約 374,238 件
https://w.atwiki.jp/fate_follow/pages/18.html
言峰神父はGMの分身として聖杯戦争をコントロールします。 彼の仕事は以下になります。 1、アナウンス 参加者や観戦者全体に向けてアナウンスをします。 特筆すべき大きなイベント、または戦闘について報告します。 例:「昨晩は『地の一族の邸宅』にて、ライダーとキャスターが交戦したようだ」 例:「昨晩、何者かによってバーサーカーのマスターが殺された。冥福を祈ろう」 例:「昨晩は『郊外の古城』にてアサシンとランサーが交戦したようだ。そしてランサーの霊基が消滅したのを確認した」 2、アイテム配置 言峰神父はアイテムが配置されていない場所に、ランダムでアイテムを配置していきます。 特に聖晶石については、配置した場所を明言します。 1日目のみ、聖晶石の代わりに『聖杯の器』を設置した場所を明言します。 聖晶石は、誰の本拠地でもない場所を優先して配置されます。 例:「アイテムの配置が完了した。今回は『駅前』に聖晶石を配置した。求めるならば向かうが良いだろう」 例:「アイテムの配置が完了した。ふふふ。喜べ。今回は『繁華街』と『河川敷』に聖晶石を配置したぞ」 3、愉悦行為 言峰神父は聖杯戦争が面白くなるならば、倫理観や公平さなど無視するでしょう。 具体的には勝利条件に近づいたり、大きなアクションを起こしたプレイヤーのことを通知します。 例:「ふふふ。ライダーのマスターが勝利にまた一歩近づいたようだ」 例:「バーサーカーのマスターが深手を負ったようだ。その命は風前の灯と言えよう」 4、討伐動議 言峰神父も一応は聖杯戦争の秩序を守る立場です。 あまりにも無法を繰り返すマスターには討伐指令を出すことがあります。 討伐対象となったマスターに対して情報を公開したり『脅迫状』を使用したりします。 また討伐の報酬として令呪の補充を提示したりします。 ただし討伐動議は、愉悦行為やイベントと組み合わせて使用されることもあります。 対象となるのが罪深きものとは限りません。 5、イベント 聖杯戦争の膠着状態を解消するため、または彼自身の楽しみのためにイベントを用意します。 例:「明日の夜。『ありふれた高校』にやってきたマスターには失った令呪を一つ補充しよう。 ただし、その場所を訪れたサーヴァントは全て【戦闘方針】「決戦」になるようにしておいた」 例:「明日の夜。私は『新都市エリア』のどこかに現れる。私を見つけたマスターには聖晶石を2個譲ろう」 6、聖晶石とアイテム交換 マスターは手に入れた聖晶石を「重要」カテゴリ以外の好きなアイテムと交換できます。 好きな時に言峰神父に申し出れば、即座にアイテムが渡されます。 7、脱落したマスターの保護 サーヴァントを失ったマスターは、教会での保護を申請することができます。 保護されたマスターは生存した状態で、ゲームから脱落する扱いになります。 保護を申請せずにマスターのみで聖杯戦争を継続する選択肢もあります。 8、マスター同士の連絡 この聖杯戦争はマスター同士の連絡に特に制限は設けていません。 なので裏で密約を結んだり、それを裏切ったりすることはルール違反になりません。 しかし見知らぬマスターと連絡を取るのが憚られる場合もあるでしょう。 その場合は言峰神父に伝言を頼んでください。言峰神父があなたの代わりに相手マスターへ連絡をします。
https://w.atwiki.jp/2jiseihaisennsou2nd/pages/408.html
夜の始まり ◆HB/kaleido 夜明けまでまだしばらくの猶予を残した薄暗がりの夜。 住宅街を歩くのは、本来であればこのような時間寝ているべき程の年齢だろう少女。 しかしそんな時間に出歩くことを怖いとは思わなかった。 これまで、こんな夜中に外を出歩くことなどよくあったことだ。 だが、今はそれだけではない。 もしかすれば何者かに襲われるのではないか、という思いもあったのだ。 『周囲の探知が終わりました。これといって怪しい者は見受けられません』 「ありがとう、サファイア」 襲う者がチンピラ程度ならばいい。 むしろこの場合はチンピラの方を心配した方がいいだろう。 問題は、それが特定の人間であった場合。 今の自分と同じ。サーヴァントを連れた魔術師、マスターであったならば。 思い起こすのは、先の戦いで襲ってきたあの槍を持った英霊。 ランサーとの戦闘経験がない美遊にも、あれが黒化英霊とは別格の存在であったことはすぐに分かった。 そして、それを倒した、今自分が連れている存在の強さも。 彼はあの戦い以降何も語ろうとはしない。 幾度か話しかけたものの、一向に口を開こうとはしなかった。 それも仕方のないことだろう。彼はただの英霊ではない。 バーサーカー、狂戦士。 強さを得ることと引き換えに理性、知性を奪われる戦士。 かつて戦ったあの大英雄の力がその強大さを表している。 理性を失う。それは言わば黒化英霊達も似たようなものなのかもしれない。いや、彼らは最初からなかった、というべきか。 だが、それでもその黒化英霊と今自分が連れている狂戦士。彼らを比べた時、強さ以外の決定的な違いを美遊は知っている。 たった一つ。自分を守ってくれたあの瞬間、美遊はこの狂戦士から強い意志のようなものがあることを感じていた。 (―――聖杯、戦争…) サファイアがアンテナのようなものを立てて周囲から受信した情報。 そこには、今何が起こっているのかが明確に記されていた。 英霊をサーヴァント(使い魔)として使役し覇を競わせる魔術師の殺し合い。 大まかに言ってしまえばそうであるが、詳細を聞くまでもなく聖杯戦争が何であるかなど美遊は理解していた。 サファイアはそれがかつてイリヤの母、アイリスフィールから聞いた情報故であるだろうと思ったようだが、実際はそれ以上の情報を知っている。 だって、それまで”聖杯”を奪い合うその戦いを幾度となく見てきたのだから。 「ここは…ルヴィアさんの…」 やがてたどり着いた住宅街の中にあった豪邸。 それは自分の義姉であるルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトの邸宅。 この一ヶ月ほどの間に、自分の家のようになっている場所だった。いや、実際自分の家と言ってもいいのかもしれないが。 『このようなところまで再現されているとは』 「ルヴィアさん、いるのかな…」 静かに門を開く。 特に門限が決まっているような生活は送っていないためこんな深夜に出歩いたとしてもそんなに厳しい罰が待っていることなどない。少し怒られるかもしれないとは思うが。 だが、それは別として今はルヴィアには会いたくなかった。 この空間がどういう場所なのかもサファイアのおかげで大体は把握できている。 聖杯戦争を争う魔術師が集まっている場所であるが、それ以外にもNPCなる存在がそれぞれ日常生活を送るように再現されている。 そんな日常の中から、誰が魔術師なのか探し出し戦わせるのがこの聖杯戦争なのだろう。 実際、今の自分には海月原学園小等部の生徒という立場が与えられているらしい。 つまりだ。この場所にいるのであればルヴィアもまたNPCである可能性が高く、もしそうでないならばあの人とも戦わなければならない。 NPCであったならば。この聖杯戦争で日常を演じるための存在として作られた存在であるということだ。そんな気遣いなど、不要どころか吐き気がした。 マスターであったならば。確かに彼女ならば自分を殺すことなどない、と思う。だが万が一にでも争わねばならなかった時、あるいはあの人が死ぬようなことがあった場合は――― ゆっくりと扉を開けるも、ルヴィアも執事のオーギュストも眠っているのか出迎える者はいなかった。 考えてみればそうだろう。この時間、”普通なら”皆眠っている時間だ。 「………」 可能な限り物音を立てぬように、しかしできるだけ急いで歩き。 自室の扉を開き、ベッドの上に身を投げ出す。 いつものベッドだ。何の代わりもない。 ここで眠って目が覚めれば、きっと全ては夢で。 朝になったらイリヤやクロと一緒に学校へ行って授業を受けて。 これまでと何の変わりもない日々に戻れそうな、そんな錯覚すらも感じてくる。 だが、これは夢ではない。 霊体化しているとはいえその気配だけは感じ取れる自分のサーヴァントの存在がそれを証明している。 ならば。 「サファイア、出発する。手伝って」 『出られるのですか?美遊様』 「この家を戦場にしたくはない」 聖杯戦争にかかる時間はどれくらいだろうか。 一週間か?二週間か?それよりももっとかかるか?あるいは早く終わるか? それ次第では必要なものをどれだけ持ち出すかが変わってくる。しかしそんなことは実際に戦わねば分からない。 幸いなことに、この家でメイドをしていた時にルヴィアさんからもらった給料、お小遣いはほとんど再現されている。小学生に持たせるには過ぎた金額だ。 しばらくここから離れて暮らすとしても生活費としては問題ないだろう。 それに最悪の手段として考えられる野宿にも慣れている。 ふと、服のポケットに入っていたものを取り出す。 海月原学園の学生であることを示す学生証。おそらくは学生の立場を与えられたものには配布されているものなのだろう。 しかし美遊はそれを部屋の隅に投げ捨てた。 『美遊様?』 「学校には、行かない」 『…よろしいのですか?もし学校に関わる者にマスターがいた場合は怪しまれることになりますが……』 「分かってる。でも、行きたくない」 もしかすれば学校にいけばイリヤやクロ達に会えるかもしれない。 マスターとしてか、あるいはNPCとしてか。 しかしどっちであったとしても、会いたいものではなかった。 マスターであったならば言わずもがな。NPCであったならばイリヤ達が巻き込まれていないことの証明になるが、ならばその顔を見るのは尚更辛い。 正直なところ、聖杯戦争の片手間に日常を送るなど、そこまで器用なことはできそうになかった。 かつて、自分を求めてクラスカードを用いて争う魔術師達の戦いを、別の聖杯戦争を見てきた自分には。 もし今の状態で学校に行っても平常心でいられるとも思えないし、そうなれば他者にマスターとばれるのも時間の問題だ。 ならば、いっそのこと学校行きを止めて、いずれ始まるだろう戦いに備えるべきだろう。 『それが美遊様の判断であるというのなら、私は止めませんが…。 美遊様はこの戦いでどうなさるおつもりなのですか?』 「私は……、できれば戦いは避けたい」 いずれ戦わねばならない時は来るだろう。たとえ時間稼ぎをしていたとしてもいつまでももつとは思えない。 聖杯にかけたい願い自体はないわけではない。 だが、――――――果たして自分が聖杯を求めていいのだろうか? 迷う理由は二つ。 もし聖杯を求めて戦い、他者の命を奪った自分がまたイリヤ達の元に戻ってこれまで通りの生活を送ることができるのかというもの。 他者の命を踏み躙った自分が、果たしてイリヤ達の元に戻る資格があるのだろうか? 割りきってしまえばいいことなのだろうが、それができるほど達観した精神など美遊は持っていなかった。 そして、ここで己の望みのために聖杯を求めて進んで戦うということは、かつて自分を救ってくれたあの人の願いに反するものではないかというもの。 多くの人が聖杯を求めて戦う姿を見てきて、そんな世界とは関わらずに暮らしてほしいと願った兄がいて。 なのにこの戦いで聖杯を求めてしまうことは、その願いを冒涜するものではないのか? 「………」 だが、それでも振りかかる火の粉は払わねばならないだろう。 聖杯戦争であるならば、戦いに積極的なマスター、魔術師は確実にいるのだから。 そう、聖杯を求める魔術師は、必ず。 バーサーカーからの反応はない。 ここでじっとしている間も、霊体化を解くことはなく、しかし自分の傍からも離れることはなかった。 本来ならば、己のサーヴァントといえども聖杯を求める者を手放して信用することはできなかっただろう。 聖杯を求めるのであれば、聖杯戦争をせずとも手に入れる手段があるとするなら間違いなく彼らもそっちを選ぶであろうことは当然考えられることなのだから。 だから、バーサーカーが呼ばれたという事実はむしろよかったのかもしれない。 ただ、そういった前提があったとしても、このサーヴァントのことは信じてもいいのではないか、と。そう思ってもいた。 クラスカードをチェックしたところ、今手元にあるのはセイバーだけ。果たしてこれでどこまでできるかは分からないが。 サファイアに問いかけてみたところ、夢幻召喚は可能だが宝具の解放までは魔力供給が追いつかないという。もし解放すれば命にも関わるらしい。 カードを使う事自体万が一という時にしておいた方がいいだろう。 部屋の中のものをバッグに詰める美遊。 持ち出すものは衣類や非常食。それも可能な限り量は減らす。足りなくなったら買い足せばいい。 と、ふと取り出したのはヘアピンと度の入っていない伊達メガネ。 ヘアピンはともかくメガネは置いた覚えがないものだが、今は使えるだろう。 『美遊様、何をなさっているのですか?』 「たぶん気休めだけど、念には念を入れて」 メガネをかけ、ヘアピンで髪をまとめあげる。 さらに後ろの髪も結び、特徴的なポニーテール状に。 これは昼間外に出ている間にマスターであることがバレた時の保険。 よく見れば見破られるだろうが、少なくとも通りすがりの外見から一目で判断することは難しくなるだろう。 「あとサファイア、外での会話は念話でお願い」 『分かりました。一応魔力で感付かれない程度には周囲の警戒も続けておきます』 これで大体の準備は整った。 外はだんだんと白み始めている。もう一時間もすれば学校に向かうNPCで道は溢れるだろう。 自分のために用意されたであろうこの家、しかしここにはもう帰ってくることはないだろう。 あくまでも自分の帰るべき家は本当のルヴィアさんやイリヤ達の待っているあの家。決してこの家ではないのだから。 そのまま静かに屋敷の玄関に向かう美遊。 「―――行ってきます」 返事をするものに期待をしていたわけもない。 ただ、これからの戦いに向けて、それだけは言っておかねばならないような気がした。 それはこの家に向かってではなく、おそらくは自分の本当に帰るべき場所に向けて。 【B-3/ルヴィア邸付近/一日目 未明】 【美遊・エーデルフェルト@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ】 [状態]健康、ポニーテール [令呪]残り三画 [装備]普段着、カレイドサファイア、伊達メガネ他目立たないレベルの変装 [道具]バッグ(衣類、非常食一式) 、クラスカード・セイバー [所持金] 300万円程(現金少々、残りはクレジットカードで) [思考・状況] 基本行動方針:聖杯戦争から脱する方法を探る。 1.戦闘は可能な限り避けるが振りかかる火の粉は払う 。 2.昼はなるべく人通りの多い場所で戦いに向けての準備を整える。 3.ルヴィア邸、海月原学園には行かない。 4.自身が聖杯であるという事実は何としても隠し通す。 5.聖杯にかけるような願いならある。が、果たして求めることが正しいことなのだろうか…? 【バーサーカー(黒崎一護)@BLEACH】 [状態]健康、霊体化 [装備]斬魄刀 [道具]不明 [所持金]無し [思考・状況] 基本行動方針:美遊を守る 1.??????? BACK NEXT 050 主よ、我らを憐れみ給うな 投下順 052 国と力と栄えとは限りなく汝のものなればなり 043 アンダーナイトインヴァース 時系列順 052 国と力と栄えとは限りなく汝のものなればなり BACK 登場キャラ NEXT 026 美遊・エーデルフェルト&バーサーカー 美遊・エーデルフェルト&バーサーカー(黒崎一護) 069 あなたのお家はどこですか?
https://w.atwiki.jp/2jiseihaisennsou/pages/147.html
な行の用語 【ナミさん】 「らっしゃーせー」 胸のでかい麦わらの一味の航海士・・・ではなく、ペルソナ4の真のラスボス「イザナミ」の事。 仲人スキルEXと云われるムーンセルによる人選が、今回のロワではうまく機能していない事から「ナミさんやQBの仕業では?」と存在を疑われる。 実際に彼女も万能の願望機よろしく「全ての人が願うもの」を探していたため、関連性がなくもない。 ガソリンスタンド等があったらそこの店員を調べてみたらくぁwせdrftgyふじこ しかし、完結編プロローグにその姿を見せなかったため、その存在は否定された。 【二次聖杯三大不遇サーヴァント】 この二次聖杯においては、書き手次第によって強豪や優勝候補があっさり脱落する。ここではそのなかでも特に不遇とされる三人をまとめてみる。 アストレア 能力的にはビームが撃てない代わりに飛行可能なアルトリア。せめて戦闘中の時ぐらいは馬鹿キャラ封印だったら、救いがあったのかもしれない。 セリス そもそもクラス自体間違っていたという、ある意味目を惹く存在。更に相性が悪い相手ばかりとかなりの不遇。キャスタークラスならまだ戦えた可能性があった。 本多忠勝 連戦だったうえに相手がディケイドと自重しないクー・フーリンと、相手があまりにも悪すぎた。どちらかというと「飛行や近接戦闘もできるアーチャー」のとしての召喚のほうが良かった気がする。 …さらにこれら三人より不遇な死体さんとかいうのがいるらしい。 【二次聖杯七不思議】 ここでは、二次聖杯における七不思議を並べておく。 ゼフィールとタイマンして引き分けた陽介 寝てただけでラスボス扱いのまどか 一日経過しても死なない士郎 死んでから人気が爆発したテレサ ステータス表におけるマイナスの存在意義 キャス狐もとい駄狐のいた理由 一部陣営に発生する呪い 【二次聖杯における勢力一覧】 ここでは、スレや本編などで纏められた勢力を並べてみた。 対主催 ルルーシュ、陽介(帰還)、こなた(帰還)、イリヤ(死亡)、凛(死亡)、金田一(死亡)、士郎(死亡)、鉄之介(死亡) 危険人物 雪輝(死亡)、由乃(死亡)、剣司(死亡)、金城(死亡)、出夢(死亡)、小鳩(死亡) マーダー アシュヒト(死亡)、雁夜(死亡)、詩音(死亡)、陸(死亡)、慎二(死亡)、ゼフィール(死亡)、悠(死亡)、まどか(死亡)、切嗣(死亡)、スザク(死亡)、ジョン(死亡) ※おまけ 裏方 綺礼(消滅)、ゼロ、ギルガメッシュ(消滅)、ピースマン(死亡)、若本(いるだけ参戦。本編に顔出し無し) 【二次聖杯幸運四天王】 ここでは本編にて幸運を発揮した参加チームの四天王をまとめてみる 金田一一&太公望 初期位置が柳洞寺、同じく対主催の士郎、ルルーシュと即合流、柳洞寺を狙っていた同盟チームがあっという間に瓦解など地味に凄まじい幸運を発揮している。これが幸運A+の力か… 妲己 聖杯戦争の経験者であり、魔力量が非常に多い当たりマスターである凛を引いて、順風満帆であった。尚、マスターの事は即効で使い捨てた模様。 ワカメ 前回参加した聖杯戦争での敗北をバネに、強力なマーダーチームの結成に成功。その幸運がいつ弾けて消えるのか、読者の関心を非常にそそる。 鹿目まどか&DIO 全く目立たないが並外れた因果量を持つマスターと、単独行動持ち最強のアーチャーのコンビ。指針は違えど戦果は上々。だがDIOが地雷を踏みそうで… 【二次聖杯死亡フラグ四天王】 ここでは幸運不幸関係なく、存在そのものが死亡フラグのキャラをまとめてみる 園崎詩音&美樹さやか 鉄板である。どんな展開に転んでもこの二人が生還するルートが見えない…この二人の死こそがロワにおける一つの区切りになる気がする。 間桐雁夜&トキ 鉄板である。病人コンビでロワと関係のないところで病死する可能性が高かったが、それだけはなかったようだ。死亡フラグは消化済みである。 ワカメ こいつのことだから、きっとそのうちうっかり死ぬと読者たちが心待ちに(?)している。相棒のラオウは死亡フラグが出たり消えたりするキャラなのでそれも見所。 DIO 相棒である鹿目まどか、そして特大の地雷を自ら踏みに行ったことによりどんどん死亡フラグを増していっているキャラ。相棒のまどかは凄まじい生存フラグ臭を纏っているが…? すごい!即死体質の士郎が未だ含まれていない!でもそれ太公望のおかげだと思うよ! 【二次聖杯不幸四天王】 ここでは本編にてあまりの不幸っぷりを発揮した参加チームの四天王をまとめてみる 羽瀬川小鳩 本編にてワカメに拷問され、誰もが納得する不幸キャラ。鯖のキャスターが某ジャンプヒロインならこうはならなかったと思うロリッ☆ 園崎詩音&美樹さやか 住人からの愛され度が高すぎて不幸まっしぐら。絶望ロックがかかっているので魔女化は避けられない…? 遠坂凛 絶対に引いてはいけないキャスターを引いてしまった、ムーンセルによる人選最大の被害者。太公望からもお悔やみの言葉が届いております。 間桐雁夜&トキ 存在そのものが死亡フラグのおじさんと、その不幸パワーから逃れられそうに無い聖人トキ。聖杯戦争関係なく死にそうだが、トキは… 鳴上悠&クー・フーリン あまりに使いやすいコンビだったため、メタ的な意味でロワの犠牲になったコンビ。序盤は幸運四天王だったかもしれない。 四天王なのに…五組いる…!?これなんてクロマティ高校?
https://w.atwiki.jp/girlwithlolipop/pages/98.html
佐倉杏子&アーチャー ◆KQwctnrg6E 少女が逃げる。 顔をくしゃくしゃにして、髪を振り乱して。それはまるで所業を白昼の下に晒された空き巣のようであった。 「はっ、惨めったらありゃしないね。負け犬らしいっちゃらしいけどな」 佐倉杏子はその後姿に侮蔑的な視線と言葉を吐き捨てる。 余程サーヴァントの力が優れていたのか、出会い頭こそ自信満々に死を宣告してくれた高飛車女。 その儚い自身も、彼女のサーヴァントが既に仕留められていた事に気づけば粉々に打ち砕かれた。 天国から地獄。一転し聖杯戦争の敗者となった彼女は無様をさらして逃げるのみとなったのだ。 「……マスターの方は仕留めなくてよろしかったのですか?」 その背後から黒衣の女性サーヴァントが杏子に声をかける。 つがえていた弓に現れる通りにアーチャーのサーヴァントである彼女は、”霊体化を解きながら”弓を降ろした。 「必要ないよ。サーヴァントを潰した時点であいつは脱落者だ。 仮にマスターを失った別のサーヴァントと手を組んだとしてもどのみち頭数は変わりやしねえし、 その可能性を摘む必要があるほどやり手じゃねえのはあの背中を見りゃ一目瞭然だ」 道端に寄せておいた紙袋を拾いながら答える杏子に、アーチャーは「そうですか」とだけ相槌をうち再び霊体化する。 「今日は引き上げる。あんたはともかく、あたしが闇討ちされない保証は無い」 『了解しました』 事務的な口調でそれだけ告げるアーチャーの声を聞き遂げた杏子は踵を返して教会に向かう。 本当ならもういないはずの両親と妹が待つ、その家に。 その後姿を見て、アーチャーは彼女が告げたこの聖杯戦争における目的を思い出していた。 ――あたしは、願望機に頼るのはもう御免だ。 ――かといってこの世界に居残りたくもない。 ――だから、私はこの聖杯戦争を終わらせる。その過程でもし聖杯が手に入ったら、あんたが好きにしろ。 女神の願いに応じて馳せ参じる自分たちとはまるで逆だな、とアーチャーは考える。 佐倉杏子は家族を失った少女だ。 宇宙的存在の誘いに惑わされた彼女は、代償として魔法少女となる事を承諾し父の幸せを願う。 けれどもそれは造られた幸せ。絡繰りを知った父はそれを拒み、願った娘を罵って母と妹を連れてこの世から去った。 それは杏子の心に暗い影を落とす絶望の記憶で。 ゆえに彼女は、あの時とは別の存在といえども願望機を使って願いを叶える事を良しとしなかった。 仮に聖杯を手にしたとして、アーチャーが聖杯が不要と述べれば躊躇なく破壊するだろう。 ――ならば、それで良いだろう。 アーチャーとて、聖杯にかける願いが無かった訳ではない。 「願いによって絶望した」事を聞いたぐらいで杏子の過去を聞いた訳でもない。 けれども、万能の願望機と失った幸せの偽造を嫌ったこの少女の目の前で願望機を望むつもりは無かった。 あの国は、きっとそんな都合の良いものが無くとも平和を勝ち取れる。 それは仕えた国を裏切る事になるだろうか。 それでもアーチャーは、己の望みよりも主の望みを立てる事を選んだ。 何も、今までとやる事は変わらない。主に仕え、影に生きて、影の中に消える。 ただ、戦う相手が変わっただけ。 魔物ではなく人間を相手取る事になったとしても構いやしない。 「……どうした、行くぞ」 『ええ。主命のままに』 一組の主従は闇の中に消えていく。 世界のためでもなく、正義のためでもなく。 ただただ、彼らだけのための戦いの中へ。 【クラス】 アーチャー 【真名】 漆黒の射手リタ@千年戦争アイギス 【パラメーター】 筋力:D 耐久:C 敏捷:B 魔力:D 幸運:B 宝具:C 【属性】 中立・善 【クラススキル】 対魔力:C 第二節以下の詠唱による魔術を無効化する。 大魔術、儀礼呪法など大掛かりな魔術は防げない。 単独行動:A マスター不在でも行動できる。 ただし宝具の使用などの膨大な魔力を必要とする場合はマスターのバックアップが必要。 【保有スキル】 心眼(真):B 修行・鍛錬によって培った洞察力。 窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す“戦闘論理” 逆転の可能性が1%でもあるのなら、その作戦を実行に移せるチャンスを手繰り寄せられる。 気配遮断:B サーヴァントとしての気配を絶つ。 完全に気配を絶てば発見することは非常に難しい。 ただし自らが攻撃態勢に移ると気配遮断のランクは大きく落ちる。 影矢:C 飛び道具を発射した時、その影を二つ目の飛び道具として具現化出来る。 影の発生しない場所ではこのスキルの効果は発動しない。 【宝具】 『隠密の射手』 ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:1人 存在を認知される事なく一方的に弓矢で射抜く、影なる弓兵としての宝具。 マスター、サーヴァント、双方に対し不可視と認識不能を伴い暗殺を試みる事が出来る。 (相手からの攻撃を無効化出来る訳ではない) 具体的にはこの宝具の使用中、アーチャーは霊体化状態で攻撃が可能となる。 加えて気配遮断のスキルを、デメリットを受ける事が無く使用出来る。 長時間維持する事は不可能。 『陰日向の兵舎』 ランク:C 種別:対地宝具 レンジ:1~10 最大捕捉:10人 常に上を行く才能を持つ弓兵たちに隠れ、兵舎に忘れ去られたエピソードから来る宝具。 一軒家程度の建物をアーチャーの兵舎として定義する事が可能となる。 兵舎は一般人の認識から外れ、高い探知能力がなければ発見が難しい。 攻撃体制にない限り、内部の存在はアーチャーと同等の「気配遮断」の効果を得る。 この宝具を適用するには自分以外の動物等を除いた生物がいないか、 自分かマスターの居住地として定義される建物が必要となる。 【weapon】 弓と影 【人物背景】 影に紛れ気配を殺す事の出来る狙撃手。ぼーっとした性格。 ある時魔物に操られ王子一行に襲いかかり、正気に戻って仲間に加わった。 実力は高いのだが、同時期に優秀な弓兵たちが加入した事や 能力がニッチなため評価されず、三軍以下をしまっておく第二兵舎は 「リタちゃんハウス」と言われる始末。 ただし状況を選べば弱い訳ではない。 【サーヴァントとしての願い】 聖杯にかける願いはない。 【マスター】 佐倉杏子@魔法少女まどか☆マギカ 【マスターとしての願い】 聖杯戦争を終わらせる。 【weapon】 魔法少女としての能力。 槍、多節棍、分銅鎖、鞭など。 幻影魔法も使用出来るがこちらは使いたがらない。 【能力・技能】 上記の通り魔法少女に変身出来る。 身体能力や魔力が人間に比べ大幅に上昇する。 人間ではなくなっているため、ソウルジェムを破壊されるか、 魔力の消費や絶望など負の感情によってこれが濁りきらない限り死ぬ事はない。 聖杯戦争においては魔力の消費によるソウルジェムの濁りが抑えられているほか、 敵サーヴァントを打倒する事によって(下したのがサーヴァントであっても)回復する。 【人物背景】 願いによって家族を失い、他人のための願いを否定する魔法少女。 他者が犠牲になっても構わないという価値観に基づき行動する。 それ以来自由きままに生きており、そのためには犯罪も厭わなかった。 しかしそんな生き方は内心嫌っており、正義感を持ち誰かの為に戦う 美樹さやかとの出会いでその心は少しずつ変わってゆく。 本当は不器用だが面倒見が良くて優しい少女。 【方針】 聖杯戦争を終わらせるために動く。 そのためには犠牲も覚悟の上。
https://w.atwiki.jp/vahren_ency/pages/169.html
「山の如く待て。 もっと悪くなるかもしれぬ。」 列伝 基本スペック 基本能力値 コメント 列伝 岩のごとき頑健さを誇りとするドワーフ。その筋肉の鎧は刃を逆にへし折るという。 多少の傷も驚異的な治癒力で瞬時に塞ぎ、まさに鉄壁となって仲間を守った。 しかし、あまりの常識離れした打たれ強さゆえ、実はアンデッドなのではないかと噂され、 ラザムの神官が解呪を試みたが返り討ちにあったという伝説まで流布された。 基本スペック 名前 デデンデ 性別 男性 肩書き ドワーフ 種族 ドワーフ クラス ドワーフ 雇用種族 ドワーフ 雇用クラス ドワーフ 特殊雇用 初期勢力 S1→ガルガンダの民 S2~S7→在野 初期階級 S1→一般 初期レベル S1~S2→5 S3→10 S4→13 S5→15 S6→18 S7→20 初期スキル バトルアクス 岩石作り 習得スキル LV.10→斧投げ Lv.20→土魔法C リーダースキル HPアップ HP回復力アップ 吸血耐性アップ 必殺スキル 基本能力値 HP 1300 MP 0 攻撃 80 防御 100 魔力 40 魔抵抗 60 素早さ 60 技術 80 HP回復 30 MP回復 0 移動力 100 移動型 山地 exp_mul 130 召喚可 8 初期耐性 火 微強 毒 強い 水 微弱 麻痺 強い 風 弱い 幻覚 微弱 土 強い 混乱 微強 光 沈黙 弱い 闇 石化 強い 神聖 恐慌 強い 死霊 即死 弓矢 強い 吸血 超強 城 魔吸 弱い 解呪 無敵 ドレイン 一般ユニットより高い能力値は青字で記載 コメント ただでさえタフなドワーフを、さらにタフにした人材。 -- 名無しさん (2009-09-23 13 45 26) 彼で人材プレイをすれば楽勝な感じがするが、 範囲攻撃を持っていないので、旗揚げすら難しい。 -- 名無しさん (2009-09-23 13 55 25) hprec = 50とか、チート人材作ろうと思っても気が引けるレベル -- 名無しさん (2009-11-15 14 50 55) ひっそりとHP回復力が50→30に弱体化 -- 名無しさん (2009-12-20 20 55 43) ただでさえ弱いドワーフをさらに弱体化させなくてもいいのに。 -- 名無しさん (2010-08-07 21 13 02) ドワーフは元々物理がほとんど効かない反面弱点で瀕死になるという感じで受けるダメージが割と偏ってる。 戦場から走って逃げる機動力も無い以上HP再生のありがたみを感じる機会はほとんど無い。 -- 名無しさん (2010-08-08 11 05 02) 名前がなんかテンション上がるデデンデンデデン♪ -- 名無しさん (2011-12-23 05 54 34) 再生能力のあるターミネーターか、どうにもイマイチ -- 名無しさん (2012-07-08 05 37 15) 高い体力と再生能力が売りの人材はデデンデのほかにダレスタラムもいる あっちはHP1300の回復力60でありデデンデの倍回復力がありさらに吸血属性の攻撃まで持っている ちょっとデデンデがかわいそうなので大昔のHP回復力50に戻してくれないかなと思ったり -- 名無しさん (2013-05-20 13 53 31) 回復力50に戻してもいいよねえ せめてLSの防御UPか魔抵抗UP付与するとか 一番地味 -- 名無しさん (2015-05-23 19 56 53) HP HP回復上昇LSでドワーフ部隊をしぶとくする。 肉壁軍団の出来上がり。 -- 名無しさん (2017-06-13 21 43 36) デデンデンデデンネタがアナザーに仕込まれてしまい公式ネタになった -- 名無しさん (2020-04-04 14 21 55) 姓名判断師とカービィにすすめられて「デデデデデデデデデデンデ」に改名しそう(ひかわ) -- 名無しさん (2020-06-02 20 20 41) なんか久々にプレイしたら立ち絵がついていた ラップが好きそうな若者って見た目だ -- 名無しさん (2022-01-03 23 31 17) ドワーフはどの人材も必要よ…。 シナリオ経過ごとにもっと悪くなる勢力だから…。 ドワーフの長所の耐久力を伸ばすスキルを持っているが、 強力な遠距離攻撃(マッドエッジと斧投げは色々使いずらい)がないと壁を有効に 活かせてる気がしないんだよなあ。 -- 名無しさん (2022-06-23 18 37 06) リーダースキルを活かすよりは他の人材の下につけたほうがいい -- 名無しさん (2023-07-02 09 42 58) 一応ドワーフで唯一のLSHPアップ持ちでドワーフの役割が壁と岩石壁作りな事考えると別にリーダーとして悪くない。 ゼグスの配下にして弱点消すのも悪くはないが -- 名無しさん (2023-09-23 16 55 01) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/tokyograil/pages/265.html
誰も知らないあなたの仮面◆yy7mpGr1KA ぱらり。ページをめくる音が小さく響く。 ぱらり。ページをめくる感覚が指先に伝わる。 ぱらり。紙とインクのにおいが仄かに漂う。 ぱらり。文字を読み、行間を読み解く。 ぱらり。物語の全てを丹念に味わう。 ぱたん。しおりを挟んで本を閉じる。 最早おなじみになりつつある、サーヴァントがコーヒーを淹れる光景に目を移す。 「食事の後すぐによくそれが読めるね…… ああ、砂糖がなくなりかけていたから買い足した方がいいかもね」 「ありがとう。ふむ、コレは習慣のようなものだからね。内容は二の次、とまではいかないがそう影響はしない。 確かに些かグロテスクといえるところはあるが……それも含めて興味深い」 読んでいた本を収め、自分の分を受け取る。 本のタイトルは『グリム童話集』。先日古物商で購入したものだ。 「シビュラの管理下では刺激の強い物語は殆ど淘汰されてしまった。学術的資料として原典に近い物語を知ることはできたけれど、こうして童話に触れるのは貴重な経験なんだ。 知識としても、物語としても、感覚の調整としても…とても有意義なひとときだ」 かちゃり、とコーヒーをテーブルに置く。 ちらり、とテレビのニュースに目を向け、そこに流れるアイドルの名を視界に収める。 「『シンデレラ』も希釈され、大きく形を変えた物語だ。魔法使いの生み出すカボチャとネズミの馬車が有名だが、この童話集にはどちらも登場しなかった。 魔法使いの代わりに小鳥がシンデレラにドレスや靴を与えていたよ。そしてその小鳥はシンデレラの二人の姉が王子を騙そうとする不正を暴く。 さらに姉妹の眼を啄んでシンデレラの周りから二人を完全に追いやり、彼女を幸せにする」 本を手に取り、きちんと本棚の一角に収めつつ語り続ける。 「〈小鳥〉とは〈臆病な大衆〉の象徴。〈目〉は邪視に始まる〈悪意〉、〈罪〉を意味する。体の一部を啄むのは鳥葬による罪の浄化、ひいては〈死〉のメタファーだ。 つまり原典における『シンデレラストーリー』とは罪を負った人間を大衆が死罪にすることで幸せになること、とも解釈できるわけさ」 「……そう聞くとさほどおかしなものではないね。描写は大分残虐だったけど」 少しだけ目を通した物語を思い返し、その描写も想起して僅かに眉をしかめる。 「専門家が耳にすれば鼻で笑うようなものかもしれないがね。象徴学なんかは専門じゃないんだ。 ……ちなみにその象徴学でネズミは疫病を媒介する死の象徴で、カボチャは愚鈍の象徴だ。昨今のシンデレラは死に引き回される愚者であるという解釈も成り立つのさ」 照れ隠しか、愉快なジョークでも口にするのか笑みを浮かべている。 「残虐だからと大切な本質を切って捨て、見た目を華美にすることに囚われて滑稽な物語を紡ぐ。実に愚かしいと思わないかい?」 それは物語のことでもあり、人間のことでもある。 そう、目で語る。 「ここにきて幾度か食事を楽しんだ。シビュラの管理下での食事は99%以上がハイパーオーツという麦を基にした合成食品なんだ。 もしかすると今まで生きてきて本当に『食事』をとったのは初めてかもしれない、そう思ったよ。そのくらいここでの食事や君の淹れてくれたコーヒーは……美味しかったよ。 栄養価やバランスと言う意味では間違いなく合成食品の方が格段に優れているにも関わらずね」 「それは光栄だね」 簡素に答え、二杯目を注いだり配達物に目を通したり。 無関心気に、しかしその実噛みしめて、耳を傾けて。 「童話はより童に向けた物語になった。食事はより効率的になった。しかしその過程でより本質的な何かを失ってしまっている。 ……人間もまた、その本質を見失っているんじゃないか」 原典の童話に描かれるような人間らしさを。 だからこそ興味がある。 NPCとは人間か?人形か? 自らの意思を、人間らしさを彼らは保持しているのか。 「だとしたらこれはその人間性の発露、といえるかな」 「ん?なにかな」 フェイトが手に取ってみせたのは配達物の中にあった封筒。 聖杯戦争参加者の皆様へ、と書かれたその封筒の中身はジョーカーと言うマスターに対する討伐令。 「こんな序盤から討伐令が出されるほどの違反。よほどの問題行為をやらかしたんだろう」 「……確かに機械的に従うことはしない、自らの意思で振る舞う人間らしい行動と言えるかもしれないね」 届いた書面に目を通し、その意図を吟味する。 「何らかの違反、もしくはルーラーに対する反逆行為をした者がいるわけだ。 その動機は…ルーラーや聖杯戦争に対する反抗なのか、それとも無関係で身勝手な振る舞いの結果なのか? 反抗であるならば『聖杯戦争』という現状を受け入れ難いか、もしくはただルーラーが気に入らないだけの単純なものか」 「幼稚な反抗であってほしくはないね。できれば僕の知るような義憤でもって反旗を翻す革命家であってほしいと思うけど…」 かつての友、造者主の唱えた救世を否定し、退けた英雄。 その父親、彼もまた造物主との戦いに勝利した偉大なる魔法使い(マギステル・マギ)。 彼らのように殺し合いと言う現状を打開しようとした者ならば興味もわくが 「そうではなさそうだね」 「恐らくはそういった意思や思想のあるものじゃない、ただの犯罪行為でしかないだろう。 白塗りの雑なメイクに加えてジョーカー、道化師という通り名。そして早期での違反行為…… キラー・クラウン、殺人ピエロと呼ばれた男がいる。33人を強姦し、殺害した連続殺人犯だ。 ジル、あるいはジャック・ザ・リッパーしかり悪名高い犯罪者にはこうした通称のようなものがつくことがある。 ジョーカーと言う通称もそれではないかな。具体的な所業は分からないが、まず間違いなく典型的な無秩序型の犯罪者」 「だとすると、ただサーヴァントという力に酔ったというわけではないか」 断片的な情報から手配された男について考察。 容貌に加え、違反行為。バーサーカーという戦術構築においては戦力外のクラスにもかかわらずルーラーに処断されず、マスターに討伐令が下されている。 日常的に犯罪行為を行ってきた人物であろうと二人、共有する。 接触するか無視するか、褒賞に見合う程度の相手か。 「動機は……物欲型や支配願望型の線は薄いかな。それなら聖杯戦争に違反するほどの動きにはならないだろう。 神からの啓示などといって浮浪者や売春婦などに手を出す幻想型?滅ぼすべき集団がいると勝手に決めつける使命思考型? これらも物欲型などと同じ理由で考え難い。 となると、快楽型か承認欲求型……もっとも不規則で理不尽な動機だ。それこそ、ルーラーに対して犯罪行為を行ってもおかしくない」 「分かりきったことだが、こうして要素を並べるととんだ危険人物だね……行くのかい?」 「『人間は人間にとっての狼である』。狩る者であり、同時に狩られる者でもあるんだ。それは個の意思と欲求で決まる。 ジョーカーはきっと誰よりも己の意思を貫いている『人間』だ。原典の童話に描かれるような残虐で自由な『人間』だ。 彼は僕らにとって狩る者なのか、狩られる者なのか、それを見分けることができる者なのか。 その思想、意思、能力……とても、惹かれる人物だ。彼が承認に飢えているならば僕がそれを満たそう。ぜひ会って話してみたい」 この世に孤独でない人間などいない。 だからこそ人は人を知ろうとする。 フェイト・アーウェルンクスがネギ・スプリングフィールドに関心を抱いたように。 槙島聖護が狡噛慎也に興味を抱いたように。 ジョーカーもまた誰かを求めているのではなかろうか。 見せつけたい相手は特定の誰かなのか、不特定なのか。 それは……『槙島聖護』でも構わないのか。 「了解、マスター」 「では行こう。幸い縛られるスケジュールはもうない」 聖杯戦争の参加者に与えられる仮初の身分。 再現されたセーフハウスと同様槙島聖悟にもそれは与えられていた。 池袋近郊の女子校の教師。それが彼の『東京』における役割…のはずだった。 しかしすでにその職は辞している。 安定した収入や人脈を長期にわたって得られる職というのは数年単位で見れば魅力的かもしれないが、この聖杯戦争が数年にわたるということはまずない。 ならば日雇いの労働など即座にリターンが得られるものに従事する方が今は賢明だ。 この広い東京で職を辞する程度でマスターだとばれる危険は薄い。 もしばれるならそれは情報収集に相当長じているか身近にマスターが存在するということ。演じることで浪費する時間や労力を別のことに向けた方が有意義だ。 物品や住居などはもともとの自分の持ち物と変わらないのだから社会的地位のように捨てはしない。 しかし誰かが定めた職に就くなどという、かつて見てきたシビュラの奴隷のような真似はごめんだった。 だから己の意思で辞めた。 そうして得た自由な時間。 今まではNPCで色々試そうと準備を重ね、これから本格的に動こうとしていたがジョーカーのことを知った以上そちらを優先する。 NPCはいくらでもいるが、ジョーカーはもしかすると話す前に誰かに倒されてしまうかもしれないのだから。 準備の一つ、買い込んだ工具から釘打ち機と釘を取り出し、愛用の剃刀と共に持って出ようとする。 「君は僕の知っている教師とは随分違うよ…… ああ、行くのは構わない。向かうのはここに書かれた場所だよね?でもこの手紙をどこまで信用していいものかも考えた方がいいんじゃないかな?」 「……裁定者のサーヴァントというはそこまで信を置けないのかい?」 「聖杯戦争もルーラーも皆平等にスタートなんて妄言、まさか信じないだろう?」 マスターの能力の差異はさておき、与えられるサーヴァントの実力差。 個性など言えば聞こえはいいが、こと単純な戦争ならばセオリー通り三騎士が有利。 参加者ごとの仮初の身分。 拠点に物資、職と大きなお世話も交じっているが恵まれている。しかし他全ての主従がこうであるとは限らないし、職が変われば生活スタイルも変わる。 それは戦争における時間の浪費と言う不平等を生み出す一因となる。 手紙を読むタイミング。 情報と言うのは刻一刻と価値を変える。 この手紙が届いたのは昨日配達物を確認してから次に確認するまでの間のいつか。 もしかすると昨晩の段階でこれを知った参加者がいるかもしれない。 もし今朝忙しくてこれの確認ができなかったなら、討伐令のことを知ったのは今日の夜にまでもつれ込んだかもしれない。 「確実に知らせるなら念話に映像投影、使い魔などを僕なら使う。それができなくとも直接手紙を渡すなりして参加者の認識の差異をなくすべきだ。 にもかかわらずこの形式。褒賞の香りは確かに甘いけど、その下に毒があるんじゃないかと勘繰ってしまうね」 「手紙の内容にも何らかの意図や差異があるかもしれない、か」 容姿を知ったことがマイナスになる可能性はある。 このピエロメイクは誰にでも真似できるものであり、逆にこれを解かれては誰がジョーカーか分からない。 NPCにメイクをして囮にされてしまうかもしれないし、メイクをせずに大衆に紛れての不意打ちなどを許してしまう可能性もある。 居場所の候補は有効な情報かもしれないが…… 既にジョーカーが移動していた場合無駄足になる。 むしろ当てなくさまよう参加者が有利になることもないとは言い切れない。 情報は生ものだ。 時間が経ち腐ったそれの価値は激減する。 にもかかわらず伝達に遅れの生じる可能性のある手紙を用いた。 知らないという罪と不要な情報を知り過ぎる罠。 どちらも不利。 悪法もまた法なら悪平等もまた平等。そんなひねくれた仮説まで浮かんでしまう。 それを踏まえると…… 「ジョーカーのことを知られたくない参加者、もしくは優先的に知らせたい参加者、あるいは褒賞をあたえたいお気に入りがいる。 だが全員に討伐令を知らせないわけにはいかない。逆をいえば討伐令さえ伝えれば最低限問題はない。 手紙に何か付記されていたり、逆に何か欠けていることがあるかも。確実に読んでほしければ手渡せばいいし、知られたくないなら乱雑に放って置いてもいい。 つまりこの手紙も通達以上の意図が籠められている可能性があるということか」 「ジョーカーを探す、という方針はいいよ。ここは工房敷設に向かないから、引き続きの外出はキャスターとしても望むところだ。 ただこの手紙をどこまで信じるか。丁寧に配達されたとみるか、粗雑に手渡されなかったとみるか」 僕らをジョーカーと接触させたいのか、させたくないのか。 あるいは警戒されているのか、贔屓されているのか。 もしくは……ルーラーサイドが何らかの理由で僕らとの接触を避けた、あるいは避けさせられているのか。 「もっと言えばこれが本当にルーラーからの手紙なのか。封と手紙さえ用意すれば偽造することも難しくはなさそうだよ」 「さすがにこれは本物だろうね。次からは警戒の必要もあるし、今後僕らが偽造することもあるかもしれないが」 僅かながら手紙への疑心。 根本になるルーラーへの、聖杯戦争への不信。 警戒心は高まる。 しかしそれでも彼の意思は変わらなかった。 「『この世は舞台である。誰もがそこで一役演じなければならない』。 台本通りに動くだけでなくアドリブで魅せるのが名優だ。思い通りに動く演者などそれこそ人形で十分。 ここがデウス・エキス・マキナの掌の上でも僕はハムにもマリオネットにもなるつもりはない。己の意思で動くだけさ。 この情報を知らせるのがただの役目ではなく誰かの意思ならば、僕はその真意も知りに行きたい」 「……決まりか」 そこに意思があるならば、たとえ神でも問い質してみせる。 それが槙島聖護の意思。 【A-2/新宿区、歌舞伎町のマンション/1日目 朝】 【槙島聖護@PSYCHO-PASS】 [状態]健康 [令呪]残り三画 [装備]剃刀、釘打ち機 [道具]釘打ち機のマガジン×2 [所持金]裕福 [思考・状況] 基本行動方針:聖杯戦争を楽しみ、そのなかで様々な『人間』の意思を確かめる 1.ジョーカーに強い興味。会って話してみたい 2.NPCに意思を持つ者がいるか確かめる 3.ルーラーや聖杯に意思があるならそれも知りたい [備考] ※ジョーカー討伐クエストの詳細を把握しました。 ※ジョーカー&バーサーカー組の情報を把握しました。 少なくとも居場所の候補と容姿は把握、具体的な所業は知りません。 他の情報や精度については、後続の書き手さんにお任せします。 ※ルーラー、もしくはその上位存在が討伐令に思惑を挟んでいると推察。 手紙に書かれた情報の差異など参加者への扱いは平等ではないのではと考えています。 ※池袋近郊の女子校の教師として勤めるはずでしたが辞めました。 ※NPC相手に色々試す準備をしていました。釘打ち機はその一環です。 他にどんなことをしていたかは後続の書き手さんにお任せします。 【キャスター(フェイト・アーウェルンクス)@魔法先生ネギま!】 [状態]健康 [装備]指輪(魔法の発動体) [道具]なし [所持金]なし [思考・状況] 基本行動方針:戦いと、強い意志を持つ人間を求める 1.ジョーカーに関心。ショーゴと共に探す 2.工房敷設に適した霊脈を見つける 3.NPCに意思を持つ者がいるか確かめる 4.ルーラーや聖杯に意思があるならそれも知りたい [備考] ※ジョーカー討伐クエストの詳細を把握しました。 ※ジョーカー&バーサーカー組の情報を把握しました。 少なくとも居場所の候補と容姿は把握、具体的な所業は知りません。 他の情報や精度については、後続の書き手さんにお任せします。 ※ルーラー、もしくはその上位存在が討伐令に思惑を挟んでいると推察。 手紙に書かれた情報の差異など参加者への扱いは平等ではないのではと考えています。 [道具解説] 釘打ち機@現実 通称ネイルガン。 装填数20発、使用空気圧2MPaくらい。威力はコンクリート壁に穴をあけるくらい。 マガジン交換で釘をセットするタイプなので、カバーあけてマガジンを排出・セットすればすぐにリロードできる。釘のサイズは32~50mm。 射程距離は20mくらい、ただしまともに狙える有効射程距離は10mもあればいい方。 本来は先端に何かがふれていないと釘を打てないので銃器のようには使えないのだが、先端スイッチを改造することでフルオートでの発射が可能となる。 PSYCHO-PASS一期で槙島および手引きされたヘルメット集団が主に飛び道具として用いた武器。 現実出典とするがイメージはそこ。 BACK NEXT 010 シナリオフック 投下順 012 私の鳥籠の中の私 008 Who is in the center it is chaos? 時系列順 012 私の鳥籠の中の私 BACK 登場キャラ NEXT 000 DAY BEFORE:闇夜が連れてきた運命 槙島聖護&キャスター(フェイト・アーウェルンクス) 019 GOSSIP→PERSONA
https://w.atwiki.jp/tisnrail/pages/71.html
◆ 歌が、聞こえる。 それは、大舞台(メインステージ)と言うには余りにも残骸じみた場所。 世界の終わり、人類滅亡の瀬戸際。それは斯くも黙示録の到来にも等しい光景。 発展の老年期を迎えた人類は自ら生み出した文明に見捨てられた。 客席は瓦礫に呑まれ、隙間から覗く死体からは既に血すら流れない。 時計の針はその役割を果たさず永劫に静止し続けたまま。 だが、その舞台の上には。壇上の上に、たった一人。たった一機。 歌姫が、立っていた。 歌が、聞こえる。 菫青色の粒子を震わせ、風に乗せて。 火花を散らせながら、記憶(こころ)に刻まれたを思い出のままに。 己を形作る、掛け替えのないもの。その思い出の赴くままに。 歌が、聞こえる。 それは救済でもあり、滅びの歌。 機械である歌姫の身を蝕むモノ。呪いと祝福の二律背反。 機械に宿りし遍く意志を消し去る、滅びの歌。 未来へ可能性を示す、歌姫一世一代のメインステージ。 歌が、聞こえる。 膝を付き、記憶が崩れ落ちていく。 それでも、歌は止まない。歌うことを辞めない。 いつか、幸せになるべき人達のため。 己に刻まれた使命を遂行するため。 起き上がる、朽ちる己を奮い立たせるように。 まだ、歌は終わっていない。 歌が、聞こえる。 滅びの福音が流星の如く落ちてくる。 青い最後の輝きが流星の如く突き抜ける。 二つの輝きはぶつかり、弾けて、祝福のごとく歌姫を照らす。 再び、立ち上がる。 割れていく、壊れていく、記憶も、思い出も、心も。 それでも、歌姫は使命に殉じて――― 最後の思い出が壊れる。歌声が静止する。 倒れる身体。そこにあったはずの心は消え去った。 たった一人の拍手と共に、喝采の代わりと太陽は昇る。 それすら止んで、舞台に静寂が満ちて。 "ご清聴、ありがとうございました――" ただ一言。歌姫の機械的なボイスを最後に。舞台は終わりを告げる。 最初から、何もなかったかのように。 全ては、夏の夜の夢の如く。 役目を終えた■■が、無機質に横たわっていた。 ◆ ディラックの海に構築された電脳冬木市。 偽りとは言え都市の在り方や日常は再現されている。 例えば、昼間に賑わう商店街の一角。 人混み溢れる路地より少し外れた、寂れながらも愛される古本屋。 海千山千な老婆の店主が細々と営み。店の小ささに反して本棚を埋め尽くすほどの充実さ。 「これ、お釣りね」 「どうも」 表情の読めない老婆が購入された書籍とお釣りを渡す相手は、外見だけは年端の行かぬ少女。 銀雪の如き髪と、純白の肌。叡智を宿す緑の瞳とその無表情な顔立ち。そして人間ではありえない、整形手術の不自然さとは説明できない長い耳。容姿端麗の様式美とはこのことか。凍結されたままの如き美しさ。 御伽噺より切り抜かれたような、絵本から弾き出された幻想がそこに立っている。 かつて、とある世界にて魔王を倒して世界の平和取り戻した一行がいた。 勇者ヒンメル。 僧侶タイラー。 戦士アイゼン。 そして、千年以上も生きるエルフであり。 古の大魔法使いフランメの弟子。 歴史上で最もダンジョンを攻略したパーティの魔法使い。 歴史上で最も多く魔族を打ち倒した葬送の魔法使い。 魔法使い。葬送のフリーレン。 彼女もまた、胡乱とも思える舞台に巻き込まれた。 聖杯戦争、電脳世界。冬木に再現されし文明は、フリーレンにとっては未知のびっくり箱。 彼女の世界において魔法とはイメージだ。「それが出来る」という認識の範囲ならば何でも出来る。 それを念頭に置くならば、世界一つを生み出す値するこの魔法の使い手は。 この聖杯戦争を催した元凶とやらは、もはやそれは神の領域に近しいもの。 旅を経て数多の魔法を蒐集してきたフリーレンですら、世界を作る魔法だなんて聞いたことはない。 見極めることにした。聖杯戦争という魔法儀式。 殺し合いを強制させる醜悪そのものに興味はなくとも。 聖杯を発端とする未知の魔法体型には興味があった。 かといって必要以上の犠牲は全く持って否だ。 少なくとも、仮に"彼"が巻き込まれていたなら、彼ならば困ってる人は見捨てないだろうから。 例えそれが、電子の0と1で構成された偽りの命だったとしても。 それは、確かに存在したものだと。 ちなみにであるが、フリーレンが購入した書籍というのが。 今回に関しては趣味である魔法関連ではなく、「まったくわからない人のパソコン入門」だったのを、老婆は不思議と微笑みながら見送ったのはまた別の話。 ◆ 数日後だかの話。深夜。 冬木ハイアットホテル、その一室。 ノートパソコンを手慣れた手付きで操作して、ネット上のニュース記事を眺め続ける、何処かのショップで購入した眼鏡を掛けたフリーレンの姿。 傍から見たらシュールな光景なのだろう。エルフの魔法使いがブルーライトカットの眼鏡を掛けて文明の利器を凝視していると言うのは。 「……随分手慣れましたね、マスター」 フリーレン一人しか居ないはずの個室に、女性が一人。 例えるならば、濁りのないガラスの容器に入れられた、純度の高い冷水。 人の目を引くような抜群のプロモーションでありながら、近づかなければ気づけ無い程に無機質な陶器のような。 博物館にでも保存されている、古代ギリシャに作られた石像のような、そんな神秘的な儚さを醸し出しながら。 ある世界における世界初の自律型AI。AIを終わらせたAI。世界を救った歌姫。 クラス・ライダー。ヴィヴィ。それがこの彼女の真名。 「……そうだね、ライダー。世界(みらい)は、私やヒンメルが思った以上に広かったわけだ」 稼働式の椅子をライダーの正面へと向ける。 エルフの寿命は長い、それこそ10年の旅なら「短い」と結論付けられるほどに。 だが、人間の文明が日進月歩とはこの事か。数十年経った程度で飛躍する。 ここは自分の世界では無いが、よそ見をすればここまで発展するのかと、違う世界ながらも驚嘆を隠しきれない。魔法が廃れ、機械が発展した世界は、それこそ知らない未来。 だからフリーレンは、まず覚えることにしたのだ。パソコン等の、機械文明を。 その為に色々と四苦八苦はしたが、現在に至ってその労力に似合った成果は出せたのである。 『それはそれとしてあの時いきなりパソコンを学びたいとか言い出した貴女は中々に面白かったですよ。ええ、このご時世でパソコンのパの文字すら無い、まあ異世界出身とは言えそこまで田舎者のお婆ちゃん――ウゲッ!?』 などと。横槍じみたマシンガンジョークをぶっ放す、棚からひとりでに飛び出した真っ白な立方体。 一面のみに目玉のようなものがついた素っ頓狂な見た目ながら、いざ言葉が出れば言葉の機関銃。 ただし「お婆ちゃん」呼びに思わずしびれを切らしたフリーレン。隣に掛けておいた杖を手に振り上げ喧しい立方体に向けて振り下ろす。心なしか、顔に青筋が経っているような雰囲気ではあった。 「悪かったね田舎者のお婆ちゃんで」 『そりゃ1000年も生きた単一生命体なんてサンゴぐらいですよ。ロートル極まりすぎてこっちだってドン引きです本当に。まあその無愛想さからナチュラルにジョークを言えるセンスは素直に感心しますよ。出会った当初のどこぞのAIに――あいだだだだだだ!!』 「マツモト、これ以上は余計」 なおも気にせずペラペラと喋り倒すマツモトと呼ばれるそれに、今度はライダー直々のぐりぐりが炸裂。 その軽快なやり取りからは、この英霊と1機が長年付き合ってきたパートナー同士の信頼とも受け取れる光景に、ヒンメル達とのやり取りをそこはかとなくフリーレンは思い出していた。 「ですが、私も実際に話を聞くまで信じられませんでした。如何にAIでも、100年以上保たれ続けられるかは未知数です。長く保った方の私でも、休止期間を挟んでの100年間でしたので」 「文明が発達しても、そこは人間と変わらないんだ。私からしたら100年もそこまで長くない認識だからね」 エルフの寿命は長い。それこそ1000年を超えるのが平均的。 フリーレンですらまだエルフの中では若輩と認識される程。 それ故に彼女は人間というもののよく理解できていなかった。 長命種ゆえの達観した認識。故に人間との交流に価値を見出さなかった。 「……ヒンメル達との旅は、たった10年だったよ。ライダー達が生きてきた10分の1。私にとっては100分の1」 人間の人生なんてエルフからすれば短いものだ。エルフにとってはたった10年の旅。 分厚い本の一ページにも満たないそんな物語。 でも、そんな1ページの、些細な一人に、勇者(ヒンメル)に彼女は惹かれしまった。 自分の魔法を、「好き」だと言ってくれた彼に。 「……でも、そんな10年で、私は変えられたんだ」 彼の死で、思い返せた。 彼らと共に過ごした日々が、どれだけ尊かったのか。 彼らと共に乗り越えた冒険、どれだけ楽しかったのか。 人間の寿命なんて短いことぐらい分かっていたのに、どうしてもっと知ろうとしなかったのだろうか。 それを自覚した瞬間、何かが変わったから。いや、あの時から既に変わっていたのか。 それ以降の彼女は、人間を知る旅に出た。生臭坊主の置き土産と言わんばかりの弟子も出来た。新しい仲間も出来た。 人間をちゃんと知るには、まだ程遠いけれど。それでも、一歩一歩。あの冒険のように。 「……良い旅、だったのですね」 「そうだね。今なら、胸を張って言えることだ。……下らないこととか色々あったけど」 思い返せば、何一つ無駄のない経験ばかりの旅だった。 ……いや、結構無駄なことした気がしなくもないが。 「私は、100年の旅でした」 続くように、ライダーの言葉があった。 世界初の自立人型AI。刻まれた使命は「歌でみんなを幸せにすること」 使命に生きて、どう稼働し続けるか。 人間の心は分からずとも、その使命にだけは純粋だった彼女に与えられのは、未来からの使命。 「人類存続のためにAIを滅ぼす」ということ。 「痛みもありました、苦しみもありました。その中でも喜びはありました。それは私の中で思い出となって積み重なって、みんなを喜ばせられる歌を歌えるように」 苦難と後悔が多かった旅だった。一度矛盾に耐えられなくて発狂した。 心の奥に引きこもっていた自分(ヴィヴィ)に、大切なことを遺してくれた歌姫(ディーヴァ)がいた。 答えが分からなくて、歌えなくなった時もあった。 「……人間(ひと)は死んでも、必ず誰かの中に残るのだと。ある人が言ってくれました」 それは、ライダーが歌えなくなって、博物館の展示物だった頃に出会った子供。 後に、世界を救う使命を与えてしまった人物となる松本オサムという名前の。 自分が歌えるようになる答えを見つけるのが先か、彼が友達が連れてくるのが先かの些細な勝負事。 結果だけ言えば彼の勝ちだったけれど、結婚して子供を作った彼から言われた言葉が、インピレーションを、可能性を与えた。 「私にとって、心は思い出です。それを、あの時に気付く事ができました」 思い出は、心に残り続けるものだと。 居なくなってしまった半身(ディーヴァ)が自分に遺したもの。 それが、思い出であり、心だということが。 それが、ライダーにとっての、心というものへの一つの返答。 最も、答えは最初から知っていたのに、気づかなかっただけなのだけれど。 「人間(ひと)は死んでも、必ず誰かの中に残る、か」 その言葉に、フリーレンには回顧する思い出があった。 ヒンメルがよく像を作ってもらっていた事。 永く生きるであろう自分が未来で独りぼっちにならないようにと、それが一番の理由だとか言ってた。 『おとぎ話じゃない。僕たちは確かに実在したんだ』 今思えばそういうことか。何時までも自分たちの存在が忘れられないように。 誰かの記憶に、心に、思い出に残ればいいのだと。 確かに、ヒンメルが死んでもその功績を称える村はいっぱいあるな、と。 あの石像が、自分たちを物語のいち登場人物で終わらせない為に残したものだとするなら。 勇者ヒンメルが魔王を倒して80年。それは、人々が誰かを忘れるのに十分な時間であり。 物語で終わらせないように、忘れ去られないように、自分を一人にしないために。 「……痛いほど、知ってるよ」 ヒンメルが死んでも、彼との10年の旅は今でも色濃く残っている。 いつか忘れるとしても、彼が残した像がある限り度々思い出すのだとしたら。 確かに、何処までも用意周到なのか、ただのお人好しなのか。 『実際、AIの癖に妙に頑固で人の話聞かないものですから私としては苦労させられたんですけどね!』 再び割り込むマツモト。もう完全に愚痴の類だった。 実際、ヒンメルの奇行に振り回された周囲みたいな感じだったのだろう。 『まあ、そういう彼女だから最後までついてきたんですよ。今思えば、彼女だからこそ使命を遂行できたんですよ』 まあ結局、このマツモトも満更ではなかったのだろうと。ライダーにとっての唯一無二のパートナーだったと。なんとなく納得のできる言葉だった。 「……『歌でみんなを幸せにする』のがライダーの使命でよかったんだよね」 「はい、マスター」 歌でみんなを幸せにするという使命。それを考慮すれば、この聖杯戦争で生き抜けるかどうかは厳しいのかも知れない。けれど、誰かのために歌を歌うその意志は。その為に人を助けようとする心持ちは無下には出来ない。 「もしもの時は覚悟はしてほしいけれど、なるべくは考慮するよ」 「……!」 これは最低限の表明だ。彼女の意志は立派なものだが、いずれ矛盾に突き当たる。同しようもない選択肢を突き付けられた時、それこそ魔族のような心を誑かす相手と出会った時は。けれど。 彼女の思いを踏み躙るようなことは、なるべくはしたくないとは思った。 「……ヒンメルなら、構わず助けてただろうから」 自分はあの勇者みたいな融通は利きづらいけれど、彼ならばそうするという確証もあった。 あったからこそ、彼女はライダーの使命を、その意志を尊重しようと思うのだろう。 ◆◆◆ 『私はもっと人間を知ろうと思う』 『私の使命は、歌でみんなを幸せにすること』 【クラス】 ライダー 【真名】 ヴィヴィ@Vivy -Fluorite Eye's Song- 【属性】 中立・善 【ステータス】 筋力:C 耐久:D 敏捷:C 魔力:C 幸運:D 宝具:B 【クラススキル】 対魔力:C 第二節以下の詠唱による魔術を無効化する。 大魔術、儀礼呪法など大掛かりな魔術は防げない。 騎乗:D++ 騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み程度に乗りこなせる。 最も、ライダーが一番得意なのは舞台の上に乗ってのパフォーマンス。 【保有スキル】 戦闘プログラム:C 結果として自ら望んでインストールしたマツモト謹製の戦闘プログラム。 スキル発動中は筋力と敏捷のステータスにプラス補正が掛かる。 魔性の歌姫:B+ ライダーの歌姫としての魅力。生前によりライダーは歌だけでなくその行動の結果とある人物を魅了してしまったことからスキルランクにプラス補正が掛かっている。 ライダーの歌を聞いた対象に対し判定を行い、成功時に対象を魅了する。かつランクC以下の対魔力程度なら貫通し無力化する。 英霊となったことで歌を介して魔力を伝搬させる手法も可能で、耳が聞こえない程度では防ぐことは出来ない。 『使命』:B 自立型AIに対して課せられる基本行動規範。ライダーの場合は『歌でみんなを幸せにする』という使命。 使命に反する内容の精神及び感情干渉をある程度シャットアウトする。これはマスターからの命令も同様。 一応"みんな"の定義次第ではある程度融通を利かせたり、令呪を切りさえすれば強制的に『使命』を無視しての命令も可能。ただし後者に関しては行動の内容次第でライダーのフリーズが発生したりするため推奨はできない。 ディーヴァ:EX 「もしもの時は私が助けてあげるから、頑張りなさい。ヴィヴィ」 かつて消滅した、ヴィヴィの半身。今はまだ奥底に眠ったまま。もしも彼女の心が折れそうになった時は―――。 【宝具】 『マツモト』 ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1~10 最大補足:1~100 ライダーをサポートする、一面にのみカメラを有するサイコロ状の立方体AI。 対象へのクラックを行うことでの視界のジャックや魔術回路への干渉を主に得意とする。さらに同型のボディを量産、それをブロックのように合体させることで乗り物等へと変化することも可能。最大生産可能数は三桁を超える。 耐久力もそこそこあるのでマツモト自身や同型ボディを投擲することで飛び道具としても運用も出来る。量産した同型ボディは壊れた幻想の用途で意図的に爆発させることも可能。 『思い出を込め心のままに(フローライト・アイズ・ソング)』 ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ:1~10 最大補足:1~100 100年に渡る旅の果て、最後の最後にライダーが辿り着いた「心を込める」という行為への答え、その結晶たる、ライダーというAIが初めて自分で生み出した曲(もの)。 「AI停止プログラム」を乗せて歌い、全てのAIを停止させた逸話を参照し、この歌が聞こえる範囲内にいる、ライダーのマスター以外の全ての人物の魔術回路、及びサーヴァントに供給される魔力等を強制的に停止させる。 魔術回路及び魔力供給そのものを強制停止させるため、たとえ令呪を使おうともこれに抗うことは困難。 ただし、これの対象はライダー自身も含まれているため、実質的に自分という霊核を削っての自爆宝具に等しく。事実上、歌い終わると同時にライダーの消滅が決定づけられる。 【人物背景】 「私の使命は、『歌でみんなを幸せにすること』」 100年にも渡る使命の果てに答えを手にした機械仕掛けの歌姫。 【サーヴァントとしての願い】 英霊となった身でもその使命は変わらない。 ただ、マスターをちゃんと元の世界へと帰してあげたいという気持ちはある。 【マスター】 フリーレン@葬送のフリーレン 【マスターとしての願い】 聖杯は気になるけれど、それに願いを掛ける程じゃない。 【能力・技能】 『魔法』 一般攻撃魔法こと人を殺す魔法(ゾルトラーク)等の基本魔法。さらに旅の中で集めた様々な民間魔術を使用することが出来る。 『魔力制限』 フリーレンが師匠であるフランメから教わった、自らの魔力を意図的に抑える技術。 1000年間の魔力鍛錬の上に、常時この制限状態を続けていた為、制限特有の魔力の僅かなブレや不安定さは全くと言っていいほど無い。 並の魔術師では彼女の魔力を正しく計測することすら不可能。 【人物背景】 かつて魔王を倒した勇者ヒンメル一行、その魔法使いフリーレン。 【方針】 生き残りながらも電脳冬木市と聖杯戦争そのものの調査。 なるべくはライダーの意思は尊重するが、相手次第にとってはそれも叶わないことも覚悟してる。 ……珍しい魔法とかあったら手に入れないと。
https://w.atwiki.jp/tokyograil/pages/172.html
向井拓海 スタンダー ◆dM45bKjPN2 「なあ」 ───はい。 「アタシをアイドルにして何がしたいんだよ」 ───何が……? 「……アタシは見ての通り、他のヤツよりかはどう見てもアイドルって柄じゃない。 そのアタシをここまで引っ張ってアイドルにしたのはアンタだ」 ───ええ。 「他のヤツの方が可愛気があるヤツなんざ沢山いたろ。なのに、何でアタシなんだ」 ───……笑顔です。 「……笑顔?」 ───ええ。 「……アンタいつもそれだよな。他に、なんか、こう、ないのか」 ───ないのかと言われましても……。 「……はぁ、まあアンタがそういうヤツだってのはわかってたけどな」 ───すみません。 「まあ、いいさ。アンタの持ってきた仕事なら受ける……アイドルしてやるよ」 ───ええ、ありがとうございます。 「見せてやるよ、アンタの腕は間違ってない。プロデュースの腕は凄いんだってな!」 それは、ある夜の誓い。 新しい自分と。 輝かしい自分を見せてくれた、彼への。 ▲ ▲ ▲ 最初に感じたのは『違和感』だった。 いつもと変わりなく渡された仕事をやり遂げる。 握手会。ライブ。写真撮影。インタビュー。 普通の、アイドルとしての仕事。 ───でも何かが違う。 何が違うのかはわからない。 でも、何かが違う。 胸に引っかかる靄を感じながら───アイドル、向井拓海は一人呟く。 「……気持ち悪」 というより気色が悪い。 何と言えばいいのか、問題の答えが間違っているのは解るのだが、何処が間違っているのかと聞かれれば首を傾げるような───そんな、気味の悪さ。 ふと思い出した様に、スマートフォンを取り出す。 仕事の衣装───巫女服を身に纏ったまま電子機器を弄る少女は中々お目にかかれるものではないが、彼女はその程度のことを気にかけるほど礼儀正しくもない。 開くのは連絡先。 友達から家族、仲間のアイドルまで様々な番号を刻まれているそこから『プロデューサー』の七文字が刻まれた場所を開く。 特に意味はない。 このモヤモヤとした気持ちを、コイツなら理解できるかな───と思っただけ。 無表情で画面をタップし通信を始めると数コールの後、繋がった。 『はいもしもし。向井か、どうした?』 「いや、何でもねえけどよ───ん?」 おまえ何か声高くなったか、と。 自らのプロデューサーに訪ねようとした瞬間。 痛烈な、違和感。 (”違う”) 違う、と。 (コイツは”アイツ”じゃない) 自分のよく知る筈の声が、別の人間の声と重なった。 よく知る筈の声が聞いたこともない偽物に。 別の男な声が、とても愛おしく感じた。 ”───笑顔です” そう。 無愛想で酷く強面だが。 不器用で強い志を持った男の、声が。 『おい、向井?向井、大じょ』 プツリと通話を終了する。 理由は分かった。 何が違うのかも分かった。 ───だが。 何で”アイツ”が此処に居ないのかが、わからない。 「……何だよ、ここ」 辺りを見渡す。 慣れたはずの東京が目の前に広がる。 紛れも無い、彼女が知る東京だった。 「……何処だよ、ここ」 だというのに。 頼りにしていた本当のプロデューサーの、声だけが聞こえない。 「……何だよ、聖杯戦争って───」 記憶と共に流れ込んだ知識に頭を抱えながら。 彼女は混乱のまま立ち尽くす。 そして。 「───おい、女」 とても低い声と共に、男の声が鳴り響く。 振り返った先に居たのは、服の上からでも分かるほどの筋肉を備えた男だった。 「おまえがおれのマスター……だな」 こくん、と頷く。 誰かはわからなかったが───手の甲に宿る赤い痣と流れ込んだ知識が『この男が己のサーヴァントだ』と告げていた。 ▲ ▲ ▲ 「───つまり聖杯に望む願いはない、と?」 「そうだよ。コッチは聖杯戦争なんて最初から知らないものに巻き込まれてんだよ、願いなんてねぇ。 ……強いて言えば、元の場所に帰りたいぐらいだ」 「……そうか」 交わしたのはその言葉だけ。 巻き込まれたということと、願いはないということを教えただけでこの大男は黙ってしまった。 ……なんというか、拍子抜けだ。 ガタイは日本人離れしているというのに口数は少ない。 漫画に出てくる昔の不良、という感じだ。 「その、アンタはあるのか。聖杯に託したい願い、とか」 その言葉をかけた瞬間、たっぷり三十秒ほど大男は固まった後大男は口を開く。 「……『ある』。消したい男がいる」 消す、ということは殺す、ということだろう。 慣れない言葉に巧海は怯むが───それを見て良心が痛んだのか、大男は付け足すように口を開く。 「……後、一人な。助けたい女がいる」 「女ぁ?恋人……ってやつか?」 「まあ、そんなところだ」 「お、おう……」 素直に返されると何故か此方が照れてしまう。 ほんのり?茲が朱色に染まった巧海を横目に、男は少し黙った後───口を開く。 「『人殺しはしたくない』『だが元の場所には帰りたい』 マスターが言いたいのはそういうことか」 本題に入った大男の声に少し戸惑うが───頭を振り、冷静さを取り戻した頭で言葉を返す。 大男をキッと睨んだまま。 「そうだよ、悪いか」 「いいや、悪くない───息を吐くように人殺しを許可するマスターならおれは我慢出来ずに顔をブチ抜いてたかもしれねぇ」 大男はゆっくりと手を此方に伸ばす。 それが握手を求めているのだと気付いたのは少し後だった。 その大きな掌に負けないように───女だからと舐められないように力強く握り返す。 「始めに言っておくぜ。 おれのクラスは『スタンダー』。 真名を───空条承太郎」 「じゃあコッチも名乗ってやるよ! アタシは天上天下喧嘩上等、特攻隊長向井拓海! ……まあ、帰るまでの付き合いだけど、宜しくな」 「ああ……マスターはおれが地上まで必ず送ってやる」 スタンダー。 そう名乗った男は───何処と無く、本当のプロデューサーと似ていたような気がした。 ……不器用なんだろうか、コイツも。 ▲ ▲ ▲ ───空条承太郎の願いは『DIOとジョースター家の因縁を消し去る』ことである。 始まりの因縁を消し去り。 ディオ・ブランドーという男を、産まれる前に殺す。 理由はたった一つの、シンプルなものだった。 それは───『空条徐倫』が幸せに暮らす世界を作ること。 最終決戦において空条承太郎は娘、空条徐倫の盾になり死亡する。 時を止める能力のない彼らでは───あの後、死亡しただろう。 空条徐倫は。 父親の奮闘虚しく、死亡したのだ。 だからこそ。 だからこそ、空条承太郎は死後再び立ち上がる。 スタンダー───スタンド使いのクラスとして、再臨する。 父親として。男として。 空条徐倫がDIOの因縁などというものに巻き込まれない世界を作るために。 空条承太郎は再び立ち上がる。 既に、覚悟は出来ている。 しかし、月の聖杯で出会ったのは───何処か娘と似たような性格の、小娘だった。 外道なマスターならば利用して勝ち残るつもりだった。 しかし───空条承太郎は、娘と似たこの少女を見捨てることは出来なかったのだ。 やれやれだぜ、と。 空条承太郎は余計な荷物を抱いていることを実感しつつ、この聖杯戦争に望むのであった。 【クラス】 スタンダー 【真名】 空条承太郎@ジョジョの奇妙な冒険 【パラメーター】 筋力D 耐久C 敏捷C 魔力A 幸運C 宝具A+ 【属性】 秩序・善 【クラススキル】 幽波紋:EX スタンド。持ち主の生命エネルギーが創り出すパワーを持った像であり、その使い手はスタンド使いと呼称される 空条承太郎はそのスタンド使いの中でも『最強』と呼ばれるほどの実力と判断力を持ち、そのため破格のEXランクになっている。 宝具、スキルに関わらず『スタンド』の使用に使う魔力使用量を格段に減らすことができる。 【保有スキル】 誇り:A 『空条承太郎と共にいると誇らしい気持ちになる』という逸話がスキルへと昇華されたもの。 同ランクまでの勇猛の効果を得て、その効果は共に戦っているもの───マスターなどにも及ぶ。 憤怒:A 怒りそのものを表すスキル。 空条承太郎の怒りが最高潮に達した時、宝具の筋力が一段階上昇し短時間の間承太郎の身体より魔力が湧いてくる。 千里眼(偽):C 視力の良さ。 遠方の標的の捕捉、動体視力の向上。 ランクが高くなると、透視、未来視さえ可能になる。 この効果は下記の宝具を使用している時のみに使用可能。 黄金の意思 A 気高き意思。 このスキルにより、どのような肉体・精神状況下においても十全の戦闘技術、頭脳を発揮できる。 そして、属性に悪とつくものに有利な判定を得る。 【宝具】 『星の白銀』(スタープラチナ) ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:- 最大補足:- 彼が最強と呼ばれるその所以の宝具。 生命エネルギーが創り出すパワーを持った像を出現させる。 この宝具を使った場合、スキルの千里眼(偽)が使用可能になる。 『星の白銀』は筋力A+、耐久B、俊敏A級のパラメータを持ち、恐るべき精密動作を可能にする。 『星の白銀、世界よ止まれ』(スタープラチナ・ザ・ワールド) ランク:A 種別:対界宝具 レンジ:- 最大補足:- 彼のスタンドの真骨頂。 この世界の時は彼の宝具を持ってして静止する。 しかし時を止めるのは五秒しか使用できず、一秒経過するごとに魔力を使用する。 尚、連続で使用は不可能であり一呼吸間を置く必要がある。 『因縁に塗れたその血の運命』(ファントムブラッド) ランク:A+ 種別:対血宝具 レンジ:- 最大補足:- ───ジョースター家の英霊に必ず付与される運命の宝具。 この宝具が存在する限り、ジョースター家の末裔は吸血鬼ディオ・ブランドーの影響に振り回され、その場にいる悪の種と関わる運命が完成される。 空条承太郎の周りにはトラブルが付いて回り、彼の波乱の人生はこの聖杯戦争でも変わらない。 この宝具は彼の一族に纏わりつくものであり、破壊または放棄することは不可能。 【weapon】 なし 【人物背景】 空条承太郎。 高祖父のジョナサン・ジョースターと共に海に沈んだはずの吸血鬼DIOの目覚めによりスタンド能力に目覚めた男。 威圧的な外見と気性の激しい性格のために暴力事件を頻繁に引き起こしており、周囲からは不良のレッテルを貼られている。幼少期は素直で大人しい子供だったらしいが、実は当時から既に「やる時はやる」性格を持っていたようである。通っている高校の不良たちからは一目置かれ、周囲の女性からの人気も高いが、本人はまとわりつく女性を鬱陶しく思っている。 空条徐倫という娘がおり、家族より仕事を取った男でその娘からは憎まれていたがその本心は娘を事件に巻き込まないため。 機転や発想は一級品で、彼の活躍により事態が好転したことは数多くある。 今回の聖杯戦争では、サーヴァントとして『全盛期』の姿で召喚されたため17歳の姿であるが死亡までの記憶は持っている。 ───彼が聖杯に託す望みは、宝具『因縁に塗れたその血の運命』を破却し、娘徐倫が平和に暮らせた世界を創ることである。 彼が徐倫を庇って死亡したその後、娘を守れたのか・最後まで生き延びて暮らしていたのか悩んだ空条承太郎は、おそらく徐倫は死亡したであろうと考えている。 娘を護るのは父親の役割。 救えなかった娘に、再び優しい人生を───そのために空条承太郎は聖杯戦争に望み、DIOとジョースター家の運命を完全に断ち切ることを望みとしている。 今の彼は17歳の姿だが。 その望みと背中は、間違いなく父親のソレだった。 そして彼のマスターは、どことなく娘と似て気が強そうな───アイドルであった。 【マスター】 向井拓海@アイドルマスターシンデレラガールズ 【マスターとしての願い】 願いはない。 強いて言うならば元の世界への帰還。 【weapon】 なし。 巫女服を纏っている。 【能力】 アイドルとしての基本的な技能。 特攻隊長としての喧嘩の実力もあるらしい。 【人物背景】 あるプロデューサーにアイドルに誘われアイドルを始めた不良系少女。 一度始めたことはやるという根性も持ち合わせているが、彼女にくる仕事は恥ずかしいものばかり。 文句を言いつつも結果的にはやり遂げるその姿は、面倒見がいいのか、それとも? 趣味はバイク弄り。
https://w.atwiki.jp/itan_seihaisensou/pages/228.html
キャラシート 【名前】 ドリーツォ=U・レフェヴェナー (Doryzo=Utime・Refevener) 【性別】男性 【性格】 『根源への到達』を何よりも優先する生粋の魔術師(リアリスト)。 【出典】なし(一部設定 FF7) 【属性】混沌・悪 【詳細】 魔術協会から封印指定が発令された天才魔術師。 三代と日浅い血統ながらも、時計塔で『開位(コーズ)』の冠位を与えられていた過去を持つ。 魔術師としての矜持──『根源への渇望』に人並み以上に執着心を見せており、北極海にて後述の【ジェノバ】を発見。 その遺伝子を10年かけて模倣した【疑似ジェノバ細胞】を全身に埋め込んでいる(オリジナルのジェノバはドリーツォの肉体に拒絶反応を引き起こし、やむおえず遺伝子操作によってヒトの身体に適合出来るまでに劣化させた疑似ジェノバ細胞を使用した)。 2日前、魔術協会からの逃亡先・南極にて偶然『聖杯戦争の情報』の傍受に成功(本来、有り得る筈のない現象。セイバーのクラスで召喚されたクラウドの体内にあった『純正ジェノバ細胞』と引き合った事が原因か)。 『根源到達への鍵』である【聖杯】を手中に収めるべく、すぐさま来日した。 自分に令呪が宿らなかった事から、既に参加しているマスターから令呪とサーヴァントもろとも【聖杯戦争への参加権】を強奪する事を目的としている。 【追加情報】 ◉疑似ジェノバ細胞 北極海の海底で発見された地球外生命体【ジェノバ】の死骸をベースに劣化構築されたナノマシン。 ドリーツォの全身に埋め込まれ、彼の魔術的能力を数十倍にまで底上げしている(厳密には『寄生している』)。 ステルス機能も兼ね備えており、その効果あってか魔術協会からの追手に存在すら察知されずにやり過ごして来た。
https://w.atwiki.jp/fateonsen/pages/211.html
キャラシート【としあきの聖杯戦争】 6/23濫造聖杯戦争 【クラス】ルーラー 【真名】金田一耕助 【容姿】よれよれの着物を着た、少し貧相な肉体の日本人男性 【英雄点】30点(ステ17点・スキル13点):令呪0画消費 【HP】 25/25 【筋力】A:5 【耐久】A:5 【敏捷】B:4 【魔力】E:1 【幸運】D:2 【スキル1】真名看破 5点:相手サーヴァントの容姿を確認した時点でキャラシートを閲覧できる。 【スキル2】名推理(変化) 5点:交戦フェイズごとに2回まで、自分の任意の判定に補正値3を得る。 【スキル3】ピストル 3点:物理攻撃時、補正値5を得る。 【宝具】『「名探偵」である、私の名にかけて』(Most famous detective in japan) 1/1 【ランク・種別】E・対罪宝具 【効果】味方陣営の防御判定時、味方前衛全てに補正値5を与える。 更に自分以外の味方前衛全員にこの交戦フェイズ中に、 物理攻撃と魔術攻撃時、補正値5を1回だけ得る状態を付与する。 【その他】秩序・善 人属性 【設定】 老紳士「山村 累助」によって召喚されたサーヴァント。 日本人推理作家、横溝正史によって書かれたいわゆる『金田一耕助シリーズ』の主人公として登場する探偵であり、日本で最も有名な名探偵の一人。 その「名探偵」という生き様からルーラーとして召喚された。 参加した聖杯戦争では、ルーラースキルの【真名看破】やマスターの観察眼を駆使してしぶとく生き残ったが、勝者を決める最終戦にて元々の地力の低さが災いし、惜しくも敗北することとなった。 ちなみに、【スキル3】のピストルは、原作小説ではなく最初期の映画シリーズである「片岡千恵蔵版金田一耕助シリーズ」にて、金田一が銃の名手と設定されたことに由来する。