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前ページ次ページ魔法少女リリカルルイズ 空を飛ぶ竜の背で感じる風は一時も休まることなく頬を叩き髪をなびかせる。 目に入りそうになった髪の一筋をかき上げたキュルケは指の間から見えるひときわ大きな雲の中におぼろげに光る何かを見つけた。 髪に当てた手をそのままに目をこらしていると、それは横に広がる輪郭を雲の中に映していき、なんの支えも無く宙に浮くその姿を見せていく。 「見つけたわ。あれ」 それこそがアルビオン。霧のベールをまとうが故に白の国とも呼ばれる浮遊大陸である。 その大陸にそびえる山に積もった万年雪が日の光を照り返し、まるで自らの内から発していたかのように輝いていたのだ。 キュルケが見たものと同じ光を見たタバサが、自らの使い魔である風竜の耳元で囁くと、それは翼を大きく羽ばたかせ首をアルビオンに向けた。 アルビオンの周りを囲む雲が後ろに流れるたびに、それまで淡い影だった大陸は徐々にはっきりとした輪郭と色を得ていく。 「ギーシュ、出番よ」 「ふふん。ぼくのヴェルダンデにまかせたまえ」 シルフィードの背に乗りラ・ロシェールから飛び立ったものの、キュルケ達はルイズがアルビオンのどこに行ったかは全くわからない。 それを見つけるための決め手こそギーシュの使い魔ジャイアントモールのヴェルダンデなのだ。 「さあ、頼むよ。ヴェルダンデ」 ギーシュが使い魔に命令する、と言うより麗しい女性のように頼まれたヴェルダンデは鼻を少し上げて左右に振り始めた。 モグラは元々嗅覚に優れた動物である。ジャイアントモールの嗅覚はさらに優れており、地中深くにある宝石を探し出し、嗅ぎ分けることすらできる。 それならヴェルダンデの嗅覚を使って水のルビーを見つければ、それをつけたルイズも見つけることができる。 ギーシュはそうラ・ロシェールでヴェルダンデと再会した後に蕩々と語ったのだ。 「ふんふん、なるほど」 「どう?ルイズはどこにいるの?」 ギーシュはさらさらの髪をかき上げ、ふっと鼻で笑うと答えた。 「わからない、だってさ」 「タバサ、ちょっと宙返りして。余計なもの捨てるから」 それを聞いたタバサは全く躊躇することなく真顔で頷く。 「わ、わ、わー、ちょっと待ってくれたまえ」 ギーシュの必死の叫びに何か思うことがあるのか、タバサはシルフィードの傾きかけた体を水平に戻す。 ただ、後ろを向いてギーシュを見る目は一見いつもと変わらないものであったが、被告人の言葉を聞く冷酷な裁判官のようでもあった。 「いいかね。いくらヴェルダンデの鼻が優れていると言ってもアルビオン全部の宝石の臭いが分かるほどじゃないんだ」 「それで?」 キュルケの二つ名は微熱。 だが、その言葉は吹雪よりも冷たい響きを秘めていた。 ──つまらないことだったら落とす とでも言いたげに。 「アルビオン全部はムリだけど見える範囲くらいなら十分嗅ぎ分けられる。それでも目で探すよりはずっと早いし確実なはずさ」 ギーシュはさらに説明を続ける。 ここで落とされたらメイジといえどもたまったものではない。 フライやレビテーションの魔法を使うにも限界はあるのだ。 「だからアルビオン上空をくまなく飛んで欲しい。必ず見つかる。いや、見つけてみせる」 「それしかないわね」 もう一度アルビオンを見たキュルケは溜息を一つついた。 ヴェルダンデが現れた時にはアルビオンが見つかればすぐにわかるというように聞かされていたのに随分と話が違ってしまった。 だからといってキュルケはここでルイズ探しをやめる気はない。 それどころか絶対に見つける気でいた。 「あなたが起きていればもっと別の方法もあったかも知れないわね」 キュルケは胸に抱いていたフェレットのユーノの背を毛並みに沿って撫でる。 まだ死んではいない。 しかし血を流しすぎた白い獣からは温かさよりも冷たを感じる。 「思ったとおりにはいかないものね」 シルフィードが雲の中に滑り込んだ。 視界が一瞬だけ白く覆われ、すぐに晴れる。 雲を抜けるとその下にはもうアルビオンの大地が広がっていた。 ──思ったとおりにはいかない まさしくその通りだ。 キュルケとギーシュは竜に乗り慣れていない。 タバサもシルフィードの主人ではあるものの未だ竜の乗り手として熟練しているとは言いがたい。 特に移動するアルビオンまでの航路の知識は船乗りには及ばないし、フネとの速度差も実感してはいなかった。 故に彼女らが思ってもいないことが起こっていた。 窓の外を見るルイズの目に映るいくつもの雲は流れては消え、また消えては流れる。 だが、それは瞳に映るのみで心は全く違う二つのものを見ていた。 1つは彼女の婚約者、ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド。 手を引かれてラ・ロシェールの港に走っていくのはまるでおとぎ話の1シーンのようでもあり、夢のようでもあった。 彼がいればこの任務を必ず果たせると確信できる。 それに彼は魔法も満足に使えない自分のことを覚えていてくれたし、結婚まで申し込んでくれた。 その時のことを思いだし、ルイズは頬を赤らめ、ほうと溜息をついた。 もう一つは彼女の使い魔、ユーノ・スクライア。 剣と魔法を操り、無数の傭兵の前に立つ彼の後ろ姿は自分よりもずっと年下なのにとても頼もしく見えた。 彼は今一番近くにいて欲しい人。 だけどその後ユーノは追いかけては来なかった。 その時のことを思いだしたルイズはレイジング・ハートを固く握りしめた。 (ユーノ、私はここよ。こっちよ) 声は届かなくても念話なら届くかも知れない。 届けば空を飛べるユーノなら必ず追いかけてくるはず。 (早く来て) ワルドの申し出にどう答えるか。 その答えはもう決まっていた。 だけど、どうしても言えずにいた。 ワルドの前に行こうとする足は止まり、答えを伝えようとすれば喉がつまる。 ──ユーノならきっと喜んでくれるわよね そうすればきっと答えられるような気がした。 ルイズは再び外を見る。 青い空が見えた。流れる白い雲が見えた。眼下には大地が見えた。 アルビオンはまだ見えなかった。 ユーノはどこにも見つからなかった。 これはシルフィードがアルビオンの大地に影を落としたのと同じ時刻のこと。 ルイズの乗るフネは未だアルビオンを離れた空にあった。 ヴェルダンデの鼻があるとはいえ、どこにいるかわからないルイズを見つけるにはアルビオン中を飛び回るしかない。 しかしシルフィードの背に乗り、空を飛ぶギーシュ達はルイズを見つける前に逆に見つけられていた。 「うわああ、来た、来た、来た!」 酷くうろたえてギーシュはちらちらと後ろを伺う。 「ちょっとは落ち着きなさい」 「そりゃそうだけど」 アルビオン大陸中央部に入ってからすぐの事だ。 たまたま後ろを見ていたギーシュは雲間に小さな影を見つけた。 何かと考えているうちにどんどん接近してくるそれを見続けていたギーシュは思わずそれはもう情けない顔──モンモランシーには見せなくない──をしてしまった。 それは風竜だったのだ。 ただの風竜ではない。背中に人を乗せている。つまりは竜騎士だ。 アルビオンはほとんどレコン・キスタの勢力下にあるという。 だったら、こんなところを飛んでいるのは間違いなくレコン・キスタ側の竜騎士だ。 杖を振りかざして「降りろ」と合図を送っているのが見えるほどに近づいたが、冗談ではない。 アルビオン王家に接触しようとしているトリステイン貴族が捕まってただですむはずがないではないか。 ルイズと一緒にいるワルドがレコン・キスタに着いていると予想されている今ならなおさらだ。 「もっとスピードは出ないのかい?このままじゃ追いつかれる」 「無理」 完結に答えたタバサの後ろでまたもギーシュは情けない声を上げる。 シルフィードも風竜ではあるがまだ子供。しかも、こちらは3人乗りで向こうは軽装の1人だけ。 どう見ても向こうの方が速い。 「ど、ど、ど、どうするんだよ」 追いつかれるのも時間の問題だ。 これ以上速度が上げられないシルフィードの下を村が通りすぎ、街道が通りすぎる。 草原を通り過ぎた後は森が広がっていた。 タバサは握りしめた杖の頭を上に向ける。 「私に考えがある」 タバサがあの時──学院で大砲を持ったゴーレムと戦った時──と同じように呟いた。 サウスゴータ地方に配属された竜騎士である彼はいつもの通り哨戒を続けていた。 すでに王国軍が一掃されたこの辺りの任務で退屈をしていた彼は、大あくびの途中で思いがけないものを見つけた。 こんなところを風竜が飛んでいたのだ。 しかもその背に乗っているのはレコン・キスタに参加しているとは思えないどこかの学生らしき人だ。 つまりは不審竜と不審者である。 ぴしゃりと頬を叩いて眠気を晴らした彼は手綱を操り、風竜の速度を上げ不審な風竜を追った。 近づいて合図を送るが速度をゆるめる気配はない。 それどころか速度を上げて逃げようとまでしたのだ。 当然彼も任務を果たすべく速度を上げて追う。 逃げられるはずがない。風竜の大きさもさることながら乗っている人数の差から考えても無駄なことだ。 そうしてサウスゴータ近くの森林上空まで来た時だ。 逃げる風竜の周囲にいくつかの光点が突如発生したのだ。 「なんだ?」 彼もメイジだ。 その光点が何かはすぐに知れた。 魔法で作られた火球がカーブを描きながら飛んでくる。 自動的に目標を追いかける火の魔法、フレイムボールだ。 「くっ」 この風竜は残念ながら使い魔ではないが彼も竜騎士になったばかりの新米ではない。 音に聞こえた無双ともうたわれるアルビオンの竜騎士なのだ。 普段の訓練通りにマジックアローを飛ばし、一つずつ火球にぶつけ相殺していく。 「やるな」 その火球の起こす爆発に彼はいささか舌を巻いた。 火球の速度、大きさから考えても腕の悪いメイジではない。 おそらくトライアングル以上のメイジだ。 爆風が晴れると逃げる風竜が急激に上昇を始めていた。 「これを狙っていたか」 上空には折り重なった分厚く、濃い雲があった。 「しっかり捕まって」 タバサはそうぽつりといつものように言うと、キュルケの返事も聞かずにシルフィードの首を真上と見まごうくらい高く上げた。 「ひっ」 後ろからのギーシュの悲鳴を聞きながらキュルケはシルフィードの背びれに両手でしっかりとしがみついた。 途端、目の前に厚すぎて灰色になった雲が迫る。 その分厚さにキュルケは目の中に雲が入ってくるような錯覚を覚えて思わず目をきつく閉じた。 それは手ばかりでなく足でもしがみついているギーシュや不思議な掴まり方をしているジャイアントモールのヴェルダンデも同じだった。 逃げ続ける風竜が雲の中に隠れても彼はまだ余裕があった。 相手の風竜を操る乗り手の腕は悪くない。いや、彼の所属する竜騎士団の中でも中の上には位置するだろう。 まるで風竜に言い聞かせるように自在に操っている様子から考えると、あの風竜は使い魔なのかも知れない。 だが、いかんせんあの風竜には荷物が多すぎたし、乗り手は空戦の経験に不足しているようだ。 分厚い雲に隠れるという発想はいいが、入り方がいかにもまずい。あれでは飛ぶ方向がはっきりわかってしまうではないか。 先ほどの魔法の応酬で距離は開いてしまったが追跡に問題はない。 彼もまた手綱を引いて竜の首を上げ、雲に飛び込んだ。 ──このままやつの頭を押さえる 視界が雲に覆われても焦りはなかった。むしろ余裕すらあった。 このような時には経験がものを言う。 その差を確信したが故に彼は目前にぼんやりとした竜の影を見つけた時、笑みさえその顔に浮かべた。 首の後ろをひんやりとしたものが掴んだ それが何かを確認する暇さえなく、突如無数の針に首を刺されたような痛みを感じた瞬間、彼の心と体は力を失い自らの竜の背に身を横たえた。 前ページ次ページ魔法少女リリカルルイズ
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◆WAWBD2hzCI氏 投下した作品 No. タイトル 登場人物 時刻 013 I am bone of my sword 椰子なごみ、衛宮士郎、リセルシア・チェザリーニ 1日目 深夜 032 月光カプリッチオ ユメイ、加藤虎太郎、橘平蔵 1日目 深夜 033 Fearing heart ドクターウェスト、岡崎朋也、藤林杏 1日目 黎明 048 クモノイト 黒須太一、吾妻玲二(ツヴァイ)、真アサシン、藤乃静留、直枝理樹 1日目 早朝 053 Destiny Panic! 清浦刹那、ウィンフィールド、神宮司奏、大十字九郎、羽藤桂、アル・アジフ 1日目 黎明 060 見上げた虚空に堕ちていく ファルシータ・フォーセット、古河渚、伊藤誠、菊地真、ドライ 1日目 早朝 068 嘆きノ森の少女 浅間サクヤ、蒼井渚砂、一乃谷愁厳・一乃谷刀子 1日目 早朝 078 地獄デ少女ハ魔人ト駆ケル ティトゥス、清浦刹那 1日目 朝 090 悪鬼の泣く朝焼けに(前編)(後編) 柚原このみ、西園寺世界、井ノ原真人、アントニーナ・アントーノヴナ・ニキーチナ 1日目 朝 097 コンプレックス・イマージュ 杉浦碧、クリス・ヴェルティン、来ヶ谷唯湖 1日目 昼 103 それは渦巻く混沌のように 九鬼耀鋼、一乃谷愁厳・刀子、椰子なごみ 1日目 午前 113 Second Battle/少年少女たちの流儀(前編)(後編) 棗恭介、トルティニタ・フィーネ、清浦刹那、ティトゥス、支倉曜子、如月双七 一日目 午前~昼 119 騎英の手綱 源千華留、蘭堂りの、ユメイ 1日目 昼 124 outbreak 衛宮士郎 1日目 昼 130 ゆらり、揺れる人の心は 葛木宗一郎、高槻やよい、伊藤誠、菊地真 1日目 昼 137 例えば孤独なら傷つくのは、一人ぼっちの自分だけだと 黒須太一、藤乃静留 1日目 昼 145 人と鬼のカルネヴァーレ (前編)(後編) 西園寺世界、柚原このみ、鮫氷新一、千羽烏月、ドクター・ウェスト 1日目 日中 159 観測者の願望観測者の愉悦I have created over athousand blades 黒須太一、衛宮士郎、椰子なごみ、藤乃静留、来ヶ谷唯湖 1日目 午後 165 日ハ沈ム、駒ハ踊ル 棗恭介、トルティニタ=フィーネ、如月双七、深優・グリーア、(羽藤桂、アル・アジフ) 1日目 午後 178 めぐり、巡る因果の果てで(大人編)(子供編) 一乃谷兄妹、九鬼耀鋼、ドクターウェスト、ツヴァイ、鮫氷新一 1日目 夕方 203 死闘死闘/舞姫異聞録死闘/舞姫異聞録(後編)修羅の系統樹 如月双七、衛宮士郎、深優・グリーア、ジョセフ・グリーア 1日目 夜中 218 DEAT SET/イグニッションDEAD SET/バーストDEAD SET/エンドRealta Nua 千羽烏月、源千華留、西園寺世界、来ヶ谷唯湖、衛宮士郎 2日目 黎明 登場させたキャラ 5回 衛宮士郎 3回 清浦刹那、黒須太一、藤乃静留、椰子なごみ、一乃谷愁厳・一乃谷刀子、ドクター・ウェスト、如月双七、西園寺世界、 来ヶ谷唯湖 2回 ティトゥス、ユメイ、伊藤誠、菊池真、柚原このみ、九鬼耀鋼、吾妻玲二(ツヴァイ)、棗恭介、トルティニタ・フィーネ、羽藤桂、アル・アジフ、鮫氷新一、深優・グリーア、千羽烏月、源千華留 1回 浅間サクヤ、加藤虎太郎、アントニーナ・アントーノヴナ・ニキーチナ、大十字九郎、岡崎朋也、神宮司奏、ウィンフィールド、古河渚、藤林杏、クリス・ヴェルティン、蘭堂りの、直枝理樹、ファルシータ・フォーセット、リセルシア・チェザリーニ、橘平蔵、支倉曜子、杉浦碧、蒼井渚砂、真アサシン、井ノ原真人、葛木宗一郎、高槻やよい、ドライ、ジョセフ・グリーア し…士郎ーーーーー!!! やっちまったか…実に楽しみだw -- ナナシ (2008-03-23 02 23 26) パロロワ初のマーダー士郎を書いた人。今後、士郎がどこまで星を稼げるかは期待 -- とある書き手 (2008-03-23 12 01 32) 館長、アホだ… -- 名無しさん (2008-03-30 18 17 06) 2ndにおける最速の人、ギャグも鬱もそつなくこなす大黒柱といったところ -- 名無しさん (2008-04-23 00 20 58) 間違いなくギャルゲロワの主力。キャラの内面に迫った濃密な表現が上手く、バトルも鬱も正直適う気がしません。 -- 名無しさん (2008-05-24 19 54 22) 燃え展を中心にしつつ様々な展開をこなす書き手氏。 キャラ毎の心情が入り臨場感が感じ取りやすい。 -- ナナシ2 (2008-06-07 23 51 04) バトルや繋ぎを熱血展開を元にこなす人。高クオリティなSSを連発してくれます -- nanashi (2008-07-29 17 06 13) 熱い展開、激しいバトルの二つを柱として、最高のクライマックスを描く書き手氏。Second Battle以降、狙撃等による予想外しも上手く行っており、更にパワーアップした。また心理描写もやたら上手い為、繋ぎの話のレベルも非常に高い -- nanasi (2008-09-09 20 29 05) 名前 コメント
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聖なる預言書にには、今もどこかで十字架と共に崇められているであろうかの救世主に従う、 四人の騎士がいた。四人はそれぞれ、人類を滅ぼす「権威」を与えられた。 「支配」 「戦争」 「飢餓」 「疫病」 四人の騎士達は、今この世界の何処かで起こっているであろうこの4つの出来事の原因なのか、 それは定かではない。 救世主が4人の封印を解いたのかどうか、 それもまた定かではない。そもそも我々が知りうることではない。 だが、この四人の騎士の名を冠す者が現れた。 月という名の量子コンピュータ「ムーンセル」の中で。 だが、彼らの使命は、「滅ぼす」なんてものではない。 「聖杯」・・・またの名を「ムーンセル・オートマトン」 救世主が最後に口をつけた杯の名を冠したアーティファクト。 あらゆる願いを叶える万能の願望機。 ここでは、その聖杯を取り合う「聖杯戦争」と呼ばれる、 かつて極東の地で一部の魔術師達が行っていたとされる一種の儀式・・・ いや、それに近いものが行われていた。 彼らの使命は、優勝カップである「聖杯」を管理すること。 月が0と1を混ぜあわせて創ったこの世界で、 「英霊の座」から招き寄せられた騎士達は、 1つずつ器を手にしている。 彼らはこの願望機を守らなければならない。 彼らは誰がこれを手にするのかを見届けなければならない。 圧倒的な力で。 激的な争いで。 絶望的な飢えで。 呪いの名に相応しき病で。 夜空に妖しく光る羊は、四色の柱を呼び寄せ、 今、「滅び」ではなく、「願い」を呼び寄せる 儀式の封印を解いた。 聖杯戦争の舞台たるSE.RA.PHとは別の空間に設置された4つの杯。 その上には、4人の「裁定者」がそれぞれの杯に立っていた。 白の杯には、目を金色に発光させる1人の美少年が。 赤の杯には、ねじれ曲がった黒い石版が。 黒の杯には、白いドレスを身に纏った少女が。 青の杯には、紫色の水晶と黒いドレスをその身に包んだ美少女が。 「数え切れないほどにいた参加者も、とうとう数え切れる程には減ってきたようだね。」 何やら余裕に満ちた笑みを浮かべた、白い杯に立つ少年が第一声を上げた。 「制」のルーラー、征服を司る第一の騎士、それがこの少年であった。 彼の宝具はムーンセルのデータベースと直結しており、 実質上このSE.RA.PHの設備を支配しているのは、彼と言っても過言ではない。 (36体のサーヴァントを確認、違反行為は発見していない。) その時、3人の脳内に声が響いた、所謂テレパシーであろう。 それを発しているのは、赤の杯に建てられた黒いレリーフであった。 変わった形状をしているはものの・・・この石版が、 「争」のルーラー、闘争を司る第二の騎士であった・・・。 霊格に関しては、他の三体よりは格上であろう。 「それじゃあ、私はそろそろ戻ります。」 黒い杯に立つ、白いドレスに身を包んだ少女が戸惑い気味な表情でそう言った。 彼女は「飢」のルーラー、黒い杯を管理する裁定者のサーヴァント。 「え?もう帰っちゃうの?」 青い杯に立つ少女、「病」のルーラーが驚いた表情でそう聞く。 「はい、やっぱり、久しぶりにこうやって過ごすのが、懐かしいというか、嬉しいというか・・・。」 「飢」のルーラーは、SE.RA.PHにいるNPCの中に紛れて行動をしている。 もし、秩序を乱す様な事をしているマスターがいたら、直ちに警告をするのが、彼女の役割である。 すると、「病」のルーラーは、口元は笑いながらも、どこか儚げな表情へと変わった。 「そうなの・・・何となく分かるわ、その気持ち。」 「病」のルーラーの精神は、その存在そのものによって蝕まれていた。 しかし、それでも彼女には、普通の少女としての心は僅かながら残っていた。 「飢」のルーラーは、それを見て、少し驚いた顔をしながらも、その身を粒子へと変えて、SE.RA.PHへと戻った。 記憶を眠らされ、今日もこのプログラミングされた世界で 何気ない日常を送っている参加者は今何人いるだろう。 きっと彼らは、呼びだされた英雄の手綱を握り、 戦っているであろう。 月に呼び出された数多くの参加者の数も、今はそれの数分の一にまで減った。 黙示録の頁はいよいよ少なくなってきた。 さあ、いよいよ大詰めだ。 裁定者:【「制」のルーラー(リボンズ・アルマーク@機動戦士ガンダム00)】 【「争」のルーラー(統制者@仮面ライダー剣)】 【「飢」のルーラー(円環の理@魔法少女まどか☆マギカ)】 【「病」のルーラー(桜満真名@ギルティクラウン)】
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【第10話配役】 ●レイオン:テケさん ●アテネ王:テケさん ●巫女:テケさん ☆レイオン ●[レイオン01]【適当】 「王様元気にしてっかな」 ●[レイオン02]【適当】 「前はもっと人がいたような……」 ●[レイオン03]【適当】 「あれ、王様は」 ●[レイオン04]【適当】 「新しい城?」 ●[レイオン05]【適当】 「どこだよ、その新しい城ってのは!」 ●[レイオン06]【適当】 「わけがわからん。 ま、新しいところに王様がいるなら いってみるか」 ●[レイオン07]【適当】 「ちょっと歩くみたいだな~ 元の場所にいればよかったのにな イースの魔法でいけねーし」 ●[レイオン08]【適当】 「お、神殿だ」 ●[レイオン09]【適当】《巫女の話を無視して》 「あれ、ここって泉はないのか」 ●[レイオン10]【適当】 「これじゃ、神様に文句も言いにいけねーな」 ●[レイオン11]【適当】 「どーだかなー。」 ●[レイオン12]【適当】 「ああ、俺達困ってる王様を アテネまでつれていったんだぜ」 ●[レイオン13]【適当】 「イース、これ今もっている剣より弱そうだぜ?」 ●[レイオン14]【適当】 「知ってたらなんとかしにいくな」 ●[レイオン15]【適当】 「道がねーんだけど」 ●[レイオン16]【適当】 「ほいっと」 ●[レイオン17]【適当】 「いってぇ!」 ●[レイオン18]【適当】 「変なところに村があるなー」 ●[レイオン19]【適当】 「へー、太陽って運ばれるもんなんだな」 ●[レイオン20]【適当】 「いろいろしってるっていっても しらないこともあるんだな」 ●[レイオン21]【適当】 「諦めんなよ、なんとかなるって。 その絹の手綱?ってやつもどっかにおちてるだろう」 ●[レイオン22]【適当】 「でもよ」 ●[レイオン23]【適当】《嬉しそうに》 「ダイダロス?知ってるぜ!」 ●[レイオン24]【適当】《嬉しそうに》 「おい、今のきいたか!空を飛べるんだってよ! ぺがさす無しでも! しかもあのダイダロスだ!嘘じゃないと思うぜ!」 ●[レイオン25]【適当】 「考えても何にもならないだろ、いこうぜー」 ●[レイオン26]【適当】《ダイダロスを発見して嬉しそうに》 「お!」 ●[レイオン27]【適当】 「よし、こういう時のための俺達だ! イース、ステイア!はやく!」 ●[レイオン28]【適当】 「いてっ、そんな腕をきつくつかむなって!」 ●[レイオン29]【適当】 「うおっ、なんだ 魔物か!」 ●[レイオン30]【適当】《攻撃》 「ほれっ!」 ●[レイオン31]【適当】 「イース強いな…… ってなんだこれ?」 ●[レイオン32]【適当】 「これは俺の日記だからすてんなよ! いろいろかいてるんだから!」 ●[レイオン33]【適当】 「魔物がふさいでるな」 ●[レイオン34]【適当】 「随分とでっけぇな」 ●[レイオン35]【適当】《攻撃》 「おらぁ!」 ●[レイオン36]【適当】《攻撃》 「ほれっ!」 ●[レイオン37]【適当】《イースに回復魔法》 「パウラ!」 ●[レイオン38]【適当】《攻撃される しかも痛い》 「いってぇー!!!!」 ●[レイオン39]【適当】 「……あのよ、俺の心配もちょっとはしてくれよ……」 ●[レイオン40]【適当】 「ありがとよ」 ●[レイオン41] 【3.3秒間】 「手遅れだったのか・・」 ●[レイオン42] 【6.5秒間】 「そうだな 悪いけど、羽はちょっと貰うぜ!」 ●[レイオン43] 【適当】 「ごめんな!」 ●[レイオン44] 【適当】 「ああ。……ほろんでしまったのは仕方ないけど 目的のものは手に入ったんだ。戻るか。 ダケープ!」 ☆アテネ王 ●[アテネ王01] 【6.7秒間】 「夜が終わらず一方では昼が終わらず・・」 ●[アテネ王02] 【5.8秒間】 「こんなことは神話事典にも載っておらん」 ●[アテネ王03] 【適当】 「うーむ・・」 ●[アテネ王04] 【10.7秒間】 「ふむ あのオリンポスの西の山奥に住んでいる じじい共なら何か知っておるかもしれんな」 ●[アテネ王05] 【8.1秒間】 「しかし、いかにお前たちが ただ者ではないと言っても どうしようもないだろうて」 ●[アテネ王06]【18秒間】 「相手はお天道様だしのう。 わしも何か協力できることがあればしたいのだが 前のようなことが起こっては困るから 無闇にここを動くわけにもいくまい。 かわりといってはなんだが、 そこの宝箱に入っている剣をもっていくがいい。 きっと役にたつ。」 ●[アテネ王07]【適当】 「くれぐれも気をつけるのだぞ」 ☆巫女 声はおまかせします(笑) ●[巫女01] 【6.9秒間】 「人々はせっかく神様がお告げをくださっても 従おうとはしません」 ●[巫女02] 【7.1秒間】《憂いを含んだ感じで》 「神々の長(ちょう)であるゼウス様が お怒りになるのもごもっともですわ」
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エル・ディアブロ / El Diablo 「私は魔王、故あって此処に居る」 「配下となるなら恩寵を、敵となるなら蹂躙を」 「─────遍く、与えよう」 年齢:不明 / 身長:208cm / 体重:65kg 地域:ブリテン 属性:混沌・悪 / 性別:女 イメージカラー:#674ea7 一人称:私 / 二人称:お前、貴様 特技:とりあえず宝具解放 好きなもの:浪費、悪性 / 苦手なもの:節制、人の輝き 天敵:口喧嘩が強い相手 魔術回路・質:A++ / 魔術回路・量:EX / 魔術回路・編成:神代回帰 +20の質問 質問1 名前と年齢と性別を教えてください 「エル・ディアブロ。年齢は知らん、今の性別は女だ。」 質問2 身長と体重を教えてください 「208cmに65kg……あくまで人間体の私が、だが?」 質問3 血液型と誕生日を教えてください 「どっちも知らん。」 質問4 好きな色、自分を象徴するような色はありますか 「紫。」 質問5 特技はなんですか 「取り敢えず宝具解放する事か?」 質問6 好きなものはなんですか 「人の悪性は、見ているだけで胸が空く。……但し、私に害を齎さないことが前提だ。」 質問7 嫌いなものはなんですか 「節制だ。何を我慢する必要がある。お前の命はお前の物なのだぞ。」 質問8 天敵とかいますか 「…………悪竜王に天敵など居ないっ!」 質問9 属性について教えてください 「知らん。」 質問10 所属勢力はどこですか 「『裏講師』とか言ったか?そこだ。」 質問11 令呪はどこにありますか、どのような形ですか 「知らん。」 質問12 貴方の外見について自由に話してください 「高身長に巨乳。ハイライトの無い目。」 質問13 ざっくりとあなたの性格を教えてください 「一に力、二に力、三に力だ。覚えておけ。」 質問14 どのように生まれて、今までどんなことがありましたか 「多過ぎて語り尽せん。」 質問15 聖杯戦争中はどのようなことをしますか、使う武器や魔術なども自由に話してください 「専ら前に立ってサーヴァント共と争う。後ろから何やらこちょこちょとするのは性に合わん。」 質問16 聖杯にかける望み、あるいは聖杯戦争参加の経緯を教えてください 「今は……悔しいが、借金返済だ。」 質問17 親しい人間について自由に話してください、空欄でも構いません 「」 質問18 自分のサーヴァントをどう思いますか、空欄でも構いません 「」 質問19 自分にモチーフなどはありますか 「那須きのこ『Garden of Avalon』をチェックだ。……はっ、私は今何を。」 質問20 なにかこちらに質問はありますか 「無い。」 今回はありがとうございました。あなたの望みが叶うことを願います +令呪 略歴 時計塔傘下の秘密組織「裏講師」に所属する講師。 その正体は嘗て、亜種聖杯戦争にて受肉した、円卓時代の王/竜のサーヴァント。 人物 『邪竜王』の異名が示す通り、高慢・乱暴・自己中心的、とかなり問題の多い性格。 善性を嫌い、悪性をこそ好む。「邪竜王」として定義された彼女は、半ば無意識的にこのルールに則って行動する。 また、ヒトよりも土地に寄り添ったことでブリテンという国を滅ぼし掛けた王であるが故に、 既に「化身」としての国を失った今でさえ人間より動物や植物、大地そのものにこそ共感を覚え、これらが為に立つ。 ただし或る意味で単純な面もあり、彼女の思考を理解しようと努めれば、手綱を握るのもそう難しいことではない。 ……あくまでも竜───人とは別の種族を多分に含む、ということは忘れない方が良いだろうが。 能力 神秘の狭間に在るブリテンに生きた、規格外の英霊。 個としての戦闘能力は天災とも形容されるべき段階に至っており、もはや並の魔術師では全く以て太刀打ち出来ない。 +詳細 ・聖槍ロンゴミニアド ブリテンの騎士王、アーサーの槍。 「聖槍の概念」として体内に封じられており、聖槍として行使する為には自らの腹部から取り出す必要がある。 また、世界に「ただ在る」だけで世界の修正を受けてしまう為、本来は何れ消える代物。 彼女は使用後、体内に再封印することで世界の修正を逃れている。 ・竜血炉心 幻想種の頂点たる竜種のみが持つ、在るだけで無尽蔵の魔力を生み出す心臓。 いかに優れた英雄と云えど、外部から魔力供給を受けなければ何度も宝具を開放することは難しいが 彼女の場合、此の心臓が生み出した膨大な魔力によって、ごく短いスパンで宝具を連発することが出来る。 ・その他 此方のページを見るのが手っ取り早い。 関連人物 ジントニック 配下一号。聖杯戦争にて配下としたが、何故か程なくして再会した男。 忠実なしもべは嫌いじゃない。 スノーボール 配下二号。同じ組織に属する女。 淹れる珈琲は美味いし、よく気が回るので嫌いじゃない。 時尾 美依 配下三号。 きっともう会うことは無いだろう。 ヴォーティガーン 私。 もし会ったら煽りたい。(+純粋に話してみたい、という気持ちも無くはない。)
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食べた日:2009/4/17 『麺屋とがし』で「カツオ節系こってりめら~麺」(730円)を。 09.4.18%20%82%C6%82%AA%82%B5%20%83J%83c%83I%90%DF%8Cn%82%B1%82%C1%82%C4%82%E8%82%DF%82%E7%81%60%96%CB%20121%94t%96%DA.jpg 09.4.18%20%82%C6%82%AA%82%B5%20%83J%83c%83I%90%DF%8Cn%82%B1%82%C1%82%C4%82%E8%82%DF%82%E7%81%60%96%CB%82%CC%83K%83%82%83b%83%60%83%8A%96%CB.jpg 知人から「カツオ節系こってりめ」がリニューアルしたとの話を聞きつけやってきました。 とがしブラック。 09.4.18%20%82%C6%82%AA%82%B5%20%83J%83c%83I%90%DF%8Cn%82%B1%82%C1%82%C4%82%E8%82%DF%82%E7%81%60%96%CB%82%CC%83u%83%89%83b%83N%8D%81%96%A1%96%FB.jpg 元々鰹節を香ばしく仕上げた香味油でしたが、以前に比べ、更に香ばしく、色もより真っ黒くなりました。 この“新”節系、とがしマニア達からは「とがしブラック」と呼ばれているそう。 とがし一インパクトのあるメニューは、更に追従を許さないインパクトを手に入れました! ちなみに「豚骨スープ速成機」が導入されてから、今回が初の汁ありレギュラーをいただきましたが、以前に比べ、粘度自体は以前とほぼ同じに感じますが、動物系の強さが増したという印象。 特に豚骨の骨粉は、かなり増えた感じです。 動物系スープ自体は以前よりレベルアップした感じですが、その分、魚が少々後ろに引っ込んだ感じも受けるので、この豚骨スープに魚がもっと表に出てくれば、完全敵なしの素晴らしい豚骨魚介スープになりそう。 とがしなら、きっとその高みへ上り詰めてくれることでしょう。 住所:仙台市泉区南光台2-14-59 パルネット江波101 by hiro (2009年 121杯目) ホント見た目が真っ黒ですね! 私は提供が始まった当初しか食べた事無かったので是非食べてみたいです。 -- やお (2009-04-18 23 43 17) やおさん、更にインパクト大になりましたよ~。 次回はつけ麺でも食べてみたいです! -- hiro (2009-04-19 00 19 38) とがしブラック…かっこいい!!(笑) 僕も前回ラーメンのこってりを食べたときに速成機が使われていました。 限定として以前食べたときは豚骨スープの向上された部分しか気にならなかったのですが、レギュラーとして出されたときになぜか違和感を感じてしまいました。 あれはやはりバランスの問題なんですかねー? あんなじゃじゃ豚の手綱を締めれる魚なんて想像もつきません…。 しかしhiroさんのおっしゃる通り、とがしならやってくれるはずです!!(笑) -- 花男 (2009-04-19 00 45 09) 花男さん、まいどです! 機械導入と一緒に、バーナーも新しくなったので、その辺の火力はまだ試行錯誤中とのことで、それが安定すれば、きっと一段とレベルアップすることでしょう。 魚についても、色々と考えているみたいですよ~。 -- hiro (2009-04-19 20 05 41) どなたかのブログでもリニューアルしたとの情報聞いてたんですけど、 写真みるとリニューアルしたのが明らかにわかる色ですね(^^ ボクはつけめん派なんでつけめんのほういくことになると思いますが 楽しみです。また、かつお節系こってりめつけめんだけ回数突出しそうです(^^ -- りんたろお (2009-04-19 20 25 47) りんたろおさん、新節系、今まで以上にガツン!と来ますよ~。 香味油の支配力の強いつけ麺の方が、より今までとの違いが分かると思います。 私も次回はつけ麺で! -- hiro (2009-04-20 10 22 43) とがしブラック、また凄い名前ですね~ 私はどちらかと言うと、海老油のほうが好きなのですが これは食べてみねばならない!ですよ。 いやいや進化し続けますね~ -- ビアシン (2009-04-20 17 53 49) >とがしブラック ビアシンさん、名前だけでインパクトが伝わってきますよね! 私も海老油のこってりめが一番好きなのですが、今後はこの節系の注文も増えそうな予感です♪ 人気におごれることなく、進化を止めない姿勢に感服です m(_)m -- hiro (2009-04-20 18 07 05) これも是非食べてみたいですが、その前に鰹のつけ麺を食べてみ食べてみたいと思います。 -- 和尚 (2009-04-22 07 05 23) 和尚さん、マイドです♪ この「節系」と「辛め」は“とがし慣れ”した人用なので、やっぱ最初は「あっさりめ」と「こってりめ」がおススメですよ~。 あっさりでも十二分に濃い~ですしね(爆) -- hiro (2009-04-22 08 36 19) 名前 コメント
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「人を襲っておいてそれは無いよな?……まずは、こいつに頼まれた薬を出してもらおうか?」 「ああ…ひいい……お許しください……」 オヤジは俺に脅されて一歩も動く事が出来ない。まぁ、目的はギーシュそのものにあって、大方薬など端から用意していなかったのだろう。 「おい、ならこの店の有り金全部出せ、今直ぐにだ!!」 「はっ…はいぃぃぃぃ!!」 ショットガンをブンブンと振り回しながら恫喝すると、オヤジは半狂乱になって店中の金貨を掻き集め始めた。この頃になると、ようやく 優男がチンピラを始末する。全くダラダラし過ぎなんだよ。 「トニー此方の始末は付いたぞ」 「ダラダラし過ぎだ」 ショットガンを持っている俺を見て、優男は体中疑問に満ちていた。 「……なぁ、トニーって一体何者なのだ?元の世界では何をやっている者なのだ?」 「ただのレストラン経営者だ」 間違いは言っていない。表向きの商売だし、実家はレストランだからな。だが、ギーシュは疑念を更に強めたような表情を見せる。 「……表向き、はな」 聞こえるか聞こえないかの極小声で言い置くと、ギーシュははっとした様子で此方を見詰めた。 ――5分後。 「これで全部か!?」 「はっはいぃぃぃっ!!」 オヤジを恫喝しながら金貨を出させると、おおよそ5000$相当の金貨が出て来た。それをオヤジに自分で馬車に積み込ませる。悪どい商売で ぼろ儲けしていたに違いない。まぁ、ガキとは言え客を騙したのだから、これ位当然か。 「や…役人だあああぁぁ!!」 しかし、平静は次の絶叫で一瞬で破られる事となる。 「サツか……随分と手回し早ぇじゃねぇか」 ★★★☆☆☆ 「トニー!役人だ!!」 「ギーシュ馬車に乗り込め!!サツを撒くぞ!!」 手回しが余りにも早い。大方、これはこのオヤジが元々謀っていた事に違いが無い。この野郎……!! 「プレゼントをありがとうよ。これは俺からのプレゼントだ、受け取れ……!!」 ヘラヘラするオヤジにピストルの鉛弾を脳天に浴びせてやると、手綱を握り歓楽街の方面に馬車を疾走させる。此方ならサツも少ないだろう。 『そこの馬車止まりなさい!!』 上から声が聞こえる……おい、こりゃ飛竜かよ!!シルフィードより規模は半分以下だが、人まで乗って……まるでヘリじゃねぇか!! 「路地に逃げ込め!!」 無茶を承知で路地にカーブで進入する……危ない危ない、建物にぶつかる所だ……。だが、樹木が多い此処からなら上空から上空から見つかり にくいだろう。 「トニー、これからどうするんだ」 「暫く人気の無い場所に逃げ込んで、警戒が解くまで休む……今日一日位だが、学院に戻るのはそれからだ」 とは言うものの、外に出ている限りは目立つだろう。特に俺が。 「あら、チャーミングなお兄さんと可愛らしい坊や。私と遊ばない?」 「私もどうかしら?」 ん?これは『立ちんぼ』か……待てよ、これなら……。 「姐さん達、俺達二人の相手してくれないか?500$づつ出すから……代わりと言っちゃなんだが、馬車と一緒に暫く休める宿を教えて欲しい のだが……大丈夫かい?」 「ええ!?そんなにくださるの?喜んで御相手させていただきますわ!」 「宿の方も任せてくださいね」 これら俺とコンパニオンとの会話に、ギーシュが目を白黒させている。 「ちょっ!ちょっと待てトニー、その…何と言うか……」 俺はギーシュの何とも言えない反応に吹きそうになりながら、二人の立ちんぼに宿を案内してもらう事にした。これなら、暫く身を隠せそうだぜ。 ★★★★★☆ ――2時間後。 「……モンモランシー……」 「何凹んでやがる、お前一番腰振ってただろうが」 比較的この歓楽街の中で大き目の宿を手配してもらった俺達は所謂イタした訳だが、この優男童貞だったのだろうか、一番初めは緊張していたが 始まってしまえば一番楽しんでいたようにも見える。まぁ、これがモンモランシーの時に役に立てば幸いなのだろうし、野郎なんてこんなもんさ。 「可愛かったわよ、坊や」 「お兄さん、お酒取ってきますわね」 「すまないな」 コンパニオンに渡した金とは別に、宿に金を多少なりと多く積んでおいたのは幸いだった。いたせりつくせりな対応で、何があっても俺の方に 誰も通さないお陰でこのまま事態は沈静化しそうだ。 「食事お持ちしましょうか?」 「そうしてくれると有り難いな」 こんな具合に色々とサービスしてくれるのだ。 「……しかしトニー、どうしてこんな事に……」 「あのサツの襲撃も計画だったんだよ。要はね、端から薬なんて用意する気はサラサラなく、お前をとっ捕まえさせてグラモン家を強請る算段 だったんだろう。そうとしか考えられん……良くある手だよ」 ますます凹むギーシュに、酒を取りに行って戻ってきたコンパニオンの姐さんに見つかり、悪戯混じりに胸に顔を押し付けそのままベットに 押し倒されてしまった。まぁ、今はこれくらいで良かろう。 「食事をお持ちしました」 「おお、豪勢だな……頂くとしよう」 帰るのは朝になりそうだろうか……まぁいいか。
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海に浮かぶ黄金郷。 日本にはまだ見られない、豪華なカジノ。 この冥界には――存在していた。 ◆ 綺羅びやかな場所から、逃げていく男が居た。 「駄目だ…勝てるわけがない!」 男は冥界下りの参加者であった。 引き当てたのはセイバー、聖杯戦争において最優と称されるクラスだ。 早速男は街に出て一組を下し、次なる主従を探していた。 そんな中、ある噂を耳にした。 ――東京湾に浮かぶ、豪華客船のカジノ。 この国にそんな代物は公に存在することは禁じられている。 つまり――サーヴァントの可能性が高い。 そして男は見事、その客船が出る日を掴んだ。 そして、乗り込み、大将へと手にかける事にした。 ――しかし、結果はこのザマだ、黄金帝の異名を持つ主、キャスターに木っ端微塵に殺られた。 少なくとも、早く逃げねば―― 「困るなぁ、ただで返すわけにはいかんのだよ」 空より飛び出る黄金の拳、それが己へと迫る。 「私を手に掛けようとしたツケは、しっかりと払って貰おう!」 男は何もできずに、ミンチとなった。 ◆ 何処かの海沿い、宝具を解除したキャスターと、異形の者が出てくる。 「今日も虫を一匹勢〆たな、マスター」 「…貴様の力はやはり凄いな、キャスター」 異形の者はマスターであった、異形と称される理由は二つ。 まずはその骨格、まるで四足歩行の生命体の様な形をなし、とても人間とは思えない。 そして、極めつけに武装だ。 穴の空いたマスクに、そして強大な槍の様な武相――グーデリア。 男の名は、ホッパード・ザ・ガントレット、愛する者の為に、復讐鬼とかした男。 GUNG-HO-GUNSの№6 「当たり前だ、あそこはこの私の庭だ」 黄金帝、その異名を持つキャスター。 黄金の指輪をはめ、紫のスーツを着こなした中年の男。 名を、ギルド・テゾーロ。 「…もう少し魔力が貯められばいいんだが」 「もう一度言っとくが、一般人に関しては被害は出すな、狙うのはマスターとそのサーヴァントだけ、いいな?それに、霊脈の捜索も今している」 ガントレットは民間への被害をよく思わない、そもそも、快楽殺人者の集団に入ったのも、怨敵の復讐の為だけだ。 「フン…まぁいい…ここらで失礼させていただくよ、マスター」 霊体化して、東京の闇夜にテゾーロは消えていく。 冥界の空を、ガントレットは眺める 「…あぁ…絶対に…殺してやる…ヴァッシュ・ザ・スタンピード…!」 恨み言を、空に流して。 ◆ 夢を見た、マスターの夢だ。 「…なるほどな」 ロストジュライ、失われた恋人、人間台風。 すべて、クソみたいな運命に振り回されてきた。 「俺と…同じか…」 ステラ――もう記憶からかすれてしまった声。 「…なに…同情では無い…これは俺なりの…サーヴァントとしての尽くし方だ」 黄金の雫が、一つ、滴れた。 【CLASS】キャスター 【真名】ギルド・テゾーロ@劇場版ONE PIECE FILM GOLD 【ステータス】 筋力C 耐久C 敏捷C 魔力A 幸運D 宝具A+ 【属性】混沌・悪 【クラススキル】 陣地作成:B 魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。 “賭場”の形成が可能。 道具作成:C 魔術的な道具を作成する技能。 キャスターは自身の能力を使い、黄金の武器や鎧を作成できる 【保有スキル】 カリスマ:C 軍団を指揮する天性の才能。団体戦闘において、自軍の能力を向上させる。 カリスマは稀有な才能で、小国の王としてはCランクで十分と言える。 反神:A 世界の頂点たる者に愛するものを奪われ、自身も奴隷にされ、復讐を誓った事から由来するスキル。 神や王族といった「世界の頂点」に立つものに対してのダメージを倍増させる 【宝具】 『黄金を操りし力(ゴルゴルの実)』 ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:―― 最大捕捉:―― 超人系悪魔の実、黄金を操る力を手にすることができる。 キャスターは能力を覚醒させており、後述の宝具内の黄金を操る、全身に纏って巨人となる、などの戦い方ができるようになっている。 『黄金帝の庭(グラン・テゾーロ)』 ランク:A+ 種別:結界宝具 レンジ:―― 最大捕捉:―― かつてキャスターが経営していたカジノ船、世界政府から認められた実質的な加盟国、それを再現する。 中は賭場となっており、一般人も利用できる。 また、中の黄金などといった物やディーラーなどといったスタッフも再現される。 【weapon】 『黄金を操りし力(ゴルゴルの実)』 【人物背景】 天竜人に全てを奪われた男。 世界に復讐を誓った男。 【サーヴァントとしての願い】 世界の頂点に立って、ステラと―― 【マスターへの態度】 ビジネスパートナーであると同時に、過去が近寄る同士、思うところあり。 【マスター】ホッパード・ザ・ガントレット@トライガン・マキシマム 【マスターとしての願い】 ヴァッシュ・ザ・スタンピードへの復讐。 【能力・技能】 巨大な武器、グーデリアを扱える技量。 【人物背景】 GUNG-HO-GUNSの№6 ロストジュライの生き残り、人間台風に復讐を誓った男。 【方針】 キャスターの宝具を活かし、他の主従を誘い込む。 民間人に関しては目立つ事も含めて、できるだけ危害を加えない。 【サーヴァントへの態度】 優秀なサーヴァントとして評価、うまく手綱を握れていると感じている。
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『偉大な英雄のテーゼ』(鯖一同) オタ集う皆鯖スレで 英霊よ鯖となれ 『ポケモン金銀 BGM 27番道路(カントー地方)』 『乗り物があれば』(ベレロフォン) 「たった一つの手綱を握る、乗り手は英雄、乗騎は魔獣! その名は・・・キマイラハンター・ベレロ!」 『禁じられぬ企み』(フィン・マックール) 青い槍を握って 白い指をくわえて 触れ合うことも打算 全ては予測済み 跪いて捧げよ 命乞いの言葉は グラスに注いだ極上のワイン 『More than limit 聖フランク帝国』(ローラン、ルノー、アストルフォ) 大帝に集う我ら 選ばれし騎士達のエリート 騎士の叙勲を受けた 十二勇士の英霊 全国無比の実力で 異教徒どもを皆殺し 『La bête du Gévaudan』(ジェヴォーダンの獣) グルグルグルグルグルガウガウガウッ ×2 『怒りのためなら化けられる』(頼豪阿闍梨) 寺を建てろよ 建てなきゃ化けるぞ 死んで化けるぞ 猛威を振るうぞ 『お嫁にされたっ!』『最強タロス計画』(エウロペ) 帯びた熱はタロスの血だよ 別に冷まさなくてもいいけど 恋の主神誘拐犯でも 子作りしました 『撲殺怪物アステちゃん』(アステリオス) ブモモブモモモモブモモモォ! ×2 屈指の近接ステ ミノタウロス ブモモブモモモモブモモモォ! ×2 狂化のステ上昇で 圧倒してあげる 『人形見つかるかな?』(メリーさん) ラララ 見つかるかな? あなたは見つけるかな? ラララ 見つかるかな? 私のお人形 『ラララそこまでよ!』(プテサン・ウィ) ラララ そこまで ラララ そこまで ラララ いつも雷警報 ラララ そこまで ラララ そこまで ラララ エロネタ許さないわ 『鯖としてチート過ぎている』(ディートリッヒ・フォン・ベルン) 絶対傷つけられない人がいた あの人はチート過ぎている・・・無敵 分かったぜ無敵破るその術 炎吹いて宝具効果消せばいい それならば! 『ライバルのごとく』(シグルド) 勘違いするな 的外れの勝利 続けていれば勝つのは 俺だった 大地蹴り上げ 決着つけよう 認めたライバルのごとく 『クマテイ』(熊太郎、金太郎) クマクマクマクマクマクマクマクマ(はじめまして、熊太郎です) クマクマクマクマクマクマクマクマ(金ちゃんとは足軽山で出会いまして) クマクマクマクマクマクマクマクマ(それ以来、親子というか親友というか) クマクマクマクマ(そんな間柄です) 『ヤラナイカ』(パリス) やらないか やらないか やらないか 気持ちいいこと 二人きりでやらないかい? 『Kill you Paris』(ヘクトル、アキレス) うらぁぎったんぎったん ぐさりんこー おらばったんばったんしねやこらー ほっらめったんめったん まなかいほー ぱりすしねや ぱりすしね 『蹂躙でしょでしょ』(チンギス) 大 ハーン 支配だけじゃつまらないの You を RAPE! 感じるまま感じることだけをするよ 『キシイズム』『The Knight』(アロンソ・キハーナ) 眩しすぎて見つめることも できぬ物語 冒険へと続くこの道に いつも影は二つ いつか君に話していた 光り輝く騎士道を 『ウィラフ』(ベーオウルフ) グレンデル その母水魔 炎を吐く 猛毒の竜 独り巡る死地と海を 誇りと誉れに乗って 『騎士を乗せて』(ガウェイン、トリスタン、イウェイン、ベイリン、ベディヴィエール) あの円卓が輝くのは 我らの王が騎士王だったから (ケイ) たくさんの日を皮肉れないのは そのどれも全てに妹(キミ)がいるから 『元に戻れない』(スキュラ) LaLaLa LaLaLa...... LaLaLa LaLaLa 私は戻れない 『頼政の警告音』(源頼政) 「逃げるでござる!」 『Do Your Fear』(ヴラド) 聞こえるか 怯える獲物の雄叫びが 感じるか 牙を剥く赤きドラクリヤ 突き刺され 血濡れの杭 俺の宝具 眼にした敵の瞳は恐怖に輝いているはずさ 『粛正、無音、末世にて』(カルキ) 秩序ない世界に 舞い降りた System K.A.L.K.I 『殺戮美味礼讃』(織田信長) さぁ焼き討ちを共にしよう 愚劣なる比叡の寺社 先天性の残虐性で 筆舌しがたき怨念の弾を 『来いっ!ラーマ』(ラーヴァナ) おーいラーマ 聞こえるかい おーいラーマ 早く来い 『ラーヴァナの現れる頃に』(ラーマ) 弓に矢を番え狙う 敵はだれ? 放つ矢を火で包み 敵を射抜いた 神性封じ人と成って 神は生まれ変わる もう宝具の効果 使わせないから 『BRAVE HERO』(イリヤー・ムーロミェツ) きっと終わらぬ永遠の詩 授かった天の力 手にした意味を見失わないで 祈りよ星になれ 『よみがっえーれ↓スペクタクル』(オルフェウス) 振り返ることはないでしょう Just a Spectacle 死者には死後の世界のみが お似合いなのですか!? 『ロマンス(ヤンデレ)』(清姫) 愛に気付いてください 私を捨てないでください 狂気に堕ちる切なさは 生まれ変わる情念 『聶隠niマイYear』(聶隠娘) べつにGO!聶隠niマイ Year 未来予知してゆけ 自分の気持ち最優先 契りなんて切り落としちゃうわ 『恋のザミエル伝説』(ザミエル) ミ・ミ・ミラクル☆ ザミエルンルン☆ 『熱きデーモンたち』(ソロモン) 「『七十二の鍵符(リバースカード)』オープン。『王の神殿』召喚!」 『女鯖クーポン』(ジライヤ) 「女鯖が欲しいのぅ・・・」
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113 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/01/19(金) 19 46 08.65 ID gwurQYz8O … ~夜、ある中年サラリーマンの家~ 中年サラリーマン「…」ゴクゴク ペットアライさん「…」ゴクゴク 家の居間で、中年サラリーマンと、そのペットのアライさんがお茶を飲んでいる。 ペットアライさん「美味しいのだぁ~…」ゴクゴク 中年サラリーマン「…そうだな」 アライさんは成体のようだ。 夜行性のアライさんは、夕方に起きてご飯を食べたばかりのようである。 中年サラリーマン「お前も随分大きくなったな…」 ペットアライさん「飼い主さんのおかげなのだ!」シッポフリフリ 中年サラリーマン「…」 この中年サラリーマンは未婚男性。 童貞である。 ペットアライさん「飼い主さん!夜になったら、散歩行くのだ!」シッポフリフリ 114 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/01/19(金) 19 50 13.84 ID gwurQYz8O 中年サラリーマン「…ああ、分かった。これ着けるんだぞ」スッ ペットアライさん「なのだー!」スチャッ ペットアライさんは、蛍光ベルトを腕に巻いた。 交通事故防止のためだ。 ペットアライさん「さあ、出発なのだー!」ペタペタ 中年サラリーマン「…行こう」 足首がないため、四つん這いで歩くアライさん。 中年サラリーマンはアライさんを連れて、外へ出掛けた。 … ~家の外~ ペットアライさん「ふはははー」ペタペタ 中年サラリーマン「…」スタスタ ペットアライさん「うおー!こうもりが飛んでるのだ!」ジロジロ 中年サラリーマン「…こうもりはいいな。空が飛べて…」スタスタ ペットアライさん「飼い主さんも空飛んでみたいのか?アライさんもなのだ」ペタペタ 中年サラリーマン「そういう時代が来ればいいなぁ…」スタスタ 手綱を握っている中年サラリーマンは、四つん這いのアライさんと一緒に夜の街中を散歩する。 115 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/01/19(金) 20 02 04.96 ID gwurQYz8O 車のエンジン音と、ヘッドライトの光が近付いてくる。 中年サラリーマン「クリーナ、車だぞ」 ペットアライさん「うおお、危ないのだ」ペタペタ 車「」ブロロー… 車は通り過ぎていった。 中年サラリーマン「…なあ、クリーナ。今の生活…どう思う?」スタスタ ペットアライさん「んー?…退屈なのだ」ペタペタ 中年サラリーマン「そうだよな…」 ペットアライさん「でも、クリーノもいるし…。飼い主さんもいるのだ。寂しくはないのだ」ペタペタ 中年サラリーマン「…」 『クリーノ』… 中年サラリーマンが、家で飼っている雄のアライグマの名前である。 ペットアライさん「あー、いつかクリーノと…」ペタペタ その時。 向こうから足音が近付いてきた。 おばさん1「えっほ、えっほ」タッタッ おばさん2「えっほ、えっほ」タッタッ …ジョギング中の、近所のおばさん達である。 116 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/01/19(金) 20 05 37.41 ID gwurQYz8O ペットアライさん「交尾したいのだぁ!」シッポフリフリ 中年サラリーマン「!?」ピタッ おばさん1「!?」ピタッ おばさん2「!?」ピタッ ペットアライさん「のあ?飼い主さん、なんで止まるのだ?」 中年サラリーマン「…い、行こう…」スタスタ ペットアライさん「?何なのだ…」ペタペタ おばさん1「…今の聞いた?交尾シタイノダーですって!嫌ねー」タッタッ おばさん2「あの人、独身なんですって。いつもあのアライさんと何やってんのかしらねー」タッタッ おばさん1 2「「あーヤダヤダ」」タッタッ 中年サラリーマン「…」 ペットアライさん「飼い主?どうしたのだ!早く行くのだ!」グイグイ 中年サラリーマン「ああ…」スタスタ 117 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/01/19(金) 20 10 54.69 ID gwurQYz8O 中年サラリーマン「…」スタスタ バッタ「」ピョンピョン ペットアライさん「お!バッタがいるのだ!こら待て~!」ペタペタペタペタ バッタ「!」ガシィ ペットアライさんは、道端にいたバッタを捕まえた。 ペットアライさん「頂きますなのだー!はぐはぐ、もふもぐ…」モグモグ 中年サラリーマン「…美味いか?」 ペットアライさん「んふー。飼い主さんの手料理の方が美味しいのだ」 中年サラリーマン「そうか」 ペットアライさん「でもこれは、なんというか、戦いなのだ!狩りの中で、アライさんの血が騒ぐのだ!ジビエなのだ!」コスリコスリ 中年サラリーマン「ふふ。楽しいか?」スタスタ ペットアライさん「楽しいのだー!ふはは、他にはいないかー?くんくん、ふんふん!」ペタペタ ペットアライさん「うえー、この電柱、犬のオシッコのにおいがするのだ」クンクン 中年サラリーマン「…」スタスタ 四つん這いのアライさんは、地面のにおいを嗅ぎながらぺたぺたと進んでいる。 118 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/01/19(金) 20 17 06.78 ID gwurQYz8O 警官「そこのあなた、何してるんですか?」 中年サラリーマン「えっ…あ、その…」アセアセ ペットアライさん「ん?何か用なのか?」 警官「…ああ、アライさんの散歩ですか。危険がないようにお願いしますよ…」スタスタ 中年サラリーマン「はい…」スタスタ ペットアライさん「ふははー!アライさんが、飼い主さんを危険から守ってやるのだ!アライさんの爪と牙は鋭くて強いんだぞー!」ペタペタ 中年サラリーマン「頼もしいな」スタスタ 一人と一匹はさらに進む。 女子高生「…」スタスタ コンビニから出てきた女子高生とすれ違う。 ペットアライさん「なのだー」ペタペタ 120 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/01/19(金) 20 21 34.34 ID gwurQYz8O 女子高生「…っ」ドンビキ 女子高生は、一人と一匹を見て顔をしかめた。 女子高生「…きも…」スタスタ ペットアライさん「うぬ!?今アライさんのこと何て言ったのだー!」ムカァ 中年サラリーマン「や、やめろって…」グイグイ ペットアライさん「何ビビってるのだ飼い主!こういう時、言い返さないとナメられるのだ!やいバーカ!ブース!うんこたれー!」 女子高生「ほんときもい…」スタスタ 中年サラリーマン「こらやめないか!」グイイイイッ ペットアライさん「ぐぎゅううぅ!?」 手綱を思い切り引っ張られ、首輪がアライさんの喉に食い込む。 ペットアライさん「ぐ、ぐゆじ…!なん、れ…!」ブルブル 中年サラリーマン「すみません、すみません」ペコリペコリ 女子高生「まじ無理」タタター… 女子高生は去っていった。 121 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/01/19(金) 20 23 52.52 ID gwurQYz8O 中年サラリーマン「すまんな、クリーナ」パッ ペットアライさん「はぁはぁはぁはぁはぁはぁ…何するのだ!あんなのにビビってたらダメなのだぁ!」 中年サラリーマン「頼むから波風たてないでくれ…」スタスタ ペットアライさん「うぅー…」ペタペタ 女子高生は、なぜ『キモい』等と言ったのだろうか? 122 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/01/19(金) 20 28 54.10 ID gwurQYz8O 例えば、男性がアライちゃんの散歩をしているのを見たときの印象は… まあ、ペットの散歩だな、という感じだ。 何故なら、あの不自然にでかい頭…人間ではあり得ない頭身や体型は、アライちゃんを否が応でも『動物』と認識させるからだ。 では、アライしゃんならどうであろうか。 幼児のような、はたまた少女のような姿を… 50センチすらない大きさに『縮めた』感じだ。 体だけでなく、頭まで小さい。 こんな人間はいない以上、アライしゃんを見ても、ご近所さん達は尚『動物』と認識する。 …では。 成体のアライさんならどうであろうか。 123 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/01/19(金) 20 33 14.97 ID gwurQYz8O 体の大きさは、女子中学生と同じくらい。 耳と尻尾があるから、『人外の存在』だということは頭では理解できるはずだ。 しかし… 耳と尻尾がなければ、その姿はほぼ人である。 それも、人権がなく、ペットとして中年男性に飼われているのである。 なんというか… 中年男性が、女子中学生のような姿のアライさん(足首がない)に首輪をつけ、 手綱を握りながら、四つん這いで歩かせる姿は… ミニスカートがまくれ、白いタイツ状の毛皮で覆われた尻を丸出しにして恥じらいもなくぺたぺたと歩くその姿は… …見た目的に、非常に『キツい』のである。 124 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/01/19(金) 20 36 53.62 ID gwurQYz8O 男性はまだしも、女性から見れば… 女の子が四つん這いで、スカートから尻を丸出しにして、中年男性に手綱を握られぺたぺたと歩くその姿は… 生理的嫌悪感しか感じないと言っても過言ではない。 アライさんの散歩とは、あまりにも… 見た目的に『アレ』な行為なのである。 128 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/01/19(金) 20 44 54.53 ID gwurQYz8O ~中年サラリーマンの家~ ペットアライさん「ふぅー、ただいまなのだ。散歩ありがとうなのだー」シッポフリフリ 中年サラリーマン「ああ、ご苦労さん。俺もね、いい運動になるんだな、これが」 ペットアライさん「あはは!この会話、昨日もしたのだ!」 中年サラリーマン「ハハハ…じゃあ、風呂入って寝るわ。お前もシャワー浴びたらボイラー消しとけよ」スタスタ ペットアライさん「はいなのだー!うおー、クリーノ!一緒に遊ぶのだー!」ペタペタペタペタ 中年サラリーマンは寝室で寝た。 130 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/01/19(金) 20 50 54.42 ID gwurQYz8O … ~翌日、街中~ 中年サラリーマン「…」スタスタ 彼がいる街は、だいぶ田舎だ。 娯楽なんてそうそうない。 こういう田舎では、ご近所付き合いが大事である。 この中年サラリーマンも、これまで欠かさずご近所付き合いをしてきたのだが… おばさん1「うわ、見て。大橋さんよー」ヒソヒソ おばさん2「あーやだ。昨日交尾とか言ってたわねー。独身だし、やっぱりそういう…」ヒソヒソ 中年サラリーマン「…」スタスタ …アライちゃんを散歩していた頃は、ご近所さんもアライちゃんを可愛がってくれたし… 中年サラリーマンを邪険に扱うこともなかった。 女子高生「…きも…」スタスタ 男の子1「あー、変態のおっさんだー!」ワイワイ 男の子2「へーんたい!へーんたい!」ワイワイ 中年サラリーマン「…」スタスタ しかし、アライちゃんが大きくなってから… 中年サラリーマンは、露骨に周りの人に嫌悪されるようになっていた。 133 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/01/19(金) 20 57 10.57 ID gwurQYz8O ~会社のトイレ~ 中年サラリーマン「…」フラフラ 田舎のオフィス。 『ご近所さん』の顔見知りもけっこういる。 中年サラリーマン「…」ガチャッ 中年男性は、男子トイレを出ようとすると… 『ねえ知ってる?あの独身の大橋さん、アライさん飼ってるんだってー』ヒソヒソ 『えー?アライさんって…あの大きくなると狂暴になるやつでしょ?子供のうちは可愛いけど…』ヒソヒソ 中年サラリーマン「!」 近くで、女子社員が中年サラリーマンの噂話をしている。 『どうやって言うこと聞かせてんだろうね。っていうか、なんで飼い続けてるの?大きくなったらもう可愛くなし、うざいだけなのに』ヒソヒソ 『それは、もう…』 『キッモ~~~!』 中年サラリーマン「…」 …会社でさえ、嫌な噂が立っている…。 中年サラリーマン「…もう、嫌だ…」 137 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/01/19(金) 21 01 47.62 ID gwurQYz8O ~夜、中年サラリーマンの家~ 中年サラリーマン「…」スタスタ アライグマ♂「キュルルルルルゥ」ドタドタ ペットアライさん「ふははー!お帰りなのだー飼い主!」 中年サラリーマン「…」 ペットアライさん「退屈だから、飼い主さんの部屋の本読んで、おうどん茹でてみたのだ!…立ち膝だから大変だったのだ…」 ペットアライさん「飼い主!アライさんうどん、一緒に食べるのだー!」シッポフリフリ アライグマ♂「ハウハウ」 中年サラリーマン「…」 ペットアライさん「…ん?どうしたのだ飼い主?嫌なことでもあったのか?」 中年サラリーマン「…」 ペットアライさん「イジメられてるのか?それなら、アライさんがぶっ飛ばしてやるのだ!アライさんは強いんだぞー!」ピカピカガイジガオ 中年サラリーマン「…クリーナ」 ペットアライさん「何なのだ?」 147 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/01/19(金) 21 28 21.96 ID gwurQYz8O 中年サラリーマン「…アライさんの楽園って、知ってるか」 ペットアライさん「何なのだ?それ」 中年サラリーマン「…子供のころ、人に世話されて…大人になったアライさんはな、自由になれる土地…アライさんの楽園に行くんだ」 ペットアライさん「そんな話、お店で聞いたことないのだ」 中年サラリーマン「そ、それはな…。…。今までその話を聞かずに、頑張っていい子にし続けてたアライさんだけが行けるんだ」 ペットアライさん「ふーん…。アライさんは、別にいいのだ」 中年サラリーマン「!?で、でも…あんなに退屈だって言ってただろ!自由になれるんだぞ!毎日楽しく過ごせるんだぞ!」 ペットアライさん「飼い主とクリーノも一緒に来るのか?」 中年サラリーマン「…いや…」 ペットアライさん「ふーん。じゃあ、アライさんは別に行かなくていいのだ」シッポフリフリ 中年サラリーマン「な…ぁ…!」ブルブル ペットアライさん「それがどうかしたのか?」 151 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/01/19(金) 21 36 25.78 ID gwurQYz8O 中年サラリーマン「…いかなきゃいけない決まりなんだ…。行ってくれ…たのむ…」ブルブル 中年サラリーマンは嘘をついた。 結局のところ、アライさんはたかがペットである。 ペット一匹への同情のために、人生をドブに捨てる行為が賢明といえるだろうか。 ペットアライさん「何でなのだ?何でなのだ!アライさんは、飼い主と一緒に居たいのだ!絶対行かないのだ!」 中年サラリーマン「行けよ!!」ドガァ ペットアライさん「のだっ!」 中年サラリーマンは、ペットアライさんを蹴った。 中年サラリーマン「あ…。だ、大丈夫か…?」アセアセ ペットアライさん「…飼い主は…。アライさんのこと…嫌いなのか…?」 ペットアライさん「飼い主は…!アライさんと一緒に…居たくないのかぁっ…!」ウルウル 中年サラリーマン「決まりなんだから仕方ないだろ!」 中年サラリーマンは、また嘘をついた。 155 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/01/19(金) 21 42 13.94 ID gwurQYz8O ペットアライさん「う…うぅ…!嘘…なわけ、ないのだ…。飼い主は、アライさんに嘘ついたことないのだ…」 中年サラリーマン「…行ってくれるな?」 ペットアライさん「…うぅ…ぅううううぅぅぅっ…!」ダキッ ギューッ ペットアライさんは、中年サラリーマンに泣きながら抱きついた。 ペットアライさん「なんで、こんな突然…!ぐすっ…!突然こんなこと言われて…!ひぐっ…!お別れなんて嫌なのだああっ…!」グスグス 中年サラリーマン「クリーナ…っ」 ペットアライさん「アライさんはぁ…!飼い主と、クリーノと、ずっとずっと一緒に、楽しく暮らしたいのだぁっ…!」スリスリ 中年サラリーマン「ぁ…ぁああ…クリーナぁ…」ブルブル ただのペットであるはずの、このアライさんは、この独身中年男性にとって… いつの間にか、まるで手のかかる実の娘のような存在となっていた。 160 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/01/19(金) 21 48 02.10 ID gwurQYz8O ペットアライさん「飼い主に辛いことがあったら…アライさんが慰めてやるのだ!」 ペットアライさん「飼い主が病気や怪我で困ったら…!アライさんが看病してやるのだ!」 ペットアライさん「だから…ずっとずっと、一緒にいるのだ…飼い主ぃい…!」 中年サラリーマン「…うううぅぅっ…!」 これからの人生… 果たして、この独身男性の孤独をまぎらわせてくれる存在が現れるだろうか。 この独身男性に、微笑みかけてくれる者が現れるだろうか。 この独身男性の帰りを家で迎えて、『おかえり』と声をかけてくれる存在が現れるだろうか。 162 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/01/19(金) 21 53 00.59 ID gwurQYz8O 中年サラリーマン「…っ…!なあ、クリーナ…」 ペットアライさん「何なのだ」 中年サラリーマン「これから毎日…散歩無しでもいいか?」 中年サラリーマン「一日中、ずっと家の中だけで暮らすこと…できるか…?」 ペットアライさん「…そんなの、嫌なのだ…。退屈で死にそうなのだ…」 中年サラリーマン「俺はもう、お前と一緒に暮らすなら…、そういう飼い方しか…できない…」 ペットアライさん「…」 中年サラリーマン「…」 ペットアライさん「何でなのだ…。さっきは、決まりだって言ってたのだ…!」 中年サラリーマン「お前が死んだと、みんなに言うしかない」 ペットアライさん「…」 ペットアライさん「…飼い主…ほんとのことを話してほしいのだ…」 ペットアライさん「どうして飼い主は、アライさんと一緒に暮らせなくなったのだ…?」 中年サラリーマン「…」 163 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/01/19(金) 21 57 50.93 ID gwurQYz8O 中年サラリーマン「…お前と一緒に暮らしてると…。みんなに変態扱いされるんだ…!イジメられるんだよ…!」ブルブル ペットアライさん「の…ぁ…?」 中年サラリーマン「最近、ご近所さん達が俺に冷たいのは!変態扱いされるのは!イジメられてるのは!全部!お前のせいなんだよクリーナ!」 ペットアライさん「っ…」 中年サラリーマン「…もう、こんな毎日嫌だ…!お前なんか、こんなに大きくなる前に、さっさと楽園に送ってればよかった!」 ペットアライさん「かい…ぬしぃ…」ブルブル 中年サラリーマン「お前のせいで!人生台無しになるのは嫌だ!出ていけよぉ!」 ペットアライさん「だ…だったら…なんで飼い主は…アライさんを育ててくれたのだ…!大きくなっちゃダメだなんて…」ブルブル ペットアライさん「だったら、最初から…!」 中年サラリーマン「…」 ペットアライさん「っ…うぅぁあああっ…嫌なのだあ…!飼い主さんと、お前と会えなかった人生なんて想像したくないのだぁっ…!」 中年サラリーマン「…」 164 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/01/19(金) 22 01 22.10 ID gwurQYz8O ペットアライさん「のぉああああああーーーーーんっ!のぉおおおおーーーーーーーぁあああーーーーーーんっ!」ビエエエエン ペットアライさん「なんなのだああああああ!なんで飼い主を虐めるのだああああっ!アライさんの何が!何が悪いっていうのだああああっ!」ビエエエエン ペットアライさん「わがんないのだああああ!アライさんには人間の考えることがぜんぜん分かんないのだああああああっ!」ビエエエエン 中年サラリーマン「…クリーナ…」ギューッ ペットアライさん「のぉおおおおおおーーーぁあああああああーーーーーーーーんっ!」ビエエエエン 167 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/01/19(金) 22 05 36.75 ID gwurQYz8O ペットアライさんは泣いた。 とにかく泣き続け… やがて、落ち着きを取り戻した。 … ペットアライさん「…」 中年サラリーマン「…」 ペットアライさん「…アライさんは、もう…ここにいられないんだな…」 中年サラリーマン「…ああ…お別れだ…」 中年サラリーマンは、それでもなお、自分の人生を選んだ。 『人間らしい、普通の、まともな生き方』を選んだ。 ペットアライさん「でも、飼い主…。まだご飯、食べてないのだ」 中年サラリーマン「…」 ペットアライさん「最後に…、アライさんが作ったうどん…食べてほしいのだ…」 中年サラリーマン「…いただくよ」ズルズル ペットアライさん「…どうなのだ?」 中年サラリーマン「…伸びてるな。柔らかすぎる。…茹ですぎだ」 ペットアライさん「食べるのが遅かったからなのだ!」 中年サラリーマン ペットアライさん「「あはははははははは!」」ゲラゲラ 一人と一匹は… 楽しかった頃の記憶を思い出していた。 172 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/01/19(金) 22 11 46.69 ID gwurQYz8O ~翌日~ スーツ男1「アライさん引き取りサービスです。アライさんを楽園にお連れしに来ました」 スーツ男2「よろしくお願いします」ペコリ ペットアライさん「よろしくお願いしますなのだ!」ペコリ スーツ男1 2「「!?」」ビクゥ おじぎを返されたスーツ男達は、滅茶苦茶びびった。 ペットアライさん「どうしたのだ?挨拶するのは当たり前なのだ」コスリコスリ スーツ男1「…購入証を見せて貰えますか」 中年サラリーマン「…はいよ」スッ スーツ男2「…2年半…2年半も育てて、これか…!凄いな…!…おほん。それでは、こちらの御輿にお乗り下さい」ガチャッ スーツ男2は、小さな穴の空いた御輿を開けた。 173 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/01/19(金) 22 20 10.96 ID gwurQYz8O 中年サラリーマン「…」カキカキ 中年サラリーマンは、説明を聞いた後、誓約書にサインした。 スーツ男1「ありがとうございます」 ペットアライさん「飼い主!」ダキッ ギューッ ペットアライさんは、中年サラリーマンに抱きついた。 中年サラリーマン「クリーナ…?」 ペットアライさん「今までずっとずっと…ご飯くれて、散歩に連れって、遊んでくれて…ありがとうなのだ」 ペットアライさん「アライさんは、これから楽しいところに行くらしいけど…」 ペットアライさん「飼い主とクリーノと、みんなで一緒に暮らしたこと、絶対に、一生忘れないのだ」ニッコリ ペットアライさん「飼い主さーん♪スキスキなのだ♪」スリスリ 中年サラリーマン「う…ぁあああっ…」ブルブル ペットアライさん「…それじゃあ、さよならなのだ、飼い主!…いつかまた会おうなのだ!」ペタペタ ペットアライさんは、御輿に乗り込んだ。 中年サラリーマン「…ああ。さようなら…。こっちこそありがとう、クリーナ」 スーツ男1 2「「では、出発します」」スッ 御輿の中の声『出発進行!なのだー!』 スーツ男達は、御輿をかついで運び、トラックへ積んだ。 そしてトラックは、中年サラリーマンの家から走り去っていった。 中年サラリーマン「…クリーナ…」 中年サラリーマン「…これで、よかったんだ…」 179 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/01/19(金) 22 26 54.00 ID gwurQYz8O やがて、トラックが建物の前で停まった。 スーツ男1「よし、運ぶぞ」ザッザッ スーツ男2「オーエス、オーエス」ザッザッ スーツ男達は、建物の玄関の前に来た。 スーツ男1「どうもー。アライさん引き取りサービスです」 玄関の扉が開き、男達は中に入っていった。 ~??の部屋~ 御輿の中の声『うおーい!使者さん!ウンチしたいのだ!トイレはこの三角のでいいのか!?これにしていいのか!?』ガタガタ スーツ男1「下ろすぞ」スッ スーツ男2「ああ」スッ スーツ男達は、テーブルの上に御輿を下ろした。 御輿の中の声『何とか言うのだ!あーもう漏れる!早くー!この三角のにするからなーっ!』 御輿の中の声『うぅーっ!』 183 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/01/19(金) 22 31 50.25 ID gwurQYz8O 御輿の中の声『ふはー…気持ちよかったのだ~…。もしトイレじゃなかったらごめんなさいなのだ』 スーツ男1「…」スッ スーツ男1は、御輿に空いた小さな穴へ、何かのスプレーを突っ込み噴射した。 御輿の中の声『ん?何なのだこれ?いいにおいなのだー』 スーツ男1「…」プシュー 御輿の中の声『…ふわあああー…なんか疲れたのだ…長旅したからなのだー…』 スーツ男1「…」プシュー 御輿の中の声『おやすみなのだ、飼い主…。…ぐがー…ごがー…』zzz …御輿の中からイビキが聞こえてきた。 スーツ男達はガスマスクをつけている。 スーツ男1「開けるぞ」ガチャッ ペットアライさん「のだぁ…のだぁ…」z zz スーツ男2「完全に寝ているな。よいしょ」ガチャッ スーツ男2は、ペットアライさんをベッドに寝かせ、手足の付け根を金具で拘束した。 184 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/01/19(金) 22 36 00.03 ID gwurQYz8O 白衣の男1「お疲れ様です」スッ 白衣の男2「後は私達がやります」スッ スーツ男1「乙でーっす!いやー、すげーのが見つかったな!」スタスタ スーツ男2「お宝なんてもんじゃない…奇跡だよこんなの」スタスタ スーツ男達は部屋から出ていった。 白衣の男1「…」プスッ 白衣の男1は、ペットアライさんになにかを注射した。 187 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/01/19(金) 22 40 17.27 ID gwurQYz8O そして… 白衣の男2「…」ギュイイイイーーーンッ 白衣の男2は、回転丸ノコを取り出した。 白衣の男2「右腕、いくぞー」ギュイイイイーーーンッ ズバババッバババババァ ペットアライさん「のだぁ…のだぁ…」ズバァボトッ ドクドク 薬で眠らされているペットアライさんの右腕は、本人が気づかないまま切断された。 血管収縮剤を投与されていたせいか、出血はさほどでもない。 白衣の男2「止血!縫合!」ギュギュ 右腕の切断面は縫い合わされ、止血された。 188 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/01/19(金) 22 43 13.61 ID gwurQYz8O 白衣の男2「次は左腕だ」ギュイイイイーーーンッズバババッバババババァ ペットアライさん「うーん…くりーのぉ…zzz」ズバァボトッ ドクドク 左腕も切断され、縫合された。 次は右脚が… 次は左脚が切り落とされた。 ダルマアライさん「のだぁ…のだぁ…」zzz 白衣の男1「施術完了しました」 スーツ男1「サンキュー!」スタスタ スーツ男2「こいつはすげえぞ!きっと過去最高額だな」スタスタ ダルマアライさんは、どこかへ運ばれていった…。 195 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/01/19(金) 22 49 49.73 ID gwurQYz8O … ~???~ ダルマアライさん「ふわぁ~…むにゃむにゃ…」 ダルマアライさん「!?な…なんなのだ!?ここ…」キョロキョロ ダルマアライさん2「うぅ…」 ダルマアライさん3「ああ気持ち良かったのだぁ…」ケラケラ 部屋には、手足のないアライさんが並べられていた。 排泄物が勝手に流れていく洗浄システムのついた台に乗っけられている。 ダルマアライさん「手足が…あ…あれ…?」 ダルマアライさんは、自分の手足がないことに気付いた。 ダルマアライさん「何なのだ、これっ…ひっ…!ぁああ、わ、悪い夢か?夢なのだ!」ハァハァ ダルマアライさん「ゆ、夢なら早く醒めて欲しいのだ…はやく…はやく…!」ブルブル ダルマアライさん「き、きっとこの夢が、覚めたら…」ブルブル ダルマアライさん「いつもみたいに、優しい飼い主さんが、アライさんを散歩に連れていってくれるのだ…!」ブルブル 197 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/01/19(金) 22 55 06.70 ID gwurQYz8O 従業員「…」ガラガラ やがてこの施設の従業員が、ケージを持ってやってきた。 成獣アライグマ♂「ハウハウ」ガシャガシャ ダルマアライさん「く、クリーノ?いや、違うのだ…。においが全然違うし、クリーノはこんなに大きくないのだ…」ブルブル 従業員が、アライグマの手綱を掴み、ケージを開けた。 成獣アライグマ♂「キュルルルルルゥ!」ガバッ ダルマアライさん「のあああっ!?」 成獣アライグマ♂は、ダルマアライさんに抱きつき… ダルマアライさん「な、何するのだ!?お前…まさか!?」 成獣アライグマ♂「キュルルルルルゥ!」ズンッ ダルマアライさん「のぉぉぁあああっ!」ビクン ダルマアライさんの股間へ、何度も激しく腰を打ち付けた。 201 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/01/19(金) 23 01 38.35 ID gwurQYz8O この成獣アライグマ♂は… 『アライグマ引き取りサービス』で回収された個体。 年齢と性格テストによって業者に選りすぐられた、『長く、大人しく』生きるアライグマだ。 ダルマアライさん「はぁ…はぁ…」 … それから2ヶ月が経った。 妊娠ダルマアライさん「かい…ぬしぃ…かいぬしぃ…」オナカポッコリ ダルマアライさんにとっての『悪夢』は、醒めることはなかった。 いや、むしろ本当に悪夢を見ている最中の方が、このアライさんにはまだ幸せといえるだろう。 妊娠ダルマアライさん「楽園…楽園はどこなのだ、かいぬしぃ…いつ…いけるのだぁ…」 妊娠ダルマアライさん「そんなに…こんなに…アライさんが憎かったのかぁ…かいぬしぃ…」 203 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/01/19(金) 23 04 56.94 ID gwurQYz8O 『アライさん引き取りサービス』。 その目的は、ただ回収して殺処分するためではない。 飼育されたアライさんの中から、『飼いやすい』個体を選別し… ペットアライちゃん工場へ売却することもまた、重要な役割である。 きっとこのダルマアライさんが産む子供は… 飼い主に、長く可愛がって貰えることだろう。 そしていつの日か、母親のように… ペットアライちゃん工場へ戻ってくるだろう。 このように… 大きくなると狂暴になり飼いづらいといわれるアライさんは、 様々な工夫によって、飼いやすくなるように品種改良されているのである。 205 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/01/19(金) 23 05 32.64 ID gwurQYz8O つづく 199 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/19(金) 22 58 22.16 ID yJ7y8JdUO 今までで一番の鬱回だわ…… 御手洗には何とも思わなかったのに…… 200 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/19(金) 23 01 22.98 ID P8Ee2AfMo 御手洗も可哀想だったがあっちは自立してたし人妻だったしな この子は勝手に交尾したりもしてないし純粋に子供みたいなものだからキツい 204 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/19(金) 23 05 30.21 ID m/PWp4ie0 品種改良が進んだ小型犬みたいに 大きくならないアライちゃんとかいたら飼いたいな~ 209 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/01/19(金) 23 06 31.33 ID gwurQYz8O 204 年齢に比べて体が小さいほど、各工場での『競り』の価格は高くなります 人は過ちを繰り返す パート2へ戻る