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注意 このページは、アニメ『武装神姫』のネタバレを含みます(本編のネタバレ? も僅かに)。 お読みになる際には注意してください。 ここは場所や時間に縛られない、言わば神界領域(フリーダムスペース)。 要するに作者がアニメを見た感想やら何やらかんやらを、樹羽、シリア、華凛の3人の談話形式でつらつらと書いていく空間です。 ここでの内容は、本編とは何の関係もありません。 それを踏まえた上で、Are you ok? アニメにおけるエウクランテの立場 「最初からエウクランテ型が出てきたと思ったら完璧に噛ませ犬役でした」 「ああ、うん、確かにそうだったね……」 「いやぁ、戦い方酷かったわねぇ。ボレアスの乱射乙って感じ?」 「撃ちすぎ。集弾率が高い武器をあんなに撃ってもけん制の意味がない」 「むしろ私的にはボレアスがあんな使い方があったことに驚いたんだけど……」 「けん制でばら撒くなら、樹羽の使ってる短機関銃クラスじゃないとだめよねぇ」 「第3話において戦闘開始5秒で退場」 「死亡フラグの破壊力って凄いですよね……」 「いや、あれはそういう問題でとどまらないでしょ。終始残念だし」 「そして第4話ではプレステイルの魔改造」 「樹羽、違うわ。あれはただのアホの子よ」 「もう最後の完走シーンでは泣きました、別の意味で」 結論:アホの子の噛ませ犬 これからの話に関して 「空間に武装を閉まっておくってどんな技術よ」 「とりあえず、あれは2070年ぐらいの話」 「まぁ、あの謎の技術はともかく、ボレアスは参考になりましたよね」 「それはいい、次の話で使わせてもらう」 「くれぐれも、同じような使い方しないでよ?」 「大丈夫、私にはストームがあるし」 「樹羽に限って、ありませんよ」 「そうね、あたしも次回はがんばらないと」 次回:激闘の大会編(予定)
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さて、突然だが状況説明である。 僕とジーナスは夏休み初日から神姫センターに来たわけだが… ちなみにヒカルは寝てたので置いてきた。 「あれ。長瀬さん、どうしたんすか?」 長瀬さんは珍しくも私服であった。 「今日は休みでね。客として来ているのさ」 「ふぅーん…」 「それよりも、面白いものがあるんだが…見るかい?」 「?」 ~・~・~・~・~・~・~ VR筺体があるホールの隣、まだ「見学のみ」と書かれたプレートが下がっている。 そこは見学者で溢れていた。 「なにがあるんすか?」 「待て待て。…こっちだ」 長瀬さんに手を引かれるまま、壁沿いに「面白いもの」に近づいてゆく。 「ちょっと通してくれ! 関係者だ」 関係者?完全に出勤時の対応だな。 人をかき分けて出た先、そこにあったのは…。 「これって…『リアルバトル』のステージじゃ…」 「その通り。本センターはようやくこれを導入した訳だ」 「つっても…、こりゃでかすぎやしませんか?」 30m四方はあると思う巨大なフィールド。 中央にはビルが立ち並び、隣の湖は本物の水が張ってあった。 そしてジャンクヤードに、森林。 一通りの「基本」がその中に詰まっていた。 「よう長瀬。休みなのにやってくるとはモノ好きだなぁ」 係員の一人が長瀬さんに話しかけた。 「もう完成したのか?」 「たった今終わったところだ。…まったく、手入れが大変だァ何だって…」 呆れたような顔で返す係員。 「実技試験がまだなんだが…。そうだ、お前がやってみろよ」 「はぁ?何故俺なんだ?」 「センターの職員でヒマなのは休暇中のお前しかいない。それにらっちゃん対ジュラちゃんならいい見ものだと思うんだが?」 「ジュラーヴリクとラースタチュカは今充電中でな…、家に置いてきた」 「なんだぁい!? お前らしくない」 「そのかわり、ここに彩聞君が居る。…ついでにこいつも居る」 長瀬さんはそう言って肩に下げていたカメラバッグを開けた。 中には 「………。くあぁ…」 ピンクの髪に赤い眼、全身スーツデザインの少女。 「エウクランテ」だった。 「お早うございます、大尉」 「お早うベルクト、…といいたいが今は正午だ」 「…」 初々しいなぁ。 うちのヒカルはこんな控え目な性格じゃないからなぁ… 「それ、ヒカル先輩が聞いたら怒りますよ…?」 そんなのわかってるって、今この場にいないからあえていうんだよ。 ……ん? 今重大な事に気づいた。 「ちょっと長瀬さん! 何で僕が参加する前提で話を進めてるんですか!?」 「え? 一番乗りは目立つしいいものだろ?」 そりゃそうですけど… 「まあまあ。……後でオゴってやるから」 耳元でボソリと呟かれた。 …やりゃいいんでしょ、やりゃあ… 『戦闘開始』 スピーカーがそう告げる。 それ以外は何も聞こえない。 ただ、風が吹くだけであった。 「静かだな…」 湖のほとりで、ジーナスは呟いた。 マスターとの通信手段は用意されていなかった。 ただ、見ててもらうしかない。 むこうから近づいてくるのを待つ、ジーナスはそうした。 肩に背負った散弾銃を下ろし、木陰に座る。 右腰のホルスターから銃を引き抜く、この回転式拳銃の通称は"怒れる牡牛"。 安全装置を解除しつや消し黒のボディをじっと眺め、それから改めてホルスターに仕舞う。 …… 遠くから、何か大きなものが風を切る音が聞こえた。 すぐに立ち上がり、木陰ごしに空を見る。 それと同時に、3メートル先にビームが着弾した。 爆発と共に土煙が辺りを覆う。 「まいったな、こっちは空が飛べない」 木陰に身を隠し、ジーナスは呟いた。 「なら飛べなくするか」 腰に抜き身で挿してあった自動拳銃を手に取る、別名は"ハイパワー"。 エウクランテは推進器が小型のため、甲高いジェットエンジンの音がする。 土煙に覆われているため、「聞く」事に集中する。 … …… ……… ジーナスは、スッと左腕を1時の方向に向けた、手にはハイパワー。 そして、上向きに4発ほど発砲した。 撃った先から聞こえたのは爆発音と何かが湖に墜ちる音。 「当たった、…かな?」 土煙は薄くなってきているものの、まだよく見えない。 「長居は無用か」 地面に置きっぱなしの散弾銃をつかみ、ジーナスは走り出した。 ~・~・~・~・~・~・~ 「う…、市街地がこんなに遠いなんて…」 ベルクトはうなだれながら呟いた。 普段は何事にも「飛んでいた」ため、歩く事には慣れていなかった。 手を抜くとこうなる、の見本である。 市街地エリアに着いたころには、照明の光度は「夕方」を指していた。 暗くなれば、バイザーの暗視機能が役に立つ。 しかし、相手はあれでも猫型だ。条件が同等になるだけである。 …… ゴーストタウンのごとく、誰もいない。 しかし、このどこかに相手がいる。 取り回しづらいボレアスと役に立たなくなった翼は既に放棄している。 ゼビュロスを構えつつ、ビルの影から辺りを窺う。 唐突に物陰からすぐそばに投げ込まれる手榴弾。 「あ」 ズドォォォン!! ~・~・~・~・~・~・~ 「いやぁ、ベトナム戦みたいな状態だなぁ」 「…同感です」 いやベトナム戦どころじゃないって、これ。 爆発と共に次々とビルが倒壊してくし。これはむしろ無差別テロだ。 「キノというよりはTHE地球防衛軍だな、これは」 「…すまんジーナス、弁解のしようがない」 だんだん爆発がジャンクヤードの方に近づいて来てるが、その前にステージが「市街地2」から「廃墟」に変わりそうである。 ~・~・~・~・~・~・~ 土煙りが辺りを覆う。 爆発が終わった、手榴弾が尽きたと見て顔を上げるベルクト。 周りが完全に晴れない内にジーナスの追撃が始まった。 散弾銃の銃声が複数響くと同時にベルクトの周辺が燃え始めた。 どうやら火炎弾らしい。 炎に包まれていない後方へと逃げると、足首に違和感。 咄嗟に大きく飛び上がった瞬間、今さっき居た空間を無数の散弾が突き抜ける。 ジーナスは数sm離れた場所から飛び出し、"怒れる牡牛"の照準を確実にデットポイントに定めた。 それを見てゼピュロスを乱射する、照準は相手に向けただけ。 偶然、矢が"怒れる牡牛"の銃口に入り込み作動不良を引き起こした。 迷う事無くそれを投げ捨て、右へと側転しつつハイパワーを手に取った。 着地したベルクトは背部に懸架していたエウロスを手にし、ジーナスに向かう。 デットポイントへと向けて撃たれた弾丸を、精確に打ち落としながらベルクトは歩を進める。 ハイパワーの弾が尽き、仕舞いつつ更に拳銃を取り出す。 だが、構える直前にエウロスがジーナスの手から弾いた。 「せっかくの十四年式、撃たせてくださいよ」 「問答無用」 エウロスが振り下ろされる。 べちゃっ 「けち」 エウロスを右手に持った短刀で防ぎ、左手には煙を吹くデリンジャー。 ベルクトは唖然とした表情を浮かべている。 毒々しい蛍光パープルの塗料が顔面を覆っていた。 「すげぇ…」 初バトルとは思えないジーナスの戦いぶりに、思わず驚いてしまった。 …と、突然室内の照明が落ちた。 「何だ?」 「判らん、それよりも動かない方がいい」 携帯の着信音が響く。 僕のじゃないし、…長瀬さんだ。 「すまん。……俺だ」 ~・~・~・~・~・~・~ 「お取り込み中申し訳ありません、キャプテン」 天井裏のメンテナンスエリア、ラースタチュカとジュラーヴリクはここに居た。 「目標は撃破しましたが、余波で送電ケーブルを切断してしまいました」 「相手はゴチャゴチャ重火器を装備してたからね、おまけに固いのなんのって…」 この二人「充電中」と言うのは嘘で、実は違法神姫の捜索をしていた。 今回は普段監視の目がない場所から侵入を許し、神姫で構成された警備隊も今やっと動き出したと言う。 「今回の一件で、警備体制が見直される事を祈るしかないわ「ジュラ、警備隊が来ます!」あ、マズッ…!」 あっちから見れば、神姫狩人も同じ穴のムジナである。 だから知られるわけにはいかない。 「それじゃ祁音、また後で!」 ~・~・~・~・~・~・~ …… 「公式カウントされないのが残念ですね…」 「はいはい」 ジーナスのやつ、内気な態度はどこへやら。何やら悔しがってやんの。 「それよりも形人君、これ以上ジーナスの攻撃力を強化してどうする気なんだい?」 「んな事言われても、オゴってやると言ったのは長瀬さんですよ」 ジーナスが「オゴってもらった」もの、それは対物ライフル。 リアルバトル専用で、VRバトルで使ったら一撃必殺級の威力を叩きだすらしい。 「ああ…ボクこれ欲しかったんですよ…」 ウットリした表情でM90対物ライフルを撫でるジーナス。 うん、その内有名になるタマだわ。こいつは。 「ふっ、困ったものだ」 長瀬さんはそう呟いた、まったくもってその通りだと思う。 流れ流れて神姫無頼に戻る トップページ
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古生物バトルロワイヤル 書き手紹介 164 :ナナシサン・ゾルダート:2013/04/05(金) 21 32 44 ID jxhtEqPw0 ・古生物学者枠 古生物ロワより、今回は論文発表数上位の4名の学者たちを紹介する。 【ジ・アース】 ◆sOMmvl0ujo 投下数:たくさん 偉大なる古生物学者。最初の1人にして全てを知る者。 古生物ロワの主。 ありとあらゆる領域にわたる膨大な知識量を誇りながらも、その懐の深さは無限大。 さらっと博物館の萌えキャラを追加するようなお茶目な面も。 主催が『地球』、古生物学者枠の存在など、常識に捉われない発想力が魅力的。 もちろん個々のお話も深い。 代表作:「OP」「オーウェン博士恐竜に会う」「ブラック・ボーン・コレクター」 【賢者竜トロオドン】◆JUJ3JcJgbI 投下数2 伝記作家。 主に古生物学者たちの伝記に精通し、古生物学そのものにも深い造詣を持つ。 スレ立て主に続く2人目の投下者となった書き手。 信仰と科学との狭間で悩む学者、井の中の蛙そのものの肉食獣など、掘り下げと見せ方が上手い。 代表作:「さよなら創世記」「両・棲・最・強」 【滅びを知るマンモス】◆aWSXUOcrjU 投下数2 古哺乳類学者。 正統派の研究者。捻りがないという見方もできようが、逃げのない堅実な仕事には定評がある。 ティラノサウルスとマンモスという、誰もが夢見るドリームマッチを真っ向から書き切った書き手。 滅びゆくニホンカワウソの悲哀も心に染みる。 代表作:「竜王」「時代の岐路」 【誘惑の蛇】 ◆BdIG1U8FAs 投下数2 古人類学者。 あっと驚く研究、続報が気になる研究を発表する。 生物に欠かせない「生殖」に着目した話を描く書き手。 得意分野はヒトの祖先とその近隣種のようだが、現代人との視点の違いを鮮やかに描き出す。 代表作:「失楽園」「ホビットは銃弾の夢を見るか」
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ウサギのナミダ ACT 0-7 ■ アクセスポッドが開いた。 わたしは怯えながら振り向き、見上げる。 マスターの顔は相変わらずの無表情。 だけど、小さく溜息をついた。 瞳に浮かぶのは失望。 わたしは恐怖する。 今日という今日こそ、愛想を尽かされたに違いない。 今の試合で、わたしはついに十連敗という、二桁の不名誉な大台に乗ってしまった。 いつ叱られるのだろう、お仕置きされるのだろうと、思うだけで震えが止まらない。 わたしは差し出されたマスターの手の甲に乗る。 身体の震えは止めようもなく、マスターには伝わってしまっているだろう。 バトルロンドで勝てない武装神姫なんて、パーツ取りのための素体くらいしか使い道がないんじゃないだろうか。 マスターのシャツの胸ポケットに潜り込むとすぐに、 「あのな、ティア……」 「ご、ごめんなさい、ごめんなさい……」 マスターの声に、わたしはもう謝るほかに為すすべがなかった。 □ 俺にしてみれば、いまのところ勝敗は二の次だった。 素人の俺達がそう簡単に勝てるとは思ってない。 というか、ティアの装備はライトアーマー・クラスに毛が生えた程度で、フル装備でのバトルができる一般クラスの連中と戦っているのだから、すぐに勝てなくてむしろ当然なのだ。 これまでに十戦。 はじめの三戦で、ティアはまだ自分で判断して戦う術を持ち合わせていないことがよくわかった。 指示したことを終えると、途方に暮れてしまうのだ。そこは俺が細かく指示を出し続けてやることで解決した。 その後の七戦は、装備と戦い方を手探りで探しているような状況だ。 四戦目でフィールドをランダムに決定したら、森のステージに放り出され、お互いに索敵に終始してタイムアップになった。 そもそもティアは索敵は苦手だし、森の中では得意のトリックも繰り出せない。 以来、ステージを廃墟ステージに固定してバトルするようにしている。 基本的な武装は、例のレッグパーツに、胸部アーマーと肩アーマーを付けている。 レッグパーツの特性を生かすために、武器は片手用の射撃武器がほとんどだ。それをサイドボードから送り込む。 とにかく軽量、機動力重視の装備だ。 目下、俺の悩みは勝敗とは別のところだった。 どうもバトル中のティアの動きが鈍いのだ。 練習では簡単にこなせるトリックを失敗したりする。ジャンプの目測を誤ったりする。 はじめは、バトルになれていない緊張からなのかと思ったが、そうではないらしい。 全体的な動きにキレが無いように感じる。 それは何が原因なのか、俺にはわからない。 そこでティアに意見を求めているわけなのだが……。 「さっきのバトルなんだが」 「……ごめんなさい」 「ジャンプの時、届かなかったけど」 「……ごめんなさい」 「あれは、何か問題があったのか?」 「……ごめんなさい」 「いやそれじゃわからないんだが」 「……ごめんなさいぃ……」 ティアはとうとうシクシクと泣き出した。 ……これでは俺が自分の神姫を泣かしているみたいではないか。 さすがの俺も、そろそろキレるぞ? 俺は壁際に身を寄せると、胸ポケットからティアを手の甲に乗るように指示した。 のろのろとポケットから出てくるティア。 俺は顔の高さまで手を持ってくると、まっすぐにティアを見た。 「いいか、ティア。謝るのは禁止で、いまから俺の言うことを聞け」 「ご、ごめ……あぅ……は、はい……」 おそらくティアは勘違いをしているのだろう。 十連敗したから、もう自分に信用がないとか何とか。 この際、しっかり言い含めておく必要がある。 「前にも言ったとおり、俺達は他の誰もやらないようなスタイルを模索している。 新しいことを一からやろうとしてるんだ。勝てなくて当然。まだ始めたばかりで、データも経験も足りてない。基礎的なスタイルも確立していないんだからな。 だから、もしお前がバトルの結果を気にしているのなら、その必要はない。 十連敗だろうが百連敗だろうが、俺達の方向性が決まるまでは、俺はまったく気にしない。 そもそもバトルは俺とお前の二人でやるものだ。 負けの責任は俺にもあるんだから、お前が全部の責任を感じる必要はない。 負けたから、お前を怒るとか、罰を与えるとか、そんなことはありえない。 わかるか?」 ティアは震えながらも、頷いた。 「よし。それでだ、俺が気になっているのは、バトル中のお前の技だ」 「ご、ごめ……」 「謝るの禁止って言っただろ。 練習の時には確実にできているのに、バトル中にうまくいってないことがよくあるみたいだ。 妙なところで失敗したり、ジャンプの目測誤ったリな。 だが、何が原因なのかよくわからない。 バトルしているのはお前だから、お前が何か問題を感じているんじゃないかと思ってる。 それを俺は知りたい。そうしないと前に進まない。 そういうわけで、謝るのは禁止で、遠慮せず、忌憚のない意見を述べよ」 俺は辛抱強く、ティアに言い聞かせた。 バトルロンドは、神姫とマスターが協力して、二人で強くなるものだ。 ティアがバトルで問題を感じているなら、それを解決するのがマスターである俺の役目なのだ。 「えと……あの、えっと……」 「遠慮せずに言ってみろ」 「その……身体が、いつもより重い感じで……練習と走る感覚が違う気が……」 「ふむ?」 「あと、ちょっと窮屈な感じが……」 「きゅうくつ?」 「その……む、胸のパーツが……慣れなくて……」 「それは、胸部アーマーのサイズが小さいとかいうのではなく?」 「ちがいますっ」 ティアは頬を紅く染めて、速攻で否定した。 俺は内心、苦笑する。 このくらいの元気が無くてはだめだ。 落ち込んで下を向いてばかりでは前に進めない。 「それと、肩のアーマーも……動かしにくい感じで」 「ふむ……それほど変わるものなのか」 胸部および肩のアーマーは、さほど大きなものではない。軽量であることを重視して選んでいるのだが、それほどに動作に影響を及ぼすものなのか。 アーマーは練習の時には使わず、いまのところ試合の時だけ使っている。 バトルではより直感的で精密に動作を行わなくてはならないから、小さな違いであっても、ティアが大きな違和感を覚えているということなのだろう。 「……つまり、アーマーが邪魔で、いつものように動けない、ってことか」 「はい……あ、でも、練習の時にもアーマーを着けて慣らせば、出来るようになると思います」 俺は苦い顔をした。 それはそれで、また時間がかかる気がする。 そもそも、ティアに合ったアーマーを選ぶところから始めなくてはならない。 それに、アーマーといっても、気休め程度のものだ。 大型武器の直撃を食らったら、何の意味もない。 それならいっそ…… 「ティア、今日は、あと一試合だけやろう」 「は、はい……」 「装備はレッグパーツだけで、な」 「え……えぇ!?」 アーマーなんか着けなくてもいいんじゃないだろうか。 そうすれば、少なくとも、ティアは機動力を百パーセント発揮できる。 「で、でも、相手の攻撃が当たったら……」 「かわせ。当たらなければいい」 「かわすって……ぜ、全部の攻撃を、ですか!?」 「そうだ」 むしろ、ティアが技を失敗した時を狙われて、勝敗が決したことが多い。 ならば、下手な装備をさせるより、いつものレッグパーツだけで勝負した方が、より戦えるはずだ。 「あの程度のアーマーじゃほとんど気休めだ。だったらはじめからなくても同じことだろう。戦闘スタイルは変わらない」 「でも……」 「ものはためしだ。これでダメなら、また別の手を考える」 「はい……」 ティアは釈然としていないようだ。 確かに、単純な防御力は落ちる。 それが不安になるのも理解できる。 だが、それが単純に勝敗の行方を左右するわけではない。 それがバトルロンドの難しいところであり、面白いところである。 俺達は再び、空いている筐体に座り、トレーニングモードを始めようとした。 すると、すぐに対戦者の乱入があった。 相手はバッフェバニー・タイプ。 ちょうどいい。廃墟ステージなら、市街戦が得意なバッフェバニーにはお誂え向きだろう。 はたして、ステージは廃墟で設定された。 バトルスタートだ。 このバトルは実力伯仲の攻防となった。 基本的な展開は、逃げるティアと、追うバッフェバニー。 相手は、ティアが積極的に仕掛けてこないと知ると、持ち前の機動力を生かして突っ込んできた。 携帯用ガトリングガン「STR6ミニガン」を乱射する。 しかし、ティアはその攻撃をことごとくかわした。 トリックのミスもない。 やはり、無駄な装備をはずしたことが、機動力アップになっているようだ。 ティアも隙を見て応戦するが、そこは市街戦のプロともいえるバッフェバニー・タイプ。単純な攻撃ではかすりもしなかった。 ■ 戦闘中で緊張しているのに、不思議と体は軽かった。 腕を振ったときに当たっていた胸部装甲の違和感とか。 何か大きく動いたときに、がちゃがちゃとうるさかった肩のアーマーとか。 ステップでもジャンプでも、回転するときに重くて引っ張られる感じがした腰の装甲とか。 そういった一切の歯止めから解き放たれたかのような感覚。 あらゆる技が自分のものとなり、いつでも自分の意志で確実に繰り出せる。 それはとても気持ちのいいことだった。 相手のバッフェバニー・タイプは重火器を乱射しながら距離を詰めてくる。 わたしの攻撃は、相手の攻撃の合間に反撃するのが精一杯なので、バッフェバニーは姿を隠そうともせずに遠慮なしに突っ込んできた。 それでも、わたしは攻撃をかわし続ける。 ステップとジャンプを駆使し、時には路地に隠れ、時にはメインストリートいっぱいに軌跡を描き、相手の攻撃を回避する。 □ だが、相手の方が一枚上手だったようだ。 『あっ!?』 気がつくのが遅かった。 バッフェバニーはうまくティアを誘導し、路地の袋小路に追い詰めていた。 有効な手段だ。 ティアはとにかく跳ねまわって、攻撃が当てづらい。そこで、動きを制限できるところに追い詰めたというわけだ。 ティアの周囲三方向には壁がそそり立っており、正面の開いている方向には戦闘態勢のバッフェバニー。 唯一開いているのは天井のみだった。 さて、どうする……。 俺はワイヤレスヘッドセットに指を当てた。 「ティア」 『はい、マスター』 ティアの声は少し震えていた。 「怖いか?」 『す、すこしだけ……』 素直で結構。 俺はあるトリックの名前を口にする。 「できるか?」 『はい……やってみます』 「よし、相手の攻撃が合図だ。集中しろ」 『はい!』 ティアのはきはきとした返事。調子は悪くない。 相手のバッフェバニーがガトリングガンを構えた。 引き金を引き絞る、その瞬間。 いまだ。 ティアは短く跳躍する。 『……なにっ!?』 驚きの声はバッフェバニー。 彼女には一瞬、ティアが消えたように見えたかも知れない。 ジャンプの軌道を視線が追っても、そこにティアはいないのだから。 ティアはその先、ジャンプで壁に「着地」して、さらにスピンしながら壁を上っていく。 ウォールライドと呼ばれるその技は、回転開始の踏み込みをきっかけに、スピンの遠心力によって、ティアの身体を押し上げていく。 一瞬見とれていたバッフェバニーは、再度銃を構えてティアを狙う。 俺がティアに指示を出そうとヘッドセットをつまむ。 次の瞬間。 ティアの機動は俺の想像を超えた。 ティアは壁を蹴り、垂直の壁の上を駆け出した。 文字通り、壁の上を走っている! 『な……!?』 あっけに取られたバッフェバニーは、それでもガトリングガンを乱射した。 ティアの後を弾痕が追う。 しかし、地上と同じくらいの速度で壁を走るティアには当たらない。 時々ウォールライドを混ぜて垂直に移動し、狙いをかわす。 バッフェバニーは明らかに焦っていた。 袋小路に追い詰め、勝利を確信していたに違いない。 まさかいままで見たこともないような動きで翻弄されるとは思っても見なかったろう。 足を止め、走り回るティアを追いかけて首を回している。 ……と思いを巡らせたところで、俺自身がティアの妙技で放心していた意識を戻した。 呆けている場合じゃない。 これはチャンスだ。 俺はサイドボードのコンソールを操作し、ティアの手元に新しい武器を送り込む。 ブラスター。 一撃の威力が高いこの武器ならば、うまく当たればしとめられる。 当たらずとも、相手をさらに精神的に追い込むことが出来る。 俺は再度ヘッドセットに手をかけた。 「ティア、その調子でヤツの周囲を回りながら、手元のブラスターを撃て。 その袋小路から、奴を出すな」 『はい!』 そこからティアはさらに加速した。 三方壁に囲まれたその袋小路を、まさに縦横無尽に駆け回る。 ■ マスターにウォールライドを指示されたので、てっきり「壁を走ってかわし続けろ」という意味で言われたのかと思っていた。 わたしのレッグパーツに装着されているランドスピナーは、ローラーブレードと違い動力を持っている。 ホイールで壁に静止することはできないが、ホイールを回転させ、前方に進む力を加えることで、最小限の力で壁にグリップし、走ることは出来る。 要はバランスの問題。 それで壁を走って攻撃をかわしたのだけど、相手のバッフェバニーさんは、なんだか驚いた顔をしている。 壁を走るのがそんなに珍しいのかしら。 マスターの指示通り、わたしは手にしている大型のハンドガンを相手に向けて撃つ。 ブラスターは連射できないので、よく狙って撃たないとダメなのだけど、走りながらではそれもままならない。 でも、マスターの指示は「袋小路から相手を出すな」なので、当たらずとも、相手をかすめていれば大丈夫そう。 わたしはバッフェバニーさんを中心に、袋小路をぐるぐると駆け回り、ブラスターを撃ち続けた。 「くそっ」 追い詰められたバッフェバニーさんは、ついに手にしたSTR6ミニガンを捨てた。 そして、バックパックからマウントされていたバグタンド・アーミーブレードを引き抜く。 リアブースターに火が入る。 「なめるなぁっ!!」 バッフェバニーさんは一喝し、わたしに向かって突っ込んできた! 被我の距離が急速に縮まる。 あ。 既視感のように。 次になすべきことを、わたしは感じた。 「ナイフをっ!」 マスターに伝える。次に必要な武器。 わたしは初めて、自分から武器を要求していた。 そして、わたしの手の中に大振りのコンバットナイフが現れる。 バッフェバニーさんが、突いてきた。 かわす。 身を翻し、相手の刃はわたしの背を走る。 ここで。 わたしは逆手に握ったナイフを振るう。 回転している身体はそのままに。 自然に振るわれる腕も、その流れに従って。 そう、そのまま、その角度で。 はたして、ナイフの刃は、相手の後ろの首筋に吸い込まれた。 わたしは勢いのまま、壁を踏み切る。 バッフェバニーさんも勢いのまま壁に突っ込む。 交差する。 わたしは空中に身を踊らせながら、見た。 壁に激突したバッフェバニーさんが、細かなポリゴンの欠片になって崩れていくのを。 わたしが着地した時にはもう。 ポリゴンの欠片は風に吹き散らされていた。 □ ジャッジAIの勝者宣言で、初めてティアの名前が表示された。 初勝利だ。 最後の一撃は紙一重で肝を冷やしたが、ティアには確信があったようだ。 実際、要求通りにコンバットナイフを送ってやると、すれ違いざまの一撃が勝負を決したのだから。 アクセスポッドが開く。 ティアはゆっくりと俺の方を振り向いた。 「あのぅ……」 ティアは上目遣いに、伺うように俺を見る。 「勝ち……ました……?」 それは自信がなさ過ぎではないのか? 俺は小さく溜息をついた。 すると見る間に不安そうな顔をする。 おいおい。 俺はちゃんと口に出して教えてやる。 「初勝利だ。おめでとう」 すると、ちょっと驚いたような顔をした後。 「……はい!」 と言って、花のつぼみがほころぶような微笑みを見せた。 ……やばい、可愛い。 俺の方が照れくさくなって困るんだが。 俺がどんな顔をしていいかわからずに困っていると、 「ちょっとちょっと!」 と傍らから声をかけられた。 正直、助かった、と思いながら、顔を上げる。 声の主はバッフェバニーのマスターだった。 真剣な表情で俺に問いかける。 「その神姫の装備、オリジナル?」 「そ、そう、だけど……」 何を言われるのか、と俺は身構えてしまう。 すると、 「スゲエ!!」 いきなり大きな声を出して、目を輝かせた。 「あんな動き見たことない! すげえ! かっこいい!!」 俺は呆気にとられた。 これは何だ、さっきの戦い方が認められたってことで いいのだろうか……? 「あ、ありがと……」 俺は何とか絞り出すようにそれだけ言った。 すると、バッフェバニーのマスターは、にっか、と笑って言った。 「またやろうぜ」 「こちらこそ」 相手は頷くと、背中を向けて去っていった。 そうか。ティアの戦い方を認めてくれたんだ、あのマスターは。 なんだかいい気分だった。 勝ったことよりも、俺達の戦い方を認めてくれたことの方が嬉しい。 その気持ちが、その後のティアの戦闘スタイルを決めたのかも知れない。 ■ 「それにしても、だ」 マスターはわたしの方を見て言う。 さっき、初勝利を手にしたわたしに、祝福の言葉を贈ってくれた。 それはわたしにとって、本当に嬉しく、誇らしいことだった。 「お前、壁を走るなんてこと、できたんだな」 「え? あの……ご存じなかったんですか……?」 わたしの言葉に、マスターはがっくりと肩を落とした。 ええっ? 「知らなかった……」 「え……あの……わたしはもう、ご存じだとばかり……」 確かに壁を走る技は、マスターの訓練メニューにはなかった。 ウォールライドの練習中に気がついた。 ホイールの回転と前進する力、下に落ちる力、ホイールのグリップ力をうまくバランスを取れば、垂直の壁を走ることができるのではないか、と。 試しにやってみると、案外うまく出来そうだったので、ことあるごとに練習していたのだった。 そう言えばマスターに報告したことはなかったような気がするけれど、とっくに気がついていると思い込んでいた。 「それを知っていれば、いろいろな戦術を、もっと早く試すことが出来たのに……」 それは、とりもなおさず、十連敗しなくても初勝利を手にできたかも知れない、ということだ。 「あ……あぅ……ごめんなさい……」 「謝るの禁止」 マスターはちょっと鋭い口調でとがめた。 でも表情はかすかに微笑んでいた。 「これからいろいろ試せばいい。それに……これで戦闘スタイルの方向性も見えてきたしな」 「え……?」 「壁を走って戦う神姫なんて、そうそういない」 「あ……」 そう、それは マスターの夢だ。 わたしは今日、それに一歩近づくことができたんだ。 「また練習メニューを考え直す。練習して、そしてまた勝とう」 「はいっ!」 今日わたしは初めて、マスターのお役に立つことができた。 それはとてもとても嬉しくて、誇らしくて。 もっと練習したい、そしてまた勝ちたいと。 そう思うのだった。 次へ> トップページに戻る
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戦うことを忘れた武装神姫・番外編 ちっちゃい物研・商品案内-9 <東杜田技研・新製品のご案内-9> このたび、弊社の小型ロボット向け機器ブランド「HT-NEK」では、 新たに武装神姫向けの「競技用小型車輌」を発売いたします。なお、 第1弾としまして、シャーシ4種、ボディ8種を予定しております。 !警告! 本製品を使用する際には、必ず付属マニュアル・DVD等により、神姫 自身にも学習させ、また十分な「走行練習」を積んだ上でのご使用を お願いいたします。 なお、本製品を使用されて生じた故障・破損・事故等につきましては、 当社では一切の責任を負いかねますので、ご了承下さい。 〜武装神姫競技用小型車輌「レブリミット(仮称)」主な特徴〜 ■弊社の小型機械技術研究製作部および発動機開発検修部にて、初の 共同開発製品。精密性と堅牢性を両立させた設計となっております。 ■高効率の燃料電池(バッテリーも使用可能)を用いた電動タイプと、 より迫力のあるレースが期待できるレシプロエンジン搭載モデルを それぞれ設定。燃料には、いずれも専用アルコールを使用する安全 設計。 もちろん、各種セーフティ機構も備えております。 ■オプションには、神姫サイズのメンテナンス工具一式も設定。メカ ニック神姫を育成し、神姫だけのレーシングチームを編成すること も夢ではありません。あなたはチームの総監督に! ■ボディは1/6サイズを基本とした、国内自動車メーカー2000-2006 年頃の各社人気モデルをモデファイ。ボディコレクションとしても お楽しみいただける、ハイクォリティな仕上がりです。 ■弊社から発売予定の追加・リプレイスパーツを活用し、あなただけ の、最速の神姫マシンを! 他社パーツも続々発売予定!! 詳細は、下記を参照して下さい。また、新たな情報は随時公開いたし ますので、HPにてご確認下さい。 <武装神姫競技用小型車輌「レブリミット(仮称)」> ・対応武装神姫 現在発売中の武装神姫 ・シャーシモデル <燃料電池-電動発動機タイプ> ・SE-01(540相当モーター1基) 電 源:アルコール型燃料電池(もしくはLi-ionバッテリ) 発動機:RS-540(マブチ汎用モーター) 配 置:リアユニット・後輪駆動(2WD) 材 質:アルミ+強化ABS樹脂 ・SE-02(540相当モーター2基掛け可能構造) 電 源:アルコール型燃料電池(もしくはLi-ionバッテリ) 発動機:MT-540(東杜田技研オリジナルモーター) 配 置:リアユニット・全輪駆動(4WD) 材 質:アルミ+強化ナイロン樹脂 註)SE-02シャーシセットは、出荷時は1基掛け仕様となって おります。2基掛けにする際は、別途オプションパーツを お買い求め下さい。 <レシプロエンジンタイプ> ・GM-01(単気筒エンジン) 燃 料:専用アルコール 発動機:MA-003AT(2.5cc・単気筒) 変速機:遠心クラッチ・Vベルト無段変速式 配 置:ミッドシップエンジン・後輪駆動(2WD) 材 質:アルミ+強化ナイロン樹脂 ・GM-02(2気筒エンジン) 燃 料:専用アルコール 発動機:MA-007AT(5cc・V型2気筒) 変速機:遠心クラッチ・Vベルト無段変速式 配 置:ミッドシップエンジン・全輪駆動(4WD) 材 質:チタン+強化アラミド樹脂 ・ボディモデル(第1弾・全8種) 001:A80タイプ 002:R34タイプ 003:DC5タイプ 004:GDタイプ 005:GHタイプ 006:ZCタイプ 007:SE3タイプ 008:M312タイプ 註)一部モデルは、シャーシの都合上1/6よりも大きい縮尺 となっております。ご了承下さい。 ・対応オプションパーツ <電動発動機シャーシ> 「SE-2専用・発動機2基掛けキット」(強化型発動機ユニット ケース、MT-540モーター1基付属。) 「専用Li-ionバッテリパック」(燃料電池ユニットと置き換え て使用。急速充電器付属。SE-01・02 両対応。) 「SEシリーズ用・シャーシ強化パーツ」(アルミ製) 「ハイパフォーマンスコントローラキット」(マニュアル付属) <レシプロエンジンシャーシ> 「ターボキット」(ターボユニット、及び専用マフラー、エア クリーナーほか、周辺付属品付き。 GM-01・02両対応。) 「マルチバリエータプーリーキット」(Vベルト無段変速機用・ 高性能プーリー・スプリング・各重量のウェイトローラーを セットに。セッティングマニュアルDVD付属。) 「マニュアルミッションキット」(マニュアルミッション及び マニュアルクラッチ化するためのキット。GM-02のみ対応。) 「GMシリーズ用・シャーシ強化パーツ」(アルミ製) 「レーシングECUキット」(セッティングマニュアル付属) <共通パーツ> 「強化サスペンションキット」(各種角度・レート・ダンパー の調整が可能、セッティングマニュアルDVD付属) 「神姫・はじめてのじどうしゃ」(オーナー用教本・DVD及び 神姫用バーチャル教習DVDのセット) 「メンテナンスキット」 「神姫用工具セット」 (ほか、随時HPにて公開する予定です。) ・販売形態 全商品を単品にて発売いたします。また、補修パーツにつきましても、 出来る限り部品単位での販売を予定しております。(但し、クランクや ECUなど、一部パーツにつきましてはセットでの販売となります。) ・当社セット販売品 「SEシリーズ・スターターセット」〜初めての方はこちらを。 SE-01シャーシ、ボディ、神姫はじめてのじどうしゃ メンテナンスキット、スターターマニュアル(DVD) など (註)スターターマニュアルは、本製品の取り扱い方法や通常 メンテナンス等の基本的な部分を、実際に神姫が解説を するDVDになります。なお、こちらは本キットのみ付属 となります。別売等はありませんので、ご了承下さい。 「SEシリーズ・スタンダードセット」〜セミプロなあなたへ。 SE-02シャーシ、ボディ、神姫はじめてのじどうしゃ メンテナンスキット、神姫用工具キット、専用ケース など 「GMシリーズ・スタンダードセット」〜GMシリーズ入門用。 GM-01シャーシ、ボディ、神姫はじめてのじどうしゃ メンテナンスキット、専用ケース など 「プロフェッショナルセット」〜これでレースに即参戦可能! GM-02シャーシ(強化サスペンションキット組み込み済み) ボディ、スペアボディ(無塗装)、メンテナンスキット、 神姫用工具セット(2組)、専用大型ケース など ・発売予定価格 (現在未定) ・発売予定時期 (今夏予定) 以上 <<トップ へ戻る<<
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キズナのキセキ ちょっと気が強い神姫と、理想を追い求めたマスターの、絆の物語。 著:トミすけ ○勝手な文章の改変はしないでください。大変迷惑です。 ○バトルロンドのバーチャルバトルの設定を『Mighty Magic』よりお借りしております。 ○一部、武装神姫の性能などを独自解釈している部分があります。ご了承下さい。 ○本作は前作「ウサギのナミダ」の続編です。前作からのキャラクターや設定が引き続き登場しますので、先に「ウサギのナミダ」をお読みになることをお勧めします。 ○コラボ歓迎です。この作品のキャラクターや設定は無理のない限り、自由にお使いいただいてかまいません。 登場人物紹介 (本編のネタバレを含みますのでご注意下さい) ~予告編~ ストーリー ACT0は過去編、ACT1は現在編となっています。 それぞれのACTごとの順番で、時系列順に追うことが出来ます。 お読みになる際には、下記リストの順番でお読みいただければ幸いです。 プロローグ ACT1-1 不機嫌の理由 ACT1-2 情けないほど何も知らない ACT0-1 悲劇の後 ACT0-2 ひどい顔 ACT1-3 かりそめの邂逅 ACT1-4 敗北の記憶 その2 ACT1-5 北斗七星 ACT0-3 アイスドール ACT0-4 二重螺旋 ACT0-5 敗北の記憶 その1 ACT1-6 招かれざる客 ACT1-7 聖女のルーツ その1 ACT1-8 聖女のルーツ その2 ACT1-9 雨音 ACT1-10 最悪の事態 ACT0-6 異邦人誕生 その1 ACT0-7 異邦人誕生 その2 ACT1-11 夕暮れの対峙 ACT1-12 ストリート・ファイト その1 ACT1-13 ストリート・ファイト その2 ACT1-14 謝ることさえ許されない ACT1-15 たった一つの真実 ACT1-16 男たち ACT1-17 遠野の企み ACT1-18 強者たちの宴 ACT1-19 親友だから その1 ACT1-20 親友だから その2 ACT1-21 キズナのキセキ ACT1-22 異邦人はあきらめない ACT1-23 決戦前夜 ACT0-8 理想の体現者 ACT1-24 武士道 ACT1-25 聖女の正体 ACT1-26 狂乱の聖女 ACT1-27 未知との対峙 ACT1-28 すべてがつながるとき ACT1-29 死闘の果て エピローグ 番外編 黒兎と盗賊姫 前編 後編 この物語は、以下の作品の設定やキャラクターをお借りしております。 深み填りと這上姫 HOBBY LIFE,HOBBY SHOP 魔女っ子神姫☆ドキドキハウリン ねここの飼い方 Mighty Magic ツガル戦術論 武装神姫のリン 凪さん家の十兵衛さん クラブハンド・フォートブラッグ 美咲さんと先生 15cm程度の死闘 武装食堂 感想などありましたら、こちらにコメントをお願いいたします。 過去ログはこちらにまとめました。↓ キズナのキセキ コメントログ キズナのキセキ コメントログ・2 キズナのキセキ コメントログ・3 キズナのキセキ コメントログ・4 初めてコメントします。 あおいお姉様のしてきた事を考えると手放しでハッピーエンドはやはり難しいですか… それでも私は二重螺旋が笑顔で迎えるエンディングを期待しながら、最終話の投稿を楽しみに待って居ります。 -- Yu (2012-08-16 01 55 08) アツい戦いでwktkです!! ついに最終話!!楽しみに待ってます~ -- 神姫中毒 (2012-08-16 10 39 54) 最終回、とても楽しみです! コラボしたいんですが、何分バトロンから8年も経ってるとコラボしづらいですよね…… -- ユキ (2012-08-16 12 08 53) 死ぬな! 生きて帰って来て欲しい -- げしもちゃん (2012-08-16 21 20 17) さて、遠野が何を考えているたのかの種明しが楽しみですね。 このまま終わったら奈々子が報われん。まああの刑事はおそらく……。 -- 第七スレの6 (2012-08-17 23 48 21) エピローグを投稿しました。最終回です。コメントログもまとめました。 初投稿をさかのぼりますと、なんと二年も経っていました。 執筆の遅い私の作品に長らくお付き合いいただき、ありがとうございました。 また、多くのコラボ作品の筆者様、素晴らしい作品をありがとうございます。皆様の作品なくして、「キズナのキセキ」はありませんでした。 ……あとがきを書こうと思ったのですが、どうにも陳腐なものしか思い浮かばず、断念しました。 一つ私が言うならば、「キズナのキセキ」という作品は、完結を持って作者の手を離れ、読者の皆様のものになったということです。 願わくばこの物語が、皆様に気に入ってもらえることを祈りつつ、筆を置きたいと思います。 長らくお付き合いいただき、ありがとうございました。 -- トミすけ (2012-08-23 23 15 12) コメントにお答えいたします。 Yu様>初コメントありがとうございます。嬉しいです(^^) エンディングはこのような感じになりましたが、いかがだったでしょうか。お楽しみいただけたなら、嬉しく思います。 神姫中毒様>戦闘シーンは、私も書いていてとても楽しかったです。最終回はいかがだったでしょうか。 げしもちゃんさん>まあ、死んだりはしなかったわけですがw 最終回もお読みいただければ幸いです。 第七スレの6様>長らくお付き合いいただき、ありがとうございました。エピローグはいかがだったでしょうか。 -- トミすけ (2012-08-23 23 19 55) コラボの件があるので、別コメントで。 ユキ様>コメントありがとうございます。コラボはこのページの上にもあります通り、歓迎です。 時系列については……気にしなくていいんじゃないでしょうか(^^; そうじゃないと、バトマスから入った人の作品は、バトロン時代の作品とコラボできなくなってしまいますから。 そこは自由に考えていただいて、キャラ設定とかはそのままに、バトマスに合わせた戦術戦略なんてのを妄想するのも楽しいと思います。 -- トミすけ (2012-08-24 00 42 39) キズナのキセキ完結お疲れ様でした。 そして、おめでとうございます。 題名通りの「絆」が起こす様々な「奇跡」によって、この素晴らしい物語が完結しましたね~ この度、エピローグを読み終わったのでコメントをしてみたのですが、これから後の物語も外伝として是非読んでみたいです。 遠野さんと菜々子さんの今後。(警察へ連絡をしていた事による言い訳等の痴話喧嘩) ティアとミスティの会話。(ティアがミスティのメンテナンス中に聞いた初代ミスティからの伝言を伝えたり等の2人の絆の確認) 桐島あおいと久住菜々子のコンビプレイ復活劇。(往年の二重螺旋の復活とその活躍風景等) -- ウサギの (2012-08-24 01 13 42) 更に追記。 そして、今回のキズナのキセキのエピローグを読んでみて思ったのですが、マグダレーナは警察に逮捕され、丸亀重工への証拠物件として警察に保護されたままで終わるのか?と思いました。 マグダレーナ自身、イリーガルとして、裏バトルに参加し様々な違法改造された神姫を殺しているし、桐島あおいを助ける為に人を傷つけていたりするかもしれません。 それに、丸亀重工が軍事目的の為に開発した強力な神姫なので、普通には開放出来ないというのは分かるのですが、マグダレーナにも救いが欲しいと思いました。 意識と本人の記憶等、犯罪に繋がる部分を除去して、普通のシスター型として、桐島あおいの元に戻ってきてくれたら良いのにな~と、エピローグを読んでいる途中から思い続けています。 トミすけさんの中では、これで完全に完結しているのでしょうが、マグダレーナへの救いも欲しいと思いました。 桐島あおいとマグダレーナの為の「キズナのキセキ」があっても良いかな~と。 読者が、ウダウダと好き勝手に書いていて申し訳ありません。 大変素晴らしい物語をありがとうございました。 -- ウサギの (2012-08-24 01 14 17) ついに完結ですか。長かったようで実際に楽しんだ時間は短かったというか…。 これで残念ながら楽しみが一つ減ります。お疲れ様でした。 やっぱりあの刑事でしたか。もう店長と並びお馴染ですね。 この後どうなるのか、劇中では軽く流された遠野の家族関係の変化とかが気になります。 そこら辺も読んでみたいかなぁと思っちゃったりとか、そんな一ファンの感想でした。 -- 第七スレの6 (2012-08-24 10 57 18) くっ…仕事中に読んで不覚にも泣きそうになったです…あくびしたデスとごまかしておきましたが! 読みだした当初からとても大好きな作品で完結したこと、読めたことがとても嬉しく思います。 今後の作品を楽しみにしております! そして完結おめでとうございます!! -- 神姫中毒 (2012-08-24 11 44 17) 物語の完結、お疲れ様です。長い物語での起承転結がしっかりしており、伏線もしっかり回収された丁寧な作りこみは見る度に感心し、学ぶものが多かったです。 話の結末はしっかりとまとまった大団円で見ていて非常に気持ちのいいものでした。 誰にも打ち明けずに進めてきた計画の上での遠野の行動は菜々子を助けるだけでなく、あおいを救い、結果としてマクダレーナの心すらも変えましたな。 異なる三人の傷ついている心を開かせ、周りの人を変えていける遠野は本当に色々な意味で強い人ですね。 たった一人のためにここまでできて、その上、周りを動かしていける人なんてそうはいません。 素晴らしい物語をありがとうございました。トミすけさんの次回の作品を楽しみにしております。 -- 夜虹 (2012-08-24 21 50 59) ついに完結してしまいました……ッ! 読み終えた直後の感想がそれでした。完結、おめでとうございます。 物語の開始当初、あれだけ凶悪だったマグダレーナが、最後にはあおいに対してあれだけの変化を迎えましたね。それも、ミスティとのすべてをかけたぶつかり合いや、あおい、遠野君たちとの関わり合いがあったからでしょうね。 そして、遠野君や仲間たちの力を得て、全力で戦い抜いた菜々子さんとミスティ。彼女たちにも「お疲れ様です」と言いたいです(うちの食堂からも四人も出演させていただいて感激でした)。 トミすけさんの次回作も楽しみにしています。 ……いや、以前のトミすけさんのコメントから察するに、まだ番外編が残ってるんですよね? ね? -- ばるかん (2012-08-25 00 12 46) 完結おめでとう御座います。読んだ後、あぁ楽しかった。と思える本当に素晴らしいエンディングでした。 ただ一つだけ遠野君にツッコミを「気を使うなら、目なんて閉じてないで、菜々子さん分のドーナツをゆっくり選んで来なさい」…まぁソコまで気を回したら遠野君らしくない気もしますが…w もしあるのなら番外編や次回作も楽しみに待って居ます。 個人的には、あおいお姉様に「武装神姫を続けるから私にピッタリの子を選んでね♪」とか無茶ぶりされて右往左往する遠野君と菜々子さんがみたいな番外編がいいなぁとか妄想しておりますw -- Yu (2012-08-28 03 50 18) 読み返し中に怪しい文章ハッケン! 1-18 二つ目の「□」記号の直後「、八重樫さんくらいだ。彼女が考えたの対戦の組み合わせなら」 部分、「考えた対戦の組み合わせ~」なのかな?と思ってみたり・・・ -- 神姫中毒 (2012-08-28 14 17 36) 長い間の執筆ご苦労様でした。 一年半ほど前に神姫を知り、神姫とマスターとの絆を描いた前作 そしてマスターとマスターとの絆を編み上げた今作を、ときには可笑しく ときには大きな感動と共に読ませて頂きました。 やはり神姫の物語は彼女らの存在理由そのものである「絆」という テーマが似合いますね。 個人的に冒頭の桜吹雪に佇む美女二人のシーンや、前作よりも寡黙で 「当たり前の積み重ねだ」と難局を打開する主人公が私の好きな 某古本屋の主の作品とダブり、この先どんなサプライズがあるのだろうかと 妙にワクワクしてしまいました。 ともあれ、完結おめでとう御座いました。 次のエピソードは「女帝」との決戦? 次回作も楽しみにしています。 -- のらくろ (2012-09-03 00 19 35) 遅くなりましたが、完結おめでとうございます。 多くの神姫とそのマスター達が紡いだ絆の物語堪能させていただきました。 他の方も仰っていますが個人的にはマグダレーナさんのその後が気なりますね、きっともう1つの奇跡が起こるのだろうと勝手に妄想しています。 次回作も楽しみにしています。 -- 紙白 (2012-09-04 21 40 54) ご無沙汰しております。 最終回のコメント、たくさんいただきまして本当に感謝しております。 遅くなりましたが、コメントにご返答させていただきます。 ウサギの様>コメントありがとうございます。見たいシーンをいろいろあげていただきましたが、それらは読者の皆様の想像にお任せいたします。 マグダレーナについては、作者からこれ以上申し上げることはありません。もしかしたら、どこか別の物語で登場してたりすると面白いかもしれませんね(笑) 第七スレの6様>投稿開始当時から長らくお付き合いいただきありがとうございました。遠野君の家族関係については……書けるといいなぁ。 -- トミすけ (2013-02-03 00 31 53) 神姫中毒様>当初から大好きと言っていただき、作者冥利に尽きます。ラストも気に入っていただけたならよいのですが。 夜虹様>過分なお言葉をいただき、大変恐縮です。そして、最新作では全面的に夜虹様のキャラクターに出てもらってしまいました。ご容赦いただければ幸いですm(_ _)m ばるかん様>武装食堂から四人出演いただいたこと、大変ありがたく思っております。お待ちかねの番外編、お楽しみいただけたら嬉しいです。 Yu様>お楽しみいただけたようで、胸をなで下ろしています。確かに遠野は気が利きませんねw のらくろ様>コメントありがとうございます。某古本屋の主といえば……京極堂でしょうか。思えば、桜吹雪に美女二人というシーンは、影響があったかもしれません。 紙白様>完結お祝いいただきありがとうございます。久々の投稿、お楽しみいただければと思います。 -- トミすけ (2013-02-03 00 32 35) さて、本編完結から半年近く経って、やっと投稿できます。 この番外編は相当難産でした。 ですが、本編の「特訓場」のシチュエーションにおいて、皆さんが見たい対戦カードではありませんでしたか? いや、私が一番読みたかった対戦なのですw ちょうど夜虹様が新作を投稿された、絶妙のタイミングで一人悦に入っております。 お楽しみいただければ幸いです。 -- トミすけ (2013-02-03 00 36 09) ティアと蒼貴は超一流の神姫ですね 2人のマスターはプロ級です すごいです -- げしもちゃん (2013-02-04 07 38 41) 番外編キター!!! もう待ちわびてましたよ~ 本編ではあまり絡まなかった二人だけに確かに気になるカードでした! 個人的には復帰したアクアとか、成長した虎実の活躍も見てみたいなー…とか 作中に登場する神姫も人間も魅力的過ぎるので見てみたい組み合わせがいっぱいです>< 今後の更新も楽しみにしてますっ!! -- 神姫中毒 (2013-02-04 15 39 53) おせっかいながら文章的な疑問点… 前編 尊氏の序盤のセリフ内 「つまり、ネットワークをに強い神姫ってことだな」 がありましたです。 -- 神姫中毒 (2013-02-04 16 06 44) 後編 2つ目の♦以下 装備を工夫し技を磨いき がありましたです。 -- 神姫中毒 (2013-02-04 16 29 58) 黒兎と盗賊姫、見させていただきました。互いの手札を全て出し尽くしての総力戦は見事でした。 武装奪取をこんな方法で防いでくるとは予想外でしたし、トミすけさんの描く蒼貴の戦い方、動きと学ぶ所も多かったです。 話の内容も最初から最後まで尊と遠野、蒼貴とティアと神姫とマスターの共通の点の光る展開でとても面白いかったです。 実際に対面してみると話し方、戦い方、性格と本当に近いもので、違いは戦い方と進む道ぐらいなものですね。それもまた個性という名の違いで、面白いものですよね。 それにしても尊と遠野が手を組んで立ち向かう事件……もし、あるとしたらいったい何が起きるのか……面白そうですね。 -- 夜虹 (2013-02-07 00 44 24) 何となくウサギのナミダから読み返してて気付いたんですが、一番最初のティアvsミスティ戦で既に二重螺旋って単語が出てたんですね…こんな所に伏線があるなんて…。 って今更気が付いたのかよって感じですね。 -- Yu (2013-02-10 15 18 53) ご無沙汰しております。トミすけです。 この一年ほどで、わたしの作品2作が誰かに加筆されております。 わたしの意図しない文章が入っているのは、正直気味が悪いです。 これより修正していきますが、現状ではわたしが意図しない文章や展開が含まれることをご了承下さい。 他のサイトでの公開も検討中です。 -- トミすけ (2023-02-05 00 19 15) 文章の修復が完了しました。 本来のキズナのキセキをお楽しみいただけます。 文章を自分の好みで勝手に改変するのは、作者にも読者にも迷惑ですのでおやめください。 -- 名無しさん (2023-02-05 11 51 52) 名前 コメント
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神姫のクラスアップ 神姫はオフィシャルバトルでの勝利数が規定数に達するとクラスアップする。 クラスは全5段階あり、上位クラスであるほど武装セットに組み込めるパーツ数と総重量が多い。 また、武装の中にはクラスが装備条件になっている物もある。 クラス 昇格条件 パーツ数 重量制限 Class S Aクラスで30勝する 20以下 無制限 Class A Bクラスで20勝する 20以下 50以下 Class B Cクラスで10勝する 15以下 30以下 Class C 初期状態 10以下 20以下 Class EX ・オーナーズルームで「Exクラスへ移行」を選択・C~Aクラスで100試合を消化する(※1)・Cクラスで総合レベル51以上(※2)・Bクラスで総合レベル101以上(※2)・Aクラスで総合レベル181以上(※2)以上のいずれかを満たす 20以下 無制限 (※1)平成19年12月のアップデートで、この「累計100試合」には引き分け試合はカウントしないように条件が緩和された。このため、以前はS昇格には「100試合以内に60勝する」必要があったが、現在では「41敗する前に60勝する」だけで可能となり、比較的容易にSに上がれる様になった。 (※2)C~Aの各クラスでのレベル制限はその上限を超えた状態でバトルに参加した際に適用され、試合終了後にEXクラスへの移行が行われる。つまり、セットアップ直後にトレーニングでLv150まで上げたとしても、1戦だけならCクラス戦を行う事も可能。(オフィシャルに限らず、シミュレーター、ティールームも含まれる?) 1体の神姫はオフィシャルバトルに累計200試合までしか参加できない。LP・SPのレベルアップは行えなくなるのでこれらの完成は200試合の中で行う必要がある。(200戦終了後もミッション・ポイントバトル・バトルシミュレーション・マイ神姫バトル・ティールームでのバトルは可能) オフィシャルバトル累計100試合(こちらは引き分けを含む)をこなし、なおかつ神姫のレベルが成長限界に到達すれば、CSCリストアの実行、及びCSCリアクターの使用が可能になる。 コメント (※2)ポイントバトルも試合終了後にEXクラスに移行しました。 -- (名無しさん) 2010-10-08 21 29 55 名前 コメント すべてのコメントを見る
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テイルズ オブ バトルロワイアル ダブルセイバー 名無しに支給。 さつまいも 初雪に支給。 魔杖ケイオスハート ナナンシーに支給。 強力グミセット フラッグファイターF.Eに支給。
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戻る 先頭ページへ ネリネ。 私の可愛い神姫。 私の初めての神姫。 ネリネ。 まさに天使の様なその笑顔は、私にとってかけがえのない宝物だった。 貴女がくれたものを、私は生涯忘れはしない。 ネリネ。 でも、貴女は居なくなってしまった。 私が悪かったの? 興味本位で、神姫バトルを貴女にやらせたのが。 違う。 悪いのは、あいつらだ。 神姫には心がある。 神姫は唯の玩具じゃない。笑いもすれば、泣きもする。 それなのに、神姫をただのバトルの道具にしか見なかったあいつら。 私は、絶対許さない。 ネリネ。 私は今日、貴女の仇を取る。 轟―――。 朽ち果てた戦場に、真紅の影が躍った。 それは、血染めの鎧を身に纏う、白髪赤眼の悪魔。 「そんなんじゃぁボクは殺せないよぉ!」 真っ赤な瞳を狂気に揺らし、どす黒い軌跡と共にロケットハンマーを振り下す。 カーネリアンと同じく赤黒いそれは、打突部後部の推進装置を作動させ、その破壊力を数段上へと昇華させる。 直撃すれば神姫であればひとたまりも無い。まさに一撃必殺。 「……五月蠅い」 戦場の体裁を保っていない戦場を奔るのは白い影。 それは、雪の様に白い鎧で武装する、白髪青眼の悪魔。 ロケットハンマーの一撃を軽いステップで回避し、空かさずカーネリアンとの距離を詰め、チーグルで握ったアンクルブレードを大上段から降り下す。 音さえ遅れる白い斬撃は、しかしカーネリアンの赤い片のチーグルに阻まれた。 アンクルブレードはチーグルに傷を付けこそ、それ以上は無い。カーネリアンのチーグルの耐久性は異常だと言えた。 「カーネリアンのチーグルとサバーカは装甲板厚くしてある。並大抵の刃は文字通り刃が立たないぞ……カーネリアン、ギロチンを使え」 壊れたバトルマシンを眺めながら、恵太郎が口を開いた。 カーネリアンはそれに応じ、手に持ったギロチンブーメランでアリスを狙う。 「……フルストゥ・クレイン」 恵太郎の問いかけられた一方―――カーネリアンは応えた。しかし、もう一方の君島ましろは応えずにアリスへと指示を出した。 背部に備え付けられた白刃を抜き放ったアリスは即座にギロチンブーメランへと打ち当てた。 全く同じ相貌の、しかし色と得物だけが違う悪魔が、対峙した。 膠着状態、しかし確実にアリスは押し負けている。 アリスのサバーカとチーグルはカーネリアンのそれが装甲板を厚くしているようにアクチュエータを強化してある。 その結果、重装甲でありながらもマオチャオ型と同格の機動性を有している。 しかしそれは機動性に限ったことであり、馬力は変わっていないのだ。 一方、恵太郎は口にしてはいないがカーネリアンのそれは馬力をも強化されている。 デフォルトの1.2倍程度の強化だが、それは同タイプのアリス相手の場合、地味ながら大きな差となっている。 「アリス、掴み合いでは、勝ち目が無い」 君島は即座にそれを判断し、命令を下した。 短絡的な命令だが、アリスはそれを完璧に理解した。 即ち、高機動での撹乱、である。 がきん、と鋼の地面が鳴いた。 固い地面を鋭く捉えたアリスの脚が初動以外全く音も立てず、カーネリアンから距離を放した。 ロケットハンマーで攻撃を加えようとしていたカーネリアンの身体が、揺れた。 再び、がきん、という床が鳴った。 瞬きする間もなくカーネリアンとの距離を詰めたのだ。 カーネリアンの目前で急制動、前傾姿勢のまま右足を大きく踏み込ませ、両のチーグルで握るアンクルブレードを交差させる。 そしてそれを左右に薙ぐ。 音すら遅れてくる斬撃は、確かにカーネリアンの両のチーグルを捉えた。 だがやはり、アリスの白刃は赤いチーグルに浅傷を残す事は出来たが、両断する事は願わなかった。 刹那、空気を叩き潰す様に空間を軋ませながら、赤い左のチーグルが突き出された。 巨大な指を揃え、掌を反らし手首付近を打点とし、対象の顎を狙う突き技。 掌底と呼ばれる突き技の一種だ。 この技は一般に拳での打撃よりも威力が高いと言われている。 そして、今それを成しているのは神姫の武装の中でも近接戦闘に特化したチーグルなのだ。 その質量、その馬力。そして使い手の技量。 それらが揃った掌底をただの掌底と侮る事無かれ。 それは、それだけで必殺の威力を孕む。 「んもぉ、連れないなぁ」 しかし当たらなければ、意味は無い。 掌底の一撃を数度のバックステップで避けたアリスはフルストゥ・クレインを投擲した。 応じる様に、カーネリアンは両の手に持つギロチンブーメランを接続、同様に投擲する。 風を裂く白刃。大気を潰す斬首刀。 刃の衝突を待たず、アリスは再び地を蹴った。 軌道を左右に大きく揺らしながら跳ねる。カーネリアンを撹乱する考えだ。 最中、チーグルで握るアンクルブレードを横に寝かせて突きの構えを取る。 向かって右に跳び、その着地点をカーネリアンの至近に着地。 その瞬間、サバーカの膝を折り衝撃を吸収させ即座に攻撃態勢へと移り、必要最低限の動きでアンクルブレードをカーネリアンの頭部目掛けて刺し出した。 「んふふぅ」 突き出されたチーグルを、しかしカーネリアンは無造作に左のチーグルで掴み、アンクルブレードを止めた。 そして、右のチーグルで握るロケットハンマー。それの柄をアリス目掛けてさながら槍のように突き出した。 回避しようにもチーグルは未だ掴まれたままだ。 それを振り解き、回避に映るには時間が足りない。 だから、アリスは強引に身体を捻り、即座にフルストゥ・グフロートゥを抜き、カーネリアンの首目掛けて突き出した。 「……ぅぐ」 アリスの脇腹をロケットハンマーの柄が微かに抉った。 それが本来の用途で無い事と、十分な予動が出来なかった事もありダメージは大したものではない。 しかし、カーネリアンはフルストゥ・グフロートゥを完全に捌き切れなかった。 首は胴と繋がっている。しかし、刃が左目の付近を掠め斬っていた。 それは、カーネリアンにとって、恵太郎にとって予想外だった。 恵太郎は、アリスがこの攻撃を一旦防ぎ、隙を見て脱出し間合いを離し仕切り直す。 そうとばかり考えていた。 しかし、実際は違った。 半ば、捨て身に近い今し方の攻撃は、アリスの、そして君島の心情を暗に物語っていた。 「これはびっくり」 アリスの眼に映るのは、純粋な憎悪。 姉を殺したカーネリアンへの無垢で純粋な殺意なのだ。 掠っただけにしても、目に程近い場所を刃が通過するのは思いの他、隙が出来る。 その隙はカーネリアンの拘束の緩みを生み、アリスはその隙にチーグルを強引に振り払った。 返すチーグルで一旦アンクルブレードを離し、カーネリアンが投擲し、返ってきたギロチンブーメランを掴み裏拳の要領で叩き付ける。 完全に虚を突かれたカーネリアンは、咄嗟の反応が出来なかった。 右のチーグルはロケットハンマーの突きの反動で防御には回せない。 残る、ついさっきまでアリスを掴んでいた左のチーグルで無理やりギロチンブーメランを受け止める。 刹那、ギロチンブーメランから手を放したアリスは、アンクルブレードを再び執ると距離を放した。 「やるぅ」 カーネリアンの左のチーグルの掌部分は完全に破壊された。 ギロチンブーメランの刃はチーグルの先端に深く食い込んでいる。 それを抜こうとしたカーネリアンだが、素体の腕では抜き切れなかった。 仕方なくギロチンブーメランの連結を解除。片方を手に取るとアリスへと向き直った。 アリスは先刻投擲したフルストゥ・クレインを左手に、フルストゥ・グフロートゥを右手に、アンクルブレードを両のチーグルで執り、静かに構えている。 損傷はカーネリアンの方が上だ。 主武装であるチーグルの片手が使用不能とあっては、絶大なロケットハンマーもその威力の全てを出し切れない。 それでも、カーネリアンはそれを手放さない。 赤黒い金属の塊である、それを。 かつて、数多の姉妹を屠ったそれを。 カーネリアンはロケットハンマーの柄の中程を握る様に持ち直し、構えた。 それが、カーネリアンなりのけじめなのだ。 「ぼくさぁまどろこっしいの嫌いなんだよねぇ」 カーネリアンの赤い瞳が、アリスの青い瞳を捉えた。 まるで本物の人形の様な無表情。 しかし、それは違うのだ。 白く、負の熱が燃えているのだ。 それは感情を殺し、心を殺し、全てを殺して、ようやく成り立っているのだ。 復讐の為。それだけの為だけに生きるアリスにとっては。 「だからさぁ、次の一撃で終わりにしようよ」 カーネリアンはギロチンブーメランを捨て、ゆっくりと右のチーグルを上段に構えた。 無造作に、武骨に、しかし全ての力をそれに込めて。 カーネリアンは立ち構えた。 「どうだ? 君島」 怪しむ君島に、恵太郎が声をかけた。 思考は、一瞬だった。 「……いい、でしょう」 アリスはその言葉に反応し、左のチーグルで握るアンクルブレードを捨てた。 右のチーグルを大きく引き、顔に沿うようにアンクルブレードを構える。 脚は開き、腰は落とす。突きの構えだ。 一瞬の静寂。 音だけが、世界から消え去った様な幻覚。 しかし、それは一瞬だ。 次の瞬間には、アリスが地を蹴っていた。 どこまでも真っすぐに、どこまでも純粋に、どこまでも只管に。 アリスは翔けた。 全身全霊の力を込めて。 全身全霊の憎悪を込めて。 全身全霊の、全てを込めて。 アリスは、白刃を突き出した。 カーネリアンもまた、全身全霊で応じた。 鉄槌を振り下す機械の腕。 背中で吠える推進剤。 それを力へと変換する為に回す腰。 脚は地を抉るように踏ん張る。 全てが、完璧に重なった、 恐らくは、カーネリアンにとって最高唯一の一振り。 立ちはだかる者全てを、一切合切を打倒し、破壊し、終焉さし得るモノ。 それに相応しい、最後の一撃。 白刃と鉄槌が、終に衝突した。 鉄槌の中心を捉えた白刃は、一瞬にして全身に罅が這入った。 しかし、アリスは力を緩めない。むしろ増していく。 全てを、カーネリアンへの復讐の為に捧げた日々を、今この白刃一本に込めているのだ。 だがカーネリアンも負けはしない。 片腕ながら、打突部後部の推進装置を起動させ、白刃もろともアリスを砕こうと力を込める。 カーネリアンもまた、この日の為に全てを捧げてきたのだ。 まるで、走馬灯の様にカーネリアンの脳裏をそれが過った。 刹那、ロケットハンマーに亀裂が奔った。 それは、瞬く間に全体に広がり、そして砕けた。 白刃は破片を搔き分け、潜り、蹴散らしながら止まらない。 それは、赤いチーグルを砕き。 カーネリアンの右腕をも砕き。 そして、右胸に達した時、ようやく止まった。 「神姫の力は……心の力ってねぇ」 動力部に近い部位に損傷を受けたカーネリアンは、砕けた二つの右腕と共に崩れ落ちた。 傷はCSCの付近まで達していた。 「……終わり、です」 君島が、静かに告げた。 それは試合が終わった事を告げる言葉ではない。 それは、カーネリアンの終わりを告げる言葉なのだ。 「分ってるよぉ……」 上体だけ起こしたカーネリアンは、弱弱しく自らの胸部装甲を唯一無事な左手で掴み、引き千切った。 神姫の心臓たるCSCが、顔を見せた。 「ふふ、腕が残ってて良かったよぉ」 胸部装甲を投げ捨てながら、カーネリアンは言った。 「……覚悟は」 まるで、死刑執行人だ。 カーネリアンはアリスを見上げながらそう感じた。 「そうだねぇ……」 暫く、逡巡する素振りを見せたカーネリアンは、顔を上げ言った。 「ましろちゃん。これが済んだらアリスを可愛がって上げてね」 全く、予想外な言葉。 その言葉に、君島は一瞬呆気に取られ、次の瞬間激しい怒気を発した。 「一体、どの口が、そんな事を……!」 その怒気は、アリスへと伝達した。 「……」 全くの無表情。 その無表情のまま、アリスはボロボロのアンクルブレードを素の右腕に持ち替えた。 そして、地面に座り込んでいるカーネリアンに合わせるよう、膝を折った。 「さぁ、やるならここだよ。ボクが生き返らないように、確実にね?」 自身の赤い三つのCSCを指さしながら、カーネリアンは言った。 「……これで、終わり」 アリスが、アンクルブレードを軽く引いた。 そして、鋭く突き出した。 「マスター。私は幸せでした」 あっさりと、それはカーネリアンのCSCを貫いた。 「ああ……ナル、俺もだよ」 カーネリアンの身体が、まさに糸を切った人形のように、倒れた。 先頭ページへ 進む
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千喜の呼んだ名前を理解するまで、プシュケにはほんの少しだけ、時間が必要だった。 「……ジル?」 「ほら、お兄ちゃんとこの」 千喜には兄がいる。それは、プシュケもよく知っていた。 大して密な付き合いではないし、名字は離婚した父親の側になってもいるが……兄妹の仲がそれほど悪いものでは無いことも。 「いえ、あの、千喜………」 それはちゃんと知っているのだが……。 「大丈夫ですか?」 プシュケはあえて、そう問うた。 「何がよ」 「具体的に言えば、脳?」 「脳言うな!」 耳元から少女の怒鳴り声が聞こえてくるが、むしろそれは相手のお脳が残念なことになっていない証拠でもある。 若干、うるさくはあるが……判断力は、まだ正常な域にあるらしい。 「けれど、十貴さまの神姫はストラーフでしょう?」 プシュケの目の前にいる神姫は、シスター型神姫。多少手が入ってはいるようだが、ライトアーマータイプのハーモニーグレイスがベースになっている事は間違いない。 確かに名前はジルだったが、二文字のシンプルな名だ。被ったところで、不思議でも何でもない。 「それとも私の知らない間にアブダクションでもされてお脳の中身を差し替えられましたの?」 なら、ついでにバカも少し直しておいてくれたなら、万々歳だったのだが……。 「だから、脳から離れなさいよ」 そう言われても、目の前の神姫はどこからどう見てもハーモニーグレイスだ。 緑色のショートヘアに、特徴的な腰のバインダーとヘッドセット。背中のハードポイントに繋げた十字架型のランチャーまで、どこからどう見てもハーモニーグレイスである。 「……………?」 こちらに飛ばしてきたはずのウェスペリオーの行方を捜しているのか、その彼女はきょろきょろと辺りを見回している。 「なあ、お前ら。ここにさっき、ウェスペリオー飛んでこなかったか? コウモリの奴」 けれど。 「…………はい?」 目の前のハーモニーグレイスの第一声は、随分と乱暴なものだった。 声だけを聞けば、確かに誰もがストラーフを思い浮かべるだろう、そんな口調。 「だから言ったでしょ。お兄ちゃんの所のジルなんだってば。あんだけ派手なカタチの子、見間違えたりしないって」 外観。声紋。固有ID。 プシュケの知るジルの情報の全てが、目の前のハーモニーグレイスとストラーフのジルが同一存在ではないと告げている。 「ああ。あれは我輩が打ち返してやったのだ。撃墜数1、ごちそうさまでした」 「ちょっ! おま、いつまで経っても撃墜数増えないなぁと思ったら……人の獲物横取りしやがって! 何てことしやがる!」 けれど目の前のハーモニーグレイスはシスター型とも思えないほどの荒っぽい口調で叫び、ポモックに向けて喚いている。 その品のない所作は確かに、シスター型ではなくストラーフのそれに近いもので……。 「我輩の華麗な六十ヤードマグナムが決まった瞬間だったのだ!」 「……さっきと技の名前、変わってますわよ」 そもそも六十ヤードマグナムはバットで打つ技ではない。 「なら44マグナム?」 「……マグナムしか合ってないじゃありませんの」 ジルの問題をそっちのけにするほどツッコミどころ満載なポモックに、プシュケは色々と溜息をつく。 「ま、いいや」 だが、そんな余裕のある時間もそこまでだった。 「なら……お前ら二人倒しゃ、撃墜数2、だよな」 ハーモニーグレイスの浮かべた表情は、不敵な笑み。 それは誰もが認める、悪魔型の戦姫の微笑みだった。 マイナスから始める初めての武装神姫 その14 後編 「でぇぇぇぇぇぇいっ!」 アッパー気味にかち上げられたメイスの一撃は、ポモックのバットの比ではない。肘まで伝わる重い衝撃に、プシュケは大太刀を取り落としそうになりながらも慌てて間合を取り退がる。 武器を落とせば、一巻の終わり。防御できるかどうかではない。これだけの相手となれば、隙を見せない事がまず一番にやってくる。 追撃は来ない。 ジルが標的と選んだのは、引いた相手ではなく、攻めてくる相手。 ポモックだ。 獲物はバットが一本だけ。そして装備は限りなく素体。運動性と持ち前の無軌道なパワーだけを武器に、ポモックの軌道は思考そのままの一直線。 構え、打つ。 極限にシンプルな動作は圧倒的なサイクルの短小化をもたらし、次の動作までの発動時間を限りなくゼロへと近付ける。 要するに。 「わーははははははは!」 殴りまくった。 殴って、殴って、殴りまくった。 その動きはシンプルが故に止まることなく。 呼吸をする必要もない神姫なら、殴る意志とバッテリーさえあるならば、気を吐く事無く殴り続けられる。 それを、体現した。 相手が攻める隙はなく。 相手の動く隙さえもなく。 殴り。 殴り。 殴り続ける。 「…………勝負、ありましたわね」 あまりに一方的な攻撃に、プシュケはぽつりとそう口にした。 「そうなの?」 「本来ライトアーマーは、入門モデルとして作られた軽武装タイプですわ」 武装数も少なく、装甲もそれほど厚くない。その少ない武装点数を補うために、複数の使い方を備えた多目的武装が採用される事が多いが……そこから生まれ出る戦闘パターンの複雑さと戦術の多様さは、入門モデルと言いながら使いこなすには高い経験を必要とすると言う、一種の逆転現象を生む事となっていた。 「……まあ、そうだよね」 「それに、フルセットモデルに比べても、攻撃力も防御力もそこまで特化されていませんの」 実際、ハーモニーグレイスもそれほど重装甲と言えるモデルではない。 そこにあの猛烈な乱打だ。防御力に優れたジュビジーやムルメルティアあたりならともかく、あのハーモニーグレイスが全力で防御していたとして、腰のバインダーや僅かな追加装甲だけでどれだけダメージを軽減出来るものか。 「追加武装とか、付けてなさそうだったよね。あのシスター型」 相手もライトアーマーのポモックとはいえ、そのバットの威力はウェスペリオーを吹き飛ばした事でも実証済み。確かに防戦一方になっている今、ハーモニーグレイスの勝機は薄い。 「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!」 ポモックのラッシュは止まらない。 振り回すバットは風を呼び、砂を巻き上げ、まさに嵐を起こすかの如く。 最後の一撃はバットを天高く掲げ。 「オラァーッ!!」 全身全霊をもって、大地へと叩きつけた。 「そこのあなた、終わりましたの!」 「………や。まだ、撃墜数が増えないのだ」 立ちこめた砂塵を、吹く風がゆっくりと洗い流し。 「………プシュケ」 そこに立つのは、今までと変わらぬハーモニーグレイスの姿。 否。 変わった点が、一つだけあった。 「……そんな、バカな……」 ダメージではない。 それどころか、シスター本体は全くの無傷。 「ンだよ……」 背中から伸びたバインダーをそっと撫で、ジルは呆れたようにそうひと言。 「…………こんなもんか?」 普段は腰から伸びるはずのバインダーを肩部装甲とし、あれだけのラッシュを受け止めたのか。 「……バリア!?」 バインダーの表面にちりりと時折紫電が走るのは、時折触れる砂塵が防御フィールドに触れているからだろう。 防御フィールド自体は珍しい防御手段ではない。公式に装備している神姫はベルン系列のごく一部くらいだが、一般流通品としてはよく見るものだ。 どうやら目の前のシスター型も、バインダーにそういった防御手段を仕込んでいたらしい。 「無改造ってワケじゃ、ないみたいね……」 「なら、次はあたしから行って良いか?」 シスター型にあるまじき凶暴な笑みを浮かべ、シスターが引き抜いたのはやはり公式装備ではない戦棍だ。 軽装機らしい素早い踏み込みで一気に加速。あっという間に距離を詰め、下から振り上げるようにメイスの一撃を叩き付ける。 「プシュケ!」 そこから続く、牽制混じりの数発を慌てて回避。千喜とのやりとりにまともに答える暇もない。後ろへのジャンプで大きく距離を取れば、暴れ狂うシスターの標的はバットを振り上げたポモックへ。 「むむむ!」 「なにがむむむだ!」 ポモックもライトアーマーで、装甲は見るからに少ない。 打ち付けられるメイスに対して慌てて回避運動を取るポモックを横目に、プシュケは展開し終わったシステムを端から起動。全身を駆けるプログラムの奔流に軽く息を吐けば、その力が背中を抜け、腰のユニットから接続される背部ユニットへ一斉に流れ込んでいくのが分かる。 重力の枷が端から千切れる浮遊感と、視界が広がっていく開放感。 起動完了までは一瞬だ。 直線に来るシスターをひと飛びで縦にかわし、取ったのは彼女の頭上。 「お行きなさい!」 叫んだときには背中から伸びる翼を模したユニットは、半数がリングから切り離された後。自在に三次元を翔けるそれは、プシュケの心の赴くままに槍となり、砲となり、剣となって敵を討つ。 今この瞬間もジルの前後左右と上方を囲むそれは、防御フィールドをかいくぐって粒子の奔流を叩き込まんと宙を舞い。 「シュート!」 放たれるのは、全方位からの同時攻撃。 いかにフィールドの防御が鉄壁とはいえ、四方と上方から迫る遠近の関係すらない無差別攻撃を防ぐ事は不可能だろう。 「オラオラがだめなら…………っ!」 そして、粒子砲の洗礼をかいくぐり。 「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!」 それに加わるポモックの打撃が、横殴りに叩きつけられて。 「無………」 最後の一撃は、天高く掲げられる金属バット。 「無………!」 プシュケもその最後の一撃に追撃すべく、フィールドシュナイダーのトリガーを引き絞った。 鈍い射出音と共に銀の刃に金色の輝きが燃え上がり、物理装甲とエネルギーフィールドを同時に裁ち斬る力の刃を顕現させる。 「駄ぁっ!」 「駄ぁっ!」 叫びと共に振り下ろされた、二発の必殺が。 「十貴。三秒」 「……やるの?」 「三秒!」 二度重ねられたジルの言葉に、十貴の呆れたような溜息が続く。 -ExSEED Charge- 無機質な電子音声が響き、シスター型神姫の白いパターンを赤いラインが駆け抜けて。 -Start Up- 両肩を覆う大型のバインダーが、一瞬大きく膨れあがったように、見えた。 「………え?」 プシュケの太刀が空を切る。 「嘘………」 ポモックのバットも、空を切った。 「消えた………?」 ありえないはず。 「どこに行ったのだ!」 ありえない、はず。 フローラルリングからの砲撃は、手応えがあった。 ポモックの打撃も、ちゃんと打撃音が響いていた。ダメージがあったかは別にして、少なくともその瞬間まで、ハーモニーグレイスの姿はそこにあったのだ。 「…………案外、やるじゃねえか」 「っ!」 「にゃっ!」 耳元に聞こえた声は、ほんのひと声。 「とはいえ、二勝いただきだ」 二人の瞳に映るのは、シスターの腕を覆う鋏状に構えられたバインダーと。 「……バビロン!」 砂煙の中から伸びた、二本の巨大な腕だった。 ○ 「何ですの! あれは!」 バーチャルポッドから姿を見せるなり、プシュケは千喜にそう声を上げた。 「何なのだ! あれは!」 それと同時に隣のコンソールからも、似たような声が聞こえてくる。 「……あら。お隣だったのね」 「みたいですね。さっきは、ども」 隣の席のマスターも、女の子。それもどうやら、千喜と同じ高校生くらいのようだった。 「こちらこそ。ほらねこ丸、挨拶」 少女の声に、ねこ丸と呼ばれたポモックはひょいと少女の手の上に乗ってくる。 「よ!」 フレッシュ素体に戦闘用のシャツとスカート。片手にはバットを持ったまま。やる気があるのかないのか分からない格好で、ねこ丸は緊迫感のない挨拶を投げてきた。 「ねこ丸………?」 「でも、確かポモックってタヌキ……」 「リスである!」 「ねこ丸は……前に飼ってた、ねこの名前」 以前飼っていたペットの名前を神姫に付けるマスターは、そう珍しいものではない。 だが、猫型のマオチャオならともかく、それ以外の神姫にその名前はいささかどうだろうと二人は思うが……さすがに口には出せずにいる。 「何であるか。長門の付けてくれた名前に文句でもあるのか? ぬっこぬこにしてやるのだ!」 「や、別に文句があるわけじゃないけど……」 ジルダリアで言えば、花子と言ったところか。プシュケがそんな名前を付けられたら間違いなくぶち切れて訂正を要求してくるだろうな……などと思いつつ、千喜は苦笑いするしかない。 「そっちのパツキンねーちゃんは何て名前であるか。我輩にだけ名乗らせておいて名乗らないなんて、不届き千万である」 ねこ丸は大声でそう叫びながらバットをぶんぶんと振り回している。 「あーっ! 長門、我輩の粉砕バットー!」 もちろん少女に速攻で取り上げられた。 「……危ないから」 テーブルの上に置けば、それはごとりと重い音。 どうやら、塗装や表面処理だけでなく、本当に金属製のバットだったらしい。 「パツキンって…………プシュケですわ。こちらは、私のマスターの千喜」 「よろしくね。長門さん」 長門が名字か名前かはよく分からなかったが。とりあえず長門と呼ばれた少女は軽く頭を下げてくれた。 「なに……? 何で長門は名を名乗ってないのに名前を知ってるのか! まさか………超能力者!?」 「いや、違…………そうじゃないけど」 違わなくはない。違わなくはないのだが……触れていない以上、千喜に相手の心を読む術はない。だから、長門という名が名字か名前かも分からないわけで。 「……あなたがそう呼んだではありませんの」 「我輩は呼んでないのである!」 ねこ丸はプシュケの言葉を速攻否定。 「いや、呼んだわよ」 「……………そうか?」 「うん」 だが、長門の言葉には疑問形。 「…………呼んだ?」 首を傾げ、再度確認。 「呼んだ」 さらなる肯定に、うーと唸って。 「長門がそう言うなら、そういう事にしておくのだ」 ポモックにしては難しい顔をして、がくりと頭を垂れ、折れた。 「やれやれ……」 どうやら千喜よりもバカらしい。 そんな事を考えながら主の方を見上げると、千喜は明らかに嫌そうな表情を浮かべている。そういえば主の手の上に乗っていたなと、プシュケは今更ながらに思い出した。 「だが黄色いの、テメェはダメだ!」 「なんですってぇ!」 この無軌道な振りっぷり、バカさ加減で言えばやっぱり千喜よりタチが悪い。 そう考えてもう一度上を見上げると、主は諦めたのか、溜息をはぁと吐くだけだ。 「けど、さっきの最後……何だったのかしらね」 さりげなく話題を戻した長門の呟きに、一同は顔を見合わせた。 「……そうなのだ。黄色いの、見てないのか?」 名前を覚えられないのもバカだからだろうと割り切って、いちいちそこまで突っ込まないことにする。 「一瞬しか……。そちらはどうですの?」 近接戦での反応速度はジルダリアよりポモックの方が上だろう。相手の姿は、おそらくねこ丸の方が正確に捉えているはずだった。 「速すぎて、なんか灰色なのしか見えなかったのだ。今日の長門のぱんつと同じむぐー!」 「………それ以上は、黙ってて」 その彼女でも、捕らえきれない動きと加速。 まともなハーモニーグレイスの動きではない。 「今は……普通のシスター型よね」 コンソールに映る千喜達の予選バトルロイヤルも、終了まであとわずか。相変わらず健在なジルは、長刀を構えたラプティアスと殴り合いの真っ最中だ。 「バインダーも、普通だよね……」 長刀を弾くメイスも、肩から伸びたバインダーも、それほど変わった所はない。時折攻撃をバインダーが紫電と共に弾いているから、防御フィールドが張られているのは間違いないだろうが……せいぜいその程度だ。 そしてそれは、プシュケもねこ丸もとうに理解していた。 あの最後の一瞬、二人を一撃の下に打ち砕いた巨大な腕と、大鋏ではない。 「見間違いだったのか?」 「けど、視覚データにもちゃんと残っていますわ」 だからこそ、プシュケもねこ丸も首を傾げざるを得ないわけで……。 「やっぱり、締め上げるしかないか……」 予選バトルロイヤルはセンターの各フロアにある筐体全てを使って行われている。入場ギリギリだった千喜は一階だが、見渡す限りそれらしき姿がないということは、別の階の筐体から参戦しているのだろう。 逆を言えば、下から見ていけば、十貴に逃げ場はないわけで。 「千喜さん。あのシスター型のマスター、知ってるの?」 「まあね。バトルも終わったし、行ってみようよ。ボコボコにしたら、きっと教えてくれるよ」 コンソールには、予選バトルロイヤル終了の表示がされている。予選突破した名前が表示されていく中に、もちろん十貴とジルの名前も記されていた。 「ほ……ほどほどにね」 「お疲れ様、ジル」 マスターの出迎えの言葉に応じるより先に、バーチャルフィールドから帰還したシスター型神姫が確かめたのは、コンソールに表示されている順位表。 「………三位か。やっぱ、プシュケ辺りで遊びすぎたな」 今回の予選での撃墜スコアは、上から三番目。少なくともジルより勤勉に敵神姫を倒していた奴が、二人はいるということだ。 「だからバビロンまで使うのって聞いたじゃない。セカンド上位に行くまで、今の装備で何とかするって言ってたのに」 サードランクを一瞬で駆け抜けて、現在のジル達の所属ランクはセカンドの半分から下辺り。 ジル曰く、この辺りで基本装備以上の新兵器や装備に頼るようでは、上で戦えるワケがない。それが、かつて初期装備だけでアーンヴァルと戦い抜いた、神姫バトル最古参プレイヤーの誇り………だったはずなのだが。 「や、なんかあんだけ殴られてると、腹立ってさぁ。三秒ルールって言うじゃんか」 その三秒はどう考えても違う三秒だったが、あえて言わないことにする。 「……まあ、ジルがいいんならいいけどね」 ジルは戦う係。 そして十貴は、それをサポートする係。 実戦で新武装を使おうとしないジルの実働データが取れたとなれば、十貴にとっては喜びこそすれ、困る理由はどこにもない。 後は相棒がのびのび戦えるよう、装備の調整をするだけだ。 「や、十貴君。大活躍だったねぇ」 装備一式を片付けて。撤収できるようになった彼らに声を掛けてきたのは、長身の青年だった。 「あれ……倉太さん。来てたんですか?」 ストラーフのジルの命の恩人にして、シスター型のジルの生みの親。正確にはその橋渡しをした人物であるのだが、恩人である事には変わりない。 「ちょっと野暮用でね。ジル君の様子はどうだい?」 「勝ったぜ!」 「……そりゃ、キミなら勝って当たり前だろうさ」 本来のジルは、神姫バトル黎明期から最前線で戦い抜いてきた歴戦の猛者だ。 ホームグラウンドのショップならともかく、サードからセカンド中位のプレイヤーが中心の東条神姫センターでは、その実力は限りなく反則に近い。 「そっちじゃなくて、装備のほうだよ。隆芳先輩から素体の研究資料、もらったんだろう?」 「はい。基本の構造は分かりましたけど、パワーの調整が難しくて……」 実のところ、今の新装備の耐用時間は最大出力で連続十秒ほど。三十秒を超える耐用試験は、まだしていない。 「リミッターを付ければ簡単ですけど、それじゃ意味がないですし……」 セカンド中位を超えるまで、実戦はデフォルト装備のままで戦う。 そのジルの誇りが、自身の熟練度を上げるだけでなく、装備の実用性も理由の一つだということは……もちろん、十貴にも分かっていた。 彼女の実力ならば、あっという間にセカンドの上位に乗り込んでしまうだろう。それまでに何としてでも、実戦投入出来るだけの目処を立てておかなければならない。 「それであそこまで形にしてるのか……」 その時、倉太の肩から響いたのは、鈴の鳴るような澄んだ声。 「十貴さん。今度来たときにでも、あたしの武装、見てみます?」 倉太の神姫。両耳に小さなユニットを備えた、ポニーテールの少女だ。 「あたしの身体、ジルさんとは同じ系列ですから。何か参考になるかも」 「いいんですか?」 十貴の言葉は少女ではなく、主の倉太へ向けて。 ポニーテールの少女は倉太の神姫ではあるが、同時に彼の所属する研究室の備品でもある。中にどんな機密が潜んでいるか、予測も付かない。 「スライガーならいいよね? 倉太」 「エリがいいなら、任せるよ」 話がまとまったところで、席を立とうとして。 筐体の並ぶ通路の向こうに姿を見せたのは、一人の少女。 「あ、長門さん! あそこの席っ!」 遠くからでもひと目で分かる。そして、この状況下で彼女が何をしてくるのかも。 「……やばっ。ジル!」 十貴は彼女の異能のことを知らない。 けれど、彼女の暴力性は十分以上に熟知していた。 「お、おう!」 慌てて相棒を肩に乗せ、武装群の入っているキャリングケースを反対の肩へと担ぎ上げる。 「千喜のことは任せてくれて構わないよ。十貴君たちは、どこかで次の本戦の準備をするといい」 「た、助かります! 倉太さん!」 長身の青年にそう声を投げておいて、十貴が向くのは千喜が迫る通路の逆方向。確かそちらには、非常階段があったはず。 「気分的に、女装のほうのキミに言って欲しい言葉だけど……って痛い痛いエリ、そんな引っ張らないでよ! 髪が抜ける、抜けるっ!」 「この、見境なし!」 「………倉太さん?」 自分の神姫に思い切り髪の毛を引っ張られている青年を心配そうに見上げれば。 「ほら。後はあたしたちが何とかしといてあげるから、行った行った!」 照れたように叫ぶ神姫の言葉に、十貴は通路を今度こそ走り出すのだった。 赤い色が、空の半分を覆っている。 「あーあ。結局、聞きそびれちゃったなぁ……」 足下に長い影を曳きながら呟くのは、千喜。 「ま、それは次の楽しみに取っておこうよ。長門君だって、そう言ってくれただろう?」 そして、彼女の隣を歩くのは、千喜の影よりはるかに長い、青年の影。 「そう……だね。うん、そうする」 ぽそりと呟き、小さな影は大きな影の内へと重なり合って。 道路を歩く少女も、青年のコートにそっと頬を埋めている。 彼女たちの肩や頭に腰掛けた神姫達も、幸せそうな少女の様子を穏やかに眺め、微笑むだけだ。 「久しぶりだね、こういうの」 「そうだね」 聞こえるのは、烏の声。 住宅街の、夕暮れ時だ。 遊ぶ子供の帰宅時間にはやや早く、買い物の帰りには少しだけ遅い。誰か必ずいるはずの時間に生まれた意外な空白の中、二人の影は寄り添い歩く。 やがて、十字になった角を曲がれば。 「あれ? あそこ歩いてるの……」 目の前をふらふらと蛇行する、自転車の存在に気が付いた。 ロードバイクと呼ばれる、見慣れた形の自転車は……。 (道、変えるかい?) 寄り添う倉太から流れ込んできたのは、そんな思考。 「……ううん。もうすぐ巴荘だし、いいよ」 千喜からは切り出しにくいと思ったのだろう。その心遣いを嬉しく思いながらも、千喜は静かに首を横に。 「おーい!」 掛けた声に、ロードはゆっくりと停止。 「ああ……千喜と、倉太さんスか……。二人とも、いま帰り?」 振り返ったのは、千喜と倉太の予想通り。 彼女たちの暮らす巴荘102号室の住人、武井峡次だった。 「うん。峡次も?」 「まあな……」 「何だかお疲れだねぇ」 いつもなら、少年の口数はもう少し多い。それが今日は、珍しく憔悴しきった様子を見せている。 「………まあ、色々ありまして。大会はどうだった?」 「…………」 「残念ながら、予選落ちでしたわ」 途端に不機嫌そうになった千喜に代わり、彼女の頭に腰掛けていたプシュケが答えてくれた。 「峡次さんのフィールドシュナイダーもちゃんと役に立ってくれましたし………。ノリコは?」 いつも峡次に寄り添っている砲台型神姫がいない。 大太刀をプシュケに預けてくれたのは、彼女だ。ノリコにもちゃんと、報告をしておきたかったのだが……。 「ああ、ノリはこの中」 峡次が指したのは、背負ったバックパックだった。 「調子が悪いんですの? それともバッテリー?」 「や。研修がハードだったみたいでさ。色々覚えた事が整理し切れてないみたいで……」 「大変ですわね」 通常の動作をシャットアウトしてまで処理に向かうなど、よほどの情報が詰め込まれたのだろう。 フォートブラッグの情報処理能力は、機動動作や近接戦の処理ルーチンが弱いぶん高いと言われるのだが。それで対処できない情報量となると、プシュケには想像も付かない。 「じゃ、俺、帰って寝るわ。シュナイダーの調整とかあったら、いつでも言ってくれな………」 そして、峡次の乗ったロードはその名にそぐわぬ鈍い動きで、ゆっくりと道を走り出す。 「いつでもって、そんな死にそうなのに声かけらんないでしょ……」 転倒寸前の緩やかな動きに、千喜は珍しくそんな言葉を呟くのだった。 戻る/トップ/続く