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PS2版からの変更点共通 クレセントムーンスタイル ハーフムーンスタイル フルムーンスタイル PS2版からの変更点 ○は強化点 △は弱化点 ●は強化弱化と関係ない調整の物 ?は確認されてるが内容が不明なもの。 共通 ○ナイフ拾いの認識範囲拡大 ?ADの魔眼が確定する範囲を変更 △2Cの持続が短く ●LAのダメージ変更(PS2版で不具合があるため) クレセントムーンスタイル ○6Cの追加技236Cにサーキットブレイク効果が追加 △623Bの発生を遅く △BE22技がガード可能に ハーフムーンスタイル △JBの発生が遅く △J6Bの発生が遅く △3Cの仕様が変更 △4Cの発生が遅く △空中ナイフキャッチ時に行動しないと着地まで硬直するように フルムーンスタイル ○236技追加3段目236CがSC可能に △JBの発生が遅く △4Cの発生が遅く △BE22技が弱体化 ?236技追加3段目236Bの補正を変更 (2B拾いが明らかに楽になっているのがこの影響かは不明)
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1.マイル移動について 2.ターン13からのマイル移動にかかる手数料について 3.生活ゲーム、函ゲームの追加消費、払い戻しについて 4.生活ゲーム、函ゲームのテンプレ一部変更 5.生活ゲーム、函ゲームでの入学金について 1.マイル移動について 最近、募金や国を超えた個人間でのマイル移動が頻繁になってきていますので、再度マイル移動の際の手順の確認をお願いします。 特に藩国→個人間以外のマイル移動は受け取る側と送る側、双方の立会いが必須となっております。 派生開示などの募金はこの限りではありませんが、許可を得ました等報告済の申告だけではマイル移動を受け付ける事はできませんのでご了承下さい。 詳しくは、こちらをご覧ください。 2.ターン13からのマイル移動にかかる手数料について ターン13から一部のマイル移動に際しまして1回につき2マイルの手数料がかかる様になりました。 A藩国口座→A藩国国民個人口座 A藩国口座→B藩国国民個人口座 A藩国口座→B藩国口座 上記に当てはまる場合は手数料が必要です。 また手数料はマイルを譲渡する側の負担となりますが、受け取る側や申請に関わっていない第三者など他の方が負担することも可能です。 その場合は手数料を支払う方の立会いが必須となりますのでお気をつけください。 1度の申請で何名に移動させても2マイルとなっておりますので、申請は出来るだけまとめて行っていただいた方がお得となっています。 マイル移動を行う際はマイルの残高にご注意の上移動していただけますようお願い申し上げます。 3.生活ゲーム、函ゲームの追加消費、払い戻しについて 生活ゲーム、函ゲームでゲーム終了後に消費の修正など変更が発生した場合は、小笠原 待ち合わせ掲示板へのレスで修正を行っていただき、併せて金庫番の連絡ツリーまでご連絡下さいます様お願い致します。 4.生活ゲーム、函ゲームのテンプレ一部変更 生活ゲーム、函ゲームの確定申し込み記事のテンプレートが若干変わりましたので、ご連絡させて頂きます。 変更点は以下の通りです。 消費マイルには-(マイナス)をつけて記載してください。 国民番号、消費マイルは半角英数で記載してください。 個人マイル消費の記載に国名は不要です。 該当部分テンプレート 【参加者:負担するマイル】 #個人マイルを使用する場合 ・国民番号:PC名:-△(消費マイル数):入学済/未入学 #藩国マイルを使用する場合 ・国番号:国名:-△(消費マイル数):入学済/未入学 5.生活ゲーム、函ゲームでの入学金について T12から生活ゲームに初めて参加されるときの入学金は、支払いフェイズではなく最初のゲームの時国庫から即時支払いとなりました。 初めて生活ゲームに参加される際にはあらかじめ藩王・華族の方にご相談ください。 合併準備のために準藩国となっている場合は立国時のお支払いとなります。 皆様のご理解、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。 以上、金庫番からのお願いでした。
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広報ページ一覧 護民官事務所からの広報一覧です ★★設定国民&PL共通★★ NGO団体F.R.O.G.について "人種差別撤廃宣言"・"あとりえ・めっせーじ(仮称)"支持声明文 【里親探し支援活動】 里親探し支援・活動状況のページ 護民官よりご協力のお願い フィーブル新聞社広告枠 お詫びとお知らせ ★★設定国民向け★★ 護民官スタッフのみなさまへ 「黒い塊のようなもの」への注意を呼びかけ 護民官スタッフのみなさまへ 夢の剣被害への支援願い及びぽち王女殿下よりご寛恕いただいたこと マンイーター被害について 緊急のお知らせ マンイーターへの対応についてのお願いです 特殊な子供達について ★★PL向★★ 【尚書省連絡掲示板】 #2008/11/13以降 護民官からのお知らせ #2008/11/12以前 書庫 【イベント掲示板】 里親探し支援活動2 里親探し支援活動
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autolink N2/W25-003 カード名:これからのこと フェイト カテゴリ:キャラクター 色:黄 レベル:0 コスト:0 トリガー:0 パワー:1000 ソウル:1 特徴:《魔法》?・《クローン》? 【永】他のあなたのカード名に「なのは」?を含むキャラすべてに、『【自】アンコール[手札のキャラを1枚控え室に置く]』を与える。 【自】[①]このカードが手札から舞台に置かれた時、あなたはコストを払ってよい。そうしたら、あなたは自分のキャラを1枚選び、そのターン中、ソウルを+1。 これから、よろしくね…なのは レアリティ:R SR illust.ふしみ彩香 意地っ張りアリサ、まっすぐな心 なのはに続く、「なのは」ネームへのアンコール付与キャラ。 ネオスタンダード内では、自分の場の《魔法》?を参照する効果が多い為、これらを活かす場合はアリサよりもこちらの方が便利。 まっすぐな心 なのはも《魔法》?持ちなのでそちらでも良いが、プロモカードなので集めるのが少々面倒である。 あくまでアンコール付与がこのカードの真髄なので、CIPでのソウルパンプの方は、基本的にはおまけとなるだろう。 しかし、序盤にストックに噛んだCXを掃いたり、詰めの段階で細かなソウル調整ができたりと、地味に役立つ効果でもある。
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現実からの出典支給品 【刺身包丁】 空野とりっぴぃに支給。 刺身用の魚を捌く際に役立つ、細身の包丁。 板前の必需品? 【コルトハイウェイパトロールマン】 クルル曹長に支給。 アメリカ、コルト社のリボルバー銃。 装弾数は5発。 【シアン化カリウム】 がりぞーに支給。 通称、青酸カリ。 黄血塩を赤熱すると生ずる無味無色の結晶体で、アーモンド臭がするのが特徴。 一口でも口にすれば、それだけで口にした者の命を奪う正真正銘の凶器である。 【マイクロウージー】 ギロロ伍長に支給。 イスラエル製造のサブマシンガン、ウージーを小型化したミニウージーをさらに小型化したモデル。 小型化と同時にフルオート時の発射速度が毎分1400発と非常に高速な仕様となっているが、フルオート連射の際の制御が難しくなっている。 近接戦闘で瞬間的な火力を必要とする特殊部隊向け。 ストックを折りたたむと大型拳銃並みの大きさになるため、マシンピストルにも分類されることも。 【手錠】 ガブモンに支給。 警察が容疑者の身柄を拘束する時に使用する拘束具の一種。 なおこのロワでは開錠用の鍵はついていない。 【ピコピコハンマー】 ガブモンに支給。 ハンマー型のおもちゃ。 叩くとピコピコと音がする事からこの名が付けられた。 パーティまたはコントのお供。 強く叩かれると結構痛い。が武器としては使えない。 【スタンロッド】 ガブモンに支給。 見た目はただの鉄の棒だが、スイッチを入れると高圧の電流が流れる武器である。 このロワでの威力は普通の人間が三発食らってようやく気絶するくらいの威力しかない。 【鍋蓋】 あくまに支給。 鉄製の鍋の蓋。それ以上でもそれ以下でもない。 盾には使えるが武器にはならない。 本家映画版で七原秋也の支給品になった物と同モデルらしい。 【輪ゴム鉄砲】 あくまに支給。 わりばしと輪ゴムで作られた輪ゴムを発射する装置。というかおもちゃ。 当然威力は皆無である。 【ダイバーズナイフ】 縞野しまじろうに支給。 潜水師が使用するナイフ。 取っ手が指に填まるようになっている。 【Vz61 スコーピオン】 縞野しまじろうに支給。 チェコ製造の小型サブマシンガン。 ハンドバッグに入るぐらいの大きさしかないため、携帯性に優れている。 小さいが連射性に優れており、なかなか扱いやすい銃ではある。 その特徴的な形から「スコーピオン(サソリ)」と呼ばれる。 【出刃包丁】 牧場らむりんに支給。 主に魚を捌く際に使われる包丁。 名前の由来は、出刃包丁を造った人が出っ歯だったから。 【カットラス】 ゾロリに支給。 切ることを重視するために刃が湾曲している剣。 刀身が短く、船など狭い場所での使用に向く。なので船乗りが好んで使った。その他にも歩兵や中東騎兵もよく使用していた。 また武器であるとともに、農業用の道具でもある。 【グロック20】 ゾロリに支給。 オーストラリアの銃器メーカー、グロック社が開発した自動拳銃。 口径は10mmオート。装弾数は15発。 グロック20は大口径モデルであり、全長が193mmと、他のものより長め。 【鉄パイプ】 ヘムヘムに支給。 鉄製のパイプ。 【手榴弾】 ヘムヘムに支給。 パイナップル型の爆弾。 安全ピンを抜く事で爆発する。逆に言えばピンを抜かない限り爆発しない。 爆風ではなく爆発により飛び散る手榴弾の破片によって攻撃するため、爆薬の内蔵量は思ったよりも少ない。 【ボウガン】 コケヤンに支給。 西洋で用いられた、専用の矢を板ばねの力で弦に引っ掛けて発射する武器。 引き金があるので狙いが定めやすい。 主に狩りに使用される。 ちなみに正式名称はクロスボウ。 ボウガンという名称は、射撃競技用品メーカーの名前から取った和製英語である。 【ブローニング・ハイパワー】 緑原みみりんに支給。 ベルギーの銃器メーカー、FN社製造の自動拳銃。装弾数は13発。 正式名称は『ブローニング・オートマティック・ピストル・モデル・ハイパワー』。 量産された実用拳銃として初めて複列弾倉を採用した拳銃で、その装弾数の多さからハイパワーと名付けられた。 高い信頼性と実用性から、世界50ヶ国以上の軍隊・警察で正式採用されている。
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私には、一生忘れる事のできない日がある。 目を閉じれば鮮明に蘇ってくる、あの日の出来事―――――。 それは二度と味わいたくない恐怖であり、ずっと心に残しておきたい至福の時間。 一見すると、相反する出来事のように聞こえる。 しかし、あの日の出来事を簡単に説明すると、このような言葉がピッタリなのだ。 「ふふっ、ここに来ると思い出しますね」 「そうだねぇ・・・もう3年経つんだね、あの日から」 「今日は思い出の日・・・そしてここが思い出の場所・・・」 「ねぇ、あずにゃん。あの日、あずにゃんに伝えたかった事・・・もう1度言っても良い?」 「はいっ・・・」 あの日の出来事は、私の悪夢から始まったのだった――――― ― ――― ――――― ―――――――――― 「ここは何処なんだろう・・・?」 暗闇を彷徨う私・・・。 四方八方が闇に包まれており、光らしい物は何も見当たらない。 時折、声を出してはみるものの、返ってくるのは虚しい程の静寂のみだ。 「誰か・・・誰か居ませんか・・・!?」 闇の中故、足元さえも全く見えない。 どこに穴があるかもわからない。ひょっとしたら崖が潜んでいるかもしれない。 最初は恐る恐る進んでいた私だったが、誰も居ない闇という空間に耐えられなくなっていた。 「ヤダ・・・怖いよぉ・・・誰か助けて・・・」 胸が苦しくなり、冷静さを欠き始めた私は、呼吸も徐々に荒れ始めた。 ゆっくりだった私の歩調は、次第に早歩きになり、最終的には駆け出す程になっていた。 誰でも良いから会いたい・・・誰でも良いから触れたい・・・誰でも良いから支えられたい・・・。 そんな想いで私は出口の見えない闇の中を進んでいた。 ―――――今一番会イタイ人ヲ、思イ浮カベテミロ どこからともなく、そんな声が聞こえてきた。 キョロキョロと周りを見渡すも、誰が居るわけでもなく、眼前に広がるのはやはり闇の世界だけだ。 息があがるほど走ってきていた私は、足を止め、呼吸を整えながら自分の胸に手を当ててみる。 「今、私が一番会いたい人・・・」 誰に一番会いたいのか・・・考えようとしたが、その答えはすぐに見つかった。 不安な時、心細い時にいつでも私に声をかけてくれる大好きな人。 それでもって、すぐに抱きついてくるけれど、私を温かな気持ちで包み込んでくれる人。 一緒に居るだけで幸せな気分にさせてくれる、とっても大切な人。 それは・・・。 「会いたいです、唯先輩・・・」 唯先輩の優しい笑顔を想像しながら、私はそっと目を開けていく。 今まで闇一面だった空間に、ボゥッと青白い光が浮かんでいる光景が目に飛び込んできた。 それは遠く離れていたけれど、目を凝らすとその光の下に誰かが居るように見える。 誰か居る・・・やっと、人のぬくもりを感じる事ができるかもしれない・・・。 ホッとした気持ちで光へ近づいていくと、そこに居た後ろ姿はいつも見慣れた・・・大好きな人の背中だった。 その大好きな人に・・・その背中に、躊躇う事なく抱きついた。 「唯先輩!」 勢いよく抱きついたせいか、唯先輩は前へつんのめりそうになってしまった。 闇という無の空間と闘ってきた私は、それまで恐怖心でいっぱいだった。 しかし唯先輩に会えた事で・・・今の私の中にある気持ちは、恐怖心よりも安堵感が勝っている。 唯先輩は、急な私の抱きつきに動じる事なく、努めて冷静に私の方へ振り向きながら声を出した。 「あずにゃん・・・あずにゃんに会えて嬉しいよ」 今、私の目の前に居るのは、あの大好きな唯先輩だ。 口元を緩ませ、穏やかな表情で私を捉えている。 そして、いつものようにギュッと私の事を包み込んでくれる。 いつもより力強く抱きしめてくれる唯先輩。 その両腕から、決して私を逃がさない・・・そんな想いが伝わってくるようだ。 「私も唯先輩に会えて嬉しいです!・・・ずっと・・・真っ暗な所に1人で居て・・・怖かったんです・・・」 大好きな人に会えたというだけで、全身に包まれている大きな安心感。 それと同時に、それまで1人で抱え込んでいた緊張感が解放された事で溢れ出てくる涙。 こんなに落ち着けるのも、こんな表情を見せられるのも、唯先輩の優しさのおかげだと思えた。 このまま唯先輩と一緒に居られるのなら、どんな苦難も乗り越えられる気がした。 「あずにゃんに涙は似合わないよ」 「えへへ・・・」 唯先輩はニコッと笑いながら、私の目尻に溜まった涙を指でそっとぬぐった。 普段から抱きついたり頬擦りをしたりと、過剰な程のスキンシップをしてくる唯先輩。 そんな彼女だから・・・さりげなく涙をぬぐられても、特に抵抗感は無かった。 いつもと変わらぬ唯先輩・・・。だから傍に居てくれるだけで、苦しかった気持ちも、今では落ち着く事ができている。 唯先輩が居てくれて良かった――――― その思いだけが先行していて・・・冷静な判断が出来ずにいた。 だから、普段ならすぐに気付くような違和感に・・・私はこの時、まだ気付いていなかった。 「こういう闇の中には、人間を獲物にする死神が潜んでいる事があるんだって・・・見えないけど、案外近くに居るかもしれないね」 「そ、そうなんですか・・・!?暗いと何も見えないから・・・何だかまた怖くなってきちゃいました」 突拍子の無い話を聞かされた私は、思わず肩を震えさせてしまった。 その様子を感じ取った唯先輩は、すかさず私を強く抱きしめてきた。 「でも大丈夫・・・どんな事があっても、私が最後まであずにゃんの傍に居てあげるから・・・」 「唯先輩・・・」 あえての、突拍子の無い話だったのだろうか・・・。 何事にも換え難い恐怖心を抱えている時、傍に人が居ればどうしても頼りたくなってしまうものだ。 その時、傍に居てくれる人が、自分の気の許せる人や好きな人だったらどうだろうか。 その人に対して全般の信頼を置く事は当然の成り行きだと思う。 頼りになるという姿を見せられたら、その人の事を益々好きになってしまうかもしれない。 つまり、ここでの唯先輩の行動は、私に対するアピール・・・だったら嬉しいなと思う。 「この前、死神に関するホラー系の本を読んだんだ」 「ど、どうしてそんな本を・・・?唯先輩、ホラー系とか得意でしたっけ?」 「いや、得意じゃないけど。でも、何か面白そうだったから。そこに書いてあったんだけど、死神の弱点、嫌いな物は赤い物なんだって。 赤い物を見せたり、身に付けたりしていると、何故か退散しちゃうみたい。他にも、死神は嘘つきでよく人間を騙すみたい」 「へぇ・・・」 「あと、死神は鎌を持っているけれど、鎌を振り下ろす事で人間の魂を奪うの。鎌は使わずにその人の記憶を一部分だけを 消しちゃう事もできるんだって。魂を狙う人間の心の中、考えも読み取っちゃうんだって。何か凄いよね」 「何か嘘くさいですね~・・・。まぁ、死神という存在自体、私は信じてないんですけどね・・・」 「死神について、もっと知りたい?」 「いや、遠慮しておきます・・・」 あれ・・・唯先輩は私を落ち着かせようとしてるのか、怖がらせようとしているのか、どっちが目的なんだろう・・・。 元々、ホラー系の類は苦手である為、私は興味を持って聞く事ができなかった。 耳を塞いでしまいたかったけれど、せっかくの唯先輩の話を無視する事もできない。 だから、適度に相槌を打ちながら話を聞いていたけれど・・・不思議な事に聞いていた話が思い出せなかった。 唯一覚えていたのは、『死神の弱点、嫌いな物は赤い物』という事。 聞き返そうにも、ホラー系の話を2度も聞きたくないので、そのまま流してしまったけれど・・・唯先輩、何て言ってたんだろう・・・。 「そろそろ時間だ。今日はこうやって、あずにゃんとお話ができて良かったよ」 「えっ・・・?そ、そうですね・・・でも、時間って・・・?」 「あずにゃんが最後に私を選んでくれて嬉しかったよ」 「最後って・・・唯先輩、何言ってるんですか?」 急に告げられたタイムアップ・・・のような宣言。そして聞かされた、最後という言葉。 闇の中、ようやく出会えた存在・・・。この闇から抜け出す時まで、ずっと一緒に居られると思っていたのに・・・。 私は言葉の真意を探るべく、唯先輩の表情を窺う。 すると彼女は、私が今までに見た事無いほどの悲しい顔をしていた。 今にも泣きだしそうな・・・本当に悲しそうな顔を・・・。 そして・・・唯先輩は耳を疑うような言葉を言い放った。 「あずにゃんと一緒に居られるのは、今日が最後っていう事だよ」 唯先輩が私と一緒に居られるのが、今日で最後と言われても・・・事情がさっぱり呑み込めない。 私の気分を落としては引き寄せるという、先程から続く唯先輩の話術なのだろうか・・・。 そうだとしても、今の唯先輩の言葉は私を簡単に闇の底に突き落とす程の威力がある。 「な、何でですか・・・?何故、今日が最後なんですか・・・!?」 私の叫びのような声に、唯先輩はただ俯くだけだった。 一緒に居られるのが今日が最後・・・つまり、それはお別れという事を意味する。 言いすぎかもしれないけれど、唯先輩の居ない人生なんて考えられない・・・。 それは唯先輩の事を心から大切に思っているから・・・とっても大事な人だから・・・。 そんな人だからこそ、一緒に居られるのは今日が最後・・・という事実は受け入れられなかった。 私は唯先輩の胸に縋りつきながら、もう一度その理由を尋ねた。 「答えてください・・・何で・・・今日が最後なんですか・・・」 唯先輩はゆっくりと顔を上げ、キュッと結んでいた唇を緩めた。 真っ直ぐに私の事を見つめる視線。その表情は真面目そのものだった。 そして一息ついた後、唯先輩はゆっくりと口を開いた。 「だって・・・」 「あずにゃん、今日死んじゃうんだもん」 時が止まったようだった。 その言葉を理解するのに・・・一体どれだけ時間がかかっただろう。 いや、それでもまだ私には理解できていないのだけれども。 私の視線の先には、先程から全く表情を崩していない唯先輩が居る。 唯先輩の視線もまた、私の顔を捉えて離していない。 「・・・嫌ですよ、そんな冗談。唯先輩らしくないですよ?」 私の知っている唯先輩だったら、こんな冗談を言うはずがない。人を傷つけるような嘘は言わない人だ。 淡々と表情を変えずに話をするその姿・・・何だか本人ではないような気がしてきた。 ――――――――――何かおかしい。 唯先輩に会ってからの出来事を思い出してみる・・・。 大きな安心感に包まれていた為に気付かなかった、普段の唯先輩とは違う言動や振舞い。 冷静になって考え・・・気付いてしまった、数々の違和感・・・そして不安。 こんな暗闇の中に1人で居れば、恐怖心に襲われるのは当然だ。表情豊かな唯先輩だって例外ではないはず。 それなのに、唯先輩はそのような素振りは見せないどころか、私に抱きついてくる事さえしなかった。 並の人間なら、正常な状態で居られるはずが無いのに、唯先輩は常に冷静な状態だった。 淡々と話す言葉や内容だっておかしい。 こんなシチュエーションで、平然とホラーの話をできる女の子が居るものなのか。 いや、もしかしたら澪先輩を驚かせる為に、律先輩はやるかもしれない。 でも、少なくとも唯先輩はそういう事は得意ではないはずだ。 それに、私を突き放すような言葉・・・。自惚れではないけれど、唯先輩は私に対しては絶対にそんな事は言わない。 そして、今考えれば変だと思う感触があった。 唯先輩が私の涙を指で拭ってくれた時の事・・・。 そっと目尻に触れただけだったけれど・・・その時の唯先輩の指は氷のように冷たかった。 それは生身の人間では有り得ないような程の冷たさだった。 考えれば考えるほど、湧き上がってくる不安。それは・・・。 この人、本当に唯先輩なのだろうか――――― 何度か抱き締められたけれど、その時の感触もいつもとは違った。 何と言うか・・・心がこもっていなかったというか・・・。 「あったかあったかだよ、あずにゃん♪」 そう・・・抱き締められても、いつものような温かい気持ちになれなかった。 あれ?・・・今の言葉って・・・。 何時しか部室で寂しさを感じた時にかけてくれた唯先輩の・・・。 「唯・・・先輩?」 その口調に戸惑いながら、私はそっと視線を唯先輩と思しき、その人に向ける。 そこには・・・私がよく知っている、柔らかい笑顔を見せる女の子が居た。 「ゴメンね、あずにゃん・・・今までの話は全部冗談だよ。あずにゃんを怖がらせようと思ったんだけど、ちょっと度が過ぎちゃった」 「唯先輩・・・あなたは本当に唯先輩なんですか・・・?」 「当たり前だよ。私は平沢唯・・・あずにゃんの頼れる先輩だよっ」 「いや、そこまで聞いてないですし、頼りになるとは・・・」 「ぶー、あずにゃんのいけずぅ」 いけずぅと言いながらギュッと強く抱きしめてきた唯先輩。 その強い抱擁は・・・先程とは違い、いつも私に与えてくれる温かさだった。 私を不安にさせた言葉の撤回と言い、行動と言い・・・今まで目の前に居た唯先輩と、今目の前に居る唯先輩とは別人のように思えた。 まるで不安を覚えた私の心を読み取ったかのように・・・彼女は劇的に変貌を遂げていた。 「ずっと暗闇に居て怖かったよね・・・。言うの遅くなっちゃったけど、実はね、私・・・出口を知ってるの」 「えっ・・・本当ですか!?」 「うん。伝えるのが遅くなっちゃったけど、今からあずにゃんをその出口に連れて行ってあげるね」 「やっと・・・この暗闇から抜け出せるんですね・・・!!」 長かった闇の世界との戦いとも、ようやく別れを告げられる時が来る。 幾度となく襲われた恐怖からも、解放される時は近い・・・。 そう考えるだけで、私の足取りは自然と軽くなっていた。 ―――――あずにゃん・・・来ちゃ・・・ダメ・・・ ―――――お願い・・・戻って・・・ ―――――このままだと・・・あずにゃん・・・ 私の頭の中に話しかけるように聞こえてくる声・・・それは聞き覚えのある声だった。 声の持ち主は、話し方から察するに唯先輩だという事はすぐにわかった。 しかし、この唯先輩の声には、先程から聞いている唯先輩の声とは違う物を感じている。 説明すると少し難しいのだけれど、隣からではなく、遠くの方から・・・聞こえる感じがしていた。 それに・・・何と言うか・・・この唯先輩の声は、とても苦しそうに聞こえてくるのだ。 「唯先輩・・・」 「・・・」 「唯先輩・・・?」 「・・・」 「唯先輩・・・!?」 「・・・」 唯先輩は今、私の手を引きながら歩いている。目的場所は出口と言っていた。 もうすぐ出口・・・この恐怖からも抜け出せる・・・はずなのに、心は雲がかかったようにスッキリしない。 それは、唯先輩が何度呼んでも応じてくれなかったから・・・。たったそれだけなのに・・・何か不安になってくる。 それに、出口へ向かっているはずなのに、歩けど歩けど、僅かな光さえも私には届いてこない。 このまま進んで行ってしまうと、取り返しのつかない、大変な事になってしまう・・・。 そんな嫌な予感が私の中で漂い始めた・・・その時だった。 「着いたよ、あずにゃん」 「えっ・・・着いたって・・・ここは・・・」 唯先輩が着いたという場所・・・そこは、何ら変わらない闇の中だった。 ただ違う点があるとするならば、私が最初に唯先輩を見かけた時のように、ボゥッと青白い光が浮かんでいる事だ。 この光もよく見てみると不気味な物で、火の玉のような感じにも見える。・・・いや、実際には見た事ないのだけれど。 「じゃあ、あずにゃん・・・こっちに来て」 「な、何するんですか・・・?」 唯先輩は躊躇う事なく、唯先輩の元へ私をグッと引き寄せた。 今までよりも強く抱き締められた状態になり、自力では唯先輩の腕からは逃れられない程になっていた。 「唯先輩・・・痛い・・・です・・・」 「すぐに終わるから・・・目を閉じてて」 「唯先輩・・・一体何を・・・?」 普段の唯先輩がどんなに力を込めても、ここまで痛くならない・・・と言うくらいに、私は強く引き寄せられている。 その力は、人間以上の物ではないかと・・・そう考えてしまうくらいだった。 そんな時・・・私は、何者かにガシッと足を掴まれた。 「ダメ・・・あずにゃん・・・逃げて・・・」 「えっ・・・その声・・・唯先輩・・・!?」 それは、先程私の頭の中に話しかけてきた唯先輩の苦しそうな声だった。 その声に驚いた私は、すかさず後ろを振り向くと・・・そこには、苦しそうな表情の唯先輩が倒れていた。 怪我もしているようで、息をする事さえも辛そうだったが、それでも唯先輩は懸命に何かを私に伝えようとした。 「あずにゃん逃げて・・・早く・・・」 「ど、どうしたんですか、唯先輩!?・・・と言うか、唯先輩が2人!?」 「そこに居るのは・・・私に化けた偽者・・・。早く逃げないと・・・あずにゃん・・・殺されちゃう・・・」 「・・・な、何言ってるんで・・・」 言葉が全部出る前に、私を捕まえている唯先輩の言葉が頭の中をよぎった。 あの・・・私の心を一突きで仕留めてしまうような、悪魔の言葉を・・・。 『あずにゃん、今日死んじゃうんだもん』 2人の唯先輩に告げられた言葉・・・。 そして、そのうちの1人である、苦しそうな表情で倒れている唯先輩・・・。 その様子から・・・初めて、私自身に身の危険が迫っている事に気付いた。 倒れている唯先輩が本物ならば、今まで一緒だった唯先輩が偽者で、私の命を狙っていると考えるのが自然だ。 一刻も早く、倒れた唯先輩と共に逃げ出さなくてはならない。 しかし、力強く捕えている腕から、私は抜け出す事ができなかった。 「いやっ・・・離して・・・!」 「安心シロ。一瞬デ終ワラセテヤル」 「・・・えっ・・・」 口調も声質も・・・先程まで聞いていた物とはかなり違った。 とても冷酷で、この世の者とは思えないような・・・そんな声が、振り向いている私の後ろから聞こえてきた。 ドックンドックンと心臓の鼓動が激しくなる中・・・とても大きな恐怖心を感じつつ、私はゆっくりと体を戻していく。 「な、何なの・・・一体・・・」 その目の前に居たのは・・・大きな鎌を持った骸骨の化け物だった。 こいつ自身が最初から存在をほのめかしていた為、これが死神だという事を理解するまでに時間はかからなかった。 何とか、倒れている唯先輩と共に逃げ出したいと思っているが、死神の腕がギュッと私を抑え込んでいる為、抜け出す事さえ容易ではない。 「オ前の命ハ今日マデダ。オ前ノ魂ヲ頂ク。ココガ出口、ツマリ終着点・・・オ前ノ命ガ尽キル場所ダ」 「そ・・・そんな・・・何で!?」 「あずにゃんから離れて・・・あずにゃんには・・・手を出さないで・・・私が身代わりに・・・なるから・・・」 「な、何言ってるんですか、唯先輩!?一緒に逃げましょうよ!!」 「逃サナイ。オ前は先程カラ邪魔バカリスル。魂ヲ頂クノハ、コノ、ツインテールの娘ダケナノニ、ドウシテ庇オウトスル?」 「ゆ、唯先輩・・・」 「私の・・・大切な人だから・・・私が大好きな・・・人だから・・・」 「ナラバ、2人ノ魂ヲ共ニ奪ウマデダ」 死神は、手に持っている鋭い鎌を思いっきり振り上げた。 こいつの狙いが私の魂と言うのなら、唯先輩だけは助けてほしい・・・。 唯先輩を逃がそうと・・・私は渾身の力で死神の腕から逃れようとしたが、それは叶わぬ事だった。 「サヨナラ」 その声が聞こえると同時に、死神が鎌を振り下ろす。 このままではヤバい・・・。2人とも本当に魂を奪われてしまう。 そんな事は絶対にさせない! 「唯先輩、逃げて・・・!」 最後の力を振り絞り、私は唯先輩に向かって叫んだ。 ちょっとだけ・・・ほんのちょっとだけでも唯先輩に近づくように・・・私は身を乗り出しながら叫んだ。 それに呼応するように、唯先輩も上体を起こしながら、私に手を伸ばしてきた。 あとちょっとでお互いの手が届く・・・ところだった。 ―――――どんな事があっても・・・ずっと一緒だよ、あずにゃん・・・ 手を伸ばしながら言った、唯先輩の最後の言葉・・・。 苦しいはずなのに・・・怖いはずなのに・・・私を助けようと必死だったのに・・・。 最後に見せた表情は・・・いつもと変わらない・・・彼女らしい笑顔だった。 そして優しい笑顔のまま・・・唯先輩は力無く倒れ込んだのだった。 「1人目終了・・・次ハオ前ダ」 「ゆ・・・い・・・先輩・・・・・・・・・・」 目の前で、自分の大切な人が死んでしまう・・・それは映画のワンシーンを見ているようだった。 たった今起きた出来事を・・・私はすぐに受け入れる事ができずに居た。 こんな事・・・何かの嘘だ・・・現実なんかではない・・・何かの幻だ・・・。 そう自分に言い聞かせたが、私の目からは止め処なく涙が溢れてきていた。 「唯先輩・・・唯先輩・・・!唯先輩・・・!!唯先輩・・・!!!」 「サヨナラノ時ダ」 悲しみに暮れる間も無く、再び死神はその鋭利な鎌を振りかざそうとしている。 一振りで唯先輩の魂を奪った鎌は、今度は私に照準を合わせ、鋭く振り下ろした・・・。 「唯先輩・・・唯先輩・・・・・・いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 ―――――――――― ――――― ――― ― 「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」 【Trrrr・・・Trrrr・・・】 激しい息遣いと共に、私は慌てて身を起こした。 目の前に広がっている光景は、闇の世界ではなく見慣れた私の部屋だ。 視線をふと斜め前に反らすと、窓から入る柔らかな光で、愛用のむったんが輝きを放っていた。 「さっきの・・・夢だったんだ・・・良かったぁ・・・」 壮大な夢オチ・・・私は、はぁーっと大きな息をつき、再びベッドに倒れ込んだ。 目覚めとしては最悪だったけれど、ちゃんと生きているんだ・・・。 しかし・・・あの悪夢を見ている間は余程もがいて・・・苦しんでいたんだろう。 どんなに寝像が悪くても、ここまで酷くはならないだろうというくらいに布団が散乱していた。 悪夢で苦しんでいた証拠に、まだ季節は真冬にも関わらず、パジャマが汗で濡れている。 【Trrrr・・・Trrrr・・・】 私が起きてから幾度となく鳴り出す電話・・・。 ディスプレイに表示されている名前は唯先輩。 その人は、今一番声が聞きたくて・・・存在をしっかりと確かめたかった相手だった。 私は1回深呼吸をした後で、電話の応答ボタンを押した。 「もしもし・・・」 『あ、あずにゃん!やっと出たぁ!!』 電話から聞こえてくる声は、いつもの元気いっぱいの唯先輩の声だった。 コール音が長かったせいか、唯先輩の口調からはやっと繋がったという安堵の気持ちが伝わってきている。 でも、声を聞いてホッとしたのは私も同じ。何故ならこれが偽りのない、唯先輩の・・・確かな声だから。 「唯先輩・・・本物ですよね・・・?ちゃんと生きてますよね・・・?」 『もう、あずにゃんったら何言ってるの!寝ぼけてるの!?』 「いやぁ・・・あはは・・・」 『もしかしてお寝坊さん?・・・お寝坊さんなんだね、あずにゃん!?』 良かった、唯先輩はちゃんと生きてる・・・。やっぱりあれは夢だったんだ・・・。 なんて胸を撫で下ろしたのも束の間・・・私は唯先輩の『寝坊』という言葉にピクッと反応した。 今日が何の日であるのか・・・どれだけ大切な日なのかを思い出したからだ。 サッと壁にかけてある時計を見ると、針は10時15分を差している。これはまずい・・・。 「・・・・・・・・・・すみません」 『って事は、あずにゃん・・・やっぱり寝ぼ』 「すみません!!今すぐに支度して行きます!!」 『もぅ、あずにゃんったらぁ~!!』 やってしまった・・・。唯先輩の声を聞いてホッとしている場合ではなかった。 電話の向こうから聞こえてきた、唯先輩のぷんぷんした口調・・・そりゃ怒るのも当然だよね。 今日は唯先輩と初めての遊園地デートの日。朝10時に駅で待ち合わせという約束だった。 お互いにお弁当を作ってきて、交換しようという話もしていた。 2人で『あ~ん』ってし合って、気分はもう恋人同士・・・なんて妄想もしていた。 それなのに・・・だ。 デートが楽しみで、前夜になかなか寝付けなかった私・・・。全く、小学生か・・・! よく律先輩や澪先輩が唯先輩に対してツッコむセリフだ。そのツッコミに対しては私も同意するんだけど・・・。 いざ、私がその立場になってみると・・・ちょっぴり恥ずかしい。 まぁ、唯先輩はそんなツッコミは入れないとは思うけれど・・・。 なんて・・・慌てて準備をしつつも、冷静な分析をしている私がここに居た。 「お弁当の下ごしらえ・・・昨日の晩にしておいて良かった。後はおにぎりを作るだけかぁ」 私は慣れた手つきでお弁当の準備を進めてく。 普段からお弁当を作る事には慣れている。お昼ご飯を学校で買う事もあるけれど、家で作っていく事もある。 たまに憂や純におすそ分けをする事もあるけれど、一応美味しいというお墨付きもある。 ただ、いつもと違うのは・・・今回は自分用に作った物ではないという事。 大好きな人に食べてもらう為に作った、初めてのお弁当。唯先輩は美味しいって言ってくれるかな。 『美味しいよ、あずにゃん!』 嬉しそうに頬張る唯先輩を思い浮かべ、おにぎりを握る手がつい止まってしまう。 しかし、妄想から我に返ると首をブンブンと横に振り、再びおにぎりを握るペースを速めたのだった。 「お弁当はこんなもんかな・・・。唯先輩の普段のお弁当の量からすると・・・おにぎりは2個で十分だけど、 今日はいつもよりお腹空くだろうから、一応4個用意したけど・・・大丈夫だよね」 普段の唯先輩のお弁当については、既に憂からリサーチ済みだ。 あんまり沢山作りすぎるのもアレだけど・・・今日は思いっきり遊ぶ予定だから、それなりにお腹も空くと思う。 きっと唯先輩の事だから、あずにゃん天才!とか言いながら残さずに食べてくれるんだろうな。 そして、そのままデザートに私を指名して・・・そのまま・・・なんて、なーんてね! 「梓~?早く支度して出かけた方が良いんじゃないの?もうすぐ11時よ?」 「えっ、もうそんな時間!?」 私がこんなイケナイ妄想していたなんて、きっとお母さんは想像もしてなかったと思う。 だけど、妄想で暴走しかけていた私を、現実世界に引き戻してくれた事に心の中で感謝した。 『今日は全国的に晴れ渡り、厳しい寒さも無く、この時期としては過ごしやすい気候となるでしょう』 「良かったわね、梓・・・今日は1日晴れるみたいよ」 「ホント?良かったぁ」 「何だか最近は物騒な事件も起きているみたいだからな・・・気をつけるんだぞ、梓」 「えっ・・・物騒な事件って・・・?」 「知らないのか?今朝もニュースでやっていたが・・・」 「ちょっと、あなた・・・せっかくの梓のデートに水を差すような事を言わないでください」 「あ、あぁスマン・・・まぁとりあえず、楽しんでくるんだぞ。唯さんに宜しくな」 「後で素敵な報告を待っているからね♪」 「もう、お父さん、お母さんたらぁ・・・///」 玄関で出発の準備をしている時、お母さんとお父さんが代わる代わる声をかけてきた。 最初は普通の会話だったのに、最後は私をからかっているようだった。まるで純や律先輩みたいだ。 それにしても・・・そうだとわかっていても、改めてデートと言われると・・・やっぱり恥ずかしいな。 少し顔が赤くなっていた気がするけど・・・お父さんとお母さんに見られちゃったかな・・・。 靴を履き、身支度の最終チェックを行う・・・うん、問題は無いかな。 寝坊をして、慌てて出てきた・・・なんていう格好にはなってないから大丈夫だよね! 「それじゃ、行ってきます!」 「行ってらっしゃい」 二度と見たくないと思う悪夢から始まった朝のドタバタ劇・・・。 このドタバタの先には、きっと楽しい事、幸せな事が沢山ある・・・そう信じて、私は家を飛び出した。 だけど、今朝の悪夢が・・・これから起きる人生最悪の事件の前兆だという事を私はまだ知る由も無かった。 ~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~ ユイ 「アズニャンコナイ…イマナライエル。アズニャンハ、ワタシノヨメ!」 ユイ 「アズニャンハ、ワタシノヨメ!」←デンワチュウ リツ 「ナンノシュチョウダヨ」 ユイ 「アズニャンハ、ワタシノヨメ!」←デンワチュウ ミオ 「ナニイッテルンダ」 ユイ 「アズニャンハ、ワタシノヨメ!」←デンワチュウ ムギ「イロンハナイワ!」 ~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~ 「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・唯先輩、ゴメンなさい・・・」 「もう、遅いよ、遅すぎるよぉ、あずにゃん!!」 家から駅まで全力で走ってきた。それはもう、体育の授業の時よりも全力だった。 全力で走ったせいで、せっかく作ったお弁当が崩れてしまっているかもしれない・・・。 そんな心配もチラッと頭をよぎったけれど、今は呼吸の乱れを何とか治えようとする事で精一杯だ。 膝に手を当てた状態で俯きながら、私はゆっくりと呼吸を整えようとした。 「あずにゃんが1時間も遅刻するなんて、らしくないよー」 「すみません・・・私・・・」 唯先輩とのデートが楽しみで、昨晩なかなか寝付けずに寝坊してしまいました・・・とはさすがに言えなかった。 事実だけど、それをストレートに言うのはいくらなんでも恥ずかしすぎる。 そのまま言ったならば、『あずにゃんったらまだまだ子どもだね~』なんて言われるかもしれない。 普段はしっかり者の後輩で通しているのだから、そんな事を言われるのは私のプライドが許さない。 何考えてるんだろうな、私。そんなケチなプライドなんて捨てちゃえば良いのに・・・。 普段見せる事のない、意外な一面も持っているんだって、唯先輩に知ってもらえるのに・・・。 変なプライドが邪魔をして・・・どうして、こう素直になる事ができないんだろう。 「えっと・・・その、本当にすみませんでした・・・」 「まぁーったく、あずにゃんったら・・・せっかくのデートに遅刻するなんて!どう責任取ってくれるのかな!?」 「うぅ・・・それは・・・」 唯先輩の怒った口調が、私の耳に刺さるように入ってくる。 楽しみにしていたデートなのに大遅刻しちゃったんだから、唯先輩も怒って当然だよね。 2人の距離を縮めるには最適な日だと思ってたのに、初っ端から悪いイメージを持たせてしまったかな・・・。 「ちゃんと顔を上げて、私の事を見て!」 「は、はい・・・」 しっかりと顔を見て謝らなければ、いくら言葉に出した所でも誠意は伝わらないという事なのだろう。 私は今まで、唯先輩は喜怒哀楽という言葉から『怒』という言葉が欠如したような人だと思っていた。 唯先輩はいつも笑顔で、楽しそうで・・・たまに泣いたり不満そうな表情をする事があっても、怒っている姿は見た事がない。 そんな唯先輩が、初めて怒の表情を私に見せようとしている。 私にとって未知の世界・・・唯先輩の言葉に引っ張られるようにゆっくりと顔を上げた。 「おはよう、あずにゃん♪ やっとあずにゃんの可愛い顔が見られたよぉ」 「えっ・・・お、おはようございます・・・。あ、その・・・唯先輩・・・怒ってますよね・・・?」 「ううん、もう怒ってないよー」 顔を上げた先には、私のイメージしていた唯先輩は居なかった。 代わりに居たのは、その柔らかい笑顔でいつも私を惹きつけている、いつもの唯先輩だった。 覚悟を決めて未知の世界に飛び込もうとしていたから、思わず拍子抜けしてしまった。 しかしその反面、ホッとしている私が居るのも事実だ。 「怒ってないけど、あずにゃんに何かあったんじゃないかって凄く心配したんだよ~。電話にも出ないし、メールも返事が無かったし・・・」 「す、すみません・・・」 「遅れてきた理由が寝坊だったみだいだし~?それを隠そうとしてたから、わざと怖く話しかけちゃったんだけどね♪」 普通、1時間も待たされたら怒るのは当然だし、文句の1つや2つは言われそうな物だけど・・・。 だけど、唯先輩は違った。私を咎める事なく、スッと私を受け入れてくれたのだ。 「でも、遅刻の責任はちゃーんと取ってもらうからね、あずにゃん♪」 「えっ・・・唯先輩、まさか・・・」 ふっふっふっと不敵な笑みを浮かべながら、ジリッジリッと近づいてくる唯先輩。 欲望を満たそうとする彼女の瞳にロックオンされた私には、もう逃げ場は無かった。 この時の唯先輩は獲物を狙った猛獣のように、執念深く私を捕えようとするので、逃げようとするだけ無駄なのだ。 「あずにゃん分補給~♪」 「やめてくださいよ・・・ここ、駅前で色々な人が見てるから恥ずかしいです・・・」 そんな私の言葉の抵抗も空しく・・・唯先輩の腕は私を逃がさないように、しっかりと固定している。 まったくもう・・・と心の中で呟いてはみるものの、私自身、満更でも無い表情をしているんだと思う。 こうやって唯先輩に抱き締められるだけで、唯先輩の温かいぬくもりが伝わってくるから・・・。 この感覚がいつも嬉しくて、堪らなくて、愛しくて・・・。 だから、今後も唯先輩が抱きつこうとしてきても、抵抗はせずに受け入れてしまうんだろうなぁ。 「じゃぁ、あずにゃん!行こうか♪」 「はいっ!」 柔らかい笑顔に、少しだけ赤く染まった頬・・・。唯先輩の表情はとても眩しい。 この明るい太陽のような笑顔は、私の心をいつも以上に魅了していた。 いや、私だけじゃない・・・きっと皆も、唯先輩の笑顔に惹きつけられているんだと思う。 でもね、私は・・・笑顔だけじゃなくて、唯先輩の心の温かさ、優しさは勿論、ライブ本番ではカッコ良く決める姿等・・・。 沢山の面で唯先輩に惹きつけられているんだ。そんな素敵な唯先輩を、私は羨ましいと思う事がある。 「はい、あずにゃん!」 「あ・・・」 「ほら、こうした方がデートっぽく見えるでしょ♪」 「そ、そうですね・・・何かちょっと恥ずかしいですけど・・・///」 スッと手を差し伸べてきた唯先輩・・・。それは、手を繋いでいこうという意思表現だった。 デートが楽しみだったのは紛れもない私の本音だけど、それを行動で表すとなると、なかなかできないものだ。 しかし、唯先輩は躊躇する事なく行動で表し、2人のデートを楽しもうとしてくれている。 素直に自分の気持ちや考えを行動で表せる所・・・それが羨ましいと思う事なのだ。 「私、今日あずにゃんとデートできるって思うと凄く嬉しくてさ・・・ずっとこの日がくるのが待ち遠しかったの♪」 「わ、私も・・・今日は凄く・・・楽しみにしてました・・・」 デートという事を意識しすぎるあまり、私は経験した事ないほど緊張していた。 その為、精一杯自分の気持ちをアピールしようとするも、逆に声が縮こまってしまい、上手く気持ちを伝えられずいた。 普段、唯先輩と2人きりで居てもこんなに緊張はしないのに・・・ドックンドックンと鼓動が早まっていく・・・。 何でこんなに緊張しているのか・・・それは、隣に居る先輩に対して特別な想いを抱いているからというのは自覚している。 そうでなければ、昨晩や今朝の様に妄想をしたりしないだろう。そう・・・私は、唯先輩に―――――。 だけど、朝からこんなに緊張していたら、ずっと緊張しっぱなしで逆にデートが楽しめないかもしれない。 どうすれば緊張をほぐ事ができるのだろうか・・・。悩みかけた瞬間、愛しき人の声が私の耳に入ってきた。 「あずにゃんの事待ってる間、りっちゃんや澪ちゃん、ムギちゃんに、あずにゃんとデートするって電話してたんだ~♪」 「そ、そんな報告しないでください!」 「遊園地デート、楽しんで来いよって応援されちゃったんだよ~」 「デートの場所まで言っちゃったんですか・・・」 「それでね・・・電話してたら、ケータイの電池がほとんど無くなっちゃった」 「何してるんですか、唯先輩・・・。まぁ、はぐれたりしない限りはケータイを使う機会もそんなに無いでしょうし・・・」 「だから、はぐれないように今日はずっと手を繋いでいようね、あずにゃん!!」 「も、もう・・・何言い出すんですかぁ!!子どもじゃないんですから、手を繋いでなくてもはぐれないようにしてください!」 ホントは嬉しいくせに・・・。また素直になれなかったなぁ、私・・・。 まぁ、隣で少し膨れっ面になりながらブーブー言ってる唯先輩も唯先輩だけど・・・。 それでも、普段と同じようなやりとりをする事で、緊張していた心がスッと和らいでいった。 まるで、私の気持ちを汲んだ唯先輩が私に魔法をかけてくれたみたいに・・・。 フッと笑みを浮かべる私・・・そんな表情を見た唯先輩もまた、ニコッと微笑み返してくれた。 とにもかくにも、私達は遊園地に向かう事になった。勿論、手は繋いだままで・・・。 ちなみに、手の繋ぎ方が恋人繋ぎになっていたのは、ここだけの内緒・・・。 ~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~ ユイ 「アズニャンッタラ、ダイタンナンダカラ///」 アズ「ユ、ユイセンパイガ、マイゴニナラナイヨウニスルタメデス!」 ユイ 「デモ、ユビヲカラメナクテモ、イインジャナイ?」 アズ「…ソコハ、ツッコマナイデクダサイ///」 ~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~ 続き
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神からの手紙(仮) Download 作者: 作者紹介文 初期領地数 初期勢力数 初期クラス数(召喚除く) 主な種族 訓練上昇値 備考 画像元:世界地図 フリーイラスト イプノース傭兵団の記述をもう少しマイルドにした方がいいですね 18禁描写は禁止ですから、イベントを作るときに触れる可能性があるので今のうちに直したほうが良いかと -- 名無しさん (2014-09-29 23 31 33) ここまで大規模な戦闘シーンは見てて壮観だな、選曲も良い マップの大きさから見て、勢力が大量に配置されるとなるとターン回りがちょっと心配か -- 名無しさん (2014-09-30 02 18 53) 面白いがバリスタが強すぎるかな? -- 名無しさん (2014-11-04 22 59 56) すごいおもしろいとおもうんだが・・・ 即死弓強すぎて、まったく自軍が育たんwww -- 名無しさん (2015-01-29 01 17 48) 狙撃ヤバイ射程も長いし強すぎる -- 名無しさん (2015-01-29 18 02 23) 狙撃の即死確率下げるか、せめて射程狭めてもらわないとキツイ 今だといかに狙撃使えるやつを守りながら敵を削るかのゲームになってる -- 名無しさん (2015-02-04 00 01 53) ムダにマップを広大にし無意味に人材をぶち込むというコンセプトは素晴らしいと思うが、逆にいうととりあえずそれだけになっているのが残念。戦争はでっかくやりたい!という意気には激しく同意したい。 せっかくの世界地図なんだから、日本と中国だけじゃなくて、いろんな国のいろんな英雄が出てきてもいいんじゃなかろうか・・・civ? 知らない子ですね・・・ -- 名無しさん (2015-02-09 22 43 08) もう書き込まれているけど狙撃強すぎだな。即死率や射程も異常だけど付与人材のステ補正も高すぎる -- 名無しさん (2015-07-09 05 50 07) ごちゃバトル系。りべいすっぽい -- 名無しさん (2023-09-01 08 51 26) 名前 コメント
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「――ちょ、待ってマオちゃん! 何処に向かってるの!?」 マオがあまりにも全速力で走り続けるものだから、手を引かれて彼女の後を付いて行かざるを得ない ミナは既に息が上がっていた。陸上選手でもあるまいし、全速力で数十秒走り続ける事などミナにはで きるはずがなく、マオに向かって問い掛けたのをきっかけに彼女はその場で立ち止まった。 自分の手から暖かいミナの手の感触が抜けたするりと抜けた事に気付いたマオは、立ち止まったミナ から数メートル過ぎたところでようやく立ち止まった。ミナに向かってくるりと踵を返したマオの顔は 少々紅潮しているものの、息は切らしていなかった。 「んー、ミンミンって体力がないなぁ……。そんなんじゃすぐに鬼に捕まっちゃうよ?」 「ハァ、ハァ……マオちゃん、が……元気過ぎるんだよぉ……っ!」 呆れるように首を傾げるマオに対し、両手を両膝に付き、前屈みになって息を整えるミナ。数十秒と は言え、全速力の運動で上がった体温を下げるため、ミナの額には薄っすらと汗が浮かび上がってい た。汗の小さな小さな粒がやがて大きな水滴と化し、ぴたん、と白い廊下の上に弾ける。 教室を飛び出したマオはミナの手を引き、兎に角その場から逃げ出す事しか考えていなかった。三階 から階段を一気に駆け下り、何時の間にやら学校の玄関の前にある下駄箱の近くまで辿り着いていた。 そこから見える玄関のガラス戸の向こう側は真っ暗だ。街灯の一つも見えやしない。まるで学校全体が 暗幕で覆われているようだった。 好奇心旺盛なマオは、必死になって息を整えているミナを尻目に、下駄箱を通り過ぎて玄関の前に立 った。ガラス戸に右手を添え、真っ暗な外を眺める。薄気味悪い暗闇がただただ広がっているだけで、 マオには薄いガラスを隔てたその先がまるで別世界のように感じられた。 何か……変な感じ。こ、怖くなんかないけどちょっと不気味だよ――とマオはガラス戸に添えていた右 手にそっと力を入れた。鍵は掛かっておらず、何となく開きそうにないなぁと思っていた彼女の予想を あっさりと裏切り、扉は簡単に開いた。僅かに開いた隙間から入ってきた風は、冬だというのに妙に生 暖かいものだった。 「マオちゃん、何してるの?」 「ひあっ!!?」 子供が悪戯をしている最中に親に見付かった時のように、マオは文字通りビクッと飛び跳ねて驚い た。息を整え終えたミナがただ背後から声を掛けただけだというのに。 「ミ、ミンミン! マオを驚かせるような事しないでよっ! ホンッッットにビックリしたんだからぁ!」 マオは振り返りながらプンプンと頬を膨らませた。目に薄っすらと涙が浮かんでいるようにさえ見える。 「ごめん……でもそんなに驚かなくてもいいじゃない? 涙目になっちゃってるし」 「違うもん、泣いてなんかないもん! ちょっと驚いただけだもん!!」 マオ、何でこんなに驚いたんだろ。ミンミンが後ろにいるなんて分かりきってる事なのに――と言い返 しながら目に浮かんだ涙を指先で拭い取る。本当は理由など分かっていた。玄関の向こう側の空気があ まりにも不気味で、他の事を忘れるほどにそちらに集中してしまっていたからだ。 “怖いもの見たさ”。人間であれば誰しも芽生える気持ち。だがマオはそんな気持ちで玄関を開いて はいけないのだと、心の何処かで感じ取っていた。彼女の第六感がそう告げているのだ。 「ここ、ちょっと気持ちが悪いね。あんまり長居したくない、かな……」 物事に対して比較的鈍感なマオでさえ感じた事に、ミナが感じない筈がない。 「上手く説明できないけど……マオちゃん、早くここから離れようよ」 「そ、そうだね! 学校の外に出ちゃったらルール違反になっちゃうかもしれないしね!」 「うん、そうしよ。“鬼ごっこ”だし、隠れられて、それでいて見付かっても逃げやすい場所がいいよ ね。どの部屋がいいかなぁ……」 ミナはマオに背を向け、両腕を組んで天井を見上げた。各クラスの教室、音楽室や美術室、科学室な ど学校独特の部屋はいくらでもある。加えて各々に準備室もあり、ミナの考える適当な部屋を探し出す のはなかなか苦労しそうだ。 「う~ん」と小さく唸りながら、後ろのマオが追いつきやすいように大股で一歩、二歩と徐に足を進める。 三歩、四歩。 五歩、六歩。 七歩、八歩。 ――九歩、十歩と足を進めたところで、ミナは立ち止まった。下駄箱の丁度真正面だ。視線を天井から 戻すと白い上履きが規則正しく並んでいるのが見える。毎日のように見る風景で、おかしなところは何もない。 およそ一秒間で一歩というゆっくりな歩みだった。彼女の予想では三歩、四歩辺りでマオが自分に追 いつき、一緒に歩き始める筈だった。だが、十歩――つまり十秒程経過してもマオが追いついて来ない事 に違和感を覚えたのだ。そもそも足音が自分のものしか聞こえてこなかった。 そして気付く。自分の膝より下が、深く黒い霧に包まれている事に。 廊下一面が同じ状態だった。周りを見渡しても、まるで学校が浸水したかのように、ゆらゆらと廊下 を黒い霧が覆っていた。通常、煙は高いところへと昇る。溶けたドライアイスから出る二酸化炭素によ うに空気より重いものでない限りは。だから足元にこんな風に煙が溜まっているのを見るのはミナにと って初めてだった。 なっ、何これ――とミナは両手で口元を覆う。マオに話し掛けているほんの十秒前までは至って普通の 状態だったのだ。僅か十秒足らずという時間で一体何が起こったというのだろう。火事で生じる煙では ない事は明らかだ。霧は“黒”というより“闇”と呼ぶべき色をしている。 足は何の問題なく動く。ミナは慌ててマオへと踵を返した。 マオは、さっきと同じ場所に立っていた。自分と同じように足元は霧に覆われている。彼女はミナに 向けて足を一歩踏み出したような格好でそのまま硬直しており、そして彼女の表情はいつもの元気さは 皆無で、真っ青に変色していた。ミナでさえマオのそんな顔色を見るのは初めてだった。 「……マオ、ちゃん?」 恐る恐るミナは口を開いた。 マオは震えながらただ首を横に振った。眼球には大量の涙がこびり付いており、今にも零れ落ちそう だ。ミナの位置からでもそれが見えた。彼女自身、自分に何が起こっているのか分からなかった。動か ない身体は恐怖で支配されてしまっていた。否、それ以前に彼女を恐怖のどん底へと陥れたモノ――霧に 覆われて見えなくなった足を強い力で掴んでいる“何か”。 生暖かい感覚は、先程ガラス戸を開けた時に外から流れ込んできたそれと似ていた。 閉まっていた筈の玄関のガラス戸が開いている。廊下を覆い尽くしている霧は外から流れてきたもの のようだ。そして、霧に紛れ込んで校内へと侵入を果たした“何か”も。 正確には“何か”は校内へと侵入していない。窓の向こう側の世界から、舌を伸ばして獲物を捕らえ ただけなのだ。“何か”の胃の中には既に獲物が入っていたが、どうやらもう完全に消化してしまう寸 前のようで、胃が脳に「次の獲物を」と命令を送っている。 ミナはとにかく動かなければと思い、マオに向かって廊下を強く蹴るように走り出した。マオも動か ない身体に鞭を打つように、親友へと向かって手を伸ばした。ミナもその手を掴むべく手を伸ばす。 だが、その二つの手は二度と互いの暖かさに触れる事はなかった。 「いやぁぁぁっ!!」 ミナの手がマオの手に触れようとした刹那、マオの身体は窓の外へと引っ張り出された。彼女の足に 巻き付いていた“何か”の舌が今度は胴に巻き付き、一気に自分の方へと引き込んだのだ。 マオの小さな身体が闇に消えた直後、バンッ、と勢い良く閉まる玄関のガラス戸。自らの身に火の粉 が降りかからないようにするためなどど、ミナが閉めた訳ではない。ガラス戸が意思を持ったかのよう に、勝手に閉まったのだ。 「――マオちゃんっ!!?」 ミナはガラス戸に張り付き、必死になってその戸を押した。さっきまで開いていたというのにビクと もしない。押しても引いても駄目だった。反射的に下の鍵を見るが鍵など掛かっていない。 精一杯の力でガラス戸をドン、ドンと両手で叩きながら暗闇に向かって親友の名前を叫び続けるミ ナ。だが自らそんな音と声を出していては、仮に向こう側にいるマオから返事があったところで気付け やしない。十秒ほど経過した頃だ、彼女はふとその事に気付き、両手を止め、息を潜めるようにしてガ ラス戸に右耳を押し当てた。自分の心臓が脈打つ音がやけに大きく聞こえた。 聞こえるのは当然、自分の心臓の鼓動だけではない。小さいながらも向こう側から聞こえてくる声と音。 マオの悲鳴。 恐怖に慄き、死に抗うような声。 “何か”の唸り声。 捕らえた獲物を眼前にし、歓喜するような声。 一際大きな、鈍い音が聞こえた。 刹那の後、マオのものと思しき短い悲鳴が聞こえた。 それから何も聞こえなくなった。 ミナはがくんと膝を折り、ガラス戸に縋るようにその場に崩れた。 半ば放心したような目で変わらずに暗闇を見つめ続けている。 やがてミナの頬を熱い涙が伝った。 それはまるで、彼女がマオの身に何が起こったか全て悟ってしまったかのようだった。 校内から見た外の景色は闇で何も見えなかったが、外は彼女にとって見覚えのある中庭が広がってい た。見覚えがあると言っても夜の学校など来た事がなかったので、月明かりのみに照らされた中庭はな かなか新鮮味があった。 だが当然、マオにそんな新鮮味を味わう余裕などなかった。背中に衝撃と激痛が走った。上手く呼吸 が出来なくなり、ゲホゲホと大きく咽返る。彼女は冷たいコンクリートの上で、仰向けとなっていた。 黒い視界にいくつもの星が輝いており、その星空がゆっくりと移動していく。 ――違う。移動しているのは星空ではなく、マオの身体だ。彼女は自分の身に何が起こっているのか確 認するために、背中の痛みを我慢して上半身を持ち上げた。 それを見た瞬間、全身の血の気が引いていくのを感じた。そして何が起こっているのか把握した。 そこには蛙がいた。否、それは果たして蛙と呼ぶべき存在なのだろうか。一見したところそれは確か に蛙の姿をしていたが、有り得ない大きさだった。全長は悠に二メートルはあるだろう。羽虫どころか 牛や馬まで呑み込んでしまいそうな大きな口を持っている。その口から伸びた長い舌が巻き付いている のはマオの細い両足だ。ズルズルと徐に彼女を口元へと引き寄せていたのだ。 「やっ、やだぁっ! やだやだやだっ、何なのコレぇっ!?」 化け物に食べられてしまいそうになっている状況を把握したマオ。だがあまりにも急な出来事に頭の 中は真っ白になっていた。徐々に蛙の口へと引き寄せられていく身体。時計の秒針が何度か動いた後、 彼女はようやく抗う事を思い出したが、時既に遅し。いずれにしろ、抗おうにも彼女にはその術は皆無 だった。 舌が巻き付いている両足をバタつかせたところで、拘束から逃れられない。何かにしがみ付こうとし たところで、周りにはしがみ付けそうな物はない。だからと言って両手をコンクリートの地面に突っ張 り、摩擦力でブレーキ代わりにしようとも蛙の引き寄せる力には到底敵わない。 「助けてぇっ! ミンミン助けてぇぇぇっ!!」 叫び声は虚しく星空へと消えていく。涙目になりながら悪足掻きするも、あれよあれよという間にマ オの両足はすっぽりと蛙の口内に収まっていた。ヌメヌメと生暖かい感触は自分が食べられそうになっ ているのを実感させる。気持ち悪いなどと感じる余裕などなかった。食べられまいと足掻くのに必死だった。 「離せ離せ離せぇ……っ! ひぐっ、お願いだからぁ……マオなんか食べても美味しくないからぁ……っ!」 マオは二つの小さな拳を握り締めた。その拳を交互に蛙の鼻や口へと叩き付ける。傍から見ていると まるで子供が駄々を捏ねて暴れているような、そんなちっぽけな光景だったが、彼女は本気だった。拳 を叩き付ける事で蛙から逃れようとしたのだ。だがやはり無意味。蛙はパクリと小さく膨らんだ胸元ま で彼女を咥え込んだ。 そこでふと、マオの両足を拘束していた舌が解かれた。足が自由に動く。好機とばかりにマオは最後 の力を振り絞るように両手に力を込め、身体を口内から引き抜こうとした。が、蛙の動きはそれよりも 早かった。マオの悪足掻きを煩わしく思ったのだろう、蛙はマオを咥えたまま口を空へ向け、そして勢 いを付けて口ごとマオの身体を地面に叩き付けた。 「――ぎゃっ!!」 後頭部をコンクリートの地面に強打したマオは、短い悲鳴を残して意識を無くした。 死人のようにぐったりとしたマオの身体。蛙は貪るようにゆっくり、ゆっくりと胃の奥へとその小さ な身体を押し込んでいった。 ゴ、クン。 やがて蛙は満足そうにゲコッと喉を震わせた。
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熊三宝龍一発止め~ 基本コンボがそのまま使える 熊三宝龍二発止め ▼熊三宝龍二発止め→熊鉄山靠 (9LKRK→2WP) 二発止めからの基本追撃 ▼熊三宝龍二発止め→ドラムロール二発止め→熊武爪 (9LKRK→1WP→3RPLP) 二発止めからの運び追撃 小型、遠距離は不安定 熊三宝龍出し切り ▼熊三宝龍~HS→熊ちゃぶ台返し (9LKRKWPWK→HS中WP) 壁際のみの基本追撃 状況重視でバイオレンスアッパーやダブルベアクロウも ▼熊三宝龍~HS→ベアタックル (9LKRKWPWK→HS中WK) 熊三宝龍が3発目のみHITした時用の追撃 壁際であれば他にも色々入る ▼熊三宝龍→床破壊→ハウリングベア二発止め~HS→バイオレンススクラッチ(S) (9LKRKWPWK→床破壊→4RPLPWK→HS中3LPRP) 神殿ステージで出し切りが当たった場合は床破壊できるので追撃可能 6発目スクリューになるので〆はラビットくらい 備考 熊三宝龍二発目のみHITした時は、一発止め時と同様のコンボが入る。
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修練所からの挑戦状 依頼主 :ヒュグベルト(モードゥナ X22-Y8) 受注条件:レベル50~ 概要 :レヴナンツトールのヒュグベルトは、冒険者に教えたい話があるようだ。 ヒュグベルト 「昔の知り合いから、腕利きの冒険者に伝えてくれと 頼まれた話があるんだが・・・・・・聞いていかないか? 東ザナラーンの「ハラタリ修練所」という場所なんだがな。 第七霊災の混乱で放棄されていたが、 少し前、冒険者の活躍によって開放されたのさ。 そのあと、剣闘士や冒険者の訓練施設にするため、 しばらく再整備が行われていたんだが・・・・・・ そいつが終わって、挑戦者を集めてるんだそうだ。 興味があるなら、ハラタリ修練所の「アール」を訪ねろ。 その男が、参加の便宜を図ってくれるだろう。」 ハラタリ修練所のアールと話す アール 「ようこそ、ハラタリ修練所へ! ・・・・・・ほう、ヒュグベルトから話を聞いて来てくれただと? そうか、あいつ本当に話を広めてくれているのか・・・・・・。 奴は元々、コロセウムで戦う拳闘士でな。 オレとしては、コロセウム財団に戻ってきてほしいのだが・・・・・・ ・・・・・・おっと、そんな話をしたい訳じゃないよな。 ・・・・・・ところで、君はもしかして、 ファファジョニ上等闘兵が言っていた冒険者ではないか? ならば、いつか礼を言わねばと思っていたのだ。 我々「コロセウム財団」が、ここの再整備を進めて、 修練所が真の役割を果たせるようになったのも、 すべては、君が魔物から開放してくれたおかげなのだからな。 まぁ、いまだに見かけは古臭いままだし、 一部の区画には、まだ魔獣も残っているのだが・・・・・・ 対処は銅刃団に任せているし、修練所の運営に支障はないぞ。 さあ、どうだ? 新しいハラタリ修練所に、挑戦してみる気はないか? 君ほどの冒険者の挑戦ならば、我々は大歓迎だ。」 アール 「コロセウム財団は、腕利きの闘士を常に求めている。 ここハラタリ修練所も、もともとは、 集めた闘士を鍛えるための施設だったのだ。」 ヒュグベルト 「コロセウム財団に戻ってこい、か・・・・・・。 未練がないって言えば、嘘になるんだがな・・・・・・。 でも今は、このレヴナンツトールで、 冒険者たちの噂話を聞く毎日が楽しいのさ。」