約 45,733 件
https://w.atwiki.jp/seisoku-index/pages/544.html
禁書「安価でグリプス戦役を戦い抜くんだよ!」第一刻
https://w.atwiki.jp/index-index/pages/3812.html
カ行 獄彩雨空(ごくさいあまぞら) 獄彩海美(ごくさいかいび) 獄彩陸莉(ごくさいりくり) ハ行 発祥検体(ビギニングチャイルド) マ行 松尾龍介(まつおりゅうすけ)(未編集) 御船千鶴子(みふねちづこ) A~Z L.S.S.(未編集)
https://w.atwiki.jp/kinsho_second/pages/2968.html
二学期最初の日こぼれ話 美琴「ほへぇ。なんだかんだ言って、とうとう原作6巻まで来ちゃったわね」上条「まあな。途中からスゲエ危なくなって、最近は作者が二人っぽくなっちゃってるけどな」??「私的には結構フォローしてもらえるから今の合作形式の方が嬉しいかも」上条「ってオイ! 紹介前に話に入ってくるなよインデックス!?」禁書「言ってる意味が分かんないだよとうま。私は最初からここにいるように言われたもん」美琴「はぁ……アンタ(上条)、ちゃんと台本読んどきなさいよ。 このちっこいのは一回ゲストで呼ばれてんだから今さら『ゲスト扱い』する意味ないじゃない。 前回の佐天さんも紹介前に入ってたでしょうが」上条「え? 御坂も知ってたの? 知らなかったの俺だけ?」美琴「と言うか、今回のゲスト紹介のためには、最初からこの子に居てもらった方が都合がいいのよ。 だって、一番の友達って話だし。てことで、ゲスト呼び込みよろしく」禁書「分かったんだよ。じゃあ、自己紹介も兼ねて入ってきて」??「はーい」上条「ん? 何、その緊張感のない間延びした挨拶。声は確かにあいつなんだけど……あれ?」??「いつもニコニコ、あなたの隣に這い寄る混沌、ニャルラト、もとい、風斬氷華です☆」上条「ちょっと待てええええええええええええええええええええ!!」風斬「あの……何か……?」上条「え? ああ……いや、一瞬、何かいつもの風斬じゃなかった気がしてな…… けど、その控え目でちょっとおどおどしたところはいつもの風斬…… って、何その黒を基調にした市松模様のエプロンドレス!?」美琴「画像でお見せできないのが残念ね」禁書「でも結構似合ってるかも」風斬「そ、そうかな……? 少し恥ずかしいんだけど……」上条「いや、突っ込もうよ二人とも!? ここは突っ込みどころでしょ!? 中の人ネタかよって!!」美琴「前回、『世界よ、これが日本のクトゥルーだ』とか言って伏線張ってましたが何か?」上条「うぉい! そんなのありかよ!?」風斬「という訳で、よろしくお願いします。御坂美琴さん」美琴「あっ! ど、どうもご丁寧に…こちらこそよろしくお願いします。 にしても……(胸チラッ)まさに『ちっちゃくないよ!』…よね……」禁書「ふふん! そんな事を気にしてるから、短髪はいつまで経っても短髪なんだよ!美琴「アンタだって、スペックは私と大して変わんないでしょうがっ!!!」禁書「何だとー!? うんこクソババァ!」美琴「振り返って苦しむのなら…、明日笑うためにどうしますか? 教えてくださいっ!」上条「なんだなんだ!? 今回は中の人【メタ】ネタ祭りなのか!? このままだと俺も、浜面と一緒に漫画家を目指すハメに!?」風斬「えっと…こんな感じで始まりまーす」 ――――今の彼女は体中を細いロープで雁字搦めに縛られていた――――「うわっ、すっかり忘れてた! お前ずっとそのままだったのか!?」「とうま! 人を置き去りにしておいて最初に出てくる台詞がそれなの!?」美琴「やっぱりアンタ束縛放置プレイフェチなんじゃない」上条「待て待て待て待て待て待て待て。その人物評価を全力で否定するのは当然として、 それよりも確かに二回前にそんなこと言ってたけど、アレも伏線だったの!?」禁書「うわー……どうりでいつもいつもいつもいつもいつも私を置いてけぼりにするとは思ってたけど、 そういうことだったんだ……」上条「か、風斬! 助けてくれ!!」風斬「ええっと……ぷれいとかふぇちとかってなんですか……?」美琴「ん? ああ、それはね」禁書「こういうことなんだよ」風斬「ふんふん……あー、えっと……大丈夫、そんな上条さんを私は応援してます」上条「それ風斬の決め台詞じゃないから!? しかもそんな引いた目の哀れんだ笑いで見ないで下さいお願いだから!!」「とうま。今なら私は怒らないから、素直にロープを解いてごらん?」「……ホントに? ホントに怒らない?」 ――――次の瞬間、拘束から解放されたインデックスは迷わず上条へ襲いかかる。 ――――原始人が巨大な肉にかぶりつくように――――上条「嘘、よくない! 嘘、つく、泥棒、始まり!」禁書「嘘なんかついてないんだよ」上条「また、嘘、ついた! お前、言った! 怒らない、言った! でも、怒った! お前、完全、記憶、能力者、なのに、自分、言った事、忘れた、か!」美琴「てか、何でカタコトなのよ……あっ、もしかして原始人のモノマネ?」上条「気付いてくれてありがとう。ツッコんでくれなかったら、この後このままの口調で話すところだった」禁書「ひょうか、なんだか急に寒くなった気がしない?」風斬「うん……私は寒さを感じないはずなんだけどどうして、かな……?」上条(orz)「あーそっか。新学期始まると、お前ずっと留守番になっちまうのか」美琴「ぎゃ、逆に学校通ってる人とかはチャンスが増える訳よね!? 通学路とか、ぐ、ぐぐ、偶然!!出会っちゃったりする事もあったりなかったりするし!」禁書「むぐぅぅ…偶然ってところが無性に引っ掛かるけど、短髪の言う事も事実なんだよ……」風斬「それで…その『チャンス』とやらは物する事はできたのですか?」美琴「……………」風斬「…あの?」禁書「ひょうか…聞かないであげて…… 短髪の味方をする訳じゃないけど、この点に関しては私も同情せざるを得ないから……」風斬「あっ……じゃあやっぱり苦労されてるんですね……」上条(何故だろう…3人の視線が痛い)「とうま、早く帰ってくる?」「そうだな、分かった。帰ったら一緒にどっか遊びに行くか?」 少年の言葉に、インデックスはとても素直な笑みを浮かべた。美琴「…………」上条「ちょ、ちょっと御坂さん!? 何やらゴゴゴゴゴゴゴゴって擬音が聞こえてくるんですけど!?」禁書「へっへーん♪ とうまからのデートのお誘いが羨ましかったんだよね、た・ん・ぱ・つ・☆」風斬「あ、あの……それは、火に油を注ぐような発言かも…………」美琴「…………」上条「うぉい! ゴゴゴゴゴゴって擬音にドゴゴゴゴゴとかドガガガガガとかって擬音が混ざって来てるし!? つか、何で俺のこの発言がデートのお誘いなわけ!? 単に遊びに行こうって言ってるだけじゃん!!」禁書「え゛!?」風斬「はい!?」上条「ん? どったの?」美琴「…………何か今、アンタにとっても親近感が湧いたわ」禁書「何かな!? その肩にポンと手を置いた上に、同情心たっぷりの笑顔と暖かい眼差しは!?」上条(何か知らんが、とりあえず御坂の機嫌が直って良かった…………) 「……、あれ? とうま、お昼ごはんは?」 呟いてから、インデックスの顔がちょっと青ざめた。 彼女に料理を作るようなスキルはない。スナック菓子の類も、三毛猫が片っ端から袋を破って食い散らかしてしまうため、買い置きはもうない。「ど、どうしよう。未曾有の大ピンチかも」風斬「ええっと、女の子としてこれはどうかと」美琴「んまあ、料理は女の仕事だ、とまでは言わないけど、『無い』というのは ちょっとどころじゃないくらいマズイわね」禁書「短髪はともかくひょうかまで!?」風斬「だって、料理の出来る女性って男性のポイントが高いんだよ」禁書「うぐ……!」上条「ところで、この『みぞゆう』ってどういう意味だ?」美琴&禁書&風斬「「「はい!?」」」上条「ん? 俺、何か変なこと言ったか?」禁書「い、一応聞くけど、ネタだよね? とうま…………」美琴「まさかと思うけど、年寄りは早く死んだ方がいいとかナチスとか不穏な発言ばかりかまして、 国内は戦前並みの偏向報道しかしない上に利権を貪っているからジャーナリストの気概が まったく無くて、 世界中からは信用の欠片もないマスゴミが言わないから大騒ぎにならないだけなんだけど、 世界中からは大ヒンシュク買いまくっている知能皆無のどこぞの国の副首相と同じ間違いをしている、 なんてことないわよね?」上条「え? や、やだなぁ~~~もちろんじゃないですかふたりとも。ねたですよねた」美琴「そ、そう?(何で、視線が明後日を向いているのかを突っ込んじゃいけないわよ!)」禁書「だよねだよね(何で全部ひらがななのかは聞いちゃいけないんだよ!)」風斬(こ、怖くて真実は聞けない…………本当は「じゃあ何て読むの?」って 聞かなきゃいけないのに聞けない…………) ――――不意に後ろから、何者かにものすごい速度で追い抜かれた。 茶色の髪を肩の所まで伸ばした、中学生くらいの女子だ。半袖のブラウスにサマーセーター、灰色のプリーツスカートというその姿は名門と呼ばれる常盤台中学のものだったが、舞い上がるスカートの端も気にせず下に短パンを穿いてますと言わんばかりの全力疾走ぶりは、完全無欠にお嬢様のイメージからかけ離れている。「……あー、なんだ。ビリビリか」風斬「あの……えっちなのはよくないと思います……」上条「何で!?」美琴「そりゃー舞い上がるスカートに視線が行ってちゃねー」上条「いや、普通の反応だよ! 思春期の男の子なら絶対に見ちゃうって!! いや、思春期じゃなくても男なら見ちゃうって!!」禁書「とうまはとうまでとうまだもん」上条(ああ……なんだか、お三方の好感度ゲージがどんどん下がっていっていくような……) ――――昨夜インデックスが闇咲にさらわれた時に美琴とも会っていたような気もしたが――――「あれ、何だよ。ひょっとしてお前なんか用事でもあったの?」「べっ、別に。そういう用があった訳じゃないけど……」上条「で、結局何だったんだよ」美琴「だ、だから! 何でもないってば!!」上条「いやでも、よく思い出したら、あん時顔とか真っ赤にしてたじゃんか」美琴「お、お、思い出さなくていいわよ!!!」上条「あっ、ひょっとしてアレか? 俺と海原の事か?」(何故上条がその事を知っているかは、前回参照)美琴「ちちちち違うからっ!!!!!///」禁書「……何なのかな? この置いてけぼり感は」風斬「知らない方の話題が出ると、知ってる人同士は盛り上がっても、 そうじゃない方はどうすればいいか反応に困るよね……」 「な、何よ。昨日の、こ、恋人ごっこって、そんなに疲れる仕事だった訳?」「あん? それ一つじゃないんだけどな。他にも昨日は色々あったんでございますよ」「ん? 他にも? ……アンタ、まさか他の子とも似たような事してたわけ?」「アホか。あんなこっ恥ずかしいコト平然と頼んでくるヤツなんてお前しかいねーよ」「な……っ!?」禁書「ふーん。私にお留守番させといて、とうまは短髪と『恋人』ごっこしてたんだ。 確か、宿題で頭が疲れたんでちょっと息抜きしてくる、とか言ってたと思うんだけど」上条「待て待つんだインデックス。言っておくがお前の思っているようなヤマシイことは何一つなくてだな、 むしろ、疲れが倍増したというか」風斬「あれ? 何ですか、このスイッチ? って、あ、押しちゃった」上条「ん?」美琴「ぶっ///!?」風斬「ふぇ……! 上条さんと御坂さんが抱き合ったり、お互い食べかけのホットドッグを交換したり、 目一杯身を寄せ合ったり、手を繋いで町中を走り回ったりしてる映像が映ってますけど……!?」上条「んなぁぁぁあああああああああ! 何でこんなモノがここに……、 ハッ! 佐天さんと初春さん、前回、置きっ放しにして帰りやがったなぁぁぁああああああああああ!!」美琴(……しかも、あの二人のことだから、本来的な意味は違うんだけど慣例的な言葉を使うなら、間違いなく確信犯よね……)禁書「とうま…………これでも『ヤマシイことは何一つない』って言い張るのかな…………?」上条「ああ……ええっと、だな…………」「へ、平然って、そんな訳ないでしょ! わ、わたっ、私だってメチャクチャ悩んでそれでも他に打開策がなくて仕方がなくて恥を忍んで頼み込んだって言うのに!!」美琴「そ、そそそそうよ!! あ、ああ、あくまでさっきのは仕方なくなのよ!!!」上条「そうそう! 美琴と抱き合ったり、お互い食べかけのホットドッグを交換したり、目一杯身を寄せ合ったり、手を繋いで町中を走り回ったりしたのには、ちゃんとした理由があってだな」美琴「繰り返さなくていいわよ!!!///」上条「えっ? いやでも、説明しとかないと変に誤解されちまうし。 美琴と抱き合ったり、お互い食べかけのホットドッグを交換したりしたのは―――」美琴「だからいいからっ!!!!!///」禁書「……ひょうか…もうそろそろ噛み付いてもいいのかな…?」風斬「えっ? あっ、うん。いいと思うよ」(ま、個性がありすぎても疲れるだけだろうけど。常盤台とかすごそうだよな)美琴「そんな事ないわよ。ウチだって普通よ普通」上条「ホントかぁ~…?」美琴「普通だってば! 家庭科でペルシャ絨毯のほつれの直し方とか、金絵皿の傷んだ箔の修繕方法等とか習ったり、授業でヴァイオリンとか教わるけど、そんなのどこの学校でもやってる事でしょ?」上条「えっ……」風斬「あっ! 私も授業でやってました! 霧ヶ丘女学院に在籍していた時に!」上条「えっ、えっ……」禁書「そのくらいは当然かも。ちなみに現存する最古のヴァイオリンは16世紀後半のものなんだけど、 それ以前にも、北イタリアをはじめヨーロッパ各地で絵画や文献でヴァイオリンが描写されていて、 実は当時の楽器には魔術的意味合いが込められたうんたらかんたらがなんたらかんたら」上条(普通じゃねぇ……こいつら絶対普通じゃねぇ! 特に最後の!)「ふうん。例えば御坂の体から微弱な磁場が漏れてるとかって感じか……」美琴「そのせいで動物から怖がられちゃうのよね……ペット欲しいな……」上条「あっ、けど御坂妹が飼ってる(?)黒猫は懐いてるじゃねーか。慣れるモンは慣れるんじゃねぇの?」美琴「そ、そうかな!?」禁書「でもスフィンクスは怖がってたんだよ」美琴「ううぅ……」風斬「あの…私思ったんですけど……彼の右手があれば電磁波も打ち消せるのでは…?」上条「まぁそりゃ、一時的にはシャットアウトできるだろうけど、右手離したら元の木阿弥だろ? ペット飼うならそれ以外の方法じゃないと。まさか俺が美琴の頭をず~っと触って暮らす訳にもいかんし」美琴「そっ! そそそれってつまり同棲……ふにゃー///」上条「って、うおい!! 電磁波だけじゃなく、電流まで垂れ流すな!!」禁書「…ここまでがワンセットなんだよ……」風斬「…テンプレって言うんだっけ? こういうの……」 「ってか絶対泣くだろあの先生!! テメェは好きな女の子にいじわるする小学生か!」上条「好きな子に意地悪するのって、イギリスとかでもあるあるネタなのか?」禁書「う~ん…あまり聞かないかも。多分シャイな人間性から生まれた、日本独自の文化なんだよ」風斬「今で言う、『ツンデレ』の先駆けみたいなものなのかな?」美琴「ホンット、こういう奴いるわよね~! 素直になれずにケンカ吹っ掛けるようなマネしてさ! 相手からしたら迷惑だし、むしろ嫌われちゃうって分からないのかな!? 好きなら好きってハッキリ伝えた方が―――」禁書「……………」風斬「……………」美琴「……何よ?」 教室から追い出されたインデックスはむくれながら廊下を歩いていた。 彼女の手には二千円札が握られていた。美琴「に、二千円さ……ぶふっ! 二千円札って、あっは! あははははは!!!」上条「お前、本当にそれ(笑いの)ツボだな!!」禁書「むっ! そこはかとなく馬鹿にしてるね? 確かに敬遠されがちだけど、純粋にお金の価値だけ見れば、野口さん二人分なんだよ! うまい棒なら200本(消費税度外視)も買えるんだよ!」上条「何でもかんでも、うまい棒で計算するのはやめなさい! 上条さん家のお財布事情丸出しで、わたくしとっても恥ずかしいですのことよ!? あと、一回野口さんに謝っておこうか!」美琴「あはははは! に、二千円って! 二千! ひーっ! ひーっ! お腹痛い!」上条「そんでまだ笑ってたよこの子!!!」風斬「……何の話でしたっけ?」「ありがとう。あなた、名前は?」「……ん。風斬氷華」美琴「ううん……相変わらず不思議な縁で食いつないでいくわね……アンタ……」禁書「ふふん。これが人徳ってやつかも」上条「しっかし、あの程度の食券販売機くらいは使えないものか?」禁書「む……だったら、とうまは魔術の基礎とか仕組みとか分かるの? 理屈はそれと同じなんだよ」上条「そりゃま、そうだが……」風斬「でも、私はおかげで彼女と出会えましたから嬉しかったかも」美琴「そういう考え方もあるわけね」「ケンカのできる友達って、本当はすごく仲がいいの」「どうして?」「ケンカができるってことは、ちゃんと仲直りができるの。あの人はケンカしても縁が切れないって信じてるんだと思う」「ホントに?」「あなたのために怒ってくれるような人だから、きっと大丈夫」禁書「ここはアニメの展開にしたんだね。でもまあ、言いたいことは伝わるから良いかも」上条「俺が来るまでこんな話をしてたのか。良いこと言ってるな風斬」風斬「いえその……良いこと、って言うか、当たり前のことって言うか……」禁書「で、短髪はどんな感想を持ったのかな? 私ととうまの間にある信頼関係に……って、どうしたの? 顔真っ赤なんだよ?」美琴「べ、別に何でもないわよ!! だいたい! 日本には昔から『ケンカするほど仲がいい』って諺があるくらいなんだから、これくらい普通よ普通!!」上条「そういや、俺とお前もしょっちゅうケンカっつうか、言い争うっつうか、やってるよな。 でも縁が切れない、ってことはやっぱ風斬の言葉にしろ日本古来の諺にしろ、的を得てるってことだよな」美琴「さらっと何を言ってやがりますかこの馬鹿は!? 私とアンタの縁が切れない、って、そりゃ確かにそうだけど……///」上条「ん? どしたー? ………って、何このいきなりの寒気!? まるで突然、北極の永久氷壁に閉じ込められた気分!?」禁書「ふーん……とうまはしょっちゅう短髪とケンカしてるんだー……へー……ほー……」風斬「あ、あの……やっぱりケンカはよくない、かな……?」 視線の先には、マンガみたいに着替え中の少女がいた。 しかも二人分。「………えーっと、間違えましたーっ!!」禁書「………///」風斬「………///」美琴「ほっほ~う…? アンタやっぱり、こういう事を日常的にやってるんだ。へぇ~…?」上条「いやいやいやいや!!! ちゃんと読めば分かるでしょ!! 上条さん、悪気は全くありませんでしたよ!!?」美琴「悪気が無ければ何をしても許されるとでも…?」(バチバチィッ!!!)上条「怖い! 怖いよ!? ちょっとお二方! 上条さんのピンチですよ!? 黙ってないで、お助けくださいませんか!?」禁書「…これはとうまがあまりにもとうまだから、然るべき処罰かも……///」風斬「わ、私もそう思います……///」上条「あれっ!!? 味方0!!?」 むぎゅっ、と。 三毛猫の頭が風斬の大きな胸の間に埋まってしまった。 今までずっとすすけていた上条は瞬間的に顔を真っ赤にして――――美琴「……ったわね…」上条「え? 何て?」美琴「私のは小さくて悪かったわねって言ったのよ!!!」上条「何で急にキレてんの!!? あと俺、美琴のサイズに関して、苦言を呈した事ありましたっけ!!?」美琴「私だって! 私だってねぇ!! あと数年もすれば、ママや番外個体みたいな立派な身体に―――!」上条「だーっ! 分かった、分かったから!! だからとりあえず落ち着け!!!」風斬「??? 何の話?」禁書「私にもよく分からない…けど、何故か他人事じゃない気がするんだよ」「――――それなのに、それなのに一方その頃上条ちゃんはモテモテ学園生活満喫中ですか!? まったく、そんなにイチャイチャしてると不純異性間交友でしょっぴきますよーっ!」美琴「モテモテ…イチャイチャ…ねぇ……なるほどねぇ……」上条「顔が怖い! 顔が怖いよ美琴さん!?」美琴「一度、本当に警備員にしょっぴかれたら…? 強制わいせつ罪か何かで……」上条「え、冤罪すぎる!! そんなの身に覚えがな―――」禁書「無いって…」風斬「言い切れるんですか…?」上条「な―――きにしも非ずだけども!! それ全部、故意にやった訳じゃないって何度も説明をだな!!!」 ていうか何度も謝ったよね!!?」美琴「ごめんで済んだら警察はいらないって言葉知ってる…?」上条「それでもボクはやってない!!!」「――――こうして近づけばお姉様の胸の谷間へと思う存分……うっふっふ。うっふっふっふっふっふ!!」??「キ・マ・シ・タ・ワー!!! でぇぇぇすのおおおおおぉぉぉぉぉ!」美琴「はい、次」上条「えっ…? い、いいのか? 『アレ』放っておいても……」「とうま。これ何でも頼んじゃっていいの?」「あー、高いのは禁止な」 上条は適当に釘を刺したが、しかし大して心配していなかった。何せこのメニューの元ネタは学食や給食である。そうそう高いはずがない。上条「…………」美琴「これ絶対、フラグよね」禁書「これほどまでに分かりやすいのはないかも」風斬「ふらぐ…………?」 ――――インデックスはメニューをテーブルの上にパタンと倒すと、上条にも良く分かるように料理の写真の一点を指差す。「私はこれがいいかも」「どれどれ」 上条はインデックスの白く細い指の先を視線で追う。するとそこには、 常盤台中学給食セット 四〇〇〇〇円。美琴「へー、ウチの給食もメニューに入ってたんだ」禁書「とうまは何でもいいって言ったのに、食べさせてくれなかったんだよ。しかも、この時はめにゅーで叩かれたし」上条「高いの禁止つったろ!」禁書「全然高くないよ! テーブルに置いたって私の目線よりも下だもん!」風斬「あの……標高じゃなくて値段の話なんじゃないかと……」美琴「あれ? この店、出前もやってんじゃん。なら今、私が頼んであげるわ。四人分でいい?」禁書「ほんと!?」上条「待て待て待て待て待て待て! 合わせて十六万だぞ!? 一人分でも四万だぞ!? どこにそんなお金がありますか!? 俺はいらん!!」美琴「分かった。じゃあ三人分ね。あ、もしもし、えっとですね、今、ネットで見てたんですけど、 そちらの店の『常盤台中学給食セット』を三人前を今から言う場所に持ってきてもらえます? あ、支払いってカードでOK?」上条「ん?」美琴「大丈夫なんですね、はい。それじゃ支払いの名前は『御坂美琴』で。ええ、この場で払います。はい、よろしくお願いします」上条「んんん?」美琴「頼んだわよ。十五分か二十分かかるって」風斬「えっと、私の分も、ですか?」美琴「そ。ウチの学校のことを知ってもらういい機会だし、私の奢りでいいわ」禁書「きゃっほーい! ありがとうなんだよ、短髪!! 感謝感激雨霰かも!!」風斬「あ、ありがとうございます!!」上条「えええええ!? そんなのあり!? 奢ってくれたの!?」美琴「はへ? アンタ『いらない』って言ったじゃない」上条「う゛……そ、そんな素でキョトンとした顔で言わなくても……」禁書「ごはん♪ ごはん♪ ごはん♪ ごはん♪ ごはん♪ ごはん♪ ごはん♪」風斬「(……食べたいなら素直に言っては如何ですか?)」上条「(……それしかないよな…………)なー、御坂、今から俺の分も、ってのは……ダメ?」美琴「だ、ダメじゃない……///」 すとん、と。 何の前触れもなく、いきなりカーテンが真下に落ちた。禁書「………///」風斬「………///」美琴「ほっほ~う…? アンタやっぱり、こういう事を日常的にやってるんだ。へぇ~…?」上条「いやいやいやいや!!! ちゃんと読めば分かるでしょ!! 上条さん、今回は全く悪くありませんでしたよ!!?」美琴「自分に非が無ければ何をしても許されるとでも…?」(バチバチィッ!!!)上条「そりゃそうでしょうよ!!! ちょっとお二方! 上条さんのピンチですよ!? 黙ってないで、お助けくださいませんか!?」禁書「…これはとうまがあまりにもとうまだから、然るべき処罰かも……///」風斬「わ、私もそう思います……///」上条「何でだよっ!!!」「アンタ、こんなトコで女の子に押し倒されて、何やってる訳?」上条「ここ納得がいかないんですけど!」美琴「何が?」上条「俺が押し倒した側ならまだ分かるよ!? きっと色んな不幸が重なって、上条さんは悪くないけど、 それでも周りから見たら誤解を受けるんだろうなってのは理解てきなくもねぇよ!!!」美琴「……とりあえず、2~3ツッコミたい所はあるけど、まぁいいわ。続けて」上条「けどさ! これは完全に被害者側じゃね!? いや、確かにどっちが加害者とか被害者とかはないんだけど、この時、美琴からすりゃ、俺が押し倒されてるように見えたんだろ!? 何故に俺が怒られなきゃならんの!?」禁書「……日頃の行いのせいじゃないかな」上条「日頃の行いって! 上条さんは普段から、清く正しく美しく、真っ当に人生を歩いてますよ!?」禁書「…自覚がないのも問題かも」美琴「てかアンタ! わ、私も…その……お、お、押し倒したじゃない!!! しかも公衆の面前で!!!///」禁書「なっ!!?」上条「い、いやそれ、大覇星祭の話だろ!? まだ先じゃねーか! しかもそれにも理由があってだな……」禁書「……とうま、ちょっと頭貸して欲しいんだよ…」風斬(本当に普段からそんな事してるんだ……) 「とうま、この品のない女達は一体誰なの。知り合い? どんな関係? ――――」禁書「…そう言えば、この時の答えをまだ聞いてなかったんだよ。 命の恩人っていうのは知ってるけど、とうま自身はどう思ってるのかな…?」上条「俺自身? んー…そうだな……」美琴(こいつの事だから、どーせ、友達とか妹分とかそんなところでしょ。分かってんだから……そんなの……ぶつぶつ)上条「(つっても海原との約束もあるしな)あー…守るべき人…とか?」禁書「!!?」美琴「ふぇっ!!?///」風斬「ていうか、品のない女達ってくだりはスルーでいいんですか?」(あれ? っつか、何でこの人達はこんなにギスギスした空気を放ってるんでせう?)上条(そして今も)「(まったくそうですか命の恩人と来ましたか大体怪しいとは思っていたのですけどやはりあの殿方がお姉さまの部屋にやって来た日に何かあったんですのねそれにしてもお姉さまはわたくしには一言も告げなかったくせにあのヤロウには全てを打ち明けたとそういう風に受け取ってよろしいのかしら、うふふ。あらおかしい、うふふふふふ)」 あまりに平淡過ぎる独り言に風斬の眼鏡がずり落ちた。美琴「そ、そりゃまあ……あの一件に黒子を巻き込むのはどうかと思うわよ……ねえアンタ?」上条「ん? まあな。確かに白井は頼りになるかもしれないけど、さすがにアレに巻き込むわけにはいかんよなぁ」風斬「そうですか? 私だったら友達とか大切な人に置いてけぼりにされる方が辛いと思います。 それがどんなに危険なことだとしても」禁書「私もそうなんだよ。だから、いつも、とうまに説教してるんだけど…… あ、でもこの間、初めて分かってもらえたかも。短髪も一緒に、だったけど」上条「なるほどなぁ。そういう考え方もあるってわけか」美琴(まあ……それで私も反省して、この後に起こった学究会絡みの、 フェブリとジャーニーと布束さんを助けるために黒子たちに協力してもらったわけなんだけどね……)風斬「あら? なんだかさっきのとは別のスイッチが。あ、また押しちゃった」「なるほど――大体怪しいと思っていたのですけど、お姉さまはわたくしを差し置いてカミジョーさんに身も心もすべてを曝け出したというわけですわね。ふふっ……ふふふふふふ」「曝け出してなんかないわよ!!」上条「うぉぉぉおおおい! アニメ展開はさらになんだか誤解を招くようなこと言われてるんですけど!?」美琴「てゆうか、これじゃさっきの良い話も台無しじゃん! 私のモノローグに謝りなさいよ!!」風斬「え? ひょっとして私の所為?」禁書「で、とうま? 実際はどうなのかな?」上条「ちょ、ちょっと待て! 言っておくがお前の想像していることは妄想夢想完全フィクションだからね!?」美琴「そうそう! 『身』も『心』も本当に曝け出してなんていないんだから!!」風斬(あ、こっちだと私、完全に背景になっちゃってる…… というか、この面子【禁書、超電磁砲のメインキャラが四人】が揃うと大抵のキャラは埋没しちゃうような……)??「その割にはわたくしは禁書【原作】の方では出番がないですの……はぁ……」「っつか、お前達は何でここにいるんだ?」 ――――「な、何よ! 別に何でも良いでしょうが、何でも!!」 ――――「……(――――防犯カメラにあなたの姿が映っていたのを発見したから心配になって駆けつけた、とは言えませんわよね。普通なら)上条「えっ…? じゃあ、俺の事を心配してくれて来てくれたのか…?」美琴「あっ! ちちち違うから!! こ、ここ、これは黒子が勝手にそう思ってるだけで、 べべべ別にアンタの事を思ってたとか、そんな事は全然ないんだからっ!!!///」上条「何だそうなのか…ちょっと残念……」美琴「残念!!?///」上条(…あれ? それじゃあ結局、美琴は何でここに来たんだ…?)禁書(イライライライライライライライラ)風斬(そわそわおどおどハラハラドキドキ) 「分かった。白井、お前が閉じ込められた人達を脱出させてる間は、俺が時間を稼ぐから、お前はあいつらを外に出してやってくれ」 上条が言った瞬間、三方から白井と美琴とインデックスの手で同時にどつかれた。 ――――ただ一人、風斬だけがツッコミを入れようとしたが勇気が足りずに虚空へと手を泳がせていた。美琴「まあ、ピンポイントで狙われていることが分かっててこんな発言するんだから、どう考えてもツッコミ待ちよね」上条「いや分かるけどさ! でもいきなり殴ることないんじゃない!? ちゃんとした理由もあったろ!?」禁書「うん。右手があるから、とうまのセリフは間違いじゃないんだけど、ツッコミを入れざるを得なかったんだよ」風斬(わ、私だって負けないもん! 必ずこの面子の中でも混ざってやるんだから!)彼は諸事情あって、美琴の部屋に無断で侵入した事があるのだ。禁書「……とうま? この一文について詳しく説明して欲しいかも…」上条「い、いや、これにも色々あってだな!」美琴「アンタ…本当に私の部屋で、へ、へ、変な事してないんでしょうね!?///」上条「してないよ!! てか変な事って何だよ!!」美琴「だ、だだ、だから……それは…その……///」風斬「変な事……縄跳びとかですか?」禁書「…え? ひょうか、何で縄跳び?」風斬「あ、いや…部屋の中で縄跳びをするのは変かなって……ち、違いますか…?」上条(純だ…)美琴(純だわ…)禁書(純なんだよ…)「――――俺は白井の力じゃ外に出られない。だからここに残ってヤツの相手をするしかねーんだよ」「じゃあ、私も残る!」 今度は四方から、上条と美琴と白井と風斬の手がインデックスをどつき回した。引っ込み思案の風斬も勇気を振り絞ってみたらしい。ぎゅっと目を瞑ったまま、しかし的確にインデックスの後頭部へ打撃を加えていた。風斬(何でだろう? この子には悪いけど、なんだかとっても嬉しい……///)禁書「ひょうかどうしたの? 何かを成し遂げたような男の顔になってるけど」美琴「んー。どことなく『輪に入れた喜び』って感じね」上条「つーか、俺たちの間ってそんなに入り辛いもんか?」風斬「む、無自覚って怖い……」上条当麻の半分は優しさでできているのだ。美琴「『あの』薬さぁ。実際、4分の3くらいはアスピリンで、胃を守ってくれる緩衝制酸剤は4分の1しかないんだって」上条「何だ? 急にトリビア挟んできたな」美琴「いや、まぁそれは別にどうでもいいんだけどね。つまり私が何を言いたかったかって言うと、 アンタの優しさとやらの割合も、その程度なんじゃないかって事よ!」上条「な、何をう!? 上条さんの優しさは、それこそ天井知らずだと専らの噂ですぞ!?」美琴「ど~だか! きっと残りの4分の3は鈍感でできてんのよ!! おかげでこっちは中途半端に優しくされて、ちょっと期待とかしちゃって―――」上条「? 期待って…何をだ?」美琴「あっ!!! いい、いや! ななな何でもないっ!!!///」禁書「ていうか! あすぴりんって何なのかな!!!」風斬「ツッコむ所はそこでいいの?」「しかし、運べるのは二人までか……。そんじゃ、まずはインデックスと風斬を頼む」「とうま。それはつまりそこの短髪と一緒に残る、と言いたいんだね?」「……、あー。じゃあ御坂と風斬でいいや」「ほう。アンタはそこのちっこいのと残りたい、と。ほほう」上条「どうすりゃいいんだよ! 何て答えれば正解な訳!?」禁書「とうまが!!」美琴「アンタが!!」美琴&禁書「「ハッキリしないのが悪いんでしょ!!?」」上条「俺のせいですと!!?」風斬「……、じゃあ、今、改めて、どちらか一人を選ぶとすると?」上条「ええっ!? 何で!? てか、選ぶって何を基準に!?」風斬「だから、この時の気持ちになって、です。一応、基準はあったんですよ」上条「え~? じゃあ……(あっ、今美琴と目が合った)美琴で」美琴「!!!?///」禁書「~~~! とうまの馬鹿っ!!!」風斬(……戦略的に均等に戦力を分けて、さらに相手の狙いを分散せて、そしてお互いがお互いに顔見知りって意味で 『シェリーさんを相手にしてある意味圧倒した御坂さんとテレポートが作用しない上条さん』、 『魔術に詳しいのでフォロー可能のあの子とあの子を守れる力を持っている私』って基準があったんだけど、上条さんにそこまでの意識は今あったのかな……?) 「わたくしが一緒にいた方が微調整が効くんですのよ。適当に飛ばしておいて、万が一、誤差の関係でビルの壁にでも突き刺さってこらんなさい。――――」美琴「『*いしのなかにいる*』、ね」風斬「あれはトラウマですよね……」上条「俺も記憶はないけど知識として残ってるから、その恐怖は分かるわ」禁書「むぅ…科学サイドの話は分からないんだよ」「うん。あ、今回はとうまが引っ張ってきたんじゃないんだよ。私が先に会ったんだから」「……今回は、ね。ほほう」上条「…美琴が『ほほう』って言う時、決まって不穏な空気が流れるのは何故でせうかね…?」美琴「…さぁ? どうしてかしらね…?」「うう。心配かも心配かも。あんな所に女の子が置き去りにされているのも心配だけど、 薄暗闇の中でとうまと女の子を二人きりにさせているのも心配かも」「……、何でかしら。この一点のみアンタとは友達になれそうな気がするわ」上条「人をそんなケダモノみたいに!!!」禁書「間違ってないかも」美琴「そうね。アンタはケダモノよ」上条「この一点でのみ急に仲良しに!? 紳士上条さんはそんな女性の敵になるような事は致しません!!」禁書「紳士は着替えを覗いたりしないんだよ」美琴「紳士は押し倒したりしないわね」禁書「紳士は歩く教会【しゅうどうふく】を破って裸にしないんだよ」美琴「紳士は当たり前のように胸を触ったりしないわね」上条「どれもこれも不可抗力(?)だ!!!」美琴「てか裸って何!!? ア、アア、アンタこの子に何した訳!!?」禁書「と、とうまは短髪の胸を触ったの!!? ホントに!!?」上条「ああ! 何か知らんけど、余計に混乱状態に!?」風斬「……でも、そんなケダモノさんに、お二人ともコロッといっちゃったんですよね…?(ボソッ)」美琴&禁書「「!!!///」」上条(…あれ? 風斬が何て言ったのか小声で分かんなかったけど、急に二人とも黙っちまった……)「ん、とうま? とうまなら心配ないよ。とうまは何があっても、絶対に帰ってきてくれるんだから」 ―――― (しっかし、帰ってきてくれる、ときましたか) ―――― (だから、何で、そこで、私が、ショックを受けなきゃいけないのよ?)上条「? 何かショック受けるような事あったか?」美琴「なななないないないない!!! これはそういうアレじゃないからっ!!!///」上条「あ、そう? まぁ、気のせいだったんなら別にいいけど」美琴「あっ…うん……」禁書「……短髪…さすがに同情するんだよ……」風斬「…ここまでくると、逆に感心します……」上条「……何を?」 「インデックスはこの町の住人じゃない。警備員に見つかれば逮捕されるかもしれないんだ。迂闊に保護を頼むわけにはいかない」「え……!」「やっぱ、行くならここしかねえか。くそ、隔壁を開けてくれりゃ簡単に先回りできるのに。何で後手に回らにゃならないんだ」 上条は床に開いた『穴』の縁にしゃがみ込んで、「どうやって降りるか…………」 そんな上条の様子を眺めていた風斬の頭に不意に、あの少女とこの少年と過ごした『楽しい時間』が走馬灯のように駆け巡った。 それはとても安らかで暖かくて幸せな時間だった。 この時間をくれた少年と少女に報いたいと真剣に思った。 そして、風斬氷華は一つ結論を出す。 それは――――「待って」 思わず風斬は呼びとめた。「本当に、あなた一人で行くんですか?」「インデックスが危ないんだ」 上条の真剣極まる言葉を聞いて、風斬は意を決した。 自分の正体を知ってなお、自分のことを友達だと言って助けれてくれた少年を今度は自分が助ける番だと切実に思った。 この少年は自分のことを友達だと言ってくれたとは言え、あの少女がそうだとは限らない。 もしかしたら自分の正体を知ったらあの少女は、怖がって自分から離れていくかもしれない。 それでも、風斬は『そんなこと』よりも『少女の命を助けること』の方が重要だと思った。 後から悔むかもしれないが、それでも少女を助けたかった。「大丈夫、です……あなたが行かなくても助ける方法はあります……」「どういうことだ?」 問われて、風斬は全てをふっ切ったような笑顔を浮かべて答えた。「バレなきゃ犯罪じゃないんですよ」上条「うわー! 全てが台無しだよ、このセリフ!! って、この行もアニメ展開だな!!」風斬「え……? 私、変なこと言いました…………?」禁書「ちょっと、とうま、今のとうまのセリフは無いかも」美琴「今、この子は『化物の相手は化物がすればいいんです』って、泣きそうでけなげな笑顔で言ったのに、 どこが台無しなのよ。私、思わずもらい泣きしちゃったわよ」上条「いやいやいやいやいや! どういう耳してんの二人とも! 合ってんのは最初の『ば』だけじゃん!?」禁書「とうまの言ってる意味が分かんないんだよ。と言うか、いったい、とうまには何て聞こえたの?」上条「俺には『バレなきゃ犯罪じゃないんですよ』って聞こえたんだ」美琴「うわー、どんな耳してんのよアンタ」風斬「悲しいです…………」禁書「とうま、ひょうかが本当にそんなこと言うと思ってる? もしそう思ってるなら私のとうま評を変えなくちゃいけないかも」上条「何で!? いや本当に俺の耳がおかしいのか!?」 「初めから分かってはいたんですよ……誰でも分かるじゃないですか……化物が正体を見せればどうなるか、なんて……嫌でしたよ私だって……でも仕方ないじゃないですか……助けたかったんだから……」 涙を落としながら風斬はふらりと立ち上がり、おぼつかない足取りで上条へと向かう。「何で……失わなくちゃいけないんですか? どうして、怖がられなくちゃいけないんですか……?」 そのまま、上条の胸に縋り、辛い気持ちを抑えきれなくなった。 口にしてしまったことが彼女にとっては不幸だった。「私は! 私はただ、大切な友達が傷つけられるのが耐えきれなかったから! だから、立ち上がっただけなのに! ずっと一緒に居たかった! きっと仲良くなれるって思ってた! でも……無理に決まってるじゃないですか!!」 涙ながらに吐き出して。 上条は全てを受け入れるように聞いてやって、「怖がられても嫌われても! 見殺しになんてできるはずがないでしょ!!」 ただ、その右手の所為で慰めることはできなかった。 いや、上条は分かっていた。 慰める必要なんてないってことを。 彼女の悲しみを癒すのは自分ではないということを。 美琴(まあ……さすがにこんな状態のこの子だと、あいつの胸で泣いてるからったって腹は立たないわね……)禁書「ここはアニメ展開だけど、ひょうか、これはさすがにちょっとムッときたかも」風斬「え? 何で?」禁書「何で、私がひょうかのことを嫌わなくちゃいけないんだよ? 確かに、初めて、ひょうかの『力』を見たときはびっくりしたけど、でも別にこれくらい大したことないし、 そもそも、化物っていうのは『心』がない存在を指すんだよ。 心を通わすことができれば、人か人じゃないかってことも問題じゃないもん」風斬「そ、そうなの?」上条「まあな。この学園都市ってところはそんなところだ。御坂だって『人間』の枠外にいる化物的な存在なんだぜ」美琴「ちょっと! それ褒めてないし!!」上条「そうは言っても、これを人間業とは言わないんじゃね?」美琴「はい?」「――――私の知り合いに手ぇ出してんじゃないわよ、クソ豚が!!」 瞬間、超電磁砲と呼ばれる一撃が、解き放たれた。音速の三倍もの速度で加速されたコインは空気摩擦で赤熱化し、オレンジ色のレーザーと化して『塔』に突き刺さった。あまりの衝撃に『塔』は一瞬で折れて、繋がっていた『頭部』も巻き込んで粉々に吹き飛んでしまう。 ゴガッ!! という轟音は、一瞬遅れてやってくるほどだった。 もうもうと立ち込める粉塵のスクリーンは、しかし直後に凪いだ烈風に吹き飛ばされた。 超電磁砲に押し出された空気の余波だ。禁書「……」風斬「……」美琴「ええっと、ええっと……」上条「んで、『レベル4』の感想」 (す、すごい……) 白井は引き続き辺りを警戒しながらも、心の大半は別の事柄に奪われていた。(余波が生み出した烈風だけで、すでに並みの風力使いを凌駕していますわ。一体どこまで底なしになれば気が済むのでございますの、お姉さまってば!)禁書「ほへぇ。短髪って凄いんだね。ゴーレムを粉砕しちゃうなんてそう簡単にできないんだよ。 アレは基本、周りにある『鉱物』を取り込んで何度も再生しちゃう魔術が生み出した兵器だもん」上条「な。風斬でも止められなかった相手をお前ってば、打ち砕いてるんだぜ」美琴「べ、別にいいじゃない! 悪いことじゃないでしょ!! 大体、この時のこいつは囮だったし本体じゃないんだから止められて当然よ!!」風斬「でも、それを言ったら上条さんも……」上条「ん?」美琴「は?」 ――――その黒い影は一瞬で投げ槍のように追い抜いた。 同時、ゴーレムのもう一つの拳が発射された。 少年は躊躇わない。戸惑わない。そして臆しない。それがただ一つの切り札であるがごとく、彼は右の拳を岩にように固く握りしめると、 ゴドン!! と、二つの拳が激突した。 少年の拳から真っ赤な血が噴き出す。 しかし、それはゴーレムの力によるものではない。単にギザギザの岩肌を思い切り殴ったようなものだ。その砲弾のような一撃は、少年の拳に触れた瞬間に全ての威力を失っていた。 ――――ゴーレムの全身に亀裂が入り、そしてガラガラと崩れ去った。禁書「ほへぇ。改めてとうまって凄いんだね。ゴーレムを粉々にしちゃうなんて普通はできないんだよ。 アレは基本、周りにある『鉱物』を取り込んで何度も再生しちゃう魔術が生み出した兵器だもん」美琴「相変わらず規格外れのさらにその外にある力よね、アンタってば」上条「いや、確かに破壊したけどさ! けど、見た目のド派手さと威力は完全に御坂の方があるし!!」美琴「いやいや。私の力だとアンタに全戦全敗だから、やっぱアンタの方が化物じみてるってことよ」上条「いらんわ、そんな人物評価!!」風斬(にっこり)上条「どうした風斬?」美琴「何なの? 私たちの肩に手を置いて」風斬「化物の相手は化物がすればいいんです」上条「って、うぉい! それなんて自虐ギャグ!?」美琴「今、この場で、そのセリフを使われると、なんか全力で否定したくなるんですけど!?」禁書(……今回のひょうかはどことなく小悪魔っぽかったかも)「ほら見てくださいよ。今回俺って入院とかしてないじゃないですか。うわすげーな俺――――」上条「えっへん」禁書「威張れる事じゃないんだよ!!!」上条「いやだって、すごくね? あんだけの戦闘があって軽症だったんだぜ?」風斬「とりあえず、軽症ではないですよね……」美琴「そもそも、しょっちゅう入院する方がおかしいのよ!! 全く、毎度毎度変な事件に突っ込んでって……心配する方の身にもなんなさいよね!!?」上条「あー…悪かったな。いつも心配させて」美琴「べ、べべべ別にアンタの事なんか、これっぽっちも心配してないわよっ!!!///」上条「どっちだよ!!!」 上条「っと、今回はこの辺で終わりか」美琴「う~ん…今回はアンタと私の絡みが少なかった気がするわ。ま、私が目立つ巻じゃないから仕方ないけど」風斬「あの…ところで何か忘れてるような気がしませんか?」上条「そうか? 何だろ……」禁書「出前!!! 常盤台中学給食セット!!! あれからそろそろ20分経つんだよ!!!」上条「あー…そういやそうだったな。さすがは完全記憶能力者」美琴「いや、食い意地張ってるだけじゃないの?」??「出前、お待ち遠様ですかねー」風斬「あっ! 噂をすれば、ですよ」??「えー、4人前で16万円のお会計になりますがねー。異教のクソ猿如きには勿体無いご馳走ですねー」上条「意外すぎる人が来ちゃったよ!! おかもちと割烹着が死ぬほど似合ってねぇな、そんで!!!」??「優先する。――――――安さを下位に、味を上位に」上条「やかましいわ!!!」美琴「じゃ、料理も来たことだし、食べながらお開きとしますか」禁書「いっただっきまーモグモグバクバク!!!」風斬「いただきます。……あれ? 召し上がらないんですか?」上条「あはは…不幸だ……俺の箸だけ無いや………」禁書「というか、あの出前持ちだとわざとかも。もしゃもしゃもしゃもしゃ」上条「喰いながら喋るんじゃない! それとお前! ぜっんぜん、俺を憐れんでないし! つか、俺じゃなくて御馳走にしか目が行ってないじゃん!? こっち見ろよ!!」風斬「でも、あの子の気持ちも分かりますよ。だって、とっても美味しいですものコレ」美琴「!!! し、仕方ないわね。ど、どど、どうしてもっていうなら、私が食べさせてあげてもいいわよ…?」上条「ホントか! そりゃ助かる!」美琴「じゃ、じゃじゃじゃあ!! く、く、口を開けて…?///」上条「おう。……あ~~~ん」禁書「モギュモギュ…ふぉぉぉぉうぅぅぅわぁぁぁぁぁ(とぉぉぉぉうぅぅぅまぁぁぁぁぁ)!!!!!」上条「うおおおおい!!! 口に食い物入れたまま頭かじるんじゃねええええぇぇぇぇ!!!!!」風斬「えっと……最後に無理やり上琴描写をねじ込むのも、こぼれ話の伝統なんですかね…? という訳で、今回のお話はここまでです。次回もまたお会いしましょう。さようならー」
https://w.atwiki.jp/index-index/pages/128.html
【種別】 セリフ・慣習 【元ネタ】 ヘルシングのキャラ、少佐のセリフより 【原文】 「ふうん 君らが狂気を口にするかね?第13課局長」 「ああそうだ おまえ達はまともじゃない」 「ありがたいことに私の狂気は君達の神が保証してくれるというわけだ よろしい ならばよろしい ならば私も問おう 君らの神の正気は一体どこの誰が保障してくれるのだね? 一体どこの誰に話しかけているか判っているかね? 私が黒衣のSS軍装を着ていれば良かったかな?我々は第三帝国親衛隊だぞ? 一体何人殺したと思っているのかね?闘争と暴力を呼吸するかのように行う髑髏の集団にかね? いかれている?何を今更!!半世紀ほど言うのが遅いぞ!! よろしい!!結構だ!!ならば私を止めてみろ自称健常者諸君!! しかし残念ながら私の敵は君らなどではないね少し黙っていてくれよ13課 私の敵は英国!!国教[[騎士団]]!!いや!!そこに嬉しそうにたたずんでいる男だ」 【解説】 「狂ってるよ貴様ら」に対して応答する定形文。 相手の正気を疑い返すセリフだが、もちろん禁書スレ風に改変されている。 鎌池和馬スレッド36「とある魔術の禁書目録」859ver 「ふうん 君が狂気を口にするかね?禁書スレがレス番 856?」 「ああそうだ おまえ達はまともじゃない」 「ありがたいことに私達の狂気は君のレスが保証してくれるというわけだ よろしい、ならばよろしい。 ならば私も問おう、君の嗜好の 正気は一体どこの誰が保障してくれるのだね? 一体どこのスレでそのようなことを聞いているか判っているかね? 私達が「貰っていきますね?→その幻想を(ry」とでもやっていれば良かったかな? 我々は禁書スレ住人だぞ?一体どれだけの幻想を殺したと思っているのかね? ネタレスと考察を呼吸するかのように行う混沌の集団にかね?いかれている? 何を今更!!二年ほど言うのが遅いぞ!! よろしい!!結構だ!!ならば私達を止めてみろ自称マトモなラノベ読み諸君!! しかし残念ながら私達の敵は君らなどではないね少し黙っていてくれよ常識人 私達の敵は月厨!!そして過剰な自治厨!!いや!!そこで嬉しそうにモニタを覗いている男だ!!」
https://w.atwiki.jp/crossnovel/pages/90.html
仮面ライダーディケイド VS とある魔術の禁書目録 第二話「お宝、禁書目録」 ◇ 海東は一人第七学区を歩いていた。 二人の少女との戦いの後、この世界で自分たちがおかれている状況を詳しくしるために動こうとしたのだが、士は指名手配されてる上右手に深い傷を負っている。 そこで士と夏海を光写真館に残し、ユウスケと海東の二人が別々に情報収集している最中だ。 最も、海東の意識はすでに学園都市の「お宝」に向いているのだが。 「この世界はすごいね、技術レベルが他の世界の数十年は先に行ってる……どれも他の世界から見ればお宝として申し分ない」 そう言いながらも、海東は幾度とすれ違っているドラム缶のような清掃ロボット等には手を出そうとしない。 彼が狙うのはその世界におけるお宝、こんないくつも走っているような量産品など問題外だ。 しかし、自分の知っている技術レベルを上回っている世界で果たしてそのお宝を見つけることができるのだろうか。 彼にしては珍しく弱り顔で考え込んでいると、近くから何やら言い争う声が聞こえそちらに意識を向けてみる。 「とーまはどうしてそう一人で危ないことに首を突っ込もうとするの!?」 「あのなぁ、これは学園都市に起きてる事件なんだ、魔術師が関係ないならお前が出てくる必要性はないだろ」 「だからってとうまが行く必要もないんだよ! それに魔術師が相手じゃなくたって、私の十万三千冊の魔道書が役に立つかもしれないもん!」 次の瞬間、海東は迷うことなく声のする方へと足を進めていた。 ◇ 上条と土御門の二人は簡単な状況を確認した後、男子寮の前で話している二人の少女を視認する。 白の修道服に金の刺繍を施した銀髪の少女の名はインデックス、完全記憶能力を持ち、その頭脳に十万三千冊もの魔道書を記憶しているシスターだ、元は魔術サイドの人間ながら複雑な事情から上条と共に暮らしている。 そのインデックスと話しているのはメイド服を着た少女、土御門舞華、土御門元春の義妹でありメイド学校に通い一人前のメイドを目指して日々精進する毎日を過ごしている、何故清掃ロボットの上に正座しているのかは本人にしかわからない。 楽しそうに会話する二人を見て上条の表情が曇る。ディケイドからインデックスを守るには、上条の部屋で隠れているのが一番だ。 だがそうなると舞華との会話を邪魔することになってしまう、正式な手続きの下学園都市に住んでいるわけではないインデックスは上条を介さない友人がほとんどいない、例え緊急事態だろうとその数少ない友人関係はできる限り大切にしたいと思ってしまう。 「ま、その辺はしかたないにゃー、禁書目録や舞華を巻き込むわけにはいかんぜよ」 「……そりゃそうだよな、悪い」 そんな思考を見抜いたのだろう、土御門がワンテンポ歩調を速めて二人の元へ先にと向かう。 一度会話を邪魔された程度で途切れてしまう程度の関係ではない、それをわざわざ守ろうとしてそれ以上の脅威に曝すわけにはいかない。 上条も歩調を速めて土御門と並びインデックス達へと声をかける、こちらに気づき笑顔を浮かべて手を振ってくるのを見ると、世界の破壊などというふざけた目的のためにこの少女を利用するなど許せることではないと怒りの感情が湧いてくる。 (そいじゃかみやん、俺は舞華を寮まで送っていくから、こっちは頼んだぜい) 小声で上条へそう伝えると、どう制御してるのか清掃ロボットの動きを器用に操る義妹を連れて土御門は去っていく。 いつもなら常日頃から学園都市を歩き回って(清掃ロボットを使った移動方法を「歩く」と表現するならばだが)いる舞華に付き添いなど不必要だろう。 しかし今は違う、危険人物がいる中彼女を一人にするという選択肢は土御門に存在しない、彼がこの世のなによりも守りたいもの、それが土御門舞華なのだから。 (そうだ、世界の破壊者だなんてわけのわからない奴に大切なものを壊されてたまるかってんだ) 「とーま? 急に黙ってどうしたの?」 首を傾げながら見上げてくるインデックスを見て、上条は少し考える。 土御門はアンチスキルやジャッジメントの仕事と言っていたが、ディケイドの脅威に対して受身のままでよいのだろうか? 流石にレベル5にも相当する力を持つ相手に上条一人で勝てるとは思わないにしろ、相手がどこにいるかを探す程度はできるはず。 ディケイドがいる限り学園都市の住人も怯え続けることになるのだから、出来る限りのことはして損はないだろう。 「インデックス、先に部屋に戻っててくれないか、俺はちょっと用があるから」 思いっきりジト目で睨まれた。 「……何故そのような目で上条さんを見つめておられるのでしょうか?」 「とーまが何か隠し事をしてるんだよ」 「ははっ、何を言ってるのかなインデックスさんは、そうか、お前また腹が空いてるんだろ? わかったわかった、帰りに何か買ってくるからそれまで――」 「人をいつでも飢えてるみたいに言って欲しくないかも! 後ご飯は今すぐ欲しい!」 「お前それやっぱ飢えてるんじゃ――待て! 上条さんの頭は決して食料では――――!!」 ※ただいまお見苦しい映像が流れています。今作で欠片も出番がない姫神さんをご覧になってお待ちください。 「その話ならマイカから聞いたんだよ」 執拗に噛み付いてくるインデックスを何とか引き剥がし、渋々とディケイドに関する話を伝えた。 指名手配されてるだけのこともあり、学園都市全体にその話は伝わっているようだ、インデックスは舞華から受け取ったらしきプリントを見せてくる。 「そっか、それなら話が早いや、上条さんはそいつを探すのに忙しいのでインデックスは部屋にいるように、以上」 「ところどころ話が繋がってないんだよ」 相変わらずジト目のインデックスに対して、上条は面倒くさそうに頭をかきながら口を開く。 「仕方ないだろ、こんな奴いつまでも野放しにするわけにはいかねーよ」 「とーまはどうしてそう一人で危ないことに首を突っ込もうとするの!? せめて私を連れて行ってほしいかも!」 「あのなぁ、これは学園都市に起きてる事件なんだ、魔術師が関係ないならお前が出てくる必要性はないだろ」 「だからってとうまが行く必要もないんだよ! それに魔術師が相手じゃなくたって、私の十万三千冊の魔道書が役に立つかもしれないもん!」 寮の前で言い合いになる、互いに危険な真似をさせたくないという同じ感情からの行動であるがために話は平行線のままだ。 このまま不毛な口論が続くかと思われたが、一人の男が間に割って入り中断される。 「すまない、少し話を聞かせてもらえないかな」 「え、あんたは……?」 「僕は海東大樹、覚えておいてくれたまえ」 些か高圧的な態度に少し眉を顰めるが、大声で言い争っていた自分が言えることではないと気づき肩を落とす。 続けて先ほどの話を聞かれていたのではないかと焦る、インデックスは本来魔術側の人間でありながら科学サイドの学園都市に住んでいるという特別な存在だ、学園都市のIDなど持ってはいないし、そのあたりのことを問われると様々な方向から面倒なことになってしまう。 「えーと、な、なにか……?」 「うん、そっちの子に聞きたいことがあってね」 「私?」 インデックスを指して言う海東に上条は焦りを強くする。 当のインデックス自身は何も理解していないようで首を傾げて一歩近づき、 「……いい反応だね」 「インデックスに何の用だ、てめぇ」 怒気の籠った視線で睨みつけると、インデックスに伸ばし上条に掴まれた手を戻しながら海東は小さく笑みを浮かべる。 「そんなに睨まないでくれたまえ、危害を加える気はない」 「何の用だ、って聞いてるんだ」 「僕の望みはただ一つ、その子の持っているお宝を頂戴したいだけさ」 「――っ!」 その言葉を聞き、上条はインデックスを庇うように前に立つ。 海東はその笑みを崩さぬままディエンドライバーを取り出し上条へと向けた。 突きつけられた銃口にも、上条は怯まず睨みつける。 「邪魔をしないでほしいな、誰かを怪我させると士がうるさそうだ」 「ふざけんな!」 「交渉決裂か……なら、力づくで頂こう、変身!」 『KAMEN RIDE DIEND!』 「とうま!」 「インデックス、下がってろ!」 ディエンドへと変身した海東を見て上条は拳を握る。 相手がどういった力を持つのかわからないが、上条に勝算は充分にあった。 今の「変身」は間違いなく異能の力、ならば彼の右手に宿る、全ての異能の力を打ち消す幻想殺し【イマジンブレイカー】であの鎧を破壊することができるはずだ。 海東が次の行動に移る前に踏み込み、その右手を構え――軽く左手で払われる。 「がっ!?」 「君はさっきの女の子達みたいに変な力を使わないんだね、それじゃあ僕には勝てないよ」 (こいつ、速い……!) 視界が揺れる、軽く叩かれただけだというのに体の芯までダメージが届いていた。 イマジンブレイカーは右手で触れなければ効果はない、純粋な身体能力で負けていてはいいように打たれるだけだ。 それでも上条は立ち上がる、圧倒的な力の差、上条当麻にとって「そんなもの」は退く理由にならない。 ◇ 土御門元春は一人の青年と対峙していた。 すでに舞華は先に帰らせてある、多少不信感を持たれたかもしれないがそれでもこれから行われることに巻き込むわけにはいかない。 サングラスの下の視線を鋭くさせ、土御門は対峙している青年、ユウスケへと口を開く。 「それで、この手配犯について聞きたいんだったか」 「ああ、何でもいいから知ってることを聞かせてくれないか?」 ユウスケが自分のバイク、トライチェイサーから降りてくるのを見て、土御門は人懐っこい笑みを浮かべる。 「いいぜよ、俺の知ってることなら何でも教えるにゃー……でもその前に一つ聞かせてくれないか」 「え、何だ?」 「お前、どうやってこの街に入った?」 「どうって……ふ、普通にバイクで――!?」 他人に言っても到底信じてもらえない方法で来たユウスケは咄嗟に嘘をつくが、その瞬間土御門は深く踏み込んでくる。 突然の行動に思わず身を引こうとするが、それよりも早く土御門は更にもう一歩、足を強く前に出す。 「が……あ!?」 土御門の着地点は地面ではなく、足。 ユウスケの神経が集中している足の親指を踏み潰すという、格闘技では反則技とされている行為によって激痛が走る。 思わず後ろへ下がろうとするがその足は縫い止められている、動きが止まり、思わず視線を落とした直後死角から土御門の追撃が決まる。 揺れる視界の中、自分のこめかみへと拳が放たれるのをかろうじて確認する、咄嗟にガードするが衝撃は来ない、この距離で外したのかと不思議に思った瞬間、 「―――っ」 ユウスケがその場に崩れ落ちる。 ブレインシェイカー、後頭部に強い衝撃を与えバランス感覚を完全に「壊す」技。 先ほどの踏み潰しと同じように各種格闘技で反則技とされている行為である、後頭部への攻撃はどれだけ体を鍛えようと防げず、脳障害を引き起こしやすい。 土御門の戦い方はまともな勝負では絶対に許されない反則攻撃のオンパレードだ、だが彼はその事に抵抗感は感じない、大切なものを守れるのならば「汚い」だの「卑怯」なんていう罵りはいくらでも受けてやる。 「さて、もう一度質問だ……お前、どうやってこの街に入った?」 サングラス越しでもその視線の冷たさを感じる。 すぐに体勢を整えなければと考えるが、先ほどの攻撃の影響で体はいうことを聞いてくれない。 (くそ……もう俺が士の仲間だって広まってるのか!?) この世界で最初に出会った二人の少女は自分に対しては無警戒だった、だからまだ大丈夫だろうと考えていたが甘かったようだ。 「答えろ、喋る程度の事はできるはずだ」 土御門の声に思わず背筋が凍りそうになる。 相手を殺すことに恐怖を抱いていた少女とは違い、この殺気は本物だ、この青年は必要ならば迷わず自分を殺す。 「ま、待ってくれ……俺達は、士は世界の破壊者なんかじゃ……」 「聞いたことだけ喋れ」 頭のすぐ横を強く踏み砕く。 思わず言葉を失うユウスケを、土御門は一切の感情を排除した魔術師としての表情で見降ろしていた。 ◇ 「いい加減諦めてほしいな」 「と、とうま……」 声に疲労の色を混ぜながら海東が呟く。 あれから一方的な蹂躙が続いていた。 インデックスに海東が近づこうとすると上条が立ち塞がり一撃で倒される、この繰り返し。 海東が上条を殺してでもお宝を手に入れようという考えを持っていたらとっくに決着はついていただろう、それほどまでにディエンドの力は上条を上回っていた。 だというのに、 「うる、せぇ……!」 上条は立ち塞がるのを止めない。 必死に振り回す右手がかすりもしなくとも、一度倒されるたびに致命傷には遠くとも無視していいレベルではない傷が増えても、 その身を盾として、海東とインデックスを引き離そうと立ち上がる。 「……やれやれだ」 深く溜息を吐き、ディエンドライバーを振り上げる。 素手で殴られただけで吹き飛ばされていたのだ、これをまともに食らえば無事では済まない。 「とうま!」 インデックスが叫ぶが、上条は一歩も引かずに海東を睨みつける。 海東はその目を見て一瞬動きを止め、そのまま腕を、 「炎よ(Kenaz)―――」 突如聞こえた男の声に動きが止まる。 その声の聞こえた方向に視線を向け―― 「――――巨人に苦痛の贈り物を(purlsazNaupizGebo)!」 轟という爆発が生んだ摂氏3000度の炎の剣が海東を吹き飛ばした。 「ぐ……! 何だ!?」 「これは……」 「何をやってる上条当麻、そんなことでその子を守れるのか?」 「ステイル!?」 ステイルと呼ばれた男が懐からパラパラとカードのような物をばらまきながら歩いてくる。 その赤い髪が目を引き、続いて右目の下のバーコード状のタトゥーが見るものの気を引いている。 タバコを上下に燻らせながら吸っていたりと、とてもそうは見えないだろうがネセサリウスの神父である。 「なるほど、仲間が来るのを待っていたってわけだね」 上条にそんな考えはなかったのだが、それに気付くわけもなく海東は一人納得しディエンドライバーをステイルへと構えた。 「なら、君を倒せば大人しくお宝をくれるかな?」 「お宝?」 「……こいつ、魔道書を狙ってるんだ」 「へぇ……」 その言葉を聞いてステイルの目が鋭くなる。 ステイル=マグヌスが戦う理由は一つだ、ある少女を守るため。 その少女を傷つける者がいるなら、例えそれがどんな相手であろうとも焼き殺す。 「なら……遠慮は、しない!」 彼が魔術を使うのに欠かせないルーンの印が刻まれたカードを一帯にばらまき、二本の炎剣を手に海東へと駆け出す。 正面から突撃してくるステイルに対し、海東は冷静に照準を合わせて銃弾を放つ、その狙いは違わずステイルの肩口へと向かい――すり抜けた。 「なに!?」 「灰は灰に(AshToAsh) 塵は塵に(DustToDust) 吸血殺しの紅十字(SqueamishBloody Rood)!」 驚愕する海東へと両手に持った炎剣を叩きつけ爆発させる。 ステイルは炎の属性に特化した魔術師だ、故に熱や温度の変化による現象に関してはお手の物。 彼の『蜃気楼』によって視覚を狂わされた海東はまともにステイルの姿を捕えることができず、防戦に回る。 「ふん、この程度か」 「勘違いしないでくれたまえ、僕はまだ全然本気を出していないよ?」 いつの間にか海東の左手に一枚のカードが存在していた。 ステイルが表情を険しくして炎剣を振るうが、それを軽く回避しながらディエンドライバーへセットする。 「実態が見えないなら、こういうのはどうかな」 『ATTACK RIDE BLAST!』 電子音と共に放たれた銃弾は不自然な軌道を描きながら周囲一面へと降り注ぐ。 これでは視覚を誤魔化したところで関係はない、舌打ちをしながらステイルが下がり、その隙に更にカードを取り出す。 「頼んだよ、兵隊さん」 『KAMEN RIDE RIOTROOPER!』 ディエンドライバーから三人の新たな仮面ライダーが出現する。 全員が同じ姿のこのライダーの名前はライオトルーパー、簡易型の量産仮面ライダーだ。 「召喚魔術か!」 「違う、この人の使う力はどれも魔術じゃない!」 「けど、科学の力でこんなこと……!?」 ディエンドの力の正体が掴めず困惑する三人へと、ライオトルーパーと海東が襲いかかる。 ◇ 「俺が、俺達がこの街に来た方法は」 土御門に見降ろされたままユウスケは口を開く。 「……来た方法は?」 話すのを躊躇うユウスケを急かすように足を踏み鳴らす。 下手に時間を稼ごうとすれば手足を折るぐらいはやりかねない、ユウスケは慌てて言葉を続ける。 だが、それは土御門に屈したわけではない。 「俺達は、士は破壊者なんかじゃない!」 「っ!?」 叫ぶと同時に足首を掴み引き倒そうとする。 ブレインシェイカーの影響で動けるはずがないと考えていた土御門は対応しきれず、倒れこそしないものの大きく体勢を崩してしまう。 その隙にユウスケは距離をとり、自らの力を引き出す"スイッチ"となる動作を始める。 自身の腰元に現れたベルトに左の拳を添え、右手を前方に突き出し水平に動かしてからベルトの左拳へと右拳を移し、叫ぶ。 「変身!」 次の瞬間、ユウスケの体をクウガの力が包み込む。 黒いスーツに赤い装甲、赤い瞳、金色の角と装飾で彩られた、人類の敵グロンギと戦うためのリントの戦士、仮面ライダークウガ。 土御門の予測より遥かに早くブレインシェイカーのダメージから回復したのも、クウガのベルトに埋め込まれた霊石アマダムの力だ。 「頼む、話を聞いてくれ!」 「……」 ユウスケの言葉には答えず、土御門は静かに拳を構える。 話し合うことはできそうにない様子に悔しげに拳を握り、自身も構えを取る。 「どうしても戦うっていうなら、相手になってやる!」 姿を変えたユウスケを警戒するように慎重に間合いを取る土御門へ、一気に駆け出し間合いを詰める。 先程は為す術なくやられてしまったが、この相手は電撃などの能力ではなく打撃がメインらしい、それならばクウガの力で防ぎきれるはずだ。 クウガの速度にわずかに焦りの感情を滲ませながら土御門も前に出て、繰り出された拳に肘を合わせる。 拳破壊を狙ったその行動は完全に裏目に出た、クウガの力によって強化されたユウスケの拳は逆に土御門の肘を打ち砕く。 「がっ……!」 「あ!?」 呻きながら飛び退く土御門にユウスケは慌てて攻撃を中断する。 生身の人間を攻撃するにはクウガの力は強すぎる、怪人でもない人に余計な怪我を負わせたくないが、今のように攻撃的な受け方をされてはこちらが意図しないダメージまで与えてしまう。 せめて今の一撃で戦意を失ってくれればよかったのだが、砕かれた肘を抑えながらも土御門は逃走する気配を見せない。 「もう止めるんだ! どうしてそこまでして戦う!」 「……」 無言のまま土御門は黒い折り紙を取り出す。 瞬間、周囲一帯の空気が冷たく変わりユウスケの本能が危険を告げる。 「黒キ色ハ水ノ象徴(さあおきろクソッたれども)――」 「くっ!?」 土御門の口から紡がれる言葉の意味は理解できない、だがそれが放って置いてよいものではないことだけははっきりと伝わってくる。 「超変身!」 開いた間合いを駆けながら叫び、クウガの更なる力を引き出すスイッチを入れる。 一瞬にしてクウガの装甲と瞳が青く変わり、その手に同じ色の棒状の武器、ドラゴンロッドが生み出される。 青のクウガ・ドラゴンフォーム。 先程までの赤のクウガ・マイティフォームと比べると力で劣るが、その分機動性に優れる形態だ。 その速度を持って一気に間合いを詰め、折り紙を持った腕へとドラゴンロッドを振り―― ごぽり、と。 土御門の口から赤い液体が溢れる。 「え――?」 「其ノ暴力ヲ以テ道ヲ開ケ(ぜんぶこわしてゲラゲラわらうぞ)!!」 次の瞬間、何もない空間から直径一メートルほどの水の球体が生まれ、勢い良くユウスケの体に突き刺さった。 ◇ 「このおおおおおお!」 上条の放った右拳がライオトルーパーの顔面に突き刺さり、同時にその存在がイマジンブレイカーの力によってかき消される。 その横でステイルが残る二人のライオトルーパーを炎剣で焼殺し、そこで体力が尽きたか二人ともその場に膝をついてしまう。 「思ったよりも頑張ったけど……チェックメイト、かな?」 海東が僅かばかり感心したような声をあげながらディエンドライバーを構えるが、上条とステイルは睨み返すことしかできない。 そのまま引き金にかけられた指に力が込められ――動きが止まる。 「これ以上、二人を傷つけないで!」 「イン、デックス……!?」 「……!」 上条達の前に立ち、睨みつけてくるインデックスに海東は「ふむ」と肩を竦めて構えを解く。 「何度か言ったけど、僕はお宝さえ貰えればそれでいいんだけどな」 「……魔道書は危険な物なんだよ、並の人じゃ読んだだけで心が壊れてしまう」 「それは凄いね、ますます手に入れたくなったよ」 警告にも耳を貸す様子のない海東にインデックスは目を伏せる。 二人を守るには自分が行くしかないだろう、魔道書を悪用させるわけにはいかないが、このままでは上条達が死んでしまう。 相手に殺す気はなさそうだが、それでも大切な者を守るためには絶対に退かないのが上条当麻という男だ。 「……わかった、あなたについてくよ、だからとうま達に手を出さないで」 「うん、賢明な判断だ」 満足そうに頷かれ、それでも少し躊躇しながら足を進める。 最後に一度、上条の方を振り返り、 「え?」 「おおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」 先程まで動くことすらままならかったはずの男が、叫びながら駆け出していた。 これが上条当麻という男、他人のためなら、例え神が相手だろうと限界を超えて立ち向かう。 一瞬でインデックス側を駆け抜け、そのまま海東へと右手を振りかぶり、 「諦めたまえ」 たった一発の銃弾で打ち倒される。 「とうま!」 「死んではいないさ、さあ、お宝を――」 「まだ……だ……!」 「――なに?」 倒れ伏したままで、それでも拳を握り上条は声を上げる。 その言い得ぬ気迫に海東は僅かにたじろぎ、上条の更に背後から感じる殺気に視線を移す。 「そうだろ……」 「世界を構築する五大元素の一つ、偉大なる始まりの炎よ(MTWOTFFTOIIGOIIOF) それは生命を育む恵みの光にして、邪悪を罰する裁きの光なり(IIBOLAIIAOE) それは穏やかな幸福を満たすと同時、冷たき闇を滅する凍える不幸なり(IIMHAIIBOD) 」 「なあ、ステイル!」 「その名は炎、その役は剣(IINFIIMS) 顕現せよ、我が身を喰らいて力と為せ(ICRMMBGP)!」 詠唱と共にステイルの修道服の胸元が大きく膨らむ。 轟! という炎が酸素を吸い込む音と同時に、服の内側から巨大な炎の塊が飛び出した。 それはただの炎などではない。 真紅に燃え盛る炎の中で、重油のような黒くドロドロとしたものが芯をなして人の形を成している。 これこそがステイル=マグヌスの切り札、『必ず殺す』という名の下生み出された炎の巨神。 「やれ、"魔女狩りの王"【イノケンティウス】」 炎の巨神が海東へとその腕を振り下ろす。 慌てて逃げ出すインデックスが目に入るが、流石にこの状況でそちらにかまけているわけにはいかない。 『ATTACK RIDE BARRIER』 素早く取り出したカードによって目の前に青い盾を生み出しイノケンティウスの攻撃を防ぐ。 すぐさま間合いを取ってディエンドライバーによる銃撃を加えるが、一瞬はじけ飛ぶもののすぐに元に戻ってしまう。 「再生能力か、確かにやっかいだけど……」 あくまでも余裕を崩さぬまま、切り札となるカードを差し込みディエンドライバーを構える。 『FAINAL ATTACK RIDE DIDIDIDIEND!』 ディエンドライバーの先に無数のライダーが描かれたカードによる円が現れる。 その先にイノケンティウスを捕らえ、海東は引き金を引く。 「イノケンティウス!」 ステイルの指示を受け、放たれた光弾を叩き潰すように炎の巨神が迎撃しようとする。 「無駄だよ」 海東の言葉通り僅かな拮抗の後イノケンティウスは弾き飛ばされてしまう、ただの銃撃でもダメージを負う以上、それを遥かに上回る攻撃を防げる道理はない。 それでも弾かれる先から再生してはいるのだが、ディエンドの攻撃を防ぎ切るにはいたらない、エネルギーの本流はステイルへと目がけて突き進んでいく。 イノケンティウスの制御に集中しているステイルにそれをかわす術はなく―― 「上条当麻!」 「おお!!」 もはや何度目になるのか、またも立ち上がった上条がその右手で光弾を抑え――消滅させた。 「……まさか、ここまでとはね」 ライオトルーパーを消し去った時から、否、執拗に右手での攻撃を繰り返していた時から上条の右手には何らかの力があると考えてはいたが、まさかこちらの切り札さえも一発で消されるとは思っていなかった。 どうするべきか思考する間もなく、イノケンティウスが再度海東へと迫りその腕を振るおうとする。 「仕方ない、今日はこの辺りで退散しよう」 『ATTACK RIDE INVISIBLE!』 電子音が流れると共に海東の姿が消え去り、イノケンティウスの腕が空を切る。 姿を消して攻撃してくるのかと三人は周囲を警戒するが、いつまで経っても何も起こらないことに、本当に撤退したのだとようやく息を吐いた。 「くそ、何だったんだよ、あいつ……!」 「まったく、この街に来ると碌な事がないね」 「ふ、二人とも早く怪我の手当をしないと!」 慌てるインデックスをよそに、上条とステイルは海東の事を思い浮かべる。 魔術でも科学でもない力、それを自在に操り世界を混乱に招こうとしている者。 奴を放っておくのは危険だ、あれだけの力、世界を破壊するとは些か大げさとも思えるが、それでも力の無い者の平穏を脅かすには充分すぎる。 ……だが、二人にとってはそんなことどうでもいい。 彼らにとって重要なのはただ一つ、目の前のこの少女を巻き込んだという、それだけのことが何にも勝る戦う理由となるのだ。 ◇ 「ぐ、あ……!」 ユウスケは地を這いながら呻き、何とか立ち上がろうとするがすぐさま崩れ落ちてしまう。 次の瞬間青い装甲が白くなり、どこか先程と比べると弱々しい印象へと変化する。 白のクウガ・グローイングフォーム。 言わば不完全なクウガの力、ユウスケのダメージが大きくなりクウガの力を扱いきれなくなった時に変化する緊急時の形態だ。 (しまった……紫のクウガだったら、ここまでのダメージは……!) 何とか体勢だけでも立てなおそうと必死にもがきながら先程のミスを悔やむ。 完全にカウンターとして決まってしまいドラゴンフォームの機動力が仇となった、いっそのこと妨害など考えず防御力に富んだ紫のクウガ・タイタンフォームによる防御を選択すべきだったろう。 (けど、さっきの血は……?) こちらの攻撃が当たる寸前、土御門の口から血が流れ出ていたことを思い出す。 自分の攻撃は一発肘を砕いたのみだ、吐血するような怪我ではないはず。 傍にあったトライチェイサーに掴まって何とか立ち上がり、土御門へと視線を向けると先程と変わらぬ様子で悠然と立っていた。 「今のは効いたんじゃないか? 大人しくしてくれるとこっちとしても助かるんだがな」 口元に血の跡はない、拭い去ったのだろうか。 しかしこの状況はまずい、相手はまだ戦えるようだが、こちらはダメージが大きすぎる。 白のクウガでも常人よりは強い力を持つが、この相手と戦うには心もとないと言わざるを得ない。 一方で土御門も動きが取れないでいた。 学園都市の能力者は魔術を扱うことができない、それは能力開発のために無理矢理変化させられた脳の回路で魔術を使おうとすると強い過負荷がかかり、肉体へのダメージとなって現れるからだ。 土御門元春は元々魔術師としての実力者であったが、ある事情から学園都市へと潜り込み能力開発のカリキュラムを受けることとなった。 その際今まで使ってきた魔術を使おうとすると体の内側を破壊してしまうことになる、つい先ほどのユウスケへの攻撃のように。 能力開発によって得たレベル0の力、肉体再生【オートリバース】によってある程度はそのダメージに耐えられはするが所詮レベル0、すぐにダメージが回復するなんてことはなく、精々が薄い膜を作って破れた血管を覆う程度のものである。 つまりは両者共、相手を追い詰めておきながら手詰まりの状態なのだ。 どうするかただ相手の出方を待ち……先に変化が起きたのは土御門の方だった。 「……仲間か」 苦々しい口調で吐き捨てる。 その言葉にユウスケが隣を見ると、いつの間に現れたのかディエンドの姿をした海東が立っていた。 「助けに来てくれたのか!?」 「うん? まあ、そういうことになるのかな、僕らは仲間、だからね」 上条達から逃げてる途中で偶然この場面に遭遇しただけなのだが、そこは黙っておく。 「だけどこれ以上騒ぎを大きくすると流石に危険だね、ここは一回退却しよう」 「……わかった」 さり気なく自分の戦闘による影響もユウスケに押し付け、トライチェイサーを動かす準備を取らせる。 そうはさせじと土御門が無理に動こうとするが、足元に銃弾を撃ち込まれ接近ができない。 「それじゃ、さよならだ」 『ATTACK RIDE INVISIBLE!』 海東は再度撤退用のカードを発動させ、ユウスケもトライチェイサーを発進してその場から去る。 土御門はしばらく辺りを警戒し――その場に倒れ伏した。 (あーくそ、流石にシンドイぜよ…… 人払いの魔術の気配があったけど、カミやんの方は大丈夫かにゃー? 左手は……動きそうにないな、とにかく内蔵に集中するか……) 朦朧とする意識の中、冷静に状況を確認していく。 そして考えるのは先程戦った青年のこと。 (破壊者じゃない、か。 流石にそのまんま本人の言葉を信じるほど土御門さんはお人好しじゃないけどにゃー。 でも、少しばかり……調べて、みる価値………は、あり……そう、だ、ぜよ……) 第二話 END NEXT STORY「混ざりゆく世界」
https://w.atwiki.jp/animeyoutube/pages/568.html
【 YouTubeアニメ無料動画@Wiki >とある魔術の禁書目録>とある魔術の禁書目録 第22話「石像(ゴーレム)」】 とある魔術の禁書目録 第22話「石像(ゴーレム)」 YouTube , ニコニコ動画 ,veoh,MEGAで 無料 で見れるとある魔術の禁書目録 第22話「石像(ゴーレム)」の アニメ 動画 を紹介。 更新状況 更新履歴を必要最低限にわかりやすくまとめたものです。 【広告】あの部長のドメインが、ワタシのより可愛いなんて・・・・。 【最新】ぬらりひょんの孫:アニメ動画3本追加しました!(9/23) 【今更】刀語:アニメ最新話追加しました!(9/23) 【最新】けいおん!!:アニメ動画3本追加しました!(9/23) 【最新】屍鬼:アニメ動画2本追加しました!(9/23) 【最新】ストライクウィッチーズ2:アニメ動画3本追加しました!(9/23) 【ソノ他】動画ページ上部に「お知らせ」を追加しました!(9/23) 【過去】とらドラ!:アニメ動画10本追加しました!(9/5) 【最新】生徒会役員共:アニメ最新話追加しました!(9/5) 【最新】屍鬼:アニメ最新話追加しました!(9/5) 【最新】黒執事II:アニメ最新話追加しました!(9/5) 【最新】伝説の勇者の伝説:アニメ最新話追加しました!(9/5) 【最新】オオカミさんと七人の仲間たち:アニメ最新話追加しました!(9/5) 【最新】ストライクウィッチーズ2:アニメ最新話追加しました!(9/5) 【最新】けいおん!!:アニメ最新話追加しました!(9/3) 【最新】ぬらりひょんの孫:アニメ最新話追加しました!(9/3) 【最新】世紀末オカルト学院:アニメ最新話追加しました!(9/3) 【最新】学園黙示録:アニメ最新話追加しました!(9/2) 【最新】みつどもえ:アニメ最新話追加しました!(8/30) 【最新】生徒会役員共:アニメ最新話追加しました!(8/30) 【最新】屍鬼:アニメ最新話追加しました!(8/28) 【最新】黒執事II:アニメ最新話追加しました!(8/28) 【最新】伝説の勇者の伝説:アニメ最新話追加しました!(8/28) 【最新】オオカミさんと七人の仲間たち:アニメ最新話追加しました!(8/28) 【最新】ストライクウィッチーズ2:アニメ最新話追加しました!(8/26) 【最新】けいおん!!:アニメ最新話追加しました!(8/25) 【最新】殿といっしょ:アニメ動画3本追加しました!(8/25) 【最新】ぬらりひょんの孫:アニメ最新話追加しました!(8/25) 【最新】世紀末オカルト学院:アニメ最新話追加しました!(8/25) 【最新】学園黙示録:アニメ最新話追加しました!(8/25) 【最新】生徒会役員共:アニメ最新話追加しました!(8/25) 【最新】みつどもえ:アニメ最新話追加しました!(8/25) 【最新】屍鬼:アニメ最新話追加しました!(8/21) 【最新】黒執事II:アニメ最新話追加しました!(8/21) 【最新】伝説の勇者の伝説:アニメ最新話追加しました!(8/21) 【最新】オオカミさんと七人の仲間たち:アニメ最新話追加しました!(8/21) 【最新】ストライクウィッチーズ2:アニメ最新話追加しました!(8/21) 【最新】けいおん!!:アニメ最新話追加しました!(8/18) 【最新】ぬらりひょんの孫:アニメ最新話追加しました!(8/18) 【最新】世紀末オカルト学院:アニメ最新話追加しました!(8/18) 【最新】学園黙示録:アニメ最新話追加しました!(8/18) 【修正】デュラララ!!:第7話を視聴可能な動画に更新しました!(8/16) 【今更】刀語:アニメ最新話追加しました!(8/16) 【最新】生徒会役員共:アニメ最新話追加しました!(8/15) 【最新】みつどもえ:アニメ最新話追加しました!(8/14) 【過去】とらドラ!:アニメ動画5本追加しました!(8/14) 【最新】屍鬼:アニメ最新話追加しました!(8/14) 【最新】黒執事II:アニメ最新話追加しました!(8/14) 【最新】伝説の勇者の伝説:アニメ最新話追加しました!(8/14) 【最新】オオカミさんと七人の仲間たち:アニメ最新話追加しました!(8/14) 【最新】ストライクウィッチーズ2:アニメ最新話追加しました!(8/12) 【ソノ他】70万ヒット達成!ありがとうございますヽ(´∀`)ノ(8/11) 【最新】けいおん!!:アニメ最新話追加しました!(8/11) 【過去】とらドラ!:アニメ動画10本追加しました!(8/11) 【最新】ぬらりひょんの孫:アニメ最新話追加しました!(8/10) 【最新】世紀末オカルト学院:アニメ最新話追加しました!(8/10) 【最新】学園黙示録:アニメ最新話追加しました!(8/10) 【関連】殿といっしょ:MAD動画等7本追加しました!(8/10) 【最新】殿といっしょ:アニメ動画2本追加しました!(8/10) 【過去】こばと。:アニメ動画全話追加し終えました!(8/9) 【最新】生徒会役員共:アニメ最新話追加しました!(8/8) 【最新】みつどもえ:アニメ最新話追加しました!(8/8) 【最新】屍鬼:アニメ最新話追加しました!(8/7) 【最新】黒執事II:アニメ最新話追加しました!(8/7) 【最新】伝説の勇者の伝説:アニメ最新話追加しました!(8/7) 【最新】オオカミさんと七人の仲間たち:アニメ最新話追加しました!(8/7) 【最新】ストライクウィッチーズ2:アニメ最新話追加しました!(8/7) 【最新】けいおん!!:アニメ最新話追加しました!(8/6) 【最新】ぬらりひょんの孫:アニメ最新話追加しました!(8/3) 【最新】世紀末オカルト学院:アニメ最新話追加しました!(8/3) 【最新】学園黙示録:アニメ最新話追加しました!(8/3) お知らせ↓追加しました!(9/23) 最近、更新が停滞していて本当にごめんなさい。管理人の都合で、またしばらくサイトの更新ができなくなります。えっと、都合というのはちょっとした国家試験なんです。もっと早く勉強を始めていれば・・・と後悔が募るばかりですが、この度、生まれて初めて(!)本気を出そうと思います。もうすでに遅いような気もしますが、ネットするのを我慢して、自分なりに頑張ってみようと思ってます。たまに更新することもあるかもしれませんが、その時は勉強サボってるなあと思ってください(^^;) 更新は10月下旬頃に再開する予定です。怠け者でダメ人間な管理人ですが、これからも生温かい目で見守ってくれるとうれしいです(*´□`*)♪ ※実はこっそり隠れてツイッターもやっています。あまり見られたくないですが、もし見つけたらリプくれると喜びます! 当サイトについて 動画は最近放送されたアニメを中心に( ´∀`)マターリ紹介しています。管理人の気まぐれや人気記事ランキング、リクエストなどを参照して過去のアニメも更新してます。最近はニコ動などのMAD動画やYouTubeなどにあるOP&EDもバリバリ更新!事前に動画共有サイトから埋め込みタグを取得しているので、他サイトに移動する必要はありません。再生マークをポチっとするだけでOK.゚(*´∀`)b゚+.゚ veoh アニメ動画専用。再生マークを一回押したら見れます。削除されている場合も結構あります。30分以上だと5分間しか見れませんが、ほとんどのアニメは30分以内なので全部見れます。→ Ranking MEGA アニメ動画専用。再生マーク赤をポチっとしたら、広告といっしょにもう一度表示されるので、再生マーク緑をクリックすると再生できます。あまり削除されません。72分間連続視聴すると動画が見れなくなりますので、その場合は54分空けてから見て下さい。また通常は1日に10本までしか見れません。→ Ranking YouTube アニメ動画やMAD動画など。再生マークを一回押したら見れます。アニメ動画の場合は削除されることが多々あります。MAD動画の場合はなるべくコメント付きのニコニコ動画で見ることをお勧めします。YouTubeだけで紹介(そんな時期がありました…)しているアニメ動画のページは、かなり削除済み多数です(*_ _)人ゴメンナサイ。全部はとても対応できそうにないので、どうしても見たい動画は【リクエスト】してください。→ Ranking ニコニコ動画 MAD動画など。再生マークを一回押したら見れます。削除されている場合もたまにあります。通常は登録しないと見れませんが、埋め込みなのでログイン不要です。コメントに慣れてない人は右下の吹き出しマークをクリックして非表示にしてみてください。広告は×を押して消して下さい。→ Ranking コメントについて↓一部更新しました!(9/23) いつもたくさんのコメントありがとうございます!遅くなる事もありますが、すべて読ませてもらってます♪ 少し注意事項です。動画ページには各ページ中部に感想を書くためのコメント欄がありますが、最近そのコメント欄に「動画が見れない」などのコメントが目立ちます。そのような視聴不可報告は【リクエスト・視聴不可・不具合報告】にコメントしてください。それ以外のページの視聴不可報告は見落としてしまって対応できないことがあります。ご協力よろしくお願いします。 上の注意事項は一部の方です。みんなの感想や応援のコメントには本当に感謝しています!励まされます!アリガトウ(●´∀`●)ノ 見れない時は… veohとMEGAの両方とも削除済みで見れない時は【視聴不可報告】にコメントして頂けると助かります。 動画の視聴に便利なサイト ■GOM PLAYER:MP4やFLV動画の再生ソフトです。DVD,AVIなどの再生にも対応しています。 ■GOM ENCODER :対応ファイル形式が豊富なカンタン高速動画変換ソフトです。PSP/iPod/iPhone/WALKMANなどに対応。 ■バンディカム:CPUの占有率が低く、キャプチャー中でもゲームがカクカクしません。無料動画キャプチャーソフトの新定番です。 動画を見る前or後に押してくれるとうれしいですd(≧▽≦*d) 【お気に入りに追加する】【 bookmark_hatena】 MEGA このページのタグ YouTube アニメ 無料 動画とある魔術の禁書目録 コメント(感想) 動画とある魔術の禁書目録 第22話「石像(ゴーレム)」に関するコメントを気軽に書いてください♪ 名前 クリック単価、広告の種類、管理画面の使いやすさなど総合的に判断しても1番オススメです(●`・v・) 今日の人気ページランキング にゃんこい! 第4話「美しい人」 おまもりひまり 第2話「海ねこスクランブル」 クレヨンしんちゃん シロをレンタルするゾ 昨日の人気ページランキング 荒川アンダーザブリッジ OP「ヴィーナスとジーザス」Full らき☆すた 第14話「ひとつ屋根の下」 【マイムマイム】マサオミマイム【紀田正臣】 君に届け 第13話「恋」 屍鬼 コメント/ひだまりスケッチ×365 第11話「9月28日 パンツの怪」 デュラララ!!ラジオ 略して デュララジ!! 第1回 デュラララ!! 公式パーフェクトガイド けいおん!の歌のシーンを集めてみた
https://w.atwiki.jp/kinsho_second/pages/2657.html
(無題) Case 01 赤髪の神父「インデックスとの同居を解消する」「そうか、ついに決断したのか」「もう曖昧で済ませる気なんてないさ。前に進むって決めたんだ」学園都市のとある教会で、ツンツン頭の少年、上条当麻が自らの決意を赤毛の神父に打ち明けていた。神父のインデックスへの想いの深さは周知であったので、上条は半殺しにされる位は覚悟していたのだが「例の後輩の為……なんだろう?」「あ、ああ」「だったら仕方ない。あの子の身の振り方は、僕の方で責任を持つから心配いらないよ」予想に反して神父の反応は穏やかなものだった。これは上条も予測できなかった展開だ。その事に対する疑問が顔に出ていたのか、赤い神父は「見くびられたものだね。みっともなく取り乱して、キミに暴力を振るうとでも思っていたのかい?」と、タバコをふかしながら上条に飄々と問いかける。「当たり前だろ! お前やインデックスの信頼を裏切るって、そう言ったんだぞ! なのに何で……」禁書目録との別離を、この神父に報告する事は上条にとって罪の告白に他ならない。要はケジメを付けにきたのに、肩透かしを食らったのだ。神父の心情を理解できない上条は大声でまくし立てるが、神父は穏やかに、そして諭すように語りだす。「キミは誰も裏切っていないさ。本当に大切な、たった一人の女性を守るために筋を通したにすぎない。それはとても立派な事だと思うよ。というか外野なんて気にする暇があるなら、早く意中の後輩をモノにしたらどうだい」口下手な神父の言葉に後押しされ、上条は教会をあとにする。大切な人に別れを告げる為、大切な女性に想いを告げる為に。それを見送った神父は思う。「悪の親玉を倒して、ヒーローとヒロインは末永く幸せに暮らしました……なんて、現実にあるはずもない。圧倒的なアドバンテージに胡坐をかいてるから盗られてしまうんだ。あの子には可哀想だが、現実は厳しいね」かつて恋焦がれた女性を思うと、胸がチクリと痛む。だがそれだけだ。「信じるだけでは、想うだけでは、どうしようもないこともある。……経験者にしか理解できないかな?さてと、小萌が帰って来る前に夕飯の準備を始めないと」そう呟くと神父はタバコの火を消し、キッチンへ向かった。 Case 02 上条の後輩平凡な学生寮の一室、そのキッチンで少女が日課の弁当作りに励んでいる。鼻歌まじりに料理する少女は少々浮き足立っているが、慣れた手つきで次々と料理を完成させていく。栄養バランスを考慮している事が一目で分かる、色とりどりのおかずを弁当箱に敷き詰めていき「これで……良し! 今日も美味しいって言わせるんだから、覚悟しなさいよー♪」弁当を完成させた少女は勢いよく部屋から飛び出し、いつもの公園へ――上条との待ち合わせ場所へと駆けて行った。約束の十分前だが上条は既に到着しており、ベンチに座ってぼんやりしている。その姿を認めると少女は子犬のように駆け寄り、上条に話しかけた。「ごめーん、待った?」「いや、上条さんも今来たとこですよ」「そっか。それじゃあ行きましょ」少女は上条の手を引きながら、通学路を歩き出す。「ちょっ、まだ急ぐような時間じゃねーぞ」「何言ってんの? 先輩は受験生でしょーが。ホームルームの時間まで、昨日の続きをやるわよ!」「センセーはスパルタだなぁ。けど……いつも、サンキューな」「ど、どうしたの突然? 私がしたくてしてる事だから、お礼なんていらないのに……」上条の普段と違う態度に、少女はドギマギしてしまう。そんな少女の動揺など知らぬとばかりに、上条は言葉を続ける。「今日の放課後、時間あるか? 大切な話があるんだ」「う、うん」「そんな風に構えるなよ。ずっとお前が欲しがってた言葉を贈るだけだから」「え……? それって」「これ以上はまだ内緒! 放課後、楽しみにしてろよなっ!!」そう言い残して、上条は一目散に学校へ駆けて行った。呆然と佇む少女を置き去りにして……。 上条より二つ年下の少女は混乱の極みにあった。原因は言わずもがな、今朝の上条の言動だ。そのせいで授業の内容が全く頭に入ってこない。(私の欲しがってる言葉って、その……やっぱアレよね。いやいやいや、早とちりは良くないわ。だってアイツ……上条先輩には、あの子がいるし……。それに先輩が幸せなのが一番だって、やっと思えるようになったんだし……でも、報われたいなぁ)何を隠そう、この少女は一度上条に告白し振られている。彼女がまだ中学二年生の時の出来事だった。しかし、その程度で挫ける程 彼女の想いは弱くはなく、また彼女自身も諦めの悪い性格だったのだ。振られた後も果敢にアタックを繰り返し、同じ高校まで追いかけて来て、健気な後輩キャラのポジションを勝ち取り現在に至る。(今朝の先輩、なんだかいつもよりかっこ良かったな……。上手く言えないけど、大人びてたような……って、あぁーもうっ!落ち着け私! 先輩が酷い事する訳ないんだから、言われたとおり期待してればいいのよ!あ、そういえば弁当 渡しそびれたんだっけ。次の休み時間にでも届けに行こうかな)などと、愚にもつかぬ事を考えていた所に、「危ないじゃん!!」「ふぇ……?」バレーボールが飛来し、少女の顔面に突き刺さった。(そっかぁー、今、体育の授業中だっ……た)間抜けな感想を残して、少女は意識を手放した。 Case 03 上条当麻「えへへー、せーんぱぁい……むにゃ……」「ったく、心配させやがって」保健室のベッドで呑気に眠る後輩の頭を撫でながら、上条当麻は独りごちる。体育の黄泉川教諭に、後輩が保健室へ担ぎ込まれたと聞かされ飛んできたのだが、上条の心配を他所に安らかな寝顔を見せる少女。「どんな夢を見てるんだか」優しげな笑顔で後輩を見つめるのとは裏腹に、上条の心中は複雑だった。(インデックス……)かつての上条当麻が命懸けで救った少女。今の上条当麻の同居人だった少女。彼にとって禁書目録の少女は、一言で表せない複雑な存在だった。(泣かせちまったな。絶対に泣かせたくないハズだったのに……)何が起ころうと泣かせない。絶対に守りきってみせる。上条当麻のプライオリティ・ワン。その対象が、禁書目録から目の前の後輩に移ったのは何時からだろう?大切な人に順位なんてない、そう言えなくなったのは何時からだろう?(……らしくねーよ。俺が選んだ、俺の道じゃねーか)禁書目録を守る為に戦場を駆け抜けた日々は終わり、彼女を守り抜くという誓いはすでに果たされた。(インデックスの事で悩むのは止めよう。俺はもうインデックスを受け入れられないし筋違いだ)今この場で、上条当麻は禁書目録を完全に切り捨てた。大切な人を守るために。「ん、あれ……?」「気がついたか」「先輩?」「お前、体育の授業中にぶっ倒れて、保健室に担ぎ込まれたんだよ」目を覚ました後輩に状況説明する先輩。「うわー、かっこわるー」「優等生のお前らしくないな。あ、もしかして、上条さんの事が好きすぎて注意力散漫になったんですかぁ?」「うっ……」先輩に図星をつかれて狼狽する後輩。「分っかり易いなー。もっと精進しなさい、御坂後輩」「上条先輩が、あんなこと言うのが悪いんでしょーが!」「あんなことってなんだ?」「そ、それは……その、ううっ……いじわる」涙目の後輩に、意地悪く笑う先輩。「折角ふたりきりだし、もう言っちまうか」「え……?」「色々とケジメをつけるのに苦労したけど、やっと美琴の気持ちに応えられるんだ」「うそ……それって……」「俺、上条当麻は御坂美琴のことが――」こうして一途な少女の想いは報われ、不幸な少年はそのレッテルを返上した。 Case 04 禁書目録長く続いた科学と魔術の争いは、各勢力のトップが倒れたことで収束した。それに伴い、イギリス清教内の禁書目録悪用を企む者は一掃され、禁書目録が上条当麻と同居する大義名分も失われた。しかし禁書目録は現状維持を望んだ。上条当麻が好きだから。「同居を解消しよう」だから一瞬、上条が何を言ったのか理解できなかった。「冗談だよね? 私を騙そうなんて十年早いかも」茶化そうとしても、上条の真剣な眼差しが許さない。彼の瞳が本気だと雄弁に語っている。考えが纏まらず動揺する禁書目録とは対照的に、上条は不気味なほど冷静だ。「ど、どうして? 知らない内に、とうまを怒らせちゃった?」「好きな人がいるんだ」「……え」必死に現状を把握しようとする禁書目録に、上条が追い討ちをかける。「それでさ、告白しようと思うんだ。だからもう、インデックスと一緒には暮らせない」「す、好きな人って誰なの……?」「御坂美琴。一年以上前から、ずっと好きなんだ」そう語る上条の表情が、禁書目録の心を打ちのめす。(とうまのあんな優しい顔、知らないんだよ……。私は二年も前から、とうまと一緒なのに……)涙が溢れて何も見えない、何も考えられない。いつもなら真っ先に慰めてくれるハズの少年を、今は酷く遠くに感じる。いつから上条と禁書目録の心の距離に大きな齟齬が生まれていたのか。「わ、私だって、とうまの事が大好きなんだよ。だ、だから……」「ごめん。インデックスの気持ちには応えられないんだ」「それでもっ! とうまと一緒にいたいんだよぉ……」上条当麻は優しい。自分が泣きつけば絶対に折れてくれる。何処に行こうとも、最後には必ず自分のもとに帰ってきてくれる。それが禁書目録の心の支えであり、実際、今まではその通りだった。だが…… 「このまま同居を続けても誰の為にもならない。解ってくれよ」「ま、まだ告白してないんだよね。成功するか判らないし、短髪だって話せばきっと許してくれる「ダメだっ!!」……!?」無情にも、食い下がろうとした禁書目録を上条が一喝する。「いくらお前でも、それだけは許さねぇぞ」「……」有無を言わせぬ上条の迫力に、禁書目録はすくみ上がり沈黙した。上条は溜息を吐くと、自分に言い聞かせるように話し出す。「これ以上、御坂を悲しませる訳にはいかねえ。例えお前に恨まれてでも御坂を大切にしたいんだ」「そんな……とうまは私を嫌いになったの……?」「嫌いなる訳ないだろ。インデックスが困ってたら助けるし、大切な友達……いや、家族だと思ってる」大切な家族、それが答えだった。誰にでも訳隔てなく自然体で接するのが、上条当麻という人間だ。だが人間は日々成長し変化していく。上条とて例外ではない。「だけど、御坂より優先することはできない」「うん……」大好きな人にここまで言わせて、ようやく冷静さを取り戻した。どうしてこんな事になったんだろう? 禁書目録は自問するが答えなど解らない。 Last Case とある戦いの敗戦処理上条に別離を告げられた後、禁書目録は学園都市のとある教会にいた。目の前にいる赤髪の神父が彼女を本来いるべき場所、イギリスに送る手筈を整えているようだ。「酷い有様だね。そんなに上条当麻に捨てられたのがショックかい?」「違うもん! 捨てられたんじゃないもん!」神父の歯に衣着せぬ物言いに、禁書目録が激昂する。だが神父は飄々とした態度を崩さない。それが彼女を更に苛立たせる。「あなたに何がわかるの!?」「僕も経験豊富とはいえないけど、君よりは視野が広いつもりだ」本当に気に食わない。この神父の態度が、言動が、……悲しそうな瞳が。「君には誰からも愛される天性の素質があると思ってるんだが、今度ばかりはそれが災いしたかな」神父は語る。「それとも君を甘やかし続けた上条当麻が悪いのか。いや、僕や神裂も、或いは小萌もかな」禁書目録は耳を傾ける。否、傾けざるを得ない。「まあ、どんな理屈を重ねても結果は変わらない。君が負けて御坂美琴が勝った現実は覆らない」何故知っているのか? 短髪と神父に面識があったのか?「御坂美琴は必死だったよ。約束された未来も、超能力者としての立場も、恥もプライドさえも。全て省みない程に必死だったんだ。上条当麻の一番になりたい。そして彼を幸せにしたい、その一念でね」そんなの知らない、分からない。「ここは教会で、僕は神父だからね。迷える子羊には道を示さないといけないだろう? だから土御門を紹介してあげたんだ」なにが言いたいの?「上条当麻の趣味嗜好からテストの出題範囲、果てはデートのセッティングまで世話を焼いたみたいだよ」どうしてそんなことするの?「僕はもちろん土御門も、彼女の真摯さに動かされたのさ」私だって、とうまの事が好きなんだよ? 「そういえば、上条当麻が教師を目指しているのは知っているかい?」え……?「説教癖のある彼には天職かもしれないな。今は大学合格を目標に頑張っているそうだが」とうま、最近よく勉強してた……。「ところで君は最近何をしてるんだ?」…………。「その顔から察するに、何もしていないんだね」そ、そんなことないんだよ。学園都市のグルメマップを作ったりしてるかも!「はぁぁぁぁぁぁ……」禁書「その溜息の長さは何!? 失礼しちゃうんだよ! ……って、あれ? 雰囲気が変わったような……?」ステイル「君がシリアスな空気をぶち壊したんじゃないか。やれやれ、真面目に説教するのが馬鹿らしくなった」禁書「むぅーっ!」ステイル「君はもう少し生活力を養え。そんなだから女性として見られないんだ」禁書「えー、めんどくさいかも」ステイル「全く反省の色がないとは……。この教会で働いてもらうつもりだったけど、本当にイギリスに送り返してやろうか」禁書「帰らなくていいの!?」ステイル「君がちゃんと反省するならね」禁書「するする! 心の底から反省してるかも!」ステイル「言質はとったし、早速掃除から始めようか」禁書「え……?」ステイル「今日から君は、この教会のシスターだ。しっかり働いてもらうからそのつもりで」禁書「明日からじゃダメ?」ステイル「ええと、ロンドン便の出発時刻は…」禁書「ま、窓拭きから始めるんだよ! 新聞紙はどこかなー!?」スタコラサッサステイル「はぁ……安請け合いなんてするものじゃないな。先が思いやられる」ゲンナリ数ヵ月後、華麗に社会復帰を果たしたインデックスが、美琴に凄絶な略奪愛を仕掛ける……のは、また別のおはなし
https://w.atwiki.jp/kinsho_second/pages/2029.html
いちゃいちゃって難しい 上条さん「空はこんなに青いのにお先は真っ暗♪ ……つか、いきなり夕立とか降ったりしねーだろーな」美琴ちゃん「おなかへった」上条さん「……………………………………」美琴ちゃん「おなかへった、って言ってるんだよ?」上条さん「……何してんの」美琴ちゃん「えっ……こうすればアンタと同棲できると思って……」上条さん「無いよ。ほらベランダから降りれ」美琴ちゃん「ふぇーい」禁書ックス「……今日は何しに来たのかな短髪」美琴ちゃん「単刀直入に言うわ! メインヒロインの座を渡してください!!」禁書ックス「ぇえええ~~~~!!!!!?」美琴ちゃん「新約2巻のラスト、読んでないわけじゃないでしょ? これはもう私の時代が来たとしか思えないわよ!!」禁書ックス「所詮は超電磁砲(がいでん)の主人公ごときが何を言っているのかな!? どうせ短髪なんて、アニメ3期が来ても出番なんて無いんだよ!! 五和無双になるから!!」美琴ちゃん「うぐぉっ!!!」上条さん(その理由だと、インデックスもかなり空気化すると思うがな……)禁書ックス「そもそもラッキースケベも起きてない短髪には、メインヒロインは荷が重いかも!」美琴ちゃん「そんな事無いわよ!! 大覇星祭編では押し倒されたもん!!」禁書ックス「ふふん、そんなのは序の口なんだよ! 私はとうまの幻想殺しで裸にされた事だってあるんだから!!」美琴ちゃん「な、なにぃ~~!? ちょっとアンタ!!今すぐ私に右手で触りなさい!!」上条さん「えっ? 常盤台の制服って能力的のモノでできてるのか?」美琴ちゃん「違うけど大丈夫。自分で脱ぐから」上条さん「俺の右手関係無い!! つーかなんでそんなにメインになりたいんだ?」美琴ちゃん「アンタといちゃいちゃするためよ!!!」禁書ックス「すごい理由! いくらなんでもムチャクチャすぎるんだよ!!」上条さん「分かった。 いちゃいちゃすればそれでいいんだな?」美琴ちゃん「………へ?」禁書ックス「ととととうま!! どういうことなのかな!!?」上条さん「仕方ないだろ。 ここは上琴のSSを楽しむスレだぞ? 嘘だと思うなら 1を読んでみろ」禁書ックス「ぐっ……確かに………」上条さん「それに『これは上琴か?』って何度か怒られたからな。 たまにはちゃんと、いちゃいちゃしなきゃだろ?」禁書ックス「それは書き手に問題があるだけなんだよ」 上条さん「よし! さっそくいちゃいちゃするか!!」美琴ちゃん「やっほいさぁー!!!!!」禁書ックス「ちょちょ、ちょっと待つんだよ!! さすがに私の目の前ではできないんだよ!!!」美琴ちゃん「私は構わないわよ? むしろ燃える!」禁書ックス「うっさい短髪!」上条さん「あれっ? こんなところに『お一人様限定焼肉食べ放題無料券』が落ちてる。 しかも期限は今日までだ」禁書ックス「ぅおーい! 御都合主義すぎるかも!!」上条さん「どうする? インデックス」禁書ックス「ぐぐぐ……行けばいいんでしょ!!? 行けば!!! どうせこんなモン読んでる人なんかいないんだよ!! バーカ、バーカ!!」上条さん「……すげぇ捨て台詞吐いて行ったな……… で? いちゃいちゃってどうすればいいんだ?」美琴ちゃん「どうすればって?」上条さん「いや、あらためて思うと何をすればいいのかなって」美琴ちゃん「う~ん……お互いに触れ合ったり、キスしたり…とか?」上条さん「キスか……やっぱり最後は口で、って事になるよな」美琴ちゃん「えっ!!? 下のお口!?」上条さん「……それはエロスレの方でやろうな」美琴ちゃん「じゃあまずは軽めで。 そうね…頭を撫でてくれる?」上条さん「こうか?」美琴ちゃん(あ…やばい。 これだけですごく落ち着く)上条さん(美琴ってすごく髪サラサラなんだな……それにいい匂いが……)美琴ちゃん「あ、ありがと……」上条さん「お、おう」美琴ちゃん「えっと、次は……だ、抱きしめ合ってみる…?」上条さん「わ、分かった! こう、かな?」美琴ちゃん「もっとギュッと………うん、そんな感じ……」上条さん(うおっ!!心臓すげぇバクバクしてる!)美琴ちゃん(当麻くんの鼓動が伝わってくる……私のドキドキもきっと伝わってるんだろうなぁ………)上条さん「も、もう、いい…かな…?」美琴ちゃん「え…あ、うん……じゃあこ、こ、今度はキキ、キスを………」 上条さん「やっぱり…しなくちゃダメでせうか?」美琴ちゃん「……ダメでせう」上条さん「じゃ、じゃあやるけど……いきなり唇はやっぱハードル高いから、まずはほっぺからな?」美琴ちゃん「よ、よし! ドンと来い!!」上条さん「い、いくぞ? ………… チュッ 」美琴ちゃん「~~~~~」上条さん「な、何か言えよ…こっちだって恥ずかしいんだから……」美琴ちゃん「だ、だって! すごく…良かったんだもん………」上条さん(!!! か、かわいい………)美琴ちゃん「? どうしたの?」上条さん「な、な、なんでもない!! それより、その……ここらで終わりにしないか? これ以上すると俺の理性がですね……」美琴ちゃん「ダメ! 最後までするの!!」上条さん「…どうなっても、知らないぞ?」美琴ちゃん「当麻くんとなら、どうなってもいい……」上条さん「………分かった。 美琴、目を瞑れ」美琴ちゃん「…はい」 んっ………は、ぁ…… 上条さん「………」美琴ちゃん「……………」上条さん「…………………」美琴ちゃん「………………………」上条さん「…………………あの」美琴ちゃん「ははははい!!!」上条さん「その…なんだ。 先に言っておくけど美琴のせいだからな?」美琴ちゃん「な、なにが!?」上条さん「どうなっても知らないって言ったろ? 上条さんはもう、キスだけじゃ収まりが効かないのですよ」美琴ちゃん「!!! 私だって言ったじゃない! 当麻くんとならどうなってもいいって……」上条さん「じゃあ、さ」美琴ちゃん「うん。 続きはエロスレで、ね?」960:M坂M琴:2011/10/24(月)03 50 27ID SnqflNuQ以上です!私の妄想100%なので少し恥ずかしいですwwwでももっといちゃいちゃすれば良かったかなと反省orz本文でも言ったように続きはエロスレのほうで書きたいと思ってます♪感想があるとうれしいです! それではまたいつか!!
https://w.atwiki.jp/indexssindex/pages/41.html
SS自作スレまとめ とある上条と姫神秋沙 【本文】 前編『スーパーにて』(未編集) 後編『その後の2人』(未編集) 続編『お宅訪問』上(未編集) 下(未編集) 【初出】 2009/01/19 禁書SS自作スレpart4にて「とあるスーパーの姫神秋沙」掲載。 2009/02/01 続編「とある上条と姫神秋沙」掲載。 2009/05/03 禁書SS自作スレpart5に続編「お宅訪問編 上」掲載。 2009/07/08 続編「お宅訪問編 下」掲載。 【著者】 4-252 (トリップなし) 【あらすじ】 苦しい懐事情をフォローするために業務用スーパーに来ていた上条は、そこで姫神に会う。 なし崩し的に、一緒に食材を見て回る2人だったが……。 【解説】
https://w.atwiki.jp/kinsho_second/pages/3181.html
大覇星祭こぼれ話Ⅰ 上条「あー……完っっっっっっ全に開き直ってんな……『Ⅰ』て……」美琴「まぁ、全何話になるか想像できないもんね」上条「本編【禁書目録】と外伝【超電磁砲】足して……だもんなぁ……」美琴「そんじゃま、さくさく行きますか。今回はゲストもたくさんいるのよ。まあ、基本はアンタと私、んでゲスト二人で、ゲストは入れ替わり立ち替わりって形だけど」上条「ふーん。で、今回は?」??「はぁい、ぼ・う・や・♪ お姉さんのこと覚えてる? オリアナ=トムソン。職業は運び屋、よ」上条「……」美琴「……」上条「……とりあえずもう一人に入ってもらえばいいよな?」美琴「……そうね。ツッコミどころは満載だけど話は進めないといけないもんね。で、もう一人は?」??「私なら最初からここにいるんだよ」上条「は? その声だともう一人はインデックスなのか? でもどこに?」オリアナ「坊や、鈍いのは対異性の気持ちに対してだけにしておきなさい。坊やの頭のう・え・♪」美琴「ちっちゃ!? 何でアンタ【インデックス】、ちっちゃくなってんの!? と言うか気付けよアンタ【上条】も!!」上条「いやー頭が何か重いとは思ってたけどまさかインデックスが乗ってるとは思わなかった。つか、普通、頭の上って見えないんだから声が聞こえなきゃ気付くわけねーだろ!! むしろ御坂が気付けよ! 正面から俺を見てるんだから!!」美琴「む……確かに言われてみればそんな気が……」天の声:ちなみに美琴は上条の顔しか見ていないので頭の上までは注意が行っていない、が真相。おや? 誰か来たようで……上条「納得してくれたところで、さて、インデックス、事情を説明してくれ」禁書「決まってるんだよ! なんだか今後、体長15cmでほぼ全裸の隻眼魔神女がとうまの周りをうろちょろしそうだし、だったら私も小さくなってこの場所を誰にも譲らない決意を示した方が良いかも!!」オリアナ「俗に言う、インデックスたん、というわけね。でもいいのかしら? 小さいままだと坊やと(自主規制)や(自主規制)ができなくなるわよ?」禁書「はぅっ!! 盲点だったかも!!」美琴「……っ! ほっほ~う? やっぱアンタはこのちっこいのとイロイロナニかしてるわけ、ね?」上条「してねーよ! というか、何でお前はナニがカタカナなんだよ!? あとオリアナさん、言葉は選ぼうよ!! そんなんだから歩く18禁って言われんのよ!?」オリアナ「まあ……私がそんな噂になってたなんて知らなかったわ……普段、日本にいないから……」禁書「その割には喜んでいるみたいな顔してるかも」美琴「今回は、どんな風になるかまったく想像できないわ……」 「おおっ、母さん母さん。やはり何度来ても圧倒されるなあ、学園都市っていうのは。子供の頃にクレヨンで描いた世界がそのまま広がっているような気がするよ。これでチューブの中を走る列車とか、空飛ぶスケボーなんかがあると完璧なんだが……」 そう言ったのは上条刀夜。「あらあら。私の思い描く近未来には、まだ届いていない気がするのだけど。だって巨大宇宙戦艦や人型兵器が連合とか帝国に分かれて戦ったり赤や青のカラフルなビームが飛んだり宇宙空間なのにピキュンピキュン音が鳴ったりしないでしょう? あと蛍光灯みたいなサーベルも見てみたいのに」 答えたのは、上条詩菜。美琴「外から見ると、やっぱこう見えるのかしら?」上条「まあ、外の世界よりも科学技術が二、三十年進んでいるのが学園都市だしな」オリアナ「この辺りは私が小さい頃に思い描いた未来世界と違うわね。私が子供の頃、クレヨンで描いたのは、魔法使いの絵がほとんどだったから」上条(……オリアナにもそんな可愛らしい時代があったんだな……)オリアナ「坊や、今、私にもそんな可愛らしい時代があったんだ、って考えなかった?」上条「い、いえ! 決してそんなことは!! オリアナさんは今でも充分可愛いですから! ハイ!!」オリアナ「あら嬉しいこと言ってくれるじゃない? でも大人の女性に対して『可愛い』はあまり良くないわね……そこは『綺麗』って言ってあげた方が悦ばれるのよ……」上条「オリアナさん!? 何か字面が違いませんこと!?」禁書「……短髪、今日は共同戦線を張りたいんだけど?」美琴「……いいわね。私も今日はそんな気分だから」上条「!!!!!!!!!!!?!」「あー、あー。メイド弁当、学園都市名物メイド弁当はいらんかねー」禁書「とうまとうま! メイド弁当食べたいんだよ! 買って買って買って!!!」上条「そんな子供みたいに駄々こねるんじゃありません! つーか、買ってったってこれ、過去の映像だし!」禁書「だって食べたいんだもん! おなかすいたおなかすいた!」上条「すっぱい焼きそばパンでも食べてなさい!」美琴「にしても土御門も大変ねー。繚乱家政女学校って、こんな事もするんだ」上条「ああ、あそこは『真のメイドさんには休息はいらない』って校則があるらしいからな」オリアナ「でも日本のメイドって、男の性欲を刺激するようにミニスカートとニーソックスの間の太もも…確か専門用語で『絶対領域』と言ったかしら。を強調したデザインで、しかも夜のご奉仕もするんでしょう? 見たところ、この彼女は中学生ぐらいだと思うのだけれど…そんな歳の子にそこまでレベルの高いプレイをさせるなんて、流石はHENTAIの国ね。お姉さんもゾクゾクしてきちゃう」上条「長々と何言ってんのこの人!? 何でそんなに偏った知識なんだよ!」美琴「ア、アンタも土御門のお兄さんみたいに、メイド萌えってヤツなの?」上条「どっからそうなった…いやまぁ、好きか嫌いかなら好きだけど」美琴「って事は、前回のこぼれ話で見せた私のメイド姿は効果大だった!? これはもう、通販で堕天使エロメイドを買うしか! ……けど私の胸でサイズが合うのはあるかしら……?」上条「あれあれ!? 何だか急に御坂さんが真剣な顔でくだらない事言い始めたけど、どうした!?」禁書「とうま! メイド弁当は!?」上条「メロンパンでも食べてなさい!!!」「――――っと、うわっ!?」 集中力を欠いていた刀夜は、うっかり誰かと激突した。「きゃっ! って、すみませんぶつかっちゃって」 告げたのは、見た目大学生ぐらいの女性だった。淡い灰色のワイシャツに、薄い生地でできた漆黒の細長いパンツ。デザインはシンプルだが、一目で高級ブランドのにおいを感じさせる一品で――――上条「前回、使い古された方法とか言ってたけど案外あるんだな」禁書「何の話なのかな?」上条「んー? 出会いの話だよ。ほら、食パン咥えて走ってると曲がり角でぶつかる感じのやつ」禁書「え!? とうま、走りながらでも食パンは食べててもいいの!? 前に食事する時はきちんと座って、って言ってたかも!!」美琴「ツッコミどころそこ!?」オリアナ「まぁ、私たちには馴染みのない文化だしね――」 「とき、とき……ないなぁ。常盤台中学というのは、名前がリストに載っていませんね。正式なパンフレットに紹介文が全くないという事は、もしかして一般開放されていないのでは?」「うわっ! ホントですか。じゃあ美琴のヤツはどこにいるのよーっ! せっかく大学に休学届け出してここまで来たっていうのに!」 みこと、というのは妹の名前だろうか? と刀夜はガイドブックを適当に考えていたが、不意に女性がズズイと接近してきた。刀夜に肩をぶつけるように、彼の広げているページを覗き込む。「と、と、と、とき、とき、とき――――うわっ! ホントにないよギャーどうしよう!!」 ――――無防備な彼女のほっぺが、刀夜の無精ヒゲの生えた頬とぶつかりそうになった。女性の柔らかい髪の毛がわずかに刀夜の耳をくすぐる。その柔らかな髪から、ほのかに甘い匂いがした。上条「もう伏せる意味が無いから言うけど、俺の親父に寄り添ったのってお前の母親だよな。さすが親子だな」美琴「まあそうだけど。で、どういう意味?」上条「お前も、夏休み最後の日に俺の宿題を覗き込んだ時がこんな感じだった」オリアナ「つ、ま、り、そこのお嬢ちゃんが坊やに思いっきり寄り添ったってことね?」禁書「!!!!!!!?!」美琴「ち、違うわよ! 私が興味があったのはコイツのやってた宿題なだけで、コイツに寄り添うとかそういうんじゃないから!!///」オリアナ「あら残念。ちゃんと自覚していれば坊やとあんなことやこんなことになったかもしれないのに」上条&美琴「「ならないから!!」」禁書「と~~~~う~~~~ま~~~~」上条「はっ! おおおおお落ち着けインデックス!! 本当に疾しいことはなかった――――って、そういや、前の前の前のこぼれ話でこいつは真相を知っているんだったあああああああ!!」禁書「天誅なんだよ! とうまぁぁぁぁああああああああああ!!」「あらあら刀夜さん。またですか?」「か、母さん? ま、またとは何かな?」 刀夜は慎重に聞き返すと、詩菜は片手を頬に当てて、心の底から悲しそうなため息をついた。しかもその顔からやたら陰影が強調され始めているような気がする。「もう、刀夜さんったら。道端で女性とぶつかってお知り合いになり、その後の無自覚な言動で良い雰囲気になるだなんて。これで何度目かしら。数える方が馬鹿らしいのかしら。あらあら、あらいやだ。そんなに私を怒らせて、刀夜さんったらマゾなのかしら?」美琴「さすが親子ね」上条「どういう意味!?」禁書「とうまのお母さんのセリフがすべてを物語っているんだよ。天然ジゴロの血脈は余すところなくとうまに受け継がれているかも」オリアナ「さて、将来、坊やのお母さんと同じ思いをする女性ってどこのどちらさんなのかしら」美琴「……歴史は繰り返すってわけか……」禁書「……あり得ない話じゃないかも……」上条「え!? なんで二人とも陰影が強調されて千円札や五千円札に描かれた肖像画もびっくりの迫力を見せてんの!?」オリアナ「……どうやら本当に将来同じことが起こりそうね……」 ――――人混みの向こうに、見知った我が子のツンツン頭が見える。彼は大覇星祭の参加者であるため、当然ながら半袖短パンの体操服だ。その隣には、彼とは違ってランニングに短パンの、本格的な陸上競技用ユニフォームを着た女の子がいた。オリアナ「ねえ坊や。ちょっと教えてほしいんだけど」上条「何ですか?」オリアナ「この二人って坊やとそこのお嬢ちゃんだけど、お嬢ちゃんと坊やって学校は違うし、高校と中学の違いもあるわよね?」上条「まあそうですね」オリアナ「だったら、どうしてこの場で二人で歩いていたのかしら? その経緯にお姉さん、興味が湧いちゃう」上条「ええっと……ええっと……何でだっけ?」美琴「んーと、んーと……さあ? 気付いたら一緒にいた、みたいな?」オリアナ「…………とりあえず、ある意味、鈍感で無自覚なのは坊やだけじゃないってことだけは分かったわ」禁書「…………これは安心材料なのかな? 不安材料なのかな?」上条&美琴「「?」」 「ねぇねぇ、結局アンタって赤組と白組のどっちなの?」「あん? 赤だけど。なに、もしかして御坂も赤組か」「そ、そうよ」「おおっ、そっかー赤組か。ならお互い頑張らないとなー」「じゃあ、あ、赤組のメンバーで合同の競技とかあったら―――」美琴「そんなふうに考えていた時期が私にもありました」オリアナ「あら? どうして遠い目をしているのかしら?」美琴「この後のこの馬鹿の台詞で分かりますよ……」禁書「あっ…何となく察したんだよ」「なんつってな! 実は白組でしたーっ!!」禁書「あー…やっぱり……」オリアナ「焦らしプレイ…に見えなくもないけど」上条「いやぁ。幻想を殺すのが上条さんのお仕事でして」美琴「この幻想は殺さなくてもいいヤツでしょ!?」上条「けど、もし本当に俺も赤組だったら、御坂あの後何て言うつもりだったんだ?」美琴「ふぁえっ!!? そ、そんなのもう忘れたわよ!」オリアナ「きっとこうね。『合同の競技とかあったらそのまま夜の大覇星祭で貴方の「赤」黒い肉棒から特濃の「ホワイト」ソースを―――』」美琴「言うかあああああああ!!!!! そんな事おおおおおお!!!///」禁書「お肉の棒!? 濃いホワイトソース!? とうま、その美味しそうな食べ物はなんなのかな!?」上条「ナ…ナンデショウネ…?」オリアナ「そうね……禁書目録は『美味しい』と感じるかもね……ちなみに特濃の『ホワイト』ソースは飲み干すことはできるわ。でも、お肉の棒は口に含んで味わう事はできるけど、食べられないからね」禁書「えええええええええええ!? 何その『がむ』みたいなの!? お肉も食べたいんだよ!?」オリアナ「だ、そうだけど――坊や、どうする?」上条「食べさせねーよ!! そもそも、オリアナとインデックスの会話はかみ合ってないからな! つか、オリアナさん! 何、舌舐めずりしながら説明してんのさ!?」オリアナ「ところで、お嬢ちゃんは禁書目録と違って私の言っている意味が分かったみたいね? うふ。案外物知りじゃない?」美琴「――――っ!!(気付かれた!?)」「――――もしお前に負けるような事があったら罰ゲーム喰らっても良いし! 何でも言う事聞いてやるよ!」「い、言ったわね。ようし乗った。……何でも、ね。ようし」「――――その代わり、お前も負けたらちゃんと罰ゲームだからな」「なっ。そ、それって、つまり、な、何でも言う事を……禁書「ん? 今、何でもするって言ったよね?」上条「……誰かが言うネタだとは思ったが、まさかインデックスの口から出てくるとはな」禁書「…? 何の事?」上条(あ、元ネタを知らずに、ナチュラルに言ったのか)禁書「まぁいいや。それよりとうま! 何でもとか、どういう意味なのかな!?」上条「『どういう意味』って、どういう意味よ?」オリアナ「つまり彼女は、『坊やが勝ったら何をしてもらうつもりだったのか』って事が聞きたいんじゃないかしら?」美琴(っ! そ、それは私も知りたい!)上条「あー…別にこれと言って決めてなかったなぁ……メシ奢ってくれとか、そんな所じゃないか? まぁ、結局負けちまった訳だけど」美琴「え…そ、その程度…?」オリアナ「な~んだ。お姉さんガッカリ。もっとこう、お前の身体で俺の―――」上条「いや、もういいから! アンタ、口を開けば猥談しか無ぇのかよ!」禁書「…ちょっとホッとしたかも。やっぱりとうまはとうまなんだね」上条「何だい何だい皆して! じゃあアレかい!? ご褒美のチュウでも要求した方が良かったってのかい!?」美琴「チュ、チュチュチュチュウウウウウゥゥゥゥ!!!?///」上条「ホラ! ミコっちゃんだって、真っ赤になって嫌がってるじゃないですか! ちくしょう、ちょっとショックだよ!」オリアナ「お姉さんには、嫌がっているようには見えないんだけど…」禁書「……やっぱりとうまはとうまなんだね…」 上条詩菜はほっぺに片手を当てて、「あらあら。……言葉を巧みに操り、年端もいかない女の子にあんな無茶な要求を通させてしまうとは、一体どこのどなたに似てしまったのかしら。あらいやだ、母さん学生時代を思い出しちゃいそう」 上条刀夜はズドーン、とショックを受けた顔で、「そ、そんな女子中学生に対して勝ったら罰ゲームで何でも言う事を聞かせるだなんて、一体どんなご命令を飛ばす気なんだ当麻ーっ!!」 彼の隣にいた女性(御坂美鈴)は、『こいつらの影響なのか。ま、後で美琴には話を聞くとして、若いっていうか青いわねー……』という顔でため息をつくと、片手をおでこに当てた。禁書「どう考えてもとうまは完全無欠にお父さん似なんだよ」美琴「異議なし」上条「お前らが俺をどういう目で見ているのか、よーく分かった」オリアナ「ところで坊や。もう一度話を戻すけど、これってもし、坊やが勝ってたらお嬢ちゃんにナニを要求するつもりだったの? やっぱり(自主規制)とか(自主規制)とか?」美琴「!!!!!!?!///」禁書「!!!!!?!!///」上条「直球だと字面で表現できないから自主規制がかかった単語を何でさらっと言いやがりますかこの人は!! しかもナニがカタカナだし!!」 御坂美琴は学生用応援席にいた。 ――――上条達の競技を最後まで観ているのは割と危険なのだが、どうも気になって、美琴は気がつけばここにいた。上条「ここからは俺の学校の棒倒しのシーンだな。(吹寄の濡れ透け事件が飛ばされて良かった。本当に良かった)」オリアナ「棒は倒すモノじゃなくて、むしろ勃たせるモノじゃない?」上条「お願いあなたもう喋らないで!!!」美琴(な、慣れないわぁ……この人の下ネタ……///)上条「ったく……あー、つーか御坂、俺のクラスの試合観に来てたんだな。ありがとな」美琴「っ! べべべ、別にアンタの応援とか、そんなんじゃないからっ! た、ただその…罰ゲームの約束した手前、負ける訳にはいかないから敵情視察しただけだし!!?」禁書「短髪…目が泳いでるんだよ……」オリアナ「ふふっ。可愛らしい反応ね。お姉さん思わず、食べたくなってきちゃうじゃない。性的な意味で」美琴「ちょ、や、止めてよ! そういうのは黒子だけで手一杯なんだから!」オリアナ「あらそう? 残念。じゃあお嬢ちゃんを(性的に)食べるのは、坊やに譲るわ」美琴「えええええええっ!!!? 何言ってんの!!? ねぇ何言ってんのおおおおおおっ!!!?///」禁書「むー…いくらお腹がすいても、私は短髪を(物理的に)食べようとは思わないんだよ」上条「さてと、どこからツッコんだものか……」オリアナ「ほら、坊やも『突っ込む』気満々みたいだし」美琴「ええええええええええええっ!!!? い、いいい、今ここでっ!!!?///」上条「ああもう、次から次へと!!」(ウチの学校に勝てるはずはないと思うんだけどねー……) 美琴はこっそりと息を吐く。――――(常盤台中学は)去年の大覇星祭では屈辱の二位だったが、その時の優勝校は、やはり常盤台中学と同じ五本指の一つ、「長点上機学園」だ。結局、本当の意味での首位争いは、例年この『五本指』の中で行われる。 ――――学園都市の人間なら誰もが知っていそうな事だが、どうしてこんな無謀な勝負をけしかけてきたんだろう? と美琴は今でも首をひねる。ひねってから、あの馬鹿なら意図なんて何もなさそうだ、と思考が続く。美琴「ですよねー。いくらアンタが記憶喪失でも、『知識』は残ってたんだし、知ってたはずなんだけどねー」上条「ぐ……記憶喪失の所為にするのを先に防がれてしまうとは……」オリアナ「なるほど。実は坊やは真正のMだったってことね」上条「は?」オリアナ「つまり、最初から勝ち目のない勝負を挑んで、そこのお嬢ちゃんに『何でも命令されること』が目的だったてこと。うふん。なんだかお姉さん、このお嬢ちゃんと立場代わってあげたくなってきちゃった」上条「んなわけねえだろ!! てか、オリアナさん! 俺に何したいわけ!?」オリアナ「何、って……ナニ、でしょ……? 大丈夫、お姉さんがリードしてあげるから……」上条「そ、それは是非!! って、はっ!!」美琴&禁書「「死ねええええええええええええええええええ!! このスケコマシいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」」 彼女のために、何度でも歯を食いしばって立ち上がってくれた、あの姿を見せて。(……、) 美琴はほんの少しだけ思考を空白にした後、(ああ、やだやだ! 何を唐突に照れてんのよ私!!)美琴「にゃあああああ!!! 見るな見るな見るなあああああ!!!///」オリアナ「本当に可愛い反応するのね。ウブな子っていうのも、悪くないわ」上条「まぁ…確かに可愛いな」美琴「えっ!!?///」禁書「っ!!? と、とうま!?」上条(けど、何で美琴は照れだしたんだ? しかも俺の事を思い出して……)「……お、お腹、減った……」「今ここで弁当食った直後じゃないのアンタ!?」美琴「アンタ、お腹いっぱいな時って無いの!?」上条「いいぞミコっちゃん! もっと言ったれ!」禁書「とうまも短髪も何を言っているのかな? 人は…ううん、この世に生きとし生けるもの全て、何かを食べる事で生かされているんだよ?」上条「何も食うなとは言ってねーよ! 食いすぎるなっつってんだよ!」禁書「じゃあとうまは、私が餓死してもいいのかな!?」上条「いや、だからさぁ! 栄養摂取は適度にだなぁっ!」禁書「うるちゃいうるちゃいうるちゃい!」上条「今更そのネタぶっ込んできた!?」オリアナ「先に進んでもいいのかしら?」美琴「……いいんじゃないですか?」『おうおう姉ちゃん。ウチのもんが手ぇ焼かせたな。ん? ……なんか変な感じがするぞ?』上条「スフィンクス…普段こんな事思ってんのか…?」オリアナ「何だかとっても、オジサマくさいネコちゃんね」禁書「私はスフィンクスの考えが聞けて、嬉しいかも♪」美琴「可愛い…」上条「……可愛いか?」???「やれやれ。こんなところにシ○○セ○みたいな猫がいるとはな……」??「そう」???「びっくりですぅ」??「しかも、同じオスの三毛猫ですよ。これはまた珍しい偶然ですね。ひょっとして世界中のオスの三毛猫は喋ることができるようになったのでしょうか。○宮さんの力で」上条「……………………あんたたち誰?」「ねぇアンタ。今日アイツと会った? 何か様子とか変わってなかった?」「ん? アイツって、とうまの事? とうまは別にいつも通りだったけど……」 いつも一緒にいんのかよ、と美琴は思わずツッコミかけたが――――美琴「……実際、どれくらいの頻度で一緒にいるの…?」上条「俺とインデックスか? 頻度って言われても、そもそも一緒に住んでるからなぁ…」美琴「…あっそ」上条「…美琴さん? 何だか不機嫌?」美琴「べーつーにー!?」禁書「ふふん♪」美琴「あー、くそ! そのドヤ顔、ムカつく!」オリアナ「でも、一緒に暮らしていて何も『事故』が起きないの? それって女性として見られていないんじゃないかしら」禁書「ガガントス!!!」美琴「ふふん♪」禁書「むぅ! その勝ち誇ったような顔が腹立つんだよ!」上条「…何の話? まぁ、美琴の機嫌が直ったから、とりあえずはいいけど」(だとすると、やっぱりウチの学校が勝っちゃうけど……あれ。勝っちゃったらどうしよう?) 美琴は少し考え、それからブンブンブン!! と勢いよく首を横に振った。オリアナ「あら? お嬢ちゃんったら、もしかして(禁則事項)してもらうとか(禁則事項)させようとか考えたのかしら?」美琴「って、何ですかそのツッコミ!?/// ここは『あら? お嬢ちゃんったらどんな命令を考えたのかしら?』ってツッコミが正しいでしょ!? 最初から核心を付いてくるツッコミっておかしくない!?」オリアナ「あら? ということは、お嬢ちゃんはこの時、本当に(禁則事項)とか(禁則事項)とか考えたってことかしら?」美琴「はうっ!!///」禁書「ねーねー、とうま。短髪とオリアナは何を言ってるのかな? どういうわけか私の耳には一連の会話で(禁則事項)部分が聞こえないんだよ」上条「聞こえなくて結構。(つーか、御坂も案外、ヤラしいことを考えてる時ってあるんだな)」 「短髪はここで何してるの?」「あん? な、何って、別に私は……」「とうまの応援?」「なっ、ば、いきなり何言ってんのよ。何で私があんなヤツの応援なんかしなくちゃならない訳?」オリアナ「だったら何しに来たのかしら?」美琴「だっ、だだ、だからさっきも言ったでしょ!? て、敵情視察よ敵情視察! それ以上でも以下でもないんだから!」上条「え~? ホントに応援じゃないのかよ…」美琴「……な、何? アンタ、私に応援されたら嬉しいの?」上条「そりゃそうだろう。可愛い女の子から黄色い声援を受けて、嫌な気持ちになる男なんていな……あれ? 御坂?」美琴「………ぷしゅー…///」オリアナ「普段のムチからの、いいタイミングでアメ……坊や、あなた本当に天然なの?」上条「へ?」禁書「むー…何だか面白くないんだよ!」(……一体何なのよあの覚悟!? アイツ、こんなトコでなんて無駄なカリスマ性を発揮してんの! ま、まさかマジで勝ちに行く気な訳!? アンタ私に勝って罰ゲームで何を要求する気なのよーっ!?)禁書「……と~う~ま~…?」上条「い、いや違うぞ!? カットされてるから分かりにくいかも知れないが、小萌先生の事とか色々あって、この戦いは絶対に負けられない理由があってだな!」オリアナ「それを差し引いても気合が入ってるじゃない? お姉さんが思うに、他の理由もあったんじゃないかしら」上条「な、何だよ他の理由って……いや! やっぱ言わんでいい!」オリアナ「それは勿論、その子の身体をじっくりねっとりと―――」上条「言わんでいいっちゅーにっ!!!」美琴「………///」オリアナ「…坊や、ウブなのも可愛いけど、男はある程度ガツガツしてないと駄目よ? そんなんだから日本の男子は草食なんて言われちゃうんだから。何だったらお姉さんが教えてあげようか? 確かこの国には48手っていう体位が―――」上条「いらないよ! てか、アンタが肉食すぎるんだよ!」禁書「とうま? 48手って何―――」上条「キン肉マンに出てくる48の殺人技の事だよ! ああ、そうさ! きっとそうさ!」禁書「キン肉マン………とうま。何だか牛丼が食べたくなってきたかも」オリアナ「もう…仕方ないわね。じゃあ坊やに寝技(意味深)を教えるのは、お嬢ちゃんに任せるわ」(美琴の肩にポンと手を乗せる)美琴「黙ってたのに急に話を振られた!!? て、ててててか、わ、わわ、私とこの馬鹿はそんな関係じゃないからっ!!!///」 上条「さて、と。今回はここまでか」美琴「冒頭にも言ったけど、今回は長くする気満々よね」オリアナ「それだけ坊やとお嬢ちゃんのオイシイシーンがたくさん、ってことでしょ」美琴「そ、そんなんじゃないから!!///」禁書「がるるるるるるるるるる!! まったく! とうまはまったく!!」上条「おおおおおお落ち着け! 落ち着くんだ! 落ち着いてくださいインデックスさん!! あと地団駄踏むな! 髪の毛むしるな!!」禁書「うるちゃいうるちゃいうるちゃい! いつもと違って噛みつけないから仕方ないんだよ!! とうまの馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿! 抜いちゃえ! 抜いちゃえ! 禿げちゃえ!! 禿げちゃえ!!」オリアナ「さて、と。じゃあ私たちは帰るわよ禁書目録」ヒョイ禁書「って、えええええええ!? 私も退席なの!? 何で!? 今回の話って私も結構出番あるんだよ!?」オリアナ「心配いらないわ。禁書目録は後からまた呼ばれるってスケジュールに書いてあるから。私は――――さて、どうかしら?」上条(……意味深だな)美琴(……また来るのかしら?)禁書「ううう……じゃあ、とうま! 短髪と変なことしてたら許さないかも!!」上条「しねーよ! つか、何でトーク番組で変なことになる要素があるんだよ!」禁書「そんなの分かんないんだよ! とうまはとうまでとうまだもん!!」オリアナ「それじゃ、坊や、お嬢ちゃん。じゃあねぇ~~~」美琴「あーうん」オリアナ「ふふ。結構面白かった」◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇上条「次のゲストが来るまでもうちょっとかかるってか?」美琴「少しだけ遅れてるみたいね。まあ、もうスタジオには入っているみたいだし、もうすぐ来るでしょ。んじゃ、ちょっとだけ二人だけで次回予告でもどう?」上条「まあ、いいか。で、次回はどこまでの予定?」美琴「ん~~~そうね。魔術師絡みの事件はばっさりカットで、私たちの絡みのシーンだから……借り物競走と玉入れ? かしら」上条「……何か身も蓋もない言い方だな。土御門やステイルが可哀想だ」??「どうやら、ここのようね」??「あら? 貴女もこちらのスタジオに用事がおありで?」??「ん? あなたもなの?」??「ええ。わたくしもこの時間に呼ばれましたものでして」上条「…………」美琴「あ、どうやら着いたみたいね。一人は黒子か。あれ? でも、もう一人は聞き覚えがあるようなないような――――」上条「………………………この声って……まさか…………!」白井「ごめん遊ばせ。少々遅れましたわ」??「お邪魔しまーす」上条「ふ、吹寄整理さん!? 今度のゲストって白井とお前なの!?」吹寄「む! 何その言い方! まるであたしが来るのはそんなに困ることなのかしら上条当麻!!」美琴「……『また』知らない女……ほっほ~う……」白井「相変わらず節操のないお猿さんですこと。本能の赴くままに生きていらっしゃる証拠でしょうか」上条「ま、まて! 吹寄は俺のクラスメイトで何かと俺を目の仇にしている奴なんだよ! だから落ち着いてください御坂さん!! 白井も誤解を招くようなこと言うんじゃない!!」吹寄「……相変わらずのようね、上条当麻……はぁ……」美琴(あれ? でもこの人、あんまりアイツに興味無さそう……目の仇ってそのままの意味なのかな?)白井(あら? でもなんだかこの人、妙に親近感を感じますわ。どういうことですの?)上条(ああ……なんだか次回はこぼれ話史上最悪の不幸が待ってそうな気がする……ヒシヒシする……)