約 1,446,432 件
https://w.atwiki.jp/negirowa2/pages/73.html
光を求めて 【1日目・20:00】 新都に点る灯りは、埃を被った街路灯。 それだけであるはずだ。 この島で行われているのは無残で無慈悲な殺し合い遊戯。 たとえ何者かがこの町に存在しているとしても、 息を潜め、周囲の気配を探り、目立たぬようにしているはずだ。 だが、現実はどうか? 「いやー、それにしてもシチュー、おいしかったぁなぁ」 「本当に素晴らしい『家庭の味』でございましたわ」 「えへへ。おいしく食べて貰えて嬉しいな」 そこから洩れるのは、和気。 そこに感じられるのは、団欒。 №02:厳島貴子、№29:三枝由紀香、№48:柊杏璃。 彼女たちは潜伏先の民家で夕食を終えたところだった。 カーテンこそ閉めてはいるが常夜灯は点いていた。 声を潜めてはいるが押し殺してはいなかった。 周囲を注意してはいるが警戒はしていなかった。 無防備だ。不注意だ。 だが、ことのいきさつを鑑みれば、それも致し方ないといえる。 少なくとも今の彼女たちはゲームに乗っていないし、疑心から離散もしていない。 実際、その危険はあったのだ。 2時間ほど前に。 18:00に流れた放送で告げられた死者は8名。 その中にそれぞれの知り合いの名も含まれていた。 貴子は慌てふためいた。 由紀香は泣きじゃくった。 杏璃は激怒した。 三者各々表れは違えど、三者等しく恐慌した。 お互いの恐慌ぶりを見た三者は思った。 このままではいけないと。 正気を取り戻さなくてはいけないと。 それで――― 「明日の朝ごはんはあたしがつくるね!」 「杏璃さん、あなた料理が出来ますの?」 「こー見えてもあたし、カファテリアでのバイト長いんだから。 厨房にだって結構立ってるしね!」 「アルバイトかぁ、大人だねー」 「……」 仮初の日常。 彼女たちはすでに逸脱してしまったその追憶を演じることで、 どうにか恐慌を逃れることに成功したのだ。 それは逃避でしかない。 結論の先延ばしに過ぎない。 しかし、その猶予時間こそが、彼女たちの心の安寧をもたらしている。 必ず訪れる決定的な瞬間。 いずれ来る運命の選択。 その時を迎える為の、心の準備を整える時間こそが、今この時だった。 しかしこの灯りは、この団欒は。 殺害の意思を持つ持たぬを問わず、あらゆる人を惹きつける誘蛾灯に ほかならなかった――― =-=-=-=-= ・ =-=-=-=-= ・ =-=-=-=-= ・ =-=-=-=-= 一匹目の羽虫は、既に懐近くに潜り込んでいた。 (無用心過ぎますよ、柊さん) 民家の脇には小さな庭。 そこに設置してあるエアコンの室外機に身を隠して中の様子を窺うは、 №26:小日向すもも。 既に愛する母を殺めた身。 友人如きを殺めることなど恐れようはずもない。 (でも……あの銃が問題ですね) すももは知っている。 柊杏璃が魔法を使うことを。 魔法と銃。 その2つを同時に相手にしたくはない。 どちらか一方。 すなわち、銃を残して杏璃が席を立つか、杏里以外の2人が席を立つか。 息を殺し気配を殺し、機会を窺う。 機会は、必ず来る。 神経は冴えている。心は冷えている。 すももは機を、気長に待つ。 =-=-=-=-= ・ =-=-=-=-= ・ =-=-=-=-= ・ =-=-=-=-= 「で、貴子はどうなの?」 「ど、どうなのとはどういうことかしら?」 「貴子の得意料理はなにかってことよ」 「お……」 =-=-=-=-= ・ =-=-=-=-= ・ =-=-=-=-= ・ =-=-=-=-= 二匹目の羽虫は、用心深く距離を取っている。 (狙うのは漁夫の利だな) ほくそ笑むのは、№53:間桐慎二。 身を潜めるのは、小日向すももが隠れる庭を隔てた隣の民家。 窓から顔を覗かせる愚は犯さない。 胸ポケットに入っていたエチケットブラシの鏡の反射を利用して すももの挙動を、3人娘の様子を注視している。 (……あの女と民家の女たちが争いを始めて決着がついた頃に奇襲する。 あるいは混乱する場に向かって手榴弾を放り投げてもいい) 慎二は臆病な男だ。 慎二は尊大な男だ。 背反する2つの性質を備えつつ、それを飼いならせない男だ。 その日その時の気分で、状況で、臆病と尊大を極端に行き来する。 だから危うい。 周囲の人間を傷つける方向に、危ない。 (一人見覚えのあるやつがいるとおもったら、アレだ。 遠坂の金魚のフン3号だ。 ははっ、やっぱり弱いやつは弱いやつ同士群れるもんだね!) 今の慎二は、尊大さが勝っていた。 彼の尊大さは躁と楽観を意味する。 (僕の勝利は確定しているのさ!) 無謀な思い込みを無謀とも感じず、慎二の端正な顔が不敵に歪む。 =-=-=-=-= ・ =-=-=-=-= ・ =-=-=-=-= ・ =-=-=-=-= 「お?」 「……おにぎりなどを、少々、嗜みますわ」 「……」 「……」 「……」 「……お、おにぎり、おいしいよね?」 =-=-=-=-= ・ =-=-=-=-= ・ =-=-=-=-= ・ =-=-=-=-= 三匹目の羽虫は町の西からやって来た。 「あの子たちは笑ってる、だからやられ役…… ホラー映画では油断してる人が序盤の犠牲者になるんだ」 血走った目でぶつぶつと呟きを漏らしながら忍び歩くは、 亜麻色の髪に白いカチューシャの少女。 №14:上岡由佳里。 すでに2人を屠った身。 恩師すら撃ち殺した身。 恐怖に濁った心で凶行に走った由佳里ではあるが、今の彼女に恐怖は無い。 興奮と、感動がある。 命を奪うこと。 それは相手を全否定することに等しい。 否定に対する反論はない。 否定された時点で反論の機会が奪われているから。 「強いから殺す。弱いから殺される。 私はあの子たちより強い。だから私はあの子たちを殺せる」 人を殺めることで得られた優越感。 それは周囲の出来た人間たちから絶えず劣等感を植え付けられていた彼女が 重苦しい心の枷から解放される契機となった。 由佳里は、自信が持てたのだ。 ―――持つべきではない自信だが。 「早く殺そう。もっともっと殺そう」 血に酔っている。 力に溺れている。 由佳里の足は、止まらない。 =-=-=-=-= ・ =-=-=-=-= ・ =-=-=-=-= ・ =-=-=-=-= 「……同情は結構ですわ。 そう、私は料理をしたことは殆どありませんの。 どうぞお笑いくださいな」 「あはははは~。とんだお嬢様もいたものね!」 「え、えと、杏璃ちゃん? そんなに笑わなくても……いいんじゃないかな?」 =-=-=-=-= ・ =-=-=-=-= ・ =-=-=-=-= ・ =-=-=-=-= 四匹目の羽虫は町の南東からやって来た。 「この様子なら大丈夫だな」 民家からもれる笑い声に警戒心を解き、交流を図ろうと決意したのは ハンサムガール、№55:美綴綾子。 力強い足取り。凛とした立ち姿。 しかし、憔悴の色は濃く、瞳には揺らぎが見受けられる。 彼女に無分別な殺意は無い。 あるのは分別ある殺意だ。 (楓の仇を討つ) 綾子の思考は、行動は、全て仇討ちに費やされている。 遊びは無い。 余裕も無い。 研ぎ澄まされたそら恐ろしい集中力。 「あの家にいる子たちが、あの女のことを知ってるといいんだけど」 踊り離れ――― 弓道に曰く、的中に固執するあまり姿勢が崩れる様。 綾子は後輩を指導する際、この踊り離れを特に重視していた。 皮肉なことに今の綾子は踊り離れている。 彼女にそれを指摘できる人物は、この近辺に存在しない。 =-=-=-=-= ・ =-=-=-=-= ・ =-=-=-=-= ・ =-=-=-=-= 「しっ、失礼ですわっ! 確かに私、お笑いくださいとは言いましたけど、 そこまであからさまに見下されては不愉快です!」 「ごっめ~ん貴子。 あんまりモジモジしてるから、ちょっとからかいたくなっちゃただけで、 見下すとかそんなんじゃないよ」 「こらっ、頬をつつかない! 謝るなら謝るでちゃんと誠意を持って……」 =-=-=-=-= ・ =-=-=-=-= ・ =-=-=-=-= ・ =-=-=-=-= 最後の羽虫は、町の南から。 「お! こりゃ大集団だな」 手元の探知機の光点を眺めて喜びの笑みを漏らすは№42:高溝八輔。 2ブロックほど先に煌々と輝く灯火は、天道虫の斑点の如く、7つ。 「壬姫さんもいるといいな……」 大人数の集団であればゲームに乗ってはいない。 彼の単純な頭脳と楽観的な性格が、早計にそう結論付けていた。 7人の集団と見える光点がその実、 3人と1人と1人と1人と1人に分かれているとも知らずに。 うち3人がゲームに乗っているということも。 残りの1人も、状況如何では殺人を厭わぬということも。 それぞれが、銃火器を所持しているということも。 その筒先がいつ轟音を発してもおかしくない状況だということも。 八輔は、想像だにしていない。 =-=-=-=-= ・ =-=-=-=-= ・ =-=-=-=-= ・ =-=-=-=-= 「杏璃ちゃん、からかいすぎだよー。 貴子ちゃんもそんなに怒らないで。 わたしおにぎり大好きだから、ね?」 「ま、まあ、私も大人げ無かったですわ。 声を荒げてしまって申し訳ありませんでした、柊さん」 「あたしもごめんね~、馴れ馴れしくって」 =-=-=-=-= ・ =-=-=-=-= ・ =-=-=-=-= ・ =-=-=-=-= 羽虫は全て出揃った。 あとは宴を待つばかり――― 【時間:1日目・20:00】 【場所:新都・民家】 【名前:厳島貴子(№02)】 【場所:新都・民家】 【装備:投擲用ナイフ×5】 【所持品:支給品一式(パン1つ消費)】 【状態:健康】 【思考:潜在的脱出】 1)お喋りしてれば怖さを忘れられる 2)瑞穂たちと合流したい 3)みんなでゲームから脱出したい 【名前:柊杏璃(№29)】 【場所:新都・民家】 【装備:マイクロウージー 32/32】 【所持品:MU予備弾 32/32 ×3、支給品一式(パン1つ消費)】 【状態:健康】 【思考:潜在的対主催】 1)お喋りしてれば怖さを忘れられる 2)春姫たちと合流したい 3)みんなでゲームを止める。あと、可能なら言峰をボコる 【名前:三枝由紀香(№48)】 【場所:新都・民家】 【装備:小雪のエプロン】 【所持品:支給品一式(パン1つ消費)】 【状態:健康】 【思考:非戦逃亡】 1)お喋りしてれば怖さを忘れられる 【場所:新都・民家の庭】 【名前:小日向すもも(№26)】 【装備:古青江(日本刀)、H K MP7】 【所持品:支給品一式】 【状態:黒化】 【思考:奉仕マーダー(小日向雄真)】 1)民家の住人を安全に殺せるチャンスを待つ 2)雄真以外全員を殺す 【場所:新都・民家・隣家1F】 【名前:間桐慎二(№53)】 【装備:シグ・ザウエル P228 09/13】 【所持品A:シグ予備マガジン 13/13 ×3、支給品一式×2】 【所持品B:手榴弾×3】 【状態:健康】 【思考:優勝マーダー】 1)3人娘vsすももの戦いに乗じて、皆殺す。 2)ゲームに忠実に優勝(できれば魔術師、魔法使いを優先的に殺していきたい) 3)ゲームを破綻されるのを阻止する 4)利用できそうな人間がいたら構わず利用する ※尊人を殺したと思っています 【場所:新都・民家近く】 【名前:上岡由佳里(№14)】 【装備:ニューナンブM60 4/5、ウージー 20/50】 【所持:UG予備マガジン 50/50 ×3、支給品一式×2】 【状態:健康。精神に異常】 【思考:無差別殺戮】 1)民家を襲撃 2)とにかく死なない 3)誰であろうと容赦なく倒す 【名前:美綴綾子(№55)】 【場所:新都・民家近く】 【装備:H K MK23 10/12】 【所持:H K予備マガジン 12/12 ×3、支給品一式】 【状態:健康】 【思考:鈴莉に殺意】 1)民家の住人と情報交換 2)鈴莉を追う。そして楓の仇を討つ 3)ゲームに乗るか乗らないか悩んでいる ※鈴莉(名前は知らない)がマーダーだと思っています。 ※さらに彼女が楓を殺したと思っています 【名前:高溝八輔(№42)】 【装備:探知機】 【所持品:支給品一式】 【状態:健康】 【思考:女の子を助ける】 1)7人(誤解)に友好的にコンタクトを取る 2)壬姫を探して保護する 3)すももや知り合いを探す 時系列順で読む 前話 うちの妹のばあい 次話 どきどきビーチ! 胸騒ぎの予感 投下順で読む 前話 EXTRAVAGANZA ~蟲愛でる少女~ 次話 どきどきビーチ! 胸騒ぎの予感 前登場 名前 次登場 厳島貴子の奇妙な冒険 3バカブラッド 厳島貴子 Dancing Crazies 厳島貴子の奇妙な冒険 3バカブラッド 柊杏璃 Dancing Crazies 厳島貴子の奇妙な冒険 3バカブラッド 三枝由紀香 Dancing Crazies Dual 上岡由佳里 Dancing Crazies Miss flying victory 美綴綾子 Dancing Crazies 黒き福音 小日向すもも Dancing Crazies 尊人オルタナティブ 間桐慎二 Dancing Crazies 黒き福音 高溝八輔 Dancing Crazies
https://w.atwiki.jp/soufro/pages/632.html
美しさを求めて マスター名 マスター シナリオ種別 シナリオ ジャンル 参加のべ人数 人 対象学校等 用シナリオ シナリオガイド概要 リアクションあらすじ シナリオ/あ
https://w.atwiki.jp/talesrowa/pages/80.html
強者を求めて ゲームが開始してから、彼はまだ誰とも会っていなかった。 森に飛ばされ、位置が特定できなかったので無駄に時間を過ごしてしまったのだ。 ようやく森を抜け、近くの教会を訪れてみたが、すでに人のいる気配はなく、 変わったところといえば、女神像から水がしたたり落ちて机の上の聖書を濡らしていることくらいであった。 次の目的地として、G5の町を目指していたとき、放送が行われた。 どこからともなくミクトランの声が聞こえる。 「そうか、アイツは死んだか」 ルーティの名前が呼ばれたのを聞いたが、それだけを思う。 このゲームに、正義や悪は関係ない。ただ強ければ生き、弱ければ死ぬだけだ。 いわば弱肉強食の世界。それは自然の摂理。彼はこの考え方に心酔している。 カイル達の時代にはノイシュタットの英雄として、外殻の落下によって破壊された町の復興に尽力すると記されているが、 それはまた別の歴史なのである。 「スタンの野郎も参加しているんだったな。今ので腑抜けてなけりゃいいがな」 自分を打ち破った唯一の男、スタン。最初の広間で他の参加者とは一線を画す力を見せつけたダオス。 大勢の前で自らゲームに乗ることを宣言したマグニス。そして、まだ見ぬ、いずれ戦うであろう強者達。 彼の心はそれらの者に対する闘争心で占められていた。 彼もまた、このゲームの気に当てられてしまったのかもしれない。 優勝した際に何を願うかは考えていない。強者を打ち負かし、このゲームで優勝すること、これが彼の願いなのだから。 もうすぐ町だ。明かりが点いているらしい。今度は誰かがいることだろう。 【コングマン】 状態:健康 所持品:レアガントレット ??? 基本行動方針:とにかく強い奴と戦い、それらを倒して優勝する。 現在の行動方針:G5の町へ 現在地:G6の街道 前 次
https://w.atwiki.jp/pawapokerowa/pages/189.html
ロマンを求めて ◆NXWWzEezZM 空は漆黒に染まり、街灯もまばらにしか見えない。 時折吹き抜ける風は、道端の草を気持ちよさそうになびかせている。 黒野鉄斎はそんな感じの夜道をゆっくりと歩きながら、これからの行動の根本となる方針を整理していた。 当面の間の最優先事項として、首輪の解除もしくは無力化、これはここに連れて来られた時から変わらない。 その為にまずはサンプルを手に入れるという結論には既に達している。 最も近道となるのは、死体から切り取るという方法。 しかしそれを実行に移すには、死体が必要であるのは言うまでもない。 それなら人が集まりそうな場所に向かうか、人が集まる場所ならば、異なる考えを持った者同士で戦闘が起こるのも不思議ではない。 そこでどちらかが死に至れば、生き残った方はそこにいつまでも居るメリットはあまりなく、死体の傍にいてはあらぬ疑いを掛けられかねない。 殺し合いに乗った者ならさらに他の参加者を殺すために動き回るだろうし、そうでなくとも疑心から起こりうるトラブルを避ける為にも殺害現場で長居をすることはないだろう。 そうとなると支給品はまだしも死体は放置される可能性が高い。 そうなれば、人が集まりそうな場所に向かうというのが一番妥当な策となる。 しかし、人が集まりやすい場所に向かうとはリスクも伴う。 前述の通り人が集まりやすい場所なら当然そうでない場所よりも戦闘が起こりやすいだろう。 だからこそ死体から首輪を入手するのならそこに行くのが手っ取り早いのだが、それは自分が戦闘に巻き込まれる可能性も孕んでいる。 そうなると自分はただの老いぼれだ。 武装だって大したことは無いし、たかゆきや立花のような人間を超越した存在が居たらまず敵わない。 老い先短い己の命、亀田の持つ技術にありつく前に死してしまってはやりきれない。 黒野はここまで考えた結果、戦闘が発生しやすいと思われる場所に赴くという選択肢を保留とする。 ならば、どうするか。 黒野にとってこの期に及んで逃げ腰になるなどあってはならない、危険を回避するための前述の選択も、言うならば戦略的撤退のようなものだ。 何より早く亀田の下に辿り着きたい、そのためには今出来る事は極力こなしていきたい。 黒野はここまで考えて、地図を取り出す事を選んだ。 現在地はD-8の辺りかと推測する。 その次には地図に載っている施設を一通り眺めた上で、この後どこに向かうべきか考える。 研究所──亀田が首輪を創り上げた過程を探る事が出来るかもしれない。 沈没船──大いなるロマンを感じさせる。 工場──首輪を解除する工具を探すのならここに行けばほぼ確実だろう。 倉庫──何らかの重要な手掛かりが隠されている可能性はある。 どこに向かっても得られる物はそれなりにありそうだ。 問題となるのはリスクに対して得られる見返りである、無論その見返りは推測の域を出る事は無いのだが。 これが普段の黒野だったなら、ロマンを求めて見返りを度外視した選択を取っていたかもしれない。 しかし今、黒野は一刻も早く亀田の技術を手に入れたいという衝動に駆られている。 リスクに見合う対価が獲得出来なければ、時間を浪費するだけ、それは拙策である。 研究所は一見それほどのリスクがあるようには見えない、そこで得られると推定出来る見返りの量も悪くはない。 沈没船、その響きには強く惹かれる、しかし得られる見返りにはあまり期待できそうにない。 工場は、武器を求めて猛者達が集う可能性を視野に入れざるを得ない、だが工具を手に入れるのを目標とするなら一番確実であると言えるだろう。 倉庫は、亀田がどういう目的でそれを造ったかによって得られる見返りは大きくも小さくもなる、しかしその目的を探るという意味も兼ねて倉庫に向かうのも悪くないかもしれない。 ここでどう動くかによって、野望にどれだけ近づけるかが決まる。 黒野はただひたすらに模索する。 ◆ ◆ ◆ 暫くして、黒野は島の中央付近に位置する駄菓子屋で休息を取っていた。 殺し合いの場には似つかわしくない、どこか懐かしい雰囲気を醸し出している、そんな場所だった。 当然、殺し合いに乗った者の襲来に備えて予め逃げ道は確保しておいてある。 一通り建物内の探索を終えたところで、黒野は改めて支給品を確認する事とした。 銃剣をすぐ手に取れる位置に置き、支給された食料の類について考えてみる。 そこにあったのは乾パンと水、量はそこまで多くない。 これでは三日も持たないだろう、ここから亀田の意図を推測してみる。 亀田は我々に首輪を付けていつでも殺せる状態にある。 殺せるのにそうしないのは、何か目的があるからだろう。 亀田は初めに、6時間に一回行われるという放送毎に『禁止エリア』なるものを設けると言っていた。 禁止エリアがどのような規模で増えていくのかは分からないが、殺し合いを長引かせたくはないと推測できる。 そこでこの食料の少なさだ、参加者同士で食料を巡る争いなども十分考えられる。 亀田は自らの手は下さないと言ったが、そこまでして殺し合いを『させる』事については拘っている。 ここから亀田が抱いているであろう野望を推理するにはまだ情報が少なすぎる。 だが亀田が興味本位などではなく、何らかの目的があって殺し合いをさせている可能性は高い。 自分だって殺す事が必要とあらば躊躇はしないつもりだが、亀田のような愚者の思惑に乗って殺し合いを積極的に進めていくようなつもりは無い。 とにかく、亀田が何らかの目的を持ってこの殺し合いを開催したと仮定すると、その目的を探る事が打倒亀田への道に繋がるはずだ。 そうなると今回の支給品に限らず、些細な手掛かりも見落とせない。 そんな事を考えて黒野は乾パンと水を念入りに観察し、しばらくしてそれらを他の支給品を取り出す代わりにデイパックの中に戻した。 やはり水滴は付いてない、結局与えられた食料からはそれくらいしか収穫は無かった。 とりあえず食料はあるに越した事は無いということで、店で並んでいたいくつかの駄菓子をデイパックに放り込み、食料に関する考察は終えた。 黒野は次にノートパソコンを取り出す事を選んだ。 外装に目立った特徴は見られない、いたって普通のノートパソコンのようである。 どうせならバッテリーの消耗を避けるために駄菓子屋のコンセントから電力を拝借したかったが、アダプターが見つからなかったので断念した。 ノートパソコンの起動が終わるまでの時間でデイパックの中をさらに漁っていると、初めに支給品を確認した時は目に止まらなかった支給品がある事に気付く。 なるほど、これは使いようによっっては中々便利そうだ。 しかれども今は特にそれを使う必要も無かったので、黒野はそれを丁寧にデイパックに戻す。 丁度、パソコンが起動し終えた頃だった。 ◆ ◆ ◆ 黒野は、ノートパソコンの中のファイルを、とりあえず表面的に見える物だけは確認した。 しかし特に目を見張るような情報は得られない、デスクトップに表示されていた物だけを確認したので当然と言えば当然である。 さてこの後はどうするか、というところで黒野はノートパソコンに表示されている時計に目をやる。 時刻は朝の5時を過ぎている、亀田の言う通りならじきに6時間に一度の定時放送とやらがあるはずだ。 亀田が指定するという『禁止エリア』とやらは聞き逃せば不利になるのは必至である。 となると、あと数十分はここにいるのが手堅い選択となる。 だからと言ってここにいつまでも長居をする訳ではない。 研究所、沈没船、工場、倉庫──、次なる行き先の候補はいくつもあった。 しかしながら黒野が選んだのは、現在地から南東の方向に位置する施設、その名をゴミ処分所と言う。 ゴミ処分所を次の行き先に決めた理由としては、まず直感的にロマンを感じたことが挙げられる。 ゴミ処分所、それは役目を終えた鉄屑が集まっているような響きである。 しかしそれを逆手に取ることが出来れば、亀田サイドの技術力を窺うことが出来る。 つまりどういうことか、亀田が処分している廃品の技術レベルを見れば、おおよその技術力が窺えるということである。 亀田陣営が何を以ってその廃品を失敗作としているのかが推測出来れば、亀田の行動の方向性が見えてくる。 運が良ければ、首輪や場内の設備の試作品などを見つける事も可能かもしれない。 勿論、本当の意味でのゴミしか見つからず、徒労に終わる可能性もある。 だが、それでこそロマンである。 常に対価を考えて行動するなど、この男にはやはり似合わない。 何も手に入れられないかもしれない、だからこそ期待が膨らむのだ。 黒野鉄斎という男は、そういう感性を持っていた。 「亀田よ、今は高みの見物に興じているが良いわ。 貴様が棄てた技術、とことん利用させてもらうからのぉ」 黒野鉄斎、それは、ロマンを何よりも愛する狂気の科学者である。 【D-6/駄菓子屋/一日目/早朝】 【黒野 鉄斎@パワプロクンポケット8】 [状態]:健康 [装備]:銃剣 [道具]:支給品一式、ランダム支給品1個(確認済み)、ノートパソコン(バッテリー消耗小)、駄菓子数個 [思考] 基本:亀田の技術を手に入れた上で生きて帰る 1:まずはゴミ処分所を目指す 2:首輪を外す [備考] ※参加時期は未定 ※当たり前の事ですがヒーローのことは忘れています ※デイパックに駄菓子がどれくらい詰められたか、どんな駄菓子が入っているかは後の書き手にお任せします 投下順に読む 047 ファースト・コンタクト← 戻る →049 友情 時系列順に読む 047 ファースト・コンタクト← 戻る →050 仲間/強制 前へ キャラ追跡表 次へ 022 黒野鉄斎の世界征服への道 黒野鉄斎 061 野望と忠誠のすれ違い
https://w.atwiki.jp/omogame/pages/51.html
Top ゲーム一覧 オムの木を求めて ダウンロード ダウンロードは制作者のウェブサイトから行ってください。 その他 制作者のウェブサイト ゲーム作成ツール RPGツクール2000 Top ゲーム一覧 オムの木を求めて
https://w.atwiki.jp/flo-wiki/pages/49.html
最強の座を求めて 最強の座を求めてクエスト一覧 クエスト一覧 猛き赫冠の王 隆々たる双角 霊峰の絶牙
https://w.atwiki.jp/shichouseiko/pages/282.html
オアシスを求めて 1985年10月26日(土)21 00~22 30(NHK) 視聴率はビデオリサーチ調べ(関東地区) 【表組】 サブタイトル 放送日 視聴率 ドラマスペシャル 「オアシスを求めて」 1985/10/26 5.8% 視聴率一覧へ戻る トップページへ戻る
https://w.atwiki.jp/taleswords/pages/674.html
釣り針を求めて【クエスト】つりばりをもとめて 発生条件 無し 龍泉郷のNPC佳実(カシル)から発生するクエスト。 必要となる物は精霊草x1、武闘虎の毛皮x10、炎の果実x30、最高級花束x3、洞窟ダック羽根x50。 最高級花束の材料である青い薔薇は、このクエストの途中で3本もらえるので新たに買う必要はない。 途中で釣りに関するクイズ2問と、スクープ(強)x5との戦闘がある。 最終的な報酬は、疾風の薬草x10+釣りざお+EXP6,500+50,000seed+釣り・漁獲スキル習得となっている。 ↓関連 あわてないあわてない
https://w.atwiki.jp/vsotogi/pages/217.html
戦士を求めて スタミナ:16 バトル数:5 経験値の目安:4953 クリア時の絆報酬 報酬がもらえる確率は、デッキに組まれているオトギで一番絆をもってるオトギの絆値が当たる確率として適用される(合計値ではないので注意) 報酬が当たった場合は、以下の中から絆報酬が選ばれる(100%の絆値をもったオトギがデッキに入ってると報酬は2個もらえる) 素材:火炎の花 , 聖水の花 , 疾風の花 オトギ :御影石・火 中 , 御影石・水 中 , 御影石・風 中 , 御影石・金 中 チケット:なし バトル1 パターン1(全1パターン) 出現確率 100% オトギ 属性 HP 攻撃 防御 ターン 優先ドロップ(サブドロップは同属性葉っぱとサボテン) face_20400.png ピエロ・火 火 8200 3300 1720 1 ピエロ・火 30% face_20410.png ピエロ・水 水 9000 5800 150 1 ピエロ・水 30% face_20420.png ピエロ・風 風 9850 4200 745 1 ピエロ・風 30% バトル2 パターン1(全1パターン) 出現確率 100% オトギ 属性 HP 攻撃 防御 ターン 優先ドロップ(サブドロップは同属性葉っぱとサボテン) face_30470.png 比丘尼 火 15000 3600 85 1 比丘尼 20% face_20420.png ピエロ・風 風 9850 4200 745 1 ピエロ・風 30% face_20400.png ピエロ・火 火 8200 3300 1720 1 ピエロ・火 30% バトル3 パターン1(全1パターン) 出現確率 100% オトギ 属性 HP 攻撃 防御 ターン 優先ドロップ(サブドロップは同属性葉っぱとサボテン) face_20420.png ピエロ・風 風 9850 4200 745 1 ピエロ・風 30% face_40340.png セブンゴート 火 32000 4800 2500 2 火炎の花×1 15%火炎の果実×1 10%火炎の結晶×1 5% バトル4 パターン1(全1パターン) 出現確率 100% オトギ 属性 HP 攻撃 防御 ターン 優先ドロップ(サブドロップは同属性葉っぱとサボテン) face_30470.png 比丘尼 火 15000 3600 85 1 比丘尼 20% face_40340.png セブンゴート 火 32000 4800 2500 2 火炎の花×1 15%火炎の果実×1 10%火炎の結晶×1 5% face_40340.png セブンゴート 火 32000 4800 2500 2 火炎の花×1 15%火炎の果実×1 10%火炎の結晶×1 5% バトル5 パターン1(全1パターン) 出現確率 100% オトギ 属性 HP 攻撃 防御 ターン 優先ドロップ(サブドロップは同属性葉っぱとサボテン) face_40060.png ウィッチ 水 180000 6200 900 2 聖水の花×1 15%聖水の果実×1 10%聖水の結晶×1 5% face_30470.png 比丘尼 火 15000 3600 85 1 比丘尼 20%
https://w.atwiki.jp/nijiuradegityou/pages/38.html
第60話 「裏切りと謀略と無謀の行き着く先」 最近動きのなかった最後の大隊の総攻撃が始まった。 目標は炒飯城。裏切り者の汚名をよしとし、ダンテは罠をかけ始める。 さらに、沖田艦長はヤマトを進発、宇宙勢力の一掃を目論み、議長軍に単独で攻勢をかける。 双方損害が激しい戦闘の裏で、漁夫の利を狙うシロッコ。さらにジェネシスを破壊しようとGXが現れる。 また、手薄な成都に対して騎士団が攻撃をしかけ、オーブ、議長は劣勢を強いられる。 だが、望みはあった。 ゴッドガンダムを駆り、単独でイザークが騎士団を押さえつければ、テロリストAA艦隊が飯店の援護に回る。 キラが撃墜されながらも、カガリたちも集まり、一進一退の攻防を繰り広げる。 そして、その様子をみつめるもう一人の「キラ」の姿。戦局はどこに動いていくのか。