約 24,297 件
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/4116.html
自由惑星同盟軍統合艦隊は、銀河帝国首星トランター近傍宙域へのハイパースペースジャンプを完了した。 旗艦「ナデシコ」戦闘中枢指揮所では、司令長官朝倉涼子がゆったりと椅子に座っていた。 艦載メインコンピューター「オモイカネ」が、周辺情報を空中に映し出した文字で示す。 『前方に敵性艦隊を確認。銀河帝国親衛艦隊と判定。総数534隻』 「帝国最後の艦隊ね。さぁ、どんな戦いを見せてくれるかしら」 親衛艦隊534隻に対して、こちらは1543隻。優位は揺るがないが、油断はできない。 『楽しそうですね』 「戦争は私の仕事だもの。仕事は楽しんでやるに限るわ」 トランター、皇帝宮殿。 帝国宰相長門有希は、敵艦隊を確認すると、淡々とした声で命令した。 「玉璽台、応答せよ」 玉璽台は古典的な電子音声で応答した。 「音声認識、帝国宰相長門有希。御命令をどうぞ」 玉璽台には、帝国の全権力を象徴する立方体、すなわち玉璽が載っている。 「帝国親衛艦隊全艦の制御キーを帝国宰相に変更せよ。私が直接指揮をとる」 「了解。制御キー、変更しました」 長門有希は、制御キーの変更を確認すると、手元のパネルを猛烈な勢いで叩き始めた。音声命令よりもこちらの方が早いと判断してのことだった。 猛烈な勢いでパネルを叩く彼女を、後ろの席で座っている皇帝は目を見開きながら見ていた。 しかし、おそらく帝国最後の皇帝になるであろう彼女は、特に口をさしはさむようなことはしなかった。 『敵艦隊、ハイパースペースジャンプを開始』 朝倉涼子が「どこへ?」と問う暇すらなく、敵艦隊はハイパースペースジャンプを完了していた。 オモイカネが、敵艦隊と自艦隊の位置関係を空中に三次元映像として示した。 敵艦隊は、球形陣を形成する自艦隊の内部に現れていた。 長門有希は、親衛艦隊の全艦に対して、「全兵器使用自由(オールウェポンズフリー)、最寄の敵艦を攻撃せよ」を下令。 朝倉涼子は、自艦隊全艦の制御キーを自分に移すと同時に、手元のパネルを猛烈な勢いで叩き始めた。 10分後。 その宙域には、1隻を除いてすべての宇宙戦闘艦艇が消滅していた。 かつて艦艇であったものは、無数の破片となって、宇宙を漂っている。 残った艦は、ナデシコであった。 そんな状況でも、朝倉涼子はゆったりとした態度を崩さなかった。 「さすがは、親衛艦隊。帝国の誉れといったところかしらね」 『第三区画に損傷。戦闘航行に支障なし』 「第三区画を閉鎖しなさい」 『閉鎖完了。これからどうするのですか?』 「ノヴァヤ・ロージナ星系で待機している予備艦隊にこちらに来るように命じなさい」 『了解』 予備艦隊は、星系同士を連結するハイゲートを光速の10%という猛烈なスピードで続々と通過していった。 そして、ハイパースペースジャンプで、次々とナデシコの周囲に集結していく。 「新たな敵艦隊。総数1432隻」 玉璽台が告げてきたその事実は、その場にいる者のほとんどを絶望の底につき落とすのに充分なものであった。 帝国にはもはやこれに対抗すべき戦力がない。 朝倉涼子は、指揮下の全艦に命じた 「全艦に命令。搭載全兵器を使用してトランター軍事施設を攻撃。ただし、皇帝宮殿区画は攻撃不可」 『なぜです?』 「帝国政府に降伏を認めさせなければならないもの」 『なるほど』 自由惑星同盟軍統合艦隊の全艦は、ありとあらゆる兵器をトランターに降り注がせた。 艦首ガンマ線レーザー砲、陽電子ビーム砲、電磁レールガン、反物質弾頭魚雷、マイクロブラックホール爆弾……ありとあらゆる兵器が地上に降り注いだ。 帝国側もありったけの地対宙兵器で応戦したが、しょせんは焼け石に水であった。 攻撃目標は軍事施設であったが、周囲の民間人を巻き込まないわけにはいかない。 地上の阿鼻叫喚の様子は、ナデシコ戦闘中枢指揮所のメインスクリーンにも映し出されていた。 「まるで、人間がゴミのようね」 朝倉涼子は、凄絶な笑みを浮かべながらそうつぶやいた。 オモイカネは、何も言わずに沈黙を守っていた。 「トランターの戦闘能力の99.9999325%を喪失」 玉璽台が淡々とそう報告する。 長門有希は、体を反転させ、皇帝に要請した。 「私に皇帝権限の委譲を」 「有希、何する気?」 「あなたには、安全な場所に移動してもらう。でも、私は後始末をつけなければならない」 「ちょっと、有希。あんた死ぬ気なの!?」 「違う。後始末を終えたら、私もあなたのところに行く」 「本当に?」 「私があなたとの約束を破ったことがある?」 長門有希は、じっと皇帝を見つめた。 「……分かったわ」 皇帝は、凛とした声で、おそらく皇帝としては最後となる命令を下した。 「玉璽台、応答しなさい!」 「音声認識、皇帝陛下。御命令をどうぞ」 「帝室典範第123条に基づき、皇帝権限を一時的に帝国宰相に委譲するわ」 「委譲範囲を指定してください」 「全部よ!」 それは、皇帝の帝国宰相に対する絶大なる信頼を示すものであった。 「了解。設定を完了いたしました」 長門有希は、手元のパネルを叩いた。 天井から等身大のカプセルが下りてきた。自動的に開く。 「入って」 長門有希に促され、皇帝はカプセルの中に入った。自動的に閉じる。 皇帝が何かを叫んでいたが、もはや聞こえない。 「皇帝陛下を緊急避難指定惑星に転移せよ」 「了解」 玉璽台の応答と同時に、カプセルは忽然と消え去った。 「転移を完了しました」 「帝室典範第143条に基づき、玉璽台より機密情報を消去せよ」 「了解。消去完了」 「敵艦隊司令長官宛に通信。『銀河帝国は貴艦隊に降伏を申し入れる』」 「了解。送信完了」 「皇帝宮殿に白旗を掲揚せよ」 「了解。白旗を掲揚します」 『帝国政府より、降伏の申し入れがありました』 「受諾すると返答しなさい。艦隊の各艦は、トランター低軌道で待機。陸戦隊は地上降下の準備をしなさい。私も降りるわ」 『お気をつけて』 1時間後。 低軌道から無数の揚陸艇がトランターの大地に降下していった。 朝倉涼子は、陸戦隊の兵士の護衛のもと、皇帝宮殿に乗り込んだ。 陸戦隊の兵士たちは、M89A5重機動装甲服に身を包んでいる。 兵士たちは、朝倉涼子の命令のもと、宮殿内にいる帝国政府の者たちを次々と屋外に連行していった。 宮殿内に残ったのは、帝国宰相長門有希ただ一人。 朝倉涼子は、その部屋に入り、兵士に長門有希の身体検査をさせて危険がないことを確認すると、護衛の兵士に廊下で待機しているよう命じた。 扉が閉じられる。 と同時に、長門有希は、遮音フィールドを部屋に展開した。 「お久しぶりね。長門さん」 朝倉涼子の挨拶に、長門有希は淡々と応じた。 「久しぶり。状況を知らせてもらいたい」 「予定どおり、陸戦隊は全部トランターに降ろしたわよ。艦隊も低軌道に待機。自由惑星同盟軍の全兵力の99%がここに集中してるわ」 長門有希は黙ってうなずいた。 そこに、忽然ともう一人の人物が現れた。 「トランター在住の涼宮ハルヒの子孫はすべて転移させましたよ。皇帝を除いて」 現れたのは、あの喜緑江美里であった。 「皇帝は私が転移させた。自由惑星同盟軍は?」 「ここにいる兵士たちの中に涼宮ハルヒの子孫がいないことは確認済みよ」 「了解した。では、最終工程に移るが、その前にこの後のことについて確認する。私は北方星域群と西方星域群、朝倉涼子は南方星域群、喜緑江美里は東方星域群において、涼宮ハルヒの子孫の観測及び保全の任務を継続する。それが情報統合思念体からの命令。よろしいか?」 「了解です、プレジデント」 「了解よ。でも、もったいないわね。あのナデシコは結構気に入ってたんだけどなぁ」 「やむをえない。銀河帝国滅亡後のパワーバランスを考慮すれば、強大な自由惑星同盟軍の存在は銀河規模の政情不安要素となる。政情不安は、涼宮ハルヒの子孫の保全にも悪影響を及ぼす」 「分かってるわよ。さっさとやっちゃって」 長門有希は、うなずくと、玉璽台に命じた。 「玉璽台、応答せよ」 「音声認識、皇帝代理長門有希。御命令をどうぞ」 「帝室典範第157条に基づき、特別非常措置をとる」 「了解。トランター惑星自爆装置起動します」 とある星系、とある惑星、とある避暑地、とある別荘。 かつて銀河帝国皇帝であった彼女は泣いていた。 Vネットで飛び交うのは、ここ数時間、ひたすら同じニュースだった。 惑星トランターの大爆発、1万2000年にもわたる歴史を有する銀河帝国の滅亡、自由惑星同盟軍の壊滅。ひたすらそのニュースが繰り返されている。 「有希……なんで……」 彼女は、泣きながら、つぶやき続けていた。 「なんで……。約束したじゃない……。なんで……死んじゃったのよ……」 「ひとを勝手に殺さないで」 彼女はあわてて振り向いた。 そこには、長門有希が立っていた。 「有希!」 彼女は、ものすごい勢いで長門有希に抱きついた。 「有希! 本当に有希なのね!?」 「私の偽者など存在しない」 長門有希は、ひたすら淡々と応じる。 「死んじゃったかと思ったじゃないの!」 「私は約束を守るといったはず」 長門有希は、自分の胸でひたすら泣きじゃくる涼宮ハルヒの子孫を優しく抱きしめた。
https://w.atwiki.jp/rakirowa/pages/28.html
キャラクター別SS追跡表 6/氏 No. タイトル 作者 登場人物 013 CHAOS;ROYAL ◆h6KpN01cDg 6/氏、阿部高和、桂ヒナギク、前原圭一 029 空を見上げる少女達の瞳に映る世界 ◆nkOrxPVn9c 地球破壊爆弾No.V-7、泉こなた、6/氏、桂言葉 044 ぶっちぎりバトルヴァンパイアーズ ◆DiyZPZG5M6 地球破壊爆弾No.V-7、泉こなた、6/氏、桂言葉 069 ネクストらき☆ロワヒント「窓からの視線」 ◆KX.Hw4puWg 泉こなた、地球破壊爆弾No.V-7、6/氏、結城奈緒 085 大都会交響楽大都会交響楽(中編)大都会交響楽(後編) ◆BOMB.pP2l. 地球破壊爆弾No.V-7、泉こなた、6/氏結城奈緒、忘却のウッカリデス、遊城十代阿部高和、ラッド・ルッソ、桂言葉、真・長門有希 099 涙の誓い(前編)涙の誓い(後編) ◆DiyZPZG5M6 小早川ゆたか、6/氏、泉こなた、柊かがみ、高町なのは(StS)、前原圭一 赤木しげる(13歳) No. タイトル 作者 登場人物 031 チートと神域と時々古代 ◆LcLEW3UbhI 武藤遊戯、赤木しげる(13歳) 052 隠し砦の三狂人 ◆OGtDqHizUM 赤木しげる(13歳)、ロアルド・アムンゼン(その3) 071 集結するカオス ◆LcLEW3UbhI 真・長門有希、南千秋、赤木しげる(13歳)、武藤遊戯、ロアルド・アムンゼン(その3) 079 バトルロワイヤルは鬼ばかり ◆OGtDqHizUM 桂言葉、真・長門有希、南千秋、赤木しげる(13歳)、武藤遊戯、ロアルド・アムンゼン(その3) 098 飢え「無我夢中」の無礼講 ◆EKhCqq9jsg 赤木しげる(19歳)、南春香、フェイト・T・ハラオウン、赤木しげる(13歳)、南千秋、素晴らしきフラグビルド 105 ココカラトワニ ◆EKhCqq9jsg 赤木しげる(13歳)、南千秋、素晴らしきフラグビルド、ランキング作成人 アナゴ No. タイトル 作者 登場人物 020 魔王アナゴに死ぬほど騒がれて眠れないCD ◆OGtDqHizUM アナゴ、6/氏(神) 022 烈火の爪(れっかのそう) ◆G/G2J7hV9Y シグナム、アナゴ 036 パラレルワールドって怖くね? ◆OGtDqHizUM スバル・ナカジマ、アルフォンス・エルリック、シグナム、アナゴ、でっていう 057 Double-Action Rascal formDouble-Action Rascal form(後編) ◆nkOrxPVn9c スバル・ナカジマ、アルフォンス・エルリック、シグナム、アナゴ、でっていう 100 MURDER×MURDER(前編)MURDER×MURDER(後編) ◆OGtDqHizUM スバル・ナカジマ、アルフォンス・エルリック、シグナム、アナゴ、衝撃のアルベルト 110 露骨なロワ人のテーゼ ◆EKhCqq9jsg 忘却のウッカリデス、アナゴ、阿部高和 121 童貞のまま30歳になれば俺も魔法少女になれるかな? ◆nkOrxPVn9c いさじ、村雨良、南千秋、素晴らしきフラグビルド、アナゴ 朝倉涼子 No. タイトル 作者 登場人物 007 アンドロイドvsホムンクルス ◆OGtDqHizUM パピヨン、朝倉涼子 059 GHOST IN THE SHELL ◆BOMB.pP2l. 朝倉涼子 092 紅 kure-nai ◆nkOrxPVn9c 岩崎みなみ、Dボウイ、朝倉涼子 106 赤い空の窓に消えていくあの子を呼ぶ ◆OGtDqHizUM 朝倉涼子、岩崎みなみ、Dボゥイ、6/氏(神) 笑点のピンク No. タイトル 作者 登場人物 002 笑いと歌と二人の決意 ◆KX.Hw4puWg いさじ、笑点のピンク 023 『笑☆点』 ◆nkOrxPVn9c いさじ、村雨良、笑点のピンク 066 ピンク色の誓い・らきロワ編 ◆G/G2J7hV9Y 熱血王子、笑点のピンク 真・長門有希 No. タイトル 作者 登場人物 017 愛ゆえに ◆EKhCqq9jsg 真・長門有希、高良みゆき 042 純白サンクチュアリィ ◆OGtDqHizUM 岩崎みなみ、Dボゥイ、真・長門有希 062 憂鬱アンドロイド ◆BOMB.pP2l. 真・長門有希、南千秋、ピッピ、川田章吾、静かなる~Chain-情~、ランキング作成人 071 集結するカオス ◆LcLEW3UbhI 真・長門有希、南千秋、赤木しげる(13歳)、武藤遊戯、ロアルド・アムンゼン(その3) 079 バトルロワイヤルは鬼ばかり ◆OGtDqHizUM 桂言葉、真・長門有希、南千秋、赤木しげる(13歳)、武藤遊戯、ロアルド・アムンゼン(その3) 085 大都会交響楽大都会交響楽(中編)大都会交響楽(後編) ◆BOMB.pP2l. 地球破壊爆弾No.V-7、泉こなた、6/氏結城奈緒、忘却のウッカリデス、遊城十代阿部高和、ラッド・ルッソ、桂言葉、真・長門有希 107 Bad-Ass ◆EKhCqq9jsg 真・長門有希 122 女はひとり道をゆく ◆OQfaQnysJI 真・長門有希 南千秋 No. タイトル 作者 登場人物 001 ロワ参加者として軸がぶれている ◆nkOrxPVn9c 南千秋、ピッピ 058 男の戦い ◆OGtDqHizUM 南千秋、ピッピ、川田章吾 062 憂鬱アンドロイド ◆BOMB.pP2l. 真・長門有希、南千秋、ピッピ、川田章吾、静かなる~Chain-情~、ランキング作成人 071 集結するカオス ◆LcLEW3UbhI 真・長門有希、南千秋、赤木しげる(13歳)、武藤遊戯、ロアルド・アムンゼン(その3) 079 バトルロワイヤルは鬼ばかり ◆OGtDqHizUM 桂言葉、真・長門有希、南千秋、赤木しげる(13歳)、武藤遊戯、ロアルド・アムンゼン(その3) 098 飢え「無我夢中」の無礼講 ◆EKhCqq9jsg 赤木しげる(19歳)、南春香、フェイト・T・ハラオウン、赤木しげる(13歳)、南千秋、素晴らしきフラグビルド 105 ココカラトワニ ◆EKhCqq9jsg 赤木しげる(13歳)、南千秋、素晴らしきフラグビルド、ランキング作成人 121 童貞のまま30歳になれば俺も魔法少女になれるかな? ◆nkOrxPVn9c いさじ、村雨良、南千秋、素晴らしきフラグビルド、アナゴ 南春香 No. タイトル 作者 登場人物 010 赤木しげるはシゲラナイ ◆EKhCqq9jsg 南春香、赤木しげる(19歳) 037 「狂気の沙汰ほどおもしろい…ッ!」 ◆75Ilw0PY2s 南春香、赤木しげる(19歳) 045 切り札はキミの中 ◆nkOrxPVn9c 南春香、赤木しげる(19歳) 074 Welcome to this crazy Time ◆EKhCqq9jsg 赤木しげる(19歳)、南春香、素晴らしきフラグビルド、フェイト・T・ハラオウン 076 夢のかけら ◆nkOrxPVn9c 赤木しげる(19歳)、南春香、素晴らしきフラグビルド、フェイト・T・ハラオウン 082 ……も死んだし、そろそろ本気出す ◆LcLEW3UbhI 赤木しげる(19歳)、南春香、素晴らしきフラグビルド、フェイト・T・ハラオウン 098 飢え「無我夢中」の無礼講 ◆EKhCqq9jsg 赤木しげる(19歳)、南春香、フェイト・T・ハラオウン、赤木しげる(13歳)、南千秋、素晴らしきフラグビルド 103 Ego-Eyes Glazing OverEgo-Eyes Glazing Over 後編 ◆nkOrxPVn9c 武藤遊戯、熱血王子、赤木しげる(19歳)、南春香、フェイト・T・ハラオウン 128 私にできること/一緒にできること ◆X5fSBupbmM 赤木しげる(19歳)、南春香、スバル・ナカジマ、涼宮ハルヒ、園崎魅音 武藤遊戯 No. タイトル 作者 登場人物 024 パロロワ大戦3~主催側の決意~ ◆KX.Hw4puWg 武藤遊戯、前原圭一(ニコ) 031 チートと神域と時々古代 ◆LcLEW3UbhI 武藤遊戯、赤木しげる(13歳) 071 集結するカオス ◆LcLEW3UbhI 真・長門有希、南千秋、赤木しげる(13歳)、武藤遊戯、ロアルド・アムンゼン(その3) 079 バトルロワイヤルは鬼ばかり ◆OGtDqHizUM 桂言葉、真・長門有希、南千秋、赤木しげる(13歳)、武藤遊戯、ロアルド・アムンゼン(その3) 103 Ego-Eyes Glazing OverEgo-Eyes Glazing Over 後編 ◆nkOrxPVn9c 武藤遊戯、熱血王子、赤木しげる(19歳)、南春香、フェイト・T・ハラオウン 124 Fuck you all niggaz wanna do! ◆EKhCqq9jsg かえる、武藤遊戯、熱血王子
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/4501.html
古泉一樹の誤算 この物語にはアレルギーを引き起こす恐れのある展開が含まれています。古ハルに拒絶反応が生じる方はご利用をお控えください。症状が見られた場合にはハルキョン甘々系を服用されることをお勧めします。 「……高度に発達した恋は、魔法と区別がつかない」 もくじ 古泉一樹の誤算 プロローグ 古泉一樹の誤算 一 章 古泉一樹の誤算 二 章 古泉一樹の誤算 三 章 古泉一樹の誤算 四 章 古泉一樹の誤算 五 章 古泉一樹の誤算 六 章 古泉一樹の誤算 七 章 古泉一樹の誤算 エピローグ おまけ(外部リンク) 関連作品(時系列順) 長門有希の憂鬱Ⅰ 長門有希の憂鬱II 長門有希の憂鬱III 涼宮ハルヒの経営I 古泉一樹の誤算 長門有希の憂鬱IV データ類 青空文庫版 プロット(Nami2000データ形式) 共著:◆kisekig7LI ◆nomad3yzec
https://w.atwiki.jp/lightsnow/pages/17.html
団栗の小説。 涼宮ハルヒの憂鬱 Title Main SON団 長門有希・キョン 佐々木と町歩き 佐々木・キョン 涼宮ハルヒの一言 長門有希・キョン SPY 長門有希・キョン 東方project Title Main 彼女なりの優しさ 魔理沙・パチュリー 「今年のバースデー、最高だったんです!」 美鈴・咲夜 オリジナル Title 行列は出来ないエステ 頑張れメリーさん
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/3845.html
自由惑星同盟軍統合艦隊は、銀河帝国首星トランター近傍宙域へのハイパースペースジャンプを完了した。 旗艦「ナデシコ」戦闘中枢指揮所では、司令長官朝倉涼子がゆったりと椅子に座っていた。 艦載メインコンピューター「オモイカネ」が、周辺情報を空中に映し出した文字で示す。 『前方に敵性艦隊を確認。銀河帝国親衛艦隊と判定。総数534隻』 「帝国最後の艦隊ね。さぁ、どんな戦いを見せてくれるかしら」 親衛艦隊534隻に対して、こちらは1543隻。優位は揺るがないが、油断はできない。 『楽しそうですね』 「戦争は私の仕事だもの。仕事は楽しんでやるに限るわ」 トランター、皇帝宮殿。 帝国宰相長門有希は、敵艦隊を確認すると、淡々とした声で命令した。 「玉璽台、応答せよ」 玉璽台は古典的な電子音声で応答した。 「音声認識、帝国宰相長門有希。御命令をどうぞ」 玉璽台には、帝国の全権力を象徴する立方体、すなわち玉璽が載っている。 「帝国親衛艦隊全艦の制御キーを帝国宰相に変更せよ。私が直接指揮をとる」 「了解。制御キー、変更しました」 長門有希は、制御キーの変更を確認すると、手元のパネルを猛烈な勢いで叩き始めた。音声命令よりもこちらの方が早いと判断してのことだった。 猛烈な勢いでパネルを叩く彼女を、後ろの席で座っている皇帝は目を見開きながら見ていた。 しかし、おそらく帝国最後の皇帝になるであろう彼女は、特に口をさしはさむようなことはしなかった。 『敵艦隊、ハイパースペースジャンプを開始』 朝倉涼子が「どこへ?」と問う暇すらなく、敵艦隊はハイパースペースジャンプを完了していた。 オモイカネが、敵艦隊と自艦隊の位置関係を空中に三次元映像として示した。 敵艦隊は、球形陣を形成する自艦隊の内部に現れていた。 長門有希は、親衛艦隊の全艦に対して、「全兵器使用自由(オールウェポンズフリー)、最寄の敵艦を攻撃せよ」を下令。 朝倉涼子は、自艦隊全艦の制御キーを自分に移すと同時に、手元のパネルを猛烈な勢いで叩き始めた。 10分後。 その宙域には、1隻を除いてすべての宇宙戦闘艦艇が消滅していた。 かつて艦艇であったものは、無数の破片となって、宇宙を漂っている。 残った艦は、ナデシコであった。 そんな状況でも、朝倉涼子はゆったりとした態度を崩さなかった。 「さすがは、親衛艦隊。帝国の誉れといったところかしらね」 『第三区画に損傷。戦闘航行に支障なし』 「第三区画を閉鎖しなさい」 『閉鎖完了。これからどうするのですか?』 「ノヴァヤ・ロージナ星系で待機している予備艦隊にこちらに来るように命じなさい」 『了解』 予備艦隊は、星系同士を連結するハイゲートを光速の10%という猛烈なスピードで続々と通過していった。 そして、ハイパースペースジャンプで、次々とナデシコの周囲に集結していく。 「新たな敵艦隊。総数1432隻」 玉璽台が告げてきたその事実は、その場にいる者のほとんどを絶望の底につき落とすのに充分なものであった。 帝国にはもはやこれに対抗すべき戦力がない。 朝倉涼子は、指揮下の全艦に命じた 「全艦に命令。搭載全兵器を使用してトランター軍事施設を攻撃。ただし、皇帝宮殿区画は攻撃不可」 『なぜです?』 「帝国政府に降伏を認めさせなければならないもの」 『なるほど』 自由惑星同盟軍統合艦隊の全艦は、ありとあらゆる兵器をトランターに降り注がせた。 艦首ガンマ線レーザー砲、陽電子ビーム砲、電磁レールガン、反物質弾頭魚雷、マイクロブラックホール爆弾……ありとあらゆる兵器が地上に降り注いだ。 帝国側もありったけの地対宙兵器で応戦したが、しょせんは焼け石に水であった。 攻撃目標は軍事施設であったが、周囲の民間人を巻き込まないわけにはいかない。 地上の阿鼻叫喚の様子は、ナデシコ戦闘中枢指揮所のメインスクリーンにも映し出されていた。 「まるで、人間がゴミのようね」 朝倉涼子は、凄絶な笑みを浮かべながらそうつぶやいた。 オモイカネは、何も言わずに沈黙を守っていた。 「トランターの戦闘能力の99.9999325%を喪失」 玉璽台が淡々とそう報告する。 長門有希は、体を反転させ、皇帝に要請した。 「私に皇帝権限の委譲を」 「有希、何する気?」 「あなたには、安全な場所に移動してもらう。でも、私は後始末をつけなければならない」 「ちょっと、有希。あんた死ぬ気なの!?」 「違う。後始末を終えたら、私もあなたのところに行く」 「本当に?」 「私があなたとの約束を破ったことがある?」 長門有希は、じっと皇帝を見つめた。 「……分かったわ」 皇帝は、凛とした声で、おそらく皇帝としては最後となる命令を下した。 「玉璽台、応答しなさい!」 「音声認識、皇帝陛下。御命令をどうぞ」 「帝室典範第123条に基づき、皇帝権限を一時的に帝国宰相に委譲するわ」 「委譲範囲を指定してください」 「全部よ!」 それは、皇帝の帝国宰相に対する絶大なる信頼を示すものであった。 「了解。設定を完了いたしました」 長門有希は、手元のパネルを叩いた。 天井から等身大のカプセルが下りてきた。自動的に開く。 「入って」 長門有希に促され、皇帝はカプセルの中に入った。自動的に閉じる。 皇帝が何かを叫んでいたが、もはや聞こえない。 「皇帝陛下を緊急避難指定惑星に転移せよ」 「了解」 玉璽台の応答と同時に、カプセルは忽然と消え去った。 「転移を完了しました」 「帝室典範第143条に基づき、玉璽台より機密情報を消去せよ」 「了解。消去完了」 「敵艦隊司令長官宛に通信。『銀河帝国は貴艦隊に降伏を申し入れる』」 「了解。送信完了」 「皇帝宮殿に白旗を掲揚せよ」 「了解。白旗を掲揚します」 『帝国政府より、降伏の申し入れがありました』 「受諾すると返答しなさい。艦隊の各艦は、トランター低軌道で待機。陸戦隊は地上降下の準備をしなさい。私も降りるわ」 『お気をつけて』 1時間後。 低軌道から無数の揚陸艇がトランターの大地に降下していった。 朝倉涼子は、陸戦隊の兵士の護衛のもと、皇帝宮殿に乗り込んだ。 陸戦隊の兵士たちは、M89A5重機動装甲服に身を包んでいる。 兵士たちは、朝倉涼子の命令のもと、宮殿内にいる帝国政府の者たちを次々と屋外に連行していった。 宮殿内に残ったのは、帝国宰相長門有希ただ一人。 朝倉涼子は、その部屋に入り、兵士に長門有希の身体検査をさせて危険がないことを確認すると、護衛の兵士に廊下で待機しているよう命じた。 扉が閉じられる。 と同時に、長門有希は、遮音フィールドを部屋に展開した。 「お久しぶりね。長門さん」 朝倉涼子の挨拶に、長門有希は淡々と応じた。 「久しぶり。状況を知らせてもらいたい」 「予定どおり、陸戦隊は全部トランターに降ろしたわよ。艦隊も低軌道に待機。自由惑星同盟軍の全兵力の99%がここに集中してるわ」 長門有希は黙ってうなずいた。 そこに、忽然ともう一人の人物が現れた。 「トランター在住の涼宮ハルヒの子孫はすべて転移させましたよ。皇帝を除いて」 現れたのは、あの喜緑江美里であった。 「皇帝は私が転移させた。自由惑星同盟軍は?」 「ここにいる兵士たちの中に涼宮ハルヒの子孫がいないことは確認済みよ」 「了解した。では、最終工程に移るが、その前にこの後のことについて確認する。私は北方星域群と西方星域群、朝倉涼子は南方星域群、喜緑江美里は東方星域群において、涼宮ハルヒの子孫の観測及び保全の任務を継続する。それが情報統合思念体からの命令。よろしいか?」 「了解です、プレジデント」 「了解よ。でも、もったいないわね。あのナデシコは結構気に入ってたんだけどなぁ」 「やむをえない。銀河帝国滅亡後のパワーバランスを考慮すれば、強大な自由惑星同盟軍の存在は銀河規模の政情不安要素となる。政情不安は、涼宮ハルヒの子孫の保全にも悪影響を及ぼす」 「分かってるわよ。さっさとやっちゃって」 長門有希は、うなずくと、玉璽台に命じた。 「玉璽台、応答せよ」 「音声認識、皇帝代理長門有希。御命令をどうぞ」 「帝室典範第157条に基づき、特別非常措置をとる」 「了解。トランター惑星自爆装置起動します」 とある星系、とある惑星、とある避暑地、とある別荘。 かつて銀河帝国皇帝であった彼女は泣いていた。 Vネットで飛び交うのは、ここ数時間、ひたすら同じニュースだった。 惑星トランターの大爆発、1万2000年にもわたる歴史を有する銀河帝国の滅亡、自由惑星同盟軍の壊滅。ひたすらそのニュースが繰り返されている。 「有希……なんで……」 彼女は、泣きながら、つぶやき続けていた。 「なんで……。約束したじゃない……。なんで……死んじゃったのよ……」 「ひとを勝手に殺さないで」 彼女はあわてて振り向いた。 そこには、長門有希が立っていた。 「有希!」 彼女は、ものすごい勢いで長門有希に抱きついた。 「有希! 本当に有希なのね!?」 「私の偽者など存在しない」 長門有希は、ひたすら淡々と応じる。 「死んじゃったかと思ったじゃないの!」 「私は約束を守るといったはず」 長門有希は、自分の胸でひたすら泣きじゃくる涼宮ハルヒの子孫を優しく抱きしめた。
https://w.atwiki.jp/ichirorpg51/pages/332.html
術技:長門チート 概要 長門有希がミニゲーム:瞬間!数字足し合わせて!を救済なしでクリアすることで習得できる補助技。 使用すると味方全体の攻撃力を上昇できるシンプルながらも強力な効果。 コストもあるので最大まで積む必要はないが、1回だけでも十分強い(*1)。
https://w.atwiki.jp/ln_alter2/pages/93.html
【涼宮ハルヒの憂鬱】からの支給品 【北高のセーラー服@涼宮ハルヒの憂鬱】 伊里野加奈に支給された。 初出は031星をみるひと 【コンバットナイフ@涼宮ハルヒの憂鬱】 川嶋亜美に支給された。 初出は012Noblesse Oblige-王族の義務とその意味- 【シャミセン@涼宮ハルヒの憂鬱】 ティーに支給された。 初出は022ネコの話 ―― Girl meets Girl ―― キョンの家で飼われている元・野良猫。非常に珍しいオスの三毛猫。 猫にしてはやけに大人しい性格で、人の言うことをよく聞く。三大欲求の中で睡眠欲が突出している。 参戦時期は2巻目に当たる『涼宮ハルヒの溜息』の途中から。 ハルヒの『力』の影響で、人の言葉を喋れるようになった模様。妙に観念的な発言をする。 【ハイペリオン(小説)@涼宮ハルヒの憂鬱】 長門有希に支給された。 初出は015栞――(死因) キョンが始めて文芸部部室に入った時、長門有希が読んでいた本。 またその後、彼女が彼に貸した本でもある。 【長門有希の栞@涼宮ハルヒの憂鬱】 長門有希に支給された。 初出は015栞――(死因) ハイペリオン(小説)に挟んである長門有希の栞。 ファンシーな花柄模様で片面には彼女からキョンに向けてのメッセージが記されている。 【ホーミングバット@涼宮ハルヒの憂鬱】 古泉一樹に支給された。 初出は102スキルエンカウンター 古泉一樹の挑戦 野球の試合で長門が細工した、金属製のインチキバット。 属性情報をブースト変更。ホーミングモード。
https://w.atwiki.jp/ebnetwork34/pages/41.html
♪長門有希♪ 基本情報 JOB;ドルイド LV69/32 ♀ 種族;天 自己紹介 好き;う~ん・・・アニメ、声優関係ですかね~ 嫌い;刺激物、辛い食べ物 休みすぎの上司w 2007-01-14 Ver-1.00 .
https://w.atwiki.jp/rowamousou/pages/573.html
被害者名 加害者名 死因 凶器 綾波レイ(モグ波) ロールシャッハ 全身の骨を折られる 素手 長門有希 長門有希 自殺 やる夫 野原みさえ 刺殺 綿月豊姫 五代雄介 撲殺 ブラックホール 鬼柳京介 消滅 ホワイトホールのカード 4527 ヴァーミリオン・CD・ヘイズ 分解消滅 虚無の領域 ガロン塚本 織田信長 斬殺 フィア ミカエル 即死魔法の直撃 ハマ せんとくん ふなっしー 刺殺 至郎田正影の包丁 最期の言葉 名前 セリフ 綾波レイ(モグ波) 「あがッ……!ぎッ……」 長門有希 「ずっと……一緒に……」 やる夫 「旦那さんを探すお!会って話せば考え直してくれるお!大丈夫だお!」 綿月豊姫 「カハッ…五代さん…どう…して…」 ブラックホール *セリフなし 4527 「はッ!何をしようがあたしに効くわけ―――」 ガロン塚本 「ああ……もっと、出したかっ、た……」 フィア 「みんなのために頑張ったあなた自身を、好きになってあげて……」 せんとくん 「た、体勢を立て直さな……がっ」 殺害数 順位 該当者 人数 被害者 生存状況 スタンス 1位 綾波レイ(モグ波) 3人 キョン、主人公(パワプロ9)、庵野秀明 死亡 マーダー(無自覚) 2位T フレディ・クルーガー 1人 浜渡浩満 生存 マーダー(無差別) ストライダー飛竜 キング 生存 危険対主催 ゾフィー リチャード・ホーク 生存 マーダー(無差別) ブレドラン 巴マミ 生存 ジョーカー ロールシャッハ 綾波レイ(モグ波) 生存 危険対主催 長門有希 長門有希 死亡 対主催→精神崩壊 野原みさえ やる夫 生存 対主催→奉仕マーダー(野原しんのすけ) 五代雄介 綿月豊姫 生存 対主催→暴走 鬼柳京介 ブラックホール 生存 対主催 ヴァーミリオン・CD・ヘイズ 4527 生存 対主催 織田信長 ガロン塚本 生存 危険対主催 ふなっしー せんとくん 生存 錯乱→発狂マーダー ミカエル フィア 生存 主催者
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/2993.html
The melancholy of Cupid 新入生もそろそろ初々しさを失い、彼らもまあ人生こんなもんかという高校生的悟りを開いた頃、俺も高校生最後の一年間に足を踏み入れてそろそろ一ヶ月が経とうとしている。クラス編成はたぶん説明するまでもないだろうな。俺とハルヒはなぜかそのまま繰り上げ文系、古泉と長門は理系クラスへ進級した。単なる偶然かあるいは誰かの意図か四人とも同じ国立を志望していて、俺は模試が来るたびにハルヒの課外講習を受けているありさまだ。ハルヒに付き合ってまで進学校を選ぶなんて、俺も自主性がないのか人がよすぎるのか、どっちでも同じだが。最後には神頼み的ハルヒの力でなんとか試験合格させてもらえないかなどと、甘いことを考えている自分を恥じていたりもする。 SOS団はなんの変わり映えもしない、はっきり言えばマンネリ化だな。昔に流行ったタイトルをリメイク、リキャストして出しなおす英雄モノの映画みたいに、去年のイベントに手を変え品を変え再利用しているのが、今日この頃のハルヒだ。さすがのお前もそろそろネタ切れか、ハルヒ。 俺はといえばあの事件以来、たまにだが、長門を誘うようになった。 たとえば日曜の朝、本を買いにでかけようと玄関で靴を履きながら、ひとりで行くより誰かを連れて行きたいなと考える。妹を連れて行った日にゃおもちゃやらケーキやらの前でじっと動かないし、卒業してから会っていない朝比奈さんを誘えたらいいんだが誘うとまたハルヒの不機嫌の虫が暴れだすだろうし、古泉?この世界が閉鎖空間になっちまってもあいつとだけはデートはしたくない。じゃあハルヒか、あいつは持てる全エネルギーでぶつかってくるんで気が休まらん。 こんな感じで、消去法でいくと長門しかいないわけだ。別に付き合うとか、長門を恋愛の対象として見てたわけじゃない。言い訳じみて聞こえるかもしれないが、俺が出かけるついでに長門も連れて行ってやろうかとふと思うことがたびたびあっただけだ。 休みの日に長門をひとりにしておくべきでないような、なんとなくそんな気になる。殺風景な部屋でじっとしている長門を想像すると、心のどこかにモヤモヤしたものが生まれてしまう。部屋の白い壁と同化してそのまま消え入ってしまいそうな気さえする。 休日の朝、電話をかけると長門もとくに用事もないようでいそいそとついてきた。図書館に行って長門が気の済むまで借りる本を品定めしたあと、たまにだが映画に行ったり、ごくごくたまにだが飯を食いに行ったり、まれに地元のイベントに行ったりしていた。無論、俺が誘うのだから俺のおごりだ。そういう日には不思議と財布の中身にも余裕があった。 一度ゲーセンに行ったときには、長門がファイター系のゲームをはじめてしまって止まらなかったことがあった。 無駄のない動き、炸裂するコンボ技、目にもとまらないコントローラの操作。むかし炎のコマとかあったっけ。ギャラリが集まってきてオオッとかスゲーとか、セーラー服のきゃしゃな女の子がやってるもんだから、やたら歓声が上がったりしていた。 俺はゲーマーの群れから離れて、ひとり缶コーヒーを何本か飲みながら暇を持て余していた。手持ち無沙汰にUFOキャッチャーで取ったぬいぐるみをいじっていた。 二時間くらいしてやっと終わり、長門の妙に達成感に充たされた表情を見て俺は笑った。グッジョブ。おつかれさま。 それから光陽園駅まで戻り、そこで別れる。そんなことを何度か繰り返していた。 「じゃ、またな」 「……」 俺も別れを惜しんだりしないし、長門もいつまでも手を振っていたりはしない。たまに、俺が千二百円くらいかけてやっとゲットしたヌイグルミを大事そうに抱えている以外は。 二人とも極めてドライだった。他人が見れば、兄と妹だと思っても違和感はないくらいにカラリとした付き合いだった。俺はこんな、お互いになんの気兼ねもない関係が続けばいいと思っていたんだ。 ところがそうは思わなかったやつがいた。涼宮ハルヒである。 「キョン、谷口に聞いたんだけど、あんた有希と付き合ってんの?」 俺は飲んでいたお茶を噴いた。長門が読んでいた本から顔を上げた。目を丸くしている。 「な、なにを根拠にそんなでっち上げを!?」 だが予想はしていたことかもしれない。なにもやましいことはないはずなのに、俺は妙にうろたえた。 「あんたと有希が駅前を歩いてるのを何度か見たらしいんだけどね」 「でっち上げだ!濡れ衣だ!冤罪にもほどがある、弁護士を要求する」 「なにムキになってんの。なんでもないならいいじゃないの」 「……わたしたちに特別な関係はない」長門は本に視線を戻してボソボソと言った。 「まあ、キョンが誰と付き合おうが自由だけどね」 ハルヒが横目にお茶をすすりながら言った。内心ほっとした。というかまわりから見れば、俺と長門の関係は微妙で曖昧かもしれんな。 話はそれだけでは終わらない。 翌日俺が部室のドアを開けるなり、ハルヒが叫んだ。 「キョン、有希。ちょっとあんたたち、マジで付き合ってるんじゃないの?」 唐突にハルヒが言った。長門と俺は目を見合わせた。 「なんなのよ、その目と目で暗黙の示し合いは」 ハルヒのイライラ度指数が急上昇してきた。まずい。 「昨日あんたが有希のマンションに入るのを見たのよ!」 うわ……まじか。俺は自宅前で絶世の美女といるところをフォーカスされた有名人のようにうろたえた。 「付き合ってるというわけでもなくてな。いやまあ、ときどき一緒に図書館に行ってる程度なんだが……」 「一人暮らしの女の部屋に上がりこむのはね、世間では付き合ってるって言うのよ」 「お前にとやかく言われる筋合いのことじゃないと思うが」 「あたしが言ってるのはね、あたしに嘘をついてまで付き合ってるのが気に入らないってことよ!」 俺には取り付く島がなかった。 「SOS団は、あたしはいったい何なの、ただの同級生?見せかけの信頼関係だったの?」 「たまにいっしょに出かけるくらいで、お前が考えてるような関係じゃないんだけどな」 「じゃあなんで嘘をついたのよ」 「いやなんというかな、ハルヒ、俺は別に悪気があったわけじゃ……」 どうにもごまかしようのない事態になってきた。古泉に助け舟を求める視線を投げてみるが、この野郎、笑ってやがる。 「有希も黙ってないでなんとか言いなさいよ。あんただけは信用してたのに」 「……わたしは間違ったことはしていないし、言ってもいない」 長門は本から目を離さず、抑揚のない声で言った。それがハルヒの逆鱗に触れたようだ。ハルヒは机をげんこつでドンと叩いた。湯飲みが震えてお茶がこぼれた。 「有希、あんたここから出て行って」 「……」 長門はじっとハルヒを見つめた。それから本棚から本を数冊抜き取って脇に抱え、何も言わずに出て行った。ハルヒのこめかみに青筋が立っている。 「ハルヒ、言い過ぎだぞ。長門は元々文芸部の人間だろうが」 「なによ、事実上SOS団のメンバーじゃないの。あたしは団長よ。上司の言うことは絶対なのよ」 「お前、もうちょっと大人かと思ってたが全然ガキじゃないか」 「あたしに向かって嘘をつく団員なんかクビよ!」 「長門は嘘はついてないだろうが!」 「もう、その辺で」古泉が割って入った。 「気分悪いわ。今日は帰る」 ハルヒはカバンをひっつかんでドタドタと出て行った。ガラスが割れそうな勢いでドアを閉めた。壁の粉がパラパラと落ちた。 「お気持ちは分かりますが、ここは暴走させない方向でお願いします」 古泉がすがるように俺を見る。 「んなこた言われなくても分かってるさ。だがいったいいつになったらハルヒは大人になるんだ」 「待つしかありません。しかし今回の件はあなたに責任がある」 「俺が誰と付き合おうとあいつの許可はいらん」 っていうか、付き合ってるわけじゃないのに俺。 「ですが、嘘は涼宮さんを怒らせる要因にはなります。それに……」 「それに何だ」 「嫉妬だとは考えられませんか」 「ハルヒが嫉妬?」 「前にあなたが涼宮さんもろとも閉鎖空間に行ってしまったときのことを、よもやお忘れではないでしょう」 思い出したくもない……あれは悪夢だ。 「あれは涼宮さんが望んだからそうなった。その要因を作ったのはあなたと朝比奈さんだった」 「まったく……。ハルヒは俺のタイプじゃない」 「なにも恋愛しろと言っているわけではないんです」 いまいましいことに俺は古泉に説教されている。 「あなたの言動は涼宮さんの精神状態に影響するんです」 「じゃあ俺は死ぬまでハルヒの子守りをしなきゃならんのか」 「そうです」 なんてこった。俺は頭を抱えた。 「ですが、徐々に環境を変えていくことはできます。たとえば将来、あなたが別の誰かと結婚することになっても、涼宮さんを暴走させないでいるだけの環境に」 「ハルヒは嫌いじゃない。だがときどき俺の手にあまることもあるんだ。俺自身の人生は俺が決めてもいいだろう?」 なぜか弱腰だ。 「もちろんです」 そのとき、誰かの携帯が鳴った。俺ではなく古泉のほうだった。 「どうやら涼宮さんのイライラが限界に達したようです。バイトに行かなくてはなりません」 「そうか。すまんな」なんで俺が謝るんだ。 「できれば僕がとりなしておきますよ。明日また会いましょう」 しかしまあ、恋愛のレの字もないのに恋愛沙汰とは。俺もヤキが回った。 その日は結局、長門は戻って来ず、ハルヒにも会わなかった。長門は嘘をついたわけではないが、ハルヒに正確なところを伝えていない。それも要因のひとつだ。俺は嘘でお茶を濁そうとした。……なんてこった、俺が悪いのか。ハルヒがわがまま過ぎるのは論外だが。 次の日、俺はなんとかハルヒと和解しようと試みたんだが、ずっと無視されっぱなしで立つ瀬がなかった。ハルヒをなだめたりすかしたりするなんて、俺もうこんな人生いやだ。 その日、ハルヒはとうとう部室に来なかった。当然、長門もだ。 「僕にも立つ瀬がありません」 古泉の和解工作も失敗したらしい。 ── 聞いた話になる。 「涼宮さん、僕たちが出会ってからもう二年が経つんですね」 「なにが言いたいの。愛の告白なら間に合ってるわ」 「そうではありません。僕たち、というのはSOS団のメンバーのことです」 「それがどうかしたの」 「今までいろんなことがありましたね。宇宙艦隊を指揮して獅子奮迅の戦いをしたり、雪山で遭難しそうになって助け合ったり、SOS団の存亡かけて生徒会と戦ったり」 「だから?」 「僕たちはかつてないほどの最高のチームだとは思いませんか」 「まあ、それは認めるわ」 「こんなつまらないことで仲たがいするのはやめましょうよ」 「つまらないこととはなによ。あたしは本気で怒ってるんだから」 「長門さんも悪気はなかったんだと思いますよ」 「あたしは有希のことを言ってるんじゃないの。キョンがあたしに隠れてこそこそしてるのが気に入らないの」 「つまり……どうしろと」 「付き合うのか付き合わないのか、はっきりしなさいってことよ」 「でもあの二人ですから。そう簡単には白黒がつくとは思えないですが」 「古泉君、あんたどっちの味方なの」 「えっ……。もちろん僕は涼宮さんの味方です」 「よろしい」 「、ということなんですよ」 「ということじゃないよ、全然フォローになってないじゃないかよ」 「面目ありません」 ハルヒの腰巾着め。 「あなたは涼宮さんに第一の信頼を置かれている人です。そのあなたが涼宮さんに悟られないように行動しているのが、彼女には気に入らないのでしょう」 「俺は隠れてるわけじゃないんだがな」 「本当にそうと言い切れますか?長門さんを誘うとき、涼宮さんに遭遇しないよう配慮したりしませんか」 ズバリ言われて、ぐうの音も出ない。 「ここはひとつ、オープンに行きませんか」 「どういうことだ」 「二人の状況を正直に話すんです。分からないことは分からないでもいい。どういうきっかけで一緒に出かけるようになったんだとか」 「まあその程度なら。でも、なんでも教える必要があるのか」 「それはもちろん、」古泉はひと呼吸置いた。「あなたがたを引き合わせたのは涼宮さんですから」 休み時間に携帯が鳴った。 「もしもし、キョン君?喜緑です」ひさしぶりに聞く声だ。 「これはどうも、おひさしぶりです」 俺はハルヒに聞こえないようにと教室を出た。喜緑さんにはいろいろと影になり日向になりお世話になっていて、困ったときの救いの女神だ。 「あの……長門さんのことでちょっと話したいんですけど、今日は忙しいですか?」 「いえいえ、俺はいつでも暇ですよ」 ここんとこSOS団の活動は停止している。 「じゃあ、学校が引けたら光陽園駅前で会ってもらえます?」 「いいですよ。六限が終えたら電話入れます」 長門とハルヒの仲裁に来たのだろうか。今日、ハルヒはとうとう口を利かなかった。俺もムキになって無視し続けた。子供っぽいにもほどがある。 ホームルーム後、俺は古泉に電話して今日は休むと伝えた。 「長門のことで喜緑さんに呼び出された」 「ああ、そういうことですか。行ってらっしゃい。涼宮さんには伝えておきます。それはそうと、昨日の神人狩りはすごかったですよ。見せたかったです」 あんまり見物したくなるようなシロモノじゃないんだが。 「おひさしぶりです。先日はいろいろとありがとうございました」 ついこないだ会ったばかりなのに、なんだかずいぶん昔のことのような気がした。 喜緑さんは卒業後、たぶんハルヒの志望校と同じなんだろうけど、大学生になり、見た目もずいぶん大人っぽくなった。セーラー服じゃないからかもしれないが、なんだか妙にお姉さんっぽい雰囲気に包まれていた。 喫茶店に入ると、喜緑さんは本題を切り出した。いつものように前置きがない。 「長門さんがあんまり強情なので、情報統合思念体が解任しようかと動いてるんです」 「そんな。長門はよくやっていますよ」 「いつだったか異時間同位体とのリンクを拒んだ理由、覚えてます?」 「ええ。長門自ら、“自分がいやだから”とか言ってましたっけ」 「あの頃から長門さんは、なんというか今の、現時点の自分の個を主張する傾向にあって」 「もともと主張がなさすぎたから、ふつーになったんじゃありませんか。朝倉みたいに主張が強すぎるのも問題ですが」 「ええ。それは分かるんです。でも任務に支障をきたすようになってきたんで、上のほうでも懸念してまして」 「今回のことは俺が悪いんです。なんというかこう、人間には曖昧な部分がたくさんあって、たまに関係がこじれるんです」 「分かりますわ。私が来たのはただ、長門さんに任務を遂行するよう伝えるためなんです」 「喜緑さん、思念体の言いたいことは分かります。でもあんまり長門を叱らないでやってください。悪いのは俺とハルヒなんです」 喜緑さんはにっこりと微笑んだ。 「キョン君は優しいんですね」 「長門と知り合ってからいろいろあって、一緒に危機を乗り越えたり、異世界に行ったり、泣いたり笑ったりがあって。今では俺と長門の間には特別な信頼みたいなものがあるんです。そこにハルヒが子供みたいに嫉妬して、こういう状態になってしまったわけで。なにをされても怒ることすらなかった長門に、今は守りたいものがあるんです」 長門のことになるとなんでこんなに饒舌になるのか、自分でもよく分からないんだが。 功を奏したのか、喜緑さんは少し考え込んだふうだった。 「そうなのですね……分かりましたわ。それにしても、長門さんもずいぶん人間っぽくなりましたね」 「ええ。みんなが思うよりずっと人間臭いと思います」 「たぶん、あなたのその感性が彼女を変えたんだと思いますよ」 「え……」 言葉にならなかった。 「有希のマンションでなにしてたのよ」 翌日の四限の終わりに、弁当を持って外に出ようとしたところ、ハルヒが唐突に切り出した。 「あんた、有希のマンションでなにしてたのよ」 「なんというかな。いつだったか話したろ、長門が親類のところに引っ越すとかどうとか」 「あれとどう関係があるのよ」 「いや、あれからときどき身の上相談に乗ってやっててだな」 「それで付き合うようになったわけ?」 「いや、だから一般に言うような男と女の付き合いじゃないんだって」 「じゃあなんで隠してたのよ。やましいことがあるからでしょ」 「隠してたわけじゃなくて、誤解されそうだったからあえて誰にも言わなかったというか。谷口はアレだし」 「隠したってもう周知の事実よ」 それはまあ、人の噂も八十日というから気にはしてないんだが。 「あたしは隠れてコソコソされるのが嫌いなの」 「ああ、分かってるよ。悪かった」 「謝ってるのそれ」 「そうだ」 「まあ、いいわ。最初からそう説明してくれれば……」 言い淀んだハルヒは、なにごとか考えているようだった。 「あんた、有希とまじめに付き合うとか考えないの?」 「うーん……」 俺は少し考え込んだ。俺にとって長門って何なんだろう。同級生、部活のメンバー、頼れる宇宙人、でもときどき守ってやらないといけない宇宙人、ほかにもなんだかあるが。 「分からん。そうなるのかもしれないし、ならないのかもしれない」 しかしながらハルヒの次の一言は、正直こたえた。 「キョン、有希を泣かせたらあたしがタダじゃおかないからね」 Someday over the rainbowへ