約 2,014 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3370.html
直接の虐待表現がないど~☆ 東方キャラが鬼のようにでてくるど~☆ おぜうさまのかりすま設定があるかもだど~☆ ある妖精メイドは頭を悩ませていた。 彼女の仕事は主に紅魔館内部の雑巾がけだ。 雑巾がけというと地面に四つん這いになり雑巾で床をダッシュして磨いていく姿を想像される方が多いだろう。 しかし流石に巨大な洋館ともなるとその床面積も尋常じゃない広さである。 そんな雑巾がけでは作業効率が悪い上におそらく2日で腰を壊して立てなくなる。 そこで紅魔館では、普段モップの先に雑巾を挟んでそれで雑巾がけを行っている。 ただし作業自体は決して楽ではない。 彼女達の頭の中にはいかに作業を効率よく進めるか、ということを念頭に仕事をしている。 勿論やり残しは許されない。 今まで掛けて来た場所に汚れが残るようではすぐにメイド長に暇を出されてしまう。 汚れがあればすぐさまそこに駆けつけてすぐにでも仕事を片付け、そして持ち場に戻る。 その行ったり来たりも彼女の疲労を加速させる大きな要因になっている。 おそらくその場でゆっくり雑巾がけができるのなんて精々10分、長くて20分。 一時間のうちおそらく20分は移動時間として使っているだろう。 この仕事をしているのは勿論彼女だけではないがそれでも限度というものがある。 そう、これこそが今の彼女の悩みの種である。 彼女だけではない。掃除に携わる大抵の妖精メイドが悩んでいるはずである。 その元凶は…… 「うっうー☆」 今まさに出窓から中に進入しようと窓を弄っているれみりゃである。 物音に気づいて振り向いた妖精メイドは、大きくため息をついた。 またあそこは掛けなおしか…… 彼女はじゃぶじゃぶと桶の中で雑巾の汚れを落とすと、ペダルを踏んでローラーで雑巾をはさんで水を切った。 れみりゃは無事に窓を開け(窓は肉汁だらけになってしまったが)、とろとろと中に入ってきた。 と同時に、出窓に飾ってあった花瓶がれみりゃの足に引っかかり、バランスを崩した。 あっ、あぶない……! 雑巾モップをその場に放り出して花瓶を押さえにかかる。 しかしその努力は報われず、花瓶は無常にも床にたたきつけられ、ド派手な音を立てて砕け散った。 受け止めようと前屈みになったせいで、自分もバランスを崩し危うく破片の海にダイブしそうになる。 壁に手をつき体をひねり、なんとか体中刺し傷だらけという事態は逃れたが、そのまま転んで飛び散った破片で腕を大きく切ってしまった。 「うー?」 と、れみりゃが不思議そうな顔で自分の顔を覗き込んでいた。 「うー!おぜうさまはづよいがらぼでぃがーどはひづようないんだどー☆ れみりゃはこーまかんのかりすまおぜうさまなんだどー☆」 どうやらこの肉まんは妖精メイドが自分をかばいに飛び込んできたと思ったらしい。 だからといって礼の言葉を言うわけでもなく、むしろ自分の強さを誇示して満足そうに踊る。花の上で。 思わず後ろから花瓶の破片を投げつけそうになったが寸でのところで理性で押さえ込んだ。 ここでそんな事をしてみろ。きっと咲夜が飛んできて烈火のごとく怒られるだろう。 これがもっとも厄介なところで、こうなってしまうとそれを訴えられる場所が無いのだ。 ぐっとこぶしを握りしめ立ち上がると、簡単に破片を片付け、桶を取りれみりゃの後を追う。 綺麗汚いの分別のないれみりゃはそこらじゅうに泥で汚れた靴でスタンプを押して回る。 急いで綺麗にしないと。もしこのタイミングでレミリアお嬢様がいらしたら……どうしましょう。 だが焦るとロクなことが無い。焦ったあまりに部屋の外に出されていた椅子に桶を引っ掛けてしまった。 あっと思ったときにはもう遅い。 床に盛大に汚水をぶちまけながら自分も前方につんのめりそのままうつぶせに床に倒れこむ。 あぁ、なんていう事!見つかる前に片付けようと立ち上がろうとした。 そんな彼女の前には不運なことにもたまたま通りかかったレミリアが立っていた。 「これはどういうこと?」 もうだめだ、自分は首だ! 余りの出来事に妖精メイドは立ち上がることができず、とうとう堰を切ったようにぽろぽろ泣き出してしまった。 「あら、何も泣く事ないじゃない……」 困ったようにレミリアが漏らした。ふと妖精メイドが怪我しているのに気づく。 とりあえず咲夜を呼び手当てをするために医務室に連れて行かせた。 レミリアは汚れた床をよそに日の余り当たらない廊下をつつと進んでいく。 途中で窓から花瓶がなくなっているのを見つけた。 たしかここに生けてあったのは美鈴が庭で育てていた花。 「またあのゆっくりの仕業ね、全く頭が痛くなりそうよ……」 咲夜が溺愛しているというだけで紅魔館に入り浸っているれみりゃ。 一匹だけなら我慢ができてももうすでに20匹弱ほどこの紅魔館周辺をたむろしているのだ。 しかしみんななんだかんだ言って咲夜には頭が上がらないのだ。 その為ほぼ黙認状態でれみりゃが好き勝手紅魔館で遊びまわっている。 虎の威を借る狐とはまさにこのことである。 何かいい撃退方法を考えなくては。 イライラと頭を廻らせながら廊下の突き当たりにある木製の階段を下りていく。 何かいいアイディアを捻り出すときにはレミリアは必ずといって良いほどこの階段から地下に入る。 この先にいる動く大図書館、パチュリーに知恵を借りるためである。 数日後、レミリアの部屋にはパチュリーと咲夜の姿があった。 「そう。だからあのゆっくりの数を減らしてほしいって言ってるのよ。分かるかしら」 「しかしお嬢様、なにも罪も無いれみりゃ様をそんな……」 ペットに対しても様付けとはなんたる忠誠心かしらね、とレミリアはため息をついた。 流石に怪我人が出たとなってはこの状況を放って置く訳には行かないと重い腰を上げたのだ。 予想だにしていなかった提案に咲夜はただうろたえるばかりだった。 「かわいそうじゃないですか!もしも野放しにして死んでしまったらなんて思うと……」 それ楽しそうじゃないと危うく言いかけてレミリアは口をつぐんだ。 別にこいつが生き残ろうが生き残るまいが自分の知ったことではない。 とりあえず迷惑な「穀潰し」が消えればなんでもいいのだ。 一方の咲夜は目に入れても痛くない程のれみりゃ達が自分の行動範囲外に行ってしまうことがとてつもなく不安らしい。 どうにかしてレミリアに認めてもらおうとあれこれと説得しようと試みていた。 不意に沈黙を守っていたパチュリーが口を開いた。 「そういうと思って、貴方の為に1つ面白い方法を用意してみたわ」 パチュリーは黒い表紙の教科書ほどの厚さの本を小脇に抱えて前に進み出る。 「貴方もこの方法なら納得してくれるんじゃないかしら?」 本を咲夜の前で広げるとペラペラと中身を見せ付けるようにめくった。 中身は真っ白だ。咲夜ははてなと首をかしげた。 翌日、紅魔館の庭には総勢19匹のれみりゃが終結していた。 みな口々に「おうた」を歌い、太った体をくねくねと動かしながら踊ったりしている。 その様子をレミリアとパチュリーは庭の端に置かれた日傘の刺さっている白いテーブルで紅茶を飲みながら眺めていた。 「異様な光景ね。後でメイドに庭を掃除させないと」 「仕方が無いでしょ。あの方法をとるには広い場所が必要なんだから。 それよりも咲夜は一体どこに行ってしまったのかしら?」 「なんでもあのゆっくり共にプリンを作ってあげるとか言ってたわね。 全く、あんなやつ等にどうしてあそこまで惹かれるのかしら?」 新しい紅茶をお持ちしました、と腕に包帯をまいた妖精メイドがテーブルにポットを置いた。 「自分の主に似ているからじゃないかしら。 その上本物の主と違って素直に甘えてくるから……とか。ねぇレミィ」 「いっつも言ってるでしょう、あんなのと私を一緒にしないでって。 あぁそういえば。貴方もう怪我は大丈夫なの?」 お気遣いありがとうございます、もう大丈夫ですと笑い妖精メイドは館に戻っていった。 心なしか彼女の表情はいつもに増して生き生きとしていた。 「あぁ、あの子がこの提案の引き金になったのね」 「そうよ。身内にけが人を出してまで穀潰しを構うなんて私が許さないわ」 紅茶を一口すするとレミリアはため息をついた。 広場ではいつの間にか咲夜がれみりゃ達にプリンを配っていた。 うーうー☆とれみりゃのうれしそうな声が大きくなる。 ぷっでぃーん、ぷっでぃーんと手づかみでプリンを平らげるれみりゃ。 「汚い食べ方ねぇ……」 レミリアは冷たくゆっくりの集団をにらみつけた。 「そうですよ全く、もっと味わって食べろって言うんですよ」 もふもふとスプーンを口にくわえ、片手にプリンの乗った皿を持った門番がいつの間にかそばに立っていた。 「あら、いつの間に」 「あぁいえ、さっき休憩時間に入ったんで。 そしたらたまたま咲夜さんに出くわしまして。あまったからどうってプリンを貰ったんです」 そういって一口プリンを口に運ぶ美鈴。パァーッとそこだけ春が来た。 「おっ、おいひいいぃぃぃ!」 「そんな泣くほど美味しいかしら?」 「咲夜のプリンは私も好きだわ」 「あっ、一口なら食べても良いですよ」 「いや、遠慮しとくわ」 だってそれれみりゃの餌でしょ?と言いたかったが美鈴が本気で傷つきそうなのでよしておくことにした。 「さて、お別れも済んだようだし……始めましょうか」 パチュリーはゆっくりと立ち上がると館の中に戻っていった。 「お嬢様。一体やつらをどうやって処分するつもりなんです?」 優雅に紅茶を頂いているレミリアにいまだプリンを半分も食べ終えてない美鈴がもふもふと口を動かしながら聞いた。 「ものを食べながらしゃべるのは下品よ。 貴方は勿論咲夜がれみりゃを溺愛していることは知ってるわよね」 「ええ勿論です。私に注がれるべき愛を全て奪って行ったんですよやつ等は」 「……あえて突っ込まないでおくわ。 そう、そんな咲夜がれみりゃの数を減らすなんていって聞き入れるわけが無いでしょ? だからね、私達はこう提案したのよ。れみりゃを圧縮してくれないか、ってね」 「れみりゃを圧縮、ですか?小さくなるだけで数は変わらないじゃないですか。 むしろ某リグ○みたいにカサカサ動いてむしろ気持ち悪くなりそうですけど」 「貴方が意味する圧縮と私が言いたい圧縮はちょっと違うわ。 貴方が言っているのは単なる体積的な問題。 私が言っているのは"全体の濃度としての"圧縮よ」 「んー、よくわかりませんね」 「要するに19匹を1匹に凝縮したらどうかって提案したわけ。」 「あー、なるほど」 「いろんな固体の記憶や精神に圧縮を掛けて一つにまとめて1体の中に押し込む。 そうすれば肉体は減るけど精神は死んでないって言う"救い"がある。 それに精神が圧縮されればもっとお利口になれるって言ってあるわ」 「でも記憶は兎も角、精神や魂に関する術式は難しいってよく聞きますが。 そんな高度なものを高々ゆっくりごときに使って良いんですか?」 プリン上部のカラメルを器用にスプーンで全体に広げる美鈴。 「勿体無いわ。そんな物使うわけ無いでしょ」 「……え?」 「私達は提案しただけよ。 誰もこの方法で減らすなんて一言も言ってないわ。 ただ方法を提案して、その後で減らすことに同意を貰ったのよ」 「そうなんですかぁ。あれ?じゃあ術はやらないんですよね? でもさっきパチュリー様が図書館に……」 「ええ。別の術式を使うわ。 ま、これも一種の圧縮を使った術式よ。まあ後は使ってからのお楽しみにしておきなさい」 パチュリーが小悪魔と共に戻ってきたのでレミリアは席を立った。 「悪いけど美鈴、今日は貴方が日傘をもって頂戴」 「あ、はい。ちょっとまって下さいいまこのプリン片付けちゃいますから」 そういうと美鈴は口の中に残り1/4のプリンを急いでかきこんだ。 むせた。 「********************――」 パチュリーと子悪魔がものすごい勢いで何かを詠唱していた。 影縫いで動けないれみりゃたちの周りを大きな魔方陣が取り囲み、まばゆい光を放っていた。 「お嬢様……本当に大丈夫なんでしょうか……」 「ええ、大丈夫よ咲夜。パチュリーに任せておけばね」 不意に魔方陣の6点が強く光り、全てのれみりゃを飲み込んだ。 一気にがらんとした庭。 後に残ったのは地面に投げ出されたプリンを載せていた皿と、昨日パチュリーが持っていた黒い本だけである。 多くのメイド達が歓声を上げる中、メイド長咲夜だけは絶句しその場に立ち尽くしていた。 「あ……あぁ……」 それはそうだ。愛しいペットたちが一瞬にして消え去ってしまったのだから。 「大丈夫よ、咲夜」 そういうとパチュリーは庭の真ん中へ進み出ると黒い本を手に取った。 「この術式はとっても時間がかかるわ。 ゆっくりゆっくりと圧縮を進めていくのよ。そう……」 この本の中でね、とパチュリーはほんの表紙を指でトントンと叩いた。 「あと半日もすればこの本の中かられみりゃが召還できるようになるわ。 暫くの間のお別れだけど、我慢してちょうだい、咲夜」 「咲夜、今日はショックだったでしょうし、もう休んで良いわ。 あとは美鈴にやってもらうから」 レミリアはそういい残すと満足そうに館のほうへと戻ってゆく。 さあ、咲夜も行きましょうとパチュリーと子悪魔が咲夜の手を引いていく。 妖精メイド達も生気の抜けてしまったメイド長を心配しつつもぞろぞろと持ち場に帰っていった。 夜遅く、レミリアはパチュリーに呼ばれて図書館へと向かった。 部屋ではパチュリーと小悪魔がテーブルに置かれた日中の「黒い本」を眺めていた。 「それじゃあパチュリー、昼間のことを詳しく教えてもらおうかしら」 部屋に入るなりレミリアは口を開いた。 「あれを咲夜に見せたのは余りよくなかったわ…… あんなに落ち込んでしまうなんて……」 パチュリーは少々意気消沈気味である。 「そんな、パチュリー様のせいじゃありませんよ!」 「えぇそうね。悪いのはあのゆっくり共よ」 そうかしら、と暫く黙っていたが、やがてパチュリーは今日の術について話し始めた。 「今日使った術は確かに圧縮術よ。 ただし、咲夜に説明した"精神圧縮"ではなくただ単に"体積圧縮"なのだけれども。 あの術はその場にある有機物質を極限にまで圧縮して体積0、質量∞の物質に圧縮するものなの。 その後質量∞の物質がどこに行くのかは知らないけど、まあ気にしても仕方が無いわ。 あと、この術には少し細工がしてあって、ある特定の防御を施した物だけはこの術が無効になるようになってるの。 術式開始前にランダムで3匹に防御魔法を掛けてその3匹だけは特別保護してあるわ」 「別空間ってまさかこの紅魔館の中じゃないわよね?」 急にレミリアの顔が険しくなる。 きっと人一倍敏感な咲夜の事だ。どこかでれみりゃの気配がすればすぐに感ずかれてしまうだろう。 「安心して。その3匹を飛ばした場所って言うのは……この中よ」 パチュリーは黒い本を手に取るとレミリアの前に差し出した。 レミリアは本を受け取ると中をぱらぱらとめくった。 あら、と何か違和感を感じた。確かこれ、昼間見たときには真っ白の本だったのに。 先ほどと打って変わって中にはびっしりと文字が刻み込まれていた。 「この本の中はあのときつかったのとまた違う方法の2種類圧縮魔法が組み込まれているの。 一つは空間圧縮、もう一つは精神圧縮よ」 ここで一区切りつけるとパチュリーは小悪魔が入れてくれた紅茶を口に含んだ。 レミリアは興味深げに黒い本を捲っていた。 「さっきの3匹はその中に圧縮されてる空間に入ってるわ。 そして精神圧縮を掛けることによって中にいるゆっくり達の神経を極限にまで高めているの。 精神圧縮を掛けられたものの精神はその圧縮率に比例して敏感になる。 すなわち体感時間が通常よりも長くなるらしいわ。 だからそれを利用してやるべきことを全部半日で片つけようって事よ。 かなり高い精神圧縮をかけているはずだから私たちの体感時間の20倍はくだらない筈よ」 「そう……でもパチェ、貴方なんで3匹も残したの?残すのは1匹だけよ」 レミリアが不満そうに文句をつけた。 「そうよ。1匹だけ。でもこれをやるには一応保険を掛けておく必要があったの。 ほら、咲夜にこの術を使えばれみりゃがお利口になるから回りに迷惑を掛けなくなるって言ってあるでしょ。 言ってしまった以上はそれを実現させなければならないわ。 だからこの3匹を調教してなんとかやっていいこと悪いことの分別をつけさせないと。 どうも文献を見るとゆっくりは体で物を覚えさせるのが一番みたいだし……」 「その調教は誰に任せるつもり?」 「もうすでに頼んであるわ。もう仕事に取り掛かってからずいぶんたつんじゃないかしら? 2人いるけど……そうね、どちらの人も貴方がよく知っている人で、貴方のことをよく知っている人よ。 だからきっとできあがってくるれみりゃはきっと貴方好みのゆっくりれみりゃになるんじゃないかしら?」 「ふぅん、そう。分かったわ。 とりあえず答えは明日の楽しみに取っておこうかしら。 さて、私は咲夜の様子を見に行ってくるわ。おやすみ、パチェ」 そういうとレミリアは部屋を出た。その足取りは幾許かいつもより軽いように見えた。 翌日の夕方、紅魔館の庭には一匹のれみりゃと楽しそうに戯れる咲夜の姿があった。 その姿を静かに部屋から見守っていたレミリアはふと独り言をこぼした。 「……そうね。あのがんばった貴方達には何かご褒美をあげなくちゃかしら」 部屋の中にはレミリア以外にあと2つの人影だあった。 「私はお外に出たいわ、お姉さま」 「とりあえず少し疲れたので休みがほしいですねぇ。あんなに文字を教え込むのに苦労するとは……」 レミリアは二人に向き直ると口元を緩めた。 「どうもご苦労様。いいわ。 フランには外出許可を、美鈴には4日間の休日を与えましょう」 「よかったわね、美鈴!」 「妹様も、頑張った甲斐がありましたね!」 手をとり喜びあう二人。 術式の後、あの圧縮空間に送られたのはこの2人だったのだ。 二人の功績により無事咲夜の元に躾されたれみりゃがもどり、同時に紅魔館にも平和が戻ったのである。 2人が部屋を出て行った後、レミリアは二人が入っていたという黒い本を手に取り眺めていた。 術が終わった後にもかかわらずページは真っ白には戻らず、所々に記述がぽろぽろと残っていた。 「そうそう、お姉さま」 いつの間にかフランドールが目の前に戻ってきていた。 「実はね、その本の中にはまだ1匹れみりゃが残ってるのよ」 「……あのゆっくりが?」 レミリアは顔をしかめた。 「そう。1匹はすぐに死んじゃったんだけど、もう1匹は戻ってくる前に向こうで気を失っちゃってそれっきり起きてこないの。 一応つれて帰ってきたけど動かないし、つまらないからさっき私壊しちゃった」 そういうフランドールの手にはれみりゃ特有の帽子が握られていた。 ところどころ肉汁で染みがついてしまっている。 「まぁいいわ。とりあえずもう地下に戻っていなさい。 明日咲夜を迎えに行かせるからそれまでおとなしくしているのよ」 「分かったわお姉さま。それじゃあまた明日」 フランドールは再びスキップで部屋の外に出て行った。 レミリアは何か悪寒のようなものを感じて自分の手元にある黒い本を眺めた。 ……起きてこないって事はまだこっちに戻ってきたときには生きていたという事だろう。 フランは向こうで気絶してそれっきりと言っていたが、ゆっくり、とくにれみりゃであればすぐに回復して泣き喚いたりするはずだ。 だがれみりゃは起きてこなかった。その後フランの遊び道具として扱われて肉体は壊れてしまった。肉体は…… そういえば美鈴がゆっくりに字を教えたとか言っていた気がするな、とぼんやりと考えながらなんとなくほんの中身をもう一度確認してみる。 すると、最後のほうのページに、びっしりと文字が残っているページがあることに気がついた。 とても汚い字だが、どうやら同じ記述の繰り返しのようだ。 そしてレミリアがその記述を読み取ったとき、思わず反射的にその本を床に投げ捨てて部屋を飛び出した。 そこにはこう書かれていた。 ゆるしてくださいだしてくださいゆるしてくださいゆるしてくださいゆるしてくださいゆるしてくださいゆるしてくださいたすけてください ゆるしてくださいゆるしてくださいゆるしてくださいゆるしてくださいゆるしてくださいゆるしてくださいゆるしてくださいゆるしてください ゆるしてくださいゆるしてください がんばりますがんばりますがんばりますがんばりますがんばりますいいこにしますいいこにしますがんばりますいいこにします いいこにしますいいこにしますいいこにしますだしてくださいだしてくださいだしてくださいだしてくださいゆるしてくださいゆるしてください ゆるしてくださいくるしいくるしいだしてくださいだしてくださいがんばりますがんばりますがんばりますいいこにしますいいこにします いいこにしますいいこいいこにいいこにしますいいこがんばりますがんばるがんばるゆるしてくださいゆるしてくださいだしてだして いいこにするだしてゆるしてがんばりますじおぼえますいうことききますききますいうこということたすけてくださいだしてゆること いいこにしますゆるしてくださいだしてだしてだしてさくやさくやだしてさくやいいこにしますゆるしてゆるしてがんばりますおぼえます だしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてせまいせまいだしてせまいだしてさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくや さくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくや さくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくや さくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくや さくや さ くや さくやさくやさ くやさくや さ く や さ く や さ く や さく や さ く や さ く や さ くや さ く や さくや さく や さく や さ く や 紅魔館地下大図書館には、今でも文字の増え続けると言う変わった魔術書があるという。 あとがき う~☆ざぐやにだっごしでほしいんだど~☆ さくやにさぐやに さ く や に 訳(稚拙な文章で申し訳ありません。精進いたします)
https://w.atwiki.jp/opfan/pages/4473.html
語るべくもないが、メルグ国は料理人の国である。 故に冒険者によって討伐されたモノの一部は未知の美食の開拓を掲げる同国の冒険者ギルドへと持ち込まれ、そしてギルドから料理人達の手に渡る事も多い。 普段捨ててしまっているが、実はその中に美味しい物があるのかも。 あわよくば買い取りたいという料理人達の願いと、それらを使った調理風景がこのレポートに詰まっている。 + ... 【名前順】 + 【アシュラザリガニ】 【アシュラザリガニ】 東大陸の河川に生息する巨大なザリガニである。 特にアッシュラに生息するものは他地域の個体と比べ、ふた周りは大きい。 そのままでは致命的な泥臭さを持つが、清浄な水の中で数日間泥抜きすれば問題なく食材となる。 調理次第ではかなりのポテンシャルを持つ食材と言えそうだ。 + 【アルク茸】 【アルク茸】 幼菌は食用として認知されている事は今さらである。 汁物や煮物にすればその芳醇な出汁は料理の完成度をワンランク上の物にしてくれるし、焼き物や揚げ物では歯触りや香りの良さで我々を魅了してくれる。 しかも生食が可能で、マリネやピクルスにすると生の茸にこれほど味がある物かと唸らせること間違いなし。 私は新鮮な物が手に入ったら薄切りにしてカミーリアオイルと岩塩で食べるのが気に入っている。 と、アルク茸讃歌は止まる事を知らないが、今回のモノは足が生えて成熟した物である。 正直私も成菌を触るのは初めてだが…うん、確かにこれは食用にはならないかな。 というのも自立して歩く関係上、コルクの様に全体が硬くなってしまっている。 恐らくではあるがこれは煮込んだところで柔らかくはならなそうだし、ここまで大きくなると茸臭も気になる所だ。 即ち想定通り、調理開始。 だが流石にこのアルク茸の成菌をそのまま食べるのは困難なので活用法を見出だす格好だ。 事実直接食用には出来ないまでも、出汁や茶のように煮出して喫する茸は存在する。 このアルク茸も当初はそれに習って干してから煮込もうかと思ったが、せっかくなのでこのサイズを生かしたい。 そこで取り出したるは鶏の胸肉。 トリミングしフォークで滅多刺しにし肉叩きで滅多打ちにする、勢い余って挽き肉にしないように。 塩で軽く下味を付けて肉の下処理は完了。 茸を縦に両断し、そこに肉を挟んでオーブンで火を入れていこう。 これは話に聞いた杉板焼きなる調理法があってその応用。 本来は杉の板材を水に沈めておく必要があるが、今回はアルク茸に元からある水分で十分である。 待つこと暫し、キッチンに茸臭が充満して茸スキーとしては堪らない時間を過ごしたら完成。 茸の香りと旨味が鶏肉に移っており、尚且つしっとり仕上がっている。 今回は塩のみで仕上げたが、他の調味料や香辛料で試しても良いだろう。 それにこれなら野外でも作れるのがありがたい。 アルク茸をくり貫き、具材を詰めたら火に掛けてクルクル回していればそれでいいのだ。 + 【アームポット】 【アームポット】 壺に擬態した魔物であり、獲物を見つけると目のついた手を伸ばし催眠術で無力化させて捕食する。 人間をも捕食する危険な魔物だが、今回たまたま手に入れる機会があったので食する事とした。 壺の中身の肉はカニやエビ、そして鶏卵を足して3で割ったような濃厚な味わい。 これはシンプルに壺ごと塩ゆでにした。もしかしたら焼きでも行けるかも。 身を食べ終わっても壺の中には茹で汁というお宝のおまけ付きである。 だが難点はとにかく歩留まりが悪い事だろう。重さの半分は壺なのだ。 + 【ウミガエル】 【ウミガエル】 大慶やフラソヌールにおいてカエルは一般的な食材であり、同様にこのウミガエルも水産物として扱われている。 酒や塩等をまぶしておくと水分が出て肉も柔らかくなるのでやっておくべし。 一口大にした肉に澱粉をまぶし、大量の湯で火が完全に通るまで茹でたら氷水で冷まし水気を切っておく。 煎酒、豆醤油、水、マウメノキの梅干し、刻んだオオオオバの花穂を合わせた調味液と和えたら『水晶海蛙』の完成だ。 ツルンとした舌触りと酸味のタレとの取り合わせがたまらない。良く冷やしてどうぞ。 + 【オーガ】 【オーガ】 味に関してはゴブリンに比べればマシである。 だが筋張っていて硬い為、丁寧に筋を切ってから調理する必要があるだろう。 しかしゴブリンジャーキー同様、コレを食べ物と認識する方がおかしいのでは? 単純に筆者はそう思った。 + 【オレンジシザース】 【オレンジシザース】 尻尾のハサミ部分に身が詰まっている。 勿論それを振り回す胴体の部分も十分に食べでがある。 ハサミの部分は完全にカニ風味ではあるが、虫なので注意。 + 【ガガンボ】 【ガガンボ】 猿の方である。 全体的に硬く筋ばっており、そもそも肉量が少ない。 果実食なので臭いも少ない為、ポテンシャルは大いに感じる。 だが正直猿とは言え人型なので食欲は湧かない。 + 【カリブディス】 【カリブディス】 個体にもよるが、岩山のような体躯に育つホヤである。 浮力で体を維持しているらしいが、流石にこれは規格外だろう。 評価であるが、どんな言い回しも無用の極上品であった。 手に入れる事が出来たのはコレのほんの一部分だけだが、そんな欠片部分でも南国の果物を思わせるような味わいと心地よい潮の香りが口いっぱいに広がる。 味付けは塩、いや、海水で十分である。 それと特筆すべき魅力として、これらを口に入れてから水を飲むとただの水が神の飲み物に変わる。 いや、変える力があるというのではない。そのような感覚を覚えるのだ。 これ以上は私の文才で文字に起こすのは不可能である。 実際に体験してみろとしか書けない。 + 【騎鳥】 【騎鳥】 首と頭を落として丸鶏の中抜きの格好にする。 足先は残しても構わないが、焼け落ちるので保護しておくのが好ましい。 今回はレバー、心臓、砂肝も具材として使用する。 先ずは処理した騎鳥をソミュール液に漬けてマリネしよう。 後は各々の流儀で好みのハーブや香辛料を加え、冷暗所にて一晩程漬け込んでおく。 次にスタッフィング(詰め物)を用意する。 ゲルゾワイルドライスに少量の塩を加えて煮ている間、フライパンでバゲットを軽くトースト。 野菜はニンニクとマダララッキョウをみじん切りにし、カミーリアオイルとトンギュウバターで炒める。 熱が通ってきたら刻んだセリカブラと内臓類、好みのキノコを加えよう。 そしてゲルゾ米とハーブを入れて更に炒め、ハーブの香りが立ったらあらかじめ鳥ガラから取っておいたスープを注いで煮込み工程に。 最後にバゲットを加えて塩胡椒で味の調整、汁気が飛ぶまで加熱して詰め物の完成である。 次にマリネ液から肉を上げ、洗ってから丁寧に水分を拭こう。 そしてこれを底の深い鉄板に載せ、表面にバターを揉み込む様に塗り、腹の中に詰め物を入れてこれが出ないよう糸で縫い合わせておく。 予熱しておいたオーブンに入れ、焦げないよう数分毎に染み出た肉汁を掛けながらじっくり焼いていこう。 焼き上がり直前に適当な大きさに切った根菜類を騎鳥の周りに載せて火を強め、表面の皮をこんがりとさせるべし。 最後に火を落として15分程休ませて完成だ。 中のスタッフィングと共に好みのソースを添えて頂こう。 + 【キバイソメ】 【キバイソメ】 某所で発生していた物を偶然仕入れる事が出来た。 味は兎も角、身は貝紐の様な歯応えがあるので下味をつけて干物にした後に炙れば安い酒場で出せそうだ。 が、これを専門に狙ってくれる人は少ないだろう。 + 【鬼馬】 【鬼馬】 肉質は赤々としてかなり引き締まっている。ただし結構な硬さ。 生肉を荒いミンチにして塩胡椒とカミーリアオイルで味付け。 そしてミンチ肉に同じく刻んだ生玉葱とグリーンデビル、ボールフラワーのザワークラウトにトラコロリの甘酢漬を混ぜ込んで成型してみた。 リーフスネークの卵があったのでこれを上に落として仕上げとする。 肉の味がとても強く、刺激の強い他の素材に負けていないのは素晴らしいの一言。 + 【キバドジョウ】 【キバドジョウ】 一週間程生け簀で絶食させた後、堅果の類いを食べさせておいた。 そして串に刺し、塩を振って焼いただけで脂が染み出し揚げ焼き状態になる。 ヌメリが強く下処理に難儀するが、ホクホクとした身と皮目のゼラチンに挟まれた脂が非常に美味しかった。 + 【キャトルオーガ】 【キャトルオーガ】 牛が変異した魔物なので調理方法は通常のものと殆ど変わらない。 野性味に溢れた肉質は多少気になるものの、特段変わった事をする必要はないだろう。 よってロース部分を分厚いステーキにした。 味付けもソルトペッパーだけで充分だ。 + 【キラーダックス】 【キラーダックス】 肉食性の強い魔物な為、若干の臭みが気になる…。 だがここはまとめて挽肉にし、花椒と五香粉と呼ばれる大慶帝国のスパイスを加えオイスターソース、度数の高い酒、塩胡椒で下味を付ける。 そして一口大に丸めて澱粉をまぶし、これを油で揚げてから黒酢で作ったソースと刻んだ白ネギをかけて完成。 黒酢のソースと香辛料の香りが調和する事で癖のある肉でも美味しくいただく事ができた。 + 【ペンテケラトプス】 【ペンテケラトプス】 皮目にゼラチン質の層があり、ローストにすると堪らない。 ワサビンショウを溶き混ぜた豆醤油を垂らすともう絶品。 豪快に齧り付けば気分はまさに野生である。 + 【グソクガイ】 【グソクガイ】 ヒザラガイの一種だが、流石に顎が痛くなる硬さなので柔らかく仕上げていこうと思う。 不躾ながら少し割愛し乾物にしていたモノを使った。 大慶帝国ではこういった乾物が交易品にもなっているが、距離のせいかメルグまで中々回ってこないのが不満である。 これをぬるま湯に漬けつつ戻すのに一週間、適宜掃除しながら行おう。 紅焼醤と牧亀の出汁にニンエル、カブトヤシノメ、アルク茸の幼菌を適切な大きさに切って入れ、戻したグソクガイを入れて弱火で煮ていく。 味付けはオイスターソース、豆醤油、砂糖、長城酒、胡椒。 そして皿に盛った後、澱粉でとろみを加えた出汁を掛けて『紅焼棘石鼈』完成となる。 大慶でも宴の席で供される高級料理。 ぷりぷりとしたゼラチンの塊と化した貝は強い旨味を伴い、紅焼醤とも格別の相性の良さを見せてくれた。 + 【グラオザームイェーガー】 【グラオザームイェーガー】 空を飛ぶ巨大な甲殻類である。 これの持つ触腕であるが、殻を剥き『大海老』と言われれば騙されるであろう見た目をしており味と食感も海老そのものであった。 かつてグリル帝国の皇帝が手の込んだ調理を施された皇帝海老を出されて激怒したという話があったが、コレも同様にシンプルな調理方法もいいと思う。 …私個人としては以前聞いたチリソウスという調理法がオススメかな?あれはいいものだ。 続いて鰭部分の筋肉である。 飛行能力を支える為か、もの凄い弾力と濃厚な旨味を有していた。 さらにこの手の生き物にも関わらず、程よい脂のノリもある。 茹でた後に薄切りにしてサラダの具なんかにいかがだろうか。 + 【コウテイスズメバチ】 【コウテイスズメバチ】 言わずとも知れた超大型のスズメバチである。 馬鹿げた体格と強力な大顎及び毒、統率された『軍隊』でもある危険な魔物だ。 だが皇国の一部ではこれですら食糧とする事もあるらしい。 皇国に赴いた私がまず試したのは、細く切った幼虫の肉を甘辛いソースで煮詰めた『ツクダニ』と呼ばれる料理だ。 一口食べると、あの化け物蜂からは想像出来ない香ばしく甘い味が口いっぱいに広がった。 次に成虫の足部分の素揚げに手を出してみる。 蜂の足を単に油で揚げて塩を振っただけの簡単な料理だ。 一口齧ると口の中に広がる極上の海老のような味。それがカリッと揚がった香ばしい殻に包まれていた。 優れた食材はシンプルな調理法こそが最適である、という事を語らずして語るもの。 結論から言おう、コウテイスズメバチは屈指の魅力的な食材であった。 + 【ゴーリアットハイ】 【ゴーリアットハイ】 名前の一部に鮫が付いているが鮫ではない。 問題はその味である。 端的に言って非常に淡白な白身。 鮫の様な肉質ではなく、貝柱の様な繊維質が束になっていて噛み締めると容易に断ち切られて解れてゆく。 脂に欠けるので揚げ焼き系に使うのが妥当だろう。 + 【コルスドン】 【コルスドン】 切り分けられた肉の第一印象は完全に鶏のササミ肉であった。 単に焼くだけだと水分と共に肉汁が逃げてしまい、その割にスープを取ろうとしてもあまり良い出汁は出ないという問題児。 油脂分に欠ける七面鳥に近いモノかも知れない。 さっぱりしている事には違いないので、茹で鶏のように好みのタレと薬味で食べるのが正解かと思われる。 + 【コングキャンサー】 【コングキャンサー】 森等に生息する巨大な陸生カニである。 殻部分の割合が多々であるが、身は繊維の一本一本が歯を押し返す程にしっかりとしていて旨味も強い。 また中腸線(蟹味噌)も味がよく絶品。 身と味噌を同時に味わうならパスタがいいのだろう。 だが強靭な肉に隠された旨味を味わいたければやはり焼き蟹にするべきと思う。 + 【シザーマウスイール】 【シザーマウスイール】 表面のぬめりを酢で凝固させて包丁でこそぎ取ろう。 この一手間で劇的に扱いやすくなる。 赤黒い身は簡単に三枚に下ろせるが、意外と水っぽくて脂も少ない。 どうやら脂は肝臓部分に溜め込む魚のようだ。 皮を剥いたら、片方のサクは軽く拭ったコソブルの干物に挟んで水分を抜くと共に薄く削ぎ切りに。 もう片方は極々薄く削ぎ切りにして氷水に。 付けダレは豆醤油にキューブカムクァットの果汁を加えたモノと、砂糖豆醤にモノモウ酢を加えたモノを用意した。 コソブルで挟んだ方は水分も抜けて歯応えもよく、旨味と塩気も乗っていて何も付けずに十分食べられる。 氷水に潜らせて身が弾けたようになった方は付けダレで食べよう。 + 【シーサーペント】 【シーサーペント】 ギルドの冷蔵施設で保存されていたシーサーペント三種類の切り身。 それぞれ筒切りにされた中型個体の物である。 【シーサーペント】 尻尾の部分であるが肉の量は中々に多い。 皮目を炙って焼き霜造りにすると鶏肉に近かった。 サラダに使えるだろう。 【タイドランドサーペント】 埋没骨が気になるレベルで多い。 だが骨の入り方さえ理解すれば問題ない。腹側は皮下埋没骨も無くそのまま使えた。 薄造りにしてみたが歯応えが感じられ、旨味の強い上等な白身であった。 【ノンフェイスシーサーペント】 ひたすらに強靭な筋肉の塊。 粗塩でヌメリを取った後、平造りにして細かく飾り包丁を入れてみる。 しっかりとした歯ごたえと旨味があり、何も付けなくとも結構食べられた。 バター焼きでもいけるだろう。 + 【ジャイアントシーライオン】 【ジャイアントシーライオン】 不味くはないが海獣臭、脂肪部分が特に臭う気がする。 根菜と共にワインで煮立ててシチューにするのが良いかも知れない。 脂肪部分は大慶帝国風にサンダーペッパー他の香辛料で臭いを徹底的に消して数時間煮込む方が無難だろう。 臭いが気にならないのならベーコンという可能性も。 一応『アレの持つそっち方面』の効果は抜群であった。 + 【スパイクスネーク】 【スパイクスネーク】 トゲトゲしい皮は首回りに包丁を入れ引っ張ればつるりと剥ける。 びっしりと入った小骨が気になるので、丁寧に骨切りを行って衣も何も付けず素揚げにするのがいいだろう。 + 【ナッゲェアロワナ】 【ナッゲェアロワナ】 硬質の鱗は武器クラスのモノを使う必要がある。 鱗の下には極上の白身が詰まっているのだが、身の量は意外なほど少ない。 何しろ体の約半分が電気を作る器官で埋まっているのだ。 この部位も結論から言えば食べられるが、強烈な塩気とはまた違う独特の刺激があり相当に好みが分かれると思われる。 + 【パープルテイピア】 【パープルテイピア】 目の前にはパープルテイピアの肉と処理を施した内臓がある。 肉は全体的に硬く筋張っており、肉も内臓も処理を施しているにも拘らずひたすら臭い。 これらの処理は全て私自身がやったから分かるが、これでは食用にしようとしないのも頷けようものだ。 と、ここで筆と包丁を置く筆者ではない。 オーブンでローストしたテイピアの骨。 ニンエルを始めとした現在この厨房に存在する臭み消し効果のある香辛料やハーブ。 ジュエルベリーを醸したワインを1本とロゼルス・ワインの赤のフルボディを数本。 上記の全てを寸胴鍋に投入しブイヨンを作成していく。 ぶつ切りにした肉を焦げ目が付くまでしっかりと焼いた後にブイヨンで煮込み、ひたすらアクを取りながら弱火で5時間以上。 鍋の中から肉を取り出し、ブイヨンから余計なモノを濾し取ってからトマトペーストを加えて再び煮詰め1晩寝かせよう。 次にトンギュウバター1本を丸ごと溶かし、灰麦粉をダマにならない様に少しずつ加えながらブラウンルーを作る。 最後にブイヨンとブラウンルー、取り出していた肉を小鍋に入れて温めつつ塩胡椒で味を決めたら完成。 『パープルテイピアのシチュー』 重厚なコクと旨味、野菜や果物の慈味、口の中で崩れる柔らかな肉。 これだけで満腹になりたいと思える逸品に仕上がった。 材料を全部経費で落としたので確実に怒られるが私は満足です。 + 【バッドバッド】 【バッドバット】 大きさの割に可食部は少ない。 羽・頭・足・内臓を落として皮を剥ぎ、香草を詰め込み釜を使って蒸し焼きに。 ほぼアッシュラ近辺の料理である。 残った骨を焼いて茹でればスープが取れるかと思ったが駄目だった。 + 【ファングバス】 【ファングバス】 三枚におろし、小骨を取り除いた後はシルバーラガーで溶いた衣をつけて中温の油で『フライ』にしてみた。 いたって普通だがそれがいい。柑橘果汁か酢をかけて食べよう。 フラソヌール共和国風に『パイ皮の包み焼き』にしても良いと思う。 + 【フォレストオクトパス】 【フォレストオクトパス】 頭足部は水中に生息する蛸同様に熱を通すと硬くなってしまうので注意したい。 カルパッチョ等が最適解なのだろうが、茹で上げたものを細かく切ってカメーリエエールコッヘンの具材にすると噛み応えが心地良い。 + 【ホーンヌートリア】 【ホーンヌートリア】 根菜類を好む事から臭みは無く、味は子羊に近いものがある。 塩とカミーリアオイルを擦り込んで一晩寝かし、遠火でじっくりとローストしよう。 + 【ホネヒトデ】 【ホネヒトデ】 ヒトデ類にしては珍しく、生殖巣が可食部分となる。 取り出した生殖巣を濃い目の塩水でよく洗い、水気を拭って紙や布の上に並べ氷室で保管しておくと余計なエグみが抜ける。 これをこのまま食べても美味しいのだが、今回はパスタにする算段だ。 使用するパスタは濃厚なソースにピッタリなフィスリティーニ。 ガーリックカミーリアオイルで刻んだハイノビルを透明になるまで炒めよう。 そして弱火にしてから生殖巣と白ワインを投じて酒精を飛ばし、その後に生クリームを注いで中火で軽く煮詰めていく。 仕上げに一片のトンギュウバターと茹で上がったフィスリティーニを加えて絡め、皿に盛り付けよう。 パスタの上に摩り下ろしたボルドリアンパルティンチーズを振りかけ、ブルーサーモンの卵の塩漬けを飾れば『ホネヒトデクリームパスタ』の完成。 粗挽きの胡椒をお好みで振ってどうぞ。 + 【マウンテンホエール】 【マウンテンホエール】 薫桜国ではイノシシを山鯨と呼ぶ事もあるそうだが、コイツは本当に山に棲むクジラである。 鯨肉で珍重される尾の身は少ないが四肢から肉が採れるので良しとしよう。 冷やした器の中で生の挽き肉に塩胡椒・刻んだニンニク・玉ねぎ・マダララッキョウ・ハーブ類を混ぜ込み、そのまま硬めの丸パンに挟んだ『マウンテンホエールのメット』 グリル帝国でこれを提供する店を出したら流行らないだろうか? + 【マーダードードー】 【マーダードードー】 肉の味は鳩に近く旨みも濃い。 だが肉質は非常に硬く、柔らかくしようと煮込んだら更に硬くなってしまった。 ドードーの卵と混ぜ合わせて肉団子にしたりすると美味しく頂けるだろう。 + 【牧亀】 【牧亀】 ゼラチンを多く含む肉は旨味に富み、下処理した甲羅や骨を長時間煮れば白濁した良いスープが取れる。 このスープは塩で味を調えるだけで充分、鍋に亀の肉と内臓を入れて楽しもう。 + 【ミドリイガイ】 【ミドリイガイ】 食味の良さは既に広く認知されており大変結構な事である。 事実、駆除作業の駄賃とばかりに冒険者諸君にも食べられている様だ。 オススメはバターと白ワインで蒸したイガイに揚げたドゥンケトッフェルを添えたムールフリットと呼ばれる料理である。 そして蒸した後の残り汁にはパスタを絡めよう。 + 【リビングアイスバーグ】 【リビングアイスバーグ】 普通の氷である。 塩味でなければ削ったものに果汁を掛けるのも悪くはない。 砕いて飲み物に浮かべるのもよし、食材の冷却に使うのもよし。 まあ、その普通の氷(氷山)がなぜ生命と悪意を持つようになったのかは謎であるが。 + 【リュウノテ】 【リュウノテ】 豆醤油とみりんを小鍋に入れ、酒精を飛ばしながら煮詰め“かえし”を作っていく。 同時に天日干にして軽く炙ったリュウノテをコソブルの旨みを抽出しておいた水に入れ、沸騰させない程度に加熱してから布巾で濾す。 そしてこのリュウノテの出汁に酒を加えて一度沸騰させ、上記の“かえし”を入れて出汁の完成。 この出汁に蕎麦粉で作った麺を入れた物が薫桜ノ皇国で食されているスープパスタである。 + 【レイピアテイルクラブ】 【レイピアテイルクラブ】 カブトガニの仲間だが、歩留まりは最悪と言ってしまって良いだろう。 水っぽい身は貧相な脚と尻尾を振り回す部分からほじくり出す必要がある為、量も期待できない。 長方形の型にほじくり出した身と、独特の芳香を持つクミダド草をハーブとして千切って入れる。 ここに小型のレイピアテイルクラブから青色をした血液を絞り出して注いで混ぜていこう。 血には独特の甘さとコクがあり、手早く混ぜるとゼリー状にしっかりと固まるので面白い。 型から外して切り分け、レイピアテイルクラブのブラッドプディングの完成である。 生の青トウガラシやハーブを散らし、ライムをたっぷりと絞っていただこう。 + 【ワイバーン】 【ワイバーン】 ぶつ切りにした肉は弾力があり、若干筋も強いのでトリミングをしておく。 そしてニンニクやエンジャーを効かせた調味液に漬け込み、衣を着けて二度揚げ。 卵も一緒に持ち込まれたのでトラコロリの甘酢漬や乾燥パセリ、カミーリアオイルとモノモウ酢で作ったタルタルソースを付け合せた。 ジューシーな肉に酸味が良く合って美味。 関連 メルグ国 モンスターフルコース 料理人(シェフ) 冒険者ギルド連盟 薬草・毒草レポート 食味ランク 【食料・食糧】 【生物一覧】 【植物一覧】 【竜種一覧】 【モンスター一覧】 ノベルに戻る 資料室に戻る
https://w.atwiki.jp/sekoketi-mama/pages/242.html
歴代セコケチ報告 ▼スレ300- [[]] ▼スレ290- すがられ奥 危険なゼリー奥 保険解約奥 元駐在妖怪ママ ▼スレ280- (該当なし) ▼スレ270- 謝罪無し親子 愛犬遺骨奥 整備士奥 ▼スレ260- 舶来抱っこ紐奥 ハロウィンイベント奥 菓子とご祝儀奥 簡易ベッド奥 レンタカー給油奥 セコママの巣窟 強面旦那奥 ▼スレ250- ご祝儀ブッチ奥 おもち母奥 猫飼いコミュヲチ キャットタワー奥 マタマーク妊婦様 共有カツアゲママ げっ歯奥 煮汁奥 教習所奥 平次同僚奥 閻魔帳ママ 近所と同期奥 カッターボード奥 ゴシック娘奥 お礼リサーチ奥 ゆとり金融ママ カネコマ友奥 マイスター奥 スレ悪用ママ 自転車発見ママ コングママ ▼スレ240- 怪ランチ奥 キンダーベート奥 ビデオ編集者奥 官舎奥未満 自衛隊見学者 トイカメラ奥 疑惑相談奥 宝石奥 大福さん ジー子ママ ケチママ列伝 溜め息独女 合同誕生日会奥 ミニモニコトメ奥 察してウルウルママ 元調律師奥 パ−キング詐欺?奥 お嬢対セコケチ ホワイトデー奥 在宅奥 モジモジ君奥 私物忘れ奥 濡れ漫画奥 幼児教育関係者 たまり場奥 皿ガン見ママ ファミレス攻防奥 食品関係者 押し付け商売ママ 無料司会者 駐車場お悩み奥 お年賀チェックママ ヒブワクチン奥 旅館の中の人 超合金奥旦那 子供服保管奥 微妙な友達学生 セコケチ初め奥 セコ女系家族 ▼スレ230- ゲレンデヲチ奥 ハム執着ママ 私有地遊具奥 クリニック職員 見られてた奥 お宝サイン奥 航空業夫婦 鈍感力ママ 自営漏洩奥 高級家電コンパニオン 成人式着物奥 洗車奥 元稚児旦那奥 新刊奥 さつま芋奥 七五三晴着奥 劇場版ビデオ奥 ODA娘奥 ビデオ大量処分奥 釣銭預り美容師 カ-ナビ取付け奥 少食従姉妹奥 ぶつけ屋母娘 元就活バイト嬢 予防接種奥 一皿のランチママ 団地奥 便乗君 粘着クネクネママ 映画半券詐欺母娘 鴨葱ハンクラ一家 挙式ドリームママ セコケチ星ギャルママ お下がりボロ奥 やり過ぎファン迷惑奥 友人対策奥 誕生日に遭遇奥 私立校紹介枠奥 三輪車繋ぎ奥 最強ギャル義妹奥 深夜のオムツ奥 パンスト集られ奥 挙式妬まれ新婦 映画ポイント奥 レッスンお礼奥 神社娘奥 ▼スレ220- 内祝い知らず奥 漁港祭り奥 用水路奥 来客放置ママ 市民ボランティア奥 サイコ友人奥 宿題カレー奥 BBQヲチ奥 顧問奥 破格米奥 おむつケーキ奥 出銭衣裳奥 お好み焼き奥 空き家奥 ランチ吐き出しママ サンプル騙られ奥 栄養補助食品奥 落ち武者ミミズ嬢 ガンダムW奥 ヴィンテージワイン奥 権威奥 割り勘お悩み奥 不穏URLママ トイカメラ学生 粉末緑茶不審奥 おにぎり子ママ ▼スレ210- P軍団ママ友奥 餅撒きお断り奥 独人旦那奥 自前サウナ奥 エロ本抜き取りママ マリックママ 釣銭準備奥 白雪姫奥 カップ麺ランチ奥 銭湯男 車椅子奥+ゴルゴ嫁旦那 桃色恐怖体験独 ライダーカード学生 ポルノファン奥 愛情甚平奥 ダダ漏れ姉妹 日傘奥 保険金たかり対策奥 診断書強制ママ 薬局常連ママ タランチュラ奥 元エネ嫁 仲介横領ママ ▼スレ200- 在庫管理奥 MSD学生 キティちゃんフォーク奥 無料駐車場奥 サイト騙られ奥 パティシエ義妹 フクロウ奥 カチカチ弁当奥 粘着同級生奥 同時多発奥 ブリーダー詐欺奥 マスキングテ-プ奥 突撃クネクネ美人ママ パン投げ専門生 酸っぱい葡萄ママ ラッシュ石鹸奥 お下がり後悔奥 N銀旦那奥 断面図メモ奥 ▼スレ190- 映像編集奥 FX奥 つきたてお餅奥 アドベント奥 強制送還奥 クリスマスケーキ奥 リカちゃん人形奥 門松奥 重機奥 ローシルト奥 部屋貸して奥 料理講習奥 無断シャワー奥 後味の悪いセコケチママ チェック独 子供服改造奥 制服奥 おかずタッパ奥 俊足奥 スイミング奥 20歳妻 白米弁当 ガンプラ妹 模型たかられ独453 ◆0peYyK11cY コート借パク被害奥 古紙回収ママ 飯炊き妹 四面楚歌彼女 察してクネクネママ ▼スレ180- トランペット奥 R84奥 歯科医師奥 県庁インフォ 蘭奥 背広奥 帰国奥 胎児予想的中奥 お団子奥 ゲーセン毒男 外車恐喝ママ ▼スレ170- テディベア奥 看護師118◆9Z3Wyr7Y/I 型盗り奥 タクシー同乗奥 ▼スレ160- 宅配明太子奥 部屋換え強要奥 被害多発学生 メンヘラ友人母 ミサンガ奥 気にしない奥 スパークリングワイン奥 元板前奥 吸入器奥 ▼スレ150- ベビーシャワー奥 カツオたたき奥 カエカエ被害奥 葉っぱ奥 突撃セコ母子奥 タダ券奥 料金踏み倒し奥 トウモロコシ奥 宅配奥 ▼スレ140- 「ぷらら 光 神奈川県」の消したレス ネットゲーム奥 ガレージ奥 ◆qCO25UK59Q ブラウス奥 パチンカス被害奥 無保険詐称奥 99袋奥 ▼スレ130- 五月人形奥 食事券奥 懐石料理奥 入園グッズたかられ奥 脳内オク長者奥 マイセン嫁 ◆Aby0nEJYjQ 黒の千羽鶴ママ 餃子奥 もやしママ 節約ブログ奥 ポイズンケーキ奥 デモデモ青果店奥 馬鹿の大足奥 夫レンタル奥 ジャイアン王子奥 シンパパvsセコケチーズ ▼スレ120- 三つ子母 ◆TPdNyxBr7k 泥マフラー奥 恵方巻だひょー奥 ライター奥 エトイヌ奥 エトイヌ奥2 オールインクルーシブ新居ママ ブランド食器ママ スキーウエア双子ママ 使い捨てコンタクト奥 犬ケーキ ママ 強奪義姉奥 写真ファイル泥奥 おせち儀姉妹 ネトゲキャラ クレクレ 義妹はセコケチ セコケチ一家と社員旅行 たまご奥 クレクレ王国 和食お祝いママ ▼スレ110- 夕飯集り婆(続き) リース奥 DSママ 車傷ママ お水ママ カーテン奥 入浴剤奥 保険金集り奥 蠍座はくるん奥 チャイルドシート奥 強盗未遂奥 転勤族奥 無線を巡る戦い 餌付け小梨奥 お礼目当奥 サッカー奥 子供会奥 柿奥 ゲロ奥 子供クレクレ奥 天然砲義母 ▼スレ100- 無差別クレクレ奥 ブログ奥 策士姉奥 家計簿奥 明太子奥 避難所オムツ奥 夕飯集り婆 旦那誕生日奥 義父GJ奥 10円饅頭奥 スルー奥 タイムカード姉さん ボタン泥奥 おっぱっぴー奥 塾講師奥 モス奥 やって奥 パソクレ奥 七五三奥 宛名書き奥 宛名書き奥2 ▼スレ90- 行水ウト餅奥 鈴窃盗奥 家のっとり奥 ipod奥 濡れ衣奥 ストーカー奥 別荘奥 ポケモン泥奥 足しっぱなし母 宿題奥 愛情弁当ママ 愛情弁当ママ2 愛情弁当ママ3 コンビニ廃棄奥 ヤフオク従姉妹奥 パン転売奥 酒泥棒奥 ブレスレット奥 廃棄デザート奥 宿題代理請負奥 ヌコ奥 ボッシー妹被害奥 王子奥 託児所奥 芋ほり奥 犬強奪奥 お弁当OL ▼スレ80- スイカ奥 貧ママ富ママ 偽ジュエル奥 平等ダンナ奥 リアルガリ子目撃奥 回転ガリ奥 肉汁奥 ビーズアクセ奥 タグ覗き奥 ビリー奥 同級生ママ奥 ヌイグルミ奥 トロップ奥 ベビーサークル奥 万村クレクレ奥 児童館奥 水疱瘡奥 ご近所ハイエナ奥 着払い奥 柔道着奥 介護ストレス被害奥 万馬券奥 バカラグラス奥 ▼スレ70- コート奥 貞子被害奥 ベビーリング奥 デリカシー無さ杉奥 ふたり奥 ゴウツク婆被害奥 頼もしいトメ餅奥 ピザママ 迷惑義妹奥 お古スーツ奥 お茶会奥 お茶会奥2 枇杷奥 枇杷奥2 ヘアサロン奥 ヘアサロン奥2 気がつけばセコケチ嫁 ▼スレ60- wii転売奥 社宅奥 珠緒奥 迷惑駐車奥 貯金箱ママ レノア奥 段ボール奥 外車奥 雛人形たかりトメ 朝青龍ママ ティファニー奥 ティファニー奥2 不倫奥 電波パーティー奥 舞い上がり奥 ママチャリ奥 郵便ドロ奥 バイク奥 クマ転売奥 ▼スレ50- バスただ乗り奥 夕飯強奪義姉 キャラ弁奥 熊追いはぎ奥 バーバリー凸奥 消防車奥 バーバリー奥 バーバリー奥2 ディオール哺乳瓶奥 仏壇ローソク奥 息子に振り袖奥 美容師奥 ローストチキン奥 ポンチョ奥 wii奥・メンヘラ編 wii奥・放火犯編 キューリ婦人 ▼スレ40- コロッケ強奪奥 付録クレクレ奥 PS2奥 mixi奥 ロディ強奪奥 ベビードレス妹 テニスブレス奥 懐石奥 お下がり奥 ▼スレ30- 異教徒のお祭り奥 栗きんとん奥 メゾトレーナー奥 ▼スレ20- マイナー香水瓶奥 横領濡れ衣奥 FAX突撃ママ パピコ奥 ベビカム奥 災害対策住宅の人 差別じゃない奥 バスカード奥 ▼スレ10- 義弟集られ奥 アナハイム引越し奥 低反発枕奥 暴利手作りバッグ奥 粗大ゴミ放置奥 障害詐欺夫婦 保育園飲料水奥 お砂場セット奥 たかり小姑奥 ▼スレ1- ロス在住奥 エコケチ奥 某有名人奥 辛い豪華ランチ奥 ハゲタカママ友奥 ケチママ避け奥 領収書要員奥 カード折半奥 気付いて奥 パンパお尻ふき奥 社宅の思ひ出奥 無料FAX奥 蛇腹奥 見栄ママレポート奥 運転手拒否奥 断れない奥 鼠園招待奥 託児ジプシーママ カメラマン御免奥 フリマばれ奥 大人数移動奥 おすもう君 何でも聞く奥 車使われ奥 非礼兄嫁奥 怒りのスレ立て奥 ▼小ネタ系 備品ドロ小ネタ集 花泥棒小ネタ集 豆撒き小ネタ集 バザー小ネタ集 餅撒き小ネタ集 餅撒き小ネタ集2 平等エゴ小ネタ集 ホワイトデー小ネタ集 芸能セコケチ小ネタ集 マンガ奥小ネタ集 コンビニ哀愁小ネタ集 器物語小ネタ集 狙われる雛人形たち バレンタインちょこっと小ネタ集 バレンタインちょこっと小ネタ集2 バレンタインちょこっと小ネタ集3 制服クレクレ乞食小ネタ集 制服クレクレ小ネタ集2 制服クレクレ小ネタ集3 雪国せこけち お裾分け小ネタ集 震災せこケチコネタ集 インフルせこケチ小ネタ集 銀座のセコの物語 マックでゲットだぜ クリスマス景品小ネタ集 クリスマス景品小ネタ集2 席譲れセコケチ小ネタ集 席譲れセコケチ小ネタ集2 お祝いセコケチ小ネタ集 バレンタイン小ネタ集 補助金小ネタ集 封筒小ネタ集 エコ工作小ネタ集 ▼素敵なセコケチ奥達 スワロ缶奥 ベランダ花火奥 高級マンソン住み奥 タバコとキセル奥 見返り失望奥 お三時カット奥 メリット計算奥 介護口出し奥 草ぞり奥 ティーパック奥 子供服心配奥 珈琲奥 運動会景品奥 初ハワイ奥 菫奥 出銭クッキー奥 素敵な常連奥 舐められた奥 釣られママ 食器横領奥 ぱぶりっく奥 私怨パーティ奥 貰えて当然奥 旅行鞄不満奥 我田引水奥 お下がり強要奥 ネイル妬み奥 ネイル妬み奥2 つくしお嬢様妬み奥 わらしべチャリ奥 162奥 シャンプー奥 完結編 ティッシュ奥 高級菓子(500円)ママ 風呂ポチャ奥 妹GJ奥 何でも代筆奥 自作石鹸奥 ミシン泥棒奥 社交辞令奥 作家気取り奥 お返し不満ママ いじめっ子気質奥 5000円嫉妬奥 法外ドレス奥 フェルト奥 角煮奥 わさび奥 ばい菌奥 空気嫁奥 コロコロリン奥 食育談義奥 冷房要求奥 お持たせ礼儀奥 留守電不要奥 ゲームけじめ奥 ちぎったお菓子奥 ミニブ-ケ難癖奥 お返し無駄奥 お礼メール愚痴奥 昼ラーメン不満奥 高潔小姑 オムツ単価奥 薬流用奥 一方的後輩奥 パ-ティ拒否られ義姉 潔癖奥 ホットケーキ奥 手土産執着奥 三重苦奥 スペアタイヤ奥 小姑叩きたい奥 ▼セコくない節約レシピ レモンと果実のピール レモンジュース 梨のマドレーヌ ゴマトフィー(お菓子) 炊飯器ケーキ ケチケチドリンク 焼きうどん からあげクンチーズ風チキンナゲット 煮豚 鳥レバー イヤゲモノ弁当 セコケチおじや 酒粕で作る甘酒 炊飯器ケーキレシピ集 スポンジ入り生チョコ なんちゃってガトーショコラ 蒟蒻お好み焼き 御飯の中からカレー スイスロールで誕生日ケーキ ホットケーキレシピ集 挽き肉入り雑炊 フランスの朝食 ウマーな中華鍋 香り寿司レシピ 節約ロシアンティー ▼他スレのセコケチ報告 備蓄反対奥 子供服型紙奥 嫁同士シリーズ ピンハネ小姑 脳内花畑小姑 お似合いのご夫婦 フェルトケ-キ奥 園グッズ因縁奥 元マズメシ嫁餅旦那 ドレス ツクレ・ウエディングボード破壊 ウエディングベア エコバッグ 双子にサンタ衣装 貧すれば鈍するボッシー 車修理奥 土ドロ奥 土ドロ奥2 ガリ妊婦 高飛車奥 布コジキ見本 転売妬み奥 DVD詐欺奥 妬みまくり奥 犯行予告奥 年賀状奥 手品ママ 油性ペン奥 刺繍本入れ食い奥 切手入れ食い奥 DSパクリ奥 皇子奥 DVD奥 マフラー奥 葡萄奥 蟹奥 リース窃盗奥 七五三着物奥(386の件) 七五三着物奥2 七五三着物奥3 鼠園奥 義妹に振り袖 子供服追い剥ぎママ 番外編 バイブル おまけ 隔離部屋 おいもさんまとめ
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/4035.html
『かりすまどらいばー☆れみりゃ』 19KB 自業自得 飾り 捕食種 希少種 自然界 現代 虐待人間 独自設定 登場するゆっくりは、死にません 「うっ☆うー☆う~~!!」 とある山で、一匹の胴付きれみりゃがうあうあご機嫌に前に進んでいた。 「た~のちぃ~ど~!!」 だが、そのれみりゃは少し普通とは違う姿だった。 「れみぃはぁ~…、かりしゅまどらいば~☆なんだっどぉ~!!!」 れみりゃは、小さなペダルカーに乗っていたのであった ~かりすま☆どらいばーれみりゃ~ ペダルカー。知っているとは思うが、足で漕いで進む幼児用の玩具である。 このれみりゃはそのペダルカーで進んでいた。 そんなれみりゃの走っている道。 山と言っても整備された車道である。だからそんなものでも進むことができるのだ。 このペダルカー、飼いゆっくりであるれみりゃがおねだりをして買ってもらったものである。 テレビのCMで見かけた、紅い色のこの車に一目惚れした。れみりゃは紅色が大好きなのだ。 かなり精巧に作られた製品でお値段異常だったが、れみりゃを甘やかしている飼い主は、すぐに買い与えた。 そんな飼い主と共に高原の別荘地にやって来たれみりゃ。 「すこしそのへんをどらいぶしてくるど~☆」と言って、自分達の別荘を離れた。 飼い主一家は、どうせ別荘の周りをグルグルしてくるだけだと甘く見ていた。 「おぜうさまはひろいせかいをみてけんしきをふかめるど~!!」 だがれみりゃは別荘地を離れ、車道に来ていた… 「う~☆おぜうさまはすぴーどすたー☆なんだど~!!」 山道の比較的緩い坂。簡単に速度を出せるが、れみりゃはそれを自分の実力だと勘違いしている。 ゆっくり相応の思考回路である。 ガラガラガラ…! 「うっう~!きぃもちい~ぃどぅ~!!」 風を切る感覚。れみりゃは、自力で出せない速度を思う存分堪能していた。 平な道では味わえない快感に、れみりゃはすっかり気を良くしていた。 「う~!おぜうさまのどらいびんぐてくにっくはすごいんだど~!!てんっさいだど~!!」 自画自賛するれみりゃ。この種族の特徴である。 ガラガラ…ガラ… 「うぁ…?」 徐々に下がっていくスピード。 「ど…どおしておそくなってるんだどぉ~~!!!!」 坂は上りに変わっていた。とはいってもごくごくゆるやかなものであるが… 「とまっちゃうんだど~!!」 れみりゃは焦って、漕ぐ足に力を入れ始める。 「うっ…~~…!!おみょい…んだど~…!」 れみりゃは力を振り絞る。 肉汁をダラダラと流しながら、必死でぎぃぎぃとペダルを踏み回す。 「どぼ…ぢで…ぎゅうに…おぞぐなっだん…だど……!?」 坂道であることを認識していない。 ゆっくり界随一のおバカな肉まん脳では、そんなことは考えが至らない。 登り坂は、歩く分にはほとんど気にならないレベルのものであった。 しかし、小さな車輪をペダルで漕ぐとなれば。漕ぐ足がれみりゃの短い肉まんあんよであれば。 それはもう、れみりゃにとって地獄のような労力が必要となる。人間だって辛い。 しかしこの程度の登りでこんなに苦労するというのに、どうやって戻るつもりだったのだろうか…? やっとのことで平らな道(大して変わらないが)に戻ったれみりゃ。 「ぶびぃ…う゛ぅ…ぜびぃ……ぢゅがれたん…だど~…」 肉まん臭い息でゼーハー言いながら、休憩をしていた。 「う~!!なってないみちなんだど~!!!おぜうさまをつかれさせるなんて、あってはならないことなんだど!!」 なんと道に文句を言い始めた。こんな発想ができるあたりに、素敵なおつむの片鱗が窺える。 「こんなだめなみちはくびっ!なんだど~!おぜうさまのじゅうしゃにふさわしくないど~!!!」 道を解雇するそうだ。まったく、おぜうさまは我々が想像つかないことを言うからいつも驚かされる。 れみりゃはぶりぶり怒りながら(ぷりぷりに非ず)、改めて漕ぎ出した。 「う~…みちもはんせいしたんだど~!うつわのおおきなこーまかんのあるじはゆるしてあげるんだど~!」 平坦な道ならば普通に進むことができる。れみりゃはまたご機嫌になった。 「おぜうさまのぉ~、かりしゅまなどらいびんぐてくにっくなんだっどぅ~!!」 れみりゃは左右に道のど真ん中でハンドルを切りながら進む。フラフラと邪魔なことこの上ない。 さながら大通りの真ん中をフラフラするご老人のようだ。 ブロロロロ…… すると案の定、前方から自動車が向かってきた。どこにでもあるような普通車である。 「うぁ…っ!なんだどっ!」 それなりのスピードで迫ってくる自動車に、れみりゃは驚いた。 馬鹿なれみりゃだが、腐っても飼いゆっくり。自動車の危険性は認識しているようだ。 だが、避けようとはせずにペダルカーの中で頭を抱えてブルブル震えていた。俗にいう、かりすま☆がーどである。 れみりゃは向かってくる自動車に備える。 しかし ブロロ…ブロ… 自動車はスピードを落としながら、れみりゃの横をギリギリ避けていった。 「う…うあ…?れみりゃ、ぶじ…だど?」 目に涙(のような肉汁)を滲ませた顔を上げた。 ホッとするれみりゃ。 ホッとしたのもつかの間。 ブォオオオオオオ…パー!パー! 背後から、大きなトラックが クラクションを鳴らして向かってくる。 「う…うわぁあああぁああああぁあ!!!!!!」 振り向いたれみりゃは、いつもニヤニヤしていて見えているのか怪しい目を見開き、大きく口を開けて、よだれを垂らすほど叫ぶ。 突然のことに、かりすま☆がーど(笑)さえできない。 が、また… ブォオオ…ブォ…ボ またも近づいてきたトラックは速度を落とし、れみりゃを避けていった。 「う…?よけていったど…?さっきのもいまのも…」 れみりゃは危ない自動車が、自らをはねずに避けたことを不思議に思う。 「う~?う~…う~~~????」 足りないおつむで考える。 「うあ!きっとれみりゃがあんまりかりすまだから、よけてくれたのねぇ~ん☆」 「よ~~くかんがえたら、こーまかんのあるじたるれみりゃのためにみちをゆずるなんてあったりまえなんだど~☆」 もちろん、そんな訳はない。 別に子どもと誤認したわけではない(こんなものを人間と認識するわけなんて失礼な話だ) まず一つ、それなりの大きさのゆっくりを、それも乗り物の玩具に乗ったものを轢くのは転倒やスリップなどの危険があるからだ。 だが、最大の要因はそれではない。 れみりゃの帽子を見たからだ。 れみりゃの帽子に付けられたもの…飼いゆっくりバッジ、しかもプラチナ色の プラチナバッジは、言うまでもなく飼いゆっくりバッジ最高の資格であり、人間並みに優秀でない限りは取れないものだ。 当然、こんなおバカれみりゃが何億回転生したところでまともに手に入るようなものではない。 しかし、プラチナバッジはもう一つ手に入れる方法がある。大金を積むことだ。 一部の富裕層は自分の飼いゆっくり保護のため、大金で手にしたプラチナバッジを付けさせる。 プラチナゆっくりには準人間とも言える権利がある。だから殺される心配はほとんどない。 仮に迷惑をかけた個体でも(そもそも正当なプラチナゆっくりは迷惑を掛けないが)、潰したりしたら確実に裁判沙汰になり多大な罰金刑を受け、最悪懲役をくらってしまう。 場合のよってはヤのつく職業の方々が飼い主の場合もあるので不正プラチナゆっくりには誰も関りたがらない 不正プラチナを付けさせるような飼い主は、往々にしてゆっくりを溺愛し甘やかしている その上金持ちでもある彼らの飼いゆっくりを潰したらどうなるかは誰でもわかる。 (一目で見分けが付く不正プラチナが幅を利かせていることが社会問題になっているが、それはまた別のお話。) 話をれみりゃに戻すが、当然不正プラチナである。 案の定、街を散歩しては周囲に被害をまき散らかしているが、飼い主はれみりゃが楽しんでるんだからそれで良いと考えている。 このれみりゃはわがままで傲慢だが、大概の願いは叶えてくれる飼い主には甘えているので可愛がっている。 実に迷惑な話である。 調子に乗ったれみりゃは、大きな声で歌いながら漕ぎ進み始める 「うっー☆うぅー☆うあ☆うぁ☆れみ☆りゃ☆う~!!せぷてっどぉ~!」 「おぜうさまのしんきょくはすばらしいど~!!しんがーそんぐっらいたぁ~なんだっど~☆」 うあうあと新曲(?)を歌いながら道を進むれみりゃ。 まさに絶好調!といった様子である。 ブロロロロ… そんなれみりゃの背後から、また自動車がやって来た。 スピードを落としていく。 しかし、避けた後に道路の端に車は停まった。 「…うあ?」 ニマニマした顔はそのままに、首をかしげて不思議そうにその車を見る。 どうしたんだろう?おぜうさまにぷっでぃ~んをけんじょうしにきたのかな? と妄想(真実と思い込んではいるが)するれみりゃ。 ガチャリ! 勢いよく扉が開くと、中からの男が出てきた。 「やあ、おぜうさま!ゆっくりしていってね!」 れみりゃにあいさつする男。 「う~!ゆっくりしていくんだどぉ~!!あいさつできるなんてなかなかかしこいんだど~!」 捕食種のれみりゃでも、このあいさつは共通のようだ。 「実にかりすまだね!君は!」 「う~!あたりまえなんだど~!ほめてもなにもでないど~!!」 言葉と裏腹にほめられて気分が良くなり、体をくねらせるれみりゃ。 「かりすまなおぜうさまなら、ぷっでぃ~ん王国に行きたくはないかい?」 「うあ!?」 れみりゃは驚いた。聞いたこともない言葉であった。 ぷっでぃ~んおうこく?すごくゆっくりできそう!でもなんだそれは? だが、質問はしない。こーまかんのあるじのプライドがそれをさせない。ようは知ったかぶりである。 「あ、あったりまえなんだっどぅ~!!!おぜうさまははくらんきょうき!なんだどぉ~!!」 「だよねぇ~!おなかいっぱいの極上ぷっでぃ~んに何でも言うこと聞いてくれるさくや、真のこーまかんにお口直しのあまあまもたぁ~くさん!夢のような場所だよね!」 「う、うぅ~!!」 「今のお家じゃ出来ないこともなんだってできるよ!」 まさかそこまで素晴らしいところだとは…俄然、気持ちが高まる。 「はやくそこへつれていくんだど~!めいれいだっど~!!」 はやく、はやく、行きたい!行きたい! 「ごめんね…僕はかりすまなおぜうさまじゃないからそこへは行けないんだ… でも大丈夫!君にはその素晴らしいマシンがあるじゃないか!場所を教えてあげればすぐに行けるよ!」 「う~!そうだっどぅ~!とうげのおおかみのれみりゃなららっくしょうなんだっど~!」 「それじゃあ場所を教えるからそっちに行けば良いよ。あそこを通ればすぐだよ!」 「う~♪わかったっど~!」 男が指差したところ、それはガードレールの向こう側だ。 本来修理されなければいけないはずなのだが、そのガードレールにはちょうどれみりゃの愛車が通れるくらいの隙間が空いていた。 「それじゃあいってくるんだどぉ~!たっしゃでくらすんだど~!!」 「じゃあねれみりゃ!僕はもう帰るよ!元気にゆっくりするんだよ!」 エンジンを鳴らし、男の自動車は山を下って行った。 ガードレールの向こうは木が生い茂っている。だかられみりゃは気づけない。 「ぷっっでぃ~~ん!!!おうこくへしゅっぱつぅなんだど~~!」 キコキコとペダルを漕ぐれみりゃ、その先にある物は… 山の、整備されていない急斜面であった。 ガコガコガコッ! 「う…?うあっうあっうっ!うあ!」 舗装されていない為に大きな石が至る所にあり、ペダルカーの揺れは酷いものである。 勢いよく何本もの鋭い枝が飛び込み、れみりゃの体には小さな傷がいくつも出来ていた。 えれがんとなおべべには穴がいくつもできてボロボロだった。 車も枝や草を巻き込みまくっている。 しかしお値段異常の丈夫なペダルカー、驚異の走破性で斜面を走り続ける。 「いっぢゃいどおおおぉおお!!!ごんな!ごんなのがりずまじゃないどぉ……うわらば!」 早くもあきらめを見せるれみりゃの顔面を、大きな枝がべしりと叩いた。 次々に襲ってくる枝の恐怖に、れみりゃはハンドルを強く握り、目をつぶっていた。 前からやってくる脅威に一切気付かなかったのである そこへ再び、れみりゃの顔面を直撃する枝があった。 「じゃ、じゃぐやぁぁあぁあ!!」 今の一撃でれみりゃの歯は何本も折れ、根元から抜けてしまったものもある。 最初の大きな枝でダメージを受けた歯が、今度は完全に砕けてしまったのだ。 そのうえ今の枝は、自慢のおぼうしさえ奪っていった。 「おぼうぢがぁぁぁああ!!!だれかどっでぎでぇええぇええ!!」 通常のゆっくりであったら、すでに永ゆんしているであろうダメージを負っていた。 しかし、捕食種の丈夫さによってそれは避けられている。不幸中の幸いと言えるだろうか。 「も゛ういやなんぢゃどぉぉぉお!ごーまがんにがえるどぉお!!!」 さすがにお帽子が無くなっては我慢できない。 曰く大空を支配する漆黒の翼で、ぱたぱた飛んで逃げようとするれみりゃ。 「どぼぢでどべないんだどおおおおおおおおおおおおおおおお…!」 しかし飛べない、れみりゃの体がペダルカーにぴったりはまっているのである。 ただでさえ太っているれみりゃ種が、さんざん甘やかされ、通常の1.5倍の圧倒的太ましさを誇っているのだ。 普段の乗り降りさえ苦労するのにこんな状況で抜け出せるわけがない。 また、胴付きれみりゃの羽根はほとんど飾りのようなもの。 20㎝浮遊するのにもいっぱいいっぱいなのに、この速度からまともに飛べる道理はない。 あまりの加速に、れみりゃはペダルを漕ぐ足を止めることもできない。 「う゛う~~!どまら゛、どまらないんだどぉぉ…!!」 いかに高級品であろうと、れみりゃのペダルカーは、おもちゃである。 しかもブレーキなど最初からついていない。 減速することができない今、かりすまだんす☆をするしか能の無い肉まんあんよは限界を越えてしまった。 「おあしがどまらないんだどぉ!!」 愉快な叫びをあげるれみりゃ、すると… ぐちゃぐちゃぐちゃっ… なんとも不吉な音がするではないか。 「うっ…?ぎいやああああああ!?でびぃのがもじがのようなおあじがあああ!!」 限界を超えたあんよが、ペダルに巻き込まれているのだ。 人間ならともかく、れみりゃのあんよは柔い柔い肉まんである。簡単に潰れ千切れてしまう。 「びゃっぎいいいいい!!ざぐやああああ!!だずげるんだどおおお!!!ばやぐだずげろおおお!!!」 高速回転するペダルはミキサーとなり、れみりゃの体を飲み込む。 ペダルカーが通った後にはミンチとなったれみりゃの体が落ちている。(そもそも肉まんはミンチだが) 「あぎゃあぎゃぎゃぎゃぎゃ…ぎゃっびいいいい!!いぢゃいどおおおお!!!」 足元から体がミンチになっていく。体が腹まで無くなった今、人間ならばすでにショック死しているであろう。 しかしゆっくりとしての体がそれを許さない。頭にある中枢餡が無事である限り、想像もできない激痛が襲い続ける。 ついに頭まで飲み込まれていくかと思われたその時… グワッシャアアアアン!! ペダルカーが、大きな木の幹に正面からぶつかった。 急激に止まった勢いで、運良く(?)残った首がすぽーんと飛んでいく。 れみりゃは体を失い、羽根もない胴の無いれみりゃと同じ状態だった。 「うあー♪おそらをとんでるみたいだど~☆」 本能的に能天気なセリフを口にするれみりゃ。 どちゃ!と地面にぶつかり、ゴロゴロと転がっていく。 それはもう見事な転がり方であった。 そして木の根にぶつかり、なんとか止まることができた。 頭は逆さまになり、自力では起き上がれない。 「う~…いぢゃいどぉぉ…ざぐやあ…だずげでぇ…」 しばらくするとさすがのれみりゃも痛みに慣れ、落ち着いてきた。 「う~…おうぢにがえっでおじざんになおじでもらうどぉ…」 さくやではなく飼い主に救いを求めるあたり、冷静さを取り戻しているようだ。 いくら再生能力の高いれみりゃでも、これほどのダメージではそう簡単に再生しない。 ゆっくり医院に行っても完治までに一か月必要である。 どうやって帰ろうか悩んでいると… ……こっちだよ!みんな…にくまんさん… 話し声が聞こえる、それも複数の。 (…おじさんたちがむかえにきてくれたんだど?) れみりゃは喜びをあらわに、より一層ニコニコしだしたが… 「このへんだよ!おさにみんな!おおきなにくまんさんがみえたのは!」 ゆっくりの群れであった。 このあたりに住んでいるのだろうか、まりさを先頭に長らしきぱちゅりーと数匹の大人のゆっくりが向かってきた。 (おじさんじゃないど…にくまんのにおいなんてしないど?そんなものどこにあるんだど?) がっかりしたが、それよりも肉まんというのが気になる。捕食種の自分の嗅覚で気付けない肉まんなんて、どういうことだろうか? ひょっとしたらあいつらはバカなんじゃないか?自分のことは棚に上げてそう思っていると… 「これだよ!これがおっきなにくまんだよ!」 「すごいんだね~…わかるよ~…」 「とかいはだわ!」 「むきゅ!たしかにこれはまりさだけじゃはこべないわね!みんなではこびましょう!」 自分を囲んでとんでもないことを言い出したではないか。沸点の低いれみりゃは怒りを覚えた。(事実とんでもなくデカい肉まんだが…) 「う~!!れみぃはにくまんじゃないど~!!こーきなおぜうさまなんだど~!ぶれいにもほどがあるど!」 「「「うわあああああ!!!れみりゃだ……ゆ?どこにもいないよ?」」」 「えれ…むきゅ~!?にくまんさんからこえがしたわ!!!」 群れのゆっくりたちはお帽子が無いれみりゃが、どこにいるのか分からなかった。 だがぱちゅりーは勘が鋭いのか、エレエレを引っ込めていち早く肉まん(巨大)がれみりゃだと気づいた。 「だからにくまんじゃないっていってるど~!た~べちゃうぞ~!!」 「「「うわああああああああああああああああああ!!!!」」」 「む…むきゅ…!」 事実を知ってしまうともうどうしようもない。 逃げたくても恐怖で体が動かない。 その様子に気づいたれみりゃは… 「う~!おまえたち!れみりゃをおじさんのところまではこぶんだど~!!そしたらめしつかいにしてやるど!めいよなことだどぉ~!」 こいつらは自分を怖がっている…つまり自分の命令は聞くに違いない!れみりゃはそう判断した。 そしてこいつらに運ばせればすぐに飼い主のところに戻れるだろうという算段だ。 おじさんがどこにいるのかはれみりゃも知らないが、命令したのだからなんとかするに決まってると勝手に思っていた。 「「「りりりりりりりりきゃいしましたぁ!!」」」 「ちょっとまつのよ!みんな!」 「 「 「 「 ゆ?(う?) 」 」 」 」 どうしたことか?れみりゃに逆らうなんて、命が惜しくないのか? ぱちゅりー以外の全員は驚いた。 「よくかんがえてみなさい、このれみりゃはじぶんでうごけないのよ?だってはねがないんだもの…「はこべ」だなんて、おかしいとおもったわ」 「どういうことなの~?わからないよ~…」 「つまりこのれみりゃはつよくもなんともない!ただの!にくまん!だっていうことよぉおおおお!!!!」 「「「ゆがぁぁぁぁん!!!な、なんだってえええええ!!!」」」 そう、動けないれみりゃなどなんの脅威でもない。ただの大きくてうるさい、ぶさいくな肉まんなのだ。 恐怖心さえ消えれば何も問題もないのだ。 「う~!!なにいってるんだど~!!ばかなこといってないでとっととはこぶんだど~!!」 れみりゃはぷんすかと頭を揺らして怒る。 「「「「…………」」」」 しかし、ゆっくりたちはれみりゃを黙って見るだけだった。 「う、うあ?」 さすがのれみりゃも戸惑う。どうしてこいつらは自分の言うことを聞かないのだろうか? 動けなくてもかりすまっぷりにひれ伏すに決まっているのに。そう、さっき車を避けさせたように… 「むっきゅぅ~~!!みんな!はこぶわよ!れみりゃはすぐけががなおるから、いつまでもごはんがたべれるわよ!!!」 「「「ゆっ、ゆっ、おー!!!」」」 ゆっくりたちは間髪入れず、れみりゃ(の頭部)を持ち上げる 「う?ごはん?う?う??…れ、れみぃはごはんじゃないどおおおお!!! こーきでえれがんとでせくしーでぷりちーでびゅ~てぃふぉうなこーまかんのとうしゅたるかりすまおぜうさまなんだどぉおおおおおお!!!!!」 れみりゃはこれから自分がなにをされるかを察した。珍しくまともに知能が働いたようだ。 が、ゆっくりたちはそんなことはどうでも良い。群れのみんなのために美味しいご飯を運ぶだけだ。 「なんかうるさいね、ぶさいくなにくまんのくせに!」 「とかいはじゃないわねぇ!」 「ばかなんだね~わかるよー」 「むきゅ!こんなおばかをあいてにしたらおばかがうつるわよ!だまってはこびましょう!!」 「「「りかいしたよ!!」」」 「やべでぇぇえぇええ!!!でびでゃをだべないでぇぇえええ!!!にぐまんじゃないんだどぉぉおおおお!!!」 れみりゃは必死の叫びもむなしく、群れへと運ばれていった… その後行方不明となったれみりゃの捜索が行われたが、居場所の手掛かりとなるものは発見されていない。 近くの群れに聞き込み調査をしても体のついたれみりゃの目撃証言は一つも無く、プラチナバッジが輝く帽子と壊れた高級ペダルカーが見つかっただけだった。 悲しみにくれた飼い主は、二度とゆっくりを飼うことは無かったという… 「おさ!にくまんのようすがおかしいのぜ!」 「むきゅぅ…たぶんごはんがたりないのね!みんな~!!にくまんのごはんをたのむわ!!」 「「「うんうんしゅりゅよ!!!しゅっきりー!!」」」 「うんうんをかたづけてくれて、しかもおいしいごはんさんをだしてくれるなんてゆっくりしたにくまんさんね!!」 「でもこうはなりたくないのぜ…」 「あたりまえじゃない!むーきゅっきゅっきゅ!!!!」 「う゛ぅぅううぅう゛ぅ……いづになっだら…おがらだがはえで…ぐるん…だど…?がりずまな…おがらだ…」 「にくまんはしゃべらなくていいんだぜ!だまるのぜ!!…でもにんげんさんのごはんがたべれるのはかんしゃしてやるのぜ!」ニッコリ 群れのゆっくりたちは、すでにこのれみりゃをれみりゃとは思っていない。純粋にうんうん処理機兼肉まん製造機だと思っている。 そんなゆっくりできない環境でれみりゃの胴が生えることはなく、生えても真っ先に食われるだけだった。 「ざぐやぁぁ……ざぐやぁぁぁぁ!ざぐやあ゛あ゛ああああ゛ああああ゛あああああああ゛ああ!!!!!!!」 いつかこの群れが滅びて死ぬまで、れみりゃはあまあまもぷっでぃ~んも無い、とてもとてもゆっくりできないゆん生を過ごしたという… とってもかりすまなドライバーだったれみりゃは、自分の愛車によって苦しみ続ける羽目になった。 やはりゆっくり如きに人間のおもちゃは過ぎたものだったのかもしれない。 あとがき 本スレでの「れみりゃってペダルカー似合そうだよな」という書き込みに着想を得ました 実際、うーうー言いながら大人しく乗ってれば可愛いと思うんだ! あと作中のペダルカーの構造と物理法則についてはつっこまないでね!あまり詳しくないんだよ!ごめんね!! 過去の作品 anko3815 はだかのれみりゃ anko3817 みにくいれみりゃのこ anko3826 れみりゃのカリスマ教室 anko3863 ランプの精 anko3921 冬の日の水上まりさ
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/552.html
直接の虐待表現がないど~☆ 東方キャラが鬼のようにでてくるど~☆ おぜうさまのかりすま設定があるかもだど~☆ ある妖精メイドは頭を悩ませていた。 彼女の仕事は主に紅魔館内部の雑巾がけだ。 雑巾がけというと地面に四つん這いになり雑巾で床をダッシュして磨いていく姿を想像される方が多いだろう。 しかし流石に巨大な洋館ともなるとその床面積も尋常じゃない広さである。 そんな雑巾がけでは作業効率が悪い上におそらく2日で腰を壊して立てなくなる。 そこで紅魔館では、普段モップの先に雑巾を挟んでそれで雑巾がけを行っている。 ただし作業自体は決して楽ではない。 彼女達の頭の中にはいかに作業を効率よく進めるか、ということを念頭に仕事をしている。 勿論やり残しは許されない。 今まで掛けて来た場所に汚れが残るようではすぐにメイド長に暇を出されてしまう。 汚れがあればすぐさまそこに駆けつけてすぐにでも仕事を片付け、そして持ち場に戻る。 その行ったり来たりも彼女の疲労を加速させる大きな要因になっている。 おそらくその場でゆっくり雑巾がけができるのなんて精々10分、長くて20分。 一時間のうちおそらく20分は移動時間として使っているだろう。 この仕事をしているのは勿論彼女だけではないがそれでも限度というものがある。 そう、これこそが今の彼女の悩みの種である。 彼女だけではない。掃除に携わる大抵の妖精メイドが悩んでいるはずである。 その元凶は…… 「うっうー☆」 今まさに出窓から中に進入しようと窓を弄っているれみりゃである。 物音に気づいて振り向いた妖精メイドは、大きくため息をついた。 またあそこは掛けなおしか…… 彼女はじゃぶじゃぶと桶の中で雑巾の汚れを落とすと、ペダルを踏んでローラーで雑巾をはさんで水を切った。 れみりゃは無事に窓を開け(窓は肉汁だらけになってしまったが)、とろとろと中に入ってきた。 と同時に、出窓に飾ってあった花瓶がれみりゃの足に引っかかり、バランスを崩した。 あっ、あぶない……! 雑巾モップをその場に放り出して花瓶を押さえにかかる。 しかしその努力は報われず、花瓶は無常にも床にたたきつけられ、ド派手な音を立てて砕け散った。 受け止めようと前屈みになったせいで、自分もバランスを崩し危うく破片の海にダイブしそうになる。 壁に手をつき体をひねり、なんとか体中刺し傷だらけという事態は逃れたが、そのまま転んで飛び散った破片で腕を大きく切ってしまった。 「うー?」 と、れみりゃが不思議そうな顔で自分の顔を覗き込んでいた。 「うー!おぜうさまはづよいがらぼでぃがーどはひづようないんだどー☆ れみりゃはこーまかんのかりすまおぜうさまなんだどー☆」 どうやらこの肉まんは妖精メイドが自分をかばいに飛び込んできたと思ったらしい。 だからといって礼の言葉を言うわけでもなく、むしろ自分の強さを誇示して満足そうに踊る。花の上で。 思わず後ろから花瓶の破片を投げつけそうになったが寸でのところで理性で押さえ込んだ。 ここでそんな事をしてみろ。きっと咲夜が飛んできて烈火のごとく怒られるだろう。 これがもっとも厄介なところで、こうなってしまうとそれを訴えられる場所が無いのだ。 ぐっとこぶしを握りしめ立ち上がると、簡単に破片を片付け、桶を取りれみりゃの後を追う。 綺麗汚いの分別のないれみりゃはそこらじゅうに泥で汚れた靴でスタンプを押して回る。 急いで綺麗にしないと。もしこのタイミングでレミリアお嬢様がいらしたら……どうしましょう。 だが焦るとロクなことが無い。焦ったあまりに部屋の外に出されていた椅子に桶を引っ掛けてしまった。 あっと思ったときにはもう遅い。 床に盛大に汚水をぶちまけながら自分も前方につんのめりそのままうつぶせに床に倒れこむ。 あぁ、なんていう事!見つかる前に片付けようと立ち上がろうとした。 そんな彼女の前には不運なことにもたまたま通りかかったレミリアが立っていた。 「これはどういうこと?」 もうだめだ、自分は首だ! 余りの出来事に妖精メイドは立ち上がることができず、とうとう堰を切ったようにぽろぽろ泣き出してしまった。 「あら、何も泣く事ないじゃない……」 困ったようにレミリアが漏らした。ふと妖精メイドが怪我しているのに気づく。 とりあえず咲夜を呼び手当てをするために医務室に連れて行かせた。 レミリアは汚れた床をよそに日の余り当たらない廊下をつつと進んでいく。 途中で窓から花瓶がなくなっているのを見つけた。 たしかここに生けてあったのは美鈴が庭で育てていた花。 「またあのゆっくりの仕業ね、全く頭が痛くなりそうよ……」 咲夜が溺愛しているというだけで紅魔館に入り浸っているれみりゃ。 一匹だけなら我慢ができてももうすでに20匹弱ほどこの紅魔館周辺をたむろしているのだ。 しかしみんななんだかんだ言って咲夜には頭が上がらないのだ。 その為ほぼ黙認状態でれみりゃが好き勝手紅魔館で遊びまわっている。 虎の威を借る狐とはまさにこのことである。 何かいい撃退方法を考えなくては。 イライラと頭を廻らせながら廊下の突き当たりにある木製の階段を下りていく。 何かいいアイディアを捻り出すときにはレミリアは必ずといって良いほどこの階段から地下に入る。 この先にいる動く大図書館、パチュリーに知恵を借りるためである。 数日後、レミリアの部屋にはパチュリーと咲夜の姿があった。 「そう。だからあのゆっくりの数を減らしてほしいって言ってるのよ。分かるかしら」 「しかしお嬢様、なにも罪も無いれみりゃ様をそんな……」 ペットに対しても様付けとはなんたる忠誠心かしらね、とレミリアはため息をついた。 流石に怪我人が出たとなってはこの状況を放って置く訳には行かないと重い腰を上げたのだ。 予想だにしていなかった提案に咲夜はただうろたえるばかりだった。 「かわいそうじゃないですか!もしも野放しにして死んでしまったらなんて思うと……」 それ楽しそうじゃないと危うく言いかけてレミリアは口をつぐんだ。 別にこいつが生き残ろうが生き残るまいが自分の知ったことではない。 とりあえず迷惑な「穀潰し」が消えればなんでもいいのだ。 一方の咲夜は目に入れても痛くない程のれみりゃ達が自分の行動範囲外に行ってしまうことがとてつもなく不安らしい。 どうにかしてレミリアに認めてもらおうとあれこれと説得しようと試みていた。 不意に沈黙を守っていたパチュリーが口を開いた。 「そういうと思って、貴方の為に1つ面白い方法を用意してみたわ」 パチュリーは黒い表紙の教科書ほどの厚さの本を小脇に抱えて前に進み出る。 「貴方もこの方法なら納得してくれるんじゃないかしら?」 本を咲夜の前で広げるとペラペラと中身を見せ付けるようにめくった。 中身は真っ白だ。咲夜ははてなと首をかしげた。 翌日、紅魔館の庭には総勢19匹のれみりゃが終結していた。 みな口々に「おうた」を歌い、太った体をくねくねと動かしながら踊ったりしている。 その様子をレミリアとパチュリーは庭の端に置かれた日傘の刺さっている白いテーブルで紅茶を飲みながら眺めていた。 「異様な光景ね。後でメイドに庭を掃除させないと」 「仕方が無いでしょ。あの方法をとるには広い場所が必要なんだから。 それよりも咲夜は一体どこに行ってしまったのかしら?」 「なんでもあのゆっくり共にプリンを作ってあげるとか言ってたわね。 全く、あんなやつ等にどうしてあそこまで惹かれるのかしら?」 新しい紅茶をお持ちしました、と腕に包帯をまいた妖精メイドがテーブルにポットを置いた。 「自分の主に似ているからじゃないかしら。 その上本物の主と違って素直に甘えてくるから……とか。ねぇレミィ」 「いっつも言ってるでしょう、あんなのと私を一緒にしないでって。 あぁそういえば。貴方もう怪我は大丈夫なの?」 お気遣いありがとうございます、もう大丈夫ですと笑い妖精メイドは館に戻っていった。 心なしか彼女の表情はいつもに増して生き生きとしていた。 「あぁ、あの子がこの提案の引き金になったのね」 「そうよ。身内にけが人を出してまで穀潰しを構うなんて私が許さないわ」 紅茶を一口すするとレミリアはため息をついた。 広場ではいつの間にか咲夜がれみりゃ達にプリンを配っていた。 うーうー☆とれみりゃのうれしそうな声が大きくなる。 ぷっでぃーん、ぷっでぃーんと手づかみでプリンを平らげるれみりゃ。 「汚い食べ方ねぇ……」 レミリアは冷たくゆっくりの集団をにらみつけた。 「そうですよ全く、もっと味わって食べろって言うんですよ」 もふもふとスプーンを口にくわえ、片手にプリンの乗った皿を持った門番がいつの間にかそばに立っていた。 「あら、いつの間に」 「あぁいえ、さっき休憩時間に入ったんで。 そしたらたまたま咲夜さんに出くわしまして。あまったからどうってプリンを貰ったんです」 そういって一口プリンを口に運ぶ美鈴。パァーッとそこだけ春が来た。 「おっ、おいひいいぃぃぃ!」 「そんな泣くほど美味しいかしら?」 「咲夜のプリンは私も好きだわ」 「あっ、一口なら食べても良いですよ」 「いや、遠慮しとくわ」 だってそれれみりゃの餌でしょ?と言いたかったが美鈴が本気で傷つきそうなのでよしておくことにした。 「さて、お別れも済んだようだし……始めましょうか」 パチュリーはゆっくりと立ち上がると館の中に戻っていった。 「お嬢様。一体やつらをどうやって処分するつもりなんです?」 優雅に紅茶を頂いているレミリアにいまだプリンを半分も食べ終えてない美鈴がもふもふと口を動かしながら聞いた。 「ものを食べながらしゃべるのは下品よ。 貴方は勿論咲夜がれみりゃを溺愛していることは知ってるわよね」 「ええ勿論です。私に注がれるべき愛を全て奪って行ったんですよやつ等は」 「……あえて突っ込まないでおくわ。 そう、そんな咲夜がれみりゃの数を減らすなんていって聞き入れるわけが無いでしょ? だからね、私達はこう提案したのよ。れみりゃを圧縮してくれないか、ってね」 「れみりゃを圧縮、ですか?小さくなるだけで数は変わらないじゃないですか。 むしろ某リグ○みたいにカサカサ動いてむしろ気持ち悪くなりそうですけど」 「貴方が意味する圧縮と私が言いたい圧縮はちょっと違うわ。 貴方が言っているのは単なる体積的な問題。 私が言っているのは"全体の濃度としての"圧縮よ」 「んー、よくわかりませんね」 「要するに19匹を1匹に凝縮したらどうかって提案したわけ。」 「あー、なるほど」 「いろんな固体の記憶や精神に圧縮を掛けて一つにまとめて1体の中に押し込む。 そうすれば肉体は減るけど精神は死んでないって言う"救い"がある。 それに精神が圧縮されればもっとお利口になれるって言ってあるわ」 「でも記憶は兎も角、精神や魂に関する術式は難しいってよく聞きますが。 そんな高度なものを高々ゆっくりごときに使って良いんですか?」 プリン上部のカラメルを器用にスプーンで全体に広げる美鈴。 「勿体無いわ。そんな物使うわけ無いでしょ」 「……え?」 「私達は提案しただけよ。 誰もこの方法で減らすなんて一言も言ってないわ。 ただ方法を提案して、その後で減らすことに同意を貰ったのよ」 「そうなんですかぁ。あれ?じゃあ術はやらないんですよね? でもさっきパチュリー様が図書館に……」 「ええ。別の術式を使うわ。 ま、これも一種の圧縮を使った術式よ。まあ後は使ってからのお楽しみにしておきなさい」 パチュリーが小悪魔と共に戻ってきたのでレミリアは席を立った。 「悪いけど美鈴、今日は貴方が日傘をもって頂戴」 「あ、はい。ちょっとまって下さいいまこのプリン片付けちゃいますから」 そういうと美鈴は口の中に残り1/4のプリンを急いでかきこんだ。 むせた。 「********************――」 パチュリーと子悪魔がものすごい勢いで何かを詠唱していた。 影縫いで動けないれみりゃたちの周りを大きな魔方陣が取り囲み、まばゆい光を放っていた。 「お嬢様……本当に大丈夫なんでしょうか……」 「ええ、大丈夫よ咲夜。パチュリーに任せておけばね」 不意に魔方陣の6点が強く光り、全てのれみりゃを飲み込んだ。 一気にがらんとした庭。 後に残ったのは地面に投げ出されたプリンを載せていた皿と、昨日パチュリーが持っていた黒い本だけである。 多くのメイド達が歓声を上げる中、メイド長咲夜だけは絶句しその場に立ち尽くしていた。 「あ……あぁ……」 それはそうだ。愛しいペットたちが一瞬にして消え去ってしまったのだから。 「大丈夫よ、咲夜」 そういうとパチュリーは庭の真ん中へ進み出ると黒い本を手に取った。 「この術式はとっても時間がかかるわ。 ゆっくりゆっくりと圧縮を進めていくのよ。そう……」 この本の中でね、とパチュリーはほんの表紙を指でトントンと叩いた。 「あと半日もすればこの本の中かられみりゃが召還できるようになるわ。 暫くの間のお別れだけど、我慢してちょうだい、咲夜」 「咲夜、今日はショックだったでしょうし、もう休んで良いわ。 あとは美鈴にやってもらうから」 レミリアはそういい残すと満足そうに館のほうへと戻ってゆく。 さあ、咲夜も行きましょうとパチュリーと子悪魔が咲夜の手を引いていく。 妖精メイド達も生気の抜けてしまったメイド長を心配しつつもぞろぞろと持ち場に帰っていった。 夜遅く、レミリアはパチュリーに呼ばれて図書館へと向かった。 部屋ではパチュリーと小悪魔がテーブルに置かれた日中の「黒い本」を眺めていた。 「それじゃあパチュリー、昼間のことを詳しく教えてもらおうかしら」 部屋に入るなりレミリアは口を開いた。 「あれを咲夜に見せたのは余りよくなかったわ…… あんなに落ち込んでしまうなんて……」 パチュリーは少々意気消沈気味である。 「そんな、パチュリー様のせいじゃありませんよ!」 「えぇそうね。悪いのはあのゆっくり共よ」 そうかしら、と暫く黙っていたが、やがてパチュリーは今日の術について話し始めた。 「今日使った術は確かに圧縮術よ。 ただし、咲夜に説明した"精神圧縮"ではなくただ単に"体積圧縮"なのだけれども。 あの術はその場にある有機物質を極限にまで圧縮して体積0、質量∞の物質に圧縮するものなの。 その後質量∞の物質がどこに行くのかは知らないけど、まあ気にしても仕方が無いわ。 あと、この術には少し細工がしてあって、ある特定の防御を施した物だけはこの術が無効になるようになってるの。 術式開始前にランダムで3匹に防御魔法を掛けてその3匹だけは特別保護してあるわ」 「別空間ってまさかこの紅魔館の中じゃないわよね?」 急にレミリアの顔が険しくなる。 きっと人一倍敏感な咲夜の事だ。どこかでれみりゃの気配がすればすぐに感ずかれてしまうだろう。 「安心して。その3匹を飛ばした場所って言うのは……この中よ」 パチュリーは黒い本を手に取るとレミリアの前に差し出した。 レミリアは本を受け取ると中をぱらぱらとめくった。 あら、と何か違和感を感じた。確かこれ、昼間見たときには真っ白の本だったのに。 先ほどと打って変わって中にはびっしりと文字が刻み込まれていた。 「この本の中はあのときつかったのとまた違う方法の2種類圧縮魔法が組み込まれているの。 一つは空間圧縮、もう一つは精神圧縮よ」 ここで一区切りつけるとパチュリーは小悪魔が入れてくれた紅茶を口に含んだ。 レミリアは興味深げに黒い本を捲っていた。 「さっきの3匹はその中に圧縮されてる空間に入ってるわ。 そして精神圧縮を掛けることによって中にいるゆっくり達の神経を極限にまで高めているの。 精神圧縮を掛けられたものの精神はその圧縮率に比例して敏感になる。 すなわち体感時間が通常よりも長くなるらしいわ。 だからそれを利用してやるべきことを全部半日で片つけようって事よ。 かなり高い精神圧縮をかけているはずだから私たちの体感時間の20倍はくだらない筈よ」 「そう……でもパチェ、貴方なんで3匹も残したの?残すのは1匹だけよ」 レミリアが不満そうに文句をつけた。 「そうよ。1匹だけ。でもこれをやるには一応保険を掛けておく必要があったの。 ほら、咲夜にこの術を使えばれみりゃがお利口になるから回りに迷惑を掛けなくなるって言ってあるでしょ。 言ってしまった以上はそれを実現させなければならないわ。 だからこの3匹を調教してなんとかやっていいこと悪いことの分別をつけさせないと。 どうも文献を見るとゆっくりは体で物を覚えさせるのが一番みたいだし……」 「その調教は誰に任せるつもり?」 「もうすでに頼んであるわ。もう仕事に取り掛かってからずいぶんたつんじゃないかしら? 2人いるけど……そうね、どちらの人も貴方がよく知っている人で、貴方のことをよく知っている人よ。 だからきっとできあがってくるれみりゃはきっと貴方好みのゆっくりれみりゃになるんじゃないかしら?」 「ふぅん、そう。分かったわ。 とりあえず答えは明日の楽しみに取っておこうかしら。 さて、私は咲夜の様子を見に行ってくるわ。おやすみ、パチェ」 そういうとレミリアは部屋を出た。その足取りは幾許かいつもより軽いように見えた。 翌日の夕方、紅魔館の庭には一匹のれみりゃと楽しそうに戯れる咲夜の姿があった。 その姿を静かに部屋から見守っていたレミリアはふと独り言をこぼした。 「……そうね。あのがんばった貴方達には何かご褒美をあげなくちゃかしら」 部屋の中にはレミリア以外にあと2つの人影だあった。 「私はお外に出たいわ、お姉さま」 「とりあえず少し疲れたので休みがほしいですねぇ。あんなに文字を教え込むのに苦労するとは……」 レミリアは二人に向き直ると口元を緩めた。 「どうもご苦労様。いいわ。 フランには外出許可を、美鈴には4日間の休日を与えましょう」 「よかったわね、美鈴!」 「妹様も、頑張った甲斐がありましたね!」 手をとり喜びあう二人。 術式の後、あの圧縮空間に送られたのはこの2人だったのだ。 二人の功績により無事咲夜の元に躾されたれみりゃがもどり、同時に紅魔館にも平和が戻ったのである。 2人が部屋を出て行った後、レミリアは二人が入っていたという黒い本を手に取り眺めていた。 術が終わった後にもかかわらずページは真っ白には戻らず、所々に記述がぽろぽろと残っていた。 「そうそう、お姉さま」 いつの間にかフランドールが目の前に戻ってきていた。 「実はね、その本の中にはまだ1匹れみりゃが残ってるのよ」 「……あのゆっくりが?」 レミリアは顔をしかめた。 「そう。1匹はすぐに死んじゃったんだけど、もう1匹は戻ってくる前に向こうで気を失っちゃってそれっきり起きてこないの。 一応つれて帰ってきたけど動かないし、つまらないからさっき私壊しちゃった」 そういうフランドールの手にはれみりゃ特有の帽子が握られていた。 ところどころ肉汁で染みがついてしまっている。 「まぁいいわ。とりあえずもう地下に戻っていなさい。 明日咲夜を迎えに行かせるからそれまでおとなしくしているのよ」 「分かったわお姉さま。それじゃあまた明日」 フランドールは再びスキップで部屋の外に出て行った。 レミリアは何か悪寒のようなものを感じて自分の手元にある黒い本を眺めた。 ……起きてこないって事はまだこっちに戻ってきたときには生きていたという事だろう。 フランは向こうで気絶してそれっきりと言っていたが、ゆっくり、とくにれみりゃであればすぐに回復して泣き喚いたりするはずだ。 だがれみりゃは起きてこなかった。その後フランの遊び道具として扱われて肉体は壊れてしまった。肉体は…… そういえば美鈴がゆっくりに字を教えたとか言っていた気がするな、とぼんやりと考えながらなんとなくほんの中身をもう一度確認してみる。 すると、最後のほうのページに、びっしりと文字が残っているページがあることに気がついた。 とても汚い字だが、どうやら同じ記述の繰り返しのようだ。 そしてレミリアがその記述を読み取ったとき、思わず反射的にその本を床に投げ捨てて部屋を飛び出した。 そこにはこう書かれていた。 ゆるしてくださいだしてくださいゆるしてくださいゆるしてくださいゆるしてくださいゆるしてくださいゆるしてくださいたすけてください ゆるしてくださいゆるしてくださいゆるしてくださいゆるしてくださいゆるしてくださいゆるしてくださいゆるしてくださいゆるしてください ゆるしてくださいゆるしてください がんばりますがんばりますがんばりますがんばりますがんばりますいいこにしますいいこにしますがんばりますいいこにします いいこにしますいいこにしますいいこにしますだしてくださいだしてくださいだしてくださいだしてくださいゆるしてくださいゆるしてください ゆるしてくださいくるしいくるしいだしてくださいだしてくださいがんばりますがんばりますがんばりますいいこにしますいいこにします いいこにしますいいこいいこにいいこにしますいいこがんばりますがんばるがんばるゆるしてくださいゆるしてくださいだしてだして いいこにするだしてゆるしてがんばりますじおぼえますいうことききますききますいうこということたすけてくださいだしてゆること いいこにしますゆるしてくださいだしてだしてだしてさくやさくやだしてさくやいいこにしますゆるしてゆるしてがんばりますおぼえます だしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてせまいせまいだしてせまいだしてさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくや さくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくや さくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくや さくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくやさくや さくや さ くや さくやさくやさ くやさくや さ く や さ く や さ く や さく や さ く や さ く や さ くや さ く や さくや さく や さく や さ く や 紅魔館地下大図書館には、今でも文字の増え続けると言う変わった魔術書があるという。 あとがき う~☆ざぐやにだっごしでほしいんだど~☆ さくやにさぐやに さ く や に 訳(稚拙な文章で申し訳ありません。精進いたします)
https://w.atwiki.jp/xenoblade/pages/106.html
赤字はクエスト対象・青字は非ユニーク エルト海 モンスター名 LV 種族 感知 居場所 備考 落とすアイテム 重犯のヒルン LV034 ヒルン 視覚 敵対者の岸壁 クエスト:不正表示問題(サイハテ村)対象クエスト中限定 武器 朧月の護刀(s0) 獅子刀(s0) 防具 エルトレギンス(s0,s1) シェルアーマー(s0) アーツ書 その他 ヒルンの小銭袋 綺麗なヒルン結晶(夜間命中アップ,復活HPアップ,スパイク防御) 強奪のフーディ LV035 フーディ なし(同族リンク) エーテル結晶採掘場の東の崖下 クエスト:母の死を超えて(サイハテ村)対象クエスト中限定 武器 蛇骨のカムカム(s0) 爆発のバクバク(s0) 防具 シェルレギンス(s) エルトブーツ(s) アーツ書 その他 フーディ族の大将髷 綺麗なフーディ結晶(攻撃力安定,出血防御,テンション変動) 大渦のベルモ LV036 ヒルン なし(同族リンク) 第1浮遊岩礁 晴れ限定 武器 獅子刀(s0) 剛盾ラムトク(U) 三日坊主(U) 愛のカムカム(U) 姉妹杖ソルタナ(U) 鉄壁のツクツク(s2,s3) 夢見のツクツク(s1) ゲイルショット(s2) 朧月の護刀(s0) 防具 エアギア(U) ラティスガード(U) サーペントギア(U) エルトレギンス(s0,s1) シェルアーマー(s0) アーツ書 その他 ヒルンの小銭袋 綺麗なヒルン結晶(夜間命中アップ,復活HPアップ,スパイク防御) 雑然のエキドナ LV037 エキドナ 視覚 エーテルプラント クエスト:フーディを撃退せよ(エルト海)対象クエスト中限定(2体出現) 武器 月影の護刀(s1) ダークキャノン(s1) ジャックガーダー(s2) 防具 シェルレギンス(s1) シェルアーマー(s1) アーツ書 その他 エキドナの顎肉 綺麗なエキドナ結晶(水上迷彩,貫通抵抗,飛行迷彩) 霹靂のジローネ LV038 サターン エーテル 第5浮遊岩礁の中央から落ちたところ 晴れ限定クエスト:強敵を求めて(エルト海)カウンタースパイク:エーテル耐性減物理耐性80% 武器 ゲイルショット(s2,s3) ダークキャノン(s2) 鉄壁のツクツク(s2) グラスロッド(U) 撃鉄(U) 水天一碧(U) 迅雷(U) エトワールスナイプ(s0) 防具 サーペントアーマー(U) エルトレギンス(s1) ラティスガード(U) ラティスブーツ(U) シェルガード(s) シェルブーツ(s) アーツ書 その他 スキエンティ・グリフ 霧雨の元素 大きなサターン結晶(オーラヒール,戦闘不能抵抗) 綺麗なサターン結晶(スリープ抵抗,スパイク防御) 剥落のキルヒアイス LV038 スピカル 視覚 第7浮遊岩礁 クエスト:強敵を求めて3(皇都アカモート) 武器 ゲイルショット(s2) 水天一碧(U) 三日坊主(U) 無月の護刀(s3) 月影の護刀(s2) 朧月の護刀(s0) 夢見のツクツク(s1) デストロイガーダー(s2) クイーンフロッグ(U) 防具 エアギア(U) リーグアーマー(s0,s1) ラティスレギンス(U) ラティスブーツ(U) サーペントレギンス(U) シェルレギンス(s) アーツ書 その他 スキエンティ・グリフ 綺麗なスピカル結晶(ダブルアタック,ヘイトアップ,攻撃力強化) スピカル族の鍛え石 大嵐のエイデジア LV039 ライア 視覚 第10浮遊岩礁 西の転送装置近くの上空 夜限定クエスト:強敵を求めて2(皇都アカモート)崩し・転倒無効 武器 ダークキャノン(s1) ダイナスター(U) デストロイガーダー(s2) ゲイルショット(s2,s3) 迅雷(U) 撃鉄(U) グラスロッド(U) 夢見のツクツク(s1) 防具 サーペントギア(U) サーペントブーツ(U) エアギア(U) シェルガード(s) シェルブーツ(s) エルトギア(s) アーツ書 その他 ライアの肉汁エイヒレ スキエンティ・グリフ 綺麗なライア結晶(地形防御,HPアップ,スパイク) 常道のベンダズ LV039 パグール 聴覚 鎮まりの離島 流星の夜限定クエスト:強敵を求めて1(皇都アカモート)背面からの物理・エーテル耐性25% 武器 ダイナスター(U) 水天一碧(U) 姉妹杖カトール(U) キングフロッグ(U) 無月の護刀(s3) デストロイガーダー(s2,s3) エトワールスナイプ(s0) 昼夜の杖(s0) ダークキャノン(s1) 防具 エルトガード(s1) エルトレギンス(s1) ラティスレギンス(U) ヘビークィス(U) サーペントアーマー(U) サーペントレギンス(U) アーツ書 その他 バグールのつぼ焼き スキエンティ・グリフ 綺麗なパグール結晶(エーテルアップ,物理耐性減,雷強化) 崩壊のエキドナ LV039~LV041 エキドナ 視覚 シウェラート灯台 クエスト:焦心苦慮の灯台(エルト海)対象クエスト中限定(3体出現) 夜限定 武器 月影の護刀(s1) ダークキャノン(s1) ジャックガーダー(s2) 防具 シェルレギンス(s1) シェルアーマー(s1) アーツ書 その他 エキドナの顎肉 綺麗なエキドナ結晶(筋力アップ,バインド,落下防御) 地底のツモギリ LV040 スピカル 視覚 ソルタナ封印島 転倒スパイク:800ダメージ正面からの物理・エーテル耐性40% 武器 ジャックガーダー(s1,s2) 迅雷(U) ダイナスター(U) キングフロッグ(U) 愛のカムカム(U) デストロイガーダー(s3) 無月の護刀(s2) 防具 ラティスガード(U) エアギア(U) ヘビークィス(U) サーペントアーマー(U) シェルブーツ(s1) リーグレギンス(s) アーツ書 その他 エッセ・グリフ スピカル族の鍛え皮 綺麗なスピカル結晶(開幕攻撃強化,物理バリア,転倒威力アップ) 積雲のダネイモス LV041 エキドナ 視覚 カトール封印島 崩し・転倒無効 武器 ダイナスター(U) 迅雷(U) キングフロッグ(U) 姉妹杖ソルタナ(U) 夜光の杖(s2) 無月の護刀(s2,s3) ダークキャノン(s1) 防具 ラティスアーマー(U) ラティスレギンス(U) ラティスブーツ(U) シェルアーマー(s1) シェルレギンス(s1) アーツ書 その他 エッセ・グリフ エキドナの顎肉 綺麗なエキドナ結晶 葬送のゴズラ LV042 オルガ 視覚 フーディの隠れ家 クエスト:フーディを成敗せよ(エルト海) 武器 キングフロッグ(U) 剛盾ラムトク(U) 鉄壁のツクツク(s3) 夢見のツクツク(s1,s2) クイーンフロッグ(U) デストロイガーダー(s2) 爆発のバクバク(s0) 愛のカムカム(U) 防具 ヘビークィス(U) ラティスアーマー(U) リーグアーマー(s0) シェルアーマー(s1) シェルガード(s) リーグレギンス(s0) ラティスレギンス(U) サーペントガード(U) アーツ書 その他 エッセ・グリフ 大きなオルガ結晶(バフ時間プラス,炎熱追撃,オーラヒール) オルガ族の悪魔パンツ 光速のソニード LV044 エクス 視覚 アヌ海岸上段 クエスト:強敵を求めて4(皇都アカモート)カウンタースパイク:400ダメージ正面からの物理・エーテル耐性10% 武器 剛盾ラトムク(U) 三日坊主(U) 撃鉄(U) 鉄壁のツクツク(s3,s2) デストロイガーダー(s3) 月影の護刀(s2) セイントロッド(s1) 夢見のツクツク(s1) 防具 リーグアーマー(s) ヘビークィス(U) ラティスガード(U) ラティスブーツ(U) リーグレギンス(s) シェルガード(s) アーツ書 その他 エクスの反射銀板 エッセ・グリフ 綺麗なエクス結晶(出血防御,筋力ダウン,素早さアップ) 暴風のベルラガン LV087 スピカル 視覚 スピカルの離岸 カウンタースパイク:スリープ 武器 エンパイアパイク(s2) 不知火の杖(s2)エンドレスライフル(s3) イデアブレード(s3) ミーティアスタッフ(s3) 太陽の杖(s3)星杖アルコル(U) アガペー(U) インフィニティ(U) 防具 Zアタックギミック(s1) ランスロットギア(s1) ランスロットレギンス(s1) ランスロットブーツ(s1)エクリプスギア(U) エクリプスアーマー(U) エクリプスガード(U) エクリプスレギンス(U) エクリプスブーツ(U) アーツ書 ヒールバリア コロベも エンゲージ ダイブソバット その他 クレアーレ・グリフ スピカル族の王族槍 究極のスピカル結晶(エーテルアップ,スロウ,スパイク防御) 猟奇のラゴエル LV088 ラーナ 視覚 アヌ海岸 武器 山紫水明の槍(s2) デビルキャノン(s2) 勇者のカムカム(s2)雲竜風虎刀(s3) 英雄のカムカム(s3) ディストピア(s3) イデアブレード(s3)天上天下唯我独尊(U) 完食のカムカム(U) インフィニティ(U) 防具 レックスアーム(s0) Zアタックブースタ(s1) ラーファガレギンス(s1) ラーファガブーツ(s1)エクリプスギア(U) エクリプスアーマー(U) エクリプスガード(U) エクリプスレギンス(U) エクリプスブーツ(U) アーツ書 陽炎 マカセタも シャドーアイ バトルソウル その他 クレアーレ・グリフ ラーナの十二層皮 究極のラーナ結晶(復活HPアップ,気絶抵抗,地上迷彩) 霊峰のザガメイ LV089 トゥード 聴覚 第9浮遊岩礁から落ちた所 側面・背面からの物理耐性25%・エーテル耐性50%鉱石がある岸に近づくか離岸しようとすると出現 武器 エンパイアパイク(s2) 山紫水明の槍(s2) 勇者のカムカム(s2)アトミックバンカー(s3) 英雄のカムカム(s3) イデアブレード(s3) エタニティナイフ(s3)ラゲルハンス(U) 完食のカムカム(U) インフィニティ(U) 防具 ラーファガアーマー(s1) ラーファガガード(s1) レックスクィス(s0) Zアタックフレーム(s1)エクリプスギア(U) エクリプスアーマー(U) エクリプスガード(U) エクリプスレギンス(U) エクリプスブーツ(U) アーツ書 桜花絢爛 バグストーム シールドバレット 雷刃砲脚 その他 クレアーレ・グリフ トゥードの宝石甲羅 究極のトゥード結晶(吹き飛び抵抗,転倒威力アップ,地形防御) 雷鳴のダブロン LV092 レクソス 視覚 眠れる竜の島 北北西側の水中 雷雨限定崩し・転倒無効 武器 エンパイアパイク(s3) アトミックバンカー(s3) 雲竜風虎刀(s3) 山紫水明の槍(s3) 不知火の杖(s3)太陽の杖(s3) ディストピア(s3) イデアブレード(s3)ラゲルハンス(U) 天上天下唯我独尊(U) 星杖アルコル(U) インフィニティ(U) 防具 レックスブレスト(s0) レックスアーム(s0) レックスクィス(s0) レックスグリーヴ(s1)エクリプスギア(U) エクリプスアーマー(U) エクリプスガード(U) エクリプスレギンス(U) エクリプスブーツ(U) アーツ書 サンダーバレット レイジ ガードシフト(フィオルン) グルグルだも その他 ウェリス・グリフ レクソス神の蒲焼 究極のレクソス結晶(雷追撃,水上迷彩,背面攻撃強化) 終焉のメデオウロ LV093 テレシア 視覚 中央封印島 機神界中枢クリア後崩し・転倒無効 武器 アトミックバンカー(s3) サテライトショット(s3) 雲竜風虎刀(s3) ミーティアスタッフ(s3)不知火の杖(s3) イデアブレード(s3)ラゲルハンス(U) 天上天下唯我独尊(U) インフィニティ(U) 防具 Zパワーゴーグル(s1) ランスロットレギンス(s1) レックスクィス(s0)エクリプスギア(U) エクリプスアーマー(U) エクリプスガード(U) エクリプスレギンス(U) エクリプスブーツ(U) アーツ書 ヒールブラスト 戦眼 マカセタも エアファング その他 テレシアの情熱涙 ウェルス・グリフ 究極のテレシア結晶(ロックオン抵抗,エーテル耐性減,攻撃力強化) 雷鳴のダブロンの宝箱からウェルス・グリフの入手を確認。 -- 名無しさん (2011-10-22 20 26 27) 猟奇のラゴエルがなかなか出て来ません。どうしたらいいですか? -- トウサ (2018-11-04 19 34 31) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/88.html
提督×秋雲3-37の続き 「じゃっじゃ~ん!秋雲さん特製の晩御飯だよ~」 ちゃぶ台の上には炊き込みご飯、豚汁、ハンバーグとサラダが並んでいた。ハンバーグの少し不恰好な形から、手作りだと分かる。 「なんだ、意外に料理はできるんだな」 素直に感心すると秋雲は右手でVサインを作った。 「どうどう?惚れ直した?」 「さぁ、食べてみないと分からないな」 「もぉー味もいいに決まってるしー」 「じゃあ食べるか」 私が手を合わせると秋雲もそれに倣った。いただきます、と二人の声が重なり、箸を掴んだ。ハンバーグを一口サイズに分けて舌に乗せた。風味も味も申し分がない。歯の圧力を肉にのせると肉汁が中から零れ落ち口内を蹂躙した。さらに噛み締め感触を味わう。そうやって幸せな気分に浸っていると秋雲がややぁと話しかけた。 「っつーか提督ー、いくら偵察で様子見だからって翔鶴をサブ島沖に行かせて良かったの?」 「錬度はまだ高くはないが… 随伴に北上たちがいるから大丈夫だろう。状況によっては即時撤退の命も出している。多少の損傷も経験の内だ」 うーん、と秋雲は浮かない顔だ。 「うちって正規空母も軽空母も少ないよねー」 「そうだな… あわよくば今回の出撃で新しい空母と出会えるといいんだが… 建造は、中々運に恵まれないから」 「二航戦がいたらいいのに~あ、でも××の方がいいかな~」 秋雲はニカッと笑う。 「××がずっと描きたかったしー!」 私は何も言わず、ただ曖昧に笑い返した。先ほどまで美味に感じていたハンバーグが急に味気ないものへと変わった気がした。 コン、コンコン。 無機質な音に体が跳ねた。音の方向へ振り返る。部屋のドアから音は聞こえていた。 コンコンコン。 先ほどよりもさらに強い音が室内に響く。最初に驚いていた私だが、段々と怒りが込み上げてきた。プライベートルームの場所は艦娘には教えてはいるが、何かある場合は携帯による連絡のみを徹底させていたつもりだった。部屋には直接来るなとも分かり易く丁寧に命令したはずだ。ルールを破ることを厭わない音が私の神経を逆撫でする。 ドン!ドン!ドン! 音が益々乱暴になった。私は箸を置くと立ち上がり急ぎ足でドアへ向かう。居間の襖を閉めることは忘れなかった。一体誰だ、私の空間を邪魔するものは。私と秋雲だけのこの居心地のいい空間を――――――理由によっては私はそいつを、 ドアの鍵を解除した。乱暴な音に紛れてカチッと音がした。ドアノブを引く。チェーンロックはつけたままなので五センチしか開けなかったが、怒りで沸騰していた私の頭はその音の正体を見て一気に顔が青ざめた。 「提督さん… 直接お話があるんです。いいですか」 久々に見た顔は怒りを抑え込んでいるように見えた。ここで話すのは不味い、私はそう感じると外で話そうと提案した。相手は了承するとドアから離れて隙間からは見えなくなった。私は急いでチェーンロックを外してドアノブをさらに引いた。極力開けるスペースを狭くして私一人がギリギリ通れる程度にした。そんなことをしなくても居間の襖を閉めているのだから、秋雲からは見えないのに。 部屋から出てすぐに私はドアを閉めた。ペンダントを首から取りドアに鍵を挿して回した。もちろん南京錠も忘れなかった。 「………随分用心深いのね………」 私の徹底ぶりを見て声が僅かに動揺していた。このような姿を誰にも見せたくなかったが、私の部屋を守るためにはこうするしかなかった。 「……外に行くぞ」 ペンダントを再び首にかけてから私は歩き出した。私の後ろから足音がついてきた。 数分歩いて、棟の外へ出た。辺りはすっかり暗い。出入り口に飾られている明かりの下で私たちは立ち止まった。 「話はなんだ」 そう問いかけずとも私には何の話かは察していた。 「……先輩たちから提督さんの話は聞いてる。みんな提督さんのことを信頼しているし、提督さんも艦娘を大事に扱ってるって…ちゃんと分かる」 どうやら艦娘たちの間では私の評判は悪くはないようだ。 「仕事以外だとちょっとそっけないって言われてるけど…でも優しい人だって分かる。新参者の私にも色々教えてくれた――――――最初の頃は」 声のトーンが低くなった。 「提督さんには提督さんの考えがある。それが何なのか分からないけど……信じてた。信じようとしてた。きっとその内前みたいに戻るって思いたかった。だからずっと我慢していた」 目が悔しさと怒りで震えていた。 「自分のことなら我慢できる…でも、でも翔鶴姉は何も関係ない!私の、瑞鶴のことで責めないで!」 怒気を孕んだ声で相手は――――――瑞鶴は私に言った。 「……翔鶴が話したのか」 「…部屋から港を見てたの…何を話しているかまでは分からなかった。でも翔鶴姉の様子がちょっと変だったから…無理矢理問い詰めただけ。翔鶴姉はどうってことない、自分は大丈夫だって言っていたけど……」 瑞鶴は私を真っ直ぐ見ていた。翔鶴と同じ瞳の色だ。 「提督さんは、瑞鶴が嫌いなの?」 「…嫌いではない。艦娘のお陰で深海棲艦と対抗できるんだ、感謝しているよ。もちろん…瑞鶴にも」 「ならどうして瑞鶴を前線から遠ざけるの?演習も、遠征にも出さない。装備もすべて外して、寮外へ出るなって命令して……瑞鶴がここに来た時はちゃんと指導してくれたじゃない。それが突然…こんなことになって…」 瑞鶴が来てからしばらくして、私は瑞鶴から戦う為の術をすべて取り上げて寮棟に閉じ込めた。閉じ込めた、といっても監禁した訳ではない。寮内なら自由に歩き回る許可は与えていた。外出することだけを禁止したのだ。私は明確な理由を伝えず艦娘たちは困惑を隠せなかったが、みな黙って従っていた。不当な扱いを受けた瑞鶴も私の決定に逆らわなかった。瑞鶴には逆らえない理由があったからだ。 「……瑞鶴が気に入らないなら瑞鶴だけを嫌ってください。翔鶴姉には何もしないでください。いっそのこと、」 瑞鶴は迷いなく、言った。 「解体でも素材にでもしてください。瑞鶴は提督さんの命令に逆らったんだから」 最初に瑞鶴に外出禁止を言い渡した時はもちろん瑞鶴は納得しなかった。だから私は反抗の意思を殺がせる為に、命令に逆らえば解体または近代化改修の素材にするとも言ったのだ。瑞鶴はそれを聞いて渋々ながら私に従った。周りの艦娘も私に余計な刺激を与えないように瑞鶴の話題を極力避けた。翔鶴もだ。 瑞鶴は私から目を逸らさなかった。翔鶴と同じ色の瞳には自暴自棄と諦めと反発心が入り混じっていた。私は目を逸らした。 「……寮に戻れ。今回のことは不問にする」 「提督さん…?」 「下がれ瑞鶴。何度も言わせるな」 数秒、数分の沈黙が流れた。足音が聞こえ、ついに遠くなっていった。私はようやく顔をあげて瑞鶴が去ったであろう方角を見つめる。闇が広がっていて、瑞鶴を覆い隠していた。 「………」 私は棟の中へと入った。エレベーターに乗り、十五階のボタンを押した。私を入れた箱が上へ登っていく。高い電子音が一瞬なり、ドアが開いた。私は無音の廊下を靴音を響かせながら歩き、自分の部屋の前に到着した。首からペンダントを外しドアノブと南京錠の鍵を解除した。カチャリ。カチャリ。ドアノブを引いて部屋の中へと帰る。ドアの鍵を閉め、チェーンロックもした。室内を振り返ると襖の僅かな隙間から光が漏れていた。電気はついたままのようだ。しかしまるでここには私以外の誰もいないかのように静かだった。 「秋雲?」 名前を呼んでも何の返事も返って来なかった。 「秋雲」 急いで靴を脱いで襖へと手を伸ばす。手が襖に触れた瞬間音が鳴るほど勢いよく開けた。 「お帰り、提督」 秋雲はいた。いつもの笑顔で私を迎えてくれた。私は思わず安堵の息をはいた。 「……ただいま、秋雲」 食事は私が部屋を離れる前と同じ状態だった。 「私に構わず食べていても良かったんだぞ」 私は自分の座布団の上に座りながら言った。 「折角提督のために作ったんだよー?一緒に食べたいじゃん。あとご飯冷めちゃったねー あっためなおす?」 秋雲は部屋に置いてある電子レンジを指差した。私は頭を横に振る。 「いや、このままでもいい。少しぐらい冷めてもおいしさは変わらないさ。秋雲は使いたかったら使ってもいいぞ」 「ん~いいや!私もこのまま食べる!……あ、ねぇ提督」 「どうした」 「誰と話していたの?」 私は落ち着いて自分の箸を掴んだ。 「――――――鳳翔だよ」 そっかぁ、と秋雲は呟いた。 そして私たちは食事を再開した。 --------------------- 食事が終わると秋雲が食器を片付けた。流し台で皿を洗っている音を聞きながら私は窓の外を見ていた。星が夜空いっぱいに輝いていた。満月も雲に隠れることなく光を照らしていた。これなら翔鶴や赤城たちの航海にも道を指し示してくれるだろう。 「ねぇ、提督ー」 水と食器の音と一緒に秋雲の声が聞こえた。 「何だ?」 急に水の音が途切れた。蛇口を閉めたのだろう。 「本当はさ、――――――」 ブーブーブー。ブーブーブー。 ちゃぶ台の上に置いていた携帯が震えだした。そしてメロディが流れ出し私は慌てて携帯を手に取った。このメロディは緊急事態が発生した場合に使う回線からの着信メロディとして設定していたからだ。 「一体どうした」 携帯の向こうから「司令」という声がした。霧島だ。 「司令、第一艦隊からの緊急通信が入りました」 霧島の声のトーンがいつもより低い。 「通信…?!何があった」 「襲撃を受けたそうです。敵に気付く前に撃たれて…完全に不意打ちです」 襲撃!いつもなら敵の深海棲艦とは日が沈む前に遭遇して戦っていた。それが夜まで続くこともあったが、夜の襲撃は初めてだった。どうやらサブ島沖海域の敵は今までの海域にいた敵とは違うようだ。 「第一は今どうなってる?!」 夜戦となると正規空母と軽空母は何も出来ない。第一にいる翔鶴と隼鷹は無事だろうか。 「……通信が途切れて繋がりません。現状第一艦隊の安否は確認できません」 (なんてことだ!敵に先手を打たれるとは…!) 焦りが全身を駆け巡る。通信機器がやられてしまったのだろうか。頭の中でこれからのプランを考えようとした時に霧島が再び私を呼んだ。 「司令、通信が途絶える前に不知火が言っていましたが……」 「何だ?さっさと言え」 中々切り出さない霧島に腹を立てた。不知火の伝言に打開策のヒントでも何でもあるかもしれないのに、私は霧島を促す。数秒置いてからようやく霧島は言った。 「――――――翔鶴が沈む、と――――――」 →続き
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1358.html
ゆっくりれみりゃが紅魔館の前で馬鹿踊りしていた。 そんな事は日常茶飯事だ、別に気にしないさ。 紅魔館の敷地ないだしな。 問題は街に来た時だ。 従者が買い物のついでに連れてくることも有るんだが、待っている間モノを壊すわ勝手に食べ物を掴むわ挙句の果てには捨てるわ、の我侭し放題。 一人で屋敷を抜け出して来ることも有るんだが、その時は勝手に人の家に上がりこんで荒らしまわる。 そこで一発でも殴ろうモンなら自分の命の保障は無いときてるから、皆泣き寝入り状態だ。 村人の大半がそんな状態なのに困り果てて、博麗の巫女に相談すると、米俵と引き換えにとっておきの秘策を教えてくれた。 それを実行するために、数人を連れて紅魔館近くまで出向いた。 暫く待つと、巫女さんの言ったとおり屋敷の主が庭まで出てきた。 最近は昼間でも庭でお茶を飲んでるから。 その言葉通り、従者に入れさせた紅茶を美味しそうに飲んでいる。 ……、そろそろ頃合か。 俺達は、決して大声でもなくしかし向こうには聞こえるであろう声の大きさで話し出した。 「おうおう、そういえば最近この屋敷のお嬢様が、従者と一緒によく買い物に来てるよな?」 「あーそうだな、しかもモノは勝手に壊すし、挙句の果てには手づかみで品物を勝手に食べ始めるんだぜ!」 「まじかよ!! 吸血鬼って言うものはもっと人智を超えた知性があるんじゃないのか?」 「さぁ、もしかしたら、以前博麗の巫女に負けた影響で知恵がなくなったのかもな!」 「……、どもよぉ。それって最近見かけるゆっくりれみりゃじゃないのか? あれは体が付いてる種類がいるんだろ?」 「馬鹿かお前は、あんな知性のかけらも無いようなモノを紅魔館が甲斐甲斐しく飼っている訳無いだろ?」 「そうだな、食料として持っているなら檻にでも問いこめておくだろうしな!!!」 「俺としては、以前たまに買い物に来た時のカリスマ溢れる姿が見たいんだけどなぁ」 「そうだなぁ、……」 それだけ言ってダッシュで逃げる。 勿論、最後にちゃんとフォローしておいたが、如何せんそのまま留まっているのは危ないと判断したからだ。 無事に村に帰ってきた俺達は、取り合えず村長に酒を振舞われてその日は寝て過ごした。 紅魔館 「……。ねぇ咲夜、さっきの人間が言っていた事はどういう事?」 「おそらく、私とれみりゃ様が街へ買い物へ出たときの事だと思いますわ」 あっけらかんと答えるメイド長。 彼女をよく知っている者はご存知だろうが、その外見からは想像も出来ないほど彼女は天然なのである。 「はぁ、……。咲夜、この私が、完璧で人類の英知を全て集めても及ばないこの私が、あんな酷評を受けているのよ。良いたい事は分かるでしょ?」 「……、ハイ。お嬢様の命令ならばそのように」 一蹴あのふてぶてしい顔が笑顔で頭を過ぎったが、その顔がきっかけで咲夜もれみりゃの処分を決心した。 「う~~ざぐや~。た~べちゃうぞ~~♪」 玄関に入ると、そこに二匹のれみりゃが居た。 二匹ともぶかぶかのきぐるみを着て楽しく遊んでいるようだった。 「ざぐや~、れみりゃぷっでぃんたべだい~~♪」 「れみりゃもぷっでぃんたべだい~~♪」 仲良く咲夜に駆け寄って話す。 「はい! プリンですね今日はバケツいっぱいの大きなプリンを用意して差し上げますよ♪」 「うー!! ぷりんじゃないの!! ぷっでぃーん!! なの!!」 「ざぐやのばぁ~か♪ ぷっでぃーん♪ ぷっでぃーん♪」 「はいはいプディングですね」 勿論、咲夜はプリンを要する気はさらさら無かったのだが、面白いことを思いついたので作ってやることにした。 「今日は一緒に厨房へ行きますか?」 「う~♪ ちゅ~ぼ~いぐどぉ~♪」 「うまうましてぽいっ♪ するの~♪」 二匹を厨房まで案内する。 テコテコと、きぐるみで何度も転びながら付いてくる。 「ぷっでぃ~ん♪ おっぎなぷっでぃ~ん♪」 顔面から転んでも、こう言って笑顔で立ち上がってくる。 はっきり言って気持ち悪い。 「はい! 厨房ですよ!」 「う~♪ ぽいっするど~♪」 「まじゅいのぽいっ♪ ぽ~い♪」 意気揚々と駆け出す二匹。 目の前には作りたての夕食が山盛り置いてあった。 「あらあら、食材を固定するのを忘れていましたわ」 数本のナイフを投げる。 ずぶずぶのきぐるみの周辺に刺さったそれらは、最後の一本がお腹のど真ん中に刺さったのを最後に止んだ。 「うっぎゃー!! ざぐやーーー!!! れみりゃんの!! れみりゃのおなががーー!!!」 「ぎゃおーーー!!! れみりゃはかいじゅーだぞーー!! いだぐなんがないぞーーー!!!」 綺麗に貼り付けにされたれみりゃ×2。 文字通り醜態を晒している。 「さて、れみりゃさま。どうしてそんな事になったか分かりますか?」 「わがんなーい♪ ざぐやぁのばぁ~~が♪」 「がぉお~♪ れみりゃはつよいからざぐやをた~べちゃうぞ~♪」 傷も癒えてイケイケモードの二匹、こうなったら止められない。 「そうですか? じゃあこれならどうですか?」 こうなった昨夜は止められない。 ご自慢のナイフをれみりゃの口に差込上下をなぞる。 歯茎まで到達したナイフはまるで何かを収穫でもするかのように二匹の歯を切り落としていく。 「!!!! うがぁーーー!!!!」 「れみびゃのはがーーー!!! れみびゃのはがーーー!!!!」 「分からないようなら教えて差し上げますわ。勝手に食べものを捨てるのは悪い事ですよ。分かりましたか?」 熱々のスープを口の中に流し込みながら昨夜が尋ねる。 「う~!!わがっだーーーー!!! ざぐやだずけでーー!!!」 「う~!! しらないどぉ~、れみりゃのきらいなものいらないどぉ~!!!」 先ほどまで、散々悪態をついていた方のれみりゃが謝った。 ふてぶてしい分、こういう時も取り合えず謝っておく。 それで今まで昨夜は許してくれたから。 「そうですか、では分からなかったこっちは、お仕置きですねぇ」 一瞬で衣服を剥ぎ取り裸にする。 対するれみりゃは自分が自由になったのだと思い昨夜に抗議し始める。 「うわーーーれみりゃのぼーじがーー!! ふぐがーーー!!! ざぐやー!!! はやぐがわりのものもっでぎでーーー!!!」 意にもかけずに淡々と作業をこなしていく咲夜、泣き叫ぶれみりゃを一先ず洗う。 「う~~♪ おふりょ~♪ おふちょ~♪」 次に首から下を大型フードプロセッサー入れて固定する。 他の材料も既に入っている。 「う~♪ あったが~い♪ きれいにゃおふろ♪」 先に温めた牛乳を入れておいたので、まだお風呂だと勘違いしている。 「それではこれからおっきなプリンをお作りしますね」 勿論それは貼り付けになっている方に言ったのだが、自分が言われたと勘違いしているらしい。 「う~♪ ぷっでぃーん♪ ぷっでぃーんたべどぅ~♪」 スイッチをオンにする咲夜。 勢いよく材料を細かくしていく機械。 「うわーーー!!! れみりゃのがらだがーーー!!!」 そして泣き叫ぶれみりゃ、透明な容器なので自分の様子がよく観察できる。 綺麗に混ざった所で首だけになったれみりゃに舐めさせる。 「美味しいですか?」 「うーーーー!! ! う~、ぷっでぃん♪ ぷっでぃんおいしい♪」 「それは良かった」 「!! うばーーー!! ぼっ、ざ、ぼこっ……ーーーー!!!!」 首も入れて再度スイッチオン、何か言いたそうだったが気にしない。 その後は時間を操作してあっという間に出来上がったバケツ一杯のプリン、所々茶色になっているがなかなかおいしそうでもある。 「はい! れみりゃさま、ぷりんですよ!!!」 だが、れみりゃは答えない、馬鹿でアホで頭の殆どがプリンより緩いれみりゃでも、目の前でまじまじとお友達が調理されていくのを見たら、今このプリンには何が入っているのか位理解できるからだ。 「どうしたんですか? 食べないんですかれみりゃ様?」 「れみりゃいらない!!! そのぷっでぃんいらない!!!」 口からも鼻からも肉汁を滴らせながら、れみりゃは懸命に叫んだ、思い出すのはさっきまで一緒に遊んでいた友達のこと、お昼に仲良くプリンを食べたことだった。 「そうですか? 好き嫌いはいけませんよ?」 その思い出の最中、自分のお腹に激痛が走る。 慌てて自分のお腹を見ると、咲夜がプリンをせっせと中に詰めていた。 引き裂かれた自分の中に。 「うーーー!!! いだいよーーー!!! ざぐやーーー!!! ずぎぎらいじないがらさっさどやめでぇーー!!!」 れみりゃ初めての心からの謝罪。 だが。 「大丈夫ですよ、あなたはこれから料理になるんですから。もう好き嫌いしなくていいんですよ」 食べ物に耳を貸す人間は居ない。 紅魔館の門番は夜寝をしていた。 勿論昼寝と同じノリである。 先ほど、頭にグンニグルを叩きこまれて一旦は起き上がったが、レミリアが出かけてくると言い残して去っていくとまた寝始めた。 そして今度は銀のナイフが突き刺さる。 「!!!! って咲夜さん。幾らなんでも銀のナイフは痛いですって!!!」 「寝てるほうが悪いんでしょ。ほら、夕食を持って来てあげたわ。あなた夕食の時間なのに来なかったから」 そこには籠一杯の中華まん、ふかふかと湯気が立っているそれは先ほどのゲテモノプッディンより遥かに美味しそうだった。 「あ、ありがとうございます。いただきます」 勢いよく、口に運んでいく美鈴、十個ほど口に運んだ時、ふと何か気が付いたようで口を開いた。 「この肉まん、ちょっと甘いのもありますね。でも桃まんみたいでおいしいですよ!!」 そう言って更に口に運んでいく、食べ物は決して好き嫌いしない。 それが美鈴だ。 夜中にコンコンと戸を叩く音が聞こえた。 村長かと思って扉を開けると、紅魔館の主が威厳たっぷりで立っていた。 「!! すっすみません!! どうか命だけは、せめて妻子だけは!!!」 必死で土下座する。 あーやっぱりこうなったか……博麗の巫女もどうなっても知らないとは言っていたが。 ……無念。 「ちょっといいかしら?」 「はっはい!!!」 俺は一帯どうなるんだ、血を吸われるのか? それとも串刺し? もしかして食われる? 「家の食料が迷惑をかけたわね、これはそのお詫びの印よ。ありがたく受け取りなさい」 へ? 目の前には一か月分は下らないかというお金が置いてあった。 「それじゃあ、私はあんたと一緒に居た人間の所に行かないと行けないからこれで失礼するわ。 そうそう、また家の食料が悪さをしたら遠慮せずに味わっていいわ。何か言われたら私がそう言ったって言えばいいから」 「はい。しかとこの耳聞き届けました!! 偉大なるレミリアスカーレット様!!!」 優雅にその場を後にするレミリア様に(自分の生命のとこも含めて)感謝の言葉を述べる俺。 やはり紅魔館の主様は人智を超えて聡明な智を得ていらっしゃる。 そして、博麗の巫女に相談して本当によかった。 そうだ、このお金の半分は神社に寄付しよう。 翌日、大量のお金を受け取った巫女はこれで一年間暮らせるわ、とおっしゃっておりました。
https://w.atwiki.jp/doroboumama/pages/6369.html
お茶会奥旦那 707 :名無しの心子知らず:2010/11/22(月) 16 52 49 ID JqSBMO/7 解決した事案です。 はき出させて下さい。 長男で田舎暮らしの俺は、窮屈な実家から飛び出して 町で働いていた。 嫁と結婚すると決まり久しぶりに両親と会ったとき 「長男なんだし、実家に戻ってこないか? 田舎から仕事に通わないか?」と打診してきた。 俺は困った。田舎にはしがらみが多すぎて俺は苦手だった。 困っている俺を見て、嫁は俺が返事するより早く、 「仕事も通えない距離じゃないし、親孝行してあげて」 と実家で暮らすことを俺に言ってくれた。 親は大変喜んで家をリフォームして、2世帯住宅にしてくれた。 俺には妹が3人いるんだが、親も妹達も俺みたいな男に 結婚してくれる女性がいることを喜んでくれ、近すぎず遠すぎずの 関係を築いてくれた。 708 :名無しの心子知らず:2010/11/22(月) 16 53 13 ID JqSBMO/7 引っ越してからは、嫁はその持ち前の気さくさで近所の 奥さん呼んでお茶会したり、田舎の生活に溶け込んでいった。 親もそんな嫁を周囲に自慢して、4人目の娘のように扱ってくれた。 そんな生活が5年間ほど続き、何人もの奥さん友達が出来た。 俺も休みの日にはお茶会に参加して、仕事場の近くのケーキを 差し入れしていた。 手先が器用な嫁は、自分で作ったケーキをお茶会に 出すことが良くあった。 特にチーズケーキを作るのが大好きで、俺には良く判らないが 何種類かのチーズをブレンドしていた。 ブルーベリージャムを作ってそれをチーズケーキに入れた ってのがおいしかったな。 709 :名無しの心子知らず:2010/11/22(月) 16 53 38 ID JqSBMO/7 ある休日の朝、キャラメルシフォンケーキを作り終え、 コーヒーを飲んでいた嫁が突然いびきをかきながら寝込んだ。 いくら揺すっても起きない。 前に聞いたことがある。脳梗塞かもしれない。 慌てて救急車を呼び、MRI撮ったり、ICUに入ったり、とにかく 嫁の名前を呼び続けた。 親もかけつけ、皆で嫁を心配していた。 が、残念ながら10時間ほどして亡くなってしまった。 静脈に血栓ができ、それが脳にまで回り詰まったそうだ。 元々心臓に疾患があったのだが、それが原因かはわからない。 今でも悲しくてたまらない。 何をして良いのかもう良く判らなくなり、実感も無い。 泣き叫ぶことも出来ずとにかく呼吸が苦しくて、何かしていないと 頭がおかしくなりそうで、何を思ったか一端帰宅することにした。 自宅に戻ると、部屋が荒らされていた。 嫁が気に入っていた黄色いコートが、UGGのブーツが 切り裂かれている。 嫁が作ったはずのシフォンケーキが食い散らかされている。 嫁に親が譲った真珠のネックレスがちぎれてばらまかれている。 今までこのスレ見てたけど、びっくりしたときって 本当に声でないもんだな。 嫁と仲良くしていた奥さんが、その真ん中で血を流して 倒れて呻いている。 知識も豊富で頼りになる、この辺のリーダー的存在のAさんだ。 731 :名無しの心子知らず:2010/11/22(月) 17 27 31 ID JqSBMO/7 俺はAさんを起こしながら救急車と警察、 Aさんの旦那に連絡をした。 救急車の中で、嫁は死んだけどこの人は生きてるんだなとか、 ぼーっと考えていた。 嫁と同じ病院に着いて、何が何だか訳がわからず、とにかく うろうろしていた。 近くで親父とお袋、妹たちが号泣しているんだが、そこに行って 説明する気にも、一緒に泣く気にもなれなかった。 Aさんは幸い転倒時に頭に傷が出来て、その血を見て びっくりしたショックで気を失っていただけらしい。 嫁が亡くなったことを言った方がいいんだろうな とぼんやり思いながら、看護婦に面会を申し込んだ。 Aさんは話が出来る状況ではなかったので、すぐにやってきた 警察に取りあえず任せた。 732 :名無しの心子知らず:2010/11/22(月) 17 28 17 ID JqSBMO/7 以下は聞いた内容。 Aさんは、お茶会にみんなで来たら、誰もいないので 皆で上がり込んだ。 携帯に電話してもつながらないのでしばらくした後 どうしたんだろうねぇとお茶会を解散し、帰宅した。 Aさんはその後買い物に行くために出かけると、うちに 電気が付いているのが見えたらしい。 電話しても連絡が付かなかったから心配していたAさんは、 どうしてたのー?心配してたのよ?何かあった? と、玄関で声をかけてくれたらしい。 返事が無いのでおかしいと思ったAさんが、 「お邪魔しまーす」と上がったところ、 台所からBが飛び出してきたらしい。 Bも、お茶会のメンバーだった。もうこっからさきはご想像通り。 Bは「今の内にあんたも早く盗んどきんさい。 なんか俺家は全員病院行ってまだ戻ってこれんじゃろうけんね」 といやがるAさんを引っ張り俺と嫁の寝室へ。 止めろと制止するAさんをふりほどいて、箱からブーツを出したり サイドボードの中からネックレス引っ張り出したり、クローゼットから コート出したり。 Aさんは訳がわからず部屋の真ん中で金切り声を上げて Bを止めようとしていたらしい。 (隣の家から離れているため、残念ながら声は届かなかったみたいだ) BはAさんの声にいらだったらしく、台所から包丁を持ち出し、 嫁の大事な、気に入っていた物を、刺して、裂いて。 Aさんはその時に恐ろしくて逃げようとしたときにつまづいて転倒し、 頭から血が出ているのを見て気が遠くなったらしい。 733 :名無しの心子知らず:2010/11/22(月) 17 28 34 ID JqSBMO/7 Bは現在檻の中。 B家は周囲の視線に耐えられず、引っ越しをしていった。 お茶会のメンバーはみんな悲しんでくれて、嫁の形見を 引き取って貰った。 Aさんには嫁の形見の「ケーキ作成キット!」と大きく書いてある箱を そのままお渡しした。 さっき、全てが終わった記念に、ケーキ作成キットから できあがった嫁のレシピ通りのシフォンケーキを頂きました。 多分、倒れた時のシフォンケーキの味がして、本当に今まで 涙が出なかったんですが、Aさんの前で号泣してしまいました。 とても、嫁と同じ味がして、甘くて、苦くて、おいしかったです。 途中時間が空いてごめんなさい。 734 :名無しの心子知らず:2010/11/22(月) 17 31 58 ID YF0kLbhM 乙、居るんだなこんなふうに付け込むやつ 最低だね 735 :名無しの心子知らず:2010/11/22(月) 17 33 12 ID OkFwC94Z 乙。 他に気の利いた言葉が見つからない。ごめん。 736 :名無しの心子知らず:2010/11/22(月) 17 33 54 ID NvxvJowq 吐いてスッキリするなら乙。 737 :名無しの心子知らず:2010/11/22(月) 17 34 33 ID Hd5zuh3W うわー。。。 大変だったね。奥様のご冥福をお祈りいたします。 753 :名無しの心子知らず:2010/11/22(月) 17 45 20 ID JqSBMO/7 支援、みなさんありがとうございました。 嫁が好きだったコーヒー飲みながら、改めて仏前に報告してきます。 重たい話をしてすいませんでした。 はき出したかっただけなので、本当にごめんなさい。 友人にも言えなかった事なので、感謝します。 お茶会ですが、今後Aさんが引き継いでやっていただけるそうで、 明日の休日にはお邪魔する予定です。 ただ、私が参加すると思い出話が多くなって皆さん辛くなって しまうと思うので、明日を最後に気持ちを切り替えようと思います。 愚痴聞いていただき、ありがとうございました。 761 :名無しの心子知らず:2010/11/22(月) 18 24 35 ID 05nFYylk 753 Fさんですよね?あの時は本当にお疲れ様でした。 一年半もの長い間、気丈に振舞われており、夫婦共々 心配しておりました。 明日のお茶会は、Sちゃんさよなら会ですので、想い出話 沢山しましょう。 764 :名無しの心子知らず:2010/11/22(月) 18 56 35 ID qxLhg1+K なんだよ、 761さんは 753氏の奥さんの仲間かよ 明日は思いっきり泣いて、思いっきり笑いやがれ 姿の見えない人もその場に参加してるはずだから悪口には要注意だよ。 その人の為のお茶とケーキを用意してあげるのかな? なんだか目から肉汁があふれてきやがった 765 :名無しの心子知らず:2010/11/22(月) 19 10 07 ID rLxuNfRy 764 ストーブに当たり過ぎじゃないのか? 783 :名無しの心子知らず:2010/11/22(月) 23 14 39 ID JqSBMO/7 もう出てくる気は無かったのですが・・・蛇足でごめんなさい。 761 はいそうです。Fです。 (編集注:名前がでましたので伏せさせて戴きました) どなたかは判りませんが、ありがとうございます。 怒り狂って、荒らされた部屋を破壊しようとしていた俺を 止めてくれた旦那さん達。 嫁の破壊された遺品を、全く動けなくなっている俺、家族の 代わりに整理して下さった皆様。 葬儀の手配や台所仕事はお茶会メンバーが総出でやって下さいました。 通夜の席で、感情が全く湧かなかった俺の代わりに嗚咽して頂いた皆様。 示談を拒む俺に、何度も弁護士を紹介してくれたAさんの旦那さん。 俺を元気づけようと、弁護士が決まった日の夜に嫁の持ちネタで 歓迎してくれたお茶会メンバー。 リアルにorzしてごめんなさい。 外でもあの人はやっていたんですね・・・。 でも、あの時は本当に嫁がそこに居るみたいで、心の底から笑いました。 (嫁の持ちネタは、俺のパンツを自分が履いているパンツの上に履いて、 スカートを茶巾にして紙に書いた目玉を茶巾に貼り、踊り狂った後で ひっくり返るという芸です。下品でごめんなさい・・・) 俺は、あんな素敵な楽しい人と結婚出来て、本当に幸せでした。 田舎でも楽しくやれたのは、あの人のお陰でした。 今元気でいられるのも、あの人の交友関係が基礎となっています。 明日言えば良いのですが、口から出すと嘘っぽくなってしまうので・・・。 この文章をそのまま手書きしてお渡しします。 それでは、お休みなさい。 784 :名無しの心子知らず:2010/11/22(月) 23 19 53 ID c7MFYfII 泣いた 奥さま、楽しい人だったんだね・・・ 786 :名無しの心子知らず:2010/11/22(月) 23 27 21 ID chdsjyuE Fさん・亡くなられた奥様・Fさんの御家族が、 地域の皆さんに愛されて、且つ、愛されるような方々だったことが 文章から伺えます。 それだけにBの糞っぷりが際立ちますね。 次のお話→教会フリマ奥(742)
https://w.atwiki.jp/ffdialog/pages/92.html
行方不明の「エピキュリアンズ」団長。 港へ行くと言ったまま戻らないのだという。 一体どこへ行ってしまったのだろうか? Ulamaal あ、あんたはこの間の…… なぁ、冒険者さん ウチの団長、どこかで見かけなかったか? Qutiba 実は団長が行方不明なのよ。 あの日、港に向かったまま戻らないの。 Qutiba ……船に乗って どこかへ行ってしまったのかしら。 Ulamaal いや、それはないよ。 あの人、船酔い激しいから。 Qutiba ああ、そうだったわね。 Qutiba そういえば、ウラマール。 Ulamaal ん? 何だ? Qutiba アタシね、 気になってることがあるの。 Ulamaal まさか、 「食べ物が目の前で消える」 なんて言うなよ? Qutiba え!? ウラマールも見たの? Ulamaal やっぱり、そうか。 団長の仕業に違いないな。 Qutiba ウラマールもそう思う? でも、何かの事件に巻き込まれていたとしたら? Ulamaal 事件ねぇ。 それを言ったら、あの人自体が事件だよ。 まったく世話の焼ける。 Ulamaal そうだ、あんた。 団長探すの手伝ってくれないか? Qutiba お願いできないかしら? アタシ達、料理に関すること以外は てんでダメなのよね。ましてや、この広い アルザビで人探しなんて……。 手伝わない 手伝う Ulamaal おお! 手伝ってくれるか! 探す方法はあんたに任せるよ。 頼んだぜ! Qutiba 団長のことだから、 きっと食べ物の近くにいるハズよ。 よろしくね。 Ulamaal そういえば ウィンダスからきた料理人が、 辺民街のどこかにいたっけ。 なにか情報が聞けるかもな。 Fochacha おや、あんたかい。 元気そうだねえ。 Topok-Hippok あ。 Fochacha 「あ。」じゃないよ! おまえって子は! Fochacha 礼の一つも言えないのかい? お世話になったんだろ? Topok-Hippok ……お世話になりました。 Fochacha まったく。 愛想の無い子ですまないね。 こんな風に育てた覚えはないんだけどね。 Fochacha で、私に何か用かい? Fochacha 何だって? あの、カボチャ頭のガルカが行方不明? Fochacha どうだろうねぇ。 あれ以来、見ていないけれどねぇ。 Topok-Hippok カボチャ頭なら…… 消えちまったよ。 Fochacha 消えた? それ、どういう意味だい? Topok-Hippok 文字どおりだよ。 消えちまったんだよ、あの日。 オバケみたいにスウっとね。 Fochacha まさかおまえ……。 Topok-Hippok な、何もしてねぇよ。 香りも味も、そのまんまだったろ? Fochacha 何かしたんだね? Topok-Hippok あ、あのガルカが! 半分以上使っちまったから。ふ、増やしただけだよ。 調合して……。 Fochacha 調合!? もしかして、錬金術かい!? Fochacha また錬金術の真似事なんかして! Fochacha こともあろうに、 食材を錬金術の真似事に使うなんざ、 料理人として失格だよ!! Topok-Hippok う、うるせえやい! 百烈拳 Topok-Hippok うう。オレは調理なんて、 勉強したくなかったんだよう! Fochacha だっておまえ。 嫌だって、言わなかったじゃないか。 Topok-Hippok 言ったよ! 聞かなかったのは、母ちゃんじゃないか!? Fochacha どっちにしたって、 食材を錬金術の材料に使っちまうなんて、 私の子じゃないよ!! Topok-Hippok オ、オレだって! 錬金術を認めてくれない母親なんて…… いらねぇよ! Fochacha まったく。どうしてまた、 錬金術なんてやりたがるんだろうねぇ。 調理の素晴らしさが、なんで解らないのかねぇ……。 Fochacha ちょっと、言いすぎたかねぇ。 あの子のあんな真剣な顔……。 初めて見たよ……本気なんだねぇ。 Topok-Hippok 何しにきたのさ。 母ちゃんと話してたの見てただろ? 放っておいてくれよ。 Topok-Hippok 母ちゃんは 昔からあんな感じでさ、 調理のことしか目に入ってないんだ。 Topok-Hippok 錬金術なんて、 調理よりつまらないって決め付けてるのさ。 Topok-Hippok オレ、本気で錬金術をやりたいんだ。 だから、こうして独学で今までやってきたんだ。 Topok-Hippok あの時、 プリズムパウダーの効果を うまく消したつもりだったんだけど、 他の材料の分量を間違えて……。 Topok-Hippok オレのせいで、 「インビジ」の効果が消えないでいるんだ。 Topok-Hippok もし…… あのカボチャ頭が横取りしなかったら、 冒険者さんが、食べていたんだよな。 Topok-Hippok ……ごめんよ。 Topok-Hippok よし! アイツを元に戻してあげなきゃ。 Topok-Hippok 冒険者さん。 オレ、カボチャ頭が消えちゃってから、 あちこち聞いてまわったんだ。 Topok-Hippok 聞いた話だとこの近くにある ワジャーム樹林に、虹苺がなってるんだ。 Topok-Hippok 眼に見えない果実だけど、 たまーーに、見つける人がいるんだって。 Topok-Hippok 見つけた人が、 その場で口にしたとたん。 Topok-Hippok インビジが急にきれて、 周りのモンスターがいっせいに…… Topok-Hippok 他にも効果があるらしいけど、 きっとこれでカボチャ頭を戻せると思うんだ。 Topok-Hippok お願いってのは、 その虹苺を取ってきてほしいってことなんだ。 Topok-Hippok オレも調べた後に行ってみたけど ……見つけられなかったんだ。 でも、冒険者さんなら見つけられるかもしれない。 Topok-Hippok オレはその間に、 あのカボチャ頭を誘き寄せてみるよ。 美味しそうな香りの料理を使ってね。 Topok-Hippok うまくいったら、 カボチャ頭の仲間がいる茶屋へ連れていくから、 そこで落ち合うことにしようよ。 Topok-Hippok じゃ、よろしくね! また後で! === Area Wajaom Woodlands === だいじなもの 虹苺を手にいれた! Qutiba ああ、冒険者さん。 トポクヒッポクから聞いてるわ。 Qutiba 団長を助けるために、 虹苺を取ってきてくれたのね。 Ulamaal トポクだ、 戻ってきたぞ。 Ulamaal 団長はどこだ? Maudadt クティーバ、ウラマール。 心配かけたの。 Qutiba 団長!? ここにいるんですね? Topok-Hippok 特別に仕入れて焼いた、 肉汁したたるワイルドステーキしかけたら、 一発だったよ。 Topok-Hippok あ! 虹苺が見つかったんだね!? やっぱり、冒険者さんに任せてよかったよ。 Topok-Hippok ありがとう。 これで、すぐに元に戻すことができるよ。 Topok-Hippok ちょっと待ってて、 こいつを絞ってと……。 Topok-Hippok よし、できた。 ぐいっと一気に飲みなよ。 すぐに姿が現れるはずさ。 Maudadt グッフォオ!! 熱い! 身体が燃えるようだ!! 何じゃ、この果実は!? Qutiba 団長! だっ大丈夫ですか!? Maudadt グッフッフ。 冗談だ、クティーバ。 ワシは元気このうえないぞ。 Ulamaal 団長! ご無事で何よりです!! Maudadt 小僧、世話になったの。 Topok-Hippok あああ! カ……カボチャがない! Maudadt カボチャ? ああ、あの帽子か。 どこかでなくしてしもうた。 Maudadt さて、まーた腹が減ったのう。 何か食ってくるでよ。グッフフ。 Topok-Hippok あんな顔だったのか……。 Topok-Hippok あ、母ちゃん。 Fochacha 全部見ていたよ。 よくやったじゃないか。 Fochacha トポクや。 錬金術の真似事で、他人様に迷惑かけるぐらいなら、 ちゃんと錬金術ギルドで勉強おし。 Topok-Hippok じゃあ……!! オレ、錬金術やっていいんだね!? Fochacha おまえの人生さ、好きにおし。 Topok-Hippok ううう。 オレのほうこそ、生意気言ってごめんよ。 Topok-Hippok オレ、決めたよ。 母ちゃんを手伝いながら、錬金術を勉強する! Fochacha おまえって子は! 泣かせるじゃないか……。 百烈拳 Fochacha あんれまぁ。 ちょいと力が入りすぎちまったよ。 Qutiba あの…… 感動してるところ失礼ですが、 よろしいかしら? Qutiba よかったら、 私達、「エピキュリアンズ」と一緒に、 活動しませんか? Ulamaal 俺達は泣く子も黙る食通さ! 1に食べて、2に料理。 3・4が栽培、5に食べるんだ! Ulamaal まぁ、普通は3・4がなくて…… と続くわけだが、そこはあえて「栽培だ」! Ulamaal 俺は栽培が得意なんだが、 いいか? 栽培ってのは土が命だ。 「選ばれし土を求めよ、されば与えられん。」 とまぁ、こういった名言が…… Qutiba ふふふ、ウラマール静かにして。 アタシ達は日夜、新しいレシピの開発に すべてを捧げる美食家なの。 Qutiba あなた達の故郷の料理も、 ぜひ取り入れていきたいのよ。 Fochacha なるほど、腕が鳴るね。 ぜひ、一緒にやらせておくれ。 Qutiba トポク、 あなたの行動力にも期待しているわ。ぜひ、 アタシ達のレシピ開発に協力してほしいの。 Topok-Hippok オ……オレ? オレに出来ることでよければ、 力になるよ。 Ulamaal 頼もしい仲間が増えたぜ。 よろしくな、お二人さん。 Qutiba ようこそ、 「エピキュリアンズ」へ。 よろしくね。 Topok-Hippok よ、よろしく。 Fochacha こちらこそ。近東の食材については、 わからないことだらけさ。いろいろ教えとくれ。 Fochacha さぁて、今日のところは 帰ることにするよ。 Fochacha あんたにも、 本当に世話になったね。ありがとう。 Ulamaal そうだ。 あんたにお礼しなきゃな。 Qutiba ちゃんと考えてあるのよ。 Qutiba これよ。 きっと、あなたの役にたつわ。 Ulamaal また、 遊びに来てくれよな。 ごちそうするぜ。 アトルガン白銀貨を手に入れた。 Qutiba お世話になったお礼に アタシたちが書きためたレシピの中から なにか1つ、あなたに教えてあげるわ。 Qutiba いくつかあるのだけど ウラマールは「秘伝」にしたいみたいなの。 だから、教えるのは少しずつね。 Qutiba しっかり聞いてね。 今回あなたに紹介するのは、そうね。 これがいいわ。ローストコーヒー。 Qutiba レシピをいうわね。 加工には、炎のクリスタルを使うわ。 必要な材料は、コーヒービーンだけよ。 Qutiba あとはあなた次第。 ぜひ1度、チャレンジしてみて。 Ulamaal 世話になりっぱなしじゃ エピキュリアンズの名が泣くってもんだ。 Ulamaal 俺たちが日々、食の追及で 生み出した「秘伝のレシピ集」からどれか1つ。 特別、あんただけに教えてやるよ! Ulamaal なにを教えるかは 俺の気分次第だけどな。聞くかい? Ulamaal その言葉を待ってた! 今回のお題はズバリ、バルックシシだ! Ulamaal レシピをいうぞ。 加工には、炎のクリスタルが必要だ。 こいつの材料はだな。カザムがらし、 マウラのにんにく。それと、ブラックペッパーだ。 Ulamaal まだあるぞ。 岩塩、ミスラントマトだろ。 それとクルチュバルウだ! Ulamaal どうだ! しっかりと頭に叩き込んだか? 叩き込んだらあとは、実践あるのみだ! Fochacha この国の料理を あたしなりに研究してるところさ。 あっちじゃなかった食材もたくさんあるからねぇ。 料理の世界はまだまだ奥深いよ。 Fochacha トポクなら錬金術を 基礎からギルドで学び中さ。 あたしも、母親としてがんばんなきゃねぇ!