約 19,734 件
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/4292.html
858: 333 :2017/01/28(土) 10 39 58 フローデ達の憂鬱 番外編 季刊 銀河の戦史 5052年春号 開戦百年記念ガフトノーシュ戦役特集 統一戦争は百年たった現在でも軍事趣味者にとって根強い人気を誇る分野である。 人類社会の全てを巻き込んだ戦争であり、また今の所最後の星間戦争でもある。 そのなかでどの戦いが好きかは読者諸氏にも色々と意見がおありだろうが、今回は開戦百年ということでガフトノーシュ戦役を 特集したい。 まずはイオラオス作戦、ヘラクレス作戦だ。 開戦直後に行われたこの両作戦を知るにはまずそれ以前、即ち開戦に至る経緯から知る必要がある。 皇紀4940年、ノヴァシチリア条約が結ばれた。これは当時銀河に存在していた五つの国家のうち、四つの国家が批准した。 これがいわゆる四ヶ国連合である。あくまで銀河の軍事的均衡を生み出し平和を維持するのが目的とされていたが、それは誰の目 にも明らかな帝国への圧力だった。 しかしこれにはさらなる裏があった。人類統合体がスィーヴ882門とケイシュ193門を発見したのだ。 ノヴァシチリア条約を結んだのは帝国とそれ以外の四カ国が敵対していたからだが、その敵対の理由は今日世間で言われている アーヴへの差別感情にあったわけではないというのはこの雑誌を読んでいる読者ならば理解していると思う。 帝国が四カ国と敵対していたのは第十二環を独占していた事に理由がある。当時はまだ銀河には未開拓領域が残されていたが、 その外側が帝国のものならば将来的に拡張には限度が出てくるからだ。 つまり平面宇宙航法開発以来、無限に広がっているように思えた銀河の開拓に限界が見えてきたこと。そして帝国だけがその外への 道を持っていたこと。 この二つが開戦の理由として挙げられるだろう。 人類統合体はこの状況を打破するため第十二環に繋がる門を探し続けていた。 それが見つかったのが4940年であり、発見された二つの門を使った軍事作戦が計画され始めたのもこの年なのだ。 この時計画された作戦がイオラオス作戦とヘラクレス作戦であり、探査のために開けた門が閉まるまでにかかった時間が12年 という歳月なのだ。 ところがこれは帝国に察知されていたようである。曖昧な書きかたをしたのはその証拠がないためだ。 これについては各種議論があり、どこでそれを知ったのかなどについて未だ定説を見ない。 ともかく奇襲を知った帝国は開戦を避けるよりもむしろこれを利用して戦争を優位に始めようと考えた。 それが秘匿名称夢幻作戦である。古の賢者達の名を冠したこの作戦はひとまずの成功を収める。 しかしそれは課題も残る戦闘だった。順番に見ていこう。 859: 333 :2017/01/28(土) 10 40 53 まずは先に開始された作戦であるイオラオス作戦だ。 これは主攻方面を助けるための陽動作戦であり、危険が多いその性質上人類統合体のみで行われた。 対する帝国側はガンボース提督率いる艦隊。戦力でも練度でも星界軍が勝っていた。 しかし統合体だけで艦隊が構成されていた利点は大きく、敗れたもののこの戦いで連合軍が連携の不備を露呈することはなかった。 戦いは奇襲に備えて待機していたガンボース艦隊の攻撃で始まる。 奇襲するはずが奇襲を受けた混乱によって統合体艦隊は一方的に殲滅されることになる。 だがガンボース提督も敵艦隊の殲滅に拘った結果一部の敵を取り逃がしてしまう。これを理由として彼の指揮能力に疑問を呈する 声も少なくない。 しかしその後の戦いから見てもガンボース提督の指揮能力は決して低いものではなく、殲滅に拘ったのも後のことを思えば正解 だったと言える。 なお余談だがこの際逃げた艦隊から隠れて地上世界に潜伏するという経験をしたのが現在の皇帝陛下である。 さて陛下の意外な側面を知ったところで次に行こう。 奇襲作戦の本命、ヘラクレス作戦だ。 イオラオス作戦で帝国の目をイリーシュ王国の反対側に向けさせた上で、スィーヴ882門から帝都を奇襲する。 そのためにこそ人類統合体は膨大な門を開けてイリーシュ王国を起点にした奇襲作戦を練ったのだ。 これは敵の知らない門から攻撃するというだけではなく、緒戦で第十二環を確保することで戦争の目的を達しようとしたからだ。 この戦いでは常勝無敗の呼び声が高いレンド提督が指揮を執った。 彼我の戦力は互角だったものの、ここでレンド提督は撃退に専念することになる。 この一事を持って彼を無能呼ばわりする軍事趣味者も多いが、それは一方的な見方に過ぎない。 敵が多国籍艦隊であることを見抜き、機雷の発射から間髪置かない突撃など能力は申し分が無いからだ。 混乱を拡大することで敵を撃退するという戦術も決して間違いではない。結果的に艦隊主力を取り逃がしたことが次の無常の果実 作戦に繋がるのだが、帝国の戦略環境を思えば必要とされるのは時間であり敵戦力の撃滅は必ずしも必要としないからだ。 これはこの次の作戦にも現れてくる要素であり、基本的にガフトノーシュ戦役は速攻をかける連合軍と撃退に専念する帝国という 図式で戦われる。 860: 333 :2017/01/28(土) 10 41 30 その後、イオラオス作戦とヘラクレス作戦で開戦劈頭での勝利が得られなかった連合軍は残った戦力を結集して無常の果実作戦を 計画するにいたる。 これにはハニア連邦の脱落、そして雪晶作戦という事態が深く関わってくることを注意せねばならない。 無常の果実作戦では派手な帝都防衛戦ばかり注目されるが、それが成立する条件には併合作戦で帝国が艦隊を出撃させる必要が あったからだ。 つまり無常の果実作戦とは四ヶ国連合がハニア脱落の危機を帝都奇襲の好機とした作戦であり、だからこそ軍事趣味に入り始めの ものがよく言う、ヘラクレス作戦でクリューヴ方面を主攻にしていたらといった仮定には意味が無い。 ハニア連邦が脱落しなければ雪晶作戦は発動されず、雪晶作戦が発動されなければクリューヴ方面からの帝都奇襲は不可能なのだ。 無常の果実作戦はあの時点で連合軍が取れる最善の選択肢であったし、唯一取れる選択肢であったというのが結論だろう。 道中で雪晶艦隊の一部を撃破した連合軍は帝都で待ち構えていたレンド提督の守護艦隊と交戦する。 これがおそらくガフトノーシュ戦役最大の戦場であり、この戦いが好きで軍事趣味に入る者も多いだろう。 ここで上述の戦略環境が出てくる。 現在では敵戦力の殲滅に専念したレンド提督の手腕が評価されるが、そもそもこれは敵が全戦力での突撃という手段を取ってきたが 故の苦肉の判断なのだ。 当初レンド提督が取っていた陣形は機雷戦を重視した陣形だった。これは敵の機雷が少ないという情報を手に入れていたからで、 連合軍主力となるであろう巡察艦や突撃艦戦力を機雷で打ちのめすためだった。 しかし連合軍が取った戦術が機雷を全て対抗雷撃に費やした全戦力での突撃とわかると即座に陣形を変える。 有名な縦深防御陣形だが、これは巷で言われているように敵を一網打尽にするのを目的にして組まれたわけではない。 あくまで突撃を敢行する敵艦隊を縦深で受け止めるためのものであり、包囲殲滅はその副産物に過ぎなかった。 現にこの戦いでの艦隊機動をよく見ればわかると思うが、レンド提督の指揮は”一鬼当千”で知られる司令部の直接戦闘まで 敵の突撃を食い止めることを目的としている。 よく言われる側面攻撃も、敵の突撃を受け止めきってからのものとそれ以前とでは大きく性格が違う。 前者が敵の分断を目的としているのに対して後者は突撃を妨害するのが目的であり、むしろ敵の突撃を受け止めて余裕が出てから 敵戦力の分断、殲滅に移行したと捉えるのが自然だ。 この戦いで連合軍は艦隊が壊滅、再建に長い時間をかけることになる。 一方帝国も戦力を大幅に消耗したものの、最も必要としていた時間を稼ぐ事に成功する。 統一戦争は順当に戦えば勝ち目がない連合が様々な策を弄し、そして順当に負けた戦争である。 ガフトノーシュ戦役はそういった戦争の方向性を決めた戦役といえるのではないだろうか。 それでは次項からそれぞれの戦いについて詳しく見ていこうと思う。 861: 333 :2017/01/28(土) 10 41 57 投稿は以上です まとめwikiへの転載は自由です
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/83.html
560. ひゅうが 2011/11/10(木) 21 37 34 提督たちの決断ネタ帳――厳秘 「衝号計画」要綱 1、ラ・パルマ島の構造とマグマの特質 カナリア諸島、ラ・パルマ島。 面積は約706平方キロ。南北47キロの南向きの楔形をしたこの島は、2つの火山により構成されている。 プレートテクトニクス的には大西洋ホットスポットの一員であるこの島は、ユーラシアプレートとアフリカプレートのせめぎあいの中で誕生した火山性の地質を持つ。 問題は、その島が大洋底4000メートルから海上2400メートルまでそそり立つ「巨大な火山」であることである。 また、海底の玄武岩層を主成分とするこの島は、花崗岩のように丈夫的ではない。 幸いなことに大西洋岸の火山が持つマグマは発泡性や水分に富んではおらず、ある日突然噴火し大爆発を起こす性質はない。 だが、アイスランド島のような巨大な島ではないカナリア諸島は、たとえば砂場に作った砂山のように脆弱である。 通常の噴火は、海底のマグマだまりの圧力が島の形成時にマグマが冷えてできた山体の割れ目を押し破り、間欠泉のようにたびたび噴火を起こすのであるが、その噴火により海面下にいくつもの亀裂が生じ、そこを通じ海底に蓄積され続けているマグマだまりに水分が供給される。 たちの悪いことに、マグマは水分を得るととてつもなく粘性を増す。 水分の供給が一定以上となると、まるで過冷却の水に衝撃を与えると結晶化し氷となるようになり、噴火を起こさず「すんづまり」状態となる。 こうして本来ならば爆発によりほどよく圧力が解放されていたはずのマグマだまりは圧力を高め続け――3〜4万年に一度、巨大な爆発を起こすのである。 元来ラ・パルマ島はこうして海底火山が大爆発を繰り返し、鋭角三角形の断面の上部が崩れ落ちることで「土台」を押し固めて成長したと考えられている。 島が巨大になるに従ってこういった「山体崩壊」と呼ばれる現象は起きなくなったが、それでも着々と圧力は高まっていたのだ。 海面上の圧力は低いため、島の海面下にあるマグマだまりとは別に2つの火山の下には浅部マグマだまりが形成され、に通常はアイスランド島やハワイ諸島のように溶岩流を噴き出す噴火を繰り返しているものの、深部マグマだまりは「寸詰まり」の状態を有史以来続けていた。 2、衝号計画 衝号計画は、北米大陸へ巨大津波を到達させることを目的としており、そのためには上述の山体崩壊が必要である。 幸い、ラ・パルマ島は2つの火山で構成されており、その間には深い断層帯が斜面のように横たわっている。 これは、もともとの島体を構成する古い火山のカルデラ横から新しい火山がそびえたっているがためである。 そして、カルデラ斜面の底は海面下4000メートルにまで達する。 要するに衝号計画とは、新しい方の火山噴火により断層帯で二つの火山を切り離し、古い火山のカルデラ斜面から高さ2000メートル、長さ25キロ×15キロの巨大な陸塊を崩壊させながら海面下へ一気にたたきこむ作戦と推定できる。 これを完成させるには、活発な活動を繰り広げる新しい方の火山――ケンブレビエバ火山による大噴火を起こしつつ、島そのものを吹き飛ばすレベルでの噴火を巻き起こし断層を分断しなければならない。 実現にあたって考慮できるのは、水蒸気爆発である。 島の海面下2000から3000メートルほどに横たわる巨大なマグマだまりによる爆発も広義の意味では水蒸気爆発に近い。 それは、本来は圧力に耐えかねたマグマだまりに生じた裂け目から火の玉の塊のような海水含有マグマが上昇し、ついに海中の海水と出会って沸騰することによって怒る爆発である。 今回は、ケンブレビエバ火山の活発な活動により生じているであろう地上から海中にまで達する断層という裂け目を掘削し、なるべく地下深くの、かつ海中に近い部分で炸裂させることが望ましい。 これに加え、できれば二つの火山の間を走る断層帯と合流している部分であるならば言うことがない。 561. ひゅうが 2011/11/10(木) 21 38 27 手順はこうである。まず、核爆発の高熱により弾体から直径500メートルほどの地下空間が生じる。想定される爆発深度は地下およそ500から800メートルほど。 衝撃により、マグマだまりは刺激され、この低圧の地下空間の崩壊開始と同時にマグマも殺到していることだろう。 また、海に近い断層帯のため、地下空間の崩壊によって海底の水圧により割れ目の方から海水の流入もはじまる。 こうして、マグマと海水は出会い、大爆発が生じる。 この課程でおそらくケンブレビエバ火山には新たな火口が誕生することになるだろう。 しかも、崩壊した地下空間は直径500メートルほど。富士山の火口の大きさを考えれば破格なほど巨大なマグマの通り道ができあがる。 連続する水蒸気爆発によりその大きさは更に拡大していることだろう。 こうして浅部マグマだまりの圧力は急速に低下していく。 そうすると、圧力や自身の粘性のために蓋をされていた深部のマグマだまりも、核爆発の衝撃に加えてこの圧力低下によりにわかに活気づく。 大噴火の開始である。 圧力低下点である「爆発火口」めがけて、粘性が高いために直径100から200メートルほどになっているだろう巨大な1000度以上の炎の塊が上昇を開始する。 そして、もとから水をため込み続けていたマグマは、流入しつつある大量の海水に触れ・・・ 大爆発を生じることになる。 威力は、ガスや含有水分の発泡も考慮し、かつ圧力がまだ万年単位でたまりきっていないために「不完全」であることも考えれば全てが吹き飛ぶ「破局的大噴火」とはなり得ない。 しかし、20キロ四方の暑さ2キロ程度の岩塊であるケンブレビエバ火山を島本体と切り離すには十分だろう。 最終的には、水爆数十個分のエネルギーを一気に放出しつつ、ケンブレビエバ火山を構成していた質量の大半は海中に没する。 その課程で、熱いマグマが水蒸気爆発を繰り返しつつさらに多くの海水を押しのけ続ける。 その轟音は、遠くイベリア半島や英国諸島でも聞くことができたかもしれない。 この大噴火により生ずるであろう津波は、最低でも225立方キロメートル(周囲15キロ、深さ1キロほどの崩壊)。最大となると、海底部分の山体も崩壊するため(周囲20キロ、深さ10キロ程度の崩壊)4000立方キロメートルまで達することだろう。 ここは、元ネタであるロンドン大学のシモン・デイ博士の試算にのっとり「長さ25キロ、幅15キロ、厚さ1.4キロ」とし、約525立方キロメートルが落下したものと推定してみよう。 試算によれば、地滑り開始2分後には津波の高さは906メートルに達する。反動によりラ・パルマ島近辺の海面は1324メートルまで沈下するという。 盛大に崩落面からは水蒸気爆発が起こりまくっていることだろう。 ひょっとすると、大量のマグマが一気に流出し、崩落分の質量分の炎の塊のような代物をぶちまけているかもしれない。 こうして生じた津波は、作中の描写の1.5倍、30メートルほどに達してフロリダ半島を飲み込むことだろう。 東海岸に押し寄せる波の高さは20メートル弱となる。 だが、恐ろしいのはここからだ。 作中で無理矢理山体崩壊を起こし、マグマを排出させてしまったので、その分の熱を冷やさなければならない。 何で冷やすのか? もちろん海水だ。 この時点で排出されているであろうマグマの量は、マグマだまりの大きさを5キロ四方としても125立方キロ。 このうち外側をくるめばいいので反応するものを考えてみると、少なくとも1キロの厚さを持つ即席のブランケットを作るには20〜30立方キロ程度の反応は必要になるだろう。 これだけの質量を持つ物体の温度を7〜800度程度から100度以下に下げなくてはならないのだ。 水蒸気爆発は連続するだろう。 あたかも空想科学読本で「ザンボラー」というウラン食ってる怪獣が自分の熱で岩を溶かし、キノコ雲を毎分何本も立ち上らせて地球中心へ落下していくように、それはすさまじい光景だろう。 爆発により生じるエネルギーは見当もつかない。ただ、毎秒核爆発を起こしているようなもの・・・というのが火山学入門書の表現だ。 ここは、5〜6メートルの津波を北米大陸にもたらす程度と考えておこう。 562. ひゅうが 2011/11/10(木) 21 41 30 こうした爆発は、おそらく数日から数ヶ月続く。 初期の派手な爆発により生じた津波は、10波や20波ではきかない程度の津波を東海岸の標高の低いあたりにもたらしているはずだ。 525立方キロメートルの土砂に加え、20〜30立方キロの高温(少なくとも700度ほど)の岩石が蒸発させただろう140〜210立方キロの水は、体積は圧力によって違うものの概ね1000倍になっていると推定できよう。 蒸気の全てが海面を押し上げるわけではないが、巨大な気泡やそれが破裂する爆発音はそれだけで十分に驚異的なエネルギーを秘めているだろう。 津波の高さを押し上げるわけではないものの、断続的に続く水蒸気爆発は、津波の全体体積を十倍以上にしているとしても驚くことはない。 3 被害推定 こうして生じた津波は、大西洋を押し渡り、まずはフロリダ半島を飲み込む。 高さは30メートルほどだが、前記の水蒸気爆発により波は連続しており、0.5時間程度継続していたとすると、津波の総体としての幅は300〜400キロほどになる。 高さ30メートル、幅300キロの水の壁が襲いかかってくるのである。 フロリダ半島やカリブ海の島々には、生存者がいる方が不思議であろう。 同時に、北米大陸東岸部の低地地帯は壊滅しているだろう。 アパラチア山脈より東側は、おそらく3割近くが水没。水をかぶった部分だけ考えれば、その遡上は内陸1000キロ程度の河川にまで達している可能性すらある。 ワシントン.D.Cはポトマック河の水域に面している。0メートル地帯も多く、津波はこれらのほぼ全てを押し流すだろう。 ホワイトハウスは完全に水没。議事堂は高さ87メートルのドームを有しているが、議事が行われている場所は高さ30メートルもない。 おそらく阿鼻叫喚の中議員たちは生きたまま水葬されたことだろう。 また、ワシントンD.Cの建造物の高さ制限のため、建物および政府機能はそのほとんど全てがストップする。 南に目を転じ、ニューヨーク市も似たような状況だ。 高層の摩天楼は残るが、そこに避難できる人間は突然の津波もあって数万人いればいい方だろう。 ニューヨーク海軍工廠は、北米東岸のフィラデルフィア、ニューポートなどと同様に浸水。 建造中の軍艦は横転するか、ドックにたたきつけられて崩壊する。 市街地に近いため、巨大な軍艦や客船が人々を圧しつつ市街地のど真ん中へ突っ込むかもしれない。 同様な光景の北限はおそらくニューファンドランド島だが、そこでも少なくとも5メートルの津波に襲われる。 南部沿岸は悲惨に襲われるだろう。 カリブの島を丸ごと押し流した津波が殺到し、メキシコ湾岸の油田地帯は崩壊。数ヶ月たっても海が燃え続ける恐ろしい光景が現出するだろう。 ダラス、ニューオリンズなどの都市機能も麻痺し、ミシシッピ川を遡上する津波によって耕地は塩害に苦しめられるだろう。 ただでさえ地下水のくみ上げすぎで海面とほぼ同じレベルまで沈降している大平原に海水が流入するかもしれない。 こうして第1波の被害で唖然としていると、そうこうしているうち北アフリカとポルトガルというラッパ状構造で跳ね返った波が逆に押し寄せてくる。 津波のあまりの巨大さからそれは、「いつまでたっても水が引かない」という状況になるだろう。 なまじっか標高が低く、なだらかな北米大陸では水が引くのはさらに遅くなるかもしれない。 結果、同地域に居住していたアメリカ合衆国の国民およそ8000万のうち、沿岸都市部に居住する3000万あまりの半分以上は、適切な避難がなされるか、高い避難場所が存在するか、あるいは運がよいか出ない限り、そのほとんどが海に呑まれる。 南米、アフリカ西岸、ポルトガルなどもあわせればその数はさらに数倍されるだろう。 以上が、衝号計画における初期の被害推定である。 (以下略) 【あとがき】――まじめに「衝号計画」の流れを想定してみた。 書いておいてなんですが、こんな恐ろしい代物が大西洋に眠っているのは恐ろしすぎます。 実は南九州とか薩南諸島とかにも似たような怪物が眠っていますが・・・ そのあたりは石黒先生の作品あたりでおなかいっぱいです。 では、長文失礼しました。
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/3078.html
935 :影響を受ける人:2014/04/06(日) 22 41 05 この作品にはTS要素が含まれています。 オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。 最低系である最強要素があります。 それでも良い、という方のお読みください。 提督憂鬱×ストパン+零 第四話 ―勇気か、無謀かⅡ― 「え・・・ネウロイが、こっちにくる?!」 美緒の叫びにその場にいた全員が絶句し、静寂がつつんだ。 次の瞬間には悲鳴が壕の中を満たす。 「落ち着きなさいな!」 騒ぎ始めた生徒を、凛が一括して押しとどめる。 「ワタクシ達は何のために志願したのですの!これくらいで騒ぐなんて、みっともないですわ!!」 「そうだぜ!それに基地には防御専門の結界士もいる。大丈夫さ!」 二人の自信あふれる言葉に、次第に落ち着いてきた生徒達は思い思いに座り始める。 自分の叫びに皆が反応し、あわや大騒動が起きる寸前になってしまい、顔が蒼くなってしまった美緒に凛が話しかける。 「坂本さん、そろそろきついのではなくて?」 「あ、うん・・・えっと・・・」 「責任を感じているのは良い事ですけど、思いつめるのは良くありませんわ。」 それにと言うと、そそくさとその場から去ろうとしていた里子の襟をむんずとつかんで、強引に引き寄せる。 「ヒィィィ!お嬢、許して欲しいっす!」 「駄目ですわ。貴方が煽っていたのも原因ですのよ。」 そう言って説教を開始した。 その光景を見つつ少しだけ心が軽くなった美緒は、親友二人からも励まされて少しだけ深呼吸をする。 そして未だ戦い続けているだろう。先生の安否を心配して、天井で見えぬ空を見上げた。 ――――― 少しだけ時間は遡る。 「よし、一機撃墜!」 『こちらツルミ一番、二番と共に共同撃墜した。次に向かう!!』 海上で入り乱れての戦闘は、どちらが主導権をとっているのかわからない。 ただ、章香が出撃したのは予想よりも早い段階だった。 生徒達を壕に避難させて、相棒と共に待機場に滑り込んだ時にはもう、第一陣迎撃隊が突破されていた。 何故こんなに早く! 驚いたが現実は受け入れなければならない。 そして知るのは彼等の進撃進路だ。ネウロイは大きな迂回ルートで進撃してきていた。 主にオラーシャ・大モンゴル帝国・扶桑国三国で管理している元中華方面大陸だが、資源採掘地帯・数少ないオアシス以外は人が住まない荒野等の不毛地帯だ。 その全てを管理しきる事などできない。そこを突かれたのだ。 しかし疑問に思う事もある。なぜ彼等は舞鶴に来たのかと言う問題だ。 まぁ、その辺は大本営の頭脳を使う連中に任せればいい。 「隊長、数がなかなか減りませんねぇ。」 「馬鹿言うな、少しは減っているぞ。それより手を動かせ!」 防護符を撒き、シールドを強化して防ぎつつ、僚機の愚痴を叱責して反撃に銃撃して撃墜する。 936 :影響を受ける人:2014/04/06(日) 22 41 44 「ふぅ・・・」 「しかし、新型の高速型・・・“スズメバチ”がいなくてよかったですねぇ。」 「ああ、“クマバチ”なら容易に撃墜可能だ。だがなぁ・・・」 「数が多いですよねぇ。」 そう、問題は数だ。 第一陣が引きつけられた数は二十数機、こちらに来たのも二十数機。 第二陣となる陸軍機は今までは海上飛行を苦手としていたが、最近の軍改革で海上飛行も義務付けられていて頼もしい。 だがそれでも突破された。 そして最終防衛ラインと言える自分達が出張っているのだが・・・戦況はよろしくない。 何とか一息つき、空になった銃弾層を仕舞い込んで新しいのを取り出す。 「ばら撒き過ぎたな。これが最後か・・・」 「右に同じく、鮫島がいないのがきついですねぇ。」 「そうだな。【装甲車】がいないのはきつい。」 「・・・鮫島が聞いたら泣きますよぉ。」 「事実d『緊急、緊急!』どうした!」 突然入ってきた連絡に、二人は周囲を警戒しつつ耳に手を当てる。 それは章香に焦りを生み出すものだった。 『低高度を進撃する敵機発見!こちらじゃ迎撃できない!誰かいけない!』 「・・・っ!!」 海上を見渡すが、海の色とかぶっているのでよく見えない。 何とか見つけようと必死に探していると、梨奈が肩を叩いた。 「あそこ、あそこだ!」 振り向くと海面スレスレを飛行するウィッチが見える。その先に目標はいた。 「“スズメバチ”!」 「報告にはいなかったのに!」 最悪の敵が突き進んでいた。慌てて自分達も追いかけようとするが、別のネウロイが妨害してくる。 「邪魔をするなぁぁァァァ!」 目の前に飛び込んできたネウロイを刀で両断するが、今までの戦闘で強敵と判断されたのか、更に妨害に来るネウロイを相手にしないといけなくなってしまった。 焦りと焦燥が章香を襲う。 ――――― 壕の中で大人しく待機していた生徒達だが、まだ不安なのか美緒に、しきりに外の様子を聞いてくる。 それを魔眼連続使用による疲労と言って断っているが、不安を募らせる事になっているので心苦しい。 「ふぅ・・・」 「美緒ちゃん、お疲れ。」 「ありがとう。」 疲労自体は本当なので眉間をほぐして誤魔化していると、醇子が濡らしたタオルを持ってきてくれた。 有り難く頂いてメガネを置き、顔を拭いて目の上に乗せる。 冷たい水の感覚が気持ち良い。 「まるで夫婦漫才だな。」 「そうっすね。」 「「ブフッ!」」 「二人とも、不謹慎ですわ・・・」 二人のやり取りを対面から見ていた三人が、思い思いに感想を述べた。 思わず噴き出した美緒と醇子はアワアワとして周囲を和ませてくれる。 そんな空気の中、壕の扉が叩かれた。 何だろうと思い、扉についている窓を開ける。 そこにいたのは、この基地の兵士だった。 「すまない。ここにウィッチがいると聞いたのだが・・・」 「そうですけど、なにか?」 「ああ、結界を張れるウィッチの待機人員が少なくてね。何とか手伝ってもらえないかと・・・」 「それだけ、ですか?」 「・・・実は呪歌使いも欲しい。近隣の住民が避難してきてね。落ち着けるためにいてほしいんだ。 この基地の呪歌使いは一人しかいなくて、頼めるかい?」 937 :影響を受ける人:2014/04/06(日) 22 42 23 思わぬお願いに、皆顔を見合わせる。 出来れば手伝いたい。しかし・・・ 「無理にとは言わない。正直言えば、自分は来てほしくない。」 「え・・・?」 「年ゆかない子を、戦場になるかもしれない場所に連れ出そうとしているんだ。 本当なら、大人である自分達がどうにかしなければならないのに・・・ 基地司令も、無理強いはしていない。」 「いくz「行きまわすわ。」おい、俺を遮るな!!」 勢いよく返事をしようとした徹子を邪魔するように凛が前に出た。 そして振り返る。 「別に戦闘に出るわけではありませんわ。この中に防御が得な子と、呪歌が得意な子はおりますの?」 「私、シールドが張れるし。いくらか結界もわかるよ。」 「呪歌は中の下だけど・・・出来る。」 「私は結界かな。」 人数を確認してみると呪歌使い見習いが一人、結界要員が五人いた。それを伝えると兵士はもう一度意思確認をしてから開けてもらう。 六人だけでは不安と思い、徹子は彼女等と仲の良かった三名もつけて送り出す。 兵士は残った生徒達に「必ず返す」と約束して出て行った。 「貴方にしては、考えましたわね。」 「おう!・・・って、“貴方には”は余計だ!!」 そう言って怒鳴る様子に、残ったメンバーは少しだけ笑った。 笑いが収まり一息ついた時、衝撃が壕を襲った。 以上です。 いやっふぅ! 何とか書き上げたぜ!そして今回も憂鬱成分が無いぜ!! 次回が終わったら、丸々憂鬱成分入れるんだぁ・・・ ちょっとした解説 鮫島トミ 北郷隊の弾薬補給係。銃撃は下手で、近接戦闘もダメダメな子だが、シールドが凄まじく硬く展開できる。それを生かして弾薬運搬係をしていた。 時には壁役として前線に出て、皆を守る事もある。 あだ名の【装甲車】は勢い余ってネウロイを正面からシールドで跳ね飛ばして、無傷だったことから由来している。 現在は別の隊にいる。 “クマバチ” 旧小型ネウロイのネーム。小型種は主に虫系の名前が付く。 “スズメバチ” 新小型ネウロイのネーム。速力上昇と攻撃力強化したタイプ。
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/4722.html
398: 陣龍 :2017/08/02(水) 23 30 41 『艦隊これくしょん 期間限定イベント ~アメリカサーバー~』 【Operation Iceberg】 Operation Icebergとは、ブラウザゲーム「艦隊これくしょん~艦これ~」のアメリカサーバーに置いて、20○○年4月〇日から5月○○日まで行われていたイベントである。 『概要』 日本にて大好評を博し、それがまさかのアメリカ進出と言うミラクルが発生してから第〇回目のイベントであるアメリカサーバーでのイベントだが、表題通りに史実に置いては日本海軍最後の伝説、そしてアメリカ海軍最後のトラウマとなったアイスバーグ作戦とそれに関連した戦闘が元ネタとなる。 本イベントは最近は恒例となった札システムが全海域を通して存在していない事が事前に運営から予告され、固定報酬艦や装備が日本艦娘と日本機に統一されている等、今までになかった異例の対応が成されている事も特徴的であった。提督レベルによって敵艦の強さが変化する事や、高位の提督レベルであるとレア艦娘がドロップしやすくなるなどは今まで通りであったが。 史実に置いては戦争の早期終結と戦後のアメリカ海軍の発言力の低迷に焦ったキング提督によって沖縄に侵攻させられたアメリカ海軍の主力部隊が、『カミカゼ』と今でも呼ばれる季節外れの爆弾低気圧、そして大和や陸奥、瑞鶴ら歴戦の日本艦隊によりミズーリ以外のアイオワ級が沈められるなどの甚大な損害をアメリカ海軍が被った作戦で有った事から容易く想像出来る通り、生半可な戦力では門前払いされる高難易度の作戦であった。 第一海域『バシー島沖通商破壊作戦』 ―提督、海軍総司令部より、同盟国領土救援の為の前段階として、深海棲艦の通商防護を破壊する命令が下りました。直ちに戦力を編成し、敵輸送艦隊の撃滅に向かいましょう。また、基地航空隊との共同作戦が可能です。 最初のステージ。通商破壊と言う事で潜水艦編成で出撃した提督も多く見られたが、実は別に潜水艦限定でも無く空母主軸での編成でも攻略可能である。ただ空母機動部隊編成では潜水艦以外の低速水上艦が編成内に居るとボスまで辿り着けない事、道中では基地航空隊が二度襲来してくる事、ボスマス直前で港湾棲姫と交戦する事から、余程錬度に自信が有るか何かしらの思い入れがなければ、一般的には潜水艦隊編成で出撃する方が良いだろう。勿論潜水艦隊では決定力不足成り得ることも有る為に、それぞれ一長一短な部分も有る。 ボスは水上棲鬼。日本側の艦これで先行登場した水上棲姫は瑞穂モチーフだが、此方は秋津洲(かもかも)を思わせる容姿である。水上棲姫よりは未だ心持ち優しいHPや砲撃力だが、代わりに悪落ち大艇ちゃんが真面目に鬼でありつり合いは取れている。空母部隊での戦闘だと、艦娘側がしっかりと制空権確保していても乱数次第でキッチリ空母や戦艦を二、三隻を中大破に追い込むわ、潜水艦隊編成で挑むと航空戦で一、二隻中破に持ち込まれるケースがあるわと、緒戦から歯ごたえのある強敵である。 海域突破報酬として、艦娘からは水上飛行艇母艦の秋津洲と二式大艇、アイスクリーム・バージが三つ入手出来る。 わるかもちゃんとは違って艦娘の秋津洲の能力は運を除いて余り高くは無いが、装備として持参する二式大艇の高性能さと、何よりその健気さと愛らしさが何気にアメリカ人の心を撃ち抜いたらしく、結構人気だそうな。 399: 陣龍 :2017/08/02(水) 23 32 29 第二海域『バシー島航空要塞制圧戦』 ―先の作戦により、バシー島に突如侵攻した深海棲艦の戦力は漸減された事が確認されました。我が艦隊はこの機を逃さずに、バシー島に展開する敵基地航空隊の撃滅を敢行しましょう。此処を落せば、我々はあの海に行く事が許されるのです! 第二ステージは連合艦隊マップ。提督と艦娘は12隻の大戦力を用いて各所に配置されている魚雷艇群(PT小鬼群)や沿岸砲台、数回襲い掛かる基地航空隊を正面突破して航空棲姫を叩き潰すと言う何ともアメリカンらしい力押しの戦闘で有る。(別名:ダイナミックエントリー)。空母機動部隊、水上打撃部隊双方の編成で出撃可能であるが、航空棲姫は地上標的であるのでどちらかと言えば水上打撃部隊編成の方がボス撃破確率は高い様に思えるが、実際には好みの範疇であろう。このステージはある程度対空・航空機装備と艦娘の錬度が揃っていれば余り手間取る事無く突破は可能だが、油断は禁物である。舐めプしてこのステージだけで資源を20万近く吹き飛ばした提督の存在が報告されているのだから。 ボスは前述した様に航空棲姫。取り巻きは兎も角航空棲姫自身に砲撃、雷撃能力は無い物の、代わりに大量の航空戦力を用いて先制爆撃や昼夜問わずに航空戦を展開する、次の作戦に備えて資源の消耗を抑えたい提督にとっては艦娘に万遍無く打撃を与えてくる航空棲姫は、提督の毛根とバケツと資源に直接爆撃を噛ましてくる様な極めて厄介な相手である。また地上目標属性であるが故に意外としぶとく生き残る場合も有る為、精神衛生上宜しくなかったとしても決して叫んだりしない様にしよう。 海域突破報酬は隼Ⅲ型改(飛行第13戦隊)、応急修理女神、勲章×3。隼Ⅲ型改(飛行第13戦隊)の表紙絵には尾翼が赤で塗装された隼が見え、装備解説でも『海軍で最も隼を上手く飛ばせたエース』の文言が入っている為、連合軍パイロットに『エースキラー』と恐れられた坂井三郎が搭乗していた時期の部隊だと断定出来る。その為通常の部隊とは違う何かしらの特殊な能力が備わっている可能性が実しやかにささやかれており、現在検証班が確認作業を急いでいたりする。 第三海域『バシー海峡航空戦』 ―バシー島を侵略した深海棲艦の撃破には成功しましたが、今度はフォルモサ島に出現し、深海棲艦の航空基地の設営を許してしまったとの事です。後顧の憂いを立つ為にも、フォルモサ島の敵基地を完全に破壊してしまいましょう! 第三ステージは、前ステージと同じく対地上目標マップではあるが、最大6隻の通常艦隊での攻略となる。前回の砲台や基地航空隊の群れが各マスに点在していたのとは違い、今海域では通常の水上艦艇と共に潜水艦が多数お出迎えしてくる。特に潜水艦は史実日本帝国海軍の波号潜水艦モチーフと思われるナ級が多く確認されており、先制爆雷が可能な艦娘をケチると事故る可能性も大きい。だからと言って先制爆雷可能装備の艦娘を増やし過ぎると今度はボスマスでの取り巻きやボスである不沈航姫への攻撃力が不足すると言う二律背反する悩ましいマップである。どの艦をどれだけ投入するか…その提督の判断が、このステージを突破出来るか否かの大きな分岐点となるだろう。 ボスは多数の戦闘機、爆撃機に加えて要塞砲も装備している不沈航姫。陸上型の深海棲艦としてはオーソドックスな装備構成であるが、最大の特徴はギミック未破壊時の圧倒的な防御力である。決戦支援やモンタナ級の連撃やカットイン砲撃でも中々有効打を与えられないその強固さに一時は突破不可能と言う言葉が囁かれたが、空母主軸編成にてボスマスで不沈航姫を相手に制空権確保を5回獲るか、不沈航姫の航空機を全滅させるとギミックが解除される。 そしてギミック解除後の、不敵な笑みを浮かべて挑発していた不沈航姫が一転悔し涙と共に、ボロボロの衣類を纏いながらの『マダヨ……ワタシハ、ゼッタイニ沈ミハシナイ!』との悲壮な言葉に対して、色々な意味で興奮した提督も多い事だろう。 憲兵さんこっちです。 海域突破報酬は紫電改(202空)、雷電、勲章×3。雷電は基地航空隊用の装備では有るが、それなりに長い航続距離がある為にB-24、B-25の護衛機として十分に役立つだろう。紫電改(202空)に関しても、太平洋戦争を生き抜いた台南空のエースが複数所属していた部隊である事も有ってとても高い性能を誇る。米軍正規空母に乗り込む日本熟練レシプロ 戦闘機隊と言う、史実では絶対に有り得なかったこの組み合わせを、しっかりと堪能しよう。 400: 陣龍 :2017/08/02(水) 23 37 43 第四海域『海上敵機動部隊捜索任務』 ―フォルモサ島より深海棲艦の排除に成功し、同盟国領土の島へと入港出来ましたが、我が同盟国の偵察機が深海棲艦の存在を発見しました。現在は行方不明となっていますが、これを逃す意味は有りません。正規空母を複数擁する艦隊を編成し、直ちに出撃。敵艦隊を排除しましょう。 第四ステージは連合艦隊編成による、敵機動部隊の撃破任務である。作戦説明では行方不明となっているが、空母機動部隊編成での正規空母4隻と戦艦3隻編成だと最短距離でボスマスへと到達可能である。ただこのルートでは全ルート内でも最大火力を発揮可能では有るが、このステージで初登場する深海棲艦の新型重爆の強力な爆撃(エフェクト的に桜花モチーフのミサイル)を唯一受けるルートでも有り、多数の艦戦か対空カットイン艦、又はリアルラックによる突破に成功しない限りは高確率で爆撃が命中し、自艦隊の艦娘が複数中大破してしまう。最大火力を発揮する代償に新型重爆の爆撃を甘んじて受け流すか、それとも攻撃力減少と遠回りのルートとなる事を甘受し編成を変えて別方向から攻略するか。提督の決断が迫られる。 ボスマスは戦艦棲姫二隻、空母ヲ級elite二隻、軽巡棲鬼を随伴艦とした旗艦の防空棲姫の6隻。空母4隻、戦艦3隻編成の最大火力編成でも防空棲姫の昼夜を問わない高火力に耐久力、いぶし銀の攻防走を持つ軽巡棲鬼、毎度恒例となったダイソンコンビと言う相当強力な敵艦編成であり、どの難易度でも決戦支援は基本欠かす事は出来ないだろう。因みに余談では有るが、ステージの海域を見ると敵深海棲艦の重爆は鹿児島方面から出て来ている様に見える為に、深海棲艦火山誕生説が局所的に流行ったりもしていた。 報酬艦は金剛型高速戦艦一番艦である金剛、四式重爆撃機(野中中隊)、新型艦載機設計図、勲章×5。真珠湾攻撃から 沖縄沖海戦までずっと戦い抜いた歴戦の武勲艦『金剛』は、初期段階から幸運も比較的高い上に基礎ステータスも高めで、改造すると持ってくる二式徹甲弾も、アメリカではモンタナ級専用状態である徹甲弾のSSHSとは違ってややスペックは落ちるがコロラド級やアイオワ級にも搭載可能な高性能弾で有る為十分一線を張れるだろう。勿論金剛自身も快活で 親しみやすい性格で有る為に、今海域をクリアしたゲーム内での提督は金剛を歓迎する為に、須らくお手製のウナギゼリーを食べさせようとして張り倒されている。当然の報いである。 401: 陣龍 :2017/08/02(水) 23 38 44 Last Stage『Break The History』 ―緊急事態です!現在この宜野湾に駐留する、同盟国への我が軍の増援部隊に対して深海棲艦が進撃を開始したとの一報が入ってきました!加えて気象班からの報告によれば、今海域の天候が悪化し始めており、大規模な空母部隊の投入は不可能です!直ちに戦艦主軸の打撃艦隊を編成、敵戦艦部隊を撃沈しましょう!! 最終ステージは打撃艦隊編成による敵戦艦との殴り合いである。作戦説明文にある通り、空母機動部隊編成では出撃しても渦潮マスを二度通過して外れマスに行き付くだけなので、打撃艦隊編成での出撃を余儀なくされる。それでいて道中では基地航空隊による艦隊に対する襲撃とチ級やリ級改flagshipら強力な水上艦による強襲、そしてボスマスでは空母棲姫がキッチリ随伴艦として登場すると言う何とも最終ステージらしい豪勢な敵艦編成である。此方もモンタナ級や改二となったアイオワ級等の強力な戦艦を総動員して、一切の慢心無しで全力で挑みかかろう。そうしなければ敵ボスに挑む権利すら与えられる事は無い。 ボスは深海龍王。航空兵装は観測機しか無い46cm3連装砲装備のオーソドックスな戦艦型であるが、代わりに耐久力と命中精度が極めて高い強敵である。随伴艦に戦艦棲姫も一隻存在する為、かなりの頻度で砲撃が吸い込まれて深海龍王が中破未満のまま夜戦突入、大破止まりにて戦闘終了するパターンが続発している。『私ノ前ニ立チ塞ガルノナラ……全力デ押シ通リマス』との戦闘前voiceでの宣言通りの戦闘力を誇る難敵である為、出し惜しみ無しの全ての戦力を動員し、深海龍王を鎮めよう。 報酬艦は翔鶴型航空母艦二番艦の瑞鶴。零戦21型(付岩本小隊)、勲章×5、アイスクリーム・バージ×4。『アメリカ海軍が最も恐れた空母』の通り名に違う事のない高度に纏まった性能に加えてドダントツの運の高さが特徴である瑞鶴。そして彼女と共に太平洋を戦った日本海軍航空隊のトップエースである零戦虎徹こと岩本哲三所属の戦闘機隊。ミッドウェイの一戦に瑞鶴が参戦して居なかった事を考えると、彼女と交戦する度に大損害を受け、敗北を続けたアメリカ海軍にとって大和型戦艦に比肩すると言っても過言でない強大かつ偉大なる空母。そんな彼女がアメリカ海軍の艦隊に着任して緊張しているからと言って、歓迎会で七面鳥の丸焼きを作って自国のマリアナ戦参加メンバーにノーザンライト・スープレックスでぶん投げられるゲーム内提督は途轍もない大物である。お陰で瑞鶴も米国艦娘と打ち解けられた様子なので万々歳ではあるが。 そして此処まで来てお気づきの諸兄も居ると思われるが、今までの全海域は太平洋戦争における最後の決戦にまで辿り 着けていない。事実、イベント中でも幾多の提督がこの海域まで突破に成功した後、運営に柔らかく言えば疑問悪く言えば抗議仕出かした者が居た程だった。そしてその答えは、原因不明の現象の対処に手間取っていたと発表された4月14日の運営からの通達にて解消される事となった。 ――――――提督の皆様方、大変長らくお待たせしました。オンメンテが終了し、Extra Stage『奇跡と伝説の海を越え』の実装が完了しました! ――――――――――――あの程度で終わると思っていたのか?ここからが本当の地獄だ……! 402: 陣龍 :2017/08/02(水) 23 42 01 Extra Stage『奇跡と伝説の海を越え』 ―提督、大変です!先ほどの海戦で撃沈出来た筈の深海龍王が、大破状態でなおも再度進撃を開始!宜野湾には今なお 多数の友軍部隊が存在する上に、島では同盟国陸軍と共同による深海棲艦の排除作戦が展開されています!彼らを守る為にも、決して退く事は出来ません。直ちに戦える艦艇は全て抜錨、深海龍王……いえ、戦艦神姫を、宜野湾到達前に撃沈して下さい!! 待たせたな(待ってない)。……と言う訳で、本当の最終ステージである今海域では、艦これ史上最強筆頭格との呼び声が高い元深海龍王が、その本当の姿である戦艦神姫となってラスボスとして控えており、提督は通常艦隊編成でこの強敵に挑戦する事になる。そして作戦文には大破状態と明記されているのに当の戦艦神姫は一切のHP減少も無く元気満々シンカイウーマンってな状態である。仕事しろ海軍本部(→本部の罠)。そして今海域においては、この戦艦神姫に打ち勝てる状態で辿り着く為には事実上全てを米軍艦艇で統一しなければならないと言う今までにない艦艇制限が存在するステージであった。日本艦艇が一隻でも編入されていた場合は渦潮→敵高速潜水艦隊ナ級6隻相手に夜戦→渦潮→リ級flagship旗艦の水雷戦隊と夜戦→渦潮→ボスマスと言う果てしない遠回りと戦力浪費を余儀なくされ、英独仏の何れかの艦娘が編入されていると、ル級改flagship二隻主軸の打撃艦隊→新型重爆装備の敵基地航空隊の襲撃→ナ級潜水艦隊の夜襲→渦潮→ボスマスとこれまた酷いルート構成である。余程の変態でない限りは米軍艦統一での中央突破ルートしか選択肢はない。ハ級後期型eliteや軽巡棲姫、駆逐水鬼等軽んじられない難敵が控えている事は確かだが、他ルートよりははるかにマシだ。 ボスは戦艦神姫。一応大破している名目上なのか、衣服が破れているのは兎も角として、背負った46cm3連装砲や灰色の意匠が施された傘、そして非理法権天の文字と思しき漢字が刻まれた旗と容姿が太平洋の破壊神を思わせる姿である事から、一目見てアメリカの攻略サイトでは『巨竜再臨』『史実再現』『ヤマトの胸パット引っこ抜くぞオラァァン!』等の悲嘆と歓喜の絶叫が響き渡ったと言う。 【最後の奴は工廠裏に来い(白文字表記)】 戦艦神姫の随伴艦はリ級flagship、軽巡棲姫、ハ級後期型elite×3と言う構成。米軍艦で統一すれば空母主軸でも問題無いのだが、戦艦神姫もだが随伴艦も航空攻撃での撃沈には少々力不足な部分がある為、此処は史実に則り戦艦主体の重量級艦隊で戦うのが上策だろう。そして今までに集まった情報によれば、アイオワとニュージャージーには推定1,5倍、ミズーリは2倍、コロラドに至っては3倍と言う戦艦神姫に対する特攻効果が存在している事が、完全に確定はしていないがほぼ間違いないと考察されている。だが一切の特攻効果の無いモンタナ級でもその攻防性能がとても高い事は疑いようがなく、改二へと改造可能なアイオワとニュージャージーは兎も角ミズーリは改までしか無い為防御面で少々不安な部分も有り、コロラドに至っては低速で回避力もそこまで高く無い為に、乱数の引き具合では何もできないまま戦艦神姫の砲撃で一撃大破しマトモに戦えなくなる可能性も十分に有る。基礎スペックを信じ、史実では有り得なかった東西46cm砲戦艦同士の異母姉妹対決か、史実をなぞりアイオワ達の過去の無念を晴らすのか、それとも『死に場所すら与えられなかった過去の戦艦』とすら揶揄されたコロラドで過去の歴史全てに反逆するか。賽は提督の手の中にある。 403: 陣龍 :2017/08/02(水) 23 42 59 海域突破報酬は、今イベント最大の目玉足る『巨龍』こと大和型戦艦の一番艦たる大和。そして試製51cm連装砲、53cm艦首(酸素)魚雷、Diamond Star(日本サーバーにおける甲勲章相当)、勲章×5、アイスクリーム・バージ×3が入手出来る。『太平洋最大の厄災』『屈する事無き最強の巨竜』『一隻でアメリカ海軍と刺し違えたモンスター』等、最早信仰レベルと言っても過言ではない程にアメリカ海軍に消える事無き心の古傷を抉り付けた大和であったが、そんな彼女もアメリカ海軍の強大さを身に染みていた上にお菓子作りが上手であった事も幸いしてアメリカ艦娘とも特にトラブルなく溶け込む事が出来ている様だ。過去は過去と割り切ったアメリカ艦娘の大人さもさることながら、アメリカサーバー内の提督が人肌脱ぎ捨てた(そして米艦娘に怒られる)事も大きな要因だったようだ。詳細は各自voiceを確認する様に。 余談 戦艦神姫のイラストだが、作戦文面で大破と言っていた為なのかは分からないが、作戦開始時と削り段階では服の端が燃え、砲塔の一部が破損し右手で腹を守りながらやや腰を曲げている姿であり、戦闘開始時には『私ハ、戦艦神姫。ドレ程傷付ケラレテモ、誓約ヲ果タス邪魔ハサセナイ……!』と言い、ゲージ破壊段階になると『私ハ……戦艦。戦艦……助ケヲ求メル人達ヲ、必ズ守ル。其処ヲ退ケ!我ガ誓イヲ邪魔スルノナラバ、全部、全部、全部……沈メテヤル……!』と言うセリフと共に、砲塔等の艤装がものの見事に拉げ、非理法権天旗の一部が燃えて焦げ、苦悶の表情を浮かべながらも右手を伸ばしているイラストへと変わっている。その姿を『死に勝る苦痛を受けても尚戦おうとするウォーモンガー』か『無意識化にて過去からの解放を望むだけのか弱い少女』と取るかは、提督それぞれである。 404: 陣龍 :2017/08/02(水) 23 48 05 以上完了。仮にアメリカでも艦これが流行ってイベントが発生したらどうなるんじゃろかという疑問を 切欠にガシガシ何でか出来て来ました。理由は良く分からない。ホントに何でか分からん 尚サイトの文調的な奴はニコ〇コ大百科を一部参照しています。長文失礼致しました。 報酬のあり得なさ?ネーミングセンスの適当さ?モチーフ戦闘からの一部改変?気にするな!(迫真&震え声) 413: 陣龍 :2017/08/03(木) 21 37 20 因みにそれぞれの元ネタ 第一海域『バシー島沖通商破壊作戦』 中身嶋田(神崎)の阿部中将が指揮を執ってからの、戦争後半における日本輸送部隊とアメリカ潜水艦隊との戦闘がモチーフ。 報酬艦にかもかもこと秋津洲を配置したのは、戦後まで生き残っていた(記憶)水上機母艦と言うか飛行艇母艦だったから。 今となっては普通に瑞穂辺りにしとけばよかった気もするけどコレはコレで良かった気がする。 飛行艇母艦が通商護衛に有効だったとか言う事例は皆無だったと思うがこれゲーム世界だし(震え声 第二海域『バシー島航空要塞制圧戦』 フィリピンに配備されていた日本陸海軍航空隊と米軍機動部隊との戦闘がモチーフ。レイテ沖海戦後でも確か数か月と経たずに襲来していた(ハズ)。PT小鬼群や沿岸砲台主体で水上艦艇が皆無なのも、レイテ沖戦後で殆どの日本艦艇が本土やシンガポールに撤退していた事より。ちょっと時期的にずれと言うか怪しい部分有るけどまあ気にするな(震え声) 第三海域『バシー海峡航空戦』 『フォルモサ』の地名で分かった人がいるかも知れないけど、台湾沖航空戦が元ネタ。多数の航空機を配備していた航空要塞である為に、絶対誰かが『不沈空母』とか言う沈没フラグぶっ立ててくれている事を信じてボス名を『不沈航姫』としました。 制空権確保5回or航空機全滅でギミック解除も台湾沖航空戦で日本側が大損害を受けて沈黙してしまった事から 第四海域『海上敵機動部隊捜索任務』 沖縄沖海戦の前哨戦であるイギリス艦隊の大惨敗が元ネタ。正規空母4隻と戦艦3隻はこの時のイギリス艦隊の主力艦数でした。 奇襲喰らって壊滅した事は新型重爆の襲撃である程度再現。元ネタだと雲龍・天城二隻の航空攻撃だけでミッドウェイ状態だったけど上手く表現しようとした結果こうなった。御免なさい Last Stage『Break The History』 一応沖縄沖海戦の第一幕が元ネタ。ボスの深海龍王に随伴する戦艦棲姫は陸奥が、空母棲姫は瑞鶴モチーフ。道中の部隊編成でも日本海軍の沖縄沖海戦参戦艦をそれぞれモチーフにしてました。雷巡チ級は北上、リ級改flagshipは三隈とか、そんな感じ Extra Stage『奇跡と伝説の海を越え』 大和や陸奥の死力を尽くした奮戦でアメリカの主力艦隊が壊滅した後、悲壮極まりない覚悟で宜野湾から出撃した雑多な米軍艦艇がアメリカ艦これ提督の艦隊の立ち位置。アイオワやミズーリの特攻倍率は兎も角、コロラド限定で3倍になっているのはそう言う意味でも有る。 仮に宜野湾ににコロラドが居たら、歴史が変わっていた可能性が高く有ったのだから。
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/4716.html
412: 第三帝国 :2017/07/30(日) 08 42 25 銀河連合日本×神崎島ネタSS――——「記録の断片Ⅲ」 「航空母艦「サラトガ」の一般公開についてのご案内」 ――――――防衛省ホームページにて。 「神崎島に来訪する理由として、 ヤルバーンは神崎島が潜在的に日本国の主権が及ぶ地域である事を強調」 ――――――N〇Kのニュース速報。 「合衆国はカンザキ・アイランドとの間に正式に国交を結ぶ事を決定。 またその際アドミラル・カンザキはパール・ハーバに訪問しアリゾナ記念館で慰霊を行う予定」 ――――――アメリカと神崎島との間に国交樹立を伝えるC〇N。 【××月作戦】による各サーバ群トップランカー提督を、 本日夜以降発表致します。 また、該当提督へお贈りする武勲褒賞「ささやかなプレゼント」も、 同発表以降に順次配信開始してまいります。 内容詳細は下記の通りです。 【××月作戦】 聯合艦隊基幹艦隊(1~5位) ●[サラトガ戦闘機隊] XF5U(熟練) new! ●[神崎島島航空隊] 天燕 new! ●[対空兵装] 五式四十粍高射機関砲 new! ●[新型機関] 神崎島式缶(艦本式ロ号缶改六)new! ―――――「艦隊こ〇くしょん」の「運営鎮守府からのお知らせ」にて。 413: 第三帝国 :2017/07/30(日) 08 43 19 名前: 名無しさん@T督たちの憂鬱 投稿日:~ で、ヤルバーンだけでなく艦娘を神の使徒と崇め初めているって、マジ? 名前: 名無しさん@T督たちの憂鬱 投稿日:~ 大マジらしい。 何でもジブリールの化身だとか。 名前: 名無しさん@T督たちの憂鬱 投稿日:~ つまりこうか。 (某エロゲに出た白スク風のコスチュームをした古鷹の絵) 名前: 名無しさん@T督たちの憂鬱 投稿日:~ エロゲの方じゃねーよ! で、ぶっかけ画像はまだかね? ―――――某掲示板の艦〇れスレでのやり取り。 「みんなとっても頑張ったのは清霜、覚えているよ!」 ―――――戦友会「駆逐艦清霜会」に参加した清霜の発言。 「なんて言いますか・・・自分の名前が刻まれたお墓を見ている気分で複雑です」 ―――――呉の大和ミュージアムに展示してある自らの主砲を見た青葉の感想。 「今まで生きていてくれて――――――ありがとうございます」 ――――――間宮とその唯一の生存者との会談にて。 「サターンロケットの現代改修版はまだわかる。 しかし、ソ連のスペースシャトルことブランなんてまたマニアックな・・・」 ―――――神崎島に存在する宇宙ロケットを確認して呆れる神崎提督。 「神崎提督なる独裁者は女性に対する深刻な人権蹂躙を行なっている疑惑がある」 ―――――日本弁護士連合会の総会にて。 「日本死ね」 「戦犯遺物はいらない」 ―――――三笠公園の戦艦「三笠」に書かれた落書き。 「人権や法律という概念は人間にのみ適用される概念である。 よって「妖精」や「艦娘」なる人種に適用するに不適切であるのがこの世の摂理。 ましてや軍国主義の亡霊である以上、即座に国際法廷で正義の裁きを下す必要があると考える」 ―――――某大陸外交部の公式声明より。 おわり
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/3103.html
898 :影響を受ける人:2014/08/24(日) 22 15 08 この作品にはTS要素が含まれています。 オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。 最低系である最強要素があります。 それでも良い、という方のお読みください。 提督憂鬱×ストパン+零 第二十五話 ―乙女の休日Ⅷ― 一晩明け、北郷隊一同は旅館前の門にいた。 軽いジョギングで汗を流して温泉に入り、少し遅めの朝食を食べ終えている。 そして今から自由行動だ。 「諸君らはまだ学生と言う年齢であるが、軍に志願している以上軍属でもある。」 「「「「「「はいっ!」」」」」」 「軍人の名に恥じぬように行動する事。」 「「「「「「はいっ!」」」」」」 真面目な顔で訓示をする章香に、元気よく、規律よく答える学兵達。 しかし、真面目な顔もここまでだ。 表情を緩めてほほ笑む。 「今日まで皆よく頑張ったな。私は隊長として嬉しいよ。 さて、夕方までは自由行動だ。皆、英気を養ってくれ!」 「「「「「「は~い」」」」」」 昨夜、気が滅入る様な話した。 だが目の前の子達はそんな事も忘れたかのように、どこへ行こうか話し合っている。 いや、忘れてはいないだろう。 むしろ心配させないように、振舞っている可能性もある。 取りあえず楽しそうな様子に安心していると、サエが前に出た。 「・・・その前に確認だ。」 「え、なんのですか?」 醇子と話していた美緒がキョトンとしてサエを見る。 「・・・使用金額はいくらだ?」 「4円(現在価格12,000円)ですわ。」 素直に答えたのを見て全員に財布を出す様に言う。 無論、素直に従う四人・・・四人? 皆の視線が徹子と里子に向いた。 「えっと、ハィ・・・」 皆の視線に押されて里子は渋々財布を出す。 どう見ても指定金額以上入っている。 それを見た徹子も諦めて、里子と同じような財布を出した。 「・・・なぜ多い。」 「パアッと使いたいから・・・じゃダメッスか?」 「存分に遊びにたい!」 問うと、二人らしい回答に苦笑する章香だが、サエは無言で拳骨を落とす。 鈍く響いた音に皆ビビり、落とされた二人は頭を抱えてうずくまった。 しかしサエは財布の没収だけはせずに後ろに下がる。 どうやら拳骨だけで大目に見てくれるらしい。 「・・・その金はお前たちが稼いだ金だ。 ・・・如何こうは言わん。」 「は、ははは・・・」 軽く溜息を吐いて言うが、皆ビビって渇いた笑いしかできない。 そんな微妙な雰囲気を払拭するべく、章香は手を大きく叩いた。 「さぁ! たっぷり遊んできてくれ!」 899 :影響を受ける人:2014/08/24(日) 22 15 40 ――――― 学兵達は二つのグループに分かれて行動する事になった。 美緒・醇子・徹子 の導術士学校組と、 凛・里子・小毬 の法術士学校組とだ。 無難で、問題なさそうな組み合わせ方である。 隊長と副隊長は、午前中と昼食は一緒だが午後は別れて行動するらしい。 視点は法術士学校組を映す。 ――――― 凛を先頭に進む一行は有る場所に向かっていた。 彼女たっての希望で、ウラジオにある白尾神社にお参りに行くのだ。 昔災害にあったという彼女の祖先は、白い九尾に命を救われてからと言うモノ、ずっと信仰の対象として白天九尾を祀っている。 実家の庭に専用の神社があるという徹底ぶり。 初めて招待された里子もびっくりの信仰だった。 一応基地にも、神棚の横に九尾の神棚を設置してある。 しかし・・・やはり凛としては、ちゃんとした場所にお祈りしたかった。 ちなみに白い九尾を祭る神社は多い。 そしてその土地にはそれぞれ逸話が残っているのだが、大抵は災害に会って救いに来たのが中心だ。 事前に警告もする事もあったらしい。 そんな関係で、白い九尾の神社は無事故・無災害が主なご利益があると言われている。 鳥居をくぐると、狛犬ではなく八尾狐が迎えるのも特徴の一つだろう。 「申し訳ありませんわね。」 「いえ、私もお祈りしたかったですし。」 凛があまり関係のない小毬に謝っている横で、里子はさっさと手を洗う。 「それにしても・・・同じ学校なのに、よく顔をあわせなかったッスよね~」 「そう言えばそうですわね。クラスはどちらに?」 「“と組”です。凛さんと里子さんは一緒ですよね?」 「そうッスね。寮も一緒ッス。」 「ワタクシ達は“い組”ですから・・・合わないのも無理ないですわね。」 苦笑しつつ凛と小毬も洗い終えて、本殿に歩いていく。 戦時中という事だからなのか、少し人が多く感じられる。 石畳を踏みしめながら話を再開した。 「寮は“犬の三番館”でしたけど・・・」 「うわぁ・・・アタイ等は“猫の一番館”・・・・・・」 「寮まで反対とは・・・奇妙な運ですわね?」 「そうですね。」 小毬はクスリと笑い、「でも。」と続けた。 「こうして皆さんに出会えましたから♪」 キョトンとして小毬の言った事が解らなかった二人だが、理解すると二人とも笑い始めた。 「そうですわね。こうして志願しなければ会えませんでしたわ。」 「アタイの場合、お嬢といないと学校にもいられなかったかもしれないッスからね!」 里子は、元々ウィッチの証明となる使い魔を保持していなかった。 それどころか魔力がなかった。 しかし高魔力保持者と暮らすことで、確率は低いが魔力を得る事が出来るという説があった。 一緒に住む候補として選ばれたのが飯島凛だ。 そして里子の賭けは成功する。 「“空が飛びたいから”と言ってやってきたのに、間違えて法術士学校に入学してしまったッス。」 「ワタクシも、最初は導術士学校入学を希望していましたわ。」 900 :影響を受ける人:2014/08/24(日) 22 16 27 二人で苦笑しつつ歩いていると、賽銭箱の前に到着した。 それぞれお金を取り出すが、里子はだいぶ多い。 「今までの感謝の気持ちを込めるッス!」 力強くも、ちょっと未練がありそうな視線を向けたままお賽銭を投入する。 まず、最初に二回鈴を鳴らす。 次に二回叩いて、二回お辞儀。 また一回叩いて一回お辞儀をして、鈴を一回鳴らす。 これが関東に伝わる白尾神社の、参拝の仕方だ。 それぞれお祈りを済ませると、もう一度手を洗って神社を後にした。 つぎにお店を回ってみる。 いくのは・・・置物屋。 これは小毬のお願いだった。 彼女の家は軍人の家系であるが、それほど地位があるわけではない。 しかし海軍である父は、必ずお土産を買ってきてくれた。 中でも多いのは縁起物の狐。 なんでも、渡航技術の術を教えたのが九尾の狐らしい。 扶桑で作られた船舶にはどこかしらに、九尾の狐を紋章とした印が入っているという。 そんなわけなので、今度は自分が家に送りたいと思っているらしいのだ。 神社近くのお店に入ってみると、さすがに関連するものが数多く並べられていた。 「うわぁ・・・さすがにこれは・・・」 「たくさんありますわね。あ、これ箸置きですわ。」 「いいんッスかね? それ・・・」 ちょっと罰当たりに見えるお土産に、冷や汗を垂らす二人を尻目に小毬は品物を吟味する。 どうせならば、アッと言うモノを送りたい。 時折驚かせてくる父親を見返したと思っているのだ。 そうして吟味しつつも会話を楽しむ。 買い物は女の子にとって、一つの遊びともいえる。 最終的に小毬は、手招き九尾と言う御着物を買って送る事とした。 そのチョイスに微妙な感じになってしまう。 まぁ、本人が嬉しそうだから良しとする。 さて・・・そろそろ昼食だ。 「里子さん、頼みましたわよ。」 「任せて欲しいッス! あの宿の食事よりかは落ちるでしょうけど・・・」 「あははははは・・・・・・」 以上です。 オリキャラなのに焦点が合っていなかった三人を中心に書いてみました。 後、この世界独自の文化(?)も紹介してみましたが、如何でしょうか? こっちの日常編を書き終わったら、基地の日常編を書こう。
https://w.atwiki.jp/imaska/pages/343.html
■シチリア沖海戦(続・天海提督の決断)背景 侵攻戦力 損害 戦闘経過 エピソード 参考文献 ■シチリア沖海戦(続・天海提督の決断) 背景 1943年10月下旬のギリシア沖海戦に於いて第2機動艦隊所属空母2隻が大破し後方へ修理のために撤退したため、帝國海軍地中海方面艦隊はシチリア侵攻を大幅に繰り下げざるを得なくなる。 しかし、12月に新鋭艦隊の増派を受けた地中海方面艦隊は1944年1月9日、シチリア島攻略作戦を発動。同13日、第1機動艦隊、第4水雷艦隊、第9支援艦隊はシチリア沖に突入した。 侵攻戦力 +日本軍 第1機動艦隊(艦隊旗艦戦艦『播磨』 艦隊司令星井美希中将) 空母4(正規空母『瑞鶴』『翔鶴』『飛龍』『蒼龍』) 戦艦4(戦艦『播磨』『越後』『大和』『武蔵』) 巡洋艦4(重巡『十勝』『石狩』『双海』『天海』) 駆逐艦4 航空隊314機 第4水雷艦隊(艦隊旗艦重巡『青葉』 艦隊司令菊池真少将) 巡洋艦4(重巡『青葉』『衣笠』『加古』『古鷹』) 駆逐艦12 第9支援艦隊(艦隊旗艦巡洋戦艦『浅間』 艦隊司令音無小鳥中将) 空母4(軽空母『千歳』『千早』『千代田』『瑞穂』) 戦艦4(巡洋戦艦『浅間』『阿蘇』『吾妻』『伊吹』) 巡洋艦4(軽巡『梓』『入間』『宇治』『吉野』) 駆逐艦4 損害 +... 第1機動艦隊 中破 戦艦1(戦艦『大和』) 巡洋艦1(重巡『天海』) その他不明 第5水雷艦隊 沈没 駆逐艦3(『嵐』 それ以外不明) 大破 巡洋艦1(重巡『加古』) 駆逐艦1(『秋雲』) その他不明 第9支援艦隊 沈没 駆逐艦2(『江風』『海風』) 中破 戦艦2(巡洋戦艦『浅間』『吾妻』) 空母1(軽空母『瑞穂』) その他不明 戦闘経過 第1機動艦隊所属の偵察機が3個艦隊を捕らえるが、第1機動艦隊司令星井美希中将は低速北上中であった水雷艦隊は偵察機を貼り付けたまま一先ず放置し、機動艦隊と戦艦部隊の残り2個艦隊を先に叩く事を決断。 これと同時に第9支援艦隊司令音無小鳥中将が飛行場撃滅を引き受け、第1機動艦隊と第4水雷艦隊は敵艦隊撃滅に専念するようにと第1機動艦隊へ向けて打電。 これを受けて星井中将は航空隊を伊戦艦部隊の足止めに差し向け、砲雷戦で独機動艦隊を叩く事を決断、突入を開始した。 1時間後、第1機動艦隊より一足先に雷撃可能な距離にまで接近した第4水雷艦隊は独機動艦隊に向けて反航戦を挑み、第4機動艦隊が反航戦に入ると同時に砲術射程に独機動艦隊を捕捉し、砲撃を開始。独空母を撃沈する。 航空隊も伊戦艦2隻撃沈、1隻大破の戦果を挙げ、第9支援艦隊は1個飛行場を殲滅する。 しかし、残余飛行場を撃滅するためにシチリア島近辺を航行中、第1機動艦隊は伊戦艦部隊の残余巡洋艦群の奇襲を受ける。 この時、星井中将はこのままでは敵巡洋艦群に後ろを取られると判断し、乗艦『播磨』そして『越後』の座礁覚悟で反転180°を下令。 奇跡的に座礁艦無しで暗礁地帯を突破すると、距離五〇(5000m)に迫っていた敵巡洋艦群に丁字での一斉砲雷撃を下令、これを殲滅する。 同日夜、僚艦損傷のため一時戦線を離れていた第4水雷艦隊は、英本国を目指す軽空母艦隊を発見。残存魚雷1斉射分で撃破するために突撃を開始する。 手数の多さを生かした近接砲撃戦により、確認された英軽空母4隻の内2隻を撃沈する。 一方、第9支援艦隊と合流した第1機動艦隊は湾内に篭る水雷艦隊撃滅のために夜間空襲を決行。 これにより飛行場破壊には成功したものの、水雷艦隊の撃滅は成らなかった。 その後、湾内の機雷を警戒し、微速で北上しながら第1機動艦隊、第9水雷艦隊は残余水雷艦隊を撃滅。イタリア近海の制海権を手中にした。 これにより、イタリアで政変が発生。イタリア首相ベニト・ムッソリーニは失脚し、身柄は連合国へと引き渡され、イタリアは降伏する事となった。 エピソード この時、第9支援艦隊司令音無中将は軽空母の航空戦力では飛行場撃滅、そして飛行場からの反撃の直掩は不十分と判断。所属軽空母を分離し、浅間級巡洋戦艦、梓級軽巡洋艦の高速性能を生かした一撃離脱戦を伊飛行場に向けて行った。 参考文献 天海提督の決断 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/3081.html
32 :影響を受ける人:2014/05/06(火) 22 15 26 この作品にはTS要素が含まれています。 オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。 最低系である最強要素があります。 それでも良い、という方のお読みください。 提督憂鬱×ストパン+零 第八話 ―真実・現実 弐― 大海原を超えてきた学兵達は、一旦浦塩に立ち寄り最後の英気を養った。 ここから先は想像できない最前線。 一泊したのだが、誰も彼も緊張で眠れず。 少々眠たげの出発になった。 「旭川、元気でな。」 「隊長、今生の別れの様に言わないでくださいよぉ。」 「あ、ああ・・・すまん。」 ポリポリと頭を掻いて詫びる。 元々気にしていない梨奈はケラケラと笑うと、荷物を運搬するトラックの助手席に乗車して、荷台に彼女と行動を共にする学兵等が乗り込む。 それを見送るために、最近五人で移動するようになった美緒達が声をかける。 「お前ら、がんばれよ!」 「旭川隊長の足を引っ張らないよう。しっかりお勤めなさいな。」 「元気で!」 「えっと・・・ちゃんと食べてね!」 「いや、おかっさんじゃないんだから・・・」 里子のツッコミに、醇子の顔が赤くなると同時に皆は笑った。 ひとしきり笑うとトラックは出発していく。 旭川梨奈は新しい副隊長を加え、六名の学兵を部下にして戦場に向かう。 走り去るトラックを、何時までも見送りたかった章香であるが、次は自分達だ。 「よし、跨乗せよ!」 「「「「「「はい!」」」」」」 元気よく返事をした学兵達は、一番トラックに北郷章香・竹井醇子・若本徹子・飯島凛が乗り込む。 二番トラックには元北郷隊隊員、旗本サエ・坂本美緒・山田里子・大久保小毬(おおくぼこまり)が乗り込んだ。 「出してくれ。」 運転席の兵士に声をかけると、運転手は頷いて車を出発させた。 ――――― ガタゴトと、あまり舗装されていない道をトラック荷台が走っていく。 載せている荷物は食料品、整備用部品、手紙などだ。 今回は更に学兵を乗せている。 兵士としては苦々しい事だ。 彼は子持ちで、彼女達よりも年上の息子がいる。 子持ちの親として、故郷に残した家族を守るためにここにいる。 だというのに自分は輜重部隊にいる。 銃を持てば陸戦ウィッチと共に戦うのに、戦車に乗せてもらえれば獅子奮迅に働くのに・・・ だが今はこの荷物を待ち望んでいる前線部隊がいる。 それを確実に届けるのも大事な事だ。 隣には顔見知りであるサエが座っている。 そして荷台からは、前線の凄惨さを知らない、ウィッチの玉子達の会話が耳に入ってくる 「大久保さんはシールドが強いのか。」 「はい。防御術符を使えばもっと強く展開できます。」 「はぁ・・・ええなぁ。アタイ、このメンバーの仲じゃ普通ッスよ?」 「そんな事は無いと思うけど・・・」 「ミーちゃんは優しいなぁ。」 「ミーちゃんって言わないで下さい・・・」 明るく笑う声が聞こえてくる。 33 :影響を受ける人:2014/05/06(火) 22 16 06 「大尉、彼女等は大丈夫なのでありましょうか?」 「・・・わからん。」 運転手の突然の質問に、北郷隊で元々寡黙な人物だったサエは手短に答える。 「飛行時間は足りているのでしょうか?」 「・・・足りん。」 「政府は、いったい何を考えているのでしょうか・・・」 「・・・知らん・・・ただ。」 「ただ・・・なんでしょうか?」 視線だけを彼女に合わせると、外の景色を見ていた筈の 「・・・自分は軍人だ。ただ敵をねじ伏せるだけ・・・それだけだ。」 「しかし・・・」 「・・・軍人は戦い、“守る”のが仕事だ。」 「はい・・・」 鉄皮面であるために内心がわからないが、言ったことは実行する人だ。 隊内でからかわれた時も、本気で実行に移そうとして必死に止められたと聞く。 それでも若いウィッチ達を戦場に出すことは、納得できそうもない。 ――――― 「補充要員が来るって聞いたけど?」 江藤敏子が執務室で書類整理をしていると、唐突に同僚がやってきた。 「ええ、北郷少佐が戻ってくるらしいわ。ここに。」 「へぇ・・・戻ってこれたんだ。こりゃ、楽しみね♪」 本当にうれしそうに笑うが、その笑みは獰猛なオオカミの様に見える。 「穴吹中尉・・・演習が出来ると思っているの?」 「思ってないけど・・・それでも今の実力は図りたいし。」 ケラケラ笑いながら出ていく姿を見て、大きくため息をつく。 この基地には名前は無いが、第201飛行騎兵部隊駐屯基地と便宜上呼ばれている。 別名【狐狸部隊】。内約は以下の通り。 大隊長 江藤敏子:中佐 狐火隊隊長 穴吹智子:大尉 副隊長 加東圭子:中尉 部下四人:上等兵(内学兵一人) 狸釜隊隊長 加藤武子:大尉 副隊長 黒江綾香:中尉 部下四人:上等兵(内学兵二人) これが今基地いるウィッチ全員だ。 書類整理に戻って頭を悩ませているとどんどん時間が過ぎていく。 すると、微妙な空気の振動が感じられた。 気になって外を見ると、ちょうどトラックが来たようだ。 トラックはそのまま建物の横を通り、格納庫近くに停車した トラックが駐屯基地に到着すると、さっそく整備員達が群がってくる。 荷物を素早くおろして、トラックに故障したストライカーを乗せるためだ。 後は手紙などを届けてもらう。報告書も送るので、纏めておいたものもって立ち上がると、外が騒がしくなった。 何だろうと窓からのぞいてみる。 「何かしら・・・新武装でも来たの?」 だとしたら厄介だ。 亦新しい報告書を書かないといけなくなる。 正直めんどくさい。 だが・・・どうも様子がおかしい。 戸惑いを感じるような気がするのだ。 気になったので急いで外に出てみる事にした。 靴を履いて出ていくと、整備員達は苦虫を潰した顔で、積み下ろし作業にあたっている。 その様子をチラリと見てからトラックの方を見て・・・理解した。 「章香、久しぶりね。その子達が例の志願学兵?」 「ああ、そうだ。」 34 :影響を受ける人:2014/05/06(火) 22 18 59 荷卸しを手伝っていた北郷隊長に声をかけ、近寄っていき。章香も顔見知りが来てくれたことに安堵して、手を差し出す。 軽く握手すると、手を離して私物だけ持った学兵達の方を振り返った。 「この子達を宿舎に案内したいのだが・・・」 「それなら問題ない。穴吹大尉!」 大声を出して呼びかけると、物陰にいた人物が渋々顔を出した。 トラックが到着した直後に出ていったのだが、驚かそうと隠れていたのだ。 すねた子供の様にトボトボと智子歩く。 「なんでしょうか・・・」 「貴方暇よね?そうよね?書類作りを加東副隊長に任せているくらいだもの、暇よね?」 「は、はい・・・」 「なら、ちょうどいいわ。この玉子さん達を案内して、それくらいできるわよね?」 「はい・・・」 怒涛の毒を含んだ口撃に、あっさり打ちのめされてしまう。 その様子を見ていた学兵達は唖然とするしかない。 目の前の人物は有名なエースで、本土でもプロマイドが溢れているくらいなのだから。 子ども様な態度をする人物だとは思ってもみなかった。 敏子と章香は話があると言って、その場を去っていく。取り残された七人は智子が溜息をついて頭を掻いてついてくるように言う。 「事情は知っているけど貴方達、飛行時間どのくらい?」 先頭に立ち、歩きながら気になる事があったので、そのまま聞いてみるが帰ってきた答えは眉間に皺を寄せるのに十分だった。 「短い・・・」 「そりゃ、知っているけどさ。俺t「なんだ、足手まといが来たのか?」なっ! だれだ!!」 智子の発言に、徹子は同意しつつも気込みを言おうとして・・・目の前から歩いてきたウィッチが徹子たちを冷めた目で見て言い放った。 気分を害した徹子は食って掛かろうとして足を止める。 そのウィッチの、あまりにも冷たい視線が、彼女を射ぬいていた。 これが、坂本美緒達が忘れられない人物・・・狸釜隊隊員 早良ミチル 上等兵との出会いだった。 以上です。 今回新キャラがさらに増えました。 大久保小毬 法術士学校出身 軍人の家系で、自ら志願した。 親としては志願してほしくなかったようだが、本人の強い意志により実現した。 戦闘はお世辞にもうまくないので、弾薬を運ぶ係に任命されている。 旗本サエ 25歳 中尉 元北郷隊隊員。 北郷章香と出会った時から寡黙な人物。 叩き上げの古参兵であるが、良く負傷して何度も後方に下がるため、なかなか階級が上がらない。 章香に戦場のなんたるかを教えた人物だが、実力は中の中と言ったところ。 特徴的な固有能力は無いが、歴戦の勘は頼りになる。 許婚が本土にいる・・・らしい。 早良ミチル 15歳 上等兵 導術士学校出身 坂本美緒達の前に志願した学徒兵。 元々海軍に行くつもりであったので志願した。 射撃が得意だが、近接戦闘も出来なくはない。 実力は上の下と言う感じ。美緒達に対して冷たく当たる。 です。 北郷隊が徐々にできていくぜ! そして運命の人です。彼女の行く末は・・・ さぁ・・・次は・・・どうするべ(汗
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/4855.html
780: 194 :2017/09/11(月) 22 45 58 注意書きについて 銀河連合日本×神崎島支援?ネタ番外編 ~絶対に笑ってはいけない鎮守府24時~ その二 をご覧ください(手抜き) 銀河連合日本×神崎島支援?ネタ番外編 ~絶対に笑ってはいけない鎮守府24時~ エピローグ ※本編中に銀連キャラは出てきません。辛うじて、本編後に極稀に書かれるおまけのみに出る程度です 大淀「はい。これにて「絶対に笑ってはいけない鎮守府24時」の任務、終了です」 5人「「「「「や、やっと終わった・・・」」」」」 大淀「さて、ここまでやってみてどうでしたか?長門さん」 長門「む、私か?」 大和「リーダーですからね、皆の代表として言ってください」 長門「そうだな・・・・・、まぁ総じて、キツイ事だらけだったのは確かだな。だがそういう状況だったからこそ、皆で頑張って乗り越えられたという 達成感があるのも、また確かだ」 大和「長門さん・・・」 長門「それとこの企画を成功させる為に、普段では見られない一面を見せてくれた皆(刺客の方たち)もよく頑張ったと、そういう風にも思っている」 金剛「長門・・・」 扶桑「長門さん・・・」 長門「今回の事を生かして、神崎島の住人達が日本国やティ連の人達とより良き関係を構築していく礎となるのなら、それに勝る喜びはない」 日向「・・・まぁ、とは言ってもやはり、二度はやりたくないとも思うが」 4人「「「「デスヨネー」」」」 781: 194 :2017/09/11(月) 22 46 32 大淀「素晴らしいコメント、有難う御座います。それでは皆さんに、”ある方”からメッセージを預かってきております。それを皆さんにお聞かせしましょう」 5人「「「「「・・・?」」」」」 そう言って大淀が取り出したのは、一台のノートパソコン。そこに映し出された映像は・・・。 神崎『皆、よくやってくれた』 5人「「「「「提督!?」」」」」 神崎『この映像を見ている頃には、皆全部が終わった事だと思う。まぁとにかく長門、大和、金剛、日向、扶桑、24時間本当にお疲れ様!よく頑張ってくれた!!』 長門「提督・・・」 神崎『大変な事ばかりだったと思うが、私は皆が力を合わせて、どんな試練をも一緒に乗り越える物と信じている。何といっても皆は私の大切な部下であり戦友であり、 そして・・・誰よりも大事な私の妻達なのだから』 大和「提督・・・」 神崎『今回の突然の試練も、色々ありながらも無事に乗り越え、成功へと導けたと確信している。本当にお疲れ様!全員に特別に三日間の休暇を与えるので、しっかりと 体を休めて、その上で皆の話を色々と話を聞かせて欲しい』 金剛「提督・・・」ウルウル 神崎『色々と大変な目に合わせてしまった事は、本当にすまなかった。だが、それでも今回の試練を乗り越えた事を、私は上司として戦友として、そして・・・夫として 本当に誇りに思っている』 日向「提督・・・」 扶桑「グスッ・・・、とても素敵なVTRです・・・。提督、有難う御座います」 神崎『何はともあれ、本当にお疲れ様!皆の話、楽しみにしているぞ』 5人「「「「「・・・提督」」」」」(涙) 神崎『・・・追伸』 5人「「「「「・・・ん?」」」」」 神崎『えーとだ、最後にどうしても言う様にとの事だから言うぞ?・・・コホン。えー、長門、大和、金剛、日向、扶桑・・・・・、 全員、アウトー!』 \デデーン/ 全員、アウトー! 782: 194 :2017/09/11(月) 22 47 08 5人「「「「「ちょっと待てえええええええええええええええええええええええええ!!!!」」」」」 長門「大淀おおおおおおおおお!!!!これはどういう事だああああああああああ!!!!!」 大淀「あ、言ってませんでしたね。任務終了とは言いましたが、「罰ゲーム終了」とは一言も言ってませんので」 5人「「「「「なんじゃそりゃああああああああああああ!!!」」」」」 大淀「という訳ですので・・・最後の罰ゲーム、キッチリと受けてくださいね」 5人「「「「「そんなの有りかああああああああああああああああああ!!!!!」」」」」 長門「納得いかーーーーーーーーーーん!!」スパーン 大和「最後の最後まで理不尽過ぎますよーーーーーーーーーー!!」スパーン 金剛「提督ーーー!!帰ったらお仕置きネーーーーーーーーーー!!」スパーン 日向「無下にするのも大概にしろおおおおおおおおおおおお!!」スパーン 扶桑「余りにも酷過ぎますううううううううううううううううう」スパーン 大淀「えー、という訳で皆さん。最後までお付き合い頂きありがとうございました。また機会がございましたら、その時は宜しくお願いします。お疲れ様でした!!」 長門「・・・・・」 大和「・・・行っちゃいましたね」 金剛「・・・私達も帰るネー」 日向「・・・帰るとするか」 扶桑「・・・そうですね」 こうして、彼女達の長い長い試練は幕を閉じたのだった・・・。 大淀「あ、この企画が好評でしたら、また皆さんに頑張ってもらう事になるかと思いますので、そのつもりで」 5人「「「「「流石に勘弁してくれ!!!!!」」」」」 銀河連合日本×神崎島支援?ネタ番外編 ~絶対に笑ってはいけない鎮守府24時~ 完 お仕置き回数 長門 121回(+タイキック4回+呂ーキック1回) 大和 127回(+タイキック2回) 金剛 126回(+タイキック2回+アイス呂ーキックチャレンジ1回) 日向 129回(+タイキック2回) 扶桑 95回(+タイキック2回+アイス呂ーキックチャレンジ1回+ビンタ2回) 783: 194 :2017/09/11(月) 22 47 39 替え歌ED 「海色」(笑ってはいけない鎮守府Ver) 唄:神崎 鳳翔 ※替え歌は後日未公開カットとして放映されます 罰ゲーム執行役の皆様 ※登場順 ケツバットの妖精さん エーレル・神崎(レ級elite:キャラ作成者・陣龍氏) ロー・神崎(呂500) 捕まってはいけないの鬼役の妖精さん(スリッパ・軍人精神注入棒・ビンタ・パンダ・パイ・風林火山・ハネムーン・日高昆布・ バズーカ・胸揉み・※危険) 神崎 澤海(輸送ワ級) 784: 194 :2017/09/11(月) 22 48 11 刺客・進行役等の皆様 ※登場順 二度目以降は割愛 総指揮役 神崎 大淀 「バス内」 神崎 赤城 神崎 加賀 神崎 北上 神崎 大井 神崎 北美(キタミ・北上さん似の妖精さん) 神崎 大花(オオカ・大井さん似の妖精さん) 乗客の妖精さん 神崎 秋雲 神崎 巻雲 「鎮守府内」 神崎 博之提督 神崎 阿武隈 神崎 暁 神崎 響 神崎 雷 神崎 電(神崎 武蔵) 神崎 霞 女性憲兵の妖精さん 神崎 曙 神崎 不知火 神崎 叢雲 神崎 青葉 神崎 村雨 神崎 夕立 神崎 春雨 神崎 五月雨 神崎 那珂 神崎 イク(伊19) 神崎 電 神崎 明鈴(ミンリン・集積地棲姫) 神崎 明石 神崎 伊勢 神崎 霧島 神崎 吹雪 785: 194 :2017/09/11(月) 22 48 45 捕まってはいけない:助っ人 神崎 龍驤 神崎 熊野 神崎 鳥海 DVD映像内 神崎 山城 神崎 加古 神崎 足柄 ザラ・神崎 神崎 龍田 神崎 天龍 神崎 瑞鳳 神崎 まるゆ 神崎 木曾 神崎 ゴーヤ(伊58) 神崎 榛名 神崎 比叡 ジャマイカからやってきた金剛型1番艦(の姿形をした妖精さん)ジャンゴウさん 神崎 飛鷹 神崎 隼鷹 神崎 香取 神崎 葛城 神崎 カヲル(ヲ級空母改flagship) 神崎 瑞鶴 786: 194 :2017/09/11(月) 22 49 15 以上です。色々あった拙作ですが、漸く本編完結となりました。 制作中、体調不良やネタの枯渇・スレが荒れたり原作者様に知らぬ間に飛び火してたりと、様々なトラブルに見舞われるハメとなってしまった拙作ですが、見て下さった様々な人達のご意見・ご感想が制作の何よりの励みになりました。特にネタの提供は本当に感謝の極みです(あれが無ければ、最悪そこで連載が止まっていた可能性すらありましたので(滝汗)) いずれにせよ多くの人達の助けの元、色々と書きたかったネタをやり切れて感無量です(まぁ替え歌の件(EDも含めて)が心残りですが、事情が事情ゆえに、止む無しかと(涙)) 元ネタ制作者の第三帝国様。ご迷惑をお掛けしてしまったにも拘らず咎めるどころか激励すらいただいた原作者様。そして、見て下さった全ての人達に感謝しつつ、一旦筆を置こうかと思います。 今後の予定ですが、不定期で笑ってはいけない鎮守府シリーズの制作裏話みたいなのを投稿できればと考えております。刺客の皆様へのインタビューやネタに関する裏話等を書いていければと、漠然とですが考えております。投稿時期は未定ですが、もし投稿する事になりましたら、お付き合いしていただければ幸いです。 それでは皆様、今まで本当にありがとうございました。
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/4978.html
前ページ次ページゼロな提督 夜の聖地。 千年前なら立派なオアシス都市があったかもしれない場所だが、今は巨大クレーターが 広がるのみ。 クレーター中心にある召喚ゲートは、今日も光を放ち続けている。人一人がくぐれる程 度の大きさで、10km彼方の土手からだと、小さな光点にしか見えない。クレーター外周の 土手にはエルフの各部族から派遣された人々がいる。 だが今、その中に何人もの耳が短い人、エルフが蛮人と呼ぶハルケギニア人が混じって いた。 彼等は皆、クレーター中心へ視線を向けている。 金髪の蛮人女性がイライラした様子で懐中時計を取り出し、舌打ちをした。 「まったく、連中と来たら…いつまで待たせる気なのかしら!?」 一人のエルフが隣の別な蛮人女性に話しかける 「遅いですね。予定では今夜のハズなんですけど…もうすぐ夜が明けますよ」 「そうだねぇ。随分と遅れてるんじゃないかい?」 そう言って蛮人の女は右腕を顔の前に持ってくる。その右手首にはデジタル表示の腕時 計が文字盤の光を放っている。 女の横に立っていたエルフの男も腕時計を覗き込む。 「かなり遅れているようだな。何かトラブルが起きたなら連絡があるはずだが」 そういってエルフの男は胸元から手の平サイズの機械を取り出してパカッと開き、中の 画面を見ながらスイッチを押す。 「ふむ…特に連絡は入っていない。今は待つしかないな」 ほとんどの蛮人はエルフ達と、普段と何の変わりもなく言葉をかわしている。だが、中 にはエルフ達へ近寄ろうとしない蛮人の男もいた。 「はぁ…あのお方の言うとおり、確かに聖地は何もなかった…。しかし、これがエルフ達 の仕業ではなく、始祖の力が暴走した結果だ、などと言われても」 「私達の言葉が信じられない、と?」 隣に立つ蛮人の女が、怯えて縮こまる男を睨み付ける。すると男は更に小さく縮こまっ た。 「い、いえ!滅相もない!ミス、私は常にあのお方とミスのご加護を受けてきました。あ の酒場で出会って以来、私のような小物の『王になってみたい』という願いを叶え続けて 下さいました。 ですが私とて、かつては始祖の教えにこの身の全てを捧げていたのです。果たして、一 体どちらを信じればいいのか、もう、どうすればいいのやら・・・」 縮こまった男は頭を抱え、さらに小さくなってしまう。隣の女は、そんな男に目を向け ようとはしない。ただ淡々と言い放つ。 「別に強制はしないわ。これから起きる事を見て、その上で自分で考えなさい。これから は、あんたは自分一人で考えなきゃいけなくなるんだから」 そう言って女は聖地の中央をじっと見つめ続ける。 そんな話をしていると、少し離れた所に立っていた蛮人の痩せた男が、ゲートを指さし 声を上げた。 「見よ!始まったようだ」 その言葉に話をしていた人々も聖地中心を見つめなおす。 そこには、聖地の門がある。人一人がくぐれる程度の大きさだったはずの門が。 だが今は、徐々に光点が大きくなっていくのが遠目にも分かる。それはゆっくりと、確 実に巨大化していく。沢山のエルフと数人の蛮人が見守る中、それはかつて多くの観測機 や無人機を吐き出した時と同じか、それ以上の大きさへと成長していく。そして今回は、 大地や風の精霊は全く動きを見せない。 風が吹きすさぶ荒れ果てた荒野の中、輝く門は更に大きくなっていく――― 第30話 狂宴は終わる 調印式当日、朝。 いくつもの雲が浮かぶ空の下、シャン・ド・マルス錬兵場は、熱気に包まれていた。 式典会場は、一人でも多くの人が連邦設立宣言書への調印を目に出来るようにと、城で はなく広い錬兵上が選ばれた。 いま、トリスタニア全体がトリステイン・ゲルマニア両軍による厳戒態勢下にある。特 に式典会場は上空の竜騎士隊に加え、地上にも魔法衛士隊のグリフォン・マンティコア・ ヒポグリフ隊が、調印式に訪れた人々への監視を続けている。 数万人が演習可能な錬兵上の座席は、既にすべて貴族たちによって占められている。彼 らはトリステイン・ゲルマニアのみならず、ガリア・ロマリア・アルビオンからすら来た 貴族たちだ。もちろん舞台のすぐ近く、最前列から後ろ数列は各国の要人が占めている。 他の席とは異なる豪華な作りの椅子が並び、王族もかくやという立派なマントやドレスの 紳士淑女が並ぶ。 錬兵場の外側は、会場に入りきらなかった平民たちが、遠くにわずかに見える式典を見 ようとしていた。少しでも中が見渡せる高い木の上、屋根の上等にも人が鈴なりになって いる。 錬兵上の入り口から一番奥には、一段高くなった舞台が設置されている。白い布に覆わ れた舞台の上には幾つもの豪華な椅子が、さほど大きくはないが立派な机を中心に並べら れている。舞台の背には二枚の大きな布、トリステインとゲルマニアの旗が下げられてい た。 そして、既に各席はそれぞれの主によって占められている。トリステイン女王マリアン ヌ、その背後に立つは宰相ヴァリエール公爵。ゲルマニア皇帝アルブレヒト三世と、後ろ のカイゼル髯がトレードマークのハルデンベルグ侯爵。アルビオンからは皇帝クロムウェ ルと背後に控える秘書のシェフィールド。ガリアからジョゼフ王と隣に立つ王女イザベラ が参列していた。 各王の警備陣は、壇上下から目立たないよう周囲と相互への警戒を怠っていない。 会場内で着席している貴族たちの間から、もうすぐ始まる式典を待ちわびながらも、囁 き声が漏れてくる。 「なぁ、宰相や将軍が後ろにいるのはともかく、アルビオンの秘書もいいとして、なんで ガリア王は王女が控えてるんだろう?」 「いや、舞台へ上るお付の方は一名のみ、人選は自由になってるから」 「社交界へのお披露目、のつもりかな?」 「多分な。今回は単に調印の証人という儀礼的なものだし、ガリア王女として各国要人へ 印象付けるには丁度いいだろう」 各国の支配者と同じく王冠を戴いた頭に前髪を納め、ツヤツヤした額に陽光を反射させ るイザベラは、静かにジョゼフの横で立っていた。 別の場所からも囁き声が聞こえてくる。ただし、それは壇上ではなく、貴族席の一部を 占める若い貴族たち、トリステイン魔法学院生徒達の席を見つめながら、ヒソヒソと囁か れていた。 「なぁ、おい。見ろよ、あの娘」 「あれは、間違いない。例の『虚無』のルイズだよ。ヴァリエール家の」 「その左右に座ってるのは、噂の平民使い魔の夫婦だな。夫のほうは何でも遥か遠方の異 国、ガリアすらも軽く凌駕する大国の将軍らしいぞ。衛士隊からの話では、恐るべき策士 らしい」 「ああ、噂は聞いてるぜ。ヴァリエール家のお抱え軍師で、異国の船で飛び回ってるって な。最近は主と一緒にトリステインを離れていたって話だったが、もう帰って来てたんだ な」 彼らが目立たないように指差す先には、確かにルイズがいる。その左右にはヤンとフレ デリカも、同盟の軍服を着て静かに着席している。三人とも黙って調印式の進行を見つめ ている。 彼らの周りにはオスマンを先頭に、ギトーやコルベールといった教師達はもちろんギー シュ・モンモランシ-・マリコルヌ、といった生徒たちも大人しく着席し、この歴史的儀 式を眺めていた。 そんな政治談議もそこそこに、長いマリアンヌとアルブレヒト三世の演説が始まった。 ふくよかで優しげな女王と、野心の塊を絵に描いたような四十男の皇帝が、長い長い演説 をする。 権威と儀礼に満ちた二人の演説がようやく終わり、いよいよ調印の儀が執り行われる。 上空は甲冑姿で警護する竜騎士が綺麗に隊列を組んで旋回し、周囲の騎士達も整列。視線 だけは周囲への監視を怠らない。 濃い紫色の神官服に、高い円筒状の帽子を身につけた人物が現れた。ロマリアの教皇聖 エイジス三十二世が、幾人もの神官を従えて舞台へと進んでいく。とたんに会場の人々は 聖杖を手にした美しき教皇へ目を奪われ、恭しく頭をたれる。会場の外から祈りの声が聞 こえてくる。 ヴィットーリオは壇上に上がりつつ、観客席を見渡す。 会場内にいる小さなピンクの髪の少女、その左右の異邦人を見つける。次に壇上へ視線 を戻し、ガリア王と目を合わす。ジョゼフはニヤリと笑ってから、フードで顔半分を隠す シェフィールドへ視線を送る。真の主からの視線に、ミョズニトニルンは僅かに頷いた。 その様子に教皇も小さく頷く。 壇上に上がった教皇は、調印内容が記された用紙の広げられた机を前に立つ。軽く用紙 へ視線を落としてから、ヴィっトーリオは仰々しく両手を広げた。 「マリアンヌ女王と、皇帝アルブレヒト三世は、ここへ」 若き聖者の声に導かれるように、二人は優雅に立ち上がり、机の左右に立つ。二人は最 初に教皇へ、次に壇上の彼らを見守る貴族たちへ礼をした。 会場は、しん…と静まりかえった。 教皇は一瞬視線を下げて、机の上に置かれた調印用紙の内容を確認し、それを高らかに 読み上げた。 「・・・今ここに、トリステイン・ゲルマニア両国は過去のわだかまりを捨て、互いの手 を取り合い新たな時代を作るべく、ゲルマニア=トリステイン連邦を成立することを誓う か?」 「誓おう」 アルブレヒト三世が力強く頷く。 「誓いますわ」 マリアンヌも微笑みと共に頷く。 そして教皇も頷き、調印書を指し示した。 「では、異存なければ、両者ともここにサインを」 二人とも杖を取り出し、書面上に自らの名を記していく その姿を教皇は黙って静かに眺め続けた。 数多くの観衆も、固唾を飲んで歴史的瞬間を見守っている。 全ての視線が新国家設立の瞬間へ向けられている。 二人はサインを終え、書面から一歩下がる。 教皇は書面のサインを確認してから、観客席へと向き直る。 聖杖を手にした手を大きく広げ、賛美歌を歌うような透き通った声を響かせた。 「今ここに、トリステインの女王マリアンヌと、ゲルマニアの皇帝アルブレヒト三世は、 ゲルマニア=トリステイン連邦成立宣言書に名を記した。 よって私は、ここに・・・」 教皇は半身を引き、壇上の机を前に立つ両者へ向き直る。 そして、右手に握る聖杖を、二人へ突きつけた。 「両者を、邪教に基づく国家を設立せんとした背教の咎により、火刑に処す!」 瞬間、ヴィットーリオは壇上から飛び降りた。 シェフィールドも観客席へ向けて駆け出した。 ジョゼフは一瞬で席を跳ね、舞台の下へ飛び降りた。 舞台を見守る人々は、警備の騎士達も含めて、何が起きたのか分からなかった。 それでも騎士達は反射的に杖を引き抜き、舞台へ向けようとした。 だが、杖を向けた時には、既に舞台が無かった。 壇上には、各国の支配者がいたはずの場所には、紅蓮の炎があった。 一騎の火竜が壇上の直上に舞い降りていた。 その、大きく開かれた口からは、赤い鱗と同じ色の炎が吐き出されていたのだ。 その炎は一瞬で、壇上に残っていた世俗支配者と、その付き人達を消し炭にした。 上空警備の竜騎士隊、その内の一騎が隊列を突然離れ、壇上へ急降下していたのだ。 そして壇上から飛び降りた三人は、教皇お付きの神官達が作り出した氷の壁『アイス・ ウォール』によって炎の熱から守られていた。 眼前で起きた突然の事態に、人々は動く事が出来なかった。各国から来た警護の騎士達 も、一瞬で杖を引き抜いたはいいが思考が停止していた。無論、血を吐くほどの訓練を積 んできた騎士達ゆえ、思考停止は一瞬でしかなかった。即座に『ジャベリン』等の水や氷 のルーンを唱えようと口を開く。 だが、その空白の一瞬を教皇は逃さない。澄み渡る声が会場に響く。 「全ブリミル教徒へ告ぐ!」 世俗支配者達を上回る権威を持つ教皇の言葉。なおかつ、「火刑宣告」の説明をするであ ろう言葉。 行動停止に陥った客席の貴族達だけでなく、警護の騎士達までもルーン詠唱を中止して 次の言葉を待ってしまう。燃えさかる炎を背にした教皇へ視線を集中させたまま動けなく なる。 教皇は静まりかえった会場を優雅に見渡す。 その横に、舞台を焼き払い支配者達を抹殺した火竜騎士が着陸する。極めて気性が荒く 気難しいため、自分が認めた乗り手しか乗せないはずの火竜は、大人しく教皇へ頭を垂れ る。そして、まるで当然のように翼を下げ、自らの背を教皇にしめす。教皇は火竜の背へ 軽やかに上がる。 赤き火竜の背に上がり赤い炎を背にするその姿は、伝説や御伽噺が本から飛び出てきた かのように神秘的で神々しい。騎士達のルーンは既に完成していたが、すぐにも消火して 主を救いたいが、目も意識も奪われてしまい、呪文を放つ機会を失してしまった。 そして若き教皇は、高らかに語り始めた。 「トリステイン女王マリアンヌと、帝政ゲルマニア皇帝アルブレヒト三世。彼等はヴァリ エール公爵が捏造した『聖地消失』『エルフによる世界の守護』という、神をも恐れぬ讒言 をもとに、邪教の国を打ち立てんと企てました! 始祖と教会に背き、ハルケギニア全ての民を謀ったのです!この地を闇に堕とさんと邪 心を抱いていたのです!」 会場にどよめきが走る。突然の教皇からの糾弾に、トリステイン・ゲルマニア両国の貴 族達に動揺が広がる。 「加えてオリヴァー・クロムウェル! 彼は教会に属し始祖の教えを守るべき司教の地位にありながら、始祖の教えに背きまし た。始祖より授けられし神聖なる王権を滅ぼし、皇帝の地位を僭称するという簒奪を行っ たのです!」 アルビオンからやってきた貴族・騎士達にも動揺が走る。その点については彼等も考え ないではなかった。だが聖地奪還という旗印の下、教皇は皇帝への即位を承認すると思い こんでいた。 しかし、確かに教皇の承認を得ておらず、かつ司教として始祖より授けられた王権に背 く事は重大なる罪。その事を今さらに思い出したのだ。 「よって、私は教皇聖エイジス三十二世の名の下に、この場を借りて宗教裁判を行いまし た。判決は、火刑!裁判と刑の執行が終了した事を、ここに宣言致します!」 教皇は聖杖を高々と掲げ、居並ぶ貴族達へ宣言した。 いきなり教皇から宣言された貴族達は、言葉が出ない。目を白黒させ、口は酸欠の魚の 如くパクパクと虚しく開閉するばかり。練兵場にいる数万の貴族達が揃って沈黙してしま う。 「なお、ヴァリエール公爵の捏造した讒言につき、それを語る証人も既に呼び寄せてあり ます。 今、ここに集う全てのブリミル教徒達に、証言してくれます。今回の調印式がほんの一 握りの、私欲に駆られて神の教えに背いた、哀れなる悪鬼による狂言であったという真実 を!」 教皇は、高く掲げていた聖杖を観客席へ向ける。 その聖杖の先には、小柄なピンクの髪の少女、ルイズがいた。彼女は目の前で父を焼き 殺されたというのに、何の感情も表していない。いや、聖杖を向けた教皇へ、爽やかな微 笑みを返した。 「ヴァリエール家の息女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール よ!父たるヴァリエール公爵に脅され、此度の陰謀に利用された事実、今ここで証言しな さい!」 人々は、一体どういう事なのかと訝しみ、ざわめきが広がる。 そんな中、ルイズは淡々と立ち上がる。左右のヤンとフレデリカも無表情なまま後に続 く。三人は学院生徒達の間を抜け、前に進み出ようとした。 だが、出来なかった。 さらなる突然の出来事に、練兵場の人々は再び言葉を失った。 ただし、今回は教皇と、お付きの神官達までもが目を見開いて驚愕した。 いきなりルイズの首が宙を舞った。 さらにヤンの胸から杖が生えた。 フレデリカは上半身が斜めにずり落ちた。 マリコルヌの杖が、ルイズの首を切り落としていた。 ギーシュの杖が、ヤンの心臓を背後から貫通していた。 さらには彼等の同級生男子がフレデリカの前に立ち塞がり、杖で袈裟切りにした。 「やった…ヴィリエ、ギーシュ。やったよぉ!僕ら、やったんだよ!」 マリコルヌが、感動に震える拳で杖を掲げた。 ヴィリエと呼ばれた男子生徒がマリコルヌに抱きついた。 「そうだ!やったぞ!僕たちはやったのだ!トリステインを狙う侵略者共を、貴族を軽ん じる身の程知らずの平民を、討伐したのだ!」 ギーシュの震える手は、造花の杖を取り落とした。そして、マントの中から円筒状のも のを取り出した。 「姫殿下、見て頂けましたか!?僕はやりました!姫殿下を害し、トリステインを異国へ 売り渡そうとした悪党共を、切り伏せたのです! あの中央広場、サン・レミ聖堂前で姫殿下に誓った言葉を、今ここに果たしました!必 ずや姫殿下の無念を晴らすと。ヤンによって地に堕とされた姫殿下の名誉を回復するとい う誓いを! あの日、あの時から、すぐに僕達は山へ籠もりました。竜をも倒す銃を持つ悪党共を倒 すため、厳しい修行を積んだのです!今、この瞬間のために!」 叫びながらギーシュは、取り出した円筒状のものに頬ずりをしていた。 それは液体の詰まった瓶。液体の中には、細長い肉塊が漂っている。 中央広場でヤンとシエスタの銃撃により千切れ飛んだ、アンリエッタの右腕だ。 三人は、歓喜の叫びを上げ続けた。 呆気に取られた貴族達の視線が集まる中、彼等は手を取り合い、肩を叩いて喜びを分か ち合っていた。 「ちぃっ!」 ジョゼフが舌打ちした。 「くっ!せっかく指輪で洗脳したのに。ガキ共が、余計な事を!」 火竜の横で、ミョズニトニルンも呪詛を呟く。 その言葉に、教皇が我に返った。即座に横にいる甲冑姿の竜騎士へ目配せする。 一瞬教皇と目があった竜騎士は、その意図を瞬時に理解した。火竜を飛び降り、ミョズ ニトニルンの首へ剣を振るった。 彼女の首は、頭を覆っていたフードごと宙を舞った。 さらに竜騎士は剣を翻す。ミョズニトニルンの横にいたジョゼフの分厚い胸板を、正面 から易々と貫いた。 「貴様…!?」 「洗脳が不要なら、あなた方も用無しですよ。無能王」 ジョゼフの目の前には、兜の隙間から竜騎士の月目が見えていた。 月目の目にも、ジョゼフの目が見えていた。 満面の笑みを浮かべる目が。 「そうだな、確かに俺は用無しの無能王だ!」 胸板を剣で貫かれているジョゼフが、笑顔で陽気に断末魔の笑い声を発した。 同時にジョゼフの体は消えた。跡形もなく一瞬で消え失せた。 「なにっ!?」 月目の竜騎士は周囲を見渡す。ついで足下を見る。 「これは…人形!?」 地面の上には、一体の小さな人形が転がっていた。 慌てて月目がミョズニトニルンが立っていた地面を見る。 そこにも首がもげた人形が転がっていた。 会場の彼方、ルイズ達が襲撃された辺りから、少年達の悲鳴が上がった。それはマリコ ルヌとギーシュとヴィリエの悲鳴。 「うわあーっ!な、何だこれはー!」 「に、人形!?これは、アルヴィー(小魔法人形)だ!」 「ガーゴイルの身代わり!?しまった…やられたぁーっ!」 ガヤガヤとどよめきが上がる会場の一角。ただし、先ほどとは異なる性質のどよめき。 今回の連邦設立の立役者が暗殺された驚きではなく、彼等が襲撃を予測して逃走済みだっ たという驚きの声だ。 その中心には、ちっぽけな人形が三個、壊れて地面に転がっていた。 《はーはっはっはっはっ!いやはや、これは参った!》 突如、声が響き渡った。 それはジョゼフの笑い声。 《教皇よ、俺は宗教裁判の被告人じゃないぞ。何故俺まで殺すのか説明しろ!》 その声はどこから聞こえてくるのかと、人々は周囲を見渡す。 だが、どこから聞こえてくるのか分からない。いや、周囲の全方位、四方八方から聞こ えてくるとしか思えない。 その声は会場外の平民達にすら聞こえていた。 銀髪を持つ初老の貴族が、最前列に座るリッシュモンが気が付いた。自分の尻の下から 声が響いてくる事に。彼は慌てて身を屈め、自分の席の下を覗き込む。 「なんだ…これは?声を伝えるという、風魔法の魔道具か?」 彼は自分が座る椅子の下に、ちっぽけな黒いものが張り付いているのに気が付いた。手 を伸ばしてそれを指先につまんでみる。 《どうした?言えんのか?》 「うわっ!?」 リッシュモンは驚いて黒く小さな塊を地面に放り出してしまった。 《お前は教皇なのだろう、ブリミルとかいう神の代弁者なのだろう。さぁ、神の言葉 を口にしろ。俺を殺す理由を、神の言葉で語ってみせろ!》 高等法院長の周囲に座っていた貴族達も、ジョゼフの言葉を吐き出し続ける黒いものに 気が付いた。彼等は一体それが何なのか、分からなかった。 ただ、その黒いものの裏には見た事も無い文字、「Mini Speaker」と書いてあった。 教皇の乗る火竜が首を巡らす。背後の、焼け落ちかけた舞台の方へと牙をむける。 教皇も肩越しに後ろをみやる。 「そういえば、あなたへの判決を言ってませんでしたね」 この不可解な状況にあって、抹殺したはずの男の声が響く中でも、涼やかな声でヴィッ トーリオは語り出す。 《おいおい、死刑を執行してから死刑判決を下す気か?》 会場外の、木に登って会場を眺めていた少年が気が付いた。自分の真上の枝に小さくて 黒いものから声が響いてくるのを。 《昔から、死刑囚が死刑執行を受けても死ななかったら無罪放免、だろうが。俺も無 罪って事で良いだろう。神のお慈悲で見逃してくれよ》 会場から遠く離れた、『魅惑の妖精亭』でも、店長のスカロンが気が付いた。店の軒先に ひっついた機械から声が響いてくるのを。 「あらやだ。これってオイゲンのひいジーサマが言ってた『すぴーかあ』てヤツね。とい うことは、ヤンさんが付けたのかしら?」 長身のスカロンはヒョイッと腕を伸ばし、マイクロスピーカーと書かれた物体を取り外 し、しげしげと眺めた。それから周囲をキョロキョロと見渡す。 「…随分と沢山つけてまわったのねぇ」 ジョゼフの声は、街のそこら中からも響いてきていた。 トリスタニア各所から生じた声が、街全体を包む。 月目の少年はニヤリと口の端を釣り上げる。そしてジュリオは舞台の後ろへ剣を突きつ けた。 「お戯れはおよし下さい。さぁ、被告人は証言台へ」 舞台がガラガラと焼け落ちた。火の粉と煙の向こう側に人影が見える。 《やれやれ、やっぱり神の法は厳しいな。まぁいい、それじゃ出るとしよう》 ズンッ…と地響きが鳴る。 焼け残った舞台の残骸が、鋭い爪を持つ前足に踏みつぶされた。 そこにいるのは魔法人形だ。黄色く光る眼、禍々しい牙をのぞかせる口、鋭い爪を生や した手、長い鞭のような尾、そして長大な羽を持つ、巨大なガーゴイル。 どこからか現れた巨大ガーゴイルの頭上に、ジョゼフがあぐらをかいて座っていた。そ の後ろには、フードを外して美貌を露わにしたミョズニトニルンが立っていた。 ジョゼフはニヤニヤといやらしい笑みを浮かべながら、ハルケギニアの最高権威である 教皇聖エイジス三十二世を見下ろしている。 「さて、出てきてやったぞ! では、検察官にして裁判官たる教皇聖下よ。俺への宗教裁判をやってもらおうか!」 被告人は叫んだ。傲然と、悠々と。 見下ろしてくる被告人から裁判を要求された教皇は、爽やかな微笑みを浮かべつつ、判 決文をそらんじた。 「ガリア王、ジョゼフよ。 あなたがエルフと通じた件、ガリア東薔薇騎士団団員より証言を得ました。また、エル フから技術供与を受けんがため、彼等に様々な便宜を図っていた事についても証拠を揃え てあります。 よって、他の者と同様に火刑を宣告します」 高らかに宣言した教皇は、聖杖を天へ掲げる。 そして、ジョゼフへ向けて振り下ろした。 刹那、炎の嵐が巻き起こった。 それは火竜のブレス。しかし、教皇が乗る火竜は口を開いていない。空中から炎の豪雨 が降り注いだのだ。ジョゼフとミョズニトニルン、そして二人が乗るガーゴイルへ向けて 真紅の巨大な竜巻が落ちてきたのだ。 上空を旋回していたはずの竜騎士全てが、急降下してきていた。騎乗して竜を操ってい るはずの騎士を無視し、彼等を振り落とさんばかりの勢いで。いや、既に何騎もの竜が、 乗り手無しで飛来していた。そしてジョゼフ達へ向けてブレスを放ったのだ。岩をも溶か す火竜達の炎が束ね上げられ、竜巻と化し、大地ごと全てを溶かそうと吐きかけられたの だ。 ジョゼフ達へ剣を向けていたジュリオ。彼の右手甲の隙間から、激しい光が漏れだして いる。 「…やった」 月目に勝利の光が浮かぶ。 《・・・あちっ!あちちぃっ!ええい、熱いじゃないか!まったく、ヴィンダールヴ は手加減を知らんなぁ!》 「なぁ!?」 教皇が初めて動揺を見せた。驚きの叫びを上げた。 全ての火竜を操っていた月目のヴィンダールヴも、驚愕で目を見開く。 会場の人々も、紅蓮の嵐が焼き尽くさんとする舞台を凝視する。 そこには、大きな土の山があった。 土の山は、表面こそ確かに灼熱に溶けている。だが地面から脈打つようにわき上がる土 と岩が、溶岩と化した土を速やかに地中へ流し去っていた。 そして、土山の頂上部分がススス…と下がっていく。そこには、相変わらずガーゴイル の頭上であぐらをかくジョゼフがいた。 その後ろではミョズニトニルンが主へ向けてパタパタと団扇を仰いでいる。 「あー、熱かった。今のは死ぬかと思ったぞ」 服の胸元を開き、分厚い胸板を晒しながら、ノンビリとガリア王は呟いた。 そして教皇とジュリオを見下ろす。 「そうか、お前も俺やルイズと同じ『虚無』の系統だったわけか?あらゆる獣を操るヴィ ンダールヴの力、大したものだ」 王の眼光はジュリオの右手、手甲から漏れる光を睨んでいる。 教皇は『虚無の系統』と言われても否定する事なく、ジョゼフを睨み上げる。 ガリア王の口から飛び出した『虚無』の言葉。それはトリスタニア全域に響き渡った。 会場には、もはや何度目かも分からないどよめきが広がる。 教皇はルイズを『虚無を騙る偽物』と断じた。だがガリア王は教皇もルイズも、彼自身 も『虚無の系統』だと言う。 教皇の頭上では火竜の群れが旋回を続けている。足下の火竜も恭しく傅いている。エル フと並ぶ恐怖と力の象徴たる竜が、尽く教皇の号令に従い意のままに動いている。それは 誰の目にも明らかな奇跡。 では、教皇の奇跡を易々と退けるジョゼフは何なのか?本当に『虚無の系統』なのか、 それともエルフと通じる異端なのか。 人々の目は、もはや釘付けだ。彼等は言葉もなく眼前へ、自ら異端審問を行う教皇と、 被告人たるガリア王へ視線を向けたまま動けない。 月目の少年が口を開いた。鈴のように澄んだ声が響き渡る。 「その土の壁、先住魔法ですか。エルフと通じている点に疑う余地はないですね」 ふんっ、と王は少年の詰問を鼻で笑った。 「その件については、俺も証人を呼んでおいた。証言台に上がってもらうとしよう。教皇 よ、異存はないな?」 「当然です。被告人には自分に有利な証言をする証人を呼ぶ権利があります」 教皇も一時の動揺は既に無く、むしろうっすらと笑顔をすら浮かべている。 ガーゴイルを覆っていた巨大な土のドームが大地へ戻っていく。 すると、巨大ガーゴイルの足下に数人が立っていた。その先頭に立つ男は薄茶色のロー ブをまとい羽付の帽子を被った長身。帽子の隙間から垂れる金色の髪が、腰まで伸びてい る。他には、やはり金髪を垂らしたローブの女性らしき人が、頭をすっぽり覆うような帽 子を被っている。ぶかぶかのローブを羽織って全身を隠す人、その隣に立つ痩せた緑の服 の少年など。 「お初にお目にかかる、ロマリアの教皇よ。そして、ハルケギニアの貴族達よ。 私の名はビダーシャル。サハラに暮らすエルフの一部族「ネフテス」の一員であり、老 評議会の議員をしている。 『大いなる意思』と、少々の悪戯心に導かれた今日の出逢いに感謝を」 そう言って先頭の男が帽子を取って礼をした。彼の金髪から突き出た長い耳に、全ての 双眸が集中する。そして同じように金髪女性も帽子を脱ぎ、エルフの象徴たる長い耳を衆 目に晒した。 ビダーシャルの後ろにいる人物は、隣に立つ痩せた少年の手を借りて、ぶかぶかのロー ブを脱ぐ。そこに現れたのは、背に持つ大きな翼をローブの下で窮屈そうに畳んでいた人 間。長い亜麻色の髪が美しい亜人、翼人の女だ。 妖精のように美しい女性は、背の翼を大きく広げた。 「は…初めまして、皆さん。私はガリアの、エンギハイム村で人間達と共に暮らす翼人、 アイーシャです」 今度は唐突に現れた翼人の翼に視線が集中する。 隣に立つ痩せた少年も、小刻みに肩を震わせながら小さな声を絞り出した。その小さな 声もマイクを通じて街全体に響き渡る。 「あ、あの…貴族の皆さん、はじめ、まして…」 少年はカチカチになりながらも、必死で深々と頭を下げた。隣の翼人女性もペコリと頭 を下げる。 「お、俺は、いえ、僕は、エンギハイム村の村長の息子で、ヨシアと言います。妻の、ア イーシャと共に、来ました。僕らの王様、ジョゼフ様が、人間と仲良くしている亜人の助 けがいる、ということで…」 たどたどしい夫の言葉を、妻が受けて続ける。 「私達の村は、ジョゼフ様が派遣して下さった騎士様のおかげで、人間と翼人が仲良く暮 らせるようになりました。私達も結婚する事が出来たのです。 このご恩に報いようと、こちらのエルフの方々と共に、この地の精霊と契約しました。 皆様が先住魔法と呼ぶ『精霊の力』で、あちらにおられる王様を守りました。精霊達に感 謝致します」 そう言ってアイーシャは腕を伸ばす。彼女が恩返しすると言った、傲慢に眼下の人々を 見下す男へ向けて。 「はーっはっはっはっはっ!」 妖精の様な美女に指し示されたジョゼフは、剛胆な笑い声を響かせた。 「と、言うわけで、だ…教皇よ。証人は証言してくれたぞ。 俺がエルフを含め、様々な亜人達と手を組んで先住魔法を我が物とする、見まごう事な き背教徒である、とな!」 王の後ろで団扇を仰いでいたミョズニトニルンが、白々しく呟く。 「ジョゼフ様、被告人側の証人が証言したら、かえって不利になったように思います」 「おお、そういえばそうだ。これはいかん、うっかりしていた。やっぱり俺は火刑に処さ れてしまうぞ!」 そういってジョゼフは、さらに大笑いしだした。腹の底から響く爆笑はトリスタニアを 揺るがすほどだ。 教皇の美貌から笑顔が消えた。 凍り付いた眼光が王を射抜く。 「では、あなたは自分が有罪である事を認め、火刑の判決を受け入れるわけですね。 それとも、まさか、この状況で今さら懺悔し、神に許しを請う、とでも?」 「くっくっく…俺を火刑に、だと?出来もしない事を偉そうに。刑を執行出来ない法など 寝言に過ぎん」 さも楽しげに笑う王を睨みながら、再び教皇は聖杖を掲げた。ジュリオの手甲から漏れ る輝きも光量を増す。 「出来ますよ。例え先住魔法がどれほどのものであろうと、あなたは刑を免れません。何 故なら、上空にいる火竜だけでなく、この会場にいる幻獣全てが始祖の御言葉にひれ伏し ていますから」 教皇の言葉通り、魔法衛士隊が引き連れるマンティコア・グリフォン・ヒポグリフ全て もジョゼフに向けて牙をむき、唸りを上げ始めていた。騎士達が、突然に手綱を離れて勝 手に戦闘態勢に入り出した幻獣を押さえ込もうとするが、全く制御が効かない。 会場を警備していた幻獣達全てもジョゼフを包囲し、じわじわと間合いを詰め始める。 だが、それでもジョゼフとミョズニトニルンは悠々とガーゴイルの頭の上に居座ったま ま動かない。 「ああ、違う違う」 王はいきなり手をヒラヒラと顔の前で振り、教皇の間違いを指摘した。 「違う、とは?」 ヴィットーリオは、聖杖を掲げ油断無くジョゼフを睨んだまま、それでも落ち着いて尋 ねる。 「刑とは、罪があってこそ下されるものだ。ゆえに、罪なくば罪を贖罪させる刑も無い。 刑は執行されぬ、されてはならぬ」 「ほう?どういうことですか…まるで、己の背教が罪ではない、とでも言いたげですね」 「その通りだ。そこのエルフと仲良くして、何が悪い?」 堂々と言い放って王はエルフの男へ視線を向ける。 ビダーシャルは、ちょっと困った顔で笑った。 「ジョゼフよ、いい加減にしろ。悪ふざけにも程があるぞ」 エルフに名を呼び捨てにされて諫められたガリア王だが、詫びれる様子は全くない。 くははははは…と相変わらず楽しげに笑うばかり。 シュンッと風を切る音と共に、ジュリオの剣がジョゼフへ突きつけられた。 「戯れは止めてもらいたい!一体、あなたは何がしたいのですか!?聖地奪還を阻む始祖 の仇敵、エルフと手を結ぶ事が背教の罪でないとは、ロマリアを、教会を愚弄するにも程 がある!」 突きつけられたジョゼフは、ようやく笑いをおさめた。そしてポンと膝を打つ。 「いやあ、すまんすまん。ちょっとからかうだけのつもりだったんだが、ついつい面白く なってな。 それでは、そろそろ全てを明らかにしようか。実は、俺はな…」 よっこらせ、という感じで立ち上がった王は、これでもかと尊大にふんぞり返り、高ら かに宣言した。 「連邦派なのだっ!」 腰に手を当てて断言した。 教皇もジュリオも、会場の内外全ての人が、何を言われたか分からなかった。 一瞬の間の後「ああ、そういえばここはゲルマニア=トリステイン連邦設立調印式典会 場で、さっきまで調印式の真っ最中だった」と、思い出した。 思い出したからって、ガリア王の連邦派宣言に、今さら何の意味があるのかは分からな かった。 人々の疑問には構わず、ガリア王は語り続けた。 「俺は、ここに宣言する!俺と同じ『虚無の系統』たるルイズの言葉に従い、地に平和を もらたす、と! 『聖地』などという、千年前に消失した幻想から目を覚まし、千年にわたり世界を守り 続けたエルフ達への誤解を解く時が来たのだ!ガリア王としてゲルマニア=トリステイン 連邦と共に、そしてエルフや翼人など、全ての知恵ある者達と共に新時代を築く事を、こ こに宣言する!」 その自信と威厳に満ちた言葉は、ミニスピーカーを通じてトリスタニア全体に響き渡っ た。 《ありがとうございます、ガリア王ジョゼフ一世よ。私達もあなたの宣言に賛同しま すわ》 それは、マリアンヌの優しい声。 《うむ、ゲルマニア=トリステイン連邦初代皇帝アルブレヒト三世として、ガリア王 からの連邦設立承認と和平の申し入れに感謝する。共に、地に平和をもたらそう》 それは、アルブレヒト三世の張りのある声。 突如、女王と皇帝の二人が当然の様に感謝の声を発した。 と同時に、何か甲高い音が空から響いてくる。 人々が音のする方向、遙か東の空を見ると、雲の彼方に何か小さな点が二つ見えた。 その点は、徐々に大きくなっていく。甲高い音も轟音と言えるほどに大きくなる。 あっという間に、それは会場上空へ飛来した。いかなる艦よりも、風竜よりも遙かに速 く。三角の翼を持つ鉄の塊の様なものが二つ、火竜の群れの更に上を飛んでいた。 それは、銀河帝国の強襲降下艇。 二機の降下艇は黒々とした腹側をトリスタニアの人々に見せつけながら、甲高い音と共 に降下してくる。飛び回る火竜を気にする様子もなく、その群れの中を貫いて高度を下げ る。そして、ガリア王とミョズニトニルンが乗る巨大ガーゴイルの横に着陸した。 前ページ次ページゼロな提督