約 1,243 件
https://w.atwiki.jp/saki_nodoka/pages/65.html
「あんた、ちとやりすぎたみたいじゃのう?」 「そうみたいね。まさか二人があそこまで真直ぐだとは思わなかったわ。 咲はいずれボロが出て、本心を隠しきれなくなると思っていたし、 和にしたってあそこまで営業用のスマイルに振り回されるなんて」 「カップルジュースを持っていたこっちまで気まずくなったわ。 なあ、一体これからどうするんじゃ?」 「うーん、神のみぞ知る、かしらね」 「おいおい、なんじゃそれは?」 「障害の多い恋ほど燃え上がる。そういうもんでしょ?」 「相変わらず鬼じゃのう……」 「もう卒業なんだから、これくらいは楽しませて貰わないと。 それにきっと大丈夫よ。ああ見えて咲は芯が強いから」 「和はああ見えてお子様なんじゃがのう…」 「それでバランスが取れているんだから、心配無いわ」 「はあ……。だといいんじゃが」 原村さんは私の差し出したハンカチの陰で、暫く泣き続けた。 「どうしたの?」 何度そう尋ねても、返って来るのはただ一つ 「何でもありません」 という答えだけ。 (何でもないわけない。どうしたの原村さん?) 彼女を励ましてあげたくて仕方がないのに、 私は自分がそのやり方を知らないことに気が付いた。 「そういう時は黙って女の子の肩を抱いてあげるのよ」 部長から特訓の際にそう教えられたけれど、ホストのサキとしてではなくて、 宮永咲として、私は原村さんの涙を止めてあげたかった。 彼女のことが好きだから、他の誰でもない、 自分の手で悲しみを取り去ってあげたかったのに……。 私は結局どうすることも出来ずに、立ち尽くすだけだった。 やがて原村さんは泣きやんで、最後に消え入りそうな笑顔を浮かべた。 一緒に出店を回りたかった。 面白そうな出し物があったら二人でそれに参加して、 たった一度の想い出を作りたいと思っていた。 クレープを食べて、お茶を飲んで、そして手を繋いで。 そんな一つ一つが掛け替えの無い時間になると思っていた。 でも結局、文化祭の間一度も原村さんと出歩く機会は無かった。 私は声を掛けることが出来なくて、彼女も声を掛けてくれなかったから……。 最終日も終わって、「麻雀メイド喫茶」は片付けに入った。 客席代わりに使っていた机をばらし、染谷先輩のお家が営む喫茶店や、 交流が出来た風越、龍門淵の麻雀部から貸して貰った雀卓を、 業者に運んで貰うために梱包する。 私と原村さんが最後まで飲めなかったカップルジュース用のグラスを 洗って戸棚にしまい、もう使わないストローをゴミ箱に捨てる。 思わず溜息が漏れたその瞬間、不意に部長に声を掛けられた。 「咲、和。これを処分してきて」 そう言って部長が指し示したのはもう使わないパネル。 私達はその言葉に従って、校庭で焚かれているキャンプファイヤーへと向った。 出店の売れ残りを食べている生徒達。そんな彼らと一緒に片づけをする先生。 まるで返す波から漏れてしまった水滴が浜辺を濡らして日に照り返すように、 文化祭の高ぶりや感動の名残が、校舎の至る所に満ちていた。 私と原村さんはその中を無言で歩き、やがて火柱を上げる井桁へと辿り着いた。 「御願いします」 ファイヤーキーパーをしていた美術の小林立先生にパネルを渡すと、 「文化祭は楽しめた?」 と尋ねられた。私も、そして原村さんも無言でいると、 「もったいない。まだ終りじゃないんだから、今からでも楽しみなさい」 立先生はそんなことを言った。 井桁から立ち昇る炎の周りには多くの生徒が集まっていて、 ファイヤーフォークを踊っていた。 太陽が地平線の向こうへと姿を消した西空は、僅かに残る光で赤く染まり、 昇ったばかりの満月が煌々と輝く東空は、まだ宵には早い紫色に包まれている。 一日が終わる直前の、最後の残り火のような時間。 私と原村さんの吐息が白く曇って風に流れていく。 その時 ♪ 諦めたら終わり 気持ちをリセットして ♪ 立先生がそれまで流していた音楽を変えたみたいで、新たに別の歌が始まった。 (諦めたら終わり………そうだよね) 私は麻雀部の部室へ帰ろうとする原村さんに声を掛けた。 「一緒に、ファイヤーフォークを踊ろうよ、原村さん」 Yシャツにスラックスを履いた男装姿の私を見て、彼女が尋ねる。 「ホストとしての言葉ですか、サキさん?」 「違うよ。宮永咲としての御願い。私、原村さんと一緒に文化祭の想い出を作りたいんだ」 そう言って右手を差し出すと、躊躇いがちではあったけれど、 原村さんは左手を出してそれに応えてくれた。 彼女の手をしっかりと掴んで、その体を自分の方へと引き寄せる。 吐息が掛かる程原村さんを間近に感じながら、私はステップを踏み始めた。 「あんまり踊りは上手くないから、足を踏んじゃうかも知れない。 その時はごめんね。原村さん」 「はい……。私も上手くないので、踏んでしまったらごめんなさい」 ♪ 今ちょっとだけ 目を閉じたら ♪ ♪ せめて私が落ち込んでるの隠せるのかな ♪ 私は一度目を伏せてから、真直ぐ原村さんを見つめた。 「原村さんと一緒に文化祭を回りたかったんだ。 二人で想い出を作りたかったから」 「………」 「だから、ずっと話が出来なくて、凄く寂しかった」 「……私も、です」 「どうしてこんな気持ちになるんだろうって、そればかり考えてた」 「…答えは、出たんですか?」 「うん」 繋いだ手に力を込めて、私は本心を打ち明けた。 「あのね、私、原村さんのことが好きなんだ。 原村さんと一緒に居たい、その目で私を見ていて欲しい」 「み、宮永さん……」 「急にこんなこと言って、ごめんね。 でも、もう原村さんと話が出来ないなんて、嫌だから」 夜の帳が折り始めた星空の下、私達は炎に照らされながら暫く無言でステップを踏んだ。 「原村さんの気持ちを、教えて?」 風が吹いて、流れた彼女の髪の毛が私の唇に触れる。 「私も、宮永さんのことが好きです。 他の人を見て欲しくない。私だけを見ていて欲しい。 そんな風に思ってしまうくらい、あなたのことが好きです」 ♪ ただひとつ願い抱えて ♪ ♪ それぞれの運命 賭ける負けないよと ♪ 額をくっつけると、原村さんの温もりが感じられる。 鼻先が触れ合うのがくすぐったくて、 笑い声を漏れるのと同時に、彼女の瞳から涙がこぼれる。 私はそれを止めたくて、口付けをする。 Yシャツとメイド服が触れ合う衣擦れの音が微かに、けれどはっきりと耳に届く。 私達は火に照らされながら、ステップを踏む。 「好きだよ、和ちゃん」 「何だか、格好よくて複雑です。咲さん」 「でも、本当に好きなんだ」 「はい………///////」 「もう少し、こうしていてもいい?」 「……勿論です……///////」 「戻って来ないと思っていたら、こんなとこに居たのね」 「ほう。まあ、上手くいったみたいじゃのう」 「そうね」 「おや、議会長の竹井君に、二年生の染谷君じゃないか」 「あら、立先生」「おお、小林先生」 「ファイヤーキーパーですか?」 「ああ、もう少しだけ頑張らないと」 「「お疲れ様です」」 「いやいや。それより、アニメの第二期が楽しみだね」 「ふふ、そうですね」「楽しみじゃのう」 「さあ、君達も踊ってきなさい。今日はお祭りなんだから」 「「はい」」 「命短し、恋せよ乙女」 ファイヤーフォークを踊りながら、お互いの気持ちを確かめ合った 私と宮永さんは、暫く火の周りでステップを踏んだ後で、 校舎脇に広がる雑木林の暗がりへと、入っていきました。 「二人きりになりたい」 宮永さんがそう言ったからです。断る理由などない私が頷くと 彼女は繋いでいた手を引いて、火柱が上がる井桁の前を離れました。 やがて人目に付かない場所まで分け入ってから振り向いた宮永さんは、 微かに届く井桁の炎光と、空を覆う星々の瞬きに照らされて、 普段とは違う雰囲気に包まれているように見えました。 「麻雀メイド喫茶」のホストをしていた関係で、ノリの効いた白いYシャツに スキニー(細身)タイプの黒いスラックスという男装姿の彼女は、 そのボーイッシュなショートカットも相まって、月並みな言い方ですが 「何だか、王子様みたいです……//////」 「え?」 宮永さんが驚いた顔をするのを見て、私は思ったことを そのまま口に出してしまっていたことを知りました。 「お、王子様かな…?……///////」 「す、すいません。でも本当に今日の宮永さん、格好良くて」 「ううん、嫌とかじゃなくて。えっと、原村さんはこういう方がいい?」 「え?……いえ、普段の宮永さんも十分素敵です。でも…… そういう姿も新鮮で、ドキドキします……//////」 「そっか、じゃあ、王子様としてエスコートするね……… …………………和」 「!?」 「どうしたの、和? 名前で呼ばれるのは嫌かな?」 「い、いえ。そんなことありません、咲さん………///////」 繋いでいた自分の手が彼女の口元へと引き寄せられ、 そして薬指の付け根に軽くキスされる。 その一連の動きが、まるでスローモーションのように はっきりと見えました。唇が触れた瞬間思わず体を強張らせた 私を見て、宮永さんが魅惑的に笑いました。 それは「麻雀メイド喫茶」でホストをしていた時の姿そのまま。 いいえ、それよりももっと洗練され、それでいてどこかこの闇が似合う、 まるで夜の気配を帯びた退廃的な王子様のようでした。 (部長、こんなことまで特訓していたんですか?) そんなことを思っていた私に、宮永さんがショートカットに整えられた 中性的な顔を寄せて来ました。その瞳に映るキャンプファイヤーの火が どんどん大きくなり、思わず後ずさりしましたが、しかし背後を木に塞がれた ところで彼女に追いつかれ、人差し指で唇の稜線を軽くなぞられました。 「和、目を瞑って」 その言葉の意味を悟って、私は硬く瞼を閉じました。 しかし、暫く待っても“期待した感触”は訪れません。 不思議に思って目を開くと、そこに先程と同じ魅惑的な 笑顔を浮かべる宮永さんの姿が………… 「からかわないで下さい」 思わずそう言おうとしましたが、しかし言葉になりませんでした。 彼女の唇によって自由を奪われ、声を発することが出来なかったからです。 (み、宮永さん………………っえ!!?) 思いがけない事態に体が反射的に抵抗しましたが、しかし宮永さんは、 私の言葉を奪うだけでは満足出来なかったようです。 口蓋に割り入って来た彼女の舌に、私は残っていた最後の 意識まで絡め取られてしまいました。 「……宮永、さん……………」 力が抜けて腰砕けになった私の体。 そのまま尻餅をつくかと思った所で、しかし宮永さんに拾われました。 私の両足の間に彼女が膝を入れ込んだのです。 背後の木に、宮永さんの膝でピン留められた私に、彼女が囁きました。 「和。膝が、温かいよ?」
https://w.atwiki.jp/echizen/pages/36.html
[ ターン5新規アイドレス>食料生産地 ] 食料生産地 要点 アイドレス名称:要点:周辺環境 食糧生産地:食料・育成中の食料・生産地で働く国民:食糧倉庫・食糧生産に向いた地形 定義 L:食糧生産地={ t:名称=食糧生産地(施設) t:要点=食料,育成中の食料,生産地で働く国民 t:周辺環境=食糧倉庫,食糧生産に向いた地形 t:評価=なし t:特殊={ *食糧生産地の施設カテゴリ = 藩国施設として扱う。 *毎ターン食料+15万tされる。 } →次のアイドレス:・神殿(施設)・農業機械(施設)・食糧倉庫(施設)・猫神(にゃんにゃん共和国のみ)(職業) } ※HQ獲得により食料生産量+5 根拠 イラスト その1 (作:朱居まりあ) (達成要点:食料・育成中の食料・生産地で働く国民:食糧倉庫・食糧生産に向いた地形) その2 (作:鴻屋 心太) (達成要点:食料・育成中の食料:食糧倉庫・食糧生産に向いた地形) その3 (作:黒埼紘) (達成要点:食料・育成中の食料:食糧生産に向いた地形) その4 (作:佐倉 真) (達成要点:食料・育成中の食料・生産地で働く国民:食糧倉庫・食糧生産に向いた地形) その5 (作:黒埼紘) (達成要点:食糧倉庫) その6 (作:SEIRYU) (達成要点:育成中の食料:食糧倉庫・食糧生産に向いた地形) 設定文書その1 :『越前藩国と稲作』 越前の産業構造 貧乏子沢山という言葉がある。越前藩国とはまさにその言葉にふさわしい藩国であった。 国民の数こそ帝國でトップ3に入る(ターン5現在)ものの、保有資産量はつい最近まで藩国史を通じて最底辺からぴくりとも浮き上がらず、動員・戦争・供出・備蓄・罰金の命令が下るたびに、藩王をはじめ、摂政・理族が青い顔をして金策に駆けずり回るのがこの国の常であった。 人生がけっぷち、ならぬ国政がけっぷちのこの国が、それでも国家として成立してきた理由はこの国の産業構造にある。 医療、サイボーグ技術など、とかく先端技術が注目されがちな越前藩国ではあるが、実はその産業割合のほとんどが第一次産業で占められているのだ。 肥沃な土地、変化にとんだ四季をもつ国土は、バイオ技術の駆使による農作物の改良とあわせて、毎年多くの大地の恵みを産み出し、この国の食料自給率は実に100%近い数字を維持し続けている(あまり知られていないことだが、面積あたりの生産量は帝国内でもトップクラスを誇る)。 つまり、お金がなくても食うだけなら困らないということである。 特に最近では、土壌改良技術や、悪天候に強い新品種の開発などによる成果が目覚ましく、ここ数年に話を限れば食料自給率は120%を超えてなお増加傾向にあり、近隣国への農産物の輸出は越前藩国の主要な収入源の一つになりつつある。 越前の田園風景 実際の生産地の様子を紹介しよう。 山がちな東国の例にもれず、この藩国でも稲作に適した平地は少ない。そこで、この国では山岳水田の開墾が推し進められた。 重機やI=Dでは困難なこの仕事を、サイバー農夫たちはやすやすとこなしていった。 機敏な動作こそ不可能なものの、耐久性、防水性、出力に優れた農作業用サイバーウェア「O-100-翔」の開発がこれを大きく助けた事は、藩国技術史に残る技術者達の一大功績である。 (戦争用のサイバーウェアより扱いが大きいあたりから、この国の国民性とか、当時の懐事情とかを察して欲しい。 ) 仕事帰りの農家の人たちが、農具と一緒にサイバーウェアのメンテをしている光景は、他国では珍しいものだろう。 都市部は高層化した建物で形成されているが、一歩郊外へと踏み出せば開墾の成果、見渡す限りの田園風景が広がっている。他国のように平地だけではない。山々まで青々とした田畑が広がっているのである。 そこでは、人々が家族単位を基本とした稲作を行い、越前藩国の主食たる米を生産している。 個々の田畑には、山岳であれば豊富な湧き水、平地であれば藩国の中央に存在する三日月湖、または藩国を東西に分けるように流れる天野川から引かれた用水路から充分な水が引かれている。 火山性の地層を通して蓄えられた水は、多量のミネラルを含む。この良質な水こそが、美味なる米と酒の源となるのである。 稲作地帯の一年 春、田植えを終えたばかりの苗が、若い緑を精一杯に太陽に向かって伸ばす姿を子供の成長に重ね、この国ではちょうどこの季節に子供の節句を行うのがならいとなっている。 子供達の立派な成長を願い、大人たちは節句の儀式に出席し、大いに飲み、騒ぐ。 夏は労働の季節である。育ち行く作物を見守り、丹念に手入れをしていく人達の額に光る汗は美しいものだ。 そんなふうに汗をかいた仕事帰りには、当然一杯やるものである。 夏祭り、盆踊りと行事も目白押しである。 秋を迎えると、国のあちこちで収穫の無事を祝う祭りが行われる。 あちこちで飲めや歌えやの騒ぎになるこの時期は、越前藩国に来る観光客が最も多い時期でもある。 冬は農閑期であり、春の田植えにむけて準備するだけのこの時期には、結婚式が増える。 年末年始もあることだし、当然のように飲む。 やたらと宴会・祭りが多いと思うかもしれないが、そこは「国民性」の一言で納得して欲しい。 食料生産の先端技術 そんな越前藩国の農業分野では、近年、他の藩国に例を見ない取り組みが行われている。 資源採掘用海洋ドームの海上部分に、試験用稲作プラントを設置しているのだ。 ここでは品種改良など最先端農業技術の研究が行われ、確立された最新農業技術、農業理論は各地の農業に導入されて、効率化・省力化に貢献している。 まぁ、時々試行錯誤が行き過ぎて、「空飛ぶ人食いとうもろこし(意外に美味かった)」とか「I=D大のスイカ(スカスカで不味い)」などが出来てしまうときもある(その度に摂政以下、吏族達が頭を抱えて後処理に奔走する)が、そんなことは些細な問題だ。と、信じたい。 また、これに加えて毎年の収穫を支える大きな助けとなっているのが理力流観測システムの存在である。 理族は常に藩国全土を巡り、理力の流れを観察している。理力と天候との関係は明らかではないが、この藩国では理力の流れから、天候や寒暖の変動などを予測する術が確立している。 さらに、越前藩国自慢のインフラである多目的センサー網が農業生産力の向上に大きく寄与している点も見逃せない。 国中に張り巡らされたセンサー網から得られる莫大な情報の蓄積は、他国では考えられない精度での作業日程の構築を可能としている。 越前藩国の農民は、多目的端末にアクセスするだけで、今日施肥すべきか否かや、施肥する際の最適な肥料成分や濃度、水温の上下、育成状況の優劣等の情報を極めて簡単に引き出すことが出来るのだ 。 また、(意外に思われるかもしれないが)越前藩国のお家芸、医療分野にも農業は関係している。 薬の原材料がイネ科の植物であることがその一番の理由だが、最新の研究ではこの国特有の風土病「不安定性無気力症候群」の治療と症状緩和に農作業が有効である。との報告がなされているのだ。 汗をかき、自然を感じ、自らの行動の成果を収穫(あるいは作物の生長)と言う形で実感できることがその要因ではないかと言われているが、詳細に関しては研究中である。 越前中央病院では、この研究結果を受けて、入院患者のリハビリとして農作業を導入する方針を既に発表している。 この試みが上手くいけば、目が虚ろだったり、時折発作的に痙攣したりしながらも、さわやかに働く戌士の姿が見られるようになることだろう。 瑞穂の国、越前 このように、藩国の各所に関係する農業は、すでにこの国の特色と言っても過言ではない。 イワヤト山の一帯を水源とするイワヤト水系の豊かな恵みを受けて、黄金に実る稲が遠い山々の稜線まで見渡す限りに続く収穫期の風景は、初めて見るものを圧倒することだろう。 何百億わんわん積みあげようが、この黄金の景色にはかなうまい、とは藩王の言である。 貧乏なこの国の藩王は、そんな大金見たことないからだろう、とは、つっこまないであげてほしい。筆者からのお願いだ。 (達成要点:食料・育成中の食料・生産地で働く国民:食糧生産に向いた地形) 設定文章その2 ~7002年度 越前米PRパンフレットより抜粋~ 越前藩国に存在する小梅平野は米の名産地です。 皆さんは、美味い米の生産に欠かせないものが三つあることはご存知でしょうか。 それはきれいな水と土、そして昼夜の気温差です。 小梅平野は周りを山に囲まれた盆地地形。険しく狭い地形である、このごく限られた地域で作られるのが越前米。きれいな水を論じるのならば絶対に負けません。冬の間、山に降った雪がゆっくりと解けていき、周りを囲む深い山から流れ込む水と土は山の養分をたっぷりと含んでいます。 水に関してはもうひとつ大切な要素があります。水中の窒素の含有量です。窒素の含有量はお米に含まれるたんぱく質の量に直接の影響を与えます。 窒素が多すぎるとたんぱく質の量が増えすぎ、米の豊かな食感が失われるのです。 そして、この小梅平野に流れ込む雪解け水中の窒素は多過ぎず少な過ぎず、炊き上げた越前米をふっくらと瑞々しい美味しい白米にするのです。 最後の気温差ですが、これはその稲穂が成熟していく期間、具体的には7月末から9月上旬ごろまでの間、昼温かく、夜に冷えるという一日の寒暖の差が必要であることがわかっています。 この理由は、稲穂における養分の生産と貯蓄のシステムに関係します。 まず稲穂の養分は昼間の光合成によって生産されます。昼間太陽の光とぬくもりを充分に受けて稲は生命のエネルギーを最大限生み出します。そして夜、日中に作り出した養分を稲穂に蓄えるという過程をおよそ1ヵ月半繰り返し稲穂が実るのです。 ですが、この成熟期に夜の気温が高いと、稲穂への養分の蓄えが充分に出来ません。 夜になっても気温が高いままだと、稲穂はエネルギーの消費量が高いままになるからです。 反対に気温が低くなると消費エネルギーは低くなります。 夜間、光合成は当然出来ないわけで、その間の消費エネルギーは本来稲穂に蓄えられるべきエネルギーから消費されてしまうという構図になるのです。 このような理由から昼間充分に日光が差し、夜には充分に冷え込む、一日の寒暖差が激しい地方の稲穂は、命の力をたっぷりと蓄えられるのです。 高原の小梅平野は昼と夜の寒暖の差が大きく、まるで雪国のような夏が訪れるため、ここで育つ稲穂は昼に蓄えた養分をそのままに夜ぐっすりと休んで力を蓄えます。 母なる霊峰イワヤトの養分を吸収し、父なる太陽の光を一杯に浴びて作られた越前米の味をぜひ一度ご賞味ください。 (達成要点:食料・育成中の食料) (書:不破陽多 編:セントラル越前 ネタ出し:チャットに参加していた藩民有志一同) [ ターン5新規アイドレス>食料生産地 ]
https://w.atwiki.jp/kuriki_fan/pages/72.html
世界の山々に挑んできた栗城だったが、日本に戻っているときはスポンサーへの挨拶や講演会に駆け回っていたという。そのため、日本国内の山へはあまり登っておらず、実践的なトレーニングも満足に行っていなかった。それゆえ、訓練なしにぶっつけ本番の海外遠征を何度も繰り返していた。 国内登山歴 (2012年まで) 栗城が登った日本国内の山で、わかっているのは以下の通り。 20才 2002年冬 中山峠から小樽市の銭函まで 2名で1週間程度の雪山(標高1,000M前後)の年越し縦走。 ??才 ????年春 富士山 栗城談「昔、冬の富士山で下山口を間違えて山菜採りのおじさんに救出された」 冬?? 26才 2008年夏 富士山8合目で敗退 「詳細は後日報告します」・・・報告無し 28才 2011年冬 アイスクライミング初心者講習参加 「アイスクライミング合宿」と報告していたが、実は初心者講習だった。 29才 2011年夏 狩場山(1520M)敗退 テレビ撮影、小学生44人と、ハンター同行熊出没、ようこそ先輩オンエアー10/22 29才 2011年夏 念願の夏富士初登頂成功 テレビ撮影、1泊2日子供3人同行登山、剣が峰へは登頂せず下山 29才 2012年春 羊蹄山(標高1898M) 友人の結婚式へ送るビデオレターの撮影、プロガイド2名同行 1200Mで撤退 ※2013年以降は凍傷受傷後の山行を参照 栗城自身も認めていたとおり、ここ数年は日本の山にほとんど登っておらず、特に、ヒマラヤ登山で失敗を重ねていた2009年から2012年までの間、日本国内の山にはテレビの仕事や撮影でわずか3回登っただけで、それ以外には登った記録がない。(ちなみに3回のうち2回は小学生を連れての夏山登山で、残り1回は春山途中下山である) ヒマラヤなど世界中の山に挑む登山家は、普段はホームグラウンドの山で訓練を重ねるのが普通だが、栗城は日本に居るときにそのような訓練を全くと言っていいほど行っていなかった。もちろんトレーニングをするのは国内の山でなくてもいいのだが、栗城の場合、いつも他の山でトレーニングをせずに、ぶっつけ本番の遠征を繰り返していた。これに関し2012年にブログで「鬱になるほど資金集めが忙しくて、山に行く時間がなかった」と釈明している。そのほか、栗城は日本の山に登らない理由として、他にも「大きな山にしか興味がない」「内地の山は人が多そう」などを挙げている(後述)。 その他に、2011年になって北海道で「アイスクライミング合宿」に参加している。本人は「合宿」と称していたが、しかし別の参加者のブログにより、実はアイスクライミングの初心者講習であることが発覚。クライミングの実力については以前からいろいろ言われていたものの、この一件で大きな疑問符がつくことになってしまった。 狩場山(標高1,520m)登頂断念 夏富士初登頂成功 冬富士耐寒訓練 日本の山に登らない理由 なぜ栗城は日本に居るとき山に登ろうとしなかったのか。生前栗城は次のような理由を挙げていた。 資金集めが忙しい 栗城史多著「一歩を越える勇気」p129 わらしべ登山家(註:栗城自身のこと)は毎日、各界で活躍する人たちに会いに行っている。山に登るトレーニングをほとんどすることもなく、休日でも、「冒険の共有」を行うのに少しでもチャンスがあるならばと、呼ばれたり、何かを頼まれたりしたら断ることなく全て行くようにしていた。 栗城史多公式ブログ 2012-08-16 「鬱ですね」シシャパンマ南西壁の出発直前に医者から言われた言葉だった。(中略) エベレストの生中継資金を集めるために企業を疾走し、全国を講演で回るようになってから休みは一切無く、休日に山に行けるような日々はほとんどなかった。じゃあ休みを取って山に行けばいいじゃなかと思うかもしれないが、エベレスト生中継を実現させるには理想だけではすまされない。その目標金額を逆算し計画を立てると、とても休んでいられる状況ではなかった。(中略) だが、そんな日々が続くようになると夜に人から電話が掛かって来ても不安を感じて出なくなり、一日ある休日も外に出ようとする気すらすでに無くなっていた。そんな中で出発を向かえる遠征が、実はこの3年間続いた。 http //ameblo.jp/kurikiyama/entry-11330257395.html 以前はこのように、「山に登るトレーニングをほとんどしていない」と公言していたが、ヒマラヤ登頂に何度も失敗したこともあってか、2011年頃からトレーニングをしているとアピールするようになった(→登山のトレーニング)。また、2011年以降、エベレスト登頂前には過去最高の体に仕上がったとアピールするようになった(→ボジョレー栗城)。 もっとも、行っていたというトレーニングは登山やクライミングなど実践的なものではなく、ピラティスやヨガ、加圧トレーニングなどであるが…。 大きな山にしか興味がない 前に山は好きですか?と聞かれました。厳密に言うと「大きな山」にしか興味がないです。そこに行くために、そこを登るために全てを犠牲にして毎日をやり遂げます。 2012年1月26日 https //twitter.com/kurikiyama/status/162370183653113857 内地の山は人が多そう 休日はどこか行きたいと全く思わない。街にいると何だか緊張するし、内地の山は人が多そうだし、休日は近所のナチュラルローソンで充分です。暗いかな? 2012年6月24日 https //twitter.com/kurikiyama/status/216727274748264449 凍傷受傷後の山行 2012年のエベレストで指に重度の凍傷を受けたが、半年後あたりから手術もせずに国内の山を登り始めた。 どれもハイキングレベルの山行だが、指は相変わらずミイラ化しており、一人では靴紐も結べない要介護状態なので、毎回付き添い人がいる。感染症から敗血症になるリスクがあり、またバランスを失って手を突いただけで指の正常な部分にも悪影響を及ぼす可能性があるが(例えば骨折など)、周りに止める人間はいなかったようである。支持者を繋ぎ止めようとしていたのか、SNSなどで登ったことをアピールしたり、自らのファンと一緒に登ったりしていた。 2014年の正月前後に壊死した指の切断手術を行い、ようやくまともなリハビリや登山ができるようになった。その後は「山の先輩との訓練」と称してプロガイドを雇い、八ヶ岳などを登るようになった。なお、ガイドを雇っていることは公には伏せられていた。 31才 2013年夏 金時山(標高1213m)登頂 凍傷後手術をせず、手に包帯を巻いたまま 高尾山(標高600m)登頂 標準コースタイム90分の6号路を、「ゆっくり休み無くで40分」とトレイルランニング並のタイムで走破したとしている。登山中の画像は1枚も出さない一方で、6号路とは全く接点のない場所(ケーブルカールート上)にある「たこ杉」の写真を公開。そのためルート(またはタイム)の捏造疑惑が浮上。 藻岩山(標高531m)登頂 ロータリークラブ国際ロータリー第2530地区(福島)と第2510地区(北海道西部)が招待した福島県飯舘村の子どもたちと登頂 八ヶ岳縦走 硫黄岳~赤岳~権現岳~天女山駐車場 2013年秋 筑波山(標高871m)敗退 支援者との交流登山。「来週穂高岳に登る」と事前予告していたのだが…。既に台風直撃の予報が出ていたものの決行。大雨洪水警報が発令されるなど大荒れの天気になり、ケーブルカーの駅で記念撮影後日帰り温泉に寄っただけで解散。 大和葛城山(標高959m)中止 メール会員や支援者にのみ連絡が行っていた模様。雨天により当日朝五時に参加予定者へ中止の連絡が回ったが、それを知らずに集合場所に来た人がブログで言及したため明らかになった。 筑波山(標高871m)登頂 ファンクラブ会員との交流登山 金剛山(標高1125m)登頂 高槻市ユメ保育園の関係者との交流登山 2013年冬 八ヶ岳 「初日の出を共有」と門谷カメラマンと八ヶ岳へ。写真は出発時、ツェルトでビバーク中、山頂、山小屋の3枚だけで道中の経過は不明 2014年春 八ヶ岳 「お山の先輩」と2泊3日で赤岳と大同心南を登ったとFBで報告。写真は赤岳山頂のみ 西穂高岳 西穂山荘から西穂高岳登ったとTwitterで報告。山荘から西穂山頂まで1時間40分とこれまた無雪期熟練者並みのタイムで登ったと主張している。 富士山 吉田口(*1)から4時間半という常軌を逸した登頂スピード申告。なお、twitterで「大土君に運転してもらった」とツイートしているが、もし駐車場のある五合目(*2)まで車で来たのであれば「吉田口」からではない。 32才 2014年夏 奥穂高岳(3190m) 「お山の先輩」と「追い込み」をテーマにジャンダルム~西穂と縦走の予定だったがトラブルのため奥穂までで下山 2014年冬 八ヶ岳 敗退 「赤岳と阿弥陀岳に向か」ったが、どちらも登頂せずに下山 2015年 不明 敗退 twitterで行先を明言せず出発だけ仄めかしたものの、悪天候を理由に中止 八ヶ岳 「お山の先輩」と八ヶ岳大同心南稜でトレーニングをしたとツイートしたが、アルパインクライマー花谷泰宏氏によるガイドツアーだったことが同日同ルートで入山した登山者のブログで判明(*3) 甲斐駒ケ岳(2967m) 敗退 黒戸尾根を山小屋泊・2日間の予定で入山したが、悪天候を理由に敗退。Twitterで『標高差2500mはいいトレーニングになります』とツイートした(*4)。 富士山 敗退 朝6時半に「0合目」(*5)の「馬返し」をスタート。「かなりかなりいいペースで登りましたが、9合目近くで身体に異変が起きて、下山」とツイート 富士山 「五合目駐車場から山頂まで1時間55分で登頂、お鉢を走って山頂で泊まる」とツイート 33才 2015年11月 蓬莱山(1173m) チーム栗城の交流登山。とはいっても悪天候のためロープウェイ駅から少し歩いただけだった。 2016年1月 八ヶ岳 「お山の先輩」(*6)とともに石尊稜、阿弥陀岳北陵、赤岳主稜線を登攀 甲斐駒ケ岳 1泊スケジュールで黒戸尾根を登る。明らかにしていないが花谷ガイドも同じスケジュールで登っており、ガイド登山の模様。刃渡り(1900m付近)までアマチュア登山者(*7)が先行していたことには触れず、「積雪後山頂までは誰も登っていなかった」をアピール。 2016年2月 八ヶ岳 2/12『かなりスピーディーに阿弥陀岳北西稜、中山尾根を継続登山してきました。』 2/18『旭岳 (*8)東稜登ってきました』 34才 2016年7月 富士山 「呼吸が乱れないこと、疲労感を出さないを目標にして安定したペースで2時間で登ってきました。」 狩場山 ファンとの交流イベント 2016年10月 伯耆大山 ファンとの交流イベントの予定だったが、鳥取地震のため中止。以前は協賛スポンサーによる送迎バスの用意がなされていたが今回はなく、参加者同士での車の乗合いを要請していた(*9) 2016年11月 万次郎岳(天城山) 参加費25000円の交流イベント。こちらも送迎バスは出なかった模様(*10) 2017年2月 赤岳 プロガイド江本悠滋が帯同して赤岳主稜を4往復 (*11) 2017年3月 富士山 敗退 馬返し手前から出発したものの雪のため5合目でテント泊しただけで帰る 35才 2017年7月 美利河丸山(647m) 今金町120年記念事業(*12) 赤岩 「尊敬している山の先輩と」トレーニング
https://w.atwiki.jp/sasaki_ss/pages/895.html
佐々木さんの、願いは夢の中で、の巻 その2 僕の夢見る閉鎖空間の街中を、キョンと手をつないで歩く。 正確には、僕が夢見ているキョンなのだろうけど、それでも胸が弾む。 「だから初詣とかじゃなくて、この世界から脱出する方法をだな……」 まったく、本人みたいにつれないことばかり言うのだから困ったものだ。 そういえば、せっかく初詣に行くのだから、今着てるような普段着ではなく、 晴れ着にでも着替えてみたいものだね。 夢の中なんだから、そのあたり自由にならないものだろうか。 そう思った途端、僕の周りを茜色に色づいた霧のようなものが包み込んだ。 何だろう。どこか懐かしいような、安心するような、不思議な気持ちがする。 キョンに抱きしめられてたら、こんな気持ちになるものかな。 「うわ、佐々木、急にどうした!」 キョンが大声を出して飛びのく。大丈夫だよ。夢というのは、何でもありなのだから。 霧が夕映えを映したような強い輝きを一瞬放ち、次の瞬間には消えうせる。 見下ろせば、僕の服装は、先ほどの輝きを映したような鮮やかな茜色の振袖姿に変わっていた。 「もう本気で何でもありだな佐々木」 夢の中だもの、これくらいいいじゃないか。ついでにポニーテールにした方がよかったかい? よせやい、と横を向いたキョンの頬に、16%から58%ぐらいの割合で「本気とかいてマジ」な 成分が漂っていたのは、彼には黙っておいてあげよう。しかし我ながら芸が細かいものだね。 再びキョンの手をとって、セピア色の街を歩き出す。僕ら以外は誰もいない、 静けさに満ちた街並みを。 もし君が現れてくれなかったら、とても寂しい気持ちになるのではないかな、ここは。 「ここがお前の閉鎖空間だとして、一体何を映し出してるんだろうな」 さあ、何なのだろうね。 ただ今は、この風景すら、どこかしら明るく、暖かい色合いに見えるのは、主観の問題だろうかね。 「るる♪ らら♪」 晴れ着姿で口ずさむ。昔どこかで聞いた。歌詞も何もない、素朴な、でも美しい旋律。 僕は、誰かのように空を切り裂くように高く響く声ではないから、普段あまり歌など口ずさまない。 議論するには聞きやすくていい声と言われたことはあるけれど、歌むきとは僕自身思わない。それでも。 「珍しいな、お前がそんな風にはしゃぐのって」 いいじゃないか、ここは夢の世界で、見ているのは君だけなんだから。 人ひとりいない神社で初詣というのも違和感があるけれど、しきたり通りに 二人でお手水を用いてから参拝する。 実際に懐が痛むわけでもないので、キョンの分と会わせて漱石先生を 一枚お賽銭箱にいれて手を合わせた。 「佐々木、頼むから正直に言ってくれ。何をお願いしたんだ?」 キョンが、何故かどこかおびえたように、或いは覚悟を決めたようにたずねる。 そんな重大なことかね? まあ、家内安全、無病息災、それと君の平穏な一年をお祈りしておいたよ。 「堅実な願いで助かるよ。エキサイティングな世界とか願われたらどうしようかと思った。 しかし、俺の平穏な一年ってのは何なんだ?」 うん、まあ、これは利己的な願いかな。 君が非日常な事態に忙殺されず、平穏に日々を過ごして、それが結果的に 僕と一緒に平穏に居られる時間が増えることであれば、幸せだなあ、なんて……。 あんまり赤面しないでくれたまえ、キョン。こっちまで言っていて恥ずかしくなるじゃないか。 「なあ、佐々木。お前は自分の望む通りに世界を改変したい、なんて思ったことはないのか」 玉砂利をざくざくと踏みながら、キョンがさりげなく、いやそれを装って尋ねてくる。 本当に芸が細かいね。いやいや、こっちの話。 僕の思うままの世界か。確かにままならない事態に直面すれば、誰しもそう思うんじゃないかな。 でも、そうだね。ちょっと話は変わるのだけれど、僕の同級生に、アメリカからの帰国子女がいるんだ。 クラスの中では孤立しているのだけれど、僕とは時々話があってね。ああ、安心したまえ、彼女は女性だよ。 彼女はとかくアメリカ的な価値観の持ち主で、「沈黙は美徳」とか「空気を読む」とか言う行為が、とても苦手なんだ。 「自己主張ができない者はバカだとみなされる」という欧米風の価値観なので、色々と苦労しているみたいなんだ。 日本人にとって一番身近な外国であるアメリカすら、それだけ価値観が全く異なっていて、 しかもアメリカは移民大国という側面もあるから、もっと違う価値観の人々が寄り集まって、 本場はごった煮みたいになっているわけさ。 で、僕はそうした違う価値観に触れることは、とても楽しくて、「自分の世界が広がった」と思うんだ。 年末年始の特番で、海外のドキュメンタリーを大量にやっていてね、それでも同じような楽しみを享受できたよ。 今この瞬間にも、たとえばインドで、或いは中東で、或いはアフリカで、 僕達とは全く異なる価値観で、全く異なる環境を「当たり前」と思って生きている人々がいる。 インターネットどころか、文字すら知らずに、でもそれを困ったことだと思わずに日々を生きる人は、 どういう風に世界を見ているのだろうか。 厳格なムスリムの風習にがんじがらめにされて生きる女性は、けれどそれ以外の世界を知らなければ、 それこそが「当たり前の世界」と思って生きているんじゃないだろうか。 夕暮れに2キロ離れた山の稜線に動く牛の数を数えられるマサイの人々が見る風景は、どんなものなんだろうか。 ねえキョン、君はそういう風に考えたことはないかい? 僕の常識、僕の価値観では想像することもできないような「世界」が、今ここに、 地球の別の場所にたくさんたくさん存在するんだ。 それが60億以上も集まってできているのが、僕達の世界なんだって。 だからね、もし、全てが思い通りになるように、世界を改変できる力をもらえたのだとしても、 そこから生まれるのは、「僕の想像力や価値観」の枠内でしか推し量れない世界なんじゃないのかな。 それはとてもちっぽけで、大して面白くもない世界だという気がするよ。 まあ、僕は「知る」だけで満足するタイプだから、そう思えるのかもしれないね。 涼宮さんのように「実際に体験したい」と思うタイプの人とは、おのずから立場が違ってくるんじゃないかな。 そんなわけだから、安心したまえ、キョン。僕はむやみやたらな世界改変とやらに、別に興味はないから。 まったく、夢の中でまで、涼宮さんの話題に結びついてしまうとは、 やはり最大の障壁は彼女だと無意識の領域でも思ってしまっているんだろうか。 なにげに妹ちゃんが伏兵として手ごわいような気もするんだけど。 ああそれと、もし「君と二人、ずっと一緒の世界」というのが叶うのなら、 世界が四畳半一間だけしかなくとも、僕はずっと楽しく、満足した人生を送れると思うよ。 「なんかさっきと言ってることが違わないか、佐々木。あと今日はずっとテンションがおかしいぞお前」 重ね重ね失敬だね本当に。 それに、別におかしくはないよ。 君がいて、そして君と語り合うだけで、僕の価値観、僕の世界は、ずっと広がり続けていられると思うのだよ。 せっかくなので、おみくじをひいてみる。 誰もいないので、百円を置いて自分でひく。 「しかし意外っちゃ意外だな。佐々木はこういうの、非合理的だとか言って忌避するもんだとばかり思ってた」 まあ、普段は敬して遠ざく、というのがスタンスになっているのは認めるけど、 この夢では伝統に敬意を表さざるを得ないのだよ。なにせ君がここにいるという圧倒的な証拠があるわけで。 「何のこっちゃ」 おみくじの結果は中吉だった。 しかも中身は、「失せものに注意」だの「好機あり、ただし冷静に対処しないと後悔する恐れあり」 などと、あまりめでたくないものが多かった。起きたらもう一度ひきにゆこうかしらん。 神社の木はよく生育しているらしく、結ぼうと思っても、僕の背では届かない場所にしか枝がない。 本当だったら、まずありえないことだけど、まあ、夢に文句をつけても始まらない。 「ちょっと貸してみ」 ありがとう、キョン。って、そんなムリヤリ枝をしならせて引きずりおろさなくても。折れてしまうよ。 「けどおみくじって、本人が結んだ方がいいだろ。ほら、持ってるから結んじまえって」 枝にしっかりとおみくじを結びつける。もう大丈夫だよキョン。 「おう……ってうわ!」 無造作に手を離すものだから、勢いよくしなった枝が、キョンの目の近くを掠めた。大丈夫かい? 「ちょっとびっくりしたぜ、はは」 笑っている場合かね。眼球を傷つけたらことだよ。ほら、掠めた頬のところが切れてしまっている。 「や、別にこれくらい大したもんじゃないって」 そうもいかないよ。雑菌が入るとよくないし、新年早々縁起が悪いだろうに。 ……。 夢の中で絆創膏を願えば、もしかして叶ったのかもしれないけれど、僕のために怪我をしたのだから、 これくらいは、ね。 「うわちょっと佐々木、顔近い」 思い切ってキョンの頬に顔を寄せ、傷口を舌でそっと舐める。 ちょっとざらっとした感触。そして鉄錆の臭いが口腔に充ちる。 キョンの血の味。 「……さ、佐々木」 「……キョン」 何故だろう。中学3年の頃は決して超えることなどあるまいなと思っていた距離の壁が、 あの人たちとともに居る君を見たときからは、決して超えられまいとどこかで諦めていた距離の壁が、 夢のなかではいとも容易く打ち破れた。 キョンの深い、全てをゆがみなく静かに反射する瞳に、僕が映っている。 僕の瞳にも、君の姿が映っているのかな、それは、どんな風に映っているのだろうね。 そんなことを思いながら、僕達の距離は零に 「うわ!」 最近とみに調子がおかしくなっていた目覚ましが、よりによって1月の2日だというのに、朝の6時に僕を叩き起こした。 あ、あと5分、あと5分寝かせておいてくれれば! しかも、しかもだよ。通常どおり7時まで寝かせてくれれば、あの盛り上がった状態のまま、急いで家まで帰って15分。 あと45分あれば、夢の中とは言え保健体育の実践的なステップを どこまで駆け上がれたのかと考えるとああああああ。 母が、早く雑煮を食べに降りてきなさいと部屋をノックするまで、僕は枕を抱えてのた打ち回っていた。 まあ、いい初夢だったと思おう。 来年もぜひ写真を枕元に入れてみるとしよう。それと目覚まし時計は3が日が終わったら即買い換えようと心に誓った。 数日後、目覚ましを買いに行って、何故か財布の中身が千円ちょっと少ない気味であることに気がついた。 年末年始でバタバタしたときに余計に何か買った記憶はないんだが。はて。 などと首をかしげながら歩いていると、キョンと遭遇した。 やあキョン。 今年に入って初の顔合わせだね。お年賀状ありがとう。今年もよろしく頼むよ。 ? ねえキョン、なんでそっぽを向いて視線を合わせてくれないのかね? それと、やけに顔が赤いようだけど、風邪でもひいたかい。 ……。 ……あの、キョン。僕に見せないようにしてる側の方の頬に、絆創膏張っているのが見えたのだけれど。 ……ねえ。 ……あれは夢、なんだよ、ね? おしまい 27-426[佐々木さんの、願いは夢の中で、の巻 その1] 39-984「佐々木さんの、聖夜は夢の中で、の巻」
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/24845.html
登録日:2013/11/03 Sun 14 46 24 更新日:2024/09/03 Tue 20 14 21NEW! 所要時間:約 12 分で読めます ▽タグ一覧 ワンゲル ワンダーフォーゲル 事件 人食い 北海道 心臓に持病を持つ方は閲覧をお控えください 日高山脈 検索してはいけない 熊 熊に恐怖する項目 獣害 獣害事件 登山 福岡大学 羆 ※この項目では実際に起こった凄惨な獣害事件を明記しています。閲覧には注意してください。 福岡大ワンゲル部・ヒグマ襲撃事件とは、1970年に起きた国内史上4番目に大きな被害を出した獣害事件である。 福岡大学ワンダーフォーゲル同好会・羆襲撃事件など表記揺れが多々ある。 というのも、事件名としては「部」となっている記事が多く、当時の新聞でも「部」と書かれていたものもあったが、実際はワンダーフォーゲル同好会だったため。 【ワンダーフォーゲルとは?】 聞きなれない言葉という方もいると思うので、解説する。 これは当時流行っていた「青少年が自然溢れる山野に出向き、それを通じて心身を鍛える運動」のことであり、ドイツ語で「渡り鳥」を意味する。 「登山だけでなく自然環境溢れる環境であればどこへでも出向く」という点で、山のみを対象にしている登山部とは異なる活動である。 もちろん登山に赴く際には入念な下調べと準備も行っており、決して付け焼刃の知識ではなかった。 【事の始まり】 1970年7月12日、福岡大学ワンダーフォーゲル同好会の竹末一敏(リーダー)、滝俊二(サブリーダー)、興梠盛男、西井義春、河原吉孝の5名は、 福岡から北海道の日高山脈に出発した。 14日に到着し入山した彼らは11日かけて25日、1979m地点のカムイエクウチカウシ山・八ノ沢カールに到着。 この時点で予定とは大幅に遅れをとっていたため、翌日の登頂後にはすぐに下山することが決定していた。 そして夕方、テントを設営し一息ついていると、彼らのすぐ近く(10mも離れていなかった)にヒグマが出現。 当初は5人もそこまで恐れず、物珍しいヒグマを眺め、興梠に至っては「家族に自慢するんだ」とカメラで撮影する始末であった。 しかし、30分ほどするとヒグマはさらに近づき、テントの外に置いていたキスリング(荷物)を漁り始めた。 貴重な食料を食われると困るので、ラジオのボリュームを最大にしさらに火を点火、また食器をガンガン打ち鳴らしてヒグマを追い払った。 その隙にキスリングを回収し、その夜はテントの中で眠ることになった。 だが午後9時。 疲れ果てて眠っていた彼らだったが、テントの外から妙に荒い獣の息遣いが聞こえて目を覚ました。 先ほどのヒグマが戻ってきたのである。 ヒグマはテントに一撃を加え、拳大の穴を開けて去っていった。 さすがに肝を冷やしたメンバーはその後2時間交代で見張りを立てることとなった が、幸いにもその夜はヒグマが現れることはなかった。 その夜は…。 【朝の襲撃】 26日の朝を迎えたが、見張りを立てているあいだもメンバーの誰もがヒグマの恐怖に怯え、眠るに眠れず。 さらに、早々と荷造りをしていた彼らの前に再びヒグマが出現。 しばらくは付近をうろうろとしていたヒグマだが、ついにテントに近づいてきたのでメンバーたちは全員テントに避難。 ヒグマがテントを押し潰そうとし、5分ほどメンバーとの押し合いが続いたものの、もはや危険と判断した彼らはテントの反対側の入口から脱出し逃走。 やがてヒグマはテントを完全に押しつぶし、後は追わずにその場でキスリングの食料を漁り、貪り食っていた。 命の危険を感じたリーダー竹末は、滝と河原の二人に救助を呼ぶために下山することを指示。すぐに滝と河原の2名は山を下り始めた。 これが午前5時の出来事である。 救援を呼ぶために下山中の滝たちは午前7時10分、北海道学園大学の北海岳友会のパーティ10人と遭遇。 実は岳友会のパーティも2日前にヒグマに襲われ、命からがら逃げてきたのだ。 そのため2人に対して「一緒に下山して逃げよう」と提案したが、流石に情が勝るのか「仲間を残して逃げられない、仲間と合流してから下りる」と拒否。 2人に折れた岳友会のパーティは食料と燃料を分けて、必ず救援隊とハンターを呼ぶことを約束して下山していった。 一方、残っていたメンバー3人は6時10分、ヒグマが消えていることを確認。 すぐさまキスリングを半分取り返し戻ったが、疲労がピークに達していたのか、数時間その場で眠ってしまった。幸いに目を覚ましてもヒグマの気配はなく、残りのキスリングも回収して元いた稜線に引き上げた。 この途中で鳥取大ワンゲル部や中央鉄道学園のメンバーとも遭遇し、ヒグマがうろついているという情報を共有した。 午後3時、竹末たちの元へ滝たちが合流。 壊されたテントを修理して、安全と思われる別の稜線へ移動し、そこで改めて設営した。 安堵感からか5人は夕食を食べることにしたという。 【惨劇の始まり】 しかし午後4時半、ヒグマが姿を現した。今度はさらに執拗にテントを狙っている様子だった。 またもテントから逃げ出し、その後竹末が偵察したが、ヒグマはテントから離れる様子は全くなかったので仕方なく彼らは鳥取大のパーティに泊めてもらう方針を固める。念のため三度も偵察してもヒグマは荷物から離れておらず、諦める事に。 そして一気に沢を下ったが、時刻は午後6時30分。辺りはすでに暗くなりつつあった。 下っている最中にふと西井が後ろを振り向くと、ヒグマが自分たちを追いかけているのが見えた。 慌てた彼らは急いで逃げ出すも、河原だけが別の方向に逃げてしまい、ヒグマは河原の方を追っていった。 そして程なく―――― 「ギャー!」という悲鳴が聞こえ、その直後に「畜生!!」と叫びながら、足を引きずり鳥取大パーティの方面に逃げていく河原の姿があった。 これは河原の最後の姿であった。 【消えた興梠】 河原が襲われたことを理解してしまった竹末は必死になって鳥取大パーティの助けを呼んだ。 鳥取大パーティは事の重大さに気づき、焚き火を起こしたりホイッスルを鳴らしたりして、福岡大メンバーに自分たちの居場所を教えつつ、メンバーのために物資とテントはそのまま置いていき、救助要請のため下山していった。 メンバーはなんとか死に物狂いで合流するも、その騒乱の中で興梠がはぐれてしまった。 竹末は興梠に呼びかけるも、一度返事があっただけでそれ以降は返事もなく行方不明となってしまった。 あとになってわかったことだが、興梠はこの時確かに竹末の呼びかけが聞こえていた。 しかし、返事をすることはできなかった。なぜなら自分のすぐ近く、20mほど下の崖にヒグマがいたのが見えたからだ。 そのため動くこともできず、返事をすることもできず、合流に失敗したのである。 竹末たち3人も鳥取大パーティの残した物資のあるカールに下りることはできず、その夜はヒグマが来ないことを祈って岩場に身を隠した。 興梠については後々記述する。 【最後の犠牲者】 迎えた3日目、27日。この日は朝から山には霧が立ち込めており、3m先もわからないほどであった。 だがそれでも河原と興梠を助けたい一心からメンバーは出発する。午前8時のことである。 出発から15分後。竹末-滝-西井の順番で並んで捜索していた彼らの前にヒグマが現れた。 しかも濃霧で気づかなかったが、竹末の2m手前に出現したのである。 竹末はすぐにカールの方に逃げるものの、ヒグマはそれを追いかけていった。 それが竹末の最後の姿であった。 【生還】 恐怖に慄く滝と西井はすぐさま麓まで降り、午後1時。なんとか五ノ沢の砂防ダムの工事現場に到着。 ヒグマに襲われたことを伝え、自動車を借りて駐在所まで逃げて助けを求めた。 結果、滝と西井の二人は生還することができた。 だがすでに時刻は午後6時を回っており、3人の救助活動は翌日まで待たれた。 【救助活動開始、しかし…】 28日にハンターたちによる救助隊が結成され、行方不明となった3名の捜索が行われることとなったが29日に河原、竹末、30日に興梠の遺体が発見された。 しかもどの遺体も服を剥ぎ取られ、裸にベルトだけという、無惨な状態だった。 その上顔半分が噛みちぎられ、腸を引きずり出されたり、耳や鼻や臀部が齧り取られていたり その惨憺たる様相を呈した遺体は、ハンターたちが絶句するほどであったという。 遺体は悪天候で山から下ろすことはできず、現地でそのまま荼毘に伏されることとなった。 彼らを殺害したヒグマは29日にハンターに発見、射殺された。2mの4歳のメスのヒグマだった。 検死の結果、3人の死因は「頚椎骨折および頚動脈折損による失血死」であった。 ヒグマの胃の中からは人体は見つからなかったことから、人食い熊ではなく純粋に「敵」を排除するための行動だったと思われる。(*1) ちなみにこのヒグマの肉は山のしきたりからハンターたちによって食べられた。 剥製は現在も日高山脈山岳センターに保管されている。 剥製は1.5mに縮んでいるが、これは銃弾を受けた部分を削り、作る際に大きさが縮んでしまったため。 念押ししておくが、1.5mだから大したヒグマではないなどと決して思ってはいけない。 その大きさのヒグマでも、人間は全く太刀打ちできないのだから。 【興梠メモ】 興梠の遺体の側には、彼が行動と記録を記したメモが残されていた。 ヒグマの襲撃前から記録として書いていたものであったようで、その中では2度目のヒグマ襲撃後~彼が最後に襲われる前までの行動が記されていた。 原文は長くなる上に、恐らく文章だけではその壮絶さはわからないと思われるので詳しくは「興梠メモ」で検索されたし。 だが、その内容は恐怖に震えた文字で書かれており、生半可な覚悟では見ないほうがいい。 「博多に帰りたい」という切実な思いが綴られていたことは記述しておく。 途中から判別不可能になる箇所が出てくるなど、あまりの生々しさで知られている。 ・以下、そのメモから推察される彼の行動。 メンバーからはぐれた後、竹末の呼びかけに答えることもできなかった彼は、長い時間ヒグマと膠着状態だった。 だがヒグマがこちらに向かって動き出したのを察知し、死に物狂いで崖を登った。 さらに近くにあった岩を投げつけ、一発目は外したものの、二発目が運良く鼻に命中し、ヒグマが怯んだ隙に急いで鳥取大パーティの残したテントに潜り込んだ。 助けを求めるためであった。 しかしもうこの時すでに鳥取大パーティは救援を呼ぶために下山しており、テントの中はもぬけの殻であった。 後悔しても時すでに遅し。疲れ果てた彼は、現実から逃げるように寝袋の中に入り眠りについた。 27日に目が覚めたあとも恐怖からテントから出ることもできず、中で残された食料を食べるなどして待機。 (恐らくメモも、その時に恐怖から逃れたい一心で書かれたものと思われる) 7時になって外を見ると、5m上にすでにヒグマがいた。 もはやどうしようもないと気づいたのか、ここからは判別できないほど震えた文字で書かれている。 最後には救援が呼ばれているか不安で仕方ないこと、霧が濃くなっていることを確認したことが書かれているだけであった。 その直後に、興梠はヒグマに襲われたと推察されている。 【ワンゲル同好会メンバーのミス】 現在ではインターネットによる情報の共有や、専門家による研究が進んでいるためヒグマと遭遇した場合の対策も進んでいる。 だが当時はほとんど浸透しておらず、誤った知識もあったため、メンバーの行動にはいくつかミスがあった。 それは、 ヒグマから何度も荷物を取り返したこと 逃げる際に悲鳴を上げるなど色めき立ってヒグマを刺激してしまったこと 散り散りに逃げてしまったこと である。 これらの行動はどれもヒグマの神経を逆撫でするもので、なおかつヒグマが追いかけやすくもしてしまっていたのだ。 特に彼らが執拗にヒグマに追い回される一番の要因となったとされるのが、荷物を何度も取り返したことである。 ヒグマの習性として、一度手に入れた獲物に執着するというものがある。『三毛別羆事件』でも、この習性により蓮見家が襲われている。 つまり、一度奪われた時点でヒグマはワンゲル同好会の荷物(キスリング)を「自分の獲物」と認識し、ワンゲル同好会のメンバーたちは「手に入れた自分の獲物を何度も奪い取る敵」に他ならず、ヒグマは彼らを何度見失っても執拗に追跡し、排除しようとしたのだとされる。 そもそも最初にヒグマと遭遇し、テントが襲われた時点で下山するべきだったであろう。テントが押しつぶされた2日目早朝の時点で、2人だけじゃなく全員で下山すれば犠牲者は出なかったという厳しい意見もある他、北海岳友会のリーダーも、当時「あの時滝くんと河原くんを引き止めておけば、河原くんは死ななかったかもしれないと後悔している」と寄稿している。 では何故彼らはすぐに下山しなかったのかというと、この登山計画は大変練られたものであり、その情熱が途中で下山させることを躊躇させたと考えられる。 しかし、当時は上述した熊の習性、及び遭遇した際の対処法はあまり周知されていなかったことを考えれば、ワンゲル同好会の知識不足を責めるのは酷だろう。 おそらく最もヒグマを刺激したと思われる荷物の奪還についても、その荷物ことキスリングには金銭や貴重品も入っていたため、彼らが取り返そうとするのもやむを得ない事情があった。 食料などに関しては、北海岳友会や鳥取大パーティから受けたように、他の登山者から支援を受けながら下山すれば良いかもしれないが、金銭や貴重品に関しては(もちろん命には代えがたいが)そう簡単に諦められるものではなく、さらに言えば、取り返そうとすること自体が危険だということも知らない以上、なるべく金銭や貴重品を回収した上で下山したいと考えても仕方ないといえる。 ヒグマを前に色めきだってしまったことについても、心の準備もなく(*2)いきなり目の前にヒグマが現れて、落ち着いていられる人がどれだけいるだろうか? なんとか悲鳴を上げずにいられたとして、冷静に後ずさりしながら、さらに列を乱さず逃げる(*3)など本当にできるだろうか?そもそも当時はこの対策も周知されていなかったのだ。 「事前調査の甘さがあるとするならば、現地のことが書かれたガイドブックに明確な指摘がなかったことこそ問題にされなければならない」と、遭難報告書でもまとめられている。 【その後】 この事件は近年起きた中でも最大級の獣害事件である。 その結果、教訓としてヒグマの恐るべき執着心と習性、および一般に浸透していた知識の多くが誤ったものであったことが一般市民に知れ渡った。 現在では日高山脈ではこれほどまでに酷い熊害事件は起きておらず、教訓は生かされたと思われる。 前述した山岳支援センターではこの事件のヒグマの剥製が保存されている他、事件の詳しい詳細も書かれており、ヒグマに関しての注意や目撃情報も記載されている。 また北海道全体で、山中でのヒグマの目撃情報があった場合は立ち入り禁止となり、絶対に山に入らないように警告されている。 【余談】 前述したように、この2日前に北海岳友会のパーティもヒグマに襲われていた。福岡大メンバーを襲ったヒグマと同一個体とされている。 しかも、彼らも綺麗に並べられていたヒグマのヨダレだらけの荷物を取り返していた。奇跡的に死傷者はいなかったが、下手すれば彼らもヒグマの標的になった可能性があったと考えると…。 また、この二つの事故の更に一ヶ月前、付近の山塊で単独登山者の行方不明も発生している。こちらについては何が起きたか検証のしようも無く、憶測にとどまるのみである。 北海学友会の報告書はこちらで原文が参照できる。( 外部リンク ) 当時のみならず、今日なお続くクマとの衝突を考えさせられる文章であり、一読の価値がある。 YouTubeやニコニコ動画には当時の映像を交えた特集の動画がアップロードされている。 「興梠メモ」も実物が表示され、読まれている。 2013年7月には「奇跡体験!アンビリバボー 知られざる海と山の恐怖大特集」で、この事件の再現ドラマが放映された(全員実名)。 追記・修正をよろしくお願いします △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] コメント欄が長くなってきたのでリセットしました -- 名無しさん (2014-09-26 23 15 57) 怖すぎワロエナイ -- 名無しさん (2015-11-06 04 43 05) WIKIPEDIAでも検索してはいけない項目・・・だったんだがいつの間にか消えてるな -- 名無しさん (2015-12-05 04 04 31) ぼっち大勝利w -- 名無しさん (2015-12-13 21 12 42) どんだけ執念深いんだよヒグマ…逃げ切った例って聞かないし一度狙われたらずっと追われ続けるのかな… -- 名無しさん (2016-05-06 00 04 27) ↑ザ・ワイルドって映画に登場したクマもずっと主人公たち追い続けてたな -- 名無しさん (2016-06-05 16 51 56) 三毛別にしても「わざわざ戻ってくる」って習性が怖すぎるよな。 -- 名無しさん (2016-07-09 20 42 03) 本気で知識って大事だね -- 名無しさん (2016-07-09 23 34 43) 山の方に住んでる道民からすると知識が無かったのもそうだが、ぶっちゃけヒグマを舐めすぎてるんだよね。比較的小型な月の輪でさえ手に負えんのに。 -- 名無しさん (2016-07-10 00 53 25) ニコ動のドキュメンタリーはコメントがひどい。この記事でたびたび指摘されてる「当時は今とは違う」という大前提を無視して自己責任だとか書いてるコメントが多くて悲しい。 -- 名無しさん (2016-07-25 14 04 15) ただ嫌な言い方をすれば、地元の人間はどれだけ熊が危険か知ってた訳だし、せめて警告の呼びかけぐらいしててほしかった。実際人死にが出てしまってる訳だし。 -- 名無しさん (2016-08-29 20 57 26) そもそもこの事件の8年前に北海道の別の場所でヒグマの襲撃事件が発生し、山岳部員が10人が荷物捨てて全力逃亡してなんとか全員生還したという事例がある。大学生にもなって何故その程度の情報すら収集できなかったんだ。ネットが無いとはいえ、北海道の猟友会とかに電話して聞くことぐらい思いつかなかったのか -- 名無しさん (2016-08-29 21 22 35) 年齢差し引いて考えると、この彼らと同世代の空手家の老人がクマを素手で撃退した模様。…色々パネェ。 -- 名無しさん (2016-09-04 19 30 05) ↑2それはただ単にさっさと逃げた人とそうじゃなかった人の差というだけだろ -- 名無しさん (2016-09-04 19 33 38) ↑3分かりやすく言えばさっさと逃げて全員アッサリ生還したので特にニュースにならなかった。聞いても「そう言えば前こんな事がねー」で終わってしまう -- 名無しさん (2016-12-01 10 41 22) ↑6 そいつら運が良かっただけで全力で逃げるのは熊に遭遇した時の行動としては一番やってはいけないことだぞ -- 名無しさん (2016-12-01 13 50 58) 荷物を取り返すことについては、高山だから下山するにしても荷物がいるって考えた部分もあるらしい -- 名無しさん (2017-06-21 23 50 25) 金銭や貴重品に加えて高価な登山装備を簡単に諦められるのかという点も。命が大事と言うのは簡単だが学生の立場で簡単には諦められないよ。 -- 名無しさん (2017-06-22 00 30 11) 竹末は二人に突き飛ばれてヒグマに食われてる間に後の二人は逃げたんじゃないかな? -- 名無しさん (2018-01-18 06 25 37) ↑熊の習性上へばっている獲物より逃げ去る獲物を優先的に狙う傾向があるからそれはない、それをやったら死んでるのは滝か西井 -- 名無しさん (2018-02-13 21 20 42) その当時に正しい知識が普及していなかったことが悔やまれます -- 名無しさん (2018-02-24 22 28 30) 羆の生息地が北海道だけでよかった… -- 名無しさん (2018-04-01 22 07 31) ↑熊は本州、四国にもいるわ! ヒグマの生息地は確かに北海道だけど。 -- 名無しさん (2019-04-18 17 22 08) ネットもなかった時代だし熊は火を怖がるとかいう与太話が大真面目に信じられていた時代だしなぁ。おまけにこのヒグマ、メスなのもあってそんなでかくないんだよな。逃げなかったのは結果論としては愚かだが仕方ねーよ -- 名無しさん (2019-05-19 19 39 48) ↑3 熊は他地域にもいるけど「羆」は北海道にしかいないのよ -- 名無しさん (2020-01-25 15 10 39) 少し残酷な言い方をすると、この事件は「必然的にいつか起こりえた事件」だったのかな。今まであまり正しい知識が広まっていなかった(=調べようがなかった)けど、この事件の後クマの恐ろしさや習性が全国に広まっていったわけだし。時代背景からしてこの学生方の不幸を悔やみます。 -- 名無しさん (2020-02-03 18 56 09) 違反コメントを削除しました -- 名無しさん (2020-04-18 19 02 21) 恐ろしい事件だ -- 名無しさん (2021-04-02 10 34 17) 熊は自分の獲った物を盗まれるとめちゃくちゃ追いかけてくるのは当時あんまり知られてなかったんかな -- 名無しさん (2021-08-07 13 11 12) 当時はというか現代ですら「熊と会ったらこうしろ」という方法論は厳密には確立されてない。熊のような知能が高い雑食動物は習性や食性にすごい大きな個体差があるし時期によっても違うから、同じ行動をしても同じ反応をするとは限らないんだ。実際キャンプ場とかでキャンプ客の荷物をあさったりする熊は多いけど、それを取り返されて執着した、襲撃しきたっていう事例はあんまりない。この人たちはただひたすらに運が悪かった…… -- 名無しさん (2022-09-20 19 44 03) 剥製だけ見たやつが「こんな小さいの俺なら勝てるわww」とか書き込んでたの見て頭痛かったな。所詮なんJの書き込みにしても野生動物をみくびりすぎだろう -- 名無しさん (2023-10-22 08 00 05) ↑本当馬鹿だよね。人間なんかネコの1/4もジャンプ力がなく、本気で逃げた鶏やウサギに掠りもしないってのをまるで判ってない。 -- 名無しさん (2024-03-07 22 06 47) ↑3それはそうではあるんだがキャンプ場の話はまた別と言うか大抵の場合回収後すぐさま避難してるパターンだから -- 名無しさん (2024-04-19 22 07 19) 昨日の5月1日の世界の何だコレ!?ミステリーのSPでこの出来事が流れてたな。名前は仮名だったりしてたけど、まるでホラー映画のような出来事が次から次へと起こったんだな… -- 名無しさん (2024-05-02 16 51 28) 似たような団体と遭遇してる事が多いし当時ワンダーフォーゲルが流行ってたのが分かる。今でもワンダーフォーゲル同好会ってあるのか? -- 名無しさん (2024-05-02 17 33 11) 百姓貴族でも書かれてた -- 名無しさん (2024-09-03 20 14 21) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/8824.html
722 名前:弥次郎[sage] 投稿日:2023/09/23(土) 23 35 18 ID softbank126036058190.bbtec.net [106/145] 憂鬱SRW アポカリプス 境界戦記編SS「最前線司令部の憂鬱」 境界戦記惑星 日本列島 北米同盟占拠地域 旧山梨県 甲斐市 前線司令部 会議室 旧山梨県の甲斐市に設営されたこの北米同盟の拠点は、比較的新しい---というかごく最近に緊急で建造された場所だった。 他の位置にあった司令部機能を一部どころかすべて移転して、対日本解放戦線への対策本部としても用意されていた。 なぜ、そんなことをする必要があったのか? 偏にそれは、現在会議室に表示されているMSCU-M107W「ホワイト・モルフォ」が原因だ。 諜報網などから得られた情報からするに、近未来的な外観を持つ戦略列車砲と目されるそれは、なんと有効射程500キロは固いレールガンを保有していたのだ。 これが確認されているのは、日本解放戦線の重要拠点であり要塞である「関ケ原要塞」の向こう側だ。 そこから半径500キロとなれば、関東圏や北陸、果ては伊豆諸島までもが飲み込まれているというとんでもないものであった。 無論、フェイクや誇張の可能性もあったのだが、東京湾ど真ん中に叩きこまれた示威的射撃により、嫌でも認めざるを得なかったのだ。 さらに撃ち込まれた砲弾についての調査や諜報部が掴んだところによれば、砲弾は800ミリというトンデモ砲弾であった。 第二次世界大戦時にドイツが運用していたグスタフ・ドーラ列車砲と同じ大口径砲だというのだ。 そして、そのスペックは確認できるだけでも、それが赤子に見えるレベルというのは明白だ。 ここまで言えばわかるであろう、この列車砲による砲撃を恐れ、北米同盟は泡を食って戦力配置などを見直したのだ。 射程圏内から逃げ出したいのは山々であったが、逃げたところで今度は日本解放戦線が詰めてくることに変わりはない。 その為、代替案として日本列島に点在する山岳地帯の稜線に隠れるという手を選んだのである。 レールガンと言えども曲射は可能であるが、少なくとも真っ向から叩きこまれるよりは何倍もマシという判断をしていた。 加えて、司令部機能を地上から地下に移すことによって、動きを悟られにくくするというのを選んだ。 自分達の頭の上の制空権を握れていないということで、航空偵察で配置などが露見する可能性もあっての選択だ。 制空権が握れなくなったことにより偵察を自由に許してしまうほか、軌道上の衛星なども多くが使えなくなるなど、踏んだり蹴ったりであった。 だからこそ、地上においても天空から見下ろす目を恐れ、さらにはいつ飛んでくるかもわからない砲撃におびえる日々が続いていた。 そして、比較的最前線に近いこの甲斐市の前線司令部に設置されているのが、この「モルフォ」への対策本部であった。 モルフォは脅威である、だからこそ何とかせよ、ということなのであるが---居並ぶ面子は半ば以上に諦め顔だ。 とはいえ、命令は命令。会議を開き、話し合いを行い、その議事録などを提出する義務がある。 よって今回も定例の会議が行われることになったのだ。 日々の諜報活動や観測、あるいは得られたデータの分析結果は蓄積されており、そこからわかることもある。 「……とはいえ、これではな」 「モルフォ」対策本部を任される大佐は髪の毛をぐしゃぐしゃと掻くしかない。 日々蓄積されていくデータや情報は、「モルフォ」への対抗策が0であるということを裏付けするものばかりであったのだ。 723 名前:弥次郎[sage] 投稿日:2023/09/23(土) 23 36 16 ID softbank126036058190.bbtec.net [107/145] まず、この列車砲の脅威が確認され、攻略が検討された時、真っ先に考案されたのは巡航ミサイルによる撃破であった。 彼我の距離があり、間には自然の地形や「壁」があるため、それを飛び越えて攻略するには順当だと考えられたのだ。 「とはいえ、航空機どころか飛翔体の進入を許さないようだからな」 「衛星による迎撃とは、まるでSFですな……」 「SDIも真っ青だよ全く……」 が、当然没となった。 巡航ミサイルを試しにはなってみたところ、日本解放戦線(本当は地球連合)の衛星や地対空システムにより悉くが落とされる羽目になった。 航空機による爆撃ないし直接攻撃も発案はされたのだが速攻で没となっている。 「絶対的に制空権を握られている関係から、こちらの攻撃オプションの過半が使えないからな」 「衛星破壊攻撃も行われたのでしたっけ?」 「ああ、結果はお察しだがな……」 その後もいくらか発案されたのだが、スマートに解決するのは不可能、と判断された。 次いで考案されたのが、同じような大型砲を開発・配置することによってカウンタースナイプを決めるというものである。 こちらも速攻で没になった。その理由はごく単純だ。 「こっちは即座に発見されてカウンターにカウンターを喰らったと……」 「せっかく用意された新兵器が吹っ飛びましたからね」 その時の資料を読み返すと、あの時の悲劇が脳裏によみがえる。 それこそ、V3などのようなムカデ砲を超えるそれを用意しようというのだ、必然的に多くの人員や資材が投入されていた。 入念に情報統制や隠しての作業を行ったのであるが、当然そんな動きをしようものならば天空の目が見つけて通報する。 「……そして、基地ごと吹き飛んだ、か」 「あれ以来、この手の作戦に音沙汰がないってのは、そういうことでしょうね」 ああ、と部下に返事をしながらも、大佐はこのプランの欠点をもう一つ見透かしていた。 モルフォが一体どこにいるのか不明だ、という点だ。 スパイなどの情報を基に位置の割り出しを行うのだが、どうやってもタイムラグが発生する。 そも、最初に発見された時は巨大な要塞砲としてみなされており、それが次の日には消えていたのだから誤認ではという判断さえあったくらいなのだ。 いくつかの情報と、それから計算された弾道から推測された発射位置から鑑みて、ようやく列車砲のたぐいと判明したのはごく最近の事である。 (線路上にしか展開できないと思われるそれの行動範囲を絞ることはできるが、どこにいるか正確にわからなければカウンターしようがない) モルフォ対策ではなく、どちらかといえば「壁」攻略を企図したであろうその大型砲では正確に位置を把握しなくては意味がないのだ。 これが固定目標や要塞であるならばともかく、相手が動く列車砲を相手にするのは些か以上に難しい。 空から見られていることを考えれば、位置を補足してから速やかに砲をくみ上げて発射して先制するという理論上だけはできるそれをやらねばならなかった。 そも航空偵察も弾着観測もできないのにどうやるつもりだったのだ、というツッコミはさておき。 724 名前:弥次郎[sage] 投稿日:2023/09/23(土) 23 37 17 ID softbank126036058190.bbtec.net [108/145] そして、次にぶち上げられたのがコマンド部隊の投入というものである。 「これについての進展は?」 「ダメですね」 肩をすくめた部下の報告はにべもない。 「陸路、空路は封鎖状態なのは言うまでもなく。 制海権はかろうじて東日本側を維持していますが、そこから先は日本解放戦線……地球連合の制圧下です。 潜水艦から発した潜水艇によって放り込むと言う手も何度か試されていますが、悉くが失敗。 貴重な諜報員や兵士が消えていくのを本国は許容できないとのことでして…」 「その代案検討は?」 「こちらもダメです。現状、難民に混ぜた協力者や諜報員で何とかしていますが、チェックがかなり厳しいので……」 そうか、と大佐はため息をつくしかない。 少し考えればわかることなのは事実だ。壁の向こう側に諜報活動員を送り込むことだけならばできるし、事実これまで何度かやって成功はしている。 だが、その際にはほとんど生身で放り込み、現地で必要なモノを調達してこちらとコンタクトを取らなくてはならないのが手間なのだ。 余計なものは持ち込めないというのがあまりにも痛かったのである。 それだけ、壁越しにこちらとの通信を行う方法を確保するだけでも一苦労なのだ。 一般的な通信手段では傍受される可能性があり、実際に傍受されているという報告も上がっている。 だからこそ暗号を用いたり、符丁などを使うなどしているが、どこまで通用しているかと疑問が付くのだ。 まして、破壊工作などを行うようなそんな人間を送り込むにはリスキーすぎるのだ。 「おまけになんだ、頭の中をのぞかれるだって?」 「ええ、報告に上がってきていますね。 ?発見器のようなものでそれなりに精度があるようです」 「とはいえ、すり抜けられているのも事実か。これをメインにしているのも当然だな」 「消去法ですけどね」 いうなよ、と愚痴る。 結局のところ、情報を集めるだけでほぼ手一杯で抵抗しようがないのだ。 「で、総じて手詰まりなのが確認された、ということでいいか?」 「大佐、もう少し言い訳の立つ言い方を……」 「だが事実だろう? そうじゃなきゃ、いつ飛んでくるかわからない砲撃におびえて隠れるなんてことをしない」 あるいは、と続ける。 「そうでなければ、首都圏に乗り込んで日本人を盾にするなんてことをするわけないだろ?」 「それは……」 そう、前線司令部は確かに隠れることを選んだ。 だが、どうしても隠れられない重要拠点などは存在していたのだ。それに北米同盟が出した答えが、日本人という盾だったのだ。 日本解放戦線が日本の全土奪還を考えているならば、元の日本を取り戻す必要があり、その為には首都圏などを攻撃できない、はず。 そういう楽観的な予測も合わさって、日本人の盾は現在も用いられている。 だが、他国の人間とは言えそれを平然と行える人間ばかりではないのが実情だ。 それに加え、日本解放戦線は躊躇っても、地球連合が躊躇う理由は乏しいのだから。 「それに現状、最前線は押されている。 モルフォの撃破どころじゃないってのは、いい加減上層部もわかりそうなものだがな」 「確かに…「壁」攻略どころか、そこにたどり着くルートを拓くだけでも致命傷になるかもしれませんからね」 「結局、今回も同じ結論になりそうだな」 そう、何度か知恵を出し合ったが、毎回ほぼ同じ結論にたどり着くのだ。攻略は困難どころではないと。 それでもいつ何時自分たちが砲撃で消し飛ぶかわからない上層部は何とかせよの一点張りだ。 「やってられないな」 そんな憂鬱な日々は、まだ続く。だから、ため息はどうしても止まらなかった。 725 名前:弥次郎[sage] 投稿日:2023/09/23(土) 23 38 13 ID softbank126036058190.bbtec.net [109/145] 以上、wiki転載はご自由に。 北米同盟の詰みっぷりの再確認でした。 でも、北米大陸が他の惑星から来た勢力によるヒャッハー(比喩)されているから北米同盟も必死なんだよなって…
https://w.atwiki.jp/welovejpop/pages/1445.html
4/1 LOSER Gordon 4/1 晩冬歌 human. 4/1 Happy Order? imase 4/1 おぼろ feat. 佐藤千亜妃 KERENMI 4/1 もうけもん MONO NO AWARE 4/1 Love... no-years 4/1 二面性ビジョン リカク見得を切る 4/1 BLUEMOON BLUES 岸本ゆめの 4/1 明日の真理 練乳歯磨キ倶楽部 4/2 遥か Aimer 4/2 ハートビート C K 4/2 丸 工藤静香 4/3 ラピダリー *Luna feat. ゆある 4/3 UTAGE (feat.Rin音 クボタカイ A夏目 ICARUS キズナ) asmi 4/3 overtime BLUE ENCOUNT 4/3 apple Dict. 4/3 君に恋したあの日から flumpool 4/3 我愛你 Penthouse 4/3 FREE GIRL Rie fu 4/3 スクールスクープ (feat. 梓川) RuLu 4/3 ミラーボール Sano ibuki 4/3 純愛クレイジー The Biscats 4/3 Sympathy The Ravens 4/3 ソナタの暗闇 THE YELLOW MONKEY 4/3 あわいに TOMOO 4/3 MIA Umisaya 4/3 逃避行 yamada. 4/3 寿司と酒 YONA YONA WEEKENDERS 4/3 微熱とレモンサワー アルコサイト 4/3 シンドローム きのホ。 4/3 美女と野獣 クジラ夜の街 4/3 春風 コレオグラフィー 4/3 ゴールドマーチ プッシュプルポット 4/3 バカと自由 ランチブレイク 4/3 エイトビート・バーサーカー 岸田教団 THE明星ロケッツ 4/3 名前のない明日 九九 4/3 泡 坂本櫻 4/3 White 山崎あおい snowy 4/3 あみだくじ 松浦航大 4/3 きらりら (feat.山村隆太) 松下奈緒 4/3 週末のロックスター 神野メイ 4/3 No one compares 生田絵梨花 4/3 Stardust Memory 川崎鷹也 4/3 作曲 澤田 空海理 4/4 旅立ちの鐘 20th Century 4/4 運命 sumika 4/4 メープル YUTORI-SEDAI 4/4 No Name つじりお 4/4 キラキラの灰 リーガルリリー 4/5 夢の冒険 Fly2High 4/5 poi Saucy Dog 4/5 イロドリ カノエラナ 4/6 LYCAN ennui ennuit 4/6 Lonely stone (feat. Qreamode) Toki 4/6 君へのお願い あいおいち 4/6 サラバ シアンドギャルド 4/6 藍音 ハルレイン 4/6 イロノナカ 久保あおい 4/6 無重力 個リン 4/7 カラフルムーンライト Sunflower Dolls 4/7 運命ちゃん いきものがかり 4/7 次回予告 キタニタツヤ 4/8 泣いても笑って ケツメイシ 4/8 しゅっぱつ! ちたへんりー 4/8 残り香 ハナユイ 4/8 あぃまい大作戦 太陽と踊れ月夜に唄え 4/8 リスタート 中谷桃花 4/8 BYE-BYE 浜崎あゆみ 4/8 さよーならまたいつか!- Sayonara 米津玄師 4/9 イエスマン Organic Call 4/9 Magnolia カタソビ 4/10 近頃 Bialystocks 4/10 バイラルハック Crab 蟹 Club 4/10 ふたりの暮らし Dannie May 4/10 天使がいたよ Daoko 4/10 富と果実 DeNeel 4/10 Maybe I don’t need you Foi 4/10 心変わり indigo la End 4/10 春のシモキタ KALMA 4/10 See the light polly 4/10 if 1/2 shallm 4/10 ケセラセラ Soar 4/10 中央線とビター SUKEROQUE 4/10 Pink Gang feat. 4s4ki the telephones 4/10 OKワード wacci 4/10 ピーターパンしんどローム WON 4/10 踊れマリア がらり 4/10 あの夜 さとう。 4/10 ヒトリガ ストレイジ 4/10 in birth そこに鳴る 4/10 キラー・タンゴ ドレスコーズ 4/10 恋人(仮) ニイナ 4/10 It s a piece of cake にしな 4/10 忘レナ唄 マカロニえんぴつ 4/10 「ReStart」 (Japanese Version) 伊東歌詞太郎 4/10 078 井上苑子 4/10 Melt 雨のパレード 4/10 Our Time feat. miwa 佐久間みなみ 4/10 稜線(Ridgeline) feat. Hugh Keice 倉品翔 4/10 どうしよっかな 頓知気さきな 4/10 みんなしかいなくてさ 泡く、脆く。 4/10 今晩の喧嘩 名誉伝説 4/10 DAHLIA 木村カエラ 4/10 仲直りのあとは 門脇更紗 4/11 Dawn 未完成ブレイブ 4/12 相思相愛 aiko 4/12 バイマイダーリン (feat.みきまりあ ニト。) MAISONdes 4/12 ライラック Mrs. GREEN APPLE 4/12 Blow Your Cover Number_i 4/12 命運 reche 4/12 WHY? Stray Kids 4/12 UNDEFEATED XG VALORANT 4/12 贖罪 シド 4/12 Pizza Planet feat. ゆいにしお ぜったくん 4/12 Heroes ももいろクローバーZ 4/12 超メモリアル 女王蜂 4/13 魔王 BURNOUT SYNDROMES×東山奈央 4/13 サイコーッ! コングラッチェッ! 4/13 Victoria レアロ 4/13 遠キョリ。だって本気 可憐なアイボリー 4/13 recall 八木海莉 4/13 4年桜 麻桐友恵 4/14 fam! CHiCO 4/14 綺麗な骨 Hammer Head Shark 4/14 HOPE!HOPE!HOPE! meiyo 4/14 TO THE END SennaRin 4/14 世界を射抜いて Sou 4/14 1日は25時間。 ツルシマアンナ 4/15 邂逅 BUMP OF CHICKEN 4/15 ネオンライツ (feat. WISE おかもとえみ) RIP SLYME 4/15 桜の涙 エリネア 4/15 それでも雨は降るんだね ツユ 4/15 正解はいらない ナナヲアカリ 4/15 オン・ザ・フロントライン ヒトリエ 4/15 縫い目 上野大樹 4/16 night walk ELAIZA 4/16 おねがい☆ティラミス pacchi 4/16 地獄恋文 tuki. 4/16 このままずっと アルトナイト 4/16 your shadow」 櫻井 晶一 4/17 LAZY a子 4/17 いいおくり CYNHN 4/17 I wonder Da-iCE 4/17 Oh my BABY Dear Chambers 4/17 Sail On ENVii GABRIELLA 4/17 People 365 First Love is Never Returned 4/17 ペトリコールに呼ばれて Gum Girl 4/17 ドラマ Hilcrhyme 4/17 花束 HoneyComeBear 4/17 ロストインメモリ Klang Ruler 4/17 雨予報 Leola 4/17 Raven LUCY IN THE ROOM 4/17 Trash? / ダリア Mellow Youth 4/17 Borderline MONKEY MAJIK 4/17 帰り道 reGretGirl 4/17 Paradise SUKISHA 4/17 カルト Tele 4/17 NEHAN Tempalay 4/17 スランバーワンダーランドへようこそ The Otals 4/17 恋はあっかんべえ The Shiawase 4/17 無問題 Wagamama 4/17 あなたがゼッタイ アーティスト名鳩とスパイス 4/17 焼津 エンヤコーラーズ 4/17 ハッピーニューデイ カネヨリマサル 4/17 14人のオトナ カリスマ × 月蝕會議 × 小林私 4/17 喉仏 クリープハイプ 4/17 詞 ポミエ 4/17 ブラックボックス ポルカドットスティングレイ 4/17 導火 月詠み 4/17 涙 荒谷翔大 4/17 涙 荒谷翔大 4/17 BLUE LIGHT LOVE 青絵涼。 4/17 ラベンダー・ブルー 直田姫奈 4/17 青空のカケラ 田畑実和 4/17 766号線 碧海 4/17 やさしい雷 穂ノ佳 4/17 私欲 梟note 4/18 夏ドキッ! W.ダブルヴィー 4/19 Chimera Bimi × ODDLORE(KOYA・JOSH)× サイプレス上野とロベルト吉野 4/19 長袖 bookman 4/19 笑い話 Tani Yuuki 4/19 あいどる道中Be Dash!! アップアップガールズ(仮) 4/19 ヒナゲシ しまも 4/19 君はきっとずっと知らない スカート 4/19 プレイボーイシンドローム ヤングスキニー 4/19 TOBARI 春瀬烈 4/20 CROCUS AMUSEMENT LAGER 4/20 ONE LOCAL CONNECT 4/20 Dream MANABE YOSHIAKI 4/20 騙されないからね。 りりあ。 4/20 シンゲツ 楠木ともり 4/20 Walk Together 平井大 4/21 最強ガール JELEE 4/21 Romance SpecialThanks 4/21 離れないで 斉藤朱夏 4/22 風を止めないで リュベンス 4/22 可惜夜 不眠旅行 4/23 一体どうしちゃったの? ナツノセ 4/24 Tayori ( feat. 荒谷翔大 ) androp 4/24 恋 asmi 4/24 そうじゃなくて berry mee 4/24 この道の果てで Bubble Baby 4/24 ソフビ Bye-Bye-Handの方程式 4/24 踊れピエロ DOBERMAN INFINITY 4/24 Spaceship DURDN 4/24 Judgement Syndrome East Of Eden 4/24 pools ego apartment 4/24 はないかだ G over 4/24 平安 go!go!vanillas 4/24 ダイヤモンドダスト H△G 4/24 New York, New York I Don t Like Mondays. 4/24 スウィートドリーム kobore 4/24 拝啓、わたしへ Lisa 4/24 実感 Lucky Kilimanjaro 4/24 Record Dogs Maki 4/24 ヘタクソ mihoro* 4/24 maimai moka canon 4/24 BACKLIT mol-74 4/24 サムウェア Moonglace 4/24 PERFECT BLUE MUSHS 4/24 Get Over NEK! 4/24 innocent flowers Nornis 4/24 お化けひまわり Pii 4/24 ソファー sansaisa 4/24 傍若舞人 seeeeecun 4/24 HAYATE SHIFT_CONTROL 4/24 そういう好き wacci 4/24 初恋 yommx 4/24 キスミー アツキタケトモ 4/24 君の瞳に映りたい いつかのネモフィラ 4/24 茶柱 ザ・おめでたズ 4/24 月光少女 しろくま。 4/24 エイトビート シンガーズハイ 4/24 片依存 とた 4/24 身勝手 ベイビーズ 4/24 ワルツ 家入レオ 4/24 かいか 廻花 4/24 モーニング 原田ねくら 4/24 三分半 (feat. mm.) 古川本舗 4/24 残影 山本彩 4/24 魔性の女A 紫 今 4/24 スピカ 上白石萌音 4/24 たまには 声にならないよ 4/24 hibi 西恵利香 4/24 雲雀の舌のゼリー寄せ 特撮 × ドレスコーズ × イヤホンズ 4/24 Unhappy Sky 柏木ひなた 4/24 初恋 文藝天国 4/24 遠吠え 碧海祐人 4/24 涙が出る5秒前 奔走狂走局 4/24 うらみっこなしよ 名眠らないタイムカプセル 4/24 Spiral 明透 4/25 夜風の歌 alligator 13 foot 4/25 I ll be there MAN WITH A MISSION 4/25 YUME UTSUTSU ひびきテクノポップ 4/25 パァパァパァ 山桜桃ノア 4/26 なにする? (feat.はしメロ) Anonymouz 4/26 烙印 Awairo 4/26 アオイハル Conton Candy 4/26 Sketch For Spring CORNELIUS 4/26 朝、月面も笑っている DISH// 4/26 幽霊 goethe 4/26 eyes feat. Maako pige 4/26 夜明けの歌 re-i 4/26 華時雨 RUCA 4/26 地獄で会おうぜ きゃない 4/26 FORGIVE ME ちゃんみな 4/26 生活 モウソウキリン 4/26 Apollo 宮野真守 4/26 Penalty 中村ゆりか 4/26 CONTINUE (feat.KOPERU peko KBD KennyDoes) 梅田サイファー 4/27 emotion AliA 4/27 Fighter GLIM SPANKY 4/27 グリーンピース OKOJO 4/27 MEMORIES of the End UVERworld 4/27 声明 yama 4/27 いつか叶えたくて あかせあかり 4/27 春曇り feat.Ran 新山詩織 4/27 絆 川嶋あい 4/28 ポラリス ミライノオト 4/29 君にカエル (Maybe) TEAM 4/29 ひとりじゃないんだ こはならむ 4/29 ピカレスクロマンサー めいちゃん feat.葛葉 4/29 道 (feat. 川口裕翔) 松本曹史 4/29 愛の数だけ 上野志結 4/30 春を待つ Laica 4/30 願う わんちゃんわんわんねこにゃんにゃん
https://w.atwiki.jp/wotrainee/pages/21.html
このページは? ここではゲームの始め方を読み終え、Tier2~3に到達した方を対象に、各車種の特徴とその役割を解説していきます。 WoTにはLT(軽戦車)MT(中戦車)HT(重戦車)TD(駆逐戦車)SPG(自走砲:通称Arty)の五つの車種があります。 これらは他のゲームで言うところの職業や役割、即ちロールのことでもあります。 それぞれ得意とするシーンが全く異なるので、このページで軽く理解しておきましょう。 LT(軽戦車) Light Tank縮めてLTです。 この車両は小柄で高隠蔽長視界の車両が多いのが特徴。 隠れた特徴として、この車種だけは移動中にも隠蔽率が下がらず他車種に比べ発見されにくいという特性を持っています。 その分、他の車種に比べ低装甲低火力と、主戦力としては心もとない車種です。 二次大戦初期には大型戦車が存在せず、必然Tier1~3ぐらいまではLTが主戦力となりますが、Tier4以降は役割が変わっていきます。 LTの役割 低Tierでは戦力として扱われますが、上記の通りTierが上がるに連れてLTは戦力として扱われなくなります。(一部例外有) 全車種中最低のHP、最低の装甲、最弱の砲性能で主戦場を支えるのはとてもじゃありませんが無理です。 回りこんで側面や背面を突くならともかく、正面から貫通しない豆鉄砲を撃ち続けるLTはゴミです!チームの汚点です! そこでLTはその小柄な体格と優秀な隠蔽率、長視界を活かして「偵察」の役割をこなしていきます。 このゲームにおける偵察とは敵チームの位置を探り味方に知らせることで、スカウトとも呼ばれます。 視界に乏しく、一方的に攻撃されがちな重戦車や駆逐戦車にとっての「目」となる仕事です。 自分から攻撃して敵車を破壊する快感が欲しい?そのような方はどうぞ、重戦車や駆逐戦車へ! 具体的には、前線付近や視界がよく通る茂みに入り込み、後からやってきた敵車を発見する「置き偵察」 最前線付近を自慢の快足で走り回り、敵の前衛を発見する「走り偵察」 敵の手薄な所を見つけ、後方に突入し自走砲や駆逐戦車を始末する「Arty狩り」 の三つに専念することになります。詳しい解説は別項にて。 これら三つの仕事はいずれも「マップ知識」「敵配置のセオリー」「実戦経験」そして「高度な読み」が必要となります。 つまり、弱点狙撃等の戦闘技術の要求は無いものの、ゲームに対する深い知識がなければ勤まらない役割ということです! ゲーム中、最も簡単で、最も難しい役割と言えるでしょう!スケベ野郎のピーピング・トムも大変なのです。 MT(中戦車) Medium Tank縮めてMTです。 中戦車の名が示す通り、全てに置いて中くらいの性能を持つ、特徴がないのが特徴の車種です。 こう書くと微妙に思われがちですが、それなりの戦力をどこにでも持っていけるその性能は、戦場の何でも屋といえるでしょう。 低Tierにおいては一部英国車両しか存在しないものの、Tier4以降の主戦力となります。 MTの役割 前述の通り特徴が無いのが特徴の中戦車。 単純に戦闘では重戦車に及ばず、火力では駆逐戦車に劣る車種ではありますが、WoTは正面戦闘だけで勝てるゲームではありません! 迅速な陣地転換や側面攻撃を常に意識し、戦場のワンシーンを常に有利に運べるようにすることがMTの役割です。 非発見の車両の動向が見れないことを活かし、前線付近の稜線や茂みに潜み、主戦力同士の睨み合いを側面から荒らしましょう。 手薄な前線を維持することもできますが、防御力はあまり頼りにならないので、常に人数差や地形を利用した戦いを心がけましょう。 敵チームの的を絞らせず、嫌な奴と思われるような動きこそがMTの在るべき姿です。 バランスの取れた走・攻・守を活かし、LTの役割でも挙げた「Arty狩り」を狙うのもグッド! いずれにせよ、機動力と残りHPの使い方がMTの肝になることを覚えておきましょう。 全車種中最も応用力が問われる車両、上達を実感出来る車両と言えるでしょう。合言葉は常に卑怯であれ! HT(重戦車) Heavy Tank縮めてHTです。 名が全てを示しており、他車種に比べとにかく、重く、硬く、強い車両が多いです。 同格の中戦車や格下車両の攻撃を尽く弾き返し、強力な砲とタフなHPを押し付けて制圧前進あるのみ。 その恵まれた体格は主戦場を支える屋台骨となります。 うーん、ここまで書くと最強の車種のように見えます……ですが、現実は甘くありません! 重戦車は殆どの場合、隠蔽率が最低クラスであり、視界も短く、機動力も鈍ガメのある意味で最低野郎のボトムズなのです。 HTの役割 前述の通り、恵まれた装甲とHP、強力な主砲のプレッシャーで主戦場を押し上げるのが主な役割です。 最高峰の各性能を持ってすれば容易い……仕事ではなく、劣悪な機動性とクソのような隠蔽率が足を引っ張ります。 要は「逃げることも怪しい鈍重な足と、常に先手を取られる短視界低隠蔽率で矢面に立つ」ということです。 うーん、第一印象が一転して不安になってきました……ですが、大丈夫!強力な主砲や分厚い装甲は決して嘘をつきません! とどのつまり、味方の軽戦車が視界を取り、中戦車が脇を固める前線に向かえばいいのです。 もちろん、チームメイトも屋台骨のない前線には行きたがらないので、そこは共生関係のようなものです。 正面を貴方が受け持ち、抑えた相手や回りこんできた相手を中戦車や後方の駆逐戦車がフォローする、というのが主戦場の主な形ですから。 さぁ、前線を構築してしまえばこちらのものです。 正面からの攻撃を容易く弾き返し……弾き……弾けねぇ!? そうです、重戦車にはまだまだ弱点があります。 それは「重戦車を正面から貫通し得る駆逐戦車」と「鈍足な貴方に逃れられない死を約束する自走砲」です。 前者はその高い隠蔽率を活かし、見えない状態から一方的に最高峰の性能の砲で狙撃してきます。 後者はその射程距離と暴力的なまでの威力で、直撃すれば即死or瀕死、かすり傷でも重傷の砲撃を仕掛けてきます。 どちらの敵も「逃げたり、フェイントをかける機動力に乏しく、見つけやすい相手」を得意としています……そう、貴方のことです。 これらの悪意から逃れるため、遅いながらもリロード中や援軍待ちの間は常に動き続けましょう。 また、自走砲や駆逐戦車の狙いにくい市街地での戦いに注力するのも良いでしょう。 弱点ばかりを述べましたが、逆に言えばそれさえフォローできれば最高峰の性能であることは間違いありません。 脆弱な敵車を踏み潰すその快感は重戦車でなければ味わえませんよ! TD(駆逐戦車) Tank Destroyer縮めてTDです。 この戦車は同格の他車種に比べて、高い隠蔽率と強力な砲を持つのが最大の特徴です。 基本的には軽装甲な車種ですが、Tier7から優秀な傾斜装甲を手に入れ、Tier8を境に重装甲大口径砲へと転身していきます。 また(一部米車両を除き)回転砲塔を持たず、戦闘室に直接大型の砲を搭載しているので砲塔旋回ができません。 その為、機動戦や不意の遭遇戦に弱く、待ち伏せや通路の封鎖に適した超攻撃特化の戦場のスナイパーです。 TDの役割 前述の通り、待ち伏せや味方の視界を貰って長距離から狙撃することが主な役割です。 精度や絞り込み、貫徹力に加え高ダメージの車両が多く、開幕大ダメージで敵車の役割を破壊したり、体力を残して下がっていった車両のとどめを刺すことで試合運びに抜群の決定力を持ちます。 反面、高Tierになるにつれリロード時間もどんどん長くなるので、撃ち漏らしたミリ残りの敵を止めるのが苦手です。 周囲の味方を確認し、「味方車両では貫通できない(貫通しにくい)車両や、敵のキーとなる車両」に優先して撃ちこむべきです。 防御面は低Tierでは貧弱~並程度の車両が多く、それなりの機動力活かしたポジショニングからの長距離狙撃で補っていきます。 Tierが上がるに連れて、駆逐戦車は同格重戦車以上の正面装甲を持ちますが、前述の通り回転砲塔を持たないので最前線での運用は高度な状況判断が要求されます…… 味方の重戦車が消耗した際の前衛代理や、発見された中戦車のカバーに上手に使っていきましょう! また、忘れがちですが装甲厚の割にHPが少ないので、自車の装甲を貫通し得る車両、状況には常に気を配ってください 持ち前の高火力を心理的な壁として使い、前線から一歩引いたぐらいポジションから味方前衛を支援すると正面装甲を活かせるはず。 無論言うまでもありませんが、回転砲塔を持たないということは背面を取られた場合は死亡確定となるので、ポジショニングと敵軽戦車、中戦車の動向には最も気を配ってください! 独特の扱いにくい挙動から初心者は敬遠しがちですが、圧倒的攻撃性能はまさに駆逐者と呼ぶに相応しいものです!さぁ重戦車を駆逐せよ! 敵として相対する時も非常に厄介なので、ぜひ!一度は使って傾向や対策を自分なりに考えましょう。 SPG(自走砲:通称Arty) (ここに適当なSPG画像) Self-propelled Gun縮めてSPGです。 この車両だけは他車種と大きな違いがあり、別ゲーとも呼ばれます。 車体は極めて低いHP、Tierに対して意味を成さないレベルの装甲、大型砲からくる劣悪な機動力(一部例外有)と散々たる性能です。 ですが、最大の特徴は搭載した迫撃砲(厳密には異なりますが……)の超長距離砲撃にあります! 自走砲による砲撃は大きな弧を描き、長いものではマップの端から端まで到達します。 その威力は戦車砲の比ではなく、直撃すれば一撃で敵車を瀕死に追い込みます。 とはいえ、超長距離を砲撃するので着弾までのタイムラグが大きく、精度も劣悪そのものです。リロード時間も戦車砲の比ではないため、思ったように当たらず試合中まったくダメージが出ないことも…… SPGの役割 自走砲はその超長距離での高威力砲撃を活かし、膠着した前線をデカい一撃で崩すのが主な役割です。 自分の視界は全くアテにならない為、味方の前衛やスカウトの視界を頼りに彼らを支援しましょう! 基本的には膠着した前線で睨み合っている敵車や、スカウトが発見した車両に不意打ちを狙うといいでしょう。 中でも敵重戦車はその強力な装甲から前線の負担となるので、見つけ次第優先して狙いましょう。遅いので狙いやすいです! 前述の着弾ラグと劣悪な精度が枷となり、機動戦を繰り広げている敵車に対して砲撃は殆ど当たらないと言っていいでしょう。 実際に使ってみると、絞り込みの時間が長く、発見した敵車に必殺の一撃を放つのが難しいと感じるはず。 そこで、マップ毎の主戦場となるエリアを覚えておき、予めそこに狙いを定めておくか、偵察に向かった軽戦車や中戦車の視界を意識しながら彼らの移動先をトレースして狙うのがおすすめです。 また、敵車の移動先を計算して砲撃を「置く」ことも必須テクニックになります。 射線がよく通り、尚且つ敵チームに見つからないポジショニングが必要な為、自走砲はやや上級者向けと言えます…… 他車種でプレイしている時に、味方の自走砲の位置を覚えておき事前に予習しておきましょう。 ですが、WoTにおいてWoTではない自走砲は貴方の戦車ライフに新しい風を吹き込んでくれるはず! マップ知識がある程度ついてきたら、徐々に慣れていきましょう! 最も肌に合わない、という方も多いですが…… 最後に ここまで読んでくださってありがとうございます。 どうですか?貴方にグッとくる車種はありましたか?ビビっとくる車種は? Tier2~3に到達した貴方のWoTの世界はグッと広がったはず。 最初に乗っていたTier1の発展形だけでなく、様々な車種に挑戦してみましょう! 特に相対して厄介な重戦車や駆逐戦車は自ら触れることでその強さと弱点を体で覚えることが大切です。
https://w.atwiki.jp/flightglide/pages/502.html
めざすは深宇宙 3か月後 パルエ近傍宇宙空間 軌道上中継拠点 「やあ。魚の骨に泊まったのは初めてか?」 たった今開いたドッキングハッチから顔を出したエディは、挨拶もそこそこにニヤニヤして言い放った。人ひとりがやっと通れるぐらいのハッチをくぐり、輸送ドラム缶と大差ない太さの与圧部に乗り移る。彼の目の前で疲れ顔のミトがぐるぐる巻きの寝袋に詰まっていた。まるでミノムシだ。ぼやっと宙を眺めるミトは表情一つ変えずにぽつり。 「……狭すぎる。ワイゼン以下の居住空間のステーションって何なのよ」 「居住モジュールなんか撤去されたさ」 エディは軽い口調で寝袋のミトの隣を移動し、寝袋の足元にあるオーブンの蓋を開ける。ふたりは狭苦しい円筒の中ミトとエディの頭と足が反対側に浮いている状態となった。 「宇宙局は合理的だからな。広くて充実した設備の居住モジュールはこんな内地の中継拠点から取り外されてもっと辺境の星で大活躍してる」 エディはごそごそとポケットを探り、香辛料入りスープ粥の真空パックを取り出した。オーブンに入れてツマミを適当に回す。 「けちくさ」 ここ「第拾壱 解放記念宙継泊地」はパルエの第二衛星、メオミー周回軌道上にある有人機中継拠点である。深宇宙へと旅立つ前線ステーションだともてはやされたのも今は昔、パルエ人の活動がウィトカやエイアに広がるにつれて後方の予備機材となっていった。 エディが言うように立派な居住区や実験モジュールはとうの昔に取り外され、他惑星を回る新型宇宙ステーションや月面基地へとリサイクルされている。代わりに第拾壱泊地に増築されたのは「与圧延長ノード Ⅰ型」などという量産品のトンネルばかりで、なんとも細く情けない見た目となっている。チューブユニットばかりで身がない「魚の骨」のようなこれらは、パルエの内衛星宙域に半ダースほど散在している。月面基地要員を乗せた船舶をたまに迎え、燃料補給や整備ができる宇宙泊地ということになってはいるが…… 「細長いトンネルばかりで居住空間が手狭なのはまだいいとして」寝袋がごそごそと揺れ動き、ミトはそこから上半身を脱した。「補給も修理もセルフサービスってどういうことよ!」 ミトは新品の宇宙軍技官の制服を着ていた。くちゃくちゃの寝袋から足を引っ張りだしながら、あぁもうしわしわ、などと愚痴をこぼす。 「ここに何日泊まって、そのうち常駐職員がいたのは何日間だった?」 そう聞くエディは、オーブンの中のスープ粥がぽこぽこと煮立ち始めたので慌てて扉を開けた。 「5日目。ここの船長と言ってた人は2日目には連絡艇でメオミーに降りていって音沙汰無しなんだけど」 「あんたが乗ってきた船は」 「その船長が乗ってった連絡艇で乗り逃げされた。ねえなんで宇宙局肝いりの探検家の扱いがこんなに酷いんよ」 エディは鼻で笑いながら真空パックに入ったスープ粥のチューブに口を付ける。 「隊員はメオミーに現地集合だもんで。というか俺達と一緒に来ればよかったのに」 ワイゼンの量産機に乗ってきたんだぜ、とエディはドッキングハッチを指さす。そこからダウードが顔を出してサムズアップした。もう一人、眼鏡を掛けた若い男も手を振っている。 「あのヤングボーイは?」 「うちのラボの学生だ。ルッツっていう」 「あーよろしくね!」ミトはルッツに愛想よく手を振り返し、エディに振り返る。「……んで、あの学生君はワイゼンに乗せるのに私は放置か。ルーンで同じ飯食った私はもはやお前の子分以下か」 「ここで5日居たってことはメール回したころには君もう宇宙に出てただろ。タイミングが悪かったな。久しぶりの宇宙だからって急ぎ過ぎたんじゃないか」 ミトはため息をついてここはニヂリスカのサービスエリアより酷いさと愚痴りつつ、狭さに四苦八苦しながら寝袋のエアを抜いて丸めた。寝袋を収納棚に納めたミトは窓の外に目を遣る。ちょうどメオミーの地平線からパルエが昇ってくるところで、ほの蒼い光に照らされたメオミーの夜の部分に巨大なクレーターが見て取れた。 旧人類の夢の跡、シヴァ・クレーターだ。それが形成されたのはミトが初等学校の頃だった。当時を生きていた人ならだれであれ、あの時に感じた衝撃と人々の狂乱を覚えているだろう。ステーションの公転でクレーターの反対側の縁が地平線から現れはじめ、稜線に沿って人工の明かりがぽつぽつと煌めいている様子が目に入る。かつて世界を沸かせたこの地に、今や多数の人が住んでいるという事実に奇妙な倒錯感を感じていた。 メオミー地表 シヴァ・クレーター 荒廃した大地。真空の地表、クレーターの縁部に一人立ち尽くす存在があった。目前の地面を踏みしめる。そこは岩滓でできたメオミーの地殻が再融解し、ガラス質へと変成していた。巨大なクレーターは地平線を超え、小さなメオミーの弧にそって果てなく外輪山が並んでいる。クレーターの中央に小さな記念碑が建っている。 これを作ったのは、彼女の意思によるものだ。彼女は宇宙服を着ていない。 彼女は背後で音がしたので振り返った。いや、正確には真空のメオミーで音は聞こえないのだが、足先にある振動センサが背後に寄る質量を認識したのだ。背後から彼女に近寄ってきた球体は、標準プロトコルの通信レーザーを彼女の目に照射した。空気の振動に頼らない「言葉」だ。 『やはりここにいましたか。君は外でたそがれるのが好きですね。スウェイアさん』 スウェイアは首をすくめて、ため息をついたようなそぶりを見せた。もちろん口から空気は出てこないが。 『摂取した酸化剤の量からしてあと3時間は真空曝露可能でしょう。 冒険家 達の到着をよりによってこんなところで眺めるつもりだったのですか?』 スウェイアもデジタルデータで、その球に言葉を返した。 『ネタルフィー、あなたもそうだったの? 第二世代 の専門家もたまには散歩?』 『否。スウェイアさんが散歩した理由について把握するため。ここに来ていることが想定されましたので』 『理由、あれよ』 ネタルフィーのパノラマカメラは、スウェイアの指さしたシヴァ・クレーターの中央に向き直った。ネタルフィーはハイズームでクレーター中央に建てられた石碑の碑文を読む。 『 過ちを超えて、もう一度 735年13月 パルエ連盟 と記されています。リスクからあの時の私は水爆実験に反対していましたが、蓋を開けてみればあなたの見立て通りに進みました』 初期のパイロットたちが火山礫とスコリアにまみれたメオミーの洞窟で見つけたのは、地下バンカーに大量に備蓄された旧文明の核兵器だった。当初 反応がない死んだアノマリー と分類していたそれらは回収され、パラドメット研究所で分析された。まもなくそれらは、パルエ人にとって全く未知な技術体系でできた『旧式大量破壊兵器』だったことに気が付いた。リコゼイ砲やオクロ爆縮装置のような局所的な貫徹力や破壊力こそ持たないものの、猛烈な火球と衝撃波で数十キロ圏内を完全に焼き払う『究極の榴弾』であるこれらは、現生人類にとっては手が届かない代物であるはずだった。パルエ地表のウラン鉱山は旧文明の手によって完全に枯渇してしまっていたからである。宇宙派の人々か、それ以前に進出した人々かが来るべき最終戦争に備え、メオミーに大量の核兵器と核燃料を備蓄していたのだった。それは極秘裏に行われたようで、 賢者たち にとっても完全に想定外のことであった。 リゼイは慌てて核兵器の安全な無力化と放射性物質の取り扱い法、核の平和利用技術を開示しようとした。ハーヴもそれを支持した。それらの声は大量破壊兵器の回収に色めき立った国際連盟の場で弱く、スウェイアの「それなら一度ぐらい使ってみろ」という主張が通ってしまったのだった。 宇宙時代のとある昼下がり。数か月前からニュースをにぎわせていたその日その時間通りに炸裂し――このシヴァ・クレーターが形成された。パルエ全土から肉眼で目撃できるほどの閃光は人々の脳裏に強く焼きつき、出力1ギガトンの熱核弾頭は消え去った。後に、人々の持つ価値観の永続的な変化だけを残して。 『……半世紀前にこのクレーターが生まれた時の畏怖と熱狂は、貴重な群衆心理サンプルとして私の流体データバンクにしっかりと記録されています。現文明の集団心理については私よりスウェイアさんの方がよく認識できていたと思われます。大量破壊兵器を禁忌のものとし、全世界の人々が平和のためだけの連合を組むことを実行に移したのは、パルエの地に人類が誕生してからこの時が初めてだったのかもしれません』 スウェイアはそれに何も答えず。瞬きひとつなく凍り付いた星空を仰いだ。月面ではしんと静まった大気が彼女らを包むことすらない。 『……質問。スウェイアさんが小惑星724番に関して、我々より更なる情報を把握している可能性について』 いくらかの無言の後、ネタルフィーはスウェイアに言葉の光束を当てる。 『どうかしらね……』 『現文明人はこの場にいません。不確定要素を多分に含んだ低論理性洞察でも構いません』 『……ノーコメント、よ。確定的ではない夢想を他者に伝えるほど、私は曖昧でいたくない』 『それは憶測が確実になるまで話したくないためでしょうか。それとも私に話すことがリスクファクターであると判断したからなのでしょうか』 『……話しておく動機がない。いずれ明らかになる』 『それは確信をもって?』 『そう。手を打つにはもう遅すぎる。そのために私がいたはずなのに』 それきりスウェイアは黙りこくってしまった。ネタルフィーはしばらく左右にふらふら揺れる。ネタルフィーがその意味を理解しようとし、しかし受け取り切れず価値判断を保留とするまで、しばらく言葉のやりとりは途切れた。 『ところで』再びスウェイアは言葉のレーザーをネタルフィーに照射する。『あなたもリゼイも724番の探査には随行しないのよね』 『我々のオリジナルはいずれも、正体不明の存在に踏み込む以上リスクは踏めないと許可が下りませんでした。リゼイはパラドメット研究所で趨勢を監視し続けると。私は今後もこの基地で助言者をし続けます。ハーヴさんの分身は旅立ちますが』 『コピーは』スウェイアはクレーターの縁に座りこんだ。『本物じゃない。私はなんとしてでも行きたかったわ』 『許可が下りなかったことは残念でした』 『何かあったら、あとのことは頼むわよ』 スウェイアは本気とも冗談とも取れない、真顔でネタルフィーの方に振りむいた。 『先ほどからあなたの真意は測りかねますが、リスクを取らないでください』 スウェイアはぼやっとした視線を宙に泳がしながら口を開いた。 『こう長く生きているとね、自分が不滅の存在である気がしてくるのよ。たまには博打に出るのも悪くはない』 ネタルフィーはセンサに飛行物体が検出されたことで、スウェイアらしくない刹那主義への返答を言いそびれた。スウェイアもその飛行物体をじっと見つめていた。 『冒険者たちが来たわ』 ネタルフィーのカメラはそれを捕捉する。月往還仕様のワイゼンが1機、陽光を反射してきらりと光る。猛スピードで2体の頭上を通りすぎ、メオミーの基地へとアプローチングを開始していた。大気が無く低重力のメオミーでは滑空できないため、かの機体は推力偏向装置を用いて下方にスラスタ噴射し、地平線近くに見える平坦な飛行場へと降下していった。ネタルフィーはいっぱいまでズームしその光景をしばらく観測した。スラスタ噴射と運動の法則からワイゼンの質量分布を推定し、乗員数と貨物重量を思考する。しばしばメオミーに発着する宇宙機の物理運動から内容物を計算して答え合わせをすることは、メオミーに配置されてからのネタルフィーのひそかな楽しみとなっていた。飛行場に垂直着陸するとすぐ、サーチライトの明かりに埋もれてワイゼンが見えなくなったので、ネタルフィーはカメラをスウェイアの座っていたところへと向き直した。 『……それで、あなたは』 そこには何もいなかった。ただスウェイアの足跡のみが基地の方へ点々と続いているだけだった。 第二衛星メオミー 国際共同監視区域 ザイル・トゥバーン要塞 細かな塵が空気になびくことによって埃が立つ。真空の月面でレゴリスは巻き上がらず、放物線を描いてすぐに落ちる。機体は静かにメオミーに垂直着陸し、推力偏向スラスタが上げた飛行場の塵も数秒で静まった。飛行場とは名ばかりの、基地近辺を長方形に整地しただけの砂場である。月往還機のメオマルワイゼン、その隣には巨大な船舶が着陸していた。宇宙船というより、無蓋車のような簡素な船体に小さな与圧カプセルがくっついているだけである。どうもエンジンのようなものも見当たらない。メオマルワイゼンから降り立ったミトは、その不格好な大型船を見て感嘆の声を上げた。 「はぁ~なんて巨大な風呂桶……」 その言葉をはっ、と笑い飛ばしながら、ミトに続いてメオマルワイゼンのタラップから姿を現したエディが説明した。 「宇宙はしけのソケッタだな。ああいうタグボートロケットにドッキングして、よくメオミーとセレネを往復している。セレネで採掘・集積された物資をバラ積みしてこっちまで持ってくるのさ」 エディが指さした先には補助浮遊機関と立派なエンジンを搭載した着陸船が数機泊まっていた。なるほど自力飛行せず動力機とドッキングして使うらしい。 「そっかー、メオミーも 宇宙軍 創設以来どんどん開発が進んでるもんね」 ミトは飛行場に立つ。宇宙艀から振り返りメオマルワイゼンの背後に広がった基地施設群を見渡した。空気がないから霞むことなく、基地に設置された多数の照明群がボコボコの丘陵をぎらぎら照らしている。月面放射線対策なのか、居住施設の半分近くは丘陵の地下に埋まっているようだ。彼女の後ろにはエディとルッツ、メオマルワイゼンを操縦したダウードもそれに続いて月面に降り立った。まもなく与圧キャビンを備えた六輪の月面車がのっそりと姿を現した。 このトゥバーン基地はシヴァ・クレーターから数キロの位置にある緩やかな丘陵地に建設された、パルエ衛星系最大の宇宙複合基地だ。その誕生はセレネの基地よりは新しい。スウェイアの提案した水爆実験が実行され、シヴァ・クレーターが形成された。その想像を絶する威力に慌てた連盟が、国際協力の元で核備蓄バンカーの確保と無力化を目指して、前身となるメオミー核監視基地が建設された。古代人の残した核兵器とプルトニウムは国際機関の監視の元無力化・解体され、複製オクロ機関やソーラーパネルで間に合わない大電力施設などで使用する原子炉へと流用された。ルーンに向かったピシア宇宙船が搭載していた原子炉もこの核燃料によるものであった。 そのルーン探検をきっかけに宇宙軍が発足し、パルエを宇宙の脅威から守ることが真面目に取りざたされるようになった。パルエという惑星の防衛を考えたとき、周囲を回る空気の無い衛星は深宇宙の哨戒という点において絶好の存在だ。メオミーはよりパルエから遠く、空気が無いため大型の望遠鏡や観測施設が運用しやすい。セレネよりさらに重力が弱いことは建設や重機の運用に有利だ。そういうわけでメオミーのこの基地は、深宇宙からパルエを防衛する要 衛星要塞 に位置付けられた。荒涼とした丘にポツンと立つだけだったこの基地は集中的に開発され、科学者や技術者、宇宙軍関係者などの職員が数千人規模で常駐するようになった。ウィトカの基地は最大でも150人規模、常駐職員は20~30人程度だから、その規模の大きさが分かる。旧文明の残滓というオアシスをベースにして砂漠の地に急速に現れた基地を、500年代初期のザイル砂漠オアシス都市群の要塞化になぞらえ、いつしかこの月面基地はザイル・トゥバーン要塞と呼ばれるようになっていった。 「この基地に存在する施設は望遠鏡やSBアイ反重力子観測装置による集中的な宇宙監視網、パルエとの高速通信局、大規模な宇宙港に発電区域、職員向けの居住区とインフラ施設に物資生産工場まで。軍事面では核兵器を備蓄していた地下施設を流用した要塞と……最近では宇宙戦闘を研究する実験部隊が展開して演習やらしてるらしい。俺達がルーン出発前に訓練に立ち寄った時から、メオミーもえらい変わったもんだな」 ミト、エディ、ダウードを飛行場から基地のエントランスまで運ぶ与圧月面車に揺られながら、トゥバーン基地の概要を記した案内プレートに目を通したエディが言った。 「ああ。私だって、この前トゥバーン基地に来た時は発展ぶりに驚いたよ。ウィトカより一桁は大規模だ」 飛行場で4人を迎え、月面車を運転するメロカが答えた。 「ピューイヤ!」 「お、ホラちょうど左の方に。宇宙軍部隊が演習をしてるとこだ。『惑星騎兵第一師団 遠征大隊 メオミー駐屯 装甲化小隊』だとさ。宇宙軍本部は異星に展開したパルエ初の実戦精鋭部隊だとドヤってるよ」 と言ってもたった100人規模の戦技研究部門だがな、と鼻で笑いながらメロカは、ピチューチカが鳴いた方を一瞥し、親指を向けた。エディ達4人は見ると、やや離れた砂丘の稜線から角ばった戦車がレゴリスに絡まりつつドテドテと走行していた。後ろに特徴的な見た目をした装輪装甲車が4両ほど続く。それらは彼女らにとって見覚えのあるものだった。 「あれボラッタかな?」 「そうだ。ボラッタ歩兵戦闘車のメオミー仕様車だとさ。先頭を走るのは連盟メルパゼル管区軍が保有する720式キュマロ主力戦車の宇宙バージョン」 「あ、こけた」 ルッツが呟く。最後尾をゆくボラッタが、砂丘の稜線を超えようとしてバランスを崩し派手に転倒した。斜面をごろごろと転がる様は低重力下でスロー再生のようにゆっくりと間延びして見える。キュマロ戦車が停止し、何らかの旗を立てる。演習中止かなにかということらしい。残るボラッタの後部から扉が開いて宇宙服を着た兵士が20人ほど集まり、ひっくり返ったボラッタに駆け寄っていく。 「なるほど、初歩的な練習からってとこか。こんなんとても 本番 にゃ使えやしないな」 エディが転倒ボラッタからフラフラ目を回してはい出てくる 精鋭部隊 の様子を見ながらぼやいた。 「笑ってるうちが華さ。本番なんて永遠に来てたまるか。……ほれ、もう着くぞ」 メロカの運転する月面車が、複合施設群の端部であるエントランスユニットに滑りこんだ。このユニットは月面車の格納庫も兼ねる大型エアロックとなっている。5列ほど並んだカマボコ状のガレージに月面車を車庫入れすると、チューブ状の有機気密管が月面車の側面にある扉部分に接続される。車庫の半分は気密となっており、このチューブを経由して車内から直接基地内部へと移動することができる仕組みである。 人ひとりが立って通れる程度の気密通路内をしばらく進むと、直径20メートルほどの広さを持つ楕円形のエントランスホールへと出た。トゥバーン基地にいくつかあるエアロックや車庫通路にはハブとしてずれもこのエントランスホールがあり、基地の職員が雑談やちょっとした議論に使っているラウンジ空間となっていた。このホールからは各ガレージに続く他の通路が半ダースほど別々に伸びており、正面に見えるバルクヘッドの奥には、ホールから別の区画に繋がる通路が続いているようだ。ホールの側方は高張力蛋白膜の窓があり、大型月面車がまた別のガレージへと入庫しているところだった。ホール内にはトゥバーン基地の全貌を表した模型が中央に、その周囲にいくつかの椅子とテーブルが雑に配置されていた。そこにいる数人は皆顔なじみだった。 「やあ、お疲れ、メロカ。ミト、ダウードとエディ、久しぶりだ」 ルーンへの冒険で母船船長を務めていたムロボロドだ。その時に同行した他のメンバー、アトイとクルツもその場にいて手を振っていた。彼らは全員宇宙軍制服や軍属技官の惑星作業服を着用している。 「おおみんな、久しぶりだな。あの時のメンツが全員揃ったのはナントカいうドキュメンタリー撮影で集まった時以来だなァ」 「ピーヤ」 「ピュイヤ」 「ピチカとセニャまでいるさ」 メロカが足元のクルカ二匹をつま先で小突く。数年ぶりに顔を合わせた7人は挨拶ののち軽い歓談や近況報告を済ませた。エディが連れてきた一番若い学生のルッツは人気だ。色々と質問が投げかけられていた。 「……それにしてももう6年か。皆相応に貫録が付いたようだな」 「ルーンに向かい始めたのも一昔前の話だ」アトイのつぶやきにメロカが返した。「それで。現地集合とは、トゥバーン基地のエントランスじゃなく地下要塞でと、聞いたんだが。こっからどう向かえばいいのかな」 メロカが7人を順に見回す。7人とも聞いてない、とでもいう風にきょとんとしている。 「ピ?」 「お前には期待してない」 ムロボロドがああそういえば、と思いだしたように言った。彼は現役の宇宙軍士官だ。 「いや、ここで待ってれば担当者が来るっていう話だった」 「待ち合わせか」 メロカが椅子にどかっと腰を下ろした瞬間、背後のバルクヘッドが開いた音が聞こえ聞き覚えのある声が彼女の耳に入ってきた。 「私が、その担当者です。どうぞよろしくお願いいたします」 7人が姿勢を正し敬礼する。よく見るとクルツの片眉が上がっている。嫌な予感がして振り返ったメロカは一瞬敬礼したものの、その男の顔を見るや否や顔に手を当ててしゃがみ込む。 「なんでお前がいるんだよ!」 「宇宙軍銀三等級のコルチクと申します。皆さまこれからの探検任務に数年間御付き合いいたします。お見知りおきを」 メロカを除いた7人はコルチクと順に握手する。メロカはしゃがみ込んだままだ。 「数年間こいつと一緒? 馬鹿なのか? こいつ何かと面倒くさいんだよ~~」 「はっ言うな、メロカ。いや、彼女とは昔からの知り合いなもので、お気になさらず。……さて、今回のミッションの目的地、小惑星724番まで向かう宇宙船のところへと行きましょう」 コルチクがバルクヘッドから基地内へと向かう通路へと歩き出し、7人と1匹もそれに付く。最後にピチューチカがしゃがんだメロカの頭をはたいた。 「分かってるよ。行くよ。ピチカめ生意気な」 メロカもピチューチカの頭を指ではじき返してから立ち上がり付いていった。 エントランスホールから先ほどより広くなった通路をしばらく進む。あ、よく見たら魚の骨と同じユニットじゃんこの廊下、とミトが呟いた。ノードになっている部屋から階段を下り、地下に3階分ほどを占める場末のホテルのような設備をした居住区画、その端に駅があった。そこからクルカコースターのような簡素な貨客モノレールで数分移動し、降りた駅から廊下を行くとすぐ行き止まりに到達した。そこはT字になっており、エアロックが並んでいる場所だった。 「ん、その集合場所ってのは外なのか」 「そうですね、正確には地下ですが。与圧されてませんので着替えてください」 ここのエアロックはカプセルホテルを縦にして1列に並べたような設備だ。それぞれのカプセルが1人用の小さなエアロックになっており、内部にサイズ可変の半生体式船外服が用意されている。メロカ達9人と2匹以外にもちらほらと作業員らしき職員がエアロックに出入りしている。20人分も用意されているところを見る限り、この先の施設はかなり需要が多いらしい。 船外服を着たメロカはエアロックの反対、真空側の扉を開ける。そこは切りだした岩盤がそのままの未舗装トンネルで、十数メートル前方に建材用エレベーターが鎮座していた。 「まだ下るのか」 「もうしばらくです」 クルツがメオミー特有のボロボロな岩盤に触れながら「これスコリアか……」などと呟いている。扉もない大きな籠のような建材用エレベーターに乗りこみしばらく降下する。ごつごつした岩盤が高速で上に流れていく。 突然、目の前に大空間が広がった。メロカ達は感嘆の声を上げる。 青や緑のフラッシュライトに照らし出された広大な空間だ。エレベーターはその端のあたりに設置された支柱に沿ってなおも高速で降り続ける。鉄骨は心細いがメオミーの重力は弱いからこれでも大丈夫なのだろう。 「氷だ」 背後の岩盤をずっと眺めていたクルツが驚きの声を上げた。発泡した火山岩に混じってしばしば氷の層が貫入している。広大な空間の方へと視界を移動させれば、青いライトを反射して氷がキラキラと反射している様子が見える。メロカが下を覗きこんでみれば、百メートル以上下方で巨大な宇宙船が1隻。さらにその両サイドに同じ程度の船の骨組みが途中まで組み上がっていた。周囲に目をやると大型の探査機や宇宙ステーションのモジュールがところ狭しと並べられ、製造が続いているようだ。それらの間をいくつもの月面車が貨車を牽引し、あるいはトラックや建設機材が行き来していた。 「地下造船所か!」 「ご名答、メロカ。宇宙局と連盟軍が合同で開発し、最近稼働を始めた最新鋭の製造拠点です。重力が弱いから重資材も楽々使用できるのでね。セレネの地下で見つかった、旧文明が中途半端なパルエフォーミングの為に備蓄していた炭素資源やら軽元素やらを、輸送船でメオミーに持ってきて各種資源に加工します。この空間のちょうど真上に物資加工工場がありまして、製造された装備はこの造船所で艤装します」 「落盤しそうだが」 「その点は大丈夫です」コルチクは疑問を投げかけたムロボロドに向き直って答えた。「旧人のオリハルコン建材で支えていますから。もともとはこの地下空間も彼らのパラパルエフォーミング実験場か何かだったようで、力学的には安定しています」 「初耳なんだが……コルチク。この施設隠しておく意味ある?」 「ま、曲りなりに軍事施設だからな。宇宙軍アーキル支局の管轄なわけで……」 「ああ」メロカは察したように苦笑した。「うちらが言えたことじゃないが、あそこは杓子定規な規則を当てはめたがるからな。機密にしまいがパルエ侵略を考える宇宙人のスパイなんていないだろうに」 「だが、新兵器も製造してるな? あれを見ろ」 アトイが指さした先に8人と2匹の視線が集まる。造船所の中央に鎮座する巨大な宇宙船が青白いフラッシュライトを反射して煌めく。その宇宙船がただの輸送船などの類ではないことは、甲板上に設置された2基の三連装砲塔が示していた。 「サイズは前時代のガリアグル級軽巡ってところか。スタイルは宇宙船そのものだが、俺達が昔乗ったピシア号と比べてはるかに洗練された設計に見える。新型の戦闘艦だ。宇宙戦艦を建造していたという噂話が事実だったとは」 ダウードが目を細めて観察し、感心したように言った。 「正確には戦艦じゃないですがね。第一世代掃宙巡航艦『ルスラン』です。新技術のフェゾン・ドライブを使用することで大搭載力と航続力を両立できるようになりました。つまり、これまで裸同然だった宇宙船に装甲と武装を載せられるようになったのです」 「ガスしか使えなかった連邦軍が浮遊機関を使えるようになったようなもんか」 ダウードが納得したように呟く。 「主な任務は掃宙……つまり、小惑星帯やらに分布する機雷原にわざと突っ込み、これを引き寄せて撃破することです」 「探査機を飛ばしても飛ばしても撃沈してくる機雷に対して、宇宙局も無策ではなかったか。存外、頼もしいな」 メロカが皮肉的に笑う。 「できれば機雷を鹵獲して調査も行うべきだな」と、ダウード。「で、我々はあれに乗っていくというわけか」 「そうですね。私と、ルスランの乗員が約120名。それからあなた方と、あと数名ほどの科学クルー、記者も1名名簿に入ってましたね……」 「あんたの役職は?」 メロカがにやにやと尋ねる。 「砲雷長だ」 「マジ!? 本気でお前そんな階級なのか!?」 「ああ。念願の宇宙艦の砲雷指揮になれたぜ」 ウィトカで揚陸艇の操舵手などしていたもんだからてっきり下っ端かと思い込み、ここぞと弄ってやろうと考えていたメロカは予想外の返答にたじろいだ。 「お、おお。まぁ、私は6年前にはルーンで戦車走らせてたからな。クレバスジャンプしたりしたし。わ、私よりずいぶん遅かったな。お前」 「そりゃどうも」 ケピピピ、とピチューチカ上げた笑い声はエレベーターが造船所再下面に付いた衝撃でメロカには聞こえなかった。 メオミー地下大洞窟 複合造船所「アーキルの頭頂」 「アーキルが主導したから付いたあだ名がアーキルの頭頂か」 エレベーターからルスランまで移動の月面ジープに乗りながら、話を聞いたメロカがケラケラと笑った。パルエにはアーキルの鼻と呼ばれる地域があり、500年代から北半球一の巨大造船所だったのだ。それにちなんだのだろう。 数人はジープの牽引する貨車に乗っている。エディは弟子のルッツと何やら話をしている。クルツは何気なく、彼らの指さした方を見る。大きなロケットの胴部を抱えた装脚クレーン車やら、爆発物印の入った装軌式のタンクローリーやら、職員輸送の与圧生体ホバーバスやら、多彩な工事車両が行き来している。表情には決して出さないものの、かなり愉快な光景だ。楽しくなってくる。頭上に視線を移動させる。地下空間はフラッシュライトで非常に明るく照らし出され、ところどころ氷や結晶がそれを乱反射させ輝いている。岩盤の天井には吊り下げ式のクレーンが縦横無尽に動き回り、ゴンドラのような作業所が七色の光をサーチライトで照らしている。上から監視して建設作業を指揮しているのだろう。なかなかに幻想的な光景だ。 ジープがルスランに接近するにつれて、彼の視線もルスランに引き寄せられる。こうしてみると巨大だ。船体下部にも砲塔があるほか、艦橋周りには所狭しと対空火器が並んでいる。機雷から身を守るためだろう。ルスランの両サイドには同じぐらいの大きさの骨組みが並んでいた。ルスランの姉妹艦が建設中なのだろうか。 ぼんやりとそこまで考えたところで、クルツは見慣れた顔がルスランの元に立っていることに気付いた。ジープはそこまで走り寄り停車した。 「あんたは確か……ナテハ君か」 「あっ、お久しぶりですわ♪」 『クルツ博士か。半年ぶりだ、ウィトカで出会ったね』 ナテハの隣にある月面探査用のローバーからも挨拶が返ってきた。 「そのローバーはひょっとして……ハーヴ君もいたのか。久しぶりだ」 『賢者達』とお知り合いなのか、クルツさんも中々大物ですねぇ、というミトの茶々を受け流し会話を続ける。 「あなた方もルスランに乗って724番の探査に?」 「ですね。皆様方と同じく科学クルーです。どっちかっていうと技術の方の人間ですが。リパブリア工科大の博士研究員で専門は旧時代の宇宙エンジニアリングです。このハーヴ先生6号ともどもよろしくお願いしますね」 『はは……よろしく』 ナテハはメロカ達に何度か頭を下げる。挨拶する時に頭を下げるのはメルパゼルの方の分化だな、そういえば今回もこの人の船外服はやたらヒラヒラした装飾が多いな趣味なのかな、とぼんやり考えていると、後ろ遠くの方から声が掛かった。現在使われている最新型の宇宙ヘルメットは、無線で拾った音声に距離と方向の情報を乗せてバイノーラル音響で自然に表現できるのだ。 「あぁ~、ルーンへ飛んだ冒険家の方々が! 皆さん皆さん、私もです! 混ぜてくださいな!」 メロカ達が振り返ると、パタパタとこちらに駆け寄ってくるひとりの女性がいた。いや、その身長を見るに女性というより少女と形容した方がいいかもしれない。ともかく彼女は駆け寄ってきた。船外服のカラーをよく見ると警備戦闘要員でも科学者でも技官でもない、民間人の灰色だった。 「あなたは。ここは軍施設だが、許可は取ってるのか」 「と、取ってますよ。大丈夫です! 私は」 大ジャンプでメロカ達の元まで来たその女性は中腰になりはぁ、と一呼吸置くと、自信満々の表情でこう自己紹介した。 「マイカ・セルです! 『海洋気象・国際学術ジャーナル』の敏腕記者ですよ!」 そう言って船外服のサイドポケットから機械カメラを取り出し、ポーズを決めた。テンションが高い。十数人の人だかりの間で2、3秒の沈黙が流れる。 「……で、そのブン屋さんがどういったご用件で」 やっとのことでメロカが質問した。マイカという女性も我に返ってそれに答える。 「あぁえっとですね。今回あなた方の小惑星……? か、宇宙船? ええと、その724番の探検に際して、我々海洋気象・国際学術誌は宇宙局の厳格な抽選の結果、独占取材権を手に入れたのです。私もルスランに便乗して、今回の冒険を克明に記録するのであります!」 「あぁ、そういう……」 メロカは、私は別に構わないが、と呟きながら他のメンバーの顔色を窺う。 「取材は別に構わんのだが」メロカと目が合ったクルツが腰に手を当てながら聞いた。「その国際なんとか誌って初めて聞く名前だ。どんなジャーナルか知ってる人いる?」 クルツは皆に視線を投げかけるが、みな首をかしげるばかりだ。 「……弱小誌に当たったもんだな」 「弱小とは失礼なっ。まぁ会社自体は確かに駆け出しのベンチャー企業ですが。私の名前はニューポールとか皇国南方部族の間ではちょっとばかり知られてるんですよ。敏腕記者ですから」 メロカは微妙な地域ばかりじゃないか、ホントどんな雑誌なんだよという言葉が喉から出そうになったが、色々と失礼な発言なのでなんとか我慢する。代わりに「まぁ、無事探査が終わってパルエに帰ったら読んでみるよ」と言っておいた。 「別な質問だけど。君、いくつ?」 ミトが手を上げて質問する。確かにマイカの身長は小さい。それだけでなく、ヘルメットから覗きこんだ顔もどうも幼いように見える。個人差はあるだろうが、立ち振る舞いも含めて中等学校の生徒といった雰囲気だった。 「秘密です!」 「そ、そうですか……」 一応、連盟の規定では宇宙放射線量との兼ね合いから20歳未満は深宇宙へ飛行できないことになっている。メオミーに立っているということは成人してはいるのだろう。 「とまぁこんな個性的な方ではありますが、ちゃんと宇宙局の方で許可は取っています。こちら側の資料にも彼女の名前と身分は載っている。信頼していい人物ですよ」 コルチクのお墨付きでマイカはメロカ達に向き直り、元気な声でこう挨拶した。 「そういうわけで、民間人となりますが、往復2年6か月に渡る冒険にお付き合いいたします。皆さま改めましてよろしくお願いしますっ!」 数日後 掃宙巡航艦『ルスラン』艦内 『発進30分前。各員耐衝撃配置に付いたな?』ラパルドという艦長の声が座席横の通信機から聞こえる。メロカはルスラン艦内の居住モジュール、その最後尾にある座席に座っていた。 十数名ほどの科学者達とマイカはこの箇所で発進態勢に付いていた。残るルスラン乗員も配置状態でいるという。 メロカの座席は艦内の一番端だ。ちらりと左に視線を遣る。装甲シャッターは降ろされていないため、10センチほどの小さな窓ガラスから艦外の様子が覗ける。ルスランは洞窟造船所から台車に載せられ、巨大な搬出トンネルからひたすら斜めにゆっくりと移動している。 ガリガリっと音がした。窓から覗きこむとルスランの砲塔が搬出トンネルの突起を引っ掻いている。トンネルサイズがルスランと合っていない。 「雑だなぁ……」 ボソッとした呟きはかき消される。砲塔にはかすり傷ひとつ付いていない。オリハルコンと劣化パルエリウムでできた複合装甲は流石に頑丈らしい。しかしそれらメタマテリアルは、ルスランの全体を覆えるほど手に入らない。 「願わくばここもそれだけの装甲が付いてれば……」 残念ながら居住区はバイタルパート外だ。外壁は至って普通の耐熱合金装甲しかない。非戦闘員は有事にはCICに避難することになっている。 突然、窓から日光が差し込んだ。ルスランが搬出トンネルからメオミーの外部に出たのだった。外を見ると巨大な岸壁が背後にそびえ立っていた。地下大洞窟からのトンネルはメオミーの巨大渓谷に繋がっていたのだった。 「こりゃあ溶岩チューブの天板が落盤した地形だな」 クルツが仏頂面で、聞いてもないのに渓谷の成因を呟いた。 渓谷を横切るように作られたモノレールの鉄橋の上を、ルスランを載せた台車はゆっくり進む。渓谷の中央辺りまで来たところで、突如ルスランは停止した。 『発進1分前。これよりリニアモーターカタパルトでメオミー地表を離れる。不要な会話は舌を噛みますゆえ』 ラパルド艦長の声が再び聞こえたがメロカはそれを聞き流す。窓の外をよく見ると渓谷の底に何両かの月面車が止まっていた。この艦の見送りか。メロカが緊張を緩和するため月面車の数を数えようと思い、数字を口に出した瞬間、強烈なGが体にのしかかった。 月面車を捉えていた視界が震え何も分からなくなる。ルスランにはモノレールの台車から持続的な加速度が加わる。すぐに渓谷を横断し、渓谷の対岸を削ったコースに差し掛かると、窓の外をメオミーの岩盤が猛スピードで走り去る。あれよと言う間に艦首が持ち上がり、加速する電磁モーターの音が途切れた。メオミーの地上が離れてゆく。ルスランは艦首上げ45度で軽くロール回転しながら、宇宙空間に打ち出された。一緒に打ち出されたリニアモーターの台車が切り離され、窓の外をゆっくりと離れていく。台車は何度かスラスタ噴射をして、そのあとはどうなったかもう分らない。一呼吸のち、さっきよりやや弱いGが再び体にかかった。ルスラン自身に搭載された液体ロケットブースターが点火され、メオミー周回軌道へと艦体を投入させるのだ。Gのかかる瞬間、なぜか一度「ゲピ!」というクルカの鳴き声が聞こえた。しばらくして、メオミー軌道上で聞いたことのない音色が響き渡った。パルエ人の現文明の手で造られたフェゾン・ドライブがこの時初めて起動され、パルエの重力圏外へこの巡宙艦を押し出し始めたのだった。もうメオミーは小さな白球でしかなくなっていた。 メロカとピチューチカは舌を噛んだ。
https://w.atwiki.jp/soiga/pages/129.html
栄村 情報へリンク 栄村HPhttp //www.vill.sakae.nagano.jp/ 最新ニュース 12月12日(土) 開成マルシェ - まざっせプラザ 栄村教育長も3ヵ月間不在に 後任の現職校長、来年4月着任|信毎web - 信濃毎日新聞 三瓶さん、芳賀さん「金」 米・食味分析鑑定で福島県勢2部門最高賞 | 福島民報 - 福島民報 宮城と福島で震度3の地震(午前2時29分)|NHK 福島県のニュース - nhk.or.jp 福島県・宮城県で震度3の地震発生 - ウェザーニュース 福島県・宮城県で震度3の地震発生(ウェザーニュース) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 幻想的な雰囲気漂う 天栄村ふれあい広場にもイルミネーション点灯 - 阿武隈時報 「う米めん」で和食文化継承を、郡山カルチャー講座・米粉麺大学 - 福島民友 葉先にギンナン、武隈神社「お葉つき銀杏」 天栄村天然記念物に - 福島民友 栄小学校5、6年生、太平洋の島国の児童と交流 マーシャル諸島とオンラインで結ぶ - 47NEWS 飯山市東小6年生が内山紙すく 本年度も卒業証書に 「ずっと残る物だから」 - 47NEWS 福島県竜巻注意情報 第3号=気象庁発表 - 佐賀新聞 特産品「天栄赤ねぎ」鍋に彩り 出荷作業本格化、太く甘み強い - 47NEWS 鳥島近海でM6.6の地震 東京都心などで震度2 津波による被害の心配なし(ウェザーニュース) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 光南高の生徒3人が動画を制作 羽鳥ダム整備の歴史など伝える | 福島民報 - 福島民報 【アウトドア キャンプ 自然と生きる】愛犬ともっと仲良く(天栄村・エンゼルフォレスト那須白河) - 福島民報 【アウトドア キャンプ 自然と生きる】男岳と女岳描く稜線美 「大男」の伝説残る 二岐山(天栄)(福島民報) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 医療過疎地で奮闘 村唯一の薬局オープン 薬剤師が東京から栄村に移住 住民「画期的、まさか村に薬局が」(NBS長野放送) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 新東北みやげコンテストで福島県の2社受賞 | 福島民報 - 福島民報 福島県北塩原村・グランデコスノーリゾート営業開始 約100人が初滑り(福島民報) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 新東北みやげコンテストで福島県の2社受賞 - 47NEWS 信州の伝統野菜使ったメニュー高校生が考案 飯山市・野沢温泉村・栄村の道の駅で販売|信毎web - 信濃毎日新聞 温泉との共存考える 福島・会津若松で地熱エネ普及へシンポジウム | 福島民報 - 福島民報 天栄産マカで新商品、特産品化へ チョコと甘酒の2種を開発 - 福島民友 20日に初の「てんえい市」 福島県天栄村 地域おこし協力隊とアルファ電子が協力 | 福島民報 - 福島民報 う米めんレシピコンテスト12月19日まで募集 福島県天栄村のアルファ電子(福島民報) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 〈飯山線、あすへ走る〉 地震や台風、乗り越えて|信毎web - 信濃毎日新聞 吟醸酒は「千功成」の檜物屋酒造店、純米酒で「國権」の国権酒造が最高賞 東北清酒鑑評会で福島県内蔵元 | 福島民報 - 福島民報 和紙でつくる「卒業の証」 児童が紙すき体験 飯山伝統の内山紙 児童「重み感じる」 - www.fnn.jp 道の駅「季の里天栄」隣に防災備蓄倉庫 2023年度開始目指す(福島民友新聞) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 〈移住のトビラ〉栄村に地震以来10年ぶりの薬局 都内から移住の鈴木さんが開業|信毎web - 信濃毎日新聞 夕暮れ時の福島空港で地酒楽しもう 12月4日にモニターツアー | 福島民報 - 福島民報 福島県古殿町で震度4 津波の心配なし|日テレNEWS24 - 日テレNEWS24 震度=気象庁発表(8日13時35分) :地震(小規模) - 佐賀新聞 福島県、茨城県、栃木県で震度4の地震 津波の心配なし(気象予報士 日直主任 2021年11月01日) - tenki.jp 市町村対抗ソフトボール 10月23日 試合結果 | 福島民報 - 福島民報 がんで亡くなった沙千佳さんしのぶ日本酒に「幸香」ラベル 福島県天栄村の松崎酒造 | 福島民報 - 福島民報 10月30日・31日開催 パスポートのいらない英国ブリティッシュヒルズで過ごす本格!「ハロウィンイベント」:時事ドットコム - 時事通信 来年のスポーツ雪合戦東日本大会は中止 新型コロナ対策 福島・天栄 | 福島民報 - 福島民報 食をテーマに福島県内テレビ局が共同キャンペーン 初回は29日放送 | 福島民報 - 福島民報 相馬で16日開幕 第8回市町村対抗ソフトボール大会 | 福島民報 - 福島民報 【福島県】羽鳥湖畔オートキャンプ場|羽鳥湖と白河布引山に挟まれてゆったりキャンプ (2021年10月14日) - エキサイトニュース 信濃毎日新聞|2021衆院選 長野県内ニュース特集|長野県小選挙区1区 開票結果 - 信濃毎日新聞 福島県×キッチハイクの新しい関係人口創出事業「つむぐ、ふくしま」始動!「知って、食べて、現地に行く」をスムーズにつなげる。 - PR TIMES 【まるでクッキーの宝石箱】蓋をあけると、心ときめく色とりどりのクッキーが目に映る。あなたはどれがお好きですか?(クウネル・サロン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース “スズメバチハンター”に密着 初秋は特に攻撃性が高く刺される時期…ハチが近づいてきたら?もしもの時の対処法【福島発】 - www.fnn.jp あの大乱闘のクロマティ、「僕はママに怒られた」とアナウンサーに明かしていた(ニッポン放送) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 信越トレイルが苗場山まで延伸し、全長110kmのロングトレイルに。記念シンポジウムを9月25日に開催 / Yamakei Online - 株式会社 山と溪谷社 信越トレイル110㌔に拡充 25日から運用 苗場山、秋山郷もコースに - 47NEWS 新型コロナ 青森・岩手・秋田・山形・福島の感染者(22日) - 河北新報オンライン こおりやま広域圏周遊謎解きデジタルスタンプラリー/郡山市公式ウェブサイト - 郡山市 食感もちもち、味も自信の「米粉麺」 電子機器製造会社が異業種参入 - 河北新報オンライン 市町村対抗野球 9月20日 試合予定 | 福島民報 - 福島民報 市町村対抗野球 9月20日 試合結果 | 福島民報 - 福島民報 【新型コロナ】長野県で新たに28人感染 上田市12人、長野市・松本市・小諸市・伊那市・御代田町・栄村で各2人など(NBS長野放送) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【特集】設置数全国1位 信州は『公民館王国』 県内に3800館以上 背景に歴史と県民性 アイデアや使い方で活性化の拠点にも(NBS長野放送) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース <速報>福島県内74人感染確認 新型コロナ 2日発表(福島民報) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 福島県・宮城県で震度4 津波の心配なし M5.2(ウェザーニュース) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ノーザンファーム天栄の強さの最前線 木実谷雄太場長「僕らは馬から教わる」【競馬の話をしよう】(中日スポーツ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 明治時代や昭和初期の広告文化に触れる 福島県天栄村のふるさと文化伝承館 9月30日まで企画展(福島民報) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 友好交流都市三都市(長野県栄村、青森県南部町、山形県高畠町) - yokohama.lg.jp 第25回業務用加工食品ヒット賞/外食産業貢献賞 受賞企業20社決まる - 食の情報源 モリアオガエル、カキラン…動植物の宝庫 長野・栄村が調査 - 毎日新聞 - 毎日新聞 五輪の中 昔の自分から手紙が届いた - NHK NEWS WEB 新種UMA騒動!ハイブリッド「ベアドッグ」か 東北の峠を闊歩 (2021年7月10日) - エキサイトニュース 絵本で伝える震災の記憶 福島民報などが足立の小学校、図書館に寄贈 復興に立ち上がる子どもたちを描く - 東京新聞 天栄と下郷結ぶ国道118号の鳳坂トンネル貫通 開通は数年後 - 47NEWS 鳳坂トンネルが貫通 福島県天栄村 仮称から正式名称に 開通までには数年かかる見通し - 47NEWS 郷土食やマタギ登場 長野・栄村初オンラインツアー - 産経ニュース 福島県内に出没する謎の生物はクマなのかイヌなのか? 日本ツキノワグマ研究所に聞いた - しらべぇ 秘境「秋山郷」 の魅力発信 魚沼地域の有志 宿泊施設核に仕掛け - 新潟日報 【全国新酒鑑評会8連覇の輝き(上)】清酒アカデミー出身杜氏活躍 - 福島民友 3村長選無投票 6町村議選告示 青木村議選も無投票 /長野 - 毎日新聞 長野県北部地震、東日本大震災と余震が誘発 京大など仕組み特定 - 毎日新聞 - 毎日新聞 長野県北部地震 直接死を出さなかった栄村の助け合い精神、守り継ぐ10年 - 産経ニュース 長野県栄村「3.12」から10年 震災復旧・復興の次へ - 日本経済新聞 文化財 救い続け10年 県北部地震 栄で有志の会 - 朝日新聞デジタル 東日本大震災は「日本で地震が起きる仕組み」を根本から変えてしまった 北米プレートの「ひずみ状態」が変化 - PRESIDENT Online 福島県・宮城県で震度6強の地震 若干の海面変動あり 震源は福島県沖 M7.3 - ウェザーニュース 【特集】積雪2メートル50センチ! 豪雪の村・栄村探訪 たくましく暮らす住民 - FNNプライムオンライン マタギ体験、雪国観光に一役 栄で初の養成講座 - 朝日新聞デジタル 人口減の強烈な風速 色あせていく「長野・奇跡の村」伝説 - 日経ビジネスオンライン 【つげ義春作・二岐渓谷】天栄・二岐温泉 さらに近づいた...理想郷 - 福島民友 いしだ壱成が田舎町に完全移住していた! キッカケとなった衝撃的な事件とは? - テレビ東京 【 天栄村・岩瀬湯本温泉 】 初めてでも懐かしい「茅葺き屋根の宿」 - 福島民友 栄村最高峰の佐武流山 - 佐武流山 - 2018年6月24日(日) /YamakeiOnline - 株式会社 山と溪谷社 栄村で震度5強 津波の心配なし|日テレNEWS24 - 日テレNEWS24 長野県栄村 森川村長訪れPR 区役所出発ツアーを企画 | 港南区・栄区 | タウンニュース - タウンニュース 栄村大震災とは? 3.11翌日の震度6強 「忘れられた被災地」の現状は - ハフィントンポスト 復興の願い、灯明に込めて 長野県栄村 震災6年(写真=共同) - 日本経済新聞 貸切列車で栄村へ 区民ら100人参加 | 栄区 - タウンニュース 【ZEエナジー】ZEデザイン・ZEエナジー 木質バイオマスガス化発電所開設に向け長野県栄村と協力体制構築に関する覚書を締結 2016年3月22日(火) - PR TIMES もう一つの震災「3・12」から5年…長野県栄村で灯明祭 「助けてくれた周りの人に感謝している」 - 産経ニュース キャンドルで復興願う 震災翌日6強の長野・栄村 - 産経ニュース 長野北部地震5年:牛舎再建「栄村のブランド牛広めたい」 - 毎日新聞 - 毎日新聞 【東日本大震災5年】長野・栄村 翌朝、震度6強 - 産経ニュース 東京・銀座の老舗子供服店が長野・栄村の希少米を販売へ――地元の農家と提携 - オルタナ 元巨人・吉村と激突の栄村忠広氏 取材依頼を断り続けていた - NEWSポストセブン 長野・栄村、震度6強の地震から1年|日テレNEWS24 - 日テレNEWS24 「震度6強」長野・栄村は今 限界集落、復興の道遠く - 日本経済新聞 最新ブログ #blogsearch2 リンクと別ページ表示 最新ニュース 関連ブログ