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仮面ライダー王蛇& 仮面ライダーガイ【PRM ver.】 仮面ライダー王蛇& 仮面ライダーガイ【PRM ver.】 BJNo 2 レア ★★★★★★ 属性 ライバル 最大レベル 70 スート ハート 剣戟 HP 種族 ダークライダー ハチュウルイ 攻撃 時代 平成 毒 チャージ 99 No.3803編集 作品 仮面ライダー龍騎 魔王 MAXレイズ 3000 スキル 必殺 近くにいたお前が悪い 280 【連続技】[受けるダメージを1枚目のカードHP700%分ダウン] [【ヴェール[カードを消す]】このラウンド、このカードは対象スキルの効果を受けない] [このカード攻撃力をこのカードHP分アップ]を発動 超必 ベノクラッシュ 150 【直接ダメージ反撃】自分が受けた直接ダメージを、防御効果無視で15000まで反撃する ディーラースキル(リーダー) 自分が受けるダメージを、自分のデッキHPの10%分ダウンさせる自分が受ける直接ダメージを、自分のデッキHPの5%分ダウンさせるバトル開始時、相手の必殺技ゲージを、200奪うバトル開始時、相手のHPを、5000奪う自分の「ライバル」属性のカードのHPを、200%アップする自分の「魔王」属性のカードのHPを、200%アップする【コンボ倍率強化】コンボ「ダークライダー」の倍率に、100%を加算する【発動条件:ライド数10】自分の「ライバル」属性のカードの攻撃力を、50%アップする ディーラースキル(ヒット) なし 奥義 迎撃陣 カウント9 相手が次に発動した必殺技を自動的にキャンセルする BJエフェクト 自分の必殺技ゲージを100%回復する フレーバーテキスト 【EX】戦いを純粋に楽しむ王蛇と、ゲームとして楽しんだガイ。似たところのある二人だったが、実力も狂気も、王蛇が一枚上手だった。 入手方法 備考 コメント コメント すべてのコメントを見る
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ARMOUR ZONE ◆OLR6O6xahk 拡声器によって増幅されたその声は、人間離れした聴覚を持つ円城周兎にはよく届いた。 ぞいと語尾に着ける怪人物を煽るだけ煽り立て、最後には同行者に逃げろと逃走を促す声。 その内容を理解して、周兎が想起するのは唯一人だ。 「――――権三、あいつか…!」 前園甲士と並ぶ生粋の下種にして危険人物、今之川権三。 自分のようなナノロボ感染者とは違い、もし普通の人間があいつと出会ってしまったのなら余りにも危険だ。 「ナイチンゲールさん!」 「えぇ、要救護者がいるとみて間違いはないでしょう。ではお先に」 「なぁッ」という周兎の声も置き去りにして、ナイチンゲールはスプリンターが如き疾走を開始する。 声は既に止んでいる。今之川権三が同行者である周兎の伝聞通りの人物なら声の主が生きている可能性は限りなく低いだろう。 しかしそれでもナイチンゲールは行く。行かなくてはならない。 全ての命を救うという狂的なまでの信念が、それ以外の選択を許さない。 走るスピードは既に自動車並みの速度に到達し、このままいけば後数分もしないうちに目標の場所へと到達するだろう。 しかし―――、 「……女か」 そんな彼女の進軍を阻むように、前に新たな『治療対象』が現れる。 蛇柄のジャケットに身を包み、体の至る所に火傷を負った男。 火傷はまだ負って新しい物だ。だというのに、男はまるでそれを気にしていないかのように立っている。 その顔に、獰猛な殺意と闘志漲らせて。 「……道を開けては頂けないでしょうか。私はその先に用がありますので。 その後、貴方の治療も約束しましょう」 患者の負傷度によって治療の優先順位を決めるトリアージ、という医療用語がある。 目の前の男とあの叫びを発した声の主、より優先すべきは後者であるとナイチンゲールは判断した。 しかし、目の前の男も決して捨て置ける存在ではない。 火傷だけではなく、恐らくもっと根幹に近いところで男は病んでいる。 それも、先程戦った童磨という男にひけをとらないレベルでだ。 「つれないこと言うなよ。こっちはイライラしてんだ…変身!!」 男はそう言うと何かを民家の窓ガラスへ向け、その直後その姿が光に包まれる。 ナイチンゲールはその瞬間を以て、男が敵対存在であると決断した。 魔力で作成したペーパーボックスピストルを引き抜き、男へ向け発砲する。 しかし、既に変身を終えた男は――浅倉威/仮面ライダー王蛇は動じない。 紫色の装甲に着弾し奔る火花を気にもせず、バックルからカードをセットする。 ―――SWARD VENT――― 機械音が鳴り響くと同時に王蛇の手の中に大蛇の牙を模したサーベルが現れ、それによって弾丸を一発残らず叩き落す。 その光景を目にしたナイチンゲールは即座にピストルを投げ捨て、王蛇の方へと疾走を介する。 本来ならば拡声器を使った少年の救助を先に片づけたかったが最早是非もなし。 迅速に、正確に、鎧の男を制圧し適切な処置を行った後、改めて向かうほかない。 ピストルの弾丸は装甲に阻まれ決定打になり得ない、メスを用いた斬撃も同様だろう。 そこでナイチンゲールが選んだのは拳を用いた格闘戦だった。 蛇の鎧を纏った獣のサーベルと、鋼鉄の白衣を纏った女の拳が衝突する。 それも一度では終わらない。 二度、三度と交錯は続き、お互いの吐息を感じる距離でのインファイトへと状況は移行する。 「ハハハハハッ!いいぜぇ、ここは面白い女が多い!!」 ――迅い。そして重い攻撃だ。 太刀筋も何もあったものではない雑な連打だが、獣の如き勘の良さと怒涛の攻めがそれを補っている。 魔力反応を感じない所からサーヴァントではないようだが、鎧の男の実力はサーヴァントにも比肩しうるだろう。 「――ですが、甘い」 戦闘開始から五秒、王蛇の攻勢が鈍り始める。 嵐のような怒涛の攻めを冷静に見極めていたナイチンゲールが反撃に移ったからだ。 恐るべきは彼女のスキルである『人体理解』。 積み上げられ、スキルとして昇華されるにまで至った経験と勘は常に最も効率的な人の壊し方を彼女に伝え続ける。 ―――十秒。 ここで遂に均衡が崩れ、ナイチンゲールの拳が王蛇を捉えた。 鳩尾に痛烈な一撃が突き刺さり、王蛇は堪らず吹き飛んでいく。 だが、彼女はここで手を緩める愚は犯さない。 ダメ押しの一撃を叩き込み、脅威を完全に沈黙させるべく一足飛びで地を駆ける。 男は何とか立ち上がろうとしているようだが、無駄だ。数分は立ち上がれない。 その様にナイチンゲールは攻撃を加えたのだから。 それでも何とか抵抗を試みようとその手に掴んでいたサーベルを投げつけてくるが、その程度で彼女の足が止まることは、当然なく。 「無駄です」 到達するや否や、降下中のハヤブサも目を剥く速度でマウントを取り関節を極める。 如何に堅牢な装甲を有していようと、こうなれば抵抗は不可能。 かくして会敵から僅か三十秒足らず。 いともあっさりと、決着はついた。 再び出現させたピストルを後頭部に突きつけ、彼女は口を開く。 「さて、手早く行きましょう。私はフローレンス・ナイチンゲール。看護婦です。 診断結果をお話する前に先ずは貴方の名前を教えていただけますでしょうか?」 後頭部のピストルの存在を誇示し、有無を言わさず言葉を促す。 どう見てもその行為は看護婦のそれではなかったが、彼女はこの方法が最も効率的であると判断。 そして、その狙い通り這いつくばる鎧の男の口から浅倉威という返答を引き出した。 「ではミスター浅倉。これより貴方を拘束し、別件を終えた後にしかるべき治療を受けてもらいます」 「異常なほどの攻撃衝動…衝動性障害の症状が貴方には見受けられます。 即刻貴方は私の処置を受けるべきだ」 「大丈夫、安心なさい。貴方の命を奪ってでも、私は貴方を救いましょう」 矢継ぎ早に、しかし言い聞かせるように浅倉へナイチンゲールは言葉を紡ぐ。 返答は求めていない。 既に話した内容は彼女にとって決定事項なのだから。 言葉の結びと同時に手刀を作り振り上げる。 計算されつくした軌道で空気を裂き、一撃で以て浅倉の意識を刈り取る一撃だった。 「――――やってみろ。できるもんならな」 振り下ろした手刀が届く直前、ナイチンゲールの右方から凄まじい衝撃が走る。 まるで、大型トラックに猛スピードで衝突したかのような威力。 吹き飛ばされながら振り向けば紫の体表を持つ大蛇が突如として現れ、咢を開いていた。 その双眸に、主人と同じ凶暴な殺意を秘めて。 浅倉の取った作戦は、依然警察に拘束された際に取った同一のものだ。 ベノサーベルを投げつけたときに、予めアドベントカードを抜いておく。 その後、密かに忍ばせておいたガラス片からモンスターを強襲させるという、 相手にカードを使いトリッキーな戦闘を行うライダーの知識がない事を利用した策だった。 彼の狙い通り、完全に不意を打たれたナイチンゲールの対応に一手遅れが出る。 そんな彼女の一瞬の隙に食い込むように、既に狙いを定めていた大蛇は容赦なく――業火を吐いた。 「―――――ッ!?」 サーヴァントの肌すら焼き払う青き炎。 ただの炎ではない。あらゆる物に纏わりつき溶かした後に内側から焼き尽くすナパーム弾と同じ粘性の炎だ。 それを直に受けたナイチンゲールは声なき叫びをあげた。 「ハハハハハハハハ!!!」 狂笑を上げながら立つ事すら覚束なかったはずの王蛇が立ち上がる。 此処でもし他のライダー、城戸真司や秋山蓮がこの光景を見れば違和感を抱いたかもしれない。 まず、英霊の痛打を受けてなお立ち上がる王蛇の異常な耐久力。 人間離れしたタフネスと執念深さを誇る浅倉だが、当然ながら限界はある。 筋力Aの神話の大英雄に匹敵する膂力を有するナイチンゲールの拳はその限界に足る筈の物だ。 第二にベノスネーカーが吐き出した炎。 ベノスネーカーーは確かに消化液を吐き出しモンスターやライダーを攻撃するが、あくまで消化液であり、此処まで凄まじい熱線を吐くことはない。 そもそも、ベノスネーカーは先程の戦闘で二体のサーヴァントの宝具を受け半死半生のダメージを負っていたはずである。 にも拘わらず、王蛇はブランク体となることはなく健在である。これは何故か。 その答えは先程彼が戦ったバーサーカーのサーヴァント、清姫にあった。 浅倉が狂気に身を任せて戦い、その果てに苛立ちを募らせていた裏でベノスネーカーは文字通り朽ち果てかけていた。 しかし、生死の境目でベノスネーカーはミラーモンスター似た強大なエネルギーを感じ取る。 それこそが王蛇が倒したサーヴァント、清姫の霧散しかかった魔力だ。 ライダーでもミラーモンスターでもないそのエネルギーを口にするのはベノスネーカーにとっても賭けであった。 しかし、炎と雷に焼かれ死にかけていた怪物にそれ以外の選択肢はなく。 かくして最後の力を振り絞り、天へと昇っていく清姫だった光の粒子を一つ残らず食らったのである。 そして、ベノスネーカーは賭けに勝利した。 人類史に刻まれたサーヴァントの魂は人間やミラーモンスターとは桁違いに上質であり、負った火傷を治癒するのみではなく更なる力を与えた。 これは食されたサーヴァント、清姫の竜種としての側面がベノスネーカーに近しい物だったことも起因するだろう。 「シャアアアアアッ!!」 怪気炎を上げてベノスネーカーがナイチンゲールに襲い掛かる。 直感的に怪物は理解していた、目の前の獲物が先程食らった極上のものと同一の存在であることを。 消し炭にはしない。 今度は弱らせた獲物を丸のみにして、直接柔らかそうな肢体を味わ―――、 「―――このような場所に動物とは、何たる不衛生……!!」 一言でいうならば、ベノスネーカーは油断していた。 目の前のフローレンス・ナイチンゲールという女傑に対して。 全身のあちこちが焼けているにも関わらず、ナイチンゲールの全力の拳は6メートルを優に超えるベノスネーカーを一撃で打ち抜いていた。 清姫の魂を喰らってパワーアップしていなければそれで決着がついてもおかしくはなかった拳を受け、遥か彼方まで吹き飛んでいく。 ――――FINAL VENT―――― 自身のモンスターが吹き飛ばされたのにも関わらず、王蛇は動じない。 彼にとって、ベノスネーカーもカードの一枚に過ぎないのだから。 炎渦巻く戦場に機械的な電子音が響く。 「看護婦だか何だか知らんが…ウザいな。戦えればそれでいいんだよ、俺は」 その言葉は短いながら圧倒的な断絶を現していて。 この世の誰もが浅倉威を必要としていないように、浅倉威も誰一人として必要としてはいないのだ。 彼に治療受けるつもりなどさらさら無かった。 一匹の獣は新たに呼び出したエイ型のモンスター、エビルダイバー背に飛び乗り、ファイナルベントであるハイドベノンを放つ。 すかさずナイチンゲールも迎撃の体制を取るが、血の塊を吐いて体勢を崩してしまう。 全身を焼かれた時に吸い込んだ黒煙が肺にダメージを与え、童磨との戦いで負った傷が開いたのだ。 その影響は、突進してくる王蛇を前に致命的な隙を生む。 いかにサーヴァントといえど、火だるまになり内臓を損傷した状態でファイナルベントの直撃を受ければ命はない。 「ガァッ…!?何だ…」 その時だった。 王蛇の足元に高速で何かが飛来し、その衝撃を受けてエビルダイバーから勢いよく落下。 ファイナルベントも不発に終わってしまった。 ナイチンゲールが飛来物の方向を見れば、見覚えのある少年が紙の様に薄くなった人差し指を向けている。 「間一髪、だな…さっさと一人で行くなんて酷いぜ。ナイチンゲールさん」 円城周兎。ナイチンゲールを救ったのはこの地に来て二番目に出会ったナノロボ感染者の少年だった。 骨銃(ボーン・ガン)という彼の放ったダイヤモンドよりも硬い弾丸が、王蛇を撃ち落としたのだ。 「今のうちに一旦引こう。幾ら何でもその傷であいつの相手をするのは危険だ」 駆け寄りながら周兎は左手の他の指で骨銃を撃ち、王蛇を牽制する。 着弾のたびに王蛇の装甲に火花が散り、行動を阻害していた。 しかし、その光景にナイチンゲールが抱いたのは安堵よりも危機感。 骨銃は確かに優秀な飛び道具だが、それは彼女の使うピストルも同じこと。 それだけで王蛇が身動きできないほど封じ込められるとは思えなかった。 そして彼女の危惧は直後に現実のものとなる。 ―――FINAL VENT――― 再び無機質な機械音性が大気に木霊する。 骨銃の妨害を受けながらも王蛇が引き抜いたカードをその手のベノバイザーにセットしたのだ。 すると、今度はサイ型の怪物――メタルゲラスが王蛇の背後に姿を現す。 このモンスターとの複数契約から為るカードの豊富さこそが王蛇最大のアドバンテージだった。 サイに騎乗する王蛇の姿を目にした瞬間、周兎に肌が泡立つような悪寒が奔る。 「う、おおおおおッ!!」 ドンッドンッドンッ!! 残った右手の指を指向し息つかせぬ三連射。 隣を見ればナイチンゲールもピストルを発砲している。 だが既に加速している王蛇の勢いを止めることはできない。 周兎はどれだけ優秀なハンターでも、真正面からヒグマと相対するのは避けるという話を想起した。 時速数十キロで突進してくるヒグマはライフルのヘッドショットでも止められないのだ。 (くそっ!タブレットさえあれば) それでもタブレットで強化した自分の骨銃なら止められたかもしれない。 このままでは二人とも串刺しにされておしまいだ。 助けに入っておきながら、何と情けない結末だろう。 間合いが一瞬でゼロになるのを感じながら、周兎はナイチンゲールに詫びる様に一瞥した。 ―――全ての毒あるもの、害あるものを断ち。 しかして彼の目に移ったフローレンス・ナイチンゲールは、 かつて小陸軍省と謳われた鉄の女には、 窮地にありながらいまだ一片さえ諦観の色はなく。 ――――我が力の限り、人々の幸福を導かん…! 全身を焼かれ、肺の裂傷が開いてなお。 その両足は台地を踏みしめ、真紅の瞳は未来だけを見据える。 突っ込んでくる怪人の事も忘れ、周兎は貴婦人の背後に現れた人影に目を奪われる。 ナイチンゲールの背後に並び立つ、長大な剣を持った白衣の女神。 効果範囲内のあらゆる毒性と攻撃性は無視され強制的に作り出される絶対安全圏。 彼女の生涯の秘奥である宝具の開帳―――! ―――我は全ての毒あるもの、害あるものを断つ(ナイチンゲール・プレッジ)! ■ 「チッ、どういうことだ…!」 自分の放ったファイナルベント、ヘビープレッシャーは確かに着弾したはずだった。 だと言うのに看護婦の女もつんつん頭のガキも傷一つない。 その不可解な現象に、王蛇は歯噛みした。 「すげぇ…これナイチンゲールさんが?」 周兎は今しがた起きた現象に驚嘆の声を漏らす。 先程確かにサイに乗った蛇男の突進を受けたはずのなのに、体には傷一つなく。 骨銃で消費した骨も全て元通りに再生している。 ナイチンゲール本人を見ればさっきまであった全身を包む火傷は消え失せ元通り瑞々しく美しい顔が戻っていた。 その表情は先程までの鉄面皮より更に厳しいものになっていたが。 「ミスター円城、救援感謝します。そして、早急な避難を」 「アンタを置いていけるわけないじゃないですか。あの野郎を野放しにしておけない。俺とナイチンゲールさんの二人なら」 「罹患者は彼だけではありません」 ナイチンゲールの短い返答と同時に、周兎の異常発達した聴覚が遠来の音を捉える。 雷雲など夜空には見られないというのに――― 「あらあら、休息を終えて来てみれば、見た顔もいらっしゃるようですね。 まぁ、まず先に斬り捨てるべきはカルデアのサーヴァントでしょうが」 その時、周兎の聡明な頭脳は何故ナイチンゲールが逃げろと言っていたのかを理解する。 彼女はサーヴァント言う歴史に刻まれた存在で、宝具と呼ばれる強力な切り札をそれぞれ有しているという。 きっと先程の現象もその宝具を使ったのだろう。 そしてその時発生した魔力を辿ってここへ来る者もいるはずだ。 もとより、この周辺は拡声器の音に惹かれて人が集まりやすくなっている。 あれだけ派手にやれば気が付かない方がおかしい。 姿を現したのはナイチンゲールに勝るとも劣らぬ美しき女性。 黒髪は流麗に背中を流れ、その胸は豊満であった。 ともすれば周兎も一瞬見惚れそうになったかもしれない。 彼女が、全身を冷酷な殺気で満たしていなければ。 たおやかな手に握られた長刀は時折雷霆を疾らせ、先程自分が聴いた音の正体を周兎は戦慄と共に理解した。 「我が忌み名、ライダー・黒縄地獄。 覚えるかどうかはご自由に。覚えた所で待ち受ける先には鏖殺以外にないのですから」 夜明けは、いまだ遠い。 【C-3/東部/1日目・黎明】 【フローレンス・ナイチンゲール@Fate/Grand Order】 [状態]:魔力消費(大) [道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~3 [思考・状況] 基本方針:救う。殺してでも。 1:目の前の病に侵された者たちを治療する。 2 傷病者を探し、救助する。今は拡声器の少年の生死を確認したい。 3:童磨は次に会ったなら必ず治療する。 4:『鬼化』を振り撒く元凶が、もし居るのなら─── [備考] ※参戦時期はカルデア召喚後です。 ※宝具使用時の魔力消費量が大きく増加しています。 ※円城周兎からナノロボについて簡単な説明を受けました。 ※沖田総司をカルデアに召喚された沖田総司であると認識しています。 ※情報交換により前園、権三の情報を得ました。 【円城周兎@ナノハザード】 [状態]:健康、ナノタブレットを1錠服用済 [道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~3 [思考・状況] 基本方針:悪党は叩き潰す 1:目の前の敵を退け、拡声器の声の主の救助を行う。 2:ナイチンゲールを手伝い、病院を目指す。 3:前園、権三に最大限警戒する。また、前園は殺す。 [備考] ※原作22話終了後、母親が死亡してピーマンの肉詰めを食べた後からの参戦 ※あと数時間の内にナノタブレットを3錠以上服用すると頭が爆発して死亡する可能性があります。 ※ナイチンゲールから童磨、および鬼滅の刃出典の鬼についての情報を入手しました。 ※サーヴァントについて基本的な情報を得ました。 【浅倉威@仮面ライダー龍騎】 [状態]:全身に火傷、腹部にダメージ(小)、王蛇に変身中 [装備]:王蛇のカードデッキ [道具]:基本支給品一式×2、ランダム支給品0~3 [思考・状況] 基本方針:いつも通りに闘う 1. 目の前の獲物を殺す。 [備考] ※メタルゲラス、エビルダイバーと契約後の参戦 ※清姫の霊核を食べたことによりベノスネーカーが清姫の能力の一部を得ています。 ※それを受けて王蛇のスペックも向上しています。 【源頼光@Fate/Grand Order】 [状態]:健康。中度の疲労。 [装備]:絶刀・鉋@刀語、弓矢@Fate/Grand Order [道具]:基本支給品一式、ランダム支給品0~1 [思考・状況] 基本方針: 英霊剣豪として一切合切を粛正する。 1. カルデアのサーヴァントを排除する。 2.もう一体の鬼については状況を見て判断。 [備考] ※源頼光ではなく、英霊剣豪七番勝負のライダー・黒縄地獄としての参戦です。 Next 食物語・とがめアマゾン Previous マジでXXする五秒前 前話 お名前 次話 ハザード&レスキュー 円城周兎 ハザードは終わらない フローレンス・ナイチンゲール NEXT HUNT 浅倉威 獣達の夢 源頼光 目次へ戻る
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獣達の夢 ◆Wott.eaRjU ピリピリとした風が空を裂く。 灼熱から生まれ出たその風は触れるもの全てを焼かんとしていた。 炎の奔流。英霊の座に刻まれた存在が振るう魔力を基とするもの。 常人は言うに及ばず、人の理を外れた存在でさえ灼くことは容易であろう。 その炎はただ一振りにより薙ぎ払われ、刀をつたい塵となって空へ消えた。 「あらあらまあまあ——虫と思えばはぐれサーヴァントでしたか」 炎を裂き、顔を浮かばせるは平安の日本にて、幾多の怪異を討ち滅ぼした英雄こと源頼光。 ただし、そこに居るのはその源頼光の骸。一切塵殺の宿業を埋め込まれた、“英霊剣豪”が一騎——ライダー・黒縄地獄。 黒縄地獄は眼前の敵、薄緑色の長髪をなびかせる少女に対して笑う。 少女は黒縄地獄と同じく、人智を超えた存在であり、先程の炎を生み出したサーヴァント。 真名を清姫といった。 「わたくし、これでも気を遣ったのですが——ええ、まあわたくしとしてはなんですが」 清姫には黒縄地獄のような戦場の逸話は持たない。 一人の男性を恋い焦がれ、恋い焦がれ、ただ恋い焦がれた。 しかし、男性はその恋に答えることはなく、彼女を遠ざけた。 一つの嘘。男性にとってはきっと大事とは捉えていなかったであろう言葉。 彼女はそれを信じて、裏切られて、悲観に暮れて、そして追った。 ただ、追って追って追って追って。 その先に手に入れたものは男性の心ではなく、総てを焼くための炎と醜い異形。 「やっぱり面倒なので、焼き払わせてくださいね。頼光さんでしたか……まあ、なんでもいいですけど。ますたぁさえいればいいのですから」 「ええ。しっかりと焼くことをすすめましょう。せいぜい、あなたのマスターがこの刀で斬り捨てられる前に」 炎をまとう清姫が笑い、黒縄地獄は刀の構えにより応えた。 ※ エリアC-3の一画でライダー・黒縄地獄と清姫は出会った。その出会いに作為はなく、ただの偶然であった。 それでもサーヴァントの存在である二人は、瞬時にお互いが自身と同様のものであると悟った。 清姫にとってマスターの無事が第一の目的であり、戦闘は避けられるものであれば避けたいと考えていた。 しかし、黒縄地獄の考えは違った。彼女はサーヴァントであるだけでなく、英霊剣豪の一騎。 黒縄地獄は英霊剣豪の装置として、この場に居る存在の殲滅が目的としている。 先刻は猗窩座ともう一人、新たな存在が現れ、消耗を増やさないために場を引いただけに過ぎない。 話を持ち掛けようとする清姫に対し、黒縄地獄は雷を纏った矢で返答し、現在に至った。 「ああ、なんて下品な炎でしょうか」 黒縄地獄が刀を握り、前方へ踏み込む。その踏み込みは地を滑空するが如く軽やかに黒縄地獄の身体を跳ばした。 草木の揺れが踏み込みの速さを物語るかと思えば、握りしめた刀より無数の風が吹き荒れる。 目にも止まらぬ剣の切っ先の震えが炎を揺らし切り裂く。 生前に鳴らした、類まれな剣術の業に英霊剣豪の力が重なり剣の威力を生んだ。 清姫の放った炎が瞬く間に四散し、黒縄地獄はその体の勢いを殺さずに炎に飛び込む。 苦痛にゆがむ表情など見せることなく、ただ目の前の敵との距離を縮める。 しかし、そこには在るべき存在は見当たらない。 「あら。あなたの雷こそ、ばちばちと……とても耳障りです」 見上げる黒縄地獄の視線の先に清姫の姿が見えた。 清姫はふわりと風に吹かれるような跳躍により、後方へ体を飛ばした。 サーヴァントの力の源を利用した魔力は、生前武芸に関しては一般の域を超えぬ清姫の身体を羽ばたくように動かせる。 そして清姫を囲むように四つの青白い炎が小さく灯り、一瞬のうちに彼女の頭程度の大きさに膨れた。 清姫は手に握った扇を口元に寄せ、舞う様に華奢な体をねじらせ、廻る。 四つの炎は一瞬清姫と同じように動き、やがて彼女の体を離れ飛んでいく。 向かう先は天ではなく、地上。黒縄地獄の双眸に吸い込まれるように空を切った。 「気が合わないようですね。いえ、これはこれで——」 前方へ踏み込んだ体にいともたやすく静止をかけ、斜め上方へ黒縄地獄が跳ぶ。 静止は一瞬。常人には予想も出来ないほどの軌道で動く。 見る者にとって身体にかかる負担は予測も出来ないが、黒縄地獄に一切の怯みはなく、ただ風を切る音を捨て疾駆する。 刀を振るう。害にもならない羽虫を払うように、握った刀で清姫の炎を斬り捨てる。 そして宙に浮いた黒縄地獄の身体は地面に向かうことなく、そのまま清姫へ向かう。 英霊剣豪の強靭な身体能力はたとえ主催者により手が加えられていたとしても、人の常識には余る代物。 清姫の表情には少しの驚きの色が見て取れた。 そんな清姫を嘲笑うかのように黒縄地獄の身体は、清姫を越え漆黒の天を背負う。 両手に握りしは刀。決して折れぬ、一振りの絶刀で上段の構えを取る。 「そちらも目障りですよ——醜い羽虫が」 強烈な一撃が清姫を襲うが、彼女は瞬時に扇で対抗する。 ただの扇ではなく、サーヴァントの魔力で構成された扇の性能は言うに及ばず。 しかし、相対する相手もまたサーヴァントであり、更には英霊剣豪の一騎。 ライダー・黒縄地獄——源頼朝の雷鳴とも言える一撃は生半可なものではない。 一撃の力が増す。徐々にではなく、息もつかぬ一瞬に。 増大した力の一端が清姫の視界を走り、彼女の全身をなぞるようにほとばしる。 「ッ——!」 「さぁ、無様に散りなさい。その汚い魔力は、精々拾って上げましょう」 雷が爆発する。放出する魔力が轟雷となり、絶刀の刀身に帯びる。 先刻まで刀を受けていた清姫の扇は文字通り弾き飛ばされ、宙に舞った。 清姫は苦悶の表情を浮かべ、溜まらずに下方へ落ちていく。 そんな清姫を黒縄地獄は冷たい目で見降ろし——否、彼女の眼前に今まさに迫っている。 身体をしなやかに回し、両腕に握った刀を振りかぶり、清姫の身体に横殴りに叩き込む。 言いようのない音と嗚咽が響く。同時に、清姫の体は草林の中へ飛び込むように吸い込まれた。 ※ 「まったく……敵であれば邪魔なこと、この上ないですね」 衝撃にとばされそうになった意識を辿り、体を起こしながら清姫は思考する。 鋭く睨むはライダー・黒縄地獄と名前だけは名乗った、にっくき敵。 清姫にとって同じカルデアに所属するサーヴァントであり、特に親交があるわけではない。 互いに存在を認知はしている程度。それでもあちらは自身について特別反応を示さない。 おそらくは自身を知らない源頼光であり、彼女にとっての自分もそうなのであろう。 何故、ライダー・黒縄地獄という聞き覚えのない名前を名乗っているかはわからないが——いいや、違う。 理解が出来ないわけではない。 そう、ただ単に、そんなことに興味はないのだから。 「邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔…ますたぁの元に行くためには邪魔ですよ」 想うは自分を召還した、カルデアの魔術師、藤丸立香の事。 “ますたぁ”である彼の無事こそが最優先の目的であり、他は些細な事でしかない。 ああ、でもますたぁは違う考えなのだろう。 カルデアに呼ばれたサーヴァントを一人でも欠けないように救おうとするに違いない。 やさしいますたぁ。嘘はぜったいにつかないますたぁ。わたしのますたぁ。 でも、でも、でもたとえばそう、この清姫が無事に切り抜けるためならば。 愛するますたぁのサーヴァントが一騎、無惨に焼き尽くされても、きっとわかってくれるはずだから。 「だから、さっさと燃えちゃってくださいね」 清姫が翻すは再度浮かばせた扇。 扇の一振りにより生まれた赤白い炎を一直線に飛ばす。 狙いは黒縄地獄。細い両目がかすかに見開くように動いたのを清姫は自らの炎越しに見た。 黒縄地獄は離脱も、刀での切り払いも間に合わず、瞬く間に炎に包まれていく。 「……さすがはサーヴァントとでも言いましょうか」 黒縄地獄に油断があったわけではない。 先刻の一撃には確かに手ごたえがあったが、サーヴァントの頑強な身体はやはり侮れない。 たとえ甲冑に身を包もうとも容易に切り捨てられる雑兵とは違うのだろう。 加えて清姫の魔力を伴った炎の速度もまた計り知れないものだった。 黒縄地獄といえども、放っておけば骨の髄まで焼き尽くされてしまう炎の勢いは今も健在。 刀で受けた炎を再度切り払い、次なる攻撃を加えようとする清姫の先手を取ろうとする。 その瞬間だった。この場で初めて感じた感覚。 先刻死合った鬼とはまた違う存在を黒縄地獄は感じ、清姫も同時に知覚した。 「——なんだ。楽しそうじゃねぇか」 派手な洋装のシャツを羽織り、茶色に染めた男が嗤う。 黒縄地獄と清姫に向かって、悠然と歩いている。 黒縄地獄は男の歩みを止めようとはしなかった。 恐れを抱いたわけではない。ただ、目の前の存在が一体なんであるかが気になった。 サーヴァントではない。独特の魔力反応を感じない。 程度はあれども下総の国で散々と切り捨てた雑兵のような、使命に殉ずる想いもない。 言葉では飾れない、もっと本能的な何かが。 男から感じるものは、そこにあるものは、ただ純粋な願い。 そこまで思考を走らせ、ああ、なるほどと黒縄地獄は得心した。 これは——ただの獣なのだと。 「俺も混ぜろ……変身!」 剣閃が走る。 ※ 黒縄地獄に執拗に斬りかかるは紫色の装甲に身を包んだ男。男の名は浅倉威といった。 神崎士郎により、ライダーデッキを渡された浅倉は本能の赴くままに闘い続けた。 浅倉にとってこの殺し合いも変わりはない。 参加者が70名に増え、主催者が変わっただけに過ぎない。 ただ、自身の苛立ちを殺せるような、闘いが出来ればなんでもいいのだから。 浅倉は会場に放置されていた鏡に身を映し、仮面ライダー王蛇に姿を変えた。 大蛇の牙をかたどった、ベノサーベルの禍々しい刀身を黒縄地獄の身体に突き立てんとする勢いで振りかぶる。 「——大振りなっ」 しかし、黒縄地獄の身体にベノサーベルは届かない。 最小の身の動きで黒縄地獄は王蛇の剣をかいくぐり、彼との距離を詰める。 予想以上の黒縄地獄の俊敏さに王蛇は一瞬動きを止めてしまう。 好機を逃す黒縄地獄ではない。剣による突きを一度、二度三度と一瞬の内に無数の剣撃を放つ。 王蛇は後方へ身体を揺らすが、彼の動きよりも黒縄地獄の方が一手以上は速い。 「がっ!」 だが、黒縄地獄が感じた手ごたえは浅いの一言。 後方へ吹き飛ばされる王蛇の装甲を貫き、無数の血しぶきが散るものの致命傷とは程遠い。 おそらくは目で見えていたわけではないのだろう。 例えるなら危険を察知した獣が本能的に体を動かしたようなもの。 そこに理屈はない。しかし、余計な迷いもなく合理的とも言える。 黒縄地獄は自身の目の前にいる男ならばと確信に近い見立てがあった。 思わず笑みが零れる。ああ、なんて可笑しいのだろうか。 すぐに体勢を立て直した男が視界に入り——彼もまた嗤っていた。 「いいな……てめぇは闘いがいがある」 「あらあら、随分とお気に召したようで」 吼える。男が——いや餓えた獣が。 きっと誰の称賛も必要としない。ただ己のためだけに闘う一匹の獣が。 たとえ鎧に身を包み、姿は変えても、在り方そのものにはなんら変わりがない一匹の獣を。 同じく獣になりさがった獣である、自身が討ち滅ぼさんとする。 獣同士の闘いとはなんて醜く、浅ましい。しかし、これほどまでに自身に相応しい事はない。 これが可笑しいと思える自分もまた壊れているのだろう。 「ちょっと、わたくしもいることをお忘れなく」 しかし、次なる剣閃を振るわんとする黒縄地獄は瞬時に横へ飛び退く。 王蛇の側方から清姫が魔力により生成した炎による衝撃波を放っていた。 身体を跳ばした黒縄地獄はすでに刀は手に取っておらず、代わりに一本の弓を持っている。 黒縄地獄が地に足をついた時には彼女の弓からは無数の矢が放たれている。 矢が進むは前方。ベノサーベルを持ち、悠然と構える王蛇と、こちらに向かう清姫に対して。 だが、無数の矢が王蛇、清姫を共に撃ち貫くことはなかった。 「そんなもの、子供騙しにすぎませんよ」 王蛇の頭上をふわりと飛び越え、清姫が息を吹いた。 ただの息ではない。青白い、サーヴァントの魔力で生成された超高熱の炎であった。 黒縄地獄の矢は清姫が吹き出した炎に触れた瞬間に燃え尽きていた。 黒縄地獄は苦虫を潰したような表情をかすかに浮かべる。 おそらくは武芸に秀でたものではないにせよ、相手はサーヴァント。 未だ真名も把握していない相手であり、他に隠し手があっても不思議ではない。 黒縄地獄は再度、地を蹴り飛ばし後方へ跳ぶ。 「なんだ、お前は?」 「うるさいですねぇ……名前であれば知りたいなら、あとで教えてあげます」 サーヴァントが持つ絶大な威力ともいえる宝具は逸話が具現化したもの。 真名を伝えるという事は自身の手の内を開かせることとにも等しい。 ただ、清姫は奇しくも黒縄地獄と同じく目の前の王蛇をサーヴァントとは異なる存在と認識した。 魔力反応の類を全く感知させないことが大きな理由の一つ。 鏡に身を映したかと思うと奇妙な鏡像をまとい、一瞬の内に姿を変える力には一抹の危険を覚えたが。 清姫はこの場で一番の危険因子と判断した、黒縄地獄の排除に繋がる手段を選択した。 黒縄地獄はマスターをも斬り捨てると宣言しており、放置は出来ない。 加えて黒縄地獄の力は何らかの制限がかかっているようだが強大である。 一人で劣るとは決して思わないが、それでも一人よりも二人の方が手傷は少ないだろう。 そのため、この場ではなによりも手数がほしい。 また、目の前の男はまず真っ先に黒縄地獄に斬りかかった。 言葉が通じないわけでもなく、助けに対してそれなりの反応も得られた。 ならばこの男は、きっとわざわざ孤立を招くような真似はしないだろう。 もし、裏切るような素振りがあれば、真っ先に自身が燃やし尽くしてしまえばいい 「だから、今はわたくしに手をかしなさい。あいつを放っておくことは危険——」 自分であれば出来るはずだと、清姫はそう考えていた。 「邪魔だ」 清姫の言葉が言い終わる前に、彼女の胸にはベノサーベルが深々と突き刺さる。 嗚咽と共に見開かれた清姫の目には偽りの仮面に隠れた浅倉の表情は見ることが出来ない。 この男は何を——と一瞬思うが、清姫は自身の誤りに気付く。 この男には何もない。数の有利を考える頭がないわけではない。ただ、必要ないのだろう。 薄れゆく意識の清姫を尻目に王蛇は右足を使い、ベノサーベルを清姫の身体から強引に引き抜く。 蹴り跳ばされる清姫から血しぶきを浴びながら王蛇は首を回し、仮面の口を腕で拭う。 「楽しいな。やはりライダーの力はいい」 王蛇はベノサーベルを投げ捨て、代わりに蛇の形を模した紫色の杖を構える。 ベノバイザー——王蛇の力の源であり、幾多のライダーを葬った必殺の一撃をもたらすもの。 ベノバイザーの頭部部分が上方へスライドする。 手慣れた動作で王者はカードデッキからカードを引き抜く。 しかし、王蛇の手がふいに止まる。 「そろそろ……お遊びはおしまいにしましょう」 黒縄地獄が再び刀を携え、構えをとっている。その構えから王蛇は本能で理解した。 今までとは違う一撃がくるのだと。奥の手ともいえるものなのだろう。 そして王蛇の感覚に痛いほど呼びかけてくる気配がもう一つあった。 「さすがのわたくしも……ここまでやられて黙っていられません——転身火生三味!」 ふらりと立ち上がった清姫が自身の宝具を開放し、その姿を一匹の大蛇に変えていた。 青白い炎の大蛇が王蛇、黒縄地獄の前に現れ、今にも跳びかからんとしている。 前方の黒縄地獄と後方の清姫に挟まれる形となった王蛇に退路はない。 だが、当の王蛇は黒縄地獄と清姫に軽く一瞥をくれたあとに——口を開く。 「ハーッハッハッハハァ—!面白い……これでこそ退屈しない!ライダーになった甲斐があるもんだ!!」 王蛇は、浅倉はただただ歓喜した。 何物にも満たされず、常に心をかき乱す苛立ちがどうしようもなく我慢できなかった。 己の中で常に力が暴発し、人間社会の籠は浅倉にとってあまりにも窮屈になっていた。 だが、神崎士郎によりカードデッキを与えられ、仮面ライダーとなったことで変わった。 抑えきれなかった彼の暴力がいかんなく奮えるようになったことで浅倉を囲む世界の色は変わった。 そしてそれはこの殺し合いでも変わらない。 たとえ人智を越えた存在であるサーヴァント2騎の、宝具開放に囲まれる形となっても浅倉に恐怖という感情は微塵もなかった。 だからこそ、浅倉は、王蛇は迷いなく切ることが出来る。 一度は止めた手が動き、一枚のカードをベノバイザーに入れた ——FINAL VENT—— ベノバイザーから電子音声が流れ、王蛇の背後に紫色の大蛇、ベノスネーカーが出現する。 同時に体勢をかがめ、前方へ疾走する王者のあとを追う様にベノスネーカーが走る。 ベノスネーカーの背後からは大蛇に姿を変えた清姫もまた追いつつ、口元に溜めた炎を吐き出す。 魔力によって高められた、超高熱の灼熱がベノスネーカーごと王蛇を襲う。 「——天網恢恢!」 更に前方からは黒縄地獄が刀身から雷鳴を轟かせながら、雷の魔力を解き放つ。 本来は自身の分身と共に放つ宝具ではあるものの、威力は絶大そのもの。 「ハッ!」 しかし、王蛇は止まらない。 後方へ跳躍し、ベノスネーカーの顔の前で宙を返る。 既にベノスネーカーは清姫の炎によって身体のほとんどが燃えつくされており、辛うじて形を保っているに過ぎない。 だが、王蛇は自身の契約モンスターが朽ちることをまだ許してはいない。 何故なら楽しみはこれからなのだから。 ベノスネーカーの口元から毒燐が放出されると同時に、清姫の炎がベノスネーカーだけでなく王蛇にも回り始める。 「ハアアアアアアァァ!!」 ベノスネーカーの毒燐による加速、そして清姫の炎をその身に受けながら王蛇は自身のファイナルベントを放つ。 相対する天網恢恢の雷を両足により文字通り蹴り裂きながら進む王蛇。 裂かれながらも雷は確実に王蛇の装甲だけでなく、後方のベノスネーカーと清姫の身体をも食い破っていく。 それでも、王蛇は止まらない。 餓えた獣を満たすには純粋な闘いしかなく、それこそが——浅倉の果てなき希望。 「まさか、これほどとは——」 絶刀で受け止める黒縄地獄を衝撃が襲った。 ※ エリアC-3東部を走る黒縄地獄が一人思う。 支給された絶刀を使い、王蛇のファイナルベントの威力を抑え、致命傷は避けたが消耗はあった。 先刻出会った鬼のこともあり、サーヴァント以外の存在も侮れない者は多いと黒縄地獄は改めて認識する。 まだ殺し合いは始まったばかりであり、宝具の最大開放は元より考えてはいなく、一部のみの開放に留めていた。 自身は英霊剣豪としての宿業を全うするために存在している。 一切塵殺を遂行するための装置でしかない。 しかし、ふと思う。 清姫と名乗ったサーヴァントはマスターを探している様子だった。 十中八九カルデアのマスターのことであり、清姫はカルデアに召還されたサーヴァントだろう。 人理を守るために己の力を奮うことが許された存在。 うらやましいとさえも思う。しかし、一切塵殺を担う英霊剣豪は違う。 そもそも清姫と自身を比べてしまうことすらもおかしい。 英霊剣豪はものの道理を弁える機能はついていなく、己の在り方について考えることもない。 英霊となる前から壊れている自分は、きっと英霊剣豪としても壊れてしまっているのだろう。 「あの子が居れば、私をすぐにでも殺してくれるのでしょうね……」 いつも心配をさせる愛しいわが子の存在がこの場には居ないことが悔やんでしまうのだから。 ※ 地面に横たわる清姫の身体は少しずつ金色の粒子が漏れていた。 それはサーヴァントとしての現世での現界が近い時が間際に迫る合図。 短時間での宝具の連続使用、そして連戦による身体部位の損傷、黒縄地獄の宝具そして王蛇による一撃。 すでに清姫に魔力は残されていなかった。 「おい」 不意に声をかけられ、目をやると全身が焼けただれた男が視界に入った。 おそらくは自分の宝具と黒縄地獄の攻撃による負傷なのだろう。 軽くはない痛手を与えたようであれば、少しは気が晴れるかもしれない。 だが、自分とますたぁの出会いはこの男によりもう叶いそうにもない。 もう一撃くらいはくれてやってもいいがきっとその前に止めを刺されるのだろう。 清姫は半ば覚悟を決め、両目を閉じようとする。 「——お前、名前を教えると言っただろう。言ってみろ」 一瞬、清姫は浅倉が何を言っているかはわからなかった。 だが、清姫はすぐに理解する。 先刻、即座に剣を突き立てられたことも理解出来た。 この男には自分など眼中にもなく、きっとあの黒縄地獄自体にも興味はない。 男にとってきっと、闘えることが全てなのだろう。 だからこそ他者に対する罪悪を感じることもなく、この期に及んで名前などの話を蒸し返すことが出来る。 怒りを通り越して呆れすらも覚えるが、一つ好ましいと思えることがあった。 それは浅倉の行動には嘘はなかったことに尽きる。 言ってしまえば彼は闘い、名前を教えると言われたのでただその権利を行使しようとしているだけだ。 その行動に他者を省みることはなく、ひどく独善的ではあるが、清姫はそこを責める気にはならなかった。 彼女も自身とますたぁ以外にこの世界に興味はなく、その二つのためにならばどんなことでも出来ると考えるのだから。 (ああ、ますたぁ……今度こそ、あなたを守りたかったのに……) 意識は少しずつ消えていく一方で、最愛の人への想いは燃え盛るように募っていく。 一度は惚れた相手を憎んで、恨んで、そして怒りで焼き尽くした自分。 まるで言うなれば獣。狂うように闘ったこの男とあのサーヴァントのように。 獣の本性を見せることが怖かった。嫌われてしまうのではないか。 また、嘘をつかれて嫌われてしまうのではないか。 また、私は醜い竜の姿で、愛する人を殺してしまうのではないか。 だけども、あの人は、ますたぁはそんな自分を見て言ってくれた。 ——格好いい、頼もしい、と。 なんてひどい。乙女に向けたものとして褒められた言葉ではないのに。 だけども、そのますたぁの言葉には嘘はなかった。 あの時も、自分のことを見捨てないと強く言い放ったますたぁ。 ああ、それなのに。 あなたのためならば、大嫌いな嘘でさえも自らのものに出来ると思えたのに。 今はもう、この唇を重ねられないなんて—— 黄金色の粒子が天に登り、そこには何もなくなった。 ※ 先刻の闘いは浅倉にとって悪いものではなかった。 ライダーとはまた違い、カードの力を使わずに雷や炎の力をあそこまで奮う存在は面白い。 雷の女はまだ余力も残していたようであり、また会うこともあれば楽しめるだろう。 だが、それでも浅倉の表情は険しい。 「……なんだってんだ」 名前を教えると言った、炎の女はたった今姿を消した。 特別、女の名前が知りたかったわけではない。 ただ、もらえるものであればもらっておこうと思っただけだ。 だからこそ、女がたとえ死のうが浅倉にとっては闘える相手が減ったという事実に過ぎない。 しかし、自分を無視して消えたことは気に食わなかった。 「イライラするんだよ……!」 苛立ちながら浅倉はその場をあとにする。 他者の存在を傷つけ、壊し、殺すことはたやすいのに。 満たされない己の心を抱えながら、浅倉は次の闘いを求めていく。 【清姫@Fate/Grand Order 死亡】 【C-3/東部/1日目・深夜】 【源頼光@Fate/Grand Order】 [状態]:健康。中度の疲労。 [装備]:絶刀・鉋@刀語、弓矢@Fate/Grand Order [道具]:基本支給品一式、ランダム支給品0~1 [思考・状況] 基本方針: 英霊剣豪として一切合切を粛正する。 1. 鬼を二体確認したが、今戦うのは難しい。 [備考] ※源頼光ではなく、英霊剣豪七番勝負のライダー・黒縄地獄としての参戦です。 【C-3/南部/1日目・深夜】 【浅倉威@仮面ライダー龍騎】 [状態]:全身に火傷 [装備]:王蛇のカードデッキ [道具]:基本支給品一式、ランダム支給品0~3 [思考・状況] 基本方針: いつも通りに闘う 1. 移動する [備考] ※メタルゲラス、エビルダイバーと契約後の参戦 Next どうにもならない事があっても幸福な君を守ってあげる Previous 劣等分の過負荷 前話 お名前 次話 BEAST INSIDE 清姫 Eliminated Debut 浅倉威 NEXT HUNT 鬼と鬼と鬼 源頼光 ARMOUR ZONE 目次へ戻る
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ジェノサイダー(GENOCIDER) 商品画像 情報 登場作品:仮面ライダー龍騎 定価:10,500円 受注開始:2012年08月08日(水) 16 00 受注締切:2012年10月09日(火) 16 00 発送開始:2012年12月25日(火) 商品全高:約350mm(合体時) セット内容 ベノスネーカー、エビルダイバー、メタルゲラス その他:アドベントカード3種(ユナイトベント、アドベント・ジェノサイダー、ファイナルベント・ドゥームズデイ)、専用台座×3、ドゥームズデイ再現用腹部パーツ、メタルホーン用グリップ、展示補助パーツ キャラクター概要 ミラーワールドに生息するコブラ型のミラーモンスター「ベノスネーカー」、エイ型のミラーモンスター「エビルダイバー」、サイ型のミラーモンスター「メタルゲラス」の三体と契約した仮面ライダー王蛇が、ユナイトベントで合体させた姿。 王蛇がジェノサイダーと協力して放つファイナルベント「ドゥームズデイ」は、ジェノサイダーの腹部に小型のブラックホールを出現させ、敵を飲み込む。通常のミラーモンスターを凌駕し、サバイブのカードでパワーアップしたモンスターにさえ匹敵するパワーを誇る。 TV本編ではゾルダの契約モンスター・マグナギガを葬る戦果を挙げたが、劇場版ではリュウガのドラゴンライダーキックを受けて3体まとめて爆死した。 ベノスネーカー 仮面ライダー王蛇が契約するコブラ型のミラーモンスター。毒液攻撃やかみつき攻撃を得意とし、凶暴な性格は敵味方問わず襲い掛かる。 エビルダイバー 仮面ライダー王蛇に倒された仮面ライダーライアが契約していたエイ型のミラーモンスター。水中移動はもちろん、空中も自在に飛行することができる。 メタルゲラス 仮面ライダー王蛇に倒された仮面ライダーガイが契約していたサイ型のミラーモンスター。突進力が強く、あらゆる物を頭部のメタルホーンで突き飛ばすことができる。 商品解説 龍騎シリーズ第12弾。 パッケージからしてフィギュアーツ史上最大クラスのサイズである。R Mのジェノサイダーと比べ二回りほど大きくなっており凄まじい迫力がある。 ライアのハイドベノン、ガイのヘビープレッシャーはライダー自身が不安定な体勢になるため、エビルダイバー、メタルゲラスにはライダーを支えるためのスタンド穴がミラーモンスター側に用意されている。 またエビルダイバーには自身の飛行シーン再現用に底面にもスタンドを接続可能。 上記のギミックに加え、ミラーモンスター3体セットという事もありかなりの高額となっている。 仮面ライダー王蛇に付属しなかったユナイトベント、アドベント・ジェノサイダーおよびファイナルベント・ドゥームズデイのアドベントカードが付属する。 メタルゲラスの可動範囲はかなり広く、特に合体時に重要な足首や股関節の可動は保持力の高いクリック式関節となっており優秀である。 ジェノサイダー時のバランスを重視しており、メタルゲラスやエビルバイダーが劇中に比べて一回り大きくなっている。特にメタルゲラスはマグナギガよりも大きなサイズとなっている。 なお、取扱説明書ではベノサーベルの接続方向が設定と逆になってしまっている。 良い点 圧倒的な迫力 ファイナルベントの姿勢を支える為のスタンドを接続可能 ベノスネーカーの関節のテンションが丁度良い ベノハーシュ(ベノスネーカー頭部両脇の刃)が全て可動 メタルゲラスの爪が全て可動式で表情豊か 悪い点 ベノサーベル、エビルウィップが抜けやすい メタルゲラスの背中の接続用突起が出し難い エビルウィップのグリップがライア付属のものと比べ太く、手首が緩くなってしまう 不具合情報 その他 ジェノサイダーのファイナルベントの紋章を模したスタンドが必要な場合、魂STAGE act. Mirror Worldに付属する転写シールをカットし市販のact.4台座に貼りつけることで再現可能である。また、本商品に付属する台座を市販のact.4台座に付属する連結パーツで接続する方法も可能。 関連商品 仮面ライダーライア 仮面ライダーガイ 仮面ライダー王蛇 仮面ライダー龍騎ブランク体 仮面ライダー龍騎 ドラグレッダー 仮面ライダー龍騎サバイブ 仮面ライダーナイト ダークウイング 仮面ライダーナイトサバイブ 仮面ライダーシザース 仮面ライダーゾルダ マグナギガ 仮面ライダータイガ 仮面ライダーインペラー 仮面ライダーリュウガ ドラグブラッカー 仮面ライダーファム 仮面ライダーベルデ 仮面ライダーオーディン ゴルトフェニックス オルタナティブ・ゼロ オルタナティブ 仮面ライダーアビス 魂STAGE act. Mirror World ライドシューター コメント ちょっとお聞きしたいのですが、メタルゲラスの口は開くのでしょうか? -- 名無しさん (2013-05-12 21 22 09) 開かない。 -- 名無しさん (2013-05-12 23 15 35) 名前 コメント
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動き出す闇 ◆VbYNTlLnDE 窓が締め切られ、昼だと言うのに薄暗い室内。 その中に置かれたベッドの白いシーツに溶け込むようにうずくまる白い青年がいた。 テラー・ドーパントの力で恐怖という名の感情を植えつけられた魔王、ン・ダグバ・ゼバ。 初めて覚えた感情を全身で、全神経で噛みしめる。 身体が地震のように震え、身体中から雨のように冷や汗を流す。 それでいながら心は真冬よりも凍えている、そんな感覚。 カチカチと何かがぶつかる音が聞こえ、目だけを動かし辺りを伺い音の出所を探し、出所が自らの口元である事を理解する。 聴覚に続き視覚までも恐怖を伝え始める。部屋の片隅の暗闇に何かがいるように思える。 自らの吐く息がすぐ耳元で誰かが囁いているかのように錯覚してしまう。 恐怖 他人に与える事はあっても自分は知る事ができなかった恐怖。 初めての体験に彼は、ン・ダグバ・ゼバは―― 「あは、あはは……っ!」 歓喜した。 背筋が震えゾクゾクする。何千何万の命を奪って得た快感を軽く上回る震え。 くだらない事に怯える滑稽な自分自身すら楽しい。 いつまでも味わっていたいとすら思える感情、恐怖。 だが何事にもやがて終わりは訪れる。 身体の震えは徐々に収まり、妙に高ぶっていた心も次第に落ち着いていく。 ぼやけた視界も鮮明になっていき、幻聴も幻覚も消えうせていく。 ダグバは自らを力強く抱きしめた。 まだ内部に残る僅かな恐怖を逃さないよう、少しでも長く味わえるよう。 しかし手で掬った水のように、恐怖も彼の心から完全に消え去ってしまった。 ゆっくりと起き上がり、気が抜けたようにダグバは動かない。 右の手の平を見つめる。先ほどの震えは幻のように消えうせていた。 どうしうようもない喪失感がダグバを包み、次いで激しい欲望が膨れ上がる。 楽しい 恐怖は楽しい もっと味わいたい もっと震えたい。もっともっと怯えたい いつもいつまでも、今よりももっと上の、さらに上の、もっともっともっと………… すぐ近くで何かがぶつかるような音が何度も聞こえる。 恐らく先ほどの連中がまだ戦闘を続けているのだろう。 なら間に合う、いけばまた恐怖を味わえる。今度はじっくり、長く、しっかりと味わいたい。 恐怖という名の麻薬を求めダグバは部屋を飛び出した。その手の中に黄金色に輝く理想郷を握り締め―― ◆ ◆ ◆ 市街地の開けた一角で4人の男達が対峙していた。 青い王冠と黒いマントを身に付けたドーパントの王、テラー・ドーパント。 全身を青く染めた鋼の面を持つ戦士、ナスカ・ドーパント。 全てを喰らい尽くさんとする紫の大蛇、王蛇。 黒いスーツに赤いラインが映える仮面ライダー、ファイズ。 しばらく様子見とばかりに4人は動かなかったが痺れを切らした王蛇がテラー・ドーパントへと駆け出す。 ――Sword Vent―― 電子音声を合図に虚空から飛ばされたベノサーベルを受け取りそのまま飛び上がる。 「オラァ!」 強引に振り下ろされた剣をテラー・ドーパントは軽々と受け止め、空いた右手で王蛇を殴り飛ばす。 吹き飛ばされかけた王蛇だが地面にベノサーベルを突き刺し即座に体勢を整え再び襲い掛かる。 先程よりも僅かに距離を離した位置から何度もベノサーベルを振るいカウンターを許さない。 対するテラー・ドーパントも木野自身の戦闘能力とテラーフィールドを巧みに操り、王蛇の連続攻撃を完全に捌ききる。 「中々楽しませるじゃねぇか、アァッ!?」 「ふん……っ!」 その戦いに加わわらずファイズは気絶したままの音也の傍へと駆け寄る。 「おい、あいつらがあいつら同士やりあうってんならわざわざ立ち入る必要はねぇだろ。紅背負ってトンズラしようぜ」 「いや……あのメモリはお義父さんの物だ。アレを手にする事ができれば、冴子だって私を認めなおしてくれるはず!」 剣を構えたナスカは戦場へと向かい駆け出していく。 「あ!?あの馬鹿……ちっ」 ファイズは気絶した音也と離れていくナスカを交互に見つめ―― 「仕方ねぇ!」 ナスカを追って駆け出した。 走りながら自らの装備を確かめる。 あいつ (ポインターがねぇ!?エッジはバジンのハンドルだしな……ついてねぇな) それでも残されたファイズショットにミッションメモリー差込み、右腕に装備しナスカに追いついていく。 「覚悟したまえ!」 ナスカが剣を構えるがテラー・ドーパントから放出されたテラーフィールドがその動きを封じる。 怯んだナスカを飛び越えたファイズが右腕を突き出すが紙一重で避けられその身を受け止められてしまい 「ふん!」 王蛇へと投げ飛ばされる。二人はそのまま絡まるようにゴロゴロと転がり、なんとか起き上がった。 「祭りだな、楽しいじゃねぇか!」 「うわっ!て、てめぇ!」 起き上がると共に王蛇がファイズへとベノサーベルを振るい、胸部装甲に傷を付けられる。 「お前、あいつが狙いじゃねぇのかよ!」 「俺は戦えれば誰でもいいんだよ!」 王蛇の狂気を感じつつファイズは追撃を避けきり体勢を整え距離を取る。 一方、動きを封じられたナスカにテラー・ドーパントがゆっくりと近づいていく。 「貴様、覚悟しろだと?ふざけた言葉を……」 「ふざけてなどいない。私は大真面目だ!」 「それがふざけてると言うんだ!」 怒りを顕わにしながら拳をナスカへと打ち付ける。 殴られた衝撃で拘束から抜け出したナスカは剣を構え 「超加速!」 一瞬の超加速でテラー・ドーパントに不意打ちの一撃を与えこちらも距離を取る。 ファイズとナスカ、背中合わせになりながらそれぞれの相手の動きを伺い、隙を見てファイズが小声で話しかける。 「おい、紅の奴を巻き込む訳にはいかねぇ。少しでも離れるぞ」 「仕方が無いか……」 「あいつが気になるって言うなら始末してやるよ」 ――AdVent―― 二人の様子から気絶している音也を気にしている事を悟った王蛇がカードを使用する。 耳鳴りのような音と共に民家の窓から紫色の巨大毒蛇ベノスネイカーが飛び出し、未だ気絶中の音也へと襲い掛かった。 咄嗟に反応できたナスカが超加速を再び使い、ベノスネイカーの前に立ちふさがり斬りつける。 しかし一撃を喰らった程度でベノスネイカーの闘志は消えない。唸り声をあげナスカとの睨み合いが始まる。 王蛇はつまらなそうに声をあげ、ベノバイザーを振り上げファイズを狙う、が。 ファイズは左腕でベノバイザーを受け止め、王蛇の腹部を蹴りこみ奇襲を防ぐ。 よろけた隙を逃さず右腕のファイズショットで強引に殴り飛ばし王蛇を突き放す。 今の一撃は多少は効いたのか、王蛇がしばらくは立ち上がってきそうに無い事を確認すると、 ファイズはテラー・ドーパントに向かうため振り返り、自らの目を疑う。 右腕を押さえうずくまっていたのだ。 「雅人、何故なんだ……雅人ぉぉぉ……」 「どうなってやがんだよ……」 呆然とするファイズとは対照的にナスカは苦戦を強いられていた。 ベノスネイカーの巨体をいかした尻尾の振り抜きを剣で受け止めたと思えば頭上からナスカを飲み込もうと大口が迫る。 反撃を与える暇が無く回避と防御に専念させられる。本当なら飛行能力を活かし上空からエネルギー弾の乱射を行いたいが…… 背後で眠る音也の事を考えるとそれもできない。目の前の壁が無くなった途端ベノスネイカーは音也を狙うだろう。 「私がこんな男の為に戦わなければならないとはな……!」 知り合って間もない、しかも自分とは明らかに価値観の違う音也。 それでも見捨てる事ができないのは何故だろうか、ナスカはふと考える。 思考のせいで一瞬動きが鈍ったのか、いつの間にか右腕に握られていた剣の刃先が溶け始めていた。 驚きつつも剣を放り捨てる。主から離れた剣はぶすぶすと音をあげながら溶けていきその姿を消した。 ナスカが溶かした正体を見極めようと視線を上に向ける。ベノスネイカーの口元から紫色の液体が溢れ、今にも零れそうに…… 危険を感じた時には既に毒液は発射されていた。しかしナスカは慌てない、彼には超加速があるのだから。 ナスカに避けられ、毒液は当然背後にいた音也へと向かう。 「しまった!」 再び超加速を行おうとするが身体が言う事を効かない、制限もあるが超加速は確実にナスカの体力を奪っていたのだ。 見ているしかないのかと諦めかけた時、救いの手が差し伸べられる。 王蛇を退けたファイズだ。いつの間にか握られていたデイバッグを盾に毒液を受け止める。 「乾君か、助かった」 「気にすんな、慣れてる。しかし直接受け止めてたらヤバかったな」 ドロドロとデイバッグが溶けていき、中に仕舞い込まれていた支給品が零れ落ちていく。 用済みとなったデイバッグを放り捨てベノスネイカーに駆け寄りながらファイズフォンへと手を伸ばす。 ――Exceed Charge―― ファイズドライバーから右腕に装備されたファイズショットにエネルギーが送られ赤く発光する。 グランインパクトの準備が整い、拳を振り上げ後は打ち付けるのみという所でファイズは突然吹き飛ばされた。 ファイズを受け止めつつナスカは辺りを見渡しすぐ近くに突き刺さったベノサーベルに気がついた。 「あの野郎、もう回復してやがったか……」 左肩を抑えながら悔しそうにファイズが呟く。その視線の先にはベノサーベルを投げつけた王蛇の姿が。 「そこそこ楽しめたぜ……こいつは礼だ」 ――Final Vent―― 主の命に従いベノスネイカーが王蛇の背後に回る。 ナスカとファイズを狙うその視界の隅に異形が映る。 「おいおい、逃げれると思ってるのか……?」 王蛇が飛び上がり、ベノスネイカーの口から放たれたエネルギーを背中に受け獲物へと飛び込んでいく。 その狙いはナスカでもファイズでも音也でもなく、この場から逃げ出そうとしていたテラー・ドーパント。 奇襲に気がつき咄嗟にテラーフィールドを盾のように展開し王蛇の必殺技を受け止める、が。 「ハッハァ!」 お構いなしに王蛇は連続蹴りを続け、少しずつテラーフィールドを蹴り破っていく。 限界を悟りテラー・ドーパントが逃げ出そうとするが一足先に完全にテラーフィールドを破った王蛇のベノクラッシュが炸裂した。 「俺は、まだ死ねない……」 吹き飛ばされてもすぐに立ち上がれたのは防御が少しでもできたからであろう。テラー・ドーパントは住宅街の中へと逃げていく。 「逃がすかよ……」 蛇のようなしつこさで王蛇はその背中を追い、住宅街へと消えた。 ◆ ◆ ◆ 残されたファイズとナスカは一息吐くと共に変身を解除し腰を落とす。 「まったく、開始早々やんなっちまうぜ。紅の奴は結局起きねぇしよ」 「テラー・ドーパントの力は強大だ、生身で受けてはしばらくは起きないだろう……ゴホッゴホッ」 「おい、大丈夫かよ!?」 心配する巧を霧彦は右手でそれを制す。 「大丈夫、癖なんだよ……」 ナスカに変身する事は霧彦の寿命が削られていく事に他ならない。再び死ぬまでどれだけの猶予があるのか、と霧彦は自らの身体に問いかける。 「お前がそう言うならそれ以上は詮索しないけどよ」 巧が立ち上がり、先ほどベノスネイカーの毒液を受けたデイバッグから零れ落ちた支給品の品々を回収していく。 霧彦も巧を手伝う為に辺りを見回す。どうやらデイバッグは音也の物だったらしく巧や霧彦の知らぬ物がいくつか落ちていた。 そんな中一つだけ見覚えのある物を見つける。先ほどの王蛇が使っていたのと同じ物らしきカードが詰められた箱。 巧は使えるかもしれないと判断し、説明書が無いか辺りを確認する。 「乾君、あいつらがまたやってくるかもしれない。お義父さんのメモリは惜しいが、ここは一度離れた方がいい」 「それもそうだけどよ……これの説明書がないんだ、探すの手伝え」 「大丈夫だ、それなら私が見つけた」 座り込んだままの霧彦の右手にヒラヒラと揺れる紙。巧は早く言えよとぶつぶつ呟きつつ回収し終えた支給品を自らのデイバッグに詰めていく。 「よかった、間に合った……」 静かだが妙に存在感のある声に二人は視線を向ける。 ここから最も早く抜け出した白服の青年がそこにはいた。 走ってきたのか身体を震わせ、遠目でも汗をかいている事がわかり、それでいて妙に笑顔で。 「お前……」 「びっくりしちゃうね、またここにくるだけでこんなにドキドキするなんて。すっごく怖かったんだ、本当に……」 「くそ、探知機を見張っているべきだったか……」 警戒する巧と霧彦、しかしそれを無視するかのように白服の青年ダグバは笑い声をあげる。 「ねぇ、もっと僕を怖がらせて、もっと恐怖を与えてよ。僕がリントにしてあげたようにさ。 いいよ、大丈夫だよ。僕も怖がらせてあげるから……」 ガイアドライバーを取り出し腰に装着し、右手に黄金色に輝くメモリを握り締める。 「僕も、皆も恐怖する、それが――」 ――ユートピア!―― ユートピアメモリを差込白服が錆びた黄金色に包まれていく。 繁栄の無い滅ぶだけの理想郷を目指すユートピア・ドーパントがこの場に誕生した。 即座に巧と霧彦もそれぞれの変身アイテムを取り出し変身を行おうとするが、叶わない。 「何だ?うんともすんとも言わねぇ!?」 「どういうことなんだ、頼むナスカ!」 二人はそれぞれ何度もボタンを押すがアイテム達は答えてくれない。 「いいね、その表情いいよ。でも足りないかな……もっともっと怯えようよ」 どこからか取り出した杖をつきながらゆっくりとユートピア・ドーパントが二人に迫る。 「……仕方が無い、乾君。君が先ほど拾ったカードデッキを私に」 「カードデッキって、これの事か!?」 巧が懐から取り出した赤紫色のそれを強引に奪い取りファイズドライバーに反射させる。 すると霧彦の腰にガイアドライバーとは異なる銀色のベルトが装着され―― 「変身!」 赤紫色のカードデッキをバックルに装填し霧彦の身体に虚像が重なりやがて赤紫色の鎧を形成し、ライアへと変身を遂げる。 「私が時間を稼ぐ、乾君はそこの馬鹿を連れてこの場から逃げるんだ」 「お前一人だけに無茶なんかさせるかよ、これ使えるんだろ?」 巧が取り出した黄色のメモリを見つめライアが寂しそうに首を横に振る。 「それはルナメモリといって君や私には使えない。仮面ライダー君でなければ、な」 「なら、しょうがねぇ……」 「そうだ、君は……何!?」 ライアの横で巧の身体が全身銀色の怪物、ウルフオルフェノクへと変化する。 「君は……」 「あぁ、俺は人間じゃない、オルフェノクって化け物だ。軽蔑したか?」 「……驚きはしたよ、だが、今は君のその力にも頼らせてもらおう」 戦闘体勢を整えた二人の戦士を前にユートピア・ドーパントの心は躍る。 「あぁ、君達はどれだけ僕を怖がらせてくれる?お願いだから、すぐに壊れちゃいやだよ?」 【1日目 午後】 【F-6 市街地】 【乾巧@仮面ライダー555】 【時間軸】原作終了後 【状態】恐怖(小)、疲労(中)、ウルフオルフェノクに変身中、仮面ライダーファイズに2時間変身不可 【装備】なし 【道具】支給品一式、ルナメモリ@仮面ライダーW、ファイズギア+ファイズショット@仮面ライダー555 不明支給品1~2 【思考・状況】 1:打倒大ショッカー 2:仲間を探して協力を呼びかける 3:ユートピア・ドーパントへの対処 【備考】 不明支給品は元々は音也の物を回収したものです 【園咲霧彦@仮面ライダーW】 【時間軸】死の直前 【状態】恐怖(小)、疲労(大)、仮面ライダーライアに変身中、 ナスカ・ドーパントに2時間変身不可 【装備】ライアのデッキ@仮面ライダー龍騎 【道具】支給品一式、首輪探知機、ガイアメモリ(ナスカ)+ガイアドライバー@仮面ライダーW 【思考・状況】 1:打倒大ショッカー 2:今度こそ冴子を説得し、帰還後共に風都を守る 3:ユートピア・ドーパントへの対処 4:テラーメモリを手に入れて冴子に認めなおしてもらいたい 5:人間ではなかった乾巧に若干驚き 【備考】 ※ガイアドライバーを使って変身しているため、メモリの副作用がありません。 【紅音也@仮面ライダーキバ】 【時間軸】原作終盤(少なくとも渡を自分の息子と認識している時期) 【状態】気絶 恐怖(中) 疲労(大) 【装備】イクサナックル(プロトタイプ)@仮面ライダーキバ 【道具】なし 【思考・状況】 0:気絶中… 1:最後まで生き残り、元の世界に帰還する 2:女性を見たらとりあえず口説く 【ン・ダグバ・ゼバ@仮面ライダークウガ】 【時間軸】不明 【状態】恐怖(小)、若干ハイ、ユートピア・ドーパントに変身中。怪人体に1時間40分変身不可 【装備】ガイアメモリ(ユートピア)+ガイアドライバー@仮面ライダーW 【道具】支給品一式 【思考・状況】 1:恐怖をもっと味わいたい。楽しみたい 2:目の前の二人が恐怖をもたらしてくれる事を期待 【備考】 ※ガイアドライバーを使って変身しているため、メモリの副作用がありません。 ◆ ◆ ◆ テラー・ドーパントの変身も既に解けてしまった木野薫は住宅の陰の中へと隠れ潜んでいた。 変身が解けた途端に訪れた途方もない疲労感、そして未だに続く右腕の発作。 王蛇から受けたベノクラッシュの傷が疼き木野は思わずうめき声をあげる。 (なんだ、この疲労感は……こいつの、副作用か?今思えばあのスーツの男はベルトのような物をつけた上に使用していた、な) 震える手でテラーメモリを支え、見つめる。強大な力を持つこのメモリを使いこなす事ができるのだろうか。 アギトの力と共に自分は完全に飲み込まれてしまうのではないか、そんな不安に包まれる。 突然メモリが奪われる。木野が何事かと見上げると目の前には茶髪の青年が立っていた。その表情は陰になって伺う事はできない。 「探したぜぇ、大将……」 「その声、あのアンノウン!?人間だったのか……そのメモリを返せ!う、ぐっ……」 立ち上がりメモリを取り返そうとするがすぐに再び座り込んでしまう。 「おつかれかい?そんなにこいつが大切か……」 右手で玩んでいたテラーメモリを茶髪の青年、浅倉は力の限り握り締める。 木野の制止の言葉を無視して力を込め続け、やがてバキバキと音が鳴る。 「ざぁんねぇんでしたぁ……ハァ……」 粉々になったテラーメモリを浅倉は菓子でも食べるかのように口に入れバキボキと何度か噛み砕いた後、飲み込んだ。 「前菜はこんな所かぁ?」 口から口内裂傷による血を流しながら浅倉は呟く。ここにきて初めて木野は浅倉が笑っている事に気がついた。 その木野の眼前に暗闇が迫り、グシャッという音が聞こえる。浅倉の靴底が木野の顔面にめり込んだ。 赤い糸を引きながら靴が離れ、木野は咳き込みながら両腕を交差させ集中力を高めようとする。 だがそんな自由は許さないとばかりに交差させた両腕を浅倉は蹴り上げる。良い音が鳴った。折れたのかもしれない。 痛みに苦しむ木野うめき声を浅倉は笑顔で堪能する。 しかしそれにも飽きたのか拳を木野の顔面へと打ち込む。 右 左 右 左 何度か繰り返した所で反応が無くなった事に気がつき、つばを吐いて浅倉はその場を後にした。 力に呑み込まれ、過去に縛られた男の亡骸だけがその場に残された。 【木野薫@仮面ライダーアギト 死亡】 残り53人 【A-7 市街地】付近に支給品一式と木野薫の撲殺死体が放置されています。 【1日目 午後】 【F-7 市街地】 【浅倉威@仮面ライダー龍騎】 【時間軸】不明 【状態】疲労(中)、ちょっぴり満足感、仮面ライダー王蛇に2時間変身不可 【装備】カードデッキ(王蛇)@仮面ライダー龍騎 【道具】支給品一式、ランダム支給品1~3(確認済) 【思考・状況】 1:イライラするんだよ…… 2:殴るか殴られるかしてないと落ち着かない 【備考】 ※テラーメモリを美味しく食べました。恐らく副作用はありません 033 そして、Xする思考 投下順 035 仮面ライダーになりたくない男 033 そして、Xする思考 時系列順 035 仮面ライダーになりたくない男 016 滂沱 紅音也 038 風 016 滂沱 乾巧 038 風 016 滂沱 園咲霧彦 038 風 016 滂沱 木野薫 GAME OVER 016 滂沱 ン・ダグバ・ゼバ 038 風 016 滂沱 浅倉威 052 時(いま)を越えて…
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Climax Typhoon 「かかってこい! 悪党ども!」 赤い影が疾風を巻き起こし、黒と紫、二人の悪へと突進する。 「フフ……」 デルタが手をゆっくり叩きながら悠然と佇む。 「トォッ!」 拳を振り上げ、デルタに放つが防がれ、逆に殴りつけられる。 しかし、拳を冷静に見つめ、右腕を取り、背中に乗せながら投げ飛ばす。 腰をしたたかに打ちつけたデルタは、自身のダメージに構わず、即座に体勢を立て直し再びV3に殴りかかる。 一、二撃を捌くと、王蛇がベノザイバーにカードをセットする姿が目に入る。 ――SWORD VENT―― 大理石の壁から飛び出した、ガラガラヘビの尾を彷彿させる剣を手に、デルタを蹴りつける。 「こいつは俺の獲物だ。邪魔をするなっ!」 雄たけびがあげられ、力任せに剣が振り回される。洗練されたとはいえない剣術だが、強引にチャンスごと斬られる。 (焦るな。隙は必ずある) 強く耐え、ひたすら剣をかわす。振り下ろされた剣が壁に深く刺さり、攻めるチャンスが巡ってきたことを確信し、勢いよく踏み込み、腰に構えていた拳を腹に打ち込まんとする。 だが王蛇はあっさりと剣を手放し、身体を独楽のように回して蹴りを放つ。 V3の拳が王蛇の頬をを打ち抜くが、王蛇の蹴りはV3の脇腹に突き刺さっていた。 お互い間合いをあけ、地面を踏みしめる。 「ハアァァ、戦いはいい。ゾクゾクする!」 戦いに陶酔する笑い声が黒い壁を叩き、V3は赤い仮面の下で顔を歪ませた。 「何が可笑しい!?」 V3には王蛇が理解できなかった。この戦いのために拉致され、無理矢理殺し合わされ、いつ自分の命を失うか分からないのである。 V3とて正義に身を捧げたゆえ、死を恐れることはないが、目の前の男は戦って何かを得ようという気配がない。 ただ、戦いを……いや、殺し合いを楽しんでいるようにしか見えなかった。 「こういうもんなんだろ? 仮面ライダーってのは!」 叫び、剣を引き抜いていく姿を見て、V3は拳を震わせた。 ――仮面ライダー、お願いだ。俺を……俺を改造人間にしてくれ!! 父と母、そして妹の復讐の為に改造人間の力を求めた。だがそれも僅かの間。 すぐに風見志郎は仮面ライダーとして正義の為に戦う決意をした。 技と、力を受け継いで。 それを、目の前の王蛇は怪人でしかないと笑った。 「お前だけは許さん!!」 怒りに燃える両瞳を向け、憤怒の叫びが木霊する 怪人でさえ圧倒する怒りを向けられながらも、王蛇は萎縮するどころか、ますます歓喜に満ちた声を上げる。 「いいぞ! もっと俺を楽しませろォォォ!!」 狂気と怒りが爆発し、お互いを砕こうと衝突する。その瞬間、白閃が走り、二人の身体が爆ぜた。 「ねえ、二人だけで遊んでないで、僕も仲間に入れてよ」 クルクルとデルタフォンを回し、V3との距離を詰める。 蹴りと拳を捌かれ、手刀で突き飛ばされる。 「遊びだと? 殺し合いが遊びだと、お前は言うのかっ!?」 V3が叫ぶが、デルタは理解が出来なかった。 「だってそういうルールでしょ? それに……」 呟き、力を誇示する為壁を殴る。 「僕は世界一強いんだ。今まで負けたことはないし、これかも負けない」 デルタに……北崎にとって、たった一つの真実を謳う。自分に勝てる奴などいない。 立ち向かうものは全て灰にしてきた。戦う力を持つものは自分の玩具。力の無いものも自分の玩具。 浅倉も目の前のV3も、ラッキークローバーもスマートブレインも、ゴムで飛ぶ飛行機の玩具と何も変わらない。 自分の快楽を満たす道具。 「だから簡単に壊れないでね。僕が楽しくないからさぁ」 闇を内包した笑い声を上げる。並ぶものを持たなかった龍は、虚無感を快楽で満たす事しか出来なくなっていた。 デルタの拳が無防備のV3に当たる。だが、V3は微動だにしない。 「どういうつもり?」 「貴様、自分が世界一強いと言ったな。訂正しろ! お前は世界一弱い!!」 その一言をきっかけに、V3は疾風から暴風へと変わった。拳の嵐をデルタの身体に叩き込み、ミドルキックで腹を蹴り飛ばし、ひび割れた壁に叩きつける。 壁が崩れ、デルタが瓦礫に埋もれたとき、再度王蛇が突進してくる。 「うおおおお!」 振り下ろされた剣を、紙一重で避ける。 「V3ッ! 電熱チョォップ!!」 熱を帯びた手刀が剣を砕き、空中へと王蛇を躍らせる。 「Fire」 ――BURST MODE―― デルタの銃が火を吹き、V3の身を焼こうと放たれた。 「ダブルタイフーン!!」 ベルトの力が、特殊強化筋肉を一時的に硬化させ、銃撃を跳ね返し一気にデルタへと近寄る。 「ハァッ!」 苛立ちを混ぜたデルタの拳を捌いて肩に担ぎ上げる。 「V3!! ダブルアタック!! むぅん!!!」 空中に放り投げ、背中を蹴らんと跳躍する。 「今だ!! V3キィィィック!!!」 悪の背を蹴り踏み、デルタは隕石のように地面に叩きつけられた。 ――FINAL VENT―― 電子音に視線を向けると、大理石より現れたエイ型怪人に乗る王蛇が眼に入る。 エビルダイバーを乗り回し、旋回しながら速度を増していく。 負けじと地面を蹴り、空中で前方向に三回転をする。 「おおおおおおおおおお!!」 「V3回転フルキィィィック!! 」 両足を揃えた蹴りと、ハイドベノンが拮抗し、行き場のないエネルギーが二人を後方へと吹き飛ばす。 「チッ!」 再び王蛇がカードを取り出し、空中で装填する。 ――FINAL VENT―― サイ型怪人が現れ、肩に王蛇を乗せる。 メタルゲラスは地上を疾走し、殺意を乗せてV3を貫こうとする。 V3は今度こそ王蛇を倒さんと、三度跳躍し、得意技を放つ。 「V3!! 反転キィィィック!!!」 一度目の蹴りが、王蛇のヘビープレッシャーの威力を殺し、背面ジャンプの勢いを生む。 反転し、悪を砕くと決意の蹴りを放つ。その決意は、銃弾によって阻まれた。 「ぐわぁっ!」 白い閃光がV3を貫き、地上へと引き摺り下ろす。デルタが銃を構えているのが眼に入る。 「フフ……形勢逆転」 ベルトの中央部からミッションメモリーを取り出し、デルタムーバーに装着する。 ――READY―― 「Check」 ――EXCEED CHARGE―― 白いエネルギーが右腕を伝わり、銃に溜まる。 「どけ! 俺が先に殺る!!」 ――FINAL VENT―― 蛇の相棒、ベノスネーカーが蠢きながら王蛇の背後に立つ。 「駄目だよ。独り占めなんてずるいじゃないか」 デルタの銃から白い光弾が発射され、V3の眼前で三角錐を展開させ身体を縫い付ける。 「知るかっ!」 王蛇は背面ジャンプをし、ベノスネーカーに近づき両脚に力を溜めている。 デルタは三角錐のエネルギーへ向かう為、天に昇っていた。 (くっ! このまま負けるわけにはいかない!) 震える腕を交差させ、敵の攻撃に備える。 「おおおおおおおおおおおお!」 「ハァッ!」 王蛇とデルタの掛け声が響く。 デルタが白いエネルギーに迫り、王蛇はベノスネーカーに弾き飛ばさせる。 白い三角錐にまとわれたデルタがドリルのようにV3を貫こうとし、王蛇の毒を纏った蹴りの連撃が装甲を削る。 ニトログリセリンが炸裂したような轟音が、黒い壁を揺るがした。 しかし、二人の蹴りはV3の身体を貫くことも、吹き飛ばすこともなかった。 直前で発動させた細胞強化装置が、V3に悪のダブルライダーキックに耐える力を与えたのだ。 「なかなかのダブルキックだ。だがな、その蹴りは日本じゃ二番目以下だ!!」 二人の脚を掴み、力の限り振り回す。 手を離すと、二人の身体は弾丸のように発射され、柱を音を立てて崩した。 「グフッ!」 V3は血を吐き、膝をつく。ダメージを抑えたとはいえ、二人の蹴りはV3の身体を蝕んでいた。 「ハハハハハハッ!」 瓦礫を払いのけ、デルタよりも早く立ち上がる。 王蛇、浅倉の心は歓喜に満ちていた。 北崎も手ごたえは充分にあったが、V3はその北崎と自分をもってしても一歩も譲らない。 V3の拳は自分のイライラを砕いた。そして自らの拳はV3をイライラごと吹き飛ばす。 自分の全身には傷が走っている。その痛みを喜びに変え、カードデッキから一枚のカードを取り出す。 「ねえ、何をするの?」 「うるさい。黙っていろ」 上半身を起こしたデルタにぞんざいに答え、ユナイトのカードをベノバイザーにセットする。 (さあ、お前はくたばるのか!? それとも北岡のように俺に歯向かうのか!?) 仮面の下には、狂笑が刻まれ、背筋に痺れるような電気を走らせた。 今の王蛇、浅倉は苛立ちを無くしていた。 ――UNITEVENT―― 王蛇の杖から電子音が発せられ、V3の背後に三匹の怪人が現れる。 サイとエイと蛇を模した三つの影は、一つに融合し、獣の皇帝を形作った。 その名を獣帝ジェノサイダー、破壊をもたらす存在である。 ――FINAL VENT―― ジェノサイダーの腹にブラックホールが生み出され、V3を吸い寄せる。 (あれに吸い込まれたら終わりだ!) 直感が脚に力を入れさせ、踏ん張らせる。 王蛇が目の前に立ち、こちらに駆け寄ってくる。 「ハッハッハ!」 笑い声と共にきりもみキックが放たれた。V3には、その蹴りを避ける余裕を失っていた。 「ぐわぁぁぁぁっ!」 胸板に王蛇の蹴りが当てられ、V3をジェノサイダーの腹へと運び、姿を消させる。 「さすがに終わりか……」 「あーあ、今回は君の勝ちか」 満足そうに言葉を発する王蛇の後ろに立ち、残念そうな声が上がる。 その場には、悪が二人居るのみだった。 (ここは……怪人の体内か) とっさにV3バリアーを発動させた為、押しつぶそうと迫る闇に対抗している。 だが、それも長くは持たない。 (このまま終わってしまうのか?) ボロボロの身体を抱え、V3に似合わぬ考えがよぎる。 闇を見つめていると、先程の力なき少女の訴えを思い出した。 ――仮面ライダーは……闇を切り裂いて、光をもたらす! (そうだ。先輩や俺、茂やキックホッパーは常に悪と戦ってきたんだ。この程度の闇を切り裂けず、何が仮面ライダーだ!) 「ダブルタイフーン!!」 拳を固め、ベルトの中央の赤いランプを瞬かせた。レッドランプパワーにより、V3の力が二倍となる。 「V3! 脱出パァンチ!! 」 左右に二つの拳を放った。 獣の咆哮が響き、ジェノサイダーが暴れる。 「ああ……?」 その様子に眉を顰める。 「トゥォォォォッ!」 ジェノサイダーを二つに裂き、V3が姿を現せる。 そして王蛇の身体が色を失い、力が抜ける。 「何だ……これ?」 「V3!! きりもみキィィィック!!!」 戸惑う王蛇の腹を蹴り砕き、デルタと共に宙へ身を躍らさせる。 二人が壁に叩きつけられ、瓦礫が飛び散り、白煙がもうもうとたちこめた。 V3は再び膝をつき、大きく息を吐く。 (恐ろしい敵だった。ここまで追い詰められるとは……) 死闘と呼べる七分間を潜り抜けたV3を、盛大な疲労が襲った。 変身を解こうと準備するV3に、光弾が迫り火花を生んだ。 光弾が放たれた方向を見つめると、デルタの変身が解けた北崎が右腕をV3に向けていた。 「まだ終わっていないよ」 冷たい音が走り、北崎の顔に龍の影が走る。肉が這いずり回るような音と共に灰色の鱗が北崎を包んだ。 両腕に龍の頭を持つ、ドラゴンオルフェノクがV3に姿を顕在させた。 「フンッ! ハァッ!」 ドラゴンオルフェノクが掛け声と共に、圧倒的な力をV3に打ち込む。 V3はただ嵐に翻弄される小船のように、身を躍らされた。 「ねえ、僕は強いでしょう? 日本一どころか、世界一に……」 纏わり付くような口調でV3に言葉を暴力で強制する。 先程のことを根に持っていたらしい。 行動で答えるため、迫る右拳を掴む。 「トゥゥ! タァァァ!」 続けて拳のラッシュをドラゴンオルフェノクに放ち、顔を蹴り上げる。 「クッ……この!」 ストレートを身を屈んでかわし、脚を掴んで背中に乗せて投げる。 ドラゴンオルフェノクが立ち上がる前にボディーブローを当てた。 「V3!! パァァンチ!!!」 振り上げた拳がドラゴンオルフェノクを捉え、身体を砕き灰と化す。 舞い上がる灰の中から、外殻を脱ぎ捨て、身軽になったドラゴンオルフェノクが高速で背中を抉り抜いた。 「ガハッ!」 血を吐くV3に容赦なく傷を生み続けさせる。ついに力尽き、地面に伏せたところで再び魔人態へと姿を変える。 「そろそろ止めを刺してあげるよ」 悠然と近づくドラゴンオルフェノク。V3は身を起こそうと両腕に力を込めるが、上手くいかない。 「そしてみんな殺してあげる。そうすれば君も僕が一番だと認めるしかないでしょう?」 その一言が、V3の気力を刺激した。 (おやっさん、純子さん、放送の少女……他にも何人もの犠牲を出してしまった。これ以上犠牲者を出してたまるか!!) 「The……End……」 全てを砕かんと右腕が振りぬかれた。 V3は身体を跳ね上げ、自分の倒れていた場所を貫いた右腕を脇腹に抱え込む。 「捕まえた。これであの高速形態は意味を無くしたぞ!」 「ハハ……馬鹿だなぁ。今の君を殺すのに左腕だけで充分じゃないか」 刺すような激痛が身体に走った。二度目の激痛を生むべき左腕を見つめ、ベルトに力を込める。 (キックホッパー。少しお前に追いつくのが遅れる。だが待っていろ。こいつを倒し、必ず駆けつける!) ゆっくりと、技の風車と、力の風車を回す。目的はただ一つ。 (お前が正義の為マシーン大元帥を倒したように、俺も目の前の悪を砕く!) ベルトが輝きを増し、生命を吐き出さんと回転を加速させる。 (だからおやっさん、純子さん、放送の少女、俺に……正義を貫く力を貸してくれ!!) 「V3! エネルギー全開ッッ!! 逆ダブルタイフーン!!!」 風が吹き荒れ、壁と床を砕き、遺跡を揺るがす。 人一人のサイズが生むにしては大きすぎる、竜巻という自然現象を、機械と自然の使者が生み出し唸らせた。 「グ……アアアアアアッ!!」 竜巻の中から龍が左腕を突き出し、V3のベルトに直撃した。 「くっ!」 風の勢いを増し、右腕を捕まえながら龍を宙に翻弄させる。 だが、先程のベルトへのダメージが響き、キシキシと崩壊の音をたてる。 「いい加減に……して……もらえるかな? 君も……限界じゃ……ないか……」 ドラゴンオルフェノクの声が耳に入り、笑い飛ばす。 「舐めるんじゃない。仮面ライダーに……限界という言葉は存在しない!!」 さらに風車の回転を加速させる。竜巻の幅が一回り膨れ上がり、ベルトに火花が散る。 それでも、V3は加速をやめなかった。 「ただの……やせ我慢じゃないか……」 「違う! これは、俺の力と技と……」 思うのは、死んでいった人々。 立花のおやっさん、珠純子、放送の少女、彼ら彼女らはこの戦いで命を落としていった。 抱えている腕に力を込め、竜巻の勢いを増させ、さらに膨れ上がらせる。 「人々の願いの! タイフーンだぁぁ!!!」 ベルトより盛大な爆発を生みながら、竜巻は激しさを増していった。 天井が崩壊し、瓦礫を次々と生む。 ドラゴンオルフェノクは身体を削られていき、残るのは上半身と右腕のみとなった。 「そんな! 僕が……俺が……やられる……だと……!?」 無邪気な声が、低い悪の声へと変わっていき、風に巻き込まれ灰となり飛び散った。 抱えていたドラゴンオルフェノクの右腕をドサッと落とし、ベルトの爆発音と共に、V3は風見志郎へと姿を戻した。 「ハア、ハア、ハア、ハア……」 喘ぎ、地面に倒れ伏す。機械が剥き出しになったベルトを見つめ、憑き物が落ちたような笑顔を浮かべる。 (俺はもうV3に変身できない。結城と再会したとしても、改造手術が行えるような場所はないだろう) だが不思議と悔いはなかった。もう巨悪二人の犠牲者が生まれることがないからだ。 (キックホッパーの元へ行かねば) 壁に手をつけ、身体を無理矢理立ち上がらせる。 昔、先輩である本郷と共に戦った滝和也の話を思い出した。 (例え変身できなくても、俺は戦う。俺がこの身体である限り!) 決意を新たに、ずるずると足を引きずり遺跡を歩く。 床には静かに青い炎に包まれる、ドラゴンオルフェノクの腕があった。 目指していた出口は逆ダブルタイフーンによって瓦礫に埋もれている。 D3エリアから樹海を目指そうと歩みを進める。 「おい」 聞こえてはいけないはずの声に振り返る。 浅倉がドラゴンオルフェノクの右腕を踏み砕き、風見を狂った笑みで迎えた。 「まだ終わってないぜぇ……」 腰には、北崎がつけていたベルトが巻かれていた。 デルタフォンを口元へ運ぶ。 「変身……」 ――Standing by―― 首輪のパルスが、デルタの前回使用者が浅倉でない為変身許可を与える。 準備のできたデルタフォンを、デルタムーバーへと接続させる。 ベルトより白いラインが走り、浅倉の身体を包む。 ――Complete―― 黒い強化スーツが浅倉を包み、龍から蛇へと中身を替えた悪魔のライダーが現れた。 「ハァァァッ……」 首を回し、風見が見据えられた。 蛇に狙いを定められた事を悟るも、負けじとデルタを睨み返す。 「いいぜぇ、その眼は。ゾクゾクする」 北崎がしたように、ミッションメモリーをデルタムーバーに装着させ、ポイントシリンダーが迫り出した。 ――READY―― 「チェック」 ――EXCEED CHARGE―― ダルそうに下げた銃にエネルギーが走る。 ゆっくりと銃を向けられ、引き金に指がかかったのを確認する。 風見には、放たれた光弾を避ける力は残されていなかった。 白い三角錐が、生身の風見志郎を縫い付ける。 「ハッハッハッハッハ!」 狂気に満ちた笑い声を上げ、僅かに上下に開いた蹴りで三角錐のエネルギーを纏いながら、仮面ライダーを貫いた。 (お、俺は……茂……) 右手が虚しく空を掴み、風見志郎は仮面ライダーとしての生を終えた。 「ハァ~、こいつはいい。イライラがすっかり消えた」 風見の死体を見下ろし、変身を解いた浅倉の顔には笑みが浮かんでいた。 オルフェノクの身体ではない浅倉がデルタになったゆえ、デモンズスレートという名の毒が回った。 しかし、浅倉は変わらない。人の闘争本能を刺激するだけの毒では、闘いに飢えている浅倉には影響を与えられるはずがなかった。 デルタの毒は、毒を内包する蛇に影響を与えれず、ただ巨大な力を提供するだけだった。 「ふん? こいつ、静かになりやがった」 手に持っているベルトが沈黙したのに気づく。 浅倉は知らないが、連続使用により過負荷がかかり二時間の間完全に沈黙したのだ。 神崎の、生への確率を減らす制限の一つだった。 「まあいい。どうせしばらくすればまた使える」 北崎との戦闘、続けてV3との死闘を通して浅倉はある程度時間が来れば再度変身できることに気づいた。 頭の回る浅倉は、戦いの余韻もあってかその場で休憩を取る事を決めた。 (キックホッパーを殺しに行って拡声器を奪うのも面白いな。北岡やあきらを呼びつければもっと面白くなる) 低く笑い、荷物へと向かう。風見志郎の荷物を手にしたとき、中身が零れ落ちた。 「ん?」 手に取ったそれは、デルタのベルトと似た構造をしていた。 四角に折り畳まれた物、その名をファイズブラスターと言った。 【北崎 死亡】 【風見志郎 死亡】 残り37人 D2エリアの出入り口が逆ダブルタイフーンで崩れました。瓦礫をどかさないかぎり、C2へ移動できません。 【浅倉 威@仮面ライダー龍騎】 【1日目 現時刻 午前】 【現在地:遺跡D-3】 [時間軸] 本編終盤辺り。 [状態] 左目負傷、全身に負傷、疲労極大。 イライラが晴れて気分爽快。 [装備] デルタフォン、デルタドライバー。 [道具] 未確認(北崎のデイバック)。ファイズブラスター。 [思考・状況] 1 変身できる時間になったら、キックホッパーと戦うためC6の丘へ。 2 その後北岡、あきらを探して殺す。 [備考] デルタドライバーは二時間の間完全に起動しません。 二時間経てば再使用できます。
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【名前】 エビルダイバー 【読み方】 えびるだいばー 【登場作品】 仮面ライダー龍騎 【分類】 ミラーモンスター 【モチーフ】 エイ 【契約ライダー】 仮面ライダーライア 【詳細】 仮面ライダーライアと契約したエイ型モンスター。APは4000。 本領は水中だが空中を自在に滑空する事もでき、ヒレ「エビルフィン」は鋭い刃物になっている。 装備カードは尾を模した「エビルウイップ」を与える「スイングベント」だけだが、近くにいるライダーの任意の装備をコピーする「コピーベント」という使い方次第では極めて強力なカードがある。 ライアが脱落してからは執拗に、王蛇に襲いかかったが、逆にカードにより契約を結ばされてしまい、王蛇の契約モンスターとなる。 ユナイトベントで「ベノスネーカー」、「メタルゲラス」と合体する事で、ジェノサイダーへと変貌を遂げる能力を得た。 ファイナルベントにて発動する必殺技はライアや王蛇を背に乗せ、高速で突進しヒレで斬り裂く「ハイドベノン」。 【余談】 設定では「サバイブ-疾風-」のカードの力でエクソダイバーへとパワーアップを遂げる。
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設置完了。そしてフリップっと。 -- Mr・H 1.戦時中のインドネシア:読んで字の如く、大東亜戦争真っ最中のインドネシア 2.戦時中のベルリン:読んで字の如く、WW2真っ最中のベルリン 3.戦時中のビルマ:読んで字の如く、大東亜戦争真っ最中のビルマ 4.一揆だ一揆だ、ぶち壊すべ!!【最北端一揆勃発】 5.おいが示現流、越えてみせぃ!!【最南端灼熱戦】 6.正義の名に於いて、貴殿を削除する!!【姉川の戦い】 -- いつものフリップとサイコロ 1.なんじゃこりゃぁぁぁぁぁ!:要塞「アウルネスト」 2.砂の嵐で視界不良:バビルの塔周辺 3.マーズへ・・・:火星 4.ドイツにて:じゃがいも博物館 5.笑点の聖地:後楽園ホール 6.そうめんハイジャック:ボーイング747機内 -- フリップ2 フリップが二つあるけど、どっち使おうか? -- リリア 1を使用、2は次回に回しで。 -- 300X じゃ行っくよーっ!それっ!(サイコロを蹴る。出た目は任せた) -- リリア 4 -- サイコロ(ひらお) (登場)一揆とか気になんだよな・・・・・俺 -- 怪傑ベルリン (飛んでる) -- 亜勝 「(ドイツの戦闘機では無いな・・・・・何処の戦闘機だ?)」(亜勝を見る) -- 怪傑ベルリン (着陸、するとそうめんが)ちっ……古くせぇ場所だぜ…… -- 亜勝 (隠れている)「(そうめん殿が来ると聞いた。そうめん殿のピンチには行かなければ!)」 -- ???? 貴様は・・・・・そうめん!(そうめんに対して) -- 怪傑ベルリン へっ、前調べが早ぇぇじゃねぇか!誰だテメェ? -- 焼き鳥そうめん 俺か?俺は・・・・・「BERLIN」だ -- 怪傑ベルリン (なんか転がってきた) -- なぞのぶったい (それをキャッチ) -- 怪傑ベルリン へっ…聞いたことねぇ名前だが……あ? -- 焼き鳥そうめん ……俺も混ぜろ…… -- 朝倉威 おk(朝倉に対して) -- 怪傑ベルリン (カードデッキを取り出す)……変身!(カードデッキをVバックルに装填、仮面ライダー王蛇に)ア"ァ"ッ……ここか…祭の場所は… -- 朝倉威 怪傑ベルリン「へへっ....そうか・・・・・(そうめんに対して)」(そうめんにライヒスヴェーア・キック) 解説:E1系MAX「ライヒスヴェーア・キック=ライヒスヴェーアシリーズの一つ。鉄球等を蹴り飛ばせるが、再現したらマズイっしょ」 -- むしろ軍 (ソードベント)ハアァァァ!ハァッ!(ベノサーベルでそうめんとベルリンを斬る) -- 王蛇 ぬーわっ!(4791/5000) -- 焼き鳥そうめん グゥッ....!(5900/6100) -- 怪傑ベルリン あれは・・・・・・焼き鳥そうめん!? ドナルド・マクドナルド「んー・・・・・・。」 -- なぞのぶったい→ボックス ドナルド・マクドナルド (士翼号に搭乗して空挺降下で登場)行くぜぇ!(519番式突撃小銃(高機動幻想ガンパレードマーチに登場する水冷式20mmガトリングガン。ゲーム内ではジャイアントアサルト名義)で怪傑ベルリンと王蛇を攻撃) -- 滝川 竜輝 怪傑ベルリン「うぉっ!?何だ、テメェ!」(5800/6100。掴んでいたボックス ドナルド・マクドナルドをライヒスヴェーア・スロウで放り投げ、滝川にぶつけようとする) 解説:E1系MAX「ライヒスヴェーア・スロウ=ライヒスヴェーアシリーズの一つ。鉄球を放り投げれるが、再現したらマズイっしょ」 -- むしろ軍 (先読み)残念!(展開式増加装甲(士魂号、士翼号に搭載できるシールド。防御力が低い士魂号にはちょうどいい装備だが、士翼号は絶対物理防壁というシールドを持つが、致命的なレベルでエネルギーを食らう超燃費悪い装備なので短期決戦以外では絶対物理防壁を外して展開式増加装甲を取りつける)で防御) -- (士翼号)滝川 竜輝 えっ!?(投げられる) -- ボックス ドナルド・マクドナルド (強制終了) -- ボックス ドナルド・マクドナルド 何がだ -- 解説:E1系MAX (アドベント) -- 王蛇 (登場、滝川に毒液を吐く) -- ベノスネーカー 近條闇夜「今日の授業は、民の反乱である一揆について。支配層に対する不満が爆発したもの。これを防ぐ為には、民草の立場に立った善政を心掛けなければならない」 焼き鳥そおめん「な、なるほど」 -- 四季隊課外活動 (突っ立っている) -- 怪傑ベルリン おっと!(回避) -- (士翼号)滝川 竜輝 (士魂号単座型に搭乗して登場)当たれ!(519番式92mm主砲でベノスネーカーの頭部を攻撃) -- 本木 大輔 まさか俺の出番がこんなにも早く終わってしまうとは・・・・・・。 -- 舞台裏:ボックス (ファイターたちの周りをうろうろしている) -- メタルキング (毒液で銃弾を溶かす) -- ベノスネーカー (登場)ミラーモンスターには・・・こいつだ!(特殊機関銃「フェンリル」でベノスネーカーの全身に特殊合金製ベアリング弾を撃ち込む) -- 仮面ライダーサイカート 何なんだこれはぁ!(ベノスネーカーを見て) -- 怪傑ベルリン (ベノスネーカーにメラガイアー) -- メタルキング (一時撤退) -- ベノスネーカー ア"ァッ……もっと俺を楽しませろ……(ベノサーベルでメタルキングを斬る) -- 王蛇 貴様の相手は俺だ!(バトルアンカーで王蛇の足を攻撃) -- 仮面ライダーサイカート やってやろうじゃねぇか(王蛇に急接近し、王蛇の頭を掴む) -- 怪傑ベルリン たぁっ!(519番式突撃小銃で焼き鳥そうめんを攻撃) -- (士翼号)滝川 竜輝 リフレクター!(反射)楽勝だぜ。 -- 焼き鳥そうめん (妙な動きで回避)ハッハー!(サイカートに蹴りをかます) -- 王蛇 (サイカートをミガワリボウギョ。5200/6100) -- 怪傑ベルリン たぁぁぁぁぁ!(アサルト・ホーンで王蛇のヘルメット部を突く) -- 仮面ライダーサイカート 発射!(519番式92mm主砲で焼き鳥そうめんを攻撃) -- (士魂号単座型)本木 大輔 おらぁっ!(王蛇にライヒスヴェーア・キック) -- 怪傑ベルリン (39) -- メタルキング (「斬る」だったら命中じゃね?) -- 舞台裏:ボックス 近條闇夜「で。今回は、その原因となった不満の種を見つけてもらう。」 焼き鳥そおめん「へっ、どんだけムズイ課題かと思ったら…そうめんみたいなもんだぜ!」 近條闇夜「そうか…食糧のそうめんが不足して困ってる、と考えるのね。イイ線いってる」 焼き鳥そおめん「だろ」 -- 四季隊課外活動 (そうめんに反射された519番式突撃小銃の弾がそおめんと闇夜の方へとんでゆく) -- 流れ弾 ほら、いちいち斬ろうとするとかはだるいだろ? -- 舞台裏:300X (ベノサーベルで防ぎ)ハァッ!(サイカートを蹴る) -- 王蛇 ……確かに・・・・・・。「斬った」ではないからな・・・・・・。 -- 舞台裏:ボックス 因みにむしろ軍勇者勢狩り板では過去形は今の所「殴った」「斬った」等はタブーだが、「パンチをした」「放った」等は例外として認めてたり -- 解説:E1系MAX (逃げ回っている、倒せばかなり経験値がもらえるぞ) -- メタルキング (回避)くそぉ、俺が何をしたってんだ! -- 焼き鳥そうめん (出てくる)そうよ!そうめん殿が何をしたって言うの! -- ????→エロリア 近くにいた……お前が悪い。 -- 王蛇 (登場)ダァァァァイ!そうめん!(そうめんを大きめのハンマーで殴る) -- Mr・H (そうめんをミガワリボウギョ。3000/3100) -- エロリア 王蛇はサイカートに任せて、滝川と本木はエロリアとかという奴を攻撃してくれ。そうめんは俺が攻撃する!(アサルトライフルでそうめんを攻撃) -- Mr・H 了解!(519番式92mm主砲でエロリアの頭部を攻撃) -- (士魂号単座型)本木 大輔 (4500(蹴りのダメージ))たぁぁぁぁぁ!!(MRE-01アームガトリングガンで王蛇を攻撃) -- 仮面ライダーサイカート エロリア (2500/3100。Mr.Hにダークネスキャノン) 怪傑ベルリン「(・・・・・攻めるッ!)」(王蛇をドイツサーベルで攻撃) -- むしろ軍 メタルキングは逃げだした!!(回り込み可能) -- ゲームの文字 (カウンター)ぬん!(ハンマーでダークネスキャノンを明後日の方向へ弾く) -- Mr・H たぁぁぁぁっ!(519番式突撃小銃でエロリアの腕を攻撃) -- (士翼号)滝川 竜輝 (回避) -- エロリア (登場。しかし、いつもの彼とは違った・・・・・・。) -- ?? 死を賭して -- BGM そーれそーれ!(そうめんをハンドガンで攻撃) -- Mr・H (また増えるのかよ・・・)とっとと仕留めるぞ!(519番式92mm主砲でエロリアの足を攻撃) -- (士魂号単座型)本木 大輔 (何か嫌な予感しかしないなぁ・・・)撃ちまくる!(!(519番式突撃小銃でエロリアの腰を攻撃) -- (士翼号)滝川 竜輝 (1900/3100。Mr・Hにジェノサイドカッター) -- エロリア そぉい!(ブロッキング(9900)) -- Mr・H 私の代名詞を受けてみろ・・・・・・。(焼き鳥そうめんを狙うらしい) -- ??→破壊神快十 (そうめんへの攻撃を弾く体制へ) -- エロリア (超硬度大太刀を抜刀)たぁぁぁぁぁぁっ!(エロリアを超硬度大太刀で斬る) -- (士翼号)滝川 竜輝 (1400/3100。体制維持) -- エロリア 体勢崩しならっ!(519番式92mm主砲でエロリアを攻撃) -- (士魂号単座型)本木 大輔 あぐぁぁっ!(1300/3100。吹っ飛んだものの体制を持ち直し、再度弾く体制へ) -- エロリア (エロリアへ接近)たぁっ!(エロリアを超硬度大太刀で突く) -- (士翼号)滝川 竜輝 (超硬度大太刀を弾き、体制続行) -- エロリア 極大焼失呪文「メラガイアー」!!(一応そうめんに火柱を放つ) -- 破壊神快十 (そうめんへのメラガイアーを手刀で弾き、防ぐ) -- エロリア (超硬度大太刀抜刀)滝川!あいつのスキを作るぞ!(超硬度大太刀でエロリアを攻撃) -- (士魂号単座型)本木 大輔 しまった!(隙を突かれる。1000/3100) -- エロリア たぁぁぁぁっ!(そうめんをハンマーで攻撃) -- Mr・H 完全にMr.H軍VSむしろ軍になってる点について! -- 銀髪猫74師範 逝ってよし! -- 咲夜ブランドーちゃん 逝ってよし! -- カービィ先生 逝ってよし! -- 沢田版ヨッシー番長 ハイッ!満場一致で逝ってよしッ!! -- 74さん マヂで?超ヤベェじゃん? -- 舎人ライナー師匠 超ヤベェよ。 -- 74さん どれくらいヤベェかっつーと東京タワーのてっぺんに突き刺さるくらいヤベェよ。 -- ナンバーズ皇帝 君たちが逝ってよしッ!!だ!(74軍をハンマーでそうめんへ撃ちこむ) -- Mr・H 意味わかんね。(呆れ顔) -- (士魂号単座型)本木 大輔 確かに。(呆れ顔) -- (士翼号)滝川 竜輝 どのくらいやばいか?ステージを1つ壊すほどやばいんじゃない?(←ステージ壊した妖怪) -- 破壊神快十 つーか俺狩り対象知らねぇwwwww(狩り対象が誰だか解らないらしい) -- 解説:E1系MAX 王蛇にするつもりだったが、戦闘オンリーで話薄いkonozamaになるから無理。 焼き鳥そうめんも登場しただけで攻撃されてkonozamaになるから無理。 結果:話薄いからめげた。 -- ひらお さーどーしましょー(俺は74氏にやるなと言われている以上無理) -- むしろ(本人) 破壊神快十起動させときますか? -- 舞台裏:快斗 ああ、起動頼む -- むしろ(本人) まぁ他作者様の意見を聞いてからですが・・・・・・。 -- 舞台裏:快斗 少なくとも俺は賛成だな(破壊神快十の起動について) -- むしろ(本人) ちなみにボスの破壊神快十はHPが60000でくろまくみこで一撃死はない。が、効果抜群。 -- 快斗 私は他作者の意見を見て決める、ただ一つ懸念しているのは快斗氏自身のモチベーション。 -- 銀髪猫74 ……今は無理かもしれません。 -- 快斗 名前 コメント
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【名前】浅倉威 【出典】仮面ライダー龍騎 【種族】人間、仮面ライダー王蛇 【性別】男 【口調】一人称:俺 二人称・三人称:苗字呼び捨て 【性格】 感情の赴くままに多くの人を殺している連続殺人犯 常に暴力の中に身を置いており、暴力が無い環境では常にイライラしている。 常に闘争心とイライラに支配されながらも、目的のために他人を騙して利用するなど、頭も回る。 【能力】 仮面ライダー王蛇に変身する。 王蛇のカードデッキの最大の特徴は他のライダーが一枚しかない契約カード『封印』が3枚存在することである 1枚はメインの契約モンスターであるベノスネーカーに使用。残る二枚は作中で後に契約していくため、時期によって使用可能カードが増加する 王蛇専用カード ADVENT ベノスネーカーを召喚 SWORD VENT ベノサーベルを装備 STEAL VENT 相手のカードを一枚奪う FINAL VENT ベノクラッシュの発動 参戦時期により使用可能カード その1 ADVENT エビルダイバーを召喚 SWING VENT エビルウィップを装備 FINAL VENT ハイドベノンを発動 参戦時期により使用可能カード その2 ADVENT メタルゲラスを召喚 STRIKE VENT メタルホーンを装備 FINAL VENT ヘビープレッシャーを発動 参戦時期により使用可能カード その3 UNITE VENT 3体のモンスターを獣帝ジェノサイダーへ合体させる ADVENT ジェノサイダーを召喚 FINAL VENT ドゥームズデイを発動 【備考】 望みらしい望みは持っておらず、しいていえば“戦い”そのものが願いで仮面ライダーとなる。 少年時代に実家を放火して家族を殺している。 自らを無罪に出来なかった北岡秀一を逆恨みしている為、彼を殺すことに異常に執着している。 劇場版の設定では、彼が殺してきた人物の中に霧島美穂の姉がおり、彼女から恨まれている。 生身の戦闘能力も人並み外れており、銃を持った警官複数名を素手で倒せるほどである。
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本能 「イライラするんだよ……」 「GUOOOOOOOOOOOOOOO!!!!」 向かい合っているのは一人の男と一頭のヒグマ。 男の名は浅倉威、またの名を仮面ライダー王蛇。 無尽の闘争本能に身を委ね戦い続ける浅倉と、生きるために他者を喰らうヒグマと出会うことは必然だったのかもしれない。 ミ三w三ノフ 「ADVENT」 浅倉の影から紫色の蛇が飛び出し、ヒグマ目掛けて一直線に飛びかかる。 ベノスネーカー、王蛇と契約し力を与えるミラーモンスターである。 人間を丸呑みにするほど巨大な大蛇が、ヒグマの頭部を噛み砕く―― 「――――ッ!???」 しかし、現実は非情である。 蛇が熊に勝てる道理など存在しない。 哀れベノスネーカーはヒグマに頭を顎を捕まれ、力任せに引き裂かれてしまう。 そのまま丸かじりにされ、長い胴体をむしゃむしゃと咀嚼され、契約モンスターを失った王蛇の体色が紫から灰色に変わる。 ブランク体と呼ばれる何の力もない形態だ。今や浅倉威はベノスネーカーと同じくヒグマに一方的に捕食されるだけの存在となった。 立ち尽くす浅倉へと、ヒグマはのっそりと近寄ってくる。 「はは……なんだ、まだ食い足りないのか? 俺と同じだな」 しかし浅倉は慌てていない――このヒグマが自らと同種の存在だと感じ取ったから。 理由など必要ない。目の前に獲物がいるならば、ただ、喰らう。 生物としての無駄を極限まで削ぎ落とせばこうなるという、命の純粋なカタチ。 「いいぜ――じゃあ、もっともっと腹一杯にしてやるよ」 浅倉は一枚のカードを抜き取る。 それはベノスネーカーを失った事で新たに補充された契約のカード――コントラクト。 浅倉がコントラクトをかざすと、ヒグマは一瞬にして無地のカードに吸い込まれた。 ヒグマはベノスネーカーを捕食したことによりミラーモンスターの形質を獲得した。 故に、浅倉はヒグマ――ミラーモンスター・ヒグマプレデターと契約することができた。 仮面ライダー王蛇改め、仮面ライダー王熊(オーク)。もしくは仮面ライダーヒグマ。 王蛇のスリムなスタイルから一点、王熊はマッシブかつワイルドな姿に。 荒ぶる浅倉の闘争本能とヒグマの生存本能は驚異的な融合係数を叩き出し、両者の意識は完全に一つになった。 「はぁぁぁ……さあ、行くぜ。腹を満たしによ……!」/「GOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!」 【D-2/深夜】 【浅倉威@仮面ライダー龍騎】 状態:仮面ライダー王熊に変身中 装備:カードデッキ@仮面ライダー龍騎 道具:ランダム支給品0~2、基本支給品 基本思考:本能を満たす 1:腹が減ってイライラするんだよ [備考] ※ヒグマはミラーモンスターになりました。 ※ヒグマは過酷な生存競争の中を生きてきたため、常にサバイブ体です。 No.028 決着 投下順 No.030 逆転ヒグマ No.028 決着 時系列順 No.030 逆転ヒグマ 浅倉威 No.070 人間という名の獣