約 1,243 件
https://w.atwiki.jp/saki_nodoka/pages/65.html
「あんた、ちとやりすぎたみたいじゃのう?」 「そうみたいね。まさか二人があそこまで真直ぐだとは思わなかったわ。 咲はいずれボロが出て、本心を隠しきれなくなると思っていたし、 和にしたってあそこまで営業用のスマイルに振り回されるなんて」 「カップルジュースを持っていたこっちまで気まずくなったわ。 なあ、一体これからどうするんじゃ?」 「うーん、神のみぞ知る、かしらね」 「おいおい、なんじゃそれは?」 「障害の多い恋ほど燃え上がる。そういうもんでしょ?」 「相変わらず鬼じゃのう……」 「もう卒業なんだから、これくらいは楽しませて貰わないと。 それにきっと大丈夫よ。ああ見えて咲は芯が強いから」 「和はああ見えてお子様なんじゃがのう…」 「それでバランスが取れているんだから、心配無いわ」 「はあ……。だといいんじゃが」 原村さんは私の差し出したハンカチの陰で、暫く泣き続けた。 「どうしたの?」 何度そう尋ねても、返って来るのはただ一つ 「何でもありません」 という答えだけ。 (何でもないわけない。どうしたの原村さん?) 彼女を励ましてあげたくて仕方がないのに、 私は自分がそのやり方を知らないことに気が付いた。 「そういう時は黙って女の子の肩を抱いてあげるのよ」 部長から特訓の際にそう教えられたけれど、ホストのサキとしてではなくて、 宮永咲として、私は原村さんの涙を止めてあげたかった。 彼女のことが好きだから、他の誰でもない、 自分の手で悲しみを取り去ってあげたかったのに……。 私は結局どうすることも出来ずに、立ち尽くすだけだった。 やがて原村さんは泣きやんで、最後に消え入りそうな笑顔を浮かべた。 一緒に出店を回りたかった。 面白そうな出し物があったら二人でそれに参加して、 たった一度の想い出を作りたいと思っていた。 クレープを食べて、お茶を飲んで、そして手を繋いで。 そんな一つ一つが掛け替えの無い時間になると思っていた。 でも結局、文化祭の間一度も原村さんと出歩く機会は無かった。 私は声を掛けることが出来なくて、彼女も声を掛けてくれなかったから……。 最終日も終わって、「麻雀メイド喫茶」は片付けに入った。 客席代わりに使っていた机をばらし、染谷先輩のお家が営む喫茶店や、 交流が出来た風越、龍門淵の麻雀部から貸して貰った雀卓を、 業者に運んで貰うために梱包する。 私と原村さんが最後まで飲めなかったカップルジュース用のグラスを 洗って戸棚にしまい、もう使わないストローをゴミ箱に捨てる。 思わず溜息が漏れたその瞬間、不意に部長に声を掛けられた。 「咲、和。これを処分してきて」 そう言って部長が指し示したのはもう使わないパネル。 私達はその言葉に従って、校庭で焚かれているキャンプファイヤーへと向った。 出店の売れ残りを食べている生徒達。そんな彼らと一緒に片づけをする先生。 まるで返す波から漏れてしまった水滴が浜辺を濡らして日に照り返すように、 文化祭の高ぶりや感動の名残が、校舎の至る所に満ちていた。 私と原村さんはその中を無言で歩き、やがて火柱を上げる井桁へと辿り着いた。 「御願いします」 ファイヤーキーパーをしていた美術の小林立先生にパネルを渡すと、 「文化祭は楽しめた?」 と尋ねられた。私も、そして原村さんも無言でいると、 「もったいない。まだ終りじゃないんだから、今からでも楽しみなさい」 立先生はそんなことを言った。 井桁から立ち昇る炎の周りには多くの生徒が集まっていて、 ファイヤーフォークを踊っていた。 太陽が地平線の向こうへと姿を消した西空は、僅かに残る光で赤く染まり、 昇ったばかりの満月が煌々と輝く東空は、まだ宵には早い紫色に包まれている。 一日が終わる直前の、最後の残り火のような時間。 私と原村さんの吐息が白く曇って風に流れていく。 その時 ♪ 諦めたら終わり 気持ちをリセットして ♪ 立先生がそれまで流していた音楽を変えたみたいで、新たに別の歌が始まった。 (諦めたら終わり………そうだよね) 私は麻雀部の部室へ帰ろうとする原村さんに声を掛けた。 「一緒に、ファイヤーフォークを踊ろうよ、原村さん」 Yシャツにスラックスを履いた男装姿の私を見て、彼女が尋ねる。 「ホストとしての言葉ですか、サキさん?」 「違うよ。宮永咲としての御願い。私、原村さんと一緒に文化祭の想い出を作りたいんだ」 そう言って右手を差し出すと、躊躇いがちではあったけれど、 原村さんは左手を出してそれに応えてくれた。 彼女の手をしっかりと掴んで、その体を自分の方へと引き寄せる。 吐息が掛かる程原村さんを間近に感じながら、私はステップを踏み始めた。 「あんまり踊りは上手くないから、足を踏んじゃうかも知れない。 その時はごめんね。原村さん」 「はい……。私も上手くないので、踏んでしまったらごめんなさい」 ♪ 今ちょっとだけ 目を閉じたら ♪ ♪ せめて私が落ち込んでるの隠せるのかな ♪ 私は一度目を伏せてから、真直ぐ原村さんを見つめた。 「原村さんと一緒に文化祭を回りたかったんだ。 二人で想い出を作りたかったから」 「………」 「だから、ずっと話が出来なくて、凄く寂しかった」 「……私も、です」 「どうしてこんな気持ちになるんだろうって、そればかり考えてた」 「…答えは、出たんですか?」 「うん」 繋いだ手に力を込めて、私は本心を打ち明けた。 「あのね、私、原村さんのことが好きなんだ。 原村さんと一緒に居たい、その目で私を見ていて欲しい」 「み、宮永さん……」 「急にこんなこと言って、ごめんね。 でも、もう原村さんと話が出来ないなんて、嫌だから」 夜の帳が折り始めた星空の下、私達は炎に照らされながら暫く無言でステップを踏んだ。 「原村さんの気持ちを、教えて?」 風が吹いて、流れた彼女の髪の毛が私の唇に触れる。 「私も、宮永さんのことが好きです。 他の人を見て欲しくない。私だけを見ていて欲しい。 そんな風に思ってしまうくらい、あなたのことが好きです」 ♪ ただひとつ願い抱えて ♪ ♪ それぞれの運命 賭ける負けないよと ♪ 額をくっつけると、原村さんの温もりが感じられる。 鼻先が触れ合うのがくすぐったくて、 笑い声を漏れるのと同時に、彼女の瞳から涙がこぼれる。 私はそれを止めたくて、口付けをする。 Yシャツとメイド服が触れ合う衣擦れの音が微かに、けれどはっきりと耳に届く。 私達は火に照らされながら、ステップを踏む。 「好きだよ、和ちゃん」 「何だか、格好よくて複雑です。咲さん」 「でも、本当に好きなんだ」 「はい………///////」 「もう少し、こうしていてもいい?」 「……勿論です……///////」 「戻って来ないと思っていたら、こんなとこに居たのね」 「ほう。まあ、上手くいったみたいじゃのう」 「そうね」 「おや、議会長の竹井君に、二年生の染谷君じゃないか」 「あら、立先生」「おお、小林先生」 「ファイヤーキーパーですか?」 「ああ、もう少しだけ頑張らないと」 「「お疲れ様です」」 「いやいや。それより、アニメの第二期が楽しみだね」 「ふふ、そうですね」「楽しみじゃのう」 「さあ、君達も踊ってきなさい。今日はお祭りなんだから」 「「はい」」 「命短し、恋せよ乙女」 ファイヤーフォークを踊りながら、お互いの気持ちを確かめ合った 私と宮永さんは、暫く火の周りでステップを踏んだ後で、 校舎脇に広がる雑木林の暗がりへと、入っていきました。 「二人きりになりたい」 宮永さんがそう言ったからです。断る理由などない私が頷くと 彼女は繋いでいた手を引いて、火柱が上がる井桁の前を離れました。 やがて人目に付かない場所まで分け入ってから振り向いた宮永さんは、 微かに届く井桁の炎光と、空を覆う星々の瞬きに照らされて、 普段とは違う雰囲気に包まれているように見えました。 「麻雀メイド喫茶」のホストをしていた関係で、ノリの効いた白いYシャツに スキニー(細身)タイプの黒いスラックスという男装姿の彼女は、 そのボーイッシュなショートカットも相まって、月並みな言い方ですが 「何だか、王子様みたいです……//////」 「え?」 宮永さんが驚いた顔をするのを見て、私は思ったことを そのまま口に出してしまっていたことを知りました。 「お、王子様かな…?……///////」 「す、すいません。でも本当に今日の宮永さん、格好良くて」 「ううん、嫌とかじゃなくて。えっと、原村さんはこういう方がいい?」 「え?……いえ、普段の宮永さんも十分素敵です。でも…… そういう姿も新鮮で、ドキドキします……//////」 「そっか、じゃあ、王子様としてエスコートするね……… …………………和」 「!?」 「どうしたの、和? 名前で呼ばれるのは嫌かな?」 「い、いえ。そんなことありません、咲さん………///////」 繋いでいた自分の手が彼女の口元へと引き寄せられ、 そして薬指の付け根に軽くキスされる。 その一連の動きが、まるでスローモーションのように はっきりと見えました。唇が触れた瞬間思わず体を強張らせた 私を見て、宮永さんが魅惑的に笑いました。 それは「麻雀メイド喫茶」でホストをしていた時の姿そのまま。 いいえ、それよりももっと洗練され、それでいてどこかこの闇が似合う、 まるで夜の気配を帯びた退廃的な王子様のようでした。 (部長、こんなことまで特訓していたんですか?) そんなことを思っていた私に、宮永さんがショートカットに整えられた 中性的な顔を寄せて来ました。その瞳に映るキャンプファイヤーの火が どんどん大きくなり、思わず後ずさりしましたが、しかし背後を木に塞がれた ところで彼女に追いつかれ、人差し指で唇の稜線を軽くなぞられました。 「和、目を瞑って」 その言葉の意味を悟って、私は硬く瞼を閉じました。 しかし、暫く待っても“期待した感触”は訪れません。 不思議に思って目を開くと、そこに先程と同じ魅惑的な 笑顔を浮かべる宮永さんの姿が………… 「からかわないで下さい」 思わずそう言おうとしましたが、しかし言葉になりませんでした。 彼女の唇によって自由を奪われ、声を発することが出来なかったからです。 (み、宮永さん………………っえ!!?) 思いがけない事態に体が反射的に抵抗しましたが、しかし宮永さんは、 私の言葉を奪うだけでは満足出来なかったようです。 口蓋に割り入って来た彼女の舌に、私は残っていた最後の 意識まで絡め取られてしまいました。 「……宮永、さん……………」 力が抜けて腰砕けになった私の体。 そのまま尻餅をつくかと思った所で、しかし宮永さんに拾われました。 私の両足の間に彼女が膝を入れ込んだのです。 背後の木に、宮永さんの膝でピン留められた私に、彼女が囁きました。 「和。膝が、温かいよ?」
https://w.atwiki.jp/tsuduki/pages/118.html
作戦 【地形】 ≪山林≫ 周囲の森や林、くぼ地に身を隠す 土や枝、葉っぱをかぶせて偽装する。 枝葉などを使って偽装するときはなるべく自然な模様になるようにする。 偽装に使う植物はその土地の気候にあったものを選び、定期的に交換する。 森林または雪原の模様をした迷彩服を着る。 偽装用ネットを使う。 皮膚に擬装用のペイントを施したり、どろやすすをつかって迷彩を施す。 歩兵による伏撃が可能 木々を遮蔽として身を隠す事が出来る 木々や凹み地に伏せて衝撃を緩和 密度の高い森林地の場合、大型機はつっかえるため行動の邪魔が出来る 歩兵ならば小さいので、活動に支障がない 木に登る事で上から攻撃することが出来る 下生えや木の根、木の洞などに身を隠す事で防御効果が期待できる 高低差、木々により入れる戦力に限りがあるため、敵戦力の選別を行える。(ただしこちらも歩兵に限られる) 機動力はあまりないが歩兵であれば、この地形でも踏破可能。 ≪山≫ 岩石の崩落や雪崩に気を付ける。または、それを利用して攻撃する。 河川の上流で土砂崩れがあった場合、下流は危険なので避難する。逆に敵を下流に追いやる。 足跡から部隊の人数を悟られないようにするため、泥や湿地などでは、後ろの者が前の者の足跡の上を歩く。 ≪全般≫ 攻撃の的にならないよう、稜線や丘の上などの高所をさけ、低地を移動する。 地形地理や自然条件、建築物などを盾や目くらましとして使い、防御・回避を行う 予め攻撃が来る方向を予測しておき、遮蔽になるであろう物を見つけておく。 凹凸のない場所はなるべく避ける。 【装備】 ≪全般≫ 対雪装備や対砂装備を施した靴を使用。速やかに、最小限の労力で移動できるようにする。 豪雪地域用に、裏が鮫肌の「歩く」用のスキー板とストックを装備 北国から豪雪用装備を融通してもらい、全部対着用。 迷彩服(服のカラーはリバーシブルで。表白、裏迷彩柄)を着用して地域に応じて着替え、隠蔽性を高める。 飲み水や簡易食料を欠かさないこと 武器への迷彩:森、雪原などの地形に応じて武器にカモフラージュペイントを施すことで周囲の背景にとけこんで目立ちにくくなる。 雪盲対策のための帽子やフェイスペイントを施す。 装備ににカモフラージュペイントを施すことで周囲の背景にとけこんで目立ちにくくなる。 迷彩によって距離感を狂わせる ≪歩兵≫ 双眼鏡:目標の正確な位置を測定できる。 プレート入りの防弾ベストによる高い防御性能 迷彩服着用、フェイスペイントをしておく。 ≪大剣士+騎士≫ 盾を装備しているために、必ず体の一部分は常に防御できる。 大剣や馬上武器でも防御が可能である。 【陣形】 敵戦列に適応する陣形を組み、全体での防御力を上げる。 乱戦に陥った場合、円陣を組み、全方位からの攻撃に備えると同時に、横の連携を取り防御力を組む。 有視界内では仲間との連携をブロックサインで密に取る。 防衛線を敵の突撃に合わせて押し上げ、敵の出足を挫く。 衝突する瞬間、わずかに後退し、衝撃を緩和する。 防衛線からリーチの長い武器(槍など)を突出させ、敵の突進を阻む。 内部に敵を浸透させないよう、密度の高い防御体制を敷く。 前列を3重ほどの厚さに隊列を整え、突撃の衝撃に耐える。 【体術】 ≪全般≫ 相手が攻撃してきた際は体全体を攻撃線からはずすようにして防御する。 周囲の遮蔽物使って身を隠す 回避するときは常に建物の壁を背にする。 遮蔽物や塹壕、地面のへこみなどを利用して直接敵の攻撃をくらわないようにする 各員が常に情報リンクする事で、敵情報を速やかに伝達し、回避がスムーズにできる。 防御に使える物は全部使い伏せの可能不可能に関わらず身を限りなく低くする。 敵に対して装甲の厚い面を極力見せるようにする。 防御するため、しっかりとした足場を立ち回れるようにする 敵に接近して走り回ることで相手の視界から見えなくなり反撃を防ぐ 部隊員と死角を補い合う 力みすぎないよう心がける(動きに柔軟性がなくなるから) 相手の勢いを意識する 相手との間合いを意識する 自分にとってベストの間合いで戦うことを意識する 気を抜かず、最後までしっかり防御に集中する 即座に行動できるよう自身の姿勢を意識し、常に維持する 敵の攻撃を回避する時はただ後ろに下がるのではなく斜め前方か後方に移動して回り込みすぐに反撃できるように体勢を整える。 敵の目の動き(赤い光の動き)から回避動作を選択する 鼻の効く犬妖精に判断を仰ぎながら戦う 視界が不良でも、オペレートによって位置情報を連絡してもらうことで、統率の取れた防御動作が可能となる。 敵の挙動をつぶさに観察し、少しでも不審な動きをすればすぐに回避行動を行う 望遠ズームやセンサーを最大限駆使し敵情報を速やかに得ることで回避がスムーズにできる。 不正規機動(重心を揺らしてふらふらと移動する)で、予測射撃を防ぐ。 倒した敵の身体を盾に利用する。 ≪大剣士+騎士≫ 相手が白兵戦を仕掛けてきた場合は、盾だけでなく、剣を使用し敵の打撃を受け流すようにする。 防御時は常に盾が自身を大きくその影に入れられるように盾を構える。 面積自体も巨大な為、遠距離でのスリングや弓矢などであれば、剣の腹で防ぐことも考える。またその際は打撃方向に角度を付けて攻撃を逸らす。 相手の攻撃は受け止めずに、かわす・そらすことを基本とする。攻撃面に対して90度方向からの打撃を加えるとほとんど力を使わずに攻撃を逸らすことが出来る。 騎乗中は馬の機動力を生かして回避したり、動き回ることで敵を撹乱する。 威容を誇る大剣を誇示することで敵にプレッシャーを与え、ひるませる。 ≪対白兵防御≫ 相手の攻撃が来た場合、銃や杖、刀など手持ちの装備を使って防御する。 攻撃の軌道を見極め上段・中段・下段の防御を使い分ける。 攻撃を受けても動きが止まらないように受け流す 一度に攻撃されないように一対一を繰り返すように立ち回る 《詠唱防御》 魔法を分散させて当てる事で敵の動きを止める 先ほどの詠唱戦行為に使った魔法陣を防御に転用、そのままぶつけて相殺する。 理力使い系のアイドレスが理力障壁を展開し、敵の攻撃を僅かでも防ぐ 前方に詠唱によって防御壁を展開する 強力な攻撃には、数名で集中して防壁をはる 地形を利用し、防御壁や隠蔽のための幻術を使用する。 ≪オペレータとの連携による防御と回避≫ オペレーターからの情報で敵の陣形が判っており、敵攻撃の弱い方向へ移動する オペレーターからの情報で敵の種別が判別しており、敵の攻撃に関する情報がある オペレーターからの情報で敵の移動ルート及び移動速度が判別しており、最適な回避・防御行動が取れる オペレーターからの誘導で、火力を展開するのに適切な配置が行われている オペレーターからの誘導と地図から、最適な移動ルートがとれている 地形情報のオペレートをうけることで、隠蔽がとれる地形が判っている 地形情報のオペレートをうけることで、安定した射撃姿勢が取れるポイントが判っている 会話をすることで緊張をほぐせる SS・イラスト 刻一刻とその密度を上げつつある緑オーマの攻撃を、鎧で受けると剣神隊の三祭ノアが声を上げる。 「まだまだ後ろに護らなきゃならないものがありますんでね…何を受けようと、倒れるわけには行きませんなッ!」 そして、体制を崩した相手へと必殺の一撃を叩き込む。 NWからの物資と共に愛鳴藩国から送られた際には、紅く輝いていた剣神隊用の鎧一式は元とは別の赤で染まり始めていた。 もちろん、自分の、味方のそれではなく敵のそれでではあったが。 過酷な戦場になればなるほど、戦争は無言から遠ざかっていく。 攻め手は自分の心を鼓舞するために。 守り手は、まだ戦えることを確認するが如く。 「伊達に騎士やってる訳じゃないですよ!この盾捌きをみよっ!」 そう良いながらSVLは、大剣を地に突き刺すと左手に持った盾で突撃してきた緑オーマの槍撃を横に逸らす。 そして、縦を叩きつける動きすら利用して大剣を引き抜くと水平に一閃したみせた。 槍使いと同時に攻撃を仕掛けようとしていた剣士がその一撃で地に伏せる。 守り手からすると、永遠に敵の攻撃が続くのではないかと不安。 攻め手からすると、敵は疲労もなく守り続けて、敵陣を落とずに終わるのでは無いかという恐れ。 それらを一時なりとも押さえるために、熱狂の要素を高めていく。 「今は耐える時・・・ そう私の攻撃が終わったら次は相手の番だ。ここで倒れなければ次はまたこちらの番・・・」 戦場音楽と周囲の怒声でかき消されそうな静かな口調で九頭竜川がつぶやく。そして、力を入れすぎるあまりに 体制が崩れた緑オーマに大剣を叩き込む。 そして、永遠とも思えた一時が終了するしたかのようにオーマの攻撃が緩やかになっていく。 地と泥には塗れたモノの、誰一人として掛けることが無く揃う愛鳴の剣神隊。 まるで、藩国の技族/文族が昼夜を問わずしてこの戦いに間に合わせた剣神隊、それがおちるはずがない。 そう言っているようですら有った。 (文:脚立@愛鳴藩国) #ref error :画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。 (絵:ホーリー@都築藩国) 地響きが聞こえる。軍勢が近づいてくる。 戦争音楽、交響曲。 だがそこに、自分達の断末魔などいれてやるものか。 死んでも、いれてやらん。 緑オーマの軍勢の苛烈な攻撃に晒され始め、数秒後。 怒号と剣戟の音が響き渉る。 「バディ見失うなよ!そこ、陣形崩すな!」 「固まり続けろ、孤立するな!」 即席の木の棒に括りつけた旗がひらめく。わんわん帝國の印をこれでもかと言わんばかりに描かれていた。帝國がやる出兵ならこれは外せんだろうと、どこぞの駄目藩王が急遽作らせたものだった。彼の国の領民が育てた藍の染め抜きの旗は、まだいっぺんも土に汚れてはいない。 「敵、投石!」 「中央部隊、盾上方向け!」 「了解、中央部隊、盾上方向け!」 どうんと重い衝撃がそれぞれの腕に伝わってくる。だが、膝を屈してでも、倒れこんでも、彼らはまた立ち上がろう。 「屈するな!屈するな!心だけは、屈するな!!」 「帝國の臣民として、ここで負けるわけにはいかないんだよ!」 旗がひらめき、指令が飛び交い、そして檄が叫ばれる。陣形は確固として崩れずに、密集した盾と理力の壁はその場にとどまり続ける。皆が皆、歯を血が出るまで食いしばり、恐怖に勝とうとしていた。死んでも大神殿さえあればなんとかなる、などという考えは持つなと、そう言われていた。逃げ道なんざ格好悪いだけだと、指揮者は笑ったものだった。 「心は、一度折れれば直すのは難しい。だから、立て続ける。真っ直ぐに、天を目指してだ。」 敵の攻勢がピークに達するとき、彼らは叫ぼう。我らは勝つと、我らは負けぬと。 全ての反吐が出る事柄に、ここから反撃だと。 ―――旗は、最後まで倒れない。 (文:都築つらね@都築藩国) 応援RP
https://w.atwiki.jp/hazama/pages/1395.html
編集/ 20130622| 20130629| 20130629/コメントログ| 20130727| 20130907| 20130907/コメントログ| 20130914| 20130914/コメントログ| 20130921| 20130928| 20130928/コメントログ| 20131109| 20131123| 20131228| 20131228/コメントログ| 20140111| 20140112| 20140201| 20140201/コメントログ| 20140329| 20140419| 20140419/コメントログ| 20140621| 20140621/コメントログ| 20140712| 20140712/コメントログ| 20140906| 20140906/コメントログ| 20141025| 20141108| 20141108/コメントログ| 20141227| 20150124| 20150523| 20150725| 20150725/コメントログ| 20150912| 20150912/コメントログ| 20150926| 20151024| 20151205| 20160319| 20160319/コメントログ| キャラクターズ| ループ法則| 参考資料:サーターの諸部族 侵月 第2章10話:第2章3話(9)(10) 奪われたままの時に今終わりを告げるため歩き続ける若者たちの物語 ▼登場キャラ さるきど ネイリング F18 siz13/int15/app16 【ヴィンガ・狩人】 武装:背中にグレートソード、右手にジャベリン、左手にターゲットシールド、肩掛けベルトにナイフとか 衣装:現代地球でいうところのタンクトップ、スパッツ、薄革のマント 背景:ゲータ氏族、ケルドンの部族、限界集落出身。強い男(+美形)を旦那として連れ帰るべく、婚活中。 元ジャベリンと盾競技の国体選手。 Kon モチャ M18 siz20/int13/app07 【エルマル・ハイラーマ戦士】 武装:モール、種 衣装:厚手の革コート 背景:コリマー部族の客将。預けたまま放置している乗騎を気にしている。 ぷんた ウォード M18 siz14/int16/app12 【オーランス・農夫】 武装:シールド、バトルアックス2h 衣装:クイルブイリ 背景:ヴァンタロス族出身、背中に不破の剣の欠片が封印されている。 故郷に両親と姉 yukihito ギ’ロル 両生 siz4/int13/app? 【ニュートリング】 武装:ターゲット、ショートスピア(水銀) 衣装:葦のベルトに装備をぶら下げるスタイルが基本だが、今は村にあった厚手の皮を巻き付けている。 背景:ひょうたん淵出身。元々外の世界に憧れを持っていたが、村にやってきた災厄を機に出奔。 尻尾が2本あり、うち1本は一部が切り取られた上で炙られている。 かつては違う名前で呼ばれていたが、自分を含む皆の記憶が置き換わった? aza アキム M16 siz13/int14/app13 【オーランス・牧夫】 武装:ターゲット、ブロードソード、アーチェリー 衣装:薄手の革+クイルブイリ 背景:サーター北部辺境(プリンセロス族)の牧夫出身。 出生の問題で家族にちゃんと受け入れられずに育ち、最低限の知識を得てからは最も遠い荒れ地で牧羊犬に話しかけるだけの人恋しい幼少期を過ごす。 ルナー襲撃による家族離散を機に出奔。人が一緒にいるのが嬉しくて、ずっとしゃべっている。 NPC エムル F8 背景:ルナーに襲われたオーランス集落から逃げ出した女の子。行方不明。 バットの触手の餌食になろうとしていたところをウォードの剣が阻んだが・・・? NPC メルラ F16 背景:ルナーに襲われた別のオーランス集落からアキムに助けられた集落一の美少女。オババ候補。 NPC モルトーケス M? 背景:ターシュ出身のヤクスンチェン。バットカルトに強い遺恨を持つ。 ▼ログ 1600年頃 火の季 末 ザ・クリークの支流のC村 占領していたルナー兵を追い払った後の戦後処理。 17:00過ぎ頃から 第2章第3話(9) モチャがルーパー 20 00 C村から川の下流に16距離進んだところ。 小休止していると思しきルナー兵の一隊を捕捉。 山の斜面の影に潜んでいるらしい。 味方本隊(アキム、ウォード、モチャ、ギロル)が一瞬、 光が灯ったのを確認(ランタンの覆いが一瞬開けられた感じ) 30m先の稜線の上に見張りが2名、さらに奥の20mの広場で ルナー本隊が休息しているらしい。 別働隊のネイも聞き耳(ストック)で味方が近づいてきている音や 敵の配置などがわかってしまう。 川の対岸には村人射手が二人配置。 3部隊はお互いの連絡手段がなく、結局、本隊が動くのを待つことに。 メルラは光呪文が使えなかったことが判明。 色々考えた結果、結局、見張りを無視して大挙して突撃することに。 モチャが先陣を切って突撃。 視力(ストック)でボス(バット司祭?)の位置を特定。 ジャベリン(ストック)でボスの胸を貫通。 しかし同時にボスの放った 狂気 によってカタトニア症状に陥る。 モチャ、神性介入を試みるが、現れたのはまたもやバーバーラ・・・ モ「・・・」 ネタバレすると、どうやらこの世界(どの世界だという突っ込みは置いといて) では、神聖介入は出来ないらしく、バーバーラ界に行ってしまう模様。 同時にネイも背後から飛び出すが、雑魚敵に阻まれる。 ネイもジャベリンをやむを得ず雑魚にゼロ距離射撃し、脚を縫い付ける。 しかしPC側の奇襲はここまでで、二の矢が放てなかった。 敵は大挙してボスを守り&治療に専念。 後ろから肉迫しようとしていたネイを敵のロードが遮る。 ネイは複数敵に囲まれるのを恐れ、1対1の地形に後退。 アキム、ウォードが村人ズと戦線を構築。 中央で固まった敵を対岸の狩人が射つが、なかなか有効打には至らない。 ロードはSIZ20?、DEX18以上(推定)、攻防200%以上(推定)の技量。 ネイはストック受けで凌ぎ、ストック斬りを行うが、大剣神クリ(20ダメ) を敵は盾受けで軽く凌ぎ、ノックバックもせずw ネ「・・・」 一応、ネイの技量(ストックだけど)に相手もビビってる様子。 ネイはモルトーケスが丘の上から近づきつつあり、ロードの頭をヤクで 蹴ろうとしていることに気付く。 続くラウンドでネイはストック受けを行いつつ、フェイントで通常斬り。 相手の防御オプションを使わせた後、モルトケスがヤクで蹴りを行うが・・・ 4D6ダメージで結果は「7」 相手のチェインメイルさえ貫けず。 モルトケスは接近戦が不得意なのか、いったん戦場を離れようとする。 ロードも2対1は不利と悟ったのか、いったん退いて戦線を整えようとする。 モルトケスに去られ、相手に戦線を組まれると手の出しようがなく ネイは水の中へと逃げる。 アキム、ウォード、村人は損害を出しつつも、着実に敵陣を押し込む。 ギロルも後方から参戦し、敵陣後方へと火の矢(4D6)を放つ。 後方が空いたため、敵はいったん後退を始めるも、疲労と損害が ピークに達していたため、追撃できず。 メルラ「少し近づいたような気がします」 今までは何となくモヤモヤしていた感覚がはっきりしてきた様子。 おそらくバットの降臨は避けられない様子。 21:00 この後の方針については ギロル・・・いつもの場所に隠れる 他の皆はこの戦場で次に戦うことを想定して、迂回ルートやら隠れ場所を 探すやらするが・・・ ウォード「この大木、倒せそうだぞ?」 戦場の上にある丘に立つ大木が根腐れしているのか、激しくゆらせば ルナー兵の真上に土砂崩れを起こせそうな感じだ。 だが、木を倒した者も相応の被害を受けそうな感じ。 試しに倒してみるも、自分の安全を計りながらでは、盛大には倒れない感じだ。 その頃のネイ・・・ 前回モチャが引っかかった岩に水中で挟まれていた(POW00) 脱出を試みるが(修理98w)で完全に身動き取れず。 22:00 バット降臨「ピギャー」 翌朝、ギ’ロルは目を覚ます。 仲間を探そうとあたりを探し回るが見つからず。 トロウル洞窟に向かい彫像を動かそうとする。 結果は77-01 第2章第3話(10) ギロルがルーパー ストック以下を出したものはおらず。 17:00 ギロルが皆を説得する。 失敗するも、ストックを使う。 18:00 さてどうしようか? 全員の協議でいったん今回は捨て回とすることに。 前回の戦術を元に、ストックを使わずに、木を倒す方向で。 モルトークスも連れて行く。 今までの反省から、トロウル洞窟には2人で向かうことに。 誰が行く? 今までになかったパターン、および襲撃組には加われないという理由で メルラに彫像を修理してもらうことに。バックアップとしてネイが付く。 という方向で。 次回予告 「正面攻撃ストック使用なし」 捨て回のつもりだったのに、うっかりPC達が勝ってしまったらどうなるのか!? メルラ「えーっ?もうリセットボタン押しちゃいましたよう」 ▼azaのメタなメモ ▼ウォードの日記 単純にルナー兵と戦っても、カイトシールトを超えられない・・・ 休憩場所の上の木を全力で崩すほうが、可能性があるように思います。 やるまえに、蘇生キノコを誰かに渡して、防護でMP1にしとけば 事故がおきても何とかならないかな。 前回は、経験(ストック)稼ぎの意味合いでガチ戦闘の流れにしたような。 なんとなく、ストック増えるより消費するほうが早い気がするので 早期解決に向けて方向転換とかどうでしょうか? ▼モチャ目線のログ、じゃなくて所感 ギ’ロルの話 今回は戦いの話ギロ。 ギロたちは逃げたルナーとかいう連中を追ったギロ。ギロは火の矢の呪いで活躍したギロ。当たるとその部分が消えてなくなるギロ。恐ろしいギロ。 勝ったけど、倒した訳じゃなくて、敵が逃げただけギロ。 そしてギロはいつものように隠れてやり過ごしたギロ・・・ それから洞窟にいったギロ。誰も来てないギロ。何で毎回ギロ一人ギロ? 次に気がつくと、ギロだけに記憶がある様子ギロ。今回もみんなで倒しに行くギロ。 ギロはモチャの上に乗るギロ? ギロは一体どうなってしまうギロ? ネイリングの中の人は語る 一戦交えた感想 あと一手二手足りないっすな。 ネイが逃げたのは失敗。キャラスタイル的には戦って死ぬ事を 選ぶべきでしたが、先に相手が退いてくれたので、つい出来心がw 相手のロードは確かに人間離れしていますが、 所詮は人間なので、行動オプションを使い切らせれば、打つ手はあります。 結果論ですが、モルトケスの不確実な4D6(期待値14)より、ネイの 76%の確率で16+D4(AP無視)を叩き込んだ方が合理的でした。 まあ23%でモルかヤクかネイの誰かが死にますがw というわけで次があれば、モルトケスに先に蹴ってもらおう。 ボス戦ですが、まずは狂気対策。 抵抗1を持っているのはモルトケスだけですが、あいにくと モルトケスを移動ユニットとして使った場合は魔術支援が出来ない。 となると後は人海戦術w タイミング的に難しいですが、デコイユニットとして村人に先頭を 切ってもらいたいところ。 モチャは一瞬(1ST)遅れてジャベリンを投げられればですが、 一撃だけでは、相手に回復の機会を与えてしまうので、回復役を 倒す、あるいはボスにもう一撃致命傷を与える手段が必要。 ストック量だけ見ればギロルが(大差ですが)二番目に多いので、 やはりモチャの上にギロルが乗るのがいいのかw アキムとウォードはストック量が足りていないので、ストック頼みの 戦術が取れません。側面支援として、ギロルに予め火の矢を数本用意 させておき、敵の前衛を無力化してもらう方がいいかも。 万が一、もし正面攻撃ストック無し作戦で勝ってしまったら? 盛大に夜の40距離でも見えるのろしを上げてもらうか、モルトケスに ひとっぱしり伝令を頼むかですね。 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/maturi/
マトゥーリ男声合唱団の最新ニュースです 。 ◆ 2014.12.27 新しいサイトが本日オープンいたしました。 http //imaturi.com このサイトも、当面の間オープンしておりますので。よろしくお願いします。 ◆ 2014.12.24 メリークリスマス! 今年も残すところわずかになりました。 この一年、マトゥーリ男声合唱団を応援して頂き、まことにありがとうございました。 来年も引き続き、よろしくお願いします。 先日のコンサートは、悪天候にもかかわらず多数のご来場ありがとうございました。 なお、このHPは、来年早々に、新しくリニューアルして、再出発いたします。 現在、急ピッチで作業を進めておりますので、具体化しましたら、ご報告しまします。 どうぞよろしくお願いします。 ◆ 2014.11.07 年末コンサート「マトゥーリ、桜を歌う」のお知らせ 第10回目の演奏会が12月16日(火)19時より千駄ヶ谷駅前の津田ホールで開催されます。 今年も音楽監督兼ピアニストの小林さかえ先生の作詞・作曲による男声合唱組曲「桜5章」を初演 いたします。 詳細は、演奏会チラシをご覧ください。 演奏会チラシ表 演奏会チラシ裏 ◆ 2014.09.26 10月、11月、12月の練習日程が決まりました。 ご確認ください。 本番(12月16日)まで、残り少なくなりました。 マトゥーリ創団10周年の記念コンサートです。 集中して練習に励みましょう。。 ◆ 2014.01.29 昨年12月11日の年末演奏会(津田ホール)には多くの皆様のご 来場頂きまして、誠にありがとうございました。 当日、「東日本大震災義援金」にも多くの募金を頂きまして重ねて 御礼申し上げます。 募金総額が、17,003円となりました。 この金額に当合唱団からの義援金を加算して、合計5万円を日本 赤十字社に送金させて頂きました事をご報告させて頂きます。 ★義援金送付受領書 ◆ 2013.12.14 第9回恒例の年末クリスマスコンサート(津田ホール、12月11日)が無事終了いたしました。 当日会場へお越しいただいた皆様にはお楽しみいただけたでしょうか? 今回の初演「雪五章」(小林さかえ先生作詞・作曲)は、とても分かりやすく、親しみのある素敵な曲 だと大変好評を博しました。 今後とも、一生懸命練習してより良い演奏にしたいと思っておりますので、引き続きよろしくお願いし ます。 ★演奏の全曲は、Youtubeに公開しましたので、ご覧下さい。 右欄の「リンク」ぺージに移動してクリックしてください。 ◆ 2013.12.07 大月ピアチェーレ(混声合唱団)創団30周年記念コンサートに招待され、演奏する予定です。 日時:平成25年12月8日(日)14時開演(13:30会場) 場所:大月市民会館 プログラム 第1ステージ 福井文彦作品 ピアチェーレ 第2ステージ ロシア民謡 ピアチェーレ 第3ステージ 雪五章他 マトゥーリ 第4ステージ 歌って踊って美空ひばり特集 ピアチェーレ 当団団長の小林一雄先生の高校時代の恩師である、ピアチェーレの指揮者、佐々木加代子先生とは 親交深く、過去2回のジョイントコンサートを行ってきました。 多数のご来場お待ちしております。 ◆ 2013.11.09 年末コンサートのお知らせ 第9回目の演奏会が12月11日(水)19時より千駄ヶ谷駅前の津田ホールで開催されます。 今年は音楽監督兼ピアニストの小林さかえ先生の作詞・作曲による男性合唱組曲「雪5章」を初演いたします。 また、マエストロ小林一雄先生のソロもあります。 詳細は、演奏会チラシをご覧ください。 演奏会チラシ表 演奏会チラシ裏 ◇ 団名「マトゥーリ男声合唱団」について。 Maturo(マトゥーロ)は「熟した」「成熟」「熟練」「分別」という意味のイタリア語。maturus(熟した、実った、時宜を得た)というラテン語が元で、果物やチーズ、ワインが熟するといった意味もあり、今回 i maturiと複数形にして「熟(達)者たち」の意味を込めました。また普通にローマ字風に読むと、maturi=「祭り」とも読めます。人生の熟達者たちが熟成したワインを傾けながら、祭のように和気藹藹と合唱を楽しむということで、どうぞよろしくお願いいたします。 団長:小林 一男 代表:齊藤 誠 幹事:齊藤 誠、豊田 哲也、斎藤 暁、木藤 文雄、星野 毅彦 事務局:松本 慎吾(長)、木藤 文雄(経理担当)、松田 和繁、畑 久仁昭 ◆ 団員募集中です。ご興味のある方は「団員募集」をご覧ください。 当サイトへのご訪問ありがとうございます。 今日: - 昨日: - 合計: - (2012年10月~) ◇◆◇ 団員の欧州アルプス登山便り (2013/08/22)◇◆◇ 私は、7月23日からシャモニーに入り、25日から欧州アルプスを登山してきました。 今回の欧州アルプスでは、ツェルマット近辺の山5峰(すべて4,000m以上) ブライトホルン 4,160m/カストーレ 4,228m/ツムシュタイン 4,569m マルゲリータ4,554m/ デュフール4,634m に登りました。(ガイドと2人です) 基本的にイタリア側の山小屋を利用して縦走しました。 地理的には、ツェルマットから見てマッターホルンの左側の山なみ(4,000m以上) を イタリア側の山小屋を利用して縦走しました。スイス側は物凄いアイスフォールがあり、 登れません。 上記5峰のうち3峰(ツムシュタイン4,569m, マルゲリータ4,554m, デュフール 4,634m)はモンテローザの峰です。いずれも、マッターホルンより高いです。 場所がマッターホルンのすぐそばなので、毎日マッターホルンを目の前に眺めなが らの山行でした。 途中で、猛烈な吹雪・雷に逢いましたが、このときは山小屋に避難していました。 このため、上記以外の数峰に登れませんでした。残念ですが、これはやむを得な いことです。 総じて、とてもすばらしい山行でした。 写真でその素晴らしさをご堪能ください。 ■写真1 カストーレ山は極めて狭い鋭い稜線の山です。(標高は4,228mです ■写真2 モンテローザイタリア側頂上ツムシュタイン4,569mに向かって登攀2013年7月30日 ■写真3 モンテローザのイタリア側の最高峰(ツムシュテース)は、海抜4,569mです。ピッケルを高くかざしている写真です。マッターホルンが右手奥に低く見えます。 ■写真4 マルゲリータもモンテローザのイタリア側のピークで4,554m。ここには130年前に作られた(当時のイタリア女王の命令で)、欧州一高い山小屋があります。ここに泊りました。夕日が素晴らしかったので、夕日の写真を添付しました。(ここもマッターホルンより標高が高い頂です) ■写真5 ゴルナー氷河、至る所クレバスだらけ。2013年8月2日 桑原 記 ◆ 2013.07.20 わが団長、小林一男が、来る8月30日(金)19:00開演 くにたち市民芸術小ホールにて、リサイタルを行います。 多数のご来場、よろしくお願いします。 小林一雄リサイタル ◆ 2013.02.15 昨年12月17日の年末演奏会(津田ホール)には多くの皆様のご 来場頂きまして、誠にありがとうございました。 当日、「東日本大震災義援金」にも多くの募金を頂きまして重ねて 御礼申し上げます。 募金総額が、37,992円となりました。 この金額に当合唱団からの義援金を加算して、合計10万円を日本 赤十字社に送金させて頂きました事をご報告させて頂きます ★義援金送付受領書 ◆ 201212.25 先日のコンサートの全演目をYoutubeにアップしました。 会場にご来場いただけなかった方、どうぞご視聴ください。 ※右のメニューの中の「リンク」をクリックしてください。 ◆ 2012.04.13 仙台公演の動画をYouTubeに掲載しました。 忘れない、忘れまい!ジョントコンサート(仙台) ◆ 2012.04.05 3月3日の男声合唱団いずみオッチェンコールとのジョイント コンサートの ①入場料収入の全額 150,000円 (500円×300枚) 及び ②当日の募金 57,321円 の合計 207,321円 を、両団連名にて仙台市の災害復興対策本部に寄付いたしました。 誠にありがとうございました。 ★義援金送付受領書 ◆ 2012.03.05 仙台でのチャリティーコンサートが大成功で終了しました。 いずみオッチェンコールの念入り の準備のお陰で、演奏会はもちろん、その後の懇親会も大変な盛り 上がりで、感激いたしました。 今回のメイン曲「忘れない、忘れまい」を80人を超す大人数で合 同で披露しましたが、会場の皆様と気持ちがハーモニーをし、まさ に一体化した一時でした。 アンコールが鳴り止まず、「忘れない、忘れまい」を再度歌うこと になりましたが、更に会場が盛り上がり、感極まって声も出ない状 況になった団員も大勢いました。 この名曲を、今後たくさんの方々に歌い継いでもらいたいと思いま す。 今回の演奏会で、被災地の皆様に少しでも復興に向けて元気を取り 戻してもらえたらなら、大変嬉しいと思います。 ◆ 2012.01.28 昨年12月19日の3.11復興支援特別演奏会には 多くの皆様のご来場頂きまして、誠にありがとうございました。 当日、「東日本大震災義援金」にも多くの募金を頂きまして重ねて 御礼申し上げます。 募金総額が、85,361円となりました。 この金額に当合唱団からの義援金を加算して、合計20万円を日本 赤十字社に送金させて頂きました事をご報告させて頂きます。 ★義援金送付証書 ◆ 団員リポート(K氏) 先週(4月2日―4月10日)米国に出張しました。 ニューヨークに2泊、クリーブランドに3泊、サンフランシスコに2泊しました。 短い期間でしたが、アメリカを横断しました。 ニューヨークでは、どこに行っても地震のことを聞かれました。 お店は、どこも地震基金の箱を用意しています。 小さな子供が貯めた貯金を被災者のためにと献金する姿がありました。 クリーブランドでは、クリーブランド交響楽団(全米一という定評です)が、 震災後すぐチャリティ・コンサートを開催したようです。 カリフォルニアでも、タクシーの運転手までもが震災のことを心配してくれました。 そして、日本人は世界一ガンバリ屋だから必ず克服すると言ってくれました。 また、大震災にも拘らず、規律を守り、耐えている姿に感動したと言っていました。 アメリカのニューオーリーンズ(大変な奪い合い等が起きました)と比べていました。 ◆ 東北の被災者応援のため、「さくら」「斉太郎節」 「そうらん節」「ふるさと」の4曲をセットにして Youtube にアップしました。 東日本大震災被災者応援歌 ◆ 2009年9月の英国公演で共演させて頂いた英国ブリストル男声 合唱団より、今回の大震災に際して誠に心温まるメッセージが 寄せられましたので、感謝の意を持って、ご紹介します。 このたびの日本での激災に衷心より追悼申し上げます。マトゥーリ 男声合唱団の皆様、そのご家族が無事でお過ごしのことを祈念して います。 親愛なる皆様の友人、英国ブリストル男声合唱団一同 【原文】 We wish to say how sad we are to hear of the tragic events in your country.We hope all your Chorister s and their families are safe. From your friends and fellow Choir members in Bristol Male Voice Choir, England. Eddie Rogers ◆ 東北関東大震災を支援されている方が、我が団が演奏した「斎太 郎節」が被災者に勇気を与えるということで、下記のサイトに リンクしてくださいました。 どうもありがとうございます。 福島大学ふーふー会 森合通信 頂戴したメールの一部をご紹介いたします。 【仙台、宮城県に友人が多数おりまして、彼らを激励するのに 斎太郎節以外は考えられませんでした。 YouTubeでいくつかブラウズした中で、本来威勢のいい曲調を 短調の合唱曲にアレンジされているので、思わず涙ぐむほど感 銘をうけました。】 ☆
https://w.atwiki.jp/maid_kikaku/pages/1911.html
(投稿者 Cet) 「これからどうする」 少女への問いかけに、少女は「そうね」と思惟するような仕草をみせた。 「ひとまず、今日はここにいましょう。 辺りが暗い中で動き回るのも仕方ないし、それに出口がどこなのかも分からないもの」 彼女はそう言うと私の方を見て微笑む。それから彼女は洗い終わったフライパンを棚の中に片付け、ミルクが入ったピッチャーを冷蔵庫へと運ぶ。私はその間彼女を見ていた。 この小屋には独立した寝室があった。先程調べた時に見つけたものだ。白いシーツ、ちゃんと洗濯された数々の寝具がそこにはあった。お誂え向けなのだ。 「じゃあ、そろそろ寝ようか」 「うん」 私の提案に、少女は頷く。そして我々は同じタイミングで寝室へと向かった。私から寝室に入り、それに少女が続いた。寝室にはベッドが二つ並んであった。私は手前のベッドに、奥のベッドに背を向ける形で腰かける。少女は暫く寝室を眺めた後で、奥のベッドへと向かった。ワンピースの上に羽織っていた桃色のカーディガンをするりと脱いだ。 私はひとまず上着を取り、靴下を脱いだ。それらをベッドにそれぞれ隣接するサイドボックスの上に置いた。それから私は何をするでもなく、私は少女に対して背を向けて、ぼうっと座り込んでいた。すぐに寝付くのは何かと不自然なことに思われたのだ。 「ねえ」 そうこうしていると、少女の方から声が掛かった。 私は上半身を捻って彼女の方を見る。 「なにかな」 「貴方の過ごしていた世界について教えて」 薄いブルーのワンピースから、白い肩を覗かせて少女は言った。 私は考える、的確な言葉遣いを尽くしたところで、自分の抱えているリアリティが彼女に伝わるかということに関して、一通りの考察を重ねた。しかし結果としてやはり伝わらないであろうことを私は予感する。それでも、誠実さというものが私の中に無いではなかった。 「私はね、見ての通りに戦争をしていた」 言いながらに、私はサイドボックスの上に載せてある白と赤を基調にしたユニフォームを指差した。 「そして私は一種の超人なんだ」 「超人?」 「そう、まず私は空を飛べる」 「見たい」 「今は駄目だ、それに、もし飛んだとしても多分風情がない」 「風情って」 少女は笑った。声に出して笑ったのだ。私は少女の笑い声に好感を覚える。少なくとも、その声は決して耳障りなものではなかった。 「私が飛ぶと、あらゆるものを燃やしてしまうんだ」 「へえ」 少女が相槌を打つのに合わせて、彼女の瞳を見つめる。その瞳はどこか、物語を聞いている時のような様子だった。つまり、やはりリアリティは伝わっていないのだろう。しかし少女は自分なりにそこにリアリティを見出す努力をしているようでもあった。 「自分の中の現実性がどんどん離れて行きはしないか?」 「いいえ」 私の問いに、少女は目を閉じる。 「むしろ、何となく納得してるの」 「納得? つまり、どんな風に」 「つまり」 少女は顎に手を当てて、思考を整理整頓していく。 「今まで、当たり前すぎる生活を送っていたから、むしろ、こんなことがあるって考えた方が普通というか、バランスが取れてるんじゃないかって」 「なるほど」 私は頷く。 「でも、ある意味ではこの出会いを事実として考えない方がいいかもしれない。 一種の啓示として……メタファーとして見るくらいが丁度いいのかもしれない」 「啓示? メタファー?」 「そう」 私は頷く。 「事実は事実、というようにそのまま物事を受け入れるのではなく、そこに自分なりの解釈を加えるということ……あるいはそれが解釈であるということを前提に思考することかな」 私は一人で納得するように喋った。 それで、少女に肩越しの視線を送ると、少女は顎に手をやって考えているようであった。どうやら顎に手をやるのが考える時の少女の癖らしい。 「たとえば?」 少女の問いは多くの省略によってシェイプアップされている。 「たとえば……君について考える時、私は私の中に欠けている何かを見出している。君は、どうやら何らかの不自由と呼べる環境から無縁に育ったような印象を私に与える。もちろん、だからといって君が不自由を感じていないとは言わないけれど、ある意味では君は自由に見える。 そこが私の抱えている欠落を、あるいは欠落したそのものを表現しているんじゃないかと、私は思っている」 私はそう言った。その後で、私は再び少女に視線を送った。 少女は、考えるでもなく、頷くでもなく私のことを見ていた。ひょっとしたら私をメタファーとして捉える努力をしているのかもしれない。 「なるほどね」 と少女は言った。 「しっくりくる」 「それは良かった……では、そろそろ寝ようか」 「うん」 少女は頷いた。 私は、寝室の扉の傍にあるスイッチを押す為に立ちあがり、そしてスイッチへと手を伸ばした。それに触れながらに、少女を見た。少女はこちらを見ている。 「なに?」 「名残惜しい」 私は正直に言った。 「また明日」 少女は言う。 「……またあした」 私は鸚鵡返しに言って、電気を消した。 眠るには、それほどの時間は掛からなかった。少女が布団の中でもぞもぞしている気配があったが、それを長く意識することはできなかった。 空は晴れていた。森のお陰で、稜線などを目にすることはできなかったけれど。私は小屋の外に立っていた。そして、夜明けが現れるのを見ていた。夜明けだ。 少女が遅れて、小屋の外に出てくる。それで、彼女は大きく深呼吸した。 「わるくない」 「うん」 私は頷く。 「そして変わり映えのしない朝食を食べる」 「悪くない」 少女が言って、我々は少しだけ笑う。 しかし、変わり映えのしない、というのは正確ではなかった。 少女が食卓に並べたのは、白い皿の上のサラダと、丸パン、それからミルクだ。私たちはそろって無言で、それらのものを眺めていた。 「へんなところ」 少女は呟いたが、特に問題なくパンを口に運んでいた。 「何も問題はない」 「不気味なくらいに」 少女が言葉を継ぐ。 私は牛乳を飲む。冷たくておいしかった。 勿論私は分かっていた。ここにずっといるわけにもいかないのだ。 我々は朝食の後、しばらく食卓に座ったままぼうっと過ごして、それから話し合いの機会を持った。勿論、これからどうするかについての話し合いだ。 「ずっとここにいるわけにはいかない」 私は言う。 「不自然だから?」 私は少女の問いに対して暫く考える。 「というか、この世界はあまりにも完結し過ぎている。 何と言うか、我々にとってこの世界は不相応であるように思える」 「異議なし」 少女は言う。にこやかに。 「でも、私はここから離れたくない。切実に離れたくない。私はここにいたい」 私は言った。 昨日からずっと考えてきたことだった。できるならば、記憶が意味を失くしてしまうくらいずっと長い間この場所にいることが望ましかった。私はこの場所で死にたいとすら切実に考えていたのだ。それはこの世界の一部になるということだった。そして何不自由なく、全てを受け入れて過ごしていくということは素晴らしいことのように思えた。 「きみと」 最後にそう付け加えた。 少女は私の言葉を、最初にはきょとんとした顔で聞いて、その後で微笑みながら聞いていた。視線を少しだけ伏せていた。 「難しいと思う、私は、そのことがあまり正しいことのように思えない」 少女は言った。ゆるやかな拒絶の表現だと思った。 勿論受け入れられる提案だとは思っていなかったが、それでもそれなりにショックだった。繰り返すが私にとってその願いはどこまでも切実だったのだ。私は、少女から決して離れたくないとすら思っていた。切実に。もしそれが叶わないのなら、身を切られてしまうのと同じほどに。 「どうしてだろう」 「一つだけ言っておくと」 少女は一度言葉を切った。それから目を閉じて、言葉を一通りまとめているようだった。 「私も、貴方と出会えてよかったと思っているし、できれば貴方とは別れたくない、でも、別れなくちゃいけないんだと思う。だって、私たちは幾ら姿が似ていようが、声が似ていようが……結局は別の人間なんだから」 「だからといって」 「そう、だからといって一緒にいてはいけないということはないよ。 でも」 少女は困難の中にあるようだった。苦しそうだった。 勿論、私も同じ表情をしているのだ。 「でも、たとえば。 たとえば私にはママがいる。ママから離れたくはないし、離れるべきでもない」 「私には、母がいないんだ」 私は静かに言った。 少女は私を見ていた。 「そういうことだったのね」 少女は言う。 私は頷く。 私は――目を瞑る。正直に言って、私にはもう目を開けておく余裕がなかったのだ。ふとすれば涙がこぼれそうだった。 だから私は暫く目を閉じていた。 そして時間が流れていた。 「どうして離れなくてはならないんだろう」 私は言った。目を閉じていても、少女がそこにいる気配は伝わっていた。 少女が椅子を引いて立ち上がるのが分かった。 少女は私の肩にそっと両手をおいて、それから、首筋に頬を当てた。 たぶん、貴方は誰かを愛せなくなってしまう。 少女はそう言った。それが別れだった。 ◇ そして私は再びユニフォームを着ていた。少女は小屋の前に立っていて、私はそこから離れて行くところだった。 少女は遅れてここから去るとのことだった。心配はない、とそう言っていた。私は彼女を止めなかった。もちろん彼女も私を止めなかった。 ここを去れば、多分二人が会うことは二度とないのだろうと思われた。 もちろん、少女も同じことを思っているはずだった。でも別れるのだ。 「じゃあ」と私が言う。「じゃあね」と少女が言った。少しだけ手を上げてそれに応えると、私は歩き出した。 少女が私の背を見ているのが分かった。小屋の前にずっと立っているのが分かった。私は傾斜を下っていく。そして道は左右に入り組んでいた。やがて私は少女の視界から消えて、そして少女はあの小屋の中に戻っていくだろう。それで、彼女はあの広い食卓の椅子に一人で腰かけて、しばらく目を瞑って、そこに朝食があったということを感じているだろう。私にはそう思われた。それはとても現実感のある想像だった。まるで目の前でそれが展開されているような。 私は立ち止まった。一度振り返ろうと思った。いや違う。最後に振り返ろうと思ったのだ。 私は振り返った。 夕焼けだった。 そこはもう教室だった。教室の窓からは西日が差しこんでいて、それは私の瞳を穿った。毀ちた。 私の中の何かが音を立てて渇いていく。燃え尽きて行く。夕焼けが私の中の何かを奪い去っていくのが分かった。気が付けば涙が滂沱のように流れていた。呻き声が細く喉から漏れて、止めることはできなかった。 それでも、最後まで私が燃え尽きることはなかった。燃えて、乾いて、塵になって、最後になって一つの欠片のようなものが残った。否、残ってしまった。 私は涙を拭った。夕日に背を向けて、両開きの扉のノブを握った。
https://w.atwiki.jp/molf/pages/64.html
+《 シナリオタイトル 》 『 シナリオタイトル 』 【 恩寵を与える神 】 1:ダルクレム 2:ザールギアス 3:ブラグザバス 4:ソーンダーク 5:メティシエ 6:ラーリス 【 事件の損害 】 1:壊滅 2:全滅 3:甚大 4:膠着 5:軽微 6:皆無 【 ボスの戦術目的 】 1:巣作り 2:繁殖 3:食事 4:遊び 5:鍛錬 6:奉仕 【 戦闘参加者 】 1~2:単体:リーダー(+補佐) 3~5:少数:リーダー+補佐+雑魚 6:群れ:リーダー+雑魚+雑魚+雑魚+雑魚 ※PC前衛数=エネミー攻撃回数 【 シナリオ概要 】 +《 逆恨みの刃 》 『 逆恨みの刃 』 【 恩寵を与える神 】 5:メティシエ 【 戦場 】 6:不快な屋外 【 戦闘発生理由 】 4:ボスの欲望 【 戦闘参加者 】 1体 【 シナリオ概要 】 開拓村の周囲で剣で惨殺された獣の死体が多数発見された。 不安の中、狩人が森のなかで狩りをしていたところ、剣を携えた男に襲われた。 とっさに撃った矢が足を射ぬいた事で暴漢は体制を崩し倒れたが悲鳴も上げずに起き上がろうとしたためにその不気味さから狩人は逃げ出した。 通り魔が付近に潜伏していて狩りも危うい事から冒険者の宿へ依頼が飛んだ。 暴漢の正体はアンデッドのデスソードであり、貫通した矢が足の可動を阻害し回避に-1を受けている。 デスソードの目的は新たな肉体の会得である。デスソードはこの村を故郷とする荒くれ傭兵の遺品だった。 荒くれは酒乱の暴力的な嫌われ者で傭兵となったのも村にいられなくなったからだが、村を逆恨みしていた。 デスソードは剣の欠片を4つ得ており、HPが20点増加している。 +《 卑劣な簒奪者 》 『 卑劣な簒奪者 』 【 恩寵を与える神 】 3:ブラグザバス 【 戦場 】 1:寂れた屋内 【 戦闘発生理由 】 1:依頼主の欲望 【 戦闘参加者 】 2体 【 シナリオ概要 】 開拓村へ続く街道で物資が略奪された行商人の荷馬車が発見される。 行商人は武装しており護衛も3人連れていたが、どちらも駄馬ともども食い荒らされていた。 村は行商人の契約元である町商人に状況を伝え、町商人は事件が解決するまで行商人の派遣を見送る事とした。 しかし行商人に物資を送り届けさせなければ開拓村は困窮してしまう。 そこで村と町商人は冒険者の店に物資を積んだ馬車の護衛を依頼した。 取引が完了して帰還するまでを護衛依頼として出立した冒険者は村の付近での宿泊小屋で夜を過ごす事となる。 その夜、ボガードがインビジブルビーストを伴い襲撃を仕掛ける。 ボガードは自身を囮にインビジブルビーストを回り込ませ挟撃を仕掛ける。 まず駄馬がボガードに狙われるが、それに備えておけばボガードは戦いを優先して冒険者に襲いかかる。 インビジブルビーストは必ずPCの後衛20Mに出現する。 剣の欠片はボガードに3点注がれている。 襲撃に勝利するともはや脅威はおらず、無事に依頼を達成できる。 +《 物騒な墓荒らし 》 『 物騒な墓荒らし 』 【 恩寵を与える神 】 2:ザールギアス 【 戦場 】 6:不快な屋外 【 戦闘発生理由 】 1:依頼主の欲望 【 戦闘参加者 】 2体 【 シナリオ概要 】 開拓村の砦の外にある墓地が荒らされ、死体が食い荒らされていた。 最近村で死者が出たために埋葬しなければならないが危険が予想されるので行えない。 墓地の安全を確保してほしいと開拓村は冒険者に依頼する。 墓を荒らし死体を食い荒らしたのはグール2体で、夜に活動する。 グールは昼間は森の中を彷徨い動物の死体を食っている。 グールは1体が欠片を2個、もう一体は1個飲んでいる。 グールの素材は人族であり、夜になると墓地に行って死体を喰らい、その後に村の柵に沿って彷徨いやがて森へ戻っていく。 グールの素体は人族であり、欠片を2つ飲んでいるグールからは破損したザールギアスの聖印が手に入る。 +《 反社会的公共工事 》 『 シナリオタイトル 』 【 反社会的公共工事 】 6:ラーリス 【 戦場 】 3:人気ない屋内 【 戦闘発生理由 】 2:依頼主の保身 【 戦闘参加者 】 5体 【 シナリオ概要 】 とある開拓村から蛮族に監視されているという依頼が入ります。 襲撃こそないもののその頻度が高く、1日に1回は発生するために村は不安が蔓延しています。 それは羽の生えた小人のようなもので、蛮族の襲撃や魔神の襲撃の直前によく見られた空飛ぶ斥候と噂されています。 アザービースト3体、スポーン1体、インプ1体がこの事件に関与する魔神の尖兵です。 インプは主人である魔神の命令に従い、スポーンを親衛隊としてアザービーストに指示を出しています。 その目的は屋外の廃屋からトンネルを掘り、開拓村の砦の内側に繋げて侵攻をたやすくするためです。 アザービーストは土木工事に特化しており、そのためにレベルが-1されています。 インプは状況に応じて戦術指揮を取り、死亡すると残った魔神は受けた命令を愚直に繰り返す事しかしなくなります。 インプは土木工事のためにしばしば上空から砦内部を観察しており、それが開拓村に気づかれています。 インプはトンネルの居場所を偽装するために様々な方角から偵察に入り、別方角へと撤退していきます。 そして開拓村の櫓が見えなくなった地点でトントルの方角へ転身し戻っていきます。 目撃情報を集めると、北東の方角からのみ侵入も撤退もしていないことがわかります。 インプは掘り進んだ距離の確認のために穴からでると迂回しながら高度を上げて開拓村へ向かいます。 撤退時は矢が届かない距離で降下し稜線に隠れるために、村の狩人は追跡できていません。 狩人は貴重な戦力なので防衛戦が見込まれる状況下では斥候に出す事を禁じられている事情もあります。 トンネル工事現場は砦へ向かう直線通路と、その真ん中ほどにジグザグな横穴があります。 ジグザグな横穴にはスポーンが待機しており、横穴に入ってきた侵入者を待ち伏せています。 ジグザグな横穴は完全に曲がり角の先が見えないものではなく最奥から通路を監視できます。 しかし角が半遮蔽として機能し、この角を無視して射撃相応行為を行うには鷹の目が必要です。 そのまま直進した場合アザービーストが侵入者を対応し、その応戦に気づいたスポーンが挟撃を行います。 インプは工事用の簡素な地図を作っており、工事現場ではアザービーストを監督しています。 地図は雑の極みで、この地図からでは村のどこに出るかどころか村に入れるのかすら不明だとわかります。 +《 移り住むもの、残されるもの 》 『 移り住むもの、残されるもの 』 【 恩寵を与える神 】 3:ブラグザバス 【 戦場 】 4:薄暗い屋外 【 戦闘発生理由 】 5:ボスの保身 【 戦闘参加者 】 2体:ラングスイル(CG) 【 シナリオ概要 】 このシナリオは幻獣ラングスネイルの寄生・捕食行為を起因とする連続殺人事件の解決依頼です。 ラングスネイルは用を足しに街道から外れた旅人と偶然遭遇し、これを襲いその肉体をまず奪いました。 死体を乗っ取ったラングスネイルは死体の記憶から自身の現在の住居を知り、検問をやりすごして町に侵入を果たします。 近所の住人には体調がすぐれないと言い訳して距離を取り、買い物を口実に次の獲物を物色していました。 親類縁者を食ってしまうと足がつくと判断したラングスネイルは見舞いに来る家族や友人ではなく、無縁の人間を獲物に定めます。 死体を全て食って証拠を隠滅するにもそれなりの時間を要するため、閉鎖的な私室が必要ともなりました。 そこで死体となった者の記憶から消えてもおかしくないとされる娼婦などの専業従事者や貧乏人、被差別種を獲物と定めます。 ラングスネイルが目をつけたのは糞尿の回収業者です。彼らは業務上悪臭に包まれ衣服に染み付き嫌われていました。 さらに糞尿の回収業者は家屋に出入りする事も頻繁なために、獲物を襲いやすい仕事ともなりました。 そうした見定めの中で死体の内蔵を食い尽くしたラングスネイルは新たな食料が急務となり、襲撃を実行します。 個人の回収業者を招き入れ、殺害し、肉体の移動を遂行します。その際に古い肉体を解体し、糞尿入れに入れて回収業者の家に移りました。 それから数日後、友人が見舞いにきたところ応答がないため、強引に押し入ったところ、部屋の中が血塗れである事に仰天し通報します。 この事件は行方不明となった被害者が生前に思い悩んでいたか病に臥せっていた事から恨みの犯行とみなされ、交友関係を洗われましたが、汲み取り業者の聴取までには至らず、迷宮入りとなりました。 現場となった家は買い手もつかず、しかし有限の土地を放置もできないとして取り壊す事となりました。 遺族は真実を知るために家の売却金を報酬として冒険者に行方不明事件の解決を依頼します。 冒険者が現場に赴くと、解体業者が工事の段取りをしているところで、調査に来た事を伝えると喜ばれます。 というのも解体業者が作業を初めてからというもの、事故が多発し負傷者が続出し、作業員が工事を嫌がっていたからです。 現場に入ると冒険者は精神抵抗力判定を行い、失敗するとこの家にいる間体調が悪くなります。 コンジャラーあるいはプリースト技能者がいれば、抵抗結果に関係なく、殺害された糞便回収業者の無念の声を聞きつけます。 セージ判定に成功すると、この回収業者はレスティリガイスト(CG)に完全変異しかかっているゴーストだとわかります。 ゴーストはかろうじて正気を保っており、存在すらも認識されずに放置されたままの自身の境遇を嘆いています。冒険者が無念を晴らす事を約束すると、存在が認識され、そしてその無念を汲まれた事に感謝してそのまま消滅します。 回収業者の家にいくと、そこにはラングスネイルが滞在しています。その家の食料棚には解体した最初の死体が食材として詰め込まれており、また、回収用の樽も血にまみれていて、それが殺人の決定的証拠となります。 証拠をつきつけられたラングスネイルはパニックをおこし、冒険者に襲いかかります。 ラングスネイルを倒すと事件は解決し、遺族の無念も晴らされます。 ラングスネイルは剣の欠片を有していませんが、危険な幻獣の討伐と行方不明事件の解決を成したとして、剣の欠片5個分の名誉を得られます。 +《 シナリオタイトル 》 都市名: ゴブリンの巣 都市規模:村 PC平均レベル:4 門番レベル: 6 区画基本略奪戦利品最大価格:0,000ガメル 都市門区画: 南東部・北西部 シナリオミッション:ゴブリンロードの撃破 現在時刻:朝9時00分 冒険者現在地: 北西部:見晴らしよし:ゴブリン部隊・ゴブリンシスター部隊 北東部:住宅迷路:ゴブリン部隊・ゴブリンシスター部隊 中央区:大きな建造物:ゴブリンロード・ゴブリンシスター部隊 南西部:住宅迷路:ゴブリン部隊・ゴブリンシャーマン・ボガード 南東部:見晴らしよし:ゴブリン部隊・ゴブリンシスター部隊 トーテム破壊数:0/4 ・弱体効果1:通常ゴブリンの最大HP-10 ・弱体効果2:ゴブリンロード戦で援軍ゴブリンシスターの数-2 ・弱体効果3:ゴブリンロード戦で援軍ゴブリンシャーマンとボガードの数-1 ・弱体効果4:ゴブリンロード戦で援軍ゴブリンの数-4 ゲートキーパー 【ゴブリンロード】 出現配下魔神・魔神教徒パターン 2体【ボガード】【ゴブリンシャーマン】×1 3体【ゴブリン】【ゴブリン】【ゴブリンシスター】×2 4体【ゴブリン】【ゴブリン】【ゴブリン】【ゴブリン】×10 +《 シナリオタイトル 》 『 シナリオタイトル 』 【 恩寵を与える神 】 1:ダルクレム 【 戦場 】 6:不快な屋外 【 戦闘発生理由 】 5:ボスの保身 【 戦闘参加者 】 1体:レッドキャップアンブッシャー(LL) 【 シナリオ概要 】
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/8886.html
437 名前:弥次郎[sage] 投稿日:2023/10/29(日) 21 26 34 ID softbank126036058190.bbtec.net [141/308] 憂鬱SRW ファンタジールートSS「氷の空の先に」6 F世界 ストパン世界 主観1944年10月 オラーシャ帝国 ペトロザボーツク周辺空域 502JFWのウィッチたちの挺身により、気象までも変化させる大型ネウロイの撃墜に成功した。 だが、ことはそれでは終わらない。あくまでも大型ネウロイの撃破は作戦の障害の排除でしかなく、その先が存在しているのだ。 それ以外のネウロイは未だ健在であり、各所で人類側の部隊との交戦を続けている。 ネウロイが戦力を集結させていたということもあり、空戦型のみならず陸戦型のネウロイまでも各所でわらわらと出現しているのだ。 ありえない寒さの原因が排除されても、冷気が完全に消え去り、あるいは降り積もった雪や凍り付いた地面が元の状態に戻るのはまだ時間がかかる。 むしろ、唐突に雪解け水が発生し、あるいは気温の上昇に伴う環境の変化で、進軍などに影響が出るようになったのだ。 地面は泥濘状態となるし、溶けた雪の合間からネウロイが飛び出してくるなんてのもあり得た。 ペトロザボーツクの制圧と占拠、そして拠点化をもくろむ人類側にとっては厄介な状況であったのだ。 「ひどいもんだね、ペトロザボーツクが氷の彫刻みたいだよ」 文字通り凍り付いた市街地を上空から見下ろして軽口をたたくのはクルピンスキーだ。 彼女とラルは、吹雪の悪化した後ラドガ湖上の輸送車の中で逼塞を強いられていたが、ネウロイの撃破後にようやく出てくることができたのだった。 折しも、ネウロイ撃破に貢献した3名のウィッチが満身創痍でありこれ以上は厳しいと判断され、任務を引き継ぐ形となった。 「無駄口をたたいている暇はないわよ、ネウロイの発見報告はたくさん来ているでしょう?」 「酷いなぁ、ちょっとくらいは……」 「……」 「……はぁい、ついて行きます」 視線に耐えきれなくなったか、それとも気まぐれか。ともかくクルピンスキーはロスマンと共にネウロイの出現地点へ向かう。 二人が装備しているのはMe262VM2だ。それゆえに、従来のストライカーユニット以上の速度で展開を可能としていた。 散発的にネウロイが発見され、あるいはレーダーで捕捉されている状況にあって、それは非常に頼りがいのある装備であった。 「いたわ、右側をお願い。私は左側にいく」 「……はい」 向かった先、ブリタニアから派遣されてきた陸戦ウィッチとMPF部隊の上空に取り付いていた空戦ネウロイを、クルピンスキーは簡単に撃ち落す。 普段の武器とは全く使用感が違う50ミリカノン砲で見事に打ち抜いてみせたのだ。残りの個体が分散して包囲してくるが、決して慌てない。 速力の競い合いに持ち込みつつ、マニューバで振り回す。それでも肉薄してきたところに30ミリ機関砲を浴びせて撃墜する。 下にいた部隊がほれぼれするような、無駄のない戦いだ。 そして、そうしている間にロスマンもまた、しつこく絡みつくように追いかけてくるネウロイの攻撃を回避し、撃墜してみせる。 「流石先生」 しかし、褒められたロスマンはにこりともせず、次に行くように手で合図をする。まだまだネウロイは出没しているのだ。 こんなところで無駄話などをしている間にも状況は進行しているのだから、というように。 「貴方への援護は必要なさそうね」 「万が一があると怖いし、ついて来てよ」 「ロッテは維持するわ、でも、それ以上は御免ね」 冷たいなぁと偽伯爵が愚痴るのをロスマンは聞き流すだけだ。 ラルが今回の作戦で役割分担を決めたとはいえ、ロスマンとしては不満の一つも言いたい。 こういう時でも、子供らしくて、そのくせネウロイと戦うのがうまくて、頭の回転が速くて---自分を、困らせる。 438 名前:弥次郎[sage] 投稿日:2023/10/29(日) 21 28 29 ID softbank126036058190.bbtec.net [142/308] 吹雪も冷気も発生源が消えたことで、どちらも徐々に太陽が問題としては解決してくれていた。 空を高速で飛んでいても、いや、だからこそ、環境の変化を敏感に感じ取ることができていた。 けれど、そうだからといって浮かれることはできない。こういう視界良好な時でも、ネウロイはこちらの想定の向こうから攻撃してくるかもしれないのだ。 『ネウロイの反応、ポイントR533、高度は……ほぼ地面、陸戦型かな。対空型かもしれないから注意してね、先生』 「了解」 AWACSのバルバラの声と情報支援を受け、指示された方面へ飛ぶ。 ジェットストライカーはストライカーユニットの比ではない速力で、目的地まで体を飛ばしてくれる。慣れ過ぎは良くないと思うくらいに。 ともかく、現場にたどり着いて周囲を観測する。 (これは……) なるほど、ネウロイがごそごそとはい回っている。戦車に足が生えたような、オラーシャではよく見る陸戦型だ。 複数いるそれらと並列しているのは、独特の長い砲身のような部位を持っているネウロイ。 「対空型ね」 「こっちで引き付けるよ」 「こら、勝手に……!はぁ……」 指示を出す前に、クルピンスキーは上昇しつつも先行した。 対空型ネウロイの特性として、高い高度を飛行する相手を優先して攻撃するというものがある。 ロッテかそれ以上の編隊でいるならば、誰かがわざと注意と攻撃を引き付け、残りの面子で隙が生まれた対空型を攻撃すればいいのだ。 案の定、クルピンスキー目がけ対空レーザーが発射されていくのが見える。それを滑らかに回避する自称伯爵の姿も、だ。 「……もう」 そして次にロスマンがとるべきなのは、低空での飛行と接近だ。 流石に稜線に隠れるほど低くは飛べないが、ともかく相手の注意が薄れる低い高度で急速に接近すればいい。 踊るように回避を重ねながら、適度に反撃するクルピンスキーに注目しているネウロイは、横合いからちょうど殴りやすいものだった。 距離を詰める前にPMR-333 マギリングイェーガーライフルの連射で対空型を撃破。そして、素早く機関砲へと武器を持ち換えて近接戦に入る。 「沈みなさい……!」 4門の銃口から放たれるのは30ミリの弾丸の嵐だ。 至近距離、そして、ほぼ直上をとったことによって、それは陸上を這いつくばるネウロイにとって死神の鎌となる。 そして、トリガーを引く。特筆すべきことはなく、必然的な結果として一瞬ですべてのネウロイを処理し終えてしまった。 『流石です、先生。次は南の方、移動中の輸送部隊の方に航空ネウロイが接近中です。 先遣隊が制空権を確保した後から忍び込んできたようですね、救援をお願いします』 「また湧きましたか」 「直ちゃんの国の言葉だと、千客万来っていうんだっけ?」 「いい加減諦めてほしいものだけどね。ともかく、急ぎましょう」 輸送部隊にも護衛は張り付いているが、救援を求めるくらいに攻められているということだろう。 彼らは先ほど視認したペトロザボーツクの市街地とその周辺を奪還し、拠点化するための多くの物資を運んでいる部隊だ。 彼らが無事にたどり着いて任務を果たしてこそ、今回の作戦は完了と言えるのだ。重要度が高いことは言うまでもない。 その重要度を鑑みて司令部のラルは救援に向かうように指示を出したと思われる。 ネウロイと人類側の戦力が入り乱れているのだ、早くに航空優性を確保したいのだろう。 (急がないと……) 逸る心を抑え、2名のウィッチは音速を超えて飛んでいく。 439 名前:弥次郎[sage] 投稿日:2023/10/29(日) 21 30 05 ID softbank126036058190.bbtec.net [143/308] オラーシャ帝国 ラドガ湖東部地域 輸送部隊 陸上輸送艦艦橋 「ネウロイめ、まだ来るか……!」 今作戦においてペトロザボーツクに必要物資と人員を届ける輸送部隊の指揮官を務めるオネスト・ターニ中佐は、艦橋で悪態をついた。 彼らはペトロザボーツク奪還に向けた槍の穂先を務めたブリタニアの混成部隊の後を追い、またその戦力から抽出された護衛も受けて北進を続けていた。 だが、制空権を完全に握れているとは言えない状況下での強行軍であり、実際散発的にネウロイが空陸両方から攻められていた。 大集団が攻め込んでくるよりは何倍もマシな状況ではあるが、散発的なのも緊張を常に強いられ、時に対応しなければならず、厄介極まりない。 こちらの航空戦力も陸上戦力もそれなりの数展開しているのだが、度重なる襲撃で疲弊を重ねていた。 相応の戦力を用意しておいたのだが、想定以上のネウロイの数が広範囲に展開されていたためにそれらでは不足が生じてしまったのだ。 見積もりが余ったというべきか、それとも想定以上にネウロイがこのラドガ湖東岸地域一帯に執着しているというべきか。 そして、途中で何度か危険を承知で装備を整えた後、一番あたりたくないものに激突した。 恐らくはここで待機し、ペテルブルク方面に向かうつもりであったであろう群れであった。 つまり、戦力集結を図っていたのはネウロイ側も同じということだった。 「通信兵、救援要請は!?」 「すでに打電してあります!付近の航空戦力が派遣されてくるとのことです!」 「どこの部隊だ」 「地球連合が南から、そして北からは502JFWからです」 「よし、わかった。状況は逐一報告しておけ。 それと救援が来ることは各員に通達!ここが踏ん張りどころだ、荷物やお客さんに被害を出すなよ!」 単純な将兵だけでなく、ペトロザボーツクに拠点を設営して維持管理を行うための非戦闘要員も連れてきているのだ。 その他にも大量の物資も含まれており、これを失うと戦略にまで大きな影響が及ぶ。 「第5派、南東より接近!陸空の混合です!距離3000!」 「近寄らせるな、対空及び迎撃射撃はじめぇ!」 輸送部隊が運用するのは、CMAより供与された地上を行く陸上輸送艦だ。 輸送が本分であるとはいえ、対空砲や自衛火器などは搭載されているし、装甲やバリアによる防御力もそれなりに備えている。 艦橋にも砲撃や対空射撃の振動が伝わり、あるいはネウロイのレーザーをシールドが弾く独特の音と衝撃が伝わってくる。 中々にスリリングで楽しいじゃないか、と言える程度にはオネストは余裕というものがあった。 とはいえ、ネウロイの攻撃をいつまでも受け止められるわけでもないために、直掩戦力による敵の漸減は必須であった。 「クソ、ジリ貧か」 「状況としては最高でしょうか?」 「ハハ、そう言える元気があるなら、まだ大丈夫そうだな」 副官の軽口に、そう返してやる。 とはいえ、自分たちが無事につけるかどうかで作戦の成否が決まるのだ。 502JFWのウィッチたちが命がけで大型ネウロイを撃滅し、逼塞状況を打破したのだ。 それに応えるくらいの働きをしないでどうすると、オネストは自分に言い聞かせるのだ。 麗しきウィッチ達に続けと、彼のソウルが吠えているのである。 そんな彼を乗せた輸送艦隊をめぐり、オラーシャ方面の激戦は、ラストスパートに入り始めていた。 440 名前:弥次郎[sage] 投稿日:2023/10/29(日) 21 30 58 ID softbank126036058190.bbtec.net [144/308] 以上、wiki転載はご自由に。 ネウロイをやっつけておしまい!なわけないんだよなぁ メインは確かに終わったが、メインが一つだけとは言っていない。 この作戦、ペトロザボーツクの制圧とかが目標であって、ネウロイの撃滅が目標ではないのです。 441 名前:弥次郎[sage] 投稿日:2023/10/29(日) 21 42 17 ID softbank126036058190.bbtec.net [145/308] 間違いがあったので修正 439 × 中々にスリリングで楽しいじゃないか、と言える程度にはドナルドは余裕というものがあった。 〇 中々にスリリングで楽しいじゃないか、と言える程度にはオネストは余裕というものがあった。
https://w.atwiki.jp/pipopipo555jp/pages/1507.html
つくる会那覇記者会見 http //www.tsukurukai.com/01_top_news/file_news/news_229.htm つくる会WEBニュース 第229号 平成20年 3月10日(月) 沖縄戦「集団自決」宮平秀幸氏の新証言で記者会見 座間味島・梅沢隊長は「住民に『解散』を命令した」 新しい歴史教科書をつくる会の藤岡信勝会長、杉原誠四郎副会長は3月10日午後1時30分から沖縄県政記者クラブで「沖縄戦集団自決問題」について記者会見を行いました。 記者会見には、座間味島在住の宮平秀幸氏も同席し、座間味島における「集団自決」に関する新しい事実を明らかにしました。 会見の内容と宮平秀幸氏の「証言」内容は次のとおりです。 座間味島集団自決「宮平秀幸証言」の意義と今後の展望 平成20年3月10日 沖縄県県庁記者クラブにて 新しい歴史教科書をつくる会 会長 藤岡 信勝 座間味島在住の宮平秀幸氏(78歳)は、このたび、沖縄戦で米軍が上陸した前日にあたる昭和20年3月25日夜から明け方にかけての体験を詳細に証言した。(別紙参照)この証言は、次の4点において、従来の証言や文献になかった新しい事実を明るみに出した画期的な内容を含むものである。 第一に、座間味島の梅澤裕隊長が25日夜、本部壕を訪れて集団自決のための弾薬等を求めた村の幹部に対し、「自決するな」と強く説得し、「命令」していたことが明らかになった。これによって、「自決するなと命令しなかったことが自決命令に当る」とする大江健三郎・宮城晴美・大城将保氏らの主張の論拠は完全に崩壊した。 第二に、大江氏らの主張とは反対に、梅澤隊長による「自決するな」という「命令」は、証言者の宮平氏本人とその家族を含む多数の村人の生命を救ったことも明白となった。また、梅澤隊長のみならず、日本軍の将兵が住民に対し機会あるごとに「生きのびなさい」とはげましていたことも明らかになった。これらの事実は日本軍が住民を集団自決に「追いつめた」という報道が根拠のないものであったことを示している。 第三に、従来の理解とは異なり、野村正次郎村長は本部壕前の要請行動に参加し、村当局の最高責任者として問題の処理に一貫してかかわっていたことが明らかになった。さらに重要なことは、村長が隊長の「解散させよ」という「命令」を受けて、集団自決のために忠魂碑前に集められた村人に「解散命令」を出していたことである。これは、梅澤隊長が集団自決をとめようとした事実を裏付けるものである。 第四に、住民を忠魂碑前に集める口実として使われた「軍命」は、村当局が仕組んだものであったことも明瞭となった。他方、安仁屋政昭氏の「合囲地境」論によれば、隊長による「自決するな。解散せよ」との説得は、正規の効力をもった行政命令であったことになる。当会は安仁屋説をとらないが、あえて一言しておきたい。 宮平秀幸氏の勇気ある新証言によって、座間味島集団自決の真相究明は全く新しい段階を迎えることになった。当会としては、今後の展望として、①明らかになった集団自決の真相を広く社会に訴えるとともに、見解の異なる人々とも対話と討論を進め、②証言者の人権を守り、③文科省に対し、集団自決の教科書記述の再修正を求め、④集団自決を含めて、反軍イデオロギーによって歪められた沖縄戦の全体象を描き直すため、実証的で公正な立場から研究を進める新しい学会として「沖縄戦研究会」(仮称)を設立する動きがあることに賛同し協力していくこと、を予定している。 (以上) 八証言・座間味島集団自決の「隊長命令」について 平成20年3月10日 宮平 秀幸 ■本部壕前にて 昭和20年3月23日、アメリカ軍による空襲が始まりました。アメリカ軍は26日に上陸するまでの三日三晩、ものすごい爆弾、ロケット弾、艦砲射撃による攻撃を仕掛けてきて、それこそ島の形が変わるような激しいものでした。 いよいよ明日は敵軍が上陸してくるという25日の夜、正確な時刻はわかりませんが、9時と10時の間ぐらいのときでした。野村正次郎村長、宮里盛秀助役、宮平正次郎収入役の村の三役と国民学校の玉城盛助校長が戦隊本部の壕に来ました。私の姉で役場の職員の宮平初枝と、同じく役場職員の宮平恵達もついてきていました。ただし村長は少し遅れて来たように思います。これに戦隊長の梅澤裕少佐が対応されました。壕の入口にはアメリカ軍の火炎放射器で焼かれるのを防ぐため、水で濡らした毛布を吊していました。その陰で、私は話の一部始終を聞いていました。隊長とは2メートルぐらいしか離れていません。当時、私は15歳で、防衛隊員として戦隊本部付きの伝令要員をしていました。 助役は、「もう、明日はいよいよアメリカ軍が上陸すると思いますので、私たち住民はこのまま生き残ってしまうと鬼畜米英に獣のように扱われて、女も男も殺される。同じ死ぬぐらいなら、日本軍の手によって死んだ方がいい。それで、忠魂碑前に村の年寄りと子供を集めてありますから、自決するための爆弾を下さい」と言いました。すると梅澤隊長は、「何を言うか! 戦うための武器弾薬もないのに、あなた方を自決させるような弾薬などありません」と断りました。助役はなおも「弾薬やダイナマイトがダメならば毒薬を下さい。手榴弾を下さい」と食い下がりました。 そこで梅澤隊長がさらに出した命令は、「俺の言うことが聞けないのか! よく聞けよ。われわれは国土を守り、国民の生命財産を守るための軍隊であって、住民を自決させるためにここに来たのではない。あなた方に頼まれても自決させるような命令は持っていない。あなた方は、畏れおおくも天皇陛下の赤子である。何で命を粗末にするのか。いずれ戦争は終わる。村を復興させるのはあなた方だ。夜が明ければ、敵の艦砲射撃が激しくなり、民間人の犠牲者が出る。早く村民を解散させなさい。今のうちに食糧のある者は食糧を持って山の方へ避難させなさい」というものでした。 村の三役たちは30分ぐらいも粘っていましたが、仕方なく帰っていきました。 ■忠魂碑前にて 帰り際に、助役が「おい、宮平君、あんたの家族も忠魂碑前で自決するといって集まってるんだよ」と言いました。私は家族のことが心配になり、村の三役の15メートルぐらいあとをついて歩いて忠魂碑前に来てしまいました。そこには老人と子供ばかり80人くらいの人がいました。私の家族は祖父母、母、姉、妹、弟の6人が、碑に向かって右側の窪地にかたまっていました。 母と姉の話では、午後8時ごろ私の家の壕に役場の伝令役の宮平恵達が来て、「ほいほい、誰かいるか。僕は恵達だが、軍の命令で集団自決するから、忠魂碑前に集まってくれ。軍が爆薬くれるというからアッという間に終わる。遅れたら自分たちで死ななければならないよ」と言ってきた。それで支度をして家族で忠魂碑前にやってきたとのことでした。私は、「お母さん、おじいちゃん、それは軍の命令じゃないからね。死ぬことないよ」と言いました。 村の三役たちがやってくると全員が総立ちになりました。三役たちは、忠魂碑の下で、何ごとかしばらく相談していました。私はそこから7~8メートル離れた井戸のそばのタブの木のところにいました。助役の声か収入役の声かわかりませんが、「村長、もうあともどりはできませんよ」と言うのが聞こえました。 やがて「こっちに来なさい」とあちこち隠れている人たちを呼んだので、皆村長のそばに集まって行きました。村長ひとりが忠魂碑の階段を上り切った一つ下の段に立って、「これから軍からの命令を伝える」と言いました。集まった人々は、いよいよ自決命令だと思っていたのです。すると村長は、「みなさん、ここで自決するために集まってもらったんだが、隊長にお願いして爆薬をもらおうとしたけれど、いくらお願いしても爆薬も毒薬も手榴弾ももらえない。しかも死んではいけないと強く命令されている。とにかく解散させて、各壕や山の方に避難しなさい、一人でも生き延びなさいという命令だから、ただ今より解散する」と言いました。5分くらいの話でした。助役や収入役は、忠魂碑の下のところで、集まった人々と何ごとかを話していました。村長が解散命令を出したのは午後の11時ころです。時計は持っていませんでしたが、お月様が出ていたので、大体の時刻を判断しました。 村長の話が終わったあと、照明弾が落ち、続いて忠魂碑の裏山の稜線に艦砲射撃の弾が3発落ちました。村人は三々五々帰っていきました。うちの家族はどうするか、壕に帰るか、山の方に逃げるか、うちに宿泊している整備中隊の壕を訪ねるか、しばらくグズグズしているうちに、忠魂碑前には誰もいなくなってしまいました。 ■整備中隊壕の前にて そこで、家族7人で1時間以上歩いて大和馬(やまとんま)にある整備中隊の壕に行きました。整備中隊の内藤中隊長、池谷少尉、木崎軍曹、落合軍曹、藤江兵長の5人が出てきて、「このさなかに何しに来たの」と言いましたから、「軍から自決命令が出ているといって忠魂碑前に集まったけど、解散になった。それで、よく知っている兵隊さんに万一の時は殺してもらおうと思って参りました」と言いました。兵隊たちに殺してもらうというのは、母と姉の案を私が代弁したのです。すると「軍の命令なんか出ていないよ。死んではいけんぞ。死んで国のためにはならんよ。国のため、自分のために生き延びなさい。連合艦隊が逆上陸してきたら、万が一救われるチャンスもあるから、家族ひとりでも生き残りなさい」と言われました。「食べ物がないんです」と言ったら、「持っていけ」といわれて、軍が保管していた玄米、乾パン、乾燥梅干しをクツ下の形をした袋に詰め込めるだけ詰め込んで渡してくれました。 それからまた、1時間以上もかけて山を越え、戻ってきて第2中隊の壕のところまで来ると、爆撃が激しくなり進むことが出来ません。第2中隊の田村中尉が、しばらくここに避難しなさいといわれ、金平糖、ミカンの缶詰、黒糖アメをもらいました。そのころは、夜も白々と明けかけていました。この兵隊さんたちは、アメリカ軍上陸後、敵陣地に斬り込み、皆戦死してしまいました。 (以上) 3月29日・「沖縄問題」シンポジウム参加申込み受付中! 東京・杉並公会堂 18時50分開演 今日現在、全国よりたくさんのお申し込みをいただいておりますので、参加ご希望の方は、早めのお申し込みをお願い致します。会員の方は、「史」3月号に同封致しておりますイベント用払込票がご利用いただけます。また、同伴の方も2割引とさせていただいておりますので、この機会に是非ご友人・知人もお誘いの上、奮ってご参加ください。 宮平秀幸証言とは
https://w.atwiki.jp/trpgken/pages/194.html
棗 悠<Natsume・Yu> & ラーゼント<Rasend> 『その身に宿せし名は[苛烈]、意志持つ白銀、ラーゼントだ』 「……なんでオマエのほうがメインみたいに喋ってるんだよ」 『まだ汝は己が身体がどうなってるか理解しきっていないようだな?』 「い、痛ぇーッ!?」 序 / Prologue 「死」の匂いがする。 なにもさっきしこたま吐き出した血の匂いの話をしてるわけじゃない。そういったものとは違う、そもそも匂いと表現するのが正しいのかもわからない感覚。 いや待て落ち着いて説明してる場合じゃないって血ィ吐いてるって。大丈夫か、死ぬのか俺? 生憎と自分の腕より太いものが腹を貫いた上に、投げ飛ばされて壁に叩きつけられた経験なんてのは今回が初めてだから確実なことは言えないが、うん、俺の想像力の及ぶ範囲では死にそうだ。 まさか買い物帰りにこんな目に合うとは。いや買い物帰りとか関係ないな。なにせいきなり化け物にぶん殴られてこれだからな。俺が死んだら母さん泣くかなあ。 「テメエひとのプリン勝手に食っておいてその補填も出来ねえのか」 そりゃラベルに名前書いてあるのに気付かないで食べた俺も悪いけどさ、もともと俺が3個パックで特売してるのを買って来たやつじゃんかよ母さんってちょっと待て俺、いくらなんでも息子の命よりプリンが優先順位高いわけないだろ。あれは口は悪いが愛情は人一倍だ。たぶん。父さんが死んだときも独りですんすん泣いてたじゃないか。 そうだ、父さんの病室だ。あの時は死んだ人間からはこういう匂いがするもんだと思ってたが、どうやらそれも思い違いみたいだ。病気なんかやるタマじゃないとは思ってたが、今にして考えてみれば―― 『汝、その心に敵を撃滅せんとする意志はあらんや』 あー、なんだいきなり。人の走馬灯的なモノを遮って幻聴とはいい根性だ。あのいけ好かない「匂い」のする化け物をぶっ飛ばせるなら、少しは未練も減るかも知れないが。 『なれば、その意志を以って我は白銀を成さん――』 概略 / Personal Data 種族 / Race 人間 性別 / Sex 男性 年齢 / Age 16 身長・体重 / Height - Weight 149cm - 46kg 色素 / Color 眼:黒 髪:赤茶 肌:黄 外見・性格 / Image&Character 『細かいことを抜きにして語れば整った容貌と言えるのだ。毛嫌いすることもないだろう』 「オマエに褒められてもうれしかないな」 『Sigh……。背丈ばかりか人としての器まで小さい男だな』 「……大きなお世話だ」 小柄かつ華奢な体つき、微かに膨らみを帯びた整った顔の輪郭、細く長く伸びた眉、丸く大きな瞳、なだらかな稜線を描く鼻、薄い唇に閉じられた小さな口元、色素が飛びがちな柔らかい髪。 その造形の尽くが「愛嬌」という一点に集約されたかのような容貌をした少年。 まあ有り体に言ってしまえば酷く可愛らしい顔立ち。 本人は自分の顔立ちに少なからずコンプレックスを感じており、普段から目を細めて眉根を寄せた不機嫌そうな顔つきをするよう努めている。 加えて、口調や態度もことさらにぶっきらぼうなものであることが多い。 物事にあたってはあまり深く考えすぎずにまず行動するような直情的な性格をしている。 親の教育の成果もあってか意外と真面目で義理堅い。 奈落との戦いに関しては、一部の人のみが対抗し得るという状況を自らも痛感しているせいか、ある種の義務感を持ってあたっている。 設定 / Settings 「そういえば、最初みたいな古めかしい喋り方はしないんだな」 『あんな堅苦しい喋り方は契約時だけで十分だ。それに続けたところで汝が理解できるわけでもあるまい』 「確かにそうなんだが、もう少し別の言い方があるんじゃないのか」 瑞珠学園に通う生徒にして、シャードを核とする意志持つルーンメタル「ラーゼント<Rasend>」に見出されたルーンナイト。 つい先日まで、世界に迫る危機についてはさっぱり何も知らない生活を送っていたが、あるとき奈落の怪物に襲われ、命の危機に瀕し、ラーゼントとほぼ同化した状態になることで一命を取り留め、世界の真実を知ることとなる。 命を救われたことに関して、ラーゼントに対して少なからず恩義を感じており、奈落との戦いやアスガルドの探索については意欲的である。 ちなみに、襲われたときの事後処理には、何故か見知った刑事が現われっていうかムロさんじゃねえかなにやってんだアンタ的なことがあったりもした。 父親を亡くし、現在は小学校教師の母親、楓<Kaede>とともに暮らしている。 「オマエにも苗字と名前とで両方植物の名前が出てくるという何とも言えなさを味わわせてやろうかと思ったが、父さんに止められたから漢字二文字でなんとなく座りが悪い名前にするだけに留めてやった」などと面と向かって言われるぐらいに家族仲は良好であり、日々「死にさらせ」「ぶっ飛ばされたいか」と心温まる家族のコミュニケーションが交わされている。 言うまでもないが口と態度が悪いのは明らかに母親のせい。 父の聡彰<Tadaaki>は病死ということにはなっているが、実際には彼もまたクエスターであり、奈落との戦いの末に命を落としている。楓はそれに関しては全て知っており、また悠にしてもなんとなくではあるが察しはつけている。 戦闘時には円形の盾と身の丈よりも長い馬上槍を携え、濃青のラインの入った甲冑のような白銀のルーンメタルを身にまとう。 背面、腰の両脇、両足先はスラスターのようになっており、常時マナの青い輝きを噴出しており、わずかながら身体を浮かせている。 メインの攻撃はスラスターの推進力を前方に集中させてのランスチャージ。 シャードはラーゼントと同化したときに身体の奥深く、具体的には胴体中央、心臓の真横に根付いており、クエスターとしての力を振るうときにのみ身体の表面にせり出してくる。 形は縦に細長い八面体、色はルーンメタルに走るラインと同じ濃青。 データ / System Data クラスレベル・取得特技 / Class Level & Skill ファイター:1 ≪戦士の手≫ ≪猛攻≫ ルーンナイト:4 ≪ルーンウェポン:ルーンランス≫ ≪ルーンフィールド≫ ≪ルーンメタル≫ ≪ルーンヴィークル≫ ≪ブレイブスパーク≫ ≪マナミラージュ≫ ソードマスター:1 ≪庇護の剣≫ ≪魔剣所持≫ ≪煌めく刃≫ 加護 / Blessing トール フレイ フレイ 能力値 / Attribute 能力値 体力 反射 知覚 理知 意志 幸運 基本値 14 15 12 9 11 12 ボーナス 4 5 4 3 3 4 戦闘値 命中 回避 魔導 抗魔 行動 耐久 精神 攻撃 未装備 10 9 5 5 11 29 19 6 修正値 10 11 6 5 13 29 19 刺+16 ライフパス / Lifepath 出自 教育者:[教育成果]理知判定の達成値に+2 経験 学校関係:[情報:噂話]そんな感じの情報収集判定に+3 境遇 蘇生:クエスト「借りを返す」 邂逅 秘密:“迷宮のムロさん”室井 庄司 装備 / Equipment 右手:ルーンランス 左手:ラウンドシールド 防具:ルーンメタル アクセサリ:アタックリング 携帯電話 時空鞘 時空マント ライフスタイル・住宅 / Life Style Housing ライフスタイル 中流家庭 住宅 一般家庭 個室 独り言 ド直球な主人公的少年をやろうとしたら気が付けば比較的リビドーまみれな感じになってました。 まあそういう日もあるよね! 輝け、いや輝いちゃいかん! 没ネタ。 「没ネタって何だよ、オイ……」 『我々が生まれるまでには紆余曲折ある、という話だ。キャラクター作りの参考には……Sigh、ならないだろうな、恐らく』 「こんなキャラを量産するとGMが困るからな。しっかし、これはこれでリビドー塗れだよなあ」 さてさて、たまにはわかりやすく主人公でもやるかと思ったPL1くん。もう「くん」とかいう年齢でもないことに気付いてしまったのでPL1に修正です。 とりあえず主人公といえば少年だろうと凄く安直に決めたPL1ですが、ここで凄く困ったことがありました。 見た目をどうしようか迷ってしまったのです。 最初は普通にやんちゃ気味な少年の見た目、要するにツリ目で髪の毛がツンツンというものをやろうと考えました。いまの性格付けなどはこの段階のものがベースになっていますね。 ですがここで問題というか欲望がもりもりと浮き上がってきます。PL1はキャラクターに変なギャップをつけたがるのです。可憐な女の子キャラを作ろうと思ったら気が付くと両手持ちのグレートアックスを振らせてしまわなければならないと、妙な義務感に燃えてしまう業の深い人種なのです。 というわけでややなよっとした女顔の男子がやんちゃーさんなのも良いんじゃね? たまには美少年とかやっても良いんじゃね? といった思考もポップアップしてきたのです。 まあ結局なよ少年といった風情で行こうかなー、とは思ったのですが、どうにもリビドーだけで美少年にするのはキャラクターとして納得がいかないPL1。 果たして棗・悠のキャラクター性はどうなってしまうのか!? 待て次回! いや待たなくて良いや! そんなこんなでキャラクター性の理由付けをはじめようともくろむPL1。こういうときPL1は必ずやることがあります。キャラクターに何か「コンプレックス」を持たせることです。これをやるとキャラクターが一気に立つ上に、GM方向からもつつきやすそうになるからです。 女顔の男子が変に男性らしさを強調するかの様な立ち振る舞いをするとなれば、それは外見についてのコンプレックスが多大なものであることの現れです。「からかわれた」とするのは簡単ですが、それではちょっとありきたりです。ここでPL1はちょっとダメな方向へと思考を膨らませます。ヤンデルワールス力ですね。 PC1とはいえど人間です。単発セッションとかでは問題にならないような家庭の事情も、キャンペーンだと設定してあればキャラクターの厚みとなります。もともと、PC1なのだから父親の一人や二人死んで貰うかということで、母一人子一人の家庭というものは想定していました。であれば、子にコンプレックスを負わせるのは母親の役目! そんなときに、主人公が不意に凄くダメな台詞を脳内で吐き始めました。 「やめてよ……僕の名前を呼んでよ、母さん」 そうです。姉(故人)を設定し、それと顔が似ていることにすれば、このようにアイデンティティを揺さぶるどころか根底からどうにかしてしまうような、別の人間としての認知をさせれば、自らの確立を目指し、姿にそぐわない性格付けをするのも説明が付くのです! 完璧だー! たぶん完璧だぞー!! えうれーかえうれーかと叫びながらギリシア兵に取り押さえられて密度を測るために水の中に沈められんばかりのテンションがPL1を包みました。 ですがここでPL1は正気を取り戻しました。いくらPC1だからといって、ここまでテンションをぶっ飛ばさなくても良いのです。 というかハンドアウトの要求をはるかに超越したこの設定の積みっぷりは少し控えるべきなのです。 それよりも正直言ってこのPCを扱いきれる気がさっぱりしなかったのです。 ネタとしてはおいしいとは思いましたが、あんまり惜しむこともなく没ネタとして沈ませることとしたのでありました……。 「……いまの母さんからはさっぱり想像できない設定だ」 『どちらも気に入ってるとは言えども、真逆の方向にかっ飛ばしすぎであることは否めんな』 「まっ、ずいぶんと気楽な立場にもなったもんだし、GMとしてもありがたいぐらいじゃねえか?」 『GMはむしろこの没ネタのほうを所望していたようだが』 「……本気かよ?」
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/8824.html
722 名前:弥次郎[sage] 投稿日:2023/09/23(土) 23 35 18 ID softbank126036058190.bbtec.net [106/145] 憂鬱SRW アポカリプス 境界戦記編SS「最前線司令部の憂鬱」 境界戦記惑星 日本列島 北米同盟占拠地域 旧山梨県 甲斐市 前線司令部 会議室 旧山梨県の甲斐市に設営されたこの北米同盟の拠点は、比較的新しい---というかごく最近に緊急で建造された場所だった。 他の位置にあった司令部機能を一部どころかすべて移転して、対日本解放戦線への対策本部としても用意されていた。 なぜ、そんなことをする必要があったのか? 偏にそれは、現在会議室に表示されているMSCU-M107W「ホワイト・モルフォ」が原因だ。 諜報網などから得られた情報からするに、近未来的な外観を持つ戦略列車砲と目されるそれは、なんと有効射程500キロは固いレールガンを保有していたのだ。 これが確認されているのは、日本解放戦線の重要拠点であり要塞である「関ケ原要塞」の向こう側だ。 そこから半径500キロとなれば、関東圏や北陸、果ては伊豆諸島までもが飲み込まれているというとんでもないものであった。 無論、フェイクや誇張の可能性もあったのだが、東京湾ど真ん中に叩きこまれた示威的射撃により、嫌でも認めざるを得なかったのだ。 さらに撃ち込まれた砲弾についての調査や諜報部が掴んだところによれば、砲弾は800ミリというトンデモ砲弾であった。 第二次世界大戦時にドイツが運用していたグスタフ・ドーラ列車砲と同じ大口径砲だというのだ。 そして、そのスペックは確認できるだけでも、それが赤子に見えるレベルというのは明白だ。 ここまで言えばわかるであろう、この列車砲による砲撃を恐れ、北米同盟は泡を食って戦力配置などを見直したのだ。 射程圏内から逃げ出したいのは山々であったが、逃げたところで今度は日本解放戦線が詰めてくることに変わりはない。 その為、代替案として日本列島に点在する山岳地帯の稜線に隠れるという手を選んだのである。 レールガンと言えども曲射は可能であるが、少なくとも真っ向から叩きこまれるよりは何倍もマシという判断をしていた。 加えて、司令部機能を地上から地下に移すことによって、動きを悟られにくくするというのを選んだ。 自分達の頭の上の制空権を握れていないということで、航空偵察で配置などが露見する可能性もあっての選択だ。 制空権が握れなくなったことにより偵察を自由に許してしまうほか、軌道上の衛星なども多くが使えなくなるなど、踏んだり蹴ったりであった。 だからこそ、地上においても天空から見下ろす目を恐れ、さらにはいつ飛んでくるかもわからない砲撃におびえる日々が続いていた。 そして、比較的最前線に近いこの甲斐市の前線司令部に設置されているのが、この「モルフォ」への対策本部であった。 モルフォは脅威である、だからこそ何とかせよ、ということなのであるが---居並ぶ面子は半ば以上に諦め顔だ。 とはいえ、命令は命令。会議を開き、話し合いを行い、その議事録などを提出する義務がある。 よって今回も定例の会議が行われることになったのだ。 日々の諜報活動や観測、あるいは得られたデータの分析結果は蓄積されており、そこからわかることもある。 「……とはいえ、これではな」 「モルフォ」対策本部を任される大佐は髪の毛をぐしゃぐしゃと掻くしかない。 日々蓄積されていくデータや情報は、「モルフォ」への対抗策が0であるということを裏付けするものばかりであったのだ。 723 名前:弥次郎[sage] 投稿日:2023/09/23(土) 23 36 16 ID softbank126036058190.bbtec.net [107/145] まず、この列車砲の脅威が確認され、攻略が検討された時、真っ先に考案されたのは巡航ミサイルによる撃破であった。 彼我の距離があり、間には自然の地形や「壁」があるため、それを飛び越えて攻略するには順当だと考えられたのだ。 「とはいえ、航空機どころか飛翔体の進入を許さないようだからな」 「衛星による迎撃とは、まるでSFですな……」 「SDIも真っ青だよ全く……」 が、当然没となった。 巡航ミサイルを試しにはなってみたところ、日本解放戦線(本当は地球連合)の衛星や地対空システムにより悉くが落とされる羽目になった。 航空機による爆撃ないし直接攻撃も発案はされたのだが速攻で没となっている。 「絶対的に制空権を握られている関係から、こちらの攻撃オプションの過半が使えないからな」 「衛星破壊攻撃も行われたのでしたっけ?」 「ああ、結果はお察しだがな……」 その後もいくらか発案されたのだが、スマートに解決するのは不可能、と判断された。 次いで考案されたのが、同じような大型砲を開発・配置することによってカウンタースナイプを決めるというものである。 こちらも速攻で没になった。その理由はごく単純だ。 「こっちは即座に発見されてカウンターにカウンターを喰らったと……」 「せっかく用意された新兵器が吹っ飛びましたからね」 その時の資料を読み返すと、あの時の悲劇が脳裏によみがえる。 それこそ、V3などのようなムカデ砲を超えるそれを用意しようというのだ、必然的に多くの人員や資材が投入されていた。 入念に情報統制や隠しての作業を行ったのであるが、当然そんな動きをしようものならば天空の目が見つけて通報する。 「……そして、基地ごと吹き飛んだ、か」 「あれ以来、この手の作戦に音沙汰がないってのは、そういうことでしょうね」 ああ、と部下に返事をしながらも、大佐はこのプランの欠点をもう一つ見透かしていた。 モルフォが一体どこにいるのか不明だ、という点だ。 スパイなどの情報を基に位置の割り出しを行うのだが、どうやってもタイムラグが発生する。 そも、最初に発見された時は巨大な要塞砲としてみなされており、それが次の日には消えていたのだから誤認ではという判断さえあったくらいなのだ。 いくつかの情報と、それから計算された弾道から推測された発射位置から鑑みて、ようやく列車砲のたぐいと判明したのはごく最近の事である。 (線路上にしか展開できないと思われるそれの行動範囲を絞ることはできるが、どこにいるか正確にわからなければカウンターしようがない) モルフォ対策ではなく、どちらかといえば「壁」攻略を企図したであろうその大型砲では正確に位置を把握しなくては意味がないのだ。 これが固定目標や要塞であるならばともかく、相手が動く列車砲を相手にするのは些か以上に難しい。 空から見られていることを考えれば、位置を補足してから速やかに砲をくみ上げて発射して先制するという理論上だけはできるそれをやらねばならなかった。 そも航空偵察も弾着観測もできないのにどうやるつもりだったのだ、というツッコミはさておき。 724 名前:弥次郎[sage] 投稿日:2023/09/23(土) 23 37 17 ID softbank126036058190.bbtec.net [108/145] そして、次にぶち上げられたのがコマンド部隊の投入というものである。 「これについての進展は?」 「ダメですね」 肩をすくめた部下の報告はにべもない。 「陸路、空路は封鎖状態なのは言うまでもなく。 制海権はかろうじて東日本側を維持していますが、そこから先は日本解放戦線……地球連合の制圧下です。 潜水艦から発した潜水艇によって放り込むと言う手も何度か試されていますが、悉くが失敗。 貴重な諜報員や兵士が消えていくのを本国は許容できないとのことでして…」 「その代案検討は?」 「こちらもダメです。現状、難民に混ぜた協力者や諜報員で何とかしていますが、チェックがかなり厳しいので……」 そうか、と大佐はため息をつくしかない。 少し考えればわかることなのは事実だ。壁の向こう側に諜報活動員を送り込むことだけならばできるし、事実これまで何度かやって成功はしている。 だが、その際にはほとんど生身で放り込み、現地で必要なモノを調達してこちらとコンタクトを取らなくてはならないのが手間なのだ。 余計なものは持ち込めないというのがあまりにも痛かったのである。 それだけ、壁越しにこちらとの通信を行う方法を確保するだけでも一苦労なのだ。 一般的な通信手段では傍受される可能性があり、実際に傍受されているという報告も上がっている。 だからこそ暗号を用いたり、符丁などを使うなどしているが、どこまで通用しているかと疑問が付くのだ。 まして、破壊工作などを行うようなそんな人間を送り込むにはリスキーすぎるのだ。 「おまけになんだ、頭の中をのぞかれるだって?」 「ええ、報告に上がってきていますね。 ?発見器のようなものでそれなりに精度があるようです」 「とはいえ、すり抜けられているのも事実か。これをメインにしているのも当然だな」 「消去法ですけどね」 いうなよ、と愚痴る。 結局のところ、情報を集めるだけでほぼ手一杯で抵抗しようがないのだ。 「で、総じて手詰まりなのが確認された、ということでいいか?」 「大佐、もう少し言い訳の立つ言い方を……」 「だが事実だろう? そうじゃなきゃ、いつ飛んでくるかわからない砲撃におびえて隠れるなんてことをしない」 あるいは、と続ける。 「そうでなければ、首都圏に乗り込んで日本人を盾にするなんてことをするわけないだろ?」 「それは……」 そう、前線司令部は確かに隠れることを選んだ。 だが、どうしても隠れられない重要拠点などは存在していたのだ。それに北米同盟が出した答えが、日本人という盾だったのだ。 日本解放戦線が日本の全土奪還を考えているならば、元の日本を取り戻す必要があり、その為には首都圏などを攻撃できない、はず。 そういう楽観的な予測も合わさって、日本人の盾は現在も用いられている。 だが、他国の人間とは言えそれを平然と行える人間ばかりではないのが実情だ。 それに加え、日本解放戦線は躊躇っても、地球連合が躊躇う理由は乏しいのだから。 「それに現状、最前線は押されている。 モルフォの撃破どころじゃないってのは、いい加減上層部もわかりそうなものだがな」 「確かに…「壁」攻略どころか、そこにたどり着くルートを拓くだけでも致命傷になるかもしれませんからね」 「結局、今回も同じ結論になりそうだな」 そう、何度か知恵を出し合ったが、毎回ほぼ同じ結論にたどり着くのだ。攻略は困難どころではないと。 それでもいつ何時自分たちが砲撃で消し飛ぶかわからない上層部は何とかせよの一点張りだ。 「やってられないな」 そんな憂鬱な日々は、まだ続く。だから、ため息はどうしても止まらなかった。 725 名前:弥次郎[sage] 投稿日:2023/09/23(土) 23 38 13 ID softbank126036058190.bbtec.net [109/145] 以上、wiki転載はご自由に。 北米同盟の詰みっぷりの再確認でした。 でも、北米大陸が他の惑星から来た勢力によるヒャッハー(比喩)されているから北米同盟も必死なんだよなって…