約 1,042,371 件
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/3594.html
マクロスなのは 第14話『決戦の果てに・・・・・・』←この前の話 『マクロスなのは』第15話「魔導士とバルキリー」 後方のはやては爆撃のチャージに入っていた。 「『ホークアイ』、敵の正確な座標を送ってください!」 『了解。二佐の火器管制デバイス(はやての場合はリィンフォースⅡ)へ座標を送信します。1発でかいのを頼みますよ!』 「了解や。任しとき!」 「・・・・・・来ました!未来位置予測開始・・・・・・着弾位置、高度1万メートル。座標、0120-333-906。30秒以内に爆撃してください!」 リインフォースⅡが報告する。 (なんだか聞いたことある番号やな・・・・・・) 一瞬思考を巡らせたはやてだが、今はそんな時ではない。先ほどと同様、合計6つの魔法陣を展開。時間がないため負担が大きいが予備チャージ と詠唱を破棄する。 「フレース、ヴェルグ!」 すると魔法陣より再び白い光の奔流が発射される。しかし予備チャージしなかったので同時にデバイスの魔力コンデンサがオーバーフローして セーフモードに突入した。 バリアジャケットを除く全ての魔法が消失し、融合するリィンの飛行魔法で何とか高度を保つ。 そして詠唱破棄したときの全身に来るピリピリとした痺れにも似た痛みに耐えながらAWACS経由のJTIDS(統合戦術情報分配システム)の戦術俯瞰図を流し見る。 そこではバルキリー隊と魔導士各隊が指示通りの位置に防衛ラインを構築している様子が伺えた。 範囲攻撃に特化した自分はこれから起こるであろうガジェットとの戦闘への参加は、この一撃が最初で最後となる。 確かに全く関与しないわけではないが、それは指揮任務であって実際に目視して戦う彼らとは次元が違う。 彼女は心の中で『みんな頑張ってや!』とエールを送ると、意識を誘導に集束させた。 (*) ゴーストは高空へ。ガジェットは低空にそれぞれ分かれたため、集合したフロンティア基地航空隊は高空にて迎撃態勢に入っていた。 演習に参加した25機の内15機が演習で撃墜され、演習中止までフロンティア航空基地で整備していた。 そのため迎撃するフロンティア基地航空隊の戦力は残った9機(ライアン二尉は現在急行中)と、付近に警戒配備されていた2期生操るVF-1A部隊25機の合計34機。 50を超えるゴーストを相手にするには少し心許ないが、これでも現状出来うる限りの全戦力だった。 しかしそれでも隊の士気は高い。なぜならMMリアクターは一定時間無負荷で休ませたため満タンになっているし、弾薬もVF-1A部隊の持ってきた実弾を補給、換装していた。 そして何よりスペック上ではなく、本当に高ランク魔導士部隊と対等以上に渡り合える事が証明された事が大きかった。 彼らの横を白い光の奔流が通りすぎていく。はやての魔力爆撃だ。 それは遥か前方で炸裂すると、敵をその圧倒的な魔力衝撃波で破砕していった。 この凄まじさに隊の者は一様に息を飲む。 『自分たちはあんなものに狙われていたのか・・・・・・』 と。 幾つかの編隊に分かれていたゴーストだが、その衝撃波に触れた瞬間粉微塵になる。 あのゴーストはどうやらリニアレール攻防戦の時の自律AIでも、最新ゴーストの純正AIである『ユダ・システム』も搭載していないようだ。おそらくガジェットの物を流用して一本化しているのだろう。 狡猾な彼らは本来なら退避する所だが、愚直なまでに直進。その半数ほどが撃破された。 『すげぇ・・・・・・』 2期生の1人が呟く。 VF-25のセンサーによると、それは5発でキロトン級の対空反応弾2発に匹敵する空間制圧力を示していた。 だがアルトはいつの間にかディスプレイから目を離し、その〝花火〟に見とれていた。それは破壊の光だが、反応弾と違ってただひたすら美しい光景だった。 『こちら『ホークアイ』。今の爆撃によりガジェットは4分の1、ゴーストは3分の1が撃破された。今後爆撃の支援はない。各隊市民の安全を確保し、敵を撃退せよ!』 『『了解!』』 ホークアイの指令にこの空を駆け、戦う者達の声が唱和した。 同時にゴーストから中距離ミサイルが雨あられと発射される。その数、250以上。 『迎撃ミサイル発射!』 間髪入れぬミシェルの掛け声に各機から6発ずつ、合計で204発の中HMMが発射され、ゴーストの発射したミサイルへと突入を敢行していった。 (*) 低空域 フロンティア基地航空隊と違って長距離誘導兵器のない魔導士部隊は、目視照準で己が魔力を込めた砲撃を運河のごとく攻め寄せるガジェットに送り込んでいた。 しかしまだどこからか送られているらしく、ガジェットは減らなかった。 また、演習で生き残り空中に残った魔導士は約80名。撃墜組は遠い所に集められて来るのに時間がかかる。それに来た所で民間人の退避と、新たに出現した陸戦型ガジェット(Ⅰ型及びⅢ型)の対応に追われるだろう。空への増援は望みようがなかった。 防衛ライン上ではひっきりなしに魔力砲撃と無線が飛び交う。 『こちら第1小隊、あれから2人やられた!八神隊長、早く増援を!』 『被害が大きい第1小隊は第2小隊と交代。第3小隊は交代を援護しつつ─────』 『こちら第14小隊、敵が多すぎる!高町空尉に援護砲撃を要請する!』 『こちら高町なのは。現在中央で手一杯なので支援砲撃はできません!〝宮原君〟、教導を思い出して、何とか持たせて!』 『り、了解しました!第1、第2分隊で左右に展開!全力で迎撃!なのはさんはオレらを覚えてるぞ!叱られたくなかったら体を盾にしてでも、奴らを決して後ろに通すな!』 『『了解!』』 『ワレ第10小隊第1分隊。孤立した!至急援護を!』 『こちら独立遊撃隊のフェイトです。第10小隊第1分隊、そこを動かないで!今行く』 現在魔導士部隊は14の小隊に再編成され、旧市街(廃棄都市)を守るため南北に小隊間を500メートル間隔にして並んでいる。 両側からこぼれるガジェット逹もいるが、このラインを放棄したら旧市街に現在の10倍以上の数のガジェットが雪崩れ込むことになる。おこぼれは地上派遣隊(撃墜された演習参加者)に任せるしかなかった。 また、初動が早かったため即座に防衛ラインを築けた魔導士部隊だが徐々に押されて来ていた。 そして遂にラインにほころびがでてきた。 『こ、こちら第12小隊、ガジェットにラインを突破された!突破された穴が塞げない!支援を!』 『こちら第11小隊。手が回らん。わかってくれ』 『こちら第13小隊。すまないがこちらも無理だ』 フォローするはずの左右の小隊も自分の持ち場だけで手一杯だった。そこに他から無線が入る。 『こちら特別機動隊空戦部隊だ。第12小隊、これより支援する』 演習中、ガジェットの出現に備えるために温存されていた地上部隊きっての対テロ特殊精鋭部隊『特別機動隊』が遂に到着したのだ。 彼らの到着に戦線の穴が塞がれる。しかしこの濃度のAMFの中では既にラインを突破した20機を超えるガジェットまでは手が回らない。 『誰かラインを抜けたガジェットを迎撃して!』 ホークアイとともに指揮を任されているはやてが無線の向こうから指示を飛ばす。しかし前線の誰もが手が離せない状況だった。 だが後方から飛来した紫と青白い2つの魔力砲撃がそのうち10機近くのガジェットを一瞬で葬った。 急行してきたのはシグナムとライアンのVF-11Sだった。 『『隊長!』』 機動隊の面々が歓喜の声をあげた。 (*) シグナムとライアン、そして特別機動隊空戦部隊の参入により徐々に戦線を盤石なものへと変えつつあった。 『ライアン、そっちは任せたぞ』 「了解。隊長こそ抜かれないで下さいよ」 ガウォークに可変したライアンのVF-11Sとシグナムの2人は左右に分かれて敵へと斬り込み、最も敵の集まる中央と少数の敵が展開する左右の3つに分断する。 そんな2人の分けた左右のエリアを制圧するは特別機動隊の魔導士達だ。 元々同じ部隊の一同は絶妙な連携で敵を排除していった。 そして中央は本隊の鶴翼陣形によるクロスファイア(十字砲火)によって撃破されていった。 (*) ライアンは愛機VF-11Sで担当のガジェット群を切り裂いていく。しかし撃ち漏らした1機がファイター形態のVF-11Sに特攻を仕掛けてきた。 ファイター形態ではエネルギーの大半を推進に使うため、アドバンスド・エネルギー転換装甲の出力が下がって耐久性はバトロイドの時の10分の1以下に低下する。 これは他で例えると20世紀末の重装甲車程であるが、例え人間大の物体であっても相対速度が音速を超えているだけで大破は免れない。 ガウォークに可変するも、もはや回避は間に合わないと見たライアンは反射で目を瞑ってしまう。しかし覚悟した衝撃はいつまでたっても来なかった。 目を開けるとキャノピーの外には懐かしい顔があった。 『よう、ライアン。危なかったなぁ』 彼がいつものお気楽調で言う。 彼─────ウィリアム・ハーディング三等空尉はライアンが特別機動隊に所属していた頃の同僚で、彼とライアンは同部隊で名の知れたコンビだった。 彼は転送魔法のエキスパートであり、同隊では幾多の戦闘を共に駆け抜けてきた。 どうやら、彼の転送魔法に救われたらしい。見るとさっきまで自分のいた位置にミッドチルダ式魔法陣が展開されていた。 「ああ、サンキュー。ウィル」 彼は手をヒラヒラさせると 『気にするなって』 とあしらった。 そんな彼の後ろにキラリと光る物を視認した。ガジェットだ。どうやらウィリアムを狙っているらしく、急接近してくる。 ライアンはスラストレバーを倒して即座にバトロイドへ可変すると、何が起きたか分からない友人を尻目に彼の背後のガジェットとの間に割って入った。 それと同時にガジェットのレーザーが放たれる。ライアンはそれをバトロイドの左腕に装備した防弾シールドで防ぐと、間合いを見て回し蹴りを放った。 空を切り裂き高速でやってきた巨大な足に蹴り飛ばされた哀れなガジェットは、急速に金属部品へと還元されていった。 「借りは返したぜ」 ライアンが外部フォールドスピーカーを通して伝えると、ウィリアムは 『相変わらず律儀な奴だな、お前は』 と笑った。 (*) その後再会したこのコンビは、後の手本となる画期的な戦法を編み出す。それはバルキリーと魔導士の連携だ。 魔導士はなのはやフェイトのようなハイクラスリンカーコア保有者以外は絶望的なまでに殺傷設定の攻撃や、連続する強力な物理衝撃を伴った攻撃に弱い。だがバルキリーの陸戦兵器並の耐久性には定評がある。 またバルキリーはレーダー等が補助するがファイター、ガウォーク形態の時は圧倒的に視界が悪い。しかし魔導士はなんと言っても生身なのでそんな制約はない。 こうして短所が相殺されると長所が生きてくる。 バルキリーでは操縦者はバルキリーと常にコネクトし、武装やその他に魔力を使ってしまう。そのためリンカーコアが最低Aクラスでなければまともな魔法は使えない。一方魔導士はバルキリーとは違い、各種魔法(高速移動魔法や転送魔法など)が豊富だ。 バルキリーも常時、クラスBのリンカーコアにしてクラスAA以上の砲撃力。撃ちっぱなしミサイルの大量使用による制圧力。そして高い耐久性に汎用性。 こんな長所を持つ両者が手を組むとどうなるか。彼らはその答えを示した。 (*) 雨のように降り注ぐレーザーの弾幕の中を突入していくVF-11S。その後ろにウィリアムが続く。 VF-11Sはウィリアムの最高速度である亜音速に合わせており、エンジン出力に余裕ができたため、余剰エネルギーはPPBSと火器に回されている。 そのため前部に展開したPPB(ピン・ポイント・バリア)の出力は4割向上し、この弾幕の中でも耐え抜く。また魔力砲撃の出力も2割ほど向上し、火力と防御力がパワーアップした。 ウィリアムとしても盾代わりがいて安心だ。 しかし通常この速度で飛ぶと、ガジェットはその数と機動力に物を言わせて多方向から攻撃してくる。 その場合加速して振り切るか可変して迎撃することが通常の対処法だ。 今回もガジェット数機がライアンの死角から攻撃しようと忍び寄る。 しかし彼らは後ろで警戒するウィリアムによって発見、迎撃が行われた。 彼はエンジンノズルの真後ろに居るため、青白く光る粒子状の推進排気に曝される。しかしこれは悪い訳ではない。ミッドチルダ製のバルキリーや今のVF-25は推進剤を完全魔力化している。 これは圧縮した魔力を噴射して反動を得るという効率の悪い推進方式だが、今回は好都合だ。魔導士から見れば圧縮した魔力をわざわざ(予備)チャージせずに受け取れるのだ。 仮にこれが莫大なチャージ時間を要するなのはのスターライトブレイカ-であっても魔力のフィードバックやデバイス冷却を無視すればカートリッジを使わず10秒毎。エクセリオン状態のディバインバスターであれば1秒毎で速射できる。となれば通常の魔力砲撃など理論上常時照射すら可能なのだ。 クラスAAのウィリアムの魔力砲撃は空冷の影響もあってまるで速射砲の如き驚異的連射速度で撃ち出され、敵を残らず叩き落とした。 ライアンは死角を心配せず、前方の敵にだけ集中すればいいためずいぶん気楽だ。 2人はそのまま分散していた敵を追い回して暴れ回る。そして敵が包囲作戦に移ったと見るや敵中真っ只中で即時転送魔法を行使。脱出した。 突然目標を見失ったガジェットは一瞬棒立ちになる。そこに集中するは後ろに控えた本隊の130(演習参加組80人、特別機動隊50人)近い魔力砲撃だ。 〝たくさん飛ぶ蚊も集まって止まってしまえば叩きやすし〟 はやての発案のもと実行されたこの囮作戦は、なのは達オーバーSランクを含め魔導士部隊だけでもバルキリー隊だけでもできない。双方が手を組んで初めて実現出来る作戦だった。 しかし敵は多い。まだまだガジェットはたくさんいた。だが遂に高空より援軍が到着した。 その援軍は青に塗装されたVF-11SGを先頭に編隊を組んでいる。 『こちらフロンティア基地航空隊。上空のゴーストは掃討した。これより援護する!』 放たれる大量のミサイル。 逆落としに迫るミサイルにガジェットは一瞬にして火葬にされた。 この時、初めて防衛側は優勢になった。 (*) 時系列は戻って演習中止直後 地上では旧市街(廃棄都市)のスタジアムから近い「核シェルター」への民間人の誘導と避難が進んでいた。 しかし出現した陸戦型ガジェットがそれを襲わんと市外から迫る。 そこで総合火力演習に参加していた陸士達は民間人の安全を確保しようと奮戦していた。 陸士部隊の中には約3ヶ月前にリニアレール攻防戦で活躍した第256陸士部隊もいた。 その部隊でも同攻防戦でロストロギアを守りきった第1分隊隊長であったロバート・ジョセフ准尉は昇進し、小隊を任されていた。 彼の小隊はガジェットを市街に入れぬよう市外に広がる森林に防衛ラインを設定。踏み止まって迎撃していた。 「ロバート隊長、北東40メートル先よりガジェットⅠ型が8機、Ⅲ型が1機接近中。」 声を潜めた観測班の報告を受けたロバート三等陸尉は、小隊に指示を発する。 「Ⅰ型には89式かMINIMI(ミニミ軽機関銃)で対応しろ。Ⅲ型は俺が吹き飛ばす。いいな?」 彼の部下は 「了解」 と応ずると散開していく。 第97管理外世界のJSSDF(日本国陸上自衛隊)の装備をまるまるバリアジャケット化した彼らの緑に溶け込む迷彩は、日本型の森の色彩に合って更に威力を発揮。すぐにどこへ行ったか見えにくくなった。 続いてロバートは自らの愛銃である89式小銃に指令を発する。 「『エイトナイン』、ランチャーパック装備」 『Alright.』 89式小銃のハンドガード下にM203グレネード・ランチャー(米軍の装備する40mmグレネード弾発射機)の口径を小さくしたものが生成された。 彼は弾帯に付けられたパウチを探ると1発の弾を取り出す。それはベルカ式カートリッジシステムの大容量カートリッジ弾だった。だが少し違う。弾頭の部分に後付けの信管が着いているのだ。 ロバートは信管を遅発に設定し、ランチャーに装填。草に隠れて伏せ撃ちの姿勢になる。彼の突然の出現に驚いたのか蛙がピョコピョコと逃げていく。その逃げていく先に敵を視認した。 同時にこちらへと進撃するガジェットに向かって部下達の銃撃が始まり、にわかに騒がしく動き回る。 頭の悪い〝あいつら〟は、多方向同時攻撃に対して一瞬パニックに陥るのだ。 (まったく馬鹿で助かる。バジュラじゃこうはいかないからな・・・・・・) 彼は以前の職場を思い出す。 マクロスフロンティア船団の新・統合軍『アイランド3・地上防衛隊』に所属していた彼は、第2形態のバジュラの大群が船内で暴れた際に同船で必死に市民を守ろうとした1人だった。 (しかしなんで脱出挺なんかに避難民を誘導しちゃったかな・・・・・・) 彼はそう考えて思考の脱線に気づいた。 ロバートは邪念を振り払って意識を集中する。そして目標を狙うと発射機の引き金を引いた。 ひゅぽんっ シャンパンの栓を抜いたような音をたてながら、魔力(で発生させた電磁気)によって加速されたカートリッジ弾が発射された。 音はショボいが、その実音速で飛翔するカートリッジ弾は目標であるⅢ型に着弾した。 しかし遅発のためシールドと装甲を破って内部に侵入。そこで強制撃発すると内包する魔力を解放した。 内側から文字通り吹き飛んだⅢ型。そして部下達がⅠ型を撃破したことを確認すると一息入れた。 そして自身のインテリジェントデバイスである愛銃『エイトナイン』に礼をいう。 「いつも補正ありがとな」 『No problem. This is my job.』 「ふっ、生真面目なやつだ」 彼は銃身を擦ると笑いかけた。しかし休憩もそこそこ再び観測班から通信が入った。 「続いてガジェットⅠ型が5、6・・・・・・くそっ!24機!Ⅲ型も7機確認!続々増加中!」 さっきの数程度なら小隊単位で対処できるが、これだけ増えると手に負えない。 「佐藤分隊、吉田分隊、共に後退しろ。ポイントデルタに集合だ。両隣の第4,6小隊にも後退の旨伝えろ」 隊の皆に指示を出すと、自らも伏せ撃ちの姿勢から起き上がり後退する。 バリアジャケットである各種装備(ヘルメットや防弾チョッキ、野戦服)は純正の物より軽く、物理・魔法攻撃に強く、コンパクトにできていた。 そのため例え森林であっても動きに支障はなかった。 (*) 1分後 ポイントデルタ─────つまり旧市街入り口にロバートが到着した時にはすでに小隊全員の集合が完了していた。 周りを見ると両隣だけでなく、森に展開していた第256陸士部隊全ての小隊が後退していた。 しかし幸いなことにどこも戦略的後退で被害はないようだった。 (*) ロバートの部隊はその後市街入り口にて水際戦をやることになった。 任務はできるだけ時間を稼ぐこと。その間に残りの部隊は後方にトーチカ(防御陣地)を設営する。 幸い入り口付近に木はなく、森から入り口までの間30メートルほどが比較的開けているため間を渡ろうとする移動物の迎撃は容易だ。 また、入り口以外の場所は当時戦時中だったためか鉄条網(100年以上放置されても錆びていないことから〝鉄〟製でないため、この表現が正しいかわからないが・・・・・・)が張り巡らされており、実質的な入り口はこの付近では唯一だった。 部隊は入り口の両隣に建ったビルの2階と道路に展開する。 道路は遮蔽物がなかったので、特殊合金のためか100年経っても原型を保っていた車3台を押してきて横倒しにし、盾代わりとした。 車の背後に隠れたロバートは部下がしっかり展開しているか確認する。 今、彼の小隊の全ての89式小銃にランチャーパック(15mmカートリッジランチャー)が装備されている。 しかしこれらは彼らの魔力によって生成したものではなく、工場で生産されたものだ。 魔法で物を生成するにはインテリジェントデバイス、またはアームドデバイスの補助と、クラスB以上のリンカーコア出力が必要なのだ。 だが大半の隊員は量産された安価なストレージデバイスでクラスCの者が多い。 予算が増えても隊員のリンカーコアの出力が上がるわけではない。昔も今も陸士は空戦魔導士と違って泥臭く、大変な職場だ。そうなると空にいるディーン・ジョンソンのようなポストを狙って本局から来た転職組に代表される優秀な人材は陸士にはならなかった。 しかし昔と違って今はミッドチルダの誇る工業力が彼らを支えていた。 ちなみにロバートの装備するインテリジェントデバイス『エイトナイン』は支給品ではなく、彼が大枚叩(はた)いて買った貴重な代物である。 閑話休題。 小隊は4挺のMINIMIと21挺の89式小銃を保有している。MINIMIは面制圧を得意とするため両ビルに配備され、虎視眈々と待ち受けている。 現在ロバートの小隊は道路に13人、両隣のビルに6人ずつ分散配置されており、上手く立ち回れば撃墜組が到着する20分後(撃墜組は演習空域 の外まで転送されていたため時間が掛かる)まで足止めが効くはずだった。 そしてついに、奴等は姿を現した。 ガジェットⅠ型が数十機、一斉に森から姿を見せたのだ。 「撃ち方始め!」 彼の号令が飛ぶと、MINIMIや89式小銃が一斉に火蓋をきった。 魔法の世界とは思えない〝タタタッ〟という喧しい連発音(これはできうる限り微小な魔力で無理矢理電磁気を産み出しているために発生する音で、〝断じて〟設計者の趣味ではない)。 超音速で飛翔する5.56mm徹甲弾によってガジェットは確実に倒され、骸を中間地点にさらしていく。 銃撃が小康状態になった。 どうやら第1波は重武装、重装甲のⅢ型の姿がない事から斥候部隊だったようだ。 時を置かず、次はⅠ型、Ⅲ型の連合部隊がやってきた。Ⅰ型はともかくⅢ型は通常の徹甲弾ではダメージが少ない。 ここで役立つのが新開発のランチャーパックだ。 ロバート達は待ってましたとばかりにⅢ型にカートリッジ弾を撃ち込む。 一番前にいたⅢ型は他の隊員からも放たれたカートリッジ弾数発を受けて擱座。後続もほとんど同じ運命をたどった。 「圧倒的ではないか我が軍は!」 ロバートの部下である佐藤曹長が高笑いながら言う。確かにこの分なら後方のトーチカはいらないかもしれない。そう思い始めたロバートだったが、 こういう快進撃は長続きしないのが世の常だった。 その2へ
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/20294.html
黒刀 クロノ・ヤミウチ C 闇文明 (2) クロスギア:サムライ * ■このクロスギアをバトルゾーンに出した時、またはこれをクロスしたクリーチャーが攻撃する時、相手は自身の手札を1枚選び、捨てる。 作者:123 関連 《至宝 オール・イエス》 収録 DMSS-10 「闇星編(カオティック・コスモロジー)第一弾」 評価 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/4732.html
プロジェクトギア ハイドウォーカー VR 闇/自然文明 (4) クロスギア ■クロスギア ■これをクロスしたクリーチャーは「スレイヤー」を得、破壊される時、墓地に置くかわりに自分のマナゾーンに置く。 ■このカードがどのクリーチャーにもクロスされていない時、闇または自然の呪文を唱えるコストまたは☆のあるクリーチャーを召喚するコストは2多くなる。 作者:赤烏 フレーバーテキスト DMW-20 「アルケミア編III ワールドセンス」響け、愚者の血。 収録 DMW-20 「アルケミア編III ワールドセンス」5/55 評価 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/puzzlederby/pages/860.html
ホースデータ 降臨馬 ガチャ馬 ドロップ馬 イベント限定 タマモクロス(オス) 属性 副属性 タイプ 副タイプ レアリティ コスト 地 - スタミナ 芝 L☆6 26 レベル スピード スタミナ 根性 適性(重/芝/ダート) 距離/ベスト 1 304 810 101 普通/得意/苦手 2,000m~3,200m/3,200m 99 1215 4050 304 スキル/強化型 地のエンパイア(全てのブロックを地属性ブロックに変化、1ターンの間、地属性ブロックの出現率小アップ)/- Lスキル/強化型 地を割る稲妻(地属性とスタミナタイプの全能力2.5倍、スタミナ65%以上の時、アタックされても1で耐える)/- 進化素材1段階 タマモクロス(レイ) タマモクロス(レイ) タマモクロス(レイ) タマモクロス(レイ) タマモクロス(レイ) 進化素材2段階 タマモクロス(レイ) タマモクロス(レイ) タマモクロス(レイ) タマモクロス(レイ) タマモクロス(レイ) 入手方法 名馬の蹄跡~タマモクロス編~ イベント限定。 タマモクロス(オス) 属性 副属性 タイプ 副タイプ レアリティ コスト 風 水 スタミナ 長距離 SL☆7 42 レベル スピード スタミナ 根性 適性(重/芝/ダート) 距離/ベスト 1 508 1354 169 普通/得意/苦手 2,000m~3,200m/3,200m 99 2030 6768 508 スキル/強化型 風と水のハーモニー(全てのブロックを風と水属性ブロックに変化、1ターンの間、火属性アタックを無効)/- Lスキル/強化型 稲妻のスタミナ(スタミナタイプの全能力3.2倍、全ての敵馬のスピードが0.8倍)/- 進化素材1段階 天皇賞春 宝塚記念 天皇賞秋 レジェンド像 レジェンド像 進化素材2段階 レジェンド像 レジェンド像 レジェンド像 超レジェンド像 超レジェンド像 入手方法 ガチャ
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/3729.html
マクロスなのは 第27話『大防空戦』←この前の話 『マクロスなのは』第28話 『撃墜』 「あら、来たのね」 スカリエッティにすら知らせていない隠れ家で潜伏していたグレイスが呟く。 彼女はその美貌に似合う凄みある笑みで微笑むと、隠れ家の回線から民間の回線をハック。刹那のうちに地球の衛星軌道上を回る通信衛星の一つを自らの支配下に置くと、その更に高みに存在する静止衛星軌道上の、ある座標へとそのアンテナを向けさせた。 (*) 第1管理世界(時空管理局本部の置かれている世界) 太陽系第3惑星「地球」 静止衛星軌道上 かつてアルト達の乗ったVF-25がフォールドアウトした宙域に、再びフォールドゲートが開いた。 ゲートは向こう側から砲撃でもされたのか、爆風がゲートから吹き出す。そして静かになったかと思えば、おもむろに何かが出てきた。 赤いノーズコーンが確認できてから極めてゆっくり出てくる。しかし機首部分であるはずのそこは、次の瞬間には赤い咆哮をあげて逆噴射を行った。どうやら強力な逆推進スラスターを括り付けていたようだった。 そして4秒近くかけてようやく緑色のキャノピーをもつコックピットが、その姿を表し始めた。 (スラスター燃焼完了。廃棄(パージ)。減速率は94%で予定値をクリア。ISC大容量エネルギーコンデンサより電力を出力、該当の転換装甲に集中。現在は機体構造維持率62%。なお低下中・・・・・・) ようやくこちら側に来たVF-27のパイロット、ブレラ・スターンは、フレームから悲鳴をあげる己の機体に起きている事態に対処するために、全力で対応する。 あちら側でフォールドゲートに突入した時間は機体全体で2秒に満たぬが、こちら側ではその時間は十数倍に引き伸ばされ、その時差が機体を、ゲート部分を断面として引き裂かんとしているのだ。 これに対処するために開発したディストーション・シールドを、艦全体に張り巡らす改良を施さんとしているマクロスクォーターと違って、コックピットとエンジンだけと最低限のそれしか装備しなかったVF-27はそのツケを払っていた。 機体の構造維持はその大部分を内部フレームと外装の転換装甲が担っているが、どちらも主機である反応エンジンの電力を供給してその強度を高めている。しかしエンジン部との時差が十数倍となった機首には、通常の15分の1程度の出力しか到達しなかった。そのため機首にあるISCのコンデンサから電力を出力し、無理やり構造維持を図っていたのだった。 もっとも当初から予想されていた事態だったこともあり、その対応は難しいものではなく、最初の対応から20秒ほど経った頃には主翼がその姿の6割ほどをのぞかせていた。 すでに機体のこちら側の慣性は吸収し尽くし、両翼の反応エンジンとも通常コネクトを果たしてISCを全力運転。ゲート断面部から新たに現れる慣性を打ち消し続けている。予定ではあと10秒ほどで機体全体が通常空間に復帰できるはずだった。 (アイツがここにいるかはともかく、ランカがいるのは間違いないな) 電子の目を通して近くにあった地球型惑星を見ると、惑星フロンティアのようにバジュラクイーンクラスのフォールドネットが惑星全体を覆い尽くしている。どうやらフォールドクォーツの資源に恵まれているようだ。それと同時にランカがそこで歌っていたのであろう期間の長さが窺える。 しかしなにより今、惑星上の弓状列島から放たれる超強力なフォールド波に、機内のフォールドスピーカーが共振して伝わる生の歌こそが、彼女の生存を声高にさえずっていた。 その歌声に安心していると、機体の受信機がいくつかのフォールド式トランスポンダ(IFF)を拾う。 どれもフロンティア船団籍。どうやら探し物以外にも思わぬ拾いものをしたらしい。 それら反応が集まる弓状列島へと電子の目を収束していると、彼女はやってきた。 『(久しぶりだな。ブレラ少佐)』 「オコナー大佐!?」 突然の声に思わずリアル(生身)の口がその叫びを放つ。 そして死んだはずの女が何時の間にか自らの電脳空間に侵入を果たしていることを認識するのに、25ミリ秒ほどの時間を要してしまう。その一瞬でローテクな通信衛星からのハッキングという大きなハンデを背負っていた彼女は、情勢をひっくり返した。 電磁妨害などの機構を使う間もなく彼のシステムは瞬時に乗っ取られ、その自意識には何十ものシステムロックがかけられた。 その数秒後にはVF-27は通常空間に復帰したが、メインシステムであるパイロットはシステムの牢獄にとらわれたままだった。 人間らしさを失い無機質となってしまったかの翼は、アップデートされていたLAI製の最新アクティブ・ステルス・システムを駆使して、誰に観測される事なく現域から離脱した。 それから10分ほど経つと、残されていたフォールドゲートから赤く、長い針の様なものが生える。しかし針は時と共にその全長を伸ばして行き、最終的には10メートルを超えた。 そして本体部分まで出現が始まると、本能からかフォールド波をばらまいて擬似的なディストーション・シールドを展開。時空差を捻じ曲げて赤い物体が高速でゲートから飛び出した。 その赤い物体─────個体名称「アイくん」は、フォールドアウトと同時に不思議な感覚を味わっていた。 クイーンからのリンクが切れたから・・・・・・ではないようだ。しかし自分達(バジュラ)にとってとても懐かしい気のする感覚だった。 アイくんはそれを『〝彼女(リトルクイーン)〟が歌っているからだ』と結論づけると、発信源である弓状列島の中心に進路をとった。 ちなみにこの時巡回任務についていた管理局のパトロール挺は、VF-27ではデフォルトのアクティブ・ステルス・システムでゲートごと観測データを書き換えられて気づかず、アイくんでは彼の発する生体電気シャミングによってシステムダウン。どちらにせよ、あまりに無力だった。 (*) 同時刻 空きビルの屋上には2人の人影があった。 「ディエチちゃん、ちゃんと見えてる?」 そうもう1人に問いかけたのは、メガネを掛けた少女だった。 しかし彼女こそ、海上のガジェット・ゴースト連合を幻術で強化している張本人だった。 彼女の魔法、IS(インフューレントスキル)「シルバーカーテン」は従来の幻術とは違って魔力素の結合に頼らぬため、ランカの超AMFも効果がなかった。 そしてディエチと呼ばれたもう1人の少女は、ある一点を見据えていた。 「うん、遮蔽物もないし空気も澄んでる。よく見えるよ」 彼女の瞳に内蔵されたスコープが、目標である管理局の大型輸送ヘリを捉える。 「でもいいのかクワットロ?撃っちゃって?あの子はただ〝歌ってる〟だけだよ」 ディエチの問いに、クワットロと呼ばれた幻術使いは微笑むと答える。 「ふふふ、ドクターとウーノ姉様曰く、あの子の歌がこのAMFの発生源なんですって。だから今後の計画のじゃまになるし、〝殺しちゃって〟だって」 まるで「今夜のおかずはハンバーグよ~」というような軽い口調で物騒なセリフを吐くクワットロに、ディエチは 「ふーん」 と無感情に返した。 (*) 次々に出現する敵の増援に、サジタリウス小隊はランカが参入してからも20分以上付き合わされた。 そして今でも空域では空戦が続いている。 しかし弾薬の欠乏と疲労の蓄積したサジタリウス小隊は、フロンティア基地から緊急出動した部隊が到着した頃には、帰投せざるをえなくなっていた。 さくらのVF-11Gは今回狙撃任務オンリーだったため、最初に陸戦型ガジェットと格闘戦をやった時に作ったダメージ以外は無傷だ。しかし魔力砲撃の度大出力を使うため、機載の小型魔力炉(MMリアクター)が悲鳴をあげていた。 その横を飛ぶ天城のVF-1Bはひどい有り様だった。さくらと違って直接戦闘の場面が多かった彼の機体は、エネルギー転換装甲なのに所々貫通孔が残り、ガンポッドも紛失していた。また、左右のエンジン出力が安定しないのか何度か編隊を離脱しそうになっていた。 そして2機の前を飛ぶVF-25は飛行を続ける機動こそしっかりしているが、その純白の翼はVF-1Bに劣らぬほどの損傷を抱えていた。 それは最新鋭機に最高レベルのパイロットと言う、理想的な組み合わせでも、敵がしかるべき装備さえ配備すれば大打撃を被るという証明であった。 だがそれより、トルネードパックである両翼のブースターと上部の旋回レーザー砲がなくなっているのに、戦闘空域外ではデッドウエイトになる追加装甲がそのまま残っている。 実はVF-25は度重なる被弾により、反応エンジンと機体本体のエネルギー転換装甲を繋ぐ配電システムが全て断絶し、その機能を完全に失っていた。 通常このまま飛行を続けると構造維持すら困難になり、最悪の場合空中分解という事すらある。 そのためアルトは機体を覆う追加装甲に電力を回し、無理やり構造維持を図っていた。 アルトは細心の注意を払いながら機体を操作する。 転換装甲のないバルキリーなど旧式のジェット戦闘機と同じだ。ミサイル1発、機関砲弾数発で大破する。 アルトは『昔の人は偉かったんだなぁ』としみじみ思った。 60年ほど前、彼らはこの状態で戦い合ったのだ。ほとんど場合で〝たった一撃で墜ちる〟ような戦闘機に乗って。 アルトは感慨に耽けりながら、そして機体を労わりながら、戦闘空域から離れていった。 (*) ユダ・システムである〝彼〟はこの戦いにはゴーストとして参加していた。 彼は満足だった。ガジェットⅡ型改のような急ごしらえの改修機でなく、元から限界ギリギリの高機動に耐えるよう設計されているこのQF2200『ゴースト』という機体に乗り換えられたことに。 しかし前回とは致命的に違う事がある。実は前回の戦闘で被った被害は、ユダ自身にまで及んでおり、記憶喪失に近い状況にあった。 ほとんどはレストアして無事だったが、それでも忘れてしまった内容は、実戦経験を数値化して蓄えられたデータだ。このデータは彼自身の経験だけではなく、第25未確認世界の新・統合軍が統合戦争より脈々と練り上げてきた戦闘アルゴリズムが主である。 それを忘れたとあっては、人間に例えるなら戦場に出たばかりで知識しかない新兵のようなものだ。おかげで今回も無人機部隊を指揮していると言うのに、その指揮と機動には以前と違って稚拙さが目立ってしまっていた。 彼は以前の最後の記憶でこちらを落としかけたVF-25を今度こそ落とすことを目標としていた。しかしVF-25には、こちらの単純な物量戦術や罠がまったく通用しなかった。 また、そうこうするうちに友軍であるガジェットは〝謎の音波兵器〟で弱体化され、他の敵に集中するうちに手負い程度には追い詰めたVF-25も撤退してしまった。 ここに至りあの機体はほんとに最精鋭であり、自分は新兵であると認識した彼は、奴を落とすため経験を積むことを最優先とした。 幸い敵には事欠かなそうだ。フロンティア基地からスクランブルしてきたバルキリーが数多く飛翔している。 そこで彼は手始めに一番動きの鈍い〝VF-1A〟という機種に狙いを絞ることにした。 VF-1Aはまだまだ経験の浅い2期生の乗る機体であり、比較的弱く映るのは当然の結論だった。もし本当に狙われたら航空隊にとって堪ったものではない。 しかし弱点とは言え後進の指導は必須なのだから、航空隊の先輩たちは全力でそれらのフォローを行っている。そのためVF-1Aが全体に占める割合は30%程度のもので、常に連携を維持していた。それに2期生達は「(先輩達の)ケツの匂いが嗅げる位置から離れるんじゃない」と教え込まれている事から、その隙を突くことは中々に困難な事だった。 しかし万事がそうであるとは一概には言えなかった。 彼は不如意にも頭出した1機に狙いを着ける。 傍受した彼らの無線によると、ほぼ無力化されたガジェットをゴースト部隊から離して迂回侵攻させていたのだが、それを発見したらしいその機は英雄的にも立ち塞ごうとしているようだ。 2期生と言えど毎度のスクランブル、そして数ヶ月前の演習空域での大規模空襲ですら持ちこたえて来たという自負を持っている。その事から多少の慢心が生まれるのは必然だった。 しかし今回はその多少が命取りとなる。敵は今までと違って、曲がりなりにも戦術を持った敵なのだから。 彼は管制として高空を飛行していたが、近衛として周囲に展開するゴースト一個編隊におっとり刀でVF-1Aを追ってきた編隊機を押さえ込むよう厳命すると、その1機にドックファイトを挑んだ。 それは高空から急降下した彼に〝上昇〟して迎撃してきた。 彼の持つ知識によれば、それは全く持ってナンセンスな機動だった。 速度の乗ったこちら(ゴースト)に比べてエンジン出力とせっかく稼いだ運動エネルギーを持っていかれるあの機体(VF-1A)。勝敗は明らかなはずだ。 果たしてこちらの放つ新型弾頭『超高初速20mm対(アンチ)エネルギー転換装甲(ESA)弾』が面白いように命中するのに比べ、敵の弾丸はかすりもしない。 そして遂に転換装甲のキャパシティを超えたのか主翼やエンジンナセルがもげる。 数瞬の後、キャノピーが吹き飛び爆散した。 しかし操縦者はキャノピーが吹き飛ぶと同時に脱出し、EXギアで飛翔していた。どうやら判断力は一人前なようだ。 ユダ・システムである彼にとってこれはまだ撃墜とは認定せず、その砲口は当然のようにEXギアに向いた。 伸び行く曳光弾。しかしそれはかわされた。 (ほう、なかなかやるな・・・・・・) 彼は初めてその敵を評価した。 元々フロンティア基地航空隊のパイロットは、全員空戦魔導士の出であり、2期生レベルだとまだ魔導士時代の戦闘スタイルを引きずっている者が多数いた。 さきほどの機動もバルキリーではナンセンスな機動だが、魔導士としてなら実は問題ない機動だった。なぜなら彼らは浮遊魔法で重力を打ち消し、水平飛行と同様の速度で、ある程度の高度までなら上昇できるからだ。 そして本来の身軽な体に戻った彼はなかなか善戦した。しかし、どんなに優秀でも所詮はBランクレベルのリンカーコア。リミッター付きとはいえ、なのはやフェイトといった強者がてこずるゴーストにユダ・システムという彼には敵(かな)いようもなかった。 戦闘から十数秒、事態は動き出した。 突然敵の音波兵器が〝止まった〟のだ。 それによりガジェットが勢力を盛り返し、再び空域をAMFで満たした。 AMFによってその魔導士の飛行速度が遅くなる。 彼はガンポッドを照準すると、一斉射した。たった1発の20mm弾に被弾した彼は、一瞬にして全身バラバラになると、血飛沫を上げて落ちていった。 この時、初めて彼の中で撃墜数1がスコアボードに記録された。 (行ける!これなら行けるぞ!) 敵は音波兵器が止まって浮き足立っている。彼は勢力を盛り返した友軍と共に侵攻を再開した。 (*) 時系列は少し戻る。 ようやく横浜上空に到達したアルトは、懸案事項を思い出していた。 『敵の大軍に突入していったフォワードの4人は大丈夫だろうか?』と。 そこで通信機を操作し、六課のロングアーチに繋いだ。 『お疲れ様です。〝早乙女〟一尉。』 画面に映る〝アルト〟。偶然自分と同じ名を持つ彼女とは、ファーストネームで呼び会う取り決めだった。 また、彼女とはある過去の境遇が同じで、なかなか馬があった。 その境遇とは、自身の性別の誤認だ。 上にも下にも男の兄弟しかいなかった彼女は、最近まで自らが男だと思い込んでいたという。 お笑い草にしかならないこの話題も両アルトにとっては切実なものであり、お互いのシンパシーは強かった。 「サンキュー、クラエッタ。・・・・・・ところでフォワードの4人は大丈夫か?」 『はい。レリックを1つガジェットに確保されたらしいですが、もう1つは確保。途中、アグスタ攻防戦時にガジェットを操作したらしい召喚士一味と戦闘になりましたが、ヴィータ副隊長とリイン曹長の援護で逮捕に成功しました』 それを聞いたアルトは六課の底力に素直に感心した。 援護があったとは言え、入局から半年の新人がこの活躍。全く持って目を見張るものがあった。 『・・・・・・なんなら通信を繋ぎますが、どうしますか?』 そう聞くという事は向こうも暇なのだろう。アルトは 「そうしてくれ」 と頼んだ。 待っている間にも機外から歌声が聞こえてくる。 外部マイクは損傷で断絶しており、気密の高い機内には通常聞こえないはずだった。しかし破損が酷かった事と、ヘリがたった10メートル先を飛んでいる事は無関係ではないだろう。 ヘリの窓からは歌い続けるランカの姿が確認できた。 ランカの方もこちらに気づいたらしく、曲の見せ場である〝キラッ☆〟をこちらに向かってやってくれた。 頷きと共にすれ違い、目前の多目的ディスプレイに向き直ると、すでに通話状態だった。 『─────お、アルトか。私が居ない間に新人達が世話になったな』 ヴィータがグラーフアイゼンを肩に担ぎながら礼を言った。 「なんて事はない。・・・・・・ところで、召喚士は?」 アルトの問いにカメラの位置が横に移動し、リインと4人、そして見慣れぬ青い色の長い髪をした女性を映す。彼女が陸士部隊から来た増援らしい。 しかしアルトの目はその召喚士に釘付けになっていた。 「子供?」 アルトは 10代(ティーンエージャー)にすら達していないであろう、その紫の髪をした少女に意表を突かれた。 『ああ。だが魔力光も魔力周波数もアグスタ攻防戦当時の記録に相違ない。・・・・・・なんだか子供をいじめてるみたいでいい気はしねぇが─────』 (お前が子供って言うな) 『─────少なくとも公務執行妨害、市街地での危険魔法使用についての現行犯逮捕だから間違いねぇ』 ヴィータは言うと、詰問している6人に呼びかける。 『どうだ? なんか喋ったか?』 ヴィータの問いにスバルが否定の仕草を返した。 しかし不意に、少女が口を開いた。 『・・・・・・逮捕もいいけど、大事なヘリは放って置いていいの?』 そのセリフに一同は凍りつく。 『なんだよ!爆弾でも仕掛けてあるのか!?』 ヴィータが詰め寄る。 しかし少女はその問いには答えず、無感情な目でヴィータを見やると言い放った。 『・・・・・・あなたはまた、守れないかもね』 そのセリフはアルトにはピンと来なかったが、ヴィータには効いたようだ。 彼女の顔が蒼白になる。 しかしアルトはこれ以上この通信を見る事ができなかった。 ロングアーチがこの通信をオーバーライドする最優先通信を繋いだからだ。 『こちらロングアーチ!そこから8時の方向、距離3キロの位置にオーバーSランククラスの魔力反応!砲撃です!』 「バカな!ここはランカの超AMF下だぞ!」 アルトは信じられない事態に、まず相手を確認する。 操縦者のその方向への振り返りに機体のセンサーが呼応して、発生地点がホロディスプレイを介して拡大される。そこには全長が2メートルほどの〝大筒〟を構えた人間の姿が映っていた。 大筒の先端では光の粒子が集束されており、何かはわからないが発砲体勢に入っていることは間違いない。 そしてその照準は間違いなく、ランカの乗ったヘリに向けられていた。物体を狙う場合は破壊設定であることは言うまでもないだろう。 また、オーバーSランククラスの砲撃ではヴァイスのヘリのPPBS(ピン・ポイント・バリア・システム)では紙くず同然である。 「メサイア!発砲までの予想時間は!?」 「6 seconds.(6秒)」 聞くと同時にアルトは機体を急旋回、スラストレバーを全開にまで上げてヘリまで戻る。 「ジャマだぁ!」 重い追加装甲がパージされ、多目的ディスプレイに『非常用構造維持エネルギー、限界まで60秒』という文字が躍る。 VF-25が〝ガタガタ〟と軋みを上げ、自機の限界を主張する。 しかし機体だけでなく無線も悲鳴をあげた。 『アルト隊長!無理です!やめてください!』 さくらの叫び。しかし修羅となった彼は止まらなかった。 そして無慈悲にも発砲された(魔力)素粒子ビームに、その機体を曝した。 バトロイドに可変したVF-25は防弾シールドを両腕で保持してPPBSをフルドライブ!着弾したビームが四方に分散する。 しかしビームは減衰するが、止めるには至らなかった。 コックピット内で最後に彼が認識したのは、分子レベルにまで分解されてゆく己の体だった。 (*) ランカにはそれは極めてスローモーに映った。 ヴァイスのいるコックピットからロックオンアラートが聞こえた。 そちらを向こうとしたとき、視界の端につい先ほどすれ違ったはずのアルトのVF-25が映り、そちらに意識が向く。 「ビーム拡散弾、散布。PPBS最大出力!全速回避!!」 ヴァイスの叫びが聞こえると同時に、三半規管が床の傾きを感じ取る。 その刹那、正面に捉えていたVF-25から強烈な閃光が発せられ、視界が白く覆われた。 普段ならば、眩しさに思わず目を細めるはずのその光景。 しかしこの時だけはなぜか目を離さず、凝視し続けていた。 光から視界が開く。 最初に目に入ったのは、炎に包まれ四散する物体。 10秒にも満たないこの時間に凝縮された圧倒的な情報量。 それにより思考は完全に停止し、〝ボーッ〟っとその現場を眺める。 管理局の国籍表示マークをつけた魚のヒレのような主翼や、透明なキャノピー。その他白や赤に塗装された大量の部品が力なく落ちていく。 その光景に自身の脳は一つの結論を導いた。 アルトが、死んだ そんな。 少なくとも緊急脱出(イジェクト)はなかった。 あり得ない。 着弾時に背中に移ってキャノピーを包むファイター形態後部ユニットはそのままだったのだから間違いない。 信じられない。 また、そこから魔力反応は感じられず、転送魔法を使った形跡はない。 嘘だ。 つまり。 そんなはずがない。 結論に。 なにかの。 間違いが、ない。 「い、や・・・いやああぁぁぁぁぁぁぁ!」 (*) 「畜生・・・・・・」 ビームの余波によってPPBSがオーバーヒート。コックピットから小さな火の手が上がって、自動消化装置の液剤まみれになったヴァイスは、よく伸びるソプラニーノの悲鳴を、つぶやきと共に聞いていた。 幸いにして敵はアルトの忘れ形見たる編隊機によって追走。もう攻撃される事はないはずだ。 しかし少女に植え付けたであろう精神的ショックは大きい。 「まだ何も言ってないよアルトくん!もう一度、もう一度『好きです』ってちゃんと言おうって思ってたのに!・・・・・・さっきの念話だって、私の事、本当に大切に思ってくれてるって感じたもん!だからここまで頑張ったんだよ!さっきの歌だって、アルトくんのために歌ってたんだよ!?ねぇ、お願いだから応えて!・・・・・・大丈夫だって言ってよ・・・・・・」 耐圧ガラスを叩いているのであろう鈍い音と共に、その悲痛な叫びが後頭部に届く。それは慟哭にとって変わられ、悲しみを振りまく。 このパイロットという畑に来てそれなりに長いヴァイスから見ても、アルトの生存は絶望的だった。緊急脱出も、転送魔法も、シールド魔法の類も魔力反応の残留すら感じない。 例えこの魔導世界であろうと、それらがなければ大破した機体から操縦者を守る術はない。 彼女を励ませるように何か声をかけてやりたかったが、何もその材料は存在しなかった。 しかし声をかける材料は意外と簡単に見つかった。それが良い事か悪い事かに関わらず。 無線から入荷したその材料に歯噛みし、彼女に唯一してあげられることは自ら直接伝えに行くことだけだと席を立った。 (*) 気づくとコックピットから出てきたのか、目の前にヴァイスの姿があった。どうやら自分はヘリの床に座り込み、膝を抱えて小さくなっていたようだ。 「・・・・・・すまん、こんな時にこんなこと頼みたくないんだが・・・・・・歌ってくれ。AMFが消えて勢力をぶり返したガジェットが押して来てる。もう戦闘空域は三浦半島上空になっちまったらしい。頼む、これ以上〝犠牲者〟を出さないためにも・・・・・・」 ヴァイスが頭を下げて頼んでくる。そんな彼の眼には、涙があった。 (・・・・・・あぁ、悲しいのは自分だけじゃないんだ) 〝自分にはやることがある。〟と自らにムチ打ったランカは立ち上がり、歌い始めた。 〝─────あなたの言葉をひとつください 「さよなら」じゃなくて・・・・・・〟 その歌声は聞く者に、知らず知らずのうちに涙を出させる旋律であった。 私はずっとそばにいた。微笑めば繋がっていたはずだった。六課のみんなと、全ての人がひとつに調和していたあの日々。 ずっとそばにいたかった。でも、どんなに声に託しても、もうあなたまで届かない・・・・・・ 〝蒼い 蒼い 蒼い旅路・・・・・・〟 ―――――――――― 次回予告 姫の悲しみを見たアイくんの逆襲 そしてランカの歌が消え、窮地に残されたフロンティア基地航空隊 次回マクロスなのは第29話『アイくん』 「・・・あら、あなたがアイくん?」 ―――――――――― シレンヤ氏 第29話へ
https://w.atwiki.jp/asagaolabo/pages/177.html
クロス【オジャマ】 【クロス】 関連タグ>>オジャマ ポップ君がクロスに落下してくるよ ポップンミュージック17 THE MOVIEのネット対戦で初登場したオジャマ。 その名前の通りポップ君がクロスして落ちてくるものだが、具体的には赤ポップ君(5)以外の「1と2」「3と4」「6と7」「8と9」が画面中央で交差するように、斜め方向から直線的に落下するという内容である。 そのため、EXCITEのように本来の譜面の配置を変えるオジャマでもある。 注意点・対策など ポップ君がクロスすることにより動きによって惑わし、押し間違いを誘いやすいのがこのオジャマの特徴である。 普段のプレイヤーの視点が中央よりも少し上という傾向が見られるため、この付近でポップ君が重なりやすく視認が難しくなる、のが要因。 攻略は、SUDDENオプションをつけている要領で下側を見るのがコツ。 ハイスピードを下げて判断の時間を増やすのも有効な手段である。 ラインが入れ替わるという点ではEXCITEを思わせる。 つまり、画面上でラインが入れ替わる視覚的な要素、譜面そのものが入れ替わるプレイ上の要素の両方を兼ねており、規則性があることから実質EXCITEの下位互換という見方ができる。 EXCITEと違いは途中の色の変化がなく、始めから最後に落ちてくるラインの色をしているので、どちらかといえば本来降ってくるラインとは別のラインに移動している爆走と似た感覚になるだろう。 視覚的に混乱を招く地味な爆走をするのが、このお邪魔の正体であるのだ。 ビートポップやキャラクターポップでプレイしている場合は形状変化を受けず、大きさが微妙に変わってそのまま降ってくる形になる。 少しだけファットポップ君の効果がかかっているような感じになる。 事実バラバラポップ君や横分身等に耐性を持っている人には楽なほうといえる。 なおこのお邪魔の特性を利用すると押しやすくなる譜面もあるため、クリア・フルコンボ・パーフェクトの補助的役割として使う、という方法もある。 慣れてしまえばかなり攻略には役立つはず。 しかし、正規譜面ではないので賛否両論となるが… 特に使用する場合はお邪魔Hs2・Hs4も設定した上で速度が合う曲を選ぶのがよい。 オプションのハイスピードに影響するという特徴があるので、斜めに動く影響が一番少なくなるためである。 しかし、ポップンミュージック ラピストリアではオジャマハイスピードの削除により、このような方法が使えなくなった。 ある程度耐性が問われるようになったといえる。 他のオジャマとの組み合わせ ?色ポップ君(ナゾイロ) ただでさえ高難易度なのに、色での判別が不可能になる組み合わせ。しかし、一見無理な組み合わせでも判別方法は存在し、外から内方向に斜めに動くのが上段、逆に内から外方向に斜めに動くのが下段という見切り方ができるため。練習量次第ではクリアできるようになるかも。 ネット対戦 同時押しの多い譜面、特に隣り合った同時押しなら効果的だろう。 ミックスする組み合わせは、ファットや白ポップで誤認させるか、地震で視線を狂わせる等が有効と思われる。 上記にもあるとおり譜面配置が変わるお邪魔のため、特に隣接同時押しが頻発する譜面、および同時押し譜面では譜面の見づらさ及び無理押しになりやすい観点からとんでもない難易度になるため、Lv2にしては理不尽だと思われる。 ポップン18からLv3に格上げ。 ポップン17では爆走系でありながらネット対戦では「爆走の盾」で防げるものに対応していないのもネック。 唯一対抗するには適性Hsを落とすかSUDDENを入れるしかないだろう。 オジャマコンディションとゲージ管理にさえ気をつけていれば、Lv3にバラスピや強制Lowなどの強力オジャマを合わせておくことで、よほどの耐性が無い限り相手にとっては非常に厄介な存在となる。 アイテムによる対策が少ない上、対処方法が少ないためである。 このときはまずクロスを放って、相手がミスをすれば続けてクロスで攻撃すればよく、相手がミスをせずあまり崩れなかった場合は上記のLv3お邪魔で攻撃すればよい。 このオジャマを受けている間、お邪魔発動用のポップ君が降ってきた場合は、譜面に含まれるオブジェと重なる場合がある。 そのため、このようなことになるとほぼ高確率でBADが出てしまう羽目になることも。 ただしお邪魔発動用のポップ君とオブジェと重なった場合、ボタンを押すとオブジェ側の判定が優先される仕様になっている模様。 多少の諦めは必要かもしれないが、コンボ賞で決まるような対戦など、勝負どころの場合は食らいつくという意味でも2連打で対処するほかないだろう。 【仕様・ポイントの変遷】 バージョン ポイント 備考 pm17~19 8 pm20~ 80 ビートポップ・キャラクターポップだと見切りづらい上に、微妙にオブジェのサイズが大きくなる擬似ファットポップ君の効果があるため、判定のタイミングが余計に掴みにくくなるのも厄介。 ポップン17ネット対戦ではこうげきが56以上で獲得できるが、これを入手すると超チャレンジでプレイできるお邪魔が謎のバグにによって「エレビッツ」になる。そのためクロスを超チャレンジで使う場合、「エレビッツ」を入手する必要があった。 関連用語 爆走 EXCITE オジャマ
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/54023.html
登録日:2023/05/02 Tue 12 13 09 更新日:2024/07/10 Wed 01 12 41 所要時間:約 ? 分で読めます ▽タグ一覧 AEGiS ×アイギス ⚪︎イージス だって鳳さんがやれっていうから アイギス←ではない アリスギア アリス・ギア・アイギス イージス エースの巣窟 内憂外患 最後の砦 東京支部 行政組織 魔窟 AEGiS東京とは、スマートフォンゲーム『アリス・ギア・アイギス』に登場する組織の一つ。 ◆概要 対ヴァイス行政機関である「AEGiS(イージス)」は各シャードごとに存在しており、諸外国にも同様のものが存在するが、 本編の主な舞台となるのが東京シャードであるため、ストーリー本編に於いて単にAEGiSの描写といえば専ら「AEGiS東京」が扱われる。 主な業務はヴァイスの警戒や対ヴァイス関連組織・企業との連携や調整、民間アクトレス事務所の統括など。 一部のアクトレスの専用ギアを開発しているAEGiS兵器開発局(ADA)はAEGiS東京の外局に当たる組織である。 またAEGiSには民間アクトレスを遥かに上回る技量を持つエースアクトレスが多く集まっており、 並の民間事務所では対処不可能な大型ヴァイスの対処等も行っている。 総じて、あらゆる意味で人類の対ヴァイス戦の「最大最後の砦」である。 ▽ネタバレを含む詳細 ……にも関わらず、利権の問題や各シャードの思惑等がしがらみとなり、思う様に動けないのが実情。 ストーリー中では対ヴァイス行政機関でありながらヴァイス信仰組織「SIN」の手の者が多数浸透しており、 度々それによる妨害を受けていた事が判明している。 後に侵入していたSINを一掃する事には成功するも、後のヴァイスの大規模侵攻の際にはモスクワシャードの工作員のテロ行為により、 幹部メンバーが暗殺されるなど、人類の内ゲバに悩まされ続けている。 ぶっちゃけ彼らからすれば人類を守る組織でありながら、その人類の一部も敵のようなものである。 また、アクトレスの質に関しては当初は「民間を上回るエースが集まる」との触れ込みであり、実際に鳳さんを始め上位陣はエースの名に恥じぬ実力ではあるのだが、 現場レベルでは名目的な実績作りで縁故採用されたいいトコのお嬢様など実戦レベルではとてもエースとは言い難い人員も相当数がいるらしく、 また民間にも天才やベテランなど上位クラスのエースが増え、レベルが上がってきた(*1)事も相まって、 「トップエースが在籍」はともかくとして「AEGiSの水準が高い」とは言い切れなくなってきているところがある。 特に一線級と呼べるエース級人材の不足はかなり深刻な模様。 ◆所属人物 鳳加純(おおとり かすみ) 東京最強アクトレスCV 飯田友子 民間企業の手に負えない大型ヴァイスに対処するAEGiS即応機動部隊、通称「AEGiSチーム」の隊長。 その能力は東京最強と称され、平素もその肩書に違わず凛々しい態度を取る。 成子坂にも時々出入りしており、ストーリー序盤に於ける成子坂や隊長とAEGiSの中継役的な存在であった。 一方、プライベートではゲーマーだったり可愛いもの好きだったりと意外とお茶目。 高校時代は鷹匠を志望していたが、弟子入りしようとしたところでキッパリと「向いていない」と言われ、その後アクトレスを目指している。 鳥好きは今も変わらず、「鳥の会」としてえりを師と仰ぎ、自らが見出した明日翔と共にバードウォッチングを楽しんでいる。 また仕事中は食事等もアバウトになってしまい、カップ麺生活をサンティに叱られた事もある。(*2) イベントストーリーでもお祭りやバレーボール大会に全力で参加していたりと、チームメイトも含めてオンとオフの落差が凄まじい。まあこんな人ばっかりなアリスギアだが 光魔法カッコいいポーズの使い手で、何がとは言わないがゲームの性質上バルンバルン揺れる。 最初期に3Dモデル付で登場していながら長らく非プレイアブル(*3)だったが、5周年を迎えた2023年1月末で遂にプレイアブル化。 同時に長らく非公開だったCVも公開された。 性能としては焼夷属性で得意ギアはランス、準得意がライフル。 専用ランスはアナザー琴音のようなモードシフト機能付きで、強化中は無双状態と評して差し支えない爆発力を発揮する。 ショットはジニーの派生ショットに近い単発レーザー系のENライフルだが、加えてミサイルランチャーも併設されていて直線のレーザーと誘導ミサイルの2段攻撃が可能。 ただし、ゲームの仕様なのかミサイルもEN武器扱いらしく、リムルインバスに撃っても反射される。 更にSPスキルはタップした時間に応じて射撃と近接を切り替えられる。 総じて癖があるものの、東京最強の名に恥じない強さを持つ。 なおとあるシーンのセリフで隊長から「鳳さん」と呼ばれた事から、プレイヤー間でも「さん」と敬称を付けて呼ばれる事がある。だって、鳳さんがやれっていうから ▽ネタバレを含む詳細 その正体は存在を秘匿された特別高等部特殊部隊の隊長。どうやら表沙汰に出来ない任務を担当しているようだ。 地衛理の個別エピソードでは、成子坂とアマ女の係争中はアマ女側の隊長として行動していた事が判明している。 山野薫子(やまの かおるこ) 熟れたてスーパーバイザーCV 沼倉愛美 神宮寺真理の29歳を更に上回る32歳のアクトレス。 東京シャードの現役最高齢にして全体で見てもかなり希少な例である30歳を超す現役アクトレス。 エミッション能力は失われるどころか低下する兆しすらないという。 普段はAEGiSで教官を務めているが、ある任務によって成子坂を空ける事になった隊長の穴埋めとして成子坂に派遣される。 経験の長さもあって多くの優秀なアクトレスを輩出しており、現東京最強と謳われる加純や成子坂のゆみも彼女に鍛えられた。 お陰で普段は我の強い彼女らも薫子には頭が上がらない。 全体的に人妻感が溢れ出ているが未婚である。他のアラサーキャラ共々、本編外では婚期に焦る様子がちらほら……。 また、料理下手という訳ではないが当人が「苦味」に強いこだわりを持っているため、彼女が料理を振舞った時は阿鼻叫喚の地獄絵図が出来上がる。 その苦さたるや、薫子を慕う加純ですら避ける程。 ユニットとしては重力属性の汎用型。 無敵余韻付き回復SPを備えるヒーラーだが、専用武器の攻撃性能がすこぶる優秀という個性を持つ。 高難度のボスをショットとクロスだけで削り切る場面も少なくない、まさに燻し銀のアクトレス。 モチーフはイカ、延いてはクラーケンと思われる。 籠目深沙希(かごめ みさき) 不可視な黒衣の未亡人(ステルス・ブラックウィドー)CV ルゥ・ティン AEGiS情報部のアクトレス。 表向きは広報部の職員だが、実際は情報部の諜報員として活動しており、「存在を認識できなくさせる」という凄まじい能力で様々な諜報活動を行う。 成子坂には広報担当として出入りするようになる。 情報部の人間というだけあり、その動きには少々謎が多い。 「チーム・バエル」の来弥、芹菜とはある企業に潜入した際からの付き合いがあり、度々行動を共にしている。 未亡人という衝撃的な肩書と2つのアレがツンと突き出た専用スーツ、そしてストーリー中の言動のエロさで登場から瞬く間に大人気を博した。 因みに、専用スーツの肌にぴったりくっついている黒い部分は黒く染めたラップの様な極薄素材との事。 しかしその雰囲気に反してその年齢は22歳。真理どころか杏奈、ゆみ、芹菜より若い。 というかリタ、えりに次いで成人組としては3番目に若い。 「未亡人」というだけあって陰鬱とした雰囲気を醸し出しており、実際に性格は物静かで穏やかだが、意外にお茶目な所があり、 自分の能力を活かして悪戯を仕掛けたりする一面もある。 ユニットとしては重力属性、近接型。 非常に特異な性能をしていて、高い誘導性と爆発判定を持つが射程が短いデュアル、広範囲をなぎ払うランス(鎌)、カウンタータイプのSPスキルなど、 強力だが扱いは難しい上級者向けの性能。 ギアのモチーフは蜘蛛(特に「不可視の黒い未亡人」というコピーからクロゴケグモ)と思われる。 またキャッチコピーと「黒装束」「諜報員」といった要素から、MARVEL COMICSの女性ヒーロー「ブラック・ウィドウ」ことナターシャ・ロマノフもモチーフに含まれているのかもしれない。 他にも米国の試作ステルス戦闘機にYF-23「ブラックウィドウII」がある。 ▽エピソードのネタバレ 実の所「未亡人」とは雰囲気だけで、夫がいた訳ではない。 彼女が度々言及する亡くなった「旦那様」とは養父であり、AEGiSにも強い影響力を持つ籠目財団の当主だった籠目武成という人物。 彼女以外にも数多くの姉妹がいるが、その多くはアクトレスの素質のある者だった。 深沙希は知らなかったようだが、この人物はヴァイスによって娘を亡くして以来「アクトレスを越える存在による平和」を目指していたらしく、裏で危険な行いをしていた様子。 今現在、彼の計画は一部の子供達が引き継いでいる。 箱入り娘だったことで所謂学校の青春というものを経験しておらず、そのため人と打ち解け仲良くなることが苦手なのを自覚していて、コミュ強の女子高生である来弥に憧れている部分がある。 妙にスキンシップや悪戯が多いのも彼女を模しての事であるが、その湿っぽい雰囲気故か大抵は意図が正しく伝わらずに対象に緊張感を与える結果に終わってしまっている。 巽竜子(たつみ りゅうこ) アクトレスブレイカーCV 瀬戸麻沙美 AEGiS即応部隊に新設されたアライアンス分遣班のエースアクトレス。 加純とは同期で実力も非常に高いが、あらゆる面で加純とは真逆なところがあり、互いに反発しているのが周囲の頭痛のタネ。 初登場時イベントでも食に関する拘り、その他一切が真逆であった故に終始喧嘩していた。 周りに合わせることを極端に嫌い、スタンドプレイや一切の遠慮をしない物言いのせいで行く先々で同僚のメンタル不調を引き起こし、 AEGiS内でも持て余されていた(AEGiS内に向上心の無いアクトレスが多いのも一因ではある)。 分権班の設立認可も一時は危惧されたが晶乃の復帰と「鳳加純と唯一本気で競い合える相手」として辛うじて残留の意義を認められる。 ちなみに趣味はブレイキンで、専用クロスのモーションにも反映されている。 また意外な事に漫画やゲーム、アニメ、特撮といったサブカルチャーにも詳しく、イベント「アキバカフェ奮闘記」では秋葉原有識者として辣腕を振るう(?)場面も描かれた。 性能は近接特化の攻撃型。 属性は重力、得意ギアは片手剣で準得意がライフル。 雑魚の処理は苦手でモーションの癖も強いが、使いこなせることが出来れば爆発的な火力を発揮するキャラクターである。 サンティ・ラナ 本編初登場時はノーブルヒルズの傭兵、本来の所属はAEGiSイングランドであるが、 成子坂とノーブルヒルズの係争を経て現在はAEGiS東京でインストラクターとなっている。 尾長晶乃(おなが あきの) 民間アクトレス事務所「トーキョー警備」のエースアクトレス。 元はAEGiS東京の士官候補だったが、「本物のエース」を目の当たりにして辞職、「トー警」に移籍した。 しかしプレイアブル化した際にはAEGiS東京所属となっていた。 その背景と詳細については本編項目を参照。 安藤陽子(あんどう ようこ)CV 明坂聡美 事務員として成子坂に派遣されたAEGiS職員。基本的に顔グラのみの登場で、本編中に3Dグラでの登場もボイスも無い。 彼女自身はアクトレスではないが、縁の下で成子坂を支えてくれた。 なお公式によると彼女にアクトレスとして活動できる程のエミッション適正は無い、との事。 アリスギアの登場人物とは思えない全く普通の女性で、隊長達からの隠れ人気も高い。 最近では出番が増えてきたが、その都度面白お姉さんとしての一面を覗かせている。 本編での常識人っぷりは何処へ……? 19年の事務所画面年末年始仕様にて、遂に3Dモデルとボイスが実装された。悪意のあるキャスティングである 満面の笑みで回転椅子に乗ってキャスターで滑って遊ぶという普段からは想像できない姿であった。 モデルはポーズ固定で声も「いやっほおおおう!」「グルグルグルー!」の2つのみであったが、そのサプライズには多くのファンから喝采で迎えられている。 更にはその直後に開催されたイベントで何と主役として登場。モーション付きで動き回る安藤さんが拝める事となった。安藤さんかわいいよ安藤さん。 真理さん(29)<安藤さん<薫子さん(32) 何がとは言わないが。 アリスギアマガジンVol.16にて31歳で確定した。 愛宕右京(あたご うきょう) AEGiS東京情報本部事務官。男性。深沙希の上司に当たる人物。 平素は飄々とした人物で、海外シャードの動きを皮肉を交えて冷静に評したり、 プライベートではアニメ鑑賞が趣味だったりコミマに参戦していたりとオタク気質がうかがえる。 ヘラヘラして見えて国防に対する意識は強く、海外シャードからの干渉にも怯まず対応する有能な人物。 隊長との接点はほぼ無いが、指揮官としての手腕は高く評価している。 ▽エピソードのネタバレ 侵蝕編にて、ヴァイスの大規模侵攻に伴い遂に動き出したモスクワシャードのテロリストの襲撃を受け、霧島共々瀕死の重傷を負う事となる。 後に霧島はどうにか一命を取り留めた事が明かされるも、愛宕は治療の甲斐なく死亡。 本編時系列に於ける初の明確な死者となってしまう。 愛宕は年越しイベントで「(ストーリー更新の遅さのお陰で)まさか生死不明のまま年を越す事になるとは」などと冗談を言っていたが、これが最後の元気な姿となってしまった ……が、後に死を偽装し、「既にこの世に居ないはずの人物」として暗躍する為に姿を隠していた事が判明した。 正直そんなこったろうとは思ってた隊長諸氏も少なくないはず 直属の部下である深沙希にさえ秘密にしていたため、その訃報を本気で悲しんでいた彼女の前に突然現れた際は「人が悪過ぎる」と怒り半分に迎えられると共に、 本当に信頼できる一部の人には生存を明かしても良いのではと提案されるも、秘密を知る者は少ない方が良いとあくまで内密にされる事となった。 この為、作中の「隊長」は彼の生存を未だに知らない。 霧島良馬(きりしま りょうま) AEGiS東京防衛政策局次長。男性。 こちらも諸海外シャードやSINからの妨害に悩まされつつも職務をこなし、時には彼らを出し抜く事もある有能な人材。 愛宕とは真逆の生真面目な人物で、とんでもない事(各国代表も居る場で大規模作戦を依頼された事に対して、いきなり「報酬は?」と聞いて来たりなど)を言い出した隊長に冷や汗を流す事も(*4)。 性格は真逆に見えるがプライベートの付き合いがあるなど、結構仲は良い様子。 こちらも隊長とは時々顔を合わせた事がある程度だが、隊長への評価と信頼は篤い。 追記修正は一般とは一線を画す実力の基にお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 記事作成お疲れ様です。エースを数多くって言ってたけど竜子の絆エピソードや -- 名無しさん (2023-05-02 17 09 20) ↑メインストーリーでは有事の際には足りないってのが浮き彫りになってたのが世知辛い。 -- 名無しさん (2023-05-02 17 13 50) 隊長が指揮するアライアンスがなかったらガチでやばかった -- 名無しさん (2023-05-02 20 31 52) 創作あるある、作劇の都合上大体無能にされる行政機関 -- 名無しさん (2023-05-03 12 44 29) ↑少なくともネームドのキャラは無能ではないのよ、ただ内外に敵が多すぎる上に頼りにできる味方が少なすぎるだけで。モスクワとかペンタゴンならともかく東京シャード(日本)で民間のエースを買い上げるみたいなクソ強公権力ムーブもできないしね -- 名無しさん (2023-05-03 12 54 20) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/37489.html
奏器フォートラム 闇文明 (4) クロスギア:シンセノイズ ■クロスギア:このカードをバトルゾーンに置く。クリーチャーにクロスするには、このカードのコストをもう一度支払う。そのクリーチャーがバトルゾーンを離れても、このカードはバトルゾーンに残る。 ■このクロスギアは、自分の「協装」を持つクリーチャーにコストを支払わずにクロスできる。 ■これをクロスしたクリーチャーはパワー+3000され、破壊される時、かわりにカードを4枚、自分の墓地から山札の下に好きな順序で置いてもよい。 ■このクロスギアが出た時、または相手のターンの終わりに、このクロスギアを破壊してもよい。そうしたら、相手の進化でないタップされているクリーチャー1体を破壊する。 作者:白山羊 DMGX-02で登場したクロスギア。 関連項目 DMGX-02「超転生編 第2弾 時空天災」 カードリスト:白山羊 評価 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/magamorg/pages/9186.html
エンドレス・カタストロフィー 光/火/闇 スーパーレア コスト5 クロスギア ■マナゾーンに置くとき、このカードはタップして置く。 ■進化GV―自分の光か火か闇のクロスギアのいずれか3枚の上に重ねて置く。 ■これをクロスしたクリーチャーのパワーは+25000され、「ワールド・ブレイカー」を得る。 ■これをクロスしたクリーチャーはタップされた後にアンタップされる。 ■このクロスギアまたは自分のクリーチャーが破壊されるとき、代わりに相手の手札を1枚墓地に置く。 これを手にしたものは永遠の命を得る。 作者:yya まさかの進化GVクロスギア。自身もコスト5と少々重いため、ジェネレートするだけでも至難の業。 しかし、1度クロスできればデュエルに勝つ程の能力を得る。自身だけではなく自軍にも除去耐性をつけてくれるエグいクロスギア。 評価 タップの後アンタップだったら無限アタックですか?強すぎですよ -- 匿名 (2011-02-16 11 53 46) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/3293.html
マクロスなのは 第2話『襲撃』その2←この前の話 『マクロスなのは』第3話「設立、機動六課」 あの襲撃事件は重傷者3名、軽傷者18名を出すに止まった。幸いなことに負傷したのは全て管理局局員と学校の警備員で、子供達に被害はなかった。 そして襲撃してきた魔導兵器は、クラナガンに張り巡らされたレーダー網によると突如上空に出現したものらしいが、それ以上詳しいことはわかっていない。 しかしマスコミは結果的に死者が出ていないせいかその報道は控えめになった。代わりに死者2名に抑えたテロ事件での地上部隊の必死の働きをクローズアップし、公務員である地上部隊が労働三権を行使するという違法な労働争議を打ち消していた。 また、首相は地上部隊の予算を増やすと公言した日から2日目に遂に英断。緊急措置として企業団からの出資を受け入れることとした。しかし企業団側に主導権を握られないよう契約は10年以上に渡る長期で、原則としてそれまで脱退、出資渋りは認められず、額も会社の規模によって一律に決まる。 そして仮に契約終了後更新しない時はGDP(国内総生産)を削ってでも必要予算を増やす法案を通すと公言。直後の世論調査も大勢が「管理局に使うのなら自分達の生活に還元される」とこれを援護する。こうしてこの先、更新を渋って管理局を脅そうとする企業を牽制した。 これら条件は企業側にとても厳しい内容ではあったが、それでも時空管理局は今回のテロ事件のこともあってさらに魅力的なイメージアップの商品に見え、その長い歴史は彼らに十分な信頼感を与えた。 こうして4日目にはGDPにして2%にも上る莫大な出資金が地上部隊に注ぎ込まれ、組まれていた予算と出資との合計でこれまでの予算の3倍強(概算要求の1.5倍)となったことに、今まで苦渋をなめてきた地上部隊財務課は狂喜したという。 余談だが予算の使途はできうる限り公開することになっていて、担当者はまず、 給与水準の向上 老朽化のひどい駐屯地などの施設の改修費 装備のアップグレード版の開発費 ミッドチルダ全体をカバーする探知用魔力レーダーの設置費 などに中心的に充ててミッドチルダの防衛体制強化を図ると説明した。 (*) アルト達がこの世界に来てから7日目 海上を埋め立てて作られた敷地。そこには新しく建てられた立派な隊舎があった。しかし隊舎の正門にある表札にはまだ何も掛けられていない。 そしてその反対側にある広場では、今まさに産声を上げようとしている部隊の設立式が行われていた。 4月という季節柄風は温かく、太陽の下行われている設立式は順調に進んでいた。 そこに彼らの、まだ若い部隊長が壇上に上がった。 「本部隊の総部隊長、八神はやてです。・・・・・・平和と、法の守護者『時空管理局』として事件に立ち向かい、人々を守っていくことが、私達の使命であり、なすべき事です」 一言一言かみしめるように続ける。 「この部隊は管理局の、対応が遅く、練度の低い地上部隊を支援するために設立されるテスト部隊です。そのためこの部隊は1年でその役目を終えますが、現状の管理局システムの修正など残す物は多いでしょう。また、テストといっても―――――」 彼女の視線が舞台を前に整列している部隊員達に注がれる。 「実績と実力に溢れた指揮官陣。若く可能性に溢れたフォワード陣。それぞれ優れた専門技術の持ち主のメカニックやバックヤードスタッフ。全員が一丸となって事件に立ち向かっていけると、信じています」 その口調、瞳に迷いはなく、彼女の寄せる信頼の大きさを物語っていた。 「私はこの部隊での1年を、実りのある1年にする所存です。ですから報道機関、管理局の庇護の下に生活する市民の皆さんの、温かいご理解と、ご協力をよろしくお願いします」 報道関係者がときたま焚くフラッシュを無いもののようにスルーし、地上部隊の制服(茶色を基調とした正装。新人から佐官まで幅広く使われる)を着た少女、八神はやて二等陸佐はそう締めくくり、仮設の舞台を降りた。 その後彼女は、部隊隊長の席に腰を降ろすと、次の予定のために部下達を準備に走らせる。その間報道関係者達の質問に応じる事となった。 「部隊長であるあなたや、分隊を指揮する隊長が若すぎるとの批判がありますが、これについて・・・・・・」 「これからの管理局を背負っていくのは若者です。また本部隊設立の目的の1つが管理局システムの刷新にあります。そのためには若者の、柔軟な発想に基づく部隊運用が求められるからだと、私は考えます」 「あなたを含めて隊長陣が全員オーバーSランク魔導士。副隊長でニアSランクですが、管理局の規定にある『1部隊の持ちうる魔導士ランクの限界』についてはどうなっているんですか?」 「私を含め、隊長格位には能力限定用のリミッターが設定されております。例えば高町なのは一等空尉の通常のリンカーコア出力はクラスS+ですが、リミッターにより2、5ランクダウンのクラスAAにまで出力を落としてAランク魔導士として登録・運用します。しかし、どうしても必要な時のみ解除する権限を与えられています」 その後も質疑と回答は続き、時間の関係で次を最後としたところ、こんな質問が出た。 「では、新設された部隊の名称を」 その質問に、はやては我が意を得たりとにっこり微笑むと――――― 「本部隊の名称は・・・・・・あちらをご覧ください!」 一斉にはやての指し示す方向に数十台のカメラか振り向く。その瞬間彼らの目前十数メートルを航空機が察過していった。 「あれはバルキリー!」 報道関係者の1人が興奮気味に言う。 そう、そこを飛ぶは、純白に赤黒ラインを施したVF-25。バルキリーの名は報道された際に広まった通称だ。 バルキリーが雲一つない晴天の青空の下を一筋の白いスモークを残して飛行する中、地上より発進した桜色と黄金色の2色の光の筋がそれを猛追、編隊飛行に入る。そして大きく旋回して会場上を通過したと思った瞬間、先頭を飛んでいたバルキリーが突然ガウォークに可変。減速とロール回転をしながら高度を落としていく。2色の光もそれに続く。 そしてバルキリーは海上に到達すると、その上をまるでアイススケーターのように2色の光と共に滑っていく。その軌跡は渦を巻くように形成され、中心まで描ききったバルキリーはファイターへの可変によって瞬時に機首を上に向けて、2色の軌跡と共に急上昇。 そこでバルキリーは突如パイロンに搭載した増槽のような円筒形の箱から小さなミサイルらしきものを乱射した。 その行為は、 「質量兵器!?」 と驚き、反射的に頭を抑える者。またはミサイル達の青白い軌跡が織り成す美しさに魅せられ、見惚れてしまう者とを生み出した。 ミサイルは回避機動という名の乱舞をしつつ上昇していく。そしてある高度で桜色の光線が下から照射されてミサイル達を薙ぎ、それらを一斉に爆発させた。 そこには花火のように文字が浮かび上がっている。 〝機動六課〟と。 「これが管理局の新部隊『機動六課』や」 はやての不敵な声が、辺りに響き渡った。 (*) 15分後 はやてが『時空管理局 本局 機動六課』と書かれた表札を正門に掛けたりするなど式らしいものを終わらせると、隊舎に併設して突貫工事で作った500メートルの海上滑走路で待機していたバルキリーが離陸して会場へとガウォーク形態で降りてきた。 カメラマン達は何事かと、片付け始めていたカメラを再び引っ張り出す。 そこに追い討ちをかけるようにアナウンスが流れる。 『これより、機動六課のイメージソング「アイモO.C.~機動六課バージョン~」の視聴会を行います。歌うは時空管理局期待の歌手、ミス、ランカ・リー!』 その瞬間報道関係者達は色めきだった。 ランカは暴徒鎮圧ライブ以来姿を見せたことはなく、名前は報道されたが、1週間で半ば伝説となっていたからだ。 そこで、ガウォークで着地したバルキリーの前にホロディスプレイで大きなテロップが流れる。 『魔法を行使している方はただちに使用をやめてください。ご協力お願いします。byランカ・リー』 とある。 なぜそうしなければならないかを彼らは知らなかったが、彼女の頼みとあっては聞かないわけにもいかない。彼らは飛行魔法の解除などしっかり従った。 全ての魔法行為が止まったことを確認したのか曲が流れ出す。そしてそれに合わせるようにキャノピーが開いてゆく・・・・・・ <ここはアイモOCをBGMにするとより楽しめます。(多分・・・・・・)> 〝アイモ アイモ ネーデル ルーシェ!―――――〟 果たしてそこには地上部隊の制服を着たランカが歌っていた。しかし、フラッシュどころかシャッターすら全く炊かれない。誰もがそれに聞き惚れ、茫然自失となっているのだ。その中を彼女の力強く澄んだ歌声が沁みわたる。 〝進め! 機動六課 誇り高き名を抱いて 飛べ! 機動六課 眠れる力呼び覚ませ〟 その歌はライトニング(いかづち)を携え、スターズ(りゅうせい)が舞う。そんな幻想的な光景を聞く者に抱かさせたという。 (*) 2時間後 マスコミがいなくなり、六課の隊舎ではささやかな設立記念パーティーが行われていた。 「今日はみんなのおかげでマスコミの人たちに目にもの見せてやれた。ありがとうな。今日はよく食べて英気をやしなってや!」 八神はやて二等陸佐はいつもの柔らかい関西弁を操る〝はやて〟にもどり、楽しそうに飲み食いする部下達を見守っている。自分が入ると階級のせいで気まずくなることがわかっているからだろう。まったく強い少女だ。 その頃彼女から 「みんなに挨拶しておきな。これからは同じ釜の飯を食べる戦友になるんやから」 と言われていたアルトとランカは、今最も人の集まっている食堂に来ていた。 (*) 食堂 そこは広く、平時には食券を買うのであろう自動券売機が並んでいた。 今日は特別にバイキング形式であるため、皿を手に 「どれもおいしそうだね・・・・・・」 と困ったように笑うランカと共に食べ物を探していると、肩に誰かが運んでいたらしい皿が軽くぶつかった。 「あ、ごめんなさい」 「大丈夫だ。なんてことはない」 そう言いながら振り返ると、そこにいたのはフェイトだった。 「ああ、アルト君か。ランカちゃんは久しぶり」 フェイトがいつもの調子で挨拶してきた。 しかし俺の(おそらくランカも)視線は両手に乗せられた大量の食べ物に固定させてしまっていた。 (おいおいこりゃ、とても1人じゃ食べられないぞ・・・・・・コイツ、こう見えてこんなに食うのか・・・・・・) と思う視線に気付いたのだろう。彼女は頬を赤らめると、 「あ、いや、これは・・・・・・エリオ、キャロ」 「「はーい!」」 遠くで2人分の返事が聞こえる。どうやら、あの2人のためらしい。育ち盛りの子供がこちらに、やってくる。 フェイトは2人に 「気をつけてね」 などと注意しつつ、両手の皿を分けて渡した。 そこで何かを我慢できなくなったのかランカが問う。 「あ、あのぅ、フェイトさん」 「ん?」 「・・・・・・お子さんですか?」 その問いにフェイトは一瞬キョトンとした顔を見せると、笑みを浮かべて応えた。 「ふふ、そうとも言うのかな。この2人は私の保護している子でね。今度ライトニング分隊の3と4を務めるエリオ君とキャロです」 ライトニング分隊とは、先ほどイメージソングで歌われたが、もう1つのスターズ分隊とともに前線を務める分隊の事だ。ちなみに、六課にはもう2つ分隊があり、その名をフロンティア分隊とロングアーチ分隊という。 フロンティア分隊は当初の予定になかったアルトとランカが属する分隊だ。フロンティア1にはアルトが、2にはランカが相当する。任務はVF(ヴァリアブル・ファイター)という汎用性の高い特殊な機体とランカがいるため超広域に渡り、必要なら宇宙や海中おも守備範囲としていた。 そしてロングアーチ分隊ははやてなどが属し、その名の示す通り縁の下の力持ちとしてこの隊舎にある指揮管制所で現場指揮の補助などを行う。 話は戻るが、エリオと呼ばれた方は、赤い髪をした利発そうで中性的な顔立ちをした男の子。キャロと呼ばれた方は、少し気の弱そうなピンクの髪をした女の子だった。 2人はそろって 「「こんにちは」」 と、可愛く頭を下げた。 その後席へと向かっていったフェイト達だが、そこからこんな会話が聞こえてくる。 「でもフェイトさん、いくらなんでもこんなに持ってこなくても・・・・・・」 「ダメよ。育ち盛りなんだから好き嫌いなくたくさん食べないと大きくなれません」 振り返ってみると、切々(せつせつ)とたくさん食べることの重要性を語るフェイトの姿があった。 「それにしたって―――――」 「多すぎだよね」 そう繋いできたランカに 「ああ、まったくだ」 と苦笑して答えた。フェイトの過保護(?)という新たな一面を見た2人は再び食探しの旅を続行した。 (*) 「あ、アルト君、ランカちゃんは久しぶりだね~」 フェイト達と別れてすぐ会ったのはなのはだ。彼女の手にも皿がのっており、こちらは慎ましい和食中心だ。 なのはやフェイト達とはこの1週間、先ほどのアクロバットの打ち合わせなどで毎日のように会っていたが、ランカは時空管理局本部でいろんな検査などをやっていたようで、俺ですら通信以外で彼女と話したのはようやく今日で、分かれてから6日ぶりであった。 彼女に挨拶を返すと、なのはとランカは話に夢中になっていった。 「さっきの歌良かったよぉ~」 「ありがとうございます!」 「六課バージョンらしいけど、元はどうだったの?」 「元は、〝機動六課〟の所に、私のいた船団の名前だった〝フロンティア〟ってのが入るんです」 「フロンティアかぁ・・・・・・昔見てたドラマに『宇宙、それは最後のフロンティア』ってナレーションで始まるのがあったなぁ」 「あれ?それってまさか『宇宙戦艦エンタープライズ号が―――――』って続きませんでしたか?」 「え!?うん、そうだよ。やっぱり『ス〇ートレック ネクストジェネレーション』って名前?」 「はい!やっぱり劇場版のエンタープライズEのデザインが感動ものです!」 「うんうん、わかるわかる!スラッとしたフォルムがなんとも言えないかっこよさだよね!・・・・・・でも私はどちらかというとヴォイジャー派かな・・・・・・」 と、そんなこんなでどんどん話が進む。 マニアの会話は、得てしてノコノコと知らない者が入っていける空間ではない。 この時も同様であり、いわゆる〝スタトレファン〟や〝トレッキー〟と呼ばれる人種ではないアルトには何の話かさっぱりなので、やんわりと戦線を離脱した。 すると、少し離れた所で呼び止められた。 「おまえが早乙女アルトか?」 「ああ、そうだが・・・・・・」 聞こえてきた誰何(すいか)に肯定しつつ振り向くと、そこには特徴的なピンクの髪をポニーテールにした20歳ぐらいの女性がいた。 しかし彼女にはその歳ぐらいならば少しはあるはずの頼りなさが全く感じられない。逆に何かを守るという意志の光が強く灯っている。そして全身からにじみ出るオーラはまごう事なき武人のものだった。 「主はやてから話は聞いている。先日の襲撃の時は、対応の遅くなった管理局の代わりに初等学校を守ってくれ、感謝している」 彼女はコクリと頭を下げた。しかし、その動作のどこにも隙がない。例え今この会場の全員が、彼女を倒そうと襲いかかっても失敗するだろう。そんな雰囲気を醸し出していた。 「いや、あの時俺は偶然あそこにいて、偶然それに対応できるだけの装備があっただけだ」 「では、その巡り合わせにも感謝せねばな」 そう言うと彼女は不敵に微笑んだ。 「自己紹介がまだだったな。私はシグナムだ。この部隊ではライトニング分隊の副隊長を務めさせてもらう。だが同時に特別機動隊(地上部隊上層部直轄の対テロ特殊作戦部隊)空戦部隊の隊長だからあまり六課には顔を出せないだろう」 残念だ。と肩を落とす。 「なんで残念なんだ?」 問うと彼女は不思議そうな顔をした。 「なんだ?お前は〝こちら側〟の人間ではないのか?」 彼女は待機状態のデバイスを仮起動させる。すらりと伸びたそれは剣の形をしていた。 どうやら彼女はこちらを同業者と思っていたようだ。確かにアルトは 「役者は演じる全ての事に精通していなければならない」 という父の教えから剣技だろうが料理だろうが並みの稽古はしてこなかった。どうやらそれはプロの目から見てもその道の者に見えるようだ。 「確かにそうだが・・・・・・」 「ではまたいつか手合わせ願おう」 烈火の将シグナムはそう言い残すと食堂から出ていった。 (*) その後、医務室で医師を務めるシャマルやスターズ分隊のヴィータと笑撃的(?)な出会いをするがここでは割愛させていただこう。 (*) 「よぅ、アルト。今日のアクロバット、なかなか決まってたぞ」 そうビール片手に陽気に声を掛けてきたのは、人が単独で飛べるこの世界にあって同じく〝パイロット〟という役職を持つ人物、ヴァイス・グランセニック陸曹だった。 「あ、ああ・・・・・・」 アクロバットでの〝あること〟が原因でその返事がおざなりになってしまうが、そこでヴァイスの後ろをついてきた少女の姿が映る。 すると視線に気づいたのか、彼女がこちらに向き直った。 「こんにちは。機動六課ロングアーチ分隊の索敵とレーダーを担当するアルト・クラエッタ二等陸士です。よろしくお願いしますね」 ペコリとお辞儀するクラエッタと名乗る少女。しかしヴァイスは突然彼女の頭をひっつかむと髪を掻き回し始めた。 「このやろ、な~にしおらしくしてんだよ」 そうやって彼はひとしきり 「やめてくださいよヴァイス先輩~!髪がぼさぼさになっちゃいますよぉ~!!」 といやがる彼女で遊ぶと、こちらに向き直って言う。 「コイツな、7歳ぐらいまで自分が男だって思ってたんだぜ」 「あー!ヴァイス先輩それは『秘密に』って―――――!」 「すぐに化けの皮剥がれるだろ?ほらこの前の書店で痴漢に遭った時だって―――――」 「あー!それ以上言わないでぇーーーーー!!」 「―――――コイツ「この痴漢野郎!」って叫びながらそいつに〝大外刈り〟かけたんだぜ。しかもスカートのままで」 「キャーッ、もうお嫁に行けなーい!!」 「お、お前もか!?」 「「え?」」 〝楽しそうに〟漫才をやっていた2人だが、こちらのセリフに声を揃えて向き直る2人。 「実は俺もガキの頃は自分を女だと思っててだな―――――」 アルトは歌舞伎の〝真女形(まおんながた)〟という日常生活までを女として過ごすものだったから、完全に自らを女と誤認していた。 彼が初めて自らが男だと知ったのは小学校の保健の授業が初めてだと言うからもう始末におえなかった。 一方クラエッタの方は兄2人と弟1人という男所帯であったため、ずっと自らを男だと思い込んでいたという。また、兄弟喧嘩で鍛え上げられた彼女の体術は否が応でも昇華され、柔道の女子どころか男子同クラスでは負けなし。数十Kgのハンデを付けてやっと互角になるというワイルドな少女だった。 そんなこんなで意気投合し、お互いのあるある話に夢中になっていく。 「んーハブられちゃったな・・・・・・」 ヴァイスが寂しそうに呟くとクラエッタは、〝べー〟と舌を出して見せた。 シレンヤ氏 第3話 その2へ