約 574 件
https://w.atwiki.jp/audreykw/pages/104.html
#116 放送回 放送日 内容 #116 12/01/14 ほんっとそうだよぬぇー 箱根コナキンズ! 台湾でトゥースー #116 OPトーク 春日:オードリーの 2人:オールナイトニッポン 今日は朝からニッポン放送に囲われていた 豊洲に呼び出された オードリーが映画になってる 朝9時入り スタッフが1人も来なかった ウケない盛り上がらない 2009年のオードリーDVD出た時の目の輝きはなかった 若様ってうちわが出てた (音声) 増田アナ:みなさん、おはようございます 客:(シーン) 若林:オードリーです 春日:土曜の朝カスミン 胸張って笑おうー 客:(拍手) 若林:朝早く来ていただいてうれしいなって リスナーの方と会えるってなかなかないんで感無量に 春日:臭い臭い臭い!春日B作が出てきちゃいます スタッフが誰も来ていない 若林:今日は荒れますよ 最初の増田アナが集団シカト 若林:ほんとに皆さん初日見に来てくれてありがとうございます オードリー2人ともうれしく思ってます 春日:ほんっとそうだよぬぇー(エコー) 若林:で兄者ね 春日:どうした弟よ 映画感想メール 最後にロボットダンスをする2人を見れた 取材 増田アナ:映像なんで動いてください 春日:ほんっとそうだよぬぇー(エコー) 若林:エコーがつっこみになってる 若林:ラジオは声で伝えられるものがある 春日:ほんっとそうだよぬぇー(エコー)いやちょっと待ってよ 若林 いや兄者ね 春日:どうした弟よ 若林:福山さんぽく 春日:ほんっとそうだよぬぇ…そうだよぬぇ…そうだよぬぇ…(エコー) 若林:小雪 春日:こゆくぃ 若林:あ、内村さんのマネ 春日:たしかにベルト直しましたけども 若林:我々もみんなで全国で共有できたっていう喜びがありますね 春日:ほんっとそうだよぬぇえ…そうだよぬぇえ…そうだよぬぇえ(エコー) 若林:Mソン聴けなかった人からもメール いやあつながってるなって思いますね 春日:ほんっとそうだよぬぇえ…ほんっとそうだよぬぇえ…ほんっとそうだよぬぇえ…ほんっとそうだよぬぇえ(エコー) 若林:オオサワさんおもしろすぎる 春日:ラジオっていいなって思いました 若林:ほんっとそうだよねぇ…ほんっとそうだよねぇ…そうだよねぇ…そうだよねぇ(エコー)一回返って来た オードリー第一回単独ライブ 若林父と春日父の同僚で埋まる 全然ウケない まだ行ってない方ぜひ見に行ってほしい 俺たちの目の輝きが違う 春日:ほんっとそうだよね 若林:今いらない 春日:ハッアッ…ハッアッ…ハッアッ…ハッアッ(エコー) 今週もオードリー自身が映画館に電話して交渉するネゴシエーター的ミニコント 金沢新潟入間 若林miwaのジャケット見るだけで苦笑 ユナイテッド・シネマ金沢 小野支配人 吉本芸人のイベントはよくある くりぃむしちゅーが好き NFL倶楽部は見てる 1/28~上映 パンツ グリーンボクサー 若林:提供クレジット 大修館書店、meiji、藍野大学 CM ジングル 曲:「受験生ブルース」テラリン 2人:がんばれ受験生 オードリーのオールナイトニッポン CM 若林箱根1 ガンちゃんゴンサトミツ サトミツがあぐらかいてる 毎年旅行行ってるから 俺とさとみっちゃんで車でくるりとユーミンを聴きながら 風呂入っては酒飲んで 贅沢 去年韓国 おととし石垣島そのまえ沖縄 正月に名所とか見に行きたくならない 混んでるとこはやだ 2日目の朝 Hi-HiがANNRやってたからその足で箱根 ゴンと岩崎さん 寝てたら朝10時くらいに部屋に来て 箱根までの電車賃出すから 領収書 若林:安いね ゴン:実は自由席じゃなくてグリーン車で来た 岩:1600円で後輩に金取られたっておもしろいトークできたらいいだろ 芦ノ湖の海賊船 若林:芦ノ湖だから厳密に言うと湖賊だけどねっていうとつまんない空気になる 船の中で写真を1000円で撮って売る 高いな 撮るのはタダですから 写真撮る人ともう一人 横来て「わたしも入ってもよろしいか」「わたしのこと気にしなくて笑顔でピースでもいいんだぞ」 なんだよあの感じ サトミツ:たぶん船長なんだよ 4人家族が買った 船長:ありがとうございましたー 若林:詰め甘いわー ゴンとガンが名前かぶってる 船降りて箱根だけのあだ名つけよう 若林は相馬たかしで2泊3日 若林で毎日生きてるから正月くらい オックスフォード大学出身で学歴を鼻にかけてる サトミツが底辺 ゴンが詐欺師 ガンがこなきん 子泣きジジイとたまきん 浴衣着て飯食うとこに行く時こなきんこなきんって呼ぶとおかみさんにウケる ゴンに全部相馬たかしで予約してよって言ったらダメ 旅行コンダクターやってたことがある 若林さんで予約したらサービス付く 結論2泊3日サービス付いたの1個だけ そば屋でみそ田楽もらった 旅館の食堂も若林 乙女っていう部屋 部屋の名前と予約の名前 乙女若林って立札の真ん前で飯食う めっちゃ恥ずかしい ろくろ体験 みんなエプロン 1人アフロ 1人スキンヘッド 2人オタク 教える人が触らせてくれない 起承転結まであったら起承転までその人がやって結だけ 無視して粘土からやってたら怒られる 4人爆笑 こなきん:大人気ねえな 焼いてあとから送られる 全員同じ形 CM ジングル 曲:「受験生ブルース」ミナミ 2人:がんばれ受験生 オードリーのオールナイトニッポン CM 若林箱根2 駒ヶ岳 ロープウェーで降りる時怖いのを隠してたらバレて写メ撮られて相馬キレる 相馬は性格悪いがなぜ怒らないか 結局相馬が金出してくれるから 45分入れる貸切露天風呂 夜いっぱいご飯食べて酒飲んで夜は語ってお笑いの話 次の日チェックアウト 帰り車でゲーム 同じ単語を言って誰が一番おもしろく言えるか 岩崎さんが強い ゴンはつまんない 若林運転してて手元で一番つまんないやつの窓開けて寒いのを一時間 パーキングで40分立ち往生 体が冷えて腹くだす 40分トイレ入ってたのを3人置いて行ったと勘違いされる 御殿場アウトレット 駐車場混んでてやめる 帰り渋滞で高速のったら1時間で着いた 昼の12時に新宿 もっかい箱根行って帰ってこれる どうする ゴン:もうちょっと遊んでください 家に後輩が 俺つまんなくて帰されたと思われる フーターズ ガンが真剣な顔で胸元 反省会 一番つまんなかったのは正直ろくろ サトミツガンゴン→夜中の1時から3時までの若林お笑いの熱いトーク 楽しかったのは若林温泉貸切 ガンの一人熱湯風呂 若林の肛門をただただ見る サトミツも温泉 ゴンはロープウェー ガンはフーターズ おまえ箱根来なくてよかっただろ せっかくだから何か残そう 帰りの車で歌を作る 楽器ないから口 ガンがドラム サトミツがベース ゴンがボーカル 若林がフリーラップ 4人でミクスチャーバンド 箱根コナキンズ 「so much take a shit!」 一発撮り ジャズセッション 最後にこれ聞いてください 曲:「so much take a shit!」箱根コナキンズ +歌詞 俺達のHA・KO・NE 箱根にやってきた 俺達のHA・KO・NE 箱根にやってきた 温泉も温泉も入り放題 俺達の箱根にやってきた ロープウェイ登って寒い ロープウェイ降りてくときはちょっと怖い 海賊船なんて二度と乗らねぇ 1000円の写真なんて絶対いらねぇ 「なんだ海賊」いい加減にしろ 海賊やるんならもっとメイクしろ! OH!俺達はもう二度と海賊船なんか乗らねぇ 写真もいらねぇ ちょっと曇ってて富士山全然見えやしねぇ so much! so much! お前は so much take a shit! 俺達のso much! take a shit! 「正直」寝てたときゴンのイビキがすげぇうるせぇ! 黙ってろ!ゴン黙ってろ! すげぇうるせぇ!うるせぇ! 行き先決める時も ゴンはちょっとうるせぇ! 黙ってろ!ゴンだま! ゴンだまだまゴンゴンだま黙ってろ! ゴンだま!ゴンだま!コナキンコナキン岩崎コナキン コナキン!コナキンタマ! コナキンコナキン名探偵コナキン 二度とこのメンバーでは箱根には行かねぇーぞ ズグダン! CM 春日 いやー相馬たかし まさか最後にこのメンバーでは箱根こねえって ゴンがずっと同じ「俺たちは!」 若林 あいつ仲間意識強い 春日台湾旅行 水口Dと福岡のあと1月4日から海外行こうと ロンブー亮に話したらちょうどその期間台湾で仕事 適当に便とホテル取ったら同じ便だった ビジネスクラスで席が隣 当初は亮さんロケを傍から見る予定が結局ずっと付いて回る ホテルが3000円のモーテルでボロボロ 台湾吉本の人に亮と同じホテルを取ってもらって料金はいいです 若林:これはダメだルミネタダで20回出ないと 打ち上げの飯に同行してタダで食べる 2泊3日で使ったお金が1万円弱 若林:これは無限大200回出ないと 旅の目的 台湾は親日 春日と気づかれるか 黄金伝説が放送されてる 空港では特に何もなく台湾吉本 トゥース=血反吐を吐いて死ね トゥースー=食パン まあ気づかれない ロンハーは10何年やってるから亮はよく気づかれる 一般の新聞に日本の芸能人の家族写真が載ってたりする 西野カナの便名と時間が載ってた おどおどはやってない ポチタマやってた NHKでデーモン小暮が大相撲解説 ANNはやってない 繁華街 声かけられない 男の子が話しかけてくる JAPANて書いてあるストラップ「これを買え」 1日目は全く声かけられず 若林:今のが1日目 これから2日目 亮のロケ現場 すごい人だかり 若者が「春日だ」 携帯の画面を見せられる 中国語で春の日 1万円生活的髪型 若林なんちゃらかんちゃら 「若林はいないから期待しないでください」 春日は地味でスタッフさんとなにかわからない いじられてた まあよかったじゃない 満喫しましたよ 外国でわかんないんだから CM 『帰ってきた天沼パトロール』 CM 『しんやめ』 CM EDトーク 春日:提供クレジット 大修館書店、meiji 2月18日にANN45周年感謝祭イベント 今日チケット一般発売即完 女芸人としてのmiwaの人気でしょうね 2階席~!でウケる 若林:春日さんはタンクトップですかもこもこの方で? 春日:タンクトップかなーでも特別のイベントなんでっちょっと時間あるんで考えさせてもらっていいですか 5000人 いろんなファンの方がいますから オードリーのファンの方はどれくらいいるかわからないけど 我々のリスナーの方もいると思いますから わかるサインとかしてほしいよね なんかありますか なければしめますけど 春日:それも時間あるんで考えさえてもらっていいですか 若林:はいでは考えといてください それではありがとうございました オードリー若林でした 春日:このあと~アディオス 曲:「so much take a shit!」箱根コナキンズ 上に戻る
https://w.atwiki.jp/kaismasi/pages/43.html
「鳳凰カップとはあの鳳凰カップか?」 「あれがどれかは知らねぇけど…まぁそれだな」 俺は訳のわからない返事をしながら出されていた紅茶に口を運んだ 鳳凰カップのために本社に呼び出された一件の騒動から二、三日が経った ほんでもって俺たちは何をしているのかと言うと 知り合いの神姫関係のショップにブース参加と店での宣伝ポスター掲示のお願い、まぁ簡単に言うと宣伝回りってところなんだろうな 今まで俺自身がスルーしていたからこんなことはしなくてもよかったんだが… 何せ今回はバッチリ関係者だ イベントが盛り上がればいいと思う気持ちも多少なりともあるのは間違いない 大手企業は御袋達の仕事なので俺の関わる所ではない つまり、親しいショップや神姫マスター達が関わるであろうお店に挨拶に行けばいいのだ そう思うと思い当たるのは…エルゴ、<日々平穏>、“ALChemist” 俺のマンションから比較的近いエルゴの方には香憐ねぇと昴達が、<日々平穏>には葉月があいさつに行っている マスターや弥生さんのことだから気前よく引き受けてくれるだろう んでもって俺とうちのインターフェイス三人娘達で秋葉原まで出向いているのだった 俺達の担当は“ALChemist” この店を知ってから頻繁に秋葉原に来るようになった気がするなぁ… 「…して、なぜ貴様がコレをもってくる?」 チラシを俺に向けて摘み上げるマイスター うん、確かに至極もっともな意見である 一般の客が「ここのブースに出店してみれば?」とは言うかもしれないが、俺はそんなお節介なお客様と言った感じではない そこらへんは自分自身でもわかっている ある一点の説明がなければ俺がマイスターに鳳凰カップ参加を呼びかけるのは不自然なのだ ちょっと小さなため息をついて俺はそのことをマイスターに告げる覚悟を決めた 「その主催、俺の実家なんだよ…」 「そうか…実家の手伝いと言うわ…け……だ………な?」 最後の方が途切れ途切れになってるぞ 「き、貴様の実家? ほ、鳳条院が…か?」 「ああ」 「な、何を言っておるのだ。貴様の姓は橘ではないか」 「橘は婿養子だった親父の旧姓だ」 マイスターはむむぅ…と唸ると腕を組み椅子に深く座り直した 「………驚かないのか?」 「バカモノ、驚いておるわ。まさか貴様があの鳳条院の跡取りとはな…」 驚いているとマイスターは言うが、普通の人間ならこのリアクションは薄い方であると俺は思っている 光には影がある その光が大きければ大きいほど影も大きくなっていく 今や大きな力を持つ鳳条院家の裏にもその影は例外なく存在しているわけで 媚び、諂い、力の大きな者の下について権力を握ろうとする人間を、俺は小さな頃に幾度となく目にしてきた あからさまに「力が欲しい」と権力や金を欲する者の方がどれだけマシだろうというほどに、善人の仮面を被った汚らしい人間を見てきた この事は俺が『鳳条院』を捨て、『橘』を名乗ることに多少なりとも関係があった マスター……夏彦さんはこのことを知っている だからってあの人は知る前と変わらず俺に接してくれた そして今、この人も… 「で? 昼間から三人も美少女を同伴させて我が店にきたわけか?」 はっ! っと軽く笑い俺の隣に座っているノア、美子、優奈を眺めていく 軽く「この金持ちのボンボンは…」と言う感じのニュアンスを感じるのは俺の被害妄想なのだろうか 「この前の美女はどうした。確か…水無月と言ったか?」 この流れだと香憐ねぇも俺の愛人か何かと思われているのかもしれないので今のうちに訂正しておくとしよう 「あの人は実家で俺の教育係だったんだ。まぁ、俺にとっちゃ姉代わりって方がしっくりくるんだが…」 「そうだったのか……む? 彼女は……」 「げっ…」 不意にマイスターの視線が優奈の前で止まる 「はて? どこかであったような…」 「き、気のせいだろ?」 マイスターの目線から逃れるように目を逸らしながらユーナが答えた まだ納得していないのだろうマイスターは首をかしげてから再びチラシに目をやった (どうした優奈) その隙に美子の背に顔だけ隠すような体勢で美子の隣にいる優奈に話しかける (いやさ…この前この姿でエルゴに行った時、マイスターがいたんだよ。もう憶えてないと思ったんだけど…) なるほど、それでか… (あんときはビビッたぜ。さっきお茶を持ってきた子も一緒でさ…) 優奈の言っている子とはマイスターの腹違いの妹、葵ちゃんの事だろう 『美子』と『優奈』を紹介した後にマイスターから紹介があった なんでもあと二人も腹違いの妹がいるらしい 普通、北欧系の顔立ちの葵ちゃんと日本人であるマイスターの人種的な顔の違いから姉妹ということは判断できないであろう だが、俺は彼女がマイスターの妹である事には納得していた 理由は簡単、身長が同じぐらいなのだ …………遺伝なんだろうな ん? 遺伝? ならウチの母親の遺伝はどうなるのだ? そんな疑問と共についマイスターを見つめてしまう (それにしても似てるよなぁ……なんか他人の気がしないよなぁ……) 葉月にも見せてやろうか… 「おい、たちば………なんだその顔は……」 ふと、チラシから顔を上げたマイスターは俺の顔を見るなり眉を寄せた 「これはつまり出店参加依頼と言うわけでいいのだな?」 「ああ、できれば“ALChemist”に出店してもらいたい。イベント的にはかなり大掛かりなものだから客の入りも相当なものだと思うぞ」 「有無、わかった。考えておくとしよう…」 「橘さん、御代わりはいかがですの?」 葵ちゃんが紅茶の入ったティーポットを片手に微笑んでいる 「…………あ、ああ。ありがとう」 少し返事が遅れたのは葵ちゃんと始めてきたときのロッテちゃんの二人がだぶって見えたからである 人が神姫に重なって見えるとは…俺がノアたちと長い間暮らしていたせいだろうか 二、三回瞬きをしてから葵ちゃんを見るが、やはり彼女は人間の大きさである と、言っても17、8の女の子にしても小柄な葵ちゃんの体は恐ろしいほど彼女に似合っていた 三つ編みにした蜂蜜色の髪、コンタクトと言っていたが深い蒼色の瞳、マイスターが作ったのであろう可憐な衣装とエプロン その姿はまるで高級なフランス人形のようだ そういえば葵ちゃん、インターフェイスの時のランにもどっか似てるんだよなぁ… 「? 橘さん、ぼーっとしちゃってどうしたんですの?」 「え? あ、いや、なんでもないよ」 誤魔化すように笑ってみせる 「橘、私の“妹”に手を出したら…ただでは済まんぞ?」 俺の笑い声はマイスターの釘をさすような一言で乾いた笑いに変わったのであった 家に帰りそれぞれの報告会が開かれることとなった 「マスターには出展依頼したんだけど、前向きに考えてくれるってさ。お店の常連さんにも声かけてくれるって言うし、ちゃんとポスターも貼らしてもらってきたぜ? エルゴのマスターは話がわかるよ。流石だぜw」 えらく上機嫌の昴である 「香憐ねぇ、コイツに何があったんだ?」 「それがですね…エルゴの用事が早く終わったのですが、昴様が帰り道に喫茶店を見つけまして。寄っていこうと仰るので『LEN』というお店に寄ったのですが、そこがいたくお気に召したようで…」 エルゴの近くに喫茶店ねぇ… 俺の中では喫茶店と言えば<日々平穏>なので見落としていたのだろうか… 「良かったぜ明人。マスターのお姉さんも美人だったし、神姫の注文は神姫が取ってくれるんだと。まぁ、今日はランも孫市もインターフェイスだったがな」 「ほぅ」 ネムちゃんに喫茶店看板神姫のライバル登場だな… 「神姫をつれた学生のマスターも大勢いましたのでポスターを貼らせて頂きました。あの制服は黒葉学園の制服でしたね」 「え、黒葉学園?」 反応したのは葉月である 「そうです。数年前までは葉月様も着ておられた制服ですから私の見間違いはないと思いますよ」 黒葉学園、ここら辺で俺の知る限り一番デカイ巨大学園である 葉月は中学生の時に編入し、高校卒業と共に別の大学を受験したのだった 「つまり、その子たちは葉月の後輩に当たるわけだな」 「そうだね。懐かしいな…あ、弥生さんにもちゃんと挨拶して来たよ。ちゃんとポスターも貼らせてもらったよ?」 「おう、ご苦労様。あとは…」 「ご主人様、ご主人様!」 他の神姫たちと共にテレビを見ていたノアがユーナのウイングユニットを使って俺の前にあらわれた 「どうした、アニメの最終回で何か気に入らないことでもあったのか?」 「そうじゃありません! テレビを見て下さい!」 ノアの言葉にその場の全員がテレビに注目する 『鳳凰カップ2037〈春の陣〉開催! 神姫バトルカップの……』 「なんだ、鳳凰カップのCMか。毎年やってるじゃねぇか。中継番組の宣伝も…」 「そうじゃないんです。これ二回目のCMなんですけど…」 『バトルカップのゲスト解説者にはファーストランカーの橘 明人! さらには…』 「……………………」 「……………………」 「………………ね?」 笑いを必死にこらえる昴以外の全員凍りついた 「あのジジイ…実の孫を宣伝に使いやがった…」 追記 「お父さん!! 営業課にあのCMの指示を出したのお父さんでしょ!!」 「なんじゃい伊織、今頃か」 「今頃かじゃないわよ! 明人が怒って出てくれなくなったらどうするのよ!? せっかく明人が協力してくれるって言うのにぃぃ~~~!」 「大丈夫じゃよ。桜のお墨付きじゃし」 「んなっ? さ、桜!?」 「社長、大丈夫ですよ」 「で、でもぉ…」 「若様は器の大きな方ですから。そうですよね社長?」 「え? う、うん……」 「若はすっかりご立派になって…」 「そう…だよね…ふふふっ♪」 (言いくるめられおったな伊織…。我が娘ながら物凄い親バカな事よ……) 続く メインページへ このページの訪問者 -
https://w.atwiki.jp/tokimekicn/pages/160.html
Nickname 爱称【西红柿的爱称是什么?西红柿酱呀】 『1』•『2』•『3』•『GS1』(仅限PS2版)中, 玩家除了设定主人公的姓与名外,还要设定主人公的爱称。 简介 『1』•『3』•『GS1』(仅限PS2版)中,游戏开始后,玩家设置主人公的姓和名后,需要设定「爱称」。 游戏中的人物会按照设置好的爱称称呼主人公,带有EVS机能的『3』和『GS1』中,还可以将爱称的读音单独设置,形成写作黑子读成变态的效果。 另外『2』中如果有了寿美幸对姓的称呼语音EVS文件,她称呼主人公的爱称时会使用该语音, 如果有了一文字茜对名的称呼语音EVS文件,她称呼主人公的爱称时也会使用该语音。(不过美幸只有在结局中会使用) 不过在游戏设定中,『1』里的很多角色无论友好度多高,都不会叫主人公的爱称,至多也只是直呼名字。 所以有可能会发生事先设定好的昵称,在游戏中根本派不上用场的状况。 各作中的女生和男生,除『1』的正篇[1]以外,全部作品中关系较好后一起放学回家时(『3』则是在追加约会中),主人公可以改变对女生或男生的称呼方法, 此时不仅可以直呼其姓或名,还有种种爱称。 『2』中对女主角变更称呼的备选里基本上没有太过奇怪的,但是在姓氏后加「ちゃん」的叫法,绝大多数人都不能接受。 能够接受的也只有白雪姐妹和寿美幸,不过寿美幸的话评价要达到「友好」才可以。 同理,对名字后加「さん」的叫法不能接受的女主角,也不在少数。当然这种称呼方式对身为青梅竹马和班主任的华澄而言是非常正统的。 而阳之下光的话,只要叫「光」就行了,别的基本都会让她生气。 不过,故意叫对方不喜欢的称呼把人气跑,也是一种有效的攻略技巧。 要知道放学后可谓炸弹的温床,碰到了女孩子,视而不见会得罪她,打了招呼就会得罪其他人。 而叫错称呼仅仅会让当事人友好度下降,伤心度少许上升(比视而不见和回绝要上升的少),对其他角色却毫无影响。 用这个看似不太礼貌的方法,却能够有效抑制包括当事人在内的伤心度的涨幅。 但相对于『2』的主人公而言,『4』和『GS』系列的主人公才真算得上是脑洞大开想象无边。 『4』里,诸如「DR.K」•「完美超人」•「大仓大臣」之类的昵称……应该说是外号才对,真不知道主角怎么想的。 上述三个还不算什么,「丰满子」和「小丰满」还有「不良少女」这种的,已经是成心找抽的犯贱地步了吧。 虽然从事实出发,每月负责发放零花钱的都子,对主人公而言确实是大仓(藏)大臣(财务大臣)一般的存在。 另外和『2』不一样的是,『4』里乱叫名字的话后果会很严重。 一段时间没见面的角色如果听了奇怪的称呼,第二天保准会送个让主角喜出望外的回礼:一枚大炸弹。 『GS』系列里,对王子角色的称呼备选里有「王子大人」(琥一和风真除外),不过这种和花痴无异的叫法当然会让对方不爽。 而风真有个专门的称呼叫「若様」,叫了之后他也会生气离开。 此外还有「zero one」•「死小鬼」•「乐队君」•「不可思议酱」•「拉面君」•「臭小子」等KY的叫法,让人看了都无语。 不过等好感高的时候,有些爱称诸如「ヒムロッチ」(仅限老师,叫他的侄子纯属踩雷)•「小•樱•弥(心)」也是行得通的。 更离谱的是『GS3』里,部分角色好感度极高的情况下,对「达令」•「老公」•「当家的」这类称呼也能照单全收……你们真是一个敢叫一个敢应。 『GS4』没有这么直接露骨的爱称,但等感情好到极致时主人公可以选择叫玲太さん。说者无心听者有意,大概当天晚上他就会脑补你们生几个孩子叫什么名字了。 而最不希望被别人知道模特身份的七森实,在好感极高的时候完全默许主人公在门口大喊Nana,只能说坠入爱河的女高中生(七森)真可怕。 唯独「ミーくん」这个称呼是他的地雷(确切来讲是只针对主人公一个人的地雷)。想要知道原因的话去游戏里找答案吧。 可是,本多行为什么只有到喜欢阶段才能叫「ダーホン」,这是很多人想破脑袋也弄不清楚的问题。 『1』~『4』中对男性朋友的称呼也是固定的,无法变更,『1』•『2』•『4』中称呼其名,『3』中则是称呼其姓, 『GS』系列中的女性朋友的称呼与男生一样,是可以变更的,除『GS4』外默认为「姓+さん」)。 此外『GS2』的主人公的别名为Daisy,『GS3』的主人公的别名为斑比,『GS4』的主人公别名玛丽。 起这些别名的均为花椿一族(花椿姫子•花椿卡莲•花椿ひかる),会叫主人公别名的只是少数人而已。 主人公最初就对其直呼爱称的角色 『2』:穗刈纯一郎 『3』:月夜见(网友,性质特殊) 『4』:水月春奈(笔友) 『GS2』:哈利(本人强烈要求的)、Chris(不如说是简称更合适) 对主人公直呼爱称的角色 非隐藏攻略人物需好感高 『1』:藤崎诗织,片桐彩子,清川望,朝日奈夕子 『2』:寿美幸,一文字茜(需要有对应的EVS文件),九段下舞佳(「少年」作为爱称来说真是微妙…) 『GS1』(PS2限定):三原色,天之桥一鹤,藤井奈津实 『GS2』:花椿姫子(起名者) 『GS3』:宇贺神美代,花椿卡莲(起名者) 『GS4』:花椿みちる,花椿ひかる(起名者),巴征道(称主人公为「きみちゃん」) 其他 秋穗实 『虹色青春』中称呼主人公为「候补的学长」。在『虹色青春』本篇中没有提及,而在『彩之爱歌』和『启程之诗』中,她对这个称呼的解释是「只有我才会用的爱称」。基于心跳剧场三部曲是平行世界的关系,该称呼只是特指虹色的主人公,和后两部的主人公无关。在后来的『虹色的毕业典礼』里,秋穗实对虹色青春的主人公再度用了一次这个称呼。 郡山知姫 有的时候会管主人公叫「后辈君(後輩クン)」。而现实中喜欢郡山学姐的玩家也会用这个称呼来表示自己的同好身份。多年后的『GS4』,主人公也可以选择这个称呼备选来叫和郡山学姐同一天生日的后辈,当然对方会很生气。 御影小次郎 有的时候会叫主人公「真面目ちゃん」。 其他角色直呼爱称的角色 称呼者 被称呼者 爱称 『1』 藤崎诗织 美树原爱 小爱(メグ) 『2』 坂城匠 穗刈纯一郎 纯 『3』 河合理佳 相泽千岁 小千(ちぃちゃん) 相泽千岁 牧原优纪子 小优(ゆっこ(ちゃん)) 神条芹华 渡井和美 矢部卓男 『4』 柳富美子 艾丽莎•D•鸣濑 小艾丽(エリリン)[2] 女学生 艾丽莎•D•鸣濑 柳富美子 小富(ふーちゃん) 『GS1』 藤井奈津实 冰室零一 ヒムロッチ 绀野珠美 小珠(たまプー) 『GS2』 Christopher Weatherfield 针谷幸之进 哈利(ハリー) 西本春日 音成游 Christopher Weatherfield 小野田千代美 小千代(チョビ(ちゃん)) 西本春日 水岛密 Christopher Weatherfield 藤堂龙子 小龙(タッちゃん) 西本春日 佐伯瑛 小佐伯(サエキック) 志波胜己 小志波(しばやん) 冰上格 小冰上(ひかみん) 天地翔太 小天(あまやん) 若王子贵文 小若老师(若ちゃん先生) 真咲元春 送花小哥(花ちゃん) 水岛密 密亲(ひそかっち) 花椿姫子 姫子姐(姫ちゃんさん) 花椿姫子 藤堂龙子 颠茄(ベラドンナ) 『GS3』 樱井琉夏 设乐圣司 小圣(せいちゃん) 樱井琥一 『GS4』 本多行 风真玲太 玲君(リョウくん) 飒砂希 飒君(サッくん) 七森实 实君(ミーくん) 柊夜之介 夜君(ヤノくん) 冰室一纪 纪君(ノリくん) 白羽大地 大酱(ダイちゃん) 花椿みちる チルちゃん 花椿ひかる ピカちゃん 七森实 本多行 ダーホン 柊夜之介 ヤのサン 白羽大地 大酱(ダイちゃん) 白羽大地 飒砂希 King 本多行 いっくん 冰室一纪 ヒムロっち 白羽空也 白羽大地 大ちゃん 花椿みちる 本多行 ダーホン 花椿ひかる 在『GS4』里,主人公可以把本多和大地这俩人称呼别人的方式学来用。 不过本多对别人的称呼,主人公除了花椿姐妹和七森之外的对象基本不会踩雷;而大地称呼他人的方式则还是不学为妙。 『GS1』•『GS2』相关细节 + 【介意者慎重观看】女性朋友和其心仪的男生相对应的昵称 女性朋友和其心仪的男主角相对应的昵称 GS1 有泽志穗 守村樱弥 ありりん もりりん 须藤瑞希 三原色 瑞希サマ 色サマ 藤井奈津实 姫条圆 ネェやん ニィやん GS2 藤堂龙子 志波胜己 タッちゃん♡ カッちゃん♡ 西本春日 针谷幸之进 はるる はりり 水岛密 Christopher Weatherfield ひーちゃん くーちゃん 相关秘技 『1』的PS版中,游戏开始时将主人公的爱称设为「こなみまん」后,主人公的全数值均会变为573。 连恶性的数值压力也会变为573,到底算不算是福利真不好说… 秘技具体相关可参见攻略•心跳回忆页面。 注释 ^游戏正篇中对女生的称呼方法无法选择,但在『剧场篇』中,可以选择对女主角的称呼方法。 ^修学旅行(心动状态时)中可以听到。 相关页面 系统 姓 名 生日 血型
https://w.atwiki.jp/teikokuss/pages/753.html
五 「帝國」において一門の存在は決して軽いものではない。機神という実体的な力を背景にしなくては王国を名乗る事は許されない、という不文律がある中で、一門を束ねる宗家が機神を持つという事は、一つの王国を形成しているに等しい意味を持つ。 「帝國」が帝国を名乗りうる根拠の一つが、この一門を数十と束ねている事にある。ケイロニウス皇統が、これらあまたの一門に対して皇帝として君臨しうるのは、「教会」という権威を背景にしている事があった。そして非公式ながら、彼らの保有する機神を上回る絶対的な力を有する機神を所有しているから、という話すらも囁かれていた。機神を手にしているという事は、それほどに重たい意味があるのだ。 こうした互いの微妙な関係があるがゆえに、それぞれの一門は皇宮内に控えの間という名前の拠点を持ち、それぞれの一門同士や皇室に対する交渉のために活用していた。「帝國」の公的な政治の場が元老院であるとするならば、皇宮は私的な取り決めのための交渉の舞台であると言えた。 この皇宮の控えの間の一つで、アレクサンドロス・ポンペイウス・マグヌス将軍は、謁見までの時間を潰していた。 マグヌス将軍は、ポンペイウス一門の末席に名を連ねる子爵家の当主である。南方辺境の中堅一門であるポンペイウス一門は、魔術関係の学者を輩出している一門であり、また海運と投機とで稼いだ金で学問研究を支えている事で知られてもいた。実際、彼の妻も現役の学者であり、私塾を開いて平民の子弟子女に学問を教えるなど教育熱心な女性である。むしろ軍人として才能を発揮し「帝國」の重鎮になった彼の方が一門の中では異端といってもよい存在であった。 元が貧乏性なせいか何か仕事をしていないと落ち着かない彼が、お得意のおさんどん技能を発揮して控えの間の掃除をやりださないでいるのも、いつ呼び出しを受けるか判らないせいである。さすがに時と場所をわきまえるくらいの分別は持ち合わせてはいる。仕方が無く冷めたお茶で唇を湿らしつつ、小姑のごとく整理整頓掃除の問題点を視線でチェックしている彼には、さわらぬ神になんとやらで使用人らも近づこうとはしない。 「やあ、家憑き妖精。相変わらず使用人頭みたいな顔をしているじゃないか」 「貴様も若様気分が抜けないとみえる。もう少し宗主代行としての立場に自覚を持て」 「あはは。それは無理だね。古人は長生きだからさ、きっと僕の孫の代まで爺さんは現役宗主だぜ。僕はあくまで使いっぱしりでしかないんだよ」 部屋に入るなりマグヌス将軍のところに直行した青年が、軽薄そうな表情でそう軽口を叩く。癖の強い青味がかった黒髪を指先ですくいつつ、にやにやと笑っている彼を、将軍は、困った奴だ、と言わんばかりの表情でそうたしなめた。 「ディリグス、貴様が来たという事は、謁見だな」 「そ。まったくやになっちゃうよね。時間は誰にとっても有限なのにさ」 「その時間が一番足りないのが陛下さ」 皇宮内の近衛騎士団の駐屯地ではなく、ケイロニウス一門に属する機装甲工房に案内されたマグヌス将軍は、目前にたたずむ真赤な機体をその鷹の様な鋭い視線でじっと見つめていた。広大な石造りの空間中、巨大な魔法陣の中央に据えつけられた整備用架台に固定されているその機体は、魔術を行使する者の眼には、まばゆいばかりに強大な魔力を発している。 彼の記憶の通りならばその機体は、内戦末期にごく少数が生産され、皇弟アルトリウス元帥の直属であった近衛騎士団に配備された機神「アトレータ・トリニタス」のはずである。この機神は、ケイロニウス一門の機神「レギナ・アトレータ」を元にして開発された機体であり、機神としての格こそ低いながら、性能のバランスの取れた非常に出来の良い機体であるという。 かつて教会軍総司令官であるヤン・アドルファス・グスタファス辺境候の指揮する軍勢との戦いで、単騎突出する事が度々あった皇弟アルトリウス元帥の駆る「レギナ・アトレータ」に、近衛騎士団に配備されていた主力重魔道機装甲「アクアリウス・トリニタス」では、ついてゆく事さえままならなかった事があった。「アクアリウス・トリニタス」は明らかに性能が不足していた上、皇帝軍で多用された機神「黒の二」はあくまで機神としては機能が制限されていた機体であったため、要求される性能を満たした機神が必要とされたのである。そのために「レギナ・アトレータ」を元に、機体の骨格と要部装甲のみを精霊銀で造り、外装は魔導処理された隕鉄を用いる事で短期間で開発量産にこぎつけたその機神「アトレータ・トリニタス」は、度重なる激戦に数を減らした近衛騎士団の主力として内戦末期に八面六臂の活躍をしている。 「うん、さすがは「アトレータ」の名前を持つ機神だね。うちのやつとは大違いだ」 謙遜しているのか、自虐をよそおった冗談なのか判りかねる口調で、ディリグスはマグヌス将軍に向かってささやいた。それの相手はせず、将軍は赤い機神について考えていた。 彼の記憶の中の「アトレータ・トリニタス」は、比較的軽装甲の人型に近い細身の機体であった。原型機の「レギナ・アトレータ」が、機体防御を防護結界に任せているのと同様に、「アトレータ・トリニタス」も結界による防護に依存している。だが、目前の機神は、左腕に作り付けられている盾型の結界発生器が無く、変わって左右両肩の装甲がかなり大型化していた。さすがに両腕で武器を振るうのに邪魔な造りにはなっていないが、それでも機体全体の造型のバランスが崩れているように見えるのに違いはない。 「でさ、あの両肩は結界発生器だぜ。しかもかなり強力な魔導増幅機能付きのさ」 「さすがだな、ディリグス。魔導が名門の宗家の者だけの事はある」 「ふん」 わずかに肩をすくめてマグヌス将軍の賞賛を受け取った宗主代行であり現宗主の孫のディグリスは、だがすぐに表情を引き締めた。同時に将軍も、直立不動の姿勢をとってから腰を四五度に曲げる。 二人が頭を下げた先には、多数の御付の者を従えた今上皇帝リランディアと、その夫にして摂政副帝であるレイヒルフトの二人がいた。 「おさんどん! おさんどん! ごめんね、待たせちゃったんだよ」 足早に近づいてくるリランディアは、精霊銀の目隠し越しにも判る程に上機嫌で、そしていたずらっ子めいた表情をしている。 「ポンペイウス・メルクリウス伯爵。ポンペイウス・マグヌス子爵。御苦労様です」 その幼帝のななめすぐ後ろにつき従うレイヒルフトが、最敬礼したままの二人に声をかけた。その伴侶の声に気がついたのか、リランディアは、二人に楽にするようにあわてて付け加えた。 二人が楽な姿勢をとると、今上帝は、摂政副帝を見上げて話をうながした。 「御二人はすでに聞いているでしょうが、ポンペイウス・マグヌス子爵にはトイトブルグ王国に大使として赴任して頂く予定です。現在王国は、王権の弱体化によって秩序が崩壊しつつあり、周辺各国は兵を発して介入しようとしています」 相変わらず動じた様子の無い穏やかな表情と口調で、レイヒルフトは、トイトブルグ王国を巡る情勢が緊迫化している事を語った。 「ポンペイウス・マグヌス子爵には、慣例に基づきポンペイウス一門の兵を連れて赴任して頂くわけですが、同時に王国の秩序の再構築のために必要な措置をとって頂く事になります」 「だからね、おさんどんには、この「アトレータ・ルブルム」を持っていって貰うんだよ」 レイヒルフトの言葉を横からひったくったリランディアが、猫口になって両手を腰にあて、自慢気にその薄い胸を張った。 国費によって造られ帝國軍に装備されている「黒の二」とは違って、「アトレータ・トリニタス」は、皇室の収入によって製造され、皇室の歳費によって維持されている近衛騎士団に配備されている機神である。故に皇帝であるリランディアの意思によって乗り手を決める事もできるし、展開先を決める事もできる。 「トイトブルグのななりー女王はね、今とっても大変らしいんだよ。だからね、おさんどんには、女王を助けてあげて欲しいんだよ」 今上皇帝の言葉に、マグヌス将軍は、視線でレイヒルフトに質問の許可を求めた。摂政副帝は、それに軽く肯いて許可を出した。 「どうぞ」 「はい、陛下。「帝國」は、小官にトイトブルグの王位をうかがえ、と、かく求めるものでしょうか?」 「いいえ。「帝國」が求めるのは、王国に秩序を再構築する事です。女王ナナリィ・ヴィ・トイトブルグは、本来ならば王位に就く事などできぬ不具の者と聞きます。故に誰かが、その王権を確立するために後見に立たねばなりません」 故に「帝國」が、実力をもって王権の確立を行うのです。 マグヌス将軍の問いかけに、一瞬緊張に身体をこわばらせたディリグスが、気が抜けたようにゆるゆると息を吐いた。 ポンペイウス一門宗主代行の無作法を皆が見ないふりをする中、リランディアは、後ろに控えている侍従らに手招きをした。それにこたえて侍従武官の一人が、一振りの大刀を捧げ持って前に進み出る。 「アレクサンドロス・ポンペイウス・マグヌス子爵」 表情と口調を真面目なものに変えた今上皇帝リランディアが、その大刀を両手で受け取り、重たそうに持ち上げる。 「朕は、卿に全権大使としてトイトブルグ王国への赴任を命ずる。今、王国は混迷を極めていると聞く。よって卿に朕が機神「アトレータ・ルブルム」を賜おう。近衛騎士にして錬鉄の魔導師たる卿ならば、これを使いこなせよう」 一度、腰を四五度に曲げて最敬礼したマグヌス将軍は、直立不動の姿勢に戻ると今上皇帝の前にゆっくりと進み出、そして再度腰を曲げて幼帝の手から両手で大刀を拝領した。 その大刀は、黒革蒔きの鞘に緋色と黄金色の下緒の拵えのもので、一目でそれを判る逸品である。鞘には神聖金を用いて魔法陣が刻まれており、魔導騎士であるマグヌス将軍の眼には、大刀に封じられている魔力がどれほどのものかが想像できた。 そう、この大刀こそ、機神「アトレータ・ルブルム」の乗り手である事を証明し、平素異空間に封じられている機神をこの現世に召喚するための神具なのである。 「臣アレクサンドロス・ポンペイウス・マグヌス、誓って陛下の御期待に応えて御覧に申し上げます」 両手で大刀を捧げ持ったマグヌス将軍は、そのままの姿勢でおごそかに誓約の言葉を述べた。 それに満足気に肯いたリランディアは、そごうを崩すと、また猫口になって胸を張った。 「おさんどんなら大丈夫だよ。だって妾をたすけてくれたんだもん」
https://w.atwiki.jp/dullaminal/pages/25.html
CASE 8 六門 あらすじ 貴船神社の亡霊へと話をつけた翌日。本邸へと向かい首環と合流すると同時に、陰明家当主鏡浄、天波羅家当主夕佳が祭りの生贄を渋る勝俱に対し詰め寄る様子を見る。勝俱は自分の子どもやそれと近い存在を生贄と出すことを、どうしても認められないでいた。 あらためて勝俱にアイラの母・クイーナが京都に来たころの話を聞くと、2年前にデュラハンを名乗る女性が来たこと、ひと月の間笹重を守り人として指名していたこと、「古い知り合いに会いたい」と言っていたことが語られる。また東山は華頂山にある「将軍塚」に行きたいと言っていたが、六門としてそれはできないと断ったところ、クイーナもそれに納得したという。 その将軍塚に封印されている”御首様”について、封印を更新するための生贄に蓉香を差し出す話になっているが、それに反対する勝俱から生贄を捧げずに済む方法を調べてほしいと依頼される。 ひとまず将軍塚へ向かった一行は陰明薫と出会う。ノロはその塚ではなく、華頂山全体から異様な雰囲気を感じる。アイラはダンスタンバラ城で聞いたような、誘うような声を聞く。その声は霊山の方向から聞こえたが、そこもこの気配の中心地ではないと感じる。 + 結末・ネタバレ防止 頭部家が保管していた古い書物より、将軍塚に封じられている"御首様"という存在、その封印を施した頭部家の祖先"伊福部家"と生贄の血として生まれた"天波羅家"の流れを知る。御首様はその姿を見るだけで一族を死に追いやるほどのものだという。 またノロは頭部家ゆかりの神社に伝わる宝物(ほうもつ)の話を知る。その神社に行き、聖化武装により井戸から錆びた刀"赫焉丸(かくえんまる)"を引き上げるが、刃が丸められている不可思議な形をしていた。水鞘家の親方に持ち込んでも「いくら研磨しても錆が取れない」として返される。 本邸に戻り蓉香や累とともに食事をとっていると、累は分家から引き取られた子どもであり家族というものがいないことや、しきたりに縛られずイギリスへ行く笹重の自由さ、追いつけない自分との比較など、複雑な心境を吐露する。「案外簡単に出ていける」という笹重の言葉に反発するように、累は部屋を去っていく。 食事後、勝俱に呼び出された笹重は「生贄の任を自分(勝俱)が負うことを六門に進言した」と告げられる。六門として生贄を出すことは止められないが、彼はこれをある意味で"御首様と交渉するきっかけ"とし、生贄になると同時になにか交渉ができないかと思惑を語る。 笹重がその話をほかの2人に共有したとき、ふとノロは笹重に式神がついていることに気づく。行動が監視されていたのだ。誰にいつ付けられたのかもわからず、手練れの仕業であると推測できた。 蓉香と同じ部屋で寝ていたアイラは、ふと夜中に蓉香が出て行こうとする様子に気が付く。「呼ばれたから行く」「ごめんね」と言い残す彼女を止めようとするも、突如真言を受け声が出なくなってしまう。咄嗟に首を爆ぜさせ、笹重とノロを呼び追いかけようとしたところ、妨害する獅子舞を扱う男と虚無僧と交戦になる。彼らを退けた後、大広間には別の者に襲われた勝俱と介抱する首環がいた。部屋には式があり、勝俱は式返しを試みる。勝俱と手当をする首環を残し、3人が式を追った先は東山の霊山城であった。そこには蓉香、夕佳、そして陰明薫の姿があった。薫の目的には笹重も含まれることを口にする。薫に連れられて参道を登る一行。アイラは四方から「ここに来てはいけない」という警告を聞く。 そのとき、地面が大きく揺れた。笹重は直感する。御首大祭が今宵始まることを。 登場NPC + ネタバレ防止 笹重の首環 雪女の半妖で、常に手袋をつけている。笹重のことは「若様」と呼ぶが、首環同士での井戸端会議では「笹ちゃん」と呼ぶらしい。 結界の修復へ出ていたので前話は出てこなかった。 今回から匈歌ハトリさん謹製の立ち絵が付いた。 頭部 勝俱 笹重の父。御首大祭の実施に対し生贄に反対しているが、その立場故に他の六門と板挟みになっている。 天波羅 蓉香 笹重の幼馴染。生贄のことは、程度は不明だが聞かされているらしい。 頭部 累(かしらべ かさね) 笹重の幼馴染。二刀流の剣士で堅物な性格。 蓉香を生贄にする話を知っている。"笹重の代わり"としての立場や、笹重に追いつけない自身に複雑な思いを抱えている。 笹重のことは「笹重」、蓉香のことは「蓉香ちゃん」と呼ぶ。 立ち絵はヨイショさん謹製。 陰明 鏡浄(おんめい きょうじょう) 陰明家の当主。笹重のことは気に入っているが、秘祭を遂行するにあたり蓉香の生贄に渋る勝俱に対し、「では笹重を差し出すのか」「呪われし頭部家の責務を果たせ」と詰める。 陰明 薫(おんめい かおる) 陰明家の筋。ひどくゆっくりとした言動が特徴。将軍塚で出会う。 式を笹重につけ監視していた。御首大祭にあたり、笹重の力を欲しているという。 頭部 継音 笹重の(おそらく)従姉。英語はあまりわからない。 頭部 蓮也 勝俱の弟。勝俱が亡くなった場合、次期当主となる。 今話では登場しない。 パーカーを被った謎の男 獅子舞を式として扱う術師。蓉香を追いかけようとした一行を本邸内で襲ったが、アイラの爆破により大ダメージを負う。 虚無僧 CASE 6にて出会った者と同一人物。仕事を受けて京都へやってきた。 蓉香を追いかけようとしたアイラに言葉封じの真言をかけた。 用語・種族 ※セッション中の説明に基づきます。事実と異なる可能性があることに留意ください。 + ネタバレ防止 陰明(おんめい)家 京都六家のひとつ。六門では祭事・儀式を取り仕切る役割。 御首様(みくびさま) 六門がかつて封印した存在。具体的にどんな存在なのか、現在知っている六門の者は残っていないが、とんでもない災禍を引き起こす存在だと伝えらえている。東山の将軍塚の下に封じられている。揺れるのが合図。 姿を見ると一族もろとも死に絶えると言われており、1000年前の平安時代に封じられた。 伊福部(いふくべ)家 頭部家の先祖。御首様に対し他の五つの門と協力して対処したがどうしても滅ぼすことができず、自分たちの血筋を依り代として封印を施した。以降、将軍塚が揺れるたびに自分たちの血筋を生贄として使い、封印を重ねてきた。 また伊福部家(頭部家)は御首様を封じたことで、「伊福部家に嫁いだ女性は早死にする」という呪いを受けている。 血を守るためにいくつかの分家をつくり、そのうちのひとつが妖怪との交渉を行う語り部と呼ばれる一家である。江戸時代近く、他の分家がほぼ途絶えたとき、「伊福部家を血を継ぐ者たちを束ねる頭」として現在の「頭部家」が誕生した。 そして頭部家が、自分たちの家から生贄が出ないよう、生贄を定期的にストックし続けるためにつくったものが「天波羅家」という分家である。事実この300年ほど生贄が出たのは天波羅家からのみだった。 なお、頭部家では定期的に伊福部家の遠縁から嫁を迎え入れ、血を薄くしないようにしている。笹重の母が当の縁者であり、実は伊福部家の血が最も濃く生贄として適しているのは笹重である。 赫焉丸(かくえんまる) 木嶋坐天照御魂神社(このしまにますあまてるみたまじんじゃ)に祀られている頭部家の宝物。境内には三柱鳥居と枯れた井戸があり、「刀を握る意味を理解する者」であれば、その水面から取り出せると伝わる。赫焉とは「光り輝くもの」の意。 笹重が井戸から取り出したときは抜き身の錆びた刀で、刀の部分を丸めたいわば刃が無い状態だった。 地名 + ネタバレ防止 華頂山(かちょうざん) 将軍塚がある場所。陰明家の敷地。 将軍塚 災厄の前に震える、将軍塚が揺れると禍が起こる、とされる。転じて災いを知らせるものとして、守り神的に捉えられることも。 現実では「誰が埋まっているのか」は知られておらず、一説では京都の都ができる前、豪族の時代にできたものなのではと言われているが、考古学調査が進んでおらず判明していない。 デュラミナルでは六門が""御首様""を封じている場所。そもそも六門はその封印を維持するために生まれた協力体制のことである。 その封印を更新するには「血筋」、すなわち生贄が必要とされている。その生贄は頭部家から出すものであり、ここ数回(数百年)は分家の天波羅家から出している。また、かつて御首様への生贄を捧げなかった年、「天明の大火」が引き起こされたといわれている。 霊山 霊山城跡がある。霊山城とは足利義輝が建てた城であり、一年で建てられ一年で滅んだ。 六道の辻 今話では頭部家や六門の古い書物を保管した倉庫がある。 勢力関係表 + ネタバレ防止 ※変動なし。 勢力名 関係値 変動値 マーリン評議会 -2 マーキュリー・コレギウム 2 ハイドパークの女王の宮廷 2 王冠党 -2 P局 0 冬の王の宮廷 -1 聖ベーダ騎士団 0 京都六家 1 アンヌン派 1 管 1 夜会 -1 エピソード + ネタバレ防止 畳の縁(へり)はあまり踏んではいけないのだが、笹重はめちゃくちゃ踏む。首環曰く、そのせいで魔力場が若干乱れているらしい。 ノロは魚の頭も骨も丸ごと食べる。刺さっててもそのまま食べる。 笹重は小学生か中学生かの修学旅行で東京に行ったときに小骨が刺さって苦しがっていたので、蓉香が巣鴨のとげぬき地蔵にお祈りに行った。実際抜けたらしい。※学年が違うので家族旅行かも? 二日に1回くらいアイラの首は取れた状態で起きる。 アイラによる「ソワカ野郎」という呼称が爆誕する。
https://w.atwiki.jp/isekaikouryu/pages/1303.html
竹林の落とす影が、だんだんとその濃さを増してくる。 馬車の荷台に積み上げられた穀物に背をあずけながら、スイメイはみるともなく頭上に目をやった。 はじめのうちこそ道端におずおずと現れていただけだった竹は道を登るにしたがって大きく伸び上がり、今では林を成して三方を圧している。ここに至るまでに通り過ぎてきた畑や人家に降り注いでいるであろう陽光はいまや色を失い、弱弱しい木漏れ日となってひんやりと凝る。鳥獣の気配もなく静まり返った林の間を、車輪が道を噛むがらがらとした音だけが渡っていく。 ただならぬ気配が、あたり一面に立ち込めている。いっそ出来すぎなほどだと、スイメイはわずかに笑った。 「あの」 スイメイが目を向けると、そこにはトウエンが泣きそうな顔をしている。御者台におさまって馬車を操っていた男もまた、スイメイと同じものを感じ取ったものであるらしかった。 「そろそろ、この辺で出るって話なんですけどね」 「そのようだな」 「あの、本当に大丈夫ですかね、このまま進んじまっても」 朴訥そうなトウエンの面持ちが、不安で大きくゆがんでいる。無理もない、とスイメイは思った。そもそもが、このトウエンという男はこの場に望んで来たわけではない。スイメイが無理に頼み込んだのだ。金子を積み、雇い主の穀物商と車の貸主の両方から口ぞえをしてもらい、万が一損害が出た場合には如何様にも償うと約定してようやくトウエンは了承した。それにしたところで、トウエンの態度は不承不承以外の何者でもなかったと、スイメイは間に入って運び屋を探してくれた塩客から聞かされている。まあ奴さんはごねてるだけで、もう九割がたは承ったようなもんなんだが――とその塩客は前置きした上で、トウエンの不安を解くにはスイメイ自らがお出ましになるのが一番だと言い添えたのである。その意味が分からぬようなスイメイではなく、かくしてトウエンはスイメイの頼みを喜んで引き受けるに至った。 そして今もまた、ここにきて不安がぶり返し始めたと見えるトウエンの目を、スイメイは正面から覗き込んでいる。 「大丈夫だ。かねてから決めた通りにしてほしい」 ひるんだトウエンは、そのままスイメイの眼に捉われている。十分に間をおいた上で、スイメイは引き締めていた顔をさっと緩めた。 「無理なお願いをしているのは重々承知している。それでも、貴方の働きが肝心なのだ。どうか、私を助けると思ってよろしくお願いしたい」 柔らかく微笑み、頭を下げる。太岳の氷河のように透き通った美貌から、川面に煌く陽光のような温かみが現れる。少し困ったようにひそめられた柳眉をくぐるようにして、輝く瞳が上目遣いでトウエンを射抜く。 トウエンの顔から、拭い去ったように不安の色が消え去った。 「はい! では、このまま進みます!」 「よろしく頼む」 とどめとばかりにもう一度笑みを閃かせると、スイメイは穀物袋をのけて隙間を作った。その中に這いこみ、隠れる。やがて馬車はゆっくりと進み始めた。トウエンはいまや完全に自信を取り戻し、鼻歌すら歌っている様子である。己の笑みのもたらした霊験に、スイメイはわずかに顔をゆがめた。 ――あの男も。 スイメイの脳裏を、一人の男の姿がよぎる。精悍な顔立ちの狐人。スイメイの心の中で、狐人は不敵な笑みを浮かべている。スイメイがしなを作って見せると、狐人は眉をひそめて鼻を鳴らし、尻を叩いて消えうせた。 ――これほど単純ならよかったのだが。 眼前に迫る穀物袋とにらめっこしながら、スイメイは小さくため息をついた。 追っ手の名はスイメイ。大延国の歴史に名を残す永代剣聖の一人にして、超絶剣技を操る美貌の剣士。 追われる者の名はシキョウ。後の大延国七十五代皇帝にして、あらゆる武術の精髄を身につけた天稟の持ち主。 スイメイに敗北したことを不服とし、約束された玉座を放り出して出奔したシキョウと、それを捕らえるべく追うスイメイ。二人は大延国全土を股にかけた追跡行を繰り広げ、幾度にも渡って刃を交えた。そうした戦いは多くの地で伝説として残っている。 だが、中には人知れず行われた比武も当然数多く存在している。人目につかぬ深山幽谷で繰り広げられた勝負もあれば、人目を引くまでにも至らないほんの一瞬で決着がついたもの、確かに刃を打ち合わせながらも、余人には一見して比武とは見えぬ比武もある。 辛州、光袁台は紅吠林における匪賊退治を巡る戦いもまた、そうした比武の一つである。 それからしばらく進んだ後の事である。 無音の何かが、不意に音もなくぴりりと震えた。わずかに遅れて、馬車を引く馬が足を止めた。 大気を鋭く切り裂いて何かが飛来し、馬車の荷台に何本も突き立つ。一、二、三、四。五本目はわずかに遅れて御者台に突き刺さったとみえて、うろたえたトウエンは沸き立った薬缶のような悲鳴を漏らす。だがトウエンに逃げ出す様子はない。荷台の穀物袋の中に身を伏せながらにして、スイメイの耳はその理由をはっきりと捉えている。ことさらに土を踏みしめる、一人の男の足音。精悍な顔立ちの狐人である。 男は足を止めると、すぅ、と息を吸い込んだ。 「――上古の玄王ケイエンの著した『大山流布』を紐解けば、旅には三難が付きまとうとある!」 朗々たる声を張り上げて、男がすらりと剣を抜く。殷々と震える剣をゆっくりと振るい、不意に手首を凛と締めて正面を突く。気力の乗った一撃は大気を絡めとって押し出し、鋭い風切音を立てながらトウエンの額を打つ。のけぞったトウエンが恐る恐る額に手をやれば、そこには傷一つない。剣風は寸前で解け消えている。否、解け消えるように力を絞ったのだ。呆然と額をなでるトウエンに、男はからからと笑って見せた。 「三難のうち、一つには風害。一つには関所だ。どんな旅路も、向かい風一つで悪路に変わる。関所で難癖を付けられて留め置かれれば、旅どころじゃなくなる。まあまあ、わからんでもないよなあ、え?」 トウエンががくがくと頷く気配。 「だが俺に言わせりゃ、この辺はタダの数合わせ、残る一つに比べりゃ屁も同然よ。おい、お前、残る一つは何だと思う」 ひ、とトウエンが息を飲んだ。身をすくませるトウエンに、男が剣の腹でぽんぽんと己の肩を叩いた。 「ま、言うまでもないわな。そうとも、一番難儀なのは山盗匪賊の類に決まってる。つまりはお前の目の前にいるような、な」 周りの竹林が、葉を震わせて鳴きはじめた。下ばえを踏みしめる足音がいくつも現れ、じわじわと馬車を包囲していく。匪賊たちが拳や得物を竹に叩きつけて威嚇する音が、他の全ての音を圧した。 「た、たす、たすけ」 「さて、そいつはお前さんの心がけ次第って奴だな」 狐人はあくまでも快活そのものである。狐人がだんっと足を踏み鳴らせば、周囲の賊たちが竹に拳を叩きつけて和する。沈黙が十分に広がるのを待って、狐人は再び口を開いた。 「通りたければ、荷を置いていけ。と言っても、全部じゃなくていい。食い物は足りてるからな。その袋の陰に隠れてる奴を置いていけばいい」 スイメイは体を動かし、袋の隙間から外をうかがった。荷台に振り返りかけたトウエンは、あわてたように目をそらしていた。 「さて、何の事やら分かりかねます。これはただ穀物を――」 だんっ、と狐人が足を踏み鳴らし、剣をさっと打ち振って竹林の一点を指した。がさがさと葉を巻き込みながら竹林の中で何かが落下し、綱に引っ張られてがくんと跳ね返る。死骸。吊り下げられた肉体のあちこちは無残に裂け、遥か頭上にあって尚、死臭を届かせるほどに腐り果てた亡骸が、竹林の間で虚ろに揺れている。 「お前の前にも、こちらの言うことに従わなかった奴がいた。あれがその末路だ。で、だな」 狐人が再び剣を打ち振って今度は地面を指す。と、竹林の中から何かが投げ出されて道に転がった。ぼろきれに絡めとられた白骨がぶつかり合ってからからと音を立てる。頭蓋骨の数は三つ。それぞれ犬人、豚人、狸人のものと見て取れる。 「そいつらがその前にいう事を聞かなかった奴らだ。おっと、その前の前だったかな。まあ、どっちでもいいか」 冷え冷えとした色が、男の声音に加わった。 「もう一度だけ言う。荷台に隠れてる奴を置いていけ」 事ここに至り、トウエンはガクガクと震えるばかりである。狐人は顔をしかめ――次の瞬間には御者台のトウエンを飛び越え、荷台に跳び乗っている。風術と軽功の驚くべき冴えである。 「直接言うか。おい、お前、聞こえてるんだろ」 狐人は穀物袋の山に視線を据え、こともなげに言う。 「一つ良いことを教えといてやる。俺達は真っ当な商売人からは通行料をいただくだけで通してやってる。それも、役人どもが建てる関所に比べりゃ良心的なもんだ。ましてや、作物売りに来た農家のばあちゃんから大根もぎ取るようなつまらんまねもしないぜ、お役人どもと違ってな」 がんがんがん、と賊たちが竹を打った。 「だが金持ちと、お前みたいな護衛を連れてる奴は別だ。そんな余裕があるんなら俺達に払えば済むだけなのに、妙な意地を張った挙句身を滅ぼす。俺はそういう奴らの相手をするのが大好きなんだ。小ざかしい真似して安心しきってる阿呆に、己の無力さを思い知らせてやるのが楽しくて仕方がねえわけよ!」 がんがんがん、と賊たちが再び竹を打った。 「お前がどれほどの腕前か知らないが、ここに俺達が大勢待ち構えていることなんか先刻承知の上だろう? よっぽど腕に覚えがあるのか、さもなきゃ尻尾の先までお気楽で、見つかるわけがないとでも思ってたのか。実を言うと最近多いんだぜ、そういう間抜けが。こっそり光袁台に入ろうって目論見の塩客だの拳法家だのが案外大勢いらっしゃるのよ。どいつもこいつも、向こうの殿様に請われて集まって来てるんだとよ。大方、この『紅吠林』に巣食う匪賊どもを一掃しようなんてそういう腹なんだろな」 がん、と賊たちが三度竹を打った。狐人の首領が高笑いした。 「だが無駄だ。そういう木っ端どもがいくら集まったところで、この『大鳴剣』のゴウエン様には傷一つ付けられやしない。いつでも相手してやれるが、こそこそ隠れるその根性が気に食わないから、こうしていちいち見つけては相手をしてやってるわけだ。どうだ、卑怯者。姿を現して己の武を示すか、さもなくば自分の見につけた技は見せるにも値しないゴミだと認めるか、さあ、どっちだ!」 賊たちが雄たけびを上げ、足を踏み鳴らしながらてんでに竹と得物とを打ち鳴らした。下卑た言葉を発しながら、ケダモノのように吠え声を上げる。腐りきった性根から流れ出る腐臭が、周囲を圧していく。 と、穀物袋の一角が、ゆっくりと崩れた。 「――声を聞くまでは、ひょっとすると人違いかもしれんとは思っていたのだ」 ゴウエンがいぶかしげに眉をひそめ、次の瞬間息を呑んだ。 「紅吠林に潜む山賊どもの頭目が最近代替わりして派手に働きはじめた。護衛やら塩客やらによく絡み、勝負を挑んでは打ち負かして喜んでいる若い狐人だと。まさしく噂どおりのようだな」 ことさらに表情を殺したスイメイは、ゴウエンのまん丸に開ききった眼を正面から捉えた。 「その口上は自分で考えたのか。それと、その名前も。なにが『大鳴剣』だ、バカらしい。それに死骸のまがい物までこしらえて」 袋を押しのけ、スイメイが立ち上がると、ゴウエンはわずかに身を引いた。周囲にかすかなどよめきが走った。 「見損なったぞ、シキョウ。そんなに大都に帰るのがいやか。盗賊に身を落とすのが、お前のやりたい事なのか」 「勘弁してくれよ……」 ゴウエン――シキョウの口から漏れた言葉には、混じりけのない驚きが溶け出していた。 凝固しきった時間のなかで、初めに動いたのはシキョウである。 「はーっはっはっは! これはまたなんとも見目麗しいお嬢さんのお出ましだ!」 「突然何を言いだすんだ、お前は」 かすれた笑い声を上げるシキョウに、スイメイは呆れた眼を向ける。と、その耳に囁きかける声があった。 『手下向けの演技だよ。頼むからちょっと調子を合わせてくれや。事情は説明するから』 シキョウの口元がわずかに動き、風を伝って声を運ぶ。自在に音や声を曲げる投声術の技法である。スイメイは眉をひそめた。 『さぞや込み入った事情なのだろうな』 『今は時間がないから後で――おい、気のせいかな、お前が口を開けずに喋ってる気がする』 『お前だってそうしているではないか』 『あのなあ、俺のはこれでも投声術の奥義なんだよ。なんでお前があっさり真似できる』 『以前に一度見たからな』 『勘弁してくれよ』 『ところで、口上のほうは続けないのか。手下とやらが不審がっているようだが』 『はいはい、ご指摘痛み入ります』 「お嬢さん、一手ご指南いただけますかな? それとも、こちらが仕ろうか。たっぷりかわいがってやるぜぇ」 下卑たあざけりの滴る口上に、スイメイは鼻を鳴らしてこれに応える。佩剣に手をかけながら、スイメイは再び声を投げた。 『かわいがるのか』 『そっちはまじめに取り合わなくていいんだよ。それより、事情を説明してる暇はないんだ。この場は黙って引いてくれないか』 『そんなわけにいくものか』 『頼む、三日でいいんだ。その後は比武でもなんでも付き合ってやるし、盗賊稼業だって辞めるよ。だから今は引いてくれ』 スイメイはシキョウをにらみつけ、佩剣を抜いて構えた。顔をかすかにこわばらせながらも、投げる声はわずかに柔らか味を帯びている。 『――安心した』 『何がだ』 『心のそこから盗賊を志しているわけではなかったのだな』 『んなもん当たり前だろうが』 『それはどうかな。当たり前が通用するなら、お前は今頃玉座についているはずだからな』 『うるせえよ。大体なんだよ、隠れるなんてだまし討ちじゃねぇか』 『私が最初から姿を現していれば、お前はどうせ出てこなかっただろう?』 『――っとっとっと、口上いわねえとな』 「おっと、やる気かよ。いいねえ、気に入ったぜ」と顔をそらしたシキョウが声を張り上げ、不自然な沈黙を塗り隠した。スイメイはいまや、呆れ顔を隠すのに苦労を覚えていた。 『お前がここで何をやっているのか知らないが、ご苦労なことだな』 『邪魔してくれるなよ、後三日の辛抱なんだから』 『三日後に何があるというのだ』 『おっつけわかる。それよりお前をここから逃がす方が先だな』 『逃げることなど簡単だが』 『そりゃお前の手にかかればそうだろうな。だがそれじゃ困るんだよ。この『紅吠団』の威信に傷がつくのは構わんが、今だけはまずい。一騎当千のつわものぞろいってところまで評判を持ち上げるのはずいぶんな手間だったんだ。あっさり逃げられて面目つぶされちゃやってられねえよ』 『その評判とやらがそんなに大事か』 『今回の件の肝と言っても過言じゃないぐらいだな。そんなわけで、なにか筋書きが必要だ。ひょろひょろの女剣士が、泣く子も黙る『紅吠団』の包囲を突破して逃げ出せるような小理屈が、な』 「にしてもずいぶんなへっぴり腰だな、お嬢さん? 俺もその綺麗な顔に傷を付けたくはないからなあ、剣を収めた方がお互いのためになると思うんだがなあ。何しろ俺の『大鳴剣』を食らわせちまったら真っ二つどころの騒ぎじゃないからな」 再び、シキョウがことさらに大声を出す。スイメイがわずかに剣を引いた。 『そうなのか』 『まあ、ここいらじゃ剣風泣き叫ぶがごとくって触れ込みでとおってるよ。岩なんかも斬れることになってる』 『そっちではなくて、綺麗な顔を、のくだりだ』 『何言ってんだ、お前』 『そんなお世辞もいえるのだなと思ってな』 『ああ? そりゃお前、俺が脅かす、お前がかわいそうなぐらいびびって投降する、連れて帰る途中でお前が逃げ出すってそういう流れで行く布石だよ。お前もちょっとは協力して怖がるフリしろよ。そんな仏頂面じゃ説得力に欠けるだろうが』 『――なに?』 スイメイの表情にわずかなひびが入ったが、シキョウは特に目も留めない。いかにも女人を嬲る悪漢にふさわしい顔を作りながら、いかにも困り果てたように声を投げる。 『もうちょっとこう、手弱女が慣れない剣を構えてがんばっては見たもののやっぱり無理でしたって絵面がほしいんだよ。こちとら男所帯だからな、女が涙を流して拝めばスケベ心も出すし、その分油断もする。捕まえたお前をねぐらに連れ帰る途中で、玉でも蹴飛ばされて逃がすなんてどじを踏むのもやむなしという寸法だ。だから、お前もたまには女の武器を持ってることも思い出して、有効活用してみろよ』 『有効活用、ね』 『ダメだダメだ、なんだその目つき。今にも殺し合いが始まるんじゃないんだぞ。そうでなくても取り付く島なさそうな面構えしてるんだから、少しは眉間のしわ緩めろよ』 『眉間の皺、か』 『無理させてるのは知ってるよ。媚びるのに慣れてないのもしょうがない。でも何とかがんばってみてくれよ。顔のつくりは悪くないんだから、こわばってない笑顔だけでも上々ってもんだ。ほら、色目の使い方だって思い出せないわけじゃないんだろ? いい加減手下どもも焦れてきてるからいっちょまともな奴を――』 銀光、二閃。だがその輝きを目に留めることが出来たのは、わずかにシキョウのみである。 遥かな高みから、ふと陽光が差し込んでくる。竹の落とす薄暗い影から姿を現した賊たちが、てんでに上を見上げて悲鳴を上げる。根元から切り落とされた何本もの竹がゆっくりとずれ、かと思うと葉を鳴らしながら賊たちめがけて倒れこんだ。襲い来る竹に頭を打たれ、盗賊たちは散り散りに逃げ惑い始めた。あっけにとられているのはシキョウである。声を投げるのも忘れはて、涼しい顔で剣を構えたままのスイメイをぼんやりと見やった。 『おい、なんだ今の』 『さあ? 竹の根元が腐っていたのではないか?』 『とぼけるな、お前の仕業だろうが!』 『知らん。きっと竹林のほうで気を悪くでもしたんだろう。お前らのようなろくでなしに辺りをうろうろされたんではとんだ迷惑だということかもしれないな』 轟音を立てて、太い竹が何本も根元から倒れる。折れた竹は倒れる途中で二つにへし折れ、逃げ遅れた賊の一人をしたたかに打ち据えた。声も無く倒れ臥す賊に駆け寄った仲間に、更なる竹が降り注ぐ。混乱の巷の中で、スイメイだけが冷静である。剣を収めて御者台に飛び乗り、化石していたトウエンを助け起こして手綱を受け取る。おびえていた馬たちをあっという間に落ち着かせると、スイメイは荷台に呆然と立つシキョウに振り返った。 「なんでもよい。ちょうどいいから、これに乗じて逃げる事にする。否やはないな」 「あ、ああ」 「それと、この場でお前を叩きのめして連れ帰るのはいとも簡単だが、今は気分になれない。だからお前の言うとおり、三日後まで見逃してやる。感謝するがいい」 「ああ、うん、すまん」 「そういうわけだから、どこへなりとでも行け。首を洗って待っていろ」 「いや、別にどこへもいかねえしけどよ」 「そういえばそうだったな」 「なあ、どうしたんだお前、大丈夫か」 スイメイは空を仰ぎ、嘆息し、シキョウにちらりと目をやるとさっと腕を突き上げた。掌によって捕らえられた大気はスイメイの力を内に孕んで槍のごとく空を貫き、一本の竹の頭を切り落とした。己が絶技をいともあっさりと真似されて目を剥いたシキョウが振り仰ぐその顔面を、切り落とされた竹が強かに撃つ。たまらず荷台から転がり落ちるシキョウの姿を視界の隅に捕らえ、スイメイは笑みを浮かべた。清冽な中にも凄みを孕む、深み百間に至る湖のような笑みである。 「私なら大丈夫だとも」 手綱をとったスイメイが、馬車を駆って山道の向こうに消える。道に転がり落ちてようやく顔を上げたシキョウの脳天に再び竹が落下し、シキョウは地に崩れ落ちた。 光袁台の城門をくぐり、手綱を渡して別れようとしたところで、スイメイはトウエンに捕まった。 「お美しいだけに留まらず、盗賊どもを退けてくださいました。今日の事は一生忘れられません」 トウエンの心酔ぶりはあまりにも素直に表されていた。そっけなく聞き流して立ち去ることも叶わず、スイメイは命の恩人にご馳走したいと言い張るトウエンに付き合って酒家に席を得ていた。その席ですっかり酒の入ったトウエンはスイメイの活躍ぶりを声高に言い立て、周りもまたこの美しい剣士の武勇伝に喜んで耳を傾ける。始めのうちこそ、聴衆に擦り寄られて気のない様子で菜をつまんでいたスイメイが、やおら思いなおしたかのように控えめな笑みを振りまき始めるに至ると場の興奮は頂点に達し、時ならぬどんちゃん騒ぎの奔流となって店から人々をあふれさせる。やがて混沌とした一座に不意に鋭い警笛が鳴り響き、事態の収拾を試みた兵士たちが酔っ払いどもを押しのけながらスイメイの元に至る。鎧兜に身を固めた兵士達はいずれも硬い面持ちながら、周囲を飛び交う野次の意味するところが染みとおってくるにつれて顔からは威圧と警戒が剥がれ落ち、畏敬の視線が瞳に灯る。年嵩の兵士の一人が進み出ると拱手し、スイメイもまたそれに応じた。 「剣士様、ご尊名は」 「スイメイだ」 「スイメイ様、ぜひとも我らが主の下へお越しください」 「いいとも」 そうしてスイメイは兵士に守られて、光袁台を治める知事の邸宅へといざなわれた。客室で待つスイメイの元に現れた狸人は知事の秘書を務めるガクシュウと名乗り、かと思えばスイメイが礼を返す暇も与えずにその場で叩頭しはじめた。流石のスイメイもあっけにとられ、ガクシュウの被る絹の帽子が転げ落ちるのをなすすべもなく見送る。ガクシュウは立ち上がって居住まいを正すと、いかにも感極まったといわんばかりに涙を流した。 「ああ、貴方のようなお方がまさにこの時にこの地を訪れてくださるとは、天も我が君を見捨てたわけではなかったのですね」 何の事やら、とも聞きかねるスイメイをよそに、ガクシュウは滂沱の涙を流してスイメイを拝まんばかりである。ガクシュウが興奮しきってスイメイを讃える合間にいくつか質問をさしはさんで得た答えをつなぎ合わせ、スイメイは大まかな事情を見て取った。 およそこの光袁台という地は、その名の通り台地の上に街が形成されている。出入りするには限られた道を使うほかはなく、それゆえに道を匪賊に抑えられれば街はなすすべもない。かつては匪賊の跳梁跋扈を許していた光袁台だが、二十年ほど前に先代の知事が派遣されてからは状況が変わった。先代の知事リュウテイは南蛮において大黒白を屠った経験もあるという生粋の武人であり、兵を組織しては賊を討ち、光袁台の安寧を確保して住民から大いに感謝された。わけても、匪賊達の親玉であったゴウエンなる狐人とは何度も刃を交えた末、遂には追い散らしてのけたという。 「およそゴウエンの剣の冴えと来たら、剣風泣き叫ぶが如し、人呼んで『大鳴剣』という使い手でございました。なんでも岩すら一刀の元に叩き斬るとか」 ちらり、と脳裏をよぎったシキョウの顔を追い払い、スイメイは先を促した。 先代知事リュウテイの活躍によって、光袁台にはようやく平和が訪れた。 かに、見えた。 「ところが、リュウテイ様がお亡くなりになると、事情は変わってまいりました」 そもそも光袁台に至る道は、山賊どもにとってはこの上なく住みやすい土地なのだという。豊かに茂る竹林は潜むにたやすく守るに堅く、黙って口を開けていれば獲物が飛び込んでくる。これまではリュウテイの雷名に恐れをなして離れていた不逞の輩も、リュウテイの死後は群れを成し始めたのだという。それもなんとも恐ろしい事に、群れには頭がいるのだとか。 「頭?」 「はい。何でも、かのゴウエンが帰ってきたというのです」 非の打ち所のない武名を誇るリュウテイといえども、ゴウエンの首を取ることだけはどうにも叶わなかった。配下もろとも追い散らされたゴウエンの名はしばらくの間絶えていたが、リュウテイが身罷り、子のリュウエンがその地位を引き継ぐと、まるで待ち構えていたかのように再びゴウエンが跋扈し始めた。罪咎に穢れているとは言えゴウエンの武名もまた大層なものであり、芳しからぬ輩を集める旗印としては充分である。 かつて光袁台の民の肝を寒からしめた『紅吠団』が、いまや復活を遂げつつあるのだ。 「――もちろん、我々とて手をこまねいていたわけではないのです。討伐軍を組織し、兵を訓練し、また腕に覚えのある武林の達人にご助力を賜ろともしてきたのです。ところが、ゴウエンどもと来たら狡猾この上ない事に、この地に武人が入る事を許さないのです。どうやってか武人を嗅ぎ分け、一騎打ちで退けてしまうのです。少なくとも、移送の協力を頼んだ商人どもは皆そういうのです。しかるに!」 目を血走らせたガクシュウはスイメイの足元に身を投げ出して叩頭した。 「ようやく一人の武人がこの地にたどり着いてくださった! それも、貴方様のような帝国に二人といない剣の達人が! これはまさしく天のお導きに違いありません! 我々の命運いまだ尽きず! 万歳!」 珍しい、とスイメイはいぶかしんだ。 スイメイの剣技は卓越したものであるが、名声はまた別である。武林が全土に広がる社会として成熟する以前の事、スイメイは武名を誇る性質ではなく、人との付き合いに構うことも薄い。その顔をそれと見分けられるものは、武林においても限られる。ましてや眼前にひれ伏す老秘書は、生涯筆より重いものは持つことのない根っからの文官といった風情である。そのことをスイメイが問うと、ガクシュウは顔を輝かせた。 「私は先代からここにお仕えしております。その折に、リュウテイ様から貴方のことを聞き及んでいたのです。かつて行われた塞王南片移設の際、ここぞとばかりに攻め寄せる南蛮を追い散らして格段のご活躍をした剣士様がいらっしゃったと。リュウテイ様は塞王にて軍務を果たしておられた折に、その活躍をつぶさに見聞きされたそうでございます。貴方様はまさしく話に伝え聞いていた通りのお方でございましたので、一目でわかりました」 「――昔の話だ」 「その時と変わらずお美しいようですね。およそ武術を極めれば、そのように若さを保つことも出来るのでしょうか」 眉をひそめるスイメイに、妙なことを申すようですが――と老秘書は声を潜めた。 「あの忌まわしいゴウエンも、このところは往時の姿を振り捨て、いまや若さを取り戻していると聞いております。にわかには信じがたいことですが、貴方様を見ていると、そうした事もあるのかもしれないと思わざるを得ません」 そんな事はない、なぜならあれは件のゴウエンが若返ったのではなくて、ただの偽者にすぎないからだ――とは、スイメイも口には出せない。偽者の正体を明かせば、余計な事柄までずるずると明るみに出る。白王位および皇位の継承が内定している君子が行方をくらました挙句、山にこもって賊を率いているとなれば、これは歴史にすら残りかねない醜聞である。 ――全く、面倒なことをしてくれる。 スイメイは内心嘆息した。どうやら、シキョウはかつてこの地を脅かした匪賊のふりをしているらしい。いかなる意図があるのかは全く持って理解不能である一方で、手際としては実に上手くやりおおせている様子ではある。道理の通らぬことに限って達者にこなしてのけるシキョウの面を思い浮かべるほどに、スイメイはこめかみを揉み解すのをどうにかこらえた。 「スイメイ様」 ガクシュウが表情を改め、スイメイの前に膝をついた。 「お願いがございます。ぜひとも我々に力をお貸しください。貴方様の比類なき武でもって、紅吠林に巣食う山盗匪賊どもを退けてください! どうか、伏してお願い申し上げます!」 スイメイに否やは無かった。老秘書にこれ以上叩頭させるのも忍びなく、もとよりシキョウを連れ帰るには山賊退治が不可避であることは自明である。ガクシュウを助け起こし、それでは今からでも行ってくると言いかけたところで、シキョウの必死に訴える声がスイメイの脳裏をよぎった。 『頼む、三日でいいんだ。その後は比武でもなんでも付き合ってやるし、盗賊稼業だって辞めるよ。だから今は引いてくれ』 「――引き受けよう」 「本当ですか!」 「ただし、三日間ほど時間を頂きたい。よろしいか」 「三日、ですか」 喜びに輝いていた老秘書の表情に、瞬く間に雲がさした。 「あの、このようにずうずうしいお願いをするなどとんでもない事だとは重々承知しておりますが、どうか明日にでも取り掛かっていただくわけには頂けないでしょうか、せめて、せめて二日」 「三日後ではまずい理由でも」 老秘書は首を振った。曰く言いがたい表情を浮かべ、瞑目して思案した末ようやっと口を開く。その口ぶりはいかにも重い。 「三日後、我々は軍を仕立て、ゴウエン討伐に向かうことになっております。出来れば、その前に倒してほしいのです」 「いかにも、軍を出すのが不都合であるかのようなおっしゃりようだ」 「ご明察です。なんとしてでも、討伐軍そのものを出さずに済むようにしなくてはなりません。軍を出せば――」 「出せば?」 「――私の口からは、申し上げる事はできません」 ガクシュウは言葉を切り、スイメイに苦渋にゆがんだ目を向けた。 「明日の早朝、討伐に向けた練武が行われます。我が君、リュウエン様も参加することになっております」 「リュウテイ殿のご子息か」 「はい。ぜひともリュウエン様にお会いください。そうすれば、私のお願いについてもご再考いただけるものと存じます」 変わった物言いであるが、スイメイはこれに構わなかった。その場を辞したガクシュウの後に現れた召使に案内され、客室に落ち着き、水で喉を湿らせて寝台にもぐりこむ。 スイメイは天井を眺めながら思考をめぐらそうとしたが、浮かぶのはシキョウの間抜け面ばかりである。むやみに沸く腹をなだめすかし、スイメイは目を閉じると、水底に沈むように深い眠りについた。 翌朝、スイメイの姿は城壁のそばに設けられた練武場にあった。 訓練用の模擬武器を打ち合わせ、兵士達はわき目も振らず訓練に励んでいる。ガクシュウを伴ったスイメイが合間を巡っても、ちらりと視線を向ける者すらほとんどいない。気合とともに武器を突き出し、打ち合わせては互いを地面に引き倒して土に塗れ、また立ち上がっては始める。まれに見る熱心さに、スイメイは舌を巻いた。 「元は徴用した農民や若者達です」 誇らしげなガクシュウの言葉に、スイメイは感嘆をあらわにした。技術こそ荒削りなところも目立つが、士気は正規の軍人に迫る水準である。徴用された市民というものは戦を厭うのが性というものであるから、これは驚くべき事だった。 「リュウエン殿はとても優秀なようだな」 「ええ。リュウテイ様の跡継ぎという仕事を大変立派にこなしておられます。今回の匪賊退治も、リュウエン様自ら陣頭に立ち、指揮を取られるのです」 そう答えるガクシュウの顔立ちは奇妙に優れない。目顔で問いかけるスイメイに、ガクシュウは黙って道を促す。そうして練兵場に満ちる兵士たちを二つに断ち割りながら進む二人の前に、ひときわ大きな人だかりが現れた。 「よいか、お前達よく見ておけよ、『双牙合従』の型はまずこのように相手を打つ」 ごん、という鈍い音に続いて、甲高い金属音が鳴り響く。いかにも刀が地を叩くような音である。若い男の声は、決まり悪げに上ずっていた。 「よいか、このように落とすのは型には含まれん。そそっかしい奴は勘違いせぬように」 遠慮がちな笑い声は、兵士達が視線を交わすにつれて次第に大笑へと変わる。巻き起こった爆笑の渦のなかパンパンと手が打ち合わされると、笑いはさっと消えうせた。 「さて、よく覚えておけ、もう一度やる。絶技を目にして学ぶがいい」 ごん、と鈍い音に続いたのは、今度は人が地に倒れる音である。どよめきの広がる人だかりは、スイメイとガクシュウの姿を目にするとさっと左右に割れていく。兵士達の中心でスイメイが目にしたのは、起き上がろうとする若い狐人である。 訓練用の木人を支えとして、やっとの事で立ち上がる。いかにも人のよさげな丸い目に、狐人の貴族特有の整った毛並み。黒と白の毛皮を配した印象的な皮鎧を見に着け、これまた白と黒に刀身を彩られた双刀を拾い上げて両手に提げる。白刀のほうを腰の鞘に戻そうとして失敗し、しばらく悩んだ末、黒刀を地面にそっと置いてようやく白刀を鞘に収める。再び手にした黒刀を背の鞘に戻そうと悪戦苦闘しながら、狐人はスイメイとガクシュウにちらりと目をやると、努めて何事も無かったかのように声を張り上げた。 「言うまでもないと思うが、転ぶのも技のうちには入らん。もう一度やってやるからな」 「リュウエン様」 「後にしろ。今は兵士達に稽古を付けているところだ。見てわからんのか」 黒白の鎧を纏った狐人――リュウエンは声を荒げた。 「リュウエン様、こちらはスイメイ師です」 スイメイは進み出て拱手した。胡乱げに眉をひそめたリュウエンの視線がすべり、頭を垂れるガクシュウを捉えた。 「スイメイ師? 父上の話にあったあのスイメイ師か?」 「いかにも左様と存じます」 丸い目が眇められ、視線がスイメイを射抜いた。遠慮がちにスイメイを眺め回した末、リュウエンは鼻を鳴らした。 「ありえん。若すぎる。父上がスイメイ師とお近づきになったとき、父上はわたしより年若かったと聞き及んでいる。もしこの女人がスイメイ師だというなら、私の祖母ほどにも年老いているはずだ。おい、お前、どんな目論見があるのかは知らないが、他人の名をかたるのは関心せんな」 リュウエンが黒刀でもってスイメイを指した。勢いよく突き出された黒刃はスイメイの鼻先を掠めたが、その事で顔色を変えたのはむしろリュウエンのほうであった。刀を引き、再び背の鞘に収めようとして取り落とす。さりげなく刀を拾い上げながら、リュウエンは傲然と胸をそらした。 「ふん、なりすませるだけの度胸はあるようだな」 「リュウエン様、このお方は間違いなく、父上のおっしゃるスイメイ様です。お若く見えるのは、きっと常識を超えた鍛錬のなせる業に違いありません。金炎児や仙人と呼ばれる方々の中には、そうした方も大勢いらっしゃるのですよ」 「だからといってこの女を信じろというのか。他人の名を騙るのはまだよい。だが名乗るに事欠いてスイメイ師の名を、それもよりによってこの私に対して騙るとはな。他の場所でならそれで偽りの尊敬を勝ち取ることも出来たのだろうが、生憎我が父上はスイメイ師をよく存じ上げていたそうだ。でっち上げの武名でわたしに近づくつもりだったのなら、もう少し下調べをしておくべきだったな」 「リュウエン様、このお方は大層な技の持ち主で――」 「どうだかな。お前は実際にその技とやらを目にしたのか?」 「それは……」 「ガクシュウよ、お前はよく仕えてくれているが、所詮は文官だ。武の事はわかるまい。一方私にはわかる。父上の血を受け継ぐ私は、武の天稟をも受け継いでいる。その天稟が教えるのだ。この女は大した腕前ではない」 「リュウエン様――」 「おい、女。正体を現せ。正直に申せば許すぞ」 苦渋に顔をゆがめるガクシュウを、スイメイが制した。やおら進み出で、後ずさったリュウエンの前に跪くと、スイメイは頭を地に打ち付けた。 「申し訳ございません! リュウエン様のおっしゃるとおり、私はスイメイ師の名前を騙っておりました! お許しください!」 そのまま地に頭を擦る。うろたえるガクシュウをよそに、気を取り直したリュウエンが咳払いをした。 「やはりか。よかろう、許す」 「スイメイ師!」 「ありがとうございます! 寛大な処置に、心洗われる思いでございます!」 スイメイは目を潤ませ、歓喜に満ちた表情でリュウエンを見上げた。頬に輝く涙の跡は、まるで雨上がりにさす虹のように爽やかな美しさである。魅入られたように顔を緩めたリュウエンは、素早く口元を覆って顔つきを正すと、ガクシュウに視線を向けた。 「ガクシュウよ」 ガクシュウが頭を垂れた。 「お前が我が軍の戦力を増そうとして、各地の名高き武人に救援を要請しているのは知っている。それが失敗していることも、お前がそのことを気に病んでいることも。大方、これもお前の考えた事なのだろう。父上の話にあった伝説の武人がこの地に姿を現し、我らを嘉してくれたならば、我らの士気は大いに上がり、勝利は疑うべくもなくなると、そういう筋書きなのだろう。違うか?」 ものいいたげなガクシュウを、スイメイはひそかに目顔で制した。リュウエンは気付く様子もなく、上機嫌で言葉をついだ。 「こんなことはすぐにわかる。スイメイ師は父上の話を聞く限りではおよそ途方もない武人だというが、帝国全土に名が響き渡るほどには有名ではない。少なくとも、この地においては、出しただけで大の男がなぎ倒されるような名声ではない。僭称するなら、スイメイ師よりもっとよい名がいくらでも選べたはずだ。それにこの女のような美貌ならば、武人の名をかむる必要も薄かろう。人に千金を請うに当たってすら苦労するようには見えんからな。ガクシュウよ、お前がこの女にスイメイ師の名を吹き込み、スイメイ師として仕立て上げようとしたのだろう。そうだな?」 「――ご明察でございます」 「お前の考えはわからんでもない。だが、我々には必要ない。スイメイ師とやらの助けを借りるまでも鳴く、我らの士気は充分高い。匪賊どもを蹴散らすことなど、我々には朝飯前だ。なんとなれば、我らは強いからだ。私が組織し、鍛えあげた兵士達は我が街を守るために全力を尽くす。断じて盗賊などに遅れは取らん。そうだな、お前達!」 『応!』 リュウエンがさっと手を打ち振ると、兵士達が背筋を伸ばした。一声を発し、武器や拳を打ち合わせて脚を踏み鳴らす。熱気は瞬く間に練兵場全体に広がり、あがった鬨の声は耳を聾せんばかりに大気を満たした。 リュウエンが再び手を振ると、兵士達は声を止め、己が訓練に戻っていく。その様子を見やりながら、リュウエンは満足げに顎をなでた。 「まあ、それはそれとして、ガクシュウよ、お前の考えにもよいところは一つある。どこで見つけてきたのか知らないが、この女は中々の上玉だ。剣を持たせ、訓練にでも参加させるがいい。きっとよい見ものとなろう。兵士達には息抜きも必要だ」 ガクシュウが力なくうなずいた。神妙に顔を伏せるスイメイに、リュウエンは微笑んで見せた。 「といっても安心しろ、女。兵士達には断じて粗暴な振る舞いなどさせぬ。そうだな、父上から受け継いだこの『墜黒』と『屠白』の双刀にかけて誓おう。お前の役目は、我らが兵士達を元気付けることだ。どうだ、思っていた役目とそれほど変わるまい? そうだな、そのためなら、当初の予定通り、スイメイ師を名乗るのもまたよいだろう。今日と明日、兵士達の間を巡り、なんなら適当な武勇伝でもいくつか語って見せるがいい。現実に技を見せるのは荷が重かろうが、必要とあれば私が一手授けてもよいぞ」 「もったいないお言葉にございます」 「よいよい。どうせ兵士達にも技を見せようとしていたところだからな。ちょうどよい、お前も見て、スイメイ師のふりをするのに役立てるがいい」 リュウエンは『墜黒』を構えなおした。思わせぶりに刀をスイメイに示し、木人との間合いを計ると一息に踏み込み、打ち下ろす。袈裟懸けに打ち込まれた一撃は木人の肩に当たり、いともあっさりと弾き返された。体勢を崩したリュウエンの体が泳いで木人に正面から突っ込み、『墜黒』はその手を離れて宙に舞ったかと思うと、倒れこんだリュウエンの背中に過たず落下した。悲鳴が上がるも、黒白の皮鎧は『墜黒』の刃を滑らせ、傷を負わせるには至らない。舞い上がった砂埃の中で立ち上がりながら、リュウエンは『墜黒』を拾い上げて咳き込んだ。 「そう、そうだな」 助け起こすスイメイに向ける瞳は、気恥ずかしさを完全に隠し切るには至っていない。『墜黒』を鞘に収めようとして失敗しながら、リュウエンは決まり悪げに笑って見せた。 「お前が兵士の間を巡るときに技を見せてみろといわれたなら、このようにしくじって見せるのもよいだろう。笑いは兵士達を安らがせる。おい、お前達も遠慮せず笑ってよいのだぞ。今のはこの女のために、わざと失敗してやったのだからな。気を使う必要などないのだ」 控えめな笑い声が、兵士達の間に満ちる。スイメイは頭を下げ、リュウエンに感謝の言葉を囁く。リュウエンはうなずいた。 「討伐まであと二日だ。頼んだぞ、スイメイ師よ」 その顔に、さっと影が落ちた。人のよさそうな丸い目に、鋭く硬質な光が宿った。 「我らは必ず勝つ。私自らが先頭に立ち、賊の首魁をこの手で打ち倒してみせる。父の代から続いた因縁を断ち切り、この地に安寧をもたらすこと、それが私の使命だ。そのためなら命すら惜しくはない。 だが我らが兵士達は徴募兵だ。これが終われば日々の暮らしに戻る。この者達を待っている暮らしがあるのだ。無論、戦いとなればこちらとて無傷では済むまい。この中のいくたりかは、二日後に死ぬかもしれんのだ。だが、私は一兵たりとも失いたくはない。誰一人として、ここで果ててよい命などではないからだ。だから私は兵を守るためならどんな努力でもするつもりだ。女よ、そのことをどうか覚えておいてくれ。お前はお前なりのやり方で、我らの戦いを祝福してほしい。出来るな?」 スイメイはうなずいた。 兵士の群れを断ち割り、見送る敬礼に答えながら、リュウエンはその場を離れた。黒白の鎧が完全に見えなくなったところで、老秘書はスイメイに首を振って見せた。なんともいえぬ表情を浮かべた兵士達が、ガクシュウの支持を受けた上官達に追い散らされる。あとに残されたガクシュウの姿は、スイメイには一回りほども小さく見えた。 「――ご理解いただけたでしょうか」 スイメイはうなずく事はしなかった。シキョウがリュウエンを害することなど万が一にもありえない。だが、リュウエンを戦場に出すと考えるほどに、老秘書の心労が重なることもたやすく理解できる。リュウエンが武器を構え損ねる姿をちらりと思い返しながら、スイメイは剣の柄を軽く叩いた。 「明日の朝には片をつけておく。昼はリュウエン殿の言うとおり、皆を元気付けて回るとしよう。案内を頼む」 顔を輝かせて叩頭しようとするガクシュウを、スイメイは周りを示す事で制した。傍目にはよろけたガクシュウを支えたように装うと、スイメイは遠巻きに見つめる兵士達に微笑んで見せた。 その日一日を、スイメイは兵士達の間を巡る事ですごした。多くはただ微笑むだけで用が足り、時には何手か披露することもあった。無害だが人目を惹く型を選び、即興の歌を合わせて舞い踊る。思いつめた様子で訓練に励む兵士達の雰囲気が、だんだんとくつろいだものに変わっていく。瞬く間に出来た人だかりをようよう抜けて、素質のありそうな兵士にいくつか要訣を授けることもあった。飲み込んだ途端見違えたようによくなった兵士の動きに、周りも目を輝かせた。誰もが、スイメイに感謝を述べた。 そうした訓練の合間を縫って、スイメイはリョウエンの評判を聞いて回った。名君だと、誰もが口をそろえた。リョウテイの後を継ぐにふさわしいと。一方で、武の腕前に関しては誰もが言葉を濁した。まとう鎧は南蛮の巨獣、大黒白の皮で作られ、担ぐ双刀『墜黒屠白』はまさにその皮を剥ぎ取るのに使われた代物なのだと男達が我が事のように胸を張る一方で、その使い手については話をそらす。「リョウエン様が武器を取るまでもなく終わらせるのが我らの仕事だ」と上官がしかつめらしく言うと、誰もがその通りだと和した。 そうして、スイメイは今客室へと戻っている。窓を開き、星灯りを部屋の中に導きいれる。夜の清らかな風を頬に受けて、スイメイは小さくため息をついた。部屋着に着替える事もなく、窓の外をひょいと覗き、佩剣に手をやり、脚絆を巻きなおして立ち上がる。そのままひょいと窓枠に飛び乗り、スイメイはもう一度空を見上げた。 『止めとけよ』 耳に届いた声に、スイメイは鼻を鳴らした。 「おやおや、山賊の親玉さまのお出ましか」 『そろそろお前が動き始める頃合だと思ってよ。来てみりゃ案の定だ。どうだ、例のガクシュウ爺さんの頼みを聞く気になったか』 「なったとも。今からでも出て行ってお前を倒し、大都まで引きずって帰る。頭がいなくなれば賊どもは散り散りになるだろう。リュウエン殿の手を煩わせることも無くなる」 くくく、とシキョウがあざ笑った。 『なるだろな。そして差し出がましい横槍でリュウエン殿の顔は潰れる、と言うわけだ』 「どういう意味だ」 『俺が何のために盗賊の頭のふりなんかしてるのかってことさ』 スイメイは窓枠を掴み、一息に脚を跳ね上げた。逆上がりの要領で逆さまに飛び上がり、瓦の上にふわりと降り立つ。屋根の上では胡坐をかいた先客――シキョウが、呆れたようにスイメイを見上げた。 「ちぇっ、しばらくはごまかせると思ったんだがなあ」 「声を曲げても無駄だ。お前、よくこんなところに顔を出せたものだな」 「生憎だが、ここにはしょっちゅう邪魔してるよ。目端の利いた山賊ってのはな、近場の街には目や耳をおいとくもんなんだ」 スイメイは辺りを見回し、耳をそばだて、シキョウを見下ろして眉を上げた。シキョウが肩をすくめた。 「ハイハイご明察、俺しかいませんよ。俺がわざわざ見に来てるんだよ」 「頭領自らが偵察役とは、勤勉なことだ」 「任せられるような奴がいないんだからしょうがないだろ? 全くどいつもこいつも、威勢がいいだけでまれに見るごく潰しばっかりだからな」 「一騎当千の強者ぞろいなのだろう?」 「言っただろ、そういう噂を立てるのに死ぬほど苦労したって。麗々しく飾り立てたって中身は空だよ」 「わからんな」 「何がだ」 「何故そうまでして、山賊の脅威を演出せねばならんのかということだ」 「そりゃお前、その方が討伐したときに重みがでるってもんだろ」 「自作自演ではないか」 「なんか悪いかよ、自作自演で」 いかにも軽く投げ出された言葉の終わりを、宿る重みが虚空に沈めた。シキョウの脇にスイメイが腰を下ろすと、シキョウは遥か遠くの山の端に視線を投げた。 「なあ、スイメイ、ここの殿様の話は聞いただろ。先代の話も」 「ああ」 「ここの家は先代が一代で打ち立てた武門の家柄だ。この地の支配権を与えられたのも先代が塞王で立てた武功のおかげだし、根を張れたのだって山賊退治を首尾よくこなしたからのこと。親父殿がそんなもんだから、子だって似たような事を考える。自分も何か武功を立てないといけない、そうしなければ人々の上に立つ資格がない。そんな風に考えるわけだ」 「まるで見てきたきたような物言いだな」 「見てきたさ。ここに初めて来た時、リュウエン師の部下の息子になりすましてな。墓にも挨拶させてもらった。その時に散々聞かされたよ。自分も早く武勲を立て、冥府の父を安心させなくては、てな」 くつくつとシキョウが笑った。 「だがお前も見ただろ。あの若様じゃ武勲なんて到底望めない。刀を鞘から抜くのにだって苦労してる有様だ」 「私はそうは思わん」 「ほう?」 「確かに本人の腕前は見るに堪えないかもしれない。だが、指揮官としての能力は格別だ。これほどまでに将軍を慕い、士気も高い兵士達を私はみた事がない。よい機会を与えられれば、必ずや軍師として大成するだろう」 「そうだな。ま、一つには、そこに気付かせてやろうってのもあったのさ」 「――どういう意味だ?」 「恐ろしい盗賊団が現れれば、すわ軍隊の出番ってことになるだろ。そうすりゃ指揮官が必要になり、自称ボンクラの若様に任せてみたら思いのほか使えることが判明する、とこういうわけよ。お前も聞いてるかもしれないが、事態がこんな風になる前の若様ときたらすさまじいもんだったらしいだぜ。早く父のように認められたいって気負いと焦りに追い立てられて砂を噛むような日々を送りながら、周りには気を遣わせまいと四苦八苦だったとよ」 「わたしが聞いたのと違うな。誰もがリュウエンは名君だと言っていたが」 「周りの評価と自分が思いつめてるのとは違うんだよ。あのまん丸おめ目がずいぶん血走ってるの見ただろ。視野がこーんなに狭くなっちまってるのさ」 顔の両側に掌を立て、シキョウは目を思い切り見開いて口を尖らせた。これでもかとばかりに崩された面持ちに、スイメイも笑みを返した。 「そこまでとは言わないが、思いつめているのは違いないな」 「だろう。その思い込みを断ち切るにゃ、どうしたって手ごろな脅威が必要だった。若様でも平らげられて、その上自分でも納得できる成果となるような脅威がな。実績の一つも打ち立てれば自信がつく。虚ろな器に中身が入る。今までも周りが評価してきた通りの立派な殿様として、名実ともに完成するというわけよ」 「だから、自作自演の盗賊騒ぎをぶら下げてやったというわけか」 「いっとくが、俺が勝手にやってることだ。若様どころか賊どもだって何にもご存知ねえよ。だから自作自演ってのはあたらねえな」 「そうか」 「まあ、そういうわけだから、余計な手出しは無用だ。俺を大都に連れて帰るんなら、きっちり討伐が済んでからにしてくれや」 「成る程な」 ぼそりと一言つぶやいて、スイメイは夜空を見上げた。清澄な大気にしばし鼻先を預けると、スイメイはこらえきれぬというように笑みを漏らした。 「成る程な」 「何がなるほどだ」 「なあ、シキョウ」 「なんだよ」 「いや、ずいぶんはしゃいでいるなと思ってな」 「まあ、細工は流々だからな」 「いいだろう。乗ってやろう」 「思ったより聞き分けいいな」 「その代わり事が済めば、お前も本当に大都に帰ってくれるのだろう?」 「お前が俺をきっちり捕まえていられるもんならな。まず言っとくが、宿場を三つ抜けた頃には俺の姿はないと思えよ」 「捕まえておかねばならないか?」 「当たり前だ。俺が大都に帰るのは、自分が納得したときだけだ。納得できなきゃ逃げの一手よ」 「事が成った暁には、逃げる理由など無くなっているはずではないのか」 「何言ってやがる」 「ここの騒ぎに手を貸す事で、少しは考えが変わったかと思ったのだ」 スイメイは立ち上がり、座するシキョウに手を差し出した。いぶかしげに手を返すシキョウを引っ張って立ち上がらせると、スイメイは佩剣の柄をたたいた。きん、と鋭い音が、場に目に見えぬ糸を張った。 「シキョウ、お前は何故帝位から逃げる」 「なんだよ、藪から棒に」 「答えろ。お前は何故逃げる」 「――お前を自分の力で倒すその時まで、俺は帝位にも霊王位にもつく気はねぇ」 「霊王と六部尚書の過半数に羽林全軍、先代の皇帝陛下に至るまでがお前を皇帝として支持しているというのに、か?」 「それがどうした。俺は頭も悪けりゃ愛想もない。帝位につけるなら他にふさわしいのがごまんといるだろうが」 「国中のあらゆる武術を身につけた天才ではないか」 「そうとも。お前に子供みたいにあしらわれる天才様だ。どうだ、恐れ入ったか」 「駄々をこねるな、シキョウ」 シキョウの目つきが険を帯びた。 「駄々じゃねえ。お前のその分かった様な物言いごときを黙らせられないような器に、帝位なんか盛り付けたってこぼれて仕舞いになるだけだって言ってるんだ」 「そう思っているのはお前だけだ。お前ほど帝位にふさわしい者はいない」 「俺はそうは思わん」 「だからか」 「何がだ」 「だから、わざわざリュウエン殿を助けるのか」 風が凪いだ。凝固しきったシキョウの顔を、スイメイは正面から見据えた。 「自分と同じ悩みを抱いているから。どれほど苦しい日々を送っているか知ってしまったから。周囲の人間からは持ち上げられる一方で、それに見合うだけの自信を抱くことができない。どれほど自分を磨いたところで、遥か遠くの影に追いつく事が叶わない。そんな苦しみを共有する仲間を見つけたつもりなのだろう。だから、助けてやろうとしたわけか」 シキョウは黙して答えない。ひたすらに顎をかみ締め、スイメイを血走った目でにらみ付ける。その視線を真っ向から受け止めながら、スイメイは更に言葉を継いだ。 「さぞや楽しかったのではないか。何しろ人助け、それも、自分と同じように苦しんでいる人間を助けるのだからな。まるで自分が救われたような気分に浸れたことだろう。そんな暇と余力があるなら自分を救えばよさそうなものだが、そっちのほうは叶わないらしいからな。はけ口としては手ごろだったのだろうな。 だがシキョウ、お前は一つ誤解をしている。リュウエン殿はお前の仲間などではない。悩みの種は同じでも、向き合う方法が全く違う。お前は向き合ってすらいない。単に逃げていただけだ。お前とリュウエン殿を一緒にするのは途方もない侮辱だ」 「――抜かせ」 死体から血を搾り出すように、シキョウが声を漏らした。 「俺は逃げてんじゃねえ。お前を倒せる技を探して、全土を巡って」 「ほう? では聞くが、お前はこの地で何の技を学んだというのだ。例の岩をも断つとか言う触れ込みの大鳴剣か? それとも詐術か?」 「俺は」 「そもそも、本当に私を倒せば満足できるのか、シキョウよ」 「どういう意味だ」 「私を倒したところで、お前は次の理由を見つけるだけではないのか。スイメイには勝った、だが相変わらず山も破れぬし河も断てぬ、だから皇帝にはふさわしくないと、そんなことを言い出すだけではないのか」 「そんなことは――」 「ないか? 分かるものか。お前は自分で思っているより遥かに愚かなのだぞ、シキョウ? 本来ならお前は皇帝になる男だ。義務を負い、それを果たすだけの能力にも恵まれ、誰もがお前を支持している。だのに、納得がいかないなどという自分の都合で全てを擲つ。これが愚か者でなくてなんだというのだ。リュウエン殿とお前の違いはそこだ。リュウエン殿は器ではないと自認していながら、それでも己の責務から逃げる事は無かった。なるほど今回のお前の自作自演のおかげで解き放たれた部分もあるのだろう。だがそんなものがなくとも、いずれは折り合いをつける事が出来ていたはずだ」 シキョウが鼻を鳴らし、口元を醜くゆがめた。 「ずいぶん言いたい放題言ってくれるな、え? 無敵のスイメイ様はなんでもお見通しってか」 「お見通しだとも。お前が向き合うべきものから目をそらし、余計な事に首を突っ込んでいることなど誰の目にも明らかだ。ほかならぬお前以外は」 「ほかならぬお前がそれを言うんだな、スイメイさんよ」 低く小さなささやき声は、だが確実に大気を掴み揺さぶった。全身から湧き上がる怒りに煽られるように、シキョウの体毛が逆立った。 「向き合ってないだと! それをお前が言うのか、お前が言うのかよ! どっちを向いてもお前がいる。寝ても醒めてもお前の顔がちらつく。ああそうさ、逃げてるさ。こんなもんに向き合ってたまるもんか。こちとらな、どこまで追って来るお前の影から抜け出そうと必死なんだよ」 「ならば抜け出して見せろ。今すぐにでも」 「そんなことは――」 「出来ないか? それこそほかならぬ私の前で、そのことを認めるのか。冗談交じりの戯言ではなくて心のそこから、私に勝つことは金輪際出来っこないと、そう認める気か? もしそうだというのなら、私も、お前を皇帝に推す全ての人間も、ずいぶんな見込み違いをしていたということになるだろう。それだけではない。お前がこれまでしてきた事もすべて無駄になるのだぞ。 だが私としてはそれでも一向に構わん。お前が本当にやるべき事から逃げつづけていたとしても、とっくに出ていた結論から目を背け続けていただけだとしても、同じ悩みを抱えたお仲間の一人も一方的に救ったつもりになって、それで少しでもお前が満足したのならば、それで別に構わん。 構わんから、シキョウ、事が済んだら大都へ戻れ。それがお前の為すべき事だ。帝位に就き、お前の人生を取り戻せ。そうすればいずれ――」 踏み込みは、いっそ軽いほど。 だがその軽やかな踏み込みには全身の系力が余すところなく流し込まれ、シキョウの足元から頭の天辺に至る一点の破綻もない流れを形作る。瓦を踏みながらもわずかな音すら立てることなく、高く高く飛び上がる。シキョウは放たれた矢のようにどこまでも飛んで着地し、瞬く間にその姿は闇の中に消え去った。 スイメイは、シキョウをただ見送った。目を閉じ、シキョウの顔を思い浮かべる。瞳を血走らせ、歪みきった顔。飄々と吹き渡る風のように生きる男が、ただ一人スイメイの前でのみ見せる表情は、心の奥底に凝った怒りそのものだ。 「――いずれ、私から逃げるのではなく、真正面から向き合える」 夜風が、スイメイの尻尾をはためかせた。震える体をかき抱き、小さく首を振りながら、スイメイは目を細めた。 「必ず、その日が来るはずだ」 【清霞追風録・真君偽匪 下】へ 但し書き 文中における誤りは全て筆者に責任があります。 独自設定についてはこちらからご覧ください。 また、以下のSSの記述を参考としました。 【続・その風斯く語りけり】 【大延故俗集積】へ戻る なぜか脳内cvは沢城先輩で再生されるスイメイ師。そしてなにこの両想いな関係 -- (名無しさん) 2013-05-06 09 49 33 武の求道と色恋沙汰のなんともいえない混ぜ具合…これは男女どちらにも人気が出そうな物語 -- (名無しさん) 2013-05-14 23 24 13 スイメイ師匠いいなあ -- (名無しさん) 2013-05-16 17 52 06 今のスイメイとは違ったユーモアさという人間味が新鮮です。大仰にぎこちなく半分笑い話のように進む慣れない画策が微笑ましい。敵うものなしという立場が揺らぎないと思われていたスイメイに迫る力の存在がいい味付けになっていると思いました。何だかんだで話の真ん中に飛び降りるシキョウと彼への思いを僅かづつながらも意識していくスイメイが床転げそうになるむずがゆさでした -- (名無しさん) 2016-08-07 19 58 22 名前 コメント すべてのコメントを見る -
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/3693.html
登録日:2011/11/28 (月) 03 20 15 更新日:2024/05/03 Fri 16 30 19 所要時間:約 4 分で読めます ▽タグ一覧 BLACK_LAGOON アメリカ アメリカ軍 漢 犬死 相手が悪かった 米国式正義紳士集団 精鋭部隊 肉と肉とのぶつかり合い 部隊 「最高の兵隊たちで―」 「最高の戦いを見せてやろう!」 『グレイフォックス襲撃群(コマンドグループ)』は『BLACK LAGOON』に登場する紳士改めてアメリカ軍の特殊部隊だ。 【概要】 軍序列では「第52施設任務大隊」であり、アメリカ特殊作戦軍 (US.SOCOM) に所属する第9の部隊。 上記の名称は所謂、特殊部隊であることを隠すための秘匿名称だと思われる。 因みにSOCOM所属となるとデルタやDEVGRUと同列ってことになるね。 1994年に試験創設され、NSA(アメリカ国家安全保障局)の指揮下で政治的な作戦に従事する部隊で、米軍統合参謀本部の幕僚からは「グレイフォックス襲撃群」の渾名で呼ばれている。 【部隊員】 作中では、グレイフォックスは米軍の各特殊部隊出身者で構成されている描写がある。 シェーン・J・キャクストン少佐 グレイフォックスの隊長の陸軍軍人。 年齢は50代半ば。 ベトナム戦争の頃は少尉として従軍しており、現地で戦乱に乗じて暴走したラーキンからベトナム人の少女を助けている。 ベトナム戦争があったのは60年代〜70年代初期、そしてブララグ作中では90年代末期のはずなので、年齢を考えると昇進がすごく遅い。 きっと色々あったのだろう。 ちなみにデルタフォース経験者。 けどキャクストン少佐は階級なんて気にしない。 自らの信念を貫く本物の男。 …と言いたいところだが、実際のところ、バk―若様ことガルシア少年の指示に従い、「部下達に指示も出さずにロベルタの迎撃を部下にさせず、みすみす見殺し」にしている。加えて、その後部下にロベルタへの攻撃を停止する命令を出し、本来の任務である麻薬王確保も放棄した。挙句の果てにロベルタを撃とうとした部下を自ら射殺している。贖罪の念で自決する等ならともかく、私情に駆られて「自身の贖罪の為だけに、自身が傷つかず妻子ある部下達を生贄として差し出し、その上で重要任務を消極的に放棄した」ため、「ロアナプラの悪党共を軽く超え、今作最低レベルの屑野郎」と言われることも多々ある。。任務遂行と部下の命を最優先せねばならない軍隊の指揮官としては落伍者とすら呼ぶに値しない。OVA版では流石に酷すぎると判断されたのか、部下にはロベルタに反撃するよう指示し、ガルシアにもはっきりとそれを伝えるなど、原作よりはマシになっている。 チャーターした魚雷艇の持ち主であるラグーン商会代表のダッチと言葉を交わすが、同じベトナム戦争従軍経験者としてその端々から違和感を感じ、ラグーン商会に対し「彼は嘘を吐いている」と警告した。 レイモンド・マクドゥガル大尉 グレイフォックス副隊長を務めるキャクストンの右腕的存在。 恐らくこちらもデルタ経験者。 その付き合いはベトナム時代からで、少女の輸姦に加わりそうになっていたところをキャクストンの行動により回避、彼に加勢して少女を救った。 それがきっかけでキャクストンに憧れを抱いており、彼を本物の男と呼び尊敬している。 が、最後は死んだ仲間のために袂を分かって、命令無視してロベルタに対して敵討ちをしようとしたため、キャクストンに射殺された。 妻子持ち。 OVA版では余りにもアレだと判断されたのかは定かではないが、彼がキャクストンに制止されて銃殺される件は変更され、彼も生存した。 ホーナー曹長 キャクストン率いるアルファ分隊の隊員。 意識を失っているガルシアを救助した人。 フランケンシュタインみたいな顔だが、とても優しい性格で家では良きパパであるギャップ萌えなナイスガイ。 ロベルタの銃撃からガルシアを庇って被弾、負傷するが最後まで生き延びた隊員の一人。 パパが死なずに良かった。 サンチェス上級軍曹 アルファ分隊の一人。 分隊では狙撃を担当している。 浅黒い肌のラテン系で、ガルシアにもスペイン語で話しかけた。 終盤、ロベルタに仲間が次々と殺害されていく中でボウマン伍長と狙撃支援についたが、ボウマンも死亡。 サンチェス自身も逆上し、無謀にも拳銃一丁で挑み戦死したが彼の銃弾はロベルタにも傷を負わせた。 バロウズ二等軍曹 アルファ分隊ry メガネとブーニーハットを被った俺らっぽい隊員。 登場自体は早く、8巻の最初の方で出てきた。 以降、ちょくちょく登場し台詞も多め。 ガルシアを救助する時もロベルタとドンパチしている。 最終的に生死不明。 似たようなモブキャラが出てきたが名前が違った。 なのでバロウズは生きていると信じたい。 ヤングブラッド上級曹長 アルry 8巻でバロウズと一緒に市内偵察に出ていたゴッツいお方。 名前と外見のインパクトが凄まじく、どんな活躍をしてくれるか期待したが、偵察以降の出番なし。 ヤングブラッドェ… ボウマン伍長 サンチェスと一緒に狙撃支援に就いた人。 見た目がバロウズそっくり。 あっさりロベルタに殺された。 ライト、L・G 名前だけのモブ L・Gは甘党らしい デカード中尉 エコー分隊の分隊長。 決してピカード浣腸ォォォではない。 ロベルタに喉を銃剣で刺され死亡。 エコー分隊は全滅した。 マドック、ギャラティ エコー分隊の隊員 名前だけのモブ。 秒殺。 【作中の活躍】 「El baile de la muerte」にてベネズエラ政治集会の場で、現地右派組織の仕業に見せかけてガルシアの父ディエゴを爆殺。 ガルシアとロベルタに深い禍根を残すことになる。 その後、次の任務である「黄金の三角地帯」にてシュエ・ヤン将軍の身柄確保のためロアナプラに潜入した。 しかし、ディエゴ爆殺犯の正体を突き止め追ってきたロベルタの急襲に会う。 市街戦になるも、バラライカや張の策略によりロアナプラを脱出。 従来の任務に復帰するはずだった― が、ロベルタがこれを先回り。 漆黒のジャングルにて、壮絶な戦闘を展開。 結果、大勢のグレイフォックス隊員が戦死した。 最終的には指揮官キャクストンの決断によりロベルタとの戦闘を終了、シュエ・ヤン捕縛の任務も放棄して撤収した。 「アニヲタWikiはあらゆる悪徳が許されてしまう、荒涼の地だ」 「そんな場所で、たやすく項目を荒らしてしまう者しかこの世にいないのなら―」 「いったい誰が、この項目を追記修正できるんだ?」 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] ラブレス家と違う形で関わっていたら、良き隣人になれたかもしれない。 -- 名無しさん (2013-10-14 02 24 09) OVAはレイが死なない代わりにロベルタが腕、脚、指、片目失うラストかな。余程コイツらに肩入れする読者が多かったんだろうな。逆にロベルタには悪しき厳罰主義。 -- 名無しさん (2013-10-14 02 26 51) ↑米欄でする話か微妙だけど、実際ラブレス当主は「凶悪テロ犯のロザリタを庇う」という犯罪行為をやった上に、冷戦終了直後に「左翼政党立ち上げに注力」という自殺行為に出てるから、特に前者に関して「単なる無辜な被害者では断じて無い」のよ。NATOによる暗殺は必然としか言いようが無い -- 名無しさん (2013-10-14 02 31 01) それでも読者からのロベルタたちへの風当たりの強さは引くわ…。ロベルタとかもアレなのはわかるがグレイフォックスを被害者と見るのは出来なかったな。 -- 名無しさん (2013-10-14 03 37 57) 完全なる被害者でもないものの、ロベルタ側というかラブレス家が完全なる被害者として描かれていた分「なんじゃこりゃあ」って反応が強まったんだと思うよ -- 名無しさん (2013-10-14 03 46 59) レイがアニメでは存命とか原作とアニメでの違いとかも追記修正たのんます。 -- 名無しさん (2013-10-14 22 29 18) そもそも、現実の南米がロアナプラより碌でもない地域だからなあ…… -- 名無しさん (2013-12-01 02 13 50) お子様二人が偽善者でうざかったのもあるしね -- 名無しさん (2014-04-04 12 37 27) あれは「幼い」と言う。知らないことで起こる悲劇がいくらあることか -- 名無しさん (2014-05-23 00 20 49) あくまでもロアナプラの外の正義、ロックは内の正義。どっちも正しくどっちも偽善 -- 名無しさん (2014-05-23 02 26 26) たかだか一人の元工作員に壊滅的被害を受けた特殊部隊って何よ…と漫画見て思った -- 名無しさん (2014-05-23 08 10 39) サイバーダイン社製メイド型キリングマシーン相手に全滅しなかっただけでも御の字よ -- 名無しさん (2014-05-23 08 33 08) ああ、シュエ・ヤン捕縛しなかったのか。メイドが縛ってくれてたから、生きてたし、あの後で回収したのかと思ってた。 -- 名無しさん (2014-05-23 09 15 31) 今更OVA観たけど色々大分筋通るようになってたね。 -- 名無しさん (2016-12-31 21 08 08) プラトーンだっけ?ベトナムのシーンもオマージュ? -- 名無しさん (2018-09-10 16 26 15) 【OVA版】 -- 名無しさん (2019-04-23 19 28 02) OVA版では、ガルシアの仇としての責任は部隊指揮官である自分が引き受けるとして、部下には普通にロベルタ迎撃させてたね。自分の贖罪というよりは任務を成功させ部隊の被害を最小化するためにロックの賭けに乗ってる感じだった。それもあってか、レイもロベルタを逃がすことについて全く反対してない様子だったし、シュエ・ヤン将軍捕縛も成功(ただし手柄はCIAに取られ、NSAの特殊作戦参入は頓挫させられるが) -- 名無しさん (2019-04-23 19 34 34) 普通に自分らが凶悪犯罪者とその身内だから暗殺されたって言う確固とした理由があったのにまるで快楽殺人集団アタクシは正義を執行する偽悪人宣言したのに違和感を感じない人は少なかろうよ(しかもシャブキメ・赤の他人巻き添え・恋愛脳とかいう3連クソムーブコンボ決めてたし 意図的なキャラ付けなんだろうけども -- 名無しさん (2021-01-29 03 18 57) 国の命令で殺しやってそれで罪悪感とか正義とか語ってるのが一番気持ち悪い -- 名無しさん (2024-03-01 10 29 27) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/kt108stars/pages/5868.html
173 :NPCさん:2011/03/20(日) 08 47 35.29 ID ??? まとめスレ読んでて思ったのだが、 俺TUEEEEEEEE!したい困って仲間の支援に依存してばっか。 人に頼ってばかりのくせに強い気でいるなよ。 俺の場合、タイマン前提・単機最強で組むから 集団戦での伸びしろがなくてパーティの足を引っ張るのだが。 174 :NPCさん:2011/03/20(日) 08 48 21.31 ID ??? 足を引っ張ってる自覚があるなら 修正してやれよw 多分周囲は結構苦労してるぞ、それw 176 :NPCさん:2011/03/20(日) 09 49 24.65 ID ??? なんかそんな感じの報告あったな あのレベルまで熟成しちゃわないように気をつけろよ 育っちゃってこのスレに投下されたら俺達はウマーなんだがw 177 :NPCさん:2011/03/20(日) 10 37 10.29 ID ??? 不公平君だっけ? 178 :NPCさん:2011/03/20(日) 12 33 59.51 ID ??? 173 パーティバランスを完全に無視して独りよがりなキャラ作って 俺TUEEEEEEEE!する困がいるんですけどどうしたらいいですか? 188 :NPCさん:2011/03/21(月) 09 27 19.29 ID ??? 176 だって単独行動時にもそこそこ戦えるとかっこいいじゃん PC4的なかっこよさ 193 :NPCさん:2011/03/21(月) 15 20 36.50 ID ??? 188 それ、自PCの為にパーティに迷惑かけてるって認めてないか?w パーティの最適解と折り合わないPC自体は4,5人目ぐらいならアリだとは思うけどな。 常に最適解しかできないパーティだと対策持った敵が出て来た時に詰むから。 「他のPCに出来る事は出来ないが、他のPCが出来ない事が出来る」PCは居てくれるとありがたい。 194 :NPCさん:2011/03/21(月) 16 41 10.78 ID P7BcYDFo 193 パーティに迷惑かけてるからといってPLに迷惑をかけてるとは限らないけどなw 俺様は「俺様のPCすげー!」って活躍させたいから他のPCから迷惑かけられて 俺様のPCががんばらなくちゃいけない状態って大好きだぜ。 195 :NPCさん:2011/03/21(月) 16 50 37.70 ID ??? 突出型マンチの逆で、その分敵が弱くなるんだし問題無いだろ PT戦ではむしろ他PCがTUEEE満喫出来る 197 :NPCさん:2011/03/21(月) 17 29 55.66 ID ??? 175の困は「全てにおいて自分が一番じゃないと気がすまない君」だよな。 今のところそれで実害はないみたいだけど。 敵強くする程度ならまだまだ。今後の行動&報告に超期待。 198 :NPCさん:2011/03/21(月) 17 34 46.48 ID ??? 195 TUEEE満喫できるアタッカーだけじゃね? サポーターやディフェンダーからすると「守らないと倒れるけど、守っても大して役に立たないPC」とか結構ウザい。 単独行動が完成していて「守らなくても問題ない」ってレベルまで行ってれば別に良いけど、 173は「パーティの足をひっぱる」って言ってるし。 199 :NPCさん:2011/03/21(月) 18 06 20.36 ID ??? タイマン、単騎前提で守る必要があるようなPCってどんななんだろ。 普通↑の前提から言って足引っ張るようなことはそうそうない気がするが。 200 :NPCさん:2011/03/21(月) 18 11 46.58 ID ??? 199 「単機前提かつ足を引っ張る」と173が明言しているからなあ。 たぶん、集団戦で支援PCのバッファ入ったパーティに対抗する強さの敵相手だと役立たずって事じゃね? 201 :NPCさん:2011/03/21(月) 18 16 18.06 ID ??? 実は173が勘違いしてるだけで、単機でもさほど強くないのかもしれないw 202 :NPCさん:2011/03/21(月) 18 18 35.97 ID ??? 「単機最強である事」と「集団戦で伸び代が無い事」って別にイコールの概念じゃないしなあ。 全てのシステムを知ってる訳じゃないけど。 203 :NPCさん:2011/03/21(月) 18 18 50.46 ID ??? 200 明言してる内容だと、単騎「最強」だぞ 201 そんな事言い出すと、足引っ張るのが勘違いかもしれないとかきりが無い 204 :NPCさん:2011/03/21(月) 18 21 30.07 ID ??? 「単機最強」かつ「集団戦で足を引っ張る」って狙って作らない限りむしろ難しいよな。 「単機最強」なら大抵、集団戦でも遊撃手として活躍できそうな気がするが。 205 :NPCさん:2011/03/21(月) 18 26 37.11 ID ??? 「単機最強」ってまともに考えるなら「1対1ならパーティのメインアタッカーに勝てる」って事だからなあ。 メインアタッカーに火力で勝ってるって事は無いだろうから、(バッファなしの)メインアタッカーの攻撃を避けるか受けるかできる程度の防御力はある事になる。 それで集団戦で足を引っ張るとなると「味方の支援を受けられない」とかの不利なデータを持っているとしか思えない。 206 :アマいもん:2011/03/21(月) 18 28 37.78 ID ??? N◎VAのカタナ×3で、どんな相手も3人まで宣言だけで殺せる代わりに、防御がまったくない、とか?>「単機最強」かつ「集団戦で足を引っ張る」 207 :NPCさん:2011/03/21(月) 18 29 11.74 ID ??? 足が遅くて前衛のエンゲージに入れないとか 魔法や特殊攻撃に弱くてすぐ沈むとか 208 :NPCさん:2011/03/21(月) 18 36 32.01 ID ??? 207 射撃や魔法や特殊攻撃使いとのタイマンを考えてないのかよw タイマン最強じゃなくてただのNAGOYA最強だな。 209 :NPCさん:2011/03/21(月) 18 41 27.13 ID ??? それは単に「白兵戦は強い」ってだけで、タイマン最強ではないんじゃないかにゃー 吟遊詩人呼ばわりされる可能性はあるだろうけれど、 アミュレットとかゴチャゴチャ吊るしまくって魔法とか射撃にも防御完璧な最強白兵騎士を、 LV1の冒険者パーティが如何に策略を駆使して出し抜くか、みたいな話はやってみたい。 210 :NPCさん:2011/03/21(月) 18 44 39.43 ID ??? 戦闘系じゃない判定で倒せばいいのか? 敏捷判定で組みついて筋力判定で谷川に落とすとか 211 :アマいもん:2011/03/21(月) 18 47 25.82 ID ??? それ突き詰めると、「敵陣の井戸に鼠の死骸を放り込む」的な戦法になってくからなあ。 212 :NPCさん:2011/03/21(月) 18 48 21.84 ID ??? 触手責めだな 213 :NPCさん:2011/03/21(月) 18 48 59.64 ID ??? なるほど、枕事判定で倒せばいいのか 214 :NPCさん:2011/03/21(月) 18 55 04.03 ID ??? 209 周辺の飲食店と協力して兵糧攻め 215 :アマいもん:2011/03/21(月) 19 00 41.41 ID ??? ああ、物理戦で排除できなければ精神戦、社会戦ってワケか。 213 つかソレ、ブラックラグーンで若様がメイド長に使った手だなや。 216 :NPCさん:2011/03/21(月) 19 06 17.85 ID ??? 単騎最強且つ、集団戦で足を引っ張る SFMのキャスターを、考え無しに作った場合とか? (一部の範囲魔法に、絶対命中・高威力・戦場全体を巻き込める範囲・味方も巻き込む 物が有る) 217 :NPCさん:2011/03/21(月) 19 41 49.14 ID ??? タイマン前提・単機最強で集団戦で足を引っ張る ただのスカウトまりょっプラーなんじゃねえの? 1対1なら先制とってFA6連撃で無敗、 集団戦なら囲まれてフルボッコってことだろ。 218 :NPCさん:2011/03/21(月) 20 21 59.92 ID ??? 単に単独でのサバイバビリティが高いタイプなんでね? 能力が丸い感じで、得意分野を分担する集団行動に向かなくて、 自己強化前提だから支援を受けた場合の伸び代が少ない。 219 :NPCさん:2011/03/21(月) 21 10 56.67 ID ??? 「単機最強」かつ「集団戦で足を引っ張る」って狙って作らない限りむしろ難しいよな。 いや簡単じゃね? キャラは最強 それを使うプレイヤーは困 天然か意図的か知らないが パーティの連携や計画を台無しにし 足を引っ張るような事ばかりすると… 良くある話じゃないか 220 :NPCさん:2011/03/21(月) 21 21 05.10 ID ??? 「伸び代が少ない」と「足を引っ張る」がイコールだとした場合、 マジでGMが、上の方で出てた「パーティの最大値しか見ないGM」な可能性が高いな。 さておき、自己強化系だと支援の伸び代が少ないって、システム何なんだろ? 俺の遊んでるのは自己強化と支援が重複してかかってより強いってのばっかりなんだが。 221 :NPCさん:2011/03/21(月) 21 32 00.15 ID ??? 自己強化に手番を使うから支援かけても効果を発揮する時間が短いとか……? 222 :NPCさん:2011/03/21(月) 21 38 07.44 ID ??? 221 その場合、単機だと致命的に遅いって事にならないか? 223 :NPCさん:2011/03/21(月) 21 51 56.02 ID ??? 防御特化の上で毒とかでゆっくり相手を仕留めるキャラとか 224 :NPCさん:2011/03/22(火) 00 23 50.42 ID ??? 220 GURPSの魔法戦士とか? 225 :NPCさん:2011/03/22(火) 02 14 46.49 ID ??? 一試合だけ単騎最強とか、(次とか無い 自分だけ遠~~くから単騎最強とか、(助けに来ない PT全員共有のリソース勝手に使って単騎最強とか、(テラガンとかだった気がする 範囲殲滅系しか使えない単騎最強とか、(勿論味方も撃つ まあいろいろ スレ268
https://w.atwiki.jp/japan_dorama/pages/4587.html
ア イ ウ エ オ カ キ ク ケ コ サ シ ス セ ソ タ チ ツ テ ト ナ ニ ヌ ネ ノ ハ ヒ フ ヘ ホ マ ミ ム メ モ ヤ ユ ヨ ラ リ ル レ ロ ワ 行頭をクリックすると表の並び順が変わります。 タイトル 日付 hulu NETFLIX AMAZONP D T V 俳優座「心細い日のサングラス」【衛星劇場presents】 0000.00.00 dTV 俳優座「沈黙亭のあかり」【衛星劇場presents】 0000.00.00 dTV ANJIN イングリッシュサムライ 0000.00.00 dTV ARIGATO EVERYONE ハローキティ40thアニバーサリーパレード 0000.00.00 dTV Augusta Camp 2008 10th Anniversary 0000.00.00 Hulu Don’t Trust Over 30 0000.00.00 dTV GACKT MOON SAGA 番外編 義経熱血学園物語 0000.00.00 dTV GACKT MOON SAGA-義経秘伝-第二章 0000.00.00 dTV GACKT「MOON SAGA-義経秘伝-」 0000.00.00 dTV GACKT「眠狂四郎無頼控」 0000.00.00 dTV HITOSI MATUMOTO VISUALBUM 0000.00.00 NETFLIX NHKおかあさんといっしょ ファミリーコンサ 0000.00.00 dTV 絢香のアルバム 2015 0000.00.00 Hulu 安蘭けい 箱舟2010 0000.00.00 dTV 演劇集団キャラメルボックス「TRUTH(1999 0000.00.00 dTV 演劇集団キャラメルボックス「エトランゼ」 0000.00.00 dTV 演劇集団キャラメルボックス「クローズ・ユ 0000.00.00 dTV 間違いの喜劇(オールメール・シリーズ) 0000.00.00 dTV 桂右團治「堪忍袋」 0000.00.00 dTV 桂歌丸「紺屋高尾」 0000.00.00 dTV 桂歌丸「竹の水仙」 0000.00.00 dTV 桂歌春「たがや」 0000.00.00 dTV 桂歌助「武助馬」 0000.00.00 dTV 桂小南治「鰻の幇間」 0000.00.00 dTV 桂小南治「そば清」 0000.00.00 dTV 桂小文治「酢豆腐」 0000.00.00 dTV 桂伸治「ちりとてちん」 0000.00.00 dTV 桂南なん「三井の大黒」 0000.00.00 dTV 桂文治「掛取り」 0000.00.00 dTV 桂米多朗「目黒の秋刀魚」 0000.00.00 dTV 桂米福「かつぎや」 0000.00.00 dTV 劇団民藝「帰還」【衛星劇場presents】 0000.00.00 dTV 劇団民藝「カミサマの恋」【衛星劇場presen 0000.00.00 dTV 劇団ひとり 夢空間 1DK ~One Dream Keeper 0000.00.00 NETFLIX 古今亭菊之丞「文七元結」 0000.00.00 dTV 古今亭志ん輔「子別れ」 0000.00.00 dTV 古今亭寿輔「文七元結」 0000.00.00 dTV 語り芝居 みんなの民話? 0000.00.00 dTV 昆虫戦士コンチュウジャー 0000.00.00 dTV 三笑亭夢太朗「池田大助」 0000.00.00 dTV 三笑亭夢太朗「中村仲蔵」 0000.00.00 dTV 三遊亭小圓右「湯屋番」 0000.00.00 dTV 三遊亭笑遊「愛宕山」 0000.00.00 dTV 三遊亭遊吉「化け物使い」 0000.00.00 dTV 三遊亭遊吉「源平盛衰記」 0000.00.00 dTV 三遊亭遊三「水屋の富」 0000.00.00 dTV 三遊亭遊三「明烏」 0000.00.00 dTV 三遊亭遊之介「ふぐ鍋」 0000.00.00 dTV 三遊亭遊馬「茶の湯」 0000.00.00 dTV 三遊亭圓丸「死神」 0000.00.00 dTV 三遊亭圓馬「鹿政談」 0000.00.00 dTV 三遊亭圓輔「野ざらし」 0000.00.00 dTV 山遊亭金太郎「お見立て」 0000.00.00 dTV 若様組まいる 0000.00.00 dTV 十二夜 【彩の国シェイクスピア・シリーズ 0000.00.00 dTV 春雨や雷蔵「子別れ」 0000.00.00 dTV 春風亭一朝「天災」 0000.00.00 dTV 春風亭百栄「鮑のし」 0000.00.00 dTV 春風亭柳橋「妾馬」 0000.00.00 dTV 春風亭柳好「味噌蔵」 0000.00.00 dTV 春風亭柳之助「へっつい幽霊」 0000.00.00 dTV 春風亭傳枝「天狗裁き」 0000.00.00 dTV 身毒丸 大竹しのぶ・矢野聖人 0000.00.00 dTV 早乙女太一 晩夏の舞~琉球スペシャルバー 0000.00.00 dTV 早乙女太一 龍と牡丹2012 0000.00.00 dTV 早乙女太一 龍と牡丹2013 「真田幸村~結ば 0000.00.00 dTV 第14回東京03単独公演「後手中の後手」 0000.00.00 dTV 第15回東京03単独公演「露骨中の露骨」 0000.00.00 dTV 中山美穂初主演 舞台『魔術』 0000.00.00 dTV 鳥居みゆき「世界鳥居紀(奇)行 IN サイパ 0000.00.00 dTV 日の浦姫物語 0000.00.00 dTV 入船亭扇辰「野ざらし」 0000.00.00 dTV 入船亭扇遊「ねずみ穴」 0000.00.00 dTV 俳優座「樫の木坂 四姉妹」【衛星劇場presents】 0000.00.00 dTV 俳優座「気骨の判決」【衛星劇場presents】 0000.00.00 dTV 俳優座「月光の海 ギタラ」【衛星劇場presents】 0000.00.00 dTV 俳優座「桜の園」【衛星劇場presents】 0000.00.00 dTV 俳優座「カラマーゾフの兄弟」【衛星劇場presents】 0000.00.00 dTV 俳優座「どん底」【衛星劇場presents】 0000.00.00 dTV 俳優座「リア王」【衛星劇場presents】 0000.00.00 dTV 不思議の国のハローキティ 0000.00.00 dTV 柳家小里ん「目玉」 0000.00.00 dTV 柳家さん喬「初天神」 0000.00.00 dTV 柳家さん喬「真二つ」 0000.00.00 dTV 柳家蝠丸「鼠穴」 0000.00.00 dTV 柳亭楽輔「死神」 0000.00.00 dTV 柳亭楽輔「天狗裁き」 0000.00.00 dTV 柳亭左龍「蛙茶番」 0000.00.00 dTV 雷門助六「春雨宿」 0000.00.00 dTV 雷門助六「代り目」 0000.00.00 dTV 雷門小助六「両国八景」 0000.00.00 dTV 立川談幸「百年目」 0000.00.00 dTV 立川談志 ディレクターズ・カット 0000.00.00 Hulu NETFLIX dTV 立川談志 ひとり会 0000.00.00 dTV 立川談志 ひとり会 第二期 0000.00.00 dTV アラグレ 0000.00.00 dTV アントニーとクレオパトラ 【彩の国シェイ 0000.00.00 dTV 忌野清志郎 ナニワ・サリバン・ショー ?感 0000.00.00 NETFLIX うしろシティ単独ライブ「アメリカンショー 0000.00.00 dTV うしろシティ単独ライブ「うれしい人間」 0000.00.00 dTV うしろシティ単独ライブ「すばらしく眠い」 0000.00.00 dTV ヴェニスの商人 0000.00.00 dTV ヴェニスの商人(オールメール・シリーズ) 0000.00.00 dTV お気に召すまま(オールメール・シリーズ) 0000.00.00 dTV Augusta Camp 2007 0000.00.00 Hulu Augusta Camp 2006 0000.00.00 Hulu オセロー 【彩の国シェイクスピア・シリー 0000.00.00 dTV おそ松さん on STAGE ~SIX MEN’S SHOW TI 0000.00.00 dTV オレステス 0000.00.00 dTV かもめ 0000.00.00 dTV から騒ぎ(オールメール・シリーズ) 【彩 0000.00.00 dTV が~まるちょば サイレントコメディー JAPA 0000.00.00 NETFLIX 銀河英雄伝説 激突前夜 0000.00.00 dTV 賢治島探検記(2002年版) 0000.00.00 dTV 恋の骨折り損(オールメール・シリーズ) 0000.00.00 dTV コリオレイナス 0000.00.00 dTV サンタクロースが歌ってくれた(2010年版) 0000.00.00 dTV シンベリン 0000.00.00 dTV じゃじゃ馬馴らし(オールメール・シリース 0000.00.00 dTV ジュエルペットきらデコッミュージカル 0000.00.00 dTV SONG OF SOULS-慶長幻魔戦記ー 0000.00.00 dTV タイタス・アンドロニカス 0000.00.00 dTV 瀧川鯉橋「武助馬」 0000.00.00 dTV 遠い夏のゴッホ 0000.00.00 dTV ナイツ独演会 ~浅草百年物語~ 0000.00.00 dTV ネジと紙幣 2010.01.01 dTV ノラガミ-神と願い- 0000.00.00 dTV ハイスクール歌劇団☆男組 0000.00.00 dTV ハムレット 0000.00.00 dTV バイきんぐ単独ライブ「エース」 0000.00.00 dTV バイきんぐ単独ライブ「ハート」 0000.00.00 dTV バカリズムライブ番外編「バカリズム案6」 0000.00.00 dTV バカリズムライブ番外編「バカリズム案7」 0000.00.00 dTV バカリズムライブ「COLOR」 0000.00.00 dTV バカリズムライブ「運命」 0000.00.00 dTV バカリズムライブ「類」 0000.00.00 dTV 冬物語 0000.00.00 dTV ヘンリー四世 0000.00.00 dTV ヘンリー六世 0000.00.00 dTV ペリクリーズ 0000.00.00 dTV ポセイドンの牙 0000.00.00 dTV ポセイドンの牙 0000.00.00 dTV マイメロディの星と花の伝説 0000.00.00 dTV マクベス 【彩の国シェイクスピア・シリー 0000.00.00 dTV マツモトクラブ「ヒトミシリ want you!」 0000.00.00 dTV ミュージカル「Dance with Devils」 0000.00.00 dTV MUSASHI ロンドン・NYバージョン 0000.00.00 dTV You Are The Top 0000.00.00 dTV U-1グランプリ CASE03 『職員室』 0000.00.00 NETFLIX ラバーガールsolo live+「GAME」 0000.00.00 dTV ラバーガールLIVE 「大水が出た!」 0000.00.00 dTV ラブレターズ単独ライブLOVE LETTERZ MADE 0000.00.00 dTV リア王 0000.00.00 dTV リチャード三世 【彩の国シェイクスピア・ 0000.00.00 dTV ロッチ単独ライブ「ハート」 0000.00.00 dTV ろくでなし啄木 0000.00.00 dTV ロバートの入念な計画 0000.00.00 dTV ロミオとジュリエット 0000.00.00 dTV
https://w.atwiki.jp/punksidress/pages/363.html
遥か往古、高度な文明を誇った。 アトランティス大陸は、海中に没した。 遺民たちは多島海各地に散らばり、幾多の都市国家を建設した。 嘗ての文明の精華は大凡が喪われたが 市民たちはその僅かな名残として水鏡から真の姿(ダリド) 真の力(ダリス)を引き出すことを未だ憶えていた。 この地では太陽神の人気は低く p10 大地は乾いている p10 海を背に広がる麦畑に火をつけた p10 コフスス=コフ人 p10 綺麗な顔をした、太陽神によくたとえられる金色の髪をした兄だ。 僕より二つ上で、この時10歳。 名をオウメスという。 光り輝くものという意味だ。 p10 農園を管理している奴隷=奴隷頭=僕の母の父=祖父 p11 羽根ペン p12 家庭教師 p12 (要約) フランが麦畑に火をつける。 農園を管理している奴隷頭の祖父が殺される。 オウメスはそれを見ていた。 オウメスはこの時10歳 フランこの時8歳 5年前ということは、フラン13歳 オウメス15歳 僕は5年も前の記憶を振り払って p12 書石版 p13 羊皮紙の巻物 p13 幾何 p13 多島海最新を謳う幾何は先鋭化が進んでいて、線の太さはないものとして扱うようになっていた。 p13 たくさんの船が見える 一本帆柱、三列の櫂、即ち軍船だ。 p14 ヤニア市と小競り合いでもあったのだろうか p14 櫂一本に三人の奴隷が使われる。 一列十二対、三列三十六対の櫂がある船には、二一六人の奴隷が乗っている計算だ p14 (推測:おそらく、三段櫂船 ガレー船のことだと思われる。古代ギリシャで使われている軍船である。) コフに限らず多島海は、奴隷の数が国力になっている p14 戦争をすれば勝つ国もあれば負ける国もある。母方の国は後者だった。 コフと戦争し負けた。 p14 僕の場合、父親は貴族だったが母親は奴隷だった。 p14 コフススからすると血というものは混ざらないものらしく、僕は貴族の子と奴隷の子、双方の扱いを受けることになった。 p15 父のいないところでは、バッタと呼ばれ蔑まれた。 バッタ、うまいと思うんだけどな p15 奴隷の母が父に撲殺された。 僕が父の前で粗相したからだというが、それはとってつけた言い訳だと思う。p16 書石板三枚目を書き始める。 三枚の重さは小娘一人分を超える。p16 ウニ、海綿も動物で、植物ではない。 ドリド(木の精)はどうだろうか。 p16 長兄のトウメス p16 トウメスは、コフの勇者だ。 戦争のたびに大活躍し、齢十九にして既に数百人の戦士を仕留めたという。 貴族の子らしからぬ、最前線に立って戦うところから市民の人気も高いという。 ダリスは、怪力。 ダリドは僕も知らない。 p17 金壺眼で髪は銀髪だ。背は異様に高くて父に似ていた。 p17 自分の指輪に封蝋で印章をつけると僕に渡した。 p18 これを曇天神殿に持っていけ p18 僕は酔狂な次兄のせいで文字を読めるんだぜ。 p18 祖父は安いが賃金をもらっていた。 娘の自由を買う金を貯めている。p18 見慣れない国の色々な銀貨が数十枚ある、 貨幣の価値は、材料と純度と重さで決まるから、この銀貨そのものには問題はない。 p19 彼らは鉄貨一枚でも自国の損を許せない性質だ。p21 貴族は大体において市の郊外に本宅を持つ。それぞれが広大な農地を持っているんだから当然だ。 p21 市街地までは四刻(1時間)というところ。p21 コフは半島の先に作られた都市国家だ。 マウニア川の河口、良港とはとてもいえないような海岸のへこみを削って広げて どうにか港にしている。 天支神アトラの恵みでも見つかった土地に入植したことになっているが、恵みというのは弱い先住民族がいたということに 等しい。つまり先住民族は滅ぼされ、コフが建国された。それが200年近く前になる。 p22 計算上では市民1人が奴隷10人を飼っているという話だから p22 建市以来200年ちかく、この国は一度も奴隷反乱は起きたことがない。 p22 つまり一対10でも問題ないほどに、力の差がある。 というわけだ、いまいましいダリド、ダリスめ。 難民とは、自分と家族以外に財産がない者、つまり無産階級でさらに国籍が他都市のものを言う。p23 難民は大陸条約で保護されていて奴隷化できない。 p23 ウラミという僕より二つ上の人物だ、 母方の国の出なのだが、コフと母方の国が戦う前に難民として流れ着いたので奴隷化されることもなく、ここにいる。p23 彼のダリスが医術方面で大変有用なせいだった。 p23 ダリドを覚醒させる水鏡には市民に限るという制約があるのだが、抜け道として他国の市民でも使えた。 p23 難民の中には食うに困って覚醒を選ぶものが多い。外れなら死ぬことも多いが、彼の場合はそこそこ当たって、それで 商売ができている。 p23 ウラミの妹は僕と同い年 p24 曇天神殿は、太陽神殿よりもはるかに人気が高い。 雲がなければ、雨も降らないということで、コフでは曇天神が最高位の神になっている。 他の都市国家では別の神が最高神だという。 母方のもうなくなった国では、太陽神が最高神だった。 p24 見事な松の木が並んでいる。 p25 ドリドの神官は普段木の姿で神殿を守っているようだった。 p25 私は曇天神殿に使える神官 ウォホス p25 神官は、手なのか枝なのかを振るうと、次々と武器を出現させた。 空中に剣が、投げ槍が、槍が、楯が 次々と浮かんでは落ちて積み重なる。 p26 この神官のダリスは、木製品の出現で、でたらめなことに一部が木製というだけでも問題なく出現させることができるらしい。p26 娼館を兼ねた美の女神神殿に行ってもいい。 p26 忘れものとは、木で出来た証だった。 神殿に行くと貰える木札で神殿巡りをする老人がよく首からさげてじゃらじゃらしている。p27 お金、家族のために使わないほうがいいかもね。 それだけ p28 名前は? 美しい松の乙女さん イリューイリド イリューでいいけど p28 大陸競技会 p28 鎧や楯だけが p29 第二章 難民街の半分が焼けたと聞いたのは、さらに数日後のこと、ウラミらしき人物が勇敢に戦って死んだ聞いたのは その翌日のことだった。 p37 家庭教師の先生を見送りに行く。 二年と少し我が家に仕えてくれた。 オウメスの後ろに控えていた僕の先生。 人馬は博学だというけれど、ジジウム先生は特別に博学だった。特に海の生物について詳しい。 p38 ジジウム先生は、家畜全般に否定的なようだった。p39 この大地はどうなっているかね? 半球形になっていると思います。 どうしてそう思う? 先生が質問するからには、世間一般の認識である平面上の世界という形にはならないだろうと思ったのが 第一にあるのだが p41 世界というのだよ。地と海をひっくるめて。地平線の向こうまでを範囲にした言葉さ。p41 世界の大きさは分かるかね? 知識としては知りませんが、測ることは出来ると思います。 無限遠にある太陽か星を用いれば角度から丸みを計算できるはずです。 太陽も星も位置を変えるだろう。 年に一度、太陽は、必ず同じ軌跡を通ります。 それを利用すればいいだけです。 完璧だね。 p42 ジジウム:私は東の生まれでね。多島海を包むアトランの車、さらにその東に接続する東大陸にある p42 知識や発見を、ただの知識や発見として、持っていることは、とても大切なのだよ。 世の平穏のためにね。 p44 綺麗な青い海 アトランの車の外の波のある海 p44 人も精神も、穢れるとすればそれは自らの行いによってのみだ。 他の何を以ってしても、精神は穢れたりはしない。p46 二年前の銀貨が使いもせずあるから p47 十五で勇者と呼ばれた彼は、今や多島海でも高名な勇士になっているp47 二年前の使いの件忘れてはいないぞ。 我が黒剣家(くろがねけ)と、その兄弟に p52 僕は葡萄酒は好きではなかった。 p53 食事が魚介類中心なのは、庶民とあまり変わらない。小麦をこねて薄く延ばしたものを 竈の内側に張って焼いたピッタという食べ物が豊富に出てくるくらいが違いだった。 オウメスは肉を食べないのでこういう食事にp53 ヤニアの陸軍力など大したことはない。むしろ我がコフと同盟を結んで、その優れた海軍力を生かすだろう。p55 陸続きの隣の都市 ヤニア p55 ところでフランも十五だ p56 (要約)フラン13の時に、トウネスに使いに出され、その後難民街にトウネスが火をかける。 ウラミはそこで死んだとされている。 現在はその2年後である。 フランが15 水鏡の話は本当だ、お前は勇気がないからダリスを得たところで大したものにはならんだろうが、ともあれそれさえあれば 自分で稼ぐことも少しはできるだろう。p57 オルドネー嬢 p59 第三章 僕は尻穴から高貴らしい精液を垂れ流しながら殺してやると連呼していたらしい。 それから二日たって p65 模様の入った麻織物だ。p65 今日にでも頼めるか。ヤニアに向かうなら新月の日でないと p65 一羽の白い鳥が飛んでいて p66 下を歩くトウネスの部下が口を開いた。元々は父がつけた古くから兄の部下で、武人らしい立派な体つきをしていた 年齢は50にも届こうとしていた。 名前はイタディスという p66 レンガを使わず、石材を組み合わせて作ってあるのは貴族風だが、建物の外観に彫刻などなく、質素に見える。 円形の屋敷というのが唯一目の引くところだった。 外交使節は、最初に神殿に詣で、神官に用件を伝えた後で目的地に向かう。 多島海一般では、こうすることで神を敬いつつ、市全土に情報を流すのが常だった。p67 この市の最高神は、月の女神だった p68 ウラミやその妹が地下の国で涼しくやっていますように p68 神話では、水浴びを覗いた不埒な狩人を矢で射殺した女神ゆえ、ご利益がありそうな気がした。p68 (推測:おそらくギリシャ神話の月の女神 アルテミスのことだと思われる。) 麦の出来は、戦争に繋がるが、葡萄の不作で戦争になったことはないので、一番当たり障りのない話題だ。p68 おかげで貴族は葡萄の出来に詳しい。p68 件の屋敷へ、ここまでで20刻かかっている。朝一刻から数えてもう昼が近い時間だ。p68 フラメスさま p69 革張りの椅子に座って p71 必要なら真実と拷問の女神にかけて誓います。 p73 基本的に性に奔放な多島海でも伝説級の特殊な趣味だ。 p75 イルケ姉さま p77 今しがたヤニアの小百合家より先ぶれが来た。 p83 オウメスが持っていた体格のいい奴隷が殺されて倒れていた。 p84 松明 p85 三代40年に亘って仕えてきたが、黒剣はもう駄目です。(イタディス)p87 せがれは若様ほど聡明ではありませぬ。 p89 第四章 人馬って一日に二時間寝ればいいの p94 ヤニアの当主は、死んでいる。 p97 ヤニアの当主は死んだのは2年前 それからずっと死を隠し通してきた。p97 ヤニアとコフの戦力比較 p99 訓練を始めて、90日くらい p100 民会 p102 ダリドが人馬だったの。 p103 (イルケの) 普通貴族の子女は、間違ってもダリドを得たりはしない。理由は簡単で 婚姻に支障が出るときがあるから。 p103 ダリドが人馬というのは聞いたことはなかったけど、確かに牛とかあるんだから馬だってありそうな話だ。 悲惨なものになると髪が蛇というのもあったという。 もちろんその女性は自殺することになった。 水鏡を見てダリドを得るのは都市国家市民の神聖な権利の一つながら、最近は裕福な市民の娘だって 水鏡を見ようとしたりはしない。 p103 水鏡はその人の本当の願いをダリドにするという p104 いやそうではなく、迷わず逃げると言ったのが潔くて面白かったのです。 今から四代前の黒剣当主がそういう感じの方でした。 多島海最強の英雄と言われて下りましたが、逃げ足についても多島海一で・・・・。 その人本当に英雄なのか なに称号は、他人が勝手につけるものです。 その方の口癖も、戦いは勝てる時にしか勝てない。だったそうです。 p108 壁にかかっていた槍を手にした。もっとも穂先はを挿してはいないので 今はただの細長い木の棒だ。長さは一尋 一人の背の高さと大体同じ。 僕からすると少し短めだが、都市国家ではこれくらいの長さの槍がよく使われていた。 ついでに楯も持った。重い。 p114 訓練の前に服を脱いだ。 服は高価で、作るのに時間がかかるからおいそれとは傷めることなどできない。 せめて洗ってまた使えたりすればいいのだが、麻はあっという間に乱れてしまう。p114 麻のごとく乱れるという言葉もあるくらいだ。 p114 運動や戦い、睡眠のときは全裸が普通だった。 陰茎の皮を葡萄の蔓の紐でしばって保護して、完成。 大陸競技会でもなんでも裸だよね。 p116 白身魚 p118 小百合家 p119 =オルドネー イルケの家の事 =ヤニアにある ヤニアの市民の人口は1万と聞いたことがあるから p120 民会に本来参加できない女性が p120 神殿前の広場は、普段は競技場になっているようで、走るのに向いた砂地になっていた。 p120 私はコフスス、黒剣家のフラメス 父の名はフォロタス 兄の名はトウネス 赤毛の若者だった。アトランの車の外から連れてこられた奴隷女から生まれた者かもしれない。p123 大陸競技会で月桂樹の冠を貰えるくらいの速度で p125 ピッタを半分に切って中の空洞に羊の肉を詰めたものだった。 p126 食べているものは大きな皿に山盛りの草だった。火も通していない。 この体になってから、こういうものが好きになったの 昔はお肉ばっかり食べてたんですよ。 お昼は黙って食べろといわれなかったの? p126 地下の国に居られる方にご挨拶申し上げる。僕はフラン。今となっては、「何者でもない(ニモ)」フラン。 あなたの二人の 娘を守りに来た旨。ご了承頂きたい。p126 羊皮紙は高いので、投票には割れた陶器、陶片が使われる。p135 民会ではここで意思表示を書いて投票することになっている。 p135 ヤニアの通行税 p136 おそらく彼女のダリスの力によるものだろう。 姉と一緒に妹も水鏡を見た可能性が高い。 ダリドもダリスも秘密にするのが世の習いだから教えてくれというのも難しいp137 イルケに頬を引っ張られた p141 ダリド、ダリスは家族にしか普通教えないものらしい。 p141 第五章 若様ほどの美貌なら槍や弓で死ぬことはありますまい。敵は生け捕りをこそ望むでしょう。p144 次に私は、カンナの親友でした。p149 私=イリューイリド カンナはウラミの妹の名前だった。 p149 カンナは死んだのかp149 ウラミさまは生きています。 p150 難民による復讐です。p150 その指導者がウラミ 剣を握る者は、剣に倒れることを自覚しなければいけない、と古代の武将は言っていた。p151 コフとの距離もわずかだ。大軍勢でも20刻もあればついてしまう。p156 服を脱ぎ、楯と何本かの槍、剣を持って、身体に香油を塗り、陰茎の皮を葡萄の蔓で結んで終わり p157 一応貴族っぽく鳥の羽根で飾られた銅の兜をかぶったので全てだ。身体に合う鎧でもあればよかったのだが、中々うまくはいかない。p157 集まったヤニアの市民軍の数は、およそ2000. コフの二倍。市民は割りと楽観視している様子。100列4段の集中隊列を五つ作って、槍の長さを揃えて入れ替え 戦場である市の境に向かって歩き出している。 火を起こすための金属の鏡を四つ張り合わせたし四角錘の箱に太陽の光を集めて火を起こし p160 金の牡牛の兜をつけているのは、トウメスだろう。p162 牛人、それがトウメスのダリドだ。 p167 オルドネーのダリド 鳥 p172 半鳥半人などではなく、完全な鳥だ。これは珍しい。 p172 平和にしがみつくと、平和は逃げるそういうものだ。p176 見たこともない素材でできた鏡をオルドネーが出してきた。 小さい手鏡だが、金属を磨いた鏡ではありえないくらい、綺麗に僕の顔が映っている。 はるか昔に沈んだアトランティスの遺物か何かか。 p181 鏡に映る僕の姿がぐにゃりと歪んで、そして元に戻った。 p182 水鏡って、水じゃないの? ああ、神殿においてあるのは、そうですね。 これはうちの家宝なんです。 p182 奴隷商が使えない奴隷に価値を作ろうとして水鏡を使うことはある。 p183 寝る時は誰だって裸だから p183 フラン様を裏切った者には地底の神の裁きが下るでしょう。 p185 イリューイリドは、僕を睨んだ後、畳んでおいた服の中から木の人形を取り出した。 三体置いて 手をかざす。 木の人形が立ち上がって並んで踊っている。 私のダリドは、ドリド、ダリスは木の人形を操ることです。大きい人形も扱えますし、数千くらいなら すぐに扱えます。 まあ火に弱いのですけど・・・・・でも、兵士としてもなかなかの働きができます! p187 人形遣いのダリス 第六章 落ち着いてるよ。 ただ単に、歩いてた方が考えがまとまるだけさ。 p193 イリューイリドは木の人形を自在に複数操れるんだよね。 はいっ ある程度数が揃ったら人形で人形を作ればいいと思うんだけど、それで鼠算的に数が増やせると思うんだ。 最初に20体あれば、四回作る時間で320になると思うんだけど。 イリューイリドは雷に打たれたような顔をしている。 なるほど。自分のものであろうと、ダリスの使い方を分かっていない 時はあるらしい。 p195 水と太陽があれば休めます。 p196 コフよりヤニアの方が海軍では強かったよね p197 遅い夕食には、イリューイリドが姿を見せなかった。 夜には太陽の光がなくて活動できぬらしい。 p198 僕が総大将か。まあ、負けたときに責任をとらせるにはいいかもね。 多島海も西の方では後継者争いを避けて 旅人を王にする都市国家もあるというし p200 イルケは貴族の子女なので話が通しやすい。 p204 イリューイリドは頭から生えた大きな葉を僕にくれた。葡萄の葉に見えるが違う気もする。これで股間を隠して戦うことになったがp207 ジジウム先生はなんと言ったか。 丸み帯びた世界の裏側でも人が落ちないのは、中心に何かがあって見えない力で万物を引っ張っているからだろう。 そう思ったら、身体勝手に動いた。 万物を引っ張る力を味方につけて、僕はトウメスの足元に体当たりした。 p220 終章 皆びっくりしていました。すごい速度で怪我が治っていくので p224 僕の身体に何が起きたのか・・・ ダリスでしょ。 僕のダリスは分かった。 再生らしい。 傷の直りが速い。 p225 コフの実権はオウメスという人物が握りました 選挙を排して王政を敷くそうです。またすべての貴族は財産没収とか。 そっちは想像もしてなかった。 貴族抜きで平民と王様だけの国なんか聞いたことがない。 p225 家宰の名はウラミです。 p225 あとがき 黒剣のクロニカは偽書から着想を得たという設定のファンタジーで、舞台は地中海と海で繋がった別世界です。 よく創作では名前が出てくるアトランティスの滅亡から数百年後を描いています。 アトランティスというのはアトラス神由来の名前ですね。天を支える巨神です。そんな風にたとえられるほどの巨大な山脈を 持つ大陸が沈み、今は外延部の陸地であるアトランの車、それと多島海が残っていることになっています。