約 374,234 件
https://w.atwiki.jp/fateonsen/pages/120.html
キャラシート【としあきの聖杯戦争TRPG】 【名前】春原 和子(はるばら わこ) 【容姿】おっとりした雰囲気の女性 【願い事】産まれてくる子が魔術に関わらず、強く元気に育つことを願う 【バッドエンド】 【グッドエンド】 【令呪】3/3 【HP】5/5 【筋力】E 1 【耐久】E 1 【敏捷】E 1 【魔力】A 5 【幸運】D 2 【スキル1】自作礼装・召喚:英雄点5を得る。エクストラクラスの召喚が可能となる。 【スキル2】自作礼装・矢除:マスターの英雄点を5点減らす。遠距離攻撃フェイズで受けるダメージを0にする。 【スキル3】自作礼装・結界:自分のサーヴァントの最大HPを15増やす。 【その他】秩序・善 女性 【設定】 護符作りの魔術師。『織る』ということに特化した魔術師で、魔力を蓄積した糸を重ねることで単純な魔術礼装から、複雑なコマンドを持つ魔術礼装まで幅広く作成できる。 とある魔術師の妻となり子を身籠るが、ある事件がきっかけで一人身となる。 事件後は時間・場所をランダムに渡るプレインシフターとなる。 彼女自身にこの力は制御できず、どうやら聖杯に招かれているようで、聖杯戦争の場に現れる。 その後、身重のまま聖杯戦争に参加することになり、霊獣八房と共に戦うことになる。 聖杯にかける願いは産まれてくる子が魔術に関わらず育つことであったが、志半ばで敗退した。 結果として彼女の息子である春原宗太も聖杯戦争に巻き込まれ、魔術の道へと進む運命となるのはまた別の話・・・。 再び聖杯戦争に招かれるも敗退。しかし彼女に願いを譲ろうとするフィム・ノアールにより聖杯を渡される。 しかし、時間切れとなり、願いをかなえることなく次の世界へとシフトしていった。 ただ、息子の健康は願われたようである。 シフトした先で川口家にまつわる特異点に巻き込まれる。 ドタバタしつつも、生来のおっとりした性格によりこのお祭りを楽しんだ。 なお、結末を見届けることなく、再びプレインシフトし、また行方知れずとなる。
https://w.atwiki.jp/netapoke/pages/1674.html
デデンネ No.702 タイプ:[[でんき]]/[[フェアリー]] 特性:ものひろい(対戦中に相手が使った道具を拾う) ほおぶくろ(きのみを使うとHPも回復する) 隠れ特性:プラス(プラスかマイナスがいると特攻があがる) 体重:2.2kg(けたぐり・くさむすびの威力20) 電気アイドルズ HP 攻撃 防御 特攻 特防 素早 合計 6代目 67 58 57 81 67 101 431 元祖 35 55 40 50 50 90 320 本家 35 162 40 152 50 90 529 2代目 20 40 15 35 35 60 205 3代目+ 60 50 40 85 75 95 405 3代目- 60 40 50 75 85 95 405 4代目 60 45 70 45 90 95 405 5代目 55 75 60 75 60 103 428 密かに狙ってます 60 90 55 90 80 110 485 みんなの2位 25 35 70 95 55 60 340 ??? 109 66 84 81 99 32 471 ばつぐん(4倍) --- ばつぐん(2倍) じめん/どく いまひとつ(1/2) かくとう/ひこう/むし/でんき/あく いまひとつ(1/4) --- こうかなし ドラゴン 第6世代におけるピカチュウポジション。 ↑体型は昔のピカチュウに近くて、体の色はライチュウに近いよな。 ???「デデーン デデンネー アウトー」 タイキック「罰ゲーム」 ケツバット「パコーン」 ↑???そのに「アイアンテールでもいいぞ」 ↑デデンネ「ギリ!ギリギリセーフでちゅよ!」 ↑デデンネ「お、同じタイプどうち仲良くしまちょうよおー(ぽっぺすりすりしながら)」 ↑人気投票2位「あざとい技使って人気取りか?」 ↑全 これか http //www.pokesho.com/img_4/4_xy06.png デデンネ!(絶望)やら↑のデデーンやら龍玉の\デデーン/やら効果音関係でよくネタにされる ↑おれはデデデ大王を連想した ↑↑(ドラゴンタイプは)血祭りにあげてやる・・・ ↑素早さ種族値+1の地竜「ならば死ねーっ!」 ↑実際S1の差で狩られるからなあ・・・デデンネちゃん;; ↑↑↑↑ファイナルフォームライドゥ!デデデデデンネ! 困ったことに一致フェアリー技を物理のじゃれつくしか覚えられない。 特殊寄りの種族値なのに技マシンになってるマジカルシャインすら覚えられない… ↑ゼルネアスさんは逆に一致フェアリー技を特殊のムーンフォース(とマジカルシャイン)しか覚えません まあジオコントロールのある彼を物理型にする人自体少ないと思うが。 新技ほっぺすりすりは、名前のイメージに反して威力20+確定で麻痺というえげつない技。 つまりは挑発で止まらない電磁波である。 ただし今作から麻痺が通らない相手も増えているため過信は禁物。 種族値は低めだが、タイプ的には弱点が2つに対して半減以下が6つと優秀。 ドンカラス等によくあった悪・飛行・格闘の組み合わせをすべて半減に抑えられる。 こいつの鳴き声がキモリに聞こえる。 ↑始めてこいつの鳴き声聞いてからずっと「やめてよー」にしか聞こえないんだが デデンネ基本型 覚える技レベルアップ 技マシン タマゴ技 教え技 その他 遺伝遺伝経路 外部リンク 基本型 性格: 努力値: 持ち物: 確定技: 選択攻撃技: 選択補助技: 覚える技 レベルアップ デデンネ 技 威 命 タイプ 分類 PP 備考 1 たいあたり 50 100 ノーマル 物理 35 ? しっぽをふる - 100 ノーマル 変化 30 ? でんきショック 40 100 でんき 特殊 30 ? じゅうでん - - でんき 変化 20 ? あまえる - 100 フェアリー 変化 20 ? パラボラチャージ 50 100 でんき 特殊 20 ? ほっぺすりすり 20 100 でんき 物理 20 26 ボルトチェンジ 70 100 でんき 特殊 20 30 ねむる - - エスパー 変化 10 31 いびき 50 100 ノーマル 特殊 15 34 チャージビーム 50 90 でんき 特殊 10 39 なかまづくり - 100 でんき 変化 15 42 じゃれつく 90 90 フェアリー 物理 10 45 かみなり 110 70 でんき 特殊 10 50 ほうでん 80 100 でんき 特殊 15 技マシン マシン 技 威力 命中 タイプ 分類 PP タマゴ技 XY 技 威力 命中 タイプ 分類 PP 教え技 XY 技 威力 命中 タイプ 分類 PP その他 技 威 命 タイプ 分類 PP 詳細 遺伝 タマゴグループ 性別 遺伝経路 外部リンク
https://w.atwiki.jp/girlwithlolipop/pages/158.html
空と君のあいだに ◆EAUCq9p8Q. 「ごちそうさま!」 ぱたぱたという足音。 大人のものよりも軽い足取りが、フローリングの床を叩く音。 愉快な子どもの一日の始まりの音。 ドアが賑やかに開け放たれ、肩口まで伸びた栗色の髪を跳ねさせながら少女が飛び込む。 少女は机の上に置いてあったルビーレッドの宝石に、語りかける。 (おはよう、レイジングハート!) 少女――高町なのはの一日がいつも通りだったのは、そこまでだった。 レイジングハートと呼ばれた宝石は何も語らない。 ただ、当然宝石がそうあるように黙して机の上に転がっている。 (レイジングハート? 寝てるの?) いつもなら間を置かずに『おはようございます』と返すところなのに、いくら待っても返事が帰ってこない。 持ち上げて揺さぶってみたり、いつもより少し強く語りかけてみたりとしてみたが、反応はない。 何かあったのだろうかなのはが訝しんでいると、彼女とレイジングハートのホットラインに突然第三者が割り込んできた。 『やはり、思った通りか』 同時に部屋の中に突如一人の男が現れる。 男は、レイジングハートを眺めるなのはに(正確にはなのはの脳内に)こう続けた。 『平和ボケも大概にしておけよ』 突然の辛辣な言葉に戸惑うなのはに対して、男―――少女のサーヴァントであるキャスター・木原マサキはレイジングハートをもぎ取り、更に言葉を続ける。 『先にこいつの方に釘を刺しておいた。『無駄口を叩くな』とな。 そういう点に関しては、下手に理屈をこねる人間よりも、『こいつ』のほうが聞き分けもいい』 まくし立てるように棘のある言葉が並べられる。 なのはは少しだけ気分を害して言い返そうかとも思ったが、その後に続く言葉で文句を言おうとしていた出鼻をくじかれた。 『下らないお喋りで隙を作るような真似はやめろ。お前がどう思っていようが、戦争は止まらないぞ』 それは、言うまでもなく正論だった。 聖杯戦争の参加者として呼び出された以上、願いを叶えようと思う他の参加者はなのはを狙ってくる。 油断していると、不意打ちを受けて大怪我を負ってしまう可能性もある。 確かに言葉は悪い。だが、キャスターの口が悪いのは出会って言葉を交えた時もそうだった。 口は悪いが彼なりになのはのことを思っての忠告、なのかもしれない。 だが、なにか。 その正論の中に、言葉の棘以外になにか。 キャスターの言葉からは、言いようのない感情を覚える。 その感情につけるべき名前を、なのははまだ知らない。 『申し訳ありません、マスター』 そして、そこでようやくレイジングハートがいつものように機械的な音声を流した。 キャスターの忠告のほうを優先したことに対する謝罪なのか、なのはの言葉を無視したことに対する謝罪なのか。 レイジングハートらしくない曖昧な言葉。 だが、レイジングハートのが気を使っているというのもあり。 キャスターから感じるもやもやとした何かを、口には出さずぐっと飲み込んだまま、彼の進言を受け入れる、という形でなのはの方が折れた。 (……ごめんなさい。もうちょっと気をつけなきゃ、いけませんね) 「フン」 キャスターは肩透かしを受けたとでも言いたげに鼻を鳴らし、そのままベッドに腰掛けた。 そして、ベッドの側に置いてあったスマートフォンを投げて渡す。 いきなりのパスになのはは多少慌てるが、なんとか落とさずキャッチできた。 何事だろうと思うと、着信のランプが点滅している。なのはが朝食を食べている間にメールが届いたようだ。 届いていたメールを確認する。 どうやら、聖杯戦争の予選を通過したらしい。 通過しなくてもよかったのにな、などと思いながら添付ファイルを開いて、目を剥いた。 そこに記されていたのはある参加者の『捕獲』を命じる記述。 そして、その参加者の顔と名前。 なのははその参加者を知っている。 その輝くような金髪と、さみしげな顔を知っている。 今にも泣いてしまいそうな哀しい目を知っている。 「フェイトちゃん……?」 小さなつぶやきが、ただ物憂げな表情を映す液晶面に零れ落ちた。 そしてなのはは、スイッチが入ったようにすぐに出発の準備を整え始めた。 通学時間にはまだ早い。 だが、居ても立ってもいられない。 髪の毛をいつものツインテールで結び、制服に着替える。 あとは、あとは、と頭を回転させ、両親役のNPCに不審に思われないように通学用のかばんを持ち、用意が完了したことを再確認して部屋を出ようとする。 しかし、ドアノブに手をかけようとしたところで。 「何をする気だ」 顔をあげると、眉をしかめたキャスターが居た。 なのはの行く手を阻むように立ちふさがっている。 なのははもどかしさを感じながらも、キャスターに送られてきたフェイトの画像を見せて、手早く説明しようと試みる。 「この子、フェイトちゃんっていって……」 「それは知っている。昨日『そいつ』を弄った時に戦闘記録で確認した」 「だったら!」 「……会いに行くつもりか」 キャスターの一言に、黙って頷く。 それ以上の説明は必要ないと思ったから。 だが、キャスターはそれこそ馬鹿らしいと言わんばかりにもう一言付け加えた。 「行って何の意味がある」 「……」 キャスターのその一言で、勢いばかりで動いていた心が少し押し込められる。 そしてさっと潮が引いたように、焦るばかりだった頭が少しだけ冷静さを取り戻す。 行って何か意味があるのか。全く意味がないのではないか。 なのは自身、フェイトについて全く知らない。 誕生日も、好きな料理も、家族のことも、彼女の戦う理由も、願いも、何も知らない。 もしかしたら、彼女は望んでこの舞台に来たのかもしれないし、そうだったらなのはとフェイトはまた戦うことになる。 確かにキャスターの言うとおり、意味なんてないのかもしれない。 そこまで考えて、なのははこう答えた。 「何か意味があるから、じゃないよ」 確かに、ここに居るのはフェイトの意志かもしれない。 フェイトを探したところで、また戦うことになるかもしれない。 でも、それでも。 あの日なのはに宿った気持ちは。 『友達になりたい』と思った心は嘘じゃないから。 「きっと、『何も意味がなくても』なの」 『友達になりたい』。 だから、彼女と会う。 何があったのか話をする。 なのはに出来るのはちょっと前も、今も、たったのそれだけ。 『たったのそれだけ』が何の意味もなくても。 この聖杯戦争の舞台で、『たったのそれだけ』が出来るのはなのはだけだから。 通達を見て、『フェイト・テスタロッサ』を敵主従と捉えている他の参加者には居ない。 フェイトもきっと、誰かに歩み寄ろうとはしない。きっとまた、悲しげな顔で空を駆ける。 フェイトは、またひとりぼっちのままで、心を削り、泣きそうな瞳で、戦う。 そんな哀しいこと、絶対に嫌だ。 その行動に何か意味が居るというなら、この一言で十分だ。 「だって、それが友達でしょ?」 「だから、お願い、キャスター」 なのはのお願いにキャスターは露骨に嫌そうな顔をしたが、それ以上何も言わなかった。 ただ、黙って道を譲った。 「……じゃあ、行ってくるね」 キャスターは答えない。 ただ、目元を手で覆って俯いただけだった。 ○ 通学路を走りながら、なのはは胸元のレイジングハートに語りかけた。 (悪いことしちゃったかな) 『いいえ』 キャスターの忠告通り、簡素な返答のみを返すレイジングハート。 キャスターはなのはが『狙われる側である』ということを(かなり遠回しに)教えてくれた。 レイジングハートもレイジングハートなりに、なのはの身を案じ、今この瞬間も警戒してくれているのかもしれない。 (レイジングハート) 『はい』 (……帰る方法も、早く見つけないとね) レイジングハート自体あまりお喋りな方ではないが、こうも事務的な会話ばかりだと、なんだか調子が狂う。 きっと、聖杯戦争中、レイジングハートはずっとこの調子だろう。 こんな異常な状況がいつまでも続くのは、なのはにとってはどうも心地悪いものである。 だから、聖杯戦争なんてせずに早く『いつもの日常』に帰る。 キャスターは『次元連結システム』を用いれば聖杯戦争からも離脱は可能だと言っていた。 今はフェイトが優先だが、キャスターの聖杯戦争のシステム解明の鍵となる『何か』も探し出し。 機械的だけど、意外とお喋りなレイジングハートの待つ日常へ。 可能ならばフェイトも一緒に。 『申し訳ありません、マスター』 (いいよ。レイジングハートはなにも悪くないから) 短い謝罪。 なのはの心を慮ってか、いつも通りの気遣いを見せるレイジングハート。 『……申し訳ありません、マスター』 ただ。 一度だけ。 レイジングハートは、もう一度だけそう呟いた。 繰り返された言葉に、特に意味は無い。 少なくともなのはにとっては、特別な意味を持たない言葉を、もう一度だけ呟いた。 なのはは繰り返された言葉を少しだけ不思議に思ったが、特に気に留めることなく道を急ぐことにした。 「待っててね、フェイトちゃん」 「絶対に、追いつくから!」 声を出して気合を入れて、また少し離れてしまった未来の友達に向かって駆け出す。 聖杯戦争も何もなく。今はただ、隣へ――― 【C-3/高町家近くの道/一日目 早朝】 【高町なのは@魔法少女リリカルなのは】 [状態]決意 [令呪]残り三画 [装備]“天”のレイジングハート [道具]通学セット [所持金]不明 [思考・状況] 基本行動方針:元の世界に戻る。 1.フェイトを探し、話をする。 2.もし、フェイトが聖杯を望んでいたら……? 3.キャスターの聖杯戦争解明の手助け。 4.『死神様』事件の解決。小学校へ向かう。 [備考] ※天のレイジングハートの人工知能は大半が抹消されており、自発的になのはに働きかけることはほぼ不可能な状態です。 ただし、簡素な返答やモードの読み上げのような『最低限必要な会話機能』、不意打ちに対する魔力障壁を用いた自衛機能などは残されています。 ※天のレイジングハートに対するなのはの現在の違和感は(無 #65374;微)です。これが中 #65374;大になれば『冥王計画』以外のエンチャントに気づきます。 強い違和感を持たずに天のレイジングハートを使った場合、周囲一帯を壊滅させる危険があります。 ※木原マサキの思考をこれっぽっちも理解してません。 ※通達を確認しました。フェイトが巻き込まれていることも知りました。フェイト発見を急務と捉えています。 ○○○ 「滑稽だな、いいように踊らされているとも知らずに」 なのはの魔力反応が遠ざかってからしばらくして、キャスターはそう呟いた。 通達を一目見て即座に自分を見失うなのはの姿は、まさに道化そのものだった。 キャスターに言わせれば、あの通達は『お粗末』の一言で済む。 あの文面だけでは、『フェイト・テスタロッサ』が何かをやったという証明にはならない。 情報は一切提示せずにただ顔と名前をよこし、『捕まえれば令呪を渡す』『図書館に連れて来い』と書かれているだけ。 これを討伐令の類と受け取る奴・頭から信じる奴は、余程の馬鹿かお人好しくらいだ。 まず考えられるのはルーラーの聖杯戦争加速を目的とした行為。 もしくは、鬼札(ジョーカー)として紛れ込んだルーラーの内通者。 ひょっとすると、ランダムに抽出した主従の名前と顔を送っただけかもしれない。 いずれにせよ、ルーラー側に聖杯戦争に介入しようという意志があり、その対象として『フェイト』が選ばれたということだろう。 その程度のことを、まるで大事件のように取り立てて、下らぬ決断で行き急ぐなのはをどうして笑わずにいられようか。 「せいぜい愉快に踊ってみせろ。その間に俺は、準備を進めさせてもらう」 それでもあえて止めなかったのは、なのはが混乱したほうがキャスターにとってもそのほうが都合が良かったからに他ならない。 なのはの頭の中は今『フェイトちゃん』でいっぱいだ。 他人への思いやりなんていう下らない感情を優先させて、目が曇っている。 それこそ、幾つもの重要な要素を見落とす程に。 まず、彼女は自身の胸元で煌めく緋色の輝石『天のレイジングハート』の変化に気づいていない。 調整は上々。人工知能の大半を消し去り、暫くの間なのはが愉快に踊ってくれるようにとあえて簡素な応答機能だけは残してある。 といっても「はい」「いいえ」「ありがとう」「ごめんなさい」「私語は慎むように」などを返すだけのプログラムと呼ぶのもおこがましい出来の機能だが。 だが、『その程度』でなのはは違和感すら持たずに駆け出してしまった。 所詮人と物との絆ごっこなどそんなものだとキャスターは笑った。 さらに、キャスターそのものの行動への注意も欠けている。 なのははキャスターに対して一切の指示を出さずに、ただ駆けて行った。作業をしろというわけではなく、隠れていろというでもなくだ。 おそらく彼女の意識は既に『聖杯戦争』からかけ離れている。 レイジングハートの戦闘記録が正しいものとするなら、彼女にとっての現状は『聖杯戦争に呼び出される直前からの続き』だ。 他の組への警戒などはあるかもしれないが、根本がズレている。 二人一組の概念など消し飛んでいるだろうし、仮初めながらも運命共同体であるキャスターの動向への警戒など抱いてもいなかっただろう。 ならばその『失念』を最大限活用させてもらうまで。 キャスターは窓の外を見つめた。とうになのはの姿は見えなくなっている。 それをもう一度だけ確認すると、彼は霊体化を行い壁をすり抜け、家の外に出た。 ○○○ 高町家の裏の路地でキャスターは再び自分の状態を確認し、小さく息をついた。 「狂人たちがありがたがっている『魔術』とやらも……蓋を開けてみればこの程度か」 「再現できているのはこけおどしの見てくれと、ちょっとばかしの能力のみ。 この程度で『聖杯によって英霊が顕現』などとは、笑わせる」 『魔術』を鼻で笑いながら道を行く。 英霊としては格が低く出来ることも少ないキャスターだが、それでも課せられた制限は大きい。 キャスターの懐刀たる次元連結システムを、この聖杯戦争ではたったひとつのものにしか付与することができない。 更に、次元連結システムのコアを生前のように0から生成することも不可能。 次元連結システムのちょっとした応用で身辺警護用の重力場操作マシンを作ることも出来ない。 戦闘能力も皆無(これは生前からだが)、現時点ではゼオライマーすら呼び出せない。 言うまでもなく超絶劣化だ。 他のサーヴァントに、いや、なのはより多少劣るマスターにだろうと、襲われれば為す術なく打ち倒されるだろう。 キャスターが、よくもまあ、ここまで、好き放題にやってくれたものだと失笑すらこぼす程に。 「まあいい。俺が蘇れただけでも上々だ」 そんな圧倒的不利な状況で彼が家を出た理由は一つ。 やるべきことがある。 聖杯戦争参加者ではなく、キャスターではなく。 冥王計画を遂行する『木原マサキ』として、当然しておくべきことが一つ。 ◇ そも、冥王計画とはなんなのか。 冥王計画とは『木原マサキ』が次元連結システムと自身の八卦の龍たる『ゼオライマー』を操り、冥府と化した世界に王として君臨するための計画である。 しかし、この『木原マサキ』とはキャスターとして顕現した木原マサキとは微妙に意味合いが違う。 キャスターは生前から自分の命に固執していない。 木原マサキと呼ばれた『この個体が』ではなく『木原マサキ』という意志の宿ったものが冥府の王たる頂にたどり着く事こそが『冥王計画』。 この聖杯戦争でも器として生前通りの木原マサキの姿で顕現したが、その姿に拘りはない。 木原マサキの意志の宿るものこそが、冥府に君臨したその瞬間に木原マサキの意志を宿していたものが『木原マサキ』であり『冥王』なのだ。 生前彼は、幽羅帝・秋津マサト両名に受精卵の段階から遺伝子操作を加え、彼の愛機たる天のゼオライマーに『木原マサキ』を込め、保険をかけていた。 木原マサキの死後も、二人とゼオライマー内に宿る『木原マサキ』が世界を滅ぼし、冥府の王として君臨できるようにという、まさに『木原マサキによる冥王計画』を遂行するための布石を。 それこそが『冥王計画』を遂行するための保険。キャスターが息絶えたとしても、続く『木原マサキ』がその後を継げるようにというお膳立て。 木原マサキが死のうとも、『木原マサキ』が冥王の座に着く。 それこそが冥王計画。 それこそが木原マサキと『木原マサキ』の夢の展開図。 ◇ この計画の全容を知れば、当然打つべき手も見えてくる。 この聖杯戦争においてキャスターがまずやるべきことは当然一つ。 仮に高町なのはが戦闘の末死亡してキャスターが消滅するとしても、『木原マサキ』は消えず冥王への道を歩み出せるように布石を打っておく。 もう一人か二人、高町なのはの死後、キャスターの消滅後、『次元連結システム』を手にして目覚める『木原マサキ』を用意しておく。 生前彼がそうしたように、自身の死を受け入れ、自身の死すらも舞台演出の一部とし、その死の先にある栄光を掴む道筋を作っておく。 全ては、『冥王計画』完遂のために。 しかし、この保険をかける上で一つ問題がある。 この舞台では新たなる『木原マサキ』を生み出すことはほぼ不可能に近い、ということだ。 生前の彼ならばこの程度のことで悩みはしなかった。 さすがにクローン受精卵の入手は不可能でも氷室美久のようにアンドロイドを一体作成し、そいつに初期設定として人格を投影して時を待たせるよう制御装置を施す。 ただそれだけで終わる、数週間もかからない作業。 だが、今回の状況ではあの『成長するガラクタ』では間に合わない。 聖杯戦争がどれだけの期間続くかは分からないが、少なくとも『この』聖杯戦争は数日の内に事態は急変する。 その引き金を引くのは『高町なのは』と『天のレイジングハート』。 『フェイト・テスタロッサ』を探す上で、彼女は必ず何者かと衝突し、周囲を廃墟に変えるほどの戦闘を行うだろう。 そうなってしまうと、あとは坂を転がり落ちるように戦争は進んでいく。そうなるより早く、数日で、出来るならば今日のうちにでも『木原マサキ』として行動のできる器を用意しなければならない。 ならば、実在する人間を用いるか、といえば話はそう簡単ではない。 相手の人格を末梢し、同時に木原マサキとしての人格をインプットすることではじめて『木原マサキ』足りえる。 これは遺伝子段階で操作を加えた幽羅帝や秋津マサトだから可能だったことで、既に確立した自我を持った人物にはかなりの困難を極めるだろう。 科学者は、現在から根源への干渉を行えない。科学者が操作できるのは現在と未来だけ。 生者の持つ『生』『愛』『感情』、あるいは『魂』と呼ばれるものに介入を行うためには、彼らの根源に最も近い場所で行う必要がある。 もし現在から根源への干渉を行えば、彼らの身体はズタズタになり、利用不可能になるだろう。 脳の機能を破壊しつくすか。あるいは『こころ』と呼ばれるものを消滅させるか。 結果は同じだ。生まれるのは『木原マサキ』の器ではなく屍が一つ。 NPCであれ、マスターであれ、サーヴァントであれ、その理を覆すことは不可能。 参加者である人間たちは利用できず、一からガラクタをつくり上げるには時間が足りない。 一見八方塞がりにも見える状況。 「だが、それでもまだ、不可能ではない」 確かに、既に自我を確立した『人間』に対しての操作は不可能だ。 マスターだろうとサーヴァントだろうとNPCだろうとその一点に変わりはない。 だが、仮に参加者中に『機械』がいれば。 『機械』じゃなくてもいい。『概念』だろうが『意識の集合体』だろうが。 生まれついてのものではなく、人工的に製造された『魂』を持つ参加者がいれば。 現在進行形で自身の『根源』と深く関わり続けている存在がいれば。 人格と存在の全ての機能を、魂よろしく文字通りコアとしてその身中に『魔力核』に持つ存在がいれば。 存在の根底が『魔力の宿った物質』や『宝具』であるモノがいれば。 彼らの存在の根底に対して、キャスターと彼の有する稀代の科学の粋たる次元連結システムの応用で干渉できるならば。 当然のように彼らの存在を書き換え、塗り替え、『木原マサキ』に置換することができる。 冥王計画の保険を、キャスター死後計画を引き継ぐ次なる『木原マサキ』を用意しておくことができる。 「さあて、どれほど居るかな、そんな愚かなガラクタどもが」 『愚かなガラクタ』が居る可能性がどれほどのものかはさしものキャスターでも計り知れない。 ひょっとしたらまったくのゼロかもしれない。 しかし、仮にゼロだったならばその時は別の手を打つまで。 なんなら、天のレイジングハートから削ってやった人工知能の代わりに『木原マサキ』を埋め込んでやってもいい。 戦闘記録に残っていた『フェイト・テスタロッサ』の死神の鎌が如き魔装『バルディッシュ』を使ってやるのも一興だ。 口角を釣り上げ、不敵に笑う。 高町なのはが家を出てきっかり10分後。 キャスターもまたひとり、舞台の上に躍り出た。 舗装道路をかかとを鳴らしながら歩く。 他の参加者に見つかるように、あえて実体化したまま。 危険はない。 スキル:自己保存がある限りキャスターは消滅しない。 なのはが生きている限り、『木原マサキ』は不滅だ。 だからこそ、自らが餌になるように姿を晒す。 サーヴァントの反応に食いついて出てきた愚かな奴らが夢に溺れて踊るさまを、高らかに笑ってやろうじゃないか。 木々と家々で覆われていた裏路地を抜ける。 そこには突き抜けるような青い空が広がり、遮るものもなくただ『天』だけがキャスターを見下ろしていた。 目の眩むような青空に目を細めながら、最後に、冥王計画の中核を担う存在について考える。 この下らない戦争に即座に終止符を打てる兵器。 何者にも到達すること叶わぬ『天』の名を関する八卦の龍。 彼を呼び出したその時こそが、冥王の再臨の時。 今はまだその時ではない。 状況が整っていない。 裁定者に干渉される可能性がある。彼らが強権に近い能力を有しているとすればそれらを無効化する力か、あるいは裁定者からの容認が必要となる。 高町なのはの存在も邪魔だ。あれは確実に冥王計画の障害となる。洗脳や精神崩壊による無力化か、他の理解あるマスターとの再契約が必要だろう。 そして、次元連結システムのコアたる物質(現在は天のレイジングハート)を用い、この地に機体を呼び出す必要もある。 そういったすべての問題を解決したその暁には。 己が器たる『天』を呼び戻し、破壊と蹂躙の限りを尽くし、聖杯に託されるはずだった幾つもの願いを踏みにじり、この地に冥府を築く。 キャスターは青空を一度だけ鼻で笑うと、再び街への道を歩みだした。 【C-3/高町家の近くの道路(なのはとは別方向)/一日目 早朝】 【キャスター(木原マサキ)@冥王計画ゼオライマー(OVA版)】 [状態]健康 [装備]なし [道具]なし [思考・状況] 基本行動方針:冥王計画の遂行。その過程で聖杯の奪取。 1.予備の『木原マサキ』を制作。そのためにも特殊な参加者の選別が必要。 2.特殊な参加者が居なかった・見つからないまま状況が動いた場合、天のレイジングハートを再エンチャント。『木原マサキ』の触媒とする。 3.ゼオライマー降臨のための準備を整える。 4.なのはの前では最低限取り繕う。 [備考] ※フェイト・テスタロッサの顔と名前、レイジングハート内の戦闘記録を確認しました。バルディッシュも「レイジングハートと同系統のデバイス」であると確認しています。 ※天のレイジングハートはまあまあ満足の行く出来です。呼べば次元連結システムのちょっとした応用で空間をワープして駆けつけます。 あとは削りカスの人工知能を削除し、ゼオライマーとの連結が確認できれば当面は問題なし、という程度まで来ています。 ※『魔力結晶体を存在の核とし、そこに対して次元連結システムの応用で介入が可能である存在』を探しています。 見つけた場合天のレイジングハートを呼び寄せ、次元連結システムのちょっとした応用で木原マサキの全人格を投影。 『今の』木原マサキの消滅を確認した際に、彼らが木原マサキとしての人格を取り戻し冥王計画を引き継ぐよう仕掛けます。 ※上記参加者が見つからなかった場合はレイジングハートに人工知能とは全く別種の『木原マサキ』を植え付け冥王計画の遂行を図ります。 ※ゼオライマーを呼び出すには現状以下の条件のクリアが必要と考えています。 裁定者からの干渉を阻害、もしくは裁定者による存在の容認(強制退場を行えない状況を作り出す) 高町なのはの無力化もしくは理解あるマスターとの再契約 次元連結システムのちょっとした応用による天のレイジングハートへのさらなるエンチャント(機体の召喚) BACK NEXT 010 開幕/きらりん☆レボリューション 投下順 012 燃えよ花 時系列順 BACK 登場キャラ NEXT 000 前夜祭 高町なのは 016 ホワイト&ローズ 000 前夜祭 キャスター(木原マサキ) 017 機械式呪言遊戯 -010 高町なのは&キャスター
https://w.atwiki.jp/haison0335/pages/2.html
メニュー トップページ おやくそく ルール 中聖杯戦争基本ルール 小聖杯戦争基本ルール 黄昏小聖杯 闘争中Lite基本ルール ホラーゲーム基本ルール 漂流記基本ルール 魔女転生 過去作品リスト 過去作品集 データベース 登場人物 世界観/各勢力 やらないガールズ やらない子IF 小ネタ 鯖一覧(有志の方がまとめてくださったもの) 小聖杯戦争シリーズ ギャル夫廃村世界 第1の事件 第2の事件 第3の事件 第4の事件 第5の事件 第6の事件 第7の事件 最初の事件メモ 第8の事件 第9の事件 第10の事件 第11の事件 第12の事件 安価式聖杯戦争1 安価式聖杯戦争2 マヨナカセンソウ世界(MDシリーズ) マヨナカセンソウ ミスフォーチュン マナツノサバク 神秘の小杯 カガミノセンソウ クロガネ聖杯 黄昏聖杯 起源覚醒 中聖杯 その他 やらない漂流記 将棋部三バカ 新浜哀歌 曼珠沙華の館 死にぞこないの街 戦国ゾンビと闘争中 うどんの旗を掲げるようです 二度目の賽を投げたようです 女神様のブラック傭兵 揺籃世界ラストクレイドル 第1部 第2部 魔女転生 支援絵 リンク やらない夫は貧弱男爵家を建て直すようですwiki やる夫X(現行)/(ブログ版) やる夫スレの聖杯戦争物整理 やる夫AGE だっておwwwキャンセル YarucomBox(やらない夫は世界を救っているようです) やるトラ! ここを編集
https://w.atwiki.jp/ljksscenario/pages/140.html
【來野巽&セイバー(ジークフリート)】 +... 來野巽 No. タイトル 作者 OP.2 ある正義の味方の話 ◆3SNKkWKBjc 00 Welcome to Tokyo crazy world! 07 交錯 ◆aptFsfXzZw 14 ハイリスクハイスクールの交錯 ◆3SNKkWKBjc 25 赤い、赤い空生と死を別つ境界の東京 セイバー(ジークフリート) No. タイトル 作者 OP.2 ある正義の味方の話 ◆3SNKkWKBjc 00 Welcome to Tokyo crazy world! 07 交錯 ◆aptFsfXzZw 14 ハイリスクハイスクールの交錯 ◆3SNKkWKBjc 25 赤い、赤い空生と死を別つ境界の東京 【松野トド松&セイバー(フランドール・スカーレット)】 +... 松野トド松 No. タイトル 作者 01 末弟&悪魔の妹 ◆7fqukHNUPM 00 Welcome to Tokyo crazy world! ◆3SNKkWKBjc 06 虚構反秩序都市 東京 20 トド松の不安をよそに聖杯戦争は開始する 26 考えろ、マクガイバー続・桜田門外の変クラレッタのスカートを直せ 32 ボクらの聖杯戦争 40 ショーは続けねばならぬ セイバー(フランドール・スカーレット) No. タイトル 作者 01 末弟&悪魔の妹 ◆7fqukHNUPM 00 Welcome to Tokyo crazy world! ◆3SNKkWKBjc 06 虚構反秩序都市 東京 20 トド松の不安をよそに聖杯戦争は開始する 26 考えろ、マクガイバー続・桜田門外の変 【アイリス=トンプソン&セイバー(ミリオンズ・ナイブズ)】 +... アイリス=トンプソン No. タイトル 作者 02 アイリス=トンプソン&セイバー ◆.wDX6sjxsc 00 Welcome to Tokyo crazy world! ◆3SNKkWKBjc 09 この異常が日常の街で ◆.wDX6sjxsc 14 ハイリスクハイスクールの交錯 ◆3SNKkWKBjc 24 世界 止めて 26 考えろ、マクガイバー続・桜田門外の変クラレッタのスカートを直せ 30 明日になるまで待って 37 不動総合病院殺人事件 39 ヒトクイロマンチスト~隻眼の王の帰還~ 41 踊る聖杯戦争~不死身の爬虫類を打倒せよ!~踊る聖杯戦争~東京23区から脱出せよ!~ 46 誰が為の世界 48 ギルガメッシュとエルキドゥ(前編) 49 ギルガメッシュとエルキドゥ(後編) 50 Welcome To The Black Parade! セイバー(ミリオンズ・ナイブズ) No. タイトル 作者 02 アイリス=トンプソン&セイバー ◆.wDX6sjxsc 00 Welcome to Tokyo crazy world! ◆3SNKkWKBjc 09 この異常が日常の街で ◆.wDX6sjxsc 14 ハイリスクハイスクールの交錯 ◆3SNKkWKBjc 24 世界 止めて 26 考えろ、マクガイバー続・桜田門外の変クラレッタのスカートを直せ 35 Blood Blockade Battlefron ◆.wDX6sjxsc 37 不動総合病院殺人事件 ◆3SNKkWKBjc 39 ヒトクイロマンチスト~隻眼の王の帰還~ 41 踊る聖杯戦争~不死身の爬虫類を打倒せよ!~踊る聖杯戦争~東京23区から脱出せよ!~ 46 誰が為の世界 48 ギルガメッシュとエルキドゥ(前編) 49 ギルガメッシュとエルキドゥ(後編) 50 Welcome To The Black Parade! 【今剣&アーチャー(那須与一)】 +... 今剣 No. タイトル 作者 OP.4 ある御伽話 ◆3SNKkWKBjc 00 Welcome to Tokyo crazy world! 01 ヒトクイロマンチスト~イカれ者たちの子唄~ 16 間違った世界と正しい世界 24 世界 止めて 27 虚物語-ウソモノガタリ-無物語-ナキモノガタリ- 28 夜は眠れるかい?(前編)夜は眠れるかい?(後編) 33 until death do them part 40 ショーは続けねばならぬ 41 踊る聖杯戦争~不死身の爬虫類を打倒せよ!~踊る聖杯戦争~東京23区から脱出せよ!~ 44 長い長い夢の中の宴 48 ギルガメッシュとエルキドゥ(前編) 49 ギルガメッシュとエルキドゥ(後編) アーチャー(那須与一) No. タイトル 作者 OP.4 ある御伽話 ◆3SNKkWKBjc 00 Welcome to Tokyo crazy world! 01 ヒトクイロマンチスト~イカれ者たちの子唄~ 16 間違った世界と正しい世界 24 世界 止めて 【アダム&アーチャー(ロボひろし)】 +... アダム No. タイトル 作者 03 O5-12&アーチャー ◆ZjW0Ah9nuU 00 Welcome to Tokyo crazy world! ◆3SNKkWKBjc 09 この異常が日常の街で ◆.wDX6sjxsc 16 間違った世界と正しい世界 ◆3SNKkWKBjc 21 桜田門外の変 27 虚物語-ウソモノガタリ-無物語-ナキモノガタリ- アーチャー(ロボひろし) No. タイトル 作者 03 O5-12&アーチャー ◆ZjW0Ah9nuU 00 Welcome to Tokyo crazy world! ◆3SNKkWKBjc 09 この異常が日常の街で ◆.wDX6sjxsc 16 間違った世界と正しい世界 ◆3SNKkWKBjc 21 桜田門外の変 27 虚物語-ウソモノガタリ-無物語-ナキモノガタリ- 32 ボクらの聖杯戦争 40 ショーは続けねばならぬ 41 踊る聖杯戦争~不死身の爬虫類を打倒せよ!~踊る聖杯戦争~東京23区から脱出せよ!~ 45 衝動 48 ギルガメッシュとエルキドゥ(前編) 49 ギルガメッシュとエルキドゥ(後編) 【織田信長&アーチャー(セラス・ヴィクトリア)】 +... 織田信長 No. タイトル 作者 04 織田信長&アーチャー ◆NIKUcB1AGw 00 Welcome to Tokyo crazy world! ◆3SNKkWKBjc 06 虚構反秩序都市 東京 ◆3SNKkWKBjc 13 はたらく魔王さま!(仮) ◆.wDX6sjxsc 24 世界 止めて ◆3SNKkWKBjc 27 虚物語-ウソモノガタリ-無物語-ナキモノガタリ- 28 夜は眠れるかい?(前編)夜は眠れるかい?(後編) 40 ショーは続けねばならぬ 41 踊る聖杯戦争~不死身の爬虫類を打倒せよ!~踊る聖杯戦争~東京23区から脱出せよ!~ 46 誰が為の世界 48 ギルガメッシュとエルキドゥ(前編) 49 ギルガメッシュとエルキドゥ(後編) 50 Welcome To The Black Parade! アーチャー(セラス・ヴィクトリア) No. タイトル 作者 04 織田信長&アーチャー ◆NIKUcB1AGw 00 Welcome to Tokyo crazy world! ◆3SNKkWKBjc 06 虚構反秩序都市 東京 ◆3SNKkWKBjc 13 はたらく魔王さま!(仮) ◆.wDX6sjxsc 24 世界 止めて ◆3SNKkWKBjc 27 虚物語-ウソモノガタリ-無物語-ナキモノガタリ- 28 夜は眠れるかい?(前編)夜は眠れるかい?(後編) 40 ショーは続けねばならぬ 41 踊る聖杯戦争~不死身の爬虫類を打倒せよ!~踊る聖杯戦争~東京23区から脱出せよ!~ 46 誰が為の世界 48 ギルガメッシュとエルキドゥ(前編) 49 ギルガメッシュとエルキドゥ(後編) 50 Welcome To The Black Parade! 【ホット・パンツ&ランサー(アクア)】 +... ホット・パンツ No. タイトル 作者 OP.3 ある兄妹、もしくは姉弟の話 ◆3SNKkWKBjc 00 Welcome to Tokyo crazy world! 04 あの日死んだ生贄の名前を僕達はまだ知らない 17 ゆるぎないものひとつ 22 君と約束した優しいあの場所まで 29 勝利者への資格 36 光と闇の童話 38 其れでも、お征きなさい仔等よ 41 踊る聖杯戦争~不死身の爬虫類を打倒せよ!~踊る聖杯戦争~東京23区から脱出せよ!~ 46 誰が為の世界 48 ギルガメッシュとエルキドゥ(前編) 49 ギルガメッシュとエルキドゥ(後編) ランサー(アクア) No. タイトル 作者 OP.3 ある兄妹、もしくは姉弟の話 ◆3SNKkWKBjc 00 Welcome to Tokyo crazy world! 04 あの日死んだ生贄の名前を僕達はまだ知らない 17 ゆるぎないものひとつ 22 君と約束した優しいあの場所まで 29 勝利者への資格 36 光と闇の童話 38 其れでも、お征きなさい仔等よ 41 踊る聖杯戦争~不死身の爬虫類を打倒せよ!~踊る聖杯戦争~東京23区から脱出せよ!~ 46 誰が為の世界 48 ギルガメッシュとエルキドゥ(前編) 49 ギルガメッシュとエルキドゥ(後編) 【カナエ=フォン・ロゼヴァルト&ランサー(ヴラド三世)】 +... カナエ=フォン・ロゼヴァルト No. タイトル 作者 05 カナエ=フォン・ロゼヴァルト&ランサー ◆Jnb5qDKD06 00 Welcome to Tokyo crazy world! ◆3SNKkWKBjc 02 Vorspeise-前菜 ◆lkOcs49yLc 11 キャスターと神隠しの物語 ◆3SNKkWKBjc 20 トド松の不安をよそに聖杯戦争は開始する 26 考えろ、マクガイバー続・桜田門外の変クラレッタのスカートを直せ 34 黒山羊の卵 38 其れでも、お征きなさい仔等よ ランサー(ヴラド三世) No. タイトル 作者 05 カナエ=フォン・ロゼヴァルト&ランサー ◆Jnb5qDKD06 00 Welcome to Tokyo crazy world! ◆3SNKkWKBjc 02 Vorspeise-前菜 ◆lkOcs49yLc 11 キャスターと神隠しの物語 ◆3SNKkWKBjc 20 トド松の不安をよそに聖杯戦争は開始する 26 考えろ、マクガイバー続・桜田門外の変クラレッタのスカートを直せ 34 黒山羊の卵 38 其れでも、お征きなさい仔等よ 【ジーク&ランサー(ブリュンヒルデ)】 +... ジーク No. タイトル 作者 06 ジーク&ランサー ◆aptFsfXzZw 00 Welcome to Tokyo crazy world! ◆3SNKkWKBjc 07 交錯 ◆aptFsfXzZw 14 ハイリスクハイスクールの交錯 ◆3SNKkWKBjc 25 赤い、赤い空生と死を別つ境界の東京正義の輪舞 悪の祭典 31 Crazy Crazy Crazy Town 35 Blood Blockade Battlefron ◆.wDX6sjxsc 37 不動総合病院殺人事件 ◆3SNKkWKBjc 39 ヒトクイロマンチスト~隻眼の王の帰還~ ランサー(ブリュンヒルデ) No. タイトル 作者 06 ジーク&ランサー ◆aptFsfXzZw 00 Welcome to Tokyo crazy world! ◆3SNKkWKBjc 07 交錯 ◆aptFsfXzZw 14 ハイリスクハイスクールの交錯 ◆3SNKkWKBjc 25 赤い、赤い空生と死を別つ境界の東京正義の輪舞 悪の祭典 【平坂黄泉&ライダー(幼女)】 +... 平坂黄泉 No. タイトル 作者 OP.2 ある正義の味方の話 ◆3SNKkWKBjc 00 Welcome to Tokyo crazy world! 04 あの日死んだ生贄の名前を僕達はまだ知らない 20 トド松の不安をよそに聖杯戦争は開始する 26 考えろ、マクガイバー続・桜田門外の変クラレッタのスカートを直せ 32 ボクらの聖杯戦争 ライダー(幼女) No. タイトル 作者 OP.2 ある正義の味方の話 ◆3SNKkWKBjc 00 Welcome to Tokyo crazy world! 04 あの日死んだ生贄の名前を僕達はまだ知らない 20 トド松の不安をよそに聖杯戦争は開始する 26 考えろ、マクガイバー続・桜田門外の変クラレッタのスカートを直せ 32 ボクらの聖杯戦争 41 踊る聖杯戦争~不死身の爬虫類を打倒せよ!~踊る聖杯戦争~東京23区から脱出せよ!~ 【安藤潤也&ライダー(ジャイロ・ツェペリ)】 +... 安藤潤也 No. タイトル 作者 07 安藤潤也&ライダー ◆XksB4AwhxU 00 Welcome to Tokyo crazy world! ◆3SNKkWKBjc 04 あの日死んだ生贄の名前を僕達はまだ知らない 12 それさえも最低で最高な日々 21 桜田門外の変 27 虚物語-ウソモノガタリ-無物語-ナキモノガタリ- 30 明日になるまで待って 37 不動総合病院殺人事件 39 ヒトクイロマンチスト~隻眼の王の帰還~ ライダー(ジャイロ・ツェペリ) No. タイトル 作者 07 安藤潤也&ライダー ◆XksB4AwhxU 00 Welcome to Tokyo crazy world! ◆3SNKkWKBjc 04 あの日死んだ生贄の名前を僕達はまだ知らない 12 それさえも最低で最高な日々 21 桜田門外の変 27 虚物語-ウソモノガタリ-無物語-ナキモノガタリ- 30 明日になるまで待って 37 不動総合病院殺人事件 39 ヒトクイロマンチスト~隻眼の王の帰還~ 【先導エミ&キャスター(ブルーベル)】 +... 先導エミ No. タイトル 作者 OP.3 ある兄妹、もしくは姉弟の話 ◆3SNKkWKBjc 00 Welcome to Tokyo crazy world! 06 虚構反秩序都市 東京 17 ゆるぎないものひとつ 22 君と約束した優しいあの場所まで 29 勝利者への資格 34 黒山羊の卵 キャスター(ブルーベル) No. タイトル 作者 OP.3 ある兄妹、もしくは姉弟の話 ◆3SNKkWKBjc 00 Welcome to Tokyo crazy world! 06 虚構反秩序都市 東京 17 ゆるぎないものひとつ 22 君と約束した優しいあの場所まで 【ジャック・ブライト&キャスター(西行寺幽々子)】 +... ジャック・ブライト No. タイトル 作者 08 ブライト博士&キャスター ◆yaJDyrluOY 00 Welcome to Tokyo crazy world! ◆3SNKkWKBjc 10 妖怪桜が咲く頃に -春萌し編- ◆yaJDyrluOY 21 桜田門外の変 ◆3SNKkWKBjc 27 虚物語-ウソモノガタリ-無物語-ナキモノガタリ- 31 Crazy Crazy Crazy Town 37 不動総合病院殺人事件 39 ヒトクイロマンチスト~隻眼の王の帰還~ キャスター(西行寺幽々子) No. タイトル 作者 08 ブライト博士&キャスター ◆yaJDyrluOY 00 Welcome to Tokyo crazy world! ◆3SNKkWKBjc 10 妖怪桜が咲く頃に -春萌し編- ◆yaJDyrluOY 21 桜田門外の変 ◆3SNKkWKBjc 27 虚物語-ウソモノガタリ-無物語-ナキモノガタリ- 31 Crazy Crazy Crazy Town 37 不動総合病院殺人事件 39 ヒトクイロマンチスト~隻眼の王の帰還~ 【あやめ&キャスター(ヨマ)】 +... あやめ No. タイトル 作者 09 missing ◆74DEJH7lX6 00 Welcome to Tokyo crazy world! ◆3SNKkWKBjc 03 Find Me / Don`t Find Me ◆.wDX6sjxsc 11 キャスターと神隠しの物語 ◆3SNKkWKBjc 20 トド松の不安をよそに聖杯戦争は開始する 26 考えろ、マクガイバー続・桜田門外の変クラレッタのスカートを直せ 35 Blood Blockade Battlefron ◆.wDX6sjxsc 37 不動総合病院殺人事件 ◆3SNKkWKBjc 39 ヒトクイロマンチスト~隻眼の王の帰還~ 41 踊る聖杯戦争~不死身の爬虫類を打倒せよ!~踊る聖杯戦争~東京23区から脱出せよ!~ 46 誰が為の世界 48 ギルガメッシュとエルキドゥ(前編) 49 ギルガメッシュとエルキドゥ(後編) 50 Welcome To The Black Parade! キャスター(ヨマ) No. タイトル 作者 09 missing ◆74DEJH7lX6 00 Welcome to Tokyo crazy world! ◆3SNKkWKBjc 03 Find Me / Don`t Find Me ◆.wDX6sjxsc 11 キャスターと神隠しの物語 ◆3SNKkWKBjc 20 トド松の不安をよそに聖杯戦争は開始する 26 考えろ、マクガイバー続・桜田門外の変 【安藤&アサシン(カイン)】 +... 安藤 No. タイトル 作者 OP.1 ある兄弟の話 ◆3SNKkWKBjc 00 Welcome to Tokyo crazy world! 04 あの日死んだ生贄の名前を僕達はまだ知らない 12 それさえも最低で最高な日々 21 桜田門外の変 27 虚物語-ウソモノガタリ-無物語-ナキモノガタリ- 30 明日になるまで待って 37 不動総合病院殺人事件 39 ヒトクイロマンチスト~隻眼の王の帰還~ 41 踊る聖杯戦争~不死身の爬虫類を打倒せよ!~踊る聖杯戦争~東京23区から脱出せよ!~ 45 衝動 48 ギルガメッシュとエルキドゥ(前編) 49 ギルガメッシュとエルキドゥ(後編) アサシン(カイン) No. タイトル 作者 OP.1 ある兄弟の話 ◆3SNKkWKBjc 00 Welcome to Tokyo crazy world! 04 あの日死んだ生贄の名前を僕達はまだ知らない 12 それさえも最低で最高な日々 21 桜田門外の変 27 虚物語-ウソモノガタリ-無物語-ナキモノガタリ- 30 明日になるまで待って 37 不動総合病院殺人事件 39 ヒトクイロマンチスト~隻眼の王の帰還~ 41 踊る聖杯戦争~不死身の爬虫類を打倒せよ!~踊る聖杯戦争~東京23区から脱出せよ!~ 45 衝動 48 ギルガメッシュとエルキドゥ(前編) 49 ギルガメッシュとエルキドゥ(後編) 【松野カラ松&アサシン(宮本明)】 +... 松野カラ松 No. タイトル 作者 10 松野カラ松&アサシン ◆.wDX6sjxsc 00 Welcome to Tokyo crazy world! ◆3SNKkWKBjc 03 Find Me / Don`t Find Me ◆.wDX6sjxsc 15 痛物語-イタイモノガタリ- ◆As6lpa2ikE 23 松野カラ松の弥縫策- 26 考えろ、マクガイバー続・桜田門外の変クラレッタのスカートを直せ ◆3SNKkWKBjc 40 ショーは続けねばならぬ 41 踊る聖杯戦争~不死身の爬虫類を打倒せよ!~踊る聖杯戦争~東京23区から脱出せよ!~ 45 衝動 48 ギルガメッシュとエルキドゥ(前編) 49 ギルガメッシュとエルキドゥ(後編) 50 Welcome To The Black Parade! アサシン(宮本明) No. タイトル 作者 10 松野カラ松&アサシン ◆.wDX6sjxsc 00 Welcome to Tokyo crazy world! ◆3SNKkWKBjc 03 Find Me / Don`t Find Me ◆.wDX6sjxsc 15 痛物語-イタイモノガタリ- ◆As6lpa2ikE 23 松野カラ松の弥縫策- 26 考えろ、マクガイバー続・桜田門外の変クラレッタのスカートを直せ ◆3SNKkWKBjc 32 ボクらの聖杯戦争 40 ショーは続けねばならぬ 41 踊る聖杯戦争~不死身の爬虫類を打倒せよ!~踊る聖杯戦争~東京23区から脱出せよ!~ 45 衝動 48 ギルガメッシュとエルキドゥ(前編) 49 ギルガメッシュとエルキドゥ(後編) 【二宮飛鳥&アサシン(零崎曲識)】 +... 二宮飛鳥 No. タイトル 作者 11 二宮飛鳥&アサシン ◆As6lpa2ikE 00 Welcome to Tokyo crazy world! ◆3SNKkWKBjc 05 少女趣味不十分 ◆As6lpa2ikE 11 キャスターと神隠しの物語 ◆3SNKkWKBjc 15 痛物語-イタイモノガタリ- ◆As6lpa2ikE 23 松野カラ松の弥縫策- 26 考えろ、マクガイバー続・桜田門外の変クラレッタのスカートを直せ ◆3SNKkWKBjc 32 ボクらの聖杯戦争 33 until death do them part 41 踊る聖杯戦争~不死身の爬虫類を打倒せよ!~踊る聖杯戦争~東京23区から脱出せよ!~ 45 衝動 48 ギルガメッシュとエルキドゥ(前編) 49 ギルガメッシュとエルキドゥ(後編) 50 Welcome To The Black Parade! アサシン(零崎曲識) No. タイトル 作者 11 二宮飛鳥&アサシン ◆As6lpa2ikE 00 Welcome to Tokyo crazy world! ◆3SNKkWKBjc 05 少女趣味不十分 ◆As6lpa2ikE 11 キャスターと神隠しの物語 ◆3SNKkWKBjc 15 痛物語-イタイモノガタリ- ◆As6lpa2ikE 23 松野カラ松の弥縫策- 26 考えろ、マクガイバー続・桜田門外の変クラレッタのスカートを直せ ◆3SNKkWKBjc 32 ボクらの聖杯戦争 33 until death do them part 41 踊る聖杯戦争~不死身の爬虫類を打倒せよ!~踊る聖杯戦争~東京23区から脱出せよ!~ 【メアリー&アサシン(アイザック・フォスター)】 +... メアリー No. タイトル 作者 12 メアリー&アサシン ◆pZqFAv403. 00 Welcome to Tokyo crazy world! ◆3SNKkWKBjc 01 ヒトクイロマンチスト~イカれ者たちの子唄~ 08 すてきなホリデイ 19 おうるビレイグ 25 赤い、赤い空生と死を別つ境界の東京正義の輪舞 悪の祭典 28 夜は眠れるかい?(前編)夜は眠れるかい?(後編) 33 until death do them part 40 ショーは続けねばならぬ 41 踊る聖杯戦争~不死身の爬虫類を打倒せよ!~踊る聖杯戦争~東京23区から脱出せよ!~ 43 神がおわしめすならば、私には必ずや天罰が下るでしょう 48 ギルガメッシュとエルキドゥ(前編) 49 ギルガメッシュとエルキドゥ(後編) 50 Welcome To The Black Parade! アサシン(アイザック・フォスター) No. タイトル 作者 12 メアリー&アサシン ◆pZqFAv403. 00 Welcome to Tokyo crazy world! ◆3SNKkWKBjc 01 ヒトクイロマンチスト~イカれ者たちの子唄~ ◆3SNKkWKBjc 08 すてきなホリデイ 19 おうるビレイグ 25 赤い、赤い空生と死を別つ境界の東京正義の輪舞 悪の祭典 28 夜は眠れるかい?(前編)夜は眠れるかい?(後編) 33 until death do them part 39 ヒトクイロマンチスト~隻眼の王の帰還~ 41 踊る聖杯戦争~不死身の爬虫類を打倒せよ!~踊る聖杯戦争~東京23区から脱出せよ!~ 43 神がおわしめすならば、私には必ずや天罰が下るでしょう 48 ギルガメッシュとエルキドゥ(前編) 49 ギルガメッシュとエルキドゥ(後編) 50 Welcome To The Black Parade! 【ルーシー・スティール&バーサーカー(アベル)】 +... ルーシー・スティール No. タイトル 作者 OP.1 ある兄弟の話 ◆3SNKkWKBjc 00 Welcome to Tokyo crazy world! 06 虚構反秩序都市 東京 16 間違った世界と正しい世界 24 世界 止めて 27 虚物語-ウソモノガタリ-無物語-ナキモノガタリ- 28 夜は眠れるかい?(前編)夜は眠れるかい?(後編) 33 until death do them part 39 ヒトクイロマンチスト~隻眼の王の帰還~ 41 踊る聖杯戦争~不死身の爬虫類を打倒せよ!~踊る聖杯戦争~東京23区から脱出せよ!~ 43 神がおわしめすならば、私には必ずや天罰が下るでしょう 48 ギルガメッシュとエルキドゥ(前編) 49 ギルガメッシュとエルキドゥ(後編) 50 Welcome To The Black Parade! バーサーカー(アベル) No. タイトル 作者 OP.1 ある兄弟の話 ◆3SNKkWKBjc 00 Welcome to Tokyo crazy world! 01 ヒトクイロマンチスト~イカれ者たちの子唄~ 08 すてきなホリデイ 19 おうるビレイグ 25 赤い、赤い空生と死を別つ境界の東京正義の輪舞 悪の祭典 28 夜は眠れるかい?(前編)夜は眠れるかい?(後編) 33 until death do them part 39 ヒトクイロマンチスト~隻眼の王の帰還~ 41 踊る聖杯戦争~不死身の爬虫類を打倒せよ!~踊る聖杯戦争~東京23区から脱出せよ!~ 44 長い長い夢の中の宴 48 ギルガメッシュとエルキドゥ(前編) 49 ギルガメッシュとエルキドゥ(後編) 50 Welcome To The Black Parade! 【馳尾勇路&バーサーカー(ヴラド三世)】 +... 馳尾勇路 No. タイトル 作者 13 汝は竜なり、罪在りき ◆yy7mpGr1KA 00 Welcome to Tokyo crazy world! ◆3SNKkWKBjc 06 虚構反秩序都市 東京 21 桜田門外の変 29 勝利者への資格 34 黒山羊の卵 38 其れでも、お征きなさい仔等よ バーサーカー(ヴラド三世) No. タイトル 作者 13 汝は竜なり、罪在りき ◆yy7mpGr1KA 00 Welcome to Tokyo crazy world! ◆3SNKkWKBjc 06 虚構反秩序都市 東京 21 桜田門外の変 29 勝利者への資格 34 黒山羊の卵 38 其れでも、お征きなさい仔等よ 【桐敷沙子&バーサーカー(オウル)】 +... 桐敷沙子 No. タイトル 作者 14 桐敷沙子&バーサーカー ◆a9ml2LpiC2 00 Welcome to Tokyo crazy world! ◆3SNKkWKBjc 01 ヒトクイロマンチスト~イカれ者たちの子唄~ 08 すてきなホリデイ 19 おうるビレイグ 25 赤い、赤い空生と死を別つ境界の東京正義の輪舞 悪の祭典 28 夜は眠れるかい?(前編)夜は眠れるかい?(後編) 33 until death do them part 39 ヒトクイロマンチスト~隻眼の王の帰還~ 41 踊る聖杯戦争~不死身の爬虫類を打倒せよ!~踊る聖杯戦争~東京23区から脱出せよ!~ 43 神がおわしめすならば、私には必ずや天罰が下るでしょう 48 ギルガメッシュとエルキドゥ(前編) 49 ギルガメッシュとエルキドゥ(後編) 50 Welcome To The Black Parade! バーサーカー(オウル) No. タイトル 作者 14 桐敷沙子&バーサーカー ◆a9ml2LpiC2 00 Welcome to Tokyo crazy world! ◆3SNKkWKBjc 01 ヒトクイロマンチスト~イカれ者たちの子唄~ 08 すてきなホリデイ 19 おうるビレイグ 25 赤い、赤い空生と死を別つ境界の東京正義の輪舞 悪の祭典 28 夜は眠れるかい?(前編)夜は眠れるかい?(後編) 33 until death do them part 39 ヒトクイロマンチスト~隻眼の王の帰還~ 41 踊る聖杯戦争~不死身の爬虫類を打倒せよ!~踊る聖杯戦争~東京23区から脱出せよ!~ 44 長い長い夢の中の宴 48 ギルガメッシュとエルキドゥ(前編) 49 ギルガメッシュとエルキドゥ(後編) 50 Welcome To The Black Parade! 【遠野英治&バーサーカー(ジェイソン・ボーヒーズ)】 +... 遠野英治 No. タイトル 作者 15 遠野英治&バーサーカー ◆CKro7V0jEc 00 Welcome to Tokyo crazy world! ◆3SNKkWKBjc 04 あの日死んだ生贄の名前を僕達はまだ知らない 14 ハイリスクハイスクールの交錯 18 楽団は朝礼で前から順に眠りに落とされた ◆CKro7V0jEc 25 赤い、赤い空生と死を別つ境界の東京正義の輪舞 悪の祭典 ◆3SNKkWKBjc 31 Crazy Crazy Crazy Town 35 Blood Blockade Battlefron ◆.wDX6sjxsc 37 不動総合病院殺人事件 ◆3SNKkWKBjc バーサーカー(ジェイソン・ボーヒーズ) No. タイトル 作者 15 遠野英治&バーサーカー ◆CKro7V0jEc 00 Welcome to Tokyo crazy world! ◆3SNKkWKBjc 04 あの日死んだ生贄の名前を僕達はまだ知らない 12 それさえも最低で最高な日々 19 おうるビレイグ 25 赤い、赤い空生と死を別つ境界の東京正義の輪舞 悪の祭典 35 Blood Blockade Battlefron ◆.wDX6sjxsc 37 不動総合病院殺人事件 ◆3SNKkWKBjc 【神原駿河&アヴェンジャー(うちはマダラ)】 +... 神原駿河 No. タイトル 作者 OP.5 ある規格外の話 ◆3SNKkWKBjc 00 Welcome to Tokyo crazy world! 04 あの日死んだ生贄の名前を僕達はまだ知らない 12 それさえも最低で最高な日々 19 おうるビレイグ 25 赤い、赤い空生と死を別つ境界の東京正義の輪舞 悪の祭典 28 夜は眠れるかい?(前編)夜は眠れるかい?(後編) 33 until death do them part 40 ショーは続けねばならぬ 41 踊る聖杯戦争~不死身の爬虫類を打倒せよ!~踊る聖杯戦争~東京23区から脱出せよ!~ 44 長い長い夢の中の宴 48 ギルガメッシュとエルキドゥ(前編) 49 ギルガメッシュとエルキドゥ(後編) アヴェンジャー(うちはマダラ) No. タイトル 作者 OP.5 ある規格外の話 ◆3SNKkWKBjc 00 Welcome to Tokyo crazy world! 04 あの日死んだ生贄の名前を僕達はまだ知らない 12 それさえも最低で最高な日々 19 おうるビレイグ 25 赤い、赤い空生と死を別つ境界の東京 【本編ネタバレ】 +... 高槻泉 No. タイトル 作者 34 黒山羊の卵 ◆3SNKkWKBjc 36 光と闇の童話 38 其れでも、お征きなさい仔等よ 41 踊る聖杯戦争~不死身の爬虫類を打倒せよ!~踊る聖杯戦争~東京23区から脱出せよ!~ 43 神がおわしめすならば、私には必ずや天罰が下るでしょう 48 ギルガメッシュとエルキドゥ(前編) 49 ギルガメッシュとエルキドゥ(後編) アヴェンジャー(メルヒェン・フォン・フリートホーフ) No. タイトル 作者 36 光と闇の童話 ◆3SNKkWKBjc 38 其れでも、お征きなさい仔等よ 41 踊る聖杯戦争~不死身の爬虫類を打倒せよ!~踊る聖杯戦争~東京23区から脱出せよ!~ 43 神がおわしめすならば、私には必ずや天罰が下るでしょう 48 ギルガメッシュとエルキドゥ(前編) 49 ギルガメッシュとエルキドゥ(後編) 先導アイチ No. タイトル 作者 OP.4 ある御伽話 ◆3SNKkWKBjc 00 Welcome to Tokyo crazy world! 25 生と死を別つ境界の東京 36 光と闇の童話 39 ヒトクイロマンチスト~隻眼の王の帰還~ 41 踊る聖杯戦争~不死身の爬虫類を打倒せよ!~踊る聖杯戦争~東京23区から脱出せよ!~ 42 定時通達 47 you 48 ギルガメッシュとエルキドゥ(前編) 49 ギルガメッシュとエルキドゥ(後編) 50 Welcome To The Black Parade! ルーラー(大典太光世) No. タイトル 作者 47 you ◆3SNKkWKBjc 48 ギルガメッシュとエルキドゥ(前編) 49 ギルガメッシュとエルキドゥ(後編)
https://w.atwiki.jp/grailwar/pages/17.html
基本的に無料のインターネット電話サービス。 http //www.skype.com/でダウンロード可能。 TRPG聖杯戦争は音声通信ではなく、チャット機能を使用する。 Skype表示名の後に「@(マスター名)」とマスター(PL)の名前を付けると分かりやすい。 GMウィンドウ 監督役(GM)がマスター(PL)を全員、チャットに招待して作成したチャットウィンドウ。 全員が対象のチャットはGMウィンドウで行う。 雑談等に使用しても良い。 PLウィンドウ 監督役(GM)がマスター(PL)を個別にチャットに招待して作成したチャットウィンドウ。 マスター(PL)の基本的な行動はPLウィンドウで行う。 チャット チャットでは台詞と選択・宣言の区別を付ける為、括弧を付けて会話すると良い。 サーヴァントは真名を秘匿する為、クラス名や愛称で呼ぶと良い。 クラス名を詐称したり、嘘を吐いても良い。 特に、裏切りを警戒されやすいアサシンはクラスを秘匿するべきだろう。 勿論、不利を承知でクラスや真名を暴露しても構わない。 尚、円滑に進行する為、マスターとサーヴァントを両方喋らせようとせず、マスターのみ喋らせる事を推奨する。 プレイヤーはマスター(PL)であってサーヴァントではないし、サーヴァントは普通、非戦闘時は霊体化して姿を隠している。 この為、サーヴァントは戦闘時以外姿を見せず、戦闘時も宝具名を叫ぶだけ、くらいが丁度良いだろう。 選択・宣言 監督役(GM)とマスター(PL)は行動を選択・宣言する時、台詞と選択・宣言の区別を付ける為、隅付き括弧を付けて行動を選択・宣言する。 基本的に先に選択・宣言された行動を採用し、後出しは認めない。 選択・宣言のテンプレート(GM) 選択・宣言のテンプレート(PL) 裏切り等、どちらが先に選択・宣言したかで物言いが発生した場合、以下の手順で決着する。 前衛と後衛の配置を宣言 行動順の決定 先手を取ったマスター(PL)の行動を採用 (必要であれば)前衛と後衛の配置と行動順はそのままで、次の行動を進行する
https://w.atwiki.jp/nijiseihaitaisen/pages/101.html
正午。聖杯大戦、その全ての参加者たちの懐の中で、端末は甲高い電子音を響かせた。 聖杯、その管理者からの定時報告。その一回目。 聖杯を手に入れんと野望する者も、逆に聖杯を破壊しようと反抗する者も、あるいは未だに立ち位置を決めていない者の元にも。 等しく、その報告は届けられた。 『現在ムーンセル内に各陣営11組、全22の主従を確認。 "聖杯大戦"の開始を確認。 同時に現時刻より各陣営のみに開示される掲示板を生成。各自の端末からアクセス可能』 業務的な、たった三行の文章。 それが聖杯大戦の参加者たちには、戦争への徴兵令のようにも感じられた。 いや。事実、これは彼らへの《聖杯戦争》への徴兵に他ならなかったのだが。 ◆ 「全部で22組、ですか。存外に多いですね。 事前に頭に入っていた説明から考えれば、14……多くても16組だと思っていましたが」 太陽が中天に登る時刻であろうと、それでもなお昏い場所はある。 例えば。冬木郊外の森の中、チンピラたちが根城にする廃墟であるとか。 「俺みたいな亡霊以下が呼び出されるんだ。イレギュラーなんて、最初から起こっていると見るべきだよマスター」 あるいは、昏く思えるのは。 死の気配が、深く纏わりついているからか。 普段其処此処を根城にしていた無頼漢達の姿は、最早この場には存在し得ない。 彼らがこの世に残した痕跡は、廃墟の壁や床の赤黒い染み、そして広間、その中央に敷かれた、"染みと同じ液体で描かれた幾何学模様の陣"、それだけだ。 「ウォーミングアップには丁度いい運動だったよ。おまけに後処理までやってくれるなんてサーヴィスがいい」 「こちらとしても目的はありましたのでね。容量は屑石ですが、賢者の石が手に入ればこの先の動きにも幅が出ます」 此処に居るのは、二人の死人。 人造人間に取り込まれ、賢者の石、人の魂から生まれ、人の怨嗟の声という"情報"の中へと消えていく運命にあった錬金術師。 あるいは一夜の夢、人の噂という"情報"から生まれた殺人鬼。 ゾルフ・J・キンブリーと、そのサーヴァント、七夜志貴であった。 「しかし掲示板とは。この情報端末とやらもですが、文明が進歩すると便利なモノもあったものですね。 これだけの通信設備があれば、聖杯戦争の関係のない、現実の戦争でも大層役に立つでしょう」 「実際、元は戦争で生み出された技術の転用らしいよ? 俺が習ったわけじゃないがね」 割れたガラス、欠けた石壁から野外の空気が入ってくる。 しかしそれでも血腥い臭いが色濃く残る室内で、殺人鬼の主従は事もなげに世間話に興じる。 「成程。この世界の法則にも、ある程度の興味はありますが……やはりそのような横道に逸れている時間はなさそうですね」 「当然。さてどうするマスター? 好きにやれとは言われたが」 この"通達"を境に、間違いなく戦争は激化する。 彼らには、その確信があるのだ。ならば、それに乗り遅れるわけにはいかない。 「ふむ、そうですね……まずは、この聖杯戦争の参加者と会ってみたい。この戦争に放り込まれた彼らが、何を考え、目的とするのか知ってみたい。貴方には、いくらか我慢を強いるかもしれませんが」 「それくらいなら構わないさ。雇い主の趣味に合わせられないくらい、無理解な従者じゃないつもりでね。それに――最後はやるんだろ?」 風を切る音と共に、七夜が手にした短刀を弄ぶように空に振る。 刃に滴っていた血液が飛び散り、幾らかキンブリーが顔を顰めさせた。 「ええ。この聖杯戦争に参加した者達がどのような信念を持ち、そしてそれを貫けるのか。そして聖杯は最後に何を選ぶのか。同じように、貴方にも貴方らしく動いてもらわなければ。 ……それと、そういう真似は控えてもらえますか? 一応このスーツは気に入っていましてね。返り血がつくと気分がよくないのですよ」 「おっと、そりゃ失礼マスター。 ……しかし、マスター……マスターね。まさか二度もマスターができるとは思わなかった」 「おや、以前にもサーヴァントをやったことが?」 「そういうわけじゃないさ、夢みたいなもんだ。 ……しかしおかしな身の上だな。まさか俺が英霊とは。こんな殺人鬼、亡霊もいいところだろうに」 なにかを思い出すような眼で、七夜は自嘲の笑みを浮かべる。 キンブリーはその様子を見、帽子を目深に被り直してから今まで座っていた椅子から立ち上がった。 「なに、亡霊と言えば私も似たようなものです」 「だからこそ、今度は趣味に走るとしましょう。ねえ?」 ◆ *** ――夢の始まりは、その背中だった。 *** 掌の中で電子音を鳴らす端末を、二、三の操作で黙らせて、男は溜息を吐いた。 「ファック。失敗した」 男は魔術師だった。魔術師達の学舎、時計塔の講師。 その"特殊な来歴"から、彼は、偶然耳に入った月の聖杯戦争の噂を調査しようと、月の石を知り合いの伝手で取り寄せ、自らの手元置いた。 それがいけなかったのだ。 届いてすぐに、他の者の手で管理させるべきだった。 願いを持つ者を月へと呼び寄せる。その効力を正しく理解していなかった。 いや――あるいは、理解していて、心の底では望んでしまっていたのか。 あの王と、再び出会う事を。 「……くだらないな」 結論から言えば、その目論見を内心で男が持っていたとしても、これは失敗したと言う他ない。 召喚された英霊は弓兵《アーチャー》。何の因縁か、かの王を打ち倒した英雄王と同じクラス。 結局、男はあのライダーに出会うことは叶わなかった。 夢想の代償は、再びの聖杯戦争。今度も生きて帰れる保証はない。 だが、生きて帰らなければならない。約束を守るために。 「随分と不満気な顔だな、マスター。 ――まあ、こんな英霊くずれを召喚したとなれば仕方がないか」 傍らに待機していた英霊が、皮肉気に語りかけてくる。 ――召喚されて早々に、「出番のない事を望んでいたのだが」などと言って来たサーヴァントだ。皮肉は性分らしい。 「そういうつもりはない。君とはいい関係でいたいからな。 ……それよりもだ。本当に聖杯は必要ないのか?」 「理由はマスターが言ったと思うが? 黒の陣営の聖杯が汚染されている可能性があるならば、それを使おうとするサーヴァントなどそうはいまい。 聖杯の魔力のみを抽出し、直接願望を実現できるレベルのキャスターならばともかくだが、私はそういったサーヴァントではないのでね。 一応魔術は嗜んでいるが、余技程度に過ぎん。得意分野以外では、マスターと大して差はあるまい」 「……それは皮肉か? いや、話を逸らすな。何故私の話をそうもすんなりと信じるんだ? 虚偽の可能性について考えないのは何故だ?」 「嘘を言ったとして、マスターが得をするわけではあるまい。 敵陣営の聖杯が汚染されている、という虚報ならば意味があるが、しかし味方陣営の聖杯が汚染されているなどと嘘を吐いても味方の士気を下げるだけだ」 アーチャーの理屈は、筋は通っている。 だが、同時に妙な違和感を男は覚えた。 言うなれば、"答えを予め知っている問題"に対して、もっともらしい答えを返しているような。 (……考えすぎか? どちらにせよ、聖杯が汚染されていること自体は納得しているのだから深く突っ込むまでもないか……?) その不審さに、突っ込むべきか、あるいはそっとしておくべきか。 考え込む男の耳に、 「しかしイスカンダル、か。 かの征服王の元マスターがマスターとは、光栄と言っていいものか」 不意打ちじみて、アーチャーの言葉が飛び込んだ。 「……なんだと?」 「失敬。おそらくは休息時に、パスからマスターの記憶が流れ込んだらしい。 ほんの一部、それこそかの征服王にまつわる記憶だけだが」 「……あまり品のいい所業ではないな、アーチャー」 「見たくて見たわけではないのだがね」 「だとしてもだ。わざわざ人の記憶に口を出されるのは、正直いい気分ではない」 「それは失礼した」 悪びれる様子もなく、肩を竦めるアーチャー。 その様子が気に障ったからか。 ――あるいは、記憶の裡に触れられたからか。 つい、踏み込んでしまった。 「あの二騎の裁定者《ルーラー》。因縁のある英霊か、アーチャー」 二騎の裁定者《ルーラー》の英霊。彼女たち自体は、男も見たことがある。 選定の剣を抜いた、ブリテンの騎士王。 男が第四次聖杯戦争で戦うこともあった、セイバーのサーヴァント。 その側面が彼女たちだ。 ――あれを見た時、アーチャーは明らかに動揺した。 この赤い弓兵に、かの英霊とどのような因縁があるというのか。 「……いや、そんなことはないさ」 しかしアーチャーは、その疑問を一言で否定した。 嘘だ、と男は直感する。理由のない、しかし確信。 「……そうか」 けれど男は、それに触れるのを避けた。 その傷を抉れば、きっと自らにも返ってくる。そう理解できたから。 *** かつて喚んだ英霊に憧れた、それが始まり。 ウェイバー・ベルベット。それがかつての男の名で、 ■■■■■■。それがかつての彼の名。 そして、その憧れた背中を追った者。 ロード・エルメロイII世。それが今の男の名で、 無銘。それが彼の名だった。 【クラス】 アーチャー 【真名】 無銘 【パラメーター】 筋力D 耐久C 敏捷C 魔力C 幸運E 宝具E-~A++ 【属性】 中立・中庸 【クラススキル】 対魔力:D 一工程による魔術を無効化する。 魔力避けのアミュレット程度の対魔力。 単独行動:B マスターからの魔力供給が無くなったとしても現界していられる能力。 【保有スキル】 心眼(真):B 修行・鍛錬によって培った洞察力。 窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す“戦闘論理” 逆転の可能性が1%でもあるのなら、その作戦を実行に移せるチャンスを手繰り寄せられる。 千里眼:C 視力の良さ。遠方の標的の捕捉、動体視力の向上。 魔術:C- オーソドックスな魔術を習得。 得意なカテゴリは不明。 【宝具】 無限の剣製(アンリミテッドブレイドワークス) ランク:E-~A++ 種別:対人宝具 レンジ:30~60 最大補足:??? 錬鉄の固有結界。 一度目視した剣を登録し複製することができる。 【weapon】 干将・莫耶 赤原猟犬(フルンディング) 偽・螺旋剣(カラドボルグII) 熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス) 永久に遥か黄金の剣(エクスカリバー・イマージュ) 自身の投影魔術によって模倣した武具の数々を使用する。 【人物背景】 無銘の正義の味方。 【サーヴァントとしての願い】??? 【マスター】ロード・エルメロイII世@Fateシリーズ 【参加方法】月の石を取り寄せ、それに引かれて月へと召喚された。 【マスターとしての願い】ない。あるいは―― 【weapon】簡易魔術礼装である葉巻 【能力・技能】 魔術師としての腕は平凡。 しかし、その講師としての才能は非凡極まるものである。 【人物背景】 かつて征服王の背中に誓いを立てた、現代にただ一人の彼の家臣。 【方針】 聖杯の調査。 投下順で読む Next.Fearless
https://w.atwiki.jp/nijiseihaitaisen/pages/100.html
柳洞寺。 深山町の外れ、円蔵山の中腹に建つ五十人からなる修行僧が生活する山寺である。 その山門前。石段の最上より、キャスター、ルサルカ・シュヴェ―ゲリン=マレウス・マレフィカルムは、冬木の街を見下ろしていた。 「こうしてみると、とんでもなく平和で平凡な街よね」 彼女が高台から見渡す冬木の街は、早朝の静けさに包まれ、身動きもしない。 あと数十分もすれば、起き出した人々によって街は目を覚まし、その営みを始めるだろうが、それもまた聖杯戦争のざわめきからは程遠い。 しかし確実に、聖杯戦争は、この街で始まっている。故にルサルカは、この異国の街に呼ばれたのだから。 (……またこの島国、っていうのは業腹だけどね) 彼女のマスターである直枝理樹は、この寺に住む修行僧たちに付き添われ、寺の離れの中で眠りについている。 魔術暗示によって彼らは理樹を"柳洞寺の跡取りである柳洞一成の親戚"と思いこみ、そして『家を火事で焼き出された』理樹を寺で保護しているということになっているのだ。 無論、魔術暗示をかけたのも、理樹を運びこんだのも、あまつさえ火事を起こしたのもルサルカである。火事については、万一にもルーラーに警告されないようにNPCに被害を出さない注意はしたが。 このような芝居を打ってまでルサルカが柳洞寺に入り込もうとしたのは、ひとえに柳洞寺という土地の特異性が大きい。 柳洞寺はこの冬木の霊脈の要所。 ここを押さえ陣地にするということは、供給される魔力において大きなアドバンテージを得ることに等しい。 さらに柳洞寺に張られた"結界"は、正門の石段以外からのサーヴァントや霊体の侵入を阻む。 こと聖杯戦争においては、まさに柳洞寺は城塞に等しい。 無論それ故に他のサーヴァントに目を付けられる事態も考えられるが、ルサルカからすればそのような危険を冒してでも柳洞寺を手に入れる価値はあると踏んでいた。 もしも敵陣営のキャスターにこの要所が敵陣営の陣地とされるようなことがあれば、こちらの陣営は著しく不利となる。 無論、それは逆も然り。 だからこそ現在ルサルカに必要なのは、柳洞寺を守る衛視である。 同じ陣営のサーヴァントを引き込み、前衛にすることができれば守備は十分に盤石だろうが、今現在のルサルカにはそのサーヴァントの居場所の情報がない。 魔術による使い魔と、暗示をかけた柳洞寺の関係者を街に放ってはいるが、今のところ成果はなしのつぶてだ。 とはいえ、聖杯戦争の開始の号令があってそれほど時間も経っていない以上、それ自体は仕方のないことではあった。 当のルサルカも、今のところはそこまで切迫して問題視はしていない。いくら敵の存在を感知しようと、白昼堂々とNPCが住んでいる人寺に攻め込んでくるような輩などそうそういる筈もないと考えているし、いざとなれば一般人を盾にするなりしてもよい、と高をくくっていた。 今のところ考えたい問題は、それよりも別のところにある。 (満足な陣地を刻むにはまだ魔力が足りなかったから、試しに一人"食べて"みたけど……) そこでようやくルサルカは、自らの足下に転がり、今まさに0と1に分解されていく肉塊に目を向けた。 魂喰い。 その犠牲となった被害者は、最近円蔵山の周辺に住みつき柳洞寺から食料品などを盗んでいた浮浪者だった。 柳洞寺に住む人間が行方不明になれば、柳洞寺に隠れることは難しくなる。 それを危惧していたルサルカにとって、いなくなっても誰も騒ぐことのない浮浪者は、都合のよい生贄に他ならない。 (ま、それは置いておくとして。……気のせいじゃないわよね。この浮浪者の魂を喰った瞬間、わたしの魂の総量が"増えた") サーヴァントでなかった頃の、生前のルサルカ・シュヴェーゲリンも、人の魂を喰らう存在、その類型であった。 ならばこそわかる。魔力ではなく、自らの魂が、確かに人間一人分肥大化したことが。 ムーンセルに召喚されたサーヴァントというのはつまり、ムーンセルの計算領域(メモリ)を占めて再現された存在。 偽りの冬木に生きるNPCも同じく、ムーンセルのメモリを利用して存在している。 それを魂喰いするということは、NPCが使っていたメモリをサーヴァントに取りこむということだ。 そして"英霊の座"の本体の再現であるサーヴァントを『再現する』容量が増すということはつまり、NPCを喰らう度に、サーヴァントはその本体の霊格へと近付いていく。 無論英霊の具現であるサーヴァントと、単なる人間を模しただけのNPCではデータ使用量にも大きな違いがある。 NPCの一人や二人、あるいは十人も喰らったところで、大した強化にはならないだろう。 ならば、それ以上の数を喰らえば? 可能性はある。だが、それはルーラーに禁止されている。 (……大がかりな魂食いの禁止っていうのは、むしろそっちを阻止する方がメインなのかしら) 先ほどの理論が正しければ。 NPCを魂喰らいし続ければ、そのサーヴァントは本来決められた枠よりも強大に成長することができる。 強く。そう、聖杯戦争の枠組みを破壊しかねないほどに。 実際にそれが可能かはともかく、ルーラーが禁止する理由としては十分に過ぎる、とルサルカには思われた。 (だとしても、これを利用しない手はないわ。上手くルーラーや同陣営のサーヴァントを出し抜ければ、わたしが聖杯を手に入れるための大きなアドバンテージになる) 聖杯大戦が終わった時。その時生きていた同陣営が、仲良く聖杯を分け合うことができるとなどと、ルサルカは信じていない。 『その時』が来た時のために、ルサルカには元仲間を『引き摺り落とす』ための切り札が必要なのだ。 (そう。わたしは今度こそ、不老不死を手に入れてみせる) サーヴァント。英霊の座に座する、ある種永遠の存在。 そして聖杯。生前求めた不老不死は、此度こそルサルカの手の届く場所にある。 渇望を抱えて、ルサルカの姿は山門の中へと戻っていった。 【B-1/柳洞寺/一日目 早朝】 【直枝理樹@リトルバスターズ!】 [状態]健康、睡眠中? [陣営]白 [令呪]残り三画 [装備] [道具] [所持金] [思考・状況] 基本行動方針:―――。 1.―――。 [備考] キャスター(ルサルカ)の暗示によって、柳洞寺の僧たちに『柳洞一成の親戚である』と思い込まれています。 【キャスター(ルサルカ・シュヴェ―ゲリン=マレウス・マレフィカルム)@Dies irae-Amantes amentes-】 [状態]通常、陣地作成中 [陣営]白 [装備] [道具] [所持金] [思考・状況] 基本行動方針:聖杯を手に入れ、不死の永遠をこの手に。 1.柳洞寺に陣地を築く。 2.味方陣営のサーアヴァントと合流したい。 3.『魂喰いの副次作用』に興味。 [備考] 魂喰いによって『自らの霊格を上げることができる』ことに気がつきました。 投下順で読む NextFirst material
https://w.atwiki.jp/222seihaisensou/pages/142.html
前回までのマイケル・スコフィールドの第二次二次二次聖杯戦争は。 マイケルは兄と共に脱獄するも逃亡劇の末に命を失うことになるはずだった。だが死の寸前奇跡が起き、アーチャーのサーヴァント、ワイルド・ドッグのマスターとして聖杯戦争に参加することとなる。 本選開始後魔力不足で倒れたマイケルは病院で扉間と幸村組と遭遇し一先ずの同盟を結ぶことになる。 一方病院を目指していたアルトリアとテレサは勘違いから衝突しそれにカルナが介入し公園は焦土と化した。その光景にマイケル達は戦慄するも、やはり病院を目指していた兵部が消耗しているカルナの追撃を提案、マイケル達はこの提案に乗るがあと一歩のところでイリヤの殺害に失敗してしまう。 またこの頃マイケルの魔力の消耗はワイルド・ドッグをサーヴァントとして維持することが不可能なまでに深刻化していた。追い詰められたマイケルはそれまでの同盟相手であった茜達の魂喰いを決断するもとりあえずの潜伏先にしたスーパーで二つのハプニングに襲われてしまう。一つはワイルド・ドッグがマイケルに秘密で同盟交渉をしていた少佐のサーヴァントである伊達男ことトバルカインに拘束されたこと。もう一つはワイルド・ドッグの魂喰いが失敗したことである。 絶体絶命の状況に追い込まれたマイケルだったがなんとか時間稼ぎに成功し、 幸村組とワイルド・ドッグとの合流に成功するもまほろ達との接触などで混乱している所をカルナに奇襲され遂にマイケルは聖杯戦争の当事者となった。 圧倒的なカルナの前に全滅の危機に陥るがここでマイケルらマスター達は一斉に令呪を使い体勢を整えることに成功、しかし魔力を持たないマイケルには令呪の魔力は負荷が大きく、昏倒してしまう。 一方マイケルのサーヴァントのワイルド・ドッグは独自の行動を開始した。カルナが変態仮面こと狂介によって無力化されたのを見ると戦場から離脱しのび太抹殺のために宝具を使う。これは返り討ちにあったものの伊達男の助けで辛くものび太を拘束、近くで気絶していたナノカから腕ごと令呪を奪うと爆殺し、マイケル達を連れて冬木ハイアットホテルへと逃走。この行動にカルナをぼろぼろになりながらも退けたまほろと変態仮面はワイルド・ドッグの陰謀と判断して追跡しホテルの地下駐車場に乗り込むとパピヨンも交えた戦いの末にワイルド・ドッグを成敗したのであった。そして舞台は冬木ハイアットホテルへと移り更に混沌とする…… 冬木ハイアットホテルを爆破予告した張本人である少佐はなんとそのホテルに自身の拠点を移していた。彼は捕捉していたいおりとアリシアのランサー主従を同盟に引き入れホテルへの合流を要求する。一方病院でカルナ戦のあと気絶したまま取り残されていた扉間は、マスターのりんが他の病院に転院されることで冬木市から出されようとしているのをすんでのところで察知、これを食い止めるもカルナと秘密の同盟を結んでいた美遊に主従まとめて捕捉されてしまう。扉間はこの状況を、マイケル達がホテルにいると気配感知で察知したことで、カルナ打倒の同盟がホテルに集結しているととっさに匂わせることで切り抜ける。美遊からしてもカルナに、そのマスターであるイリヤに敵対する人間がどれだけいるかを知ることができる貴重なチャンスだったのだ。こうして少佐とそのサーヴァントが待つ冬木ハイアットホテルは、マイケルとワイルド・ドッグ、茜と幸村、変態仮面とパピヨン、いおりとアリシア、扉間とりん、美遊と小野寺の六組と、それぞれパートナーを失ったのび太とまほろが、それぞれの思惑を胸に集うこととなった。 ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ 左手だけで牌を揃えるとアーチャー・安藤まほろはルールブックを下家のいおり達へと渡す。受け取ったアリシアが時折いおりと視線を合わせながら書き込み、また下家へと。次も次も同じ書き込み、手渡し、そしてまほろの元へと戻り、また渡す。 ここまでの数十分で情報交換は着実に進んでいっていた。キャスターによって提案されたときは冗談かと思っていたが、この筆談による会議は想像以上に上手くいっている。それぞれの話を何度も読み返せて考えながら書くためテンポは遅いが、その分各々が誤解しそうなことは発生しにくい。当たり前といえば当たり前なのだが、先の混乱した話し合いの後だけに堅実な会話ができることにホッとするものがある。もっともそれはあのアーチャー達から距離を取れたこともあるのだろうが。 「どうした安藤。そんなに見てもこれは一蝶羅なんでな、やらんぞ。」 「――!いや見てないです!ポ、ポン!」 否、前言撤回。キャスターの目を見て、正直に言って、あのアーチャーやアサシンよりもその本質が危険であるとまほろは感じた。露悪的なところがあるが、しかしそれで脅威の底が見えたとはまるで思えない。マスターのことも考えて警戒は厳にしなくてはならないだろう。 脅威と言えばバーサーカーもわからない。マスターの美遊が高い魔力を持っていることからも、その戦闘能力は期待できるが、しかしそれがこちら側に向いたときどうなるのか、予想は難しい。 そういう意味ではランサーは最も信頼に足る人物と思えた。彼女とはほんの僅かな時間しか行動を供にしていないが、もっとも常識的な倫理観・価値観を持っていると感じる。少なくとも目を離した隙に共闘相手のマスターを暗殺しようなどとしないという意味では。 (……) しかし、だ。 まほろの中ではある疑念が――マスターになにか特別な力があるのではないかという疑念が膨らむ。それが彼らへの信頼を躊躇わさせる。一回りしてきたルールブックに書き込む手が一瞬止まった。 彼女のマスターであるナノカは十代前半でありながらサーヴァントである彼女を改造するほどの腕を持っていた。キャスターのマスターである狂介はあのカルナ相手に戦えるほどの身体能力を持っていた。バーサーカーのマスターである美遊は一度に何騎ものサーヴァントに魔力を供給している。そしてのび太もサーヴァントと、それもアーチャーと銃撃戦をするほどの腕があった。 となればこうは考えられないだろうか?『マスターは特別ななにかを持った人間が選ばれる』と。 無論これは根拠のない憶測だ。ランサーのマスターであるいおりやここにはいないマイケル・スコフィールド、九重りん、日野茜、そして教授のマスター、彼らには今のところ常人と違うといえるものはない。アイドルであることや刺青があることでマスターに選ばれた、というのは考えにくいだろう。だがそれ故にこうも考えられないだろうか。すなわちこの五人は手の内を隠していると。 この聖杯戦争がバトルロイヤルの形式をとっている以上、当然自分の情報は秘匿すべきものだ。そうでなくともわざわざ見せびらかしたりはしないだろう、とちらりと狂介を見て思う。あんなの公然ワイセツじゃないか。 よってマスター達がなにか隠していたとしてもそれを聞き出そうとするのは無意味だしそのことを理由に信頼できないなどというのは無茶苦茶なのだが、しかしそれはそれでこれはこれなのだ。まほろとしては現状、とにかくあのアーチャーの危険性を警告しておきたいのでこうして麻雀をしている訳だが、それの方がついた後はこのホテルを立ち去るべきかもしれない。このホテルにいつまでもいることは危険である。それに回収せねばならないものも……考えはどんどん膨らんでいく。 「――ロン、メンタンピン一発ドラ1……裏ドラ乗ってドラドラ、跳満です」 とんだ狂介の叫び声を聞きながらまほろはどうここから穏便に脱け出すかを考え始めた。 ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ビルの屋上にいることが多い気がする、とアーチャーに言ったら笑われた。 「あんまり実体化できる場所って少ないですよね。」 確かに。サーヴァントの姿はあまりにもこの街では目立ちすぎる。まあもとから『クレイモア』なんて一目で言われるほどだったので人前で実体化することに抵抗はないのだが、この聖杯戦争では直ぐに情報が広まってしまう。ネズミのようにこそこそしておくのが得策だろう。 「和服、だったか。お前の格好ならそう悪目立ちはしないだろ?」 「時代が違うのでなんとも……お祭りの時ならまだ浮かないかもしれませんけれど。」 民族衣装というものだろうか。チョコの教科書に乗っていた。今の世界ではだいたいどこの人間も同じ服を着ているという。元いた世界と違いこれだけ豊かなら皆が皆違う服を着ていてもおかしくないだろうに、人間とはわからない。 「――でも驚きました。まさか……ね。」 「あぁ……あまりに言葉も人種もなにもかも違うんで、物語のなかの国にでも来たと思ったんだが。」 「事実は小説よりも奇なり、でしょうか。」 といっても、ある意味では物語の中に入っていると言えなくもないのだが――いや、よそう。今はそれを言うべき時ではない。 「そういえば、ゴスロリ、でしたっけ。コスプレというものですか?」 「いやいや、私のは黒魔女としての衣装っていうか装備っていうか。そうじゃなきゃこんなアッついの着ませんって。」 「そんな感じなんですね。」 「そんな感じなんです。」 そんな感じなのだ。 ゴスロリは非常に目立つためセイバー達に同行していた。ゆえに今現在このビルにあるBOOK・OFFにはアリスが単独で向かっていることになる。ではなぜ古本屋などにこんな時間に行っているかという話になるのだが、その理由は―― 「――!『しゅごキャラ』と『地獄少女』、それに『カードキャプターさくら』でしたね。見つかったようです。」 「ということは。」 「ええ、やっぱり無かったみたいです。」 「じゃあ仮面ライダーは?」 「待ってください……『アギト』、『龍騎』、『555』、『剣』……」 「やっぱり、ない。」 「ですね。」 「ということは。」 「――はい、『ドラえもん』もありませんでした。」 アーチャーの言葉を聞いて、ふぅ、と息を吐いた。それを見てセイバーも、ふむ、と言ってみる。 彼女達がなぜ日も落ちた頃にわざわざ古本屋へ足を運んだのか。それはあることを確かめるためであった。元は、チョコが暇潰しに翠屋でテレビを見ていたときのこと。民放が違うことに驚いたり慣れない地デジに悪戦苦闘したりして、結局目当てのチャンネルがわからず新聞(これも聞いたことのない名前だった)のテレビ欄で番組を探していた。その時は東京のチャンネルに対応していると思われるチャンネルを見つけたが、どこにも目当ての番組が無かったので、特番か何かで流れたのかと思いそれきり頭から抜け落ちていた。当たり前だ。まさかテレビ番組が聖杯戦争と関係するなどとはチョコが小学生であることを差し引いても考えつかないだろう。そんなものを結びつけるのは正気ではない。 しかし、今彼女達はその正気でもない考えを検証していた。セイバーは思う。もしこれが、仮にあんな狂気の仮定が本当ならば、今の自分という存在はなんなのだろうか。聖杯というものの権能の強大さと矮小さを同時に感じる。とはいえ彼女としてはみすみす生き返るチャンスを逸するのはつまらない。である以上あくまで聖杯は手に入れたいところだがしかし…… そこまで考えて、彼女はアーチャーの言葉で顔をあげた。 「――『バトル・ロワイアル』という漫画は知っていますか?」 ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ 冬木ハイアットホテル最上階の一室。やけに長いテーブルの上にはところ狭しと料理が湯気を立てて並び、室内には芳しい匂いで包まれている。それらはつい一時間ほど前に他ならぬライダーによる爆破予告で営業が不可能になった下階のレストランから持ってこさせたものだ。肉、野菜、魚、各種のレバノン料理が香りで席に着く人間達の食欲をそそる。それはこの晩餐会を整えたライダーも例外ではない――というか一番腹減ってる。 「さて、腹を割って話そうじゃないか。」 「話すか。何をだ。」 「こういう時にする話は一つだ。わたし《こちら》とあなた《あちら》がそれぞれ何を望み求めるか。」 席に着いた六人六騎にそうライダーは問いかける。 「ならまずはお前が何を願いこのパーティーに来たのか、とっくりと聞かせてもらおうか。」 「願いか。参ったな、私はそういう動機なり目的なりは持ち合わせがないんだ。」 「ふん……その太い腹はなかなか割れそうにないな。」 「いやいや、私は別にこれといって目的を持って召喚されたわけではないんだ。強いて言うのなら、召喚された段階で私の願いは叶っていたよ。」 にやりと片頬を吊り上げながら言ったライダーの言葉にキャスターは眉を仮面の下で動かす。しかしライダーの言葉に嘘偽りはない。召喚された当時は召喚された段階で叶っていたのだから。 ライダーとしては、聖杯戦争に参加することに抵抗はない。いくつもの厄介な制約とそれとうって変わっての野放図な面も、許容し得るものだ。この糞のような戦いに道化として興じるのもやぶさかではない。であるが、だからと言ってサーヴァントなどという己の境遇は真っ平だ。せっかくなので一度経験しているだけでありライダーがこの戦争にかける狂気も妄執も生前のものとは程遠い。いうなれば卓上遊戯、更に言えば観光、その程度であった。 しかし。しかしこの聖杯戦争が、ライダーの知るあの聖杯戦争であるならば、話は違う。そうだ当然違う。あの時あの場所であのキャラクターにより行われたものと近似するならば、その中身も含めて素敵だ、素敵だ、ああ素敵だ。だが問題もあった。小聖杯はどうなっているのか、聖杯はどこに現れるのか、あの英雄王は存在するのか、監督役は、御三家は。またこの聖杯戦争にはいくつかの特徴がある。明らかに数の多いサーヴァント、なんら一般人と変わりなく思えるマスター、ここが月であり都市一つをシミュレートしていることそれ自体。この差異はなんなのか。そしてそれらを調査するためにどこまでのコストをかけてよいものか。 そこでライダーが目をつけたのがセイバーだ。看板娘がいない聖杯戦争なんてあるわけないよなあ? (看板娘は桜じゃ?) (るっせー蟲蔵放り込むぞ。) (は?麻婆食わせますよ麻婆。) まあ本音を言えば、ドラえもんの発見時はまだしも黒いバーサーカーやパピヨンを確認できた段階で、既にこの聖杯の権能の確証は得ていたと言える。ましてやまほろさんやのび太を拘束できた以上もはや疑いようもない。だがそれでも、ライダーにとってセイバーとは、アルトア・ペンドラゴンとは特別な意味を持つ。この聖杯があの聖杯をまなざしていることの証左に他ならないのだから。趣味としても実益としても、ここが冬木で、ここが聖杯戦争の舞台であるというのなら。丘へと登り、見えるはずのない地平線を見るために。 第二魔法への到達。 シュレディンガー准尉をも捉え、再現し、あまつさえいっしょくたに世界を越えて魔女の釜に投げ入れる。そんな無茶を通して道理を踏みにじる聖杯を手中に納めたとき、その時ライダーは、私は、三千世界の私を兵装し、構築し、教導し、編成し、兵站し、運用し、指揮する、私こそが遂に人間《私》を指揮する。私こそ『最後の人間』《Montina Max》! 「諸君。私は――」 いざゆかん。全て遠き理想郷《カーニバル・ファンタズム》へと。 ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ただいま夜の十時です。普段はこのぐらいの時間には寝てないといけないんで久しぶりの夜更かしです。街の夜景がキレイだなぁ。白に黄色にオレンジ、そして点滅する赤、赤、赤。八月ってことを忘れたらクリスマスに見えなくもないかも。 「ご協力感謝します……」 虚ろな目をしたお巡りさんがそう言って離れていくと、夜景が動き始めました。キレイな景色とも、これでお別れ、というわけには、いかないんだなあこれが。 「これで検問九個目だっけ。」 「十二個目だな。」 私の左側、運転席の後ろに座っているセイバーさんが答えると誰のものかわからないため息が聞こえました。うん、わかるよ。私も先から検問を見るたびにため息ついてるもん。渋滞で全然動かないから嫌になっちゃうんだよね。それにもう軽く一時間は同じ姿勢で座りっぱなしだからおしりも痛いし。車の真ん中の席って思ったより窮屈で。 「13個目が見えたわ。」 助手席のアリスさんもだるそうに前の方を指差しています。ようやくホテルのふもとまで来たけれど、やっぱりそこでも検問があるようです。赤いパトランプがくるくる回っています。 まあ、それでも、なんとかホテルに入れそうだから良いのかな。周りなんかお巡りさん以外にも野次馬とかマスコミっぽい人がちらほらいる。これだけの人に誤魔化そうとして魔法をかけたら、他の組にも絶対バレちゃうもん。 だけど、やっぱりいい加減タクシーから降りたいっていうのがホンネだよね。体のヘンなところが痛くなってきたよ。 「聖杯戦争っていうから、なんかもっと、戦うって風だと思ってたんだけど 、移動時間の方が長くない?」 「それは、運が良かったと思いましょう。」 う~ん、アーチャーさんの言うこともそうなんだよね。これまで私が危ない目にあったことはないし。まあそれもある意味当然と言えばそうなんだけれども、でもさあ。 「それに思わぬ収穫もあったんですし。」 ……確かにね。それも、やっぱり、アーチャーさんの言う通りだよ。今私の膝の上にあるものは、ただのゴミにも脱出の鍵にもなるかもしれない。ここまでタクシーの中で調べてみたけど、読んでるだけじゃダメで体験した方がいいかもしれないけど、それでも。カウンターパンチできる仲間たちを、ワイルドセブンを集められたら、きっと。そう思ってようやく着いたタクシーから降りて、ホテルに入った私とセイバーさんが最初にあったのは―― 「そろそろ来る頃だと思ってね。じゃあ僕は少佐と夜食持ってくんで、バイバ~イ。」 「ご苦労……さて、貴様らがセイバーと同盟している連中か。」 うん、変態でした。猫耳の男の子の何か話していたその人は、ピッチリした服に、なんか、もっこりしてて。魔界でもなかなかいないよこんな人。魔神かな?でも、ううん、言わないとダメだよね。この人がアリスさんの言ってたキャスターだろうし。聖杯戦争を止めたいって堂々と言うぐらいなんだから、話せばきっとわかってくれる。 今聖杯戦争にいるマスターとサーヴァントの組合せは十六組。私とセイバーさんのほかに七組の人達に賛成してもらえれば、ちょうど半分。そうすれば、この聖杯戦争から脱け出せる。アリスさん達とそれに狂介さん達とクロノ君たち。今のところ協力してくれそうなのはこの三組。あと四組増やすためにも、この人たちとはちゃんと話さないと。 挨拶が終わったあと、実は、ってキャスターの耳に口を近づける。小声で話さないと、誰かに聞かれるかわからないし。まあ読まれてるかはないしょ話でも防げるかどうかわからないんだけどね。 「――この聖杯戦争には必勝法があるんです。」 だから、私は思いきってそう伝えた。 ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ 麻雀や晩餐会やらで長い間できなかったが、それが終わってからこうしてタケコプターで飛ぶまでの間に数時間ほど一人になれる時間があったのはのび太にとって幸いであった、のだろう。貸し切られたスイートの一室はまほろさんと二人で時間を潰すには余りにも広い。彼女がキャスターと新しくきたセイバー達と話すと言うことでのび太は寝室へと逃げるように場所を移した。 ひみつ道具でしか味わったことのない寝心地のベットも、今ののび太にとっては硬いコンクリート同然だ。なまじ、あの時から、アーチャーとの銃撃戦から平和な時間が続いているぶん頭には嫌な考えが、目には涙が浮かんでくる。今頭を預けているのが気を失う寸前に覚えた瓦礫の固さに思えて、ポケットに突っ込んでいたハンカチで強引に拭った。 「……ドラえもん。」 じいと手を見る。ハンカチにしたそれは、ドラえもんのポケットだ。はた目にはピタパンのようなそれはのび太が握り締めるとふにゃりと形を変えて力を逃す。とらえどころのないそれを暫し握りに握り、ベットに叩きつけようとして、やめた。 ため息と共に脱力するとそれは手からこぼれ落ち胸にピタリと吸い付く。剥がそうと指で引っ張っても剥がれない。それは剥がそうとしないと剥がれないのだ。 「……」 乱暴に手を突っ込んでみた。ふしぎな感覚が手首から先を覆う。なんでもいいからひみつ道具を出してみたかった。占いたかったのかもしれない。自分がどんなひみつ道具がほしいのか、どんなことできたらいいなと思うのか、まるで分からなくなっていたから。そんな感じで四次元ポケットから手を引き抜いた。 「……?これってたしか……」 だらりとしていた手をピンとすると両手でそれをあらためる。それは白いハチマキだった。 タケコプターを飛ばし西へ向かう。新都のビル街を抜け線路を越えて未遠川はもうすぐだ。 のび太とまほろはホテル側の特使として深山町側の同盟に向かうことになっていた。もちろんそれは名目であり、実質的には互いの同盟の人質交換に相違ない。色丞狂介と黒鳥千代子の二組がそちらに行ったのだからそちらも二組寄越せということだ。この人質に選ばれたのが、のび太とまほろの組合せ、そしてマイケルとワイルド・ドッグの組合せである。揉めている当事者達をせっかくなので引き取ろうとの提案に、不満な顔をする者はいても表だって反対したのは真田幸村と教授、そしてまほろぐらいのものであった――実はこれはまほろから狂介を介して深山町側に脱出の手引きを打診して行われたのだが。 そうして現在のび太とまほろは護衛兼監視のキャスターとテレサを伴い川を望むところまで着ていた。自衛隊によるものと思われる仮設橋の設営が進められている横で相変わらず渡し船が行き交う。 「じゃあまほろさん、行こうか。」 人混みに紛れるためひみつ道具をしまうとのび太は人だかりへと近づく。その顔はホテルで泣いていたものとは別人のようにまほろには見えた。 のび太の頭に巻かれたハチマキ――ホテルでのび太が引き当てた決心ハチマキ――は、もはやのび太自身にも外せない。成就するその時まで、彼は不退転の戦士となる。 キャスターからまほろを通じて伝えられた、誰一人の犠牲もなくこの聖杯戦争を終えられる『必勝法』、そしてある仮定。その二つはのび太に明確な道を示した。すぐには信じられなかったが、しかし同時に思い当たる節もあった。ドラえもんの秘密道具にはいくつかこの聖杯戦争で使えないものがあったが、もしそうであるのならなぜ使えないのかの理由がわかる。あまりに複雑だからだ。そして複雑であっても、一つのものに限ればなんとかなるかもしれない。この聖杯戦争はもちろん、もう聖杯戦争が起こらないようにすることも。 既に決心はついている。あとは、どう説得するか。ルーラーが時間を稼ぐ間に勝負をつけなければならない。 ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
https://w.atwiki.jp/girlwithlolipop/pages/168.html
情報交換◆2lsK9hNTNE 絵里は机の引き出しを開け、隠していたナイフを取り出した。 この家には絵里しか住んでいない。物騒な物を持っていても咎める人は誰もいない。 ヒビや傷がないことを確認してバッグにしまう。もし学校で見つかったら取り上げられるだけじゃ済まないな、と自嘲した。 だが持たないわけにはいかない。いまチェーンソー男はいつ現れるかわからないのだから。 「聖杯戦争か」 絵里は少し前の白坂小梅との会話を思い出した。 ◇ 自分はそんなおごられたそうな顔をしてるんだろうか。 外装だけに気を使った小汚い喫茶店の中。見るからにやる気のないウェイトレスを尻目に絵里は思った。 チェーンソー男についてこれ以上話せることはないと宣言したのに、小梅の「そんなこと言わずに。飲み物でもおごるから(要約)」というセリフにつられてここまで来てしまった。 山本といい、この間の少女といい、なぜチェーンソー男の話を聞きたがる者は、皆なにかをおごるのだろう。 小梅は対面の席に座って肩身が狭そうにしていた。 近くにあったから入っただけの喫茶店がこんなではしかたがないだろう。値段だけは安いというのも今はマイナスだ。 払う金惜しさにわざとこの店を選んだような印象を与えてしまう。 もちろん絵里は、この少女がそんな理由でこの店を選んだとは思っていない。だからといってそれを口にしたら返って相手に気を使わせるような気もした。 小梅のためを思うならやはりここはとっとと本題に入るべきだろう。 絵里は目の前に置かれたオレンジジュースを一気に飲み干して言った。 「考えてみたけどやっぱりこれ以上は話せないわ。お金はあたしが払うから諦めて」 「ど、どうしても……ですか……」 「どうしてもよ。そもそもどうしてそんなにチェーンソー男のことを知りたいの?」 「それ、は」 小梅はオドオドと袖で口元を隠す。このまま押し切れば自分が答える方向には進まなそうだ。 絵里はさらなる疑問をぶつけた。 「バーサーカーさんが気になってるって言ってたけど、あの人は何者なの? いつの間にかいなくなっちゃてるし、チェーンソー男との戦いも、その……人間技とは思えなかったけど?」 「えっと……そのことには……あんまり、関わらないほうが……」 「そんなこと言われてももう一度見ちゃったし。 それにバーサーカーさんがまたチェーンソー男に会いたいっていうなら、どのみち関わることになると思うけど」 「え、えっと……」 小梅は助けを求めるように自分の横を見た。そこには誰もいない。席がもう一つあるだけだ。 ひょっとしてそこにバーサーカーがいるのだろうか? 思い返してみれば、この少女は最初見かけたときも何もない空間に微笑んでいた。 バーサーカーが突如現れ、戦いが終わったら消えたことも、小梅の側で姿を消していると考えれば辻褄があう。意識してみるとそこに妙な気配があるような気すらしてきた。 バーサーカーから意見をもらえたのかどうなのか。小梅は観念した様子で「ほ、他の人には……言わないでください」と前置きして語り始めた。 超常の力を持つサーヴァント。そしてそれを使役するマスター。そしてどんな願いも叶える聖杯。 絵里が言うのもなんだが現実味のない話だった。 だが本当なのだろう。小梅が嘘を言ってるようには見えないし、先ほどのバーサーカーの戦いぶりを見たら信じるしかない。 絵里自身、特異な日常を送っているからだろうか。自分でも不自然なくらい抵抗なく受け入れることができた。ただまた別の疑問が湧いた。 「話はわかったけど、だったらなおさらどうしてチェーンソー男のことが知りたいの? 聖杯戦争でも戦わなくちゃいけないのに、チェーンソー男にまで関わってる余裕はないんじゃない?」 いま聞いただけでも聖杯戦争がチェーンソー男との戦いの片手間にやれるものだとは思えない。もちろん逆もまた然りだ。 「チェ、チェーンソー男も……サーヴァントなんです」 一瞬、何を言っているかわからなかった。言っていることを理解しても言葉の意味がわからかった。 「え、チェーンソー男がサーヴァントって、え、でも、あたしは今までもずっとチェーンソー男と戦ってきたのよ!」 「サーヴァントは……昔の英雄とかだけじゃなくて……未来の人がなったり、することも……あるみたい、なんです…… だから、チェーンソー男も、たぶん……」 「つ、つまり未来であたしに倒されたチェーンソー男がサーヴァントとして呼び出されたってこと?」 小梅はコクリと頷いた。 なるほど。それなら納得だ。サーヴァントだったらいつもと違う時間に現れるのもおかしくない。よくわからないが。 しかしだとすると絵里がいつも戦っているチェーンソー男はどこにいったのだろうか。 まさか夜になったら二人出てくるとか? 最悪の想像が頭を過り、ケータイからメールの着信を知らせる音が鳴って絵里は自分の想像を振り払った。 「ちょっとごめんね」 そう言ってポケットからケータイを取り出す。学校のクラスメートからだった。 「友達から。なんで学校に来てないのかって。返信するからちょっと待ってて」 「あ……わ、わたしも友達に……連絡しておきます」 絵里は適当な言い訳を考えながら画面の時計を見た。すでに最初の授業が始まっている時間だった。 つまり送られてきたメールは、授業をちゃんと聞かずに書かれたものということになるが、それについては深く考えない。メールを書き終えて送信した。そのとき。 「きらりさん?」 小梅の呟きが聞こえた。 ◇ 絵里は家を出てドアの鍵を閉めた。 結局あのあと小梅に用事ができて聖杯戦争のことは話せていない。 聖杯戦争。この言葉を聞くとなにか引っかかるものを感じる。 どこかで聞いたことがあるのに頭にモヤがかかって思い出せないような感覚。 聖杯という言葉は前にもどこかしらで聞いたことはある。同じように聖杯戦争も歴史の授業が何かで聞いただけかもしれないが、どうも違う気がする。 「考えても仕方ないわね」 聖杯戦争がどのようなものだろうと絵里には関係ない。なぜならチェーンソー男を倒せば全て解決するからだ。 この世界で哀しいことや酷いことが起こるのはチェーンソー男のせいだ。 聖杯戦争が良くないものであるなら、チェーンソー男さえ倒せばそれで終わる。 もしも二人いるというなら、どちらも倒してみせる。 そう結論づけて絵里は学校に向かった。 無論、この街にチェーンソー男は一人しか存在しない。絵里がこれまで戦ってきたチェーンソー男も、サーヴァントのチェーンソー男も、完全に同一の存在だ。 チェーンソー男は英霊にも悪霊にもなることなく、自らのままサーヴァントととなったのだ。 その理由はおそらく単純だ。この街で雪崎絵里と戦うにはそうしなければならなかったから。 そのためにチェーンソー男は、あるいは雪崎絵里は、聖杯戦争のルールすらねじ曲げ、記憶すら戻っていない状態でマスターとサーヴァントの関係となった。 故に絵里は自らがマスターであることを知らない異端のマスターだった。 あるいはルーラーすら知らないのかもしれない。 彼女がマスターだと確実に知っているものは一人、チェーンソー男だけだった。 ◇ 小梅は走っていた。建物の間を駆け抜け、通行人にぶつかりそうになりながらも足を止めずに走った。 同時に視線を動かすが探し人の姿は見えない。 ちょっとした段差に躓き、転びそうになったところを実体化したバーサーカーに支えられた。 「あ、ありがとう」 「足元くらいは注意しとけよ」 それだけ言ってバーサーカーはまたすぐに消えた。幸い周りに今の様子を目撃した人はいないようだった。 小梅は再び辺りに視線をやりながら――そして足元にも注意し――走りだした。 「どこに……いるの?」 ◇ 絵里がケータイをいじり始めたのを確認して、小梅もケータイを取り出した。 二件の未読メールがあることに気づいたのはこのときが初めてだった。 一つは友達の幸子からのメール。 【from:幸子ちゃん 件名:無題 本文:ボクは今日は調子が悪いので欠席させてもらいます。 ところで、商店街が騒がしいのですが大丈夫ですか? 二人に何もないようならいいのですが。 追伸 きらりさんを見かけたら、ボクが話したいことがあって探していたと伝えておいてください。】 幸子らしい丁寧な文章。ただ少し奇妙な内容。 調子が悪くて欠席するなら、普通に考えれば家で安静にしているはず。なのにきらりを探しているとはどういうことだろうか。 商店街の騒ぎを知っているのもおかしい。幸子の住むマンションから商店街まではそれなりに距離がある。家にいながら知れるとは思えない。 取りあえず心配させるのも悪いので『大丈夫』とだけ書いて返信した。 もう一件のルーラーからのメールは、聖杯戦争に関するお知らせが大部分を占めている。 一度サーヴァント同士の戦闘を見た後だからか、特にその内容に動揺するようなことはなかった。 問題があったのは、掲示板の方。 「きらりさん?」 スレッドタイトル、『みんなのアイドル 諸星きらりだにぃ☆』。 幸子から、きらりを探しているとメールが入ったのと同じ日に立てられたスレッド。 嫌な予感がした。 そもそも考えてみれば小梅はきらりがこの街にいることを今まで知らなかった。 幸子はなぜ知っていたのだろう。単にこの街でも知り合いだったというだけ? だとしても小梅もきらりのことを知っているとなぜ思ったのだろう。だって小梅にはこの街のきらりに関する記憶は何もないのに。 「きらりって諸星きらり?」 絵里からの予想外の言葉に、小梅は顔をあげた。 「し、知ってるん……ですか?」 「うん。知り合いってわけじゃないけど、高校ではけっこう噂に……」 言いかけて絵里は言葉を詰まらせた。暗い表情からは話すのを躊躇うような話であることが簡単に想像できた。 小梅の不安はさらに募っていく。 「お、教えて……ください。どんな……噂、ですか?」 絵里はやっぱり嫌そうにしていたが、小梅がじっと見つめているとやがて口を開いた。 「……高校のトイレで女子生徒が殺された事件知ってる?」 小梅は頷いた。その事件ならニュースで見たことがある。 「私も詳しくは知らないんだけどね、あの事件の犯人じゃないかって言われてるの」 「ど、どうして?」 小梅ときらりは特別親しいというわけではなかったが、それでも彼女の性格は知っているつもりだった。 優しい人。暖かい人。積極的すぎるところが少し苦手ではあったが、決して嫌いではなかった。 人を殺すなんて、噂の中でもするとは思えない、 「だから詳しくは知らないの。なんかあの事件の日から登校してないって話は聞いたけど……」 嫌な予感がした。 小梅は画面をタッチしてスレッドを開いた。 そこに書かれていたのは諸星きらりが女子生徒を殺した犯人だと面白おかしくはやし立てる悪趣味な文章。 諸星きらりが聖杯戦争参加者と訴える推理。 そして諸星きらりを犯人とする最大の根拠である、被害者の女生徒たちが行っていたいじめの数々。 小梅の知る諸星きらりは優しい人だ。 だが、ここに書かれていることが本当にきらりに行われていたのだとしたら、こんなことにずっと耐えてきたのだとしたら、あるいは。 (バーサーカーさん、ごめんなさい……チェーンソー男のことは、後にして……いい?) バーサーカーは召喚されてから未だ一人のサーヴァントも食べていない。 本当ならチェーンソー男は後回しにしていい案件ではなかった。 (お前の好きなようにすりゃいい) バーサーカーの答えは早かった。 (ありが、とう……バーサーカーさん) 小梅は立ち上がる。番号を交換する時間も惜しくて、紙に自分の番号だけ書いて絵里に渡した。 「ごめんなさい……急用ができたので、もう、行きます……何かあったら……ここに電話、してください」 「え、だけど……」 ペコリと頭を下げて、小梅は店を出た。 幸子がマスターだという確かな根拠はない。本当に諸星きらりが犯人なのかもわからない。 だがらといって二人が会うのを黙って見ていることはできなかった。 幸子の家とケータイの両方に電話をかけてみたが、誰も出ない。何か騒音で着信音がかき消されたのか、手を離せないのか、それとも。 小梅は幸子がどこにいそうか考えて、メールに書かれていたことを思い出した。 「商店街……」 ◇ そして小梅はいま商店街にいた。 ひと気のなかった商店街は一転、あちこちに立入禁止のテープが張られ、警官や見物人でごった返していた。 バーサーカーにも頼んで探してもらったが、幸子の姿は見当たらない。 もう一度電話をかけようとしてケータイの電池が切れていることに気づいた。 間の抜けている自分が嫌になった。 【C-2/商店街/一日目 午前】 【白坂小梅@アイドルマスターシンデレラガールズ】 [状態]魔力消費(小) [令呪]残り三画 [装備]なし [道具]R絵柄の私服、スマートフォン、おさいふ、ワンカップ酒×2 [所持金]裕福な家庭のお小遣い程度 [思考・状況] 基本行動方針:幸子たちと思い出を作りたい。 1.幸子を探す。 2.きらりさんが殺人犯? 3.チェーンソー男を、ジェノサイドに食べさせる……? [備考] ※霊体化しているサーヴァントが見えるかどうかは不明です。 ※雪崎絵理を確認しました。彼女がバーサーカーのマスターとは気づいてません。 バーサーカー(チェーンソー男)を確認しました。彼に関する簡単なこと(悪の怪人ということ・絵理と戦っていること)も理解しました。 【ジェノサイド@ニンジャスレイヤー】 [状態]霊体化、カラテ消費(小)、腐敗進行(軽微) [装備]鎖付きバズソー [道具]なし [思考・状況] 基本行動方針:コウメを…… 0.俺はジェノサイド…… 1.サチコを探すのを手伝う 2.次倒したら、チェーンソー男を食うかどうか。 [備考] ※バーサーカー(チェーンソー男)を確認しました。 バーサーカーの不死性も理解しましたが、ニューロンが腐敗すれば忘れてしまうでしょう。 【C-3/自宅付近/一日目 午前】 【雪崎絵理@ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ】 [状態]魔力消費(?)、身体に痛み [令呪]残り三画 [装備]宝具『死にたがりの青春』 、ナイフ [道具]スマートフォン、私服 [所持金] [思考・状況] 基本行動方針:チェーンソー男を倒す。 1.学校に行く [備考] ※チェーンソー男の出現に関する変化に気づきました。ただし、条件などについては気づいていません。 ※『死にたがりの青春』による運動能力向上には気づいていますが装備していることは知りません。また、この装備によって魔力探知能力が向上していることも知りません。 ※白坂小梅&バーサーカー(ジェノサイド)を確認しました。真名も聞いています。 ※記憶を取り戻しておらず、自身がマスターであることも気づいていません。 ※もしかしたらルーラーも気づいてないかもしれません。 ※聖杯戦争のことは簡単に小梅から聞きました。詳しいルールなどは聞いてません 【???/???/一日目 午前】 【チェーンソー男@ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ】 [状態]復活までまだ時間が必要 [装備]チェーンソー [道具]なし [思考・状況] 基本行動方針:雪崎絵理の殺害 [備考] ※雪崎絵理がマスターだとかそういうことは関係ありません。 ※聖杯戦争中、チェーンソー男は夜以外にも絵理がサーヴァントの気配を感じた場合出現し、当然のように絵理を襲います。 このことには絵理も気づいていません。 ※致命傷を受けての撤退後、復活にはある程度の時間を要します。時間はニュアンスです。 ※白坂小梅&バーサーカー(ジェノサイド)組を確認しました。 BACK NEXT 018 ふ・れ・ん・ど・し・た・い 投下順 020 逢魔が時に逢いましょう 時系列順 BACK 登場キャラ NEXT 009 ガール・ミーツ・ジンチョ・ゲーザーズ・ネクロマンス 白坂小梅&バーサーカー(ジェノサイド) 036 ダンス・ウィズ・ア・ストレンジャー 雪崎絵理&バーサーカー(チェーンソー男) 023 シュガー・ラッシュ