約 19,733 件
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/656.html
754 :YVH:2012/01/28(土) 22 10 27 =大日本帝国軍 試製・都市級改機動要塞シラサギ= -士官食堂- 東郷提督が珍しく、こちらで食事を取っていた。献立は 白飯(丼で) 豆腐とワカメの味噌汁 肉じゃが サラダ 香の物 以上である。 同盟軍の軍人たちも、最初は米が主食の日本食に多少は引き気味であったが、 鉄灰色の髪色で顔にソバカスのある士官が、物珍しさからか注文した。 一口目は恐々と食べた彼であったが、よほど美味しかったのか その後は次々とおかわりを連発し、自軍や日本側の軍人たちを呆れさせた。 以後彼は、ここの食事が気に入りました、と言って、自国の代表が‘やらかした‘後も 自軍の食堂は利用せず、此処シラサギの食堂を利用し続けた。 因みに、彼はカレーの日以外は、最初に食べた、肉じゃが定食を好んで食べたそうである。 それを見かける度、東郷提督は顔を綻ばせていたそうである。 【あとがき】 こういうのも、ありかと思いまして。
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/3141.html
879 :影響を受ける人:2015/01/18(日) 22 15 36 この作品にはTS要素が含まれています。 オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。 最低系である最強要素があります。 残虐な、流血の表現があります。 それでも良い、という方のお読みください。 提督憂鬱×ストパン+零 第四十五話 ―墜ちる空Ⅶ― 江藤敏子、北郷章香が指揮する部隊は合計8部隊。 早朝から午前中は下田隊A・B両隊が。 午前中から正午を跨いで午後までは狐火隊と狸釜隊が。 午後から暗くなるまでは水蛇隊と淵猿隊が。 そして夜戦部隊に旗本隊。 以上で組まれている。 この部隊運用は殆ど休みなしに動ける半面、休息がかなり重要となっている。 最も忙しいのは整備班だが、部隊が集まって人員数が増えたことによりこちらも何とかなっている。 通常戦闘機部隊は基本的に昼戦しかしないが、忙しいのには変わりがない。 しかし防御が完璧に出来るウィッチに比べ、損耗率は高いと言えた。 機体の補充にしても通常戦闘機部隊の機体は難しい。 大車輪で生産設備を整えているらしいが、大きな機体であるのには変わらない。 むしろ小さめのストライカーの方が、補充がしやすい。 発動機こそかなり特殊ではあるが、生産性重視の設計なので一昔に比べれば雲泥の差だ。 夢幻会主導による規格共通化運動の効果が、十分に発揮している証拠と言える。 リベリオンとの共通化を推進しており、足りない部品は輸入で補っている。 武装面でもブローニングの銃器が人気を博していて、扶桑製20mm機関砲と相まって前線で多用されている。 一部の企業ではライセンス生産を行い始めたともいう。 整備関連の話はここまでにしよう。 最後に特務隊だが・・・基本的に彼女等は朝から晩まで出撃している。 “アホウドリ”が現れたら出撃としているのだが、戦闘開始から今まで出会う敵集団には必ず“アホウドリ”が存在しているという状況。 休みなど殆ど無いと言っていい。 敵は以前の攻撃密度で襲ってはこなかった。しかしながら “休み無く襲撃する”と言う行動はまるで変わらない。 弾薬補給係は以前よりも沢山弾薬を持って行かねばならず。 足りなくなって後退する時もあった。 そんな中で“アホウドリ”のみを標的にした特務隊の評価は・・・二分されている。 一日目と二日目の出撃で判明したのは、どの“アホウドリ”も全く違う部分に核を保有しているという事だ。 大体は胴体にあり、前後か中央部を見ればいいのだが、捻くれた様にエンジンを模した部分に核がある奴までいた。 最初は移動させてかわしているというのが上層部(主に夢幻会)の予想であったが、まだましな状況とわかり、ホッとしている。 しかし現場の兵士にとってはまったく嬉しくない。 いくら弱点がわかったと言っても、“アホウドリ”の火力は変わらないからだ。 一騎当千の猛者がいるのならともかく、大体は普通のウィッチ。 戦法は射撃部分を破壊しての皮むき戦法だ。 “アホウドリ”は名うての高速の敵。 前方に回るのも一苦労で、まずは足を止めねばならない。 特務隊は、弱点は教えてくれるが攻撃には参加してくれない、と言うのが不満だと現場からすでに上がってきている。 それを何とか処理するのが江藤と北郷だが、戦場を駆け巡っている美緒達はすでに覚悟していた事実でしかない。 三日目のこの日も最寄りの基地に降り立ち、整備と弾薬を受け取るために待機場に向かっていた。 「はぁ・・・」 「坂本、疲れたか?」 880 :影響を受ける人:2015/01/18(日) 22 16 10 先頭にいたミチルが、気遣うように振り返る。 振り返ると自然と歩みを止めるので、通路の端に寄って置く。 少しフラフラとしている美緒を彩子が支え、十香がちょっと広い美緒のオデコに手を当てる。 「ちょっと熱があるかしら。」 「は、い・・・ 少し、目と頭が・・・」 「魔眼行使をずっと、だからね。」 「冷却用の術符でも貰うか。」 特務隊の大事な戦力であり、高性能な透視能力を持つ美緒を大事にするのは当たり前だ。 ミチルはそのまま三人と別れて交渉に向かう。 お客さんである自分達は、いちいち許可を貰わないといけないのだ。 残った三人はそのまま待機室に向かう。 そして扉を開けると一気に注目が殺到し、美緒に気が付くと何人かが睨むような顔つきになる。 気まずい雰囲気の中、三人は隅の方に移動して美緒を横にする。 「ちっ・・・」 小さいが、舌打ちが聞こえてきた。 彩子はすぐに音源に顔を向けるが、誰も視線を合わせない。 先程まで扉越しに談笑が聞こえていたのに、今は誰も話さない。 まだ三日・・・されど三日・・・ 美緒達特務隊の特殊性は、どの部隊にも把握されている。 大体は軍人としての心構えが出来ているからとやかくは言わない。 しかしさっさといなくなってしまうのは気分が悪い、だから無視をすることで対応するのだ。 しかし、学兵達は違った。 「おい。」 「なにかしら?」 待機室の重苦しい空気を無視して美緒の方に向き直した彩子であったが、傍に寄ってきた学兵の剣呑な雰囲気に視線のみを向ける。 「アンタ等。例の特殊任務部隊だろ。」 「そうだけどさ。貴方達何さ?」 答えつつ様子をうかがう。 俯いている学兵は、数人の仲間と共に三人を囲むように包囲している。 ただ事ではない事態に他の者が動こうとしたが、何事かささやかれると動きを止めた。 後ろは加勢に来ないようだ。 俯いていた学兵が顔を上げると、憤怒に彩られている顔を向けてきた。 「どうして攻撃してくんなかったんだよ!!」 「どういう事かしら?」 怒鳴り声で半ば眠りかけていた美緒が目をさましたが、十華は問いかけながら抑え込むようにして寝かせ続ける。 「アンタ等の任務は、あの“アホウドリ”をどうにかする事だろ!?」 「・・・」 「どうして攻撃してくんなかったんだよ!」 「そうよ! そうしていれば・・・あの子は!」 怒りに任せ、怒鳴り声で攻め立てる学兵達であったが、それを受けている彩子たちはかなり冷静に見ていた。 要約すればこうだ。 美緒達がマークした“アホウドリ”を彼女達が攻撃したらしい。 美緒達はそのまま二体目もマーキングした。そこまではいい。 しかし美緒達の任務上、次の指示があればそこから離脱しなければならない。 そんな事を知らなった学兵達は、突然去っていく美緒達に驚いた。 隊長陣も驚いたらしいのだが、本部に問い合わせて説明を受けたという。 軍人として納得しつつ、苦虫を潰したような思いで攻撃を続行する。 しかし学兵達はそうもいかなかった。 簡単な説明では納得できなかったのだ。 どこの戦場も人手不足。戦力の集中は基本的なものだが、上手くいかないのが常。 そんな中で被弾した子が出た。 881 :影響を受ける人:2015/01/18(日) 22 16 41 肩から左腕を完全に損失したという。 彼女は左利きであり、持っていた銃が暴発して墜落した。 何とか地上に激突する前に回収でき、呪歌使いが回復を促進する歌を歌い、数少ない回復魔法を扱えるウィッチがいたこともあって幸い一命を取り留めた。 だが、暴発の影響は大きく。火傷の後が酷いという。 その話を聞いていた美緒は、申し訳なさで胸が張り裂けそうになる。 自分だって攻撃に参加したかった。でも出来ないのだ。 そう言い訳を言えれば良かった・・・しかし、美緒はそこまで無責任な子ではない。 「だから、私達が悪いって?」 「そうだ!!」 涙を流しながらも睨む学兵に、彩子は「ハッ!」というと相手にしていられないとばかりに無視を決め込んだ。 「おい! こっちを見ろよ!」 怒り心頭の学兵はその態度が気に入らず、胸倉をつかもうと前に出たが十華が邪魔をするように立ちふさがる。 「貴方達の怒りはわからないでもないわ。でも、私達にどうしてほしいの?」 学兵達は黙り込む。 彼女達だってわかっているのだ。原因はほかならぬ自分達だと。 しかし幼い彼女達は、どこかに怒りの捌け口をもめなければならなかった。 求めずにはいられなかったのだ。 だから肯定しようと大きく口を開けて、強制的に閉じられた。 「ぐぉぉいぃぃ・・・何やってんだぁ?」 「「「「「「真嶋、副隊長・・・」」」」」」 巨漢の大女がいつの間にか背後にいた。 その後ろにはミチルが仏頂面で立っている。 十華と彩子は、凄まじいインパクトのある真嶋志麻の登場に面食らって呆然としていた。 学兵達は自分達の上司の登場に道を自然とあける。別に彼女自身が怖いわけでは・・・無いと思う。 唯一面識のある美緒は、重い体を起こしてながら志麻を見上げた。 「真嶋さん・・・ここにいたんですか?」 「おうよぉ! なぁんか、大変な任務らしいじゃねぇか!!」 そう言いつつ学兵を解散させ、立ち去る後ろ姿を見つつ志麻は頭を掻き毟る。 「わりぃな。俺の部隊じゃなかったんだぐぁ、それでも仲が良くてなぁ・・・」 「いえ。それなりに予想はしていましたから。」 そう言いつつも暗い表情の美緒に、ミチルは冷却符をオデコに貼り付けて休む様に言う。 戦場は理不尽に満ちている。誰も予想は出来ない。 以上です。次は徹子ちゃん達に視点を移したい。 更なる戦場を! さらなる激戦を!
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/233.html
372. yukikaze 2010/03/02(火) 19 17 37 お待ちかね。ユトランド沖海戦。 1916年5月31日から6月1日に行われたユトランド沖海戦は、第一次大戦における英独最大の艦隊決戦であり、 この海戦に敗北を喫したドイツは、建艦計画に大きな混乱を生じさせ、結果的にイギリスに大きな福音を与えることになるのだが、 本稿では、ユトランド沖海戦に参加した遣欧艦隊の行動を元に、本海戦を俯瞰したいと思う。 ・ 海戦の推移 1916年5月31日、遣欧艦隊第一戦隊「金剛」「比叡」(司令長官:秋山真之中将)を含む、イギリス巡洋戦艦部隊(司令長官:ビーティ中将)が、 停泊地であるフォース河河口を抜錨した。これは、暗号解読により、ドイツ艦隊が全力出撃をしたことが判明したためであり、イギリス側は、 日露戦争の時の日本海海戦の如く、艦隊決戦で圧倒的勝利を収めることで、戦争を有利にしようと考えていた。 同日14時38分、両軍の索敵部隊が、両軍の前衛艦隊の中核である巡洋戦艦部隊を発見したことにより、両艦隊は急速に接近。 15時30分には、英国巡洋戦艦部隊が、南東に進路を取るドイツ巡洋戦艦部隊(司令長官:ヒッパー提督)を視認することになる。 この状況に、ヒッパー提督は、予てからの作戦通り、ビーティをドイツ主力艦隊(司令長官:シェーア中将)の方向に誘導すべく、進路を変更。 ビーティも、敵前衛艦隊を早期に撃破することによって、艦隊決戦を有利にしようと、追撃を開始すると共に、約5キロほど離れた地点にいた、 秋山提督率いる戦艦部隊(金剛級2隻、QE級4隻)にも追撃をするよう、信号旗を掲げている。 しかしながら、距離と濃霧による視界不良により、秋山提督の旗艦である金剛は、この信号旗を確認するのが遅れ、 進路変更するのに2〜3分ほど時間を空費することになる。 実は艦隊間の連絡の悪さについては、演習でも度々問題となっており、秋山提督はビーティ提督に 「信号旗だけでなく、灯火信号や電信での伝達も行うことで、伝達の不備を解消するべきである」と主張していたのだが、 ビーティ提督はドッガー・バンク海戦の時の自らの失態をあげつらわれたように感じたらしく、 秋山提督が主張すれば主張するほど、かたくなに信号旗のみの使用に拘ったとされる。 だが、このツケはあまりにも大きく、本来ならばドイツ巡洋戦艦5隻に対して、イギリス側は11隻と 2倍近い戦力差で戦えた筈が、序盤に於いて、イギリス側が戦えたのは6隻だけと、数の優位性を失わせることになる。 15時45分、14キロの距離でほぼ平行となった体勢で、両軍による砲撃戦(俗に第一次戦闘と言われる)が開始されることになる。 しかし、この時もイギリス側の通信体勢の不備が祟って、本来ドイツ巡洋戦艦5隻全てに砲撃を与えるはずだったのが、不均等に分散してしまい、 結果としてドイツ二番艦の『デアフリンガー』が、全く砲撃を受けることもない状況となっている。 このことが、『デアフリンガー』に、余裕を与えることになり、以後、同艦が落ち着いて射撃指揮を行うことが出来る要因になるのだが、 イギリス側にとって更に不運だったのが、イギリス側が西に位置したことで夕日にはっきりと照らされていたのに対して、ドイツ側の艦影は夕霧と、 何よりも敵であるイギリス駆逐艦隊の煤煙によって上手く隠されてしまい、ドイツ側が次々と命中弾を与えるのに対して、イギリス側は中々与えられない状況になっていた。 ビーティ提督は余程頭に来ていたらしく、駆逐艦隊に「砲戦の邪魔をするな」と信号を送ったほどであったが、16時3分には、彼の怒りをあざ笑うかのように、 イギリス艦隊最後尾を走っていた『インディファディカブル』が『フォン・デア・タン』によって沈められてしまうことになる。 しかし、この時既に、『フォン・デア・タン』の命運も尽きようとしていた。 信号確認に遅れ、本隊よりもやや後方に位置していた秋山艦隊が、16時にドイツ艦隊に向けて砲戦を開始。 そして、秋山提督は、麾下の戦艦部隊に、射程に入り次第、敵最後尾艦を狙い撃つように指示したため、 最後尾を走っていた『フォン・デア・タン』は、時間がたつごとに撃たれる砲弾が多くなると言う、悪夢としか言えない状況に追い込まれることになる。 しかもたちの悪いことに、秋山麾下の戦艦部隊は、それぞれの艦の弾着観測を容易にするべく、主砲弾に各戦隊固有の色として決めていた染料を封入していたため、 「どの艦がどの場所に撃った」ということが分かり易くなっており、その結果、『フォン・デア・タン』の被害は加速度的に広がってしまい、 最終的には、砲戦開始8分後の16時8分に、比叡の射撃によって第三砲塔の弾薬庫を貫かれてしまい、爆沈することになる。 373. yukikaze 2010/03/02(火) 19 24 14 (その2) このように、状況が不利となりつつあるヒッパー中将だが、シェーア中将率いる本隊が急速に接近しつつあることを知ったことで、 囮作戦を成就させるために、艦隊速力を増速させて、さも退却をするかのように行動する。 これを見てビーティ提督は、敵艦隊が敗走していると判断し、麾下全艦隊に追撃命令を伝達。 『クィーン・メリー』爆沈と引き替えに、『モルトケ』を『ヴァリアント』の射撃で爆沈に追い込み、 このままでいけば、ドイツ巡洋戦艦部隊は遠からず全滅できると思われたが、 16時30分、イギリス偵察艦隊がドイツ艦隊主力を発見したことによって、状況は一気にドイツ側有利となる。 この時のドイツ側の戦力は、無傷のド級戦艦16隻に、傷ついたとはいえ戦闘力をまだ持っているド級巡洋戦艦3隻。 対するイギリス側は、数こそ11隻あったものの、既に旗艦ライオンとタイガーが無視できない損傷を受け、 充分な戦闘力を持つのは秋山艦隊所属の6隻でしかなく、3倍以上の戦力差が生じていた。 この状況に、ビーティはジェリコーの本国艦隊に敵を引きつけるため北への回頭を決めたのだが、この時一斉旋回頭(各艦が互いの位置を変えることなく、その場で180度回頭すること) ではなく、逐次回頭を執り行ったこと、更に偵察艦隊の報告がビーティの元に届くのが遅れ、報告が到着したときには、ドイツ主力艦隊に危険なほど近づいていた状態であったことから、 後続の秋山艦隊が回頭を終わる頃には、既にドイツ主力艦隊の射程圏内に入る状況になっていた。 その為、秋山提督は、ドイツ主力艦隊を撃つことが出来る位置にいた『マレーヤ』と『ウォースバイト』に、主力艦隊の戦闘艦に砲撃を集中させるよう命令すると共に、 未だ牽制の役割を果たそうとするドイツ巡洋戦艦部隊に対して、砲撃を命ずる。(第二戦闘) この時の砲撃戦で、イギリス艦隊で最も被害を受けたのは、『マレーヤ』と『比叡』で、『マレーヤ』の場合は、ドイツ主力艦隊からつるべ打ちに主砲を撃たれたことで、 後部砲塔2基が使用不能になった他、ケースメイト式副砲群に砲弾が直撃した際、弾薬が誘爆を起こしてしまい、右舷副砲群が全滅し、大火災を起こすことになる。 幸い、機関に損傷がなかったことと、重油専焼缶の特性から、最大速度を維持するのが容易であったことから、かろうじて離脱に成功することになる。 また『比叡』は、主要防御区画こそ貫かれなかったものの、それ以外の部分を『デアフリンガー』によって打ち据えられ、更にマレーヤと同様に副砲群が誘爆により消失し、 その穴をドイツ水雷戦隊に狙われて被雷し、大破の判定を受けることになる。 余談だが、仮に金剛原案のままの水雷防御であったなら、『比叡』は確実に撃沈されていたと言われており、評価が今ひとつ高くなかった金剛級の面目を大いに施すことになる。 かくして、『マレーヤ』と『比叡』を戦線から離脱させざるを得なくなった秋山艦隊であったが、ドイツ側もまた、旗艦である『リュッツォー』が大破し、一旦離脱には成功したものの、最終的には浸水が止まらずに自沈。 『デアフリンガー』『ザイトリッツ』も、それぞれ砲塔を一基失うと共に、度重なる打撃による浸水の影響で、速度も23ノットがやっとという状態であった。 その為、ドイツ側としては、最早これ以上の継戦は不可能ではないかという声が上がったのだが、イギリス巡洋戦艦部隊も戦力が半減しているという状況(実際、ビーティが指揮する部隊で、まともに打ち合える戦力は『プリンセス・ロイヤル』のみ)と、イギリス主力艦隊到着までまだ時間があるという誤断から、シェーアは、一旦避退したヒッパー艦隊と合流した後、イギリスの残存巡洋戦艦部隊を撃滅することを決定する。 かくして、陣形を整え、秋山艦隊の進んだ方向に進路を進めたシェーアは、度重なる被弾によって、船速が20ノットに衰えていた秋山艦隊を捕捉。(金剛は機関全速が可能であったが、被害を受けたQE級の船速に合わせる必要があった) このまま一気に秋山艦隊を撃滅しようとした矢先、信じられない光景を眼にする。 18時10分。イギリス主力艦隊が、シェーア艦隊の前をふさぐように、重厚な布陣を整えていたのである。 374. yukikaze 2010/03/02(火) 19 26 47 (その3) ジェリコーが理想的とも言える形で、ドイツ艦隊の正面に立ちふさがることが出来たのは、一つの理由があった。 彼は大兵力を運用する場合に於いて、最も重要なのは敵味方の正確な位置を把握することであると考えており、あらかじめ、決戦予定海域とされる部分を碁盤の目のように区切り、 その一つ一つにアルファベットと数字を組み合わせた名前を付け、双方がどの場所にいるかをわかりやすくしている。 無論、主力艦隊は、奇襲効果を出すために、敵と蝕接した艦以外は厳重に無電封鎖していたが、敵と蝕接した艦からの無電と、更にイギリス本土の陸上施設からの情報により、ほぼ正確な位置取りが出来ていた。 その為ジェリコーは、17時30分に、これまで並列陣形で進軍していた麾下艦隊に、東方向に向かいながら単縦陣を組むように命令。更に第三巡洋戦艦部隊には敵艦隊の後方に回り込ませ、包囲殲滅を図ろうとしていた。 (ドイツ艦隊の正面から東側を本国艦隊が、南側を第三巡洋艦戦隊、西側を秋山艦隊でふさぐというもの。 尚、ビーティの部隊は被害が甚大であったことから、戦闘力を有していた『プリンセス・ロイヤル』と『ニュージーランド』以外は戦場から離脱させ、残った二艦も秋山艦隊に合流させている) 何分大艦隊であるため、六列である並列陣を、一本の単縦陣に組み替えるのには、混乱が生じたものの、イギリス将兵はジェリコーの期待に応え、17時55分には陣形変更を完了。 ジェリコーはすぐさま南東方向に艦隊を機動させ、18時10分には、予定通りドイツ艦隊の頭を抑えることに成功したのであった。 この事態にシェーアは、すぐさま不利を悟り、水雷部隊の援護の下、急ぎ各隊に回頭を命じて避退しようとしたが、 その前にイギリス艦隊の猛射を受けて、『ケーニッヒ』『グロッサー・クルフェスト』『マルクグラーフ』が次々と被害を受けることになった。 特にドイツ側にとって厄介だったのが、イギリス艦隊が自分たちの回頭に合わせて進路を南へと取ったことによって、同航戦の状態に追い込まれてしまい、 時間がたてばたつほど、戦力がすりつぶされる危険性があったことである。 その為、シェーアは一旦西側に進路を取り、時計回りに進んで、イギリス主力艦隊の後方を突っ切ろうと決断し、南西方向に回頭。 これを見て、主力艦隊の頭を抑える行動と誤認した第三巡洋戦艦戦隊との間で激しい砲撃戦が生じ、『デアフリンガー』『ザイトリッツ』が更に被害を受けるも、 第三巡洋戦艦戦隊旗艦である『インヴィンシブル』を爆沈させる事に成功。第三巡洋戦艦戦隊は混乱を起こすことになる。 そしてこれがシェーアの評価を、結果的に悪化させることになるのだが、彼はこの時の混乱を利用して、予てからの計画通りに南西方向に回頭し、 更に時計回りに回頭することでイギリス主力艦隊の後方に出ようとしたところを、今度は秋山艦隊によって頭を抑えられることになり、 これまで最も奮戦していた『デアフリンガー』が『金剛』によって、遂に沈められ、『ザイトリッツ』も『プリンセス・ロイヤル』の砲撃によって大破漂流(後、自沈)し、 ドイツ巡洋戦艦部隊は一隻残らず全滅。更に先ほどイギリス艦隊によって損害を受けていた『ケーニッヒ』『マルクグラーフ』も 『ウォースバイト』と『ヴァリアント』によって沈められるという被害を受けることになる。 375. yukikaze 2010/03/02(火) 19 30 38 (ラスト。駄文続けて申し訳ないです) 勿論、秋山艦隊もただでは済まず、『ウォースバイト』と『ヴァリアント』、『プリンセス・ロイヤル』『ニュージーランド』は軒並み大破し、 秋山も自艦隊の離脱を命じざるを得なくなったのだが、秋山がドイツ艦隊を拘束したことと、同艦隊の位置を知らせたことで、ジェリコーはシェーアの意図を察し、 主力艦隊を一斉旋回頭させ、艦隊を反時計回りに機動させることによって、シェーアの艦隊の頭を再び抑えようとした。 この機動は図に当たり、シェーアが再び東に向けて進路を取った19時5分には、再びジェリコーの艦隊が、シェーアの艦隊にT字戦法で砲戦を開始。 シェーアは再び南西への回頭を命じ、続いて、先頭にあった第三戦隊と残存する駆逐艦部隊にイギリス艦隊の追撃を阻止するよう命じている。 この結果、『グロッサー・クルフェスト』が爆沈。『カイザー』『カイゼリン』が大破するという大被害を受けるも、何とか離脱に成功。 以後は、必死になって逃走を図るドイツ艦隊に対して、イギリスの巡洋艦戦隊や水雷戦隊による追撃戦へと移ることになる。(ここまでを第三次戦闘と称される) ドイツ艦隊にとって幸運であったのは、駆逐艦部隊の煙幕展開と水雷攻撃によって、イギリス主力艦隊の足並みが乱れてしまったことと、 イギリス艦隊の巡洋戦艦部隊が事実上壊滅していたことから、追撃戦力は巡洋艦戦隊と水雷戦隊によるものであったこと、 そしてイギリス艦隊が夜戦に不慣れであったことなどから、破滅的な打撃を受けることは免れたものの、 それでも追撃戦による被害は無視できるものではなく、戦艦では、『カイザー』『ポーゼン』『ポンメルン』を失い、 軽巡洋艦部隊も、10隻の内6隻を失い、駆逐艦も、62隻あった内、12隻が沈み、残った船もその殆どが損害を受けるという状況になっている。 一方、イギリス側も、ドイツ側の撤退の執念を甘く考えていたため、被害を受けるケースも多く、装甲巡洋艦2隻が沈められ、 第三巡洋戦艦戦隊の内、『インドミダブル』が大破するなど、予想以上の損害を受けることになる。 もっとも、それを差し引いても、イギリス側の圧倒的な勝利には変わりなく、「栄光の6月1日再び」と、イギリスに於いて喧伝されることになる。 ・ 海戦の影響 本海戦において、イギリス艦隊は、前衛艦隊である巡洋戦艦部隊(QE級含む)の内、3隻を喪失し、無事な艦は2隻しかないという被害を受けたものの、 その大半は艦隊に復帰する一方、ドイツ艦隊は巡洋戦艦部隊が文字通り全滅し、以後の艦隊行動が全く不可能とまで結論付けられる状況に陥ってしまう。 (出撃したド級戦艦部隊16隻の内、帰港後直ちに戦闘行動に移れる艦が5隻だけしかいなかったのも大きい) この大敗の報を聞いたヴィルヘルム二世は、シェーア提督を直ちに軍法会議にかけると共に、海相ティルピッツに対して 「役立たずの海上部隊は解体せよ」と発言し、ティルピッツは抗議を込めて辞任するという騒動を引き起こしてしまう。 こうした混乱は、ドイツ水上艦隊の再建を遅らせるだけでなく、ドイツ海軍そのものも混乱を生じさせ、 日英海軍が護衛戦に対応できる時間を与えることになる。 また、各国の海軍軍人が夢見た艦隊決戦において、イギリスは明確な勝利を収めたものの、 海軍軍人たちが予想したような「戦争終結」には結びつかなかった。 このことは、日本海海戦で生み出された「艦隊決戦思想」に対する有力な反証となり、 以後、各国において頭を悩ませる結果になる。 恒例の言い訳は後ほど・・・ 376. yukikaze 2010/03/02(火) 23 30 21 で・・・恒例の言い訳タイム。 まず最大の問題は「これSSか?」なんだが、実はこれ削りまくった結果によるもの。 つ〜か最初は、秋山提督とヒッパー提督を中心に書いていたのだが、あまりにも長すぎた。 ジェリコー登場までにA4が14枚というのはどういうことですか? まあそう言う訳で、SSとは違うけど、戦闘紹介という形で作ってみたと。 後、「未来知識があったとしてもイギリス圧勝じゃないのか?」と思うかもしれませんけど、 実際の戦力が圧倒的過ぎるのでまともにやればこれくらいにはなるかと。 史実海戦があまりにもgdgdだったのは、イギリスの連絡体制があまりにも悪すぎて兵力の有機的活用が困難だったこと。 まあジェリコーの場合は、艦隊を失うわけにはいかないとして、消極的にならざるを得ないのは判るのだが、 ビーティは勇敢であるのは認めるけど、艦隊司令長官としてどうよということばっかりしているし。 ぶっちゃけ、このSSでの秋山の役割って、ビーティが犯した失敗を可能な限り潰していく役割ですし。 しかしまあ・・・盛り上げる為とはいえ、史実以上に派手な殴りあいさせたなぁ。 まあビーティは冗談抜きにこれで軍歴打ち止めになりかねないけど、こいつ一次大戦終結後にろくでもないことしているから ここで軍歴終わっていた方がマシといえばマシな訳なんだが。
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/817.html
337 :ひゅうが:2012/02/19(日) 21 45 08 銀河憂鬱伝説ネタ 本編――「小さな進展(byフレデリカ)」 ――宇宙歴789(皇紀4249)年8月6日 銀河系 いて座腕 自由惑星同盟首都 ハイネセン ヤン・ウェンリーにとって宇宙歴789年は実り多き年であったと多くの人は語る。 エル・ファシルの英雄だった昨年に続いて、まったく政治的な理由で挙行された対日使節団の一員として加わった彼いわく「長距離旅行」で内外の高官にその名を概ね好意的な意味で覚えられたことに加え、私的な意味でも。 彼の後輩であるダスティー・アッテンボローや親友であるジャン・ロベール・ラップのいうところの「栄えある独身クラブ副会長候補」でなくなったこともそうだが、フレデリカ・グリーンヒルにとっては憧れでなく何らかの覚悟を決めさせ、またシドニー・シトレやドワイライト・グリーンヒルにとっては有能で比較的「まとも」な部下を得られた喜び(ほかの有能な連中はどいつもこいつも自己主張が強すぎるのだ)を覚えさせ、またヨブ・トリューニヒトにとっては「面白い」知り合いとして、そしてレオン・パエッタにとっては「俺がついていてやらんとすぐ怠けるがいい奴」を見つけたという意識を覚えさせたという点において彼はそれまでの不運の分を幸運で取り返したといってもいいだろう。 だが、きっかけが幸運であるにしろ、彼が自ら持つ何種類かの資質と妙な意味での「人徳」はそのつながりを強めこそすれ、弱めはしなかった。 こののち、一年間の第5艦隊次席参謀としての着任とそれでできた老将アレクサンドル・ビュコック提督とのつながりもそうだし、第2艦隊司令長官に就任することになるパエッタの参謀長としての時間もそれを補強した。 ヤン自身がこの時点で予想していたように、きっかり5年間の平和な時代はヤンをターミナルにしたある種のネットワーク構築に大いに役立つことになった。 のちにフレデリカが語るところの 「家にいけば、リュシーさん(パエッタ夫人)がエプロンで手を拭きながら出迎えてくれ、パエッタさんが新聞をスクラップ帳に閉じているのを横目に見ながら居間に行くとヤンとキャゼルヌ一家が紅茶を楽しんでいる。ブランデーを入れすぎそうになるのを私がたしなめるとヤンはすねたように言い訳をし、ユリアンがすかさず尊敬のこもった毒舌で応じる。 茶々を入れてきたアッテンボローさんは昼間から酒瓶を手にしているし、ビュコック提督は自分はこそこそグラスを隠してすっとぼけている。 遅れて到着したラップ夫妻はそれを見て笑うジャンさんと説教をはじめるジェシカさんで対照的だし、ついてきたシトレ閣下と父は苦笑するばかり。 キッチンからはビュコック夫人や母の『できましたよ』の声とともにアツアツのパイとスコーンがやってきて、皆が歓声を上げる。 そしてその頃になって思い出したかのように私にシマダさんからの手紙を見せるヤン。 私はそれにため息をつきながら苦笑で応じるのだ。」 というような光景の類似項はこのころ作られ始めていたのだ。 つまりは―― 「ヤン中佐。そこのところの言葉は何かこう、勝ったはいいが慢心するなかれというような言葉がほしいな。」 「勝って兜の緒を締めよという言葉があります。ちょうどかの国の『連合艦隊解散の辞』というものがありますので。 これが訳文です。」 「やはりシロン星産の茶葉をグリーンティーにしたものはだめか・・・。 いいアイデアと思ったのじゃが。」 「いえ、むしろ花などでフレーバーをきかせればいいものになると思います。 ですが『リョクチャ』にするにはいささか―― タンニンがきいたものと菓子をあわせることであちらは楽しむそうですので。 下手な細工をするよりもここは同盟の菓子でもてなしたほうが好印象かと。」 「あのー。」 私、フレデリカ・グリーンヒルがパエッタさんとヤン中佐の自宅を訪ねると、そこは戦場と化していた。 338 :ひゅうが:2012/02/19(日) 21 45 42 「ん? ああ、ミス・グリーンヒル。いらっしゃい。」 「これはいったい――」 「なにって・・・仕事?いや時間外労働だからな・・・これがシマダさんのいっていたキギョウセンシとかジャパニーズビジネスマンか?」 ヤンが少し隅の出た表情でぶつぶつ言う中、居間の隅では書籍製造器がガーという音を立てながら本を作っており、その周辺では宇宙艦隊司令部の事務官たちが書き物をしている。 そこで第5艦隊のビュコック提督が何やらメニュー表らしきものを広げており、奥では秘書を連れたトリューニヒト外務委員長があいかわらずの胡散臭い笑みを浮かべながら演説原稿らしきものに注釈を入れていた。 それを遠巻きに見守るアッテンボローさんとラップ中佐は、時折出来上がった書籍や書類を外で待機している政府職員や軍事務のみなさんにもっていかされているらしい。 「ちくしょーヤン先輩!今度おごってもらいますからね!」とか。 「ジェシカになんて言おう・・・。」とか叫んでいる。 「あの・・・ヤンさん?」 彼の口から出たシマダの名が少し胸の奥をズキリとさせたのを自覚しながら、私は言った。 「このシュラバは一体?」 「お仕事していたら、いろいろな人が訪ねてきて時間外労働を私に強いているのさ。」 ヤンが言うと、周囲はそしらぬふりをしているが少し表情がひきつった。 「ああ、君はグリーンヒル提督の御嬢さんか。あとパエッタ君。」 ビュコック提督が私に気付いたらしく挨拶をしてきた。 「あとって・・・最近扱いが悪いじゃないですか?ビュコック先輩。」 「そこの若い狐と仲良くしているじゃろ?それに若いのをそっちに引っ張り込もうとしているとか。 儂は政治的軍人は好きではないのじゃよ。まぁシビリアン・ドミネート(文民による専制支配)も嫌いだが。」 「ひどっ!あと口わるっ!」 ちょっと涙目になっているパエッタさん。 どうもどこぞのパーティーでトリューニヒト氏と話があったのを理由に「そっちの派閥に与した」と思われているらしいと本人はこの間ため息をついていた。 言ってはいけないかもしれませんが、もうちょっとよく考えましょうよ・・・ 「ええ。フレデリカ・グリーンヒルです。お久しぶりです。 3年前の第5艦隊司令官就任の際にお会いして以来ですね。」 「驚いた。御嬢さん記憶力がいいようじゃ。どうだ、うちの艦隊の参謀になってみないか?」 にっこり笑って私は士官学校志望ですと伝え、そして言ってやった。 「ええ。ヤンさんの部下としてなら喜んで。」 ほほう。とニヤつくビュコック提督。 その後ろで「ほう」と眉を上げるトリューニヒト外務委員長。 表情は相変わらずの微笑だが、完璧すぎて逆に胡散臭いのは変わらない。 にしても、その隣で首をかしげているヤンさんが朴念仁すぎる。 一発ひっぱたいてやろうかしら。 「それはそれは。すまないね。どうもこの家は便利な位置にあるし、中佐は人気者だからね。仕事がこうしてかちあってしまったんだよ。」 トリューニヒト氏が甘い声で謝罪してきた。 彼によると、こういうことらしい。 現在ホテル・ハイネセンを迎賓館代わりに宿泊している日本帝国の特使団は同盟政府と会談を重ねつつ、ハイネセン各所や時には他星系の視察を行っていた。 その間、同盟内の各組織が持ち回りで晩餐会や歓迎の会などを開き、会食をしているのだが、それも回を重ねるとどうしてもかぶってしまうことが多い。 演説の内容も。 これは、同盟内部で歓迎役という栄誉ある役目をつとめる部署がついに決まらなかったためであるが、そうしたことはあとに続く歓迎役たちを阿鼻叫喚の泥沼に叩き込んでいたのだった。 ここで外務委員長(と外務省)や宇宙艦隊司令部はある男の存在を思い出す。 ヤン・ウェンリー中佐。 大量の書籍データとその製造装置を持ち、歴史に詳しいうえに日本側上層部とのつながりもある。 何より、彼の住居は同盟政庁や統合作戦本部のある官庁街と高級ホテルの立ち並ぶ繁華街との中間にある。 非常に利用しやすい場所なのだ。 339 :ひゅうが:2012/02/19(日) 21 46 15 かくして、ヤン・ウェンリーはパワーハラスメント的な圧力で特別有給休暇を取らされ、この家に缶詰になっていたのだった。 ちなみにビュコック提督は、ハイネセンまでの道中で第5艦隊旗艦の乗員を丸ごと率いて御召客船「初瀬」に押しかけさんざん飲食をやっていたために、その責任をとらされる形でメニュー作成を丸投げされていたらしい。 「あ・・・あはは・・・。」 なにこのカオス。 「すまないね。勉強をみてやる時間がとれなくて。あとパエッタ長官は残って手伝ってください。」 「私もシュラバるのか!?」 当然です、と黒い笑みを浮かべるヤン(徹夜明けでハイになってる)と、がっくり肩を落とすパエッタ提督。 「君は久しぶりにいい休日を過ごすといい。士官学校に入ってしまえば出かける暇なんてほとんどなくなるから。」 「分かりました。」 すまなそうに頭を掻くヤンさんを見て私は決意した。 「ただし、ヤン『先生』あなたも一緒です。」 「な!?」 「だいたい何ですか。徹夜明けなのにその恰好。その様子だと昨日からパジャマのままでしょう?」 「あ・・・ああ。」 「それじゃ駄目です!それに今まで見ていると外出着も1着だけじゃないですか。 それじゃ駄目なんですよ!私が選んであげますからヤンさんも私の用事に付き合ってください!」 たぶん――私は苛立っていたのだろう。 ヤンが親しく文通しているシマダさんに私が子供じみた嫉妬を抱いていたこと、そしてこのときヤンに仕事が舞い込んできていた理由が日本側の特使たちに原因があることを知ったことが私にそれだけの行動力を与えていたのかもしれない。 にしても、あの出かける際のニヤケた人たちとか、必死で助けを求めるパエッタ提督を引きずっていくアッテンボローさんやラップさんの顔は自重すべきだと思う。
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/3096.html
80 :影響を受ける人:2014/07/06(日) 22 05 20 この作品にはTS要素が含まれています。 オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。 最低系である最強要素があります。 それでも良い、という方のお読みください。 提督憂鬱×ストパン+零 第十八話 ―乙女の休日― 坂本美緒は疲れ切っていた。 【アホウドリ】迎撃作戦の時に、魔眼による弱点看破を行ったのであるが、その精度はどの魔眼所有者よりも高く、各戦線に引っ張られる事となってしまう。 結果、ネウロイに関するデータ収集に貢献はしたのだが・・・慣れない書類製作と魔眼の使用頻度向上により、完全にダウンしていた。 「ぅぁ・・・」 声を出すがまったく張りがない。 しかしもう書類は見なくていいという安心感があった。 そして現在ベッドに横になって休んでいる。 “魔眼殺し”の片眼鏡をとって、完全封印する眼帯を付けていることからも、かなり疲れているのがわかるだろう。 そこに、一人の人物が訪ねてくる。 狸釜隊の学兵、早良ミチルは両手に新聞紙にくるまれた何かを持ってきていた。 部屋に入るとぐったりとした美緒を見つけ、近くの椅子を引っ張って座った。 「おい、だいじょうぶか?」 声音はいつもと同じ不機嫌そうな感じだが、少しだけ心配なのか、相手を気遣うような感じが見受けられる。 もっとも、疲れている美緒にはわからなかったが。 「大丈夫じゃ・・・ないです・・・」 「魔眼使用と言うのはそんなにきついのか?」 「かなり・・・脳に、負担がかかります・・・」 「私は能力なしだからわからないが、二日酔いのようなモノか?」 「多分、その通りで・・・・・・へ?」 今、聞き捨てならない事を聞いたようなことを聞いたような気がする。 少し動かすのも億劫なのか、ゆっくりと首を動かして不機嫌な先輩を見た。 「お酒・・・飲んだことがあるんですか?」 「まあ、な・・・」 ミチルは「しまった!」と思ったのか、眉間に皺が寄っていた。 そこで美緒は思った。 自分は・・・自分達はこの人の事を良く知らない。と・・・ 「先輩は・・・いつお酒を?」 そう思ったら急に知りたくなった。 今思えば、狐狸部隊にいる学兵は三人。 数としては中途半端であり、副隊長陣を隊長にして古参の兵を副隊長に、その下を学兵にすれば部隊は四隊となるはずだと思う。 でも、何か事情があっているというならば、それは聞かない方がいい。 「前の部隊で、隊長の悪ふざけで飲まされた・・・」 他の戦線に行って、様々な出会いをした。 第一陣・第二陣の学兵は覇気があるモノもいれば、皆疲れたような人達もいた。 部隊が壊滅して、穴埋めで移動する学兵もいたのを知った。 もしかしたら先輩もそうなのかもしれない。 そうおもうと・・・直接は聞けなかった。 「そうなんですか・・・おいしかったですか?」 「興味あるのか?」 「・・・少しだけ。」 81 :影響を受ける人:2014/07/06(日) 22 05 54 北郷章香と旗本サエが、隠れて日本酒をこっそり飲んでいるのを見ていた徹子が、こっそり一杯だけ拝借してきて飲んで吐いたのを見たことがある。 そんなに不味いのかと聞くと、度数が強い奴だったらしい。 後にばれて説教された。 「意外と飲みやすかった。皆で騒いで・・・楽しかったな。」 笑って言う先輩に少しだけ驚く。こんな顔も出来たんだと。 しかしミチルの顔は笑顔なのだが、どこか影があるのが見えた。 だから話題を変えることにする。 「先輩・・・何か、用事があったんじゃ?」 「あ、ああそうだな。ほら・・・」 そう言って渡されたのは新聞の塊らしきもの。 少し焦げていて暖かい。 「これは・・・御芋?」 ガサゴソと新聞紙を剥がすと、出てきたのは綺麗な赤紫色の物体。 「ああ、近くの農家から差し入れがあってな。 今、外じゃ焼き芋大会している。」 「大会?」 「一度欧州義勇飛行隊と飛んだだろ? あいさつに来たメンバーと一緒に焼いている。」 それでいいのだろうか? 耳を澄ませると、何やら楽しそうな声が響いているから気にしない事にする。 しかしこうしてのんびりできるのも、【アホウドリ】を撃墜したからだ。 撤退作戦の為の一時攻勢はうまくいったと中央は判断している。 事実、【アホウドリ】は出てきた端から撃墜され、大多数の敵を破壊した。 新型戦車(駆逐戦車なのだが、美緒は知らない)をも投入し、制空権を握って大量投入された爆撃機群の爆弾の雨で粉砕、敵を奥地に押し戻す。 敵が戦力を整える前に一気に後退し、民間人を優先しながら順次戦線の後退をして行っている。 自分達も、いつかはここから去らねばならないのが寂しく感じる。 農家もここを去るくらいならば、物資を兵士達の為にと思って提供していくのが多い。 こちらとしては有り難い事だ。 芋を半分に割ると、中から黄金色の身が出てくる。 湯気を沢山出していて、光に反射したその身はとても旨そうだ。 ゴクリと唾を飲み込んで一口齧る。 最初は熱さがやってきて、その次に芋の風味と甘さが広がっていく。 程よい甘さの暖かさが口いっぱいに広がって、鼻から良い香りが通り抜けていく。 「ムグ、ムグ・・・おいしい。」 「そうか。」 美味しそうに食べているのを見て、ミチルも新聞紙を剥がして自分の芋を食べ始める。 しかし・・・甘い物なんて羊羹以外だと久しぶりだ。 羊羹は比較的前線に・・・飛行士達に配られている。 なので、馴染み深いが・・・やっぱり自分は子供で、女の子なのだ。 そればっかりだと飽きてしまう。量も少ないし。 夢中になって齧り付いていると、別の用事を思い出したミチルは、懐から紙の束を取り出した。 一瞬〔ビクッ!〕と反応するが、よくよく見るとそれは手紙の束だった。 ホッとすると、手紙を彼女に手渡して立ち上がった。 もう食べ終わったらしい。 「用事はこれで終わりだ。手紙は他の三人が戻ってきたら読むと言い。」 「あっ、はい! ありがとうございました!」 「・・・礼は農家の人に言え。」 そう言うと、そのまま出て行った。 しばらくモソモソと食べていると、徹子たちが戻ってきた。 82 :影響を受ける人:2014/07/06(日) 22 06 33 「はぁ~食った、食った!」 「はしたないですわよ! まったく・・・」 「お嬢もたくさん食べていたじゃないスッか。」 「さ、里子さん!」 「でも、久しぶりに食べたからおいしかった~」 「そうですね。また食べたいですね。」 「一部は干しイモにするみたいで、さっき茹でていたけどね。」 「そうなんですか。それはそれで・・・」 ワイワイ話しながら戻ってきた一行に、軽く手を上げておく。 「お帰り。」 「おう! 焼き芋、旨かったぜ!」 「美緒ちゃんのもあるよ。」 そう言って醇子が未開封の新聞紙を渡してくれた。 「え? でもさっき、先輩が持ってきてくれたけど・・・」 「それホントか?」 ミチルが苦手な徹子は怪しむように、自分達が入ってきたドアを見る。 「本当だ。ほら、新聞紙。」 「早良先輩・・・一人でいなくなられて、どこに行かれたのだろうと思っていましたけれど・・・」 「結構良い所あるんすね。」 意外な彼女の一面を知って、一同印象を少しだけ良くしたようだ。 そして手紙まで渡してくれたことに驚く。 「なんか・・・イメージ変わるなぁ・・・」 「良く考えたら私達、先輩の事何も知らないよね。」 「でも醇子さん。江藤大隊長が口を濁していましたし・・・聞かない方がいいのでは?」 「わたくしも小毬さんに賛成ですわ。こんな御時世ですもの、聞かれたくない事くらいありますわ。」 「むぅ・・・そうだな。そうするか。」 納得していない様子の徹子だが、とりあえず聞かない事に決めたようだ。 そして手紙を皆で読み始めた。 最初は家族の手紙、怪我をしていないか、辛くは無いか、一時的にでも帰れそうか・・・等々書かれていた。 皆心配させているという自覚はあり、ちょっと困った顔になってしまう。 それでも家族の近況も書いてあるので、返事を書く時はこちらの近況を書こうと思った。 そして次に見たのは学友たちの励まし。 これもありきたりな事ばかりだが、それでも嬉しい。 中には押し花まであったりして、美緒達に癒しを与える。 そして・・・戦死した仲間の話もあった。 葬式話が書かれており、一気に暗くなる。 楽しい時間もあれば、辛い時間もある。 戦場に身を置いている以上、“誰かが死ぬ”と言う現実は常に付きまとう。 それを再び自覚して、美緒は空を見上げた。 空は青く、どこまでも澄んでいて、星すら見えそうだった。 以上平和編でした。 まだまだ平和な時間は続くんですけどね。 取りあえずミチルとの絡みが書けたので良しとする。 今度は他の子と絡ませたい。 もし「こんなのはどうだろうか?」と言うモノがありましたら。なるべく採用させていただきます。 そして【ライトニング・フォックス】の残り№3~6・8~12までの子で、「この子いいんじゃない?」と言うキャラがいましたら教えてください。 宜しくお願いします。
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/4524.html
ゲリラ投稿だ! 気分転換に以前書いたSS修正+二話をつくりました。 御都合主義が多いかもしれないです。 基本一人称視点で進めていこうかと言う、野心的なものです。 視点変更時・時間移動の時に、 ――ナナリー視点―― ――数分前―― を入れていきます。 頭が足りない作者ですので、皆様の構想や推察も積極的に取り入れていきたいと思います。 また残虐な描写も使用する事があります。 アニメの視聴もだいぶ前ですので、大分変っていると思われます。 キャラ贔屓もあります。 ご注意ください。 主要資料 ルート説明 ttp //www18.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/2491.html ギアス機体関連 ttp //ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%89%E3%82%AE%E3%82%A2%E3%82%B9%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%81%AE%E6%A9%9F%E5%8B%95%E5%85%B5%E5%99%A8%E4%B8%80%E8%A6%A7 影響を受ける人:バージョン 亡国ルート <提督の憂鬱×コードギアス 亡国の反撃 File-001> ――ナナリー視点―― お母様が殺されてから、私の世界は暗い闇に閉ざされました。 御医者様がおっしゃるには、 「目の機能に異常は見られないですね。」 「ではなぜ、ナナリーの目は開かないのでしょうか?」 「精神的なストレス・・・おそらくトラウマが原因です。 目の前で母親が殺されたショックで、「現実を見たくない」と言う心理が働いていると思われます。」 「そう、ですか・・・」 「トラウマに関しては、時間が必要です。 長い時間をかけて心を癒し、気持ちに整理をつけなければ、目を見開くことは出来ないと思われます。」 「・・・・・・わかりました。」 との事・・・ お医者様とお兄様との会話を横で聞いていた私は、あれが夢ではなかった事に嘆きました。 大好きだったお母様が死んでしまった。 しかしその嘆きは長く続きません。お父様から日本に行くように言われたからです。 お兄様は何か言いたそうでしたけど、何も言いませんでした。 思えばこの時から、私は接触している人間の心理をある程度は読める様になっていたのかもしれません。 後から理由を知った今では呆れかえるか、便利なものを貰った程度に考えるようになったのですけども・・・ ともかく! 私とお兄様は日本に渡りました。お見送りも無い寂しい出発・・・ 機内でも、私達はあまり話しませんでした。 ただお兄様が「大丈夫だ。自分がついているから。」と、私を励ましてくれたのが嬉しかった。 不安な気持ちで到着し、日本で待っていたのは嶋田繁太郎様でした。 海軍の軍人さんで、元航空母艦の艦長さん。 当初は首相である枢木玄武様に預けられる予定だったのそうですが、近衛文麿様がこれに待ったをかけたそうです。 「確かに留学ならば首相宅に預け入れるのはよいでしょう。」 「ならば問題あるまい?」 「しかしながら、首相はブリタニア対し、強硬的な態度でおられる。 御子息も、最近差別発言が多いと御聞きしますが?」 「ぬぐ・・・ では、どうするのだ?」 「私の考えでよろしければ・・・ 島田繁太郎中将に預けてみてはいかがでしょう。 彼は中立的な立場ですし、陛下の覚えもめでたい。 ブリタニアには知人もいると聞きます。」 (何が中立だ。お前達の派閥の人間だろうに・・・ しかし、下手に息子と喧嘩をして開戦理由となるのは避けたい。 そんなくだらない事を起こすぐらいなら、こいつらの派閥で問題を起こし、勢力をそぐほうがいいか。) 「ふむ。彼ならば私も異論は無い。」 結果から言えば助かりました。 私たちは嶋田様に…いえ、御家族の方々に暖かく迎え入れられました。 当初は警戒していたお兄様でしたけど、嶋田一繁様・・・一繁さんとちょっとしたことで喧嘩してからは仲良くなり 私もいろんな機材をもらって目の不自由さを克服する訓練を援助して頂きました。 学校というのには通えませんでしたけど、私塾を開いている嶋田様のご友人の好意でいろいろ教えていただきました。 それで分かったのは見方の違い。 人・文化・歴史。 これらから見られるものにより構成される民族性。 それは新鮮なもので、ブリタニアで習ったものとは大きく違うものでした。 このとき習ったことは、後々になっても忘れられない大切なもの。 後変わったことは、よくご近所の子達と遊びに出かけたことぐらいですね。 そうそう、紅月カレンさんとの出会いも有りました。 お兄様、一繁さんと共に三人で近所の駄菓子屋に行ったときに、偶然知り合ったのです。 どれを買おうか悩んでいたそうで、赤い髪に引かれて話しかけたのがきっかけ。 最初は男の子と間違えたとか・・・(お兄様、いくらなんでも・・・) 女の子か本当かどうか、胸を揉んで確かめて、殴られて喧嘩して、カレンさんが二人共打ち倒してしまったのが印象に残りましたね。 今思い出しても、笑ってしまいます。 私達は四人となり、いつでも一緒でした。 半年たったある日、嶋田さんが知り合いの御医者さんに連れて行っていただきました。 そこでは、まだ珍しかった針ツボ治療を行う場所だったのです。 最初はなんだか分かりませんでしたけど、そこで診ていただいたら・・・ 「ちょっと失礼するよ。」 「あいた!」 いきなりの痛みに思わず叫び、お兄様が乱入してきて非難轟々でした。 でも私は混乱していました。だって“足のほうから痛み”がやってきたのです。 それについて質問すると・・・ 「やられたのは神経だけだということだ、筋肉に異常は無い。」 「じゃぁ・・・ナナリーは歩けるようになるんですね!」 「うむ。これなら訓練すれば歩けるようになるね。 ただし・・・今まで使っていない神経を酷使して、鍛えるわけだから苦痛が酷い事になる。 それでもやるかい?」 「どのくらいで歩けるようになりなりますか?」 「そうだな・・・個人差はあるが、一年以上はかかると思ってほしい。」 「そんな!」 最初は喜んでいたお兄様でしたが、苦痛を伴うと聞いて絶望したそうです。 唯一残った肉親。 数少ない拠り所。 それゆえにお兄様は過保護になっていました。 私も不自由な生活ゆえに、負担を減らそうと“お兄様が願う妹”になろうと思っていたのです。 お兄様はあきらめるように言いました。 歩けなくても別に良い。自分が足になるからと・・・ ですが私はリハビリを受け入れました。 やっぱり自分で歩けるようになりたい。走り回りたい! なによりも、お荷物になる理由を一つでも減らしたかった・・・・・・ それからは勉強とリハビリの生活が始まりました。 リハビリは大変で、何度もくじけそうになり・・・ それでも挫けないで、歯を食いしばって耐えました。 何よりもカレンさんの応援が、一繁さんの優しさが嬉しかった。 嶋田御夫婦もなるべく助け、しかし“自分で出来る様になった事”に関しては自分でやるよう厳しくしていただきました。 お兄様も私の姿を見て、ちやほやするだけでは駄目だと悟って勉学に励みだしたそうです。 ほとんど車椅子生活だったけど、日本から離れる前に10mもの距離を自力で歩けるようになりました。 まだ足が痺れる様に痛かったけど、あれも忘れられない思い出。 カレンさんのお母様が作ってくれた、お赤飯の御握りがおいしく感じられた。 あ、そう言えば。私達のことはユフィ御姉様に御手紙で報告し続けていたのでしたっけ。 嶋田様のご提案でしたけど、返事には意外と宮殿内の事が書かれていたりするので馬鹿に出来ません。 今にして思えば、私たちがブリタニアとの繋がりを途切れさせないものだったのでしょう。 それでも子供心としては、かけがえの無い遣り取りでした。 ですが、それも途絶えます。 皇暦2010年8月10日 ブリタニア宣戦布告 寝耳に水の出来事。 言われ無き宣戦布告を受けた日本、私達はすぐさま移動を開始しました。 最初は何がなんだかわからなかった。 でも話を聞くうちに血の気が引いていくのが分かります。 お父様は、私たちを切り捨てた。 戦争の理由にされたことを理解した私達は、見せしめに殺されるものだとばかり思っていたのです。 その為の移動だと。 あの暖かな場所から離れ、殺されてしまうのだと。 「俺達を、どうするんだ?」 「どうもしない。おそらく日本は・・・いや、絶対に日本はブリタニアに勝てん。」 お兄様の問いに嶋田様は、今まで感じたことの無い声で返答しました。 冷たくて、とっても普段の温厚そうな人物とはかけ離れた、軍人としての嶋田繁太郎がそこにいたのです。 「勝てないならどうするんだ?」 「時間稼ぎをしつつ、脱出だな。行き先は中華連邦になる。 君達には付いて来てもらう。すまないが、悪いとは思っている・・・ しかし現状、君らを帰すことは出来ない。理由は分かるかね?」 「戦争の理由が、俺とナナリーが死んだことだから・・・ですね?」 「その通りだ。敵はブリタニアだけではないが。」 後に知ったのですが、この時枢木ゲンブ首相から暗殺部隊が送り込まれていたそうです。 私達は間一髪のところでかわし、脱出できていたのです。 遅滞戦闘を繰り返し、民間人の被害を最小限にとどめつつ、殆どの戦力を脱出させることに成功した嶋田様が所属する派閥の方々・・・ 「近衛さん。後はお任せします。」 「ああ。戦争を回避することは出来なかったのが痛恨の極みだな・・・」 「仕方がありません。生まれた時期も、後ろ盾も無いこの状況下でここまで中枢に食い込めただけでも儲け物でしょう。」 「辻さんの嫌味を聞かなくて言いというのは、少し嬉しいかな?」 「そんなこと言わないでくださいよ、嶋田さん。そちらも大変なのですから。」 「しかし・・・四聖剣と藤堂鏡志朗を連れて行ってもよろしいので?」 「この世界では、厳島の奇跡はおきませんでした。一介の軍人に出来ることは無いでしょう。 むしろ連れて行ってもらい、訓練してほしいとも思っています。」 「四聖剣はバラバラにした方がいいな。」 「杉山さんの意見に賛成です。片瀬帯刀(かたせ たてわき)、草壁徐水(くさかべ じょすい)両名が捕まるとは思ってみませんでしたが。 まあ、邪魔にならなくていいと思うようにしよう。」 「しかし澤崎敦(さわさき あつし)が使える人物だとは思わなかったな。」 「意外と交渉も出来るし。現実主義というのも驚いたな。 宦官・・・高亥との繋がりを持っていたというのも切り札になり得るかもしれん」 「中華に関わりすぎるのはごめんだがな・・・」 海を渡り、カレンさん御家族との別れをも言えず。私達は海を渡りました。 この先待っているのは何か、この時の私達には知りようもありません。 ただこの胸に去来していたのは不安と、ブリタニアに対する怒りでした。 そして何よりも。お父様に対する怒りが最も強かった。 これでもし「世界を平和にする為」とかぬかしたら、あの頭をハゲに剃って、全裸にしてブリタニア中を引き回してやります。 「うっふふふふふ・・・・・・」 「か、一繁。ナナリーが恐ろしい笑顔に・・・」 「最初の頃の可愛いあの子はどこに・・・」 嫌ですわ。 お二人とも酷い言い様ですね。 お兄様もお忘れですけど、私・・・結構お転婆なのですよ? 以上導入部分でした。 まだ中編ネタの方が終わっていないので、ちょこちょことしか作りません。 原作と違うのは、 枢木スザクとは幼馴染ではない。 玄武を殺したのはスザク。 紅月カレンが幼馴染になり、ナオトとも知り合いである。 扇グループになるメンバー数名とも知り合いである。(誰にするかはまだ決めていない) 厳島の奇跡が起きていない。 対KMF戦闘を想定した防御陣地なので、ブリタニアの損害が原作よりも30%増し。 この時点でグラスゴーを何体か確保している。 日本解放戦線の中枢を夢幻会が掌握している。 ルルーシュとナナリーが日本にいない。(アシュフォードとは接触させる予定) ナナリーの足が動けるくらいに回復。(原作開始までには通常歩行・走行が可能になる予定) くらいですね。後は亡国ルートを参考にしています。
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/4499.html
27: 第三帝国 :2017/04/02(日) 09 37 17 銀河連合日本×神崎島ネタSS――——「艦娘たちの憂鬱」 「初めに言っておく。 この会議は同じ艦娘の意見交換と意思統一のためにあり、普段の階級は忘れて欲しい。 そして今回の件はこの島最大の危機であると私は考えている。大淀、状況説明を」 「はい、昨晩0000にて駆逐艦吹雪が進行不能点の突破を確認。 電波情報を収集した結果、我々が戻ってきたのは21世紀の世界であると判断。 これに対し、軍令部総長の権限で第1種防衛基準体制を必要と判断し発動。 鎮守府は総動員体制へ移行、各種予備役の配置も間もなく完了する予定です」 「流石だ、大淀。 で、基地航空隊の方はどうだ?」 「全ての戦略爆撃集団は空中待機命令。 さらにすべての基地航空隊は24時間の即応体制に入っています。 また、景雲を始めとする偵察機による哨戒網を構築したさい米軍と自衛隊との接触を確認しました」 「マリアナと硫黄島は目と鼻の先ですからね・・・。 軍艦を派遣して来るのは、もはや時間の問題でしょう」 「ああ、違いないな大和。 この島の位置で無視してくれるお人好しな国はどこもいない。 ましてや人工衛星が飛び交うこの21世紀という世の中で誤魔化しは効かない」 「既に在日米軍と海上自衛隊が訓練を中止。 こちらに向かって来ているのは分かっていますから、それこそ2、3日後には邂逅するとこの霧島は計算しています」 「ひえー、殆ど時間がないじゃないですか!」 「それだけこの島の位置が絶妙だからな。 加えて北方と南方にある油田地帯も衛星で見られているだろう」 28: 第三帝国 :2017/04/02(日) 09 37 49 「だよねー。 株や先物取引でも早くも動いているのは衣笠さんも確認したし。 後たぶん皆が気になっている大陸の反応についてだけど、青葉が説明するわ」 「青葉です。 大陸で軍の通信が増大しているのを確認しました。 島の発見について国営メディアでの論説は既に中国の夢を実現させる絶好の好機。 と盛んに宣伝しており、軍令部第3部としましては最悪の事態について考慮すべきと意見を一致させています」 「まあ、予想通りだな大陸の反応は・・・。 飽和している人口に破裂寸前の経済を解決するために植民地を欲しているからな、あの国は」 「歴史は繰り返す。 というけど今度は相手が同じ歴史を繰り返すなんて皮肉よね、長門」 「それよりも中国の艦隊はどうするのですか? 空母こそ1隻しかありませんけど、フリゲート艦の数が多い上に技術差は埋められません。 もしもこの島を目指して来たらいくら改二となった瑞鶴先輩でもとても太刀打ちできませんよ!?」 「安心しなさい葛城。 あの子はどんな状況であろうと必ず一矢を報いるわ。 それと中国の正規艦隊については米軍が阻止するでしょう。 南沙諸島の件といいこれ以上の狼藉はあの国は許しはしないわ。 ・・・だけど問題は21世紀の便衣兵である海上民兵による上陸ね。 こちらか手を出せない上に、最悪一方的に悪者にされかねないわ・・・私が経験した上海事変のように」 「加賀さん・・・」 「心配しないで、赤城さん。 少しばかり感傷に浸っただけよ」 「ケケケケ、モシモノ時ハ望ミ通リ悪ノ帝国トシテ振ル舞ウダケ」 「ココハ幾度モ水底ニ沈ミ、ソノ先ニ得ラレタ安寧。 ユエニ我ラ深海棲艦モ協力ヲ惜シマナイ・・・・・・。 モシモノ時ハ、アイアンボトムサウンドノ様ニ纏メテ水底ニ沈メテアゲル・・・!!」 「協力はありがたい。 しかし、こちらから拳を振り上げることは無しだ。 ましてや提督が決断を下していない状況で軽挙妄動は控えてくれ、頼む」 「ヲ、分カッテイルヨ、長門サン。 深海棲艦デアル私達ハドウシテモ理性ヨリモ負ノ感情ガ先行スルダケサ」 「ところで、大淀さん。 提督の様子は?具合とか悪くないよね?」 「提督はこれまで纏めた報告書を確認している最中よ、神風さん。 流石に混乱しているみたいだけど、食事はしっかり取っていたから大丈夫よ」 「流石に提督でもこの事態は混乱するよねー。 増してや宇宙人が地球にやってきて何故か日本に居座っているなんて」 「何でも最近は日本で観光旅行をしているそうですわ、鈴谷。 イゼイラ人も神戸ビーフを食べているのでしょうか・・・・・・」 「・・・オホン! 兎に角、確認が終われば提督が決断を下すだろう、我々とこの島を守るための手段を。 それまでの間、何時での抜錨できるように準備をしておいてくれ」 おわり 29: 第三帝国 :2017/04/02(日) 09 41 20 以上です。 楽しんで頂けたら幸いです。 次回こそ本格的な接触となるでしょう。 しばらく出かけますので、では。
https://w.atwiki.jp/imaska/pages/317.html
■浅間級巡洋戦艦(続・天海提督の決断)概要 艦歴 (妄想)性能諸元 参考文献 ■浅間級巡洋戦艦(続・天海提督の決断) 概要 対独戦に伴い建造された新型巡洋戦艦。物語中『金剛』型以来の巡洋戦艦である。米海軍『アラスカ』型大型巡洋艦の船体に帝国海軍の装備を艤装した「富嶽」と並ぶ共同開発兵器。35.6cm主砲を12門持ち、3万トンを越える船体で最高速度40ノットという驚異的な速力を誇る『金剛』型の後継といえる高速戦艦。 「浅間」の艦名で有名なのは横山信義氏著『激浪の太平洋 巡洋戦艦「浅間」』であるが、同作の「浅間」は、独『シャルンホルスト』型戦艦に日本製の主砲を始めとした火器を載せたものであり、直接のモデルはおそらく『アラスカ』型大型巡洋艦と同時期の計画のみで開発されなかった『超甲巡』と思われる(当初『超甲巡』は35.6cm砲を積む計画があった) 同型艦として旗艦「浅間」以下「阿蘇」「吾妻」「伊吹」があり、4隻とも新設された第九支援艦隊に所属する。 艦歴 +浅間 1943年12月 第9支援艦隊に所属、同艦隊旗艦となる 1944年1月13日 シチリア沖海戦に参加 5月16日 ジブラルタル沖海戦にて中破、ジブラルタルにて修理を受ける 10月14日 遣欧第2機動艦隊所属 10月 シェトランド沖海戦に参加 1945年3月10日 バルト海海戦に参加 +阿蘇 1943年12月 第9支援艦隊に所属 1944年1月13日 シチリア沖海戦に参加 5月16日 ジブラルタル沖海戦に参加 10月14日 遣欧第2機動艦隊所属 10月 シェトランド沖海戦に参加 1945年3月10日 バルト海海戦に参加 +吾妻 1943年12月 第9支援艦隊に所属 1944年1月13日 シチリア沖海戦に参加 5月16日 ジブラルタル沖海戦に参加 10月14日 遣欧第2機動艦隊所属 10月 シェトランド沖海戦に参加 1945年3月10日 バルト海海戦に参加 +伊吹 1943年12月 第9支援艦隊に所属 1944年1月13日 シチリア沖海戦に参加 5月16日 ジブラルタル沖海戦に参加 10月14日 遣欧第2機動艦隊所属 10月 シェトランド沖海戦に参加 1945年3月10日 バルト海海戦に参加 (妄想)性能諸元 排水量 35000トン 全長 246.4m、水線長:241.25m 全幅 27.7m 吃水 9.2m~9.72m 機関 ロ号艦本式缶8基、艦本式タービン4基4軸 165,000馬力 速力 40ノット 航続距離 15ノット/12,000海里(計画時) 燃料 3,710トン 乗員 1,800名 兵装35.6cm45口径3連装砲4基 15.5cm50口径連装砲10基 40口径12.7cm連装高角砲6基、25mm3連装機銃30基、13mm連装機銃15基 装甲 舷側:229mm(主装甲部、10度傾斜) 203mm(水線面下部) 甲板:90mm(主甲板) 25mm(断片防御甲板) 主砲塔:325mm(前盾) 133~152mm(側盾) 150mm(天蓋) 副砲廊 150mm 両用砲:25mm(前盾) 19mm(側盾) 19mm(後盾) 19mm(天蓋) バーベット部:279~330mm 司令塔:269mm(側盾) 127mm(天蓋) 航空機 4機(カタパルト2基) +... 装甲はアラスカ級大型巡洋艦の船体をベースに金剛レベルまで強化したもの(日本の戦艦が対応防御持たないとは考えられないため)だが、武装と同じくこの通りかどうかは不明 参考文献 Wikipedia アラスカ級大型巡洋艦 天海提督の決断 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/6383.html
798: 194 :2020/09/07(月) 22 10 50 HOST ai126213028071.77.access-internet.ne.jp 短編ネタ 現代日本大陸化&銀連神崎島クロスSS ある日、日本が『超』大陸と化してしまった件その23 かの国は如何にして考えるのを止めて、手の込んだ自殺をするに至ったのか ルートA・無条件降伏と戦後その1 会談終了後に魂の絶叫を挙げた、かの酋長。最後の望みを粉砕されたショックからか、その場で倒れ病院に搬送される事に。 流石にショック死・・・・・という都合の良い末路にはならず、意識は取り戻した物の・・・・・。 その意識は、最早この世に向いていなかった。 側近達はその様に嘆息すると共に、医者を呼んだ。診断の結果、最早正気を取り戻す可能性は皆無だとの事だ。 その宣告に項垂れ、唯々無言でいる側近達。 だが、一つだけハッキリした事が有る。この戦争、いやこの国の歴史が終わったのだと。 201X年8月15日。仁川沖合に停泊した戦艦やまとの艦上で、かの酋長がニヤケながら降伏文書にサイン。かくしてこの戦争は終わり、同時に大韓民国という国は、この世から消滅。 かつての日本の敗戦で独立した(と彼等は主張している)とされる日と全く同じこの日、その歴史に幕を下ろしたのである。 韓国による竹島侵攻から始まったこの戦争では、超大陸化した日本国防軍の手により、近未来の戦争の在り方の一端が示された。 空では空対空レーザーを装備し、無人機と連動して戦う次世代ステルス戦闘機。海では大口径レールガンを複数装備する巨大戦艦と、圧倒的な航空機運用能力を誇るトリマラン式巨大空母を主軸とし、 海中を高速で走る超電導潜水艦が猛威を振るう次世代海軍。陸では、レールガンにより主力戦車をも一撃で粉砕する次世代戦車達を中心とした機甲部隊。 それ等、文字通り世代が違う軍備により、従来型の軍備の韓国軍が、完膚なきまでに叩きのめされたのだ。 この戦いの結果に、各国の関係者達は頭を抱えていた。当然だ。年々高騰する軍事費をやりくりしながら苦労して整えている軍備が、こと日本国防軍には全く通じないのが証明されたのだから。 また、航空機によるインフラ遮断とEMP攻撃の前に、近代都市が脆弱であるという事実が改めて突きつけられ、日本を含めた各国はその対策に全力で取り組む事となる。 軍事面以外を見ると、軍以外にも民間人が数多く犠牲になる事となった。その副産物として、日本が怒りと共に本格的に目覚め、韓国に対して苛烈な報復攻撃を行った。 敗戦の影響も有り韓国自身が未だ混乱中の為、正確な数字は分からないが・・・・・。港・海軍基地への艦砲射撃とそれによる火災に手一杯な所にEMP攻撃を受けてインフラが死亡した結果、市街地に飛び火し 燃え墜ちた釜山の犠牲者だけで、同市人口の一割に当たる約34万2000人が、逃げ遅れて火災に飲み込まれる等して死亡。また、EMP攻撃の副産物で死亡した難病者や疫病や飢餓等を理由に死亡した者達を 合わせると、およそ48万人もの人間が命を落とした。軍全体の被害がおおよそ1万5000人と言われており、合わせるとこの戦争でおよそ50万の命が失われた。 対して日本側は、犠牲者の大半が竹島及び竹島沖に集中する形となった。これは、基本的な戦いが海空を中心として行われており、大規模な陸戦が無かったからだと言える。済州島での戦死者は僅か16名 程だった。軍・民併せての戦死者も300名に満たない位だった。しかも、その内の八割が民間人だったのである。もし半島本土決戦が敢行されていたら、兵士達の被害が大きく上回る事となっていたかもしれないし、 韓国側の犠牲者の総数は、下手すると倍の100万の大台に乗ってたかもしれない。 799: 194 :2020/09/07(月) 22 11 21 HOST ai126213028071.77.access-internet.ne.jp その後の韓国だが、無条件降伏により国権及び憲法は停止され、正式に滅亡した。政府首脳達は裁判を受ける事となり、順次裁かれていった。 側近達をはじめとする政府高官達は、全ての罪を大統領に押し付けようと醜い責任転嫁に終始したが、逆に裁判官達の心証を悪くするだけで有った。 日本の民間人達も怒り狂っており、マスコミ達も連中の過去の所業や捏造まみれの歴史教育・「あの国のあの法則」を実例付きで放送しており、彼等を擁護しようとする意見が出て来る事は無かった。 日本人A「あの狂った下衆共をさっさと吊るせ!!」 日本人B「あんな国に二度と独立や、ましてや軍備を与えるな!!」 日本人C「竹島沖で焼かれて死んだ、子供達の無念を晴らせ!!」 日本人D「疫病神その物な連中に、今後一切関わるな!!二度と馬鹿な事を考えない様、徹底的に叩きつぶせ!!」 完全に絶許状態で有り、かの国が二度と独立しない事を強く望んでいた程だ。 かの元酋長は既に夢の国の住人と化していたが、減刑の余地は無く、寧ろ晒し者にされ「己の妄想を根拠に侵略戦争を仕掛け、罪の無い民間人を虐殺した狂人」として喧伝され、死刑判決を下される。 その後、判決から半年後に刑が執行され、刑場の露と消えた。 他の閣僚・軍高官達も終身刑や執行猶予無しの懲役刑等の判決を言い渡され、それぞれの罪に服して行く事となる。 次に捕虜達の処遇だが、戦争犯罪を犯した者で生き残っている者はいない為、無罪放免となったのはいいが、政府に親日派としてとらえられた家族が、その後の取り調べという名の拷問等によりその大半が死亡。 その事実に絶望した彼等は、政治亡命を希望。日本側は彼等の受け入れを拒否した為、主にアメリカに移住。国籍獲得後は、静かに余生を過ごして行く事となる。 その後の日米ロ朝四か国での話し合いの結果、かの国は国連委任統治領として再出発と再教育を施していく事が決定。同時に武器を持たせない為に、農業国として復興する事が決まった。 支那やドイツが非難してきたが、同地域には防衛に必要な最低限のPKFのみを置く事とし、何処かの陣営の橋頭保としない事を国際的に宣言。支那やドイツも内心はともかく、引き下がらざるを得なかった。 なお、これ等の決定に前後して発生した問題がある。脱北者ならぬ脱南者だ。祖国の未来に絶望し、北との国境線を無理矢理突破したり粗末な筏で海に出る等して、国外に脱出しようとしたのだ。 しかし、北への出国は厳重に処罰・強制送還され、海に出た者達も嵐で海の藻屑になったり、海保の警告で引き返すか警告を無視して鉛玉のプレゼントをされ、これまた海の藻屑となった。 これ等の問題、特に北への密入国は深刻な問題で、北から「何とかしてくれ!こんなのに多数押しかけられたら、国が崩壊する!!」というシャレにならない悲鳴が齎された為、急遽国境線に、ティ連の手で 高さ・深さ共に50mを誇る巨大な壁(ティ連の宇宙艦と同じ素材を使用。自己修復機能付き。非公式別称・ウォール・ニーダ)が建設され、物理的に遮断。更に居場所を特定出来るナノマシンを強制投与する事が 決定。リベラル()達から非難の声が上がったが、「疫病の治療を兼ねた物で有り、周辺国への密入国の増大を防ぐ為に必要な処置でもある」と反論。かの意見を無視する事となった。 なお、治療を兼ねているのも本当で有り、実際に疫病に罹患した人間達を救ってもいる。 それ等の処置がなされて十年後位には、脱南者の数は減っていき、周辺国も落ち着きを取り戻して行く事となる。周辺国のその後に関しては、次回以降で簡単に紹介していきたい。 800: 194 :2020/09/07(月) 22 11 51 HOST ai126213028071.77.access-internet.ne.jp -おまけ・神崎島鎮守府- 大和「大和以下艦隊、帰投しました」 神崎「うむ。今回の戦い、本当にご苦労だった」 大和「はい。無事為すべき事をやり遂げられて、本当にホッとしています」 神崎「そうか。・・・・・・・大和、それに皆。何か思い詰めているのか?」 大和「えっ!?」 神崎「・・・どこか、皆の表情に影を感じてな」 大和「・・・・・やっぱり、提督にはお見通しですね」 神崎「そりゃあ、皆のパートナーでもあるからな。・・・・・やはり、韓国本土への攻撃の件か」 大和「・・・・・はい。私達のやった事は、本当に正しかったのでしょうか?必要だったとはいえ、一般市民を巻き込む形となったあの艦砲射撃。あの行動は、本当に正しかったのかどうか・・・」 どこか影を落とした表情で、神崎提督に問いかける大和。 大和だけでは無い。矢矧以下、二水戦のメンバー達も何処か苦しそうな表情をしていた。 神崎「大和、それに皆。よく聞いて欲しい。あくまで私の見解だが、最初に攻撃を仕掛けて来たのも、罪の無い民間人を殺したのも、アチラ側だ。竹島沖での悲劇、忘れた訳ではあるまい? そしてそれを、反省しないばかりか義挙だと断言した事も。それを考えたら報復されても仕方が無いし、何より放置すれば、また違う場所で竹島沖の悲劇が繰り返されたかもしれないんだ」 大和「それは・・・そうだと思いますが・・・・・」 神崎「それに、そうする様命じたのはこの私だ。もし責任を負わなければならないとしたら、間違いなく私だ。お前達じゃない」 矢矧「でも!」 神崎「それでもというのなら、その罪の意識。私も一緒に背負って行こう。お前達にだけ背負わせる事は、絶対にしない」 浜風「提督・・・」 神崎「私はお前達の上司で有り、何より夫でも有るんだ。これからも、支え合って生きていこう」 大和達「「「・・・・ッ!!」」」 神崎提督に抱き着き、静かに涙を流す大和達。 暫くの間、彼女達に泣くに任せる神崎提督で有った。 暫くして・・・・。 神崎「・・・・・落ち着いたか?」 大和「・・・はい。ありがとございます、提督」 漸く落ち着いた大和達に声をかける神崎提督。 と、ここで終わればいい話だったのだが・・・・・。 唐突に神崎提督は気付く。今の状況・・・、美少女達10名が抱き着いている事に。彼女達の柔らかい体が押し付けられている状況に。 で、体の一部分が反応を示してしまった。 大和「提督?・・・・・・あっ!・・・・・もしかして、起っきしちゃいましたか?」 神崎「あ、いやこれは・・・。今回の件で多忙を極めてたから、そういう時間が取れなくて・・・・・(汗)」 磯風「ふむ・・・。ならば私達が、『妻として』ちゃんと慰めないとな。さっきのお礼もかねて」 神崎「いや、ちょっと待って!!今、仕事中」 大和「そんな状態じゃ、仕事に集中出来ませんよ?てな訳で、ソレッ!!」 神崎「ウオッ!?や、大和!?お、降ろせー!?!?」 いきなり大和に抱きあげられる神崎提督。大和は暴れる神崎提督を抱き上げたまま、執務室隣の就寝室へと運ぶ。 二水戦のメンバー達が手際よく敷いた布団の上に、神崎提督を放り投げる。 神崎「ま、待ってくれ!?まだ、今回の後始末とかがかなり残ってて」 霞「もう!この期に及んでゴダゴダ言わない!!」 雪風「そうですよ、しれぇ!私達に『特別手当』を支給して下さい!」 朝霜「そうだぞ、司令!よく言うじゃ無いか。『お前がママにするんだよ』ってな」 神崎「それは「お前がママになるんだよ」だし、そもそも男が言うセリフだ!」 磯風「つべこべ言うな、司令。私達も昂ってるんだ!ちゃんと鎮めてもらうぞ。それも、夫の務めだからな!」 矢矧「代わりに私達が天国を見せてあげるから、観念しなさい」 涼月「年貢の納め時、って奴ですよ。提督」 大和「では、私達にたっぷりの愛情を注いで下さいね♪」 神崎(´・ω・`).; …(´・ω... .; ..(´・; . .; サラサラ.. この後めちゃくちゃS(青葉「特別手当支給ですねぇ」※見せられませんねぇのイラストで)した。 801: 194 :2020/09/07(月) 22 12 21 HOST ai126213028071.77.access-internet.ne.jp 以上です。書き上げるのに随分手間取りました(汗)。まずかの酋長ですが、夢の国の住人と化した挙句、晒し者にされて刑場の露と消えました。 まぁやらかしを考えると、残当としか言いようが有りませんが。 それぞれの被害ですが、複雑になるのを避ける為に負傷者は割愛。死者のみとさせていただきました。 一番の被害はやはり釜山への攻撃となりました。死者数は実際の釜山の総人口数を元に、一割に相当する人間が犠牲となりました。 まぁ残りの九割は何とか避難する事は出来ましたが。軍人の被害数は、描写している物のみとなっています。それでも、被害の中心が育成に手間のかかる 海空軍なのが致命的なのですが。まぁ戦後は軍隊の保持が禁じられるので、自動的に問題が無くなりましたが(嫌な解決法だ) そしてその後のキムチですが、果たして彼等がマトモになるのにどれだけの年月がかかる事やら。周辺国+キムチのその後の様子は、次回辺りに描写しようかなと。 そしてオマケですが・・・・・神崎モゲロ(血涙)。 wiki掲載は、自由です。 808: 194 :2020/09/07(月) 22 59 16 HOST ai126213028071.77.access-internet.ne.jp 誤字を発見したので、修正をorz 799 誤 なお、これAの決定に前後して発生した問題がある。 正 なお、これ等の決定に前後して発生した問題がある。 wiki掲載時に、修正をお願いします。 813: 194 :2020/09/07(月) 23 10 08 HOST ai126213028071.77.access-internet.ne.jp 811 ギャー!!よく見たら間違えてたorz 此方も修正を 800 誤 磯崎「つべこべ言うな、司令。私達も昂ってるんだ!ちゃんと鎮めてもらうぞ。それも、夫の務めだからな!」 正 磯風「つべこべ言うな、司令。私達も昂ってるんだ!ちゃんと鎮めてもらうぞ。それも、夫の務めだからな!」 wiki掲載時に、修正をお願いします。
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/1495.html
396 :taka:2013/02/07(木) 14 50 40 フトゥーロ運河に集結していたベルカ公国海軍艦隊は、まさに艦隊戦闘への布陣へ移行していた。 今まさにこちらへと牙を剥いて接近している、新鋭空母「ケストレル」を中心としたオーシア第三艦隊を迎え撃つ為だ。 予想を超えるベルカの執拗な反攻に、バードリアン・ラインの突破はおろか『解放』した南ベルカの都市の幾つかを取り戻されてしまったオーシアの焦りは募っていた。 再三の増援を送ったにもかかわらず、戦線はジリジリとした膠着状態にあり、この戦争に否定的だった国々の圧力は迅速な戦勝が遠離ると同時に強まっている。 この思わぬ事態を打開する為に、オーシア軍は『戦域攻勢計画4101号』を発動。 ベルカ公国海軍の海上戦力及び拠点の壊滅、フトゥーロ運河の封鎖と大規模輸送ルートの確保に乗り出した。 開戦以来オーシアの輸送路を神出鬼没に強襲し、少なからぬ損害を与えていた邪魔者を完膚無きまでに殲滅し制海権の確保と明確な勝利を得る為に。 「始まりますな提督」 「そうだな参謀長」 ベルカ艦隊旗艦である空母ニヨルドのブリッジで、老年の男は傍らに控えている参謀長に告げた。 空母を取り囲むようにして展開している護衛艦隊。そして頭上を幾つもの航空部隊が通過していく。 「南では幾らか押し返してはいるものの、オーシアはまだ健在だ。 開戦以来幾つかの海戦で勝利を得てもあれだけの戦力を揃えて向けてくる」 「はっ、しかしながら我等も上層部の計らいにより、主力艦隊を万全の形で迎撃へと持ち込めました。 加えて、陸上からの航空部隊も艦隊攻撃及び防空支援へ参加しております。……それに」 「それに、例の無敵のエースコンビが我が艦隊の防空に当たっている、か」 「はい、ハードリアン・ラインからの一斉反攻、南ベルカ解放戦に置いて比類無き活躍を見せております。 艦隊との共同作戦は初めてとの事ですが、鬼神と渾名された彼らが参加する事で将兵達の戦意は漲っております」 「ふふ。戦局すら引っ繰り返すと言われてる彼らの腕前を直に見られるのは幸いと言うべきかな?」 提督は目を細めて、窓の外の空を次々と過ぎっていく友軍機の群れを見やる。 こうしていると、まるでかつて旭日旗が翻る空母艦隊を率いていた頃の事を思い出す。 こちらには彼が心棒した皇室も、命に替えてでも守ると誓った神州も存在しない。 異邦の地で海軍士官へと成長した頃に記憶を取り戻し、途惑っていた彼を救ったのはよりにもよってあの組織の面々だった。 彼らは日本を取り仕切っていた頃と同じく、このベルカ公国を表と裏から支配していた。 (まさか、こちらでも連中に組み込まれ扱き使われるとは思わなかったがな) 相変わらず苦労の絶えない感じな友人や、こちらでも列強相手に立ち回ってる財務省の魔人の顔を思い出す。 有り得ない、転生と呼ばれる奇跡が我が身に起きてこそ、本当の意味で男は彼らの理解者となったのだ。 「全く、賭け事は好きだがこうも振り回され続けると刺激的過ぎるよ。 連中と付き合っていると退屈とは程遠い人生を歩めるものだな」 「提督、如何なされましたか?」 「いや、何でもない。参謀長。Z旗を挙げよ」 「はっ」 空母のマストに、高々と4色の旗が掲げられる。 そして、全回線を開いた提督の演説がベルカの全将兵の耳に届けられた。 「我ガベルカ公国ノ興廃此ノ一戦ニ在リ、各員一層奮励努力セヨ」 ベルカ戦争における転機の1つとされる、大海戦の火蓋が切って落とされたのである―――。