約 3,012,881 件
https://w.atwiki.jp/doraemon3dungeon/pages/35.html
空腹になってきたが、ドラ焼きがない。 そんなとき、餓死する前にもう一度以下の点を忘れていないか確認して欲しい。 いらない薬はないか 飲むタイプの薬系の秘密道具は、1つ飲むと満腹度が5回復する。 戦闘用にとっておいた薬でも、餓死するよりは使ってしまおう。 また、有害な薬でも被害が少ないのならば、その場で飲むことができないか考慮すべきである。 レプリコッコ、なんでもたまごにする機械 たまごは1個で満腹度を20回復するれっきとした食料である。 いらない道具をたまごにパックして食べればそこそこ長い間空腹をしのぐことができる。 これらの道具は、トカゲロンやタイムふろしきで回数が増やせるので、 一度増やせば20×3=60も満腹度を確保できることになる。 また、場合によっては、すでにパック済みのたまごを食べることも考える。 中の有益な道具がなくなることを心配しケチるのはあまり賢くない。 なぜなら、どのみち餓死してしまえば使う機会もなく失ってしまうのだから。 アンキパン アンキパンは1回食べると満腹度が5回復し、回数分食べることができる。 つまり、アンキパン[5]なら、25満腹度回復できるということになる。 また、アンキパンはトカゲロンやタイムふろしきで回数が増やせるので、 一度増やせば3×5=15満腹度が確保できることになる。 セーブができなくなるのは大きな問題ではあるが、 最悪電源をつけっぱなしにすればこの問題は回避することができる。 HP回復道具はないか 満腹度が0になったと言っても、即死するわけではない。 本当に食べるものが何もなかったとしても、HPが残っている限り探索し続けることはできるのだ。 つまり、万病薬やお医者さんカバンがあれば、まだ探索は継続できるということである。 また、ぷぷにゅのいる階層では、わざとぷぷにゅを生かして連れ歩けば、その間は餓死をまぬがれることができるだろう。
https://w.atwiki.jp/dmorika/pages/3366.html
《水滴の輪廻ネプトゥヌ》 水滴の輪廻ネプトゥヌ C 水文明 (2) クリーチャー:アートマン 1000 回帰-このクリーチャーを「リンネ」能力によってバトルゾーンに出した時、このクリーチャーを裏向きにして自分の山札の一番上に置いてもよい。そうした場合、自分の墓地から進化ではないアートマンを1体タップしてバトルゾーンに出す。 作成者:エウブレウス コメント:新能力「回帰」を持つ単色Cサイクルの水担当。 収録セット DMO-28 「輪廻編 第4弾 天元解脱(マスター・ワールド)」 参考 回帰??
https://w.atwiki.jp/dmorika/pages/3364.html
《細光の輪廻クルタカン》 細光の輪廻クルタカン C 光文明 (2) クリーチャー:アートマン 2500 回帰-このクリーチャーを「リンネ」能力によってバトルゾーンに出した時、このクリーチャーを裏向きにして自分の山札の一番上に置いてもよい。そうした場合、自分の墓地から進化ではないアートマンを1体タップしてバトルゾーンに出す。 作成者:エウブレウス コメント:新能力「回帰」を持つ単色Cサイクルの光担当。「回帰」以外に効果を持たないバニラなので、手札でかなり腐る。しかし、マナに置いても気にならないカードでもあるため、序盤に手札に来れば選択肢をかなり絞ることができる。何も考えなくとも2/2500でデメリットなしのアタッカーとして使うことも可能。 収録セット DMO-28 「輪廻編 第4弾 天元解脱(マスター・ワールド)」 参考 回帰??
https://w.atwiki.jp/keroro00innovator/pages/4032.html
永遠のひとつ 永遠のひとつ アーティスト 田村ゆかり 発売日 2018年8月15日 レーベル MAGES. CDデイリー最高順位 1位(2018年8月15日) 週間最高順位 6位(2018年8月21日) 月間最高順位 50位(2018年8月) 初動総合売上 7764 累計総合売上 10331 収録内容 曲名 タイアップ 視聴 1 永遠のひとつ ISLAND OP 2 Closing tears 3 ジェラシーのその後で 4 SUKI KIRAI CD/総合ランキング 週 月日 CDシングル 総合シングル 順位 週/月間枚数 累計枚数 順位 週/月間枚数 累計枚数 1 8/21 3 7764 7764 6 7764 7764 2 8/28 1347 9111 1347 9111 3 9/4 563 9674 563 9674 2018年8月 20 9674 9674 50 9674 9674 4 9/11 289 9963 289 9963 5 9/18 190 10153 190 10153 6 9/25 178 10331 178 10331 関連CD 恋は天使のチャイムから
https://w.atwiki.jp/dmorika/pages/3369.html
《萌芽の輪廻バブーシャ》 萌芽の輪廻バブーシャ C 自然文明 (2) クリーチャー:アートマン 3000 回帰-このクリーチャーを「リンネ」能力によってバトルゾーンに出した時、このクリーチャーを裏向きにして自分の山札の一番上に置いてもよい。そうした場合、自分の墓地から進化ではないアートマンを1体タップしてバトルゾーンに出す。 作成者:エウブレウス コメント:新能力「回帰」を持つ単色Cサイクルの自然担当。サイクル中で最もパワーが高く、アタッカーとしても起用しやすい。 収録セット DMO-28 「輪廻編 第4弾 天元解脱(マスター・ワールド)」 参考 回帰??
https://w.atwiki.jp/hokudra/pages/14.html
札幌市民は意思表示ができません 車線変更の合図は出しません。何の前触れもなくいきなりハンドルを切ります。 右左折時もギリギリまで合図を出しません。または全く出しません。 トンネル内の渋滞時にハザードを出して注意喚起をする習慣はありません。 夜間路上駐車する時はハザードを出さず、ヘッドライトはハイビーム。
https://w.atwiki.jp/open2chkootewiki/pages/102.html
永遠の1Hz 提供 Vikipedia 移動先 案内、 検索 基本情報 コテハン名 永遠の1Hz トリップ ◆1Hz.....rN28 愛称 ヘルツ レスの属性 馴れ合い、ネタ 活動開始時期 2015年10月 出身板 ニュース速報VIP板 主な出現スレ 新規コテと名無しを優遇する雑談スレ第二次拓也軍団 前コテハン カルビ最高 死神仮面 前トリップ ◆mDl1FLcEB6 ◆Gi8Hnj/1gE7m 別コテハン 極楽蝶 別トリップ ◆Pd0SZwsFDNin ◆99999999.k レーティング 0.00 (0 票) 永遠の1Hz(えいえんの1ヘルツ)は、ニュース速報VIP板や自己紹介板、おーぷん2ちゃんねるなどで活動している2015年のコテハン。 概要 2015年にデビューした中堅コテであり、おーぷんコテハン界隈の動乱の時代を巧みに生き抜いてきた。 エルティーら本家コテとの人脈を持ち、彼らの思想にも理解が深い。 人物 馴れ合いを好み、新規コテと名無しを優遇する雑談スレにおいて雑談に勤しんでいる。 抜化忍やらんらん、スレイマン一世らと親交が深い。 かつて繁栄していた拓也軍団についても詳しく、彼らをリスペクトしている。 「https //2ch.me/vikipedia/index.php?title=永遠の1Hz oldid=10085」から取得 カテゴリ コテ名鑑 おーぷんVIPコテ名鑑 案内メニュー 個人用ツール ログイン 名前空間 ページ 議論 変種 表示 閲覧 ソースを表示 履歴表示 その他 検索 案内 最近の更新 今後の更新予定一覧 おまかせ表示 練習用ページ アナリティクス コテハンの一覧 ニュー速VIP ニュー速VIP+ ラウンジクラシック 自己紹介板 Open2chVIP 2ちゃんねる(その他) その他一覧 Vikipediaの項目一覧 過去の煽り合い レスの属性 煽りに関する理論 2ch外のサービス 用語・慣用句 コテの組織 コテ評価 VIPコテ史年表 コテハン流行語大賞 コテハンSSの一覧 おーぷんVIPコテ年表 ページの短縮URL https //2ch.me/vikipedia/?curid=1325 ツール リンク元 関連ページの更新状況 特別ページ 印刷用バージョン この版への固定リンク ページ情報 このページの最終更新日時は 2017年8月21日 (月) 14 57 です。 �c�C�[�g このページは 1,055 回アクセスされました。 プライバシー・ポリシー Vikipediaについて 免責事項 モバイルビュー
https://w.atwiki.jp/open2chkotewiki/pages/107.html
永遠の1Hz 提供 Vikipedia 移動先 案内、 検索 基本情報 コテハン名 永遠の1Hz トリップ ◆1Hz.....rN28 愛称 ヘルツ レスの属性 馴れ合い、ネタ 活動開始時期 2015年10月 出身板 ニュース速報VIP板 主な出現スレ 新規コテと名無しを優遇する雑談スレ第二次拓也軍団 前コテハン カルビ最高 死神仮面 前トリップ ◆mDl1FLcEB6 ◆Gi8Hnj/1gE7m 別コテハン 極楽蝶 別トリップ ◆Pd0SZwsFDNin ◆99999999.k レーティング 0.00 (0 票) 永遠の1Hz(えいえんの1ヘルツ)は、ニュース速報VIP板や自己紹介板、おーぷん2ちゃんねるなどで活動している2015年のコテハン。 概要 2015年にデビューした中堅コテであり、おーぷんコテハン界隈の動乱の時代を巧みに生き抜いてきた。 エルティーら本家コテとの人脈を持ち、彼らの思想にも理解が深い。 人物 馴れ合いを好み、新規コテと名無しを優遇する雑談スレにおいて雑談に勤しんでいる。 抜化忍やらんらん、スレイマン一世らと親交が深い。 かつて繁栄していた拓也軍団についても詳しく、彼らをリスペクトしている。 「https //2ch.me/vikipedia/index.php?title=永遠の1Hz oldid=10085」から取得 カテゴリ コテ名鑑 おーぷんVIPコテ名鑑 案内メニュー 個人用ツール ログイン 名前空間 ページ 議論 変種 表示 閲覧 ソースを表示 履歴表示 その他 検索 案内 最近の更新 今後の更新予定一覧 おまかせ表示 練習用ページ アナリティクス コテハンの一覧 ニュー速VIP ニュー速VIP+ ラウンジクラシック 自己紹介板 Open2chVIP 2ちゃんねる(その他) その他一覧 Vikipediaの項目一覧 過去の煽り合い レスの属性 煽りに関する理論 2ch外のサービス 用語・慣用句 コテの組織 コテ評価 VIPコテ史年表 コテハン流行語大賞 コテハンSSの一覧 おーぷんVIPコテ年表 ページの短縮URL https //2ch.me/vikipedia/?curid=1325 ツール リンク元 関連ページの更新状況 特別ページ 印刷用バージョン この版への固定リンク ページ情報 このページの最終更新日時は 2017年8月21日 (月) 14 57 です。 �c�C�[�g このページは 1,055 回アクセスされました。 プライバシー・ポリシー Vikipediaについて 免責事項 モバイルビュー
https://w.atwiki.jp/sslibrary/pages/16.html
【種別】 “ミステス”、通称 【初出】 I巻 【解説】 坂井悠二の前に宝具『零時迷子』を蔵していた“ミステス”。名前はヨーハン。 愛するフィレスと共に永遠に生きるため、自ら“ミステス”になった。二人で『約束の二人』と呼ばれる。 “ミステス”でありながら、恐るべき使い手であったとされ、“徒”に襲われる事もなく、またフィレスとの間でのみ“存在の力”のやりとりをしていたため、フレイムヘイズにも抹殺されなかった。 しかし、本編開始直前に“壊刃”サブラクにより痛撃を受け破壊されかけたため、フィレスによって『零時迷子』の中に封じられ、無作為転移させられた。 その際、サブラクによって自在式『大命詩篇』を打ち込まれたため、復活は絶望的でヨーハン自身も復活を諦めていた。 しかし最終巻で、『永遠の恋人』ヨーハンはフィレスと共に自分たちの子供である『両界の嗣子』ユストゥスを生み出し、自身はフィレスと共に消滅した。 参照 →ヨーハン 【コメント】 ☆アニメ第2期から登場していた。 ☆戦えるミステスなので、性質としては“天目一個”や『異形の戦輪使い』に近かった。 ☆でも、自在師だから“天目一個”と戦えば、ただのトーチも同然だったんじゃないか・・・。 ☆しかし、“ミステス”なのに恐るべき使い手だったのだから、悠二強化の可能性を示唆していた。 ☆通称はシロや孤児よりかは格好良かったな。 ☆[巌楹院]のゴグマゴーグや[とむらいの鐘]の“棺の織手”アシズや『九垓天秤』フワワやニヌルタやソカルとも絡んでいたら面白そうだったのにな。 ☆『鬼功の繰り手』サーレや『極光の射手』キアラ・トスカナやナムや[宝石の一味]の“瓊樹の万葉”コヨーテやフックスやトンサーイやイナンナやクロード・テイラーとも、もっと絡んでいたら面白そうだったのにな。 ☆XII巻の内容から、ヨーハンの項目と調整整理した。
https://w.atwiki.jp/kimo-sisters/pages/363.html
57 永遠のしろ ◆UHh3YBA8aM sage 2008/03/07(金) 23 24 55 ID Fybgsp4k ※※※ 心が震える。 そう云う“何か”を留めおきたいと願うのは、至って普通の感情だと思う。 例えば景色を。 例えば世界を。 例えば想いを。 本当に美しいと感じた時。 心に。 写真に。 或は絵画に。 記録し、記憶しておきたいと考えるのは当然の事だと僕は考える。 歴史上の誰かが行幸先の景色を認め、「この風景を切り取って持って帰れ」と、命じたのは有名な話。 歴史も、そこに生きた人人の在りかたを残そうとする行為も、それらの近親なのだろう。 “それ”を志す僕の姉。 彼女は今、広い庭で胴衣を着て、型を取っている。 流れ、止まり。また流れ。 それはさながら舞の様で。 見ていると――それだけで心が震える。 纏う空気も。 凛とした生き方も。 “残したい何か”、“留めおきたい何か”、と云うのは、多分、こういうものなのだろう、と思えた。 「クロ、そんな所に座ってないで、貴方も身体を動かしたらどう?」 縁側にぼんやりと腰掛けている僕に、姉は目を向ける。 「最近怠けているでしょう?身体は常に動かしておかないと駄目よ?」 「しろ姉さんこそあんなに長いこと寝込んでたのに、急に動いたりして平気なの?」 「勿論」 僕の問いに、姉は胸を張る。 「この間までは臥せっていたから、その分の勘を取り戻しておかないと」 云いながら放つ突きは速い。 体重の乗せ方、力の入れ方、総てが理に適っている。 当たったら痛そうで、確かに復調したようには見えるが。 「僕に、しろ姉さんの相手は無理だよ」 「仕合え、とは云ってない。身体を動かしなさい、そう云ってるの」 なんなら、一緒に走りこみでもする? 等と姉は笑いかけ、僕は首を振った。 「運動とは一寸違うけど――外を歩いて来るつもりだよ。それなら良いだろう?」 「クロ、何処かに出掛けるの?」 「うん」 僕は空を見上げる。 ほぼ真上には、自分の部屋。 その隅には。 「この間描いた絵、五代さんとこに持って往こうかなって」 「――」 姉は笑顔。 笑顔のまま、沈黙する。 「・・・しろ姉さん?」 「・・・・」 返事は無い。 もう一度話しかけると、姉は「何?」と傾首した。 「いや、急に黙ったから、どうしたのかって思ってさ」 「何でもない。少し考え事をしていただけ」 云いながら、顔を左右する。 「今日は物置の掃除をする予定なの。だから、すぐに戻ってらっしゃい」 僕は頷く。 もとより長居するつもりはさらさら無い。 「2時間以内に帰って来るのよ?」 「えぇっ」 (いくらなんでも) それでは殆ど往復する時間しかないのだが。 58 永遠のしろ ◆UHh3YBA8aM sage 2008/03/07(金) 23 27 11 ID Fybgsp4k 「何か問題が?」 「いや・・・」 僕は引きつった顔で姉を見る。 彼女は涼やかに笑っていた。 断れるわけは当然無かった。 と、云うわけで、支度を済ませた僕は、絵の包みを片手に玄関に立っている。 立っているのだが―― 「しろ姉さん」 「なぁに、クロ?」 「うん・・・その・・・袖を離してくれると助かる」 「ええ、そうね」 玄関に立つもう一人は、先ほどから僕の服をちょんと摘んで離してくれない。 「・・・・」 「・・・・・」 「あの。袖」 「ええ」 「・・・・・」 「・・・・・・」 漸く離す。 すると。 「クロ、気をつけて往って来るのよ?」 姉は僕を抱きしめて離れるが、指だけはまた袖に掛かった。 (しろ姉さん、無意識でやっているのか?) さっきからこの繰り返しだ。 とは云え、僕も時間を無駄にするつもりは無い。 「じゃあ往って来るね」 「あ・・・」 「ん?」 「絵、重いでしょう?なんだったら、置いていっても良いのよ?」 「いや、それだと出掛ける意味がないから」 「じゃあ、出掛けなければ良いわ。そうしましょう?」 等と云いながら、僕の袖をくいくいと引っ張る。 云ってることや、やってることが支離滅裂だ。どうしたのだろうか? 「そういう訳にもいかないよ。約束は守らなきゃ」 「約束・・・」 それはいつも姉が云っていること。 信義を守れる人間になれと。 「マキャベリズムを実践するなら、約束は場合によっては破棄して良いはずよ」 「うん。そうだね。でもそれが今の状況と何の関係が?」 「・・・・ぅ・・・・」 袖から手が離れた。 僕はもう一度往って来ますと云い、家を出た。 ドアを閉める時に見えた姉の姿は、しょんぼりとして小さかった。 ※※※ 絵里ちゃんの居住区域――雪見台へは、電車を使って往くことになる。 下下のものと、高貴な方方の住む場所には隔たりがある。 隔たりはいくつもあるが、物理的なものの一つとして、単純に距離がある。 だから移動のために駅前に来たのだが―― 「ん~。困るんですよね~。私、貴方がたに興味無いですし」 目の前から、柔らかい声がする。 どこかで見たようなニコ目の美人さんと、軽い感じのする髪を染めた男2人がそこにいた。 どうやら、彼らは必死に女性を口説いているようだが、まるで相手にされていない様子。 「ねね、いいじゃん。俺達と遊びに往こうよ?」 「貴方達、高校生ですよね?帰ってお勉強したほうが良いですよ?」 「え~?お姉さん、年下嫌い?」 「いいえ。寧ろ大好きですよ?」 59 永遠のしろ ◆UHh3YBA8aM sage 2008/03/07(金) 23 29 30 ID Fybgsp4k 「じゃあ、オッケーじゃん。遊び往こうよ」 男の一人が馴れ馴れしく手を掴もうとする。 (あ、まずい) 僕は咄嗟に声を出す。 「おい、アンタ等、そのヘンにしとけ」 「あ?」 3人と――周囲にいた人人が僕を見つめた。 「何だ、オメェ?俺ら今忙しいんだよ」 「アンタ等の忙しさなんか知らないよ。怪我したくなかったら、その辺にしとけ」 「あ?」 僕の忠告を挑発と受け取ったらしい。男の一人の顔つきが変わった。 「誰が誰に怪我させるって?」 「怪我するのはアンタ等。させるのは僕じゃあ無い」 「何訳わかんねえ事云ってんだ?ブッ飛ばされてぇのか?」 彼は僕に近づいて睨め上げる。威嚇のつもりなのだろうが、無防備に過ぎる。僕が不意に目を突いたら どうするつもりなのだろう。 (云っても無駄かな?) そう思った刹那、男の片割れが仲間の肩を掴んだ。 「やめとけ、周り見てるぞ」 「チッ」 睨んでいたほうの男は、舌打ちして唾を吐くと背を向けて歩き去った。 「やれやれ・・・」 僕は肩を竦める。 と―― 「クロくんっ」 柔らかい“何か”が、ぎゅむっと僕に押し付けられる。 「嬉しいです。助けに来てくれたんですね」 「ええ。主に、彼らのほうを」 いくら僕でもナンパしただけで血反吐はいてのた打ち回る男2人を見たくは無い。 「云い遅れましたが、こんにちは。甘粕先輩」 「はい。こんにちは。だけど他人行儀な呼び方は駄目だって、いつも云ってるじゃないですか」 頬を膨らませながら、殊更僕に抱きついてくる。 何と云うか、堂に入った抱きつき方だ。年季のせいだろうか。 「私、とても嬉しいです。クロくんは、お姉ちゃんのピンチには、何時でも駆けつけてくれるんですよ ね?」 「ピンチだったのは、あの2人組みだと思いますが」 「あのまま身体とか触られてたら、私、怖くて泣いていたかも知れません」 「うん。恐怖で泣くのは、彼らのほうでしょうけどね」 「もう、酷いですよ」 云いながら、すりすりと頬を擦り付けてくる。どうやら機嫌は良さそうだ。 「甘粕先輩、他人に身体触られるの、嫌いでしたよね」 「男の人に触られるのが、ですね。だって私はクロくん専用ですから」 先輩は頬を染めて「えへへ」と笑う。 僕は頬を掻いた。 瞬間、身体が斜めに傾いた。組んだ腕を引っ張られた為だ。 「一寸、甘粕先輩?」 「私のこと助けに来てくれた優しい弟くんには、お姉ちゃんが御馳走しちゃいます。往きましょ?」 くいくいと僕を引き摺って往く。武道をやっているからか、はたまた生来のものか、この人は何気に力 が強い。 「待って下さい。僕、これから用事があるんです。申し訳ないですが、お付き合いできません」 しかもそれは時間制限付きなのだ。 「大事な用なんですか?」 「ええ、まあ」 「私よりもですか?」 じぃっと見上げる。素なのか計算しているのか、ニコ目のせいで胸中を測りかねる。 僕は云う。 「甘粕櫻子と云う個人よりは遥かに小事ですが、何かを御馳走になる時間よりは大事かと」 「むぅぅ~」 先輩は口を尖らせ、 60 永遠のしろ ◆UHh3YBA8aM sage 2008/03/07(金) 23 31 44 ID Fybgsp4k 「私より、画家志望の女の子の方が大事なんですね?」 「え?な、何で往き先判るんですか」 「判りますよぅ」 と荷物を指差す。 「この前のデートの時、お話聞かせてもらったじゃないですか。それ、クロくんの描いた絵でしょう? なら、答えは一つです」 「明察には恐れ入りますが、それなら話は早いと思います。そういう訳なので、今日のところはお付き 合い出来ません」 「どうしても駄目ですか?」 「どうしても駄目です」 「大好きな櫻子お姉ちゃんが誘ってるのにですか?」 「すみません」 僕は頭を下げる。先輩は「判りました」と身体を離した。 「そう云う事情なら仕方ないですね。潔く諦めます」 先輩のは笑顔だ。 ニコ目だからではなく、普通の笑顔。 「ホントすいません。埋め合わせはしますので」 「はい。期待しています」 矢張り笑顔。 清清しいほどの笑顔。 (拗ねると思ったんだけどな・・・?) 疑問には思ったが、僕にも時間が無い。もう一度頭を下げて背を向ける。 『声』が聞こえたのは、その瞬間だった。 『さ、櫻子お姉ちゃん、大、好き』 「!!!」 ぎょっとして振り返る。 “無理矢理云わされた”かのような引きつった声。 それは紛う事無く――鳴尾クロのものだった。 「せ、先輩、今の・・・っ」 「あれ?クロくん。往かなくて良いんですか?」 携帯を片手に持った先輩は、満面の笑みで僕を見つめている。 『さ、櫻子お姉ちゃん、大、好き』 もう一度聞こえた。 矢張り空耳ではない。 「それ・・・こないだの・・・・」 「ああ、この声ですか?私の癒しです。聞くと幸せになれるんですよ。落ち込んだ時とか特に」 「そうじゃなくて、何で携帯に・・・」 「何でって、録音したからですよ?」 笑顔のまま首を傾げる。 『あの時』 僕がその科白を云わされた時、この人は携帯を弄っていた。 (あれは、録音のためだったのか――) 頭を抱える。 「ホラ、見てください。写真も撮ったじゃないですか。ちゃんと待ち受けにしたんですよ?」 「うぉ」 画面の中には、相思相愛にも見える男女が映っている。勿論、今ここにいる2人だ。 「アツアツですよね?この幸せを姉同士の誼で鳴尾さんにも分けてあげようかなって思ったんですよ。 写真と音声の同時送信です」 「同時送信です、じゃないですよ!こんなのがしろ姉さんにしれたら、僕はただじゃ済みません」 「大丈夫ですよ。私達姉弟の仲の良さを知って貰うだけなんですから。寧ろ祝福してくれると思います よ?」 そんな事あるわけが無い。 判り切っているくせに。 僕はもう一度「勘弁して下さい」と声を出した。泣き声に近かったかもしれない。 「まあまあ、私のことは良いじゃないですか。それよりホラ、急いでるんですよね?どうぞ気にせずに 往って下さい。お姉ちゃんよりも、他の娘の所へ」 61 永遠のしろ ◆UHh3YBA8aM sage 2008/03/07(金) 23 34 00 ID Fybgsp4k ニコニコ。 にこにこ。 悪魔が笑っている。 「せ、先輩」 「何ですか?」 「よ、宜しかったら、お付き合いさせてください」 ※※※ 「器用であるとか、小才がきくとか、頭の回転が速いとか、そんなのは“優秀”に属する能力であって “天才性”とは無縁だと思うんです」 『Silurian Period』 それが先輩と遣って来た喫茶店の名前。 この間の画材店、『Ikonographie』の傍に在る、全面水槽張りの不思議なお店だ。 その卓で僕の対面に座る甘粕櫻子は、五代絵里に渡す予定の絵を見てそう呟いた。 「どういう事ですか?」 僕は尋ねる。 「言葉通りです」 ティーカップを撫でながら彼女は云った。 「天才であることと、優秀であることは違います。世間では天才と優秀をイコールで考える方が多いよ うです。人より勉強が出来れば“天才だ”、人より運動が出来れば“天才だ”と褒めますが、これは事 実ではないと私は思っています。勿論、優秀な天才も存在しますが、優秀でない天才も存在します。他 方、天才を凌駕する“偉大な凡人”もいるでしょう。・・・まあ、天才は一個の属性であって、凌駕、 勝ち負けなんて基準はおかしいのですが」 「納得出来なくは無いですが・・・。それが何か?」 もう一度問う。 甘粕櫻子の真意が読めない。 先輩は答えず、柔らかい動作で紅茶を口に運んだ。 「例えば――鳴尾しろ」 「姉さん?」 「彼女はまず間違いなく“優秀”に属する人間です。文武両道、書画の道にも通じていますし、性格は 兎も角、能力的には器用です。でも――“あれ”は天才ではありません。人より一寸秀でているだけで す」 「・・・・・」 「事、思考や表現に限れば、天才とは“発想”出来る者のことであると私は考えます。凡人は――例え 才人・才子であったとしても、“連想”までしか出来ません。“無いもの”を見、“無いもの”を表現 し、無から有を創り出す。それは、天才だけが持ち得る能力です」 「成る程。それはそうかもしれませんけど、一体全体どういう話ですか?」 僕が首を傾げると、先輩は“笑顔で笑って”席を立ち、僕の隣に遣って来て、ぎゅうっと抱きしめた。 「成績は良好。但しそれは頭の良さから出なく、生真面目に予習・復習をしているから。運動もそれな り。取り立てて得意なことも無い。完全な凡人。けれど、ある“表現”においては、際立った個性を有 する人がいる。そう云ってるんです」 「は?」 「ふふふ」 甘粕櫻子の機嫌は良い。 感触は柔らかで、身体を鍛えている割には、そのへんの女の子よりも遥かに上質である。 「ふぅ~」 「あの、耳に息吹きかけるの止めて下さい」 「え~。じゃあ、じゃぁ、クロくんがお姉ちゃんに吹きかけてください」 「いや、勘弁して下さいよ」 「勘弁しませんよ~。クロくんのこと、可愛がるのもいぢめるのも大好きですから」 だからもっと、イチャイチャしましょう? 大きく柔らかな双丘に埋められ、ぐりぐりと頭を撫でられる。 気持ち良いが、居心地が悪い。 「甘粕先輩、毎回毎度、何て云うか・・・全力ですね」 僕は諦め混じりに呟いた。 この人は、こういうことには真っ直ぐだ。 「一期一会の精神ですから」 彼女の声はいつにも増して柔らかい。 62 永遠のしろ ◆UHh3YBA8aM sage 2008/03/07(金) 23 36 54 ID Fybgsp4k 甘粕櫻子はその声のまま、僕の頭を撫で続ける。 「出会いがあれば、別れもあります。誰よりも大切な人だって、いずれは失うことになりますからね。 永遠なんて何処にも無い。永遠が無い状態だけが永遠に続くんですよ。だから私は、今を大事にしたい んです」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 目の前にある世界。 それは、この世には無いものだ。 此処ではない何処か。 幻想の――それも、卓抜した幻視の結晶。 それが、四角い窓の向こうに広がっている。 此処には無い。 つまり、私が持ち得ない世界。 思い描けず、想い視る事も出来ない世界。 多くの表現者が目指し、けれど到達し得ない未踏の地。 それが、四角の中に納まっている。 ありもしない世界。 あり得ない法則。 幻だから存在出来る永遠と不滅。 それは、世界との断裂。 私との、埋まらぬ距離。 この絵に。 唯、それだけを思い知らされた。 薄くて、でも無限の景色のあちら側にいる人間は、私の評価を気にしているのだろう、どことなく落ち 着き無い様子でソファに座っている。 「お父さんは凄いです」 「え?」 唐突な私の言葉に、彼――鳴尾くろは首を傾げた。 それはそうだろう、あの人はここにいないし、この絵とも丸で関係ないのだから。 私は「何でもありません」と首を振る。 私の父は、画家になれなかった。 それだけの実力が無かった。 云い換えれば、こうやって、力の差を――否、表現力の有無を見せられ続けてきたという事。 その度に打ちのめされたはずなのだ。 けれど、父は今でも絵が好きでいられる。 それはとても凄いことだと思う。 目の前の絵。 以前見たそれとは、比較にならぬほどの出来栄え。 見るものを圧倒し、吸い込むような広大な世界観。 呆けて、感動して、その先に来たのは、自分の無力。 この人の歳になった時、自分はこの場所まで辿り着けるのだろうか? その場所はあまりにも遠く、霞んで見えない。 果ての無い差を知って、泣きそうになった。 「・・・・・」 不思議そうに私を見ている男の人。 お姉さんによく似て、背が高くて、目つきも鋭いのに。 違和感を感じるくらい、穏やかな喋り方をする人。 そう――穏やか。 それが私の『視る』、あるがままの鳴尾くろ。 安息を司る、暗闇のような人。 人となりだけならば、彼の肉親に何度も聞いていた。 彼の姉に。 鳴尾しろという人物は、諸事に冷徹。私情を挟まない人だ。 故に、評価も適正、極めて信頼の出来る人物評を下す人。 その鳴尾しろが、弟の話になると蕩けたように身を捩らせる。 凛とした薄い微笑しか他人に見せないあの人が、子供のように、或は少女のように爛漫に笑うのだ。 だから私は、鳴尾くろに興味を持った。 この人にこんな顔をさせるのは、どんな人物だろうと。 63 永遠のしろ ◆UHh3YBA8aM sage 2008/03/07(金) 23 39 00 ID Fybgsp4k 初見は、少し怖そうに見えた。 話してみて、穏やかだと気付いた。 そして絵を見て――もう一度、強い興味が湧いたのだ。 だからといって。 「くろさんって、お付き合いしている女の人がいらっしゃるんですか?」 こんな失礼なことを聞くなんて、自分でも思わなかったけれど。 「えぇ?」 彼は目を丸くする。 それは当然だろう。脈絡が無い。 父の事といい、今日の私は突飛にすぎる。 「あ、すみません。何か、急に変なこと云って・・・」 「いや、別に頭まで下げなくても良いよ。・・・でも、何でそんな事気にするの?」 「はい。あの・・・」 私は鼻孔に意識を集中する。 多分、間違いではない。 「くろさんから、女の匂いがします」 「え?」 「しろさんのそれとは全然違う、柔らかい香がしています。これだけしっかりと染み付いているって事 は、余程に密着していたって事ですよね?相当親しくなければ、そんな事しないかなって」 「あ~・・・・」 何か思い当たることがあるのだろう。 くろさんは困ったように頭を掻いた。 「くっついていたと云うか、囚われていたと云うか・・・。まあ、その、恋人ではないよ。そもそも、 僕にはそういうの、いないしね」 「好きな人、いないんですか」 何故かホッとした。 「いや、恋人がいないって事」 それって、つまり。 「好きな人はいるって事ですか?」 「うん。いるよ」 困ったように笑っているけれど、声に澱みは無く、迷いも無い。 「まあ、詮無い話だけどね。しろ姉さんが認めてくれるとも思えないし」 確かに鳴尾しろという人物は、そういうのに厳しそうだ。 (それとも) 或は、厳しさ以前の問題の相手なのだろうか。 それ以上踏み込むことは私には出来ない。 誰を想っているのだろう。 目の前の男の人は、とても穏やかに笑っている。 その姿を見て、私の胸が、幽かに疼いた。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 漸く家に帰り着く。 云い渡された2時間は、とうに過ぎている。 遅参の連絡も何度か携帯で入れたけれど、返事は無い。 姉は出掛ける時は携帯を持ち歩く人なので、家に居て、かつ携帯の傍にはいないのだと了解した。 つまり、予告どおり物置の掃除をしているのだろう。 一体、家事というものは得手不得手の他に、好みがある。 例えば姉は料理も裁縫も出来るけれど、特に好むのは清掃だ。 潔癖症――なんて揶揄されることがあるくらい、整頓掃除に余念が無い。 そんな彼女だから、暇があれば家の掃除をしている。 多分、今も。 僕は荷物を自室に置き、汚れても良い服に着替えると、姉の部屋には往かず物置に直行した。 果たして、そこには開かれた扉と、ゴホゴホと咽る声。 「しろ姉さん?」 声をかけると、すぐに返事がある。 「クロ、帰ってきたのね?」 咳き込みながら現れたのは、白い頭巾に割烹着を着た肉親だ。 64 永遠のしろ ◆UHh3YBA8aM sage 2008/03/07(金) 23 41 06 ID Fybgsp4k 姉は所謂「カッコイイ」系の服が似合う人なので、こういう姿は奇妙に映る。いや、愛嬌があって可 愛いとも云えるが。 「ただいま、しろ姉さん。随分咽てるね」 「埃を吸い込んでしまったからね。ここも適度に掃除しないと駄目ね。それより――」 ジロリと姉は僕を見る。 「今一体何時だと思っているの?約束の2時間は過ぎているでしょう?」 柳眉を逆立てて僕に寄る。 誤魔化しても仕方ないので、素直に謝ることにする。 それは、事情を説明することと同義だ。 「甘粕!?」 説明も半ば――否、始めたばかりで、姉は声を荒げる。 あの先輩の名前。 矢張りそれはこの人には鬼門のようだ。 僕の両肩はしっかりと掴まれ、身体をガクガクと揺さぶられている。 「あの女に誑かされて遅れたのね?邪悪な人間とは付き合っちゃいけないっていつも云っているでしょ う?」 (邪悪・・・) 「いや、事情が事情で」 「ナンパなんて放って置けば良いの!あの女をどうこう出来る人間なんて、そうそういないんだから」 「甘粕先輩がどうこうしそうだから、止めたんだけど」 「兎に角!甘粕には近づいちゃ駄目よ?クロだって、あの女の噂は聞いているでしょう?」 「毀誉褒貶半ばだよね」 「良い噂なんて擬態に決まってる」 姉は頬を膨らませる。 甘粕櫻子に纏わる噂は、両極端である。 優しい、親切、天使のよう、温かい人。 そう呼ばれる一方で。 鬼、悪の手先、邪悪の化身、地獄からの使者etc・・・。 まったく異なる評価が下される。 尤も、本人は悪い噂など何処吹く風。 「きいておそろし みていやらしい そうてうれしや あまかすさくらこ」 等とあの柔らかい声で謳っているほどだ。 「僕の身体が2つあれば、早く帰ってこられたんだけど」 「何を莫迦な事を云っているの?」 姉はジロリとこちらを睨む。 身体が2つなんて事は有り得無いのだから、1つの身でどう時間を使うかが重要―― そう教誨されるのかと思ったのだが。 「幾つあっても同じでしょう」 「え?」 「2つあれば2つ。3つあれば3つ。10あれば10。100あれば100。身体の数に関係無く、ク ロは私の傍にいなければいけないの。数の問題ではないでしょう?」 「・・・・」 そうなんだ、知らなかった。 「クロ、取り敢えずそこに座りなさい。甘粕に誑かされた貴方にお説教します」 遅れたことじゃなくてそちらが主なのか。 結局、30分程お説教をされて、漸く物置の掃除に入る。 入り口付近の荷物は姉が既に片付けていたので、作業はその奥からになった。 「この辺は古い本とかが主だね」 随分と埃を被ったハードカバーの本の山。 僕が適当に退かそうとする傍で、姉は1冊1冊中身を確認している。 彼女は『片付けの最中に漫画を読み始める』タイプではない。 だから当然、何事かの目的があって掃除と検索を両立させているのだろうが。 「しろ姉さん、何か探してるの?」 「アルバム」 返答は簡潔に。 「アルバム?それってしろ姉さんの部屋に無かったっけ?」 「幾冊かはね。でも、1冊足りない。だからそれもついでに探しているの。そちらは自分で見つけるつ もりだから、クロは掃除に集中して良いわ」 姉らしい截然とした態度だ。 65 永遠のしろ ◆UHh3YBA8aM sage 2008/03/07(金) 23 44 06 ID Fybgsp4k 手伝う、と云った所で、 「片付けに集中しなさい」 と怒られるのは目に見えている。だから僕は冊子の開鑿に力を注いだ。 こう云う場合、姉は無駄口を叩きながら作業はしない。僕もそれに倣う。 幾分かそうしていたが、それでも先に口を開いたのは僕のほうだ。 「あ」 と、間の抜けた声を薄暗い倉庫内に響かせた。 「しろ姉さん、アルバムって、あれじゃない?」 書籍の山脈の中に見覚えのある背表紙を発見する。想起すると成る程、あんな感じの写真入れが昔あっ たような気がする。 姉が振り向き、僕はアルバムらしき本に手を伸ばす。 勢いが強かったからか、場所が悪いせいか、狭矮な空間に埃が舞った。 「うわ。ごほっ、ごほっ」 「う、けほ、けほ」 2人とも咽る羽目になった。 「この辺は特に埃が凄いな、しろ姉さん大丈夫?」 「ごほっ、ごほっ」 姉は頷きながらも咽続けている。 少し遠い分、僕よりは埃を吸い込んでないはずなのだが、そうでもないのだろうか。 「ごほっ、げほっ、こほっ」 「しろ姉さん、咽方凄いよ、ほんとに平気?」 「ええ、けほ、大丈夫。それにしてもこんな場所に本を置くなんて。痛んでしまうじゃない」 「多分捨てる予定だったんじゃないかな。母さん、面倒臭いとすぐその辺に放り込むし」 母はややズボラな一般人なので、こういったことをやらかす場合が多い。纏めて放り込み、忘れ果てた のであろう。 「アルバムは捨てるべきものでは無いでしょう?ろくろく確認もせずに仕舞ったのね。後で怒っておか ないと」 不機嫌そうに云いながら、埃化粧をされた本を開いて往く。 「うん。間違いないわ、これね」 やや痛み、やや色あせた写真がそこにある。 小学校時代の数年分を写したものらしかった。 「うわ、懐かしい」 なんとなく見覚えのある過去達に僕は顔を綻ばせる。 そこには小さいしろ姉さんがいて、この頃から美人さんだったと再確認させられる。別の写真には甘粕 先輩。彼女はこの頃から発育が良く、妙な色気がある。 「クロ」 姉はアルバムを閉じる。 「掃除に集中しなさい。見たかったら、後で私の部屋に来れば良い」 探していたと云っても、やはりメインは掃除である。姉はアルバムを除けると、さっさと作業を再開し た。 僕は「ごめん」と返事をし、整頓に取り掛かる。 アルバムの中には―― 手を動かしながら、思い起こす。 (見なければ思い出さないクラスメイト達がいた) 一期一会。 甘粕櫻子は先程僕にそう云った。 その通り、彼らの大部分とは、もう逢うことも無いのだろう。 それでも、深く思い入れがある訳では無いのだから、「そういうものか」で済んでしまう。 けれど、と僕は考える。 僕の親しい人人とも、別れはいずれ遣って来る。 僕はそれに耐えられるのだろうか。 逆に、僕がなくなるとしたら、その人たちは、悲しんでくれるだろうか。 どちらにせよ、“その時”は必ず訪れる。 僕は姉を見る。 姉は咽ながら、黙黙と作業を続けていた。