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打球反応○ ピッチャー返しの打球をさばくのがうまくなる。 ポイント 「反応速度向上法」を読むスペシャル練習、「芦谷と競え! 六道さんクイズ」で入手 スペシャル練習、『モグラたたき「モグラとモゲラ」』で入手 勇村から精神統一法を「興味しんしんです!」、成功する(勇村の精神統一法) TOP > 特殊能力 > 投手の特殊能力
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遊戯王まとめブログ>海外の反応 2011年3月5日に登場した遊戯王関連ブログ。管理人はJohn。 正式名称は 「遊戯王 海外の反応」。通称「反応」。 せーぞん管理人などには「反応さん」と呼ばれ親しまれていた。 ブログ内容は主に海外版の遊戯王web記事内容を日本語に翻訳するというもの。 ブログ名の元である海外遊戯王の掲示板反応をはじめ、 遊戯王関係の英単語解説や海外の裁定・大会結果のまとめなどを記事として載せている。 もともとそこまで有名ではなかったが、その記事の特殊性から知る人ぞ知る貴重な存在といった立場であった。 しかし今は亡きくず鉄の速報が二度にわたり記事を盗用し、 それを管理人が記事にWeb魚拓を貼りつけて批判したことで皮肉にも知名度を上げた。 せーぞん管理人がtwitterを始めた際フォロワーとなったブログのひとつとしても知られる。 そういったこともあってせーぞん発のネタを記事や管理人コメントに盛り込むことも多い。 一時はこうした過剰なせーぞんとの馴れ合い的な言動を批判されることもあった。 またフィールるがくず鉄の速報と同一人物ではないかと囁かれていたにも拘らず、 相互リンク欄フィールるのリンクが存在していたことについて指摘されていた。 これに対し、以下のコメントを残した。 最近リンクに追加した絶対許せない某所の成れの果てっぽいブログについて いくつかコメントをいただきましたが、実際、私自身も疑ってます。 あえてリンクに追加しているのは、確証がないのとリンク置いとけば誰かが見に行って、 もし何か記事パクってたら教えてもらえるかもしれないからです。 このコメントによる「くず鉄=フィールる」の決めつけ、 誰かが自分の代わりに動いてくれるという驕った態度が批判されることになってしまう。 その後批判に気付き「面倒なことになった」とコメントし、 暫くの間「記事の信憑性は絶対ではない」「偏向的な自己満足ブログ」など自虐的なコメントをして火消しに努めていた。 せーぞんほーこく以外の遊戯王まとめブログともリンクし、かつフォロワーとなっているため 相方的な存在であったせーぞんの更新自粛宣言以降も着々とアクセス数・コメント数を伸ばしている。 騒動が沈静化した2012年以降は良くも悪くもそこまで話題になっていなかったが、2013年3月12日に無期限の更新停止を宣言した。 しかしただの話題作りだったのか、数日後あっさり更新を再開している。 最近はパズル&ドラゴンズにハマっており、twitterでも遊戯王よりパズドラについて呟いていることの方が多い。 関連記事も今後増やしていくとのこと。 コメント欄 よくツイッターで某ブロ管理人と馴れ合ってるのを見かける -- 名無しさん (2012-02-21 17 08 42) 海外翻訳スレではどうでもいい存在 -- 名無しさん (2012-02-22 02 57 36) 噂によると創価とつながってるとか -- 名無しさん (2012-02-22 02 59 12) 信者がキモくて離れたわ -- 名無しさん (2012-02-22 03 01 07) ネガティブキャンペーン必死ですね^^元くず鉄のフィル管理人さん -- 名無しさん (2012-02-23 05 51 08) プレゼント記事の米欄ワロタ -- 名無しさん (2012-02-23 21 02 04) ここって某ブロのなんだろ?とっとと閉鎖してほしいわ -- 名無しさん (2012-02-23 23 05 45) ↑に賛同だわ せーぞんとホモ関係らしいよ キモッ -- 名無しさん (2012-02-24 17 05 14) せーぞんフォローしたときに正直幻滅した -- 名無しさん (2012-02-24 23 27 30) 最近は広告載せ始めたりと調子乗り過ぎ、やってることがくず鉄と大差変わらん -- 名無しさん (2012-02-24 23 48 20) くず鉄よりの癖にせーぞん側気取りするから余計にうっとうしいんだよここ。くず鉄にパクられた悲劇のブログ気取るのはかまわんがあのトップコメントは無い -- 名無しさん (2012-02-24 23 51 43) ぶっちゃけくず鉄転載問題前までは気に入ってたが最近色々と変わって嫌になった、翻訳記事もいい加減になってるし -- 名無しさん (2012-02-24 23 54 54) ↑2これか→最近リンクに追加した絶対許せない某所の成れの果てっぽいブログについていくつかコメントをいただきましたが、実際、私自身も疑ってます。あえてリンクに追加しているのは、確証がないのとリンク置いとけば誰かが見に行って、もし何か記事パクってたら教えてもらえるかもしれないからです。 -- 名無しさん (2012-02-25 00 06 29) うわあ…信者を利用する気満々とか流石に気味が悪いわ -- 名無しさん (2012-02-25 00 13 55) 下手にせーぞんに媚を売らなければいいのに… -- 名無しさん (2012-02-25 00 19 45) 無名ブログだったから目立たなかっただけでここの管理人もそうとうのクズだな。何様だこのコメント -- 名無しさん (2012-02-25 00 21 06) 被害者面して売名行為とかね、流石に調子乗り過ぎだし海外翻訳スレでディスられる理由も良く分かるわ -- 名無しさん (2012-02-25 00 23 07) 信者が相当洗脳されててヤバイ、自分もなりかけてた所で広告貼り始めた所でもう見なくなったわ -- 名無しさん (2012-02-25 00 26 00) 遊戯王以外の海外の反応系のサイト見てる人ならわかるがこういった系統は普通のまとめブログより偏りが起きやすい。ブログ作者が訳す上に載せるコメも選択できるからな -- 名無しさん (2012-02-25 00 30 25) 最近リンクに追加した絶対許せない某所の成れの果てっぽいブログについていくつかコメントをいただきましたが、実際、私自身も疑ってます。あえてリンクに追加しているのは、確証がないのとリンク置いとけば誰かが見に行って、もし何か記事パクってたら教えてもらえるかもしれないからです。 キモすぎワロタwwwwwwwwwwwwww -- 名無しさん (2012-02-25 00 33 46) あーあ、やっちまったな。こういうことは思ってても言っちゃいけないのに -- 名無しさん (2012-02-25 00 34 05) とりあえずソースの原文載せろ、テキトーに翻訳したり捏造でもしてるんじゃないかこれ -- 名無しさん (2012-02-25 00 35 18) 所詮学生が管理するサイトだからな^^、そういえばフィルも学生だから同類か^^ -- 名無しさん (2012-02-25 00 36 27) 前にツイッターで自ら発言してたけどやっぱ暗黒面に堕ちたか -- 名無しさん (2012-02-25 00 40 32) まとめブログ見てる信者は情弱多いから簡単に騙せるだろうな^^ -- 名無しさん (2012-02-25 00 58 00) ブログのコメ欄のコテハン信者が異常にキモい -- 名無しさん (2012-02-25 01 17 12) 今日はなんか人多いな -- 名無しさん (2012-02-25 01 19 49) フィルくん一人でやってるようにしかみえない -- 名無しさん (2012-02-25 02 40 06) ↑信者乙^^; -- 名無しさん (2012-02-25 02 44 00) ※URL貼付禁止 -- 名無しさん (2012-02-25 02 49 19) 確証がないのとリンク置いとけば誰かが見に行って、もし何か記事パクってたら教えてもらえるかもしれないからです。←確証がないのに信者に監視頼むってどういう神経してんだ -- 名無しさん (2012-02-25 02 52 52) あぁ~やっちまったな、これで信用がた落ちだな -- 名無しさん (2012-02-25 02 59 32) 本スレWikiですら自重してるというのに -- 名無しさん (2012-02-25 03 12 40) アフィは翻訳してるから2chまとめに比べたら手間かかってるだろうから別にいいけどそれ以外がうざい。世界大会のアーサー不正のときも「文句言ってる選手は前年ルールミスしてました」なんて関係無いことで叩くし。オマケに海外の選手だけに敬称無しだったしアーサー擁護したい感じがプンプンしてた。 -- 名無しさん (2012-02-25 06 35 54) プロフ米が変わってるな。ここ見てるのか? -- 名無しさん (2012-02-25 15 44 55) マジでコメント変わってるじゃねーか -- 名無しさん (2012-02-25 19 08 26) 「面倒なことになったオワタ」って…今更気付いても自業自得としか -- 名無しさん (2012-02-25 21 25 42) 確かにソースの原文が無いのは気になるな -- 名無しさん (2012-02-26 12 34 32) 海外での掲示板でヴァンガの単語が出るとは思えないしな -- 名無しさん (2012-02-26 12 45 48) 次第にボロが出始めたな -- 名無しさん (2012-02-26 12 47 44) つってもフィールるの -- 名無しさん (2012-02-26 19 32 34) 名前出してないしな これで批判というのも流石に心狭いというか批判したいだけにしかみえない -- 名無しさん (2012-02-26 19 33 11) 思ってでも言ってはいけないタブーがあるのに平然と発言したんだから問題なんだろ、普通の人だったらこんな発言はしないはず -- 名無しさん (2012-02-26 20 00 06) ↑あくまでネットでコイツは趣味でやってるんだが? -- 名無しさん (2012-02-26 20 22 52) 例え趣味のサイトだろうと別サイトに対して疑惑を押し付けるような態度はいかがなものかと… -- 名無しさん (2012-02-26 20 41 28) 疑惑を押し付ける態度も何も一度自分の記事盗作した管理人がつくったようなブログなんて信用ならないだろ 海外反応管理人の気持ちも汲み取ってやれや -- 名無しさん (2012-02-26 20 56 48) まあ管理人の気持ちは分からなくもないんだけどネットの場で平然とああいう発言したのは幻滅しました…もう少し自分の発言に気を付けて欲しい -- 名無しさん (2012-02-26 21 01 58) べつに管理人の応答に変なのないとおもうんだがなー 発言が誹謗中傷でも犯罪予告的なのでもないし まともな管理人だと思うんだがなー 平然とブログ再開してるフィルの方が異常だと思うのは俺だけなのかなー -- 名無しさん (2012-02-26 21 22 48) ↑3 作ったようなであって確定では無いし。黒に近いグレーって感じだが -- 名無しさん (2012-02-26 21 23 46) 叩きたがりの人が過剰反応してるだけだな -- 名無しさん (2012-02-26 21 28 21) てかくず鉄=フィールるって実名出してないのにここまで批判されるとかどう考えてもおかしい -- 名無しさん (2012-02-26 21 31 53) 急に擁護派が増えたな、言い分は分かるがかといって普通にスルーされるような発言ではないと思うぞ -- 名無しさん (2012-02-26 21 33 49) ここもくず鉄と同類になったな。もうバカにできねーよ -- 名無しさん (2012-02-26 21 42 41) くず鉄は加害者だろ!海外反応は被害者しかも2回 それのどこがくず鉄と一緒なの? 全然同類じゃないぞ -- 名無しさん (2012-02-26 21 47 31) 元はと言えば くず鉄が海外反応のブログ記事堂々と盗作[しかも2回も続けて]したのが元凶だね! つまり くず鉄≠フィールる だから フィールるが自動的に悪になるよね -- 名無しさん (2012-02-26 21 49 58) 閲覧者を利用するような発言だし調子乗ってるって言われても仕方ないと思う -- 名無しさん (2012-02-26 21 50 40) 過激なくず鉄アンチな信者も酷いな -- 名無しさん (2012-02-26 21 52 05) くず鉄はその名の通り屑そのもの! アフィリエイトで月10万以上稼いでたって言うし嫌儲な人間多いと思うよ 出る杭は打たれるっていうしね -- 名無しさん (2012-02-26 21 55 09) 海外の反応も広告貼るようになったからどうかと思うんですけどね -- 名無しさん (2012-02-26 21 56 56) なんか急に変なの湧いたな -- 名無しさん (2012-02-26 22 01 19) つまり目糞鼻糞ってことだな 二人ともアフィ広告してるから糞同士ってこった -- 名無しさん (2012-02-26 22 08 23) まとめブログでアフィ貼るのはクソってのは分かるが普通のブログならアフィ貼ろうがよくね?反応は翻訳してるとは言え元は転載だから微妙なポジションだが -- 名無しさん (2012-02-26 23 58 13) 当事者管理人方はいいかもしれないけど嫌儲が多いから、ブログとかみてても「堂々と金儲けするなや」って妬み嫉妬してる人多いというのが現実 -- 名無しさん (2012-02-27 00 52 42) まあ広告貼る前に信者の様子伺った点は評価する -- 名無しさん (2012-02-27 11 53 02) つか、くず鉄盗作騒動で一番得したのこいつだろ。アフィで金多く入るようになるだろうしそしてあの態度は批判されても仕方ないわ -- 名無しさん (2012-02-27 13 09 35) 人気出ると調子乗るテンプレだな -- 名無しさん (2012-02-27 13 18 10) ↑初心忘るべからずだな(キリッ -- 名無しさん (2012-02-28 18 54 56) コメ見てるとわかるけどここの住人ってたたくのが好きなの? -- 名無しさん (2012-03-05 02 12 04) ↑そういうWikiです -- 名無しさん (2012-03-05 02 16 41) ↑w -- 名無しさん (2012-03-05 13 25 58) 自虐的な発言すれば許されると思ってるのかね…素直に自分の発言について謝罪すればいいものを -- 名無しさん (2012-03-05 14 28 23) 案外ここのフィールるをくず鉄と断定していた時の記事を見てこんな態度を取ったのかもねw -- 名無しさん (2012-03-05 17 27 27) 謝罪も何も諸悪の根源はくず鉄そのものだよね 海外反応管理人が人間不信になるのもわからなくはないよ -- 名無しさん (2012-03-05 18 20 43) くず鉄が屑なのは確かだが、だからといって許されるわけではない -- 名無しさん (2012-03-05 18 42 55) わりとどうでもいいwwwwwwwwwwwww -- 名無しさん (2012-03-07 04 31 46) せーぞん くず鉄 反応 ....次はそろデュエあたりかな -- 名無しさん (2012-03-08 00 01 03) ↑何がだw -- 名無しさん (2012-03-08 00 17 51) フィールるをくず鉄と断定した反応を叩きながら、フィールる=くず鉄と断定して叩く奴の多い事、わけがわからないよ -- 名無しさん (2012-03-22 01 22 09) ↑わけわかんないよね… -- 名無しさん (2012-03-22 09 47 58) ここの信者キモすぎワロタw -- 名無しさん (2012-03-25 15 53 32) フィルもフィルだが反応も反応だわ -- 名無しさん (2012-03-27 09 59 24) ここも空気になったな -- 名無しさん (2012-05-03 20 26 29) 飽きたんだろ。くず鉄が消えてからやたらと叩く奴多くなった気がする -- 名無しさん (2012-05-03 23 34 56) そろデュエはなんにもしてないのに消えた -- 名無しさん (2012-10-07 01 26 02) 休止記念 -- 名無しさん (2013-03-13 15 23 02) MtGまとめサイト作ってた -- 名無しさん (2019-05-29 14 57 47) 海外の反応 -- 名無しさん (2019-05-30 19 06 17) ここもなくなってたか -- 名無しさん (2021-07-18 07 26 52) 嘘しか書いてなかったしヴレインズの擁護も苦しかったし -- 名無しさん (2021-07-18 11 10 20) 名前 コメント
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一般スキル 常に発動できるスキルで、状況適応した際必ず実行しなければならないものを含みます。 消費DPを支払う(獲得)する事で、パッシブスキルを手に入れますが、条件があるものもあります。 また、Lvをあげる場合、消費DPど同等のDPを支払う(獲得)する必要があります。 [訓練] 常にそのスキルを獲得する事が可能です。 [先天性] 生まれ持って得るスキルです。 キャラクター作成時のみ習得する事が出来ます。 [後天性] 突発的な出来事や、何かしらの出来事によってのみ習得する事が出来ます。 何かがなければ得る事が出来ません。 [新しいパッシブスキルの導入] パッシブスキルは、場合により更新されていきますので、注意してください。 指揮能力 Lv1~ [訓練] 消費DP 250 戦闘中に於いて、[艦長席]に座った時点で、士気にLv修正がつく。 信頼 Lv1~ [訓練] 消費DP 60 信頼を得る行動に於いて、Lv修正がつく。 広域聴覚 Lv1~ [先天性] 消費DP 80 生まれ持っての才能。 広範囲に内容を聞く事が可能。 遠くの物音を聞くとき知力+Lv補正 集中視力 Lv1~ [先天性] 消費DP 80 生まれ持っての才能。 長距離の物を見ることが出来る。 遠くの物を見るとき知力+Lv補正 ムードメイカー Lv1~ [先天性・後天性] 消費DP 170 会話による交渉に於いて、Lv修正がつく。 険悪 Lv1~ [先天性・後天性] 消費DP -30 会話による交渉に於いて、-Lv修正がつく。 バーサーク Lv1~ [先天性・後天性] 消費DP -25 戦闘中、クリティカルを受けるか、ファンブルすると、精神判定。 失敗すると、全てのパラメータを+Lv判定。 但し、行動は、マスターに委任される。 Lv分のターンが過ぎると正気に戻る。 イベント発動もある。 頑健 Lv1~ [先天性] 消費DP 160 病気にかかりにくい。 判定は、生命+Lv補正 但し、生命の値が13以上で無いと取れない 頑丈 Lv1~ [先天性] 消費DP 160 打たれ強い。 ダメージをLv分減らす 但し、生命の値が13以上で無いと取れない 病弱 Lv1~ [先天性] 消費DP -80 病気にかかりやすい。 判定は、生命-Lv補正 但し、生命の値が7以下で無いと取れない 貧弱 Lv1~ [先天性] 消費DP -80 打たれ弱い。 ダメージをLv分減増やす 但し、生命の値が7以下で無いと取れない ドライリンク Lv1~ [訓練] 消費DP -- イベントにより上昇 マスタリングプロテクト Lv1~ [訓練] 消費DP -- イベントにより上昇 マインドリンケージ(相手) Lv1~ [先天性・後天性] 消費DP 80 同じ、マインドリンケージ所持者とのコンタクトが取れる。 また、相手の深層意識に侵入も可能。 侵入する際、知力+Lv判定 技術総合統括 Lv1~ [訓練] 消費DP120 ナノトロン系のスキルを取るのに必要。 ナノトロン系の開発にLv補正 基本戦闘技術統括 Lv-- [訓練] 消費DP10 基本戦闘技術習得に必要 危険感知 Lv1~ [先天性] 消費DP85 危機的状態を探知する時に必要。 知力+Lv判定 敵性感知 Lv1~ [先天性] 消費DP 70 敵の位置や、判断を行う時に必要。 知力+Lv判定 人見知り Lv1~ [先天性・後天性] 消費DP -30 人との会話の際、精神-Lv判定。 失敗した場合、Lvターン硬直して拒絶反応をする。 Lvに比例して、対象の反応が変わる。 発作 Lv1~ [先天性] 消費DP -60 緊急時、HP-Lv判定。 失敗するとLvターン行動不能。 怠惰 Lv1~ [先天性・後天性] 消費DP -80 あらゆる作業する時、精神-Lv判定。 失敗した場合、その行動は出来ない 熱狂 Lv1~ [先天性後天性] 消費DP 95 あらゆる作業する時、精神+Lv判定。 成功すると、対象の行動にLv補正。 名誉 Lv1~ [先天性・後天性] 消費DP -60 精神+Lv判定。 成功した場合、名誉ある行動を実行しなければならない。 名誉的行動の際、Lv補正。 生存/船内 Lv1~) [訓練] 消費DP 100 艦内での過酷な条件で、危機的状況で判定。 生命+Lv判定で成功すれば、生死判定を覆すことが出来る。 生存/惑星 Lv1~) [訓練] 消費DP 100 惑星での過酷な条件で、危機的状況で判定。 生命+Lv判定で成功すれば、生死判定を覆すことが出来る。 耐圧 Lv1~ [先天性] 消費DP 70 重力下での耐性持つ。 生命+Lv判定で、圧死を免れる。 耐熱 Lv1~ [先天性] 消費DP 70 熱気による耐性を持つ。 生命+Lv判定で、炎死を免れる。 耐電 Lv1~ [先天性] 消費DP 70 電気による耐性を持つ。 生命+Lv判定で、電死を免れる。 耐冷 Lv1~ [先天性] 消費DP 70 冷気による耐性を持つ。 生命+Lv判定で、冷死を免れる。 耐毒 Lv1~ [先天性] 消費DP 70 毒による耐性を持つ。 生命+Lv判定で、毒死を免れる。 グルメ Lv1~ [先天性・後天性] 消費DP -50 料理に関して理性が保てない。 精神-Lv判定に失敗すると、それ以外考えなくなってしまう。 酒乱 Lv1~ [先天性・後天性] 消費DP-50 酒に関して理性が保てない。 精神-Lv判定に失敗すると、それ以外考えなくなるのと、一定時間、何らかの人に迷惑のかかる行動を取ることになる。 潔癖症 Lv1~ [先天性] 消費DP -90 散らかっていたり、汚かったら卒倒する。 精神-Lv判定に失敗すると、気絶する。 不潔 Lv1~ [先天性] 消費DP -90 無意識の内に散らかす。 精神-Lv判定に失敗すると、人の迷惑を顧みずに無意識に汚してしまう。 美声 Lv1 [先天性] 消費DP 100 交渉や歌唱など、声を使った判定にLv補正 聞きづらい声 Lv1~ [先天性] 消費DP -50 交渉や歌唱など、声を使った判定に-Lv補正 不眠症 Lv1~ [先天性・後天性] 消費DP -110 人より、Lv分SP・MP回復が遅れる。 爆眠症 Lv1~ [先天性・後天性] 消費DP -150 精神-Lv判定で、確実に睡眠状態になる。 起きた時には、MP・SPは完全回復するが、叩き起こさないと、いつまでも寝続ける。 ジングスなどの信仰(内容) Lv1~ [先天性・後天性] 消費DP -10 精神-Lv判定で失敗すると、特定のジンクスに拘る。 結果的に人が迷惑する。 集中力 Lv1~ [先天性] 消費DP 100 集中に関わる判定の時、Lv補正 落ち着きが無い Lv1~ [先天性] 消費DP -50 集中に関わる判定のと時、-Lv補正。 ドジ Lv1~ [先天性] 消費DP -100 ここぞと言う時に知力-Lv判定。 失敗すると致命的なドジをしでかす。 ガッツ!! Lv1~ [先天性] 消費DP 250 全てのパラメータが0になった時の即死判定で、+Lv補正が入る。 1つでも成功すると、全パラメータ1で復活。 分割思考 Lv1~ [先天性] 消費DP 300 思考判定の際、知力+Lv判定を行い成功すると、より良い答えを見つける。 失敗した場合、精神に1d+Lvダメージ。 高速適応 Lv1~ [先天性] 消費DP 300 +ムードメーカーLv3必要 生命+Lv判定で、その場に瞬間に溶け込める。 ナルシスト Lv1~ [先天性] 消費DP -50 交渉時-Lv補正。 失敗すると、確実に嫌われるが、同種だと好かれる。 ポジティブシンキング Lv1~ [先天性] 消費DP 200 ファンブルを起こした際、知力+Lv判定。 成功すると、精神にLv分回復する。 ネガティブシンキング Lv1~ [先天性] 消費DP -100 ファンブルを起こした際、知力-Lv判定。 成功すると、精神にLv分ダメージ。 虚言癖 Lv1~ [先天性・後天性] 消費DP -60 交渉・尋問の際、精神-Lv判定。 失敗すると、必ず嘘をつく 正直者 LV1~ [先天性] 消費DP -40 交渉・尋問の際、精神-Lv判定。 失敗すると、必ず正直に話す 俊足 Lv1~ [先天性] 消費DP 60 行動力に+Lv修正 鈍足 Lv1~ [先天性] 消費DP -30 行動力に-Lv修正 耐精神 Lv1~ [先天性] 消費DP 150 精神攻撃ダメージをLv分緩和する。 自己犠牲 Lv1~ [先天性] 消費DP -100 仲間が危機的状況下の場合、知力判定に失敗すると、自分を犠牲にして助けようとする行動を取る。 仲間に来るダメージ+Lv分を、自分が近くにいる場合、肩代わりする。 自己防衛 Lv1~ [先天性] 消費DP 100 自分が危機的状況下の場合、知力判定に失敗すると、他人を犠牲にしてでも自分を助ける行動を取る。 自分に来るダメージ+Lv分を、近くにいる仲間に肩代わりさせる。 ポーカーフェイス Lv1~ [先天性] 消費DP 200 ウソをつく時、ばれにくくなる。 ウソをついた時、それを見破ろうとする人に-Lv分の判定ペナルティを課す事が出来る 体内時計 Lv1~ [先天性] 消費DP 100 時計が無くともおおよその時刻が分かる。 時間測定・時間経過とうの判定の際Lv分の修正を加える事が出来る。 爆眠症 不眠症 は取る事が出来ない。 電波 Lv1~ [先天性] 消費DP -500 ちょっとアレな人 常に知力チェック-Lvに成功しない限り、まともな行動を取る事が出来ない。 疎外 Lv1~ [先天性・後天性] 消費DP -500 常に知力チェック-Lvに成功しない限り相手にされない・行動できない。 夢遊病 Lv1~ [先天性・後天性] 消費DP -50 寝ている間に知力チェック-Lv判定で失敗すると、夢遊病としてうろつく。 行動はマスター委任。 爆眠症 不眠症 は取得できない。 憑きモノ Lv1~ [後天性] 消費DP -500 全てのパラメータが常に-Lv分のペナルティを受ける。 何かしらの出来事がない限り、スキルを取る事が出来ない。 帯電体質 Lv1~ [先天性・後天性] 消費DP -200 機械系統を操作するとき、生命-Lvで判定 失敗した場合、機械が故障する。 ツッコミ役 Lv1~ [先天性・訓練・後天性] 消費DP -10 誰かがボケるたびに作業を中断して突っ込まずにいられない。 知力-Lvで失敗すると、絶対突っ込み行動を入れる。 知覚異常 Lv1~ [先天性] 消費DP -200 知力チェックの際、常に-Lv分の修正を受ける 痺れ(部位) Lv1~ [先天性・後天性] 消費DP -100 敏捷チェックの際、常に-Lv分の修正を受ける 感情消失 Lv1~ [先天性・後天性] 消費DP -500 対話等の意思疎通による判定に-Lv*2の修正を受ける 身体不稼動(部位) Lv1~ [先天性・後天性] 消費DP -500 一部の部位が動作しない、もしくは失われている。 戦闘や行動等に-Lv*3の支障を受ける 色弱異常 Lv1~ [先天性・後天性] 消費DP -200 色がよく見えない。 色に関する判定の際-Lv分の修正を受ける (色調補正めがね使用の際は、ペナルティを受けない) 近眼 Lv1~ [先天性・後天性] 消費DP -100 近くの物を見たり、近接戦闘の際、-Lv分の補正を受ける (近眼用めがね使用の際は、ペナルティを受けない) 遠視 Lv1~ [先天性・後天性] 消費DP -100 遠くの物を見たり、遠距離戦闘の際、-Lv分の補正を受ける (遠眼用めがね使用の際は、ペナルティを受けない) 乱視 Lv1~ [先天性・後天性] 消費DP -200 物を見たり、戦闘の際、-Lv分の補正を受ける (乱視用用めがね使用の際は、ペナルティを受けない) バランス感覚Lv1~ [訓練] 消費DP 50 身体のバランス感覚のチェックの際、+Lv補正を受ける。 魅力Lv1~ [訓練] 消費DP 120 交渉や魅力的な行動で相手の関心を引き寄せる行動に、+Lv補正を受ける。 生命12 知力12 以下は取る事が出来ない。 晴れ男(女)Lv1~ 先天性 消費DP -100 そこにいるだけで、一定確率で雨がやむ。 Lvによって、更に状況が悪化する。 艦内でも、水が使用できなくなる等のトラブルが発生する可能性もある。 他のプレイヤーが 雨男(女)Lv1~ をとっていた場合、習得できない。 雨男(女)Lv1~ 先天性 消費DP -100 そこにいるだけで、一定確率で雨になる。 Lvによって、更に状況が悪化する。 船内でも、水害等のトラブルが発生する可能性がある。 他のプレイヤーが 晴れ男(女)Lv1~ をとっていた場合、習得できない。 猫舌Lv1~ 先天性 消費DP-10 熱い物を食そうとするとLv分のHP・SP・MPダメージをそれぞれ受ける。 母性(保護すべき相手)Lv1~ 先天性 消費DP-50 保護すべき相手に対して、母性的説得等の判定に+Lv修正 しかし、保護するべき相手が危機的状態の場合、どんな事でもその相手を護らなければならない。 心眼Lv1~ 先天性 消費DP500 眼を閉じても心の目で気配を捉える。 知力12 生命15 以下は取る事が出来ない。 肉体美 訓練 消費DP10 自分の筋力をアピールする。ボディビルター必須。 その筋の人間に対して魅力的な行動を取る時に+Lv補正 生命12 体力14 以下は取る事が出来ない。 小柄 消費DP100 体が比較的小さく、高いところに届かなかったり、狭いところに入れる。 生命8 体力8 以上は取る事が出来ない。 大柄 消費DP100 体が比較的大きく、高いところも届いたり、狭いところに入れない。 生命12 体力14 以下は取る事が出来ない。 鳥目 消費DP-20 暗い所で眼が見えない。 暗い場所での視力を使う判定の際、-Lv補正。 暗視 があると習得できない。 暗視 消費DP100 暗い所でも目が見える。 暗い場所での視力を使う判定の際、+Lv補正。 鳥目 があると習得できない。 パシリ根性 消費DP-50 頼まれごとをされるとNOといえない。 精神-Lv判定に失敗すると、パシられる。 清き心 消費DP-50 悪い事が一切出来ない。 どのような状態でも、絶対悪い事が出来ない。 悪い行動をすると、Lv*3分の精神ダメージを受ける。 正直者Lv3 必須 方向音痴 先天性 消費DP-50 どの様な状況下でも、例え記憶していたとしても絶対迷う。 知力-Lv*2判定に失敗すると、迷ってしまう。 仲間が居ても、はぐれてしまう。 絶対的方向感覚 があると習得できない。 絶対的方向感覚 先天性 消費DP100 どの様な状況下でも、確実に自分の位置・方向を知っている。 知力+Lv判定に成功すると、現在位置と方向が分かる。 方向音痴 があると習得できない。
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◆◇◆◇◇◇◇◇◇◇ 此処は、麗しき桃源郷か。 あるいは、三途の彼方か。 果てなき地平まで、桜の木々が立ち並ぶ。 桃色の花弁が舞い続ける、幻想的な情景。 行けども、行けども。 視界に映るのは、満開の桜のみ。 世界が、鮮やかな色彩に覆われ。 花雪に包まれるように、彼女は進み続ける。 その美しさを前にして。 少女は、思わず追憶していた。 “桜”の名を冠した、己の先祖を。 遠い過去に遡る、己の起源を。 少女は、思い返していた。 ――――古手梨花は。 ――――夢を、彷徨っていた。 “行かなくてはならない”。 “早く戻らなくてはならない”。 そんな思いを抱きながら。 梨花は、途方に暮れていく。 まだ、やらなければならないことがある。 まだ、手を取らねばならない者達が居る。 まだ、終わっていない“友情”が残されている。 この桜の迷宮の終着点を、梨花は答えもなく求めていく。 咲き誇る、桜の海は。 平凡な草木のように、其処に在り続ける。 最早それは、儚くも麗しい“特別な存在”ではなく。 まるでタンポポのように、呆然と偏在する。 花弁が、舞う。 花弁が、舞う。 震える呼吸。鼓動する身体。 桜色だけが、無限に繰り返される。 桜色だけが、視界を飲み込んでいく。 行き着く宛もなく。 只管に、走り続けて。 我武者羅に、進み続けて。 やがて少女は―――“魔女”は。 その脚を、少しずつ止めていく。 立ち止まった、視線の先。 一本の、桜の樹の下。 その幹に腰掛ける、ひとつの影。 桜色の景色に紛れ込むような、白い髪。 今にも儚く散りそうな、脆い微笑み。 その姿は、枯れ木のように映るのに。 奇妙なことに――――悍ましい程に、命の光が迸っていた。 無数の桜の樹々に隠れるように。 “彼女”は、静かに其処に座り込む。 誰にも気付かれず、ひっそりと影に咲く。 “奈落の花”であることを、受け入れるように。 そんな佇まいを見つめて、梨花は。 その寂しげな姿に、哀しさを覚えて。 “彼女”の微笑みを、二つの眼に焼き付ける。 これは、あの男から分け与えられた“呪われし血の記憶”なのか。 あるいは、命が燃え尽きていく中で垣間見た“幻影”なのか。 “奇跡の魔女”は、邂逅を果たした。 呪われし血脈を背負う、“夜桜の魔女”と。 そして――――ゆっくりと、手招きをされた。 ◆◇◆◇◇◇◇◇◇◇ 渋谷の市街地に。 桜が、咲いていた。 真夏の空の下に。 鮮やかな華が、繚乱していた。 数多の亡骸に根を張るように。 それらの木々は、アスファルトの町並みを蝕む。 ビルの壁や、横たわる自動車。 砕けた瓦礫に、ベンチや街路樹。 街の残骸を覆うように、枝と花は無数に伸びている。 街を覆う幻想の色彩。 宙を舞う花吹雪。 痛ましい桜色の景色を前にし。 彼はその顔に影を落としながら。 静かに、思いを馳せる。 ―――櫻花(オウカ)、か。 かつて心を通わせた者を振り返りながら。 雷霆のアーチャー、ガンヴォルトは霊体化しながら街を駆け抜けていた。 他人へと歩み寄り、他人へと手を差し伸べる意志。 時には他人とぶつかり合うかもしれない、それでも真正面から向き合うことを選ぶ勇気。 それはかつて、オウカという少女に見出した強さであり。 己の一筋の光である、飛騨しょうこに見出した強さだった。 本来ならば――――桜とは。 彼女達の想いのように、麗しいものだった筈だ。 だが、この渋谷の街において。 咲き誇る桜は、死者の墓標として立ち並んでいる。 そのことに、何処か遣る瀬無さのような感情を抱く。 感傷の中で、改めてガンヴォルトは振り返る。 先程まで対峙していた相手とのやり取りを。 オウカ達と同じ“強さ”を垣間見た、ある陣営の姿を。 方舟組に迎合することは無く。 しかし、利害が一致すれば“共闘”はする。 それがガンヴォルト達の出した答えだった。 ◆ 数十分前。 ガンヴォルトは、女剣士のセイバーから“方舟組の方針”を聞いた。 曰く、彼女達は。 “聖杯戦争からの脱出を目指している”。 不要な戦いを望まず、殺し合いそのものからの離脱を目的とする。 この聖杯戦争は、言うなれば“強制参加”であることも事実であり。 そういった陣営が存在することも、さとう達は少なからず予見していた。 その上でガンヴォルトは――――二人のマスターの祈りのために、戦うことを選んでいた。 そして、“その過程で聖杯を狙う者達と向き合うことを選んでいる”。 それは、全てに手を伸ばして余すことなく救うためでははなく。 そうすることが、聖杯を求める者達へのせめてもの誠意と信じたから。 手を取れる者とは手を取り合い、最善の結末を模索していく。 例え相容れない者がいたとしても、その願いと向き合った上で戦う。 それこそが、方舟の面々が選んだ道だった。 彼女達の方針を噛み締めつつ。 ガンヴォルトは思考する。 方舟組の存在は、既に把握していた。 一日目の神戸あさひの炎上を皮切りに、ガンヴォルトはネット上の情報収集を幾度か行っており。 その過程で、SNSアカウントにおける不可解な“タレコミ”を発見していた。 ガンヴォルトは電気を自在に操り、電子機器等へのハッキングも行うことが出来る。 あさひの炎上拡散について調査したように、その書き込みの存在を割り出すことも果たした。 アカウントからの発信は二つ。 片方は、峰津院財閥が保有する霊地の存在についての書き込み。 そして、もうひとつ。 “283プロダクションを中心に聖杯戦争からの脱出を目論む集団が存在する”。 “実際に離脱者が表れた瞬間、聖杯戦争は強制終了となる”。 それは、この聖杯戦争における“脱出派”に関する情報。 彼らの存在の認知と、彼らが目指す計画の影響を流布する密告だった。 一日目の夜間からさとう達が積極的に激戦区へと介入しようとしたのも、これらの情報がきっかけの一つであり。 そして“割れた子供達”の首領がさとうに対して行った情報提供や、その後のSNSアカウントへの返信――方舟組の“対話路線の宣言”などから、ある構図が推測できた。 海賊は方舟の実態を掴み切れていない。 しかし、方舟の脅威だけは認知している。 故に“牽制”という一手を打った。 そして、方舟はその対処を余儀なくされている。 結局のところ、密告そのものには何の確証も存在しない。 書き込みもあくまで“脱出を目指す陣営の存在”と“それに伴う強制抹消の可能性”に触れたのみ。 そもそも脱出の手段というものが本当に存在するのか。彼らの言う強制抹消が一体いかなる筋からの情報なのか。 その裏付けには一切触れられていないし、ガンヴォルト自身も“脱出手段”に対しては懐疑的だった。 予選期間という一ヶ月もの猶予があった中で、それを未だに発動できていない時点で“そもそも実現の可能性自体が極めて低いもの”と捉えざるを得ない。 しかし海賊陣営の取った密告自体は“神戸あさひの炎上”と同じだ。 ネットワーク上での発信を行い、特定の対象を標的にした疑惑の煙を立てて、槍玉に挙げる。 方舟と海賊の敵対関係は、さとうがガムテとの対談の際に聞き出している。 あの密告もまた方舟に対する一種の削りである可能性は高いと考えた。 例え確証が無くとも、“その可能性を提示する”だけで十分に警戒の目を向けさせることが出来るからだ。 女剣士のセイバーが“全員手を取り合う未来”を陣営の看板として提示してきたのも、恐らくはそこが大きい。 彼女達は初めから対話を掲げていたというより、あの密告によってそうせざるを得なくなったのではないか。 脱出路線の継続か、聖杯狙いへの転向か―――その後の現実的な対応はともあれ。 彼らはまず“あの密告”で浮上した疑念を打ち消す指針を示さなくてはならないのだ。 そうでなければ、彼らは“実態は不明だが最優先で叩かねばならない陣営”というレッテルを貼られ続けるのだから。 そして脱出に伴う残存参加者の抹消という噂が立った以上、方舟はそれに対する自分達の誠意も示さねばならない。 この聖杯戦争において、最も消耗戦と耐久戦を強いられる陣営があるとすれば。 それは間違いなく、方舟組である。 ガンヴォルトは己の見解を導き出す。 結果の是非に関わらず、彼らは一旦“どの陣営とも対話をする”というスタンスを取る必要がある。 ただ敵を排除して勝ち残ればいい他の陣営とは異なり、理想や誠意のために彼らは長期戦のリスクを引き受けなければならない。 必ずしも戦う必要はなくとも、戦争が続く限りは粘り抜く必要はある―――そして肝心の脱出計画が本当に機能するものであるかも怪しい。 仮に聖杯を狙う方針に切り替えたとしても、最初から交戦を目的としていた他の陣営に対して初動は確実に遅れる。 セイバー達と連絡先は交換し合った。 方舟組への連絡先と、松坂さとうへの連絡先。 互いのコネクションは作った。 “海賊”のような脅威と対峙する際、場合によっては連携や共闘を行うために。 その為にも、皮下真や青龍のライダーに関する情報共有も済ませた。 その上でさとう達は、“方舟”には乗らない。 ただ彼らに迎合する訳にはいかなかったし、その旨も女剣士のセイバー達に伝えた。 松坂さとうには、聖杯を求める理由がある。 そして今後の陣営全体の方針展開があったとしても、リスクが大きすぎる。 長期戦は必至になり、マスターが戦線に巻き込まれる余地は大きくなるのだから。 博打のような方針にさとうを巻き込む訳には行かないし、さとう自身も念話で方舟組のリスクを認知していた。 だからこそ、思う。 そうまでして、何故彼らはその道を進むのか。 方舟側の“対話”というスタンスが、海賊側の密告によって必要に迫られたものだとしても。 彼らには密告の内容自体を否定することも可能だったはずだ。 あれはデマであり、寧ろ海賊側が真偽不明の情報によって盤面を撹乱している―――そんな風に海賊側への中傷として返すことも出来たはずだった。 しかし方舟は、敢えてそれを否定しなかった。 寧ろ脱出計画も含めて真正面から肯定し、その上であの指針を示してきたのだ。 我々は脱出を目的とするが、貴方達の想いを決して蔑ろにはしない。 そう伝えるように、彼らはあの返信を送っていた。 まるで自ら苦難の道を選び取ったかのように。 「貴方ならば、分かっているはずだ」 それ故に、ガンヴォルトは問う。 満身創痍の佇まいでありながら、手練であることが一目で伝わってくる女剣士に対し。 彼女らの願いに協力することを決意した、その想いを。 「その道を進むことで、如何なる苦難を背負うことになるのかを」 “理想”という、茨の道。 ただの少女達が貫くためには、相応の壁が立ちはだかる。 多くの痛みを背負うかもしれない。 多くの悲しみを背負うかもしれない。 それを止めることも、諫めることも、きっと出来たはずであり。 それでも尚、この女剣士はその真摯な祈りに手を貸すことを選んでいた。 「その上で……どうして“理想”を求める」 “理想”に寄り添おうとする彼女に。 そんな疑問を投げかける。 それは、方舟への“疑念”ではなく。 彼女達が進む苦難を案じるような想いから吐き出された言葉だった。 理想を貫く。正しいと信じた道を行く。 それは決して報われるものとは限らないと。 ガンヴォルトという英霊は、誰よりも知っていた。 ガンヴォルトは、ふいに視線を動かす。 先程まで交戦していた、月鬼のセイバー。 黒死牟は、何も言わずに控えている。 その身に闘志を宿らせながらも。 あくまでこの場を女剣士のセイバーに任せると言わんばかりに。 彼はただ、沈黙を貫いている。 「先に断っておくけれど」 それから、ほんの僅かに間を置いて。 やがて、女剣士が口を開く。 「私は“人斬り”に過ぎない」 彼女達の“理想”は素晴らしくとも。 自分はあくまで、ただの剣客でしかない。 己の身の程は、弁えている。 予めそう伝えるように、女剣士は呟く。 その一言に―――ガンヴォルトは、奇妙な感覚を抱く。 「この身を血漿で穢した、一振りの刃。 人を殺める術を研ぎ澄ませた、修羅道の士。 剣の道を極めるなんてのは、そんなもの」 どこか自嘲するように呟く女剣士。 その姿に対し、ふいに懐かしさのような思いが過る。 己を蔑み、嘲りながら。 微かな希望へと、手を伸ばして。 求めるものを掴めずに、彷徨い続けた。 何も得られず、何も残せなかった。 そんな生前の己自身を、ガンヴォルトは追憶する。 女剣士のセイバーは、飄々と佇む。 その凛とした面持ちの裏側には。 ある意味で、自分と通じるものが秘められているのかもしれないと。 ガンヴォルトは、ふいに思う。 一迅の雷霆。それ以上でもそれ以下でもなく、ただの暴威として後世に語り継がれたかもしれない。 そんな己の恐怖と、彼女の自認が、何処かで重なる。 「けどね」 しかし、それでも。 今のガンヴォルトの掌には、“希望”が残されている。 そして――――それは、女剣士にとってと同様だった。 そう伝えるかのように、彼女は言葉を続ける。 「私を頼ってくれた“小さな旅人”が、奇跡を追い求めてた」 女剣士は、いつしか。 自嘲するような表情を、静かな微笑みへと変えていた。 「ただの女の子達が、信じるものを直向きに貫こうとしてた」 古手梨花。283の少女達。 信義を貫き、誠意を胸に抱き。 矜持の為に、彼女達は奇跡を追い求める。 突き付けられた運命と向き合い、それでも最善の道を模索し続けている。 例え如何なる結果を迎えようと、“納得”を掴み取るために。 そんな少女達に、宮本武蔵は敬意を払う。 懐かしさと眩しさを、確かに感じながら。 女剣士は、穏やかに微笑む。 「だったら―――そんな想いを守る“正義の味方”くらいには、なるべきでしょ?」 ――――そう告げる彼女の脳裏。 浮かんでいたのは、かつて旅の中で出会った少女。 自らに“正義の味方”という道標を与えてくれた存在。 あるべき世界を求めて、宮本武蔵の傍に並び立っていた、“カルデアのマスター”。 長い旅を経て、その記憶は今もなお剣士の魂に焼き付いていた。 「……貴方も“そういうもの”を背負ってるのは解る」 そして、武蔵は呟く。 眼の前のガンヴォルトの本質を、見抜いていたかのように。 「険しい顔だけど――――慈しい眼をしているものね」 彼女のそんな言葉に。 ガンヴォルトは、思わず不意を突かれた。 思いもしなかった言葉を前にして。 その脳裏に、記憶が蘇る。 自らを信じてくれた、一人の少女のことを。 この聖杯戦争で出会い。かつて何も成し得なかった雷霆を、真っ直ぐに選び取ってくれた相手。 “貴方だから信じられる”と最期に伝えてくれた、愛おしき翼。 飛騨しょうこの顔が、ふいに過ぎった。 「貴方を否定はしない。例え私達と道を分かつとしても……互いに“貫くべきこと”を選んだだけ。そうでしょう?」 それ故に、ガンヴォルトは思う。 “貴方も、そういうものを背負ってる”。 そう告げた彼女の言う通りである、と。 自分も、このセイバーも―――何かを背負いながら、前へと進んでいる。 だからこそ、いずれ道を分かつとしても。 互いに受け入れ合うことが出来るのだと。 相手に向き合うことには意味があるのだと。 そこに方舟の望む“納得”があると、彼女はその佇まいで訴え掛ける。 「だから、恨みっこなしよ」 ニッと爽やかに笑みを浮かべる女剣士。 彼女のその顔を見て、ガンヴォルトもまた仄かに表情が綻ぶ。 「……セイバー」 何処か、清々しさを心に抱きながら。 ガンヴォルトは言葉を紡ぐ。 「ありがとう。どうか、無事で」 「そっちこそ。御武運を」 そして、“雷霆”と“方舟”は背を向け合う。 互いにそれぞれの道を歩むことを約束しながら。 その上で、各々の進む道を見届ける。 どうか、祝福があるように―――共にそう祈るかのように。 ガンヴォルトが、その場から駆け出す直前。 彼は、ふいに振り返った。 女剣士のセイバー、宮本武蔵。 別れる前に、彼女の姿を横目で視た。 彼女が背を向けて、駆け出すとき。 淡い花弁のような“魔力”が。 ほんの一瞬、溢れ出たように見えた。 ◆◇◆◇ ――――道を分かつならば。 ――――躊躇うべきではない。 ――――禍の芽は、摘むべきだ。 そんな風に、忠告することも出来た筈だった。 雷霆のアーチャー。先の交戦で、相応の手練であることは理解した。 例え利害の一致する余地があるとしても。 後々に道を分かつことが明白なれば、まだ余力を残している今の内に敵を排除すべきだと。 その眼を開きし“融陽の鬼”―――“黒死牟”は訝しむ。 されど、彼はその顛末を見送った。 二刀のセイバーと雷霆のアーチャー。 両者の遣り取りに口を挟むこともなく、その着地を無言で見届けていた。 その眼に映る、空の色。 誰もが同じ景色を見ているとは、限らない。 心も同じ―――交わり合うとは、限らない。 されど、それは決して悲嘆に値することではなく。 それぞれの見つめる世界があり、黒死牟がその“朝”を迎えたことには意味があると。 彼のマスターである少女、幽谷霧子は伝えていた。 かつて、妄執と嫉妬に狂い―――黒死牟は、弟である縁壱と袂を分かった。 長きに渡る歪みの果てに、得るものは一つとして無く。 されど、この界聖杯という舞台で、兄弟は再び引き合った。 その身を灼かれる炎獄の再演。 終わりの見えない閉塞の再開。 そんな未来すらも在り得た中で、ひとつの結末を迎えた。 例え、道は違えども。 それでも、向き合うことに意味はあると。 対峙の果てに、交わり合うものが存在すると。 そう信じる“方舟”の姿に、黒死牟は想起した。 本来辿るはずの無かった―――朝日の中で迎えた、縁壱と己の顛末を。 そして、もう一つ。 彼が武蔵に忠言をしなかった理由。 雷霆を仕留めるべきだと、告げなかった意味。 その答えは、黒死牟自身も予想をしなかった事柄であり。 しかし――――それ以外に、導き出せる理屈が存在しない。 故に彼は、見つめざるを得なかった。 この場に、幽谷霧子が居たならば。 あの女剣士を止めることは無かっただろう。 ただ、それだけの理由だった。 黒死牟はあの場で、確かに“あの少女”を脳裏に浮かべていた。 そして彼女の存在が、黒死牟を制止していることを。 彼自身が、確かに“気付いていた”。 黒死牟は、戸惑いながらも。 不思議と、動揺は無かった。 そんな筈はないと、否定する気にもならなかった。 まるでその事実を、受け入れるかのように。 だが、今は思案に耽っている時ではない。 「――――“二刀”」 渦巻く感情を、隅に置き。 黒死牟が、武蔵に呼びかける。 武蔵は彼の方へと視線を向けた。 「……あの“葉桜”の、気配がする」 続けて、黒死牟が告げる。 探し人の存在を、彼は察知した。 複数のビルの影。 その隙間に、“異質な気配”を感じ取った。 人間や英霊。そしてNPCとも一線を画す、混ざり物の匂い。 その機敏な感覚を以て、黒死牟はそれを捉えた。 あの“虹花”と呼ばれた者達―――その気配だった。 その一言を聞いて、武蔵は迷うことはなかった。 黒死牟の示す方向へと、共に跳躍していく。 二人の侍が並び、共に進んでいく。 言葉を交わすことはなく―――しかし。 互いに、違和感があった。 宮本武蔵の肉体を蝕む病毒。 機凱種より排出された残穢。 霊骸による浸食が、“抑制”されている。 それを黒死牟は、察知しており。 そして―――彼女自身もまた、薄々感じ取っていた。 朝を迎え、瞼を開きし“侍”は。 桜の花弁を、その眼に捉えた。 “二刀の女剣士”の肉体から溢れ出る、その破片を。 彼は、確かに見つめていた。 ◆◇◆◇ きれいな髪の色だね。 まるで、桜みたい。 クラスの女の子とか。 付き合った男の子とか。 バイト先の同僚とか。 色んな人から、そう言われた。 そんな風に褒められたことが、何度があった。 かつての彼女―――松坂さとうは。 それらの言葉に“嬉しさ”を感じたことは無かった。 神戸しお以外の人間に、価値なんて見出していなかったから。 この髪を見ていると、ずっと忌み嫌っていた“叔母さん”との繋がりを思い起こすから。 ―――今は、どうなのだろう。 廃墟の一室で、彼女は想いに耽る。 方舟との遣り取りを済ませた“従者”の帰還を待ちながら。 ただ呆然と、虚空を見つめている。 ―――しょーこちゃんにも。 ―――褒められたことがあった。 ―――きれいな髪だね、って。 ―――あの頃は、何も感じなかったけれど。 今の自分は、どう思うのだろう。 そんな感情が過ぎった、その矢先。 花弁が、舞った。 淡い色彩の、断片が。 通り過ぎていった。 真夏には似つかわしくない、桜吹雪。 桃色の欠片達が、風に乗って。 少女の周囲を、吹き抜けていく。 うだるような暑さの季節で。 廃墟の屋内であるにも関わらず。 その花弁は、姿を現した。 さとうは思わず、その場から立ち上がった。 警戒に身構えるように。 何かを察したかのように。 風の吹く方を、じっと見据える。 自分の髪色と溶け込むような、桜色の風。 松坂さとうは、ただそれを見つめていた。 手のひらに纏わりついた、一欠片の花弁。 その淡い色彩に、ほんの一瞬だけ視線を落とす。 誰もが崇め。誰もが愛おしみ。 誰もが、それに目を奪われていく。 その美しさに、一瞬だけ心を囚われそうになる。 しかしさとうは、花弁をそっと振り払う。 この手の中にある麗しさが、毒であることを悟ったように。 彼女はただ、息を呑むように身構える。 「――――よぉ、お嬢ちゃん」 そこに根付き、咲いていたのは。 儚げに、そして幽鬼のように佇む。 “一本の夜桜”だった。 「“散歩ついで”に、お嬢ちゃんが居ることに気付いたんでな。寄らせて貰ったよ」 その姿を前にして。 さとうは思わず、息を呑む。 桜の花びらと共に、突如現れた男。 身体のあちこちに、華が咲いており。 まるで此の世ならざる者であるかのように。 男はただ、不敵に笑みを浮かべ続ける。 全く以て、未知で。 余りにも、異質だった。 ただの人間にしか見えなくとも、鋭利な刃のような気配を纏っていた禪院とも、また違う。 もはや、それは――――人ですら無いかのような。 まるで夜桜そのものがヒトの形を成しているかのような。 余りにと異質な気配を、眼前の男は身に纏っていた。 故にさとうは、思わず身構える。 いつでも懐の刃物を取り出せるように。 そして、仕込んだ“それ”をすぐに摂取できるように。 彼女は、息を整える。 「ウチの“同盟相手”から聞いたぜ。一緒に居た仲間を殺されて、みすみす生き延びちまった奴の話を」 その言葉を聞いて、さとうは気付く。 ほんの暫く前の出来事、霊地を巡る戦線の最中。 突如として立ちはだかった“機凱のアーチャー”と、猗窩座と呼ばれていた“修羅のランサー”。 彼らの襲撃を囮にするように奇襲を仕掛けて、そして飛騨しょうこの命を奪った“眼帯の男”。 「そいつは桜色の髪をした、10代くらいの女の子だとよ」 眼の前の男は、彼らの仲間であると。 松坂さとうは、有りの儘に悟る。 だからこそ、なのかもしれない。 この夜桜の化身に対し、“強い敵意”が芽生えたのは。 そして、男もまた、さとうが何者であるのかを理解していた。 「“海賊”の、皮下真さんだよね」 「そういう君は、松坂さとうちゃん。ガムテ君から聞いたぜ」 夜桜の男―――皮下真の目的は、“ちょっとした偵察”に過ぎなかった。 一度は逃がしたアイを仕留めるつもりはない。 しかし、“利用しない”とは言わない。 万花繚乱によって活性化したソメイニンによって、彼はアイに宿る“葉桜”の残痕を辿った。 方舟の面々が彼女を探しに来ることは読み取れる。 故に皮下はアイを釣り餌として利用し、彼女と接触した者達の存在を遠方から“確認”した。 気配を悟られぬように極限まで気配を殺し、尚且つ“空間転移”によって瞬時に離脱をしながら。 結果として、女剣士のセイバーが健在であることに皮下は満足した。 北条沙都子とアルターエゴ・リンボ。 古手梨花を奴らにぶつける為にも、セイバーが居てもらわなくては困る。 故に皮下は、彼女に手出しすることはなかった。 その“帰り道”に、彼はマスターの気配を察知した。 なんてことはない。拠点に戻る前の、ちょっとした寄り道だ。 そうして皮下は、松坂さとうの元へと姿を現した。 「―――ま、どうせ行く宛も無いんだろ。 これまでの遺恨は抜きにして、こっちに来る気はあるか? 俺は“愛の告白”を振られたばかりでね。人手がありゃあ楽なのは間違いないんだ」 皮下は、もののついでと言わんばかりに“勧誘”をする。 諸々の因縁は一旦隅に置いて、こっちに来ないか―――と。 そしてさとうは、すぐに悟る。 これは、取引ですらないことを。 この問いかけは“ただの気まぐれ”に過ぎない。 要するに―――自分達に降った上で死ぬか、ここで死ぬか。 偶々見かけたから、投げ掛けてみただけ。 皮下が伝えたことは、ただそれだけのことだった。 例え利害関係だとしても、さとうに皮下と組むつもりはなかった。 彼らが神戸しおの属する敵連合と対立する存在であることは、ガムテからの情報提供で把握している。 それに敵連合や方舟とのコネクションを手に入れた今、此処で皮下とも手を組むことにはリスクが生じる。 複数の陣営に取り入り、利害を貪ろうとすれば―――それこそ“二枚舌の蝙蝠”として、警戒の対象になりうる。 故にさとうは、皮下に対処せねばならなかった。 念話での連絡はあった。 アーチャーが戻ってくるまで、数分。 時間を稼がなくては、自分は殺される。 「……うちのキャスターと、しょーこちゃんのアーチャー。 両方引き連れてると言ったら?」 そう理解したさとうは、口を開く。 皮下を牽制するような“嘘”を吐く。 「アーチャーには高ランクの単独行動スキルがある。 マスターが不在でも、彼はまだ現界を続けていられる」 皮下とは手を組まず、彼を突っ撥ねて。 尚且つ、皮下に手出しさせない理由を絞り出す。 そのために、さとうは言葉を並び立てる。 「私の窮地を察知すれば、彼らはすぐに駆けつけてくる」 冷気のキャスターはまだ健在であり、尚且つ飛騨しょうこのアーチャーも単独行動スキルによって現界を続けている。 彼らは今は偵察の最中であり、すぐにでも戻ってくる。 そんなブラフを伝えることで、さとうは皮下の行動を制止せんとする―――。 「偵察に向かっている二騎のサーヴァント。 その片方でも戻ってくれば、貴方は―――」 「御託(ハッタリ)で俺を止められるんなら」 だが。 夜桜の男は。 変わらず、笑みを浮かべて。 「苦労はしねぇよな。お嬢ちゃん」 そして、次の瞬間。 さとうの目の前に、皮下が“現れた”。 手を伸ばせば、容易く届く距離。 瞬きの合間に、彼は空間移動をした。 「で、答えは“ノー”ってことだろ?」 顔を上げた。 桜を纏う男が、嘲笑う。 さとうの頬から。 汗が流れ落ちる。 思考を回転させる。 必死に、必死に。 その場を切り抜けるための策を。 何としてでも、絞り出そうとする。 「じゃ、いいわ」 そんなさとうの驚愕をよそに。 皮下は、ふっと笑みを浮かべて。 それを目の当たりにしたさとうは。 窮地を察知したように。 懐から咄嗟に、刃物を取り出そうとして。 「死ね」 瞬間。 風を切る音。 何かが断ち切れる音。 宙を舞う花弁達が、吹き飛び。 そして。 さとうの首筋が、裂けた。 皮膚。筋肉。その先の血管。 肉が切り開かれて、真紅が吹き出る。 溢れる鮮血。流れ落ちる赤。 驚愕と苦悶に表情を歪めて。 少女は、成すすべもなく後ずさる。 首筋を押さえても、血は決して止まらない。 皮下の身体は、何の変化も起こしていない。 開花の能力を行使した訳ではない。 ――――ただ、右手を一振りしただけ。 横薙ぎの手刀。そんな単純な攻撃。 それだけで、少女の首を容易く引き裂いた。 横一文字に振るった右手は、血で赤く染まっていた。 それから、間を開けず。 皮下は、“違和感”を覚える。 目を細め、怪訝な表情を浮かべて。 首から血を噴き出す少女を見据える。 ――――さして“本気”なんか出さなかったが。 ――――少なくとも、“首を刎ねる”つもりでやった。 それが、どうだ。 刎ね飛ばすつもりが、しっかり胴体と繋がっている。 結果としては、首元を掻き切る“程度”で済んでいる。 ソメイニンとの適合を果たし、あらゆる能力が大幅に向上したことを鑑みれば、実に奇妙な事態だった。 つまり、目の前の少女は“一撃を躱した”のだ。 致命傷は避けられなかったとはいえ、咄嗟の瞬発力で即死を免れていた。 夜桜の異能を掌握した皮下の攻撃速度に“反応”してみせる―――常人には不可能な芸当と言わざるを得ない。 やがて、次の瞬間。 肉が蠢くような音が響き。 吹き出ていたはずの血液が。 “止血”されていく。 引き裂かれていた首筋が。 “修復”されていく。 致命傷だった傷口を再生して。 息を整えながら、こちらを睨むさとう。 その姿に、皮下は呆気に取られるも。 「おいおい、女の子が拾い食いか?」 合点が行った。 せせら笑いながら、少女を見据える。 「――――それも“ヤク”と来やがった。最近のガキは荒んでんな」 松坂さとうの目元に。 血液にも似た“赤い紋様”が浮かび上がっていた。 “地獄への回数券(ヘルズ・クーポン)”。 常人を超人へと引き上げる、禁断の薬物。 砂糖菓子の少女は、一線を飛び越えた。 ◆ 新宿で百獣海賊団の残党と交戦する、その幾許ほど前の時間。 ミラーピースの欠片を回収したガンヴォルトは、近辺を探索する中で“それ”を見つけた。 彼からの念話を受けたさとうは、思案を経た後に。 「位置を教えてほしい」と、ガンヴォルトに伝えた。 そうしてサーヴァントからの導きを経て、彼女は対面した。 ――――神戸あさひ。 その遺体を前にして、砂糖菓子の少女は静かに佇む。 ――――“しょーこちゃん”が知ったら。 ――――きっと、悲しむだろうな。 彼と対面して、さとうは真っ先にそう感じた。 その亡骸を発見したガンヴォルトも、感情は表に出さずとも、声色からは複雑な想いが滲み出ていた。 しょうこに寄り添っていた彼だからこそ、思うところがあったのだろう。 さとうはただ、そう考える。 息絶えた神戸あさひは、満足げに微笑んでいた。 自らの道程に悔いはなかったと伝えるかのように。 何かを成し遂げたと告げるかのような面持ちで、沈黙をしていた。 あの中央区での離別の後に。 神戸あさひがどのような道を辿り、いかにして最期を迎えたのか。 今のさとうに、それを知る術は無い。 それでも、彼女は思う。 ――――しょーこちゃんが、何かを貫いたように。 ――――神戸あさひも、何かをやりきったのだろうか。 ふいに、そんな感傷が過る。 結局この少年は、最後まで敵でしかなかった。 飛騨しょうこは彼に思うところがあったとしても、さとうにとっては“神戸しおとの愛を脅かす障害”でしかなかった。 故にあの対峙の時も、彼を切り捨てることに躊躇いはなかったし。 今でも彼を認めているつもりはない。 それでも、少なからず思うところがあるのは。 やはり――――しょうことの離別を経て、寂しさを抱いているからなのだろうか。 さとうは、思いを馳せる。 ―――叔母さん。神戸あさひ。 ―――そして、しょーこちゃん。 見知った者達と、この世界で出会い続けた。 彼らは皆、自分のもとから去っていった。 遠いところへと、旅立ってしまった。 愛の壁となるのならば、誰かを排除することに躊躇いなどなかった。 だというのに、さとうの胸中には何処か切なさのような思いが込み上げてくる。 何かが終わって、何かが変わりゆく。 そんな現在(いま)への実感を確かめるように、彼女は胸に手を当てる。 静かに、深呼吸をする。 浮遊していく感情を、落ち着かせていく。 そして、思考を切り替えた。 あさひとの接触は、ごく僅かな時間だけだったが。 彼の身には明らかな“異変”が発生していた。 アスファルトを打ち砕くほどの常人離れした身体能力を発揮して。 あのキャスターに身体を弄られながら、異常な速度での自己再生を果たしていた。 人間の領域を超えたその能力は、明らかに“外付け”によって得られた異能であり。 薬物か何かによる効能ではないか、というのがキャスターの見解だった。 彼の協力者であった幼狂―――“ガムテ”もまた、人知を超えた瞬発力を発揮していたように。 その効果は、恐らく多少のリスクさえ引き受ければ“誰でも得られるもの”なのではないか。 そう考えた彼女は、神戸あさひの遺体を物色した。 キャスターの見立て通りならば、彼が“それ”を持ち合わせている筈だから。 そして、さとうは。 “極道”を“超人”へと昇華させた力。 “禁断の果実”を、その懐から見つけた。 ◆ “地獄の回数券(ヘルズクーポン)”。 その力は、常人である松坂さとうを一時的に超人へと引き上げた。 殺意を察知した時点で、口内に仕込んだ薬物を迷わず摂取したこと。 皮下が攻撃を行うタイミングに対し、殆ど直感と偶然で動作を合わせられたこと。 そのまま躊躇のない瞬発的行動によって、斬首による即死を間一髪で躱したこと。 例え首筋を掻き切られようと―――薬物の力があれば、自己治癒によって耐え切れること。 それら複数の要因が、奇跡的に重なり合い。 普段ならば皮下の攻撃を凌ぎようも無かった中で、さとうは致命傷を回避してみせた。 息を整えながら、さとうは刃物を構える。 一振りの短刀(ドス)。可憐な少女には似つかわしくない凶器。 さとうが“割れた子供達”の遺体から回収したそれを、皮下は鼻で笑う。 「――――で、どうする?」 不敵な笑みと共に、殺意を滲ませる。 “地獄への回数券”。それが何だというのか。 そう言わんばかりに、皮下はその右手を突き出す。 己の身に宿る“開花”の権能を、行使せんとする。 次の攻撃で、眼前の少女を仕留めるために。 「……どうするか、って?」 死が、肉薄している。 あと何秒、生き延びられるのか。 それさえも分からぬ筈なのに。 さとうは、怖じることもなく。 「どうもしないよ」 そして、彼女はそう断言する。 次の瞬間に、皮下の意識が全く別の方向へと向けられる。 「もう、時間は稼いだから」 その一言から、間を開けず。 皮下のすぐ傍―――――コンクリートの壁が、砕け散った。 室内の硝子が、衝撃の余波で次々に粉砕する。 鮮明に迸るのは、蒼く輝く閃光。 暴風のような“雷撃”が、怒涛の勢いで皮下へと突撃した。 桜色の花弁が焼かれ、“夜桜”が吹き飛ばされる。 壁面に叩き付けられた皮下は、凄まじい電流によってその身を灼き焦がされる。 瞬速の“稲光”が、宙を舞うように飛び。 やがて少女の直ぐ側へと降り立つ。 「遅れてすまない、さとう」 ――――蒼き雷霆。真蒼の騎士。 少女を護るように着地した“英霊”は、凛とした姿で其処に立つ。 「――――サーヴァント、アーチャー。帰還した」 「おかえり。次はもっと早く戻ってきて、ものすごく痛かったから」 マスターと、サーヴァント。 主従が、再び並び立つ。 夜桜の破片が舞う空間の中。 二人は、眼前の敵を見据える。 「ったく……いきなり殺す気かよ」 壁面に寄り掛かるように倒れ込んでいた皮下が。 苦笑いの一言と共に、悠々と立ち上がる。 その口元に、笑みを零しながら。 漆色に染まる皮下の肉体。 虹花の一員“クロサワ”の異能である“液体金属化”。 その力で四肢を金属として咄嗟に硬質化させ、“雷撃”を受け止めたのだ。 「ウチの総督から話は聞いてるぜ、“蒼き雷霆”」 つまり――――小手調べの交錯と言えど。 皮下は、英霊の一撃を“防いでみせた”。 そのことに、ガンヴォルトは少なからず驚愕する。 「“総督”……お前が、あの“青龍のライダー”のマスターか」 「その通り。“旱害”を殺ったのはお前だな?」 その男は、“神秘”で満ちていた。 体中に咲く“桜”を起点に、夥しいほどの魔力に溢れている。 最早その佇まいは、人間とは言えず。 まるで自分と同じサーヴァントと錯覚するほどの気迫を、“皮下真”は纏っていた。 「――――ま、今はサーヴァントまで相手にするつもりはねぇ。 どうせマスター殺しも不発に終わったんだ。ここは潔く退くとするよ」 英霊を前にしても尚、男は飄々とした態度を崩さず。 何処か戯けるような素振りで右手を軽く振り、眼の前の少女達にそう伝えてくる。 「帰る前に……一つ、聞かせて貰おうかな」 さとう達が、何も言わずに身構える中で。 桜の花を靡かせながら、皮下は更に口を開く。 ◆◇◆◇ 『私は、ただ』 『私は、ただ』 『幸せに生きたいだけ』 『穏やかに生きたいだけ』 『繰り返される、輪廻の果てに』 『忌まわしき、悪夢の果てに』 『私は、運命を乗り越えたい』 『私は、呪縛を振り払いたい』 『大好きな仲間との、何気ない未来』 『誰にも弄ばれることのない、安らかな平穏』 『欲するのは、それだけ』 『求めるのは、それだけ』 『百余年の惨劇を、私は打ち破った』 『百余年の閉塞は、まだ続いている』 『だから』 『だから』 『始めましょう』 『終わらせましょう』 『この空の続く先にある、奇跡の朝を』 『桜のように崇められる、絶望の夜を』 ◆◇◆◇ 意識と記憶が、混濁する。 過去。現在。遥か昔。ほんの最近。 遠い日々。戦い抜いた一月。 そして、現実と幻想。 全てが綯い交ぜになって。 ぐちゃぐちゃに掻き混ぜられる。 今の自分が、人のカタチを保っているのか。 今の自分が、人で要られているのか。 それさえも、最早うまく捉えられない。 視界をよぎるのは、桜色の欠片のみ。 美しく鮮やかな花瓣だけが、脳髄に焼き付く。 暗闇の中で、古手梨花は。 ただ、藻搔き続けていた。 体中に迸る熱と激痛。 繰り返される肉体の拒絶反応。 歯を食いしばって、叫び声を噛み殺し。 血走った眼を、虚空へと向ける。 幾百幾千―――繰り返した果てに、彼女は奇跡のカケラを掴み取った。 終わらぬ閉塞を打ち破り、未来を勝ち取ることを成し遂げた。 それから数年を経て、掛け替えのない仲間の手で再び惨劇の輪廻へと放り込まれた。 それでもなお足掻き続けた果てに、この世界へと放逐され。 最早“やり直す”ことさえ叶わぬ中で、その命は風前の灯火と化している。 ――――それでも、まだ。 ――――この命が、尽きていないのなら。 ――――私はまだ、終わっていない。 死が運命だと言うのか。 最早カケラすら掴めないのか。 ――――だったら。 ――――這いずり回ってでも。 ――――腸をぶち撒けてでも。 ――――血反吐に塗れてでも。 ――――奇跡を、もぎ取ってやる。 宿命なんかに、殺されてたまるか。 それが、古手梨花の出した答え。 此処まで、何のために歩んできた。 此処まで、何のために抗ってきた。 此処まで、何のために信じてきた。 ああ。掴み取るためだ。 同じように、道を進む“仲間”がいるのなら。 尚の事、止まる訳には行かない。 そして、それ故に。北条沙都子。 彼女(しんゆう)とのケジメだけは。 絶対に、付けないといけない。 彼女だけは。絶対に、止めてみせる。 魔女さえも超えて、神になってでも、箱庭を繰り返すというのなら。 だったら――――自分が、相手になってやる。 “喧嘩”をしたいのなら、存分に付き合ってやる。 古手梨花の激情が、鮮烈に咲く。 ――――咲いてやる。 ――――桜花のように。 ――――見せつけてやる。 ――――夜桜のように。 修羅の蕾が、花を成す。 それは、奇跡とも呼べる祝福の具現。 死を目前にした魔女の、最期の意地。 たったこれだけの短時間で。 梨花は、その力を引き出してみせた。 その血脈が持つ素養を、燃えゆく命と引き換えに掴み取ってみせた。 ほんの僅かな可能性。 ほんの僅かな奇跡。 そんなものを手繰り寄せて。 そして、その手に掴み取る才。 言うなれば、それこそが。 マスターが、マスターたる所以。 “可能性”と呼ぶべきものなのだろう。 そして。彼女は、こう称される。 ――――“奇跡の魔女”と。 その瞳に浮かぶ、淡い紋様。 散華を目前にした“夜桜”が宿った。 百年もの時を彷徨いし魔女。 その鮮烈なる最期を、飾るかのように。 “奈落の桜”が――――咲き誇る。 ◆◇◆◇ 「俺にはこの“夜桜の血”がある」 そうして、皮下は。 己の身体に咲く、“夜桜”へと触れる。 「見るだけで分かるだろ?こいつは、呪われた力さ」 それは、“一人の女”から授けられた力。 崇められ、利用され、使い潰され。 美しき桜のように佇み、そして静かな平穏を望み続けていた。 そんな儚き華から、皮下はその血を与えられていた。 「俺はこの“祝福”を胸に、聖杯を獲る」 皮下は、噛み締めるように。 何処か愛おしむように。 ほんの微かな微笑みと共に。 ただ、そう呟く。 「さて、お嬢ちゃん。お前には何がある」 そして、皮下は問い掛ける。 無言で身構える少女へと、投げ掛ける。 松坂さとうは、その一言を前にして。 意を決したように、口を開いた。 「――――愛が、ここにある」 その言葉を告げることに。 迷いなど、一欠片もなかった。 始まりは、喪失。 幼くして両親と死別して。 “あの人”のもとで育てられて。 少女は、愛という甘い光を喪った。 十数年もの間。 生まれてから今に至るまで。 その大半の時間を、費やして。 少女はずっと求めて、彷徨い続けた。 この心を満たす、淡い輝き。 それが何処にあるのか、知る由もないまま。 松坂さとうは青い孤独の中で、必死に手を伸ばしてきた。 「愛のために、ずっと生きてきた」 そして、彼女は。 長い長い旅路の果てに。 たった一欠片の“愛”を見つけた。 神戸しお。 彼女への想いに殉じて。 愛のために生きることを決意して。 松坂さとうは、ただ走り抜けた。 例えすべてを失ったとしても。 愛だけは、この手に握り締めたい。 そんな祈りを胸に、彼女は命を使い果たす筈だった。 「愛に、私の答えがあると信じてきた」 しかし、さとうは聖杯に導かれて。 新たな運命を辿ることになった。 ―――この世界で、また違う愛を見つけた。 元いた世界では、雨音の中で切り捨てて。 それでも再び出会って、衝突して。 共に過ごしていく中で、さとうは胸の内の想いに気付かされた。 ああ、この甘い世界。 たったひとりの、運命の人。 傍に寄り添ってくれた、親友。 キラキラと輝く、数多の感情。 きっと、どれも私なんだ。 そうして松坂さとうは、胸の内の想いを悟った。 「……やっと、見つけたの」 “誰か”の姿が、脳裏を過ぎった。 愛する人と共に、この世界に別れを告げて。 温もりを分かち合いながら、破滅へと身を委ねて。 それでも最後に、無垢な祈りのために命を捧げた。 愛する人への献身。愛する人への想い。 愛する人に送る、たった一つの言葉。 ――――生きて。 そう伝えようとした少女が。 きっと何処かに居たのだろう。 “例え死が分かつとも、私達は永遠”。 そんな最期も、きっと美しいものだった。 そんな結末にも、間違いなく意味はあった。 けれど、今の松坂さとうは。 愛を求めた、孤独な少女は。 「――――生きたい」 例え世界から、否定されようと。 例え誰からも、認められずとも。 それでも、この想いは手放したくない。 心の瓶を満たす、この答えだけは譲れない。 そのために、“奇跡の願望器”が必要だった。 「愛する人と、ずっと一緒に」 傍に寄り添って、共に歩き続けて。 永遠の愛を、隣で分かち合いたい。 世界と断絶することもなく。 世界から逃げることもなく。 ありのままの日々を、二人で愛し合いたい。 それが、少女の答えだった。 それは奉仕でも、犠牲の心でもない。 真の意味で比翼となることを望んだ、“愛の誓い”だった。 ◆ 《ねえ、アーチャー》 《貴方と組む前に、改めて言っておきたい》 《私は、聖杯がほしい》 《しおちゃんと一緒にいるためには》 《奇跡が、必要なの》 《だって、私達の“幸せ”は……》 《社会や世界から、否定されるものだから》 《逃げるのも、隠れるのも、やりたくない》 《私達は、ただ―――ここにいたい》 ◆ そして、この“怪物(おとこ)”は。 皮下真という、一人の亡霊は。 そんな少女の言葉によって。 己の中に、一つの答えを見出す。 己の中に宿るものの正体を、規定する。 「……愛、ね」 皮下は、ぽつりと呟いた。 その言葉を、確かに噛み締めるように。 目を伏せながら、微かに口元を緩ませる。 ――――私はあの子の手を取ったんです。 ――――あの子は……お日さまですから。 鮮明な記憶が、皮下の脳裏をよぎる。 ほんの数時間ほど前。 彼が始末した“実験体/ハクジャ”が吐き捨てた、あの言葉。 それを耳にした時は、下らない感傷だと嘲笑った。 今だってそう思っている。 幻想に絆され、信じるべき相手を間違えた、哀れな奴らだと。 尤も、それでも。 奴らが何のために“馬鹿な真似”をしたのか。 その意味だけは、今になって理解できた。 人間であれ、化物であれ。 己が見出した“光”のために、前へと進んでいく。 百余年、何のために彷徨ってきたのか。 あの夜桜に、想い焦がれたからだ。 彼女に魅入られ、彼女の望みを叶えたいと思ったからだ。 その感情に、名を付けるとすれば。 “愛”と、呼ぶべきなのだろう。 皮下は、確信する。 砂糖菓子の少女との邂逅によって。 己が存在してきた意味を、遂に悟る。 ――――己の比翼。己の憧憬。 たった一人の“彼女”に捧ぐものを。 「ああ―――それが、いい」 全てを喪い、万花の桜を掴んだ果て。 皮下真という男に、新たなる朝が降った。 故に彼は、静かに微笑む。 夢現を微睡み、平穏を祈り続けた、あの“夜桜”のように。 全てを乗り越えて。 やがて最後に残るもの。 それは――――愛だ。 砂糖菓子の少女、松坂さとう。 夜桜の化身、皮下真。 花弁舞う廃墟で、彼らは共に同じ答えを掴み取る。 愛ゆえに、愛する者の“終幕”を望んだ。 愛ゆえに、愛する者との“永遠”を望んだ。 呪縛を終わらせることに身を捧げた男。 祝福を未来へと紡ぐことを求めた少女。 彼/彼女は、愛のために生きる決意をした。 その胸に抱くもの、その命を満たすものは、同じであれど。 それぞれが目指す道は、断絶している。 「理解したよ。お前は、俺の“敵”だ」 故に、彼は告げる。 松坂さとう。彼女は、己の敵であると。 その言葉は、云うなれば。 自らに“最後の欠片”を与えてくれた少女に対する、最大の賛辞であった。 ◆◇◆◇ “虹花”の一員、アイ。 皮下の実験体の、唯一の生き残りであり。 古手梨花や幽谷霧子の想いに触れた、幼き少女だった。 皮下との離別の後、アイは“人探し”を続けていた。 ハクジャやミズキらの顛末を伝えるために。 今の古手梨花の現状を伝えるために。 そして、皮下真のことを伝えるために。 霧子達が身を置くという“方舟”の面々と出会える可能性に懸けていた。 そして彼女は、邂逅する。 その気配を前に、恐る恐ると待ち受けて。 やがて、あのとき見た“霧子のサーヴァント”と“梨花のサーヴァント”であることを察した。 故に彼女は、安堵を覚えて。 建物の影で休息を取っていたアイは、“二人の侍”の前に姿を現す。 「アイ、だったわね。無事で良かった」 アイは、眼の前に佇む女剣豪を視て。 微笑む彼女の顔を、目の当たりにして。 「聞きたいことが、沢山あるの」 驚愕したように、目を見開いた。 あるはずのないものを見たように。 虹花の少女は、動揺する。 「うちの梨花のことに、あなたと一緒に居た人達のこと。 それに……皮下のことも」 剣士の問いかけを、よそに。 思わず少女は、ぽつりと呟く。 「―――“夜桜”……?」 その一言を前にして。 武蔵は、呆気に取られて。 しかし、その直後に。 自らの中に流れ込む魔力が。 まるで桜の欠片のように、脳裏に迸った。 宮本武蔵の、残された左眼。 その瞳に―――“桜”が咲いていた。 満身創痍の肉体に齎された“祝福”の如く。 一輪の花が、凛として其処に宿っていた。 それは、古手梨花がその呪縛に肉体を蝕まれたように。 宮本武蔵が“呪われし血”に目覚めたことを意味するのではない。 神をも知覚する異種の血脈。 百余年を繰り返した魔女としての神秘。 令呪本来の権能を超えた命令を可能とする、マスターとしての高い素質。 古手梨花が備える複数のイレギュラー的要素が、ソメイニンの大量投与による肉体の変化と結びついた。 急激に浸食されゆく肉体の影響を受け、彼女の体内の魔術回路もまた変化を引き起こしたのだ。 そして激痛と苦悶が迸る拒絶反応の果てに、“魔力の変質”という結果へと至った。 夜桜の血のみに特化し、その肉体を安定させた皮下とは、根本的に異なる。 今の梨花は、混ざり物の“異形”と化している。 その命を凄まじい勢いで蝕み続ける莫大な負荷は、結果として“最後の灯火”と言うべき魔力の性質と出力を引き出した。 夜桜によって変質した、古手梨花の魔力。 それは主従のパスを経由して、宮本武蔵へと流れ込んだ。 その結果、サーヴァントである彼女の霊基にも魔力の影響が及び―――“夜桜の開花情報”に酷似した形で肉体への作用が表れた。 “夜桜の瞳”。 それは、呪われた血に穢された魔力の烙印。 それは、一人の剣豪の新たなる姿への産声。 それは、最期の死合を控える剣豪への祝福。 新免武蔵―――“真打柳桜”。 ◆ 生き抜け、修羅舞う道。 脈打つ運命、断ち切り。 とこしえにまで刻め。 鮮烈に咲く、万花の想い。 三伏(まなつ)の流桜を。 ◆◇◆◇ 「“割れた子供達”はくたばった」 花弁混じりの風。 飛び交う桜色の断片。 その中心に立つように。 “夜桜の化身”が、嗤う。 「“峰津院”は玉座から引き摺り下ろされた」 加速する争乱の中。 多くの強者が、散っていった。 競い合い、ぶつかり合い。 この街に爪痕を遺しながら。 次々に、削られていく。 「龍を斬った“義侠の風来坊”も、最早この世にはいない」 そうして繰り返される疲弊と摩耗。 誰もが陣営という基盤に支えられ。 この痛みの中を、必死になって生き永らえている。 「もう終わらせようぜ。こんな戦い」 だが、もはや。 そんな虚しい闘争は、不要だ。 聖杯戦争を“終わらせる”。 夜桜の男は、そう告げる。 「善だの、悪だの、何だっていい。 地平を越える“方舟”。 地平を見下ろす“敵(ヴィラン)”。 地平を喰らい尽くす“神”。 ああ――――それが何だ。全部クソ食らえさ」 ああ、そうだ。 有象無象が幾ら足掻こうとも。 所詮、全てが無意味だ。 「俺が焦がれた“あの桜”に比べりゃ、何もかも塵に等しい」 彼が魅入られた“永劫の夜桜”。 それに比べれば、何もかもが無価値だ。 皮下は、そう断言してみせる。 そうして彼は、己の感情の意味を悟った。 「だから、俺が全てを捧げる」 そう、愛ゆえに。 その心に、灯が燈される。 地平を蝕み、繚乱する。 「――――始めようぜ。“夜桜事変”だ」 そして、告げる。 砂糖菓子の少女。蒼き雷霆。 眼前の“敵”へと、宣言する。 滅びゆく廃都に、狼煙を上げる。 此処から先は、己の手番だ―――と。 やがて、風が吹き抜け。 皮下真は、陽炎のように姿を消す。 欠片のような花唇が、虚空を舞う中。 松坂さとうとガンヴォルトは、言葉もなく。 ただ、これからの戦いに身構えるように。 “夜桜”が佇んでいた地点を、静かに見据えていた。 【渋谷区・製薬会社ビル内/二日目・朝】 【松坂さとう@ハッピーシュガーライフ】 [状態]:疲労(中)、全身にダメージ(小)、ガンヴォルトと再契約 [令呪]:残り1画 [装備]:“割れた子供達”の短刀 [道具]:最低限の荷物、ヘルズクーポン複数枚 [所持金]:数千円程度 [思考・状況] 基本方針:しおちゃんと、永遠のハッピーシュガーライフを。 0:……そう、愛だよ。 1:どんな手を使ってでも勝ち残る。 2:皮下真に対する強い警戒。 [備考] ※ガンヴォルト(オルタ)と再契約しました。 ※神戸あさひの死体から複数枚のヘルズクーポンを回収しています。 【アーチャー(ガンヴォルト(オルタ))@蒼き雷霆ガンヴォルト爪】 [状態]:胴体にダメージ(小)、斬撃の傷跡(複数)、疲労(中)、クードス蓄積(現在8騎分)、さとうと再契約、令呪の縛り [装備]:ダートリーダー [道具]:なし [所持金]:札束 [思考・状況] 基本方針:彼女“シアン”の声を、もう一度聞きたい。 0:方舟には与しない。しかし、手を組める場面では共闘する。 1:さとうを護るという、しょうこの願いを護る。今度こそ、必ず。 2:皮下真とライダー(カイドウ)への非常に強い危機感。 [備考] ※"自身のマスター及び敵連合の人員に生命の危機が及ばない、並びに伏黒甚爾が主従に危害を加えない範疇"という条件で、甚爾へ協力する令呪を課されました。 ※松坂さとうと再契約しました。 ※シュヴィ・ドーラとの接触で星杯大戦の記憶が一部流れ込んでいます。 ※新宿区に落ちてたミラーピースを回収してます。 ※セイバー(宮本武蔵)に松坂さとうへの連絡先を伝えました。 また方舟組の連絡先も受け取りました。 ※方舟陣営とどの程度情報を交換し合ったかは後のリレーに御任せします。 [ステータス関連備考] ※クードスの蓄積とミラーピースを介した“遺志の継承”によって霊基が変化しました。 ①『鎖環』での能力が限定的に再現されています。 ②クードスに関連して解放された能力が『電子の謡精』を除いて自由に発動できます。 これに伴い『グロリアスストライザー』もクードスを消費せず、魔力消費によって行使できるようになりました。 ③強化形態への擬似的な変身も可能となりますが、魔力消費が大きいため連続発動は難しいです。 『電子の謡精』による強化形態との差異は現時点では不明です。 【皮下真@夜桜さんちの大作戦】 [状態]:万花繚乱 [令呪]:残り一画 [装備]:? [道具]:? [所持金]:纏まった金額を所持(『葉桜』流通によっては更に利益を得ている可能性も有) [思考・状況] 基本方針:つぼみの夢を叶える。 0:さあ、始めようぜ。 1:クソ坊主の好きにさせるつもりはない。手始めに対抗策を一つ、だ。 [備考] ※咲耶の行方不明報道と霧子の態度から、咲耶がマスターであったことを推測しています。 ※会場の各所に、協力者と彼等が用意した隠れ家を配備しています。掌握している設備としては皮下医院が最大です。 ※ハクジャから田中摩美々、七草にちかについての情報と所感を受け取りました。 ※峰津院財閥のICカード@デビルサバイバー2、風野灯織と八宮めぐるのスマートフォンを所持しています。 ※虹花@夜桜さんちの大作戦 のメンバーの「アオヌマ」は皮下医院付近を監視しています。「アカイ」は星野アイの調査で現世に出ました ※皮下医院の崩壊に伴い「チャチャ」が死亡しました。「アオヌマ」の行方は後続の書き手様にお任せします ※複数の可能性の器の中途喪失とともに聖杯戦争が破綻する情報を得ました。 ※キングに持たせた監視カメラから、沙都子と梨花の因縁について大体把握しました。結構ドン引きしています。主に前者に ※『万花繚乱』を習得しました。 夜桜つぼみの血を掌握したことにより、以前までと比べてあらゆる能力値が格段に向上しています。 作中で夜桜百が用いた空間からの消失および出現能力、神秘及び特定の性質を有さない物理攻撃に対する完全な耐性も獲得したようです。 "再生"の開花の他者適用が可能かどうかは後の話にお任せします。 【渋谷区/二日目・朝】 【セイバー(黒死牟)@鬼滅の刃】 [状態]:武装色習得、融陽、陽光克服、??? [装備]:虚哭神去 [道具]: [所持金]:なし [思考・状況] 基本方針:不明 0:……。 1:私は、お前達が嫌いだ……。 [備考] ※鬼同士の情報共有の要領でマスターと感覚を共有できます。交感には互いの同意が必要です。 記憶・精神の共有は黒死牟の方から拒否しています。 ※武装色の覇気を習得しました。 ※陽光を克服しました。感覚器が常態より鋭敏になっています。他にも変化が現れている可能性があります。 【セイバー(宮本武蔵)@Fate/Grand Order】 [状態]:“真打柳桜”、ダメージ(大)、霊骸汚染(中)、魔力充実、令呪『リップと、そのサーヴァントの命令に従いなさい』、第三再臨、右眼失明 [装備]:計5振りの刀(数本破損) [道具]: [所持金]: [思考・状況]基本方針:マスターである古手梨花の意向を優先。強い奴を見たら鯉口チャキチャキ 0:―――桜が、咲いている。 1:梨花を助ける。そのために、方舟に与する 2:宿業、両断なく解放、か。 3:アシュレイ・ホライゾンの中にいるヘリオスの存在を認識しました。武蔵ちゃん「アレ斬りたいいいいいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ。でもアレだしたらダメな奴なのでは????」 4:アルターエゴ・リンボ(蘆屋道満)は斬る。今度こそは逃さない。 ※古手梨花との念話は機能していません。 ※アーチャー(ガンヴォルト)に方舟組への連絡先を伝えました。 また松坂さとうの連絡先も受け取りました。 ※梨花に過剰投与されたソメイニンと梨花自身の素質が作用し、パスを通して流れてくる魔力が変質しています。 影響は以下の通りです。 ①瞳が夜桜の“開花”に酷似した形状となり、魔力の出力が向上しています。 ②魔力の急激な変質が霊基にも作用し、霊骸の汚染が食い止められています。 ③魔力の昂りと呼応することで、魔力が桜の花弁のような形で噴出することがあります。 【中央区・廃墟/二日目・朝】 【古手梨花@ひぐらしのなく頃に業】 [状態]:夜桜の瞳、右腕に不治(アンリペア)、ソメイニン過剰投与による肉体の変容及び極めて激しい拒絶反応、念話使用不能(不治) [令呪]:全損 [装備]:なし [道具]:なし [所持金]:数万円程度 [思考・状況] 基本方針:生還を目指す。もし無ければ… 0:―――――――――――――――――――― 1:沙都子を完膚なきまでに負かして連れ帰る。 2:白瀬咲耶との最後の約束を果たす。 3:ライダー(アシュレイ・ホライゾン)達と組む。 4:咲耶を襲ったかもしれない主従を警戒、もし好戦的な相手なら打倒しておきたい。 5:櫻木真乃とアーチャーについては保留。現状では同盟を組むことはできない。 6:戦う事を、恐れはしないわ。 7:私の、勝利条件は……? [備考] ※ソメイニンを大量に投与されました。 古手家の血筋の影響か即死には至っていませんが、命を脅かす規模の莫大な負荷と肉体変容が進行中です。 皮下の見立てでは半日未満で肉体が崩壊し死に至るとの事です。 ※拒絶反応は数時間の内には収まると思われます。 ※念話阻害の正体はシュヴィによる外的処置にリップの不治を合わせた物のようです ※瞳に夜桜の紋様が浮かんでいます。“開花”の能力に目覚めているのかは不明です。 時系列順 Back 死滅回游 Next 呪胎空想樹 投下順 Back 死滅回游 Next 呪胎空想樹 ←Back Character name Next→ 154 死滅回游 松坂さとう 160 ひぐらしのなく頃に桜 -桜渡し編- アーチャー(ガンヴォルト(オルタ)) 160 ひぐらしのなく頃に桜 -桜渡し編- 154 死滅回游 セイバー(黒死牟) 160 ひぐらしのなく頃に桜 -桜渡し編- 151 業花の帝冠、筺底のエルピス 古手梨花 160 ひぐらしのなく頃に桜 -桜渡し編- 154 死滅回游 セイバー(宮本武蔵) 160 ひぐらしのなく頃に桜 -桜渡し編- 151 業花の帝冠、筺底のエルピス 皮下真 160 ひぐらしのなく頃に桜 -桜渡し編-
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拒絶のQWEEN ミック SR 光/水/闇/火/自然文明 (5) タマシード/クリーチャー:リジェクター/ACE 4000 ■このタマシードが出た時、相手のクリーチャー1体の能力を全て無視する。 ■自分のクリーチャーまたはタマシードが合計3つ以上なければ、バトルゾーンにあるこのタマシードはクリーチャーとして扱わない。 ■<アルターリジェクションXX>5(メインステップ前に、自分のマナゾーンから、[光/水/闇/火/自然(5)]支払って、相手のクリーチャーを2体選び、それらの内コスト10以下のクリーチャーを全て破壊する。このターン、相手のクリーチャーが攻撃かブロックをした時、山札の上から1枚目をシールドゾーンに置き、シールドトリガーを与える。) 作者:餅キング フレーバーテキスト 今更だけど、名前に反してどんな子でもwelcomeだよ♡---ミック 関連 + ... 《拒絶終末王 ミックステーター》 《Soul of Mick》 評価 名前 コメント
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登録日:2024/02/18 Sun 19 39 57 更新日:2024/03/10 Sun 18 55 42NEW! 所要時間:約 3 分で読めます ▽タグ一覧 30代 YouTube お色気キャラ かわいい イケメン ハニートラップ ヒットマン ヒューマンバグ大学 ヤクザ 一芸特化型 兄貴 可愛い 天羽組 女装 容姿端麗 暗殺者 暴力団 末次由布子 極道 死神 濃すぎるキャラクター性 狂人 男の中の女 男の娘 男性 美人 美女?←男です 萌えの塊 裏社会 香月の兄貴 香月紫苑 YouTubeの漫画動画チャンネル『ヒューマンバグ大学』の登場人物。初めに言っておくが、男である。 概要 ヒューマンバグ大学の裏社会系人気シリーズ『華の天羽組』に登場するキャラクター。天羽組の構成員の一人で、主人公である小峠華太の先輩(兄貴)である。 通称、香月の兄貴、女装ヒットマン。 担当している声優は末次由布子さん。ちなみに天羽組の構成員で女性が声を担当しているのは香月と姐さん(*1)だけである。 ヒューマンバグ大学の登場人物の中でもトップクラスのイケメンであり、女装すれば本物の女性をも凌駕する超美人になれることが最大の特長である。そのレベルは非常に高く、作中でも最強クラスの実力者であり非常に高い洞察力を誇る伊集院茂夫(拷問ソムリエ)ですら見抜けなかったほど。 しかし元々は同じ天羽組の先輩である野田の兄貴から命令されて仕方なくやり始めたことであり、本人は女装するのはあまり好きではない模様。そのため仕事以外で女装することはほとんど無い。また、女装がバレるのを防ぐために天羽組の事務所では女装をしないことが多い。 例外として、天羽組の花見大会や温泉旅行で女装させられることはある。兄貴の心境やいかに 女装のバリエーションは豊富で、ときには肩や太もも、おへそなどを露出した姿を披露してくれることもある。と言ってもあくまで男性なので、おっぱいだけは厚着して誤魔化すのが通例。 ヒューマンバグ大学のキャラクターの中ではエマやカリン、五十嵐梢(*2)と並び最も美しいと言われている(*3)。 華太と同様に先輩たちからパワハラを受けやすい人物ではあるが、華太が暴力を伴う割と容赦ないパワハラを多数受けているのと異なりこちらが暴力的な制裁を受けることは稀。華太からも「容姿のおかげで得している」と羨ましがられていることがある。 華太や須永の兄貴ら他の天羽組武闘派幹部と異なり、ヒューマンバグ大学の他のシリーズ(佐竹博文の数奇な人生、奇食ハンター鬼頭丈二、紅林二郎シリーズなど)には基本的に登場しない(*4)が、一度だけ伊集院茂夫と共演したことがある。 性格 天羽組の構成員の中では比較的温厚な性格であるとされる。華太などの舎弟(後輩)たちに対してもパワハラをはたらくことは稀で、舎弟たちからは工藤清志(*5)や南雲梗平、青山琉己などと並び「優しい」と評価されている(*6)。 ただ大抵任務が絡むためか女装中に話しかけることは厳禁としており、ある舎弟が女装中の香月に話しかけた際には流石に激怒していた(*7)。 またあくまでも他の兄貴たちと比べると比較的というだけで一応狂人枠という事もあり、敵を捕らえた際には満面の笑みで沸騰したドンペリを頭からぶっ掛けるなどのえげつない拷問を披露する事もある。 天羽組の構成員の例に漏れず正義感が強く、仲間が傷付けられると怒りを露わにする。しかし華太と同様に視野が狭く感情のコントロールが利かなくなることもあり(*8)、暴走すると(一部を除く)他人の意見を聞かなくなってしまうという致命的な弱点が存在する(*9)。 同じ天羽組の小林の兄貴や和中の兄貴などと同様に、子供を大切にする一面がある。そのため子供を食い物にする外道に対しては一切容赦しない。 彼の特技といえば女装だが、意外にも「女性が苦手」という一面が存在する。これは香月がイケメンな事から幼少期から永久にモテ続けていた為天羽組に入った時点で既に苦手な方だったが、まだ新人だった頃、ホステスの女性たちからモテまくってオモチャにされたこと(*10)がトラウマになっているため。 苦手と言っても拒絶反応を示すほどではなく、姐さんや岸田純菜(後述)などの親しい女性もいる。 姐さんが推定40以上(*11)、岸田純菜が推定20歳前(*12)で香月が推定30代(*13)と言う事から「特に同年代の女性が苦手」と言う事かも知れない。 好きな食べ物は辛いラーメン(特に宮崎辛麺)。趣味はキャンプ。得意料理は海鮮パエリア。 生い立ち、経歴 天羽組に入社する前は地元の愚連隊の一員だった。 ある日、後に先輩となる野田一から「今すぐ解散しろ」と命令された(*14)際にケンカを売るが、既に一流の武闘派だった野田とは勝負にならず、無理やり天羽組に入社させられることとなった。 ちなみに幼少期の様子はよく分かっていない。 ただ、「紫苑」(*15)という有難い名前を頂いていることから、天羽組の構成員の中では比較的家庭環境に恵まれていた方である可能性もある(*16)。 戦闘能力 その容姿を活かして敵対組織の拠点に潜入し、相手を油断させてからナイフや拳銃などで殺害するという戦闘スタイルをとる。そのため武器の取り扱いには長けている。 また、風俗店などに潜入することもあり、客に対する洞察力も高い。 しかし女装を極めるためにダイエットしている関係で体重が軽く、パワーが無いという致命的な弱点も存在する。そのため遠距離戦はともかく、近距離戦はお世辞にも強いとは言い難い。 また「性格」の欄でも説明したが、視野が狭いなどの弱点もあり、総合的な戦闘能力はお世辞にも高いとは言い難い。 「天羽組メンバーの強さランキング」を議論した場合、華太の先輩たちの中ではほぼ最下位になることが多い(*17)。場合によっては華太より下位になってしまうことも…(*18)。 むしろ香月が強過ぎると他の兄貴達の肩身が狭くなってしまうので、美貌と引き換えにあえて弱体化させられたのかもしれない…。 人間関係 ここでは香月と関係の深い主な登場人物を紹介する。 天羽組 小峠華太 『華の天羽組』シリーズの主人公。香月の後輩にあたる人物。 香月とは年齢、入社歴が近く、仲が良い。ちなみに香月は華太のことを下の名前ではなく「小峠」と呼ぶが、これは華太の先輩の中では組長と香月と矢部光晴くらいである(*19)。 八隅の兄貴 工藤清志と並び天羽組の最古参にあたる人物。現在は故人。 「速撃ちの八隅」と呼ばれる拳銃のスペシャリスト。 香月もこの人から拳銃の使い方について教わっていた。 後に韓国系マフィアの人間に殺害されてしまうが、このとき香月は激しい怒りを露わにしていた。 野田一(野田の兄貴) 香月が最も尊敬する先輩の一人で、現在は天羽組の若頭(カシラ)。 元・若頭の阿久津敏朗や若頭候補だった工藤清志が天王寺組との抗争で亡くなったことから若頭に昇格。 スパルタ教育が特徴的だが、根っこは仲間想いな人物である。 香月がまだ愚連隊にいた頃に天羽組に(強引な形で)招待した人物でもある。また、香月に女装の才能があることを見出したのもこの人である。 花見大会の際には「もう自分勝手な判断はしないでくれ」と香月を諭したが、これは「もう仲間を失いたくない」という野田の強い思いから来ているものである(*20)。 須永陽咲也(須永の兄貴) 野田と並んで香月から強く尊敬されている先輩の一人。 ほぼ潜入業務しかできない香月と異なり、拳銃だけでなく「肉食獣のような歯による噛み付き攻撃」など何でもできちゃうオールラウンダーであるため、香月から憧れられている。 ちなみに須永も若い頃は愚連隊のメンバーであり、工藤の兄貴と喧嘩して負けたため天羽組に入社している。 また、若々しい見た目や言動からは想像できないが、実は現在生存している天羽組の幹部の中では組長と野田の次に年齢が高い(*21)。そのため香月とは年齢、入社歴ともに結構な差がある。 青山琉己(青山の兄貴) 香月の親友で同期の男。香月とは対照的なパワーファイターであり、柔道やプロレスの技を駆使して戦う。 香月と並ぶ天羽組でトップクラスのイケメンだが、香月が中性的なイケメンなのに対して青山は男前なイケメンなので、同じイケメンでも方向性は異なる。 香月と同様に天羽組の中では優しい性格をしており、後輩に対してもフレンドリーに接する。 彼が四国への出張(*22)から帰ってきた際には、香月は「同期の誇り」と太鼓判を押していた。 ちなみに香月は青山に対してだけは普段のプライドを捨てて女性的な甘えた態度をとることもある。しかも「琉己くん」と下の名前で呼んでいた。 小林幸真(小林の兄貴) 天羽組の最強戦力の一人。主にアーミーナイフと拳銃を使って戦う。 香月とのかかわりはどちらかといえば薄い方だが、花見大会では実は香月から憧れられていることが分かった。 和中蒼一郎(和中の兄貴) 主に日本刀を使って戦う剣士。小林と並び天羽組では最強クラスと言われている。 香月とかかわることはあまり無いが、花見大会では小林と同様に香月から憧れられていることが分かった。 工藤清志(工藤の兄貴) 野田や須永の先輩にあたる天羽組の重要人物の一人。 任侠を重んじる人格者で、天羽組を必要悪として認識しているものの完全に信用しているわけではない伊集院茂夫からすら一目置かれるほど。 天王寺組の城戸丈一郎との戦闘で致命傷を負い死亡した。 天羽組で工藤を敬わない者はいないと言われるほど偉大な人物で、香月もその例に漏れず(普段は工藤とのかかわりはあまり無かったものの)工藤の葬儀では大粒の涙を流した。 坂槙圭吾 香月が特に可愛がっていた後輩の一人。香月からは主に拳銃の使用方法について教わっていた。 ある有力者の娘と結婚する際に「天羽組と縁を切る」という条件があったため天羽組から脱退。 しかしその後、カンボジア系マフィアの人間に殺害され死亡した(妻と胎児も死亡)。 ちなみにそのマフィア組織は後に小林幸真、香月、華太たちに壊滅させられた。 天羽組以外 岸田純菜 両親が行方不明となったため、児童養護施設(孤児院)に入所した女の子。 香月がその孤児院の護衛の仕事をしていたことから仲良くなった。香月のことを「香月の兄ちゃん」と呼んで慕っている。ちなみに香月が女装ヒットマンであることは知らない模様。 退所後はキャバクラに就職したが、今でも香月とは付き合いがあるようだ。 吉田美代子 元気いっぱいの女の子。小学校低学年くらい。 キャバ嬢の母親(吉田ますみ)から育児放棄を受けていたので、一時的に天羽組が保護することになった。 普段は女装をしない香月が珍しく自ら積極的に女性的なアピールをしており、美代子にメイクの仕方を教えたり女装を披露して美代子を喜ばせた。 伊集院茂夫 裏社会において「厄災」「鬼と喧嘩して勝てる七三」と恐れられる拷問ソムリエであり、作中最凶クラスの人物の一人。天羽組とは悪質なシマ荒らしの粛清で幾度も共闘しているが、完全に気を許しあっているわけではない(*23)。 趣味の一人キャンプでたまたま仲良くなった子供がカルト宗教に拉致された際、父親からの依頼で教団を潰そうとしていた伊集院に女装姿で接近し、潜入に協力した。その際、伊集院は香月の正体を最後まで見抜けなかったことを明かしており、作中最強の伊集院を騙し通すという金星(?)を上げた。そして伊集院はサムネに「伊集院完敗」と書かれてしまった。 共通点がある人物 以下の人物は香月とのかかわりは無いものの、共通点がいくつか存在するので記載する。 高砂明夫(高砂の兄貴) 京極組に所属するオネエ極道。通称「性別を超えたオネエ」。 ただし香月と異なり自ら好んで女装しているのが特徴。また、他にも「心も女になりきっている」「筋骨隆々な大男であるため、女装しても見た目は女になりきれていない」「冷静な判断が得意」「肉弾戦も得意なパワーファイター」など香月と異なる点がいくつかある。 カリン 通称「投擲の香鈴」。 CODE-EL出身の元殺し屋。瓜生龍臣が経営するメロンパン屋に勤めている、へそ出しの看板娘。 香月と同様に美人でありながら一定の戦闘能力を持つのが特徴。特に投げナイフを得意としている他、肉弾戦もまあまあ強い。 しかしCODE-EL出身者には他にも瓜生龍臣や天羽組の小林幸真などもっと強い人物も沢山いる(*24)ため、「作中でもトップクラスの実力者」とまでは言い難いのが実情である。それでも女性キャラクターの中ではソフィア(*25)と並び最強クラスではあるが。 エマ 拷問ソムリエシリーズに登場するプロホステス。 香月と同様に美しいと高いコミュニケーション能力を持ち、外道(特に性犯罪者)を騙すのが得意。 また基本的には戦わないものの、毒入りのアクセサリーを常に持ち歩いていたり護身術を学んでいるなど最低限の自衛はできる模様。 追加、修正は紫苑くんの女装を見抜いてからお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ズドンと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 伊集院ですら欺く女装スキルは一流 -- 名無しさん (2024-02-19 12 19 13) バトル路線になってから登場人物のファンタジー化が激しいが、どう若く見積もっても三十路越えにも関わらずギャルにまで化けるというある意味一番ファンタジーな男 -- 名無しさん (2024-02-19 21 54 02)
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反応語一覧 @による反応語(botにこの単語を入れた文章をリプする) ちくびつんつん おしょんしょん ビッチ はらへ ドM (Mは半角で) らめぇ わんこ(犬もここに統合しました なのでワンコ攻めの中に1つだけ犬プレイがww) ※逆にこれらの単語を入れないリプをbotに返すと、何らかのセリフが返ってきます。が、ランダムなので、噛み合わないセリフになると思います。 歌って! うたって! うざい 《シークレット反応語》 えーこ! えーこ ●ー● ※これはbotに関係ない…とも思うので後々支障があれば削除します
https://w.atwiki.jp/nitari/pages/40.html
サカキ「――通過した――っと言っただろう?レッド」 レッド「な、なに……」 レッドは驚愕する。 これ以上の―― ――これ以上の境地があるというのかッッ! サカキは笑う。 サカキ「とにかく、今のままではダメだなレッド」 サカキ「お前は、決定的な間違いを犯している」 サカキ「それでは、このマサキの相手になどなるまい」 (^q^)「あばばばばばばばばwwwww」ブリュリュリュッ そう言って、サカキはニヤリと笑うと、レッドに背を向ける。 レッド「に、逃げるのかよ……サカキッッ!」 サカキ「逃げる?……違うな」 サカキは明らかにレッドを見下して笑った。 サカキ「猥小な虫に挑まれて、本気にする像が何処にいる?」 サカキ「貴様と比べれば、グリーンの方が幾分マシだったわ」 そう言ったサカキは、もうレッドの方など見てはいない。 巨大な像には……虫は見えない。 レッド「ふざけるなッ!俺はポケモンがいなくたって、ポケモン(朝日的な意味で)バトルは出来るッッ!!」 サカキ「ほう、ではやるか?そのポケモンバトルとやらを」 サカキ「この、マサキとッッ!!」 レッド「……」 (^q^)「あばばばばばばwwwww」ブリュッブリュリュッ レッド「……」 (^q^)「あばばばばばばwwwww」ドリュドリュドリュッ レッド「……」 (^q^)「あばばばばばばwwwww」ジョワーッ レッド「……スミマセン、勘弁して下さい」 サカキ「……フンッ」 サカキは、完全に軽蔑した目でレッドを見下ろす。 サカキ「……所詮、その程度か……」 ――グチャリ。 サカキはマサキにつかまる。 (^q^)「あばばばばばばばばばばばwwwww」ドビッピーッ マサキは肛門からガスを大量に吹き出しながら飛び上がった。 慌てて、レッドが叫ぶ。 レッド「ま、待ってくれ。僕は、僕はどうしたら……」 サカキ「……ニビに行け」 レッド「え?」 サカキ「お前と共に成長し、戦ってきたポケモン達から学ぶのだ」 サカキ「その先に――」 サカキはニヤリと笑うう。 サカキ「――何があるかは君次第だ」 サカキ「その時は、また会おう!」 (^q^)「あばばばばばばばばwwwww」ドッパーッ そう言うと、サカキはマサキが巻き散らす糞尿を頭で受け止めながら、空に消えていった。 後には、レッドだけが残された。 ――所変わって、ニビ寺。 空手大王「パッ!ネェッッ!!」スコーンッ 空手大王「パッ!ネェッッ!!」スコーンッ 空手大王は、ニビ寺の裏で薪割りをしていた。 お世話になったお礼に、少しでもお手伝い出来れば…… と、空手大王は思っていた。 タケシ「おやおや、お疲れさまです……」 いつの間にか、側には住職であるタケシ来ている。 空手大王は、薪割りを一旦止め、タケシの方を向いた。 空手大王「パネェッス!」 (訳;おはようございます!) タケシ「はいはい、おはようございます」 タケシ「貴方は今の若い人には珍しく、早起きですなぁ」 住職には人を見通す力があるのか、空手大王の言っている事も少しは分かる様であった。 タケシ「薪割りをして下さるのは助かります」 タケシ「私も歳では無いとは言え、毎日毎日薪割りをするのは大変ですから」 そう言って、タケシは笑う。 タケシはまだ若い……だが、その表情はとてもその若さに見合うものでは無かった。 非常に、落ち着いている。 空手大王「パネェ、パネェパネェッ!」 (訳;いえいえ、一宿一飯の恩義、この程度で返せるとは思いませんが、精一杯やらせて頂きますよ!) そんな風に歓談(殆ど一方的に空手大王がしゃべっていたが)しつつ、一緒に薪割りなどをしていると、結構な時間がたった。 タケシ「おや……この日の登り具合からすると、そろそろ一般的な朝の時間ですね」 タケシ「そろそろ、朝食に致しましょうか?」 空手大王「パネェッス!」 (訳;お願いします!) そうしていると、寺の表側から誰かがやってきた。 今時珍しい和服に身を包み、腰まで髪を伸ばしている。 そして、常に気だるそうな顔をしている女性。 エリカ「別に……」 エリカだった。 タケシ「おやおや、エリカさん。起きられましたか?」 タケシ「おはようございます」 空手大王「オッパネ――ッス!」 (訳;おはようございま――す!) タケシと空手大王はその様に挨拶するが、エリカは明後日の方向を向いて(空手大王には一瞬虫を見るような目を向けた)、 エリカ「別に……」 とだけ言った。 空手大王「……パ、パネェ」 タケシ「ハッハッハッ、エリカさんは恥ずかしがり屋さんですからなぁ」 そう言って、タケシは高らかに笑っている。 タケシ「それで、何か御用ですかな?」 エリカ「別に……」 そう言いながらもエリカは、不機嫌そうな顔でタケシをジロリと見る。 空手大王は首を捻った。その時、 ――グウゥウ。 間抜けな音が、ニビの朝に響いた。 タケシ「おおっ!」 そう言って、タケシはポンッと手を叩く。 タケシ「お腹が空いたのですな、我々も朝食にしようと思っていた所です」 タケシ「ささっ、参りましょう!」 エリカ「べ……別に///」 そう答えながらも、それは当たりだったようで、エリカは顔を赤く染める。 それでも、その顔は毅然とまえを向いていた。 タケシ「ハッハッハッ、私も腹が減りましたよ!貴方もそうでしょう!?」 そう言って、タケシは高らかに笑う。 空手大王「パネェッス!パネェパネェッス!!」 (訳;そうですね!私もお腹が空きました!!) そう言って、空手大王もつられて笑う。 と、エリカがボソリと呟いた。 エリカ「……黙れこの池沼が」 空手大王「!!?……パネェ」 空手大王の女性不信は悪化した。 ――ニビシティ、ポケモンセンター。 あれから、レッドはサカキの言葉を考え続けている。 『お前と共に成長し、戦ってきたポケモン達から学ぶのだ』 手持ちポケモンが要らなくなった今の自分が先に進む為には、手持ちポケモンが必要だと言うのか? レッドは悩みながらも、当初の予定通りニビシティのポケモンセンターに来ていた。 レッド「あのスミマセン、レッドというんですが、ポケモンを取りに来ました」 受付「ハイハイ、しばらくお待ち下さい」 レッドは待つ。 だがおかしい。 普通ならすぐ出てくるはずなのに、受付は中々帰ってこない。 小一時間程経過してから、受付は戻ってきた。 受付「あの……申し訳ありません」 レッド「どうしたんですか?」 受付「レッドさんのポケモンは、お返しする事は出来ません」 な、何だと? ポケモンセンターがポケモンを返さない? そんな話聞いた事ねぇぞッッ! レッド「それは……どういう事ですか?」 受付「そ、それが……」 受付は、言いにくそうに言葉を続ける。 受付「いくら呼びかけても……ケージから出てこないんです」 そこで受付はチラッとレッドの顔を見た。 受付「多分……貴方を怖がってるんだと思います」 レッド「(……あいつら)」 ポケモン分際で一体何考えてやがんだ。 確かにあの夜はやり過ぎた様な気もするが…… テメェらだって、ひぃひぃヨガってたじゃねぇか! ピカチュウなんざ、最後は自らケツ振ってたろ!? クソッタレがッッ!! レッド「……スミマセン、僕のポケモンと会わせてくれませんか?」 受付「良いですけど……」 そう言って、受付はレッドを奥に案内した。 ――そこには―― ピカチュウ「ピィィィィィィィィィィ―――!…………ビガァ」 ――ケージの奥に縮こまって震える、ピカチュウ達の姿があった。 ピカチュウ「ピッ、ピッカァ!?」 レッド「……」 ピカチュウ「ビガヂュウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛!!!!」 ピカチュウはレッドを確認すると、狂ったように暴れ出す。 もう、レッドを恐れていると思って間違い無いようであった。 レッド「ピカチュウ、大丈夫。僕だよ」 そう優しく言って、レッドはピカチュウ達にゆっくりと近づく。 しかし…… ピカチュウ「ビガヂュウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛!!!!」 レッド「大丈夫、大丈夫だよ――」 笑って、レッドは近づいていく。 だけど…… ピカチュウ「ビガヂュウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛!!!!」 レッド「ほらほら、怖くないよ――お注射しましょうね――」 それでも…… ピカチュウ「ビガヂュウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛!!!!」 レッド「……」 ピカチュウ「ビガヂュウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛!!!!」 レッド「……ピカ」 ピカチュウ「ビガヂュウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛!!!!」 レッド「……」ブチッ レッドは受付の人が横で見ている事など気にもとめず、封印されし下半身を解放した。 レッド「優しくしてりゃぁ、つけあがりやがってッッ!!」 レッド「そんなに大人しく出来ねぇっていうんならこのレッド様の『 ポ ケ モ ン の 笛 』で」 レッド「体の内側から大人しくしてくれるわ――ッッ!!」 ピカチュウ「ビガヂュウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛!!!!」 『ピカチュウの十万ボルト』 ↓レッド (*1)「あばばばばばばばばばばwwwwwww」 ピカチュウ「ビガヂュウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛!!!!」 『ピカチュウのかみなり』 ↓レッド (*2)「あばばばばばばばばばばwwwwwww」ブリブリッ ――そんなこんなあって、レッドは丸裸にされてポケモンセンターから放り出されたのであった。 戻る│次へ
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地には瓦礫の山と累々たる屍。 空に黒雲と鋼翼の悪魔。 たった今自分が命を奪った能力者集団の骸を睥睨しながら、後藤真希の心は乾いていた。 ―こいつらならと期待してたけど、ダメだったね。 失望と諦観が交じり合った溜息を吐きながら、絶望の大地へと降り立つ。 万が一、仕損じていたなら、とどめをさして、苦痛から解放してやるため。 だがそんな憐憫は無用のものだった。 燃え上がる炎、崩落する瓦礫以外に動くものはありやしない、いや、誰かいる。 ジャリッ、と何かを踏みしめる音が響く。 その音の大きさは、その音を立てた存在が後藤に敢えて自分の存在を知らせようとしていることを示していた。 そんなことをするのは? 「何だ、やぐっつあんが来たの」 後藤の冷たい視線の先には、背丈だけなら子供かと見紛うぐらいにちっちゃな女が立っていた。 その物腰はどこか卑屈で、両掌を擦り合わせながら愛想笑いを浮かべていた。 「いやぁーっ、相変わらず強いねえ。 後藤は。 9人の能力者を倒すのに5分もかかっていない。 スゴイ、スゴイッ」 「まさか、そんなことを言いにやって来たわけじゃないでしょう」 「うーん、ちょっと言いにくいんだけどねぇ。」 ちっちゃな女は相変わらず腰が低い。 が、どこか不穏な空気を漂わせている。 「こうしてこいつらを惨殺することは、組織の方針と違っているってことは判ってるよね、後藤」 鋼翼を生やした美女は応えようとしない。 ちっちゃな女の言葉を待つ。 「こいつらに圧倒的な力の差を見せ付けて、心に絶望を植え付ける。 裕ちゃ、いやリーダーの指示は確かそうだったよね」 「やろうとしたさ。 でもこいつらが悪いのさ。 あの程度の攻撃を捌けないくせに、闇を打ち払おうなんてね。 ちゃんちゃらおかしいよ」 「こいつらには可能性があった。 今はまだか細いけど、将来は…」 「だったら、どうすんのさ。 こいつらを仲間に引き込もうっていう組織の方針を滅茶苦茶にしたわたしをどうしようっていうの」 眦をつり上げて、声を荒立てる鋼翼の悪魔に対して、ちっちゃな女はその両手を自分の身体の前に突き出し大きく振った。 「無理無理。 ダークネス最強の能力者、後藤真希をどうにかしできる奴なんて、この地上にいやしない」 「ふん、どんなもんだか。 さっきからあたしのチカラが阻害されてるんだけど。 口とは裏腹に殺る気満々なんじゃないの」 「これはさあ、あんたの念動でいきなり吹き飛ばされないようにする為さ。 何せあたしの身体じゃ何十メートル吹き飛ばされるか」 ちっちゃな女が言葉を言い終わる前に、後藤は最初の一歩を踏み出していた。 目の前の女の力、“能力阻害”は厄介だ。 だけど自分のチカラのベースと言っていい、念動力が防がれたとしても 卓越した身体能力から繰り出す物理的な攻撃で命脈を絶つことは容易だ。 この女の背丈なら、腰の入った回し蹴りで簡単に首を刈ってやれるだろう。 その後は知ったこっちゃない。 組織の準幹部級を殺した自分に対して、追手が掛かるならむしろ大歓迎だ。 氷の魔女、粛清人、時間を操る女。 命のやりとりをすることでしか、生きている事が実感できない。 一歩の内に自分の業の深さを噛み締めながら、次の一歩を跳ぶ。 これで、お別れさ。 やぐっつあん。 ―いける。 今踏み出した足が、地に着いたならそれを軸にして回し蹴りを放つ。 それでこの女には十分致命傷を与えられるだろう。 ―足りない!! 狼狽した。 自分が予測したよりも僅かだが距離が足らない。 チカラで飼い馴らした鋼翼で戦うことが多い後藤だったが、 自分本来の肉体のみを凶器にする術も知り尽くしている。 だからこんな僅かな齟齬が生じる事が信じられない。 ―かわされる。 ちっちゃな女の顔からは他人を愚弄するような笑みは消え、冷徹な狙撃手の目をしていた。 そして許しを請うかのように、身体の前で振っていた両手を組み、拳銃のような形に組む。 「ばぁん!!」 ちっちゃな女がふざけたように言うとと同時に、後藤は胸に強い衝撃を感じた。 ―飛ばされる。 念動が使えれば、この程度の衝撃波は簡単に相殺できるのに。 自分が放てるチカラに比べれば、遥かに小さなチカラで吹き飛ばされた後藤は宙を舞い、…墜ちた。 念動による衝撃波の直撃を受けた胸部には激痛が走り、気道からは何かがこみ上げてきた。 折れた肋骨が肺に刺さり、そこから血が流れてるのだろう。 喉をこみ上げて来た血液が口の中を満たし、溢れていく。 時間が経つごとに視界が狭まり、身体の感覚が失われていく。 …どうやら致命傷みたいだね。 に、しても意外だった。 私がやられるとしたら、愛ちゃんか圭ちゃんだと思ってたけど、まさかやぐっつあんにやられるとはね。 頭のすぐ傍で瓦礫を踏む音がした。 誰かが顔を覗き込んでいる気配がする。 「い、一体どんな…」 「どんなイカサマをやらかしたって聞きたいんだよね」 …違う、今のはイカサマなんかじゃ無いことは、喰らった私が一番よく判ってる。 ただ、知りたい。 どうやって私を打ち破ったのかを 「オイラは何もしていない。 後藤を敗ったのは後藤自身」 「な、何を…」 「もう喋らない方がいい」 痛ましげな口調が鋼翼の悪魔に、その命が長くないことを否応無く知らしめる。 「わ、わたじは…、ゴ、ゴボッ」 血を吐きながら勝敗の帰趨を決めた要因を知ろうとする後藤に、ちっちゃな女が言葉をかける。 その口調からは勝ち誇った気配など微塵も感じられない。 「私のチカラは能力阻害。 まず最初に後藤のチカラのベースである念動力を阻害、 その後、後藤の身体能力を阻害した」 「ば、馬鹿な…そんなことが」 「後藤、私達のチカラって何だと思う」 「ふぇっ」 「ダークネスであれ、リゾナンターであれ、能力者の能力って何なのさ。 普通の人には出来ない事? 神様しか出来ないような事? 空を飛ぶ事? 手を触れずに物を動かす事? 未来の出来事を視る事? 姿を消す事? 獣化する事? 手に触れた者を燃やす事? 思い描いたイメージを念写する事? 人の心と感応する事? 人の心に干渉する事? 時間を止める事? 悪魔に心を売らなきゃ出来ない事?」 ちっちゃい女は一気呵成に捲し立てると、一息ついた。 「そういうことが出来ない人間から見れば、私達のチカラは超能力かもしれない。 でも私達はそういうことが出来る。 だから私達は自分のチカラを能力と呼ぶ。」 パラパラと何かが降る音がする。 つい先程まで行われていた戦闘の影響で、損壊した付近の建造物から細かい破片が崩れ落ちているのだろう。 「でもね、ごっちん。 オイラたちが出来ないことをやってのける人たちがこの世の中にはたくさん存在する。 円周率を何万桁と記憶している学者、数ミクロンの誤差も無く金属を研磨する職人。 西瓜を割らずに実の詰まり具合を見分けられる八百屋のおじさん。 数センチの余裕しかないスペースに車を停めれる駐車場のおじいちゃん。 こんな人たちには、あんたみたいに自分の身体を宙に浮かしたり、圭ちゃんみたいに時間 を操作できたりはしない。 オイラ思ったんだ。 こんな人たちだって皆、能力者だって。 人は皆、自分の中に能力という輝きを秘めているって。 そう思ったとき、オイラの能力阻害という能力は生まれ変わった。 新たなる力、小さな巨人にね」 「グフッ、ちぃさな虚塵…」 「ゴメン。 オイラの攻撃力がもっと強ければそんなに苦しい思いをさせずに済んだのに」 もう完全に光を失った瞳をちっちゃな女に向けながら、鋼翼の悪魔だった女性は言葉の続きを促がした。 「オイラのチカラ、小さな巨人は人間のあらゆる能力を阻害できる。 但し、それには条件がある。 その対象となる人間が、オイラよりも上回っていると思った能力に限りってこと。 つまりその対象となる人間が、 自分の頭がオイラよりも賢いって思えば、その人間はオイラよりもおバカさんになる。 その対象となる人間が、 瞬間移動で素早く立ち回ってオイラなんかイチコロだって思った時点で、瞬間移動は不可能になる」 ちっちゃい女は気遣わしげな視線を自分の後輩に向けるが、 組織の厄介者“Black sheep”にはもうその視線を察知することも出来ない。 「オイラが最初に念動力を阻害した時点で、ごっちんはこう思ったんだろうね。 ちょっと面倒になったけど、この小さい女なら自分の身体能力だけで問題ないって」 戦闘の巻き添えで大破した自動車から洩れたのだろう。 油の不快な鼻を刺す。 顔をしかめながら、ちっちゃい女は続ける。 「その認識自体は間違いない。 ごっちんなら素手でやったって、この世界の人間の殆どを倒せるだろう。 でもオイラに対してはその認識が命取りになった。 ごっちんがオイラを蹴り殺そうとした時点で、オイラの小さな巨人は発動した。 阻害されたごっちんの身体能力は、年齢相応の女子の平均レベルまでに落ち込んだ。 あとは…もういいよね」 痛みを通り越し、体中に鉛を流し込まれたような感覚に苛まれながらちっちゃい女の言葉を噛み締める。 ―いけすかない人だよ、アンタって人は。 初めて会ったときから…! 暗く塞がれた視界の中で何かが煌いた気がした。 やれる!! 思念の糸を伸ばし、物体を絡めて引き寄せる。 飛来した交通標識の鉄板が、ちっちゃな女に…当たった! でも、この感覚は? 人間の身体に似ているけど、…違う… 鉄板で両断した物体から気体が噴出する音がする。 …ふっ、これは人体攻撃演習用のダミー。 本当に抜け目無い。 アンタって人は、最期までいけすかないよ。 これが鋼翼の悪魔と恐れられた最強の能力者、後藤真希の最期だった。 紅蓮の炎が燃え盛っている。 その中で黒い龍がのた打ち回っている。 黒龍は声を一切発しないが、断末魔の悲鳴が聞こえてきそうな苦しみようだ。 黒い龍。 その正体は戦場で火葬されている後藤真希の体内から脱出しようとしている黒い翼 ―特殊な原型細胞だった。 「よ、よろしいのですか。 矢口様」 組織の男がちっちゃい女に声をかける。 ちっちゃい女は答えない。 普段は見せない真剣で暗鬱な表情で炎を、その中の黒龍を見つめている。 「g923を処分して、その身体を回収する。 もしも回収が叶わなくても g923の体内の中で成長した原型細胞 の一端たりでも回収す るというのが、あなたに下された指令だった筈」 その指令を無視してしまったら、今度はあんたが“Black sheep”として、粛清を受けるんだぞ、という言葉は飲み込んだ。 「アーン、何だって。 g923を処分。 そんな名前は初めて聞いたね」 「しかし…」 「オマエ、もう一度その名を口にしたら殺すぞ。 g923なんて最初からいなかったんだ。 そう、私が今日ここにやって来たのは、後輩の後藤真希に会うため。 会って、ごっちんを取り戻す為にここに来た」 何を訳の判らないことを言ってるんだ。 矢口のくせに。 男の中で、ちっちゃい女を侮蔑する言葉が紡ぎだされたが、それは一瞬にして消えた。 ちっちゃい女の表情は、男にそうさせるほどの悲しみに彩られていた。 かわいい子だったね。 初めて出会った時、こんなにかわいい子がいるなんて、嘘だろって思ったよ。 なっちには悪いけどさ。 あんたは強かった。 あんたの念動力は自分の身体を宙に浮かし、何トンもの重さの車を一瞬で破壊した。 でもあんたは弱かった。 その強すぎる力の発動に耐えられないぐらいに弱かった。 オイラたちが守ってやらなきゃならないくらい。 ある時、組織の研究者が提案した。 当時まだ実験段階だった複合細胞をあんたの身体に移植することによって、 あんたの身体を念動力の発動に耐え得るレベルまで強化するプランを。 それは一見あんたにも選択肢のある提案のようでいて、他に行く場所の無いあんたには選択肢は無かった。 並の人間なら、1ミリグラム移植されただけでも、拒絶反応を起こしかねない複合細胞をあんたは飼い馴らした。 あんたの身体に移植された複合細胞の総重量が1キロを越え、あんたの体内で成長を始めた頃からあんたは変わった。 あんたは”黒い血”と呼ばれる複合細胞を、自分の意志で漆黒の翼に変形させた。 そしてその翼であんたは羽ばたいていった。 同じ組織にいる筈だったのに、あんたはオイラの手の届かない所にいた。 …でも最後の最後でオイラの能力阻害が破られたってことは、オイラのことを認めてくれたんだよね。 オイラのチカラを認めてくれたからこそ、オイラの小さな巨人は破られた。 何か悲しいよ、こんなので終わるなんて。 でも、ありがとう。 こんなちっちゃなオイラのこと認めてくれて。 お帰り、ごっちん。 もう離さないよ。 炎の中で黒い龍がその動きを止め、 後藤真希の身体と共に灰燼と化したのを見届ると、ちっちゃい女は炎に背を向けてその場を立ち去った。 男はちっちゃい女に声をかけようとしたが、その暗い表情を目にすると何も言えずただ見送るしかなかった。 女の後姿は男の目にはいつにもまして小さく映った。
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