約 664,583 件
https://w.atwiki.jp/akatonbo/pages/1945.html
小さな大人-A cold border- 作詞/にゅる 正しいことを正しいと 思える強さがない 人の言葉で意志を曲げるような弱虫 それが正義であるか 考えることも出来ない 人の言葉で傷ついた心を隠してる僕達 楽しい時に笑い 悲しい時には泣き でも今はそんな気持ちさえ 押し殺して生きている 僕らは 小さな大人 何かから逃げ続けてる あまりに怖くて暗い事が多すぎるから 僕らは 小さな大人 演じるのにも疲れた その線を跨いで 向こう側へ渡れる日は来るのかな 僕らは… 僕らは… 僕らは小さな大人 悲しい時にさえ笑った それが強さだと信じて生きてく 僕らは…
https://w.atwiki.jp/byoujaku/pages/12.html
消灯時間の過ぎた夜の廊下を女性看護師が足早に南棟へ向かっていった。 また、誰か死ぬのだろう───。 亜弥は柱の影で遠ざかる足音を聞きながら、ぼんやりとそんな事を思っていた。 やがて周囲に静寂が戻ると、彼女は高鳴る胸元をパジャマ越しに押さえて呼吸を整え、 見慣れた広い廊下を歩きだした。夜間照明と非常出口の緑色、消化灯の赤色だけの世界 に薄っぺらなスリッパの音だけが響いていく。 新米医師の深谷知司は自分の控え室で勉強に没頭していた。 難病奇病の患者が集まるこの白昼塚病院のサナトリウムで長く医師を続けていくため には、最初からすべて諦めて受け入れるか、無慈悲な現実に抗い続ける努力をしなくて はいけない。どちらにも属せず、あるいは途中で心が折れた者は遅かれ早かれ病院を出 て行くのが通例だった。若く熱意のある知司は目標の遠大さに苛まされつつも後者を選 んだ側の人間だ。 電気スタンドに照らされた大きな机に何冊も本を広げて見比べては、まだ僅かな経験 を少しでも知識で補うべく、自分なりの考えを交えては熱心にまとめてノートに書き写 していった。 「センセ、忙しい……?」 黙々と集中していた知司は不意に背後からかけられた声に驚いた。 振り向けば、戸口には寄りかかるようにして亜弥が立って静かに室内を眺めている。 17才の深く澄んだ大きな黒い瞳は、その焦点を自分に向けているようでもあり部屋全体 を一つの景色のように漠然と眺めているようでもあって、どこか虚ろにも感じられた。 「いや」 知司は思わず視線を外して短く答えると、慌ただしく本を閉じて脇に置いてあった小 さな診察椅子を自分の前に引き寄せ、亜弥に腰を下ろすように促した。 小さな笑みを浮かべた亜弥が椅子に座ると細い肩に黒髪が流れ落ちていき、何気ない 仕草から、色白で小さな身体にも年相応に女性らしい丸みが帯びているのが感じられる。 薄い布地越しに柔らかな膨らみが浮かんでいて、知司は一瞬、無意識に視線を奪われて いた。自分でそれに気付いて慌てて目を泳がせると、亜弥はかすかに笑っているようだっ た。 「消灯時間は過ぎてるよ、こんな時間にどうかしたの」 「少し熱っぽくて」 その言葉に冷静さを取り戻した知司は自分の椅子を近づけて膝を突き合わせ、彼女の 額に軽く手のひらを当てた。小顔のわりにやや広めのおでこは滑らかで、その感触を診 るかぎりでは特別に熱が高いこともなく、すぐに大事というわけでもなさそうで少し安 心する。 「胸も少し───」 続けられた言葉に頷き、知司は引き出しから聴診器を用意してチェストピースを少女 に向けた。 亜弥が伏せ目がちな表情でパジャマの釦をひとつひとつ外して前を開くと、膨らみ始 めの張りのある胸があらわになる。下着はつけていなかった。 パジャマにくっきりと浮かび上がっていた胸の形を思い出せば薄々分かってはいたが、 いざ目の前に少女の裸体が晒されれば、知司の動きは止まって目を釘付けにされてしま う。不謹慎に震える指先を隠しきれないまま、冷たさのある聴診面を亜弥の真っ白な胸 の下に宛てると、お互いの吐息が漏れた。 「緊張、してるね。でも変わったところはないようだけど……」 「深谷先生……」 知司ができるだけ意識してしまわないように気をつけながら何カ所かを調べて注意深 く体内音を探っていると、その手を亜弥が掴んで止めた。 小さな両手に細い指先で知司の手から聴診器をそっと奪うと、そのまま男の手のひら を自分の胸に直接当てさせた。 知司は息を飲んで亜弥の顔と、自分の触れている彼女の胸を見た。 恥ずかしそうに視線を落としながら緊張している彼女の鼓動が、手の下から直に伝わっ てくる。しかしそれよりも、まだ芯の方に少し硬さのあるような少女の胸の柔らかさと、 ぴったりと吸い付くような肌の感触、そして手のひらの中央に当たる乳首の印象の方が 遥かに強烈だった。あの無垢なピンク色の乳首を押しつぶし、純白の乳房を手の中に収 めている事実に、あまりに多くの感覚と感情が去来して知司の思考回路を麻痺させてい た。
https://w.atwiki.jp/aidaze/pages/184.html
♪小さな恋のうた 作曲 作詞
https://w.atwiki.jp/beatles801/pages/152.html
苺畑で捕まえて 崖の上で子供達が遊んでいる。崖の上には、黄金色に輝く稲穂が生い茂っている。 子供達は駆け回ったり、縄跳びをしたり、あるいは、かくれんぼをしたりブランコを漕いだりしている。 金の稲穂の波は子供達に巻きついてその腕の中へ引き入れようとしている。子供達のはじゃぐ声にまぎれて稲穂は静かに、ゆっくりと、歌いかける。 時折ざわざわと風のベールを羽織った金の綿毛のような髪は、子供達の小さな身体を包み込んで抱え込む。 子供というのは、残酷なものだ。純粋な瞳とは裏腹に、生き物を殺したり、残酷な遊びを考案したりする。 今も、数人の幼い男の子たちは首吊りごっこなる危険な遊びをしている。 栗色の髪をした子が赤毛色で、そばかすの男の子に死体役をやらせようとしている。 死体役に抜擢された子はいかにも弱そうで加害を受けるタイプに見える。 男の子たちは死体役を囃し立てて今か今かと待ちわびている。 男の子はそれを必死で拒否したが、とうとう無理やりやらされてしまった。 男の子はロープに首をかけると、首吊り死体の真似をしてみる。男の子は、目を瞑って首を下に下ろした。 周りに居る子たちは、面白がってもっとやれとはやし立てている。 悪い子 悪い子出ておいで 悪い子にはお仕置きをしよう 悪い子は鞭で叩いて小さな頬を千切って箱に閉じ込めてしまおう 悪い子 悪い子出ておいで みんな みんな出ておいで 女の子たちは男の子たちなんかほっといて花を片手に歌を歌っていたり、駆け回っていたりする。 さきほどの男の子の顔色が変わってきた。男の子は必死にロープから降りようともがいた。 もがいて手足を暴れさせている。ロープは、ますます男の子の首に食い込んでいる。 下にいる男の子たちは、また面白がって指でつついたり、見たりしている。 まだロープが首に付いている男の子は、手足をじたばたさせて仲間に助けを求めている。 仲間達は助けないようだ。残酷な、子供ならでは無垢な笑いが響いている。 子供だから、こんな残酷かつ非道極まりない遊びは許されるのだ。 ぶら下がった男の子が、手足の動きを止めて木がざわざわと風に誘われてワルツを奏でた。 木の上では、色の白い男の子が本を読んでいた。 男の子はよく見れば、色の白い綺麗な肌に加え、日に透けるような金髪と形の好い鼻、やや鋭いが、寂しげな目を持っている。 木の上で読書をする、どこか物憂げでけだるげな雰囲気に太陽でさえ驚いて、陽を当てるのを恐れてしまうだろう。 歳は下にいる子供たちより上なのか十歳に見えた。 下はまだ賑っていたが、上はページを静かに捲る音と、風で木がざわざわと揺れる音だけが響いている。 下では相変わらず小さな子供達が戯れている。 男の子はふと下に目をやった。そしてまたページに目を戻した。 突然、下で悲鳴が上がった。 断末魔を引き裂くようなその悲鳴の先には刃物を持ち眼を光らせた、中肉中背の男がいまかいまかと子供たちを狙っている。 子供が一人殺された。かわいい栗毛の女の子だ。女の子は、遊んでいたところを後ろから襲われた。 八歳の、短い命だった。 次に死ぬ子はだぁれかな? かわいいかわいい子供たち 怖がらないで出ておいで さぁさぁ出ておいで おいしいお菓子をあげたなら 後ろから銀のナイフを突き刺して血で最後の飾りを食卓に飾ろう 男の子は、みんなを守ろうと木から下りた。悪い子も、逃げ惑っている。 逃げても、逃げても、男は後ろから追ってくる。 みんなは逃げて惑った。泣いている子や、追っ払おうと立ち向かっている子もいた。 さっきまで木の上に居た男の子は、男を追い払おうと必死で掴みかかった。 掴みかかって、ナイフが男の子の膝を掠めた。 男の子の膝からは、血が出ている。 それでもこの美しい場所からみんなを守ろうとした。 その時、男の子がぱったりと倒れた。男が、男の子の血のついたナイフを持ったまま、笑っている。 みんなは倒れた場所に駆け寄った。男の子の身体から、赤い水が流れ出て、稲穂を濡らした。 もう、男の子の身体は何個も穴が開いている。男の子は最後の息をして、みんなを守れなかったことを悔やんで泣いた。 それは、別れの涙でもあった。男の子の白い頬も、みんなの頬も涙で濡れて潤んだ。 男の子は意識が薄れゆく中で、みんなに謝った。 ごめんね。守れなくて、ごめんね。その声はか細い声だった。か細い声で、さよなら、と呟いた。 男の子は遠い国に旅立っちゃった。天国という名の遠い国には何があるのかな? この崖の上には苺畑がある。 みんなの、大事な、大事な畑だよ。みんなで育てた大事な苺は、男の子の流した血の色とおんなじ色をしてたんだって。 あとから遊びに来た、眼の大きな男の子と、茶色い髪の男の子はなんにも知らなくて泣いてたんだって。 苺畑で捕まえたら、優しく殺して大事に、大事に育てよう。 小さな、小さな宝物を。 完
https://w.atwiki.jp/apgirlsss/pages/630.html
イエローハートの証明 ( 第5話:小さな手がかり(前編) ) 久しぶりに使われる大きめの寸胴鍋から、あたたかそうな湯気が上がる。 その隣りでは、フライパンがジュージューと楽しげな音を響かせる。 テーブルに並べられた四枚のお皿。出窓に飾られた、スズランの切り花。 その全てを、嬉しそうに、懐かしそうに、愛おしそうに見つめる少女――。 あゆみは、その姿を微笑みながら目で追いかけ、時折そっと目をしばたいていた。 せつなが帰って来る――パート先のスーパーにラブから電話がかかって来たのは、昼過ぎのことだった。そこからはもう仕事が全く手に付かず、食材を山のように買い込んでスーパーを早退。連休で家に居た圭太郎と一緒に、何はともあれ、ご馳走の準備に取りかかったのだ。 もっとも、せつながここに居られるのは、せいぜい数日のことらしい。それにラブの口ぶりから察すると、どうやらただ家族や友達に会うために帰って来たというわけでもなさそうだった。 おそらく、話せないこともあるのだろう。それでも、涙を浮かべて駆け寄って来た娘を抱き締められただけで、彼女の元気な顔を見て、声が聞けただけで、あゆみは十分に嬉しかった。 「お母さん、ごめんなさい。全然お手伝いしないで・・・。」 料理の皿を運びながら申し訳なさそうな顔をするせつなに、あゆみは笑ってかぶりを振る。 「そんなこと気にしないのよ、せっちゃん。じゃあ次は、スープ皿を出しておいてくれる?」 それを聞いて、せつなが嬉しそうに目を輝かせる。 「お母さんのスープ、凄く楽しみ。」 「そぉお?久しぶりに作ったから、美味しく出来てるといいんだけど・・・。」 そう言いながら、スープを小皿に取ってひと口啜ったあゆみが、もう一度スープを取って、今度はそれをせつなに差し出した。 「え・・・私?」 「ええ。味見してくれる?」 あゆみにそう言われて、真剣な面持ちで小皿に口を付けたせつなが、ゆっくりと笑顔になる。 「美味しい。」 「良かった。塩加減、ちょうどいいかしら。」 「うん・・・お母さんの、味だわ。」 言うなり照れ臭そうに真っ赤になったせつなの顔を覗き込んで、あゆみもうっすらと頬を染めた。 せつなが持って来たスープ皿に、あゆみがスープを注ぎ分けていく。その手元を見つめていたせつなが、呟くような声で言った。 「私も最近、お母さんやラブに教わった料理、作ってるの。」 「まあ、何を作ったの?」 「ハンバーグと、野菜スープとサラダ。まだ、それだけなんだけど。」 「そう。」 せつなの声に少し陰りがあるような気がして、あゆみがもう一度、その顔を覗き込む。 (何か、上手くいかないことでもあるのかしら。) だったら相談してくれれば・・・そう言おうとした時、せつなはパッと顔を上げて、ニコリと笑った。 「料理を教えてもらっていて、良かったわ。ありがとう、お母さん。」 「どういたしまして。料理のことなら任せなさい。何でも聞いてね、せっちゃん。」 あゆみは、せつなの目を真っ直ぐに見つめてそう答えてから、悪戯っぽく、パチリとウィンクをしてみせたのだった。 イエローハートの証明 ( 第5話:小さな手がかり(前編) ) 次の日の朝、一人でカオルちゃんのドーナツ・カフェを訪れたせつなは、開店準備をしている人物を見て、あ、と小さく声を上げた。 隼人が、片手に三脚ずつ、合計六脚の椅子を軽々と持ち上げて、カフェのセッティングをしている。そして、くるりとこちらを振り返ると同時に、笑顔で声を張り上げた。 「いらっしゃいませ!もうすぐ開店・・・って、なんだ、イースか。」 「なんだ、は無いでしょう?私だってドーナツ買いに来たんだから。それに、この町でその名前で呼ぶのは止めてって、何度も言ってるでしょ!」 隼人を軽く睨みながら、せつなが小声で文句を言う。 昨日の夕方、さぁ帰ろう、というときになって、隼人の宿泊先が問題になった。 ラブは、是非一緒に家に来て欲しいと誘ったのだが、公園のベンチで寝られれば十分だと、隼人は頑固に言い張った。それを見ていたカオルちゃんが、いつもの軽~い調子で隼人の肩を叩いたのだ。 「なぁ兄弟。せっかくだから、今夜は再会を祝して、男同士で一杯やろうや。そんでもってさ、ついでにこの車に泊まって、仕込みと開店準備、手伝ってくれない?」 驚いたことに、カオルちゃんのワゴンは内部に巧妙に折り畳まれたベッドを隠し持っていて、キャンピング・カーにもなる代物らしい。 大好きなドーナツ・ワゴンに泊まれるとあって、隼人はさっきまでの頑固さが嘘のように、目をキラキラさせてカオルちゃんの提案を受け入れたのだった。 そして、せつなの方は、これから祈里のお見舞いに行くところだった。ドーナツは、その手土産だ。 本当は三人で行きたいところだけれど、ナケワメーケの謎の手がかりも急いで探さなくてはならない。 そこで、お見舞いには一人が行こうということになったのだが、それならせつなが行くべきだ、せつなと久しぶりに会えたら、祈里は大喜びで具合も良くなるに決まってるからと、ラブと美希が強く主張した。 祈里のことが気になって仕方がないのは、三人とも一緒だろう。それを、一刻も早くせつなを祈里に会わせようという心遣いが嬉しくて、せつなは有り難く、二人の申し出を受けることにしたのだ。 不満そうに口を尖らせていたせつなが、改めて隼人の姿を見て、クスリと笑った。 「どうした。何か俺、おかしいか?」 「ううん。その格好、なかなか似合ってると思って。」 「ああ、これか!カオルちゃんが、予備を貸してくれたんだ。」 嬉しそうに胸を張る隼人が身に着けているのは、カオルちゃんがいつも着けているのと同じ、ドーナツが大きくプリントされたクリーム色のエプロンだ。と言っても隼人が身に着けると、何だか妙にエプロンが小さく見えてしまうのだが・・・。 「服装なんて、今まで気に留めたことなど無かったが、これを着けただけで、何だかいっぱしのドーナツ屋になった気がするから、不思議なもんだな。」 「良かったわね。四つ葉町で一番好きな場所で、お手伝い出来て。」 隼人の言葉に、せつなが少ししみじみとした口調になる。 「手伝いだけじゃないぞ。開店前の時間を使って、何とドーナツの作り方を教えてもらえることになったんだ!そうだ、イ・・・いや、せつな。さっき作った俺のドーナツ、試食するか?」 隼人が目を輝かせ、得意そうに身を乗り出したとき、ワゴンの中から、いつもの能天気な声が聞こえてきた。 「やめときな、お兄ちゃん。ま~だまだ、人様に食べて頂くようなレベルじゃないよ~ん。」 「あ・・・カオルちゃん、いや、師匠!すまん、つい・・・」 隼人が慌ててワゴンの方を振り返ってから、バツが悪そうに頭を掻く。そんな隼人にひとつ頷いて、カオルちゃんはニカッと笑った。 「開店準備までって約束だから、今日はもういいよ、ありがと。お嬢ちゃんは、ドーナツ買いに来たんだろ?何にするの?」 いつもと同じ、のほほんとしたカオルちゃんの顔。が、せつなには一瞬、それがダンスをしているときのミユキの顔に重なって見えたような気がした。 ☆ カオルちゃんに詰めてもらったドーナツの袋を抱えて、せつなは一人、クローバータウン・ストリートを歩く。 時折、顔見知りの商店街の人たちが、親しげに声をかけてくる。それに笑顔で答えながら、せつなは降り注ぐ春の日差しに、眩しげに目を細めた。 一年前――まだイースだった頃は、人々の笑顔が胸に痛くて、これは絶対者を持たない弱い人間たちが、ただ馴れ合って生きていくための仮面に過ぎないのだと、自分に言い聞かせていた。いや半分は、実際にそう思っていた。 でも、この町で暮らすようになって、少しずつ分かってきた。 この町の人たちは、互いを思いやり、支え合って生きている。それは単に馴れ合うことでなく、一緒に生きていく仲間として――喜びや悲しみを経験し、時には困難や不幸を乗り越えながら生きていく仲間として、互いに想いを届けるということ。その想いが嬉しくて、楽しくて、あったかいから、幸せを感じ、笑顔になれるのだということを。 (そのことを――これまでお互いに関心の無かったラビリンスの人たちに、どうやって伝えればいいのかしら・・・。) いつしか考え込みながら歩いていたせつなは、 「あら、せつなちゃんじゃない!」 聞き覚えのある柔らかな声に、驚いて顔を上げた。 目の前に立っていたのは、茶色のロングヘアに優しそうな目をした女性――。山吹尚子。祈里のお母さんだ。 「久しぶりね~。こっちに帰って来るって、美希ちゃんから聞いたわ。元気そうで良かった。」 「尚子おば様!今、ちょうどお宅に伺おうとしていたんです。あの、ブッキー、いえ、祈里さんは・・・。」 心配そうなせつなの言葉に、ブッキーでいいわよ、と微笑んで、尚子はそっと目を伏せた。 「一昨日から、熱を出しちゃってね。それはすぐに下がったんだけど、その後、部屋に籠ったきりなの。具合はもうそれほど悪くはないはずよ。だから、そろそろ出て来て欲しいんだけど。」 「部屋に籠ったきりって・・・何かあったんですか?」 尚子は小さく溜息を付くと、近くにあった喫茶店を指差して、ちょっとお茶していかない?と、せつなを誘った。 「犬に噛まれた?」 相変わらず穏やかに微笑みながら話される、ちっとも穏やかではない話に、せつなが目を見開く。 「それで、怪我は?大丈夫なんですか?」 「ええ、怪我は大したことないの。ただ、祈里には初めてと言っていい経験だったし、自分がよそ見をしていたせいだったってこともあって、よっぽどショックだったみたいね。その後、入院患者のケージにも近寄ろうとしなくなっちゃって・・・。あの子は小さい頃から動物と仲が良かったから、余計に落ち込んでいるのかもしれないけど。」 「そうですね。私は動物のことはよく分かりませんけど、ブッキーが犬に噛まれるなんて、想像できません。」 心配そうな面持ちのせつなに小さく微笑んで、尚子が紅茶をひと口啜る。 「でもね。実際、動物に噛まれることは、獣医にはよくあることなの。動物は言葉を喋れないから、自分の気持ちを説明したり、誤解を解いたりなんて出来ない。だから、獣医は動物たちとたくさん触れ合って、いろんな経験をしていく中で、彼らとの付き合い方を――寄り添い方を、学んでいくしかないの。 まあ、噛まれて成長する、なんてことは言わないけど、だからこんな失敗も、大切な経験。決して無駄とは言えないのよ。」 静かな語り口ながら、はっきりとした物言い。物腰の柔らかい、大人しい人だとばかり思っていた尚子の意外な一面を見た気がして、せつなは何だか新鮮な気持ちで、祈里によく似た大きな瞳を見つめる。 その目元には、うっすらとしたクマがあった。獣医の立場から冷静に語ってはいるけれど、やっぱり祈里のことが心配で、尚子自身も消耗しているのだろう。 せつなのそんな視線には気付かず、尚子は相変わらず穏やかな口調で話を続ける。 「人間だってそうよね。言葉は喋れても、自分の気持ちが上手く伝えられなくて、喧嘩したり、言い争ったり。でも、そうすることで近付けることだってあるでしょう?私にも、覚えがあるわ。」 「おば様が?おば様は、誰かと争うことなんて無さそうに見えるのに。」 せつなの言葉に、尚子がニコリと笑う。 「それこそ誤解よ。せつなちゃんこそ、誰かと喧嘩なんか、したことないんじゃない?」 「そっちの方こそ、大きな誤解です。」 大真面目に答えるせつなに、尚子が小さくふき出す。それをきっかけに、二人は顔を見合わせて、クスクスと笑った。 「祈里には、早く立ち直ってほしいんだけど・・・でも、「よくあること」だなんて、あの子には言えなくてね。獣医が患畜に噛まれること自体はよくあることでも、ひとつひとつの経験はみんな違うから、それを大事にしてほしいし。」 「経験は・・・みんな違う?」 自分に言い聞かせるような口調で語る尚子に、せつなが小首を傾げて問いかける。 「ええ。噛まれた状況も、動物の種類や性格や状態も、それから噛まれた本人の状態もね。 何でもそうだと思うけど、経験って、同じものなんてひとつも無いんじゃないかしら。だから、前回はこうだったから、なんて、簡単には言えないのよ。」 「じゃあ、例えばおば様や正先生のようにたくさん経験を積んだ人でも、ブッキーが経験したことの全ては分からないってことですか?」 思わず叫ぶようにそう言ってから、せつなはハッと我に返った。 「・・・ごめんなさい。私、凄く失礼なことを・・・」 「いいえ、そんなことないわ。」 尚子が優しくかぶりを振って、せつなの目を覗き込むように見つめる。 何かを真剣に伝えようとするときの、祈里の表情とそっくり――そう思った時、祈里よりもきびきびとした、でも同じくらい柔らかな声が、せつなの耳に届いた。 「確かに、私たちは獣医として多くの経験を積んでいるけれど、祈里が経験したこと、全てが分かるわけじゃないわ。私たちに出来るのは、自分の経験や、反省や、そこから学んだことを大事にして、出来るだけ正確に伝えること。その中から、自分の経験に合ったヒントを見つけるのは、祈里自身なのよ。」 尚子はそう言って、フッと小さく笑う。 「ごめんなさい。祈里に言いたいことを、あなたに聞いてもらったみたいで・・・。偉そうに言ってるけど、今言ったことは、私が最近、自分に言い聞かせていることなの。私は、あゆみさんやレミさんに比べて、どうも娘に甘いところがあってね・・・。でも、祈里は真剣に獣医の道を目指しているし、それに、もう小さな子供じゃないんだし、ってね。」 さっきと違う、少し照れ臭そうな笑顔で紅茶を飲む尚子を、せつなもさっきとは違う、少し潤んだ瞳で見つめる。 娘の友人である自分――この世界ではまだ子供の部類に入る自分を、一人前の大人のように扱って、心を開いて真剣に話をしてくれた――。その喜びが、せつなの胸を満たしている。そして、その話の中から、とても大切なことを教えられた気がした。 自分は、祈里のヒントになるようなものなんて、何も持ってはいない。でも、そんな自分にもできることがあるということは、祈里も含めた仲間たちに教わって知っている。 「ありがとうございます、おば様。私もブッキーのこと、精一杯応援します。」 明るくそう言い放つ少女に、尚子はにっこりと笑って、ありがとう、と頭を下げたのだった。 ☆ 買い物に行く途中だったという尚子と別れ、せつなは山吹動物病院に向かった。さっき尚子から聞いていた通り、今日は病院は休みで、シャッターが閉まったままだ。 病院の横手にある、病院の通用口 兼 母屋の玄関に向かおうとした時、病院の周りをうろうろしている一人と一匹に気付いて、せつなは足を止めた。 「タケシ君!ラッキー!」 「あっ、せつなおねえちゃん!帰って来たんだね!」 タケシ少年がそう叫ぶより早く、ラッキーが喜び勇んでせつなに飛びついた。 「それで、どうしてこんなところに居るの?タケシ君。」 ひとしきり再会を喜んだ後、せつなが、せわしなく尻尾を振るラッキーの首筋を撫でながら、不思議そうに問いかける。 タケシ少年は、うん・・・と小さく頷いてから、二日前に祈里と会った時のことを、せつなに話した。 「僕、なんで祈里おねえちゃんが僕たちから逃げたりしたのか、気になっちゃって。それで、ラッキーと昨日も病院に来たんだ。でも、昨日も今日も病院がお休みで・・・。 ねえ、せつなおねえちゃんは、祈里おねえちゃんに会った?祈里おねえちゃんが一体どうしちゃったのか、知ってる?」 途中から真剣な顔つきで何かを考えていたせつなは、今にも泣きそうな顔になったタケシ少年と、慌てて目を合わせた。 「私も本人とは会ってないけど、ブッキー、具合が悪いらしいの。」 「具合が悪いって、病気?」 「詳しいことは分からないわ。でも、一昨日熱が出たっておば様が言ってたから、タケシ君と会った時も、そうだったのかもしれないわね。」 「そっか・・・じゃあ祈里おねえちゃん、もしかしたら僕たちに病気を伝染したらいけないと思って、それで「来ないで」って言ったのかな。」 心配そうな、悲しそうな、それでいて少し嬉しそうな、何とも複雑な少年の顔。それをじっと見つめてから、せつなは悪戯っぽくニヤリと笑って、二階の一角を指差した。 「ねぇ、タケシ君。ブッキーの部屋は、あそこなの。ここから叫べば聞こえると思うから、三人で呼びかけてみない?」 「え・・・でも、あの部屋はカーテンが閉まってるし、祈里おねえちゃん、寝てるかもしれないよ?」 せつなは少し考えてから、目を閉じてじっと耳を澄ませる。やがて、せつなの鋭い聴覚が、一階を歩いているらしい、かすかな足音をとらえた。 「ああ、祈里。何か飲むか?」 ギシッと椅子が軋む音に続いて、正の声が聞こえる。それに対する祈里の返事は聞こえなかったが、その直後に、階段を上がっていく足音が確かに聞こえた。 やがて、二階の扉がバタンと閉まる。そこからきっかり三秒数えて、せつなは大きく息を吸い込んだ。 ☆ 階段を上りながら、祈里はため息をついていた。 昨日は結局、家から一歩も出ないばかりか、部屋からもほとんど出ずに過ごしてしまった。しかも、隣町の牧場へ行っていた両親の帰りが、父の予想に反して深夜になってしまったので、大半を独りで過ごしたと言ってもいい一日だった。 こんなことは、もしかしたら生まれて初めてのことかもしれない。今回のように両親が家を空けることは幼い頃からよくあったが、今までは、幼馴染のラブや美希、それに何より動物たちがいつも一緒だったのだから。 何をするでもなく、何かをする気も起きず、ただベッドの中で膝を抱えて、昨日からの悪夢をグルグルと頭の中で繰り返す――。 が、そんな祈里の目を覚まさせるようなニュースが、今朝になって飛び込んできた。 せつなが帰って来たというのだ。昨日、母の出がけに美希が知らせに来てくれたのだという。母は、急いで祈里に知らせようとしたのだが、彼女が眠っているようだったので、そのまま出かけてしまったらしい。 昨日、リンクルンに何度も着信があったのは、このためだったのだ。ひょっとしたら、せつなと連絡が取れたのかも・・・という程度にしか考えていなかったのだが、まさか本人が帰って来るだなんて。 ごめんね、と謝る母に、ううん、と首を横に振りながら、祈里は久しぶりに、心の奥からやる気が湧いてくるのを感じた。 (せつなちゃんに会いたい!) リンクルンに連絡することは、最初から頭に浮かばなかった。 会って顔が見たい。声が聞きたい。話がしたい。 そのためには――何とかこの状況から抜け出さなくては! あれから一日以上経っているし、シャワーも浴びてあんなに丁寧に洗ったのだから、もう大丈夫――それを確かめるために、まずは患畜のケージの前まで行ってみることにした。 だが、現実は・・・。 (やっぱり、また動物さんたちに嫌われるかと思ったら、わたし・・・。) ケージがあるスペースへと続く母屋の扉を、どうしても開けることができない。動物たちの怯えた目を、威嚇する声を思い出すと、足が前に進まないのだ。 しばらく扉の前に立ち尽くしてから、祈里はまたのろのろと、自分の部屋へと歩き出した。 「ああ、祈里。何か飲むか?」 久しぶりの休みで新聞を読んでいた父が、そう声をかけてくる。祈里は何とか笑顔を作ると、小さくかぶりを振って、部屋を出た。 階段を上りながら、思わずため息が出る。 (ダメね、こんなんじゃ・・・。) このまま自分の部屋に閉じ籠っていても何も始まらないのは、昨日一日でよく分かっている。 ならば、何か自分に出来ることから――そうだ、まずはリンクルンのメールをちゃんと確認しよう。そう思いながら、自分の部屋に戻って扉を閉め、机に歩み寄ろうとした、その時。 「ブッキー!」 窓の外から聞こえてきた声に、祈里は大きく目を見開いた。 聞き間違えるはずがない。この声は――。 「せつな・・・ちゃん?」 気が付いたら窓を開けていた。見下ろすと、病院の夜間通用口の前に、懐かしい親友の姿がある。 「せつなちゃん!」 窓から身を乗り出してそう叫んだ時、彼女の隣にいる人物に気付いて、祈里の動きはそこで止まった。 「タケシ君・・・。ラッキー・・・。」 一瞬、祈里の脳裏に、一昨日の光景が蘇る。タケシ君の戸惑った顔。そして、そんな飼い主を庇うように立ちはだかり、歯をむき出して唸り声を上げていたラッキーの姿が。 だが。 ――ワン!ワン!ワン! 高らかな犬の吠え声が、祈里の悪夢を吹き飛ばした。ハッハッとせわしない息を吐きながら、ラッキーがこちらを見上げて、その尾を千切れんばかりに振っている。 キルンがいなくても、ラッキーが自分の顔を見て喜んでくれていることがひと目で分かる。そしてその隣で、タケシ少年も笑顔で手を振っていた。 「祈里おねえちゃーん!もう、熱は下がったの?早く元気になって、また遊ぼうね~!」 「タケシ君、ラッキー・・・ありがとう!」 涙声で、ようやくそれだけ言えた。元気よく手を振って去っていく一人と一匹を見送ってから、せつなが優しい眼差しを祈里に向ける。 「ブッキー、お見舞いに来たわ。でも、まずは先客の二人に会わせなきゃと思って。お邪魔してもいい?」 「もちろん!」 祈里は、久しぶりに満面の笑顔で頷くと、さっきとは違って軽快に階段を駆け下りた。 「じゃあ、動物さんたちがわたしに怯えていたのも、そのダイヤの力のせいかもしれないってこと?」 驚いたような顔で問いかける祈里に、せつなは伏し目がちに、ええ、と答える。 タケシ少年の話を聞いて、少し違和感は覚えたものの、まさかそんなことになっているなんて思ってもいなかった。祈里の苦しみを想像すると、胸がギュッと締め付けられるような気がする。 「ごめんなさい。ブッキーが熱を出したのも、もしかしたら・・・」 「なんでせつなちゃんが謝るのよ。どっちかって言うと、お礼を言わなきゃいけないのは、わたしの方だよ?」 祈里は、少しおどけた調子でせつなの言葉を遮ると、右手をそっと、せつなの肩に置いた。 せつながお見舞いに持って来たドーナツを真ん中に、二人は祈里の部屋で向かい合っていた。と言っても、二人とも真剣に話し込んでいて、ドーナツにはまるで手を付けてはいなかったが。 「その、ナケワメーケの元になった瓶に、コアの力が残っていたのかもしれないわ。ブッキー、それに触ったのは、あの工事現場なのよね?」 せつなの問いに、今度は祈里がコクリと頷く。 「でも、私たちが行ったときには、もうその瓶は無かった・・・。現場も片付けられていたようだから、誰かが捨ててしまったのかもしれないけど・・・。」 「もし、誰か持って行った人がいるのなら、その人が事件の関係者ってことよね。」 祈里がそう呟いて、じっと考え込む。 「どうしたの?ブッキー。」 「あ、ううん。あの香水瓶に、小さな模様が付いていたんだけど、わたし、それをどこかで見たことがある気がして・・・。」 「模様?」 「うん。えっと、こんなの・・・かな。」 祈里が紙を取り出して、記憶を頼りにそれを描いてみせる。だが、その模様はせつなには見覚えが無いものだった。 気を取り直して、せつなが祈里に、昨日現場で起こったことを詳しく話す。その途中で、祈里が、あ、と声を上げた。 「もしかして・・・。」 飛びつくように勉強机に駆け寄り、そこに立っている手紙の束を手に取って、何やらごそごそと探し始める。やがて目的のものを探し当てたらしい祈里が、やっぱり・・・と呟いた時、ふいにせつなのリンクルンが鳴り出した。 「ラブからだわ。」 電話に出たせつなの表情が、一層真剣なものに変わる。短い受け答えの後に電話を切ったせつなは、その真剣な表情のままで、祈里の顔を見つめた。 「サウラーが、ナケワメーケの画像の中に何か新しい手がかりを見つけたらしいの。今こちらに向かってるから、みんなで四つ葉町公園に集合しようって。」 「わかった。行くわ。」 いつになくきっぱりとした祈里の声に、せつなが少し驚いたように、目をパチパチさせる。 「もう・・・大丈夫なの?」 「わからない。でも、わたしももう、こうしているのはイヤなの。 せつなちゃん、先に下りてて。すぐ支度するわ。」 「わかった。」 やがて、山吹動物病院の通用口から、二人の少女が飛び出した。腰にお揃いの白い携帯電話のケースを付け、肩を並べて一目散に走っていく。 悪戯な春の風が土埃を巻き上げて、二人の後を追いかけてくる。少女たちの瞳はしっかりと前を見据えて、何かに挑むように、そして心なしか嬉しそうに、キラキラと輝いていた。 ~第5話・終~ 小さな手がかり(後編)へ
https://w.atwiki.jp/webmanman/pages/28.html
作品名「ジトメさんの小さな錬金術店」 作者「阿刀田阿子」 http //atouda.lostworks.net/zitomesan/index.html おもしろさ=★★★★ 解説
https://w.atwiki.jp/h_session/pages/2844.html
【名 前】 ローラン 【召喚主】 [[エリス=エリュシオン=エルネーゼ]] 【属 性】 風 【性 格】 楽天家 【性 別】 男 【種 族】 妖精/ピクシー 【難易度】 D 【サイズ】 SS 【クラス】 【メイン】ピクシーLV3 1:◆■■■■■■■ 2:◆◆◆■■■■■ 3:◆◆◆◆■■■■ 4:◆◆◆◆◆◇■■ 5:◇◇◇◇◇◇◇■ 6:■■■■■■■■ BPメイン【2】 【 値 】【ボーナス】【基本値】【 成長 】【段階】 【 ST 】【12】【 2 】【 8 】【 4 】【 4 】 【 DX 】【15】【 5 】【 12 】【 3 】【 2 】 【 IQ 】【 9 】【 -1 】【 9 】【 】【 】 【 HT 】【10】【 -1 】【 9 】【 1 】【 】 【 HP 】【25】【150%】【 20 】【50%】【 】 【 攻撃力 】【 5 ST= 8 】【 4 】【 4 】 【 防御力 】【 4 HT= 9 】【 2 】【 2 】 【魔法抵抗】【 1 IQ= 9 】【 】【 】 【特殊能力】 【 名称 】【Lv/BP】【 効果 】 【○小さな身体 】【1/ 】【基本93P参照 】 【◎透明 】【1/X】【消費したBP時間透明になる。詳しい効果は基本105P参照 】 【一般技能】 【 名称 】【LV】【能力値】【 E 】【 D 】【 C 】【 B 】【 A 】【 S 】 【 力任せ 】【4】【ST8】【 ~11 】【 10 】【 9 ~ 5 】【 - 】【 - 】【 C 】 【 手業 】【0】【DX13】【 12 】【11~ 8 】【 7 ~ 6 】【 5 】【 - 】【 C 】 【 運動神経 】【4】【DX13】【 15 】【14~13】【12~ 8 】【 7 】【 6以下 】【 C 】 【 応急手当 】【1】【DX13】【 12 】【11~ 8 】【 7 ~ 6 】【 5 】【 - 】【 C 】 【 気配消し 】【2】【DX13】【 15 】【14~13】【12~ 8 】【 7 】【 6以下 】【 C 】 【 鋭敏感覚 】【1】【IQ9】【 ~11 】【 10 】【 9 ~ 5 】【 - 】【 - 】【 C 】 【 追跡 】【0】【IQ9】【 10 】【 9 ~ 6 】【 5 】【 - 】【 - 】【 C 】 【 共通語 】【3】【IQ9】【 ~11 】【 10 】【 9 ~ 5 】【 - 】【 - 】【 C 】 【 エルフ語 】【3】【IQ9】【 13 】【12~11】【10~ 8 】【 7 ~ 5 】【 - 】【 C 】 【 我慢強さ 】【4】【HT9】【 ~11 】【 10 】【 9 ~ 5 】【 - 】【 - 】【 C 】 【近接武器】追加ダメージ【2】 【 武器名 】【 E 】【 D 】【 C 】【 B 】【 A 】【 S 】 【 成功度 】【 ~13】【 12 】【11~ 7 】【 6 】【 5 】【 C 】 【 ピクシーの短剣 】【 失敗 】【1d6+3】【2d6+3】【3d6+3】【4d6+3】【5d6+3】 【 パンチ 】【 失敗 】【 -2 】【1d6-2】【2d6-2】【3d6-2】【4d6-2】 【防御用武器・防具】基本防護点:【2】 【 武器・防具名 】【防護点】【 E 】【 D 】【 C 】【 B 】【 A 】【 S 】 【 成功度 】【■■■】【 ~13】【 12 】【11~ 7 】【 6 】【 5 】【 C 】 【 ピクシーの短剣 】【 0 】【 失敗 】【 +1 】【1d6+1】【1d6+1】【1d6+1】【1d6+1】 【ヴァーミリオンS】【 2 】【 失敗 】【 3 】【1d6+3】【2d6+3】【3d6+3】【4d6+3】 【 衣服 】【 0 】【 失敗 】【 3 】【1d6+3】【2d6+3】【3d6+3】【4d6+3】 注:最初から呼ぶときは、状況によって着替え。基本はヴァーミリオンスケイル 【ポケット】ポケット数:【3/】 ピクシーの短剣 ◇◇◇◇◇ ヴァーミリオンS ◇◇◇◇◇ (SSサイズ用、値段×0,6、修理費用324G) 衣服 ◇◇◇◇◇ プロフィール
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/39750.html
ちいさなたんしょくこうふくろん【登録タグ ち ナナミル 初音ミク 曲】 作詞:ナナミル 作曲:ナナミル 編曲:ナナミル 唄:初音ミク 曲紹介 ほんの少し大人になれたかな Movie potaco Illust ガガ 歌詞 (piaproより転載) 追いかけた右手が今日もそこにない左手掴む おろし立ての服がなびき彼に問いかけてた 不器用な二人歩幅合わせることも不自由で 抑えきれない感情溢れ 二人で拾い集め 手が触れたら自然と笑顔溢れて空気が和んで 言葉だけじゃないんだと知ってから 二人の時動き出す 少しずつ歩幅を合わせ行こう 新しい季節が顔を出してはどこかへ消えていった 刻む時が増えて二人の距離も近付いてた 交わす約束1つずつ増やして行こうね 抱え込んだ想いも溶けて 二人で一つに集め 赤い糸を手繰り寄せては 切れないよう強く結びつけ ありきたりな2人でもいいじゃん こんなにも輝いてるんだ ほんの少し大人になれたかな 抑えきれない感情溢れ 二人で拾い集め 手が触れたら自然と笑顔溢れて空気が和んで 言葉だけじゃないんだと知ってから 二人の時動き出す 少しずつ歩幅を合わせ 少しずつ大人になって 新しい記憶を作って行こう コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/83452/pages/16152.html
「梓がそんなに大切にしてくれてるとは思わなかったよ。 京都の土産なのに、京都とは何の関係もないしさ。 実は呆れられてるんじゃないかって、何となく思ってた」 「呆れるなんて……、そんな事……。 私、嬉しくて……、宝物にしようと思って……、 でも、大切にしてたのに……、落としちゃうなんて、私……。 こんなんじゃ……、こんなんじゃ私……、 先輩達の後輩でいる資格なんて……」 涙を流して、梓はその場に目を伏せようとする。 私は梓の肩を掴んでいる手に力を入れて、視線を私の方に向かせる。 梓と目を合わせて、視線を逸らさない。 泣き腫らした梓の瞼が痛々しくて、ひどく胸が痛くなってくる。 梓を悲しませているのは、軽音部の先輩である私達の無力が原因だ。 私の方も、梓と同じく大声で泣きたい気分だった。 役に立てず、負い目しか感じさせる事のできない無力過ぎる私達。 自分の情けなさに涙が滲んでくる。 だけど、泣いちゃいけない。視線を逸らしちゃいけない。 今一番泣きたいのは梓で、今泣いていいのは梓だけだ。 どうして、キーホルダーを失くしたって言ってくれなかったんだ? そう言葉にしようとしてしまうけど、唇を噛み締めて必死に堪える。 梓がキーホルダーを失くした事を私達に話さなかった理由……、 それは訊くまでもないし、訊いちゃいけない事だ。 キーホルダーを失くしたと私達に話してしまったら、 いや、知られてしまったら、 私達の心が自分から離れていってしまうって、梓は考えたんだ。 キーホルダーを一週間も一人で捜し続けてた事から考えても、それは間違いない。 あのキーホルダーは私達にとって、単なる思い出の品なんかじゃない。 軽音部の絆の証、絆の品なんだ。 特に来年一人で取り残されるはずだった梓にとっては、私達以上にその意味があるだろう。 一人でも大丈夫だと思えるために、梓はきっとあのキーホルダーに頼ってくれてたんだ。 絆を信じられるために。 そうだ。 梓が本当に悲しんでる理由は、キーホルダーを失くしたからじゃない。 キーホルダーを失くした事で、 私達の絆その物も失くしてしまった気がしてしまって、それが悲しいんだ。 実際、私達だって、キーホルダーを失くされた事で梓を責めたりしない。 梓も私達から責められるとは思ってないだろう。 梓を責めているのは梓自身。 世界の終わりを間近にしたこの時期に、絆を失くしてしまった自分を許せないんだ。 だから、誰にも知られないままに、自分の力だけで失くしたキーホルダーを見付けたかったんだ。 でも、だからこそ、私には梓に掛けてやれる慰めの言葉が思い付かなかった。 キーホルダーを失くした事なんて気にするな、なんて簡単な言葉で片付く話じゃない。 そんな言葉を掛けてしまったら、それこそ梓は今以上に自分自身を責める事になるはずだ。 一瞬だけの笑顔は貰えるかもしれない。 その場限りの安心は得られるかもしれない。 でも、それだけだ。 それ以降、世界の終わりまで、梓は自分自身を責め続ける事になるだろう。 勿論、私だって、私自身を許せないまま、世界の終わりを迎える事になる。 なら、私に何ができる? 無力で、頼りなくて、後輩に気を遣わせて追い込んでしまった私に何が? ……何もできないのかもしれない。 何もしてやれないのかもしれない。 少なくとも、今の私にできる事は何もない。今の私には何もできないんだ。 でも……。 だからこそ、今の私じゃなく……。 私は大きく溜息を吐く。 何もできない今の自分を情けなく思いながら、 それでも、掴んでいた梓の肩を思い切り自分の方に引き寄せる。 私の胸元に椅子から転がり込んでくる梓を座り込んで抱き締める。 「あの……っ、えっと……? 律……先輩……?」 小さな身体を震わせて、何をされたのか分からない様子の梓が呟く。 呟きながらも、梓の涙はとめどなく流れ続けている。 しゃくり上げながら、震える身体も治まる事がない。 今の私には梓の涙を止められない。震えも止めてやる事ができない。 梓の不安を止めてやれるのは、今の私じゃない。 だから、胸元に引き寄せた梓を、私は頭から包み込むように抱き締める。 強く強く、抱き締める。 まだ掛けてあげられる言葉は見つからない。 その代わりに、小さな梓を身体全体で受け止める。 小さな梓と同じくらい小さな私が、小さな身体で小さく包み込む。 どこまでも小さな存在の私達。 それでも、私達は小さいけれど、とんでもなくちっぽけな存在だけど、 信じてる事だって……、信じていたい事だってあるんだ。 「梓……。きっとさ……。 今の私が何を言っても、おまえの不安を消してはやれないと思う。 私は人を支えてあげられるタイプじゃないだろうし、 誰かの不安を消してあげられるくらい頼り甲斐のある部長でもないんだ。 逆に皆に支えられてばかりだしさ……」 やっと見付けた言葉が私の口からこぼれ出る。 でも、これは梓の耳元に囁いてはいるけど、梓だけに聞かせてる言葉でもなかった。 これは自分に言い聞かせてもいる言葉だ。 願いみたいなものだった。 祈りみたいなものだった。 私の胸の中で、梓は私の言葉を震えながら聞いている。 その震えを止めてやれる自信はない。 今の私に梓を安心させてあげる事はできないだろう。 私の気持ちを上手く伝える事もできないかもしれない。 でも……。 「でもさ、梓……。 こう言われるのは迷惑かもしれないけど、 私の勝手な勘違いかもしれないけど、一つだけ思い出してほしい事があるんだよ。 なあ、梓。 キーホルダーを失くしちゃった事は、梓も辛くて不安だったんだろう。 もっと早く気付いてやれなくて、悪かった。 私はさ……、こう言うのも情けないんだけど、 あんまり梓が私と目を合わせてくれないもんだから、梓に嫌われちゃったんだって思ってた。 それが不安で辛くてさ……、それで梓と話す勇気が中々持てなかったんだよな」 私の言葉を聞くと、腕の中の梓の震えが大きくなった。 その震えは不安が増したってわけじゃなく、自分の行為をはっと思い出したって感じだった。 「そんな……。そんな風に思われてたなんて……。 でも……、思い出してみたら、そう思われても仕方ない事を私は……。 すみません、律先輩! 私は律先輩の事を……、嫌いになってなんか……」 「いいよ」 言って、私はまた腕に力を込めて梓を抱き締める。 今話すべきなのは、梓が私を嫌ってるかどうかじゃない。 嫌われてたって、疎まれてたって、 それでも梓の悩みを晴らしてあげるのが、私のなりたい『自慢の部長』だと思うから。 勿論、梓に嫌われてなかったのは嬉しいけどな。 本当に泣き出してしまいそうなくらい嬉しいけど、それを噛み締めるのはまだお預けだ。 「いいんだよ、梓。その言葉だけで私は十分だよ。 キーホルダーを失くして、梓がそんなに不安に思ってくれたのも嬉しい。 キーホルダーを失くした自分が許せなくて、必死に探してたんだろうって事も分かる。 こんなにやつれちゃってさ……、こんなになるまで……。 キーホルダーを失くしたからって、私達がおまえから離れてくって思ったのか?」 「いいえ……、そんな事考えてなんか……。 でも……、でも……、ひっく、そんな事あるはずがないって思ってても……、 心の何処かで考えちゃってたのかも……しれません……。 先輩達を信じてるのに、だけど……、夜に夢で見ちゃうんです……。 キーホルダーを失くした私の前から……、先輩が離れていく夢を……。 そんな……、そんな自分が、嫌で、本当に嫌で……。 うっ、ううっ……!」 梓の涙がまた強くなる。 もしもの話だけど、キーホルダーを失くしたのが『終末宣言』の前なら、 梓はこんなにも不安にならず、涙を流す事も無かったんじゃないだろうか。 世界の終わりっていう避けようがない非情な現実。 誰だってその現実に大きな不安を感じながら、それをどうにか耐えて生きている。 普段通りの生活を送る事で、世界の終わりから必死に目を背けたり。 秘密にしていた事を公表する事で、別の非日常の中に身を置いてみたり。 そんな風に何かを心の支えにしながら、どうにか生きていられる。 梓の場合は多分キーホルダーがそれだったんだと思う。 小さいけれど、目にするだけで私達の絆を思い出せるかけがえの無い宝物。 それを失くしてしまった梓の不安は、一体どれほどだったんだろう。 私も自分が世界の終わりから逃げてる事に気付いた時は、吐いてしまうくらいの不安と恐怖に襲われた。 その時の私はそれをいちごや和に支えてもらえたけど、 梓はずっと一人でその不安に耐えて、自分を責め続けていたんだ。 こんなにやつれるのも無理もない話だった。 小さい事だけど、きっと私達はそんな小さい事の積み重ねで生きていられる。 小さい物でも、失ってしまうと不安で仕方なくなるんだ。 だけど、不安になるという事はつまり……。 「なあ、梓。 話を戻させてもらうけど、一つだけ思い出してほしい」 「は……い……?」 「軽音部、楽しかったよな? そりゃ普通の部とはかなり違ってたと思うけど、でも、すごく楽しかったよな?」 「あの……?」 「私は楽しかったよ。 ムギのおやつは美味しいし、ライブは熱かったし、楽しかった。 唯は面白いし、澪は楽しいし、ムギはいつも意外な事をやってくれるしな。 二年になって梓って生意気な後輩もできた。 楽しかったんだよ、本気で……。 軽音部、楽しかったよな……? 楽しかったのは、私だけじゃ……ないよな……?」 私の言葉の勢いが弱まっていく。 その私の姿を不審に思ったんだろう。 梓が少しだけ自分の腕を動かし、私の背中を軽く撫でてくれる。 「律先輩……? 急に何を……?」 「ああ、ごめんな……。ちょっと……さ。 梓はどうだったんだろうって思ってさ……」 「私……ですか……?」 「私ってさ、結構一人で空回りしちゃう事が多いだろ? 部長としても、役不足だったと思うし……。 でも、楽しかった事だけは、本当だったって信じてる。 ……信じたいんだ。それだけは譲りたくないんだ。 だから、梓に思い出してほしいんだよ。 軽音部が楽しかったのかどうかを。私達のこれまでを。 今の私に梓の不安を消し去ってあげる事はできないと思う。 梓の不安を消せるのは梓だけだし、私にできるのはその手助けだけだ。 それも、その手助けができるのは今の私じゃなくて、梓の中の昔の私だけだと思うんだよ」 「昔の……律先輩……?」 「これまで私が梓に何をしてあげられたか。 梓をどれだけ楽しませてあげられたか……。それを思い出してほしい。 自信なんてこれっぽっちも無いけど、ほんの少しでも手助けになればいいと思う。 なってほしいと思う。 私じゃ役不足だと思うなら、私以外とのこれまでを思い出してくれ。 澪やムギ、唯と過ごしてきたこれまでの自分を思い出してくれ。 そうすれば……、少しはその不安も晴れるんじゃないかって……、思うんだ……」 今の私に梓の不安を晴らすだけの力が無いのは、すごく無念だ。 やっぱり私は、梓にとっていい部長じゃなかったんだろう。 だけど、梓と笑い合えたあの頃の事は嘘じゃなかったはずだ。 梓も楽しんでくれていたはずだ。 私はいい部長ではなかったけど、いい友達としては梓と関係してこれたはずだ。 そのはずなんだって……、信じたい。 不安な自分を奮い立たせるのは、自分の中のかけがえのない過去。 今の自分を作り上げた誰かと積み重ねてきた楽しかった思い出だと思うから。 私は梓にもそれができると信じるしかない。 それができるくらいには、私は梓と信頼関係を積み重ねてこれたんだって信じるしかない。 そもそも不安や罪悪感ってのは、そういうもののはずなんだ。 楽しかったから、かけがえがないものだから、失うのを不安になってしまうんだ。 失ってしまった自分に罪悪感を抱いてしまうんだ。 失くすものが無ければ、大切なものが無ければ、不安なんて感じるはずがない。 それを梓が気付いてくれたなら……、 いや、気付いてはいるだろうけど、心から実感してくれたなら……。 その涙を少しは拭う事ができるかもしれない。 私は小さな身体で小さな梓を強く抱き締める。 それは小さな私にできる世界の終わりへの小さな反抗でもあった。 まだその日が来てもいないのに、世界の終わりってやつは色んな物を私達から奪おうとする。 小さなものから取り囲んで奪い去っていく。 そうはいくもんか。 もうすぐ死んでしまうとしても、それまでは何も奪わせてやるもんか。 過去も、現在も、未来だって、奪わせてなんかやらない。 私から、梓を奪わせたりしない。 不意に私の腕の中の梓が震えを止めて、小さく言った。 「そうですね。 律先輩じゃ役不足ですよ」 一瞬、頭の中が真っ白になった。 梓じゃなくて、私の身体が震え始める。止められない。 全身から何かを成し遂げようとしてた気力が抜けていくのを感じる。 駄目だった……のか……? 私じゃ、梓のいい部長どころか、いい友達にもなれなかったってのか……? 私の小さな反抗は脆くも崩れ去ったってのか……? 信じたかった私の思い出は、全部無意味だったのか……。 梓は別に私を嫌ってはいなかった。 でも、力になってやれるほど、私は信頼されてもいなかったんだ。 抱き締めていた梓を、私の胸から解放する。 もう私に抱き締められる事なんて、もう梓は求めないだろう。 私には梓の不安を晴らしてやれないし、涙も止められないし、震えも治められない。 私は梓に……。 信じさせたかった。 信じられたかった。 信じていたかった。 でも、もう私は……、私は……。 身体を離したけれど、私はそこにいる梓の顔を見る事ができない。 その場から逃げ出したくなる。 もうこの場には居られない。 「梓、ごめ……ん……」 喉の奥から絞り出して言って、 振り向きもせずに逃げ出そうとして……。 そんな私を華奢で柔らかい何かが包み込んだ。 何が起こったのか、数秒くらい私には分からなかった。 梓に抱き締められたんだって気付いたのは、それからしばらく経ってからの事だ。 私は私が梓にしたように、頭から胸の中に強く抱き留められていた。 「あず……さ……?」 何も分からなくて、間抜けな声を出してしまう。 ただ一つ分かるのは、抱き締められる一瞬前、梓が笑っていた事だった。 涙が止まったわけじゃない。 涙を止められたわけじゃない。 でも、梓は笑っていた。泣きながら、笑っていたんだ。 今梓の胸の中にいる私にとっては、もう確かめようもない事だけど……。 「ありがとうございます、律先輩……。 こんな面倒くさい後輩なのに、こんなに大切に思ってくれて、 私、嬉しいです」 「でも、梓、おまえ……。 えっと……、私を……」 言葉にできない。 梓の真意が掴めなくて、曖昧な言葉しか形にできない。 梓が明るい声を上げた。 「もう……、律先輩ったらこんな時にもいつもの律先輩で……。 真面目な話をしてるのに、普段通りのいい加減で大雑把な律先輩で……。 そんな律先輩を見てると……、何だか私、嬉しくなってきちゃうじゃないですか。 不安になってなんか、いられなくなっちゃうじゃないですか……」 「大雑把って、おまえ……。 いつもはともかく、さっきまではそんな変な事言ったつもりは……」 「もう一度、言いますよ。 律先輩は役不足です。 私の不安を晴らす役なんて、律先輩には役不足過ぎます」 「だから、そんなはっきり言うなよ……」 少しやけくそになって、吐き捨てるみたいに呟いてみる。 梓が明るい声になったのは嬉しいけど、そこまで馬鹿にされると釈然としない。 でも、梓はやっぱり明るい声を崩さなかった。 「ねえ、律先輩? 役不足の意味、知ってますか?」 「何だよ……。 その役を務めるには、実力が不足してるって事だろ……?」 「もう、やっぱり……。 受験生なんだから、ちゃんと勉強して下さいよ、律先輩。 役不足って、役の方が不足してるって意味なんですよ?」 「役の方が不足……って?」 「もういいです。これ以上は家で辞書で調べて下さい」 「何なんだよ、一体……」 「とにかく……、ありがとうございます、律先輩……。 私……、嬉しかったです。 律先輩との思い出……、思い出してみるとすごく楽しかった。 軽音部に入ってよかったって、思えました……」 まだ梓が何を言っているのかは分からない。 でも、梓の声が明るくなったのは何よりで、私の方も嬉しくなった。 梓の変な言葉も、まあ、いいか、と思える。 私の小さな反抗は、少しだけ成功したって事でいいんだろうか。 今の私も、過去の私も、結局は梓の涙を止める事はできなかった。 でも、少なくとも笑顔にしてあげる事はできたみたいだった。 それだけでも今は十分だ。 ……役不足の意味は、後で純ちゃんにでも聞いてみる事にしよう。 24
https://w.atwiki.jp/mangaroyale/pages/188.html
小さな死 ~ La Petite Mort ~ ◆6YD2p5BHYs 「ふぅ…………」 窓から吹き込む穏やかな風が、厚いカーテンを静かに蠢かせる。 気だるい午後の日差しが、カーテンの動きに合わせて揺らめく光の波を形作る。 適当に選んで侵入した民家の寝室、夫婦のものらしきダブルベッドの上で、斗貴子は艶っぽい溜息をついた。 やわらか過ぎるスプリングマットの上、指1本持ち上げるのも億劫、といった風で、額に貼りついた前髪を払う。 あまりに多くのことが、ありすぎた。 激情だけで突っ走ってきた斗貴子にも、流石に限界が来ていた。負った傷も深過ぎた。 夢と現の狭間で、彼女はぼんやりとこれまでの出来事を反芻する。 カズキと共に、殺し合いの舞台に放り込まれた。 カズキとは、生きている間にはとうとう再会できなかった。 カズキの死が告げられた。 カズキの死体を見せつけられた。 カズキの死体を嬲られた。 カズキの死体から核鉄を取り出した。 カズキの死体が破壊された。 カズキの死体を投げつけられた。 カズキの死体を串刺しにしてしまった。 カズキの死体が爆散した。 カズキの死体に吹き飛ばされた。 カズキの死体が目の前で消滅した。 カズキの核鉄さえも奪われかけた。 そして、厳しい戦いの中でなんとかカズキの核鉄を取り返し、今、こうして一緒にいる。 カズキを蘇らせるための戦い、その中途で体力の回復を図っている。 「だけど……足りない。足りないんだ」 化粧っ化の無い薄桃色の唇から漏れたのは、どこか悔しそうな呟き。 最愛のカズキを蘇らせるには、自分が優勝するしかない。なのに、これまでの戦績と来たらどうだ。 開始直後の混乱の中、最初に出会ったピエロとは戦いにもならなかった。花山薫が庇ってくれねば死んでいた。 錬金の戦士としての厳しい訓練の日々も、範馬勇次郎の圧倒的な暴力の前には何の役にも立たなかった。 カズキから得た武装練金を手にしても、吉良吉影には敗北に近い痛み分けに持ち込むのが精一杯だった。 そしてしまいには、カズキを殺したとおぼしき赤木しげるにも、傷1つつけられずに逃げられてしまった。 こんな調子では、とてもではないが優勝など望めない。 強者同士が潰しあってくれれば漁夫の利も狙えるかもしれないが、果たしてそこまで上手く行くものかどうか。 いや、これまでのことを考えれば、あまりに虫の良すぎる願いと言ってもいいだろう。 斗貴子は、改めて現状を確認する。 「……足りない。 想いを貫き通すには……力が、足りない」 左手で核鉄を頭上にかざすように持ち上げ、斗貴子は憂いに満ちた呻き声を漏らす。 彼女に残された力は、カズキの遺品であるこの核鉄1つきり。 あとは何一つ残っていない。彼女自身の肉体さえも五体満足ではない。 右手は吹き飛び、全身に火傷を負い、頭にはナイフまで刺さっていた。 この民家に侵入した際、手近にあったもので大雑把な応急処置はしたが、とても十分な治療とは言えない。 新たな戦闘力の獲得どころか、斗貴子が元々持っている力の発揮すら困難な状況である。 これでは、またさっきのように敗れてしまう。 これでは、またさっきのように核鉄をも奪われてしまう。 これでは、またさっきのように『カズキ』を喪ってしまう。 核鉄とカズキを同一視する自分の思考の歪みに気づくこともなく、斗貴子は顔を歪ませる。 「カズキ……カズキ……。私は、どうすれば……。どうすれば、君のように……!」 誰にも見せたことのない弱々しい表情、弱々しい声で、斗貴子は核鉄に語りかける。 想い人である武藤カズキは、最初はとても弱かった。戦闘技術も体力も、共に不足していた。 けれどもその魂だけは、最初からとても強かった。 絶望的な戦力差があっても、絶望的な状況に追い込まれても、決して諦めようとはしなかった。 斗貴子が諦めかけてしまった時も、彼だけは最後まで諦めなかったのだ。 この1日で散々に自信を打ち砕かれた斗貴子は、カズキの幻の向こうに自分の求める「強さ」を見る。 「私は、弱い……。私は、こんなにも、弱かったんだな……! カズキ、どうすれば。 どうすれば私も、君のように強い『心』を…………………………あ?」 稲光のように、ある考えが脳裏に閃く。 とりとめもなく呟いていた唇が、唐突に動きを止める。 遥かな過去の思い出を彷徨い、甘美な自己憐憫に溺れていた思考が、一瞬にして凍りつく。 そう。 斗貴子は、思い至ってしまったのだった。 その、方法を。 歪みきった愛情の果てにある、ひとつの究極のカタチを。 一瞬呆けたような表情を浮かべた斗貴子は、そしてやがて、ゆっくりと満面の笑みを浮かべる。 もしも誰か見る者がいればゾッとしたに違いない、壊れきった笑みを。 「そうか……簡単なことじゃないか。なんで気付かなかったんだ。 カズキ。君と、1つになってしまえばいいんだ」 * * * しゅるり――。 窓から吹き込む穏やかな風が、厚いカーテンを静かに蠢かせる。 気だるい午後の日差しが、カーテンの動きに合わせて揺らめく光の波を形作る。 侵入した民家の、夫婦の寝室とおぼしきダブルベッドの側で……斗貴子は、ゆっくりと上着を脱いでいく。 微かな衣擦れの音が、分厚いカーペットに吸い込まれ、消えていく。 「――ひょっとしたら、こんなことに意味は無いのかもしれない。 多くのものを失うだけで、私の自己満足にしかならないのかもしれない。それでも……!」 誰が見ているわけでもない薄暗い部屋の中、それでも言い訳じみた呟きを吐きながら、頬を染める。 カズキが妙に執心していた、綺麗なヘソ。美しくくびれたウェスト。小振りながら形のいい乳房。 火傷を負い、無数の掠り傷を負っていても、そのシルエットまでは失われていない。 上半身裸となった斗貴子は、己の胸に手を当てて深く深呼吸する。 自ら望み、自ら決めたこととはいえ、これからやろうとすることを考えると、思わず動悸が激しくなる。 不安。恐怖。そして――間違いなくその先に待っているであろう、歓喜の予感。 「…………武装、錬金」 逸る気持ちを抑え、歌うような呟きに応じて出現したのは、処刑鎌の武装錬金、ではなく、1本の槍。 武藤カズキの命であり、象徴であり、彼そのものを体現した存在でもある、山吹色の光を放つ突撃槍(ランス)。 改めてこうして見れば、堅く、真っ直ぐで、力強い金属塊。武藤カズキの精神を具現化したような存在。 斗貴子は慈しむかのように抱き寄せる。剥き身の槍を裸の胸に埋め、頬を摺り寄せる。 「こんなことをするのは、その、いうまでもないだろうが、初めてなんだ。 きっと、痛くて、苦しくて、ひょっとしたら泣いてしまうかもしれないが……最後までやり遂げさせてくれ。 カズキ……臆病な私に、勇気をくれ……!」 まるで槍そのものが恋人自身であるかのように、斗貴子は潤んだ瞳で語りかける。 槍を抱きしめたまま、彼女はその身をベットに沈める。 横たわり、槍を持ち上げ、角度と位置を調整しながら、自分の身体に押し当てる。 そのまま、しばらく逡巡。 ゴクリ、と喉が鳴る。 今ならまだ無かったことにもできるぞ、と、頭の片隅で甘く囁く声を無理やり振り払う。 数秒の後、ようやく覚悟を決めた斗貴子は、両目をギュッと瞑ると、そろりそろりと槍を手繰り始める。 (少女は自分の胸に槍を押し当てている。左胸に、自らその切っ先を当てている) つぷっ――。 「――んぁッ!!」 尖端が、斗貴子の身体に侵入を開始する。 武藤カズキそのものを象徴する存在が、無理やりに斗貴子の身体を押し広げ、肉を掻き分け、突き立てられる。 覚悟していた痛みとはいえ、思わず小さな悲鳴が漏れる。 生まれて初めて味わう種類の痛み。文字通り身を裂くような痛み。 動きの止まったサンライトハートと斗貴子が繋がっている場所から、つぅぅっ、と血が溢れ出す。 「だ……大丈夫だから。むしろ、ゆっくりの方が、い、痛くて、こ、怖いかも……。 はは、は……な、何言ってるんだろうな、私は……。私が、望んだ、ことなのに……!」 明らかに強がりにしか聞こえぬ独り言を呟く。声が震える。想像以上の激痛に、斗貴子の目から涙が零れる。 もう、ここまで来たら引き返せない。もう、今さら戻れない。 折れそうな心を、必死で奮い立たせる。浅く荒い息をつきながら、斗貴子は奥歯をギュッと噛み締める。 強い想いが、激痛を快感に変換する。強烈な愛が、苦痛の向こうにあるはずのモノを求めさせる。 槍が進むにつれ、自分の大事なものがブチブチと壊されていく感触。 圧倒的な喪失感と、破滅の予感と、それすらも上回る達成感、満足感、充足感。 斗貴子の頭の中はもうとっくにグチャグチャだ。息も絶え絶えになりながら、それでも彼女は彼を求める。 「構わないから、一気に、最後まで来てくれ、カズキッ……!!」 (少女の胸に槍が刺さっていく。明らかに致命傷になるであろう傷を穿ちながら、刺さっていく) ずぶっ。ずぶずぶっ。 「――――――ッ!!」 涙と涎と鼻水と汗と、ありとあらゆる体液を撒き散らしながら、斗貴子は声にならない絶叫を上げる。 ばたん、ばたんと跳ねる足がベッドを叩く。 取り返しのつかない一線を越えたサンライトハートが、それでも勢いを止めることなく突き進む。 視界がチカチカする。脳裏が真っ白に染まる。一気に登りつめていく。 自分が自分でなくなってしまうような恐怖、そして高揚感。新たな世界の扉が開かれていくという確信。 身体の奥底で、熱い体液がブチまけられる。命そのものである液体が迸る。 串刺しになった格好の斗貴子は、そして白目を剥き、大きく仰け反りながら、 (少女の胸を槍が貫く。少女の胸板を槍が貫通する。 胸の中央やや左より、生命にとって最も重要な臓器を、完膚なきまでに破壊する) 「カズ、キ――!」 愛する者の名を叫びながら、津村斗貴子は、逝った。 逝って、果てて、逝き果てて――それまでの「津村斗貴子」は、ここで死んだ。 武藤カズキと文字通り一体となって、逝き、果てた。 * * * 窓から吹き込む穏やかな風が、厚いカーテンを静かに蠢かせる。 赤く染まり始めた夕陽の日差しが、カーテンの動きに合わせて揺らめく赤い波を形作る。 先ほどと同じ、寝室の中――そんな光景を静かに眺める人物が、確かにいた。 幽霊でも、ゾンビでもなく、確かに呼吸する生きた人間が、そこにいた。 目を覚ました斗貴子は、血や汗やその他もろもろでグチャグチャのベッドの上、それでも小さく笑う。 どれほどの時間、気を失っていたのか。 新しい『命』を得て生まれ変わった彼女は、実に楽しそうに、実に嬉しそうに、笑う。 「…………ふふふっ。ああ、すごく痛かった。けど……少しだけ、気持ちよかったよ。 もう、私には怖いものなんてない。いや、『私たちには』、と言うべきかな、カズキ。 だって、君と私はこうして身体を重ねて、本当に『1つ』になったのだから……!」 熱っぽい目で語る斗貴子の視線の先には、もう突撃槍は無い。核鉄も無い。何も無い。 それでも、虚空に語りかける斗貴子に不安の色はなく、溢れんばかりの幸せに満ちている。 傷ひとつない裸の胸に毛布をかけただけの姿で、穏やかに微笑んでいる。 そう、要するに彼女がやったことは、かつて彼女が武藤カズキに施した施術の乱暴極まりない再現。 つまり、喪われた心臓の代わりとして核鉄を埋め込む、あの施術である。 ヴィクターを生み出し、カズキをヴィクターⅢにしてしまった、あの施術である。 心臓の代わりにサンライトハートを取り込んだ、あの状態。 あれを自分の身で再現できれば、自分も『カズキと同じ』になれる。『カズキと一体』になれる。 『カズキの心(ハート)』を取り込み、『カズキのようになれる』――!! 狂乱と悲嘆、敗北と絶望の果てに斗貴子が導き出した狂気の答えが、そこにあった。 しかし、斗貴子には彼女自身の心臓がある。傷ひとつない、健康な心臓がちゃんとある。 これでは核鉄を埋め込めない。元ある心臓と重ねて埋め込んでも、『同じ』にはならない。 ではどうするか。 答えは単純明快、たった1つ。その心臓が、無くなってしまえばいい。 ゆえに津村斗貴子は迷うことなく。サンライトハートの切っ先を用い、自らの心臓を破壊したのだ。 まさに暴挙。まさに自殺行為。 決死の覚悟どころか、一度完全に『死ぬ』ことを前提とした行動。 上手くいく保障などどこにもない。正気の人間なら絶対に選ばないような、最悪の選択肢。 そして、完全に絶命する寸前、武装解除した核鉄を傷口に押し込んだところで、とうとう耐え切れなくなって失神。 目が覚めた時には……彼女の望んだ世界が、待っていた。 全力疾走をした後のような倦怠感が、全身を包んでいる。 あれだけ乱暴な施術を行ったのだ、いくらしろがねの身体になっていても消耗は激しい。 胸に開けた傷口こそ核鉄の力で塞がったが、本格的に動き出すにはもうしばらくの休息が必要だろう。 できればシャワーも浴び、服も洗っておきたい。今の斗貴子の状況は、色々と最低ではある。 手持ちの戦力はほとんど変化しておらず、むしろ心臓と核鉄を兼ねることで武装練金が弱点にもなってしまった。 ヴィクター化でパワーアップする望みもない。白い核鉄による処置を受け、もうその忌まわしき力は残っていない。 メリットといえば、せいぜいが待機状態の時に手ぶらになれることくらい。 なんらかの手段で戦力の強化を図らねばならない現状に、変わりはない。 それでも、斗貴子は幸せだった。 先刻までの不安は全て消し飛び、代わりに暖かなものが彼女の中を満たす。心の底から力が湧き出してくる。 もうこれで、核鉄(カズキ)を奪われる心配はない。 もうこれで、核鉄(カズキ)を傷つけられる心配もない。 核鉄(カズキ)は斗貴子の中にいて、これからもずっと共にある。 核鉄(カズキ)が居れば、もう何も怖くない。 核鉄(カズキ)が居れば、もう何が起こっても諦めることなく進むことができる。 核鉄(カズキ)さえ居れば、もうあとは何もいらない。 斗貴子は自らの胸に手を当てる。 1人きりのベッドの上、かつて彼に向かって誓ったあの言葉を再び口にする。 輝かんばかりの幸せを纏いながら。溢れんばかりの幸せを、噛み締めながら。 そして――ドブ川のようにどんよりと濁った瞳をしたままで。 「 カズキ。君(サンライトハート)が 死ぬ(こわれる) 時が、私が死ぬ時だ。 君と私は、今度こそ本当に、一心同体だ……!! 」 窓から吹き込む穏やかな風が、厚いカーテンを静かに蠢かせる。 赤く染まり始めた夕陽の日差しが、カーテンの動きに合わせて揺らめく赤い波を形作る。 銀髪のスカーフェイスは、これからの戦いのことを考え、小さく微笑んだ。 【F-3 民家の中/1日目 夕方】 【津村斗貴子@武装錬金】 [状態]:しろがね化、心臓代わりに核鉄、精神崩壊、判断力低下(本人は正常だと思っている)、あふれる多幸感 右手消失、全身大火傷、頭部に刺し傷 (核鉄としろがねの力で回復中) [装備]:核鉄(サンライトハート・待機状態・胸の中)@武装錬金 [道具]:なし [思考・状況] 基本:最後の一人になり、優勝者の褒美としてカズキを蘇らせる。 1:とりあえずもう少し休んで回復を図る。 2:可能ならば、なんらかの手段で戦力の増強を図る。 3:強者との戦闘は極力避け、弱者、自動人形を積極的に殺す 4:アカギ、吉良、勇次郎、軍服の男(暗闇大使)は最終的に必ず殺す。アカギは特に自分の手で必ず殺す。 ※全身に酷い火傷を負っており、右手も消失と、かなりの重傷です。 ※セーラー服はボロボロに焼け焦げており、所々に穴が空いています。 ※軍服の男(暗闇大使)は参加者の一人だと勘違いしています ※斗貴子が飲んだ液体は生命の水(アクア・ウィタエ)です また斗貴子は生命の水の事は知らず、只の治療薬の一種と思っています ※しろがねとなったため、身体能力、治癒力が向上しています また斗貴子はまだその事に気付いていません ※核鉄の異変に気づきました ※アカギがカズキを殺した張本人だと、思っています。 ※自ら自分の心臓を破壊し、核鉄(サンライトハート)を心臓の代わりとして埋め込みました。 そのため核鉄やサンライトハートが壊れると確実に死亡します。 既に「黒い核鉄」に「白い核鉄」を使用した後なので、ヴィクター化する可能性は皆無です。 150 地獄の季節 投下順 152 【裏】貴重な貴重なサービスシーン 150 地獄の季節 時系列順 153 一歩進んで 149 大乱戦 津村斗貴子 163 二人の女、二人の愛