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あっすーのスペースはカーテンで隠してあるからわからないけれど、千聖のお部屋はとても綺麗に整頓されていた。 前の千聖がク゛フク゛フ笑いながら見せてくれた写メとは全然違う、絵に描いたようなお嬢様ルーム。 窓際に小さなテーブルがあって、白い薔薇が飾られている。・・・絶対、前のキャラじゃありえない。 学習机の上には、綺麗な薄いピンクの便箋が広げたまま置いてあった。最近手紙を書くのにハマッてるって言ってたっけ。 「ごめんなさいね、散らかっていて。」 千聖が御盆にティーカップとクッキーを乗せて戻ってきた。足元にはわんちゃんが2匹。私の姿を発見すると、近づいてクンクンにおいを嗅いできた。 「おおっ服従しちゃった」 「あら、リップもパインも結構人見知りなのに、愛理は大丈夫なのね。優しい人だってすぐにわかったのかも」 「いやぁやめてくれよぉ~ケッケッケ」 わんちゃんを膝に乗せて、2人してベッドにもたれて静かに紅茶を飲んでいると、千聖の家族の楽しそうな笑い声が絶え間なく響いてくる。 「いいなあ。すごい、幸せな家族なんだね。うらやましいな」 「・・愛理、ご両親と喧嘩でもしているの?」 千聖が少し上目で私を心配そうに見つめる。 「あっ、いやいや、全然そういうんじゃないんだけど。うち、お父さんもお母さんも忙しいと結構家にいないこともあるから、こういう雰囲気、ちょっと憧れるなあって思って。いつも誰かの気配を感じられるのっていいよね。」 「そうかしら?でも、なかなか1人にさせてくれないのよ。弟や明日菜は勝手に部屋に入るし、少し元気がないと家族全員で詮索してきたり。 本当は何でも話したいのだけれど、中学2年生にもなると、家族に言えない悩みも増えてきてしまうのね。」 軽いため息をついて、千聖はワンちゃんの頭を優しく撫でた。 「千聖、私じゃだめかな?」 「え?」 私は千聖の両手をガシッと握る。 「家族の言えないこととか、もし胸にしまっておくのが辛かったら、私誰にも言わないから、何でも言ってほしいな。ほら、梨沙子も言ってたでしょ?何でも言い合えるのが中2トリオだって。あれ?言ってなかったっけ?私の妄想?」 「ふふ、梨沙子さん確かにそう言ってたわよ。・・ありがとう、愛理。私は愛理といると、とても落ち着くわ。」 珍しく千聖が私にもたれかかってきた。お嬢様の千聖はあんまり人とくっつきたがらない印象だったから、私はどうしていいのかわからなくて、とりあえず舞美ちゃんみたいに肩を抱いてみた。 「ずるい」 「・・・ん?」 千聖は少し乾いた声で呟いた。 「えりかさんは、ずるいわ。」 「うん。」 「ずるいわ・・・・」 お嬢様になった千聖の口から、そんな非難めいた言葉が飛び出したのは初めてだった。 その視線の先にあるのは、今日えりかちゃんが千聖に渡していたあのショッピングバッグ。 「私には、えりかさんの気持ちがわからないの。もう、その・・・ああいう行為はしないと言っていたのに、何でもないことみたいに急に抱きしめられたり。えりかさんは、私がまだえりかさんを好きって知ってるのに。どうして?」 「うん・・・・」 私の経験値じゃ、何も気の利いたアドバイスは送れない。栞菜と一緒に、半分面白がって2人を見ていたことが嘘みたいに胸が苦しい。 「あ・・ごめんなさいね。せっかく来てくれたのに、しんみりしてしまったわね。もうお夕飯できてる頃かしら。リビングへ行きましょうか。」 千聖は気持ちを切り替えるように軽く首を振ると、私の手を取って立ち上がった。 もうその瞳に憂いは残っていない。さっきまで持て余していた激しい感情は完全に押さえ込まれて、“いつもの千聖”の顔に戻っていた。 「何か千聖、大人だね。」 「そんなことないわ」 そう言って笑う仕草もどこか大人びていて、今度は私が甘えてみたい気持ちになった。 「あぁ 女の子は~恋をするぅ~だから」 歌いながら首に手を回して抱きつくと、千聖はクフフと笑って調子を合わせてくれた。 「秘密の秘密だよ~」「内緒のお話なんだけど~」 ムカデ競争みたいに歩調を合わせて、合唱しながらドアを開けた。ちょうど廊下を横切っていたあっすーと目が合う。 「あら、おかえりなさい明日菜。」 「お、お疲れ様です・・・」 あっすーはかしこまった様子でペコッと頭を下げてきた。 「いいんだよぅ敬語なんてやめてくれよぅ~ケッケッケ」 「お姉ちゃんたち、先にお台所に行ってるからね。ケッケッケ」 私たちの変なテンションに引き気味のあっすーは、それでも「あ、うん。あ・・・ケケケ」と無理矢理調子を合わせてくれた。 お夕食には、パスタがでた。テーブルの真ん中に湯きりした麺がドーンと置いてあって、周りにミートソースやたらこ、他にもいろんなソースとトッピングのお皿が並んでいる。 バイキングみたいに、小皿に取って自分でお好みの味にするらしい。 「家族が多いから、うちではこういう形式が多いの。」 が、私の席にはすでに小さなお皿に盛られたパスタが全種類そろっている。 「あら、もう愛理の分よそったの?」 「うわー何張り切ってんの。」 あっすーが弟くんのほっぺを突つくと、「うっさい!」なんていいながら弟くんはあっすーのお尻を叩いた。 「こら!お客様がいるんだから暴れないの。・・・ごめんね愛理ちゃん、こんなに食べれる?」 「あ、大丈夫です。私結構食べるんで。ね、千聖。」 「ふふ、そうね。」 その言葉どおり、私は弟くんの盛ってくれた分だけではなく、おかわりまでいただいて、千聖の家族をびっくりさせたのだった。 戻る TOP 次へ コメントルーム 今日 - 昨日 - 合計 -
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「いくら熊井ちゃんと茉麻ちゃんでも、千聖をいじめたら絶対許さないから!」 鼻息荒く、なっきぃが私たちのところまで歩いてきた。 「ちょっと待ってよ。イジメなんてしてない。」 カチンときて、思わず千聖のいる個室の前に熊井ちゃんと一緒に立ちはだかってしまった。 「なっ・・・!それなら千聖に会わせてよ!そ、そんな大きい二人で立ちはだからないでよぅ。」 少ししり込みしながらも、なっきぃは怯まずに私たちを上目で睨んできた。 「聞いて、なっきぃ。千聖さっきまで私たちと普通に話してたのに、急に言葉遣いが変わって、ここに逃げちゃったの。 だから私たち追いかけてきたんだよ。何か誤解させちゃったみたいだけど、いじめてないよ。」 とにかく、落ち着いて説得しないと。 なっきぃは完全に頭に血が上ってしまっているから、ちゃんと目を見て、ゆっくりと喋りかけた。 「・・・・そうだったの。ごめん、なっきぃの勘違いだね。そっか、千聖変な言葉づかいしてたんだ。3分ルールだもんね。」 3分?何のことだろう。 なっきぃはとりあえず納得してくれたみたいだけれど、今度はなぜかしょんぼりした顔になってしまった。 「あの、なっきぃ。そんな顔しないで?それより、千聖はなんであんな」 「ちょっとなかさきちゃん!私は千聖のこといじめてないよ!イジメとか大ッ嫌いだもん!あと大きい2人って言わないでよ!」 「もうっそれはわかったってば!でも、大きいのは現実でしょ!」 ・・・熊井ちゃん、もうその話は終わったよ。 何とか励まそうとしていたら、ひどいタイミングで熊井ちゃんがなっきぃに反論し出した。 そのおかげでなっきぃはまた元気を取り戻して、熊井ちゃんとおかしな言い争いを始めた。 どうしたもんかと視線をトイレの個室に戻すと、ほんの少しだけドアが開いて、千聖がこっちを伺っていた。 「千聖!!」 私の声に驚いて、千聖がドアを閉じようとする。 駄目! 私は悪徳セールスマンのように、足をねじ入れて無理矢理中に押し入った。 千聖はポカンと口を開けて、私の顔を凝視している。 「あ・・・」 「ごめんね、ちゃんと顔見たかったの。」 こんな狭くて暗い場所で、ずっと泣いていたのかもしれない。 目じりが赤く腫れて、下まつげが心なしか湿っているような気がした。 「ちょっと!茉麻ちゃん何やってんの!開けてよ!」 「何で茉麻も入るの?外で話せばいいじゃんー」 外の2人はいきなり徒党を組んで、思いっきりドアを叩いてきた。 狭い個室だから、予想以上にグワングワンと音が反響する。 こんなことやられて、怖かったよね。ごめん、千聖。 「茉麻さん・・・」 喉から搾り出すような声で、千聖が私を呼んだ。 その表情があまりにもいじらしくて、私は思わず千聖を抱き寄せた。 「千聖、まぁはいつも千聖の味方だから。もう何にも言わなくていいから、それだけは覚えておいて。」 「っ・・・・」 わずかに首を縦に振ったあと、千聖の体が小刻みに震えた。 「ごめんなさい・・・」 今は、腕の中で泣きじゃくる千聖を抱きとめてあげることしかできない。 それでもいい。 どんな千聖でも、私がいつでも両腕で受け止めてあげたい。 その気持ちが千聖に少しでも伝わるように、抱きしめる腕に力を入れた。 「・・・・茉麻さん、ありがとうございます。もう大丈夫です。」 しばらくすると、千聖が顔を上げて笑いかけてきた。 「うん、よかった。・・・あ、千聖。今更なんだけど、もものことどうする?ちょっと時間経っちゃったね。」 「あの、できたら、私一人で桃子さんのところに行きたいんです。・・・本当は、茉麻さんにお話しなければいけないことがたくさんあるのですが、今は先に桃子さんのところに行かないと」 「わかった。」 もう外の2人はドアを叩くのをやめて、またなにやら2人で論争を繰り広げている。 千聖の肩を抱いて外に出ると、一斉に私たちに視線が向けられた。 「千聖!大丈夫?さ、早く戻ろう?」 「早貴さん・・・来てくださってありがとう。でも私、ちょっと行かなければならないところがあるんです。」 千聖はやんわりと拒否するけれど、心配性ななっきぃはなかなか引き下がらない。 「じゃあ、なっきぃも一緒に行く。」 「待って、千聖は一人で行きたいんだってさ。」 私がなっきぃを引き止めている間に、千聖は一礼して廊下を駆けていった。 「千聖ぉ・・・」 戻る TOP 次へ コメントルーム 今日 - 昨日 - 合計 -
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夢の中で、私は籠の中に閉じ込めたちっさーを眺めていた。 ちっさーはちょうちょだった。 あの可愛いリボンのワンピースを着て、レモン色をもっと薄くしたような、綺麗な羽を震わせている。 小さな触覚。小さな手足。小さな羽根。 とても可愛くて思わず手を差し入れたら、私の爪先よりも小さなちっさーの手が、けなげに人差し指を握ってきた。 ここから出して、と言われてるみたいだ。 もうずっと昔、私は幼稚園で捕まえたモンシロチョウを虫かごに入れて家にもって帰ったことがあった。 図鑑を読んで、えさを調べて、一生懸命お世話をしたけれど、モンシロチョウはすぐに弱ってしまった。 泣きながらお母さんに助けを求めると、お母さんは私をなぐさめながらこう言った。 「ちょうちょはね、せまいところでは生きていけないの。お花がたくさん咲いてる広いところに、帰してあげよう。」 お母さんと手を繋いで、ベランダからモンシロチョウを外に出してあげたあの日のことは、なぜか今でもはっきり覚えている。 風に煽られながらどんどん遠ざかる白い羽を眺めて、私はどんなに大切にしていても、ひとりじめはできないものがあるということを学んだ。 そっか、ちっさーは今ちょうちょだから、ちゃんと自由にさせてあげなきゃいけないんだね。 「ごめんね。」 籠の鍵を開けて、人差し指にしがみついたままのちっさーを外に出してあげた。 これでよかったんだ。私は空っぽになった籠を見つめて、不思議と幸せな気持ちになっていた。 “メールだよ!メールだよ!” 着信音で、私の意識は現実に引き戻された。 喉がヒリヒリして、瞼が痛い。 時計を見ると、もうすぐお昼になるぐらいの時間だった。 今日は休日で仕事もない。 普段なら学校の友達や、えりかちゃんや愛理と遊びに出ているところだけれど、今日はとてもそんな気分になれなかった。 ちっさーと私がレッスンの合間に大トラブルを起こしたのは昨日のことだった。 私は大泣きして、自分で立ち上がれないほどに打ちのめされてしまったから、そのままタクシーで自宅に送り届けられた。 私の家につくまでえりかちゃんが側にいて、ずっと手を握ってくれていたけれど、ちっさーはあの後どうしたんだろう。 みんながついていたから、きっと一人ぼっちではなかっただろうけど。 「まだ泣いてるのかな・・・」 私を睨んでいたちっさーの顔が、後悔と悲しみに染まっていくあの瞬間を思い出すだけで、また涙が溜まってくる。 ちっさーが本当に、私のことをエッグだから区別していたのかなんてもうどうでもいい。 そんなことより、優しいちっさーにあんな顔をさせてしまったことが悔しくてしかたがなかった。 さっきの夢の中みたいに、早くちっさーを解放してあげればよかった。 少し時間を置いたら、ちっさーは私のことを許してくれるだろう。 でももう私たちは二度と心から笑い合えないかもしれない。 「ちっさー・・・ちさと・・・」 枯れるほど流したはずの涙が、まだボロボロとほっぺたをすべり落ちていく。 それを乱暴にぬぐいながら、さっき来たメールを見ようと、まだ着信ランプの光っているケータイに手を伸ばした。 「栞菜ー。ちょっと」 その時、ちょうどお母さんが私を呼ぶ声がした。 何だか急いでるみたいだから、とりあえずケータイは置いてリビングに向かった。 「・・・・えりかちゃん。」 リビングのガラス扉に背中を向けて配置されたソファに、お母さんと楽しそうに話しをする見慣れた背の高い後姿があった。 「来ちゃった。ごめんね、連絡もしないで。」 「ううん。・・・栞菜の部屋、行こう。」 こんな私にも、まだこうやって訪ねて来てくれる人がいるんだ。 そんなことを思ったらまた泣きそうになってしまって、私は早足で部屋に戻った。 「タピオカジュース、買ってきたんだよ。栞菜ここの好きだって言ってたでしょ。」 返事ができない。 何か言ったら感情が溢れてしまいそうで、私は必死で歯を食いしばった。 「栞菜。」 えりかちゃんはいつもと変わらない態度で、私の横に座って、髪を撫でてくれた。 気持ちが押さえきれない。 「私、ちっさーにひどいことした・・・もう自分が嫌だ。」 言葉を吐き出すとともに、えりかちゃんの胸に飛び込んだ。 「栞菜、大丈夫。栞菜が思ってるよりずっと、みんな栞菜のことが大好きなんだよ。ちっさーだって同じだよ。」 「でも、私は・・・」 「何があったのかはわからないけど、本当に意地悪な人はそうやって自分以外の誰かのために泣いたりできないよ。ウチは栞菜の優しいとこ、たくさん知ってる。そんなに自分を責めたらウチも悲しくなっちゃうよ。」 えりかちゃんの言葉全てが心に沁みて、悲しいのと嬉しいのがごっちゃになった涙が次から次へと溢れた。 ひとしきり泣いて落着いてから、えりかちゃんの持ってきてくれたタピオカジュースを2人で飲んだ。 丸くて甘いつぶつぶが、疲れた喉を優しく撫でるように通っていくのが気持ちいい。 女の子には時々甘いものが必要だって何かの歌にあったけれど、確かに今の私にのささくれた心も、優しくてとろけるような甘い味を求めていたみたいだ。 少しずつ気持ちが落ち着いていく。 今なら、冷静に話ができそうだと思った。 「えりかちゃん、栞菜の話、聞いてくれる?」 戻る TOP 次へ コメントルーム 今日 - 昨日 - 合計 -
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いろんな情報 編集(随時) 交通 ■ANA(佐賀空港⇒羽田空港)- 片道39,000円? 出発 到着 便名 備考 06 55 08 25 ANA 452 10 00 11 30 ANA 454 たぶんこれに乗る 14 50 16 20 ANA 984 18 40 20 10 ANA 456 ■JR(名古屋→羽田)- 片道6,490円 出発 到着 価格 経由地 備考 08 30 10 49 ¥6,490 品川 乗換21分 08 40 10 53 ¥6,490 品川 乗換20分 08 53 11 09 ¥6,490 品川 乗換21分 09 00 11 13 ¥6,490 品川 乗換20分 09 10 11 29 ¥6,490 品川 乗換21分 09 23 11 33 ¥6,490 品川 乗換20分 09 30 11 49 ¥6,490 品川 乗換21分 09 40 11 53 ¥6,490 品川 乗換20分 09 53 12 09 ¥6,490 品川 乗換21分 10 00 12 13 ¥6,490 品川 乗換20分 10 10 12 29 ¥6,490 品川 乗換21分 ■ANA(羽田空港⇒佐賀空港) 出発 到着 便名 備考 07 25 09 25 ANA 451 12 15 14 15 ANA 983 15 50 17 50 ANA 453 18 30 20 30 ANA 455 佐賀空港 大きな地図で見る
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「何って、今更。わかんないの?」 チームおちんちんの若旦那・舞様は私の顔を掴んで左右に振った。何て乱暴な!・・・最高です。 「なっきぃを通じて、ベリキューが心も体も一心同体になる、そんな素敵な会だって聞いてるけど?」 佐紀ちゃんが妙に優しい手つきで、私の髪を撫でながら微笑む。 「な、何だってー!聞いてない!私そんな話了承した覚えない!」 「それだけじゃないよ。なっきぃの、やーらしぃー妄想を、みんなで実現させてあげる会パートⅡでもあるの。ケッケッケ」 「なっ・・・」 みんなチェシャ猫みたいな不気味な笑みを浮かべて、私の顔を覗き込んだり、体に触れてきたりする。 「知らなかったなぁ。なっきぃって、そんなキャラだったんだ?やらしぃのうwwwやらしいのぅwwwww」 「ギュフゥ・・・」 「あら、千奈美さんたら。なっきぃはことばぜめよりも、にくたいてきくつうにこうふんなさるのよ。」 「へー!いいこと聞いちゃったもんにー!じゃあちな猫が痒いとこも痒くないとこも引っかいてあげる!」 「ち、ちしゃとぉおおおおおお」 いたずらっ子モードの千聖は、肩を少しすくめてクフフと無邪気な笑い声を漏らした。そんな千聖を「ねぇねぇ、」と梨沙子が突っついて、私に見えるような位置で内緒話を始めた。 あの2人はまずい。普段はのんびり大人しめなコンビだけれど、一度いたずらっ子魂に火がつくと、誰よりもヤンチャになってしまう。お互いのごりっぱなおっぱいをくっつけ合って、私の顔を見ながらなにやら悪巧みをしている様子だ。 「さて、と!それじゃ、そろそろ始めますか!」 よく通る佐紀ちゃんの声が、打ちっぱなしの部屋に響く。 「まあ、この人数一気にじゃ、餌にありつけない個体も出てくるだろうし、順番こでね」 え、餌って私のことか!個体って、動物園か!突っ込みポイントはいっぱいあるのに、みんなは黙ってうんうんうなずいている。 「黒チームのみんなは、いろいろ準備とかあると思うし、先に私たちでいいかな?なっきぃ、どう?」 「よくない!どっちもよくない!さっさとこの手かせを外し・・・・」 ギャーギャーわめく私の前髪を、舞ちゃんがギュッと引っ張った。 「あのね、キャップはどっちが先がいいのか聞いただけだよ。やめてほしいかどうかなんて聞いてないんだよ、なっきぃ?わかるかな?」 「ギュフゥ・・・」 さすが、殺戮ピエロ。獲物を前に、わくわくを隠せないライオン、と言ったところだろうか。舞ちゃんは千聖を独占しているときはいつも幸せそうな顔をしてるけど、そういうのとはまた違う、本能的な笑顔。ゾッとしてキュンとする。 「・・・ピ、ピンクの、皆様が、先でいいで、す」 「そう、いい子。最初からそうやって素直に答えればいいんだよ。ちしゃと、ゆっくり可愛がってあげてね?」 「えぇ、ウフフ」 私を挟んで、2人は指を絡ませあってイチャイチャしている。く・・・狂っとる。 おっぱい暴発寸前の子犬顔美少女と、泣く子も黙るブリザード・アイの貧・・・超スレンダー子悪魔おちんちん美少女。まるで妖精みたいなちさまいコンビは、ついこないだまでは私のきゃわゆい妹分だったはずなのに。 「なっきぃ失礼しまーす!」 「うわっ!」 とっても複雑な気持ちでそのやりとりに見入っていると、いきなり椅子がひっくり返された。目の前にももちゃんの股間。 「ウフフ」 「ヒー!!!」 それは拷問のように、ゆっくり近づいてくる。 「キュフ、やめる、キュフ、ケロ、・・・キュフゥ・・・」 ああ、神様仏様。早貴は悪い子でした。罰が当たったのですね。これは連日連夜、エロいことばっか考えて、パソコンのモニターに映る“あなたは18歳以上ですか?”のYESボタンをクリックしまくった報いなのでしょう。 「ウフフ、早貴さん、こういうのはいかがかしら」 「千聖、もっとこう、××に××××」 「ああああああ」 ふんわり白天使の梨沙子と、にっこり褐色天使の千聖が、その手にものすごくよく動く棒状の何かを持って、じりじり近づいてきた。そ、そんな、あんたたち、そげなもんどこで手に入れたん!?さすがのおなっきぃもまだそこまではっ・・・ 「なっきぃ、どう?×××?」 「あはは、××が×××だねー!うける!」 「ひぎぃ!」 乙女の柔らかい無数の手が、私の体を縦横無尽に這い回る。雅様や舞様は、的確に急所を突いてきたり(武術的な意味で)して、私は二つの意味で地獄に堕とされかかっていた。 おまけに黒チームは高みの見物とばかりに、周りからヤジを飛ばしてきたりする。 なんだっけ、こういうAV、あった気がする。レズ・・・レズごうも・・・ 「なっきぃ。」 その時、みんなの後ろで微笑を浮かべていた佐紀ちゃんが、そっと歩み寄ってきた。示し合わせたかのように、みんなが道を開ける。 「さ・・・佐紀ちゃん、何持って・・・グエッ」 ちしゃりしゃのとはまた違う、円盤状の何かを手にした佐紀ちゃんは、いきなり私のおなかに馬乗りになった。小柄な佐紀ちゃんとはいえ、これはなかなかキツイ。 「私ね、なっきぃのために、がんばって作ってきちゃった。新作。」 「え?え?何?・・・うひゃ!」 いきなり、背後から目をふさがれた。 「大人しくしてなさい、なっきぃ。」 雅ちゃんの冷たい声と、手。震え上がりながらもその感触に酔いしれていると、今度は顎を強く掴まれた。反射的に開いた唇に、何か異質な感触を覚える。 「・・・!?辛っ!何これ、辛っ!何か舌痺れっ」 「みや、もういいよん。」 「あーい」 軽快なやり取りの後、唐突に視界に光が戻る。スプーンを持って満足げに笑う佐紀ちゃんと目が合う。 「な、何今の・・・」 「知りたい?それはぁ・・・・佐紀の新作、ジャングル豚キムチチャーハンでーす!」 うっわぁ!と憐れみのような恐怖のような声が回りから響き渡る。 「うっそ、何入れたの佐紀ちゃん!めっちゃ舌痺れてるんだけど!」 「えー、何か、赤みが足りなかったからぁ、ケチャップとかよくわからん赤い粉末とか」 「ひどい!味見は!?」 「するわけないじゃん怖いもん」 「ションナ!」 何て、何てひどいことを!私は口の中に残るえぐえぐした後味と戦いながら、なみだ目で佐紀ちゃんを睨みつけた。 「お気に召さなかったの?」 「あ、あたりまえでしょ!もう!」 「ウフフ、じゃあ次の一品いこうか、はい、キャップ♪」 律儀にウエイトレス風カチューシャをつけたももちゃんが、佐紀ちゃんの手の上で水平に保たれたジャングル豚キムチチャーハンのお皿を取り替えた。 「ちょ、まだあるの!?もういいって!」 「はぁ?いいかどうかはなっきぃが決めるんじゃないから」 「す、すみません、舞様」 この余興の間に、ピンクチームの集うコロニーに移動してきていた舞ちゃ・・いえいえ、舞様は、どこから持ってきたのか、王様の座る椅子みたいなのにふんぞり返って、唇を片側だけ吊り上げて笑っていた。 よくみれば傍らに千聖を侍らせて、片手で顎の下を撫でながら、背後から回した手ではたわわに実ったちさπをむにゅむにゅ揉みしだいている。 「アン、ウフフ」 「ちしゃとはかわいいでしゅね。なっきぃも見習うべきだと思うなぁ。・・・ちしゃと、いつものやるでしゅ」 「はい、舞さん」 千聖はにっこり笑って、舞ちゃんの足元にひざまずき、そこからにょきにょきチャンピョンしている物体に唇を・・・ 「らめえええええええ!」 “はぎわらまい、しょうがくいちねんせいでしゅ” あぁ・・・7年前、舌ったらずにはにかんで自己紹介をしていた美少女が、こんなに立派なおちんちん伯爵に成長してしまうとは、一体誰が想像できたでしょうか。素晴ら・・・由々しき事態ですよ、これは! 「もう、なっきぃ、舞ちゃんの方ばっか見てないで?今からもっといい物食べさせてあげるんだから」 鼻息も荒くその光景に見入っていると、強引に頭を掴まれて、佐紀ちゃんの方へ向き直らされた。 「次はねー、ふっふっふ。」 なんだか、醤油のいい香りがする。和食?それなら、奇をてらわなければいくら佐紀ちゃんとはいえ、大丈夫なんじゃないか。 そんな風に考えながら、差し出された深めのお皿を見た私は、瞬時に絶望を覚えた。 「こ、れ、は」 「エントリーナンバー002、ジャングル海鮮ドーン!でーす!」 自分の体から、血の気が引いていくのがわかる。 かかか海鮮丼って、あんた、佐紀コック長に生もの扱わせたらアカンやろが!! 「大体なんなのそれ!緑色のソースかかってるんだけど!」 「これ?これはわさびと柚子胡椒と青汁と・・・あれ、そういえばお刺身冷蔵庫に入れておいたっけ。千奈美ぃ?」 「無理ー!まだ死にたくないー!!!」 「コラッおとなしくしろ!」 火事場の馬鹿力というやつだろうか、私はせまりくる佐紀ちゃんの手から逃れようと、ものすごい勢いで体を捻った。 そんな滑稽なバトルをずっと繰り広げていると、だんだんダレて来ていた黒チームから、一際大きな影がニュッと現れ、ずんずんと私のほうへ近づいてきた。 「うーもう我慢できん!なかさきちゃん!!!」 「え・・・何!何が!」 「キャプテンとなかさきちゃんのちたいで、ついにこんなになってしまったの!」 「ぎゃあああああ!」 もう、アレだ。受話器とか言ってる場合じゃない。もはやバナナボート。サーブボード。抱き枕。 友理奈ちゃんが「よっこいしょ」と持ち上げているそれは、下手をすれば私の身長より大きい・・・・ 「じゃ、いくよ、なかさきちゃん。」 「はぁ!?いや、無理無理無理無理無理無理」 「なっきぃ、上のお口は佐紀のジャングル海鮮丼で塞いであ・げ・る」 「無理いいいいい!!誰か、お助けをーーーーー!!!!」 「・・・貴さん、早貴さん」 「う・・うぅ・・・は、入らないよぅ・・・」 「早貴さん?どうなさったの?」 「・・・・はっ!」 体を強い力で揺すられて、気が付くと、心配そうな顔をした千聖が私を見下ろしていた。 「こ、ここは?おちんちんは?」 「おち・・・まあ、何をおっしゃるの、早貴さんたら。」 千聖は顔を真っ赤にして、涙目でオロオロし出した。・・・そう、そうだよね、お嬢様の千聖はこうじゃないと。 「ここはホテルで、今はコンサートツアーの最中よ、早貴さん」 「そっ・・・か、・・・夢、だったのか・・・・・ギュフゥ・・・」 いくらベリキューニーマスターの私とはいえ、あそこまですさまじいシチュエーションでは気持ちよくなれない。エスカレートする私の妄想に、理性がストップをかけたのかもしれない。私には、まだおちんちん的な妄想は無理なようです、はい。 でも、ここまで私を恐怖のどん底に陥れたんだから、友理奈ちゃんには文句のひとつも言ってやりたい気分だ。理不尽なのはわかってるけど! 「キュフフ・・・」 「あ、あの、早貴さん?どんな夢を見ていらしたのかしら?何か、千聖がにょきにょきちゃんぴょんとか・・・」 「ああ!なんでもないの、ゆ、夢ってさ、まゃくりゃくがなくてしりめつゅるぇちゅだよにぇ!」 「え?え?めちゅれちゅ??」 私の顔を覗き込んでくる、あまりにも純粋な瞳。あわてた私はちさ舞美ばりのカミカミで、さらに千聖を困惑させてしまった。 「・・・ごめんごめん、寝起きでボケッとしてるだけだから。」 「そうですか。・・・・あの、それでは、私少しだけ御暇させていただいていいかしら?」 「おいとま?」 時計を見ると、23時半。 変な時間に寝て、変な時間に起きたらしい。うなされる私に付き添っていたせいで、誰かとの約束を反故にさせてしまったのかもしれない。 「いいよ。夜遅いから、静かにね。」 「はい、ありがとうございます。」 「・・・・ちなみに、どちらまで?」 いそいそと準備を始める背中に声をかけると、千聖は困ったような顔で笑いながら、「・・・えりかさんのところへ」と答えた。 「千聖ぉ」 「あの、大丈夫ですから!そんな、すぐ、えと・・・30分ぐらいで戻ります。」 「30分もイチャイチャギシギシ」 「違うの、もう、違うんです。早貴さんの、意地悪!」 千聖はおぼつかない足取りでドアを開けると、よたよたと逃げていってしまった。 まったく、えりこちゃんてば!今日もまた、千聖にやらしーことを教えるつもりなんだろう。たとえば・・・・あ、ヤバイ、ちょっとムラムラしてきた。 「んー・・・・」 夢の中では友理奈ちゃんにブチ壊しにされたとはいえ、それ以外のところでは十分興奮させていただいたから、十分下ごしらえ(?)はできている。今日は、うめちさなきニーだな。 「キュフ、キュフ、キュフフン♪」 30分とか言ってたけど、多分1時間は戻ってこないだろう。こうなったら、私もじっくり楽しませてもらおうっと。 数時間後、一向に戻ってこない千聖を待ちわびた私が、件の夢についてしたためた随筆を間違えて舞ちゃんに送りつけ、えげつない脅しをかけられたことは、また別のお話。 前へ TOP コメントルーム 今日 - 昨日 - 合計 -
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前へ 「・・・あぁ、そうか。3分ぐらいが限界だった。」 3分?何のことだろう。 愛理は眠る千聖にも泣きじゃくる私にもそんなに驚いてないみたいで、いつもと変わらない口調で「飲む?」とペットボトルを差し出してきた。 「ありがと。」 私が麦茶に口をつけている間、愛理は何にも言わずに千聖の髪を優しく梳いていた。 苦しそうだった千聖の表情が少しずつ和らいで、寝言も収まってきた。 「すごいね、愛理。千聖辛そうにしてたのに、愛理が来ただけで落ち着いてる。」 「私も最初はどうしたらいいかわからなかったんだけど、お泊りのときとかこういうこと何度かあって、それでいろいろ試してみたの。頭に触れられると安心するみたい。 それより、梨沙子は大丈夫?」 愛理は千聖の顔を見つめたまま、私に話しかけてきた。 「あ、うん。お茶飲んだら落ち着いた。」 「そっか。」 その後しばらくの間、私と愛理は黙って千聖の頭を撫で続けた。 いっぱい話したいことはあるけれど、何をどう言ったらいいのかわからなかった。 愛理は私と違って、困ったり傷ついたりしてもあんまりそれを表には出さない。 こういうデリケートな話の時は特に、知らないうちに愛理を追い詰めてしまいそうで怖かった。 同い年だけれど大人っぽくて、とても優しい愛理。 できれば困らせたくないけれど、このまま黙り続けているのは辛い。 私は千聖の髪を滑る愛理の指を掴んだ。 目が合った。 愛理はいつもどおり、穏やかで優しい眼をしている。 「梨沙子、ごめんね。」 「えっ」 愛理の手が、千聖から離れる。 そのまま、私の肩を優しく抱きしめてくれた。 「気づいてたんだよね、梨沙子。黙ってるの、辛かったでしょ。本当にごめん。」 何のことかなんて言わなくてもお互いに通じ合っていた。 「謝らないで。愛理は悪くないの。私が馬鹿だから、勝手に悩んでただけだよ。」 ああ、また気を使わせてしまった。 さっきまで平気な顔してたのは、これ以上私を刺激しないためだったんだ。 「本当に気にしないで。それよりも、私が千聖にしてあげられることがあったら教えて。愛理の言うことだったら、何でもやるよ。」 さっき思い切り泣いたから、今度は落ち着いて話すことができた。 「いいよ、梨沙子まだ調子悪いんでしょ?今はキュートで何とかできるから。」 「でも私だって、千聖のこと助けたい。だって愛理は、いつも自分のことより私とか、千聖のこととか、そっちばっかり優先してくれるでしょ。 私だって愛理の役に立ちたいもん。私たち、中2トリオでしょ。」 「梨沙子・・・」 それから私と愛理は千聖の側を少し離れて、ちっちゃい声で情報交換しあった。 キュートの楽屋に行く前から、千聖のお嬢様キャラについて知っていたこと。 ももにだけそのことを話してあること。 さっきプロレス技を仕掛けたのは、自分でちゃんと今の千聖のことを確認したかったから。 愛理は生真面目にメモまで取って、熱心に聴いてくれた。 「そっか、もう楽屋に来たときには知ってたんだね。キュート全員、慌てちゃったよ。ばれたらどうしようって。」 「多分、何にも知らなかったら気づかなかったと思う。千聖、演技するの上手いんだね。」 私がそう言うと、愛理はちょっと難しい顔になった。 「でも、そのせいで千聖を追い詰めてるとしたら」 「えっ」 私たちの目線は、眠っている千聖に向けられた。 まだ口をむにゃむにゃ動かしているけれど、もう怖い顔はしていないみたいだ。 「キュートの中で今、もとの千聖に戻って欲しい人とこのままでいい人とで意見が別れてるの。 前の千聖がいい人にとっては今の千聖の存在自体が許せなくて、その気持ちを直接千聖にぶつけてしまったこともあったらしいんだ。」 これは、多分舞ちゃんが千聖に謝っていたあのことだ。 「皆にはそこまで強く言ってないけど、私は今でもそのことが許せなくて。 もともと、私はどっちかって言ったらお嬢様キャラのままでいてほしい派だったのね。何か、前より共通点が見つかったり、気があったりしてたから。 でももうそんなことどうでもいい。ただ、最新の千聖の心を守りたい。 だから、今の千聖にとって不自然じゃない状態・・・・それがお嬢様なら、そのままでいたほうがいいんじゃないかって思ってる。 いくら上手に前の千聖を演じてたって、こうやってすぐに疲れちゃうよね。 夢の中でまで苦しいなんて、そんなのは可哀想だ。 でも私はさっき、梨沙子にバレたら困るからって、明るい千聖になって、梨沙子と接してって千聖に言った。矛盾してるよね。」 愛理はすごい勢いでまくしたてる。私は黙って、愛理の吐き出す言葉を受け止めてあげることしかできなかった。 次へ TOP
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“ジャー●ネットジャーパ●ット・・・” おなじみのあの曲が奇妙に転調された、妙に明るい歌声がパソコンから流れる。 「キュフ・・・キュフゥ・・・・」 妙な高揚感と緊張感で、顔が弛緩しているのがわかる。・・・なにやってんだ、私。まったくもってけしからん。こんなことだから、“最近のnkskにはおちんちんを見せたくない”とかいうスレがどうたらこうたら 「・・・まあ、そんなことより」 歌が終わったあと、パソコン画面には、上半身裸の女の人と、見るからに怪しげなスーツの男の人が、とある道具を片手に談笑している姿が映されている。 そう、私が今現在手にしているのと同じ・・・・ あのエロDVD騒動からしばらく経つけれど、あいかわらず私が通っている高校のクラスでは、エログッズやエロ本の回し合いが行われている。 ここんとこ、頭の中ほとんどエロス状態とはいえ、私はまがりなりにもアイドルだから「こういうのは不潔ケロ!」と表向きはきっぱり拒否していた。なのに、またしても、入っていたのだ。机の中に、なぞの物体Xが。 捨てればよかったのに、またしても好奇心に勝てなかった私は、それをこっそりスクールバッグにしのばせて、そしらぬ顔でダンスレッスンまで受けて帰ってきてしまった。 「うー・・・・」 ロッカーでカバンひっくり返したり、電車の中で倒れたりするようなアクシデントがなくてよかった。さすがにこれはバレたらまずいだろう。 私はあらためて、手の中で小刻みに振動するそれに目をやった。 一見、指に装着するタイプのマッサージ器具に見える。だけどインタ(ry)でいろいろ調べた結果、どうやらいやらしいことに使うものだということが判明した。さらに、使用法が詳しくわかるサイトまであると・・・。 そして、私は午前0時現在、探し当てたその動画に見入っているというわけだ。 42 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/02/07(日) 20 58 13.13 0 “これは、装着が簡単で・・・” “プレイ中は絶対に手から外れない・・・・” 画面上では、本家のあの人を真似た口調で、うさんくさい男の人の商品説明が始まっていた。 ――へ、へー・・・なるほど。様々な形状のアタッチメント・数種類の振動を組み合わせるとこにより、幅広い快感を追求できる画期的な商品ナリね・・・。これを使えば誰でもAV男優並みのフィンガーテクに!というわけケロ・・・ 私はさっそく、それを指に巻きつけてみた。ほうほう、女の子にも使いやすいように、サイズの調節もできるとは気が利いているケロ。 「キュフフフ・・・」 指を振るわせる器具を、胸元に近づけていく。 「んぁっ」 私の世界で一番熱いエンジョイドリームナイトはここから始まった。 * 「ねえ、なっきぃ」 「ん?な、なあに」 それから数日後、遠方での仕事を終えて、一泊して帰る日の夕食時。 隣に座っていた愛理が、ふと箸を止めて、私の顔をジッと見つめてきた。 ――最近わかってきたけど、愛理は多分、結構S寄りだ。ふだんはあののほほんほんわりな笑顔やしぐさに隠されてるけど、ふとしたとき・・・つまり今ですけど・・・・に、それが垣間見られる。私は動揺を悟られないよう、ちょっとかしこまった顔をしてみせた。 「ケッケッケ」 「なんだよう」 43 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/02/07(日) 20 59 29.89 0 「いやぁ~、なんかぁ、最近なっきぃ綺麗になったなぁって」 「そ、そう?嬉しいなあ。キュフフフ」 フツウに褒められているような気がしなくもないけど、どこか含むような言い方が引っかかる。考えすぎかな?でも・・・ 「何か、色っぽくなったよね。秘訣でもあるのかなーなんて。例えば毎晩・・・」 「な、ないよ!全然!んなこたぁない!」 慌ててちょっと大きな声で遮ると、千聖や舞ちゃん、舞美ちゃんの視線までこっちにきてしまった。 「どうかしたの?」 「んー?何かね、最近なっきぃが綺麗になったから、毎晩スキンケアとかどうしてるのか聞いてただけだよ?ケッケッケ」 「ス、スキン・・・はぁ、さいですか」 とかいいつつ、愛理はそのまま私との会話を中断して、パスタをフォークに絡める作業に戻ってしまった。・・・うーん。考えすぎなのか、はたまた愛理になにか意図があったのか。 実際、今日の私は相当ナーバスになっていると思う。なぜならば・・・ * 「キュフフフ…!」 食後、ホテルの部屋に戻った私は、ベッドにダイブしてコロコロ転がった。 同室の千聖は、今スタッフさんと話をしているから、ここにはいない。誰もいないんだから、こそこそする必要はないんだけど・・・カバンをうっすら開いて、私は目的のブツを取り出した。 あの日から、毎晩お世話になっている私の相棒・・・フィンガーなんちゃら。これ、すごいんですよ。これで体のいろんなところを触るとあれでそれでこうなってですねぇ 今日みたいに仕事を全力でやりとげた日は、なぜか興奮度がものすごい。というわけで、千聖が帰ってくる前にファイト一発しておこうと、いつものようにスイッチを入れた。 ベッドに横たわって、窓の外を眺める。指の震えに、無意識に唇に笑みが浮かぶ。こらあかんで。 「キュフウ・・・」 44 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/02/07(日) 21 01 16.27 0 こんなことばっかしてて、本当にいいんだろうか。でも愛理が言うように、もしこれで本当に綺麗になれているなら、そう悪いことでも・・・でも・・・ 「んっ」 じわじわと体が熱くなってきた、その時だった。 「・・・早貴さん?」 「フギャッ!」 いきなり、耳のすぐ側で名前を呼ばれた。 警戒心の強い猫のように、私はコロコロ転がって、侵入者――っていうか千聖と距離を取った。 「ず、ずずずずいぶん早かったね!おかえりなさい!キュファア!」 「ええ、数点確認事項があっただけなので・・・あの、それより」 千聖は少し眉をひそめて、私に近づいてきた。フィンガーなんとかを装着したままあとずさるも、もう壁は背後に迫っている。 「こ、こないで!千聖!」 「えっ」 「あ・・・あの、その、なっきぃ今日、風邪引いてるっぽいから!移っちゃうから!ね?」 「まぁ・・・」と千聖は吐息混じりに声を漏らした。とっさの私の詭弁を信じてくれたみたいで、少し体を遠ざけてくれた。 嘘をつくのはしのびないけれど、この状況では仕方がないような気がする。私はほっと一息ついた。だけど 「それなら、私、マネージャーさんにお薬をもらってくるわ。あと、体温計も」 「へえっ!?待ってそれは困る!」 あわてて後ろででフィンガーなんちゃらをはずそうとするも、焦りで手がすべってうまくいかない。 「でも、ほら、汗がにじんでいらっしゃるわ。お顔も赤くなっていますし・・待ってて、早貴さん」 45 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/02/07(日) 21 02 37.93 0 千聖はくるっと後ろを向いて、ドアの方へ駆けていこうとした。 「だめー!」 「きゃああ!?」 とっさに後ろから千聖に飛びつく。そのままバランスを崩して、ベッドに倒れこむ。 「あ、ご、ごめ・・・」 体を離そうとして、とんでもないことに気がついた。うつぶせになった千聖に、馬乗りになっている私。その、怪しい器具をつけたままの手が、千聖のおっきなお胸の、一際感覚のするどいところに押し当てられていて・・・ 「ちさっ」 「うあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」 千聖はお嬢様らしからぬ甲高い奇声を上げて、大きく仰け反ったかと思うと、バタッとシーツに沈んだ。 「ひ・・・ひいい!」 その振動はMAX。アタッチメントは“最狂”。わ、わたし、何てことを!やっと千聖の体の下から引き抜いた指の、そのスイッチを切ろうとしていたら、いきなりクローゼットのドアが“バンッ!”と音を立てて開かれた。 「な、なーかーじーまー!!!おーまーえー!」 突っかけ棒を握り締め、顔を真っ赤にして出てきたのは、舞ちゃんだった。 「へ、変態・・・・!」 「誰が変態だ!変態はなっちゃんだろうが!舞は千聖が部屋でどう過ごしてるか確認するために待ってただけだし」 「ていうかやっぱり変態じゃん!私のは事故だけど、舞ちゃんはストーカーじゃないっすか!」 むきになってそう言い返すと、舞ちゃんは一瞬ものすごい形相で私を睨んだ後、なぜかニヤーッと笑った。 「な、なに?」 「・・・・舞美ちゃんと愛理にいいつけてやる。千聖のつわり騒動の時、“なっきぃだけは千聖と清い関係でいるケロ”とか言ってたくせに、なんだこれは!一番ひどいじゃん! なっちゃんが千聖を怪しげな器具で弄んでたって報告してやるんだから!そうだ、えりかにも言ってやろーっと」 46 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/02/07(日) 21 04 51.92 0 舞ちゃんはピクリとも動かない千聖の髪を一撫でして、ドアの方に顔を向けた。 「待って待って待って!話せばわかる!」 「ちょ、やだ!離してよ!」 今ここで、おかしな話を広げられたら困る! 比較的非力な舞ちゃんなら、私でも押さえつけることができると判断して、いつも舞ちゃんと千聖がやっているプロレスを参考に、はがいじめにしてみた。 「離せコラー!舞に勝とうなんて100億万年早っ・・・・!!!???」 必死に私を振りほどこうとしていた舞ちゃんの動きが止まる。まさか・・・ おそるおそる自分の右手の位置まで視線を下げる。 今だすごいモーター音を上げ続けるそこは、舞ちゃんの舞ちゃんをガッチリとらえていた。 「びゃああああ!」 「びええ!」 舞ちゃんも、その場にガクンと崩れ落ちてしまった。お・・・恐るべし、フィンガーなんちゃら!可愛い妹分二人を、まとめて瞬殺してしまうなんて・・・。 「あわわわ・・・」 とにかく、どうにかしないと。私は毛布を引っ張って舞ちゃんの体にかぶせた後、千聖の元に駆け寄った。 「千聖!千聖!しっかりして!大丈夫?」 「う・・・」 体を揺すると、枕に突っ伏したままの顔がふるふる動いて、私の方へと向けられた。 「しゃきしゃん・・・」 「待ってて、今、飲み物を・・・」 47 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/02/07(日) 21 05 53.77 0 カバンをさぐろうとする私の手首を、小さな千聖の手が捕まえた。 「早貴しゃん・・・」 「は、はい」 「ウフフフフ・・・早貴しゃん、しゅごい・・・」 いつものやわらかくて優しい表情は消えていた。千聖は切れ長の目をギラギラ光らせて、私の首筋に顔を埋めた。 「あわわわ・・・」 「ね・・・さっきの・・・もっと・・・」 「キュフゥン!」 耳元でそうささやいて、甘噛みのオマケつき。どこでこんな技を・・・えりこちゃんめ! 「あん・・・ダメだよ、千聖・・私は千聖とそういうことは」 「さっきの、してくださったら、私、内緒にするわ・・・。舞美さんにも、愛理、にも・・・。ね、だから・・・」 ―-―つまり、ワシの言うとおりにせえへんかったら、チクッたるでぇっちゅうことか!あぁ、いつからそんな子になったの千聖! 「早く、早貴さん・・・」 「うーっ・・・」 なぜか、逆らう気力がどんどん失われていく。りーちゃんがよく言う、“千聖の魔法”。一度捕らえられたら、もう抜け出すことは難しいみたいだ。 「ギュフゥ・・みぃたぁん、愛理ぃ・・・」 私は半泣きで、おそるおそる手元のスイッチに手を伸ばした・・・。 前へ TOP コメントルーム 今日 - 昨日 - 合計 -
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前へ 「ちょっと待ちなさい!舞!」 ママの怒った声を遮るように部屋のドアを閉めて、私はベッドに潜り込んで泣いた。 こんな情けない涙は誰にも見せたくない。 夕食を食べている時、急にママから 「最近千聖ちゃんの話しないのね。喧嘩でもした?」 と聞かれて、一番聞きたくないその名前を出された私はムカッとしてこんなことを言ってしまった。 「知らない!千聖はもういないの。消えたんだよ。」 「舞、何てこというの。友達だからって言っていいことと悪いことがあるでしょ」 事情を知らないママは、私が千聖と喧嘩をしてひどい言葉を言ったのだと思ったみたいだ。 「だって本当にいないんだよ!」 「いないって?キュートを辞めたってこと?」 「…違うよ。もういいでしょ。ママには舞の気持ちなんかわからないよ!」 もう誰とも口をききたくない。千聖と私のことについて誰からも触れられたくなかった。 あの事故の数時間前、私と千聖は小さなことで喧嘩になった。 多分悪いのは私。 背が伸びないことを気にしている千聖に背比べをしかけた。 千聖が悔しそうに苦笑するのが嬉しくて、何度もしつこく 「千聖が一番小さいね!」 とか言っていたら、千聖はうつむいて 「もういいでしょ。」 と泣きそうな声でつぶやいた。 しまったと思った私はすぐに話題を変えてみたけれど、千聖は黙って早貴ちゃんの方に行ってしまった。 撮影中も目を合わせてくれない。 二人きりのショットでも私を見ようともしない。 何だよ身長ぐらい、と正直思ったけれど、千聖にとってはかなり地雷だったのかもしれない。 何とか仲直りのきっかけを見つけようとしていたら、階段を降りて行く途中で前を歩く舞美ちゃんと千聖がくすぐり合ってはしゃぎ始めた。 この輪に混ざれば自然に元に戻れるかもしれない。 舞美ちゃんは笑っていたけど千聖はその場を離れようとした。 「待っ…」 千聖の肩を掴む。びっくりした顔で振り向いた千聖は、そのまま足を滑らせて… 「私のせいだ。」 もう何百回呟いただろう。 誰も私を責めなかったけれど、私のしたことで千聖は千聖じゃなくなってしまった。 「どうしたら言いのかな」 みんなが新しい千聖を少しずつ受け入れ始めている。 私と二人でそれを眺めていたはずの舞美ちゃんも、この頃はあの千聖と笑い合うようになっている。 でもあんな子は千聖じゃない。私が謝りたい千聖はもういなくなってしまった。 私はどうしようもなく辛くて、だんだんとこの苦しみはあの新しい千聖のせいだと考えるようになっていた。 次へ TOP
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集合場所に戻ると、スタッフさんから今回のDVDマガジンの撮影内容について説明があった。 前半はみんなで自然公園でワイワイと遊ぶ姿を撮影するので、適当にやっていいよとのこと。 後半は、ご飯を作って食べるらしい。よくあるパターンだな。 適当に、と言われても、やっぱりメンバーが固まっててはいけない。 「どうしようか。あっちの・・・牧場行くグループと、芝生のとこでアスレチックとかスポーツやるグループに分かれようか。」 「だね。じゃあとりあえず、牧場がいい人ー!」 そんなわけで、神がかり的な運動神経(ある意味)の私は、早々牧場行きに名乗りをあげた。 他にこっち側に来たのは愛理、舞ちゃん、なっきぃ。 運動大好きなちさまいみとゲキハロでスポーツ少女をやる栞菜は、大型アスレチックに挑戦するみたいだ。ジャージに着替えて、「ドキドキするねー!」と3人ではしゃいでいる。 「えりかちゃん、元気ない?」 横に並んで歩いていた愛理が、ひょこっと顔を覗かせた。 「えっ?そうかな。さっきバドミントンやって疲れちゃったのかも。ウチ、体力ないから。」 「そか。・・・ねえ、えりかちゃん。千聖と一緒の部屋は楽しい?」 「・・・楽しい、けど。」 何だか含みのある言い方だと思った。 続きを促すように黙っていると、愛理はまたポツポツ話し始めた。 「2人は、ほら、何かみんなとはしないことしてるでしょ?今日もするのかなって思って。」 愛理はごくたまに見せる、いたずらっ子みたいな顔でケッケッケと笑った。 ちょっと前、私のすすめ(・・・)でトイレにこもって一人エッチをしてた千聖と、たまたまトイレに入ってきた愛理が鉢合わせになった。 愛理にはその時、軽く私たちのしていることを話しておいた。 結局愛理も好奇心で千聖にいろいろしてもらっちゃったみたいで、私は自分が可愛い可愛いキュートにやらしい遊びを持ち込んだような気がして、それもまた気がかりになっていた。 「愛理はさ、私と千聖の関係、どう思ってるの?」 後ろを歩くなっきぃと舞ちゃんはパンフレットを見ながら喋っていて、こっちには注意が向いていない。小声で話を続けると、愛理はきょとんとした顔になった。 「どうっ、て。それは・・・2人がよければいいんじゃないかと。」 「でも、千聖は何ていうか、その、・・・今の千聖にはよくないのかなって。いや、前の千聖でも決していいとは」 慌てる私を、愛理はちょっと面白そうに見つめる。 「どうして急にそんなこと。結構前からでしょ、えりかちゃんと千聖。」 「そうなんだけどさ」 「・・・・千聖は、そんなに子供じゃないよ。前にえりかちゃんだって、私に言ったじゃない。千聖のこと子ども扱いしすぎって。 確かに、その通りだと思った。ずっと一緒にいると、千聖は前と同じで、ちゃんと強い意思を持って行動してるんだってわかる。 今はすごいおしとやかで控えめなお嬢様だけど、元はあの元気で気の強い千聖なんだから、本当に嫌なことははっきり嫌だって言えると思う。大好きなえりかちゃん相手になら、なおさらそうでしょ。」 「・・・じゃあ、愛理は反対はしてないの?」 「反対も何も、私は千聖の保護者じゃないし、えりかちゃんのことだって信用してるから。・・・まあ、別に、応援もしてないけどねー。」 愛理はそれだけ言うと、クネクネした走り方で先に行ってしまった。 「保護者、か。」 後方をチラッと見る。 相変わらず、なっきぃと舞ちゃんは楽しそうにしている。 なっきぃは3人姉妹の真ん中だけあって、バランスの取り方がとてもうまい。 私や舞美にはしっかりものの妹としていっぱい意見をくれるし、年下組の面倒見もすごくいい。 特に千聖とは、前からプライベートでもたまに遊びに行くぐらいに仲がよくて、本当の妹みたいに可愛がっているのは知っていた。 私が栞菜を見守るように・・・・いや、ある意味それ以上に千聖のことを思っているのだろう。私はどちらかというと放任タイプだ。 私なら、栞菜が例えば舞美と、今の千聖と私みたいな関係になったとしても、まあ別にいいんじゃない?と思う気がする。 ていうか、それだと絶対に舞美より栞菜が積極的だと思う。 定番の ノk|*‘ρ‘)<舞美ちゃんいいにおいするかんな・・・・クンカクンカ というアレを思い出して、一人でニヤニヤしてしまった。 「ねー、愛理ちょっと待ってよー。一緒に歩こうよ。」 とりあえず元気を取り戻した私は、あいかわらずかっぱ走りの愛理の腕を取ってまた横に並んだ。 「愛理は、舞ちゃんと部屋一緒なんでしょ?珍しいよね。」 「うん、ちょっと新鮮。何かまったりするねーって2人で言ってたんだ。勉強の話もできるしね。・・・あ、でも、舞ちゃんもさっきのアレ、えりかちゃんと千聖のこと気にしてたよ。」 「・・・・・・・えっちょ、ちょっと何で?舞ちゃんが何で知ってるの?」 「いやー、わかんないけど。えりかちゃんもう千聖に変なことしてないよね、って言ってた。ケッケッケ、えりかちゃん大変だー」 今日の愛理はプチSモードらしい。ってそんなことはどうでもよくて。 つまり、私たちの関係について なっきぃ→知ってるけど誤解してる 愛理→大体知ってる 栞菜→まあまあ知ってる 舞ちゃん→どこまでかわかんないけど知ってる 舞美→根本的に違う解釈をしてる(从 ・ゥ・从<ペットマッサージをちっさーにしてるんでしょ!) 「って全員知ってるんじゃん!」 私の自己ツッコミを聞いて、愛理がまた楽しそうにケッケッケと笑った。 戻る TOP 次へ コメントルーム 今日 - 昨日 - 合計 -
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前へ 「おーいいねいいね!岡井ちゃん萌えちゃんとかいってw」 「は、恥ずかしいです私」 白レースをふんだんにあしらったドレスに、ヘッドドレスをつけたちっさーを見て、私は手足両方を使って拍手をした。よく似合ってるのに、自信なさげにもじもじしてるのが可愛い。 「舞美さん・・・あの、私はいいので、何かお召しになっては?」 ああ、そうかあ。自分はキャミとパンツ一枚で、ちっさーをお人形にすることに夢中になっていた。 「あっじゃあさ、ちっさーが選んでよ。私に似合いそうなの。」 私がそうもちかけると、ちっさーは目を輝かせてクローゼットに張り付いた。 スカートやビスチェを私の前にいくつか並べて、なにやら独り言を言いながらクフフと楽しそうに笑っている。 「舞美さん、ちょっと御髪を。」 ちっさーが両手を私のうなじにまわして、髪をハーフアップになるように軽く持ち上げてきた。 ちょっとぷくっとふくらんだ小麦色の二の腕と、子犬みたいなキラキラ黒目を見ていたらふとイタズラを思いついた。 「ちっさー。」 名前を呼ぶと、ちっさーはキョトンと目を開いて動きを止めた。 私の髪を持ったまま固まった手首を捕まえて、思いっきり引き倒した。 「きゃっ!」 「うっひゃー助けてー!お嬢様におーそわーれるー!とかいってw」 あおむけに寝っころがった私の上に、ちっさーが倒れこんでいる。 「お、襲っ!?そんな、私」 赤くなったり青くなったりして、ちっさーはおろおろしだした。体を離せないように腕を掴んでいるから、あわててジタバタする可愛い姿を堪能できた。 この遊びは一部(栞菜とえり)には大好評だけれど、まだちっさーにやったことはなかった。(ちなみに残りの人たちにはマジ説教されたり気まずくなったり首絞められそうになったり) 期待通りのリアクションを見れて大満足だったので、体を開放してあげようとした。 「あはっもう冗談冗談、もういいよちっさー・・・・・ちっさー?」 手を緩めたけれど、ちっさーはそのまま仰向けの私の顔を真顔で覗き込んでいる。あ、こう見るとやっぱりイケメンだな岡井少年は。 と余計なことを考えていると、いきなりちっさーの手がキャミの肩紐をペロンと剥いだ。 「うおっ!」 「が、頑張ります私」 遠慮がちに私の手を押さえて、どうにかキャミを脱がそうとしているみたいだ。 「ちょ、ちっさー!」 そうだ、さっきちっさーは「珍しいことは何でも経験してみたい」とか言ってたんだった。 しかもお嬢様ちっさーはなっきぃ並みに何でも本気にしてしまうタイプだった。 ということは、今は一生懸命変質者になろうとしているのか。 「ちっさー冗談だってば!こら、聞いてるのかっ!」 私が体をひねると、バランスを崩したちっさーは短い悲鳴を上げて胸に飛び込んできた。 「そんな悪い子にはお仕置きだ!とかいってw」 「ま、舞美さん!あっあっそんな・・・」 カタン ドアの前で物音がして、振り向いたらお兄ちゃん(次男)が立っていた。 ―紅茶のおかわりを ―持って行くように言われ ―たの ―です、が あとずさりとともに徐々に声が遠くなって、静かに扉が閉まったと思ったら階段から人が落ちるすさまじい音がした。 ほぼ下着姿の妹がゴスロリ服の小さな美少女に押し倒されていて、反撃にスカートに手を突っ込んでいたらそれは驚くだろう。 ごめんね、お兄ちゃん。でも誰にも言いませんように。ていうかいつから見られてたんだろう。 「・・・さ、そろそろ服選びの続きしようか、ちっさー。」 「・・・そうですね。」 次へ TOP