約 40,744 件
https://w.atwiki.jp/degi-mon/pages/1251.html
【名前】 ファンクンモン 【読み方】 ふぁんくんもん 【世代】 完全体 【種族】 水棲型 【タイプ】 ワクチン 【必殺技】 孤籠泡(ころうほう)冰乱結突(ひょうらんけっとつ)潮流旋禍(ちょうりゅうせんか) 【所属】 不明 【詳細】 完全体の水棲型デジモン。 クロンデジゾイドに匹敵する硬度を誇る鱗で全身を覆う。 温厚な性格で綺麗な水を好み、湖の周辺を環境汚染から守っている。 食事の時間になると湖から飛び出し、空中を泳ぐように移動、飛行中のデジモンを丸呑みにすることで腹を満たす。 更に大きい体格を狙われやすいため、シーチューモンの群れに交ざって移動することが多く、移動の際は身を守るために大量のシャボン玉で群れを覆う。 シャボン玉が光が屈折させることで自身を含めた群れ全体が透明化し、周囲から見えなくなる。 必殺技 孤籠泡(ころうほう) 鰭からシャボン玉を生成し、包み込んだ相手の動きを封じる。 冰乱結突(ひょうらんけっとつ) 無数の鋭い氷柱を口から吐き出す。 潮流旋禍(ちょうりゅうせんか) 何処からともなく渦潮を発生させ、作り出した水柱を相手に叩き付ける。
https://w.atwiki.jp/10000goku/pages/307.html
2011年1月24日〜 #ref error :ご指定のページがありません。ページ名を確認して再度指定してください。 座標 1 2 3 4 5 6 7 8 A B Happy*321 凸 C Orc*818-20 Happy*619-21 D Ghast*122 E Orc*819-21 Ghast*322-24 Orc*821-23 Orc*820-21 F Orc*821 Happy21-23 G Orc*822-23 Happy*322-23 H MAP固定ドロップ メタルダガー(Lv27短)、ハイディーラー(Lv27弓)、マインゴーシュ(Lv32短),ロウファー(Lv31弓) メモ [F 3]の群れは崖の上下に別れていたりします + 旧2011年1月24日まで #ref error :ご指定のページがありません。ページ名を確認して再度指定してください。 座標 1 2 3 4 5 6 7 8 A B Orc*819-21 Orc*820-22 Orc23-27 C Orc*818-20 Ghast*521-25 D Orc*822-24 Orc*821-23 E 凸 Orc*825-27 F Orc*827-29 Ghast*521-25 G Orc*823-25 Naepa26-28Oread29 H MAP固定ドロップ メタルダガー(Lv27短)、ハイディーラー(Lv27弓)、マインゴーシュ(Lv32短),ロウファー(Lv31弓) 編集者のぼやき [F 3]と[G 3]はLv28の群れとLv24の群れが混ざってます [B 6-7]と[C 6]にはLv24 Lv25 Lv26の3つの群れが混ざってます [D 2]と[C 3]と[D 5]と[E 7]の群れは通常より密集率が高めで狩り向き + 旧2010年4月26日まで #ref error :ご指定のページがありません。ページ名を確認して再度指定してください。 座標 1 2 3 4 5 6 7 8 A B [Fairy*3]20,21 凸 [Harpy*3]Harpy20,21Scout22,23 C [Orc*8]19-21 [Orc*8]22,23 D [Orc*8]24,25 [Orc*8]23-25 E [Orc*8]21,22 F [Fairy*3]25,26 [Orc*8]19,20 [Orc*8]22,23 G [Orc*8]25,26 H IP 58.93.210.219 TIME "2012-01-17 (火) 12 54 30" REFERER "http //fewiki.jp/index.php" USER_AGENT "Mozilla/5.0 (compatible; MSIE 9.0; Windows NT 6.1; Trident/5.0)"
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/4656.html
『理不尽』 4KB いじめ 不運 飾り 群れ 野良ゆ あっさりした内容です おさげあき 悪い事してないまりさが酷い目に遭います。 テンプレです。 軽めの内容です。 おさげあき 36作目 「ど……どぼじでぇぇぇぇぇぇ!?どぼじでごんなごどずるんだぜぇぇぇぇぇぇ!?」 とある公園内で成体まりさが一人の男に蹴られまくっていた。 最初こそは強気の態度で男を威嚇していたが痛みに耐えられなくなると情けない悲鳴を上げるようになった。 「ゆ……ゆっぐりだっでいぎでるんだよぉぉぉぉぉぉ!がげがえのないいのぢなんだよぉぉぉぉぉぉ!?」 テンプレ台詞を吐くまりさだが男はまりさの叫びを完全に無視し蹴りまくるだけだ。 元々男にはゆ虐には興味がなくまりさを蹴っているのもただの暇つぶしでしかない。 「ぼうやべでぇぇぇぇぇぇ!ぼんどにじんじゃうよぉぉぉぉぉぉ!ざいっぎょう!のばでぃざがじんだらごのむれがほうっかい!しぢゃうよぉぉぉぉぉぉ!」 どうやらまりさは群れの長らしいがこんなゴミクズがいなくても群れは崩壊したりはしないだろう。 現に今も次の長を誰にするか群れの幹部達が隠れながら話し合っていた。 結局まりさはただ群れのゆっくりに利用されただけの哀れなゴミクズでしかないのだ。 「じぬ!ぼんどにじぬ!ばでぃざはまだじにだぐないぃぃぃぃぃぃ!いぎでゆっぐりじだいぃぃぃぃぃぃ!」 生きる事を諦めないまりさは自慢のおさげで男の足をぺちぺち叩く。 当然男にダメージなどなく逆におさげに興味を引かせてしまう結果になった。 ブチン 「ゆ?ゆゆ?ゆゆゆぅぅぅぅぅぅ!?ま……まりさのおさげさんがぁぁぁぁぁぁ!? しろいおりぼんがちゃーむぽいんとですべてのゆっくりをみりょうするうつくしさとかわいらしさをかねそなえたおさげさんがぁぁぁぁぁぁぁ!? それだけじゃなくしっこくのやみすらうちはらうかがやきをはなつすーぱーふぁいなるあるてぃめっとえきさいてぃんぐなおさげさんがぁぁぁぁぁぁ!?」 特に理由などない。 ただ目の前で動くおさげをなんとなく引き抜いただけだ。 引き抜いたはいいがこのゴミをどうするかまでは考えていなかった男は自分のおさげを自画自賛しまくるまりさの口におさげを放り込んだ。 「ゆぼえぇぇぇぇぇぇ!?げほっ!げほっ!ごくん!ゆゆぅぅぅぅぅぅ!?まりさおさげさんのみこんじゃったぁぁぁぁぁぁ!これじゃもうゆっくりできないぃぃぃぃぃぃ!」 喋ってる最中におさげを口に放り込まれたまりさはおさげを喉に詰まらせ苦しんだ挙句におさげを飲み込んでしまった。 自分の宝物を必死に吐き出そうとするが男が再び蹴りを入れると情けない悲鳴を上げて命乞いを始めた。 「だずげでぇぇぇぇぇぇ!ばでぃざをだずげでぐだざいぃぃぃぃぃぃ!ばでぃざはごみぐずでず!みどめまず!ぼんどはよわいゆっぐりなんでず! くぢだげはだっじゃでぞれいがいにじまんでぎるごどがないんでずぅぅぅぅぅぅ!だがら!だがらだずげでぇぇぇぇぇぇ!ごみぐずばでぃざをゆるじでぇぇぇぇぇぇ!」 生ゴミが何か叫んでいるが男には関係ない。 これはただの暇つぶしなのだ。 男はまりさの懇願を無視し蹴りまくっていたが…… 「よお、待たせたな」 「おう、来たか」 男の知り合いらしい人間がやってくると男はまりさを蹴るのを止めた。 どうやらここで待ち合わせをしていたらしい。 「ん?なにやってんの?」 「ただの暇つぶしだよ、それよりどこに行く?」 「そうだな……とりあえず腹減ったからなんか食いに行こうぜ」 「ああ」 男は用済みとなったまりさを隅っこに蹴り飛ばしそのまま友人と一緒に公園から去っていった。 「いだいよぉぉぉぉぉぉ……ぜんしんずぎずぎずるよぉぉぉぉぉぉ……でぼだずがっだ……ごれでばでぃざはゆっぐりでぎるよ……」 突然訪れた悪魔が去り安堵するまりさだが悪魔はまだ近くに沢山いる事を分かっていないようだ。 「ゆっくりできないやつだよ」 「おかざりがないなんてみじめなやつだね」 「こんなごみくずはせいっさい!しないとね!」 「おお、ぶざまぶざま!」 「ゆゆぅぅぅぅぅぅ!?」 いつの間にかまりさは群れのゆっくりに取り囲まれていた。 「な……なんなの……?まりさはむれのおさだよ?ゆっくりできないことはやめてね?おさにてをだしたらせいっさい!だよ?」 おそろしーしーを漏らしながら怯えるまりさ。 まだ自分が群れの長だと思っているようだが群れのゆっくりにとってまりさは既に長ではなくお飾りを失ったゴミクズという認識だ。 「おかざりのないくずがおさ?じょうだんはかおだけにしてね!」 「おさならぱちゅりーがなったよ!ごみくずよりもずっとゆうっしゅう!だからおまえはようずみだよ!」 「むきゅ!みんな!いくらごみくずでもゆっくりごろしはゆっくりできないからころさないようにてかげんしてね!」 「「「ゆっくりりかいしたよ!」」」 「まりさ、これからはどれいとしてみんなをゆっくりさせてね!それがごみくずのあなたにできるたったひとつのしごとよ!」 「ゆ……ゆんやぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」 こうしてまりさは命が尽きるまで奴隷としてゆっくり出来ないゆん生を送る事になった。 このまりさは特に悪い事をしたわけではなかったが理不尽な結末を迎えるのはまりさ種にはよくある事である。 それにまりさは自分の事をゴミクズと認めたのだ。 この結末はまさにゴミクズに相応しくある意味ハッピーエンドと言えるだろう。 「やべでぇぇぇぇぇぇ!ばでぃざのざらざらのぎんばづざんをぬがないでぇぇぇぇぇぇ!まむまむおがざないでぇぇぇぇぇぇ!あにゃるおがざないでぇぇぇぇぇぇ! ぼうやだぁぁぁぁぁぁ!ばでぃざおうぢがえるぅぅぅぅぅぅ!おうぢにがえじでぇぇぇぇぇぇ! じごぐでもでんごぐでもいいがらあのよのおうぢにがえじでぇぇぇぇぇぇ!このよはゆっぐりできないぃぃぃぃぃぃ!」 今日も公園は平常運転である。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1095.html
※この作品は以下のものを含みます ドスまりさ×2 善良なゆっくり 悪辣なゆっくり 制裁要素 虐待お兄さん それでも良い方のみ、以下にお進みください ゆっくり禅譲 あるところに一匹のドスまりさがいた。 外敵が少なく餌の多い森林部に暮らし、とても大きくなったまりさだ。 森に生えたキノコを食べて育ち、ドス特有のドスパークやゆっくり光線を身につけるに至った。 まりさには、かつては他に姉妹もいたが、寿命や事故でそれぞれ命を落としていった。 そも、生物として脆弱なゆっくりがドスと呼ばれるまで成長するには、豊富な経験と多大な知識、そして何よりも運が必要だった。 そういった意味で、このドスまりさは強運の星の下に生まれたと言っても過言ではないだろう。 「ゆっへっへ、まりささまもおおきくなったし、そろそろむれをもってもいいころなんだぜ。 もりをでて、てきとうなむれをまりささまのものにするんだぜ」 ただし性格は最低だった。 ドスといえど、元がただのゆっくりである以上、性格はそうそう変わるものではない。 ゆっくりへの情に篤く、人を畏敬し両者の仲を取り持つような存在になるには、またより多くの時間が必要なのである。 そういった意味でこのドスまりさはまだ若輩であった。よって便宜上、このドスまりさを若ドスまりさと称するものとしよう。 「ゆっゆっゆ! おらおら、どすまりささまのおとおりなんだぜ」 誰もいない森の中を、その巨体を揺らしながら、若ドスまりさは出て行った。 あるところに一匹のドスまりさがいた。 人里にほど近い場所にいる群れのリーダーを勤めるドスまりさである。 このドスまりさはドスの中でもかなり長く生きており、まさに歴戦のつわものといった風情であった。 こちらは便宜上、老ドスまりさと呼ぶことにしよう。 老ドスまりさは、非常に責任感が強く、真面目なドスであった。 群れを護ることは当然のこととして、群れに属さないゆっくりや人間とも、可能な限り有効な関係を築こうとしていた。 南にれみりゃ・ふらんあればこれを蹴散らしてゆっくりを護り。 西にいじめられるめーりんあれば間に入ってこれを助け。 北に人間の里あれば「あそこには行くな」と群れに教え。 東に畑持つゆうかあれば群れには手出しさせないから安心しろと言い。 兎にも角にも、群れとその周囲の環境を護るため東奔西走。良きリーダーであろうとするあまり、ゆっくりできる日は一日もなかった。 なおかつ、群れの大半はそんな老ドスまりさの考えをあまり理解してくれなかった。 何度駄目だと言っても、自分の力を過信したゆっくりがれみりゃや人間に殺されたり、めーりんやゆうかを虐めたりするのだ。 幸いにして相手側に被害を与えたことは今のところないが、それも時間の問題であった。 元々からして、この群れはあまり素行の良くない群れであったのだ。それをなんとかしようとしたのが老ドスまりさであった。 だが全く学習してくれない群れの皆に、老ドスは疲れを感じ始めていた。 その姿たるや、さっさと引退して楽隠居を決め込みたい老体そのものであった。 そんな折である。 「ゆっ! どすがきたんだぜ! みんなこのどすまりささまのいうことをきくんだぜ!」 若ドスまりさはたまたま目に付いた群れの前に飛び出すと、早々にリーダー宣言を行った。 しかしゆっくり達の反応は、若ドスまりさの予想とは異なっていた。 「ゆゆ!! どすがもうひとりきたよ!!」 「どうしよう!? とりあえずれいむたちのどすをよんでくるよ!!」 「ゆゆゆ?」 若ドスまりさは困惑した。この群れにはもう他にドスがいたのか? 「ゆっ! 自分以外のドスまりさを見かけるのは久しぶりだよ! どうかゆっくりしていってね!」 やがて、群れのリーダーである老ドスまりさが姿を現した。 両者の大きさは同じほどであるが、見るものが見ればその纏う雰囲気の違いというものが一発で分かっただろう。 貫禄というか偉容というか、老ドスまりさにはそういったものが満ち溢れていた。 対し、若ドスまりさはそんなもの微塵もない。 また初めて山から下りてきたので、当然、ドスに対する信頼の証である髪の毛のリボンも一本もない。 これだけでどちらが格上か分かろうというものだ。 しかし若ドスまりさはそんなこと全然分かっていなかった。 「きょうからここはまりささまのむれなんだぜ! おいぼれどすはとっととでていくんだぜ!」 ここに虐待お兄さんがいたら若ドスまりさを指差してゲラゲラ笑っていたことであろう。 それほどまでに若ドスまりさの言動は身の程知らずであった。 体格とパワーが同じなら、ものを言うのは経験の差である。その点、二匹の差は天地ほどの開きがある。 ここで老ドスまりさが戦おうものなら、一分と持たずに若ドスまりさは地に伏すことであろう。 しかし老ドスまりさの発言も、また意外なものであった。 「分かったよ! この群れはまりさに任せて、私は出て行くよ!」 ここに虐待お兄さんがいたら顎が外れそうなほどに口を開いて呆然とすることだろう。 何しろ老ドスまりさには、この若輩者に立場を譲る意味が全くないからだ。 若ドスまりさも、これには流石に驚いた。 若ドスまりさとしては、群れの目の前で現リーダーを叩きのめし、自らの地位を不動のものとするつもりであったからだ。 老ドスまりさはゆっくりと説明を始めた。 「実は、もう私も歳をとってしまったから、そろそろ引退しようと考えていたんだよ! ちょうどよくまりさが来てくれたことだし、群れのリーダーは若くて強いまりさに譲ろうと思うよ!」 「ゆっ、そういうことなら引き受けてやらなくもないんだぜ!!!」 強いと言われて、若ドスまりさは得意満面である。 このドスは自分の強さに恐れをなし、屈したのだ。自分は戦わずして勝利を納めたのだ。若ドスまりさの中ではそういうことになった。 「そうと決まれば、まずみんなにリーダー交代を教えなきゃいけないよ! れいむ、群れのみんなを広場に集めてね!」 「ゆっくりりかいしたよ!」 一匹のれいむが、群れの仲間達を集めに走り去っていった。 それから一時間ほどして、全てのゆっくりが広場に集められた。 老ドスまりさと若ドスまりさは、普段老ドスまりさが皆に話しかける際に使っている盛り土の近くに控えた。 「ゆゆゆ? どすがふたりいるよ?」 「あっちのどすはだれー?」 群れのゆっくりは混乱しているようだった。一度に二匹のドス級を見ることなど、普通ありえない事態だからだ。 「みんな、落ち着いてね! 今から事情を説明するよ!」 老ドスまりさが声を張り、盛り土の上に乗った。 「突然だけど、私は今日で群れのリーダーを引退するよ!」 「「「「「「「ゆゆゆゆゆゆゆゆゆーーーーーーー!!!!!!」」」」」」」 群れは大混乱に陥った。 あまりに突然すぎる話であったし、今日まで老ドスまりさがいたから群れは存続できていたのだ。 このままじゃゆっくりできなくなってしまう、と群れのゆっくり達は総じて思った。 「でも大丈夫だよ! ゆっくり聞いてね!」 老ドスまりさはそう言って一歩引き、若ドス魔理沙に前に出るよう促した。 「今日からは、こっちのドスまりさがみんなのリーダーになってくれるよ! 私の代わりに、今日からはこっちのドスまりさをドスって呼んでね!」 老ドスまりさがそう言うと、混乱は収まったものの、しかしまだ困惑顔のゆっくりも多い。 それが若ドスまりさには不満であった。 (せっかくまりささまがりーだーになってやるっていうのに、なんのふまんがあるんだぜ!!) それを察したかのように、老ドスまりさが若ドスまりさに言う。 「さっ、まりさ、みんなに襲名披露演説をしてね!!」 「ゆっ? しゅーめーひろーえんぜつ?」 聞きなれない言葉に首をかしげる若ドスまりさに、老ドスまりさは頷く。 「そうだよ! 今日からまりさが群れのリーダーになるんだから、その前にみんなの前でリーダーとしての意気込みを語るんだよ! ここでみんなの気持ちをぐっと掴むことができれば、まりさの地位は磐石のものになるよ!!!」 「ゆゆゆっ、そういうことならまかせるんだぜ!!!」 言葉の意味はさっぱりだったが、若ドスまりさはニュアンスでそれとなく理解した。 要するに、自分がいかに頼れるか、強いかを群れの皆に教えてやればいいのだ。 「ゆっ、そういうわけで、きょうからむれのりーだーをすることになった、どすまりさなんだぜ!!!」 若ドスまりさは、老ドスまりさよりもさらに大きな声で自己紹介を行った。 それだけで、群れのゆっくりの殆どは若ドスまりさに好感を持った。 元気だし、活力に満ち溢れているし、何より若々しくて頼りがいがありそうだった。 ……実際は新しいものを目にしたときの錯覚も多分に含まれている認識だが。 「まりさは、むれのみんなにいままでいじょうのゆっくりをあたえることをやくそくするぜ!!! こっちのどすなんかよりもっともっとだぜ!!! にんげんだってやっつけちゃうんだぜ!!!」 「「「「「「「ゆゆーーーーーーーーーーー♪♪♪」」」」」」」 頼もしい若ドスまりさの言葉に、群れはいっせいに色めきたった。 群れが新しいリーダーを認めたという証拠である。 「おめでとう、まりさ! これでまりさが群れの新しいリーダーだよ!」 「ゆへへ、てれるんだぜ!」 笑顔の老ドスまりさに褒められて、若ドスまりさはとても気分が良かった。 ああ、なんと自分は幸運なんだろう。労せずしてこれほどの規模の群れのリーダーになれるとは。 老ドスまりさが、再び皆に向き直る。 「それじゃあ、私が預かっているリボンをみんなに返すから、新しいリーダーに結び直してあげてね! それが終わったら、私は群れを新しいリーダーに任せて、ここを出ていくよ!」 「「「「「「「ゆっくりりかいしたよ!!!!!」」」」」」」 後ろを向いた老ドスまりさに、群れのゆっくりが一列に並んで飛びついていく。 そして自分の分のリボンを取ると、若ドスまりさの髪に結わえ付けていった。 一時間ほどして、ようやくゆっくりがそれぞれ元の位置に戻った。 「ゆゆゆっ?」 ここで若ドスまりさが声を上げる。 てっきり全てのゆっくりがリボンを付け替えてくれたと思ったが、老ドスまりさの頭にはまだいくつかのリボンが残っていた。 そして、どうやらそのリボンの持ち主と思しきゆっくり達が、老ドスまりさの近くに並んでいる。 残っているのは、れいむ一家、まりさ一家、それにありすとぱちゅりーと子れいむが一匹ずつだ。 「ゆっ! ぱちゅりー、これはどういうことなんだぜ! せつめいをようきゅうするんだぜ!」 全てのゆっくりが自分に従っていないと気づいた若ドスまりさは、容易く激昂した。 ここでぱちゅりーが迂闊な答えを返せば、すぐにでも潰さんばかりの勢いである。 しかしぱちゅりーは落ち着いて答えた。 「むきゅ、わたしとありすはこっちのどすの『そっきん』だから、どすといっしょにたびをするわ。 こっちのこどものれいむは、ありすがそだててるこだから、いっしょにつれていくの」 「まりさ! 自分の側近を選ぶのが、群れのリーダーの最初の仕事だよ! まりさも自分の群れの中から、自分に合った側近を探し出してね!」 「ゆっ、そういうことならまぁいいんだぜ」 老ドスまりさにそう言われ、若ドスまりさは納得した。確かにこれだけのゆっくりがいるのだから選り取り見取りであろう。 「そっちのれいむとまりさのかぞくはどうするんだぜ?」 「れいむたちは、こどもがおおきくなってきたから、あたらしいおうちをさがすたびにでるよ!」 「ごはんとおうちはそのままにしておくから、みんなでなかよくわけてね!」 それぞれの家長である母れいむと母まりさが言う。 「そういうことならしかたなくもないんだぜ! わかったからさっさとみんなでていくんだぜ!」 リボンを得たことで、若ドスまりさは既に万軍、いやさ饅軍の長になったかのようなふてぶてしい態度を隠さなかった。 ここに虐待お兄さんがいればモウガマンデキナくなってその拳を振るうところであろうが、老ドスまりさはなおも温和だった。 「そんなこといわないでね! 私に元リーダーとしての最後の仕事をさせてね! 私の巣に、緊急用の備蓄食糧があるから、それをドスのお祝いに使おうと思うよ!」 「ゆゆっ、それはいいあいでぃあなんだぜ! さっさとその『きんきゅうようのびちくしょくりょう』とやらをもってくるんだぜ!」 「わかったよ! それじゃあ持ってくるから、リーダーはそこでゆっくりしていってね!」 恵比須顔のまま老ドスまりさは自分の巣に跳ねていった。 しばらくして戻ってきた老ドスまりさは、口一杯に含んでいた食糧を吐き出す。 「ゆゆゆう! ごちそうがいっぱいなんだぜ!」 「今日は皆でそれを食べて、新しいリーダーをお祝いしてあげてね! それじゃあまりさ達はもう行くよ! ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていくんだぜ!」 老ドスまりさの最後の言葉に振り向きもせず若ドスまりさは答え、目の前の食糧に突進していった。 他のゆっくりも食糧に齧りつき、思い思いに口に収めていく。 「…………」 老ドスまりさはそれを一瞥すると、ぱちゅりー達と一緒に旅立っていった。 明けて朝。 「ゆゆんっ、ちょっときのうはたべすぎちゃったんだぜ!」 老ドスまりさの住処をそのまま我が物とした若ドスまりさ──いや、もう区別する必要もないのでドスまりさと呼ぼう。 ドスまりさは食糧庫を見て溜息をついた。 昨日はちょっと羽目を外しすぎたようだ。食糧庫の中には、昨日食べた量の半分程度しか餌がない。これでは今後が少々不安だ。 「れいむー! れいむ、はやくくるんだぜー!」 ドスまりさは側近のれいむを呼んだ。 「ゆ! どす、なんのよう?」 このれいむ、頭の出来は普通だが中々の美ゆっくりであり、ドスまりさは昨日の歓迎パーティで一目見たときから気に入っていた。 そのため即日自分の側近とすることに決め、こうして巣の中で一緒に暮らしていた。 「ごはんのりょうがこころもとないから、ちょうたつにいこうとおもうんだぜ。 このあたりでたくさんごはんがありそうなところをしっていたら、おしえてほしいんだぜ」 「ゆゆ! それならひがしにゆうかのはたけがあるよ! あのゆうかったら、きれいなおはなやおいしいくだものをひとりじめして、れいむたちにはわけてくれないんだよ!」 れいむはぷんぷん怒りながら言う。 「それならさっさとうばっちゃえばよかったんだぜ! なんでそうしなかったんだぜ!」 「だって、ゆうかをいじめるとまえのどすがうるさかったんだよ! れいむたちがいじめると、いっつもゆうかにあやまってたよ!」 「なんておくびょうなどすなんだぜ! あんなやつこのむれからおいだしてせいかいだったんだぜ!」 どうやらドスまりさの中では、『前の臆病で弱いドスまりさを自分の力で追い出した』ということになっているらしい。 「でもまりささまはそんなよわいどすとはちがうんだぜ! れいむ! みんなをあつめてくるんだぜ! ゆうかりんのはたけを、まるごとまりささまたちのものにしちゃうんだぜ!」 「ゆーん! かっこいいよ、どす! さっそくみんなをよんでくるよ!」 ドスまりさの呼びかけに応じ、群れのゆっくりの大半が集まった。 「それじゃあさっそくえんせいにいくんだぜ」 「「「「「「「ゆーーーー!!!!!」」」」」」」 気勢を上げるゆっくり達の軍勢は、森を抜け、程なく開けた場所についた。ゆうかの花畑である。 視界一杯に花々が咲き乱れ、とてもゆっくりできそうな場所だったが、しかし今、そこに主の姿はない。 「ゆゆっ? ゆうかがいないよ?」 「つごうがいいんだぜ! いまのうちにみんなでぜんぶいただいてしまうんだぜ!」 「「「「「「「ゆっくりいただいていくよ!!!!!」」」」」」」 ゆっくり達は、それぞれが思い思いに花畑の中でゆっくりし始める。 むーしゃむーしゃするもの、ごろごろと転がるもの、家に持ち帰ろうと集めるもの。 ドスまりさは花を食べたり集めたりしながら、ときどき周囲の森に横目を向けた。 どこからかゆうかが見ていたら、それに喧嘩を売ろうという魂胆である。 怒りに駆られでてきたゆうかを皆の前で叩き潰せば、皆の尊敬の眼差しはより強いものになるだろう。 しかし結局、ドスまりさが食事を終えてもゆうかは出てこなかった。 「ちっ、つまんないんだぜ! せっかくゆうかをいじめられるとおもったのに!」 「ゆー、しかたないよ、どす! きっとどすのつよさにおそれをなしてにげちゃったんだよ!」 「おくびょうなやつなんだぜ! ゆぇーっへっへっへっへ!!!」 「「「「「「「ゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラ!!!!!」」」」」」」 ゆっくり達は大笑いすると、既にぼろぼろになった花畑を自分達の縄張りにすることを決め、群れに戻っていった。 午後からは、西にいるというめーりん一家のところに行ってみることにした。 「ゆゆっ! くずめーりんがいないよ!」 「おいっ、くずめーりん! さっさとでてくるんだぜ! またいじめてやるんだぜ!」 ゆっくり達は口々に、めーりん一家の住処である古木のうろに向かって叫び続けるが、出てくる気配はない。 ドスからめーりんを虐めることを厳禁されていたこともあって、ゆっくり達のめーりん一家への憎悪は並々ならぬものがあった。 「ゆっゆっゆ、まぁまぁみんな、そんなにあせることはないんだぜ」 いかにも大物らしく身体をゆすり、ドスまりさは笑う。 「どうせめーりんも、このまりささまのきょうだいさにおそれをなし、すがたをかくしているにちがいないんだぜ。 だからいまはみのがしておいてやるんだぜ。そのかわりいつかみつけだして、そのときはじっくりいたぶってやるんだぜ。 せいぜいのこりみじかいじんせいをたのしむがいいんだぜ」 「むきゅん! さすがどすらしい、かんだいなおこころだわ!」 「めーりんもいのちびろいできて、どすにかんしゃしてるはずなんだぜ!」 「ゆぇっへっへっへ!!! そうだぜ、まりささまはやさしいんだぜ!!!」 笑いながら、ゆっくり達は元来た道を戻っていった。 さて。 戻ってきたはいいが、結局あまり食糧は集まらなかった。 朝に比べればそこそこの量にはなったが、しかしこれではすぐになくなってしまうという予感がドスまりさにはあった。 昨日食べたほどの量をなんとか恒常的に確保したい、というのがドスの願いである。 一度贅沢を覚えてしまうと、多少のものでは満足できなくなってしまうものだ。 「しかたないよどす! きょうのところはがまんして、あしたまたたくさんあつめようね!」 にこにこ顔で側近れいむが言う。その美しい笑顔に思わず見とれてしまうが、しかしやはり食糧は欲しかった。 何か名案はないものか、とドスまりさは考え、そしてぴんと思いついた。 「そうだぜ! にんげんのたべものをうばってしまえばいいんだぜ!」 「ゆゆゆ!」 側近れいむが色を喪う。 「にんげんはだめだよ! ゆっくりできなくなっちゃうよ! むれのなかまも、なんにんもにんげんのところにいってもどってきてないんだよ! まえのどすも、にんげんにだけはちかづいちゃいけないっていってたよ!」 だがドスまりさは気にした風もなく、力強く言った。 「だいじょうぶなんだぜ! まりささまはまえのよわっちいどすとはちがうんだぜ! にんげんなんてちょちょいのちょいなんだぜ! しんじるんだぜ!」 バチン、とれいむに向けて含みを持たせたウインクをする。キモイ。 「ゆゆん……! かっこいいよぉ、どすぅ……!」 その勇ましい顔に、れいむは瞳を潤ませる。キモイ。 「それじゃあ、まりささまはこれからにんげんのところにいってくるんだぜ! れいむたちはみんなといっしょにまりささまのかえりをまってるんだぜ!」 「ゆっくりまってるよ!」 れいむの見送りを受け、ドスまりさは森の中を跳ねていった。 「ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ……」 そうしながら、ドスまりさは思考する。 さっきはついあんなことを言ってしまったが、ドスまりさとてそう簡単に人間から食糧を得られるとは思っていなかった。 しかし、それほど難しいとも思っていなかった。 何しろ人間の里の近くで、あれだけの群れが維持されてきたのだ。恐らく、老ドスまりさと人間達の関係は良好であったに違いない。 なら自分が新しいドスを襲名したと言えば、昨日の老ドスまりさのように、お祝いとしてある程度の食糧は用意してくれるだろう。 いや、そうでなければならない。このつよいまりささまに、にんげんはしたがうべきなのだ。 従わなくても、こちらにはドスパークがある。その威力は実証済みだ。 人間を見たことはなかったが、話に聞いた限りでは、それほど強いものだとも思えなかった。 「ゆっへっへ、このよのすべてはまりささまのものなんだぜ……!」 そう意気込みながら、ドスまりさは森を下っていった。 そして開けた場所に出る。地面には規則正しく野菜が並び、その真ん中で直立した細長い生き物がどすまりさを見ていた。 あれが多分人間なのだろう、とドスまりさは思った。思っていたよりもずっと弱そうである。これなら労せずして食糧を得られるに違いない。 とりあえず、ドスまりさはゆっくりのリーダーとして挨拶をすることにした。 「ゆっ、おじさん、まりささまは「ドスまりさが来たぞーーーーーーーーーーーーー!!!!!」ゆゆゆっ??」 ドスまりさの言葉を最後まで聞かず、人間は後ろを振り返って大きな声で叫んだ。 何事かとドスまりさが思っていると、遠くから両手を上に上げた人間達が、大きな声を上げながらこっちに走ってくる。 (ゆゆっ、みんなでまりささまのりーだーしゅうめいをおいわいしてくれてるんだぜ!) そう思ったまりさは、まず人間達を落ち着かせようと声を発した。 「あわてなくていいんだぜ! まずひとりずつならんで、それからまりささまにごはんを「死ねこの化け饅頭が!!!」ゆびゃえっ!!??」 人間の一人が振り下ろした大木槌が、ドスまりさの額にめり込んだ。 「とうとう来やがったな、クソ饅頭ッ!!」 「オラァッ、潰れろッ!!」 「やっぱり餡子脳じゃ『協定』のことは忘れちまったようだなぁ!!!」 何も言わないうちに、ドスまりさは複数の屈強な男達からタコ殴りにされた。 「ゆびぇっ、ゆげべっ、べぇえええ!! やべでえええええ!!」 ドスまりさは突然の事態についていけなかった。 身体が大きく、ドスパークを使えようとも、このドスまりさには経験が足りなかった。 しかも痛みらしい痛みも知らずに育ったため、最初の一撃ですっかり闘志を折られてしまっていたのである。 「うるせぇっ! 約束も守らねぇゆっくりにかける情けなんかねぇんだよっ!!!」 「折角、最後の頼みだって言うから聞いてやったってのに! 甘さを見せた結果がこれだよ!!!」 「じらないぃぃぃ!!! やぐぞぐなんでじらないんだぜえええ!!!」 「しらばっくれるんじゃねぇ!!!」 「げびっ!!!」 ドスまりさの口から、大量の餡子が吐き出された。 ……実は、前リーダーである老ドスまりさは、人間達と『絶対不可侵協定』なるものを結んでいた。 その内容とは、ゆっくりが人間の里に一歩でも入った場合、その後の進退にドスまりさは関与しないというものであった。 ドスまりさの威光を笠に着たゆっくり達の度重なる襲撃に業を煮やした人間達が、老ドスまりさに突きつけた最後通牒であった。 もしドスまりさが罪を犯したゆっくりを庇い立てするなら、いかなる犠牲を払おうとドスまりさを討伐するとまで宣言して、である。 老ドスまりさは、すんなりとこれを呑んだ。 老ドスまりさとしても、正直なところ人間に迷惑をかけるゆっくりの扱いには頭を痛めていたのだ。 注意しておいたのに、それに従わないゆっくりにかける情けはない、と老ドスまりさも決断したのである。 しかし今のドスまりさ──若ドスまりさはそれを知らなかった。 当然だ。老ドスまりさがそれを教えなかったのだから。 いや、教えずとも、れいむを通して注意は喚起されていた。だがドスまりさは、それを無視した。 リーダーが変わろうと協定はいまだ有効であり──その範囲には、当然ドスまりさも含まれていた。 「ぢがうぅぅぅう!! まりざざまはどずなんがじゃないんだぜええええ!!」 ようやく殴られる理由を理解したドスまりさは、必死に主張した。 ドスまりさからしてみれば、自分の知らないところで交わされた約束で撲殺されようとしているのだからたまったものではない。 「嘘つくんじゃねぇ! そんなに髪にビラビラとリボンつけたゆっくりが、他にどこにいるってんだよ!!!」 「今更言い逃れしようなんざふてぇ野郎だ!!!」 だが人間達にとっては、その言葉は通用しなかった。 当然である。普通の人間に、ゆっくりの顔の区別はつかない。ましてや、ほとんど姿を見せないドスまりさである。 人間達にとって、『人間より大きく髪の毛にたくさんリボンをつけているゆっくり』が、即ちドスまりさなのだ。 「オラァ! さっさと逝けやデカブツがぁあ!」 「ゆがばぁあああああ!!!」 人間達が、木槌で、木刀で、もしくは石で、ドスまりさを滅多打ちにしていく。その度に、ドスまりさは口から餡子を吐き出していった。 そんな折、ドスまりさの帽子からぽろりと大きなキノコが落ちてきた。 (ゆ……!) そこに、ドスまりさは希望を見出した。落ちてきたのは、ドスパーク用の魔法のキノコであったからだ。 必殺のドスパークを使えば、こんな人間達など一発で消し飛ばせる。そう思い必死に舌を伸ばして、 「させねぇよ馬鹿!」 「ゆんびぇっ!!!???」 キノコを蹴り飛ばされた挙句、伸ばした舌を踏みつけられた。最後の希望を絶たれたドスまりさは、両目から目幅大の涙を流した。 もっともチャージタイムのかかるドスパークでは、撃つ前に阻止されていただろうが、ドスまりさはそんなことにも気づかなかった。 舌を踏みつけた男が、チッ、と忌々しげに舌打ちをする。 「こうなった以上、群れも放置しておくわけにゃいかねぇな。おい又八、他の男衆連れて森のゆっくり片付けろや。加工所にも応援呼んどけ」 「おうよ」 「どっ……どぉじでええええええ!!!??? まりざのむれになにずるのぉおおおおおおお!!!???」 男の一人が唾を吐き捨てた。 「ほれ見ろ。やっぱこいつ覚えちゃいねぇ。自分から言い出しやがったくせに」 「ドスっていうくらいだからちったぁマシな気もしたが、そんなことはなかったぜ!」 かつて老ドスまりさが人間と結んだ協定には、もう一つの要素があった。 もしドスまりさ自ら人間の里に侵入した場合は、群れ全体を殲滅して良いという内容だった。 これは老ドスまりさが人間への誠意の証として自ら提案したものであり、それを受け、人間も人里に入ったゆっくり以外には手を出さないと決めたのだ。 勿論、このドスまりさはそんなことは知らない。 「じらないいいいいい!!! まりざはぞんなやぐぞぐじでないいいいいいい!!!」 「ああうっせぇ。おい、さっさと黙らせようや」 「おうよ」 それからドスまりさは男達からしこたま殴られ、餡子をきっかり半分吐き出させられると、リヤカーに乗せられ、縄で縛り付けられた。 「ゆ……が……が……」 息も絶え絶えなドスまりさは、男達の手によって、森の奥まで運ばれていく。 そしてある地点に辿り着くと、男はリヤカーを傾け、その光景をドスまりさに見せ付けた。 「……ああああああああああああああああああああああああ!!!!!」 ドスまりさは叫んだ。 あたり一面に広がる餡子の海が、一体なんであるのかを理解した。 生き残っているゆっくり達は、その全てが人間の持つ網の中に詰め込まれていた。 「むれがあああああああ、まりざのむれがあああああああああああ!!!」 「うるせぇ!」 「ぐぎぇっ!」 男の拳が、傷だらけになった顔面を殴りつける。 「うわああああああん!」 「ゆっくりできないよぉおぉぉぉぉ!」 「どすぅぅぅぅ! たすけてぇえええええ!!!」 数匹のゆっくりが、人間の手を逃れてドスまりさのほうへ向かってくる。 「まーだいやがったか」 近くにいた人間が、それを足で一匹ずつ踏み潰していく。 「ゆぎぇっ!」 「おねーじゃああああわびゅっ!」 「どうじでええええ! なんでだずげでぐれないのどずううううう!!!」 「ああ、ああああ……」 ゆっくり達は、ドスまりさに助けを求めながら、ドスまりさの前で朽ち果てていった。 その中には、あのれいむもいた。 「れいぶぅぅぅぅぅぅ!!!」 れいむは後ろ半分を踏み潰されていたが、まだ息はあった。美しい髪も半分以上が喪われ、見る影もない。 「じっがりずるんだぜっ! れいぶ、じんじゃだめなんだぜええええええ!!!」 どう見ても助からない傷だったが、ドスまりさは叫んだ。叫ばずにはいられなかった。 尋常ならざるドスまりさの様子に、男達はれいむにトドメを刺すのを待ってやった。 れいむは、自分に赦された最後の力を振り絞って、ドスまりさへの別れの言葉を呟いた。 「……どずの、ぜいだ……」 「ゆゆっ!?」 「どずが……にんげんだぢに……でをだじだりなんがずるがらだ……」 「どぉしてぞんなごどいうのぉぉぉぉぉぉ!!??」 「うるざいッ!!!」 死に体だとは思えぬ大喝に、ドスまりさは竦んだ。 「うぞづぎっ、うぞづぎっ、にんげんなんがに、がでるなんで、どうじでぞんなうぞづいだのぉぉ……。 おまえみだいなぐぞまりざ、どずでもなんでもないよ……!」 「ぢがっ、ぢがうううう!!! まりざざまはほんどにづよいんだぜぇええええ!!! ほんどなんだぜえええ!!!」 だがれいむには、もう答える気力も残されていなかった。 話が終わったと見て、男はれいむを踏み潰すために足を振り上げた。 「ゆっくり……しね……」 それを最期の言葉として、れいむは飛び散った。 ドスまりさは、自分の群れの崩壊を最後まで見せ付けられた。 そしてそのまま、森の中に放置された。 続く? このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/1779.html
※独自解釈だらけです。 ※虐待成分は頑張ってみましたが、もしかしたら薄目かも? ※馬鹿みたいに長いです。 ※前作『ふたば系ゆっくりいじめ 277 騙されゆっくり』と前々作『ふたば系ゆっくりいじめ 274 嘘つきゆっくり』をお読みいただいてからお読みください。 先代の長ぱちゅりーは、通常のぱちゅりー種と比べても非凡な才をもって群れに貢献して来た。 だが、どんなに頑張っても、母の偉業を超えたとは思えなかった。 危険な生物が居ない安全なゆっくりプレイスを発見して群れを作り、 見晴らしの良い場所に分散して巣を作らせる事で、お互いの巣を見張り、危険をいち早く察知する。 狩りの担当を分担する事で食糧の確保を容易にした上で、人口統制の為に『すっきりー!ははるだけにすること』と制限を設け、 生まれた赤ゆっくりがある程度育ったら『がっこう』に預ける事で子育ての負担を減らし、群れに教育を施して事故死を防ぎ、社会性を学ばせる。 物々交換の概念を持ち込み、狩りの成果を働きに応じて配分することで原始的な貨幣制度の先駆けを作り、 『おうた』や『おいしゃさん』のようなサービス業が成り立つように社会制度を整える。 お薬になる草の種を丘に蒔き、大量に生えさせておく事でいつでもお薬が使えるようにしておいたり、 悪い事をしたゆっくりを丘の上でお仕置きする事で、『なにがわるいことなのか』を群れに理解させたりする。 これらは全て、元飼いゆっくりだったという先々代の功績である。 年老いた飼い主さんが永遠にゆっくりしてしまった事で身寄りを無くした先々代は、 巷に溢れる野生のゆっくり達が全然ゆっくりしていない姿に一念発起し、ゆっくりを導く事を志したのだと言っていた。 多大な変革をゆっくり達にもたらした偉大な先々代は、自分の娘にもその志を継いで欲しいと願って非情に徹し、厳しく教育した。 生まれたときから長になるべく、帝王教育を受け続けた娘はその期待に見事応えてみせたのだった。 しかし幾ら非凡であったとしても、天才と秀才を比べれば前者に目が向くのが世の常である。 まして子供の頃からその天才を目の当たりにしていれば、いかに秀才とはいえ生まれる感情がある。 それは『劣等感』。 確かにこのぱちゅりーは優秀であった。否、優秀すぎた。 只でさえ人間の教育を受けたゆっくりでありながら、学者であった飼い主から様々な英知を授かり、 それでいてぱちゅりー種にありがちな、知性を鼻にかけた思い上がりの片鱗すら見せなかった。 完璧すぎる母に追い付こうとがむしゃらに突っ走った。 母の功績に縋るのではなく、それを超える何かを常に追い求めた。 気が付けば番を迎える事も無く、孫の姿を見せる事さえ出来ないまま、 偉大なる母は永遠にゆっくりしてしまった。 偉大なる先々代の死を悼み、涙に暮れる群れの嗚咽を背後にして、 母の死に顔を見ながら先代の長ぱちゅりーは思った。 ゆっくりなのに、ゆっくりする事を忘れて頑張った。 それなのに結局母には勝てなかった。 必死に頑張った日々は、徒労に終わってしまった。 ならば。 いつか生まれてくるであろう自分のおちびちゃんは、絶対ゆっくりさせてやろう。 後悔する事のない、幸せなゆん生を送らせてやろう、と。 こうして長ぱちゅりー親子の『勘違い』が始まってしまったのだ。 『勘違いゆっくり』 「……むきゅ………むきゅ……………」 山の裾野に広がる森の中心、ぽっかり開いた場所にある小高い丘を目指して一匹のぱちゅりーが這いずっていた。 何かに酷くぶつけたような打撲傷が顔中に広がる姿は痛々しい物であったが、その顔に浮かべた形相が哀れみを根こそぎ奪っていた。 (むっきゅうぅぅぅぅぅぅ!ぱちぇをゆっくりさせないむのうなむれはゆっくりしね!) 般若もかくやと言わさんばかりの憤怒の相。最も般若は嫉妬の怒りだが、このぱちゅりーが抱いていたのはもっと醜いもの。 『逆恨み』であった。 (あんなみえみえのわなにかかったむのうなまりさのせいで、ぱちぇがこんなおおけがをおったのよ! おかげでおかあさんがひとりじめしていたまりさからとりかえしたすぃーまでこわれちゃったじゃない!) 酷い責任転嫁もあったものだが、ぱちゅりー視点ではこれが事実であり、真実である。 そもそもあのスィーは、それを欲しがった娘の我侭を聞き入れた先代の長が群れの皆にある事無い事吹き込んで、 持ち主のまりさを無理矢理悪者に仕立て上げ、強引に追放する事で取り上げた物だ。 いかに長の言葉とはいえ、本来なら疑うゆっくりも現れておかしくない行為だが、この群れにおいては事情が異なる。 長の言う通りにしていれば、必ずゆっくり出来る。 先々代の優秀さが、群れのゆっくりから『長を疑う』事を忘れさせてしまったのだ。 如何に先々代が優秀であっても、その子孫まで優秀であるとは限らないのに。 (じぶんのてでしけいにできなかったのはくやしいけど、にんげんさんがかわりにまりさをおしおきしてくれるわ! にんげんさんなんかそれくらいしかやくにたたないんだから、しっかりまりさをころしておきなさい!むきゅ!) この半年間、ぱちゅりーの逆鱗に触れて殺されたゆっくりの数は両手の指に余る。 月に三人以上殺している計算だが、実際に悪事を働いたゆっくりはいない。 苛烈な恐怖政治が、皮肉にも秩序を保つ要因になったのだ。 その事が逆に長の権限を高め、更なる虐殺を呼んでしまった訳だが。 鬱蒼と茂っていた森の木々が途切れ、目の前が急に開ける。 群れが根城にしていた丘の天辺で、周囲を見張っていた子まりさが長の帰還に気付き、急いで駆け寄る。 「ゆっくりおかえりなさい、おさ!……そのけがはどうしたの!?……それに、おかーさんたちは……?」 ぱちゅりーの怪我を見て、何事かあった事を悟ったらしい。顔色を変え、詰め寄る子まりさ。 群れを見捨てた事がバレたらまずい、そう考えた長ぱちゅりーは咄嗟にひと芝居打つ事にした。 「むきゅっ!おちびちゃんたちをみんなあつめなさい!いますぐよ!」 「わ、わかったよ!ゆっくりしないで、みんなをあつめるよ!」 ぱちゅりーの血相に気圧されたのだろう、慌てて『がっこう』のある方角へ駆け去る子まりさを見送り、 ぱちゅりーは自身の身の安全を図る為の筋書きを検討し始めた。 しばらくして、丘の天辺に陣取ったぱちゅりーを囲むように沢山の赤ゆっくりと、子供達が集まっていた。 皆の不安そうな視線を浴びながら、ぱちゅりーは精一杯無念そうな表情を作り、告げた。 「……おちついて、よくきいてねみんな。……ぱちぇたちは、にんげんさんのひきょうなわなにつかまっちゃったの。 そして、…………みんな、にんげんさんにころされちゃったわ………」 長の言葉にぴたっと静まる子供達。 だが、泣き出すゆっくりはいない。余りに衝撃的な内容に、理解が追い付いていないのだ。 「……ま、まって!それじゃ、まりさのおかーさんや、おとーさんは……?」 恐る恐る長に問いかけるのは、見張りをしていた子まりさであった。 ぱちゅりーは子まりさを見やり、沈痛な面持ちで頷いた。 「……おちびちゃんたちの、おかーさんたちはね……ぱちぇだけでもにげてって…… のこされたおちびちゃんたちをおねがいって、ぱちぇをたすけてくれたの………」 その答えを聞き、血の気が引く子まりさ。 やがて長の言葉を理解したのだろう、子供達からざわめきが漏れ始め、それは段々と大きくなっていく。 「……うそだ。うそだうそだうそだ、うそだぁぁぁぁあ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!」 「ゆ゛ぎゃ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!お゛ぎゃ゛あ゛じゃ゛ん゛がじん゛じゃ゛っ゛だぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!」 「どぼぢでぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛え゛ぇ゛ぇ゛!!がな゛ら゛ずがえ゛っ゛でくでるっ゛でい゛っ゛でだの゛に゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!!!」 「みゃみゃぁぁぁぁあぁぁぁぁ!!ありちゅいいこになりゅがら゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!み゛ょ゛どっ゛でぎでぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛え゛ぇ゛ぇ゛!!!!」 「ぱちぇの、ぱちぇのぴゃぴゃとみゃみゃがぁぁぁぁ!!げほっ、ごほっ……ゆげぇっ!!!」 現実をひたすら否定するもの、戻ってこない父や母を呼び続けるもの、ショックの余り餡子を吐き出すもの……。 森を揺るがす子供達の慟哭はその日の夕刻まで続いたと言う。 しかしぱちゅりーは気付かなかった。 彼女の言葉を聞き号泣する子供達の中に、凍えるような冷たい視線を向けるグループが混じっていた事に。 季節は巡り、春。 うららかな陽気に降り積もった雪が融け、丘の周りに分散する巣が姿を現す。 結局、大人の居ない群れの中で冬籠りを成功させたゆっくりは三分の二にも満たず、そこかしこで犠牲になったゆっくりを偲ぶすすり泣きが聞こえる中、 ぱちゅりーは再び長の地位に就く事になった。 この群れで唯一の大人であり、父や母から自分達の養育を任されたと主張した事もあるが、 涙に暮れる子供達に行った演説が決定打となったのである。 『かなしいのはわかるわ、ぱちぇもくやしいもの。 ……だったらつよくなりなさい!つよくなって、ふくしゅうしなさい!そのためのほうほうはおしえてあげるわ! おかあさんたちのかたきをとりたかったら、ぱちぇについてきなさい!!』 ぱちゅりーのこの言葉で、子供達の親を慕う悲哀はどす黒い復讐の念に変わった。 だがこの演説の本当の狙いはぱちゅりーの手足となる強力な兵隊を作り、自らの屈辱を果たすこと。 あくまでもぱちゅりーにとって都合のいい群れを作る為に、人間と言う敵を利用したのだ。 こうしてぱちゅりーの指導と言う名の独裁と、子供達の特訓と言う名の地獄は始まってしまった。 「むきゅ!にんげんさんははちさんよりつよいのよ!だからはちさんのおうちをもってこれるなら、にんげんさんにかてるわ!」 「そのあまあまはぱちぇのおかげでとれたのよ!だからぱちぇのものだわ!」 「……これはみんなががんばってとってきたんだよ。おさはなにもしてないよね」 「うるさい!ぱちぇのいうとおりにしてればつよくなれるのよ!これもしゅぎょうなのよ! くちごたえはゆるさないわ!こんどなまいきなくちをきいたら『おしおき』よ!」 「…………」 「むきゅう!にんげんさんはかずがおおいわ!だからどんどんすっきりー!してこどもをふやしましょう!」 「……むれにいるのはこどもだけだよ。すっきりー!したらしんじゃうよ?」 「だったらしなないようににんっしんっすればいいのよ!」 「……どうやって?」 「むきゅぅぅぅっ!!それくらいじぶんでかんがえなさい!!」 「「…………」」 「むきゅう、ごはんがすくないわね!かりにでるにんずうをふやしましょう!」 「……かりにでられるこはみんなでてるよ。あとはがっこうのこどもたちぐらいしかいないよ?」 「なら、そのこたちもかりにだしましょう!じゅぎょうのいっかんとしてこどもたちをかりばにだすのよ!」 「……こどもたちだけじゃ、かりはできないよ?どうするの?」 「まりさたちがめんどうみればいいじゃない!もちろん、かりののるまはまもりなさい!」 「「「…………」」」 「むっきゅ!おくすりがたりないわね!まったく、そんなにけがするなんて、なんてむのうなのかしら!!」 「……それは、おさがおくすりになるおはなをたべちゃったからだよね?みんなのけがも、おさのめいれいのせいだよね?」 「おかのおはなは、ぱちぇのおかあさんのおかあさんがあつめてきたのよ!だったらぱちぇのものでしょう!!」 「……とにかく、おくすりあつめてくるね。こんどはたべないでね?」 「そうよ、そうやってどんどんぱちぇにみつぎなさい!そうすればみんなゆっくりできるわ!!」 「「「「…………」」」」 やがて季節は一巡する。 山の裾野に広がる森の中心、ぽっかり開いた場所にある小高い丘が、再び冬枯れの木々に囲まれる。 群れの大部分を占めていた赤ちゃんがバレーボール大からバスケットボール程に成長した頃。 一年前と同じ早暁の空を背景に、長は再び人間の里を襲撃しようとしていた。 「みんな、ぱちぇはにんげんさんがきらいよ! れいむを、まりさを、ありすを、ぱちぇを、ちぇんを、みょんを! あらゆるゆっくりをごみのようにころすにんげんさんが、だいっきらいよ! みんな、ぱちぇはふくしゅうをのぞんでいるわ! ぱちぇのむれのみんな、みんなはどう!? にんげんさんにふくしゅうしたい? にんげんさんがひとりじめするおやさいをとりかえし、にんげんさんをぼっこぼっこにして、 にんげんさんをどれいにしてつぐなわせる、なさけようしゃないふくしゅうをしたい!?」 「「「「「「「「「「ふくしゅう!ふくしゅう!ふくしゅう!ふくしゅう!」」」」」」」」」」 「そうよ、ならばふくしゅうよ! ぱちぇたちのむれはいちどにんげんさんにやぶれたわ。いまやかつてのいきおいもない。 でも!にんずうこそすくないけれど、みんなはいっきとうせんのふるつわものよ! だったらみんなとぱちぇで、……ええと、たくさんのぐんしゅうだんになるわ!! ぱちぇたちをわすれようとするにんげんさんたちにおもいださせましょう! かみをくわえてひきずりたおし、おめめをあけさせておもいださせましょう! おひさまとじめんさんのあいだには、にんげんさんがおもいもよらないゆっくりがあることをおもいださせましょう! ごじゅうにんのゆっくりのぐんだんで、にんげんさんのゆっくりぷれいすをうばいつくしましょう! と、いうわけで、おひさまがのぼるまえにそうこうげきをかけるわ!! こんどこそにんげんさんをやっつけて、みんなのかたきをとりましょう!!」 「「「「「「「「「「えいえいゆーっ!!!」」」」」」」」」」 ぱちゅりーの演説に鬨の声で応える群れ。 当初の半分以下、五十をいくらか下回る程度にまで減ってしまったが、その分質は以前の群れを大きく上回る。 なにしろ一対一なられみりゃとさえ戦える個体がごろごろ居るのだ。 今度こそ勝てるに違いない!! ぱちゅりーはそう確信していた。 勝てるも何も実際には畑泥棒でしかないのだが、復讐に燃える悲劇のヒロイン気取りで自己陶酔しているぱちゅりーには気付かない。 「まりさ、まりさ!」 「……ここにいるよ、おさ」 ぱちゅりーの呼び掛けに応えたのは、あの見張り役の子まりさだった。 バスケットボール大にまで成長した子まりさは、機転が効く上に群れのゆっくり達に慕われており、 それを買ったぱちゅりーに抜擢され、補佐としてその烈腕を振るっていた。 ぱちゅりーにとっても自分の言うことに従順なまりさは非常に有用であった為、今回の遠征では重要な役目をさせるつもりであった、 「まりさ、あなたにとくべつにんむをあたえるわ! せんけんたいになって、わながあるかどうかたしかめるの! でも、わながなくてもそのままとつげきしちゃだめよ! ぱちぇたちがおいつくまで、しゅういのあんぜんをかくほするのよ! ……できるわね!?」 「……わかったよ。おさがおいつくまで、まってるよ」 勿論ぱちゅりーがまりさを押さえたのは、まりさの身を思ってのことではない。 自分より先に美味しいお野菜を独り占めさせないように、抜け駆けを防ぐ為である。 「それでいいわ。……じゃあまりさ、これをわたしておくわね」 そう言って取り出したのは、先を削って鋭く尖らせた木の枝。 口で銜えるしか物を持つことが出来ないゆっくり達が使う、標準的な武器であった。 「これはぱちぇがつくったぶきよ。ふいをうてばにんげんさんにもこうかはあるわ。 これをもっていきなさい。もしもにんげんさんにみつかったら、なかまをよばれるまえにこれでやっつけるのよ!」 「……うん、ありがとう、おさ」 素直に礼を言って受け取るまりさに満足したぱちゅりーは、群れを率いるべく身を翻した。 まりさの目の前に、ぱちゅりーの背中が現れる。 「……これで、ふくしゅうができるよ」 「…………ゆ゛っ゛!?」 一瞬、ぱちゅりーには何が起こったのか理解できなかった。 体を貫く衝撃、一拍遅れて届く激痛。 「ゆ゛ぎゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!」 ぱちゅりーの背中に枝が生えていた。 それは先程、ぱちゅりー自身がまりさに与えた武器。 ぱちゅりーが無防備な背中を晒した瞬間、まりさが渾身の力を込めて突き立てたのである。 「いぢゃい!いぢゃいぃぃぃぃ!!なんでごどじゅるのぉぉぉぉ!!ばりざぁぁぁぁぁ!!」 「だまれ」 「ゆ゛っ゛!?」 普段の従順な態度を一変させ、ぱちゅりーを汚物でも見るかのように見下すまりさに気圧され、ぱちゅりーは思わず黙り込む。 「なにがおかあさんのかたきだ!むれのみんながにんげんさんにころされたのは、みんなおまえのせいじゃないか! おまえがついたうそにだまされたせいで、みんなゆっくりできなくされたんじゃないか! そのうえまりさたちにまでうそをついて、にんげんさんとたたかわせようとするなんて、どこまでみさげはてたげすなんだ! おまえはもうおさじゃない!おまえが!おまえこそがまりさたちのおかあさんたちのかたきだ! みんな!もうこいつのいうことなんてきかなくていいよ!みんなでこいつにふくしゅうするよ!」 そう言われて気付く。全てのゆっくりが、ぱちゅりーに憎悪を込めた視線を向けていた事に。 そして口々に鋭い枝や固そうな石をくわえ、ぱちゅりーににじり寄っていた事に。 蒼白になったぱちゅりーに、まりさの無慈悲な宣告が届いた。 「さあみんな!すぐにはころさないように、でもけっしてゆっくりできないように! いちねんぶんのうらみをこめて!おとうさんとおかあさんのうけたくるしみをなんばいにもして! ゆっくりできないぱちゅりーにぶつけてあげようね!」 「「「「「「「「「「ゆっくりできないぱちゅりーはゆっくりしね!!!!!」」」」」」」」」」 「ゆ゛ん゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!」 ぱちぇりーは気付いていなかったのだ。 自分がこの群れの為にした事など何も無い事を。 群れのゆっくり達が従っていたのは、このまりさだという事を。 そして…… 今やこの群れの全てのゆっくり達が、ぱちゅりーを仇と恨み、敵を討とうと思っている事を。 必要とあらば仲間の命はおろか、自らの命さえ投げ出す覚悟を決めていた事を。 表面上はにこやかな表情の下で、仇敵に従う屈辱に心の中で血涙を流しながら、それを受け入れていた事を。 そして一年もの長い年月を掛け、用意周到に準備された復讐が、今まさに果たされようとしている事を。 自分の命令に従順な群れに満足し、堕落しきったが故に勘が鈍ったぱちゅりーには気付けなかったのだ。 話は去年の晩秋、群れが人里を目指して総出撃した朝まで遡る。 「おちびちゃんたちはここでまっててね!おやさいさんとりかえしたら、いっぱいむーしゃむーしゃしようね!」 「あかちゃんたちをよろしくなんだぜ!すぐもどってくるから、いいこにしてるんだぜ!」 「……ゆっくりわかったよ!あかちゃんたちはまりさたちがまもるよ!」 群れ全員での総攻撃を狙っていた長ぱちゅりーだが、副将のまりさから『あかちゃんたちはまだ、たくさんあるけないんだぜ!』 と進言され、赤ちゃんの同行を諦めざるを得なかった。 そうするとまた別の問題が浮上する。 赤ちゃんは基本的に手がかかるものだ。それこそ朝から晩まで親が面倒を見なければならないくらいに。 だが、赤ちゃんがいる親だけを残して行く事は出来ない。そんな事を認めたら群れの半数が脱落してしまう。 いくら長ぱちゅりーに秘策ありとはいえ、それだけの戦力を遊ばせておく訳にはいかない。 どうすれば、と頭を悩ませる長に、再び副将のまりさから進言があった。 『なら、せめてこどもたちだけはおいていくんだぜ!』と。 『がっこう』を卒業したゆっくりは親の監督の元で群れの仕事を覚えて行く。 要は半人前の扱いなのだが、今回の出征において全員動員されることが決定している。 現在『がっこう』に在籍しているゆっくりは現在六十人前後。 その内、半年間の義務教育を経て卒業寸前のゆっくりは九人いる。 片手で数えられる程度とはいえ、それだけいれば赤ちゃんの面倒くらいは見ていられるだろう。 まりさの進言にそう結論付けた長は、百人近い群れの赤ちゃんと『がっこう』の生徒達をおいて行く事を決定したのだ。 早暁の空に鬨の声を響かせながら出陣して行く親達を見送る子まりさ。 後に群れの帰還を最初に発見する事になる彼女は、明日『がっこう』を卒業する予定であった。 最年長であった為に子供達のまとめ役として抜擢され、出陣直前まで大人達からレクチャーを受けていたのだ。 遠ざかる大人と成人一歩手前の先輩達の姿を見届け、子まりさは踵を返して『がっこう』へ向かった。 『がっこう』への道すがら、思い返すのはまだ赤ちゃんだった頃に見た、丘の上で必死になって長を説得していたれいむの事。 母はれいむのことを「げす」呼ばわりしたが、子まりさにはそうは思えない。 ゲスとは、自分の為に他人をゆっくりさせない、自分本位なゆっくりの事である。 本当にゲスであるなら、あの時吐いた嘘で何の利益がれいむにあったと言うのだろう? いつも上手なお歌を聞かせてくれたれいむが、涙を浮かべて教えてくれた『おにーさん』のお話は、 まだ赤ちゃんだった子まりさにも解る程に説得力があった。 そしてれいむがぼろぼろの姿で組み敷かれ、群れの皆にゆっくりできなくされていた時、 全てを諦めたようなれいむの目に、寂しそうな、悲しそうな、そして何より悔しそうな無念の表情に、 そして最後の一瞬、痛みとは違う何かに流された涙に。 その死に様を嘲笑う姉妹達の中でただ一人、子まりさだけはれいむが正しいと直感した。 だからそれを嘘と断じ、あまつさえあんなに残酷な『おしおき』を実行した長ぱちゅりーを、子まりさは信じられなかった。 その後に繰り返された『おしおき』を目撃する度、子まりさの疑念は膨らんで行った。 食糧不足で赤ちゃんに食べさせる事が出来ず、やむなく食料庫から盗み出したれいむは殺される程悪かっただろうか? そのれいむの子供であり、親の復讐に燃えて長に襲いかかったちぇんは果たして反逆者の汚名に相応しかったのだろうか? 群れ中の狩りの名人を総動員しても捕る事が難しい蜂の巣を、たった一人で捕るように命じられたみょんは本当に臆病者だっただろうか? それらを指摘して、長を諌めようとして『おしおき』されたまりさ達はどうだろうか? そして今、群れの大人達を率いて人間の畑を襲いに行くぱちゅりーは、本当に正しいのだろうか? 先々代はおろか、先代の治世すら知らぬ子まりさには大人達が持つ長への盲信が無い。 そしてれいむの事件で群れの有り様に疑問を持った子まりさは、ゆっくりらしからぬ深い洞察力を獲得するに至ったのである。 「……やっぱり、おさのいうことはおかしいよ…………みんな、だいじょうぶかなぁ……」 とは言え、子まりさはまだ『がっこう』も卒業していない、半人前とも認められていない子供だ。 親の庇護を受け、授業以外では狩りにも同行できない子まりさが疑問を呈しても 「おちびちゃんにはまだむずかしいことだよ!それよりおへやのおかたづけしなさいね!」 「おちびがそんなむずかしいことかんがえてちゃだめだぜ!それよりみんなとあそんでくるんだぜ!」 などと返され、子まりさの疑問は大人に憧れる子供の背伸び程度にしか受け取られない。 子まりさが幾ら疑問を持ったとしても、子まりさに出来ることは無かった。 精々こうして群れの行く末を憂いることしか出来ないのである。 「……ゆっ!とにかくまわりをみはって、あかちゃんたちをまもらなきゃ!まりさ、がんばるよ!」 子まりさは気分を切り替え、丘の周囲を見回ってまわる。 この季節、越冬の準備をするのはゆっくりだけではない。 熊や猪、蛇などの森に棲息する生物も越冬のために食糧を集めているのだ。 そしてゆっくり達の中身は栄養価の高い餡子。 当然狙われる確率も高く、何時襲われるか解らないのでこうして見張りを立て、警戒しているのである。 そして半分程廻った時、子まりさは見慣れぬゆっくりが丘を見上げて佇んでいる事に気付いた。 「ゆっ!そこにいるのは、だれ!?」 「!?」 そこに居たのは黒いお帽子を被ったまりさであった。 しかし、子まりさには見覚えが無い。 群れの中のまりさのお帽子は皆ピンっと立っている。 あんなに縒れ縒れで、所々破けているようなお帽子を被っているまりさはいない。 髪の毛もあんなにボサボサで、くすんだ金髪をしたまりさもいない。 お肌もボロボロで、細かい傷だらけのまりさもいない。 大きさからすればもう大人なのだろう、この群れでこの大きさのゆっくりなら出征に参加していない筈が無い。 かなり不審ではあったが、とりあえずご挨拶しようと近付く子まりさに、見慣れぬまりさはゆっくりと振り向いた。 「ゆっ!?」 そのまりさには、片目が無かった。 左目の上からあんよに掛けて、大きく抉ったような傷跡があったのだ。 子まりさはその傷の事を知っている。 ゆっくり殺しなど、重罪を犯した罪ゆっくりに対してのみ行われていた刑罰。 『おめめえぐりのけい』。 片目を抉り、群れから永久追放する刑の痕であった。 子まりさも、実際に『おめめえぐりのけい』の受刑者に会うのは初めての事だ。 『がっこう』での授業でも教わったし、度々「わるいこはおめめをとられちゃうんだよ!」と親から叱られた事もあり、 その傷が悪いゆっくりの証である事は理解していたが、粛清の嵐が吹き荒れる今の群れではあまり意味が無い。 先代の長の頃は、この『おめめえぐりのけい』が最も重い処罰であった。 それは先々代が『たとえあいてがゆっくりごろしでも、ゆっくりがゆっくりをころしてはならない』と定めた為であったのだが、 今代の長はあっさりとその禁を破り、長を侮辱したれいむを皮切りに死に至る程過激な『おしおき』を何回も強行した。 反発もあったが、長は『ゆっくりできないゆっくりをおいだしたら、ほかのむれにめいわくがかかる』と反対派を丸め込み、 それでも反対するゆっくりを『こいつらはゆっくりできない』と無実の罪を着せ、『おしおき』で殺していったのだ。 最近生まれた赤ゆっくり達はその恐ろしい『おしおき』しか知らない。 今の群れにとって、悪いゆっくりとは死んだゆっくりの事である。 いくら知識として知っていても、経験の無い子供達にとっては実感の無い、遠い過去の出来事だ。 だから子まりさも、その傷を持ったまりさに平然と挨拶できたのだ。 「ゆっ!まりさおねーさん、ゆっくりしていってね!」 「ゆ゛っ゛!?……ゆっ、ゆっくじして……い゛っ゛……で…………ゆ゛わ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん゛ん゛!!! ばりざぁ!!ゆ゛っ゛ぐじじでい゛っ゛でね゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛え゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛っ゛!!!!!」 子まりさの無邪気な挨拶に、傷まりさは感極まったように号泣しながら挨拶を返す。 「ゆっ!?」と驚く子まりさだが、それ程この傷まりさにとっては驚天動地の出来事だった。 この『おめめえぐりのけい』の事は、この辺り一帯の群れに広く知れ渡っている。 「かたほうのおめめのないゆっくりは、とてもゆっくりできないゆっくりだよ」 どんな小さな群れであっても、この話は必ず伝えられており、それ故にどの群れも傷まりさを受け入れる事は無かった。 『おめめえぐりのけい』の受刑者の末路は、孤独な野垂れ死にが定番だったのである。 そんな受刑者の中にあって、この傷まりさは二年もの間生き延びて来た希有な例であった。 元々狩りが得意だった事に加え、皮肉にも野山の危険物を見分ける群れでの教育が功を奏した結果である。 追放されたゆっくりが群れに近づき、それが発覚したら群れ総出でゆっくり出来なくされてしまう。 これまでにも何度か試し、その度に追い払われて来たから傷まりさにはそれがよく解っていた。 それが今日、世も明けない内に総出撃していく群れの姿を目にした時、押さえていた思いが爆発した。 (あのおかに、かえりたい!) ゆっくり出来なくされた身であっても、やはり故郷は恋しいもの。 あんなに大勢でどこへ行くのかは知らないが、今ならあの丘を一目見る事くらいは出来るだろう。 それでもう心残りは無い。後はこの苦しいゆん生に、いつ幕が下りても悔いなく逝ける筈だ。 そんな決意を胸に、傷まりさは丘を目指して近付き、子まりさに発見されたのだ。 (……ああ、みつかっちゃった。せめて、さいごにちょっとだけでも、おかでかけっこしたかったなぁ……) 傷まりさの脳裏を諦めが支配する。 覚悟を決めた傷まりさの耳に、子まりさのご挨拶が飛び込んで来たのはそんな時だった。 予想外の優しい言葉に感極まり、号泣する傷まりさが泣き止んだのは、朝日が半分程昇りかけた頃であった。 嗚咽の合間合間に、断片的に挟まれる壮絶なゆん生を聞かされた子まりさは、もらい泣きしながら傷まりさを慰めていたが、 どうしても気になったそれを尋ねずにはいられなかった。 「……ねぇ、おねーさん。おねーさんはどうしておめめをとられちゃったの?」 そう、片目が無いゆっくりは大悪人の証である以上、どんなに善良そうに見えても仲良くは出来ない。 仲良くする振りをして近付き、隙を見てご飯や宝物を奪い取ったり、無理矢理すっきりー!したりするのが目的かも知れない。 今のまりさの双肩には百匹以上の子供達の命が懸かっている。どんな小さな異常でも見逃すわけにはいかなかった。 だが、それを聞いた傷まりさが再び目を潤ませた。 何かを耐えるように唇を噛み締めて涙を堪え、ぽつりぽつりと語り出す。 「……おさがまりさをわるものにしたんだよ…………まりさが……すぃーをひとりじめしてるって………、 あのすぃーは……おかーさんのかたみだったのに…………だいじなだいじな……まりさのたからものだったのに……、 ………ゆっ、ゆえぇぇぇえぇぇん!!!」 そこまで語った所で堰を切ったように泣き崩れる傷まりさの姿に、子まりさは確信した。 (やっぱり、あのおさはうそつきなんだ!れいむおねーちゃんをいじめたのも、おかーさんたちをつれてったのも! みんなうそなんだ!……おさはけんじゃなんかじゃない!おさのほうが、くずだったんだ!) 子まりさと傷まりさの出会いは、双方にとって幸運であった。 子まりさにとって傷まりさは漠然でしかない長への疑いを証明する生きた証拠であり、 傷まりさにとって子まりさは自分の言葉が嘘偽り無い事を信じてくれた恩人である。 子まりさの不信感がピークに達していたこと、傷まりさのホームシックが再燃していたこと。 まさに奇跡の確率で絶好の機会がかち合った、幸運な出会いであったのだ。 子まりさは傷まりさを連れ、赤ちゃんと子供達が集められている『がっこう』に向かった。 そこは入り口を倒木で塞がれた洞窟で、子ゆっくりサイズなら通り抜けられる狭い隙間が倒木の端に開いており、 いざと言うときは、そこを塞いで外敵の侵入を防げるようになっている。 教師役の大人ゆっくりは倒木を乗り越えなければならないが、逆に言えばそうしなければ入れない安全な場所である。 「ゆっくりただいま!」 「……あいことばをいってね!……むしさんがいないなら、あまあまをたべればいいじゃない!」 「あまあまがないなら、むしさんをさがせばいいじゃない!」 「ゆっ!せいかいだよ!……おかえり、まりさ!」 入り口を封鎖している倒木の枝が動き、そこから一人の子れいむが出てきた。 見張りの交代要員である。本来あまり運動の得意でないれいむに任せるような仕事ではないが、 卒業を目前に控えた九人の子ゆっくりは子まりさを除き子れいむと子ありす、そして子ぱちゅりーで占められていた。 ひと月遅れて入学したちぇんやみょんはまだ一人で出すには不安だったし、何より赤ちゃんの面倒を見なければならない。 百匹近い赤ちゃんの世話をしながら危険な見回りなぞできない。 仕方なく、年長組が見張りを持ち回り、残りの生徒達と年長組の子ぱちゅりーが赤ちゃんのお世話をすることにしたのだ。 そして外から聞こえて来た合い言葉に、まりさと交代する為に出て来た子れいむが見たものは、見慣れた子まりさの顔と、 「ゆ゛っ゛!?……まりさ、そのおねーさんはだれなの?」 面識の無い、片目を無くしたまりさの顔であった。 「……れいむ、よくきいて。もしかしたら、いつもまりさがいってることがほんとうかもしれないよ」 「……どういうこと?まりさ、おさのことでなにかあったの?」 「それをせつめいするんだよ。みんなのところでおはなしするから、みはりはすこしまっててね」 そして子まりさは年長組の仲間達に自分の推理を打ち明けた。 それを聞いた子れいむ達の反応は様々であった 「そんなはずないわ!おさはいつでもただしいのよ!」と長の正当性を主張するありす、 「むきゅ!かためをなくしたゆっくりのおはなしなんて、しんじられるわけないでしょう!」と授業で得た知識を元に否定するぱちゅりー、 「でも、さいきんのおさがおかしいのはほんとうだよ?ゆっくりしてなかったよ?」と長への不信感を漏らすれいむ。 喧々諤々と続いた話し合いを収めたのは、子まりさの発言であった。 「おさがただしいのか、まりさがただしいのか、みんながかえってきたらたしかめてみようよ。 まりさおねーさんはもりにかくれていて。みんなにみつからないようにちゅういしてね」 そうしてしばし時が過ぎ。 二百匹を超えた大集団は、ぱちゅりーただ一人の生還を持って全滅したのである。 長ぱちゅりーから群れの顛末を聞かされ、森を揺るがす慟哭に泣き疲れた赤ちゃんと子供達を寝かしつけ、 年長組は再び長の正当性を議論し始めた。 ありすの論調は変わらず長の擁護、最も半数の二人程は半信半疑と言った所。 逆に意見を翻したのはぱちゅりー。こちらは一人が慎重派、もう一人が完全に疑い始めた様子。 れいむは長の涙に同情したのか、片方が長を擁護し始め、片方が長への不信感を露にするも、勢いは無い。 平行線を辿りつつある議論に、まりさはある提案をする。 「じゃあ、とりあえずおさのゆうとおりにしようよ。 おさがただしいならゆっくりできるはずだし、おさがまちがってるならゆっくりできなくなるから、 これからのおさがどういうふうにむれをゆっくりさせるのか、みとどけてからはんだんしよう」 この提案を年長組は全員受け入れた。 実際、幾ら考えても解決しないのならこれからの動向で判断するしかない。 ほぼ博打のような提案ではあったが、現時点ではそれ以外に方法は無かった。 そして彼女達は、いきなりその答えを突きつけられた。 今までの群れでの冬籠りは、それぞれの家庭ごとに行っていた。 しかし今回は話が違う。 何しろ大人が全滅している上、群れの殆どはまだ赤ちゃんなのである。 ならば一カ所に食べ物と群れを集め、全員で冬籠りすべきだと言う意見に、ぱちゅりーはこう返したのである。 「いままでどおりでいいでしょ!かえるひつようはないわ!むきゅ!」 この言葉に唖然となったのは年長組だけではない。 後輩のちぇんやみょんを含む『がっこう』の生徒達の大半が、長の台詞に度肝を抜かれた。 長ぱちゅりーにしてみれば、一カ所に集まるなど言語道断である。 何かの弾みで口を滑らせ、群れを見捨てたことがバレでもしたら、即座に殺されてしまう。 そうでなくても、暗殺の危険性を考えれば皆と一緒にいるより、一人でおうちに籠っている方が安全なのだ。 しかし子供達にとってこれは死刑宣告にも同等の命令である。 長の言葉である以上は従う義務が発生する。だが、素直に従えば待っているのは、死。 年長組においても意見は分かれ、結果ありす二人とぱちゅりーとれいむが一人ずつ年長組を離脱。 群れの三分の一を率いてそれぞれの巣に別れ、冬籠りを開始した。 残されたグループはおうちの貯蔵食糧を持ち寄り、『がっこう』にて共同生活を行うことにした。 そして、春。 分散して冬籠りをしていたゆっくりは物の見事に全滅した。 初めての越冬と、赤ちゃんの食欲を考えに入れず、食糧の計算を間違えて餓死したれいむのグループ。 黒ずんだ何かが大量に茎を生やし、あたかも小さな森のような様相を醸していたありすのグループ。 強度の足りない巣が大崩落を起こし、全員生き埋めとなったぱちゅりーのクループ。 その他にも赤ちゃんだけで越冬しようとして失敗したり、食糧不足の果てに凄惨な殺し合いが起きた巣もあった。 まりさ達、共同生活グループは多少の犠牲者を出したものの、初めての越冬を成功させた。 それはまりさ達だけではなく、あの傷まりさの協力あってのものであり、傷まりさへの偏見は大幅に薄れていた。 また共同生活を提案し、そのリーターシップをとったまりさに対する信頼も大きくなり、 実質まりさは生き残ったグループの長といっても過言ではない立場に就いていた。 同時にそれは、まりさが持っていた現状の長であるぱちゅりーへの不信感を、群れが共有することを意味していた。 しかしまりさはそれを表に出すことを硬く禁じた。 「おさがどんなにあやしくても、おさはまだおさなんだよ。いま、おさにきづかれたら『おしおき』されちゃうかもしれないよ」 こう説得して廻り、はっきり長ぱちゅりーを疑っているゆっくりにも、未だ半信半疑のゆっくりにも、 とりあえず長の命令に従うよう頼み込んでいたのである。 そして長の就任演説を経て、一年間に及ぶ独裁政治が始まり。 長ぱちゅりーは己の態度で持って、まりさ達の不信感を確信に変えてしまったのである。 そして舞台は再び現在に戻る。 ぱちゅりーは今、自分が育てた屈強な兵士達に暴行されていた。 「これでもくらえ!」 「ぴぎゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 硬い小石を四方八方から吹き付けられ、 「に゛ゃ゛ぎゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 「……また、つまらないものをきってしまったみょん」 尖った枝で何度も何度も斬りつけられ。 「こんなやつにおかざりなんてもったいないんだねー!!わかるよー!!」 「や゛べて゛え゛え゛え゛え゛え゛!お゛がじゃ゛り゛や゛ぶがな゛びでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!!」 お飾りを目の前で細切れにされ、 「こんないなかもののあかちゃんなんて、ぜったいうまれないようにしましょう!」 「ゆ゛ぎゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!ぼう゛ゆ゛る゛ぢでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!!!」 ぺにぺにを切り取られ、それを押し込んだ上で棒切れを突き込んでまむまむを潰し、 「こんなやつがぱちぇのどうるいだなんて、なのれないようにするわ!」 「ばぢぇ゛の゛ずでぎな゛がみ゛の゛げがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!! 少しずつ髪を力づくで引き抜かれて、禿げ饅頭にされ、 「ぱちゅりーのきたないおかおをきれいにするね!」 「q゛あ゛w゛せ゛d゛r゛f゛t゛g゛y゛ぶじごl゛p゛!!!!!!」 砂を撒いた木の皮に顔を押し付け、そのままおろし金のように動かしてぱちゅりーの皮を削る。 おおよそ考えつく全ての苦痛を、ぱちゅりーは味わっていた。 たまに「ゆげぇっ!!」と生クリームを吐いても「まだまだおわらないよ!」と強引に押し戻されて、死ぬことも叶わない。 最初に宣言された通り、死なないギリギリを見極めた絶妙な手加減を加えられた生き地獄が延々と続けられていた。 その様子を離れた場所で窺うゆっくりがいた。 傷まりさである。 便利な道具でしかなかった自らの群れに、ゆっくりできなくされているぱちゅりーを無表情で見つめ続ける傷まりさの元に、 クーデターに成功し、今やこの群れの長になったまりさが歩み寄る。 「……まりさおねーさんはやらないの?」 長まりさの疑問に、無表情を崩して苦笑を浮かべて答える。 「まりさのぶんはもうおわってるよ。あのすぃーが、まりさのぶんまでぱちゅりーにしかえししたんだよ。 だからまりさはもういいんだよ。いま、あいつがうけるべきはまりさたちのふくしゅう、なんだからね」 母の形見であったスィーごと罠に掛かった顛末はすでに聞いていた。 傷まりさにはそれがスィーの意志であったように思えたのだ。 ならばその意志を汚す真似はすまい。傷まりさは自然にそう思えたのである。 「……うん、わかった。じゃあ、そろそろしあげにはいるね」 その言葉に感じ入るものがあったのだろう。 一つ頷き、踵を返した長まりさは未だ醜い悲鳴を上げ続けるぱちゅりーの元へ向かう。 「みんな!いっぺんやめてね!まりさとおはなしさせてね!」 その言葉に群れが静まる。先程までの喧噪が嘘のような静寂の中、 「……ゆ゛っ゛……ゆ゛っ゛……」と痙攣するぱちゅりーの耳元へ長まりさが囁く。 「……なんでこんなめにあっているのか、わかってる?ぱちゅりー?」 その言葉に反応したのか、白目を剥いていたぱちゅりーの口から断末魔以外の言葉が漏れる。 「……ぱ……ちぇを……ゆっ………く……り………させ………な……い……げすは………し……ね………」 反省の色の欠片も無い、醜い性根を表したかのような呪詛を聞き、まりさは落胆した。 こいつは、自分が何故こんな目に遭っているのか理解できていない。 これでは、自分達の復讐が成ったとは言い難い。 自分のせいで、自分が無能だったせいで殺されることを自覚させて、より深い絶望にたたき落とさねば、 死んで行った親兄弟達に申し訳が立たないだろう。 しかし長まりさにはこれ以上のアイデアは無かった。 こいつに自分の罪を認めさせる方法が、この拷問以外に思い付かなかったのである。 (……しかたないね。そろそろれみりゃがおきるころだし、ざんねんだけど、とどめをさそう) 心の中でため息をつき、ほぼ一日中続いた拷問を終わらせる決意を固める。 「みんな、このぱちゅりーをもりのそとにたたきだすよ!」 「「「「「「「「「「わかったよ、おさ!」」」」」」」」」」 群れはもうまりさを長と認めていた。 あの過酷な一年の間、このまりさに従っていれば生き残ることが出来た。 それだけでなく、優れた洞察力からくる統率力、計画性、全てにおいて突出していたまりさは群れの憧れでもあった。 その長の言うことをどうして疑うことが出来るだろう? 「それじゃあ、ぱちゅりーをもりのそとまではこぶよ!ゆっくりてつだってね!」 「「「「「「「「「「まかせてよ、おさ!」」」」」」」」」」 虫の息のぱちゅりーを長まりさが跳ね飛ばす。 「ゆ゛っ゛!?」と転がって行く先にいたちぇんが勢いをつけて蹴り上げる。 「ゆ゛ぎっ゛!?」と跳ね飛ばされた先にいたみょんが銜えていた枝で打ち返す。 「ゆ゛びぃ゛っ゛!?」と飛んで行く先にいたれいむがぷくーっ!して跳ね返す。 「ゆ゛がぁ゛っ゛!?」とパウンドする先にあったぱちゅりー達が作った壁にぶつかり、転げ回る。 「ゆ゛ぶっ゛!?」と蹲ったぱちゅりーを、走り寄ったありすが跳ね飛ばした。 ピンボールの玉よろしく、森の木々の合間を跳ね回ったぱちゅりーが森と人里を分ける平原に放り出されたのは、すっかり夜も更けた頃であった。 ……ふああ。あー、さむっ。 また急に冷え込んできやがったな。 いくら夜明け前だっていっても、まだ秋の範疇だろうに。 これは今年の冬も厳しくなりそうだな……。 ……ん?なんだありゃ。 饅頭?……いや、ゆっくりか? あんな飾りも髪も無いゆっくりなんて見たこと無いぞ。 ……うわ、なんだこりゃ? こんなに全身ボロボロになるなんて、何があったんだ一体? ……お、意識はあるようだな。 ってか、この様で生きてるって、ゆっくりってのは随分頑丈に出来てんだな。 前に燃やした奴らはあんなにあっさり死んじまったのに。 ……『ぱちぇの群れを知ってるの?』? お前ぱちゅりーだったのか?いや、あの群れに居たって事は…… ……そうか、お前さんあの時逃げ出したぱちゅりーだな? せっかく逃げ出したってのに、何でそんな重傷負ってんだよ? ……『ゲスなまりさに追い出された』だって? いや、お前さん確か長だったんじゃないのか? ……『ゲスまりさに騙されたゲス達に乗っ取られた』ぁ? よく解らんが、世代交代でもあったのか……? しかしよく無事だったな、この辺りはれみりゃの縄張りだぞ? ……『ぱちぇの群れは、れみりゃを倒せるくらいに強いのよ』って…… なあ、それって強いのは群れであって、お前さんじゃないよな? なのに何でお前さんがれみりゃに襲われない理由になるんだよ。 ……『ぱちぇのお陰で強くなれたんだから、ぱちぇが強いに決まってるでしょう』? おいおい、何なんだそりゃ。三段論法にもなってないぞ。 ……ああ、わかった。 お前、群れでいつもそんなこと言ってたんだろ? そりゃ追い出されるわな。 あのまりさが言ってた通りだわ。とんでもない無能だな、お前。 ……『ぱちぇは長なのよ!何でも知ってる森の賢者なのよ!』って言われてもな。 実際長としては無能だぞ?お前。 そもそも長に必要なのは『古い知識を生かして、新しい何かを創り出す程度の能力』なんだよ。 知ってるだけじゃ役に立たないのさ。 古い掟の問題点を見つけてそれを改善した掟を決めたり、今までの狩りで餌が獲れないなら原因を探って狩り方を見直す。 それが出来るから、長ってのは慕われるんだよ。 何を勘違いしているんだか知らないが、お前が長の器じゃないってのはそのゆっくり達にも解ってたんだろうな。 ……なあ、ぱちゅりー。 お前は、群れの為に何か新しいことをしたのか? ……暴れんなよ。全然痛くないけどな。 ああもう、生クリームが飛び散って汚れちまったじゃねえか。 ……ああ、鬱陶しい! おらよ!どこにでも飛んで行きやがれ! ……結構飛んだな。 ……おや、三軒隣の御仁井さん。こんな所でどうされました? ……れみりゃの調達ですか。そりゃご苦労様です。 ……いえ、ちょっとね…… 無能なぱちゅりーに絡まれて、野良着を汚されちまったもんで。 あんまりムカついたんで、森の方へ思いっきりぶん投げてやったんです。 ……ははは、止してくださいよ。 俺に虐待は向いてませんって。 ……それよりも例の研究は進んでるんですか? 確か、ゆっくりを使った画期的な農法だとか何とか…… 山の裾野に広がる森の中、人間に捕まって投げ飛ばされたぱちゅりーは、奇跡的に生きていた。 しかしその姿は到底無事とは言えなかった。 お飾りも髪も無くし、所々薄くなった皮からはじくじくと生クリームが滲み出している。 それでも尚、残された目には執念の炎が燃えていた。 「……ぱちぇは……おさなのよ………いだいな……もりのけんじゃなのよ………… ……ぱちぇをゆっくりさせるのは…………すべてのゆっくりの……………ぎむなのに……………」 ぱちゅりーに帰る場所なぞどこにもない。 あの丘に向かうのは論外だ。 忌々しいゲスまりさに騙された無能な群れが襲いかかってくる。 人間の里に留まれば今度こそ殺されるだろう。 他の群れに匿ってもらおうにも、お飾りはおろか、髪さえ無くした自分を迎え入れてくれる筈が無い。 行きずりのぱちゅりーを襲ってお飾りを奪おうにも、満身創痍のこの身では到底実行できまい。 まさに八方塞がりの状況。 先程から妙に体がだるい。 悪寒は治まるどころかどんどん悪化してゆく。 あんよの感覚が殆ど無い。 (……そういえば、さっきからぜんぜんいたくないわね……?) 嫌な予感が彼女の脳裏をよぎる。 強ばってなかなか言う事を聞かない体を無理矢理動かして、後ろを振り返ったぱちゅりーの目に、 「……む゛ぎゅ゛う゛ぅ゛う゛う゛ぅ゛う゛う゛っ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛っ゛!?!?!?!?!?」 見えては行けない筈の光景が見えてしまった。 ぱちゅりーが這いずった後を追うように、白いナニカが線を描いている。 それは、ぱちゅりーの生クリーム。 彼薄皮一枚を残して剥ぎ取られた皮から滲み出した生クリームが、少しずつ、少しずつ、 ぱちゅりーのあんよと言う絵筆によって、冬の森というキャンバスを汚していたのだ。 痛みが治まったのではなかった。最早痛みすら感じない程に、感覚が鈍り切っていたのである。 「い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!じに゛だぐな゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!! だれ゛があ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!だれ゛がだずげろ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!」 一体どこにそれだけの底力があったのか。 誰もいない森の中に、ぱちゅりーの叫び声が谺する。 そしてその谺は、届いてはいけないものに届いてしまった。 突然響き渡る羽音に、ぱちゅりーがピタっと黙る。 恐る恐る目を向けた先にいたのは、 「う~☆あまあまみつけたど~☆」 「どぼじであ゛がる゛い゛の゛に゛れ゛み゛り゛ゃ゛がい゛る゛の゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!!!!」 そう、昼間は眠っている筈のれみりゃであった。 このれみりゃが特別だった訳ではない。 森の奥地は木々が密集しており、昼間であっても尚薄暗い。 木漏れ日に気をつけさえすれば、昼間でもれみりゃが活動するには充分な暗さがある場所なのだ。 その為、ここに足を踏み入れるゆっくりは相当訳ありでもなければ存在しない。 こうしてたまに迷い込んでくるゆっくりは、れみりゃ達にとって最大のご馳走であった。 「う~☆つかまえるど~☆ふゆのでなーにするんだど~☆」 「い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!ばな゛ぜえ゛え゛え゛え゛え゛え゛!!お゛う゛ぢがえ゛る゛う゛う゛う゛う゛う゛!!」 帰るべきお家なぞ何処にも無いことを忘れ、ぱちゅりーは泣き叫ぶ。 「うるさいんだど~☆しゃべれないようにするんだど~☆えいっ☆」 「ゆ゛ぶっ゛…………!!!!」 舌を引っこ抜かれ、お口に石を詰められて、ぱちゅりーは喋れなくなる。 ぱちゅりーが静かになったのを確認すると、れみりゃは満足そうに巣のある老木へ飛んで行った。 それからおよそひと月。 ぱちゅりーはまだ生きていた。 老木のうろを利用したれみりゃの巣には、同じように捕まったゆっくり達が沢山並んでいた。 れみりゃはその日の気分で啜る餡子を変えているようで、様々な種類のゆっくりが用意されている。 しかもこのれみりゃは、死ぬまで餡子を啜ろうとはしない。 死にそうなギリギリまで吸い上げ、痙攣を始める直前で止める。 その加減はまさに職人技と言えよう。 そして餡子を吸い上げたゆっくりの口に、うろに自生していたキノコを詰め込むのだ。 そんな怪しげなキノコなぞ食べたくもないが、それ以外に食糧は無いし、どのみち食べても食べなくてもれみりゃに詰め込まれる事に変わりはない。 どうやら毒キノコの一種らしいそれは、口に含んだ途端に気分が悪くなり、悪寒や幻聴が聞こえ始める。 そして酷い時には幻覚を見るようになる。それも、自分が最もトラウマにしている幻覚をだ。 (だまれえええええええ!!ぱちぇはむのうじゃないいいいい!!) ぱちゅりーを襲う幻覚、それはあのまりさでも罠に掛かったことでもない。 あの人間に言われた一言、それがいつまでもリフレインするのだ。 ………お前は、群れの為に何か新しいことをしたのか?……… (なんで……なんでぱちぇが……もりのけんじゃがこんなめに……) 本当にそうだったか? 本当に自分は森の賢者として相応しかっただろうか? 母の死は本当に母が無能だった所為なのだろうか? あの時、冬籠りの食糧が尽き、実の母を無茶苦茶になじったあの時。 『ごはんもまんぞくにあつめられない、むのうなおかーさんはゆっくりしないでしね!』 『……ごめんなさい、むのうなおかーさんで。せめておかーさんをたべてゆっくりしていってね! …………さぁ、おたべなさい!』 目の前でもの言わぬ饅頭になってしまった母を見て、自分は何を思っていただろうか? 『むのうなおかーさんは、ぱちぇのごはんぐらいにしかやくにたたないわね!』 そんなことしか思ってなかった気がする。 あの時、本当に賢者と呼ばれる程賢かったのなら、食糧を得る手段を思い付けたのではないか? いや、そもそも食糧不足に陥ること自体無かったに違いない。 (……そんな……そんなはずないわ…………ぱちぇはわるくない………わるいのはみんなげすのせいにちがいないわ……) あのまりさ達は本当にゲスだったろうか? むしろ自分より有能だったのではないだろうか? (……ちがう……ぱちぇは…………いだいな……もりのけんじゃなのよ…………) 疑問が浮かぶ度に脳裏で必死に否定するぱちゅりーに、またあの声が聞こえてくる。 ………お前は、群れの為に何か新しいことをしたのか?……… (うるさい!うるさい!うるさい!うるさぁああああいいいい゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!!) 春はまだ遠い。 れみりゃが冬籠りを終えて、ぱちゅりーを全部食べ尽くすまで。 幻聴は毎日、ぱちゅりーを責め立て続けた。 ぱちゅりーは最後まで気付けなかった。 自分が賢者でも長でもなく、只の無能なゲスでしかない事を。 ……それを心のどこかで認めてしまっていた事を。 ※気付けば連休中盤だよ!時間懸かり過ぎだろコノヤロー!! お待ちいただいた方々には大変お待たせいたしました! 前作に感想を付けてくださった皆様のご期待に、 「(ハードルを上げるのは)もうやめて!作者の(チキンハートな)ライフはもうゼロよ!!」 状態で悶えながら書いては直し、書いては直し。 気付けば前作を遥かに超える長文になっておりました。 皆様のご期待に応えるべく、作者の筆力の限界まで絞り出しました、 本当にこれで応えられているか不安でいっぱいですが、これ以上お待たせできないだろうとうp決行。 ……どうか皆様のご期待に応えられてますように。 ※まりさについて(補足) 前作『騙されゆっくり』のまりさについて、感想にてさんざん指摘されておりました通り、 あれはまりさの脳内補完によるものです。 実際にれいむを襲っていたときはんなこと一切考えておりません。 何も知らずに死ぬよりも、罪を自覚してから死んだ方がより絶望感は凄いだろうと思い、最後に反省させる描写を入れましたが、 良い奴で終わらせるのは許すまじ!と前々作のまりさの行動を脳内補完させたのですが、 思ったより解りづらかったみたいで、反省しております。 本来作者が作品に解説を入れるのは反則だと思っているのですが、今回は作者の筆力不足によるものですので、 急遽解説を入れさせていただきました。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4148.html
『N極とS極』 ⑨<さいきょーね! あるところにゆっくりの群れがありました その群れは大変ルールが厳しく 破ったゆっくりは即刻死刑!という厳しい群れでした またあるところにもゆっくりの群れがありました そのむれはルールなど何もない無法地帯のような群れでした そんな群れ同士の縄張りが重なってしまったときのお話 「←厳しい群れゆっくりせりふ 『←無法者の群れゆっくりせりふ という風に読んでください 「ゆ!ここからここまではうちのむれのとちだよ!はいってこないでほしいんだぜ!」 『ゆっへっへ!だからなんなのぜ!ドスさえいなきゃおまえなんていちころだぜ!』 「ゆっ!せんをこえたね!どすにほうこくだよ!」 『ゆっへっへ!そっちのへなちょこドスじゃうちのはいぱードスにはかなわないんだぜ! いまのうちにごめんなさいしたらどうなんだぜ!』 「ゆ!それはせんせんふこくだね!どすにほうこくしてくるよ!」 『ゆっへっへ…ばかなやつだぜ!もうおまえはかこまれているんだぜ!』 『『ゆっゆっゆ!』』「ゆ!これじゃにげられないゆぎゃぁぁ!!」 『ゆっへっへ、へいわボケしたやつらのむれなんてかんたんにうばえるんだぜ、 まりさたちだけでやってしまうんだぜ!』『ゆっくりりかいしたよ!』 「ゆぅぅ…たいへんだわ…どすにほうこくしないと…」 「ゆっ!せんせんふこく!それはたいへんだね!わかったよ!ゆっくりみんなをあつめてね!」 『ゆ~?まりさたちがむこうのむれにつっこんでいったぁ?ほっとくんだぜあんなやつらかわりはいくらでもいるぜ!』 「ゆっくり!ゆっくり!」「もうすこしよ!がんばってね!」 厳しい群れのほうでは丈夫な石垣を作る準備をしていました 「しっかりはこんでね!さぼったやつはしけいだよ!」 ドスの厳しい檄が飛びます 「ゆ!しけいはいやよ!」「ひ~!一所懸命がんばるんだねー」 『ゆっ!?あいつらなにやってるんだぜ?』 『このたいへんなときにいしあそびだちーんぽ』 『ゆ!ばかだねあんなことしたってわたしたちせいえいぶたいにかてるわけないのにね!』 「ゆっ!おそいよ!いままでなにやってたの!かんせいのじかんをとっくりにすぎているんだよ!」 「むきゅぅ…でもどす…もうみんなつかれきっちゃってうごけないわ…」 そのときぱちゅりーの目の前が真っ白になり そして後に残っていたのはぱちゅりーの黒焦げの亡骸でした 「どすにさからうとこうなるんだよ!さあ!やすんでいないでつぎのさぎょうへうつるんだぜ!」 「「ゆっくりできないぃー」」 ゲラゲラゲラ… 『あいつらかってになかまわれしてるんだぜ』 『このままほっとけばじめつするちーんぽ』 『あんなよわっちそうなやつらならわたしたちだけでもだいじょうぶよ!』 『でももうすこしようすをみたほうがいいんだぜ、あのドススパークはたたごとじゃないんだぜ!』 次に作り始めたのは通称ゆっくり砲台 これはゆっくりを大砲の弾のように敵陣へと飛ばしもじどおり特攻させるものである。 「ゆっ!はやくたまになるゆっくりをあつめるんだぜ!あつめないとおまえらがたまになるんだぜ!」 「ゆぎゃぁ!はやくつかまってねぇ!れいむしにたくないよぉ!」 「まりさをおってこないでほしいんだぜぇ!みのがしてくれだぜぇ!」 あちらこちらで命がけの鬼ごっこが始まっていました そのうち疲れ果てて捕まっていくゆっくり 逆に追いかけ疲れて玉にされてしまうゆっくり 「ゆ!おそずぎるんだぜぇぇぇ!!!おまえらぜんいんけしずみになりたいのかだぜぇぇぇ!!!」 ドスの激はさらに厳しく飛びます 『ゆ~…ゆ~…』 『ふわぁ…もうねむいんだちーんぽ…』 『わたしはさきにねるわ、す~やす~や』 「ゆっくりしすぎたけど!かんせいしたよ!ドスはつかれたんだぜえ!」 ごろんとその場で寝転ぶドスを見て 「ゆっ!ドス!いっつもドスは、ねるときはじぶんのすでねなさいっていっていたでしょぉ!」 「なんでこんなところでころがっているんだぜぇ!ドス!」 「ドスはすっごくつかれているんだよ!みんなががんばってはたらいてくれないからドスはぜんぜんやすめなかったんだぜ!」 「「みんなだってすごくつかれてるんだよ!!どすだけじゃないよ!!」」 「うるさいよ!みんなむれでうるさくしたからせいさいだよ!ドススパー…ぷすん」 「ゆ?よくわからないけどちゃんすだわ!どすをおさえこむのよ!」 「ゆっ!?やめるんだぜぇ!おまえらなにしてるかわかっているのかだぜぇ!」 ドスはあっという間にぐるぐる巻きの饅頭にされてしまいました 「このむれはゆっくりできないわ!わたしたちはとなりのむれへおひっこしするわ!」 「わたしもさんせいよ!ほかにくるゆっくりたちはついてきなさい!」 そう言うと群れはぐるぐる巻きにされたドスと数十匹のゆっくりが残っただけになった 『ゆ!あいつらあんなおおにんずうでどこへいくんだぜ!』 『きっとむれにちょくせつせんそうをしかけにいったんだね』 『いまがちゃんすだよ!むれはがらあきだよ!』 『ゆっへっへ!!われらはせいえいぶたいの… あれ?』 「もがーもがー」 「ゆっ!となりのむれのゆっくりだね、もうわたしたちにせんそうをするきはないわ」 『ゆ!しんようできないんだぜ!そのしょうこをみせてほしいんだぜ!』 「じゃあこのむれのドスをゆっくりじちにするわ、それならいいでしょう?」 『ゆっへっへ、それまらなにももんだいないんだぜ!』 『きょうからここはわたしたちものよー!』 『『せーの!!』』 『『『ゆっくりしていってね!!!』』』 そのころ厳しい群れから出てきたゆっくりたちは隣の群れの入り口までやってきていた 「ゆ!だれかここでいちばんえらいゆっくりをよんでちょうだいね!わたしたちははなしあいにきたのよ!」 『ゆ!?なんなんだぜあいつらおおぜいでおしかけてきてぶすいなやつらなんだぜ!』 『ゆっへっへ…すこしおしおきがひつようなようだぜ』 「ゆ?よんでもだれもでてこないよ?しかたないねまりさとあとすうにんあとについてきてね」 「ゆっくりついていくよ」 「むきゅぱちぇのずのうがやくにたつときがきたわ」 「ゆっくりついていくんだねーわかるよー」 数匹のゆっくりがあとをついていきました、しかしその先では… 『ゆっへっへ…あのまりさはまりさがもらうよ!』 『ずるいんだぜ!まりさもまりさをねらってた「ぷっ!」ゆぎゃぁ!』 『ゆっへっへ…このはやうちのまりさにうたれたんだ、こうえいにおもいながらゆっくりして逝ってね!!!』 『じ…じゃあみょんはあのぱちゅりーにするちーんぽ』 『じゃあわたしは… ゲスたちがゲスな話し合いをしていました 「ゆっくりしていってねー!!!ゆっくりしていってねー!!!」 「ゆぅ…これだけよんでもいないならほんとうにいないのかもしれないわね?」 「ゆっ!あしおとがきこえるよ!みんなしずかにしてね!」 ぽよん ぽよん 『ゆっへっへ…』 「あなたがいちばんえらいゆっくりなの?わたしたいははなしあいを…『もらったぜ!』ゆぎゃぁ!」 「ゆっ!これはどういうつもりなの!?ゆっくりせつめいするんだぜ!」 『ゆっへっへ…いせいのいいまりさだぜ!おれはそんなまりさがだいすきなんだぜえ! すぐにこのはやうちのまりさがてんごくにおくってやるぜぇ!』 『さすがはやうち!そっちのほうもはやい「ぷっ!」ぎゃあぁ!!』 「なかまをちゅうちょなくころしたわ…こいつらはしょうしんしょうめいのゲスゆっくりよ!」 『ゆっへっへいまごろきがついてもおそいんだぜ!やっちまうんだぜ!』 「ゆぎゃぁぁ!ばりざゆっぐりじだぐないいぃぃぃ!!!」 『すぐゆっくりさせてやるんだぜなにせまりさははやうちだからな!』 「むきゅ!やめなさいはなして!」 『せっかくつかまえたのにはなすばかはいないちーんぽ』 「ゆぎゃぁぁぁ!!」 『すっきりさせてやるぜぇ!!』 そこは悪鬼悪霊もよけて通るような地獄絵図となっていた 「ゆぅ…あまりにもおそいよ、みんなでようすをみにいこうね!」 厳しい群れのゆっくりたちは先に進んでいったゆっくりたちを探して歩き始めた、そして 「ゆぅぅぅぅ!!!!じっがりじでぇぇぇ!!!」 「ゆ…まりさはもうだめだよ…あとのことはたのんだよ…」 「ゆ!ひどいよ!だれがこんなひどいことをしたの!はやくでてきてごめんなさいしてね!」 『ゆぅ~うるさくてねてもいられないんだぜえ』 「おまえがまりさたちにひどいことをしたの!?」 『あ~?まりさはしらないんだぜえ、きっとむれのやつらがやったんだぜぇ』 「むれのゆっくりのせきにんはドスにあるよ!せきにんとってごめんなさいしてね!」 『ごめんなさ~い、これでいいのかだぜ?』 「ぜんぜんよくないぃぃぃ!!!もっとはんせいしてあやまってね!!!」 『うるさいゆっくりなんだぜ、どすすぱ~く~』 じゅっ! ドゲスゆっくりの前にいたゆっくりたちは残らず一瞬で消し炭になった 『てかげんしておいてやったんだぜ、さっさとむれへかえるんだぜ…おまえらにもかぞくはいるだろう』 今その場で消し炭にされたゆっくりの家族もいただろうか、その言葉に激昂したゆっくりたちは 「ドゲスはゆっくりじねぇぇぇ!!『どすすぱ~く~』ゆぎゃ!」 『あきらめるんだぜ、おまえらがどうあがいてもまりささまにはかてないんだぜ』 「ゆっ…くやしいけどいちじてったいなんだぜ、いそいでにげるんだぜぇ!」 『やっといなくなったよ…これでドスもゆっくり寝ていられるよ』 ゆっくりの数が数十匹に減ってしまったゆっくりたちは 目立たないところにあった洞穴の中に隠れていた 「ゆぅ…とてもじゃないけどはがたたないよ…」 「ぱちぇもおてあげだわ…あんなつよいドスみたこともないわ」 「けどいまさらあのドスのいるむれにはもどれないよ…」 「ゆっ?このあかいみおいしそうだよ、みんなでたべてげんきをだそうよ」 「そうね、れいむのいうとおりだわこういうときこそげんきを…「ゆぎゃぁぁぁぁぁ!!!がらいぃぃぃぃ!!!」 「ゆっ!どうしたの!しっかりして…!死んでしまったわ…このあかいみをたべたせいよ!」 「ゆ…まりさとんでもないことをおもいついちゃったんだぜ…」 「まりさ、いまはどんなことでもいいわかんがえをきかせてちょうだい」 「きっとみんなまりさのことがきらいになるよ…きらいにならないってやくそくしてくれる?」 「もちろんよ!やくそくはぜったいにまもらなければならないものだわ!」 「じゃあはなすよ…」 翌朝 「ゆ!きのうのドゲス!でてきなさい!けっちゃくをつけるよ!」 『ゆわぁあ~まだねむいのにどすをおこしたのは、きのうのゆっくりのむれだね』 「きょうこそドゲスをたおしててんごくのみんなにごめんなさいしてもらうよ!」 『ゆ~しかたないねどすすぱ~「いまよ!!」 ドゲスがゆっくりとドススパークを撃とうとして口をあけた瞬間! 白目をむき、体中から気持ち悪い体液をばらまきながらまりさが飛んできた! ドゲスは口を閉じようとしたが一瞬早くまりさがドゲスの口の中に入り込んだのだった 『ゆ!へんなものがはいってきたよ!ゆっくりしないではきだすよ!』 「みんな…ありがと…がぶっ」 『ゆぎゃあぁぁぁぁぁぁ!!!!!がらいぃぃぃいだいぃぃぃぃ!!!!!!』 「やったわ!せいこうよまりさ!」 ゆっくりたちが使った作戦それは、ゆっくりにこの赤い実を詰め込んでドゲスの口に放り込もうということであった 「ゆ!それはだめよ!かならずぎせいしゃがでてしまうわ!ぱちぇははんたいよ!」 「ゆっくりはんたいのたちばをひょうめいするよ!」 「もちろん!そのやくめはまりさがするよ!」 作戦数分前まりさたちはドゲスの住処の前で別れを惜しんでいた 「ゆぅまりさ…あなたはしんにゆうきのあるゆっくりよ!」 「ゆぅてれるんだぜ…じゃあおねがいするんだぜ…」 ゆっくりたちは一晩かけて集めた赤い実をまりさの口が広がるくらい詰め込んだ 「!!ゆっがっがあぁぁぁぁげぼげぼ!!!!」 「やっぱりむちゃだったのよおお!!まりさ!いまからでもはきだして!」 しかし涙を流しながら辛さをこらえているまりさの目は だいじょうぶなんだぜ!とはっきり言っているような目だった 「…さくせんかいしよ!」 『がぁぁぁぁぁぁ!!!!エレエレエレ!!!』 ついにドゲスは最後のときを迎えようとしていた 『(どうしてドスがこんなめにあうの?ただゆっくりしていたらまわりにかってにゆっくりたちがすみついていっただけなのに)』 ついにドゲスは倒れた 『ゆぎゃあ!どすがやられたあ!』 『あいつらあぶないんだぜ、はやうちまりさはクールにさるぜ!』 『さすがはやうち!にげあしも「ぷっ!」ゆぎゃ!』 あっという間に無法者の群れは解散してしまった 「ゆ、これからどうするの?」 「ここをあたらしいゆっくりプレイスにするのよ!しんでいったみんなのためにおはかもつくらないといけないのよ」 「ゆっくりりょうかいしたよ!」 それから数ヶ月が経った 元厳しい群れのゆっくり達は群れを再建し新しい生活を送っていた 再建は厳しいながらも今までとは違いゆっくりと作業していた 元無法者の群れのゆっくり達は相変わらず自由に飛び回っていた しかし、前からすんでいたゆっくりたちからルールというものを教わり ルールから外れてもあまり外れない程度の生活をしていた。 しかしこの二つの群れに新たな事件が起こる 「ゆ!ここからさきはゆっくりたちのとちだよ!はいってきたらだめだよ!」 『すこしくらいいじゃねえかだぜ、へるもんじゃないんだぜ』 「ぷくーっ!これ以上くるとれいむおこるよ!」 『れいむがおこったってなんもこわくねえぜ!』 「ゆ!れいむたちのとちにはいってきたね!これはいちだいじだよ!」 『ゆっへっへ!こっちにきたからなんなのだぜ!』 「これはせんせんふこくだよ!せんそうになるよ!」 『ゆっへっへ!かえりうちにしてやるんだぜ!』 歴史は常に繰り返すそして常に両極であろうとする と誰か偉い人が言ってました 私のことですが。 終われ 追伸 チルノがまた逃げ出しました、見つけてもバーカとだけ言わないであげてください。 このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/2547.html
『神は饅頭の信徒を裏切るか?』 7KB 自業自得 駆除 現代 オチ、予測できますか? 春――それは目覚めと誕生の季節。 冬が終わり、雪が解けて訪れるその季節は実に生命に満ち溢れている。 ゆっくりはある意味、その季節の移ろいを象徴するようなナマモノだ。 下手な冬篭りでその数を大幅に減す一方で、春になったらその異常ともいえる繁殖力で数を増やす。 その被害を受けるのは、専ら自然と昆虫、そして人間だ。 だからこの季節は、ゆっくりの駆除活動が多くなる季節でもある。 冬が明ける直前のゆっくりが一番数が少ないのだから、合理的な考えと言えるだろう。 とある農村に面した、木が生い茂る山。 ここにも人間の駆除による全滅を待つだけの群れがある。 ドスがいるわけでもない。 希少種がいるわけでもない。 特に変わった風習を有しているわけでもない。 一見すると日本全国どこにでもある普通の群れ。 しかし、この群れは特別な群れなのだ。 この群れは―― 神様に守られた群れ。 ************************************* 【神は饅頭の信徒を裏切るか?】 ************************************* 「んー? ……またハズレかよ」 雪が未だ山に残る冬の終わりに、ゆっくりの群れがある辺りをあまり言葉遣いのよくない女性が歩いていた。 「なーんなんだぁ?」 山の中で一人首を傾げるこの女性。 加工所の中でも最悪の4Kで知られる駆除課に勤める女性だ。 4Kとは、いわゆる3Kに一つ追加された駆除課に対する悪口である。 キツイ (山や森を重装備で駆け回ることも珍しくない) 汚い (食品工場と野良仕事を比べれば当然) 危険 (時にはドスまりさなんかを駆除することも) キ○ガイ (こんなところで働こうと考えるのはゆっくり虐待趣味を持ってる人間ぐらい) とまあ、酷いものであるがそれを気にしているようでは働けない。 そもそも、殆ど事実だから言い返せないのである。 一応彼女を擁護すると、彼女はセクハラ上司を蹴り飛ばして病院送りにしたので左遷されたのであって、虐待お姉さんではない。 ゆっくりの悲鳴は大好きだが、多分それは別物だと彼女は考えている。 さて、その女性であるが勿論ここには仕事できている。 しかし、どうも様子がおかしい。 「冬を越せるゆっくりが少ないのはいつもの事だけどなぁ……これは普通じゃねーぞ」 去年の秋はなにやら畑に来るゆっくりが多かった。 今年の秋もその調子では堪らないから、山のゆっくりを駆除して欲しい。 ごくごく普通の仕事だった。 だが、ゆっくりの巣穴を片っ端から覗き、中を掻き出しても生きているゆっくりが一向に出てこない。 かれこれ半日近く作業をしているが、未だに一匹たりとて出てこないのは異常だ。 冬眠しているわけではない。 巣の中身を掻きだした時に、死骸が出てきているからだ。 流石にみんながみんな冬篭りに失敗したと考えるのは難しい。 去年の秋は別に草や木の実が少なかったということは無かったらしいからだ。 季節外れのれいぱーも考えたが、雪はまだ残っているし、野生のれいぱーではれいむ種の『けっかいっ』を破れないはず。 何より、入り口が崩された痕跡が一切無い。 「気味わりーなぁ…」 巣を埋め立てて、スコップを肩に担いで次の巣穴を探す。 ゆっくりが壊滅してる異常なシチュエーション。 理由がわからないことの気味の悪さ。 ゆっくりの悲鳴が聞けていない事の肩透かし。 様々な要素が加わって駆除お姉さんのテンションは最下層。 もう全滅してた事にして帰りたい気分ですらあったが、流石にそれは出来ない。 ただでさえ兄夫婦プラス娘一人と同居していて肩身の狭さを覚えているのに、 仕事まで無くなったら出て行かざるを得なくなるじゃないか。 「あーあ、やーだねー」 自分もどこぞの友人みたいに半分道楽の仕事をしながら他人の金で生きていけねーかなー。とか考えつつ歩く。 歩いてると、また不自然なバリケードが木の根元に盛られているのが目に付いた。 気負いも期待も一切無く、スコップをバリケードに突っ込む。 「「どぼじでげっがいざんがごわれでるのおおおおお!!!?」」 と、穴から心地よい絶叫が響いた。 うっせーな。雪崩が起きたらどーすんだよ。とは思わない。 「第一群れゆっくり発見でーすーかー?」 半日も森を歩かされて肩透かしを食らい続けていた女性の心が躍り始めた。 さてさて、このゆっくりはどう鳴いてくれるかね? と。 「ゆっ!? にんげんさんはゆっくりできるひと?」 巣穴から恐る恐る顔を覗かせたのは、成体のまりさだった。 「アタシか? アタシはゆっくり出来る人だよ。ゆっくりした……加工所の人間さ」 「かこうじょはゆっぐぢでぎないいいいいいい!!!」 「…っぷ。あっはははははは!」 とりあえず期待通りのリアクションに破顔一笑する女性。 「とりあえずでてこいやー♪」 スコップで器用にまりさを掻き出して、ひっくり返す。これでもう動けない。 「やべでえええええ! ざむぐでゆっぐぢでぎないいいいいい!!!」 「ばりざああああああ!!!」 番のまりさの身を案じたのだろうか。 巣穴からは今度はれいむが姿を見せていた。 悲鳴が聞こえたんだから、隠れてればいーのにとは思うけど、仕事がはかどるならそれに越した事は無い。 「ゆっ!? やめてね! れいむにひどいことしないdおそらをとんでるみtゆぎぃ!?」 「れいぶううううう!!!!」 れいむもまりさと同じようにひっくり返した。 「さーてさーて、お楽しみのおうちが台無しになるタイム!」 ややハイテンションで、巣穴の中を掻き出す。 本来は必要ない行動だが(そもそも後で埋めなくてはいけないし)、これをやるといい声でゆっくりが鳴いてくれるのである。 「やべでえええええ! おうぢにひどいごとじないでえええええ!!!」 「だべものがああああ!! まりざのゆっぐぢじだだがらものがあああ!!」 「んー?」 悲鳴をBGMにノリノリで掘り起こしていた女性の動きが止まった。 まりさの『ゆっくりしたたからもの』が目に留まったからだった。 「これは…お守りか?」 土で薄汚れた巾着袋は、よく神社で売っているお守りに見えた。 しゃがんで、手にとってみる。 「ゆっ! このむれには『かみさま』がいるんだよ!」 「れいぱーもげすもれみりゃもみーんなかみさまがせいっさい! してくれたんだよ!」 「おねえさんもかみさまにせいっさい! されちゃうよ!」 お守りを見て、逆さまになったままのまりさとれいむが調子付いてそう言い出した。 「あーあー、なーるほどねー」 まりさとれいむのわめきを聞いて、女性が一人で納得する。 この群れはまりさかれいむが拾ったこのお守りを信仰していたのだろう。 それで運良くれいぱーやゲスの群れや捕食種を退けられたから、自分達は神様に守られた特別な群れだと思い込んだ。 そうして神様を盲信した結果、畑に乗り込んで潰されて、冬篭りの準備を怠って飢え死んだ。 その結果が女性が半日かけて目撃した群れの壊滅だ。 神は自らを助ける物を助ける。 そういうなのだろう。と女性は結論付けて、お守りの汚れを拭った。 「…っ」 そしてそれが目に付いた瞬間。 彼女の感情が、爆発した。 「ぎゃははははははあはははあはははははははははははははははははははは!!! っはっは! あはははははははっははははは!! っひ~~!!」 木を全力で叩きながら、爆笑する。 「やめてね! きさんにひどいことしないでね!」 饅頭の戯言もなんのその。 女性の笑い声が止まる様子は無い。 お腹を押さえて、呼吸の苦しさを覚えながらも、それは三十秒ほど続いた。 「…っはぁ、はぁ。あー、おっかし」 笑いが収まっても表情筋が痙攣したように引き攣っている。 木を叩きすぎたのだろう。右手には擦り傷がついていた。 そして女性はもう十分戯れたと言わんばかりに、まりさの中枢餡めがけてスコップを差し込んだ。 「ゆぐっ!」 「ばりざああああああ! どうじでごんなひどいごどずるのおおおおお!!!??」 「んー? そうだな。強いて言うなら、神様の思し召し。かな?」 れいむも一撃で叩き潰した。随分笑わせてもらった例として、苦しめる事はしなかった。 未だ荒い呼吸を整えつつ、女性が呟く。 「コイツ等ほーんと、馬鹿ばっか」 ゆっくりの死骸を巣穴に詰め、お守りも中に入れてから土に被せた。 こんなものは自分には必要なかったからだ。 「さーてっと。お仕事お仕事。さっさと終わらせて、めーりん枕にして寝るぞーっと」 思い返したように時折笑いが漏れるようになってしまった女性は、再びスコップを担いで歩き出した。 ************************************* ここは神様に守られたゆっくり達の群れ。その夢の跡地。 まりさとれいむの死骸と共に埋められたお守りは、その約束を果たし続ける。 去年山に入った人間が落としたお守りは、とある神社の人気の品。 胴付きれみりゃとふらんが巫女を務める神社は去年、随分と話題になった。 そのお守りのご利益は『ゆっくり除け』。 それ以来。その山にゆっくりが住み着くことは二度と無かったそうだ。 ************************************* 某所で読んだSSをリスペクトしたお話。 ゆっくりの神様になったドスに対抗するためにふらんを神として祭り上げる話です。 ふたばのSSじゃないよ。 anko2458 どっちが本当? anko2461 街中の狩人 anko2480 たいせつにするということ
https://w.atwiki.jp/c21coterie/pages/109.html
Sina(堀江伸一さんの)ゲーム製作に関する思いつき集。 デザイン アメリカンなクリーチャーデザインは動きがあってそこからデザインが決定される。 日本の場合は静止画のかっこよさがあってそこから動きが算出される。 ような気がする。 唯一アメコミヒーローは静止画っぽい。 動き 「2Dのゲームはやりつくされた」 と任○堂の偉い人はいったとか。 カオス理論、離散系、フラクタクル、高度なアニメーションとの融合、協力プレイの分野はやりつくされてないと思う。 特に写像を取って画面全体や周囲の状態をどんどんダイナミックに変化させていくゲームやその手の対戦ゲームやシミュ系ではまだまだ改良の余地はありそう。 ダイナミックに変化するゲームの例。 カオス理論やスメールの馬蹄を応用したシンプルな例。 http //blog.livedoor.jp/lkrejg/archives/65234684.html このゲームでは楕円ボールを拡散する、引き寄せる操作を繰り返すと、スメールの馬蹄と同じ効果をもたらし、なおかつ引き寄せを長時間行うことでボールが一箇所に集まるという安定状態になる。 カオス理論 カオス理論だが、カオスの種類が一種類だとユーザーはルールの単調さに飽きてしまう。 解決法は複数ある。 1 ステージを増やす。 2 カオスを生成するルールを改造する。 3 料理で食材を増やすように複数のカオスを適度に混ぜることで解決を図る。 1は色々。 1に関する基本はゲーム好きなら誰でも知っていると思うが一応記載。 最も古典的かつシンプルなBOIDで説明。 トリノホシよりずっと古い教科書的な話。 Boidのシステムは鳥の群れを再現できるが、これを元にユーザーが写像を応用した命令を鳥たちに出せるゲームを考える。 まずステージやゲームのルールについて考える、鳥が減っていくダメージゾーンだのコイン集めだの、敵だの群れを乱す撹乱要因だの風だの鳥たちを所定の場所まで連れて行くゲームなど色々用意できる。 これだけでも驚くほどのステージを用意できる。 現実の鳥なら風一つとっても色々だ。 山からゆったり降りてくる巨大なつむじ風に乗りながら、つむじ風とともに海を渡るトンビの群れだの、山でさえぎられた風に向かって山下から山上まで風を求めて一直線に羽ばたいて飛ぶ鳥だのを考えてみて欲しい。 ゆえに風一つとっても非常にたくさんの状況を創出しえる。 Boidのシステムを群れ単位で戦闘するゲームに応用すれば、お腹が減ったらユニットの戦闘力ダウンだから食事所をどうするかだとか、病気を持ったユニットを避けたり逆に相手に送り込んだり、繁殖力を持ったユニットを用意するだの幾らでも応用を作ることが出来る。 ステージも基本ギミックの組み合わせで無数のステージを用意できる。 ステージ*カオスのルール*命令*ステージのクリア条件。 という膨大な量の組み合わせを試すことが出来る。 2 2は色々である。 カオス的ルールは無数にある。 群れでカオスを作り出すルールに例をとれば、横移動は得意だが縦は苦手だの、質量が大きな影響を与えるだの、群れのメンバーのうち指定したユニットの性格や移動パターンを変更する命令だのもありだろう。 問題は計算量かな。 3 3は複数のカオスを用意し、これらを混合するゲーム。 最も分かりやすいのは群れゲーム。 性格や行動パターンの違う(別種の)群れを空間的に離して配置。 ユーザーが自分の好みで群れ同士を近づけたり遠ざけたりして混合するなどして楽しむ。 写像や命令の適用範囲(群れに対する命令の届く範囲)を制限することで、ユーザーの命令組み立てレベルに数学でいう線型性を導入できる。 改造 どんなゲームシステムでも数学から見れば数字が変化しているだけ。 どの部分も意味論を取っ払って、変化の形だけに注目すれば幾らでも改造できる。 実際任天堂などは「敵がまっすぐ進む」という単純な部分にすら工夫をたくさんしている。 まっすぐ等速で進む敵→緩急をつけてまっすぐ進む。 複数の敵をリズミカルに出す→出す順番や出る場所周りの地形を複雑に組み合わせて幾らでもゲーム性を作り出す。 他にサイズを変える、形を変える、HPを変更する、透明にするなどまっすぐ進むだけでもその組み合わせは膨大な量となっている。 もし平面上で敵を閉路巡回させる事を数学的に分析するなら X、Y、サイズを実数、形を平面の限定部分空間として サイズ*X*Y座標は3次元空間となるし、その空間内での点の動きが閉路巡回を現す曲線となる。 同じように A=形*X*Y*サイズというちょっと難しい空間内での動きも考えることが出来る。 敵が2キャラ等になったらA*Aという空間を考えることが出来る。 これがさらに閉路巡回でないならもっと難しいことになる。 また意味論を無視するのも大事。 選択肢が一つしかない場所を改造するなら。 横スクロールアクションゲームで上下2本道をだす。 シミュレーションゲームで2個選択肢を出す。 これは数学的にいえば選択肢を増やすといいう群準同形写像。 意味さえ考えなければどの部分も抜け目なく改造できる。 別ジャンルからの取り込み コミュニケーションを主体に取り込んだボードゲームはネットゲームより一歩先を行っている側面もあるような気がする。 HP、偉大な発明の功罪 HPを数学的に分析すれば 最もシンプルなHP概念は数直線状の実数。 この発明を使うのがいやという意見もあるのでそれについて考察。 まずHPがいやならHP概念のないゲーム、トランプや協力系のボードゲーム、将棋など無数にあるゲームをリストアップすればよいがそういうと見もふたもないので、ここではHPの改造について考察する。 数直線HP少し進化するとMP等との間に2次元の関係を作り出す。 MPを消費してHPを回復、MPを消費して戦闘を短くするなどである。 2次元にはコンボゲージや必殺逆転などがある。 さて、単純にHPが0になったら終わりでないゲームとは何か? まずゲームオーバーのあるゲームについて考える。 何らかの要素によって構成される適当なN次元空間を考える。 N次元空間はゲームのキャラや環境やらパラメータやらを現す。 N次元空間の中の限定部分空間としてゲームオーバーとなる空間を提供し、そのN次元空間に対する操作を考える。 ゲーム中操作が繰り返されることで、いつかはゲームオーバーとなるが、ユーザーはゲームオーバーを避ける操作を行う必要が生まれる、空間内にゲームオーバーが散らばることで単純なHP0=ゲームオーバーの単調から逃れることが出来る。 この場合の問題は適切な写像をとることで、HP0即ゲームオーバのゲームと同じになる可能性が残ることと、ユーザーにとって見通しが悪くなることである。 実際は複雑なゲームオーバー条件は、シミュレーションゲームなどでは普遍的に使われている。 当たり前の話。 数学的に同じ構造をしたゲームでも、表現がアクションゲームか、時間をかけてじっくり遊ぶシミュかや、画面の雰囲気が違うだけでもユーザーに与える影響や選択やユーザ体験には大きな違いが生まれる。 だから単純にはいえない。 結局どこに複雑さを押しやるかということかもしれない。 ゲームオーバーのないゲームについて考える。 キャラや状況のN次元空間内にゲームオーバーがない代わりに、プレーヤに不利や有利が持たされるゲーム。 ゲーム内を動き回り時間内にポイントをためるゲームでキャラの動きが重くなったり早くなったりそういう常識的な話である。 キャラがN次元空間のどこにいるか、N次元空間からどんな結果を引き出すか。 その程度に過ぎない。 結局HPという概念は偉大なのであり、ゲームらしいゲームの裏は数字の群れに過ぎない。 だからシステムのどこもよく似ている。 HPという概念を変化させることでたどり着ける、HPの近接領域はシミュレーションゲームだったり他のシステムだったりの事なのである。 問題は定性的な情報やユーザーのコミュニケーションや人間的な反応の関わる部分。 これはゲーム構造の外にある。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1475.html
薄暗くじめじめとした空間をたいまつの光がぼんやりと赤く照らす。 いくつかの黒い人影が、黒く、球形に近いぶったいと向き合っていた。 時刻は正午を回ったところだと言うのに、活力の根源たる陽の光はまったく見られなかった。 そう、ここは洞窟の中。 それも、ドスまりさが率いるゆっくりの群れが住処としている場所。 人間の集団と正面切っての戦いでは勝ち目が無い事を知っているドスまりさは、群れのゆっくり達へ田畑や人間の所有物を荒らさないよう言い聞かせていた。 しかし、生物の集団としての宿命か必ず一定量存在するならず者のゆっくりはドスの言うことなど聞かず、たびたび人里へ行っては己が欲求を満たすために田畑を荒らし、作物を盗んでいく。 そのたびに人間達は畑荒らしの実行犯を捕獲し、ゆっくりのルールで裁かせる為にドスへ引き渡していた。 今までは。 いくら引き渡しても一向に減らないならず者ゆっくりに業を煮やした人間達は、ついに最終的解決手段としてドスの群れを屈服させる事を決定。 その結果がこの睨み合いの状況と言うわけだった。 ドスまりさに相対する人間達の手がゆっくりをぶら下げていた。 いずれも群れでは腕の覚えのある者ばかり。 洞窟を防衛するために人間達に立ち向かったは良いが所詮はゆっくりで、同数の人間と戦うことになってはどうしようもなかった。 防衛ゆっくりはドスまりさを屈服させるための担保とされていた。 「いた゛い゛よおおぉぉぉ」 「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい…」 「やっぱりにんげんにはかてないよ…」 「どす…もうあきらめようよ…ゆっくりしたいよ」 戦闘意欲をなくしたゆっくりたちがわずかに体を揺らしつつ呟く。 人の耳には聞こえがたいような音量であったが、ドスまりさの責任感を刺激するには十分だった。 「ごめ…ゥッ…んねえ゛ェッ…ぇぇぇ!ま゛り゛さ゛ッ…だめなどす…ュッ…ごめんゥッ…え゛えええぇぇ!!」 巨体に相応しい巨大な目から帯状の涙を流し、大切な仲間へ許しを請うドスまりさ。 大玉な饅頭とバレーボール大の饅頭の悲鳴とも会話ともつかない音声の大合唱は暫く続き、地底湖でも作るつもりかというほどの涙を流した後のドスまりさが人間に提案をした。 「ま゛り゛さ゛はと゛うなって゛もいいか゛らほ゛か゛のゆっく゛りはた゛す゛け゛て゛く゛た゛さ゛い゛!おねか゛いし゛ます!!」 ドスまりさは自分の命を対価に群れの保全を願う。 ドスがいなくなったところでならず者ゆっくりはまた現れるのは確実。 人間にとって本来ならば割に合わない取引であるが、意外な事にドスまりさの願いは聞き届けられた。 ドスの命も保障すると言う破格の好条件で。 ドスまりさは人間に見せられた文章を読み、健康的な肌色を怒りで赤くし、ついで己の立場を思い出して青くなり、内容を理解してからは真っ白にと愉快な光景を見せていた。 「な゛に゛こ゛れ゛え゛えぇ゛ぇぇっ゛!!」 文章は人里とドスの群れが交わす約束を記した物だったが、その内容がドスに顔色の変化を強要していた。 以下にその内容を一部記す。 にんげんとどすはただちにたたかいをやめる。 はたけをあらしたわるいゆっくりは、にんげんとゆっくりがさばく。 どすのむれがすむばしょは、どすのどうくつとそのまわりのしんりんにかぎる。 どすのむれは、にんげんにあたえたそんがいをすぐにおぎなう。 どすのむれは、こわしたにんげんのいえをしゅうりするためにはたらくゆっくりをひとざとにおくる。 どすのむれはにんげんにめいわくをかけたおぎないとして、ふゆまでのあいだひとつきにあつめたしょくりょうのはんぶんをにんげんにわたす。 ゆっくりはとくべつなきょかがなければひとざとにはいってはならない。 にんげんはゆっくりがすむばしょにじゆうにはいれる。 ゆっくりがひとざとでじけんをおこしたばあい、にんげんがさばく。 にんげんがむれのすむばしょでじけんをおこしたばあい、にんげんがさばく。 どすのむれがほかのゆっくりのむれとやくそくをするばあい、にんげんにそうだんする。 どすのむれできまりをつくるときは、にんげんにそうだんする。 これらをどすのむれがまもっているかかくにんするため、ひつようなにんずうのにんげんがどすのどうくつにちゅうざいする。どすはかれらのせいかつにきをくばらなければならない。 いじょうのやくそくはとりきめのつぎのひからじっしする。 苛烈というほか無い内容だった。ドスまりさが怒りを覚えるのも無理はない。 いくらなんでもこれは酷いと感じたドスまりさは目の前の人間に注文をつけはじめた。 「こんなひどいやくそくできないよ!ぷん!ぷん!」 「にんげんだけじゃなくてゆっくりもゆっくりできるようにしてね!!」 まりさは頬を膨らませて威嚇するが文書を渡してきた男は涼しげな顔を崩さない。 「いやならこの群れは地上から消えることになる。もう少し立場と言う物をわきまえた方が良い。」 「ゆ゛っ!ゆ゛う゛う゛うぅ゛ぅーーーー!!」 結局、ドスまりさは人間達の要求をほぼそのまま飲んだ。 まりさが唯一引き出せた譲歩といえば「ゆっくりがひとざとにはいりたいばあいは、さとのいりぐちできょかをもらう。」という事ぐらいだろう。 賠償が終われば少しは楽になるだろうとまりさは考えていたが、それが甘い考えであったことをすぐに知ることになる。 饅頭と対等な協定を結ばなきゃならん理由など無い。 ───ある里長 ドスの群れ対策会議にて by sdkfz251 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/268.html
・このSSには非常に強いパロディ要素があります!もう飽きたよと言う人は読まないほうがいいかも ・一部のゆっくりは漢字を使って喋りますので注意を・・・ ・作者に都合の良い独自設定があります ・この話を書いたのはHENTAIあきです!分かっていると思うけどいつもどうりの内容だよ! ・前回えーりんSSを書くって書いたけど、すまんありゃ嘘だった ・かっとなって書いたから色々変な部分もあるかも、今は反省している ・それでもいいというひとはゆっくりよんでいってね!!! 森の中である胴付きぱちゅりーが何か拝むような姿勢を取っている。 ひとしきり拝み終えると、ぱちゅりーは一度大きく深呼吸をして姿勢を整えた。 足を大きく広げ踏ん張り、大きく片手を前に突き出す。 また拝むように両手を重ねると、また深呼吸をして同じ動作を繰り返していった。 「ゆふう、今日の日課はこれでおしまいね!」 良い汗をかいて良い気分なのか、ぱちゅりーの顔は実に晴れやかである。 ぱちゅりー、いやまちょりーのいつもの日課である正拳突きの練習だ。 このまちょりー元はただの胴付きぱちゅりーであったが、ある時まちょりーを飼っていた老人が ひ弱なぱちゅりーの体を鍛えようとしたことが始まりであった。 「ぱちゅりー今日は軽く外で走ってみようかの。」 「だいぶ早く走れるようになったの。こんどはもっと長く走るか。」 「何?もっと体を鍛えたい?そうかそうか!ならわしの知っている技を教えてやろうかの。」 段々体を鍛える楽しみに気づいたぱちゅりーは飼い主である老人にさらに鍛えてもらおうとした。 老人の楽しそうな顔も見れて、ぱちゅりーの生活は実に充実したものであった。 「あれからもうだいぶ経ったのねお爺さん。ぱちゅはもっと教えてほしいことがあったのに。」 ある日いつものようにぱちゅりーが老人を起こそうとした時、老人は布団の中で冷たくなっていた。 老人の葬儀が終わった後に、親族がまちょりーを引き取ろうとしたがまちょりーは老人と暮らしたこの小さな庵で 最後まで過ごしたいと希望した為、親族たちはその希望を叶えることにした。 「最近ちょっと考えることがあるのお爺さん。ぱちゅより強い人に会ってみたいって!」 まちょりーは自分で作った老人の墓に語りかける。 あくまでもまちょりーと老人を繋ぐための墓であり、本当の墓は別にちゃんとある。 まちょりーは老人の墓に一度大きく一礼する。 「お爺さん、ぱちゅはこの森を出てぱちゅより強い人に会いに行くたびに出るわ!」 ここにまちょりーの長い旅が始まる。 ひとまずまちょりーは住んでいた山を下り、麓の森まで来ていた。 この森は非常に自然が豊富にあり、多くのゆっくりが住んでいた。 しかし増えすぎたゆっくりの為に自然の恵みは減っていき、逆にゆっくりが増えたことでここはあっという間に弱肉強食の場になった。 その為まちょりーが森を歩いていると、あるゆっくりに会った。 「おねがいだよー!このごはんさんはちぇんたちのふゆさんをこすためのごはんなんだよー!わかってねー!」 「ゆっへっへっへ!なおさらそのごはんさんがたべたくなったんだぜ!」 どうやら冬に備えて餌を集めているちぇんからゲスと思われるまりさが餌を奪おうとしているらしい。 まちょりーはゆっくりと二匹に近づいて行った。 「おそらをとんでるみたい!ゆゆ!なんなんだぜこのぱちゅりーは!?」 「まりさみたいなゲスに今日を生きる資格はないわ!」 掴みあげたまりさを大きく空に打ち上げ、たっぷりと空中遊泳を楽しませてまちょりーはまりさの顔に自慢の拳を叩きこんだ。 「ぶつぎゃる!」 「良いことをしたわ。ちぇん怪我はない?」 「ちぇんはだいじょうぶなんだよー。ぱちゅはからだはちいさいのつよいんだねー。」 ゆっくりは頭を体と認識しており、胴のあるまちょりーを見てもそこまで大きいとは思わない。 にもかかわらず並のゆっくりよりも巨体であったまりさを倒したまちょりーを、ちぇんは羨望の眼差しを向ける。 「ねぇぱちゅりー、よかったらちぇんのむれにきてくれない?さいきんゲスがたくさんでこまってるんだよー。」 「良いわよちぇん。困った人がいれば助けてあげなさいってぱちゅは教えられたわ。」 こうしてぱちゅりーはちぇんのいる小さな群れを守る用心棒の役割をすることになった。 冬の為に餌を集めるゆっくりを護衛したり、群れの貯蔵している食料を奪いに来るゲス達を血祭りにあげた。 当初の目的を忘れたわけではないが、この群れには自分が必要とされていると感じまちょりーはしばらくここに留まることにした。 「たいへんだよー!となりのむれのゆっくりがここにくるってはなしだよー!」 ある日ゆっくり達が久しぶりにゆっくりしていた時に、散歩に出ていたちぇんがそんな報告をしてきた。 隣の群れのゆっくりはこれまでもこの群れにちょっかいをかけてきている。 冬が近づき焦っているのか、ここにきて一気に食料を奪おうと考えたのだろう。 「ぱちゅりーどうすればいいの?」 「まりさたちはけんかはよわいからどうすればいいかわからないよ・・・。」 群れの一員で戦えるものは用心棒であるまちょりーに意見を求めた。 まちょりーは一度目を閉じて考え込み、やがて考えがまとまったのか目を開く。 「あっちの群れはいつ来るか分かるちぇん?」 「わかるよー!おはなししてたけど、たしかいちどすーやすーやしてからくるっていってたよー!」 どうやら攻め込んでくるのは明日らしい、まちょりーはまた一つ作戦を閃いた。 まちょりーではあるが元は賢者であった為、このまちょりーはただ腕力を振るうだけでは無い。 「分かったわ、多分犠牲も出るかも知れないけどこれなら勝てるわ。」 「「「どうすればいいの?」」」 「むきゅ、それはね・・・。」 まちょりーが自分の考えを群れのゆっくりに教える。 そして隣の群れのゆっくりがやってきた。 「このむれのだいひょうはゆっくりしないででてきてね!」 隣の群れの指導者は一匹のドスだった。体中に傷があり歴戦の勇士であることが分かる。 まごまごしている群れのゆっくりの中から、まちょりーが一歩進み出る。 「ぱちゅりーがむれのだいひょうなの?」 「今回だけぱちゅが代表よ。それでドスは一体何しに来たの?」 「すこしだけごはんさんをわけてほしいんだよ!このままじゃドスのむれがふゆをこせそうにないの!」 分けてくれというが実際は奪い取ろうとしているのだが、ドスの後ろに控えているゆっくりは皆うずうずしている。 その姿を見てまちょりーの群れのゆっくりは怯えている。 「苦しいのはそっちだけじゃないのよ。こっちだって分けてあげる余裕はないんだから。」 「ドスもわかってるよ・・・。でもこのままじゃこっちだってずっとゆっくりしちゃうから・・・。」 まちょりーの言葉にドスは申し訳なさそうに顔を伏せる。 だがドスの群れのゆっくりはまったく別の考えであった。 「なにいってるの!れいむたちのほうがかわいそうなんだから、ごはんさんをわけるのはとうぜんでしょ!」 「こんないなかものがゆっくりするより、ありすたちがゆっくりしたほうがいいにきまってるわ!」 「ドスはそんなおはなしなんてしないで、はやくまりさたちにまかせてほしいんだぜ!」 どいつもゲスばかりである。ドスとてこのようなことはしたくないが、群れのゆっくりに言われてしかたなくやっているのだ。 ドスは確かに頼もしいかも知れないが、群れを指導する能力とゲスを切り捨てる非情さが足りなかった。 「分かったわ。それならぱちゅから一つ提案があるわ。」 その言葉にドスは話を聞くことにした。 まちょりーの提案は群れ同士の代表が戦い、勝利したほうが食糧を得ることができるというものだった。 「ゆふふ!ぱちゅりーはおばかだね!れいむたちのドスがまけるはずないじゃない!」 「ドスはまりさにもいちどもまけたことがないんだぜ!」 「けんじゃなのにおばか、おおおろかおろか。」 そうまちょりーに馬鹿にする隣の群れのゆっくりの中で、長であるドスは決意する。 「わかったよ!こっちのだいひょうはドスだけど、そっちはだれがだいひょうなの?」 「むきゅ、それはぱちゅよ。」 両者の代表が前に進み、戦いが始まろうとする。 先に仕掛けたのはドスだった、すばやく体当たりをしかけるがあっさりとまちょりーにかわされてしまう。 だがドスはその巨体とは裏腹にすぐさま体当たりをまちょりーに行う。 「ねぇドス、貴方は賢いんだからこちらの群れにいらっしゃい。あんなゲスなんて放っておきなさい。」 「だめだよ!ドスのむれはぜったいにドスがまもるってきめたんだから!」 ドスの体当たりをかわしながら、まちょりーはドスを説得しようと声をかける。 しかしドスはまちょりーの言葉には乗らずに、ただ攻撃をし続けるだけだ。 「わかったわ・・・、ならせめてぱちゅの全力を以てまりさを葬るわ!」 まちょりーが初めてドスに攻撃を加えた。傍目からにはただ手のひらでドスの体を叩いたように見えるが、まちょりーは踵を返す。 ドスはまちょりーを追おうとするが、自分の体がおかしいことに気づく。 「なんだかからだがぽーかぽーかしてきたよ・・・。」 そうして突然体を動かすのをやめて、その場に立ち止まってしまうドス。 ドスに声をかけようとする隣の群れのゆっくりは、ドスの体の変化に気づいた。 「ドスたいへんだよ!ドスのからだがなんだかぐにゃぐにゃしてるよ!」 「なにいってるの~、まりちゃはいますごくいいきもちだよ~。」 両者の言葉はどちらも正しかった。ドスのからだはぐにゃりと曲がっているが、ドス自身は決して苦痛を感じていない。 そして限界まで曲がっていったドスの体はついに。 「へぶんじょうたい!」 ぶちりと体の上半分から千切れてしまい、体から餡子が綺麗に溢れ出してしまった。 まちょりーは内部に衝撃を送ることでドスの中枢餡だけを破壊してその体機能を壊したのだ。 その姿にすべてのゆっくりが沈黙する中で、まちょりーだけが冷静に指示を出す。 「今よ皆!今なら相手は混乱してぱちゅ達にも勝てるわ!」 「「「ゆっゆっおー!」」」 その場にいたまちょりーとゆっくりや、茂みに隠れていたゆっくり達が隣の群れのゆっくりに襲い掛かる。 長を失って混乱していることと、かならず一匹に対して複数で襲うことを指示されている群れのゆっくりは優勢であった。 「ゆぎょ!よくもやったね!れいむがせいっさ・・・、ゆべ!やべでね!うじろがらなんでずるいよ!」 「たくさんでくるなんてひきょうなんだぜ!」 「こんなのとかいはじゃないわあああああああああああああああ!」 どんどん数が少なくなっていく、隣の群れのゆっくり達。 しかしまちょりー達は決して手加減をせずに、最後の一匹になるまで攻撃をやめることはなかった。 「やったんだよー!ちぇんたちはかったんだよー!」 生き残った群れのゆっくり達が喜びの声をあげる。 まさか本当に勝ってしまうなんて思っていなかったからだ。 多数の犠牲は出たものの、群れのゆっくりは皆まちょりーに感謝していた。 「ぱちゅりーありが・・・。」 「ぱちゅの後ろに立っちゃだ・・・、ゆあたぁ!」 後ろから近づいて感謝の言葉を言おうとしたちぇんがまちょりーの蹴りをくらう。 まちょりーは後ろにまわられると無意識の内に相手の気配を察知してしまい、蹴りをくりだしてしまうのだ。 普段なら抑えていられたが、戦いの後であり殺気立っていたためにちぇんに蹴りを入れてしまったのだ。 「「「うわああああああああああああああ!ちぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!!!」」」 まちょりーの蹴りに耐えられるはずもなく、ちぇんの体は爆散してしまう。 辺りには何とも言えない雰囲気に包まれる。 「こここここのゆっくりごろしいいいいいいいいいいいいいいい!どうしてちぇんをころしちゃうのおおおおおおおおお!」 一匹のれいむの声を皮切りに、群れのゆっくり達は次々にまちょりーを非難する。 大勢の非難の言葉にまちょりーはただ黙っているだけであった。 「ごめんなさいね・・・、ぱちゅは群れは出ていくわ・・・。」 そう言って群れのゆっくり達から罵倒されながら、まちょりーは姿を消した。 あれからまちょりーはひたすら自分を鍛え抜いていた。 自分は強いと思っていたが肉体のみを鍛えていただけで、今は心を強くするためにただ座禅を組んでいる。 そんなまちょりーの近づく人影があった。 「お前がこの森で有名なまちょりーだな?この俺と勝負しやがれぇ!」 閉じていた目をうっすらと開けたまちょりーは、自分に声をかけた相手を確認する。 黒髪をだらりと肩まで伸ばした、どこか卑屈そうな男がそこに立っていた。 「ゆっくりの分際で同じゆっくりから恐れらているとは気にいらねぇ!お前に俺の天才な虐待奥義を見せてやろう!」 そう言って男はまちょりーに向かって突進すると、まちょりーの顔めがけて拳を放つ。 だがまちょりーは座ったままで軽く顔を動かし男の拳を避けると、逆に立ち上がって男に軽く平手打ちをお見舞いする。 「あ・・・あいて。」 叩かれて呆けてしまう男であったが、まちょりーはさらに平手打ちを男にくらわせる。 慌ててまちょりーの平手打ちをかわそうと腕で防ごうとするが、まちょりーの平手打ちは男の腕をすり抜けて男の顔に当たる。 「えひゃい!」 奇声をあげて地面に倒れこむ男を、まちょりーは静かに見下ろすのであった。 「俺の顔を・・・、(虐待の)天才の俺を殴りやがったな!」 怒りで震える男がまちょりーにさらに拳を加えようとするが、その体が突然ぴたりと止まる。 まちょりーの剛腕が男の股間寸前の所で止まっていたからだ。 「お兄さん、ぱちゅはただ静かに暮らしたいだけよ・・・。」 へたり込む男を放っておいて、まちょりーは森の奥に消えてしまった。 残された男はただ震えているだけであった。 やがて男は立ち上がるとふらふらと来た道を引き返していった。 「また来たのお兄さん、いい加減諦めたらどうなの?」 まちょりーはやれやれと言うように、首を振るが男が立ち去る気配はなかった。 あれ以来男は何度でもまちょりーに挑戦するようになった。 特訓でもしているのか来るたびに体に傷が増えていき、今では黒かった髪も真っ白になってしまっている。 「もう虐待なんてどうでもいいんだ・・・、ただお前に勝ちたいだけだ。」 「懲りないお兄さんね、お兄さんじゃまだぱちゅには勝てないわ。」 お互いに構えて臨戦態勢に入ると、まちょりーは何やらただならぬ気配を感じた。 お兄さんがまるで静かに流れる水のように感じられたのだ。 嫌な気分を断ち切るべく、まちょりーはこれまでで初めて自分から男にかかって行った。 「むきゅ!?」 「激流では今の俺に勝つことはできんぞ・・・。」 男は静かにそう呟くとまちょりーの拳を避け、まちょりーの勢いを利用してそのまま投げ飛ばす。 すぐに体勢を立て直して構え直すが、まちょりーはすぐに男に向かうことが出来ないでいた。 だがそんなまちょりーを待たずに男からまちょりーに襲い掛かる。 「ゆくぞ・・・。」 あっという間にまちょりーの目の前まで移動してきた男に、まちょりーは老人から教えられ得意の正拳突きで迎撃しようとする。 「むきゅ!消えた!?」 「こっちだ。」 男の声が後ろから聞こえた時にはまちょりーは背中に大きな衝撃を受けて地面に倒れていた。 「命は投げ捨てるもの!」 倒れたまちょりーに男はそう言葉を放つ。 地面で倒れているまちょりーはというと、信じられないという顔で男を見ている。 「むきゅ・・・、ぱちゅが負けるなんて・・・。」 「もう満足だ、これからはお前の生活には関わらない。」 そう言ってまちょりーから視線を外して帰ろうとする男に、まちょりーは声をかける。 「待ってお兄さん!ぱちゅに教えてほしいことがあるの!」 その言葉に男は歩みを止めて振り返り、まちょりーの顔を見る。 今までの猛々しい気配が無くなりまちょりーはどこかそわそわしているように見える。 「何だかぱちゅの胸がドキドキして止まらないの・・・。お兄さん一体これは何なの?」 顔を赤くしながらもまちょりーは男にそんな質問をする。 今まで経験したことのない異常にまちょりーはすっかり困惑気味だ。 それに対して男は静かに答える。 「俺と一緒にくればその答えが分かるかもしれんぞ。」 「本当!?ならお兄さんについていってもいいかしら?」 「構わんぞ、気ままな男の一人暮らしだ。お前のような華があっても良いかもしれん。」 男の言葉にまたまちょりーが赤くなり体を震わせる。 まちょりーの胸はそれまで以上に高鳴っていた。 最近よくドスの屍骸が多く見られるようになっている。 決して自然死などで無く、何者かによって殺されている形跡があるのだ。 だが人々は特に気にしない、世間ではドスはゆっくりの親玉でありほとんどの者がドスが死んでも喜ぶ者である。 「お兄さん今日のドスはいまいちだったわね。」 「そうだな、あれではでかいだけの饅頭にすぎん。」 体中に餡子をこびり付かせて楽しそうに話しているのは、一人の男とまちょりーである。 最近のドスの大量死はこの二人による、どちらが早くドスを解体出来るかを競うちょっとした遊びである。 「だけどお兄さん、ぱちゅは最近とても楽しいわ!こんなこと一人じゃ絶対出来ないもの。」 「そうだな、やはり競い合う強敵(とも)がいなければ面白くない。」 笑いあいながらも二人は道端で震えているゆっくりを見つけては潰していく。 今やっているのはどちらが多く帰りまでにゆっくりを潰せるかの勝負だ。 「やっぱりゆっくり相手じゃつまらないわ。お兄さん帰ったらまた勝負してね!」 「構わないぞ。ただし疲れているから勝負は夜になってからだ。」 その言葉にまちょりーは嬉しそうにして、握っていたまりさを握りつぶす。 あれから男と暮らしているまちょりーだが、どうしてもまだ分からないでいた。 いつまで経っても胸の高鳴りは収まらずに日が経つにつれてむしろ大きくなっている。 「どうしたぱちゅりー?顔が随分と赤いようだが。」 「むきゅ!?何でもないわ!それより夜の勝負が楽しみね!」 慌てて誤魔化すまちょりーだが、男の顔には分かっている顔つきだ。 今夜の勝負のことを考えて男の鼓動もまた早くなっていくのであった。 おまけ ん!?まちがっ・・・てない! 「むきゅう~一体どうすればお客さんに指名してもらえるのかしら。」 「どうしたぱちゅりー?そんなため息など吐いて。」 「ぱちゅが働いているゆっくりクラブでぱちゅが指名されないのよ。お兄さんどうすればいいと思う?」 「簡単だ、この俺がぱちゅりーをさらに魅力的にするツボを刺激してやる。」 「むきゅ!それは本当なのお兄さん!?」 「本当だ、ぱちゅりーを魅力的にするツボはこれだ。」 「むぎょおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!ぱちゅのきんにくがあああああああああああああああああああ!」 男に押されたツボによってまちょりーの体は大きく変化するが、まちょりーは自分の体を見て悲鳴をあげる。 鍛え抜かれて鉄板の様な胸筋は、大きな二つの柔らかな脂肪の塊に変化する。 丸太の様に太かった脚は、見る者に踏まれたいと思うほどのしなやかで細い脚になった。 綺麗に割れた鋼の様に逞しかった腹筋は、その手で撫でまわしたくなるほどの魅力を持ったお腹へと変貌する。 軽々と重荷を運ぶことが出来た腕は、細くそしてどこか触ることを躊躇わせるほどの腕になっている。 下着の間に割り箸を挟めば三本重ねて軽くへし折る程の強度の臀部は、てんこの桃のような柔らかな尻になってしまったのだ。 見事に大変身を遂げて店ナンバーワンのゆっくりになったまちょりーだったが、 一日二十五時間のハードトレーニングによってすぐに体を引き締めてしまった。 後書き どうも皆さんすみません、大人は嘘を吐くのではありません。間違いをするだけなんです。 おっぱい無しあきさんのまちょりーに衝撃を受けて、ついえーりんSSをほったらかしてこのSSを書いちゃいました。 どうかお許しください、えーりんSSはもう半分ぐらいは出来てますので皆さんのコメントがあればすぐにでも。(チラ) あのまちょりーに勝つのはあの有名な北斗格ゲーで最強と言われている、あのお兄さんぐらいしか勝てないと思いました。 正直普通の人ならまちょりーに投げられただけで、ライフゲージの半分が無くなる気がしますから。 次回こそえーりんSSを書くことを約束するHENTAIあきでした。 以前書いたもの ふたば系ゆっくりいじめ 993 初めてのおつかい ふたば系ゆっくりいじめ 1003 寂れた神社で ふたば系ゆっくりいじめ 1014 ゆーパチ「ヒャッハー!虐待だぁ!」 ふたば系ゆっくりいじめ 1024 めーりんの憂鬱 ふたば系ゆっくりいじめ 1036 別れと出会い ふたば系ゆっくりいじめ 1043 夜の怪奇現象 ふたば系ゆっくりいじめ 1058 S計画 作られたゆっくりたち ふたば系ゆっくりいじめ 1072 胴付きへの進化 ぱちゅりーの場合 ふたば系ゆっくりいじめ 1080 違うありす ふたば系ゆっくりいじめ 1087 まりさ家出する ふたば系ゆっくりいじめ 1099 てんこを良い子にする方法 ふたば系ゆっくりいじめ 1108 きめぇ丸?いいえしゃめい丸です ふたば系ゆっくりいじめ 1144 別れと出会い まりさのトラウマ編 ふたば系ゆっくりいじめ 1155 ゆっくりスクール ふたば系ゆっくりいじめ 1159 ゆっくりの寿命 ふたば系ゆっくりいじめ 1165 ゆっくりクラブ ふたば系ゆっくりいじめ 1178 まりさひどい目に遭う ふたば系ゆっくりいじめ 1184 オレンジジュースを買いに ふたば系ゆっくりいじめ 1216 特異体質を持つ愛でお兄さん ふたば系ゆっくりいじめ 1233 新月の夜に ふたば系ゆっくりいじめ 1247 しっかりゆっくりとうっかりゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 1268 一人ぼっちのゆっくり