約 66,491 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3221.html
※ゆっくり同士のセクロス描写有り。 ※嘘をつきました。そんな描写ばっかりです。 『敏感まりさの失敗 -やめて赤ちゃんすっきりだけは-』 竹林近くの洞窟。 真昼間から二匹のゆっくりが乳繰り合っていた。 お互いの頬をぬちゃねちょと擦りつけ合っている。 「ゆふんゆっふ〜ん!! れいむすごいよぉぉ!!! すっごくゆっくりしてるうぅぅぅ!!!」 「まりさもゆっくりしてるよぉぉ!! もちもちしてきもちいいよ!!」 汗とも愛液とも言える液体が潤滑油の役割を果たし、二匹の動きを激しいものにしていく。 まりさが頬を擦り上げればれいむが頬を擦り下げ、まりさが頬を擦り下げればれいむは頬を擦りあげた。 二匹交互上下に顔を上げ下げすることでより強い快楽が得られた。 「ゆゆっ! れ、れいむぅ、まりさすっきりしちゃうよぉぉ!!」 「まりさってば かけっこもたべるのもはやいけど……すっきりしちゃうのもはやいねぇぇ!!」 「ゆぅ、ゆぅぅ…! きもちいいんだもん! ゆっくりしすぎてすっきりしちゃうのぉ!!」 れいむは動きの鈍ったまりさを壁側に押し込んで固定すると一気に頬を擦りつけてきた。 ラストスパートだ。 壁とれいむに挟まれたまりさは動けずにれいむの責めを受け入れるしかなかった。 「だ、だめだよぉぉ!! へ、へぶんしちゃうのぉ!!」 「もりでいちばんのまりさもすっきりにはよわいね!! かわいいよまりさぁぁ!!」 「らめぇ…かわいいっていったら…す、すっきりー!!!」 まりさはビクビク震えながら達した。 瞳は天井を向き、涎をだらしなく垂らしながらのオーガズム。 目には見えないし実感もないが、まりさの子種がれいむへと注がれていく。 それはともかくれいむはまだすっきりしてない。 「れいむ、まだすっきりしてないよ! ゆっくりほおずりさせてね!!」 「ゆゆぅ、すっきりしたばかりなのに…ゆゆんっ!?」 「すーりすーり!!」 れいむは尚もまりさを押さえつけて頬を擦りつけた。 みっちりと二匹の肌が吸い付きあう。 れいむの頭には茎が生え始めているというのに激しくまりさに頬を擦りつけ、自らも快楽を貪っていた。 それに気付いたまりさだったが体が快楽で蕩け、頭もふわふわして何も言えなかった。 「ゆー! れいむ、そろそろすっきりするよ!!」 「ま、まりさも…またすっきりしちゃうぅぅ!!」 驚くことに、まりさはすっきりしたばかりなのに再びすっきりするようだ。 まさに早漏。早漏まりさである。 「ゆふ、ゆひ、ゆひぃぃぃ」 「びんかんさんだね! じゃあいっしょにすっきりしようね!!」 そして… 「んほぉぉぉぉぉぉ!!!」 「すっきりいぃぃぃぃ!!!」 今度は二匹同時に達した。 流石に疲れたのか二匹とも動きを止め、地面にへたり込んで荒い息をつく。 だが、一分も経たないうちに二匹は頬を擦りつけ始めた。 「や、やめないとだめなのにぃ…」 「でもすっきりしたいよぉ、まりさもそうでしょぉぉ?」 「ゆ、ゆー」 れいむの頭には茎が生え、実が生りそうだった。 だが二匹はそんな事構わずに自らの快楽を欲した。 そんな二匹の周りには同じ種類のキノコがいくつも落ちていた。 齧りかけのキノコもいくつかある。 それはゆっくりが発情しちゃうキノコだった。 発情だけならず、感度も増すというすっきり用キノコ。 まりさは狩り中に偶然見つけ、何も知らずにれいむと一緒に食べてしまったのだ。 その結果がこれだよ! れいむは黒ずんで死んでしまった。 まりさはギリギリ生きていたが衰弱していた。 そして…… 「ゆっくりちていっちぇね!!」「おかーしゃんおなかしゅいたぁ!!」 「おかーしゃんゆっくちー!!」「いっしょにあしょぼうよ!!」 「しゅりしゅりしたいよ!!」「ゆっくちちようね!!」 「ゆ、ゆぅ…」 二匹に生えた茎から生えた数十匹の赤ちゃんゆっくり達がまりさの周りにいた。 それぞれがバラバラにまりさに話しかけ、体に擦り寄ってくる。 言葉をまともに聞き取れないし、望んで産んだ子じゃないので擦りつけられても嬉しくない。 「おかーしゃんどうちたの?」 「ゆっくちしてるの??」 「だったられいみゅもゆっくちしちゃいよ!!」 「でもおなかしゅいたよ!!」 「ゆゅーん! おかーしゃんおなかしゅいたよー!!」 「なにたべればいいのー??」 「おちてるのをかってにたべていってね!」 普通は茎を噛んで柔らかくしたのを赤ちゃんに与えるものだが、まりさはそれをしなかった。 赤ちゃんゆっくりに罪がないのは分かっていても赤ちゃんを好きになれなかった。 5〜6匹ならば普通に育てただろう。 でもこの赤ちゃん達は多すぎる。 面倒見切れないし、次々に話しかけてくるのが非常に五月蠅い。 全然ゆっくり出来ない。 もう娘たちにはうんざりしていた。 まりさはすっきりも早いが見限るのも相当に早かった。 とりあえず何か食べさせた後は適当な事を言って見捨てて引っ越そう、そのように考えていた。 一方の赤ちゃんゆっくり達は母まりさに挨拶の返事を貰えなかったり定員漏れでスリスリ出来なかったりで不満はあった。 でもお腹は空いていたので母の言う通りに地面に落ちている茎やキノコを食べ始める。 まりさも、もちろん赤ちゃんゆっくりも知らないが、そのキノコは発情キノコだ。 体の小さい赤ちゃんゆっくりがそんな物を食べたらどうなるか… その答えはこれだ。 「ゆゅ? にゃんだか からだがぽかぽかしてきちゃよ!!」 「ゆー、まりしゃもぉ」 「おかーしゃん、このきもちおしえちぇね!」 「ゆ? ゆく? ゆっくり??」 まりさは明らかにおかしくなった赤ちゃんゆっくりに戸惑った。 信じがたいが産まれてすぐの娘達は発情しているようだった。 先ほどのまりさとれいむを思い出させる。 「ゆぅ、しゅりしゅりしちゃいよぉ」 「なんだかゆっくちできそうだね。しゅりしゅり…しようよ おかーしゃん」 赤ちゃんゆっくり達は熱を帯びた瞳でまりさを見つけながら近寄ってくる。 「や、犯られる!?」と思ったが、まりさの頭で電球ピコーン。 こんなたくさんの赤ちゃんは面倒見切れない。 だったら赤ちゃんを見捨ててどこかへ行こうと考えた。 でもちょっと待てと。 何で赤ちゃんのためにこのゆっくり出来る洞窟を去らないといけないのか。 そうだ。出ていくのは赤ちゃんゆっくりだ。 でも力で追い出してもいつ戻ってくるのか分からないし、ましてや潰して殺すなんて嫌だ。 じゃあ、お互いに殺し合ってもらえばいいじゃない。 愛のある行為で殺し合うなら…すっきりして死ねるなら悪いことじゃないはずだ。きっと。 普段のまりさなら思い付かなかったであろうゆっくり的名案。 すっきりしすぎたおかげで軽く賢者モード入っていたからこそ思い付いた。 思い付いたら即行動。 まりさはすっきりするのも早ければ行動するのも早かった。 「あかちゃんゆっくりきいてね!!」 「ゅゅ?」 「ゆっくちきくよ!!」 「でもしゅりしゅりしながらききちゃいよ!」 「いいからきいてね! みんなとなりにいるあかちゃんとすりすりしようね!!」 「ゆっくちりかいしちゃよ!!」 「しゅりしゅりしようね!!」 「わーい、みんなであしょぶんだね! ゆっくちー!!」 そして蠢きだす数十匹の赤ちゃんゆっくり達。 数匹ずつ塊になり、はぁはぁと甘い声を出しながら互いに体を擦りつけていた。 見る人が見ればおぞましいだけの光景がここにはあった。 完璧だ。 まりさは自分の計算が上手く行った事を確信していた。 後はこのまま赤ちゃん達が朽ち果てていくのを見るだけだ。 だが、赤ちゃん達は姉妹よりも母親とスリスリしたかった。 その気持ちをまりさは見落としていた。 「おかーしゃん…しゅりしゅりちようね!」 「もうれいみゅがまんできにゃいよ!」 「まりしゃのとなりはおかーしゃんだよ。おかーしゃーん…」 「ゆゆっ、まりさじゃなくてあかちゃんどうしですりすりしてね!!」 しかし赤ちゃんゆっくり達は聞く耳を持たなかった。 ある者は跳ね、ある者は這ってまりさの元へと近づいてくる。 「ゆ、こないでね! まりさとすりすりはやめてね!」 まりさは逃げようとした。 だが、体力の回復していないまりさは身動きが取れなかった。 冷汗がつつーっと垂れる。 スリスリで死ぬのは子種を注がれて茎が生え、栄養を茎に奪われるからだ。 赤ちゃんゆっくりの未熟な子種であっても茎は生えてしまう。 身動き取れない状態で赤ちゃんに犯されたらどうなるか。想像に難くない。 せめて身動き取れれば逃げるかすっきりし返すか出来るのだが… 「おかーしゃーん、れいみゅをあいしちぇぇ」 「いっしょにしゅりしゅりちようねぇぇ」 「おかーしゃんのからだあっちゃか〜い!」 赤ちゃんゆっくり達がまりさの体に張り付いてくる。 すでに十匹近くの赤ちゃんがまりさにスリスリし始めていた。 「ゆゆ、みんなずるいよ! まりしゃもおかーしゃんとすりすりするー!!」 「れいみゅもゆっくりしゅるね! おかーしゃん!!」 それを見ていた周りの赤ちゃんゆっくり達は母親にスリスリしている姉妹を見ると近寄って来た。 姉妹同士スリスリして昂っていた赤ちゃん達だったが、母親とのスリスリは特別なものなのだ。 「こ、こないでぇぇ!! ゆふ、ゆふんっ」 完全に墓穴を掘ってしまったまりさは身動きも取れずに感じさせられ始めていた。 まりさとて先のキノコの発情・媚薬効果は切れていない。 だから赤ちゃんゆっくりの未熟な性技でも敏感に反応してしまう。 「しゅりしゅりしてたらきもちよくなってきちゃよぉぉ」 「すっきり…ゆゅん、しゅっきりしそうだよぉぉ」 「や、やめてね! すっきりしちゃだめだよ!! すっきりはきもちいいけどだめだよぉぉぉ」 すっきり=気持ちいい。 それを聞いた赤ちゃんゆっくり達が止めるはずもなかった。 より強く、より激しく小さな体でまりさの敏感な肌をぐにぐに刺激する。 幾つもの小さく柔らかい物に下半身を擦られる感触は新鮮で、その快楽にまりさは悶えた。 「ゆふっ、ゆんっ、や、やめてぇぇ…」 「ゅゅ、おかーしゃんきゃわいいね」 「そんなこえきいたらもっとしゅりしゅりしちゃくなっちゃよ!」 「ゅーん、ゆっくりしゅっきりしちゃうよぉ」 「ゆっくりやめてぇっ! すっきりは…すっきりだけはらめなのぉぉぉぉ!!」 「だめじゃないよぉ、だってれいみゅゆっくちできるもん!!」 「しょうだよぉ。そんなおかーしゃんもしゅっきりちそうでしょ?」 「ゅ、ゆゅぅ、いわないでぇぇ」 確かにまりさもすっきりしてしまいそうだった。 でも自らの娘よりも早くすっきりするなんて屈辱にも程がある。 だから気力で達してしまうのを堪えていた。 だが両頬をもちもちとした感触の幼い娘たちに擦られると気持ち良さで力が抜けてしまう。 後ろ髪を掻き分けた娘に頭皮にスリスリされるとゾワゾワする未知の快感に口がだらしなく半開きになる。 たまに赤ちゃんの小さな舌がぺろぺろ舐めてきて、そのぬめった感触にまりさは体を震わせた。 どれだけ我慢しても津波のように押し寄せるすっきり感。 まりさは瀬戸際で亡きれいむの言葉を思い出す。 「まりさってばびんかんさんだね! れいむのすりすりでたっぷりゆっくりしてあげるね!!」 ああ、何で思い出してしまったのだろう。 愛するれいむの可愛らしい姿を思い返すともう我慢できなかった。 まりさは諦め、娘たちの愛撫に身を預けた。 「す、すっきりー!!!」 まりさは体をぶるぶるっと震わせ、白目を剥きながら達した。 何という気持ち良さ。 まりさは天にも昇るような感覚を覚えた。 「ゅっ、おかーしゃんしゅっきりしちゃの?」 「ゆゅ、まりしゃも、まりしゃもしゅっきりするよ!」 「ゆー! がまんできにゃいよ! しゅっきりー!!」 そしてまりさの絶頂による震えが赤ちゃん達を感じさせたらしい。 まず一匹の赤ちゃんまりさがすっきりした。 そして一匹がすっきりーすると他の赤ちゃんも次々と連鎖するようにすっきりし始める。 目に見えないが次々と注がれる娘からの子種。 頭に出来た何かに何かを吸われる感覚にまりさはハッと我に返った。 「や、やめてえええええ!! おちび! すっきりしないでっていったのにいいいいいい!!!」 だが時すでに遅し。 すでにまりさに張り付いた赤ちゃんゆっくりのほとんどはすっきりを終えた後だ。 残りも体を擦りつけてすっきりしていく。 まりさからどんどん生えていく茎。 しかし未熟な子種ゆえに赤ちゃんが実ることはない。 どこまでも無駄な茎、命を奪う茎が生えていく。 「いやあああ!! ゆっくり! ゆっくりできないいいい!! ゆ"っ! ゆ"っ! な、なぐなっぢゃうぅぅぅぅ……ぅぅ………ぅ…………」 まりさの体が黒ずんでいく。 赤ちゃんゆっくり達はみんなすっきり直後でぽわわ〜んと夢心地で気付かない。 そうしてまりさは誰にも気付かれず見捨てようとした娘に犯され、死んだ。 残ったのは赤ちゃんゆっくり達だけ。 「ゅゅ、おかーしゃんどこー?」 「なんでいにゃいのぉ? ゆっくりちようよぉ!!」 「おかーしゃーん!!」 赤ちゃんゆっくり達は洞窟の中、母を探してうろきょろ。 目の前の黒ずんだ物体がそれだと気付くことは無い。 やがて… 「ゅ、きっとおかーしゃんはごはんをとりにいっちゃんだよ!!」 「そうだね! それならゆっくりまちょうね!!」 「まとうね!!」 「だったら…まってるあいだにみんなであそぼうね!!!」 「あそぼうね!!!」 赤ちゃんゆっくり達の遊びは強烈な快感を味わえるあの遊びだった。 それ以外の遊びは知らないし、この"すっきりごっこ"の魅力の前には他の遊びは霞むだろう。 「しゅりしゅりしようね!!」 「みんなでしゅっきりー、ちようね!!」 「しようね!!」 赤ちゃんゆっくり達はその小さな体を寄せ合っていく。 幼いゆっくり達は危険を知らずに体を擦りつけていく。 その危険を知ることはきっとない。 すっきりの気持ち良さに夢心地のまま死んでいく。 事実、赤ちゃんゆっくり達のお遊びは最後の一匹になるまで続いた。 黒ずんだ多数の塊の中にぽつんと小さな饅頭一つ。 彼女は一匹泣いていた。 いつの間にか家族が自分を置いて何処かに行ったと思って泣いていた。 知らないかったとはいえ、殺し合ったことに気付いちゃいない。 彼女、赤ちゃんれいむは一匹だけだが生き抜くだろう。 おうちにはたくさんの食べ物があるのだから。 そしていつかはおうちの外に出るだろう。 外で出会う別のゆっくり。 きっとれいむは出会い頭にこう挨拶する。 「すりすりしようね!!」 …と。 他のゆっくりとの付き合い方を他に知らないれいむは幸せになれるだろうか? そのれいむに関して言えば、決して幸せになることは無かった。 終 by 赤福 ……ふぅ。 酒って怖い。
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2254.html
「――着いたぞ」 秋奈女史に連れられて来たのは、エルゴから徒歩10分程度。普段の私ならば絶対に近づかないであろう裏通りにある、一軒のビルだった。 「は……はぁ……」 一見普通のビジネスホテルのように見えるが、入り口の傍に設置されている看板には大きく休憩・宿泊という文字と数字が並び、如何わしい雰囲気を感じる。 「あの、ここって……」 「ラブホだ」 逃げ場の無い返事が返ってくる。 「此処なら前回のような邪魔は入らん、遠慮なく励むがいい」 「だ、だからそういう直球な仰り方は……!」 私の反応が余程面白いのか、秋奈女史は先程からずっと底意地の悪い笑みを浮かべている。 「未通娘でもあるまいし、今更恥ずかしがってどうする。そんな事で人を待たせるなど、野暮というものだぞ」 「は、はぃ……って」 相変わらずの口調の彼女だったが、今の言葉で気になる事があった。 「待たせるって、誰か先に入っているのですか?」 「嗚呼、貴様の教師役……いや、今日のレッスンの内容からいけば『教材』と言った所か。楽しみにしておけ」 クックックと愉快そうに笑う秋奈女史。 これまでの経験から、これ以上尋ねても無駄だと判断せざるを得ない。私は覚悟してホテルに入っていくしかなかった。 ネメシスの憂鬱 ファイルⅩⅩⅠ 「お邪魔します……」 ついそんな事を口から漏らしつつ、恐る恐る部屋に入る。 部屋の中は私が思い描いていたラブホテルのイメージとは違って、質素で清潔感のある内装だった。 「やっほー。ネメシスはん、待ってたで」 そして部屋のベッドの上には、髪をショートカットにした美しい女性がその優美な身体を投げ出している姿があった。 「あ、はぃ……宜しく、お願いします」 白いガウンを羽織った女性は、情熱的な瞳で此方を真っ直ぐに見つめてくる。大雑把に体勢を入れ替えるものだからガウンがはだけて、豊満な胸が露になりかけている光景が目に飛び込み、目を奪われてしまう。 「なんやネメシスはん、そんなにおっぱい好きなん? いいんやで、好きなだけ触っても♪」 「いやその……い、いきなりは……。は、初めての方にそんな」 そんなにじっと見つめてしまっていたのだろうか。恥ずかしくて顔から火が出そうなくらいに熱い。 「相変わらずうぶやねぇ、もっと積極的になってもええのに。……なんや、まだ気づかへんの?」 艶っぽい表情から一転してカラッとした人懐っこい笑みを浮かべる女性。その笑いと言い回しには確かに覚えがあった。だが、彼女は…… 「もしかして…………ラスト、さん?」 「せいかーい♪」 自分でもまさかと思う回答と返事に、私は唖然とする他なかった。 「――だ、だってラストさんは神姫で……今その姿は、えええ!?」 私の目の前に居る女性は、何処から見ても普通の人間にしか見えない。それに笑い方や言い回しは彼女そのものなのだが、顔の造形は美人であるという点を除けば殆ど別人だった。 「ふふ、人間そっくりやろ? コレな、『人型神姫インターフェイス』っていうシロモノやねん。せやからネメはんは何も気にせんで、たっぷりとウチの身体で勉強していってな。コレが今回のサービスやで」 「わ……わかりました」 『人型神姫インターフェイス』、アングラの噂でその存在を耳にした事はあったが、まさか本物を目にする事があるとは夢にも思わなかった。 「――――ほな、はじめよか?」 そんな私を余所に、ニヤリと笑みを浮かべながらガウンの前を無造作にはだけるラスト。形のいい豊満な乳房やきゅっと締まった細い腰が露になる。そしてその魔性の力に吸い寄せられるように、私はゴクリと喉を鳴らして彼女の元へと歩み寄っていく。 「最初はキスからやけど、ネメはんには恋人がいるから無しでな。たっぷりとおっぱい、吸ってええんやで」 わざと乳房を強調するようなポーズで私を挑発してくる。私は少し苛立ち覚えつつも、既に昂っていた身体は肉欲への欲求に抗う事は出来ず、既に軽く隆起し始めていた乳首に吸い付く。 「ぁん、急に積極的になってもうて……、そんなにウチのおっぱい吸いたかったんや」 「んぅ……んん……」 彼女の言葉を無視するように、一心不乱に舌で乳首をしゃぶりまわす。乳首が粟立ち勃起し始めると同時に、私の頭の中を甘い痺れが駆け抜け、更に激しく乳房にむしゃぶりついていく。 「結構上手やね……経験あるんちゃうのん。んふ、手も使って乳首シゴいてな」 言われたとおり、唾液で滑りを帯びた乳首に両手を添えて、ゆっくりと上下に擦っていく。ぬちぬちと淫猥な音が響き、乳首がどんどん硬度を増して勃起していく様は、行為を行っている此方も大変な興奮を覚える。 「そう、上手やで。次は乳首同士で……な」 「え、乳首……?」 「なんら、知らんのん。……こうするんや、でっ」 「ひゃぁっ!?」 気づいた時には彼女に鷲掴みにされ、そのまま私の乳房を自らの乳首に押し付けていた。 「あっ、ひっ! ひゃうっ!?」 ラストは私の胸を自らの乳首に押し当て、そのまま小刻みに上下に揺すりだす。普通の肌とは違うぷりぷりとした乳首に擦り上げられ、今まで体験した事の無い感覚に、私の乳首はスーツの上からでもはっきりと判るほどに硬く尖ってしまう。 「ネメはんのぽっち、コリコリってして気持ちええわぁ。今度はネメはん自身で動いてえな」 その言葉は嘘ではないらしく、ラストは頬を赤く上気させている。 「……ん。ぁ……これ、こっちも……いい」 意を決して自ら動き始めると、乳首の擦れあう部分から独特の快感が溢れてくる。自分で動ける分刺激の制御が出来るので、非常に心地よい刺激が私の性感に流れ込んでくる。 「いいです……とっても……あん……っ」 夢心地のような気分のまま、ゆっくりと乳首同士を擦り合わせる。この数日で何度も味わった、理性が蕩け肉欲に溺れていく、あの禁断の感覚の一歩。 「んふふ……上手やね。でもそろそろ次のレッスンに進もか。その前に……っ」 「んぁ……、ひゃっ!?」 その緩やかな快楽を味わう行為に完全に耽っていた私は再びラストに捕まり、今度はあっという間にボディスーツをはだけさせられ、自らの意志と関係なく乳房や秘処まで一気に露にされてしまう。 「――おふふ、大洪水やなぁ」 「い、言わないで……っ」 堰を失った私の股間からは、ねっとりとした蜜が太股を伝って地面まで滴り落ちる。口では何と否定したところで、これが今の私の偽らざる真実だった。 「えっちなのは別に悪くあらへんよ。でも今回はウチの身体でお勉強が目的やから、ネメはんはおあずけやで」 「うぅ……」 「そんな気ぃ落とさんでも。……そやね、今回のレッスンで合格だったらあとでたっぷりしてあげるさかい、頑張るんやで」 「は、はいっ」 あからさまな餌に釣られている自分が悲しい。だけどこの肉欲の乾きを癒す為ならば、何でも従ってしまいそうな気分になってしまう。 「でも、そうやね。そのままじゃ可哀想やし――――うふ」 ニヤリと会心の笑みを浮かべると、ベッドボードから何かをひったくるように掴む。そしてそれを私の上に……って。 「つ、冷たっ!? ちょ、何をするんです……ぷわぁっ!?」 頭上から冷たいどろりとしたものが大量に降り注ぐ。それを全身に浴び、私はみるみるうちに謎の粘液まみれになってしまう。 「な……これって……」 そのねばっこい無色透明の液体を手ですくって匂いを嗅いで、ちろりと一舐めしてみる。殆ど匂いもなく、また味もないが。 「ローションやよ。これでネメはんのベトベトのお股も目立たなくなるやろ?」 「そ、そんな事わざわざ気にしなくてもいいんですっ」 愉快そうに笑うラスト。 確かに全身べとべとのローションまみれになってしまっていて、愛液。 「まぁまぁ。そのぬるぬるでウチをもっと気持ちようしてな。おっぱいだけなのうて、ね」 それまで身体を軽く起こしていたラストはベッドに上半身を預け、均整の取れた肢体を寝かせる。 「女なら、やっぱりコッチをしてもらわへんと」 そして私にみせつけるように、ゆっくりと、そのしなやかな脚を大きく広げる。 「うふふ、ウチのおま○こ、どうなってるか早く確かめてぇな」 舌でチロリと唇を舐め、淫らな表情で私を挑発する。 「はぃ……。ひゃっ」 その魅力に抗う事など出来る訳もない。ローションのせいで普通に歩く事は困難になっている為、私は彼女の身体の上を這うようにしてゆっくりと近づいていく。 「コレはコレで焦らされてるみたいで……ぁはん」 「あうぅ、なんか変な感じ……です……」 蛞蝓が這うように進むと、ローションの粘着質な感じと全身を擦り合わせている感触が、全身を唾液たっぷりの舌でねっとりと愛撫されているかのような錯覚に陥ってくる。 やがて、なだらかな恥丘の前まで辿り着く。此処までくれば目的地は目と鼻の先。 「やっと……。わっ」 「ひゃぁんっ!」 ゆっくりと降りようとしたものの、ローションのぬるぬるでそのままずるりと滑り落ちてしまう。 「ご、ごめんなさ……、ぁ」 そして私の振り向いた先には、ぽってりと厚みのある花弁がぬるりとした光沢を帯びてうっすらと開き始めていた。しかも本来秘処を守る為に生えている筈の毛が一切無く、全てが丸見えになってしまっている。 「ふふ……ウチのおま○こ、つるつるだからよぉく見えるやろ。ちゃんと説明したってな」 「はぃ、って……えええ!?」 目の前の衝撃的な光景にみとれ、つい返事をしてしまったが、その余りにも恥ずかし過ぎる行為に愕然となる。 「気持ちようする為には、まず構造をちゃんと知っとかんとあかんで」 「それは……そうですが」 「ほら、ネメはんに見られてると思うと……」 ラストは自らの秘処に指を添えると、一気に花開かせる。くぱぁと淫猥な音が聞こえてきそうな程のぬめりを帯びた花芯が鮮やかに開き、ぬめりを帯びた鮮烈なショッキングピンクの秘処が完全に丸見えになる。そこは蛍光灯の光を浴びて、ぬらぬらと隠微に光り輝き、私の理性を崩壊させていく。 「とっても……綺麗でえっち……です」 ラストのそこはまだ未成熟さを残すアキラのモノと違い、成熟した女の香りを強く感じさせる。 「大陰唇は肉厚でぷっくりとしてて……、小陰唇はすっとヘアピンのように綺麗で真っ直ぐです……」 自分で説明している内に、気恥ずかしさとは別の感情が段々と頭の中を支配していく。 「それに、陰核も大きく発達してて……、まるで熟れたサクランボみたいに、ぷっくりと……いやらしく、勃起しています」 それはひくひくと軽く痙攣を起こし、刺激を受けるのを待ちわびているかのよう。そしてその光景を見ているだけで、私のクリトリスも彼女と同じようにいやらしく勃起してきてしまう。 「そんなお堅い単語わざわざつこうて……ネメはん、かなりのムッツリちゃうん」 「なっ!? そんな事……は……」 ……そうかも、しれない。少しでもそこから逃れようとしているように見せ掛けているのに、実は誰よりも望んでいる。 「――さぁ、今日は誰にも遠慮せんと、心行くまで、食べてええんやで」 「…………は、い」 ラストに言われるがまま。……いや、私が望むままに、彼女のクリトリスへキスをする。優しく口づけをするだけで彼女の秘処はひくんと痙攣し、透明で粘り気のある液体がじんわりと膣内から染み出してくる。 「おいしそ……う、です……んっ」 啄ばむように何度もキスを繰り返し、私の唾液と彼女の愛液とで淫靡な光沢を湛えたクリトリスを、一気に口に頬張る。口の中が熱くて柔らかな感触で一杯になり、弱アルカリ性のなんともいえない味が広がる。そして同時に私の脳髄を甘く痺れる感覚が満たしていく。 「ん、ふー……んむ……んう」 「いひっ!? ひゃっ!! そ、それぇっ!!!」 頬張ったクリトリスを口の中であむあむと甘噛みし、モゴモゴと巨大な飴をしゃぶるように舌と口でしゃぶりつくす。人とのサイズ差を考えれば取るに足らぬ小さな私の舌。しかしラストはその小さな舌の極僅かな動きに思い切り快感を注ぎ込まれ、全身をくねらせながら感じている。 「すごっ! やっ、イクぅ……イッてしまっ!」 彼女の言うとおり、喘ぐ声の感覚も短くなり、彼女が絶頂が近いことを私に示してくる。私は優しく舌で舐めまわした後、ちゅぅぅと吸いこむ音が漏れるほど、一気にひくひくと痙攣するクリトリスを吸い上げる。 「っ!? イク……イクイクっ、んはぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」 ラストは身体をガクガクと痙攣させて、文字通り全身で達していた。 私はクリトリスの中に充血している『何か』を全て搾り出してしまうかのように暫くの間吸い続け、その間ずっとラストは小刻みな痙攣を続けていた。 「はー……ネメはん、上手やわぁ。これならもう十分に……」 荒い息を上げていたラストが、ゆるりと上体を起こす。その瞳は儚げに潤んでいて、上気した頬と相まって魅惑的な『女』の顔をしていた。 「―――!」 ドクンと、私の中で何かが弾ける。 「……ン? あ、ちょっとネメはん何を……あふっ!?」 私は余韻を味わうようにまだピクピクと痙攣していたクリトリスに再び洗礼のキスをし、そのまま自分の乳房で両側からクリトリスを挟むように包み込む。 「いえ、まだ満足されてないようなので。もっとして差し上げたいと……」 「い、いやもうじゅうぶ……ひゃぁっ!?」 ローションでぬるぬるの乳房はクリトリスを挟み込もうとしては大きく滑り、ぬちゃぬちゃとした粘着質で淫猥な音を上げ続ける。 「私のパイズリ……気持ちいい、ですか……」 まるで水風船のように肥大化したクリトリスに、針を突き刺すように硬く勃起した自らの乳首を押し当て、グリグリと擦り込むように擦りあげる。 「ひっ!? まだ敏感やのに……や、やぁっ!」 「凄いです……クリトリスだけじゃなくて全身をそんなに震わせて……感じてくれているのですね」 乳首の鋭い刺激と、乳房で包み込むような柔らかな刺激の2つを交互に行って、ラストを快楽の淵へと再び追い込んでいく。特に乳房で男性のペニスを擦り上げるようにする愛撫は、にちゃにちゃとした淫靡な音をたっぷりたてる為に此方も激しい興奮を覚え、行為自体も更に熱を帯びてくる。 「う、ウチまた……イッてま……も……らめ……ぇ」 ラストは息も絶え絶えに、その快楽を受け止めている。同じ女として、その味わっているであろう快楽の大きさに、私は軽い嫉妬を覚える。 「―――っ」 「ひぐっ!?!?」 歯を立てた瞬間、ラストの身体が面白いように跳ねる。 「――かはっ。ね……ネメはん、それは反則、やで」 「………」 「女は喘がせても、泣かせたら……あかん」 目の淵に涙を湛えたラストのその言葉に愕然となる。そうだ、私は大切な人に快楽を……いや、痛みを与えない為に性交の技術を学ぼうと思ったのではなかったのか。 「……ごめん、なさい」 「――――次から気をつけてくれたら、それでええよ。1つ1つ、ゆっくり学んでいったらええねん」 ラストは怒ることなくその細い指先で、くしゃりと私の頭を撫でてくれる。 「それにな、さっきのパイズリは気持ちよかったわぁ。アレもっかいして、な?」 人懐っこい笑みとともにそう言われては、此方から言う事など何も無い。私は返事の代わりに再びクリトリスに優しくキスをして、乳房で挟み込んでゆっくりと上下に動き始める。 「そぅ……とっても……えぇよ…………」 目を閉じて、ゆっくりと快楽の深みへとその身を沈ませていくラスト。 「嬉しいです。こんなのは……如何です、か」 胸で上下に扱くのに加え、舌でチロチロと這うようにクリトリスの先端を刺激する。 「ああっ! それ凄くえぇ……最高やわぁ。もっと……もっと」 ラストの腰がもっともっとと強請っているかのように、左右に小刻みに揺れだす。私は彼女の動きに合わせるようにして、それなりに豊満な乳房でクリトリスを捏ね回し、アイスキャンディーを食べるみたいに舌先で舐っていく。 「あぁ……また、きそぅ……や」 「はい。たっぷりと……イッて、ください」 乳房が摩擦で少し熱くなるくらいに素早く上下に動かし、同時にクリトリスの先端を口に含んで、舌で8の字に舐りながらちゅぅぅと強く吸い上げる。 「あ、あ、あ……イク……イク…………イッ、くううううっ!!!」 きゅぅっと身体を萎縮させた直後、大きく全身を痙攣させるラスト。そして私も、彼女の膣内から噴水のように溢れ出した液体をその全身に浴び、彼女が味わった快楽を後追いするかのように、その意識を拡散させていくのだった。 Web拍手! 続く トップへ戻る
https://w.atwiki.jp/millionbr/pages/150.html
君は希望と言う名の絶望に沈む 希望なんてあるのだろうか。 巨大な希望は、希望と言えないのではないのか。 希望は時に人を押し潰す。 それはもう、希望とは言えないのではないか。 人をそれを、絶望と言うのではないか。 希望と言う名の、絶望に沈む。 ◆ ◆ ◆ まず私と環ちゃんが最初に激突した問題はひとつ、どこに向かうかであった。 北に向かえば城下町がある。 だが南側には別荘がある。 どちらに向かうのが吉かどうか、なんてわかるはずがない。 城下町の方が誰か人が留まっていそう、ではある。 しかし別荘地の方が誰か殺し合いに乗らない人が隠れているなら絶好の場所だろう。 もし、この殺し合いに乗った人が居るとしたら、人が多そうな場所に行きたいはず。 「……うーん」 あまりこういうのは考えすぎるといけないという事くらいはわかっている。 実際どれだけ考えても正解か不正解かなんてわからないのだから。 だったら野生の勘、とでもすればいいのだろうか。 「とは言っても、私にはそういうのはできないし……」 そんな大胆な事をする勇気はない。 大胆な衣装を着させられているのにという声が聞こえた気がするが気のせいである。 実際アレは私に意思じゃなくて、プロデューサーさんに着させられてるのだから。 「環ちゃん、どうしたい? ……あれ」 結局決めきれず、環ちゃんに意見を伺おうとする。 だが、近くに環ちゃんはいなかった。 どこに行ったのだろうか、まさか誘拐されたのでは……。 いや、こんな静かな場所で誘拐みたいなことをしたら流石に私も気づく。 じゃあ環ちゃん自身がどこかに行ってしまったか。 最初の時も先に行こうとしたところを止めてたはずなのに。 流石は環ちゃんの行動力と言うべきだろうか。 まぁ、こうなっては仕方ないのだけれど。 「環ちゃーん! どこー!?」 「ふうかー! きてー!」 と、そこで少し遠くから声が返ってきた。 気付かないうちに環ちゃんが先に進んでしまっていただけだったようだ。 不安だったが考えすぎで助かったと言える。 だが、来てと言っているという事は何か見つけたのだろうか。 歩き始めて数分、環ちゃんが立っていた。 そこまでは良かった。 その次が予想していなかった。 環ちゃんの傍に誰かが立っている。 「……亜美、ちゃん?」 双海亜美、一瞬真美ちゃんとどっちだったかわからなかった。 基本的に瓜二つな双子だと、こういう事はたまに起こる。 とりあえずすぐに駆け寄る。 どうやら、環ちゃんが亜美ちゃんを見つけたようだ。 ある意味良かったと言えば良かったのだろう。 だが、それは結果論であり、最悪死んでた可能性だってある。 「良かったと言えばよかったけど、ダメだよ? 急にいなくなっちゃ」 「はーい……」 まぁ、結果的に何とかなったから良しで終わらせよう。 とりあえず今すべきことは亜美ちゃんに話を聞くことだ。 「ねぇ、亜美ちゃ――――」 その声は、最後まで出る事はなかった。 亜美ちゃんがいつの間にか、移動していたから。 いや、違う。 私たちを、殺そうとしていたから。 「環ちゃん!!」 どうすればよかったかなんてわからなかった。 ただ、いつの間にか環ちゃんを転ばせてしまっていた。 同時に、左腕に痛みが生じる。 「い、……!」 最初、自分に何が起きたのかわからなかった。 そもそも、なぜこうなったのかまったく理解できなかった。 だが、環ちゃんの血の気の引いた顔と発言で、ようやく理解できた。 「ふ、ふうか……ち、血が……」 左腕を、刃物で切られた。 動脈が切れたのか、血が噴き出るように出てくる。 しかし、あくまですぐに対処すれば問題はない。 もし、『環ちゃんを転ばせなかったら』と考えると自分の顔が真っ青になる。 「あーあ……外しちゃったか」 亜美ちゃんは、少し距離を取りそう言った。 今の発言から、行動からして、殺す気でいたのは明白だった。 もし、今環ちゃんを転ばせなければ、どうなっていただろうか。 下手をすれば、頸動脈を切られていたかもしれない。 そんな簡単に頸動脈は切れるものではないが、ないとは言いきれない。 そんな事を亜美ちゃんは、堂々とやろうとしたのだ。 「……なんで……殺し合いに、乗るの……?」 痛みをこらえながら、亜美に問う。 だが、答えてはくれない。 「そんな事をしても、誰も喜んでくれないよ……皆で協力すれば、なんとかなるはずだよ!」 亜美ちゃんは喋らない。 動こうともしない。 「私達だけじゃ、なにもできないかもしれないけど……」 「他の皆だって、きっとなんとかしようと動いてくれてるはずだから」 「怖くても、立ち向かおうとしてくれているはずだから」 「だから、逃げちゃだめだよ……一緒に、プロデューサーさんを」 「やめてよ」 質問からの最初の返答は、そんな簡単な一言だった。 泣いているような、鼻声のような、そんな声で。 「なんでみんな、そんなに前向きでいられるの?」 「琴葉お姉ちゃんだって、ひびきんだってそうだよ」 「みんなみんな、諦めずに、真っ直ぐで……」 「でも、そんなの亜美にはできっこないんだよ……!」 「こんなの、出来っこないんだよ!」 「兄ちゃんは助けてくれるどころが、こんな事をさせるし!」 「社長だって、死んじゃったし、もう……!」 「もう希望なんて、どこにもないんだよ!」 私に対して、今まで黙っていた分を吐き出すように。 そう言うと再び亜美ちゃんはノコギリを構える。 対してこちらは、何も準備はできていない。 それどころが、出血を続ける左腕の処置すらできていない。 (あぁ――――せめて、環ちゃんだけでも逃がしてあげないと) 傷を負った今、自分は走って逃げる事はできない。 最低限の処置をしたとしても、すぐに運動をすれば出血量が増える。 この場を切り抜ける術が、浮かばない。 視界も少しづつ、靄がかかってきたような感じがする。 動脈が切れているのだろう、出血は止まらず処置をしなければ死ぬのは間違いない。 左腕に力も入らなくなっている。 だからせめて、亜美ちゃんを抑えて逃がしてあげないといけない。 (――――あれ) ふとそこで気付いた。 環がいなくなっていたのだ。 逃げてくれたのだろうか、それならば問題はない。 自分はこのまま行けば、どうしようもなくなる。 だから、これでよかったのだ。 「らああああああああああああああああ!!」 ドン、と言う音とともに声が耳に響く。 朦朧として放りだそうとした意識が、途端に戻ってくる。 何事かと前を見る。 「環ちゃん……」 「ふうか! たまきが何とかするから! 逃げて!」 「駄目! 環ちゃんが逃げて……私なら大丈夫だから!」 環ちゃんが、その小さな体で亜美ちゃんを押し倒していた。 だが、危険なのは間違いがない。 体格では環の分が悪すぎる。 下手をすれば、殺されかねない。 だが、環ちゃんは恐れを知らないかのように。 ただ勇敢に、亜美ちゃんを抑え込む。 「いやだ!」 「駄目だよ、危ないから! すぐに亜美ちゃんから離れて!」 「いやだ……!」 「……え?」 「たまきがおやぶんに、みんなに会えても! ふうかだけが痛い思いするのは、いやだ!」 自分が情けなく思えてしまった。 環ちゃんは、諦めていないのだ。 この場を切り抜ける事も、皆を助けることも。 自分を犠牲にしようとしていた自分とは違う。 諦めようとしていた自分とは違う。 諦めないで、頑張らないと。 その思いが、自分の中を支配した。 まずそのためにどうすればいいか、パニックに陥りかけてる頭で考える。 ここから何をすれば、環ちゃんを救えるのか。 「……違う」 考えるんじゃない、行動するのだ。 左腕が動かなくても右腕と足は動く。 まず、亜美が持っているノコギリを無理やり奪う。 環ちゃんが抑えてくれていたから、すぐに取れた。 これで危険は薄くなった。 次に、支給品から救急箱を取り出す。 ガーゼと消毒液を取り出し、組み合わせすぐに傷口を抑える。 もう一枚のガーゼを水にぬらし、周りの血液を出来るだけふき取る。 次に、固定するもの……がない。 腕に出来るだけ血液を回さないようにするために、タオルでもあればいいのだが、ない。 「……仕方ない」 先ほど腕に傷を受けた場所の服を掴むそれを引っ張り、服の繊維の部分にアイスピックを刺す。 それを思い切り引っぱり、服を切断し、また刺し、切断しを繰り返す。 もしずれたりミスをしたら危険だが、そう言っている余裕はない。 元々薄い服のため、そこまで時間はかからなかった。 左腕の方だけ半袖みたくなってしまったが、その切った服で腕を思い切り縛る。 「……よし!」 これで応急処置は完了した。 だが、傷口を抑えていないといけないし縛ったのも不完全だ。 今は急いで逃げて、完全な処置をしなくてはいけない。 「環ちゃん、来て!」 そう声をかけると、環ちゃんはすぐに亜美ちゃんから離れた。 体中が擦り傷だらけで、どれだけ頑張ってくれていたかがすぐに分かった。 後で治療してあげないといけない。 だが、今は逃げる事が先決だ。 「……亜美ちゃん、ごめんね」 ただそれだけ呟き、そこから逃げる。 追いかけてきたらいけない、まずは助かることが大事なのだから。 ◆ ◆ ◆ もう追ってきてはいなかった。 武器を奪っておいたから、追ってこなかったのだろうか。 そう考えると、あの行動は自分のためにもなったのだろう。 だがまずは、命拾いをした事を喜ぶべきだろう。 「ふうか……だいじょうぶ?」 「ありがとう、環ちゃん……助かったよ」 擦り傷だらけの環ちゃんがにっこりと笑う。 助けられたのは私の方だというのに、本当にいい子だ。 だが、すぐにその表情が曇る。 「でも……あみ、なんでこんなこと……」 その原因は、やはり亜美ちゃんだった。 あのムードメーカーだった子が殺し合いに乗って殺しに来た、というだけでもかなりの事だ。 かくいう私も、かなり衝撃を受けた。 この殺し合いと言うイベントは、非常に重いものだと実感させられた。 忘れたつもりはないが、その印象をさらに叩きつけられたようである。 でも、諦めたくはない。 ここで折れてしまうのは簡単だけれども。 「……わからないけど、止めてあげないと」 皆と一緒に、また元に戻れると信じて。 まずすべきことは、仲間を探すこと。 (……そういえば、琴葉ちゃんと響ちゃんの話を亜美ちゃんがしてた……よね) という事は近くにいるのかもしれない。 あの話からすれば、自分たちと同じような考えをしているとも考えられる。 ならばするべきことは、まずはここから近い城下町に行って2人を探すことだ。 「環ちゃん、行こう……皆を探しに」 先はまだ長いけれど。 もう諦めたりはしない。 最後まで立ち向かって、プロデューサーさんに話をしないといけないから。 【一日目/午前/B-2】 【豊川風花】 [状態]左腕に裂傷(応急処置済み)、失血(軽度)、服の左腕部分が切断されている [装備] アイスピック [所持品]支給品一式(救急箱一部使用)、ノコギリ、ランダム支給品(0~1) [思考・行動] 基本:皆を信じて、このイベントに諦めないで立ち向かう。 1:城下町まで行く 2:環ちゃんを治療してあげないと…… 3:琴葉ちゃんと響ちゃんがどこか近くにいる……? 【大神環】 [状態]体中に擦り傷 [装備] なし [所持品]支給品一式、ランダム支給品(1~2) [思考・行動] 基本:みんなと一緒にいたい、ふうかについてく。 1:あみ…… ◆ ◆ ◆ 全て終わった後に残ったのは、絶望だった。 武器はこの手から無くなった。 それだけじゃない、戦う気も今はない。 自分から全て奪われ、抜け殻にでもなった気分である。 横たわりながら空を見てふと呟く。 「……なんで、諦めないでいられるんだろうね」 田中琴葉も我那覇響も大神環も豊川風花も皆諦めていなかった。 抗おうと言う意思が、見えた。 こんな絶望的な状況であるのにも関わらず。 「希望なんて、あるはずがないのに」 起き上がろうとするが、起き上がれない。 先ほど環と争った時の疲労のせいだろうか。 武器もなくなってどうしようもないという心労のせいか。 「……何か武器、探しに行かないと」 だが、今はただ――――動きたくなかった。 絶望に支配された体が、重かったから。 【一日目/午前/B-2】 【双海亜美】 [状態]体中に擦り傷 [装備] なし [所持品]支給品一式、ランダム支給品(0~1) [思考・行動] 基本:死にたくないから、殺し合いに乗る 1:武器を見つけないと…… 2:真美には……会いたくないなぁ 3:希望って……なんだろうね? beginner s first strike 時系列順に読む ♪イコロシア beginner s first strike 投下順に読む ♪イコロシア The hop, step, and……? 大神環 それでも、生きてゆく 豊川風花 L<>R 双海亜美 りんごのうた ▲上へ戻る
https://w.atwiki.jp/legends/pages/3629.html
誘拐と人食い 14 一人ずつ 一人ずつ 端から順に消されていく『ソニー・ビーン一家』の子供達 狩りの作戦を立てていた者も それを遂行するための鍛錬をしていた者も 狩りのための武器を作っていた者も 獲物を家族の食事へと加工していた者も 分け隔てなく端から順に 認識する事の出来ない交通標識に引き摺り込まれ 自分達が獲物である家族以外の人間にやってきたように 喰われる肉へと加工されていく 『いつ』という認識を自在に操る『フライング・スパゲッティ・モンスター』の能力により、すぐ隣で家族が消えたとしても それが『いつ』だったのかという認識を狂わされ、疑問に思う事すら出来なかった ただ一人 家長である『ソニー・ビーン』ただ一人を除いて ――― 子供達の数が次々と減っている だが子供達からは敵襲の報告は無い 例え『無敵』の状態でなくとも、そう簡単に倒されるような性能ではない そうなるように、きちんと計画的に交配をさせ、優秀な戦闘要員を作り上げてきたはずなのだ ガスか、病毒か、姿無き暗殺者か 捕えたかつての娘が与していたであろう事から、無差別攻撃は仕掛けてこないという油断をしていたのだが 捕まった事すら、彼女諸共『ソニー・ビーン一家』を殲滅する為の作戦だとしたら、猶予は無い 早急に退路を確保しなければならないという事だ だが彼はふと気が付く 子供達は、確実に『一人ずつ』減っている 常に集団行動をしている子供達が無差別攻撃によって倒されるのならば、1グループずつでしか有り得ない そして、減っている子供はまず『この下水道から消えて』から『何処かへ転移して一瞬で殺されている』 「なるほど、やるものだ」 『ソニー・ビーン』は薄く笑うと、子供達が次々と消えている方へと直線的に視線を向け 檻の中で虚ろな目付きで転がっているポーラへ、皮肉げな声でそう告げる その言葉が届いたのか、ポーラは僅かに身動ぎし己の唇を貪る少女を押し退け、唇の端を僅かに歪めて笑い 「……ですとろーい」 「まだそのような口が叩けるか」 その言葉を、未だ彼女を堕とせぬ叱責と受け取ったのか、少女達は今までよりも熱心にポーラの身体を舐り始めた 「ぃっ! ん、ぅっ! ひぅんっ!?」 浮かせた腰を挟み込むように顔を埋めた少女達が、一心不乱にポーラの体液を啜り唾液を粘膜に擦り込んでいく 「私を、父と認めるかね?」 「あっ、ひぁ、っ! ふくっ……ふぁっ、きん、しりあるきらー……っ!」 その言葉もただの強がり、折れる直前の跳ね返りに過ぎないと認識している『ソニー・ビーン』は薄い笑みを浮かべて檻を離れていく 愛する家族を害する者を排除するために ――― 「これで何人かなー?」 血と脂で彩られたキッチンに積み上げられた人骨を、『人肉饅頭屋』の女が指差し数えていく 「そろそろ50、半分ってとこかしら?」 「まだまだペースを上げても大丈夫だがね」 返り血一つ浴びていない綺麗なコックコート姿で、悠々と語る『殺人肉屋』の男 「それじゃ、次いきますよー」 『交通標識のモデル』がのんびりと次のターゲットを攫うべく、その身体を掴んだ瞬間 《手を離せ!》 無線から飛び込んできたピーターの焦燥の声 「へ?」 その言葉は一瞬遅かった ――― ピーターが、その一角に居た最後の子供に近付いたその時だった 交通標識から膨れ上がった怪人が子供の身体に触れた瞬間 下水道の闇の奥から、突然湧き上がるようにして現れた『ソニー・ビーン』が、交通標識に引き摺り込まれかけた我が子の足を掴んだのだ 「そんなまさか!? 僕達が『いつ』存在しているかの認識は、完全にずらしてあるはず!」 聞こえていないはずの言葉を、『ソニー・ビーン』は嘲笑う 「何処の誰が何をしているかは知らないが、私は常に我が子達の状態を認識しているのだよ」 ずるりと交通標識に引き摺りこまれる子供に続いて、『ソニー・ビーン』もまた交通標識へと飛び込んでいく 状況は一瞬 対策を簡潔に実行させるべく、ピーターは無線に向かって思い切り叫んでいた 「手を離せ!」 ――― キッチンに引き摺りこまれた子供の手足が、先程までと何ら変わる事なく簡単にもぎ取られる 「どうしたネ?」 「どうしたヨ?」 動けなくなった子供の下へ、とてとてと駆け寄る『達磨女の見世物小屋』の双子少女 拾い上げようとした片足の足首を、大人の手が掴んでいた 「―――」 少女が何か言おうとした 少女が何かしようとした 瞬きした時にはその手は既に視界から消えていて 「え、きゅぐっ」 交通標識から飛び出してきた『ソニー・ビーン』が、鶏でも絞めるように少女の頚骨を捻り折り もう一人がそれに気がついた瞬間、その喉笛に喰らいつき 「か、は」 ぐちゃりと音を立てて食い千切った 折り重なって倒れる双子の少女には目もくれず、床に転がされた我が子の姿に眉を顰める 口の中に残った少女の喉笛をくちゃくちゃと咀嚼し、ごくりと飲み下して『ソニー・ビーン』は宣言した 「48人。貴様らが殺したであろう我が子達の数だ」 血に塗れた口元を歪め、『ソニー・ビーン』は高らかに宣言する 「お前らはその数を取り戻すまでの栄養となれ」 その言葉を挑戦と受け取ったのは、『人肉饅頭屋』の女と『殺人肉屋』の男の2人 それぞれ中華包丁と肉切り包丁を手に、臨戦体制を取る 「舐めるな、三下が」 『ソニー・ビーン』そう呟くと、子供達が持っていたものとは違う、大振りな金属製のナイフを両手に握る 「私は家長であり、一族の一家の主だ。家族を教え、導き、守る存在であり」 ずるり、と 『殺人肉屋』の身体が、ずれた 「な、が、あぶ」 輪切りにされ、失敗した達磨落としのようにその場に崩れ落ちる『殺人肉屋』 「何より一族としての『名』を持つ私は、貴様ら十把一絡げの殺人都市伝説とは格が違うのだよ」 「くっ……!」 相当な戦闘能力を持つ者でも、そうは見切れない速度で放たれた、重く肉厚な中華包丁の斬撃 その尽くが質量では遥かに劣るナイフにより弾き落とされる 「私を、数による無敵性さえ無ければ大した事は出来ない、ただの殺人都市伝説だとでも思ったか?」 ぱきゅん、と 軽い音を立てて、鉛弾が弾き逸らされる 「お喋りに夢中になってりゃ当たると思ったんだがな」 拳銃を構えたサロリアスが、舌打ちする 「だがまあ、今ので判った」 「何がだね?」 「わざわざ銃弾を弾いたって事は、死ぬような攻撃が当たりゃ素直に死ぬって事がだよ」 銃口をぴたりと『ソニー・ビーン』に向け、咥えていた煙草を床に吐き捨てる 「音門の、儂を巻き込むでないわい」 「ジジイ、手前ぇの作戦だろうが。どうせ最後にゃアレを仕留めなきゃいかんのだろうがよ」 ぼやいたものの、このままではどうしようもないと考えたのか 「人さえ喰わなきゃ、産めよ増やせよなところは気が合うと思うんじゃがのぅ……どっこいせ」 がっしりとした体格に似合わない古めかしい楢の木の杖をついて、のんびりと立ち上がる老人 「儂、自衛しかせんぞ。本気で戦ったら嫁にこの町に隠れてるのがバレるでの」 「死んで喰われるのと嫁に見付かるのとどっちが恐いってんだ」 「嫁に決まっとろうが」 そんな駄話の合間に、『ソニー・ビーン』の背後に巨大な影が迫る 「小賢しい」 両手のナイフが迫るものを寸刻みにするほどに斬りつける が、その影は意に介した様子もなく迫りその身体を掴もうとする 「人体やそれに類するものを殺すのは得意そうだけど、そうでないものとかはどうかな?」 交通標識から膨れ上がる、人攫いの男の影 だが攻撃こそ通用しないものの、その少々鈍重な動きは『ソニー・ビーン』を捉える事は出来ていない 「本体を殺せば問題あるまい」 一瞬で死角に潜り込み、『交通標識のモデル』の延髄にナイフを突き立てる 思い切り捻りを入れて中身を攪拌した感触が手に伝わってきたのを確認し 「なるほど、厄介だ」 即座に身を引いて、膨れ上がった人攫いの男の影の間合いから逃れる 「便利だから人型をしてるけど、僕は契約者じゃなくて都市伝説そのものだからね」 ミンチになった延髄など気にした様子も無く、シルエットのように色を無くしていく『交通標識のモデル』 「喰えん輩は放置して、順に片付けていくか」 『ソニー・ビーン』背後を取った『人肉饅頭屋』が、中華包丁をその脳天に振り下す だがその一撃は届く事無く腕が刻み落とされ、十字に抉られた腹から腸が零れ落ちた どちゃりと自らの血と腸の中に倒れ込む『人肉饅頭屋』の女 「あと2人を殺してから、ゆっくりとお前を殺す手を考えるとしよう」 そう言って『ソニー・ビーン』はナイフの血を振るい落とし、サロリアスと老人の元へと悠然と歩を進めていった 前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ
https://w.atwiki.jp/slowlove/pages/135.html
少年は竹林を歩いていた。雪の吹きすさぶ中、一度迷えば二度と出られないという竹林 をただ歩く。 傍から見れば完全な自殺行為にしか見えないだろう。何のために、と問われると返答に 困る。 しかし確実にいえることが一つ、死ぬために歩いているのではない。それだけは確かだっ た。 死に相対し生を渇望する。十に満たない少年が出来ることではなかったが、彼にはそれ を為すだけの理由があったのだ。 だから歩く。強風に足を取られそうになっても、凍てつく吹雪に凍えそうになっても。 ただ、一つの目的の為に。 『わからない橙、わかりたい橙』 ゆっくり橙の生は恵まれたものではなかった。生まれて直ぐに両親から引き離され、そ れ以降会うこともままならず、安否すら定かではない。そして"おじさん"から調教と称 する虐待の日々が始まり、それが終わりを告げた今は露店に並べられている。 ――どうか優しい人に買われますように その願いが儚いものであることは橙も理解していた。 仲間達は誰もが殴られ蹴られながら、 「わがるぅー! わがるがらなぐらないでぇぇぇ!」 と泣き叫びながら買われていった。 一匹二匹と数が減っていき、次はとうとう自分の番になってしまう。 怖そうなおじさんや悪戯な子供が覗き込むたびに目を瞑ってやり過ごそうとしてきた。 そして優しそうな人が来ればぴょこんぴょこんと跳ねてアピールをする。 果たしてその努力が実ったのか、橙の元へと歩いてくる人影があった。 祭りの夜には似つかわしくない上等な着物を来た老夫婦。優しそう、という感じでもな くただ覇気がない。しかし自分を虐めなさそうというだけでも橙にとっては良き飼い主に 違いなかった。 じっと橙を眺める夫妻に段々と期待が膨らんでいく。 「わかる、わかるよ!」 買ってくれるんだね、と橙は再び飛び跳ねる。 それを鬱陶しそうに眺めながら的屋の親父が口を開いた。 「へい、らっしゃい! どれでもお一つ十銭。他では中々手に入りませんよ!?」 親父の声は耳が痛くなる程の大声だったが、相変わらず覇気のない夫妻。妻は俯いたま ま、夫の方がぼそぼそと聞き取れる限界くらいの声で喋る。 「これは何かね」 「ゆっくりですよ、ゆっくり! まあ霊夢と魔理沙が有名で、橙は知らない人もいるかも しれませんがね。何しろこいつら素早いですから、野生で見かけることもあまりないです からね。その希少なゆっくりがこの値段! お買い得ですよ!」 「逃げたりはしないのかね?」 「大丈夫ですよ、ほれこの通り」 親父の拳骨が振り下ろされる。形が変形するほどの衝撃が橙を襲った。 「い゛だい゛! わかる、わかるよ!」 「ばっちり調教済みなんでご安心! ストレス解消からお子さんの情操教育までこなす完 璧なペットですよ!?」 老夫婦は暫く考え込んでいたが、 「一つ貰おうか」 「毎度っ!」 「わかるよ!」 ぴょいんと飛び跳ね一回転。殴られた痛みも忘れて老夫婦に買われたことを喜ぶ橙。 もう殴られることはないんだ。そのことをただ純粋に喜んでいた。 * 「なに、こいつ?」 第一声はそんな台詞だった。 老夫婦に連れて来られた家は華美にならない程度にあしらわれた品の良い家だった。豪 邸だとも言って言い。 「この子の遊び相手になってくれ」 そういって通された部屋にいた少年が最初に放った言葉だった。 色白で背は低くやせ気味の十に届くかどうかといった頃合の少年。髪は綺麗に切り揃え られ、着物は部屋着にしては高価な布が使われている。普通にしていれば上品な少年で通 りそうな可愛い子なのだろう。しかしそれに反して視線はどこまでも冷めており、意地悪 そうな目つきで橙を睨んでいるのだ。 「わかる、わかるよ!」 「そうか、では頼んだよ」 二人は少年と目を合わせないようにしてそそくさと部屋を出て行った。 本当は何もわからない。不安な気持ちで一杯だったが、それでもわかるというように橙 は教育されていた。 精一杯愛らしく見える笑顔を浮かべて橙は少年に擦り寄っていく。怖そうに見えても本 当は良い人かもしれない。 「わかる、わかる゛っ!」 そんな淡い期待は振り下ろされた腕と共に儚く砕け散った。 十畳ほどもある部屋の半分くらいを転がってようやく勢いが弱まる。何とか壁にぶつか ることはなかった。 「わがっ……わがる、わがるよぉ……」 「何でここに来たのか知らないけど僕に近付くなよ」 そう言って少年は椅子に座ると本を読み始めた。 どうすればいいかもわからず橙は部屋の隅で、 「わかる、わかるよ……」 小さく呟くことしか出来なかった。 * 返品だけはされたくない、それが橙の心を占める思いだった。 帰ってきた仲間達の姿、それは思い出したくもないほどぼろぼろだった。しかしその弱 りきった仲間達に待つ運命、それを教育と称して見せ付けられたゆっくり達は驚くほど従 順になる。 自分を買ったのが老夫婦で、彼らは少年の遊び相手になってくれと言った。それならば いくら殴られようと蹴られようと、自分は少年と遊ぼうとするしか道はない。もし少しで も夫婦の気に食わないことになった結果、それが返品なのだとしたら例え餡子がはみ出る くらいに少年に殴られようと我慢出来るのだ。 「わかる、わかるよー!」 「うるさい!」 「あがっ! わがるよう゛!」 タイミングを見計らい少年に擦り寄ろうと努力する。しかしその度に殴られ、蹴られ、 部屋の隅へと追いやられる。 広い部屋の隅にぽつんと置いてある机、そこが少年の定位置だった。その対角線が橙の 場所。ただ座布団がぞんざいにおいてあるだけの寒々しい住処だった。 「わかるよー……」 自分の言葉が少年には届かない。そのことに気が付いていても橙には他に言える言葉が なかった。 * 橙の一日は緊張と共に有った。 まだまだ子供で遊び盛りだが、少年は一緒には遊んでくれない。一人で遊ぼうと思って もうるさくすると怒鳴られて、仕舞には殴られてしまう。いくらゆっくり出来るとはいえ、 何もせずにいるのは橙には苦痛でしかなかった。 また空腹との闘いもある。朝昼晩と食事はあるのだが、犬の餌と大差のない美味しくな いものだった。そしてわざとなのかわかっていないのか、成長期のゆっくりには余りにも 量が足りない。こんなものでも長靴一杯食べたいと思ってしまう程に。 外に出ることを許されない橙は、虫や草花で飢えを凌ぐことも出来ない。清潔に保たれ ている家屋には油虫さえ存在しない。腹の足しになりそうな虫を見つけることは出来なかっ た。 それに比べると少年の食事は毎食豪華だった。肉や魚という幻想郷では割と貴重な食材 がふんだんに使われ、揚げ物や刺身、そして橙には見たことのない外の世界の食材すら食 卓に並ぶことがあった。 食卓、といっても食事は全て女中によって部屋の前にまで運ばれて、その膳を少年が机 に運んで食べているだけであった。 その時間は橙にとっては辛いものになる。ただでさえ空腹の橙を食欲を誘う香しい匂い が襲うのだ。それだけで涎が間断なく流れ落ち、住居である座布団を汚していく。 「わひゃる、わひゃるよー」 涎で言葉も上手く喋れない。もう食事を分けて貰おうと擦り寄ることさえ無駄だとわかっ ていても、期待して見つめることだけは止められなかった。 しかし広い部屋の対角線にいる彼がその視線に気が付くことはない。 辛いことがもう一つ。少年は食事中に何度も席を立つのだ。まるで橙を試しているかの ように、何度も何度も。 もしその隙を付いたならば、自分もあの料理が食べられるかもしれない。そんなことを 考えてしまうのが何より辛いのだ。 絶対に食べられないならばまだ諦めが付く。だが誘われるように机にふらふらと近付き その度に戻ってくる少年の足音で慌てて座布団へと取って返す。 それが一日三回、毎日繰り返される。 少しづつ、少しづつ、橙のたがは緩んでいった。 偶然とは重なるものだ。その日は朝から夫婦がおらず、橙は全く食事にありつけなかっ た。女中は少年の食事は運んでくるが、橙のことは見ようとすらしない。 朝昼と我慢はしていたが、夜になる頃には中身の餡子がなくなってしまったんじゃない かと思うほどに絶望的な空腹感が橙を襲っていた。 今晩も少年の食事は豪華なもので、本人も気付かないうちに橙は少しづつ少年に近付い ていった。 今日も少年は席を立つ。近付いていた橙に気付かないまま部屋を出て行った少年に橙は 最大のチャンスが訪れたことを知る。 この位置ならば一品だけ料理を取って座布団まで引き返せば、少年に気付かれない可能 性は高い。 駄目だ、ばれたら返品されるかもしれない。 そうは思っても体は止まってくれなかった。気が付くと机の上に乗って料理を物色して いる。 「わかる、わかるよー!」 どれもこれも美味しそうな料理ばかりだ。こんな料理でも少年は残すことが多い。 橙なら絶対全部食べるのに、といつも思っている。だから少年が残しそうな料理には目 星が付いている。香ばしい匂いの揚げ物、それが橙の狙いだった。ボリュームもあり、そ して物凄く食欲をそそる匂い。さらに少年が口にしない定番の料理。 これならきっと大丈夫だ。そっと舌で掴んで隠れよう。そんな思考が残っていたのは料 理が舌に触れるまでだった。 「わかる、わかるよー!! しあわせー! おいしーよー!」 一つだけ、そう思っていたのがもう一つ。もう一つだけと際限なく繰り返される。それ ほどまでに衝撃的だった。例え空腹でなかったにしろ結果は同じだっただろう。 引き戸の立てる音、それが天国にまで上っていた橙の気持ちを地に落とした。 ゆっくりと振り返ると少年があの怖い視線で見つめていた。 ぽろりと口から食べかけの料理が落ちる。それが床を汚していることにすら橙は気付く ことが出来なかった。 近付いてくる少年の一歩一歩の足音が死刑宣告の如く聞こえた。 伸ばされた腕に思わず目を固く閉じたとき、 「へぇ……お前饅頭の癖にこんなもの食べるのか。餡子しか食べないと思ってた」 「…………?」 恐る恐る片目を開けるが、少年の顔は意外だというだけで他意を感じない。 「た、たべるよー。なんでもたべるよー」 それはもっと食べたい、ということもなく反射的に答えただけだった。 「ふーん……ほら、あーん」 「あ、あーん……むぐむぐ、しあわせー!」 口の中に揚げ物が放り込まれる。最初に広がる油の甘さ、そして咀嚼した瞬間に口一杯 に感じる肉汁。噛むたびに肉の歯ごたえと共に感じるのは肉本来の旨味。そしてそれを引 き立たせている塩と香辛料。橙はもう死んでもいいと思ってしまうほどの多幸感に包まれ ていた。 「ほら」 「あー、んぐ……むーしゃむーしゃ……わかる、わかるよおおおお!」 続けざまに放り込まれた白米。始めはこの美味しさの邪魔をしないで欲しい、そう思っ ていたのも束の間、絶妙に絡み合った白米と肉の味が引き立てる味の調和に舌鼓を打つ。 「わかるよー! しあわせ、しあわせのくりかえしだよー!!」 「ほら、まだまだあるぞ」 次々に放り込まれる料理。しかし無理矢理詰め込まれることはなく、時としてお茶まで 飲ませてくれる。 少年が何を考えているのかはわからなかったが、そんなことはどうでもよかった。 ただ橙はこの天国のような時間をいつまでも感じていたいと、それだけを願っていた。 * その日から少しだけ少年の橙の扱いが変わっていった。 まず少年の食事を分けてくれるようになった。橙にとって最も嬉しい変化である。食事 毎に天にも昇る気持ちになって「しあわせ、しあわせ」と叫ぶ橙をどう思ったのか。少年 の橙に対する反応は薄かったが、決して悪いものではなかった。 思わず飛び跳ねてしまった時、怒られると思っておずおずと少年の顔色を伺ったりもし た。しかし少年は無言で視線を逸らすだけで、橙を殴ったりはしなくなった。 運動が出来る、それも橙には喜ばしいことだ。あくまで少年が怒らないように、控えめ なものだったが、布団の上を転がったり、押入れの上部から布団に飛び降りたりとうるさ くならない遊びを考えてははしゃぎ回る。少年はそんな橙の姿を黙って見ているだけだ。 そして遊び疲れた頃には美味しい食事が待っている。最早返品を恐怖することはない。 少年のことはまだ"わからない"が段々と橙は気を許すようになっていた。 「たのしいよー! すっごくわかるよー!!」 落下遊びは段々と高さを求めて行き、今では天井の梁からのダイブを決行していた。少 年の布団は幾多の橙の重みを吸収した結果、煎餅布団のようになっていたがやはり少年は 怒らない。 すっかり少年に気を許した橙は段々と少年との距離を縮めていった。部屋の隅の寒々し い寝床が嫌で、座布団を少年の布団の横へと移動させる。始めは近くで寝ていただけだっ たが、寝惚けた橙が少年の布団の中に入っても、背を向けるだけで少年は文句も言わず、 手や足をだすこともない。初めて感じる人肌の温もりは、豪勢な食事を食べた時に勝ると も劣らない幸福を生んだ。 「んーんー!」 口に咥えたものを少年に見せる。 「何だ、それ?」 「おしいれにはいっていたよ! わかる!?」 「ああ、西洋カルタか。おと……あいつらが香霖堂とかいう店で買ってきたんだよ」 「あそびー? わかるよー、やってみたいよー!」 「やだ。面倒」 「わからないよー? おもしろいかもー! やろうよー!」 少年は溜息を付く。それでも橙は彼が自分を殴ったりするとは微塵も思わない。 期待に満ちた橙の視線に負けたのかどうか、少年はトランプの中身を取り出すと、カー ドを裏返しにして並べていった。 「神経衰弱。わかる?」 「……?」 「こうやって、こう。一枚ずつめくって同じ数字だったら取る。間違ってたらまた裏返す。 最後に取った枚数の多いほうが勝ち」 「わかる、わかるよー! たのしそー!!」 橙はカードをめくれないので、少年が代わりにめくることになる。 「こっちか?」 「ちがうよー。てまえのやつだよ、そうそっち! わかるよね!?」 「はい残念。前の奴で正解でした」 「あー! だめだめー、とったらだめー!」 ぼふんぼふんと埃を巻き上げて飛び跳ねる橙。そんな抗議も虚しく札は少年の手元に収 まってしまった。 「ずるいよー! わからないよー!」 「ははっ、お前馬鹿だなあ」 少年は橙と出会って初めて笑顔を見せた。余りにも自然すぎて橙は疎か、彼自身もその ことに気付くことはなかった。 * 一日中部屋に篭っている少年は床に臥せっていることが多い。そうでない時間も橙が遊 んでいるのを見ているか、そうでなければ本を読むくらいのことしかしていない。 本来は我侭なゆっくりも、調教の結果人にしていいことと悪いことは完璧に学ばされて いる。いくら退屈でも空腹でも少年を起こすことはしなかった。 だから少年が休んでいる間は橙のお散歩タイムが始まる。 器用に戸を開けると長い廊下をぴょこぴょこ飛び跳ねながら進んでいく。広い屋敷を探 検するだけでも橙の好奇心は満たされる。人とすれ違う時は廊下の隅に伏せ、人が通り過 ぎるとまた飛んで跳ねて転がっていく。 そうして最後に辿り着くのはいつも縁側だった。 この家に連れてこられたのは晩夏、しかし今では冬の土用も過ぎ去って、生の気配が薄 れていく灰色の季節になっていた。 「やあ、いらっしゃい」 縁側に腰をかけているのは橙を買った老夫。冬の日差しを浴びながら橙に声をかけるそ の老人、しかしあの時の無気力さは払拭され、今は優しげな笑みさえ浮かべている。 橙は彼を見つけると一段大きく飛び跳ねて、前方にくるくると回転する。そして見事に 着地を決めると、 「わかるよ!」 といつもの台詞を口にする。 買われてからすっかり体重の増えた橙の重みに床板が軋みを上げるが、彼は穏やかに笑 うのみだった。 着地後、ずりずりと彼に擦り寄っていくと節立った手で頭を撫でられる。 「お前が来てから息子が随分元気になった気がするよ」 「……?」 「いや、わからなくてもいいんだよ。おお、そうだお菓子を食べるかい?」 「それならわかるよ! もなか、おいしいんだよ!」 「そうかいそうかい、お茶菓子がわかるのかい。だったら良いお茶を煎れてあげないとい けないなあ。母さん、済まんがもう一杯お茶をくれ」 奥に呼びかけると直ぐに老婦人がお茶を運んできた。 相変わらず女性は口を開かなかったが、橙は彼女もまた自分を歓迎してくれていること に気が付いていた。 熱いお茶に息を吹きかけて冷ましながら、美味しいお茶菓子を食べる。それが何より幸 せだった。 橙は人生で初めて充実を感じていた。殴られないどころか、衣食住が満たされて、そし て何より自分が必要とされているのだ。その実感は幸福となる。 辛い過去をも忘れ始め、全てが上手く回っている。 橙はその時、そう信じて疑わなかったのだ。 後編へ 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2209.html
※ゆっくり同士のセクロス描写有り。 ※嘘をつきました。そんな描写ばっかりです。 『敏感まりさの失敗 -やめて赤ちゃんすっきりだけは-』 竹林近くの洞窟。 真昼間から二匹のゆっくりが乳繰り合っていた。 お互いの頬をぬちゃねちょと擦りつけ合っている。 「ゆふんゆっふ〜ん!! れいむすごいよぉぉ!!! すっごくゆっくりしてるうぅぅぅ!!!」 「まりさもゆっくりしてるよぉぉ!! もちもちしてきもちいいよ!!」 汗とも愛液とも言える液体が潤滑油の役割を果たし、二匹の動きを激しいものにしていく。 まりさが頬を擦り上げればれいむが頬を擦り下げ、まりさが頬を擦り下げればれいむは頬を擦りあげた。 二匹交互上下に顔を上げ下げすることでより強い快楽が得られた。 「ゆゆっ! れ、れいむぅ、まりさすっきりしちゃうよぉぉ!!」 「まりさってば かけっこもたべるのもはやいけど……すっきりしちゃうのもはやいねぇぇ!!」 「ゆぅ、ゆぅぅ…! きもちいいんだもん! ゆっくりしすぎてすっきりしちゃうのぉ!!」 れいむは動きの鈍ったまりさを壁側に押し込んで固定すると一気に頬を擦りつけてきた。 ラストスパートだ。 壁とれいむに挟まれたまりさは動けずにれいむの責めを受け入れるしかなかった。 「だ、だめだよぉぉ!! へ、へぶんしちゃうのぉ!!」 「もりでいちばんのまりさもすっきりにはよわいね!! かわいいよまりさぁぁ!!」 「らめぇ…かわいいっていったら…す、すっきりー!!!」 まりさはビクビク震えながら達した。 瞳は天井を向き、涎をだらしなく垂らしながらのオーガズム。 目には見えないし実感もないが、まりさの子種がれいむへと注がれていく。 それはともかくれいむはまだすっきりしてない。 「れいむ、まだすっきりしてないよ! ゆっくりほおずりさせてね!!」 「ゆゆぅ、すっきりしたばかりなのに…ゆゆんっ!?」 「すーりすーり!!」 れいむは尚もまりさを押さえつけて頬を擦りつけた。 みっちりと二匹の肌が吸い付きあう。 れいむの頭には茎が生え始めているというのに激しくまりさに頬を擦りつけ、自らも快楽を貪っていた。 それに気付いたまりさだったが体が快楽で蕩け、頭もふわふわして何も言えなかった。 「ゆー! れいむ、そろそろすっきりするよ!!」 「ま、まりさも…またすっきりしちゃうぅぅ!!」 驚くことに、まりさはすっきりしたばかりなのに再びすっきりするようだ。 まさに早漏。早漏まりさである。 「ゆふ、ゆひ、ゆひぃぃぃ」 「びんかんさんだね! じゃあいっしょにすっきりしようね!!」 そして… 「んほぉぉぉぉぉぉ!!!」 「すっきりいぃぃぃぃ!!!」 今度は二匹同時に達した。 流石に疲れたのか二匹とも動きを止め、地面にへたり込んで荒い息をつく。 だが、一分も経たないうちに二匹は頬を擦りつけ始めた。 「や、やめないとだめなのにぃ…」 「でもすっきりしたいよぉ、まりさもそうでしょぉぉ?」 「ゆ、ゆー」 れいむの頭には茎が生え、実が生りそうだった。 だが二匹はそんな事構わずに自らの快楽を欲した。 そんな二匹の周りには同じ種類のキノコがいくつも落ちていた。 齧りかけのキノコもいくつかある。 それはゆっくりが発情しちゃうキノコだった。 発情だけならず、感度も増すというすっきり用キノコ。 まりさは狩り中に偶然見つけ、何も知らずにれいむと一緒に食べてしまったのだ。 その結果がこれだよ! れいむは黒ずんで死んでしまった。 まりさはギリギリ生きていたが衰弱していた。 そして…… 「ゆっくりちていっちぇね!!」「おかーしゃんおなかしゅいたぁ!!」 「おかーしゃんゆっくちー!!」「いっしょにあしょぼうよ!!」 「しゅりしゅりしたいよ!!」「ゆっくちちようね!!」 「ゆ、ゆぅ…」 二匹に生えた茎から生えた数十匹の赤ちゃんゆっくり達がまりさの周りにいた。 それぞれがバラバラにまりさに話しかけ、体に擦り寄ってくる。 言葉をまともに聞き取れないし、望んで産んだ子じゃないので擦りつけられても嬉しくない。 「おかーしゃんどうちたの?」 「ゆっくちしてるの??」 「だったられいみゅもゆっくちしちゃいよ!!」 「でもおなかしゅいたよ!!」 「ゆゅーん! おかーしゃんおなかしゅいたよー!!」 「なにたべればいいのー??」 「おちてるのをかってにたべていってね!」 普通は茎を噛んで柔らかくしたのを赤ちゃんに与えるものだが、まりさはそれをしなかった。 赤ちゃんゆっくりに罪がないのは分かっていても赤ちゃんを好きになれなかった。 5〜6匹ならば普通に育てただろう。 でもこの赤ちゃん達は多すぎる。 面倒見切れないし、次々に話しかけてくるのが非常に五月蠅い。 全然ゆっくり出来ない。 もう娘たちにはうんざりしていた。 まりさはすっきりも早いが見限るのも相当に早かった。 とりあえず何か食べさせた後は適当な事を言って見捨てて引っ越そう、そのように考えていた。 一方の赤ちゃんゆっくり達は母まりさに挨拶の返事を貰えなかったり定員漏れでスリスリ出来なかったりで不満はあった。 でもお腹は空いていたので母の言う通りに地面に落ちている茎やキノコを食べ始める。 まりさも、もちろん赤ちゃんゆっくりも知らないが、そのキノコは発情キノコだ。 体の小さい赤ちゃんゆっくりがそんな物を食べたらどうなるか… その答えはこれだ。 「ゆゅ? にゃんだか からだがぽかぽかしてきちゃよ!!」 「ゆー、まりしゃもぉ」 「おかーしゃん、このきもちおしえちぇね!」 「ゆ? ゆく? ゆっくり??」 まりさは明らかにおかしくなった赤ちゃんゆっくりに戸惑った。 信じがたいが産まれてすぐの娘達は発情しているようだった。 先ほどのまりさとれいむを思い出させる。 「ゆぅ、しゅりしゅりしちゃいよぉ」 「なんだかゆっくちできそうだね。しゅりしゅり…しようよ おかーしゃん」 赤ちゃんゆっくり達は熱を帯びた瞳でまりさを見つけながら近寄ってくる。 「や、犯られる!?」と思ったが、まりさの頭で電球ピコーン。 こんなたくさんの赤ちゃんは面倒見切れない。 だったら赤ちゃんを見捨ててどこかへ行こうと考えた。 でもちょっと待てと。 何で赤ちゃんのためにこのゆっくり出来る洞窟を去らないといけないのか。 そうだ。出ていくのは赤ちゃんゆっくりだ。 でも力で追い出してもいつ戻ってくるのか分からないし、ましてや潰して殺すなんて嫌だ。 じゃあ、お互いに殺し合ってもらえばいいじゃない。 愛のある行為で殺し合うなら…すっきりして死ねるなら悪いことじゃないはずだ。きっと。 普段のまりさなら思い付かなかったであろうゆっくり的名案。 すっきりしすぎたおかげで軽く賢者モード入っていたからこそ思い付いた。 思い付いたら即行動。 まりさはすっきりするのも早ければ行動するのも早かった。 「あかちゃんゆっくりきいてね!!」 「ゅゅ?」 「ゆっくちきくよ!!」 「でもしゅりしゅりしながらききちゃいよ!」 「いいからきいてね! みんなとなりにいるあかちゃんとすりすりしようね!!」 「ゆっくちりかいしちゃよ!!」 「しゅりしゅりしようね!!」 「わーい、みんなであしょぶんだね! ゆっくちー!!」 そして蠢きだす数十匹の赤ちゃんゆっくり達。 数匹ずつ塊になり、はぁはぁと甘い声を出しながら互いに体を擦りつけていた。 見る人が見ればおぞましいだけの光景がここにはあった。 完璧だ。 まりさは自分の計算が上手く行った事を確信していた。 後はこのまま赤ちゃん達が朽ち果てていくのを見るだけだ。 だが、赤ちゃん達は姉妹よりも母親とスリスリしたかった。 その気持ちをまりさは見落としていた。 「おかーしゃん…しゅりしゅりちようね!」 「もうれいみゅがまんできにゃいよ!」 「まりしゃのとなりはおかーしゃんだよ。おかーしゃーん…」 「ゆゆっ、まりさじゃなくてあかちゃんどうしですりすりしてね!!」 しかし赤ちゃんゆっくり達は聞く耳を持たなかった。 ある者は跳ね、ある者は這ってまりさの元へと近づいてくる。 「ゆ、こないでね! まりさとすりすりはやめてね!」 まりさは逃げようとした。 だが、体力の回復していないまりさは身動きが取れなかった。 冷汗がつつーっと垂れる。 スリスリで死ぬのは子種を注がれて茎が生え、栄養を茎に奪われるからだ。 赤ちゃんゆっくりの未熟な子種であっても茎は生えてしまう。 身動き取れない状態で赤ちゃんに犯されたらどうなるか。想像に難くない。 せめて身動き取れれば逃げるかすっきりし返すか出来るのだが… 「おかーしゃーん、れいみゅをあいしちぇぇ」 「いっしょにしゅりしゅりちようねぇぇ」 「おかーしゃんのからだあっちゃか〜い!」 赤ちゃんゆっくり達がまりさの体に張り付いてくる。 すでに十匹近くの赤ちゃんがまりさにスリスリし始めていた。 「ゆゆ、みんなずるいよ! まりしゃもおかーしゃんとすりすりするー!!」 「れいみゅもゆっくりしゅるね! おかーしゃん!!」 それを見ていた周りの赤ちゃんゆっくり達は母親にスリスリしている姉妹を見ると近寄って来た。 姉妹同士スリスリして昂っていた赤ちゃん達だったが、母親とのスリスリは特別なものなのだ。 「こ、こないでぇぇ!! ゆふ、ゆふんっ」 完全に墓穴を掘ってしまったまりさは身動きも取れずに感じさせられ始めていた。 まりさとて先のキノコの発情・媚薬効果は切れていない。 だから赤ちゃんゆっくりの未熟な性技でも敏感に反応してしまう。 「しゅりしゅりしてたらきもちよくなってきちゃよぉぉ」 「すっきり…ゆゅん、しゅっきりしそうだよぉぉ」 「や、やめてね! すっきりしちゃだめだよ!! すっきりはきもちいいけどだめだよぉぉぉ」 すっきり=気持ちいい。 それを聞いた赤ちゃんゆっくり達が止めるはずもなかった。 より強く、より激しく小さな体でまりさの敏感な肌をぐにぐに刺激する。 幾つもの小さく柔らかい物に下半身を擦られる感触は新鮮で、その快楽にまりさは悶えた。 「ゆふっ、ゆんっ、や、やめてぇぇ…」 「ゅゅ、おかーしゃんきゃわいいね」 「そんなこえきいたらもっとしゅりしゅりしちゃくなっちゃよ!」 「ゅーん、ゆっくりしゅっきりしちゃうよぉ」 「ゆっくりやめてぇっ! すっきりは…すっきりだけはらめなのぉぉぉぉ!!」 「だめじゃないよぉ、だってれいみゅゆっくちできるもん!!」 「しょうだよぉ。そんなおかーしゃんもしゅっきりちそうでしょ?」 「ゅ、ゆゅぅ、いわないでぇぇ」 確かにまりさもすっきりしてしまいそうだった。 でも自らの娘よりも早くすっきりするなんて屈辱にも程がある。 だから気力で達してしまうのを堪えていた。 だが両頬をもちもちとした感触の幼い娘たちに擦られると気持ち良さで力が抜けてしまう。 後ろ髪を掻き分けた娘に頭皮にスリスリされるとゾワゾワする未知の快感に口がだらしなく半開きになる。 たまに赤ちゃんの小さな舌がぺろぺろ舐めてきて、そのぬめった感触にまりさは体を震わせた。 どれだけ我慢しても津波のように押し寄せるすっきり感。 まりさは瀬戸際で亡きれいむの言葉を思い出す。 「まりさってばびんかんさんだね! れいむのすりすりでたっぷりゆっくりしてあげるね!!」 ああ、何で思い出してしまったのだろう。 愛するれいむの可愛らしい姿を思い返すともう我慢できなかった。 まりさは諦め、娘たちの愛撫に身を預けた。 「す、すっきりー!!!」 まりさは体をぶるぶるっと震わせ、白目を剥きながら達した。 何という気持ち良さ。 まりさは天にも昇るような感覚を覚えた。 「ゅっ、おかーしゃんしゅっきりしちゃの?」 「ゆゅ、まりしゃも、まりしゃもしゅっきりするよ!」 「ゆー! がまんできにゃいよ! しゅっきりー!!」 そしてまりさの絶頂による震えが赤ちゃん達を感じさせたらしい。 まず一匹の赤ちゃんまりさがすっきりした。 そして一匹がすっきりーすると他の赤ちゃんも次々と連鎖するようにすっきりし始める。 目に見えないが次々と注がれる娘からの子種。 頭に出来た何かに何かを吸われる感覚にまりさはハッと我に返った。 「や、やめてえええええ!! おちび! すっきりしないでっていったのにいいいいいい!!!」 だが時すでに遅し。 すでにまりさに張り付いた赤ちゃんゆっくりのほとんどはすっきりを終えた後だ。 残りも体を擦りつけてすっきりしていく。 まりさからどんどん生えていく茎。 しかし未熟な子種ゆえに赤ちゃんが実ることはない。 どこまでも無駄な茎、命を奪う茎が生えていく。 「いやあああ!! ゆっくり! ゆっくりできないいいい!! ゆ"っ! ゆ"っ! な、なぐなっぢゃうぅぅぅぅ……ぅぅ………ぅ…………」 まりさの体が黒ずんでいく。 赤ちゃんゆっくり達はみんなすっきり直後でぽわわ〜んと夢心地で気付かない。 そうしてまりさは誰にも気付かれず見捨てようとした娘に犯され、死んだ。 残ったのは赤ちゃんゆっくり達だけ。 「ゅゅ、おかーしゃんどこー?」 「なんでいにゃいのぉ? ゆっくりちようよぉ!!」 「おかーしゃーん!!」 赤ちゃんゆっくり達は洞窟の中、母を探してうろきょろ。 目の前の黒ずんだ物体がそれだと気付くことは無い。 やがて… 「ゅ、きっとおかーしゃんはごはんをとりにいっちゃんだよ!!」 「そうだね! それならゆっくりまちょうね!!」 「まとうね!!」 「だったら…まってるあいだにみんなであそぼうね!!!」 「あそぼうね!!!」 赤ちゃんゆっくり達の遊びは強烈な快感を味わえるあの遊びだった。 それ以外の遊びは知らないし、この"すっきりごっこ"の魅力の前には他の遊びは霞むだろう。 「しゅりしゅりしようね!!」 「みんなでしゅっきりー、ちようね!!」 「しようね!!」 赤ちゃんゆっくり達はその小さな体を寄せ合っていく。 幼いゆっくり達は危険を知らずに体を擦りつけていく。 その危険を知ることはきっとない。 すっきりの気持ち良さに夢心地のまま死んでいく。 事実、赤ちゃんゆっくり達のお遊びは最後の一匹になるまで続いた。 黒ずんだ多数の塊の中にぽつんと小さな饅頭一つ。 彼女は一匹泣いていた。 いつの間にか家族が自分を置いて何処かに行ったと思って泣いていた。 知らないかったとはいえ、殺し合ったことに気付いちゃいない。 彼女、赤ちゃんれいむは一匹だけだが生き抜くだろう。 おうちにはたくさんの食べ物があるのだから。 そしていつかはおうちの外に出るだろう。 外で出会う別のゆっくり。 きっとれいむは出会い頭にこう挨拶する。 「すりすりしようね!!」 …と。 他のゆっくりとの付き合い方を他に知らないれいむは幸せになれるだろうか? そのれいむに関して言えば、決して幸せになることは無かった。 終 by 赤福 ……ふぅ。 酒って怖い。
https://w.atwiki.jp/true_tears/pages/327.html
帰ってきたら、朋与スレが落ちてました……orz で、追悼の意味を込めまして、短編を投下させていただきます 時間軸は「乃絵と比呂美のあいだに」と「ある日の比呂美」の中間、 2年生の夏の終わりになります 勢いで書いたので、クオリティは低いです スミマセン 「ふわぁぁ~」 三日前に買った文庫本を三分の一ほど読み終えたところで、朋与は軽い眠気に襲われた。 しかし、目を閉じても全身に纏わりついた汗が邪魔して、快適な眠りは望めそうもない。 「それにしても…暑いなぁ……」 まぁ、真夏の昼間に冷房もつけず、ベッドでゴロゴロしていれば不快な思いをして当然なのだが、 母が下した『昼間はエアコン禁止令』を破る事だけは、絶対に許されない。 無駄な電気代使ったらアンタの小遣いから引く、という悪魔の宣言が、脳内で何度もリフレインする。 (……ママのけち!ママのけち!ママのけち!……) 出勤中の母に心で毒づいてから、お金の掛からない暑さ対策を思案していると、枕元に置いた携帯が振動を始めた。 「……あさみだ」 開いた液晶画面に表示される悪友の名前。通話ボタンを押して耳に当てると、開口一番にあさみは言った。 《ヒマか?》 「…………」 あさみのマイブーム、朋与が教えた刑事ドラマの中に出てくるセリフだった。 熱波に打ちのめされた精神に、更なる追い討ちを掛けるおちゃらけた声…… 正直、イラッとする。 《ちょっと朋与、ここは亀ちゃんみたいに『暇じゃありません』って返してくんなくっちゃ》 「ハイハイ、どうもスイマセンね~。で、何か用?」 今の返事は『特○係の亀○』っぽかったな、と自分で思いつつ、朋与はあさみの話に耳を傾ける。 ……あさみの用事は何ということもない。 終わりが近づく夏休み、その負の産物『宿題』を共に片付けないか、というものだった。 《図書館ならさ、冷房効いてて仕事もはかどるし》 と、共同戦線を持ちかけるあさみを、朋与は「パス」の一言で切り捨てた。 電波の向こうで「なんでよ~」とむくれるあさみを無視し、「今、留守番中」と告げて電話を切る。 「…………」 鍵を掛けて出掛ければ済むのに、取り付く島無く断ったのには、ちゃんと理由がある。 (……図書館はダメなんだよ……) 心でそう呟くと、朋与の顔が一気に曇った。 ……あそこは眞一郎と比呂美に遭遇する確率が高い…… 出来れば用の無い時に、あの二人が一緒に居るところを見たくないと、朋与は思っていた。 今日のようにバスケ部の練習が無い日、比呂美は眞一郎を誘って図書館で勉強をしているはずだ。 比呂美がメールで『その事』を自分に知らせてきたということは、これはもう、無意識の牽制と考えるしかないだろう。 (……邪魔なんかしないっつーの) 予想外のきっかけで眞一郎のことが思い出され、朋与は苛立った。 開いたままの携帯を弄って、一度も掛けたことの無い眞一郎のアドレスページを呼び出す。 そこには何故か、比呂美の携帯と全く同じ眞一郎の画像が登録されていた。 (…………) 部屋に遊びに来た比呂美がトイレにたった隙を見て、赤外線送信で『盗んだ』眞一郎の写真…… 朋与と比呂美の携帯はメーカーが同じなので、操作も送信履歴を消してしまうことも簡単だった。 「比呂美にしか見せない笑顔……か」 画像を凝視しながら思わず声にすると、苛立ちが更につのる。 (………ええいっ!) ピッピッと慣れた手つきでボタンを操り、朋与は比呂美専用の笑顔を輝かせる眞一郎を、メモリーから消去した。 ………… (平気よ……私には、あの思い出がある) 朋与は携帯を閉じて放り投げると、またベッドに横たわった。 瞼をを閉じて想えば、すぐに浮かび上がる『自分だけの眞一郎』。 ブラもしていないTシャツの上から、少し乱暴に乳房を弄り始める。 (……眞一郎……また……) 『あの時』、眞一郎が行った指使いを反芻し、再現しようとする朋与。 荒々しく全体を掴んだかと思えば、人差し指で乳首だけを集中的に攻めたりもする。 「んんっ……ん……ふっ……」 朋与の口から漏れ出す甘い息…… そして滲み出す汗に、先程までとは違う物質が混じりだす。 (……………眞一郎……しよ……) ………… 部屋の中はすぐに、外から聞こえる喧しいセミの鳴声と、朋与のくぐもった嬌声に満たされていった。 妄想の中の眞一郎と交わり始めた朋与は、もう暑さなど感じていなかった。 そんなモノよりもっと『熱い』ものが、身体の中心から込み上げてくる。 (……眞一郎……好き……好きなのぉ……) 半年前の初体験…… 絶対に忘れることなど出来ない夢の時間…… 比呂美のため……いや、眞一郎のために『無かったこと』にしたあの日…… だが、その思い出を触媒にして襲ってくる淫靡な感情には抗えず、朋与は時折、劣情に身を任せていた。 (欲しいの……い、挿入れて…… 眞一郎の…挿入れて……) 乳房を弄っていた手を片方、陰部へと向かわせる。 ホットパンツとその下に履いているショーツを抜け、指先が陰裂に達した。 「んん……はぁ、はぁ、はぁ、…………」 男性経験を経ても、朋与の自慰行為は基本的に変化が無かった。 胸を揉みしだいて性感を高めてから、指で陰裂を擦り上げて開花させる。 そして潤いが出てきてから、陰核を力の弱い薬指でグッと押し込み、円を描くようにゆっくりと刺激していく。 「……あ……あぁ……んんんんッッ!!」 脳内で眞一郎の姿を映像化し、その名を連呼しながら、朋与は体験前より進化した唯一の行動に入った。 以前は第一関節までしか入らなかった中指…… その中指と隣にある人差し指を、根元から直角に折り曲げる。……そして…… 「んああああッッ!!!」 充分に濡れ、解きほぐされた膣に、二本の指を一気に潜り込ませる。 そして、眞一郎の陰茎に見立てたそれを、朋与は自分の胎内で存分に暴れさせた。 「はああっっ!!眞一郎!!眞一郎ぉぉ!!!」 眞一郎の愛してくれた場所、刺激してくれたところを思い出し、重点的に擦り上げていく。 恥骨の裏側……眞一郎の亀頭のエラが引っ掻いてくれた……最高に気持ちいい部分…… 指先をクイッと曲げて、その場所を狙い撃つと、快感はすぐに頂点に達した。 「ああああッッ!!……し…んいち…ろ…………い、イクぅッッ!!!!」 絶頂が引き起こす身体の痙攣が、挿入している二本の指にも伝わり、それが『とどめ』となった。 膣を震わせる微振動が、射精前に陰茎が起こす痙攣に思え、朋与の意識を飛ばした。 背筋の収縮と共に頭の中が空っぽになり、また白い世界に包まれていく…… その中で朋与は、遠ざかっていく眞一郎に向かって手を伸ばしたが、 彼はそれに応えず、別の人影と共に、白い闇の中に消えていった………… ………… ミンミンとうるさいセミの声が、朋与を幻想から現実に引き戻す。 全身汗まみれになり、ハァハァと息を切らせている自分を、朋与は無様だと思った。 (諦めたんだ……諦めたんだから……) そう何度も心の中で繰り返す…… ……しかし…… とてつもない快楽を与えてくれる『眞一郎との情事』から、抜け出ることが出来ないのも、また朋与の現実だった。 埋め込んだままだった指を引き抜き、目の前にかざす。 それは全身で感じた悦楽を証明するかのように、胎内から分泌された体液で、惨めに白く塗装されていた。 (……最低……) 眞一郎から射出された白濁ならしゃぶりついていただろうが、自分の愛液など汚濁の象徴でしかない…… そう思った朋与は、枕元にあるティッシュを数枚取り出すと、汚らしい指を拭った。 身体を起こして、丸めた紙を少し離れた所にあるゴミ箱へと投げつける。 (……まったく……何やんてんだろ……) ささくれ立った気分を、セミの合唱と股間の不快な潤みが更に逆撫でる。 セミ…本当にうるさいな……と朋与が思っていると、そこに別の雑音が混じってきた。 ドアをカリカリと引っ掻く爪の音…… 朋与はその主を黙らせるために、立ち上がってドアを開いた。 「にゃあ~」 愛猫ボーの間の抜けた鳴き声。それは「腹が減ったぞ、朋与」という彼の意思表示だ。 自分のしていた事を見透かすように、視線を向けてくるボーに、後ろめたさからか、思わず朋与は言った。 「…………いやらしい目で見んな、バカ……」 朋与は汚れた衣服の洗濯と、薄汚い汗を洗い流すために、一階のバスルームへと向かう。 空腹のボーも、その朋与の後につづいた。 (…………ちゃんと吹っ切れるきっかけ……欲しいな……) そんな事を思いながら、にゃあにゃあと纏わりつくボーを振り切ってバスルームに逃げ込む朋与。 何ヶ月か先……その悲しい願いが、とても残酷な形で叶えられることを、この時の朋与はまだ知らなかった。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau9/pages/1911.html
ゆっくりいじめ系1792 子育て物語 前編より続く 『ゆ"びぃぃ!!!!』 「ゆっ!?」 突然の悲鳴でれいむの幸せで夢心地の気分は覚めた。 まりさと目を見合わせる。 「ゆゆ? なんのこえ? ゆ、ゆっくりできないよ」 「ゆ、ゆゆゆ…」 れいむとまりさは声の正体に気付いていた。 世界にたった一人の娘の声をどうして聞き間違えようか。 でもそれがどうしてあんな声を? あんなに元気よく出ていったばかりなのに? もう一度耳を澄ましてみたが何も聞こえない。 これで元気な声が聞こえれば気のせいだったと安心できる。 でもやっぱり何の声もしなかった。 幸せな気分は一瞬でけし飛び、代わりに心が不安一色で染まる。 「れーむ!!!」 れいむとまりさは飛ぶように駆けた。 一直線に子れいむの去った方向へと走り抜ける。 背の高い草木を押し倒し、背の低い茂みは飛び超え、 途中で小石を踏んでも枝で頬に擦り傷がついても、なりふり構わず出来る限りの最速で森を駆けた。 子れいむは広場に行くと言っていた。 それに悲鳴もちゃんとその方向から聞こえていた。 だからその途中にいるはず。 れいむとまりさは一層深い茂みをくぐって抜けた。 「ゆ"…ゆ"ぶう"ぅ"…」 うめき声が聞こえる。 その声の主を見ると子れいむは予想通りそこにいた。 だが、期待通りの"気のせい"ではなかった。 「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!」 「れーむ"!! れ"ーむ"う"ぅ"ぅ"ぅ"ぅ"ぅ"!!!!」 子れいむは仰向けに倒れていた。 そして、頭の左側が無くなって、いや陥没していた。 傷口からは餡子が漏れ出し、周囲の地面にも茶色い飛沫が付いていた。 残った右目からは涙が滝のように流れ、口からは荒い息とともに悲鳴が吐き出されていた。 「あー、何だお前ら? 知り合いか?」 そして子れいむから数m離れた所に初めて見る動物。 いや、頭の根底にある知識で分かる。この動物は人間さんだ。 その人間さんは太い枝を持っていた。先は茶色い。 あの茶色いのは間違いなく子れいむの中身だ。 ゆっくりでも状況判断ぐらい出来る。 子れいむはあの枝で殴られた。 だがしかし、それを人間さんがやったとは信じられなかった。 なぜなら人間さんは親からも広場の仲間からも聞いたようにとっても優しい性格をしているはずなのだから。 それに… 「れーむ"!! れーむ!! ゆっぐりへんじじでぇぇぇ!!!」 「どうじだのぉ! なんでゆっぐりじでないの"!! ゆっぐりじようよぉぉぉぉぉ!!!」 我が子の傷ついた姿を前にして、親であるれいむとまりさは人間さんについて考える余裕はほとんどなかった。 そんなこと考えるぐらいならば子れいむを何とかしたかった。 れいむ達の必死な呼びかけが通じたのか子れいむの残った右目がれいむを映した。 そして震える唇で言葉を綴る。 「おがー、ざん。い"だい"よ"…ゆっぐり、じだいよ"…」 「れ"ーむ"!! ゆっぐりじだいならいっじょにゆっぐりじようよ"!!」 「ごんなげがずぐになおる"よ"! だがらだいじょうぶだよ!! だいじょうぶなのおぉぉぉぉ!!!」 「ざぶい、よ…おがーざん、からだ、がづめだいよ"… おが、ぁざん…おがーざん……お、があざぁん…だずげで、ごわい、よ"…」 「あ"あ"あ"!! ゆっぐりじでってよ"ー!!」 触れれば割れてしまいそうなほど弱った子れいむの傍でれいむとまりさは泣き叫んだ。 「うるさいなぁ。もう行くよ?」 「…ゆっ」 人間さんは子れいむのことなんてどうでも良さそうにその場を去ろうとする。 それに気付いたまりさは人間さんの方へと跳ねていった。 「まっでにんげんざん!! れーぶをだずげでね"!!」 そう、助けを求めに行ったのだ。 聞いた話ではお菓子をくれたり、一緒に遊んでくれる優しい人間さん。 ならきっと助けてくれると考えたのだ。 だが人間さんの答えは期待とは全く逆のものだった。 「何で助けなきゃいけないんだよ。 そもそもそいつを潰したのは俺だぜ?」 「な、な"……」 まりさはその言葉に驚愕せずにはいられなかった。 それ以上声も出さず頭がフリーズしてしまう。 その間にも子れいむは弱っていく。 れいむはそんな娘を見ることしかできない。 「おが、ぁ、ざん…おがーざ、ん…おがーざん…」 「おがーざんはごごにいるよ"!! だがらねぢゃだめだよ!!」 「お、がーざん……じにだぐ、ない"よ"………」 「じんじゃだめぇぇぇぇ!! まだれーぶはたぐざんゆっぐりできるのに"!! どうじで!! どうじでえええぇぇぇ!!!」 れいむの頭には子れいむとの思い出が断片毎に浮かんでくる。 最初の産声をあげたこと。 初めておかーしゃんと呼んでくれた日のこと。 それから初めて一緒に外の世界を散歩したこと。 広場に行った帰りにお友達が出来たことを喜んでいたこと。 そして日ごとに成長して、ようやく一人立ちしたこの日のこと。 これからも思い出を作っていけるはずなのに。 「ゆぶっ、げふっ…おがー、じゃん」 どうしてこんな苦しそうなの。 どうして顔が半分なくなってるの。 「おかー…さん……」 どうして、動かなくなっちゃったの。 子れいむは空気を吐くように小さく呟いたあと、二度と動くことはなかった。 さっきまで流していた涙ももう出ない。 風が吹かなければまるで時が止まったようでもあった。 「うそ、だよ… ゆっくりしてるだけだよね。れーむ、へんじをしてよれーむ」 れいむは生気が抜けたような顔をして何度も子れいむに返事を求める。 だがいくら声をかけても愛しい我が子の声は聞けなかった。 「あ、ああ…あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!! なんでぇ!! なんでええええええ!!!」 れいむは子れいむの亡骸に顔を埋めて泣いた。 自らの母親が死んだときよりもずっと大声で泣いた。 「ゆ"う"う"う"う"う"う"う"!!! どうじでごんなごどじだのおおおお!!!」 子れいむから離れた場所で震えて子れいむの様子を見ていたまりさだったが、 れいむの様子から子が死んだ事を察して泣き喚いた。 そして子れいむを殺したと言う人間の足元に縋りつく。 人間はそんなまりさは冷たい目で見るだけだった。 まりさの問いには何も答えず、足に纏わりつくまりさを蹴り飛ばした。 「ゆ"っ…う、ううううう!! ごだえでよ!! なんでなの!! ゆっぐりごだえでよ!!」 地面を数回転して地面に伏したまりさだったが、すぐに起き上がると再び人間の元へと跳ね寄った。 「ふぅ」 ここでようやく人間は口を開く。 それと同時に太い枝を持った腕を振り上げた。 「そうやってウザいからだよっ!」 「ゆ"ぶべっ!」 まりさは人間の膝に向かって飛びこんでいたはずだった。 が、次の瞬間には地面に顔面から激突していた。 意識が一瞬飛んだ。 目の前が真っ白になった。 全身に、特に後頭部に強い痺れを感じる。 今痛いのは地面に当たった顔面だけ。 「ゆ"?? ??? ……??」 自分の身に何が起きたのか、まりさは数秒分からなかった。 激痛が遅れてやってきてようやく殴られたと分かった。 「あ、ひ…ぁあぎぃいぃぃぃぃぃぃいいい!!!!」 頭が割れるような痛み。 人間で言えば頭だけのゆっくりにとっては全身の痛みだ。 「ゆぎゅぶぅ…うぇ、げぼっ… びいい!! ゆびぃぃぃぃぃぃ!!!」 餡子を時折吐き出しながらもまりさは痛みに泣き叫ぶ。 ずくんずくんと鼓動のような衝撃が断続的に体中に響く。 まりさは今、人間に対する怒りも、子れいむを失った悲しみも頭になかった。 あるのは痛みの強烈な不快感と恐怖だけだった。 「まりざあ"あ"あ"あ"!!!!」 れいむは見ていた。 人間が太い枝を振り下ろし、まりさを叩き落したところを。 地面に落とされたまりさはピクピクと痙攣し、やがて大声で泣き叫んだ。 まりさの帽子は一瞬でぺちぇんこに潰れてまりさの頭に貼りついていた。 金髪と帽子の間からはまりさの中身が流れ出ていた。 あの貼りついた帽子を剥がしたらきっとまりさの頭はグチャグチャだ。 れいむは愛するまりさの名を叫ぶ。 本当はまりさに擦り寄ってあげたかった。 だがれいむはその傍に立つ人間への恐怖で腰が抜けた状態になっていた。 近付いたら自分も殺されてしまう、本能的に体がそう感じ取って一歩も動けなかったのだ。 「やだよ! やだよぉぉ!! まりざしんじゃだめ"ええええ!!!」 だから今れいむが出来るのはただ叫ぶだけ。 怒りも悲しみも全て声にして泣き叫ぶしか出来なかった。 だがれいむの叫び、願いは叶うことはない。 「あぶっ、ゆべぇぇぇ!! おげ…ゆごおぇぇぇ」 まりさは全身を苛む痛みと苦しみに耐えきれず餡子を吐き出し始めていた。 うつ伏せに倒れているので吐きだされた餡子はゆっくりと地面を這っていく。 「ゆ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!! や"べでよ"お"お"!! もうや"だよ"!!! ゆっぐりざぜでよぉぉぉぉお!!!!」 森全体にも響き渡るような大声だ。 だがそれとは反比例するかのようにまりさの声は徐々に小さくなっていた。 「ゆ…ひ…ゆ"ぶ…」 もう吐き出せるだけの餡子がないのだろうか。少し体が縮んでいた。 死が近いのだろう。 さっきまで体をプルプル痙攣していたものが今は数秒ごとにブルッと体を大きく不自然に震わせていた。 そして回を重ねるごとにその震えは小さいものになっていく。 「おねがいゆっぐりじでよ"お"お"お"お"!! もう、やだだよお"お"…ゆげぇ…… あ…ぎゅぅ、ゆっぐりじでえ"え"え"え"」 少量の餡子を吐き出しながらもまた叫ぶれいむ。 放っておけばいつまでも続きそうだったが、ここで人間が動いた。 泣き叫ぶれいむ達を無感情に眺めていた人間だったが、「はぁ」とため息をつくと枝をその場に捨てた。 カランと乾いた音が響く。 「ひっ」 枝が落ちる音にれいむは敏感に反応し、怯えた声を出して人間の様子を探る。 何せ次の瞬間には襲いかかってくるかも知れないのだから警戒して同然だ。 人間はそんなれいむを見て再び溜息をつく。 「ったく。 これに懲りたら次から纏わりつくんじゃねぇぞ? お菓子くれだの遊んでだの会うたびに寄ってきやがる」 人間が何を言っているのかれいむには分からなかった。 餡子脳をフル回転させて何とか理解しようとする。 もっとも恐怖で頭が麻痺しているので何を言われても理解に時間はかかっただろうが。 子れいむとまりさを殺した男は何もゆっくりを殺しにきたわけじゃなかった。 春の実りを探しにこの森まで遠出してきただけだった。 しかしこの森のゆっくりは『人間さんはゆっくりさせてくれる』と思い込んでいる。 だから男に会ったゆっくりは当然のように自分もゆっくりさせてと何の警戒もなく、人懐こく、そしてしつこく近寄った。 最初は適当にあしらっていた男だったが、それが三回目になるとウザったく感じた。 四回目では怒りすら感じた。 そしてイライラしている五回目に出会ったのが子れいむだった。 子れいむも人間さんの噂は聞いている。 会えるなら会いたいとも思っていた。 そして―― 「にんげんさん! ゆっくりしていってね!!」 「はぁ…またかよ」 「れいむといっしょにゆっくりしようよ!!」 子れいむは笑顔で男に近づいていく。 子れいむにとっては初めて会う優しい人間さん。 でも男にとって子れいむはイラつきの対象でしかない多数いるゆっくりれいむのうちの一匹でしかない。 「あー、ゆっくりしたいなら一匹でやれよ」 「ゆぅ、れいむはにんげんさんとゆっくりあそびたいよ!! いっしょにゆっくりしようよー!!」 子れいむは男の周りをグルグル跳ねまわる。 男は怒りを堪えているのか押し黙る。 そんな男の様子に気付かない子れいむは男の足に向かってスリスリし始めた。 「ゆゆーん、ゆっくりしようね!!」 ここで男はキレた。 足に擦りつく子れいむをまず蹴って転がした。 「ゆ…? ゆ、ゆっくりしてね…?」 頭に疑問符を、瞳に微かな怯えを浮かべた子れいむに男は近づいていく。 ちょうどその間に殴るのに手頃な太い枝があった。 男はそれを拾い、手を頭上に掲げ―― 「ゆ?」 容赦なく振り下ろした。 後はれいむの知っている通りだった。 子れいむは男の一撃で頭の左を潰されて死に、まりさは脳天を潰されて死んだ。 れいむはガタガタと震えていた。 実際人間の言っていたことの真意は掴めていない。 だが男の言葉にはゆっくりへの怒りが籠っていることだけはよく分かった。 このままここにいたら殺されると思った。 だが真っ青な顔で震えるれいむに人間は手を出すことはなかった。 フンと鼻をならすとそれ以上何も言わず、背を向けてどこかへ去っていった。 怖い人間が去ったことでれいむはその恐怖から解放された。 でも周りの光景を見ると恐怖から解放されたことの喜びなどあるわけが無い。 心はどこまでも深く沈んでいた。 隣には蟻が数匹寄ってきた子れいむの亡骸。 目の前にはいつの間にか事切れていたまりさのなれの果て。 れいむはそれを見たところでもう泣くことも叫ぶことも出来なかった。 涙はとっくに枯れ果てた。口の中だってカラカラだ。 声だってもう枯れている。それに口を動かして声を出す体力すら無い。 れいむはただ、死人のような顔で子れいむとまりさを交互に視線を向けるだけだった。 れいむは最高の伴侶を得て赤ちゃんを授かった。 苦労もあったけどまりさの支えもあってその娘は立派に育った。 本当にしっかりとして優しい子で、明るい未来が待っているはずだった。 そうして旅立った子れいむは今ここで潰れていた。 今までずっと幸せだったのに。 三十分にも満たない時間で幸せは粉々に砕かれた。 壊れたのがおうちや綺麗な石といった物ならまた探せばいい。 でもれいむの家族はもういない。 死んだ家族が生き返ることはない。 れいむは呆然とその場に立ち尽くすだけだった。 もう二度と幸せな日々には戻れない。 れいむの不幸は続く。 まりさと子れいむの思い出が心にある限り、ずっと。 終 by 赤福 ゆっくりが長い時間をかけて積み上げた幸せを破壊したい。 てなわけで前置きを長め取ってみました。長すぎ? 場面の節々で何度ヒャッハー我慢できねぇと叫びながら虐待的展開に派生させようと思ったことか。 読んでくださった方々はヒャッハー叫ばずに済みましたかね。
https://w.atwiki.jp/to-love-ru-eroparo/pages/313.html
「ちょっと方向転換しようかと思いまして」 リトを見下ろす形でモモが艶やかに微笑を湛えている。やはりモモは一国のお姫様だと、改めて思わせるような優雅さがそこにはあるのだが、そんなことをシミジミ思う余裕は、今のリトには微塵もなかった。 手足を動かそうとすると、がしゃりと嘶く鉄鎖の音。腕くらい大きな鎖が、仰向けになったリトの両足首と両手首に絡みついていた。 「モ、モモ。どういうことなんだよ……」 もうこれで四度目になる問いかけ。 今日も今日とて学校へ行く日常が始まる筈だったのに、起きてみればリトの手足は縛られ、そして同居人の一人であるモモがくすくすと妖しく笑っている。リトはモモに問いかける。 これはモモがやったのか――はい。ここは――わたしのプライベートルームです。どうしてこんなことを――ちょっと方向転換しようかと思いまして。 全く理解出来ない会話の流れを経て今に至る。もちろんモモが何をどうしたいのかは全く分かっていない。 「別に簡単なことですよ」 楽しそうにモモは声を弾ませる。 「今までわたしはハーレム計画を進めていたんですが、それをちょっと方向転換しようと思いまして」 「方向、転換?」 「ええ、そうです。今までは紫陽花を愛でるように、謂わばゆっくりとリトさんを見守る形で計画を進めていたんですが、いかんせんそれでは厳しい状況になってきましたので、そこで手段を変えて、こちら主導でリトさんを変えちゃおうかなぁって。――こんな風に、ね」 モモの嫋やかな指が、つぅとリトの胸元を撫でる。たったそれだけのことなのに、リトの身体に熱く激しい快楽電流が走った。それは異常なまでの大きさ。氷を素肌に当てたかのような過敏な反応が、指一つで巻き起こった。 「あらら、ちょっと改造が過ぎちゃったかしら」 「改、造?」 「ええ。リトさんの身体を昨夜、少しいじりました。感度が物凄いことになってるんですよ、今のお・か・ら・だ」 言って、モモがいつの間にか手にしていたリモコンをいじる。すると纏っていたパジャマがあっという間に掻き消え、リトは全裸になってしまった。 「なっ……!?」 「まずは乳首ですね。ほら、見えますでしょう? 乳首はまるで豆みたいに大きくなって、乳輪が膨れあがって……えいっ」 モモに指でつんと突かれる。それだけで、「ふあぁぁっ……!」と情けない声が漏れてしまう。 「女性のクリトリス並みの感度があるんですよ。うふふ……」 リトの反応を楽しむような顔で、モモは人差し指を胸からお腹へ。そして、餌を求めるようにいきり立つペニスへ滑らせた。 「亀頭とカリ首も動揺に感度をかな~り上げてますのでご安心を。たぶん普通の男性なら、こうやってれろぉって一舐めしたらすぐにいっちゃうかもしれませんね」 「あ、あああ……」 モモの舌の動き。ああ舐められたい舐めてほしい――そんな扇情の塊がリトの脳内を冒していく。理性が削れていくのが如実に感じられる。 「あらあらそんなに腰を振っちゃって」 「――」 気づかないうちにリトは腰を振っていたらしい。顔を羞恥に染めてリトは意識して腰を固定するものの、焦燥感が急速に膨れあがっていく。 「くすくす、無理しちゃって……。安心してくださいリトさん。今から、あなたのお望み通りのことが起こりますから……」 言って、モモが虚空へ手を伸ばす。するといつの間にやら大きなフラスコが手に携えられている。フラスコの中には透明な粘液が入っていた。 「安心してください。これは昨日に注文したただのローションですよ。宇宙で最もポピュラーな媚薬入りの、ね」 とろぉりと滴るローションをモモは身体全体に塗していく。それだけでぞくぞくと身震いするほどの快感が走ると共に、リトの乳輪が膨れあがり乳首がつんと突き上がる。 ペニスは我慢汁を滲ませながら怒張する。まだ愛撫すらしていないのに、リトのペニスは既にぴくりぴくりと堪ったものを吐き出すように蠢動している。 「さぁて、行きますよ、と」 まるで犬の散歩をしようかとでも言いそうな気軽さで、モモはリトの胸部へと指を這わせる。 「う、くぅう……!?」 モモの細指がリトの膨れた乳輪を弄ぶ。ローションで滑らかになった乳輪を指がしゅるしゅると沿回する。しかし乳首には触れない。ただひたすらにモモは乳輪だけを責め立てる。 「う、あ、あああ……」 もどかしい快感が脳をゆっくりと燻していく。腰元に精子が溜っていくのを如実に感じる。だが、それだけだ。乳輪だけの愛撫はそれ以上へリトを運んではくれない。 「モ、モモ……あ、ああ……モモぉ……」 「ん、どうかしました?」 「う……くぁあ……」 「わたしお馬鹿さんですから、ちゃんと何をどうしてほしいのか言ってくれないと分かりませんけれど」 「そ、そんな……」 モモの指が乳輪から乳首寄りに近づく。だがそこまで。触れそうで触れない。そんなもどかしい愛撫が、しかし勢いを増しながら延々と続けられる。 「あ、ああっ……・」 「リトさん、どうかしましたか?」 向日葵のような笑顔を浮かべるモモ。リトはもはや羞恥を鑑みる余裕がなくなっていた。 「乳首っ……乳首をいじってくれ、モモっ……」 「了解致しました♪」 欲しかった玩具を貰ったような子供の笑み。モモは周回を止め、リトの大粒の乳首をきゅっと摘まんだ。 「うああああああっっ……!?」 どぴゅううっっ! ぴゅううっ! どぴゅどぴゅっ……・!! 「あら、まだ弄ってもいないのに、リトさんってやっぱりエッチな御人」 言いつつも、モモはリトの指を摘むのを止めない。それどころかシコシコと膨れあがった真っ赤な乳首を上下に擦り上げ始める。ローションでさらに敏感になった乳首を擦り上げられ、リトはあられもない嬌声を上げた。 「ふぁあああ!? モモ、それはぁ……!」 「シコシコされて気持ち良いんでしょう? もっとも~っと強くやってあげますね。ほーらシコシコでちゅよ~」 「はぁっ……! う、あ、あああ……! ま、また……いくぅ……っ」 どぴゅっ!! ぴゅるるるるっっ!! ぷぴゅうっ……! 「あらら、またいっちゃったんですか? くすくす、変態なリトさん……」 妖艶に微笑んで、ようやくモモは乳首から指を離した。 熱く荒い息がリトから漏れる。目は胡乱になり完全に快楽へ染まっている。 だがまだまだ。モモのリト調教計画は始まったばかりなのであった……。 「さあて次が本番ですよぉ」 にやにやと笑うモモ。その手からはたらりと媚薬入りのローションが垂れている。 腰は熱せられたように熱く、勃起したペニスは二度射精したのにも関わらず全く収まる様子はない。 「はぁ……モモ、もう、やめてくれっ」 「あらあら。さっきまで射精してた人の台詞とは思えないですね」 くすくすとモモは笑い、そしてペニスへと手を伸ばす。 「ふあぁぁあ……・!?」 ペニスのまた根元だというのに射精衝動がこみ上げてくる。気持ちよさで腰が震える。 (あ、ああ……もっと、もっと上を……) 先程まで止めてくれと言っていたのにも関わらずリトの頭はあっという間に快楽に溶かされてしまう。 「どーちたんですかー?」 悪戯げに微笑み、モモの手が根元を上下に擦り揚げる。 「ほーら、たまたまも弄ってあげまちゅからねぇ」 「う、あ、ああっ……」 睾丸をぬめるローションでまぶし揉まれ、腰を突き上げてしまう。精子がどんどんと爆発的に溜っていく。だが、 「う、うう……」 根元を擦るだけの刺激では射精できない。ぬちょぬちょと卑猥な音を立てて最初は感じたものの、それは慣れてしまえば気が狂うほど焦れったい刺激でしかない。 「ふふ……どうやら刺激が足りないみたいですね。仕方ありません、上にも刺激を与えてあげましょう」 と言ってモモはペニスへ顔を近づけると、とろぉと粘糸が引いた唾を、亀頭へ垂らした。 「ああっ……!?」 生暖かい液体がぺちょりとかかる。カリ首をほんの僅かに唾が擦る。だがそれは余計に焦燥を高めるだけであった。 「モモぉ……無理、無理だモモぉっ……!」 「んー、何が無理なんですか?」 唾を何度も何度も垂らしながらモモが妖艶に微笑む。 「しゃ、射精させてくれ! 俺のペニスを擦ってくれぇ!」 「良いですよ。わたしのハーレム計画に賛同してくれる……それが条件ですけど」 「分かった! モモの計画に乗る! だから、早く出させてくれぇえっ……!」 その言葉を聞いた瞬間、ぱくりと勃起し怒張しているペニスを、モモはぱくりと銜え込んだ。 「あ、あああ……!?」 「ふぉっひのほうはきもひいいでひょう?」 リトは頷くのが精一杯だった。 「らあいきまふよぉ。ちゅっ……れろれろれろれろれろちゅじゅじゅううううう……・!」 「あ、あああ……!」 モモの唾液でぬらりと滑った舌が亀頭をカリ首を這い回る。 「ちゅぷぷぷ、んはぁ……ちゅっちゅるるるっ、れろれろれろぉ」 頬を窄め唾液を絡めてモモはちゅうとペニスを吸い上げる。それはさながら膣がペニスをぎゅうと締めるように。 「れろれろっぺろ、ちゅぅぅ、じゅぷっちゅるる」 (気持ちいい……よすぎる。気を失いそうだ……ああっ……!) 焦れきったペニスにモモの舌は壊滅的だ。下半身が溶けてしまうそうな暴力的な気持ちよさ。もはやこれさえあれば何も要らない……。 「じゅぷ、ちゅぶっちゅぶっれろれろれろれろれろ」 ぬめりとした舌が激しく駆け回る。そしてさらにモモの細い指がもにゅもにゅと慧眼を揉み始める。 「う、ああっ……!」 脳に電撃が趨る。生み出されていく精子が装填される。それは快楽を乗数的に高めていく。 「れろれろれろっ、じゅぶじゅるるるるるっっ」 そしてさらに動きの大きさが増していく。早く出せと言わんばかりに、暴力的にすらモモのフェラは激しくなっていく。 「じゅるる、ちゅちゅっ、ちゅうううううううううっっ…………!!」 「あ、ああモモっ! 出るぅ! いくぅッ……!!」 「じゅぷっじゅぷっじゅぷじゅぷぷぷっ! ちゅるるるぅぅっ!!」 「あああッ! あああああああッッ!!?」 どぴゅううっっ! ぴゅううっ! どぴゅどぴゅっ……・!! 「んっ……!? ん、んんっ、ちゅ、ちゅううううっっ……」 「ああ、あ、ああ~~~!?」 射精してもなおモモの吸引は続いている。最後の最後まで搾り取るようにモモは口を窄め射精を受け止めている。 「ん~~ちゅぱっ……ふぁーあ、こんらにらひちゃって……」 口に精子を溜めたまま喋るモモ。そしてモモは精子を床に吐き捨て、そして再び艶やかに口端を曲げる。 「これでリトさんはわたしたちのものですね。さあ永遠と、とこしえに続けましょう。変わる換わる相手を変えて、永遠に愛を堪能しましょう?」 ちゅっ、と亀頭にキスをされる。 それだけリトのペニスはさらに勃起し、愛はまだかと催促するように我慢汁を滲ませるのであった。
https://w.atwiki.jp/brutalanimal/pages/267.html
同居蜘蛛2 「はぁー、疲れたぁー」 残業を終えて家に帰り着く。 脇に抱えるのは近所のコンビニで買った夕飯を 今は独身寮に住んでおり、家に帰っても誰もいないはずなのだが・・・ 「ただいまぁー」 空しいものだが、なぜか挨拶だけはしてしまう癖がある しかし、玄関の扉を開けて異変に気が付いた 部屋の電気はつけっぱなし、しかもTVも付けたままのようで、今日のニュースが流れている 「っかしーなぁ、戸締りはちゃんとしたはずなのに」 不審に思いつつも部屋の真ん中にちゃぶ台を置き、冷蔵庫からこの前スーパーで買った特売のビールを取り出して飲む そしてコンビに弁当にがっつく、と あぁ、サラリーマン万歳 満腹になり、ちゃぶ台を片付けてスーツを脱ぎ捨てビールの残りを飲みつつテレビを見る これぞ独身男の心意気・・・うぅ、さみしい ふと、目の前の壁を見ると、黒い物体が移動しているのが見えた 「お、今日も元気だなぁ、この部屋に潤いを与えてくれるのはお前だけだー」 部屋に住み着いているハエトリグモだ 動きを目で追っていくと、壁から天井へ、そして自分の真上へ 「あ、落ちた」 突然、ハエトリグモの体が天井から離れた しかし、糸で固定されているためか数センチ落ちただけで済んだ用で、天井からぶら下がった状態になっている その時、ふとハエトリグモと目があった気がした 相手が小さいしどこを見ているのかもわからないから気のせいだろうが そして、次の瞬間 「とぉーーー!」 小さなハエトリグモだったはずの目の前の黒い点が突如巨大化した しかも、掛け声と共に自分めがけて突っ込んできたのである 「緊急回避っ!」 なんとか直撃を避けるが、俺は自分の目を疑った 目の前にいたのは身長160cmくらいのかわいらしい女の子である 真っ赤な瞳と額に付いた虫の複眼のような丸い玉が特徴的な顔 年の割に豊満の胸(うわっ、はだかじゃねぇか!)・・・あれ? 下半身に視線を移動したとき俺は自分の目を疑った 股の間の小さな割れ目から下にあったのは人間の脚ではなかった 「く・・・くもっ?」 そう、眼前にいたのは丸い下半身と8本の足が特徴的なクモ娘だった クモ部分も合わせると全長は2m以上ありそうな気がする 最初の襲撃は何とかかわしたが、部屋の隅に逃げた俺にはもう逃げる場所が無い まるで獲物を見定めるかのように、じーっと俺をにらんでいる 「この私をかわすなんてやるわね、でもこれならどう!」 そして今度は部屋の隅でおびえる俺に向かって飛び掛ってきた ガバッ 抱きッ 「うわぁー」 飛び込んできたクモ娘に思いっきり抱きつかれた 彼女俺の首に手を回すと体を抱き寄せて、近距離から俺の顔を覗き込んできた (うはっ、かわいい) 視線を合わせながら一瞬思ったが、彼女の口から伸びた2本の牙を見た瞬間にそんな考えは吹っ飛んだ 「ちょっ、落ち着いて話し合おう、話せばわかる」 「問答無用よっ!」 アーン カプッ そういえば、クモは獲物の体に消化液を注入するとか聞いた事がある (あぁ、俺の人生終わった) 「さぁ、今日も楽しみましょうねぇー♪」 陽気なクモ娘の発言とは対照的に、俺の意識は絶望と共に闇に沈んでいった 「うっ、うーん・・・・」 次に目が覚めると、俺は自分のベッドの上で寝かされていた もちろん、上には例のクモ娘が乗っかっているので夢と疑う余地は無い のっているというか、捕獲しているという方が正しいかもしれない なぜなら、クモの足が俺の体をガッチリとつかんでいるからだ しかし、彼女は自分の顔を俺の胸板にこすり付けたり、腕で体をまさぐったりしており 気のせいか呼吸も荒く、興奮しているようにも感じられる 「あら、目が覚めたようね?」 こちらに気が付いたようだ 「ごめんね、私はハエトリグモだから卵を産むとき意外は糸で簀巻きにするってサービスはできないのぉ」 いや、そんなサービスいりませんから 「だから・・・ぎゅ~」 擬音まで言って腕と足でがっちりと俺の体を締め付けてくれる 彼女の体の柔らかさと温もりが伝わってきて、とてもいい気持ちだ さわさわっ 彼女の腕が再び俺の体を弄る 「ふふっ、ハエトリグモの腕使いは天下一品よ」 さわ さわ さわ さわ 何度も何度も体を触り、まさぐる 快感とはまた別の感じ、心地よさが体全体を包み込んでいく 意識が遠のきそうだぁ・・・ だが、ここで意識を失うわけにはいかない。現状を確認し、対策を講じねば命に関わる そう自分に言い聞かせ状況の把握に努める 「君は何者だ?俺のことを知っているような口ぶりだったけど、いったい?」 「そっか、前回の記憶は消しておいたのよね、どうしよっかなぁ」 しばらく考え込んでいたが・・・ 「えいっ」 気合の掛け声と共に、彼女の額にある”もうひとつの目”が妖しい光を発した その光を見た瞬間、頭の中にある何かがはずれ、封印されていた記憶が一気によみがえってきた 「あ・・・あ・・・あぁぁぁーーー」 思い出した、そう、つい先日俺はこいつにたっぷりと犯されたんだった 確か、俺の寝ているときに何度も襲っているとも言っていた あの時はクモ脚がなかった気がするんだが・・・しかし、気持ちよかったなぁー それを思い出すと、さっきまで恐怖で縮こまっていた自分の分身が膨張してしまう 「あら?随分と元気な息子さんねぇ」 密着した体越しに感じたのか、にっこりと笑顔を見せる 「それじゃぁ最初はこんなことしちゃおっかなぁ」 そういうと、クモの足でガッチリとホールドしたまま、体を上下させ始めたのである スリ スリ スリ クモの体がペニスに密着して上下にこすってくる体のクモ部に生えた無数の毛が良い感触だ 「うっ、くぅー」 「あらあら、もうこんなに我慢汁が・・・」 繰り返される刺激に耐え切れず、ペニスの先からはすでに我慢汁があふれていた 体を力強く押し付けながらこすられ続け、俺の我慢も限界に近づいた時 スッ 彼女は突然動きを止め、体を離してしまった 「どうだった?きもちよかった?」 イケそうだった所で突然刺激から開放され、俺のペニスはいきり立ったまま天をむいている 彼女もその状況をわかっているようで、今度はイジワルな顔をしている 「あら、不満そうな顔してる、さぁ、これからどうしよかなぁー」 判断は全て彼女にまかされている、俺は彼女の動きに従う事しかできない 「ちょっと、そんなに物欲しそうな顔されたらイジワルできないじゃないの」 俺の気持ちを察してくれたか、彼女もヤル気になってくれたようだ 彼女は丸いクモのおしりを器用に曲げると、その先端を俺の顔に向けてきた そして、自分の腕で穴を拡げて俺に見せ付けてくる そこは、粘ついた液体で満たされており、内壁にはいくつものこぶのようなものが見える 「私のおしり先はね、オトコノコをくちゅくちゅにして精を絞っちゃうの」 「こっちよりもすごいのよ?」 そう言って、今度はクモの脚を器用に使ってクパァと腰の割れ目を見せ付ける この前たっぷり絞られた穴だ、あの感触以上なんてとても信じられない 「ねぇ?どっちで絞られたい?」 目の前に迫る2つの穴、ある意味究極の選択だ、俺には選べねぇ 「じゃっ、こっちね」 え?俺に選択の余地なし?彼女が選んだのはおしりのほうの穴だった 彼女は体を若干前にずらすと、おしりの先をペニスの上までもってくる 「さぁ~いくよ~、前みたいに気絶しちゃいやだからね?」 ツプン 前戯もなしに挿入したにもかかわらず、我慢汁で濡れていたせいもあってか簡単に全部収まってしまう その中では、生暖かい液体に浸されたペニスが四方八方から蠢くイボイボに犯されている 俺はそのまま、本日最初の精を彼女に献上した 「あっ、ちょっとはやいんじゃないの?」 頬を膨らませて少し不満そうに言うが、彼女の興奮は既に限界まで来ていそうだ 「んっ、さぁ、少しは君も奉仕したらどう?」 そう言って、彼女は自分の秘所を俺の顔に擦り付けてきた 「さぁ、舐めて、いっぱい いっぱい愛してぇ~」 すでに秘所からはポタポタと愛液が垂れている ペニスは彼女のおしりの先に飲み込まれ、体と腕はクモ脚でがっちりとホールドされ、 顔は彼女の秘所に乗っかられた状態 ジュプッ ジュプッ クチュ クチュ 部屋の中に満ちているのは甘い匂いと水音だけ そこで、以前彼女の言っていた言葉を思い出す (ふふっ、私の愛液にはね、オトコを元気にする力があるの) しまった、この体勢はやばい気がする・・・ そう考えたが時は遅く、彼女は顔に擦り付けていた秘所を俺の口に持ってきた グッ ゴクン 一瞬我慢した、そう一瞬だけ、こんなの我慢できるわけないだろ! (あー、もうどうでもいいやぁー) 後はもう成すがまま流されるままに彼女の秘所を舐め続ける 「あはっ、だいぶ気分が乗ってきたみたいね、それじゃぁ2回目いくよ~」 グニュッ 彼女がおしりの穴を一気に締め付けると、肉壁が脈動するように動きペニスを絞る 俺も負けじと舌を使って激しく奉仕する 「あっ、いいわぁ、もっと舌を奥まで入れる感じで・・・あぁん」 ビクン ビクン イッた、俺と彼女はほぼ同時に絶頂に達したのだ 「私ね、もう意識のあるあなたとじゃないとイク事ができなくなっちゃったかも」 「だからセキニン・・とってね」 そんなの無理だ、と心の中で思いながら、彼女との性行は続いたのであった 「・・・あれ?」 目が覚めて体を起こすと、体の上に彼女がだきついていた 「夢じゃなかったのか」 ハエトリ娘の頭をなでつつ、現実と向き合う 可愛らしい笑顔で眠りに付いているが、人間ではない彼女 一体どうすればいいのか理解する事ができない しかし、もうひとつの現実と向き合わなければならない ベッドの脇にある時計を手に取ると、 「やべぇ、仕事に遅れる!」 彼女を跳ね除けてベッドを飛び降り出勤の準備をする スーツは脱いだままでしわができているが考えている余裕は無い 「おいお前!頼むから何もしないでくれよ!」 「ふあっ?いってらっしゃ~い」 なぜかクモ体は消えて、普通の女の子の体になっている 寝ぼけ顔でベッドに横たわる彼女を尻目に、速攻で着替えて会社に出かける 今の俺には朝飯を食う暇も彼女との今後を考える暇も無い! とは思いつつ、今夜もあんなことやこんなことをして貰えるんじゃないかと 走りながら考える俺であった