約 616 件
https://w.atwiki.jp/maroku_w/pages/343.html
種族 名前 HP 弱点・耐性 ドロップ1 ドロップ2 出現場所 仲間 備考 魔神 レッサーデーモン 640 光△闇☆火水地雷○ マジカルブースター(6%) 壊れた財宝(1%) 終末の時計塔 第弐の塔 B 天使 アルケー 555 闇△光☆火水地雷○ 星屑の欠片(1%) 終末の時計塔 第弐の塔 巨人 なまはげ 330 地斬△闇殴〇 壊れた財宝(1%) 終末の時計塔 第弐の塔 超越 メンタルフレイヤー 310 突△光闇◎火水地● 魂のローブ(2%) 壊れた財宝(1%) 終末の時計塔 第弐の塔 B 魔法使い メイド妖精魔法使い 260 闇△ 懐中時計(6%) 壊れた財宝(1%) 終末の時計塔 第弐の塔 A 戦士 ゲニン 270 光△闇○ 壊れた財宝(1%) 終末の時計塔 第弐の塔 戦士 凄腕のゲニン 1150 光△闇○ 壊れた財宝(1%) 終末の時計塔 第弐の塔 赤シンボル 獣 シーサー 300 火△地○ 魔源石(1%) 終末の時計塔 第弐の塔 爬虫類 ニーズヘグ 320 水光△地闇● 壊れた腕輪(1%) 終末の時計塔 第弐の塔 正体不明 クロエ 4444 光△闇★火水地雷突殴○ ?(終末の時計塔 第弐の塔) コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/syumatuwiki/pages/2.html
メニュー トップページ ゲーム雑談・質問・要望 このwikiについて(編集者用) 公式Discord案内 + 宣伝・イベント情報 宣伝・イベント情報 いべ1 キャラ一覧 キャラランキング 育成 武器一覧 特別研究 + Bランク Bランク 美夜子 ケイト ソナー ボンバー ギラ YoYo + Aランク Aランク ブルーベリー 澪 レイ トーベ エリック ヴェレーナ 燃 カミーラ + Sランク Sランク 太一 アリス スティンガー モーガン 水香 ククア ニーコ 奏 カーシャ レーナ 歌野華 千春 モンロー 焔影 奕晴 キャンディー 銀蛇 ミサ 霜月 + SPランク SPランク ニャンカ ヒバリ 桃子 蓮 バイパル 月 セラフィン ニャンパ ルーシー メロディー シャーロット 虹霞 ササ 神羅 神楽 装備一覧 強化・合成 おすすめ装備 チップ ペット アーティファクト 攻略 日課 メインステージ 雑魚一覧 ボス一覧 ギルドギルド討伐戦 ヒーロー試練1階層 10階層 20階層 30階層 40階層 お金関連源石 課金 ガチャ報告 + 倉庫 倉庫 テスト HTMLその他コメントテンプレートテーブルリスト図鑑火投票画像編集 管理用 ギルド討伐戦_データ一覧 ギルド討伐戦_恐怖の目 ギルド討伐戦_空の死神 ギルド討伐戦_突き刺す女王 + 最近の更新 取得中です。 ここを編集
https://w.atwiki.jp/manasisrefrain/pages/146.html
日付 2022年1月1日4 00~2022年1月8日3 59 内容 イベントストーリー「開催!アスレ島運動会」をクリアすることで源石とガチャメダルを獲得出来る。 進め方&所見 いつもの虚無周回方式ではなく、ストーリーを読み進めつつミニゲームをこなして進めていく形式になっている。 トカゲを捕まえる際は、正面にいると隠れてしまうので背後から回り込む形で行くと逃げられない。 注意 ミニゲームの「草を採集しよう」や「トカゲを捕まえよう」がサブクエストと表示されるが、実績にはカウントされない模様。 仕様なのかお家芸のバグなのかは不明。
https://w.atwiki.jp/mayshared/pages/591.html
【名称】 :孔雀蜂・女王(くじゃくばち・じょおう) 【カテゴリー】:デミヒューマン 【ランク】 :上級A-4 【初出作品】 :【偽・手のひらを太陽に。―空の守護者―】 【他登場作品】: 【備考】 :孔雀蜂の群れを率いる女王 他の蜂と違い人間の女性に近い外見をしているためデミヒューマンに分類される 魂源力を吸い取り相手を灰にする能力を持つ またその吸収は針からも可能である トップに戻る 世界観設定に戻る ラルヴァに戻る 上に戻る
https://w.atwiki.jp/iwarpg_wiki2/pages/686.html
グルッサス遺跡街 アンダー・フレイヴ[520Lv]のエリアからいける他、スノー村地下の闇市を経由しても行ける。 敵の攻撃力が高いので、しっかりとレベルを上げて装備を整えてから行こう。 また、ここではハガラズ・ヴァイスと呼ばれる強力な武器を作ることができる。 アラグ村で作成したマナヴァイス(火)のタワー村での強化、ミラード・ヴァイスから、 ここグルッサスで正体不明のヴァイスに強化した後、それを素材にハガラズ・ヴァイスを作成できる。 ただし、その為にもうひとつ必要な幻源石は1つ作るのにここでの素材を千単位で集める必要がある代物。 基本的には高レベル帯になってから数日間かけて作る人が多いが、ここに訪れた直後に数ヶ月もの時間を費やして作る強者もいる。 ハガラズ自体はここでのレベル帯では強力だが、村を経るにつれてだんだんスペック不足になってくる。しかし、 砂漠の街ルシャディールにて現時点でIWA最強の武器に進化させることができるため、作る価値は十分にある。 街の様子 ショップリスト 合成屋 素材1 素材2 完成品 効果 備考 魔素Li アンダーウール 正体不明のウール 素材 正体不明のウール*2 カゲロウの霞糸 謎の火糸石 素材 崩れかけた武片*3 魔素Li 修復が施された武片 素材 修復が施された武片 古文書の切れ端*4 古代武具石 素材 正体不明のウール*8 黒氷*2 純正魔氷 素材 アクアプリズム*3 蒼の硬鉱*3 蒼の結晶 素材 蒼の杖星*2 黒氷 蒼の黒杖 素材 蒼の結晶*10 蒼の黒杖*6 双蒼 素材 邪鬼魂*3 鬼の首飾り*2 鬼の邪悪な首飾り 素材 人灯 アルイエルの献花 人灯化したアルイエル 素材 鬼の邪悪な首飾り*3 人灯化したアルイエル 無邪気で凶悪な首飾り 素材 フリーズロップ*2 遺跡蛇の皮*2 冷え切った蛇革 素材 謎の火糸石*4 ファルファングの骨*5 傷ついた火糸石 素材 ファルファングの骨*5 古文書の切れ端*4 古代の骨 素材 冷え切った蛇革*3 黒氷*3 黒光する蛇革 素材 修復が施された武片*5 蒼の結晶*5 装飾が施された蒼の武片 素材 邪鬼魂*5 フライムパウダー*2 燃え盛る球体 素材 ブレイズパウダー*60 燃え盛る球体*3 溶熱球 素材 双蒼*2 装飾が施された蒼の武片*3 重なり合った二つの蒼 素材 無邪気で凶悪な首飾り*2 溶熱球*3 重なり合った二つの邪炎 素材 重なり合った二つの蒼 重なり合った二つの邪炎 究幻;シキサイ 素材 冷え切った蛇革*40 謎の火糸石*40 熱膨張を起こした邪革 素材 溶熱球*30 古代武具石*35 古代の金 素材 純正魔氷*40 黒光する蛇革*20 不純物が取り除かれた蛇革 素材 傷ついた火糸石*45 装飾が施された蒼の武片*45 蒼火 素材 究幻;シキサイ*10 古代の骨*64 幻の古代珠 素材 熱膨張を起こした熱革 不純物が取り除かれた蛇革 七色に光る邪蛇革 素材 古代の金 蒼火 蒼色に光る純正金 素材 七色に光る邪蛇革 蒼色に光る純正金 虹金 素材 虹金 幻の古代球 幻源石 素材 レアドロップ強化 素材1 素材2 完成品 効果 備考 般若神道 般若神道 般若神道Ⅱ オフハンドに装備時 体力+15 般若神道Ⅱ 究幻;シキサイ 般若神道Ⅲ オフハンドに装備時 体力+20 スライミーサイス 双蒼*3 スライミーサイス ダイヤ製 耐久力Ⅲ 攻撃速度-1 攻撃力+117 スライムに対してダメージが増加 装備作成 素材1 素材2 完成品 効果 備考 ミラード・ヴァイス 謎の火糸石*5 正体不明のヴァイス 火属性 耐久力50 防御力+5 攻撃速度-2.4 近接攻撃力+100 必要 500剣スキル ミラード・ヴァイス 謎の火糸石*5 正体不明のヴァイス 火属性 耐久力50 攻撃速度-3 近接攻撃力+170 必要 500斧スキル ミラード・ヴァイス 謎の火糸石*5 正体不明のヴァイス 火属性 耐久力10 パワー65 必要 500弓スキル ミラード・ヴァイス 謎の火糸石*5 正体不明のヴァイス 火属性 耐久力50 攻撃速度-3 近接攻撃力+120 必要 500大鎌スキル ミラード・ヴァイス 謎の火糸石*5 正体不明のヴァイス 火属性 耐久力50 攻撃速度-1 近接攻撃力+65 必要 500小鎌スキル 巫女の御劔 古代武具石*3 先代巫女の護身剣 光属性 耐久力6 防御力+6 攻撃速度-2.4 近接攻撃力+145 必要 565剣スキル 巫女の戦斧 古代武具石*3 先代巫女の戦斧 光属性 耐久力6 攻撃速度-3 近接攻撃力+215 必要 565斧スキル 巫女の御杖 古代武具石*3 先代巫女の護身杖 光属性 魔力+190 必要 565魔導書スキル 巫女の短杖 古代武具石*3 先代巫女の短杖 光属性 魔力+120 必要 565精霊木スキル フリーズロップ*35 魔素Li*60 フレイヴランス 氷属性 攻撃速度-3 近接攻撃力+155 必要 565大鎌スキル フリーズロップ*35 魔素Li*60 フレイヴショートランス 氷属性 攻撃速度-1 近接攻撃力+90 必要 565小鎌スキル 正体不明のウール*15 ファルファングの骨*10 ナイトゼーション 氷属性 耐久力10 パワー85 必要 565弓スキル 先代巫女の護身剣 無邪気で凶悪な首飾り*2 封じられた護身剣 耐久力不明 防御力+7 攻撃速度-2.4 近接攻撃力+182 必要 650剣スキル 先代巫女の戦斧 無邪気で凶悪な首飾り*2 封じられた戦斧 耐久力不明 攻撃速度-3 近接攻撃力+280 必要 650斧スキル ナイトゼーション 純正魔氷*2 穆浪ロードパラディン 氷属性 耐久力10 パワー110 必要 650弓スキル フレイヴショートランス 双蒼 雹樹 グローツショートランス 氷属性 耐久力2 攻撃速度-1 近接攻撃力+117 必要 650小鎌スキル フレイヴランス 双蒼 雹樹 グローツランス 氷属性 耐久力2 攻撃速度-3 近接攻撃力+200 必要 650大鎌スキル 先代巫女の護身杖 無邪気で凶悪な首飾り*2 封じられた巫女杖 魔力+245 必要 650魔導書スキル 先代巫女の短杖 無邪気で凶悪な首飾り*2 封じられた巫女短杖 魔力+156 必要 650精霊木スキル 正体不明のヴァイス 幻源石 ハガラス・ソードヴァイス 火属性 防御力+10 攻撃速度-2.4 近接攻撃力+330 耐久 必要 700剣スキル 正体不明のヴァイス 幻源石 ハガラス・アックスヴァイス 火属性 攻撃速度-3 近接攻撃力+650 耐久 必要 700斧スキル 正体不明のヴァイス 幻源石 ハガラス・ボウヴァイス 火属性 パワー150 耐久 必要 700弓スキル 正体不明のヴァイス 幻源石 ハガラス・サイスヴァイス 火属性 攻撃速度-3 近接攻撃力+440 耐久 必要 700大鎌スキル 正体不明のヴァイス 幻源石 ハガラス・ダガーヴァイス 火属性 攻撃速度-1 近接攻撃力+280 耐久 必要 700小鎌スキル 修復が施された武片*4 ヒデリグモの目*10 アルトリエ(頭) 耐久力40 耐久無限 体力+55 近接攻撃力+15 必要 500剣スキル 修復が施された武片*4 ヒデリグモの目*10 アルトリエ(胴) 耐久力40 耐久無限 体力+40 近接攻撃力+25 必要 500剣スキル 修復が施された武片*4 ヒデリグモの目*10 アルトリエ(脚) 耐久力40 耐久無限 体力+40 近接攻撃力+25 必要 500剣スキル 修復が施された武片*4 ヒデリグモの目*11 アルトリエ(靴) 耐久力40 耐久無限 体力+55 近接攻撃力+15 必要 500剣スキル 正体不明のウール*6 遺跡蛇の皮*10 メルトアーグス(頭) 耐久力40 耐久無限 体力+15 近接攻撃力+63 必要 500斧スキル 正体不明のウール*6 遺跡蛇の皮*10 メルトアーグス(胴) 耐久力40 耐久無限 体力+25 近接攻撃力+53 必要 500斧スキル 正体不明のウール*6 遺跡蛇の皮*10 メルトアーグス(脚) 耐久力40 耐久無限 体力+25 近接攻撃力+53 必要 500斧スキル 正体不明のウール*6 遺跡蛇の皮*10 メルトアーグス(靴) 耐久力40 耐久無限 体力+15 近接攻撃力+63 必要 500斧スキル 冷え切った蛇革*3 正体不明のウール*5 ラピットメイズ(頭) 耐久力40 耐久無限 体力+21 攻撃力+40 必要 500弓スキル 冷え切った蛇革*3 正体不明のウール*5 ラピットメイズ(胴) 耐久力40 耐久無限 体力+11 攻撃力+50 必要 500弓スキル 冷え切った蛇革*3 正体不明のウール*5 ラピットメイズ(脚) 耐久力40 耐久無限 体力+11 攻撃力+50 必要 500弓スキル 冷え切った蛇革*3 正体不明のウール*5 ラピットメイズ(靴) 耐久力40 耐久無限 体力+21 攻撃力+40 必要 500弓スキル 魔素Li*8 古代武具石*2 メイローム(頭) 耐久力40 耐久無限 体力+18 移動速度+0.01 近接攻撃力+17.01 必要 500小鎌スキル 魔素Li*8 古代武具石*2 メイローム(胴) 耐久力40 耐久無限 体力+18 移動速度+0.01 近接攻撃力+17.01 必要 500小鎌スキル 魔素Li*8 古代武具石*2 メイローム(脚) 耐久力40 耐久無限 体力+23 近接攻撃力+22 必要 500小鎌スキル 魔素Li*8 古代武具石*2 メイローム(靴) 耐久力40 耐久無限 体力+23 近接攻撃力+22 必要 500小鎌スキル 修復が施された武片*5 古文書の切れ端*5 アウレア(頭) 耐久力40 耐久無限 体力+40 近接攻撃力+40 必要 500大鎌スキル 修復が施された武片*5 古文書の切れ端*5 アウレア(胴) 耐久力40 耐久無限 体力+30 近接攻撃力+50 必要 500大鎌スキル 修復が施された武片*5 古文書の切れ端*5 アウレア(脚) 耐久力40 耐久無限 体力+40 近接攻撃力+40 必要 500大鎌スキル 修復が施された武片*5 古文書の切れ端*5 アウレア(靴) 耐久力40 耐久無限 体力+30 近接攻撃力+50 必要 500大鎌スキル 純正魔氷*3 ファルファングの骨*8 カルディア(頭) 耐久力43 耐久無限 体力+18 魔力+50 必要 500魔導書スキル 純正魔氷*3 ファルファングの骨*8 カルディア(胴) 耐久力43 耐久無限 体力+8 魔力+70 必要 500魔導書スキル 純正魔氷*3 ファルファングの骨*8 カルディア(脚) 耐久力43 耐久無限 体力+8 魔力+70 必要 500魔導書スキル 純正魔氷*3 ファルファングの骨*8 カルディア(靴) 耐久力43 耐久無限 体力+18 魔力+50 必要 500魔導書スキル 純正魔氷*3 ファルファングの骨*8 カルディアホワイト(頭) 耐久力43 耐久無限 体力+15 魔力+30 必要 500精霊木スキル 純正魔氷*3 ファルファングの骨*8 カルディアホワイト(胴) 耐久力43 耐久無限 体力+15 魔力+30 必要 500精霊木スキル 純正魔氷*3 ファルファングの骨*8 カルディアホワイト(脚) 耐久力43 耐久無限 体力+25 魔力+20 必要 500精霊木スキル 純正魔氷*3 ファルファングの骨*8 カルディアホワイト(靴) 耐久力43 耐久無限 体力+25 魔力+20 必要 500精霊木スキル 古代の骨*10 黒氷*10 ファンファルシーグ(頭) 耐久力80 耐久無限 体力-2 移動速度-0.01 攻撃力+85 必要 550弓スキル アルトリエ(胸) 傷ついた火糸石*2 開墾;カルティットバレット(胸) 耐久無限 体力+70 近接攻撃力+25 必要 575剣スキル アルトリエ(脚) 傷ついた火糸石*2 開墾;カルティットバレット(脚) 耐久無限 体力+70 近接攻撃力+25 必要 575剣スキル メルトアーグス(頭) 古代の骨*10 蝕媒;バイオドミネーター(頭) 耐久無限 体力+40 近接攻撃力+73 必要 575斧スキル メルトアーグス(靴) 古代の骨*10 蝕媒;バイオドミネーター(靴) 耐久無限 体力+40 近接攻撃力+73 必要 575斧スキル ラピッドメイズ(胸) 黒光する蛇革*2 靄染;クラーコノイド(胸) 耐久無限 体力+35 攻撃力+55 必要 575弓スキル ラピッドメイズ(脚) 黒光する蛇革*2 靄染;クラーコノイド(脚) 耐久無限 体力+35 攻撃力+55 必要 575弓スキル メイローム(脚) 純正魔氷*2 音形;メイローム(脚) 耐久無限 体力+30 移動速度+0.01 近接攻撃力+30 必要 575小鎌スキル メイローム(靴) 純正魔氷*2 音形;メイローム(靴) 耐久無限 体力+30 移動速度+0.01 近接攻撃力+30 必要 575小鎌スキル アウレア(頭) 装飾が施された蒼の武片*2 金武;アウレア)(頭) 耐久無限 体力+55 近接攻撃力+55 必要 575大鎌スキル アウレア(脚) 装飾が施された蒼の武片*2 金武;アウレア(脚) 耐久無限 体力+55 近接攻撃力+55 必要 575大鎌スキル カルディア(胸) 無邪気で凶悪な首飾り 吸魔;カルディア(胸) 耐久無限 体力+25 魔力+80 必要 575魔道書スキル カルディア(脚) 無邪気で凶悪な首飾り 吸魔;カルディア(脚) 耐久無限 体力+25 魔力+80 必要 575魔道書スキル カルディアホワイト(脚) 人灯化したアルイエル 純聖;カルディアホワイト(脚) 耐久無限 体力+25 魔力+35 必要 575精霊木スキル カルディアホワイト(靴) 人灯化したアルイエル 純聖;カルディアホワイト(靴) 耐久無限 体力+25 魔力+35 必要 575精霊木スキル アルトリエ(頭) 溶熱球*2 開墾;カルティットバレット(頭) 耐久無限 体力+80 近接攻撃力+35 必要 600剣スキル アルトリエ(靴) 溶熱球*2 開墾;カルティットバレット(靴) 耐久無限 体力+80 近接攻撃力+35 必要 600剣スキル メルトアーグス(胸) 古代の骨*10 蝕媒;バイオドミネーター(胸) 耐久無限 体力+50 近接攻撃力+85 必要 600斧スキル メルトアーグス(脚) 古代の骨*10 蝕媒;バイオドミネーター(脚) 耐久無限 体力+50 近接攻撃力+85 必要 600斧スキル ラピッドメイズ(頭) 人灯化したアルイエル*2 靄染;クラーコノイド(頭) 耐久無限 体力+45 攻撃力+65 必要 600弓スキル ラピッドメイズ(靴) 人灯化したアルイエル*2 靄染;クラーコノイド(靴) 耐久無限 体力+45 攻撃力+65 必要 600弓スキル メイローム(頭) 蒼の結晶*2 音形;メイローム(頭) 耐久無限 体力+40 移動速度+0.01 近接攻撃力+35 必要 600小鎌スキル メイローム(胸) 蒼の結晶*2 音形;メイローム(胸) 耐久無限 体力+40 移動速度+0.01 近接攻撃力+35 必要 600小鎌スキル アウレア(胸) 装飾が施された蒼の武片*4 金武;アウレア)(胸) 耐久無限 体力+65 近接攻撃力+65 必要 600大鎌スキル アウレア(脚) 装飾が施された蒼の武片*4 金武;アウレア)(脚) 耐久無限 体力+65 近接攻撃力+65 必要 600大鎌スキル カルディア(頭) 無邪気で凶悪な首飾り 吸魔;カルディア(頭) 耐久無限 体力+30 魔力+75 必要 600魔道書スキル カルディア(靴) 無邪気で凶悪な首飾り 吸魔;カルディア(靴) 耐久無限 体力+30 魔力+75 必要 600魔道書スキル カルディアホワイト(頭) 人灯化したアルイエル*2 純魔;カルディアホワイト(頭) 耐久無限 体力+30 魔力+40 必要 600精霊木スキル カルディアホワイト(胸) 人灯化したアルイエル*2 純魔;カルディアホワイト(胸) 耐久無限 体力+30 魔力+40 必要 600精霊木スキル 開墾;カルティットバレット(胸) 究幻;シキサイ 幻剣;シキサイ(頭) 耐久無限 体力+95 近接攻撃力+40 必要 650剣スキル 開墾;カルティットバレット(脚) 究幻;シキサイ 幻剣;シキサイ(脚) 耐久無限 体力+95 近接攻撃力+40 必要 650剣スキル 蝕媒;バイオドミネーター(頭) 究幻;シキサイ 幻斧;シキサイ(頭) 耐久無限 体力+60 近接攻撃力+100 必要 650斧スキル 蝕媒;バイオドミネーター(靴) 究幻;シキサイ 幻斧;シキサイ(靴) 耐久無限 体力+60 近接攻撃力+100 必要 650斧スキル 靄染;クラーコノイド(胸) 究幻;シキサイ 幻弓;シキサイ(胸) 耐久無限 体力+55 攻撃力+75 必要 650弓スキル 靄染;クラーコノイド(脚) 究幻;シキサイ 幻弓;シキサイ(脚) 耐久無限 体力+55 攻撃力+75 必要 650弓スキル 音形;メイローム(脚) 究幻;シキサイ 幻鎌;シキサイ(脚) 耐久無限 体力+50 移動速度+0.01 近接攻撃力+45 必要 650小鎌スキル 音形;メイローム(靴) 究幻;シキサイ 幻鎌;シキサイ(靴) 耐久無限 体力+50 移動速度+0.01 近接攻撃力+45 必要 650小鎌スキル 金武;アウレア)(頭) 究幻;シキサイ 幻双鎌;シキサイ(頭) 耐久無限 体力+80 近接攻撃力+75 必要 650大鎌スキル 金武;アウレア)(靴) 究幻;シキサイ 幻双鎌;シキサイ(靴) 耐久無限 体力+80 近接攻撃力+75 必要 650大鎌スキル 吸魔;カルディア(胸) 究幻;シキサイ 幻死魔;シキサイ(胸) 耐久無限 体力+45 魔力+100 必要 650魔導書スキル 吸魔;カルディア(脚) 究幻;シキサイ 幻死魔;シキサイ(脚) 耐久無限 体力+45 魔力+100 必要 650魔導書スキル 純聖;カルディアホワイト(脚) 究幻;シキサイ 幻聖魔;シキサイ(脚) 耐久無限 体力+40 魔力+60 必要 650精霊木スキル 純聖;カルディアホワイト(靴) 究幻;シキサイ 幻聖魔;シキサイ(靴) 耐久無限 体力+40 魔力+60 必要 650精霊木スキル ]]|[[ [[]]
https://w.atwiki.jp/mayshared/pages/457.html
『裸の敏明feat.裸の幼女』事件の翌日。敏明は首に痛みを覚えつつ普通に登校していた。 風呂場に突如現れた幼女は、学園からやってきた黒スーツエージェントたちに連れられていった。エージェントといっても、この双葉区においては警察よりも頼りになるかもしれない学園の職員たちだ。 学園では普通の学校とまったく同じカリキュラムの授業が当然ある。 ただ、平常授業はまだ午前のみで、午後は部活動などの紹介が入っていた。 紹介が行われる大講堂へ向かって移動する途中、中学では帰宅部だった敏明は、さてどうしようと悩んでいた。 同じように帰宅部でも良いのだが、この学園都市での生活には、部活で同級生や先輩との繋がりを持つのが、かなり重要なことだと明日羽から言われていた。 埋立地という特殊な立地のうえ、大半の事実が秘匿されているという風変わりな場所である双葉学園では、コミュニティもまた閉鎖的に、強固なものとなる。 それに、単純に仲の良い友達を作っておけば、テストや授業でサポートしあえる。 これまでそういったことはクラスメイト、もしくは巡理に頼りきっていた(特に巡理に頼る比率が高かった)敏明だが、共同生活のために家事などで頼ることが増えるのだから、負担を減らしてやらなければと考えていた。 (センパイと同じ剣道部に……) ちらりと過ぎった案は、しかし即座に却下する。 運動部、特に格闘技系はついていける自信がない。超人系異能者の中に混じっての練習など想像するだけで恐ろしい。 異能者を含めない一般生徒限定の運動部という枠組みもあるらしいが、残念ながら敏明は異能者なのでそちらには入ることが出来ない。超人系と超能力系での区別などというものはさすがにないらしい。 「よう、双葉。お前はどこ入るか考えてるか?」 そう呼びかけてきたのは敏明と同じ一年A組の大渡だった。 最初のホームルームで定番の自己紹介をしたとき、いきなりセガ信者カミングアウトから入った強者だ。親が筋金入りのセガ信者で、幼稚園のときにやっていたゲームがWiiではなくメガドラだったらしい。 ちなみに敏明は漫画好きカミングアウトという、まだまだカワイ気のある自己紹介をした。 九十年代からのジャンプ漫画網羅というちょっとしたジャブに、クラスから予想外のリアクションが返ってきたのに驚いたが、エロゲ性癖カミングアウトして生徒指導室呼び出し最速記録を打ち立てた本田クンにはとても敵わない。 触手属性仲間として今度、何か差し入れようと敏明は密かに思った。 「いや、文化部にでもしようかなってくらいだ。大渡は?」 「俺はゲーム部あるらしいから決まりだな」 「それってテーブルゲームとか限定じゃないのか?」 「それがよ、コンシューマーはもちろん、アーケードも中古で揃えてるらしいぜ。ハングオンもあるんだってよ! こりゃ行くしかねえってカンジだろ!?」 ハングオンが何かわからない敏明は適当に相槌を打ちつつ手元のパンフレットを見る。 数十もの部活の紹介が載っている冊子は、下手なオンリー即売会のパンフより厚い。 「漫研もあるだろ? 入らないのか?」 「俺読むだけで描かないし」 「んじゃ、そっちの漫画批評部ってのは?」 「うーん……真面目に批評やるような部じゃなきゃ考えるけど」 「そこは普通、真面目にやってるなら入るって言うとこじゃねえのか?」 真面目に漫画批評やってます宣言する連中とはあまり友達になれないのだという宗教上の理由を、セガ信者というネジの締め方間違ってる友人にどう説明したものか。 「……あ、センパイ」 ふとパンフから顔を上げた敏明は、一年生の行進を警護する明日羽の姿を見つけた。この後の部活動紹介にも出るのか、彼女は剣道着を身に着けていている。 防具こそつけていないが、制服や私服姿ともまた違った格好が新鮮だった。祖父が電話で言っていたように髪を後ろで結んでいる。 明日羽も敏明に気付き、軽く右手を上げた。しかし、警護任務中だからか、引き締まった表情のまますぐ他所に目を向ける。 「……なあ、敏明くん」 「な、なんで急に名前で呼ぶんだよ」 「今朝、あの先輩と一緒に登校してきただろ」 「メグも一緒だったけどな」 「入学式の後、あの先輩と二人きりで保健室にいただろ」 「ずっと寝てたけどな」 「……」 「……」 「……何があった!? いや、何をした!? 正直に言えば命だけは助けてやろう!!」 「何もしてねえよ! 家がちょっと近所なだけだ!」 本当は一緒に住んでいるわけだが、それは正直に言えば命も危ないと判断する。 「近所だったら一緒に登校するってか? 小学生の集団登校か?」 ボルテージの上がってきたクラスメイトに困惑しながら、敏明はじりじりと後ろに下がった。それと同じだけ詰め寄ってくる大渡。 ふと気付くと、背後や左右にも目を細めた男たちが集まり、敏明を取り囲んでいた。 「お前やっぱアレだろ、なんかやったな? 犯罪的なことやってビデオ撮影してばら撒かれたくなかったら言うこと聞けとか脅迫でもしてるんだろ!」 「エロ本の読みすぎだ! お話と現実をごっちゃにしちゃいけません!」 傍を通り過ぎていくクラスの女子の視線が冷たいのを気にしつつ、強引に大渡を避けて歩き出す。 「センパイとは普通に知り合っただけだ。それ以上の関係とかは何も無いからな!」 その普通に知り合うというのが難しいのだ、という恨みの篭った視線を背中に受けながら、敏明は大急ぎで大講堂に飛び込んだ。 部活動紹介を終えて家に帰ってきた敏明と明日羽は客間に胡坐で向かい合っていた。 ちなみに明日羽は制服から着替えてパンツスタイルなのでチラリとかモロリとかはそんなものは無い。 「そう、そうやって心を落ち着けて」 静かに瞑想するように目を閉じる敏明の両の手を、明日羽はじっと見つめている。 彼女の目には、通常は異能者にすら見ることの出来ない魂源力 アツィルト の流れが、光として映っている。 「そうだ。なかなか上手い」 敏明の手は、常に大量の魂源力を消費する、いわゆる常時発動型 パッシブタイプ だった。 明日羽の魂源力を見る目も、同じような常に効果し続ける異能だ。 だが、明日羽は見えたままでは日常生活の中で邪魔になる魂源力の流れを、見ずにすむような訓練をしていた。 一般的な能動型 アクティブタイプ の異能者生徒が「いかにして異能を使うか」を学ぶのとは逆に「いかにして異能を使わないか」を身につけているのだ。 そしてそれを、早急に敏明へ教えることも、彼女の敏明護衛任務の一部に含まれていた。 学園でも異能に関するレッスンはあるのだが、それを待っている暇が無いのだという。 敏明の手がどのような危険を持っているのか、明日羽はまだ詳しくは教えられていない。 どのような事態が起きても対処するようにとだけ言われている。 そのような曖昧な指示では、本当に敏明の異能が危険なのかという疑問さえ生まれそうなものだが、 (実際に目にしてしまえば、それも納得だな……) 入学式のその日、彼は明日羽の目の前で手を光らせて異能を発動させた。 そのときは光る以外には何の効果も出さずに不発に終わったが、彼女の目にはとんでもない量の魂源力が彼の手元で消耗していく様がはっきりと見えた。 大量の魂源力を一気に使い切ってしまうような異能というだけで、その異常性は感じることが出来た。 その瞬間にはただ驚くばかりだったが、今考えてみればあれはかなり危険な状態だったのではないかだろうかと、今更ながらに明日羽は思う。 それと同時に、あのとき見た敏明の後姿は……大量の魂源力の渦を伴い、彼女を庇うように前に出た少年の背中は、そこだけ切り取ってみればとても頼もしかった。 明日羽は刀を手に、最前線で戦うタイプの異能者だ。実戦でそれなりの数のラルヴァを倒してもいる。 そんな中で、男性が盾になって自分より前に出てくれた経験というのが、今までは無かった。 結果は敏明が攻撃を受けて気絶するという情け無いものだったが、少しくらい感謝するのが筋というものだろう。 「センパイ? どうかした?」 明日羽はいつのまにか長いこと思考していたらしく、敏明に問われ慌てて取り繕う。 「あ、いや……飲み込みが早いな、敏明クンは。まだ完全とはいえないが、この調子ならかなり早く制御を身につけられそうだな」 「センパイの教え方がいいんじゃないか?」 「いや、教えるというのは難儀なものだ。私は剣道以外には人に教えたことなど無いからな」 「剣道は教えてたんだ?」 「そうだ、話していなかったね。私の実家は道場だったんだ。そこで自分より小さい子にはちょっとしたコーチをな」 「へぇ……ちなみに何流とかあるの?」 「普通のスポーツの剣道だよ。竜とか虎とか熊とか付くような技があったりはしないからな」 「はは、センパイもそういう漫画とか読むんだね」 「兄弟子たちに勧められてな。少女漫画よりもそっちのほうが読んでいたよ」 「むー、なんか良いフインキー」 「うおっ!」 突如として真後ろから聞こえてきた声に、敏明は思わず振り返りながら飛び退いた。 その時、驚きのせいか彼の手は咄嗟に光を放つ。 「わ」「あ」「ぬ」 突然の出来事に三者三様の声が漏れた。 バランスを崩した敏明が明日羽を押し倒しつつ彼女の胸をしっかりと鷲掴んでいた。 「シッ」 咄嗟の反撃は昨晩四番目のラッキースケベ時と同じく手刀だ。 「うぐ」 「……すまん、またやってしまった」 首筋を打たれた敏明がぐったりと倒れた。明日羽は申し訳なさそうに眉根を寄せた顔で見つつ、届かない謝罪を告げる。 起き上がり、敏明を仰向けに寝かせなおしていると、巡理が唸り声を上げた。 「……むー」 「山崎、どうした?」 「いつのまにとっしーと仲良しになったの?」 「は? 仲良し……に見えたかい?」 「だって今タメ口だったし、下の名前で呼んでるし、なんか和やかな会話が繰り広げられてたけど」 「これから一緒に暮らすわけだからな、普段から堅苦しく過ごすのは息が詰まるだろう」 それ以上の意味は無い、ということを言っても巡理は納得していないようだった。 「それだけかなぁ……」 明日羽は少し迷ってから、表情を改めた。真面目に、少し目元を細めて。 「……君が今までずっと彼の守護者だったというのは、聞いているよ。それなのに急に護衛を増やすことになったというのは、腹立たしいことかもしれない」 「……」 反応は沈黙。肯定はしないが、否定もしない。 「だけど、私は別に君の居場所を取りたいわけじゃない。与えられた任務はこなすし、敏明クンとも仲良くやって行きたいが、君を追い出すようなつもりはないとも」 「……ウン」 「それに、出来れば君とも上手く付き合いたい」 そう言って差し出された明日羽の右手を、巡理はすぐに握り返す。しかし、 「……ずるいなぁ」 「ずるい?」 「センパイって良い人なんだもん」 なんと応えればよいのか困り、明日羽はごにょごにょと小声で、そうかい、と呟く。 和やかな雰囲気が流れ……かけたところで、 「でも負けないからね!」 巡理がややこしいことを言い出す。 「……勝ち負けの話はしていなかったと思うが?」 「とっしーは渡さないんだから!」 「わ、渡さないって、一体何の話だ!?」 「だから、とっしーの一番は譲らないよ」 「敏明クンの一番……って、それはまさか」 「……ぅぅ」 二人の叫び声のせいか、敏明が目を覚まして唸った。痛む首をさすりながら起き上がる。 「ご、誤解があるようだ。その話はまた後で」 明日羽は巡理にだけ聞こえるように小声で言うと、そそくさと立ち上がった。 「あー……ごめんなさい」 敏明の謝罪にも小さく頷きを返すだけで客間を出て行く。 その様子は、敏明には怒っているように見えた。 「嫌われちまったか?」 「いきなり胸握られたのを、チョップ一発で済ませるほうがおかしいよね」 「やっぱそうだよな……あー、どうすりゃいいんだ俺」 巡理は何を考えているのか、明日羽の去った後をしばらく見つめていた。 「……おかしいよね」 「ん? どうした?」 「ボクの胸なら揉んでも笑って済ませてあげるよ」 「揉めるほどの大きさはn、ウソごめんなさアッー!」 自室に戻った明日羽は、ベッドに仰向けに倒れるように寝転がった。 「何故、後でなんて言ったんだ、私は」 先ほどの巡理の発言は、勘違いの末の無意味な宣言だ。 明日羽も年頃の娘なので色恋沙汰というのに興味がないわけではない。だから、巡理の言葉の意味がわからないなどという朴念仁なことは無い。 しかし、敏明に対してそういう感情は持っていないので、巡理が奮起するようなことはなにもないのだ。 敏明が目を覚ましたからといって気にせずに、その場でそう説明すれば済んだ話のはずである。 それをせずに話を先延ばしにした上、逃げるように出てきてしまった。 おかしいと思われただろう。巡理だけでなく敏明もどう思っていることか。 なにより彼女は自分で自分の行動をおかしいと思う。 「……どうしたものか」 自分で自分がわからないのに、どうするもなにもない。 「敏明クンの一番、か」 巡理の言っていた言葉を反芻する。 一番ということは二番があるのだろうか。 いや、そんな問題ではない。 別に私は彼の特別な存在になりたいわけでは、いや、護衛する人間という立場で言えば確かに特殊だが。 それに、渡す渡さないなどというのは敏明という一個人の人権を無視した言葉であって……云々かんぬん。 少し見当違いな方向に思考が飛んでいく程度に、明日羽は混乱していた。 入学式で出会ってから二週間ほど、これまでそういった意識をせずに、護衛対象の後輩の男子くらいに見ていた相手。そのはずだ。 だからこそ、同じ家に住むことにも了承したのだ。家賃免除という利点が無いことも無いが。 「そういえば……今日も大講堂で」 入学式のときのように、新入生全員を集めた部活動紹介が行われた。 自分もあの時同様に新入生の列を警護し、その中に敏明の姿を見つけて手を振った。それはいい。 そのすぐあとに聞こえた敏明の声。 『センパイとは普通に知り合っただけだ。それ以上の関係とかは何も無いからな!』 何の話をしていたのだろうというのは気になったが、警護任務に集中していたため、あっさりと聞き流していた。 彼の言っていることには嘘が含まれてはいるが、同居して護衛している関係だなどとクラスメイトに言ってしまえば話がややこしくなるのだろうということはすぐにわかったので構わない。 でも、ただの知り合いだと言われたことを改めて思い返すと、 「……はぁ」 少しガッカリして、溜息を吐いているいる自分に気付いた。 一度、巡理の言葉によって見方を変えさせられてしまうと、どうしても男として気になる。 それは「私の服をお父さんの靴下と一緒に洗濯しないで」的な、年頃の娘ゆえの当たり前の反応なのか。 それとも明日羽という一女子から、敏明という一男子への特別な反応なのか。 そんなことは無い。無いはずだ。ぶっちゃけありえない。無いよね。たぶん。 「……~~っ」 強く否定しきれない自分の思考に、耳まで真っ赤になってベッドの上をゴロゴロと転がる。 その仕種はまるっきり恋する乙女のそれだが、明日羽はまったく気付かず、ベッドから転げ落ちて顔面を強打した。 その時、控えめにドアをノックする音が聞こえてきた。 どすっという、妙な物音が明日羽の部屋から聞こえてきて、敏明はノックしようとしていた手を止めた。 まさかぬいぐるみなどを木刀でしばきたおしている音だろうか、という勝手な想像で回れ右しそうになるが、なんとか思いとどまる。 左手にはお茶と茶菓子を乗せたトレイ。お詫びの品を携えて改めて謝罪をするつもりだった。 そっとドアを二度叩く。 「は、はい!」 「敏明です。お茶を持ってきんだけど、どうかな?」 「あ、わ、す、少し待ってくれ!」 やたらと慌てた返事の後、バサバサと色々な物音が聞こえてきた。やっぱりぬいぐる木刀か。 静かになって、ドアの隙間から明日羽が顔を覗かせる。 「お茶か、いただこう」 いつも通りの様子でそう言って見せるが、 「センパイ、鼻が赤くなって……」 「なんでもない」 「けど」 「なんでもない」 「……おジャマしてもいい?」 「ああ……どうぞ」 明日羽の部屋はその居住まいに相応しく綺麗に整頓されていた。昨日運び込んだばかりのダンボールが折りたたまれて隅に積んであったが、たった一日で荷解きを終えているのがすごい。敏明などは未だにあけていない箱がある。 見回してみても木刀は見当たらない。そうか、素手か。 小さな折りたたみ式のちゃぶ台を挟んで、二つのクッションが向かいになるように置かれていた。 敏明はトレイをちゃぶ台に乗せ、クッションに浅く座る。 明日羽も同じように座ろうとして、何故か少し躊躇ってからクッションに乗らずに畳に直に座った。 なんだろうと思っている敏明の前で、彼女はクッションを拾い上げると、抱くようにして体育座りになる。 その時、敏明に電流走る……! (これはなに? ナンデスカコレハ!?) まさに『女の子』としか表現できない座り方だった。しかも何故か両手でクッションの端を弄って手遊びをしている。 昨日から同居しているとはいえ、敏明は普段の明日羽の姿をまだほとんど見てはいない。 日頃の言葉遣いや刀捌きなどからは想像も出来ないが、これが彼女の素という可能性もある。 だがあまりにもギャップが大きすぎて、敏明の思考はしばし、ざわ……ざわ……していた。 「あ、あの、センパイ?」 「なんだ?」 「さっきのことなんだけど……」 「さっき?」 聞き返した明日羽は表情を真顔から変化させることなく数秒沈黙し、それから急に頬を紅潮させた。ふいっと敏明から視線を外してそっぽを向き、クッションに火照った頬を埋める。 「気にしてない」 「でも……」 「それ以上その話をしないでくれ!」 「ハイ! スイマセン!」 (話をされるのも嫌なほど怒ってるのか……) そりゃそうだと納得しつつ、一応謝罪の言葉は口に出来たのでよしとして、敏明は別の話題を考えた。 「……昨日の子供、結局どうなったのかな」 風呂の中に寝ていた幼女は、明日羽が呼んだ学園関係者によって、敏明が気絶している間に連れて行かれた。家出にしろ迷子にしろ、双葉区内のことなら学園に任せれば大体は片付くはずだった。 明日羽はまだ頬を赤く染めたまま、少し眉尻を下げる。 「あれは、ただの子供ではなかった」 「え、どういうこと?」 「……昨晩、あの子供は……君から大量の魂源力を吸い上げていた」 「は?」 「それがどういうことなのかはよくわからないが、異能者なのは間違いないだろう」 「あんな子供が?」 「生まれたばかりの赤ん坊も異能を身に着けていれば皆、異能者だ。その力に目覚めるタイミングが少し違うだけでね」 「ふうん……それで、家にはちゃんと帰してもらえたのかな」 「いや、そうならそうと連絡があっていいはずだが、まだ何も言ってこないな」 「まあ、気が付いたらウチにいたわけだし、どこから来たのかわからないからなぁ」 今朝方、敏明の祖父でありこの家の持ち主である双葉管理にも電話で話をしてみたが、まったく心当たりがないということだった。 「すぐに家に帰れることを祈るばかりだ」 「そうだなぁ」 そこで話題が途切れ、二人は同時に湯飲みに手を伸ばす。 一口啜りほうと一息つき、茶菓子のアラレをぽりぽりとよく噛んで味わう。 (……ど、どうしよう) 敏明は何故だか無性に焦りだした。 とりあえず謝らなければと思ってお茶を持ってきたはいいが、それにほぼ失敗した上、これからどんな会話をすればいいのか、まったく思いつかない。 しかもよく考えると、個室で女子と二人きりという状況は、生まれて初めてかもしれない。巡理を除いて。 敏明はちらりと横目で明日羽を見やる。すると同じように明日羽も敏明を上目遣いで見ていた。 二人の視線が絡む。敏明はすぐさま目を逸らした。 (気まずすぎる! なんでもいいから話題! 話題!) 「センパイ」 「な、なんだっ?」 心なしか明日羽の声も裏返っていたようだが、それを気にする余裕も無く咄嗟に思いついた言葉を吐き出す。 「ええと、魂源力って何?」 出てきたのは、色気も何もない疑問だった。 「……難しい質問だな」 「難しい?」 明日羽の一転して低くなった声に、敏明も神妙に聞き返す。 「魂源力や異能というのは、科学的な研究が未発達な分野だ。学術的な意味では、未だに正体不明というのが魂源力に対する結論だね」 「つまり、よくわかってないってことか」 「有体にいえばそうなる。私は魂源力を見ることが出来るが……それでもわからないことも多い」 明日羽の瞳にぼんやりと薄青い光が灯る。 それが彼女の異能が発揮されている合図だと、敏明はすぐに気付いた。 「そこら中に、魂源力はある。薄かったり濃かったり、流れていたり滞っていたり様々だ。異能者やラルヴァが放つこともあるし、吸い取ることもある。たまに、異能とは関係ないような自然物なども魂源力を生み出したりもするが」 「うーん……聞けば聞くほど漠然としていく……」 「考えるな、感じるんだ」 「……はは」 「な、なんだい? その微妙な笑いは」 「ごめん。センパイからそんな古典が出てくるとは思わなくって」 「おかしかったかな……」 そういって苦笑を浮かべる明日羽を見て、敏明はまた声を出さずに笑う。 そうして笑っていると、なぜかさっきまで喉の奥に詰まっていた言葉が自然と流れ出てくる。 「センパイ、漫画読むんだよね? 最近はどんなの読んでるの」 「いや、あまり最近は……そんなに色々と読むほうでもないんだ。金銭的な意味でも厳しいし」 「そうなんだ。俺のオススメでよければ貸そうか?」 「いいのかい? どんなのがあるのかな」 「たくさんあるよ、ジョジョ全巻とか。ハンター×ハンター……は実家に置いてきちゃったか」 「あれは完結したのかい?」 「さあ……たぶん、した……んじゃないかな」 その後、二人は敏明の部屋に移ってしばらく漫画談義に花を咲かせていた。 巡理が夕飯の支度が出来たと呼びに来るまで、二人の話は続いた。 リビングに出ると同時、敏明と明日羽は衝撃に襲われた。 まず鼻を直撃する芳香。そしてテーブルの上の鮮やかな彩り。 そこには麻婆豆腐やエビチリ、チンジャオロースといった日本人に愛されている中華料理が並んでいた。 マーボー豆腐はぷるんとした食感が見た目からも伝わるほどつやめき、山椒の香りが立ち上っている。 エビチリもごろりとした海老によく餡が絡まっていた。 チンジャオロースはプロの技かと思うほど細く刻まれ、ピーマンの鮮やかな緑が油で照り光っている。 どの料理も見た目や香りから、一般家庭でよく使われる丸味屋や味の素の中華料理の素ではないことがわかった。きちんと別個の調味料で巡理が味付けしているのだ。 「なんだ、やけに豪華だな。気合いはいりすぎじゃないか?」 「そんなことないよー」 簡単に言ってのける巡理の額には玉の汗が浮いていた。Tシャツがちょっと汗で張り付いていてセクシーになっていたりするが敏明は気付いただけで特に何も言わずテーブルに向かった。 「今日は何かお祝いかい? 誰かの誕生日とか」 「ううん、普通に作ってみただけだよ。食べ盛りが四人もいるしね」 巡理の言葉に、敏明と明日羽は顔を見合わせた。 「そういえば、昨日また一人来てたな」 「ああ、私もまだ詳しいことは聞いていなかったんだが」 「高田春亜ちゃん、中学一年生だよ」 「ちゅういち!?」 敏明は叫びつつ、昨晩風呂場で出会った女性を思い出す。あの後ろくに話をする間もなく気絶し、朝になったら春亜はすでに家を出た後だった。 記憶に残っているのは金髪と見事なおっぱいだけだ。 「……なに、トッシー?」 つい巡理の胸元を見ていると、低い声で訊ねられ、なんでもないとだけ答えた。 やっぱ犯罪になんのかなぁと思いつつ、三歳下の少女に護衛される自分ってなんだろうという疑問についてしばし思考を巡らせる。 「もう帰ってきてるのか?」 「うん、さっきお風呂あがってきたからすぐ来ると思うよ」 と、そのとき廊下から鼻歌と足音が近付いてきた。 「ごっはん、ごはーん♪」 「噂をすればなんとやらだな」 みんなが注目する中リビングに現れた春亜は、バスタオル一枚巻いただけの姿だった。 「なっ」 「お、おいしそー。何? 今日ってパーティ? ひょっとしてアタシの歓迎会とか?」 「……あの、高田さん?」 「さん付けってなんかやだなぁ」 「……高田、服をちゃんと着てこい」 「えー、いーじゃんべっつにぃ。子供にヨクジョウするような変態さんがいるんならアレだけど」 春亜の言葉に敏明は反論しづらい。どんな言葉を使ったとしても、自分が変態だから危ないと言うようなものだ。 それを見かねたのか、単に気に入らなかったのか、明日羽が代わりに窘める。 「高田。女の子がそんな格好ではしたないぞ。食事のときにはきちんと服を着るものだ」 「むー、しょうがないなぁ」 言いつつ、いきなり体からバスタオルを剥ぎ取る春亜。 「なっ!」 瞬間、 「目が! 目があ!」 敏明の右目を明日羽の手が、左目を巡理の手が見事に塞いでいた。どちらも勢い余って指先が少し目潰し入っている。 「おおお……二度ネタもダメだと思う……」 「あっはっはっは、何してるのおネエちゃんたち」 苦しむ敏明を見ながらケラケラと笑う春亜は、チューブトップにホットパンツといういでたちだった。バスタオルの下にちゃんと服を着ていたのだ。 「紛らわしいことを……」 「いやぁ、面白いね。気に入っちゃったよ、とっしーのこと」 「とっしー言うな。つか危ないから自重してくれ、いろんな意味で」 「ジチョウってなに? おいしい?」 がっくりとうなだれる敏明を尻目に、春亜はさっさと席に座る。 「いただきま~す」 勢い良くおかずを頬張り、白米をぱくぱくと口に放りこんでいく。 その食べっぷりに毒気を抜かれた敏明たちは、同じように食卓に座っていただきますと唱和した。 夕餉の味は抜群だった。 なんかラルヴァとか異能とかどんどん遠ざかってるような……次あたりバトらないかんかな。 トップに戻る 作品保管庫に戻る
https://w.atwiki.jp/iwarpg_wiki2/pages/912.html
幻の古代株の合成素材 アイテム名 必要数 入手場所 魔素Li 150 アンダー・フレイヴ アクアプリズム 1050 アンダー・フレイヴ 蒼の硬鉱 1050 アンダー・フレイヴ 蒼の杖星 240 アンダー・フレイヴ アルイエルの献花 20 アンダー・フレイヴ 黒氷 120 旧ビーシャイン大洞 崩れかけた武片 450 崩れかけたカタコンベ ファルファングの骨 320 崩れかけたカタコンベ 古文書の切れ端 256 グルッサス迷宮遺跡 邪鬼魂 630 地獄街道 鬼の首飾り 120 地獄街道 人灯 20 地獄街道 フライムパウダー 180 フレイムミルルの巣窟 ブレイズパウダー 1800 フレイムミルルの巣窟 グルッサス遺跡街鬼畜の合成 虹金 幻源石 虹金の手前の素材その1 蒼色に光る純正金 七色に光る邪蛇革 虹金の手前の素材その2 蒼火 古代の金 熱膨張を起こした蛇革 不純物が取り除かれた蛇革
https://w.atwiki.jp/tale2380/pages/56.html
《魂葬の儀式》 儀式魔法 「魂源球体」の降臨に必要。 フィールドか手札から、レベルが8以上になるようカードをリリースしなければならない。 この効果でリリースしたカードが全て光属性・天使族モンスターで、 儀式モンスターの降臨に成功した場合、次の効果から1つを選択して発動する。 ●相手のデッキの上から5枚を墓地に送る。 ●相手の手札をランダムに1枚墓地に送る。
https://w.atwiki.jp/mayshared/pages/424.html
ラノで読む 物語は、現実になりたがっている。 そういう話を聞いたことは無いでしょうか。 それはこの学園でまことしやかに囁かれる、噂話。 グリムと呼ばれる、現象体ラルヴァ。螺子繰れた御伽噺。 ですが――本当に、ただ、それだけなのでございましょうか? 現実になりたがる物語があるのならば。 物語になりたがる現実もまた、在り得るのではないでしょうか? 無論これは、ただの可能性のお話でございます。 そして―― あらゆる可能性は、現実に成り得るのでございます。 つまり、人は望む物語になれる。 たとえるなら、役者が舞台の上で様々な仮面を被り、さまざまな登場人物に成り得るように。 それでは。 貴方は、何になりたいですか? 竜を打ち倒す英雄騎士? 白馬の王子を待ち続けるお姫様? 杖を振るだけで奇跡を可能とする魔法使い? 処女を襲い、その鮮血を啜る吸血鬼? 軍勢を指揮し、祖国に栄光をもたらす将校? 未開の地を切り開き、宝を探しあてる冒険者? 七つの海を制覇し、未知なる冒険に旅立つ海賊? なんでもいい。そう、なんでもいいのです。 望みさえすれば、貴方は何にでもなれる。 大切なのは、欲し、望み、願い、信じ、そして焦がれる事にございます。 ただ強く。 あるがままに強く。 夢と現、幻と実、在と虚の垣根を越え、境界を打ち砕くほどの強い願い。 それさえ出来るならば、 貴方は――物語の主人公になれる。 さあ、望んで御覧なさい。 さあ、思い描いて御覧なさい。 あなたは、どんな物語になりたいですか? 【case1 Doktor Faustus】 歯車が軋み、砕ける。 黒いクロームがひしゃげ、油が血のように飛び散る。 「ぐ……ぅああああっ!!」 その痛みをダイレクトに総身で感じ、時坂祥吾は絶叫を上げる。 永劫機メフィストフェレスを握り締めるのは、巨大な腕。 竜の姿を持つ、悪魔の巨大な腕だった。 双葉学園都市の森にラルヴァが出るという噂があるという。 間が悪く祥吾は、その森に足を踏み入れ―― それと、出会ってしまった。 黒いクロームの輝きを持つ鱗、それに包まれた10メートルはある体躯。 巨大な尻尾、翼、そしてねじくれた角。 黄金の輝きを持つ瞳。 それは、そうそれは――歯車であるか、肉であるかの違い。 「悪魔……」 「愛すべからざる光……」 そう、その銘は。 「メフィストフェレス……ッ!!」 戯曲ファウストに記される悪魔が、そこに在った。 『GRUAAAAAAAAAA!!』 魔竜メフィストフェレスが咆哮を上げ、永劫機メフィストフェレスを握り潰そうと力を入れる。 「ふふふ、弱い。弱すぎる、流石は紛い物、悪魔の模造品。 本物たる悪魔メフィストフェレスには敵いっこない!」 仮面の男が、大仰に手を広げる。 それは、双葉学園の生徒なのだろう。学生服を着た、年の頃も祥吾と変わらぬ少年。 ただ、その黒い仮面だけが違った。 悪意に歪んだおぞましい仮面。 それは、巨大な魔竜よりもよほど、悪魔という形容詞が似合っている。 「お前……っ、なに……もの、だっ……!」 祥吾が全身の苦痛に耐えながら、声を絞り出す。 これほどの悪魔を召喚するとは、何者なのか。 その問いに、彼は笑い、宣言する。 「我は……ドクトル・ファウスト。ファウストなり」 「ファウスト……? 馬鹿な、何を……」 「信じずともかまいません。人は恐ろしいもの、強きもの、美しきものから…… そして真実から目を逸らすもの。 お前がいくら否定しようと……この私がファウストである事は、変わらぬ」 仮面のファウストは、笑う。 『在り得ない。ファウスト博士は、すでに死した人物であり、そして――実在したヨハン・ゲオルグ・ファウストをモデルとした架空の登場人物! 今此処に存在するはずがありません、在るならばそれは名を騙る贋物!』 発条仕掛けの森の中から、メフィストが叫ぶ。 それに対し、ファウストは告げる。 「否。君も悪魔を名乗るならば聞いた事はないかね? とある魔術師の残した言葉である。 “悪魔が実在するか否かは問題ではない。そこに悪魔が居るかのように力が働く、それこそが大切なのだ”――と。 そう、悪魔、偉大なる魔龍、恐怖の大公メフィストフェレスを呼び出すことの出来る、偉大にして強大なこの力! それを操る私がここにいる。それで十分。 転じて言うならば! 私がここに在り、この力を操り、この名を名乗る以上―― 私こそが、ドクトル・ヨハン・ファウスト! 死した老人も、架空の博士も、過去の物語――否、贋物である!」 それはなんという傲慢なる宣言。 全ては偽者。自こそが、オリジナルだと、ファウストは宣言する。 「物語……まさか、お前は」 祥吾には心当たりがひとつだけあった。 かつて遭遇した、ピーターパン事件。 そう……現実を侵す夢、実存を望む物語。 「現象体ラルヴァ……グリム……!」 「否!」 だがファウストはそれを否定する。 確かに、ひとつだけ決定的な違いがある。 この森には、霧がなかった。あの、悪意を孕んだ霧が。現実と幻想の境界を曖昧にし、人の心の海から物語を呼び出す、あの霧が。 故に眼前の者は、よく似ているが、グリムではない。 では何だ。 ファウスト博士の物語を被り、名を語り、力を振るう眼前の者は、誰だ。何なのだ? 「がああああああああああああああああっ!!」 『きゃあああああああああああああああっ!!』 魔竜メフィストフェレスが力を込める。 永劫機メフィストフェレスのダメージが二人にフィードバックされる。 「脆い。脆い脆い脆すぎるッ! やはり君達では駄目だ、駄目にすぎるっ!」 笑い、そして叫ぶファウスト。 認めない、と。眼前のメフィストフェレスの名を持つ鉄屑を断固認めない、と叫ぶ。 そしてその否定の意思は力となり―― 「はあああああっ!!」 裂帛の気合と共に、魔竜メフィストフェレスの腕が寸断される。 「何……!?」 ファウストが予期せぬ攻撃に目を見張る。 それは当然、祥吾の攻撃ではない。永劫機メフィストフェレスからフィードバックされるダメージで、動ける状態ではなかった。 ならば誰だ。 その、魔竜の腕を切り裂いた、桃色の光の軌跡の使い手は誰だ。 戒めから開放された永劫機メフィストフェレスの機体がほつれ、歯車となって虚空に消える。 その場から、メフィストの体が投げ出されて地面に落ちる。 その弱々しい姿を守るように立つのは三人の少年少女。 「大丈夫ですか?」 「先客がいたとはな。助太刀する」 「後は、私達に任せて」 彼らは、ラルヴァ討伐パーティー……名を“ダイアンサス”。 森にラルヴァが出る、という噂を聞きつけ、討伐にやってきた異能者たちだ。 「……ていうか、でかいんですけど、撫子先輩」 「……だな」 腕を両断され絶叫する魔竜メフィストフェレスを見上げて、堂下大丞は冷や汗を流す。 でかい。 怪物というより、怪獣だ。 しかも先ほどは、3メートルはあるロボットを握り潰しかけていた。 ……勝てるのかなあ。そう、大丞は内心の不安を必死に表に出さないようにする。 「大丈夫。撫子の爪で切り裂けたという事は、あれの密度はそう強くないはずよ」 吉明ユリが言う。確かに、坂上撫子の能力である刃は、彼女よりも魂源力の「密度」が弱い者にしか通用しない。 故に、あの竜は撫子よりも「弱い」という話が成り立つのだ。 だが―― 「正直、そう単純な話でもないだろう。彼らの力――あの機体を握り潰すほどのラルヴァだ。 隙を作れればいい、と思ってはいたが」 腕を切り落とせるとは、撫子自身も思ってはいなかった。 攻撃を加えることで、脱出の手助けが出来ればいい、そう思って斬りかかったのが、こういう結果になるとは。 一撃が聞いたことの達成感や満足感より、むしろ違和感のほうが多い。 そして、仮面の男――ファウストの表情。 笑っている。 あの攻撃など、大して効果はない。無意味だ、と笑い飛ばすかのように。 「ふん――新手か? まったく、次から次へと沸いてくる――地獄の亡者のようだ。 だが―― メフィストフェレス!」 ファウストの声と共に、切り落とされた腕が再生する。 「っ、ダメージがない……?」 「気を抜くな、私の刃で切れる以上は――対処は出来る! いくぞ大、ユリ!」 三人が走る。 (どういうことだ……?) 違和感は、祥吾もまた同じだった。 永劫機メフィストフェレスが全力で引き剥がそうとしたあの指は、恐るべき強度と力を持っていた。 だが、あの彼女の爪の一撃は、腕をいとも簡単に切り裂いた。 何故だ? その差は一体―― 魂源力の刃に弱い? 物理攻撃への耐性? 違う。違うはずだ。違うと思える理由は特にない、勘のようなものだ。 「ぐ……っ」 祥吾の体は動かない。上半身を立てるぐらいが精々だ。 やれることなど何もない。 永劫機は、実体化させる事が出来ない。ダメージが大きく、残された時間ももはやない。 出来ることなど何もない。 もはや、祥吾に残された力はなく、一般人……それも傷つき動けない重傷者だ。 だから、なにも出来ない。 だがそれは――諦める理由にはならない。 せめて、見る。 敗北を受け入れない。三人と、敵の戦いを見る。 「……?」 そして気付く。 先ほど、永劫機と戦っていた魔竜の動きと違う。 そして―― 「今度は、刃が通じてない」 「ええ……でも、永劫機を絞めていた時ほどのパワーも……感じられません」 メフィストもまた、それを見る。 「おかしい……!」 撫子は焦る。 両断できたあの腕、確かに通じた攻撃。 それが通用しない。刃が立たないのだ。 その動きから察するに。 「おそらく……あれは魂源力によって作られた、映像のようなもの」 ユリが言う。 そう。 異能による「召喚」と呼ばれるものには、いくつかのパターンがある。 次元、時空に楔をいれ、こじ開け、文字通りに「呼び出す」もの。 そして、自らの魂源力により、対象を一時的に再現し作り出すもの。 永劫機メフィストフェレスの場合、黄金懐中時計を核として周囲の分子、粒子、そして魂源力で永劫機を組み上げる。 これは祥吾の異能ではなく、黄金懐中時計に仕組まれた機構。 そうやって「召喚」された永劫機を、祥吾とメフィストが操るのだ。 では、魔竜メフィストフェレスの場合は? 「再現された竜……じゃあさっき攻撃が通じて、今は通じないのは」 大丞もまた、その解にたどり着く。 「そうか……あいつ、魂源力の密度、出力、そういったものを……」 「ええ。調整しているんです、おそらく。それも恐るべき速度とタイミングで」 メフィストが言う。 「永劫機を捕らえた時、その全力、全密度を手に、指に集中させていた。 だから……力比べでは勝てなかった」 「なるほど。そしてその手に密度を集めていたからこそ……」 「撫子先輩の攻撃が当たった腕は、薄かったから」 「切り落とすことが出来た……不意打ちが功を奏したって事なのね!」 だが、転じて言えば。 不意打ちさえ喰らわなければ、その類稀なる魂源力の操作能力は三人を相手にして一歩も引かぬ。 撫子の爪の威力は既に把握している。 そして、それに釣り合うだけの力を、攻撃を受ける部分に集中し、はじき返す。 それだけで事足りる、ただそれだけの事――と言うには、あまりにも馬鹿げている。 最低の力で最大の効果。だが、言うは易しのそれを実際に行えるのがどれだけいるだろうか。 魂源力を操り、様々な幻覚を作り出し、質量、実像を与える、精妙にして緻密なるその技術。 それはまるで、楽器の調律――いや、交響楽団の指揮のごとく。 “指揮者《コンダクター》”ドクトル・ファウスト。 まさに、稀代の魔術師の名に相応しい――! 「それなら――」 撫子と大丞が目配せする。 今までの戦いで、思い知った。 相手は――この魔竜を繰る魔術師は、実に精妙で緻密。芸術といってもいい美しさと繊細さで竜を繰り出してくる。 まるで、楽しむかのように、弄ぶかのように。 それは余裕だ。紛い物のメフィストフェレスを容易く戦闘不能にまで追い込んだ。 そう、イレギュラーさえなければ、勝利は不動という認識から来る、圧倒的余裕、慢心。 そしてそれは事実である。 大丞達《イレギュラー》が現われなければ、永劫機は戦闘不能に留まらず、完璧に破壊され、時坂祥吾はその命を失っていただろう。 だが、奇跡は二度起きぬ。 戦いの最中、ファウストは魔竜を操りながらも、結界を敷いていた。 戦いの場をコントロールし、魔竜の外れた、否、敢えて外した攻撃に魂源力を乗せ、魔法陣の基点を築く。 舞台を闖入者に汚させぬための、基本にして単純なる人払いの結界。 それを既に敷き終えている以上――もはやいかなる者とて、この場に立ち入ることはならぬ。 恐るべきは、この場の誰にもそれを気付かれぬ技量。 そして仮に結界に気付き、破壊し乗り越えたとしても――その時点で、対処の術は組み上げられる。 故に、ファウストはただ、眼前の三匹の羽虫に対して絶妙なる技を繰り出し続ければよい。 そして、彼我の実力差を存分に思い知らせ、此処にいる者全員を打ち倒すのだ。 「くぁうっ!」 竜の丸太のような尻尾が横薙ぎに振るわれ、撫子を弾き飛ばす。 だん、だん……と軽快な音を立てて、ボールのように転がる。 「先輩っ!」 大丞が駆け寄る。撫子は、ごほっ、と咳き込む。 血を吐き出したりしないことは僥倖だ。打ち所が悪ければ、あの一撃は内臓を破裂させていてもおかしくない。 だが、動かない。あの攻撃をくらい、撫子は顔をしかめ、その場で大きく息を吐くのみ。 それは、魔竜とその操り手にとって絶好の好機。 「まずは、二匹。――殺せ。チェックメイトだ」 ファウストの指に従い、魔竜メフィストフェレスが咆哮をあげ、巨大な顎を開く。 迫るは牙。 精妙に緻密に、撫子と大丞の攻撃に耐え弾く硬度、そして彼らを噛み砕く強度を備えた、一撃必殺の牙。 迫る。 迫る。 迫る―― だが、その刹那の後に死を迎える運命にありながら。 生贄達《かれら》は、笑っていた。 「――大」 「はい、先輩」 仕込みは上々。 相手の特性に感づいた以上、ならばとるべき手段はひとつ。 そして、とるべき手もまたひとつ。 手を繋ぐ。 大丞の他者強化の異能。その力が、撫子に流れ込み、そして―― 本来の力を超越した、刃を生成する。 「な――」 驚愕は、ファウストの口から。そして、彼らの死を直感し、再び永劫機を織り成そうとした祥吾の口から。 一刀――いや、一刃両断。 魔竜が絶叫する。断末魔の唸りを残して、その幻が消滅する。 幻想によって編まれたソレは、確かに実体ではない。 だが、その想像力が精密にして強固であるからこそ―― 腕を切り落とされてたところで、竜ならば生えてきてもおかしくは無い。 だが、真っ二つに両断されて死なぬ生物など、怪物であっても在りはしない。 少なくとも、それが創造主であるファウストの中での常識。 現像を実体として結んだ時点で、そのルールすらも適応されたのだ。 無敵の異形など創れない。 故に―― 魔竜メフィストフェレスは、ここに滅びた。 「――」 ファウストは瞠目する。 まさか、魔竜メフィストフェレスが斃されるとは―― 「勝負あったわね。さあ、諦めて……」 ユリが言う。だがる、ファウストの驚愕も一瞬限り。 そもそも―― 幻影をただ一度掻き消されただけの事。その事実に戸惑うものの、恐れる必要が何処にある? 「!?」 揺らぐ。 揺らぐ。 空間が揺らぎ、更なる幻が現われる。 巨大な爪持つ悪魔。 百の女の腕を持つ悪魔。 五つの山羊の足を持つ目玉。 腐臭を放つ猫頭の蜘蛛。 幾多もの悪魔の幻が現われる。そしてそれは、実体を持つ幻、魂源力で編まれた怪物。 「な、こんなに――!?」 その、緊張の声を上げる撫子たちに向かい、ファウストは恭しく一礼をする。 「先ほどのメフィストフェレスのみが我が力と思ってもらっては――困る。 だが――正直驚いたよ。まさか、倒されるとは思わなかった。 故に――」 腕を振る。 次々と悪魔達がその実体をほどけさせる。 「今回のワルツは此処まで、としよう。 誇れ。貴様達がこの私を、ヨハン・ゲオルグ・ファウストを退けたのだ。 私の、敗北である」 それは嘘だ。ファウストは微塵も自身が負けたなどとは思っていない。 これは、相手を尊重し、勝者として称える――その皮を被った、欺瞞。冒涜であった。 お前たちは、勝ちを拾わせてもらったのだ、と。 その譲ってもらった勝利に甘く酔うがいい、と。 「……っ」 その事実に歯軋りをする。 この男は、強い。 その撫子達の苦悩を堪能し、そしてファウストは深くお辞儀をひとつ。 「待て――!」 立ち去るファウストにむかい、体を起こした祥吾が問う。 「お前は、何者だ――?」 トップに戻る 作品投稿場所に戻る
https://w.atwiki.jp/mayshared/pages/357.html
ラノで読む 改造仁間―カイゾウニンゲン― 『彼の怒りが頂点に達したとき、その力は悪を打ち砕く一筋の赤い流星となるのだ!』 「おーい、来たぞ改造魔ー。 今日は何の用だー?」 「あっ、仁ちゃん!待ってたよー」 振り返った少女の背後のモニターから爆発音と「総統バンザーイ!」という断末魔の声が響く。 テレビ画面に映っているのは70年代から連綿と続く人気特撮ヒーロー「仮面バイター」だ。 俺、『木山 仁《きやま じん》』が研究棟の一角にある部屋に顔を出したのは、同級生の『造間 改《つくま あらた》』にケータイで(正確に言うとモバイルやらGPSやら携帯電話やらの機能が盛り込まれた生徒手帳だが)呼び出されたからだ。 この女との出会いは高等部入学式の日のことだ。 あの日は、めったにないはずの構内への上級ラルヴァ侵入で大混乱だった。 あちこちで悲鳴やら怒声やらが上がり、火の玉やら閃光やらも飛び交い、さながら戦場のようだった。 そんな喧騒の中でこの女はおびえる様子もなく周囲の異能者たちに熱い視線を送っていた。 妙なやつだなあと思ったのを鮮明に覚えている。 そんな風に無防備をさらしていれば当然、戦場からあぶれたラルヴァに狙われるわけで、たまたまそばにいた俺が異能を使って助けた。 助けたといっても最初の攻撃を防いだだけで、撃退したのは他の先輩だったが……。 とにかく俺が助けたことがきっかけで、この常に白衣を着て背は低いくせに乳だけはやけにでかい女に気に入られてしまったのだ。 この女は特に俺の異能が気に入ったらしく、事あるごとに俺を呼び出しては「異能対応機器の実験」と称してナゾのキカイを装着させては暴走させるという、とてつもなくはた迷惑な行為を繰り返すようになった。 (俺がこの女の名前をもじり『改造魔《かいぞうま》』と呼ぶのは、こういった迷惑行為を皮肉ったものだ) 普通ならこんなことになればあっさり関わりを断つところだが、俺にはそれが出来ない事情があった。 それもまた入学式での出来事の一つなのだが、簡単に言うとこの女はあの日何を血迷ったのか、いきなり俺の両手をつかむと 「あたしと付き合って!」 と言い放ったのだ。 いくらピンチを救われたといっても唐突過ぎるだろ実際。 なんてことは当時の俺の頭には浮かんで来もしなかったというか、青春真っ盛りの男子たる俺が目の前においしそうなおっぱいを差し出されて断ることなどできるはずもなく、 「はい」 と、あっさり了承してしまったのだ。 もう本当に、あの時の俺の目にはおっぱいしか映っていなかった。 だっておっぱいだよ?おっぱい。 ああ、おっぱいおっぱい……。 ということで俺はわけのわからない実験につき合わされながらも、虎視眈々とおっぱいをむしゃぶる機会をうかがっているのだ。 おっぱい万歳。 おっぱいのためならどんな酷い仕打ちにも耐えられる。 「なにボーっとしてるの仁ちゃん?早くはじめようよ!」 改造魔の声でハッと我に返る俺。 いかん、またおっぱいを凝視して妄想にふけってしまった。 「あ、ああ、悪い。ちょっと実技がきつくて疲れてんだ。 で、今日はどんな実験なんだ?」 あわてて取り繕いつつ、話を進める。 「今日はねー、実験というか完成したツールのお披露目って感じかなー」 改造魔は俺のおっぱい目線に気づいた様子もなく答え、いつもの実験室に向かう。 この女の占有するそこは小ぢんまりとしているが妙にしっかりした造りの実験室だ。 今まで何度もキカイが暴走し爆発しても特に目立った傷も残っていない。 もしかしたら改造魔の異能、『超科学』の力で作り出した素材でも使っているのかもしれない。 特に興味はないからどうでもいいが。 「はい!服脱いでこれ全部つけて!」 実験室に入るやいなや、改造魔はそう言うと大量のキカイが詰まったキャスターつきプラケースを俺の足元に押しやり、さらに俺の服を脱がしにかかる。 「あ、やっちょっ、やめ、脱ぐ脱ぐ!自分で脱ぐからパンツを引っ張るな!!ていうかパンツまで脱がなきゃダメなのか!?」 「あ、パンツは脱がなくていいよ」 俺の言葉にあっさり引き下がる改造魔。 何だよびっくりさせるなよまったく……ちょっとエロい期待しちまったじゃねえかよ。 俺はそんな感じにブツブツ文句を言いながらも服を脱ぎ、プラケースの中からキカイを拾い出しては身に着けていく。 「……なんで俺どこに着けるかわかるんだ? ってこれ今まで実験してさんざん暴走したキカイばっかじゃねえか!! こんなの全部身に着けたら即、死ぬぞ!!」 「大丈夫だよー。 ちゃんと完成したんだからー! 今までのは全部で一つにするための前段階だったんだよー。 だからまるっと着ければキレイに動くの!」 改造魔は俺の文句を受け付ける気は一切ないようだ。 いつもの事だけどこいつ自分勝手というかはわがままが過ぎる。 わがままなのはおっぱいだけにしろってんだ。 「……この右手のパーツは起動したら魂源力吸出しまくって俺、死にかけたよな?」 「平気へいき!」 「両足のは起動したらジェット噴射みたいに俺の異能噴出して、伸身後方三回宙返りのあと壁にたたきつけられたよな?」 「大丈夫だいじょうぶ!」 他にも大小さまざまな痛みの記憶を列挙するが、改造魔にはまったく取り付く島もない。 これはもう覚悟を決めて全部身に着けるしかない……。 「おい、全部つけたぞ。 ……これ全然動けねえんだけど。」 プラケースに詰め込まれていたキカイを全て身に着けた俺は、さながら肩と首しか動かないおもちゃのロボットのような状態になっていた。 「オッケー!じゃあ早速、起動するよ!」 「待て待て待て!」 いきなり俺の命を無為に散らそうとする改造魔を何とか押しとどめる。 当然、改造魔は不満げな表情を浮かべるがそんなこと気にしていられるか。 「もー、なにー?」 「お前ちょっとは俺に心の準備させろよ! もし暴走したらあの世逝きかもしれんのだぞ!!」 「もー大丈夫だってばー。 仁ちゃんあたしのつくる物が信じられないの?」 「さっぱり信じられん」 俺の文句もこいつにはまったく効果がない。 しかし言わずにはいられない。 大体、今まで一度もまともに動いたことのないキカイしか作れないやつの作ったものほど信じられないものはないだろうに。 「もー、じゃあどうしたら信じてくれるのー?」 という改造魔の一言で、俺に電流走る……っ! これはもしかして千載一遇のチャンスなんじゃないか? 具体的に言うとおっぱいをどうにかしちゃうチャンスなんじゃないか? さあ今こそ決戦の時。 俺は覚悟を決めて言葉を搾り出す。 「……乳もませろ」 「へっ!?」 「もし暴走して俺が怪我でもしたら、お前のそのけしからんおっぱいを揉ませろと言っているのだ!!」 ふははは、言ってやった、言ってやったぞ。 これでどっちに転んでも俺に損はない。 「……」 あ、やっぱり不味かったかな……あの傍若無人な改造魔が見たこともない顔して黙り込んでる。 めちゃくちゃ困ってるって感じだ。 「あー……ええと」 「……いいよ。」 俺は気まずくなった空気を何とかすべく、改造魔に声をかけようとしたが、彼女の言葉にさえぎられた。 「へ?」 「それで仁ちゃんが信じてくれるなら……おっぱい揉んでもいいよ」 ……マジですか? これは……やるしかない! 「よっしゃああああああ!! 約束だぞ?絶対だぞ?後でやっぱやめたはなしだぞ? よおおし!!何でもやってやるぜ!! さあ、起動しろおおおおお!!」 「はーい!ポチっとな」 俺の気合に応え、満面の笑みでベルト部にある起動スイッチを押す改造魔。 今の時点ですでに騙された感じがひしひしとするが、もう脱出は不可能だ。 あとは何とか暴走しないことを神か悪魔にでも祈るしかない。 と、その時真っ赤な閃光が身に着けた機械全体からあふれ出した。 ああ……やっぱり俺の人生ここで終わるんだ……やっぱ先にもませろって言うべきだった。 などと考えている俺の予想を裏切り、キカイは暴走することなく稼動し続けていた。 全身のパーツが少しずつぼやけ、赤い粒子になって両手の甲、両足首、そして胸にある宝石のようなパーツに吸い込まれていく。 それと同時に全身が激しい脱力感に襲われた。 「あれ?これヤバくね?なんかメチャクチャ魂源力、吸い出されてる感じなんですけど!」 あわてる俺を、いつの間にか遠く離れて物陰からニコニコと眺める改造魔。 自分だけ安全圏に逃げるとか、他人に命懸けさせておいてそれはないんじゃないの。 「大丈夫だよ!魂源力を極限まで吸収してるだけだから死んだりしないよ!」 「極限までってどのくらいだよ!?」 「えーと、今の仁ちゃんの魂源力総量の95%くらいかな? 大丈夫!多分、死なないから!」 おいいいいいいいいいいいいいいいい!!多分って言ったか!?今たぶん死なないって言ったのか!? なんて改造魔の言葉に突っ込む余力も既にない俺。 ああ、もうだめだ……だんだん気が遠くなる…… ――俺の人生はそこで幕を閉じた。木山仁15歳、短すぎる一生であった。―― 気づくと俺の意識は暗闇の中にあった。 「ん……」 あれ?なんだか頭にやわらかい感触が。 やっぱり俺、死んだのかなあ。 だってこんなに気持ちいい物がこの世にあるなんて考えられないよ。 きっとここは天国なんだ。 俺はやわらかい感触を確かめようと体をひねり、自分の頭のそばに手を伸ばす。 するとすぐに手がふんわりとした物をつかむ。 「やん」 ん?なに今の声。 俺は確認のために手がつかんでいるものを二度三度と揉んでみる。 やわらかいのに張りがあって、すばらしい感触だ。 例えるならばつきたての餅というか、大きなマシュマロというか……。 「やっ、もぉ仁ちゃん……そんなに揉んじゃダメぇ……」 え?なんですって?もみもみ。 ちょっとまって、もしかしてこれって……もみもみ。 「もうっ!!」 ゴンッという音とともに頭に受けた衝撃で俺は我に返る。 見上げた先には顔を真っ赤にして頬を膨らませた改造魔の顔があった。 明らかに怒っている。 もみもみ。 そしてこの手が揉んでいるのは間違いなくおっぱい。 「仁ちゃんが倒れちゃったからせっかく抱っこしてあげてたのに……。 そんなに激しくするなんて……!」 「え、あ、ごめ、そのなんというかですね、もう死んだと思っててですね。 正直すでに天国だとばかり……」 目に涙を浮かべて怒りに震えながらにらみつける改造魔に、しどろもどろになりながら弁解する俺。 もみも……もうもんでないですハイ。 「もう……やさしくしてくれないと嫌いになっちゃうよ?」 「はい……すみません」 胸に抱きかかえられた状態で泣き顔の女の子にそんなこといわれたら謝るしかない。 俺の謝罪を聞き入れたのか改造魔はニッコリと微笑むと 「じゃあ……続き、しよっか?」 と切り出した。 「え?続き?」 続きってまさか……いよいよアレですか。恋人同士がいたすアレですか。 男女がいたすドッキング的なアレですか。 「もちろんツールの稼動試験の続きだよー!」 ですよねーーーーーーーーーーーーーー。 再び俺は実験場の中央に陣取っていた。 さっき気を失う前に見た「全身のパーツが少しずつぼやけ、赤い粒子になって両手の甲、両足首、胸にある宝石のようなパーツに吸い込まれていく」という情景は幻ではなかったらしく、現在は宝石のようなパーツのみが体の表面にくっついてる状態だった。 なんだかキレイに体と一体化していて、何とか爪を立ててはがそうとしてみたがまったく取れそうにない。 というかそもそも爪が入るような隙間はない。 「なあ、これ全然取れねえんだけど、どうやったら外れるんだ?」 「うん?ああ、『ガナル・コア』ね。 取れないよ?」 何言ってるの?とでも言いたげな顔で、改造魔は俺の問いかけに答える。 ……とれない? 「え、ちょっ、取れないってどういうことだよ? キカイが体にくっついてるとか改造人間みたいじゃねえか!」 「そうだよ? だってこのツールは仁ちゃんを改造人間にするツールだもん」 またしても何当たり前のこと言ってるの?と言わんばかりの顔でさらりと言ってのける改造魔。 ちょっとまて。 「なん……だと?改造人間にするツール……?」 ダメだ、もうわけわからん。 「そうだよー。 仁ちゃんの『カーネリアンを肉体上に発生させる』異能を増幅、コントロールして変身出来るようにするのがこのツールの肝だよ」 俺の異能はパワーストーンの一種である『カーネリアン』という鉱石を自身の任意の場所に発生させるというものだ。 これを上手くコントロールすれば確かに全身をモース硬度7に迫る高硬度鉱石で覆うことも可能だ、が 「いやいやいや、そんな無茶な使い方したらあっという間に魂源力尽きるから」 改造魔の無茶な説明に速やかに突っ込む俺。 中等部から慣れ親しんだ自分の異能だ。 当然、その長所も短所も俺にはわかっているし、なにをすればどの程度の魂源力が消費されるかも大体、把握している。 だから改造魔の言うことはとても現実的だとは思えなかった。 「その辺は事前に魂源力をチャージしておくことで解決してるんだよー。 それにこのツールの魂源力制御能力は並みの異能者とは比べものにならないくらい繊細なコントロールが可能だから、極めて少ないロスで最適な状態を瞬時に構成、維持することが出来るんだよ!」 なんだその厨性能。 「……まあ出来るかどうかは試してみればわかるとして……変身してなんかメリットはあるのか?」 「もちろんだよー! まずはパワーストーンの肉体活性効果で身体能力がなんと1.2倍に!」 「微妙な増幅率だな……」 「び、微妙じゃないよ!走り幅跳び5mが6mになるんだよ!」 「微妙だろ……ていうかそれ異能じゃないのか?」 「異能じゃないよー。あくまでカーネリアンの持つ効能だよー!」 改造魔とのやり取りで、なんとも微妙な効果な上に異能でもなんでもないとはまた変身する意味がわからないと改めて思う俺。 こいつもしかして単に俺を改造したかっただけなんじゃないか……? そんなことを考えていた俺の顔にはありありと彼女に対する不信感がにじみ出ていたのだろう。 そんな俺の顔を見て、改造魔があわてて補足を加える。 「も、もちろんそれだけじゃないよ! 変身した後は色んな必殺技や格闘武器が使えるようになるんだよー! と、とにかくまずは変身してみてよ!」 「……わかったよ。 で、どうやって変身するんだ?なんかポーズでもとるのか?」 「EXACTLY(その通りでございます)!」 俺の冗談に、我が意を得たりと言わんばかりにどこかで見たような肯定の仕方をする改造魔。 ていうかマジで変身ポーズかよ。 「それで……? どういう手順なんだ」 「まずは両手を腰溜めに構えてー」 ふむ 「胸の前で両腕をクロス!」 ふむふむ 「腕を交差させたまま手首を返しつつ前に突き出す!」 ふーむ 「そして叫べ!『ガナル・チェンジ!!』」 ああ、やっぱり発声もあるのね。 「ガナル・チェンジ!」 ていうか、ガナルってなんだ。 「てのひらを開きつつ、両腕を胸元に引き戻してから斜め下に向けて開く!」 はいはい。 と、それで変身ポーズがで完了したのか『ガナル・コア』から真っ赤な光があふれる。 最初にパーツをつけて起動した時と同じ状態のようだ。 ……ってちょっとまて。 また魂源力吸われるんじゃないだろうな。 いくらなんでも今そんな事されたら確実に死ぬぞ。 「あ、大丈夫っぽい?」 一瞬、心の準備をしかけた俺だったが、今回は特に脱力感もない。 どうやら死ななくてよさそうだ。 とか言ってる間にも変身プロセスは進んでいた。 『ガナル・コア』から発せられた光は俺を中心にドーム状に広がり、つむじ風のようにくるくると回転する。 やがて赤い光は俺の体を薄く覆う様に集束していき、プロテクターを形成していく。 ふと右てのひらを見るとレンズのようなものが現れていた。 左手を確認するとやはり同じものがある。 よく見るとそのパーツは肘やかかとにも発生している。 武器か何かか? そんな事を考えていると赤かった光は真っ白に変色し、一層まぶしく輝いた。 閃光に目を焼かれ、俺は思わず目を閉じる。 そして実験室内を静寂が包む。 「成功だー!」 という嬌声が上がり、俺の胸に何かがぶつかってきた。 驚いて目を開けると目の前に改造魔の顔がある。 そして俺の全身は真っ赤な鎧にすっかり覆われていた。 「やったよ仁ちゃん!変身ヒーロー『ガナリオン』の誕生だよー!」 「ガナリオン?」 「そうだよー!カーネリアンだとパンチが弱いから、ちょっともじって『ガナリオン』にしたんだよー! やっぱりヒーローの名前には濁点がなきゃ!」 俺に抱きついたまま一気にまくし立てる改造魔。 うれしくて仕方ないのか小刻みに飛び跳ねまくっている。 当然おっぱいが押し付けられて気持ちいい……。 と思いきやまったく感触がない。 ああ、プロテクターに覆われてれば感触なんかあるわけないよね。 まあでもおっぱいが変形しまくるのは見れるからよしとするか。 あ、いかん。 マイサンが暴れ始めた。 っていててて、やばいこれやばい。 プロテクターに押さえつけられてるから巨大化できない。 とにかく気をそらさねば。 「へ、変身はできたみてーだけど、さっき言ってた技とか武器とかはどうやって使うんだ?」 前かがみになりつつ改造魔を引き剥がし、話をふる俺。 「あ、そうだね。じゃあまずは『ガナル・クロー』から説明するねー」 改造魔の口からは、いかにも近接格闘武器と言った感じの名前が飛び出した。 「右腕を曲げて拳が左肩の前に来るように構えてー。 左手は腰溜めにー」 ふむ。 「そして『ガナル・クロー』と叫ぶのだ!」 はい。 「ガナル・クロー!」 俺の声に反応して右拳から赤く透き通った爪が3本、シャキンといういかにもそれらしい音を立てて飛び出す。 クローといっても10cmほどで、引っかいたりするのには向いてなさそうだ。 パンチするときの補助武装と言ったところか。 普段、異能を使うときに攻撃力を高めるためによくやる、拳をカーネリアンでコーティングするのと似た様なものだな。 「左右反対にやれば左手にも出せるし、両腕を交差させてやれば一度に両手に出すことも出来るよー」 なるほど、わかりやすい。 「他は?」 「じゃあ次は『ガナル・パンチ』ね」 これまたわかりやすい技名だね、改造魔。 「まずは腰を落として半身に構えてー」 うい。 「右手は拳を握って腰溜めにして、左手は右拳の前にかざしてー」 うす。 「『ガナル・パンチ』と叫んで拳を繰り出すのだ! あ、左手はしっかり腰にひきつけてねー」 よし。 「ガナル・パンチ!」 右ストレートを放つと同時に右ひじのレンズのような部分から真っ赤に輝く粒子が噴き出す。 と同時に俺の右腕がものすごい勢いで押し出され、空気が引き裂かれる「ボッ」という低く短い音が室内に響く。 その直後、拳の通り道から突風が起こり、床一面にたまった埃を根こそぎ引き飛ばした。 数秒後、風の残響とともに舞い散る粉塵が収まると、俺は自分が数メートル前進していることに気づく。 振り返ると足元からさっき立っていた辺りまで、赤いレールが敷かれたような跡が残っていた。 なにこれ、ちょっと凄すぎない? 「どうー?すごい威力でしょー」 改造魔がこちらに駆け寄ってきながら大声で言う。 「確かにすごいなコレは……ってなんだ? なんかプロテクターがぼやけて……」 これって起動したときと同じ状態? そう思うが早いか、真紅の鎧は赤い光の粒になって『ガナル・コア』に吸い込まれ、俺は変身する前のボクサーブリーフ一丁の姿に戻っていた。 「え?……どういうこと? 変身して一つ武器出して一回技出したら変身が解けたってことは……。 もしかしてもうガス欠!? 俺の魂源力丸々使って!?」 うろたえる俺に向かって、改造魔は事もなげに 「あー、やっぱり一日分程度の魂源力じゃ足りないかー。 大丈夫!二・三日チャージしておけば3回くらいは技出せるようになるよー」 と、そう言い放つ。 二・三日チャージして一回変身+技3回……だと? 「いくらなんでも燃費悪すぎるだろう…… やっぱ完全に趣味の世界だな」 これにはさすがの俺もあきれ果てた。 確かに技の威力は、俺程度の異能者には普通じゃ出せないほど強力なものだが、それを加味しても自由に異能が使えないのはマイナスが大きすぎるだろ実際。 「……まあいいや。 普段は別に変身とかせずに自前の異能使ってりゃ問題ないだろう。 ……あれ?」 妙だ。いつも通り異能を使おうと右手に意識を集中させているのに、まったく魂源力が高まる感じがない。 もう一度右手に力を込める。 が、さっぱり異能が発現しない。 もう一度。 だめ。 もう一度。 あっれええええええええ? ちょっとどういうこと? 何で異能使えないの? 「おい、改造魔!!なんか異能使えねえんだけど!?」 あわてて改造魔に問いただす。 「うん?使えないよー? だって変身解除中は強制的に『ガナル・コア』チャージしてるから異能使えるほど魂源力たまらないもん」 またしてもとんでもないことをサラリと言ってのける改造魔。 ちょっとまって。 それって変身しなきゃ異能使えないってことだよね? ってことは変身してないとき俺は無能力者って事? ってことは異能使うカリキュラムとか三日に一回とかしか受けれないって事じゃん? ってことはラルヴァ倒して日銭を稼いでる(この学園にはラルヴァを倒すと退魔ポイントがたまり、それを様々な特典と引き換えられると言うシステムがある)俺は生活が苦しくなるって事だよね? 「大丈夫!変身すれば異能使えるんだから!問題ないよー!」 呆然と思考のループに陥っている俺に、改造魔は気楽にそう言う。 「…………問題ないわけ……」 「あるかぁああああああああああああああああい!!」 実験室中に『ガナル・パンチ』以上の衝撃をともなった俺の絶叫が響き渡った。 つづく? 第二話へ 第三話へ 第四話へ 第五話へ 番外編?へ トップに戻る 作品投稿場所に戻る