約 40,750 件
https://w.atwiki.jp/dragonsearcher/pages/20.html
前提 イベントマスに突入するとフィールドイベントが発生する。フィールドイベントをクリアするとその土地の地図作成や開拓が可能となる。 平原 北2 101匹コボルト コボルトの群れが住んでいる遺跡(データ集参照)を発見する。何らかの方法でコボルト達を排除することができればイベントはクリアされる。 詳細についてはデータ集を参照 北2 西1 フォルミカの尖兵 フォルミカソルジャーが3体いる。フォルミカソルジャーはそれぞれHPが半分以下になると撤退を始める。3体全員を撤退、または討伐するとイベントが終了する。 北2 東1 ケラトスの群れ 北2 東2 人間狩り 北2 東3ムリアンの頼み 北3 ケンタウロスの集落 北3 西1 フォルミカの衛兵 北3 東1 象の墓場 北3 東2 さすらいのダークトロール 北3 東3 荒野の怪鳥 北4 フォルミカの巣 北4 東1 ドルギラスの群れ 北4 東2 巨大な針山 北4 東3 竜の洞窟 森
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4531.html
協定ネタをやってみたくなった・・・後悔はない 村は森の中にある広場を利用しているという設定です。 比較的賢いゆっくりが出てきます 少しだけ長い その群れは最高のゆっくりプレイスを見つけた。 溢れんばかりのおいしい草、花、虫。 すぐ近くにはゆっくりが入っても大丈夫なくらい浅い川。 そしてすぐ近くにはとてもおいしいお野菜さんが生えてくるゆっくりプレイス をもっている人間さんがいた。 ドス達群のゆっくり達はどうにかしてこの美味しいお野菜さんが食べたかった。 だが、ドスや幹部達はあまり良い顔をしていなかった。 この物語は人間と関わると起こるであろう悲劇から必死に回避しようと奮闘する ドスまりさの喜劇である。 ゆっくり教えてね!! このゆっくりプレイスについて早々、ドスと幹部たちは周りの様子の確認を行った。 近くにはきれいで浅い小川が流れ、森にはおいしそうな山菜やキノコがたくさんはえており なにより、近くにはおいしいお野菜さんがたくさん生えていた これには群れのゆっくり達は大喜びであった。 とても美味しいお野菜さん!!一度食べれば天にも昇るといわれるゆっくりにとっての御馳走!! それが食べられる!! 群れのゆっくり達は大はしゃぎしつつ、自分達のお家作りに勤しみ始めた。 だが、これをあまり喜ばないゆっくり達がいた。 群れの長であるドスと幹部達であった。 最初旅のゆっくりから聞いた話ではゆっくりが住みやすい土地があるというから来たのに 来てみれば近くに人間の里があったのだから。 「ゆ~~~、どうしよう!!むれのみんなはおやさいさんがたべられるとまいあがちゃっているよ!!」 と頭を悩ませるのは長であるドス 「むきゅ!!このままほっておくとみんながゆっくりできないじたいになるわ!!」 と群れの頭脳ともいえるパチュリーは嘆く 「いくらみょんでもみんなをまもりきれないちーんっぽ!!」 と群れの防衛隊の隊長であるみょんは続ける 「・・・・ここをはなれたほうがいいかもしれないんだぜ!!」 と自信なさげに頭をうな垂れるまりさ 「でも!!みんなここまでまったくゆっくりできなかったんだよ!! いったいなんにんがゆっくりできなくなったの!!またいどうとかいったらぼうどうがおこるよ!!」 「むきゅ・・ぱちゅもどすのいけんにさんせいだわ!! とりあえず、みんなにはおやさいさんにちかづかないようにてっていするしかないわ!!」 こうして群れゆっくり達全員に『おやさいさんにちかづいたらなかまじゃないよ!!』 と厳命した。無論群れのゆっくりから抗議があがった 「おいしいおやさいさんがめのまえにあるのにちかづくなってばかなの?しぬの?」 「れいむのおちびちゃんはね!!ゆっくりとしたごはんがないとおおきくなれないのよぉぉ!! おちびちゃんにしねというのぉぉぉ!!」 「れいみゅにおいちいごひゃんしゃんをたべちゃちぇないにょ!!れいみゅがきゃわいきゅないにょ?」 幹部達は必死になってゆっくり達を納得させるのに奮闘することになった。 その間、ドスと頭脳担当のパチュリーは今後どうするかを必死になって考え始めた。 「ゆぅぅぅぅ・・・よわったことになったよ。みんなのことだからおひさまがさんかい のぼるころにはおやさいさんをとりにいっちゃうよ・・・ そうなると、みんなゆっくりできなくなっちゃうよ・・・」 このドスや幹部達は、まだドスが普通のゆっくりだったころからの友達だった。 昔の話になるが、ドスがまだ普通のまりさだったころ、幹部達と共に別のドスの群れにいた。 このドスはドスの中では比較的頭が弱かったためか、虫さんや草さんといったご飯さんは 勝手に無限に生えてくると本気で信じ込み食糧の乱獲やすっきり称賛などを行った。 結果は言わずもがな、その土地の資源は尽きてしまった。 このとき、まりさのお友達の何匹かは飢えから起こった暴動で永遠にゆっくりしてしまった。 そしてこのときドスが下した結論は・・・・引っ越しだった。 ゆっくりにとってお引越しは命ががけともいえる行為だった。 その場その場にある食糧で飢えをしのぎ、夜は他の動物や捕食種に襲われないように 警戒しながら眠るしかなく、ゆっくりにとては全くゆっくりできない状況だった。 このとき、我儘な一家やゲスゆっくりは皆の静止を振り切って勝手にどこかへと行ってしまった。 全員、例外なくその晩のうちに捕食種の餌食となったが。 そしてあてもなくお引越しをすること三日 ドス達はついにゆっくりプレイスをみつけた。 お野菜さんが一杯並んだでっかいお家、ドスが入っても十分な大きさなお家、 そしてそんなお家を挟むように流れる川・・・ そうそこはまさしくゆっくりのユートピアであった。 「これでみんなしあわせぇぇぇぇ!!!だね!!みんな、ゆっくりしていってね!!」 『ゆっくりいしていってね!!』 だが、ゆっくり達は知らなかった。 そこは人里のど真ん中にある広場だった。 そう、ドスたち群れゆっくりたちは広場のど真ん中でお家宣言をしてしまったのだ。 広場にはなぜか大挙してやってきたゆっくりの群れをみようと見物客が集まってきた。 その後ろでは突然のドスの襲来に驚き大急ぎで対応に追われる村の自警団の青年たちがいた。 「じゃあみんな!!どのおうちにすみたいかすきにえらんでね!!」 この一言にゆっくり達は大喜びし、さっそく自分がすみたいお家に向かって駆け出して行った。 「ゆ!!れいむはあのあまあまがいっぱいあるおうちをおうちにするよ!!」 と、和菓子屋に駆け出すれいむ 「じゃあまりさはおやさいさんがいっぱいならんだおうちをおうちにするよ!!」 と、八百屋に駆け出すまりさ 「むきゅ!!じゃあぱちゅはごほんがいっぱいおいてあるおうちをおうちにするわ!!」 と、里唯一の本やに駆け出していくパチュリー この時、当時のドスと幹部たちはどのお家に住むか悩んでドスの付近にとどまっていたためか この後起こる惨劇から命からがら逃れることになる。 和菓子屋へ駆け出したれいむは店に着くなり、柱にしーしーをして さっそくおいしいそうなあまあまさんにありつこうと力をため、大きく跳躍した。 「おいしそうなあまあまさ~ん!!れいむにたゆぴぃ!!」 れいむは和菓子屋の主人に握り潰された。 れいむが殺されたのを皮切りに、人間のお店や家へと駆け出して行ったゆっくり達の 悲鳴が上がり始めた。 「それはまりさがみつけたごはんなんだよ!!よこどりするのはわるぅぅぅぅうぅぅ!!!」 八百屋に駆け出して行ったまりさは抗議している最中に踏み殺された 「ごほん!!ぱちゅのごぼぉぉぉぉぉぉ!!!!」 本屋に駆け出していったパチュリーは本屋の主人に蹴り飛ばされて死んだ 「わがらないよぉぉ!!わがらぁぁぁぁぁぁ!!! 」 飼い猫のご飯を食べようとしたちぇんは一緒に飼われていた犬に食い殺された。 人間のの住居に侵入しようとしたゆっくりは例外なくその場で皆殺しにされた。 このとき、群れの約半数が殺された。 「ど、どぼじでごんなごどずるのぉぉぉぉぉ!!!」 ドスは群れのみんなが無残に殺されていく様に嘆いた。 「どずばだだゆっぐりぶれいずをびづげだだげなのにぃぃぃぃ!!!」 そこに村の長と思わしき老人が現れた。 「そこのドスまりさや、人間の家を奪おうとしたり、人間の食べ物を奪うとするとどうなるか これでわかったろう?分かったら早くここから去りなさい。今なら見逃してやるから」 だが、ドスはそんな村長の言葉に耳を疑った。 「なにいっでるのぉぉぉ!!そのおうちはみんなあきやでじょぉぉぉ!!!」 これには村の人間は目を丸くした。 「何言っているのとはわしらの事じゃよ。一体どこが空き家なのじゃ?」 ドスははあ~なにもわかってないんだね・・と言って哀れむような顔で穏やかに話した 「しょうがないからどすがやさしくおしえてあげるね!! じぶんでおうちときめたおうちにはかならずじぶんのめじるしをつけるんだよ!! めじるしはね、ここは~~のおうちだよ!!とかいたりどこかにしーしーしてにおいを のこすことなんだよ!!においをかいだり、まわりをみわたすかぎりだとにおいも めじるしもなにもないよね!!」 そこまでいうとドスは穏やかな顔から一転し、怒り狂ったような顔になった。 「だからここはみんながみつけて、みんながめじるしをつけたじてんでみんなのゆっくりぷれいすなの!! それなのに、なかまをたくさんみなごろしにしただけでなく、よこからゆっくりぷれいすをうばおうとする にんげんさんはれいがいなくそのばでしけいだよ!!きょっけいだよ!! ゆっくりかくごしてね!!」 そう言うと、ドスは帽子の中にあったキノコを食べはじめた。 間違いない、ドススパークだ!! 「ゆっくりごろしはゆっくりしんでね!!」 大きく口を開けてさあうつぞ!!という正にその時、ドスの口目掛けて何かが投げ込まれた。 とうがらしがふんだんに混ぜられた辛子玉だ。 「どすすぱぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」 「ゆぅぅぅぅぅ!!!ど、どすがぁぁぁぁぁぁ!!!」 辛子玉の辛さがドススパークの暴発を招いた。 ドスは口の中で暴発したドススパークのダメージで口の中がただれ、歯はすべて 吹き飛んでしまった。 そんなダメージを受けていても、ドスはまだ死んでいなかった。 「ゆぐ・・・・・どぼじ・・・で・・ごんな・・ごど・・・ずるの? ゆっぐ・・り・・ごろじ・・は・・すぐじなない・・・といけな・・い・・んだよ・・」 「どすぅ!!しっかりしてよぉ、きずはあさいよぉ!!」 ドスはただれた口で必死に言葉を紡いだ それに対する返答は村長の口からきた 「それはなドスよ、お主らゆっくりのルールがあるようにワシらにもルールというものがある。 それをお主らゆっくりが犯したからじゃ。わかるか? 今すぐ帰るのなら命だけは助けるし、仲間の命も見逃そう。 これは最後の警告だ。さあ、どうする?」 「ゆ・・・ゆっくりここからにげようよ!!まりさはまだしにたくないよ!!」 「こことはべつのゆっくりぷれいすをみつけて、そこでゆっくりするほうがとかいはよ!!」 群れのゆっくりはあんなに強かったドスが簡単に敗北した様を見てすぐに逃げ出したくなった。 だが、今逃げればドスの加護に甘んずることができなくなる。 ドススパークが使えなくなってもその巨体は他の生き物への威嚇には十分だ。 そのため、群れのゆっくりたちはこのゆっくりプレイスへの執着を捨て、すぐにでも 別のゆっくりプレイスへのお引越しを続けることを望んだ。 まだお引越しの方が生きる可能性があるからだ。 だが・・・・ 「ぞんな・・ごど・・ずるびづよ・・う・・・ないよ・・・ ごごは・・どずだ・・ぢが・びづげだがら・・・どずだ・・ちのもの・・だよ・・ だがら・・ばやぐ・・・・がえじでね!!」 ドスはあくまで群れ思いであり、愚かであった。 「そうか、残念じゃ。皆の衆!!聞いての通りじゃ!! 害獣は皆殺しじゃ!!」 この言葉を皮切りに、一方的な虐殺が始まった。 「おぢびぢゃん!!おかあさんおなかにはい・・・・・おちびぢゃぁぁぁぁぁぁゆぶぅ!!」 「だずげでぇぇぇ!!ばりざばだじにだぁぁぁぁぁぁ・・・・」 「おきゃあしゃん、ゆっくちおきてね!!おきゃあしゃん!!おきゃあしゃぁぁぁぁぁぁゆぴぃ!!」 響き渡るゆっくり達の悲鳴。そして断末魔。 一帯ははゆっくりにとって地獄となった。 家族を守ろうと抵抗するゆっくり。必死に逃げようとするゆっくり。命乞いをするゆっくり。 みな例外なく、平等に殺されていった。 ドスはみんなとみんなの新しいゆっくりプレイスを守り切れなかった事を悔みながら、 体を解体されていった。 後のドスとなるまりさや幹部達が逃げ切れたのは奇跡ともいえることだった。 それだけ群れのゆっくりが殺されたのだ。 「ゆぅぅぅ・・・みんなしんじゃったよ・・・」 「「「「ゆぅ・・・・」」」」 みな逃げのびたはいいがこれからどうしようかとほうに暮れていた。 悩んでいても仕方ないため、追手が来ないぐらい森の奥に逃げ込み、固待って生活することを決めた。 その時皆で決めたことがある。 『ゆっくりにルールがあるように人間にもルールがある。でもゆっくり達はルールを知らない だから人間さんに関わらないようにひっそり生きていこう』と それほどまでに仲間が皆殺しにされた時のショックが餡子の奥深くにまでしみついていたのであろう。 事実、まりさ達は現在に至るまで人間に近づいたことが一度もなかった。 だが、運命がまりさ達を嘲笑うようなことが起こった。 まりさがドスになったのだ。 まりさがドスになったことで各地からゆっくりできると本気で信じてやってきたゆっくりが後を絶たず わずか数匹しかいなかった小さな集落は大きな群れへと変貌していった。 責任感が強かったまりさはゆっくりできると信じてやってきたゆっくりを放置することが出来ず 群れの長となった。 だが、今まで群れの中で一ゆっくりとして過ごしてきたまりさにはどうやればいいか右も左も 分からなかった。 群れの頭脳を引き受けてくれたパチュリーもいろいろと助言をくれたが、 肝心なスッキリの規制や乱獲規制をおろそかにしてしまい、元いたところを食いつくしてしまった。 そして弱っている所を旅のゆっくりからこのゆっくりプレイスに移り住んだ・・・というのが今までの 経緯であった。 「むきゅぅ・・・・むきゅ!!そうよ!!これしかないわ!!」 ぱちゅりーが何か思いついたようだ。 「ぱちゅりー?良い策を思いついたの?」 「むきゅ!!にんげんさんのるーるをしらないなら、しればいいのよ!!」 そして翌日の早朝、村は大慌てになった。 ドスまりさと一匹のぱちゅりーが村に現れたからだ。 村人は槍や鍬を片手に村の入口でドスらを出迎えた。 「ドスはドスまりさだよ!!いちばんえらいひとをよんできてね!!」 この村は過去に何度かこうやってドスの群れがやってきて脅しともいえる方法で不平等条約を つきつけられた過去があり、今回もまたかという顔で村の長がやってきた。 「なんだよ、またドスかよ・・・・。またドススパークでもかまして協定を結ぼうとかいいだすんだろう?」 ドスは首を横に振った 「ちがうよ!!にんげんさんにおねがいをしにきたんだよ!!」 このとき、長はどうせお約束と称した協定だろうと思った。 「おねがい?なんだ?いってみろ」 「ゆ!!どすににんげんさんのるーるをおしえてほしいよ!!このままだとむれのみんなが にんげんさんのるーるをやぶっちゃうよ!!だからやぶっちゃうまえにみんなににんげんさんの るーるをおしえてほしいよ!!」 「むきゅ!!そうしないとゆっくりがみんなゆっくりできないことになっちゃうわ!! だらかゆっくりおねがいするわ!!」 これには長は鳩鉄砲をくらったような顔になった。 どうせまた協定がどうのこうの抜かすのだろうとたかをくくったていたからだ。 「ほう、これはまた殊勝なドスだな。まあ俺らとしても農作物に被害が出てもらっては困るからな 良いだろう。ただし、教えている最中に農作物に被害がでたら 俺らに対する裏切りとみなしてお前らを皆殺しにするからな。」 「ゆぅぅぅ・・・わかったよ!!みんなにはちゃんといっておくね!!」 ドスは一旦群れに帰り、幹部達にドスが帰るまで畑に近寄らないように畑さんを見張ってくれと 伝えた。 ちなみに、ぱちゅりーも一緒にドスについていくようだ。 ドスとぱちゅりーへの教育はゆっくりの想像を超えるないようだった。 当然といえばとうぜんであろう。いままでゆっくりの間で常識であった概念がひっくりかえる様な 内容だったからだ。 たとえば人間の所有権の概念や物々交換の概念に始まり、礼儀作法、言葉使い、ついには 農耕の概念、資源の概念にまで教育に加えて行った。 教育は一週間にも及んだ。人間からすれば、一か月はかかるであろうと思っていたので逆に 一週間で完璧になったのは驚きだった。 その間、幹部ゆっくり達が交代しながら人間の畑にゆっくりが近寄らないように監視していた こともあってか、畑に被害がでることはなかった。 群れに戻る時、ドスは村の長といくつかの約束をした。 内容はこうだ 1、ゆっくりはすっきり制限を設けること 2、ゆっくりは乱獲制限を設けること 3、人間に対して人間のルールを破るな 4、以上を破ったら群れごと潰す ドスもぱちゅりーもこの内容に納得した。 一見したら押し付けかつ不平等な約束だが、これは見方を変えるとこれさえしなければ 殺したりはしないというものだった。 特に1と2に至ってはこれさえしとけば資源は枯渇しないだろうといえるものだった。 後に、これは村とゆっくりの群との協定となった。 そしてのちに、この協定は一切の武力を使わずに協定を結んだ珍しいケースとなった。 最後に村長がこんな事を言った。 「まあできればお前らに教えた授業料代わりにこちらに労働力を提供してくれ。 まあつまるところ、手を貸してくれということだ。 手伝ってくれたらそれなりの野菜をやろう」 村長はこのドスとパチュリーの殊勝な態度が気に入ったらしく、 ゆっくり達に野菜を食べる機会を与えたのであった。 ドスとパチュリーは群れへと笑顔で帰っていった。 村長もあれぐらい殊勝なドスばかりだとこっちもありがたいんだがと内心呟いた。 群れに帰ってくるなりドスとパチュリーは皆に歓迎された。 自分達を守ってくれる守護者がようやく帰ってきてくれたのだ、当然であろう。 ドスとパチュリーは皆の熱い歓迎を一身に受けたのち、パチュリーと一緒にお家に戻った。 ドスとパチュリーは同じ家なのだ 「ぱちゅりー!!にんげんさんのるーるはばっちりりかいできた?」 「むきゅ!!だいじょうぶよ!!おささんになんどもきいておぼえたからばっちりよ!! ドスのほうはだいじょうぶ?」 「どすもだいじょうぶだよ!!それじゃあさっそくあしたからみんなににんげんさんの るーるをみんなにおしえていこうね!!それといっしょにきょうていのないようも みんなにはっぴょうしよう!!」 その晩、ドスとパチュリーは一晩中どうやってみんなに教えていくかを話しあった。 明日からみんなに教えて行くんだ!!失敗したら・・・みんなゆっくりできなくなる!! 二匹の責任感が教育の内容をさらに綿密な物へと変貌させていった。 あとがき 今書いている作品の息抜きがてらに書いて短めのお話にするつもりだったのですが、 筆が進みに進み、少々長めのお話になっちゃった・・。 どれぐらい長くなるかは自分でも不明です・・・・。まあ短くするようにはしますが 深く考えもせずに書いたせいかなんかおかしな所が若干あるかもしれませんが、 その辺はご指摘いただければ修正します。 あ、名前ですが今回から「アイアンゆっくり」と名乗らせていただきます。 過去作 まりさの馬鹿 ゆっくり地縛霊 れいむ親子の場合 このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/tamaki_king/pages/371.html
平成22年7月1日(木曜・雨) 今日家に帰ったら玄関に小さな靴が沢山並べてあったから 何事かと思って中に入ったら子供部屋で楽しそうに遊ぶ子供と二人の姿と それを相手する綱吉の姿があったから何してるの? って聞いたら二人の友達が遊びにきてるんだって綱吉が教えてくれた 「あぁ!!雲雀さん、あれは群れじゃないですよ!?ってか群れかも知れませんけど子供を噛み殺しちゃだめですよ!!」 って真剣になって僕に言ってくるから 「別に、二人の友達なんでしょう?二人のためなら群れなんてどうでもいいよ」 っていったら嬉しそうにそうですかっていってまた子供部屋に戻ってしまった それに、二人のあんな楽しそうで嬉しそうな顔を見たらそんなことできないよ どっちかというと感謝してるほうだよ 「これからも二人をよろしくね」 戻る -
https://w.atwiki.jp/seven_thousandwars/pages/21.html
魔獣 +目次 魔獣ガルム ゲルマ エルミ わんわんお! ガルムはHPは多少多いが攻撃力はそれほど高くないため、ムインの次に戦いやすい? ガルム 団名 Lv HP 攻撃力 防御力 参加可能人数 制限時間 貢献度 資源(最大) アイテム 備考 ガルム 1 2500 120 110 5 01 30 00 1 木25石40鉄70 ガルムの狂った頭蓋ガルムの旋風爪ガルムの尻尾ガルムの剛毛獣の皮獣の爪 複数攻撃発動条件:HP半分以下 2 3000 144 110 3 3500 168 110 強牙のガルム 強牙の群れ 1 370000 260 180 100 10 00 00 200 木材600石材600鉄材600 真・猟師の弓女神の小果実ガルムの狂った頭蓋ガルムの旋風爪ガルムの尻尾移動力ポーション(小)ボロい包帯 瞬牙のガルム 瞬牙の群れ 1 370000 260 180 明牙のガルム 明牙の群れ 1 420000 312 180 突牙のガルム 突牙の群れ 2 480000 372 150 木材800石材鉄材 ゲルマ 団名 Lv HP 攻撃力 防御力 参加可能人数 制限時間 貢献度 資源(最大) アイテム 備考 ゲルマ 1 40000 330 180 10 05 00 00 12 木60石60鉄190 ゲルマの燃えさかるたてがみゲルマの旋風爪ゲルマの尻尾ゲルマの剛毛獣の皮獣の爪 複数攻撃/攻撃強化発動条件:HP半分以下 2 48000 396 180 3 56000 462 180 4 64000 526 180 俊足のゲルマ 俊足の群れ 1 450000 370 190 100 10 00 00 - 木材石材鉄材 真・黒猫の杖女神の小果実ゲルマの燃えさかるたてがみゲルマの旋風爪移動力ポーション(小)ボロい包帯 血吸のゲルマ 血吸の群れ 2 540000 468 190 八つ裂きのゲルマ 八つ裂きの群れ 2 540000 480 190 赤たてがみのゲルマ 赤たてがみの群れ 3 630000 580 190 木材1300石材鉄材1300 エルミ 団名 Lv HP 攻撃力 防御力 参加可能人数 制限時間 貢献度 資源(最大) アイテム 備考 エルミ 1 100000 540 240 10 12 00 00 60 木材270石材270鉄材340 エルミの長老髭エルミの旋風爪エルミの尻尾エルミの縞模様皮エルミの剛毛獣の皮獣の爪 複数攻撃/攻撃強化発動条件:HP半分以下 2 120000 648 240 3 140000 756 240 4 160000 864 240 好奇心旺盛なエルミ エルミ偵察隊 1 750000 1140 280 100 12 00 00 - 木材400石材400鉄材400 真・キクイチモンジ女神の果実エルミの長老髭エルミの旋風爪エルミの尻尾エルミの縞模様皮移動力ポーション(中)包帯 エルミの村長 エルミ守備隊 1 950000 2400 290 20 00 00 - 木材石材鉄材 真・早駆け靴女神の果実エルミの長老髭エルミの旋風爪エルミの尻尾エルミの縞模様皮移動力ポーション(中)良い包帯 エルミの老中 エルミ護衛隊 2 1200000 2880 300 エルミの大老 エルミ親衛隊 3 1400000 3360 300 エルミの長老 エルミ近衛隊 5 1800000 4320 300 コメント やぁやぁ! 編集したいけどwikiの編集がわからない…なんてことはないかい!実はおいらもなんだ。 そういう時はここに書き込んだら、えろい人・・・?がかわりにやってくれるかもしれないらしいぞ! -- バルディバル (2011-10-23 14 09 24) ゲルマの燃えさかるたてがみ、確認済み -- 拳王 (2012-01-18 15 36 13) ヴィム ウルクロルサ 赤たてがみのゲルマ LV 3 HP 630000 ATK 588 DEF 190 制限時間 10 00 00 人数上限 100 特徴 複数攻撃/攻撃力強化 -- 名無しさん (2012-02-04 09 26 54) ヴィム ウルクロルサ 俊足のゲルマ LV 1 HP 450000 ATK 370 DEF 190 制限時間 10 00 00 人数上限 100 特徴 複数攻撃/攻撃力強化 -- 名無しさん (2012-02-04 09 31 32) ヴィム クガイの隠れ里 血吸のゲルマ LV 2 HP 540000 ATK 468 DEF 190 制限時間 8 00 00 人数上限 100 特徴 複数攻撃/攻撃力強化 -- ぽちょむきん (2012-02-05 14 13 40) ↑制限時間10 00 00でした -- ぽちょむきん (2012-02-05 14 16 15) 八つ裂きのゲルマ LV 2 HP 540000 ATK 480 DEF 190 制限時間 10 00 00 人数上限 100 特徴 複数攻撃/攻撃強化 -- ぽちょむきん (2012-02-05 14 38 21) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/deadbydaylight/pages/535.html
[部分編集] アイコン 名前 レア度 説明 鮮やかな死亡記事(Vibrant Obituary) コモン 明るく目立つ絵の具による小さな斑点がたくさん付いた新聞の切り抜き。悲劇は日々起きるようだ。・不吉なカラスの殺人鬼の本能によって生存者の居場所が判明する時間の長さが3秒増加する 高粘度のタール(Thick Tar) コモン カルミナが試験的作品に使用したヘドロ。べとついていて、一度肌に付くと落とすのはほぼ不可能。・生存者が不吉なカラスの群れを撃退するまでの時間が0.5秒増加する 油絵の具(Oil Paints) コモン ほとんどの色は残っておらず、少々の黒とグレーだけで壮大な風景画を描くことができた。・不吉なカラスの殺人鬼の本能による検知範囲が1.5m拡大する ジャイアントコーン(Choclo Corn) コモン 南米で普及しているトウモロコシの一種。これだけ大きければ、カラスもおやつに数粒ついばみたくもなるだろう。・不吉なカラスが消えるまでの待機時間が2秒増加する 腐った死肉(Festering Carrion) アンコモン 吐き気を催す肉と内臓の山。飢えたカラスは気にせず食べたがる。・不吉なカラスが飛び立った後のさいなむ害鳥のクールダウンが0.5秒減少する 無題の悲痛(Untitled Agony) アンコモン マティアスの死後に黒い絵の具で激しく描かれたキャンバス。猛烈で壊滅的な悲しみを発している。・不吉なカラスが群れた生存者に1.5秒間妨害のステータス効果を与える 無意識のスケッチ(Automatic Drawing) アンコモン 意識せずにカルミナが取り掛かった実験的スケッチ。考えるな-ただ動け。・不吉なカラスが発動されずに消えた後のさいなむ害鳥のクールダウンが1.5秒減少する ビロード生地(Velvet Fabric) アンコモン カルミナがアートプロジェクトで使った真っ赤な布。その明るさが黒い羽との対照を生み出している。・生存者が不吉なカラスの群れの撃退を試みた時、群れのオーラ表示が1.5秒延長される カラスの静物画(Still Life Crow) アンコモン 死んだカラスを描いたインク画。カラスの死を悼むカルミナの悲しみが、1本1本の黒い線に感じられる。・不吉なカラスが消えるまでの待機時間が4秒増加する 銀の鐘(Silver Bell) レア カラスが好きなキラキラ輝くベル。他とは違ってカルミナは鐘の音が気にならなかった。・不吉なカラスが群れた生存者に無感覚のステータス効果を与える 真っ黒なインク(Darkest Ink) レア 不自然なインク。あまりに粗末で黒いがゆえに、周りに光を引き寄せる。・不吉なカラスが群れた生存者に目眩ましのステータス効果を与える。この効果は不吉なカラスが生存者に撃退された後も15秒持続する 棘のある巣(Thorny Nest) レア カルミナの家の近くにあるずっと空の巣。中には鋭利な棘が埋め込まれている。・不吉なカラスからダメージを受けた生存者は出血と重症のステータス効果に苦しむ 木炭の棒(Charcoal Stick) レア 刷り込むと何もかもを隠す木炭。・不吉なカラスが飛んでいる時のオーラが視えなくなる・不吉なカラスが呼び出された時、そのオーラが0.5秒間視える おお悲しみよ、おお愛する人よ(O Grief, O Lover) レア インクを使った抽象画。「飛び降りスポット」に向かう前にカルミナが描いた。・不吉なカラスが群れた生存者に疲労のステータス効果を与える 切断された舌(Severed Tongue) ベリーレア カルミナが死ぬ直前に切り落とされた舌。その光景によって彼女本人ではなく、カラスの中に怒りが湧いた。・不吉なカラスが飛ぶ時にアーティストの移動速度が低下する時間の長さが0.5秒減少する「これではもう詩を朗読できないだろう?」 - フードを被った男 切断された手(Severed Hands) ベリーレア カルミナが死ぬ直前に腕から切り落とされた手。その光景によって、彼女本人と彼女を守る友人達は激しい怒りを覚えた。・不吉なカラスの群れに囲まれた生存者の近くにいる他の生存者も群れに囲まれる「これではもう絵を描けないなぁ?」 - フードを被った男 マティアスのベビーシューズ(Matias' Baby Shoes) ベリーレア 悲しいながらもマティアスがいつも側で見守っているということをカルミナに思い出させてくれるもの。・待機状態の不吉なカラスから5m以内にいる生存者は3秒間そのオーラが表示される「もうすぐ会えるからね、マティアス」 - カルミナ・モーラ インクの卵(Ink Egg) ベリーレア 半個体のインクの球にしか見えない異常な卵。・不吉なカラスの呼び出し上限数が1増加する・不吉なカラスが消えるまでの待機時間が2秒増加する「闇に埋もれていた私を、あの子達は仲間だと見なしてくれたんじゃないかな」 - カルミナ・モーラ 腐敗した庭(Garden of Rot) ウルトラレア カルミナが描いた裸体の自画像。内側から外に向かって大きくなる腐った闇を表現している。・不吉なカラスに襲われた生存者が撃退アクションを完了すると、4秒間無防備のステータス効果に苦しむ「腐敗の中に救済はない」 - カルミナ・モーラ 玉虫色の羽(Iridescent Feather) ウルトラレア 霧から作られたガラスのような羽。シンプルながらも、カルミナを守る見守り隊の象徴だ。・アーティストはさいなむ害鳥がクールダウン中で不吉なカラスがいない時、探知不可のステータス効果を得る・不吉なカラスの呼び出し上限数が1減少する「あの子達は救いのなかった私を救ってくれた」 - カルミナ・モーラ
https://w.atwiki.jp/lord_of_vermilion/pages/2087.html
グレイグル(C) 基本情報 名前 グレイグル 種族 魔種 ジョブ アタッカー 召喚コスト 10 <タイプ> 狂戦士 タイプ デモンナイト HP 300 ATK 5 DEF 10 覚醒 不可 超覚醒 不可 アーツ 無 CV 吉田 真澄 アビリティ 召喚 トライブサポートA 自身が戦場に出ている間、魔種の自使い魔のATKが増加する。ただし、自身は効果を受けない。 +エラッタ前のステータス 閉じる Ver3.400~Ver3.503 魔種No 4-090 名前 グレイグル ジョブ マジシャン 召喚コスト 10 タイプ 狂戦士 クラス デモンナイト HP 300 ATK 5 DEF 10 覚醒 不可 超覚醒 不可 アーツ 無 キャラクターボイス 吉田 真澄 アビリティ ステータス 召喚 トライブサポートA 召喚 5/10 自身が戦場に出ている間、魔種の自使い魔のATKが5増加する。ただし、自身は効果を受けない。 Ver3.100~Ver3.309 魔種No 1-020 , 2-029 , 3-025 名前 グレイグル ジョブ マジシャン 召喚コスト 10 タイプ 狂戦士 クラス デモンナイト HP 300 ATK 5 DEF 5 覚醒 不可 超覚醒 不可 アーツ 無 キャラクターボイス 吉田 真澄 アビリティ ステータス 召喚 トライブサポートA 召喚 5/5 自身が戦場に出ている間、魔種の自使い魔のATKが5増加する。ただし、自身は効果を受けない。 最近修正されたバージョン Ver.3.504 ステータス 状態 HP ATK/DEF 召喚 300 5/10 DATA・フレーバーテキスト +Ver3.1 Ver3.1 全長 4.4[meter] ――「個」トハ常ニ「群レ」ノタメニ存在スル。――「群レ」ノ利益トハ、種ノ利益。――種ノ利益トハ、「個」ノ利益。――故ニ、我ハ「個」デアリ、「群レ」デアル。――進メ我ヨ。進メ我ガ軍勢ヨ。――我トイウ「個」ハ、喜ンデ「群レ」ノ礎トナロウ。「群れ 群れって、おまえはアレなのか、さびしんぼなのか?仲間に頼ってばっかりじゃ一人前になれないぞ」雪色の少女は呆れたように、その無慈悲な残虐性から「悪魔の騎士」と呼ばれた、名も無き蟲人に告げる。「しょうがない。まずは自分のなまえからだな。この前ひろったいいものをやる。これを読んでさんこーにしろ」少女がよいしょと取り出したのは、人間の子供が読む絵本。そこには、どんな困難にも一人立ち向かう勇敢な騎士の姿があった。その騎士の名は――意思無き意思に従い生きてきた蟲人は、その名を小さく呟き、ワルク…ナイ――そう、思った。―――『恐るべきウェンディゴ伝説』恐怖の5 重量 333[kg] 最高速度 66[km/h] 目的 個としては無い 意思 個としては無い 名前 個としては無かった イラストレーター 姉崎ダイナミック +Ver3.2 Ver3.2 全長 4.4[meter] 名前とは、個体を識別するための呼び名である。“群れ”の一部としての存在意義しかなかった彼には不要なものであるはずだった。グレイグル――その名を得たその時から、彼には“群れ”ではなく、グレイグルとしての、すなわち“個”としての自我が芽生え始めていた。かつては群れの意志の赴くままに森を穢し、大地を蝕んだ。だが、暴虐が沸き立つような“意志”はもう感じない。ただ従うままであった“声”はもう聞こえない。“個”を意識したそのときから、彼は一人になっていた。しかし彼は、それに不安を感じることはなかった。一人で戦う強さを教えてくれた「絵本の騎士」がいる。自分に名前をくれた雪色の少女がいる。――故郷の森へ行こう。彼はかつて自らが貶め、穢した森のことを想った。贖罪のため、自身の力で豊かな森を取り戻そう。そうして、誰に恥じることのない本物の「騎士グレイグル」として生きるのだ――だが、彼はまだ知らない。断罪者の剣がすぐそばまで迫っていることを。―――『恐るべきウェンディゴ伝説』恐怖の5の② 重量 333[kg] 最高速度 66[km/h] 出身 太古の森 呼び名 群れの意志を持つ者 新たな目的 贖罪 イラストレーター 三好 載克 +Ver3.3 Ver3.3 全長 4.4[meter] 断罪者の怒れる目は、裁かれる罪人である彼――グレイグルを見据えていた。その蟲人は、彼が“群れの意思を持つ者”と呼ばれていた頃、故郷の森で死闘を繰り広げた、森の守護者であった。断罪者の剛腕の前に、彼は刃砕け、牙折れ、傷つき、すでに満身創痍だった。かつて群れが一丸となって挑み、それでもなお勝てなかった相手。そんな相手に彼一人で勝てる道理など存在しなかったのだ。次に振るわれる一撃は、必殺の威力をもって彼を打ち砕くだろう。ここで討たれることも贖罪か――彼は諦めとともに、死を受け入れようとしていた。死に瀕したが故の本能か、そのとき、僅かに残された“群れ”としての機能が彼にある光景を見せた。――同胞たちの無数の視線。視線は一点に注がれている。その視線の先にあるもの――あの、雪色の少女だ。“狩り”が始まれば彼らは躊躇なく少女を喰い破るだろう――自分がかつて、そうであったように。彼は対峙する断罪者の剣を渾身の力で振り払うと、痛む体を引きずるように駆け出した。その名を彼にくれた少女の元へ。あの絵本のような勇敢な騎士たらんがために。――『恐るべきウェンディゴ伝説』恐怖の5の③ 重量 333[kg] 最高速度 66[km/h] その力 個としては弱い その知識 個としては少ない その意志 今は、個としてある イラストレーター 伊藤 暢達 考察 魔種トライブサポート持ちの二枚目、ジョブはVer3.504よりアタッカー。 以前はマジシャンであったため、アレイスターと同時採用するとアタッカー荒らしに弱くなるという弱点があった。 ジョブ変更により弱点は軽減されたものの、スパクリをもらうとジョブはほとんど無関係なので丁寧な扱いが必要。 キャラクター説明 アリのような姿をした魔人であり、蟲人と呼ばれる種族の一種。過去作ではLoV2に「デモンナイト」として登場していた。 かつて古代の森にて他の蟲人と暮らしていたが、ある時蟲人らの一グループが「群れの意思」とよばれる集団意識に覚醒。 古代の森を汚した上で、獲物を求める群れとして飛び出していき、「デモンナイト」と呼ばれる魔物として世界中に悪名を轟かせた。 「グレイグル」と呼ばれる個体はそんなデモンナイト族の一体。命名はアニュイ。 彼女との出会いの経験と彼女に与えられた名前を気に入った事から自意識に覚醒。群れを離脱し、いつしか名の由来となった誇り高い騎士となるべく放浪を続けた。 そしてかつて捨てた森へと戻り、贖罪の為に森に尽くす存在になろうと考えていたのだが……怒れる最後の蟲人は、簡単に許してくれそうにはなかった。 2では最大コストで攻撃力、防御力が共に高い上、ダメージ系の全体の特殊技で主力になりえる可能性を持った使い魔であったが、 3では一転して低コストのトライブサポートA持ちになり、使命の『群への奉仕』を思い出したのか奉仕をし始め、サポートすることも ワルク…ナイ――と思ったのかもしれない。 関連カード カードデータリンク Ⅰ --- Ⅱ ver2.1 Ⅲ --- +編集用コメント *編集が苦手な方はこちらへ情報提供お願いします 名前 コメント 余りにも当Wikiやゲームから逸脱した無関係な雑談や、誹謗中傷めいた暴言、ページに関係ないコメントはおやめ下さい。 wikiは不特定多数の人が利用する場です。プレイヤーの個人名や所属ギルドなどを書き込む行為は慎んで頂きますようお願いします。 個人的な日記として使用するのも控えて下さい。 +コメント *雑談や使用方法などの相談にご利用下さい 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/3573.html
『孤独なれいむと森に住むぱちゅりー』 29KB 制裁 愛情 自業自得 差別・格差 飾り 同族殺し 群れ 青いリボンのれいむの話。 人里近くの山のふもとに、ゆっくりの小さな群れがあった。 危険な野生動物や捕食種もおらず、ゆっくりたちにとってそれなりに暮らしやすいところである。 そんな群れのテリトリー内にある巣穴の一つから、暢気な歌声が響いてくる。 「ゆっゆ~ん♪おちびちゃんかわいいよ~♪」 「まりさのおちびちゃ~ん♪はやくうまれてくるのぜ~♪」 巣穴の中には植物型妊娠をしてれいむと、伴侶と思われるまりさの二匹のみ。 この二匹は数日前に結ばれたばかりの若い夫婦だ。 しかしれいむの頭にある茎には六つの実ゆっくりがなっており、それら全てがすでに生れ落ちるのに申し分ないほどの大きさに育っている。 不意に、茎の先端に実った実ゆっくりがぷるぷると震え始める。 「ゆ~ゆ~…ゆ!?おちびちゃんがうまれおちそうだよ!まりさ、じゅんびしてね!」 「わかったのぜ!」 まりさは帽子を取ると、それを茎の下に敷く。 二匹が固唾を呑んで見守っていると、先端の実ゆっくりが茎から離れ落ちた。 ――ポト 「ゆ……ゆっきゅちちちぇいっちぇね!」 「ゆっくりしていってね!ゆううううううおちびちゃんかわいいよおおおおおおおお!」 「ゆっくりしていってね!まりさのはじめてのおちびちゃんなのぜええええええええ!」 拙い挨拶をする赤ゆっくり(種類はれいむ)を見て感激する二匹。 間をおかずして、次々と実ゆっくりが体を震わせる。 ――ポト 「ゆ……ゆっきゅちちちぇいっちぇね!」 「「ゆっくりしていってね!」」 ――ポト 「ゆ……ゆっきゅちちちぇいっちぇね!」 「「ゆっくりしていってね!」」 そんな調子で五匹の赤ゆっくりが茎から離れ、残りは一匹だけとなった。 「ゆ!?このこでさいごだよ!」 「さいごのおちびちゃん!ゆっくりうまれるのぜ!」 最後の実ゆっくりが震え、帽子の上に落下する。 種類はれいむのようだ。 赤れいむは姉妹たちと同じように、両親に顔を向けてお決まりの挨拶をする。 「ゆ……ゆっきゅちちちぇいっちぇね!」 「「ゆっくりして…ゆ?」」 両親はその赤れいむを見た途端、呆然とした顔になる。 「ゆ?……ゆっくちしちぇいっちぇね!」 赤れいむ(以下末れいむと呼ぶ)は挨拶が聞こえなかったのかと思い、先ほどよりもはっきりとした挨拶を返す。 だが、両親の表情はゆるむどころか、ますます険しくなるばかりだ。 「…なんなのこのきもちわるいこは?」 「…ゆっくりしてないんだぜ」 「ゆ?ゆ??」 突然ゆっくり出来ないことを言い出した両親に困惑する末れいむ。 まさか自分に向けられた発言とは思わず、末れいむはゆっくり出来ない存在を探すために周りをきょろきょろ見回す。 両親はそんな末れいむを無視して、先に生まれた姉妹たちの方に向き直る。 「さ、おちびちゃんたち!あんなゆっくりできないくずはむししてごはんさんにしようね!」 「「「「「ゆわーい!ぎょはんぎょはん!」」」」」 親れいむは茎を振り落とすと、それを租借して柔らかくし、姉妹五匹の前に平等に分け与える。 「「「「「むーちゃむーちゃ!ちあわちぇー!」」」」」 姉妹たちは初めての食事を幸せそう顔で貪り、食べかすをあちこちに撒き散らす。 両親はその様子を満足げな表情で眺めていた。 「ゆ!れいみゅも!れいみゅもおにゃかしゅいた!」 末れいむも家族の団欒に加わろうと、姉妹たちの元へ這って行く。 ――ドン 「ゆびぃ!?」 しかし辿り着く前に、親まりさに体当たりされて吹き飛ばされてしまう。 地面を勢いよく転がったものの、何とか致命傷を負わずに済んだ。 しかし生まれたばかりに経験するにはあまりに強烈な痛みに、末れいむは体を動かすどころか声を発することすら出来ないでいた。 「きもちわるいがきはちかよるんじゃないのぜ!」 「まったく!こんなのがれいむのこどもなんてはずかしいよ!」 「ゆぷぷ!こんなゆっくちできにゃいやちゅしゃっしゃところしぇばいいのじぇ!」 「しょーだよ!くじゅはゆっきゅりできにゃいきゃらこりょしゅべきぢゃよ!」 「おちびちゃんそんなこといっちゃいけないよ!たしかにこいつはくずだけどゆっくりごろしはゆっくりできないよ!」 「そうなのぜ!かわいいおちびちゃんたちはころすなんてことばはつかっちゃいけないのぜ!」 「「「「「ゆっくちりかいちたよ!」」」」」 (ゆ…どおちて…) なぜ自分がこんな目に遭うのか理解できず、涙を流す末れいむ。 しばらくすると満腹になった姉妹たちは眠り、両親もそんな姉妹たちに寄り添って眠った。 その間、家族に一瞥もされることはなかった末れいむは、姉妹たちがこぼした茎のカスを舐めとって飢えを凌ぐしかなかった。 別に末れいむは奇形児でもないし未熟児でもない。 知能や外見に問題はないし、体型も赤ゆ特有の丸い体で健常そのものである。 お飾りが青色であることを除けばだが。 末れいむのお飾りは、れいむ種特有の紅白リボンではなく青と白の二色で彩られたリボンだった。 極々稀にではあるが、ゆっくりの世界ではお飾りが変だったり、元々お飾りがないゆっくりが生まれることがある。 そういうゆっくりは、大抵は生まれてすぐ親や他のゆっくりに殺されてしまい、ゆっくりの社会に出てくることはそうそうない。 だが幸運と言うべきか不運と言うべきか、末れいむのお飾りがおかしなところは『色』だけで他は全く異常がなかった。 そのため辛うじて他のゆっくりから同族と認識されるも、ゆっくり出来ないゆっくりであると判断されてしまったのだ。 それから、末れいむはゆっくり出来ない毎日を送ることとなった。 「やめちぇね!おねえちゃんやめちぇね!」 「ゆ?くじゅのくしぇににゃにかいっちぇりゅよ!」 「おみゃえにゃんきゃまりしゃのいもうちょじゃにゃいのじぇ!」 「ばきゃにゃの?ちにゅの?げりゃげりゃ!」 「くずなゆっくりをいじめるのはたのちいのじぇ!」 姉妹全員にゆっくりできないと罵倒され、体当たりされてボコボコにされる。髪の毛を引っ張られて引きずり回されたり、枝で軽くぷすぷす刺されたりする。 それが生まれてから一日とて欠かさず行われる、末れいむの日課だった。 「ゆ…ゆ…」 「ゆ?みょうはんにょうしにゃくなっちゃのじぇ?」 「まっちゃく、もりょくちぇちゅかえにゃいどうぎゅだにぇ!」 「おちびちゃん!あんまりやりすぎちゃいけないよ、ころしたらゆっくりできないにおいがうつっちゃうからね!」 「「「「「ゆっきゅりりかいちたよ!」」」」」 あまり暴行が激しいようだと両親が止めることがあったが、暴行をやめるように言うことは一度もない。 末れいむと家族同士の触れ合いは一切なく、末れいむの食事は死なない程度の最低限の量しか与えられなかった。 赤ゆっくりたちが子ゆっくりに成長し、巣穴の外に出るようになっても末れいむに対する扱いは変わらなかった。 むしろ群れのゆっくりたちが加わった分、酷くなったと言っていい。 「だれきゃ…たしゅけちぇ…」 「ゆ!こんなところにゆっくりできないくずがいるよ!」 「あのいっかもこんなくずがみうちにいるなんて…かわいそうなのぜ」 「おまえなんかいきてるだけでめいわくなんだよ!さっさとしんでね!」 「しねくず!」 「ゆ……」 群れのゆっくりたちの末れいむに対する反応は、嘲笑するか見下すか罵倒するかのどれかだった。 青い飾りの末れいむはゆっくりの中では異端の存在であり、ゆっくりは異端を『ゆっくり出来ないゆっくり』として排除する傾向が強い。 末れいむが殺されない理由はただ一つ、『ゆっくり殺しはゆっくり出来ない』という本能に刻み込まれた戒律のためだ。 末れいむの味方はどこにもおらず、周りのゆっくりからは常に嫌がらせや暴行を受けていた。 しかしこんな目にあっても、群れの外に逃げ出すという考えは末れいむにはなかった。 誰も助けてくれない状況で一人で生きていけるとは思えなかったし… こんな扱いを受けていても、家族と一緒にいたいという気持ちがあったからだ。 末れいむが産まれて一ヶ月が経った。 まだ子ゆっくりの段階であるにも関わらず、毎日たっぷりと食べてきた姉妹たちと、生きていける最低限の食事しか与えられなかった末れいむとでは、体格にかなりの差が出ていた。 ――ポスン、ポスン 「おねーしゃんぱしゅなのじぇ!」 「ゆゆ!ゆっくりりかいしたよ!」 「ゅ……」 その日もいつものように、末れいむは姉妹たちに追い掛け回されてボール代わりにされていた。 最近は末れいむも泣き喚くようなことはせず、体当たりされようと何されようと黙って為すがままにされるようになっていた。 今までの経験から、姉妹たちが飽きるのを待ってじっと耐え忍ぶのが最もダメージが少ないと学習したからだ。 「ゆゆ!みんなまっちぇね!」 「「「「ゆ?」」」」 不意に姉妹の一匹が、何かに気づいたように姉妹たちに声を掛ける。 気がつくと子ゆっくりたちの目の前には、日の光もろくに差さないような深い森が見えていた。 「このもりはたしかゆっくりできないもりだよ!おかーさんやおとーさんがちかづいちゃいけないっていってたばしょだよ!」 「ゆゆ!おみょいだしたのじぇ!このもりには『ゆっくりできないゆっくり』がいるってきいたのじぇ!」 「ゆ!れいみゅもおもいだしたよ!」 「はやきゅここからはなれりゅのじぇ!」 この森は群れのゆっくりたちの間で、ゆっくり出来ないゆっくりが住んでいる、ゆっくり出来ない場所と伝えられている。 そのため群れの子ゆっくりは、親からこの場所に近づいてはいけないと何度も注意されていた。 「ゆ、ゆっくりここからはなれりゅよ!」 「「「「ゆっくちりかいちたよ!」」」」 長女れいむの号令で、姉妹たちは一斉に森から離れていく。 「ゆ…まっちぇ…れいみゅをおいてかにゃいで……」 意識が朦朧とする中、末れいむは姉妹たちに助けを求めるも、姉妹たちはすでにその場からいなくなっていた。 「ゆぐ…ゆぐ……おとーしゃん…おかーしゃん…おねえちゃん……」 決して報われることのない家族への思いを胸に、末れいむはその場で静かに泣きじゃくっていた。 しかし、そんな末れいむに近づく一匹のゆっくりがいた。 「むきゅ、そこのれいむ。どうして泣いてるのかしら?」 「…ゆ?」 末れいむが顔を上げると、そこには一匹の成体ぱちゅりーがいた。 群れのゆっくりたちとはどこか違う雰囲気を持っており、帽子に特徴的な模様が彫られた木製のバッチが付いている。 「酷い怪我ね…大丈夫?」 「……おねーちゃん……だりぇ?」 「ぱちぇはこの森で暮らしてるものよ。 とりあえず手当てが必要ね、ぱちぇのお家に連れてってあげるわ」 ぱちゅりーは末れいむを頭に抱えると、森の奥へと移動した。 しばらくすると、朽ち果てた巨木が見え、巨木の根元にはゆっくりが一匹分通れる穴が開いている。 ぱちゅりーは末れいむと一緒に、その中へと入っていった。 「むきゅ、ちょっと待ってなさい」 ぱちゅりーは末れいむを柔らかい干草の上に寝かせると、目の前に花や甘い草をすり潰したものを置いた。 「お腹がすいてるでしょう、まずはこれを食べなさい」 そういうとぱちゅりーは巣の奥に移動し、なにやらごそごそと探している。 末れいむはぱちゅりーと目の前の食事を交互に見た後、恐る恐るといった様子で口にした。 「むーちゃ…むーちゃ…ち、ちちちちあわちぇえええええええええ!」 普段食べているものとは比べ物にならないほどおいしい食べ物に、末れいむは感動の涙を流す。 苦くて硬い草しか食べてこなかった末れいむにとって、それは革命的と言っていいほどの食事だった。 末れいむが食事を終えたのを見計らって、ぱちゅりーは綺麗な葉っぱで末れいむの体を拭き、何か液体を末れいむの傷口に塗っていく。 傷口にそれを塗られるたびに、末れいむの体からは傷が消え痛みが引いていった。 「これで良し、と。しばらく安静にしてればすぐに良くなるわ」 「ゆ!ぱちゅりーおねえちゃんありがちょう! ……ぱちゅりーおねえちゃんはれいみゅをいじめにゃいの?」 「むきゅ?おかしなこというわね。こんな可愛らしい子を虐めるわけないじゃない」 「けど…れいみゅのおかざりしゃん、へんでしょ?」 「ぱちぇは別に変だと思わないわ。鮮やかな青色をした、綺麗なお飾りじゃない」 「ほんちょ!?えへへ…」 今まで虐げられる原因だったお飾りを初めて褒められた嬉しさから、末れいむは恐らく生まれて初めての満面の笑みを浮かべる。 「ところでれいむ、あなたはどうしてあんな場所で倒れていたのかしら?」 「ゆ……しょれは…」 末れいむは自分が生まれてからどんな目に遭って来たか、家族や群れのゆっくりたちからどういう目で見られてきたか、 森の近くで倒れていたのは姉妹たちに追いかけまわされたから、ということなどを全て話した。 ぱちゅりーは末れいむの話が終わるまで一言も口を挟まず、黙って耳を傾けていた。 「むきゅ…苦労したのね」 「ぱちゅりーおねえちゃんは、どうちてこんにゃところにひとりでくらしちぇるの?」 「ぱちぇも昔は群れのゆっくりの一員だったのよ。けど群れの皆とはそりが合わなくて、群れから離れてここで暮らすことになったの」 「ふーん…ぱちゅりーおねえちゃん、これにゃーに?」 末れいむは先ほど自分の体に塗られた液体を、ぱちゅりーに尋ねる。 「これはさっきれいむが食べたこの草をすり潰して水で溶いたものよ。わずかな甘みがゆっくりの治癒能力を促進させるの。 軽い怪我ならこれを塗るだけですぐに治せるわ」 「ゆ!しょんなことをしってるにゃんて、ぱちゅりーおねえちゃんはしゅごいにぇ!」 「むきゅ、それほどでもないわ」 「ゆ、おしょとがくらくなってきちゃよ!しょろしょろむれにかえらにゃいと」 「……大丈夫なの?」 「ぱちゅりー…れいみゅはおうちにかえりちゃいよ」 「そう…分かったわ。 森の中を跳ねてたら迷ってしまうでしょうから、ぱちぇが群れの近くまで案内してあげるわ」 巣穴の外へ出たぱちゅりーは末れいむを連れて、森の中を移動する。 しばらくすると、末れいむとぱちゅりーは遠くに群れの広場が見える場所まで辿り着いた。 「ゆ!ここからはひちょりでだいじょうぶだよ!」 「そう、じゃあ案内はここまででいいかしら」 末れいむは群れの方へと跳ねていく。 ぱちゅりーは末れいむを見送るように、じっと後姿を見ている。 「…ぱちゅりーおねえちゃん」 少し進んだところで不意に末れいむは足を止め、ぱちゅりーの方へ向き直る。 「あら、なにかしら?」 「…また、ぱちゅりーおねえちゃんのところにいっちぇもいい?」 「もちろんよ、機会があったらここに来なさい。ぱちぇはいつでもれいむのことを待っているわ」 「…ゆ!ありがちょうぱちゅりーおねえちゃん!」 末れいむは群れの方へと意気揚々と跳ねていく。 ぱちゅりーは末れいむの姿が見えなくなったのを確認すると、森の奥へと消えていった。 「ゆ!?くずがかえってきたのぜ!」 「あのゆっくりできないもりにいったんだってね!おおおろかおろか!」 「くじゅはやっぴゃりくじゅなのじぇ!げりゃげりゃ!」 「くじゅははやきゅしんだほうがいいのじぇ!」 家に帰ってきた末れいむを待っていたのは、普段と変わらない日常だった。 いつものように姉妹たちから暴行を受け、両親からは嘲笑される。 だが、末れいむの心にいつも感じていたような絶望はない。 今日初めて、自分と接してくれるゆっくりと出会えた。そのことは末れいむにとって大きな活力になった。 またぱちゅりーに会いたい、会えるかもしれない…そんな思いを胸に、末れいむは眠りについた。 それから末れいむは、群れのゆっくりたちの隙を見ては、群れの外に出るようになった。 姉妹が目を離した隙や、一家が狩りに出ている最中、家族全員が昼寝をしているときなど… 隙を見つけては森に入り、ぱちゅりーのところに足繁く通った。 「ぱちゅりーおねえちゃん!ゆっくちちていってね!」 「むきゅ、いらっしゃいれいむ。ゆっくりしていってね」 ぱちゅりーはれいむに様々なことを教えた。 本来親が教えるべき狩りの知識や食べられるものの区別、巣穴の作り方、ちょっとした生活の知恵、捕食種や野生動物への対処方法などなど。 そして、人間のことについても教えた 「むきゅ、今日は人間さんについてのお話をしましょう」 「ゆ?にんげんさんってなに?」 「人間さんというのは、ぱちぇたちゆっくりよりも体が大きくて、ゆっくりよりも遥かに力が強くて賢い生き物よ。 群れの北の方にも、大勢の人間さんが住んでる場所があるわ」 「ゆー!そんないきものいるの!?れいむにんげんさんにあってみたいよ!」 「ダメよ、人間さんには不必要に近づくべきではないわ」 「ゆ、どうして?」 「人間さんは、自分のテリトリーを荒らすものは決して許さないわ。 人間さんの一番怖いところは、力が強いところでも頭がいいことでもない、敵と認めたものに対しては一切容赦しないところよ。 例えれいむに悪意がなくても、人間さんに見つかっただけで殺されるということだってありえるのよ」 「ゆ…にんげんさんってこわいね」 「人間さんにはいろんな人がいるのよ。 私たちゆっくりに友好的な態度を示してくれる人もいれば、敵意を持って接してくる人もいるわ。 …少なくとも今は、出来るだけ関わらないほうがいいと思うわ」 「ゆっくりりかいしたよ!」 末れいむはぱちゅりーから授かった狩りの知識を生かして栄養があるものを採取し、どんどん体が大きくなっていった。 その分姉妹たちの暴力も過激になっていったが、体が丈夫になるにつれて深い傷を負うことがほとんどなくなった。 いつしか末れいむの体は、姉妹たちと寸分違わぬくらいの大きさまで成長していた。 末れいむが成体ゆっくりより一回り小さいくらいまで成長した頃… 季節は秋になり、紅葉が散り始める時期になっていた。 群れでは大量の食料を巣穴に溜め込み、冬篭りの準備を始めなければならない時期でもある。 しかし… 「ゆゆ!おかしいよ!むしさんやはなさんがぜんぜんとれないよ!?」 「どうしておはなさんもむしさんもいないのおおおおおお!?」 「しょくりょうがぜんぜんたりないんだぜ!これじゃふゆをこせないんだぜ!」 群れの近くにある狩場では、獲物が全く採れなくなったのだ。 理由は単純なもので、単に群れのゆっくりが増えすぎたために自然の恵みの生産量が消費量に追いつかなくなっただけのことだが、群れのゆっくりたちにそんなことは分からない。 群れの中に打開策を考えるものはほとんどいなかった。 ゆっくりたちはただただ目の前の問題を嘆くのみで、現状に対する不満をぶつける相手を必死で探していた。 「ゆゆ!わかったよ!」 『ゆゆ!?』 「きっともりにいる『ゆっくりできないゆっくり』がたべものをひとりじめしてるんだよ!」 そして、群れのゆっくりたちは不満をぶつける相手として、森に住むぱちゅりーを選んだ。 「ゆー!なんてことなんだぜ!」 「まえからゆっくりできないとおもってたけど、そんなことまでするなんてさいていのげすなのぜ!」 「せいっさいがひつようだよ!」 「せいっさい!せいっさい!」 群れのゆっくりたちはぱちゅりーを制裁しようという気運が高まっていく。 それの様子を少し離れた場所で見ていた末れいむは、脇目も振らずにぱちゅりーのところへと向かった。 (このままじゃぱちゅりーがころされちゃうよ!はやくしらせないと…) ぱちゅりーの巣穴に辿り着いた末れいむは、すぐさま中へと入る。 「たいへんだよぱちゅりー!むれのゆっくりたちが…ゆ!?」 巣穴の奥で末れいむが見たものは、地面に倒れて蹲まっている弱弱しい様子のぱちゅりーの姿だった。 「ぱちゅりー!?どうしたの!?」 「むきゅ…れいむかしら…ゆっくりしていってね…どうしたの、そんなに慌てて…?」 「ゆ!じつは…」 末れいむは群れの近辺で食料が採れなくなったこと、群れのゆっくりたちはその原因をぱちゅりーのせいにしていること、 ゆっくりたちはぱちゅりーを制裁しようとしていることを説明した。 「このままここにいたらころされちゃうよ!だからはやくにげないと…」 「……ごめんなさいれいむ…ぱちゅりーは逃げられないわ…」 「ゆううう!?」 「ぱちぇは今まで随分長く生きてきたわ…それこそ群れの大人たちの誰よりも長く…だからもう体がまともに動かないの…」 「そ、そんな…」 ぱちゅりーはゆっくりとしてはかなりの高齢であり、そろそろ寿命が近いことを末れいむに説明した。 「だかられいむ…ぱちぇに構わずここから逃げなさい……ここにいたられいむまで殺されてしまうかもしれないわ…」 「い、いやだよ!ぱちゅりーとはなれたくないよ!」 ぱちゅりーはしばらく無言になると、帽子についていた木のバッチを外し、末れいむに渡した。 「人間さんが住んでる場所は、以前教えたわよね……これを持ってそこに行きなさい…」 「ゆ、それはぱちゅりーの…」 「このバッチは…お兄さんがぱちぇを識別するために特別に作ってくれたものなの……これを見せて事情を説明すれば…きっとれいむを保護してくれると思うわ」 「おにいさん…?」 「…ぱちぇはね…元々は人に飼われるゆっくりだったのよ」 かつてぱちゅりーは都会のゆっくり専門ペットショップで生まれたゆっくりだった。 成体で、しかも体が弱い不良品として処分される寸前だったぱちゅりーは、田舎から上京していたある男性に買われることとなった。 山に囲まれた僻地にある小さな村で暮らすことになったぱちゅりーは、飼い主や村人たちにとても大切に育てられた。 ぱちゅりーはそんな人間たちから様々な知識を学び、飼い主や村人たちに日々感謝した。 そして、多くのゆっくりと人間がいがみ合う関係にあることを知ったぱちゅりーは、いつしか『人間とゆっくりが互いを想い合う関係』を作るという夢を持つようになった。 ぱちゅりーは夢を実現するために、まずは野生のゆっくりに接触する必要があると考え、飼い主に頼んで近くの山に住むゆっくりたちの群れに、自分を捨ててくれるよう頼んだ。 飼い主と周りの村人たちは当然猛反対したが、結局ぱちゅりーの説得と強固な決意に折れた。 そこで飼い主が、いつでも帰ってきていいようにと、目印として帽子に模様を彫った木のバッチをつけさせたのだ。 「けど、ぱちぇの話を聞いてくれるゆっくりは誰もいなかったわ……皆人間さんのことを見下すだけで、人間さんのことを一つも知ろうとしない…… そのうち群れの皆はぱちぇのことを鬱陶しく思うようになって、ぱちぇを群れの外へと追い出したの」 「……」 「それからぱちぇは…群れの近くのこの森で、ぱちぇの話を聞いてくれるゆっくりが現れるのを待っていたわ…… ふふ、待ってた甲斐があったわ……れいむ、あなたに会えたのだから」 「ぱちゅりーおねえちゃん…」 「さ、もう行きなさい……群れのゆっくりたちと鉢合わせしたら大変だわ…」 「…さいごに、ひとつだけいい?」 「なにかしら…?」 「…おかあさんって…よんでいい?」 しばらく無言になる二匹。 おもむろに、ぱちゅりーはれいむに顔を寄せ、すーりすーりをした。 「…例え餡子は繋がってなくても……あなたはぱちぇの自慢の娘よ」 「ゆぐ……ぱちゅりー…おがあざん!」 そのまましばらく頬をすり合わせ、二匹はそっと離れる。 時間にして一分にも満たない頬ずりだったが、二匹にはそれで十分だった。 「さ…もう行きなさい」 「……!」 末れいむは名残惜しさを振り切るように、巣穴から飛び出していった。 巣穴から少し離れたところで、不意に背後から大勢のゆっくりの声が聞こえてくる。 ――ゆ!みつけたよ!ここがげすのすみかだよ! ――げすはせいっさいしてやるんだぜ! 末れいむはゆっくりたちの怒号を背に受けながら、森の奥へと消えていった。 翌日―― ぱちゅりーへの『せいっさい』を終えてひとまず満足した群れのゆっくりたちだが… 当然、群れの食料事情は一向に改善しなかった。 「ゆゆ!おかしいよ!むしさんやはなさんがぜんぜんとれないよ!?」 「しょくりょうがぜんぜんたりないんだぜ!これじゃふゆをこせないんだぜ!」 「ゆっくりできないゆっくりはせいっさいしたのにどうしてごはんさんがないのおおおおおおおお!?」 結局わめき散らすことしかしない群れのゆっくりたち。 しかし一匹のれいむがまた、事態を動かす発言をする。 「ゆゆ!こんどこそわかったよ!」 「ゆゆ!?」 「げすぱちゅりーがにんげんさんとなかよくしようとか、わけのわからないことをいってたよ! きっとぱちゅりーはげすなにんげんとてをくんで、ゆっくりしてるれいむたちにいじわるしたんだよ!」 「ゆううう!?それはきづかなかったのぜええええ!」 「それならげすにんげんもせいっさいしないといけないね!」 『せいっさいせいっさい!』 そして群れのゆっくりたちは、今度は人間を『せいっさい』の対象として選んだ。 ぱちゅりーの話を全く聞いていない群れのゆっくりたちの人間に対する認識は、『ばかでおろかでゆっくりできないいきもの』ということのみであり、 人間はどのような存在か、どれだけの力量を持っているかということを知っているゆっくりは、末れいむを除いて皆無だった。 愚かなことに、ぱちゅりーの『せいっさい』に成功したゆっくりたちは、人間に対する『せいっさい』も、同じように成功すると信じて疑わなかった。 「けど、くそにんげんはどこにいるのかわからないよ…」 「そういえばげすぱちゅりーがいってたのぜ!おやさいさんはにんげんがそだててるって! いぜんまりさはおやさいさんをとってきたことがあるけど、きっとそこににんげんがいるのぜ!」 「すごいわまりさ!なんてあたまがいいの!?」 「ゆへへ、それほどでもないんだぜ!」 「じゃあまりさ!れいむたちをそこまであんないしてね!」 「まかせるんだぜ!みんなでくずにんげんをせいっさいしにいくのぜえええ!」 『ゆっゆおー!!!』 以前人里の畑に侵入し、野菜を盗むで生還したゆっくりが群れを先導する。 赤ゆや子ゆも含めた群れの全てのゆっくりが、人里に向けて出発した。 ゆっくりたちは群れを出て北の方に向かってただひたすら跳ねていくと、急に視界が開けた場所に出た。 そこには茅葺屋根で出来た家があちこちに点在し、家の近くには田んぼや畑がいくつもあった。 ゆっくりたちがまず目にしたのは、色とりどりの野菜がたわわに実った、大きな畑だった。 「ゆゆ!おやさいさんがいっぱいあるよ!」 「あれだけのおやさいさんをひとりじめするなんて…ゆるせないんだぜえ!」 「あのおやさいさんはぜんぶれいむのものにするよおおおお!」 「ぜんぶまりささまがむーしゃむーしゃするんだぜええええ!」 畑を前にした途端、当初の目的を忘れて畑に殺到するゆっくり。 『おやさいさんをゆくりたべるよ!』 畑に侵入し、野菜を食べようとした瞬間… 「今だ!」 不意にどこからか掛け声がし、それと同時にゆっくりたちの上に網がかかって身動きが取れなくなった。 「ゆゆ!なんなのこれ!」 「うごけないんだぜ!?」 網に絡まって右往左往するゆっくりたち。 ゆっくりたちの周りを、いつの間にか大勢の人間が取り囲んでいた。 「ゆ!くそにんげんがいるよ!」 「おいくそにんげん!まりさたちをここからだすのぜ!」 「なにぼけっとしてるの!?はやくしろおおおおおお!」 「げすなにんげんはしねええええええええ!」 「おやさいさんをむーしゃむーしゃさせろおおおおおお!」 人間たちの集団から、一人の男と一匹のゆっくりが前に出る。 男の方は見た目はごく普通の青年で、ゆっくりの方はあの一家に虐げられていた末れいむだった。 末れいむのリボンには、ぱちゅりーから託された木製のバッチが付いている。 「ゆゆ!くずがいるのぜ!」 「どおしてくずがそこにいるのおおお!?」 「おいくず!まりさたちをたすけるんだぜ!」 「はやくしろくず!」 たまたま男と末れいむに一番近い位置にいた末れいむの家族が、末れいむに対して助けを求める。 しかし末れいむは群れのゆっくりたちを悲しそうな目で見るだけで、一向に行動を起こそうとしない。 「…れいむ、こいつらとは知り合いなのか?」 「このゆっくりたちは、れいむのおやとしまいだよ」 「そうか…」 「ゆっがああああああああああああ!なにしてるんだぜえええええええ!?はやくまりさたたちをたすけろおおおおおおおお!」 「まぁ待てお前ら、まずは俺の質問に答えてくれないか」 れいむの横にいた男が、ゆっくりたちに声を掛ける。 「ゆゆ!なんでくそにんげんのしつもんにこたえなきゃいけないの?ばかなの?しぬの?」 「質問に答えてくれたら、あまあまをやるよ」 「ゆ!あまあま!?」 「はやくよこすのぜ!」 「よこせ!よこせえ!」 「あまあま!あまあまあああ!」 あまあまという言葉を聞いて騒ぎ出す群れのゆっくりたち。 あまあまを貰ったところで拘束を解いてもらわなければ、結局何の意味がないのだが…群れのゆっくりたちはとりあえず目先の利益に飛びつくことしか頭に無かった。 男はゆっくりたちに問いかける。 「お前たちは何でここに来たんだ?ここはお前たちが住んでるところからも大分離れているはずだ」 「そんなのきまってるよ!くそにんげんをせいさいするためだよ!」 「やまからたべものがとれなくなったのはおまえらくそにんげんのせいなのぜ!」 「れいむたちがかわいいからってしっとするのはみぐるしいよ!ゆっくりしゃざいしてね!」 「山の恵みが足りなくなったのは、単にお前たちゆっくりの数が増えて自然の恵みが減っただけだろう。ぱちゅりーから教わらなかったのか?」 「ゆ?ぱちゅりーって…もしかしてあのゆっくりできないぱちゅりー?」 「あのゆっくりできないぱちゅりーならまりさたちがせいっさいしてやったのぜ!」 その発言を聞いた途端、男や末れいむを含めた全ての村人の纏う空気が変わった。 「…なんで殺したんだ?」 「あのぱちゅりーがゆっくりできなかったからだよ!」 「いつもいつもれいむたちのじゃまばかりして!」 「こどもをつくるのはゆっくりできなくなるとか、わけがわからないことをいってたし!」 「とかいはなこーでぃねーとにかってにくちだししたこともあったわ!」 「あんなくずしんでとうぜんだね!」 「だからこのまえげすぱちゅりーをせいさいしてやったのぜ!」 「あのぱちゅりーをみつけたときは、れいむたちにおそれをなしてそのばでぶるぶるふるえてたよ!ゆぷぷ!」 「まずはおうちからひきずりだして、おかざりをひきさいてやったのぜ!」 「もみあげもひきちぎってやったよ!そのあとぼーるにしてあそんであげたよ!」 「ぼーるあそびのさいちゅうにはんのうをかえさなくなったから、そのあとはおめめやまむまむをぷーすぷーすしてやったよ!」 「さいごはぜんいんでぼこぼこにたいあたりをしてつぶしてやったのぜ!なかみがとびちるさまをみたときはすっきりーしたのぜ!」 「けどはんのうがにぶくていまいちだったのぜ!さいごまでもろくてつかえないどうぐだったのぜ!」 『げらげらげらげらげらげらげらげらげらげら!』 ぱちゅりーをどのようにしてなぶり殺しにしたか、それを嬉々として語るゆっくりたち。 男の方は表情を硬くして拳を硬く握り締め、末れいむは顔を伏せて体を震わせている。 ――グチャ 『……ゆ?』 不意にゆっくり出来ない音が聞こえて、群れのゆっくりたちは音がした方向を見てみる。 そこには怒りの表情でクワを振り下ろした村人と、クワに潰された一匹のれいむの姿があった。 『ゆ…ゆぎゃああああああああああああああああ!?」 「いきなりなにするのおおおおおおおおおおおおお!?」 「よくもれいむをころしたなああああああああああああ!」 「ゆっくりし…」 「死ぬのはお前らだ糞共がぁ!」 そう叫んだ村人の声を皮切りに、激昂した村人たちは群れのゆっくりたちを足や鍬を使って潰し始める。 次々と潰されていく同族を見て、鈍感な群れのゆっくりたちはようやく命の危険を感じた。 「ご、ごめんなざいいいいいいい!」 「ごろざないでえええええええ!」 「やめるのぜ!まりさをころしたら…えぎゅ!?」 周りのゆっくりたちが殺される様子を、末れいむの一家は怯えながら見ていた。 一家は男の傍にいる末れいむに助けを求める。 「お、おいくず!はやくれいむたちをたすけろ!」 「なにぼーっとしてんだくずううううううううう!」 「はやくまりさたちをたすけるのぜえええええええ!」 「さっさとしろおおおおおおお!こののろま!くず!」 「れいむたちをたすけたらさっさとしねええええ!」 一家は末れいむに、自分たちを助けるよう必死で命令する。 末れいむはそんな一家を感情の篭らない目で見ていた。 「…れいむ、こいつらをどうするかはお前が決めていい」 「いいの?おにいさん」 「俺たちにとってこのゆっくり共はぱちゅりーの仇だが、こいつらは…ぱちゅりーの忘れ形見であるお前の家族でもあるからな。 れいむがこいつらを殺さないでと言うのなら、見逃してやってもいい」 「「「「「「「ゆ!?」」」」」」」 男の言葉を耳にした一家は、自分たちの運命が末れいむの一言によって決まることを理解した。 途端に一家は態度を一変させ、媚びへつらうような口調で末れいむに命乞いをする。 「れ、れいむのかわいいおちびちゃん!れいむたちをたすけてね!」 「まりさたちをたすけるのぜ!おちびちゃんはまりさたちのかぞくなのぜ!」 「いままでいじめてごめんね!おねえちゃんはれいむのことだいk…すきだよ!」 「くz…れいむ!おねがいだからまりさをたすけるのぜ!」 「れいむもまりさたちといっしょにいたいのぜ!?そうなのぜ!?」 「そうにきまってるのぜ!れいむはまりさたちのことがすきなのぜ!」 「だってれいむたちはあんこがつながったかぞくなんだからね!」 一家の言葉を受けて末れいむは一度顔を伏せると、再び顔を上げる。 その顔には先ほどまであった悲しみの表情は一切なくなり、怒りと憎しみと恨みに染まっていた。 「…おまえたちなんてかぞくじゃないよ」 「「「「「「「……ゆ?」」」」」」」 「れいむのかぞくは…おまえたちがころしたぱちゅりーおかあさんだけだよ。 ぱちゅりーおかあさんをころしたおまえらは…………ゆっくりしないでしねえええええ!」 「ゆっがああああああなにいってるのぜええええええええ!?」 「このおんしらずうううううううううううう!」 「このくずがああああああ!したてにでてればちょうしにのりやがってええええええええ!」 「決まりだな」 男は鍬を抱えると、一家に向けて振り下ろす構えを占める。 「ああああああああああああああああああいやだいやだああああああ!しにたくないいいいいい!」 「いやだあああああああああ!まりささまはこんなところでしんでいいゆっくりじゃないのぜええええええ!」 「だずげでえええええええええ!くずどいっでごべんなざいいいいいいいい!」 「く…れいぶざま!まりざだぢをだずげでぐだざいいいいいいいい!おねがいでずうううううううう!」 「くずれいぶうううはやぐだずげろおおおおおおおお!」 男は鍬を振り下ろす。 一家が断末魔を上げる様子を淡々とした表情で眺める末れいむ。 しかし、餡子を分けた家族と別れる悲しさによるものか、仇を取れた嬉しさによるものか、それとも両方なのか… 末れいむの目からは一筋の涙が流れ落ちた。 後書き 最後まで読んでいただきありがとうございます。 いろいろと大変(リアル事情とかSS書きとしての腕前とか集中力とかその他もろもろ)でしたが、何とか書き上げることが出来ました。 よろしければご意見ご感想をお願いします。 「10作品未満の作者4スレ目」 http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13854/1299127853/ ではでは。 過去の作品 anko0857 願いの果てに anko3412 親の心子知らず anko3430 子ありすと都会派な人形 anko3445 ある群れの越冬方法 anko3464 とある一家のお話
https://w.atwiki.jp/pokemonxy/pages/138.html
すばやさ努力値稼ぎは15番道路でつりもおすすめ。バスラオ、ニョロゾしか出現せずどちらも+2 -- (名無しさん) 2013-10-19 20 29 23 こうげき14度y路であまいかおりアボ・マダ -- (名無しさん) 2013-10-20 00 05 09 群れバトル、パワー系とポケルスで+50を確認。(ゴクリン、コダック、ハネッコ) -- (名無しさん) 2013-10-20 12 31 54 5番道路群れバトルはズルッグ(攻撃+1)も出現。 -- (名無しさん) 2013-10-21 13 07 14 どげみは木の実栽培で突然変異で手に入る。 -- (名無しさん) 2013-10-21 13 40 03 地つなぎの洞穴,キバゴとズバットの他に高確率でゴニョゴニョが出てくるからやり辛いね -- (名無しさん) 2013-10-21 19 24 53 地つなぎよりもズルッグのほうがA稼ぎやすい。 キバゴほんとに出てきにくい -- (名無しさん) 2013-10-21 21 25 00 Sは12番道路だかでキャモメ狩った方が効率いいだろ ズバット狩りは上でも言われてるようにゴニョの遭遇率高い -- (名無しさん) 2013-10-22 09 01 50 確かにキャモメ倒したほうが格段に早かった -- (名無しさん) 2013-10-22 17 37 50 Cも静電気持ちで12番だと結構楽。Sと一緒に進行できるので捗ります。 -- (名無しさん) 2013-10-23 17 49 17 Aは19番道路のウツドンが良いんじゃ… -- (名無しさん) 2013-10-24 20 18 09 12番道路での努力値稼ぎを追加しました。 -- (名無しさん) 2013-10-25 00 33 32 とくこうは7番道路だとハネッコ率高いので、12番のが楽かもしれないです -- (名無しさん) 2013-10-25 00 34 24 稼ぎ・努力値・群れバトルのページで群れ努力値稼ぎのオススメ場所の記述が重複してるね -- (名無しさん) 2013-10-28 01 05 32 ポケルスになったポケモンが、がくしゅうそうちでもポケルスの効果を受けることを確認。 がくしゅうそうちON、パワーリストを持たせてポケルスついたポケモンを用意。 ズルック×5を上記ポケモン以外で倒すと、上記ポケモンのAが50ポイント上がった。 -- (名無しさん) 2013-11-03 02 27 06 群れ19道路にグライガー(B+1)でるので注意 -- (名無しさん) 2013-11-10 14 44 02 ウツドンはけっこうな確率で出てじしん等で倒しやすい上に経験値も多いので A極振りの場合、持ち物だけ変えて他の努力値もウツドンでやっちゃう -- (名無しさん) 2013-11-11 00 23 17 表にポケモンの種類の隣くらいに目的外のポケモンの種類も併記したいね -- (名無しさん) 2013-11-18 23 59 58 努力値稼ぎの場所は群れバトルしか書かない方針なの? -- (名無しさん) 2013-11-29 05 56 43 群れ以上に良い稼ぎなさげ -- (名無しさん) 2013-11-30 16 05 54 群れで稼いだ後の残りを振る場合群れじゃない方がいいこともある -- (名無しさん) 2013-11-30 16 25 23 自分はあまりはスパトレで振っちゃうけど 載せて見てもいいんじゃないかな -- (名無しさん) 2013-11-30 20 46 23 ・ポケルスなしで+1を倒せば+5 ・ポケルスなしで+2を倒せば+10 ・ポケルスなしで矯正ギプスを持たせて+1を倒せば+10 ・ポケルスなしで矯正ギプスを持たせて+2を倒せば+20 ・ポケルスなしでパワー系を持たせて+1を倒せば+25 ・ポケルスなしでパワー系を持たせて+2を倒せば+30 ・ポケルス有りで+1を倒せば+10 ・ポケルス有りで+2を倒せば+20 ・ポケルス有りで矯正ギプスを持たせて+1を倒せば+20 ・ポケルス有りで矯正ギプスを持たせて+2を倒せば+40 ・ポケルス有りでパワー系を持たせて+1を倒せば+50 ・ポケルス有りでパワー系を持たせて+2を倒せば+60 -- (名無しさん) 2013-12-05 02 53 44 ・とりあえずこうげきのところのズルッグがなんできえてるんだ? 明らかに他の二つよりやり易いんだが・・・(ゴクリンもでるけども -- (名無しさん) 2014-01-27 04 58 24 それ思った。もし異論がなければ復活させたいんだが、消した人がいるなら理由求む。 -- (名無しさん) 2014-01-29 21 43 11 久しぶりに見たけど、なんか表変わってるよな。アーボとかいたような気がするし、素早さってこんなだっけ? -- (名無しさん) 2014-02-07 23 51 35 ひとます元に戻した。元々群れでの稼ぎ用のページを参照する形になっているのだが、途中でこのページ独自の表に書き換えられていた。 -- (名無しさん) 2014-02-08 02 33 46 ポケモンを倒して手に入る基礎ポイントより、パワー系から得られる基礎ポイントの方が優先される模様 -- (名無しさん) 2014-03-03 02 08 12 映し身の洞窟で努力値上げはやめとけ。ソーナンス出てきて泣いた。。。 -- (名無しさん) 2014-05-02 23 38 40 HPは20番道路がダンチで稼ぎやすいね。イーブイのを上げるのは面倒だけど、ズルッグやらが出るよりマシなレベル -- (名無しさん) 2014-07-11 22 13 52 フレンドサファリの努力値は間違ってる所が多いので振る前に別サイトとかでチェック必須 -- (名無しさん) 2014-08-01 22 01 17 たうりんとかやって100にしたあとぱわーけーあいてむをもたせてむればとるをやるときは なんかい群バトルやればいいですか? -- (名無しさん) 2014-08-23 12 06 14 算数でおk -- (名無しさん) 2014-08-26 22 25 11
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau9/pages/1109.html
[甘い話には裏がある] 1.ドスまりさに出てもらいました 2.人間は直接手を下しません 3.制裁でも、虐待でもないと思います 4.行間を読まないとすっきりできないかもしれません それでもよろしければ、読んでください。 ドスまりさはゆっくりしていた。 ここには、餌となる植物や昆虫が豊富で水場も近い。野生の動物も少なく、捕食されることもさほど多くない。 群れはどんどん大きくなり、みなゆっくりしていた。 ここに移って良かった……ドスまりさはつくづくそう思っていた。 前の場所ではゆっくり出来なかった。「条約」のお陰で人間が来ることは無かったが、ほかの動物はそう ではない。野生のオオカミ、トラといった大型の捕食種からタカやワシのような猛禽類などから、野良イヌやタヌキ、キツネ、れみりぁ、ふらんに至るまで被害は耐えなかった。 そのため、群れのゆっくりは常に出産し続けることで群れを維持するしかなかった。その結果、成体のほぼ半分は食料集めに出ることが出来ず、食料は常に不足していた。行動範囲が必然的に狭くなるゆえ、植物や昆虫の再生スピードを遥かに超える勢いで自然は削られていった。 もうここではゆっくりできない。もはや緑の山が茶色になりかかってからようやく、決断したドスまりさと側近達は移住を開始することにした。時は既に常緑の夏を超え、収穫の秋を迎えていたことが決断を支えたといっても良い。若菜を食い尽くしたこの場所では冬に備えて餌を探すこともままならない。ならば、新たな場所で探すしかないのだ。 新たな場所までたった3里の道のりであったが、生まれた山から出たことが無いゆっくりたちには過酷なものであった。道中で一体何匹のゆっくりが動物に襲われ、何匹のゆっくりが餓死していったか。 半生半死で群れが新しい山に着いたときは群れのゆっくりは既に当初の3割程度にまで激減していた。 「ゆゆっ、ここをまりさたちのゆっくりプレイスにするよっ!!」 「ゆっくりりかいしたよ!」 ドスまりさは疑うべきだった。餌場が豊富で捕食者が少ない山……ならば、なぜそこにはどこにでもいるはずのゆっくりたちが住んでいない? 野生に生きる動物はいくら警戒をしてもし足りることはない。ドスまりさの迂闊な判断は後に大きな後悔を伴って跳ね返ってくることになった。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 ある日、群れのいる山に一人の男と一匹のゆっくりれいむが入ってきた。 「ゆゆっ? おじさんたちだれなんだぜ? ゆっくりできるできるだぜ?」 見慣れぬお兄さんを見つけたゆっくりまりさが頬に空気を溜めて威嚇しながら話しかける。 「ああ、ゆっくりできる人だよ。」 「れいむはゆっくりできるゆっくりだよ」 「……………きれいなんだぜ」 ズキュゥゥゥゥゥン!! まりさはれいむのあまりの美ゆっくりっぷりに目を奪われていた。 なんというゆっくり。髪は漆黒と言う文字が思い浮かぶほど黒々として艶があり、リボンは染み一つなくたおやかな紅白に彩られていた。極めつけはまるまるとした球体の顔のもちもちとした感触。 親愛のすりすりをしたまりさには分かってしまった。このゆっくりは百匹、いや千匹に一匹の美ゆっくりだ…一緒にすっきりー!!したい。一緒にゆっくりした子供を育てたい。まりさとの子供はきっと群れで一番ゆっくり出来る子供になるはずだ。 「ところで、まりさ。君達の群れの一番ゆっくり出来るゆっくりに会わわせてもらえないかな?」 「ゆっくり会わせてね!」 「ゆっくりりかいしたぜ。ついてきてだぜ!」 人間はゆっくり出来ない。れいむとお近づきになりたい今のまりさに冷静な判断を求めるのは酷なものだ。あっさりと承諾してドスまりさのところへ連れて行った。 「はじめまして、ドスまりさ。ゆっくりしていってね。」 「どすまりさ、ゆっくくりしていってね!!」 「ゆゆ? おじさん、こんにちわ!れいむもゆっくりしていってね!!」 なんでまりさの姿が見えるんだろう?ドスまりさは不思議に思った。 山を降りて「条約」を結びに行くときは意識して見えるようにしているが、通常ドスまりさは害意あるものには見えない。そして、山に来る人間は皆ゆっくりをゆっくり出来なくさせるために様々なことをしてきた。だからこそ、ドスまりさは「条約」を結んだのであり、山に来る人間でドスまりさを見ることが出来た人間などいなかった。 ……ということは、この人間には、害意は、ない。そして、連れのれいむもとても美ゆっくりだ。おそらく人間がかなりゆっくりさせた結果に違いない。ならば、群れが危険になることはないだろう。 ドスまりさはそう判断してこの不可思議な人間と会話を続けることにした。その判断は正しかったはずだ。確かに結論からいえば、その男に「害意」など無かったのだから。 「君達は最近ここに引っ越してきたゆっくりかな?」 「ゆ? そうだけど、なんで? 」 質問の意図が分からないドスまりさ。 「いやね、新しい群れが来たんだったらお祝いに“とっても”甘いものをあげようと思ったんでね。すっごくおいしいと思うよ。“もう野生の餌じゃあ満足できなくなるくらいにね”。それで“かっている”れいむと一緒に来たんだ…食べるかな?」 「ゆゆ!あまあま!まりさあまあまほしいよ!!」 「あまいのようだいね!れいむにゆっくりちょうだいね」 「ゆっくりまってるよ!」 周りのゆっくり達はざわめきだした。まぁ当然の結果だろう。それだけ煽られたら期待も青天井だ。 ドスまりさはというと、悩んでいた。そういって、騙していく人間は数知れない。本当に信用していいのだろうか? 「ああ、成る程ね。僕を信用していないわけか。当然だろうね。“知らない人から食べ物をもらっちゃだめ”だよね。」 ドスまりさの心を見抜いてか、全く気にすることなく男は続けた。 「ならば、こうしよう。もし不安があるなら、先に僕のれいむに毒見をさせても良い。食べるか食べないかは君達が勝手に決めればいいさ」 「ゆゆっ!そんなのだめだぜ!れいむをきけんなめにあわせるわけにはいかないんだぜ!まりさがためすんだぜ!」 先ほど案内してくれたまりさだった。れいむの身を案じてのこともあるだろうが、おそらくはれいむにかっこいいところを見せたいんだろう。 「ゆ~」 ドスまりさは悩んでいた。そこまで言うのなら大丈夫だろう。いやまて、念には念を入れなくては。 「ゆっくり理解したよ。おじさんは食べ物を置いて帰ってね!安全なものだったら次に来たときに歓迎するよ。ゆっくり納得してね!」 なるほど、上手いものだ。 ドスまりさはこう考えていた。自分が見えることとれいむの美ゆっくりっぷりから男は危険はないように見える。しかし、油断は出来ない。どうすれば、この男の本心を探れるのだろうか。……男は食べ物をくれると言った。唐辛子や眠らせるものだったら群れが一網打尽になってしまう。しかし、きちんとした食べ物をくれるのならば、友好的な関係を築いていけるかもしれない。何より、冬が近いのにここに引っ越してきたばかりだ。今は餌が豊富にあるとはいえ、未知の場所で餌を安定して調達できるかどうかは分からない。冬は寒いから凍死するゆっくりも出てくるかもしれない。熊やほかの動物に発見されないように巣をカモフラージュする必要もある。 人間には知恵もあるし、食べ物も防寒具も豊富だ。上手くいけば越冬の協力が期待できる。 悩んだ末に、ドスまりさが考えたのはこうだ。食べ物をもらって、人間には帰ってもらい、先ほどのまりさに毒見をさせる。こうすれば、人間に急襲されて群れが壊滅させられることもない。 れいむに毒見をさせないのは、れいむが人間側にいるからだ。仮に効果が現れるのが遅い毒だった場合、ドスまりさには確認が出来ない。……それにきれいなれいむに危険な真似はさせたくない。(ポッ) まりさに毒見をさせれば、じっくり観察が出来る。どうせあのまりさは「条約」を守らずに人里に入る愚か者だ。同属殺しは禁忌なので出来ないが、早かれ遅かれ群れを危険に晒すことになってしまう。ならば、ここで死んでもらっても大して困ることはない。 そう、ドスまりさは賢かった。群れの頭首を務めるには充分すぎるほどに賢かった。だから、彼女を責めることは出来ない。 だが、ドスまりさは思いつかなかった。人間が、しかも単独で、わざわざ危険を犯してまで山に入ってゆっくりを愛でるなどということの異常さを。 甘い話には裏があるのだ。 「いいだろう。僕たちは食べ物を置いていったらすぐに立ち去る。そうだな…一週間後、君達に分かりやすい言葉で言えば日が七回昇ったらまたここに来る。害があったんなら僕等を攻撃するなり好きにすればいいさ。食べ物はみんなで分けて楽しんでくれたまえ。」 男はそう言って、荷物の中から大きなビンを一つ取り出した。駄菓子屋でよく使われているアレをイメージすればよい。瓶は透明で、中は白銀色をしていた。 男はドスまりさに瓶の開け方を教えてかられいむと一緒に帰ることにした。 「クカカカカカ……哀れだ、実に哀れだ。人間を信じるなど…あのでかい饅頭が賢いだけに同情を禁じえないよ。」 「うまくいったね!おじさん!だかられいむに“ごほうび”ちょうだいね!!」 「クカカカカカ……いいだろう、うちに帰ったら“ごほうび”をやろう。確かに、お前の功績は大きい。」 「ゆっくりしていってね!!」 帰り道、男はずっと冷笑をたたえていた。 男があげた食べ物に害などない。人間が食べても、ゆっくりが食べても。そう、害など一切なかったのだ。 ドスまりさは教えられたとおりに蓋を開け、中身をまりさに毒見せた。 「ぺーろ、ぺーろ……………!!!!!!!!!!」 「ど、どしたの?ゆっくり説明してね!」 まりさのただならぬ様子に気づいたドスまりさが訊ねた。やっぱり毒だったのか、ドスまりさの頭にそんな疑問がよぎった。 「う~~ま~~い~~!!うっは、うっめ、これめっちゃうっめ!うっめ、まじうめやべこれうっめ!すごくゆっくりできるんだぜ!あっま、これあっま!」 どうやら、おいしかったらしい。それもとんでもなく。脳天を突き抜けるような甘さ、とにかく甘い。並の人間なら1掬いでもう飽きる甘さだ。 しかし、ゆっくり達は餡子でできている。彼女たちにとっては甘ければ甘いほどいい。 まりさはこんなに甘いものを食べたことはなかった。甘いものには目がないゆっくりが、あまりの甘さに一瞬意識が飛んだくらいだ。 「とはいはのありすにもたべさせてね!」 「れいむもたべたいよ~」 「ゆっくりたべさせてね!」 そんなまりさの様子を見てほかのゆっくりが黙っているわけがない。思い思いに瓶に口を突っ込もうとした。 「ゆっくりまってね!!」 ドスまりさが体を震わせて大声を上げる。 「むきゅ、毒かもしれないから、明日まで様子を見てね。今日はゆっくり我慢してね!今食べたらゆっくりできないよ!」 側近のぱちゅりーも止める。 ゆっくり達は不満たらたらだったが、ドスまりさに言われてしぶしぶ抑えていた。 この群れはドスまりさとぱちゅりーのおかげで何度も危険を脱したし、危険な食べ物で死ぬこともなかった。それに、明日になれば食べられる。若干うるさく文句を言っていたゆっくりもいたが、周囲がそれを許さなかった。 そんなことを理解できたこの群れはとても統率が取れていると言えるだろう。前の場所で餌を取り尽くしたのも春に生まれ過ぎた子供のせいであった。そのときとは違い、今の場所では割と余裕がある生活をしていることも関係しているのかもしれない。 「うっめ、これめっちゃうっめ!」 まりさだけがむさぼり続けていた。 明くる日、ドスまりさはまりさの様子を見た。ぴんぴんしている。何の問題もない。いや、むしろ体の艶やもちもち感が比べ物にならないほど良くなっている。 “害はない。”そう判断したドスまりさを誰が責められようか。 ドスまりさは群れの皆に食べることを許可した。 「ぺーろ、ぺーろ、しあわせー♪」 「うめっ!めっちゃうめ!」 「うっめ、これめっちゃうっめ!」 「あまあま~!!」 群れのゆっくり達は満足していた。ドスまりさもみんながゆっくりしていて嬉しいようだ。 葉っぱに瓶の中身を取り分けて群れのみんなに均等に渡していた。みんながゆっくり出来るなら自分達も嬉しい。ドスまりさと側近は自分達はほとんど食べずにそれを分けた。 だから、気付けたのかも知れない。異変に。 おかしい。ドスまりさはいぶしがった。 このところ、群れのゆっくりたちから献上された餌の数が減っている気がする。 管理しているぱちゅりーに確かめても同じ答えだ。 餌が集まらないのか?いや、群れの誰もがつやつやもちもちとしてる。 ならば、餌を隠匿している?いや、バラバラに5組のゆっくりに確かめて見てもそんな様子はなかった。最初にアレを食べたまりさならともかく、自分が尋問したゆっくりは群れの中でもかなりゆっくりしたゆっくりだ。全員が嘘をついているなど考えにくい。第一、普通のゆっくりの嘘など自分なら一発で分かる。 どういうことだろう……ドスまりさは悩んだ。 一週間後、男とれいむは約束どおりに来た。 「ゆっくりしていってね!」 「おじさん、あれちょうだい!あまあまちょうだい!」 「おじさんはゆっくりできるひとだね!」 前回とはうって変わって熱烈歓迎だ。男は苦笑した。 「おじさん、食べ物ありがとう!とってもゆっくりしたよ!」 ドスまりさも今回は警戒を解いているようだ。 「どういたしまして、気に入って戴けて何よりだよ。じゃあ僕とれいむはあちらで遊んでるから、一緒に遊びたいなら来てね。」 そう言って、男はドスまりさの目が届かない場所へ行った。 付いて行きたくないゆっくりなどいるだろうか?何しろ、男は害を加える心配がなく、とってもおいしいものをただでくれた。れいむはとっても美ゆっくりだ。 男とれいむにお近づきになりたいゆっくりなどごまんといる。無論、夫婦のゆっくりもだ。 ある程度、群れから離れた切り株に男が座っていると、群れのゆっくりたちがわらわらと集まってきた。 ドスまりさとその側近達が来ていないのは彼女達に仕事が残っているからだ。それ以外のゆっくり達はほとんどが集まってきた。 「ゆっくりしていってね!」 「おじさん、あれちょうだい!あまあまちょうだい!」 「れ、れいむ!ま、まりさとゆっくりするんだぜ!」 男が群れのゆっくりといた一時間あまりの時間、発言の9割はこの類だった。 去り際に男は言った。 「ごめんね、今日は甘いのは持ってきてないんだ。それに、アレは高いからあげるわけには行かないなぁ~。交換でならいいよ。君達もやってるでしょ?」 「うるさいんだぜ!おじさんはさっさとまりさたちにあまあまをよこすんだぜ!」 「ゆゆっ!ひとものもとろうなんて、まりさはゆっくりできないゆっくりだね!!まりさなんてきらいだよ!」 「どぼじでぞん゛な゛ごどい゛う゛の゛ー!!でいぶごべん!!! ごべんよ゛お゛……ゆっくりゆるしてほしんだぜ、だぜ?」 強欲なゆっくりもれいむの一喝でおとなしくなる。れいむに嫌われたくない……そんな一心で納得はしていないものの、前言を撤回するしかない。ちなみに今のまりさはありすと番である。 「さて、僕が欲しいのは山菜とかきのことか、山で取れる食べ物だ。あと、人間が育てた食べ物はだめだよ。僕には分かるから、人里のを盗んできても交換しないよ?わかったかい。」 「ゆっくりりかいしたよ!」 「うん、分かってくれて嬉しいよ。僕はこの道をずっとまっすぐ行った家にいる。人間の家で最初に見つかるのがそれだから来るといい。」 「ゆゆ?おじさんとれいむはまたくるのになんでいくんだぜ?ばかなの?しぬの?」 「僕達も冬の準備をしなければならないからね。次に来るのがいつだか分からないんだよ。」 「おじさんはふゆのじゅんびもできないぐずなんだぜ。ゆっくりりかいしたぜ。」 「おじさんはいなかものね!」 「わーくほりっくなんだね、わかるよー。」多分それは違う。 「はは、まぁそんなところだ。じゃ僕たちはかえるよ。ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!!」 主にれいむが惜しまれつつ、おじさんたちは帰っていった。 「クカカカカカ……愉快だ、実に愉快だ。自分の実力を弁えずに弱者が強気に出るなど…奴等はくるな、間違いなく。」 「うまくいったね!おじさん!だかられいむに“ごほうび”ちょうだいね!!」 「クカカカカ……いいだろう、うちに帰ったら“ごほうび”をやろう。あの身の程知らずのまりさを黙らせた、お前の功績は大きい。」 「ゆっくりしていってね!!」 帰り道、男はずっと嘲笑を浮かべていた。 男は虐待するつもりなどない。ゲスなゆっくりも、善良なゆっくりも。そう、虐待するつもりなど一切ないのだ。 あとがき ご迷惑をおかけしました。 読んですっきり出来なかった人は……うp主の実力不足です。 ドスまりさが賢いってのは、野生の動物にしてはって言いたかったんだ。ごめん 天敵を合意で避ける、季節に関係なく餌食べつくす前にきっちり移動するって野牛とかよりすげ~とか思ってた。 続き このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2120.html
[甘い話には裏がある] 1.ドスまりさに出てもらいました 2.人間は直接手を下しません 3.制裁でも、虐待でもないと思います 4.行間を読まないとすっきりできないかもしれません それでもよろしければ、読んでください。 ドスまりさはゆっくりしていた。 ここには、餌となる植物や昆虫が豊富で水場も近い。野生の動物も少なく、捕食されることもさほど多くない。 群れはどんどん大きくなり、みなゆっくりしていた。 ここに移って良かった……ドスまりさはつくづくそう思っていた。 前の場所ではゆっくり出来なかった。「条約」のお陰で人間が来ることは無かったが、ほかの動物はそう ではない。野生のオオカミ、トラといった大型の捕食種からタカやワシのような猛禽類などから、野良イヌやタヌキ、キツネ、れみりぁ、ふらんに至るまで被害は耐えなかった。 そのため、群れのゆっくりは常に出産し続けることで群れを維持するしかなかった。その結果、成体のほぼ半分は食料集めに出ることが出来ず、食料は常に不足していた。行動範囲が必然的に狭くなるゆえ、植物や昆虫の再生スピードを遥かに超える勢いで自然は削られていった。 もうここではゆっくりできない。もはや緑の山が茶色になりかかってからようやく、決断したドスまりさと側近達は移住を開始することにした。時は既に常緑の夏を超え、収穫の秋を迎えていたことが決断を支えたといっても良い。若菜を食い尽くしたこの場所では冬に備えて餌を探すこともままならない。ならば、新たな場所で探すしかないのだ。 新たな場所までたった3里の道のりであったが、生まれた山から出たことが無いゆっくりたちには過酷なものであった。道中で一体何匹のゆっくりが動物に襲われ、何匹のゆっくりが餓死していったか。 半生半死で群れが新しい山に着いたときは群れのゆっくりは既に当初の3割程度にまで激減していた。 「ゆゆっ、ここをまりさたちのゆっくりプレイスにするよっ!!」 「ゆっくりりかいしたよ!」 ドスまりさは疑うべきだった。餌場が豊富で捕食者が少ない山……ならば、なぜそこにはどこにでもいるはずのゆっくりたちが住んでいない? 野生に生きる動物はいくら警戒をしてもし足りることはない。ドスまりさの迂闊な判断は後に大きな後悔を伴って跳ね返ってくることになった。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 ある日、群れのいる山に一人の男と一匹のゆっくりれいむが入ってきた。 「ゆゆっ? おじさんたちだれなんだぜ? ゆっくりできるできるだぜ?」 見慣れぬお兄さんを見つけたゆっくりまりさが頬に空気を溜めて威嚇しながら話しかける。 「ああ、ゆっくりできる人だよ。」 「れいむはゆっくりできるゆっくりだよ」 「……………きれいなんだぜ」 ズキュゥゥゥゥゥン!! まりさはれいむのあまりの美ゆっくりっぷりに目を奪われていた。 なんというゆっくり。髪は漆黒と言う文字が思い浮かぶほど黒々として艶があり、リボンは染み一つなくたおやかな紅白に彩られていた。極めつけはまるまるとした球体の顔のもちもちとした感触。 親愛のすりすりをしたまりさには分かってしまった。このゆっくりは百匹、いや千匹に一匹の美ゆっくりだ…一緒にすっきりー!!したい。一緒にゆっくりした子供を育てたい。まりさとの子供はきっと群れで一番ゆっくり出来る子供になるはずだ。 「ところで、まりさ。君達の群れの一番ゆっくり出来るゆっくりに会わわせてもらえないかな?」 「ゆっくり会わせてね!」 「ゆっくりりかいしたぜ。ついてきてだぜ!」 人間はゆっくり出来ない。れいむとお近づきになりたい今のまりさに冷静な判断を求めるのは酷なものだ。あっさりと承諾してドスまりさのところへ連れて行った。 「はじめまして、ドスまりさ。ゆっくりしていってね。」 「どすまりさ、ゆっくくりしていってね!!」 「ゆゆ? おじさん、こんにちわ!れいむもゆっくりしていってね!!」 なんでまりさの姿が見えるんだろう?ドスまりさは不思議に思った。 山を降りて「条約」を結びに行くときは意識して見えるようにしているが、通常ドスまりさは害意あるものには見えない。そして、山に来る人間は皆ゆっくりをゆっくり出来なくさせるために様々なことをしてきた。だからこそ、ドスまりさは「条約」を結んだのであり、山に来る人間でドスまりさを見ることが出来た人間などいなかった。 ……ということは、この人間には、害意は、ない。そして、連れのれいむもとても美ゆっくりだ。おそらく人間がかなりゆっくりさせた結果に違いない。ならば、群れが危険になることはないだろう。 ドスまりさはそう判断してこの不可思議な人間と会話を続けることにした。その判断は正しかったはずだ。確かに結論からいえば、その男に「害意」など無かったのだから。 「君達は最近ここに引っ越してきたゆっくりかな?」 「ゆ? そうだけど、なんで? 」 質問の意図が分からないドスまりさ。 「いやね、新しい群れが来たんだったらお祝いに“とっても”甘いものをあげようと思ったんでね。すっごくおいしいと思うよ。“もう野生の餌じゃあ満足できなくなるくらいにね”。それで“かっている”れいむと一緒に来たんだ…食べるかな?」 「ゆゆ!あまあま!まりさあまあまほしいよ!!」 「あまいのようだいね!れいむにゆっくりちょうだいね」 「ゆっくりまってるよ!」 周りのゆっくり達はざわめきだした。まぁ当然の結果だろう。それだけ煽られたら期待も青天井だ。 ドスまりさはというと、悩んでいた。そういって、騙していく人間は数知れない。本当に信用していいのだろうか? 「ああ、成る程ね。僕を信用していないわけか。当然だろうね。“知らない人から食べ物をもらっちゃだめ”だよね。」 ドスまりさの心を見抜いてか、全く気にすることなく男は続けた。 「ならば、こうしよう。もし不安があるなら、先に僕のれいむに毒見をさせても良い。食べるか食べないかは君達が勝手に決めればいいさ」 「ゆゆっ!そんなのだめだぜ!れいむをきけんなめにあわせるわけにはいかないんだぜ!まりさがためすんだぜ!」 先ほど案内してくれたまりさだった。れいむの身を案じてのこともあるだろうが、おそらくはれいむにかっこいいところを見せたいんだろう。 「ゆ~」 ドスまりさは悩んでいた。そこまで言うのなら大丈夫だろう。いやまて、念には念を入れなくては。 「ゆっくり理解したよ。おじさんは食べ物を置いて帰ってね!安全なものだったら次に来たときに歓迎するよ。ゆっくり納得してね!」 なるほど、上手いものだ。 ドスまりさはこう考えていた。自分が見えることとれいむの美ゆっくりっぷりから男は危険はないように見える。しかし、油断は出来ない。どうすれば、この男の本心を探れるのだろうか。……男は食べ物をくれると言った。唐辛子や眠らせるものだったら群れが一網打尽になってしまう。しかし、きちんとした食べ物をくれるのならば、友好的な関係を築いていけるかもしれない。何より、冬が近いのにここに引っ越してきたばかりだ。今は餌が豊富にあるとはいえ、未知の場所で餌を安定して調達できるかどうかは分からない。冬は寒いから凍死するゆっくりも出てくるかもしれない。熊やほかの動物に発見されないように巣をカモフラージュする必要もある。 人間には知恵もあるし、食べ物も防寒具も豊富だ。上手くいけば越冬の協力が期待できる。 悩んだ末に、ドスまりさが考えたのはこうだ。食べ物をもらって、人間には帰ってもらい、先ほどのまりさに毒見をさせる。こうすれば、人間に急襲されて群れが壊滅させられることもない。 れいむに毒見をさせないのは、れいむが人間側にいるからだ。仮に効果が現れるのが遅い毒だった場合、ドスまりさには確認が出来ない。……それにきれいなれいむに危険な真似はさせたくない。(ポッ) まりさに毒見をさせれば、じっくり観察が出来る。どうせあのまりさは「条約」を守らずに人里に入る愚か者だ。同属殺しは禁忌なので出来ないが、早かれ遅かれ群れを危険に晒すことになってしまう。ならば、ここで死んでもらっても大して困ることはない。 そう、ドスまりさは賢かった。群れの頭首を務めるには充分すぎるほどに賢かった。だから、彼女を責めることは出来ない。 だが、ドスまりさは思いつかなかった。人間が、しかも単独で、わざわざ危険を犯してまで山に入ってゆっくりを愛でるなどということの異常さを。 甘い話には裏があるのだ。 「いいだろう。僕たちは食べ物を置いていったらすぐに立ち去る。そうだな…一週間後、君達に分かりやすい言葉で言えば日が七回昇ったらまたここに来る。害があったんなら僕等を攻撃するなり好きにすればいいさ。食べ物はみんなで分けて楽しんでくれたまえ。」 男はそう言って、荷物の中から大きなビンを一つ取り出した。駄菓子屋でよく使われているアレをイメージすればよい。瓶は透明で、中は白銀色をしていた。 男はドスまりさに瓶の開け方を教えてかられいむと一緒に帰ることにした。 「クカカカカカ……哀れだ、実に哀れだ。人間を信じるなど…あのでかい饅頭が賢いだけに同情を禁じえないよ。」 「うまくいったね!おじさん!だかられいむに“ごほうび”ちょうだいね!!」 「クカカカカカ……いいだろう、うちに帰ったら“ごほうび”をやろう。確かに、お前の功績は大きい。」 「ゆっくりしていってね!!」 帰り道、男はずっと冷笑をたたえていた。 男があげた食べ物に害などない。人間が食べても、ゆっくりが食べても。そう、害など一切なかったのだ。 ドスまりさは教えられたとおりに蓋を開け、中身をまりさに毒見せた。 「ぺーろ、ぺーろ……………!!!!!!!!!!」 「ど、どしたの?ゆっくり説明してね!」 まりさのただならぬ様子に気づいたドスまりさが訊ねた。やっぱり毒だったのか、ドスまりさの頭にそんな疑問がよぎった。 「う~~ま~~い~~!!うっは、うっめ、これめっちゃうっめ!うっめ、まじうめやべこれうっめ!すごくゆっくりできるんだぜ!あっま、これあっま!」 どうやら、おいしかったらしい。それもとんでもなく。脳天を突き抜けるような甘さ、とにかく甘い。並の人間なら1掬いでもう飽きる甘さだ。 しかし、ゆっくり達は餡子でできている。彼女たちにとっては甘ければ甘いほどいい。 まりさはこんなに甘いものを食べたことはなかった。甘いものには目がないゆっくりが、あまりの甘さに一瞬意識が飛んだくらいだ。 「とはいはのありすにもたべさせてね!」 「れいむもたべたいよ~」 「ゆっくりたべさせてね!」 そんなまりさの様子を見てほかのゆっくりが黙っているわけがない。思い思いに瓶に口を突っ込もうとした。 「ゆっくりまってね!!」 ドスまりさが体を震わせて大声を上げる。 「むきゅ、毒かもしれないから、明日まで様子を見てね。今日はゆっくり我慢してね!今食べたらゆっくりできないよ!」 側近のぱちゅりーも止める。 ゆっくり達は不満たらたらだったが、ドスまりさに言われてしぶしぶ抑えていた。 この群れはドスまりさとぱちゅりーのおかげで何度も危険を脱したし、危険な食べ物で死ぬこともなかった。それに、明日になれば食べられる。若干うるさく文句を言っていたゆっくりもいたが、周囲がそれを許さなかった。 そんなことを理解できたこの群れはとても統率が取れていると言えるだろう。前の場所で餌を取り尽くしたのも春に生まれ過ぎた子供のせいであった。そのときとは違い、今の場所では割と余裕がある生活をしていることも関係しているのかもしれない。 「うっめ、これめっちゃうっめ!」 まりさだけがむさぼり続けていた。 明くる日、ドスまりさはまりさの様子を見た。ぴんぴんしている。何の問題もない。いや、むしろ体の艶やもちもち感が比べ物にならないほど良くなっている。 “害はない。”そう判断したドスまりさを誰が責められようか。 ドスまりさは群れの皆に食べることを許可した。 「ぺーろ、ぺーろ、しあわせー♪」 「うめっ!めっちゃうめ!」 「うっめ、これめっちゃうっめ!」 「あまあま~!!」 群れのゆっくり達は満足していた。ドスまりさもみんながゆっくりしていて嬉しいようだ。 葉っぱに瓶の中身を取り分けて群れのみんなに均等に渡していた。みんながゆっくり出来るなら自分達も嬉しい。ドスまりさと側近は自分達はほとんど食べずにそれを分けた。 だから、気付けたのかも知れない。異変に。 おかしい。ドスまりさはいぶしがった。 このところ、群れのゆっくりたちから献上された餌の数が減っている気がする。 管理しているぱちゅりーに確かめても同じ答えだ。 餌が集まらないのか?いや、群れの誰もがつやつやもちもちとしてる。 ならば、餌を隠匿している?いや、バラバラに5組のゆっくりに確かめて見てもそんな様子はなかった。最初にアレを食べたまりさならともかく、自分が尋問したゆっくりは群れの中でもかなりゆっくりしたゆっくりだ。全員が嘘をついているなど考えにくい。第一、普通のゆっくりの嘘など自分なら一発で分かる。 どういうことだろう……ドスまりさは悩んだ。 一週間後、男とれいむは約束どおりに来た。 「ゆっくりしていってね!」 「おじさん、あれちょうだい!あまあまちょうだい!」 「おじさんはゆっくりできるひとだね!」 前回とはうって変わって熱烈歓迎だ。男は苦笑した。 「おじさん、食べ物ありがとう!とってもゆっくりしたよ!」 ドスまりさも今回は警戒を解いているようだ。 「どういたしまして、気に入って戴けて何よりだよ。じゃあ僕とれいむはあちらで遊んでるから、一緒に遊びたいなら来てね。」 そう言って、男はドスまりさの目が届かない場所へ行った。 付いて行きたくないゆっくりなどいるだろうか?何しろ、男は害を加える心配がなく、とってもおいしいものをただでくれた。れいむはとっても美ゆっくりだ。 男とれいむにお近づきになりたいゆっくりなどごまんといる。無論、夫婦のゆっくりもだ。 ある程度、群れから離れた切り株に男が座っていると、群れのゆっくりたちがわらわらと集まってきた。 ドスまりさとその側近達が来ていないのは彼女達に仕事が残っているからだ。それ以外のゆっくり達はほとんどが集まってきた。 「ゆっくりしていってね!」 「おじさん、あれちょうだい!あまあまちょうだい!」 「れ、れいむ!ま、まりさとゆっくりするんだぜ!」 男が群れのゆっくりといた一時間あまりの時間、発言の9割はこの類だった。 去り際に男は言った。 「ごめんね、今日は甘いのは持ってきてないんだ。それに、アレは高いからあげるわけには行かないなぁ~。交換でならいいよ。君達もやってるでしょ?」 「うるさいんだぜ!おじさんはさっさとまりさたちにあまあまをよこすんだぜ!」 「ゆゆっ!ひとものもとろうなんて、まりさはゆっくりできないゆっくりだね!!まりさなんてきらいだよ!」 「どぼじでぞん゛な゛ごどい゛う゛の゛ー!!でいぶごべん!!! ごべんよ゛お゛……ゆっくりゆるしてほしんだぜ、だぜ?」 強欲なゆっくりもれいむの一喝でおとなしくなる。れいむに嫌われたくない……そんな一心で納得はしていないものの、前言を撤回するしかない。ちなみに今のまりさはありすと番である。 「さて、僕が欲しいのは山菜とかきのことか、山で取れる食べ物だ。あと、人間が育てた食べ物はだめだよ。僕には分かるから、人里のを盗んできても交換しないよ?わかったかい。」 「ゆっくりりかいしたよ!」 「うん、分かってくれて嬉しいよ。僕はこの道をずっとまっすぐ行った家にいる。人間の家で最初に見つかるのがそれだから来るといい。」 「ゆゆ?おじさんとれいむはまたくるのになんでいくんだぜ?ばかなの?しぬの?」 「僕達も冬の準備をしなければならないからね。次に来るのがいつだか分からないんだよ。」 「おじさんはふゆのじゅんびもできないぐずなんだぜ。ゆっくりりかいしたぜ。」 「おじさんはいなかものね!」 「わーくほりっくなんだね、わかるよー。」多分それは違う。 「はは、まぁそんなところだ。じゃ僕たちはかえるよ。ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!!」 主にれいむが惜しまれつつ、おじさんたちは帰っていった。 「クカカカカカ……愉快だ、実に愉快だ。自分の実力を弁えずに弱者が強気に出るなど…奴等はくるな、間違いなく。」 「うまくいったね!おじさん!だかられいむに“ごほうび”ちょうだいね!!」 「クカカカカ……いいだろう、うちに帰ったら“ごほうび”をやろう。あの身の程知らずのまりさを黙らせた、お前の功績は大きい。」 「ゆっくりしていってね!!」 帰り道、男はずっと嘲笑を浮かべていた。 男は虐待するつもりなどない。ゲスなゆっくりも、善良なゆっくりも。そう、虐待するつもりなど一切ないのだ。 あとがき ご迷惑をおかけしました。 読んですっきり出来なかった人は……うp主の実力不足です。 ドスまりさが賢いってのは、野生の動物にしてはって言いたかったんだ。ごめん 天敵を合意で避ける、季節に関係なく餌食べつくす前にきっちり移動するって野牛とかよりすげ~とか思ってた。 続き? このSSに感想を付ける