約 19,733 件
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/3938.html
288 :ひゅうが:2016/10/01(土) 21 22 16 神崎島ネタSS――「万有引力の法則(学者的な意味で)」 ――1937(昭和12)年7月7日 神崎島 鎮守府提督執務室 「山下です。入ります。」 ノックもそこそこに、虎…というよりは熊のような体格をした男が入室した。 「入れ。ああ山下さん。やはり来ましたか。」 「はい閣下。来ました。ところで――」 精一杯の微笑を浮かべ、山下奉文は、目の前の若いんだか年をとっているんだかよくわからない提督の方向に向けていった。 「ちょっとあちらへいっていてくれないかな。」 「えー?」 駆逐艦がまとわりついている。 文字にしたらどんな状況だという風になるだろう。 ジャンパースカートを着ているということは夕雲型。 そして長袖のセーラー服であるから特Ⅲ型駆逐艦。 数か月を共にすれば、山下にもそれくらいはわかるようになっていた。 皆、いい娘さんたちである。 「みんな!邪魔をしないの!」 「えー?でも…」 両手の人差し指をツンツンさせる駆逐艦清霜。 「すぐ終わるの?」 少しばかり底のしれない瞳で山下を見つめる駆逐艦響。 山下は微笑して頷き、ポケットに手を突っ込んだ。 「ほら。」 ここに来る前に駄菓子屋で仕入れたドロップ缶だった。 酒飲みである山下は、同時に甘党の素質があった。 ちなみにこの島で「人間どっく」なるものを受けてからは晩酌は週に一度と決めている。 「えー。」 「ふふふ。これだけじゃないぞ。」 山下は、ドロップ缶の下に隠した何枚かの券を取り出した。 中将の給料をもらっている山下としては、生活費がほとんどかからないこの島の勤務の分をこうしたものに変えるのにあまりためらいがない。 「わっ!」 提督に「よじのぼっていた」艦娘たちが一斉に山下の方へ向かってくる。 「山下さん。」 「いえいえ。」 あまり食事前に甘味はと言おうとする神崎提督を山下は反対側の片手で制し、器用に「間宮券」を配っていった。 290 :ひゅうが:2016/10/01(土) 21 22 59 「ありがとう!」 少しばかり早くできた孫を見るかのような目で山下は艦娘たちが執務室の出入り口で手を振るのにこたえた。 「てーとくも!またね!」 一瞬、凄絶なほどに濃厚な感情が視線に載せられたのを受け流しつつ山下は、後方でパタリという音がしたのを確認し、表情を戻した。 「あまり与えすぎないでください。あの子たちはいい娘ですがルーチンワークと化してしまうとあるべき感謝がなくなってしまいます。」 「それについては提督にお任せしますよ。」 「私も甘やかしすぎてしまうから逆に心配なんですがね。」 「そこまでは責任を持ちかねますな。」 ああ、また赤城たちがスネる…とボヤく神崎。 それをしてやったりという表情で見ていた山下は、数秒後に切り出した。 「本日未明、北平郊外の盧溝橋において銃撃事件が発生しました。 当初警告通り、北支駐屯軍はただちにホットラインを通じて北平市長および現地軍に事件を通報。 即座に警備部隊を兵営へ下がらせました。現在、市長および国連調査団北平支所が調査に向かっています。」 「すでに国際社会へ一報は入れているのですね?」 「もちろんです。『また』悪者にされてしまうのはごめんですからね。」 同じ質問を参謀本部にぶつけた山下は、一言一句違わずに「彼」と同じ言葉で返した。 「石原さんですか。」 「あれも、もう少し謀略癖をひかえた方がいいと愚考しますが。」 みなまで言うな。と神崎提督は一瞬の目で促した。 背筋にいきなり金属製の物差しを差し込まれたような感覚にほんの少しだけ毛が逆立つ。 この若いのは時々こうしたところを見せるから侮れない。 数十人どころじゃない数を顎先で海底か地下かどこかよくわからないところまで送り込んだことがある者の傲慢さと悲惨がそこには同居している。 当然だろう。 かの「戦争」において彼は現在の米海軍数十個分の艦艇を沈め(鎮め)ているのだから。 「そろそろ自重してくれる…とは思いますよ。あれでもだいぶこたえているようですから。」 「最終戦争論、でしたか。」 山下は、ここのところの趣味となっているいわゆる「近代史」の知識を頭の引き出しから取り出した。 「ええ。その前提条件となる日支連繋が実はシナ…いえ中華民国側からみれば大中華復興という同床異夢だったことがよほど衝撃的だったのでしょう。」 少しぬるくなってしまったコーヒーを神崎は口に含む。 「後始末が終われば引退予定という話は?」 「いえまったく。親任式以前は朝鮮で仕事をしていましたし、終了後は面倒ごとをさけるためにその足でこちらへきましたから。」 山下は、かつて皇道派と目されており、2.26事件のとばっちりを受けて左遷されていた。 それが急きょ復帰することになったことから、面倒事を嫌ったのだった。 御奉公が再びできる以上、かつてつまはじきにした相手が掌を返してきても相手をする気になれないのは当然だろう。 291 :ひゅうが:2016/10/01(土) 21 23 29 「ま、今年を乗り切れたら、という条件付きですがね。」 「ならば、再びの山を越えたというべきでしょうな。」 山下はほほ笑んだ。 「すでに日支対立の芽は、シナと欧米列強との対立にすり替わりつつあります。 わが国はこのまま国土の再開発に力を注ぐだけです。」 そうすれば自然と軍事予算も増えていく。 資源が足りてしまい、そして資金も提供される上に当面の軍事的な裏付けができてしまった軍隊というのは現金なものなのだった。 「そういえばアインシュタイン博士とあの学生はいつまでここにいるんです?」 「それが…この島に研究所を作りたいとか。」 「ええ…」 「プリンストン高等研究所の所長ですからねぇ…一度帰って引き継ぎをしてから、といっているのですが。」 「『史実』の情報はよろしいのですかね?」 「大丈夫でしょう。あれだけ脅されてまだ無邪気でいることはできないでしょう。 もしも大々的にばらされてもそのときは――レッドパージ再びです。」 それよりは、まだまだある余命の間に超ひも理論の確立に力を注ぐ。 科学者はそういう生き物だった。 ――だが、二人は決定的に間違っていた。科学者の知的欲求の強さは彼らの想像をはるかに超えていたのだ。 二人は、この数週間後にイギリスからこの島へ移住の申請が出たこと、そしてそれを出した人物の名前に驚くことになる。 男の名を、スブラマニアン・チャンドラセカール。 のちに、ブラックホールの発見者として知られ、超新星爆発における質量限界「チャンドラセカール限界」にその名を永遠に刻むことになった当時27歳の天才である。 彼は、自ら証明したブラックホールの理論を理解しようとしなかった英国天文学界に見切りをつけてアインシュタインの誘いに乗ることに決めたのだ。 かくて歴史は再びねじ曲がる。 のちに、物理学者のディスアボラと称される欧州の碩学たちの極東への移動はこうして端緒についたのであった。 292 :ひゅうが:2016/10/01(土) 21 25 01 【あとがき】――お待たせしました。 またしても幕間的な話。 この世界では「盧溝橋事件(笑)」になってしまいましたとさ。 そして欧州の学界の様子が…
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/3513.html
924 :ooi:2016/07/14(木) 21 32 03 では、自分も流れに乗りまして…。 嶋田島ネタ 第四章~遂に来た歓喜の日~ 『艦これのサービス開始当初より艦これを愛好してくださり艦これの運営に多大な貢献をしてくれた方にだけに送られる試験用の艦これのVRMMORPGです。限りなく現実に近い環境下にて生み出される圧倒的な臨場感にあふれる艦これが楽しめます。』 「遂に辿り着いたか…。直ぐにでもやってみたいけど、今日はしっかりと英気を養って、明日じっくりと楽しもう。」 翌日、嶋田は早速VRMMORPGを体験した。 この時の嶋田の反応は歓喜に包まれていたと云えるだろう。 「凄い!凄すぎる!此れがあの艦これの世界なのか。それに、最初から第一種乃至第二種軍装を来ている状態でプレイ出来るのか。」 そして、嶋田が手塩に掛けて育てた艦娘達の好感度はMaxであり、艦娘たちも自分を育ててくれた嶋田提督に会えて喜んでいた。 一部の艦娘は史実の嶋田と同じ名前と同じ容姿だったのでびっくりしていた。 最初は驚いた彼女たちも目の前に居る嶋田への愛が勝っていたので、史実の嶋田の事を忘却の彼方へと投げ捨てるのには1分と掛からなかった。 こうして、嶋田は昼飯を食べるのも忘れて夜までプレイした。 一応、鎮守府でも嫁艦たち謹製の食事は出たが、あくまでもゲームの世界なので脳に直接味覚が送られても満腹にはならないので仕方ないのである。 夜になり、嶋田は腹ごしらえの為に一度ログアウトした。 「凄いな。それにしても、艦娘たちが自我を持っている様に会話しているし、満腹にはならないけど艦娘たちが出した食事の味覚が分かるなんて…。」 翌日は、食事の件を伝えて昼食、夕食、就寝時はログアウトするとの伝言をして、再び提督業へ精を出した。 なお、この日から鎮守府名が「嶋田鎮守府」から「嶋田島鎮守府」に変更された。 この数日後のメンテで深海棲艦鹵獲システムや新海域での未成艦娘登場が実装された事で、嶋田島鎮守府では久し振りに大規模な出撃が行われた。 嶋田島における出撃はアルペジオ方式であり、秘書艦(旗艦)に直接乗って指揮を執っている。 1隻あたりに乗る人数は艦娘1人、妖精100~200人となっている。 秘書艦(旗艦)については上記に加えて提督である嶋田も乗っている。 この出撃で、20隻の深海棲艦と天城型巡洋戦艦天城、加賀型戦艦土佐を鎮守府へ迎える事となった。 赤城は姉と、加賀は妹と再会し、2人共感動のあまり人目を憚らずに大泣きしている。 此れを見た嶋田や他の艦娘たちももらい泣きし、翌日の青葉新聞には「感動の姉妹再会!!」と銘打って天城、赤城、加賀、土佐の再会写真が大きく掲載された。
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/5624.html
164: 635 :2019/02/25(月) 20 16 56 HOST p1898232-ipbf412souka.saitama.ocn.ne.jp 銀河連合日本×神崎島 ネタ 飛躍 神崎島宇宙基地 巨大なロケットが打ち上げの時を待っていた。 「打ち上げ3分前です。全システムの電源が外部から内部に切り替えられました!」『180、79、78』 「トーチ点火!」『81、80、79』 「デフレクター冷却開始!」『69、68、67』 「打ち上げ1分前です!」『60、59、58』 「ウォーターカーテン散水開始!」『31、30、29』 「フライトモードオン!」『13、12、11』 「非常用電池起動!」『9、8、7』 「全システム準備完了!」『5、4、3』 「メインエンジンスタート!」『2、1』 「ヤタガラス搭載エネルギアロケットリフトオフ!」 ロケットはノズルから火を吐きながら龍の様に天空へと登っていく。 「オービターヤタガラスを搭載したエネルギアロケット1号機が神崎島宇宙基地から打ち上げられました。」 「打ち上げ以後ロケットの管制は神崎島宇宙基地管制塔から神崎島鎮守府宇宙司令部に引き継がれています。」 神崎島宇宙基地管制室 大勢の人間達が喜んでいた。 「よっしゃー!」 「やったぞ!」 「まて!まだ喜ぶのは早い!」 喜んでいた者達に神崎島宇宙開発の責任者ヴェルナー・フォン・ブラウンは釘をさした。 「……。」 「ロケットは正常に飛行中です。神崎島の各地上局は正常にロケットの追尾を行っています。」 全員が固唾を飲む。 『こちらアメリカ海軍ミサイル追跡艦インヴィンシブル、現在ロケットに異常は見受けられず。』 『同じくロシア海軍ミサイル追跡艦マーシャル・ネデリン、こちらも同様だ。』 今回のヤタガラス打ち上げ支援の為に派遣された米露両国のミサイル追跡艦からも順調という報告が入る。 米露両国がどれ程力を入れているのか分かる。 『こちらヤルバーン、展開させているヴァルメからも異常は報告されていない。』 ヤルバーンからも報告が入った。 今回の打ち上げはイゼイラ史上初のトーラル技術なしの大気圏離脱であり、イゼイラ本国とティエルクマスカ本部から全力での支援を命じられている。 またもしもの時のためにティ連防衛総省太陽系軍管区特危自衛隊からも複数の艦艇が抽出され支援に当たっている。 ティ連も凄まじい力の入れようだ。 全員がモニターを注視する。 10秒、1分、その時間が何倍にも感じられた。 『管制室聞こえるか?こちらヤタガラス。』 165: 635 :2019/02/25(月) 20 18 47 HOST p1898232-ipbf412souka.saitama.ocn.ne.jp オービターヤタガラス 凄まじいGが乗員を襲っていた。 「グウウウ。」 その中でもイゼイラ人デルンは特に苦しそうだった。 イゼイラ人の骨格は含気骨であるため骨密度が人類に劣るのだ。 デルンは歯を食いしばり耐えていた。 デルンの脳裏に自分を送り出してくれた家族や仲間、フリンゼの姿が浮かぶ。 イゼイラとティエルクマスカの希望を託されたのだ、こんな所で挫ける訳にはいかなかった。 何時間にも感じる重圧が続く、そしてそれは突然終わった。 そしてデルンはしばらく呆けていた。 「ア…。」 「おい!大丈夫か!?」 船長のガガーリンが心配そうに声を掛ける。 ガガーリンは体を固定していたベルトを既に外していてデルンのベルトを外し始めた。 「…大丈夫デス。宇宙へ出るとはコレ程大変な事だったのデスネ…。」 「そりゃそうだ。空間振動エンジンや重力制御なんてものはヤルバーンが来るまで存在しなかったからなあ。」 デルンの呟きに答えながらテキパキとベルトを外していく。 「ほい、終わったぞ。」 「ありがとうゴザイマス。アワワ!」 ベルトを外し油断しているとデルンの体が浮かんだ。 無重力状態だ。 普段重力制御されて宇宙にいるためとっさに反応出来なかったのだ・ 「おいおい、この船はティ連の船のように重力制御されてないのだから注意してくれ。」 「申し訳アリマセン…。」 「これから直せばいいさ。作業に入るぞ!」 「ハイ!」 ガガーリンはコックピットの席に座ると管制室と通信を始めた。 「管制室聞こえるか?こちらヤタガラス。」 『!ああ、聞こえるぞ。状況は?』 「船体に異常なし、乗員も全員無事だ。これより次の作業に入る。」 『了解した。健闘を祈る!』 短い報告を終えガガーリンは息を吐いた。 そしてコックピットの窓から青い地球が目に入った。 「ああ、帰ってきたのかここに。」 ガガーリンの呟きをデルンは聞き同じ様にガラス越しの地球を見た。 宇宙から惑星を見ることの多いイゼイラ人にとっても特別に見えるようだ。 「すごいデスネ…。」 「まあ、頑張ったご褒美という所か…。」 地球をぼうっと見つめる二人にまりも注意した。 「はいはい、そういうのはISSに着いてからにしましょ?」 「「そうだな(デスネ。)」」 166: 635 :2019/02/25(月) 20 22 47 HOST p1898232-ipbf412souka.saitama.ocn.ne.jp 神崎島宇宙基地管制室 『管制室聞こえるか?こちらヤタガラス。』 「!ああ、聞こえるぞ。状況は?」 『船体に異常なし、乗員も全員無事だ。これより次の作業に入る。』 「了解した。健闘を祈る!」 ヤタガラスとの通信が終わった。 「よっしゃーーーー!!」 通信を終えるとガッツポーズをしてフォン・ブラウンは絶叫した。 また、そこかしこで握手をしたり、抱き合って喜びを表している。 二藤部は笑いながら泣くヴェルデオと肩を組み、笑顔の三島がヴェルデオの背中を叩き、 ジョージ・ハリソン米大統領とゲオルギー・アレクサンドル・グレヴィッチ露大統領は無言で握手を交わす。 マーキュリ7やロシアの伝説的宇宙飛行士達は円陣を組み、日米露の宇宙関係者はリポビタン○で乾杯している。 ここにいる艦娘達は抱き合って喜んでいる。 そして我らが柏木夫妻は 「マザトザン、やっだデスヨ。イゼイラ人がドーラルに頼る事なぐ宇宙に行けだデスヨ。」 「ああ、フェル。やったな!」 「うえーん。マサトサン!!」 フェルさんの顔は涙でグシャグシャだ。 「フェルフェリア君。」 そんなフェルさんに声を掛ける人物、神崎提督だ。 後ろには明石や夕張が控えている。 二人共感動でがん泣きである。 「すびばせん。神崎提督。」 柏木に鼻をかんでもらいながらフェルさんは対応する。 「いや、そのままで構わない。まずはおめでとう。」 「アリガトウゴザイマス!」 フェルさんは元気いっぱいに答えた。 「しかし、これからが大変だぞ。」 「へ?」 「神崎島の宇宙開発を通してとはいえ、地球の地域国家と直接関わることになったのだ。これから様々な国や勢力が接触を図ることだろう。」 言外に大丈夫か?とフェルさんに問いかける。 真面目な顔をしたフェルさんと心配そうに見つめる柏木。 「提督、ご心配ありがとうゴザイマス。でもワタシ達イゼイラ人は大丈夫デス。」 「ほう。」 「これはワタシ達が失ったものを取り戻すストーリーなのデスヨ。ワタシ達は必ず乗り越えなければならないのデスヨ。」 「そうか…。」 何やら提督は納得したらしい。 「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である。」 「その言葉ハ?」 「地球で初めて他の天体に降りた人物の言葉だ。」 「アポロ11号船長アームストロングの言葉ですね。」 「柏木君その通りだ。」 フェルは自分の中でその言葉を反芻する。 167: 635 :2019/02/25(月) 20 23 26 HOST p1898232-ipbf412souka.saitama.ocn.ne.jp 「たった一人のイゼイラ人が宇宙に出ただけデス。しかし、トーラルの助力なしに成し遂げたのはティエルクマスカ全体の飛躍デスネ…。」 その言葉を噛みしめるようにフェルは言った。 そしてフェルは姿勢を正し、神崎提督に最上級ティエルクマスカ敬礼をする。 「神崎博之提督。ワタシ達イゼイラ人が失った物を取り戻す機会を与えて下さったことに一人のイゼイラ人として感謝致しマス。」 今回の打ち上げはただの打ち上げではない、イゼイラとティエルクマスカの未来と希望を取り戻すための飛躍なのだ。 この成功がどれだけのものをティエルクマスカに齎したのかは計り知れない。 そして今のフェルはいつものほえほえフェルさんではない、ティエルクマスカとイゼイラの意思を代表しているのだ。 彼女達が今回の様な希望となるものをどれだけ渇望しているのかが分かる。 その姿に神崎提督はフッと笑みを零す。 「柏木君。」 「はい?」 「良い奥さんを貰ったな。」 「そりゃもう自慢の嫁さんですから。」 柏木は笑顔で応えた。 168: 635 :2019/02/25(月) 20 24 19 HOST p1898232-ipbf412souka.saitama.ocn.ne.jp 以上になります。 転載はご自由にどうぞ!
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/3106.html
723 :影響を受ける人:2014/09/21(日) 22 50 20 この作品にはTS要素が含まれています。 オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。 最低系である最強要素があります。 それでも良い、という方のお読みください。 提督憂鬱×ストパン+零 第二十八話 ―戦乙女の休日Ⅱ― 北郷隊が休暇に出た翌日、大隊長である江藤敏子は狐狸部隊の隊長陣を呼び出した。 会議室に集められて面々は、何事かと内心困惑していた。 廊下側になる右側に穴吹智子・加東圭子が、窓側に左に加藤武子・黒江綾香が座っている。 最後に入ってきた敏子は隊長陣がいるのを確認し、一番前の机に座ってもうすでに入れてあった御茶で喉を潤してから口を開いた。 「さて、集まってくれてありがとう。」 「待機中なのにいいんですか?」 暇そうに腕を組んでいた智子がすぐに突っ込んだ。 真っ直ぐな所は好感が持てるが、真っ直ぐすぎて調子に乗るのがいけい所だなとやっぱり思う。 「かまわない。この会議室はハンガーに近いしな。」 「はぁ・・・」 事実ではある。出撃の事も考え、この会議室はそういう配置となっているのだ。 「昨日、大佐から手紙が来た。」 「げっ!大佐から・・・」 一同の顔が一気に顰め面になる。 田中大佐・・・扶桑陸軍大佐:田中ウメ・・・は、このメンツにとっては頭が上がらない上官だ。 敏子にしても、中佐まで昇進させていただいた大恩人。 泣かされたが。 北郷と知り合ってからは、お互いに上司に対して愚痴ったものだ・・・ その大佐から何かしらが来た。 そう思うと、皆逃げ出したくなると言うモノ。 「皆が思うような悪い事じゃないぞ。特に智子にとってはな。」 「私・・・ですか?」 「ああ、義勇飛行隊はしっているな?」 問うと加藤が答える。 「ええ、何度か共同で当たっていますし。交流もあります。 それがなにか?」 「うむ、彼女等は来てすぐに実戦を始めた。 一応歓迎式典はかなり簡略されたが、おこなわれている。 しかしだ・・・それを天皇陛下が不満を覚えたらしい。」 「陛下が、ですか?」 綾香がかしげると、大隊長は頷いた。 「彼女等の活躍は本土でも有名だ。 違う国の為に奮戦している彼女等に礼がしたいというのが、事の発端らしい。 確かに礼もそうだが、ちゃんとした歓迎式典もやりたいし。 襲撃が無さすぎて、気が抜けている部隊の引き締めも兼ねて競技も行う。」 話を終えて皆を見ると、案の定智子は目を輝かせている。 その後ろで圭子が「面白そう。」と呟き、狸釜隊長・副隊長は顔を見合わせていた。 「戦線縮小に伴い、各部隊が後方で休養と錬成を行っている。 その部隊と交代で、私たち狐狸部隊が陸軍代表として出場する事が決定した。」 「おおおおお!!」 不敵に笑うと、興奮した智子が立ち上がって目をキラキラと輝かせた。 その横で、冷静に話を聞いていた綾香が手を上げた。 724 :影響を受ける人:2014/09/21(日) 22 50 53 「狐狸部隊全員が出場ですか?」 「そうだ。個人格闘戦で智子。スピード競技で圭子と残り。総当たりチーム戦で狸釜隊をだす。」 「それはまた・・・」 決定事項であろうその配分に、武子は冷や汗を流す。 狐狸部隊は田中大佐肝煎りの部隊でもある。 自信があるから自分達が選ばれた。それはとても名誉なことだ。 しかし・・・ 「陛下が見られるのですよね?」 「そうだ。陛下も観戦なされる。」 プレッシャーがかかった。 ある意味扶桑代表として出場するわけだから、その緊張は生半可なものではない。 二人の会話の意味に気が付いた智子と綾香は、顔を真っ青にした。 特に智子は青すぎる顔で力なく席に座り込む。 以外に繊細な彼女の心は、鷲掴みされたように締め付けられている事だろう。 それを後ろから察した圭子は、慌てて手を上げる。 「本当に陛下が大陸に来るのですか?」 「来る。」 敏子は断言した。 大陸は最前線の戦場。 そんな危険地帯に、扶桑の宝ともいえる天皇陛下が来る。 恐らくは現地に入植した民間人の慰撫もあるのだろうが、いくら何でも無茶だと思う。 武子の視線から彼女が思った危惧に気が付き、補足説明をする。 「その日はどこも厳戒態勢で待機する。 もし、襲撃があったならば陛下はすぐに脱出する。」 「どのようにしてですか?」 「それはわからんが・・・おそらくは飛行機だろう。 船舶はあり得ない。」 「そうですか。わかりました。」 ――――― あの後、二三質問のやり取りをしてから解散となった。 しかし敏子が退室しても、四人は残ったままだ。 「う~どうするのよ?」 「陛下が見られるっていうのは・・・緊張するよね。」 苦笑する圭子の横で、智子は机に突っ伏して呻いている。 対面では、チーム戦に出場する二人が対ネウロイ・フォーメーションの変更をどうしようか相談している。 その話を聞いていた智子は、見た目は平然としている副隊長を睨んだ。 「圭子は緊張しないの?」 「多少はしているわよ。」 「怪しい・・・」 「怪しくないってば・・・」 ジト目でこちらを見る隊長に、冷や汗を流しながら頬をかく。 「緊張しすぎても良い事無いんだし。 それに、陛下に良い所を見せたいと思わないで、自分が納得できる動きをすればいい。 駄目な時は駄目だし、良い時は良い。 その時の状況を、どこまで自分の味方にするか!・・・よ」 いう事はもっともだ。 しかしメンタル的な弱さを抱える智子にとっては、雲の上の様な存在である天皇陛下に対して腰が引けてしまう。 こうなると、目の前の副隊長が羨ましい。 「いいなぁ・・・」 「何がいいのよ。」 725 :影響を受ける人:2014/09/21(日) 22 51 28 ――――― 北郷隊休暇三日目。 既に彼女等はトラックに乗って期間途中だった。 助手席に章香は座らず、荷台にサエと隣り合って座っていた。 荷物が大量に満載されているので、とても狭いが別に苦しくは無い。 が、二日目の最後にとんでもないトラブルがあり、頭を抱える事態となった。 「まさか、美緒ちゃんがあんなにお酒に弱いとは・・・」 「・・・未成年。」 冷静なツッコミに苦笑するしかない。 怪しい露天商から飲み物を買い込んだ美緒・徹子・醇子は、皆に気前よく振舞った。 最初こそ皆和やかに、楽しそうにしていたのだが・・・ 急に小毬が徹子に絡んだのが始まりだった。 ベランメ口調となった小毬の迫力は凄まじく、普段の彼女からは想像もできないような形相で怒鳴り始めた。 助けを求めた徹子は視線を走らせるが、いつの間にか凛は眠りこけ。 泣き上戸だったらしい里子の愚痴を、醇子が顔を引き攣らせながら相槌をうっていた。 役に立たない三人に見切りをつけ、美緒を探すと彼女は立ち上がって俯いていた。 どうしたのだろうと思っていると、こちらを向いた美緒の顔が見えた。 そして奇声を上げると部屋中を走り始める。 慌てて醇子が取り押さえようとしたが、里子が離してくれないのでどうする事もできない。 かと言って徹子は怒り狂う小毬をどうにかしないといけなくてはいけなく、まったく手が出ない。 どたどた暴れた美緒は、部屋の高そうなもの一切壊さずに外に出ていってしまう。 『もうだめだ。御終いだ。』 暴走機関車となった彼女を止める事などできない。 絶望しながら出て行った先を見ていたのだが、宙ぶらりんとなった美緒が帰ってきた。 宙づりにしているのは旗本サエ。 その顔は・・・夜叉のごとき怒りがにじみ出ていた。 彼女は静かに、強く、怒りを込めて全員を正座させる。 そして、静かな怒号の説教が開始されたのだった。 「・・・帰ったら厳しく教える。」 「ほ、ホドホドにお願いします・・・ね?」 「・・・考慮する。」 取りあえず言質は取ったが、「おそらく容赦するまい。」と思った。 あの騒動で記憶を有していたのは、正気を保っていた二人だけ。 後は覚えていなかった。自業自得である。 「・・・出場は決めたのか?」 「ある程度は大佐が決めます・・・が、陸軍から江藤が出るかもしれないとなると、自分も出ないといけないかもしれません。」 昨日「自分は出ない」と言った章香だが、江藤敏子が出るとなると話は変わる。 今でこそ大隊長として書類格闘をしているが、戦場に出れば自分と互角に戦える猛者だ。 困ったように言っている章香だが、不敵な笑みを浮かべているのをサエは見逃さなかった。 以上です。 突貫工事で作ったから、すかすかだ。 次回は交流会だぜ!
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/634.html
32 :YVH:2012/01/22(日) 21 47 17 前スレ→265でレムシャイド伯から木っ端役人呼ばわりされていた 男の話です。尚、日本側艦艇は、自分の妄想の産物なのでご容赦を・・・ その男は有頂天だった。 同盟が接触した初の「他国」大日本帝国要人の出迎え、及び銀河帝国との交渉におけるオブザーバー役を、 最高評議会から仰せ付かったからである。 彼が選ばれたのは、経歴もさる事ながら(生家が長征一万光年参加以来の「名家」であり 国立中央自治大学を優秀な成績で卒業) E式の姓名を持つ「日系」だったからである。 彼「キタザト・ナオト」にとっては、自分の経歴に華を添えるであろう今回の任務で、 まさか初歩的なミスで汚点を点ける事になるとは、この時は想像だにしなかった。 -自由惑星同盟領・エア回廊、同盟側出入口- 今、この宙域には、日本の使節団を出迎える為に第十艦隊から分派された特別派遣部隊が遊弋していた。 編成は、アキレウス級戦艦一隻、標準戦艦三隻、巡航艦六隻、駆逐艦十隻の計二十隻である。 補給艦は随伴せず、その都度フェザーンまでの航路上の補給基地から、物資を受け取る段取りである。 -特別派遣艦隊旗艦・盤古、艦橋- 司令官以下、艦隊幕僚達の居る上階部分では、日本使節団の護衛任務を受けたウランフ中将が幕僚達と会話を交わしていた。 「少しばかり、早かったかな?」 司令官から話を振られた参謀長・チェン少将は、極無難に答えた。 「宜しいのではありませんか、閣下。遅刻するよりマシでしょう?」 彼のそんな返答に、騎馬民族末裔の提督は、何かを思い出したのか、笑いながら答えた。 「っははは。そうだな、遅刻はいかんな、遅刻は。きか・・」 過去に何かあったのか、遅刻という言葉に妙に拘りながら、 続けて少将に話を振ろうとした時、オペレーター席から報告が上がってきた。 「報告!エア回廊付近の空間に異常が発生っ!!」 続けて、別のオペレーターが報告の声を上げた。 「何かが、通常空間に出てきます・・」 階下のオペレータたちの報告に耳を澄ませながら、ウランフ中将は、お客さんの到着か、と胸中で呟いた。 そうこうしている内に、回廊出口付近に十数隻の艦艇が出現した。 ーー大日本帝国サイドーー ー特別派遣艦隊・旗艦。試製長門級戦艦「ナガト」ー -艦橋- 「跳躍終了。前方の宙域に自由惑星同盟軍の物と思われる艦艇群を確認 数、二十隻」 電探担当のオペレーターの報告に、この艦隊の指揮をとる 大日本帝国軍・中将、東郷忠勝「侯爵」は、ホッと胸を撫で下ろした。 「やれやれ、新型の跳躍機関の試験も無事に済んだな。 まったく、技術廠の連中も無理を言ってくれる」 そんな司令官のぼやきに、傍らに控えている参謀の一人が、労わる様に言った。 「宜しいではありませんか、提督。 この実験の成功で我が軍は回廊を[跳び越える]技術が 確立出来たのですから。後は・・・」 最後の方は言葉にせず、この参謀はニヤリとすると悪戯を企む様な表情で上官に向き直った。 それを見て、東郷提督もニヤリとした。 「・・そうだったな。通信参謀、同盟軍に打電。 〔間もなく、交渉団の座上するお召し艦がここに現れる。 現宙域では大変危険なので、我々と共に至急退去されたし〕」 その命令を受けた件の参謀は、ハッと短く答えると儀体に備わった 電脳ネットワークを介して、通信手に提督の命令を伝えた。 日本艦隊から発せられた突然の退避勧告に、ウランフ以下の幕僚達は 一瞬疑問を抱いたが、勧告に従って艦隊を急速に後退させた。 それを確認した日本艦隊も「彼らにとっての」出来るだけの速度で同盟軍を追い始めた。 その加速性に、同盟側は度肝を抜かれていたのであるが、それは彼らのあずかり知らぬ事である。 日本・同盟両艦隊が安全圏であると思われる宙域に到達した数分後・・ 先程、日本艦隊が出現した宙域に、最初の時とは比べ物にならない規模の 空間異常が発生し、巨大な「ナニカ」が通常空間に出現した・・・・。
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/3487.html
687 :第三帝国:2016/07/06(水) 23 23 20 艦これ×神崎島ネタSS セリフ集 神崎島は宝島ぞ。 かの島は仏が与えた東亜の光なり。 参謀本部作戦本部長、石原莞爾少将 神崎島が多くの資源を有することを知った時の呟き。(※1) 陸軍の馬鹿がはしゃいでいるのは知ってる。 それに内務省の阿呆もはりきっているという話は俺も聞いている。 確かにあの島は宝島だ、だが連合艦隊以上の規模を有する艦隊相手にどうしろと!(※2) 海軍次官、山本五十六中将。 神崎島に関する懸念を表明した井上成美に対する返答。 女のくせに生意気な! 名無しの内務省官僚。 大淀の反論に対しての罵倒。(※3) 米艦隊を確認。 これより接触に入ります。 提督、心配はいらないわ、皆優秀な子たちですから。 空母「加賀」 フィリピンから出撃した米艦隊を捉える。(※4) うふふ~映像記録じゃなくて、 ガチの米内提督をスケッチできたのはよかったわ~。 これで山本×米内本ができるわ、後で本人に送ってあーげよっと。 駆逐艦「秋雲」 GF長官を主題としたウス=異本の作成に取り掛かる。(※5) そうですか、では陛下に聞いてみます。 軽巡洋艦「大淀」 天皇陛下を持ち出した内務省官僚に対する対応。(※6) ※1:神崎島を世界最終戦争の切り札。 と見做した石原は武力ではなく懐柔することを考えていたが、 悪い意味で彼を模倣する陸軍将校達はそう考えておらず陸軍内部は荒れることになる。 ※2:高性能な金属製の単葉機を取りそろえ、 しかも常識外れの戦艦を多数保有する神崎島に対する海軍の率直な言葉であった。 しかし、国内問題の解決策と見做す内務省官僚と血に酔った陸軍と欲に溺れた財閥はそう考えていなかった。 ※3:神崎島は日本領土と見做していた内務省と、 当初から本国へ帰属を望みつつも独立国との自負を抱いていた神崎島と衝突を繰り返していた。 おまけに官僚からすれば相手が女子供ばかりの島なために悪い意味で官僚の傲慢さを発揮し・・・・。 ※4:帝国海軍が神崎島との接触を図ったように、 フィリピンから出撃し、接触を試みたアメリカ艦隊を空母「加賀」の索敵機が捉えた。 そしてこの出会いが大日本帝国、アメリカ合衆国、神崎島を巡る外交での戦争が火ぶたを切った。 ※5:送られた側のコメントは21世紀になってもなお不明である。 ※6:神崎提督自身が「日本国民」と表明したことを根拠に、 陛下のためにも今後内務省に従うべきと「強く推奨」した事に対し、 軽巡洋艦「大淀」は理論立てて反論した上で陛下の名を利用した官僚に対し、 言葉通りの事を(一連の出来事を記録した映像を提供)実行に移すことになる。 688 :第三帝国:2016/07/06(水) 23 27 54 以上です 楽しんでいただけたら幸いです
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/3108.html
11 :影響を受ける人:2014/10/05(日) 20 55 31 この作品にはTS要素が含まれています。 オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。 最低系である最強要素があります。 それでも良い、という方のお読みください。 提督憂鬱×ストパン+零 第三十話 ―異なる翼は共に飛び― 交流会当日。 その日は快晴であり、とても良い日だったと記録に残っている。 扶桑国の陸軍飛行隊・海軍飛行隊と、リベリオン合衆国・欧州義勇飛行隊の四つの飛行隊から、選りすぐりのウィッチが己の腕を競うために終結した。 本当はこんなことしている余裕などないのだが、暗くなりつつある大陸の雰囲気を明るくするため。 本土に飛行隊の優秀さを見せて安堵させるために開かれた。 海上は浦塩海軍飛行基地である。 普段は通常戦闘機隊と、爆撃機隊が駐屯している 最新の戦闘機と、爆撃機を受理しているこの基地の飛行隊はまさに精鋭部隊。 たとえ小型ネウロイにしか効かないとしても、最前線で共に戦うウィッチにとっては無くてはならない戦友達だ。 その基地を借りての御祭りに、最初は苦い笑顔の基地司令だったが天皇陛下の御息女がやってくるとあっては、緊張しないわけが無い。 「ふぅ・・・」 「さすがに緊張しますね。」 皇女陛下をお招きした部屋から出てきた司令が、大きく息を吐くのを見て副指令が苦笑する。 「緊張もする。名代とはいえ、こんな前線の基地にまで御出で頂いたのだからな。」 「確かに・・・ しかし、大会がよほど楽しみなのでしょう。目が輝いていましたね。」 「そうだな。そこは歳相応なのだろう。」 頷いて同意し、先程までの様子を思い出す。 「しかし堂々としておられたな。天皇家としての生まれを、自覚しているという事か・・・」 「見習うべきことです。」 そう言って二人は、司令室目指して歩いていく・・・ そんな会話を知らない皇女は、二人が見えなくなってしばらくしたらグテンとソファーに寄り掛かった。 「うぇ~ぃ・・・」 「皇女様、はしたないですよ。」 その姿勢を見て、さすがにだらしないと思った九曜(分体)が注意すると、皇女は唇をとがらせてブーブー言い始めた。 「だって、暇なのだ。」 「確かに開会式までは少し時間はありますが、さほどでもないですよ?」 「九曜は本体じゃないし。」 「貴方様を逃がすだけならば、私たち分体でも事足ります。」 「わらわも飛びたい。」 「駄目です。」 「じゃぁ、屋台の物が食べたい。」 「食べのモノ関係は、本体に御申しつけ下さい。」 様は九曜本人が来ていない事が不満なのだ。 しかしその理由もわかっているから、かわいらしい我儘を言っているに過ぎない。 少々困りながらも、九曜(分体)は笑顔で対応した。 ――――― 会場には多くの人が集まっていた。 近隣からと、本土からの取材班も来ているのもある。 モノ好きで、本土から来た変わり者もいるだろう。 屋台もたくさん出ていているが・・・その屋台群の殆どが夢幻会の息がかかっていると知ったら、九曜は頭痛を覚えるだろう。 某料理狂シェフが主導となって広めた料理は、瞬く間に扶桑に広がった。 12 :影響を受ける人:2014/10/05(日) 20 56 22 そしてアレンジが加わり、今ではかなりの量がある。 九曜自身が昔から品種改良などを行っていたおかげで、前世よりも野菜の種類が豊富なのも影響しているだろう。 その人ごみの中を、警備目的で散策している一団がいた。 「おいしそう・・・」 「美緒ちゃん、我慢して。」 「綿飴・・・」 「徹子さん、我慢なさい。」 「近所の御祭りで、御神籤屋台でおもちゃを取ったときは嬉しかったッスね。」 「そう言うのもあるのですね。」 言わずと知れた北郷隊学兵達だ。 美緒は良い臭いを嗅いでは、視線が泳いで隣の醇子に袖を引っ張られる。 徹子は美味しそうな物があるのに、我慢しないといけない事に涙して凛が呆れている。 最後列の里子は思い出の話をしていて、小毬が相槌を打っていた これだけを見れば小学生の初々しい一団なのだが、手にしている銃器を見て人々は自然と道を開けた。 彼女等は、北郷隊長が出場するとなったためにこの場に来ている。 名目は会場警備・・・だが、彼女等の様子からしてあんまり役に立っているは良い難い。 それも仕方がない、周りには誘惑が充満しているのだ。 「お前ら、いい加減にしろ。」 「「「「「「うっ・・・」」」」」 先頭を歩くミチルが振り返って注意する。 その顔には呆れだけが浮かんでいた。 「私達は何のために歩いているんだ?」 「・・・不審者の発見です。」 「それなのに、誘惑に負けてどうする。」 こめかみを少しだけ揉み解し、ミチルは再び前を向いて歩き始めた。 慌てて着いていく年少組。 「小毬と里子を見習え。」 振り向きもせずに言うと、徹子が首をかしげて最後尾をちらりと見る。 「え? それってどう意味・・・でしょうか?」 「後ろの二人は会話しているが、ちゃんと周りを観察している。 弾薬係と、その護衛を主にやっているおかげだな。 戦場で培ったものが、生かされている。」 めったにミチルは褒めない。 むしろ八倒している事の方が多いと言える。 そんな彼女が褒めているということに、最後尾の二人はちょっと照れくさそうにし。 残る四人は未熟さを痛感した。 そんな彼女等の気配を背後に感じながら、ミチルは別の事を考えていた。 彼女等の中で成長が著しいのは三人。 坂本美緒・竹井醇子・若本徹子の成長はかなり早い。 自分はまだ単独戦闘に自信が無いのに、この三人は時折単独戦闘をこなしているのだ。 しかも撃墜スコアは自分に匹敵し始めている。 恐ろしいまでの成長だ。 自分の成長は、もうほとんどない・・・ これ以上上手くなりそうもない、壁を感じているからこそ三人の成長は複雑だ。 嬉しい反面、さらなる過酷な戦場に放り込まれるのかと思うと・・・ そんな彼女等でもまだ幼い、油断した時・・・自分は身をもって守らなければならない。 それが年長者としての、生き残ってしまった罪への回答だと思うから。 ――――― 上空を戦闘機隊が編隊を組んで飛んでいく。 その後ろを爆撃機部隊が轟音をとどろかせながら追従する。 再び戦闘機隊が出現すると、編隊を崩して自由気ままに飛び始めた。 それを見ていた観客にどよめきが走るが、次に瞬間には歓声が上がった。 自由気ままに飛び始めた戦闘機隊の後部から、白煙幕が噴射されると大空に絵を描き始めたのだ。 13 :影響を受ける人:2014/10/05(日) 20 57 15 それは次第に富士となり、その頂には扶桑国の象徴が書かれる。 彼らが去ると、次に現れた爆撃機隊が戦闘機隊に負けじと変態起動で飛び始めた。 そして描かれるのはリベリオン合衆国の国旗。 最後にウィッチ隊が現れると、欧州義勇飛行隊に参加している各国の国旗を小さいながらも色つきで作って飛び去った。 歓声が溢れる会場で、一機の戦闘機が地表ギリギリをすっ飛んで行く。 艦載機のそれは、フックにあらかじめ用意されていた仕掛けの紐を引っ掛けると、一気に上昇していき・・・花火が撃ちあがった。 更なる大歓声に、招待されていた九鬼大将の後ろに控える山本少将は嘆息する。 (痛い子中隊め・・・思いっきり遊んでいるな。) 目の前で曲芸飛行していた連中は、頭が痛い事に“痛い子中隊”だった。 前世から飛んでいた連中は今世においても変態的な腕前を誇っている。 更に頭が痛い事に、ウィッチ(女性)になった奴らまでいるのだ。 一応前世同様飛行試験部隊にしてはいるが・・・こういう曲芸をさせれば天下一品な事実は変わらない。 目の前の九鬼大将は気が付いているかもしれないが・・・どう説明したらいいものやら。 「ふむ、見事な起動だな。」 「ああ、そうだな。ウチに欲しいくらいだ。」 「やれんぞ。それに、癖が強い問題児連中だ。」 「そこさえ無ければな・・・・・・」 隣り合っている柴田大将が頷いて同意しているのが見える。 その後ろには杉山と東条が控えている。 御互い目線を合わせると、何とも言えない空気がその場に流れた。 編隊飛行ショウが終わると、壇上に皇女が上がる。 その後ろには白い頭巾をかぶった・・・九曜ではない人物がいる。 “表”の侍従長だ。九曜は皇居内での“裏”の侍従長であるので、こういう公共の場には出られない。 飽く迄も自分の存在を隠すため。天皇家以上の象徴にならないための措置だ。 が、足元には小さな白い狐がいる。この狐は天皇家も認める益獣であり、神聖なる獣として買われている狐・・・という設定の護衛チビ九曜(分体)だ。 そして皇女陛下が朗々と、マイクに向かって語りかけた。 それは不安に震える民を慰撫する為。 それは兵士たちの指揮を上げる為。 援軍に駆けつけてくれた者達への感謝。 国々への感謝。 幼いながらもその声に、多くの人が引き込まれていく。 『これからも友好を続けてほしいと切に願う。 今日、皆の成果を出し合い、存分に切磋琢磨してほしい! では、第一回交流会【青空競技大会】開催する!!』 以上です。 皇女様の演説が書けんかった!! というよりも、全然ネタとセリフが出てこなかった・・・ 明日早いので寝ます。
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/3150.html
942 :影響を受ける人:2015/02/22(日) 22 00 16 この作品にはTS要素が含まれています。 オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。 最低系である最強要素があります。 それでも良い、という方のお読みください。 残酷、流血表現があります。 あと、今回も長くなりました。 提督憂鬱×ストパン+零 第五十話 ―墜ちる空Ⅻ― 赤い、紅い、朱い。 「きゃあああああ!!」 「なに! なんなの!!」 「回避、回避をしろぉォォ!!」 怒号と、叫びと、悲鳴が戦場に響き渡る。 幸いにして薙ぎ払うような攻撃であった為に、殆どのウィッチが回避できたのは僥倖だった。 そんな中で、最も近くにいた特務隊メンバーは、反撃も出来ずに散り散りとなってしまう。 「ミチル! 美緒ちゃんをしっかり守りなさいよ!!」 「わかっている!」 別れ際に何とかそれだけの言葉を介し、ミチルと美緒は急降下で攻撃をかわしていく。 赤い光の雨が降り注ぐ戦場で、二人は必死に生きるために行動する。 「っく!」 攻撃をシールドをストライカーの先から展開して何とか防ぐが、今ままで受けた衝撃と全く違う圧力にうめき声が上がる。 すぐそばの美緒もシールドに注力して展開しているが、実弾の一撃を受けるたびに一気に押し下げられていく。 それでも何とか距離を離し、攻撃が止んで一安心できた。 ふと周りを見渡せば、同じように編隊維持すらできなくなったウィッチ達が個別にネウロイの攻撃を捌いているのが見える。 個別に対応しているが故に余裕が全くなく、合流しようと必死に反撃していた。 そんな中でミチルと美緒は、この状況を作り出した犯人を見ようと上空を仰ぎ見て・・・呆然となる。 雲を突き破るように現れたそれは、丸い頭部を下にして降下してくる。 綺麗に彩られた六角形の模様は、均一に赤いレーザー照射が円筒状の胴体に並び。 実弾を発射する砲口が、王冠の棘の様に均一に並んでいる。 巨大な塔のような胴体、その後半は六つに分かれたタコ足の様で、呼吸するように開いたり、閉じたりしている。 動きはゆっくりとしているが、並走している“アホウドリ”がいるのを見て同じ速度で飛行しているのがわかった。 “アホウドリ”と並走しているからわかる。その圧倒的な巨体が・・・ 「デカい・・・」 ミチルの呟きが全てを代弁していた。 敵が新たに投入してきた大型ネウロイ。それが戦場に現れた。 大型ネウロイはそのまま雲海の下に身を全て出し、地面と水平に飛行する。 自転しながら大型ネウロイは再び攻撃を放つ。 「坂本、逃げるぞ!!」 「はっ、はい!」 豪雨と言っていい攻撃に一目散に逃げ出す。 上空から降り注ぐ死の雨に、恐怖で歯が知らぬ内にガチガチ鳴らし始めていることにミチルは気が付いた。 未知の敵。これほど厄介な敵は無い。 兎に角今は距離を離すのが先決として、攻撃範囲外出ようと必死に回避する。 チラリと後ろを見て、着いてきているか確認すると、必死に回避している後輩が見えてちょっとだけ安心する。 自転しながら攻撃しているおかげで、殆どタイムラグ無しに攻撃を放つ大型ネウロイ。 しかしその攻撃範囲は前方に寄っているらしく、横にずれれば範囲外に抜け出せた。 荒く呼吸を整える身を横目に、ミチルは十華と彩子に連絡を取る 943 :影響を受ける人:2015/02/22(日) 22 00 40 「こちら早良ミチル。聞こえるか?」 『・・・・・・』 「こちら早良ミチル。聞こえたら返事をしてくれ。」 『・・・・・・』 返答は無い。 やられたのかと一瞬思ったが、すぐに否定する。 今まで同じ戦場に出ていた二人の技量は良く知っている。 無事に逃げていると考え直し、だいぶ落ち着いた美緒の方に向いた。 「坂本、いいか?」 「ハァ・・・ なん、ですか。」 「私はこれから帰還するつもりだ。」 「え・・・!?」 思わぬ言葉に美緒は目を見開いてミチルを見る。 視線の先の先輩は、何時もと変わらない厳しい表情で戦場を見詰めている。 「わかれた二人とも連絡が付かない。これ以上戦場にとどまるのは危険だと判断した。」 「そんな!」 視線をミチルから戦場に移せば、“ウシアブ”“アホウドリ”“スズメバチ”に追いかけられているウィッチの姿がある。 彼女達を見捨てて逃げるというのか? 抗議の為にミチルを睨む。しかし・・・予め言われていた命令を思い出すと、何も言えない。 必ず生きてい帰る事。味方を見捨ててでも・・・ それがどうしても、重い・・・ 舞鶴にいた頃から慕い、信頼している北郷章香経由でやってきた命令。 しかしこれだけは聞きたくない。 せめて、あの大型ネウロイの弱点を知る事だけでも! そう思っていると、ミチルはなぜか銃の点検をしていた。 「では、いくぞ。」 「自分は・・・私は!」 「坂本一飛曹。これから奴の弱点を探りに行く。復唱は?」 「・・・・・・へ?」 あれ? 「復唱はどうした?」 「あ、あのー・・・ 帰還するんじゃ?」 「お前の主任務は「敵の弱点を探る事」だ。 未知の敵だからと言って、弱点も探らずに帰れば大目玉だからな。」 そう言ってにやりと笑い、銃で大型ネウロイを指し示す。 混乱していた美緒だったが、次第に言葉を理解して笑顔になっていくのがわかる。 「はい!」 「いい返事だ。いくぞ!!」 二人はストライカーを吹かし、一気に上昇していく。 そのまま接近するのは危険なので上に出る必要性がある。 遠視と同時に透視もできなくはないが・・・動きを止めないといけない。 流石に二つ同時使用は、美緒にはまだまだ技量が足りなかった。 急がば回れ・・・少し遠めで上昇していく二人。 しかし、護衛のネウロイは目ざとく二人を見つけて突撃してきた。 長距離を狙うレーザーは、さすがに威力が減衰しているので楽に防御できるのが有り難い。 「このまま雲の上に出るぞ!」 「はい!」 黒い雨雲に突入していく。 ビシビシと顔に小さな氷が当たるが、腕で何とか保護をして耐える。 そして雲を抜け出ると眼前に青空が広がった。 美しい光景に一瞬心を奪われるが、後ろから放たれるレーザーを見て慌てて先行するミチルの後を追う。 944 :影響を受ける人:2015/02/22(日) 22 01 22 「よし。私が先行して潜る。後は・・・わかるな?」 「何時も通り、すれ違い様にですね。」 「そうだ。」 後から雲を突き破ってきた“スズメバチ”はこちらを見失ったのか、旋回しているのを尻目にこちらは雲海ギリギリの高度で飛行する。 そしてこちらに気が付いて攻撃を放った時には遅く、二人で降下に入っていた。 再び雲海に突入した二人は、予測した未来位置を信じて駆け下る。 もう降下すれば後戻りはできない。 覚悟を決めて、ひたすら高度を下げていく。 だが敵もこちらの意図を悟ったのか、今まで見た事が無い太いレーザーがすぐそばを通過した。 その熱量で雲を吹き飛ばし、こちらの姿が露わになってしまう。 大型ネウロイはただ単に、上から来るようだから目暗打ちをしただけなのだが、圧倒的な攻撃力に冷や汗が流れて止らない。 姿が見えたことで攻撃は苛烈になっていく。 弾幕は“アホウドリ”以上と言え、別に撃破するつもりではないが、この弾幕に突っ込まなければならなくなると思うと気が重い。 僅かに円を描く様にして降下し、レーザーが、実弾が隣を通過していく。 「ぬぁ!」 「先輩!!」 その内のレーザー一筋がミチルを捕らえた。 咄嗟にシールドを張って耐えるが、離されるように薙ぎ払われる。 「心配するな! マーキングを!!」 光の渦に巻き込まれつつも、ミチルはそれだけを言って離れていく。 視線で追っていた美緒だが、すぐさま降下速度を上げた。 たった一人での突入に、恐怖が胸を締め始める。 しかしここでマーキングをしなければ、後のウィッチが大変なことになる。 恐怖心を抑え、歯を食いしばって耐えた。 眼帯を捲るのも惜しく引き千切って魔眼をさらし、大型ネウロイを透視する。 急降下であるから、時間はそれほどない。 (どこに・・・あった!) ネウロイの核はご丁寧に中心部にあった。 上空から見ているから本当に中心部にあるかはわからない。 “アホウドリ”が弱点をランダムにしたように、位置は微妙に違うかもしれないのだ。 それでも銃を構えて狙いを付ける。 (焦るな・・・ 遠くから狙っても思った位置に当たらない。 寧ろぶつかる位で!) 集中し、狙いを付けて降下していく。 現前に、大型ネウロイの巨体が次第に大きく迫っていく。 そして射程圏に収まった。 (今だ!!) 放たれたペイント弾は、ものの見事に外れた。 「・・・え?」 訳が分からない。いきなり核が消えたように見えた。 既に真上から迫る時間はもうない、内心で疑問に思いつつ横に抜ける。 その最中にもう一度透視して狙いを付ける。横からの、一瞬しかないチャンス。 だがそれも、放たれた弾丸は外れてしまう。 しかし今度は原因がわかった。 敵はまさにタコの様に、一瞬で足?を閉じると加速したのだ。 余りの理不尽さに美緒は茫然とする。だから“ウシアブ”の接近に気が付かなかった。 異音に気が付いて振り返ったときにはすでに回避できない距離。 目を見開いて、何もできずにいたが誰かに押されて攻撃を受ける事は、無かった 945 :影響を受ける人:2015/02/22(日) 22 02 00 「・・・ごふっ」 「・・・・・・え?」 目の前に手を突き出したミチルがいた。 ミチルは口から血を吐き出しながら逃げる“ウシアブ”に射撃を喰らわせ斃す。 しかしそれが限界だった。 ミチルはそのまま落ち始める。 「あぁぁぁぁぁぁ!!」 ミチルに救われた。ミチルは負傷した。 それに気が付き、自由落下し始めた彼女を美緒は追う。 叫び声を上げながら後を追い、銃を放りすてて胴体を抱え込んで水平飛行に入る。 「先輩!」 「ああ・・・ 聞こえているよ・・・」 息も絶え絶えに返事が返ってきた。その間にも白い布地が赤く染まっていく。 “ウシアブ”の実弾が腹部を貫通しているのだ。 真っ赤に染まるのも構わず美緒は呪歌使いを探す。 しかし混戦の最中で個人を特定するのは難しい。 「なぁ・・・ 坂本・・・」 「すぐに手当てを!!」 「無理だ・・・ 持たないよ・・・」 「そんな事ありません!!」 必死に探す美緒を安心させようとミチルは笑顔で頭をなでてやる。 「無事で・・・よか・・・た・・・・・・ぁ・・・・・・・・・」 「先輩?」 撫でてられた事に戸惑い、顔を上げると嬉しそうで困っているミチルが居て、力が抜けると同時に撫でていた手も垂れ下がる。 「いやだ・・・ イヤダあああァァァァァァぁァァァァァッッッ!!!!!!」 以上です。 早良ミチル戦死。 大型ネウロイ:参考の形はタコウィンナー六本足
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/3185.html
686 :影響を受ける人:2016/01/24(日) 22 25 30 この作品にはTS要素が含まれています。 オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。 最低系である最強要素があります。 オリジナル設定、個人的解釈が入っています。 それでも良い、という方のお読みください。 提督憂鬱×ストパン+零 第八十四話 ―決戦前夜― ― 8月4日未明:未確認大型怪異出現 ― この情報はすぐさま世界中に駆け巡った。 決死の偵察により得られた写真はすぐさま何枚も刷られ、各研究所に持ち込まれて分析を開始。 同時に民間レベルでは非公開にし、秘密にするような事でもなので各国の政治家・軍人にも情報提供された。 そして写真を見た誰もが口を開いて言う。 「信じられない。」 そのバカげたサイズに。 荒野を闊歩するその姿を見た偵察員は、「要塞が歩いているようだった。」っというのも無理はないだろう。 もっとも、実際に見た夢幻会偵察員(前世でも偵察機乗り)は「アームズフォートだな。ありゃ。」と言っていたが。 取り巻きが多く、偵察をする飛行隊員は決死の決意で行い続けた。 「ウィッチは小さいから見つかりにくいのでは?」 と言う意見もあったが、同時に偵察して彼女等の方に大群が向かって行くのを見て即時撤退する。 幸いにして瘴気をばら撒きながら進軍しているわけではないので、隠蔽をすれば割と簡単に地上からでも観察できた。 もっとも、地上の取り巻きも沢山いるので、それなりに苦労はあったが。 超大型ネウロイはしばらくの間名前が無かったが、その形状から“ヤマ”と言う名称を付けられる。 リベリオンでは“グレートシング”、ブリタニアでは“ビヒモス”等々つけられてはいたが、観測上最大級の大きさであるというのには間違いが無かった。 “ヤマ”の行軍速度は遅かった。あれだけの重量物体が移動するのだから当然だ。 さらに大きな川を迂回し、なるべく狭い場所を通る事からワザと進路上に池を作り、更に遅滞できないかと言う意見が出た。 だが、相手も航空偵察をしているので無理と言う判断が下る。 敵の進行速度から逆算すると、扶桑海には8月の29・30・31日には到達する見込みが出た。 こちらは幸いにして大陸からの民間人の避難は済んでおり、艦隊の整備も進んでいる。 後はこちらの戦力を整えるだけ。そして作戦を決めればいい。 ――軽航空母艦【瑞鳳】―― 「よし。次!」 号令に従い、ウィッチがまた一人発艦していく。 彼女が飛行甲板を蹴るのと同時に、もう一人も発艦する。 その後に続いてドンドン発艦していく姿に、見学していた坂本美緒等は口を開けて見入っていた。 「すげぇ・・・」 「実際見ると、ちがうね。」 地上訓練で合格を貰えたのはあまり多くは無かった。 その多くない人数の中に、美緒達は入っている。 その横には、同じく合格した狐火隊の面々と狸釜隊の面々が。 技量が高い人員で構成されていたので、この結果は当然と言える。 しかし船になれていない隊員もおり。絶賛船酔い中の数名が艦内で寝込んでいる。 ほわぁっと見ている竹井醇子の横に、飯島凛と山田里子がやってきた。 気が付いた徹子が顔を向けると、風でなびく髪を押さえている凛が傍に立って上空を仰ぎ見た。 「委員長どうだった?」 「駄目ですわね。」 「今回の訓練には参加させられないッス。」 聞いてみたのは倒れた二名の学兵だ。 彼女等は大久保小毬同様の運搬係だったのだが、慣れない船に酔っている最中。 仕方がないので小毬だけ、艦内で行う整備について研修を受けている。 徹子は「そうか。」といいつつ、里子の顔を覗き見た。 「しかし、なんだ・・・」 「な、なんッスか?」 「おまえ。本当に大丈夫なのか?」 「だから・・・ 大丈夫っすよ! 基地でも散々説明したッスよね!?」 687 :影響を受ける人:2016/01/24(日) 22 26 00 徹子は本気で心配しているのだが、こう何度も聞かれるのは流石に勘弁してほしいと思う。 だからプンスカ怒るのだが、どうにも迫力が無い。 まあ、本土に戻った理由が理由だけに、心配されるのはわかる。 暫らく療養していた里子だったが、大陸の話を聞くたびに悔しさで涙を流した。 中でもショックだったのは早良ミチルの戦死だ。 彼女が死ぬ姿がどうしても思い浮かべられず、合流するまで半信半疑だった。 里子は重病と言うわけでは無かったので、軍病院でもかなりましな部屋に入れられていた。 そこでは五体満足でありながらも、前線から引かなければならないウィッチもそれなりにいて、お互いに支え合った。 比較的笑いもあったから、心持ち楽であった。 だが合流すると厳しい現実を知る。 いなくなった先輩に同級生たち。もはや会えない仲間達。 話を聞いた後、再び彼女は泣いた。 「悪かった。悪かったて・・・」 「むぅぅ~」 「里子さん。それ位にしなさいな。」 凛にたしなめられ、徹子も謝ったので一応下がる事にした。 すると、タイミングを見計らっていた美緒が声をかける。 「三人とも、着艦に入るみたいだよ。」 「お、いいタイミングだな。」 「ちゃんと見て、勉強しないと先生に怒られるよ?」 「醇子さん、わかっていますわ。」 ワイワイと仲がいい学兵達を、少し離れた位置にいる黒江綾香は微笑ましいのか、微笑を浮かべていた。 「いやぁ。もう一人前だね。」 「そうかな?」 同じ様にみていた加藤武子は首をかしげた。 振り返って狸釜隊隊長の方を向いてい力強く言う。 「そうだと思うよ。」 「ふむ・・・」 腕を組み、学兵達を見やる。 丁度着艦してきたウィッチの挙動を見逃さない様に、目を皿の様にして観察する様子は好奇心あふれる子どもに見えなくもない。 しかし、その目の奥にある物は・・・ 「確かにそうかもね・・・」 同意して思うのは、長い付き合いになった彼女達との思い出。 当初は「学兵なんて」などと言う思いが有った。 穴吹智子と加東圭子も含め、自分達は最初から軍の幼年学校から通っている。 しかしながら彼女達は全く違う。 総隊長も言っていたが、この時期にこんな経験をさせるべきではないのだ。 そして同時に確信もしている。 あの子達は必ず正式な軍属になるだろうとも。 頼もしくもあるが複雑だ。 「そういえば・・・隊長から聞きまし?」 「例の超大型のこと? “オニグモ”よりも巨大だと聞いたけど・・・」 「追加情報です。“オニグモ”二体確認。“アホウドリ”十六体確認。他混成部隊多数有り。 だ、そうですよ。」 「うぇ・・・」 嫌になる情報に、顰め面を浮かべる。 「隊長たちは・・・ 上はどうする気かしら。」 今までにない敵の大戦力に体が震えた。 何度も死線を潜り抜けてはきたが、今回はどうなるかわからない。 此処にはいない総隊長思って空を見上げた。 ――――― 「今回の急な協力、ありがとうございます。」 「いや、気にすんなって。 苦労したのは艦長とか、司令の方なんだからさ。」 北郷章香は【瑞鳳】飛行隊隊長の天龍空姫(てんりゅう くうひ)に頭を下げたが、本人は朗らかに笑いながら手の平をヒラヒラさせた。 狭い室内だが隊長の部屋と言う事もあり、多少は広い。 しかし三人もいると狭いのには変わらない。 この軍艦【瑞鳳】は軽空母。大きさは正規空母よりも小さいのだから。 同席している【瑞鳳】飛行副隊長の須藤つばめ(読み:すとう つばめ)は、自分が入れてきたお茶を飲む。 688 :影響を受ける人:2016/01/24(日) 22 26 52 「それにしても、赤城以来か?」 「そうですね・・・あちらは試験運用でしたから、それほどはいませんでした。」 「そうだよな。まだまだ青かったのに、今じゃ総隊長! しかも大佐に昇進が決まっているっていうしな!」 「天竜さんを差し置いて、自分が上がるのは何とも言えません。」 「いいって。俺は現場にいる方が性にあってる。」 「ぶっきらぼう過ぎて、水瀬大佐に苦言を貰うくらいですけど。」 「おいおいスドウ・・・ そりゃ言っちゃなんねぇぜ・・・」 「スドウではありません。ス ト ウ です!」 女性らしく会話が弾む。 この天竜天姫と言う人物にも、章香は御世話になった。 元々実家が船乗りと言う事もあり、男勝りな所もあって海軍に入隊した。 叩き上げで、旗本サエに次いで頭の上がらない、尊敬できる人だ。 この掛け合いも久しぶりに聞いて、少し笑ってしまう。 「まったく・・・ 本題に入りましょう。」 「お、そうだな。」 つばめが溜息を吐きつつ軽く睨むが、張本人は全く気にせず章香に促した。 「それでは・・・ 敵戦力については知っていますね?」 「ああ。“オニグモ”だけでもきついのにな。」 「推定でも一キロ四方の巨大な四角錐の超巨大サイズ。 規格外にも程がありますね。取り巻きも多数いて、漸減作戦も上手く行かないのでは?」 この大きさ、実は夢幻会の予想外の一つだ。 彼等は大きさを大体半分くらい、最悪でも五分の三くらいだとしていた。 だがここにきての特大サイズ。一部パニックになるのも無理は無かった。 「ええ、地上で交戦する事は既に諦めています。」 「ふぅん・・・ “地上”ねぇ・・・」 章香が資料を天竜に手渡し、資料を見る前から察しているのか、胡散臭げに見ていく。 しばらく副隊長と共に見ていた天竜は、机の上に資料を置いて煙草を咥えた。 「基本的にはかわんねぇのか。」 「ええ、実績もありますし。基本的にネウロイは数による力押しをしていきます。」 「有効的ではあると思いますが、話を聞いてくれますか?」 つばめが言いたい事もわかる。懸念するのはある一派。 だが、問題は無い。 「大本営でも、同じような作戦を立てているという話です。 ならば・・・動いてくれでるでしょう。」 「そうだといいがね。あいつら、筋金入りだぞ? 噂じゃ。九鬼大将に見捨てられたのに逆に噛み付いている、って聞くしな。」 「それに関しては、江藤が集めていると聞きます。」 「陸軍の、ねぇ・・・」 記憶から引っ張り出そうとするも、思い出せないのですっぱり諦めて別の事を思う。 その横で副隊長が「ああ、思い出せなかったんだな。」と悟っているようだが無視。 「あの魔眼使い。大丈夫か?」 「坂本美緒、ですか? 同じ魔眼使いとして、やはり気になると?」 「ああ、俺は【暗視】能力しか持たない上に、制御は出来るが他に切り替えができないからな。 特にあの眼鏡が気になるぜ。」 「あれ。相当高いみたいですよ。」 話題をずらされつつも章香はその後も話し続けた。 それは、将来おきる悲劇から目を背ける為か。 それとも、一時の安らぎの為か。 以上です。 オリウィッチ二名登場させました。 こんな感じで、続々と登場させたいですね。
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/5574.html
872: 635 :2019/02/06(水) 19 39 22 HOST p1898232-ipbf412souka.saitama.ocn.ne.jp 銀河連合日本×神崎島 小ネタ9 小笠原村と神崎島鎮守府は医療、民生分野での協定を締結いたしました。 急患時の対応や各種民生品、食料などが神崎島から供給が行われ生活の向上が期待されます。 小笠原村広報誌 「最近は本当に中国の漁船見ないな。」 「神崎島が壁になっているからなあ。有り難いことだ。あっ!神崎島の艦だ!おーい!」 伊豆諸島近海で操業する漁船での会話 「最近ガンプラの売り場狭くなったな。」 「戦艦や戦闘機の模型売り場広くしたからな。」 大手量販店の模型売場の店員の会話 「それはそこに接着剤を塗ってね。」 昔は各町にあった模型屋、模型を作ったことのない客が急増し模型教室を行う 「やまとのもけいください!」 大和(竣工時)、大和(レイテ)、大和(第一次改装)、大和(坊ノ岬沖)、大和(神崎島)、ヤマト(宇宙戦艦)、やまと(護衛艦)、大和(憂鬱)、ヤマト(赤鷹) 「どれ買えばいいんだ(汗)」 「初心者でお子様にはこのシリーズがおすすめですね。鋭利な部分や小さな部品がないですし。」 子供に強請られ模型屋に来た父親、積まれた大量の大和にビビる 復活!!鋼鉄の咆哮―Fleet Girls Commander― これはもう一つの世界大戦である!提督の決断―神崎島鎮守府戦記― 不穏な東アジアとヨーロッパ、それは新たなる戦艦時代の幕開けだった。 現代大戦略201―蘇る連合艦隊、復活のリヴァイアサン― とあるゲームの広告 「まさかこのスマホ全盛のご時勢でアーケードゲームを輸出するとは。」 「業績も上向きですからね。艦娘様様ですよ。」 コンテナに詰め込まれる輸出される艦これアーケードの筐体 「この施設が本来の目的で再び使われるとはな…。」 「ちょっと複雑ですね。」 日本製鋼所室蘭製作所で戦艦の主砲の試作する技術者達 「呉で戦艦作れるかな?」 「大和ドック埋めたって話だしどうなんだろ?。」 自衛隊向け戦艦の建造の話を知った呉市民の会話 まろやかな甘さ、神崎島産カカオ豆100%チョコレート新発売! 豊かなコクと香り、神崎島産コーヒー豆100%を贅沢に使用! とあるスーパーのPOP 「日本の主権範囲内でカカオとコーヒーを一般消費者に供給可能な量を生産出来るとは凄い時代になったものだ。」 スーパーのPOPを見た男性の呟き 873: 635 :2019/02/06(水) 19 39 52 HOST p1898232-ipbf412souka.saitama.ocn.ne.jp 「すごい行列だな。」 「お父さん。宮司さんたち飛行機運んでるよ。」 「少年、あれは瑞雲というんだ。今の瑞雲はいいぞ。最高だ!」 伊勢の神宮に奉納される瑞雲(実物)と瑞雲(漆塗り)と瑞雲(イゼイラ工芸品) 改装航空母艦伊勢と神崎島鎮守府、ヤルバーン有志一同奉納 「そういや新艦掘れた?」 「ダメだった。ママから頼まれごとあったから完走も出来なかった。」 「うわあご愁傷様。」 「おい!艦これの話は俺以外の教師のいない所でしろ!うるさい教師もいるからな。」 最近提督となった女子高生の会話 「アア!羅針盤がそれた!」 「レ級の開幕雷撃が!?」 「瑞雲がPT小鬼一掃したゾ!」 「ナガトサン!戦艦狙って下さいデスヨ!」 艦これ提督となったヤルバーン乗員の皆様 「クソ!またPT小鬼か!」 「サイヴァル、イライラしてはダメですわよ。」 「マリヘイル、仕事が忙しくてイベントが進んでないんだよ。」 イゼイラセンタータワー内のイゼイラ星間共和国議長執務室にいる提督 「(絶句)」(元陸軍) 「やはりヴァズラーは美味いな。」 ヤルバーンへ観光に来たら食堂で隣が彼の方だった老人 「(絶句)」(艦これ提督) 「あっ!深海浮き輪さんだ!」 「ムシャムシャ。」 ヤルバーンへ観光に来たら食堂で隣が深海浮き輪さんだった父子 「増えてるな…。」 「いやまあ参拝者増えるのは良いことだけど…。」 艦娘と同じ名前の神社に増加した艦娘の絵馬 874: 635 :2019/02/06(水) 19 40 33 HOST p1898232-ipbf412souka.saitama.ocn.ne.jp 「おお、トシ坊ようやく着いたか待ちくたびれたぞ。」 「敏郎さんこちらの方は?従兄弟さんかなにか?」 「え?何言ってるの俺の曾祖父さんだよ。」 「え"っ!?」 婚約者の地元に行ったら妖精な曽祖父(見た目二十代)が駅に迎えに来た女性 「あらあら史郎ちゃん大きくなったわね。」 「?あのどちら様で」 「史郎!お前こんな美人な女性と知り合いなのか!?」 「いや知らねえよ!!」 「十年前に死んだ曾祖母ちゃんよ。妖精になって帰ってきたのよ。」 「「何ぃー!?」」 地元へ帰り実家へ友達と来たら死んだ曾祖母が妖精になって実家にいた孫 「ですって!」 「かも!」 「デース!」 「家の子達語尾がおかしくないか?」 「D○SHで同じ語尾の艦娘出てたからその真似じゃない?」 艦娘の影響を受けてしまった姉妹 「「「瑞雲!瑞雲!」」」 「飛行機が神輿になるなんてなあ。」 「これも時代の流れか。」 各地の瑞雲と名の付いた寺社仏閣、土地の地域おこしで使われる瑞雲 「かすみちゃんかいにをたたえよ!!」ドンドコドンドコ 「「「たたえよ!!」」」例のポーズ 「誰だ!運動会でこれ企画したの!?」 「これ園児たちの間で流行ってるんですよ。」 ある保育園の運動会での園児達のダンス 875: 635 :2019/02/06(水) 19 42 45 HOST p1898232-ipbf412souka.saitama.ocn.ne.jp 以上になります。 今回は世間一般?への神崎島の影響を書いてみました。 転載はご自由にどうぞ。