約 154,824 件
https://w.atwiki.jp/himezumi/pages/27.html
定山渓急行電鉄の沿革 定山渓鉄道から定山渓急行電鉄へ 定山渓鉄道が観光鉄道から都市高速鉄道への脱皮を図り始めたのは東急による 買収からおおよそ6年後の1965年頃とされている。 このころ東急は札幌圏の人口拡大に伴い宅地開発に適し、北海道での田園都市の 開発に最適な札幌南部の石山や藤野といった土地を遊ばせ続けることを良しとせず、 東急や定鉄不動産部門の幹部が立ち上げた石山田園構想の開発のためにはまずは 観光私鉄然とした定鉄の体質そのものを改善すべきと判断した。 この時分には東急でも北海道内の交通資本の買収は頓挫しており、通称札幌急行 電鉄と呼ばれる札幌~江別間を結ぶ路線プランも放棄されており、定山渓鉄道その ものの存在すら疑問視する東急役員も多かったが、発展著しい札幌市においてこれ ほどのダイヤの原石を捨てるのは勿体ないという意見も多く、東急やメインバンク であった拓銀からの融資を元手に東急傘下参入時に目標として掲げた全線複線化工事 と線形改良、そして都市部区間での高速運転のための藤野までの高架化と新型車の 導入を1971年までに完成させると宣言。 ちょうどこの頃札幌市では市電と市バスの乗客飽和による交通機関の麻痺を打開 するために大刀豊交通局長が筆頭となって地下鉄の建設を押し進め、1966年のIOC 総会にてオリンピックの札幌開催が決定するとその動きはより確実なものへと 変わっていき、1967年には地下鉄の敷設免許を得ることとなる。 が、そこで札幌市は一つの条件を課された。 当時の運輸省の担当官はそれまで札幌市営地下鉄が独自に試験を行い、推していた ゴムタイヤ式地下鉄に批判的であったことや、まだ運輸省の大半の人間がゴムタイヤ 式地下鉄に懐疑的であったことから「鉄輪方式のみ」での建設という条件が課されたのだ。 だがそれは地下鉄建設の財政不安を抱えた札幌市にとっても半ば光明であった。 五輪会場予定地の真駒内にはすでに定山渓鉄道の路線が走っており、その定鉄は1971 年までに複線化工事と豊平~真駒内間での高架工事を行うとしてすでに同区間での 工事を始めていた。ゴムタイヤ式では乗り入れ不能と判断された定鉄だが鉄輪方式 のみとなれば乗り入れはいくらでも可能であり、すなわち地下鉄の定鉄乗り入れを 行えば豊平川以南の区間の工事費は全額定鉄側に負担させることが可能となるのである。 また定鉄側からしても札幌市中心部への乗り入れが現在の国鉄札幌駅への気動車 乗り入れより確実かつ簡便な直通運転に切り替わるのも好都合であり、むしろ石山 田園都市計画や藤野田園都市計画を進める上ではまさに天からの贈り物であった。 なお、本来幌平橋~中の島間を経由して平岸に至るルートであった札幌市営地下鉄 は定鉄側の強い意向もあって市電豊平線のルートをたどり、豊平駅まで至るルートと なった。 かくして定鉄は札幌市営地下鉄開通直前の1971年8月にすべての複線化および高架 工事を終え、通勤通学ニーズにマッチした新性能電車を多数投入し旧態依然とした 旧型車を放逐、「定山渓急行電鉄」と社名を変更する。 同年12月には五輪を一か月後に控えて開業した札幌市営地下鉄との相互乗り入れ を果たし、翌年の五輪には観客の定山渓への乗客輸送に大車輪の活躍を行い、札幌 五輪の成功に一役買ったのは確実である。 また同年から翌年冬にかけての都市部区間での大刀豊局長発案のスノーシェルター や旧型電車改造の高速ロータリーブルーム除雪車の配備によって厳冬期においても 高い定時制運行を保っていたこと、通勤急行や温泉急行の設定や都心への直結という アクセス性の良さが受けて田園石山や田園藤野の宅地分譲も進んだのである。この 二つの住宅街がのちの定鉄を支える柱となるのはこれを読む者ならばよく承知の通りであろう。 夕張鉄道買収と夕張線開業
https://w.atwiki.jp/marurowa/pages/404.html
砂鉄の楼閣(前編)◆/VN9B5JKtM 5. 薔薇の乙女は故人を偲び RozenMaiden_Fifth_Doll. 真紅達があすかと別れてから10分後。 「美琴、抱っこして頂戴」 「え? えっと……こう?」 「抱き方が違う!」 「痛っ! な、何もはたく事ないじゃない」 彼女達は気付かない。 30分後。 「そう言えば美琴、あなたの荷物はクーガーに渡された物なのよね?」 「ええ、そうだけど。それがどうかしたの?」 「じゃああなたの元々持っていた荷物はどうしたの?」 「あ……。橋の傍に置きっ放しで来ちゃったから……多分、ライダー達が回収してると思う……」 「そう……。支給品は何だったか覚えてる?」 「えっと、確か銃弾とおふだよ。衛宮さんは拳銃を持ってたわ。あ、あとレストランを覗いた時に、他に犬のぬいぐるみも衛宮さんの支給品だったみたいな事を言ってたけど。 確か……こんな風に垂れ目で、耳が垂れた感じの」 「!? まさか……くんくん、あなたもここに居ると言うの? 美琴、そのぬいぐるみは今どこに!?」 「え!? えーっと、その……。レストランの中にそれらしき物が真っ二つにされて転がってたような……」 「!?!?!?」 「し、真紅……?」 「ああ、なんてことなの……。くんくん……あなたまで…………」 「ちょ、ちょっと、しっかりして! 真紅!」 彼女達は気付かない。 一時間後。 「それにしても、あすかさん遅いわね……」 「本当、紅茶も淹れずに何をしているのかしら」 「うーん……。あ、薬とか探してるんじゃないかしら? デイパックも持って行ったみたいだし」 「だとしても一言ぐらい断ってから行くべきなのだわ。美琴、探しに行くわよ」 「え、じゃあちょっと待ってて、入れ違いにならないようにメモ残すから。『放送までに戻ります』これで良し、と。って、ちょっと真紅、待ってってば」 彼女達は気付かない。 橘あすかに訪れた不幸にも、病院に迫りつつある脅威にも、四人の殺人者達が手を結んだ事にも。 彼女達はまだ気付かない。 ◇ ◇ ◇ 橘あすかの殺害後、今まで使用していたバズーカを失ったラッド・ルッソは代わりの武器を求め、手に入れたばかりのデイパックを漁っていた。 「あん? 何だこりゃあ、本か? コイツは役に立ちそうにねぇな」 最初に出てきたのは螺湮城教本、第四次聖杯戦争のキャスターの宝具だ。 制限を受けているとは言え、魔術師以外でも使用できるその宝具は十分に有用なのだが、ラッドにはただの本にしか見えない。 取り出した螺湮城教本をハズレと判断し、無造作に自分のデイパックに放り込む。 「お次は、っと。お? コイツは……火炎放射器か? よーっし、次の得物はコイツにするか」 次に出てきたのは火炎放射器。説明書によれば「トーチ」という人物が使用していた物らしい。 たっぷりと燃料の入ったシリンダーがズシリと重い。 どうやらこの武器にはラッドも満足したらしく、新しい玩具を買ってもらった子供のようにはしゃいでいる。 「つーかこんな良いモン持ってたってのに、何でさっきの野郎は使おうともしなかったんだぁ? あれか? 僕にはこの玉があるからこんなものに頼らなくても死にません、とか思ってやがったのか? そうなんだろうなぁ。 まぁ、そんなヌルい考えだから俺みたいな奴にぶっ殺されるんだけどよ。ヒャハハッ」 火炎放射器、そしてあすかのデイパックを自分のデイパックに仕舞い立ち上がる。 流石に何十kgもある火炎放射器を背負って移動するのは骨が折れる。これの出番は獲物を見つけてからだ。 「さぁて……。まずは黒スーツからぶっ殺すか。すぐ黒コゲにしてやるから逃げんじゃねぇぞ?」 殺意をぶつけるべく、ウルフウッドの後を追って西へと走り出す。 ラッドがウルフウッド達を最初の標的に決めたのにはいくつかの理由がある。 まず一つ目の理由は地形の問題だ。 第二回放送後にF-6が禁止エリアとなり、病院から南東への唯一の移動ルートである橋が使えなくなった。 南と東を湖に囲まれているため、現在病院に居る人物が神社以外の施設へ向かうには西か北の方向へと移動するしかない。 つまり自分が西側から病院に行き、もしそこに電気女が居なければ北の方に向かった可能性が高いと言う事だ。 二つ目の理由は、電気女はしばらく病院に留まるだろうと思ったからだ。 自分がさっき殺した男は電気女と一緒に病院に居たが、何らかの理由で別行動を取った。 そしてその最中、黒スーツに電気女を攫われたと勘違いし、奴らを追ってここまで来た。それはほぼ間違いない。 そして自分が見たところ、奴は全身に無数の切り傷を負っていたが、病院に行くほどの大怪我はしていなかった。 つまり電気女、あるいは他の仲間が大怪我を負い、その治療のために病院へ向かった可能性が高い。 そうだとすれば、しばらくは病院で休み体力の回復を図るのではないか、ラッドはそう考えた。 三つ目の理由は、ここで黒スーツを逃がすと次に出会えるのはいつになるか分からないからだ。 上の二つの理由から、電気女は黒スーツを片付けてから病院に向かっても間に合うだろう。 だが黒スーツは「西の方に向かった」という事だけしか分からない。 奴のこれからの移動経路、立ち寄る施設、最終的な目的地、全てが謎だ。 最悪、自分以外の誰かに殺されてしまうかも知れない。 四つ目の理由、これは分かりやすい。単純に追いつけると思ったからだ。 相手は黒スーツの他には女子供が二人に鹿のような生物が一匹。どう考えても黒スーツ以外は足手纏いだ。 奴らは集団で行動している以上、必然的に一番のノロマに合わせたスピードで移動することになる。 黒スーツが他の三人を抱えて移動するという可能性も無くはないが、それだと突然の襲撃に対応できなくなるため可能性としては低いだろう。 ならば奴らの移動スピードは大した事ない。急いで追いかければ今からでも追い着ける、ラッドはそう判断した。 もちろん実際には獣形態のチョッパーが他の三人を背に乗せて移動しているため、ラッドの足では追い着けるはずもない。 もしラッドが獣形態のチョッパーを見ていたら、仲間を背に乗せ地を駆ける姿を見ていたら、ウルフウッド達を追うのは諦めて病院に向かっていた。 だがラッドは小柄な人獣形態で休憩しているところしか見ていないため、チョッパーのスピードも一緒に居た子供と同程度だろうと判断してしまった。 そして最大の理由。ウルフウッドと梨花に対する殺意が、美琴へのそれを上回っていたため。 他にも黒スーツの方が近くに居るだとか、早く火炎放射器をぶっ放したいだとか、様々な理由があったが、やはり決め手となったのはこれだろう。 結果、自分では追いつけないという事すら知らず、ラッドは既に逃げ去ってしまった獲物を追いかけた。 当然だが見つかるはずもない。 もしかしたら隠れてやり過ごすつもりかも知れない、と周囲の建物を虱潰しに探してみたが、やはり見つからない。 自然、ラッドの苛立ちは募る。 「こんだけ探しても見つからねぇってのはどういう事だよ? あの黒スーツの野郎には逃げられちまったって事かぁ!? クソッ! ムカつくぜ。 仕方ねぇ、病院に向かうとするか」 あすかのデイパックを取り出し、その中身を自分のデイパックに流し込む。 空になったデイパックを宙に放り投げ、ストレス発散と試し撃ちを兼ねて火炎放射器の引き金を引く。 噴射口から吐き出された火炎の奔流がデイパックを飲み込み、一瞬の内に焼き尽くした。 「おおおっ!? すげえ威力だなぁ、おい! あっと言う間に消し炭になっちまったぜ! いいねいいねぇ! あの大砲も良かったがコイツも派手で気に入ったぜ! これでまたぶっ殺して回れるからなぁ! あー、早くコイツでヌルい奴らを焼き殺してぇなぁ。自分は死なねぇって思ってる奴は自分が生きたまま焼かれる瞬間、どんな顔するんだろうなぁ。 あぁぁぁあ、早くぶっ殺してぇぜぇぇえ!」 そして、ギラーミンの放送が流れる。 「おいおいおいおい、何だよ何だよ、また13人も死んじまったのかよ!? もう24人しか残ってねぇじゃねぇか! ったくよぉ、どいつもこいつも殺し過ぎじゃねぇのかぁ!? 俺の殺す分がどんどん減ってくじゃねぇか! あああぁぁあ、俺はまだたったの6人しか殺してねぇってのによぉ! 他の奴らは好き勝手に殺しやがって、イラつくぜぇ……! よぉし、決めた! 俺以外に参加者を殺して回ってる野郎が居たらぶっ殺す! そういう奴らはこんなに強い俺が死ぬはずない、なんて思ってやがるだろうしなぁ! おっと、もちろんそれ以外の参加者も見つけたら遠慮なくぶっ殺すぜ! まだまだ殺し足りねぇからなぁ! ん? 待てよ? 要は片っ端からぶっ殺してくって事じゃねぇか! 何だ、結局は今までと変わらねぇなぁ、ヒャハハッ!」 狂った笑いを響かせながら、ラッドは病院へと歩を進める。 「待ってろよ、電気女ぁ。今ぶっ殺しに行ってやるからよぉ!」 ◇ ◇ ◇ 放送終了後、真紅と美琴は病院内にある病室の一つに居た。 「どうなってんのよ……?」 美琴の愕然とした声が病室内に響く。 その声に釣られるように、真紅は名簿に――正確にはその一点、たった今自分の手でチェックを入れた名前に――視線を落とす。 信じられないのも無理はない。真紅も最初は我が耳を疑った。 「何であすかさんの名前が呼ばれてるのよ!」 ついさっきまで行動を共にしていた仲間の死が告げられたのだから。 『橘あすか』 その名が呼ばれた瞬間、頭をハンマーで殴られたような衝撃を受けた。 目の前が真っ暗になり、聴覚は仕事を放棄し、頭はぴたりと思考を停止する。 五感を失い、ぼんやりとした意識だけがふわふわと漂う、そんな感覚。ペンを取り落とさなかった自分を褒めてやりたいぐらいだ。 一拍遅れて自分を取り戻し、その意味を理解すると、胸にぽっかりと穴が空いたような喪失感に包まれた。 次いで襲ってきたのは、ジュンの名が呼ばれた時にも、翠星石と蒼星石の名が呼ばれた時にも味わった、胸を押し潰すような悲しみ。 そして、確かにそこに存在していたはずの絆を無理矢理引き千切られた、そんな理不尽な暴力に対する抑えようも無い怒り。 既に何人もの参加者が死者として名を呼ばれている以上、いつ自分達が死亡者のリストに名を連ねてもおかしくはなかった。 だが、まさかこんな形であすかとの別れが訪れるなど考えもしなかった。 正直言って、まだ実感が湧かない。 実は自分の聞き間違いか何かで、あすかは何事も無かったかのようにひょっこりと姿を現すのではないか、そんな幻想に縋ってしまいたくなる。 (それでも……認めなければならないのね……) できる事ならば、悲しみが癒えるまでこのままじっとしていたい。 だが、この殺し合いでは仲間の死を悲しむ、そんな僅かな時間すら与えられない。 ここで自分が悲しみに飲まれて足を止める訳にはいかない。第一、あすか自身もそれを望まないだろう。 左腕の切断面をそっと撫でる。 (あすか……今一度、あなたの想いにかけて誓うわ。私は私のやり方で、この殺し合いを止めてみせる) 顔を上げた先には、まだ呆然としている美琴の姿がある。 契約の指輪で繋がっているためか、断片的な思考が流れ込んでくる。 また一人、自分を信じた人間が死んでしまった。 また一人、自分のせいで人を死なせてしまった。 恐怖、混乱、悲しみ、自己嫌悪、様々な負の感情がごちゃ混ぜになって濁り切った思考の渦。 まずは混乱の真っ只中にある彼女を落ち着かせなければならない。 彼女を捕らえて放さないドス黒い渦から、手を取って引き上げてやらねばならない。 彼女にとっては酷だろうが、それでもあすかの死を受け入れて先に進まねばならない。 あすかが居ない今、それは自分の役目だ。 「美琴、落ち着きなさい」 「だって、真紅! あすかさんが……」 「今私達がすべき事はあすかの死を嘆き悲しみ時間を費やす事ではないわ。あすかがなぜ殺されたのか、それを考える事が重要ではなくて?」 美琴もそれは分かっているのだろう。まだ納得はしていないという表情ながらも一応は落ち着いたようだ。 「まさか……病院内に誰か居たってこと?」 「その可能性が高いのだわ」 もし何者かが病院内に潜んでいるとすれば、このまま放っておく訳にはいかない。 後からやって来た参加者を襲うかも知れないし、何より仲間を殺されて黙っているなど、自分達の気が済まない。 あすかの遺体も見つけて埋葬したいと思い、真紅達は引き続き病院内を見て回る事にしたのだが。 「誰も居なかったわね……」 「それどころか、あすかの遺体もないのだわ」 「って事は、あすかさんは病院の外で殺されたって事?」 そして今、二人は病院の裏口に居た。 病院内を一通り見て回った二人だが、見つけたのは見知らぬ少年の死体だけで、殺人者もあすかの遺体も見当たらなかった。 まさか殺した相手を埋葬するような殺人者はいないだろう。あすかが病院内に潜んでいた何者かに殺されたのだとすれば、その遺体も病院内のどこかに残っているはずだ。 「でも私達に一言の断りも無く外に出て行くのは不自然なのだわ」 「うーん、それもそうなんだけど……。あ、あいつなら……いや、でもあいつはここに居ないからやっぱり他の誰かが……」 「美琴、何をぶつぶつ言っているの?」 「んー、実は私の学校に『心理掌握(メンタルアウト)』って呼ばれてる超能力者がいるんだけどさ。そいつの能力が読心、洗脳、念話、記憶操作……とまあ精神的な現象ならなんでもできる訳よ」 そこで真紅も美琴の言いたい事に気付く。 精神支配系の超能力者。もし参加者に似たような力を持つ者が居たら。 「つまり、あすかが自分の意思ではなく何者かに操られて外に連れ出されたのではないか、そう言う事ね?」 「うん。あすかさんもアルター能力で一時的に意識を奪う事ぐらいは出来るって言ってたから、有り得なくはないと思うのよね」 確かに、そう考えればあすかが何も言わずに消えた事も辻褄は合う。 だが、そうだとすると、どの程度まで操れるのかが問題になってくる。 もし殺す前にあすかの持つ情報を引き出していたとすれば。自分達の能力や負傷具合、これからの行動方針まで知られてしまったとすれば。 自分達は圧倒的に不利な立場に追い込まれてしまった事になる。 もちろんその最悪の予想通りだとしても、真紅はあすかを責めるつもりなどない。 怒りを向けるべきはあすかではなく、あすかを殺した何者かだ。 「行くわよ、真紅」 美琴が先頭に立って歩き出す。 ギラーミンの放送によれば、残る参加者は24人。殺し合いは予想以上に早く進んでいる。 もはや一分、一秒たりとも時間は無駄にできない。 真紅達は予定を修正して、劇場には向かわずにC-4駅に行く事にした。 (あすか……私も美琴も、あなたが居たおかげで大分救われたのだわ。 あなたの遺志は私達が受け継ぐ。だからゆっくりお休みなさい……) 心の中だけであすかに別れを告げ、前を歩く美琴を追いかけようとして。 爆炎が、辺りを包み込んだ。 4. 狂人は戦火を撒き散らし Four_Murderers_Alliance. ロベルタ、ミュウツー、ナイン、リヴィオ、同盟を結んだ四人はまず最初の目的地を病院へと定めた。 C-4駅から南下して図書館を通り過ぎ、劇場から西へ。 そして病院に到着した時、その裏口から二人の少女が出て来るのを発見した。 事前にナインから情報を得ていた四人には、それが真紅と美琴の二人だとすぐに分かった。 当然、迷うことなくその殺害を決意する。 作戦は驚くほどすんなりと決定した。 まずロベルタがパニッシャーに搭載されているロケットランチャーで砲撃。 さらに距離を詰め、パニッシャーの機関銃で着弾点付近を一掃する。 最後にミュウツーとナインが接近し死体を確認、もし息があれば止めを刺す。 ナインの情報によれば敵は二人とは言えその戦力は侮れない。 最大火力による先制攻撃で反撃の間を与えずに殲滅する、それが四人の選んだ戦法だ。 巨大な十字架から放たれたロケット弾が爆発し、爆音と煙塵を撒き散らす。 絶え間なく吐き出される銃弾が地を抉り、壁を穿つ。 超人的な再生力を持つリヴィオやミュウツーでも生きてはいられないほどの圧倒的な火力、美琴のような一般人なら数秒と経たず肉塊になるはずだ。人形の真紅など跡形も残らないだろう。 体中から血を流して倒れ伏す美琴と粉々に砕け散った真紅、四人はそんな光景を予想していた。 だから爆煙が晴れた時、そこに黒い壁がそびえ立っているのを見た四人は少なからず驚いた。 最初に反応したのはリヴィオ。引き金にかけた指に力を込め、構えていたソードカトラスが銃弾を撃ち出した。 吐き出された弾丸は黒い壁に着弾し、砂に埋もれるようにして壁の中に消えていった。 あの壁が能力なのか支給品なのかは分からないが、最初の爆発を生き延びた敵はあれで銃撃を防いだのだろう。 つまり、少なくともどちらか一人はまだ生きているという事だ。 ミュウツーとナインの二人はそう考え、美琴達に止めを刺すため左右から黒い壁の後ろに回り込み、 (居ない!?) 「居ない!?」 崩落する壁に飲み込まれた。 ◇ ◇ ◇ 美琴は超能力者だが、それ以外は基本的にただの少女だ。いや、頭脳も体力も中学二年生とは思えないほど優れているのだが、それでもやはり一般人の域を出ない。 当然ながら、敵の気配を探るだとか、自分に向けられた殺気を読むなどといった芸当は出来ない。それは真紅も同じだろう。 つまり、美琴達は自分達が狙われていることに気付いていた訳ではない。 では何故奇襲が失敗したのか、そう問われれば、御坂美琴は最強の電撃使い「超電磁砲」だから、と、そう答えるしかないだろう。 科学技術の最先端、学園都市。そこでは何万人もの研究者達が日夜研究に明け暮れている。その研究内容の一つにAIM拡散力場というものがある。 能力者は能力を発動している時以外でも常に周囲に微弱な力を発している。この能力者が無自覚に発している力の事を総称してAIM拡散力場と呼んでいる。 どんな力を発しているかは能力者の力の種類によって変わってくる。例えば発火能力者なら熱量、念動力者なら圧力、という具合だ。 そして電撃使いの美琴が発しているのは――電磁波。 彼女はその反射波を感知することでレーダーのように周囲の動きを察知し、死角からの攻撃にも対応することができる。 美琴達は病院の裏口から外に出た。そしてC-4駅に向かって歩き出したところで、電磁波のレーダーが自分達に向かって高速で飛来する何かの存在を捉えた。 それがロケットランチャーだということまでは分からなかったが、彼女はそれを何者かの攻撃だと判断し、即座に迎撃態勢に入った。 美琴が迎撃準備を完了した時点でロケット弾の着弾まで残りコンマ数秒、常人ならば回避も迎撃も諦めて地面に伏せるしか手がない距離まで迫っていた。 だが彼女は学園都市第三位の超能力者、七人しか居ないレベル5の一人、超電磁砲だ。それだけあれば彼女にとっては十分過ぎる。 飛来物が飛んでくる方向に向けて、電圧にして数億ボルトの雷撃の槍を放つ。 電気刺激を受けたことにより信管が作動し、砲弾は美琴達の10m以上手前で爆発。二人は爆風に煽られ地を転がることになったが、ほぼ無傷でこの初撃を回避することができた。 「真紅、無事!?」 「っ……大丈夫よ。一体何が……?」 「敵よ。真紅、こっち。とりあえず隠れるわよ」 美琴は急いで起き上がると、真紅を抱き上げて建物の陰に隠れる。直後、さっきまで美琴達が立っていた辺りに無数の銃弾が撃ち込まれる。 嵐のように降り注ぐ鉛弾が地面を穿つ。咄嗟に隠れていなければ今頃は……そう考えるとぞっとする。 「容赦ないわね。相手は問答無用で殺しに来てるわよ」 「それで美琴、どうするの? 逃げるなら今のうちだわ」 「逃げる? 冗談はやめてよ。真紅だってそんなつもりはないんでしょ?」 あまりに出来過ぎている。それが美琴の抱いた感想だ。 まずタイミングが良過ぎる。まるで自分達が病院に居るのが分かっていて待ち伏せしていたような、そんな絶妙なタイミングでの襲撃。 そしてもう一つ、容赦が無さ過ぎる。外見だけで言えば、自分達はまともな武器すら持っていない少女と人形だ。それに対してアレはいくらなんでもやり過ぎだ。 偶然病院にやって来た殺人者が自分達を発見し、襲撃したと考えるのは楽観的過ぎるだろう。 だが、例えばこの襲撃者が事前にあすかから情報を引き出していたとしたら? 自分達の動向を監視し、このタイミングで襲撃することも可能だろう。自分達の能力も聞き出しているだろうから、容赦の無さも納得できる。 この襲撃のタイミングとやり方から見て、この襲撃者があすかを殺した可能性が高い。美琴はそう考え、交戦を選択した。 真紅もそれが分かっているのだろう、無言で頷く。 美琴は不敵に笑う。それは彼女がこの場に呼び出されて初めて見せる自信に満ちた笑み。 「私達にケンカを売ったこと、たっぷりと後悔させてやろうじゃない」 周囲の地面から大量の砂鉄をかき集め、壁を作る。 自分達の前ではなく、さっきまで自分達が居た、今も銃撃に晒されている場所に。 この壁は囮だ。 煙が晴れた時にこの壁を見た襲撃者はどう思うか。 最初の砲撃で何とか生き延びた美琴達はこの壁の後ろに身を隠して銃撃をやり過ごしている、そう思うだろう。 となると次に襲撃者が取る行動は大きく分けて二つ。 美琴の超電磁砲のような高威力の攻撃で壁ごと貫くか、素直に壁の後ろに回り込むかだ。 そして美琴は前者の可能性は低いと踏んでいる。 襲撃者が最初からこちらを殺す気で攻撃してきた以上、最初のロケットランチャーによる砲撃、恐らくあれが襲撃者の持つ最大火力だろう。壁を破るつもりならあれを撃ち込んで来るはずだ。 だが実在の火器を使用しているならば当然その弾数は無限ではないし、真紅の薔薇の花弁や美琴の雷撃のような能力だとしてもあれだけの攻撃力、少なからず体力を消耗するはずだ。 さらに、襲撃者から見た美琴達は強固なシェルターに閉じこもった訳ではなく、ただ壁の後ろに隠れているだけだ。 回り込めばそれで済むところをわざわざ前者を選んで弾薬や体力を無駄に消耗する事は無い、よほどの捻くれ者で無い限り襲撃者はそう考えるはずだ。 ならば残るは後者。 壁の後ろに隠れているはずの美琴達の息の根を止めるため、 「居ない!?」 こんな風に近づいて来る。 後はそこを捕らえて雷撃を撃ち込むだけ。 美琴は襲撃者を飲み込むように砂鉄の壁を崩す。 二人の襲撃者は砂鉄に埋もれ、身動きが取れなくなる。 「さて、と。いきなり物騒な真似してくれるじゃない。当然、覚悟はできてるんでしょうね?」 バチバチと火花を散らし、物陰から姿を出す。 襲撃者に向けて雷撃の槍を放とうとして。 「美琴っ!」 真紅に腕を引かれて後ろに倒れこむ。それと同時、連続で銃声が鳴り響き、何かが目の前を高速で通り過ぎた。 その何かが飛んで来た方向に視線を向けると、地下で見たラズロという男が銃口をこちらに向けていて、その横ではバカみたいに巨大な十字架を構えたメイドが射殺すような鋭い目つきでこちらを睨んでいた。 「な、何で四人も居るのよ!?」 美琴の誤算はただ一つ、襲撃者は二人だと思ってしまった事だ。 自身も一時的とは言えナインと手を組んでいた経験があるため、殺人者同士が協力して襲って来る可能性も十分に有り得ると考えていた。 だが残り人数も24人まで減ったこの局面で、まさか四人もの殺人者が手を組んでいるとは夢にも思っていなかった。 そこに油断が生まれた。 二人を生き埋めにした時点で勝利したと思い込んでしまった。 「御坂美琴……やっぱり貴女は危険ね。ここで排除させてもらうわ」 「なっ、ナインさん!?」 砂鉄の山から抜け出したナインとミュウツーが武器を構える。 こうして最初で最後の勝機は潰え、一方的な殺戮劇が幕を開ける。 これより始まるのは戦闘ですらないただの虐殺、勝敗の決まりきったワンサイドゲーム。 そのはずだった。 「ヒャァアッハハハハァッ!!」 この男が居なければ。 爆音に引き寄せられたラッドが、病院の二階の窓を突き破って飛び降りて来る。 その手には火炎放射器。着地と同時に狙いを定め、引き金を引く。 灼熱の炎が、辺りを薙ぎ払う。 ◇ ◇ ◇ 「おい、おいおいおいおいおい! マジかよ! マジかよ!! どうなってんだ、こりゃあよぉ!? 新しい武器も手に入った事だし、あの舐めた電気女をぶっ殺してやろうと思って病院に来た! そしたらよぉ! どういう訳か電気女以外にもあの時のクソメイドに左手が刀になる女、宇宙人野郎にラズロのクソ野郎まで居やがる! おいおいおい、こりゃあマジでヤベェだろ! 俺がぶっ殺してぇ奴らが勢揃いじゃねぇか! つーかテメェら俺抜きで勝手に殺し合ってんじゃねぇよ。テメェらは全員俺がぶっ殺すんだからよぉ。 こいつはやっぱアレか? 遠慮しねぇでここで全員ぶっ殺せ! って、そういう事かぁ!? そうなんだな!? いいぜいいぜ!! 言われるまでもねぇ! テメェら全員まとめてぶっ殺してやるよ! ヒャァッハハッハァ!!」 ラッド・ルッソは狂人である。それは疑いようも無い事実だ。 だが彼は決して考えなしの馬鹿ではない。むしろ常人と比べれば頭の良い部類に入る。 ただその優れた頭脳で四六時中人を殺す事ばかり考えているため、そうは見えないだけだ。 言うなれば思考のベクトルが常人とは違う方に向いている、そういう事だろう。 だから彼は効率良く殺すために作戦を立てもするし、自分の不利を悟れば一旦退いて仕切り直しもする。 火炎放射器は確かに強力な武器だが、銃火器に比べればいくつかの欠点が目立つ。それは前線の兵士が火炎放射器ではなく銃を持っていることからも分かるだろう。 まずその重量。大量の燃料に保存用のタンク、それを発射する機構。比較的軽いものでも合わせて20kgを超える。 次に射程。火炎放射器は銃弾ではなく液体状の燃料に火を点けて放つため、空気抵抗の影響が大きい。 水鉄砲を想像して欲しい。噴射された水は見る見る速度が衰え、やがて最初の勢いを失って地に落ちる。それと同じだ。 それに使用時間。火炎放射器は前述の通り火を点けた液体燃料を噴き付け敵を焼く武器だが、勢い良く炎を噴出するため燃料の消費が激しい。 今のように燃料を出しっ放しにして周囲を薙ぎ払う、などという使い方をしていれば、僅か数十秒で燃料が枯渇してしまう。 そして、背中に大量の燃料を背負っているため、そこに被弾すれば逆に自分が火達磨になってしまう。 「ラッド・ルッソォッ!」 「おぉ? 随分とやる気満々じゃねぇか。ヒャハハッ、いいぜ。まずはテメェからぶっ殺してやるよ!」 ナインが左手のブレードで斬りかかるのを炎で牽制し、ラッドは冷静に思考する。 開けた場所で敵に囲まれている、今のこの状況は良くない。 もっと狭い通路で前方から来る敵だけを相手にする、そんな状況が望ましい。 結果、ラッドは一時撤退を選択した。 自分に対して剥き出しの殺意を叩きつける女、自分が退けばあの女は必ず追って来る、そう確信して。 「ッ! 逃がさない!」 そしてラッドの目論見通り、ナインはその後を追って駆け出す。 ラッドの選んだ狩場、病院内へと。 「チッ、お前はナインを援護しろ! こっちは俺達で片付ける」 リヴィオの指示に従い、ミュウツーもナインを追って病院に入って行く。 そしてもう一人。この場の誰にも気付かれる事なく、病院内に侵入する黒い影があった。 こうして、病院内を舞台とした戦闘が幕を開けた。 時系列順で読む ルートA-1 Back 歩くような速さで Next 砂鉄の楼閣(中編) ルートB-1 Back 歩くような速さで Next 砂鉄の楼閣(中編) B-1ルート分岐 投下順で読む ルートA-1 Back 歩くような速さで Next 砂鉄の楼閣(中編) ルートB-1 Back 歩くような速さで Next 砂鉄の楼閣(中編) B-1ルート分岐 Back Next 的外れジャストミート SideB 御坂美琴 砂鉄の楼閣(中編) 的外れジャストミート SideB 真紅 砂鉄の楼閣(中編) 殺意と鉄血が呼ぶは死の熱風‐Santana‐ ミュウツー 砂鉄の楼閣(中編) バッドエンドは突然に ラッド・ルッソ 砂鉄の楼閣(中編) 殺意と鉄血が呼ぶは死の熱風‐Santana‐ ブレンヒルト・シルト 砂鉄の楼閣(中編) 殺意と鉄血が呼ぶは死の熱風‐Santana‐ ロベルタ 砂鉄の楼閣(中編)砂鉄の楼閣(中編) B-1ルート分岐 殺意と鉄血が呼ぶは死の熱風‐Santana‐ リヴィオ・ザ・ダブルファング 砂鉄の楼閣(中編)砂鉄の楼閣(中編) B-1ルート分岐 赤目と黒面(後編) ゼロ 砂鉄の楼閣(中編)
https://w.atwiki.jp/katetu-net/pages/17.html
説明・詳しい架空鉄道の詳細ページ一覧です。 表に自分の架鉄の名前を書いてリンクしてください。 詳細ページは好きに編集してもらって構いません。
https://w.atwiki.jp/multiple/pages/432.html
砂鉄の楼閣(中編) B-1ルート分岐◆/VN9B5JKtM 3. 神速の雷は敵を撃ち貫き Number_Three_"Railgun". パニッシャーから吐き出された弾丸が黒い壁に阻まれる。 その光景を見て、ロベルタは二つの疑問を抱く。 (この壁……あの園崎詩音という女が使用していた銀色の膜に似ていますね) ラッドが現れた時もこの壁が炎を防いで、電撃使いも人形も火傷一つ負っていなかった。 以前ロベルタが殺害した少女も似たような能力を使用していた。ならばこれも同類の能力によるものなのだろうか、それが一つ目。 そしてもう一つの疑問。 (超電磁砲とやらは使わないのでしょうか? その威力次第では撤退も視野に入れていたのですが) ナインの情報にあった超電磁砲。民家を崩すほどの威力を誇るオレンジ色の閃光。 その話の通りなら一撃でも食らえばその時点で勝負が決まりかねないのだが、一向に撃つ気配がない。 (何か使用条件でもあるのか、それとも人を殺したくないとでも思っているのでしょうか……どちらにせよ、いくら強力な武器でも使えなければ唯のガラクタと同じです) 黒い壁に弾丸を撃ち込むロベルタの視界一杯に薔薇の花びらが舞い広がる。 桜吹雪ならぬ薔薇吹雪。ガルシア坊ちゃまにもお見せしたい光景ですね、と場違いな思考を巡らせながらパニッシャーをかざす。 見た目こそただの花びらだが、その正体は触れたもの全てを切り裂く鋭利な刃物。それが逃げ場を封じるように、一斉にロベルタに襲いかかる。 迫り来る薔薇の大群を巨大な十字架を盾に防ぐ。 視界の端でリヴィオが黒い壁に銃弾を撃ち込み、その直後、撒き散らされた薔薇の花弁に襲われる。 敵の意識がリヴィオに向いている間にロベルタは壁の後ろに回り込む。円を描くように黒い壁を迂回し、少女と人形を捕捉する。 敵の姿を視界に収めたロベルタは足を止めてパニッシャーを構え、髑髏型の引き金を引く。狙うは電撃使いの少女。 十字の先端から無数の弾丸が発射され――少女を守るように割り込んできた黒い壁に飲み込まれるように消えていく。 立ち止まったロベルタに向かって壁の一部が鞭のように伸び、その足元を薙ぎ払う。 ロベルタはこれをバックステップで回避。目標を見失った黒い鞭はそのまま横のビルにぶつかり、ガリガリと耳障りな音を立てながらコンクリートの壁を削り取る。 ちらりと目をやると、黒い鞭がぶつかった辺りには巨大なナイフで切り付けたような傷痕が深々と刻まれていた。 思い通りにいかない現状にロベルタは歯噛みする。 薬を流し込みたい衝動を抑え込み、それが更に苛立ちを加速させる。 ブツリと肉を噛み千切る感触と共に口の中に鉄の味が広がり、食いしばった歯がギシリと音を立てる。 もちろんロベルタも何もかもが思う通りに進むはずが無い事は分かっている。 かつてフローレンシアの猟犬と恐れられ、何人もの人間を殺してきた彼女は予定外の出来事など幾らでも経験している。 だが、今回はあまりにも想定外の事態が重なり過ぎている。 最初の奇襲で確実に殺したはずの二人が無傷で生きていた事も、ラッド・ルッソの突然の乱入も、ナインの暴走も、敵の予想以上の戦闘力も。 いや、それ以前に自分がこの場に呼び出されたことも。 だがまだ状況は二対二、総合的な戦闘力では確実に自分達の方が上。ちょっとした切っ掛けで均衡は崩れ、天秤は自分達の方に傾く。そのはずだ。 なのに攻め切れない。 視線を横にやれば、自分の同盟者も同じように攻めあぐねているのが見えた。 理由は多々ある。 散弾のようにばら撒かれる花弁、機関銃の連射すら防ぎきる黒い壁、そこから鞭のように伸ばされる黒い剣。 だが一番の要因は味方のはずのこの男、リヴィオ・ザ・ダブルファング。 この男との同盟が成立している理由はただ一つ。自分の手にこの男の求める武器、パニッシャーがあるからだ。 逆に言えばこの男にとって、パニッシャーさえ手に入れれば無理に同盟を続けるメリットは無い。即座に単独行動に戻り、他の参加者を殺して回ったとしてもおかしくない。 そしてミュウツーにナインを追うように指示を出したのはリヴィオだ。つまりこの二対二の状況はリヴィオが作り出した事になる。 では何故ミュウツーにナインの後を追わせたのか? ナインが返り討ちにされないか心配したため――あり得ない。自分達は互いに利用し合う関係だ。ナインがやられたとしても切り捨てて三人で同盟を組み直す、それだけだ。 二対一で確実にラッドを仕留めるため――あり得なくはないが、それなら目の前の敵を三人で片付けてから追えばいい。ナインがやられていたとしても三対一だ。 残る可能性は――ロベルタと二人きりになればパニッシャーを奪うチャンスもあるだろうと考えたから。 だとすれば。たとえ目の前の敵に勝利したとしても、その過程で自分が行動不能なほどのダメージを受ければ、この男は間違いなく自分を殺しにかかる。最悪戦闘中に撃たれる可能性もあるため、一瞬たりとも警戒を解く訳にはいかない。 つまり実質的には二対二の戦いなどではなく、二対一対一の三つ巴だ。 ただ勝つだけでは足りない。できるだけ被害を抑えて、リヴィオより優位な状況で勝ちを収めなければならない。 リヴィオの異常な再生力を考えると、時間が経てば経つほど自分の優位性は失われていく。実際、数時間前には胸に大きな傷があったはずだが、今では傷跡すら残さず完治している。 本来ならば一刻も早く敵を殲滅するのが好ましい。多少のダメージは覚悟の上で、黒い壁の左右から同時に突撃したいところなのだが。 ここで敵が電撃使いだという事実がロベルタに二の足を踏ませる。 敵の武器が銃や刃物の類なら急所さえ外せば一撃で戦闘不能になる事はない。 だが雷撃が相手ではそうはいかない。一撃でもまともに受ければ体が麻痺して満足に動けなくなるだろう。 そしてリヴィオが拳銃を武器としているのに対して自分の武器は機関銃。敵がどちらを優先して迎撃するか……考えるまでもない。 雷撃を浴びて倒れ伏す自分に止めを刺すリヴィオ。その想像が頭をよぎり、どうしても思い切った行動に踏み切れない。 ギリギリのところで保っていた均衡が崩れ去る、その時が訪れるのは思ったよりもずっと早かった。 パニッシャーがカチンと音を鳴らし、その先端から吐き出されていた鉛弾の嵐が止む。 この半日、主武装として酷使し続けてきたパニッシャーがついに弾切れを起こした。 予備の弾薬はデイパックの中に入っているが、装填するまでは大きな隙が出来る。当然、相手が大人しく待っててくれるはずも無いだろう。 苛立ちを込めて十字架を地に突き立てる。 パニッシャーの重量とロベルタの膂力により、十字の先端が地に突き刺さる。 予備弾薬を取り出そうとデイパックに手を入れたロベルタの前で、ズズズ、と音を立てながら黒い壁が横にずれる。 その後ろから現れたのは、両手に人形を抱え、その手を前に突き出す電撃使いの少女。 ロベルタに向けて真っ直ぐに伸ばされたその手から。 「行くわよ、真紅っ!」 砲弾のように勢い良く人形が撃ち出され、一瞬にしてロベルタとの距離をゼロにした。 宙を飛ぶ人形の背からパラパラと黒い粉末が零れ落ち、虚空に軌跡を描く。 その隻腕が力強く握り締めているのは、彼女の小柄な体躯には釣り合わない大きな鋏。 目の前に迫った人形が右手を大きく振りかぶり、叩きつけるようにして鋏を振り下ろす。 デイパックから手を抜く暇もない。ロベルタは咄嗟に地に突き立てたパニッシャーを盾にして、人形の一撃を受け止める。 速度を乗せた一撃は小さな人形が繰り出したとは思えないほどに重く、受け止めた十字架が僅かに押し込まれて傾いた。 十字架で鋏と競り合いながらロベルタは考える。 想定外の出来事に対応が一瞬遅れたが、相手が接近戦を挑んでくるのなら好都合だ。 あの電撃使いの少女は自分やロアナプラの住人達とは違い、どう見ても平和な世界の住人だ。 味方を巻き込むこの状況では、あの少女は電撃を使わない、いや、使えない。ロベルタはそう判断した。 その考えは概ね正しい。 例えば今ロベルタの前に居るのが衛宮切嗣ならば、ストレイト・クーガーならば、あるいは橘あすかならば。美琴は電撃を放つ事など出来なかっただろう。 だからロベルタにとってただ一つ誤算だったのは―― ――真紅が電気を通さない人形だった事だ。 参加者についての情報を交換した際、ナインは真紅が人形だという事を話している。もちろん電撃使いの御坂美琴が真紅に説得され、自分達の敵となった事もだ。 ナインはその一部始終を目撃していたため、真紅には電撃が効かない事も知っていた。 だが彼女達四人の中に電撃を武器とする者はなく、美琴が味方である真紅を攻撃するはずも無いだろうと考えたため、その事は話さずに二人の能力について説明するだけにした。 つまり、ロベルタは『人形である真紅に電撃は通じない』という事実を知らなかった。 それが明暗を分けることになる。 左手でパニッシャーを支えながら、右手を黒鍵に伸ばそうとしたロベルタの耳に、パチリ、と火花の音が届く。 信じられない、という思いで顔を上げたロベルタが見たものは、肩まで伸びた茶色の髪からバチバチと火花を散らし不敵に笑う電撃使い。 まさか、という考えを振り払い少女の迎撃に移るが、人形ごと自分を攻撃してくるなどあり得ないと思っていたため、ロベルタの反応が僅かに遅れる。 素早くコルト・ローマンを抜き放ち、美琴の額に狙いをつける。真紅から美琴に、一瞬で狙いを切り替えたのは流石と言うしかないだろう。 だが銃弾の数百倍の速度で迸る雷撃の前にはその一瞬ですら致命的。 視線が、交差する。 ロベルタが引き金を引こうと指に力を込めたその刹那。 音を置き去りにして、雷が駆け抜ける。 角のように逆立つ前髪から放たれた雷撃の槍が、巨大な十字架に吸い込まれ――ロベルタの体中を数億ボルトの電流が駆け巡った。 全身の筋肉が一瞬で麻痺し、エプロンドレスの所々が焼け焦げ、三つ編みの先を縛っていたゴム紐が熱で焼き切れる。 視界はチカチカと明滅し、手からは拳銃が零れ落ちる。膝の力が抜けてガクリと地に崩れる。 墓標のように突き立つ十字の傍らで、ロベルタは己の意識を手放した。 ◇ ◇ ◇ 真紅は目の前に倒れ伏すメイド服の女を見下ろす。 口元に手をかざし、呼吸がある事を確認する。 「大丈夫、息はあるようだわ。そんな事より美琴、服が砂鉄まみれで気持ち悪いのだわ」 美琴達は最初から敵の機関銃が弾切れを起こした瞬間に勝負をかけるつもりでいた。 しかしここで、普通に電撃を放ってもロベルタがパニッシャーを避雷針代わりにして後ろに逃げるのではないか、という問題が発生した。 そこで二人の立てた作戦は、真紅が敵の足を止め美琴が電撃を放つ、というものだ。 だが真紅が普通に敵との距離を詰めても、その間に予備の武装で迎撃されてしまうだろう。 そこで美琴は真紅の背中を砂鉄でコーティングし、超電磁砲の要領で撃ち出した。 もちろん全力を出せば真紅の体が空気摩擦に耐え切れないので手加減はしたが、それでも相当なスピードだ。 ロベルタはパニッシャーで迎撃せざるを得ず、その表面を流れた電流により行動不能に陥った、という訳だ。 「美琴! その傷は……!」 「あー、うん。メッチャクチャ痛いわ」 当然、二人がロベルタに意識を向けている間リヴィオが何もしないはずがない。 黒い壁の操作がおざなりになった隙を突いて、美琴に目掛けてマガジン内の残弾を全て撃ち放った。 美琴も即座に砂鉄の壁で防御したが、その内の一発が左肩に命中し、肉を抉っていた。 傷口から血が溢れ、焼けるような痛みを訴えてくる。 「でも、この程度で学園都市の第三位、超電磁砲の御坂美琴を止められると思ったら大間違いよ」 2. 猟犬の牙は獲物を食らい The_Double_Fang. リヴィオはソードカトラスのマガジンを入れ替えながら状況を分析する。 自分はさしたるダメージを受けていないが、一応の同盟者であるロベルタは敵の電撃で行動不能。 対して自分たちが相手に与えたダメージは電撃使いの肩の傷のみ。 ラッドを追って病院内に消えたナインとミュウツーが戻って来る気配は無い。向こうは向こうで苦戦しているのだろうか。 最初は四対二だったはずが、いつの間にか一対二になっている。 単純に考えて敵との戦力差は二倍。 生存を優先するならば、何とか隙を作って逃げるべき。 (だが、これはチャンスでもある) 元々リヴィオの目的はパニッシャーを入手しラズロに渡す、それだけだ。 ナイン達と同盟を結んだのも、パニッシャーを手に入れるためにはその方が好都合だったからにすぎない。 そして現在、ナインとミュウツーは別行動、ロベルタは電撃で動けない。パニッシャーを手に入れる絶好のチャンスだ。 逃亡か、戦闘か。 リスクとリターンとを天秤にかけ、リヴィオの選んだ選択は―― (ここで逃げる訳にはいかない。電撃使いと人形を始末し、動けないロベルタに止めを刺してパニッシャーを入手する) ――戦闘の続行。 勝算はある。 敵の電撃使いは攻防共に優れた厄介な能力を持つが、それ以外はそこらの一般人と変わりない。 自分のように人並み外れた再生力を持つ訳でも、超人的な身体能力を誇る訳でもない。 現に先ほどの弾丸で大ダメージを受けている。隙を作って急所に弾丸を一発、それだけで殺せる。 もう一人の敵、人形は電撃使いのサポート役としては十分だが、単体ならば大した障害ではない。 薔薇の花弁は切れ味鋭いが、自分の再生力の前では力不足だ。 小柄な体躯の割に力はあるようだが、それもミカエルの眼で戦闘訓練と生体改造手術を受けた自分には遠く及ばないだろう。 一対一なら確実に自分が勝つ。 加えて敵は明らかに疲弊している。 先ほど電撃使いに銃弾を撃ち込んだ時も、最初に比べて黒い壁の動きが鈍っていた。 考えてみればそれも当然だ。最初の奇襲から今に至るまで、敵は自分達との戦闘中ずっと能力を行使しているのだ。あれほどの力を使い続けて疲れが溜まらないはずがない。 とは言うものの、やはり自分の不利は変わらない。 銃弾を阻む黒い壁、鞭のように伸ばされる黒い剣、散弾のようにばら撒かれる花弁、そして未だ満足に動かせない左手。 一丁の拳銃で勝てる相手ではない。 ロベルタの横に突き刺さっているパニッシャー、あれを使えれば話は変わるのかも知れないが、生憎パニッシャーは弾切れだ。 この戦況を引っくり返す一手が必要だ。 その糸口はあの真紅とかいう人形を見て閃いた。 マスター・Cの教え通り、仲間の死で動揺を誘う。 だが心のどこかで躊躇している自分が居た。 (ラズロならそんな事で迷ったりしない。お前の言う通り、やっぱり俺は甘いな……) この期に及んで甘さの残る自分を自嘲する。 その程度で揺らぐのか、と。お前が固めた覚悟はそんなものなのか、と。 そうだ、自分はラズロが戻って来るまで生き抜くと決めたはずだ。 「そう言えば、あの蒼星石とかいう人形、あれもお前の同類なのか?」 「…………おまえ、蒼星石を知っているの?」 「ああ」 感情を押し殺したような冷え切った声。 狙い通り。 「俺が殺したからな」 「真紅ッ!」 電撃使いの叫び声を無視して人形が飛び出して来た。慌てずに狙いを定め、引き金を引く。 手に僅かな反動を残して弾丸が発射され、人形の額を砕く――直前に黒い壁が割って入り、銃弾を防いだ。 それも予想の範囲内、あの女が人形をかばう事ぐらい最初から織り込み済みだ。 本当の狙いは、盾を失った電撃使い。 流れるような動作で銃口をずらし、頭、胸、腹、足を狙った四連射。 電撃使いは壁の後ろに転がり込んでこれを回避し、避け切れなかった銃弾がその右足を貫いた。 「美琴!」 「痛ぅっ……! 真紅、許せないのも当然だけど、少し頭を冷やしなさい」 「ええ、もう大丈夫。ごめんなさい……」 今ので仕留められなかったのは残念だが、確実にダメージは与えられた。 天秤は徐々に傾きつつある。 「ところで私もアンタに一つ聞きたい事があるんだけど」 黒い壁の向こう側で、電撃使いの女が口を開いた。 時間が経てば経つほど自分の傷は回復し、相手は血を流して体力を失う。 相手の意図は分からないが、時間稼ぎの意も込めて続きを待つ。 「アンタがクーガーさんを殺したの?」 ストレイト・クーガー。殺し合い開始直後に病院付近で、そして第二回放送前に地下で、二回に渡ってラズロと激闘を繰り広げ、死闘の果てにラズロと相打った男。 何故この女がラズロとクーガーが戦った事を知っているのか。 疑問に思い、あの時地下に居た連中の顔を思い浮かべようとしたところで、そう言えばあの中の一人がこの女だったな、と思い出す。 あの時とは雰囲気が全く違っているため、今まで別人だと思っていた。 「だったらどうする? 奴の死に様でも聞かせて欲しいのか?」 挑発するように答えを返す。 これで頭に血が昇ってくれれば儲け物だ。 「別に、どうもしないわよ。アンタを倒す理由がまた一つ増えただけ、私がやる事は変わらないもの」 その通りだ。 相手の目的が敵討ちだろうが何だろうが、自分のやるべき事は変わらない。 目の前の障害を排除し、ウルフウッドさんとの再戦に備えてラズロのためにパニッシャーを手に入れる。それだけだ。 「ああ、ついでにもう一つ。アンタの左腕、確か地下で見た時には肩から先が無かったはずだけど、その再生力はアンタの能力?」 「だったら何だ?」 「そう。――――良かった」 その不可解なセリフを訝しむ間もなく。 黒い壁に大穴を穿って飛び出して来た弾丸が、オレンジ色の尾を引いてリヴィオの足元に突き刺さった。 すぐ横の地面が爆ぜ、その衝撃で吹き飛ばされる。一瞬遅れて鳴り響く轟音を聞きながら地を転がる。 起き上がり視線を向けたその先で、まるで砂が流れ込むように、黒い壁に空いた穴が塞がってゆく。 穴が完全に埋め立てられる、その刹那。怒りの篭った女の視線が突き刺さる。 「アンタには相当ムカついてるから、ちょっとやり過ぎちゃうかも知れないけど……。死にはしないって事よね?」 御坂美琴の持つ最強の攻撃手段、超電磁砲。今までの攻撃とは桁違いの威力。 リヴィオの立つ位置があと一歩ずれていたら、間違いなく今の一撃で足を吹き飛ばされていた。 今まであれを使わなかったのは、自分達を殺したくなかったからだろうか。確かにあれは当たり所によっては人の一人や二人、簡単に殺しかねない。 だがロベルタが倒れ、欠けた腕すら復元するほどの再生力を持つリヴィオが残ったため、急所さえ外せば問題ないと判断したようだ。 リヴィオも、まさか自分の再生力が仇になるなどとは夢にも思わなかった。 (あれがナインの言っていた超電磁砲……再生力が制限されている今、あんなものを連発されれば一たまりも無い。やはり、使うしかないか) 残り4発の切り札、エンジェルアーム弾頭。 できれば温存しておきたかったが、ああも凄まじい破壊力を見せ付けられてはそうも言っていられない。 敵の位置は超電磁砲で開いた大穴から確認済みだ。 一発目で黒い壁に穴を空け、二発目で電撃使いを葬り去る。 通常弾頭入りの銃からエンジェルアーム弾頭入りの銃に持ち替える。 その直後、リヴィオに向かって薔薇の花びらが撒き散らされる。 リヴィオはそれを回避――しない。 リヴィオは戦闘中、一つの疑問を抱いていた。 敵は黒い壁に隠れ、こちらからは姿が見えない。だがそれと同時に、敵からこちらの姿を見ることも出来ないはずだ。 ならば敵はどうやって自分達の位置を割り出しているのか? (壁が弾丸を受け止める角度? いや……音、だろうな) 恐らくは銃声や足音などの音から自分達の位置に当たりを付けている、リヴィオはそう予想した。 だが聴覚だけでは正確な位置までは割り出せないため、花弁を撒き散らしたり、黒い剣で薙ぎ払うようにして広範囲を攻撃してきたのだろう。 先ほどの超電磁砲の一撃がリヴィオを捕らえられなかったのも、正確な位置が分からなかったからだと考えれば納得がいく。 身を切り裂く花弁の嵐の中、リヴィオは己の再生力を頼りに、足音を殺してゆっくりと移動する。 数歩、歩みを進めたところで、リヴィオを飲み込もうと黒い壁が迫ってきた。 津波のように、あるいは雪崩のように。もっとも砂の惑星で生まれ育ったリヴィオにはその例えは思いつかなかったが。 ともかくリヴィオはここで勝負を決めようと、電撃使いの居るであろう場所に向けて銃を構えた。 黒い壁が目前にまで迫り、引き金を引こうとして――二度目の超電磁砲が放たれ、数秒前まで自分が居た地面がごっそり抉り取られた。 先の一撃より距離が離れていたため、リヴィオは衝撃によろめくも無様に地に転がるようなことは無かった。 すぐさま体勢を整え、エンジェルアーム弾を撃ち込もうとしたところで。ヴゥゥン、と唸りを上げて、リヴィオの腕に黒い剣が振り下ろされた。 そこでリヴィオも気付く。超電磁砲はリヴィオを狙ったものではなく、あくまで隙を作るための一撃。本命はこの黒い剣。 拳銃を握り締めたままで、切り落とされた手首が地に落ちる。 激痛を無視し、動かない左手を無理矢理に動かして、拳銃を拾うため手を伸ばす。 グリップに手が触れた瞬間、黒い壁の後ろから真っ赤な人形が視界に飛び込んできて。 ズブリ、と。人形の振り下ろした鋏で手首が地に縫い止められる。 「ナイス、真紅!」 サラサラと崩れ落ちる壁の向こうで、バチバチと火花が散る。 鋏が引き抜かれるとほぼ同時。 電撃が、奔った。 ◇ ◇ ◇ ロベルタが目を覚ましたのは彼女が気絶してから二十分ほど経過した頃だった。 最初に視界に入ったものは自分の傍らに突き立つパニッシャー、地に倒れ伏すリヴィオとその横に転がる拳銃だった。どうやら自分に続いてリヴィオも敗北したらしい。 既に敵の姿はなく、どういうつもりか自分達の荷物も手付かずのまま放置されている。 殺し合いを否定する立場なら止めを刺さないというのはまだ分かるが、自分達が拘束も武装解除すらされずに放置されているというのは腑に落ちない。 よほど自分達の力に自信があるのか、あるいはその僅かな手間すら惜しんだのか。 いずれにせよ好都合だ。自分が倒れる直前まで持っていたはずの拳銃を手探りで探し出し、しっかりと握り締める。 (私はまだ死んでいない。奴らに突き立てるための牙も残っている。ならば、私のやるべき事は一つしかありません) まずは一刻も早くこの場から離脱しなければならない。 病院内の戦闘がどのような結果になるかは分からないが、その勝者が誰であろうが自分を発見すれば殺すだろう。 ラッド・ルッソならば嬉々として。ナインやミュウツーならば足手纏いを切り捨て武装を奪うために。 そう、今のロベルタがリヴィオを殺そうとしているように。 全身が痺れて満足に動かせない今、彼等のような強敵に襲われれば命は無い。 麻痺した筋肉を強引に動かし、プルプルと震える両腕を支えにして強引に上体を起こす。 ところで、美琴の放った電流には、常人ならば数時間は身動きが取れなくなるほどの威力が込められていた。 そしてロベルタには電撃に対する耐性も無ければ、リヴィオのような異常な再生力も無い。本来なら今も指一本動かせないはずだ。 では何故、彼女は動けるのか。 その理由は単純、地に突き立ったパニッシャーだ。 確かに美琴の放った雷撃の槍はパニッシャーに直撃し、その表面を伝ってロベルタの体に流れ込んだ。 だが美琴と目が合った瞬間、直感的に危険を感じたロベルタは反射的にパニッシャーから手を放していた。 僅かに行動が遅れたため完全に回避する事は出来なかったが、地に突き立ったパニッシャーが避雷針の役目を果たし、膨大な電流を大地に流した。 電撃の大半が地面に流れた結果、本来ならば数時間は身動きできないはずのロベルタは僅か二十分程度で起き上がる事ができた。 (御当主様、若様……。必ずや……奴らの喉元に喰らいついてみせます) 一言で言えば、ロベルタの鍛えられた直感と超人的な反射神経がダメージを最小限に抑えた、そういう事だ。 「サンタ・マリアの、名に誓い……すべての不義に――鉄槌を!」 ――だからこれは、リヴィオの再生力がそれを上回った、ただそれだけの話。 銃弾が空気の壁を突き破る音と共に、ロベルタの左胸が消失した。 ◇ ◇ ◇ リヴィオが意識を取り戻したのはロベルタが目覚める十分ほど前だ。 そして持ち前の再生力で全身を復元している最中、ロベルタが起き上がろうとしているのに気付いた。 自身はまだ起き上がることはできなかったが、辛うじて動かせる左手で目の前に転がるソードカトラスを掴み取る。 体中が痺れて腕を持ち上げても狙いが定まらないため、グリップを地面につけ、手首の動きだけで銃を傾け、銃口をロベルタに向ける。 幸いマガジンにはエンジェルアーム弾頭が装填されているため、多少狙いが外れても当たりさえすれば十分に致命傷を与えられる。 ブレる手を必死で押さえ込み、狙いを定めて引き金を引く。 銃口から放たれたエンジェルアーム弾頭が、両手をついて起き上がろうとしていたロベルタの左肩から左胸にかけて、ごっそりと削り取った。 左腕の肘から先だけがボトリと転がる。 支えを失った体がぐらりと傾き、ビチャリと水音を立てて地に落ちる。 傷口から溢れ出た鮮血が地面を赤黒く染めていき、辺りに鉄錆にも似た血の臭いが蔓延する。 「やった、か……」 ズルズルと地面を這いずってロベルタの横まで移動し、確かに死んでいる事を確認すると、地面に散らばった荷物を回収する。 死ぬ瞬間まで握り締めていた拳銃、柄のやたら短いナイフ、デイパックに入った大量の荷物。 そして最大の収獲、パニッシャー。 上からロベルタのデイパックを被せるようにして回収し、自分のデイパックに仕舞い込む。 「これで同盟は解散だな」 感情にロベルタの死体を見下ろす。 パニッシャーを手に入れた今、奴らと行動を共にする理由など無い。 奴らは奴らで勝手に動いて参加者を減らしてくれるだろう。ならば次に会うまでは放っておけば良い。 「それにしても、ようやく一人か……。ダメだな、この程度で喜んでるようじゃラズロに笑われちまう」 リヴィオが表に出てから何度も戦闘を繰り返してきたが、その度にラズロとの差を思い知らされた。 劇場では手痛い敗北を喫し、駅前では様子を見ている間にチャンスを逸し、そして今もまた敵に破れ惨めな姿で地に倒れ伏していた。 ようやくリヴィオ・ザ・ダブルファングとして初めての戦果を挙げる事ができたが、それもたまたま自分の方が先に相手の体に鉛弾を撃ち込むことができたからに過ぎない。 もしこれが自分ではなくラズロならば、間違いなくこんな無様は晒さない。 やはり自分ではラズロには遠く及ばない。 だが、そんな自分でもラズロのためにパニッシャーを手に入れる事ぐらいはできた。 (ラズロ、準備は整えた。あとはお前が戻って来れば……) 孤児院での、劇場での闘いの記憶が蘇る。 圧倒的な身体能力差を覆しての敗北。確かに自分では、ダブルファングではウルフウッドさんには勝てない。それは認めよう。 だがラズロならば、トリップオブデスならば。パニッシャーを手にした今、たとえ相手が何者だろうと負ける事など有り得ない、そう確信できる。 (だから、いつでも戻って来い……ラズロ!) 間もなく訪れる決着の気配を感じ、リヴィオは闇の中へと歩を進める。 唯一無二、一心同体のパートナーの帰還を待ち望みながら。 【ロベルタ@BLACK LAGOON 死亡】 【残り23人】 【E-5 北西/一日目 夜】 【リヴィオ・ザ・ダブルファング@トライガン・マキシマム】 【状態】:全身治癒中、右手再生中、背中のロボットアーム故障、全身に痺れ 【装備】:M94FAカスタム・ソードカトラス×2@BLACK LAGOON、.45口径弾×19、.45口径エンジェルアーム弾頭弾×3@トライガン・マキシマム 【道具】:支給品一式×9(食料一食、水1/2消費)、スチェッキン・フル・オートマチック・ピストル(残弾20発)@BLACK LAGOON、 ココ・ジャンボ@ジョジョの奇妙な冒険、.45口径弾24発装填済みマガジン×2、.45口径弾×24(未装填) 天候棒(クリマ・タクト)@ワンピース、ミリィのスタンガン(残弾7発)@トライガン・マキシマム、三代目鬼徹@ワンピース パ二ッシャー@トライガン・マキシマム(弾丸数0% ロケットランチャーの弾丸数2/2)、コルト・ローマン(6/6)@トライガン・マキシマム 投擲剣・黒鍵×4@Fate/zero、レッドのMTB@ポケットモンスターSPECIAL、コルト・ローマンの予備弾35 グロック26(弾、0/10発)@現実世界、謎の錠剤入りの瓶@BLACK LAGOON(残量 50%) パ二ッシャーの予備弾丸 2回分、キュプリオトの剣@Fate/Zero 、首輪(詩音) 【思考・状況】 0:ラズロが戻るまで必ず生き抜く。 1:痺れが取れるまでどこかで休息を取る。できれば右手も治るまで休みたい。 2:参加者の排除。ウルフウッドとヴァッシュに出会ったら決着を付ける? 3:ウルフウッドを強く意識。 【備考】 ※原作10巻第3話「急転」終了後からの参戦です。 ※ラズロとの会話が出来ません。いつ戻ってくるか、もしくはこのまま消えたままかは不明です。 時系列順で読む Back 砂鉄の楼閣(前編) Next 砂鉄の楼閣(後編) 投下順で読む Back 砂鉄の楼閣(前編) Next 砂鉄の楼閣(後編) Back Next 砂鉄の楼閣(前編) 御坂美琴 砂鉄の楼閣(後編) 砂鉄の楼閣(前編) 真紅 砂鉄の楼閣(後編) 砂鉄の楼閣(前編) ミュウツー 砂鉄の楼閣(後編) 砂鉄の楼閣(前編) ラッド・ルッソ 砂鉄の楼閣(後編) 砂鉄の楼閣(前編) ブレンヒルト・シルト 砂鉄の楼閣(後編) 砂鉄の楼閣(前編) ロベルタ 死亡 砂鉄の楼閣(前編) リヴィオ・ザ・ダブルファング 砂鉄の楼閣(後編) 砂鉄の楼閣(前編) ゼロ 砂鉄の楼閣(後編)
https://w.atwiki.jp/thmugen/pages/364.html
神具「洩矢の鉄の輪」 神具「洩矢の鉄の輪」 エンチャントC シンボル:白 必要コスト<白:1 無:0> 《自動》:このカードは、手札にある状態で、自分の「洩矢 諏訪子」がいる場合、閃光を得る。 《自動》:このカードがセットされているキャラクターは使用型テキストが無効となる。 「」 illus:白玉団子 コメント 使用型テキスト封印タイプのカードの中では比較的実用レベル。 強力なテキスト能力を持つキャラクター、紅の自警隊「藤原 妹紅」や騒霊相手には割と刺さる。サイドボード要員としては評価できる。 閃光を持った状態で、相手のテキスト宣言に割り込みでセットしても、そのテキスト効果を打ち消す事は出来ない。 根拠は地殻の下の嫉妬心「水橋 パルスィ」のQ&Aより。 関連 地殻の下の嫉妬心「水橋 パルスィ」 土着神の頂点「洩矢 諏訪子」
https://w.atwiki.jp/1548908-tf/pages/67.html
パック:戦士たちの金字塔 女性モンスターが多いパック。 やけに女性モンスター比率が高いのはタッグパートナーに似合わないと言うべきか相応と言うべきか。 霊術や霊使いは属性デッキでは光る。 また、人気の高い霊使いも含まれるのでファンの方はどうぞ。 狙い目は火霊使いヒータ、憑依装着ーヒータ、各種霊術。 モンスターカード 磁石の戦士α  レア 磁石の戦士γ  レア 磁石の戦士β  レア 効果モンスターカード アマゾネスの射手  ノーマル アマゾネスの格闘戦士  ノーマル アマゾネスの鎖使い  ノーマル アマゾネスの剣士  ウルトラ アマゾネスの聖戦士  ノーマル アマゾネスの吹き矢兵  ノーマル アマゾネスペット虎  ノーマル ウォーター・ドラゴン  ウルトラ オキシゲドン  ノーマル 火霊使いヒータ  ノーマル 黒魔導師クラン  レア 磁石の戦士マグネット・バルキリオン  スーパー 白魔導士ピケル  レア 水霊使いエリア  ノーマル 地霊使いアウス  ノーマル ハイドロゲドン  スーパー 憑依装着-アウス  レア 憑依装着-ウィン  レア 憑依装着-エリア  レア 憑依装着-ヒータ  レア 風霊使いウィン  ノーマル 魔法の国の王女-クラン  ノーマル 魔法の国の王女-ピケル  ノーマル 魔法カード アマゾネスの呪詛師  ノーマル 王女の試練  ノーマル 凡骨の意地  ウルトラ ボンディング-H2O  ノーマル 罠カード アマゾネスの弩弓隊  スーパー 火霊術-「紅」  スーパー 救出劇  ノーマル 水霊術-「葵」  ノーマル 地霊術-「鉄」  スーパー ピケルの読心術  ノーマル ピケルの魔法陣  スーパー 風林火山  レア 風霊術-「雅」  ノーマル ライバル登場!  ノーマル
https://w.atwiki.jp/soubu_kyuko/pages/13.html
相武急行電鉄の歴史 目次 前史~中原大山軌道の成立 神奈川県下の鉄道~相武電気鉄道と京神鉄道 山梨の私鉄~国中と郡内を結ぶ 競争と合併~戦時統合と大東急との対立 戦後の発展~富士山への進出と掌握
https://w.atwiki.jp/n0n0thing/pages/118.html
【せかい・国】街(グリウトピア) グリウトピア(灰色の理想郷)/歯車の街/外されモノのための街 「嫌われ者、外され者、はぐれ者、異端者、流浪者 灰色扱いのその他を全て受け容れよう 一人ぼっちの孤独が怖いなら一緒においで 鮮やかな色は無いけれど灰色の優しさがここにある」 最後の避難場所・休息の地 来るもの拒まず去るもの追わず 孤独を知るものが集まる場所 人外よりも人外外(ヒト)の為の街 争いごとは嫌いなので共和制な感じ 閉じた状態で独立して生活出来るような面積規模と割合を考えたい(適当 他人を巻き込み忌み嫌われるモノも受け入れる懐の広さ 巻き込み死ぬ系だとだいたい死人の地区に住むことになりますが そう言う巻き込む能力や体質を封じる研究をしてるのがいたら良いね +... 空間隔離、異空間、現実世界から隠蔽されている、詳細不明 内も外も無い 門以外からは出られない 門は6つ、門番は内に3、外に3。外に門番がいるのは外の世界から連れてくる門、残りは人外の世界だったり水を引いていたり良くわからなかったり 北東門は外開き、電車の発着所、門番は牛女の駅長さん、鍵はホイッスル 東門は内開き、日本?の山の中と(世界中時間ごとに変わる)繋がっているそう、門番は頭のない人型人外、鍵は懐中時計 南東門は外開き、殆ど常時開いている水門、門番は紫の蛇女、鍵は煙管(水タバコ?) 南西門は内開き、出現範囲は一番広い気がする、門番は綿に埋もれたものと動くぬいぐるみ、鍵は杖?針?言葉? 西門は外開き、開くのを見たことがない謎の門、門番は噂だと炎の鳥、鍵は(鏡・剣・玉)三つ揃うと太陽神モード 北西門は内開き、水門、北国の辺りに繋がってる?、門番は灰みたいな何か?、鍵はチャックの金具(ハイ様の能力で別の出口も作れる?)
https://w.atwiki.jp/aoari/pages/3767.html
鍛冶屋 鍛冶屋生産修得値 参考 鍛冶屋生産 鍛冶屋生産一覧・武器 鍛冶屋生産一覧・防具 鍛冶屋生産一覧・その他 鍛冶屋生産修得値[#pbb67b76] 鍛冶之心得 [#za585100] 鍛冶基本書 [#u954c8e9] 武具之書 [#l23d448c] 防具之書 [#z6f7f297] 刀刃之書 [#h89906b9] 槍剣之書 [#x79df69a] 鈍器之書 [#x79df69a] 兜之書 [#x79df69a] 鎧之書 [#j70c21bf] 鋳鉄之書 [#ab030e7d] 鍛冶家具之書 [#od0b0cb5] 武器鍛冶 [#n4fdad14] 刀刃之書 [#va944c80] 槍剣之書 [#h95e7aab] 鈍器之書 [#r7a6cfbd] 鎧鍛冶 [#p4542524] 兜之書 [#r7187857] 鎧之書 [#mabe2c3b] 鉄砲鍛冶 [#b444eb64] 鋳鉄之書 [#ab030e7d] 情報募集中 [#b19f0279] 鍛冶之心得 目録名 技能名 生産品名 難易度毎の修得値 3 5 6 8 9 10 11 12 13 鍛冶之心得・壱 鍛冶之い 包丁 4-5 1 はちまき 5-6 1-2 竹の棒 竹刀 槍 5-6 竹槍 竹の腹当 棍棒 6-7 鍛冶基本書 目録名 技能名 生産品名 難易度毎の修得値 備考 3 5 6 8 9 10 11 12 13 鍛冶基本書 鍛冶之ろ 木の腹当 7-8 鉄 12-4 4-5 3 5? 1 0-1 銅 20 8 6 1-2 2 0-1 刀子 手突矢 8-9 馬手差 10 鍛冶之は 鋼板 100 100 100 40 20 7 4 1 玉鋼 100 100 100 40 20 7 4 1 銅板 100 40 26 8 1 鉄板 50 20 13-14 布の腹当 10-1 まき割り 革のはちまき 5 大鎌 12 4-5 鍛冶基本書・弐 鍛冶之に 鋼鋲 鋼やじり 板札 鉄製鎧板 1 鋼 飾り鍔 鍛冶之ほ 縁頭 上板札 鋼製鎧板 剛鋼板 額鉄 鍛冶基本書・参 鍛冶之へ 金槌 白金合金 白金箔 鍛冶之と 金合金 上金箔 南蛮鉄の金槌 鍛冶之ち 鋼合金 上白金箔 和鉄の金槌 武具之書 目録名 技能名 生産品名 難易度毎の修得値 備考 3 5 6 8 9 10 11 12 13 武具之書 武具作成之い 鼻捻 武具作成之ろ 皮の鞭 6-7 武具作成之は 口金 50 20 13-4 4 段平 28 11-2 1 妖注杵 防具之書 目録名 技能名 生産品名 難易度毎の修得値 備考 3 5 6 8 9 10 11 12 13 防具之書 防具作成之い 革の腹当 14-5 木の額当て 7-8 防具作成之ろ 赤銅の腹当 90 36 防具作成之は 黒金の腹当 67 45 13 妖注杵 刀刃之書 目録名 技能名 生産品名 難易度毎の修得値 備考 3 5 6 8 9 10 11 12 13 刀刃之書・壱 小刀作成之い 小柄 10 3 0-1 あいくち 100 72 48 15 2 斧作成之い 手斧 39 26 小斧 100 刀作成之い 脇差 32 22 1 小太刀 100 39 20 6 薙刀作成之い 大刀 49-50 10 長巻 100 62-3 刀刃之書・弐 小刀作成之ろ 短刀 100 100 88-9 44 15 斧作成之ろ 戦斧 100 50 刀作成之ろ 野剣 100 39 細太刀 100 薙刀作成之ろ 薙刀 100 64 32 刀刃之書・参 小刀作成之は 小刀 74 37 19 斧作成之は まさかり 刀作成之は 太刀 100 50 薙刀作成之は 大薙刀 100 槍剣之書 目録名 技能名 生産品名 難易度毎の修得値 3 5 6 8 9 10 11 12 13 槍剣之書・壱 手槍作成之い かぎ棒 枕槍 槍作成之い 素槍 菊池槍 宝剣作成之い 鉄の剣 鋼の剣 槍剣之書・弐 手槍作成之ろ 短槍 86 28 槍作成之ろ 片鎌槍 78 26 宝剣作成之ろ 象牙剣 36 槍剣之書・参 手槍作成之は 手槍 100 73-74 36-37 槍作成之は 十字槍 100 宝剣作成之は 飾剣 鈍器之書 目録名 技能名 生産品名 難易度毎の修得値 3 5 6 8 9 10 11 12 13 鈍器之書・壱 打棒作成之い 鉄刀 打鞭作成之い 木の鞭 棍棒作成之い 八角棒 くろがね棒 鈍器之書・弐 打棒作成之ろ なえし 打鞭作成之ろ 鉄鞭 棍棒作成之ろ 狼牙棒 100 100 100 100 22 鈍器之書・参 打棒作成之は 十手 打鞭作成之は 鋼の鞭 棍棒作成之は 金砕棒 兜之書 目録名 技能名 生産品名 難易度毎の修得値 3 5 6 8 9 10 11 12 13 兜之書・壱 面具作成之い 足軽はちまき 12-3 4 面具作成之ろ 銅の額当て 7 面具作成之は 鉄の額当て 100 43-4 兜之書・弐 星兜作成之い 星兜 八間星兜 44 8 星兜作成のろ 十六間星兜 星兜作成之は 三十二間星兜 兜之書・参 筋兜作成之い 筋兜 26 八間筋兜 筋兜作成之ろ 三十二間筋兜 96 筋兜作成之は 六十四間筋兜 兜之書・四 烏帽子兜作成 烏帽子兜 唐人笠兜作 唐人笠兜 鎧之書 目録名 技能名 生産品名 難易度毎の修得値 3 5 6 8 9 10 11 12 13 鎧之書・壱 腹巻作成之い 軽革の腹巻 25 堅革の腹巻 腹巻作成之ろ 銅の腹巻 100 88 27 鉄の腹巻 腹巻作成之は 鋼の腹巻 100 鎧之書・弐 胴丸作成之い 鉄の胴丸 96 29 鋼の胴丸 80 胴丸作成之ろ 威鎧 100 胴丸作成之は 大鎧 100 64-5 鎧之書・参 具足作成之い 具足鎧 桶側胴具足 66 具足作成之ろ 仏胴具足 100 南蛮具足 具足作成之は 大金箔押南蛮具足 100 鋳鉄之書 目録名 技能名 生産品名 難易度毎の修得値 3 5 6 8 9 10 11 12 13 鋳鉄之書・壱 手裏剣作成之い 苦内 マキビシ 鉄砲作成之い 細筒銃 16 8 短筒銃 手裏剣作成之ろ 手裏剣 2 十字手裏剣 鉄砲作成之ろ 火縄銃 種子島銃 100 鋳鉄之書・弐 手裏剣作成之は 車手裏剣 八方手裏剣 3,800 鉄砲作成之は 拾匁筒銃 連銃作成 連銃 100 66 三連銃作成 三連銃 鍛冶家具之書 目録名 技能名 生産品名 難易度毎の修得値 3 5 6 8 9 10 11 12 13 鍛冶家具之書・壱 鍛冶家具之い 粗末な鍬 小壁 鍛冶家具之ろ 壁掛け鎌 5 おかめの能面 鍛冶家具之は 質素なかまど 五つ寄せ敷石 鍛冶家具之に 五右衛門風呂 壁掛け刀 中壁 鍛冶家具之書・弐 鍛冶家具之ほ 金棒 稲荷像 鍛冶家具之へ 槍立台 まずまずのかまど 鍛冶家具之と 刀立て 五つ三連敷石 大壁 鍛冶家具之ち 立派な手水鉢 鉄砲立て 鍛冶家具之書・参 鍛冶家具之り 空の鉄瓶 両替台の柵 鍛冶家具之ぬ 空の鉄鍋 両替台の段 鍛冶家具之る お釜 両替台 鍛冶家具之を 鉄製南蛮湯筒 火のついた七輪 武器鍛冶 刀刃之書 目録名 技能名 生産品名 難 易 度 毎 の 修 得 値 N売り(文) 5 6 8 9 10 11 12 13 刀刃之書・四 小刀作成之に 懐刀 斧作成之に 割斧 刀作成之に 打刀 薙刀作成之に 筑紫薙刀 180,000 刀刃之書・伍 小刀作成之ほ 蕨手刀 柴打 斧作成之ほ 重斧 剛まさかり 刀作成之ほ 舞草刀 胴太貫 薙刀作成之ほ 薙鎌 槍剣之書 目録名 技能名 生産品名 難 易 度 毎 の 修 得 値 N売り(文) 5 6 8 9 10 11 12 13 槍剣之書・四 手槍作成之に 片鎌手槍 槍作成之に 筑紫槍 宝剣作成之に 環頭大刀 槍剣之書・伍 手槍作成之ほ 十字手槍 槍作成之ほ 大身槍 宝剣作成之ほ 三鈷柄剣 70,000 鈍器之書 目録名 技能名 生産品名 難 易 度 毎 の 修 得 値 N売り(文) 5 6 8 9 10 11 12 13 鈍器之書・四 打棒作成之に 鉄如意 24,000 打鞭作成之に 竹篦 48,000 棍棒作成之に 釘棍棒 127,540 鈍器之書・伍 打棒作成之ほ 独鈷 打鞭作成之ほ 警策 棍棒作成之ほ 七星棒 鎧鍛冶 兜之書 目録名 難易度 技能名 生産品名 難易度毎の修得値 3 5 6 8 9 10 11 12 13 兜之書・伍 11 面具作成之に はちがね ひょっとこの面 星兜作成之に 紫裾濃星兜 筋兜作成之に 脇立付筋兜 兜之書・六 12 唐人笠兜之ろ 黒漆塗唐人笠兜 烏帽子兜之ろ 畳兜 面具作成之ほ 鋼の額当て 狐の面 兜之書・七 13 星兜作成之ほ 紺糸威星兜 筋兜作成之ほ 金覆輪筋兜 唐人笠兜之は 金箔押唐人笠兜 烏帽子兜之は 金箔押烏帽子兜 兜之書・八 13 兜作成之い 双角形兜 南蛮帽子兜 小星兜 兜作成之ろ 古頭形筋兜 厳星兜 南蛮頭巾兜 兜作成之は 一九孔札筋兜 鯰尾形兜 阿古陀形筋兜 武者面具付飾星兜 兜之書・九 13 兜作成之に 黒韋威星兜 熊面形兜 兜作成之ほ 烏帽子筋兜 魚尾形兜 唐物羽根付筋兜 鎧之書 目録名 難易度 技能名 生産品名 難易度毎の修得値 3 5 6 8 9 10 11 12 13 鎧之書・四 11 腹当作成之い 黒韋威腹当 腹巻作成之に 黒糸威腹巻 胴丸作成之に 段威大鎧 具足作成之に 具足羽織 紺糸威当世具足 鎧之書・伍 12 腹当作成之ろ 革小札腹当 腹巻作成之ほ 本小札腹巻 胴丸作成之ほ 本金箔大鎧 具足作成之ほ 黒漆塗五枚胴具足 鎧之書・六 13 鎧作成之い 玄威短甲小具足 黒糸威当世具足 鎧作成之ろ 陣立甲冑 具足鎧山岳仕様 鎧作成之は 獣毛腹巻 軽威鎧 鎧作成之に 唐紅毛具足 青糸威革包具足鎧 素懸威一枚胴 鎧之書・七 13 鎧作成之ほ 南蛮甲重ね具足 卯花威鎧 鎧作成之へ 赤富士胴具足 伊予札二枚胴 鎧作成之と 源平鎧 楔石胴丸 革包仏丸胴具足 鎧作成之ち 鬼紋甲大陣具足 漆塗桶川二枚胴 鉄砲鍛冶 鋳鉄之書 目録名 技能名 生産品名 難 易 度 毎 の 修 得 値 N売り(文) 5 6 8 9 10 11 12 13 鋳鉄之書・参 手裏剣作成之に 星形手裏剣 鉄砲作成之に 堺筒 47 手裏剣作成之ほ 卍手裏剣 鉄砲作成之ほ 国友筒 鋳鉄之書・四 連銃作成之ろ 堺連銃 三連銃作成之ろ 堺三連銃 320,000 連銃作成之は 稲富連銃 三連銃作成之は 種子島三連銃 100 100 400,000 情報募集中 銅板、難5で修得40でした。 -- 難12で修得47-49でした -- 太刀 細太刀、難10で修得60でした。 -- ななし侍さん? 太刀、難易度12では50-51のようです。↑↑修正しときます。 -- ななし侍さん? 太刀、難易度13では25です。 -- ななし侍さん? 鉄の腹巻 難度8 価値5(通常)で58、価値4(-1)で48でした -- 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/dq_dictionary_2han/pages/8611.html
概要 トルネコ3、少年ヤンガスに登場するワナの一つ。 踏むと【鉄の矢】が飛んできて、当たった対象にダメージを与える。 トルネコ3 四角く灰色の矢の絵柄の入ったスイッチをしている。 ダメージは8~14ポイント。 【木の矢のワナ】よりは痛いが、こちらもHPの余裕が出てくればそれほど痛くはなくなる。 操作キャラクターの左手方向から矢が飛んでくるという仕様なので、 踏んだ際の向きと敵の位置関係によっては、敵を攻撃することもできる。 ただし、この性質上仲間キャラクター及びモンスターや店主の【ガーゴイル】等が巻き込まれる場合があるので注意が必要。 また、仲間モンスターの場合【2ダメージ化能力】があればこのワナの効果も2ダメージに変換することができ、 【潜ってかわす能力】があれば飛んでくる矢を回避することが可能。 少年ヤンガス 四角い紋様に赤い矢の絵柄の入ったスイッチをしている。 ダメージは10ポイント。 やはり被害はさして大きくもないなので、さほど怖いワナではない。