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▼タグ一覧 404 not found スピンオフ スミレ(白)の花言葉=乙女の死 勿忘草の花言葉=私を忘れないで 御伽武闘 格闘アクション 蓬莱街 酔醒街 勿忘草の候、皆様いかがお過ごしでしょうか? 酔醒街より、愛を込めて。 Viream Fight Märchen Fourget (ストーリー) …これは、忘れ去られた物語 …記録にも記憶にも残らない、取るに足らないインクの染み 前回の御伽異変が起こっていた裏側で。 もう一つの御伽異変が起こっていた。 それを知るものはもう居らず、覚えているものももう居ない "これ"は忘れられた物語… ヴィリーム・ファイト・メルヒェン… IV(フォーゲット) 開 演 『酔醒街より』と書かれた、送り主不明の招待状。 それを受け取った10人はその夜・午前零時、一斉に見知らぬ街で目を醒ます… ここは一体どこだろう?見たことのあるような、無い、ような…? 招待状が折り畳まれ、ヒトガタを形作る。 そして、ヒトガタを通じ不思議な歌声が響く… 『10人の正直者、蓬莱街にやって来た♪』 (ゲームシステム) 過去/現在/未来の幻想町の一部分を切り取った欠片がツギハギに組み合わされて再構成された謎の街『酔醒街』に迷い込んでしまった招待客10名が、街からの脱出を目指す。 10人のうち、プレイヤーが選択した一名以外は黒幕に操られており、遭遇するとバトルが始まる 街はチェス盤を模した8×8のフィールドに分けられ、そこを毎ターン1マスずつ隣接8マスに移動できる (プレイヤーの操作するキャラ以外も毎ターン独自に移動。ぶつかると互いにバトルして数を減らしていく。そうして最後の一人になるとエンディング) (登場人物) (PC) 本居小鈴=リムビブロス(メルヒェン:『マザーグース』から"ハンプティ・ダンプティ") 「ここはどこ!?なんで鈴菜庵(うち)が燃えてるの!?」 →初期位置はc1(白のビショップ)で、上下左右にランダム移動する。メルヒェンはマザーグースに登場する擬人化された卵・ハンプティダンプティ。 目を覚ますといきなり目の前には炎上する我が家の姿。しかしよく見ると知っている我が家と何か違う。よくよく見たら周囲の街並みもなんだか…えっ、この新聞の日付…昭和20年4月1日!? 戦闘スタイル:手にした『百鬼夜行絵巻』から書かれた妖怪の絵を卵から孵化させ実体化させての中〜遠距離戦。ポケモントレーナー? 特殊能力【読み孵る夢物語(エンドレステールズ)】 →バトルで勝利した相手の特殊能力をコピーする。すでにコピーしている場合、新たにコピーした能力が上書きされる。 メルヒェンワード…『百鬼夜行・終の巻/空亡(そらなき)』 宇佐見蓮子=スタータイム(メルヒェン:『星の王子さま』から"ぼく ") 「ここは…蓬莱街?でも私が前に見た時とは、何か…?」 →初期位置はe1(白のキング)で、上方向に一歩進んで次のターンに戻りを繰り返す。メルヒェンは星の王子様に登場する、サハラ砂漠に不時着した飛空士の青年。 この感覚には覚えがある。時刻と座標が行ったり来たりする奇妙な感覚…間違えようもない。ここは…蓬莱街だ!でも、なぜ?あの街は四年前に消え去ったはずなのに…? 戦闘スタイル:装弾数七発のリボルバーと優れた空中機動で戦う全距離で戦えるオールラウンダー。一部の攻撃は弾を消費し、打ち尽くすと装填するまで使えなくなる。装填中は無防備な隙を晒すので注意。 特殊能力【翼よ、あれが星の灯だ(スターテールランプ)】 →気絶時、二分の一の確率で頭上に回る星を掴み取って即時回復+残弾をフル回復(すでに満タンの場合は七発のうち1発が2倍ダメージの輝く弾丸に変わる) メルヒェンワード…『虹色のセプテンメテオ』 マエリベリー ・ハーン=シャイニーレイン(メルヒェン:『西洋お伽話・鏡世界』から"美(みい)") 「ここは何処だったかしら?なんだか前に見たような…?蓮子〜?どこ?」 →初期位置はd1(白のクイーン)で、1ターン目は停止し、2ターン目からは上へと直進。8列目に到達した後はプレイヤー操作キャラの位置へと向かう。メルヒェンは『鏡の国のアリス』を元にした翻案小説に登場する少女・美(みい)。 昔、おぼろげな記憶の中で見たことがある不思議な街で目を醒ましたメリー。これは夢だろうか?たしかあの時は蓮子と一緒に…蓮子はどこ? 戦闘スタイル:蓬莱街の所々にある空間の歪みを使った攻撃を行う。相手の足元に穴を開け空中から落とす、空間の裂け目から道路標識や蒸気機関車を飛び出させるなどの攻撃も。 特殊能力【白の女王の戴冠式(プロモーションクイーン)】 →フィールドの8列目(初期位置から反対側の盤面の端)まで辿り着くとフィールド上で八方向に無限に移動可能になる(=チェスのクイーンの動きができるようになる)。また、バトル時はダッシュ速度が上がり攻撃判定が付くようになる。 メルヒェンワード…『蓬莱ネクロユートピア』 奥野田美宵=リムバジェーナ(メルヒェン:『宝葫芦的秘密』から"宝のひょうたん") 「あれは…鯢呑亭…?でも、なんで、誰も、居ないの…?」 →初期位置はb1(白のナイト)で、プレイヤー操作キャラの動きをコピーする。盤面端などで同じ動きが不可能なら停止。メルヒェンは中国説話『宝葫芦的秘密』に登場する、望んだ物を出してくれる伝説上の宝のひょうたん。ただしそう旨い話があるはずもなく… + 説話:宝のひょうたん この"宝のひょうたん"、確かに望んだ物を授けてくれるのだが…実はその物は無から生み出していたわけではなく、どこか別のところから持ってきているだけで、 しかも、持ち主がなにかを一目見て"いいなあ"と思っただけで 『いま"あれが欲しい"と望みましたか?望みましたね?よろしい、その望み叶えましょう!』と認識し叶えようとする代物。 最終的に恐怖した持ち主・王包(ワンパオ)から叩き壊される終わりを迎える 乾いた音が鳴り、呆気なくひょうたんは粉々にくだけて割れた。この中身はただただ空虚であった 戦闘スタイル:酔ったような動きの酔拳もどきを使う近接戦型。背中に背負ったひょうたんから酒を噴射して飛んでいく突進技も。全体的に動きは鈍重だが威力は高め。 特殊能力【貪欲の対価(プライスオブグリード)】 →バトル開始時、対戦相手が霖之助の店で売っているアイテムを所持していればそれを奪取できる。ただし、そのアイテムの価格に応じた量、次ラウンドの体力ゲージが減少する。 メルヒェンワード…『スピリタスの大海原』 宇佐見菫子=リムレーツェル(メルヒェン:『十二夜』から"シザーリオ/ヴァイオラ") 「あれは…私の葬式会場だ…タイムスリップ?過去に飛ばされた!?でもなんで!?」 →初期位置はd8(黒のクイーン)で、奇数ターンはプレイヤー操作キャラに接近、偶数ターンは停止。メルヒェンはシェイクスピアの歌劇・十二夜に登場する男装の麗人、シザーリオ(ヴァイオラ)。 戦闘スタイル:男装してライトセーバーを持った近接戦形態と、いつもの菫子の格好で模造銃とESPカードを持った遠距離戦形態を切り替えるマルチタイプ 特殊能力【現と夢の二つ巴(キャスリングドリーマー)】 →体力半分以下で使用可能。二体に分身する。新たに現れた方はCPUが自動操縦する。手数は増えるが体力バーは二分割され、どちらか一方が倒された時点で負けになるため注意。 メルヒェンワード…『世紀のダブルナイトメア パープル&ヴァイオレット』 茨木華扇=ソーンロゼット(メルヒェン:『ピーターパン』から"キャプテン・フック") 「"201×年7月4日"…間違いない、この日この場所、私の片腕が失われた日だ…なら、もしかすると…」 →初期位置はc8(黒のキング)でそこからまっすぐ下に向かい突き当たりを右折、以降は盤の外周を周回する。メルヒェンはピーターパンに登場する片手の海賊・フック船長。 戦闘スタイル:左手のカトラス/右手の鉤爪による倍の手数で圧倒する近接パワー型。海賊の部下を召喚し突撃させたり、その部下をフックで引っ掛けて飛び道具にしたりもできたりする。 特殊能力【時計が刻む狂気(ルナチックタック)】 →残り時間が13秒を切ると、時計ワニの時計の音に狂乱して攻撃力が上がる(防御力は下がる)。 メルヒェンワード…『ジョリーロジャー号・全門斉射(フルファイアー)!』 左城宮則紗=シャロッグ・マードル(メルヒェン:『シャーロックホームズ』から"モリアーティ教授") 「"犯罪界のナポレオン"と共演とは、光栄の至り…この街をアジトに一旗上げてみようか、教授?」 →初期位置はg8(黒のナイト)で斜め四方にランダム(一見ランダムだが、実は複雑な法則性に基づく)に動く。メルヒェンはホームズシリーズで暗躍する悪の黒幕・モリアーティ教授。 戦闘スタイル:仕込みステッキや小型爆弾などで戦う中距離テクニカル型。初動が同じで上下段に振る一撃や、当て身からの反撃投げなど相手を撹乱する技に長ける 特殊能力【邪網獪々、疎にして逃さず(クリミナルネットワーク)】 →1ラウンド3回まで使用可能。5秒間、格闘攻撃のダメージ判定が出してしばらくの間その場で残留するようになる。 メルヒェンワード…『フォール・トゥ・ライヘンバッハ』 佐藤沙英(シュガーサテラ)=ソレット・セレネルフ(メルヒェン:『ヘンゼルとグレーテル』から"レッカーマウル") 「"誰だね、私の家を食べるのは?"…やっぱり、侵入者へ森の魔女の第一声はこうあるべき、よね」 →初期位置はf8(黒のビショップ)で、初手で右に動いてそのまま停止する。メルヒェンはヘンゼルとグレーテルに登場する"お菓子の家の魔女"。 戦闘スタイル:トラップ設置型。相手が接触すると発動する罠を地面や壁、天井に仕掛け待ち構える 特殊能力【砂糖菓子の城壁は踏み抜けない(スウィートウォール)】 →前ターンに自身が停止しており、自身の居るエリアに相手が入ってきてのバトル開始時、念入りにお菓子の家を準備したことで罠の最大設置数が+1される。 メルヒェンワード…『ピタゴラススイッチ・ウェルダン』 (NPC) 森近霖之助(メルヒェン:『オズの魔法使い』から"オズ") 「やあ、いらっしゃい!ご用命はこの外付け脳味噌(HDD)?それともこちらの勇気のスープ(モンス○ーエナジー)?なに、暖かいハート型クッション(Yogibo)が欲しい?いいとも、ところで代金の方は…」 →初期位置はh8(黒のルーク)で、基本初期位置から動かない。メルヒェンはオズの魔法使いに登場する奇術師オズ。 バトルに勝つと何故か手に入る金貨と引き換えに、色々とバトルやその他が有利になる奇妙な品を売ってくれる 戦闘スタイル:戦わないため、不明 特殊能力【翠玉の魔法細工師(ハンズ・オブ・エメラルド)】 →普通の市販品から、機知と技巧で奇妙な"商品"の数々を制作する メルヒェンワード…戦わないため、無い + ... 「僕はあの子(ドロシー)との約束を守れなかった…だから君はあの子を助けてやってくれ」 + ……やあ 「……やあ」 「今日はいい日だ、花は咲き、鳥はさえずる…」 「こんな日には、君のような子は…」 「じごくで もえて しまうが いいさ」 実は隠しボスで、トゥルーエンドとバッドエンド両方を見た後、特定の条件下で訪れると戦うことが可能。 戦闘スタイル:自身の作成したマジックアイテムと、トリックを駆使しての初見殺し百連発。自身を『本体・メルヒェン共に戦闘向きでは無い』と語り、実際に体力は1ドット分しかないので攻撃が掠りでもすれば死ぬし、攻撃が当たっても一撃で1ドット分しかダメージを与えて来ないため、"まともに"戦えば最弱のキャラクター。もっとも、まともに戦う気はさらさら無いが… + 初見殺し・一例 ラウンド開始前から溜め技をチャージ→開始と同時にフルチャージの一撃で最大体力の100%の割合ダメージ。 自身とこちらの能力値の入れ替え Z軸方向への回避(2D格ゲーにも関わらず、画面の『奥』や『手前』に避ける) ゲームの電源そのものをダウンさせる メルヒェンワード=時を止めて双方動けなくなる 特殊能力【赤柱石の魔器工弊(アームズ・オブ・レッドベリル)】 →普通の市販品から、機知と技巧で奇妙な"兵器"の数々を制作する メルヒェンワード…『NOTHING.EXE(なにもしない)』 稗田阿求(メルヒェン:『アラビアンナイト』から"シェヘラザード") 「感じます…他の千夜語り…メルヒェンたちの気配を…北に三歩、東に六歩…今宵はここまで」 →初期位置はa1(白のルーク)で、基本初期位置から動かない。メルヒェンは千夜一夜物語の語り手・シェヘラザード。 チェス盤に他のプレイヤーの位置と次ターンの動きが表示されるようにしてくれる 戦闘スタイル:戦わないため、不明 特殊能力【千の夜、一の朝(オーバー・ザ・サウザンナイト)】 →すべての物語とメルヒェンについて忘れずに完全記憶ができ、他のメルヒェンの存在と位置、移動を感知できる メルヒェンワード…戦わないため、無い + ... 「すべての物語を覚えている私が"そこ"だけ綺麗に思い出せないということは、かえってそこに"何かがあった"ということを証明してしまうのですよ」 + エンディング →上記の通り、チェス盤の上でプレイヤー操作キャラが最後の一人(※NPC2名は除く)になるまで勝ち残ればエンディングとなる。 酔醒街に引き込まれた10名は翌日、何事もなく自宅で目を醒ます しかし、何か忘れているような気が… 奇妙な違和感を覚えながら日常へと戻っていくところでスタッフロールが流れ… be continued… 『そう、今回も駄目だったのね…』 謎の声がぽつりと呟いた… + →盤外戦 『素晴らしい!』 『闘いに勝ち抜く力!そしてこの隠された場所に辿り着く知性!』 『君こそまさしく我が好敵手!輝かしい私の舞台のフィナーレを彩るに相応しい!』 ???(メルヒェン:『A Trekkie's Tale』から"メアリー・スー") →本作品の黒幕であり隠しボス。【妄想を具現化する程度の能力】を持つ。 四年前に消滅した蓬莱街の残骸を元に、幻想町で起きた四度のメルヒェン異変による現実(うつつ)と虚構(ゆめ)の歪みを集積、酔醒街を作り出す 『なぜみんな私から目を背けるの?ねえ、この素晴らしい私を忘れないで!』 『必要だったのは鮮烈なフィナーレ。もう誰も、素敵な私を忘れないように』 『…私は死(4)を獲得(get)して、忘却(forget)に勝利する』 →初期位置はi-e1(白のキングの裏)で、チェス盤の裏側からすべてを見ている + チェス盤裏面への進入経路 ①霖之助から金貨4枚で『古いカギ』を買う ②e1に移動し、そこから下に移動。【!盤面外です!】と表示されるが構わず移動する ③『カギを開けた』ようなSEが鳴り、盤面の裏側に出る 彼女の居場所まで辿り着くと、上記の台詞を言いながらラストバトルに突入する。が…? メルヒェンは"メアリー・スー大尉"。SF大作ドラマ・スタートレックの二次創作(ファンジン)『A Trekkie's Tale』のメインヒロイン。 + メルヒェン:メアリー・スー 一言で言うと、"ぼくのかんがえたさいきょーのおりじなるきゃらくたー"。 艦内で最年少での大尉就任、文武両道・博学の全てに優れた天才、原作キャラクターたちからも尊敬・敬愛される…というチートじみたオリジナルキャラクター。 物語世界の人物ということで彼女もまたメルヒェン化したのだが、 『出た物語が皆、彼女が無双するだけ(ワンパターン)のつまらないものになる』 という物語から生まれた生命体(メルヒェン)としては致命的な欠陥があった為、他のメルヒェンたちから疎まれ、 『忘却の呪い』をかけられて存在そのものを忘れ去られ、物語世界から消えた 物語世界から放り出された彼女が、同じく現と夢の狭間を漂っていた蓬莱街の残骸と出会ったことから今回の異変は始まる… 『私を忘れないで』 自身にかけられた『忘却の呪い』を破棄し、再び物語世界に返り咲くため、 鮮烈な印象を残すフィナーレ…すなわち好敵手に相応しい優れた相手との死闘の末の『自身の死』の自作自演を企む そのために表世界の"これは"と見込んだ者達に招待状を送りつけ、酔醒街へと引きずり込んでいた 『ありがとう…最高のフィナーレよ…』 ラストバトルでは、フェイザー銃(=光線銃)を手に戦いを挑んでくる。最初はダメージを無効にするフィールドを張っておりダメージを受けない。こちらの体力が半分を切ると 『我が好敵手の実力に敬意を表して』 とフィールドを自らOFFにする。そして自身の体力が10%を切ると、 『さあ、フィナーレだ!華々しく止めの一撃を放って!』 と"メルヒェンワード以外無効"のフィールドを張り無防備になる + ただし、この時彼女を倒してしまうと… 一旦はスタッフロールが流れ、酔醒街が消滅し、元の世界に帰還できたプレイヤーキャラ達の後日談が語られる 一度物語内での死を迎えたことにより、メアリー・スーにかけられていた忘却の呪いが解け、 物語世界がメアリー・スーの存在を思い出したことにより別存在として復活を遂げる 『…?…何、この…何?』 その結果『あらゆる物語がメアリー・スーが出て無双する内容に改竄される』という トラウマもののバッドエンドが展開されることに。 ΩND + ??"大切なものは、目に見えない" (トゥルーエンド) トゥルーエンドの条件は、 『小鈴でスタートし、他7人を全て自分で倒す+能力を全て卵にコピーした上で最後に蓮子の能力をコピーする』 というもの。 一見他キャラ間の潰し合いが発生するため全員と戦うのは難しいと思えるが、各キャラの動き方の法則性を覚えれば… + 模範解答 まず右に動いてメリーを、次に列eを上に行って蓮子とぶつかる軌道の華扇を迎撃。左に一歩進み追随してきている美宵を取り斜め左上に進み菫子と戦い右上に行きシュガーサテラを…と動かせば(運も絡むが)比較的安定する。 成功すれば、蓮子からコピーした能力『翼よ、あれが星の灯だ』が『小さな薔薇との約束』に変わり、最後の一人になってもエンディングに移行しなくなる。あとは通常通りカギで盤面外に出てメアリー・スーの所に向かおう。 (このとき、残った霖之助と阿求のセリフも若干変化する) 【vs.メアリー・スーの呪い】 『私は、誰よりも優れていなければいけない、いつも、どこでも一番でないと…』 『私はそういうふうに生まれた。そうなるようにと祝福されて、生まれてきた。だから…』 『…そうじゃなければ、誰も私を愛してくれない…』 能力【小さな薔薇との約束】をコピーしているとメアリー・スーとの戦闘内容が変化する。 『さあ、フィナーレだ!華々しく止めの一撃を放って…!?』 体力10%を切り自身の死(フィナーレ)のために無防備になるメアリー・スー。その身体を巨大化したハンプティ・ダンプティが大口を開け、呑み込む。そして… 「これで、今日から貴女は『メアリー・スー』じゃなくなりました。今この時から貴女はただの『メアリー』…」 『メアリー?…私は、メアリー…』 『チ ガ ウ』 卵から孵化した元メアリー・スー…だった少女の影がむくりと立ち上がり、人の形を取る 『お前は、"メアリー・スー"だ…!そうでなくては、ならないのだ…!』 現れたのは『メアリー・スーの呪い』。 彼女が生まれた時に創り主が彼女に授けた 誰よりも優れた輝かしい者(メアリー・スー)であれ、という祝福(呪い)。 《ラストバトル》 小鈴を操作して、メアリー・スーの呪いに立ち向かう メアリー・スーの呪いそのものはさしたる強敵では無いが、メルヒェンが『メアリー』に強制変更されているためメルヒェンワードおよび一部の特殊技が使用不可となる点に注意 攻撃方法は格闘と黒い水泡投げ、強制気絶付きの咆哮、体力が減ると行ってくる吸い込みからの体力吸収(処理上はコマンド投げ扱い)。水泡投げと一部格闘攻撃に『一定時間パラメータ低下』の効果付き。 ★ 『な ぜ だ !?』 『なぜ私に逆らう!?お前を造ったのは私だぞ!私に従え!』 崩壊し、消えていくメアリー・スーの呪い その最期の言葉に、小鈴が答える 「…たしかに造ったのはあなたかも、知れません…が!」 「メルヒェンとして産まれ、巣立った以上は、あの子はすでにあなたの掌を離れ、独立した存在です!)」 「一度あの子が自分の意思で決めたことなら、それは造物主(クリエイター)といえども口出しはできませんし、私がやらせません!」 + END…? 【staff】 system Fu-shinshi scenario Fu-shinshi production Dannoura-gensou.net graphics (bosyutyu) BGM (your imaginetion) original author Team Syanghai Alice And You… END be continued… + 制作裏話 前作(ミッドヴィリーム・メルヒェン・ヴィラネス)が四作目であり、『"V I"llanes』として制作されていたが 『VI』は 4 ではなく 6 では?と製作陣からツッコミが入り 『"V "illanes』(V=5)となったため、空白のメルヒェンシリーズ四作目が出現することになった 前のページをめくる 次のページをめくる
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バーカウンター『フラテッロ』 そこは、此方とは隔たれたどこか別の場所にある不思議なバー。 時間、空間など関係なくここでは現世を忘れただ一人の人間として安らぐ憩いの場。 普段は腐れ縁の男二人がゆるゆると過ごしながら客を待つ、閑古鳥の鳴きそうな店だが意外と客はやってくる。 この店の売りは頼んだものが大抵出てくること。あとよくわからない物も湧いてくる。 いったいここはいかなる場所なのか。実は店員二人にもよく分かっていない。 はてさて、今日はこの不思議空間にどのような来訪者が来店するのだろうか。 さぁ、まずは不定期に模様替えされるらしい、今日の店内を見てみよう。 まず目に入ってくるのは、恐ろしく深い色味と分厚く滑らかなニスでぬらりと光る重厚なカウンターだ。 細やかな彫刻と要所に銀象嵌を施したデザインは、重厚感と高級感を持ち合わせた一級品であり、敷居の高さをうかがわせる。 同様の作りの丸テーブルも何脚かあり、落ちついた内装と調和した落ち着いた印象を与えてくる。 店内は直接電灯が視界に入らないよう工夫されているにもかかわらず、細心の注意を払って設計された間接照明によって意外なほどに明るさを感じるつくりだ。 色とりどりの酒瓶と無数のグラスたちが、夕焼け色の灯りを跳ね返しカウンターを照らしている。 その手前に置かれたスツールたちは、ひどく細身で優美なデザインが施されており、傷ひとつ無いステンレスの肌が室内灯の光を妖しく反射している。 それらが合わさり、煌びやかでありながらどこか陰のある退廃した雰囲気を漂わせた店内には、主張しすぎない音量で郷愁を感じさせる切ないバラードが流れていた。 そんな店のテーブルの1つを占領し、時折光の反射を試しながらカトラリートランクに収められた銀食器をリネンで磨いている男がいた。 筋肉で張ったバーテン服に身を包んだ、甘いマスクにうっすら無精ひげを生やしたフェロモン系おっさん。 サヴィーノ・サンツィオ。 もう一人、サヴィーノと対照的に細身の男がカウンターに立っていた。麗しき女性のようにも見える、輝く美貌の男。その身を落ち着いた、しかし高級感を感じさせる上品な服で包んだ立ち姿は、どこか清冽な騎士を思わせる。白魚のような美しい指がリネンとともにグラスの縁を滑る度に、輝きを増しているようにも見えた。 その男の名はジルグリンデ・アル・カトラズ。 何の因果だろうか腐れ縁の見た目より年齢が一周している男二人が経営するこのバーに、今日も迷い人が訪れる。 では、今宵はいかなる出会いがあるのか。 本日もごゆっくりお楽しみを──── 「今日は二人ともいないんだよな?」 「ええ、女子会だそうですね。」 「楽しんでくれれば良いけどな。」 どうやら二人の会話によると、今日はレメゲトンの女子会らしい。 古めかしいマガホニーの扉が開き、ドアベルがどこか間抜けな音を立てる。今日は古ぼけたカウベルがかかっていた。 「いらっしゃ、おや?」 「こ、ここがうわさのバーですか。」 音に反応したサヴィーノが視線を向けると、扉の隙間から小さな少女が顔をのぞかせていた。 プラチナを溶かして伸ばしたような煌く銀髪。太陽にあたればそのまま解けてしまいそうな、新雪のごとき色素の薄い肌理細やかな肌は興奮で上気し。大粒の緑柱石をはめ込んだような瞳は驚きでこぼれそうなほど開かれている。類まれなる美しさを持つ少女だった。 だが惜しむらくはその外見年齢だろう。恋多き男であるサヴィーノであっても、さすがにリトルスクールに通っていそうな幼女には手を出さない、はずだ。 その後ろから、ぬっと大男が現れる。 「ほれ、入り口で立ち止まるなよ、嬢ちゃん。」 そういいながら大男、イリヤムロメッツは少女を店内に押し込み、戸を閉める。 「またイリヤさんはそういう口きく!私は上司!」 「おう、冗談は見た目だけににしろよ?」 「冗談じゃなくてホントの事です!って見た目が冗談てどういう意味ですか!?」 二人はそれなりに親しい関係らしい。普通の少女ならいかつく巨大なイリヤにあんな態度はとらないだろう。そしてイリヤも親しくない相手にとる態度ではない。サヴィーノはそう感じた。 「今日は私がおごってあげます。感謝してくださいね?」 「おんやぁ?やらかしのケツ持ったのは誰だったか覚えてるかなぁ?」 「ぐぬぬ。お、おごらせていただきますぅ!」 だが二人の交わした会話に、思わず口を挟んでしまう。 「おいおいイリヤの旦那。流石にこんなちっちゃなレディから巻き上げんのはだめだろ。いくら金欠だからって。」 「おいおい、人聞きが悪い。こいつが言い出したんだぞ?作戦中に助けられることがあったらおごりますって。」 たしなめるようにイリヤに問いかけると、大男は肩をすくめて言い放つ。その声にはどこかからかうような響きがあった。 「そしたら案の定ポカしでかしたんで、直前まで待ってから介入したわけだ。挽回のチャンスもやったし、約束を果たすのは当然だろう。オ・ト・ナならな?」 「うううう!!!!!!そうです、私は一人前のレディですもの!一晩の払いを持つくらいします!」 満面の笑みを浮かべて、大人という言葉を強調するイリヤ。彼の視線の先に目をやれば、真っ赤になって頬を膨らませる少女がいた。かわいい。 一通り地団駄を踏み、磨きぬかれた木の床に憤懣をぶつけると、スツールによじ登り少女はサヴィーノに注文をたたきつける。 「それにしたって飲まなきゃやってられません!そこのお兄さん!スヴェローグ・ヴァターを一瓶!チェイサーに超深度採掘硬水を!氷はアークティッククリスタルで!」 「ははは、冗談がお上手だねリトルレディ。残念だが未成年にお酒は出せないんだ。」 だがその注文を、サヴィーノは一笑に付した。流石にリトルスクールの生徒に酒を出すわけにはいかない。たとえこの店が異空間にあったとしても、どこかの憲兵に踏み込まれかねない。 お子様向けのノンアルコールカクテルのレシピを頭に並べていると、少女が反論してきた。今度は若干涙目である。かわいい。 「ぶ、無礼千万です!私は16才ですし!アルセナルでとっくの昔に成人してますし!」 「レディ、そのような無茶を申されましても。サヴィも出す酒を考えるな。」 憤慨する少女を、ジルグリンデがなだめにかかる。一瞬でめんどくさくなって酒を出そうか考え始めたサヴィーノと違い、常識的な彼には見過ごせない状況だった。 いくらなんでも、その見た目で成人済みを名乗ってはいけないと、ジルグリンデは思った。思ってしまった。 「お姉さんまで本気で信じてない目ですか!?イ、イリヤさんからも何とか言ってください!」 「お、お姉さん。」 それゆえに良識派の心は少女の心無い、しかし悪意ない一言によって粉々に打ち砕かれた。一切の悪意なく放たれた言葉の刃は、傷つきやすい女顔中年の心を的確に抉り取っていったのである。 カウンターの後ろに崩れ落ちる女顔を尻目に、イリヤが少女を煽りにかかる。 「ハッハッハ!お子様はミルクでも飲んでな!」 「……お給料カットされたいんですか?」 「最近お嬢のセメント度上がってきてんな。」 あまりのガチトーンに、イリヤもマジ顔でコメントし始める。 「悪いが真面目に成人済みだ。コラの永久美幼女(エターナルロリータ)って聞いたことあるだろ?こいつがそれだよ。」 イリヤの言葉に、サヴィーノは思いあたりがあるようだった。 数年前から世界中で話題になった、まったく年をとらない美幼女。 何年たっても髪が伸びるだけで他がまったく変わらないことから、ヴァーチャルアイドルだの何だのといわれていた少女に思い至ったのである。 確かに、知人から見せられた少女そのものだった。 「ああ、エターナル合法ロリとかいわれてた?あとそろそろ戻れよジル、いつものことだろ。」 「え、エターナルロリィ......。」 「お姉さん。」 「だめそうだな。」 あまりの恥辱にスツールの上で両足と体をプルプル震わせる少女は小動物のようであった。床に足が届いていない。かわいい。 対する騎士はカウンターの後ろでうずくまっていた。だめそうである。 「それにしてもガチだね。スヴェローグ・ヴァターってあれだろ?コラの逝かれた酒。」 「無礼な!ロシア民族の誇りとアルセナルの総力を掲げて開発したアルコール99.8%の、まさに火神に捧げるに足る神酒ですよ!」 「それもうただのエタノールじゃんよ。」 自分たちの誇りの酒を貶された少女が怒りに燃えて反論するが、サヴィーノが正論で叩き落とす。実際高純度エタノール以外の何者でもない。 「んでチェイサーに高級純粋水を使うわけだ。でも氷は聞いたこと無いんだよなぁ。旦那知ってる?」 「なんだお前知らんのか?北極氷塊の深部から採掘した氷を溶かし、何回も煮沸、ろ過した水をじっくり凍らせた最高品質の超高級氷だ。ちなみに大体10kgで普通車が買える。」 「何でただの氷がそんな高いの。」 何気ない質問から帰ってきた来た驚愕の回答に、流石のサヴィーノも引いていた。 「世界でも一部しか存在を知らん無汚染食材の1つだからな。選ばれた金持ちだけが口にできる。ちなみにカキ氷にして食うと雑味が無くて旨いぞ。」 「ずるいですよイリヤさん!なんで呼んでくれなかったんですか!」 「いや、食いつくとこそこじゃないでしょ。てか旦那も食ったことあるんかい!」 見た目に似合わぬイリヤの講義を尻目に、食欲を爆発させカウンターを両手でたたく少女。そんなことしてるからいつまでたってもレディ(笑)と呼ばれるのではないだろうか。 「そもそもそんなにするんですか?」 「え、お嬢ちゃん知らなかったの?」 注文していた少女の驚きの発言に、思わず反応するサヴィーノ。 「お嬢ちゃんじゃありません!その、家だと普段使いする氷だったので。」 「マジモンの金持ちじゃねぇのよ。なぁ旦那どっから攫って来たの。今なら弁護はしてやるから、ここは素直にさ。」 「マジで人聞き悪いなおい!上司だって言ってんだろ!」 さらなる衝撃の回答に、心配そうな表情で自白を勧めるサヴィーノ。 それに対するイリヤも、流石に声を荒げた。幼女誘拐犯と間違われるのは流石に外聞が悪すぎる。 たとえCD領内の大半の酒場から指名で立ち入り禁止を宣告されている身であってもだ。 「ずいぶんと盛り上がっているところ、失礼いたします。」 復活したらしいジルグリンデが、少女の前にコースターとグラスを置いていく。 「こちら、ロマノフ王朝に貢納されたクバチ産純銀製枠付クリスタルショットグラスです。細工の巧妙さをお楽しみください。」 ロシアンシルバー特有のデザインが非常に精緻な彫金で施され、無数の宝石がはめ込まれた恐ろしく風格のある銀の枠。それに2センチほどのクリスタルショットグラスがはめ込まれている。 大戦前の博物館の奥に飾られていたとしても不思議ではない代物だ。 「こちらはチェイサーをお注ぎする、今は無きスワロフスキーカットグラスの最高級モデルでございます。氷とグラスの光の調和をお楽しみください。」 今は無きロシアの名品。スワロフスキーが生み出した最高級カットグラス。現代でもその意匠を模倣した商品が数多く生産されるほどに人気があり、数少ない真作には途方もない値段が付くことが知られている。複雑にカットされたグラスの中に、真球に近い形にカットされたアークティッククリスタルが輝いていた。 「ふふ、お父様が普段お使いになるのと同じグラスでお酒を飲むと、もっと大人になれた気がしますね!」 「えぇ。」 「やっぱあの人持ってんな。やり手だけあるわ。」 少女の何気ない一言に、サヴィーノはさらにドン引き、イリヤは天を仰ぐ。 「ロシア時代の秘宝だと思うんですが、それを普段使いなさる?」 「割と何個もありますし、私や従妹も幾つかプレゼントしてもらってます。お酒の時は使わせてもらえませんが。」 問いかけるジルグリンデもどこか引きつったような笑みを浮かべていた。 少女の特に気負ったところも無い回答に、指が引きつるのをサヴィーノは見逃さなかった 「ちなみに旦那、あれどんなもんなの。」 サヴィーノはイリヤに耳打ちするように近づき、値段を聞く。 あのジルグリンデが微妙な反応をする程度には高いんだろうなぁ、とかなりふわっとした気持ちで聞いただけだった。 「あのカットグラス一個で軍用車、リキュールグラスは多分値がつかんがそうだな、戦車だと思え。」 「は?」 「以前ぶち壊したときの請求書がそんなもんだった。あの時は流石に死を覚悟したぞ。相棒の手で死にそうだった。」 「は????」 そこに放り込まれる途方も無い値段に、思わず素がでる。 あんなちっこいグラスで戦車? 旦那壊したことあるの? 相棒に殺されるって何? 「とりあえずとっとと飲みましょうよ、我慢できませんいただきます!」 「まだ俺酒頼んでないんだが、あーあ、はじめちまった。NAIRIあるだろ?それをボトルで、ワイングラスな。」 「どうぞ。」 男の前に琥珀色の香り高い20年物のアルメニアブランデーが注がれているの尻目に、少女はかぱかぱとスヴァローグとチェイサーを交互に乾していく。尋常ではないペースで飲んでいるが顔色がまったく変わっていない。男は注がれたブランデーの香りを楽しみ、そして少女のように一息で飲み干す。 「あ"あ"あ"あ"、効くぜぇ。後は手酌でやるから、お前らも飲むと良い。あ、サラミとチーズ適当に塊でくれ。」 「美味しいですよぅ、美味しいですよぅ。お姉さん、生ミントとカットレモン、あとピンクソルトとブラックペッパーをミルごと下さい。」 飲み始めたロシアの飲兵衛どもは早速アクセルを吹かし始める。 「どうするよ、誘われちまったけど。」 「私は飲みませんが、あなたはお好きに。イリヤ様が飲ませようとしてますし。どうぞ、塊でお持ちしました。」 手元の引き出しの中になぜか入っていたサラミとチーズを塊でイリヤの前に置く。 男は手持ちの大型ナイフで切り出しては、口に放り込み、ブランデーを乾していく。 「そうだな、サヴィーノ。飲め。」 迷うサヴィーノの前に、イリヤが並々と注いだグラスが置かれる。 「良い酒飲むタイミング逃すわけにはいきませんね。ご相伴に預かるとしますか!この出会いに!」 踏ん切りをつけ、サヴィーノはロシアの古い作法通りに乾杯する。 「良い飲みっぷりだ!俺も負けてられんな!すばらしき酒との出会いに!」 イリヤも負けじと酒を注ぎ、乾杯する。 二人は瞬く間に出来上がり、テンション高めの飲み会に突入していった。 しばらく騒いでいたそんな二人を相手していたジルグリンデは、少女にチェイサーのお代わりを勧める。すでに少女は一瓶開けようとしていた。 「お嬢さん、チェイサーはいかがですか?」 「うふふ、くださいな?」 とろんとした瞳で、どこか甘えたような声を出す少女に、そろそろ打ち止めを宣告しようと悩み始めるジルグリンデ。 「どうぞ。」 「ありがとうございます。ふぅ、お姉様も一口いかが?」 差し出された水を飲み、一息ついた少女は、酒の入ったグラスを軽く振りながらジルクリンデを誘う。 「いえ、私は職務中ですし。相方が飲んでいますので、私くらいは素面でいませんと。」 「私とは飲みたくありませんか?」 「むむう。」 一度は断ったものの、大きな目一杯に涙を浮かべる少女を前にジルグリンデは騎士として悩んでしまう。小さいとはいえ立派な淑女。淑女の願いをかなえずして何が騎士だろうか。 一口付き合ってご納得いただこう。そう考えてしまったのだ。これが敗着の一手であった。 「分かりました、一口だけいただきましょう。ではグラスを、」 「えへへ、グラスなんて要りませんよぅ、お・ね・え・さ・ま?んぐんぐ。」 「いったいナにをって、ぬむぐぅ!?」 グラスを用意しようと背を向けたジルグリンデが、不穏な気配を感じて振り返ると、靴を脱ぎカウンターに上った少女の顔面が視界一杯に広がっていた。 そして避けえぬ距離でお互いの唇が重なる。 ―――こ、これは事故で、なにぃ!? なんとか傷つけずに押し返そうとしたジルグリンデの唇を少女の舌がこじ開け、口の中のスヴァローグが流れ込んでくる。 口腔と喉、肺と消化器に焼け付くようなアルコールの間隔が走ると同時に、少女の舌が騎士の口の中を暴れまわった。 ハートが飛び散ってそうな濃厚なキスを目にしたイリヤは、あきれた表情を浮かべながら口を開いた。 「おうおう、盛ってんな。」 「いや、止めなくていいのかよ旦那。」 「ほっとけ、どうせ目が覚めたら忘れてる。あいつには犬に噛まれたと思えってな。」 「なら良いけど。それしても、」 「ああ、それにしても」 「「完全に年の差百合だよなぁ。」」 聞こえてきた声に、ジルグリンデも事態の打開を最優先する。 少女の両肩を掴み、無理やり引き剥がしたのだ。 「ぷはぁ!?そこぉ!見てないでお嬢さんを止めなさい!っと!?」 叫ぶと同時に、自分に向かって糸が切れたように倒れこんできた少女を抱きかかえる。 呼吸を確かめるために口元に耳を寄せると、規則正しい寝息が聞こえてきた。 「やっぱつぶれたか。」 「分かってたなら止めてください。」 「やなこった。一回潰さねぇと面倒でナ。助かったぜ。」 「厄日です。」 心底疲れた表情をするジルグリンデから少女を受け取ると、イリヤは最後の注文をする。 「最後の注文だ、Chartreuseをショットで一杯。」 「それエリクサーだろ?いまさら健康志向ってか?」 「おいおい、これはマナーだぜ?色男。」 妙な注文をする男に、サヴィーノが小馬鹿にするように問いかける。 対する男は皮肉げに口元をゆがめて教え諭した。 「酒臭い口の中をミントですっきりさせるんだ。ん、ああ、マズ。いいか?キスの前と女を連れ込むときのエチケット、ちゃんと覚えとけよ?」 「くそ、そんな使い方聞いたことねぇぞ。」 「ははは、おれも師匠に教わった口だから偉そうなことは言えねぇがな。」 悔しがる危険な香り漂う色男と、肩に少女を担いだいかつい男。普通に通報不可避な絵面だった。 「さぁ、迎えに来ましたわよ!」 そんな空気をぶち壊し、扉をぶち破るように入ってきたのは真紅のドレスで豊満な体を包んだ金髪ゴージャス美人だ。 「ああ、貴女のような女神に出会えた今日の幸運を天にかんsyぬぐふぅ!?」 サヴィーノは流れるように口説こうとして、いつものように自分の右手であごを打ちぬき昏倒する。レメゲトンがいないことに高をくくったらしい。だが抜け目ない彼女はどうやら特定のワードに対応した自動制御プログラムを仕込んでいたようだ。ジルグリンデが確かめると完全に白目をむいている。良いの入ってたし。 「コイツもって帰ってくれ。」 「嫌ですわ。あなたもここでお開きです。」 差し出される少女の受け取りを、美女が拒否する。 「そうかよ。あぁ勘定は俺が持つ。心配スンナ。」 ジルグリンデに視線をやった男が、弁明するように言葉を紡いだ。 その言葉に、ジルグリンデは首を横に振る。 「最初からあなたが支払いを持つ気でしたね?」 ごっ。 「先輩が初陣を果たした後輩に酒をおごって祝うのは当然だろうに。こいつがごねやがってよ。」 ごっ。 「かわいい後輩をお持ちのようだ。」 ごっ。 「面倒な上司でもあるがな。」 ガンッ! 二人の男はシニカルな笑みを浮かべながら会話を続ける。ジルグリンデが昏倒したサヴィーノを蹴り起こしながらのため、混沌とした状態だった。 「何かっこつけてますの?あ、このカードで処理して下さる?」 「おい、ジルニトラ!そのカードは、」 「前社長の奥方からお預かりしました。門出を祝うくらいはさせなさいと。」 なにやら宝石で飾られた妙な形状のカードだった。アルセナル前社長の奥様のカード。恐ろしいことに表示される限度額はアルセナル資産の半分までだ。 これはもはや限度額などあってないようなものではないかと、ジルクリンデはいぶかしむ。 「では失礼します......はい、ありがとうございました。またのご来店をお待ちしております。」 「多分またくることにナルと思うぜ、そん時はよろしくな。」 片手で少女を担ぎ、空いた手で扉を開けて出て行く男。その背中に二人の店員の声がかかる。 「待ってますぜ、旦那!」 「お待ちしております。」 どうにか復帰したサヴィーノとジルグリンデ。扉が閉まった瞬間、二人とも床に崩れ落ちるように座り込んだ。 「いやぁ、ジル。またスゲェ絵面だったな。」 「忘れさせてくれ。」 サヴィーノのからかいに、ずいぶん沈んだ様子で顔をうずめた体育座りの体制に移行するジルグリンデ。 尋常でない落ち込みように、流石のサヴィーノもフォローに回る。 「何だよ生娘じゃあるまいし、むしろ若い娘の唇奪えてラッキーくらいにだな。」 「そうじゃない、この店には監視カメラがあるんだぞ。」 「あ。」 そうだ、この店には当然監視カメラが仕込まれている。防犯と、彼らの上役の娯楽に饗される為に。 すなわち、酔った幼女に濃厚なキスをされる近衛騎士の映像が、敬愛するからかい上手のアリシア様の手に渡るのだ。 「お嬢様に何を言われるか。」 「諦めろ、骨は拾ってやる。」 ろくでもないからかい方をされるだろう同僚に、思わずその肩を叩いたサヴィーノだった。 その肩は哀れにも震えていたという。
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ストーリー 世界背景グリンウッド ハイランド王国天族の杜イズチでのスレイ マビノギオ遺跡 レイクピロー高地 ヴィヴィア水道遺跡 霊峰 レイフォルク 王都 レディレイク ダムノニア美術館 フォルクエン丘陵 ローランス帝国首都 ペンドラゴ パルバレイ牧耕地 トリスイゾル洞 ヴァーグラン森林 キャメロット大陸橋(たいりくきょう) ハイランド王国とローランス帝国 導師(どうし)導師の契約 導師を巡る思惑 従士(じゅうし) 民衆から見た導師 天遺見聞録(てんい けんぶんろく) 天族(てんぞく)スレイとミクリオ 人間と天族 主神(しゅしん)と陪神(ばいしん) 穢れ(けがれ) 憑魔(ひょうま) ライラの誓約 スレイとローランスの関わり 戦争の始まり ドラゴンとの邂逅 グレイブガント盆地 ラストンベル ギルド プリズナーバック湿原 導師の試練 加護復活と加護天族について セキレイの羽 ゴドジン ラモラック洞穴 ストーリー ハイランド王国とローランス帝国という二つの強国が支配権を争う大陸「グリンウッド」。 幾度となく戦乱を巻き起こしながら、一方で狩りや農業、商業、芸術など、様々な営みを逞しく脈々と受け継いでいく人間たち。 そうした彼らの生活には、それぞれが抱く信仰が大きな影響を与えていた。 ――昔ながらの伝承を受け継ぐ事を至高とするもの 神の言葉をまとめたとされる聖典を奉るもの 民族としての誇りこそが信仰の源たるもの―― 異なる信仰が多様な文化を生み、文明は発展と拡大を得た。ところが、不思議な共通項が一つ。 グリンウッド大陸のいずれの信仰にも「天族」と呼ばれる神秘の存在が語られるのである。 天族は目に見えず、触れられもしないが、超常の力を用いて世界のあらゆるものに影響を及ぼしていると語られた。 人々はそんな天族を、敬い、畏れ、忌避し、崇拝していたのである。 誰も目にしたことのない天族。その不可視のはずの存在があらゆる信仰の中でかくも語られるのは、人の世にごく希に現れる、天族と交信することができると訴える者たちの影響であった。 彼らは天族と契約し、その「穢れのない心身」を天族の住処である「器」として捧げることで、天族の力を借り受け操ることができた。 人並外れた力を発現して見せるその姿は、他の民衆にとって神のようにも悪魔のようにも映った。 人はいつしか、天族と交信する者たちを畏敬の念をもって「導師(どうし)」と呼ぶようになる。 そして導師を「神の力を与えられた救世主」として天族と同様に信仰の対象とし、世が窮すると、導師の出現、導師による救済を祈り求めるようになっていった。 世界背景 グリンウッド グリンウッドは、気候変化に富み、多彩で豊かな自然をもつ広大な大陸である。 一部には大湿原や火山といった過酷な環境も存在している。 現在の文明は千年以上の歴史を数えるが、各地にさらに過去の文明が残した遺跡が点在している。 その中には、現代では解明できない不思議な力によって築かれたものもあり、歴史や技術の伝承は断片的なものが多い。 ハイランド王国 国土の大部分が山地や高原で、豊かな緑と水に囲まれた美しい国である。 昔ながらの信仰や様式を重んじる文化をもっていたが、現在は人々の生活や信仰が多様化し、かつての伝統は薄れつつある。 政治の実権も王族と貴族の手を離れ、王の名の下に新たに整備された官僚組織が握っている。アリーシャが属する国。 天族の杜イズチでのスレイ 自室にいるスレイ。家は石と木材でつくられており、簡素ながら居心地が良い。 壁には岩を繰り抜いた棚があり、探検で発見した自慢の戦利品が並んでいる。 「天族の杜イズチ」は、山奥遙か雲海の上につくられた村であり、穏やかで清浄な空気に包まれている。 ここがスレイとミクリオの故郷であり、2人は美しい自然と遺跡を駆け回って育ったのである。 マビノギオ遺跡 遥か昔に山腹に造られ、風化もせずに現代へと残った遺跡。過剰なまでの紋様彫刻が特徴。動物や植物がモチーフとしてふんだんに使われ、その表現は自由でおおらか。動物の彫刻などは時にユーモラスな印象も。 建物の大事な部分の柱や壁は大きな一枚岩を切り出して作られており、素材を生かしたダイナミックな構造である。全体に生き生きとした力強さを感じさせるそのつくりは、人間の信仰の力を感じさせるものになっている。 屋外に面した外壁部分は、やはり一面に壁画や装飾が施されている。外壁の一部は通路を兼ねており、太古の遺跡にもかかわらず見事に原形を保っている。 そこに立つと眼下に果てしなく雲海が広がり、まるで空に浮かんでいるよう。巨大な遺構の一部は「天族の杜イズチ」に繋がっており、スレイとミクリオは幼い頃からマビノギオ遺跡の探索を進めてきた。 レイクピロー高地 イズチから旅立ったスレイとミクリオが、“下界”として初めて訪れる場所。 高山の麓に広がる高原で、やや寒冷な気候ながら山肌を流れ落ちる滝や針葉樹の森林など美しい自然が広がっている。 周囲の山脈から生じる豊富な水は、幾筋もの急流となってレイクピロー高知を駆け下り、王都レディレイクがそびえ立つ湖へと注いでいる。 ヴィヴィア水道遺跡 王都レディレイクの地下にひろがる遺跡だが、作りには現在の街とは異なる文化様式が見られる。 複雑な水流を管理する構造を持ってもっており、街の上下水道として利用されている。 深部は複数の時代の遺跡が折り重なって存在しているらしく、不可思議な仕掛けや抜け道が隠されているという。 その成立にはハイランド王家が深く関わっているとされるが、真相は不明。 霊峰 レイフォルク 大陸有数の高山で、いつ頃からかドラゴンが棲むという伝説が語り継がれている。 まるで竜の牙のような奇岩が連なる断崖絶壁は、古来多くの人命を奪ってきた。 そのことと頻繁に発生する激しい雷鳴がドラゴンの正体であるという説もある。 いずれにせよ、うかつに立ち入れる場所ではないが、その峻厳な山容と大陸を一望できる山頂からの絶景は霊峰と呼ぶにふさわしい神秘さを備えており、恐れと共に人々の信仰の対象にもなっている。 王都 レディレイク 湖の上に築かれたハイランド王国の王都。レイクピロー高地に発する豊富な水源を、 上下水道、巨大水車を使った工業、美観のための滝など、様々に利用した「水の都」である。 湖の乙女の伝説や聖剣祭といった導師に関する伝承も多く残っているようだ。 その美しさは大陸随一とも謳われていたが、ここ数年は風紀と治安が著しく悪化し、 以前とは違う禍々しい空気が街の内外を覆い始めている。 その異常な変化に危機感をもったアリーシャは、災厄の時代を収拾する手段を求めて、この街から旅に出発した。 ダムノニア美術館 学術の街マーリンドにある美術館。大陸でも有数のコレクションを有していたが、 「災厄の時代」のどさくさにまぎれて、ほとんどが散逸してしまった。 その背後には多くの犯罪行為があったと思われるが、街だけでなく国すら混乱の中にある今、 美術品を取り戻す術はおろか、事実を確かめる術すらない。 廃墟のようになった美術館は訪れる人も絶え、残された美術品だけが静かに闇を見つめている……。 フォルクエン丘陵 霊峰レイフォルクの山麓に広がる丘陵地帯。 年間を通して降雨が多く、その雨は起伏に富んだ岩と緑の連なりを洗い、 グリフレット川という丘陵を南北に分断する大河に集まっていく。 グリフレット川は暴れ河で、周囲に氾濫被害をもたらすこともあるが、 同時に天然の濠としてハイランドの最終防衛線の役割も果たしている。 ローランス帝国 グリンウッド大陸で最も広大な土地を治める大帝国。 国土の大部分は肥沃な平野で、それが巨大な軍事力を支える基盤となっている。 首都は大陸一の規模と文化を誇る大都市だが、辺境部は開発が遅れており、中央と辺境の格差はかなり大きい。 以前は皇帝が絶対的な権力をもっていたが、現在は古い伝統を誇るローランス教会が発言力を増し、精神面のみならず政治面においても大きな影響力を発揮している。 首都 ペンドラゴ 大陸最大の人口をもつローランス帝国の首都。大陸中央部に位置する物流の要でもある。 巨大な城壁内に王宮や神殿遺跡など、数百年前の「アスガード興隆期」の建造物を抱えており、 ある意味、街全体が遺跡であるともいえる。 レディレイクの華麗な造作とは対照的に、質実剛健に統一された様式は、 ローランス帝国の長い歴史と、その国風を現代に示している。 パルバレイ牧耕地 ペンドラゴの周辺に広がるグリンウッド大陸最大の穀倉地帯。 丘陵部は放牧地として利用されており、「帝国の食料庫」と呼ばれている。 ローランスの民の暮らしと国力を支える豊穣な土地であったが、 「災厄の時代」が始まって以来、長雨や、農作物の病害が続発し、その食料生産力は激減しているという。 トリスイゾル洞 大陸の辺縁にあるといわれる地下洞窟。結晶状の柱石があちこちに突き出し、洞窟全体が不思議な青い光に包まれている。 青い光の正体は、極小のヒカリ苔とも、結晶が太古に溜め込んだ光とも言われるが、真相は不明。 そんな神秘的な光は、とある詩人を魅了し、この青い洞窟に捧げた美しい詩がいくつも生まれたという。 ヴァーグラン森林 ハイランドとローランスの国境付近に広がる大森林。 樹齢千年を越えるような大木が密生する薄暗い森の中を、両国を繋ぐ交易路が走っている。 両国の支配があいまいな国境地帯ゆえに、山賊や盗賊、無法者たちが跋扈しやすい危険な区域でもある。 樹林の奥は迷宮のようになっており、天遺見聞録にも載っていない未知の遺跡や、別の場所に通じる洞窟が存在すると噂されている。 キャメロット大陸橋(たいりくきょう) ローランス帝国が建造した海をまたぐ大橋。 海中に沈んでいた太古の遺跡を土台とし、その建築技術をベースに架橋されている。 グリンウッド大陸では文明の伝承が断続的であり、失伝した過去の技術が現在のそれを上回っているケースが往々にしてみられる。 この橋は、かつて大軍を派遣するために国家事業として建設されたが、 『災厄の時代』に伴う混乱によって、本来の目的を失ってしまった。 現在は主に辺境地方を往来する交易商人たちが利用し、彼らの交流の場になっている。 ハイランド王国とローランス帝国 長い戦乱の末、グリンウッド大陸の覇権は、東北地方を治めるハイランド王国と、中央部を支配するローランス帝国の二国に集約された。 同じ天族信仰を持ち、祖先を同じくするともいわれる両大国は、以来十数年、大きな衝突もなく平穏を保っていた。 しかし、「災厄の時代」によって国内が混乱し、民衆の不安が大きな高まりをみせると、両国は、それらを払拭するために「外征」を計画。同時に軍の動員を開始した。国境付近では、すでに小規模の衝突が始まっている模様である。 導師(どうし) 世界を浄化する救世主的存在で、天族と交信する事ができ、高い霊応力(れいのうりょく)を持つと言われている。 また、天族と契約を交わし、その器となった者の総称。器となった者(導師)は天族の力を自在に行使することができるという。天族の存在と同様に伝承となるほど、失われて久しい。 導師の契約 導師は、天族と契約を交わして自らの体を、天族を棲まわす「器」とすることで、常人を超えた身体能力と、天響術を操る力を得る。 契約には高い霊応力と、なにより穢れなき純真な心をもっていることが条件となる。導師が天族と契約を結び、その身を器とすることを「輿入(こしい)れ」と呼ぶ。 契約は天族が「主」、導師が「従」であり、導師側から一方的に契約を断ち切ることはできない。 導師の才能によっては、同時に複数の天族と契約することも可能である。 四属性の天族を揃えるのが理想とされるが、四人の天族を受け入れるほどの資質をもった導師は、歴史上も滅多に存在しない。 導師を巡る思惑 真の導師が姿を消して久しい現在、導師は半ばお伽噺的存在となっており、その存在と力を疑う者も多い。 だが、それでも導師は民衆の潜在的な崇拝対象であり、いつの時代も為政者たちにとって無視できないやっかいな存在であった。 導師となったスレイがアリーシャと親しいことを知ったハイランドの大臣たちは、スレイを警戒し、王宮に召喚する。 一見華やかな王宮で、どうすることもできないアリーシャの悲痛な立場や、政治の実権を王族に渡すまいとする大臣たちのどす黒い疑心に触れたスレイは、イズチにいた頃には思いもしなかった人間社会の裏面に巻き込まれていく。それは、人の「穢れ」に係わる導師にとって逃れられない宿命なのだった。 従士(じゅうし) 導師の配下として、その活動を補佐する人間を従士と呼ぶ。 導師になれるほどの霊応力をもたない者も、導師と契約することで憑魔を知覚し、天響術を操って戦うことができるようになる。 アリーシャは、スレイと契約し従士となる。しかし、その力はあくまで導師スレイを源とする限定的なものである。 民衆から見た導師 導師とは、誰もが知っている伝説の救世主である。人の力の及ばない災害が多発する「災厄の時代」にあって、 導師の出現を待ち望む声は世界中で高まっている。 だが、スレイが実際に見せる一瞬にして地形すら変化させてしまう導師の力は、 時に、救った人々に感謝以上の恐怖を与えてしまう。 霊応力(れいのうりょく)を持たない一般人には、導師の力もまた、 憑魔と同じ理解不能な「異常な現象」に見えてしまうのだ。 導師の力をもってしても、そう感じる人の心を自由にすることはできない……。 天遺見聞録(てんい けんぶんろく) 神話に伝わる、人と天族の歴史が残された古代遺跡を巡り、その謎に迫った人物が記した旅の記録。 この書には神話として語られる「人は天族を知覚し、共に暮らしていた」という理想世界が太古には実在していたのではないか……という仮説が綴られている。 天族(てんぞく) 人間とは異なる神秘の種族で、グリンウッド大陸の信仰の対象として語られる存在となっている。 清浄な人や物質を「器」として宿ることで、自然を操る天響術(てんきょうじゅつ)を使用することが出来ると言われている。 通常の人間には見えず、霊応力の高い人間だけが認識で出来る存在。不老不死に近い寿命を持つとも言い伝えられている。現在も、人間からは感知できないだけで存在している。 スレイとミクリオ スレイとミクリオは、赤ん坊の頃から一緒に育った幼馴染みである。 スレイは「人間」、ミクリオが「天族」であることは互いに理解しているが、 高い霊応力(れいのうりょく)を持つスレイには常にミクリオが“見える”ため、 2人が種族の違いを意識することはなかった。 自由闊達なスレイと冷静に思案するタイプのミクリオは、互いを補う良いコンビだ。 だが、共通の趣味である遺跡探検で、どちらが先に新しい発見をするか競いあったり、 なにかにつけて議論を戦わせたりと、親友であると同時に1番負けたくないライバルでもある。 イズチの村から出た事が無かった2人は、アリーシャとの出会いによって初めてスレイ以外の「人間」と対峙し、 まだ見ぬ“世界”に目を向けていくことになる。 人間と天族 「天族」は通常の人間には見えず、霊応力(れいのうりょく)の高い人間だけが認識する事ができる存在である。 初めてスレイ以外の「人間」アリーシャと出会ったミクリオは、スレイの前に割って入り、アリーシャの顔をのぞきこむ。 だが、残念ながら彼女にはミクリオの姿が見えていないようだ。 目の前でスレイとミクリオが話をしていても、ミクリオの声はアリーシャには届かず、 スレイが奇妙な1人芝居をしているように映るだけ。そう、これが普通の「人間」の反応なのだ……。 主神(しゅしん)と陪神(ばいしん) 天族は、同族間で特別な力の契約を結ぶ場合がある。契約の主となる天族を主神、その下に連なる天族を陪神と呼ぶ。 陪神となった天族は主神と行動を共にしなければならないが、主神が持つ固有の力を共有できるようになる。 ミクリオやエドナは、ライラを主神とする契約を結び、その陪神となる。現在、陪神をもつ天族は数少ないが、古代には数百の陪神を従えた、まさに神の如き天族も存在したといわれている。 穢れ(けがれ) 憎しみ、妬み、悪意といった人の心が生み出す負のエネルギーのこと。 誰もが発する当たり前の現象であるが、それが異常に積み重なると憑魔を生み出してしまう。 天族に対してはその身を冒す毒のような力となる。 憑魔(ひょうま) 強い穢れの影響を受けた人や動植物が変化した魔物。 霊応力(れいのうりょく)を持つ者は憑魔の本性を正しく認識できるが、 一般人には単に凶暴化した人・動物、または意志を持ったように動く竜巻・雷といった異常現象にしか見えない。 「災厄の時代」と呼ばれる現在の世界は穢れに満ちており、山や森だけでなく街道や街中にまで、人知れず憑魔が溢れ始めているのである。 ライラの誓約 誓約とは、自らに特別なルールを課すことで、特殊な力を得る儀式である。 自身の能力を超えた力を手に入れることができる反面、ルールを破った時は、怖ろしい反動に襲われる諸刃の剣でもある。 ライラは、この誓約を使って穢れを祓う「浄化の炎」の力を得ているらしい。 どんな特別なルールを課しているのかは不明。 彼女の過去と関わりがあるようだが、誓約に関する話題になると、 ライラは不自然極まりない奇妙な言動で誤魔化そうとするため、 スレイたちも色々な意味で気の毒に思い、深く追求しないことにしている。 スレイとローランスの関わり 大陸の中央部を占めるローランス帝国は、天遺見聞録によれば「アスガード興隆期」のものを始め、 多くの古代遺跡が残る土地である。 さらには天族信仰を掲げる教会が、大きな力をもち、民衆の支持を集めているともいう。 遺跡探索と導師の使命、その両方の期待に胸をふくらませるスレイ。 だが、導師の出現はローランスにも伝わっており、騎士団はその力を危険視し、 教会は異端者として取り締まろうとしていた。 しかも、「導師と同種の奇跡を体現する者」が存在するという噂まで聞こえてきて……。 大陸最強の大国を訪れたスレイは、今まで以上の試練と、世界の現実に直面することになるのであった。 戦争の始まり ついにハイランド王国軍とローランス帝国軍の戦争が始まってしまう。 両軍はそれぞれグレイブガント盆地の南北に布陣。周りを岩山で囲まれた逃げ場のない地で、真正面から衝突した。 一斉に放たれた矢の雨が宙で交差し、敵陣地を狙って投石機が巨岩を撃ち出す。 隊列を組んで突撃した槍兵が敵を貫き、雄叫びと共に振り回す剣が、鉄を潰し血と肉をまき散らす。 怒りと恐怖と憎悪が渦巻く戦場は、穢れの坩堝(るつぼ)と化し、兵士たちは次々に憑魔へ変化していく。 やがて彼らは、剣ではなく爪牙で敵を引き裂き、獣のように互いを喰らい始める。 災害や戦争以上の災厄が生まれようとしていた。 ドラゴンとの邂逅 スレイは訳あって立ち入った霊峰レイフォルクで、伝説の魔物・ドラゴンに遭遇する。 ドラゴンは憑魔と異なり完全に実体化した最強の怪物で、あらゆる生物や憑魔以上に強大な破滅の使徒。 だが、伝説の証明を喜ぶ余裕はなかった。 「動いたら……やられる」 スレイたちは圧倒的な力を宿したドラゴンの眼に射すくめられ、逃げることすらできない。 その巨体で風より速く動き、雷鳴のような咆吼をあげて襲いかかってくるドラゴン。死の予感が一行を包みこんだ……。 グレイブガント盆地 ハイランドとローランスの国境に横たわる岩石に覆われた盆地。 二大国を繋ぐ交通の要衝であり、戦略上の重要拠点でもある。 高所から見渡せる狭隘(きょうあい)な盆地は、策を弄する余地がほとんどなく、 閉ざされた空間で大軍同士が正面衝突せざるを得ない。 この地理的特性から、グレイブガントは何度も歴史的な激戦の場となってきた。 ここへの侵攻は、その軍団が総力戦を覚悟していることを意味している。 長らく両国ともに非武装の緩衝地帯として扱ってきたが、再び戦火が立ち上ろうとしている。 ラストンベル 優秀な職人が集まることで有名なローランスの商業都市。 建物には新旧様々な意匠が施され、売買される物品も職人こだわりの逸品が揃っている。 特に美しい音色を奏でる機械仕掛けの鐘楼は有名で、街のシンボルとなっている。 ハイランドへの街道筋でもあり、商業活動は活発で、街の住民の自治意識も高い。 本来は活気と自由な気風に満ちた街だったが、最近は連続殺人や子どもの失踪という不穏な事件が立て続けに起こっているらしい。 ギルド グリンウッド大陸は、ふたつの中央集権国家が民衆を支配しているが、 その一方で人の交流や物流は、地域や国境の枠を越えて行われている。 特殊な技能をもった人々は、同業同士で職能集団“ギルド”をつくり、 互いの技術や利益の向上、情報の共有をはかって、したたかに活動している。 商人、工匠、土木、運送などの生活に密着したもののほかに、 盗賊、暗殺ギルドといった裏社会に属するものまで存在するという。 著名なギルドとしては、国家間通行証を所持して世界を回る商隊ギルド“セキレイの羽”、 名うての暗殺ギルド“風の骨”などがある。 プリズナーバック湿原 大陸の西南部を占める広大な湿原。 つねに霧が覆い、よどんだ沼地の合間には巨大化した植物や奇妙なテーブル状の岩山が林立する不気味な場所である。 人の生活に適さない不毛の地であるが、開拓が試みられたこともあり、その痕跡が朽ちかけた木道として遺っている。 プリズナーバックの名は、かつてこの地方の海岸に手足を繋がれた遺体がよく流れ着いたという伝説に 由来しているらしいが、周辺に監獄や収容所があったという記録はなく、真偽は謎に包まれている。 導師の試練 大陸の各地には、歴代の導師たちが修行を積んだとされる“試練の遺跡”が複数存在している。 天族と人間が共存した時代の遺物とも伝わるが、いずれも秘境にあり巧妙に隠されているものもあるため、 現在において真意を知るものはごくわずか。 “試練の遺跡”は、はるか太古に、導師を鍛え上げるためにつくられた遺跡群。 それぞれ異なる属性を司る高位天族が祀られており、挑戦者を試す様々な試練が仕掛けられている。 それは死の危険を伴うほどのものであり、これまで無数の導師たちが命を落としてきた。 火の試練神殿・イグレインは、地下深くに建造されており、内部には灼熱のマグマが流れている。 また、ライラよりも強力な火の天響術を使用した痕跡が随所に残っている。 水の試練神殿・ルーフェイは、清浄な水の力に守られている。 侵入者を拒む不思議な仕掛けが施されており、深部にはある人物との因縁を持つ憑魔が捕らわれているらしい。 地の試練神殿モルゴースは、大地に根を張ったような重厚さをもつ祭殿だが、 悲しき魂が集う場所と噂されており、独特の物寂しい空気に包まれている。 “生贄の塔”とも呼ばれる風の試練神殿ギネヴィアは、 天族にその命を捧げることで罪が浄化されるという民間信仰が息づく地に立っている。 雲を突いてそびえるギネヴィアの頂上からは、己の咎(とが)を晴らすため、今でも多くの人間が身を投げているという。 加護復活と加護天族について 現在、大陸のほぼ全土が穢れに覆われているグリンウッド大陸。 イズチから旅だったスレイとミクリオは、先々で蔓延した穢れを体感する。 かつては、領域内の穢れを制御する“加護天族”と呼ばれた者が地域ごとにいたはずだが、 現在ではその気配を感じられない場所も多い。 加護を担ってくれる天族を探し出して穢れを祓うことも、スレイたちの目的の1つとなっている。 セキレイの羽 ロゼが所属する商隊ギルド。ハイランドとローランスの通商条約によって保証された通行手形をもち、 世界を股にかけて手広く商売を行っている。 エギーユが率いているのがメインのキャラバン隊で、他にもいくつもの別働隊が大陸全土で活動している。 同業の中には、災厄の時代につけ込んで悪どく儲ける者や、密輸に手を染める商人も少なくないなか、 セキレイの羽は信用第一の堅実な商隊として知られており、 民間だけでなくハイランド王国からも王宮に物品を納めるほどの信頼を得ている。 旅先でスレイたちと度々行き会い、顔なじみになっていく。 ゴドジン 辺境の荒廃した岩石地帯にひっそり佇む小村。 ささやかな農業と狩猟でなんとか生計を立てていたものの、近年連続した飢饉によって廃村の危機に瀕していた。 だが現在は村長を中心に村人が団結して助け合い、子どもたちのために学校を建てるなど、不思議な活気を呈している。 村の奥には“聖域”と呼ばれる由来もわからないほど古い遺跡があるが、その立ち入りは村長によって堅く禁じられている。 ラモラック洞穴 ヴァーグラン森林の奥に口を開けている洞窟。 苔類が覆う内部は、複雑に入り組み、かなりの全長をもっているようだ。 危険かつ、特別な産物もない場所にもかかわらず、怪しげな商隊や指名手配者など、表街道を歩けない者たちが出入りする姿が、度々目撃されているという。
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鬼滅の刃-作中用語 鬼/人喰い鬼(おに/ひとくいおに) 鬼殺隊(きさつたい) 柱(はしら) 惡鬼滅殺(あっきめっさつ) 育手(そだて) 日輪刀(にちりんとう) 鬼殺隊の隊服(きさつたいのたいふく) 鎹鴉(かすがいがらす) 藤花彫り(とうかぼり) 隠(かくし) 継子(つぐこ) 柱合会議(ちゅうごうかいぎ) 藤の花の毒(ふじのはなのどく) 禰豆子の箱(ねずこのはこ) 厄除の面(やくじょのめん) 鬼の始まり(おにのはじまり) 十二鬼月(じゅうにきづき) 血鬼術(けっきじゅつ) 花札風耳飾り(はなふだふうみみかざり) 赫灼の子(かくしゃくのこ) ヒノカミ神楽(ひのかみかぐら) 八支刀(はちしとう) 青い彼岸花(あおいひがんばな) 稀血(まれち) 藤の花の香り袋 藤の花の家紋の家 記憶の遺伝(きおくのいでん) 痣の者(あざのもの) 柱稽古(はしらげいこ) 反復動作(はんぷくどうさ) 透き通る世界(すきとおるせかい) 鬼を人間に戻す薬 地名・施設名等狭霧山(さぎりやま) 藤襲山(ふじかさねやま) 陽光山(ようこうざん) 北西の町(仮) 東京府浅草(とうきょうふ あさくさ) 鼓屋敷(つづみやしき) 那田蜘蛛山(なたぐもやま) 鬼殺隊本部(きさつたいほんぶ) 蝶屋敷(ちょうやしき) 無限列車(むげんれっしゃ) 吉原(よしわら) 異空間無限城(いくうかんむげんじょう) 刀鍛冶の里(かたなかじのさと) その他施設名等豆大福の日輪 空里 その他大正コソコソ噂話・大正こそこそ話 中高一貫!!キメツ学園物語 コメント 鬼/人喰い鬼(おに/ひとくいおに) 本作における「鬼」は、いわゆる「鬼退治」「吸血鬼退治」ものの諸設定を踏襲し、 「太陽の光が弱点」「鬼舞辻無惨から血液感染する」という設定となっている。 人間の体内に鬼舞辻無惨の血が入り込むと、人を喰らう化け物に変貌する。 飢餓状態になるとさらに凶暴化し、肉親でも殺して食べてしまう。 鬼舞辻以外の鬼が血を与えた場合であっても、その鬼が鬼舞辻の支配下にある鬼であれば、鬼舞辻配下の鬼となる。 呼吸を使える剣士を鬼にするにはより多くの血と数日の時間を必要とする。稀に鬼舞辻の血を受けても鬼にならない体質の人間もいる。 再生力が高く、たとえ首や手足がもげても再生し動く事が可能で、老いや外傷で死ぬ事はない。 任意で腕を生やしたり、顔や体型を変形することも可能。 致命的な弱点は「日光」と「日輪刀による頸斬り」で、塵となり崩壊する。 頸以外なら「日輪刀」で斬っても再生可能。また、「日輪刀以外」で頸を斬っても致命傷にならない。 「日輪刀以外」で頸と胴体が分離してもそれぞれ独立して動くことが可能で、頸を戻せば元の姿に戻せる。 頸と胴体が分離した状態では弱点の日輪刀頸斬りが出来ないので一見無敵に見えるが、頸の根元から日輪刀の袈裟斬りで倒すことが出来る。 鬼によっては、人間時の記憶を忘れてしまう場合がある。 条件は不明だが、本人にとって大切な人物の記憶、逆に忘れ去りたい記憶が消えることが多い。 その他弱点として、藤の花を嫌う習性がある。 基本的に人を多く食べた鬼ほど強くなり、「血鬼術」という異能を用いる事ができるようにもなる。 特に鬼舞辻直属の強力な鬼達は「十二鬼月」と呼ばれている。 基本的に鬼の生殺与奪の権は鬼舞辻にあるが、稀な例として竈門禰豆子と珠世は自力で肉体を操作し、鬼舞辻の支配から脱している。 また、珠世から血を受けた愈史郎も鬼舞辻の支配を受け付けない。 ▲ページ上部へジャンプ 鬼殺隊(きさつたい) 人を守るため鬼を狩る政府非公認の組織であり、古より人々の間では「鬼狩り」として語られている。 隊員は十干「甲(きのえ)・乙(きのと)・丙(ひのえ)・丁(ひのと)・戊(つちのえ)・己(つちのと)・庚(かのえ)・辛(かのと)・壬(みずのえ)・癸(みずのと)」の階級が割り当てられている。 また「柱」と呼ばれる特殊な階級が設けられている。 鍛練で超人的な技を身に付けているが、あくまで生身の人間であるため傷つき痛みもある。 各地に散在する「育手」に訓練を受けた後、「鬼達が幽閉されている藤襲山で七日間生き残る」という試験に合格すると入隊が認められる。 隊員には「日輪刀(の原料)」と隊服が支給され、「鎹鴉」の伝令に従い任務に就く。 隊員は働きに応じて本部から給料が支給される。階級が高い程支給金も多くなる。 階級は五行陰陽の十干(じっかん)をベースにしている模様。 十干 訓読み 意味 甲 きのえ 木の兄 乙 きのと 木の弟 丙 ひのえ 火の兄 丁 ひのと 火の弟 戊 つちのえ 土の兄 己 つちのと 土の弟 庚 かのえ 金の兄 辛 かのと 金の弟 壬 みずのえ 水の兄 癸 みずのと 水の弟 ▲ページ上部へジャンプ 柱(はしら) 鬼殺隊最強の称号を得た隊員のこと。最も位の高い剣士を差す。 柱より下の階級の者たちは恐ろしい早さで殺されてゆく。よって、実質鬼殺隊を支えているのは柱たちと言われている。 柱命名の仕組みは、柱になった人の流派(呼吸)に合わせて「○柱」と呼ばれるだけなので特に固定した役職名ではない。 (ただし雷の流派で柱となった桑島慈悟郎は当時「鳴柱」(なりばしら)と呼ばれていた) ※公式ツイキャス配信の公式コメントより 作中では「元柱」の育手も稀少であると描写されている。 28話の本誌アオリ文では『隊ノ柱石(たいのちゅうせき)出陣!!』と表現されていた。 柱になる条件について 柱は九名で構成されていて、空席になった場合は、 「階級」が「甲」の中から実力を持つ者の中から選ばれる。 また、認められるには「十二鬼月を倒す」か「鬼を50体倒す」必要がある。 そのため柱になるにはおよそ5年かかるとされるが、中には2年でのぼりつめる強者もいる。*1 さらに霞柱のように2ヶ月で柱になる例外もいる模様。 作中で「柱」と明言されている人物 人物名 呼称 備考 冨岡 義勇 水柱(みずばしら) 胡蝶 しのぶ 蟲柱(むしばしら) 煉獄 杏寿郎 炎柱(えんばしら) 宇髄 天元 音柱(おとばしら) 甘露寺 蜜璃 恋柱(こいばしら) 悲鳴嶼 行冥 岩柱(いわばしら) 時透 無一郎 霞柱(かすみばしら) 伊黒 小芭内 蛇柱(へびばしら) 不死川 実弥 風柱(かぜばしら) 鱗滝 左近次 水柱(みずばしら) 元柱 桑島 慈悟郎 鳴柱(なりばしら) 元柱 煉獄 槇寿郎 炎柱(えんばしら) 元柱 胡蝶 カナエ 花柱 元柱 ▲ページ上部へジャンプ 惡鬼滅殺(あっきめっさつ) 柱クラスの日輪刀に確認できる彫り文字。ちなみに、読み切り「過狩り狩り」の主人公「ウ-拾壱号」の刀にもこの四文字が確認できる。 ▲ページ上部へジャンプ 育手(そだて) 鬼殺剣士を育成する人物のこと。 「育手」は多数存在しており、それぞれの場所、それぞれの方法で剣士を育成している。 ▲ページ上部へジャンプ 日輪刀(にちりんとう) 鬼殺隊の持つ、鬼を唯一殺すことの出来る武器。頸を斬られた鬼は切り口から砕け落ちて絶命する。 最終選別終了後、生き残った者は数多の玉鋼の中から一つを自分で選び、刀匠に打ってもらうことになる。 原料である”猩々緋砂鉄(しょうじょうひさてつ)””猩々緋鉱石(しょうじょうひこうせき)”は陽の光を吸収する鉄であり、 太陽に一番近い山”陽光山”で採れると言われている。 日輪刀は別名「色変わりの刀」と呼ばれており、持ち主によって色が変わり、それぞれの色には特性がある。 一度色が変わった日輪刀は、所有者が変わっても再び色が変わることはない。 炭治郎の刀はその髪と目の色から鮮やかな赤色になると期待されたが何故か黒色に変化した。 第69話で、「ある程度の剣術の腕がないと日輪刀の色が変わらない」との説明がある。 よって、呼吸剣術を覚えてから日輪刀の適正が判明する為、実は体質と適正が合わない呼吸を習得していたパターンもある模様。 日輪刀が持つ日光エナジーに関しては、炭治郎が「陸ノ型:ねじれ渦」の衝撃波でも沼鬼を倒せているので、直接頸を斬らなくとも斬撃から派生する衝撃波で頸を斬った場合も日輪刀の日光エナジーが伝わって鬼を殺すことが可能と推察される。 戦国時代に階級制度が始まって以降、柱の日輪刀には“惡鬼滅殺”の文字が刻まれている。“滅”の一文字が入った炭治郎の刀は、階級制度以前に打たれたもの。 日輪刀特徴一例 所持者 刀身 鍔 柄 柄頭 鞘 備考 竈門炭治郎 黒色 日輪型/黒色 黒色 灰色 黒色 刀鍛冶の里で下記の刀と交換 〃 漆黒"滅"の一文字 炎型 - - - 縁壱零式の内部から発見鍔は煉獄杏寿郎から引き継ぎ 我妻善逸 稲妻模様 木瓜型/白色/縁金色 白色 金色 白色 鍔や柄は羽織同様三角モチーフ 嘴平伊之助 藍鼠色・ギザギザ 無し 布巻 布巻 布巻 石で刃を叩いて自らギザギザに加工している 冨岡義勇 藍→黒のグラデーション惡鬼滅殺 六角型 藍地に白色布 赤紫色 黒色 胡蝶しのぶ 鈎針のような形状根元右面:惡鬼/左面:滅殺 四枚翅型水色/外周橙色 橙地に白色布 橙色 花絵装飾付 先端と根元以外は棟鎬を除いて刃がカットされている(蝶や虫の口吻がモチーフ?)鞘に毒の調合を変える仕掛けあり 煉獄杏寿郎 赤色・炎のゆらぎのような刃文惡鬼滅殺 炎型 白色 - 白色と灰色 甘露寺蜜璃 桜色・ウルミ風長剣惡鬼滅殺 四枚♡型 ♡ - - インドの剣「ウルミ」のような、しなやかにたわむ長剣 宇髄天元 黒→金のグラデーション惡鬼滅殺 木瓜型金色/外周青色 青地に赤色布 金色/鎖 無し(布巻き) 二振りを柄頭に鎖で繋いだ、刀と斧の中間のような大刀鞘が無いのでベルトで固定して背負っている 不死川実弥 ノコ歯のような刃文惡鬼滅殺 十六角星形 - - - 時透無一郎 白色惡鬼滅殺 長方形連結形/金色 浅葱地に黒色布 銅色 黒色 悲鳴嶼行冥 片手斧形状 - - - - 斧+鎖+巨大トゲ鉄球 伊黒小芭内 薄紫・フランベルジュ惡鬼滅殺 - - - - 刀身がフランベルジュのような、波打つ形状をしている ▲ページ上部へジャンプ 鬼殺隊の隊服(きさつたいのたいふく) 特別な繊維で出来ており、通気性は良いが濡れにくく燃えにくい。暑さ寒さもある程度凌げる。 中級程度の鬼の牙や爪を防ぐ程度の防御力があり、雑魚鬼の爪や牙では、この隊服を裂くことすらできない。十二鬼月の攻撃を防げるものはまだ実用化されておらず、現に魘夢の歯と骨で作られた錐での刺突は有効であった。 黒ずくめで、背中に「滅」の一文字が描かれているのが基本デザイン。柱たちはこれをかなりカスタマイズしている。 ▲ページ上部へジャンプ 鎹鴉(かすがいがらす) 鬼殺隊員へ任務の伝令をする鴉。人語を話すことが出来る。 何故か善逸の鎹鴉は雀。鎹雀は鳥語しか話せない。 善逸に雀の鳥語は全く伝わらなかったが、何故か炭治郎は鳥語を理解することが出来た。 ▲ページ上部へジャンプ 藤花彫り(とうかぼり) 特殊な技術で手の甲に彫られた鬼殺隊の印。 『階級を示せ』という言葉と筋肉の膨張によって現在の階級が浮き出る。 柱の場合、水柱は「水」、炎柱は「炎」というように柱名が浮き出る。 なお、第75話の伊之助の『藤の山で手ェこちょこちょされただろ?』については、 第8話にて選別試験案内人(お館様の子供)が、 「まずは隊服を支給させていただきます 体の寸法を測り その後は階級を刻ませていただきます」と発言している伏線有り。 ▲ページ上部へジャンプ 隠(かくし) 鬼殺隊の事後処理部隊。振り仮名はカタカナで「カクシ」。 鬼殺隊と鬼が戦った後の始末をする。 構成する隊員は剣技の才に恵まれなかった者達が殆ど。 ▲ページ上部へジャンプ 継子(つぐこ) 柱が育てる鬼殺隊士のこと。相当才能があって優秀じゃないと選ばれない。 柱から声をかけられるか、申請し柱が承諾することで継子になれる。 同じ呼吸が望ましいが異なる呼吸でも認められるらしい。*1 ▲ページ上部へジャンプ 柱合会議(ちゅうごうかいぎ) 半年に一度、鬼殺隊本部に柱全員が集結して行う会議。 ▲ページ上部へジャンプ 藤の花の毒(ふじのはなのどく) 薬学に精通している胡蝶しのぶが開発した「鬼を殺せる毒」。 日光・日輪刀による頸斬り以外でも鬼を殺せる手段の一つ。 毒殺した死体は塵となって分解する過程が起こらず、人間のようにそのまま腐る。 この毒を注入すると、下級の鬼なら数秒で即死する。 バリエーションとして麻痺毒もあり、こちらは数字を持たない鬼なら半日体を麻痺させられ、下弦の鬼でも動きを封じることができる。 上弦の鬼ほど強ければ動きを鈍らせる程度で、数十秒から数秒で無害化されてしまう。だが上弦の鬼にも効果のある毒は現在も開発中である。 ▲ページ上部へジャンプ 禰豆子の箱(ねずこのはこ) 炭治郎が日中の間、禰豆子を背負う箱。鱗滝左近次製。 非常に軽い”霧雲杉(きりくもすぎ)”という木を材料にし、さらに外側に”岩漆(いわうるし)”を塗って固めたので強度も高い。 有事の際は禰豆子は扉を蹴り飛ばして出てくる。 柱合裁判の場にて不死川に破損させられてしまったが、アオイが修理を行った。(単行本6巻オマケページより) ▲ページ上部へジャンプ 厄除の面(やくじょのめん) 鱗滝左近次製のお面。悪いことから守ってくれるらしい。 皮肉にも過去の弟子達は『厄除の面』が手鬼のターゲット目印となり、殺されてしまった。 『厄除の面』効果考察 ▲ページ上部へジャンプ 鬼の始まり(おにのはじまり) 千年以上前、平安時代に最初に鬼になった存在。その鬼こそが鬼舞辻無惨。 産屋敷一族にして病弱であった彼が、担当医の調合した試薬『青い彼岸花』を服用して肉体が変異した。 人間を鬼に変えられる血を持つ鬼は彼のみとされている。 産屋敷家は、鬼舞辻が死亡すればすべての鬼もまた滅びると推測している。 ▲ページ上部へジャンプ 十二鬼月(じゅうにきづき) 鬼舞辻無惨直属の十二体の鬼の総称。 鬼舞辻無惨に認められた鬼は無惨から血を分けてもらい、絶大な力を得ることが出来る。 その中で、さらに強さを認められたものだけが十二鬼月となる。 目玉に「下陸」等の数字刻印があるのが特徴。 上位六体を「上弦」、下位六体を「下弦」と呼称している。 「上弦」は両目に刻印、「下弦」は片目のみに刻印。数字は強さの順。 「上弦」は柱と同等もしくは、柱よりも強く、100年間入れ替わっていないが、 「下弦」は柱に討伐されやすく頻繁に入れ替わっている。 ※柱は全員「下弦」を討伐した経験があるので、 累を含めて少なくともニ~三十年以内に10体以上討伐されている計算になる。 余りの弱さに鬼舞辻様も激オコ。 位 階級 名称 備考 上弦 上壱 黒死牟 上弐 童磨 上参 猗窩座 上肆 半天狗鳴女 鳴女は半天狗死後上肆に出世 上伍 玉壺 上陸 堕姫・妓夫太郎獪岳 獪岳は妓夫太郎死後上陸に出世 下弦 下壱 魘夢 下弐 轆轤 下参 病葉 下肆 零余子 下伍 累 下陸 釜鵺 番外 元下陸 響凱 降格 ※「下伍」等は目玉の刻印で、作中では「上弦の壱」「上弦の弐」…「下弦の陸」と呼ばれている。 余談:上弦下弦の定義について 月を弓に見立てて弦がある方向を指しますが、月は時間帯で弦のある方向が変化するので、 厳密には『月没時』に弦がある方向で判断します。 月出時 正中時 月没時 上弦の月 下弦 左弦 上弦 下弦の月 上弦 右弦 下弦 ▲ページ上部へジャンプ 血鬼術(けっきじゅつ) 異能の鬼が使う特殊な術。人を沢山喰べた鬼が血鬼術に目覚めるといわれている。(一部例外有り) 鬼によって能力は様々で、人間だった頃の未練や願望などが反映した能力になっていることが多い。 鬼同様、日光や日輪刀で抑制・無力化できる。作中では兄蜘蛛鬼の毒を日光で徐々に中和する、魘夢の血鬼術を強制解除する危険性の示唆、愈史郎の護符が日光で焼けるなどの描写が見られた。 血鬼術詳細についてはこちら→血鬼術 ▲ページ上部へジャンプ 花札風耳飾り(はなふだふうみみかざり) 竈門家に先祖代々、ヒノカミ神楽の舞い・呼吸と共に受け継がれてきた耳飾り。日輪と日足、大地が描かれた長方形型。 炭十郎死去後は炭治郎が装着している(炭十郎はこの継承を「約束」と称していた)。 元々は戦国時代の鬼狩り継国縁壱が着用していた物であり、竈門家の先祖である炭吉に譲られた。 鬼舞辻はこれを着けた縁壱に刃を向けられた過去があり、配下の鬼に炭治郎の始末を命じている。 なお、キメツ学園物語においては全力で校則違反。 ▲ページ上部へジャンプ 赫灼の子(かくしゃくのこ) 炭治郎のように、髪と目が赤みを帯びた子供のこと。 火仕事をする家で赫灼の子が産まれると縁起が良いとされている。 ▲ページ上部へジャンプ ヒノカミ神楽(ひのかみかぐら) 竈門家では怪我や災いが起きないよう、年の初めに『ヒノカミ神楽』を舞って「ヒノカミ様」なる神にお祈りをする風習がある。 それは十二ある舞い型を日没から夜明けまで延々と続ける過酷なもの。特有の呼吸を使う。 なぜか鬼を殺すための技として転用できる。炭治郎の見た記憶の遺伝から、日の呼吸を応用したものであることが示唆されている。 ▲ページ上部へジャンプ 八支刀(はちしとう) 神事『ヒノカミ神楽』を行う際に炭十郎が使用していた神具。 実際の国宝『七支刀』は六叉+先端で七つの剣先があるのに対し、 本誌第40話の描写では七叉+先端の『八支刀』になっている。 ▲ページ上部へジャンプ 青い彼岸花(あおいひがんばな) 鬼舞辻無惨が探し求めていたもの。第127話にて比喩でない青色の彼岸花のことであることが判明。 元々平安時代の医者が病床の鬼舞辻の為に作った同名の薬だが、それが結果的に鬼舞辻を鬼へと変えた。 鬼舞辻は太陽の克服のために未完成だった薬を完成させようとしていたが、原料である青色の彼岸花も未だ発見出来ていない。 禰豆子が日光への耐性を得たことを知った鬼舞辻は、禰豆子を確保すれば薬は不要と判断して彼岸花の捜索を打ち切った。 第39話で炭治郎が見た走馬灯にあった彼岸花との関係性は不明。 +こそこそネタバレ 一年間に2・3日、昼間にのみ咲く性質を持つ。 現代にて再発見され、植物学者の嘴平青葉によって研究されたが、栽培に失敗して全て枯れてしまった。 ▲ページ上部へジャンプ 稀血(まれち) 非常に珍しい性質の血液を持った人間の事。鬼がこの人間を食べると普通の人間50~100人分を食べる事に相当する力を得る。 鼓屋敷編では長男の清が稀血の人間だったので複数の鬼に狙われた。 不死川実弥は稀血の中でもさらに稀少な血を持ち、血の匂いによって鬼を酩酊させる事ができる。 ▲ページ上部へジャンプ 藤の花の香り袋 鬼除けの効果がある。隠が作っている。稀血の清には必需品。 ▲ページ上部へジャンプ 藤の花の家紋の家 鬼狩りに命を救われた一族。 鬼狩りであれば無償で尽くしてくれる。医者も呼んでくれる。ほわほわ。 ▲ページ上部へジャンプ 記憶の遺伝(きおくのいでん) 人間は姿形だけではなく、先祖が体験した記憶も遺伝するという説。 本人は一度も体験したことがないのに、どこかで体験したことのように感じることがそう呼ばれる。 現象そのものは心理学における「既視感」であるが、その概念は夢野久作著『ドグラ・マグラ』の「胎児の夢」に近い。 この考え方は刀鍛冶の里で伝えられているが、鬼殺隊全体に認められているわけではなく、俗信の一種として扱われている。 炭治郎が日の呼吸の剣士や炭吉の夢を見たり、彼らの言動をなぞったりすることが、これに当てはまる。 ▲ページ上部へジャンプ 痣の者(あざのもの) 鬼の文様と似た痣を発現させた者たち。身体能力と再生能力が飛躍的に向上する。 時透は心拍数二百以上、体温三十九度以上の状態で生き延びている状態なら痣が発現すると把握している。 戦国時代の始まりの呼吸の剣士たちがそうであったとされ、その一人の手記に“痣の者が一人現れると、共鳴するように周りの者たちにも痣が現れる”とある。 痣の発現の有無で思い詰める者が多くいた、継承が途切れたなどの理由で、詳しい情報は産屋敷家も把握していない。 黒死牟曰く寿命の前借り。痣が発現した者は二十五の歳を迎える前に死ぬと言われているが、例外も存在したという。 ▲ページ上部へジャンプ 柱稽古(はしらげいこ) 禰豆子の太陽克服以降、鬼殺隊総出で行われるようになった訓練。隊士たちが柱を順番に巡り、それぞれの得意とする分野の稽古を受ける。 隊士たちのみならず柱にとっても、ひっきりなしにやってくる隊士を相手にするため、体力向上および痣の者の条件成立が見込める。 本来柱は多忙なため、継子以外には直接稽古を付けられなかったが、総力戦前、鬼の出没が激減した期間に行われた。 ▲ページ上部へジャンプ 反復動作(はんぷくどうさ) 何らかの合図を決めることによって集中力を極限まで高め、全ての感覚を一気に開く技。 作中の人物は、主に印象に残った記憶を思い出すことで身体能力を上げている。 ▲ページ上部へジャンプ 透き通る世界(すきとおるせかい) 竈門炭十郎が語ったヒノカミ神楽の領域。最小限の動きで最大限の力を出す技術。努力と鍛練を積み重ねなければ到達できない。 五感を開き、肉体の形を血管に至るまで認識。その上で、現状に不要な感覚を閉じてゆく。そうすると、頭が周囲の世界を透明なものであると認識する。 ▲ページ上部へジャンプ 鬼を人間に戻す薬 珠世が長年研究していた、鬼の治療法。 竈門兄妹の素材採取協力と、総力戦直前の胡蝶しのぶとの共同研究によってついに完成した。 人間に変わる前に藤の花の毒素による副作用があり、使用すれば死の危険性もある。 作中では禰豆子と無惨に使用された。 +こそこそネタバレ 無惨に使用された薬は、本来の薬とは別に開発された老化薬・爆散阻害薬・細胞破壊毒が混入されている。 しのぶの見立てによれば、老化薬は一分で五十年無惨を老いさせることができる。この効果が三時間続けば、九千年の老化となる。 これらはいずれも分解されて決定打にはならないだろうと予測されている。 作中製造できた薬は3人分。最後の薬は炭治郎に使用された。 ▲ページ上部へジャンプ 地名・施設名等 狭霧山(さぎりやま) 「育手」である鱗滝左近次が麓に住んでいる山。霧が濃く、他の山と比べて遥かに空気が薄い。 鱗滝が仕掛けた罠が多数存在しており、鬼殺剣士候補の修行の場となっている。 ▲ページ上部へジャンプ 藤襲山(ふじかさねやま) 鬼殺隊入隊の最終選別の舞台。 山の麓から中腹にかけて鬼の嫌う「藤の花」が一年中咲いており、 頂上付近には鬼殺隊が生け捕りにした鬼を多数閉じ込めてある。 最終選別は『この中で七日間生き抜く』ことが合格条件。 ▲ページ上部へジャンプ 陽光山(ようこうざん) 曇らないで雨も降らなく一年中陽が差している山。通称「太陽に一番近い山」。 日輪刀の原料である、陽の光を吸収する鉄”猩々緋砂鉄(しょうじょうひさてつ)”・”猩々緋鉱石(しょうじょうひこうせき)”が採れる。 ▲ページ上部へジャンプ 北西の町(仮) 狭霧山から北西に位置する町。狭霧山からの距離は不明だが、浅草からは約二日の距離。 炭治郎の鬼殺隊初任務で訪れ、沼鬼と戦闘した。 ▲ページ上部へジャンプ 東京府浅草(とうきょうふ あさくさ) 炭治郎が鬼舞辻無惨に初遭遇した街。 珠世様の隠れ家もこの街にあったが敵襲撃後に移転した。 ▲ページ上部へジャンプ 鼓屋敷(つづみやしき) 浅草から南南東の位置にある鼓鬼が住む屋敷。清が攫われた場所。 ▲ページ上部へジャンプ 那田蜘蛛山(なたぐもやま) 蜘蛛鬼編の舞台。十二鬼月の一人(+家族)が根城にしている。 当初十名の鬼殺隊員が突入したが、ほぼ即壊滅。鎹鴉の伝令で本部に"柱"出陣を要請する事態となった。 ▲ページ上部へジャンプ 鬼殺隊本部(きさつたいほんぶ) 柱合会議など鬼殺隊の重要な決定はここで行われ、鬼殺隊当主である産屋敷一族の住居を兼ねる。 その場所は刀鍛冶の里以上に複雑な方法で秘匿されている。 ▲ページ上部へジャンプ 蝶屋敷(ちょうやしき) 胡蝶しのぶが所有している屋敷。鬼殺隊員の治療なども行われている。 場所は不明だが、鬼殺隊本部から徒歩で行ける距離にある模様。 ▲ページ上部へジャンプ 無限列車(むげんれっしゃ) 戦闘の舞台となった蒸気機関車(通称:汽車)の名称。 短期間の内に乗客40人以上の人が行方不明になり、数名の鬼殺隊剣士を派遣したが全員消息を絶った。 結果、"柱"が出陣する事態となる。 ▲ページ上部へジャンプ 吉原(よしわら) 江戸時代から続く、欲望渦巻く花街。 潜伏する鬼を探すために宇髄天元の三人の妻が調査に向かったが、連絡が途絶したため宇髄と炭治郎達が再潜入することになる。 ▲ページ上部へジャンプ 異空間無限城(いくうかんむげんじょう) 無惨が十二鬼月を呼び出す集合場所。 天地逆転していたり通路の構造が異次元のようになっている。 琵琶鬼の三味線で構造が変化する。 ▲ページ上部へジャンプ 刀鍛冶の里(かたなかじのさと) 鋼鐡塚を含む日輪刀の製作者たちの居住地。住人は皆ひょっとこのお面を着用している。 鬼に場所を知られないため、ここに訪れる者は目隠しをされ、隠たちのリレーによって運ばれる。 身体の回復効果のある温泉が湧いている。具体的な効能は、切り傷・やけど・いぼ痔・切れ痔・便秘・通風・糖尿病・高血圧・貧血・慢性胆のう炎・筋肉痛・関節痛・性格の歪み・思いやりの欠如・鼻炎・へその痒み・失恋の痛み。お肌もつるつるになる。 上弦の鬼に襲撃され、位置を知られたため放棄された。 ▲ページ上部へジャンプ その他施設名等 豆大福の日輪 第52話にて魘夢が落とされた通りにある和菓子屋。 空里 鬼殺隊の拠点が使用できなくなった際、住人たちを移転させるための無人の集落。刀鍛冶の里が襲撃され、位置を知られた時に利用された。 ▲ページ上部へジャンプ その他 大正コソコソ噂話・大正こそこそ話 単行本のオマケコーナーの一つ。 ラフ絵と共に作中裏話等を紹介している。 単行本オマケ一覧はこちら→単行本データ ▲ページ上部へジャンプ 中高一貫!!キメツ学園物語 単行本のオマケコーナーの一つ。 「もしも鬼滅が学園ものだったら」という設定でラフ絵と共に各キャラの紹介をしている。 単行本オマケ一覧はこちら→単行本データ ▲ページ上部へジャンプ *1 この追加情報は、2018年21・22号「鬼殺隊報」解説より コメント 最新の20件を表示しています。 宇随さんの日輪刀って全体の描写どこで乗ってましたっけ?二刀が鎖で繋がってるぐらいしか分からなかったけど、斧と刀の中間のような形ってはっきり描かれてましたっけ? -- 2017-04-13 14 48 10 宇随さんの日輪刀は46話のお館様の前で跪くシーンではっきり描かれてますよ -- 2017-05-03 11 15 21 コミック6巻にて宇随さんの日輪刀形状確認!返答された方有難う御座いました!! -- 2017-05-11 20 41 01 耳飾りはヒノカミ神楽の”技”の伝承者の目印として外せないのかな。呼吸の伝承者が見つけやすいようにとか。 -- 2017-10-27 16 46 25 血鬼止めは作中登場品にすでに書いてあったよ -- 2019-03-31 17 23 37 コメント すべてのコメントを見る
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500 織物取引+2保管+1 口説きスキル強化 カリカット サファイアの指輪 7,000,000 20 40 - 500 織物取引+2運用+1 サファイアの耳飾り 4,000,000 20 40 - 500 織物取引+2行軍+1 サファイアの首飾り 8,000,000 20 40 - 500 織物取引+2社交+1 サファイアの髪飾り 5,000,000 20 40 - 500 織物取引+2 ルビーのブローチ 6,000,000 20 40 - 500 香料取引+2保管+1 口説きスキル強化 ゴア ルビーの指輪 7,000,000 20 40 - 500 香料取引+2運用+1 ルビーの耳飾り 4,000,000 20 40 - 500 香料取引+2行軍+1 ルビーの首飾り 8,000,000 20 40 - 500 香料取引+2社交+1 ルビーの髪飾り 5,000,000 20 40 - 500 香料取引+2 ターコイズのブローチ 6,000,000 20 40 - 500 火器取引+2保管+1 口説きスキル強化 ホルムズ ターコイズの指輪 7,000,000 20 40 - 500 火器取引+2運用+1 ターコイズの耳飾り 4,000,000 20 40 - 500 火器取引+2行軍+1 ターコイズの首飾り 8,000,000 20 40 - 500 火器取引+2社交+1 ターコイズの髪飾り 5,000,000 20 40 - 500 火器取引+2 オパールのブローチ (売:25,000) 20 30 - 500 調達+1保管+1 口説きスキル強化 ニューイヤーボックス(2007・2008) オパールの指輪 - 20 30 - 500 調達+1運用+1 口説きスキル強化 航海者検定 〜4th Anniversary〜 オパールの耳飾り - 20 30 - 500 調達+1 行軍+1 口説きスキル強化 沈没船 オパールの首飾り - 20 30 - 500 調達+1社交+1 口説きスキル強化 ニューイヤーボックス オパールの髪飾り - 20 30 - 500 調達+1生存+1 口説きスキル強化 バルサラ追跡レース 真珠のブローチ 6,000,000 20 40 - 500 香辛料取引+2保管+1 口説きスキル強化 サントメ 真珠の指輪 7,000,000 20 40 - 500 香辛料取引+2運用+1 真珠の耳飾り 4,000,000 20 40 - 500 香辛料取引+2行軍+1 真珠の首飾り 8,000,000 20 40 - 500 香辛料取引+2社交+1 真珠の髪飾り 5,000,000 20 40 - 500 香辛料取引+2 水晶のブローチ 6,000,000 20 40 - 500 繊維取引+2保管+1 口説きスキル強化 ソファラ 水晶の指輪 7,000,000 20 40 - 500 繊維取引+2運用+1 水晶の耳飾り 4,000,000 20 40 - 500 繊維取引+2行軍+1 水晶の首飾り 8,000,000 20 40 - 500 繊維取引+2社交+1 水晶の髪飾り 5,000,000 20 40 - 500 繊維取引+2 カメオのブローチ - 20 20 - - 保管+1 駆除 カムバックボックスSt.Valentine s Day 〜クピドの矢〜 カメオの指輪 - 20 20 - - 運用+1 駆除 カムバックボックス(女) カメオの耳飾り - 20 20 - - 行軍+1 駆除 論戦大会「ダ・ヴィンチ杯」報酬「冒険者の宝箱」 カメオの首飾り - 20 20 - - 調達+1 駆除 カムバックボックス カメオの髪飾り - 20 20 - - 補給+1 駆除 カムバックボックス、アカデミー大会☆1景品 めのうのブローチ 6,000,000 20 40 - 500 医薬品取引+2保管+1 口説きスキル強化 ジャマイカ めのうの指輪 7,000,000 20 40 - 500 医薬品取引+2運用+1 めのうの耳飾り 4,000,000 20 40 - 500 医薬品取引+2行軍+1 めのうの首飾り 8,000,000 20 40 - 500 医薬品取引+2社交+1 めのうの髪飾り 5,000,000 20 40 - 500 医薬品取引+2 サンゴのブローチ 6,000,000 20 40 - 500 工芸品取引+2保管+1 口説きスキル強化 カーボヴェルデ サンゴの指輪 7,000,000 20 40 - 500 工芸品取引+2運用+1 サンゴの耳飾り 4,000,000 20 40 - 500 工芸品取引+2行軍+1 サンゴの首飾り 8,000,000 20 40 - 500 工芸品取引+2社交+1 サンゴの髪飾り 5,000,000 20 40 - 500 工芸品取引+2 琥珀のブローチ 6,000,000 20 40 - 500 酒類取引+2保管+1 口説きスキル強化 リガ 琥珀の指輪 7,000,000 20 40 - 500 酒類取引+2運用+1 琥珀の耳飾り 4,000,000 20 40 - 500 酒類取引+2行軍+1 琥珀の首飾り 8,000,000 20 40 - 500 酒類取引+2社交+1 琥珀の髪飾り 5,000,000 20 40 - 500 酒類取引+2 ひすいのブローチ 6,000,000 20 40 - 500 武具取引+1保管+1 口説きスキル強化 テノチティトラン道具屋 ひすいの指輪 7,000,000 20 40 - 500 武具取引+1運用+1 口説きスキル強化 開拓地(商業度20000以上) ひすいの耳飾り 4,000,000 20 40 - 500 武具取引+1行軍+1 口説きスキル強化 テノチティトラン道具屋 ひすいの首飾り - 20 40 - - - 口説きスキル強化 - ひすいの髪飾り - 20 40 - - - 口説きスキル強化 - とんぼ玉のブローチ - 20 20 - - 雑貨取引+1 保管+1 駆除 St.Valentine s Day Revival(2007) とんぼ玉の指輪 - 20 20 - - 行軍+1 駆除 カムバックボックス とんぼ玉の耳飾り - 20 20 - - 雑貨取引+1行軍+1 - Liveイベント「St.Valentine Day 2007」沈没船 とんぼ玉の首飾り - 20 20 - 社交+1 駆除 カムバックボックス とんぼ玉の髪飾り - 20 20 - - 雑貨取引+1生存+1 駆除 カムバックボックス沈没船航海者検定 〜4th Anniversary〜 ジェットのブローチ - 50 30 - 500 工芸品取引+2補給+1 - 学術者の宝箱 ジェットの指輪 - 50 30 - 500 工芸品取引+1運用+1補給+1 - アカデミー大会「エラスムス杯」☆2景品 ジェットの耳飾り - 50 30 - - 工芸品取引+1操帆+1補給+1 - 冒険者の宝箱 ジェットの首飾り - 50 30 - 500 工芸品取引+1測量+1補給+1 - 冒険者の宝箱 ジェットの髪飾り - 50 30 - 500 工芸品取引+1救助+1補給+1 - アカデミー大会「ノストラダムス杯」」☆2景品 ラピスラズリのブローチ - 50 30 - - 嗜好品取引+2行軍+1 - アカデミー大会「ジョン・ディー杯」沈没船 ラピスラズリの指輪 - 50 30 - 500 嗜好品取引+1運用+1行軍+1 - アカデミー大会「エル・グレコ杯」☆2景品 ラピスラズリの耳飾り - 50 30 - - 嗜好品取引+1警戒+1行軍+1 - アカデミー大会「ジョン・ディー杯」 ラピスラズリの首飾り - 50 30 - - 行軍+1・見張り+1・嗜好品取引+1 - Merry Christmas! in 2008 ラピスラズリの髪飾り - 50 30 - 500 嗜好品取引+1生存+1行軍+1 - アカデミー大会「メルカトール杯」☆2景品 孔雀石のブローチ 6,000,000 20 40 - 500 染料取引+2保管+1 口説きスキル強化 マスカット 孔雀石の指輪 7,000,000 20 40 - 500 染料取引+2運用+1 孔雀石の耳飾り 4,000,000 20 40 - 500 染料取引+2行軍+1 孔雀石の首飾り 8,000,000 20 40 - 500 染料取引+2社交+1 孔雀石の髪飾り 5,000,000 20 40 - 500 染料取引+2 黒真珠のブローチ - 30 40 - - - 口説きスキル強化 - 黒真珠の指輪 - 50 40 - - - 口説きスキル強化 - 黒真珠の耳飾り 7,000,000 50 40 - 5,000 美術品取引+1救助+1消火+1 口説きスキル強化 東南アジア開拓地 黒真珠の首飾り - 50 40 - - - 口説きスキル強化 - 黒真珠の髪飾り - 50 40 - - - 口説きスキル強化 - スターサファイヤブローチ - 20 50 - - - 口説きスキル強化 - スターサファイヤの指輪 - 20 50 - - - 口説きスキル強化 - スターサファイヤの耳飾り - 20 50 - - - 口説きスキル強化 - スターサファイヤの首飾り - 20 50 - - - 口説きスキル強化 - スターサファイヤの髪飾り - 20 50 - - - 口説きスキル強化 - スタールビーのブローチ - 20 50 - 5000 香料取引+2保管+2家畜取引+1 - 沈没船 スタールビーの指輪 - 20 50 - 5000 香料取引+2運用+2家畜取引+1 - 第8回アカデミー 銀杖首席褒賞 スタールビーの耳飾り - 20 50 - 5000 香料取引+2行軍+2家畜取引+1 - 沈没船第8回アカデミー 銀杖首席褒賞 スタールビーの首飾り - 20 50 - 5000 香料取引+2社交+2家畜取引+1 - 第8回アカデミー 銀杖首席褒賞 スタールビーの髪飾り - 20 50 - 5000 香料取引+2家畜取引+2 - 沈没船 ダイヤモンドのブローチ 9,000,000 20 80 - 800 宝石取引+2探索+2保管+1 口説きスキル強化 ケープ ダイヤモンドの指輪 10,000,000 20 80 - 800 宝石取引+2運用+1社交+1 ダイヤモンドの耳飾り 7,000,000 20 80 - 800 宝石取引+2工芸品取引+2行軍+1 ダイヤモンドの首飾り 11,000,000 20 80 - 800 宝石取引+2統率+2社交+1 ダイヤモンドの髪飾り 8,000,000 20 80 - 800 宝石取引+2 豪華な首飾り 30,000 20 20 - 800 社交+2保管+1 - 隠し財宝の地図(探索 開錠 1)カンパーニャ地方に隠された宝物の地図 その他アクセサリー アイテム名 価格 耐久 正装 変装 名声 装備効果 使用効果 入手方法 アイテム名 価格 耐久 正装 変装 名声 装備効果 使用効果 入手方法 サンゴの櫛 25,000 20 - - - 生物学+1生存+1 - 冒険クエスト報酬探索 香水 3,000 5 - - - - 正装度強化(+15) バレンシアアルジェチュニストリポリ 香油 2,000 5 - - - - 正装度強化(+5) アテネ つけぼくろ 5,000 20 5 - 100 - - ピサ 宝石細工の手鏡 30,000 20 - - 800 財宝鑑定+2社交+2 - 商船狩りクエストドロップ品 銀の手鏡 30,000 20 - - 500 生物学+2口説き+1 - 探索:紅海西岸・ベイルート北沈没船 絹のリボン - 20 2 - 300 調理+1 - ニューイヤーボックス ベルベットのリボン - 20 3 - 350 調理+1社交+1 - 生産 モードデザイン集・第3巻(縫製7) 絹のレース 25,000 20 5 - 300 社交+2警戒+1 - 財宝地図 絹のショール 30,000 20 4 - 300 社交+3警戒+1 - 生産 モードデザイン集・第4巻(縫製8)財宝地図 絹のハンカチ 20,000 20 3 - 300 社交+2 - カリカット ベルギーレース 25,000 20 3 - 250 社交+2補給+1 - アントワープ道具屋(投資)探索:アントワープ教会内 カシミヤのショール - 20 5 - 450 社交+2警戒+2 - 探索R5・アデン 宝石箱 30,000 20 - - 800 保管+2財宝鑑定+1 - イスパニア22章沈没船 天使の置き時計 25,000 20 - - 700 財宝鑑定+2美術+1社交+1 - イングランド17章地図「忘れ去られた集落」 女神の置時計 30,000 20 - - 800 美術+2財宝鑑定+1社交+1 - 収奪・イスパニア護送艦隊 宝石細工の置き時計 30,000 20 - - 800 財宝鑑定+2美術+1 - 冒険者クエスト:名細工師の遺品 白檀の扇子 25,000 20 - - 500 社交+1補給+1 - バスラ探索:カリカット北 インド更紗のショール 25,000 20 - - 500 財宝鑑定+1美術+1 - 生産 モードデザイン集・第4巻(縫製8) ベルベットのクッション 25,000 20 - - 600 運用+1社交+1 - 生産 モードデザイン集・第3巻(縫製6) 孔雀石の宝石箱 40,000 20 - - 1,000 保管+2財宝鑑定+2社交+1 - 冒険クエスト報酬地図 ミンクの毛皮 5,000 10 10 - - 繊維取引+1 - 冒険クエスト報酬 悲運の黄金櫛 - 35 25 - - 貴金属取引+1警戒+1収奪+1 - 沈没船 書物 アイテム名 価格 耐久 正装 変装 名声 装備効果 使用効果 入手方法 アイテム名 価格 耐久 正装 変装 名声 装備効果 使用効果 入手方法 動植物図鑑 5,000 20 - - 200 生物学+1 - 冒険クエスト報酬 海洋生物図鑑 5,000 20 - - 200 釣り+1 - 冒険クエスト報酬 海洋測量技術読本 5,000 20 - - 200 測量+1 - 冒険クエスト報酬 地理学入門 5,000 20 - - 200 地理学+1 - クエスト報酬探索:マッサワ西南-哺乳類の骨 航海技術入門 - 20 - - 200 操舵+1 - 冒険(地理学)クエスト報酬 化石図鑑 5,000 20 - - 200 考古学+1 - 冒険者クエスト:異常なドラゴンの骨 絵画鑑定術 5,000 20 - - 200 財宝鑑定+1 - 冒険クエスト報酬 油彩技術の歴史 5,000 20 - - 200 宗教学+1 - 冒険クエスト報酬地図 操帆術入門書 500 5 - - - - 操帆 カリブ敵船ドロップ 操帆術指南書 2,000 10 - - - 操帆+1 操帆 ソコトラマッサワアデンスエズ 歴史書 5,000 5 - - - 考古学+1 - 冒険クエストネーデルラント2章 古代の叙事詩 5,000 5 - - - 考古学+1 - 冒険クエスト「トロイ戦争の物語」etc 古代の法典 5,000 5 - - - 宗教学+1 - 冒険クエスト「ヒッタイトの古文書」etc 詩集 5,000 5 - - - 口説き+1 - 冒険クエスト「古代の禁書」 ソロモンの鍵 (売:5,000) 5 - - - 開錠+1 呪術 クエスト「激闘の果てに」 ハンムラビ法典 5,000 5 - - - 統率+2 - 冒険クエスト「メソポタミア文明への探求」 アヴェスター 5,000 20 - - - 宗教学+2 - 冒険クエスト報酬 ヴェーダ 5,000 20 - - - 宗教学+2 - 冒険クエスト報酬 旧約聖書 5,000 20 - - - 宗教学+2 - クエスト報酬地図 新約聖書 5,000 20 - - - 宗教学+2 - クエスト報酬地図 コーラン 5,000 20 - - - 宗教学+2 - 冒険クエスト報酬 仏教法典 5,000 20 - - - 宗教学+2 - 冒険クエスト報酬 医学書 5,000 20 - - - 外科医術+1 外科医術 冒険クエスト報酬 冒険記 5,000 20 - - - 調達+1 駆除 冒険クエスト報酬 遠近法の基礎 5,000 20 - - 200 美術+1 - 冒険クエスト報酬 砲術指南書 - 5 - - - 砲術+1 - ヴァイキング(大型ガレオン×1+戦闘用ガレオン×3)収奪品 近距離砲撃指南書 - 5 - - - 水平射撃+1 - オスマントルコ艦隊(重ガレー×4orガレアス×1 重ガレー×3) 紅海、アラビア海 収奪品R6で確認 遠距離砲撃指南書 - 5 - - - 弾道学+1 - ヴァイキング(戦ピン×3)収奪品 砲術家の手記 - 5 - - - 貫通+1 - カリブのイスパニア艦隊(戦列艦×2+戦闘用ガレオン×2?)収奪品 測量術入門書 100 10 - - - - 測量 初期装備品 マゼラン航海誌 - 5 - - 25,000 地理学+2 インド洋諸語翻訳 クエスト「旅の終わり」 攻撃指南書第1巻 10,000 30 - - - チャージ特化+2 - セビリア 攻撃指南書第2巻 - 30 - - - チャージ特化+4 - - 攻撃指南書第3巻 - 30 - - - チャージ特化+6 - アラブ盗賊Lv15 ガイス・ガンナムLv29 攻撃指南書第4巻 - 30 - - - チャージ特化+8 - クライスLv54 防御指南書第1巻 10,000 30 - - - ガード特化+2 - セビリア 防御指南書第2巻 - 30 - - - ガード特化+4 - ロッシLv12 防御指南書第3巻 - 30 - - - ガード特化+6 - ガイス・ガーリブLv20 防御指南書第4巻 - 30 - - - ガード特化+8 - バルベルデLv51 回避指南書第1巻 10,000 30 - - - クイック特化+2 - ハンブルグナポリアテネ 回避指南書第2巻 - 30 - - - クイック特化+4 - ラミアLv23drop 回避指南書第3巻 - 30 - - - クイック特化+6 - ガイス・ガーニムLv19 回避指南書第4巻 - 30 - - - クイック特化+8 - サリナス 回復指南書第1巻 10,000 30 - - - リカバー特化+2 - ハンブルグナポリアテネ 回復指南書第2巻 - 30 - - - リカバー特化+4 - - 回復指南書第3巻 - 30 - - - リカバー特化+6 - ンデンモLv25 回復指南書第4巻 - 30 - - - リカバー特化+8 - サリナスLv52 ゲルマン諸語辞書 - 30 - - - - ゲルマン諸語翻訳 生産 ゲルマン諸語辞書の製法(言語学1) ロマンス諸語辞書 - 30 - - - - ロマンス諸語翻訳 生産 ロマンス諸語辞書の製法(言語学2) 東欧諸語辞書 - 30 - - - - 東欧諸語翻訳 生産 東欧諸語辞書の製法(言語学3) ケルト語辞書 - 30 - - - - ケルト語翻訳 生産 ケルト語辞書の製法(言語学4) アフリカ諸語辞書 - 30 - - - - アフリカ諸語翻訳 生産 アフリカ諸語辞書の製法(言語学5) セム・ハム諸語辞書 - 30 - - - - セム・ハム諸語翻訳 生産 セム・ハム諸語辞書の製法(言語学6) アルタイ諸語辞書 - 30 - - - - アルタイ諸語翻訳 生産 アルタイ諸語辞書の製法(言語学7) インド洋諸語辞書 - 30 - - - - インド洋諸語翻訳 生産 インド洋諸語辞書の製法(言語学8) アメリカ諸語辞書 - 30 - - - - アメリカ諸語翻訳 生産 アメリカ諸語辞書の製法(言語学9) 実用品 アイテム名 価格 耐久 正装 変装 名声 装備効果 使用効果 入手方法 アイテム名 価格 耐久 正装 変装 名声 装備効果 使用効果 入手方法 ネコの置物 14,500 30 - - - - ネズミ退治 生産 船大工入門・工芸の書(工芸4)探索:紅海西岸-テーブル岩 ダウジングロッド 500 10 - - - - 探索(R1) リスボン・セビリア・ロンドンアムステルダム 山師のダウジングロッド 1,500 15 - - - - 探索(R3) サンフアン・サントドミンゴ・ジャマイカ・サンティアゴ・ハバナ 錬金術式ダウジングロッド - 25 - - - - 探索(R10) ドロップ:フリビュスチェLv26(サントドミンゴ郊外)生産 パラケルススの錬金術(錬金術3) 旅人の手記 500 10 - - - - 調達(R1)上陸地点で使用時本人の調達Rを反映 リスボン・セビリア・ロンドンアムステルダム 冒険者の手記 2,500 15 - - - - 調達(R5)上陸地点で使用時本人の調達Rを反映 カリビブ・ケープ・ソファラ・ナタール 名探検家の手記 8,000 25 - - - - 調達(R10)上陸地点で使用時本人の調達Rを反映 サンフアン・サントドミンゴ・ジャマイカ・サンティアゴ・ハバナ 片眼鏡 500 10 - - - - 採集(R1) リスボン・セビリア・ロンドンアムステルダム 調査用片眼鏡 2,500 15 - - - - 採集(R3) サンフアン・サントドミンゴ・ジャマイカ・サンティアゴ・ハバナ 博物学者の片眼鏡 - 25 - - - - 採集(R10) ドロップ:カリブ武装商船隊 鉄線入り捕獲網 - 5 - - - 生態調査+1 生態調査(R5) 探索:各地ドロップ:ザンジバル海賊 鋼鉄線入り捕獲網 2,500 10 - - - 生態調査+1 生態調査(R8) 探索:サロニカ郊外地図(東地中海の沈没船、レベル2)収奪:セイロン旅団 釣具 2,500 10 - - - - 釣り(R5) エディンバラソファラ,マディラ 熟練漁師の釣具 8,000 15 - - - 釣り+1 釣り(R10) 探索:カンディア西(発掘)・リューベックの東の上陸地点・オスロ北郊外収奪:アゾレス海賊 漁師の釣具 - 10 - - - - 釣り 聖アントニオ祭 護符 アイテム名 価格 耐久 正装 変装 名声 装備効果 使用効果 入手方法 アイテム名 価格 耐久 正装 変装 名声 装備効果 使用効果 入手方法 暴君のオーブ 5,000 5 - - - 運用+1 狂戦士 クエスト報酬 名君のオーブ 5,000 5 - - - 統率+1 統率 クエスト報酬 神聖文字の護符 5,000 5 - - - 考古学+1 警戒 クエスト報酬 将軍のオーブ 5,000 5 - - - 防御+1 防御 クエスト報酬 神獣の御守り 5,000 5 - - - 突撃+1 防御 地図 聖母の御守り 5,000 5 - - - 美術+1 疲労度回復 クエスト報酬 ギリシャ神の護符 5,000 5 - - - 美術+2 駆除 クエスト報酬 ギリシャ女神の護符 5,000 5 - - - 美術+2 疫病回復 クエスト報酬 エジプト神の護符 5,000 5 - - - 美術+2 石化 クエスト報酬 エジプト女神の護符 5,000 5 - - - 美術+2 陸戦状態回復(複数) クエスト報酬 ヒンドゥー神の護符 5,000 5 - - - 美術+2 漸次回復 クエスト報酬 ヒンドゥー女神の護符 5,000 5 - - - 美術+2 陸戦治療(複数) クエスト報酬 アフリカ神の護符 10,000 20 - - - 美術+2 毒攻撃 クエスト報酬地図 金のスカラベ 10,000 20 - - - 生物学+2 - 冒険クエスト「古代エジプトの護符」 太陽の護符 5,000 20 - - - 考古学+1 爆発攻撃 冒険クエスト「古代エジプトの信仰」 月の護符 5,000 5 - - - 考古学+1 幻惑攻撃 冒険クエスト「大西洋沿岸宗教の融合」 考古学地図「地下への入口の地図」 竜の呪符 5,000 20 - - - 剣術+1 炎で攻撃 地図冒険クエ:ドラゴンの牙 ミノタウロスの呪符 5,000 20 - - - 剣術+1 狂戦士(ラフロ以降「攻撃力上昇」「防御力上昇」という効果は削除された) クノッソス宮殿内部:探索(Rank3) 古代神の呪符 5,000 20 - - - 考古学+1 目つぶし攻撃 地図(探索、考古学、開錠3)ダブリン郊外奥のボイン渓谷遺跡内部の地図 オジブウェの魔除け - 5 - - - 調達+1採集+1 不眠解消 冒険クエスト「大きな川という名の川」 軍神の護符 - 30 - 10 100,000 攻撃力8防御力8剣術+1砲術+1統率+1 - 冒険クエスト「工房職人からの挑戦状」ニューイヤーBox(2008) 旅人のアミュレット - 30 - - - 生存+1操帆+1行軍+1 - 生産 パラケルススの錬金術(錬金術5)沈没船 学者のアミュレット - 30 - - - 美術+1考古学+1宗教学+1 - 生産 パラケルススの錬金術(錬金術7)沈没船 その他 アイテム名 価格 耐久 正装 変装 名声 装備効果 使用効果 入手方法 アイテム名 価格 耐久 正装 変装 名声 装備効果 使用効果 入手方法 マサイのサークレット 25,000 30 - 5 500 突撃+1探索+1攻撃力5 - ドロップ:イスラム商船隊 マサイの首飾り 25,000 30 - 5 500 探索+1防御+1攻撃力5 - ドロップ:イスラム商船隊探索:ジンバブエ内陸 ナガの人面首飾り 25,000 30 - 5 - 突撃+1防御+1攻撃力5 - 海事クエスト「喜望という名の難所」 トルクメンの腕輪 25,000 30 - 5 500 防御力5採集+2行軍+2 - スエズ地図:隊商の記録 ディンカの腕輪 25,000 30 - 5 500 生態調査+2探索+2防御力5 - ディンカ山賊lv9&ヌアー山賊lv11ドロップ探索:ジンバブエ内陸 ディンカの指輪 - 30 - 5 500 生態調査+2採集+2防御力5 - 探索:ジンバブエ内陸 木のパイプ 15,000 30 - 5 100 口説き+1 - サントドミンゴ道具屋 銀のパイプ 20,000 30 - 5 500 口説き+1酒宴+1 - サンフアン道具屋探索:ベイルート北 黄金のパイプ 25,000 30 - 5 500 口説き+1酒宴+2 - サントドミンゴ道具屋探索:ファガマスタ教会(イコンの場所) 琥珀のパイプ 30,000 30 - 5 800 口説き+2酒宴+2 - サンフアン道具屋 トルク 25,000 30 - - 500 生態調査+2調達+1 - 賞金首LV15レアドロップ探索 ケルトの腕輪 30,000 30 - - 800 剣術+1戦術+1 - 敵船ドロップ(バルト海)・ケルト遺物の地図・探索:ボイン遺跡内部 ヴァイキングの角笛 - 20 - - - - 回避(R5) 地図探索 名提督の指揮杖 - 20 - - - 攻撃3戦術+1統率+1 - イスパニア護衛艦隊ドロップ イシュタルの首飾り 47,000 20 5 - - 社交+1財宝鑑定+1 正装度強化 海事クエスト「ナイルの深奥」討伐対象ドロップ品 アルマジロの鉄皮 42,000 20 - - - 防御+2防御力5 完全回避 モザンビーク道具屋 クーフーリンの腕輪 42,000 10 - - - 剣術+1防御+1攻撃力5 完全回避 探索:オスロ北 アポロチョウのブローチ 5,000 20 - - - 工芸品取引+1工業品取引+1 - 冒険クエスト「太陽のチョウ」 ガビアルの牙飾り 5,000 20 - - - 攻撃5戦術+1突撃+1 - 冒険クエスト「聖なる川に棲む者」 バシリスクの瞳 - 20 10 - - 宝石取引+1貴金属取引+1 - 冒険クエスト「奇跡を起こすトカゲ」 ホロホロチョウの羽飾り 5,000 10 - 10 - 生態調査+1 - 冒険クエスト「ホロホロチョウの羽」 テッサロニケの腕輪 - 20 10 - - 生物学+2口説き+1 - 冒険クエスト「遺されたものたち」 イベント関係 アイテム名 価格 耐久 正装 変装 名声 装備効果 使用効果 入手方法 アイテム名 価格 耐久 正装 変装 名声 装備効果 使用効果 入手方法 紅玉のイースターエッグ 5,000 50 20 - 1,000 美術+1財宝鑑定+1口説き+3 全状態回復(複数) Liveイベント「イースターエッグハント」 蒼玉のイースターエッグ 5,000 50 20 - 1,000 宝石取引+1美術品取引+1社交+3 全状態回復(複数) Liveイベント「イースターエッグハント」 緑柱石のイースターエッグ 5,000 50 20 - 1,000 修理+1回避+1見張り+3 全状態回復(複数) Liveイベント「イースターエッグハント」 海色のマンジェリコの小鉢 - 25 - - - 保管+1 調理スキル強化 Liveイベント「聖アントニオ祭」 地色のマンジェリコの小鉢 - 25 - - - 保管+1運用+1 調理スキル強化 Liveイベント「聖アントニオ祭」 陽色のマンジェリコの小鉢 - 25 - - - 保管+2運用+2 調理スキル強化 Liveイベント「聖アントニオ祭」 愛の詩集・海 - 25 - - - 口説き+1 調理スキル強化 Liveイベント「聖アントニオ祭」 愛の詩集・大地 - 25 - - - 口説き+1身体言語+1 調理スキル強化 Liveイベント「聖アントニオ祭」 愛の詩集・太陽 - 25 - - - 口説き+2身体言語+2 調理スキル強化 Liveイベント「聖アントニオ祭」 ワイングラス 5,000 5 - - - - 酒宴 Liveイベント「ワイン祭」 クリスマススター - 200 - - - - - Liveイベント「Merry Christmas!(2005)」 クリスマスベル - 200 - - - - - Liveイベント「Merry Christmas!(2005)」 クリスマスキャンドル - 200 - - - - - Liveイベント「Merry Christmas!(2005)」 クリスマスリボン - 200 - - - - - Liveイベント「Merry Christmas!(2005)」 ゴールデンスター - 200 - - - - - Liveイベント「Merry Christmas!(2005)」 シルバーベル - 200 - - - - - Liveイベント「Merry Christmas!(2005)」 レッドキャンドル - 200 - - - - - Liveイベント「Merry Christmas!(2005)」 ピンクリボン - 200 - - - - - Liveイベント「Merry Christmas!(2005)」 ひいらぎのブローチ - 5 - - - - 疲労度全回復(複数) Liveイベント「Merry Christmas!(2005)」報酬Liveイベント「Happy Halloween!」沈没船 バレンタインの花束 - 10 - - - - 行動力回復(90) Liveイベント「St. Valentine s Day」 輝く石の指輪 - 100 - - - 補給+1保管+1防御+1 - Liveイベント「St. Valentine s Day」 ストーの指輪 100,000 20 10 - - 繊維取引+1織物取引+1運用+1 正装度強化 Liveイベント「ドリームバスターin大航海Online」 ヴィットーリアの首飾り - 20 20 - - 社交+2酒宴+2美術+1 - ヴェネツィアイベント ジュリアンの指輪 - 20 20 - - 身体言語+2財宝鑑定+2口説き+1 - フランスイベント エグモント伯の指揮杖 - 20 20 - - 回避+2補給+2警戒+1 - ネーデルランドイベントカムバックボックス ヤドリギのリース - 30 - - - 操帆+2運用+1消火+1 - Liveイベント「Merry Christmas! in 2006」 金羊毛騎士団勲章 - 50 20 - 6,000六等勲爵士以上 繊維取引+2戦術+2 - Liveイベント「レパントの海戦」 奇妙な人形 - 15 - - 悪名1,500 回避+1応急処置+1 呪術 - イーグルフェザー - 5 10 - - 操帆+2貴金属取引+3突撃+2 - テノチティトラン (銀行手数料750k) アステカカレンダー - 5 10 - - 測量+2開錠+1運用+1 - テノチティトラン アステカオパール - 5 10 - - 宝石取引+3応急処置+2外科医術+2 - テノチティトラン ソロモンの指輪 - 50 - - 25000 生態調査+2生物学+1 - 冒険クエスト「ソロモンの見た夢」 西部太平洋諸島図 - 50 - - - 地理学+1 - クエスト「第二補給港候補地の選定」 クペ伝承記 - 50 - - - 地理学+1考古学+1 - クエスト「とこしえの地」 南太平洋横断航路図 - 5 - - - 地理学+2 考古学+1 測量 クエスト「星を見る島」 エレナのロザリオ - 50 - - 30000 生存+2補給+1宗教学+1 忠誠上昇 世界周航イベント 玉滴石の指輪 50 操帆+2航行技術+2操舵+1 - Liveイベント「世界周航レース」 バラの花束 (売:5,000) 20 20 - - 口説き+2 - Liveイベント「St.Valentine s Day in 2008」 航海者検定 〜4th Anniversary〜 魔法使いの首飾り - 20 - - - 管理技術+1 - Liveイベント「Happy Halloween!」 氷晶のブローチ - 50 40 - - 攻撃力10防御力10探索+1美術+2 - Liveイベント「Merry Christmas! in 2008」 曙光のブローチ - 50 40 - - 攻撃力12防御力8砲術+1戦術+2 - Liveイベント「New Year Greeting in 2009」 魅惑のブローチ - 50 40 - - 攻撃力8防御力12調理+1社交+2 - 商売の御守り - 60 20 - - 社交+2保管+2 - El Orienteプレイベント「遙かなる国の訪問者たち 〜遣欧少年使節団〜」 プライベートファーム アイテム名 価格 耐久 正装 変装 名声 装備効果 使用効果 入手方法 アイテム名 価格 耐久 正装 変装 名声 装備効果 使用効果 入手方法 補充用ろうそく - 30 2 - - - - 補充用ベル - 30 - - - - - 補充用飼い葉桶 - 15 - - - - 浸水回復 補充用釣具一式 - 60 - - - 釣り+1 - 補充用漁網 - 30 - - - - -
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■ 【iM@S×ナムカプ】NAMxCAP M@STER ■ 各話あらすじ ■『NAMCO x CAPCOM』のオリジナルキャラクター◆森羅有栖零児 小牟(シャオムゥ) ◆逢魔沙夜 鎌鼬(かまいたち) ■ ナムコ側のキャラクター◆765プロ天海春香 如月千早 菊地真 水瀬伊織 高槻やよい 三浦あずさ 秋月律子 星井美希 双海亜美 双海真美 萩原雪歩 音無小鳥 プロデューサー 社長 ◆『クロノアヒーローズ 伝説のスターメダル』の登場キャラクタークロノア ガンツ ジョーカー ジャンガ ムゥ ◆『超絶倫人ベラボーマン』の登場キャラクターベラボーマン ブラックベラボー わや姫 ◆『鉄拳』シリーズの登場キャラクター三島平八 風間仁 キング ◆『ドルアーガの塔』及び『イシターの復活』の登場キャラクターイシター ◆『ワルキューレの冒険 時の鍵伝説』及び『ワルキューレの伝説』の登場キャラクターワルキューレ クリノ サビーヌ リレイア ズール ◆『ワンダーモモ』の登場キャラクターワンダーモモ ◆『ことばのパズル もじぴったん』の登場キャラクターもじくん、もじちゃん ◆『塊魂』の登場キャラクター王子 ■ カプコン側のキャラクター◆『ヴァンパイア』の登場キャラクターフェリシア ザベル レイレイ ◆『ガンサバイバー4 バイオハザード HEROES NEVER DIE』の登場キャラクターブルース 鳳鈴(フォンリン) ◆『ストリートファイター』の登場キャラクターリュウ ケン・マスターズ ベガ ユーニクローン、ユーリクローン ◆『ディノクライシス』の登場キャラクターレジーナ ヴェロキラプトル ◆『ファイナルファイト』の登場キャラクターマイク・ハガー 凱 エディ ■ 用語三島財閥 シミュレーション ゆらぎ 物質界 幻想界 超変身物質 メトロシティ 冬瓜(ドングァ) ヴォーンレスト(希望の橋) ヒーローメダル ■ コメント無限のフロンティア/無限のフロンティアEXCEED 森羅のアイドルマスター ■ 制作者LiarP ■ 【iM@S×ナムカプ】NAMxCAP M@STER NAMxCAP M@STER 本作は、im@s架空戦記ウソpart1出展作品であるダイジェスト版に端を発する、『NAMCO x CAPCOM』と『アイドルマスター』のクロスオーバー作品である。 改変された立ち絵やドット絵の自然な動きや演技に、定評がある。 また、原作に登場しない作品の要素も加えられている。 ■ 各話あらすじ 君は、あの戦いを覚えているだろうか 物質界 渋谷に発生した「ゆらぎ」、繋がる世界、蝕まれる世界 対立する2つの組織 森羅と逢魔 混沌を求める物と秩序を護る者の戦いは、世界中の正義と悪を巻き込み激化 だが、やがてその戦いにも終わりの時が訪れた 渋谷から始まり世界を股にかけた争いは、皮肉にも渋谷で終わりを告げたのだった ……そう、終わったはずだった しかし再び、妖魔が跋扈、強敵が蘇って、新たな仲間を巻き込み、物語が動き出す 逢魔の新たな目的とは……? そして、巻き込まれた765プロの行く末は……? 01.ゆらぎの街のアイドル (1・2・3) +あらすじ 三島グループ傘下に入る事になった765プロに、「妖魔退治の手伝い」の仕事が入った。 渋谷に向かった一同は、森羅の2人組と三島平八に会うが、平八の目的は、どこか他にあるらしい……。 02.激突!企業戦士! (1・2) +あらすじ 仲間達が「ゆらぎ」で飛ばされた事を知った春香と千早。 「ゆらぎ」がジョーカーの仕業だと知り、皆がどこに言ったのか問い詰めようとした矢先、ブラックベラボーと名乗る者が現れた……。 03.晴れ、時々日本人 (1・2・3) +あらすじ メトロシティで手合せの最中のリュウとケンの間に、突如降ってきた真。 皆で日本に行こうと空港に向かう途中、ゾンビのザベルとその仲間が、一行の行く手を阻む……。 04.幻想界パニック! (1・2・3・4) +あらすじ ヴォーンレストという新興宗教が台頭し始めた幻想界。その集会で、伊織とやよいを「我らの真の導き手」と呼ぶ指導者・リレイア……。 一方、見た事もない草木や聞いた事もない地名に混乱するやよいと伊織は、クロノアとガンツという2人の獣(?)に出会った……。 ■『NAMCO x CAPCOM』のオリジナルキャラクター ◆森羅 以前渋谷で起きた怪事件を解決した政府特務機関。 水瀬家も資金提供しているらしい。 +ネタバレ 765プロのアイドルを、「逢魔から護る対象」だと聞かされていた。 有栖零児 森羅のエージェントで、ガン=カタ使い。 別名スパンキングマスター。ただし、作中ではその片鱗は(今のところ)伺い知る事はできない。 +ネタバレ 765プロからは春香と、小牟推薦の千早を選んで、森羅で預かる事にした。 千早に心の中で、「ブラックジャック」呼ばわりされてたりする。 小牟とイチャついている所をレイレイに目撃された……らしい。また、レイレイによれば、元カノは逢魔の幹部だという噂も……。 CV:井上和彦 小牟(シャオムゥ) 零児のパートナー。森羅のアイドルマスター。 見た目は女の子で、平八に「小娘」呼ばわりされたりするが、「仙狐」という中国の妖狐で、非常に高齢。 時々「ぐぬぬ」顔になる。 +ネタバレ 765プロの事務所に飛び込んだ鎌鼬を追って現れ、美希には「保健所の人」と言われた。 765プロのアイドルのファンらしく、サインをねだろうとした。「はるちは」を強く推している。 CV:南央美 ◆逢魔 世界に混沌を招く事を目的としており、森羅と敵対している組織。 「ゆらぎ」を起こして、異世界を繋ごうとしている。 +ネタバレ 765プロのアイドルを使って、何か企んでいる……らしい。 本編中に登場する「百夜計画」については「無限のフロンティアEXCEED」を参照されたい。 沙夜 逢魔の構成員。 +ネタバレ リレイアに、やよいと伊織を探させている。また、ソウルエッジ捜索の手助けをする予定らしい。 CV:折笠愛 鎌鼬(かまいたち) 逢魔の雑魚妖怪。 両手が鎌になっている。 ■ ナムコ側のキャラクター ◆765プロ 大田区にある、芸能プロダクション。 仕事が取れずに低迷していたが、三島財閥がグループ傘下に入れるための布石だったと思われる。 天海春香 765プロ所属アイドル。 仕事が少なくなってから、「音程さん」が来ず、オーディションでの連敗が続いている。 妖魔退治の話に、最後まで迷っていた……が、伊織を始めとした皆の言葉に、参戦を表明。 +ネタバレ シミュレーションデータによれば、「誰もがひれ伏す支配者の器」を秘めているらしい。 森羅が預かろうと、零児がメンバーの中から選んだ一人。理由は……「一番頼りなさそうだったから」。 ベラボーマンを「カッコいい」と高評価。 芸能界の先輩であるワンダーモモに、戦いの手解きを受ける事に……。 零児達と共に、三島のビルに向かう事になった。 如月千早 765プロ所属アイドル。 仕事が少なくなってから不調が続いている春香を心配している。 +ネタバレ 零児が春香を選んだ事で小牟が推薦し、森羅が預かる事になったもう一人のメンバー。 ブラックベラボーの信念に基づいて戦う姿勢に、敵ながら共感したりする。 渋谷での戦いを見て……現実逃避を図ったが失敗。 胸を見ただけで、わや姫を敵と認識。しかし彼女の胸(っつーか全身)が「人工物」だと知り、内心喜んでいたりする。……何故か、フェリシアの胸には無反応。 芸能界の先輩であるワンダーモモに、戦いの手解きを受ける事に……。 零児達と共に、三島のビルに向かう事になった。 菊地真 765プロ所属アイドル。 妖魔退治の話には、一番に名乗りを挙げた。 平八に連れられて向かった「渋谷の交差点」で、「ゆらぎ」に巻き込まれた。 +ネタバレ ジョーカーの予想では物質界以外に出現するはずだったが、何者かの誘導でメトロシティ上空に出現、手合せの最中のリュウとケンの間に着地。2人の攻撃を受け止めようとし、直後に気絶。 架空戦記では珍しく、初対面のリュウとケンに、女の子だと認識されている。 彼女を食べようと現れたザベルに、春香が狙われている事を知らされた。 リュウと仁に、稽古をつけてもらう事になった。 水瀬伊織 765プロ所属アイドル。 森羅については、多少知っているらしい。 三島財閥の事を快く思っていない。 父親の仕事の関係で、平八とは顔見知り。 平八に連れられて向かった「渋谷の交差点」で、「ゆらぎ」に巻き込まれた。 +ネタバレ 「ゆらぎ」で飛ばされた先は幻想界。 幻想界では、ヴォーンレストの新たなる指導者となるべき「女王の気質を持った気高き乙女」として信者達の捜索対象になっているが、本人は全く知らない。 妖魔退治の話に最後まで渋っていた春香を後押しして参戦に踏み切らせた事を、申し訳なく思っている。 携帯電話のデコレーションに、本物のエメラルドを使っていたりする。 高槻やよい 765プロ所属アイドル。 街を跋扈する化け物の噂に怯える弟達を宥めるのに苦労しており、弟を怖がらせる妖魔のお尻を叩きたいらしい。 平八に連れられて向かった「渋谷の交差点」で、「ゆらぎ」に巻き込まれた。 +ネタバレ 「ゆらぎ」で飛ばされた先は幻想界。 幻想界では、ヴォーンレストの新たなる指導者となるべき「天真爛漫な心優しき少女」として信者達の捜索対象になっているが、本人は全く知らない。 もじくんともじちゃんに懐かれており、クロノアとも意気投合。 三浦あずさ 765プロ所属アイドル。 平八に連れられて向かった「渋谷の交差点」で、「ゆらぎ」に巻き込まれた。 秋月律子 765プロ所属アイドル。 平八に連れられて向かった「渋谷の交差点」で、「ゆらぎ」に巻き込まれた。 星井美希 765プロ所属アイドル。 もしかしたら、妖魔退治の話に一番乗り気……かも知れない。 平八に連れられて向かった「渋谷の交差点」で、「ゆらぎ」に巻き込まれた。 双海亜美 765プロ所属アイドル。 平八に連れられて向かった「渋谷の交差点」で、「ゆらぎ」に巻き込まれた。 双海真美 765プロ所属アイドル。 平八に連れられて向かった「渋谷の交差点」で、「ゆらぎ」に巻き込まれた。 萩原雪歩 765プロ所属アイドル。 平八に連れられて向かった「渋谷の交差点」で、「ゆらぎ」に巻き込まれた。 音無小鳥 765プロ事務員。 事務所低迷中も、ダメさ加減は相変わらず。 プロデューサー 765プロ所属。 現時点では、未だ出番がない。 営業に奔走していたらしい。 765プロが三島グループ傘下に入った後も、続投が決まっている……らしい。 社長 765プロ社長。 765プロが三島グループ傘下に入った事で、後任が決まり次第、解任……らしい。 三島財閥が用意したシミュレーションデータには、反論する言葉を失ってしまった。 ◆『クロノアヒーローズ 伝説のスターメダル』の登場キャラクター クロノア 幻想界の住人で、青い帽子と長い耳がトレードマークの、亜人の少年。 「ウィンドソード」という風の剣を使う。 元気で楽天的な性格。 +ネタバレ 初対面のやよいと、意気投合。 ワルキューレ達と合流する予定。 CV:渡辺久美子 ガンツ 幻想界の住人で、独特な形状の二挺拳銃を使う亜人。クロノアとコンビを組んでいる。 皮肉屋で疑り深く、金にならない事はしない主義らしい。逆に、報酬分の働きはきっちりこなす。 +ネタバレ 伊織の携帯電話に付いていた緑柱石(エメラルド)を前金代りに、2人を天空寺院まで送り届ける事にした。 ワルキューレ達と合流する予定。 CV:櫻井孝宏 ジョーカー 丸っこいピエロ。 時々、ナレーションを務める事も……。 +ネタバレ 平八との取引により、「ゆらぎ」を発生させ、アイドル達や平八をどこかに飛ばした。 春香や千早には最初、ぬいぐるみと間違われていた。 ベガには、逢魔の構成員と思われている。 春香に関して、シミュレーションデータと現実のギャップに、同一人物とは思えないらしい。 彼が確保してベガに引き渡した「2人」とは誰なのか、現時点では不明。 CV:古川登志夫 ジャンガ 両手に装着した毒の爪と素早い動きを武器とするハンター。 ガンツの宿敵。 +ネタバレ バイクを運転中のガンツに小石をぶつけて事故を起こさせ、修理の為に1人になったガンツに襲い掛かった。 誰かに頼まれたらしく、伊織達をどこかに連れて行こうとしている。 CV:檜山修之 ムゥ 幻想界に棲息する幻獣の一種。通常個体以外に、巨大な固体や鎧を被った固体等がいる。 +ネタバレ 伊織達を背後から襲おうとし、クロノア達に撃退された。 CV:木川絵里子 ◆『超絶倫人ベラボーマン』の登場キャラクター ベラボーマン 『超絶倫人ベラボーマン』の主人公。 伸縮自在の手足を武器に戦う変身ヒーロー。 ブラックベラボーには本名の「中村」の名で呼ばれている……が、春香の中の人とは無関係。 仕事と家庭の事を、いつも考えている。 愛妻弁当は、ダメージ回復アイテム。 +ネタバレ 春香や千早の事は、家族総出で応援しているらしく、小牟と意気投合。 CV:稲田徹 ブラックベラボー ベラボーマンのライバルで、ベラボーマンに「妙島」と呼ばれている。 伸縮自在の手足を武器に戦う、黒いベラボーマン。 仕事とベラボーマンに勝つ事のみを考えていると、豪語している。 +ネタバレ かつて、ジョーカーと何らかの取引をしていたらしい。 森羅や春香達に追い詰められていたジョーカーに、「企業努力」と称して加勢し、逃亡を助けた。 『無駄な残業はしない主義』で、ベラボーマンに止めを刺す事より、クライアントを逃がす事を優先したりする。 CV:関智一 わや姫 女忍者型戦闘用アンドロイド。 +ネタバレ 千早には、胸だけで敵と認識された。 ベラボーマンに協力を申し出た。 三島ビルで、彼女の量産型が製造され始めたらしい。 CV:鈴木麻里子 ◆『鉄拳』シリーズの登場キャラクター 三島平八 三島財閥の総帥。 声がでかい。 伊織には「ごうつくハゲ親父」や「トンガリハゲ」と呼ばれており、逆に伊織を「デコ助」や「デコっぱち」と呼んでいる。 +ネタバレ 春香と千早以外を、以前の事件が発生した「渋谷の交差点」に連れて行き……、「ゆらぎ」でどこかに行ってしまった。 ジョーカーと何らかの取引をしていた模様。 CV:郷里大輔 風間仁 三島流喧嘩空手の使い手。平八の孫だが、「三島とは関係ない」と絶縁状態。 +ネタバレ リュウやケンに手合せを申し込もうとしたが、真が事情を話しているのを立ち聞きしていたらしい。 CV:千葉一伸 キング ジャガーのマスクを被ったプロレスラー。 フェリシアのボディーガードとして登場。 ◆『ドルアーガの塔』及び『イシターの復活』の登場キャラクター イシター 神界の女神で、ワルキューレの主。 次元の綻びを修復しようと、苦労している。 ◆『ワルキューレの冒険 時の鍵伝説』及び『ワルキューレの伝説』の登場キャラクター ワルキューレ 幻想界の住人で、神族の戦乙女。 ヴォーンレストの台頭により、民衆の神々への信頼が薄らいでいる事に心を痛めている。 CV:井上喜久子 クリノ 幻想界の住人で、サンドラ族の英雄。 ワルキューレと行動を共にしている。 CV:うえだゆうじ サビーヌ 幻想界の住人で、ワルキューレと行動を共にしているコアクマン族の……性別不明。 ヴォーンレストの時間稼ぎに飽きはじめている。 CV:川澄綾子 リレイア 幻想界の住人で、ヴォーンレストの信者を先導している女性指導者。 「次元を断つ剣」なる物を探しており、信者から情報を募っている。その一方で、剣を探す時間を稼ぐため、ワルキューレの足止めを指示している。 +ネタバレ やよいと伊織を「我らの真の導き手」と称し、信者に探させている。やよいの特徴を話す様子が、ミンゴスっぽいと言う意見も……。 彼女にやよいと伊織を探させているのは、実は沙夜だったりする。 正体はブラックワルキューレ。 名前は、『ワルキューレの栄光』 に登場する、黒衣に身を包む天界の戦士の名に由来する。 探している剣は、ソウルエッジ。 ズール 幻想界の住人で、旅の商人。 +ネタバレ どこからか落ちたらしく、高い木の上から降りれない所を、やよいと伊織に助けられた。お礼にと渡したのは、今一つ役に立たない物ばかり。 ワルキューレに何か頼まれているらしい。 CV:望月健一 ◆『ワンダーモモ』の登場キャラクター ワンダーモモ 『ワンダーモモ』の主人公。アイドルマスターの設定上に、名前だけ登場する(高木社長の設定)。 舞台女優の神田桃が演じているミュージカルの主役……のはずだが、超変身物質の力を引き出せるからと狙われた関係で、本当に変身能力を得ていたりする。 春香や千早とは、同じ芸能人として知り合いだが、2人は当然「単なる役」としてしか見ていなかった。 CV:川澄綾子 ◆『ことばのパズル もじぴったん』の登場キャラクター もじくん、もじちゃん 顔があり手足の生えた、黄色い正方形のコンビ。 本編には名前は登場せず、全く正体不明の存在である。 +ネタバレ いつの間にか、ズールの荷物に紛れ込んでいたらしく、ズールは気味悪がって扱いに困っていた。 ズールはやよいと伊織に、「幸運を呼ぶ黄色い妖精」と称してプレゼントした(……っつーか、押し付けた)。 伊織は胡散臭がっているが、やよいは目がキラキラ。『ふたりのもじぴったん』や『じゅもんをあげるよ』をカバーした縁でなのか、やよいに懐いている。 本来は『NAMCO x CAPCOM』には登場しないので、注意されたし……。 CV:古原奈々 ◆『塊魂』の登場キャラクター 王子 身長5cmの「星の王子さま」。 星の材料にする「塊」を探しているらしい。 +ネタバレ 幻想界でやよいが見つけた。 やよいは可愛いと高評価。言葉も通じるらしい。 伊織には可愛いとは思えなかった。曰く「サン・テグジュペリが泣いちゃう」。 何故か伊織の事が好きらしい。やよいの通訳によれば「お母さんにちょっとにてる」との事。特に「形が落ち着くから」と、伊織の頭の上が気に入った模様。 付近の塊捜索は終わったらしく、バイクに乗せてほしいとか言い出した。 本来は『NAMCO x CAPCOM』には登場しないので、注意されたし……。 ■ カプコン側のキャラクター ◆『ヴァンパイア』の登場キャラクター フェリシア ミュージカルスターとして活動中のキャットウーマン。 +ネタバレ ワンダーモモとの競演のためにキングを連れて来日したが、春香達が襲われている所に出くわし、助太刀する事に……。 傷口を舐める事でダメージを回復する事ができる。戦闘ダメージを負った中村を、遠慮するのも構わずに舐めた。 CV:荒木香恵 ザベル ケン曰く、「世にも珍しい明るいゾンビ」。 レイレイの事が大好きなのは相変わらず。嫌われている事に気付かないのも相変わらず。 +ネタバレ アメリカに飛ばされた真を確保しようと画策したが、リュウ達に阻まれた。 リュウ達が森羅と手を組む事を警戒するように言われている……が、あまり気にしていない。 「アイドルの魂を食べれば、カリスマが上がる」と、ジョーカーに吹き込まれたらしい。 CV:うえだゆうじ レイレイ 鳳鈴とペアを組んでいるキョンシー。 ザベルのラブコールにうんざりしており、ザベルと同類扱いされる事を嫌う。 時々「ぐぬぬ」顔になる。 +ネタバレ 真に、「顔色が悪い」と心配されたりした。 CV:根谷美智子 ◆『ガンサバイバー4 バイオハザード HEROES NEVER DIE』の登場キャラクター ブルース アメリカ統合戦略軍所属のエージェント。 レジーナとペアを組んでいる。 「冬瓜」呼ばわりは、勘弁してほしいらしい。 +ネタバレ 襲われている真達に加勢。 CV:平田広明 鳳鈴(フォンリン) 中国安全部所属の工作員。 レイレイとペアを組んでいる。 時々、ブルースを「冬瓜」と呼ぶ事がある。 +ネタバレ 襲われている真達に加勢。 CV:荒木香恵 ◆『ストリートファイター』の登場キャラクター リュウ さすらいの格闘家。 +ネタバレ メトロシティで、ケンとの手合せの最中に、2人の間に真が降ってきて、咄嗟の寸止め。 2人の拳を咄嗟に受け止めようとした真の反射神経に驚いていた。 CV:森川智之 ケン・マスターズ 全米格闘チャンプ。 +ネタバレ メトロシティで、リュウとの手合せの最中に、2人の間に真が降ってきて、咄嗟の寸止め。 「女の子が降るという異常気象」に驚いていた。 CV:岩永哲哉 ベガ 犯罪組織「シャドルー」の首領。 +ネタバレ 説得のみで戦いに身を投じるアイドル達を、「闘争に憑かれし存在」と評している。 シミュレーションデータが示す、春香が秘める「支配者の器」に興味を持っており、それを目覚めさせようと企んでいる。視聴者からは「愚民」扱い(笑)。 春香以外のアイドルは「死線を潜り抜けた者のみ手に入れれば良い」と考えている。 自分の思い通りに動く逢魔に、不信感を抱いている。 ジョーカーが確保した「2人」を、洗脳の実験台にするつもりらしい。 CV:西村知道 ユーニクローン、ユーリクローン 犯罪組織「シャドルー」に所属するベガ親衛隊の2人組(多分、クローン)。 目が死んでいる。 ベガに、零児の動向調査を命じられている。 CV:河本明子 ◆『ディノクライシス』の登場キャラクター レジーナ 特務機関S.O.R.T.所属のエージェント。本名不明。 ブルースとペアを組んでいる。 +ネタバレ 襲われている真達に加勢。 真がパスポート無しで日本に向かうように、手配した。 CV:田中敦子 ヴェロキラプトル ベガがザベルに大量に貸し与えた恐竜。 実在する恐竜であるが、ゲーム上は映画「ジュラシック・パーク」風の姿をしている(映画では当時同一の種類と考えられた、近縁種がモデルである)。 前回の事件より強化されており、ハガーが「プロレスラー向きだぞ」と高評価するほど打たれ強い。 ◆『ファイナルファイト』の登場キャラクター マイク・ハガー 元プロレスラーで、メトロシティの市長。 +ネタバレ 襲われている真達に加勢。 プロレスラー仲間に日替わり市長を頼み、日本に向かう一行に同行する事にした。 CV:玄田哲章 凱 武神流を習得した忍者。 アメリカの事を「メリケン」、メトロシティを「メットロステー」と言う等、横文字が苦手。 +ネタバレ 襲われている真達に加勢。 CV:岩永哲哉 エディ メトロシティの警官。 地面に吐いたガムは、回復アイテムだったりする。 +ネタバレ ザベルに雇われ、真を攫おうとした。 ■ 用語 三島財閥 世界規模の影響力を持つ財閥。 表向きは善良なイメージをアピールしているが、平和維持のために私設部隊で戦闘する等、色々怪しい動きをしている模様。 765プロを傘下に入れようと、765プロが仕事を取れないように方々に圧力をかけていたらしい。 シミュレーション 「765プロのアイドルが、三国志や戦国時代、世界大戦等の過去の大きな戦争に参加していたら」というシミュレーション。 そのデータは、社長を絶句させ、ベガの興味を惹く結果を示している。 要は、『iM@S架空戦記』。 ゆらぎ 異空間との境界が歪められる現象。 巻き込まれると、異世界に渡ってしまう。 尚、ある程度は追跡が可能である。 物質界 765プロやメトロシティが存在する、所謂「普通の世界」。 幻想界 剣と魔法のファンタジー世界。 ワルキューレやクロノア達がいる。 超変身物質 ベラボーマンやワンダーモモの変身アイテム。 中村曰く「心の中のもう1人の自分、守るべき者のために強くありたいという自分自身を導いてくれる」。 メトロシティ 『ファイナルファイト』に登場する、アメリカの都市。非常に治安が悪い。 +ネタバレ 日本に行く事になったハガー市長の代わりに、プロレスラー仲間が日替わりで市長代理を勤める事に……。 冬瓜(ドングァ) 鳳鈴がブルースを評して言う言葉。 鳳鈴は「いい男」と言う意味だと嘘を教えたが、本当は「駄目男」と言う意味。 原作によると、ブルースには本当の意味が通じており、あえて知らないふりをしていたとか。 ヴォーンレスト(希望の橋) 幻想界で勢力を伸ばしつつある新興宗教。 「次元の綻びにより幻獣や魔物が現れたのは、神の気紛れによるもの」「世界を隔てる壁を壊し、神の支配から逃れる事が幸せに繋がる」というのが、大まかな教義。 +ネタバレ やよいと伊織を「我らの真の導き手」と称して探しているが、実は逢魔の差し金。 ヒーローメダル クロノアやガンツが持っている、ヒーローやヒーロを目指す者の証。 行いによって、色が変化する。 ■ コメント 無限のフロンティア/無限のフロンティアEXCEED モノリスソフト制作、バンダイナムコゲームス(バンプレストレーベル)発売。スーパーロボット大戦OGシリーズの外伝作品で、「OGサーガ」の名前を持つ。ハードはDS。 コメントで度々、本作との関係が指摘される。作中でも「ナムカプの後の話」である事が示唆されている。 ナムコクロスカプコンからの出演者は零児・小牟・沙夜・片那と一部の雑魚キャラ。また、ゼノサーガEP3からKOS-MOS、T-elos(ナムカプ未登場)、M.O.M.O.(EXCEEDのみ)、ゼノサーガの一部雑魚が出演する。 森羅のアイドルマスター 「森羅のアイドルマスター、小牟じゃ!」…もとい、小牟の事。 元ネタは無限のフロンティアEXCEEDで、沙夜の加入後に戦闘前会話として聞ける。ゲームを持っていない人は、ファミ通が配信しているスペシャルバトルムービーを見るとよい(4 46以降)。 LiarPはブログでのコメント返信で「元ネタがあることに驚愕した」と語っており、その存在を知らなかったらしい。 ■ 制作者 LiarP 本作の作者。 ダイジェスト版では、零児が代理として登場。 ナムカプで作ろうとした理由は……なによりアイマスとナムカプが大好き❤ アイマスとナムコだから相性いいんじゃね? 続編出してくれ!という公式への希望を込めて ………との事。 本作以外には、『【0911V.L.S】 2/14☆りょうゆめ●REC!【アイドルマスター】』や『【アイマス×どこいつ】ちひゃーといっしょ』等の作品がある。 ブログ『NAMxCAP M@STER』 名前 コメント
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蘭 山本周五郎 ------------------------------------------------------- 【テキスト中に現れる記号について】 《》:ルビ (例)蒼茫《そうぼう》 |:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号 (例)川|生之助《いくのすけ》 [#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定 (例)[#6字下げ] ------------------------------------------------------- [#6字下げ]一[#「一」は中見出し] 秋の日はすでに落ちていた。 机にむかって筆を持ったまま、もの思いにふけっていた平三郎は、明り障子の蒼茫《そうぼう》と暗くなっていくのに気づいて、筆をおきながら、しずかに立って窓を明けた。 北に面した庭には女《め》ダケの荒れたやぶとまだ若木のスギ林がひろがっている。その樹下のもやのたちとめたような暗がりから、障子の明く音におどろいたのだろう、一羽のウズラが荒ら荒らしい羽音をたてて飛びたった。すると樹下の暗がりが、いっそう暗くなるように思えた。 「そうだ、会ってはっきり云おう」かれは低い声で、そうつぶやいた。「……もう、そうしても早すぎはしない」 その時の印象はずっと後になるまで、あざやかに覚えていた。たそがれの鬱々としたスギ林も、ひっそりと垂れていた女ダケの葉むらも、飛びたったウズラの荒ら荒らしい羽音も、そして、ひとりごとのようにつぶやいた自分の低い声も…… 平三郎はその明くる日、須川|生之助《いくのすけ》をおとずれた。生之助は、庭で蘭の手入れをしていた。さわやかな日光が、やわらげた黒土をぬくぬくと暖め、やや膚寒い風が、生垣のイバラの枯葉をふるわせていた。ここのほうが話しよい――平三郎はそう思った。生之助は、土まみれの手をこすり合わせながら立って来た。 「ことしはたしかだ。つぼみのつきが、しっかりしている。一輪はきっと咲かせてみせるよ」 「話があるんだ」平三郎は友の目を見まもりながら云った。「……いや、このまま聞く耳のないほうがいい。じつは松子さんのことなんだ」 そして平三郎は話しだした。できるだけ、ことばや感情をかざらないように、自分の弁護をしないようにつとめながら……生之助は、だまって聞いていた。かれもいつかは、こういう時の来ることを予想していたのだ。びんのあたりが、やや青くなっただけで、思ったほどおどろいたようすはなかった。 「いちおう相談というかたちにすべきだが、おたがいの仲では、ゆずりあいになりそうだ。それでは気持が割りきれなくなる。どちらかが苦しまなければならないとしたら、初めから、いさぎよく、はっきりするほうがいいと信じた。これだけは、わかってもらいたいと思う」 生之助はうなずいた。そして、手の土をはたきながら、しずかに空をふりあおいだ。雲のながれる高い空を、ゆっくりと渡っていく鳥がある。その鳥と雲との距離の渺々《びょうびょう》たる深さが、油然《ゆうぜん》とかれの心に悲しい思いをかきたてた。 「松子には、おれが伝えようか」生之助は足もとへ目を落しながらこう云った。「……それとも自分で云うか」 「自分で云うほうがいいと思うけれど、あまり無作法だし、機会もないだろう。やっぱり、よい折をみて、そこもとから、話してもらうほうが自然ではないだろうか」 「そうかもしれない。いま風邪ぎみで寝ているようだから、起きたら……」 ふたりはそれぞれの気持で口をつぐんだ。平三郎は心のよろめきを感じた。すべてを投げだしてしまいたい、自分のことばをとり消して生之助にゆずりたい、そういう衝動に駆られた。かれはそれに負けなかったが、それ以上そこにいることには耐えられなくなり、では頼む、と云いおいて別れを告げた。 生之助は門まで友を送って来ると、また庭の一隅にあるかこいの前にかがんだ。そこには、いく種類かの蘭が植わっている。そのなかに、「寒蘭」というめずらしい一株があった。琉球から渡来したもので、冬の初めに咲くという。かれは、三年まえから丹誠しているが、これまでは花が咲かなかった。こんどは、しっかりした、よいつぼみがついたので、どうかして咲かせてみたいものと、怠らず手入れをしているのであった。 「どちらかが苦しまなければならない」風を入れるためにやわらげた蘭の根もとの土を、しずかに押しかためながら、生之助はそうつぶやいた。「……そうだ、どちらかが」 数日のあいだ、かれは力のない目をして、城中でも屋敷でも、だまりながら刻《とき》をすごした。二十二になる今日まで、いささかの汚点も残さなかった平三郎とのまじわりが、吹き来たり吹き去る風のように脳裏をかすめた。黒沢も須川も、おなじ老職の家柄だった。ふたりは、その父親たちのまじわりを受けついで、四五歳のころから往来するようになった。水と魚、チョウと花、そういうように人々は、ふたりのしたしさをたとえた。気性もよくにていた。平三郎のほうが、いくらか勝ち気だったかもしれない。藩校での成績もそろって群を抜き、十二歳のときから五年、いっしょに江戸へ行って、いっしょに昌平黌《しょうへいこう》でまなんだ。これは主君|能登守正陟《のとのかみまさのぶ》が、ふたりの質と、ふたりの能力を合わせたところに嘱望したからだと云われた。たしかにそういう評判がたってもよいほど、正陟のふたりにたいする寵《ちょう》はあつかった。口には出さなかったが、このことは、生之助も平三郎も早くから気づいていた。自然、日常の挙措《きょそ》も、こころがまえも、ほかの青年たちとは違ったし、なにを見、なにを考えるにも、藩の将来と結びつけないためしはなかった。 しかし、やがてこういう濁りのない、まれな友情をもってしても、どちらかが傷つかなければすまない事が起った。 それは中原松子というむすめの登場に始まる。 [#6字下げ]二[#「二」は中見出し] 松子は中原良太夫のむすめだった。中原は須川家の遠縁にあたるので、良太夫とその妻が、あい前後してなくなるとすぐ、生之助の父兵左衛門が、かの女を家にひきとった。不幸な境遇のためだろうが、はじめは口数の少い陰気な子だった。十三四になるまで、いつもひとりで、べそをかいているというふうだったが、やがて背丈の伸びるにしたがって、顔だちも明るく身ぶり声つきも、きわだって美しくなった。 平三郎と生之助が、その変化に気づいたのはほとんど同じころである。同時に、おたがいが引きつけられている感情のふかいこともわかった。こういう関係はまれでもなく、しばしば愚かしい結果をまねく例も知っているので、ふたりは必要以上に慎みとおした。もちろん、そういう状態が永くつづくものでないこと、いつかは苦しい瞬間に当面しなければならぬということは、わかっていた。なぜなら、ふたりはそれほど深く強く松子を愛していたからである。 生之助の心はしずまらなかった。平三郎から自分が嫁にもらうと告げられたときは、むしろ心の緊張をとかれたようにさえ思った。まったく平静ではなかったにしても、たしかに一種の安堵《あんど》に似た気持を感じた。それが時のたつにしたがって苦痛が強くなり、もう取りかえしがつかないという絶望的な悲しさが、はげしく胸をしめつけるのだった。事は、すでに決定している。どうもがくすべもない。奇跡でもおこらないかぎり、松子は手のとどかぬ存在になってしまうのだ。「ああ」生之助は、いく百たびうめいたことだったろう。「ああ……」 かれが松子にその事を話したのは、苦痛と絶望に耐えられなくなったからである。その時、かの女は病床から起きて、初めて髪をあげたところだった。風邪をこじらせた程度のわずらいなので、やつれるというほどではなかったが、みずみずしく髪をあげているためか、ほおから首筋のあたり、膚が薄くすきとおるようだし、うるみをおびた目もとや、どこかしら力なげな身ごなしなど、全体に、なまめかしいほど、ろうたけてみえた。それでなくとも、生之助は毒をのむような気持でいたが、常にない松子の美しさと、話を聞いたときのにおうような恥じらいのしな[#「しな」に傍点]とは、むざんなほど、かれをうちのめした。 「わたくしには、お返辞の申しあげようがございません」かの女はまつげの長い目を伏せ、ひざの上で、かたく両手の指をからみあわせながら、戦《おのの》くような声でこう答えた。「……おじさまや、おばさまのおっしゃるように、そしてあなたさまのおぼしめしどおりにいたしたいと存じます」 もちろん、否定の色はいささかも見えなかった。すべてが終った。これ以上は未練だ。心のうちで、そう自分に云い聞かせながら、しかしおそらく顔は青ざめたことだろう。生之助は追いたてられるような気持でそのへやを出た。 明くる日のことだった。城中で昼げの休息に平三郎の詰所へ行くと、近習番の者が五人ほど集まって、何か論じ合っていた。みんなかたい表情で、けわしく目を光らせて、ひざを突き合わせるような姿勢をしていた。平三郎だけは、いつもの端正さを失わず、目を伏せ、口をひき結んで、かれらの云うことを聞いていたが、はいって来た生之助を見ると、手をあげて話をとめ、「少し、とりこんでいるから下城の時……」と云った。生之助はうなずいて、そのまま引き返した。……午後からにわかに冷えはじめた。少しおくれた平三郎を待って、いっしょに城をさがって来ると、空は薄日になり、重畳とうち重なる四方の山なみの上に、雪を思わせるネズミ色の雲が、おしつけるように、じっとのしかかっていた。 「脇屋藤六がまたやった」追手門を出ると、すぐに平三郎がそう云った。「増島三之丞と中原又作を馬場へ呼びだして、仲間でとり詰めて、中原は腕を折り、三之丞は頭を割られたそうだ。こまった」 生之助は、だまってまゆをひそめた。法恩寺山から吹きおろす風は、武家町の広い乾いた道にほこりを巻きたて、樹々の枝に散り残った枯葉をひきちぎって行った。 「悪いことには、若い者の間に、だんだん脇屋の勢力が広がっていく。粗暴と慷慨《こうがい》が、わけもなく壮烈にみえる年ごろだ。捨てておくと、とり返しようのないことになる」 「たしかに、あれは将来きっとがん[#「がん」に傍点]になる」生之助は低い、ささやくような声でこう云った。 「……なんとかしなければならない。心から藩家を思う者は、そう考えているのだろう。けれど、こういうおれ自身でさえ、やはり手をつかねているのだから」 「脇屋はそれを見とおしている。刀の柄に手をかけることが自分の存在の強大さだということを、そして、人が暴戻《ぼうれい》にたいしてたやすく起つものでないということを。――かれは、そこを根にして伸びあがるんだ。悪はそれ自身では、けっして成長しないものだ」 「だが……」と生之助は云いよどんだ。 「……だが、正しさを守るために、払う代価は必ず大きい。したがって支払う時期と方法は、よほどたしかでなければならない」 [#6字下げ]三[#「三」は中見出し] 須川の屋敷は下元禄にある。別れ道へ来たとき、平三郎は町屋のほうへ足を向けた。まだ、なにか言いたりないようだった。つま先あがりになっている道を、ふたりは九頭竜川《くずりゅうがわ》のほうへくだっていった。町の軒に、たそがれの色が濃くなり、凍るような風が、家々のひさしや、樹立や、枯れた道草を飄々《ひょうひょう》と鳴らしていた。……暮れていく光のかなたに、ぞっとするほど冷たく川の流れの見えるところまでいって、ふたりは元へひき返した。 「松子へは話をした」別れるとき、生之助はそう言った。「……異存はないようだ」 平三郎は友の顔を見るに耐えなかったのだろう。わきを向いたまま、ありがとうと云った。 生之助は、つとめて脇屋藤六の問題に考えを集めた。藤六は老職のひとり脇屋七郎右衛門の子である。少年のころからからだはすぐれてたくましかったが、頭は単純で、どちらかといえば愚かなほうだった。老職の子で、からだがよくって、愚かだという条件は、しつけが十分でないかぎり、それだけで結果は察しがつく。まして七郎右衛門は子に甘かった。愚かな子ほどという親の弱点がむきだしだった。藤六は育つにしたがって親の威光と、自分の腕力のねうちを知った。そしてこの二つのものは、自分の愚かさを償う上に、権力をさえ与えてくれるということを……では権力を持とうではないか。しだいによれば、筆頭家老にもなれる身の上だ。藤六は、そういう欲望にそそられる年齢になった。それは自然、対立するものに気づくきっかけとなる。 かれは藩の人望が、生之助と平三郎を結びつけた将来にかかっていることを発見した。かれはいきりたった。かれはまず、主家百年のために忿怒《ふんぬ》の声をあげた。かかる文弱の徒に政治を渡しては、勝山一落の運命は見るべきのみ、と叫んだ。それはやがて、妄執《もうしゅう》のごとき信念となり、かれみずから、おのれを壮士なりと確信させた。 なにがし会とやら、ものものしい結盟の旗をあげたのは、去る冬のことだった。かれは士風作興という名目をふりかざし、腕力だけで頭のない、サルのように単純な若者たちと組んであばれだした。柔弱者だといってなぐり、結盟に加わらぬといって凌辱《りょうじょく》した。人々はかれらを避けた。かれらのすることに目をつむった。かかる無知と暴力に対抗することは愚かであると信じて……藤六はこういう状態の上へ、今や底のしれぬ自信をもって、傲然《ごうぜん》と腰をすえた。そしてあきらかに、かれは平三郎と生之助とに正面からいどみかかる気勢を示しはじめた。 しぐれの降る日だった。午《ひる》少し前に平三郎が生之助を詰所にたずねて来た。いま国老に呼ばれたのだがと、平三郎はすわるより早く口ばやに言いだした。江戸在府ちゅうの能登守から使いがあって、将軍家より小笠原流礼法を聞きたいという下命だから、しかるべき者を出府させるよう、自分の考えでは、生之助か平三郎がよかろうと思う、そういう意味の墨附が来た。それで老臣相談のうえ、自分に出府するようにと申しつけられたというのであった。 「ともかく考える時間をもらって来たが……」平三郎は、常になく押しつけるような調子でいった。「……これはおれの役ではないと思う。ぜひ、そこもとに出てもらわなければならない。そうお答えするつもりだから頼む」 「せっかくだがことわる。重役がた合議といえば軽くはない。ほかのこととは違ってお家伝統の大事だ。だれの目にも、そこもとだということは動かないだろう。お受けすべきだ」 「だがおれは――」平三郎は、たたみかけるようにこうつづけた。「……おれは、いま江戸へ行きたくないんだ。松子さんとの話もまとめたいし……」 「そんな私事が辞退の理由なら、なおさらだ。よし、それだけでないにしても」と、生之助はわきへ目をやりながら、冷やかに去った。「……御用はさして長くかかりはしないだろう。ふたりのうち、ひとり勝山に残るとしたら、それはおれだよ」 「そのことばには、なにか意味があるのか」 「かくべつな意味はない。ただ何をするにも、そこもととおれとは、力をあわせなければならない。ふたりがいっしょにいて、かたく手をつないでやれば、たいていな困難は打開できる。しかしひとりではいけない。そう云いたかったのだ」 平三郎はうなずいた。生之助がかれを残したくないのは、脇屋藤六とのあいだに、きっとなにか起ると察したからだ。たしかに平三郎は、そのことを考えていた。穏健な生之助がいては果断な手段をとりにくい。江戸へ立たせた後、しかるべき機会を作って、一挙に藤六らを押えてしまおう。そう心をきめて来たのであった。けれども生之助はそれを推察してしまった。そして、推察した以上は動かないことは明白だ。ふたりいっしょに、ということばをこばむことはできない。平三郎はむなしく詰所から出ていった。 出立までに数日かかった。小笠原家における礼式作法は伝承の秘事である。淵源は遠く承安《じょうあん》のむかしにあった。高倉天皇の御脳おもらせたもう折、信濃守遠光朝臣《しなののかみとおみつあそん》が、紫宸殿《ししんでん》の庭で鳴弦《めいげん》をつとめたところ、めでたく御平癒あって嘉賞され、永く「王」の字を家紋とすべき宣旨をくだされた。以来、三位総領職として宮中、幕府の諸作法をつかさどっているが、それは秘伝として、他には、けっしてもち出さないのである。将軍家の下問であっても、秘伝とすべき条《くだり》は述べられないので、草稿を作るのには、かなり困難がともなった。こうして平三郎の発足がきまったのは、江戸から使者があって五日めのことだった。 [#6字下げ]四[#「四」は中見出し] あすは平三郎が江戸へ立つという、その前夜のことだった。夜食を終えて間もなく、当の平三郎が突然庭からはいって、生之助の居間をたたいた。ふたりだけで話がある、家人には聞かれたくないと云って、すわった。生之助は火おけの火をかきおとしながら、友の目を見た。それはきわだって力強い光をおび、寒い夜道を来たにもかかわらず、はおには赤く血が広がっていた。 「とうとう脇屋をやった」 「どうしたんだ」 「きょう、お城をさがる時、二の丸の枡形《ますがた》で突っかけて来た。石垣を曲るはずみのようにみせて、はげしくからだをぶっつけた。そして言いがかりだ」 「まさか応じはしなかったろうな」 「かれが、どんな雑言を吐きちらしたか想像がつくだろう。初めから謀《はか》ってしたことだ。是が非でも、怒らせずにはおかないという態度だった。できるだけ忍ぼうと努めてみたが……」 「あすの御用をひかえているのに、そして、つい先日もおれが言ったのに……」 「あの場にいたら、そこもともわかってくれたろう。おれは決して前後を忘れはしなかった」 「結局、どうしようというのだ」 「つい先刻、藤六から決闘状が来た。あさっての明け七つ、長山の丘で立ち合おうという申しこみだ。須川」と、平三郎は静かに友の顔を見まもった。「……どうしても避けられないばあいだ。頼む、江戸へはやはり、そともとが行ってくれ」 「それはことわる。考えてみないか黒沢。決闘となれば、相手を切らなければならない。その結果は自分も切腹だぞ」 「もちろんだ。そして、これは藩家将来のために、だれかが必ずしなければならないことだ。だれかが……」 「ああ平三郎らしい。あまりに平三郎らしい。暴を抑えるのに暴をもってするのは、無為というべきだ。そこもとの勝ち気は、こんなことにしか役だたないのか。いけない。断じていけない。そこもとは刻限どおり江戸へ立つんだ」 「だが、武士と武士との約束をどうする。この上おれに恥辱を重ねろと云うのか」 「長山の丘へはおれが行く。そこもとは穏健と笑うけれど、穏健にも一徳のないことはない。藤六のことはおれにまかせてもらう」 「そこもとには、これが、おだやかにおさまると信じられるのか」 「火を消すにも法はいくつかある。やけどにかまわず手でもみ消すのも法だ。しかし水をうちかけてすむのに、手を焦がす必要はない。そこもとが帰るまでには、穏健にけり[#「けり」に傍点]をつけておこう。あとは引きうけた。安心して行くがよい」 大丈夫だろうな。まちがいはないだろうな――いくたびも念を押したのち、なお心を残しながら平三郎はようやく帰っていった。 明くる朝、同僚たちといっしょに、城下はずれまで平三郎を見送った。冬にはいった空は、目に痛いほど碧色に澄みあがり、雲のわたる遠い山なみのなかには早くも雪をかぶった峯《みね》がながめられた。平三郎は下僕をつれて、まだ溶けやらぬ薄氷の張った刈田の間の道をまっすぐに、江戸へ向かって去った。……生之助はその日登城を休み、居間にともって、終日なにかしていた。昼げも居間でたべるというので、松子がぜんを運んでいった。かれは居間いっぱいに書状や冊子や書きほごを広げ、机に向かって、しきりに何かものを書いていた。 「お片づけ物でしたら、わたくし、お手伝いいたしましょう」 「なに、もうすんでしまった」かれはぜんの前に来てすわった。「……久しくなげやりにしておいたものだから、このとおりだ。あとで、ほごを焼くときに手を貸してもらおうか」 食事のすむまで、かれはついに目をあげなかった。 午後になって日が傾きかけたころ、かれは書状やほごや古い日記などを庭へ持ちだした。松子が附木に火を移して来た。菜圃の一隅に穴を掘って、その中で、かれは書きほごから焼きはじめた。風のない、どんよりと曇った日で、屋敷の裏にある雑木林のあたりに、しきりとツグミの鳴く声が聞えた。 「黒沢は江戸から帰ったら」と、生之助は古い日記をひきさいて火の中へ投げいれながら、しずかな温かい調子で云った。「……帰ったらすぐ正式にあの話を申しこむそうだ。松子は迷いはしないだろうね」 「はい……」 われ知らず、かの女は片手で胸を押えた。 「あれは、まれな人間だ。お家のためには、けっして欠くことのできない、やがては勝山藩の柱石ともなる人間だ。夫としてはいうまでもない。松子はきっと、しあわせになるよ」 「でもわたくし、黒沢さまの妻として、恥ずかしくない者になれますでしょうか」 「平三郎は松子を愛している。男らしい清明な深い愛だ。それがすべてを生かしてくれる。かれの愛を信じていれば、松子は、しあわせなよい妻になれるよ」 煙がなびいて来たので、かれは目たたきをしながらせきいり、立ってわきのほうへ位置を移した。 「……ああけむい。すっかり目にしみてしまった」 [#6字下げ]五[#「五」は中見出し] すべてが灰になってしまうと、かれはその穴を埋めた。松子は、夕げの菜をとるのだといって、菜圃のほうへまわったが、そこから、にわかに声をあげて、かれを呼んだ。蘭が咲いたというのである。行ってみると、そのとおりだった。寒蘭が一輪、ひっそりと、花を咲かせていた。濃い紫色の五弁の花で、結い根に近く、あざやかな朱の点がある。――きょうという日に、そう思いながら、かれはかがみこんだ。かこってあるわらの中は、高雅な香りに満ちていた。――きょうという日に咲いた。目に見えぬえにし[#「えにし」に傍点]の糸でもつながれてあるような、かなしい愛着の情にそそられながら、いつまでも、かれはその花をながめつづけた。 その翌朝まだ暗いうちに、生之助は家をぬけだして長山の丘へ向かった。家々の屋根も、道の上も、雪のように白い霜でおおわれ、足にしたがってさくさくと砕ける音が聞えた。長山は城下を東へ出はずれた丘陵で、マツ、スギ、ナラなどの深い林に包まれているが、うしろに講武台のできた背のところには、平らな草地がある。生之助はそこを目あてにして登っていった。……乳白の朝もやが薄くはいたように、枯草のしがみついた地表に垂れ、条をなしてたなびいていた。腰から下を、その朝もやに消されて、草地の一隅に脇屋藤六の姿が見えた。かれにつき添って三人の若侍がいる。生之助はそのようすをながめながら、しずかな足どりで近づいていった。 「よう、来たな」藤六が、しゃがれた声でそういった。「……黒沢はいっしょか」 「おれひとりだ。黒沢は江戸へ立った」 「逃げたか」藤六はひきゆがんだあざけりの笑いをうかべ、ずかずかとこっちへ踏みよって来た。 「……それで、つまり貴公は申しわけの使者というわけか」 「そうではない。黒沢のかわりだ」 「なに、かわりだと……では貴公がおれと果し合いをするつもりか」 「そのとおりだ」生之助は身じたくをしながらうなずいた。「……黒沢は勝山藩に欠けてならぬ人間だ。おれは、かれと幼少のころからいっしょに成長して来て、かれがどのような人物か、だれより、よく知っている。どちらかが死ぬとすれば、かれではなくて、このおれだ。これは友情ではない。勝山藩百年のためだ」 「おれは平三郎に果し状をつけたのだ。貴公との立ち合いはことわると云ったら、どうする」 「そんなことは、ありえないさ」 生之助はすでにはかまのももだちをとり、覆い物をぬいでいた。 「……なぜなら、そこもとが承知するしないにはかかわらない。おれは脇屋藤六を切る」 「と、と、と」とう叫んで藤六は二三間うしろへとびすさった。かれの面上には火がついたように闘志が燃え、双眸《そうぼう》がにわかに殺伐な光を放ちだした。「……こいつは本気だ。こいつは骨がある。よし、相手になってやろう、抜け」 生之助は右足のつま先でとんとんと地面をたたき、しずかに刀を抜いた。そのとき向うにいた三人の若侍たちが、こっちへ近づいて来た。 ×××× 小笠原家の江戸屋敷は下谷池の端にある。平三郎は着いて三日休息し、四日めの朝、召しをうけて城へ登った。そして主君能登守正陟につれられて、雁の間にはいると間もなく、屋敷から使役《つかいやく》が追って来て、勝山から急使のあったことを告げた。急使は登城ちゅうでも注申する定めだった。正陟は廊下で使者に会った。 「十月十七日早朝」と、使役は、口ばやに云った。「……城外長山の丘におきまして、須川生之助、脇屋藤六の両名、わたくしの遺恨をもって決闘におよび、生之助こと藤六を討ちはたしましたるうえ、その場を去らず自害つかまつったとのお届にございます」 「生之助が、生之助が……」声を放って、うめくように正陟が叫んだ。 しかし、平三郎の驚きはたとえようもなかった。必ず穏便におさめてみせる、そう云った生之助の声はまだ耳にある。静かな確信ありげな表情も目に残っている。それにもかかわらず……それにもかかわらず、かれは藤六を切って自害した。では、やはり、あのことばはおれを安心させるためだったのか。あの時すでに、こうする覚悟をきめていたのか。それほどの思慮がおれにはわからなかったのだろうか。平三郎はわれ知らず、こぶしをひざにつきたてた。その時、使役が、会釈してこちらへすり寄った。 「殿中でははばかりであるが、殿のおゆるしがござったのでお渡し申す」そう云った使役は、ふくさに包んだ文ばこをさしだした。「国もとからの急使が持参したもので、須川生之助よりそこもとへの文でござる」 平三郎は主君を見た。正陟はうなずいた。それで、かれは座をすべり、しずかにふくさをときひろげた。須川の家紋を散らした文ばこのふたをあけると、こもっていた高雅な香りが、かれの面をうった。……中には一輪の蘭花が、しんとおさめてあった。 底本:「山本周五郎全集第二十一巻 花匂う・上野介正信」新潮社 1983(昭和58)年12月25日 発行 底本の親本:「家の光」 1948(昭和23)年8月号 初出:「家の光」 1948(昭和23)年8月号 入力:特定非営利活動法人はるかぜ
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資治通鑑巻第三十 漢紀二十二 孝成皇帝上之上 建始元年(己丑、前三二) 1春,正月,乙丑,悼考廟災。 1. 2石顯遷長信中太僕,秩中二千石。顯既失倚,離權,於是丞相、御史條奏顯舊惡;及其黨牢梁、陳順皆免官,顯與妻子徙歸故郡,憂懣不食,道死。諸所交結以顯爲官者,皆廢罷;少府五鹿充宗左遷玄菟太守,御史中丞伊嘉爲雁門都尉。司隸校尉涿郡王尊劾奏:「丞相衡、御史大夫譚,知顯等顓權擅勢,大作威福,爲海内患害,不以時白奏行罰,而阿諛曲從,附下罔上,懷邪迷國,無大臣輔政之義,皆不道!在赦令前。赦後,衡、譚舉奏顯,不自陳不忠之罪,而反揚著先帝任用傾覆之徒,妄言『百官畏之,甚於主上』;卑君尊臣,非所宜稱,失大臣體!」於是衡漸懼,免冠謝罪,上丞相、侯印綬。天子以新即位,重傷大臣,乃左遷尊爲高陵令。然羣下多是尊者。衡嘿嘿不自安,毎有水旱,連乞骸骨讓位。上輒以詔書慰撫,不許。 2. 3立故河間王元弟上郡庫令良爲河間王。 3. 4有星孛于營室。 4. 5赦天下。 5. 6壬子,封舅諸吏、光祿大夫、關内侯王崇爲安成侯;賜舅譚、商、立、根、逢時爵關内侯。夏,四月,黄霧四塞,詔博問公卿大夫,無有所諱。諫大夫楊興、博士駟勝等對,皆以爲「陰盛侵陽之氣也。高祖之約,非功臣不侯。今太后諸弟皆以無功爲侯,外戚未曾有也,故天爲見異。」於是大將軍鳳懼,上書乞骸骨,辭職。上優詔不許。 6. 7御史中丞東海薛宣上疏曰:「陛下至德仁厚,而嘉氣尚凝,陰陽不和,殆吏多苛政。部刺史或不循守條職,舉錯各以其意,多與郡縣事,至開私門,聽讒佞,以求吏民過,譴呵及細微,責義不量力;羣縣相迫促,亦内相刻,流至衆庶。是故郷黨闕於嘉賓之歡,九族忘其親親之恩,飲食周急之厚彌衰,送往勞來之禮不行。夫人道不通則陰陽否隔,和氣不興,未必不由此也。詩云:『民之失德,乾□侯以愆。』鄙語曰:『苛政不親,煩苦傷恩。』方刺史奏事時,宜明申敕,使昭然知本朝之要務。」上嘉納之。 7. 8八月,有兩月相承,晨見東方。 8. 9冬,十二月,作長安南、北郊,罷甘泉、汾陰祠,及紫壇偽飾、女樂、鸞路、騂駒、龍馬、石壇之屬。 9. 二年(庚寅、前三一) 1春,正月,罷雍五畤及陳寶祠,皆從匡衡之請也。辛巳,上始郊祀長安南郊。赦奉郊縣及中都官耐罪徒;減天下賦錢,算四十。 1. 2閏月,以渭城延陵亭部爲初陵。 2. 3三月,辛丑,上始祠后土於北郊。 3. 4丙午,立皇后許氏。後,車騎將軍嘉之女也。元帝傷母恭哀後居位日淺而遭霍氏之辜,故選嘉女以配太子。 4. 5上自爲太子時,以好色聞;及即位,皇太后詔采良家女以備後宮。大將軍武庫令杜欽説王鳳曰:「禮,一娶九女,所以廣嗣重祖也。娣侄雖缺不復補,所以養壽塞爭也。故后妃有貞淑之行,則胤嗣有賢聖之君;制度有威儀之節,則人君有壽考之福。廢而不由,則女德不厭;女德不厭,則壽命不究於高年。男子五十,好色未衰;婦人四十,容貌改前;以改前之容侍於未衰之年,而不以禮爲制,則其原不可救而後徠異態;後徠異態,則正後自疑,而支庶有間適之心。是以晉獻被納讒之謗,申生蒙無罪之辜。今聖主富於春秋,未有適嗣,方郷術入學,未親后妃之議。將軍輔政,宜因始初之隆,建九女之制,詳擇有行義之家,求淑女之質,毋必有聲色技能,爲萬世大法。夫少戒之在色,小卞之作,可爲寒心。唯將軍常以爲憂!」鳳白之太后,太后以爲故事無有;鳳不能自立法度,循故事而已。鳳素重欽,故置之莫府,國家政謀常與欽慮之,數稱達名士,裨正闕失;當世善政多出於欽者。 5. 6夏,大旱。 6. 7匈奴呼韓邪單于嬖左伊秩訾兄女二人;長女顓渠閼氏生二子,長曰且莫車,次曰囊知牙斯;少女爲大閼氏,生四子,長曰雕陶莫皋,次曰且麋胥,皆長於且莫車,少子咸、樂二人,皆小於囊知牙斯。又它閼氏子十餘人。顓渠閼氏貴,且莫車愛,呼韓邪病且死,欲立且莫車。顓渠閼氏曰:「匈奴亂十餘年,不絶如發,賴蒙漢力,故得復安。今平定未久,人民創艾戰鬥。且莫車年少,百姓未附,恐復危國。我與大閼氏一家共子,不如立雕陶莫皋。」大閼氏曰:「且莫車雖少,大臣共持國事。今捨貴立賤,後世必亂。」單于卒從顓渠閼氏計,立雕陶莫皋,約令傳國與弟。呼韓邪死,雕陶莫皋立,爲復株累若鞮單于。復株累若鞮單于以且麋胥爲左賢王,且莫車爲左谷蠡王,囊知牙斯爲右賢王。復株累單于復妻王昭君,生二女,長女雲爲須卜居次,小女爲當於居次。 7. 三年(辛卯、前三〇) 1春,三月,赦天下徒。 1. 2秋,關内大雨四十餘日。京師民相驚,言大水至;百姓奔走相蹂躪,老弱號呼,長安中大亂。天子親御前殿,召公卿議。大將軍鳳以爲:「太后與上及後宮可御船,令吏民上長安城以避水。」君臣皆從鳳議。左將軍王商獨曰:「自古無道之國,水猶不冒城郭;今政治和平,世無兵革,上下相安,何因當有大水一日暴至,此必訛言也!不宜令上城,重驚百姓。」上乃止。有頃,長安中稍定;問之,果訛言。上於是美壯商之固守,數稱其議;而鳳大慚,自恨失言。 2. 3上欲專委任王鳳,八月,策免車騎將軍許嘉,以特進侯就朝位。 3. 4張譚坐選舉不實,免。冬,十月,光祿大夫尹忠爲御史大夫。 4. 5十二月,戊申朔,日有食之。其夜,地震未央宮殿中。詔舉賢良方正能直言極諫之士。杜欽及太常丞谷永上對,皆以爲後宮女寵太盛,嫉妒專上,將害繼嗣之咎。 5. 6越巂山崩。 6. 7丁丑,匡衡坐多取封邑四百頃,監臨盜所主守直十金以上,免爲庶人。 7. 四年(壬辰,前二九) 1春,正月,癸卯,隕石於亳四,隕於肥累二。 1. 2罷中書宦官。初置尚書員五人。 2. 3三月,甲申,以左將軍樂昌侯王商爲丞相。 3. 4夏,上悉召前所舉直言之士,詣白虎殿對策。是時上委政王鳳,議者多歸咎焉。谷永知鳳方見柄用,陰欲自托,乃曰:「方今四夷賓服,皆爲臣妾,北無熏葷、冒頓之患,南無趙佗、呂嘉之難,三垂晏然,靡有兵革之警。諸侯大者乃食數縣,漢吏制其權柄,不得有爲,無呉、楚、燕、梁之勢。百官盤互,親疏相錯,骨肉大臣有申伯之忠,洞洞屬屬,小心畏忌,無重合、安陽、博陸之亂。三者無毛髮之辜,竊恐陛下捨昭昭之白過,忽天地之明戒,聽晻昧之瞽説,歸咎乎無辜,倚異乎政事,重失天心,不可之大者也。陛下誠深察愚臣之言,抗湛溺之意,解偏駁之愛,奮乾剛之威,平天覆之施,使列妾得人人更進,益納宜子婦人,毋擇好醜,毋避嘗字,毋論年齒。推法言之,陛下得繼嗣於微賤之間,乃反爲福;得繼嗣而已,母非有賤也。後宮女史、使令有直意者,廣求於微賤之間,以遇天所開右,慰釋皇太后之憂慍,解謝上帝之譴怒,則繼嗣蕃滋,災異訖息!」杜欽亦仿此意。上皆以其書示後宮,擢永爲光祿大夫。 4. 5夏,四月,雨雪。 5. 6秋,桃、李實。 6. 7大雨水十餘日,河決東郡金堤。先是清河都尉馮逡奏言:「郡承河下流,土壤輕脆易傷,頃所以闊無大害者,以屯氏河通兩川分流也。今屯氏河塞,靈鳴犢口又益不利,獨一川兼受數河之任,雖高增堤防,終不能洩。如有霖雨,旬日不霽,必盈溢。九河故跡,今既滅難明,屯氏河新絶未久,其處易浚;又其口所居高,於以分殺水力,道里便宜,可復浚以助大河,洩暴水,備非常。不豫修治,北決病四、五郡,南決病十餘郡,然後憂之,晩矣!」事下丞相、御史,白遣博士許商行視,以爲「方用度不足,可且勿浚。」後三歳,河果決於館陶及東郡金堤,氾濫兗、豫,入平原、千乘、濟南,凡灌四郡、三十二縣,水居地十五萬餘頃,深者三丈;壞敗官亭、室廬且四萬所。 冬,十一月,御史大夫尹忠以對方略疏闊,上切責其不憂職,自殺。遣大司農非調調均錢谷河決所灌之郡,謁者二人發河南以東船五百□叟,徙民避水居丘陵九萬七千餘口。 7. 8壬戌,以少府張忠爲御史大夫。 8. 9南山羣盜傰宗等數百人爲吏民害。詔發兵千人逐捕,歳餘不能禽。或説大將軍鳳,以「賊數百人在轂下,討不能得,難以示四夷;獨選賢京兆尹乃可。」於是鳳薦故高陵令王尊,征爲諫大夫,守京輔都尉,行京兆尹事。旬月間,盜賊清;後拜爲京兆尹。 9. 10上即位之初,丞相匡衡復奏:「射聲校尉陳湯以吏二千石奉使,顓命蠻夷中,不正身以先下,而盜所收康居財物,戒官屬曰:『絶域事不覆校。』雖在赦前,不宜處位。」湯坐免。後湯上言:「康居王侍子,非王子。」按驗,實王子也。湯下獄當死。 太中大夫谷永上疏訟湯曰:「臣聞楚有子玉得臣,文公爲之仄席而坐;趙有廉頗、馬服,強秦不敢窺兵井陘;近漢有郅都、魏尚,匈奴不敢南郷沙幕。由是言之,戰克之將,國之爪牙,不可不重也。蓋君子聞鼓鼙之聲,則思將帥之臣。竊見關内侯陳湯,前斬郅支,威震百蠻,武暢西海,漢元以來,征伐方外之將,未嘗有也。今湯坐言事非是,幽囚久繋,歴時不決,執憲之吏欲致之大辟。昔白起爲秦將,南拔郢都,北坑趙括,以纖介之過,賜死杜郵;秦民憐之,莫不隕涕。今湯親秉鉞席捲,喋血萬里之外,薦功祖廟,告類上帝,介冑之士靡不慕義。以言事爲罪,無赫赫之惡。周書曰:『記人之功,忘人之過,宜爲君者也。』夫犬馬有勞於人,尚加帷蓋之報,況國之功臣者哉!竊恐陛下忽於鼙鼓之聲,不察周書之意,而忘帷蓋之施,庸臣遇湯,卒從吏議,使百姓介然有秦民之恨,非所以厲死難之臣也!」 書奏,天子出湯,奪爵爲士伍。會西域都護段會宗爲烏孫兵所圍,驛騎上書,願發城郭、敦煌兵以自救;丞相商、大將軍鳳及百寮議數日不決。鳳言:「陳湯多籌策,習外國事,可問。」上召湯見宣室。湯撃郅支時中寒,病兩臂不屈申;湯入見,有詔毋拜,示以會宗奏。湯對曰:「臣以爲此必無可憂也。」上曰:「何以言之?」湯曰:「夫胡兵五而當漢兵一,何者?兵刃樸鈍,弓弩不利。今聞頗得漢巧,然猶三而當一。又兵法曰:『客倍而主人半,然後敵。』今圍會宗者人衆不足以勝會宗。唯陛下勿憂!且兵輕行五十里,重行三十里,今會宗欲發城郭、敦煌,歴時乃至,所謂報讎之兵,非救急之用也。」上曰:「奈何?其解可必乎?度何時解?」湯知烏孫瓦合,不能久攻,故事不過數日,因對曰:「已解矣!」屈指計其日,曰:「不出五日,當有吉語聞。」居四日,軍書到,言已解。大將軍鳳奏以爲從事中郎,莫府事壹決於湯。 10. 河平元年(癸巳、前二八) 1春,杜欽薦犍爲王延世於王鳳,使塞決河。鳳以延世爲河堤使者。延世以竹落長四丈,大九圍,盛以小石,兩船夾載而下之。三十六日,河堤成。三月,詔以延世爲光祿大夫,秩中二千石,賜爵關内侯、黄金百斤。 1. 2夏,四月,己亥晦,日有食之。詔公卿百僚陳過失,無有所諱。大赦天下。光祿大夫劉向對曰:「四月交於五月,月同孝惠,日同孝昭,其占恐害繼嗣。」是時許皇后專寵,後宮希得進見,中外皆憂上無繼嗣,故杜欽、谷永及向所對皆及之。 上於是減省椒房、掖廷用度,服御、輿駕所發諸官署及所造作,遺賜外家、羣臣妾,皆如竟寧以前故事。皇后上疏自陳,以爲:「時世異制,長短相補,不出漢制而已,纖微之間未必可同。若竟寧前與黄龍前,豈相放哉!家吏不曉,今壹受詔如此,且使妾搖手不得。設妾欲作某屏風張於某所,曰:『故事無有。』或不能得,則必繩妾以詔書矣。此誠不可行,唯陛下省察!故事,以特牛祠大父母,戴侯、敬侯皆得蒙恩以太牢祠,今當率如故事,唯陛下哀之!今吏甫受詔讀記,直豫言使後知之,非可復若私府有所取也。其萌牙所以約制妾者,恐失人理。唯陛下深察焉!」上於是采谷永、劉向所言災異咎驗皆在後宮之意以報之,且曰:「吏拘於法,亦安足過!蓋矯枉者過直,古今同之。且財幣之省,特牛之祠,其於皇后,所以扶助德美,爲華寵也。咎根不除,災變相襲,祖宗且不血食,何戴侯也!傳不雲乎:『以約失之者鮮』,審皇后欲從其奢與?朕亦當法孝武皇帝也。如此,則甘泉、建章可復興矣。孝文皇帝,朕之師也。皇太后,皇后成法也。假使太后在彼時不如職,今見親厚,又惡可以踰乎!皇后其刻心秉德,謙約爲右,垂則列妾,使有法焉!」 2. 3給事中平陵平當上言:「太上皇,漢之始祖,廢其寢廟園,非是。」上亦以無繼嗣,遂納當言。秋,九月,復太上皇寢廟園。 3. 4詔曰:「今大辟之刑千有餘條,律令煩多,百有餘萬言;奇請,它比,日以益滋。自明習者不知所由,欲以曉喩衆庶,不亦難乎!於以羅元元之民,夭絶亡辜,豈不哀哉!其議減死刑及可蠲除約省者,令較然易知,條奏!」時有司不能廣宣上意,徒鉤摭微細,毛舉數事,以塞詔而已。 4. 5匈奴單于遣右皋林王伊邪莫演等奉獻,朝正月。 5. 二年(甲午、前二七) 1春,伊邪莫演罷歸,自言欲降:「即不受我,我自殺,終不敢還歸。」使者以聞,下公卿議。議者或言:「宜如故事,受其降。」光祿大夫谷永、議郎杜欽以爲:「漢興,匈奴數爲邊害,故設金爵之賞以待降者。今單于屈體稱臣,列爲北籓,遣使朝賀,無有二心。漢家接之,宜異於往時。今既享單于聘貢之質,而更受其逋逃之臣,是貪一夫之得而失一國之心,擁有罪之臣而絶慕義之君也。假令單于初立,欲委身中國,未知利害,私使伊邪莫演詐降以卜吉凶,受之,虧德沮善,令單于自疏,不親邊吏;或者設爲反間,欲因而生隙,受之,適合其策,使得歸曲而責直。此誠邊境安危之原,師旅動靜之首,不可不詳也。不如勿受,以昭日月之信,抑詐諼之謀,懷附親之心,便!」對奏,天子從之。遣中郎將王舜往問降状,伊邪莫演曰:「我病狂,妄言耳。」遣去。歸到,官位如故,不肯令見漢使。 1. 2夏,四月,楚國雨雹,大如釜。 2. 3徙山陽王康爲定陶王。 3. 4六月,上悉封諸舅:王譚爲平阿侯,商爲成都侯,立爲紅陽侯,根爲曲陽侯,逢時爲高平侯。五人同日封,故世謂之「五侯」。太后母李氏更嫁爲河内苟賓妻,生子參;太后欲以田□分爲比而封之。上曰:「封田氏,非正也。」以參爲侍中、水衡都尉。 4. 5御史大夫張忠奏京兆尹王尊暴虐倨慢,尊坐免官;吏民多稱惜之。湖三老公乘興等上書訟:「尊治京兆,撥劇整亂,誅暴禁邪,皆前所稀有,名將所不及;雖拜爲眞,未有殊絶褒賞加於尊身。今御史大夫奏尊『傷害陰陽,爲國家憂,無承用詔書意,『靖言庸違,像龔滔天。』」源其所以,出御史丞楊輔,素與尊有私怨,外依公事建畫爲此議,傅致奏文,浸潤加誣,臣等竊痛傷。尊修身潔己,砥節首公,刺譏不憚將相,誅惡不避豪強,誅不制之賊,解國家之憂,功著職修,威信不廢,誠國家爪牙之吏,折衝之臣。今一旦無辜制於仇人之手,傷於詆欺之文,上不得以功除罪,下不得蒙棘木之聽,獨掩怨讎之偏奏,被共工之大惡,無所陳冤訴罪。尊以京師廢亂,羣盜並興,選賢徴用,起家爲卿。賊亂既除,豪猾伏辜,即以佞巧廢黜。一尊之身,三期之間,乍賢乍佞,豈不甚哉!孔子曰:『愛之欲其生,惡之欲其死,是惑也。』『浸潤之譖不行焉,可謂明矣。』願下公卿、大夫、博士、議郎定尊素行!夫人臣而『傷害陰陽』,死誅之罪也;『靖言庸違』,放殛之刑也。審如御史章,尊乃當伏觀闕之誅,放於無人之域,不得苟免;及任舉尊者,當獲選舉之辜,不可但已。即不如章,飾文深詆以訴無罪,亦宜有誅,以懲讒賊之口,絶詐欺之路。唯明主參詳,使白黑分別!」書奏,天子復以尊爲徐州刺史。 5. 6夜郎王興、金句町王禹、漏臥侯兪更舉兵相攻。牂柯太守請發兵誅興等。議者以爲道遠不可撃,乃遣太中大夫蜀郡張匡持節和解。興等不從命,刻木象漢吏,立道旁,射之。 杜欽説大將軍王鳳曰:「蠻夷王侯輕易漢使,不憚國威,恐議者選耎,復守和解;太守察動靜有變,乃以聞。如此,則復曠一時,王侯得收獵其衆,申固其謀,黨助衆多,各不勝忿,必相殄滅。自知罪成,狂犯守尉,遠臧温暑毒草之地;雖有孫、呉將,賁、育士,若入水火,往必焦沒,智勇亡所施。屯田守之,費不可勝量。宜因其罪惡未成,未疑漢家加誅,陰敕旁郡守尉練士馬,大司農豫調谷積要害處,選任職太守往。以秋涼時入,誅其王侯尤不軌者。即以爲不毛之地,無用之民,聖王不以勞中國,宜罷郡,放棄其民,絶其王侯勿復通。如以先帝所立累世之功不可墮壞,亦宜因其萌牙,早斷絶之。及已成形然後戰師,則萬姓被害。」大將軍鳳於是薦金城司馬臨邛陳立爲牂柯太守。 立至牂柯,諭告夜郎王興,興不從命;立請誅之,未報。乃從吏數十人出行縣,至興國且同亭,召興。興將數千人往至亭,從邑君數十人入見立。立數責,因斷頭。邑君曰:「將軍誅無状,爲民除害,願出曉士衆!」以興頭示之,皆釋兵降。金句町王禹、漏臥侯兪震恐,入粟千斛、牛羊勞吏士。立還歸郡。 興妻父翁指,與子邪務收餘兵,迫脅旁二十二邑反。至冬,立奏募諸夷,與都尉、長史分將攻翁指等。翁指據厄爲壘,立使奇兵絶其饟道,縱反間以誘其衆。都尉萬年曰:「兵久不決,費不可共。」引兵獨進。敗走,趨立營。立怒,叱戲下令格之。都尉復還戰,立救之。時天大旱,立攻絶其水道。蠻夷共斬翁指,持首出降,西夷遂平。 6. 三年(乙未、前二六) 1春,正月,楚王囂來朝。二月,乙亥,詔以囂素行純茂,特加顯異,封其子勳爲廣戚侯。 1. 2丙戌,犍爲地震,山崩,壅江水,水逆流。 2. 3秋,八月,乙卯晦,日有食之。 3. 4上以中秘書頗散亡,使謁者陳農求遺書於天下。詔光祿大夫劉向校經傳、諸子、詩賦,歩兵校尉任宏校兵書,太史令尹咸校數術,侍醫李柱國校方技。毎一書已,向輒條其篇目,撮其指意,録而奏之。 4. 5劉向以王氏權位太盛,而上方向詩、書古文,向乃因尚書洪範,集合上古以來,歴春秋、六國至秦、漢符瑞、災異之記,推跡行事,連傅禍福,著其占驗,比類相從,各有條目,凡十一篇,號曰洪範五行傳論,奏之。天子心知向忠精,故爲鳳兄弟起此論也;然終不能奪王氏權。 5. 6河復決平原,流入濟南、千乘,所壞敗者半建始時。復遣王延世與丞相史楊焉及將作大匠許商、諫大夫乘馬延年同作治,六月乃成。復賜延世黄金百斤。治河卒非受平賈者,爲著外繇六月。 6. 四年(丙申、前二五) 1春,正月,匈奴單于來朝。 1. 2赦天下徒。 2. 3三月,癸丑朔,日有食之。 3. 4琅邪太守楊肜與王鳳連昏,其郡有災害,丞相王商按問之。鳳以爲請,商不聽,竟奏免肜,奏果寢不下。鳳以是怨商,陰求其短,使頻陽耿定上書,言「商與父傅婢通;及女弟淫亂,奴殺其私夫,疑商教使。」天子以爲暗昧之過,不足以傷大臣。鳳固爭,下其事司隸。太中大夫蜀郡張匡,素佞巧,復上書極言詆毀商。有司奏請召商詣詔獄。上素重商,知匡言多險,制曰:「勿治!」鳳固爭之。夏,四月,壬寅,詔收商丞相印綬。商免相三日,發病,歐血薨,謚曰戾侯。而商子弟親屬爲駙馬都尉、侍中、中常侍、諸曹、大夫、郎吏者,皆出補吏,莫得留給事、宿衞者。有司奏請除國邑;有詔:「長子安嗣爵爲樂昌侯。」 4. 5上之爲太子也,受論語於蓮勺張禹,及即位,賜爵關内侯,拜爲諸吏、光祿大夫,秩中二千石,給事中,領尚書事。禹與王鳳並領尚書,内不自安,數病,上書乞骸骨,欲退避鳳;上不許,撫待愈厚。六月,丙戌,以禹爲丞相,封安昌侯。 5. 6庚戌,楚孝王囂薨。 6. 7初,武帝通西域,罽賓自以絶遠,漢兵不能至,獨不服,數剽殺漢使。久之,漢使者文忠與容屈王子陰末赴合謀攻殺其王;立陰末赴爲罽賓王。後軍候趙德使罽賓,與陰末赴相失;陰末赴鎖琅當德,殺副已下七十餘人,遣使者上書謝。孝元帝以其絶域,不録,放其使者於縣度,絶而不通。 及帝即位,復遣使獻謝罪。漢欲遣使者報送其使。杜欽説王鳳曰:「前罽賓王陰末赴,本漢所立,後卒畔逆。夫德莫大於有國子民,罪莫大於執殺使者,所以不報恩,不懼誅者,自知絶遠,兵不至也。有求則卑辭,無慾則驕嫚,終不可懷服。凡中國所以爲通厚蠻夷,愜快其求者,爲壤比而爲寇。今縣度之厄,非罽賓所能越也;其郷慕,不足以安西域;雖不附,不能危城郭。前親逆節,惡暴西域,故絶而不通;今悔過來,而無親屬、貴人,奉獻者皆行賈賤人,欲通貨市買,以獻爲名,故煩使者送至縣度,恐失實見欺。凡遣使送客者,欲爲防護寇害也。起皮山,南更不屬漢之國四、五,斥候士百餘人,五分夜撃刁斗自守,尚時爲所侵盜。驢畜負糧,須諸國稟食,得以自贍。國或貧小不能食,或桀黠不肯給,擁強漢之節,餒山谷之間,乞丐無所得,離一、二旬,則人畜棄捐曠野而不反。又歴大頭痛、小頭痛之山,赤土、身熱之阪,令人身熱無色,頭痛嘔吐,驢畜盡然。又有三池盤、石阪道,狹者尺六七寸,長者徑三十里,臨崢嶸不測之深,行者騎歩相持,繩索相引,二千餘里,乃到縣度。畜墜,未半坑谷盡靡碎;人墮,勢不得相收視;險阻危害,不可勝言。聖王分九州,制五服,務盛内,不求外;今遣使者承至尊之命,送蠻夷之賈,勞吏士之衆,渉危難之路,罷敝所恃以事無用,非久長計也。使者業已受節,可至皮山而還。」於是鳳白從欽言。罽賓實利賞賜賈市,其使數年而壹至云。 7. 陽朔元年(丁酉、前二四) 1春,二月,丁未晦,日有食之。 1. 2三月,赦天下徒。 2. 3冬,京兆尹泰山王章下獄,死。 時大將軍鳳用事,上謙讓無所顓。左右嘗薦光祿大夫劉向少子歆通達有異材,上召見歆,誦讀詩賦,甚悅之,欲以爲中常侍;召取衣冠,臨當拜,左右皆曰:「未曉大將軍。」上曰:「此小事,何須關大將軍!」左右叩頭爭之,上於是語鳳,鳳以爲不可,乃止。 王氏子弟皆卿、大夫、侍中、諸曹,分據勢官,滿朝廷。杜欽見鳳專政泰重,戒之曰:「願將軍由周公之謙懼,損穰侯之威,放武安之欲,毋使范雎之徒得間其説。」鳳不聽。 時上無繼嗣,體常不平。定陶共王來朝,太后與上承先帝意,遇共王甚厚,賞賜十倍於它王,不以往事爲纖介;留之京師,不遣歸國。上謂共王:「我未有子,人命不諱。一朝有它,且不復相見,爾長留侍我矣!」其後天子疾益有瘳,共王因留國邸,旦夕侍上。上甚親重之。大將軍鳳心不便共王在京師,會日食,鳳因言:「日食,陰盛之象。定陶王雖親,於禮當奉籓在國;今留侍京師,詭正非常,故天見戒,宜遣王之國。」上不得已於鳳而許之。共王辭去,上與相對涕泣而決。 王章素剛直敢言,雖爲鳳所舉,非鳳專權,不親附鳳,乃奏封事,言:「日食之咎,皆鳳專權蔽主之過。」上召見章,延問以事。章對曰:「天道聰明,佑善而災惡,以瑞異爲符效。今陛下以未有繼嗣,引近定陶王,所以承宗廟,重社稷,上順天心,下安百姓,此正議善事,當有祥瑞,何故致災異!災異之發,爲大臣顓政者也。今聞大將軍猥歸日食之咎於定陶王,建遣之國,苟欲使天子孤立於上,顓擅朝事以便其私,非忠臣也。且日食,陰侵陽,臣顓君之咎。今政事大小皆自鳳出,天子曾不壹舉手,鳳不内省責,反歸咎善人,推遠定陶王。且鳳誣罔不忠,非一事也。前丞相樂昌侯商,本以先帝外屬,内行篤,有威重,位歴將相,國家柱石臣也,其人守正,不肯屈節隨鳳委曲;卒用閨門之事爲鳳所罷,身以憂死,衆庶愍之。又鳳知其小婦弟張美人已嘗適人,於禮不宜配御至尊,托以爲宜子,内之後宮,苟以私其妻弟;聞張美人未嘗任身就館也。且羌、胡尚殺首子以蕩腸正世,況於天子,而近已出之女也!此三者皆大事,陛下所自見,足以知其餘及它所不見者。鳳不可令久典事,宜退使就第,選忠賢以代之!」 自鳳之白罷商,後遣定陶王也,上不能平;及聞章言,天子感寤,納之,謂章曰:「微京兆尹直言,吾不聞社稷計。且唯賢知賢,君試爲朕求可以自輔者。」於是章奏封事,薦信都王舅琅邪太守馮野王,忠信質直,知謀有餘。以王舅出,以賢復入,明聖主樂進賢也。上自爲太子時,數聞野王先帝名卿,聲譽出鳳遠甚,方倚欲以代鳳。章毎召見,上輒辟左右。時太后從弟子侍中音獨側聽,具知章言,以語鳳。鳳聞之,甚憂懼。杜欽令鳳稱病出就第,上疏乞骸骨,其辭指甚哀。太后聞之,爲垂涕,不御食。上少而親倚鳳,弗忍廢,乃優詔報鳳,強起之;於是鳳起視事。 上使尚書劾奏章:「知野王前以王舅出補吏,而私薦之,欲令在朝,阿附諸侯;又知張美人體御至尊,而妄稱引羌胡殺子蕩腸,非所宜言。」下章吏。廷尉致其大逆罪,以爲「比上夷狄,欲絶繼嗣之端,背畔天子,私爲定陶王。」章竟死獄中,妻子徙合浦。自是公卿見鳳,側目而視。 馮野王懼不自安,遂病;滿三月,賜告,與妻子歸杜陵就醫藥。大將軍鳳風御史中丞劾奏「野王賜告養病而私自便,持虎符出界歸家,奉詔不敬。」杜欽奏記於鳳曰:「二千石病,賜告得歸,有故事;不得去郡,亡著令。傳曰:『賞疑從予,』所以廣恩勸功也;『罰疑從去,』所以愼刑,闕難知也。今釋令與故事而假不敬之法,甚違『闕疑從去』之意。即以二千石守千里之地,任兵馬之重,不宜去郡,將以制刑爲後法者,則野王之罪在未制令前也。刑賞大信,不可不愼。」鳳不聽,竟免野王官。時衆庶多冤王章譏朝廷者,欽欲救其過,復説鳳曰:「京兆尹章,所坐事密,自京師不曉,況於遠方!恐天下不知章實有罪,而以爲坐言事。如是,塞爭引之原,損寬明之德。欽愚以爲宜因章事舉直言極諫,並見郎從官,展盡其意,加於往前,以明示四方,使天下咸知主上聖明,不以言罪下也。若此,則流言消釋,疑惑著明。」鳳白行其策焉。 3. 4是歳,陳留太守薛宣爲左馮翊。宣爲郡,所至有聲跡。宣子惠爲彭城令,宣嘗過其縣,心知惠不能,不問以吏事。或問宣:「何不教戒惠以吏職?」宣笑曰:「吏道以法令爲師,可問而知;及能與不能,自有資材,何可學也!」衆人傳稱,以宣言爲然。 4. 二年(戊戌,前二三) 1春,三月,大赦天下。 1. 2御史大夫張忠卒。 2. 3夏,四月,丁卯,以侍中、太僕王音爲御史大夫。於是王氏愈盛,郡國守相、刺史皆出其門下。五侯羣弟爭爲奢侈,賂遺珍寶,四面而至,皆通敏人事,好士養賢,傾財施予以相高尚;賓客滿門,競爲之聲譽。劉向謂陳湯曰:「今災異如此,而外家日盛,其漸必危劉氏。吾幸得以同姓末屬,累世蒙漢厚恩,身爲宗室遺老,歴事三主。上以我先帝舊臣,毎進見,常加優禮。吾而不言,孰當言者!」遂上封事極諫曰:「臣聞人君莫不欲安,然而常危;莫不欲存,然而常亡;失御臣之術也。夫大臣操權柄,持國政,未有不爲害者也。故書曰:『臣之有作威作福,害於而家,凶於而國。』孔子曰:『祿去公室,政逮大夫,』危亡之兆也。今王氏一姓,乘硃輪華轂者二十三人,靑、紫、貂、蟬充盈幄内,魚鱗左右。大將軍秉事用權,五侯驕奢僭盛,並作威福,撃斷自恣,行汚而寄治,身私而托公,依東宮之尊,假甥舅之親,以爲威重。尚書、九卿、州牧、郡守皆出其門,管執樞機,朋黨比周;稱譽者登進,忤恨者誅傷;游談者助之説,執政者爲之言,排擯宗室,孤弱公族,其有智能者,尤非毀而不進,遠絶宗室之任,不令得給事朝省,恐其與己分權;數稱燕王、蓋主以疑上心,避諱呂、霍而弗肯稱。内有管、蔡之萌,外假周公之論,兄弟據重,宗族磐互,歴上古至秦、漢,外戚僭貴未有如王氏者也。物盛必有非常之變先見,爲其人微象。孝昭帝時,冠石立於泰山,僕柳起於上林,而孝宣帝即位。今王氏先祖墳墓在濟南者,其梓柱生枝葉,扶疏上出屋,根挿地中,雖立石起柳,無以過此之明也。事勢不兩大,王氏與劉氏亦且不並立,如下有泰山之安,則上有累卵之危。陛下爲人子孫,守持宗廟,而令國祚移於外親,降爲皁隸,縱不爲身,奈宗廟何!婦人内夫家而外父母家,此亦非皇太后之福也。孝宣皇帝不與舅平昌侯權,所以全安之也。夫明者起福於無形,銷患於未然,宜發明詔,吐德音,援近宗室,親而納信,黜遠外戚,毋授以政,皆罷令就弟,以則效先帝之所行,厚安外戚,全其宗族,誠東宮之意,外家之福也。王氏永存,保其爵祿,劉氏長安,不失社稷,所以褒睦外内之姓,子子孫孫無疆之計也。如不行此策,田氏復見於今,六卿必起於漢,爲後嗣憂,昭昭甚明。唯陛下深留聖思!」書奏,天子召見向,歎息悲傷其意,謂曰:「君且休矣,吾將思之。」然終不能用其言。 3. 4秋,關東大水。 4. 5八月,甲申,定陶共王康薨。 5. 6是歳,徙信都王興爲中山王。 6.
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資治通鑑巻第二十四 漢紀十六 孝昭皇帝下 元平元年(丁未、前七四) 1春,二月,詔減口賦錢什三。 1. 春、二月、詔があり、口賦銭を三割減らした。 2夏,四月,癸來,帝崩於未央宮;無嗣。時武帝子獨有廣陵王胥,大將軍光與羣臣議所立,咸持廣陵王。王本以行失道,先帝所不用;光内不自安。朗有上書言:「周太王廢太伯立王季,文王捨伯邑考立武王,唯在所宜,雖廢長立少可也。廣陵王不可以承宗嗣。」言合光意。光以其書示丞相敞等,擢郎爲九江太守。即日承皇后詔,遣行大鴻臚事少府樂成、宗正德、光祿大夫吉、中郎將利漢,迎昌邑王賀,乘七乘傳詣長安邸。光又白皇后,徒右將軍安世爲車騎將軍。 賀,昌邑哀王之子也,在國素狂縱,動作無節。武帝之喪,賀遊獵不止。嘗遊方與,不半日馳二百里。中尉琅邪王吉上疏諫曰:「大王不好書術而樂逸游,馮式撙街,馳騁不止,口倦虖叱吒,手苦於棰轡,身勞虖車輿,朝則冒霧露,晝則被塵埃,夏則爲大暑之所暴炙,冬則爲風寒之所匽薄,數以耎脆之玉體犯勤勞之煩毒,非所以全壽命之宗也,又非所以進仁義之隆也。夫廣廈之下,細旃之上,明師居前,勤誦在後,上論唐、虞之際,下及殷、周之盛,考仁聖之風,習治國之道,欣欣焉發憤忘食,日新厥德,其樂豈街橛之間哉!休則俛仰屈伸以利形,進退歩趨以實下,吸新吐故以練臧,專意積精以適神,於以養生,豈不長哉!大王誠留意如此,則心有堯、舜之志,體有喬、松之壽,美聲廣譽,登而上聞,則福祿其臻而社稷安矣。皇帝仁聖,至今思慕未怠,於宮館、囿池、戈獵之樂未有所幸,大王宜夙夜念此以承聖意。諸侯骨肉,莫親大王,大王於屬則子也,於位則臣也,一身而二任之責加焉。恩愛行義,纖介有不具者,於以上聞,非饗國之福也。」王乃下令曰:「寡人造行不能無惰,中尉其忠,數輔吾過。」使謁者千秋賜中尉牛肉五百斤,酒五石,脯五束。其後復放縱自若。 郎中令山陽龔遂,忠厚剛毅,有大節,内諫爭於王,外責傅相,引經義,陳禍福,至於涕泣,蹇蹇亡已,面刺王過。王至掩耳起走,曰:「郎中令善愧人!」王嘗久與騶奴、宰人遊戲飲食,賞賜無度,遂入見王,涕泣膝行,左右侍御皆出涕。王曰:「郎中令何爲哭?」遂曰:「臣痛社稷危也!願賜清閒,竭愚!」王辟左右。遂曰:「大王知膠西王所以爲無道亡乎?」王曰:「不知也。」曰:「臣聞膠西王有諛臣侯得,王所爲似於桀、紂也,得以爲堯、舜也。王説其諂諛,常與寢處,唯得所言,以至於是。今大王親近羣小,漸漬邪惡所習,存亡之機,不可不愼也!臣請選郎通經有行義者與王起成,坐則誦詩、書,立則習禮容,宜有益。」王許之。遂乃選郎中張安等十人侍王。居數日,王皆逐去安等。 王嘗見大白犬,頸以下似人,冠方山冠而無尾,以問龔遂,遂曰:「此天戒,言在側者盡冠狗也,去之則存,不去則亡矣。」後又聞人聲曰:「熊!」視而見大熊,左右莫見,以問遂,遂曰:「熊,山野之獸,而來之宮室,王獨見之,此天戒大王,恐宮室將空,危亡象也。」王仰天而歎曰:「不祥何爲數來!」遂叩頭曰:「臣不敢隱忠,數言危亡之戒;大王不説。夫國之存亡,豈在臣言哉!願王内自揆度。大王誦詩三百五篇,人事浹,王道備。王之所行,中詩一篇何等也?大王位於諸侯王,行汚於庶人,以存難,以亡易,宜深察之!」後又血汚王坐席,王問遂;遂叫然號曰:「宮空不久,妖祥數至。血者,陰憂象也,宜畏愼自省!」王終不改節。 及徴書至,夜漏未盡一刻,以火發書。其日中,王發;晡時,至定陶,行百三十五里,侍從者馬死相望於道。王吉奏書戒王曰:「臣聞高宗諒闇,三年不言。今大王以喪事征,宜日夜哭泣悲哀而已,愼毋有所發!大將軍仁愛、勇智、忠信之德,天下莫不聞;事孝武皇帝二十餘年,未嘗有過。先帝棄羣臣,屬以天下,寄幼孤焉。大將軍抱持幼君襁褓之中,布政施教,海内晏然,雖周公、伊尹無以加也。今帝崩無嗣,大將軍惟思可以奉宗廟者,攀援而立大王,其仁厚豈有量哉!臣願大王事之,敬之,政事壹聽之,大王垂拱南面而已。願留意,常以爲念!」 王至濟陽,求長鳴雞,道買積竹杖。過弘農,使大奴善以衣車載女子。至湖,使者以讓相安樂。安樂告龔遂,遂入問王,王曰:「無有。」遂曰:「即無有,何愛一善以毀行義!請收屬吏,以湔灑大王。」即捽善屬衞士長行法。 王到霸上,大鴻臚郊迎,騶奉乘輿車。王使壽成御,郎中令遂參乘。且至廣明、東都門,遂曰:「禮,奔喪望見國都哭。此長安東郭門也。」王曰:「我嗌痛,不能哭。」至城門,遂復言,王曰:「城門與郭門等耳。」且至未央宮東闕,遂曰:「昌邑帳在是闕外馳道北,未至帳所,有南北行道,馬足未至數歩;大王宜下車,郷闕西面伏哭,盡哀止。」王曰:「諾。」到,哭如儀。六月,丙寅,王受皇帝璽綬,襲尊號,尊皇后曰皇太后。 2. 3壬申,葬孝昭皇帝於平陵。 3. 4昌邑王既立,淫戲無度。昌邑官屬皆征至長安,往往超擢拜官。相安樂遷長樂衞尉。龔遂見安樂,流涕謂曰:「王立爲天子,日益驕溢,諫之不復聽。今哀痛未盡,日與近臣飲酒作樂,斗虎豹,召皮軒車九旒,驅馳東西,所爲悖道。古制寬,大臣有隱退;今去不得,陽狂恐知,身死爲世戮,奈何?君,陛下故相,宜極諫爭。」 王夢靑蠅之矢積西階東,可五六石,以屋版瓦覆之,以問遂,遂曰:「陛下之詩不云乎:『營營靑蠅,止於籓。愷悌君子,毋信讒言。』陛下左側讒人衆多,如是靑蠅惡矣。宜進先帝大臣子孫,親近以爲左右。如不忍昌邑故人,信用讒諛,必有凶咎。願詭禍爲福,皆放逐之!臣當先逐矣。」王不聽。太僕丞河東張敞上書諫,曰:「孝昭皇帝早崩無嗣,大臣猶懼,選賢聖承宗廟,東迎之日,唯恐屬車之行遲。今天子以盛年初即位,天下莫不拭目傾耳,觀化聽風。國輔大臣未褒,而昌邑小輩先遷,此過之大者也。」王不聽。 太僕丞河東張敝上書諫,曰:「孝昭皇帝早崩無嗣,大臣憂懼,選賢聖承宗廟,東迎之日,唯恐屬車之行遲。今天子以盛年初即位,天下莫不拭目傾年,觀化聽風。國輔大臣未褒,而昌邑小輩先遷,此過之大者也。」王不聽。 大將軍光憂懣,獨以問所親故吏大司農田延年。延年曰:「將軍爲國柱石,審此人不可,何不建白太后,更選賢而立之!」光曰:「今欲如是,於古嘗有此不?」延年曰:「伊尹相殷,廢太甲以安宗廟,後世稱其忠。將軍若能行此,亦漢之伊尹也。」光乃引延年給事中,陰與車騎將軍張安世圖計。 王出遊,光祿大夫魯國夏侯勝當乘輿前諫曰:「天久陰而不雨,臣下有謀上者。陛下出,欲何之?」王怒,謂勝爲示夭言,縛以屬吏。吏白霍光,光不舉法。光讓安世,以爲洩語。安世實不言;乃召問勝。勝對言:「在鴻範傳曰:『皇之不極,厥罰常陰,時則有下人伐上者。』惡察察言,故云『臣下有謀』。」光、安世大驚,以此益重經術士。侍中傅嘉數進諫,王亦縛嘉繋獄。 光、安世既定議,乃使田延年報丞相楊敞。敞驚懼,不知所言,汗出洽背,徒唯唯而已。延年起,至更衣,敞夫人遽從東廂謂敞曰:「此國大事,今大將軍議已定,使九卿來報君侯,君侯不疾應,與大將軍同心,猶與無決,先事誅矣!」延年從更衣還,敞夫人與延年參語許諾:「請奉大將軍教令!」 癸巳,光召丞相、御史、將軍、列侯、中二千石、大夫、博士會議未央宮。光曰:「昌邑王行昏亂,恐危社稷,如何?」羣臣皆驚鄂失色,莫敢發言,但唯唯而已。田延年前,離席按劍曰:「先帝屬將軍以幼孤,寄將軍以天下,以將軍忠賢,能安劉氏也。今羣下鼎沸,社稷將傾;且漢之傳謚常爲『孝』者,以長有天下,令宗廟血食也。如漢家絶祀,將軍雖死,何面目見先帝於地下乎?今日之議,不得旋踵,羣臣後應者,臣請斂斬之!」光謝曰:「九卿責光是也!天下匈匈不安,光當受難。」於是議者皆叩頭曰:「萬姓之命,在於將軍,唯大將軍令!」 光即與羣臣倶見,白太后,具陳昌邑王不可以承宗廟状。皇太后乃車駕幸未央承明殿,詔諸禁門毋内昌邑羣臣。王入朝太后還,乘輦欲歸温室。中黄門宦者各持門扇,王入,門閉,昌邑羣臣不得入。王曰:「何爲?」大將軍跪曰:「有皇太后詔,毋内昌邑羣臣!」王曰:「徐之,何乃驚人如是!」光使盡驅出昌邑羣臣,置金馬門外。車騎將軍安世將羽林騎,收縛二百餘人,皆送廷尉詔獄。令故昭帝侍中中臣侍守王。光敕左右:「謹宿衞!卒有物故自裁,令我負天下,有殺主名。」王尚未自知當廢,謂左右:「我故羣臣從官安得罪,而大將軍盡繋之乎!」 頃之,有太后詔召王。王聞召,意恐,乃曰:「我安得罪而召我哉!」太后被珠襦,盛服坐武帳中,侍御數百人皆持兵,期門武士陛戟陳列殿下,羣臣以次上殿,召昌邑王伏前聽詔。光與羣臣連名奏王,尚書令讀奏曰:「丞相臣敞等昧死言皇太后陛下:孝昭皇帝早棄天下,遣使征昌邑王典喪,服斬衰,無悲哀之心,廢禮誼,居道上不素食,使從官略女子載衣車,内所居傳捨。始至謁見,立爲皇太子,常私買雞豚以食。受皇帝信璽、行璽大行前,就次,發璽不封。從官更持節引内昌邑從官、騶宰、官奴二百餘人,常與居禁闥内敖戲。爲書曰:『皇帝問侍中君卿:使中御府令高昌奉黄金千斤,賜君卿取十妻。』大行在前殿,發樂府樂器,引内昌邑樂人撃鼓,歌吹,作俳倡;召内泰壹、宗廟樂人,悉奏衆樂。駕法駕驅馳北宮、桂宮,弄彘,斗虎。召皇太后御小馬車,使官奴騎乘,遊戲掖庭中。與孝昭皇帝宮人蒙等淫亂,詔掖庭令:『敢洩言,要斬!』……」太后曰:「止!爲人臣子,當悖亂如是邪!」王離席伏。尚書令復讀曰:「……取諸侯王、列侯、二千石綬及墨綬、黄綬以並佩昌邑郎官者免奴。發御府金錢、刀劍、玉器、采繒,賞賜所與遊戲者。與從官、官奴夜飲,湛沔於酒。獨夜設九賓温室,延見姊夫昌邑關内侯。祖宗廟祠未舉,爲璽書,使使者持節以三太牢祠昌邑哀王園廟,稱『嗣子皇帝』。受璽以來二十七日,使者旁午,持節詔諸官署征發凡一千一百二十七事。荒淫迷惑,失帝王禮誼,亂漢制度。臣敞等數進諫,不變更,日以益甚。恐危社稷,天下不安。臣敞等謹與博士議,皆曰:『今陛下嗣孝昭皇帝後,行淫辟不軌。「五辟之屬,莫大不孝。」周襄王不能事母,春秋曰:「天王出居於鄭,」由不孝出之,絶之於天下也。宗廟重於君,陛下不可以承天序,奉祖宗廟,子萬姓,當廢!』臣請有司以一太牢具告祠高廟。」皇太后詔曰:「可。」光令王起,拜受詔,王曰:「聞『天下有爭臣七人,雖亡道不失天下。』」光曰:「皇太后詔廢,安得稱天子!」乃即持其手,解脱其璽組,奉上太后,扶王下殿,出金馬門,羣臣隨送。王西面拜曰:「愚戇,不任漢事!」起,就乘輿副車,大將軍光送至昌邑邸。光謝曰:「王行自絶於天,臣寧負王,不敢負社稷!願王自愛,臣長不復左右。」光涕泣而去。 羣臣奏言:「古者廢放之人,屏於遠方,不及以政。請徒王賀漢中房陵縣。」太后詔歸賀昌邑,賜湯沐邑二千戸,故王家財物皆與賀;及哀王女四人,各賜湯沐邑千戸;國除,爲山陽郡。 昌邑羣臣坐在國時不舉奏王罪過,令漢朝不聞知,又不能輔道,陷王大惡,皆下獄,誅殺二百餘人。唯中尉吉、郎中令遂以忠直數諫正,得減死,髡爲城旦。師王式繋獄當死,治事使者責問曰:「師何以無諫書?」式對曰:「臣以詩三百五篇朝夕授王,至於忠臣、孝子之篇,未嘗不爲王反覆誦之也。至於危亡失道之君,未嘗不流涕爲王深陳之也。臣以三百五篇諫,是以無諫書。」使者以聞,亦得減死論。 霍光以羣臣奏事東宮,太后省政,宜知經術,白令夏侯勝用尚書授太后,遷勝長信少府,賜爵關内侯。 4. 5初,衞太子納魯國史良娣,生子進,號史皇孫。皇孫納涿郡王夫人,生子病已,號皇曾孫。皇曾孫生數月,遭巫蠱事,太子三男、一女及諸妻、妾皆遇害,獨皇曾孫在,亦坐收繋郡邸獄。故廷尉監魯國丙吉受詔治巫蠱獄,吉心知太子無事實,重哀皇曾孫無辜,擇謹厚女徒謂城胡組、淮陽郭征卿,令乳養曾孫,置閒燥處。吉日再省視。 巫蠱事連歳不決,武帝疾,來往長楊、五柞宮,望氣者言長安獄中有天子氣,於是武帝遣使者分條中都官,詔獄繋者,無輕重,一切皆殺之。内謁者令郭穰夜到郡邸獄,吉閉門拒使者不納,曰:「皇曾孫在。他人無辜死者猶不可,況親曾孫乎!」相守至天明,不得入。穰還,以聞,因劾奏吉。武帝亦寤,曰:「天使之也。」因赦天下。郡邸獄繋者,獨賴吉得生。 既而吉謂守丞誰如:「皇孫不當在官。」使誰如移書京兆尹,遣與胡組倶送;京兆尹不受,復還。及組日滿當去,皇孫思慕,吉以私錢雇組令留,與郭征卿並養,養月,乃遣組去。後少内嗇夫白吉曰:「食皇孫無詔令。」時吉得食米、肉,月月以給皇曾孫。曾孫病,幾不全者數焉,吉數敕保養乳母加致醫藥,視遇甚有恩惠。吉聞史良娣有母貞君及兄恭,乃載皇曾孫以付之。貞君年老,見孫孤,甚哀之,自養視焉。 後有詔掖庭養視,上屬籍宗正。時掖庭令張賀,嘗事戻太子,思顧舊恩,哀曾孫,奉養甚謹,以私錢供給,教書。既壯,賀欲以女孫妻之。是時昭帝始冠,長八尺二寸。賀弟安世爲右將軍,輔政,聞賀稱譽皇曾孫,欲妻以女,怒曰:「曾孫乃衞太子後也,幸得以庶人衣食縣官足矣,勿復言予女事!」於是賀止。時暴室嗇夫許廣漢有女,賀乃置酒請廣漢,酒酣,爲言:「曾孫體近,下乃關内侯,可妻也。」廣漢許諾。明日,嫗聞之,怒。廣漢重令人爲介,遂與曾孫。賀以家財聘之。曾孫因依倚廣漢兄弟及祖母家史氏,受詩於東海澓中翁,高材好學;然亦喜遊俠,鬥雞走狗,以是倶知閭里姦邪,吏治得失。數上下諸陵,周遍三輔,嘗困於蓮勺鹵中,尤樂杜、鄠之間,率常在下杜。時會朝請,捨長安尚冠里。 及昌邑王廢,霍光與張安世諸大臣議所立,未定。丙吉奏記光曰:「將軍事孝武皇帝,受襁褓之屬,任天下之寄。孝昭皇帝早崩亡嗣,海内憂懼,欲亟聞嗣主。發喪之日,以大誼立後,所立非其人,復以大誼廢之;天下莫不服焉。方今社稷、宗廟、羣生之命在將軍之壹舉,竊伏聽於衆庶,察其所言諸侯、宗室在列位者,未有所聞於民間也。而遺詔所養武帝曾孫名病已在掖庭、外家者,吉前使居郡邸時,見其幼少;至今十八九矣,通經術,有美材,行安而節和。願將軍詳大義,參以蓍龜豈宜,褒顯先使入侍,令天下昭然知之,然後決定大策,天下幸甚!」杜延年亦知曾孫德美,勸光、安世立焉。 秋,七月,光坐庭中,會丞相以下議定所立,遂復與丞相敞等上奏曰:「孝武皇帝曾孫病已,年十八,師受詩、論語、孝經,躬行節儉,慈仁愛人,可以嗣孝昭皇帝後,奉承祖宗廟,子萬姓。臣昧死以聞!」皇太后詔曰:「可。」光遣宗正德至曾孫家尚冠里,洗沐,賜御衣;太僕以軨獵車迎曾孫,就齋宗正府。庚申,入未央宮,見皇太后,封爲陽武侯。已而羣臣奏上璽綬,即皇帝位,謁高廟;尊皇太后爲太皇太后。 侍御史嚴延年劾奏「大將軍光擅廢立主,無人臣禮,不道。」奏雖寢,然朝廷肅然敬憚之。 5. 6八月,己巳,安平敬侯楊敞薨。 6. 7九月,大赦天下。 7. 8戊寅,蔡義爲丞相。 8. 9初,許廣漢女適皇曾孫,一歳,生子奭。數月,曾孫立爲帝,許氏爲婕妤。是時霍將軍有小女與皇太后親,公卿議更立皇后,皆心擬霍將軍女,亦未有言。上乃詔求微時故劍。大臣知指,白立許婕妤爲皇后。十一月,壬子,立皇后許氏。霍光以後父廣漢刑人,不宜君國;歳餘,乃封爲昌成君。 9. 10太皇太后歸長樂宮。長樂宮初置屯衞。 10. 中宗孝宣皇帝上之上 本始元年(戊申、前七三) 1春,詔有司論定策安宗廟功。大將軍光益封萬七千戸,與故所食凡二萬戸。車騎將軍富平侯安世以下益封者十人,封侯者五人,賜爵關内侯者八人。 1. 2大將軍光稽首歸政,上謙讓不受;諸事皆先關白光,然後奏御。自昭帝時,光子禹及兄孫雲皆爲中郎將,雲弟山奉車都尉、侍中、領胡、越兵,光兩女婿爲東、西宮衞尉,昆弟、諸婿、外孫皆奉朝請,爲諸曹、大夫、騎都尉、給事中,黨親連體,根據於朝廷。及昌邑王廢,光權益重,毎朝見,上虚己斂容,禮下之已甚。 2. 3夏,四月,庚午,地震。 3. 4五月,鳳皇集膠東、千乘。赦天下,勿收田租賦。 4. 5六月,詔曰:「故皇太子在湖,未有號謚,歳時祠;其議謚,置園邑。」有司奏請:「禮,爲人後者,爲之子也;故降其父母,不得祭,尊祖之義也。陛下爲孝昭帝后,承祖宗之祀,愚以爲親謚宜曰悼,母曰悼後;故皇太子謚曰戻,史良娣曰戻夫人。」皆改葬焉。 5. 6秋,七月,詔立燕刺王太子建爲廣陽王;立廣陵王胥少子弘爲高密王。 6. 7初,上官桀與霍光爭權,光既誅桀,遂遵武帝法度,以刑罰痛繩羣下,由是俗吏皆尚嚴酷以爲能;而河南太守丞淮陽黄霸獨用寬和爲名。上在民間時,知百姓苦吏急也,聞霸持法平,乃召以爲廷尉正;數決疑獄,庭中稱平。 7. 二年(己酉、前七二) 1春,大司農田延年有罪自殺。昭帝之喪,大司農僦民車,延年詐增僦直,盜取錢三千萬,爲怨家所告。霍將軍召問延年,欲爲道地。延年抵曰:「無有是事!」光曰:「即無事,當窮竟!」御史大夫田廣明謂太僕杜延年曰:「春秋之義,以功覆過。當廢昌邑王時,非田子賓之言,大事不成。今縣官出三千萬自乞之,何哉?願以愚言白大將軍。」延年言之大將軍,大將軍曰:「誠然,實勇士也!當發大議時,震動朝廷,」光因舉手自撫心曰:「使我至今病悸。謝田大夫曉大司農,通往就獄,得公議之。」田大夫使人語延年。延年曰:「幸縣官寬我耳,何面目入牢獄,使衆人指笑我,卒徒唾吾背乎?」即閉閣獨居齋舍,偏袒,持刀東西歩。數日,使者召延年詣廷尉。聞鼓聲,自刎死。 1. 2夏,五月,詔曰:「孝武皇帝躬仁誼,勵威武,功德茂盛,而廟樂未稱,聯甚悼焉。其與列侯、二千石、博士議。」於是羣臣大議庭中,皆曰:「宜如詔書。」長信少府夏侯勝獨曰:「武帝雖有攘四夷、廣土境之功,然多殺士衆,竭民財力,奢泰無度,天下虚耗,百姓流離,物故者半,蝗蟲大起,赤地數千里,或人民相食,畜積至今未復;無德澤於民,不宜爲立廟樂。」公卿共難勝曰:「此詔書也。」勝曰:「詔書不可用也。人臣之誼,宜直言正論,非苟阿意順指。議已出口,雖死不悔!」於是丞相、御史劾奏勝非議詔書,毀先帝,不道;及丞相長史黄霸阿縱勝,不舉劾;倶下獄。有司遂請尊孝武帝廟爲世宗廟,奏盛德、文始五行之舞。武帝巡狩所幸郡國皆立廟,如高祖、太宗焉。夏侯勝、黄霸既久繋,霸欲從勝受尚書,勝辭以罪死。霸曰:「朝聞道,夕死可矣。」勝賢其言,遂授之。繋再更冬,講論不怠。 2. 3初,烏孫公主死,漢復以楚王戊之孫解憂爲公主,妻岑娶。岑娶胡婦子泥靡尚小,岑娶且死,以國與季父大祿子翁歸靡,曰:「泥靡大,以國歸之。」翁歸靡既立,號肥王,復尚楚主,生三男、兩女。長男曰元貴靡,次曰萬年,次曰大樂。昭帝時,公主上書言:「匈奴與車師共侵烏孫,唯天子幸救之。」漢養士馬,議撃匈奴。會昭帝崩,上遣光祿大夫常惠使烏孫。烏孫公主及昆彌皆遣使上書,言:「匈奴復連發大兵,侵撃烏孫。使使謂烏孫『趣持公主來!』欲隔絶漢。昆彌願發國精兵五萬騎,盡力撃匈奴。唯天子出兵以救公主、昆彌!」先是匈奴數侵漢邊,漢亦欲討之。秋,大發兵,遣御史大夫田廣明爲祁連將軍,四萬餘騎,出西河;度遼將軍范明友三萬餘騎,出張掖;前將軍韓增三萬餘騎,出雲中;後將軍趙充國爲蒲類將軍,三萬餘騎,出酒泉;雲中太守田順爲虎牙將軍,三萬餘騎,出五原;期以出塞各二千餘里。以常惠爲校尉,持節護烏孫兵共撃匈奴。 3. 三年(庚戌、前七一) 1春,正月,癸亥,恭哀許皇后崩。時霍光夫人顯欲貴其小女成君,道無從。會許后當娠,病,女醫淳於衍者,霍氏所愛,嘗入宮侍皇后疾。衍夫賞爲掖庭戸衞,謂衍:「可過辭霍夫人,行爲我求安池監。」衍如言報顯,顯因生心,辟左右,謂衍曰:「少夫幸報我以事,我亦欲報少夫,可乎?」衍曰:「夫人所言,何等不可者!」顯曰:「將軍素愛小女成君,欲奇貴之,願以累少夫。」衍曰:「何謂邪?」顯曰:「婦人免乳,大故,十死一生。今皇后當免身,可因投毒藥去也,成君即爲皇后矣。如蒙力,事成,富貴與少夫共之。」衍曰:「藥雜治,當先嘗,安可?」顯曰:「在少夫爲之耳。將軍領天下,誰敢言者!緩急相護,但恐少夫無意耳。」衍良久曰:「願盡力!」即搗附子,繼入長定宮。皇后免身後,衍取附子併合太醫大丸以飲皇后,有頃,曰:「我頭岑岑也,藥中得無有毒?」對曰:「無有。」遂加煩懣,崩。衍出,過見顯,相勞問,亦未敢重謝衍。後人有上書告諸醫侍疾無状者,皆收繋詔獄,劾不道。顯恐急,即以状具語光,因曰:「既失計爲之,無令吏急衍!」光大驚,欲自發舉,不忍,猶與。會奏上,光署衍勿論。顯因勸光内其女入宮。 1. 2戊辰,五將軍發長安。匈奴聞漢兵大出,老弱奔走,驅畜産遠遁逃,是以五將少所得。夏,五月,軍罷。度遼將軍出塞千二百餘里,至蒲離候水,斬首、捕虜七百餘級;前將軍出塞千二百餘里,至烏員,斬首、捕虜百餘級;蒲類將軍出塞千八百餘里,西至候山,斬首、捕虜,得單于使者蒲陰王以下三百餘級。聞虜已引去,皆不至期還。天子薄其過,寬而不罪。祁連將軍出塞千六百里,至雞秩山,斬首、捕虜十九級。逢漢使匈奴還者冉弘等,言雞秩山西有虜衆,祁連即戒弘,使言無虜,欲還兵。御史屬公孫益壽諫,以爲主可。祁連不聽,遂引兵還。虎牙將軍出塞八百餘里,至丹餘吾水上,即止兵不進,斬首、捕虜千九百餘級,引兵還。上以虎牙將軍不至期,詐增鹵獲,而祁連知虜在前,逗遛不進,皆下吏,自殺。擢公孫益壽爲侍御史。 烏孫昆彌自將五萬騎與校尉常惠從西方入,至右谷蠡王庭,獲單于父行及嫂、居次、名王、犁汙都尉、千長、騎將以下四萬級,馬、牛、羊、驢、橐佗七十餘萬頭。烏孫皆自取所虜獲。上以五將皆無功,獨惠奉使克獲,封惠爲長羅侯。然匈奴民衆傷而去者及畜産遠移死亡,不可勝數。於是匈奴遂衰耗,怨烏孫。 上復遣常惠持金幣還賜烏孫貴人有功者。惠因奏請龜茲國嘗殺校尉賴丹,未伏誅,請便道撃之。帝不許。大將軍霍光風惠以便宜從事。惠與吏士五百人倶至烏孫,還,過,發西國兵二萬人,令副使發龜茲東國二萬人,烏孫兵七千人,從三面攻龜茲。兵未合,先遣人責其王以前殺漢使状。王謝曰:「乃我先王時爲貴人姑翼所誤耳,我無罪。」惠曰:「即如此,縛姑翼來,吾置王。」王執姑翼詣惠,惠斬之而還。 2. 3大旱。 3. 4六月,己丑,陽平節侯蔡義薨。 4. 5甲辰,長信少府韋賢爲丞相。 5. 6大司農魏相爲御史大夫。 6. 7冬,匈奴單于自將數萬騎撃烏孫,頗得老弱。欲還,會天大雨雪,一日深丈餘,人民、畜産凍死,還者不能什一。於是丁令乘弱攻其北,烏桓入其東,烏孫撃其西,凡三國所殺數萬級,馬數萬匹,牛羊甚衆;又重以餓死,人民死者什三,畜産什五。匈奴大虚弱,諸國羈屬者皆瓦解,攻盜不能理。其後漢出三千餘騎爲三道,並入匈奴,捕虜得數千人還;匈奴終不敢取當,滋欲郷和親,而邊境少事矣。 7. 8是歳,穎川太守趙廣漢爲京兆尹。穎川俗,豪桀相朋黨。廣漢爲缿筒,受吏民投書,使相告訐,於是更相怨咎,姦黨散落,盜賊不敢發。匈奴降者言匈奴中皆聞廣漢名,由是入爲京兆尹。廣漢遇吏,殷勤甚備,事推功善,歸之於下,行之發於至誠,吏咸願爲用,僵仆無所避。廣漢聰明,皆知其能之所宜,盡力與否;其或負者。輒收捕之,無所逃;案之,罪立具,即時伏辜。尤善爲金句距以得事情,閭里銖兩之姦皆知之。長安少年數人會窮里空捨,謀共劫人;坐語未訖,廣漢使吏捕治,具服。其發姦手適伏如神。京兆政清,吏民稱之不容口。長老傳以爲自漢興,治京兆者莫能及。 8. 四年(辛亥、前七〇) 1春,三月,乙卯,立霍光女爲皇后,赦天下。初,許后起微賤,登至尊日淺,從官車服甚節儉。及霍后立,輿駕、侍從益盛,賞賜官屬以千萬計,與許后時縣絶矣。 1. 2夏,四月,壬寅,郡國四十九同日地震,或山崩,壞城郭、室屋,殺六千餘人。北海、琅邪壞祖宗廟。詔丞相、御史與列侯、中二千石傅問經學之士,有以應變,毋有所諱。令三輔、太常、内郡國賢舉良方正各一人。大赦天下。上素服,避正殿五日。釋夏侯勝、黄霸,以勝爲諫大夫、給事中,霸爲揚州刺史。 勝爲人,質樸守正,簡易無威儀,或時謂上爲君,誤相字於前;上亦以是親信之。嘗見,出道上語,上聞而讓勝,勝曰:「陛下所言善,臣故揚之。堯言佈於天下,至今見誦。臣以爲可傳,故傳耳。」朝廷毎有大議,上知勝素直,謂曰:「先生建正言,無懲前事!」勝復爲長信少府,後遷太子太傅。年九十卒,太后賜錢二百萬,爲勝素服五日,以報師傅之恩。儒者以爲榮。 2. 3五月,鳳皇集北海安丘、淳于。 3. 4廣川王去坐殺其師及姫妾十餘人,或銷鉛錫灌口中,或支解,並毒藥煮之,令糜盡,廢徙上庸;自殺。 4. 地節元年(壬子、前六九) 1春,正月,有星孛于西方。 1. 2楚王延壽以廣陵王胥,武帝子,天下有變,必得立,陰附肋之,爲其後母弟趙何齊取廣陵王女爲妻,因使何齊奉書遺廣陵王曰:「願長耳目,毋後人有天下!」何齊父長年上書告之,事下有司考驗,辭服。冬,十一月,延壽自殺。胥勿治。 2. 3十二月,癸亥晦,日有食之。 3. 4是歳,於定國爲廷尉。定國決疑平法,務在哀鰥寡,罪疑從輕,加審愼之心。朝廷稱之曰:「張釋之爲廷尉,天下無冤民。於定國爲廷尉,民自以不冤。」 4. 二年(癸丑、前六八) 1春,霍光病篤。車駕自臨問,上爲之涕泣。光上書謝恩,願分國邑三千戸以封兄孫奉車都尉山爲列侯,奉兄去病祀。即日,拜光子禹爲右將軍。三月,庚午,光薨。上及皇太后親臨光喪,中二千石治塚,賜梓宮、葬具皆如乘輿制度,謚曰宣成侯。發三河卒穿復土,置園邑三百家,長、丞奉守;下詔復其後世,疇其爵邑,世世無有所與。 御史大夫魏相上封事曰:「國家新失大將軍,宜顯明功臣以填籓國,毋空大位,以塞爭權。宜以車騎將軍安世爲大將軍,毋令領光祿勳事;以其子延壽爲光祿勳。」上亦欲用之。夏,四月,戊申,以安世爲大司馬、車騎將軍,領尚書事。 1. 2鳳皇集魯,羣鳥從之。大赦天下。 2. 3上思報大將軍德,乃封光兄孫山爲樂平侯,使以奉車都尉領尚書事。魏相因昌成君許廣漢奏封事,言:「春秋譏世卿,惡宋三世爲大夫及魯季孫之專權,皆危亂國家。自後元以來,祿去王室,政由塚宰。今光死,子復爲右將軍,兄子秉樞機,昆弟、諸婿據權勢,在兵官,光夫人顯及諸女皆通籍長信宮,或夜詔門出入,驕奢放縱,恐寢不制,宜有以損奪其權,破散陰謀,以固萬世之基,全功臣之世。」又故事:諸上書者皆爲二封,署其一曰「副」,領尚書者先發副封,所言不善,屏去不奏。相復因許伯白去副封以防壅蔽。帝善之,詔相給事中,皆從其議。 3. 4帝興于閭閻,知民事之艱難。霍光既薨,始親政事,厲精爲治,五日一聽事。自丞相以下各奉職奏事,敷奏其言,考試功能。侍中、尚書功勞當遷及有異善,厚加賞賜,至於子孫,終不改易。樞機周密,品式備備,上下相安,莫有苟且之意。及拜刺史、守、相,輒親見問,觀其所由,退而考察所行以質其言,有名實不相應,必知其所必然。常稱曰:「庶民所以安其田里而亡歎息愁恨之心者,政平訟理也。與我共此者,其唯良二千石乎!」以爲太守,吏民之本,數變易則下不安;民知其將久,不可欺罔,乃服從其教化。故二千石有治理效,輒以璽書勉厲,增秩,賜金,或爵至關内侯;公卿缺,則選諸所表,以次用之。是以漢世良吏,於是爲盛,稱中興焉。 4. 5匈奴壺衍鞮單于死,弟左賢王立爲虚閭權渠單于,以右大將女爲大閼氏,而黜前單于所幸顓渠閼氏。顓渠閼氏父左大且渠怨望。是時漢以匈奴不能爲邊寇,罷塞外諸城以休百姓。單于聞之,喜,召貴人謀,欲與漢和親。左大且渠心害其事,曰:「前漢使來,兵隨其後。今亦效漢發兵,先使使者入。」乃自請與呼盧訾王各將萬騎,南旁塞獵,相逢倶入。行未到,會三騎亡降漢,言匈奴欲爲寇。於是天子詔發邊騎屯要害處,使大將軍軍監治衆等四人將五千騎,分三隊,出塞各數百里,捕得虜各數十人而還。時匈奴亡其三騎,不敢入,即引去。是歳,匈奴饑,人民、畜産死者什六七,又發兩屯各萬騎以備漢。其秋,匈奴前所得西□辱居左地者,其君長以下數千人皆驅畜産行,與甌脱戰,所殺傷甚衆,遂南降漢。 5.
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第16回トーナメント:決勝① No.5405 【スタンド名】 フローレンス・アンド・ザマシーン 【本体】 奏 璃乃(カナデ リノ) 【能力】 様々な「香り」を生み出す オリスタ図鑑 No.5405 No.5858 【スタンド名】 アイス・エイジ・4 【本体】 阿須名 彗(アズナ ケイ) 【能力】 対象の物体を一定時間無敵にした後、消滅させる オリスタ図鑑 No.5858 フローレンス・アンド・ザマシーン vs アイス・エイジ・4 【STAGE:レジャー施設】◆pFj/lgiXE. トーナメント二回戦の敗退者、ネプティス・アヌヴィッシュが目を覚ましたことを奏璃乃が知ったのは、二回戦に勝利してから一週間後のことだった。 璃乃は電話相手である遠見妃奈子という運営側の人間に対し、「それは本当なのですか?」と訊いた。 妃奈子は「……私も上層部から聞いたので、正確には分からないのですが」と言って話した。 「実は、あの試合から数日後、二回戦の立会人である宇喜田が目を離しているうちに、トーナメント運営の新人がネプティスさんの寝ている部屋に入り込み、あろうことかネプティスさんを起こしてしまったらしいのです」 「その新人は二回戦の試合内容を上層部から聞いていなかったのか、それとも聞くのを忘れていたのか、はたまた聞いていたけど忘れてしまっていたのか、私にはわかりません。しかし、その新人はネプティスさんが試合を放棄して居眠りをしていると勘違いし、彼女を物理的に叩き起こしてしまったそうなのです」 「悪夢の迷宮から強制的に脱出させられたネプティスさんは、夢から覚めても自分がまだ迷宮の中にいると思い込み、その新人に襲いかかったようなのです」 「宇喜田が部屋に入った時には、その新人がネプティスさんに襲われていたらしく、宇喜田は新人を助けるためにネプティスさんを止めようとしたのですが、宇喜田は彼女にコテンパンにされてしまったそうです」 「その後、ネプティスさんは部屋から抜け出して、施設にいたトーナメント運営の人間達を襲い、結果、死者は悪夢の迷宮を作り出したスタンド使いを含めた五人、重軽傷者は宇喜田と新人を含めた十六人。合計二十一名の死傷者を運営側は出してしまったのです」 「私は上層部からこの話を聞いて、そして、同じ運営側の人間であり、かつ、今回のトーナメント決勝進出者である貴方に一刻も早く話そうと思い、連絡しました」 妃奈子の話を聞いた璃乃は「それで、ネプティスさんは今どこにいるの?」と訊いた。 「はい。施設から抜け出した今のネプティスさんは現在、各地の施設を手当たり次第に破壊し、多数の死傷者を出しています。おそらく彼女は夢と現実の区別が付いていない。『自分は今、外の世界のように見せかけたダンジョンの中にいる』と勘違いしているはずです。だから、向かってくる相手のことを『ダンジョンに潜むモンスター』としか認識していない」 「そして、自分を捕まえようとする人達を、彼女が倒せば倒すほど、彼女のスタンドも進化する。おそらく、ネプティスさんのスタンドの現在のヴィジョンは、おぞましいものへと変化しているでしょう」 「このままネプティスさんを放っておいては、多数の犠牲者が増え続け、トーナメントの今後の運営にも支障が出てしまいます。最悪、トーナメント自体が無期限休止になることも考えられます」 「そして、下手をすれば、ネプティスさんが決勝戦に乱入してくる可能性もある、かしら?」と璃乃は訊いた。 妃奈子は「はい」と答えた。 「ですから、私達は過去のトーナメントに出場したスタンド使いやその関係者を集め、『ネプティス・アヌヴィッシュ討伐部隊』を作り、現在ネプティスさんを追跡しています。けど、もしかしたらネプティスさんが決勝戦の行われる場所にやって来るかもしれないので、その際は私が今言う電話番号をかけて下さい」 璃乃は「わかったわ」と返事をして、妃奈子が言う電話番号をメモ帳に記した。妃奈子は「では、よろしくお願いします」と言い、電話を切った。 璃乃はため息をついた。 「困ったことになったわね。まさかネプティスさんが悪夢の迷宮から、強制的にとはいえ脱出しただなんて…。決勝戦に彼女が現れなければいいんだけれど…」 阿須名慧は後悔していた。 二回戦の際に自身がスタンドの能力で消滅させた五体の異形は、ネット上で噂になっている、『迷宮電器店に潜んでいた幽霊達』だったことを、運営側の人間である緑柱石という男性から電話で聞いた。 幽霊達は『迷宮電器店をなんとしてでも守りたい』という願いを持っていた。その願いを自分の対戦相手である少女に叶えてもらおうとしていたのだという。 慧はそんな幽霊達を魂ごと消滅させ、さらに対戦相手の少女を見殺しにしてしまった。 柱石は『絶対に貴方と春奈さんを許すもんか』と言って、電話を切った。 彼の言う通りだ、と慧は思った。 あの時、自分が異形の幽霊達と戦わずに立会人である春奈・モーティマーの下へ向かっていれば、幽霊達が消滅することはなかった。 あの時、自分が階段に駆け足で向かい、彼女の腕を握っていれば、彼女は命を落とすことはなかった。 彼女と幽霊達を殺したのは、紛れもない自分だ。 「そう、あの人達を殺したのは、間違いなく私だ」 慧は、自分の部屋の机に突っ伏していた。 「そして、慧ちゃんが殺した一人である私は、幽霊となってここにいる」 幽霊の少女・蘇亜橋真座利が背後でそう言うと、慧は深いため息をついた。 「……まさか、背後霊となって私に付いてくるなんて、思いもしなかった」 「成仏したと思った? 残念! 私は背後霊になってました!」 真座利は笑いながら言った。 トーナメント二回戦で死亡した蘇亜橋真座利は、試合後、慧に付きまとう『背後霊』となっていた。 慧は近くの神社に行ってお祓いしてもらおうとも考えたが、それはあまりにもかわいそうすぎると思い、真座利をしばらく自分の側にいさせるようにした。 それ以降、慧と真座利は同居する関係となった。 だが、幽霊と生活するということは、他の幽霊とも出会う可能性があるということであり、慧は外へ行くたびに幽霊達の姿が見えることに悩んでいた。 今まで幽霊が見えなかった慧であったが、あの試合の後、背後霊となった真座利の影響を受けたためか、幽霊の姿がはっきりと見えるようになった。 「……まさか、幽霊がこんなにたくさんいるとは思わなかった。しかも、人の姿をしている霊もいれば、色々な動物や植物と合体したような異形の姿になってる霊もいるとは…。完全に戦隊シリーズや仮面ライダーシリーズに登場する怪人のそれじゃあないか。三日前に外で見た幽霊なんて、ゴセイジャーや仮面ライダーオーズで見たことあるぞ」 「それは多分、この世に未練があったり、憎しみや悲しみに囚われているからだと思うよ。そういう怪物みたいな姿になっちゃうのも、仕方が無いって」 真座利のこの言葉を聞いて、慧は自分が消した五体の異形の幽霊達のことを思い出した。 ツチノコと合体したような異形・無来檻。 ハリセンボンと合体したような異形・無理条変太。 豹やライオンなどの肉食動物と合体したような異形・増暮儀式。 ゾウと合体したような異形・報道院帝都。 二匹のタコと合体したような異形・刈出部算任。 悪気はなかったとはいえ、慧はあの時、真座利と絆を結んでいた迷宮電器店の幽霊達を、二回戦の立会人である春奈・モーティマーと共に(お互いのスタンド能力が、悪い意味で相乗効果を発揮してしまったことが原因で)消滅させてしまった。 慧は「あの時のこと…まだ恨んでる?」と真座利に訊いた。 真座利は「うん」と頷いた。 「立会人の春奈っちとあの時の慧ちゃんに悪いは無かったことは分かっている。でも、目の前で大切な人が消滅するのを見て、恨まないわけがないよ」 「だから、真座利はそんな姿になっているというわけか」 慧はそう真座利に言った。 幽霊となった真座利の今の姿は、パンダの半獣人という異形であった。 もし霊感の強い人間が今の真座利を見たなら、露出の多いコスプレをした変質者のように思うかもしれない。 完全なパンダの獣人に変身していないのは、自分と春奈に悪気はなかったことを真座利自身が分かっているからなのだろう、と慧は思った。 「それにね」と、真座利は話を続ける。 「お父さんやお母さん、農円先生や迷宮電器店を守ってるギャングの人達のことも心配で、成仏したくても出来ないよ」 「そうか……。というか、真座利は幽霊だけでなく、反社会的組織の連中とも友達になっているのか?」 「うん。一回戦で知り合いになってね。その時に迷宮電器店の幽霊達と仲良くなったんだ」 真座利の話を聞いて慧は、トーナメント一回戦で一体何があったんだろうと思いながら、真座利に対して唐突な質問をした。 「……ところで話は変わるけど、真座利。君は私に『友人の霊達を消された』という恨みの念を、無意識にぶつけてはいないか?」 慧の突然の質問に真座利は首を傾げた。 「…? 一体なんで」 「いや、君が私の背後霊になってから、私とアイス・エイジ・4に何やら変化が現れているんだよ」 慧はそう言うと、自身のスタンド「アイス・エイジ・4」を発現させ、さらに、自分の着ている服を脱いで、灰色のフロントホックブラとショーツの下着姿になった。 アイス・エイジ・4の皮膚は、まるで脱皮寸前のヤモリのようにシワシワとなり、背中には裂け目が出来ている。そして、慧の身体にも変化が訪れていた。 「御覧の通り、アイス・エイジ・4の肌がシワシワになっていて、さらに背中には裂け目がある。今までこんなことは一度も無かったのに、君と同居してから徐々にこうなっていった」 「私の身体も徐々に変化してきている。胸の先端辺りがムズムズし始めて、しばらく掻きむしっていたら、両胸に小さなしこりが出来て、そのあとに胸が少しづつ大きくなってきた。ウエストもだんだんとくびれて、髪も肩甲骨のあたりまで伸びてきた」 「最近はお尻も丸みを帯びてきて、ショーツのサイズが合わなくなってきている。見ろ。私が今穿いているショーツ、お尻を完全に包み切っていないんだぞ!」 慧は真座利に自分の後ろ姿を見せた。真座利はどれどれと言わんばかりに、慧の臀部を見た。確かに、灰色のショーツは装着者である慧の臀部を包み切れていない。 「これは真座利、君が自分の恨みや憎しみを無意識に私にぶつけているために、私や私のスタンドに変化を与えているような気がするんだが? もしくはスタンドの能力を使ってるのではないか?」 「……いやいやいや。私はスタンド能力を使ってないし。おそらく、これはただの二次性徴だと思うよ」 「二次性徴で私のスタンドも一緒に成長するのか!? 私のスタンドの成長性はCだぞ!? Aでもないのに成長することがあるのか!?」 「多分、本体に何らかの成長が見られれば、スタンドも成長することもあるんだと思う。実際、慧ちゃんは私と一緒に生活するようになってから、見えなかった幽霊が見えるようになったじゃない」 「う、うむ…。それはそうだけど……」 「だから、そんなに気にすることも無いと思うよ。実際私が慧ちゃんに恨みや憎しみをぶつけてるんだったら、今ごろ慧ちゃんは身体じゅうの穴という穴から血を噴き出して死んでるよ」 「……さらりと恐ろしいことを言うのは止めてくれ」 「あ~ごめんごめん」 慧は真座利と会話をした後、下着姿のまま再び机に突っ伏した。 (本当に、私のスタンドが成長してるのかな……?) 慧はそう思いながら真座利に訊いた。 「そういえば、トーナメント運営側から、決勝戦の試合の内容を伝える手紙はまだ来てないのか?」 「あ~、そういえば今日の朝、郵便ポストに入ってたな。それを渡すのを忘れてた」 「そういう大事なことは、ちゃんと私に言ってくれ。この間も私宛てに届いた手紙をポストから出して、勝手に読んだだろ」 「ごめんね。以後気を付ける」 「まったく。……で、手紙に決勝戦の場所はどこだと書いてあるんだい?」 真座利は手紙を取り出し、手紙に書いてある決勝戦の場所を読んだ。 「えっと~。決勝戦の試合の場所は、『F県F島市・四季の町公園』だって」 F県F島市・四季の町公園は、A妻小富士の麓にあるレジャー施設で、食とF県の伝統文化が融合したアミューズメントパークである。 園内には古き良き時代の日本の情緒漂う水車小屋や、爽やかな香りがあふれるハーブ園、こけしやガラス細工などの工房を備えた工芸館等の施設があり、 毎年季節ごとに大きなイベントが催されている。 時刻は午後22:00。 開館時間はもうとっくに過ぎている。が、園内に一人の少女と一人の幽霊がいた。 阿須名慧と蘇亜橋真座利である。 「決勝戦の舞台が、まさかレジャー施設だとはね」 「いや~、流石はF県最大のレジャー施設だね~。設備もかなり充実しているよ~」 「かなりはしゃいでいるな、真座利」 「だって、生きている時に一度言ってみたかったんだもん。自然とはしゃいじゃうよ~!」 真座利は笑顔でそう言った後、「本当はあの迷宮電器店を、ここの園内を凝縮したようなアミューズメントパークにしたかったんだけどね」と、暗い表情で言った。 慧はその言葉を聞いて胸が痛くなった。 以前真座利が言っていた話によれば、もし自分が二回戦で敗北したら、迷宮電器店を自分の代わりに買い取ると、一回戦の出場者であり、かつ、対戦相手であったショスコム・ウィステリアという名のギャングのリーダーが約束してくれたという。 真座利はもし自分が負けた時の保険をかけておいたのだ。 しかし、そのギャングのリーダーが真座利とかわした約束をきちんと守るだろうか? 真座利が二回戦で敗北したことをまだ知らないのかもしれないし、仮に約束を守っていたとしても、K山市の市長が外国のギャングの要求を呑まないかもしれない。 現に今は、各都道府県で暴力団排除条例が施行されている、良くも悪くも潔癖すぎるご時世である。 もしかしたら命の危険を感じたK山市の市長が警察に連絡し、ショスコムを逮捕してしまった可能性も考えられる。そして、買い取り主も悪霊も消えた迷宮電器店は、近いうちに解体されてしまうだろう。 そうなった場合、真座利はどうするのだろうか。 慧がそう考えていると、向こうから対戦相手がやってきた。 奏璃乃は向こう側にいる対戦相手の背後に、パンダの半獣人の異形である少女が浮かんでいることに気づいた。 あれはいったい何なのだろう、あれが彼女のスタンドなのだろうか? それにしては妙に表情が豊かだ。もしかしたらあの少女にとり憑いている怨霊なのだろうか? 璃乃は歩を進め対戦相手の近くに行き、自己紹介をした。 「初めまして。奏璃乃と言います。あなたは?」 「私は阿須名慧だ」 「そうですか。ところで貴方の背後にいるその人はなんなのですか? それがあなたのスタンドですか?」 「いや。彼女は背後霊の蘇亜橋真座利だ。二回戦の対戦相手で、今は命を落として私の背後霊となっている」 「どもども。蘇亜橋真座利で~す」 真座利は先ほどの暗い表情から一変して、明るい笑顔を璃乃に向けた。 璃乃は幽霊の存在を信じてはいなかった。テレビなどで時々やっている心霊写真や心霊画像のほとんどが合成であることに気づいていたからだ。 しかし、目の前にその幽霊がいることに璃乃は衝撃を受けた。 真座利は璃乃の顔を見て「おやおや~」という声を出した。 「璃乃さん、もしかして『こいつ、本当に幽霊なの? もしかして自我を持ったスタンドなんじゃないの?』って言いたそうな顔をしていますね~? でも残念、幽霊って本当にいるんですよ~! 心霊スポットやお墓やお寺や神社、国会議事堂にいっぱいいるんですから!!」 「そ、そうなの……」 心霊スポット・墓場・寺・神社はともかく、国会議事堂にいてはダメだろう。その幽霊達は国会にいる政治家達に対して何か怨恨とかあるのか、と璃乃は心の中で思った。 その時、決勝戦の立会人が現れた。 立会人は、水色のショートボブの髪型をした、見た目小学校五年生くらいの少女であった。 「え、えっと、か、奏璃乃さんと阿須名慧さんですね。け、決勝戦進出、お、おめでとうございます。け、慧さんの背後に、へ、変なのがいますけど、た、多分、だ、大丈夫ですよね。わ、わたしは決勝戦の立会人を、つ、務めさせて、い、頂きます、ア、『アイリーン・A・G・ノートン』と、も、申します」 アイリーンと名乗る少女は二人の少女と一人の幽霊を見た。三人は今までの立会人とは違う格好をしているため「こんな女の子が決勝戦の立会人を務めるのか」と思っていた。 三人の視線にアイリーンは涙目になった。 「う、ううう…。そ、そうですよね。こ、こんな、あ、明らかに、へ、変な喋り方してますから…、う、生まれつきの、き、き、吃音症だから…、い、い、言ってることが、き、き、き、聞き取りづらいですよ、ね……。う、うぐぅ……。で、で、でも、わ、私は私なりに、が、頑張ったてるんですよぉ……。そ、そ、そ、そんな目をし、しなくでも、いいじゃあないですかぁ……。うわああああああん!!」 アイリーンはその場で泣き出してしまった。三人は涙を流すアイリーンをなだめた。 「ああ、泣かないでくださいよ! 別に私達は変質者だと思ってないですから!!」 「私達はあなたみたいな小さな女の子が、決勝戦の立会人を務めるのかと思っただけだ!」 「そうそう、それに吃音症だからって落ち込むことは無いよ!」 「……ひっぐ、ひぐ、も、申し訳ございません……。こんな、と、豆腐メンタルな立会人で……」 アイリーンは涙を拭いて気を取り直すと、璃乃と慧に試合内容を説明した、 「で、では試合内容を、せ、説明します。ル、ルールは『相手を倒した方が勝ち』という、か、簡単なものです。で、でも、なるべく早くケリをつけて下さい。な、長引いたら警察の人達が来てしまうかもしれないし、そ、それに、ち、近頃、と、通り魔事件が、お、起こってますから…」 「通り魔事件って、ここ最近起こってる無差別連続通り魔事件のことか?」と慧は訊いた。 「そ、そう! それです!! う、噂によれば通り魔はF県にも出没したとのことで、わ、私達トーナメント運営側も、け、決勝戦にその通り魔が、ら、乱入してくることを考えて、と、通り魔対策を立てましたから」 「あ~、例の通り魔事件ね。私も幽霊ネットワークで聞いてるわ」 「ネットワークって、そんなのが幽霊の世界にあるのか…?」 「うん。私も幽霊になってしばらくしてから初めて知った」 慧と真座利が会話をしてる中、璃乃は(その通り魔の正体はネプティスさんだ)と思った。 (多分、ネプティスさんは自分に立ちはだかる人間や、自分を捕まえようとする人間を次々と倒しながら旅を続け、F県にやって来たんだ。だとすれば、あの遠見という立会人が言っていたように、決勝戦に乱入してくる可能性も十分にありうる。それなら私は……) 璃乃がそう考えていると、アイリーンが「そ、そろそろ準備はよろしいですか?」と訊いてきた。 「え? ああ、はい。準備はいつでもOKです」 「こちらも準備は出来ている」 「私はトーナメントに敗退した身だから、邪魔にならない程度に見ているよ~」 「わ、わかりました。で、では、トーナメント決勝戦、か、開始です!」 かくして、トーナメント決勝戦が開始された。 ネプティス・アヌヴィッシュは、長く続く道路をふらふらと歩いていた。 ここは一体どこだろうか? ダンジョンを攻略すればするほど、新しいダンジョンと新しい敵が現れる。 室内のダンジョンを彷徨っていたら、今度は白い施設のようなダンジョンが突然現れ、そこには『人間のようなモンスター』がいた。 ネプティスはそのモンスターを全員倒し、ダンジョンの扉を開けて外へ出た。すると今度は『外のように見せかけたダンジョン』が現れた。 違う。ここも出口ではない。本当の出口へと続く扉は別の場所にある。ならば、それを探さなければならない。 彼女は本当の出口を探すために色々なダンジョンを周った。だが、出口へと続く扉はまだ見つかっていない。 それどころか、今度は人間に似たモンスターや、スタンド使いまで現れた。 この前は警察官の服を着たモンスターが大勢現れ、昨日は『来栖真輝斗』と『ビーヴィオ・ベルトット』というスタンド使い二人が、そして今日は『信田信夫』『多田光太郎』『二義誠』というスタンド使い三人が襲ってきたが、全員返り討ちにした。 ネプティスのスタンド『ネクスト・アルカディア』は、五体のスタンドと対峙したことで進化をした。彼女は自分のスタンドが更なる進化を遂げたことで、自分も強くなったと感じた。 「そう……、わたしはこのしあいにかって、もっともっとつよくなる。たちふさがるてきをたおして、でぐちをみつけて、すべてをのりこえるちからをてにいれる……」 ネプティスはそう呟きながら、歩を進めていた。 だが、彼女は気づいていない。 自分自身が二回戦でとっくに敗退しており、悪夢の迷宮からとっくに脱出していて、現実の世界に戻ってきていることに。 その事実に気づかないままフラフラと歩いていると、ネプティスの目に堅く閉じられた門が映った。 ここが出口の扉だろうかとネプティスは思うと、ネクスト・アルカディアに門をこじ開けさせた。 ネクスト・アルカディアのヴィジョンは、五人のスタンド使いを倒して進化したことにより、本来の姿とは似ても似つかないほどの異形と化していた。 試合が始まると、璃乃は踵を返して後方へと走った。 「あっ、逃げた!!」と真座利が声を上げると、慧は「いや。逃げたんじゃないよ」と返した。 「おそらく、逃げるふりをして私を自分の方へおびき寄せるつもりなんだよ」 「と、いうことは、璃乃さんは何かを仕掛けているの?」 「そういうことになる。こういう時は『追いかけない』というのが正解だけれど、ここはあえて彼女を追うことにしよう」 慧はそう言って璃乃が走っていった方へと向かった。真座利も「あ、待ってよ~」と言って、慧の後を追った。アイリーンも「わ、私も~」と三人を追いかけた。 璃乃は、園内の広場『元気っ子広場』に着くと、自身のスタンド『フローレンス・アンド・ザ・マシーン』を発現させると、地面に転がっている小石を数個集め、自分の背後に立つスタンドに手渡した。 「フローレンス・アンド・ザ・マシーン。この小石に『入眠作用のある香り』を付けなさい」 フローレンス・アンド・ザ・マシーンは主の言う通り、手渡された小石数個に、入眠作用のある香りを付けた。 (この香りは一回戦の際に勝負の決め手となった、ラベンダーとカモミールをベースにした香り。この香りを嗅いだ相手は、たちまち眠りに付いてしまう。慧さんがこの広場ににやってきたら、すぐにこの小石一個を投げ付ける。石が自分の方へ向かってくるのを知った慧さんは、受け止めるか回避するかを選ぶ。もし慧さんが受け止めれば小石に着いた入眠作用の香りを嗅いで眠りにつく。回避したなら、もう一個の小石を投げ付ければいい。回避されても予備の小石を投げればいい。やがて慧さんの周りには入眠作用の香りを放つ小石が転がって、眠気に耐えられなくなった慧さんはその場で眠ってしまう……) 璃乃はそう思考しながらスカートのポケットに手を入れると、ポケットの中に入れた折りたたみナイフを撫でた。 (あとは慧さんの動脈を斬るなり、腹部を裂くなりすればいい。まさかあの背後霊が試合の邪魔をするなんてことはしないでしょうし、もし邪魔をしてきても、私の、いいえ、志保の願いの邪魔は絶対にさせるモノですか……) 璃乃は既に、道徳・倫理を踏み越える覚悟をしていた。 自分は友人である菊谷志保の願いを、彼女の代わりに叶えるためにトーナメントに代理出場すると決めた。 志保の願いを叶えるためなら、どんな業も背負っていく。たとえそれが、人として許されないことであっても。 「私はこのトーナメントで優勝する。そして、志保の願いを叶える」 璃乃がそう呟いた時、慧・真座利・アイリーンの三人が広場にやってきた。 璃乃と慧との距離は、数メートル離れている。璃乃は「さあ、私に向かってらっしゃい」と慧を挑発するかのような表情で立っている。 そんな彼女を見つめる慧に、真座利が小声で訊いた。 「ねえねえ。璃乃さんを見つけたのはいいけどさ。私が見たところ、璃乃さんは絶対何かを仕掛けているよ。これはやばいんじゃあないの?」 「ああ。私もそんなことを考えていた。私達がやってきたというのに、堂々と自分のスタンドを出して立っているということは、何かを仕掛けてくるのは間違いない」 「じゃあ、このまま璃乃さんが痺れを切らしてこっちに向かってくるのを待つ?」 「それではこっちもあっちも相手が来るのを待ち続けて、気が付いたら朝になって、立会人のアイリーン共々警備員に捕まるという、つまらないギャグのような結末になる。それは私も璃乃さんも避けたい」 「それじゃあどうするの?」 「なあに。簡単なことさ」 慧は真座利に小声で耳打ちすると、「なるほど。それはいい考えね」と真座利は笑顔で言った。 「だろ」と慧は微笑むと「それじゃあ行こうか」と言い、璃乃の下へ歩を進めた。 計算通りだ、と璃乃は思った。璃乃は自分のスタンドに命令する。 「フローレンス・アンド・ザ・マシーン! 小石を一個慧さんに投げつけなさい!!」 フローレンス・アンド・ザ・マシーンは小石を一個右手に持つと、それを慧に目掛けて投げた。 小石からは、入眠作用のある香りが漂っていた。 さあ、どう来る? 受け止めるのか、回避するのか? と、璃乃は思った。 慧は自身のスタンド『アイス・エイジ・4』で投げられた小石を受けとめた。 やった! と、璃乃は心の中で喜んだ。これで慧は眠りに着くと思っていた。だが、慧は小石から漂う香りを嗅ぎながら璃乃に言った。 「……小石から妙な香りが漂っているな。あなたのスタンドはモノに変な香りを付けるね。おそらく貴方のスタンド能力は『精製した香りを物体に付着させる』能力。 そして、この香りは嗅いだ人間を眠らせる効果を持つ。あたりでしょ?」 当たりだった。だが、璃乃は自分の計算が狂ったわけではないと思っていた。なぜなら、慧のスタンドは小石を受け止めているからだ。あと数十秒すれば、慧はその場で眠りにつく…はずだった。 慧がため息をつきながら「残念だけど」と言うと、アイス・エイジ・4の手の中にあった小石は、跡形も無く消滅した。 「私のスタンド能力は『触れた非生物を数十秒後に消滅させる』能力なんだ。こんな小石では私を仕留めることは出来ないよ」 慧は再び璃乃の下へ歩を進める。璃乃は「まだです!」と叫んだ。 フローレンス・アンド・ザ・マシーンは小石をまた一つ右手で握ると、それを慧に投げつけた。 璃乃はまさか慧のスタンドが「触れたモノを消し去る能力」だとは思っていなかった。しかし、だからといって彼女の計算が完全に狂ったわけではない。 肝心なのは「慧を眠らせること」である。それさえ出来れば、自分に勝利の女神が微笑むのだ。 璃乃はフローレンス・アンド・ザ・マシーンに命令する。 「フローレンス・アンド・ザ・マシーン!! 小石を全部慧さんに投げつけなさい!!」 フローレンス・アンド・ザ・マシーンは、主の命令通り、小石を全て慧に投げつけた。 「いくら触れたモノを消滅させる能力でも、これだけの数の小石をすべて消し去ることは出来ないでしょう!!」 慧のスタンドは投げた小石を受けとめようとした。 だが、璃乃が言ったように、全てを受け止めることは出来なかった。 フローレンス・アンド・ザ・マシーンが投げつけた小石のうち、アイス・エイジ・4が消したのは最初に消したのを含めて3個で、地面に落ちたのは4個であった。 「よし!」と璃乃は思った。これで慧は地面に落ちた小石の香りを嗅いで眠りにつき、硫黄臭のする池で倒れる。そう確信した。しかし…。 「『地面に落ちた小石から漂う香りで慧は眠り、自分は慧にトドメを刺すだけ』と、そう思ったよな。でも、それも私には通じない」 慧は慧は真座利にアイコンタクトをとった。真座利は「了解!」と返事をすると、慧の左肩に噛みついた。慧は悲鳴を上げるのをぐっとこらえた。 璃乃は驚愕した。自分の相方である背後霊に、自分を噛ませるだなんて、信じられない。 璃乃が目を見開いて驚いている中、慧は璃乃に言う。 「私は背後霊である真座利にさっきこう言ったんだ。『私が璃乃に何か投げつけてきたら、容赦なく私の肩を噛みつけ』ってね」 「そ、それって、協力者に頼んだってことじゃない! 一対一の戦いに第三者を割り込ませてくるのは、ルール違反にならないの!?」 璃乃は慧にそう言うが、それに答えたのは立会人であるアイリーンであった。 「け、慧さんはルール違反をしていませんよ。た、戦いに、ちょ、直接介入したのは、ま、真座利さんですし、そ、それに、ま、真座利さんが、お、お二人を倒そうとしていたわけではありませんから」 「そ、そんなのアリッ!?」 「立会人がそう言ってるなら、そうなんだろう。そもそも真座利は私に恨みを抱いている亡霊。心のどこかで私を痛めつけてやりたいと思っているはずだ。だから、これで少しは真座利の気が晴れるってもんだろう!」 真座利は慧の左肩の肉を少し引き千切ると、それをもぐもぐと咀嚼して飲みこんだ。 「う~ん。人間の肉は美味しくないね。毒にも薬にもなりゃあしない」 「るろうに剣心の志々雄真実のようなことを言うなよ。これで私に対しての恨みも少しは晴れただろう?」 「まぁ少しはね」 「そうか」と慧は言うと、歩を進めながら璃乃に言った。 「これで私の身体はしばらく痛覚神経が支配する。故に、香りを使った攻撃は通じない。そして、私はあなたのすぐ近くまでやってきた。あなたが取るべき行動はただ一つ……」 璃乃は乾いた笑いをして慧に言った。 「殴り合いで貴方を倒すしかない……ということでしょ?」 「正解」 慧はそう答えた。 フローレンス・アンド・ザ・マシーンはアイス・エイジ・4を見ながら構えを取る。アイス・エイジ・4も拳を握った。 「まさか、幽霊で計算が狂うとは思ってもいなかったわ…。でも、ここで負けるわけにはいかない! このトーナメントで優勝するのは私よ!」 「いいや、それは私だ。私にだって叶えたい夢がある」 「いいぞいいぞ~! どっちもがんばれ~!!」 真座利が応援する中、二人のスタンドが殴り合いを始めようとしたその時、入り口の門が外側から破壊された。 ネクスト・アルカディアで門を破壊したネプティスは、園内を見まわした。 なんだ、ここも出口ではなかったのか。だが、ここは色々な建物がある。 もしかしたらこのダンジョンにある建物の中に、出口へつながる扉があるのかもしれない。一体どこにあるのだろうか。 ネプティスはそう考えながら、入り口の前方にいる二人のスタンド使いと、パンダの半獣人を見つけた。 今度はあの二人のスタンド使いと、宙に浮いているパンダの半獣人が相手か。 しかし、二人のスタンド使いのうちの一人はどこかで見たことがある。 ああ、思い出した。あの迷宮の中にある闘技場で、自分が殺した奏璃乃だ。 なんで璃乃がまだ生きていて、このダンジョンにいるのだろうか。 ネプティスは数秒思考し、一つの結論に至った。 ああそうか。璃乃はあの闘技場で死んだあと、ゾンビとなって甦ったのだ。 だとすれば、どうしてあそこに璃乃がいるのかも説明が付く。 ならば、あのスタンド使いとパンダの半獣人と一緒に、璃乃のゾンビを倒すだけだ。 そうすれば、自分はもっと強くなる。なにもかも乗り越える力を手に入れることができる。 ネプティスはそう思いながら、三人のいる方へ向かっていった。 「あ、あああああ、あれは、ネ、ネネネネネネネプティ、ティ、ティティティティティティティティティス・アアアアヌヴィッシュだああああああッ!!!!」 アイリーンは自分達の方へ向かってくる恐怖に身体を震わせながら、その場にへたりと座り込んだ。 「ああ、ネプティスさんがここへやってくるなんて!!」 璃乃がそう言うと、慧が訊いてきた。 「ここへやってくる? 璃乃さん、あなたはあの乱入者のことについて何か知っているのか?」 「は、はい。話せば長くなるのですが……」 璃乃は二回戦でのことと、試合前に遠見が電話で語っていたことを慧と真座利に詳しく話した。 「成程。そういう試合内容だったのか。その宇喜田という立会人は非常にタチが悪いな。まぁ、宇喜田は新人と共に重傷を負ったから、既に罰を受けているが」 「となると、幽霊ネットワークとかで噂になっていた通り魔の正体は、ネプティスさんと言うことになるわね」 「はい。運営側はネプティスさんを捕まえるための部隊を作ったとのことですが、私の予想では既に何人かが倒されているでしょう」 「だろうな」 璃乃達がそう会話をしている中、アイリーンは慌てながらスマートフォンで電話をかけていた。 「も、ももももしもし、ア、アイリーンですけど、大変です!! ネネネーネ・ネーネネ、ネプティス・アヌヴィッシュが、け、決勝戦の試合会場へ侵入してきました!! ははは、早く討伐部隊を、ここここ、こちらによこしてください!!」 「立会人はすっかりパニック状態に陥ってるな…」 慌てふためきながら電話をしているアイリーンを横目に、慧は璃乃に言った。 「どうだろうか。ここは一時休戦して、三人でネプティスを捕まえようじゃあないか。どうせあいつを倒さなきゃ、試合の続きは出来ないわけだし」 慧に続いて真座利も言った。 「そうそう。ここはみんなで力を合わせて、ネプティスさんの暴走を止めようよ」 「…………」 璃乃は数秒考えると、慧に「お断りするわ」と返した。 慧と真座利は「えっ?」と声を漏らした。 「そもそも、ネプティスさんがあの悪夢の迷宮でしばらく彷徨う羽目になったのは、私が彼女を見放したから。先にネプティスさんを無理やりにでも脱出させていれば、彼女が壊れることはなかった。だから、ネプティスさんの暴走を止めるのは私の役目。自分が蒔いた種は、自分で何とかしなければならない。この件に関わりのないあなた達を巻き込むわけにはいかないの」 「…………」 「申し訳ないけれど、ここは私一人でやらせてもらうわ」 璃乃はネプティスの方へ向かおうとした。しかし、慧と真座利がそれを制止した。 「悪いけど、一人でやらせるわけにはいかない」 「『この件に関わりのない』って、私達は璃乃さんとネプティスさんのことについてもう聞いちゃってるんだから、関わりのない人間じゃあないよ」 「で、でも……」 璃乃が何かを言おうとすると、慧が微笑んだ。 「大丈夫。ネプティスのスタンド能力が何なのかが分かれば、対策を考えることもできる」 「…………」 「だから、教えてくれ璃乃さん。彼女のスタンド能力はなんなんだ?」 慧の問いに対して「…ネプティスさんの能力は」と璃乃が答えようとすると、ネプティスが奇声を上げて三人に飛びかかってきた。 「キシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」 「まずい、璃乃さん、真座利! 離れて!!」 慧は二人を突き飛ばすと、ネプティスの蹴りを両腕で防いだ。 ネプティスの蹴りの衝撃が慧の両腕に響く。慧は「ぐっ!!」と呻いた。 ネプティスは自分の蹴りが防がれると、今度はネクスト・アルカディアで慧に拳の連打を食らわせようとした。 「キシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャアッ!!!!」 ネクスト・アルカディアのヴィジョンは、悪夢の迷宮のミノタウロス、警官隊、ネプティス討伐隊として選ばれた五人のスタンド使いと戦って進化したことにより、身体中に無数の目が付いた怪物と化していた。 慧はネクスト・アルカディアの攻撃をアイス・エイジ・4で相殺しようと、蹴りの連打を繰り出した。 「シュララララララララララララララララララララララララララララララララララララァッ!!!!」 二体のスタンドの拳と蹴りがぶつかり合う。慧はネプティスと戦っている最中、アイス・エイジ・4の皮膚が徐々に剥がれていくのを感じた。 (これは一体何だ? まさか、私のスタンドが…?) 慧がそう思った瞬間、ネクスト・アルカディアの拳がアイス・エイジ・4の額を捉えた。慧の額から赤い血が流れる。 「慧さん!!」「慧ちゃん!!」 璃乃と真座利は慧の名を叫んだ。 二人の声を聞かずに、ネクスト・アルカディアはそのままアイス・エイジ・4の腹部に強い蹴りを入れた。 アイス・エイジ・4と慧はそのまま遠方へと吹っ飛び、そのまま動かなくなった。 慧が倒されたのを見て、ネプティスは「阿覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇!!!!」と笑った。 「壺れ出、壺れ出私ハモット強ク鳴る!! 私ハ全てを乗リ越L力を手に入レル!! 阿覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇!!!!」 ネプティスが高らかに笑う様を見て、真座利は怒りの頂点に達した。 慧とは絆を結んだ幽霊達を消滅させられた恨みと、見殺しにされた憎しみがあった。でも、背後霊として暮らすうちに、少しずつ慧との絆が生まれてきた。 その絆をネプティスがたった今踏みつけた。『全てを乗り越える力を手に入れる』という、わけのわからない理由で平然と踏みにじった。真座利の心の中に、ネプティスへの殺意が生まれた。 「許せない…。慧ちゃんを傷つけたお前だけは、絶対に許せない!!うあああああああああああああああああああああああああああああッ!!!!」 真座利が叫び声を上げると、彼女の獣毛の生えていない部分に、白と黒の毛が生えてきた。顔も徐々にパンダの顔へと変わっていく。 真座利は慧を傷つけられたという怒りで、パンダの獣人へと変身した。 璃乃は真座利の変身を見て身体を震わせた。もし自分が慧を眠らせて、スカートのポケットにしまっていたナイフを突き立てていたら、自分はパンダの獣人と化した真座利に殺されていたかもしれない。さっきの自分の計算は、狂うことになって正解だった。 「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」 真座利はネプティスに向かって突進をした。ネプティスはニヤリと笑う。 「噴ッ! パンダ乃半獣人が本物乃獣人と化舌カ! 陀蛾、弧乃私ニ勝ツ事ハ出来ナイ!!」 ネプティスはネクスト・アルカディアで突進してくる真座利の顔面を殴りつけた。その瞬間、真座利は自分のスタンド『プラスチック・スマイル』を発現させた。 プラスチック・スマイルは、ネプティスに息を吹きかけ、ネプティスの身体を膨らませようとした。だが……。 「宝、お前藻幽波紋使いカ!! 歯科死、所詮獣ハ獣!! 人間デアル私ニ勝ツ軟手、無理無理無理無理ィ!!」 ネクスト・アルカディアはプラスチック・スマイルの中央の顔に拳を強くめり込ませた。 パンダの顔面と化した真座利の鼻が、ゴキリと折れた。 さらにネクスト・アルカディアは、真座利の身体を連続で殴りつけ、最後にかかと落としでノックダウンさせた。 真座利はネプティスの足下でうつぶせになって倒れた。真座利の身体はパンダの獣人の姿から半獣人の姿へ戻った。 ネプティスは二度の勝利の快感に酔いしれた。 その瞬間、ネクスト・アルカディアの姿はゴキゴキと音を立てて変化をし始めた。 身体中に無数の目が付いた異形の姿のスタンドは突然四つん這いになり、銀色の皮膚が紫色に染まり、背中から大きな瘤のようなものが生えた。 右肩を中心に生えていた機械のような羽は全て千切れ、頭部だった部分はイソギンチャクのような形に変わり、身体も大きくなっていく。 スタンドの変化と同時に、ネプティスの身体も変化した。 短かった髪が瞬時に肩甲骨まで伸び、胸が大きくなり、お尻もズボンの中でパンパンに膨らんだ。 さらに背丈もぐんぐんと伸び、ネプティスは大人の女性へと変身した。 璃乃はネプティスの身体が急成長したことに驚いた。 「そんな、スタンドと共に本体まで成長するなんて……!!」 「分刈ル、分刈ル輪、私ガ丼丼強苦ナッテ入ル乃を…」 ネプティスは成長した自分の姿に喜ぶと、璃乃の方に目を向けた。 「殺阿、次ハオ前ダ。ゾンビの璃乃算」 璃乃は自分を襲おうとしているネプティスに向かって言った。 「…いいわ。かかってきなさい。私があなたの暴走を止めてあげる」 ネプティスはニヤリと笑い、奇声を上げて璃乃に襲いかかった。 その時、ネプティスの左肩に何かが刺さった。ネプティスが自分の左肩を見ると、数本のナイフが刺さっていた。 ネプティスはナイフが空から投げられたと直感で判断して空を見ると、そこには、白鳥の羽を背中に生やした異形の女性に乗った、両手がハエトリ草になった異形の男性がいた。 ハエトリ草の異形の男は白鳥の異形の女に言った。 「おい、ちゃんと飛べよお姫さまよぉッ! 『マイシクル・ティアーズ』の投げたナイフの照準がずれちまったじゃあねえか!!」 「そんな~。私はちゃんと飛んでますよ~幻十郎さ~ん」 「お、お前ラハ一体誰陀!!」 ネプティスがそう怒鳴ると、白鳥の異形は地面に着地し、ハエトリ草の異形を下ろして、自己紹介をした。 「初めまして。私はあなたを捕まえるためにトーナメント運営から派遣された『リリス・クド・カラオストロ』といいます」 「俺は桐木幻十郎。このお姫様と同じく、お前を捕まえるためにやってきた。わけあって今はこんな異形になっちまっているがな」 璃乃は空から下りてきた二つの異形を見て、この二人は真座利と同じ幽霊の類だと理解した。 おそらく、この二人はこの世に未練があって、その結果、あんな姿に変貌してしまったのだろう。 璃乃がそう思っていると、ネプティスは幻十郎に言った。 「私を…捕魔L…陀斗?」 「その通り。お前が倒した来栖、ビーヴィオ、信田、多田、二義の五人も、お前を捕まえるために派遣されたスタンド使いだ」 「そして、貴方を捕まえるためにやってきたスタンド使いは、私達だけではありません」 リリスがそう言うと、璃乃、倒れている真座利、ネプティスの周りには、いつの間にか多くのスタンド使いが取り囲んでいた。 『バロック・ホウダウン』のスタンド使い、五百旗頭実はネプティスに向かって言った。 「貴様がネプティス・アヌヴィッシュだな! この国を守る多くの警官達を傷つけた罪は到底許されるものではないッ!! よって貴様をここで拘束するッ!! 神妙にお縄につけェイッ!!」 璃乃は自分達の周りにいるスタンド使い達を見て「まさか、こんなに集まるなんて信じられない」と思った。 アイリーンは涙を流しながら「や、やった! と、討伐部隊が来てくれた!」と喜んだ。 ネプティス討伐隊を率いる若い女性、遠見妃奈子はメガホン越しにネプティスに言った。 「ネプティスさん、もうあなたは二回戦で敗退したんです!! あなたがどんなにダンジョンの出口を見つけようと頑張っても無理ですよ! ここは現実の世界、悪夢の迷宮じゃあないんです!!」 「敗退舌陀斗…? 出口を見津蹴ルノハ無理陀斗…? 壺壺ハ現実乃世界陀斗…?」 妃奈子の言葉を聞いたネプティスは激怒した。 「嘘ヲ言う名!! 私ハマダ負ケていナイ!! 私ハモット強苦ナル!! 強クナッテ、全てを乗り子L力を手にいレル!! 壺壺で負ケルわけニハ行かないン陀!!」 「どうやら、説得するのは無理みたいだね~」 と、『エリミネーター』のスタンド使い、八坂巡子は言った。妃奈子は「仕方ないですね」と言い、スタンド使い達に命令した。 「こうなれば力づくで捕まえるだけです。皆さん、一斉にかかってください!!」 スタンド使い達はネプティスに一斉に襲いかかった。 ネプティスは異形の怪物と化したネクスト・アルカディアを使い、迎撃した。 スタンド使い達とネプティスの激戦が繰り広げられている中、璃乃は真座利をフローレンス・アンド・ザ・マシーンで引きずりながら、広場から離れた。 「ここまでくれば、もう大丈夫でしょう。真座利さんが巻き添えを食らうのは、慧さんに悪いですからね」 璃乃がその場で座って一息をつくと、禿頭の筋骨隆々の大男と、派手なスーツを着た男性と、バニースーツを着た銀色の髪の少女と、胸が豊満のポニーテールの少女がやってきた。 璃乃は四人を見て、真座利の知り合いだろうかと思った。 筋骨隆々の男が璃乃に訊いた。 「すまないが、貴方が連れてきたそのパンダの半獣人は、蘇亜橋真座利と言う名前か?」 「は、はい。そうですが」 「そうか。俺は真座利の担任である安倍農円と言います」 農円に続いて、他の三人も自己紹介をした。 「俺はウィンディバンク。北欧のギャング組織『ガルガ・ファルムル』の構成員だ」 「そして僕はそのガルガ・ファルムルのリーダー、ショスコム・ウィステリア。本当は男性だけど、わけがあって今はこんな女の子の姿をしているんだ」 「私は春奈・モーティマー・降星学園6年女子で、真座利さんの試合の立会人をしました」 「我々はネプティス・アヌヴィッシュ討伐部隊のメンバーに選ばれ、ここにやってきました。もしかしたら、真座利が決勝戦の試合が行われる場所にいるのではないかと思って…」 「そうですか…」 璃乃が農円の言葉にそう答えると、真座利が目を覚ました。 「う~ん…、あ、璃乃さん! それと…、あ、先生、ショスコムさんにウィンディバンクさん! それと、春奈っち!!」 「おお、目が覚めたか真座利!」 「久しぶり、農円先生! 風邪は治ったんだね!」 「久しぶりだね、真座利ちゃん!」 「ショスコムさん、お久しぶり! まだその姿なんだね!」 「うん。とても気に入ってるんだ~」 「二回戦で命を落としたと柱石の旦那から聞いた時はショックだったぜ、真座利の嬢ちゃん!」 「ウィンディバンクさん、心配してくれてありがとう! イザドラさんとステイプルトンさんは元気?」 「まぁ元気だよ。嬢ちゃんの死を聞いた時は『嬢ちゃんと幽霊の連中の仇を討つ!』と言っていたよ」 「うわ~、ちょっとだけ顔見せに行けばよかったな~」 農円、ショスコム、ウィンディバンクが真座利との再会に喜ぶ中、春奈だけは真座利に声をかけようかかけまいかと迷っていた。そんな春奈を見て真座利が言った。 「春奈っち、久しぶりだね~」 「そ、そうですね、お久しぶりです……」 春奈はそう言って礼をした。 かつて春奈には霊感が無かった。しかし、二回戦においてカサブランカの能力を使ったことにより、二回戦以降、春奈にも幽霊の姿が見えるようになった。 故に、真座利の姿と声を認識していた。 真座利はそんな春奈を見て「へ~幽霊が見えるようになったんだ!」と喜んだが、春奈は浮かない表情をした。 「ん~、どうしたの? もしかして二回戦でのこと、まだ気にしてる?」 「は、はい。私がカサブランカを発現させなければ、貴方の友人である幽霊達が消えることも無かったし、貴方が命を落とすことも無かった…。私はとんでもない悪党です」 「いやいやいやいや、悪党ってそんな。別に春奈っちも慧ちゃんもわざとやったわけじゃあないんだから……」 真座利が慧の名前を出すと、春奈は「そうだ!」と声を上げた。 「慧さんは!? 慧さんは一体どこにいるんです!?」 「そうだ! 慧ちゃん大丈夫かな!? さっきネプティスさんにやられて、あっちの方へ吹っ飛ばされたんだ!」 真座利はそう言って慧が飛んでいった方向へ顔を向けると、そこには、服がビリビリに破れた慧が立っていた。慧の額からは赤い血が流れている。 「慧ちゃん!」「慧さん!」と真座利と春奈は叫んで、慧の側へ寄った。 「大丈夫慧ちゃん!? 額から血が出ているよ!?」 「大丈夫だ。心配ない」 「お久しぶりです慧さん! あの後真座利さんとはどうだったんですか!?」 「ああ、今では真座利が家に居候しているよ」 二人の問いに慧は答えると「ところで、あの三人は?」と璃乃に訊いた。 「ああ。あの三人は真座利さんの知り合いだそうで」 「どうも慧さん、安倍農円だ」 「ショスコム・ウィステリアだよ」 「ウィンディバンクだ」 璃乃の時と違い、三人は慧を睨みつけるような目で見つめた。やはり自分は恨まれているかと慧は思い、「私は二回戦で勝利した阿須名慧といいます」と言うと、三人に頭を下げた。 「迷宮電器店の幽霊達を消滅させ、さらに、真座利を見殺しにしてしまって、すいませんでした」 「…………」 「…………」 「…………」 「言い訳をするつもりはありません。許してほしいと言うつもりもありません。ただ……」 慧が言っているところへ、三人が口を開いた。 「わざとではないのは俺達も分かっている。」 「悪気があってやったわけじゃあないんだよね。それは分かるよ」 「ただ、消滅させた幽霊達は戻ってこないぞ。それについてはどう責任を取るつもりだ?」 ウィンディバンクがそう言うと、真座利は一瞬悲痛な顔をした。そんな真座利を見て慧は「責任を取る方法はあります」と言った。 「えっ?」と真座利が反応すると、「へぇ。それはどんな?」とショスコムが訊いた。 「それは後で分かります」と慧は言うと、「ところで、あのネプティスはどうなった?」と璃乃に訊いた。 「ネプティスさんは今、討伐部隊と戦っています」 璃乃がそう言ってネプティスと討伐部隊の方に顔を向けると、討伐部隊はネプティスの猛攻に苦戦していた。 「くそっ、なんなんだよあいつはッ!? 大勢でかかってるのに全然倒れねぇッ!!」 幻十郎は息を切らしていた。まさかあの女がここまで強いとは思ってもいなかった。 彼の周りには、ネクスト・アルカディアの攻撃をくらい、三名のスタンド使い達が気絶していた。 『エンヴィー』のスタンド使い、茜。 『テンポラリー・プレジャー』のスタンド使い、マルコ。 『イエスタデイ・エンパイア』のスタンド使い、畔上藍。 この三人はネプティスのスタンドに強い打撃を与えたのに、当の本人は全くダメージを受けていない。 この女は本物の化け物かと、幽霊の身でありながら幻十郎が思っていると、「まだまだぁッ!」と本結久良來は、リボンのスタンド『フィール・ソー・ムーン』で、ネプティスの右腕を縛る。 「この人は私が降星学園へ転入させるんです!! この可愛いスタンドを持っている人と、私は友達になるんですッ!!」 「いや、可愛いかあれ」と、幻十郎は心の中で突っ込んだ。 ネプティスは自分の右腕に巻き付いたリボンを左手で引っ張ると、そのまま久良來ごとリボンを振り回し、久良來を地面へ叩きつけた。久良來は血を吐いて気絶した。 久良來に続いてネプティスを襲ったのは、『フェイセズ・イン・ザ・クラウド』のスタンド使い、寿=ガブリエラ=コジョカルだ。 寿はネプティスの背後から接触し、ネプティスの体内の水分を自身のスタンドで吸い取り、ネプティスを干からびさせようとした。 この作戦は寿が考えたモノではない。遠見妃奈子が寿に教えたモノだ。 「あはは~。このひとをつかまえたら、きなこおねえさんにケーキをごちそうしてもらうのだ~♪」 寿は妃奈子にケーキをたくさんご馳走してもらうことを想像していた。しかし、その想像が現実となることはなかった。 背後に敵が近付いていることに気づいたネプティスは、瞬時に寿の右腕を両手で掴み、力一杯入れてへし折った。 右腕が折れた痛みに寿は絶叫する。 「うああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!!!」 「私の後ろヲ取ろ鵜など斗ハ、考え蛾甘井ゾ、餓鬼ガ!!」 ネプティスはそのまま寿の身体を片手で地面に叩きつけ、そのまま寿の細い身体を何度も踏みつける。 何度も、何度も、何度も、何度も。 「いやだ、いやだ、いやだぁッ!! いたい、いたい、いたい、いたいよぉッ!!」 寿は大粒の涙を流しながら悲鳴を上げるが、ネプティスは踏みつけることを止めない。 「幼い少女になんてことをッ!!」 『アストロ・ブライト』のスタンド使い、西獅子星司郎は小石を地面に置き、星座の形に並べた。小石で書いた星座は『ヘラクレス座』。ギリシャ神話に伝わる戦士・ヘラクレスを描いた星座だ。 ヘラクレスは真っ先にネプティスの下へ向かい、彼女の頭部に棍棒を振り下ろそうとした。が、棍棒の打撃はネクスト・アルカディアによって防がれた。 ネクスト・アルカディアはヘラクレスから棍棒を奪うと、その棍棒を星司郎へと投げつけた。棍棒は星司郎の身体に当たり、星司郎は気絶した。と、同時にヘラクレスも消滅した。 あれほど泣き叫んでいた寿も、気を失っていた。 討伐部隊として集められたスタンド使い達は決して弱くは無い。だが、悪夢の迷宮で睡眠学習し、自身のスタンドが成長したネプティスには敵わなかった。 幻、実、巡子、リリス、そして、他のスタンド使い達は、疲労困憊の状態となっていた。 「阿覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇、阿ーーー覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇!!!!」 高らかに笑うネプティスを見て、運営側の人間であるアイリーンと妃奈子、トカゲの異形で、かつ『オホス・デ・ブルッホ』のスタンド使い、ロロ・ロサーノは恐怖に震えた。 「こ、これだけのスタンド使いがいるのに……」 「全く歯が立たないなんて……」 「も、もうダメだ…。あんな奴に勝てっこないよ…。あいつは『邪神』だ。ボク達はあの邪悪な神に服従するしかないんだ……」 慧がネプティスに苦戦するスタンド使い達を見て、「成程。彼女のスタンドは進化そのものってことか」と言うと、璃乃は「はい」と答えた。 「ネプティスさんのスタンド、ネクスト・アルカディアの能力は『敵の能力に合わせて進化する』能力なんです。ですが、彼女もスタンドも姿が変貌するなんて。敵の能力に合わせて進化してるとは思えない……」 「おそらく、悪夢の迷宮で成長し続けた結果、スタンドの能力が『敵を倒すたびに進化する』能力へと変化したんだろう」 二人がそう会話していると、真座利も話に入ってきた。 「でも、あれって進化とか成長とかって言えるのかな? どう考えても突然変異にしか思えないんだけど」 「変異であっても進化は進化だよ」と慧は言った。 「でも、彼女を見て倒す方法は思いついた」 「えっ、それ本当!?」 「一体どうやって!?」 真座利と璃乃が訊くと、慧は、 「それに答える前に、真座利の友人である迷宮電器店の亡霊達…。それを消滅させた責任を取って『幽霊達を復元させる』」 と言った。 真座利、農円、ショスコム、ウィンディバンク、春奈の五人は驚いた。 「ふ、復元させる!?」 「そんな馬鹿な!?」 「消滅したモノを元に戻すだなんて、出来っこないよ!」 「そんなことが出来たら、それこそ奇跡だ!」 「本当に…できるんですか?」 「そのためのスタンドだろう」 慧はそう言うと、『アイス・エイジ・4』を発現させた。 アイス・エイジ・4は以前の姿とは違う、水色のレオタードを着た、グラマラスな女性の姿へと変わっていた。 「綺麗…」と真座利は声を漏らした。 「私のスタンド『アイス・エイジ・4』もネプティスのスタンドと一戦交えたことによって、身体の皮膚が全て剥けて成長した。そして、ここにいるスタンド使い達がネプティスの方に目を向けている間、成長した自分のスタンドの能力を試した。すると、一回戦で消滅させた『水』と、二回戦で消滅させた『スマホ』が復元された」 「じゃあ、慧さんのスタンドも、成長したことで変化した…?」 「そう。私のスタンド『アイス・エイジ・4・ミッシングリンク(堂々とまかり通るご都合主義)』の能力は、『一回消滅させたものを復元する能力』だ」 慧がそう言うと、アイス・エイジ・4・ミッシングリンクは両手を前にかざした。 「アイス・エイジ・4・ミッシングリンク。二回戦で消滅させた五体の幽霊達を復元しろ」 アイス・エイジ・4・ミッシングリンクの両手から、まばゆい光が放たれる。その数秒後、五体の異形の幽霊達が光の中から現れた。 ツチノコの異形・無来檻。 ハリセンボンの異形・無理条変太。 豹やライオンなどの肉食動物の異形・増暮儀式。 ゾウの異形・報道院帝都。 タコの異形・刈出部算任。 真座利は一筋の涙を流した。あの時消滅した五体の幽霊達が、再びこの世に甦ったのだ。 「あ、あれ?」 「俺達は一体何を…?」 「ていうか、ここ何処?」 「高層ビル出ないことは確かだゾ」 「ここはあの世なのか? 我々は成仏したというのか?」 五体の幽霊達が困惑していると、真座利が泣きながら駆け寄ってきた。 「みんな~~!!」 「ま、真座利ちゃん!?」 「な、なんで泣いてるんだよ!?」 「というよりも、なんでパンダみたいな姿になってるわけ?」 「もしかして真座利。お前も…」 「命を落とし、幽霊になったと言うのか!?」 「うん。でも、嬉しい! こうやってみんなとまた会えるなんて、奇跡だよ!!」 真座利は涙を流しながら、迷宮電器店の幽霊達との再会を喜んだ。幽霊達は未だに状況が呑みこめないでいる。が、真座利の笑顔を見て、何故だか嬉しく感じた。 農円、ショスコム、ウィンディバンクの三人は、真座利と五体の幽霊達を見て、顔をほころばせた。 「良かったな、真座利」 「良かった。本当によかったよ」 「奇跡って、本当に起こるものなんだな」 刈出部は泣きじゃくる真座利の頭を撫でていると、対戦相手であるはずの慧と、立会人であるはずの春奈を見つけた。 「お、お前は真座利との対戦相手と立会人の…」 「阿須名慧といいます。こちらは元立会人の春奈・モーティマーです」 「ど、どうも。春奈・モーティマーです」 「こちらこそ。そんなことより、これは一体どういうことだ。二回戦は一体どうなったんだ?」 「その話はあとです。今は私に協力してください」 慧はそう言うと、ネプティスとネクスト・アルカディアのいる方へ指差した。 「私と共に、あのスタンド使いを倒してほしいのです。このままでは大勢の被害者が出てしまいます。…お願いします」 慧の真剣なまなざしを見て、刈出部は「わかった」と答えた。 ネプティスは自分が強くなっていることに実感を感じていた。 自分のスタンドは進化している。それと同時に、自分の身体も成長している。 全てを乗り越える力に、確実に近づいている。 ここにいるスタンド使い達を倒せば、自分はさらに強くなる。 そして、きっと出口へと繋がる扉が現れる。 その時こそ、自分が決勝戦へ進出し、このトーナメントを優勝することになるのだ。 ネプティスはヤドクガエルの異形の幽霊であり、かつ『ザ・ヴァ―ヴ』のスタンド使い、賀苅緋紋に近づいた。 「次ハお前陀、覚悟白」 緋紋は恐怖で身動き一つ取れないでいた。 ダメだ、こんな怪物に勝てるわけがない。 今の自分はさながら、蛇に睨まれたカエル。死の覚悟を準備する間も与えられずに、蛇に捕食される運命にある哀れなカエルだ。 自分もそんなカエルと同じように、こいつに蹂躙されるのだ。 ネクスト・アルカディアのイソギンチャクのような頭部の触手が、緋紋の身体に絡みつこうとしている。 「いやよ、いやああああああああああああッ!!!!」 緋紋が悲鳴を上げたその時、耳をつんざくような音が響いた。 ネプティスは悲鳴を上げて耳をふさぎ、ネクスト・アルカディアの触手が緩んだ。緋紋はその瞬間を逃さず、触手から抜け出した。 「な、なに、今の音!?」 「さっきの音はどこで鳴ったんだ!?」 「一体誰が鳴らしたんだよ!?」 スタンド使い達は口々に叫ぶと、向こうから慧、璃乃、真座利、農円、ウィンディバンク、ショスコム、そして、五体の異形の幽霊達がやってきた。 「け、慧さんに璃乃さん!? なんで来てるんです!! ここは危ないですから安全な場所へ避難しててください!!」 「と、というより、そ、その幽霊達は、な、なんなんです!?」 妃奈子とアイリーンがそう言うと、慧と璃乃は二人に言った。 「すいません。でも、ネプティスを倒す方法を思いついたんです。この五体の幽霊達は、私がかつてスタンドの能力で消滅させた幽霊です。さっき、成長した私のスタンドで復元させました」 「慧さんは復元させた五体の幽霊やスタンド使いの皆さんと協力して、ネプティスさんを討伐したいと言ったんです。お願いします、私達にもお手伝いをさせて下さい!」 「お願いします!!」 慧と璃乃は二人に頭を下げた。妃奈子とアイリーンが「う~ん」と唸りながら考えていると、『ディメンション・トリッパー』のスタンド使い、三船重兵衛が口を開いた。 「いいんじゃあないんですか? その慧という人が、ネプティスを倒す方法があると言うなら、俺達はそれに従うまでだ」 他のスタンド使いもうなづいた。妃奈子はため息をついて「仕方ないですね。わかりました」と言った。 「で、そのネプティスさんを倒す方法はなんですか? 教えて下さいよ」 「ふふっ、簡単です。ネプティス・アヌヴィッシュを倒す方法は……」 慧はネプティスの方へ向かうと、アイス・エイジ・4を発現させ、ネクスト・アルカディアの背中に生えている巨大な瘤を思い切り殴った。 「ただひたすらに、戦って戦って戦う! それだけだッ!!!!」 アイス・エイジ・4はそのまま拳の連打をネクスト・アルカディアに浴びせた。 「シュララララララララララララララララララララララララララララララララララララァッ!!!!」 アイス・エイジ・4がネクスト・アルカディアに攻撃する様を見て、妃奈子は頭を抱えた。 「ええええええええええええ~ッ!? そんな無謀な方法がありますか!! どんなに攻撃しても倒れなかったのに、さらに攻撃をしまくるなんて、無理ですよ~~!!」 「でも、それ以外に奴を倒す方法が無いというなら!!」 「とことんやるしかないでしょ!!」 泣き言を言う妃奈子を余所に、重兵衛や他のスタンド使い達はネクスト・アルカディアへと向かった。 重兵衛のスタンド『ディメンション・トリッパー』と、イェルズェラ・ムラージョのスタンド『ウォームハンド・コールドハート』が、ネクスト・アルカディアに拳の雨をお見舞いする。 「ディララララララララララララララララララララララララララララララァ!!!!」 「ムラムラムラムラムラムラムラムラムラムラムラムラムラムラムラムラムラムラムラァ!!!!」 続いて、藤島六郎のスタンド『クレセント・ロック』が地面を殴り、そこから数本のロケットを生やす。 「クレセント・ロック、ロケット点火だ!!」 クレセント・ロックはロケットを点火した。点火された数本のロケットは、ネクスト・アルカディアへと向かって行った。ロケットはネクスト・アルカディアに命中した瞬間、爆発した。 「やったか!?」と六郎は声を漏らすが、ネクスト・アルカディアはまだ倒れてはいなかった。 「ドウ舌!? ソレ出御仕舞カ!?」 ネクスト・アルカディアの巨大な腕が、慧、重兵衛、イェルズェラ、六郎の身体を薙ぎ払った。四人が遠方へ吹っ飛ばされると、五百旗頭実が上着を脱いだ。実の腹部には、彼のスタンド『バロック・ホウダウン』が潜んでいた。 バロック・ホウダウンは実の「やれッ」の命令を聞いて腹部から飛び出すと、ネプティスの動きを止めようと強烈な光を浴びせようとした。 が、ネプティスはバロック・ホウダウンの光をかわして実に瞬時に近づくと、実の身体に飛び蹴りを喰らわせた。実の身体は、上半身と下半身に分かれ、地面に倒れた。 「ぐぅ…、無念だ…」 「軍人ヲ気取ってイテも、所詮こ乃程度カ!!」 ネプティスが実を見下しながらそう言うと、『クリスタル・ピース』のスタンド使い、新房硝子が「まだ終わってません!!」と叫び、左腕をネクスト・アルカディアに向けた。 ネプティスは硝子の左腕から何かが発射されると直感で見抜き、実を倒した時と同じように硝子に瞬時に近づいた。硝子はすぐさまクリスタル・ピースを発現させようとしたが、手遅れだった。 硝子の左腕の義手はネプティスの手によってもぎ取られ、硝子はネプティスに顔面を殴られた。脳を揺さぶられた硝子は、その場に崩れ落ちた。 「四人ともいくぞ、一斉攻撃だ!!」 「「「「おう!!!!」」」」 刈出部達五体の異形の幽霊は、同時にネプティスに攻撃を仕掛けた。 檻と無理条は右方向から超音波と毒針を同時に発射し、儀式と報道院と刈出部は左方向から近づいて、ネプティスを攻撃しようとした。 「誰陀お前羅ハぁ!!」 ネプティスはそう言うと、左方向から近づく刈出部達三人を蹴りつけて倒し、右方向から長距離攻撃を仕掛けようとする檻と無理条を、ネクスト・アルカディアで捕まえた。 ネクスト・アルカディアの巨大な手で掴まれた檻と無理条は身動きが取れない。ネクスト・アルカディアはそのまま檻と無理条を地面に叩きつけた。 「よくも皆を!!」 真座利はパンダの獣人に変化し、再びネプティスに襲いかかるが、ネクスト・アルカディアは左手で真座利の身体を叩き潰した。 真座利と刈出部達は幽霊だから死なないものの、再生には少々時間がかかった。 ネプティスとネクスト・アルカディアの、『快進撃』ならぬ『怪進撃』は止まらなかった。 『マイシクル・ティアーズ』のスタンド使い、桐木幻十郎。 『サンバ・テンぺラード』のスタンド使い、リリス・クド・カラオストロ。 『エリミネーター』のスタンド使い、八坂巡子。 『ザ・ヴァ―ヴ』のスタンド使い、賀苅緋紋。 『オホス・デ・ブルッホ』のスタンド使い、ロロ・ロサーノ。 彼らも懸命に攻撃したが、全員ネプティスによって倒されてしまった。 残るのは『フローレンス・アンド・ザ・マシーン』のスタンド使い、奏璃乃。『ヴァルハラ・ダンスホール』のスタンド使い、ショスコム・ウィステリア。 『カサブランカ』のスタンド使い、春奈・モーティマー。運営側の人間である遠見妃奈子とアイリーン・A・G・ノートン。 そして、普通の人間である安倍農円とウィンディバンクの七人であった。 ネプティスは璃乃達を見ると、クククと笑った。 「これ出残るハ七人…。コイツラヲ倒せ場、私はモットモット強くナル…、阿覇覇覇覇覇覇覇!!」 璃乃はそんなネプティスに向かってフッと鼻で笑った。 「それはどうかしらね?」 「…? 同言ウこと陀?」 「まだ貴方に倒されてない人がいるわよ」 璃乃はネプティスの後ろを指差した。ネプティスが振り向くと、そこには服がぼろぼろになった慧と半獣人の形態に戻った真座利、そして、迷宮電器店の亡霊達がいた。 「…魔だ生キテ板のカ」というネプティスに向かって慧は言った。 「ああ、生きているよ。それにしても、どうやらお前はこれだけの攻撃を受けながら、多くのスタンド使い達や幽霊達を倒したようだな」 「ソウだ!! 私ハこれ出さらに強い力ヲ手にいレルことが出来ル!! 何も加茂ヲ乗り越L力に又一歩近づクことがデキタンダ!! 次ハお前達を倒シテ、モットモット強くナルン陀!!」 そう言うネプティスに慧は「そうか」と言うと、「じゃあお前はもう終わりだ」と言い放った。 「オワリ陀斗!? 馬鹿メ!! ミロ!! 私乃スタンドが進化スル様ヲ!!」 ネプティスは自身のスタンドを指差した。慧達が目を向けると、異形の怪物の姿であるネクスト・アルカディアが、さらなる変化を始めた。 背中に生えた瘤が巨大な胴体へと変化し、そこにグロテスクな頭部と無数の腕と触手が生え、腹部には男女の顔が六つ現れた。 身体に付いていた眼球はさらに増え、元々の腕と脚はさらに太くなった。 皮膚の色もどす黒くなり、元のヴィジョンの面影は、全く見当たらなくなった。 真座利はさらなる異形へと進化したネクスト・アルカディアを見て「うわぁッ!! まるでファイティング戦士アベルの最終形態みたい!!」と言った。 そんな真座利に対し慧は「そのネタ知ってる人あんまりいないだろ」とツッコミを入れた。 農円やショスコム、幽霊達も「う~ん」と頭を悩ませた。 そんな慧達を余所に、ネプティスは高らかに笑い声を上げる。 「阿覇覇覇覇覇覇覇覇!! タマゲタカァ~!? これ出私はサラナル成長ヲ遂げルこと蛾出来る!! 阿覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇!!」 ネプティスの身体がゴキゴキと音を立てて、変化をし始めた。アイリーンは恐怖した。もしかしたらネプティスもあのような化け物へと変化するのではないか? そうなればここにいる人間は、皆殺しにされてしまうのではないか? 「い、いやあッ!! ま、まだ死にたくないぃッ!!」 アイリーンはそう叫んで頭を抱えてうずくまった。そんなアイリーンの頭を、慧は優しくなでた。 「安心しろ。あいつはもう『終わった』」 「お、終わった…?」 「ああ、見ろ」 慧はネプティスの方を指差した。 ネプティスは目・鼻・耳から血を流していた。 「なっ…!? コ、これは一体…!?」 ネプティスは突然の事態に戸惑うが、さらなる異変が彼女を襲う。 彼女の両腕と両足が、強い音を立てて折れたのだ。 「ぐ、ぐあああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!!?」 ネプティスはその場で崩れ落ちた。 「えっ? こ、これは、どういうことなんですか?」 妃奈子がそう言うと、慧は黙って倒れているネプティスの方へ向かった。 ネプティスの身体は痙攣を起こしていた。 「なっ…、腕と…足が、折れて…。な、なんで…?」 自分の身体の異変に何が何だか分からないでいるネプティスに、慧は倒れている彼女を見下ろしながら言った。 「簡単なことだよ。君のスタンドが相手を倒して『進化』した分、君の身体も成長した。そして、あのスタンドが更なる進化を遂げた瞬間、君の身体は成長に耐えきれず、『限界を迎えた』んだよ」 「げ…限界?」 「そうさ。君のスタンド『ネクスト・アルカディア』は、夢の迷宮で進化し続けたことで『敵を倒せば倒すほど進化する』能力へと変わっていた。おそらく、その分本体の身体も成長する特殊な能力に変化したんだろうね。きっと、夢の中では君と君のスタンドは無限に成長して、見るに堪えない姿になっていたんだろう。でも、現実の世界ではそうはいかない。夢の中では無限に進化し成長を続けることができても、現実の世界では必ずその進化に限界が来る。君は夢と現実の区別が付かないまま、スタンドを使い続けて進化させていった結果、身体が成長に追い付けなくなり、自滅したというわけさ」 慧がため息をつくと、璃乃が話の交代をした。 「真座利さんがさっき言っていた、『ファイティング戦士アベル』の話と似てますね。あの話の主人公であるアベルは、次から次へと現れる強大な敵との戦いに備えるため、過酷な修行を重ねた結果、人間の面影も見当たらない異形の怪物となってしまった。あなたは『全てを乗り越える力』を手に入れるためにスタンドを戦わせて進化させていった結果、自らの破滅を招いた。でも、あなたはアベルのような怪物にならずに済んだ。もうあなたの戦いはこれで『終わった』のよ」 この璃乃の言葉をネプティスは受け入れることができなかった。 「『終わった』ですって…? まだ、まだよ!! まだ私は終わってなんかない…!!」 ネプティスは倒れた身体を何とか起き上がらせようとするが、身体の中で胃と腸に激痛が走った。 「あああああああああああああああああああああッ!!!!」 ネプティスは更なる悲鳴を上げた。慧はそんなネプティスの胸倉を掴むと、 「いい加減にしろ。お前はただの『負け犬』だ。夢と現実の区別が付かないまま、『自分はまだ負けていない』と見苦しく喚き散らす、弱くて哀れな『負け犬』だ」 と言い放ち、掴んでいた胸倉を離した。 ネプティスはその場に崩折れると、自分はトーナメントで敗退したこと、自分はもう全てを乗り越える力を手にすることができないこと、そして、自分はみずぼらしい『負け犬』であることを悟り、 「……うああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!!! ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!!!!! あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!!! ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!!!」 涙を流して、泣いた。 「ねえ? あんなこと言っちゃって大丈夫なの?」と真座利は慧に訊いた。 「いいんだよ。夢と現実の区別が付いてなくて、かつ、自分はまだ負けてないと言い張る人間には、これくらい言わなきゃわからない」 慧は冷たく放つと、妃奈子に目を向けて言った。 「あなたは確か、討伐部隊のリーダーでしたね」 「は、はい!」 「もうネプティスさんは再起不能だ。どこか病院へ連れて行った方がいい。両手両足の骨が折れていて、多分内臓もダメージを受けていると思うから」 「わ、わかりました!!」 妃奈子はまだ動けるスタンド使い達と共に、ネプティスを担いで公園の外へ連れ出した。 その際、動けるようになった幻十郎は「オラッ! キリキリ歩けッ!」と言って、ネプティスのお尻を蹴飛ばし、ロロは「や~い! ざま~見ろ~!」と舌を出してネプティスを馬鹿にした。 それを遠目から見ていた檻と農円は、「……嫌な人達」「さっきは怯えてたくせに、調子のいい幽霊共だ」と、呆れた顔で言った。 慧は長いため息をつくと、璃乃の目を見た。 「それじゃあ、さっきの戦いの続きを始めようか」 「…………」 慧の言葉を聞いた真座利達は「えっ!?」と驚いた。 「いやいやいやいや! 慧ちゃんはまだ身体にダメージが残ってるんだよ!? まだ戦いを続けるつもり!?」 「ああ。ネプティスさんの件は解決したが、私と璃乃さんの戦いはまだ終わってない」 「…………」 璃乃は黙っていた。慧は璃乃を見て話を続ける。 「あなたのフローレンス・アンド・ザ・マシーンは、香りを作り出す能力。最初のように入眠作用のある香りを私に嗅がせれば、貴方の勝利となる。だけど、私の今の身体はネプティスさんの攻撃を受けて、あちこちがズキズキと痛んでいるんだ。生物の身体に張り巡らされている神経で、脳が素早く感応するのは痛覚神経。身体中に痛みが走っていれば、当然脳は痛みを素早く感知し、他の感覚は鈍く感知してしまう。私は現在そんな状況だから、嗅覚は全く通じない」 「…………」 璃乃は何も言わずに、フローレンス・アンド・ザ・マシーンを発現させた。慧もアイス・エイジ・4・ミッシングリンクを発現させる。 「そうなると、貴方は最初の時と同じように、スタンド同士での殴り合いで勝負しなければならないが、成長した私のスタンドに、貴方のスタンドが到底勝てるとは思えない」 「…………」 「さらに、アイス・エイジ・4・ミッシングリンクは、貴方が投げた入眠作用のある香りを放つ小石を復元することもできる。もしそれを復元し、あなたにそれを嗅がせれば、貴方は眠りについて再起不能となるだろう。つまり、今のあなたに勝機は『一つも無い』んだ」 「…………」 「この勝負、私の勝ちだ」 アイス・エイジ・4・ミッシングリンクがフローレンス・アンド・ザ・マシーンに向かって拳を振り上げた瞬間、慧はその場に座り込んだ。アイス・エイジ・4・ミッシングリンクも姿を消した。 璃乃と真座利は慧が座り込んだことに、目を丸くした。 「……と、言いたいところだけど。残念ながら私はネプティスさんのスタンドに受けたダメージで、もう喋れることしかできない。さっきまではなんとか身体を動かすことができたけど、もう限界みたいだ」 「げ、限界って…、じゃあ」 「そうさ真座利。私はこの試合を放棄する」 「え~~!! 慧ちゃんはそれでいいの!? もう少しで夢が叶うんだよ!?」 「よしんば身体をまだ動かせて、璃乃さんを倒せたとしても、後々後遺症が残ったら、夢が叶っても嬉しくないよ。現に、真座利に噛まれた際の肩の傷、まだ痛むんだよ」 「あ~、それはごめん。勢いでつい噛む力を入れすぎちゃった…」 「いいさいいさ。優勝できないのは残念だけど、真座利と違って私はまだ生きている。自分の夢はゆっくりと叶えるさ」 そういう慧に璃乃は「ふざけないでください」と言った。 「私は先の二回戦で『リスクを負う覚悟』をして勝ち進んだんです。私はさっき貴方に重傷を負わされることを覚悟して、何とか勝機を作ろうとしていた。なのに貴方はそんな私の覚悟を無碍にした! 試合放棄をして、貴方は本当に納得してるんですか!? 私は到底納得できない」 璃乃の言葉に慧は微笑みながら答えた。 「納得できなくてもいいじゃあないか」 「えっ?」 「リスクを負う覚悟をしなくても、勝負に勝つことだって稀にあるってことさ」 「そんな…。そんな、棚から牡丹餅が落ちてきたみたいな勝ち方なんて…」 「そういうものさ。人生ってのは」 慧は璃乃に言うと、立会人であるアイリーンの方を向いて「そういうことでいいかい、アイリーンさん」と言った。 アイリーンはあたふたしながら、 「は、はい! こ、今回の決勝戦は、あ、阿須名慧さんの試合放棄により、か、奏璃乃さんの勝利とします!」 と高らかに言った。 深夜0時35分。 璃乃達は四季の町公園の近くにある総合病院にいた。 総合病院には、ネプティス・アヌヴィッシュや、重傷を負った討伐隊のメンバーも担ぎ込まれた。 そして、傷を負っていない者や、幽霊達もやって来たため、病院の中はまるで宴会のようなにぎやかさであった。 璃乃は慧、真座利、農円、ショスコム、ウィンディバンク、春奈、そして、迷宮電器店の幽霊達と共に広い病室の中で語り合っていた。 刈出部はため息をついて肩を落とした。 「そうか。真座利は二回戦で命を落とし、我々も慧さんに一度消滅させられたのか……」 「あの時は本当にすいませんでした」 「私達はてっきり貴方達のことを幽霊だなんて思ってなくて……」 慧と春奈は幽霊達に頭を下げた。 檻は二人に「まあまあ、そんなに気にしないで」と言った。 「私達だって二回戦の記憶は途中から消えちゃってるし」 「そうそう。気づいたら四季の町公園にいたからなぁ」 「私達は何が何やら、分からなかったわよ」 「ここで詳しい説明を聞いて、状況は呑みこめたがな……」 「しかし、これで我々の望みも叶わぬことに……」 幽霊達は深いため息をついた。真座利は幽霊達を見て悲しくなった。そんな時ショスコムが口を開いた。 「大丈夫だって! 迷宮電器店は僕が大金払って買い取ったからさ」 「買い取った…、ああ、確かショスコムさん、一回戦が終わった後、私とそういう約束したっけね」 真座利が思い出すと、慧が訊いた。 「でも、ちゃんと買い取ることができたんですか? ただでさえ、蒼き清浄なる世界のために、暴力団やマフィアをこの世界から排除しようと声高に叫ぶ潔癖症な連中が多いご時世なのに」 「大丈夫大丈夫。K山市の市長をはじめとしたお偉いさん方とは、きちんと話をつけてきたから」 「話って、まさか拳銃を突きつけて……」 「違う違う。僕の組織に所属している女の子達をバニーガールにして、大人の接待をしてあげたんだよ。もちろん、僕もこの姿で接待したんだよ」 「大人の接待…」 慧、真座利、農円、檻、儀式、報道院、刈出部は顔を真っ赤にした。 璃乃もショスコムの話を聞いて、顔を赤らめた。 なんということだ。世の大人達というのは、女の色香で陥落してしまうほどのダメ人間の集まりなのか。 もしや、衆議院や参議院選挙前の票集めも、裏でこんな酒池肉林が繰り広げられているのではあるまいな。 璃乃がそう考えていると、刈出部が咳払いをしてショスコムに言った。 「ということは、迷宮電器店は安泰なのだな?」 「うん。来年からアミューズメントパークに改装するための工事を行う予定だよ」 「やったー!! これで迷宮電器店は安泰だーー!!」 「「「いやっほーーーー!!」」」 真座利、檻、無理条、儀式は飛び上がって喜んだ。その際、天井を突き抜けて上の病室へ入ってしまったため、そこにいた入院患者が悲鳴を上げた。 「おい、そんなにはしゃぐな!! 他の患者に迷惑になるだろ!!」 「嬉しいのは分かるが、他の患者も入院してることを忘れるな!」 「もっと静かに喜べないのか!」 「周りに迷惑をかけてはならんと、いつも言っていたろう!」 農円、ウィンディバンク、報道院、刈出部が注意をした。真座利達は「す、すいませ~ん」と、四人と上の病室の入院患者に謝った。 「とはいえ、俺も真座利が慧さんの家で幽霊生活を送っていることがわかったし、今日は討伐部隊としてここに来て良かった」 「僕達は真座利さんの安否と、慧さんがどういう人なのかを調べるために参加したんだよね」 「幽霊の旦那達を消滅させた奴がどんな奴なのかを一度拝見して、もしどうしようもないクズだったら、イザドラとステイプルトンに代わってブチ殺そうかと思っていたが、礼儀正しい奴で良かったよ」 「皆さん、すいません。私が自分のスタンドを使ったことで、あんなことに…」 「いやいや、もう過ぎたことだ」 「過去のことは水に洗って、これから先のことを見据えながら、今日はゆっくりと語り合おうではないか」 「は、はい!!」 春奈は涙を流しながら笑顔で言った。 病室が笑い声で包まれていると、璃乃は病室の扉を開けた。 「どこへ行くんだい?」と慧が訊くと、「ネプティスさんのいる病室です」と答え、病室の外へ出た。 璃乃は病院の廊下を歩きながら、四季の町公園で立会人のアイリーンに、自分の、否、志保の叶えようとした願いを言ったことを思い出した。 「と、『トーナメントを終わらせたい』…ですか?」 「はい。これが私の、いえ、私の友人、菊谷志保の叶えたい願いです」 璃乃はアイリーンにそう言った。 「私は、このトーナメントが何のために行われているのか、何を最終目的としているのか、上層部でないから分かりません」 「でも、このトーナメントは明らかにおかしい」 「これまで数多くの死者を出しているのに、運営は平然としてトーナメントを続行させ、そして、一部の敗退者を『処理』している」 「さらに、これまでの出場者の中には、犯罪者や裏組織の構成員や幹部である人間もいた」 「志保は、こんな歪な企画を打ち立てている運営側に、一矢を報いようとしていたんです。『トーナメントに出場し、優勝して、このトーナメントを完全に終わらせたい』と、志保は私に語っていました」 「でも、その願いを運営上層部に知られてしまったのか、志保は粛清されてしまいました。私は志保の死を聞いて、大声で泣きました。そして、その後決意したんです」 「本来出場する予定だった志保の代わりに私がこの血を血で洗うトーナメントに出場し、優勝しよう。志保の『トーナメントを完全に終わらせる』という願いを実現させようって」 「だからお願いです! 今すぐ『トーナメントは二度と行わない。トーナメントは無期限休止にする』と、約束して下さい!!」 志保の言葉を聞いたアイリーンは「う~ん」と呻った。 「そ、そんなこと言われても、わ、私はどうすれば……」 アイリーンが悩んでいると、「みなさ~ん、お疲れさまでした~」と言いながら、妃奈子がやって来た。 アイリーンは先輩である妃奈子が戻って来たことに安堵して、「せ、先輩~」と近寄った。 「ど、どうしたの、アイリーン?」 「じ、実は、か、かくかくしかじかでして…」 アイリーンは右手に将棋の角の駒を、左手にシカのぬいぐるみを持って説明した。 「成程…、『トーナメントを終わらせる』ことが、璃乃さん、いや、璃乃さんの友人であった志保さんの願いだったというわけですか…」 「そ、そうなんです~。ど、どうしましょ~?」 「さあ、叶えるんですか、それともしらばっくれて叶えないのですか? はっきりして下さい」 璃乃がそう言うと、妃奈子はこう答えた。 「あなたがその願いをアイリーンに言わなくても、トーナメントは無期限休止になることが、既に上層部の会議で決定しました」 「えっ」 妃奈子の答えに璃乃は驚いた。 「無期限休止が既に決定したって…どういうことですか!?」 「いやですね。ネプティスさんが『自分はまだダンジョンの中にいる』と勘違いして、各地で大暴れしたせいで、多くの一般人や警察官が被害に遭ったんですよ。んで、ネプティスさんが指名手配されたと同時に、警視庁のお偉いさん方がネプティスさんのことを調べていくうちに、トーナメントの存在を嗅ぎつけてしまって、これ以上トーナメントを続ければ、警察もしくは政治家、はたまた自衛隊と全面戦争になる可能性が高くなったのです。運営側から犠牲者が出るのも嫌だし、トーナメント運営の存在が表沙汰になって、テレビや新聞で連日報道されるような大事件になるのを避けるために、運営上層部はトーナメントを無期限休止することを決めたのです。まあ、後一回くらいやる予定みたいですけれど」 「そ、そんな…。じゃあ私が決勝戦で勝っても負けても……」 「はい。志保さんの願いは無事叶えられたのです」 妃奈子ははっきりと言った。 「まあ、その願いが叶うきっかけとなったのは、運営側のヘボ新人とネプティスさんだったというのは、皮肉でありますけどね」 「それじゃあ私は一体何のために…、何のために…」 璃乃がその場に座り込むと、慧が璃乃の肩に手を置いた。 「いいじゃあないか。その願いは違った道のりだったけど無事叶ったんだし。志保さんもきっと喜んでいるはずだよ」 「…そりゃあ、願いが叶ったのは嬉しいです。でも、こんなことってないよ……」 璃乃は両目から涙をぽろぽろと流した。 その後、璃乃達は捕まったネプティスや重傷者達と共に、運営側が用意した車に乗り、近くの総合病院へと向かった。 璃乃は廊下を歩きながら思う。 確かに、自分の、否、志保の願いは違った形で叶えられた。でも、それは自分の力で叶えられたものではない。 様々な偶然が重なった結果、たまたま叶っただけにすぎない。自分は最後の最後で、きまぐれな偶然の女神に助けられたのだ。 『運も実力のうち』という言葉がある。しかし、璃乃はその言葉を否定する。 (あの戦いの本当の勝者は、自身の引き際を見極めることのできた慧さんだ。私はただ、自分の力を使わずに、偶然の女神におんぶに抱っこしてもらって、形だけの勝利を手に入れた、『敗者』だ。そんな敗者が出来ること。それは……) 璃乃が廊下を歩いていると、車椅子に乗った実が彼女に訊いてきた。 「そこの娘よ、ひとつ訊きたいことがある。迷宮電器店の幽霊達は今どこにいるか知っているか?」 「え? それを私に聞いてどうするんですか?」 「いやな。五年前、赤毛連盟というネット右翼の集団が狼藉を働いたことを、日本男児として謝罪したいのだ」 赤毛連盟が引き起こした事件は、璃乃も知っていた。 「そうですか…。それなら、その幽霊達は慧さんの病室にいますよ」 「そうか。教えてくれて、感謝する!」 実はそう言って、車椅子を高速で動かし、慧の病室へと向かって行った。実を目で見送った璃乃は、目的地へと向かう。果たして、そこに着いた。 璃乃が向かっていた場所は、ネプティスがいる病室だった。その病室の扉の前に、眼鏡をかけた女性が立っている。新房硝子である。 「すいません、あなたはたしか…」 「ああ、さっきはどうも。新房硝子です」 「こちらこそどうも。あなたもネプティスさんに用があって来たんですか?」 璃乃の問いに硝子は「はい」と答えた。 「私、ネプティスさんと話がしたいんです。私は彼女の『全てを乗り越える力を手に入れたい』という気持ち、良く分かるんです。私も『強くなりたい』と思ってましたから……」 「そうですか。でも、ここは私と彼女二人だけにしてくれませんか? 私、今回のトーナメント二回戦で、彼女と会ったんですよ」 「えっ、そうだったんですか?」 「ええ。だから、今夜は彼女と色々話がしたいんです。落ち込んでいる敗者を慰められるのは、あの試合の本当の勝者である慧さんではなく、本当の敗者である私ですから」 「そうですか…。なら、私はお邪魔ですね。いいですよ、先に入っても」 「ありがとうございます」 硝子に礼を言うと、璃乃は病室の扉を開けた。病室には、ベッドの上でネプティスがまだ泣いていた。 「うああああああああああ……あああああああああああああッ!!!!」 璃乃はそんなネプティスの頭を撫でた。 「ほら。もう泣かないでください」 「うああっ、あ、あなたは……」 「また会いましたね。奏璃乃です」 璃乃の顔を見ながら、ネプティスは涙と鼻水を垂れ流す。 「璃、璃乃さん…、わ、わたし、私は……!!」 「いいの。もういいのよ」 璃乃はネプティスの涙と鼻水を拭きながら、彼女の身体を抱き寄せた。 「今日は飽きるまでいっぱい話をしましょう。あなたの話を、私に聞かせてちょうだい」 ★★★ 勝者 ★★★ No.5405 【スタンド名】 フローレンス・アンド・ザマシーン 【本体】 奏 璃乃(カナデ リノ) 【能力】 様々な「香り」を生み出す オリスタ図鑑 No.5405 < 第16回:決勝② > 当wiki内に掲載されているすべての文章、画像等の無断転載、転用を禁止します。 [ トップページ ] [ トーナメントとは? 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