約 19,732 件
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/5528.html
331: 635 :2019/01/03(木) 16 37 14 HOST p1898232-ipbf412souka.saitama.ocn.ne.jp ウルトラ星人の人氏のネタを見て思いついたネタ 「そちらの子はこちらへ!ああ!そっちはちがいます!」 某運命な聖杯探索の物語中において妖精と契約しているとの理由でに難民妖精担当大臣となった孤立世界線出身ロマノフ系妖精 ちなみに姓は孤立世界線の旦那の現在の姓である 「ふむ、ここが新しいアヴァロンですか。」 「ジャンクフードを無限に生み出す聖杯があるという話だが。」 「我々ワイルドハントが落ち着ける地だと良いのだが。」 「ドゥン・スタリオン、もうすぐ落ち着けますからね?」 青いのとか黒いのとか似たような容姿を持つ妖精?達 「でっかい大きい猫妖精です!灯里先輩!」 「素敵な奇跡!この島に世界中の妖精達が集うなんて!」 「恥ずかしいセリフ禁止!」 神崎島イタリアエリアで働く妖精達の反応 「最近だらしねえな。」 「もっと熱くなれよ!」 「お前ら妖精違いだ!!」 人々の認識から生まれた新しい妖精への対応に苦慮する入管妖精 名無しの提督 ヨーロッパにも妖精いたんやな 名無しの提督 そりゃ欧州艦娘がいるし妖精はおるやろ 名無しの提督 しかも難民化した妖精って(汗) 名無しの提督 今の欧州特にドイツは住みづらいんやろ? 名無しの提督 英国の魔女さんやドルイドさん達ツイッターで嘆いとるぞ 名無しの提督 せっかくバチカンが隣人認定したのに… 名無しの提督 一番難民妖精が多いのドイツとか草も生えねえ 名無しの提督 あれジャック・オ・ランタンであっちはピクシーか? 名無しの提督 ノームっぽいのやエルフ耳もおるぞ、あのヒレ付きはネレイドかね? 名無しの提督 おい!NHKの生放送で映ってる難民妖精に対応してる人物見ろ! 名無しの提督 あの服装ってFGOのアナスタシアか!? 名無しの提督 アナスタシアってロマノフの? 名無しの提督 せやでFGOで英霊として出てたんや、あの人全く同じ格好や 名無しの提督 英霊は本当にいたんだ 名無しの提督 そりゃいるやろ?(靖国的な意味で) 名無しの提督 これロシア的にヤバイんちゃう? ネット上の反応 以上!ネタ中の妖精はロマノフ系妖精以外はネット上の噂です。本気にしないように。
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/4375.html
500: ひゅうが :2013/08/06(火) 08 57 03 ちょっと解説のような感じ。 ――日本を象徴する戦艦といえば、記念艦となっている戦艦「大和」がまず挙げられるだろう。 栄光と敗北に彩られた大和型戦艦。その働きはあまりに有名であるためここに詳細は記さないが、超大型護衛艦「やまと」と名を改めた後もその活躍が続いたことは記憶に新しい。 だが、その横にならぶ2隻の軍艦の由来について知るものは少ない。 巡洋戦艦「樺太」級。 2番艦である「千島」とともに、かつての「向こう側」では「栄光」と「解放」と呼ばれていた軍艦である。 とはいっても、この艦は大和型と違い日本海軍の直系とはいえない。 なぜならば、この軍艦の名前はかつて「82型重巡洋艦」と呼ばれるソ連海軍の主力戦闘艦となる予定であったためだったからだ。 その1番艦の名前をとって彼女らはこう呼ばれていた。「スターリングラード」級と。 全長273メートル、満載排水量4万2500トン。主砲は305ミリ(12インチ)砲3連装3基。速力は35.5ノット。 この高速の申し子は、スターリンの見果てぬ夢の賜物。高速を利用して米艦隊にまで肉薄し、127キロの彼方から米空母を「狙撃」するという恐るべき戦法を構想として抱いていたもののそれが米海軍への対抗心を理由にしたスターリンの恐怖心の賜物であることは明らかであろう。 太平洋で繰り広げられた超弩級戦艦同士のどつきあいに触発されてソヴィエッキー・ソユーズ級戦艦の建造を再開したあたりからもそれはみてとれる。 計画ではこの同型艦を6隻建造する予定だったというが計画は遅れ、スターリン死去時には1番艦「スターリングラード」が就役間近、2番艦「モスクワ」が進水済みであった。 ここで政権を握ったラヴレンチー・ベリヤが「従来型の軍艦は時代遅れである」として建造中止を命じようとしたのだ。 日本人技術者の力を借りて進められつつあった赤軍の海上艦隊計画が気に入らなかったのであるとも、スターリンの暴走への反動ともいわれているが、これにソ連海軍は全力で抵抗した。 しかし、結局は建造が進みつつあった「ソヴィエッキー・ソユーズ」級戦艦を擁護するのが精いっぱい。 声を上げたベリヤたち党の側も政治的な意味での勝利の象徴を探していた。 そこで白羽の矢が立ったのが、スターリングラード級であったのだ。 完成間近である最新鋭戦闘艦が政治的理由で葬られかけるあたり実にソヴィエト的であるが、彼女は結果として救われた。 彼女の設計に際し尽力した日本人造船技術者から情報を入手した分断国家の北側の国が購入に名乗りを上げたのだ。 彼らとしては、圧倒的な戦闘力を持つ南側の「大和」型戦艦の恐怖は先の北海道戦争で身に染みておりその対抗策を欲していたのだ。 長射程30.5センチ砲による打撃力は貧弱な南側の補助艦戦力を粉砕できる打撃力を持っているし、もしかしたら東京の反動帝国主義政権に砲弾を撃ち込むことができるかもしれない。 実に魅力的であった。 本当はソヴィエッキー・ソユーズ級がほしかったのだがこれはソ連側が手放さないだろう。 1隻だけ手に入れられても大和型相手では意味がないのだ。 この申し出を「処分先」に困っていたソ連首脳と、「同盟国」に保持させることで廃艦にする屈辱を回避できるソ連海軍首脳は快諾。 北海道戦争終結後わずか2年である1955年1月、大泊軍港に2隻の「戦艦」が浮かんだのであった。 対する南の日本側は、この強力な敵の出現に頭を悩ませた。 1隻であるのなら自分たちの大和型が相手をできるが、2隻となると下手をすれば東京へ艦砲射撃ができてしまうかもしれない。 かといって空自にすべてを任せることはできない。彼らには防空軍としての任務があるからだ。 ――かくて、海上自衛隊と呼ばれるようになった南の帝国海軍の末裔たちは「正規空母」の再保有を企図する。 戦艦には航空攻撃。 彼らもまた学んでいたのだ。その努力は空母「かつらぎ」と「あかぎ」(エセックス級)という形で結実する。 その後、「栄光」と「解放」は時代にあわせ改装が重ねられ、1970年には「樺太」と「千島」と名を改めた。 統一戦争時には主砲はそのままに、主として防空艦としての役割が強くなっていた。 主兵装がソ連製の対艦ミサイルでなく防空用ミサイルVLSであったあたり、「やまと」の改装とコンセプトは似ているかもしれない。 (対艦攻撃としては北日本海軍は空中発射対艦ミサイルと潜水艦という形で割り切っていた) 現在、「樺太」と「千島」は冷戦時の兵装はそのままであるものの基本的には就役当時の姿を再現して記念艦となっている。 かつて敵とした「やまと」と並んで仲良く海に浮かぶ姿は、かつて2つの国であった日本がようやくひとつになったことを象徴しているかのような光景であった。 501: ひゅうが :2013/08/06(火) 09 05 22 というわけでちょっと投下しました。 「ソヴィエッキー・ソユーズ」級がもらえなかったので2隻の「スターリングラード」級がきました的な展開ですw 彼女らがいるために北日本海軍はキーロフ級を保持していません。 統一戦争時までに憂鬱な某提督たちの暗躍で、南側の「やまと」と似たような運用コンセプトに基づき「ソ連版アーセナルシップ」となってしまいました。 征途版「あきづき」型を大型化したようなある意味割り切りすぎな内容ですね。 幸いなことに統一戦争では空母の直掩として活躍、その名の通り祖国に「栄光」と「解放」をもたらしました。 現在は仲よくならんで「やまと」とともに人気の観光スポットになっているという感じですね。
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/4246.html
前ページ次ページゼロな提督 神聖アルビオン共和国、スカボロー港 ラ・ロシェールはじめ、各国からの船で賑わう港町。桟橋には大小様々な木製の船が停 泊している。浮遊する大陸の移動に合わせ、それぞれの目的地に近付く日に出発する事だ ろう。 港の中では山賊じみた荷役夫が声を張り上げ、樽やら木箱やらを運んでいる。港の隅で は旅行者達が船の出発時間を待ちながら談笑している。港に倉庫を構える大商店には、せ わしなく荷馬車やら行商人やらが出入りしている。店の奥には、大きな秤を前にペンを手 にした人物がいる。商品の重さを量って値段交渉をしているのだろう。 そして港の内外には、沢山の警備兵がいる。港を出る際の荷物への関税で、役人と商人 が一悶着が起こすなんていつものこと。血の気の多い荷役夫達のケンカに、禁制品の取り 調べ、密航にスパイの捜索。港を出入りする船・人・物への監視を続けている。 とは言っても、そこは内戦が10日ほど前に終わったばかりの新興国家。戦勝気分は既 に収まってはいるが、新たな支配階級となった貴族達の利権争いは続いており、その煽り で軍の指揮系統はいささか混乱している。末端の一般兵士には規律のタガが十分行き渡っ ていない。 というわけで、夕日と共に堂々と風竜でスカボロー港に降り立ったルイズ達一行は、兵 士達の厳しい取り調べを受けたりはしなかった。身分証明書とアルビオン政府への身元保 全依頼書、そして港湾使用料だの人頭税だのと行った名目と共に、コッソリ多めに手渡し た新金貨のおかげで。 第十四話 白の国 「いいのかぁ?風竜で来てんだから、港に降り立つ理由は無かったと思うぜ」 そういって鍔をカチカチ鳴らすのは、ヤンの背の荷の上に載せられたデルフリンガー。 持ち主であるヤンは、背中と両手に大荷物を抱え、ヒーヒーいいながら歩いている。 小さな皮のリュックを背負ったルイズが振り返る。 「いいんじゃない?むしろ、下手に密入国なんかして、アルビオン政府の目を盗まなきゃ ならない方が問題よ」 先頭を立つロングビルが、背中に担いだズタ袋を向けたまま声をかける。 「ま、私達は別に法に触れるような事をしに来たんじゃないんだし。敵情視察と言っても スパイみたいな大層なモンじゃないし、『虚無』を追う事自体は教会に睨まれる様な事で もないんだしね」 ヤンは、そうだねぇ…と答えはしたが、かなり小さな声だ。自分の荷物を入れたリュッ クを背負った上に、ルイズの荷物が詰まったトランクも両手に持たされているのだから。 さすがにこの状況では、彼の脳に向かう血の量が普段より少ないことだろう。 それでも彼の目は、港を出て市街へ続く道を興味深げに観察していた。 内戦が終結し、(恐らくは偽装だろう、とヤン自身が枢機卿に進言したが)トリステイ ン・ゲルマニアとの不可侵条約も結ばれるというのだ。平和になって再建の鎚音が響くア ルビオンには、ハルケギニア全土から行商人・山師・親戚に会いに来た人、何より帰郷す る難民達などが押し寄せている。 同時に、行方不明になった親族を捜す看板を掲げる人、手足を失い働けなくなり物乞い に身をやつした元兵士や一般人、内戦終結に伴い仕事にあぶれた傭兵達…そんな明るい顔 をしていない人々ともすれ違う。 ヤンは、背中の荷物が一瞬軽くなったのを感じた。 と同時に、急にロングビルがヤンへ杖を振った。 とたんに荷物の重さが戻ってくる。 「危なかったわね。今、荷物に『念力』かけられてたわ。リュックの口から中身を抜き取 られることもあるから気をつけて」 「へぇ…メイジのスリってわけか」 呟くヤンがチラリと、ロングビルが横目で見ている方を見る。そこには、舌打ちするマ ントの男が道ばたに立っていた。薄汚れた姿から察するに、内戦で儲け損なったまま職に あぶれた傭兵のメイジだろう。 「ちょっとー、しっかりしなさいよね!ただでさえ、あんたぼんやりしてて狙われやすい んだからね!」 そんなルイズのゴチュウコクにも、ヤンは「ぅうぅ~」と呻くくらいしか返事出来ない 有様だ。 代わりに答えたのは、デルフリンガー。 「あのよぉ、いっちゃーなんだけど、娘ッコの荷物が多すぎるせい…とは思わねーか?」 「あーら!これでもかなり減らしたんだからね。ヴァリエール家の者として、必要最小限 の荷物よ」 先頭で聞いているロングビルは、荷物を入れるのにトランク選んでる時点で失格だわ、 と呆れていた。トランクに荷物を入れたら、手が塞がる。重くて腕が疲れる。身体の左右 のバランスも崩れて歩きにくい。とはいえ、旅慣れていない貴族のルイズにそこまで言う 気もなかったが。 「ともかく、スカボローの街に入ったら、すぐに宿をとりましょ。そして情報収集と、小 さめの荷馬車も買うとしましょうか」 荷物の重さに潰されかけのヤンは、コクコクコクとせわしなく頷いた。 なんとか夜更け前にスカボローの街に入った一行は、すぐに宿探しに入った。 ロングビルは「安宿で良いじゃない」と眉をひそめたが、相変わらずルイズは「貴族と して~」と主張。ヤンは、「どこでもいいから…」と荷物を早く下ろしたい。デルフリン ガーにはどこでも同じ。 ルイズもヤンも旅行資金は十分あるので、上の中くらいの宿で落ち着いた。 幸い、内戦終盤には戦闘はニューカッスル城周辺に移動していたし、港湾施設とその周 辺は交易のため最優先で保護・復興されたらしく、街にさしたる戦乱の跡はなかった。 スカボローの街は、トリステインと似たような石と煉瓦と木で作られた町並みだ。もち ろん美術様式とか流行が違うので、少々の差はある。だが言語はなまり程度の差しかなく 人種も同じなため、それ程の差はヤンには感じられなかった。治安も思いの外、悪くない。 宿も問題なく見つけることができた。 宿の名前はザ・グランド・アット・スカボロー・スクゥエア…とかどうとか言う、大層 な名前と豪勢な外観だが、大荷物を抱えたヤンの疲労しきった頭を素通りしてしまった。 ポーターらしき従業員に荷物を押しつけ、案内された部屋に入るや、目の前のベッドの上 に突っ伏してしまう。 二部屋に大きなフカフカのベッドがそれぞれ二つ。床は絨毯で、暖炉やリビングもつい た、かなり豪華な部屋だ。 「では、ヤンはそっちの部屋で。私とミス・ヴァリエールはこっちの部屋使いますね」 と言ってロングビルはルイズを隣の部屋へ引っ張っていく。 「ちょっと待ってよ。私は寮塔でも、ずっとヤンと同じ部屋だったし」 「あら、ダメですよ。ここは学院ではないので、年頃の淑女が殿方と同じ部屋で寝たりす ると、あらぬ噂が立ちますわよ」 ルイズはロングビルに隣の部屋へ引っ張って連れて行かれた。ちなみにヤンは、「ぁう あ~」と、返事なのか何なのか分からないうめき声で答えた。ヤンの部屋の荷物の上にポ イッと置かれたままのデルフリンガーは「はぁ…情けねぇ」と呆れ顔だ…顔があるなら、 だが。 「さて、それでは今夜はゆっくり休むとして、明日から本格的に動くとしましょうか」 ルイズはさっそく荷物からクシやらネグリジェやらを取り出す。 ロングビルは二つあるベッドの一つにポスッと座り、ルイズをじっと見つめている。 メガネ越しの鋭い視線に、ルイズもようやく気が付いた。 「…えっと、何か用?」 「ええ、少し話をしませんか?というより、尋ねたい事があるのです」 「?、別にいいけど」 ルイズは、並んで置かれたベッドのもう一方、ロングビルの前にちょこんと座った。 ロングビルは普段の知的な雰囲気はそのままに、少々鋭い空気を漂わせている。 「あのビダーシャルというエルフの話、どこまで信じてますか?」 「ああ、それね。う~ん」 ルイズは腕組みして首を傾げる。 「とても信じがたいような話ではあったけど…ヤンの話も、オスマンの恩人のシュトラウ スって人の手記も、全部一致してるのよね。 ヤンの言う大災厄とか、星の海で暮らしてたとかは、とても想像が付かないけど。少な くとも虚無と聖地の話は本当と認めるしかないと思うわ」 「エルフの言う事を信じるのですか?『ハルケギニア中の貴族を敵に回しても、エルフだ けは敵に回すな』と言われるほど、恐るべき宿敵ですが」 ロングビルの視線はルイズを突き刺さんばかりだ。学院での秘書の目というより、フー ケとしての目だろうか。 その迫力に少々押されつつも、ルイズは言葉を続ける。 「まぁ、私も最初は怖かったんだけど、結構話の分かる連中みたい。確かに先住魔法は恐 ろしいけど、ビダーシャルは本当に戦う気が無かったわね。他のエルフはどうだか知らな いけどね。とりあえず、聞いてたみたいに凶暴な連中じゃないようだわ。 それに、聖地の話が本当か否かにかかわらず、ハルケギニアの人はエルフの話をちゃん と聞くべきだと思えてきたのよ。聖地奪還運動とかの戦じゃなくて」 「そうですか…私も同意見です」 フーケの目はそのままに、納得して頷くロングビル。 「それと、虚無の事なんですが…もし『虚無』の魔法が見つかったら、どうします?」 不自然なほど真剣な様子で尋ねてくるロングビルの姿に些かの疑念を抱きつつ、ルイズ は天井を見上げる。 「う~ん…『虚無』かぁ~、見つかればいいけど、見つからないだろうなぁ…」 「ですから、見つかった時です」 ルイズは、更に頭を捻ってウンウン唸る。 「やっぱり~、誰にも言えないわよね。お城や教会に見つかったら、あたし、どうされる か分からないもの。 それに、あたし、それほど大きな事は望んでいないわ。そりゃ以前は、ヴァリエールの 名に恥じない、立派なメイジになれたらいいな、て思ってたわ。でも、そこまででなくて もいいの。とりあえずは、まともな魔法が使えたらいいなって思うだけよ」 「あら、意外とささやかなのですね」 「だって、私の使い魔と来たら…魔法も使えないのに、剣すら振ってないのに、王宮によ ばれちゃうわ、父さまだって頭を下げちゃうし。魔法が全てじゃないって思い知らされた わ」 「そうですね。本当にヤンさんって凄い人ですよね」 ルイズの言葉にロングビルも微笑んで同意する。ヤンの名が出たとたん、さっきまでの 鋭い空気が溶けていった事にルイズも気付く。 小さな口の端が、にやぁ~っと釣り上がってしまう。 「ヤンの事、好きなんでしょ?」 とたんにロングビルの頬が染まり、鋭くルイズに向けられていた視線が横へずれていっ てしまった。 「…お、大人をからかうものでは、ありませんよ…」 頬を染めつつも否定せず、ルイズはちょっと拍子抜け。 「まーったく、あんなオッサンのどこがいいのかしらねぇ?確かに頭は切れるけど、全然 パッとしないわよ」 「あら!十分素敵ですよ。確かに見た目は…正直、ぼや~っとしてて、態度はダラダラ、 猫背だし、やる気無いし、顔も別に良くはないし…」 天井を見上げながらヤンの特徴を並べだしたロングビルは、だんだん声が小さくなって しまう。しまいには、誤魔化すように咳払いをしてしまった。 「ま、まぁ、その、大人の魅力があるという事ですよ」 「ふーん、まぁ、そう言う事にしておこっかなあ~」 いつも毅然とした年上の秘書が見せる恋する乙女の姿に、ルイズもニヤニヤ笑いが止ま らない。 「ま、あたしは別に構わないから。ヤンはあたしの奴隷じゃないんだし、幸せになる権利 はあるわよね」 「ええ、そうですよね」 ロングビルは裏表のない素直な笑顔で頷いた。 次の日の朝。珍しく早起きしたヤンは、日の出と共に宿の窓を開け放った。 遙か東の空の彼方にのぼり行く朝日を見て、カクッと頭が下がった。 「よー、珍しいじゃねえか。俺が起こすより早くお目覚めとはよ。おまけに、なにを残念 がってんだ?」 デルフリンガーに、ヤンは恥ずかしげな苦笑い。 「うーん…『イギリスと言えば霧』と期待してたんだけどなぁ。やっぱり産業革命も起き てない世界じゃ無理があったか。第一ここはロンドンじゃないし」 ロンドンは霧が多いと有名だが、実際には霧ではない。産業革命によって石炭を大量使 用した結果のスモッグ。そしてハルケギニアのアルビオンにあるのはロンディニウム。 「えーっと、そりゃお前さんの国の話か?ワケ分からん」 もちろんハルケギニア産の長剣には何の話か分からない。 「あら、ヤンも起きてたの?随分早いじゃない」 と言って扉から顔を出したのはネグリジェ姿のルイズ。 「んじゃ、早速着替えて街を巡るわよ。時間は無駄にしてらんないからね!」 といってポイッと手渡されたのは魔法学院の制服に下着類。 「はーい…旅装束があれば良かったね」 「しょうがないわ。出発が急すぎたもん」 ルイズを着替えさせるヤンが着ているのも、いつもの黒服に白手袋。あとは防寒用にク ローゼットの奥から引っ張り出したコートが壁にかかってるくらい。 ルイズが着替え終えた頃に、ヤンの部屋の扉がノックされた。入ってきたのは既に着替 えを終えたロングビル。 「あらあら、皆さん早いですわね…もしかして、今朝もヤンさんがミス・ヴァリエールの 着替えを?」 「そーよ」「う、うん。まぁね」 ルイズは当然のように、ヤンはちょっと恥ずかしげに答える。 「んじゃ、宿の人に朝食持ってこさせるわね」 と言ってルイズが出て行くのを確認したロングビルは、ヤンを肘でツンツン突いた。 「ちょっと、あんまり甘やかしたらダメよ」 「いやぁ、これも執事の仕事らしいから」 「ダメダメ!あの子はあんたに甘え過ぎだよ。ちったぁ自立ってもんを教えないとね」 ほどなくしてボーイ達がトレイに食事を乗せてやって来た。 並べられた皿の上には、トースト、スクランブルエッグ、ベーコンに豆の煮物。後ほど 茶をお持ちします、と言ってボーイ達は部屋を出て行った。 ヤンはドキドキしながら朝食を口にする。 「普通に美味しい…ね」 「そりゃ、そうでしょ」 ヤンの言葉にルイズはキョトンとする。横で二人の会話を聞いてるロングビルはクスク スと笑ってしまう。 「そりゃあ、ミス・ヴァリエールは貴族向けの豪華な食事しか食べてないからですよ。こ こはその中でも、他国から来た貴族がよく利用する宿なので、味付けも外国人向けになっ ているのです。 まぁ、これからアルビオン料理をゆっくり堪能すれば良い事ですわ」 その言葉に、ルイズとヤンは思わずしかめっ面を見合わせてしまう。 ヤンの頭には「そんな所だけパラレルワールドしなくていいのに…」と期待と不安が入 り交じってしまう。他国からイギリスへ来た探偵が、食事について「期待する事は何もな い」と言ったとかいう記憶があるが、果たしてそれがアルビオンで通じるかどうか…と。 その日は朝からアルビオン旅行の準備でお買い物。 ルイズが学院の図書館から拝借してきた地図は、トリステイン地理院発行のアルビオン 大陸全土図。もちろん高々度から撮影された写真を使っていない大陸地図なんか、大まか でいい加減すぎ。早速、旅行者用の地図を買い求める事になった。 また、歩きで巡っていられるほどノンビリしていられないので荷馬車も要る。ヤン自身 が「姫の結婚式に出席する大使をのせた親善艦隊に警戒すべき」と進言した以上、その艦 隊に関する何らかの報告をしないと、格好がつかない。もちろん枢機卿はそこまでルイズ とヤンに期待してない、と二人も分かってはいたが。 何より、ヤンにはルイズの荷物を担いでアルビオンを旅出来るほどの体力がなかった。 というわけで、地図やら小型の荷馬車やら携帯食料やらを買って回るついでに街の情報 収集。 さすがにアルビオン出身のロングビルは慣れたもの。あっちこっちの雑貨屋やら食料品 店で適度に値切りつつ必要なモノを買い揃えていく。そして値切り交渉ついでにレコン・ キスタの情報も集めていく。 そしてルイズとヤンも、アルビオン料理の真実について情報を集めていく。二人とも、 別にそんなグルメ情報を集めたくなかった。が、露店で買った魚のフライを一口食べた時 点で思い知らされた。出発前にシエスタが言ってた事が真実であった事を。 ルイズの頬が引きつる。 「な…何故なの…。魚のフライが、なんでこんなに不味くできるの!?」 ヤンの眉間に、思いっきりシワが走る。 「油が、臭い…おまけにギトギトだ。しかも、これに酢をかけるって、なんなんだ…」 庶民が食べる露店の料理。もちろん良い油なんか使ってないし、頻繁に交換もしない。 そしてワケも分からず露店の店主に、味付けにと多量の酢と磨り潰した緑の豆をかけられ た。この豆が、何とも言えぬ意味不明な味を醸し出している。 聞いてるロングビルはニヤニヤが止まらない。 「それがアルビオン料理ですよ!ミス・ヴァリエール、少し世界が広まりましたわね」 「こんな世界、広まらなくて良いわよ…」 ヤンは諦めたように、脂ぎったフライと味があるのかないのか分からない豆のペースト を食べていく。泣きそうになりながら。 そんな余談はそこそこに、夕方には宿に戻って収集した情報を整理していく。宿の外国 人向け料理である夕食に感謝しながら。 アルビオンは内戦終結直後のため、各地で領地紛争など混乱が見られる。 契約終了した傭兵達が盗賊へ早変わりしている。取り締まるべき貴族は、未だ利権争い で忙しく、治安に手が回らない。 内戦で課せられた重税と荒れ果てた耕地のため、貴族連合に対する平民の支持は薄い。 また、内戦時にレコン・キスタが攻城兵として採用した北部高地地方出身のトロール鬼 兵等の亜人が、未だに街中で我が物顔で歩き回り、住民達の頭痛の種になっている。 だが意外にも治安回復と統治体制の再構築は整然と進められ、早期に新政府による支配 が大陸の隅々に行き渡りそうだ。 もともと貴族連合は国民に好かれていなかったが、同時に王家からも既に民心が離反し ていた…。 アルビオンの地図をテーブルに広げて頭を寄せ合う一同。ヤンは腕組みして考え込む。 「この、新政府の統治がスムーズに受け入れられつつある…というのが意外だなぁ。いき なり支配者が変わって、ほとんど旧支配層との軋轢が生じていないなんて」 バンッとテーブルを叩いて立ち上がるルイズ。 「そーよ!そこが信じられないのよ!あいつら王家に弓引く逆賊なのよ!?なーんで誰も 彼も平気な顔していられるのよ!?」 凄い剣幕でまくし立てるルイズをヤンが、まぁまぁ…となだめる。 ルイズがとりあえず落ち着いたのを見て、ロングビルが語り出した。 「四年前のことです。アルビオン王家最後の王ジェームズ一世が、財務監督官だった王弟 たるモード大公を投獄したのですよ・・・」 王弟はエルフの女性を妾として屋敷に匿っていた。ジェームズ一世はこの事実を知り、 王弟にエルフの引き渡しを命じたが、拒絶された。結果、王弟は投獄されエルフは殺害さ れた。 「・・・当然、これらの事実は一般には秘匿されました。ですが、王が弟を投獄した事は 隠しきれません。モード大公が治めていたサウスゴータを中心とした地域の人々は、王を 恨みました。また、『聖地奪還』を悲願とする王家の者が、こともあろうに『聖地』を始 祖から奪ったエルフを妾としていたなど…。 人の口に戸は立てられません。王家は、その権威を失墜させました」 ロングビルの説明に、ヤンは納得して頷いた。ルイズも、渋々という感じではあるが納 得したようだ。 最初に感想を述べたのはデルフリンガー。 「なーんでぇ。結局、ビダーシャルが語った真実とやらを知らないせいで起こったんじゃ ねーか」 なんとも身も蓋もない言葉だが、確かに真実だ。『聖地の門』が現在では暴走中と言え る状態にあり、『門』が生む災害から世界を守っているのがエルフだ、と皆が知っていれ ば起きなかったのだ。 全ては無知と偏見が生んだ惨劇…ルイズも、そう認めざるを得なかった。 「う~、でも…でもでも、アルビオンの人だって、ずっと王家の庇護の下で生きてきたん じゃないの~。それを、あっさりと…節操が無さ過ぎ!恩知らずよ!」 「ねぇ、ルイズ」 ヤンが、真っ直ぐにルイズを見つめる。 「僕が、トリステイン王家に忠誠を誓ってるとか、恩義を受けているとか、思うかい?」 「え?」 いきなりの質問に、ルイズは意図が分からず答えに詰まってしまった。 「えーっと…別に、そうは思わないわよ」 「それは、どうして?」 「どうしてって…あなた、異邦人じゃないの。トリステインは全然関係ないわよ。という か、王家や始祖と無関係よね」 「そうだね。では、ゲルマニアの人々はどうだろう?」 「…へ?ゲルマニアに王はいないわよ。いるのは皇帝」 「そうだね。では…僕やゲルマニアの人々に、王家は必要かな?」 「なっ!?」 ルイズは、驚愕のあまり目を見開いてヤンを見返す。 何も答えないルイズの代わりに答えたのは錆びた長剣。 「いらねーなぁ。実際、王家と関係なく生活してきたんだから」 「な、な、なな…」 ルイズは、自分が信じてきた価値観を根本から否定する答えに、言葉を紡ぐ事が出来な い。 代わりに、ロングビルが結論を口にした。 「つまり、こういう事ですね…『普通の人には王家も貴族連合も、どっちでもいい』と」 バンッ! ピンクの髪を振り乱し、テーブルを力の限り叩く。 「バカ言わないでよ!そんな事!そんな事…あり得ない…忠義をなんだと」 「いや、あったし。このアルビオンで」 率直な長剣の反論に、ルイズは何も答えられない。 さらにヤンが論証を続ける。 「僕のような無力な平民から言わせてもらうなら、治安が第一だね。そして、税金が安け ればありがたい。裁判が公平だったら、なおいいなぁ。 それを提供してくれるのなら、忠義を立てるのはアルブレヒト三世でもクロムウェルで も、誰でもいいよ」 ルイズは、手を大きく振りかぶった。その手には杖が握られている。 だが、彼女の手首を握りしめたロングビルに止められた。 「は!離して!」 「ミス・ヴァリエール、落ち着きなさい」 「だって!こいつは、王家を侮辱して」 「そして、彼に逃げられるのですか?召喚した時と同じく」 「!!」 ルイズの腕からは徐々に力が抜けていく。 とすっと小さな音を立てて椅子に体を預ける。 ヤンが小さな主に尋ねた。 「ねぇ、ルイズ。君は、僕の主たりうるかい?」 「そ、それは…もちろんよ!そうあろうと、あたしは…」 「力に頼って驕り高ぶり、暴力で僕を支配しようと言うなら、全力で抵抗させてもらう。 君の手が届かない場所に逃げてもいい」 「う…」 「同じ事がハルケギニアの王侯貴族と平民達にも言えるよ。だからトリステインはゲルマ ニアとの軍事同盟が必要になったんじゃないかな?」 ルイズは、口を閉ざしたままうなだれてしまった。 「ちょっと言い過ぎたかなぁ…」 「ま、あれくらいが丁度良いって。そんなに気にしなさんな!」 夜。 しょぼくれてしまったルイズをそっとしておくことにして、ヤンとロングビルは酒場に 繰り出した。もちろん情報収集というタイギメーブンで。 来たのは街の場末の安酒場。テーブルを囲んで祝杯を上げる兵士達。カウンターでチビ チビ飲んでる貧乏貴族、再会を祝して乾杯する街の人などで賑わっている。 ヤンとロングビルはカウンターに並んで座っている。 ちなみに、ロングビルが飲んでいるのはアルビオン産ビールのエール(麦酒)。ヤンが 飲んでいるのは赤ワイン。ヤンには冷やされていないビールは、とてもではないが口に出 来なかった。 「それに、この旅はあの娘に現実ってヤツを教えてやるのも目的の一つなんだろ?んじゃ、 王族が絶対じゃない世界ってのも教えなきゃね」 「うーん、それはそうだよ。でも、ちょっと早すぎたかなって思うんだよ」 「だーかーら!あんたはあの子に甘すぎだっての!」 そんな話をしていると、ウェイトレスがローストビーフを運んできた。ロングビルは代 金にチップ分にしては多すぎるコインを上乗せして手渡す。 「ねぇあんた。最近なにか面白い話とか耳にしてないかい?噂程度でいいんだけどさ」 ウェイトレスは手早くコインを胸元に隠すと、お盆で口元を隠してヒソヒソ話し出す。 どう見ても手慣れている仕草なのは、いつもの事なのだろうか そしてウェイトレスの話に、二人とも目を見開いた。 戻ってきた二人から聞かされた噂話に、部屋でデルフリンガー相手に愚痴っていたルイ ズも驚きを隠せなかった。 「ウェールズ皇太子が、生きてるぅ!?」 さっきまでの落ち込みもどこへやら。ルイズは目を輝かせて聞き入ってる。 ちょっと赤ら顔のヤンが話を続けた。 「うん、僕もビックリしたよ。クロムウェルと並んで歩く皇太子の姿を見たっていう噂な んだ。それも、あちこちから同じ噂が立ってる」 しらふなままのロングビルも興奮気味だ。 「ニューカッスル城では王党派が全滅したって聞いてたんですけどね。本当なら、一大事 ですわ」 「そうだね。もし皇太子がレコン・キスタに恭順の姿勢を示したなら、王党派の残党やレ コン・キスタに反感を抱いていた人々もレコン・キスタに取り込める。 新支配体制が速やかに整いつつあるのは、もしかしたらそれが理由かも知れないよ」 「そいつぁ、おでれーた!王族自身が王家を裏切ったッてことになっちまうぜ!」 デルフリンガーの言葉に、ルイズが絶句する。 「ま、ただの噂だよ。でも、これは追跡する価値はありそうだね」 ルイズは強く頷いた。 深夜。ルイズは「ぐぅ~すぴぃ~」とグッスリ寝ている。 隣のベッドで寝ていたロングビルがむくっと起き出す。そしてルイズの寝息を確認する と、そろぉ~りそろりと扉へ向かう。 音もなく扉を開けて隣の部屋へ、ヤンのベッドへと音もなく忍び寄っていく。酒場でワ インを何杯も飲んだヤンも眠りの中にいた。 女の手が男の顔へと近付いていく。 そして、手が触れるか否かというとき、男の口から小さな声が漏れた。 「・・・フレデリカ・・・」 伸ばされた手が凍り付いた。 男の目にうっすらと涙が浮いているのにも気が付いてしまう。 女は、しばし男を眺める。 そして肩を落とし、再び忍び足で自分のベッドに戻っていった。 「男と女は、難しいわなぁ…」 荷の上に置かれたデルフリンガーのつぶやきは、誰にも聞かれなかった。 次の日、一行は朝のうちに宿を後にした。 のぼり行く朝日の中、荷馬車の中でルイズが地図を広げる。 「この方向は、サウスゴータよね」 隣のヤンが眠い目をこすりながら、手綱を操るロングビルに尋ねる。 「君が言う、会わせたい人っていうのはシティ・オブ・サウスゴータにいるのかい?」 じっと前を見るロングビルは、淡々と答える。 「いえ、そこからちょっと離れた、小さな村なんですけどね。そこにアルビオン王家と縁 のある人がいるのを思い出したんです」 「へ~、どんな人?」 「それは…秘密、ですわ」 前を向いたままのロングビルは、会ってからのお楽しみ、と言う以上の事は言わなかっ た。 アルビオン空軍基地ロサイスとロンディニウムを繋ぐ交通の要衝、サウスゴータ。 途中の風景はのどかで平和なものだ。森に覆われたなだらかな丘陵。牧草地帯の間を縫 うように続く風化しかけの低い城壁。かつては戦場であったかも知れない草原も、今は羊 たちの食堂になっている。ところどころには石組みの城、白い壁に茶色いタイルの屋根を 持つ民家、朽ちかけのあばら屋みたいな家畜小屋が見える。 そしてスカボローからサウスゴータへ向かう道では多くの人とすれ違った。 内乱を逃れて避難していた人々が嬉しげに故郷へ帰る。新たな戦乱を求めた傭兵が不景 気そうな顔で港へ向かう。田畑や家畜を失い家も焼け落ちたであろう難民らしき暗い顔の 人達も。赤子を抱いた母親が乞食をしている姿もある。 焦臭そうな雰囲気を漂わす一団が、若い女性二人を乗せた荷馬車に目がいく。が、ルイ ズとロングビルがメイジの証であるマントを羽織っているのを見ると、舌打ちをして通り 過ぎていった。 「ルイズ、よく見ておくといいよ。正義や大義を振りかざして争う王侯貴族達の間で、平 民達がどれ程の迷惑をこうむるかを、ね」 ヤンの言葉に、荷馬車から街道を見渡すルイズは何も答えなかった。 ほぼ丸一日かけ、夕方に一行は目的地に到達した。 サウスゴータ地方の森の中、ロサイスから北東に50リーグほど離れた村には、丸太と 漆喰で作られた民家が寄り添っていた。街道から外れ、荷馬車を森の中に隠して歩き、森 を切り開いた空き地にあるこじんまりした集落。藁葺きの小さな家が10軒程あるだけ。 そして民家の周囲では、沢山の子供達が遊び回っていた。金髪・赤毛、瞳の色も様々。 薄汚れた服を着てはいるが、目はいきいきと輝いてる。 「あー!マチルダねーちゃんだ!」「わー!久しぶりー!」 子供達はロングビルの事をマチルダと呼んで駆け寄ってきた。 「マチルダって、ミス・ロングビルの名前?」 ルイズの問にロングビルは「まーね」とだけ答えた。 「みんな、元気そうだね!テファを呼んできてくれるかい?」 はーい!という元気な声を残して子供達は奥の民家へ駆けていく。そしてすぐに、一人 の少女を引っ張ってきた。 「マチルダ姉さん!帰ってきてたの!?」 少女はロングビルの顔を見るや、とたんに顔を輝かす。 「ああ。テファも元気そうだね。今日はお客を連れてきたんだ。 二人とも。この子が例の、モード大公とエルフとの間に生まれた娘さ。ティファニアっ て言うんだ」 紹介されたエルフの少女が、怖々と頭を下げる。 それを見ていたルイズと、死にそうな重さの荷物を背負わされて小道を歩いてきたヤン は、なにかこう、おかしな感じがしていた。 二人が最初に目を奪われたのは、少女の美しさ。少女はあまりにも美しかった。神々し いまでの美貌を纏っていた。 長いブロンドの髪は波打つ金の海のごとく輝く。粗末で丈の短い草色のワンピースから 延びる四肢は細くしなやか。素朴な白いサンダルまでもが可憐に少女を彩っている。 次に気が付いたのは、少女の長い金髪からのぞく長い耳。ビダーシャルも長いブロンド から長い耳をのぞかせていたのが思い出される。エルフだというのもすぐに分かった。 だが、こう、どういえばいいのか分からない妙な違和感が消えない。人間じゃないとか どうとか以前に、なにかが間違ってるというか、ありえないというか・・・。 初対面の人を前にしながら、挨拶も自己紹介も忘れてエルフの少女を上から下までジロ ジロ観察してしまう。 二人の視線が、見知らぬ人間に怯えた少女の体の中央に焦点を合わせた。 二人とも、疲れてるのかな?と目をこすってみた。 目が霞んでいるワケじゃないと確認したら、目の錯覚かと見直してみた。 目の錯覚でも無い事が分かった二人は、それの何がおかしいかを考えてみた。 ほっそりとした体つき。華奢な手足。清楚で可憐な空気をまとう少女。長いブロンドの エルフ。 にも関わらず、胸だけが違う。何か違う。いや絶対違う。 「あ・・・」「あり・・・え・・・」 二人のつぶやきに、エルフの少女が少し首を傾げる。揺れる金髪が少女の胸の上を流れ る。 ルイズの引きつる唇が、ゆっくりと開いた。 「ありえないぃっ!!」 「きゃぁっ!」 ルイズが叫ぶ。 少女が驚いて飛び上がる。 次いで少女の胸も飛び上がる。 少女が着地した。 一拍おいて少女の胸も、ぽんわわわん…と言う感じに上下左右に揺れた。 ヤンの目も少女の胸の頂点を追って上下左右に 「何見てんだよっ!!!」 バシィッ! マチルダ姉さんのミドルキックがヤンの脇腹にクリーンヒット! 「い!いや!僕は、そんな!ただ、あまりの、その」 「あまりの、なんだー!」 哀れにもボコスカドコスカと、どつかれるヤン。「おいおい、その辺にしとけよ」とい うデルフリンガーの声も虚しかった。 エルフの少女は、神々しいまでに清純な美しさを持っていた。 だが彼女の胸は、悪魔のごとき破壊力を持つ巨大さだった。 どうみても細い体躯とのバランスがあってない巨乳。あまりに人間の範疇から外れてい た。なので、それをバストと認識する事が、二人の脳では時間がかかったのだ。 ぐわし!「ひうっ!」 ルイズの両手が、エルフの「ばかでかい」という言葉ですら収まらない胸を無言でつか んだ。初対面の小さな少女による予想外の行動に、エルフの少女は驚いて身がすくみ、動 けない。 「なにこれ」 「む、胸・・・」 かろうじて、蚊の鳴くような声を押し出すエルフ。 「嘘」 「嘘じゃないわ。ほんとに胸・・・」 もう金髪の少女は、瞳に涙を浮かべている。 「どう考えてもおかしいわよ。身体と釣り合いが取れて無いじゃないの。程度があるじゃ ない、程度って。私はこれ、胸って認めないから。ええ、断固、認めないから。『胸っぽ いなにか』って定義する事にしたから」 「あう。あうあうあう。あうあう」 「あんた、あたしへのあてつけ!?恨みでもあるの??謝りなさいよッ!謝ってよ!私に 謝ってッ!」 「あんたもおちつけってのっ!!」 ボコッ! ルイズもマチルダに頭をグーで殴られた。 第十四話 白の国 END 前ページ次ページゼロな提督
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/3937.html
前ページ次ページゼロな提督 虚無の曜日、未明。 城下、ヴァリエール公爵トリスタニア別邸。 ようやくヤンは衛士達の取り調べから解放された。 とはいえ、メイジでないヤンはフーケでない事は歴然としているので、単に事情聴取さ れただけだが。ルイズも公爵も目撃した事実と被害内容を尋ねられただけで、すぐ衛士達 は別邸から立ち去った。 その後、王宮はハチの巣をつついた騒ぎだったし、まだ夜も明けきらぬというのに、『土 くれのフーケ、ヴァリエール家の秘宝を強奪』の知らせはトリスタニアを駆けめぐってい た。だが、ヴァリエール家の別邸にいたルイズとヤンには、その辺の話は届かなかった。 幸いエレオノールや御者達に大きな怪我は無かった。地面に倒れていた長女に駆け寄っ た公爵とルイズは、単に気絶しているだけなのを確認して安堵した。フーケのゴーレムは 追うには既に遠すぎた。 近くの木の幹には『ダイヤの斧、確かに領収いたしました。土くれのフーケ』とのサイ ンが残されていた。 二人の呼びかけに目を覚ましたエレオノールは、フーケに斧が奪われたのを知って、再 び卒倒してしまった。今は別邸でベッドに休んでいる。 そしてお昼前。 昨晩の騒ぎで夜更かしをさせられたルイズとヤンが、ようやく起き出してきた。ダイニ ングルームで顔を合わせた二人は、挨拶代わりに大きなアクビを交換してしまう。 「ふわぁ~うぅ。おはようございます、ミス・ヴァリエール。公爵様はどちらへ?」 「ふふぁあ~うぅぅ。おあよー、もう城へ行ったわよ。フーケの捜索隊がどうとか言って たわ。眠かったのであんまり覚えていないんだけど」 「エレオノール様は?」 「まだ寝てるわ。…さすがに、今はそっとしておいてあげましょう」 ルイズの言葉をききつつも、ヤンはガックリと肩を落としてしまう。 「はぁ、やっと金に縁のない生活から抜け出せたと思ったのになぁ。これじゃ治療費を返 すのは当分無理そうだ」 対するルイズはエッヘンと胸を張った。 「その点は大丈夫よ!父さま、例の3倍分はちゃんとくれたの!」 そう言ってルイズが手を打つと、別邸のメイド達がワゴンに乗せた大きな箱を持ってき た。 ヤンが蓋を開けると、中にはエキュー金貨が入っていた。 「んじゃ、約束通り1/3があんたの取り分よ。有難く思いなさいよ!」 「う、うん。感謝するよ。さすがはヴァリエール公爵、気前が良いねぇ」 内心ヤンは、雇い主をルイズから公爵へ乗り換えようか、と考えてしまった。 もちろん口にはしなかったが。 第5話 破壊の壷 昼過ぎのトリスタニア。 休日だけあって露店も並び、酒場は昼間から乾杯の声が響き、様々な看板が軒を連ねて いる。同時にフーケ捜索に当たる衛士や兵士の隊があちこちを走り回っている。 別邸から馬車で買い物に来た二人。ヤンは相変わらずキョロキョロと、興味深そうに町 並みを見回している。 「ほら、そんなに物珍しげにしてると、スリに狙われるわよ!」 そうルイズに注意されたものの、立体TVや歴史の資料でしか見れないものが目の前に 現実として広がっているのだ。歴史学者志望だったヤンに珍しげにするなというのは無理 と言うものだろう。 「うーん、分かったよ…へぇ~、あれって薬屋さんかい?うわー、瓶の中に動物がそのま ま入れられているよ!あれを飲むのかい!?病気にはならないようにしなきゃね」 どすっ! 昨夜に続き、今度は脇腹に肘がめり込んだ。 悶絶しそうになるヤンは、どうにか倒れるのをこらえた。 「ぐっ、ごふぅ…ふぅ、し、失礼したね。それじゃ、僕の服とかも色々買わなきゃね」 「そうしなさい。いっとくけど、あたしに恥をかかせないでよね!」 「承知しました。ミス・ヴァリエール」 そんなわけで休日の午後、二人は仕立屋でヤンの執事に相応しい服を注文したり、靴屋 に行ったり、新しいお茶の葉を選んだりと、ショッピングを楽しんだ。…まぁ買い物の常 で、レディであるルイズの大量に買い込んだ服やらバッグやらを、ヤンが持たされるのは お約束。 ヴァリエール家の馬車で来ているので、荷物をどんどん馬車に詰め込めるのが幸いでは あった。が、それでも大荷物を抱えて商店と馬車を往復させられるヤンは、もう息が絶え 絶えになってしまう。 夕方になる頃、荷物で一杯になった馬車の中をみて、ヤンは呆れてしまった。 「いやぁ~、沢山買ったねぇ。まぁ、これだけ買えば十分だね。それじゃ、学院に戻ろう か」 「まだよ」 ルイズの無慈悲な一言に、ヤンはうんざりして頭を垂れてしまう。 「ねぇ、ルイズ様…もうこれ以上、何を買うというんだい?もう必要なものは全部買った と思うよ?」 「何言ってるの?一番大事なモノを買ってないじゃない」 当然のように言うルイズに、馬車の中の山と積まれた荷物を見直す。 だが、いくら考えても買い忘れたものは思いつかない。 ルイズは、ヤンを見上げてハッキリと足りないものを告げた。 「武器よ」 ルイズの言葉は、ヤンの発想からは外れたものだった。 「武器って…君のかい?」 ドコッ! ヤンはルイズに思いっきり蹴られた。 「何で私が持つのよ。あ・ん・た・の、武器!またフーケと会ったら、次こそとっ捕まえ るわよ!」 言われたヤンは、口があんぐりと開いてしまう。 どう答えたものかと思考を巡らし、なんとか目の前の若いアルジに理解してもらえそう な言葉を選んだ。 「僕は武器なんか使えないよ」 本人は理解してもらえる言葉を選んだつもりらしい。だが、ルイズには全く理解出来な かった。ジロリと自分の使い魔を睨み付ける。 「あんた、軍人でしょ?」 「うん。自分でも信じられないけど、軍人だった」 「士官学校にいたんでしょ?」 「もちろん。もっとも、落第すれすれだったね」 「でも、当然ながら、武器の扱いだって習ったわよね?」 「でも、当然ながら、ハルケギニアの武器の扱いなんて習ってないよ」 「あんた、銃を持ってるじゃないのっ!」 ビシィッと、ルイズはヤンのジャンパーの胸ポケットを指さした。 ヤンは胸を張り、ふんぞり返って答えた。 「自慢じゃないけど、僕が撃っても当たらないのさ!」 どすぼごべきずか ヤンは往来の真ん中でルイズにどつき回された。 「バカ言ってないで、武器屋に行くわよ!またどこでフーケが出てくるか分からないんだ から。次会ったら、必ずお縄にしてやるんだからね! あんたも!そんな一発撃ってお終いなオモチャじゃなくて、ちゃんとした剣とか買いな さい!」 「うう、本当にいらないのに…」 ヤンとしては、本当に武器なんか持つ気は無かった。今ジャンパーに納めている銃にし たって、ハルケギニアの人が使ったりしないように自分が持っているだけなのだから。ル イズはヤンの持つ銃をハルケギニアのフリント・ロック銃と似たようなモノと思いこんで いるようだが。 「とはいえ、確かに銃はいつかエネルギー切れになる、か。日用品としてのナイフがあっ ても便利かな」 なんとか自分を納得させて、肩で風を切ってノシノシ歩くルイズの後を追いかけた。 悪臭が鼻をつく路地裏に入り、ゴミや汚物が転がる道ばたを抜け、四つ辻に出た所で、 銅の看板をルイズが指さした。 「ふーん、剣の形の看板か。あれが武器屋かい?」 「ええ、さぁ入るわよ」 二人は石段を上がり、羽扉を開けた。 薄暗い店内はランプで照らされ、壁や棚に所狭しと剣や槍が乱雑に並べられ、立派な甲 冑が飾られていた。店の奥でパイプをくわえていた50がらみの親父がルイズをうさんくさ げに見つめた。紐タイ留めに描かれたと五芒星に気付く。 ルイズはツカツカと店主の前へ行く。 「旦那、貴族の旦那、ウチはまっとうな商売して・・・」 「客よ。この平民に合う剣を・・・」 そんなやりとりをしながら、店主はチラッとヤンを見た。 店内の武具を珍しげに眺めてまわる、30代くらいの学者風な男。筋肉質とは言えない 身体。と言う以前に、どうみても剣を振りそうにない半開きの寝ぼけまなこ。 「え~っと、旦那…さっきから言ってるのは、そこの御仁で?」 「そうよ。なんか文句あんの!?」 「いっいえ!滅相もない!そうですねぇ、最近はフーケなんて盗賊が出没する物騒なご時 世ですからねぇ。宮廷の貴族の方々の間でも下僕に剣を持たすのが流行ってまして」 「分かってるじゃない。それじゃ、適当に選んでちょうだい」 店主は、カモがネギ背負ってやって来た、と言う感じの雰囲気を漂わせつつ店の奥から 細身の剣を持ってきた。煌びやかな模様がついた、貴族に似合いの綺麗な剣だ。 「さっきの話で、下僕に持たせているのが、こういうレイピアでさあ」 ルイズはジロジロと剣を眺める。 「フーケのゴーレムを相手にするなら、もっと大きいのが」 「いや、ナイフが良いよ」 いつのまにやら、ヤンがルイズの背後に立っていた。じっと華奢な剣を見つめている。 そして、普段のとぼけた台詞からは考えられないような言葉を連ねた。 「さっきも言ったけど、僕は剣を使った事はない。でも戦場はともかく、その剣が普段持 ち歩くのに向かない事は分かるよ。 まず強度がない。細すぎて、斬りつけたら折れる。突くには良いけど、うっかり深く突 いたら抜けなくなるから、複数に囲まれた状況では使えないよ。それに刃物は刃こぼれと かで切れ味がすぐ落ちる。 ああ、フーケのゴーレムを前提にするなら、そもそも剣で立ち向かうという発想自体が 間違いだよ。どうみても、あんな大きなゴーレムには剣が通らないし、使役するメイジを 倒さなきゃ意味がないんだから。 それに、長さも中途半端だ。鞘から抜くために一拍動きが遅れる。だから敵に先手を打 たれる。と言って敵より早く抜いたとしても、長さが無いから結局間合いを詰めなきゃな らないので意味がない。戦場で敵に先手を打てないとか、間合いで負けるのは、死と同義 だよ。 それと、路地みたいに狭い場所や大通りのような大人数が入り乱れるような場所では剣 は向かない。周りにぶつかって剣を振れなくなる。足場の悪い場所では小回りの効く方が 有利だし。 なにより、さして役に立たないにも関わらず、腰に剣をこれみよがしに下げなきゃいけ ない。だから周囲に僕を警戒させてしまう。敵は油断をさせた方が奇襲もしやすい。 あと、警戒心を与えないという事は、交渉もしやすいということさ。この利点は武器の 威力以上の価値があるよね」 どう見ても冴えない中年男の口から飛び出す、全く似合わない戦術論 店主のオヤジもルイズも、呆気にとられて何も言えない。 「…以上の点から、そうだねぇ、小さなナイフが良いんだ。それも、服の袖に収まって、 一瞬で手に収めれるようなヤツ。隠しナイフみたいなものなんだけど」 ようやくヤンが語り終えた時、ルイズは小さな手でパチパチと拍手してしまった 店主も感嘆の溜め息をついてしまう。 「いやぁ~、おみそれいりやした。どうやら、いっぱしの知識はお持ちのようで」 「まったくだぜ!そんな貧相な体してっから、どんな青ビョータンかと思ったら!いやー おでれーたわ!」 いきなりどこからか妙な声がした。低い男の声が、乱雑に積み上げられた剣の中からし ている。 ヤンが声の方へ歩み寄ると、そこにはツバをカチカチ言わせてしゃべる、サビの浮いた ボロボロの剣があった。 「うわぁ、なんだいこれ?しゃべる剣とは驚いたねぇ」 「へっへー、おでれーたか!デルフリンガーってんだ、よろしくなオッサン!」 オッサンと言われたヤンは、軽くよろけた。 お兄さんと呼んで欲しい、なんて厚かましい希望は持っていない。もう若いとは言えな い事はヤンも自覚している。それでも、『オッサン』の一言は彼の胸をえぐった。 「やいデル公!お客様に失礼な事を言うんじゃねぇ!」 「あに言ってやがんでぇ!オッサンはオッサンじゃねーか!もっとも、俺にしてみりゃ、 どいつもこいつもヒヨッコだけどよ!」 何度もオッサンと言われた心理的ダメージに打ちひしがれつつ、彼は剣を手に取った。 表面にサビが浮き、お世辞にも見栄えが良いとは言えない薄手の片刃剣だ。 「それってインテリジェンスソード?」 ヤンの後ろからルイズが珍しげに覗き込む。 「そうでさ、若奥様。意志を持つ魔剣、インテリジェンスソードでさあ。ったく、いった いどこの酔狂な魔術師が始めたんでしょうかねぇ?剣を喋らせるたぁ…」 店主のデルフリンガーに対する愚痴はまだまだ続いたが、ヤンの耳には届いていないよ うだ。珍しげに剣をあちこち調べている。 「ふぅ~ん、面白いねぇ…どうして剣をしゃべらせるんだろう?何か意味があるのかな」 そんなヤンのつぶやきを、剣の方も聞き流しているかのようだ。 ジッとヤンを観察するかのように黙りこくっている。 しばらくして、剣は小声でしゃべり始めた。 「おでれーた。見損なってた。まさか、こんなひょろいオッサンが『使い手』とは」 「『使い手』?」 いきなり聞き慣れない言葉を投げかけられ、ヤンはキョトンとする。 「ふん、自分の実力も知らんのか。まあいい、オッサン、俺を買え」 買え、と言われたヤン。 天井を見上げ、どう答えたものかと思案してしまう。 しばしの後、ヤンは気の毒そうな顔をした。 「ゴメン、要らないよ」 「ぬぁにっ!?」 この錆びた剣に顔があったなら、剣の目が点になっていたろう。 「なっなんでだ!?なんでいらねーんだっ!??」 「いや、なんでと言われても…さっき言った通りだね」 「ぐっ」 「アイテムとしては面白いんだけど、武器としては…僕には使えないなぁ。戦場に行く予 定もないし」 剣は、言葉に詰まってしまった。 今度は店主がニヤニヤ笑い出す。 「聞いたかよ、デル公。やっぱこの御仁は見る眼があるってこったなぁ」 「うっうるせえ!てめえこっちこい!鼻をそぎ落としてやる!」 「はっ!出来るモンならやってみな! つーわけで、旦那様方。こちらのナイフ10本セットではいかがでしょう?長さは15 サントで細い両刃、手に持っても投げても良しの優れもの。この二本は飛び出し型・折り たたみ型でして…」 店主とルイズは奥でナイフの品定めに入ってしまった。 ヤンの興味もナイフの方に向いてしまい、デルフリンガーは乱雑に積み上げられた剣の 山に戻されそうになる。 「わー待て待て!オレッちはホントに役に立つんだ!『使い手』には最適の剣なんだ!い やマジで!!」 インテリジェンスソードの必死な懇願に、ヤンもついつい哀れになってくる。 なので、もう一度さびた剣を見直してみる。 よーく、じっくりと見直してみる。 だが、溜め息を一つついただけ。 「…せめて、何の役に立つか、自分で教えてくれるかなぁ」 「お、おう、聞いて驚け!俺を買えばだなぁ…」 剣は叫んだ。自分の売りを。 「話し相手になるっ!」 店内の人々は、笑うべきか呆れるべきかツッコミを入れるべきか、迷った。 なので、とりあえず店主が大笑いしてルイズが呆れてヤンが「なんだそれは」とツッコ ミを入れた。 結局、剣としてのアイデンティティーを放棄してまでの懇願に根負けしたヤンは、長剣 を背負いナイフセットの束等を手にして店を後にしたのであった。 既に日も暮れた夜道。 沢山の荷物を積んだヴァリエール家の馬車が、学院への街道をノンビリと進んでいた。 ヤンはぼんやりと窓から二つの月を見上げている。 「月明かりも衛星が二つあると明るいねぇ。とはいえ、こんな薄暗い夜道を馬車で走って 大丈夫かい?」 ルイズはアクビをしながら眠たげに答えた。 「だいじょーぶよぉ…ふわぁあ~…この道はちゃんと整備されてるし、危ない場所もない から。ゆっくり行けば、ちゃんと無事に学院に着くわよ」 床に置いた長剣が、鞘からひょこっと少し飛び出した。 「ところでよぉ、ヤンとやら。珍しい服装してっけど、そいつぁどこの服だ?」 「ああ、これは僕の国の軍服なんだよ。僕の国はそれはそれは遠くてねぇ・・・」 そんな話をしながら、御者はゆっくりと夜道を走る。 学院に到着したのは結局夜更けになってしまった。 学院の門をくぐったルイズは大きく伸びをする。 「うーんっ、やっと着いたわ。全く色々あったけど、とにかく私はお風呂入ってくるわ。 あんた達は荷物を部屋に運び入れておいてね」 と言ってルイズはさっさと寮塔へ入っていった。 運び入れておいてね、と命じられたヤンと御者は、馬車に詰め込まれた荷物の山を眺め る。そして顔を見合わせて、諦めのため息をついてしまった。 御者とヤンは、どうにかこうにか荷物を全部ルイズの部屋に運び入れた。 ヤンはもう、息も絶え絶えで寮塔入り口の石段に腰掛けてへばってる。 「お疲れ様ぁ~、ありがとう~」 へろへろの手を振って、御者に礼をいうヤン。 「こっちこそありがとうだぜ、お互い主にゃ苦労させられるなぁ」 御者も礼を返して去っていった。 ルイズの部屋の扉を開けたヤンは、乱雑に積み上げられた荷物の山を視界に入れる。 これを更に片付けて整理させられる苦労に思考が向こうとした時、ついつい現実逃避を したくなった。 「ハァ~イ、使い魔さぁ~ん」 荷物の山から目を背けたいヤンの願いを神か悪魔が聞き入れたらしい。彼を背後から呼 ぶ女性の声があった。が、その声を聞いた彼は、願いを聞き入れたのは悪魔に違いないと 推理した。 「ねぇ~え?使い魔さんってばぁ~」 聞こえないふりをしたかったが、さすがにそれは無理がある。なにしろその声の主は、 ヤンの背筋に指を、つつつぅ~と上下に這わせていたから。 覚悟を決めて振り向くと、案の定そこにはキュルケとタバサが立っていた。 「今晩は、ミス・ツェルプストー。そしてミス・タバサ」 とりあえずヤンは他人行儀に礼儀正しく頭を垂れた。 「やぁねぇ~、相変わらず他人行儀なんだから。それはそうと、ちょっと良いかしら?」 「あ、いえ、既に夜も更けていますから。また明日でいいでしょうか?」 当たり障りの無い台詞でやんわりと断りつつ、ヤンの足はジリジリとルイズの部屋へ後 退していく。だが、キュルケもじわじわと間合いを狭めていく。 「あらあら、いいじゃないのぉ~。夜は長いんだし、色々お話を聞かせて欲しいのよぉ」 いつのまにやら、ヤンはルイズの部屋の中まで後ずさっていた。そしてキュルケも部屋 の中に入ってきてしまっていた。ついでにタバサも。 「あの、ですから、明日も学院の授業が…」 「うふふふ…あなたのお話、学院の退屈な授業より面白そうなんですもの」 荷物の山に阻まれて後退出来なくなったヤンに、キュルケがゆっくりと体を、特に胸を すり寄せてくる。 「だからぁ…お話、して下さる?」 「わ、私に何の、話、でしょう、か?」 ヤンは、もてない。 ハッキリ言って、もてない。 想いを寄せ合う女性はいたし、まだ中尉の頃から片想いをしてくれた年下の女性と結婚 もした。でも、それは彼という人物を良く知っていたからであり、非常に物好きな年下女 性が一目惚れしてくれたからだ。 見る人によってはハンサムに見えなくも無い、と言う程度の顔。いつももダラダラして いるとしか見えない態度。半分寝ている目。ちょっと猫背。ヘタなジョーク。運動音痴。 どうひっくりかえっても、控えめに言っても、女性に熱烈なアプローチを受けるタイプの 人間ではない。 ヤン自身は、英雄と呼ばれ高級士官になった頃なら女性を自由に選ぶ事ができるように なっていたのかもしれない。しかし、そんな事は想像すら出来ない朴念仁だった。 なので、キュルケの色気に無様な撤退を余儀なくされる事、非難できるはずもない。 今やヤンは、汗をダラダラと滝の様に流していた。 「ねぇ…フーケに斧を奪われたって、ホント?」 「・・・ああ、その話ですか・・・」 ヤンはホッとすると同時に、僅かにガッカリもしてしまった。だがそれは男として当然 で、決して誹謗中傷を受ける理由にはならないはずである。 「ちょっと、人の部屋でなにしてるのよ」 ちょうどルイズもお風呂から帰ってきて、扉を開けたまま額に血管を浮かべていた。 同時刻、学院中庭の植え込みの中に、一人の人物が立っていた。 頭から黒いローブをすっぽり被った人物は、手に斧を、正しくは斧のヘッド部分を持っ ている。 「くっくっく…全く、こんなに上手く行くとはねぇ!」 長い呪文を詠唱した後、杖を地面に向けて振る。音を立てて地面が盛り上がる。 ローブの人物は、盛り上がっていく小山に乗ったまま立っている。小山は人型へと変化 し、黒ローブのメイジはそのまま人型の左肩に乗った。 本塔と並ぶほどの大きさがある、30メイルの土ゴーレムが学院に突如現れた。 「さて、この『土くれのフーケ』様のゴーレムでも、学院宝物庫の壁をぶち破るのは無理 だわ。…でもね」 ゴーレムは右手を左肩のフーケへ伸ばす。 フーケは手にしていた斧をゴーレムの拳表面に突き立てる。 そして更に杖を振り、拳を鋼鉄へ練成した。 「あらゆる魔法に傷一つ付かない、ダイヤより硬い異国の斧。 こいつに、あたしのゴーレムのパワーを乗せたら、どうかしらあっ!?」 ゴーレムは、鋼鉄の拳に炭素クリスタルの斧を付けたまま、宝物庫の壁に向け大きく振 りかぶった。 深夜の学院に轟音が鳴り響いた。 同時に地響きが全塔を振動させる。 「なっ!?なに?」「これは!地震なの!?」「う、うわ!荷物がぁ!」 ルイズとキュルケとヤンが、突然の揺れに床へ倒れそうになる。 乱雑に積み上げられていた荷物がルイズ達の方へ崩れていく。 3人とも、荷物の山の中に埋もれ、潰されてしまった。 「『レビテーション』」 揺れにも動じず荷物の崩落にも巻き込まれなかったタバサが杖を振り、荷物の小山を取 り除く。3人とも痛む体をさすって起きあがる。 「あっつつつ…一体何なのよぉ」「みんな、無事だね。えっと…今のは、地震というやつか い?この辺は地震がよく起きるのかな?」「さっきの轟音、何だったのかしら。タバサ、シ ルフィードを呼んでよ」 タバサは窓に寄って口笛を吹く。ほどなくして風竜が飛んできた。 全員急いで風竜の背に全員乗り移り、学院を上空から見渡す。 「おおーこれが竜かぁ、すごいなー、どうやってこんな小さな翼で飛んでるのかなぁ」 そんなヤンの驚きの声は風と共に後方へ去っていく。 学院の中央、本塔には大穴が開いていた。 中庭には、地面が不自然に抉られたような跡がある。 そして学院の近くの森には、立ち去っていく巨大ゴーレムの姿があった。 ルイズが驚きの叫びを上げた。 「あーっ!あれは、フーケのゴーレムぅっ!!」 「タバサ!急いでフーケを」 追って、と言おうとしたキュルケだったが、既に遅かった。 彼方に立つゴーレムは、突然ぐしゃっと崩れ落ちた。 風竜が土ゴーレムの残骸である土の小山の上に降り立つ。 4人は周囲を探すが、もちろんフーケの姿は既に無かった。 魔法学院は深夜にもかかわらず、ハチの巣をつついた様な騒ぎとなった。 被害は宝物庫のカベと学院の秘宝『破壊の壷』。 宝物庫の壁には『破壊の壷、確かに領収いたしました。土くれのフーケ』との犯行声明 文が残されていた。 宝物庫には学院中の教師達が集まり、壁の大穴を見て口をあんぐりさせていた。次に教 師達は当直の貴族は誰だとか、平民の衛兵なんか役に立たないとか、口々に勝手な事を喚 き、責任の押し付け合いを始める。外には中を不安げに覗き込むメイド達もいる。 当直だったのはミセス・シュヴルーズ。当直のはずの彼女は自室からやってきた。寝間 着のまま。宝物庫の大穴を見て、蒼白になってしまう。 逃走するフーケのゴーレムを目撃したルイズ・ヤン・キュルケ・タバサも宝物庫へ駆け つけた。ヤン以外の女性陣は教師達から犯行現場や状況について激しく問いただされてい た。ヤンは平民で使い魔ということで、相手にはされていなかった。 まだ夜明け前の宝物庫。ヤンは数のうちに入れられていないのを幸いに、周囲の状況を 見回り、駆けつけたオスマンやコルベール達教師の話に、そして同じく駆けつけたメイド 達の言葉にも聞き耳を立てる。 ――当直をサボっていたという…まともに当直をした事のある教師はおらん… ――ここはメイジで一杯…まさか賊に襲われるとは夢にも… ――目撃者はこの3…犯行後、逃走するゴーレムを追跡したがフーケは見つからず… ――壁はスクウェアメイジ達が固定化を…フーケのゴーレムでも無理… ――『破壊の壷』は学院の秘宝…弁償は誰が… ヤンは『破壊の壷』が収められていた大きなケースの前に立つ。そこには王宮からの帰 りに見たものと同じ筆跡で犯行声明文が書かれている。 ヤンは、ようやく教師達の質問から一時解放されたルイズに駆け寄った。 「ねぇ、ミス・ヴァリエール。その盗まれたっていう『破壊の壷』なんだけど、一体どう いうものなんだい?」 聞かれたルイズは顎に指をあて、上を向いてうぅ~んと考え込む。 「うーんと、あたしもよく知らないの。見た事はあるんだけどね、使い道とか効果とかは 分からないわ」 「そうか…ちなみに、どんな形をしてるのかな?」 「え?形は…壷って名前は付いているんだけど、ものすごく変な形よ。だって、蓋がない から開けられないんだもん」 「蓋が、無い?」 「そう、つまり…こんな形」 ルイズは指で壁に『破壊の壷』のシルエットを描く。 そのシルエットを見たヤンは、首を傾げてしまった。首が垂直に曲がるんじゃないかと いうくらい。 「壷…じゃ、ないね」 ヤンの素直な感想にルイズも頷く。 「うん。宝物庫の見学の時、みんな同じ事を言ってたわ。でも壷という以外、当てはまる 言葉が無かったのよね」 「うーん…もうちょっと詳しい形を教えて欲しいんだけど」 ルイズは宝物庫の外に集まっていたメイドの一人に紙とペンを持ってこさせて、簡単な 形を描く。 その絵をヤンは瞬きもせずに凝視していた。 「本当に、これだったのかい!?」 いつにないヤンの真剣な顔に、ルイズは少し気圧されてしまう。 「え、ええ、そうよ。まぁうろ覚えだったんで、ちょっと違うトコもあるかも」 ヤンはルイズからペンと紙をひったくるように受け取り、コルベールの横に行く。 「すいません、伺いたいのですが…『破壊の壷』というのは、こういう形の物で間違いあ りませんか?」 「え?」 横からいきなり話しかけられたコルベールは、驚きつつも紙に描かれた『破壊の壷』の 形を見つめる。 そしてすぐにコクコクと頭を上下させた。 「そうそう!これですぞ。ただ、上の所がもうちょっとこう…それで、表面にはおかしな 模様が描いてありまして…こう、ですな」 コルベールがルイズの絵に更に書き足していく。 書き上がった物を見たヤンは、黙って絵を見つめていた。 そして、ヒョイと顔を上げた。 「ちなみに、これって何に使うんですか?」 「え?いや、さぁ…ただ昔から秘宝とされているんですが、使い方は知りませんぞ」 「誰も?オールド・オスマンも?」 コルベールは教員達の話を聞いてまわっていたオスマンに尋ねた。 だが、学院長はバツが悪そうにしつつもハッキリと首を横に振った。 「そうですか。マジックアイテムはよく分からないですが、変な壷ですねぇ。それじゃ、 私はお役に立てる事はないようなので、失礼しますね」 宝物庫をスタスタ立ち去るヤンの背を、怪訝な表情をするコルベールが見送った。 宝物庫を出て本塔を出たヤンは、すぐにスズリの広場へ向かった。スズリの広場には煉 瓦造りの女子使用人宿舎がある。こぢんまりした建物は深夜にも関わらず灯りがつけられ ていた。フーケの騒ぎで全員起き出してきたらしく、中からザワザワと女性達の声が漏れ てくる。 ヤンは入り口の扉をコココンと、慌てたような速いテンポでノックした。 すぐに扉が開かれた。出てきたのは金髪が眩しい女性だ。 「あら、ヤンさん。帰ってきてたのですか。悪いけど今はちょっと」 「すいません!ローラさん、いえ皆に急ぎ尋ねたい事があるんです!誰かミス・ロングビ ルを見かけませんでしたか!?」 ヤンは、普段のぼんやりした姿からは想像も出来ない程慌てた姿だ。その姿に他のメイ ド達も寄ってくる。 だが、全員が首を横に振った。ヤンは悔しそうな顔で肩を落としたが、すぐにポケット から紙片を取り出し、ペンでさらさらと何かを書く。 書き上がったものをローラの手に押しつけるよう渡した。 「もし、もしも、なんですが…ミス・ロングビルが戻ってきたら、すぐにこれを見せて下 さい。そして、『あなたが拍手してくれた所で待つ』と伝えて下さい!」 ヤンの必死な姿に、ワケも分からずローラと後ろのメイド達はコクコクと頷いた。 そしてヤンは、学院の外へと駆けていった。 そして朝になり、どこからかロングビルが学院へ戻ってきた。 学院の門をくぐり、本塔を見上げ、宝物庫の大穴を確認する。そして本塔へ入ろうとし た所で、メイドの一人が秘書の姿を視界に収めた。 メイドはロングビルを呼び止め、すぐにローラが駆けつけてきた。 学院横の森の前では、木陰でヤンがイビキをかきながら寝ていた。 「あの、起きてくださいな」 ロングビルの声が頭の上から降ってくる。でも彼に起きる様子はない。 「ちょっと!あなたが呼んだんでしょうが!」 今度は体を揺らされた。それでもヤンはうぅ~んと抗議の呻きを上げただけで、やっぱ り起きない。 彼女は杖を取り出し、ヤンに向けた。 そして杖をヒョイと上に上げると、同時にヤンの体もヒョイと浮かぶ。 そして、杖を下ろした。ドスンッと音を立ててヤンの体は地面に叩き付けられてしまっ た。 「アタタタタ・・・な、何だ一体!?」 「何だ、じゃないわよ!この忙しい時に人を呼びつけておいて、自分は熟睡しているなん て、どういう了見ですか!」 ロングビルはヤンの横に腰へ手を当て仁王立ちしていた。 見上げたヤンがようやく眠りの世界から帰還して、腰をさすりながら慌てて立ち上がっ た。 「いや~、すいません。実は昨日の今日のと、騒ぎと重労働が重なってたもので。ほんの 一休みのつもりが熟睡してしまったようです」 頭を下げるヤンの言い訳にロングビルも呆れた顔だ。 ふぅと一息吐いた彼女は胸元に杖を戻し、手に紙片を取り出した。 「それより、これについてお話があるようですね」 「ええ、そうです。やはりそのマークを知っていましたか」 「そりゃ、そうですよ。宝物庫の目録を作る時に見ました。これは、『破壊の壷』の表面に 描かれていた幾つかの絵の一つですわ」 「ええ、そうでしょうね。何しろあれは恐らく、僕の国の物ですから」 ロングビルの目が、一瞬細くなる。 「それは、面白い話ですわね。『破壊の壷』が、あなたの国の物なのですか?」 「うーん正確には、僕の世界の物、ですか。作られた国が違うし、もうその国は滅んだの で。でも、他の『破壊の壷』を見た人が描いた絵から分かります。それに近いマークも描 かれていましたから。 それ、国旗です。ゴールデンバウム王朝の」 ロングビルが持つ紙片に描かれた絵。それは、あんまり上手とは言えないヤンの絵。 そこには翼を広げた双頭の鷲…らしきモノが描かれていた。 銀河帝国軍章、ゴールデンバウム王朝を象徴する紋章のつもりらしい。 とりあえず、ロングビルにはそれが何なのか分かったので、良しとすべきだろう。 「なるほど、そうでしたか…ですが、それは急いで伝えなければいけない事ですか?知っ ての通りフーケで学院は大騒ぎです」 学院を振り返るロングビル。彼女にヤンはのんびりと答えた。 「ええ、多分、今すぐにでも知らねばならない事です」 ノンビリとしたセリフを聞いたロングビルに、ノンビリとした雰囲気はなかった。 ゆっくりと、鋭い視線をヤンに返した。 「ちなみに何故、学院長を差し置いて私が一番に、学院の外でコッソリと知らねばならな いことなのか、教えて頂けますか?」 彼はノンビリとベレーを直す。 刺すような視線を向けられたヤンだが、あくまで飄々とした態度を崩さない。 「それは、他の人に聞かれるとまずいからですよ。あなたも、私もね」 「・・・何故かしら?」 彼女の歩幅が音もなく僅かに開き、斜めに構える。視線はヤンの目を真っ直ぐ睨み付け ている。 「何故なら、あれはとんでもない危険物かもしれないのですよ。使用方法を知らず迂闊に 触れれば、周囲数リーグが消えるからです」 「数リーグが消える!?」 ロングビルは、下らないことを、と笑おうとした。だが、出来なかった。 真顔のヤンが彼女の目を直視していたからだ。 そして、彼のもたらした斧。並の魔法では破壊出来ない超技術。その技が他の方向に向 いたとすればどれほどのものか、彼女には想像もつかなかった。 「ええ、消えるんです。全てが吹き飛び、塵になります。 そして、その使用方法を知っている僕も狙われます。使い方の分からないアイテムなん て、宝物庫の置物ですからね」 「狙われる…フーケに、ですか?」 「フーケにも、ですね。王宮もアカデミーも興味を持つでしょうから」 彼女の口の端が不自然に釣り上がる。微笑もうとしたが失敗したようだ。 「それで、その事実を私が知らなければいけない理由って、なんなのかしら?もしかして 他のメイジは信用出来ないから、私に守って欲しい…ということかしらね?」 ヤンは残念そうに、本当に心から残念そうに首を振った。 「違います。危ないから返して欲しいんですよ、フーケさん」 ヤンは、当たり前の事かのように言った。 第5話 破壊の壷 END 前ページ次ページゼロな提督
https://w.atwiki.jp/bankett/pages/113.html
《時空管理局提督“リンディ・ハラオウン”》 魔法使い/女 ●3/2 攻撃力 2/耐久力 4 [[イラストレーター]]:息吹ポン ●2/1:目標のフィールド1つを破壊する。 ver.2.00 時には厳しく。時には優しく。銀の翼の母たる女性は今日もアレを。 愛飲する。「やっぱり緑茶にはお砂糖よねっ」 PR.005 バーサーカーなのはさんを特殊召喚!! ・考察etc ここに記入する予定です。
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/18.html
みんな駆逐艦は好きか? 俺は大好きだ。 ふくらみかけた船体のライン、並んだ時の身長差、上目遣いの純真無垢な瞳……憲兵がうるさいからほどほどにしておくが、 まあその他いろいろだ、わかるだろう。あの初々しい魅力は何ものにも代えがたい。 ゆえに、念願の提督として着任した俺は、脇目もふらず駆逐艦娘ばかりを重点的に育成した。 分け隔てなく愛を注ぎ、均等にレベルを鍛え、近代化改修を重ねて彼女らを強化するのは当然。 少しでも損傷を受けた子は入渠させ、決してムリはさせず疲労が溜まらないように気を遣って、心身共にケアする。 3-2海域なんかも誰ひとり犠牲を出さず楽々突破で、他の提督が苦戦しているという噂がまるで信じられない。 その甲斐あり、いつしか司令官として、そして頼れる大人の男として彼女たち全員からの信頼を勝ち得た俺は、 手に入る全駆逐艦娘のレベルが80を越えたあの日、慰労祝賀パーティの壇上でかねてよりの心中を告白した。 「今まで黙っていたが、俺は君たちのことが性的にも大好きなのだ。ぜひエロいことをさせてほしい!」と。 そう、土下座しながら。 俺は立場を盾に行為を強要するのは死んでも嫌だったし、全員を分け隔てなく愛していたから、 特定の子へのお願い(暗に強要と取られる可能性もある)は避け、こうしたストレートかつ愚直な手段に出たのだ。 意外にも、予想した罵声や幻滅の反応は思ったほどではなく(もちろんドン引きした視線も何本か突き刺さったが)、 彼女らのリアクションはおおむね「この可哀想な人をどうしたものか」といった同情的なものだった。 「きっと提督はそういう病気なのです」「あらあら、じゃあ仕方ないわね~」「ちょ、アンタたちそれでいいの!?」 などといった会話が、床に頭をこすりつけた俺の前で飛び交っていたのをよく覚えている。 あと、性的な知識がない子がほぼ皆無だったのも意外といえば意外だった。最近の駆逐艦は進んでいるなあ。 ともあれ、そこから再三にわたる「説明」と「説得」、そして彼女たちの間での「協議」の結果、 「それぞれが嫌じゃない範囲のことを提督にしてあげよう。あと本番はNG」という形で合意が成立した。 積み重ねた信頼と実績、一種の正直さが功を奏したらしい。いやー言ってみるものだ。 これでだめならすっぱり諦めて任務に戻る(あるいは辞表を出すor社会的に死ぬ)つもりではあったが、なんとも嬉しい誤算だ。 ―――そして今夜も、元気なノックが鎮守府執務室の扉を叩く。 「おまたせー司令官。準備してきたよー!」 キラキラした笑顔で真っ先に入ってきたのは、雷。 「まったく、なんで私がこんなことしなくちゃならないのよ……」 一人だけ不満そうな表情の叢雲がそれに続く。 「強制任務じゃないんだ。嫌なら無理に参加しなければいいじゃないか」 最後はいつものクールな表情を崩さない響。今晩、俺の相手をしてくれるのはこの三人だ。 なにせ駆逐艦は計46隻、毎朝と毎晩に3~4人ずつでやっと一週間サイクルのローテーションが完成する計算になる。 「そ、それは、べつに嫌ってわけじゃ……って、アンタなんでもう全裸なのよ!?」 いや、待ってるうちにテンションが上がってつい。赤面して顔をそらす叢雲が可愛い。 「わわっ。えっと、雷たちも脱いだ方がいいのかな?」 あ、いえ、むしろそのままでお願いします。いつも見てる服装の方が興奮するからね! 「やれやれ。司令官は本当に変態だね」 ありがとうございますご褒美です。響にそう言われるとそれだけで主砲の仰角がちょっぴり上を向いてしまうぞ。 おいでおいでをして、三人を招き寄せる。わーい、と楽しそうに走ってくる雷と、目をそらしたままの叢雲が対照的だ。 そのまま小柄な体をまとめてぎゅうっと抱きしめると、いい香りのブレンドがふわっと柔らかな髪から漂ってくる。 「司令官にぎゅってされるの好きー」「同感だね。悪くない」「ちょ、硬いのが当たってるんだけど!?」 そりゃこんな至福の状態でフル勃起しないわけがない。 あー、ぷにぷにして柔らかいけど、所々未発達で骨っぽい部分もある、これが駆逐艦だけの至高の抱きごこちだ。 「ねーねー司令官。キスしようよ、キス!」 おお、雷は積極的だなあ。でもせっかくだから……と、きょとんとしてる三人をベッドの上に立たせる。 だいぶ身長差があるから、これで俺が少し中腰になってやっと顔の高さが揃う感じだ。 んちゅ、れろっ……と、俺を中心に寄せられた顔の間で奇妙な水音が響く。 「うう……三人いっぺんにキスとか、よくもこんな変なこと考えつくわね……」 「ん……奇妙なпоцелуй(パツィェルーイ:接吻)だね。嫌いじゃないよ」 「もう、最初は雷だけにしてほしかったんだけどなー。まあいいけど!」 口づけというより、限界まで伸ばされた俺の舌に三人の小さなそれが、三方向から伸ばされ舐めているといった形だ。 向かって左側が叢雲、右側が響。そして先端に向かい合う形で雷。 みっつの刺激が踊ると同時に、彼女らの、いい匂いのする吐息が唾液と共に混じり合い、俺の鼻孔をくすぐる。 おずおずとためらいがちに伸びる舌、静かだが熱心に動く舌、積極的に先っぽをついばむ舌と、積極性の違いも面白い。 細くて抱き心地のいい体を三人分まとめて抱いている感触もたまらない。 ややあって、間に銀色の糸を引いてそれぞれの唇が離れる。名残惜しいが、油断するとこれだけで射精しそうだ。 「いつものアレをしてほしいんだね、司令官」 ベッドにごろりと横になった俺に、そっと身を寄せながらささやく響。 声はいつものやや低いトーンだが、その瞳はほんのわずかだけ期待感に濡れている。俺じゃなきゃ見逃しちゃうね。 「はいはーい、じゃあ雷は右側担当するよー!」 ころんっ、と俺を挟んで響の反対側に横たわる雷。ぺろっ、とその健康的なピンクの舌が再び伸ばされる。 両サイドから迫る駆逐艦たちの可愛い舌、その目標は、俺の両乳首だ。 ぺちょ、くちゅっ……っとふたつの柔らかな感触が同時に到達し、うほぉお……! と思わず声が漏れてしまう。 「ふふ。女の子みたいな声が出てるよ、司令官」 「ね、かわいいよねー」 すぐに恥ずかしく勃起してしまう突起を舌でねぶりながら、いたずらっぽさを含んだ上目遣いふたつが俺を見上げる。 それぞれの髪の毛が胸板に落ちかかって、さわさわと撫でくすぐる感触も、いいアクセントだ。 「んっ……ちゅ、れろろっ……いつもお仕事おつかれさま、司令官」 「雷たちがいっぱい癒してあげちゃうねっ……ちゅっ、ぺろれろっ、んりゅりゅっ……!」 突起に強く吸い付きしゃぶりながら、ちゅうちゅうとミルクでもねだるように吸い上げる雷の舌。 響は舌先を硬くとがらせて、乳首を何度もはじくように刺激してくる。 体温の違いからか、雷のあったかさに比べ響の舌はやや冷たく、 その差もまた俺の敏感な部分にビリビリとたまらない快感を送り込むスパイスだ。 ああ溶ける、気持ちよすぎて脳が溶ける。俺はいま天国にいる! 生きてて本当に良かった、駆逐艦好きでよかった! ふと、一人だけ出遅れた叢雲が、ベッドに投げ出された俺の足の横で所在なげにしているのに気付く。 もちろんそれを見過ごす俺ではない。みんな仲良く平等に、がうちの艦隊のモットーだ。 「あっ……!? す、すごい、あんなに脈打ってる……っ」 ビキビキに勃起した肉砲塔をこれ見よがしに上下させると、叢雲の凛とした美貌に興奮と情欲の朱がさした。 おずおずと、引き寄せられるように近付いたその白い指が、太い血管の走ったグロテスクな太筒に添えられていく。 そして、ぷっくりと先走り玉を浮かばせた先端、その凶悪な砲口にちいさな唇が近付き―――。 「んうっ……ちゅぷ、ぬ、ちゅううぅぅぅっ……!」 「あー! 叢雲ったらひとりでおちんちんしゃぶってる、ずっるーい!」 「おや……意外だね。ずいぶん積極的じゃないか」 真っ赤になった顔を伏せ、控えめな動作で俺の肉砲をフェラ奉仕する姿に、ようやく気付く二人。 もちろん雷も本気で怒っているわけじゃなく、響と同じで叢雲の反応をからかっているようだ。 「う、うるさいわね……! 戦場(いくさば)で指をくわえて見てるだけなんて私のプライドが許さないだけよ!」 だから別のものをくわえてるわけですね、と言うと殴られそうなのでやめた。 しかしこれは気持ちいい! 乳首とチンポをちっちゃな舌でトリプル刺激される快感、このまま死んでもいい! 至福の快楽に少しでも感謝の意を示そうと、響と雷の頭を優しく撫でる。 「わーい、なでなでされるの大好きー」 「じゃあお返しにもっと頑張らないと、だね」 小動物のように嬉しがりつつ、二人はいっそう熱心に俺の乳首におしゃぶり奉仕をしてくる。 雷の尖った八重歯が、時々ひっかくように膨れあがった先端をかすめ、それすら新鮮な快感を生み出す。 股間では、下から上へと、何度も肉幹をしゃぶりあげる叢雲。態度とは裏腹に愛情深い熱心なフェラが感激だ。 自分だけなでられる位置にいなくてちょっと寂しそうなので、あとでたくさん撫で撫でしてあげよう。 うっ、と我慢できないうめき声が漏れ、ひときわ反り返った肉棒が小さな口からあふれて、 叢雲の頬に先走りと唾液の混合液がぽたぽたとしたたり落ち、いやらしい匂いを振りまく。 「あっ、ぷぁ……!? ま、まだ大きくなるの……? そ、それに砲身みたいに熱くて硬い……!」 「ん。そろそろイキそうなんだね、司令官」 「えっもう? じゃあ雷が受け止めてあげるわ!」 射精を察し、ふやけた乳首から離れて股間の両脇に移動する響と雷。六つの幼い視線が今にも暴発しそうな砲塔に集まる。 いやいや、ちんちん担当の叢雲が頑張ったんだから優先権は譲ってあげようね雷、と諭す俺は空気の読める提督だ。 「べ、べつに譲られても嬉しくないし! で……でも、あんたがそう言うならしてあげる、わよ……」 「素直じゃないね。まあいいや雷、我々第6駆逐隊コンビは両弦からの刺激で司令官を射精に導こう」 「はーい了解。よいしょっ、んちゅっ……こうすると、なんだかハーモニカみたいで楽しいわね!」 まさにその言葉どおり、ぱんぱんに張った俺の肉砲塔の両脇を、きめ細かな幼い唇がぬりゅぬりゅと滑り、柔らかく圧迫。 ぷるぷると揺れる赤黒い先端には、どこか吹っ切れた叢雲が淫らなキスを振らせ、鈴口をれろれろと舌でほじくる。 愛情のこもった、しかし容赦ない三重の刺激に、高まる射精感をおさえられない。 「は、はやくイキなさいよ……! 私たちみたいな駆逐艦相手にこんなに勃起させて、ほんと変態っ……!」 「かまわないよ司令官。顔も服も汚していいんだ。いや、むしろそうしてほしい……!」 「我慢しなくていいからねー? 雷たちで、いっぱいいっぱい、せーえき、びゅーってして!」 いつもは見せない甘えたトーンや、年齢にそぐわない雌の情欲を交えた声が、どろどろに混ざって俺の脳を溶かす。 グツグツ煮えたぎり肉筒を上がってくる欲望の塊にあわせて、雷と響の唇が優しく根元から先端へとしごきあげ、 同時に叢雲の舌が射精口から栓を外すようにぬぽっと抜かれ……絶妙のコンビネーションの前に、ついに砲門が決壊した。 ―――びゅるぅっっっ! びっ、ぶぴっっっ!! 「きゃ、や、ちょっ……!? い、イクならイクって、っぷあっ!?」 「わ、わわっ。すっごい出てる、射精(だ)されてる!」 勢い良く射出された白い砲弾は、叢雲のきりりと結ばれた眉に、透き通った髪の毛に、形のいい頬や額に、次々と着弾。 「司令官、こっちにも……!」 びゅるるるうぅっ、びゅるっっ! どぷぷぅっ、べちょおぉっっ……! そのまま左右に照準を動かし、響のクールな、しかし上気した顔といわず軍帽といわず第二斉射を浴びせかける。 べちょん、とその白い頬を無遠慮に汚れた肉棒が叩いても、どこかうっとりした表情でそれを受け入れているのが艶めかしい。 「すごいすごい、元気いっぱいだね司令官っ……うわ、服どっろどろだよぉ」 胸元のトレードマーク、錨のエンブレムめがけびゅるびゅると放たれるザーメンを、雷がびっくりした顔で見つめてくる。 駆逐艦たちのキラキラした視線に見られながら射精する瞬間は、 大切なもの、純粋なものを汚すという背徳感もあいまって、何度経験しても実際たまらない。 自然と量も濃さもとんでもないことになってしまう。そしてやはり、思いっきり服ごと汚すのが俺のポリシーだ。 「Супер(スパー:凄い)……! 今日は……いちだんと濃い、ね」 なおも衰えない勢いの噴射は、駆逐艦たちのセーラー服に白濁した染みと精液だまりをいくつも作っていく。 左右にぶれながら響と雷を何度も汚したため、当然真ん中にいる叢雲には、ひとりだけ倍近い精液が放たれたことになる。 「な、何考えてるのよぉっ……め、眼が、開けられないじゃないっ……えううっ」 こってりと、何重にも精液でマーキングされた叢雲の顔を、どこか羨ましそうに眺める雷と響。 「毎日みんなに出してるのに、絶倫だなあ、司令官は」 「お疲れ様っ! あっ、お掃除してあげるわね! ……ん~、ちゅうぅっ!」 ぷるぷるした精液をあちこちに付着させた顔のまま、ちゅるちゅると管に残ったぶんまで吸い出す雷は本当にいい子だ。 響が、そして片眼を閉じたままの叢雲がそれに続き、ほかほかと湯気をたてる半勃ちの肉砲塔に濡れた舌がむらがる。 後始末が終わったら、まずは風呂に入って皆をきれいにしないとな。 続きはその後でたっぷりと……いや、湯船の中でイチャつくのも捨てがたい―――。 まったく、駆逐艦は最高だぜ! =========
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/4799.html
前ページ次ページゼロな提督 ラ・ロシェールから遠く離れた空に、アルビオン艦隊が滞空していた。戦列艦だけでな く、地上へ降下し占領活動を行う地上部隊を乗せたガレオン船などの輸送艦も列をなして いる。 旗艦『レキシントン』号にも竜騎士20騎と多数の陸戦隊が待機している。が、ラ・ロ シェールやトリスタニアのような大きな街を占領するとなると、相応の人数がいる。それ ら全てを戦列艦に載せる事は出来ない。なので輸送船が上空で待機していた。 旗艦の艦橋にはワルドの報告を受けるボーウッドがいる。 「アンリエッタ姫への治療は終わりました。ですが傷による錯乱が激しいため、現在は『眠 りの雲』で休んで頂いております」 「そうか、ご苦労だった」 報告を受けるボーウッド艦長の隣には、艦隊司令長官及び貴族議会議員である政治家、 そして真っ青な顔で汗を拭くのに忙しいサー・ジョンストンの姿があった。彼は中央広場 の騒ぎに乗じて逃亡、途中でワルドの風竜と合流したのだ。 ワルドがすいっと頭を下げた。 「アンリエッタ姫に重傷を負わせてしまった件、私の未熟ゆえです」 その言葉に、司令長官はさしたる感情を示さなかった。 「まぁ、その件は閣下へ報告するしかない。でも命に別状はないし、これだけの危険な任 務だ。さすがに無傷は期待出来ないと、閣下も分かって下さるよ」 「寛大なお言葉、感謝致します」 元グリフォン隊隊長はひょいと頭を上げる。 「それにしても…」 ボーウッドは艦隊最後尾、アンリエッタとウェールズがいる『ホバート』号の方へ視線 を向ける。 「正直、まさか、あんな手が成功するとは思いませんでした。閣下の知謀には舌を巻きま すな」 汗をようやく拭き終えたジョンストンが、興奮しきりで口を開いた。 「姫の人となりを良く知ればこそ成り立つ策だ。レコン・キスタの情報力が勝利を導いた のだよ。即ち、ワルド君のもたらした情報の力だね」 「なに、私の力など微々たるものです。むしろ、司令長官の冷静な判断による当初の奇襲 攻撃撤回があってこそでしょう」 二人はのんびりと語り合い、互いの健闘と力量を褒め称える。 そんな彼等をボーウッドは退屈そうに眺めていた。 彼等の余裕は当然のものだ。何しろアンリエッタ姫を手にしたのだから。政治的には完 全勝利に近い。 ボーウッドは別段レコン・キスタに賛同していない。政へ口を出さない事を信条とする だけだ。ゆえに、当初の奇襲作戦を『卑劣な条約破り』と評しつつも、作戦に従った。だ がその彼にも、これから行うラ・ロシェールへの奇襲攻撃に反感は少ない。アンリエッタ の有する王権を使えば、政治的にはどうとでも処理出来る。恥じ入るべき点は何も無くな るからだ。 意に沿わぬ政略結婚を強要した枢機卿とトリステイン王宮を討伐する、不可侵条約を結 んだ『友好国』であるゲルマニアとトリステイン両国の紛争を武力介入で仲裁する…政治 とは無縁な立場を貫いてきた職業軍人であるボーウッドですら、大義名分は即座に幾つも 考えつける。 結論として、トリステインは既に政治的敗北を喫したのだ。あとは軍事的に勝利して、 ハルケギニアにアルビオンの勝利を分かりやすく知らしめるだけのこと。それも、ラ・ロ シェールでのんびり停泊している両国艦隊を砲撃して沈めるだけ。気にするのは、桟橋で ある世界樹の枯れ木が使用不能になったりしないよう気をつける事くらいだ。 「とはいえ、長官。念のためトリステイン艦隊にはお気を付け下さい」 ワルドは艦長へ注意を促す。 「もしかしたら、城から急報を受けた艦隊が慌てて向かってくるやもしれません」 その言葉に、ジョンストンはニヤリと笑う。 「もし城から急報を受けていたら、それこそ好都合だよ。トリステイン艦隊は大混乱に陥 り、反撃どころじゃなくなるからね。その上…」 長官の笑みは、思い切り意地の悪いものに変化する。 「本当に両艦隊がアンリエッタ亡命の報を受けたら、やつら、ラ・ロシェールの街で大喧 嘩を始めるよ!我々が出向くまでもなく、共倒れで全滅だ!」 二人はその言葉に爆笑してしまう。 艦橋にいた他の士官達まで加わり、艦内に笑い声が響き渡った。 そんな中でもボーウッドは不機嫌そうな顔を崩さなかった。 ひとしきり大笑いしたジョンストンは、ようやく呼吸を整えてワルドに向き直った。 「それでは、任務ご苦労だった。君は『ホバート』号で皇太子達と共に、アルビオンへ向 かってくれ」 その命に、ワルドは少々不服そうな顔をする。 「いえ、私が元トリステインの魔法衛士隊だったことを気にする必要はありません。レコ ン・キスタの一員として占領行動に参加致します」 「おっと、君は殿下と姫をここまで連れてくるまでに、かなり精神力を消費したはずだ。 無理はせず、このままお二人をアルビオンに着くまで護衛の任を続けて欲しい」 その言葉に、ワルドは頭を下げる。 アンリエッタを中央広場で回収するために遍在等の各種魔法を一気に使用していたのは 事実だ。それに、皇太子を守り姫を亡命させた以上、もはや戦功としては十分すぎる。ア ンリエッタの右腕は失われたが、それでも命に別状はない。政治的には、それで十分なの だ。 確かに彼には無理をする必要はなかった。 アルビオン艦隊からワルドと王族二名を乗せた『ホバート』号が離れ、アルビオンの方 向へ去っていくのを確認した長官は、全艦艇へ指令を下した。 「全戦列艦は、ラ・ロシェールへ向けて降下開始。目標、トリステイン・ゲルマニア両艦 隊。桟橋への被害は最小限に抑えるよう心がけよ。 輸送艦隊と竜騎士隊はタルブ草原へ降下し、占領行動に入れ」 その命にボーウッドは少し驚き、口を挟んだ。 「サー、まだ敵艦隊を沈めていない段階で陸戦隊を降ろすのは危険です。それに、竜騎士 隊まで地上部隊の支援に向かわせるのですか?」 艦長の言葉にジョンストンは少し気分を害した。 「何を言っているのかね?姫亡命の報が届いていないなら、敵艦隊は桟橋に停泊中。届い ていれば、大急ぎで出航しても士気は地に堕ち大混乱。もう我等に警戒すべきものは何も ない。 それより、もうすぐ日が沈む。時間が勿体ない。急いで地上拠点を築き、全陸戦隊の進 軍を開始しよう。あと竜騎士だけど、竜のブレスで桟橋が焼けたら困る。地上部隊の援護 に回した方が良いだろう?」 「…そう、ですな。陸戦隊を載せた船の風石も勿体ないですし。第一、主立った貴族は既 にトリスタニアへ行ってるので、もぬけの殻ですな」 「そういう事だよ。ああ、それとね…」 司令長官は、似合わないウィンクをする。 「是非、閣下にタルブのワインを献上したいんだ。それも、最高級品をね」 「承知しました。陸戦隊と竜騎士隊には、その旨伝えておきましょう」 些か兵の運用として難はあるが、確かにジョンストンの言う事にも一理ある。艦長は異 論をそれ以上口にしなかった。 アルビオン艦隊は旗艦『レキシントン』号に付き従い、ラ・ロシェールへと進路を取っ た。そして輸送艦隊と竜騎士20騎は戦艦列を離れ、すぐ近くのタルブ村へ降下を開始す る。 夕陽が赤く染める山肌には、広大なタルブのワイン畑がある。 ブドウの木の間から、作業をしていた二人、女性と子供の頭が見え隠れする。 二人のうち、子供の方が顔を上げた。 「ま…ま、マリー!」 「何よジュリアン、いきなり大声を出して」 ジュリアンが空を指さす。 そこには急速に高度を下げてくる何隻もの船が、そして地上へ急降下を開始した竜騎士 達の姿があった。村へ向かって真っ直ぐに降りてくる火竜の群れだ。 「た、た!大変だよぉっ!!」 二人は手に持っていたカゴを投げ出し、村へ向けて斜面を駆け下りる。村への襲撃を知 らせるために。 だが、彼等が危険を知らせるまでもなく、村にいる人々も異変に気付いた。 次々に空を見上げ、そこかしこから悲鳴が上がり、四方八方へ駆け出す。 ほどなくして、先行する火竜の群れがタルブ直上へ飛来した。 地上近くまで降下した火竜が巨大な牙をむき、ブレスを吐き出そうと赤い口を開いた。 村で一番大きく立派な家、村長の家へ向けて。 ジョンストンは、目を見張った。 茜色に染まる眼下には山あいの町ラ・ロシェールと、丘の上の桟橋イグドラシルの枯れ 木がある。 だが、桟橋には一隻の船も停泊していなかった。高度を下げてハッキリ目視出来る距離 になっても、トリステインもゲルマニアも、両艦隊の姿は影も形も無かったのだ。 「どうやら、姫亡命の報が届いていたようですな」 ボーウッドは冷静に予想を語る。 「ふむ、そのようだが…やつら、どこへ行った?」 司令長官はブリッジから見える範囲を見渡す。 そこには山並みと、丘の上の巨大な枯れ木、そして港町ラ・ロシェールがあるだけだ。 周りの空を軽く見渡すが、空と地上の間には雲があるのみ。 ボーウッドも地上の様子をよく確認してみる。 街には何の異常も見られない。山の間をぬう街道も平静そのもの。 桟橋周囲にも山々にも、火の手はおろか煙の一筋も上がっていない。 全く平和な山間部から、艦隊だけが消えた。 瞬間、ボーウッドの心臓は猛禽類の爪に握られたかのように痙攣した。 全身を脂汗が流れ落ちる。 「全艦離脱!最大戦速だっ!逃げろぉっ!!」 いきなり真横で想像外の命令、というより叫び声を聞いたジョンストンが仰天した。 「い、いきなり何を言うのかね!?」 「説明は後です!早くこの空域を離れるんですっ!」 叫び続ける艦長の元へ、慌てふためいた士官も駆けてきた。 「敵艦隊を発見しました!我が艦隊の右舷上方です!雲の間から現れ、一直線に向かって きています!」 さらにもう一人の士官も駆けつけた。 「敵艦隊です!左舷上方、雲に隠れていた艦隊が、こっちへ向かってきています!!」 「ななっ!なんだとお!?」 ジョンストンは天国から地獄へ一気に突き落とされたかのように絶望の悲鳴を上げた。 ボーウッドは慌てて左右上方を確認する。 ―――右舷上方、トリステイン艦隊 旗艦『メルカトール』号の艦橋では、艦隊司令長官のラ・ラメー伯爵が怒声を張り上げ ていた。 「おのれ恥知らず共めっ!アンリエッタ姫を拐かし、条約を破って奇襲をかけようなどと は!」 艦長フェヴィスの口ひげも怒りに震えている。 「まったく!なんて懲りない連中でしょうな!?昨日、奇襲作戦が失敗したばかりだとい うのに!あまつさえ姫を誘拐してアルビオンに連行するなどっ!!」 ―――左舷上方、ゲルマニア艦隊 艦隊旗艦の後甲板でも、角付き鉄兜にカイゼル髯の貴族が、怒りに燃える目でアルビオ ン艦隊を睨んでいた。 「よし、マザリーニ殿の手紙に書いてあった予想通りだ!やつらを上方から挟み込んだ ぞ!」 隣に立つ恰幅の良い貴族が腕を力の限りに振り回す。 「さぁ、ハルデンベルグ侯爵!総攻撃のご指示を!」 「言われるまでもない!全艦、右舷砲撃戦準備だ!!」 旗艦のマストに旗流信号が翻り、憤怒に満たされ士気上がる戦艦列が疾走する。 ヤンが立案した策の一つ、対アルビオン艦隊戦。 それは時間との勝負、ある種の賭だった。 トリスタニアで発生したアンリエッタ姫亡命の報、そしてアルビオン艦隊の奇襲。これ られがラ・ロシェールに着く前に、マザリーニの密書を届ける。 密書は以下の内容だ。 「レコン・キスタがアンリエッタ姫を誘拐、アルビオンへと連行した。 アルビオン艦隊が早々にラ・ロシェールへ奇襲をかける。 トリステイン・ゲルマニア両艦隊は急ぎラ・ロシェールを離れよ。 しかるのち、ラ・ロシェール直上へ高度を下げたアルビオン艦隊へ奇襲せよ」 ヤンの策はいたって単純。いまだ事情を知らない両艦隊に偽情報を元にした迎撃司令を 出す、というものだ。 真実の情報が先に届けば、両艦隊は大混乱になる。最悪、両艦隊間での戦闘になる。 だがマザリーニの手紙が先に届けば、奇襲を回避するため両艦隊は街を離れ、真実の情 報が届かなくなる。アルビオン艦隊へ逆に奇襲を仕掛ける事が出来る。 ゲルマニアの大使が城でなく、ラ・ロシェールの艦隊にいた幸運。 ワルドは速やかにアンリエッタをアルビオンへ連れて行かねばならず、姫亡命の報を宣 伝して回れないという事情。 トリステインに政治的勝利を得て、悠々と奇襲をかけるアルビオン艦隊の油断。 ラ・ロシェールまでは早馬で二日、馬を取り替えて走り続けても半日以上、飛行可能な 幻獣や使い魔でも数時間という距離から生じる情報の差。 ヤンは、この点を利用した。 そしてアルビオン艦隊は逆に奇襲を受ける立場となった。 ジョンストンは再び顔色が蒼白になり、噴きだす汗が雫になってしたたり落ちる。被っ た帽子を床に叩き付けた。 「ふざけるなッ!冗談も休み休みに言えッ!」 すっと手を出して、素早く冷静さを取り戻したボーウッドが咎める。 「兵の前でそのように取り乱しては、士気に関わりますぞ。司令長官殿」 激昂したジョンストンは、怒りの矛先をボーウッドに向けた。 「何を申すか!艦長、貴様のせいだぞ!貴様の稚拙な指揮が、逆に奇襲される失態を招い たのだ!このことはクロムウェル閣下に報告する!報告するぞ!」 ジョンストンはわめきながら掴みかかってくる。ボーウッドは杖を引き抜き、ジョンス トンの腹めがけて叩き込んだ。白目をむいて、ジョンストンが倒れる。気絶したジョンス トンを運ぶように、従兵に命じた。 初めから眠っていてもらえばよかったな、ワルドも余計な奴を回収してきたものだ、と 彼は思う。 心配そうに自分を見つめる伝令に向かって、ボーウッドは落ち着き払った声で言った。 「奴等は確かに我等の上方をとり、挟撃しつつある。 だが、やつらは急ごしらえの同盟だ。連携は拙く、付け入る隙は十分にある。それに、 我等にはこの旗艦『レキシントン』号がある。射程はやつらの1.5倍、大砲の数も舷側の 厚さも奴等の比ではない。 諸君等は安心して、勤務に励むがよい」 二大国に挟撃されるという事態にあって、冷静に現状を分析した者がいる。危機を逆に 好機へと変えた者がいる。変えられぬはずの流れを変えた者がいるのだ。 「生き残れたら、是非会いたいものだ」 そんな独り言は聞く者も無く宙に消える。 彼の視線は既に左舷艦列、ゲルマニア艦隊へ向けられていた。 「さて、先制を受けるのはやむを得んが、その後はどうかな? 艦隊前進、取り舵。左砲戦準備。まずは左舷艦隊へ集中砲火を加えるぞ。右舷艦隊は後 回しだ」 ラ・ロシェールの夕暮れ空。 血のように朱く染まる三国の艦隊は、急速に相互の距離を縮めつつある。 町はずれの林の中、疲れ果てて動けない風竜の口元に水を運ぶギンヌメールが、不安げ に空を見上げていた。 第27話 挟撃 END 前ページ次ページゼロな提督
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/2782.html
425 :ハニワ一号:2015/01/05(月) 19 27 51 惑星日本 第二地球×提督たちの憂鬱クロスネタSS 西暦1905年、日本帝国海軍所属の巡洋艦和泉にある治療室で目覚めた神崎博之は自分があの嶋田繁太郎に転生した事を知るのだった。 「この世界には地球そっくりな惑星が存在しているのか・・・。しかも近くに第二地球が存在しているとは地球への潮力や重力などの影響はどうなっているのだ?」 衝撃はそれだけに終わらずに神崎博之こと嶋田繁太郎に転生した世界には双子惑星ともいうべき地球にそっくりな第二地球とも言うべき惑星がご丁寧にも月そっくりな衛星と一緒に地球と同じ軌道上を公転していたのだ。 しかも金星や火星に行くよりもはるかに近く、生命にあふれた星であるのは明らかであり欧米列強が将来の植民先として熱い目を見つめていた。 第二地球の知的生命体や文明の存在も議論されていたが欧米諸国は第二地球が地球よりも優れた文明を持っていると考えるものはおらず逆に地球の欧米の白人文明の方が第二地球の文明よりもはるかに優れていると根拠もなく確信するものが多数だった。 第二地球が存在していようとも歴史の流れは嶋田の知る史実と似たような流れになっていたし、嶋田が参加した転生者の集まりである夢幻会は日本を発展させてアメリカを盟主とする世界で№2の地位を確保することを目標に日本の利益になる様に歴史を変えていった。 しかしながら、様々な誤算などにより、予想外のルーズベルトの早期の退場、これまた予想外であるチャーチルの不慮の死、英独停戦、第二次満州事変、英国の裏切り、「ハル・ノート」そして嶋田は表向きは独裁者の首相に就任して対米戦を指揮することになり、日米開戦、衝号計画によるケンブレビエハ火山の噴火と大西洋大津波の発生、アメリカ風邪の流行、対米戦の勝利とアメリカ崩壊などによって望むと望まらずに大日本帝国は世界筆頭の列強の座を得る事となったのだ。 戦後、一応の安定を取り戻した世界で日本やドイツ、英国などの列強が熱心に力を入れたのは宇宙開発だ。 特に第二地球の存在が競争を過熱させていたのだ。 第二地球競争で一番優位に立っていたのはもちろん大日本帝国だ。ついでドイツが2番目に位置していた。 ドイツはヒトラーが戦前から「第二地球こそゲルマン民族にとっての生存圏である」と第二地球に熱い目を注いでいたが夢幻会、主に辻のせいによって史実よりもひどくなった世界恐慌によって第二地球に目を向ける余裕をなくし、身近で即効性のある「東方生存圏」の獲得に力を入れることになる。 気が付けばフォン・ブラウンなどの優秀な人材が日本に流れて行って日本の後塵を拝することになってしまったのだ。 426 :ハニワ一号:2015/01/05(月) 19 28 23 戦後、日本の異常な技術力を見て第二地球を日本が先に手に入れるのではとヒトラーを始めとしたナチス上層部は恐怖し、「日本人に第二地球を奪われてはならない」とドイツ国民に理解を求め宇宙関連用の増税と他の部署にむけられた予算から削れるだけ削って宇宙関連の予算に膨大な予算を投入して日本に猛追したのだ。 当然、ドイツの猛追に危機感を持った政治家や国民からの圧力もあって日本の宇宙関連部門の予算が増加されてこうして宇宙開発競争は過熱していったのだ。 日独などの列強が第二地球や月に送る宇宙船を開発する一方で第二地球の文明と交信を試してみた。だが第二地球からの返答はなく、ドイツや英国などは第二地球の文明は遅れていると考えたが日本や夢幻会の考えは違った。 第二地球の文明は地球よりもはるかに優れており、すでにデジタル化を実現しているのではないかと考えてデジタル化を前提とした交信を第二地球と試してみたのだ。 日本と夢幻会の考えは正しく第二地球との交信に成功することになり、第二地球が地球よりも遥かに高度な文明を到達しており、約20億人もの人口を持つほぼ単一民族の第二地球を支配する統一国家である事が明らかとなったのだ。 そして日本と夢幻会を驚愕させたのが判明した第二地球の支配者の彼らの呼ぶ惑星の名と国家の名称だった。 第二地球に住む彼らは自らの名を「大日本帝国」そして自らの住まう星の名を「惑星日本」と呼称したのだ。 実は第二地球は、平行世界の地球の江戸時代初期の日本列島が第二地球に転移したものであり、第二地球の存在しない世界の夢幻会が転生して惑星日本を発展させてきたのだ。 第二地球の名が「惑星日本」なのは第二地球全体が日本の領土である事をこれ以上なく地球に示すわかりやすい名称であるからだ。 こうして邂逅した惑星日本と憂鬱日本は国交と同盟関係を結ぶことに成功して固い結束で結ばれた友好関係を築き上げることになる。 そして、第二地球が日本人そっくりな黄色人種に支配された統一国家であり、憂鬱日本よりも圧倒的に高度な文明を持っているという絶望的な事実を知ったドイツなどの枢軸国や英国などの白人国家は発狂者が続出したほどの阿鼻叫喚の混乱に放り込まれるのだった。
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/724.html
483 :名無しの紳士提督:2016/01/02(土) 21 24 08 ID a3dKBLsE あけましておめでとうございます ちょっとお邪魔して↓レスから投下開始します Burning expand 金剛をひたすらにアナル拡張。和姦だけどド変態注意。 484 :名無しの紳士提督:2016/01/02(土) 21 24 45 ID a3dKBLsE ここは帝国海軍鎮守府、そこで艦隊司令の任を担う提督の執務室。 深い夜の帳が降りた窓の外に灯りを漏らすその室内には現在、男と女の息詰まる声が断続的に響いていた。 「ンッ♥Hey、提督ぅ♥もっと……奥まで来て、いーよゥッ♥Year、カミンっ♥」 「くっ!はぁっはぁっ……なあ、金剛っ……疑問を一つ、尋ねていいかっ!……ううっ!」 執務机に身を預け、たくし上げたスカートの裾から健康的な肉付きの曲線を描く臀部を露出させて後方に突きだした艦娘――金剛。 その彼女の扇情的な丸みの尻肉を掴み後背から充血した肉棒を突き立てる男、彼は金剛を秘書艦とする彼女の艦隊の提督であった。 両者が腰を揺すり結合部が深々と繋ぎ合わされるその度、湿った衝突音が嬌声に混じって鳴り響いている。 「もう、お喋りは……んうっ♥時間と場所を考えな、ヨ……あうっ♥moodってもの、わかってないネー……んあぁっ♥」 「いや、だってさ……くっ、はぁっ!なんで……いっつも後ろでしか、させてくれないんだ?ふぬっ……!」 荒く息を漏らしながら交わる2人の男女、ただし交接に用いているのは金剛の女性器ではなく……その後背にある器官、排泄口。 それもそこで交わるのは一度や二度といった風ではなく、粘膜は完全に剛直の注挿に順応して淫らな粘質音を立てている。 その完全に性交器と化した肛門の下、未だ男を知らずに閉じ合わさった肉裂が発情に潤んで透明な蜜を伝わせていた。 「ン、あぁっ♥だからweddingまで……Lost verginはノーだって、はへぇっ♥……ハァッ、約束したよネ?」 「ここまでやっといて処女膜だけ残ってても……はぅっ!なんか、意味あるんだろうか……う、ぉっ!」 ケッコンカッコカリの許諾を海軍本部より得るための条件……戦闘経験の蓄積がこの戦歴の浅い提督の艦隊には不足していた。 それを達成できるのがいつかは分からない以上、うっかり命中しボテ腹ウェディングなどという展開もあり得ないことではない。 そういう見方をすれば、この肛姦のみを続ける日々にも意味が無いこともないとは言える……と、自らに言い聞かせている男。 「なーにヨ提督ぅ、不満?いっつもなんだかんだ言いながら……んッ♥私のAss holeにCum shotしていく癖に……はぁんっ♥」 「う……いやまぁそうなんだが。」 男によって使いこまれた金剛の肛肉は肉柱を絶妙に締め付け、肉襞を隙間なく絡ませて堪らない刺激を与えてきている。 自分専用の穴として仕込み上げたその器官の使い心地が悪い筈がないのであった。 雄の悲しいサガ……理性的な思考をさておいて金剛との直腸交接に熱を入れる、入れざるを得ない男。 「ええい、考えるのはあとだ!ともかく今は……ふんっ、ふぅぅん!」 「そーヨ、提督ぅ……ん゛へあ゛ッ♥その調子でBerningなLoveをっ、私に撃ちこんでヨッ……んぐうぅぅッッ♥♥」 射精感がこみ上げて鋭敏になる肉棒の表面、それを淫らに絡みついた柔らかく熱い腸壁が執拗に刺激していた。 精巣の中で今にも爆発しそうに渦巻く熱さを解き放たんと猛然と腰を振り始める男。 金剛もまた夢中で肛接の快感を貪るままに切羽詰った喘ぎを放ち、終着への坂を駆け上がっていく。 「急に、締まってきたなっ……はぁぁ!出すぞっ、お前の尻にぃっ……ぐっ!!」 「提督だってぇっ、んあっ♥Cockがビクビクしてるヨッ、ひぐっ♥あっ♥もうっ……来てッ、提督ぅ♥Cum inッ♥♥」 互いに興奮を高め切り直後、同時に快感の頂点に昇りきる2人。金剛の腸内に熱い欲望が解き放たれる。 腸管に埋め込んだ肉杭を脈打たせ断続的に精液を放つ提督。腸粘膜に勢いよく精を浴びせられ悶える金剛。 感極まった2人は淫らな叫びをあげ、交合の果ての喜悦を蕩ける心身で飽くなく貪ったのであった。 …… 「今夜もgoodだったヨー提督ぅ♪明日からまたMission頑張ってくるから慰労する準備しておいてよネ?」 「……でもまたそれも後ろの穴でなんだよな?」 「Exactly……ソレがBadだと思うなら、早くWeddingできるよーに一杯手を貸してよネー提督ぅ?」 「……ま、結婚するまでの我慢だな。それまで精々頑張るとするさ。」 行為からしばし――後処置をして恰好を整え、何事もなかったかの様子で明るく執務室から退出する金剛。 釈然としない気分で嘆息しつつ提督はその背を見送り―― それでも性欲はスッキリ解消できてしまった息子をいそいそと片づけ、執務に戻るのであった。 そうして――それからも提督と金剛の出撃と、そして排泄口を用いて夜戦を行う日々は続いていった。 「ん゛う゛っ♥あ゛っ♥提督ぅっ、不満タラタラだったのにっ♥最近っ、Ass playにぃっ♥熱入りすぎだヨッ♥♥」 しかし慣れれば慣れてしまうもので、段々と金剛の肛門を開発していくことに熱が入るようになってきて―― 「おごお゛ッ……Stop♥提督ぅっ♥♥Dildoの出し入れッ♥激し……すぎぃっ♥Analッ♥壊れちゃうヨオ゛ッ♥♥」 ある時は寝室で膝の上に寝かせた金剛の尻に極太の張り型をねじ込み、性交では不可能な動きと勢いで只管に肛門を抉り回し―― 「Damn!無理ッ、提督ぅッ……!こんなStyleで一日フツーに過ごせなんて……バレたら私死ぬヨ、シューチシンでっ!?」 時には浣腸液を腹が膨らむほど注いだ尻を栓で塞ぎ、排泄を我慢させた状態で丸一日日常を過ごさせたり―― 「提督ッ、早く出させてッ!頭がCrazyになるヨ……んぎッ!?オ゛ッ、Shit……全部、出ッ♥ンア゛ァァァァァァッッ♥♥♥」 その後で肛門栓を力任せに引っこ抜いて排泄欲求の極限から決壊する快感を骨身に覚え込ませ―― 「提督ッ、提督ゥゥ!?ドコお触りしてるノオ゛ッ♥♥Deep♥Deeeeeeep♥♥深過ぎぃッ♥♥ひぎゅお゛ぉぉぉッッ♥♥♥」 またある時は握り拳が直腸を突き抜けるまで挿入し、S字越えの感覚を脳髄に焼き付けさせてみたり―― 「あがぁぁぁッ♥提督のォッ♥Pistonキョーレツ過ぎィッ♥♥Anusがッ♥全部引き抜かれちゃう゛ゥゥゥゥッッ♥♥♥」 やがて慎みを忘れて拡がってしまったアナルに適合するよう、様々なサプリと鍛錬で肥大化させた巨根で容赦なくアナルを犯し抜いたりした。 ――そんな暮らしの合間に戦闘や遠征を重ねる月日の末、遂に金剛はケッコンカッコカリを公認されるまでの力量と経験を得たのである。 『マイクチェック、ワンツー……おめでとうございます、金剛姉さま!末永くお幸せに!』 『わ、私の金剛お姉さまがぁっ……末永くモゲ爆発しろコンチクショー!50年後くらいに老衰で孫曾孫に看取られて死ね!』 そうして迎えた婚姻の儀式。英国式に礼拝堂にて純白のドレスを纏った金剛と指輪の交換……そして誓いのキスを交わす。 ――羨望や嫉妬の混じった目で祝辞を送る参列者達、彼女らはウェディングドレス姿で微笑む新婦がよもや その着衣の下でベルトとフックにより肛門を腸管の奥まで空気に触れるほど全開に拡げていようとは思ってもみないだろう。 487 :名無しの紳士提督:2016/01/02(土) 21 29 39 ID a3dKBLsE 何はともあれ公的にパートナーと認められた2人は、初めての記念すべき夜を迎えた――のであるが。 「んお゛ぉぉぉッッ♥提督ぅッ♥なんでっ♥Lost vergin解禁したのにっ♥またAss holeなのヨッ♥あ゛ッ♥ひあ゛ぁぁぁぁッ♥♥」 夫婦の寝所、その寝台が軋みを上げるほど激しく熱心に愛を交わす提督と金剛――執拗なまでに肛門性交で。 「だってさ、金剛の拡張しまくった穴に合わせて育てたコイツ……前に入ると思うか?ま、それにだ。」 股にそそり立たせた腕より太く赤黒い怒張した馬並の逸物、それを金剛の肛門に抜き挿ししながら問う提督。 腹部が内側から歪に迫り上がるほどの激しい挿入から一転、何の加減もない荒々しい引き抜きを尻穴に施され金剛は身悶える。 驚異的に拡がった肛門が体外に捲れ上がるほどの激しい肛接、その行為に不満の言葉は漏らせど苦痛の様子は一切感じさせない。 「金剛も前なんかより……うくっ!変態マゾアナルをもっと、抉じ開けられる方が……嬉しい、だろっ!?」 「ん゛おぉぉぉッ♥shitッ♥こんなolgasm覚えたらぁっ♥pussyじゃ絶対足りないぃっ♥けどこれっ……hentaiな提督のせーなんだからぁぁッ♥♥」 粘つく淫らな抽挿音を交接部から絶え間なく派手に響かせつつ、獣の交尾のように激しく腰を振る提督と金剛。 指一本受け入れることなく発情したまま淫らに涎を垂らす処女孔には目もくれず、徹底して肛門を犯す行為に没頭し続ける。 2人にとってはもはや性交とは生殖を行う行為では……いや女性器を用いる行為ですらなくなっていた。 「ははっ、金剛の尻穴が好きな変態の俺とっ……俺に尻穴を犯されるのが好きな変態のお前っ、お似合いだな!うぐっ、もう……!」 「お゛っ♥んあ゛ッ♥もう、なんでもイイからッ♥もっとhardにっ……analでacmeキメさせてヨッ♥はへぇぇぇっ♥♥」 発情した喘ぎを発しながら交接だけに意識を集中させてひたすらに腰を振りたくる2人。 互いを貪り合うためにその姿形を特化した性交器官同士の摩擦、そこから生じる快楽の一色に思考を染め上げていく。 やがて両者は同時に性感の頂点へと駆け上がり、そして―― 「出すぞ、金剛っ!お前のケツ穴にぃっ……うぐおぉっ!出るっ……うあぁぁぁぁっ!!」 「提督ぅっ、cum in♥♥腸壁にsemenブチ撒けてっ……あ゛ぁっ♥♥熱いのぉッ♥もぉっ、私もッ……Oh♥Nooooooo♥♥」 渾身の力で腰を叩きつけた提督の剛肉がS字結腸を突き抜けた先、蕩け切った腸管に白熱した欲望を解き放つ。 充血し切った腸粘膜へ、噴水が如き勢いでマグマの如く粘つく熱い塊を叩きつけられ忽ちに感極まる金剛。 2人はお互いに絶頂に昇り合い、その法悦にのたうつ体から更に快楽を引き出して乱れ狂うのであった。 …… 「う、あぁっ……くっ、はぁぁ。ふぅ……やっぱりお前の尻の穴は最高だな、金剛。」 「はぁ、はぁ……Hey、提督ぅ?どんだけ射精してるのヨ……まるで噴水ネー。人のbodyを水風船にでもする気ィ?」 喜悦極まった緊張が解れて弛緩した雰囲気の漂う寝台、そこに横たわり繋がったままで睦言を交わす2人。 金剛の腹部は直腸に挿入された長大な肉塊の体積以上に膨らみ、身じろぎすればゴボリと重く液体が揺れる音を立てた。 若干苦しそうにしかしどこか満足げな表情をし、後背の男に目線を向けて揶揄する言葉を掛ける。 「金剛の拡がる一方の後の穴に合わせて息子を育成していたら自然と発射量もな……ところで。」 「人の大事な穴を面白がって拡げてるの間違いデショ、提督ぅ?で、なにヨー?」 「いやあ、まだ収まりそうになくってさ……もう一回いいかな?」 軽く常人の数倍する量の精液を金剛の腸内に注ぎ込んだ筈の肉棒――それは未だ硬さを保ち、排泄器を押し広げたまま脈打っている。 しばしあっけにとられたような表情で絶句した金剛は、深々と溜息を吐きながら言葉を紡ぎ出した。 「毎回この調子でFuckされたら私のAss hole拡がり切って取り返しつかなくなるヨ?どう責任とってくれるの提督ぅ?」 「ハハ……そうなっても絶対金剛のこと愛し続けて、アナルも満足する方法考えるからさ。な、頼むよ?」 「Oh...Jesus、とんでもない変態と結婚しちゃったヨ……提督ぅ、愛し続けるっていうのが嘘だったらヴァルハラ送りだからネー?」 盛大に呆れたような仕草で誓いの言葉を確認する金剛、その唇を返答代わりに口で塞ぎ…… 灯りに照らされた2人の影が縺れ合うように寝台の陰影に倒れ込む。 やがて寝台の軋みと女の喘ぎが寝室に再び響き始めるまでさほど時間は要しなかった。 とある日の鎮守府執務室――秘書艦と2人で書類仕事をしていた提督、その視線が窓の外をふと向いた。 「お、金剛。妹達の艦隊が出撃するところみたいだぞ、見送りでもしてやったらどうだ?」 わざとらしくそんな言葉を発しながら視線を回した先、執務机についた秘書艦――金剛の、その胴の辺りに視線を向ける。 最近は胴周りのゆったりした衣服を着るようになった彼女が、仲間から懐妊や幸せ太りを噂されていることを提督は知っていた。 ――そしてその胴回りの膨らみが、妊娠によるものでも肥満のものですらないとも知っている。 「……提督ぅ、絶対nonsenseな悪戯企んでるデショ?いっやらしいsmileしちゃってモゥ……」 声をかけられた金剛は、嫌な予感しかしないとでも言うように……それでも従って席から立ち上がった。 腰回り、そして両腿の間に異常があるのを隠そうとするかのようなぎこちない仕草。 歩く最中に時折服の下で刺激を受けているのかビクリと身を引き攣らす挙動に自然と口元が笑みの形に歪む。 「んー……Hey!気を付けてMissionしてくるデース!私がいない分までBurningなFight頼んだヨー!」 平素を装い、窓から外に手を振り明るく声をかける金剛――その視線の先では彼女の妹達が振り返り合図を返している。 その様子を後目に金剛の背後にて膝をつき、スカートの裾から隠された内部を覗き込む提督。 余人が見たら憲兵通報待った無しの姿勢の視線の先……下着をつけていない無防備な金剛のヒップが覗いている。 「……提督ぅ!?ちょっと!今はWait!今抜かれたらっ……」 自身の臀部を触られる感触に驚き振り返った金剛が目にしたのは、自身の尻たぶを押し広げる提督の手。 それと同時。金剛の尻の谷間に生えた奇妙な紐付きのリング、それをしっかりと掴んだ提督が腕に力を込めた。 リングの繋がる先、金剛の肛門……巨大な球体でも収めたかのように不自然に内から伸長されたそこにやおら負荷がかかり、 「待っ……ふぐう゛ぅッ!?ひぎっ、んお゛ぉぉぉぉッッ♥♥♥」 メリメリと肛門が拡張に耐えたのも束の間、負荷に屈した括約筋が急激に内部から抉じ開けられた。 根菜を土から引き抜くような手つきで尻から引き出されたリングに繋がる巨大な球体が、金剛の体内から覗く。 火山口の如く盛り上がった肛門を抉じ開け現れたのは掌に余るほどの径を有する樹脂製のボール。 「ass holeう゛ぅッ……壊れ゛ッ♥♥ん゛おへえ゛ぇぇッッ♥♥♥♥」 次の瞬間、最大径が肛門を通過したボールが激しく下品な空気音を立てて体外に抜け落ちた。 腸汁にまみれていやらしくテカるボールの巨大さはは赤子の頭部ほどもある。 肛門から出産を行ったも同然の強烈な拡張刺激に悶絶する金剛には今や窓の外を気にする余裕など片鱗もない。 「提ぇ督ッ……♥バカでしょ、絶対ぃ……♥Sister達の、前でこんなぁ……!?Stopッ、待って提……」 窓枠に突っ伏してガクガクと身震いする金剛、強烈な刺激に潤んだ瞳を提督に向け…… その彼がリングを更に引く体勢を取り、産み落としたボールから更に腸内に紐で繋がる異物を引き抜こうとする姿を目にする。 紅潮していた表情が蒼褪めるほど狼狽する金剛の目の前で提督は無慈悲に腕へ渾身の力を籠め―― 「んごお゛ぉぉぉぉぉッ♥♥……あがっ、かひぃっ♥No、死んじゃうッテこれ……ふぎひい゛ぃぃぃぃぃぃッッッ♥♥♥」 再びけたたましい粘つく排出音を立てて新たな球体を産み落とす、驚異的な拡がりをみせる金剛の尻の穴。 凄まじすぎる強制排泄、その刺激に金剛は窓枠に縋りついたまま思わず絶叫しそうになる声を必死に絞る。 しかし嗜虐的な笑みを浮かべた提督は数珠繋ぎになっているボールを容赦なく続けざま引っこ抜きにかかった。 「No゛ォォォォッッ♥♥anal゛ぅッ♥♥ブチッこわれ゛ッ……ごあ゛ぁぁぁッッ♥♥♥ふぎッ♥んほえ゛ぇぇぇッッ♥♥♥」 ぐぼん゛、ぐぼん゛、と凡そ人体が立ててはマズい異音を立てて抜け落ちていく球体の列。 肛門から出産を連続で強要されているような排出行為の強烈すぎる感覚に金剛は半ば白目を剥いて悶絶している。 排便を億倍したような刺激に痙攣を起こす肛門、その腫れ上がった粘膜は球体ごと引き抜かれ完全に体外に捲れ出ていた。 「~~~~~~~~~ッッッ♥♥♥♥お゛っ……あ゛っ…………♥」 最後の一玉が下卑た空気音を響かせながら抜け落ちた途端、金剛は糸が切れた繰人形の如く崩れ落ちる。 窓枠に辛うじて手をかけて壁に身を預けて震えるその両足の間からは、盛大に黄金色の液体が排出されていた。 ビーズと一緒に魂まで抜かれかけたような有様で悶え、窒息寸前の如く荒い息をする金剛。 『――?』 突然倒れ込むように姿を消した姉の姿を訝しむように榛名が眼下でこちらを伺っている姿が視界に入る。 自身を気遣う妹の姿すら今の金剛……壊れた肛門を全開に拡げて意識を飛ばした彼女、その反り返った瞳には映っていないが。 妹の眼前で肛門からサッカーチームが作れるまで出産したような排泄を強要された金剛は、どこか満足げに気をやっていた。 「ほら、金剛。なんでもなかったって合図しないと妹に怪しまれるぞ?それ立った立った。」 「あ゛~……う゛、ぁ……♥♥」 と、幾ら急かされたところで腰砕けになった金剛の両足には立ち上がるだけの力は入りそうにない。 羽交い絞めにした金剛を抱え起こし、半ば操り人形のように窓から手を振らせる提督。 姉の奇妙な姿に不審げに首を傾げながら出撃していく榛名達、その背を金剛は呆けた眼差しで見送っていた。 「こんな調子でケツ穴拡げ続けたらいつか皆に金剛の変態趣味がバレてしまうかもな……どうだ、もうやめておくか?」 わざとらしい気遣いを金剛の耳元で意地悪く囁く提督、心にもない……相手を焚き付けるだけのための言葉だ。 解れきった腸粘膜を外気に晒して湯気立たせながら半ば意識を失っていた金剛、 その耳から思考回路に男の言葉が届くまで暫しの時間を要したようだがやがて緩慢に振り返り…… 「No……もっとヨ♥人をAnal expand中毒にしておいてぇ……♥自分だけDrop outなんて……許さない、からネ♥提督ぅ……♥」 震える腿で膝立ちになりつつ、突き出した尻の無残に緩み切った穴に両手をかけて無理やりに寛げにかかる金剛。 腸の殊更に奥深くまでが外気に触れ、むわりと濃密な饐えた臭気が漏れ出て鼻をつく。 ねちゃねちゃと解れ蕩け切った腸粘膜を晒した排泄器のなれの果て……それを眺めながら口角を笑みに歪ませる提督。 「やれやれ、とんだ変態を伴侶に選んでしまったものだ……まあ、これも旦那の務めか」 いつか金剛に吐かれた言葉を逆にかけつつ股のファスナーを引き下ろす提督。 どちらが調教されているのか分からないな、などとこの異常な光景に興奮している心中で考える。 そうしながら構えた逸物を眼前で全開された肉孔に突き入れれば、室内に響き渡る淫らな悲鳴。 「ん゛あ゛ぁぁぁッ♥♥なんだってイーヨっ♥もっとBurningなLove一杯しちゃおう、ネ♥提督ぅ……んはあ゛ッ♥ひあ゛ぁぁぁッッ♥♥♥」 そんな感じで、これからも2人の異常な愛情は続いていくことになるのだが―― その行く末がどうなったかは、諸兄の想像に任せるとしよう。 +後書き 492 :名無しの紳士提督:2016/01/02(土) 21 35 26 ID a3dKBLsE いじょ。 キリッとした強気娘がアナルマゾなのが好みですが、天真爛漫な元気娘が処女のままアナルジャンキーになってる変態性もいいと思います。 新年早々スレ汚し失礼。 これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/5397.html
7: 635 :2018/09/16(日) 20 11 09 銀河連合日本×艦これ神崎島 なろう対策が公開された際のゼル演習映像とネットの反応 「全力!全開!スターライトブレイカー!!」 想定される魔法を使った演習にて全力での戦闘を行う少将。注:本職は爆撃機乗り 「ハハハ。ケラーオオミ、発達過程文明の想像力はおもしれえもんだナ。」 「あー、一部はそうですね。あ、また来ましたよ。」 「いくゾ!!」 『Einverstanden!』 魔法技術の運用ノウハウ蓄積の為に再現されたハンマー型魔法の武器を試験するヤルバーン自衛局局長と 魔法の杖を持つ自衛官 「Shit!数が多すぎる!」 「ホント、やんなるくらいいるわね。」 「二人共!伏せろグレネードを使う!」 資源採掘船にて死体を相手にするエンジニアと医務官とかなお全員で生還した 「実物見るときめえぇ!!」 「マサトサン喋ってないで撃って下サイ!!」 「ホント、地球人はよくこんな奴ら思いついたねえ。」 突撃バカの志願によりマグロ盛り沢山の極寒の惑星にて極地作業用、極地調査員用ロボットスーツの試験を することになった突撃バカとカミさんと友人のサイボーグ 「飛べた!?飛べたぁあああああ!?」 「うむ、訓練、訓練、さらに訓練だな。」 「美緒。座学についてちゃんと考えてる?」 飛行ロボットスーツの訓練をする日系少尉妖精さんと今後の訓練を考える日系少佐妖精さんと独系中佐妖精さん 「サーニャ・V・リトヴャク出撃します!」 「おお、生サーニャンだ!」 「ありがたや~ありがたや~。」 「サーニャをそんな目でみんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。」 飛行ロボットスーツの試験飛行においてのヤル研の皆様と露系妖精さんと芬系妖精さん。 8: 635 :2018/09/16(日) 20 11 42 「Battleshipが簡単に沈むと思わないことネ!!これがAkitsushima直伝Akitsushima Style Battle Seamanshipヨ!」 「秋津洲の名前出さないで欲しいかも(泣)」 宇宙艦艇との水上艦形態での戦闘訓練を行う戦艦と回避行動を教導した飛行艇母艦。 「全砲迎撃用意!!目標遊星爆弾!!」 主砲、ブラスター、ディスラプター、重力兵器を使用し隕石状の爆弾を迎撃する第三艦橋ヤバゲな航宙艦形態の戦艦 「これが!西住流です(だ)!!」 至近距離からグポンと音がしそうな人型兵器に砲撃を浴びせる神崎島戦車隊指揮官姉妹 「秋の日の ヴィオロンの ためいきの ひたぶるに 身にしみて うら悲し 北の地にて 飲み交わすべし 支援をお願いしいたしますわ。」 「同士ダージリン、Октябрьская революцияに任せておけ。武運を祈る。」 「ハラショー、ですわ。」 炭素型ロボットの占領地への強襲上陸を行う英国?系戦車長妖精さんと支援する露戦艦の会話 同行する歩兵妖精さんはⅨ号2型と呼ばれるロボットスーツを着用している 「オウケィィィィィー!レッツパァリィィィィィィィィ!」 「oh!隊長、早くお待ちの皆様に鉛の入場券を進呈しましょう! 」 試作型重ロボットスーツの運用試験を行う神崎島陸戦隊米国系軍人妖精さん。 「フフ、ゴジラヨ。旭龍トハ違ウノダヨ。旭龍トハ。」 「シエ、何処でそのセリフ覚えた(汗)」 旭龍の発展型(としている)大型機動兵器の試作三型(通称三式)の試験を行うパイロットコンビ。 「シュワ!」 「ええではそのように」 光の国の巨人と連携を確認するザムル人 「あれがウチュウカイジュウ…。」 「偵察艦隊より入電!宇宙が黒く見えない!敵が七分で、黒が三分!」 「実際いるとすれば驚異ですね。」 「いなくてももしもの訓練になればいいと考えればいい。」 「ファーダカシワギのこんな事もあろうかとですか?」 「ふふ、その通りだ。」 イゼイラでの宇宙怪獣との戦いを想定した訓練にてセタール星系方面軍司令と副官の会話 9: 635 :2018/09/16(日) 20 13 28 某掲示板 名前: 名無しの提督さん 投稿日: アイエエエエ!?なの破産!?なの破産ナンデ!? 名前: 名無しの提督さん 投稿日: リリカル少将ワロタwww しばらく見なかったがなのはさん昇格したのかwww 名前: 名無しの提督さん 投稿日: 時空管理局掌握も近いなwww 名前: 名無しの提督さん 投稿日: ロリが獣人おっさんになった!? 名前: 名無しの提督さん 投稿日: お前絶対鉄槌じゃなくて盾だろwww 名前: 名無しの提督さん 投稿日: 自衛官が魔法の杖を持つ時代になるとはこのリハクの(ry 名前: 名無しの提督さん 投稿日: 魔法自衛官リリカル大見始まりますwww 名前: 名無しの提督さん 投稿日: ちょwwイシムラかよwww 名前: 名無しの提督さん 投稿日: リアルポクテきめえ 名前: 名無しの提督さん 投稿日: このDLCはいつ配信されますか? 名前: 名無しの提督さん 投稿日: フェルさんいつの間にゲームの中へ!? 名前: 名無しの提督さん 投稿日: 二次元への道が開けたか胸が熱いな 名前: 名無しの提督さん 投稿日: 柏木叫びすぎワロタwww 名前: 名無しの提督さん 投稿日: シャルリ姐さんこれ無双ゲーじゃねえからwww 10: 635 :2018/09/16(日) 20 14 17 名前: 名無しの提督さん 投稿日: リアルストパンだと!? 名前: 名無しの提督さん 投稿日: 本人降臨キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!! 名前: 名無しの提督さん 投稿日: パンツじゃない(ry 名前: 名無しの提督さん 投稿日: サーニャン!? 名前: 名無しの提督さん 投稿日: ソウダナー(・×・) 名前: 名無しの提督さん 投稿日: リアルでエイラーニャ見れるとかあいつらウラヤマシス 名前: 名無しの提督さん 投稿日: 東郷元帥といい益々フィンランドの胸が熱くなるな 名前: 名無しさん@未知との遭遇 投稿日: アイオワさんそれ妹さんの技です 名前: 名無しさん@未知との遭遇 投稿日: 秋津洲直伝なのかwww 名前: 名無しさん@未知との遭遇 投稿日: 戦艦てあんなに曲がれるんだ… 名前: 名無しさん@未知との遭遇 投稿日: ちょwwwヤマト違いだwww 名前: 名無しさん@未知との遭遇 投稿日: これが大和改三ですか 名前: 名無しさん@未知との遭遇 投稿日: 沖田十三が提督になったのか 11: 635 :2018/09/16(日) 20 15 09 名前: 名無しさん@未知との遭遇 投稿日: 西住殿!? 名前: 名無しさん@未知との遭遇 投稿日: 宇宙世紀でやれwww 名前: 名無しさん@未知との遭遇 投稿日: 学園艦はジオン公国だった? 名前: 名無しさん@未知との遭遇 投稿日: 武ちゃん来てーーー!! 名前: 名無しさん@未知との遭遇 投稿日: なんというノルマンディー 名前: 名無しさん@未知との遭遇 投稿日: ブリカスとアカとナチが手を組むとかどんな悪夢だwww 名前: 名無しさん@未知との遭遇 投稿日: 大統領!? 名前: 名無しの提督さん 投稿日: アメリカ人が望む政治家No1来ちゃったwww 名前: 名無しの提督さん 投稿日: 神崎島はフロムだったのか… 12: 635 :2018/09/16(日) 20 15 40 名前: 名無しの提督さん 投稿日: 神崎島に大統領がいる ↓ 神崎島はフロムである ↓ フロムに注目が集まる ↓ フロムのゲームがプレイされる ↓ 体が闘争を求める ↓ フロムのゲームが売れる ↓ フロムが新作を出す 名前: 名無しの提督さん 投稿日: いつものコピペ乙 名前: 名無しの提督さん 投稿日: ちょゴジラwww 名前: 名無しの提督さん 投稿日: 機龍もいるんかいwww 名前: 名無しの提督さん 投稿日: 注:旭龍の発展型ってモロ三式やろwww 13: 635 :2018/09/16(日) 20 16 23 名前: 名無しの提督さん 投稿日: キャップテンそのセリフwww 名前: 名無しの提督さん 投稿日: シエさんは青い巨星だった? 名前: 名無しの提督さん 投稿日: ウルトラマンwww 名前: 名無しの提督さん 投稿日: ザムタン退治される側ぽいwww 名前: 名無しの提督さん 投稿日: ここだけ見たら新しいウルトラシリーズだなwww 名前: 名無しの提督さん 投稿日: トップ!? 名前: 名無しの提督さん 投稿日: マジでリアル敵が七分で、黒が三分… 名前: 名無しの提督さん 投稿日: ワロタ、ワロタ… 以下エンドレス 14: 635 :2018/09/16(日) 20 17 00 以上です掲載はご自由にどうぞ。