさに食べられてしまったのだろう。荒らされ、メチャクチャになってしまった畑。 その上にでかまりさが鎮座している。どうやら気分良く歌った後、気持ちよく休憩に突入したようだ。 「うたったあとはとってもおなかがすくよ! もういちどおやさいさんをむーしゃむーしゃするよ!」 「ゆふふ! まりさのすてきなおうたはとってもゆっくりできたよ!」 「おしえてくれたれいむのおかげだよ! それに、れいむのほうがもっとおうたがうまいじゃない!」 「ゆぅ~ん! そんなこといわれたら、てれちゃうよぉ!」 でかまりさは軽快に跳躍すると、隣のトマト畑の前へと降り立った。 飛んだ距離は十メートルほどだろうか。ドスまりさと変わらない跳躍力だ。 「まりさのすーぱーむーしゃむーしゃたいむ、はじまるよおおおおお!」 でかまりさはおさげを使って帽子の上のれいむにトマトを一つ渡すと、大きな口を開いてトマトを畑の土ごと食べ始めた。 「「むーしゃむーしゃ、しあわせー!」」 トマト畑の五分の一が、でかまりさの一口で食い尽くされた。それから一分もしないうちに、トマト畑は跡形もなく消え去った。 としあきは目の前の光景に言葉を失った。 彼が驚いていたのはそれだけではない。一度に食べる量もそうだが、総量も異常に多いのだ。 ドスまりさは巨体の割に、食事の量は少ない。通常のゆっくりと比べて、およそ五倍程度だ。 しかしこのでかまりさは、普通のゆっくりの三十倍以上は食べている。 これほどの量、山の中ではとてもじゃないが確保することはできない。 でかまりさとれいむが里に下りてきた理由は食料を求めてということで間違いない、ととしあきは思った。 「ゆ……?」 その時、でかまりさの視線がとしあきを捉えた。 気づかれた――。 「ゆゆゆっ!」 としあきが身構える暇もなく、彼の眼前まで跳ねてきたでかまりさ。 速い――。 としあきは驚愕した。彼とでかまりさの間には、約五十メートルの距離があった。ドスまりさならば三十秒はかかる距離だ。 それを、このでかまりさは五秒で移動した。恐るべきスピードだ。 このまりさを放っておいたら、大変なことになる――。 としあきの直感がそう告げていた。武器があれば、”アレ”があれば戦えるのだが。このまま自分はやられてしまうのか。 そう思った時だった。 「にんげんさん! ゆっくりしていってね!」 でかまりさの行動は、彼が予想していないものだった。てっきり、攻撃を仕掛けてくるものだと思っていたからだ。 「ゆっくりしていってね!」 続いて帽子上のれいむからも、「ゆっくりしていってね!」の挨拶が発せられた。 3 畑の前で、としあきとでかまりさが会話を始めていた。 「おぬしはどうしてこの村にきたんじゃ?」 「もりにごはんさんがなくなっちゃったんだよ! だから、おやさいさんがかってにはえてくるゆっくりぷれいすをさがしにきたんだよ!」 「生まれた時からそんなに大きかったのか?」 「おおきくなったのはきのうなんだよ! ゆっくりゆっくりおおきくなっていったんだよ!」 「ゆーん! まりさが、ゆっくりおおきくなるよ! っていって、どんどんおおきくなっちゃったときは、ほんとうにびっくりしたよ!」 「れいむをつぶさなくて、ほんとうによかったよ!」 としあきはでかまりさとの会話から、いくつかの考えを導き出していた。 でかまりさはドスまりさではなく、新種のまりさだということ。 ドスとは違い、知能の発達が全く見られないこと。 その代わり、サイズの肥大による身体能力の低下が全く無いこと。 でかまりさがこの周辺で生きていくならば、村人との対立は避けては通れない道だということ。 「まりさが村にきた理由はわかった。じゃが、この野菜は、そこにいる石山が毎日一生懸命育てたものなんじゃ。勝手に生えてきているわけではないんじゃよ」 としあきはでかまりさがこのことを理解するとは思っていなかった。 知能が発達しているドスは畑に対してある程度の理解を示す。 だが、通常のゆっくりと同じ知能のでかまりさがこのことを理解出来るわけがないと考えていた。 「ゆゆっ!? ちがうよっ! おやさいさんはかってにはえてくるんだよ! ひとりじめはだめなんだよっ!」 「おやさいさんをひとりじめするげすなにんげんは、ゆっくりしね!」 「だめだよれいむ、しねなんていっちゃ! にんげんさん! ゆっくりぷれいすはみんなのものなんだよ! ひとりじめはよくないんだよ! ひとりじめするなら、まりさおこるよ! ぷくー!」 でかまりさが”ぷくー!”をすると、その大きさは二倍近くにまで膨れ上がった。 膨らんでいくのに合わせて、としあきを含む村人たちは、おっとっと、と後退する。 なるほど、確かにこれならば威嚇にはなるな。としあきは思った。 「わかった。お野菜さんはみんなのものじゃ。お前たちはそこでゆっくりするがよい」 としあきは宣言すると同時に、村人たちを引き連れ、一旦畑を後にした。 「村長! あいつらの戯言を聞いてやる必要があるんですか!? うちの畑が全滅してしまいますよ!」 石山が不満を漏らした。自分の畑が荒らされているのに黙って見過ごせるわけがないことは、としあきも十分承知だ。 「落ち着け。一旦引いただけじゃ。丸腰ではでかまりさには勝てないじゃろう。思ったよりも厄介な相手のようじゃ」 「厄介な相手、じゃ済まされませんよ! ああ、どうしよう。加工所を呼ぶしかないのか……」 「加工所はいかん。一度借りを作ってしまったら、それをネタに、この村に加工所を建てるように迫ってくるに違いないわい。この村に加工所は相応しくないのじゃ」 「じゃあ、どうしたら!」 「わしに考えがある。ちょっと出かけてくるから、お前らは猟銃の準備を頼むぞ」 としあきは村人たちに告げると、村のはずれに向かって歩き出した。彼が向かおうとしているのは、ある男の家だ。 4 その家は石山の畑よりもさらに山際、村の最北端に位置していた。どちらかといえば、家というより、物置だ。 玄関をノックすると、「どうぞ」という返事が返ってきた。としあきは家の中へ踏み入った。 中はリビングのようなスペースと調理場だけの簡易的な作り。電気は通っていないため、天井からはロウソクが入るランプが吊るされている。 「久々じゃのう。よしあき」 「四年ぶりってとこか。もっとも、俺はさっきあんたに会ってるんだがな」 「じゃろうな。あんな展開を、お前さんが見逃すはずないからのう」 この男、鬼崎よしあきはとしあきの孫だ。 村の若者は、少し離れた隣町にある高校を卒業すると、村を出ていってしまうのが普通だった。 しかし、よしあきは違った。人ごみが嫌い、と彼は説明したが、本当の理由は別にあるということを、ほとんどの村人が知っていた。 彼が村に残った本当の理由は、思う存分ゆっくりを虐待出来る環境だからだ。しかも、人間を恐れない純真無垢なゆっくりを、だ。 「なら、あれのほうはまだ続けているんじゃろ?」 「ああ。もちろんだ。そうじゃなきゃ、こんな電気もないところには住まねえよ」 「わかった。単刀直入にいう。お前さんの力が必要じゃ。力を貸してくれんかのう?」 「はん。あんなの”あんた一人”でなんとか出来るんじゃないのか?」 「馬鹿いっちゃいかん。わしはもう老いた。とてもじゃないが、一人では無理じゃよ」 「年には勝てないのかねぇ。ま、いいぜ。俺も一人じゃ厳しいと思ってたからな」 「交渉成立じゃな。何かこちらで準備して欲しいものはあるか?」 「とりあえず、人手が欲しい。二十人ぐらいだな。それと、スコップを人数分よろしく。あと、灯油だな。この時期に集めるのは難儀かもしれないが」 「ほう、スコップと灯油じゃな……。わかった。それじゃあ、そちらの準備が終わったら役場にきてくれい」 「一時間後ぐらいだな。それまでに用意しといてくれや、それじゃあな」 としあきは、よしあきの家を後にした。そのまま役場に戻ろうと考えたが、ふと”自宅に保管されている”アレ”のことを思い出した。 「使うことがあるかもしれないのう。十年ぶりじゃが、持っていって損はないか」 としあきはくるりと身を翻し、自宅の方角へと歩き出した。 5 一時間後、役場の前にある広場には、役場の人間を中心に構成された二十五人の討伐隊が集まっていた。 この数は村の総人口のおよそ四分の一にあたる。その内の五人は猟銃を持っている。彼らは村人の中でも名手とされている猟師たちだ。 「おぬしら、準備のほうは大丈夫かの?」 としあきは猟師たちに訊く。 「ばっちりでっさぁ。サボット弾使ってるんで、百メートルはいけますわ」 猟師たちのリーダー格である吉村がいった。 「おうおう、集まってるねぇ」 そこによしあきがやって来た。両手に灯油が入ったポリタンクを持っている。 「うちにあったのはこれだけだ。全部でどのぐらい集まったよ?」 「お前さんのを合わせて、百リットルぐらいじゃな」 「ケチくせえなあ。それだけかよ。――ま、大丈夫か」 よしあきはてきぱきと村人に指示を出し始めた。 成程、やはり多少なりとも自身の血が流れているんだな。としあきは感心した。 数時間後、全ての準備が完了した。 斥候役の村人の話によると、でかまりさは数時間前から石山の畑をベッドにして昼寝をしているようだ。 時刻は午後四時を回った。真夏といえど、早めにケリをつけなければ日が暮れてしまうだろう。 「よし! いまこそ戦いの時じゃ。皆の者、いくぞ!」 「「「「「おおおおおっ!!!」」」」」 としあきの号令とともに、村人たちが列を作って行進を始めた。その姿はまるで軍隊のようだ。小さな村の団結力が垣間見えた瞬間だった。 村人の先頭に立って歩いているとしあきは、布に包まれた棒のようなものを担いでいる。 これはとしあきが”いざという時のため”に用意した切り札だ。 6 「ゆぴー……ゆぴー……」 石山の畑から百メートル離れたこの場所に、村人たちは集結していた。この位置からでも、でかまりさのうるさい寝息が聞こえる。 「さて、準備はいいかの?」 としあきが皆に確認を取る。 「俺はいつでもオッケーだぞ」 よしあきが答える。 「いってもらえれば、いつでもあのデカ饅頭を蜂の巣にしてやりますわ」 吉村がいう。それに続いて四人の猟師たちが頷いた。 「よし、それでは、猟銃部隊、構え!」 としあきの号令を合図に、五人の猟師たちが三十メートル前方に”迂回”して移動し、片膝を突いて銃を構えた。辺りに緊張感が漂う。 「撃て!」 轟音とともに銃弾が放たれた。漁師たちは撃ち終わったと同時に、猟師たちは元の場所に”迂回”して戻っていった。 「ゆぎゃあああああああああああああ! いたいいいいいいいいいいいいい!」 でかまりさは大きな声で叫びながら辺りをゴロゴロと転がり回っている。何発かは命中したようだ。 だが、としあきの予想通り大きなダメージは与えられていない。 ゆっくりという生物の習性上大げさに痛がっているだけであり、実際には、弾は皮をギリギリ通り抜け、餡子に若干傷を付けた程度だろう。 あの大きさのゆっくりならば、皮の厚さは百五十センチをゆうに越えていると予想できるからだ。 比較的脆い目に当たれば、大ダメージを与えることが出来たかもしれないが、距離が距離なので仕方がない。 この距離で正確に目を狙うことが出来るのは、一握りの達人だけだろう。 「ゆあああああああっ!? でいぶうううううううう!?」 転がり回った拍子にれいむを潰してしまったようだ。 としあきたちの位置からは見えないが、地面には真っ黒な餡子の染みが出来ていることだろう。 「にんげんさん゛ん゛ん゛ん゛! いや、くそにんげん゛ん゛ん゛ん゛! もうゆるさないよお゛お゛お゛! まりさがえいえんにゆっくりさせてあげるよお゛お゛お゛!」 でかまりさが地面を蹴り、としあきのほうへ向かってきた。十秒も掛からず、でかまりさは彼の眼前に迫っていた。 しかし、今のとしあきには余裕があった。頭の中では「れいむを殺したのは自分じゃろ」と突っ込みをいれているほどだ。 「ゆっくりしねえ゛え゛……ゆぶぼあっ!?」 でかまりさの巨体が地面にめり込んだ。 でかまりさが着地した地点には、大きな落とし穴が掘られていた。深さは一メートルだ。限られた時間内では、これが精一杯だった。 落とし穴自体は、でかまりさが跳躍すれば簡単に抜けられるほどだ。 だが、でかまりさの体は落とし穴にぴったりとはまってしまっていた。 これでは身動きが取れない。数分間ならば動きを封じることができるだろう。 「ゆぎい゛い゛い゛い゛い゛い゛! どぼちてうごけないのお゛お゛お゛お゛お゛!?」 ぐねぐねと体を動かすでかまりさに、村人たちはリタンクに入った灯油をバシャバシャと振りかけていく。 「づめだい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛! なにずるんだぐぞにんげん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛!」 よしあきがでかまりさの眼前に現れた。彼の親指と人差し指には点火されたマッチ棒が摘まれていた。 「さて、良い声を聞かせてくれよ、まりさちゃん」 よしあきの指からマッチが離れた。マッチは放物線を描きながら、でかまりさの体に吸い込まれるように飛んでいった。 瞬間――。 でかまりさが炎に包まれた。まるでどんど焼きで燃やされる達磨のようだ。 「ゆ゛ぎゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛! あ゛じゅ゛い゛い゛い゛い゛い゛! じぬ゛! ばりざじん゛じゃ゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!」 炎がまりさの全てを燃やし尽くす。 顔。 髪の毛。 帽子。 体を有らん限りの力で動かしていたため、でかまりさのあんよが落とし穴から抜けた。 炎はすぐにあんよにも燃え移り、体の自由が効くようになったまりさは、縦横無尽に転がり続ける。 「いかん、みんな距離を取るんじゃ!」 としあきの号令とともに、村人があらゆる方向へ散っていった。 でかまりさは半径二十五メートル程度の範囲をゴロゴロと転がっている。巻き込まれたら人たまりもないだろう。 7 数分後、でかまりさを覆っていた炎が消えた。そこに残ったのは、焼け焦げた、大きく、黒い物体だけだ。 「いやっほうっ! やったぜ!」 真っ先に戻ってきたのは石山だった。続いてとしあきを含む村人たちがぞろぞろと戻ってきた。 石山は”でかまりさだったもの”に近づくと、平手でぺちぺちと側面を叩く。 「やりましたね、村長! 人の畑を荒らしやがって……ざまーみろってんだ!」 「ゆ゛……」 「ゆ……? ゆ? ってなんですか村長。まるでゆっくりみたいじゃないですか」 「ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」 「うわあああああああああああああ!」 「下がれ!」 としあきは石山を手で押し出した。石山は転びそうになりながらも、必死に村人たちのところまで駆けていく。 「まだ生きているとはのう……正直びっくりしたわい」 「ご……ろ゛……ず……に゛ん゛げん゛は゛……ごろ゛ず……」 「もう動けないじゃろう。わしが止めをさしてやろう……はぁぁぁぁ……ぬん!」 としあきが深呼吸すると、細い体が見る見るうちに逞しくなっていく。その体は二十代の若者と比べても遜色の無いものとなった。 足元に置いてあった、布につつまれた”棒”を手にするとしあき。布を取り払うと、先端に斧頭がついた棹状の武器が姿を現した。 ハルバードと呼ばれる中世ヨーロッパで使われた武器。彼が若い頃から愛用し、数多のゆっくりの餡子を吸ってきた代物だ。 「いくぞ。饅頭」 としあきはバルバードを振り上げ、渾身の力をもってでかまりさに叩きつけた。 でかまりさの眉間が割れ、中から餡子が流れだした。 「ゆ゛っぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛! ごろ゛ずう゛う゛う゛う゛う゛!」 その時、あんよを焼かれて動けないはずのでかまりさが動き出した。強烈な体当たりがとしあきを襲う。 「ぬおおおおおおおおおっ!」 としあきはそのまま十メートル近く吹き飛ばされた。 幸い体を強く打っただけで済んだが、普通なら大怪我は免れなかっただろう。 「ゆひひひっ! じね゛ぇ……げすなにんげんは、しね゛ぇ……!」 吹き飛ばされながらも、何故でかまりさが動けるのか。としあきはその瞬間をしっかりと見ていた。 でかまりさは、いわゆる”のーびのーび”をして動いていたのだ。これならばあんよが使えなくても移動することが出来る。 としあきが体勢を整えている内に、でかまりさはさらに体を伸ばした。 その姿はまるで蛇のようだ。中枢餡は伸ばせないのか、その体は中心部だけがぷくりと膨らんでいる。 としあきは蛇の一種である”つちのこ”を連想した。 「じじい゛! じね゛え゛え゛え゛え゛!」 体をぐねぐねと伸ばしながら体当たりを仕掛けてくるでかまりさ。としあきは間一髪でかわすことに成功した。 このままではこちらから攻撃出来ない。消耗戦では絶対的に不利。様々な考えがとしあきの頭の中を巡っていた。 刹那、乾いた音が鳴り響いた。眼前のでかまりさの右目が潰れて、白い液体が流れだしている。 音のした方向を振り向くと、よしあきが猟銃を構えていた。その銃口からは白煙が立ち上がっている。 「ふっ……なんじゃ、達人ならここにおるではないか――」 としあきはニヤリと笑うと、ハルバードを構え、跳躍した。 狙うはでかまりさの中枢餡。それのある中心部は膨らんでいるので、正確に狙うことが出来る。 渾身の力をこめて、ハルバードを叩きつけた。 「ゆげらあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛…………ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛」 でかまりさは痙攣を始めた。皮は張りを失い、徐々に潰れていく。今度こそ倒すことに成功したようだ。 としあきはふうっ、と溜息をついた。 「村長おおおおおお!」 石山が満遍の笑顔を浮かべながら走ってきた。石山は彼の肩をぽんぽんと叩きながらいった。 「やりましたね、村長! それで……荒らされた畑と、落とし穴を作るために提供した畑の損害、ちゃんと村の予算から補填してくれるんですよね?」 周りの村人が溜息をつく。それを見たとしあきも、先ほど以上に大きなため息をついたのだった。 8 あの事件から二年。双葉村は活気に包まれていた。 例のでかまりさの件がニュースで放送され、全国的に話題になったのだ。 取材に来たテレビ関係者、新聞記者、やじうまなどで村は一時騒然となった。 数ヵ月後にはその熱気も冷めたのだが、今度は全国から次々と移住者がやってきたのだ。その大半は二十代の若者で、モヒカンヘアーなどの奇抜なファッションの者たちだった。 「ヒャッハー! ・・・・・・っと、村長、おはようございます」 「村長様! 今日こそ、この釘バットにサインをお願いします!」 「うむ、おはよう。毎日いっとるが、わしゃサインなんかしないぞえ」 としあきがそんなことを考えていたら、タイミング良く彼らが話しかけてきた。彼らとは毎日のように同じやり取りを繰り返している。 「おい、あまりはしゃぐな」 「すいません、社長!」 「へへへっ・・・・・・。つい・・・・・・」 現れたのはよしあきだ。としあきは彼と軽くアイコンタクトをする。 よしあきは村にやって来た若者たちを纏め上げ、共同で農業を営んでいる。 元々人を使う力があったためか、あっという間に大農場を作り上げた。若者たちからは”社長”と呼ばれている。 「それより、あの件はどうなったんじゃ」 「それが、聞く耳持たずって感じでなぁ。気持ちはわかるんだけどな」 村には新たな問題が発生していた。移住者のほとんどが村の中心部ではなく、端のほうに住居を構えたのだ。 理由はもちろんいわなくてもわかるだろう。 「あれじゃあ村は発展せん。なんとかお前のほうから説得してくれい」 「わーったよ。まぁ、俺は今の家を引き払うつもりはないけどな」 よしあきたちと別れ、としあきは役場へ向かって歩き出した。まだまだ課題は山積みだ。 もうしばらくは村長を辞して楽隠居とはいかないだろう。 としあきは久しぶりにため息をついた。しかし、どこか清々しいため息だった。 今日もまた、双葉村の一日が始まる。いつもと何ら変わりのない、平凡な一日が――。 おわり コンバートあき 挿絵:
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前編より 「どうだ?あそこ程じゃないが、そんなに悪くないだろ?」 「…………!!」 お兄さんが白まりさだけを連れて2時間ちょっとも歩いた先には 流石にあのゆっくりプレイスには劣りますが、 群れの皆が住むのに良さそうな、立派なゆっくりプレイスがありました。 前の野原のよりは小さめですが、白まりさが住めそうな洞窟もあり、 お家に出来そうな隙間も沢山あります。 何より、白まりさの中の何かが"ここはゆっくりプレイスだ"と教えているのです。 「すごいよっ…!ここなら皆でまたゆっくり出来るよ…!」 お兄さんは白まりさの相談を受けてから 今まで何もして来なかったワケでは無かったのでしょう。 ゆっくりの好みそうな場所は大体分かっているので、暇を見つけては山に入って いずれ来るであろうこの事態に備えたゆっくりプレイスを探していたのです。 「…ありがとう、」 「…いいんだよ」 「あ”り”がどう”…おにいざん…!!」 お兄さんは、先程の群れのゆっくり達以上に 涙でぐちゃぐちゃになった白まりさの頬をポン、と叩いて またあのゆっくりプレイスに、二人で笑いながら帰っていきました。 ___________________________________ 次の日の朝、白まりさの群れのゆっくり達はお兄さんのお家にまで お別れの挨拶をしに来ました。 その中には一番仲の良かったありすや、子れいむもいました。 ここから新たなゆっくりプレイスまで歩いて3時間以上掛かります。 ですのでこれからはもう、今までの様に簡単に会う事は出来ません。 「最後までお世話になりっぱなしで御免ね」 「いいんだよ別に、気にするな」 「…ありがとうお兄さん、何度も言ってるね、ごめんね? これ、まりさ達からの今までのお礼のつもりだよ ゆっくり受け取ってね!」 そう言ってまりさが銜える帽子の中に入っていたものは、山で採れる美味しい草。 ゆっくり達にとってその草は、比較的柔らかく甘い御馳走です。 人間にとっては雑草でしかありませんが、群れのゆっくり達の大好物だったもの。 しかし残念ながらお兄さんが食べられる物ではありません。 「…いや、いい」 「ゆ?…どうして? お兄さんはこれじゃあゆっくり出来ないの?」 「そうじゃない、その草はお前等があそこに辿り着くまでの食料に使え これから大変になるんだから、食料は大切にしな」 それを聞いた白まりさとその群れのゆっくりは、また目を涙で潤わせると 皆でお兄さんに向かってお礼の代わりの"飛び跳ね"を始めました。 いよいよお別れの時です。 「それじゃあ、お兄さん、今まで色んな事… 皆とゆっくりしてくれたり、ちびちゃん達の面倒を見てくれたり、 まりさの傷を治してくれたり、ゆっくりプレイスを教えてくれたりして… 本当に、ありがとう」 「「「ありがとう!!」」」 あのありすはただ、じっとお兄さんを見つけていました。 都会派を気取るだけあって涙は見せたくないのでしょうが、 その目からは今にも零れ落ちそうなのが遠目にも分かります。 皆の跳ねる音にかき消されて聞こえませんが、 小れいむはただただ泣くばかりでした。 他にも川で遊んだまりさ、大家族の末っ子のちぇん、 家族思いのお母さんれいむ、絵本で喜ぶぱちゅりー。 「皆元気でな、またいつか会いに行くからな こっちは危ないからもう来るんじゃないぞ」 お兄さんは群れのゆっくりひとりひとりの頭を撫でると 白まりさに向かって、もう行くように言いました。 悲しい事ですが、人間や動物の世界も同じ様にゆっくりの世界もまた、弱肉強食なのです。 弱いものは駆逐され、強いものが栄える。 勧善懲悪な話ばかりとは限らず、正義が勝つとも限りません。 力だけがものを言う世界がここにはあるのです。 今回のケースはまだ優しい方でしょう。 ゆっくり同士でも、殺し合いの戦争が起こる事もあるのですから。 敗者は去るか、若しくは殺されるか…。 白まりさの群れがそうされた様に、 いつかあの黒まりさもいつか、更に強い者に食い物にされる時がきっと来るのでしょう。 「…………」 群れをその体だけでは守りきれなかった不甲斐なさからでしょうか、 その少し悔しそうな白まりさの大きな背中を、 そして生まれ育った故郷を捨てる群れのゆっくり達の 可哀想な後ろ姿が小さくなっていくのを、 お兄さんは扉の前で、ただ見つめていました。 ___________________________________ 「ギャハハハハハハハ!!! ほんっとバッカじゃねぇーのかアイツ等!!アハハハハハハハ!!! 要らねぇーッつーの!!テメェ等の食う雑草なんてよォ!!」 白まりさの背中を見送った男は、 家に入るとまるで爆発したかの様に笑い出しました。 この場にあの群れのゆっくりがいたら目を疑った事でしょう。 その笑い方は黒まりさがそうするよりも、遥かにゆっくり出来ないモノだったからです。 「…クク…あーハラいてぇ、…ククク、」 今までとは人の違った様な歪んだ笑みを浮かべる男は 隣の部屋にある押し入れの方まで大股で歩いていくと、ガラッ、と必要以上に強い力で 押し入れを開けました。 「馬鹿とゆっくりは揺すれば金が出る、 そう言ったヤツはホント大したモンだ…クク… オイ、オメェ等もそう思うだろ?」 「……………」 押し入れの中にはあの黒まりさの部下だったゆっくりありすとゆっくりまりさ。 しかし今の二匹は飾り以外、殆ど原型を留めない程に痩せていました。 ガリガリの頬には正体不明の笑みを浮かべ、 目は何かを求める様にギラギラと充血しています。 「…お!お兄ざん!お兄ざん!ゆっぐり、ゆっぐり『お薬』を打ってね!」 「はやぐあのゆっぐりぶれいずにいぎだいわ”ぁ…!!」 男は二匹のゆっくりの意味不明な言葉を聞くと 微笑みを浮かべながら胸ポケットから四角いケースを出しました。 そして中から小瓶と注射器を出し、瓶の中身を吸い上げてありすに針を差し込みました。 「あ”は”ぁ”ぁ……!!」 何の抵抗もせずにそれを受け入れたありすはぐるんと眼球を反転させると まるで極上のゆっくりを楽しむかの様に、口の端から涎を垂らし始めました。 「ここにこんな極上のゆっくりぷれぇすがあるってのによ… あの白まりさも黒まりさも、節穴かよってんだよ、なぁまりさ」 「はやぐぅ…はやぐ頂戴ね”ぇ!!」 「分かってんよ…ちょっとそこでゆっくりしてろ」 「ゆっぐりなんでどうでもいいよ”!! おぐずりざえあればまりざはしあ”わ”ぜなんだよ!!」 『ゆっくりなんてどうでもいい』 ゆっくりにとって聞いた事も無い、あり得ない言葉をあっさりと言うまりさ。 「フヘへ…ほれ、お待たせまりさ 極上のゆっくりぷれぇすでゆっくりしていってねー…」 「え”へ”ぇ…」 ゆっくりありすは今では病的なまでに活発な動きは見せず、 虚ろな目で押し入れの隅を見つめていました。 男はゆっくりまりさもそれと同じ状態にしてやると 直ぐに注射器をケースにしまい込んで、押し入れを閉めました。 「おっと、お客さんだ また押し入れの中でゆっくりしてろ」 「ゆっふひひはひしたよー…」 そのやる気のカケラも無い返事を聞いているのか聞いていないのか。 男はコンコン、と丁寧にノックされた家の扉を 今度はゆっくりと丁寧に開けて客人を招き入れました。 「やぁ夜分遅くにすいません○○さん 部下の者から連絡を受けましてね、例の件…」 お客様は初老の男性。 綺麗な衣服や蓄えた髭から裕福な人間だと分かります。 「こんばんわ○○さん、先程あの野原から消えましたよ、 一匹残らずね…時間は少し掛かってしまいましたが 特にご希望が無かった様でしたので、追い出すと言う形に致しました」 「本当ですか!良かった良かった…! 私は彼等のあの悲鳴が苦手でしてねぇ…殺さずに済んで良かった、」 「…よく分かりますよ、 まぁひとまず、これにて取引終了ですね」 「ええ!そりゃあ勿論! ○○さんが格安で請け負ってくれて助かりましたよ! ありがとうございます!」 そう言って握手を求める初老の男性の手を、 男は片手で制して次の様に言いました。 先程まで笑顔だったその顔からは笑みが消え、表情は真剣そのものです。 「それなんですがねぇ…どうやら明後日か、明々後日にでも 他の群れがあそこの野原に来るみたいでしてねぇ… これが先の群れよりも多くて、主もデカいんですよ… 今度はその群れを片付けなきゃならないみたいですね、○○さん」 「…………!? そんな…!?約束が…!!」 「ハハ、契約に沿って私らがやるのは『あの群れを野原から消す事』 次にやってくるゆっくり達まで追い返すのにあの金額じゃあ、とてもとても…」 ___________________________________ 「遅いんだぜ…なぁにやってるんだぜぇ!?」 その頃、黒まりさは狭い野原の中で苛立たしそうに 銜えた枝を上下させていました。 手酷く白まりさを痛めつけてやった日から自主的に 白まりさの群れの監視役を申し出て来た兵隊ありすと兵隊まりさの帰りが遅いからです。 明日の昼までには戻るとの事でしたが 今にもあのゆっくりプレイスが手に入ろうとしているこの時期、 黒まりさのワクワクは頂点に達しており、 待ちきれない気持ちが抑えきれないのも無理もない事でしょう。 「ゆっくりしないで帰ってくるんだぜ…はやく、はやく!」 兵隊ありす達が帰ってくるのは約束通り次の日の昼。 その日、黒まりさは今までで最高の喜びを味わう事になりました。 ___________________________________ 「毎度ありがとうございます! まぁ、そうお気になさらず、 これでもまだまともな組織に頼むよりもお安いモノですよ 4日後には全て終わってますので楽しみにお待ち下さい! そしたらあそこは邪魔者無し、完全に貴方達のモノに戻ります」 「…………」 「まぁ…『あんなもの』をお建てになるのですから まともな組織にはお任せ出来ないのは分かりますがね…クク…」 「…………!!」 「今回のは即効性のモノじゃないんで4日程も掛かってしまいますが、その分確実ですよ デカイのも1mmも動けなくなります、他は全て死にますがね。 このクスリじゃデカイのだけは飽くまで動かなくなるだけなんで そいつの処分と、ゆっくり達の死骸の処理で…まぁ、このくらいでしょうね」 「………ぐ…」 「よろしければ先程の群れの様に殺さずに追い出しましょうか? それですと先程のお代金と同じ額ですが、いかがなさ 「勝手にせい!!この詐欺師!!業突く張りが!!!」 「おおっと!」 そう怒鳴った初老の男性は、男に膨らんだ封筒を乱暴に投げつけると 顔を真っ赤にしたまま、ドカドカと家から出ていきました。 「怖い怖い…それじゃあ簡単な方に致しますよ、 そんじゃまた御用があったらいつでもどうぞ! まぁ…その内また呼ぶ事になると思うがね…」 そのせいで、そう呟いたお兄さんの言葉も 彼の耳には届かなかった様です。 「オラ、いつまでも飛んでんじゃねぇぞ 良く聞いて一回で理解出来る様になれよ? 明日の朝まで憶えてたらもう一発打ってやるからな」 「「ゆ っ ぐ り 理 解 す る よ ぉ ーー!!!」」 「静かにしろ 遅れずに明日の朝、黒まりさに報告しに行け 『白まりさは出ていった』分かったか?」 「「白まりざは出ていった!!白まりさは出ていっだ!!」」 ___________________________________ 「む~しゃ♪む~しゃ♪しあわせ~♪」 「ゆっ!れいむれいむ!ここなんて良いお家になりそうなんだぜ!!」 白まりさの群れは新しいゆっくりプレイスに無事辿り着いてから 既に数日経っており、皆新しい環境に馴染みつつありました。 「お兄さん、いつ来るのかしらね…」 「寂しいんだねー?わかるよー…」 皆、かつて黒まりさに怯えた日々の事なんて忘れた様に お引っ越し気分でお家を作ったり、周囲を友達と探索したり、追いかけっこをしたり、 かつての様にお花飾りを家族のプレゼントの為に作ったり、とても楽しそうにしています。 その光景を見て白まりさは幸せでした。 奇跡的に誰ひとり欠ける事無く、また皆でゆっくり出来た事に。 そしてその手助けをしてくれたお兄さんに心から感謝していました。 「(お兄さん…皆ゆっくりしてるよ…)」 白まりさがその命を終えるのはこれよりずっとずっと後の事ですが、 彼女は最後まで知りませんでした。 黒まりさを呼ばせたのはお兄さんだった事に 初めからお兄さんが仕事で群れに近づいた事に お兄さんが黒まりさの手下をクスリで操っていた事に 村人に相談など一言も持ちかけなかった事、 それどころか白まりさの群れをも滅ぼす相談を一人の人間から受けていた事、 このゆっくりプレイスはもうずっと前から用意されていたものだと言う事に。 それでも白まりさは最後までお兄さんに感謝し続け、 最後まで幸せに暮らしたのでした。 ___________________________________ 「む~しゃ♪む~しゃ♪しあわせ~♪」 「む~しゃ!む~しゃ! …ゆゆ?まりさぁ!ここのご飯すっごく美味しいよ! 人間さんのところにあるご飯よりもずっと!!ごくらくー!!」 その頃、黒まりさ達の群れのゆっくり達は野原の草を啄んでいました。 それは昨日お兄さんに幸せの水を撒かれた草。 その味はまるで麻薬のようにゆっくりを魅了して離しません。 「ゆ?本当なんだぜぇ!むーしゃ!むーしゃ!…まったく! こんなゆっくりプレイスをむーしゃむしゃ!独り占めしてたあのまりさどもは とんだゲス共なんだぜ…!むーしゃ!むーしゃ!」 黒まりさもまた、幸せでした。 ちょっと痛めつけてやっただけで簡単に白まりさの群れを追い出せた事、 面倒な戦争など起こさず、群れの戦力を一匹も失わずに 城になるゆっくりプレイスを得られた事に。 黒まりさがその命を終えるのはもう間も無くの事ですが、 彼女は最後まで知りませんでした。 兵隊ありすにゆっくりプレイスの話を聞いた時に、既にありすはクスリ漬けだった事を、 子分のまりさがどうして人間の家と、白まりさと人間の密会について知っていたかを、 何故あの日、人間が反対側の窓から逃げず素直に全てを話したのかを、 自分ですら行動不能にするゆっくり用の毒物が人間界の極一部で生まれている事を。 『(ゆへへ…!この"お城"から…れみりゃでも人間でも何でも… あの弱虫人間の様にどいつもこいつまりさ様の奴隷にしてやるんだぜ…)』 そして、その城はあと数日で人間の手に渡る事を。 その夢はあと数日で砕かれる事を。 ___________________________________ 「――そんな感じの馬鹿共が居るから、俺らみたいのは食いっぱぐれねぇんだよ …まぁ、4日後まで俺の機嫌が良いままだったらいいなぁ?…クク…」 水撒きの仕事を終えて家に帰って来たお兄さんは 机の上に脚を投げて、貰ったお札をまた数え始めました。 その中で考えるのは最終的な黒まりさの処分の方法などでは無く、白まりさの群れの事。 『ゆゆ!人間はゆっくり出来ないよ!皆逃げるよ!!』 初めは警戒心の強い、面倒な仕事だと思っていました。 男の足音を聞いただけで逃げる厄介な群れ。 あの男達がかつて力づくで追い出そうしたからだと、腹を立てたものです。 「コレで村の連中にも恩が売れるな…ゆっくり様様よ… 俺がタダで施しくれてやるワケねーだろが!フヘへへへ…」 『お兄さんみたいな優しい人間さんは初めてだよ!ゆっくりしていってね!』 しかし一度打ち解けると 群れの事はどんな内緒話でも話してくれる、馬鹿な群れ。 手放しで信用してくれる馬鹿なゆっくり達。 『お兄さん!皆で見つけた綺麗なお花さんだよ!お兄さんに上げるね!』 「…クク…ハハハ……」 素直じゃないが誰よりも自分を頼ってくれたありす 自分を本当の親の様に思ってくれた子れいむ いつも樹の側で待っててくれたちぇん 誰も恨む事の出来ない真っ直ぐな親まりさ。 花を持って来てくれる小ありす 『…ありがとう、あ”り”がどう”…おにいざん…!!』 「………………」 そして最後まで自分を信用してくれた白まりさも、 本当にお人好しばかりの、平和ボケした馬鹿な群れでした。 ー完ー このSSに感想をつける
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『まりさ伝説』 6KB ギャグ パロディ 群れ ドスまりさ 自然界 人間なし いつもの小ネタです まりさは、普通のゆっくりでした。 ですが他のゆっくりは、まりさを見ると逃げていってしまいます。 「ゆっぎゃぁぁぁぁ?!こっちにこないでぇぇぇぇ!れいむは、なんにもわるいことはしてないよぉぉ!!」 「ごめんなざいぃぃぃぃ!ありずがまちがってましだぁぁぁ!!ありずは、とかいはなんかじゃないでずぅぅぅ!ゆるじでぇぇぇ!!」 今日も森で出合った、れいむとありすが逃げていってしまいました。 まりさはただ呆然と固まるばかりです。 「ゆ?なんなの…ぜ?まりさは、なんにもしてないのぜ?」 まりさは、他のゆっくりと少し容姿が違っていました。 両目が釣り上がり、眉毛が非常に薄く、顔色がとても悪いのです。 目の下には、まるでクマでも出来ているかのように黒く、両目はやけに黒目が小さいのです。 「ゆっくりしていってね!」 まりさは笑顔で、仲間に呼びかけます。 「ゆっぎぃぃぃぃ!!こっちにくるんじゃないんだぜぇぇぇ!なんだかわからないけど、おまえはこわいんだぜぇぇぇぇ!!」 「にゃがぁぁぁぁ?!おもに、かおがこわいんだねぇぇぇぇぇ!!わからないよぉぉぉぉぉ!!」 「ちっちぃぃぃんぽぉぉぉぉ?!きょせい!ぱっぱいぷかぁぁぁぁっとぉぉぉぉ!!」 「むっきゅぅぅぅぅ?!ぱちぇにはわかるわぁぁぁ!!このまりさは、きめぇまるや、れみりゃよりこわいのよぉぉぉ!ぎゅむ!エレエレエレエレ…」 みんなまりさの顔をみただけで、震え上がってしーしーを漏らします。 他のゆっくりには、まりさはとってもゆっくり出来ない、恐いものに見えているのです。 そのせいで、まりさは今まで一人ぼっちでした。 ですがまりさは、とっても心優しいゆっくりなのでした。 まりさが新しく引っ越してきたので、群れに入れてもらおうと挨拶をしようとしただけなのに、どのゆっくりも話を聞いてくれません。 困ったまりさは、足の遅いれいむに声をかけました。 「れいむ、ゆっくりしていってね!まりさは、このむれのおさにようじがあるのぜ!あんないしてほしいのぜ!」 「ゆっくりしていって………ゆっぎゃぁぁぁぁ!れいむは、なにもわるいことはしてません!はらいますうぅぅ!はらいますからぁぁぁ!!」 所が、やっぱりこのれいむも、まりさの顔を見ただけで、うんうんを漏らして泣いてしまいました。 まりさは困ってしまい、れいむをなだめ様としました。 「ゆわぁぁ!ぐるなぁぁぁぁ!!このゆっくりごろじめぇぇぇぇ!れいむをたおしても、なんにもとくにはならないよ!やるなら、おさにしてねぇぇぇ!!お、おさなら、あっちだよぉぉぉ!」 れいむは両目をぐるぐると回しながら、歯をガチガチと鳴らして、もみ上げで一つの洞穴を指しました。 まりさは笑顔でれいむにお礼を言うと、れいむの指した洞穴を目指して跳ねていきました。 「ゆっびぃぃぃぃ!わらうなぁぁぁぁ!おもに、おもにえがおがこわいぃぃぃぃぃ!ゆぴっ!ぴぴぴぴぴーーーーー!!」 れいむは恐怖のあまり、白目を剥いて、気絶してしまいました。 そんな事とは知らないまりさは、洞穴の前で元気に挨拶をしました。 「ゆっくりこんにちは!まりさはまりさなのぜ!このむれに、いれてほしいのぜ!ゆっくりよろしくなのぜ!」 「ゆーん?ドスに何か用?群れに入りたい………ゆっぴぃぃぃぃ?!」 洞穴から出てきたのは、まりさよりも大きなドスまりさでした。 まりさは、ドスを見るとさわやかな笑顔を見せました。 所がドスには、なんだか物凄くゆっくり出来ない物に見えました。 (な、なんなの、このまりさは?!なんだか、とってもゆっくり出来ないお顔に見えるよ!いったいドスに何の用なの?ま、まさか、ドスの群れを乗っ取りに来たの?!) ドスは物凄く怯えていました。 ドスはれみりゃから、群れを守った事もあります。 野犬さんも、ぷくーで追い払った事もありました。 ですがこのまりさは、それよりも遥かに恐ろしいものに見えたのです。 体が勝手にガタガタと震えて、変な汗が額を伝うのがわかりました。 「ゆ…ゆっひぃぃぃ!お前は、いったい何なんだぁぁ!!ドスの群れは、ドスの物だよぉぉぉ!お前なんかに、渡さないよぉぉぉ!!」 「ゆゆ?なにをいってるのぜ?まりさは、このむれに、いれてほしいだけなのぜ!よろしくなのぜ!」 「ゆっぴぃぃぃぃ!やっぱり、群れを乗っ取るきかぁぁぁ?!ドスを睨むなぁぁぁ!恐くなんか、恐くなんか、ないんだよぉぉぉぉ!!」 まりさは、怯えるドスを不思議そうに眺めると、爽やかに、凛々しい顔をしました。 ですがドスには、すさまじい形相で睨んでいる様に見えたのです。 ドスは、恐くて恐くて仕方ありませんでしたが、群れの長として逃げ出す訳にもいかず、必死で耐えていました。 (ゆぅ?このどすは、なんだかかおいろがわるいのぜ。どこかびょうきなのかもしれないのぜ!これはたいへんなのぜ!まりさがなんとかしてあげるのぜ!) 「ゆけっ!ゆっけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!(どす、だいじょうぶなのぜ?!しっかりするのぜ!!)」 「ゆっひぃぃぃぃぃ?!くるなぁぁぁぁ!!こないでぇぇぇぇ!ドスは、まだ死にたくないんだよぉぉぉぉ!!」 まりさは、ドスの具合が悪いと勘違いして、大あわてでドスに向かって跳ねていきました。 このまりさは慌てると、自分でも何を叫んでいるのか解らなくなりました。 ですがその姿は、誰から見ても奇声を上げて襲い掛かってくるようにしか見えません。 ドスは恐怖に耐え切れず、大慌てで逃げていきました。 「ぐるなぁぁぁ?!こないでぇぇぇぇ!!どすすぱーくうつよぉぉぉ!ほんきだよぉぉぉ! 『ドカッ!』 ゆひっ?!ゆっぎゃぁぁぁぁぁ!!」 「ゆけぇぇぇぇぇ!!ゆけっしゃぁぁぁぁぁいぃぃぃぃぃ!!(どす、そっちはあぶないよ!どすぅぅぅぅぅぅ?!)」 何と言う事でしょう。 ドスまりさは逃げる事に夢中で、足元の石に気がつかず、つまづいた拍子に坂から転げ落ちていきました。 「ゆげっ!ごがっ!ひぎぃ!ぶべっ!いがっ!ゆがっ!ゆごぉぉぉぉぉ!!」 木や岩にぶつかりながら、ドスまりさは一気に坂を転がり落ちていきました。 そしてやっと止まった頃には、ドスの体はボロボロになっていました。 「ゆひっ…ゆひっ…ごめんな…ざ……むれは…あげま…ず…ゆるじ…で…ゆご…ご…ぎぎ…」 それからしばらく経ちました。 まりさは、坂の下で死に掛かっていたドスまりさを助けました。 群れ一番のお医者さんの、えーりんに頼んで治療をしてもらったのです。 その際にも、何故かえーりんは、まりさに命乞いをしていました。 「ゆ!ドス、おはよう!ゆっくりしていってね!」 「ゆっひぃぃぃ!まりさ様、おはようございます!ゆっくりしていってください!!」 元気になったドスまりさは、まりさに群れを譲りました。 まりさは必死に断ったのですが、ドスが泣いて頼むので、仕方なく長をやる事になりました。 「ゆっひぃぃ!おさぁぁぁ?!れいむは、ゆっくりしています!わるいことはしていません!だから、ゆっくしていってくだざいぃぃぃ!!」 「ゆぎゃぁぁぁ!おざぁぁ?!こんなところに、なんのごようでしょうかぁぁぁ?!ありすは、むれのおきてをやぶったりしてないですぅぅぅ!!」 「ゆひぃぃぃ!おさぁぁぁ?!ちぇんは、にんげんさんのはたけには、いったりしてないんだよぉぉぉぉ!わかってねぇぇぇぇ!!」 まりさが群れの様子を見回ると、何時も緊張したように硬くなる群れのゆっくり達。 まりさはそれを、長が来たから硬くなっていると思っていました。 そして不思議な事に、特に罰も決めていないのに、まりさの決めた群れの掟は、誰も破る事はありませんでした。 完 徒然あき
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ちーちー注意! 性格の悪いゆっくりがいます。 俺設定ありです。 ____________________ 「なんなの・・・?このこは・・・?」 お母さんまりさは驚いていた。 このお母さんまりさはたった今出産を終えたばかり。 お腹型にんっしんだったので生まれた子は2匹だった。 先に生まれた赤ちゃんはお母さんに良く似た、とってもゆっくりした子だった。 きれいな帽子、金色の髪、ちっちゃなリボン。 「ゆっくちちていってね!」と声を上げる姿には、思わず顔が綻んでしまう。 しかし後から生まれた赤ちゃんゆっくりは不思議な姿だった。 金髪の髪にちっちゃなリボン。間違いなくまりさ種の赤ちゃんである。 しかし 大きく違ったのは そのこの帽子は 貝殻だった 『赤ちゃんまりさとまりさつむり』 帽子が無いわけではないので、ゆっくり出来ない子ではない。 しかし明らかに形の違う帽子(貝殻)を持っている。 それでもでもそのこが「まりさ種」と認識する事が出来る。 まりさつむりは本来水辺に生息するゆっくりまりさの亜種。 こんな森の中に貝とは場違いというものである。 しかしそんなことを知らないお母さんまりさは混乱していた。 自分ひとりでは解決できないと思ったお母さんまりさは、 同じ群れのぱちゅりーに相談することにした。 このまりさ一家は小さな群れに所属していた。 群れといっても、いわゆる「ドスまりさ」を中心としたような大規模なものではない。 このまりさ一家以外に、2つのれいむの一家、一人暮らしのぱちゅりーという小さなものである。 「むきゅ!そのこは“まりさつむり”よ!」 まりさ一家の巣にやってきたぱちゅりーは言った。 「まりさつむり?」 「そうよ!れっきとした“まりさ”よ!それもとってもめずらしいのよ!」 それを聞いた、先に生まれた赤ちゃんまりさ(以降姉まりさ)は 「ゆ!まりちゃのいもーとはとくべちゅ!しゅごい♪」 と自分のことのようによろこんでいる。 そりてぱちゅりーはまりさつむりについて知っている事を話した。 数が少ないこと、貝殻が帽子の代わりであること、貝殻は普通の帽子よりお水に強いことなど。 「でもどうしてその“まりさつむり”がうまれたんだろう・・・?」 「きっとまりさがとってもゆっくりしたおかあさんだから、かみさまがさずけたんだわ!むきゅん☆」 「ゆぅ、じゃあこのこはとってもゆっくりしたあかちゃんなんだね!」 「いもーと、ゆっくち!」 自分がゆっくりしたおかげで生まれた「まりさつむり」。特別な子。 そんなゆっくりの母親になれたことを素直に誇らしく思った。 当の赤ちゃんまりさつむりは「ゆぅー?」とくびを傾げるばかりだったが。 「おかーしゃん、おなかがすいたよ!」 「ゆっくちぺこぺこだよ!」 ぱちゅりーが巣を後にしてからほどなくして、2匹の赤ちゃんは空腹を訴えた。 「ごめんね!すっかりおそくなっちゃったけどさいしょのごはんにしようね!」 そういとお母さんまりさは、巣の蓄えの中からえさを持ってきた。 生まれたてはまだ十分にものを咬む力が無いので、出来るだけ柔らかいものを選んだ。 そしてある程度の量を集めて、巣にあるテーブル(ただの拾った小箱だが)に置いた。 「さあ、あかちゃんたちいらっしゃい!ごはんよ」 「ゆ!ごはんたべりゅよ!」 「ゆっくち!」 ぴょこぴょこと跳ねてテーブルに近づく姉まりさ。 ぴょんっとテーブルに飛び乗ると、早速ごはんにありついた。 「むーちゃ、むーちゃ、しあわちぇー☆」 その様子を見て思わず笑顔になるお母さんまりさ。 なんてゆっくりした子だろう。何てゆっくりした笑顔だろう。 見ているだけで癒されるようだった。 しかしもう1匹の赤ちゃんがまだやってこないことに気づいた。 「しゅーり、しゅーり・・・」 何故か口で足音(?)をつぶやきながら赤ちゃんまりさつむりは這うように近づいていた。 そう、まりさつむりはその貝の重さゆえ“跳ねて移動する”ことが出来ないのだ。 もともと水辺に住むまりさつむりは、藻などを主食とするため狩りを行う事がほとんど無い種である。 移動能力の変わりに外敵から、そして水から身を守る貝殻をてに入れたのがまりさつむりなのである。 そのためゆっくりとしか移動できないのである。 必死で近づく赤ちゃんの姿を見たお母さんはおもわず駆け寄った。 この子はゆっくりとしか移動できないという事が、流石に理解できたのだ。 そして赤ちゃんまりさつむりをくわえると、テーブルまで運んだ。 「ゆ♪おかーしゃん、はやいはやい♪」 そしてぽんっとテーブルにのせてあげた。 「またせてごめんね!ゆっくりたべてね!!」 「ゆっくちいただきます!」 ようやく食事にありつけた赤ちゃんまりさつむりは、しあわちぇー☆と声を上げた。 そんな様子を見ていた姉まりさ。お母さんに運んでもらったのが羨ましかったのだろう。 「ゆ!じゅるーい!まりちゃもはやいはやいちたいよ!!おかーしゃんやってやって!!」 「だめよ!あなたはじぶんでぴょんぴょんできるでしょ!」 「ゆぅ・・・」 そして食後、二匹の赤ちゃんはじゃれあって遊んでいた。 「ゆーころころー♪」 「おねーちゃん、くるくるー♪」 ころころと転がる姉まりさとそれを目で追う妹。 何の遊びをしているのか全く分からないが、二匹は楽しそうだった。 そんなときである。 「ころころー、ゆっ!」 ぽこんっ、と転がっていた姉まりさが、妹にぶつかってしまった。 ひっくり返る二匹。様子を見ていたお母さんも心配そうだ。ところが、 「ゆぅ・・・ゆ・・・!いちゃいいいいい!」 声を上げたのは姉のほうだけである。 姉まりさはぶつかったときに貝殻の突起部にぶつかったのだ。 餡子が出るほどの怪我ではないが、それでも内出血のように餡子がじんわりにじんでいた。 「ゆぅ・・・!ゆっくちできないぼうちだね!!ぷんぷん!!」 涙目になりながら姉まりさは妹の貝殻を引っ張りだした。 「やめちぇよ!おねーちゃん!まりちゃわるいことちてないよ!!」 「まりちゃがいちゃいいちゃいなのは、そのゆっくちできないぼいしさんのせいだよ!!ゆっくちりかいちてね!!」 「やめちぇぇぇぇぇ!!」 はじまる姉妹喧嘩。 思わずお母さんまりさが割ってはいる。 姉まりさは思った。お母さんが妹を叱ってくれる。ゆっくり出来ない帽子さんをどうにかしてくれる。 「なにしてるの!」 怒られたのは姉のほうだけであった。 「なにいっちぇるのおかーしゃん!まりちゃいちゃいいいちゃいなんだよ!?わるいこともちてないよ!?」 「だまりなさいね!ぶつかったのはあなたのほうからでしょ!!」 「でも・・・いもーとのぼうしさんが・・・」 「だまってね!!!ゆっくりあやまってね!!!」 「・・・ゆぅ・・・ごめんなちゃい・・・。ゆっ・・・ゆっ・・・ゆぇぇぇぇぇぇぇん!!」 「おねーちゃん・・・」 お母さんまりさの言い分は当然のものだが、理解できない赤ちゃんである姉まりさは、おもわず泣きながらその場を去ってしまった。 どうして自分だけ謝るの?悪い事してないのに?痛いのは自分だけなのに? 2匹の赤ちゃんが生まれてから数日が経過した。 能力の異なる姉妹への対応はどうしても差が出てしまう。まりさつむりの移動能力の低さは特にそれを顕著にした。 それは姉まりさにとっては「妹ばっかり贔屓されてる」と思ってしまうものでもあった。 甘えたいさかりの赤ちゃんである姉まりさにとって、なんとも面白くないことである。 いつも、食事のときは妹だけ母親がテーブルへ運ぶ。 いつも、お外に出るときは妹だけ母親の帽子に乗せててもらえる。 いつも、ちーちーのときは妹だけ母親がお外へ連れて行く。 いつも、妹だけ、いつも、妹だけ、いつも・・・・ また、特別な姿を持つ妹の姿はすぐに群れ住む、れいむの一家にも伝わった。 「ゆ!ふしぎなおぼーち!」 「かわいいあかちゃんだね!」 「ゆっくりしてるよぉ・・・」 「とくべつなあかちゃん、ゆっくりそだってね」 「おかあさんもはながたかいね!!」 「ゆっくち!いっちょにゆっくちちよう!!」 遊びに来るれいむ一家にちやほやされる妹。 決して姉が無視される訳ではないが、“ついで”のような扱いが気に入らなかった。 しかし、文句を言ってもお母さんに叱られる。 表にはそんな気持ちを出さずに、出せずにいた。 (まりちゃだってかわいいのに!おかーしゃんのあかちゃんなのに・・・!!) そんなある日のこと。 巣の蓄えが少なくなってきたことから、お母さんまりさは狩りに出かけることにした。 「これからおかーさんはごはんをとってくるからね!おなかがすいたらテーブルのごはんをたべてね! おねーちゃんはいもうとのめんどうをちゃんとみてあげてね!!!」 「ゆっくちいってらっちゃい!!」 「いってらっちゃい・・・」 「ふたりとも、いいこにおるすばんしててね!!」 お母さんまりさは巣穴の入り口を隠すと、巣を後にした。 ほどなくして、妹のまりさつむりは暇をもてあましたのか歌をうたい出した。 「ゆー♪ゆんゆんー♪ゆっくちちちぇってねー♪」 「うるちゃいよ!!ゆっくちできないからしずかにしてね!!」 突然姉に怒鳴られた。訳が分からない妹は戸惑う。 「ゆぅ・・・おねーちゃんどうちたの?どうちておこるの?」 「しずかにちてっていってるでしょ!ばかなの!?」 そういうと近くにあった小石を咥えてぶつけた。 貝殻にぶつかったので怪我どころか痛みも無いが、妹のまりさつむりはびっくりした。 「ゆぅ・・・ごめんなちゃい・・・おねーちゃん・・・」 普段はお母さんに叱られるのが嫌で強く当たらない。しかし巣に2匹だけの今は別。 姉まりさは日ごろの鬱憤をぶつけだした。 そして妹には姉の態度の理由が全く分からなかった。 しばらくすると姉まりさはお腹がすいてくる。 ぴょこぴょこと跳ねながらテーブルに向かうと、母親が用意した食事を食べだした。 「むーちゃ、むーちゃ、ちあわちぇー☆」 そんな姉まりさの姿を見て、妹のまりさつむりもお腹がすいてきたのだろう。 這いながらテーブルに向かう。 「しゅーり、しゅーり・・・」 普段母親が運んでくれる分、自力では時間がかかってしまう。 お腹がすいてることもあり、普段以上にゆっくりした動きにも思える。 そんな移動をしてる間も、姉まりさの「しあわせー☆」という食事の声が聞こえてくる。 たまらずテーブルにたどり着く前に姉まりさに言った。 「おねーちゃん!まりちゃにもごはんもってきて!おなかしゅいたよ!!」 しかし 「ゆ!ごはんもじぶんでたべられないの?ばかなの?じぶんのことくらいじぶんでやってね!ゲラゲラゲラ!」 「どうちてしょんなこというにょぉぉぉぉぉぉ!?」 姉まりさは妹の頼みを一蹴した。 しかたなく自力でテーブルに向かう。もう半泣きである。 ようやくテーブルに着く。が、今度はテーブルに乗ることが出来ない。 「おねーちゃん!テーブルにのれないよ!のちぇて!のちぇて!!」 「むーちゃ、むーちゃ、ちあわちぇー☆けぷぅ・・・」 「どうちてむしちゅるのぉぉぉぉぉぉ!?」 今度は無視である。 普段お母さんに沢山かまってもらえる妹のまりさつむりが、今は何も出来ずに泣きながら騒いでいる。 自力で何も出来ないその姿を眺めながら、姉まりさは優越感に浸っていた。 「おねーちゃん!おねーちゃんんんん!!おなかしゅいたよぉぉぉ!!」 泣きながら訴えるその姿を見ながらとる食事は最高に気分の良いものだった。 (ふん!ふだんおかーしゃんをひとりじめするばつだよ!・・・そうだ) 「しょうがないくじゅだね!でもおねーちゃんはやさしいからテーブルにのせてあげるよ!」 「ゆっ!?おねーちゃん!!はやくぅぅぅぅ!!」 テーブルの下におりると、もはや泣きじゃくるばかりの妹の踏み台になってあげる。 踏み台にされる、この行為自体が屈辱に思えたがこれからのことを考えると笑いをこらえるのに必死だった。 「ゆーちょ、ゆーちょ、ゆぅ・・・ん!」 なんとかテーブルにのれたようだ。 ようやくこれでご飯が食べられる。そう思った妹のまりさつむりがテーブルの上の異変に気づいた。 「ゆ・・・ごはんが・・・にゃいよ!?にゃんで!?にゃんでぇぇぇ!!?」 「げぇーっぷ☆」 「おねーちゃんがじぇんぶたべちゃったの!?」 「おお、まぬけまぬけ。のろまのろま。ゲラゲラゲラゲラ」 姉まりさは二匹分の食事を全て平らげてしまっていたのだ。当然テーブルには食べカス以外何もない。 「どうちてぇぇぇ!?にゃんでぇぇぇぇ!?ゆえぇぇぇぇぇぇん!!!」 「ぷっすー☆ひとりでなんにもできないのろまなくじゅなんだね!とくべちゅ(わらい)なちゅむりちゃーん!!」 「ゆぇぇぇぇん!おかーしゃん!!おかーしゃーん!!!」 「すぐそうやっておかーしゃんをひとりじめちようとしゅるからこんなめにあうんだよ!ゆっくちりかいちてね!!」 「ゆぇぇぇぇぇぇん!」 姉まりさはそんな妹の姿に大満足した。そして更にいじめが続く。 「くじゅまりちゃちゃんはテーブルからひとりでおりられるのかなー?ゲラゲラゲラ!」 「ゆ!?・・・くじゅじゃないもん!おりられるもん!!」 煽られた妹のまりさつむりはテーブルから飛び降りる。 しかし普段跳ねたりしない分、いわゆる足の部分は通常のまりさより弱い。 姉まりさがそんなことを知っているはずも無いが、結果妹のまりさつむりは着地と同時に大きな衝撃を受ける。 背中の殻の重さがそれを増徴する。 「ゆぴゅっ!」 おもわず餡子を吐いていしまう。 「ゆぇぇぇぇ・・・いちゃいいいぃぃぃぃ・・・」 全身に響く衝撃と痛みでもだえるような声しか出せない妹。 そんな姿を見て、姉まりさはゲラゲラゲラと笑うばかりである。 そのとき、あまりの痛さと苦しさに チョロロロロロ・・・・・ 「ゆ゛っ!ちーちーをもらちてるよ!?くじゅはちーちーしゅるすがたもまにゅけだね!!」 「ゆぅ・・・みにゃいでぇ・・・」 「おお、くさいくさい」 もはや叫ぶことも出来ない妹のまりさつむりはその場でうずくまり、ちーちーを漏らした。 「ちーちーのなかでおねむ!?ゲラゲラ!!そんなにちーちーがすきなら、まりちゃのもあげるよ!!!」 チョボボボボボ・・・・・ 姉まりさはちーちーを引っ掛け始めた。そこには2匹分のちーちーによるおおきな水溜りが出来ていた。 空腹と、先の号泣・お漏らしによる水分の消失、叫び続けたことから来る疲労、全身の痛み。 もううずくまったまま、ちーちーの水溜りから動くことが出来ず、気を失ってしまった。 「ぷっすー☆くじゅはちーちーのなかでおねむがおにあいだね!くさいくさい!ゲラゲラゲラ!!」 たっぷりと日ごろの不満を妹にぶつけた姉まりさ。 ひとしきり笑うと満足したのか寝床に向かい、昼寝をすることにした。 どっすん!! 「ゆびゅる!!」 餡子を吐きながら、姉まりさはめをさました。 何が起こったのか理解できない。 しかしすぐに全身を激痛と、ずっしりとした重さが支配していることに気づいた。 「ゆ・・・いちゃいいいいいいい!!」 「いだいじゃないよ!!よぐも!!よぐもあがぢゃんを!!おもうどをぉぉぉぉぉ!!」 「ゆ・・・!?おかーしゃん!?にゃんで!?どうちてこんにゃことしゅ・・・ゆぴぃ!!」 こんとは咥えられてそのまま巣の壁に叩きつけられた。 「よぐもいもうどをごろじだね!ゆっぐりでぎないあがぢゃんはおがーざんのこじゃないよ!!!」 姉まりさが昼寝を始めてから随分たった後、お母さんまりさは巣に戻ってきた。 「ゆ!これだけあればあかちゃんたちもじゅうぶんゆっくりできるよ!!」 たっぷりの食べ物を頬に、帽子にしまっているお母さんまりさ。 はやく赤ちゃんの顔が見たい。いそいそと巣穴の入り口を開き、中に入った。 「ゆっくりただいま!!たくさんごはんをとってきた・・・!?」 お母さんまりさは巣の違和感に気づいた。たちこめるあまったるい臭い。ちーちーの臭い。 そしてその中に・・・ 「あ・・・あ゛・・・あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!????」 ちーちーの水溜りで気絶した事によって皮が溶け、 そこから餡子が溶け出してしまい、 絶命した、 妹のまりさつむりの、 変わり果てた姿であった。 水に強い貝殻があっても、本体は饅頭。水溜りの中では長くは持たなかったのだ。 「どうじでぇぇぇぇ!?あがぢゃんんんん!?だれがぁぁぁぁぁ?!ゆ゛!?」 そういえばもう1匹の赤ちゃんがいない。 まさか、そのこも!? 不安になったお母さんまりさは巣の中を探し出した。 しかしあっさりと、寝息を立てて眠る赤ちゃんの無事な姿を見つけた。 ほっとするお母さんまりさ。しかし、ここでなんで妹のまりさつむりがあんな姿になっていたのか考え出した。 巣の中が荒らされていたわけじゃないし、なにより入り口はしっかりと隠していた。 外から何かが入ってきたわけではない。 巣の壁にも異変はない。 中にいたのは赤ちゃんだけ。 1匹は死んで、1匹は無事・・・ いっぴきはぶじ・・・ なかにいたのはあかちゃんだけ・・・ あかちゃんだけ・・・ まさか。まさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさか!!!!!! 次の瞬間には姉まりさに飛び掛っていた。 「よぐもぉぉぉぉぉ!!!じねぇぇぇぇぇ!!!」 「やめちぇぇぇぇぇ!!おかーしゃ・・・」 「おばえみだいなぐずが、おがーざんなんでよぶなぁぁぁぁぁ!!!」 「おかーs」 びちゃぁッ!! 姉まりさが言い切る前に、餡子が地面に広がった。 姉まりさはただの餡子の塊になった。 (どうちて・・・おかーしゃん・・・) 「ゆぐっ!ゆぐっ!まりざはっ!とぐべづなあがぢゃんをっ!さずがったのにっ!!ゆぐっ!!」 「なんで・・・・!こんなことに・・・!!」 巣に残されたのは、もはや泣くしか出来ないお母さんまりさと、地面に広がる餡子、水溜りの中のちいさな貝殻だけであった。 これまで書いたもの ゆっくりいじめ系856 赤ちゃんれいむとすりすり このSSに感想を付ける
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ちーちー注意! 性格の悪いゆっくりがいます。 俺設定ありです。 ____________________ 「なんなの・・・?このこは・・・?」 お母さんまりさは驚いていた。 このお母さんまりさはたった今出産を終えたばかり。 お腹型にんっしんだったので生まれた子は2匹だった。 先に生まれた赤ちゃんはお母さんに良く似た、とってもゆっくりした子だった。 きれいな帽子、金色の髪、ちっちゃなリボン。 「ゆっくちちていってね!」と声を上げる姿には、思わず顔が綻んでしまう。 しかし後から生まれた赤ちゃんゆっくりは不思議な姿だった。 金髪の髪にちっちゃなリボン。間違いなくまりさ種の赤ちゃんである。 しかし 大きく違ったのは そのこの帽子は 貝殻だった 『赤ちゃんまりさとまりさつむり』 帽子が無いわけではないので、ゆっくり出来ない子ではない。 しかし明らかに形の違う帽子(貝殻)を持っている。 それでもでもそのこが「まりさ種」と認識する事が出来る。 まりさつむりは本来水辺に生息するゆっくりまりさの亜種。 こんな森の中に貝とは場違いというものである。 しかしそんなことを知らないお母さんまりさは混乱していた。 自分ひとりでは解決できないと思ったお母さんまりさは、 同じ群れのぱちゅりーに相談することにした。 このまりさ一家は小さな群れに所属していた。 群れといっても、いわゆる「ドスまりさ」を中心としたような大規模なものではない。 このまりさ一家以外に、2つのれいむの一家、一人暮らしのぱちゅりーという小さなものである。 「むきゅ!そのこは“まりさつむり”よ!」 まりさ一家の巣にやってきたぱちゅりーは言った。 「まりさつむり?」 「そうよ!れっきとした“まりさ”よ!それもとってもめずらしいのよ!」 それを聞いた、先に生まれた赤ちゃんまりさ(以降姉まりさ)は 「ゆ!まりちゃのいもーとはとくべちゅ!しゅごい♪」 と自分のことのようによろこんでいる。 そりてぱちゅりーはまりさつむりについて知っている事を話した。 数が少ないこと、貝殻が帽子の代わりであること、貝殻は普通の帽子よりお水に強いことなど。 「でもどうしてその“まりさつむり”がうまれたんだろう・・・?」 「きっとまりさがとってもゆっくりしたおかあさんだから、かみさまがさずけたんだわ!むきゅん☆」 「ゆぅ、じゃあこのこはとってもゆっくりしたあかちゃんなんだね!」 「いもーと、ゆっくち!」 自分がゆっくりしたおかげで生まれた「まりさつむり」。特別な子。 そんなゆっくりの母親になれたことを素直に誇らしく思った。 当の赤ちゃんまりさつむりは「ゆぅー?」とくびを傾げるばかりだったが。 「おかーしゃん、おなかがすいたよ!」 「ゆっくちぺこぺこだよ!」 ぱちゅりーが巣を後にしてからほどなくして、2匹の赤ちゃんは空腹を訴えた。 「ごめんね!すっかりおそくなっちゃったけどさいしょのごはんにしようね!」 そういとお母さんまりさは、巣の蓄えの中からえさを持ってきた。 生まれたてはまだ十分にものを咬む力が無いので、出来るだけ柔らかいものを選んだ。 そしてある程度の量を集めて、巣にあるテーブル(ただの拾った小箱だが)に置いた。 「さあ、あかちゃんたちいらっしゃい!ごはんよ」 「ゆ!ごはんたべりゅよ!」 「ゆっくち!」 ぴょこぴょこと跳ねてテーブルに近づく姉まりさ。 ぴょんっとテーブルに飛び乗ると、早速ごはんにありついた。 「むーちゃ、むーちゃ、しあわちぇー☆」 その様子を見て思わず笑顔になるお母さんまりさ。 なんてゆっくりした子だろう。何てゆっくりした笑顔だろう。 見ているだけで癒されるようだった。 しかしもう1匹の赤ちゃんがまだやってこないことに気づいた。 「しゅーり、しゅーり・・・」 何故か口で足音(?)をつぶやきながら赤ちゃんまりさつむりは這うように近づいていた。 そう、まりさつむりはその貝の重さゆえ“跳ねて移動する”ことが出来ないのだ。 もともと水辺に住むまりさつむりは、藻などを主食とするため狩りを行う事がほとんど無い種である。 移動能力の変わりに外敵から、そして水から身を守る貝殻をてに入れたのがまりさつむりなのである。 そのためゆっくりとしか移動できないのである。 必死で近づく赤ちゃんの姿を見たお母さんはおもわず駆け寄った。 この子はゆっくりとしか移動できないという事が、流石に理解できたのだ。 そして赤ちゃんまりさつむりをくわえると、テーブルまで運んだ。 「ゆ♪おかーしゃん、はやいはやい♪」 そしてぽんっとテーブルにのせてあげた。 「またせてごめんね!ゆっくりたべてね!!」 「ゆっくちいただきます!」 ようやく食事にありつけた赤ちゃんまりさつむりは、しあわちぇー☆と声を上げた。 そんな様子を見ていた姉まりさ。お母さんに運んでもらったのが羨ましかったのだろう。 「ゆ!じゅるーい!まりちゃもはやいはやいちたいよ!!おかーしゃんやってやって!!」 「だめよ!あなたはじぶんでぴょんぴょんできるでしょ!」 「ゆぅ・・・」 そして食後、二匹の赤ちゃんはじゃれあって遊んでいた。 「ゆーころころー♪」 「おねーちゃん、くるくるー♪」 ころころと転がる姉まりさとそれを目で追う妹。 何の遊びをしているのか全く分からないが、二匹は楽しそうだった。 そんなときである。 「ころころー、ゆっ!」 ぽこんっ、と転がっていた姉まりさが、妹にぶつかってしまった。 ひっくり返る二匹。様子を見ていたお母さんも心配そうだ。ところが、 「ゆぅ・・・ゆ・・・!いちゃいいいいい!」 声を上げたのは姉のほうだけである。 姉まりさはぶつかったときに貝殻の突起部にぶつかったのだ。 餡子が出るほどの怪我ではないが、それでも内出血のように餡子がじんわりにじんでいた。 「ゆぅ・・・!ゆっくちできないぼうちだね!!ぷんぷん!!」 涙目になりながら姉まりさは妹の貝殻を引っ張りだした。 「やめちぇよ!おねーちゃん!まりちゃわるいことちてないよ!!」 「まりちゃがいちゃいいちゃいなのは、そのゆっくちできないぼいしさんのせいだよ!!ゆっくちりかいちてね!!」 「やめちぇぇぇぇぇ!!」 はじまる姉妹喧嘩。 思わずお母さんまりさが割ってはいる。 姉まりさは思った。お母さんが妹を叱ってくれる。ゆっくり出来ない帽子さんをどうにかしてくれる。 「なにしてるの!」 怒られたのは姉のほうだけであった。 「なにいっちぇるのおかーしゃん!まりちゃいちゃいいいちゃいなんだよ!?わるいこともちてないよ!?」 「だまりなさいね!ぶつかったのはあなたのほうからでしょ!!」 「でも・・・いもーとのぼうしさんが・・・」 「だまってね!!!ゆっくりあやまってね!!!」 「・・・ゆぅ・・・ごめんなちゃい・・・。ゆっ・・・ゆっ・・・ゆぇぇぇぇぇぇぇん!!」 「おねーちゃん・・・」 お母さんまりさの言い分は当然のものだが、理解できない赤ちゃんである姉まりさは、おもわず泣きながらその場を去ってしまった。 どうして自分だけ謝るの?悪い事してないのに?痛いのは自分だけなのに? 2匹の赤ちゃんが生まれてから数日が経過した。 能力の異なる姉妹への対応はどうしても差が出てしまう。まりさつむりの移動能力の低さは特にそれを顕著にした。 それは姉まりさにとっては「妹ばっかり贔屓されてる」と思ってしまうものでもあった。 甘えたいさかりの赤ちゃんである姉まりさにとって、なんとも面白くないことである。 いつも、食事のときは妹だけ母親がテーブルへ運ぶ。 いつも、お外に出るときは妹だけ母親の帽子に乗せててもらえる。 いつも、ちーちーのときは妹だけ母親がお外へ連れて行く。 いつも、妹だけ、いつも、妹だけ、いつも・・・・ また、特別な姿を持つ妹の姿はすぐに群れ住む、れいむの一家にも伝わった。 「ゆ!ふしぎなおぼーち!」 「かわいいあかちゃんだね!」 「ゆっくりしてるよぉ・・・」 「とくべつなあかちゃん、ゆっくりそだってね」 「おかあさんもはながたかいね!!」 「ゆっくち!いっちょにゆっくちちよう!!」 遊びに来るれいむ一家にちやほやされる妹。 決して姉が無視される訳ではないが、“ついで”のような扱いが気に入らなかった。 しかし、文句を言ってもお母さんに叱られる。 表にはそんな気持ちを出さずに、出せずにいた。 (まりちゃだってかわいいのに!おかーしゃんのあかちゃんなのに・・・!!) そんなある日のこと。 巣の蓄えが少なくなってきたことから、お母さんまりさは狩りに出かけることにした。 「これからおかーさんはごはんをとってくるからね!おなかがすいたらテーブルのごはんをたべてね! おねーちゃんはいもうとのめんどうをちゃんとみてあげてね!!!」 「ゆっくちいってらっちゃい!!」 「いってらっちゃい・・・」 「ふたりとも、いいこにおるすばんしててね!!」 お母さんまりさは巣穴の入り口を隠すと、巣を後にした。 ほどなくして、妹のまりさつむりは暇をもてあましたのか歌をうたい出した。 「ゆー♪ゆんゆんー♪ゆっくちちちぇってねー♪」 「うるちゃいよ!!ゆっくちできないからしずかにしてね!!」 突然姉に怒鳴られた。訳が分からない妹は戸惑う。 「ゆぅ・・・おねーちゃんどうちたの?どうちておこるの?」 「しずかにちてっていってるでしょ!ばかなの!?」 そういうと近くにあった小石を咥えてぶつけた。 貝殻にぶつかったので怪我どころか痛みも無いが、妹のまりさつむりはびっくりした。 「ゆぅ・・・ごめんなちゃい・・・おねーちゃん・・・」 普段はお母さんに叱られるのが嫌で強く当たらない。しかし巣に2匹だけの今は別。 姉まりさは日ごろの鬱憤をぶつけだした。 そして妹には姉の態度の理由が全く分からなかった。 しばらくすると姉まりさはお腹がすいてくる。 ぴょこぴょこと跳ねながらテーブルに向かうと、母親が用意した食事を食べだした。 「むーちゃ、むーちゃ、ちあわちぇー☆」 そんな姉まりさの姿を見て、妹のまりさつむりもお腹がすいてきたのだろう。 這いながらテーブルに向かう。 「しゅーり、しゅーり・・・」 普段母親が運んでくれる分、自力では時間がかかってしまう。 お腹がすいてることもあり、普段以上にゆっくりした動きにも思える。 そんな移動をしてる間も、姉まりさの「しあわせー☆」という食事の声が聞こえてくる。 たまらずテーブルにたどり着く前に姉まりさに言った。 「おねーちゃん!まりちゃにもごはんもってきて!おなかしゅいたよ!!」 しかし 「ゆ!ごはんもじぶんでたべられないの?ばかなの?じぶんのことくらいじぶんでやってね!ゲラゲラゲラ!」 「どうちてしょんなこというにょぉぉぉぉぉぉ!?」 姉まりさは妹の頼みを一蹴した。 しかたなく自力でテーブルに向かう。もう半泣きである。 ようやくテーブルに着く。が、今度はテーブルに乗ることが出来ない。 「おねーちゃん!テーブルにのれないよ!のちぇて!のちぇて!!」 「むーちゃ、むーちゃ、ちあわちぇー☆けぷぅ・・・」 「どうちてむしちゅるのぉぉぉぉぉぉ!?」 今度は無視である。 普段お母さんに沢山かまってもらえる妹のまりさつむりが、今は何も出来ずに泣きながら騒いでいる。 自力で何も出来ないその姿を眺めながら、姉まりさは優越感に浸っていた。 「おねーちゃん!おねーちゃんんんん!!おなかしゅいたよぉぉぉ!!」 泣きながら訴えるその姿を見ながらとる食事は最高に気分の良いものだった。 (ふん!ふだんおかーしゃんをひとりじめするばつだよ!・・・そうだ) 「しょうがないくじゅだね!でもおねーちゃんはやさしいからテーブルにのせてあげるよ!」 「ゆっ!?おねーちゃん!!はやくぅぅぅぅ!!」 テーブルの下におりると、もはや泣きじゃくるばかりの妹の踏み台になってあげる。 踏み台にされる、この行為自体が屈辱に思えたがこれからのことを考えると笑いをこらえるのに必死だった。 「ゆーちょ、ゆーちょ、ゆぅ・・・ん!」 なんとかテーブルにのれたようだ。 ようやくこれでご飯が食べられる。そう思った妹のまりさつむりがテーブルの上の異変に気づいた。 「ゆ・・・ごはんが・・・にゃいよ!?にゃんで!?にゃんでぇぇぇ!!?」 「げぇーっぷ☆」 「おねーちゃんがじぇんぶたべちゃったの!?」 「おお、まぬけまぬけ。のろまのろま。ゲラゲラゲラゲラ」 姉まりさは二匹分の食事を全て平らげてしまっていたのだ。当然テーブルには食べカス以外何もない。 「どうちてぇぇぇ!?にゃんでぇぇぇぇ!?ゆえぇぇぇぇぇぇん!!!」 「ぷっすー☆ひとりでなんにもできないのろまなくじゅなんだね!とくべちゅ(わらい)なちゅむりちゃーん!!」 「ゆぇぇぇぇん!おかーしゃん!!おかーしゃーん!!!」 「すぐそうやっておかーしゃんをひとりじめちようとしゅるからこんなめにあうんだよ!ゆっくちりかいちてね!!」 「ゆぇぇぇぇぇぇん!」 姉まりさはそんな妹の姿に大満足した。そして更にいじめが続く。 「くじゅまりちゃちゃんはテーブルからひとりでおりられるのかなー?ゲラゲラゲラ!」 「ゆ!?・・・くじゅじゃないもん!おりられるもん!!」 煽られた妹のまりさつむりはテーブルから飛び降りる。 しかし普段跳ねたりしない分、いわゆる足の部分は通常のまりさより弱い。 姉まりさがそんなことを知っているはずも無いが、結果妹のまりさつむりは着地と同時に大きな衝撃を受ける。 背中の殻の重さがそれを増徴する。 「ゆぴゅっ!」 おもわず餡子を吐いていしまう。 「ゆぇぇぇぇ・・・いちゃいいいぃぃぃぃ・・・」 全身に響く衝撃と痛みでもだえるような声しか出せない妹。 そんな姿を見て、姉まりさはゲラゲラゲラと笑うばかりである。 そのとき、あまりの痛さと苦しさに チョロロロロロ・・・・・ 「ゆ゛っ!ちーちーをもらちてるよ!?くじゅはちーちーしゅるすがたもまにゅけだね!!」 「ゆぅ・・・みにゃいでぇ・・・」 「おお、くさいくさい」 もはや叫ぶことも出来ない妹のまりさつむりはその場でうずくまり、ちーちーを漏らした。 「ちーちーのなかでおねむ!?ゲラゲラ!!そんなにちーちーがすきなら、まりちゃのもあげるよ!!!」 チョボボボボボ・・・・・ 姉まりさはちーちーを引っ掛け始めた。そこには2匹分のちーちーによるおおきな水溜りが出来ていた。 空腹と、先の号泣・お漏らしによる水分の消失、叫び続けたことから来る疲労、全身の痛み。 もううずくまったまま、ちーちーの水溜りから動くことが出来ず、気を失ってしまった。 「ぷっすー☆くじゅはちーちーのなかでおねむがおにあいだね!くさいくさい!ゲラゲラゲラ!!」 たっぷりと日ごろの不満を妹にぶつけた姉まりさ。 ひとしきり笑うと満足したのか寝床に向かい、昼寝をすることにした。 どっすん!! 「ゆびゅる!!」 餡子を吐きながら、姉まりさはめをさました。 何が起こったのか理解できない。 しかしすぐに全身を激痛と、ずっしりとした重さが支配していることに気づいた。 「ゆ・・・いちゃいいいいいいい!!」 「いだいじゃないよ!!よぐも!!よぐもあがぢゃんを!!おもうどをぉぉぉぉぉ!!」 「ゆ・・・!?おかーしゃん!?にゃんで!?どうちてこんにゃことしゅ・・・ゆぴぃ!!」 こんとは咥えられてそのまま巣の壁に叩きつけられた。 「よぐもいもうどをごろじだね!ゆっぐりでぎないあがぢゃんはおがーざんのこじゃないよ!!!」 姉まりさが昼寝を始めてから随分たった後、お母さんまりさは巣に戻ってきた。 「ゆ!これだけあればあかちゃんたちもじゅうぶんゆっくりできるよ!!」 たっぷりの食べ物を頬に、帽子にしまっているお母さんまりさ。 はやく赤ちゃんの顔が見たい。いそいそと巣穴の入り口を開き、中に入った。 「ゆっくりただいま!!たくさんごはんをとってきた・・・!?」 お母さんまりさは巣の違和感に気づいた。たちこめるあまったるい臭い。ちーちーの臭い。 そしてその中に・・・ 「あ・・・あ゛・・・あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!????」 ちーちーの水溜りで気絶した事によって皮が溶け、 そこから餡子が溶け出してしまい、 絶命した、 妹のまりさつむりの、 変わり果てた姿であった。 水に強い貝殻があっても、本体は饅頭。水溜りの中では長くは持たなかったのだ。 「どうじでぇぇぇぇ!?あがぢゃんんんん!?だれがぁぁぁぁぁ?!ゆ゛!?」 そういえばもう1匹の赤ちゃんがいない。 まさか、そのこも!? 不安になったお母さんまりさは巣の中を探し出した。 しかしあっさりと、寝息を立てて眠る赤ちゃんの無事な姿を見つけた。 ほっとするお母さんまりさ。しかし、ここでなんで妹のまりさつむりがあんな姿になっていたのか考え出した。 巣の中が荒らされていたわけじゃないし、なにより入り口はしっかりと隠していた。 外から何かが入ってきたわけではない。 巣の壁にも異変はない。 中にいたのは赤ちゃんだけ。 1匹は死んで、1匹は無事・・・ いっぴきはぶじ・・・ なかにいたのはあかちゃんだけ・・・ あかちゃんだけ・・・ まさか。まさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさか!!!!!! 次の瞬間には姉まりさに飛び掛っていた。 「よぐもぉぉぉぉぉ!!!じねぇぇぇぇぇ!!!」 「やめちぇぇぇぇぇ!!おかーしゃ・・・」 「おばえみだいなぐずが、おがーざんなんでよぶなぁぁぁぁぁ!!!」 「おかーs」 びちゃぁッ!! 姉まりさが言い切る前に、餡子が地面に広がった。 姉まりさはただの餡子の塊になった。 (どうちて・・・おかーしゃん・・・) 「ゆぐっ!ゆぐっ!まりざはっ!とぐべづなあがぢゃんをっ!さずがったのにっ!!ゆぐっ!!」 「なんで・・・・!こんなことに・・・!!」 巣に残されたのは、もはや泣くしか出来ないお母さんまりさと、地面に広がる餡子、水溜りの中のちいさな貝殻だけであった。 これまで書いたもの ゆっくりいじめ系856 赤ちゃんれいむとすりすり このSSに感想を付ける
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・ぷにあきの絵を見てたら思いついた ・ゲス愛で、虐待無し(こんなのでもいいのかな?) ・ぷにあき氏の許可は得ました。ご提供ありがとうございます ・この作品はぷにあき氏の作品のコメントと独自解釈に基づいて作られています。 ・私の過去作品のキャラクターがひょっこり ・HENTAI要素あり ・なんか色々酷い いらっしゃいませ!! とても衛生的なお店に入ると同時に店員の声が聞こえてきた。 ここはゆっくり関係の専門店でいろんなゆっくりがいる。 ここでは様々なゆっくりが置いてある 「ちぇんはゆっくりできるゆっくりなんだよ~。わかったらとっととかってねぇぇぇ!!」 「どっどどばりざざまをがえぇぇぇぇぇ!!」 「でいぶのおうだをぎいだらどっどどでいぶにあばあばをがえぇぇぇぇぇ!!」 …本当にいろんなゆっくりがいるなぁ…。 俺は心の癒しになってくれるようなゆっくりが欲しくてここに来たのになぁ… 「あらお兄さん、ゆうかははやくお花さんをそだてたいの。だからゆうかをかってくれないかしら?」 おお、このゆうかはとてもおとなしそうだな。 どれどれ…げ!!俺の給料1月分!?勘弁してくれよ… 「おや、お客さん。どのようなゆっくりをお望みですか?」 店員が俺の様子を見てこっちに来た。 「いやぁ…この辺りのゆっくりみたいな良い子を欲しいんですが…なかなかお財布が…」 そういうと店員は一瞬ニヤリと顔を歪めたが、すぐにいつもの営業スマイルに戻り 俺の耳元に顔を近づけてきた 「それじゃあなかなか見どころのあるお客さんだけに特別にお見せしたい物が ございます。少しこちらに来ていただけますか?」 そういうと店員は奥の鍵が付いた部屋の鍵を開け、手招きしてきた。 おれは一瞬怪しくなったがまあいいやと楽観的に考え、店員の後について行った。 そしてその秘密の部屋にいたのは… 「ゆふふふふ、お兄さんはまりさを飼ってくれるの?」 「ゆわ~い、お兄さんがきたのぜ~!!」だきだき 「…(まりさだけのお兄さんならまりさをギュっとしてくれるのぜ!!)」 「お兄さん!!まりさとお話しよ!!お話しよ!!」 たくさんの胴つきまりさ達だった。 どのまりさ達も俺の姿を見るや否や俺に群がってきて中には俺に抱きついてきたまりさもいる。 「えっと…これは?」 「こちらですか?こちらは当店オリジナルの商品、胴つきまりさです。 質、クレーム、返品は一切しないという条件に見る目のある方にのみこのまりさをご紹介 いたしています。どういたしますか?今お買いになるならこのご金額でお取引いたしますが?」 そういうと店員は電卓の数字を俺に見せた。 …まじか!?普通胴つきのゆっくりって希少種より高いのになんで希少種のゆっくりの 半額なんだ?怪しい… 「えっと…さすがに話がうまく…」 ぎゅぅぅぅぅ… 俺に抱きついていたまりさが更にギュッとしてきた 「グスン…まりさね…親切なお兄さんとね…いっぱい…いっぱい…おしゃべりしたいよ… お兄さんは…まりさとおしゃべりするのが…いやなの?…まりさが…グスン…きらいなの…? グスングスン…」 ヤバイ…何か俺の心になにか強烈な一撃が来たぞ今!! ああくそ!!こんなうまい話がそう簡単に来るはずがない!!ないんだぁぁぁ!! 「お兄さん…まりさをはがさないね…まりさのことが…すきなの? まりさ…とってもうれしいな…」 ぐさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!! 「…このまりさを下さい…」 「はい!!毎度ありがとうございます!!」 そういうと店員は俺から金を受け取りレジに向かっていった。 俺が選んだまりさはまわりのまりさから祝福の声を受けていた 「よかったねまりさ!!素敵なおにいさんをゲットして!!」 「ゆぅぅうぅぅぅ!!うらやましくなんてないもん!!ないもん!!」 「…(まりさだけのお兄さんじゃなかったんだぜ…まりさだけのお兄さん、はやくまりさを 迎えにきて!!)」 「みんな…グスン…とってもうれしいよ…みんな…ゆっくりしていってね!!」 丁度まりさが他のまりさ達と別れの挨拶を済ませたと同時に店員が戻ってきて 俺にお釣りを手渡した。 受け取ったのを確認した俺は財布におつりを入れ、まりさの手をつないで店を出た。 その時の俺の顔は、これからこのまりさとの幸せな日々を想像して顔が大変にやけていた …だが一方、まりさは店を出る瞬間、一瞬だけ顔を策略家のような顔に変えてこう心の中で言った。 (ゆっへっへっへっへ!!まんまとかいゆっくりになれたんだぜ!! あとはこのお兄さんをどれいにするようにちょうっきょうするだけなんだぜ!!) ゲスまりさ まりさがお兄さんに飼われて一週間が経った。 お兄さんはまりさを娘のように可愛がり、まりさもお兄さんが大好きなゆっくりという 傍から見ていたらとても幸せそうな構図が広がっていた。 「お兄さんはまりさだけのおにいさんなんだぜ!!ほかのゆっくりにはあげないんだぜ!!」 「こ…こら!!人前でそんな恥ずかしい事言わないでくれよ!!」 「あ~げ~な~い~も~~ん!!」 お兄さんが女性の横を通っただけでこれである。通行人はこの中睦まじい様をみて 顔を笑顔に変えるのであった。 だが、まりさは本心では策士のような思考で冷静に思考を駆け巡らせていた (ゆっふっふっふ、このお兄さんをこうやってしゃっかいふてきごうっしゃに失墜させる まりさの作戦はかんぺきなのぜ!!後はまりさに辞めて下さい!!と頭を下げるまで 続ければまりさ専用のどれいが出来上がるのぜ!!) そう、これまでのお兄さんへの行動は全て演技!! 目的はただ一つ、飼い主であるお兄さんを奴隷にし、まりさだけの御殿を作ることなのだ!! まりさは生まれつきのゲスの状態で加工所で生まれた。 生まれてすぐ餡子検査ですぐにゲスと判断され、そのまま殺処分される所だったが あの店の店長がまりさを含めた殺処分予定のゆっくりを何十匹も引き取り、 秘密裏に独自の教育法で育て上げたのだ。 それはどのような教育法なのか? 1月前… 「どっどどだすんだぜ!!」 「あまあまもっでごいぃぃぃぃぃ!!くそどれいぃぃぃぃぃぃぃ!!」 秘密の部屋に敷き詰められた大量の胴無しまりさ達が好き放題に目の前の店長を罵っていた 曰く、あまあまもってこい 曰く、うんうん食べろ!! どれもこれも普通の人間ならビキィ!!となってまりさ達を潰していただろう。 生まれた時からゲス要素が強いゆっくりならだれでもその場で殺処分だろう。 だが、店長はにこやかに見える笑顔を崩さずにまりさ達に言った 「まりさ?そうやったって人間が奴隷になるとでも思うのかい?」 この問いに一部のまりさ以外は皆高笑いをした 「なにいっているんだぜ!!まりささまをゆっくりさせるぎむがあるのはじじいたちなんだぜ!!」 「なるにきまっているんだぜ!!ごのグズ!!」 だがまりさを含めた非常にしたたかなゲス達は一言もしゃべらず、店長の言葉の真意を 見抜こうとしていた 店長がまりさ達の罵詈雑言に割り込むように話を続けた 「いいや、ならない。人間には君達が思うような義務なんてない。 だが、人間はとある条件をクリアーしたものに対しては非常に優しくなるのだ。 それは、かわいさだ!!」 この問いにまりさ達したたか組以外のまりさ達はまた大笑いだ。 「ゆひゃはやはひゃひゃひゃひゃ!!まりささまはもともとちょうぷりてぃーなんだぜ!!」 「もともとかわいいからほうしするんだぜ!!くそじじい!!」 まりさ達の意味のない罵詈雑言を無視して店長は話を進める 「残念ながら君達のかわいいは普通の人間からすればさほどではない。むしろ君達のその行動、 発言がすべてをぶち壊しにしている。だが」 店長が後ろのドアを開けた。 「この扉の先に人間を奴隷にする最良にしてもっとも早い道がある。 習得したいゆっくりはこの先に行け。行きたくなければそれでも良い。 惨めな最後を遂げるだけだからな」 そういうと店長は扉の奥へと消えて言った その場にいたゲスまりさたちはしばらく何がなんだか良く分からずポカンとしていたが そこにいた大半のゆっくり達は頭の中で何か結論を下すと、大笑いを始めた。 「ゆひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!なにいっているんだぜあのじじい!!」 「まりさたちはなにをやったってかわいくてかっこいいんだぜ!!」 「ゆひゃひゃひゃひゃ!!ばーかばーか!!」 大半のゲスまりさ達は好き放題そう叫ぶ。だが、端の方にいたまりさ達だけは静かに考えていた。 店長の言ったことを頭の中で思い返しながら、何をいみしているのか?何が目的なのかを考え始めた そしてしばらくすると一匹のまりさが隅の集団から抜け出て、まっすぐと扉に向かって跳ねだした そんなゆっくりまりさを、高笑いをするゲス達がさらに笑いだす 「ゆひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!まけいぬのまりさがこんなところにいるのぜ!!」 「あんこがくさっているのかだぜ?ゆひゃひゃひゃひゃひゃ!!」 だがそのまりさは高笑いをするゲス達を一瞥し、冷たい視線を送るとそのまま振りかえらずに 奥へと消えていった。 端に固まっていたまりさ達はその顔に何かを感じたのかそのままそのまりさの後を追うかの様に 一匹、また一匹とドアへと向かっていった。 まりさもその集団の一匹としてついて行っていた。 あの時はただ単にドアの先の方がやかましいここよりゆっくりできそうだったからだった。 まりさがドアの先にあった部屋に着くと、そこにはさっきの店長がいた。 店長はまりさ達が部屋の中に入ってくるのを確認すると机の上に置かれたマイクを持った。 ゲス達の群れがいる部屋に店長の声が響き渡る 『あーあー、テステス。お前達はこっちにこないのか?人間を奴隷にするだけの 技術、知識をやるといっているんだぞ』 だが、ゲス達は店長の予想通りの反応を示した 「ゆひゃひゃひゃひゃひゃ!!そんなことしなくてもにんげんはまりさのどれいなんだぜ!!」 「えらくってごめんねぇぇぇぇ!!」 「あまあまもってくるんならかんがえてやってもいいんだぜ!!」 言い放つゲス達。 店長は後ろにいるまりさ達を見て「まあこれだけいれば十分か」と呟くと すぐ近くにいた店員に指示を出した 「もう良いだろう。扉を閉めて、アレを放ってくれ」 「もういいんですか?」 「商品に使えそうな比較的したたかで賢いゲスはそうそういないってことだよ。 仕入にお金がかかった訳でもないし、気にする必要もない」 「分かりました。ケージから連れてきます。」 そう言うと店員は扉を閉め、店の奥の方へと消えて行った。 しばらくすると、ゲス達のいる部屋の別の扉から店員が現れた 「ゆ?やっとまりさせんようのどれいがきたんだぜ!!」 「おそすぎるんだぜ!!まずはせいさいしてやるんだぜ!!」 「おそかったからせいさいだよ!!ゆひゃひゃひゃひゃひゃ!!」 店員はそんなゲス達のセリフをスルーすると、後ろから何かを抱えてゲス達の前に置いた それは…れみりゃだった。 「うっう~♪」 一匹だけではなかった。その後も何匹ものれみりゃがゲス達の前に置かれていった。 置かれていったれみりゃ達はおいしそうなあまあまを目の前にし、よちよちと たどたどしい歩みでゲス達に向かっていった 「う~、おいしそうなあまあまだどぉ~。いっぱいたべるだどぉ~」 「ぷりてぃーはれみりゃのごひゃんしゃんいっぱい!!うれしいだどぉ~」 「うぎゃぁぁぁぁぁ!!なんでれみりゃがこんなところにいるのぉぉぉぉぉぉぉ!!」 「だずげろどれいぃぃぃぃぃぃぃ!!だずげろぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」 辺り一面にゲス達の餡子が広がる。 ゲス達もどうにかして抵抗しようとするが、元々自己欲が並みはずれて高いゲス達では なかなか足並みが揃わず、結局バラバラになってしまい、一匹一匹とれみりゃの餌食と なっていった。 この地獄絵図をスクリーン越しに見ていた扉をくぐったまりさ達は恐れおののき、 中にはもらしーしーをするものも現れた。 店長が静かな声で言う。 「このゲス達がなんでこんな目にあったか分かるか?したたかでなく、さらに愚かだったからだ だがお前達はここをくぐったということはこいつら以上に一応賢いという事だ。 その賢さで可愛いさを演出し、馬鹿な飼い主をだまして奴隷にしたくないか?」 まりさ達は一斉に店長の方を向いた。 店長の言うことはまりさ達からすれば大変魅力的な提案であり、 今のままでも十分人間を自分達の可愛さでメロメロにできる自身はあるが より確実にする必要性もある。 「まあいまさら逃げたくても無理だがなぁ。 ここで私の言う可愛さを習得出来なかったら…あいつらと同様になる」 店長はモニターに視線を向けた。 そこにはまりさ達とは違う敗者が地獄絵図を広げていた。 まりさ達は自分達の決断の良さに安堵の声を上げ、同時にこの人間に恐怖を覚えた。 それからまりさ達は店長の言う可愛さを習得すべく必死になった。 全ては自分達の欲深なゆっくりのため、 裏返せば死にたくなかったからでもある。 店員達の指導は大変厳しく、少しでも逆らうような真似をしたらその場で殺された。 「おいまりさ、おまえ今俺に口答えしたな!?」 「ちがうんだ…いやごめんなさい!!だからまりさをつぶさないでください!!」 「いいわけなんぞきかねえよ、おら!!」 「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁ…」 喋り方から仕草、果てには動き方まで徹底的に指導された。 ある程度指導が進んだ所で胴つきになったまりさ達はその場で殺されることはなくなったが 間違えたらこれでもかというぐらいに言葉攻めを浴びせ、徹底的に矯正した。 「あぁ、何度いったら分かるんだ?ここはこうだろうが」 「でも…まりさはちゃんと…」 「だからここはこうだって言っているだろうが!!また間違えたら潰すぞ!」 「ゆぎゃ…いやぁぁぁぁぁ!!わかりましたぁぁっぁあ!!」 それは欲望に非常に忠実なゆっくりにとっては全くゆっくり出来ない事態だった。 だがそんな努力が実を結んだのか、まりさ達は順調に自分に合う人間に可愛く見える仕草、喋り方を 学んでいった。 「涙目でさそったらどんな人間もいちころなんだぜ!!」 「ゆっへっへ、あまいんだぜ!!ちょっと変わった喋り方をしたほうがいいんだぜ!! うふふふふふふふ」 「どのまりさも馬鹿なんだぜ!!この本さんのように静かに待っていたら まりさ専用の奴隷が勝手に来るのぜ!!」 そして全ての指導を終えたまりさ達は店員がひそかに設けた売り場でこう言われた 「これからお前達に合う奴隷がくるかどうかはお前達のアピールの仕方にかかっている 何時まで経ってもいたくなければ媚を売るんだな」 それからまりさ達は時折店員が連れてくる客に必死にアピールをするようになった 全てはここから出るため。 全ては自分のゆっくりのため。 どのまりさ達も必死になった。もちろん、あのまりさも… そして現在、まりさはこの男の飼いゆっくりとなった (ゆっへっへっへっへ、あそこはまったくゆっくりできなかったんだぜ!! でもそれもかこのこととなるんだぜ!!これからまりささまのでんせつがはじまるんだぜ!!) 怪しく笑うまりさ。飼い主のお兄さんの運命は!? まりさが「お兄さんの社会的地位失墜作戦」を決行してから一週間後… 「それじゃあまりさ、俺はこれから仕事に行ってくるから寂しいけど我慢するんだよ」 「…うん、まりさ寂しいけど我慢するよ…いってらっしゃい…」 バタン!!…カチャ… 「…どぼじでしっついしてないのぉぉぉぉぉぉぉ!!」 まりさは咆哮した。 あれから人目がつく所で他の人間に見せびらかすかのようにいろんな事をした。 お兄さんが食べている物を食べるようごねて食べたり、お兄さんのほっぺにちゅっちゅをしたり お兄さんの膝の上で寝たりとあの手この手を使ってゆっくりに欲情した変態お兄さんに 仕立てあげようとしたが、失墜するどころかなんら堪えているようには見えないのだ。 (なんでなんだぜ!?まりさのさくせんはかんっぺきなはずなんだぜ!?) まりさは頭を悩ませた。 一体何が原因なのか?…それはこの付近がかなり変わっていた事が原因だった。 それが分かったのは数日後だった。 まりさがお兄さんに甘えながらデパートに入った時だった。 「おにいざぁぁぁぁぁぁぁぁっぁぁん!!」 「げらげらぁぁぁぁぁぁぁっぁぁ!!」 デパートに入ったと同時にけたたましい鳴き声が聞こえてきた。 お兄さんとまりさが声のする方へ視線を向けるとそこには胴つきのてんことうどんげが 入口の付近で立ちながら大泣きしていた。 あまりにすごい声だったせいか、人だかりが出来ていた。 「お兄さん…あの子たち」 「ああ…またか。あのお兄さんもいい加減に学んだら良いのに」 「ゆ?」 まりさは不思議に思ったがその答えはすぐに分かることになった。 あまりの大きな声に困った店員が二人の所に近寄ってくる。 その顔はまたかという顔だった。 「…はぁ、てんこちゃん、うどんげちゃん。今日はなんだい?迷子?」 「ゆぅ…ぐすんぐすん…おにいさんがね…おにいさんがね…てんこをすてちゃったのぉぉぉぉ!!」 「げらげらぁぁぁっぁぁぁぁぁぁ!!」 「捨てた?お兄さんは君達に何か言っていたの?」 「ゆぐぅ…おにいさんね…五分で戻るからここでまっててねって…ぐすん… でもね…でもね…もう十分もたってるのぉぉぉぉぉぉぉ!!」 「げらげらぁぁぁぁっぁ!!げらげらぁぁぁぁぁぁ!!」 その答えに何も知らない者は唖然とし、事情をしっている者はやっぱりという顔をした。 「いやね、ほら。今日は人がいっぱい来る日だからね、時間がかかっているだけなんだよ。 だから別に捨てられたわけじゃあ」 「きっとてんこがきらいになっちゃったからこんなところにすてちゃったんだぁぁぁぁぁ!! おにいざぁぁぁぁぁぁぁぁん!!てんご良い子になるがらずでないでぇぇぇぇぇぇ!!」 「げらげらぁぁぁぁぁぁぁぁ!!げらげらぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 「ああほら、お兄さんが君達のお兄さんを呼んであげるからこっちにおいで。ここだと ちょっと問題が」 「そうやっておにいさんとてんこを別れ離れにするんでしょぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!! いやぁぁぁぁぁぁぁ!!おにいざっぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」 「げらげらぁぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁ!!」 「お兄さん。あの子達知ってるの?」 「まあここいらで有名なゆっくりだからね。悪い子ではないんだけど飼い主のお兄さんから ちょっと離れるだけであんな感じなんだよ。…お、噂をすればなんとやら」 そう飼い主のお兄さんが言うと、買い物袋を抱えた男が早足気味にやってきた。 泣きまくっていた二人は男の顔を見るや否や泣くのをやめた。 「二人ともごめんな、えらく混んでいて買うのに時間が」 「…ひぐ…ゆっぐ…」 「げら…ぐすん…げら…」 「ん、もしかして二人とも」 「いやぁぁぁぁっぁぁぁぁ!!おにいさぁぁぁぁぁぁぁん!!てんこ良い子になるから もう捨てようなんてしないでぇぇぇぇぇぇぇ!!」 「げらげらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 二人はお兄さんの胸元に飛び込んで更にわんわん泣きだした。 男は周りの状況と二人のこの行動を見て何が起こっていたのか事情を察した。 「あの…えっと…すみませんでした!!」 「朝のちゅっちゅは一回までにするからもうすてないでぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」 「げらげらぁぁぁぁ!!(一緒におねんねも週に6回までにするからもう捨てたりしないでぇぇ!!) そういうと男は二人を抱えたままデパートを駆け足で出ていった。 「いやぁ、あいかわらずだなあのゆっくりは」 「ゆえ?あいかわらずなの?」 「そうなんだよね。お兄さんはどこにでもいる普通のお兄さんなんだけど飼っているゆっくりが 完全にお兄さん依存症みたいでね。ちょっとでも遅くなるとあんな風にわんわん泣きだすんだよ 人前でもキスをせがもうとするから近所の人たちはHENTAIの基準が分からなくなって きているんだよね」 この一言で、まりさは全てを悟った。 なんでまりさのお兄さんHENTAI化作戦が失敗したのか? それは余りにも熱烈アタックしてくるゆっくりが近所にいたからだ!! (ゆぐぐぐぐぐ、上には上がいたんだぜ。ならまりさも……はずかしくてできないんだぜ!! ならばどうするんだぜ…) まりさは作戦を変更せざるおえなくなった。 真相が発覚してから1週間後… まりさはいつもの日課であるトレーニングをやっていた。 (気を落ち着けるのぜ…てきはとってもおおきいのぜ…) まりさは目の前にいるその物体に視線を向け、そしてけどられないように背後にゆっくりと近づいていった。 敵は未だに微動だにしない。 (まだなんだぜ…攻めるときは電光石化なのぜ…) そして完全に敵の背後に回ったその時、まりさは飛びかかった!! (いまなのぜ!!) まりさは敵の背後から襲いかかり、敵を前のめりにするようにダウンさせた。 敵は完全に動きを沈黙した。まりさの完全勝利だ。 だが、まりさの攻撃はまだ終わらない (ゆっへっへっへっへ、まだまだなのぜ!!) 完全に身動きが取れない敵の背中に抱きついたまま、全身を使って 背中をギュッとした。これには敵は堪らないらしく、顔や手がわずかに動いた。 だがまりさの攻撃は一向に止まない (ゆっへっへっへっへ、まりさ様に後ろを見せるからなのぜ!! 油断するからいけないのぜ!!) そして敵の背中をギュッとすること10分… (ゆっへっへっへ、今日の所はこれぐらいで勘弁してやるのぜ) そう考えたまりさはお兄さんがUFOキャッチャーでゲットしたまりさより大きい クマのぬいぐるみから離れた。 まりさが抱きついた後には暖かいぬくもりとまりさの汗が少し染み込んでいた。 「ゆん、今日もまりさは絶好調!!」 そう一人で叫ぶと、まりさはノリノリになってクマのぬいぐるみの上に乗っかり、 指を天高く上げた。 その時、まりさの脳裏に電撃が走った。 「ゆ!?これはいけるかもしれないよ」 頭にまりさの想像が浮かび上がってくる… (ゆっふっふっふっふ、痛いのかだぜ)ふみふみ… (痛いよぉぉぉぉぉぉ!!やめてくれよぉぉぉぉぉぉ!!) (ゆっへっへっへっへっへ!!やめて欲しかったら奴隷になるんだぜ!!) (分かった!!奴隷になるからどいてくれぇぇぇぇぇぇ!!) (ゆっへっへ、なかなかいいこなんだぜ) 「これはいけそうだよ。訓練したまりさならお兄さんをふみふみして奴隷にできそうだよ!!」 そう言い放つとまりさは意を決してお兄さんの居る居間へと向かった。 お兄さんはうつ伏せになりながらなにか本を読んでいた。 かなり没頭して読んでいるせいかまりさにはまだ気がついていない (ゆっへっへ、これは好機なんだぜ) そう判断したまりさはゆっくりと足音を立てず、口も塞いでお兄さんの背後へと近付いて行った その目はまるで獲物に飛びかからんとする虎のような目だった。 (落ち着くんだぜまりさ。いつものトレーニングを忘れないんだぜ!) ゆっくりと、確実に一歩ずつお兄さんの背後に近づいていくまりさ そして後一歩でお兄さんの背中に乗れるであろう距離まで近づくと、まりさは 獲物目掛けて飛びかかった (今なんだぜ!!)「…!!」 まりさはお兄さんの背中に乗っかった事を確認するとバランスを取りながら足の位置を ずらしていく。剣道でいうすり足のような動きでお兄さんの背中を蹂躙していくまりさ お兄さんは小さくぐもった様な声を上げるとそのまままりさに蹂躙されていった 「…!!…!!」 (ゆっへっへっへっへ、苦痛で顔が歪んでいるのぜ。なかなか効果てきめんなのぜ もうちょっと苦痛に苦しめて調教してやるのぜ!!) そう考えたまりさはそれから10分もの間お兄さんはまりさにされるがままに 蹂躙されていった まりさの足が少し動くたびにお兄さんの顔は苦痛に歪められていった。 そして10分後… 「はぁ…はぁ…」 お兄さんは呼吸を乱していた。 まりさはお兄さんが苦痛に苦しみぬいたと判断し、お兄さんに対しようやく口を開いた 「どうお兄さん?痛かった?」 まりさは妖しく、お兄さんの耳元で呟く。 お兄さんは呼吸を整えてまりさに応えた。 「はぁ…はぁ…まりさ。いたいというより… 気持ちよかったよ」 「ゆへぇ!?」 まりさは顔をキョトンとさせた。 「いやぁ、最近肩とか腰とかすごい凝っていたからね。まりさが凝っている所を中心に 上手に踏んでくれたおかげですっごい気持ちよくて声がでないくらいだったよ。 いやー本当にありが…ってまりさ?きいてる?」 まりさはあまりの以外すぎる解答に声を失い、ただ口をパクパクさせていた。 (そんな馬鹿ななんだぜ!!まりさの作戦は完ぺきだったはずなのぜ!? ゆは!?…まさかお兄さんは…HENTAIお兄さん!?) 「まりさ?聞こえているかい?聞こえてくれるならもうちょっとやって欲しいんだけど…まりさ」 「ゆ!?…えっとね、ちょっとまりさ疲れちゃったからお部屋でお昼寝するね」 「え、そうかい。じゃあまた後でお願いするね」 「うん、わかったよ。(やっぱりHENTAIお兄さんだったあぁぁぁぁぁぁ!!)」 まりさは必死に走って逃げたい気持ちを抑えながらゆっくりと自分の部屋へと戻って行った もちろん、笑顔を忘れずにだ。 (うう、どうすればいいんだぜ?痛めつけようとして逆に快楽になっているんだぜ!? それだと言葉攻めも聞かないし、一体どうすればいいのぉぉぉぉぉ) 夜、まりさは頭をリセットするためにひとまず寝、それから夜になってから目を覚ました。 頭を一回リセットするために一回寝たのだが、ほとんど効果はなかった。 一回寝たら頭がゆっくりできると思ったのに、まったく頭はゆっくりしていなかった。 (おちつくんだぜ!!ここは外の様子でも見て…ゆ?) まりさの眼に飛び込んできたものそれは異常な光景だった。 素っ裸になった男の上にこの前見たあのゆっくりてんことうどんげが苦痛に顔をゆがませていた。 二人とも服は来ておらず、お兄さんと同様に完全に裸だった。 (ゆわわわわ!!なんなんだぜあれは!!なんであのふたりはあんなにお兄さんの上をあんなに 上下に移動しているんだぜ!?でもそれだけじゃああんなに痛そうな顔に…ゆぐぅ!!) まりさは何故あのゆっくりがあんなに痛がっているのか、その理由をはっきり理解した時 あまりの事に声をあげそうになったのを必死にこらえた (なにあれ…でかくて…ふといぼうさんが…ゆあぁぁぁぁぁぁ…あんなところを!! あそこはしーしーを出す所なんだぜ!?そんなものをいれるところじゃないんだぜ!?) まりさは何が起こっていたのか全く分からなかったが善良なゆっくりがあのお兄さんの せいで酷い目にあっているという事は分かった。 …実際はてんことうどんげの二人がお兄さんを眠らせてそのすきに襲っているのだが そんなことは経験のないまりさに分かるわけがなくただただ目の前で起こっている 非現実的な光景にただただ見るしかなかった。 (あああああああんなに太い棒をあんなに離させずに上下に… それにあのてんこの顔がだんだん怖くなってきたよぉぉぉぉぉ!! うう、とんでもないHENTAIお兄さん…ゆえ?) まりさはその時思い出した。まりさの奴隷予定のお兄さんも…HENTAIお兄さんであることを… (ということは…あんなことをまりさにも…ゆわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!! こわいよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!おとうさぁぁぁぁぁぁん!!おかあさぁぁぁぁぁん!! まりさぁぁぁぁぁぁぁぁ!!たすけてぇえぇぇぇぇぇっぇえ!!) まりさは会ったこともない両親、ついには互いに牽制し合っていたあのお店のまりさ達にも 救いの手を求め始めていた。 まりさは部屋の片隅に置いてあるトレーニング用のクマのぬいぐるみの後ろに隠れて 隅でがたがた震えながらお祈りをした。 (だれか助けて…) だが救いの手が来るはずもない。 だがあのお店で店員が教養という名目で読ませてくれた「シンデレラ」のように 困っている自分の所に魔法使いのおばさんがまりさを助けに来てくれるのではないかと考えた まりさはちらっと外の様子を見た。 (魔法使いのおばさんは…きていな…ゆわぁ!?) まりさの眼に入ってきた光景は今まさにまりさがもっとも見たくない光景であった (あの二人があのお兄さんに抱きしめられたままピクリとも動かないよ… もしかして…あのお兄さんが怒って…あの二人を締め殺し…ゆわぁぁぁぁぁぁぁっぁ!!) まりさは恐怖のあまりクマのぬいぐるみに必死に抱きついて目を塞ぎ、必死に 声を押し殺した。 あのHENTAIお兄さんが今度はまりさのお兄さんと一緒にまりさを殺すかもしれないからだ (いやぁぁぁぁぁっぁ!!まりさ死にたくないいぃぃぃぃぃぃぃぃ!!) そう恐怖におびえている丁度その時であった。 コンコン…「まりさ?起きているのか?」 お兄さんの声だ。 (いやぁぁぁぁぁぁぁ!!こないでぇぇぇぇぇっぇぇぇぇ!!) 「cbほあほbdlこいじょじょ;bこj;q」 クマに口元を押さえて声を出したせいか声がはっきり聞こえない 「どうしたんだ?入るよ」 カチッ!!キィィィィィ… (いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!はいってこないでぇぇぇぇぇっぇえ!!) 「一体どうしたんだいまり」 「いやぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁ!!こないでぇぇぇぇぇぇぇぇっぇえ!! こないでぇぇぇぇっぇぇぇぇぇぇぇぇっぇえ!!」 まりさは緊張の限界に達したのか半狂乱になりながら辺りにあるものをお兄さん目掛けて 投げていく。 クマの小さなぬいぐるみ、まくら、クレヨン。小さな物がお兄さん目掛けて飛んでくる 「うわ、おちつけまりさ!!」 「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっぁ!!ころさないでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!! まりさ!!死にたくないィィィぃィいィィィィィィ!!」 半狂乱になりながら手当たり次第に投げるまりさ。 お兄さんはそれらをを無視して進み、ついにまりさを抱きしめた。 「!!」 「おちつけまりさ」 お兄さんの温かいぬくもりに抱かれたまりさはお兄さんの温かい体温に抱かれ、 ほんの少しだが落ち着いた。 恐怖心があるのか、目は完全に涙目で今にもボロ泣きしそうだ 「ゆっぐ…ゆっぐ…」 「怖い夢でもみたのか?う~ん、そうだ。今日は一緒に寝よう」 「ゆっぐ…ゆえぇぇぇぇぇぇぇぇ!!こわいよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」 まりさは先ほどのビジョン通りになるのではないかと考え、泣きだしてしまった。 お兄さんはまりさの頭を優しく撫でるとまりさの眼を良く見て言った 「大丈夫だよ。お兄さんが一緒だから怖い夢も退散するよ」 「ゆっぐ…ゆえぇ…ほんと…」 「ああ、ほんとうだよ」 まりさはお兄さんの温かい手に理解不能な安心感を感じ、 そのまま一緒に寝ることを選択した。 「おやすみ、まりさ」 「おやすみなさい、おにいさん」 まりさは知らず知らずのうちにお兄さんに抱きついて眠っていた。 (お兄さんがこんなにあったかあったかだったなんてなんでいままで気付かなかったんだぜ? そうなんだぜ!!毎日毎日まりさが抱きついてあったかにすればお兄さんを奴隷にできるんだぜ!! ゆん!!きめたんだぜ!!お兄さんをまりさのあったかで奴隷にしてやるんだぜ!! ゆっへっへっへっへっへっへっへっへっへっへっへ!!) 「ゆぅ…おにいさん大好き…」 そう全くこりてないような顔でどこかおかしい結論を導き出したまりさはそのまま お兄さんに抱きついたまま眠った。 また明日から忙しくなりそうだ。明日になったらまりさのあったかで奴隷にするんだぜ!! 「店長、あのまりさ達なんですが」 「あん?クレーム?ったく馬鹿な飼い主が胴つきだからってほいほい飼って それがゲスと分かったらクレームか?買う前に散々ノークレーム・ノーリターンだと いっておるだろうに…」 「いえ、クレームではなく」「ああ、何?」 「…追加の注文が殺到しています」 店長は口をあんぐり開けた。 「はい?何で?」 「いえ、あの躾けたまりさ達が普通の躾けられたゆっくりとは一味も二味も違うという事で 普通の躾けられたゆっくりでは物足りないという方達から注文が殺到しているんですよ ほらここの掲示板も見て下さいよ。すごい人気ですよ」 おい、あの丸○点の極秘まりさマジですげえよ。半端なく可愛いって 俺の知り合いのコスプレイヤーなんてさ、かっているまりさに専用の服を作って着させて やったら大喜びして歌なんか歌って居やがったんだぜ!!結構わざとらしかったけど ゆっくりできる~おようふく~なんだぜ~♪ ゆんゆゆゆんゆ~~~ん♪ ま~りさ~の~「ま」~は~~♪ まかんこうさっぽうっ! …の~~~~「ま」~~~♪ なんて歌っていやがったぜ。マジあれは半端なかったぜ いまでは一緒にコスプレして一躍注目の的になったんだぜ 家のまりさなんてまるで狙ったかのように服のリボンを結ぼうと必死になって居やがった あの時の顔は天使がおりてきたみたいだったぜ。 んで涙目になりながら「お兄さん助けて」なんていうものだから陥落しちまったよ 「…すごいな。隠れゲスだというのにすごい反響だな。よし、まりさ以外にもありす、パチュリー種で 胴つきになる条件を研究して躾けて販売するぞ」 「え!?…まあ仕入代は0に近いから手間暇がかかるだけで行けますが 本当に胴つきになる条件を見つけ出せるんですか?」 「任せろ!!ゲスの場合なんかは大抵かなり賢くなればいけるんだからな。 早速加工所に行って即殺処分の赤ゆっくりを大量に仕入れてこい!!」 「了解しました!!」 こうしてこのペットショップを経由して隠れゲスの胴つきゆっくりが町の中に 現れるようになった。 どのゆっくりも飼い主をいかに骨抜きにして奴隷にしようと企んでいるか分からない まさしくゲスなのだ。 今日も哀れな飼い主達が犠牲になっていくだろう…。 オマケ1 まりさはゲスである。それは自分でもよく分かっている事だ。 だが、それでも同じゆっくりが死ぬという事に対しては何時まで経っても免疫が出来るものでは なかった。 あのゲスで鬼なHENTAIお兄さんは墓参りをさせてくれといってもさせてくれないと 思うし、逆にまりさを襲うかもしれない。だからあのてんことうどんげには悪いが 彼女達が死んだお家の前で手を合わせることしか今は出来ない。 (てんこ…うどんげ…今は安らかに寝てほしいんだぜ… まりさがお兄さんを奴隷にしたら、殺したHENTAIお兄さんにけしかけて 制裁せてやるんだぜ。だから今はまっていてほし) ガチャ!! 「あ~、ヤバい。遅刻しそうだ!!」 「ちょっとぉ、てんこを置いてどこに行くのよ。もっといっぱい愛し合いましょうよ」 「てんこ、そんなこといっちゃお兄さんが困ってしまいます。また帰ってからたくさんしましょう」 「うん、とりあえず帰ってから…ってなんで服きてないのぉぉぉぉぉ!! お外ではその大きな饅頭ちゃんとしまいなさい!!」 「だって急に大きくなって切れる服がなくなったんだもん。おにいさんのYシャツを着てても良い?」 「ああ、構わないから頼むから服着てくれ」 「やった、これでお兄さんの臭いはてんこが一人占めだわ」 「何言っているんですか?れいせんも着るんですよ。だから臭いは独り占めではありませんよ!!」 「何言ってるのれいせん。お兄さんのYシャツを着て良いのはてんこだけよ。」 「違います。れいせんもきるんです」 「い~や、てんこだけよ!!」「れいせんもです!!」「てんこ!!」「れいせん!!」 「だぁぁぁぁぁ!!お前ら喧嘩するならもう今晩は相手しない!!じゃあ」 タッタッタッタッタッタ… スッポンポンでいがみ合う二人の行動に我慢できなくなったお兄さんはそのまま だっしゅでいってしまった。 残された二人はお互いの顔を見合わせた。 「…うう、てんこ悪くないもん…」 「…はいはい、とりあえずお家に入りましょう」 二人ともすごくがっかりしたような顔で家の中に入って行った。 この様子をずっと見ていたまりさは訳が分からなくなり、このてんことれいせんと仲良くなるまで このお家に近づこうとはしなかったという。 オマケ2(ガチのHENTAI有り) うふふまりさのお兄さん 薄気味悪い地下… そこから何かを叩くかのような音が響いてくる。 ピシン!! 「うぼぉおぉぉぉ!!」 「うふふ、痛いの?気持ちいいの?どっち?」 そこには目隠しをされ、口にギャグボールを付けられ、手足に手錠を付けられた 男がいた。尻の穴には何か棒状の様な物が刺されており、わずかだが振動居ているようだ。 そしてその男の尻を叩く胴つきのゆっくりまりさが居た。 普通と少し変わっている所があるとすれば、それは口調にうふふを付ける所であった。 「それとも、やめてほしいの?」 男は首を必死に縦にふった。 だがまりさはお兄さんの様子などまるで見なかったかのように無視し、男の背後に 周り、男の尻を叩いた。 パシン!! 男の尻にまりさの平手が入った。 男は体をビクンと震わせた。 まりさはその様子を見て、何かを悟ったかのような顔で耳元で囁く。 「やめてほしいの?嘘いわないでね…やめて欲しい子がこんなにうれしそうに ほっぺを赤くしないよね。ほら、しょうじきに言ってゆっくりしようよ…」 まりさはあやしく囁く。 耳元に息を吹きかけ、少し耳を噛むと男は体をビクンとよじらせ まるでもとやってほしいように体をまりさに寄せてせがんできた。 スリスリ…スリスリ… 「だ~め、いい子はちゃんとこたえなきゃゆっくりできないんだよ… ほら、どっちなの?まりさに教えて…」 男はまりさから少し離れてまりさがいるであろう方向を見据えると 静かに、だが確かに頭を縦に振った。 「はい、良く出来ました。これはご褒美だよ」 そういうとまりさは尻に入っているもののメモリーをマックスにまで上げた。 「………!!!!!!!!!」 棒の振動と完全に同調するかのように背筋をピンとはり、がたがた震えだすお兄さん。 口にくわえられたギャグボールの隙間から大量の涎があふれ出る。 「うふふふふ、まりさにこんなことされて楽しいんだ。この変態」 ぐいぐい!! まりさが棒を掴みぐりぐりと動かし始めた。 お兄さんの体がさらに揺れる。 「変態」 ぐりぐり!! 「!!!!!!!」 「変態」 ぐりぐり!! 「!!!!!!!!!!!!!!!」 絶え間なく繰り返されるまりさの責めにお兄さんは体をまるで痙攣を起こしているかのように びくびくと震わせる。 永遠に続くのではないかと思われたその責めはまりさが棒をいきなり引き抜いた所で 止まった。 「…?…!!!…!!!」 お兄さんは必死にもっとやってくれとまりさに懇願する。 だがまりさはお兄さんの眼隠しとギャグボールを取るとおもむろにスカートをお兄さんの目の前で めくり上げ、お兄さんに告げた。 「だ~め、くそ奴隷にいまからすっきりを覚えされたら悪い子になっちゃうもん。 いーい?くそどれい、ごふんだけあげる。 そのあいだに、まりさのまむまむにじょうずにごほうしできたら この棒さんを二個入れてあげるよ」 「まりさ…さま…」 そういうとお兄さんはゆっくりとまりさの元に近づいていった。 おそらく本当にごほうしするつもりなんだろう。 (ゆっふっっふっふっふ、こんなに簡単に奴隷に出来るなんて拍子抜けだったね… でもいいわ、まりさはこれで忠実な奴隷、そしてまりさのための御殿を手に入れたわ うふふふふふふふふふ) まりさは妖しく笑う。 そしてお兄さんの口元がまりさのまむまむにゆっくりと近づいていき ついに口に触れようとしたその時 じりりりりりりりりりりりりりいりりりいりりりりり!! 「お、もう交代の時間か。じゃあまりさ、交代な」 「ゆへぇ?」 「ごめんなさい…ごめんなさい…もう…ゆるして…」 「何言っているんだい?さっきまで俺がMやっていたんだから今度は俺がSだ。 さっきまでのりのりでSやっていたんだからいいじゃないか」 「もう…ちょうしにのりません…おにいさんを…どれいだなんていいません… だから…これを…ぬいてください…おねがいです…でないと…まりさ…まりさ…」 「うんうん、良い誘い方だよまりさ。ここまで良い声でやめてやめてといわれたら やる気ががぜん出てくるよ。じゃあ今度はこの鞭だぞ。 大丈夫、ゆっくりの躾ようの物だから傷は残らないぞ!!」 「いやぁぁっぁ!!いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁっぁ!!」 ピシン!! 「ゆんやぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 このようになんだかんだでどこか屈折はしているが、良好な関係を結べているゲスまりさ達であった。 完 あとがき なんでこんなに遅くなった。 今さら上げてもと思っちまったけど書くと言った以上ちゃんと書かないと… というかなんか酷くなっちゃった… ぷにあきさんへ 不快だったら言って下さい。すぐに削除しますんで なんでこうなったかを説明すると …まじこのゆっくりかわえぇぇぇ→でもいくらなんでもかわいすぎ→こんなに可愛いと 実は隠れゲスっぽいな→それにだぜ口調だよなぁ→そうに違いない!! ぷにあきのゆっくりはみんな隠れゲスだ!! と妄想が膨らんでいきました。にしてもかわいすぎだぜ あ、どうもブレあきです。餡子ンペ春の結果が予想以上でものすっごい嬉しかったです。 賞品は胴つきふらんちゃんとわらうでいぶストラップ(上半身)ですか、いいですね 今度はそれをネタにして何かSS書きますね。 まあ7月は私がかなり忙しいので書けるかどうか…正直微妙… まあどうにかなるさね… 後少し私の過去作品のキャラクターを登場させたんですけど…分かりました? 次回作は餡子ンペ春の総まとめ的な作品にしようかと思います。 ではではまた読んで感想たくさん下さいね!! 時間がかかりすぎた作者:ブレあき 時間がかかりすぎた作者の過去作品 ゆっくりとの共存社会 ~ニュースキャスター~ ゆっくりの進化 一 ユグソウ プレリュード・前編 喧嘩 かえってこないあの日々 別れ れいむがゆうかでゆうかがれいむ 誘拐 賢将の逆襲 餡子ンペ作品 でいぶの忠実な奴隷 これが私のれいむ様 因果応報 子に諭される 正義の味方!!でいぶ!?
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『箒とまりさ』 2KB 愛で 観察 小ネタ いたづら 自業自得 野良ゆ ゲス 現代 おばかなゲスゆっくりは可愛くて好きです ※初投稿なのよ 「箒とまりさ」 庭で掃除をしていたら、門の影から野良まりさが熱心にこちらを見つめていた。 どうやら見ているのはこの竹箒のようだったので、 「お前これが気になるのか?」 と、声を掛けてみた。 まりさは隠れていたつもりだったのか、驚いた様子で突然怯え始めたが 箒の誘惑には耐えられなかったのか、遠慮がちにうなずいたので 門を開けて「使ってみてもいいぞ」と言ってやった。 当然まだ警戒しているようだったが、僕が箒を地面に置いて部屋に入ると 窓からは目を輝かせてまっすぐ箒へ飛び跳ねているまりさが見えた。 しばらくまりさは箒に擦り寄ったり声を掛けたり、うっとりと見つめたりしていたが、 その内満を持したように箒へまたがり、 『まりさ、ゆっくりおそらをとぶよ!』 とりりしい表情で叫んだ。 まりさはキリリとした笑顔でポーズを決めたまま、箒が浮かび上がるのを待っていたが、 当然我が家の掃除道具には魔力なんて無いので、まりさの要望に答える事はない。 数分してからやっと不思議そうな顔をして箒から降りたが、また何度か同じ事を繰り返し、 その内我慢しきれなくなったのか、自分に従わない箒を罵倒し始めた。 それを見ていた僕は、やっぱり馬鹿な子ほど可愛いなあとちょっと笑いふと時計を見る。 随分と長く休憩してしまったようで、ついでに昼食の肉まんを電子レンジに入れる事にした。 『こんなげす箒はせいっさい!するよ!!すーぱーまりさごーるでんあたっ…』 『ゆっぎゃああああああ!!まりさのかもしかさんのようなあんよがあああ!』 何やら鈍い音と叫び声がしたので、肉まんをくわえてリビングに戻ると あんよを横一文字に窪ませたまりさが庭で転げまわっている。 『よぐもまりささまのあんよをぉおお!!もう許さないよぉおお!』 『さっきはおつむだけは勘弁してやったのにこの恩知らずがぁあ!…ゆっふっふ!だけど今度はてかげんしないよ!』 『まりささまの世界遺産に匹敵するあんよに傷をつけた罪は重いよっ!しねぇええええ!!』 再びりりしい顔をして宣言したまりさは勢いよく飛び上がると、 いくつも束ねられた、歪で頑丈でな枝たちがまりさの影に覆われた。 どうやらまりさの言う「箒のおつむ」とは穂の部分の事らしい。 可愛らしい発想にくすっと笑った後、僕はまた一つ肉まんを箱から取り出し台所に向かった。 湯気を立てる肉まん片手に、再び窓の外を眺める。 庭は既に静かになっていたが、さっきのまりさを思い出してつい頬が緩んだ。 「やっぱり馬鹿な子ほど可愛いよなあ。」 昼の暖かい日差しの中、平和を象徴するかのように、僕もまりさも肉まんも笑顔だった。 柄の部分は拭くだけでいいだろうけれど、枝の方に絡んだ餡子はどうしようかな? そう一人考えながら、肉まんからむしっておいていた羽の部分を食べる。 まりさは相変わらず箒の穂の上、どこか誇らしげな顔で餡子を滴らせていた。 おわり☆