約 483,594 件
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/55149.html
【検索用 ふかんぜんれっとうがーる 登録タグ UTAU ふ ミリ子 曲 波音リツ】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:ミリ子 作曲:ミリ子 編曲:ミリ子 絵:琴葉猫(はね公) 唄:波音リツ 曲紹介 インクで消した最後の想いを手紙みたいに丸めたよ。 曲名:『不完全劣等ガール』(ふかんぜんれっとうガール) ミリ子 氏の7作目。 コンピレーションアルバム『下剋上』収録曲。 歌詞 (Piaproより転載) ひっくり返した裏の裏の言葉の意味を感じてさ もう見えなくなった文字列さえ縋り付いて泣き出した インクで消した最後の想いを手紙みたいに並べてさ 真っ暗闇の示すその意図に何の意味もありゃしない 目隠しで歩いて三歩 細い細い吊橋の最後 鈍器で殴られたようなキレイキライ警告 もう散々狂って泣いたって後戻りは出来ないって結局 散在壊したあんたがヘラヘラ諂うの で、だんだん抱いた感情はアスファルトと溶けて固まって 散々無視したサイレンがキラキラ鳴り出すの ねえ歌ってねえ叫んでねえ 僕の居るべき場所なんて何処にも無くなって 取っては返した意味の重さの答えをずっと探してさ もう見えなくなった言葉にさえ平気な振りで笑ったよ インクで消したあの日の想いを手紙みたいに丸めてさ 真っ暗闇の嘘のその先に何の価値もありゃしない 目隠しで歩いて三歩 長い長い想い出の散歩 出口に拒まれたまま迷う迷う もう散々狂って泣いたって後戻りは出来ないって結局 散在壊したあんたがヘラヘラ諂うの で、だんだん抱いた感情はアスファルトと溶けて固まって 散々無視したサイレンがキラキラ鳴り出すの ねえ歌ってねえ叫んでねえ 僕の歩いてきた道なんて何処にも無くなっていたんだ ひっくり返した裏の裏の言葉の意味を感じてさ もう見えなくなった文字列さえ縋り付いて泣き出した インクで消した最後の想いを手紙みたいに並べてさ 「真っ暗闇の示すその意図に何の意味もありゃしない」ってね コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/multiple/pages/246.html
意志×拳 ◆T4kibqjt.s 中指の腹に小さなトゲが刺さっていた。 不意に走った痛みの正体はこれだったかと、レナは引っ込めた手を庇うようにやんわりと包む込む。 気付かぬうちに木のささくれに触れていたらしい。切り揃えられた爪の先で器用に痛みの元を取り除くと、一拍遅れてぷくりとした血の球が生まれた。 手持ちのハンカチでさっと拭う。お気に入りの花柄を汚すのは嫌だったが、我慢するしかない。 嫌なのはむしろ、ちょっとした痛みにみっともないくらい大きく身構えてしまったことの方だ。 声を上げるようなことこそしなかったものの、ほんの些細な刺激にすわ敵襲かと過剰反応してしまった。事実を知ってみれば滑稽でしかない。 細かな傷など、森を歩けば自然に付くものと知っていたはずだろうに。 闇雲な警戒心に振り回された結果、疑心暗鬼に陥っていたというのか。失敗の許されない、この状況で。 焦ってはいない。かすかな欺瞞が何を言ってこようと、せめてそう思いたい。 血が止まらなかったので同じように何度か拭った。 「ああ……悲しい……もう何度目かも分からない悲しい話をしよう……」 「お、おいまた始めたぞこいつ……」 約束の時間は迫っていた。まだ急ぐ必要はないが余裕を持って合流するならそろそろ移動を始めたい。 こちらから別行動を提案しておいて待ちぼうけを食らわせるのは常識で考えても失礼だろう。 基本には忠実であるべきだ。たとえそれが、ただの待ち合わせでない場合でも。 「俺は、俺たちは仲間となるべき人材を求めてこうして歩き回っていたんじゃないのか。 ああ、そのはずだ。だからこそわざわざ暗い、足場も悪い森の中をさまようなんて真似をしているんだからな。 まるで変質者だがその実そこにはこんな場所に隠れでもしないと平穏を得られない弱者を保護しようという崇高な目的がある。 俺は何でもかんでも壊すことしか考えられないイカれ野郎だが、だからこそ素晴らしいものには素直に称賛を送りたいと思う。何せ俺の命の恩人の発案だ。 さらにそれがギラーミンの企みを壊すことに繋がるとなれば、乗らない理由はどこにもないだろう。 ラッドの兄貴が人を殺し俺は奴の野望を壊す。改めて口に出してみたが完璧。やはり完璧だ。どこにも綻びなんて見当たらない。 それでもこの完璧さを再確認する意味で敢えて別の言い方を考えるとしたら……パーフェクト、だ」 「何も変わってねぇじゃねぇか!?」 「……見たか、この理想的なリアクションを。いや、たとえ見えなくても、聞くことしかできなかったとしても構わない。 それだけでも今のが正に俺の期待した反応だと言うことは十分に伝わるはずだ。 いささかベタすぎるところはあるがそれについては俺も偉そうなことは言えない。互いの反省点として記憶に留めておこう。 シャフトの野郎ではこうはいかん。……やっべぇ、まじ嬉しい。もしかして俺ってば最高のパートナーに巡りあったんじゃないだろうか。 見た目が全然人間っぽくないとかラッドの兄貴を差し置いて最高とはどういうことだとかはこの際横に置いておこう。 俺が言いたいのはつまり俺たちはチームとしても最高だと言うことだ。 大分回り道をしたような気もするが俺の主張はこの一言に集約しれていると言ってもいいだろう。 素晴らしい……本当に素晴らしい。運命というものが本当にあるなら俺はそれを決めた奴に一生頭を下げ続けなくてはならない。 常に下しか見えない生活は余り想像したくはないが、それくらいのことをしないと俺の感謝の気持ちは表現できない。 なのに!なのにだ!そんな最高の俺たちが弱者を保護ようと歩き回っているというのに、誰とも出会わないとはどういうことだ!?」 考えがなかった訳じゃない。勝算がなかった訳でもない。 これまで得た情報。会場の広さ。決意を示すために多少ハードルを上げたとは言っても、三人は可能な数字だと思った。 結果は、期限を前にして勧誘どころか接触すらもゼロだけれど。 約束を違えたとか。 イスカンダルに認められたいとか。 そういうのではないけど。 一つの失敗は。そのまま部活メンバーの危険に繋がるから。 ぎゅっと、強く手を握った。 「何故だ!?俺たちのやっていることは曲がりなりにも正義に近いことのはずだ!それにさえ神は背を向けるというのか!? ……いや、すまん。『正義』などと言う言葉を軽はずみに使ったことは謝ろう。俺みたいにぶっ壊れた野郎が口にしたことも含めてだ。 仮に今のセリフを聞いたやつは嬉々としてこういうだろう。『お前の正義が別の人にとってもそうだとは限らない』と。 ああ分かっている。人間誰しもそういうのをカッコいいと思っちまう時期があるもんだ。俺にだってあった。 それに別に間違ったことを言ってる訳じゃない。むしろ正しい。何でも疑ってみようというその態度は大いに誉められるべきだと思う! それでも!それでもだ! 俺は今の自分の発言のせいで議論が『正義とは何か』などという高尚な方向に流れてしまい、結果本当に俺が言いたかったとが無視されるんじゃないかという恐怖で一杯だ!! それを防ぐためなら俺はちょっと背伸びしたい年頃の連中に馬鹿にされることくらい、喜んで耐えようじゃないか! 奴らがなんと言おうと俺たちのしていることは決して貶されるようなことではないはずだ!普段貶されるようなことばかりしている俺がそう思うんだから間違いない! だが現実は非常だ!良いことだからと言って上手くいくとは限らない……分かっちゃいる……。 分かっちゃいるが一つ言わせろ……悲しい……この現実が悲しい…………ああ悲しいなぁ! せっかく!せっかく!!俺の命の恩人が考えた作戦だというのにッ!俺はッ!クソッ!何の役にも立っていないッ! それどころかッ!壊してッ!壊してッ!壊すことばかり考えている俺はッ!この最高のチームの……………… ……足手まといなんじゃないのかああああああああああああああああ!!!?」 「ぎゃああああああああ!?」 絶叫とともにグラハムが降り下ろしたレンチにチョッパーが目を飛び出させて悲鳴を挙げた。 湿った泥と草の地面は小型レンチで殴り付けられただけとは思えないほど陥没し、気のせいかしゅうしゅうと煙を立ち上らせているようにも見える。 原因不明と表現しても差し支えない突発的なグラハムの暴力は、位置的にチョッパーの頭上に落とされていてもおかしくはなかった。 地面の代わりにチョッパーの頭がへこむような羽目にならなかったのは多分偶然だ。グラハムの意思はあまり関係ないと思う。 レンチを降り下ろした姿勢のまましばらく固まっていたグラハムは、やがて小さくぽつりと呟いた。 「…………少しだけすっとした」 「俺は死ぬかと思ったぞ!?」 「だが俺は自分が楽になるために命の恩人を怯えさせてしまった……何て罪深い男なのだろう俺は……ああ悲しい……また悲しくなってきた……」 「お前もしかしてずっとそれ続けんのか!?」 幸せはもろい。 頑張って頑張って、その上にさらに頑張りを重ねないと手に入らないほど貴重なのに、やっと手にしたそれはあっけないくらい簡単に壊れてしまう。 油断してはいけない。今ある幸せは次の瞬間には崩れるんじゃないかと、常に思っているくらいでちょうどいい。 楽しい時を過ごせる幸運を忘れずに。 もしそれが取り上げられそうになったときは全力で阻止する。戦って戦って、戦いぬく。 たとえ自分が汚れ役になっても構わない。幸せは勝ち取るものだから。 「二人ともそろそろ移動しようか。時間もなくなってきちゃったかな……かな」 「ああ……そうだな……誰にも会えなかったことは悲しいが……俺は逆にこれを良い機会と考えあのおっさんにこう言ってやろと思う……。 『お前なんかの手下になりたがる奴は誰もいなかったぞざまぁ見ろ』と…………」 「そうだな!頑張ったって言えばきっと分かって……ってケンカ売る気満々だこいつーー!?」 出会ってからこちら、ちっとも変わらない騒がしさに思わず苦笑してしまう。 雛見沢とは似ても似つかない、それでいて部活メンバーのように明るい仲間。 では、その仲間を心の奥底でほんの一部でも裏切っている自分は何なのか。 「レナ、顔色があんまり良くないぞ……もしかして疲れてるのか?」 レナの浮かべた笑みは一瞬浮かんできた礼奈の顔を覆い隠せるくらいには純粋なものだったはずだ。 それでもやはり本業の医者の目は誤魔化せないらしい。 「何だと……それは良くない……もしおっさんに何を言われるか気にしているなら心配するな……。 実は俺はさっきから奴の全身の関節をどうやってバラバラにするか……そればかり考えていた……」 グラハムも、彼なりの表現ではあるが心配してくれているのだろう。 終始だるそうに伏せられていた顔を向け、鬱蒼と伸ばされた髪の隙間からレナを見る。濁りがちだった視線に気遣いの色が見えた。 「あはは……敵わないなぁチョッパーくんには。でも大丈夫だよ。 グラハムさんもあんまり危ないことは言わないで欲しいかな、かな」 胸の前で両手を振って困ったように笑う。 医者としての性分からか尚も渋るチョッパーとまた何かぶつぶつと呟きはじめたグラハムを半ば追い立てるようにして歩き出した。 集合場所は劇場。 約束した仲間は見つけられなかったけど、最善の選択だったかも分からないけど、行動だけは全力を尽くしたと信じて。 移動時間の短縮と僅かでも誰かに会える可能性が上がることを願って通り道は一番大きな通りを選んだ。 その選択が、レナを一人の男と巡り合わせる。 ◇ ひびのような縦線が走る腕を引きずるように歩く。一人が占拠するには広すぎる大通りの中心で、誰に憚るでもなくゆっくりと。 歩みの遅さは全身を蝕むアルター化の後遺症に苛まれているからでも、絶望に足を絡めとられたからでもない。 その証拠に男、カズマの目は純粋な光に満ちている。 純粋な、飢えと獰猛な本能と攻撃的な意思に満ち、ギラギラと棘ののように鋭い光に溢れている。 行くあてはない。それにも関わらず迷いはない。 考えはあるが、恐らくそれを聞いたものは一様にこう言う。そんなものは考えてるうちに入らない、と。 構わないと吐き捨てた。誰とも知れぬ輩に馬鹿だクズだと後ろ指をさされることにはとっくに慣れきっている。 彼らの言うことを否定する気もない。実際頭を使うのは苦手だ。 だが、だからどうした。 考えることさえ人任せにして、カズマはただ己が唯一誇りとする拳を振るって歩く。 ただの馬鹿でしかないカズマは、ロストグラウンドの粗暴な日常に戻る方法を他に知らない。 太く短く。そう月並みに表現することさえ憚られるカズマの生き方は、多くの者にとって理解の範疇を越るものだった。 荒くればかりのロストグラウンドにあってさえカズマほど尖りのある生き方をするものはそう多くない。 異端なのだ。カズマという男は。どこに行っても。 それでも、ロストグラウンドの生活では親しくしていた者がいなかった訳ではない。 兄貴と慕った男がいた。肩を組んだ相棒がいた。同じ屋根で暮らした少女がいた。 暴れることしか脳のない男の手綱を握ろうとする者たちがいたからこそ、曲がりなりにもカズマは日々の生活を送ることができていた。 今となっては、そのどれもが遠いものになってしまったが。 獣を繋ぐ鎖となる人物はもういない。 がむしゃらに猛る心を静めようとする仲間も、いたいけな少女に容赦なく振るわれる拳を押さえつけてくれる友もいない。 名を刻んだ者たちもことごとく逝ってしまった。 一匹だけになった獣は、ただひたすらに牙をむき続ける。 出会うはずのなかった技術によって加熱された本能が焼き切れるそのときまで。 持ち手をなくした手綱が、再び握られるときはいつのことか。 そして、カズマは一人の少女と巡り合った。 「私は竜宮レナ。あなたに戦う意志がないなら、話を聞いてくれると嬉しいな」 仲間より一歩前に出て、少女は手を差しのべる。 土壇場で掴んだ千載一遇のチャンスを決して逃すまいと。仲間を救うための選択を決して誤るまいと。 「関係ねぇな」 男はその手を払い除ける。 誰もが等しく敵でしかない。拳は手を握るためではなく、潰すためにある。 これまでと同じく。これからも変わらず。 交わるはずのない運命を引き寄せるのは意志の力か。立ちはだかる壁を打ち貫くのは拳の力か。 二人、己の太さを競い合う。 【E-3道路/1日目 昼】 【カズマ@スクライド】 【状態】:COOL 疲労(大) 全身に負傷 砂鉄まみれ 右腕に痛みと痺れ 右目の瞼が上がらない 右頬に小さな裂傷(アルターで応急処置済み) 腹部と頬に打撃ダメージ、脇腹と左肩に銃創 【装備】:桐生水守のペンダント(チェーンのみ)、スタンドDISC『サバイバー』@ジョジョの奇妙な冒険 【道具】:基本支給品一式×4(食料を3食分、水を1/3消費したペットボトル×2、)、不明支給品(0~5)、聖剣グラム@終わりのクロニクル モンスターボール(ピカ)@ポケットモンスターSPECIAL、君島邦彦の拳銃@スクライド 【思考・状況】 1:ロストグラウンドに戻り、かなみを助ける。そのために優勝する 2:ギラーミンを殴り飛ばす 3:ムカつく連中をぶん殴る。(ゼロ:誰かはよく分かっていない、仗助:死亡を知らない、クレア、レヴィ) 4:次に新庄、伊波と出会ったら…… 5:メカポッポが言っていた、レッド、佐山、小鳥遊に興味。 ※ループには気付いていません ※参戦次期原作20話直後。 【チーム名:○同盟】 1:主催者の打倒。 2:二チームに分かれ、それぞれで『ノルマ』(仲間集め、殺し合いに乗った者の討伐を、計三人以上行う)を達成する。 3:出会い、信用した相手に印のこと(腕に○の印を描き、その上に包帯等を巻く)を教える。 4:次の放送時に劇場へ集合。 5:サングラスにスーツの男(無常)、クロコダイル、サカキ、アーチャー、ミュウツーを警戒。クレアという女性を信用(グラハム以外) 6:ラッドについては微妙(グラハムの兄貴分という情報はあります)。 【竜宮レナ@ひぐらしのなく頃に】 [状態] 健康 私服 右腕に○印 僅かに罪悪感 [装備] 包帯 二重牙@トライガン・マキシマム [道具] 支給品一式(一食分、水1/10消費)、ドライヤー [思考・状況] 0 ノルマに従いカズマを勧誘、あるいは討伐する。 1 とりあえずはグラハム・チョッパーと行動し、『ノルマ』を達成する。 2 部活メンバーと合流したい(ただし、積極的に探すかは保留) 3 劇場へ向かう。 4 何とかして首輪を外したい 5 イスカンダルの勧誘は保留。 ※『○』同盟の仲間の情報を聞きました。 【トニートニー・チョッパー@ONE PIECE】 [状態] 健康 腕に○印 悲しみ [装備] なし 包帯 [道具] 支給品一式(一食分、水1/10消費) タケコプター@ドラえもん、 タオル、救急箱 [思考・状況] 1:グラハム・レナと行動し、『ノルマ』を達成する 。 2:仲間と会いたい 3:グラハムの様子を見る。 4:劇場へ向かう。 5:ギラーミンを倒し、脱出する。 6:イスカンダルの臣下になるかはとりあえず拒否。 ※レナからはあまり情報を受けていません。圭一たちについての情報は知りません。 ※参戦時期はCP9編以降。 ※『○』同盟の仲間の情報を聞きました。 【グラハム・スペクター@BACCANO!】 [状態] 健康 ちょっと凹み 青いツナギ姿 腕に○印 [装備] 無毀なる湖光@Fate/Zero 包帯 小型レンチ [道具] 支給品一式、(一食分、水1/10消費。うち磁石は破損)、スペアポケット@ドラえもん、かぁいい服 海楼石の網@ONEPIECE [思考・状況] 1 レナ・チョッパーを助ける。 2 ウソップを殺した者を壊す。 3 イスカンダルに敵意。 4 殺し合い自体壊す 5 ラッドの兄貴と合流、兄貴がギラーミンを決定的に壊す! 6 イスカンダルの勧誘は断固拒否。 ※レッドたちがクレアを信用していることを知りません。 ※『○』同盟の仲間の情報を聞きました。 時系列順で読む Back This Speed Never Ends(後編) Next No Problem 投下順で読む Back This Speed Never Ends(後編) Next No Problem Back Next 路傍の石 カズマ CIRCLE RHYTHM ~追想のディスペア~ 忍び寄る悪意 竜宮レナ CIRCLE RHYTHM ~追想のディスペア~ 忍び寄る悪意 グラハム・スペクター CIRCLE RHYTHM ~追想のディスペア~ 忍び寄る悪意 トニートニー・チョッパー CIRCLE RHYTHM ~追想のディスペア~
https://w.atwiki.jp/bankett/pages/166.html
《歪まれし防衛プログラム“闇の書の意思”》 魔法使い ●●●6/4 攻撃力 7/耐久力 7 [[イラストレーター]]:十野弥生 このキャラクターが受けたダメージは代わりに このキャラクターをコントロールするプレイヤーが受ける。 このキャラクターは[[アタック宣言]]可能なときは アタック宣言しなければならない。 ・考察etc ここに記入する予定です。
https://w.atwiki.jp/ifrozenteacherss/pages/553.html
お尻をしたたかに打ちつけた。 息をつまらせるほどの衝撃が、彼女の小さな体を突き抜ける。 「……あううっ……」 体をくの字に折り曲げ、苦悶にうめいた。 ぱらぱらと砂の跳ねる音が、急激に治まっていくと、やがて辺りは、空恐ろしいほどの静寂に包まれた。 雛苺は、恐る恐る両目を凝らした。 暗い。まだ目が慣れていないのもあるが、おぼろげに手のひらの形が確認できる程度だ。 光源を求めて頭上を仰ぐと、天井には直径一メートルほどの大穴が、ぽっかりと口を開いていた。 大穴までの高さは、三メートルほど。その向こうには、晴天を覆い隠すように、四方から樹木の枝が張り出していた。 ……もしかして、あの穴から落ちたのだろうか。 怖気が、どっと押し寄せてきた。全身の震えが止まらなくなった。 予期せぬ事態に巻き込まれてしまった。 どうしよう、どうしよう、どうしよう。思考が、袋小路に迷い込んだ。 ……と。 「……いたたたたた……」 すぐ傍から聞こえた、知己の声。 はっと我に返った。雛苺は、打撲の跡がずきずきと痛むのも構わず、立ち上がった。 苦痛に顔を歪め、懸命に体を起こそうともがく親友に、力を貸す。 「かなりあっ、大丈夫……なの?」 「いいっ……一体、何が、起こったの……?」 話は、ほんの数分前にさかのぼった。 平日の午前八時。通勤途中の二人は、なぜか学園の裏山の真っただ中にあった。 「ここを通り抜ければ、通勤時間が二十分は短縮なのかしらーーっ♪ ちょーーっと骨が折れるけど、お布団の中でまどろむ二十分には替え難いのかーーしらぁ。慣れてしまえば、どうってことないのかしらーーっ」 「夜更かしなんてしないで、もう二十分早く寝ちゃえば、こんな苦労、しなくても済むのに……」 「ふっふっふー、雛苺はやっぱりお子ちゃまねーー。いい? 片道で二十分短縮できると言うことは、往復に直せば何と四十分!! これからは毎日、今までより四十分も多く、有意義な時間を過ごせるのよーーっ。これってぇ、多忙な教職にある私たちにとって、なーーんて素敵なことだと思わないかしらぁ?」 「かなりあは、四十分増えても、きっとだらだらするだけだと、ヒナは思うよーー?」 例によって、取らぬ狸に心躍らせる金糸雀と、腐れ縁から渋々つき合わされる雛苺の二人。 慣れない不整地の踏破に、とうとう音を上げそうになった、その時のことだった。 足元が、唐突にすっぽ抜けた。 「うわわっ、なのっ!?」 「かーーしらーーっ!!」 地面が、ぽっかりと口を開いた。二人は手を取り合ったまま、暗闇の中に吸い込まれていった。 「うーーっ!! 元はと言えば、カナがあんなこと言い出すから、こんな羽目になったのっ!!」 「そっ、それは……カナだって、たまには過ちを犯すことがあっても、不思議ではないのかしら……わわっ、悪かったと思ってるのかしら……。ででっ、でも、今はそんなことよりも、自分たちの置かれた状況を確かめるのが、先決じゃないかしら……?」 二人とも、小柄だったことが、落下のダメージを最小限に食い止めた。目立った外傷はなかった。脂肪の厚いお尻から落ちたことも、運に味方したのだろう。 すり傷や切り傷の類は、普段から生傷の絶えない二人だから、携行している傷薬と絆創膏で、充分に対処できた。 暗闇にも、目が慣れてきた。二人は、用心深く、辺りの様子を探り始めた。 そこは、明らかに人工的な建造物の一部だった。 石畳の床、レンガが積み重ねられた壁、漆喰で塗り固められた天井。 経年劣化こそ否めなかったが、造りは全体的に堅牢そのもの。 戦時中の防空壕の類だろうか? それにしては、造りに、意匠に凝った傾向が見受けられた。 二人が落ちたのは、どうやら通路の中ほどのようだった。前後に道が続いている。 闇に溶け込んだ先には、一体何が待ち受けているのか。興味を覚えなくはなかったが、今は脱出が最優先だった。 急がなければ、始業時間に間に合わない。また、ラプラス教頭に、ネチネチと小言を言われる。 もしも、脱出できなかったら……。そんなネガティブな思考は、頭の中から追い払った。 「うわわっ、かなりあっ、危ないのーーっ。ここはおとなしく、助けを求めたほうが賢明なのーーっ」 「す、少し待つのかしら……。あとちょっとで、ここに手が届くのかしら……」 金糸雀は、天井から崩れ落ちた土砂を足がかりに、レンガの壁のすき間に、懸命に手を伸ばした。 指をかけたレンガがぐらつく。バランスを失って、足場から滑り落ちた。間一髪、後ろで身構えていた雛苺に、抱き止められた。 「だから、ヒナは危ないって言ったのーーっ!!」 「ううっ……仕方がないのかしら……」 金糸雀は、上着のポケットから携帯電話を取り出した。始業時間には間に合わなくなるが、観念して仲間に頼ることにする。 二つ折りの筐体を開き、液晶ディスプレイをオンにした。圏外と表示された。 「うわわわわわっ、どうするのっ、どうするのっ、どうするなのーーっ!? 助けが呼べないのっ、ヒナたち……ずっと、ここにこのまま放置されちゃうのーーっ!?」 「おおおおおっ、落ち着いてっ、雛苺っ!! まままっ、まだ、電波が届かないと、決まったわけではないのかしら……」 雛苺の携帯でも、結果は覆せなかった。 二人は、電波の届く位置を捜して、落下地点を離れ、暗闇の中へと踏み入った。と、その時だ。 地下通路が、轟と鳴動した。間近に雷が落ちたような衝撃が、鼓膜をびりびりと打ちのめした。 土煙が、もうもうと舞い上がった。天井から、漆喰の破片が、ぱらぱらと落ちてきた。 二人は、びくびくと身をすくませ、その場に立ち尽くした。振り返るまでもなかった。 光が閉ざされた。携帯のディスプレイ以外、一条の光も射し込まない、真の闇の中に取り残された。 二人の落ちてきた入り口が、跡形もなく消え去ったのだ。 雛苺と金糸雀は、お互いの手をきつく握り締めた。 有栖学園の職員室と連絡が取れたのは、それから数分後のことだった。 要領を得ない翠星石に代わって、蒼星石が受話器を取る。雛苺と金糸雀が、入れ代わり立ち代わり電話口に出た。蒼星石は、そんな二人を懸命になだめつつ、事態の把握に努めた。 仲間の教師たちと共に、現場に急行した。 雪華綺晶が、慣れた様子で、山中に残された二人の足跡をたどっていく。 問題の場所は、程なく特定できた。が……。 「こっ、これは……」 蒼星石の表情に、険しさが増した。額の汗を拭うように、前髪をかき上げた。 眼下の山林には、直径十メートルほどもある、大きなクレーターがうがたれていた。 崩れた土砂の中に点在する岩石には、直径が一メートルを超える物も含まれ、また、周囲の高木も何本か巻き込まれていた。 手作業で対処できるレベルではなかった。重機でもなければ、とても歯が立ちそうにない。 しかし、ここは、整備された道路から三百メートルは離れた、全く手つかずな山の中だ。重機など、運び入れることすらおぼつかなかった。 と、雪華綺晶が、背負ってきたバックパックの中から、何かを準備し始めた。 カーキブラウンの紙に覆われたブロックを、かたわらに積み上げていく。 懸念を覚えた蒼星石が、その正体を訊ねてみると。 「……C4爆薬……」 俗に言う、プラスチック爆薬だ。蒼星石は、慌てて彼女を制止した。 雪華綺晶の技術を疑うわけではない。が、素性も明かされていない建造物に対して、発破は早急すぎた。何がどう裏目に働くか分からないのだ。 何と言っても、ことは大切な仲間の生命に関わるのだから。 雪華綺晶も納得した。フィルムを逆に再生するように、爆薬の塊をバックパックに戻していく。 そうだ。最終的にどんな手段に訴えるにしろ、まずは、その正体を明らかにせねば、話にならなかった。 蒼星石には、心当たりがあった。この裏山は、学園の敷地も含めて、全てローゼン校長の私有地だったはずだ。 地下に埋もれた謎の施設も、校長に縁の物かも知れない。 見計らったかのように、彼女のポケットの携帯電話が鳴った。ローゼン校長からだった。 「事態は呑み込めた。全員、すぐに戻ってきてくれ」 滅多になく、威厳を感じさせる声だった。 雛苺と金糸雀を救出するため、有栖学園の会議室に、主要な仲間たちがそろった。 ローゼン校長は、作業用の大きなテーブルに、すっかりぼろぼろになった一枚の図面を広げた。 校長と教頭を除く全員が、目を見張った。そのくすんだ紙に描かれたのは、明らかに建造物の一部だったからだ。校長は、鷹揚にうなずいて、一同の視線に答えた。 「しかし……この図面は、相当古い物と見受けられますが……?」 蒼星石が、ヘテロクロミアの目を光らせた。 「ああ。この図面も、裏山の地下の隠れ家も、1930年代の中頃に、この俺の今は亡き祖父さんの手によって、こしらえられた物なんだ」 「1930年代と言うのは……第二次世界大戦の直前ですわね。校長は、隠れ家とおっしゃいましたが、防空壕とは違うのですか?」 真紅が、割り込んだ。 「うむ。日本で防空壕が造られたのは、第二次大戦の末期になってからだ。そもそも、航続距離の長い戦略爆撃機自体、当時はまだメジャーな存在ではなかった。日中戦争すら始まってなかった時代に、誰が本土爆撃など予想できただろうか?」 「では……何ゆえ、これほど大仰な物を、わざわざ地下に造られたのです? 確かに当時の日本では、生粋のドイツ人であられたお祖父様は、多くの注目を集めたことでしょう。ですが、この建造物の規模は、単なる隠れ家の範ちゅうを超えています。何か、特別ないわく因縁があったのではありませんか?」 「ひょっとしてぇ……警察に追われていたとかぁ?」 水銀燈が茶化すが、ローゼンは眉根一つ動かさず、こう答えた。 「違う。祖父さんは、ナチスに追われる身の上だったんだ」 空気が、一瞬にして凍りついた。 ハーケンクロイツ、ホロコースト、焚書……。血と炎に象徴された歴史の暗部が、一同の脳裏に重く圧しかかってくる。 が、校長の続けた次の一言が、座を一転して白けさせた。 「祖父さんは、高名な錬金術師だったんだ」 「何を言い出すかと思えば……結局は、詐欺師に過ぎなかったんじゃないの……」 真紅は、眉根を押さえた。この校長を相手に、一瞬でも真摯に聞き入ってしまった自分を、深く恥じた。 「まあまあ……錬金術の真偽については、とりあえず置いといて……ヒトラーがオカルトに傾倒したのは、周知の事実だろ? ナチスに利用されることを恐れた祖父さんは、潜伏先として日本を選んだ。灯台もと暗しと言う奴さ……。当時の日本とドイツは、お互いに急接近しつつあって、遂には同盟国と相なった。ナチの連中も、逃亡者が、まさか同盟国に潜んでいるとは思いも寄らなかっただろうし、仮に感づいたとしても、日本の領土で大々的な捜査を繰り広げるわけにはいかなかった。……機嫌を損ねたくなかっただろうからね」 祖父が、まんまと逃げおおせたから、今の校長がある。 祖父が、莫大な財産を遺せたから、今の自由闊達な有栖学園が存在し得るのだ。 「……さて、真紅先生。君に一つ質問がある。君は……ラプラス教頭をどう思うかね?」 「は?」 真紅は、その質問の意図するところをつかみかねた。 ちらりとラプラスの様子をうかがうが、その赤い瞳は、虚空を見すえたまま、何も映してはいなかった。 「どうとおっしゃられても……教頭は、この学園の健全化に日夜尽力なさっている、見上げたお方ですわ。私、ことあるごとに、こう考えずにはいられませんの。爪の垢の伝説が本当だったら、どれほど素晴らしかったろうかと」 真紅の当てこすりを、しかし、ローゼンはさらりと受け流した。 「ラプラス教頭は、ウサギだ」 「それが、どうかされましたか?」 「ウサギが、直立して二足歩行する。人語を自在に操る。果ては、我々人類と生活を等しくする……。奇っ怪には思わないかね?」 「いいえ。その事実の一体どこに、異論を差しはさむ余地があるのです? 私には、見当もつきませんが」 ローゼンは、口元だけで薄く笑った。 「ふむ……では、具体的な事実とやらを列挙してみようか。例えば……こんなのがあるぞ? 身長一メートル八十センチのウサギの化石が出土された例は、ただの一度もない」 「……えっ?」 「どうした? ラプラス教頭とその一族が、進化の過程によって生み出された物なら、化石が残されていて然るべきなはずだ。……もう一つ、こんなのもあるぞ? 人類の歴史が始まって幾星霜、あまたの歴史書が綴られてきたわけだが、その中にただの一行も、人語を解するウサギの記述は載せられていない」 息苦しさを覚えた。 普遍であるはずの価値観が、ぐらりと揺らぐ。まがまがしい空気がじわじわと立ち込めてきて、肌があわ立った。 自明の理だった。何より、当のラプラス自身が、一言も異論を唱えなかった。 ややあって、翠星石が、重圧を振り払った。 「つまり、校長。おめーが言いたいのは、そいつが錬金術の力だっつーことですか?」 「そうだ。ラプラス教頭とその一族が存在するのも、この私に指摘されるまで、誰一人として、露ほどの疑念も抱かなかったことさえも。大気中に放出されたエーテルが、君たちの無意識野に影響を及ぼし、ラプラス教頭を一般人と何ら変わらない存在として認識させているのさ」 「それは……有り体に言えば、僕らは、一様にマインドコントロールされていると?」 蒼星石が、声を荒げた。怒りを覚えたからではない。ただ、戸惑う自分を抑えられなかっただけだ。 「……酷い……」 薔薇水晶が、ぼそりとつぶやく。 「おいおい、この俺をそんな目で見るなよー。今日まで実害はなかっただろ? ラプラス教頭の才覚は、誰もが認めることだし。……第一、これは全て、祖父さんが一人で仕組んだことなんだ。俺と俺の親父は、何一つ関与しちゃいない。そもそも、錬金術の具体的な仕様自体、一切受け継がれていないしー」 「なるほど……ここまでのところを総括すると、雛苺と金糸雀の二人は、かなり物騒な場所に閉じ込められていると、校長はそうおっしゃるのですね?」 真紅に促されると、ローゼンは、こくりとうなずいた。 「で、肝心な地下への入り口は、一体どこに隠されているのです?」 「旧校舎の真下、地下十五メートルの深さに埋められている」 衝撃の事実を、ローゼンは、さらりと言ってのけた。 「……な、なぜ、そんなことに……?」 真紅は絶句するも、努めて冷静に質疑を続けた。 「真紅先生の言葉を借りれば、物騒だから封印された。地下の隠れ家は、戦後の日本の占領政策が終わりを告げた時点で、役目を終えた。が、祖父さんが地下と決別したのには、もう一つ大きな理由があった。……からくり仕掛けの何体かが、暴走して手に負えなくなったからだ」 「そのからくり仕掛けが、封印されてすでに半世紀以上が経過した今でも、まだ活きていると?」 「その可能性は、否定できない」 「ぐずぐずしてはいられない。すぐに手を打たないと、取り返しのつかないことになってしまう」 性急に席を立とうとした蒼星石を、真紅は押しとどめた。 「校長には、何かプランがあるとお見受けしますが?」 「うむ。図面のここのところを見てくれ……」 待ってましたとばかり、ローゼンに得意そうな表情が浮かぶ。が、真紅ににらまれて、慌てて改めた。 一同は、固唾を呑んで、校長の一挙一動に注目した。 「裏山の裾野。ここに、カモフラージュされた通気孔が設置されている。ここからなら、地下に降りられる。ただし……通気孔の直径が、たったの三十五センチしかない」 「たったの三十五センチ? そんなに狭くちゃ、僕の体では、とても通り抜けられそうにないよ……」 「そうねぇ、私も胸がつかえちゃいそう。……そんな狭いところを潜り抜けられるのは、この中では、まな板な真紅くらいなものねぇ」 「だ、誰がまな板なのだわ!? ……って、えええっ!?」 一同に期待を込めたまなざしで射られ、真紅はうろたえた。 「そう言うことだ。私の知る限りにおいて、この孔を通り抜けられるのは、真紅先生と雛苺先生、金糸雀先生のお三方以外にない。そして、幸いなことに、真紅先生。君は、相当に腕が立つ。二人を助け出せるのは、君をおいて他にはいない」 ローゼンは、プランを締めくくった。 最終的な判断は、真紅自身にゆだねられた。 仮に彼女が拒絶したとしても、誰も彼女を責められなかっただろう。それほどの危険を伴った。 しかし、彼女は、戸惑いつつも、仲間たちの説得に応じた。元より、手をこまぬいているつもりはなかった。 次善の策として、陥没現場に発破をかけるにしても、どのみち二人の安全は確保せねばならない。 身を護る術もなく、暗闇を照らす手段すら限られている二人に、自力で対処させるわけにはいかなかった。 必要な装備は、雪華綺晶がすぐにそろえた。 真紅は、夜間迷彩服に袖を通した。LEDヘッドランプ、現在位置を知らせる発信機、軍用の小型携帯型トランシーバー、無線中継器、大型のマグライトを、それぞれ身に帯びていった。 雪華綺晶は、銃器を含むその他の装備の携行も強く勧めたが、真紅は丁重に断った。 真紅は、元来機械に疎く、トランシーバーすら満足に扱えなかった。うっかり銃器など預けられた日には、味方を誤射しかねなかった。そうなったら、目も当てられない。 加えて、彼女は身軽さが身上だ。機敏な動作を妨げる要素は、とにかく徹底的に排除したかった。 愛用のステッキに手を伸ばそうとした彼女を制し、校長は、一振りの細身の剣を差し出した。真剣だった。全長が一メートルほどの、俗にレイピアと呼ばれる物だ。それは、彼女の名前と同じく、全体が真紅に染め上げられていた。 「……これは?」 「祖父さんが、こんな時のために遺してくれた物だ。錬金術の力が秘められている。試したことはないが、どんなに手荒に扱おうと、刃こぼれ一つしないそうだ」 真紅は、抜き身の剣を受け取ると、利き腕で軽く構えてみた。その切っ先を、ひゅんひゅんと上下左右にしならせた。 レイピアは、羽根のように軽く、あつらえたように手に馴染んだ。 「いい剣ね……」 我知らず、血がたぎった。真紅はかぶりを振って、そんな自分を深く戒めた。 指定された通気孔は、図面通りの場所で見つけられた。 カモフラージュのカバーが外された。真紅はロープで釣り下げられ、万歳の姿勢で中へと下ろされていった。 石造りのごつごつしたパイプの中を、何とか無事に通り抜けた。真紅は、額のヘッドランプをともした。 LEDの鮮烈な光に、奥へと続く通路の一端が照らし出された。中も、図面に描かれた通りのようだ。 真紅は、降下用のハーネスから、ロープを外した。ヘアピンを引き抜き、頭の上で束ねたツインテールを、元通りに振りほどいた。 続けて下ろされたロープから、得物のレイピアを受け取った。 闇の中から、ぬらりと何かが顔を覗かせた。真紅は、気配を察した。 振り返りもせずに、床を蹴った。素早く間合いを確保した。 彼女の孤独な戦いが始まった。
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/7472.html
126: 弥次郎 :2021/12/03(金) 19 52 33 HOST softbank126066071234.bbtec.net 日本大陸SS 漆黒アメリカルート「暗闇の銃撃 -Shoot in Darkness-」 マンハンター。あるいは人さらい、人狩り、スナッチャー。 アメリカ合衆国における「労働者」「人的資源」の源泉を担う彼らは、国家規模で後援を受ける一大産業界を構築していた。 合衆国における戦争経済、その歯車であり資源であり投資対象であるそれは、決して欠かすことのできないものだからだ。 現代でいうところの消費財にして、便利な道具。それが、アメリカ合衆国にとって極めて伝統的なものだというのは言うまでもない。 アメリカという国家が誕生し成長する過程において国家の遺伝子にプログラムされた、極めて自然な行動だったのだから。 アメリカ合衆国の経済、すなわち戦争経済を循環させることに何の疑問も抱かなかったのだ。 だが、その消耗や消費は早い。当然だ。人としてまともに扱わないのだから、劣化が早いのも当然。 そうなれば補填が必要ということで、アフリカ、北米(カナダ、米連、スペイン、加州)、さらには中国大陸から次々と人材を連れてくるのであるが、それは当然法に触れる。 元より、人の意思に反して他国から人間を合衆国に連れてくるのは拉致であり、国家に対する主権侵害である。 それを国家規模で平然と行っているという時点ですでにその国家の品格は落ちているも同然だが、合衆国は一切気にしていなかった。 さて、そのマンハンター達であるが、彼らの装備というのは独特のものが多かった。 その中で最たるものは相手を生かして捕獲するというのがかなり重視されるのである。 これがまた、難しい。抵抗することもある相手を無力化するのは骨が折れる。むしろ殺してしまうよりも難しいと言える。 急所に弾丸を一発撃ち込めば殺せるが、それをやってしまっては商品の価値が落ちてしまうというのだし。 だが、そんな都合よく相手を弱らせるというのは存在しなかったりする。まあ、ここら辺は実験を繰り返す中で非殺傷弾を生み出すのだが、これはのちの話。 そして、マンハンター達が求めた能力の一つが静音性であった。 時に隠密行動を行って拉致や誘拐を行う必要があるマンハンター達にとっては己の存在を隠すことは特に重要なことであった。 それ故に、一般に使われている銃を何の気なしに発砲してしまうことは、自己の存在を大きくアピールしてしまうことにつながる。 元々火薬の爆発という、音と衝撃がどうしても発生するものだからこそ、 だが、だからと言って銃を使うなというのは酷な要求である。 マンハンター達の天敵の一つである犬を無力化するのにノコノコ近づいたら感知されて警戒されてしまうわけであるから、遠距離から殺傷するのが望ましい。 犬でなくとも、歩哨に立つ警備員や兵士なども天敵だ。常に複数名で見回る彼らを排除するか回避しなくては仕事ができなくなる。 しかれども、銃を使えば音を立ててしまい、これまた警戒されるか音を頼りに追跡され、あるいは増援を呼ばれるという二律背反状態。 これの解消はマンハンター達の努力では補いきれない。その判断から、メーカーへとその要望は伝えられることとなったのである。 要求を出された各種メーカーは頭を悩ませた。 遠距離から相手を殺傷乃至無力化できる。 音を極力立てない。 おまけに、携行性も良くしなければならない。 こんな無茶苦茶な要求を満たすことのできる武器など存在するのだろうかと、匙を投げるメーカーもいたほどだ。 だが、彼らとて矜持がある。銃火器だけでなく、あらゆる武器の方向性を探った。 まずは投げナイフや投石器というのがあがった。ナイフやそこら辺に落ちている手ごろな石ころを飛ばし、殺傷するというもの。 しかし、これは却下された。扱いが難しく習熟しにくく、それでいて射程は短すぎる、そういった欠陥があらわになったのだ。 というか、そのくらいは試したというのがマンハンター達の声であった。 ついで候補となったのは短弓。携行性に優れた小さな弓と矢を用いて標的を射抜く、というものである。 こちらはまあまあ評価を受けた。音も小さい、小ささゆえに携行性も優れる、射程もあるなどだ。 しかし、扱いに慣れるまで時間がかかること癖が伴うというのがあり及第ではあっても大歓迎とはいかなかった。 評価はされたが、もう一声欲しい、というのである。 127: 弥次郎 :2021/12/03(金) 19 53 59 HOST softbank126066071234.bbtec.net そして、二つの武器が候補として挙げられた。 クロスボウ。そして、空気銃であった。 まずはクロスボウ。弓と銃の中間のような、板バネの力で太く短い矢を発射する飛び道具だ。 殺傷力がありすぎて、金銭(と書いて騎士道と読ませる)的な観点からキリスト教徒相手に使用することが禁止されたこともあるという歴史ある武器。 この武器、実のところマンハンター達の要求にピタリと合致していた。 まずは静音性。これに関しては言うまでもなく静かだ。完全に0ではないものの、銃よりもはるかに小さい。 ついで、射程。狩猟用のモノでも大体50mほどはあてやすい。たかが50mと侮るなかれ、案外50mという距離は絶大だ。 そして習得のしやすさがある。これは銃に近い感覚で扱えることに加え、火薬銃にある反動が少ないことなども理由として挙げられる。 無論一発ずつしか装填できず、連射もしにくいという欠点はあった。然れども、それらを補ってしまえるだけの利点が存在していたのだ。 後にハンドピストルボウという50センチほどまで縮めたものも開発され、携行性に優れたものとして重宝されることとなった。 隠密行動用と割り切られたそれは、静かに、しかし確実に猛威を振るうことになった。 マンハントに投じられたそれは、求められた通りの能力を発揮したためである。 難点としてはライフル銃並みに目立つことであったが、威力と射程を犠牲に小型化したものも開発されたことでカバーされた。 片手で使える静音性の射撃武器。単発であろうとも、撃てる撃てないの差は大きい。これらにより、警備兵やその手の番犬の被害は拡大したのである。 無論のこと、人間ならば衣服や防寒着などで防御することも可能であった。だが、それでも負傷して動きが制限されることは確かだ。 さらにマンハンター達にとってありがたかったのは、その多目的性にあった。 意外なことかもしれないが、史実におけるWW1における塹壕戦でこの手のクロスボウは大活躍した。 そう、矢を放つだけではなく、手榴弾などを発射も可能な擲弾発射装置なのがこのクロスボウの特徴だったのだ。 人が投げるよりも遠距離に擲弾が投てきできるというのは、塹壕で対峙して銃撃だけでは解決できない状況で優位に働いたのだ。 これらを応用し、例えばであるが火種を飛ばす、石ころなどを代わりに発射して物音を立てる、紐を括り付けた矢を飛ばすなどして活用できた。 さらにこれと同じく重宝されたのが空気銃であった。 空気銃とは、その名の通り、空気を圧縮し、これを用いて弾丸を飛ばす銃である。 当時のアメリカにおいてはマーカム・チャレンジャーというものが存在していたのだ。 有効射程はライフル銃サイズならば何と100m前後。小型化すれば相応に射程と威力は落ちるが、それでも有効射程で優れていた。 それこそ、専用のスコープや照準器などを付けた狙撃仕様が開発され、運用されるようになるほどには。 無論、ボウガンと比べて欠点もあった。 空気銃は圧縮した空気もしくは空気を圧縮するという行程が必須となる。 ジランドーニ空気銃を例にとれば、銃に備え付けられるエアータンクは20~30発ほどセミオートで撃てるだけ空気が詰められている。 しかし、当時の工業精度や工業能力の限界から、故障や空気漏れが発生しやすく打ち切れば再度の充填が必要であったのである。 勿論、その場で空気を圧縮するポンプ式というものもあるが、ボウガンと異なり一度故障したら修繕が難しいという欠点が伴うのは避けえないものであった。 時として荒い扱いもしなければならないのに、衝撃や振動一つで使えなくなっては元も子もないのであるわけであるし。 128: 弥次郎 :2021/12/03(金) 19 54 29 HOST softbank126066071234.bbtec.net さらに、この空気銃はその低コストさなどから銃に慣れるために行われる「人間」の実戦訓練にも転用されることとなった。 史実においては、アメリカやイギリスで新兵の訓練に使われたという過去を持つ空気銃であるが、それの先取りといえるべきものであった。 何しろ、実際に撃てて、暴発のリスクが少なく、おまけに安いというものだから、訓練する側としてはありがたい限りだった。 威力が低いことや発泡炎や発砲音という実際の銃で当然の物がないにしても、それらは補えるだけの価値があった。 勿論、これらに晒される側も、黙って被害を受けるだけではなかった。 急所となる箇所を守るボディアーマーや頭を守るヘルメットの開発などの対策を進めた。 あるいは闇夜に紛れにくくするために街灯を整備する、砂利を地面に敷き詰めて足音を大きくするなど警備体制を強化していった。 あるいは、その手のマンハンターが用いる武器を研究し、取り込むことによって自分たちの力を高めようとする動きもあった。 これはある種の鼬ごっこであったことは言うまでもない。襲う側と守る側の、知恵と根気比べ。 史実を先取りした、この世界線特有にして特異的な戦いは、斯くして始まったのである。 《アメリカ合衆国 クロスボウ設定》 FA-12 クロスボウ「ナイトホーク」 全長:94センチ 装弾:1発 装填方式:コンパウンド ポンド数:150ポンド 射程:およそ70m(有効射程はおよそ45m) 製造:アメリカ合衆国 フランケル・アームズ 照準器:オープンサイトもしくはピープサイト、光学スコープ 概要: アメリカ合衆国の銃器メーカー「フランケル・アームズ」が開発・販売したクロスボウ。 マンハンター及び正規軍の両方をターゲットととした、多目的な投射機として開発されている。 これまでのフランケル・アームズのクロスボウは民間向けと軍向けとで違うモデルを開発していた。 しかし、需要の差異が目立ち始めたことや部品の互換性などの問題、製造ラインでの融通が利かなかったことなどを問題視し、これの解消を試みた。 基本的な構造としては民間向け(マンハンター向け)であるが、必要に応じてオプションパーツと交換することで軍の求める方向へと手軽に変更できる。 即ち、矢のほかにも手りゅう弾などを飛ばすための多目的な投射装置として使えるようになっている。 その為、いわゆる簡易ながらも擲弾発射用の照準器や光学レンズを用いたスコープなどがオプションとして用意されている。 この拡張性の高さは高く評価され、以降のクロスボウに多大な影響を与えることとなった。 FA-117 ハンドピストルボウ「ナイトビー」 全長:54センチ 装弾:1発 ポンド数:75ポンド 有効射程:およそ15m前後 製造:アメリカ合衆国 フランケル・アームズ 照準器:オープンサイト 概要: アメリカ合衆国の銃器メーカー「フランケル・アームズ」が開発・販売したクロスボウ。 こちらは携行性などを重点においた、セカンドウェポン的な意味合いが強いハンドピストルボウというものである。 最大射程は50mにおよばず、有効射程は20m行けばよい方という、音のない単発拳銃といえるかもしれない。 しかし、室内や近距離にならざるを得ない状況においては、空気銃や通常のボウガンを凌ぐ実用性を発揮した。 129: 弥次郎 :2021/12/03(金) 19 55 48 HOST softbank126066071234.bbtec.net 以上、wiki転載はご自由に。 こちらに差し替えていただければなと思います。 空気銃が以前議論に出ていたのにすっかり忘れていました… 反省のため、ちょっとトゥ!ヘァ!氏と一緒に的になってきます。 ジランドーニ小銃、マジで音が小さいです 参考動画はこちらに。6:40くらいから発砲するのですが、ん?ってなる程度の音しかしません。 ttps //www.youtube.com/watch?v=_RsW5yWEsi0 ちなみにこの空気銃、江戸時代に日本にもたらされています。 ところが音が小さすぎるので「暗殺に使われるじゃん!」ということで禁止に。 よって我が国には20丁程度しか残っていないそうです。 米合が日干しされた後に、資源カッツカツの状態で本土決戦になったら空気銃も実践投入されそうだなって思います 音がしないことは脅威ですが、それが武器になるとは限らないので…まあ、効果はお察しですが
https://w.atwiki.jp/devilchildren_ld/pages/385.html
トップ|基礎知識|合体|訓練所|バトルネット|攻略|マップ|デビル|魔法・技|特殊能力|アイテム|その他 魔界『火』 光の書 ヘルケイン山脈 ヴォルカンの町 ゲヘナ山 ミョルールの町 闇の道 闇の神殿 闇の書 ヘルケイン山脈 ヴォルカンの町 ゲヘナ山 ミョルールの町 闇の道 闇の神殿 闇の道 マップ|宝|施設|出現デビル マップ フィールド 西側 #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (DarkPath1_dark.png) 東側 #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (DarkPath2_dark.png) 上へ 宝 No. 場所 名称 No. 場所 名称 No. 場所 名称 1 フィールド テンシのつばさ 2 フィールド ビャッコの心 3 フィールド 炎の衣 4 フィールド Mガードのおこう 5 フィールド 冥界の砂 6 フィールド 大きな化石 上へ 施設 なし 上へ 出現デビル 出現率 隊伍 デビル デビル デビル デビル デビル ドロップアイテム ドロップアイテム 20% 3体(常時) オファニム チェルノボーグ オファニム マジックカプセル 10% ビャッコの心 5% 20% 3体(常時) キンカク アルテミス マンドレイク あめのみずさし 10% ビャッコの心 5% 20% 2体(常時) アルテミス チェルノボーグ Mガードカプセル 10% ビャッコの心 5% 20% 3体(常時) オファニム アルテミス チェルノボーグ ガードカプセル 10% ビャッコの心 5% 20% 3体(常時) マンドレイク キンカク オファニム スザクの心 5% マジックのおこう 5% 上へ
https://w.atwiki.jp/tsvip/pages/200.html
~・~・~ 夜になると、彼はいつもどこかへ出かけていく。 行き先はわからない。 待ちくたびれて眠ってしまうと、朝の光に目覚めた頃にはもう帰って来ている。 監禁されている私にも、 数時間に一度だけ、自分の意志で部屋の外へ出るチャンスがある。 「あ、あのー!トイレに行きたいんですけどー!」 「・・・我慢しろ」 「も、もう漏れちゃいそうなんです!!」 「・・・」 「あ、あ、もうだめー!!」 「・・・来い」 扉が開き、男を急かすようにトイレに向かい、 ひとりでトイレに入ると、正面の窓にとりつく。 ロックを外して引くと縦に倒れて隙間が開くタイプの窓だった。 思い切り押せばいくらか隙間が出来るものの、転落を防ぐ為なのか一定の角度までしか窓は開かなかった。 もっと力をこめて引けば壊せそうだったが、音が心配だった。 開いた隙間から下を覗いてみると、監禁部屋から覗いて確認したとおり、窓のすぐ横に雨どいがある。 角度のせいか、部屋から見えたはずの下の階の外周の渡り廊下は見えない。 「おい、早くしろ」 「ま、待ってくださいよ!まだ出てんですから!」 ドアの向こうから声がかかりびくりとする。 雨どいを伝って下の階へ脱出する作戦は、やはり危険すぎるようだ・・・大体私は高所恐怖症だ。 やはり夜中、あの男が出かけた隙を狙う以外ないか。 そう思っていると、 窓の縁にかけた手、その指先に何かが触れた。 首を伸ばして覗き込むと、外側、窓の縁の下側から、何かの針金が飛び出しているのが見える。 力をこめて引けば、抜くことが出来るんではないだろうか。 針金をまず指先だけで下に向かって引っ張り、 ある程度飛び出させたところでしっかり手のひらに握り締め、思い切り力をこめる。 窓枠がぎりぎりときしむのが手のひらを通して伝わってくる。 「おい」 「うわ!」 扉の向こうからかけられた声に驚き、窓から飛び出しそうになり、慌てて針金を掴んだ手で支える。 と、突然掴んでいた針金がすぽんと抜け、前のめりになる。 今にも窓から落ちそうなところで、開いた手と足の力で踏ん張り、身体をなんとか窓の内側に戻す。 危ないところだった・・・ しかし、私の右手には、針金。 やっとのことで手に入れた脱出への鍵を背中に隠すと、私はトイレを出た。 セピア色の夢の中。 ぼーっとしていると風景はどんどん色づいていって、 気がつくと僕はあの日まで暮らしていた家に居た。 でも不思議と懐かしさは感じない。 ここは僕の家だから。 今日までずっと暮らしてきた家だから。 小さな犬と大きな猫、そして父さんと母さん。 母さんは台所で夕飯の支度をしている。 父さんは食卓で野球の中継を見ていて、膝の上で猫が丸くなって眠っている。 縁側の窓の外、ささやかな庭にはもう夜の帳が下りて、大きな小屋で眠る小さな犬の姿は見えない。 魚の焼ける匂い。 煙草の白い煙。 ふと、僕の視線が天を仰ぎ見る。 そのまま僕は倒れて、父と母が駆け寄ってくる。 僕の世界は闇に包まれた。 目覚めるとそこは、暗い部屋。 カーテンの無い窓から月明かりが差し込んでいる。 ベッドから起き上がって窓辺へ向かう。 空には、上弦の月が昇っていた。 ふと気付き、扉の向こうの気配に感覚を研ぎ澄ませる。 沈黙。 男はもう、いつものようにどこかへ出かけて行ったらしい。 念のため音を立てないように気をつけながら扉へ向かう。 抜き足差し足で辿り着き、服に隠しておいた針金を取り出し、その先端を確認する。 細身ながら、なかなかの剛性だ。 これなら、鍵を開けるのに足るものであるはずだ。 薄明かりの中、ドアノブに張り付いて鍵穴を指先で探す。 すべすべしたステンレスの感触。鍵穴はなかなか見つからない。 少々の焦りも感じ始める。 指先で熱心にノブをなでるが、鍵穴は一向に見つからない。 鍵穴はノブの下側なのだろうか。 しかし、その様なものは見当たらなかった。 鍵穴は、結局見つからなかった。 どうやら全て、反対側らしい。 急に悔しくなってきた。あんなに苦労して手に入れた針金なのに。 悪いのはこの扉だ。 家主が自分でうっかり鍵をかけて閉じ込められたりしないように、 両側に鍵穴をつけておくべきではないのか。 なんという理不尽だ。 音が立つのも気に留めず、扉を拳で思い切り殴りつけた。 それがいけなかった。 バリバリバリ ・・・ バターン 一瞬何が起こったのかわからなかった。 目の前には、扉の向こうの廊下の風景が広がっていた。 視線を落とすと、腐った木屑が散らばり、板張りの床にたった今殴りつけた扉が倒れていた。 まさか。私の拳の威力で扉が壊れたとでも言うのか。 なわけがない。 もともとこの扉は、腐っていたのだ。 要するに、鍵があろうと無かろうと、その気になればあたしはいつでもここを出られたということなのだった。 段々腹が立ってきた。 そこまで考えて、はっとする。 一応壁に半身を隠し、周囲の気配をうかがう。 明かりが落ちて、闇に包まれた部屋。 廊下の向こうの暗闇からは、何の気配も感じない。 どうやら、やはり男はいつも通りどこかへ出かけた後らしい。 気配をうかがいながら慎重に部屋を出て、恐らく玄関への扉があるであろう方向へ向かう。 廊下を手探りで進むとすぐキッチンのようなスペースに出る。 よく掃き清められていて、薄闇の向こう、棚に食器類が整然と収められている。 右手にはキッチン。 こちらも随分手入れが行き届いているように見えた。 私とは大違いだ。 ・・・。 個人の感情は置いておいて、キッチンの横にあった玄関らしい扉も程なく見つかった。 鍵は開いていた。 扉を薄く開き、隙間から外の様子を伺う。 その後、何も仕返しできないまま出て行くのも悔しいので、 しまってある調理器具を色々配置を変えたり散らかしたりした後、私は廊下に走り出た。 【つづく。】
https://w.atwiki.jp/mtgflavortext/pages/9135.html
「スナップダックスだ。パン一切れで壁を破れる好機だ。」 ――日勤隊長、クレク "It s Snapdax. You d have a better chance of breaching a wall with a slice of bread." ――Krek, daysquad captain イコリア:巨獣の棲処 【M TG Wiki】 名前
https://w.atwiki.jp/nenohitohatiue/pages/1202.html
(,,_ ,/ i{ ゞ、 __ 丿( ⌒ヽヾ y´ ,,"⌒ # ( ゙、 ト、 ⌒Y `てノ、 # / ,,ノ {( ; ; ,,) .乂_ _ノ ヾ, ). ( ゙て 、 i! ⌒ヽ ,,(" 乂 ( )ゞ、- {(" , ィ ( `)} ) `゙゙ -イ 弋 ノ )! ( ゝ ノ .__人__}! ゞト..,, ノ ( , /∥ ) ( /" `Y´ / ノ }! 乂 ノ. { `Y 乂 ; 、 " ∥ ト、 {( 、 、 i{ # ,, . ノ ,)} ヽ,,__)、; " } 〃゛ \ヾ _人_´" ( ) __人__ `( . ヾ `Y´ 、 ; (⌒ ( 、 `Y´ ヽゞ、 ) )、 ニ }! } Y y `ヾ ; ;' ニニ ∥ 人 ; ;',, ニニ {(" ,..yー "ト、 ニニ \ ,r'" / ,, '' ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄.三三 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 三三三 三三三三三 三三三三三三三 三三三三三三三三三≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠ カード名 . ..: 輪廻する意志 勇気 [武威]≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡ レアリティ...: C≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡ カードスキル : 【自場[契約]時対価正常化】自副領域の[武威]が離れたCF終了時、1枚引く。引いた札がExなら公開し、Will+2/自武装に[副領域除外]付与≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡ ステータス. . : 対価 5 [響銘(1)]≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡ フレーバー .: 種火は尽きず、焔となりゆく≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠輪廻する意志/勇気/C/Cost 5/【自場[契約]時対価正常化】自副領域の[武威]が離れたCF終了時、1枚引く。引いた札がExなら公開し、Will+2/自武装に[副領域除外]付与/[武威]/[響銘(1)][]C + Q A Q、[輪廻する意思]の技能である「自副領域の[武威]が離れたCF終了時、1枚引く。」は、[武威]記憶にも適用されますか?A、[輪廻する意志]は副領域からの移動なので、記憶・認識にも適用されます。Q、輪廻する意志は輪廻する意志が場を離れた時も対応するんでしょうか?A、場に無くなっているので発揮されません。 ただ、副領域から離れる[武威]は忘却に送られるなら魂魄・記憶・認識どれでもOKです。Q、あれ、記憶が発動後記録に送られた場合等は[場を離れる]には入らないんでしょうか?A、あ、場を離れるでしたね。 はい、入りますので記憶使用でもOKです、ただしタイミングはCF終了時、と。
https://w.atwiki.jp/cscs/pages/2042.html
屈せぬ意志 彼方よりの来訪者 COMMAND C-018 黒 1-2-0 C (戦闘フェイズ) 交戦中の自軍ユニット1枚は、ターン終了時まで、敵軍効果では、移動せずロールしない。 対抗 出典 スーパーロボット大戦OG(EPISODE1 DIVIVE WARS)