約 19,733 件
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/3147.html
689 :影響を受ける人:2015/02/01(日) 22 30 16 この作品にはTS要素が含まれています。 オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。 最低系である最強要素があります。 残虐な、流血の表現があります。 それでも良い、という方のお読みください。 提督憂鬱×ストパン+零 第四十七話 ―墜ちる空Ⅸ― 戦闘開始から五日目経った時、大陸総合本部よりある通達が行われた。 それは大規模撤退作戦である。 作戦名だけ聞けば「何時もの通りでは?」と思われるかもしれない。 しかしながら今回の作戦発動は全く違う。 今までは防御して、民間人を退去させる時間を作り出すのが目的だった。 しかし、継続戦闘により資材が枯渇状態に陥り始めた事が、事態を深刻化させた。 このままでは戦線が崩壊し、ネウロイが民間人を襲う事になる。 それを危惧した作戦本部は、いままで穏便に進めていた退去を強引に進めることにしたのだ。 動かせるトラックなどの機材をフル活用し、一気に人員移動をする。 それに伴い、前線も大きく下げて戦力の集中化も図るという、何とも豪快な作戦だ。 実は決断を下したのは四日目。 データー分析による天気予報と、占星術による天候予想、能力者による未来視。 これらの予想にもとづき、近日中に雨が降り注ぐようになることも後押しの一つと言える。 雨風が吹けば、通常戦闘機の飛行は著しく難しくなってしまう。 ただでさえ夜間戦闘でベテランを引き抜かれているというのに、これ以上の戦力低下は見過ごせないものとなった。 民間人の退去は一応事前通告して手荷物だけにさせている。 半ば強引に残ろうとしても、強制的にでも退去させる覚悟だ。 問題は前線の戦力をうまく撤退させられるか。 地上戦力の主力である戦車・重砲は、牽引車などが必要。 通常戦闘機隊も風雨が降る前に移動しなければならない。 その間隙を埋められる戦力・・・ウィッチに負担がのしかかる事となる。 幼き少女達に頼らねばならない。 胸中に渡来する思いを胸に秘めながら、作戦は開始される事なった。 ――――― 「ぜぇいやぁぁぁぁ!!」 陸戦ストライカーを履き、左肩に先祖伝来の鎧の一部を付けたウィッチが、大型ネウロイの脚部を斬馬刀で切り裂いて転倒させる。 斬った勢いを利用して振り返り、上段に構え直して振り下げる。 「ふんぬぅぅ!!」 切り裂いた断面から敵の核が見えたが、それを一顧だにせずに次に向かう。 再生を開始するネウロイであったが、 『もらったぜ!』 駆逐戦車の砲撃を受けて爆散する。 通信から援護を受けている戦車隊の歓声が聞こえてきた。 「いちいち叫ばないでよ! 耳が痛い!!」 『おお、すまん。だがその調子でジャンジャン行動不能にしてくれ。』 「わかってる、わ!」 陸戦ストライカーのキャタピラが、轟音をあげて大地を削る様に突き進ませる。 中型の群れがいたので、すれ違い様に足を切り裂いて転倒させておく。 重砲隊に聞こえる様に敵がいたポイントをいうと、しばらくして榴弾の雨が降り注いで敵を殲滅した。 「隊長!」 690 :影響を受ける人:2015/02/01(日) 22 30 56 斬馬刀のウィッチが駆け込んだ先では、槍を携えたウィッチが丁度大型ネウロイを串刺しにして爆散させた直後だった。 槍使いのウィッチが一息つきつつも、斬馬刀のウィッチに並走するために近づく。 「さっすがぁ! 隊長ですね~♪」 「石動、気を緩めるな。」 「承知していますよ。」 彼女等は陸軍の精鋭ウィッチ部隊【新撰組】だ。 銃器をほとんど使わず。接近戦で敵を葬り続けている。 銃器を使わないから継戦戦闘力もずば抜けて高いが、決め手に欠ける時があるために通常戦闘部隊との連携も考慮している。 隊長の槍使い…黒田剛己(くろだこうき)…は、主武装の【扶桑号】を肩に担いで次の獲物を探す・・・必要も無く、進路上の敵を串刺しにしていく。 その横では舞踊るように斬馬刀のウィッチが追従する。 しばらく二人で殲滅し続け、途中で斧使いと弓矢使いとも合流していく。 突き、薙ぎ払い、切り倒し、穿つ。 その光景を遠くから見ている兵士達は、戦女神の舞踏を特等席で見れることに感動する。 手を休めると上官に怒鳴られてしまうけど。 『隊長、例の空戦ウィッチを発見確保しました。』 そんな中で探索任務を帯びていた仲間からの通信が入った。 すぐに場所を問いつつ、前線に張っている司令部に断りを入れ、すぐに向かう。 こうした任務も彼女等の役割だ。 「おっと。」 彼女等の敵は地上にだけいるわけではない。 “ウシアブ”が急降下してきてレーザーで薙ぎ払ってきたが、危なげなく散開してかわす。 そのまま上昇する“ウシアブ”だが、弓使いの追撃により横合いから翼ごと胴体を穿れて地面に激突して爆散する。 「長瀬、あとどのくらいある?」 「矢は、にじゅう・・・二十五本あります。」 「そうか。大事に使え。」 「承知。」 短くもはっきりとした返答を受けて、黒田は三人を率いて進む。 途中小型ネウロイの集団と出会ったが、一分もしないで全滅させておく。 こういう小型一番厄介だ。小さいので当てづらいというのが一番の理由。 そうこうするうちに前方から残りのメンバーが走ってくるのが見えた。 「おーい!」 斧使いが手を振ると相手も振り返してきた。 円月輪を二つ持つのウィッチ。 刀を二振り持ちつつ、背中と腰にもまだ刀を持つウィッチ。 青竜刀を持つウィッチ そして・・・巨大なサイのようなモノ。 黒田達はそのまま旋回するようにして合流し、元の陣地近くに戻る道を進む。 巨大なサイは轟音を立てながら走っているが、その背中には何か乗っている。 異様な物体に近づき、並走をしつつサイモドキに通信を繋げた 「可楽、背中に乗るぞ。」 『ァィ…』 可楽と呼ばれたサイモドキの中から、ものすごく小さい声が聞こえてきた。 了承を貰ったのでタイミングを見計らい、その背中に飛び乗る。 シールドを使っての跳躍だが、手慣れたもの。 すんなり背中に着地をして背中のモノを確認する。 背中には、一人の少女が縛り付けられており・・・“分かれた下半身” と“共に縛られて”固定されていた。 「遺体が帰るだけでも、まだ運が良い・・・か。」 そのまま憐みの目を向けつつ少しだけ拝む。この少女の魂が安らかに眠る様に。 そして屈んで懐を確認する。目的の物を確認するまでは報告できない。 目的の物は直ぐに見つかった。 それはドッグタッグと呼ばれるもので、【千景えりか(ちかげえりか)】と名前が掘られていた。 691 :影響を受ける人:2015/02/01(日) 22 31 34 ――――― 千景エリカの戦死報告を受けた美緒は茫然とし、そのまま食事もせずにフラフラと自室に戻っていった。 信じられない、そんな顔で。 「しばらく、一人にしておけ。」 とミチルに言われ、反論したかったが何も言い返せなった。 徹子は胸中に怒りを抱えながらそのまま食事を終えると、自室に肩を怒らせながら戻る。 その後ろを凛が付いてきたが、何も言わずにベッドに飛び込んだ徹子を尻目に椅子に座って本を読み始める。 今この部屋には美緒はいない。 特殊任務の都合上、ミチル達と同じ部屋に変更されたからだ。 「なぁ・・・委員長。」 「なんですの?」 「どうすればいいんだろうな。」 「何がですの?」 「何がって・・・美緒の事だよ。」 「こればかりは、美緒さんの心次第ですわ。」 身も蓋もない言い方に切れた徹子はベッドから出ると、そのまま凛の胸倉をつかんで持ち上げた。 「お前は心配じゃないのかよ!!」 「ぅく・・・心配で、すわ。」 「だったら何でそんな言い方すんだ!!」 「先ほどもぉ・・・言った、通り。美緒さんが、超え・・・るべき、壁ですの・・・よぉ!」 余りの興奮状態に力が発現し、剛腕でもって凛をそのまま持ち上げていく。 髪が長く伸び始め、爪は鋭利に、犬歯も少し鋭利になる。何よりも凛と合わせている目が獣の様なものになってくのが見えた。 その変貌に驚くが、凛はそれを内心に留めつつ言い放つ。 「親しきぃ、人が居なくなる・・・という事は、覚悟ぉ・・・して、いた筈ですわ。」 「グルゥゥゥゥゥゥッッ・・・!!」 徹子の漏れ聞こえる声すら獣になりつつある。 これが彼女の隠していた能力かと、頭の中で冷静に分析して苦笑する。 彼女はもはや言葉をなさず、そのまま獣の怒りに任せて凛を殺そうとし・・・首飾りが淡く光り輝く。 その光を確認できた者はいない。しかし徹子には劇的な影響を与えた。 急激に冷静な判断が出来る様になり、次第に状況を把握していく。 目の前で苦しんでいるのは誰だ? 首を絞めているのは誰だ? 殺そうなんて・・・なぜ思ったんだ? 何故自分は・・・ 「あ・・・ああ!!」 恐怖が胸中に巻き起こり始めた徹子は、そのまま手から力を抜く。 力を抜いたことで凛はそのまま床に滑り落ちて尻もちをつき、咳き込みながら息を整える。 涙目で見上げてくる凛を、恐怖に歪んだ顔を隠すように後退していく。 「ち、違う・・・ 違うんだ・・・ こ、殺そうだなんて・・・・・・っっぁぁあああ!!」 「ま、待って徹子さん!」 恐怖に叫び声を上げ、そのまま部屋から出ていく。 凛は追い駆けたかったが、まだ息が整っていない為に追いかけられなかった。 この後、戻ってきた里子がうずくまる凛を見つけて大慌てで介抱する。 美緒に会おうとしたものの面会謝絶されて戻ってきた醇子と小毬も、里子の説明に驚いて徹子に事情を聴こうとした。 しかしこの日、徹子は翌日の出撃まで戻らなかった。 以上です。 オリジなる陸戦ウィッチ書いたら長くなってしまった・・・ 1人退場させる予定だったのに・・・ もういいや、次回に回そう。 陸軍の精鋭ウィッチ部隊【新撰組】 部隊隊長:黒田剛己(くろだこうき) 使い魔:柴犬 主武装【扶桑号】 黒田家の長女。九曜の歴史改変により生まれ出た、本来なら生まれないはずのウィッチ。 黒田家としては空戦を目指して欲しかったが、本人の希望と、当主の祖父の槍武術を継承したくて陸軍に入る。 その後、接近戦を主体とするハグレウィッチをまとめ上げて【新撰組】を立ち上げた。 当初は色物部隊と言う扱いであったが、演習を何度もこなしてどの部隊よりも好成績を収める。 大陸に移動してから更に名声が上がり、『陸軍の撫子』と言われて大人気に。 しかしながら接近戦をこなせる人材が全くおらず、部隊員増員のめどは立っていないのが悩み。 空戦に進んだ真嶋志麻を事有る毎にスカウトしているのだが、芳しくない。 ちなみにハグレウィッチ達は陸の“痛い子中隊”だったりする。
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/589.html
前回の話 「如月ちゃんと二人で踊ったのって久しぶりですね」 「やっぱりダンスは戦闘とはまた別のいい運動になるしストレス発散にもなるわよねえ、大鯨ちゃん」 「でもカラオケもストレス発散にはよかったですよ。 如月ちゃんも一人じゃなくて二人で歌ったら楽しいでしょ」 私は大鯨。旧日本海軍の潜水母艦大鯨の力と魂を受け継いだ艦娘です。 大鯨って女の子らしくない名前ですって?違います。大鯨という名前は艦娘としての名前です。 私の本当の名前ですか?それはひ・み・つ。秘密です。 ちなみに彼女は如月。睦月型駆逐艦二番艦如月の艦娘です。 如月ちゃんは艦娘としても、一人の少女としての名前も如月なんです。 艦娘といっても中身は普通の女の子とほとんど変わりありません。ただほんの少しだけ他の人と違うのです。 兵器ではなく人間ですから戦ってばかりではまいっちゃいます。だから休むことも心と体のために必要です。 今日は私達は揃ってお休みなので、二人で街に出かけました。ダンスしたりカラオケしたりと楽しかったです。 「でも大鯨ちゃんは司令官と一緒ならもっと楽しいんじゃない?」 「え…はい…でも提督は私達以上に忙しくて機会が中々……」 「でもそんなあの人と結婚するんでしょ?羨ましいわね。 あの人と結婚なんて将来性から考えても玉の輿も同ぜ…」 「如月ちゃん!」 「もぅ…冗談よ…あなたはそんな事で考えるような人じゃないってわかっているわ」 「そうですよ、冗談言わないでください。 私はただ、あの人が素直に喜ぶ顔が見たくて、 それを見て私も素直に喜べて……………………」 161 :ド・キ・ド・キ 幼妻大鯨ちゃん:2014/11/16(日) 13 10 52 ID zXX5I0tk 私があの人と出会い、好きになり、結婚しようと思った事に彼が提督だったからという事の否定はしません。 だけど、それはあくまでも彼が提督だったからこそ私達が出会えたという意味であり、 提督という立場だから好きになったわけじゃありません。 私が提督と初めて出会った時に提督は私に親切にしてくれましたけど、如月ちゃん曰く 『あそこまで親切な司令官は見たことない。もしかしたら大鯨に気があるんじゃない?』 との事でしたのでもしかして…とは思いました。 その時は会ったばかりで提督の人となりがあまりわかりませんでしたけど、 提督が少し具合が悪そうに見えた時になんだか心配になってしまって… その時はただの空腹みたいでしたけど、 でもその時に私の中で何かが生まれたのかもしれません。 そんなモヤモヤした気持ちが少しずつ広がっていく中で提督の食生活が酷いものだと知り、 たまたま提督の部屋にお邪魔して本当に酷い食生活とわかった時、 戦闘能力に乏しい私だからこういう時にこそ提督の役に立たなきゃと思い 上層部に掛け合ってその後提督と一緒に生活を始めました。 最初の頃はどちらかといえば『提督』の役に立ちたいという気持ちでしたけど 提督が私の作った料理をいつも褒めてくれて、 それでもっと喜んでもらいたいと思って創意工夫を凝らして…… ……気がついたらあの人の事が好きになっていました。 あの人が私の事を世話役とかそういったものとして好きというわけではなく、 最初から人として好きだったっていうのがわかったのは互いの気持ちが通じ合った時でしょうか。 162 :ド・キ・ド・キ 幼妻大鯨ちゃん:2014/11/16(日) 13 11 34 ID zXX5I0tk ある日の事です。私がシャワーを浴びていたらあの人に見られてしまって……ドキドキしちゃいました。 私が勝手にシャワーを浴びていたのが悪いのですし、 あの人は私がお風呂掃除をしていると思ったから入ってきたわけですから仕方ありません。 でも私のドキドキは止まりませんでした。 その夜、私はあの人のお布団の中に忍び込みました。 あの人が私のあられもない姿に興奮していて、 それを思い出して我慢出来ずに私を求めちゃうだろうと思って…… 今思ったら恥ずかしいです。本当は私からあの人に手を出そうかと思っていました。 だけどもし私の思い違いだったらと思うと、はしたない女の子に思われるのはともかく 今の関係が壊れてしまって未来まで失ってしまうのが怖かったんです。 だから私は言い訳がきくよう隣でただ目を閉じていただけです。 覚悟はしていました。あの人に私の初めての口づけを……初めての………… …………覚悟というよりも期待という方が正しいのかもしれません。 でも…あの人は何もせず、私を起こそうとせず私の布団に運んだんです。 ショックでした。あの人が私の事を好きだと思っていたのは私の思い違いだと思ってしまって、私は枕を涙で濡らしました。 でもそんなところを見たからなのか、その後私に告白してきたのです。 あの人は情に絆されやすいところもありますが、 それでも自分がこれだけは駄目だと思えば断固拒否する人でしたから、告白された時は心から嬉しかったです。 ただ、あの人もあの人で少しだけ勘違いしていたみたいでしたからちゃんと私の気持ちも伝えました。 まあ何はともあれ結果オーライでよかったです。 ……こういう考え方って、あの人に少し影響されちゃったかな? 163 :ド・キ・ド・キ 幼妻大鯨ちゃん:2014/11/16(日) 13 12 10 ID zXX5I0tk 「…………ちゃん……大鯨ちゃん…………」 「………………あ、はい!」 「もう…何ボーっとしてるのよ」 「ごめんなさい、少し考え事とか、昔の事を思い出したりとか……」 「それはまあいいけど…あれ、見て…」 「え………!?」 言われて見てみるとあの人が見知らぬ金髪の女性と食事をしていました。 「司令官が綺麗な女の人と一緒に食事してるみたい。 何か言い争っていて…あ、女の人が水のおかわりに行ったみたい」 「……きっと大丈夫とは思うけど……確かめてきます……」 「ちょっと!?」 私はあの人を信じているけど、 だけどどうしても確認したいと思って席を立ってあの人の所に向かいました………… 164 :ド・キ・ド・キ 幼妻大鯨ちゃん:2014/11/16(日) 13 13 03 ID zXX5I0tk 「あの子も結構強い個性を持っていそうだし、これも艦娘の運命か……」 俺はそう小さな声で独り言を呟きながらこれからどうするかを考えた。 「て・い・と・く」 「っ!?」 「提督っ」 不意に声をかけられ驚いた。振り返ればそこには大鯨… いや、今日は休養日だから大鯨というべきではないか…… 「提督、ここで何をしていらっしゃるのですか?」 「新しい艦娘が新鎮守府に来るから駅まで迎えに行っていたんだ。 こんな時間だから新鎮守府に帰る途中で昼食を取ろうと思ってな」 俺は堂々と事実を言い切った。やましい事なんて何一つしてないからな。 もしやましいことがあるなら繕うような言い方をするはずである。 「あら?貴女誰?」 「あなたこそ誰ですか?」 「ドイツの誇るビスマルク級超弩級戦艦のネームシップ、それが私よ」 「え…………ビスマルクって…………あの…………?」 「そう。ドイツらしい重厚かつ美しいデザインでしょう。 この国でも縦横無尽に活躍するわ。期待しなさい!」 その雰囲気と佇まいに圧倒される大鯨。 「あの…ビスマルクさん…さっきは何を怒っていたのかしら……?」 如月が何か会計を済ませたのか財布を仕舞いながら尋ねる。 「提督に日本料理をご馳走するよう言ったのにタイワンラーメンとかいう辛いのを頼んだのよ」 「台湾ラーメンはれっきとした日本食だ。高雄も愛宕も金剛も榛名も台湾にはこんなのなかったとか言うが、 これはある料理屋の店長が故郷の坦々麺を思い出してまかないで作り、 それを辛党だった店長が辛く味付けして作ったんだ。 だから創ったのは日本人じゃないとはいえ、れっきとした日本料理だ」 「……とにかく口直しを要求するわ」 俺はソフトクリームを頼んだ。他の二人は既に食べたからいらないみたいだ。 165 :ド・キ・ド・キ 幼妻大鯨ちゃん:2014/11/16(日) 13 14 32 ID zXX5I0tk 俺はソフトクリームを頼んだ。他の二人は既に食べたからいらないみたいだ。 「ふふっ、中々おいしいじゃない。いいのよ、もっとくれたって」 『さぁ、豪華なランチを奢ってもいいのよ?』 俺の頭にある少女の言葉が響いた。 ああそうか、この子もこんな感じか。俺は何か糸口が見えたような気がした。 「でもここってラーメン屋なのに甘味も充実していますね」 「そもそもここは甘味処から始まったのだからな」 「ねえ、もっとソフトクリームないの?」 「買いたいのはやまやまだがそろそろ新鎮守府に行かないと時間がない。 心配するな。新鎮守府には外郎とか名古屋銘菓を沢山買い込んであるからな」 「何だか食べたら『お前の体は私のものだ』って乗っ取られないかしら」 この時俺は確信した。そんな知識があるのならこの子とみんなとでやっていけるだろうと。 166 :ド・キ・ド・キ 幼妻大鯨ちゃん:2014/11/16(日) 13 16 52 ID zXX5I0tk 東海地方含め多くの地域に新しい鎮守府が作られた理由。それを語るには夏頃まで話を遡らなければならない。 夏のAL/MI作戦において自分の担当の出撃任務を終えた俺は故郷に帰省していた。大鯨も護衛として一緒だった。 さすがに家族や親戚に会わせる勇気はないから近くでウインドウショッピングをしてもらった。 そして鎮守府に帰る前に富田の鯨船行事という祭りを楽しもうとした矢先、 四日市港や名古屋港が深海棲艦の襲撃を受けていると緊急連絡が来た。 この場には大鯨しかいなかったものの、襲来した敵の強さが大したことなかった事と 大鯨の練度が高かったこともあり比較的楽に殲滅できた。 後で聞いた話だが、日本の重要港湾クラス以上の港が深海棲艦による襲撃を受けていたらしく、 幸いにも伊勢湾地域に襲来した敵は伊良湖沖で大半は殲滅されていたとか。 とにかく艦娘達のほとんどがAL/MI作戦に出撃している最中だった為に日本には艦娘があまりいない状態だった。 そこをついた奇襲という形だった感じだがあまりにもタイミング良すぎて………… とにかく事態を重く見た上層部は艦娘の活動拠点の増設と艦隊再編を行った。 横須賀鎮守府に主戦力を集中しつつ、それ以外の重要港湾以上の港湾所在地域に新しい鎮守府 (旧来の鎮守府と区別して新鎮守府と呼ばれる)を置いた。 新鎮守府は主力艦隊の拠点となる横須賀とは違い、輸送船団の護衛や地域防衛等が主な仕事である。 俺の新しい勤務先の東海地方の新鎮守府はそれ以外にも艦娘の教育機関がある。 艦娘は軍人のようなものではあるが、本来ならば義務教育下にある艦娘も数多い。 今までも教育自体は各鎮守府でされていたが、地域による教育格差や講師の分散等問題もあった。 その為東海に作られた新鎮守府はそういった艦娘達の為の教育機関も兼ねているのである。 主力であるはずのビスマルクが再編でここに来たのはドイツ語の教師として来たという面が大きいだろう。 俺は東海の新鎮守府で勤務することになったものの 今までの部下達は大半が義務教育下にある駆逐艦娘が大半だった為 長門や陸奥、赤城などの主力艦娘が横須賀に残留したくらいで俺の艦隊の顔触れに変化はほぼなかった。 装備も強力な装備は横須賀に運ばれたが、戦力はなるべく集中させた方が良い為との判断でもある。 また、新兵器の開発についてもまた別の新鎮守府に集中するとのことだ。 色々あったものの、故郷に近い地域に勤務する事になった為、俺のやる気は潰える事はなく、むしろ増大していった。 やはり俺には東海三県の空気が合うのだろう。 年頃の沢山の艦娘達を導いていく不安をそれで打ち消していきたかった。 167 :ド・キ・ド・キ 幼妻大鯨ちゃん:2014/11/16(日) 13 18 09 ID zXX5I0tk 10月31日、今日はハロウィンだ。子供達がお菓子くれなきゃいたずらするぞで有名な日だ。 実際はもっと別の理由があるが、こう変化しちゃうのも日本人らしい。 だからなのか朝から騒々しいなあ…… 「しれ…提督、潜水母艦大鯨よ。トリックオアトリート」 「ん…どうしたんだ暁?」 「お菓子くれなきゃいたずらしちゃうわよ」 もう悪戯してるも同然だろう。暁は大鯨の服を着ていたのだから。 物凄い遠目から何気なく見たら一瞬は騙されたかもしれないだろう。てか大鯨はどうした? 「暁ちゃ~ん、私の服を返してくださ~い!」 振り向くと大鯨は暁の服を着て走ってきていた。胸や腰周りがぱつんぱつんで色っぽ……苦しそう。 つーか何故着たし。他に服はなかったのか。 「見てみて、この輝く肌、ねえもっと近くで見てあげてよ」 続いて如月がやって来てそう言った。自分ではなく大鯨の事を指しているのだろう。 何となくだが首謀者がわかった気がする。 「暁ちゃん、お菓子あげるから服を返してくださいよ……」 物凄く恥ずかしそうに涙目で赤面する大鯨の顔はドキドキするくらい可愛かったが、 さすがにこれ以上大鯨を悲しませるのは心が痛む。 「ふふっ、サイズの大きい服を着て大人びる子供…パーフェクト!」 何故か那智が割り込んできた。那智がパーフェクトと言うとか、こいつもそういう方面の知識はあったのか。 そんな事を考えたのは俺と、いれば漣くらいだろう。 「お子様言うなー!」 「じゃあなんでこんな真似したんだよ」 「本当は一人前のレディーがこんなことする必要はないんだけど、 学年行事としてやらなきゃいけないから仕方なくやっただけよ」 「眠たかったからせっかく来てくれたのにお菓子をあげられなくてごめんなさい。でも服は…」 「如月ちゃんから何をやったらいいのか聞いてみたのよ。だから大鯨さんの服を着ちゃったの」 「で、何故大鯨は暁の服を着たのだ?」 「如月ちゃんからやり返すなら同じ事をって……え?」 話が繋がった。二人の衣装チェンジはやはりこいつが原因か。 168 :ド・キ・ド・キ 幼妻大鯨ちゃん:2014/11/16(日) 13 19 03 ID zXX5I0tk 「こうして見ると二人とも結構似ているわね」 強引な話題転換である。 「大鯨ちゃんも暁ちゃんと似ているし、暁ちゃんも大鯨ちゃんと似ているし…… 司令官と一緒にいたらまるで本当の家族みたいね」 「そうだな……お前達の子供の顔が早く見たいものだ」 如月の言葉に俺達は赤くなって驚き、 その後の那智さんの言葉にはまるで今までの成長を見てきた年長者的な雰囲気さえあった気がした。 真面目なのか残念なのか判断に困る。二人とも真面目なんだろうけど。 「ところで司令官、今度の祝日は司令官のお誕生日でしょう。 どうしてその日に結婚式をしようとしなかったのかしら?」 「確かに。司令官が結婚式を行おうとしている11月15日は渾作戦の真っ最中なのよ。 だから余裕がある時にしておいた方が…」 「今回の渾作戦は横須賀鎮守府の艦隊が中心だ。横須賀鎮守府は戦闘能力に長けた艦娘が集結しているからな。 俺達の役割は本土の防衛だ。この前のような事があったらかなわんからな」 ちなみに次の作戦名は渾作戦だと漣にメールで送ったら大量の大根を買ってきた。まあ予想通りである。 「作戦期間中とはいえ作戦初期だし、 することはいつもやっている事の延長線上にある事だからある程度の余裕はある。 それに結婚する事と結婚式の日程を報告したら快く承諾してもらったし、 作戦発表後に上層部に伺ったら結婚式を行う事を咎められる事はなかったしな。 まあ作戦期間中は休み無しになり終了後の後始末もやらなきゃいけなくなるが 俺の勝手な都合で結婚式をするんだから仕方ない」 「…まあ上層部がそう判断したんだったら私達から何も言う事はないわ。 私達が出来る事が後方支援だっていうのなら、それを全力でやるのよ」 暁の言葉と共に俺達はこれからへの決意を新たにした。 169 :ド・キ・ド・キ 幼妻大鯨ちゃん:2014/11/16(日) 13 19 46 ID zXX5I0tk そこへ空気を読まないかの如くドアが激しく開く音がした。 「トリックオアトリート!お菓子くれなきゃ私の歌を聴けーっ!」 ビスマルクがとある歌姫の扮装をしながら乱入してきた。 何か間違っている気がしたがハロウィンを彼女なりに楽しんでいるみたいだ。 彼女も完全にここに馴染んでいるようだった。 「なんでみんなお菓子をくれないのかしらね」 「それだけビスマルクさんの歌が上手だからですよ」 「本当!?ありがとう。いいのよ、もっと褒めても。 でもここでは変わった事をするのね」 ビスマルクの方がハロウィンとは微妙に違った事をしている気がしたが何も言わなかった。 俺のいる新鎮守府ではハロウィンに合わせて盛大なイベントが開かれていた。 他の鎮守府でも小さいながらイベントが行われていたが、この新鎮守府では一段と大きなイベントが行われていた。 というのもこの新鎮守府は小中学生の年代の艦娘が大半を占める為、 思春期の不安定な心を戦闘行為だけを行う事により壊してしまうという事がないよう 情操教育の点から近隣住人達とのふれあいにより人間らしい心を失わないようにとの考えである。 また、地域の人達からの信頼を得て様々な支援を受けやすくするという狙いもある。 「でも楽しかったわ。これからももっと楽しいことがしたいわ」 彼女の存在はドイツ語講師や戦力を抜きにしてもここに必要不可欠だった。 彼女は現状雷撃できる唯一の戦艦故に渾作戦期間中は横須賀鎮守府の主力艦隊に配属されることになっていた。 激戦地に赴く彼女や、他の艦娘達が無事に帰ってくること。それが俺達の願いだった。 170 :ド・キ・ド・キ 幼妻大鯨ちゃん:2014/11/16(日) 13 20 28 ID zXX5I0tk そして11月15日。俺達は結婚した。神の前で俺達は永遠の愛を誓い合った。 何故作戦が始まったばかりのこんな時に結婚式を行ったのか。 それは俺の父親と母親が30年前に結婚したその日だったからである。 俺を今まで育ててくれた両親。その両親に今まで散々苦労をかけてきたのだ。 俺の事を心から愛してくれた人達を俺は何回も悲しませ、落胆させ、失望させてきた。 それでも俺を信じてくれた両親。俺は両親に自分が立派になった姿を見せたかった。 そして、その姿を両親の30回目の結婚記念日のプレゼントにしようと思ったのだ。 正直言ってきちんとできたのか、それとも駄目だったのか、緊張していたためかあまり覚えていない。 でもどちらにしろ親からすれば子供はいつまでも子供なのだと思う。 子供だと思っていたら思った以上に大人になっていた、あるいは未だに子供地味ているか…… どちらにしたって最終的には子供という目で見てしまうものかもしれない。 それに失敗したとしても後に『あの時はああだったなあ』とみんなで笑いながら話せるのならそれはそれでいい。 それよりも俺にとってはある意味結婚式以上に大事な事が控えていた。 日が変わって11月16日。81年前、潜水母艦大鯨が進水した日である。 俺達もまた、新たなる所へ進もうとしていた。 171 :ド・キ・ド・キ 幼妻大鯨ちゃん:2014/11/16(日) 13 21 23 ID zXX5I0tk 「不束者ですが、よろしくお願い致します」 俺と初めて出会った時、そして俺と彼女の心が一つに結び付いた時。 その時と同じ、しかしそのどちらとも意味合いが少し違う言葉だった。 「………とうとう…私達……」 生まれたままの姿で照れながら、しかし笑みを浮かべる彼女はとてもかわいかった。 結婚式の時の彼女はこの世で一番綺麗な存在と思えるほどだったが、 こうして見ると彼女の童顔が更に際立つ。 もちろんどちらも彼女の魅力の一端という事に変わりはないのだが。 「ん…………」 俺は彼女の唇に自分の唇を重ねた。ただ唇と唇を触れ合わせるだけのキス。 でも、それだけでも凄くドキドキした。はたから見たら童貞と一目でばれるだろう。 キスの最中、俺は彼女の体を抱きしめ愛撫していた。 しっとりとしていて、それでいて重くない髪はいつまでも触っていたかった。 そして髪の毛から肩、背中、腰。尻へと右手を下に下ろしながら触っていく。 彼女の体は肉付きがよく、とても暖かかった。 お尻もとても大きくて柔らかい。きっと元気な子供をたくさん生んでくれるだろう。 一方左手は豊かな胸に行っていた。程よい弾力と柔らかさ、暖かさが心地よい。 その大きな果実とも形容できるものの先には鮮やかな色をした小さな果実があった。 その果実は硬かった。しかしただ硬いというだけでなく程よい弾力があった。 「……はあ…………んんっ!?」 俺は彼女に唇から己の唇を離すとそのグミのような果実に口づけ、吸った。 「あ……ん……そんなに吸ったって…出ませ…んっ!!」 彼女は潜水母艦大鯨の艦娘である。潜水母艦は潜水艦を支える艦、つまり母親のような存在だった。 胸が大きいのは彼女が潜水母艦の艦娘だからなのか、それとも胸が大きいから艦娘になれたのか。 そんなことはわからないが彼女はまだ母親になっていないため母乳は出ない。 出るとすればホルモンバランスがおかしくなっているのだろう。 いつまでも彼女の乳房を堪能したかったがそうはいられない。俺は彼女の一番大事な所を右手で触れた。 とてもぬるぬると濡れていた。俺は指で探した。 すると少しへこんだ所があったので俺は中指に少し力を入れた。 にゅるん、と入っていった。入口はきつかったが中はとても滑りがよく暖かかった。 指を動かし感触を楽しむ俺は一刻も早く己のいきり立ったものを入れたかった。 172 :ド・キ・ド・キ 幼妻大鯨ちゃん:2014/11/16(日) 13 22 03 ID zXX5I0tk 「ん……い……入れてください……あなたの……おちんちん……」 「いいのか……」 「ええ……もう我慢…できないの…あなたも…でしょ……」 彼女の言葉通り俺も限界だった。というか最初にキスする前から既にしたかった。 俺は己の全てを込めるものに手を添え、先ほどのへこんだ所に押し付けた。 「そこ……です…………ッ……!!」 俺は彼女の中に入っていった。先端から今までに感じたことのないような気持ちよさが伝わる。 気を抜けばあっさりと達してしまうだろう。それだけは避けたかった。 彼女を気遣って一気に突っ込むことはしなかったが、何かに阻まれた時、力を入れた。 プツリッ! 何かを破いたような気がした。そして思わず一気に最奥まで貫いてしまった。 結合部の根元を見ると赤いものが見えていた。 そうか、俺は彼女にとって初めての男になったのか…… 彼女は俺を拒むのではなく受け入れたということか。 「ッ…………」 「…くっ…すまない…もう……」 俺の言葉は彼女を気遣うつもりが苦しめてしまった事を謝ったのか、 それとも彼女が達する前に自分だけ達してしまいそうな事への事なのか。 どちらも正しいだろう。不意に気が抜け、襲ってきた射精感に俺はもう我慢できなかった。 俺の先端からびゅるりという感触が延々と続いた。 俺は彼女が達する前に勝手に達していたのだった。 173 :ド・キ・ド・キ 幼妻大鯨ちゃん:2014/11/16(日) 13 23 21 ID zXX5I0tk 「ん…………」 「はあ…はあ………」 俺は彼女の一番奥で全てを吐き出していた。 彼女に包まれ、暖かさを感じていた俺はそれに甘えていた。 しばらくして射精が収まったあと、俺は少しの後悔に襲われていた。 なぜ勝手に達してしまったのか、もう少し優しくできなかったのか。 そんな考えを見透かしたのか、彼女の言葉は優しかった。 「……私で気持ちよくなってくれて…ありがとうございます……」 痛くて苦しいだろうに、彼女が俺にかけた言葉は感謝の言葉だった。 「……こっちこそ……ありがとう……」 俺は涙を流しながらそう答えた。確かに罪悪感や済まなささはある。 だけど初めての人が彼女で、彼女の初めての男になれた喜びの涙でもあった。 「…こんな私を、愛してくれて、本当にありがとうございます… 私は……私はとても幸せです。そして、いつまでも、あなたと一緒に…………」 それは彼女の偽らざる本心なのだろう。 俺は彼女を苦しめただけかもしれない。だけど、それでも彼女は俺を愛してくれた。 だからこそ俺は彼女を気持ちよくさせられなかったであろうことを後悔していた。 出来るなら少しでも早く彼女を気持ちよくさせたい。だけど俺は提督だ。 俺の行動一つで艦娘達やこの地上に生きる全ての人達の命運が決まってしまう可能性もある。 それに平和の為に戦わなきゃ彼女を愛する事もできなくなる。 俺は全ての幸せの為に戦う事を改めて決意した。 何一つ思い悩むことはなく彼女と愛し合えるようになるには、まだ時間がかかるのかもしれない………… ―続く― + 後書き 174 :幼妻大鯨ちゃん:2014/11/16(日) 13 27 06 ID zXX5I0tk そんなわけで『お・し・か・け』の続きです エロ薄めな上に関係ないところで独自設定やネタ多数 俺は地元に近いところで愛する人と生きて行きたかったんです…… 長編で明確に続けると宣言して投下したのは初めてです 続きも現実の時間軸に合わせて書いて投下するつもりです それではまた これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/3166.html
659 :影響を受ける人:2015/06/21(日) 22 40 09 この作品にはTS要素が含まれています。 オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。 最低系である最強要素があります。 それでも良い、という方のお読みください。 提督憂鬱×ストパン+零 第六十六話 ―黒雲来たりてⅪ― 激怒する“オニグモ”の攻撃により、向かって右側の大砲二門は瞬く間に破壊された。 退避時間を稼ぐために一斉射だけ攻撃した対空防御陣地諸共に。 一閃しただけで破壊したというのに“オニグモ”は執拗に攻撃をする。 「大砲が!」 北郷章香の左後ろから、佐伯頼子(さいき よりこ)の悲鳴が上がった。 切り札とされていた兵器がなすすべもなく破壊され、陣地諸共燃え上がるのを見て部隊全員の士気が落ちていくのがわかる。 内心で舌打ちをしつつも章香はまだ攻撃を受けていない左側を見る。 「旋回していない・・・か。」 大砲は明後日の方を向いたまま動いていなかった。 確かに今“オニグモ”は攻撃の為に動いていないからチャンスであると見えるだろう。 しかし実際は味方がまだ退避途中であり、外れた砲弾が味方に当たってしまう。 それに・・・ 「今、旋回しても間に合いませんよ。」 「そう、だな・・・」 旋回は戦車の補助がないと出来ない欠陥品。急造品故の問題が足をひぱっている。 地上攻撃に夢中な御蔭で追いつけたが、結局右側の砲台防衛には間に合う事が出来ず、破壊されてしまった。 「畜生・・・」 学兵達も追い付く事が出来たものの、再び前進を開始した“オニグモ” に攻撃を掛けることは出来なかった。 徹子の悔しい呟きが皆の耳に入る。 「みんな無事なようだな。」 「はい。皆さん無事ですわ。」 少しだけ速力をおとして合流してくれた隊長陣に、飯島凛が代表して報告する。 凛の説明を聞いた章香は、とりあえず墳進砲を学兵達に預けて、自分達が囮となる事を考えた。 切り札でダメージを与える事には成功したが、殲滅には至っていない。 こうなっては あの作戦 でいくしかない。 「皆、聞いてくれ。 切り札である大型砲が破壊された今、奴が街を破壊する事は止められん。 通常の航空戦力、ウィッチの戦力をもってしても倒すのは容易ではない。 この先にはまだ避難しきれていない民衆がいる。 もう、例の作戦しかない。」 「ですが、勝算はあるのですか?」 作戦内容を知っているが故に疑問が上がる。が、すぐに回答が来た。 「わからん。」 あんまりなその一言に、全員が黙る。 「だが、賭けるしかない。 いざとなれば、私も【海割り】を使用する」 苦渋を顔に浮かべつつ章香は言う。 他の隊員や隊長陣も同じ顔だ。 だが、聞きなれない言葉を聞いた大久保小毬は、隣を飛行する竹井醇子に小声で聞いてみた。 660 :影響を受ける人:2015/06/21(日) 22 40 52 「・・・【海割り】ってなんですか?」 「えっと、確か「北郷章香総隊長の大技ですわ。」・・・ぁぅ。」 「ふぇ?」 前方を飛んでいて聞こえていないはずの凛が割り込んできた事に、小毬は目を白黒させていると、呆れ顔の徹子が耳をつんつんと指す。 通信機から普通に聞こえていたようだ。 思わず顔を赤くして俯く。 「こほん・・・ 【海割り】とは、いわゆる魔力撃ですわ。 魔力を溜めこみ、限界まで充填した刀で放つ一撃。 その一撃は海を割る・・・ そう聞いていますわね。」 「それって、威力はどれぐらいなのでしょう?」 「戦艦なら、輪切りにできるって聞いているけどな。」 「あくまでも最大充填で、だそうですわね。むろん弱点もありますわ。 一つ目は魔力の充填に時間がかかる事。 二つ目はその間、攻撃と防御が出来ない事。 三つ目は一度中断してしまうと、充填分損失してしまう事。 四つ目は接近しなければならない事。 五つ目は・・・反動が大きすぎる事ですわ。」 「反動が大きい、ですか?」 小毬が疑問に首をかしげると、徹子が代わりに答える。 「簡単に言うとな、墳進弾と一緒だ。 弾頭が魔力撃で、弾体が刀・・・でいいのかな? 燃焼する部分が反動を抑える噴射魔力になる。 で、問題はその噴射魔力になるんだが。これが弱いと、魔力撃に籠めた魔力だけ反発力に負けて吹き飛ばされる。」 「吹き飛んじゃう、のですか?」 「吹き飛ぶ。 実際、導術士学校は軍事要素が強いからなぁ。体験させられたよ・・・」 うんうんと頷く坂本美緒と醇子。凛も知識と知っているので難しい顔だ。 「吹き飛ぶと威力が拡散しちまうから、それに負けないだけの出力が必要なんだ。」 「そうなると・・・【海割り】の威力分だけ大変なことに!?」 「なるな・・・」 顔を蒼褪めさせながら小毬は総隊長を見る。 ここからでは背中しか見えない。しかし当の章香はもう覚悟を決めていた。 「たとえ仕留めそこなっても、奴は大きな被害を受ける。 奴が一瞬でも止れば、渾身の一撃を喰らわせられるはずだ。 私以外の全員は、奴の注意を引け。 チャンスは一度きり。いいな!」 「「「『『『了解!』』』」」」 「「「「「・・・・・・了解。」」」」」 学兵の返答は小さかった。 彼女達の話し声はこちらにも聞こえていたし、賛同しかねるのもわかる。 しかしそれでもやらねばならないのだ。 章香は通信機を司令部に繋げた。 ――――― 「目標、市街地に侵入しました。」 「現在、残存の大型砲は旋回中です。完了まであと10分との事。」 「目標、予定地点まで後五分で到着予定。」 司令部の通信が騒がしくなり、人の動きが活発化している。 それを横目で見つつ東条は司令と参謀と共に、テーブルに置かれている大きくした市街地の地図を見詰めていた。 「上空の味方ウィッチより通信『我、誘導をする。指示を求む。』です。」 「そうか。座標を伝えておくように。 あと、準備完了までの時間と、開始のタイミングを伝え忘れるな。 「了解しました。」 東条が受け答えをしている横で、参謀は部下を呼んで状況を確認している。 661 :影響を受ける人:2015/06/21(日) 22 41 36 「まだかかっているのか?」 「魔力布の注連縄配備はギリギリまで待て、という事でしたので・・・」 「そうか、そうだったな・・・ 結界士達の様子はどうだ?」 「そちらは大丈夫なようです。 ただ、これほど大規模な結界の展開はやった事が無い為、不備が生じる可能性があるとの事です。」 「それは仕方があるまい。 昔はあったそうだが、現代では必要になった事などないのだからな。 ましてや、今回は変則的だからな。」 溜息を吐く参謀を見て部下も苦笑する。 なにしろこの作戦は、過去の文献を見て急遽取り入れられたもの。 理論上可能だという返答があったのは今日になって・・・ 一応作戦は伝えておいたので問題は無い。 回答がギリギリになったのは計算外だったが・・・ 「上空の味方、誘導および足止めの攻撃を開始しました。」 「大型砲に陸戦ウィッチが合流したと、旋回の補助に回っているようです。」 「目標、攻撃予測地点に到達・・・いえ、止りません!」 その報に全員が息を飲んだ。 もしや、敵は他の大砲に気が付いたのか?と・・・ 「進路は・・・東側の大型砲陣地です!?」 ――――― “オニグモ”は市街地に入った後、多くの金属反応がする方に方向転換していた。 流石に喰らった損傷が大きく、装甲密度を薄くしなければならなかった。 破壊した大型砲を喰らえば良かったのだろうが、うっとうしい奴らが来たので一度距離を離れざる負えなかった。 もっとも、嫌な攻撃をしてきたので行き足が鈍ってしまったが・・・ しかしこちらに向かってよかった。なぜなら先程の下手人と同じような反応があったのだ。 先に潰しておかないと、安心できない。 こちらを向こうと、必死に頑張るのがわかる。 それをあざ笑いながら、鬱陶しい小蠅を払いつつ前進し・・・周辺一帯から不可思議な現象が沸きがった。 ―なんだ?!― 驚きつつも嫌な予感に従い、大急ぎでこの場を去ろうとした。 しかし・・・時すでに遅く、人類側の罠に彼は掛かってしまう。 ―う、動けん!?― 街中が蒼い魔力光を発行させ、巨大な魔方陣を“オニグモ”を中心に形成させていた。 大陸方面司令部が急遽手配した最後の、切り札。 街を丸ごと使った魔方陣による【捕縛結界】。 それが発動した瞬間だった。 以上です。 仕留めきれんかったァァァァァァ!!!
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/3157.html
451 :影響を受ける人:2015/04/19(日) 22 30 39 この作品にはTS要素が含まれています。 オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。 最低系である最強要素があります。 それでも良い、という方のお読みください。 提督憂鬱×ストパン+零 第五十七話 ―黒雲来たりてⅡ― “オニグモ”の前線突破は早かった。 抵抗なく、防御に専念していた事が「敵に戦力無し」と判断させたのかもしれない。 陣地を穴ぼこだらけにし、そのまま護衛を引き連れて進撃を再開する。 後からついてきた地上型ネウロイが戦線を突破しようと殺到するが、隠蔽していた戦力が猛烈な反撃を加える。 駆逐戦車・重砲等々の火力が向けられ、事態を察知した少数の“スズメバチ”“ウシアブ”“アホウドリ”が“オニグモ”の護衛を離れ、慌てて引き返していく。 「はっ! 今更戻ろうってか!!」 「各機につぐ。食い尽くせ!!」 そこに上空から猛禽の荒鷲が襲いかかっていく。 攻撃態勢に入る前の敵は文字通りカモに過ぎない。 ダイブして銃撃を放つと、そこかしこで砕け散るネウロイが続出する。 前線で戦闘を行っていたネウロイ達も援護に回ろうとするが、交代でやってきた戦闘機隊に食い付かれて落とされていく。 「雪辱を晴らせ!」 「大物は彼女達がやってくれる! 小型を近づけさせるな!!」 果敢に挑みかかる“スズメバチ”“ウシアブ”であるが、猛烈な闘志を持った戦闘機隊の攻勢に引け腰にも見える。 そこに“アホウドリ”が割り込んできたのだが・・・ 「ぎぃあァァァァァァハハハハハははははは!!!!!」 真嶋志麻を先頭に、ウィッチ部隊が覆いかぶさるようにして突進してきた。 “アホウドリ”は二体寄り添って猛烈な迎撃を開始、だが護衛(ではないのだが・・・)の鮫島トミが背中を守っているおかげで志麻が無茶をして突撃していく。 「いやぁぁぁぁぁぁ! けえしてんくんろォォォォ!!」 トミの泣け叫びながらも追従する姿を横目で見つつ、二人を率いる隊長は勇敢なんだか、臆病なのだろうかと悩む。 急降下突撃している志麻は両腕・疑似椀部二本に墳進砲を持っていた。 射程圏に入るや否や、志麻は四門の墳進砲の砲口を“アホウドリ”に向けてトリガーを引く。 墳進砲の轟音が時間差をつけて放たれ、目標に向かって飛翔した。 “アホウドリ”はすぐにそれが驚異であるのを察知し、旋回に入って一発はかわす。 しかし残り三発は胴体に二発、左翼に一発命中しバランスを少し崩す。 そこに使えなくなった憤進砲を放りすて、トミから新たな憤進砲二門を補給し、愛用の鉞を手に持った志麻が襲いかかった。 「げっはっはっはぁぁぁぁぁああっぁぁぁ!!!」 獣のごとき咆哮を上げながら爆砕した箇所に、更に憤進弾を叩きこんで傷口を広げる。 “アホウドリ”は金切り声を上げつつも猛烈な反撃に打って出るが、続けざまに喰らったダメージのせいでろくに当たらない。 もう一体の“アホウドリ”が志麻に攻撃を加えようとするも、同部隊の隊員達が群がってそれを阻害する。 志麻はそのまま獲物に張り付くと、激烈な勢いで鉞を縦横無尽に叩きつけはじめた。 魔力刃が付いている鉞は深々と相手の身を叩き割り、傷口を大きく広げていく。 “アホウドリ”もただ黙っているはずもなく、左右に身を振り回して抵抗する。 しかし疑似椀部と言う能力持ちの志麻は腕が六本あるようなモノ。がっちり掴んで離さない。 それでも曲芸紛いの動きで振り払おうとする。 出鱈目に暴れ始めたのをみた志麻の隊長が、慌てて通信を繋げて怒鳴った。 452 :影響を受ける人:2015/04/19(日) 22 31 12 『真嶋! さっさと仕留めろ!!』 「あいよぉぉぉぉ!」 『これ以上戦場を引っ掻き回すな!!』 「問題ねぇェェ! 今見つけたぜぇぇぇ!」 鉞で叩き割りながら採掘し続け、“核”を見つけ出してそのまま一気に振り下ろして叩き割る。 弱点を叩き割られた“アホウドリ”はひときわ大きく金切り声をあげると、そのまま白い結晶体に砕け散った。 志麻は爆散の勢いと共に空中に躍り出て、獣じみた唸り声で次なる獲物を探す。 『真嶋・・・』 「なんですかぃ、隊長ぉぉ。」 『しばらくお前は“スズメバチ”と“ウシアブ”を相手にしていろ。』 「ええぇぇぇぇ!」 『すぐに落としたのは評価できるが、あの大暴れで戦場が出鱈目だ! もう一体は別の隊に任せる! いいな!!』 「ぐうぅぅぅ・・・ ワカリやしたぁぁぁ・・・」 怒鳴られてしまってションボリしてしまう。 だが何時までもそうするわけにもいかないので、相棒を探すが居ない。 トミは先程まで志麻専用に武装を持っていた。 しかしそれを使い切ったので地上に降り立って、あらかじめ置いてあった通常の弾薬箱と交換しにいている。 つまり、志麻はしばらくの間は鉞のみで戦わないといけない。 「ぐぁぁぁぁ・・・ まじか・・・」 自業自得である。 ――――― 戦線を突破した“オニグモ”は、周りの護衛の気も知らずに悠々と進撃する。 その様子を地上の監視網が随時連絡いれる。 進撃ルートを司令室の地図に書き記しながら見ていた司令は、唸る様にその道筋を見ていた。 「むぅ。 ・・・このままだと、甲と乙。どちらに来るかわからんな。」 「ちょうど双方、どちらにでも行けるみたいですね。」 東条もその進撃ルートを見ているが、“オニグモ”は北側ルートの甲、北東側ルートの乙の中間あたりを進んでいた。 やや北東ぎみなので乙ルートともいえる。 「このまま進撃するとなると・・・北東の4門で迎撃できそうですが?」 「そうですね。理想的な十字砲火とはいかなそうですが・・・」 「それは贅沢と言うモノでしょう。 相手の思考はわかりません。 できうる限りの準備をし、臨機応変に対処するしかないでしょう。」 参謀の愚痴に東条は苦笑気味に答える。 後にネウロイ側から接触がある事が解ってはいるが今言う事で無い。 少しだけ席を外す断りを入れ、最前線の様子を見る。 「ふむ。陣地の防衛は上手くいっているようだな。」 「はい。隠蔽壕がうまく働いてくれたようで、“オニグモ”の攻撃をしのぎ切りました。」 “オニグモ”が最初に到来して攻撃を加えると予想された最前線の防御陣地は、夢幻会の入れ知恵で強化して置いた。 その御蔭で大部分の戦力がそのまま残される形となっている。 もっとも、全てを隠せなかったし耐久力無くなり、潰される壕もあった。 攻撃をさらされている間に殺到する地上型ネウロイを足止めしてくれた各陣地の支援も馬鹿にならない。 この日の為に張り巡らせた連絡網は、その機能をいかんなく発揮。 全力で進行を食い止め、“オニグモ”が去った後制空権を奪取して爆弾の雨を降らせて大打撃を与えた。 前線を突破できた敵戦力は、 “オニグモ”×1 “アホウドリ” ×4 “ウシアブ” ×12 “スズメバチ” ×56 453 :影響を受ける人:2015/04/19(日) 22 31 47 であるため、対処が十分可能だ。 無論強行突破してくることも考えてはいる。 「報告、第五迎撃部隊が敵の誘因に成功。」 「第六迎撃部隊が到着。護衛の“スズメバチ”が“ウシアブ”を連れて離れます。」 「前線から爆撃支援の要請あり。」 「239・221基地に連絡しろ。襲撃機だが、まだ残っていた筈だ。」 「最前線に張り付いていた種村隊と字伏隊が後退。雪女(ゆきめ)隊と日暮隊が前に出ます。」 司令部の戦いはここからが本番と言える。 ――――― 何時もなら決まった時間帯に出撃をしていた江藤・北郷率いるウィッチ部隊であったが今回は違った。 下田隊A・B両隊・狐火隊・狸釜隊・水蛇隊・淵猿隊。 夜戦部隊の旗本隊を覗いた全ての部隊が、一点に集中投入する事が決まっていた。 その一点とはもちろん“オニグモ”。 一人減った特務隊の任務遂行を見届けた後、足止めをするためにエースが数多くいるこの部隊が奮闘する予定だ。 坂本美緒は静かに手甲の着け具合を確認し、上着を着て銃器を手に取る。 いろんな角度から見つつレバーを引いて動作を見て頷く。 銃を置いて一息つくと、目の前に御盆に乗った御茶と羊羹が出てきた。 驚いて見上げると、竹井醇子が笑顔で立っている。 「美緒ちゃん。調子はどう?」 「大丈夫。目も痛くないし、いい感じだ。」 礼を言って御茶と羊羹を受け取り、醇子はそのまま隣に座る。 御盆に乗ったままの羊羹を一切れ食べると笑顔がこぼれる。 それを見た醇子は、あの時よりも回復していることに少しだけ安心した。 「醇子。」 「な、何かな。美緒ちゃん!」 「心配かけてごめん。」 唐突に話しかけられて飛び上がって驚いた。 美緒はそれを見て少しだけ笑いつつ穏やかに言う。 「まだ、どうこう言えないんだけど・・・ これが終わったら、気持ちを切り替えるから。待っていてくれないかな?」 「・・・うん。まっているよ。徹子ちゃんもきっと待っているよ。」 彼女の穏やかな雰囲気に、醇子も自然と笑顔になる事が出来た。 出撃は近い。 以上です。 久々に坂本美緒を出した。 そしてなかなか話が出てこない!!?? 微妙にスランプ気味だ(汗
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/3100.html
136 :影響を受ける人:2014/08/03(日) 22 20 07 この作品にはTS要素が含まれています。 オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。 最低系である最強要素があります。今回はちょっと卑猥な表現があります。 それでも良い、という方のお読みください。 提督憂鬱×ストパン+零 第二十二話 ―乙女の休日Ⅴ― 旅館に到着し、素早く着替えた北郷章香はたまたまいた女将に用事と用件を伝えて外に出る。 普段から戦闘用の服装をしているので、長ズボンに違和感があった。 まぁしかたがないとして諦める。 それはともかく、旅館を出た章香は大通りに出て、人力車を運よく捕まえた。 「すまない、ここに行ってくれ。」 「へぃ!」 人力車で移動する際中、トラックの助手席から見ていて景色と同じような景色を見る。 今この場所は平和だ。 とても最前線のような、殺伐とした雰囲気などない。 しかし、どことなく緊張感があるというのは、最近停泊し始めた第二打撃艦隊 ―通称:長門艦隊― のせいだろうか? 戦艦と言うどっしりとした、力強い姿は頼もしさと安心感を与えてくれる。 「それは悪い事ではないが・・・」 章香は海軍の内情をそれなりに把握している。 何せこの歳で少佐だ。贔屓にしていただいている大佐からの情報。 本土にいる戦えなくなった同僚からの手紙。 堀井大将一派の事は良く知っている。 戦場にいる以上関係ないかもしれないが、将来は中央に行く可能性があるために無視できない。 その姿があまりに魅力的に見え、通行人が見とれている事に気が付いていなかった。 章香自身美人であるし、凛々しい表情が良く似合っている。 軍服を着た姿も、宝塚歌劇団の男装の麗人様に人目を引くのは必然であった。 そんな事はつゆ知らず、少しだけ考えに耽っていると人力車は目的地に到着した。 お金を払うと、なぜかサインをねだられた。 首をひねりつつ、そのまま料亭に入る。 そこは本土にあるような海軍が良く使う料亭で、秘密が守られる場所だった・・・ 「すまない。ここに水瀬ササリ大佐が来ているはずなのだが・・・」 「ええ、きております。奥でお待ちしておりますよ。」 玄関で女将に聞くと、もう到着していたらしい。 そのまま上がって奥のままで案内してもらった。 ここに来るのは実は初めてで、少しだけ視線を周りに向ける。 純和風の庭、鯉が泳ぐ池、小さな竹林が大陸にいる事を忘れさせられそうだ。 部屋の前に到着すると、女将が訪ねた。 「御待ちの方がお見えになられました。」 『ああ、中に入れとくれ。』 了承を受け、障子が開くとそこには女性が一人座っていた。 第二種の軍服を着ていて階級章は大佐。 短くザンバラに切りそろえた髪が、凄みを出している。 「章香、久しぶりだね。」 「大佐もお元気そうで。」 顔を合わせて軽く挨拶をする。 目の前にいる人物こそ、今回呼び出した張本人 ―扶桑国海軍大佐:水瀬ササリ― である。 ササリの向かいに座った章香は、大佐の手に握られたものを見て呆れた。 「・・・大佐。昼間から御酒ですか?」 「なに、徳利一本だけさね。このくらいじゃ、酔いもしないよ。」 137 :影響を受ける人:2014/08/03(日) 22 20 41 カラカラ笑う上司に内心で溜息をつく。 まぁ確かにこの人は蟒蛇だ。男共と勝負して10人酔い潰して、なお余裕があるというのだから・・・ 「いやぁ、おもいだすねえ。 最初の頃、アンタが自信たっぷりでアタシに突っかかってきたのはいつだったか。」 「訓練校時代の話です・・・」 「そうだっけね? 部隊配属の時泣いて、配属先にアタシがいたら、また泣いたよね。」 「・・・(やっと鬼教官から離れられたと思ったのに、またいたら誰でも泣く・・・)」 ササリは章香の面倒を終始し見ていた上司だった。 平時ではウィッチの階級は上がりにくい。それでも大佐になったというのは実力があるという事だ。 章香が少佐になったときも、御世話になったモノである。 御世話になりすぎて、弱みをいろいろ握られているのはご愛嬌だ。 二人は昔話に花を咲かせつつ、運ばれてきた昼食を食べた。 章香も一杯だけお酒を頂き、ちょっと嬉しい。 しばらくは和やかな雰囲気であったが、御酒が無くなってまた注文し終わったとき雰囲気が変わった。 「させと・・・本題に入ろうか。」 「本土でなにか問題でも?」 「いや、問題は起きていないよ。堀井の馬鹿が余計な事をしている以外はね。」 「そうですか・・・では?」 「上の連中・・・と言っても一部なんだけどね。 どうも、大陸からの全面撤退を考えているらしいんだよ。」 「全面撤退、でありますか?」 「ああ。」 腕を組むササリに、章香も自然と姿勢を正す。 「防衛戦の構築は順調ですが?」 「・・・アンタらしくもない。気付いているんだろ? 連中の攻勢があまりにも弱すぎだという事に、さ。」 それは同居している江藤敏子中佐以下、隊長陣も危惧している事だ。 嵐の前の静けさではないだろうか? 前線に身を射ているが故に危惧している事だ。最近では危機感が日増しに上がっている。 「全面撤退にはアタシも同意している。 もともと大陸の防衛は難しい。陸軍には悪いけど、地上戦まで考えるとなると・・・ 扶桑海を挟んで、通常戦闘機隊と組んで防衛した方がいい。 救助体制さえ整えておけば、いくらでも戦ってやるさ。」 「同意します。」 この辺の考えも、同じように基地で話し合って結論付けている。 「だがね・・・それを主導しているのは、妙な連中なのさ。」 「妙な連中ですか? 最近出てきたというウィッチ不要論者のような?」 「そいつらは少数だ。気にしなくていい。 最近・・・と言うわけじゃないけど、かなり広い範囲にわたって協力がある連中だよ。 今使っているストライカー製造を、一手に引き受けている倉崎重工なんかがそうだね。 海軍・陸軍には言うに及ばず、政府にまでいるらしい。」 「ずいぶん、大きいですね。」 初めて聞く話に身を乗り出す。 ササリは溜息を吐くと、お茶を飲む。 「まったく、嫌になるよ。こんなことなら昇進するんじゃなかった。」 「は、はは・・・」 心の底からの愚痴に、苦笑するしかない。 「今の所、思惑は一致しているから妨害する気はない。 だから、取りあえずは協力する方向で動いているよ。 そんでなんだけど、アンタ。昇進してもらうよ。大佐まで。」 「・・・はい?」 話が分からん。 困惑する章香をよそに、話を続ける。 138 :影響を受ける人:2014/08/03(日) 22 21 06 「海軍所属ウィッチの総隊長として、アンタを推薦しておいた。」 「いやいやいや! 意味が解りかねますが!!」 「欧州義勇軍の総隊長が大佐だというのは知っているね? それにつり合うようにしているだけさね。」 「し、しかし自分はまだ少佐でありまして・・・」 「来月あたりには中佐になるよ。 ついでに陸軍の方は、江藤のお嬢ちゃんが大佐に昇進する予定だ。 田中の後押しでね。」 もはや絶句するしかない。 「もう・・・そこまで話が進んでいるのですか?」 「とりあえずはね。」 御茶の残りをグビリと飲み干すと、障子があいた。 酒を受け取り、もう一度動かない章香の御猪口に注ぐ。 「大陸は放棄する。これはほぼ決定事項だよ。覚悟しておきな。」 ――――― 章香は徒歩で皆がいる旅館を目指して歩いていた。 あの会談で、いろんな情報が舞い込んで頭がパンクしそうになった。 大佐は彼女の疑問に丁寧に答え、何とか整理はできた。 しかし不確定な情報もあり、漠然としないモノも有ったりする。 大佐と別れを告げると大急ぎで、その足で大陸の総本部に向かった。 情報の正否と、同僚に会いたかったのだ。 幸いにして本部勤めの同僚に会う事が出来、大佐の言った事が大体あっていることが判明した。 その同僚からは「昇進おめでとう。」と言う言葉がかけられたが、心有らずであった為に返事が御座なりになった感じがする。 その後、頭を冷やすために少々散歩しながら歩いていたのだ。 旅館に戻るとすぐに女将がやってきたので、とりあえず考えるのをやめて風呂に入る事にした。 「皆様方は、夕食の前にお風呂に入っております。」 「そうなのか? なら私も入るか・・・」 「お食事はいかがいたしましょう?」 「大部屋の方に頼む。」 「わかりました。」 女将に頼んで一度部屋に戻って浴衣をとる。(予めサエが用意してあった。) そしてそのまま旅館自慢の露天風呂を目指す。 脱衣所に入ると、制服を乱雑に脱いでいく。 籠に放り込まれる制服と下着。そして垢擦りとタオルを持って風呂場に向かう。 すると何やら楽しげな声が聞こえてきた。 「ん? 話し声が聞こえるな・・・」 推測で学兵達が話を楽しんでいるのだろうと思い、扉を開けた。 「皆、楽しんでいるか?!」 「あ、先生。」「お帰りなさい!」「隊長、帰って来たんだ!」 「隊長、お帰りなさいませ。」「お土産ないスッか?」「さ、里子さん・・・それないと・・・」 美緒等は章香の姿を見つけるや否や、それぞれ押し合い圧し合いのように声をかける。 その奥の方でのんびりしていたサエは、軽く手を上げるだけで済ました。 章香も軽く手を上げて返答すると、その隣に見慣れた巨体を見つけて顔をひきつらせた。 「ぎぁはははははは!!! 本当に来たぜぇぇ!!」 「あぐっ! 真嶋・・・なんでお前がここにいる!!」 「ここが露天風呂だからだぁぁぁ!!」 「声を小さくしろ!」 耳をつんざく嗤い声に、一同頭を抱えた。(ちゃっかりサエは防御済み。) 大佐に続いて苦手な奴に会って、ちょっとブルーになった章香だった。 以上です。 苦手だとは言ったが、嫌いと入っていない(キリッ! そして、描写で表現したぞ。 喜べよ。 次回は真嶋志麻との絡みを書くぞ!
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/5860.html
19: 194 :2019/08/13(火) 15 25 32 HOST ai126151066222.55.access-internet.ne.jp 銀河連合日本×神崎島支援?ネタ番外編 ~絶対に笑ってはいけない鎮守府24時~ その二 をご覧ください(手抜き) 銀河連合日本×神崎島支援?ネタ番外編Ⅲ ~絶対に笑ってはいけない神崎市警察署24時~ その26 ※本編中に銀連キャラは出てきません。辛うじて、本編後に極稀に書かれるおまけのみに出る程度です 0 00 再び研修室へと戻ってきたメンバー達。 特にする事も無い為か、再び雑談にふける。 大和「そういやこゆきちゃんをそのまま連れ帰って来ましたけど、どうするんです?」 長門「ああ。収録終わったら、そのまま引き取ろうかなと」 扶桑「何でです?」 長門「何て言うか・・・もう他人とは思えなく感じてな。こういう縁だったというか?」 金剛「・・・マァ、来るべきXーDAY(出産&育児)の予習用と考えるナラ、有りかもデスネー」 コンコン 日向「はい」 利根「皆、ご苦労様じゃ。そろそろ寝る準備に入るぞ」 日向「やっとかー!」 金剛「漸くデスネー」 扶桑「もう、ボチボチ眠くなってきましたしね・・・」 利根「今から準備してくるから、今の内にジャージに着替えておいてくれ。以後はこの部屋には戻ってこないから、忘れ物の無い様にな」 大和「分かりました」 利根「あ、その娘を置きっぱなしにする訳にはいかぬな。吾輩が、安全な所に移しておこう」 長門「ああ、よろしく頼む。くれぐれも、丁寧にな」 利根「了解じゃ。それでは、また後での」※こゆきを抱える こゆき<キャハハハハハハ 長門「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」 大和「え?・・・何で利根さんで?」 金剛「ハ?もしかして、こゆきの母親って・・・」 日向「あ、いや・・・たまたま反応しただけなんじゃ?」 扶桑「多分そうじゃないかと・・・長門さん?」 長門「・・・・・・・・」※艤装を展開している 大和「何で艤装を・・・・・って、何処に行く気ですか!?」 長門「放せ、大和!放してくれ!!」 大和「もしかして、利根さんを〆る気ですか!?駄目ですよ、そんな事!!」※羽交い絞めしている 金剛「落ち着くネー!長門!!」 日向「気持ちは分かるが、やってはいかん事だぞ!!」 長門「放してくれ!!殿中で御座る!殿中で御座る~~!!」 大和「それはどちらかというと、羽交い絞めしている私のセリフですよ!!」 日向「馬鹿な真似は止めて、頭を冷やせ!長門!」 扶桑「そもそも利根さんを〆た所で、ビンタされた事実は消えないんですよ!!」 暴れる長門を必死で取り押さえるメンバー達。 結局、長門が落ち着くまで十分程かかってしまった。 20: 194 :2019/08/13(火) 15 26 03 HOST ai126151066222.55.access-internet.ne.jp 利根「準備出来たぞ。・・・って、何じゃ長門。何故吾輩を睨む?」 長門「・・・・・」 大和「まぁ、色々あって・・・。着替えますので、五分程待って頂けますか?」 利根「それは構わぬが。出来るだけ早く着替えるのじゃぞ」 扶桑「分かりました」 きっかり五分後に着替え終えたメンバー達。利根の案内で、今夜の寝室に到着する。 利根「ここが、今宵の寝室じゃ」 大和「あれ?今回はベッドなんですね?」 金剛「去年までは、お布団デシタヨネー?」 扶桑「まぁ、気にしても仕方ないですし、さっさと寝てしまいましょう」 長門「・・・そうだな」 それぞれ宛がわれたベッドに潜り込むメンバー達。程無く眠り始める。 しかし、このまま何事も無く朝を迎えるという展開はもちろん無い(無慈悲) 今宵、ある実験が執り行われる事となる。 01 00 ??「・・・まとさん。・・・大和さん。起きて下さい」 大和「・・・・・?」 体を揺すられ、目を覚ます大和。そこには、口の前に人差し指を立て、静かにする様に促すバニ淀が。 バニ淀「・・・お疲れ様です。物音を立てない様に、起きてもらえますか?」※小声 大和「・・・・・一体何ですか?」※眠たそうにしている バニ淀「・・・実は、ある場所に来て欲しいんです。付いて来て下さい」※小声 大和「・・・・・?」 怪訝に思いながらも、起きる大和。ふと、周りを見渡すと扶桑以外のメンバーの姿が無い。 大和「・・・他の皆さんは?」※小声 バニ淀「既に他の場所に移動してもらってます。詳しい話は、移動した先で」※小声 21: 194 :2019/08/13(火) 15 26 33 HOST ai126151066222.55.access-internet.ne.jp バニ淀に連れられ、移動する大和。案内されたのは、モニタールーム。中に入ると・・・。 そこには、長門・金剛・日向の三人に利根。そして、神崎提督が居た。 神崎「お疲れさん。これで、扶桑以外は揃った訳だな」 大和「提督!?何故ここに?」 神崎「実はだ。これからとある実験を行う事になった。皆には、その様子を見届けてもらう」 4人「「「「?」」」」 神崎「皆は扶桑が一度寝たら、ちょっとやそっとじゃ起きないのは知っているな?」 長門「・・・そりゃ、まぁ」 金剛「あの寝つきの良さは、異常デスヨネー」 日向「・・・で、それがどうかしたのか?」 神崎「正直私も、扶桑がどれ位寝つきが良いのかは知らない。なので、本当に天変地異とかが発生しないと起きないのか。確かめる事にした訳だ」 大和「はぁ・・・」 神崎「これから行う検証で、それを確かめるという訳だ。・・・ポーラ、聞こえるか?」 画面の一つを見ると、寝室内で待機するポーラの姿が。 ポーラ「・・・は~い。聞こえてますよ~」※小声 神崎「今からポーラが様々な検証を行い、どの位で起きるかを調べる。あ、お前達は見てるだけでいいが、笑ったらちゃんと罰ゲームが有るから、注意する様にな」 長門「・・・ええ~」 大和「結局、素直に寝させてくれない訳ですね・・・」 金剛「偶には、マトモに寝させてクダサーイ・・・」 日向「今も、頭が少しボーっとするんだが・・・」 神崎「では、最初の検証だ。ポーラ、準備してくれ」 ポーラ「は~い」※小声 22: 194 :2019/08/13(火) 15 27 03 HOST ai126151066222.55.access-internet.ne.jp 早速行動を開始するポーラ。扶桑の首に、パッドみたいなのを取り付けている。 長門「・・・なんだアレ?」 神崎「あれは電気パッドだ。今から電気パッドを動かして、起きるか否かを確かめるぞ」 金剛「・・・普通は、起きると思いマスガー」 日向「・・・あの扶桑だからな」 神崎「それでは、実験開始!」 神崎提督のゴーサインと同時に、電気パッドのスイッチをオンにするポーラ。 最初は低電圧で動かすも、全然起きない。低電圧では効果が無いと判断、電圧を最大に上げる。 ガッガッガッガッガッ 扶桑「スー・・・スー・・・」 長門「・・・何で起きないんだ」 大和「気付きそうな物なんですけどね・・・」 神崎「起きないみたいだな。・・・・・よし、パッドの数を増やそう。ポーラ、腕や足にもパッドを付けてくれ」 ポーラ「了解~」※小声 今度は両腕・両足にも取り付け、その上で最大パワーで作動させる事に。 ガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッ 扶桑「スー・・・スー・・・」 4人「「「「www」」」」 \デデーン/ 長門、大和、金剛、日向、アウトー! 長門「めっちゃビクビクしてるwww」スパーン 大和「これだけしているのに、何で起きないんですかwww」スパーン 金剛「酷過ぎる絵面ネーwww」スパーン 日向「何かの病気じゃないだろうなwww」スパーン すると扶桑。喉を掻き毟りながら寝返りを打った際に、ベッドから転落。 しかし・・・。 扶桑「・・・・・」フラフラ 完全に寝ぼけているからか、ポーラの存在や手足に付いているパッドに気づかない扶桑。 そのままベッドに寝転がろうとして・・・・・ 扶桑「・・・・・」ドテーン またベッドから落ちた。 4人「「「「・・・ww」」」」 \デデーン/ 長門、大和、金剛、日向、アウトー! 長門「扶桑ww」スパーン 大和「何してるんですかww」スパーン 金剛「寝ぼけ過ぎデショウww」スパーン 日向「気付かな過ぎだろww」スパーン 23: 194 :2019/08/13(火) 15 27 34 HOST ai126151066222.55.access-internet.ne.jp 神崎「・・・どうやら、電気パッドでは起きないみたいだな」 ※検証結果その1・電気パッドでは起きない 神崎「・・・仕方ない。別のプランで行こう」 長門「・・・まだやるのか?」 神崎「まぁ、検証は色々やってなんぼだしな。では、準備はいいか?ポーラ」 ポーラ「準備OKで~す」※小声 日向「次は何をするんだ?」 神崎「パチパチキャンディを細かく砕いた物を、扶桑の口の中に入れる。それで起きるかどうかの検証だ。ではポーラ、始めてくれ」 ポーラ「は~い」※小声 大匙一杯分程の量のキャンディの欠片を、扶桑の口の中に入れてみる。 パチパチパチパチ 扶桑「・・・・・ん~~~~」 長門「おっ、もしかして起きるか?」 しかし・・・。 ガリガリガリ※寝ながら飴を噛み砕いている 4人「「「「!?」」」」 扶桑「・・・ゴクン。・・・・・スー・・・スー・・・」 長門・日向「・・・ww」 \デデーン/ 長門、日向、アウトー! 長門「・・・まさか、寝ながら噛み砕くとはww」スパーン 日向「・・・まさか、狸寝入りしてる訳じゃ無いよな?ww」スパーン 大和「・・・これでも起きないなんて」 金剛「どんだけ寝付きがいいんデスカー・・・」 神崎「・・・この程度では駄目か。よし、量を増やしてみよう。ポーラ、やってくれ」 ポーラ「は~い」※小声 今度は、先程の十倍。大匙十杯分の飴の欠片を口に入れる。 パチパチパチパチパチパチパチパチ 日向「・・・めっちゃパチパチ音がしてるな」 金剛「・・・口に入れられた時点で、起きそうな物デスケド」 と。 扶桑「ゴホォッ!!」※口から飴の欠片が噴き出す 4人「「「「!?」」」」 扶桑「・・・・・スー・・・スー・・・」 4人「「「「・・・www」」」」 \デデーン/ 長門、大和、金剛、日向、アウトー! 長門「だから、何故起きないwww」スパーン 大和「汚いですよwww」スパーン 金剛「酷過ぎデショウwww」スパーン 日向「なぁ、本当に寝てるんだよな?扶桑www」スパーン 24: 194 :2019/08/13(火) 15 28 04 HOST ai126151066222.55.access-internet.ne.jp 神崎「・・・これでも駄目なみたいだな」 長門「・・・まぁ、此処までとはなぁ」 金剛「・・・一度、明石に診てもらった方が良いんじゃないデスカー?」 ※検証結果その2・パチパチキャンディでは起きない バニ淀「・・・予想以上に手強いですね」 利根「・・・ある意味凄いの、扶桑は」 神崎「・・・よし、ならば最終手段で行こう」 大和「最終手段?」 日向「何をする気なんだ?」 神崎「ズバリ、あるBGMを流して起きるかどうかの検証だ」 長門「BGM?」 金剛「そんナノデ、起きるデスカー?」 神崎「流石にこれは起きるはずだ。というかこれで起きなければ、もう天変地異とかでないと起きないだろうな」 日向「で、何のBGMなんだ?」 神崎「それは聞けばわかる。では、ミュージック・スタート!」 バニ淀「はい」ポチッ テーマ曲:艦隊これくしょん『敵超弩級戦艦を叩け!』 扶桑「ビクッ!?・・・・・?・・・・・?」※寝ぼけ眼な状態でキョロキョロしている 長門「起きたww」 大和「一発ですねww」 霧島「マイクチェック!!」 扶桑「ヒィィィィィィ!?!?」 4人「「「「wwwww」」」」 \デデーン/ 長門、大和、金剛、日向、アウトー! 長門「完全に起きたなwwwww」スパーン 大和「効果てきめんでしたねwwwww」スパーン 金剛「最早条件反射ネーwwwww」スパーン 日向「提督の言う通りだったなwwwww」スパーン 25: 194 :2019/08/13(火) 15 28 35 HOST ai126151066222.55.access-internet.ne.jp 神崎「流石に、起きたみたいだな」 長門「まぁ、無理はないわな・・・」 大和「扶桑さん的には、トラウマでしょうからね。この曲・・・」 一方、寝室では・・・。 霧島「扶桑さん、貴女何やってるんですか!」 扶桑「・・・は、はい?何で霧島さんが・・・?」 霧島「ポーラさんが貴女を起こそうとしていたのに、何故起きないんですか!!」 扶桑「へ?・・・ポーラさん?」 漸く、部屋に居たポーラの存在に気付く扶桑。と同時に、他のメンバー達が居ないのにも気付く。 扶桑「・・・あれ?他の皆さんは?」 霧島「別室で待機してます。というか、扶桑さん。色々やってたのに、何故起きないんですか!!」 扶桑「へ!?・・・な、何かしてたんですか?・・・全然気づかなかったですけど・・・」 霧島「・・・こっち来なさい!」 扶桑「ヒ、ヒィィィィ!?!?」 再び視点を、モニタールームに戻す。 神崎「よし。起きたのを確認したし、霧島を止めに行こう」 日向「寝室に戻るのか」 神崎「流石に、ビンタは今回の趣旨では無いしな。では、行こう」 そして、視点はまた寝室へ。 霧島「貴女、災害とかが有った時にそんなだったら、避難が遅れるでしょう。どうするんですか!!」 扶桑「い、いや流石に災害とかなら飛び起きますし!?」 霧島「口答えする気か!!ビンタするから、歯を食いしばれ!!」 扶桑「ヒィィィィィィ!?!?!?!?」 26: 194 :2019/08/13(火) 15 29 05 HOST ai126151066222.55.access-internet.ne.jp あわやビンタかと思われたその時、神崎提督達が寝室に入って来た。 神崎「あー、そこまでだ。霧島」 霧島「提督!?」 神崎「今回は、あくまで実験だ。ビンタをするのが目的じゃない」 霧島「ですが、提督。流石にこの様は酷過ぎでしょう。だから、制裁を加えないと・・・」 神崎「病気か何かかもしれないだろう。決めつけでビンタするな。だから、今回は堪えてくれ」 霧島「・・・・・分かりました。扶桑さん。神崎提督に感謝しなさい!」 扶桑「は、はぃぃ・・・」※半泣き 長門「危ない所だったな」 扶桑「な、長門さん。・・・というか、皆何処に行ってたんです?」 大和「実は、かくかくしかじか」 扶桑「・・・・・人を使って、何をしてるんですか。皆さんは・・・。何か口の中が甘ったるいと思ったら・・・」 長門「・・・それはそうだが、お前起き無さ過ぎだぞ」 大和「そうですよ。一度、明石さんに診てもらった方が良いですよ」 扶桑「・・・そうさせてもらいます」 日向「全くだな。・・・もうこれで終わりか?提督」 神崎「ああ。皆、遅い所ご苦労だった。ゆっくり休んでくれ」 金剛「ハァ~~。ソレジャア、さっさと寝まショウ・・・・・」 ベッドにて再び眠りにつくメンバー達。幸い、去年と違い真夜中の襲撃は無かった。 かくして、収録は大詰め。二日目の朝を迎える事となる。 27: 194 :2019/08/13(火) 15 29 35 HOST ai126151066222.55.access-internet.ne.jp ~おまけ 視聴中の銀連メンバー+αの反応~ 257:名無しの提督さん 256の言う通りだ!自重汁! フゥ 258:名無しの提督さん そうだぞ、少しは自重しろ! フゥ 259:名無しの提督さん 257-258 だからwww 260:名無しの御召艦さん 姉さま・・・おいたわしや・・・。 フゥ 261:名無しの大丈夫ですさん 流石にはるn・・・私でも大丈夫じゃ無いです。 フゥ 262:名無しのマイクチェック!!さん この私でも、あの痛さは計算出来そうに無いですね。 フゥ 263:名無しの提督さん 260-262 こらwwwww そこの姉妹艦共wwwwwww 264:名無しの提督さん 何書き込んでいるwwwww そして、何をしているwwwwwww ※三角ネタ時の某掲示板の反応の続き。神崎島関係者らしき書き込みが見えるが、おそらく気のせいである(大本営発表) フェル「メ、滅茶苦茶デショウwwwww」 柏木「もう、瑞鶴さんは出ない方が良いんじゃ・・・?」 ※神崎ポリスストーリーの撮影(二回目)を見た、柏木夫妻の反応。 シエ「コ、股間カラびーむwwwww」 ※変態仮面ネタでの、シエさんの反応。 28: 194 :2019/08/13(火) 15 30 05 HOST ai126151066222.55.access-internet.ne.jp 柏木「・・・あのさ、フェル。何を協力してるの?」 フェル「く、詳しくハ聞いて無かったノデス。こんなのを作るナンて・・・・・」 ※ティ式ウルトラチン〇マシーン登場シーンにて。フェルさんはヤル研が番組に協力しているのは知っていたが、こういう代物を 作っていた事は知らなかった模様。 ティ連技術士A「これがヤルマルティアで使用サレテいるという、ばらえてぃ用ノ機械か」 ティ連技術士B「何でも男性への罰げーむとシテ、股間を強打するというこんせぷとの機械だソウダ」 ティ連技術士C「その為だけに、この様ナ機械を!?う~む、流石発達過程文明。実ニ興味深イ・・・」 ※チン〇マシーンの実物を見た、ティ連側の技術者達の会話。これも、発達過程文明の調査的に極めて重大な物である!(大本営発表) その後、ヤル研の技術者達と共に様々な技術をつぎ込み、『ティ式ウルトラチン〇マシーン』を完成させた。 大淀「提督。番組内で使用したチン〇マシーンを、痴漢の犯人への刑罰用に貸与して欲しいとの要請が」 神崎「え!?」 ※放送後の、神崎島での一幕。なお、(当たり前ながら)危険過ぎるという理由で貸し出しはされなかった。 ニーラ「モ、モウ止メテwwwwwモウ止メテwwwwwwww」※腹を抱えて笑い転げている ※空気漏れを起こしながら、泣き言を言うマインを見たニーラ教授の様子。 フェル「ワ、私達イゼイラ人的に悲劇そのものナしーんの筈ナノニwwwww」 柏木「・・・・・扶桑さんの言う通り、違う意味で目から汗が(涙)」 ※ビンタネタにて、こゆきを無理矢理取り上げられたシーンにて。その歴史的に、イゼイラ人にとっては悲劇的なシーンの筈なのだが・・・。 29: 194 :2019/08/13(火) 15 30 35 HOST ai126151066222.55.access-internet.ne.jp 以上です。今回は、前回と趣を変えてみましたが如何だったでしょうか? なかなか筆が乗らず、形にするまでが大変でした(汗)。難産でしたが、少しでも楽しんでいただけたら幸いです。 あと、書くのが遅れたお詫びもかねて、おまけシーンも追加。色々と好き勝手してますが、気にしてはいけない(ヲイ) 残す所あと数話まで来ましたが、何とか最後まで書き上げれる様に頑張ります。前スレで言ったリメイクの方も、順次書き上げて投稿しますので、 お楽しみに。 wiki掲載は、自由です。
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/3826.html
508 :影響を受ける人:2016/09/04(日) 21 55 40 この作品にはTS要素が含まれています。 オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。 最低系である最強要素があります。 オリジナル設定、個人的解釈が入っています。 それでも良い、という方のお読みください。 提督憂鬱×ストパン+零 第九十六話 ―作戦開始― ―哨戒部隊 報告― 目標 ヤマ 渡海 距離 本土 ヨリ 規定 地点 到達 確認 護衛 オニグモ 二 アホウドリ 十四 他 多数 確認 測定 不能 進撃 速度 衰エ 無シ ―台風牽引隊 報告― 本土 ニ 接近 予定 日程 全 工程 順調 ニ 消化 セリ 接敵 想定 時刻 誤差 三十分 以内 ト 予測 ―本土 大本営 発令― 報告 受領 大本営 ハ 作戦 開始 ヲ 発令 セリ 全部隊 ハ 行動 ヲ 開始 セヨ ―第一打撃艦隊 返答― 了解 全艦 抜錨 開始 ―第二打撃艦隊 返答― 了解 全艦 抜錨 開始 ―第三打撃艦隊 返答― 了解 全艦 抜錨 開始 ―第一機動艦隊 返答― 了解 全艦 抜錨 開始 ―第二機動艦隊 返答― 了解 全艦 抜錨 開始 ……… ――戦艦【紀伊】艦橋―― 作戦開始。 この号令は扶桑皇国全ての軍事施設を動かした。 人によっては待ちに待った決戦。もしくは来てしまった運命の日。 しかし扶桑皇国にとって、海軍の総戦力も動かした本作戦は、歴史に史上に残る大作戦となる。 「水雷戦隊、全て外洋に出ました。続いて本艦も出撃します。」 「よし。」 古賀峯一が力強く頷き、同じ転生者の副官に声をかける。 「再び転生し、もう一度戦艦に乗れるというのは僥倖だったな。」 「そうですね。しかもストパン世界の改加賀型ともいうべき紀伊型戦艦です。」 「それはちょっと違うぞ。こいつは外見こそ類似しているが、様々な面で性能は向上している。 一番わかりやすい速力は、加賀型とは全く違う。」 「失言でした。申し訳ありません。」 「ああ、かまわんよ。」 上機嫌で、覇気を隠さない古賀に、副官はやれやれと内心で溜息を吐く。 こんなメタい会話をしているが、環境にいるのは全員転生者のみ。 艦長もそうだし、砲雷長もそう。というか前世で戦艦屋として夢幻会に知られたメンバーばかりだ。 故に気軽に話せる。 「少々不謹慎だが、この世界に生まれて幸せだ。」 「同意します。ネウロイと言う外敵が存在し、大型相手には巨砲必須である以上、戦艦の需要は無くなりません。」 「そうだ。だからこそ、原作における紀伊型戦艦の主砲問題を、早期解決させたのだからな! だが・・・ 予想に反し、戦艦建造速度は上がらんかったな。」 「仕方がないですよ。前世とは違い協力者が少なく、加減が把握できなかったのもあります。」 「前世での弊害と言うべきか・・・ あの頃は、割と自由にやっていたんだな。」 「自由と言うか・・・バックの存在が大き過ぎた事にもあるのではないかと。」 「まあ愚痴愚痴言っていても仕方がない。今は今作戦に全力を振るうぞ!」 「はっ! 空駆ける少女達のために!!」 「「「「「空駆ける少女達ために!!」」」」」 (大丈夫か・・・?) ヲタク共の号令を聞きながら、比較的真面目な艦長は不安を少しだけ覚えた。 509 :影響を受ける人:2016/09/04(日) 21 56 12 ――空母【天城】艦橋―― 作戦開始が発令された。 扶桑海を守る為、大陸の防衛の為に、何度も航空隊を見送ってきた艦長は今作戦においても、育ててきた荒鷲達の活躍を疑わない。 もっとも夢幻会介入による航空母艦の航空隊体制の変更は、納得し辛い所が有ったものの、一応は理解している。 速い話、今ままで基地航空部隊と航空母艦飛行部隊は分けられていたが、自由に兵力を抽出するという面では少々不便。 なので前世同様に、航空母艦から発艦できる乗員枠を増やし、容易に戦力回復できるようにした。 お陰で大陸に戦力を置いて行っても、本土に戻れば元通り。 【天城】【赤城】のペアーと、【飛龍】【蒼龍】のペアーで、交代で任務に就いていたが、いい感じに実戦を経験できたのは僥倖だと思っている。 少なくない犠牲を払ってはいるが、やはり実践は訓練には無い緊張感などが学べる。命を対価にしていることを覗けば。 もっとも【祥鳳】【瑞鳳】は事情が違う為に、同じようには出来なかったが、一応実戦の経験は積んでいる。 というか【瑞鳳】飛行隊長の天龍空姫が嬉々として暴れていたと、飛行副隊長の須藤つばめが嘆いたという噂を聞いた事がある。 少し脱線した思考を戻し、本作戦の概要を思い出す。 まずは機動艦隊の通常飛行部隊が護衛を吊りあげる。 その次も吊り上げるわけだが、こちらは陸軍基地航空隊の通常戦闘機が相手だ。 少々不安だが、海軍の試作高速偵察機が先導するというから、問題はないはず。 続いてウィッチが迎撃に出るわけだが・・・主な戦場は、通常戦闘機が帰還するルート上となる。 と言うのも、ネウロイ側も偵察するということ覚えたので、必然的に通常戦闘機が引き返せば見つかる可能性が高くなる。 かと言って迂回行動をとらせるとなると、機位を見失っては貴重な搭乗員を失うことになる。 ならばそのルート上に防衛する部隊を設置すればいい。 高速で、突破力もある“アホウドリ”が必ず来るはずだ。それを潰す。 たとえ抜けられても、今度は上等な餌を目の前に出して引き付け、けして機動部隊を危険には晒させない。 上等な餌となるのは戦艦。 金属の塊で、強力な火砲を持つ彼等はネウロイにとっては極上の餌であり、強大な脅威になる。 恐らく戦艦を認識すれば、今度は“オニグモ”が出てくるだろう。 それを迎撃し、殲滅が完了次第戦艦部隊は次の段階へ移行するわけだが・・・ 「しかし・・・台風を利用するとはな。」 「ええ。乗員の中でも、いまだに信じていないモノが多数おります。」 「だろうな。私もだ。」 艦長の答えに副艦長も頷く。 確かに古来より、御祭りなどで雨を乞う儀式が有るというのは知られている。 しかし実際に起こせるとは思っていなかった。 天候とはまさに自然の産物であり、けして人の手が届かない、管理不能の現象なのだ。 「お天道様を人間の良いように操るか・・・ 下手な揺り返しが無いといいのだが。」 「今後の天気予知予報が難しくなるという話ですから、もはやどうにもならないのではないかと。」 「すでに作戦の為に台風は操作され、勢力を強めている。 確かに、どうにもならんな・・・」 もはや後戻りなどできはしない。 今はもう。前に進んでいくしかないのだ。 しいて言うならば。開発中の引き込み足を持つという戦闘機開発が間に合って欲しかったと言うべきか・・・ 「いつの世でも。あれこれ準備していても、不足気味だと思うものだろうな。」 僅かな不安を糧にして、不測の事態に備えるべく、頭の片隅に必要になるであろう指示を書き留めておくことに下。 ――軽空母【瑞鳳】―― 「お前ら! 気合入っているかぁ!」 「「「「「おっす!」」」」」 少し話題になっていた軽空母【瑞鳳】のウィッチを率いている天竜空姫は、飛行甲板にて訓辞をしていた。 傍らには苦労人・・・もとい、副隊長の須藤つばめもいる。 「とうとう作戦が開始された。今度の作戦は海上戦だ! 敵さんも空を我が物顔で飛んでいるわけだが、そいつらを潰すのが俺らだ!」 「隊長。それはいつもと変わらないのでは?」 「そうだ。かわりはない。 だが、だからこそわかりやすい。 俺らはとにかく敵を殲滅して、味方の艦隊に近づかせなけりゃいい! 主な獲物は“アホウドリ”と“オニグモ”だ!」 「“オニグモ”は流石に無理じゃないですか?」 「一々突っ込んでくるなスドウ!」 「だから、ス ト ウです!」 二人の何時もの漫才に一同は苦笑したり、呆れたりしているが、いい感じに緊張感がほぐれるので特に問題はない。 副隊長の悩みを別にして。 510 :影響を受ける人:2016/09/04(日) 21 57 06 「“オニグモ”の殲滅は戦艦部隊がおこなう事になっているが、誘導はこちらで行うからな。 出来るならば、こちらで倒しておきたいぜ。」 「無茶ぶりを指示する隊長をこき下ろしたい。」 「あほか。戦艦が使えない。列車砲みたいな大口径砲が使えない場面の方が多いに決まっている。 それを想定して動くんだよ!」 「ただ単に。後輩の北郷章香が“オニグモ”討伐に貢献したから、羨ましいだけなんでしょ?」 「おう。」 身も蓋もない返答に頭を抱える。 まあこれが【瑞鳳】ウィッチ飛行部隊のノリなのだから仕方がない。 だからと言って賛成は出来ないのだが。 「・・・わかったよ。取りあえず作戦通りに動く。」 「お願いします。主に私の胃を心配してほしい。」 ジト目で見つめ続けてようやく折れてくれた。 溜息を吐いて安堵する副隊長から視線を逸らし、ある方向をみやる。 そちらからは本作戦の大目玉、台風がやってくるはずだ。 「璃子。上手くやってくれよ。」 小さな呟きは誰にも聞かれなかった。 ――海軍 秋月隊―― 宛がわれている隊長室で隊長の秋月璃子と、副隊長の木更津千早最後の打ち合わせをしていた。 「では北側は隊長にお任せします。」 「ええ、南側をよろしくね。」 「それについてなのですが・・・」 「何か問題がある?」 しれっと言う隊長に、千早は思いっきりしかめっ面にして尊敬する上官を睨む。 「天宮春香。彼女をどうして私のほうに回したのですか?」 「だって、あなた。彼女を制御できるじゃない。」 「あれは制御しているのではなく、躾けているのです。」 「同じことよ。それともなに?」 書類をチェックしていた璃子の視線が、千早の顔をようやく見た。 「自分より才能のある子がいると、実力を発揮できない?」 「そうじゃありません! あの子、何時まで経っても変な所でドジるんですよ! まだ隊長といた方がフォローできます! そもそも、本作戦はミスなんてできません!! 本当なら後方待機にしたかった!」 千早の言う事ももっともだ。が、彼女にはもっと苦労して自分の後釜になってもらわないといけない。 まだ自分は若い分類だが、任せられる隊長各となると呪歌を扱う部隊だけに難しい。 歌が上手いだけではなく、周りを見ないといけないし、調律と言う名の同調補正も必要だ。 木更津千早と天宮春香。 この二人は自分が見てもそうはいない才能を秘めている。 (水瀬大佐じゃないけど。人材をあそばせる余裕なんてないしね。) まだ怒り冷めやらぬ副隊長をなだめる為。璃子は丸め込むために口開くのだった。 以上です。 なんか、すんごい作戦開始の文章が浮かばなかった・・・ う、浮気したからか?!
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/3174.html
94 :影響を受ける人:2015/08/23(日) 22 40 08 この作品にはTS要素が含まれています。 オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。 最低系である最強要素があります。 オリジナル設定、個人的解釈が入っています。 それでも良い、という方のお読みください。 提督憂鬱×ストパン+零 第七十三話 ―夜鷹の舞踏― 現在、夜間戦闘を専門とするウィッチはそれほどいない。 なぜなら怪異としてネウロイが出現するのは、主に昼間だったからだ。 時には夜間にも出現する事はあったが、その回数は少ない。 そのため史実同様に、夜間戦闘技術はそんなに高くは無かった。 しかし扶桑皇国では夜間に飛翔するウィッチがいた。 天狗の下駄と言う道具を使う時から、夜間に彼女達は飛んでいたという。 何故その発想が生まれたかと言うと、九曜葛葉と名乗る前に信長に謁見できた時にこぼした戦術故にだ。 戦闘こそなかったが、夜間にある程度敵の位置が知る事ができ。 軍の規模を把握できるというのは、あの時代において中々のアドバンテージがあったという。 昼間だとウィッチ同士の戦闘が発生する確率や、下手をすれば撃ち落とされる危険もあったので、夜間偵察は彼女達にとって比較的危険が低いモノだった。 奇襲攻撃をする事もあったと言うが、片手で数えるほどでしかない。 その殆どは偵察に絞って運用されていた。 だが平和な世になると、この任務自体が無くなってしまう。 日本を統一し、扶桑皇国となり、海外に向けた大航海時代の到来のせいだ。 昔の船舶は小さく、たとえ大型船であろうとも外洋に出ての航海と言うのは、危険極まりない行為だった。 ウィッチを乗せて陸地を素早く発見する。というのは簡単に思いついたのだが、それまで彼女達はお荷物でしかない。 ましてや閉鎖空間になりがちな昔の船で、女性を連れて後悔するのは大変なものだ。 実際海外では船員のストレスが溜まり、彼女達を襲う事が起きたという。 その為、現代の様に渡航が容易になるまで、ウィッチの艦載運用は考えられていなかった。 精々港や、重要拠点で活動するぐらいしか運用する事は無かった。 しかし現在は技術の発展により、航空母艦での運用が可能に。 そして夜間戦闘もネウロイの侵攻により活発化。 再び夜の空にウィッチ達が飛び立つことになった。 しかし、失われた技術を復活させることは並大抵の事ではない。 それが偵察のみとはいえ夜間飛行を可能にしていたとなれば、藁にもすがる思いとなる。 といっても資料自体が少なかったのだが・・・ 旗本サエ率いる夜間戦闘隊は、とにかく工夫でどうにかしようと試行錯誤を繰り返した。 ベテラン中のベテランで構成されたこの部隊は、同様の部隊三つよりも高い。 サエ自身の使い魔が梟であり、感覚で飛行できる。 寡黙だが指示は的確、真面目で部下の話もよく聞くから評判もいい。 「なんであの人、もっと階級が上がらないの?」 とは、部下の疑問だったりする。 それはともかくとして、同隊の宇田新(うだ あらた)軍曹が恋人から仕入れた情報を元に、新たな技術開発に乗り出した。 これこそ後に魔導針の基礎となる八木・宇田式呪術陣となる。 といっても現段階では魔力消費が多く、精度も悪いのであまり頼りにはならない。 前方を調べるのだがその距離も短め。正直言って頼りにする事ができない。 「う~ん・・・」 「・・・どうだ?」 今日も今日とて夜空を、七人のウィッチ達が飛行していた。 真ん中に隊長の旗本サエと副隊長の宇田新、先頭に二人、左右と後ろに一人ずつ。 宇田は頭部付近から魔力光を放つ、光の棒を生やして頭をゆっくり左右に振る。 彼女は先程から目を瞑って飛行していた。 「一応前にいるのはわかりますね。」 「・・・ふむ。 ・・・で、距離は?」 「不明です・・・」 「・・・方角は?」 「み、右より・・・かな?」 今二人は魔導針の性能チェックをしている最中だ。 襲撃頻度が下がっている昨今、今の内にやっておかないと後が辛い。 魔導針を消して、眉間をモミモミしている副隊長から視線を外して前方を見る。 右よりなのは合っている。一人だけだが。 もう一人は左にいて、さらに先を進んでいるのだが、それを感知することは出来なかったようだ。 「・・・精度は上がらんか。」 「すみません。」 「・・・いや。 ・・・忙しい現場で、ここまで仕上げている。 ・・・文句などない。」 95 :影響を受ける人:2015/08/23(日) 22 40 48 実際彼女はこの短期間でかなりの精度を上げていた。そして努力する姿も知っている。 使い魔の御蔭で戦えるサエとしては、何も言えないのだ。 「・・・やはり、機械の公式をそのまま当てはめるのは無理か。 ・・・他に問題は?」 「そうですね。 自分はわかっているのですが。どうも使い魔の方にも問題があるみたいで。」 「・・・む?」 「動物は人間よりも夜間の視力は良いですから問題はありません。 しかしそれが私達に影響するか、と言うとそうでもない。 肉体の構造が違いますから、それは仕方がありません。 だから私は人間でも 知覚 できるようにしたいと思いました。 しかし、今度は使い魔の方が理解できないのです。 今やっている原理は、蝙蝠のように反射をとらえて調べるわけですが・・・ 音ではなく魔力波で調べているので、使い魔が慣れていないと感じています。 訓練さえすれば慣れていくのでしょうけど・・・」 「・・・そうか。」 今でこそ兵士の宇田だが、本来ならば科学者志望だったという。 しかし家庭の事情と、現場での検証に惹かれてそのまま。 だからか、ちょっと説明が長い。 前方の二人に何時もの配置に戻るよう言うと、真剣に哨戒する。 いかに襲撃が減ったとはいえ、戦闘が無くなったわけではない。 日に一度は夜間襲撃を掛けてくるから、油断はできない。 もっとも、他国からすればこれだけ夜間戦闘が可能となるウィッチが沢山いるのは、羨望と嫉妬の視線が止む事は無いだろう。 暫らく飛行し、前線を通過する。 眼下の荒野は真っ黒で、サエが何とか地面の様子を見る事ができる位だ。 すると、無線に通信が入る。 『こちら夜間偵察機ヨガラス03。』 「・・・どうしたヨガラス03.」 『眼下にネウロイを発見した。例の新種だ。』 「・・・新種。」 つい先日見つかった新種。 中型のコウイカ型“ヒラクモ”と、小型の“コバエ”。 発見報告は今までに三度会ったが、いずれも殲滅している。 今までの敵に比べると、かなり貧弱な印象を受けるという。 『中型は二体、小型は少なく見積もっても四十はいる。』 「・・・ぬぅ。」 小型とはいえ四十は多い。 夜間戦闘で物量とは、さすがにいやらしい。 『敵は前線に向けて飛行しているようだ。 この辺を周回し、索敵を続行する。』 「・・・了解した。」 返信をすると無線機からは何も聞こえなくなる。 サエが銃を構えると同時に、全員の雰囲気が変わった。 「・・・これより、敵の殲滅に向かう。 ・・・続け。」 「「「「「「了解!」」」」」」 力強い返しに満足しつつ、敵がいるという方向に機首を向けた。 ――――― 敵との邂逅はすぐに済んだ。 敵は予測進路上を真っ直ぐ、愚直に進んでいたのですぐに発見できた。 宇田は弾薬箱を背負っているので後方で待機する。 本来ならば銃を持っているのだが、術式の試験運用が有ったので今回は参加しない。 「・・・左右から挟撃する。」 短く作戦を伝えると、部隊はすぐに別れた。 右側からサエが、左側を三番目に信頼しているウィッチが率いていく。 敵もこちらに気が付き、護衛を十体残して向かってきた。 “コバエ”は短射程の攻撃、一門しかないが連射してくる。 それが群れで迫ってくると弾幕を形成するから意外にやりにくい。 「・・・っく。」 弾幕を形成するという事は、それだけレーザーの光がまぶしくみえる。 人間の目は光があるとそちらに集中してしまい、暗闇が見えなくなってしまう。 組みやすい相手だと聞いていたが、夜間戦闘に限ってはそうではないようだ。 圧倒的な数は、数が少ない彼女達にとって厄介だ。 「・・・墳進砲で蹴散らせ。」 『え、しかし・・・』 「・・・中型の装甲はたいした事は無い。 ・・・小型を纏めて落とせ。」 『はい!!』 96 :影響を受ける人:2015/08/23(日) 22 41 26 通信の後、囮となるために少し前方に出て牽制射撃を行う。 すると面白いように集団が付いてきた。 こんなにあっさり付いて来るとは、以前聞いた頭の良いネウロイはこの中にはいないようだ。 「・・・こい!」 乱射の光の中で、サエは回避に専念しつつも真っ直ぐ飛ぶ。 本来なら自殺行為のような方法だが、速度がほぼ同じの敵だと回り込まれたりしないから敵はだんだん一列に並んでいく。 そして攻撃頻度も下がるのだが、今度はわざと上昇し急ブレー気をかけた。 “コバエ”はすぐに追従して上昇しようとする。後ろの“コバエ”も高い機動力をいかして左右に広がろうとした。 しかし真後ろにいた“コバエ”達は、急な軌道変更について行けずに衝突してしまった。 「・・・今だ!」 号令と共に墳進砲を構えた二名の大砲が火を噴き、敵中に命中した大爆発を起こす。 中心にいた“コバエ”は消滅。周辺にいたのは瀕死で、残りは混乱するように周りに攻撃を放ち始めた。 サエは冷静に、落ち着いて負傷した“コバエ”を殲滅する。 墳進砲を構えていなかった隊員達も攻撃に加わって敵の数を減らしていく。 この猛攻に怖気づいたのか、生き残った“コバエ”達は“ヒラクモ”に向かって逃走し始めた。 代わりに“ヒラクモ”の護衛が後退として向かってくる。 護衛が離れた瞬間を逃がすほど、旗本隊は甘くは無い。 いつの間にか上空に遷移していた宇田が、弾薬箱に着けていた墳進砲をとって構えていた。 「逃がしはしない!」 放たれた砲弾は油断していた“ヒラクモ”に命中し、その身を二つに砕いた。 「うわ。本当に脆い。」 報告通りの脆さに隊員が苦笑する。 しかし核には当たっていなかったのか、すぐに機首を戻そうとする。 仲間の被弾にもう一体の“ヒラクモ”が寄ってきて再生を促し始める。 どうやらネウロイ同士なら、どんなモノでも治せるらしい。 「・・・報告に追加だな。」 飽く迄も旗本サエは冷静に現状を見る。同時にこの敵は何なんだろうかと思う。 今までの敵とは違う弱さに少し首をかしげるが、これ以上は推測しかできない。 今やるべきことは、敵を殲滅する事だけだ。 以上です。 今回は旗本サエさんをメインにしてみました。
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/5538.html
604: 635 :2019/01/08(火) 20 48 08 HOST p1898232-ipbf412souka.saitama.ocn.ne.jp 銀河連合日本×神崎島 あの御方がヤルバーンへ行くようです 「比叡。」 「なんでしょう?」 「朕はヤルバーンに行ってみたい。」 「ひえー!?」 さる御方、ヤルバーン行きを所望 「いいんじゃないか?」 「テイトクー!?」 前世での御方の銀ブラ事件を知る提督あっさり許可 「まじっすか!?」 「(失神)」 「マジだ。」 柏木夫妻、提督より御方のヤルバーン行きの手配を任される 「おいおいおい。」 「お腹の調子が。」 柏木から話を聞いた総理体調を崩す、副総理いつになくあわてる 「先代の皇帝陛下がヤルバーンにいらっしゃるデスト!?」 「ハイ!マサトサンは彼の方はニホンにおいて創造主ナヨクァラグヤにも等しい方だと言ってイマシタ。」 「(絶句)」 フェルさんの話を聞き絶句するヴェルデオ司令 「先代のエルバイラがヤルバーンに来るらしいぞ!」 「ああ、なんでもニホンではナヨクァラグヤ様の様に尊敬を集めているとか。」 「その方がいなかったらニホンは外国の領土になっていたそうだ。」 ヤルバーンで飛び交う御方の噂 「総員捧げ銃!」 そして当日ヤルバーンはどうなってしまうのか? 605: 635 :2019/01/08(火) 20 49 04 HOST p1898232-ipbf412souka.saitama.ocn.ne.jp 以上です。 ちょっと思いついたネタなのでちゃんと書くか未定ですw 転載はご自由にどうぞ。
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/3163.html
324 :影響を受ける人:2015/05/31(日) 22 45 32 この作品にはTS要素が含まれています。 オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。 最低系である最強要素があります。 それでも良い、という方のお読みください。 提督憂鬱×ストパン+零 第六十三話 ―黒雲来たりてⅧ― “アホウドリ”一体と対峙する事になった江藤敏子は、一発だけ攻撃をシールドで反射させて返しみた。 すると相手はすぐに回避行動をし、さらに長時間照射ではなく短時間照射に切り替えて乱射し始めた。 「学習能力が高いわね。」 反射させるには角度の計算が必要だ。 長時間照射なら入射角等がわかりやすくなるから、反射もしやすくなる。 しかし短時間照射攻撃になると反射できない。 レーザーは反射で威力が減衰するし、飛距離も無くなる。 「誘いにも、乗ってこないか。」 敵は仲間が滞空砲陣地の攻撃でズタボロになったのを見て、不用意に追撃をするのを止めてしまう。 追撃すれば確実に落とせるとわかる状況でも、すぐに離脱する。 厄介なことに目の前の“アホウドリ”は、数少ない攻撃手段を用いて、薙ぎ払うように地上を攻撃し始めた。 地上部隊は敵に悟られない様に貴重なゴムシートで大砲を覆い、隠蔽結界で隠蔽していた。 隠蔽結界は防御力を持たない防御手段だ。 かと言ってすぐに防御結界に切り替えるのは少し時間がかかる。 防御結界を発動させれば敵に感知されてしまう。 今回の作戦においてどちらを取るべきか、最後まで議論された。 最終的には隠蔽による奇襲効果をとったが、結界士のウィッチは戦闘専門のウィッチより数が多いとはいえ、貴重であるというのには変わらない。 効果範囲が広がると、防御力も低下するから配置が大変だ。 地上を舐めるように走るレーザーに運悪く焼かれて、弾薬が爆発しただろう爆炎が見える。 相手は格闘戦を全くしてこない“アホウドリ”だが、火力を短時間で一気に叩きつけるなら接近するしかない。 自分を迂回するように混戦の空域向かう“アホウドリ”を後方から追いかける。 「流石に早い!」 高速爆撃機の異名も持つ相手だけに、追い駆けていてもドンドン離されていく。 こちらも改良を続けているが、まったく追いつける気がしない。 「だからって、諦めが悪いのよね。」 そう言うと機関銃の前に、長さが5mもある筒状の真空シールドを展開する。 更に右腕の手甲に流し込むと、仕込んである属性付加術符が青白い光を発しつつ燃え上がった。 雷属性の付加術符が仕込んであり、磁力シールドを小さく10枚ほど派生させて疑似コイルガンを形成する。 準備が整い射撃を開始すると、“アホウドリ”の表面に火花が生じて敵を削る。 まさかこの距離で攻撃をあててくるとは思わなかった“アホウドリ”は、片手間にやって居た地上攻撃を止めて全力で回避行動に入った。 ――――― 墳進弾を避けることに成功した“オニグモ” であったがダメージを受けない妙な事をされて少しだけ混乱。 だがすぐに気にしないで回復に専念し、五月蠅い敵を排除しようとする。 先程の加速で攻撃を集中的にうけていた面は、すでに反対方向にある。 代わりに健在な砲台群が敵に向かって攻撃を開始し始めた。 速度は“アホウドリ”よりも少し早いが、攻撃を受け過ぎて低下してしまっている。 味方は乱戦に巻き込んでいた筈なのに、いつの間にか巻き込まれていた。 役に立たないのにも程がある。 攻撃を受けた敵はすぐに散開して、もう一度攻撃をし始めた。 バラバラな攻撃は全体的に着弾するが、被害はそうでもない。 しかしすぐにある一点を集中に攻撃し始めるグループが出始めた。 325 :影響を受ける人:2015/05/31(日) 22 46 02 そこは己の弱点に最も近い部分。先程妙な攻撃を受けた箇所に近い。 ―これがあの警告の結果なのか?― そう思った“オニグモ”だったが、さほど慌ててはいない。 なぜならそこは、他の部位に比べて装甲密度が高いのだ。 大事な核を守るのだから当然の処置と言える。 配置場所を個体ごとに変えている“アホウドリ”は、容量が足りないから密度を上げられない。 それを憐れに思いつつ、優越感をかんじる。 と言っても何時までも攻撃を受けるのは気分がよくない。 もう一度加速しようとすると、また例の嫌な攻撃をしようとしてきた。 右寄りにやってきたので、左に躱すことにして加速する。 捻る様に左に進路をとると攻撃は外れた。 内心で馬鹿にしつつ、猛烈な攻撃で追い払い続けて・・・不意に敵が一気に離れる なんだ?と訝しむと同時に、下から衝撃が襲ってきた。 先程下から襲われた“アホウドリ”と同じ状況だ。 ただ違うと言えば、この攻撃には高射砲陣地の他に、重砲隊の攻撃も交じっている。 もともとは地上型ネウロイの為であったが、打ち上げて攻撃するのは高射砲と変わらない。 座標さえわかればそこに攻撃を叩き込むなど雑作も無いのだ。 砕かれる自らの体。 この攻撃に核を守る外殻にヒビが入り始め、砕ける寸前までいってしまう。 だがその前に“オニグモ”が痛みと、小癪な敵、そして罠にかかってしった自分に対して激怒した。 もう一度足を大きく開き、今度は右回しに振り回して攻撃を受けていない上方面を下に向けて地上を薙ぎ払う。 レーザーが時を離打ち上げた砲弾を撃ち落とし、陣地を実弾攻撃が爆砕する。 一時的に進行を止め、その場に留まると今度は足を閉じて頭を下に向ける。 逆さまになりつつも、自転しつつ地上を執拗に攻撃する。 上空の敵が慌てて引き返してきたが無視だ。 己を傷付けた敵を許す気などない。 攻撃を受けた面を回復させ、全力で地上を攻撃する。 妙な障壁で守っていた地上だが、しつこい攻撃にとうとう音を上げて障壁が消えた。 そこに襲い掛かる攻撃。 爆炎が舞い上がり、金属製の何かが宙を舞う。 地上をちまちま何かが動くが気にしない。 まず、自分を攻撃したものが優先排除対象だから。 ――――― 逆さまになった“オニグモ” の火力に、地上が燃え上がる光景を目の当たりにした北郷章香達は茫然とする。 今までの攻撃も激しかったのに、それ以上の連射速度で地上を蹂躙しているのだ。 結界士が張っていた結界も、物の数秒で耐久力を削りきってしまっている。 まさかネウロイが 怒り で攻撃力を上げたとは思わないだろう 慌てて注意をこちらに向けようと攻撃を加えるが、まったく無視をされて徒労に終わってしまう。 満足するまで蹂躙劇を演じた“オニグモ”は、悠々と巨体を横たえて町の中心部に向かうべく航行を開始した。 無視をされた悔しさに唇をかみしめるていると、下田なかがやってきて傍に滞空する。 「総隊長、学兵達を下の救助に行かせては?」 「そうだな・・・」 歯切れの悪い返答に、下田はあえて厳しくした。 「総隊長、作戦はまだ始まったばかりです。 被害が出るのは覚悟なされていた筈。 悔やむのは解りますが、今悩まれても困ります! 貴方は今、海軍飛行ウィッチ部隊の総隊長なのですよ!!」 326 :影響を受ける人:2015/05/31(日) 22 46 36 そのまま下を俯く様に見ていた章香は、己の頬を強く叩き直す。 出撃前に気合を入れていたが、抜けてしまった己が不甲斐無い。 顔を上げると、いつの間にか全員が集まっていた。 「よし! 学兵達に連絡しろ。 地上の救援活動を、できうる限り援護するように! 私達は敵を誘導する事に専念する!」 「了解しました!」 「地上本部より通達。 『敵の針路がやや北寄り。南寄りに変更されたし』 で、あります!」 「わかった。墳進弾の残りはどのくらいだ!?」 「後、三回は可能です。」 「それで何とか進路を変更させよう。」 テキパキと指示をだす姿を見て、下田少しだけ安心した。 流石に若くして少佐・・・中佐になった重責は自分が思うよりも重いだろう。 それでも進んでもらわなくては困るが、出来うる限り支援していこうとも思う。 「いくぞ!」 号令と共に、“オニグモ”を追いかけるべく全速力でストライカーを吹かした。 迷いを振り切ったと感じ、頼もしくも若い背中を下田は追う。 ――――― 大陸総合本部はハチの巣を突いた様な大騒ぎになっていた。 “オニグモ”の攻撃により対空陣地が壊滅したのだから、こうなるのも仕方がない。 幸いにして別の場所から“オニグモ”を監視していた兵士からの報告により、進路が微妙にずれていることが分かった。 それに対する指示もすでに下されている。 そんな中で東条英機は各部隊の通信を聞いていた。 『こちら第五三二対空陣地! 負傷者多数!!』 『結界士のいるトーチカに被害あり! 救援を乞う!!』 『第五一一対空陣地です。上空の乱戦は徐々に町に向けて移動している。 しかし抜け出る敵はいない模様。』 通信を聞いていた受信機から離れて顎に手を当てる。 「むぅ・・・ (前世とは比べもにならない被害だ。 ほのぼのもあるストパンの世界だとは思えないな・・・ いや、実際の戦場はこんなものだった。現実的に考えれば正しい。) 通信が途絶している所は他に無いか?」 安楽的な考えを止め、部下に質問するとすぐさま返ってくる。 「第五四一・五三五・五八七対空陣地から通信の返電がありません。」 「被害を受けていない場所だったはずだが?」 「流れ弾により通信線が切断された可能性も・・・」 「そうか・・・急いで回復してくれ。通信の不備は致命的だ。 司令、大砲と例の作戦。用意しておいた方が良いかもしれません。」 「あれか・・・ わかった。早急に見直と用意をしてくれ。」 以上です。 次当たりで決着を付けたいな~