約 173,352 件
https://w.atwiki.jp/busosodo/pages/112.html
武装神姫達のソード・ワールド2.0【第2-2話】 http //www.nicovideo.jp/watch/sm19081331 クーガのステータス 魔物データ/クーガ なお、本来なら『骨組みだけの試作品で、稼働していることは稀』という設定。 なのだが、メカニックな雑魚敵として手頃なデータではある。 グルガーンのステータス 魔物データ/グルガーン
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2003.html
西暦2036年、第三次世界大戦も起きず、ノストラダムスの大予言も大ハズレしたため、 人類は平和を謳歌していた。 そんな中、携帯電話やパソコンに並ぶ「一人一つは必ず持っておきたいもの」と言うことで 大流行しているものがある。 「武装神姫」と呼ばれる身長150ミリの意志を持ったフィギュアである。 名前からしてお気付きだろうか、このフィギュアはいわゆる美少女モノである。 その容姿や性格は千差万別である。人々は彼女たちを戦い、競わせたり、話し相手にしたり・・・、 他にも色々あるが放送禁止用語も含まれるのでここでは省略させていただく。 前置きが無駄に長くなったが、この物語はどこにでも居そうだけど特殊なスキルを持った主人公とその神姫達が 織り成すコメディ(?)の序章である。 零之壱
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/355.html
前へ 先頭ページへ 例えるなら、それは羊水の中を漂うようで。 それは春の木漏れ日の中で日光浴をするようで。 それは絶景を肴に露天風呂に漬かる様で。 ひどく心が休まり、心地が良く、そのまま永遠に過ごしたくなる様な。 それはまるで麻薬の用に五臓六腑に染み渡り、無意識の海にそのまま沈んでいたくなる。 この世で最も過酷な事は、睡眠をとらない事だろうと俺こと倉内 恵太郎は混濁した意識の中でぼんやりと考えていた。 「……ス…………だ…が…………お………」 誰かが俺に話しかけてくる気がしないでもないが、人間の根本に存在する三大欲求の一つに抗って応えられるほど俺は人間が出来ちゃいない。 そんなこんなで狭いシングルベッドの上で毛布に包まり、再び惰眠を貪ろうと身体を捩らせた。 その瞬間、俺の毎日のささやかな幸福の時間は非情にもすっ飛んでった。 頭部に奔る鈍い激痛、頭蓋骨の中で轟音が響き渡るような錯覚。 そのお陰で、俺の意識は一気に覚醒してしまった。 「おはようございます、マスター。今日も清々しい朝ですね」 俺の相棒であるストラーフ型神姫のナルが専用装備である対神姫用実体剣「刃鋼」を小脇に携えて朝の挨拶をしてきた。 「ああ……おはよう」 俺は痛む頭を抑えながら、手厳しい目覚ましで起こしてくれた相棒に挨拶で反す。 朝が弱い俺をナルが刃鋼の腹で俺の頭をブッ叩く。 いつもと同じ清々しい朝だ。 「マスター、お目覚め早々ですが、一限目の講義まで後20分しかありません」 全く、鬱陶しくなるくらいにいつもと同じ清々しい朝だった。 俺は県内の大学に通っている。 工業系、主にロボット工学がメインの大学で、そこそこ名が知られているらしく時折テレビの取材がくるらしい。 もっとも、三十余年前までは余り人気が無くて経営はやばかったらしいが、今は何処吹く風と言うほどの盛況ぶりだ。 情報技術が発達し終えたと言われた202X年、世界は低迷していた。 医学・物理学・天文学・情報工学、人類の主要な技術の殆どが発展を終え、進化の袋小路に追い込まれていた。 世間では世紀末だのノストラダムスの予言だの騒いだらしく、暗黒時代とも呼ばれたらしい。 そこに救世主の如く現れたのが、ロボット工学と情報工学そして人間心理学それら全てを終結させた全長15cm、心と感情を持つMMSと呼ばれる機械仕掛けのお姫様である。 大手玩具メーカーから発売されたMMSは瞬く間に普及し、ありとあらゆる分野に応用され始めた。 大抵のMMSは有効利用されたが、中にはあくどい事に利用する輩も多くいた様で、一介の玩具のために多くの法律が制定されたらしい。 他にも色々と問題があったらしいが、今や過去の話。 MMSは、我々人類の新たな友人として必要不可欠の存在となっている。 そんなこんなで我が大学のロボット工学部の主な内容は殆どがMMSについてである。 我が大学にある学科は四つあり、俺はその内の一つである「MMS環境心理学科」に所属している。 何だかご大層な学科名だが、やっていることは単純明快。神姫バトル、である。 一応は「MMSと人間との心理作用による行動ロジックの云々」とかいう大層な理念が掲げられているが、要は将来有望なランカーを育成し、大学を宣伝しようという口である。 もっとも、設備においては国内随一を誇るので競争率は非常に激しいので大学としてはウハウハだろうが。 まあ、この大学はそういった専門的な設備だけでなく、その他のレジャー的設備も整っているのも人気の一つだと思う。 現に今、俺が食っている食堂のネギトロ丼も毎朝築地から活きの良いのを仕入れてくるらしく、そんじょそこらの寿司屋よりよっぽど上手い。 その上、値段も3桁と採算がとれるのかどうか心配になるほどのコストパフォーマンスを発揮している。 学生の身分故、常時金欠な事を考えるとこの食堂は正に天国だった。 「よう、恵太郎!」 俺が数少ない幸福を噛み締めていると頭部に鈍い痛みが奔り、むさ苦しい声も聞こえてきた。 思わずネギトロを吹き出しそうになるが歯を食いしばって堪える。 「……裕也先輩、人が飯喰ってる時に頭小突くのやめてもらえませんか?」 「おう? 男が細かい事気にすんなっての!!」 この図体がでかい筋肉ダルマは一応俺の先輩に当たる人で、名前は佐伯 裕也。 毎度毎度人の頭を小突くかなり傍迷惑な筋肉ダルマだ。 「こんにちは、佐伯さん」 しかし、俺の相棒は筋肉ダルマにも嫌な顔せずに挨拶を交わす。 いやはや、良い娘に育ったものだ。 「こんにちはなのだ~!」 筋肉ダルマの代わりにナルの挨拶に応えたのは筋肉ダルマの武装神姫、マオチャオ型の蒼蓮華だ。 今まで何処に居たのか知らないが、今はテーブルの上でナルに向かって骨法の構えを取っている。 「いざ、尋常に勝負なのだ~!」 「おう、そうだ! 今日こそ俺らが祝杯を挙げる日だ!!」 そう言うなり筋肉ダルマはテーブルに拳を叩きつけた。 「っと、冗談は筋肉だけにしてくださいよ」 まだ食べかけのネギトロ丼が激しく揺れたので、両手に抱えて空中に避難させる。 「裕子先輩ならまだしも、何度も何度も同じ相手と戦っても意味無いでしょう。」 「ふっふっふっふっふ……」 筋肉ダルマと蒼蓮華が揃って腕組をしながら怪しく笑った。 「何ですか、不気味ですね」 「コイツが何だか、解るか?」 そして懐から一枚の紙切れを取り出した。 どうせまたプロレスやら何やらのチケットだろう。 以前にも同じパターンは何度もあったし、二年も同じ事をやっていれば嫌でも学習する。 とりあえずはネギトロ丼を腹に注ぎ込んで、適当にあしらって午後の講義に備えよう。 確か午後は一般科目だった筈だ。 「マスターの姉上、裕子様の夏祭りでの浴衣ブロマイドなのだ~!」 「どうだ、恵太郎。これを賭けると言ってもまだ首を縦に振らないか?」 「放課後、第四バーチャルマシーンセンターの前で待ってます」 ナルの視線が痛かった。 時刻は午後5時過ぎ。 確か筋肉ダルマも今日の講義は全て終わっている筈なのだが……。 「遅い」 思わず声に出してしまった。 ナルはとっくの昔からトレーニングマシーンで模擬戦闘を繰り返している。 それを横目に俺は三本目の缶コーヒーを飲み干し、ゴミ箱に投げ入れた。 思えば、あの人に『放課後』と言って講義終了後直ぐに来るとは思えないのも確かだが。 ほんのり嫌気が刺してきて、ぼちぼち帰ろうかと思い出したその瞬間に聞きなれてしまった大声が聞こえてきた。 「よぉ、待たせたな!」 余りの能天気振りに怒る気力も消え失せた。 「……先輩、とっととやりましょう」 溜息の一つもついてやりたかったが、一応堪えておいた。 「尋常に勝負なのだ~!」 蒼蓮華は今まで何処に居たのか、何時の間にかバーチャル・バトルマシーンのクレイドルの上で仁王立ちしていた。 「ナル、準備は良いかい?」 「何時でも」 トレーニングンマシーンから出てきたナルに一応確認を取り、蓮と筋肉ダルマが待つバーチャル・バトルマシーンへと向かう。 「先輩、例のブツはちゃんと持ってきていますよね?」 「おう、男に二言は無ぇ!」 バーチャル・バトルマシーンのディスプレイを挟んで筋肉ダルマに今回の最優先事項を確認する。 「なら結構。では、始めましょうか」 「応ッ!」 バーチャル・バトルマシーンに備え付けられたクレイドル。 私はその上に横たわり、無線通信回路を開く。 頭部コアユニットからバーチャル・バトルマシーンへと、自身のあらゆるデータが転送されているのを感じる。 まるで頭の内側を何かが這い回るような奇妙な感覚。 それに伴い、私の身体の感覚が少しずつ消えていく。 最初に触覚。 背中に当たっていたクレイドルの感覚が感じられなくなる、というより重さを感じられなくなる。 次に嗅覚。 少し油臭いバーチャルマシーンセンターに充満する空気が感じられなくなる。 そして聴覚。 ごぅ、という空気の流れる音や、モーターの駆動音が一切聞こえなくなる。 最後に、視覚。 視界に映る高い天井がまるで夜の闇に溶け込む様に黒く塗り潰されていく。 身体の感覚が全て消えたその瞬間、意識が飛んだ。 今のこの身体には何も感じない。 モノに触る事も、モノの匂いを嗅ぐ事も、モノの音を聞く事も、モノを視る事も叶わない。 ただ一つ感じる事。 私の精神を司る電子の魂が、本来の機械の身体を離れて異なる場所に向かっていると言う事。 ソレを感じている時間は、実際には数秒程度だろうか。 その奇妙な感覚が薄れるのと逆に、身体の感覚が甦ってくる。 最初に触覚。 足の裏側から地面の反力。頬を撫ぜる湿っぽい風。いつもと違う重さを感じる。 次に嗅覚。 噎せ返るような木の匂い。生ぬるい風の匂い。現実は異なる匂いを感じる。 そして聴覚。 野鳥などの羽音や鳴き声。草と草が擦れ合う音。そして聞きなれた駆動音を感じる。 最後に、視覚。 まるで夜が明ける様に視界がクリアになっていく。 全身の感覚が元に戻る。 一つ違う事、それはこの身体が0と1との信号によって作られた仮想現実の身体であること。 そして普段の非武装形態ではない事。 今の私は戦闘形態。 右腕は高出力粒子砲と化し、左腕は巨大な腕と剣を持つ。 そして腰には追加アーマー。 我が主が自ら作って下さった、私の一番の宝物たち。 クリアな視界に映るのは、青々と生い茂る木々が立ち並ぶ熱帯雨林。 視界は生い茂る木々と立ち込める靄によって10sm先も確認できない程に悪い。 蒼蓮華も同じタイミングでログインしてきているのだろう。 ドップラーセンサを最大限稼動させ、動体を探るが……。 「ナル、このフィールドじゃセンサ類は恐らく役に立たない」 マスターの言うとおりだった。 動体を検出するドップラーセンサは検出する対象を制限できない。 よって、再現された野鳥や虫などの動体すらも検出してしまうので、センサには異常な検出結果がはじき出されている。 超音波センサはどうかと思ったがこちらも役に立ちそうに無い。 超音波センサは、超音波を照射して跳ね返ってくるまでの時間などの結果から対象の大きさや距離を検出するものだ。 だが、検出されるのは直ぐ近くの木々ばかり、肉視確認の方が余程視野が広い。 「この状況で最も有利なセンサ、それは……」 マスターの声にはっとする。 五感の中で視覚の次に重要視される感覚、それは聴覚。音、である。 密室かよほど入り組んだ地形で無い限り、音は関係なしに進んでいく。 それはこの仮想現実でも同様だ。 そして、聴覚センサがデフォルトで強化されているのは、ヴォッフェバニー、ハウリン、マオチャオ。 蒼蓮華はマオチャオ型。 ヴォッフェバニーより数段劣るとしても、私とは比べ物にならない。 それこそ、小さな駆動音からこの場所を探り当ててくるだろう。 この状況で最も有利な戦法、それは奇襲。 蒼蓮華は脚部に追加武装「紅蓮脚」を搭載している。 大出力のスラスターとショックアブソーバー、そして至射炸裂型榴弾。 簡単に言えば一撃必殺型装備。 当たれば大ダメージを受ける事は間違いない。 当たればだが。 「にゃんだぁぁ~~~きぃぃぃぃぃぃぃぃっくぅぅぅぅぅぅ!!」 大声を上げ、右方向から水平に蹴り込んで来た蒼蓮華を軽いバックステップで避ける。 「にゃ!? にゃにゃにゃにゃにゃ~~~~~~」 勢いを殺しきれず、進路にある木々を蹴り倒しながら突き進んでいく蒼蓮華を見送る。 「またか……」 マスターの溜息混じりの声が聞こえてきた。 私も溜息をつきたくなった。 大人しく黙って奇襲すれば良いものを、何でわざわざ大声なんか出して自分の居場所を知らせるのか。 以前聞いたときは「そこにロマンがあるからなのだ~」としか言わなかった。 私には理解できないが、当人にとっては大事な事なのだろう。 もうやる気が八割くらい無くなって気が緩んだ、その瞬間。 「隙ありなのだ~!」 何時の間に近づいていたのか、顔面目掛けて回し蹴りをかまそうとする蒼蓮華の姿があった。 マオチャオの消音機能はMMSの中でも随一であり、蒼蓮華も健在のようだ。 「……っ」 刃鋼で何とかガードしたものの、足の踏ん張りが効かずに吹き飛ばされた。 すぐさま体勢を立て直そうとするが。 「まだまだなのだ!」 宙を舞う私目掛けて、蒼蓮華が一気に飛び込んできた。 一瞬。ほんの一瞬で蒼蓮華の顔が間近に迫っていた。 瞬発力だけで言えば、神姫の中でも随一だろう。 何時もは「なのだ~」とか言いながら能天気な顔をしているが、今の顔つき、そして目つきは真剣そのものだ。 その真剣な眼は確かに私の頭部を見つめている。 まるで野生のライオンが得物に飛び掛る瞬間、そんな眼だ。 蒼蓮華の右足が頭部目掛けて迫ってくるのを視界の隅で捕らえた。 萎んだやる気が膨らんできた。 頭を切り替える。 戦う事だけを考える。 勝つ事だけを考える。 それが武装神姫たる私の存在意義であり、マスターもそれを望んでいる……今回は微妙だが。 全身に備え付けられた推進装置の全てをフル稼働させる。 ただし、右側だけ。 均衡を崩した私の身体は独楽の様に回転した。 回転のエネルギーを乗せる様に、右腕の銃鋼をバックハンドブローの要領で錬の右足に叩き込む。 蒼蓮華の至射炸裂型榴弾のエネルギーと私の遠心力と質量を合わせたエネルギーがぶつかり合う。 そのエネルギーは衝撃となって蒼蓮華と私に等しく分布され、お互いに弾かれあった。 私は地面に刃鋼を突きたてて着地、衝撃を無理やりに殺す。 そして右腕を確認。 残っていたのは腕と銃鋼を繋ぐコネクタ部分のみ。 ぞっとする。 三又の粒子加速装置と一本の砲身は跡形も無く吹き飛んでいた。 対する蒼蓮華はおよそ10sm先で至射炸裂型榴弾を撃った際に生じたガスの中、仁王立ちしていた。 等しく分布された筈のエネルギーは、蒼蓮華の右足に傷一つ付けてはいなかった。 本当に、ぞっとする。 最初に声を潜めて奇襲していたら。 後ろ回し蹴りの時黙っていたら。 私は、多分負けていた。 銃鋼の接続設定を変更し、銃鋼をパージする。 地面を覆う腐葉土の中にドスっという音と共に沈んでいく。 そして左手の刃鋼を逆手に持ち替える。 インファイター相手には、この剣は長すぎる。 この間、数秒の隙があったが蓮は先程と同じく仁王立ちしたままだった。 私の準備が整うのを待っているつもりか……。 内心首を捻りながら、私は左手を前に半身の構えを取る。 「いくのだ~!」 それを見た蒼蓮華は掛け声と共に駆ける。 やっぱり、速い。 10smの距離をぐんぐん縮めてくる。 私と蒼蓮華との距離が3smを切った時、跳んだ。 私目掛けて両足を揃えて飛んでくる。 私の顔目掛けてその紅蓮脚を叩き込もうと飛んでくる。 しかし、蒼蓮華の紅蓮脚には欠点がある。 車は急に止まれないように。 弾丸が途中で曲がれないように。 その速度は時に欠点となりえる。 だから私は、身体を右に逸らして蒼蓮華の紅蓮脚をやり過ごす。 背中の補助スラスターやらセンサ類が蹴り飛ばされたが気にしない。 蒼蓮華と目が合った。 その眼に映るのは私だけ。 その眼に灯るのは戦意だけ。 その表情は、まさに戦士。 その顔に、私は振り上げた左手を叩き込んだ。 この左腕は殴る為のものでは無いが、元の神姫の腕より一回りも二回りも太いく大きい。 その上、刃鋼を持ったままなので更に質量が上乗せされる。 その一撃をもろに顔面に貰った蒼蓮華は、その衝撃で地面に叩きつけられた。 蒼蓮華は目をぐるぐる回し、頭上にはヒヨコがピヨピヨ飛んでいる……様に見えた。 「ぬぁぁぁぁ~!!」 「さぁて……先輩、出すモン出して貰いましょうか」 バーチャル・バトルマシーンのクレイドルから起き上がったら佐伯さんが頭を抱えて吠えていた。 それにしても、マスターの裕子さんフリークはどうしたものか。 現に目付きとか言葉遣いとか随分違う。 「……男の約束だ」 そういうと佐伯さんはマスターに一枚の写真を手渡した。 それを受け取ったマスターは一瞬、誰にも、私にも見せたことのない優しい表情になった。 「……確かに。ナル、帰ろう」 マスターはそう言うと私を抱えて胸ポケットの中に入れてくれた。 その前に蒼蓮華に挨拶しておこうと思ったが、それは出来なかった。 「あらあら、裕也。神姫バトルも良いけれど、モノを賭けるのは禁止してた筈でしょう?」 人影まばらなセンターに女性の声が響く。 その声を聞いた瞬間、マスターと佐伯さんは石像のように硬直した。 「約束を破る子には、オシオキが必要よね?」 その刹那、身体に急激な衝撃が加わった。 マスターが全速力で走り出したのだ。 その顔を見ると、まるで警察から逃れる銀行強盗のような切羽詰った表情をしている。 「恵太郎くんも……ダメじゃない」 「ゆ、裕子先輩……」 もう慣れたが、佐伯さんの姉上である裕子さんが何時の間にか目の前に立っていた。 私はとばっちりを受けないようにマスターの胸ポケットから飛び降りた。 「これは違うんです…」 「何も、違わないわ」 裕子さんはとても綺麗な方で、神姫の私から見てもとても魅力的な女性だと思う。 誰にでも、神姫にでも優しい裕子さんを嫌う人を私は見たことが無い。 ……もっとも、裕子さんを恐れる人なら幾らでもいるのだが。 「神姫は賭け事の道具じゃないとあれほど言ったのに……」 裕子さんは哀しそうな表情で一歩一歩マスターへと近づいてくる。 私は佐伯さんの事を思い出し、遥か後方を振り返った。 しかして、そこにいたのは佐伯さんだったモノだった。 その物体は真っ白くなり口から煙を吐いている……ように見えた。 余程恐ろしい目にあったのだろう。 ……そして、マスターも。 「も、もうしませんから許してくださいぃぃぃぃ~~~~」 「ダメ、絶対」 先頭ページへ 次へ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/782.html
Gene Less じ:ジーンと来る・・ワケねえよ! い:いいのかよ!? いいんだよ!! ツッコんだら負けだよ!!! ん:ん? とか深く考えてもしょーがないよ! れ:冷静になったら負けだよ! す:すいませんやりたい放題っす(爆) Gene Lessは、つまりは右脳で楽しむラジカル神姫オムニバスです♪ 注意?:お読みの際は用法要領を守ってるといいのかなぁ?(聞くな) 書いたの/うさぎなひと 目次 Gene1 解体屋 →→→Gene1おまけ Gene2 花屋 →→→Gene2おまけ Gene3 床屋 →→→Gene3おまけ Gene4 本屋 →→→Gene4おまけ Gene5 地上げ屋 →→→Gene5おまけ Gene6 靴屋 →→→Gene6おまけ Gene7 とうふ屋 →→→Gene7おまけ Gene8 ノミ屋 鳳凰杯とリンク →→→Gene8おまけ Gene9 餅屋 →→→Gene9おまけ Gene10 オケ屋 →サビ抜き版 →→→Gene10おまけ Gene11 テキ屋 →ようこそ黒葉学園へ!とリンクしてる気もする〈笑) →→→Gene11おまけ Gene12 服屋 →→→Gene12おまけ Gene13 お好み焼き屋 →→→Gene13おまけ Gene14 護り屋 →→→Gene14おまけ Gene15 殺し屋 →→→Gene15おまけ Gene16 浜茶屋 →→→Gene16おまけ Gene17 犬小屋 →→→Gene17おまけ Gene18 隣部屋 →→→Gene18おまけ Gene19 母屋 →→→Gene19おまけ Gene20 楽屋 →→→Gene20おまけ Gene21 特撮屋 →→→Gene21おまけ Gene22 田ミ屋 →→→Gene22おまけ Gene23 エチゴ屋 →→→Gene23おまけ Gene24 酒屋 →→→Gene24おまけ Gene25 風呂屋 →→→Gene25おまけ Gene26 当たり屋 →→→Gene26おまけ Gene27 たま屋 *えろいのかもしれぬ(え) →→→Gene27おまけ Gene28 鍛冶屋 →ホワイトファング・ハウリングソウルからあのヒトが! →→→Gene28おまけ Gene29 空き部屋 →→→Gene29おまけ 各所で小ネタに以下の作品の名前が使われております事をここでお詫びしておきます。 Mighty Magic、神姫狩人、ねここの飼い方、HOBBY LIFE,HOBBY SHOP、岡島士郎と愉快な神姫達、妄想神姫、戦うことを忘れた武装神姫、剣は紅い花の誇り、神姫ちゃんは何歳ですか? せつなの武装神姫 2036の風 橘明人とかしまし神姫たちの日常日記 神姫長屋の住人達。 ホワイトファング・ハウリングソウル Gene Less本編 G・L《Gender Less》 コメントがありましたらこちらに。アンコール、ネタリク等も受け付けております 名前 コメント お気に召した奴らの登場話に投票でもしてやってください 選択肢 投票 Gene1解体屋 (5) Gene2花屋 (0) Gene3床屋 (2) Gene4本屋 (1) Gene5地上げ屋 (0) Gene6靴屋 (0) Gene7とうふ屋 (1) Gene8ノミ屋 (3) Gene9餅屋 (3) Gene10オケ屋 (0) Gene11テキ屋 (0) Gene12服屋 (0) Gene13お好み焼き屋 (1) Gene14護り屋 (0) Gene15殺し屋 (0) Gene16浜茶屋 (0) Gene17犬小屋 (0) Gene18隣部屋 (2) Gene19母屋 (0) Gene20楽屋 (1) Gene21特撮屋 (0) Gene22田ミ屋 (1) Gene23エチゴ屋 (0) Gene24酒屋 (5) Gene25風呂屋 (2) Gene26当たり屋 (1) Gene27たま屋 (0) Gene28鍛冶屋 (3) Gene29空き部屋 (1) - -
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/128.html
登場人物紹介 特に制限などありませんので、入り用でしたらご自由にお使い下さい。 グロは困りますが、エロは平気……というか、むしろ見たiうわなにをするやめあqwせdrftgyぶしこ 戸田静香(とだ・しずか) 神姫に処女を捧げた(比喩でなく)のがちょっぴり自慢な17歳。6月8日生、O型。 長身細身、黒髪のストレートロング。女子校の手芸部部長。 趣味はコスプレ、手品、コンピュータなど多様。 天才肌で基本的に何でも出来る万能人間だが、超越した思考は常人には理解できない事の方が多い。 結果よりも過程を重視するタイプで、単純にバトルに勝つ事には興味がなく、試合をどれだけ盛り上げるかにこだわる。そのため、勝率は五分五分といったところ。 その桁外れのスペックをどうでも良いことに惜しげもなく注ぎ込むのがものすごく得意。 性格的にはほとんど女と○かだが、世界を面白くするための団を作ったりはしない。 Sっ気があり、ココがイヤイヤながらドキドキハウリンをやっているのが可愛くてたまらない。 ココ 犬型MMSハウリン。性格設定は生真面目な武人タイプ。 マスター自身の能力は評価しており、嫌っているわけでもないが、変身ヒロインに限っては自分以外の誰かがやればいいのにと思っている。 でもそのイヤイヤ加減が静香のツボを突いている事に気付いていない。 ハード・ソフト的な改修は静香によって色々行われているようだが、実際に戦闘に役立つものはほとんど入っていないとか。 第11話現在、セカンドの中位~上位の間くらいにいる。 ドキドキハウリン ココが静香特製のコスチュームを身につけたときの最終形態。ディテールの詳細はその時の静香の気分によって異なる。 ただの衣装替えなのでスペックに差はないはずだが、この時のココは恥ずかしさで攻撃力が三倍(当社比)になる……らしいぞ。 主要武器は長銃身の狙撃砲。長い銃身を生かして撲殺もできる。 範囲攻撃としての『魔法』は実装されているが、持続時間の関係で一般的な運用はされていない。 獣王 ココのぷちマスィーンの個体名称。複数機ではなく、基本的に一機のみで運用される。 通常のボディは使用しておらず、タチコマ型の通常支援ユニットや、バスターウルフ型の機動戦ユニットなどに接続されて出撃することがほとんど。 上記の画像は一般運用時のタチコマユニットを使用した状態である。 花姫 ドキドキハウリン外伝に登場する静香の神姫。初期ロットのアーンヴァルタイプ。 優しく穏やかで、少々子供っぽい性格。 甘えたがりで、静香のことが純粋に大好き。 自ら考えた『魔女っ子神姫 マジカル☆アーンヴァル』に変身するが、リアルバトルは装備の損耗が激しいため、オリジナル武装ルールが実装された現在(外伝8時点)でも名乗りを除いてマジカル☆アーンヴァルが登場したことはない。 ドキドキハウリン本編には登場していないが……? マジカル☆アーンヴァル“ブロッサム・ストライク” マジカル☆アーンヴァル強化プランの最終形態(外伝8時点)。 高機動・遠距離重視というアーンヴァルタイプの特性を極端に突き詰めたコンセプトを持つ、高機動砲撃戦に特化された機体。 大型ブースターを使った高機動、大口径メガビーム砲・マイクロミサイルコンテナによる重火力、防御フィールドを使った高防御を並立させており、この世代の武装神姫としては突出した戦闘力を持っている。その姿は神姫というより、神姫の運動性を持つ大型戦闘機といったイメージが強い。 ただ、その圧倒的な戦闘力の代償として、メンテナンス性は非常に劣悪。リアルバトルのみの当時にこの種の機体が流行らなかったのは、純粋に『装備が膨大でメンテしきれなかったから』という理由が大きい。 静香・花姫ペアも、本装備は決勝トーナメント用の最終兵器という位置付けをしており、予選リーグ中は標準的なアーンヴァル装備を使っていた。 上記写真は数少ない本機調整中の画像。完成版のブロッサム・ストライクはミサイルコンテナの下にスカート状の装甲鈑が取り付けられる。 鋼月 十貴(こうづき・じゅうき) 静香の家の隣に住んでいる少年。身長148cmの物凄い童顔だが、静香と同い年の17歳。4月30日生、A型。 工業系の男子校(一応共学なのだが、女生徒はほとんどいない)に進んでいる。 自分がオタクであること・神姫をやっていることを学校では秘密にしており、神姫の大会に出場するときは鋼月十貴子(こうづき ときこ)と名乗って参加している。 女装に関しては静香に遊ばれているだけだと気付いているが、神姫のバトル自体は楽しいので現状でもまあいいかなと思っている。 同じ遊ばれる身として、ココと仲がよい。 ジル ストラーフタイプの十貴の神姫。 超勝ち気で十貴を尻に敷く性格。 リアルロボット系装備全盛期の神姫業界において、スパロボ系装備のパワー武装にこだわる異端児。 神姫のバトルサービス最初期から参戦している古強者の一人。ファーストリーグ下位あたりにいる。 その特異な武装から『鋼帝』の異名を持つ。 同じ尻に敷くモノ同士として、静香と仲がよい。 戸田あかね(とだ・あかね) 武装神姫関連企業であるEDEN-PLASTICSカスタマーサービスセンター勤務の23歳。 戸田静香の姉。 性格は基本的にのんびりおっとりだが、だらしないのは妹と同じ。 にゃー子 マオチャオタイプのあかねの神姫。 性格はそのまんま猫。争いを好まない性格な事と、そもそも神姫関係者は大会に出られないため、戦闘経験は全くない。 鋼月雄歩(こうづき・ゆうほ) 十貴の父。筋金入りの玩具オタ。ガングラー鋼月というペンネームで、玩具ライターとして生計を立てる趣味の人。 本来は超合金系のレビュー専門だが、色々事情があってジルを引き取ることになった。十貴とジルを引き合わせた張本人である。 神姫そのものは持っていないが、神姫と同レギュレーションのMMS男性型モデル・AHP(アクションヒーロープロ)改『ゴルドさん』を持つ。 人生で一番心に残っている特撮は、子供の頃にヒーローショーを見に行った『超星艦隊セイザーX』らしい。 ゴルドさん 雄歩のMMS。寡黙なヒゲ男。 メカに強く、そのサイズ故に神姫用のメカニックのメンテなども楽々こなす。 オフィシャルの品ではなく、アクションヒーロープロの動作試験用モデルを雄歩がツテで引き取ってきたらしいが、定かではない。 実はとても強いらしいが、AHPは武装神姫のオフィシャルリーグ参戦が認められていないため、たまにフリーバトルをする程度である。 試作品のため動作にはやや不安定な面があり、バッテリー容量の都合もあって一日十六時間の休眠が欠かせない。 武井隆芳(たけい・たかよし) 外伝7に登場したクウガのマスター。 自分の名前を神姫に覚えてもらえないことを少しだけ気にしている。 クウガ 外伝に登場するハウリンタイプの神姫。 改造された脚部装甲のみを武装とし、一直線に突き進んで蹴りを叩き込む、超超高速蹴打戦闘を得意とする。 アキ&タツキ 本編十五話に登場する武井の神姫。双子のツガルタイプ。 ちなみにおさげが右にある方が姉のアキ、おさげが左にある方が妹のタツキである。また、アキの方が少しだけ胸が大きい。 武井の経営するドールショップ『真直堂』の裁縫部門の指揮や、販売の補助を行っている。 トップ
https://w.atwiki.jp/2chbattlerondo/pages/219.html
神姫、武装の入手について 始めたばかりなら当然ながら忍者型フブキと彼女の初期装備しか所持していないはずです。 フブキ以外の神姫を入手する、またはフブキ初期装備以外の装備を入手する手段には下記のようなものがあります。 神姫の入手フィギュア実物を購入する 神姫ショップでデータを購入する 装備の入手メインウェポン「大手裏剣“白詰草”」を入手 アチーブメントを達成する 神姫ショップでデータを購入する GEM交換 ふくびき コメント 神姫の入手 フィギュア実物を購入する 武装神姫は実在のフィギュアと連動したオンラインゲームです。 フィギュアを購入すると付いてくるアクセスコードを入力する事で、ゲーム内でも彼女らを入手する事ができます。この場合、各々の神姫の所持している武装もついてきます。 フィギュアとして発売されたばかりの神姫は、発売当初、武装神姫バトルロンドに対応していない場合がありますので、事前に良く確認しましょう。 バトルロンドの対応表がセットアップ/フィギュア連動の項にありますので、事前に良く確認しましょう。 「EXウェポンセット」は実フィギュア・アクセスコード共に素体がありません。(EXウェポンセットPLUS 火器型ゼルノグラードには素体が付属しています) 神姫ショップでデータを購入する myKONAMIで購入した神姫ポイント(spt)を利用することで、ゲーム内データのみを購入する事もできます。フルセットを購入すれば、実フィギュアのアクセスコードを入力した場合と同じ内容が得られます。素体のみを購入する事もできますが、この場合は武装は付属しません。 忍者型フブキは元々オンラインデータ専用神姫として作られたため、初期に配布された1体以外に忍者型のコア・素体が欲しくなった場合は、今のところ神姫ショップで購入するしかありません。ちなみにフブキのみ安価に設定されています。 神姫ポイントの購入は、500円=500spt、1000円=1100spt、3000円=3500sptとなっています。 上へ戻る 装備の入手 メインウェポン「大手裏剣“白詰草”」を入手 まずはアクセスコードを入力するだけで誰でも手に入る、「大手裏剣“白詰草”」をGETしましょう。もともとは東京ゲームショウ(TGS)2006にて無料配布され、現地に行けなかった人向けに公式サイトのイベントレポートでも公開されていたものです。 公式サイトのリニューアルに伴いイベントレポートのページは削除されてしまいましたが、アクセスコードだけは今も公開されています。公式サイト・イベントレポート跡地はこちら 「和風」の「投刃」武器である白詰草はフブキを中~遠距離戦闘メインで育成する場合には重宝します。必ず入手しておきましょう。 アクセスコードは、神姫のフィギュア等に付いてくるアクセスコードと同様に登録します。 上へ戻る アチーブメントを達成する アチーブメントとは直訳すれば「達成」で、他のゲームでいうミッション・クエストなどに相当するものです。 さまざまな条件を達成することで、報酬としてアチーブメント専用武装やCSCなどを入手することができます。 無課金の人は勿論、フィギュアを持っている人も課金してするつもりの人も、まずは忍者型フブキでのプレイを推奨します。アチーブメントに「フブキのレベルが10、20、40、80になる」というものがあるからです。フブキを育てるにしてもフブキ以外の神姫を育てるにしても役に立つ、使い勝手の良い装備アイテムが入手できます。 フブキ育成のアチーブメント以外で、難易度が低く達成しやすいアチーブメント「オフィシャルバトルで累計10勝」(飛苦無“蓮華草”) 「オフィシャルバトルで累計10敗」(フライングソーサー) 「『和風』の打撃武器による攻撃のみで勝利」(のぼり“天下布武”) 「ミッション『エキストラミッション』を1つクリアする」(エーススラッシャー) 「和風コーディネイトでEXオフィシャルバトルに勝利」(のぼり“風林火山”)※一度EXクラスに落とすとC~Sクラス戦には戻れないので、最初から狙う必要はありません 以下は戦闘指示次第で比較的楽に取得可能です。ミッションバトルなどを利用すると良いでしょう「打撃攻撃のみ使用し、すべての攻撃を命中させて勝利する」(如意棒) 「投擲攻撃のみ使用し、全ての攻撃を命中させて勝利する」(ちゃぶ台) 「敵の攻撃をすべて防御し勝利する」(アイゼンヒンダニス・ASシールド) 「メインウエポン以外装備せずに勝利する」(メギンギョルド) 以下の3つは時間さえかければ達成する事が可能です。ただし、かなりの時間がかかります。「トレーニング特級全てで大成功する」(桃花扇)※詳しくはトレーニングの小ネタの項目に目を通してください。 「バトルシミュレーターで累計300戦する」(“ギガンテス”ロボアーム) 「総プレイ時間が100時間以上になる」(ターバン(白)) 以下はランダム要素に大きく左右されるものです。運さえ良ければだれでも達成する事が可能です。「残りLPが1になる」(まるみみ) 「残りLPが573でバトルに勝利する」(モアイ像) 「耐熱ダメージでとどめを刺しオフィシャルバトルに勝利する」(首かけタオル) 「自分の神姫がCHARM状態で相手にとどめを刺して勝利」(ハンディクリーナー) 「スキル攻撃を5回以上防御して勝利する」(イージスの盾) 「敵の投擲攻撃を5回以上受けて勝利する」(ユースティティア・AMシールド) 「敵の魔法属性の攻撃を5回以上受けて勝利する」(マジックシールド) 「『ぷちモアイ』を装備した神姫に勝利する」(ぷちモアイ) 「○○mmの魚拓をゲットする」(ホタテアーマー、水中めがね等) 特定の武器・コーディネート等が条件のアチーブメントも比較的難易度は低めです。(試用チケットやCSC交換システムを利用すれば、無課金でも達成可能です)「フライングソーサーでとどめを刺しオフィシャルバトルで勝利する」(銀のナイフ) 「追撃スキル『雪玉シュート』でとどめを刺しオフィシャルバトルに勝利」(みかん)※GEMで雪ダルマを入手 「『短銃』の攻撃のみで勝利する」(蹄鉄)※試用チケット、もしくはGEMで短銃を入手 その他、各種コーディネートによって取得可能なアチーブメント※試用チケット利用(オススメはギャンブルのラッキーコイン、クッキングのたけのこドリル等です) ここに示したもの以外にも様々なアチーブメントが存在し、随時追加されます。アチーブメントの項に一覧がありますので、一度チェックしておくと良いでしょう。 上へ戻る 神姫ショップでデータを購入する myKONAMIで購入した神姫ポイント(spt)を利用することで、ゲーム内データのみを購入する事もできます。フルセットを購入すれば、実フィギュアのアクセスコードを入力した場合と同じ内容が得られます。武装セットのみを購入する事もできますが、この場合は素体は付属しません。 フィギュアのアクセスコード入力やフルセット/武装セットの購入では入手できない、神姫ショップ専用アイテムも販売されています。課金専用アイテムなどと呼ばれるもので、一部のアイテムは非常に性能が良く、実戦でも頻繁に見かける事になります。 神姫ポイントの購入は、500円=500spt、1000円=1100spt、3000円=3500sptとなっています。 試用チケットが定期的に配布されています。フルセット・武装セットには利用できませんが、神姫ショップの専用アイテムはチケットを利用して購入前に試してみることができます。 神姫ショップを利用する前に出来ればフブキで一通りプレイする事をお薦めします。色々な人を見て、どういう装備を使ってる人が多いのか、人気のある装備は何か、などを観察してみて下さい。パッと見に強いと思ってショップで装備を買ったけどアチーブメントで十分事足りてしまって買った意味が無い、なんて事もありえます。 よく用いられる課金装備の一部 ※現在は武装・武器とも非常に数が多く個別に列挙し難い為、大まかな種類での一例を挙げる 種別 商品 解説など コーディネート:メカ 一部を除くフロントライン製、ディオーネコーポレーション製セット他 選択肢が多く、あらゆる場面で活用できる コーディネート:和風 紅緒、飛鳥セット他 回避・剣方面に相性の良い武装。フブキと組み合わせて少ない投資で大きな効果が得られる コーディネート:ミリタリー バルカンラボ製、アームズインポケット製セット他 命中・射撃方面に相性の良い武装 移動スキルを含むセット、武装 アーンヴァル、飛鳥、アークセット他 序盤では無くてもよいが、中盤以降は有無で大きな差が出る また神姫NETジャーナルver2.0の「第10回 データで振り返るバトルロンド」では一周年を振り返るとして メインウェポン・アーマーなどの各カテゴリ毎で売上げランキングが公表されています。参考にするのも良いでしょう。 なお、これら課金アイテムを買えば必ず勝てるというわけではありません。 一般的によく使用される武器防具とは、それだけ対策をされている可能性が高い装備である……ともいえます。 自分なりの試行錯誤を絶やさないようにしましょう。 もちろん性能のみが全てというわけではありません。 気に入ったビジュアルの装備を活用するために試行錯誤するのも楽しみの一つです。 上へ戻る GEM交換 報酬がCSCのアチーブメントのうちいくつかは、繰り返し達成して何度でもCSCを貰う事が可能です。以下の3つが代表的な繰り返しアチーブメントです。「ダメージを一度も受けずに勝利する」(CSCパック/スタンダードクラス2) 「スキルを5回以上使用して勝利する」(CSCパック/アッパークラス1) 「残りSPが1桁で勝利する」(CSCパック/アッパークラス2) こうして入手したCSCを神姫ショップで一度GEMに交換する事で、レアなCSCや各種武装と交換することができます。交換で入手できる武装は、他では入手手段のない専用のもの、強力なものも存在します。 必要なGEMの数は多いですが是非チェックしておきましょう。 CSCの入手および、GEM交換についてはCSC交換のページに詳しく記載されています。ミッション等を利用して効率よく稼ぐ方法もCSC交換のページで紹介。 実戦で見かける事のあるGEM交換装備の一部 名前 部位 必要GEM数 解説など ジェムバレット メインウェポン 100 相手のSPを減らす事が可能な数少ない武器。SP型への対策に。 クリスタルソード メインウェポン 150 大筆 メインウェポン 50 「和風コーディネート」の恩恵を受ける事ができ、スキルの性能もなかなか。無課金忍子さん応援装備の1つ。※忍者型コアの特性上、実質的な攻撃力は忍刃鎌を下回ります。 ダーツ メインウェポン 50 「貫通」効果により、防御型にも固定ダメージを与えることができる。無課金忍子さん応援装備の1つ。※忍者型コアは投刃が得意なので特に有用です。 ターバン(青・ピンク) アセンブル 20 頭装備ながら機動が上がるユニークな一品。見た目に反してコーディネート属性が無いのもポイント。なお、総プレイ時間が100時間を超えれば「白」を貰うこともできる。無課金忍子さん応援装備の1つ。※和風コーディネートを維持したまま追加装備できるので有用です。 木刀 メインウェポン 200 この武器を起点にアチーブメントを開放して、強化版の木刀を入手していける 上へ戻る ふくびき ふくびきチケットはアチーブメントで入手できますが、条件が厳しく狙って出すことは困難です。 定期的に開催されるイベント(サマーフェスタ、ウインターフェスタなど)で入手しやすくなっていますので、機会を逃さないようにしましょう。 ふくびきで入手できるアイテムは主に過去のイベントで配布されたもので、有用な武装が多く揃っています。その中でも無課金フブキさんに特に有効なものを挙げておきます。 等級 アイテム 備考 4等 風車手裏剣 攻撃力の高い和風投刃。自分が中~遠距離型の場合オススメ。 結晶シールド 無属性で耐熱を大幅に上げることができる。二枚まで同時装備可能。 3等 人魂(各色) 無課金の弱点である中距離用追撃スキルを使用できる。 ラクーンハット 投擲軽減のついた頭部武装。ただしアニマル属性のため和風の維持が出来なくなるため注意。 ダイナマイト 貫通爆弾系最強の攻撃力。フブキはさらにダメージを上乗せできる。 2等 極意之巻「飯綱」 防御・反撃不可を持つ近距離系最強攻撃スキルの一つ。 芭蕉扇 全武器中最大のダウン値を持つ。相手次第ではダウンハメも可能。 竹刀 低レベル帯で威力を発揮する和風剣。相手次第ではスタンハメも可能。 天叢雲剣 最大級の攻撃力を持つ和風剣。装備クラスはSかEXのみだがイベントで非常に有効。 1等 オペレーションマニュアルⅠ 相手のLVに応じてダメージの変わる特殊な攻撃スキル。対ダイヤ神姫戦に有効。 - ドラゴン系武装各種(クローを除く) ウィングとテイルはセットで強力な遠距離攻撃スキルが使用でき、ホーンは攻撃力の底上げに有効。ただし重量が重いので注意。 上へ戻る コメント スピア系が無課金忍子さん応援武装になってますが 無課金では反撃スキルが扇のみなので有効活用は難しいかと -- (名無しさん) 2008-04-23 03 55 26 パラソルスピアの代用品としては悪くないんだけどねー 少なくとも「実戦で見かける」事が無いんで、コメントアウトした -- (名無しさん) 2008-04-23 12 43 55 種型の装備はどうかな? バトルモードは結構有効だと思う。自分はそれで結構やられた口 -- (名無しさん) 2008-11-16 08 13 45 安易に強くなる反面、対策されれば全く無力。 初心者に安易に進められるもんじゃない。 -- (名無しさん) 2008-11-16 08 58 34 お勧めできないに建機型、よく用いられる武装に侍型と戦闘機型を追加。 -- (名無しさん) 2008-11-16 09 54 46 現在の状況にあわせて、オススメ武装の記述を変更 不可視にしてありますが、ゴーグルや黒き翼は表記したままでもいいかも -- (名無しさん) 2010-08-01 14 06 09 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1595.html
姫の閉ざされし檻、呪われし高貴(その二) 第三節:賢者 半ば日が中天に差し掛かる頃、私達はアキバへと帰ってきた。昼食さえも 摂る時間を惜しみ、駅の売店で買った栄養補助食品とスポーツ飲料を皆で 分け合いながら、神姫センターへと赴く。連休も明けて暫く経った平日の センターは、多少賑わっていた物の……混雑という程の人は居なかった。 「ふぅむ……緊急充電用のレンタルクレイドルは、どれも正常だな……」 「ん~……電源ケーブルが何処かへ引っ張り出された跡も、ないですの」 「となると、ロキちゃんは一体何処で充電しているんでしょうね……?」 「……ひょっとして、充電が不要な位のジェネレータを積んでるのかな」 一緒になってクレイドル周辺をまさぐる梓から、そんな推論が飛び出す。 しかし、強ち的外れとも言えない事情がある。それは、彼女の躯に備わる “装備”だ。可変式の高速電磁浮遊ウィングに、プラズマで固めた武装。 いずれも、莫大な電力がなければ満足に運用出来ない筈なのだ……だが。 「ロキは、平然と動き回っていた。有り得ない話ではないかもしれんな」 「あ、あのー……お客さん?そんな所でしゃがんで、お探し物ですか?」 「……あ、うん。スペーサーを落としたんだよ。でも、見つかったもん」 「気を付けて下さいね?センターではそういうの、賠償できませんから」 流石に不審だったのか、店員が私達に声を掛けてくる。ここでこれ以上の 捜索は無理かもしれぬな……。しかし何らかの形で補給をせねば、いくら 優秀なジェネレータでも限界はある。何処かで、ロキは補給をしている。 それは間違いないのだが、此処に今居ないとなると……何処にいるのだ? 私と梓はベンチに腰掛け、深く溜息をつく。痕跡さえ、見つけられない。 「うぅむ、参ったな。ここで補給しているとばかり思ったのだが……」 「他のセンターで、補給しているかもしれないんだよ。行ってみる?」 「でも、雰囲気悪かったり入った事無いセンターは捜索出来ませんの」 「そう、ですよね。ここでさえ、全てを把握している訳じゃないです」 馴染みの深いこのセンターで何も見つけられない、となると。私の往く 活動範囲には、最早探索できる場所は殆ど無いとも言えるだろう……。 途方に暮れるとはこの事か……?皆で、溜息をついた。その時だった! 「心配はいらないよ、小さなレディ達……奴は確かに、ここで補給した」 「何ッ!?き、貴様は……前田、そして“アラクネー”ではないかッ!」 「こんにちは。まさか、こんな形で再会するとは思わなかったけどね?」 私の眼前に、一人の男と一人の神姫が現れたのだ。“自衛官の”前田と、 “女郎蜘蛛の”アラクネー。何故神姫バトルをしているのかさえ不明な、 謎の多い連中……そして、クララの初戦を務め彼女を導いた“賢者”だ。 知らず知らずにクララ……いや、梓の躯が緊張する。未だ、彼女にとって 尊敬するべき“師”なのかもしれん。だが、彼らの雰囲気は剣呑だった。 「前田さん、アラクネーさん……お姉ちゃん達から、噂は聞いてるよ」 「ふむ、某とクララの仲を知っているのか……ならば、問題はないな」 「そうみたいだね。で、何かお探しなのかな?小さなお嬢さん達……」 「……惚けるな前田よ。貴様は今、確かに言ったろう。“奴”とッ!」 私は、自然と前田を睨む。喰えない男だとは思っていたが、今こうして 微笑みながら向かいのベンチに座る奴を見ていると、尚更分からぬな。 自衛官という立場上、何か知ってるのかもしれんが……どういう事だ? 「ああ、そう言えばそんな事を言ったね。僕もうっかりしていたよ」 「どう考えても、私達の探している者を知っているという態度だな」 「はは……出来れば、違っててほしいんだけどね。で、何だろうね」 梓に視線を移す。鷹揚に笑いかけ、世間話を始めようかというこの男に、 全てを話していいものか。私だけの判断では、どうにも雲を掴む様でな? 尤もロキの手懸かりその物が、既に雲を掴む様な状況になりつつあるが。 しかし暫し迷い、梓は肯いた。“クララ”として、彼らを信頼したのだ。 アルマとロッテも、二人の胸元で肯く。となれば、黙っている事もない。 「……探しているのは神姫だ。否、厳密には神姫と呼べぬかもしれん」 「北欧からやってきた、哀しい定めを背負った一体のMMSですの……」 「ひょっとしたらまだ秋葉原にいるかも知れないって、思ったんだよ」 「だから、その。探してたんですけど……そういう貴方達は、何を?」 前田は深く溜息をついてから、アラクネーを促した。この世の終わりでも 来たかの様なオーバーアクションを確認し、小さな神姫が重い口を開く。 それは私達にとって……そして彼女らにとっても、望まざる展開だった。 「某らが追い求めるは、“ハザード・プリンセス”の零号機に他ならぬ」 「“戦略級殲滅型MMS”って分類の、中規模破壊を行うテロ用兵器かな」 「神姫の皮を被った怪物、それこそが……“国家の敵”たる人形なのだ」 ──────世界はやっぱり、残酷なんだよ。 第四節:信念 自衛官の前田と、彼の神姫たるアラクネーから出た言葉。それは正しく、 最悪の運命が間近に迫っている事を告げる、“賢者の忠告”に他ならぬ。 「テロ用の兵器、人形……だと?貴様、知っているのか……ロキを!」 「知っているよ。僕らの任務は、アレを追いつめ無力化する事だから」 「どうしてですか!あの娘は、マスター達の為にやっただけなのに!」 アルマが梓の胸から乗り出し、泣き叫ぶ。助けようと思った存在が、既に 国家という巨大な“モンスター”から目を付けられているという現実に! それは既に、ロキが『“世界の敵”として認識されている』事にもなる。 「存在自体が、極めて危険なのだ。国家という“大を救う”べき者には」 「彼女の存在その物が、罪でしかないんだよ。そこに在るだけで、拙い」 「故に何としても、彼女を無力化せねばならない。破壊してでもな……」 『存在その物が罪』。この世に産まれ出る者にとって、理不尽の極みとも 言える断定であった。それが器物であろうと……神姫であっても、そこに “心”がある以上、これを理不尽と言わずに何というのか。だが同時に、 国家を……民衆を護らねばならぬ者からすれば、ロキは正に害悪である。 「それが、日本って言う国の考え……でいいのかな?前田さん……?」 「構わないよ。ついでに、日本と繋がる主要な国家の考えでもあるね」 「……驚いた。既に世界規模で指名手配されているのか、ロキは……」 「当然であろう、マスター……晶殿。彼女は、“ラグナロク”の残党」 「僕らもつい先日、逮捕したエージェントの自白で知ったんだけどね」 「捕まったんですか、運び屋さん!?……まさか、彼女を棄てたから」 前田は軽く溜息をついてから、肯いた。あの爆破はやはり“事件”として 警察とは別の治安組織が追っていたのだ。ロキを追う過程で、彼女を運び 秋葉原で棄てていった運び屋の存在が、露呈したのだろう。些か現実味に 欠ける話ではあるが、それでも認識せねばならない……事の重大さをな。 「僕らには、上の命令に従ってロキを無力化するという責務があるんだ」 「その為に……無闇に関わろうとする部外者は少ない方が良い、となる」 「だったら、なんですの?わたし達を傷つけて、国の為に封じますの?」 だが、それよりも早く……身を弁えるという理性的な選択より早く、私の 胸元から“感情”に満ちた声が響く。それこそ、黙って前田達の言い分を 聞いていたロッテの声だった。それは、怒りと哀しみに満ちた音である。 「ロッテ君、だったかな。君達を捕まえたり、傷つけるつもりはないよ」 「ただ……そなたらの介入でロキを逃がす事になっては困る、とな……」 「だったら、わたし達が自己責任でロキちゃんを止めればいいですの!」 啖呵を切るロッテに、前田が目を見開く。この反応は、予想外らしいな。 それは、全てを敵に回してでも助けたいという“信念”故の叫びだった。 アラクネーが睨め付ける様に、アルマと梓……更に私を見据える。それは 幾多の死地を潜ってきた主に引けを取らぬ、一種独特の凛とした気配だ。 「万一そなたらや主に危険が及んでも、何の救済も受けられぬのだぞ?」 「……保険を申請しても、事実は隠蔽されるから保証されないんですね」 「そう言う事、だね。秘密裏に全てを終わらせたい。それが上の考えさ」 「話を聞いてて気になったけど、“破壊”は義務じゃないのかな……?」 「執るべき手段の一つであって、確定事項ではない。無力化こそが重要」 しかし己を譲らないロッテに気圧されたのか、アルマと梓も食い下がる。 ここで自分だけ荷を擲つ事は、“姉妹”として考えも及ばぬのだろうな。 二人の事実確認を受けて、ロッテは続けた。それは、私の考えでもある! 「なら……ロキちゃんが破壊を止めて普通の神姫になれば大丈夫ですの」 「普通の、神姫に?……確かに、神姫の因子を持つ相手だが……無謀だ」 「無茶でも無謀でも、そうなれば国家として敵視する道理はあるまい!」 「ま、そうだけどね。僕としても命令は果たせる。でも、いいんだね?」 それは国家の代行者として『失敗した時は私達を見捨てる』という言外の 意味を含んだ、最終確認だった。本当に、私達は後に退けぬ事へ関わって しまったのだ……しかし、それを悔いるのは全てが終わってからでいい! 「いいですの!わたしは……ロキちゃんを必ず救うと決めましたの!」 「はぁ……参ったね。ここで退いてくれた方が、堅実だったんだけど」 「主よ、最早言っても聞いてはくれますまい。やらせてみては如何か」 がっかりした、という様なアクションをしつつ前田は肯き、立ち上がる。 最早、大っぴらに助けを借りる事は出来ない。私達の力で、なんとしても ロキを“日常”へ引き戻してやらねばならぬ。僅かの失敗も、赦されん! 「小さなレディ達、出来れば……僕らに手間を掛けさせないでくれよ?」 「無論そうする。何処の所属かは聞かぬが、本拠で報せを待っていろ!」 「そなたらは不器用すぎる。だが、そういう生き方も嫌いではない……」 「……恐れ入るんだよ、アラクネーさん。でも、必ず成し遂げるからね」 「あたし達には、それしか出来ませんから……きっと、助けてみせます」 「“武装神姫”の意地にかけて、絶対にやってみせますの……絶対ッ!」 ──────想いの力は余りに強く、皆を震わせるんだよ。 次に進む/メインメニューへ戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2053.html
第一話:潜入姫 ……目の前の状況を確認してみようと思う。 デスクの上を俺がトイレに行って戻ってきた僅かな時間で俺の部屋に紛れ込んできたちっこい蒼髪の人形が正座して占拠している。 この人形は確か、武装神姫なるものだったような気がする。 武装神姫とは俺の知る限りでは色々と着せ替えて戦わせる今、大流行なものだとか聞いた事がある。 尤も、それは子供と俗に言うオタクと呼ばれる人種が主であり、ただの一般人である俺が持っている事がバレれば体面上、よろしくない事が起きるのは目に見えていた。 大学生以上にもなってくると野郎が人形を愛でる事をバレたら、気味悪がる人間が続出するのは言わずとも誰もが考えている事だと思われる。 俺もそんな中の一人だ。正直、目の前の事実を許容したくない。これが幻である事を切に願いたい所だが……。 「あの……。お邪魔してます……」 「あ、ああ……」 蒼髪の人形はご丁寧にも敬語で部屋の主である俺に挨拶をして、ものの見事に幻という説を完全に否定した。 動くのは知っていたが、喋る上に敬語を操る思考がある事には驚いた。最近のAI技術はここまで来たのかと素直に感心せざるを得ない。 「……誰だ? お前?」 しばらくの静寂の後、俺は何とか目の前の事実を見て、問いかける。 「私は……××××です。マスターに捨てられて猫に振り回された果てにここに放り込まれた者です」 イマイチ理解できない俺はそれについて詳しく聞いてみると、何でもあまりにも勝てず、別の神姫を買ってそれでやってみたら勝ち始めたため、役立たずなこの……××××を捨てたらしい。そうして町の中を冒険して遂にバッテリーが尽きかけの極限状態となり、俺の部屋に入り込んだらしい。 ―― ……おいおい。役に立たなくなったらポイですか。そりゃ、あんまりだろ。 見た限り、心があるってのにそれを考えてやれないのは流石に少なくともオタクではない事を主張する俺でも酷い話だと思える。 「なるほどな。同情するよ」 そう思う俺には二つの選択肢がある。一つは非情にもバッテリー切れを待ってそうなったらバラして売り払う事。とりあえず需要はあるのだから売ればそれなりの値段は付くのかもしれないから普通ならこれをしてしまうだろう。 そして、もう一つは……、 「あの……」 「あ?」 「……貴方にお仕えさせては頂けないでしょうか?」 やはり頼まれたが、こいつを引き取る事だった。確かに俺は武装神姫を持っていないから引き取る人間としてはうってつけかもしれない。 だが、これを持ってバレれば体面上の問題が発生する。それは俺にとって少なからず不都合な事である。 「お願いします! 何でもしますから!!」 バッテリーが無くなりかけにもかかわらず突然、必死に××××が叫ぶ。 死にたくない。このままで終わりたくない。 そんな真剣な声と必死な表情が不覚にも俺の心に鋭く突き刺さった。 ――そんな顔をするなよ……。切り捨てられなくなるじゃないか……。 非情になり切れない俺は俺自身に呆れ果てる。『自分の欲望に忠実に生きる』というのが俺の持論だってのに……。 しかし、目の前の蒼髪の嬢ちゃんの顔をブルーに染めるのも寝覚めが悪い。俺はここで一つの妥協案を出す事にする。 「……わかったよ。とりあえずしばらくは面倒を見といてやる」 そう。少しの間だけ世話して他のこいつを大事にしてやれそうな奴に渡す。それが俺にとっての第三の選択肢だった。 しかしそれは自分が神姫を持っていた事をその人にバラす事にも繋がる。非情に矛盾していて危ない選択でもあった。 「ありがとうございます!」 仕方なく了承した俺に××××は満面の笑みで礼を言った。 バッテリー切れかけなのに律儀なこったなぁ……。とため息をつきながら俺は苦笑する。俺は迷い気味だってのに……。 「いきなり押し入ってお願いするのは何ですが、私のクレイドルをゴミ置き場から回収して頂けないでしょうか?」 「クレイドル?」 突然の質問に俺はオウム返しをした。どうもそれは大事な物なのはわかるが、俺にはイマイチよくわからない。 「神姫の充電に必要な機材です。幸い、私と一緒に捨てられてあるので回収すれば使えると思います」 ……随分と贅沢な奴だな。機材もまるごと買い換えたのかよ。となると相当こいつを使い回してもダメだった事が推測出来る。神姫の武装はテレビで見たことがあったが、心があるという事を含めるとこいつとマスターとやらは絶望的に相性が悪そうだった。 ―― ……本格的に同情したくなってきたなぁ、おい。 「なるほど確かにそれがないとマズいな。どこのゴミ置き場にあんだ?」 「そこまで正確には……すいません……」 「謝らんでいい。今からゴミ置き場を順番に回る。見覚えのある場所があったら教えてくれな」 「わかりました」 「おし。行くぞ」 俺は大きめの鞄に××××を隠し持って、家を出ると自転車に乗って駆け出した。 彼女の話から考えると猫がどの位を縄張りにしているかにもよるが、そう遠くはないはずだ。少なくとも俺の住む町から外は出る事は無い。 まず、一つ目。かなり物が煩雑しているが××××はここではないと言う。確かにそれらしい物は残念ながら見つけられなかった。 ただ、収穫もあった。何やら黒装束らしき装備だった。丁度、××××は丸裸なため、折角なのでもらって行く事とする。 気を取り直して二つ目。ここでは鎌が見つかった。厳密にはシックルに分類されそうな片手持ち式の代物だ。 幸運にもこれで最低限の装備が揃った。まともに戦う事も出来るだろう。 だが、バッテリーが無くては話にならない。……そういえば××××からの反応がない。遂にバッテリー切れを起こしてしまったのかもしれない。 ――全く、何でこうして得体の知れない人形の為に頑張っているんだろう。今なら匙を投げられるってのに……非情になりきれないな……俺。ただの人形ならすぐに捨てられただろうにさぁ。 本当に馬鹿馬鹿しい限りだった。なんでこうしているのか、自分でも不思議に思う。本当なら投げ出したい気持ちにあるはずなのに××××の真剣な眼と必死な表情が俺の良心を揺さぶり、それの邪魔をする。 心があるといっても人形だってのに何でなんだか。 ―― ……おっと、そんな事を考えている場合じゃなかった。三つ目は……と。 迷いを感じながら一時間後、遂にクレイドルを発見した。何やら痛いイラストの入ったパッケージに箱詰めされた状態で放置されてあった。 特に理由でも無ければ携帯で写メでも撮ってネタにしたいが、今はそれどころではない。 俺は周りに人がいない事を確認すると素早く痛い箱を開け、中身……クレイドルと説明書を回収し、さっさとその場を後にした。 これでひとまずは落ち着けそうだ。 「で、俺は隠れオタクになったって訳か……」 そんな独り言を言って俺は苦笑し、とりあえず××××をどうしたものか考えながらゆっくりと帰る事にする。 あんまりオタクがどうこうするのに無関心な俺がオタクと同じ事をしているとは世の中わからんものだ。 ―― ……厄介な拾い物をしちまったなぁ。 「ん……」 説明書に従い、クレイドルに××××を充電して数時間後、彼女はゆっくりと目を開けて目覚めた。 「おはよう。よく寝れたか?」 「はい。お手数掛けました……」 俺が声をかけるや否や××××は申し訳なさそうに頭を下げた。ここまで謝り癖が付いてしまっているとなると相当、前のマスターとやらにやられてしまったらしい。とりあえず……前のマスター様からもらった物は全て破棄してやる。 「謝らなくていい。それは大事だからやったまでだしな。それとお前は××××じゃない。今日からお前は蒼貴だ」 「ソウ……キ……?」 「蒼い貴石と書いて蒼貴だ。……どうだ?」 彼女は与えられた名前の響きを確かめ、嬉しそうな顔をして頷く。 「……はい。わかりました。どうぞ、そうお呼び下さい。……貴方の事はなんとお呼びすればいいですか?」 「オーナーとでも呼んでくれ」 「わかりました。オーナー、よろしくお願いいたします」 「あいよ」 これでマスター様とやらが残した異物である名前と主に対する呼び名は消去した。これでしばらくはやっていけるかな……。 そんな事を考えていた矢先、階段の音が自分の耳に入ってきた。 「やばっ! 隠れてくれ!」 「きゃっ!」 俺は蒼貴が驚くのに構わず、彼女を引き出しの中に隠した。周りを確認する。ゴミ置き場で拾った装備は鞄の中、クレイドルも鞄に入れた。完・璧。 直後、妹が入ってきた。こいつは今時の女子高生で色々と外で遊びまわっていて、チャラチャラしたファッションをよくしている。だがその反面、家ではイラストを描き、BL小説を数多く保有している上に家族の前じゃ、丈の短いシャツとパンツという出で立ちだ。正直、勘弁してほしいものだ。 こんなのを見ていると恋愛シミュレーションとかで出てくる様な妹なぞ幻想だとマジで思う。 考えてもみてほしい。これに加えて騒げば何とかなると思い込んでいる脳みその持ち主だ。こんなのに魅力を感じるだろうか、いや、ない。 「お兄~。パソコンやらせて~」 「やなこった。お前に貸したら何時間延長されるかわかったもんじゃない」 「え~」 あまりよろしくない口調で頼み込んでくるが速攻で断る。 言い忘れていたが、こいつはパソコンを際限なくなるものだから親に時間を制限されている。そんな訳でノートパソコンのある俺に頼むのである。 たまに上手いイラストを書くことを取引にやらせたからこうして来たクチだと思われる。だが、今はギブアンドテイクをしている時間はなどない。 「うっさい。俺はレポートがあるんだ。一人にしてくれ。こんなのを始末しているんでな」 「……わかった」 俺がとっさに見せたパソコンの内容……レポートやらCG製造ソフトの様子を見せると妹は引き下がった。 こういう単純な奴には訳のわからないものを見せつけるに限る。それに勉強ともなれば手出しの出来ない建前となる訳で誰かが来る率も下がる。 そうして妹が立ち去ると誰もいない事を確認して蒼貴を引き出しから出した。 「びっくりしました……。どうして家族には隠すのです?」 「……俺の体面上の問題だ。人形を持っていると気味悪がられる」 「私のせい……なのですか……?」 人形という言葉に反応した蒼貴はまたしても自分が迷惑していると思い、俺の顔を伺う様に問う。 「違うって。何でも自分のせいにするな。いいか? 大の大人が人形を持っているというのは気持ち悪がられるのが全体のイメージなんだ。要するに大多数の意見を敵に回したくはないってこった」 「はぁ……。何だか難しいですね……」 「まぁ……なんだ、大人の事情って事で我慢してくれないか?」 「……わかりました。家族が来たら隠れます」 理由を取り繕い、蒼貴に自分から隠れる事を確約させる。これで隠れ場所を作っておけば余程の事がない限り、バレないだろう。 「ああ。そうしてくれ。……そういや、俺は武装神姫について知らん。これからどう面倒を見ていけばいいか、教えてくれ」 「あの……もしかして武装神姫を知らないんですか?」 「ワリィ。俺は今まで興味がなかったから見た事があるだけなんだ」 再三言う様だが俺は武装神姫のタイトルと人形が動く姿を映像で見たぐらいしかない。ぶっちゃけ、オタクが家で引きこもって愛でる愛玩用か何かのものとしか考えてなかった。 そんな訳で世話の仕方なんて知るはずもない。さらにクレイドルの説明書はあっても武装神姫についての説明書がなく、残る方法は目の前にいる神姫そのものに聞く事だけだった。 「それでしたらマニュアルをネットからダウンロードした方がいいと思います」 なるほど。と俺は蒼貴の提案に納得する。 確かに公式ホームページで説明書だけをダウンロードする事が出来る電化製品は結構ある。神姫も例外ではないのかもしれない。 早速、ネットを開き検索をかける。案の定、すぐに求めるものが見つかった。開いてみるとかなり痛いイラストが混ざった公式ホームページが表示された。 こういうのが流行りなんだと強引に自分に納得させると早速、マニュアルのダウンロードをし、今後の予定を考える。とりあえず、鍛錬して技能試験をするのが当面の目的とするのが良い様だ。 掲示板にも入って情報収集をする。そこには例のごとく何やら趣味がアレな奴らが混ざっていたりしたが、情報は確かであり、蒼貴の躯体は命中と回避に優れた忍者タイプである事が判明した。 さらに前のマスターが埋め込んだCSCも確認した。中にはルビーが一つ、エメラルドが二つが格納されてあった。バカにしてはなかなかな組み合わせをしてくれているものだ。それにだけは感謝してやろう。 まとめると回避をし、反撃する……蝶の様に舞い、蜂の様に刺す戦いが最適であるという事だった。 そのためには無駄な装備を省き、回避力と機動力に特化したやり口で行くしかない。鍛錬も相当必要だと思われる。 蒼貴を見てみる。俺の隣で一緒に掲示板を見て、知識を吸収しようとしている。小さいながらも感心できる姿勢で俺はそういうのは良い事だと思う。 「オーナー、頑張りましょう」 唐突に彼女が話しかけてくる。まだ信用しきっている訳じゃないが、俺をアテにしているのがわかる。 「お、おう……」 俺は思わず、返事をしてしまう。そうした姿勢を無碍にするほど、俺もろくでなしではないつもりだ。 とは言え、内心は複雑な心境だった。もし誰かにバレたらどうしようとか、もし、変な目で見られたら俺はどうなるんだろうとか、その他etcetc……。 何でこうなったんだかはわからんが、ここまで来てしまったら仕方がない。 毒を食らわば皿までだ。やるとしますかね。……はぁ。 進む
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2544.html
触手と美咲さん こんにちは。フブキタイプの美咲です。主である先生の神姫をさせていただいています。 今日も今日とて、広大なテーブルの上を手磨きで磨いております。このテーブルは本当に広く、バトルフィールドとして使用できそうなほどです。バトルフィールド・テーブル。……響きがもう不人気確定ですね。 このテーブル、実はそれほど汚れていませんし、毎日磨くほど汚れもしないのです。それでも私が磨くのは、私が起動したての時に先生に『私にお手伝いできることはありますか?』と聞くと『いいえ、何も。あなたは何もしなくても大丈夫ですよ、美咲さん』と言われたのです。その時、私は、主である先生のお役に立つことのできない不甲斐ない駄目神姫なのだと絶望すると、『そ、そんなに落ち込まないでください! ……そ、そうだ、このテーブル、このテーブルを磨いてください! それはもう、顔が写るが如くピカピカに!』といった具合で、先生から初めて仰せ付けられたご命令なんです。 あの時は、先生が私に求めるものが何なのかまだ理解しておらず、とにかく役に立たなくてはと必死だったのです。今では『何もしなくていい』と言われたらお言い付け通りきちんと何もせず待機できます。 ……何もしないのに、きちんと、というのはおかしいですね。 「みっさっきっさぁーん♪」 どうやら、先生がご帰宅なされたようです。 「はい、何のご用でしょうか」 「本日もまた、美咲さんの為に仕事時間を削って新たなる装備を開発いたしました!」 仕事時間は削らないでください。いや、先生のなさるお仕事に特定の拘束時間がないのは重々承知なのですが、少しは会社側の事も慮ってあげてください。 「それは、どんな装備なのですか?」 ちょっとドキドキしながら、先生に尋ねます。私のため、という言葉に胸が高鳴ります。 「はい。この装備、その名は『怪しい触手EX』!」 私の胸の高鳴りを返してください。 先生の手の中には、うねうねと怪しくうねる物体。あれを装備と呼んでいいのでしょうか。装着されてないのにあんなに動いています。おかしいです。 というか、触手って……やらしいイメージしかないじゃないですか! 「それをまさか、私に装備しろと?」 「はい、そうですが」 「慎んでお断り申し上げます」 いくら先生の頼みとはいえ、あんな怪しさ満載っぽい装備を着けるなんて、無理です。あ、名前に既に怪しいってついてました。 すると、先生は私の手を取り、真摯な表情をしました。 「この装備は、美咲さんの戦闘データや行動パターン等を参照して、美咲さんの動きにこと細やかに対応します。ですから、逆にいえば美咲さんにしかフィットしない、美咲さん専用装備なのです。扱いは少々難しいかも知れませんが、美咲さんなら使いこなせると信じていますよ……」 「先生……」 で、結局装備してしまう私を、誰が責められましょうか。だって、『信じていますよ』なんて囁かれるように言われたら、是も非もないじゃないですか。それとも、私が軽い女なだけなのですか? まあ、装備するだけなら、まだいいと言えましょう。ですが状況はさらに悪いです。先生に言われるまま流されるまま、気が付けば行き付けの神姫センター。先生はこの神姫センターではかなりの有名人なので、自然と視線が集まります。 「おいみろよあのフブキ。触手リアルwwwキモwww」「さすが先生wwwやる事パネェwww」「うわぁ、動いてる……」「触手フブキハァハァ……」「あの触手でセルフ触手プレイですねわかります」 ……先生、帰りましょう。 「さて、対戦相手を探しましょう」 「やるんですか! この装備で!」 「もちろんです。でなければわざわざ神姫センターに足を運ぶこともありませんよ、美咲さん」 確かに、新装備といえばイコールで対戦というのが今までの流れでしたが、まさかこんな武装とはとても呼びたくないイロモノな代物でもバトルすることになるとは思いませんでした。 「触手ですと!? そう聞いては黙っていられませんですね!」 シュバッ! と、私たちのいる待ち合い席に神姫が一体やってきました。その子はマリーセレスタイプです。 「この地区一の触手使い、マリーセレスのステルヴィアがお相手致すですの!」 ババーン、といった感じで、ステルヴィアさんは高らかに宣言します。その腰には、恐らくカスタム品と思われる、通常のマリーセレスタイプのよりも長い触手がうねうねしてます。正直怖いです。 「というわけで、お相手お願いします先生。あ、僕はカシワギ・ケイゴと申します。どうも初めまして」 「おや、これはこれはどうもご丁寧に」 先生とケイゴさん(ぽっちゃり系)が固く握手をし、私たちはポットへ運び込まれていきます。 「では、いつもの如く、試合開始直前になってからの装備説明をさせていただきます」 「もう少し事前に、できれば自宅にいる時点でしていただきたいです」 しれっと言い放つ先生に、私もしれっと返します。ですが無視された模様。 「今回の装備であるこの『怪しい触手EX』ですが、なんと美咲さんの意志にあわせて動いてくれるという、画期的な装備なのです」 「……画期的? 意志に合わせて動くというなら、プチマスィーンズもそうなのではないでしょうか」 私が言うと、先生は指を左右に振ります。 「いいえ、あれらとは一線を画します。美咲さんの意識、無意識、思考パターン、防衛本能等々、とにかく美咲さんの脳内を忠実に反映致します」 「え゛」 はっ、と振り返ると、ホウキを持って掃き掃除する触手、雑巾で拭き掃除をする触手、神姫センターの出口に向おうとする触手、先生にハートを飛ばす触手等、確かに私の頭の中をトレースしている。 「犬の尻尾の触手バージョンですね」 「タチが悪すぎます! 私の思考がダダ漏れじゃないですか!」 先生にハートを飛ばす触手を恥ずかしさから必死に絞り上げますが、一向に堪える様子がありません。く、所詮パーツと言うわけですか。 「でもそれなら、私じゃなくても操作可能じゃないですか?」 ハートを飛ばす触手を玉結びにしますが、自動的にシュルシュル解けていきます。忌々しい! 「いえいえ。普通の神姫であれば、自分の意識、無意識を制御できずに暴走してしまいますよ。この装備は、自我を、アイデンティティーというものを確率した神姫でなければ制御できません」 「……つまり、どういうことですか?」 先生の言ってることはいまいち要領を得ません。自我やアイデンティティーなら、私だけでなく、どんな神姫も持っているはずです。 「では、簡単に一つ聞きましょう。“あなたは何ですか?”」 先生の質問に、思わず小首を傾げてしまいます。私に追随して二本の触手もくいっと曲がります。 「それは……難しい質問ですね」 自分が何なのか。どの観点から答えればよいのか。武装神姫の中での何かであるなら、私はフブキタイプであると答えられます。私単体としての何なのかであるなら、主である先生の神姫、美咲と名乗れます。ですが、そういう限定的な条件無しの、そう、この世界に存在する存在としての何なのか、と問われているとしたら……私は、どう答えればよいのか。 ……自分でも何を言ってるのか、わからなくなってきました。 「まあ、そういう事なのです」 先生のお言葉に、意識が現実に引き戻されます。と同時に、触手も再び活動を始めました。触手達もどうやら私と一緒に深い思考に陥っていたらしく、一切の動きを停止していたようです。 「……やはり、わかりません。どういうことですか?」 「ま、小難しい話は後にしましょう。今はレッツバトルです!」 誤魔化すように先生は笑い、私をポットに収めます。 「フッフッフ、いよいよ来ましたですの。私とあなた、どちらがより優れた触手使いであるか、今ここで決着をつけるですの」 「いや、私は別に優れてなくていいです」 ステルヴィアさんの言葉に即否定の返事を返します。 「フフフ、とても謙虚なのですの。ですが、私には見えますの。あなたの中に眠る、触手への限りなき欲求が、潤うことのない渇望が!」 「どこにそんなものが見えてるんですか……」 私の触手も……いえ、私のなんかでは決してないですが仕方なく装備している触手も、私に同調してうんざり気味に左右に揺れました。 危ない……危うく触手を自分のものとして認めてしまうところでした……。 「ウフフ……わかっていますの。あなたも早く戦いたいのですね。長々と失礼いたしましたですの」 「何も分かってないじゃないですか!」 「まいりますの!」 こちらの意志や発言を完全無視して、ステルヴィアさんは動き始めた。通常より長い触手パーツはどうやら足の役目もあるらしく。物凄い複雑な動きで素早い移動をこなします。よく絡みませんね。そこはやはり、地区一という実績の裏付けなのでしょう。 「って呑気にしてる場合じゃない!」 私は取り敢えず、手近な障害物に身を隠します。地区一の使い手相手に真正面から挑むほど、私は自信家ではありません。 あ、失礼いたしました。今バトルしているフィールドは、遺跡〔砂漠〕です。砂漠の中に、朽ちた遺跡が建っているだけのフィールドです。 「隠れても、無駄ですの!」 ステルヴィアさんは物凄い早さで平行移動。すぐに障害物の裏に周り込んできました。が、予測済みです。私の触手が、ステルヴィアさんの足下から迫ります。 ……ハッ、私の“仕方なく嫌々装備している腰パーツにくっついている触手”が、です。決して、決っっっして私のではありません! 「フフ、無駄ですの」 なんと、下から迫る触手が、ステルヴィアさんの触手に踏みつけられて阻止されました。このままでは釘付けにされてしまうのは確実なので、すぐさま踏まれた触手を本体から分離し、迫るステルヴィアさんから距離をとります。 「逃がしませんですの!」 シュルシュル、と、こちらの触手とは違う、機械的シルエットの触手が全て伸びてきます。私も対抗して触手を伸ばし、絡め取ります。奇しくも、触手対触手の真っ向勝負となりました。 「く、や、やりますの……」 「あのー、なんだか凄い接戦に見える最中に申し訳ないんですが……」 「な、なんですの!」 全ての触手を伸ばしきり、凄い形相で力勝負をしているステルヴィアさんに一言。 「私、まだ触手余ってます」 シュルシュル、と、ステルヴィアさんの触手を絡めている触手とは別の触手をステルヴィアさんに見せます。あ、青ざめた。 「な、なんてことですの! 数の差で勝負が決してしまうなんて……やはり、戦争は数だったですの……」 というわけで、全ての触手を絡め取られて抵抗できないステルヴィアさんを、私の触手で絡め取ります。 ……否! 私が“仕方なく嫌々装備している腰パーツにくっついている触手”が、です! 決して、断じて、私自身の触手ではありませんし、私が望んで装備した触手でもありません! 「くっ……ですの」 「勝負は決しました。大人しく降伏してください」 「……何をおっしゃるですの? なぜ、私が降伏しなければならないですの?」 「へ?」 な、何なんですかこのステルヴィアさんの余裕発言。まさか、まだ隠しダマが!? ゆ、油断できない相手です! 「触手勝負に置いての敗北とは、相手の触手によって高ぶらされてオーガズムに達した瞬間と、古より伝えられているですの」 「……は?」 ……言ってる意味を理解できない。いや、個人的意志で理解したくないです。 なんか、筐体を囲む人々から「触手・プレイ! 触手・プレイ!」なんてコールすら聞こえてきます。ケイゴさんに至っては、高性能そうなカメラを構えて鼻息を荒げています。 ……先生! 助け船を是非! 「美咲さん、あなたの超絶テクの見せ所です! さあ、皆さんのご期待に沿えてみせましょうぞ!」 先生!? 「さ、さぁ、はやく、めくるめく快楽と官能の世界へ、私を連れていってですの!」 ステルヴィアさんもなんでそんな艶っぽい表情と潤んだ瞳でこっちを見てるんですか!? ……な、なんなんですかこの異様な雰囲気は。まるで常識的な私が非常識のような、イレギュラーのような、そんな雰囲気は。もしかして、周りの皆さんのほうが正常で、私が異端なのでしょうか。 ……そうですか、私が異端なのですか。ならば、正常化を計らなければ……ふ、ふふ……あはは。アハハハ。アハハハハハハ! アハハハノ\ノ\ノ\ノ\!! 「あ、そんな、いきなり激しっ! だめ、そんなとこ、深い、深いですのぉぉぉ♪」 私が次に正常に戻ったときには、身体中をあらゆる液体やグリスで濡らしたステルヴィアさんと、勝者を告げるジャッジが私の名を宣告していました。ギャラリーの興奮も最高潮のようです。私が正気を失っている間になにが起きたのか……考えたくもありません。 まあ、前後の記憶と状況からナニがあったというのは想像できますが……。 「お見事です、美咲さん。あなたの触手使い、実に見事でした」 「こんなにも誉め言葉が嬉しくないという状況も珍しいですね」 ああ、もう嫌だこんなの……。 ポットから出て開口一番、先生は私をお褒めくださいましたが、ちぃっとも嬉しくありませんでした。何故でしょう。触手の所為です。 「……参りましたですの。今回は私の完敗ですの」 私たちのいるブースに、ステルヴィアさん達がやってきました。ステルヴィアさんは触手を器用に使い、私の目の前に降り立ち、ひしっと私の手を握ってきました。 「美咲さん……あなたこそ、この地区一の触手使いに相応しいですの! 私が認めるですの!」 「いや、いりませんそんなお墨付き」 迷惑極まりありません。 「そうですの……なら、仕方ありません」 そう言って、ステルヴィアさんは私から離れます。どうやら、やっと私の気持ちに気付いてくれたようです。 「地区一では足りないと言うわけですのね! では、そう、あなたは今日から触手使いの中の触手使い、『触手マイスター』を名乗るといいですの! それだけの実力を、あなたは私に示したですの!」 ……訂正、気付いていませんでした。 「いりません!」 「まあまあ美咲さん、せっかくくれると言うのですよ。貰っておきましょう」 「断じていりません!」 「タダですよタダ」 「いくらタダでも、後から高くつくようなものはいりませんから!」 そして先生、なぜそんな二つ名をプッシュするんですか! イヤですよ触手マイスターなんて! 『触手マイスター』美咲。イヤすぎます!! なんか、私の名前まで卑猥に見えてくるじゃないですか! 「触手マイスター殿、気に入っていただけたようですの」 「まったく真逆の感情をこれでもかと表に出しているのに、なぜそんな答えがでたんですか!?」 「いいではありませんか、『触手マイスター』美咲さん」 「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」 結局、私の自害寸前の説得(「触手マイスターと呼ばれるくらいなら死にます」「すみませんでした美咲さん! ですからその刃をお納めください!」なやり取り)によって、何とか変な二つ名は付きませんでしたが、ステルヴィアさんからは「触手マイスター殿」と呼ばれるようになってしまいました。 あ、触手ならその場で焼却処分いたしました。 「ところで先生、結局、バトル前に言っていた、神姫の自我とは何なのですか?」 「ん、ああ、そういえばそんな話をしてましたね」 忘れていたようです。今は帰宅途中の車内。助手席から先生を見上げます。 「バトル前、美咲さんに問いかけましたよね。「あなたは何か」と」 「はい」 私は結局、その問いには答えられなかった。今も、だ。 「私はですね、思うんですよ。その問いに答えられなくなった神姫こそが、自己を確率し、人のような自我を、アイデンティティーを手に入れた神姫ではないか、とね」 やはり、先生のおっしゃることはよくわかりません。自分が何かがわからない状態が、なぜ個人として成り立つのでしょうか。 「神姫は人によって製造され、この世に誕生します。それによって、神姫は一定の知性を最初から備えているのです」 「はい」 なんだか違う話を始めたような気がしますが、聞きに徹します。 「であるからにして、目覚めたばかりの神姫に「あなたは何か」と聞いても「武装神姫である」としか返りません」 確かにそうです。自分が何か、と聞かれたら、デフォルトの記憶の中から、自分が武装神姫であるというデータを引き出し、相手に答えます。それが、普通の神姫です。 「ですが今日、美咲さんに同じ質問をしたら、「難しい」と答えました」 「はい、確かに」 そう、普通なら武装神姫ですと答えればよいものを、私は迷いました。確かに武装神姫ではありますが、それだけではありません。先生の神姫であるし、美咲という、私だけの名もあります。ですから、何か、と聞かれても、それがどの答えを求めての問いなのか、わかりません。 また逆も然り。私が何か。それに対しても明確な答えが出せません。武装神姫というのも、先生の神姫であるということも、美咲という名前も、すべて後付けのような気がします。自分というものは何なのか。考えれば考えるほど輪郭がぼやけていき、やがては、自分は本当に武装神姫なのか、という、馬鹿げた考えに至ります。それはつまり、確固たる“個”を無くしているということではないでしょうか。 「……やはり私にはわかりません。なぜ答えられないのが、アイデンティティーの確立なのですか?」 「武装神姫が、自分は武装神姫の何タイプであると言うのは、確かに全と個を分けた考え方でしょう。しかし、明確に個を答えられるのは、それが“個”であると教え込まれているからです。そして、その“個”は“全”に所属する全ての個体に教え込まれています。 “全”に与えられた“個”……これは結局、“全”ではないでしょうか」 ……。やはり、先生のお言葉は、矮小な私では理解できません。 「完全なる“個”、すなわち自我、アイデンティティーとは、“全”から教えられたものではなく、それに対して何らかの懐疑的な思考を行う事、あるいはその過程ではないかと私は思います」 ですが、先生の言わんとしていることはなんとなくですが、わかります。 「つまり、全と個をはっきり隔てることがアイデンティティーではなく、全と個を隔てようと思考する事がアイデンティティーだ、ということですか」 「……さぁ?」 盛大にずっこけました。さぁって……。 「あくまで私の考えがそうである、という話です。もしかすると、起動したての神姫のように、自信をもって自分を語れる者こそがアイデンティティーを持っているのかもしれない。いや、そもそも、アイデンティティーというもの自体……」 途端にブツブツと、私にすら聞き取れない程度の言葉で呟き始める。あれは多分そう、思考のスパイラル。自己を考えた私と同じく、自身の思考をさらに思考し、それすらも思考する。永遠に終わりのない思考の連鎖。今、先生はそこにいる。 「先生っ!」 「……あ、おお、すみません。少し考え事を……いや、あー……」 そう呟いた次の瞬間、先生は伸びをして首を鳴らしました。 「いやー、考えても答えなんて出ませんね。そんな非効率的で時間の浪費以外の何者でもない行為、やめてしまいましょう!」 ニコ、と私に向き笑いかけてくれる。ですが今、私たちはそれどころではないと先生は気付いているのでしょうか。 「それもよろしいですが前、前ぇぇぇぇ!」 「ん? うをぉぉぉ!?」 先生の車は、華麗なドリフトターンを決め、無事ガードレールとの接触を避けました。 今度から運転中には話し掛けないよう、心掛けます……。
https://w.atwiki.jp/nekokonomasuta/pages/20.html
『3/21』 ○【回避ボーナス/ペナルティ】追加。 『3/20』 ○技能【ツインアタック】追加。 ○技能【連携攻撃】の消費TPを3に増加。 『3/19』 ○追加技能を、追加・修正。 ○射撃武器一覧のCPを一部変更。 ○ハイパーチャージャー系装備追加。 ○外装パーツリストを新設。 『3/18』 ○カスタムパーツ修正。 ○特殊武器としてスモークグレネード関係を追加。詳細はMixiにて ○フォートブラッグの砲撃モード修正。 『3/17』 ○カスタムパーツ増加・修正。 ○移動属性に関して追加事項(暫定版/後日修正予定) 『3/15』 ○エラッタ面を改善。 ○ヴァッフェバニー用各パーツ修正。 ○アーンヴァル用各パーツ修正。 ○【背部ユニットの複合拡張について】にサイズ制限事項を追加。 ○ショルダーミサイル関連のデータを変更。 『3/14』 ○β版データ用に大幅更新。各種ルール追加。 ○追加ラックを各装備に大幅増加。 ○旋回値の上昇を、実質10レベル単位に変更。 ○一部神姫の武装命中修正。 『3/13』 ○ヴァッフェバニー【基本性能】修正。 ○フォートブラッグ【基本性能】修正。 『3/12』 ○武装神姫一覧にバリエーション機体として 【量産型アーンヴァル】 【 フォートブラッグ-ADAMS-追加。】 ○ヴァッフェバニー【STR6ミニガン】能力修正。 ○ストラーフ各種データ修正。 ○紅緒【特殊】IV+3追加。 『3/11』 ○ツガル【基本能力値】及び【特殊】修正。 ○ハウリン【特殊】変更。 ○マオチャオ【旋牙(シャンヤ)】各能力変更。 ○【ぷちマスィーンズ】特殊能力を変更→変更取消。 『3/10』 ○αテスト中【不死身】技能の習得、使用不能。 ○【飛行ルール】に関する新設定。 それに伴い、ジルダリアハイパー化の移動特性を飛行 VTOLに変更。 ○ジルダリア【ボーレンホーミング】能力修正。 ○ヴァッフェバニー【STR6ミニガン】【カロッテTMP】能力修正。 ○フブキデータ更新。 ○フォートブラッグ【基本能力】【特殊】能力変更。 ○ツガル【基本能力】【武装データ】修正。 ○【技能・一斉発射】使用可能武器を【射撃武器】と明記。 ○アーンヴァル【LC3レーザーライフル】弾数変更。【技能リスト】変更 ○追加技能新設。 ○ハウリン【吼莱一式】間接攻撃可能に変更。 ○ストラーフ【S・R・G・R】各種能力変更。 『3/9』 ○【α版Ver2,0】へ移行。