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子ども達への服(手縫い)(こどもたちへのふく(てぬい)) 新生児用の服? L:子ども達への服(手縫い)={ t:名称=子ども達への服(手縫い)(アイテム) t:要点=こども用の小さな服、手づくりの味、愛情にあふれた t:周辺環境=家 t:評価=なし t:特殊={ *子ども達への服(手縫い)のアイテムカテゴリ=非消費型アイテムとしてみなす。 *子ども達への服(手縫い)の位置づけ=個人所有のアイテムとしてみなす。 *子ども達への服(手縫い)の効果=不明。 *子ども達への服(手縫い)の側面=新生児用の服。 } →次のアイドレス:未開示 } 保有国一覧 藩国名 入手履歴 保有者 使用履歴 現在所持数 鍋の国 矢神サクが製作 矢神サク 08/10/10:矢神銀一郎、矢神銀二郎へ譲渡 0 ACE 08/10/10:矢神サクより譲渡 矢神銀二郎 1 08/10/10:矢神サクより譲渡 矢神銀一郎 1 参考資料 イベント掲示板 No.22373 上へ 戻る 編集履歴 矢上麗華@土場藩国 (2009/01/03) イラスト 矢神サク@レンジャー連邦 (2009/01/03)
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近藤淳也監修 『ネットコミュニティの設計と力』 角川学芸出版 2015.8 副題:つながる私たちの時代 第0章 日本のネットワークコミュニティ 『人口減少社会という希望』 コミュニティ経済の生成と地球倫理 広井良典 大学364.1H71 公、『家族進化論』 山極 県立 8F489.9ヤ 市立 大学489.9Y23 公、「へんな会社」のつくり方 近藤 第1章 情報共有の未来 教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書 け、アーキテクチャの生態系 浜の けし、みんな集まれ! シャーキー、パターン、Wiki,XP 江南、『つながりっぱなしの日常を生きる』 ボイド 県立 市立367.6ボ 大学367.65B69ts 第2章 ウェブはバカと暇人のもの 中川 7F、ネット釣り師が人々をとりこにする手口はこんなに凄い Hagex 第3章 資本主義こそが究極の革命である ウノ 第4章 『歌うネアンデルタール』、「サル化」する人間社会 山極 けあしだ 第5章 タテ社会の人間関係 中根、クリエイティブ資本主義 フロリダ し、『ポスト資本主義』 広井 Craigリスト ローカル情報交換 Airbbnb 宿泊設備
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総括所見:ナミビア(第2~3回・2012年) 第1回(1994年) CRC総括所見日本語訳(国別)/CRC総括所見日本語訳(会期順) CRC/C/NAM/CO/2-3(2012年10月16日) 原文:英語(平野裕二仮訳) 原文は国連人権高等弁務官事務所のサイト(国別情報のページまたはCRC会期一覧ページ)を参照。 1.委員会は、2012年9月20日に開かれた第1732回および第1733回会合(CRC/C/SR.1732 and 1733参照)においてナミビアの第2回・第3回統合定期報告書(CRC/C/NAM/2-3)を検討し、2012年10月5日に開かれた第1754回会合において以下の総括所見を採択した。 I.序 2.委員会は、締約国の第2回・第3回統合定期報告書(CRC/C/NAM/2-3)および事前質問事項に対する文書回答(CRC/C/NAM/Q/2-3/Add.1)の提出により、締約国における子どもの状況に関する理解の向上が可能になったことを歓迎する。委員会は、ハイレベルなかつ多部門型の締約国代表団との間に持たれた建設的対話について、評価の意を表明するものである。 II.締約国によりとられたフォローアップ措置および達成された進展 3.委員会はまた、以下の立法措置がとられたことも歓迎する。 (a) 2008年11月に施行された子どもの地位法(2006年の法律第6号)。 (b) 労働法(2007年の法律第11号)。 (c) 刑事訴訟法改正法(2003年12月の法律第24号)。 (d) 扶養料法(2003年7月の法律第9号)。 (e) ドメスティックバイオレンス対策法(2003年6月の法律第4号)。 (f) 教育法(2011年12月の法律第16号)。 (g) 強姦対策法(2000年4月の法律第8号)。 4.委員会はまた、以下の条約が批准されたことも歓迎する。 (a) 武力紛争への子どもの関与に関する子どもの権利条約の選択議定書(2002年)。 (b) 子ども売買、児童買春および児童ポルノに関する子どもの権利条約の選択議定書(2002年)。 (c) 障害のある人の権利に関する条約(2007年)。 (d) 障害のある人の権利に関する条約の選択議定書(2007年)。 (e) 女性に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約の選択議定書(2000年)。 (f) 国際的な組織犯罪の防止に関する国連条約、および、同条約を補足する、人(とくに女性および子ども)の取引を防止し、抑止しおよび処罰するための議定書(2002年)。 (g) 最悪の形態の児童労働の禁止および撤廃のための即時の行動に関する国際労働機関(ILO)第182号条約(1999年)(2000年)。 5.委員会はまた、以下の政策措置も歓迎する。 (a) 子どものための国家的課題(2012~2016年)(2012年6月)。 (b) 万人のための教育国家行動計画(2005~2015年)。 (c) 子どもに関する重要な規定(乳幼児期の発達の重視を含む)を掲げた第4次国家開発計画(2012年7月)。 (d) 児童労働撤廃国家行動計画(2008年1月)。 (e) ナミビアの孤児および脆弱な立場に置かれた子どものための教育部門政策(2008年)。 (f) 教育訓練部門向上プログラム(2006年2月)。 (g) 孤児および脆弱な立場に置かれた子どものための国家行動計画(2006~2010年)(2007年10月)。 (h) 教育部門を対象とする国家HIV/AIDS政策(2003年1月)。 6.委員会は、締約国が国連特別手続受任者に対して行なった招待に肯定的に留意する。 III.条約の実施を阻害する要因および困難 7.委員会は、締約国が気候変動の影響をもっとも受けやすい国のひとつであり、かつ、洪水、暴風雨および旱魃のような自然災害の影響が高まることにより、疾病構造の変化、農業生産高の減少および食糧不安が生じていることに、留意する。 IV.主要な懸念領域および勧告 A.実施に関する一般的措置(条約第4条、第42条および第44条6項) 委員会の前回の勧告 8.委員会は、締約国が子どもの権利の状況を客観的に評価し、かつ1994年に採択された第1回報告書に関する総括所見(CRC/C/15/Add.14)を実施するために努力してきたことは歓迎しながらも、そこに掲げられた委員会の勧告の一部が実施されていないことを遺憾に思う。 9.委員会は、締約国に対し、前回の総括所見の勧告のうち未実施のものまたは十分に実施されていないもの(とくに法改正、女子および障害のある子どもに対する差別、児童労働の多さならびに少年司法の運営に関するもの)に対応するため、あらゆる必要な措置をとるよう、促す。 立法 10.独立前から存在する法律を見直すための取り組みは歓迎しながらも、委員会は、締約国が、条約で求められているように子どもに関わる重要な国内法を採択しかつ実施していないことを遺憾に思う。とくに委員会は、議論が10年以上前に始まったにも関わらず、子どもの権利に関する2つの注目すべき法律(子どものケアおよび保護法案および子ども司法法案)がまだ採択されていないことに、懸念とともに留意するものである。さらに、複数の法体系が存在していることに留意しつつ、委員会は、慣習法および慣習的慣行、とくに最低婚姻年齢、離婚および相続に関するものが条約の原則および規定に一致していないことを懸念する。 11.委員会は、締約国に対し、子どもの権利に関する保留中の法律、とくに子どものケアおよび保護法案および子ども司法法案の改定および採択を速やかに進めるよう促す。委員会はまた、締約国が、すべての提案されている法律および現行法に条約の原則および規定を編入するとともに、当面、抵触がある場合には憲法上の規定および制定法が慣習法に優越すること、ならびに、子どもおよび女性が正式な司法制度に全面的にアクセスできることを確保するための措置をとることも、勧告するものである。 包括的な政策および戦略 12.委員会は、締約国が、子どもの権利を保護しかつ促進する義務を履行する方向に締約国のすべての部門を導く5年間の枠組み(2012~2016年)である、子どものための国家的課題を2012年6月に発表したことに、評価の意とともに留意する。 13.委員会は、締約国が、子どものための国家的課題の実施のために十分な人的資源、財源および技術的資源を配分するとともに、同計画の実施に関して達成された進展を追跡する、監視および評価のための効果的な機構を設置するよう勧告する。 調整 14.委員会は、子どもの権利の保護および促進に関する調整の主務機関として男女平等・子ども福祉省が設置されたことに留意する。しかしながら委員会は、締約国から提供された、同省が十分な職員および資源を有していない旨の情報に懸念とともに留意するものである。委員会はさらに、政府のさまざまな部局および省が、諸地域および選挙区全体を通じて戦略的政策に関する異なる調整枠組みを定めていることから、子どもの権利の実施における権限および役割の重複が生じ、意思決定および政策の実施に悪影響を与えていることを懸念する。 15.委員会は、締約国に対し、男女平等・子ども福祉省が高い地位および権限(さまざまな部門を横断して子どもの権利のための行動を効果的に調整し、かつ子どものための国家的課題(2012~2016年)の実施を効果的に監視するための十分な人的資源、技術的資源および財源を含む)を有することを確保することにより、調整機関としての同省の役割を強化するよう、促す。さらに委員会は、締約国が、調整プロセスを合理化する目的で国、広域行政圏および地方の調整機構のあり方を見直すとともに、さまざまな部門間の重複を少なくするよう、勧告するものである。 資源配分 16.締約国が、国家予算における相当の資源を社会部門、とくに教育に配分してきたことには留意しながらも、委員会は、このような水準の支出が、子どもの権利の多くの分野(教育部門を含む)における成果の向上に必ずしもつながってきたわけではないことを懸念する。委員会はまた、締約国が、異なる部門を横断して子どものための資源の配分および使用を追跡する、予算策定に対する子どもの権利アプローチをまだ実行していないことにも、懸念とともに留意するものである。 17.委員会は、締約国に対し、以下の措置をとるよう促す。 (a) さまざまな部門全体で資源の公平は配分を確保し、かつすべての子どものために肯定的成果を確保する目的で、子どもに関する公的支出を監視すること。 (b) 主要省庁全体における子どものための資源の配分および使用の追跡システムを実施することにより、国家予算の策定において子どもの権利アプローチを活用すること。委員会はまた、いずれかの部門における投資が子どもの最善の利益にどのように貢献しているかに関する影響評価のために、当該投資が女子および男子に与える異なる影響が十分に反映されることを確保しながら、この追跡システムを活用することも促すものである。 (c) 公的な対話および参加、とくに子どもたちとの対話および参加を通じて透明なかつ参加型の予算策定を確保するとともに、地方当局の適正な説明責任を確保すること。 (d) とくに、周縁化された状況に置かれた子ども、貧困下で暮らしている子ども、農村部の子ども、または社会的な積極的差別是正措置(女子に対する差別を解消し、出生登録プログラムを強化し、保健ケアに無償でかつ容易にアクセスできるようにするための措置など)を必要とする可能性がある脆弱な状況に置かれた子どもに関する戦略的予算科目を定めるとともに、これらの予算科目が、たとえ危機の状況下にあっても保護されることを確保すること。 (e) 「子どもの権利のための資源配分――国の責任」についての一般的討議(2007年)における委員会の勧告を考慮すること。 データ収集 18.全国世帯所得支出調査(2009/10年度)に初めて子どもの貧困アセスメントが含まれたことは歓迎しながらも、委員会は、18歳未満のすべての子どもに関するデータを細分化しかつ分析するための包括的なデータ収集システムが設けられていないことを、懸念する。委員会はまた、子どもに対する暴力(体罰および障害のある子どもに対する暴力を含む)の事案に関する、性別、年齢、社会的背景、地理的所在および就学の有無ごとに細分化された情報が存在しないことも遺憾に思うものである。 19.委員会は、締約国に対し、パートナーの支援を受けながら包括的なデータ収集システムを設置するとともに、子どもの権利の実現に関して達成された進展を評価するための基盤として、子どもに関して収集されたデータを分析するよう奨励する。収集されたデータは、すべての子ども、とくに特別な保護を必要とする子どもの集団(女子、障害のある子どもおよび貧困下で暮らしている子どもなど)の状況に関する分析を容易にするため、年齢、性別、民族、地理的所在および社会経済的背景ごとに細分化されるべきである。委員会はまた、締約国が、すべての学校、代替的養護施設および国家機構に対し、子どもに対する暴力のすべての事例を報告するよう求める等の手段により、子どもに対する暴力(とくに性暴力および体罰)の事案に関する体系的データを収集することも勧告するものである。 独立の監視 20.委員会は、オンブズマン事務所内に、すべての子どもがアクセスできる子どもの権利部局が設けられていないことを懸念する。委員会はまた、オンブズマン事務所に対して限られたスタッフおよび資源しか提供されておらず、かつスタッフが子どもの権利に関するいかなる具体的研修も受けていないために、この機構に対する子どもの苦情が少数であることに表れているとおり、人権侵害を監視しかつこれに対応する同事務所の能力が深刻に制限されていることも懸念するものである。 21.一般的意見2号(2002年)に対して注意を喚起しつつ、委員会は、締約国に対し、子どもの権利侵害を監視し、かつ子どもの苦情に子どもに配慮したやり方で対応することに責任を負う子どもの権利部局を、オンブズマン事務所内に設置するよう求める。委員会はまた、締約国に対し、その独立性および有効性を確保するために必要な人的資源、技術的資源および財源がこの機構に対して提供されることを確保することも、促すものである。これとの関連で、委員会は、締約国に対し、とくに国連児童基金(ユニセフ)、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)および国連人権高等弁務官事務所の技術的援助を求めるよう、奨励する。 普及および意識啓発 22.委員会は、「ナミビア子どもの日」、「アフリカ子どもの日」および条約の子ども向け版(英語)の刊行等を通じ、子どもの権利に関する意識を高めるために締約国が行なっている取り組みには肯定的に留意するものの、条約および委員会の前回の勧告(CRC/C/15/Add.14)が地方言語に翻訳されず、かつ広く普及されていないことを依然として懸念する。 23.委員会は、締約国が子どもの権利に関する意識啓発プログラムを継続しかつ強化するよう勧告するとともに、締約国に対し、条約および総括所見を地方言語に翻訳し、かつ意識啓発プログラムに編入するよう奨励する。 研修 24.委員会は、子どもとともにまたは子どものために働くすべての専門家(政府職員、法執行官、保健専門家およびソーシャルワーカーを含む)が子どもの権利に関する十分かつ体系的な研修を受けているわけではないことを、懸念する。 25.委員会は、締約国が、子どもとともにまたは子どものために働く専門家(とくに教員、学校管理者、法執行官、オンブズマン事務所、女性・子ども保護部局および男女平等・子ども福祉省の職員、ジャーナリストならびに市民社会組織)が子どもの権利に関する十分かつ体系的な研修を受けることを確保するための努力を強化するよう、勧告する。これとの関連で、委員会は、締約国に対し、子どもの権利に関する体系的かつ長期的な研修のための利用可能な十分な人的資源、技術的資源および財源を確保する自国の義務を想起するよう、求めるものである。 子どもの権利と企業セクター 26.委員会は、締約国が、国際原子力機関の加盟国として、ウラン関連活動の安全性を保障する国際的義務を遵守してきた旨の締約国の情報に留意する。しかしながら委員会は、同国における多国籍企業および国内企業、とくに鉱山業者およびウラン生産業者が、土地、大気および水のような天然資源、ならびに、放射性物質による高度の毒性および汚染の影響を受ける人間、家族およびコミュニティを保護することを目的とした人権、環境その他の問題に関する国際的基準(とくに子どもおよび女性の権利に関わるもの)が遵守されることを確保する明確な規制枠組みがないまま操業していることを、懸念するものである。加えて委員会は、認可前の環境影響評価および法律の遵守の監視に関する重要な保障措置を定めた環境管理法も施行されていないことに、懸念とともに留意する。委員会はまた、ウラン採掘の環境上および健康上の影響に関わる問題について議論されておらず、関係者への伝達または公衆への開示も行なわれていないことにも、懸念とともに留意するものである。 27.委員会は、締約国が、2008年6月18日の人権理事会決議8/7(パラ4(d))および2011年6月16日の人権理事会決議17/4(パラ6(f))に照らし、企業部門が国内外の人権基準、労働基準、環境基準その他の基準(とくに子どもの権利に関するもの)を遵守することを確保するための規則を制定しかつ実施するよう、勧告する。とくに委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告するものである。 (a) 締約国で操業する鉱山業者およびウラン生産業者の活動が、とくに子どもおよび女性の権利との関連で人権に影響を与えまたは環境基準その他の基準を脅かさないことを確保するため、これらの業者を対象とする明確な規制枠組みを確立すること。 (b) 企業(とくにウラン採掘業者)が環境および健康に関する国内外の基準を効果的に実施すること、および、実施が監視され、かつ違反があった場合には適切な制裁が科されかつ救済が提供されること、ならびに、適切な国際的認可が求められることを確保すること。 (c) 企業に対し、環境、健康および人権に関わる自社の事業活動の影響ならびにこのような影響に対応するための計画について、アセスメント、協議ならびに公衆に対する全面的な公的開示を行なうよう求めること。 (d) これらの勧告の実施に際し、人権理事会決議が2008年に全会一致で受託した国連「保護・尊重・救済」枠組みを指針とすること。 B.子どもの定義(条約第1条) 28.委員会は、国内法における子どもの定義が多種多様であり、かつ矛盾している旨の前回の懸念(CRC/C/15/Add.14、パラ6)をあらためて表明する。とくに委員会は、締約国の憲法で「子ども」が16歳未満のすべての者と定義されており、条約第1条と両立していないことを懸念するものである。委員会は、最低婚姻年齢を18歳と定めた既婚者平等法が慣習婚には適用されないことに、重大な懸念を覚える。 29.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう強く勧告する。 (a) 子どもに関する全般的定義を条約の規定と一致させる目的で憲法およびあらゆる現行法を見直しかつ改正するとともに、あらゆる現行法において、18歳未満のすべての子どもに対して全面的保護が与えられ、かつ子どもの発達しつつある能力および高まりつつある自律が尊重されることを確保すること。 (b) 最低婚姻年齢に関する既婚者平等法の規定が慣習婚に適用されることを確保すること。 C.一般原則(条約第2条、第3条、第6条および第12条) 差別の禁止 30.委員会は、多数の政策およびプログラム(孤児および脆弱な立場に置かれた子どものための教育部門政策ならびに教育部門を対象とする国家HIV/AIDS政策など)の策定等を通じ、差別に対応するために締約国が行なっている努力に留意する。これらの努力にも関わらず、委員会は以下のことを懸念するものである。 (a) 先住民族コミュニティ(とくにオバヒンバ人およびサン人)の子ども、障害のある子ども、貧困下で暮らしている子ども、路上の状況にある子どもならびに子どもの難民および移民に対して差別が広く行なわれていることから生じている人権侵害。 (b) 女子を差別し、かつその人権を深刻に制限する家父長制的態度ならびに深く根づいた規範および慣習を含む、女性および女子に対する広範な周縁化および差別。さらに委員会は、女性および女子を差別する慣習法および慣習的慣行(婚姻および相続に関連するものを含む)について懸念を覚えるものである。 31.条約第2条に照らし、委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) とくに女子、先住民族の子ども、障害のある子どもおよび脆弱な状況に置かれたその他の集団の子どもを対象として、貧困を削減し、教育、保健および発達における差別を防止しかつこれと闘うための措置(関連の政策および戦略計画の時宜を得た実施も含む)を強化すること。 (b) 慣習法に基づいて、とくに婚姻および相続権の分野で女性および女子が直面している差別と闘うために、あらゆる必要な措置(農村部におけるこれらの法律の適用を防止するための努力を通じてた取り組みを含む)をとること。委員会は、締約国に対し、このような努力において、女子、女性、伝統的指導者および市民社会組織がプロセス全体を通じて協議の対象とされることを確保するよう、求める。 (c) 女性および女子に対する法律上の差別を終わらせるため、あらゆる関連の民事法を見直すこと。とくに締約国は、婚姻、土地所有権および相続権に関するものを含むすべての差別的規定を撤廃する目的で、既婚者平等法(1996年)を見直すべきである。 (d) 女子および女性を差別し、または女子差別を生みだしもしくは固定化する効果を有する慣習法の適用を防止するためにとられた措置について、次回の報告書に詳細な情報を記載すること。 子どもの最善の利益 32.委員会は、憲法ならびに提案されている子どものケアおよび保護法案および子ども司法法案において、子どもの最善の利益の原則が明示的に保護されていることに留意する。にもかかわらず、委員会は、この原則が立法機関によって十分に適用されておらず、したがって子どもに関わるほとんどの法律、政策およびプログラムに掲げられていないことを懸念するものである。委員会はさらに、伝統的および宗教的指導者ならびに政府職員を含む一般公衆の間で、子どもの最善の利益の原則に関する意識が欠けていることを懸念する。 33.委員会は、締約国に対し、子どもの最善の利益の原則が、あらゆる立法上、行政上および司法上の手続ならびに子どもに関わりかつ子どもに影響を与えるすべての政策、プログラムおよびプロジェクトにおいて適切に統合されかつ一貫して適用されることを確保するための努力を強化するよう、勧告する。これとの関連で、締約国は、子どもの最善の利益に関する判断指針を示す手続および基準をすべての分野で策定するとともに、当該手続および基準を、伝統的および宗教的指導者を含む公衆ならびに民間の社会福祉施設、裁判所、行政機関および立法機関に対して普及するよう、奨励されるところである。 生命、生存および発達に対する権利 34.委員会は、10代の妊娠の多発、子どもの強姦ならびにセクシュアルヘルスおよびリプロダクティブヘルスに関するケアおよび情報へのアクセスの不十分さをしばしば原因として行なわれている、締約国における新生児の遺棄(「赤ちゃん投棄」および嬰児殺について重大な懸念を表明する。 35.委員会は、締約国に対し、10代の妊娠の根本的原因に対応し、妊娠中の青少年に対する支援を強化し、かつこれらの青少年に対してセクシュアルヘルスおよびリプロダクティブヘルスのための十分なサービスを提供することを含むあらゆる必要な措置をとることにより、生命、生存および発達に対する権利をすべての子どもに対して確保する、自国の義務を想起するよう求める。 出生登録(訳者注/「市民的権利および自由」の節が欠落しているのは原文ママ) 36.委員会は、全国的な移動登録キャンペーン(2009年および2010年)等を通じ、すべての子どもが出生時に登録されることを確保することに関して締約国が達成した進展を歓迎する。しかしながら委員会は、以下のことを懸念するものである。 (a) 5歳未満児の3分の2しか出生証明書を有しておらず、かつ、出生登録が(とくにカプリビ州およびカバンゴ州の)農村部においておよび貧困下で暮らしている子どもの間でとりわけ低調であること。 (b) 出生登録に関する法的枠組みが制約的であること(これには、身分登録書類を持たない親にとって子どもの出生登録の深刻な障壁となっている、身分登録書類の提示要件も含まれる)。 (c) ナミビアで生まれた外国籍の子どもに対して担当職員が出生証明書を発行したがらないため、難民が子どもの出生登録について重大な課題に直面していること。さらに、難民および庇護希望者は隔離されたオシレ難民居留地に住むよう求める法的命令により、これらの者が子どもの出生を登録するための移動の自由が制限されている。 (d) 締約国の国籍法が、ナミビアで発見されたものの両親が知れない子どもに対する国籍の付与の問題について沈黙していること。 37.委員会は、締約国に対し、以下の措置をとるよう強く促す。 (a) 出生、婚姻および死亡登録法(1963年)の改正等を通じ、即時的かつ普遍的出生登録を確保するための努力を強化するとともに、当面、すべての子どもの出生を登録し、かつすべての子どもに対していかなる差別もなく無償の出生証明書を与えるための即時的な特別措置をとること。 (b) 出生登録の重要性に関する公衆意識啓発キャンペーンを強化すること。 (c) 保護者のいないおよび養育者から分離された子どもの庇護希望者および難民を特定するための効果的手続を確立するとともに、これらの子どもの出生を登録するための特別措置を直ちにとること。 (d) 難民の地位に関する1951年条約第26条に対する留保を撤回し、かつ難民および庇護希望者に対して移動の自由を認めること。 (e) 無国籍者の地位に関する1954年条約および無国籍の削減に関する1961年条約に加入すること。 D.子どもに対する暴力(条約第19条、第37条(a)および第39条) 体罰 38.委員会は、教育法(2001年の法律第16号)が学校における体罰を禁じており、かつ、1991年の最高裁判所判決が学校における体罰および犯罪に対する刑としての体罰を違法と判示したことに留意する。しかしながら委員会は、締約国から提供された以下の情報について重大な懸念を覚えるものである。 (a) 学校を含むあらゆる場面で、体罰の慣行が依然として広く行なわれていること。 (b) ドメスティックバイオレンス対策法(2003年の法律第4号)のような一部の新法、および、学校における体罰を禁ずる法律が、実際には全面的に執行されていないこと。 (c) 家庭、行刑制度および代替的養護の現場における体罰を明示的に禁ずる法律が存在しないこと。加えて委員会は、子どもの「合理的懲戒」が、体罰の犯罪に対するコモンロー上の抗弁とされていることを憂慮する。 39.委員会は、締約国に対し、以下の措置をとるよう強く求める。 (a) 民事法および慣習法に基づく、かつ家庭、学校および代替的養護の現場を含むあらゆる場面における体罰を禁止する目的で、子どものケアおよび保護法案を優先的課題として成立させること。 (b) 体罰を禁止する法律が効果的に実施され、かつ、体罰の責任者に対して法的手続が組織的に開始されることを確保すること。 (c) 体罰を認めるすべての規定を直ちに廃止すること。 (d) この慣行に対する一般的態度を変革する目的で、体罰の有害な影響(身体的および心理的影響の双方)に関する持続的な公衆教育、意識啓発および社会的動員のためのプログラムを、子どもたち、家族、コミュニティおよび宗教的指導者の関与を得ながら導入するとともに、体罰に代わる手段として、積極的な、非暴力的なかつ参加型の形態の子育てならびにしつけおよび規律を促進すること。 (e) 学校のすべての教員および職員が、子どもの権利および体罰の有害な影響(身体的および心理的影響の双方)に関する義務的研修を修了することを確保するとともに、積極的な行動支援および代替的形態の規律を奨励すること。 性的搾取および虐待 40.締約国が、子どもの保護を強化するためにすべての州に女性・子ども保護部局を設置したことには留意しながらも、委員会は、女性および子どもに対する虐待および暴力(学校および家庭における強姦および性的虐待を含む)が広く蔓延していることに危惧を覚える。とくに委員会は、以下のことについて重大な懸念を覚えるものである。 (a) 締約国において、家族構成員、養育者、教員および地域の指導者による子どもの強姦が多数発生していること。 (b) 子どもに対する性暴力犯罪の訴追率が低く、かつ法廷外での解決が広く行なわれているため、加害者が処罰されない状況が生じていること。これとの関連で、委員会は、強姦対策法(2000年の法律第8号)の改正が遅れていることに懸念とともに留意するものである。 (c) 国内法に基づいて被害者に認められている、裁判、シェルター、医療サービス、カウンセリングおよび賠償へのアクセスが限られていること。 41.委員会は、締約国に対し、以下の措置をとるよう促す。 (a) 性的虐待および搾取に関連する法律が効果的に執行されること、ならびに、このような犯罪の加害者が裁判にかけられ、かつ犯罪に相応する制裁によって処罰されることを確保すること。 (b) 性的暴力および虐待の被害を受けたならびにその証人であるすべての子どもを十分に保護する目的で、強姦対策法(2000年の法律第8号)を遅滞なく改正すること。 (c) すべての州の女性・子ども保護部局の能力を強化するとともに、苦情を受理し、監視しかつ調査するための効果的なかつ子どもにやさしい手続および機構を緊急に設置すること。 (d) 学校における性的暴力および虐待の通報を奨励するため、子ども、とくに女子の意識啓発を図ること。 (e) 性的搾取および暴力の被害を受けた子どものシェルターのニーズ、健康上および法律上のニーズならびに心理的ニーズに対応するための国家的戦略を策定すること。 有害慣行 42.委員会は、締約国において性的イニシエーションの慣行および早期婚が引き続き蔓延していることについて、重大な懸念を覚える。加えて委員会は、締約国が、制裁の導入等も通じ、このような有害慣行を体系的に記録しかつ抑制するためのいかなる措置もとっていないことを懸念するものである。 43.委員会は、締約国に対し、性的イニシエーションの慣行を奨励しまたはこれに関与した個人(伝統的指導者を含む)に対して十分な刑事上および民事上の制裁が科されることを確保するよう、求める。加えて、締約国は、とくに農村部において性的イニシエーションの儀式および早期婚の慣行を抑制するため、家族、コミュニティの指導者および社会一般(子どもたち自身を含む)の関与を得ながら、感受性強化プログラムを実施するべきである。 あらゆる形態の暴力を受けない子どもの自由 44.子どもに対する暴力に関する国連研究の勧告(A/61/299、2006年)を想起しながら、委員会は、締約国が、子どもに対するあらゆる形態の暴力の撤廃に優先的に取り組むよう、勧告する。委員会はさらに、締約国が、一般的意見13号(CRC/C/GC/13、2011年)を考慮し、かつとくに以下の措置をとるよう勧告するものである。 (a) 子どもに対するあらゆる形態の暴力を防止しかつこれに対処するための国家的な包括的戦略を策定すること。 (b) 子どもに対する暴力に対処するための国家的な調整枠組みを採択すること。 (c) 暴力のジェンダーに関わる側面に特段の注意を払うこと。 (d) 子どもに対する暴力に関する事務総長特別代表および他の関連の国連機関と協力すること。 生活水準 45.子どもの保護および家族支援のための包括的制度の整備を目的とした国家的開発枠組み「ビジョン2030」および第4次国家開発計画(2012/13年度~2016/17年度)には留意しながらも、委員会は、締約国の子どもの34.4%が貧困線以下の生活を送っていること、貧困下の子どもの栄養不良率、死亡率および有病率が高いこと、ならびに、ナミビア国民の67%が改善された衛生設備にアクセスできていないことを、懸念する。この文脈において、委員会は、子どもを養育し、かつホリスティックな発達に対する子どもの権利を確保することに関して家族を支援するための基礎的サービスが締約国で整備されていないことに、懸念を表明するものである。 46.委員会は、締約国に対し、とくに、コミュニティのレベルで実施される家族支援サービスおよび不利な立場に置かれた家族に対する社会的保護(貧困にとくに陥りやすい家族を重点対象とするプログラムを含む)を通じて、子どもの貧困および脆弱性に対処するためにあらゆる必要な措置をとるよう求める。 E.家庭環境および代替的養護(条約第5条、第18条(1~2項)、第9~11条、第19~21条、第25条、第27条(4項)および第39条) 家庭環境 47.委員会は、締約国が障害者補助金、里親養護補助金および児童扶養補助金を提供していることに評価の意とともに留意し、かつ、第4次国家開発計画(2012/13年度~2016/17年度)において、すべての子どもを対象とするための補助金制度の段階的拡大、および、子どもの世話をできるように家族のエンパワーメントを図るための追加的措置が提唱されていることにも留意する。しかしながら委員会は、ソーシャルワーカーおよびコミュニティ子どもワーカーが不足しているため、これらの措置が、それを必要としているすべての家族および子どもをまだ網羅できていないことを懸念するものである。加えて、委員会は以下のことを懸念する。 (a) 18歳未満のナミビアの子どもの28%が孤児でありかつ(または)「脆弱な立場」に置かれており、34%が親の一方とともに暮らしておらず、かつ両親とともに生活している子どもは26%にすぎないこと。 (b) 家族における親の責任が不平等であり、かつシングルマザーが筆頭者である世帯が多いこと。 48.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう強く勧告する。 (a) 補助金制度の拡大を速やかに進めるとともに、家族(貧困下で暮らしている家族およびシングルマザーが筆頭者である家族など)による補助金へのアクセスを高めることを目的とした制度の監視および見直しに関する、市民社会組織との協議を強化すること。 (b) ソーシャルワーカーおよびコミュニティ子どもワーカーをさらに増員するための追加的措置をとること。 (c) たとえば、ジェンダー役割および子育てに関わる慣行およびステレオタイプの変革を狙った、親としての指導およびスキルならびに親の共同責任に関する研修を含む支援を親に対して提供することにより、親の教育および意識を発展させること。 (d) 子どもの養育責任の遂行に際して親および法定保護者に適切な援助および支援サービスを提供することにより、家庭環境から子どもが分離されることを回避するための即時的措置をとること。 養子縁組 49.委員会は、国内外の養子縁組が、認可を受けていない民間の経路を通じて非公式に、かつ締約国によるいかなる監督も受けずに行なわれていることを深く懸念する。委員会はまた、国際養子縁組に関する国内法が定められていないことにも、懸念とともに留意するものである。委員会は、国内外の養子縁組を監視するための法的枠組みおよび特定の機関が存在しないなか、子どもが搾取および子どもの人身取引にさらされていることを懸念する。 50.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 国内外の養子縁組に関する包括的な法律を緊急に採択し、かつ当該法律が条約その他の国際基準に全面的に一致することを確保すること。それまでの間、締約国は、子どもの搾取および取引を含む人権侵害的慣行を防止するため、非公式な養子縁組を中止させるための即時的措置をとるべきである。 (b) 国内の養子縁組を監視し、かつこれに関するデータを収集する責任(養子縁組後の監視を含む)を特定の機関に委任するとともに、子どもの最善の利益の原則が常に考慮されることを確保すること。 (c) 国際的な養子縁組に関する子の保護および協力に関するハーグ条約(1993年)の批准を速やかに進めること。 F.障害、基礎保健および福祉(条約第6条、第18条(3項)、第23条、第24条、第26条、第27条(1~3項)) 障害のある子ども 51.委員会は、障害のある子どもに対する差別についての前回の懸念(CRC/C/15/Add.14、パラ7および15)、および、締約国が障害に対する社会福祉アプローチをとり続けていることに関する懸念をあらためて表明する。委員会は、締約国が、障害のある子どものための補助金を支給していることに留意するものの、障害のある子どもの10%しか障害補助金を受給していないことに、懸念とともに留意するものである。委員会は、以下のことをとりわけ懸念する。 (a) 障害のある子ども、とくに女子および農村部に住んでいる子どもが、複合的形態の差別、および、権利の全面的享受を深刻に妨げる障壁(教育、保健ケアその他の社会サービスへのアクセスが限定されていることを含む)に直面し続けていること。 (b) さまざまな体制および政策、とくに国家障害評議会および国家障害政策(1997年)の確立が、障害のある子どものための、調整および協調のとれた十分な行動につながっていないこと。国家障害評議会に対して国家障害政策の実施の監視が委ねられていることには留意しながらも、委員会は、同評議会の監視活動に関する情報が締約国報告書に記載されていないことを遺憾に思う。 52.一般的意見9号(CRC/C/GC/9 and Corr.1、2006年)を想起しつつ、委員会は、締約国に対し、障害に対する人権基盤アプローチをとるよう促すとともに、具体的には以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 子どもに関するすべての法律(提案されている子どものケアおよび保護法案を含む)に、障害を理由とする差別をとくに禁止する規定が含まれることを確保するとともに、障害のある子どもに関する、省庁全体を通じた、ホリスティックなかつ調整のとれたプログラムを発展させること。 (b) 障害のある子どもが教育に対する権利を行使できることを確保するとともに、特別の訓練を受けた教員を配置すること、障害のある子どものための便益を増加させることおよび学校をよりアクセシスブルなものとすること等の手段により、障害のある子どもを普通教育制度に可能なかぎり最大限に包摂するための対応をとること。 (c) 障害のある子どもの権利が侵害された場合に効果的救済措置を提供するとともに、障害のあるすべての子ども(女子を含む)ならびにその親および(または)養育者がこれらの救済措置に容易にアクセスできることを確保すること。 (d) 保健・社会サービス機構が2008年に行なった政策上および行政上の広範な勧告(障害のある人のための保健ケアサービスを向上させる目的で全国的保健ケア制度を変更することも含む)を迅速に実施すること。加えて、締約国は、とくに地方レベルで必要な専門的資源(すなわち障害の専門家)および財源が利用可能となることを確保し、かつ、コミュニティを基盤とする保健サービスプログラム(親、養育者および親支援グループを対象とするものを含む)を促進しかつ拡大するための努力を強化するべきである。 (e) 障害のある子どもに対する事実上の差別を防止しかつ解消する目的で、公衆一般および特定の専門家集団を対象とした意識啓発キャンペーンおよび教育キャンペーンを実施すること。 健康および保健サービス 53.委員会は、保健に関する国家戦略計画(2009~2013年)に肯定的に留意する。しかしながら委員会は、妊産婦死亡率および子どもの栄養不良率が高いこと、衛生設備および清潔な水へのアクセスが限られていること、保健施設が劣悪な水準にあること、ならびに、農村部および遠隔地に住んでいる子どもの間に保健格差があることを懸念するものである。委員会はまた、保健部門における人的資源の欠落および保健予算の効率的配分についても懸念を覚える。 54.委員会は、締約国が、脆弱な状況に置かれた子ども(とくに貧困下で生活している子どもおよび農村部で暮らしている子ども)にとくに注意を払いながら、すべての子どもが同一の質の保健サービスに対する同一のアクセスを享受できることを確保するため、あらゆる必要な措置をとるよう勧告する。委員会はさらに、締約国に対し、社会経済的不利益、および、保健に関わる既存の欠陥のその他の根本的原因に対処するよう、促すものである。とくに委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 子どもの栄養不良率の高さに緊急に対処するための努力を強化するとともに、基礎的な子どもの健康および栄養、個人衛生および環境衛生ならびにリプロダクティブヘルスについて親に情報を提供するためのキャンペーンを含む教育プログラムを発展させること。 (b) この点に関して、とくにユニセフおよび世界保健機関(WHO)の財政的および技術的援助を求めること。 (c) 保健インフラを向上させ、かつ、下位レベルおよび地区レベルの保健ケア施設における緊急の産科ケアおよび新生児ケアならびに専門技能を有する出産介助者の利用可能性およびアクセス可能性を高めることにより、とくに農村部において、妊産婦ケアサービスへのアクセスを向上させること。加えて、妊娠した青少年がセクシュアルヘルスおよびリプロダクティブヘルスのための保健ケアに容易にアクセスできることを確保するため、特別措置をとること。 (d) 安全な飲料水および衛生に対する人権に関する特別報告者の勧告(A/HRC/21/42/Add.3)、とくに、オンブズマンの権限を拡大して経済的、社会的および文化的権利(水および衛生に対する権利を含む)の促進および保護を含めるべきである旨の勧告(前掲パラ68(b))を実施すること。 精神保健 55.委員会は、締約国における子どもの自殺の水準の高さを危惧する。委員会は、若者の自殺率が近年増加しているという保健・社会サービス省のアセスメントに、重大な懸念とともに留意するものである。委員会はまた、精神保健上の問題に関するデータがないこと、訓練を受けた精神保健実務家の利用可能性が学校および農村部において不十分であること、ならびに、子どもとともに働く専門家の間で、精神保健上の懸念を特定しかつこれに対処することの重要性に関する意識が限られていることも、懸念する。 56.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) ナミビア精神保健政策を緊急に見直すとともに、WHOが勧告しているように包括的かつ全国的な児童精神保健政策を採択し、かつ、精神保健の促進、カウンセリング、プライマリーヘルスケア、学校〔および〕コミュニティにおける精神保健障害の予防、ならびに、外来および入院による子どもにやさしい児童精神保健サービスが当該政策の不可欠な特徴となることを確保すること。 (b) 学校およびコミュニティで利用可能な心理カウンセリングサービスおよびソーシャルワーカーを増やす等の手段により、子どもおよび若者の自殺の防止を目的とした努力を強化するために緊急の行動をとるとともに、子どもとともに働くすべての専門家が、早期の自殺傾向および精神保健上の問題を特定しかつこれに対処するための十分な訓練を受けることを確保すること。 (c) 子ども(学習障害のある子どもを含む)の精神保健に関する政策およびプログラムの策定および実施に際し、WHOその他の国内外の機関の技術的援助を求めること。 思春期の健康 57.思春期の健康を向上させるために締約国が実施されているさまざまな政策および取り組みは歓迎しながらも、委員会は、強姦によるものを含む10代の妊娠件数が多いこと、性感染症の発生率が高いこと、ならびに、青少年の間で薬物およびアルコールの濫用が行なわれていることを、著しく懸念する。とくに委員会は以下のことについて懸念を覚えるものである。 (a) 締約国の懲罰な中絶法、ならびに、さまざまな社会的および法的課題(妊娠した女子が現行法の枠内の中絶サービスにアクセスする際に相当の遅延が見られることを含む)。これとの関連で、委員会は、このような制限的な中絶法が、青少年による乳児の遺棄または不法かつ危険な条件下での妊娠中絶につながっており、その生命および健康を危険にさらしていることに、懸念とともに留意する。これは、生命、差別からの自由および健康に対する青少年の権利の侵害である。 (b) リプロダクティブヘルスのための教育およびサービス(避妊手段および緊急ケアを含む)への10代によるアクセスが不十分であること。委員会はさらに、親の同意の有無に関わらず、セクシュアルヘルスおよびリプロダクティブヘルスのためのケアに対する子どもの権利を確保するためにとられた措置についての情報が締約国報告書に記載されていないことを、遺憾に思う。 58.一般的意見4号(CRC/GC/2003/4、2003年)を参照しつつ、委員会は締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 青少年が危険な闇中絶に頼ることを防止し、かつ望まない妊娠、妊産婦死亡および乳児の遺棄を減少させるため、中絶に関する法律を見直しかつ改正すること。 (b) セクシュアルヘルスおよびリプロダクティブヘルスのためのサービス(避妊手段、施設における出産サービスおよび分娩時の保健ケアを含む)のアクセス可能性および利用可能性を、とくに農村部において確保するための努力を強化しかつ拡大するとともに、防止のための行動を通じて10代の妊娠率の高さに対処するための政策およびプログラムの実施を速やかに進め、かつ、秘密が守られるカウンセリングおよび支援に、妊娠した青少年が容易にアクセスできることを確保すること。 (c) とくに健康教育を学校カリキュラムの一部とすることによってリプロダクティブヘルス教育(青少年を対象とした性教育を含む)を強化するとともに、HIV/AIDSその他の性感染症を予防しかつ10代の妊娠を減少させる目的で、リプロダクティブヘルスケアのためのサービスに関する知識およびその利用可能性を向上させること。 (d) 10代の妊娠、有害物質の濫用およびHIV/AIDS感染その他の性感染症を防止するために立案された政策およびサービスの実施を監視するとともに、このような政策およびサービスに関する情報が、女子を含む青少年、家族、学校管理官、政府職員および保健ケア提供事業者に対して広く普及されることを確保すること。 (e) アルコールを濫用しかつ(または)タバコおよび薬物を使用したすべての子どもが、有害物質濫用からのリハビリテーションのための効果的サービスにアクセスできること(治療、カウンセリング、回復および再統合へのアクセスを含む)を確保すること。 HIV/AIDS 59.委員会は、HIVの感染率を削減し、HIVの母子感染予防策の高い実施率を達成し、かう抗レトロウィルス治療を提供することに関する締約国の進展を歓迎する。しかしながら委員会は、以下のことについて重大な懸念を覚えるものである。 (a) 子ども、とくに思春期の女子の間でHIV感染率が高いこと。 (b) 政府の政策により、16歳未満の子どもが任意のHIV/AIDSカウンセリングおよび検査にアクセスするためには親または保護者の同意が必要とされており、情報および保健ケアに対する子どもの権利が深刻に制約されていること。 (c) HIV/AIDSの予防および治療の分野における資金が減少しており、その結果、HIV/AIDSに感染したまたはその影響を受けている子どものためのサービスおよびケアが削減されるおそれがあること。 60.一般的意見3号(CRC/GC/2003/4、2003年)に照らし、委員会は締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) すべての子ども(16歳未満の女子を含む)が、親の同意の有無に関わらず、医学的助言および援助に無償でかつ秘密を守られながらアクセスできることを確保するための立法上の措置をとること。 (b) HIV/AIDS感染を予防するための政策およびプログラム(教育施設およびホステルにおけるコンドームのアクセス可能性および利用可能性を保障する、教育部門を対象とする国家HIV/AIDS政策を含む)が効果的に実施されることを確保すること。 (c) HIV/AIDSに感染したまたはその影響を受けている子どもに対してケアおよび支援を提供するための新たな政策およびプログラム(このような子どもをケアする家族およびコミュニティの能力を強化するためのプログラムを含む)を強化しかつ執行すること。 (d) 資源の配分および支出の有効性を高め、かつ国内パートナーから追加的拠出先を募る一助とする目的で、ユニセフその他の国際機関の技術的援助を求めること。 母乳育児 61.委員会は、子どもが生後4~5か月になるまで完全母乳育児を続ける母親は全体の5.7%に過ぎず、かつ子どもが生後6~8か月になるまで母乳育児を続ける母親は全体の1%に過ぎないという、締約国から提供された情報について深い懸念を覚える。委員会はまた、母乳育児を促進し、保護しかつ奨励するために締約国がとった措置(母乳育児のための教育および支援に対する資金の配分を含む)についての情報がないことも懸念するものである。加えて委員会は、締約国が、「母乳代替品の販売促進に関する国際基準」を効果的に執行するための国内法および国内政策を定めていないことを、依然として懸念する。委員会はまた、締約国の法律で3か月の出産休暇しか与えられていないため、とくに母親による乳児の母乳育児が妨げられていることにも、懸念とともに留意するものである。 62.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 安定した雇用および給与ならびに社会保障に対する働く母親の権利を確保しつつ、出産休暇を延長することにより、生後6か月までの完全母乳育児の促進を強化すること。 (b) 「母乳代替品の販売促進に関する国際基準」の遵守を監視するための全国的な監視制度を設置すること。 (c) 母乳育児、産後1時間以内に母乳育児を開始することの意義、および、可能なかぎり人工乳または母乳代替品を与えないことの重要性に関して保健専門家(産科病棟で働く専門家を含む)およびコミュニティに対する研修を行なうとともに、これらの専門家およびコミュニティが、新たに母親となった女性に対して適切な支援を提供することを確保すること。 (d) すべての妊産婦センターで母乳育児が早期に開始されることを促進するための全国的プログラムを開始するとともに、母乳育児の重要性および人工栄養法のリスクに関する資料に、とくに新たに母親となった女性がアクセスできるようにし、かつこれらの女性の間でこれらの点に関する意識啓発を図ることにより、完全かつ継続的な母乳育児を促進するための努力を強化すること。 G.教育、余暇および文化的活動(条約第28条、第29条および第31条) 63.委員会は、締約国が教育部門に相当の資源を配分してきたことを歓迎する。委員会はまた、インクルーシブ教育のための教育訓練部門向上プログラムも歓迎するものである。しかしながら、委員会は以下のことついて懸念を覚える。 (a) 教育へのアクセスに関して都市部と農村部間で格差があること、十分な訓練を受けた教育職員の数が不十分であること、ならびに、学校インフラが劣悪であり、かつ学校教材および教科書への子どものアクセスが限られていること。 (b) 初等中等学校において在学継続率が低く、かつ中退率が高いこと。 (c) 学校開発基金への寄付を含む私的負担、および、それが教育に対する子ども、とくに一定の集団の子ども(貧困下で暮らしている子ども、妊娠した青少年、障害のある子ども、移民、難民および先住民族である子どもなど)に与える影響。 (d) 10代の妊娠を理由とする女子の中退が広く生じており、かつ学習者の妊娠の防止およびこれへの対応に関する政策が実施されていないこと。 64.一般的意見1号を考慮にいれ、委員会は、締約国が、ナミビアのすべての子どもが良質な教育にアクセスできることを確保するためのプログラムおよび政策を引き続き強化するよう、勧告する。とくに委員会は、締約国に対し、以下の措置をとるよう促すものである。 (a) 就学および通学に関する地域的格差を根絶する目的で、十分な訓練を受けた教員を増員し、学校インフラを向上させ、かつ学校教材および教科書への子どものアクセスを高めること。 (b) 学校出席・在学継続プログラムを向上させるための支援を強化し、かつ中退した生徒に対して職業訓練を提供すること。 (c) すべての子どもがなんらの妨げもなく平等に教育にアクセスできることを確保するため、学校制度におけるあらゆる態様の隠れた費用または追加的費用を解消すること(学校開発基金制度の即時廃止を含む)。 (d) 脆弱な立場に置かれた子どものニーズを考慮しながら特別教育プログラムを実施するとともに、妊娠した女子が教育に全面的かつ容易にアクセスできることを確保するため、学習者の妊娠の防止およびこれへの対応のための政策の効果的実施を確保すること。 乳幼児期の発達 65.委員会は、乳幼児期の統合的発達(ECD)に関する締約国の政策、ならびに、社会の最貧層に焦点を当て、かつECDワーカーの養成および研修を支援する、政府が運営する無償のECDセンターを整備していくことについて、子どものための国家的課題(2012~2016年)および第4次国家開発計画(2012~2017年9で明らかにされた決意を歓迎する。しかしながら委員会は、就学前の子どもに関するデータがないこと、ならびに、複合的ECDプログラムの実施および評価を効果的に調整する教育省および男女平等・児童福祉省の能力について、懸念を覚えるものである。 66.委員会は、締約国が、就学前のすべての子どもに関する調査を実施するとともに、十分な人的資源、財源および技術的資源ならびに監視および評価のための効果的な機構を通じてECD政策の実施を加速させること、もっとも不利な状況に置かれた子ども(女子ならびに農村部および遠隔地の子どもを含む)を優先的に対象とすること、ならびに、必要なときはコミュニティを基盤とする効率的アプローチを活用することを、勧告する。 H.その他の特別な保護措置(条約第22条、第30条、第38条、第39条、第40条、第37条(b)~(d)、第32~36条) 経済的搾取(児童労働を含む) 67.委員会は、とくにインフォーマル部門および農村部で児童労働が蔓延していることについての前回の懸念(CRC/C/15/Add.14、パラ10)をあらためて表明する。委員会は、以下のことをとりわけ懸念するものである。 (a) 労働法における最低就労年齢(14歳)と教育終了年齢(16歳)が一致していないこと。 (b) 家事労働部門および農業部門で子どもの搾取および虐待(身体的虐待、教育の否定および長時間労働を含む)が行なわれているという報告があること。 (c) 危険な労働への子どもの関与を含む最悪の形態の児童労働が蔓延していること。 68.委員会は、締約国が、児童労働の問題に関する政策および立法が条約および関連のILO条約の規定に一致することを確保するべきである旨の前回の勧告(CRC/C/15/Add.14、パラ21)をあらためて繰り返す。加えて委員会は、締約国に対し、最悪の形態の児童労働をとくに重視しながら、児童労働に対応するためにあらゆる利用可能な手段を尽くすよう促すものである。委員会は、具体的に、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 労働法を改正して、最低就労年齢を教育終了年齢の水準まで、かつ危険な労働における最低就労年齢を18歳に、引き上げること。 (b) 児童労働(農業部門におけるものを含む)が疑われる事案の査察および調査を増やすとともに、児童労働に関する規定の遵守を向上させるために賠償および刑事的制裁について定めること。 (c) 労災事件について現在利用可能なものよりも良質な統計を収集しかつ公表する目的で、農業労働者および子どもの家事労働者の使用者に対し、労働に関連したすべての負傷および重度疾患を、労働・社会福祉省の労働コミッショナー事務所に報告するよう要求すること。 (d) とくに農業地帯において、一般公衆を対象とした、児童労働および法規定の執行に関する意識啓発プログラムを行なうこと。 (e) 家事労働者の適切な仕事に関するILO第189号条約(2011年)を批准すること。 (f) この点に関して国際労働機関・児童労働撤廃国際計画の技術的援助を求めること。 (g) とくに、就労している子どもが教育にアクセスできるようにすることの遵守を向上させるための民事上および刑事上の処罰を確保することにより、労働法を厳格に執行すること。 路上の状況にある子ども 69.委員会は、路上の状況にある子どもに関する意識を高め、かつこのような子どもを学校に再統合するために締約国が行なった全国的キャンペーンを歓迎する。しかしながら委員会は、路上の状況にある子どもが日常的に搾取、虐待、差別およびスティグマならびに警察による逮捕および拘禁を受けているという報告について懸念を覚えるものである。加えて委員会は、締約国において路上の状況にある子どもの施設措置が行なわれていることを懸念する。 70.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) この現象を防止しかつ減少させる目的で、路上の状況にある子どもを保護し、かつその人数を削減するための包括的戦略(貧困、家族間暴力、移住および教育へのアクセスの欠如といった根本的原因の特定を含む)を策定すること。これとの関連で、委員会は、締約国に対し、路上の状況にある女子が有している、性的虐待、搾取および早期妊娠に対する特有の脆弱性に対して特段の注意を払うよう、求める。 (b) 子どもの最善の利益を考慮しながら、施設措置に代わる効果的選択肢を提示し、かつ、実現可能かつ適切なときは路上の状況にある子どもが家族と再統合することを促進する取り組みを発展させること。この文脈において、委員会は、締約国が、これらの子どもの長期的な教育上および発達上のニーズを(可能なときは心理的支援等も通じて)支援するプログラムを発展させるよう、勧告する。 (c) 路上の状況にある子どもが、公衆および法執行官による差別、虐待およびいやがらせを受けず、かつ恣意的な逮捕および不法な拘禁の対象とされないことを確保すること。 (d) 路上の状況にある子どもに対する、警察および警察留置施設または政府の拘禁施設の職員による不当な取扱いおよび虐待についての苦情を迅速に調査するとともに、懲戒措置を開始すること。 売買、取引および誘拐 71.委員会は、子どもが、農業、道路建設、物品販売および商業的セックスワークにおける雇用を目的として締約国内で取引されていること、ならびに、他国の子どもが、家畜の世話および保育のために人身取引によって締約国に連れてこられていることを、深く懸念する。委員会はまた、人身取引に関する具体的法律が制定されておらず、かつ人身取引の訴追が行なわれていないことにも、懸念とともに留意するものである。 72.委員会は、締約国に対し、以下の措置をとるよう促す。 (a) 国際的な組織犯罪の防止に関する国連条約を補足する、人(とくに女性および子ども)の取引を防止し、抑止しおよび処罰するための議定書(パレルモ議定書)および子どもの権利条約第35条に一致する、人身取引に関する法律を緊急に採択すること。 (b) 国境管理をいっそう厳格にすること等の手段により、国内外の人身取引と闘うための努力を強化すること。 (c) 子どもの売買、取引および誘拐の加害者に対して自己の犯罪についての責任をとらせるための十分な措置がとられることを確保すること。 少年司法の運営 73.委員会は、刑事訴訟法改正法(2003年の法律第24号)、および、子どもにやさしい裁判所に関する同法の規定を歓迎する。しかしながら委員会は、例外的なほど長期の遅延にも関わらず、子ども司法法案が採択されていないことを懸念するものである。委員会はまた、以下のことも懸念する。 (a) 刑事責任に関する最低年齢(締約国では7歳)が容認できないほど低いこと。 (b) 子ども裁判所がすべての州で稼働しているわけではないこと。 (c) 法律に抵触した子どもの状況に関する情報が、締約国報告書および公有可能な場に存在しないこと。 (d) 男女双方の子どもを対象とする特別拘禁施設が存在せず、子どもが成人とともに収監されており、かつ拘禁(収監を含む)の環境が劣悪であること。 (e) 裁判官が、刑事訴訟法改正法(2003年の法律第24号)を一貫して執行していないという報告があること。 74.委員会は、締約国が、少年司法制度を、条約、とくに第37条、第39条および第40条、ならびに、少年司法の運営に関する国連最低基準規則(北京規則)、少年非行の防止に関する国連指針(リャド・ガイドライン)、自由を奪われた少年の保護に関する国連規則(ハバナ規則)、刑事司法制度における子どもについての行動に関する指針および少年司法における子どもの権利に関する委員会の一般的意見10号(CRC/C/GC/10、2007年)を含む他の関連の基準と全面的に一致させるべきである旨の、前回の勧告(CRC/C/15/Add.14、パラ20)をあらためて繰り返す。とくに委員会は、締約国に対し、以下の措置をとるよう促すものである。 (a) 保留されている子どものケアおよび保護法案および子ども司法法案を緊急に改訂しかつ採択すること。 (b) 刑事責任年齢を修正して国際的に容認可能な水準と一致させるとともに、このような規定で、より低い年齢の適用が例外的に認められることのないようにすること。 (c) 刑事訴訟法改正法における少年司法関連のすべての規定(子ども裁判所に関する規定を含む)が効果的に執行されることを確保すること。 (d) 締約国のすべての州に子ども裁判所を設置すること。 (e) 少年司法制度で働くすべての専門家を対象として、条約、他の関連の国際基準および委員会の一般的意見10号に関する研修を行なうこと。 (f) とくに、子どもの年齢およびニーズにふさわしい環境を備えた子ども向けの特別刑務所を設置し、かつ国内のすべての拘禁センターで社会サービスの提供を確保することによって、自由を奪われた子どもの権利を保護し、かつその拘禁および収監の環境を向上させるとともに、当面、国内全域のすべての刑務所および未決勾留センターにおいて子どもが成人から分離されることを保障すること。 (g) 拘禁されている子どもの人数およびその法的状況、このような子どもの拘禁環境、ならびに、法的援助を提供された子どもの事案に関する情報を収集し、かつ当該情報を公に利用可能とすること。 犯罪の被害者および証人である子ども 75.委員会は、犯罪の被害者および証人である子どもの保護について非政府組織および専門家とともに進められているパイロットプロジェクトに肯定的に留意する。しかしながら委員会は、性的虐待の被害者および証人である子どもを法的手続中に保護する機構が存在せず、子どもがさらなるトラウマおよび不安にさらされていること、ならびに、子どもの証人保護プログラムがすべての州で運用されているわけではないことを、懸念するものである。 76.委員会は、被害者および証人である子どもならびにそのプライバシー権の保護を向上させ、かつ子どもの証人保護プログラムがすべての州で効果的に執行されることを確保する目的で、締約国が、犯罪の被害者および証人である子どものための保護プログラムの、同国のすべての州における発展および実施を加速させるよう、勧告する。 I.国際人権文書の批准 77.委員会は、締約国が、子どもの権利の充足をさらに強化する目的で、まだ加盟国となっていない条約、とくに通報手続に関する子どもの権利条約の選択議定書、経済的、社会的および文化的権利に関する国際規約の選択議定書、拷問および他の残虐な、非人道的なまたは品位を傷つける取扱いまたは刑罰に関する条約の選択議定書、強制失踪からのすべての者の保護に関する国際条約、および、すべての移住労働者およびその家族構成員の権利の保護に関する国際条約を批准するよう、勧告する。 78.委員会は、締約国に対し、武力紛争への子どもの関与に関する選択議定書ならびに子どもの売買、児童買春および児童ポルノに関する選択議定書に基づく報告義務(いずれについても2004年5月16日の報告書提出期限が過ぎている)を履行するよう、促す。 J.地域機関および国際機関との協力 79.委員会は、締約国が、締約国および他のアフリカ連合(AU)加盟国の双方における条約その他の人権文書の実施に向けて、AU・子どもの権利および福祉に関するアフリカ専門家委員会と協力するよう勧告する。 K.フォローアップおよび普及 80.委員会は、締約国が、とくにこれらの勧告を国家元首、議会、関連省庁、最高裁判所および地方当局に送付して適切な検討およびさらなる行動を求めることにより、これらの勧告が全面的に実施されることを確保するためにあらゆる適切な措置をとるよう勧告する。 81.委員会はさらに、条約および選択議定書ならびにそれらの実施および監視に関する議論および意識を喚起する目的で、締約国による第2回・第3回統合定期報告書および文書回答ならびに関連の勧告(総括所見)を、インターネット等を通じ(ただしこれに限るものではない)、公衆一般、市民社会組織、メディア、若者グループ、専門家グループおよび子どもが同国の言語で広く入手できるようにすることを勧告する。 L.次回報告書 82.委員会は、締約国に対し、次回の第4回~第6回統合定期報告書を2017年10月29日までに提出し、かつ、この総括所見の実施に関する情報を当該報告書に記載するよう慫慂する。委員会は、2010年10月1日に採択された委員会の条約別調和化報告ガイドライン(CRC/C/58/Rev.2 and Corr.1)に対して注意を喚起するとともに、締約国が、今後の報告書は当該ガイドラインにしたがうべきであり、かつ60ページを超えるべきではないことを想起するよう求めるものである。委員会は、締約国に対し、当該ガイドラインにしたがって報告書を提出するよう促す。ページの制限を超えた報告書が提出された場合、締約国は、前掲ガイドラインにしたがって報告書を見直し、かつその後再提出するよう求められることになる。委員会は、締約国に対し、報告書を見直しかつ再提出することができないときは、条約機関による審査のための報告書の翻訳は保障できないことを想起するよう、求めるものである。 83.委員会はまた、締約国に対し、2006年6月の第5回人権条約機関委員会間会合で承認された統一報告ガイドライン(HRI/MC/2006/3)に掲げられた共通コア・ドキュメントについての要件にしたがい、最新のコア・ドキュメントを提出することも慫慂する。 更新履歴:ページ作成(2012年12月13日)。
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総括所見:フィリピン(第2回・2005年) 第1回(1995年)/第3回・第4回(2009年)OPAC(2008年)/OPSC(2013年) CRC総括所見日本語訳(国別)/CRC総括所見日本語訳(会期順) CRC/C/15/Add.259(2005年9月21日) 原文:英語(平野裕二仮訳) 原文は国連人権高等弁務官事務所のサイト(国別情報のページまたはCRC会期一覧ページ)を参照。 1.委員会は、2005年5月18日に開かれた第1028回および第1029回会合(CRC/C/SR.1028 and 1029参照) においてフィリピンの第2回定期報告書(CRC/C/65/Add.31)を検討し、2005年6月3日に開かれた第1052回会合において以下の総括所見を採択した。 A.序 2.委員会は、締約国が提出した、定められた報告ガイドラインにしたがった第2回定期報告書、および委員会の事前質問事項に対する文書回答を歓迎する。委員会は、締約国との間に持たれた建設的対話を心強く思うとともに、条約の実施に関与する省庁横断型の代表団が出席してくれたことにより、締約国における子どもの権利の状況のより十全な評価が可能となったことを認知するものである。 B.締約国によりとられたフォローアップ措置および達成された進展 3.委員会は、近年、子どもの権利の保護および促進を目的としたいくつかの法律が採択されたこと、とくに以下のことに留意する。 (a) とくに女性および子どもの人身取引を根絶するための政策を制定し、人身取引の対象とされた者を保護しおよび支援するための制度的機構を設置し、人身取引を行なった者に対する刑罰を定め、かつ、フィリピンまたは国外における武装活動に従事させるための子どもの徴募、移送または養子縁組も禁じた、人身取引防止法(共和国法第9208号)の採択(2003年)。 (b) 最悪の形態の児童労働の根絶を定め、かつ働く子どもに対してより強力な保護を与える、子どもの虐待、搾取および差別からの子どもの特別保護法(共和国法第7610号)を改正した共和国法第9231号の採択(2003年)。 (c) フィリピン家族法(大統領令第209号第176条)を改正し、非嫡出子が父の姓を用いることを認めた共和国法第9255号の採択(2004年)。 (d) 女性およびその子どもに対する暴力を定義し、かつ被害者の保護措置およびこのような暴力の加害者に対する刑罰を定めた、女性およびその子どもに対する暴力防止法(共和国法第9262号)の採択(2004年)。 (e) この総括所見全体で言及されている国際的条約および議定書の批准など、条約の実施を促進するためにとられたその他の法律上または行政上の措置。 C.条約の実施を阻害する要因および困難 4.委員会は、7100以上の島々から構成されている締約国が、地理的形態の面で特有の性質を有しており、かつ、同国の農村部および遠隔地(多くの場合、これらの地域は孤立しており、サービス等の対象とすることが非常に困難である)に住んでいる子どもを対象として十分なプログラムおよびサービスを実施するうえで課題に直面していることを認知する。 5.委員会はまた、トロピカル・ストームによる自然災害および2004年末に発生したいくつかの破壊的タイフーンによって同国のいくつかの州のインフラが崩壊し、そのため経済的および社会的困難が増しつつあることも認知する。とくに政治的不確定性および反政府運動によって引き起こされる国内の不安定さは、締約国における全般的な人権の発展に悪影響を及ぼしてきた。 D.主要な懸念領域および勧告 1.実施に関する一般的措置 委員会の前回の勧告 6.委員会は、締約国の第1回報告書(CRC/C/3/Add.23)の検討時に採択された総括所見(CRC/C/15/Add.29)に掲げたさまざまな懸念および勧告について立法措置および政策を通じた対応が行なわれてきたことに、満足感とともに留意する。しかしながら、委員会が表明した懸念および行なった勧告の一部、とくに刑事責任および性的同意に関する最低年齢、婚外子差別、包括的な少年司法制度の欠如、条約に関する監視制度の欠如ならびに拷問等の禁止については、十分な対応が行なわれていない。 7.委員会は、締約国に対し、第1回報告書に関する総括所見で行なわれた勧告に対応し、かつ第2回定期報告書に関するこの総括所見に掲げられた勧告に対応するため、あらゆる努力を行なうよう促す。 立法 8.委員会は、比較的先進的な法的枠組みに留意するとともに、子どもの権利の保護および促進を向上させることを目的とした多くの立法上の提案、新法の制定および法改正の採択を心強く思う。しかしながら委員会は、とくに地方レベルで法律が十分に実施されていないことを深く懸念するものである。委員会はまた、国内法が条約のすべての規定および原則に完全に一致しているわけではないことにも留意する。 9.委員会は、締約国が、子どもの権利の保護を向上させる目的で国内法の全面手的かつ効果的実施を確保し、かつ、たとえば刑事責任に関する現行の最低年齢および法律に触れた子どもとの関連で、自国の法律を条約の規定および原則と全面的に調和させるため、あらゆる必要な措置をとるよう勧告する。 国家的行動計画 10.委員会は、「子ども21」として知られる「子どもの発達のための国家的戦略枠組み計画(2001~2025年)」が開始され、かつ、子どもの権利に関する問題ならびに関連の進展および欠点に対応するためにホリスティックなアプローチがとられていることを歓迎する。委員会は、既存の監視機構が、同計画の実施を一貫したやり方で監視しかつ評価するためには不十分であることを懸念するものである。さらに、委員会は、地方レベルで同計画およびその目的についての意識が限定されていることを懸念する。 11.委員会は、締約国が、とくに十分な人的資源、財源および技術的資源を提供することにより、「子どもの発達のための国家的戦略枠組み計画(2001~2025年)」の全面的実施のためにあらゆる必要な措置をとるとともに、同計画の実施に関して、地方レベルでの同計画の実施に特段の注意を払いながら、権利を基盤とする、開かれた、建設的かつ参加型のプロセスを確保するよう勧告する。これとの関連で、委員会は、締約国が、同計画の実施に関わる活動の効果的調整ならびにこの実施プロセスの監視および評価を可能ならしめるのに必要な資源を国家子ども福祉評議会に提供することにより、同評議会を全面的に支援するよう勧告するものである。加えて、締約国は、とくに同計画および子どもの権利条約一般の実施における重要な手段となるだけの十分な資源を提供された子どもの保護のための地方評議会の設置を、とくに都市、自治体およびバランガイ(最小地方行政単位)においてできるかぎり促進するよう促される。委員会はまた、締約国が、実施プロセスの過程でとくに国連児童基金(ユニセフ)の技術的援助を求めることも勧告するものである。 独立の監視 12.委員会は、人権の実施を独立の立場から促進しかつ監視する権限を与えられたフィリピン人権委員会(PCHR)が1997年に設置されたことを歓迎するとともに、他のいくつかの機関に対しても子どもの権利の実施に関する監視の役割が与えられていることに留意する。委員会は子どもの権利に関わるPCHRの活動を認知するものの、その権限および資源が限られていることを懸念するものである。 13.委員会は、子どもの権利の保護および促進における独立した国内人権機関の役割に関する委員会の一般的意見2号(2002年)を参照しつつ、締約国に対し、子どもが申し立てた個別の苦情の調査を子どもに配慮したやり方で強化するため、子どもの権利の監視に関わるPCHRの権限を拡大することおよびPCHRに十分な資源を提供することを検討するよう、勧告する。 資源配分 14.委員会は、子どものための社会サービスに対する予算配分が若干増額されたこと、締約国が予算策定に関して20/20イニシアティブを実施するために努力していること、および、たとえば貧困緩和基金を通じて低所得家庭および貧困との闘いに優先順位が与えられていることに留意する。委員会はまた、締約国の債務元利払いが国家予算の30%以上を占めていること、ならびに、子どものための十分な予算配分、および、利用可能な資源を最大限に用いて子どもの経済的、社会的および文化的権利を実施することに対する予算配分に関わる条約第4条について十分な注意がはらわれていないことにも、深い懸念とともに留意するものである。 15.委員会は、とくに子どもの権利の実現ならびにとりわけ子どもの経済的、社会的及び文化的権利の実施に対する予算配分を増額できるようにするため、締約国が、債務元利払い水準を低減させるための努力を強化するよう勧告する。子どもに関する支出の影響を評価できるようにするため、委員会は、締約国が、予算配分が子どもの権利の実施に与える影響の体系的評価を確立し、かつ、18歳未満の者に支出される年間予算の額および割合を明らかにするよう、勧告するものである。 データ収集 16.委員会は、データ収集改善のためのさまざまな努力を歓迎するものの、条約が対象としている一部の領域(障害のある子ども、移住者の子ども、極度の貧困下で暮らしている子ども、虐待およびネグレクトの対象とされている子ども、少年司法制度における子どもならびにマイノリティに属する子どもおよび先住民族の子どもを含む)で、データが存在せずまたは不十分であることを依然として懸念する。 17.委員会は、条約のすべての領域に関するデータが収集され、かつ、これらのデータが、とくに、18歳未満のすべての者について年齢別、ジェンダー別、都市部および農村部の別ならびに特別な保護を必要とする子どもの集団別に細分化されることを確保するため、締約国が、既存のデータ収集機構を強化しかつ条約と一致した指標を開発するとともに、必要なときは追加のデータ収集機構を設置するよう勧告する。委員会はさらに、締約国に対し、条約を効果的に実施するための政策およびプログラムを立案する目的でこれらの指標およびデータを活用するよう、奨励するものである。 条約の普及 18.委員会は、条約普及特別委員会が設置されたことに評価の意とともに留意し、かつ、たとえば出版物、放送メディアおよび専門家の研修を通じて条約の原則および規定に関する情報を普及するうえで、締約国が、ユニセフ、その他の国際機関ならびに国内外の非政府組織と連携しながら行なっている努力を心強く思う。にもかかわらず、委員会は、条約が社会のあらゆるレベルで普及されているわけではないことを懸念するものである。加えて、委員会は、子どもとともにおよび子どものために働く専門家の研修および再研修が系統だって行なわれておらず、むしろ場当たり的になっていることに留意する。 19.委員会は、締約国が、条約を促進する創造的かつ子どもにやさしい手法を引き続き発展させるよう勧告する。委員会はさらに、締約国に対し、遠隔地の子どもおよびおとなの間で条約に関する意識を高めるとともに、少なくとも主要な言語で、かつできるだけその他の先住民族およびマイノリティの言語でも条約を利用可能とするよう、奨励するものである。委員会はさらに、裁判官、弁護士、法執行官、教員、学校管理者および保健従事者のような、子どもとともにおよび子どものために働く専門家集団の系統だった研修を勧告する。条約の普及に関して、委員会はまた、締約国が、とくに国連人権高等弁務官事務所およびユニセフの技術的援助を求めることも勧告するものである。 2.一般原則 差別の禁止 20.とくに子ども・若者福祉法(大統領令第603号)、家族法および子どもの虐待、搾取および差別からの子どもの特別保護法の規定ならびに第3次初等教育プログラムのようないくつかのプログラムの実施を通じて子どもに対する差別を撤廃するために締約国がとった措置にも関わらず、委員会は、多くの子ども、とくに貧困下で暮らしている子ども、障害のある子ども、先住民族およびマイノリティの子ども(ミンダナオに住むイスラム教徒の子どもを含む)、移住者の子ども、ストリートチルドレンならびに農村部に住んでいる子どもおよび紛争地域に住んでいる子どもが、とりわけ社会サービスおよび保健サービスならびに教育へのアクセスに関して差別に直面していることを懸念する。委員会は、女子が日常生活で直面している事実上の差別(これはジェンダーに基づく複合差別であることが多い)についてとくに懸念を覚えるものである。委員会は最後に、とくに相続の権利および「非嫡出」という差別的分類に関する婚外子の不平等な地位についての懸念をあらためて表明する。 21.条約第2条に照らし、委員会は、締約国が、差別の禁止の原則を保障した現行法の効果的実施を確保するための努力を強化するとともに、脆弱な立場に置かれたすべての集団の子どもに対するあらゆる形態の差別(諸形態の複合差別を含む)を撤廃するための積極的かつ包括的戦略を採択するよう、勧告する。委員会は、締約国が、女子の平等な地位ならびに女子によるすべての人権および基本的自由の全面的享受に対して特段の注意を払うよう勧告するものである。婚外子に関して、委員会は、締約国に対し、平等な取り扱いに対する婚外子の権利(相続の権利を含む)を保障し、かつこれらの子どもを「非嫡出」と分類する差別的慣行を廃止する目的で、国内法を見直すよう要請する。 22.委員会は、「人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容に反対する世界会議」で採択されたダーバン宣言および行動計画をフォローアップするために締約国が実施した措置およびプログラムのうち子どもの権利条約に関わるものについての具体的情報を、教育の目的に関する委員会の一般的意見1号(2001年)も考慮に入れながら、次回の定期報告書に記載するよう要請する。 生命に対する権利 23.委員会は、とくに国内武力紛争を理由とする子どもの生命権の侵害に重大な懸念を表明する。軍の兵士による子どもの超法規的殺害が2004年にブラン(ソルソゴン州)で行なわれたとされること、および、近年、ダバオおよびディゴスの両都市でもいわゆる死の部隊による同様の事件が起きたとされていることは、きわめて重大な懸念の理由となるものである。 24.改正刑法(共和国法第3815号)および改正刑法を修正した一部の凶悪犯罪に対する死刑適用法(共和国法第7659号)の規定で、犯罪を行なったときに18歳に達していなかった者に死刑を科すことが明示的に禁じられていることには留意しながらも、委員会は、子ども、すなわち18歳未満の者が確固たる年齢証明のないまま死刑囚とされている事案があることに深い懸念を表明する。 25.委員会はまた、民事登録官へのアクセスが制約されていることを理由として新生児死亡および流産の報告制度に欠陥が生じていることにも、懸念とともに留意する。 26.委員会は、条約第6条その他の条項を参照しながら、締約国に対し、とくに子どもの超法規的殺害を防止することならびに殺害が疑われる事件を徹底的に捜査しかつ加害者を裁判にかけることを目的とする効果的措置をとることにより、生命、生存および発達に対するすべての子どもの権利の保護を強化するためにあらゆる努力を行なうよう促す。 27.委員会はまた、締約国に対し、死刑を言い渡された子どもの処刑を防止し、かつ死刑に代えて条約および少年司法の運営に関する国連最低基準規則(北京規則)(国連総会決議40/33)に一致する制裁を適用するためにあらゆる必要な措置をとることも促す。締約国はまた、18歳未満の者が死刑または成人を対象とする他の刑罰を言い渡されないことを確保する目的で、警察、検察官、弁護人、裁判官およびソーシャルワーカーのような公的権限を行使する者に対し、被告の正確な年齢に関する証拠を法廷に提出すること、またはそれが不可能な場合には被告に灰色の利益を与えることを義務づけるため、即時に立法上その他の措置をとることも求められる。 28.新生児死亡および流産の報告について、委員会は、締約国が、とくに同国の遠隔地において民事登録官へのアクセスを容易にするよう勧告する。 子どもの意見の尊重 29.委員会は、締約国の国内法令のなかに、たとえば司法上および行政上の手続における子どもの同意および意見を明示的に尊重しているものがあり、かつ、締約国が、とくに全国若者議会(共和国法第8044号)および生徒評議会を通じ、子どもの参加を促進してきたことに留意する。これらの積極的措置にも関わらず、委員会は、ひとつには社会における伝統的態度を理由として、参加および自由な意見表明に対する子どもの権利が締約国においていまなお制限されているという見解に立つものである。 30.条約第12条に照らし、委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 家庭、学校およびその他の施設において子どもの意見の尊重を促進し、かつ、とくに子どもおよび若者の評議会、フォーラム、議会等を通じ、子どもに影響を与えるすべての事柄への子どもの双方向的参加の便宜を図るための努力を強化すること。その際、脆弱な立場に置かれた集団の子どもに特段の注意を払うことが求められる。 (b) 子どもおよびその親、養育者ならびに子どもとともにおよび子どものために働く専門家に対し、子どもが自己に関わる問題について影響を及ぼす機会を追求しかつ強化するよう奨励することにより、意見を聴かれかつ参加する子どもの権利についての意識啓発キャンペーンを行なうこと。 31.委員会は、子ども向けヘルプライン「バンタイ・バータ〔子どもの味方〕163」の活動に、評価の意とともに留意する。これは、子どもが自己の関心事および意見を表明し、かつ援助および助言を求めるための重要な手段である。しかしながら委員会は、同ヘルプラインにアクセスできるのが首都圏に住んでいる子どもだけであり、かつ、同ヘルプラインを同国の農村部にまで拡大するための基本的資金が存在しないことを懸念するものである。 32.委員会は、子ども向けヘルプライン「バンタイ・バータ163」を全国的にアクセス可能なフリーダイヤルとし、かつ十分な人的資源、技術的資源および財源を提供することにより、締約国が同ヘルプラインの拡大を支援するよう勧告する。ヘルプラインに関する子どもの意識について、委員会は、締約国が、子ども関連のプログラムに同ヘルプラインについての情報を含めるよう勧告するものである。 3.市民的権利および自由 出生登録 33.出生登録率の上昇の見込みおよび締約国がこの点についてとっている措置(プラン・インターナショナルおよび国家統計局が連携して実施している「未登録の子どもプロジェクト」を含む)には留意しながらも、委員会は、子ども、とくに宗教的その他のマイノリティ集団または先住民族に属している子どもおよび同国の遠隔地に住んでいる子どもの時宜を得た出生登録を確保するうえで困難が生じていること、および、出生登録が無償ではなく、かつ締約国全域のすべての親にとって平等にアクセス可能なものとなっていないことを、依然として懸念する。委員会はまた、出生証明書の偽造についても懸念を覚えるものである。 34.子どもがすべての人権および基本的自由を全面的に享受することを確保し、かつ100%の出生登録を達成するため、委員会は、締約国が、領域内の最遠隔地にサービスを提供する移動出生登録班をより効果的に活用すること等も通じて、締約国の領域を完全に網羅した、効率的な、かつあらゆる段階で無償の出生登録制度を発展させるための努力を強化するよう、勧告する。委員会は、締約国に対し、子どもが婚外子である親および宗教的その他のマイノリティまたは先住民族に属する親による早期の出生登録へのアクセスを向上させることに、特段の注意を払うよう要請するものである。 35.委員会は、同国における出生登録率の向上を達成するため、締約国が、公衆の態度を変革し、かつ親、産婦人科診療所および病院、助産師ならびに伝統的出産立会人の感受性を強化することを目的とした意識啓発キャンペーンを導入するよう、勧告する。加えて、委員会は、締約国が、この点に関する国際機関および非政府機関との協力を深めるよう勧告するものである。委員会は、締約国が、とくに社会福祉開発省のような政府機関に関連の規定の実施およびすべての偽造事件の記録を担当させることによって、出生証明書の偽造を防止する効果的措置をとるよう勧告する。委員会はまた、締約国に対し、出生時からのアイデンティティに対する子どもの権利および家族のなかで成長することに関する広報キャンペーンを、とくに地方レベルで開始することも勧告するものである。 名前、国籍およびアイデンティティ 36.海外で働くフィリピン人が多いことに関して、委員会は、国外で生まれたフィリピン人移住労働者の子どもについて懸念を覚える。これらの子どもは、登録されないことにより、名前、国籍およびアイデンティティならびに基礎的サービスに対する権利を奪われている。 37.委員会は、締約国に対し、親がその在留資格に関わらず国外で生まれた子どもを登録することを奨励し、かつそのための便宜を図るよう勧告する。委員会はまた、締約国が、登録されておらず正規の身分証明書類を有しない子どもが、適正に登録されるまでの間、保健および教育のような基礎的サービスへのアクセスを認められることを確保するようにも勧告するものである。加えて、委員会は、締約国に対し、出生登録の必要性および価値に関する親の意識を高めるよう勧告する。 拷問および他の残虐な、非人道的なまたは品位を傷つける取り扱いまたは処罰 38.委員会は、フィリピン憲法が拷問を禁じており、かつ子ども・若者福祉法(大統領令第603号)の規定で拷問および不当な取り扱いからの子どもの保護が定められていること、ならびに、すべての病院、診療所、関連施設および開業医に対し、子どもの拷問および不当な取り扱いのすべての事案を書面で報告する義務が課されていることに、留意する。にもかかわらず、委員会は、子ども、とくに拘禁されている子どもの拷問、非人道的なおよび品位を傷つける取扱いの報告件数が多数にのぼることを深く懸念する。委員会は、法律による拷問の禁止および犯罪化に関する前回の勧告をあらためて繰り返すとともに、現行法は子どもに対して拷問および不当な取り扱いからの十分な水準の保護を提供していないという見解をとるものである。 39.拷問および他の残虐な、非人道的なまたは品位を傷つける取り扱いまたは処罰に関して、委員会は、締約国に対し、家庭ならびに官民のすべての施設における拷問および不当な扱いからの子どもの保護を向上させ、かつ法律により拷問を犯罪とする目的で、国内法を見直すよう促す。委員会は、締約国が、虐待された子どもが法的手続で被害を受けないことおよびそのプライバシーが保護されることを確保しながら、子どもの拷問および不当な取り扱いのすべての事案を捜査しかつ訴追するよう、勧告するものである。締約国は、被害を受けた子どもに対し、ケア、回復および再統合のための適切なサービスが提供されることを確保するよう求められる。委員会は、締約国が、子どもとともにおよび子どものために働く専門家(教員、法執行官、ケアを提供する者、裁判官および保健従事者を含む)に対し、不当な取り扱いの事案の特定、通報および管理についての研修を行なう努力を継続するよう勧告する。 40.委員会は、締約国に対し、子どもの拷問、非人道的なおよび(または)品位を傷つける取り扱いが公的機関または関連機関に報告された件数、そのような行為の加害者のうち裁判所による刑の言い渡しを受けた者の人数および言い渡された刑の性質に関する情報を次回の定期報告書に記載するよう要請する。 体罰 41.種々の関連規定を実施することにより学校、刑務所、施設および諸形態の子どものケア現場における体罰の使用を禁止しようとする締約国の努力には留意しながらも、社会で体罰が蔓延していることは重大な懸念の理由となる。委員会は、体罰に関する規定が子ども・若者福祉法に含まれていないことを懸念するとともに、家庭における体罰が法律で明示的に禁じられていないことを遺憾に思うものである。 42.教育の目的に関する一般的意見1号(2001年)および家庭および学校における子どもへの暴力に関する一般的討議の日に委員会が採択した勧告(CRC/C/111参照)に照らし、委員会は、体罰は条約の規定と両立せず、かつ、条約第28条2項でとくに求められている子どもの尊厳の尊重の要件と一致しないことをあらためて指摘する。したがって委員会は、締約国が、家庭、学校および官民の施設、少年司法制度ならびに代替的養護制度におけるあらゆる形態の体罰を法律で禁止するよう勧告するものである。 43.委員会は、締約国に対し、さまざまな場面(家庭環境を含む)における体罰の性質および規模を評価するための包括的研究を実施するよう、勧告する。さらに、委員会は、締約国が、暴力的形態の「しつけおよび規律」の有害な影響に関する公衆教育キャンペーンを実施することによって親、保護者ならびに子どもとともにおよび子どものために働く専門家の感受性強化および教育を行なうとともに、体罰に代わる手段として、積極的かつ非暴力的な形態のしつけおよび規律を促進するよう、勧告するものである。 4.家庭環境および代替的養護 親の責任 44.子どもの養育および発達に対する親の責任について、委員会は、フィリピンの子どもの多くが、少なくともいずれかの親が海外で働いているために家族の絆が緊密ではない状況下で暮らしていることを懸念する。 45.委員会は、海外就労に関する政策を定めることならびに移住労働者、その家族および窮状にある海外在住フィリピン人の福祉の保護および促進に関する基準を向上させること等に関する法律(共和国法第8042号)の効果的実施を求めるとともに、締約国に対し、海外で就労するフィリピン人が女性も男性も平等に親としての責任を果たせることを(就労先の国々と二国間協定を締結する等の手段も通じて)確保し、かつ家族の再統合および子どもの養育のための安定した家庭環境を促進するため、あらゆる必要な措置をとるよう勧告する。加えて、委員会は、締約国が、海外就労フィリピン人およびその子どものための、子どもに配慮した家族カウンセリング・サービスを発展させかつ提供するための努力を引き続き行なうよう勧告するものである。 扶養料の回復 46.親の一方または双方が海外で働いているフィリピン人の子どもが多いこと、海外移住中に国外で出生するフィリピン人の子どもが増えていることおよび父親が確定されない場合があることに留意しながらも、委員会は、締約国が、実際上、扶養料の回復を十分に確保していないことを懸念する。委員会は、国内法(たとえば家族法および子どもの虐待、搾取および差別からの子どもの特別保護法)の関連規定の不十分な実施ならびにこの点に関わる裁判所命令の執行について懸念を覚えるものである。加えて、委員会は、扶養命令の相互執行に関する二国間協定が実際には十分に実施されていないこと、および、このような協定が締結されていない場合もあることを懸念する。 47.委員会は、締約国が子どもの扶養料の回復を実際に確保するよう勧告する。国外で働いている親に関して、委員会は、締約国に対し、扶養命令の相互執行に関する二国間協定を締結するとともに、扶養料の回復が行なわれない場合に扶養料の支払いを保障する基金の設置を検討するよう、奨励するものである。 里親養護および養子縁組 48.委員会は、締約国が国際的な養子縁組に関する子の保護および協力に関するハーグ条約を批准したことを歓迎し、かつ、国際養子縁組法(共和国法第8043号)および国内養子縁組法(共和国法第8552号)の規定に評価の意とともに留意する。委員会は、里親養護に関する政府法案が数年間議会で未決案件となっていることに、懸念とともに留意するものである。委員会は、子どもの養子縁組許可宣言の手続に時間がかかるため、施設での滞在が長期化する結果になっていることを懸念する。委員会はまた、国際養子縁組が最後の手段として用いられていないことに、懸念とともに留意するものである。 49.委員会は、すべての養子縁組が条約の原則および規定ならびに他の関連の国際基準に全面的にしたがって、かつ子どもの最善の利益にかなうように行なわれること、ならびに、国際養子縁組が最後の手段として用いられることを確保するため、締約国があらゆる努力を行なうよう勧告する。委員会は、締約国に対し、里親養護法を優先的課題として採択しかつ実施するよう奨励するものである。委員会は、締約国に対し、養子縁組手続が施設における子どもの長期滞在につながる要因を特定するよう勧告する。さらに、委員会は、締約国が、里親および里子に対して十分な審理社会的サービスを提供するよう勧告するものである。 虐待およびネグレクト、不当な取り扱い、暴力 50.委員会は、締約国において児童虐待およびネグレクトの報告件数が増えており、かつ、あらゆる形態の虐待、ネグレクトおよび不当な取り扱い(性的虐待を含む)の処罰に関して国内法に顕著な欠陥があることを、深く懸念する。加えて、委員会は、宗教上の制度の枠組みのなかで子どもの性的虐待が行なわれているという訴えがあることを深く遺憾に思うものである。 51.委員会は、締約国に対し、子どもに対するあらゆる形態の虐待(性的虐待を含む)、ネグレクト、不当な取り扱いおよび暴力を処罰し、かつ子どもに対するこれらの犯罪(近親姦を含む)を明確に定義するため、国内法を見直すよう促す。委員会は、締約国に対し、宗教上の制度の枠組みのなかで行なわれる性的虐待および搾取を防止し、かつこれらの行為から子どもを保護するために効果的措置をとるよう勧告するものである。そのための手段には、このような事案の規模について調査を行なうとともに、このような虐待の加害者が裁判にかけられること、および、このような性的虐待の事案および未成年者の搾取の事案について宗教上の制度の役職者の責任が問われることを確保することが含まれる。 52.委員会は、締約国に対し、加害者を裁判にかけ、かつ暴力および虐待の被害を受けた子どもが十分なカウンセリングならびに回復および再統合のための学際的援助にアクセスできることを確保する目的で、たとえばビデオに録画された証言を証拠として認めることによって被害を受けた子どもの権利を法的手続において全面的に実践しながら、児童虐待および子どもに対する暴力のあらゆる事案について時宜を得た十分な調査を行なうよう促す。 母親とともに刑務所にいる子ども 53.母親とともに刑務所で暮らしている子どもに関して、委員会は、十分な社会サービスおよび保健サービスに対するこれらの子どものアクセス、ならびに、とくに、劣悪でありかつ国際基準に達していないことが多いその生活条件について懸念を覚える。 54.委員会は、締約国が、条約第27条にしたがって、刑務所における生活条件および保健サービスが子どもの乳幼児期の発達にとって十分であることを確保するとともに、子どもが拘禁される母親とともに滞在するようになる前および滞在している期間中に、子どもの最善の利益の原則(条約第3条)が権限のある専門家によって注意深くかつ独立の立場から考慮されることを確保するよう、勧告する。委員会は、収監中の母よあから分離された子どもの代替的養護が、子どもの身体的および精神的ニーズが適切な形で満たされることを確保しながら、定期的に見直されるべきことを勧告するものである。さらに委員会は、締約国が、代替的養護において、子どもが収監されたままの母親との個人的関係および直接の接触を維持できることを確保するよう勧告する。委員会は、締約国に対し、この点についてとくにユニセフその他の国連機関の援助を求めるよう奨励するものである。 5.基礎保健および福祉 障害のある子ども 55.とくに「コミュニティを基盤とするリハビリテーション・プログラム」を実施することによって、障害のある子どもに対する差別を撤廃し、かつ障害のある子どもが平等な機会に基づいて社会に統合することを促進するために締約国が行なっている努力を歓迎しつつ、委員会は、障害のある子どもが事実上の差別に直面していることおよびこのような子どもの役割が社会で不可視化されていることを懸念する。委員会は、障害に関する国内法、たとえば障害者大憲章(共和国法第7277号、1992年制定)および子ども・若者福祉法の関連規定がとくに地方レベルで十分に実施されていないことに、懸念とともに留意するものである。委員会は、障害のある子どもの多くが貧困下で暮らしており、かつ社会サービスおよび保健サービスならびに教育への障害児のアクセスが限られていることを懸念する。さらに、フィリピン社会に深く根づいている、障害のある子どもに対する誤った考え方および広範な偏見は、懸念の理由となるものである。 56.障害者の機会均等化に関する基準規則(国連総会決議48/96)および障害のある子どもの権利に関する一般的討議の日に委員会が採択した勧告(CRC/C/69参照)に照らし、委員会は、締約国が以下の目的のためにあらゆる必要な措置をとるよう勧告する。 (a) 障害に関する国内法および全国的な「コミュニティを基盤とするリハビリテーション・プログラム」を実施し、かつ、あらゆる関連の政策立案および国家的計画策定に障害の側面を含めることにより、障害のある子どもに対するあらゆる形態の差別を防止しおよび禁止し、かつ、障害のある子どもが生活のあらゆる領域に完全に参加するための平等な機会を確保すること。 (b) 国内の最遠隔地に住んでいる障害児に特段の注意を払いながら、障害のある子どもに関する十分な統計データを収集し、かつ、社会への障害児の平等な参加を促進するための政策およびプログラムを発展させる際にこれらの細分化されたデータを活用すること。 (c) 公教育政策および学校カリキュラムがそのあらゆる側面において完全参加および平等の原則を反映することを確保するとともに、障害のある子どもを可能なかぎり普通学校制度に包摂し、かつ、必要なときはその特別なニーズに適合した特別教育プログラムを確立すること。 (d) 障害のある子どもが、十分な社会サービスおよび保健サービスならびに物理的環境、情報および通信にアクセスできるようにすること。 (e) 公的情報キャンペーンを開始しかつ支援することによって障害のある子どもに対する否定的態度、誤った考え方および広範な偏見を変革する目的で、障害のある子ども(その権利、特別なニーズおよび潜在的可能性も含む)に関する意識啓発のための努力を強化すること。 (f) 医療従事者、準医療従事者および関連要員、教員ならびにソーシャルワーカーのような、障害のある子どもとともにおよびこのような子どものために働く専門家が十分な研修を受けることを確保すること。 (g) 国家障害者福祉評議会の職務および活動、ならびに、フィリピン障害者団体全国連合および障害問題の分野で活動している非政府組織との協力を強化すること。 (h) とくにユニセフおよび世界保健機関(WHO)の技術的協力を求めること。 57.さらに、委員会は、締約国に対し、大統領布告第240号(2003年)で宣言された「フィリピン障害者の10年(2003~2012年)」の文脈において障害のある子どもの権利および地位に特段の注意を払うよう、奨励する。 健康および保健サービス 58.委員会は、健康および保健サービスの分野において、とくに予防接種との関連で締約国が達成した進展(ポリオの撲滅および新生児破傷風の根絶など)を心強く思うとともに、「保健部門改革アジェンダ」に評価の意とともに留意する。農村部では出産10件のうち8件が専門家による保健上の便益を受けることなく行なわれており、かつ乳児、5歳未満児および妊産婦の死亡率が相対的に高いことに留意しつつ、委員会は、とくに同国の農村部において産前産後の保健ケアが不十分であることに、深い懸念を表明する。母乳育児の普及率が低いこと、子どもの間で栄養不良が生じていること(学齢期の子どもの微量栄養素不足問題も含む)、および、同国の遠隔地において良質な保健サービスへの子どものアクセスが全般的に限られていることは、重大な懸念の理由となるものである。委員会は最後に、他の国々との間で現在交渉中である自由貿易協定によって負担可能な医薬品へのアクセスに悪影響が生じるおそれがあることに、懸念を表明する。 59.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 「保健部門改革アジェンダ」を全面的に実施するために必要な立法上、行政上および予算上の措置をとるとともに、改革プロセスが、子どもの最善の利益および子どもの権利の全面的享受を第一次的に考慮することによって進められることを確保すること。 (b) 条約、とくに第4条、第6条および第24条を全面的に実施するため、保健部門に適切な資源が配分されることを確保するとともに、子どもの健康状態を向上させるための包括的政策およびプログラムを策定しかつ実施すること。 (c) 同国の農村部に特段の注意を払いながら、産前産後の良質な保健サービスおよび保健上の便益へのアクセスを保障するための措置(助産師および伝統的出産立会人を対象とする研修プログラムも含む)を実施すること。 (d) 乳児、5歳未満児および妊産婦の死亡率を低下させるためにあらゆる必要な措置をとること。 (e) 予防接種プログラムを効果的に実施することにより、できるかぎり多くの子どもおよび母親に予防接種を行なうために現在行われている努力を強化すること。 (f) 生後6か月間は母乳のみを与え、その後はこれを修正して適切な乳児食を与えることを奨励するとともに、健康的な摂食習慣の教育および促進を通じて子どもの栄養状態を改善するための措置をとること。 (g) とくに貧困層のおよびもっとも脆弱な立場に置かれた子どもおよびその親を対象として負担可能な医薬品へのアクセスを確保するため、自由貿易協定の交渉において、第4回世界貿易機関閣僚会議(ドーハ)が採択した「知的所有権の貿易関連の側面に関する協定と公衆衛生に関する宣言」で再確認されたあらゆる柔軟条項および締約国が利用可能な諸機構を活用すること。 (h) この問題に関して、とくにWHO、ユニセフおよび国連人口基金(UNFPA)と引き続き協力し、かつその技術的援助を引き続き求めること。 環境衛生 60.委員会は、締約国がとった立法上その他の措置にも関わらず、大気および水の汚染ならびに環境悪化のような環境問題が子どもの健康および発達に深刻な影響をもたらしていることを懸念する。安全な飲料水および衛生設備へのアクセスに関して、委員会は、地域格差があることを懸念するものである。さらに、子どもの間でも親の間でも衛生的習慣に関する知識が貧弱であることは、懸念を覚える理由となる。 61.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 環境に配慮した固形廃棄物処理法(共和国法第9003号)および大気浄化法(共和国法第8749号)を含む環境関連の国内法の実施を強化することにより、汚染および環境悪化を低減させるための努力を引き続き強化すること。 (b) 学校に環境衛生教育プログラムを導入することにより、環境衛生問題に関する子どもの知識を高めること。 (c) とくに同国の遠隔地において安全な飲料水および衛生設備へのアクセスを向上させ、かつ衛生に関する子どもおよびその親の意識を高めるための効果的措置をとること。 思春期の健康 62.委員会は、「リプロダクティブヘルス・プログラム」、および、人口委員会およびUNFPAとの連携による思春期の健康に関する合同プロジェクトの実施等も通じ、思春期の健康を促進するために締約国が行なっている努力に評価の意とともに留意する。委員会は、青少年の間でアルコール、タバコおよび薬物の濫用が広がっていること、若年妊娠が発生していること、ならびに、これとの関連で、リプロダクティブヘルスに関する相談および(たとえば避妊法に関する)正確かつ客観的な情報への青少年のアクセスが限られていることを懸念する。アルコールの購入および消費に関する最低年齢を定めた法律が存在しないことは、懸念の理由となるものである。委員会はまた、青少年の自殺を防止する措置がとられていないことに関する締約国の懸念も共有する。 63.委員会は、締約国に対し、以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 「リプロダクティブヘルス・プログラム」のような、思春期の健康に関する国家的な政策及び計画を実施するとともに、思春期の健康と発達に関する一般的意見4号(2003年)を考慮することにより、思春期の健康のあらゆる分野を網羅した新たな政策および計画を策定すること。 (b) 10代の妊娠および関連する中絶を予防する目的で、リプロダクティブヘルスに関する相談へのアクセスを確保し、かつ、正確かつ客観的な情報およびサービスをすべての青少年に提供すること。 (c) セクシュアリティ、HIV/AIDS、性感染症および家族計画に関する公式・非公式の教育を強化すること。 (d) アルコールの購入および消費に関する最低年齢を法律で定めること。 (e) アルコール、薬物およびタバコの使用の有害な影響に関する情報を青少年に提供すること。 (f) 青少年に適合した十分な精神保健サービスを設置すること。 (g) とくにWHO、国連エイズ合同計画およびUNFPAの技術的協力を求めること。 HIV/AIDS 64.委員会は、同国におけるHIV感染率が相対的に低いことに留意するとともに、AIDS予防統制法(共和国法第8504号、1998年採択)の実施および全国AIDS予防統制プログラム(1998年)の設置等も通じ、HIV/AIDSの感染予防および削減に対処するために行なわれているさまざまな努力を歓迎する。〔しかしながら、〕委員会は、セックスワーカーが多いことのような、HIV感染の可能性を高めるリスク要因が存在することを懸念するものである。AIDS予防統制法が、学校におけるHIV/AIDSについての完全な情報へのアクセスを保障していることには留意しながらも、委員会は、フィリピンの青少年の間でHIV/AIDSに関する意識水準が不十分であることに懸念を表明する。 65.HIV/AIDSと子どもの権利に関する委員会の一般的意見3号(2003年)およびHIV/AIDSと人権に関する国際指針(E/CN.4/1997/37)に照らし、委員会は、締約国が、引き続き以下の措置をとるよう勧告する。 (a) HIV/AIDSの症状を予防しかつ治療するため、AIDS予防統制法を実施するための努力を強化すること。 (b) たとえばいかなる形態の差別的行為も禁ずるフィリピンAIDS予防統制法を実施することによって、HIV/AIDSに感染した子どもおよびその影響を受けている子どもに対する差別を防止するとともに、これらの子どもが十分な社会サービスおよび保健サービスにアクセスできることを確保すること。 (c) 学校で、HIV/AIDSに関する正確かつ包括的な情報(コンドームの利用も含む)を青少年に提供すること。 (d) 子どもが必要とするときは、親の同意を得ることなく、子どもに配慮し、かつ秘密が守られるHIV/AIDS相談にアクセスできることを確保すること。 (e) とくに国連合同エイズ計画の技術的援助を求めること。 生活水準 66.委員会は、国の貧困線以下の世帯で暮らしている子どもが多いこと、および、異なる地域間の富の格差が大きいことに、懸念とともに留意する。委員会は、貧困下で暮らしている子どもが、社会サービスおよび保健サービスならびに教育へのアクセスを含む人権の享受に関して困難に直面していることを深く懸念するものである。委員会はまた、締約国の劣悪な住宅状況、および、たとえばインフラが十分に整っていない都市のスラムおよび不法居住区に住んでいる家族についても懸念を覚える。 67.条約第27条にしたがい、委員会は、締約国が、とくに貧困削減戦略の実施およびコミュニティ開発(子どもの参加を含む)を通じ、貧困下で暮らしている農村部および都市部の人々の生活水準を向上させるために緊急の努力を行なうよう勧告する。委員会は、締約国に対し、経済的に不利な立場に置かれた子どもおよびその家族に物的援助および支援を提供する努力を強化するよう要請する。さらに、締約国は、貧困下で暮らしている子どもが社会サービスおよび保健サービス、教育ならびに十分な住居へのアクセスを提供されることを確保するべきである。 6.教育、余暇および文化的活動 教育 68.委員会は、小学校および中等学校に関する新学校カリキュラム、ならびに、ユニセフとの連携による乳幼児期カリキュラム、「万人のための教育行動計画」および「子どもにやさしい学校制度」を実施する等の手段により、教育の水準および目的を向上させるために締約国が行なっている努力に留意する。これらの積極的措置がとられたにも関わらず、委員会は、いまなお子どもに小学校教育を提供することのできないバランガイが残っており、かつ、小学校教育に平等にアクセスできていない、脆弱な立場に置かれたいくつかの集団の子ども(貧困下で暮らしている子ども、障害のある子ども、子どもの労働者、武力紛争下にある子ども、先住民族の子ども、HIV/AIDSに感染しまたはその影響を受けている子どもおよびストリートチルドレンなど)が存在することに、依然として重大な懸念を覚えるものである。委員会は、通学にかかる費用負担(食費、移動費、制服代および学用品費など)が貧困家庭の多くの子どもにとって金銭的障害となっており、このような子どもにとって教育への平等なアクセスが否定されていることを、懸念する。初等教育を就労しない子どもの割合が高いことは、中等教育における中退率が高いこととともに、深刻な懸念の理由となるものである。委員会はまた、就学前学校での早期教育を享受する子どもの人数が少ないことにも留意する。 69.委員会は、とくにリンガ・フランカ・プロジェクト等も通じ、先住民族、マイノリティおよび地方の言語を促進しようとする締約国の努力を心強く思う。委員会は、教室の席、教科書およびその他の学用品の数が不十分であることも含め、とくに遠隔地のバランガイにおいて就学のための便益が貧弱であることを懸念するものである。委員会は、中等教育就学率が低く、かつ遠隔地のバランガイに住んでいる子どもは中等教育へのアクセスが非常に制限されている旨の懸念を、あらためて繰り返す。委員会は、締約国が、子ども参加を奨励する課題および教授法にかける時間を増やすことによって教育の質を向上させるために熱心な努力を行なってきたことに、評価の意とともに留意するものである。委員会はまた、教員の着任前研修および現職者研修の拡大および改善も歓迎する。委員会はまた、教育の質を日常的に監視しかつ評価しようとする試みが行なわれていることも認識するものである。 70.条約第28条および第29条ならびに教育の目的に関する委員会の一般的意見1号(2001年)に照らし、委員会は、締約国が、以下の目的のために十分な財源、人的資源および技術的資源を配分するよう勧告する。 (a) 低所得家庭の子どもがあらゆる段階の教育に平等にアクセスできることを確保するため、このような子どものための予算配分、政府補助金および援助プログラムを増加させること。 (b) すべての者を対象とする無償の完全初等教育を確保するため、あらゆる必要な措置を緊急にとるとともに、最遠隔地にあるバランガイにおける就学機会および脆弱な立場に置かれた集団に属する子ども(貧困下で暮らしている子ども、障害のある子ども、先住民族の子ども、子どもの労働者、武力紛争下にある子ども、HIV/AIDSに感染しまたはその影響を受けている子どもおよびストリートチルドレンなど)の教育上のニーズに対し、教育に対するこれらの子どもの権利を充足する目的で特段の注意を払うこと。 (c) 初等中等学校における中退率を迅速に下降させるための効果的措置をとること。 (d) すべての子どもが乳幼児期教育にアクセスできるようにする(そのための費用は貧困家庭にも負担可能なものとすることが求められる)とともに、就学前学校および早期の学習機会に関する親の意識を高めること。 (e) 学校および教室を新設し、教科書その他の学用品を開発し、教員の養成および研修を増進させ、ならびに、学習の前提条件が異なる子どもに適合した革新的かつ双方向的な学習手法を採用することにより、教育制度の基盤を発展させおよび改良すること。 (f) とくにリンガ・フランカ・プロジェクトを通じ、先住民族の子どもおよびマイノリティ集団に属する子どもが、それぞれの異なる文化様式を尊重し、かつ教育において地方の先住民族言語およびマイノリティ言語を用いる良質な教育に、平等にアクセスできるようにすること。 (g) 初等中等教育を修了していない子どもを対象とするものも含め、非公式な学習および職業訓練のための便益をより多く提供するための努力を引き続き行なうこと。 (h) 中退者数を減少させ、かつ中等教育を修了する子どもの人数を増やすための努力を引き続き行なうこと。 (i) 労働市場で必要とされることおよび市民的責任に関して子どもが学校で体系的に準備を整えられるようにする職業訓練校を設立すること。 (j) 子どもの権利を含む人権を学校カリキュラムの主流に位置づけること。 (k) 教育部門の改善のため、とくにユネスコ、ユニセフおよび非政府組織と協力すること。 (l) 教員の着任前研修および現職者研修を引き続き拡大すること。 余暇、レクリエーションおよび文化的活動 71.子どものためのスポーツおよび文化的活動を発展させかつ組織しようとする締約国の努力にも関わらず、委員会は、子どものためのレクリエーション活動および文化的活動ならびに関連の便益の数が不十分であり、かつ、この点に関してバランガイ間に格差があることに、懸念とともに留意する。委員会は、休息および余暇に対する権利を享受する権利も、遊び、スポーツ、レクリエーション活動および文化的活動を行なう権利を享受する権利も平等に有していない子どもの集団(初等教育に参加していない子ども、子どもの労働者およびストリートチルドレンなど)がいくつか存在することを、懸念するものである。 72.条約第31条に照らし、委員会は、締約国が、休息、余暇、文化的活動およびレクリエーション活動に対する子どもの権利を保護するため、あらゆる必要な努力を行なうよう勧告する。委員会は、締約国が、遊びのための創造的な便益を子どもに提供することにより、遊びを行なう子どもの権利を促進する努力を強化するよう勧告するものである。委員会は、この権利の実施に対して十分な人的資源および財源が配分され、かつ、教育制度の外にある子ども、子どもの労働者およびストリートチルドレンのような脆弱な立場に置かれた集団の子どもに特段の注意が払われるよう、要請する。 7.特別な保護措置 子どもの難民 73.子どもの難民の処遇およびその権利の実施がフィリピン人の子どもに一般的に適用される法律に照らして考えられてきたとはいえ、委員会は、子どもの庇護希望者および難民の具体的ニーズに対応した国内法が存在しないことを懸念する。委員会は、たとえば、子どもの虐待、搾取および差別からの子どもの特別保護法の規定のうち緊急事態下にある子どもに関する規定が武力紛争の状況下にある子どもに限定されていることに留意するものである。 74.委員会は、締約国に対し、子どもの庇護希望者および難民のニーズに対応し、かつ、保護者のいないおよび養育者から分離された子どもの庇護希望者および難民に関する特別手続を定めた、特別な法律および行政規則を導入するよう勧告する。これとの関係で、委員会は、締約国が引き続きUNHCRと協力するよう勧告するものである。 武力紛争下の子ども 75.委員会は、武力紛争への子どもの関与に関する子どもの権利条約の選択議定書を締約国が2003年8月に批准し、かつ、国軍への入隊に関する最低年齢を18歳と定めたこと(ただし訓練目的の場合を除く)を歓迎する。委員会はまた、武力紛争に関与した子どもの救助、回復および再統合を促進する「武力紛争下の子どもに関する包括的プログラム枠組み」(2001年、大統領令第56号)が採択されたことに、評価の意とともに留意するものである。締約国がとったこれらの積極的措置にも関わらず、委員会は、ときには11歳という幼さの子どもが新人民軍、モロ・イスラム解放戦線およびアブ・サヤフ・グループのような武装反政府運動によって徴募され、戦闘員、諜報要員、警備兵、調理担当または衛生兵として働かされていることに、深い懸念を表明する。 76.委員会は、締約国が身体的および心理的回復ならびに社会的再統合のためのサービスを提供できるのは拘束された子ども兵に対してのみであり、武力紛争に関与しまたはその影響を受けている子どもの大多数に対してはまったく手が差し伸べられていないことを懸念する。さらに委員会は、国内武力紛争の悪影響のため、子どもが避難を余儀なくされる状況が続いており、かつ、これらの子どもが、社会サービスおよび保健サービス、教育ならびにとくに発達に対して限られた形でしかアクセスできていないことを懸念するものである。加えて、委員会は、敵対行為に関与していない子ども、とくにミンダナオ地域に住んでいるイスラム教徒の子どもに対して国内武力紛争が与えている影響について懸念を覚える。 77.委員会は、締約国が、自国の管轄内にあるすべての子どもについて、条約に掲げられたすべての権利をいかなるときも尊重しおよび確保することを約束したことを想起する。条約第38条、第39条その他の関連条項に照らし、委員会は、締約国に対し、武力紛争における子どもの徴募および武力紛争への子どもの関与を即時停止するよう促す目的で武装反政府勢力との和平の努力を継続するとともに、武力紛争に関与させられたすべての子どもの保護を確保するよう、促すものである。委員会は、締約国に対し、武力紛争に関与した子どもおよび武力紛争によって傷を負った子どもに対し、国内的および国際的非政府組織ならびにユニセフのような国連機関と協力しながら、その身体的および心理的回復ならびに社会への社会的再統合のための十分な援助およびカウンセリングを提供するよう、勧告する。委員会は、締約国が、女子の子ども兵に対し、リハビリテーションおよび再統合のための、ジェンダーに固有の十分なサービスを提供するよう勧告するものである。 78.委員会はまた、締約国が、武力紛争下の子どもの取り扱いに関するフィリピン国軍向け指針の実施に特段の注意を払うとともに、拘束された子どもが定められた期限内に軍事拘禁から釈放されること、および、子どもが十分な治療を提供されかつ自己の権利について告知されることを確保するようにも勧告する。避難民の子どもおよび紛争地域に住んでいる子どもに関して、委員会は、締約国に対し、十分な社会サービスおよび保健サービス、教育ならびに発達を含む基礎的サービスにこれらの子どもがアクセスできることを確保するために効果的措置をとるよう、促すものである。最後に、委員会は、締約国が、武装交戦の影響を受けている地域に住んでいるすべての子どもがいかなる差別もなく平等に人権を享受できることを確保するよう、勧告する。 経済的搾取 79.委員会は、〔ILOの〕最低年齢条約(1973年、第138号)が1998年6月に、および最悪の形態の児童労働条約(1999年、第182号)が2000年11月に批准されたことを歓迎する。委員会は、たとえば全国児童労働対策プログラムの実施、労働法実施雑則、地方レベルの児童労働プログラム実施委員会の設置ならびに国際労働機関およびその児童労働撤廃国際計画との実りのある協力を通じ、児童労働と闘うために締約国が行なっている努力に、評価の意とともに留意するものである。これらの積極的努力にも関わらず、委員会は、締約国における子どもの労働者の人数が多いこと(働く子どもが370万人)を深く懸念する。委員会は、児童労働に関する文化的態度および慣行ならびに労働法の執行の弱さに懸念を覚えるものである。 80.委員会は、締約国に対し、以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 国内法ならびに全国児童労働対策プログラムおよびその下位プログラム(たとえばタバコ産業における児童労働撤廃プロジェクト)を効果的に実施するとともに、この問題の解決に関する議論に子どもの労働者が参加することを確保すること。 (b) 子どもが行なう労働が軽易労働であって搾取的なものではないことを保障するために労働監察制度を改善するとともに、とくに、当該制度に対し、子どもによる家事労働および農村労働の慣行を監視しかつ報告する権限を付与すること。 (c) 元子ども労働者に対し、回復および教育のための適切な機会を提供すること。 (d) 国際労働機関/児童労働撤廃国際計画に対し、引き続き技術的援助を求めること。 薬物および有害物質の濫用 81.とくに2002年包括的危険薬物法(共和国法第9165号)の実施を通じて麻薬取引ならびに薬物および有害物質の濫用と闘おうとする締約国の努力、ならびに、子どもを対象とする治療および社会的再統合のためのサービスの増加には留意しながらも、委員会は、フィリピンで麻薬売買が大規模に行なわれており、かつそれが子どもおよび青少年に悪影響を与えていることを深く懸念する。委員会は、薬物および有害物質の濫用(ストリートチルドレンの間で行なわれている接着剤およびシンナーの吸引を含む)が多数発生していることに関する締約国の懸念を共有するものである。さらに、委員会は、薬物回復再統合センターにおける治療を自発的に求めた子どもがしばしば治療費の支払いを求められることにより、資力の限られている子どもにとって克服不能な障害が生じ、かつ治療および再統合へのアクセスが否定されていることを懸念する。 82.委員会は、締約国が、以下の目的のために行なっている努力を引き続き強化するよう勧告する。 (a) たとえば2002年包括的危険薬物法を効果的に実施することによって、子どもおよび青少年の間で行なわれている薬物および有害物質の濫用と闘うとともに、法の適正手続を確保すること。 (b) 子どもおよび青少年に対し、公立学校プログラムおよびメディア・キャンペーンを通じて薬物および有害物質(の使用に関する正確かつ客観的な情報を提供するとともに、正しくない有害な情報および有害なモデルから子どもを保護すること。 (c) 薬物および有害物質の濫用の被害を受けた子どもを対象とする、薬物濫用の治療および社会的再統合のための無償かつ容易にアクセス可能なサービスを発展させること。 (d) ストリートチルドレンに適合した、特定の薬物濫用(接着剤およびシンナーの吸引を含む)からの回復および社会的再統合のためのプログラムおよびセンターを設けるとともに、この点に関して非政府組織と協力すること。 (e) 既存の薬物回復再統合センターに十分な予算を配分すること。 (f) とくに国連薬物犯罪事務所およびWHOの技術的援助を求めること。 ストリートチルドレン 83.委員会は、路上で生活している子どもが多く、かつ、このような子どもがさまざまな形態の暴力および虐待(性的虐待および搾取、経済的搾取および有害物質濫用を含む)の被害をとくに受けやすい状態に置かれていることに対する重大な懸念を、あらためて表明する。委員会は、このような状況に対処し、かつ路上で生活している子どもを保護するための体系的かつ包括的戦略が存在しないことに留意するものである。委員会は、ストリートチルドレンの不法な逮捕および拘禁は条約の規定および原則の重大な侵害であることを強調する。締約国ならびにストリートチルドレンとともにおよびストリートチルドレンのために活動している多くの非政府組織(たとえばチャイルドホープ・アジア・フィリピン)が行なっている努力にも関わらず、委員会は、十分な栄養、衣服、住居、社会サービスおよび保健サービスならびに教育サービスへのストリートチルドレンのアクセスが制限されていることを懸念するものである。さらに委員会は、ストリートチルドレンが直面している健康上のリスク(毒性・有害廃棄物ならびに大気汚染のような環境衛生上のリスクを含む)について懸念を覚える。 84.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) この現象を縮小させかつ防止する目的で、ストリートチルドレンの多さに対処するための包括的戦略を、ストリートチルドレン、非政府組織および関連の専門家の積極的参加を得ながら策定すること。 (b) 路上で生活している子どもが不法に逮捕されかつ拘禁されないことを確保し、このような子どもを警察による蛮行から保護し、かつ、必要なときはこのような子どもに対して十分な法律サービスへのアクセスを保障すること。 (c) このような子どもの全面的発達を支え、かつこのような子どもに十分な保護および援助を提供する目的で、ストリートチルドレンが、訓練を受けた、路上で活動する教育者およびカウンセラーを通じて支援の対象とされ、かつ、十分な栄養、衣服およびシェルターならびに社会サービスおよび保健サービスならびに教育機会(職業訓練およびライフスキル訓練を含む)を提供されることを確保すること。 (d) ストリートチルドレンに対し、身体的および性的虐待ならびに有害物質濫用に関わる回復および社会的再統合のための十分なサービスを提供するとともに、実現可能なときは家族との再統合を促進すること。 (e) とくに、環境衛生上のリスクに関するストリートチルドレンの意識を高め、かつこのようなリスクから身を守るための適切な行動について指導することを通じ、路上で生活している子どもが直面する環境衛生上のリスクを削減しかつ防止すること。 (f) ストリートチルドレンの自尊感情を高めるため、このような子どもたちの自己組織化の努力を支援すること。 (g) ストリートチルドレンとともにおよびストリートチルドレンのために活動している非政府組織と連携し、かつこのような組織を支援すること。 性的搾取、児童ポルノおよび人身取引 85.委員会は、児童買春が増えていることおよび児童ポルノの事案が報告されていることを含む、締約国における子どもの性的搾取について重大な懸念を表明する。委員会は、子どもの虐待、搾取および差別からの子どもの特別保護法の規定が主として児童買春に関連したものであり、他の形態の性的搾取の被害者を十分に保護していないことに、懸念とともに留意するものである。さらに、委員会は、性的同意に関する最低年齢が締約国の国内法で十分明確に定められておらず、かつ、改正刑法(共和国法第3815号)が、被害者が12歳に達していないときはもっとも重い刑を科しているのに対し、12歳以上の未成年者に対する性犯罪についてはより軽い刑罰を科していることに、懸念とともに留意する。 86.委員会は、新たな人身取引防止法の採択(2003年)、ならびに、人身取引の防止および被害者の保護の分野で締約国がとったその他の措置(不法な募集防止調整評議会の設置、「労働組合・働く子どもの権利擁護者」イニシアティブ、および、とくに女性および子どもの人身取引を抑止するための執行委員会の設置など)を歓迎する。しかしながら委員会は、国内のおよび国境を越えた人身取引の対象とされるフィリピンの子どもについて重大な懸念を覚えるものである。委員会は、固定化された貧困、一時的な海外移住、セックス・ツーリズムの増加および締約国における法執行の弱さのような、人身取引活動を助長する既存のリスク要因について懸念を表明する。 87.委員会は、締約国に対し、以下の措置をとるよう促す。 (a) 性的搾取の被害を受けたすべての子どもに平等な保護を提供する目的で、とくに子どもに対する性犯罪のすべての加害者に対する平等な制裁を法律に含めることにより、性的搾取(ポルノグラフィーのために子どもを使用することも含む)からの子どもの保護に関する国内法を見直すこと。 (b) 国内法において、性的同意に関する最低年齢を、国際的に受け入れられる水準でおよび明確に定義された形で定めること。 (c) 子どもの商業的性的搾取および人身取引の原因、性質および規模を評価するための包括的研究を実施すること。 (d) 第1回・第2回子どもの商業的性的搾取に反対する世界会議で採択された宣言および行動綱領ならびにグローバル・コミットメントにしたがい、性的搾取および(または)人身取引の対象とされた子どもに対して、援助および再統合のための十分なプログラムを提供すること。 (e) 地域で増加しつつあるセックス・ツーリズムのような既存のリスク要因に特段の注意を払うとともに、この点について観光省および観光サービス業者と引き続き連携すること。 (f) 子どもに関わる人身取引、性的搾取およびポルノグラフィーを防止する目的で、子ども、親その他の養育者を対象とする意識啓発キャンペーンを開始するとともに、人身取引被害者とともにおよび人身取引被害者のために働く職員の感受性を高めること。 88.フィリピンにおける、国内のおよび国境を越えた子どもの人身取引に関して、委員会は、関連の法律の効果的執行を確保し、かつ責任があると認められた者に対して制裁を科すことによってあらゆる形態の人身取引と闘うために適当な措置をとることに関する、自由権規約委員会が第79会期(2003年)に採択した勧告(CCPR/CO/79/PHL、パラ13)を支持する。 少年司法の運営 89.委員会は、締約国において犯罪水準が高く、かつ18歳未満の者の拘禁が多数行なわれていること、法律に触れた子どもの権利侵害が根強く行なわれていること、拘禁されている18歳未満の者に対して拷問、性的虐待を含む虐待およびその他の形態の品位を傷つける取り扱いが行なわれているとされること、ならびに、フィリピンの少年司法制度の運営に全般的欠陥があることを深刻に憂慮する。委員会は、少年司法を規律する十分な法律が存在せず、かつ提案中の「包括的な少年司法制度および非行防止プログラム法」案が1999年以来議会の審議待ちになっていることに、深い懸念とともに留意するものである。2000年2月に発布された省令により地区裁判所が家庭裁判所として指定されたことには留意しながらも、委員会は、子どもに配慮し、かつ十分な訓練を受けた〔専門家による〕少年裁判所が存在しないことを懸念する。 90.さらに、委員会は、刑事責任に関する最低年齢(9歳)が非常に低いことを懸念する。子ども・若者福祉法ならびに若年犯罪者の逮捕、捜査、訴追および更生に関する細則(大統領令第603号)のうち青年拘禁ホームに関する規定について、委員会は、これらの規定の実施が不十分であり、かつ18歳未満の者が拘禁場所で成人とともに収容されていることを懸念するものである。子ども(たとえばストリートチルドレン)が長期にわたって不法に拘禁され、かつ、適当な法律上の扶助および援助ならびに十分な社会サービスおよび保健サービスに対して限られた形でしかまたはまったくアクセスできないことは、重大な懸念の理由となる。加えて、委員会は、法外な額の保釈金が求められるために子どもおよびその親にとって克服不能な金銭的障害が生じていること、刑の執行猶予が制限されていること、および、拘禁環境(いわゆる秘密房も含む)が劣悪であることを懸念するものである。 91.委員会は、締約国に対し、少年司法に関する法律および実務が、条約の規定、とくに条約第37条、第39条および第40条、ならびに、少年司法の運営に関する国連最低基準規則(北京規則)(国連総会決議40/33)、少年非行の防止に関する国連指針(リャド・ガイドライン)(国連総会決議45/112)、自由を奪われた少年の保護に関する国連規則(国連総会決議45/113)および刑事司法制度における子どもに関する行動についてのウィーン指針(1997年7月21日の国連経済社会決議1997/30添付文書)のような、この分野における他の関連の国際基準と全面的に一致することを確保するよう、促す。これとの関連で、委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告するものである。 (a) 提案中の「包括的な少年司法制度および非行防止プログラム法」案を緊急に採択するとともに、刑事責任に関する最低年齢を国際的に受け入れられる水準まで引き上げること。 (b) 自由の剥奪が最後の手段として、もっとも短い適当な期間で、かつ適切な環境においてのみ用いられること、ならびに、18歳未満の者が成人とともに拘禁されないことを確保すること。 (c) 十分な人数の、適切な訓練を受けた専門職員が配置された少年裁判所を設置すること。 (d) 18歳未満の者が法律扶助および独立のかつ効果的な苦情申立て機構にアクセスできることを確保すること。 (e) 保護観察、地域奉仕活動または刑の執行猶予のような、自由の剥奪に代わる措置を実施すること。 (f) 子どもの回復および社会的再統合の分野に関して専門家の研修を行なうこと。 (g) とくに国連人権高等弁務官事務所、国連薬物犯罪事務所およびユニセフの技術的援助を引き続き求めること。 マイノリティおよび先住民族に属する子ども 92.先住民族権利法(共和国法第8371号)の規定ならびにマイノリティおよび先住民族に属する子どものためのプログラムおよびプロジェクト(先住民族文化コミュニティに属する子どものための代替的教育制度、保育開発プログラムおよびリンガ・フランカ・プロジェクトなど)には留意しながらも、委員会は、 マイノリティおよび先住民族の間で貧困が広がっており、かつ、とくに社会サービスおよび保健サービスならびに教育へのアクセスに関してその人権の享受が制約されていることを懸念する。委員会は、先住民族コミュニティで行なわれている、親の取決めによる早期婚についての締約国の懸念を共有するものである。加えて、委員会は、イスラム教徒に対してより著しい差別が行なわれていることに、懸念とともに留意する。 93.委員会は、条約第2条および第30条に基づく締約国の義務を想起し、締約国が、先住民族の子どもおよびマイノリティに属する子どもがすべての人権を平等にかつ差別なく全面的に享受できることを確保するよう、勧告する。これとの関連で、委員会は、締約国が、先住民族権利法(共和国法第8371号)を実施するための努力を強化するとともに、先住民族およびマイノリティの子どもに対して文化的に適切なサービス(社会サービスおよび保健サービスならびに教育を含む)への平等なアクセスを確保するための政策およびプログラムを策定しかつ実施するよう、勧告するものである。さらに、委員会は、マイノリティおよび先住民族の子どもの人権の享受に関して存在する格差および障壁を特定し、かつそのような格差および障壁に対応するための法律、政策およびプログラムを発展させる目的で、締約国が、これらの子どもに関するデータ収集機構を強化するよう勧告する。 94.自己の言語を用いる子どもの権利に関して、委員会は、締約国に対し、先住民族およびマイノリティの子どもの言語上のニーズに対応するための努力を引き続き行なうよう勧告する。加えて、委員会は、締約国が、先住民族およびマイノリティのコミュニティならびにそれぞれの指導者と緊密に連携しながら、早期婚のような、先住民族およびマイノリティの子どもの健康および福祉にとって有害な伝統的慣行を廃止するための効果的措置を追求するよう、勧告するものである。 8.子どもの権利条約の選択議定書 95.委員会は、子どもの売買、児童買春および児童ポルノに関する子どもの権利条約の選択議定書が2002年5月に批准されたこと、および、武力紛争への子どもの関与に関する子どもの権利条約の選択議定書が2003年8月に批准されたことを歓迎する。 96.委員会は、選択議定書の実施についての審査を可能にするためには、定期的かつ時宜を得た報告の実践が重要であることを強調する。委員会は、締約国が、選択議定書および条約の報告条項に基づく報告義務を全面的に履行するよう勧告するものである。 9.フォローアップおよび普及 フォローアップ 97.委員会は、締約国が、とくにこれらの勧告を閣僚評議会もしくは内閣または同様の機関の構成員、議会ならびに適用可能なときは州の政府および議会に送付して適切な検討およびさらなる行動を求めることにより、これらの勧告が全面的に実施されることを確保するためにあらゆる適切な措置をとるよう勧告する。 普及 98.委員会はさらに、条約、その実施および監視に関する議論および意識を喚起する目的で、締約国が提出した第2回定期報告書および文書回答ならびに委員会が採択した関連の勧告(総括所見)を、インターネット等を通じ(ただしこれにかぎるものではない)、公衆一般、市民社会組織、若者グループ、専門家グループおよび子どもが同国の言語で広く入手できるようにすることを勧告する。 10.次回報告書 99.委員会が採択し、かつ第29会期に関する報告書(CRC/C/114)に掲載した報告の定期性に関する勧告に照らし、委員会は、条約第44条の規定を全面的に遵守した報告実践の重要性を強調する。条約に基づいて締約国が子どもに対して負う責任の重要な側面のひとつは、子どもの権利委員会が条約の実施における進展を審査する定期的機会を持てるようにすることである。これとの関連で、締約国が定期的にかつ時宜を得た報告を行なうことはきわめて重要である。委員会は、時宜を得た定期的報告を行なううえで一部の締約国が困難を経験していることを認識する。委員会は、例外的措置として、締約国が条約を全面的に遵守してその報告義務の履行の遅れを取り戻すことを援助するため、締約国に対し、第4回報告書の提出期限である2007年9月19日までに、単一の統合報告書として第3回および第4回報告書を提出するよう慫慂する。この報告書は120ページを超えるべきではない(CRC/C/118参照)。委員会は、締約国に対し、その後は条約で予定されているとおり5年ごとに報告を行なうよう期待するものである。 更新履歴:ページ作成(2011年9月23日)。/前編~後編を統合(2010年10月20日)。
https://w.atwiki.jp/kodomoteate/pages/68.html
もっと詳しく書いてくれないと参加したくてもできん -- (名無しさん) 2010-03-29 15 50 25
https://w.atwiki.jp/kodomoteate/pages/64.html
今仕事していないので参加させていただきます -- (戌年) 2010-03-29 15 10 08
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総括所見:タイ(OPSC・2012年) 第1回(1998年)/第2回(2006年)/第3回・第4回(2012年)OPAC(2012年) CRC総括所見日本語訳(国別)/CRC総括所見日本語訳(会期順) CRC/C/OPSC/THA/CO/1(2012年2月21日) 原文:英語(平野裕二仮訳) 原文は国連人権高等弁務官事務所のサイト(国別情報のページまたはCRC会期一覧ページ)を参照。 1.委員会は、2012年1月25日に開かれた第1683回会合(CRC/C/SR.1683参照)においてタイの第1回報告書(CRC/C/OPSC/THA/1)を検討し、2012年2月3日に開かれた第1697回会合(CRC/C/SR.1697参照)において以下の総括所見を採択した。 I.序 2.委員会は、選択議定書に基づく締約国の第1回報告書および事前質問事項(CRC/C/OPSC/THA/Q/Add.1)に対する文書回答の提出を歓迎する。委員会はまた、ハイレベルなかつ多部門型の代表団との間に持たれた、開かれた、率直かつ建設的な対話を評価するものである。 3.委員会は、締約国に対し、この総括所見は、子どもの権利条約に基づく締約国の第3回・第4回定期報告書に関して採択された総括所見(CRC/C/THA/CO/3-4)および武力紛争への子どもの関与に関する選択議定書に基づく第1回報告書に関して採択された総括所見(CRC/C/OPAC/THA/CO/1)とあわせて読まれるべきであることを想起するよう求める。 II.一般的所見 積極的側面 4.委員会は、選択議定書の実施に関わる分野でとられたさまざまな積極的措置、とくに人身取引禁止法(2008年)を歓迎する。 5.委員会はまた、選択議定書の実施を促進する制度の創設ならびに国家的計画およびプログラムの採択に関して達成された進展も歓迎するものである。これには以下のものが含まれる。 (a) 「女性および子どもの人身取引の防止および抑止に関する国家的政策および行動計画(2012~2016年)」の採択。 (b) 「子どもの商業的性的搾取の防止および抑止に関する国家的政策および行動計画」の採択(1996年)。 6.加えて委員会は、以下の国際人権文書が批准されたことに評価の意とともに留意する。 (a) 国際組織犯罪防止条約を補足する、人(とくに女性および子ども)の取引を防止し、抑止しおよび処罰するための議定書(パレルモ議定書)(2001年)。 (b) 最悪の形態の児童労働の禁止および撤廃のための即時の行動に関する国際労働機関第182号(1999年)条約(2001年)。 III.データ 7.委員会は、訴追件数、人身取引および強制労働の被害者数および援助を受けた子どもの人数に関して締約国から提供されたデータを歓迎する。にもかかわらず、委員会は、選択議定書上の犯罪に関するデータ収集が依然として一般的かつ断片的でありかつ深刻に制限されていること、および、条約に基づく委員会の総括所見(CRC/C/THA/CO/3-4)で指摘したように条約および両選択議定書を網羅する効果的なデータ収集システムが存在しないことを、依然として懸念するものである。委員会はとりわけ、とくに性別、年齢、国籍および民族的出身、地域ならびに社会経済的地位によって細分化されたデータならびに子どもの売買、児童買春および児童ポルノに関する情報が存在しないことにより、選択議定書上の犯罪を監視し、評価しかつ防止する締約国の能力が非常に制約されていることを懸念する。 8.委員会は、締約国が、条約に基づく総括所見で指摘されているように条約および両選択議定書が対象とするすべての分野を網羅したデータの収集、分析、監視および影響評価に関する、包括的な、調整のとれた、かつ効果的なシステムを発展させかつ実施するための努力を強化するよう、勧告する。データは、選択議定書上の犯罪の被害を受けるおそれがある子どもにとりわけ注意を払いながら、とくに性別、年齢、国籍および民族的出身、地域ならびに社会経済的地位によって細分化されるべきである。罪種別に細分化された、訴追および有罪判決の件数に関するデータも収集することが求められる。委員会は、締約国が、前掲の勧告についてとくに国連児童基金(ユニセフ)の技術的支援を求めることを検討するよう、勧告する。 IV.実施に関する一般的措置 立法 9.委員会は、選択議定書上の犯罪の定義が、法律として位置づけられていない2005年11月23日の省令で定められているのみであることを遺憾に思う。委員会は、締約国の立法において、選択議定書上のすべての犯罪が適正に定義されているわけではないことを懸念するものである。 10.委員会は、締約国に対し、国内法を選択議定書と調和させるための努力を行なうよう促す。とくに委員会は、締約国に対し、選択議定書第2条および第3条にしたがって、選択議定書上のすべての犯罪について法律で明確な定義を定め、かつこれらの犯罪を禁止するよう促すものである。 国家的行動計画 11.委員会は、国家人身取引対策行動計画(2005~2010年)が採択されたこと、および、やはり人身取引をとくに対象とし、選択議定書上の犯罪の一部も網羅している新たな行動計画(2012~2016年)が最近採択されたことを歓迎する。しかしながら委員会は、これらの計画が選択議定書上のすべての犯罪を網羅しておらず、人身取引関連の犯罪のみに限定されていることを懸念するものである。委員会はまた、条約に基づく総括所見で指摘されているように、「国家子ども・若者育成計画(2012~2016年)」で選択議定書上の締約国の義務も取り上げられているかに関する情報がないことも遺憾に思う。委員会はまた、2005~2010年の計画に基づく諸プロジェクトについて2008年に実施された評価の成果に関する情報がないことも、遺憾に思うものである。 12.条約に基づく総括所見を参照しつつ、委員会は、締約国が、選択議定書で対象とされているすべての問題をとくに対象とした包括的な行動計画を「国家子ども・若者育成計画(2012~2016年)」に含めるとともに、その実施のために十分な人的資源、技術的資源および財源を提供するよう、勧告する。委員会は、締約国が、その際、現行の行動計画に基づく諸プロジェクトの評価および検討の結果を考慮に入れるよう勧告するものである。委員会はさらに、締約国が、それぞれ1996年、2001年および2008年にストックホルム、横浜およびリオデジャネイロで開催された第1回・第2回・第3回子どもの〔商業的〕性的搾取に反対する世界会議で採択された宣言および行動綱領ならびにグローバル・コミットメントを考慮に入れながら、選択議定書のすべての規定の実施に注意を払うよう勧告する。 調整および評価 13.委員会は、弱者の福祉促進・保護・エンパワーメント局(社会開発・人間安全保障省(MSDHS)内)および国家子ども保護委員会を含むいくつかの調整機関を締約国が挙げたことに留意する。委員会は、条約に基づく総括所見のパラ13および14を参照しつつ、子どもの権利に関する政策およびその実際の実施がMSDHS内の諸機関に割り当てられており、かつ、条約および選択議定書に基づく、国および国以外のあらゆる関連の主体の活動の調整を担当する全般的な調整機構が存在しないことを、懸念するものである。 14.委員会は、条約に基づく総括所見のパラ13および14を参照しつつ、締約国が、子どもの権利政策の策定および実施に取り組んでいるさまざまな機関および委員会(社会開発・人間安全保障省内のものを含む)の間でよりよい調整が行なわれることを確保するとともに、条約およびその選択議定書に基づく子どもの権利についての活動の実施の監視および評価に関して、部門別省庁を横断し、かつ中央政府から地方政府のレベルに至るまで指導力を発揮しかつ有効な一般的監督を行なうことのできる単一の部局を指定するよう、勧告する。 普及および意識啓発 15.委員会は、選択議定書がタイ語に翻訳され、かつ、2001年以降さまざまな機関(政府機関、非政府機関、地方行政機関およびメディアならびに全国のさまざまな学術機関および地方行政機関〔ママ〕を含む)に対して普及されていることを歓迎する。にもかかわらず、委員会は、締約国において選択議定書に関する体系的かつ包括的な普及および意識啓発活動が行なわれていないことにより、公衆、子どもならびに子どもとともにおよび子どものために働く専門家の間における、子どもの売買、児童買春および児童ポルノの犯罪に関する理解および意識の水準の低さが助長されていることを、懸念するものである。 16.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) コミュニティ、子どもおよび被害を受けた子どもと緊密に協力しながら、子どもの売買、児童買春および児童ポルノの防止措置および有害な影響に関する広報教育プログラムを発展させること。 (b) 関連するすべての専門家集団、とくに警察官、裁判官、検察官、メディア代表およびソーシャルワーカーならびに子ども保護機関の構成員の間で選択議定書を体系的に普及すること。 研修 17.委員会は、内務省、教育省、法務省、保健省および社会開発・人間安全保障省、検察庁、タイ王立警察ならびにいくつかの非政府組織によって実施された、条約および選択議定書に関する意識強化措置および研修に、積極的対応として留意する。しかしながら委員会は、子どもとともにおよび子どものために働く専門家集団(国家子ども保護委員会の委員、保健省、法務省および内務省で子どもの権利について活動している公務員、警察、ソーシャルワーカーならびに裁判官および検察官を含む)が、選択議定書の規定にとくに関連する体系的な、十分な、かつ対象の明確な研修を受けているかどうかに関する情報がないことを遺憾に思うものである。委員会はさらに、これらの研修プログラムの効果に関する評価が行なわれていないことに、特段の懸念とともに留意する。 18.委員会は、コミュニティおよびその他の関係者の関与を得た参加型のプロセスを通じて開発された、選択議定書で対象とされているすべての分野に関する学際的な研修プログラムに対し、締約国が十分なかつ対象を明確にした資源を配分するよう勧告する。このような研修は、子どもとともにおよび子どものために働くすべての関連の専門家集団、省庁および機関を対象として行なわれるべきである。委員会はさらに、締約国に対し、研修プログラムの効果および関連性を高める目的で、選択議定書に関するすべての研修プログラムについて組織的評価が行なわれることを確保するよう、促す。 資源配分 19.人身取引被害者のケアおよび援助のための予算配分額には留意しながらも、委員会は、担当省庁が選択議定書を実施するための活動に割り当てられた、明確に特定可能な予算配分額についての情報が、締約国報告書に記載されていないことを遺憾に思う。加えて委員会は、国家子ども保護委員会および挙げられた他の調整機関の予算上のニーズおよび配分額に関する情報がないことを遺憾に思うものである。 20.委員会は、選択議定書の実施のために十分な資源が配分されることを確保する目的で、締約国があらゆる可能な措置をとるよう勧告する。とくに委員会は、子ども保護委員会、法執行機関および社会保護センターに対し、選択議定書に関する活動のために必要な十分な人的資源、技術的資源および財源が提供されるべきことを勧告するものである。 V.子どもの売買、児童買春および児童ポルノの防止(第9条1項および2項) 選択議定書で禁じられた犯罪を防止するためにとられた措置 21.委員会は、すべての者、とくに脆弱な立場に置かれた集団が教育に平等にアクセスできるようにするための締約国の努力、および、労働市場における子どもの搾取を防止するためにとられている措置に、評価の意とともに留意する。しかしながら委員会は、売春が違法であるとはいえ、この法律がほとんど無視されており、かつ多数の子どもを関与させる形で売春が非常に堂々と行なわれていること、および、汚職が行なわれており、かつ子どもの性売買に関与する警察官の事案があるためにこの問題が助長されていることを、懸念するものである。委員会は、締約国の現行法、行政措置、社会政策およびプログラムが不十分であり、子どもがこれらの犯罪の被害者となることの十分な防止につながっていないことを懸念する。 22.委員会は、締約国が、子どもの売買、児童買春および児童ポルノの防止を目的とした法律(およびとくに現行法の執行)ならびに行政措置、社会政策およびプログラムを強化するよう、勧告する。委員会はまた、締約国が、警察官、とくに子どもの性売買に関与している警察官の汚職事件を防止しかつ訴追するためにあらゆる必要な措置をとることも、勧告するものである。 子どもセックス・ツーリズム 23.委員会は、疑わしい行動をする者または動機が疑わしい者の入国の制限、および、県観光局および民間観光部門関係者を対象とする研修の実施など、子どもセックス・ツーリズムを防止するために締約国がとっている措置を歓迎する。しかしながら、締約国における子どもセックス・ツーリズムの問題に鑑み、委員会は、子どもセックス・ツーリズムを防止しかつ子どもを被害から保護するための十分な立法上および行政上の手続ならびに社会政策が存在しないことを、懸念するものである。 24.委員会は、締約国に対し、子どもセックス・ツーリズムを防止しかつ根絶するため、効果的な規制の枠組みを定めかつ実施するとともに、あらゆる必要な立法上、行政上、社会上その他の措置をとるよう、促す。これとの関連で、委員会は、締約国に対し、子どもセックス・ツーリズムの防止および根絶のための多国間、地域間および二国間の取り決めを通じた国際協力を強化するよう、奨励するものである。委員会はさらに、締約国に対し、子どもセックス・ツーリズムの有害な影響に関する観光業界への働きかけを強化し、旅行代理店および観光業者の間で観光名誉憲章およびWTO〔世界観光機関〕の世界観光倫理規範を広く普及し、かつ、旅行・観光業における性的搾取から子どもを保護するための行動規範への署名を奨励するよう、促す。 VI.子どもの売買、児童ポルノおよび児童買春の禁止ならびに関連の事項(第3条、第4条2項および3項、第5条、第6条ならびに第7条) 現行刑事法令 25.委員会は以下のことを懸念する。 (a) 子どもの売買の犯罪を構成するすべての要件が締約国の法律で明確に定義されているわけではないこと。 (b) 児童ポルノの犯罪について規制している法律が、いまのところ、児童ポルノについて具体的に触れていない一般的なコンピューター犯罪統制法(2007年)および出版登録法(2007年)のみであること。 26.委員会は、締約国が引き続き刑法その他の関連法を改正して選択議定書第2条および第3条に全面的に一致させるよう、勧告する。とくに、締約国は以下の措置をとるべきである。 (a) 子どもの売買(とくに、選択議定書第3条1項(a)(i)b.、1項(a)(i)c.、1項(a)(ii)および第5条にしたがい、不法な養子縁組、強制労働に子どもを従事させること、および、利得を目的とした子どもの臓器移植のための子どもの売買)を選択議定書にしたがって定義しかつ犯罪化すること。 (b) 児童ポルノに関する刑法の規定を改正し、選択議定書第2条および第3条に全面的に一致させること。 不処罰 27.委員会は、選択議定書に定められたすべての犯罪の加害者の捜査、訴追および処罰に関して締約国報告書で包括的データが提供されなかったこと、および、人身取引の訴追件数が少ないことを懸念する。 28.委員会は、締約国に対し、選択議定書上の犯罪が捜査されることおよび容疑者が訴追されかつしかるべき制裁を科されることを確保するため、あらゆる必要な措置をとるよう促す。委員会は、締約国が、選択議定書に定められた犯罪の加害者の捜査、訴追および処罰に関する具体的情報を、次回の定期報告書で提供するよう勧告するものである。 裁判権および犯罪人引渡し 29.委員会は、締約国の法律において、選択議定書第4条2項に掲げられたすべての場合について域外裁判権が明示的に認められているわけではないことを、遺憾に思う。委員会はまた、選択議定書上の犯罪について裁判権を行使するためには双方可罰性が必要とされていることも、遺憾に思うものである。犯罪人引渡し法(2008年)、および、法定刑が死刑または1年以上の収監刑である犯罪について14か国との間に締結された犯罪人引渡し協定には留意しながらも、委員会は、選択議定書が犯罪人引渡しの法的根拠として援用されていないこと、および、犯罪人引渡しのためには締約国と申請国との間に条約が締結されていなければならないとされていることを、懸念する。 30.委員会は、締約国が、国内法により、選択議定書上の犯罪について域外裁判権(双方可罰性の基準が満たされない場合の域外裁判権も含む)を設定しかつ行使できることを確保するための措置をとるよう、勧告する。委員会はさらに、締約国が、二国間条約の存在を条件とすることなく、選択議定書が犯罪人引渡しの法的根拠となると見なすよう勧告するものである。 VII.被害を受けた子どもの権利の保護(第8条ならびに第9条3項および4項) 選択議定書で禁じられた犯罪の被害を受けた子どもの権利および利益を保護するためにとられた措置 31.売春防止・抑止法(1996年)、女性および子どもの人身取引の防止・抑止対策(1997年)および人身取引禁止法(2008年)に被害者への援助が含まれていることには留意しながらも、委員会は、人身取引被害者だけではなく、選択議定書で禁じられたすべての犯罪の被害を受けた子どもを特定するためにとられた措置についての情報がないことを、遺憾に思う。委員会はさらに、送還の過程で、人身取引の被害を受けた子どもがその意に反して非常に長期間収容されることが多く、その結果、このような子どもが、シェルターを退所して母国に帰還する許可を得るために警察に虚偽の証言を行なう事態が生じていることを、懸念するものである。委員会はさらに、ビデオ録画による早期の宣誓証言が法律で認められているにも関わらず、裁判官が、子どもの被害者または証人によるこのような証言を認容することに消極的であり、しばしば子どもの出廷を要請する場合があることを、懸念する。 32.委員会は、締約国が、選択議定書に定められたすべての犯罪の被害を受けた子どもの権利および利益を保護するための措置を強化し、かつ、とくに以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 法執行機関、関連省庁および子ども保護委員会間の協力のための機構を設置する等の手段により、選択議定書上の犯罪の被害を受けた子どもを早期に特定するための機構および手続を設けること。 (b) 人身取引の被害を受けた子どもが退去強制まで長期間待機させられないことを確保すること。 (c) 選択議定書上の犯罪の被害を受けた子どもまたは当該犯罪の証人である子どもによる証言の録画ビデオが常に証拠として認容されることを確保するため、法律を強化すること。 被害者の回復および再統合 33.委員会は、締約国が列挙する再統合プロジェクトとは、外国のドナー機関、国連機関および非政府組織から資金が拠出されているプロジェクトであることに留意する。委員会は、国が運営するリハビリテーションおよび再統合のためのプログラムならびに被害を受けた子どものためのシェルターについての情報がないことを、遺憾に思うものである。委員会は、人身取引被害者への補償のための基金を確保した旨の締約国の情報に留意しつつ、人身取引および選択議定書上のその他の犯罪の被害者が補償を受けた事例についての情報がないことを遺憾に思う。 34.委員会は、締約国に対し、以下の措置をとるよう促す。 (a) 選択議定書上の犯罪の被害を受けた子どもへの援助および支援を確保しかつ調整する、政府機関の能力を強化すること。 (b) 選択議定書上の犯罪の被害を受けた子どもに対して適切な援助(このような子どもの全面的な社会的再統合ならびに身体的および心理的回復のための援助を含む)が提供されることを確保するため、あらゆる必要な措置をとること。 (c) 選択議定書第9条4項にしたがい、被害を受けたすべての子どもが、法的に責任のある者に対して差別なく被害賠償を求める十分な手続にアクセスできることを保障するとともに、加害者から被害賠償を得られない事案のために被害者補償基金を設置すること。 (d) これらの勧告の実施についてユニセフおよび国際移住機関(IOM)の技術的援助を求めること。 ヘルプライン 35.条約に基づく総括所見を参照しつつ、委員会は、締約国が、効率性を高めるため、既存のヘルプラインを単一の全国的ヘルプラインに統合することを検討するよう、勧告する。当該ヘルプラインは、国全体を網羅し、24時間アクセスでき、覚えやすい3~4ケタの番号を有し、かつ、十分な財源および技術的資源、ならびに、子どもに対応し、かつ適切な行動のために通話を分析する訓練を受けた要員を備えたものであるべきである。 VIII.国際的な援助および協力 36.選択議定書第10条1項に照らし、委員会は、締約国に対し、選択議定書が対象とするいずれかの犯罪の防止、摘発、捜査ならびに当該犯罪に責任を負う者の訴追および処罰を向上させる目的で、とくに近隣諸国との多国間、地域間および二国間の取り決めを通じ、引き続き国際協力を強化する(当該取り決めの実施を調整するための手続および機構を強化することによるものも含む)よう、奨励する。 IX.フォローアップおよび普及 37.委員会は、締約国が、とくにこれらの勧告を国家元首、最高裁判所、議会、関連省庁および地方当局ならびにそれぞれ中央および地区に設置されている子ども保護委員会およびその他の調整機関に送付して適切な検討およびさらなる行動を求めることにより、これらの勧告が全面的に実施されることを確保するためにあらゆる適切な措置をとるよう勧告する。 38.委員会はさらに、選択議定書、その実施および監視に関する議論および意識を喚起する目的で、締約国が提出した第1回報告書および文書回答ならびに関連の勧告(総括所見)を、インターネット等を通じ(ただしこれにかぎるものではない)、公衆一般、市民社会組織、若者グループ、専門家グループ、コミュニティおよび子どもが広く入手できるようにすることを勧告する。 X.次回報告書 39.第12条2項にしたがい、委員会は、締約国に対し、選択議定書およびこの総括所見の実施に関するさらなる情報を、子どもの権利条約条約第44条にしたがって提出される、条約に基づく次回の定期報告書に記載するよう要請する。 更新履歴:ページ作成(2012年4月10日)。
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<side a> 駅に向かって、歩き出したものの お互い、言葉を発するタイミングを失って なんだか、気まずい。 てか、ゆかちゃんの本音が 見えそうで、見えない。 あぁ、もう ここまできたら、なにを遠慮するんじゃ!? なんて、 変に開き直ってしまった。 「あのさぁ、、、さっきの電話って・・」 「あぁ、あれね・・」 ゆかちゃんは、気まずそうに笑い 「心配性な人なんよね。ちゃんと帰れた?って。 ま、今日は、ゆかの様子が変だったのもあるんだろうけど… てか、すぐ子ども扱いしよる」 「年上?」 「うん」 「大人な人?」 「う〜ん、そじゃねぇ…でも子どもみたいなとこもあるよ。 無邪気っていうか」 「まっすぐ?」 「そだね…それに、自由な人。 てか、いまだに、よくわかんないとこも多いかな・・」 「…なんかそれって・・・」 言いかけて、言葉を飲み込んだ。 ゆかちゃんのほうを見ると なんとも言い難い表情をしていた。 泣いてる? 困ってる? −もしかして、ゆかちゃんも自身も気付いてる? 「着いちゃったね」 「えっ?」 「駅」 「あ、うん…」 「あ〜ちゃん、電車大丈夫?」 「えっと、、、うん、まだ大丈夫じゃ」 「じゃ、ゆかこっちだから。気をつけてね」 「うん、ゆかちゃんも」 「ありがと」 そう言って、立ち去ろうとするゆかちゃんを 「ちょっと待って!」 と、思わず呼び止めた。 えっと・・・ 「不安なことあるならのっちにぶつけてみたらどうかな。 大切に想うなら、失いたくないなら、ちゃんと向き合わんといけんよ。 そりゃ、のっちはあんな感じで、ヘタレじゃけ。 それでも、大切に想っとる人の想いはちゃんと受け止めてくれるよ。 どんな想いでも。それは絶対じゃ!」 「…そだね。ほんと、このままじゃいけんね… あ〜ちゃん、ごめんね。ほんと、心配ばっかかけて」 「・・あ〜ちゃんこそ、なんか、、、いろいろと、ごめん。 でも、二人にはちゃんと幸せになって欲しいんよ」 「うん、ありがと」 そう言って、ゆかちゃんと別れた。 −う〜ん、、あれでよかったのかなぁ。 電車の外を流れる景色を眺めながら さっきまでのやりとりを思い出す。 今夜のお月様は ほんとにきれいだ。 あまりにキレイすぎるその光は なんだか 良いことも悪いことも 照らし出してしまうようで 少し、怖いなって思ってしまった。 二人が、これ以上 ツライ想いをしませんように・・ 誰に祈るわけでもなく そっとココロの中で 呟いた。 <side k> なんだか、長い一日だったな。 うちに帰って、すぐにあの人に 『ちゃんと帰ったよ』と連絡し、 ベッドに倒れこんだ。 あ〜ちゃんとのやりとりを思い出す。 あぁ、今日のゆかは、ほんとどうかしてる。 あそこまで、話すつもりなんてなかったのになぁ。。。 でも、ほんとは 聞いて欲しいと思っていたのだろうか。 ずっと閉じ込めたままの想い。 もう胸の内だけには、収まらなくなってきてるのかもしれない。 −…なんかそれって・・・ あ〜ちゃんの言葉が頭をよぎる。 気付かれた、かも。 −…なんかそれって・・・ のっちみたい、、だね? のっちへの、キモチに気付いたのは 皮肉にも、「あの人」がきっかけだった。 不安定な時期だったと思う。 でも、簡単に不安を口にはできなかった。 そんな時、あの人の存在は、ゆかの中にすっと入ってきた。 とにかく安心できた。 なんでかは、よくわからなかった。 でもある時、気が付いてしまったんだ。 もしかしたら、気付かなかったほうが 幸せだったのかな。 そう、 ふとした時に頭をよぎってたのは 「あ、のっちみたい」、てこと。 二人はなんだか、似てる。 ほんと、バカだと思う。 こんな形でしか、自分の本当のキモチに 気付けなかった自分を。 ずっと もうずっと ゆかは、のっちのことが好きだったんだ。 でもずっと のっちのココロは、あ〜ちゃんに向いていた。 自分のキモチに気付くよりも 先に存在していた その現実に 無意識に想いは封じ込められていたのかもしれない。 のっちのココロが手に入るわけない。 のっちの全てを、ゆかのものにするなんて・・ 無理に決まってる。 そう思っていた。 だから、あの人でちょうどよかったのに。 大人になるまで、あの人に寄りかかっていれば ちょうどよかったのに・・ なのに ある時を境に のっちから、あ〜ちゃんが大好きっていうオーラみたいなのが 弱くなった気がして なんとなく、傍にいることが増えて・・ 今のままでちょうどいいんだと思っていた ゆかのココロは あの日 バランスを崩してしまったんだ。
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下書き http //slashdot.jp/~yasuoka/journal/485217 yasuoka氏は、 QWERTY配列上で近接して配置されているのに、 (QWERTY配列上で)離して配置しても と、QWERTY配列上の、キーボード上での配置として、翻訳解釈され、「近接」「離して」と、キー間の距離を論じているようである。 だが、原文は、キーボード上でのキー配置間距離に、真っ先に言及しているわけではない。 OCN|翻訳サービス http //www.ocn.ne.jp/translation/ 今日のキーボードはABC順にありません。 なぜしましたか 注文変化 ? それはメカニカルな問題に打ち勝つ必要がありました。 もしタイピストが非常に迅速にタイプするならば、タイプバーはお互いに当たり、タイプライタは詰まっています。 解決は、キーの位置を変更することでした。 しばしば一緒にタイプされたiやeなどの手紙は、マシンの逆の側に置かれました。 こちら、それらのバー お互いに当たりません。 教科書の原文は、まず、タイプバーの干渉問題を言っている。 タイプバーの干渉を防ぐために、マシンの反対側に配置したといっている、ともとれる。 目的は、タイプバーの干渉を防ぐことであり、キーの配置は、そのために従属する、操作パラメーターである、ともみなせよう。 原文中では、「マシンの」という表現だけで、専門用語タイプバスケットは使われていないが、主旨は、そのようなこととも解釈できまいか。 そう解釈すれば、実際、 たとえば、TとHも、タイプバスケット上では、opposite sideに配置されているのである。 http //blog.goo.ne.jp/raycy/e/961ccad4dc012dd4b7a906d4fad2aaf2 だが説明するうえでは、TとHでは、マシーン上の反対側とは、タイプバスケット上配置解説図なしには、説明しづらかろう。 http //blog.goo.ne.jp/raycy/e/6d201d08b49a5a88cc30de3389c586ec そこで、説明には、キーボード上でも反対側にあって関係がわかりやすく伝わりやすい、EとIが用いられたのではないか。 ///// プロトタイプ機までは反対側に配置されていた、 EとRに関しては、別の事情が絡んでいると思われる。思われていた。 ネットワーキング―情報社会の経済学 林 紘一郎 (1998/4) http //raycy.seesaa.net/article/103616397.html までは。 安岡孝一説が出現して、 進化するネットワーキング 情報経済の理論と展開 林 紘一郎、湯川 抗、 田川 義博 (2006/9/23) http //raycy.seesaa.net/article/112462752.html では、安岡孝一説が、紹介されているが、判断は、留保されているようである。 安岡孝一説は、新説である。オーソドックスな手続きを充分に踏まずに飛び越えて、一般向けに流布喧伝しすぎている面がありはしないか。まだ、未検証なままの、生の最先端新歴史解釈仮説であると考える。 定説として定着すればよいが、そうでない場合には、新たなる都市伝説の候補となるであろう。 link_trackbackcounter -
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永倉豪 2-1 いつの間にか巧呼びになってる 中学で野球はやらないつもりだったのに、小6の夏に巧を見て、出会って球を受けたせいで野球を続けることに。 巧の球を受けること、受け続けること。 巧に出会って、初めてその球を自分のミットに捕らえたときから決めた。 青波に巧は誰にも負けないと言う 2-2 説明につまる巧の気持ちを先回りしてくみ取る 週3回通ってた塾をやめる 「適当に塾行って、適当に勉強して、それで残りはどうすんじゃ。適当に野球すんのかよ。あほんだら。おまえとは適当に野球できんて思うとるから大変なんじゃ、わかったか」 →豪の巧の球に対する真剣さ ファーストキスぐらいで真っ赤になる純情さ 4組 フォークの握りをしている巧を見てドキリとする。とれないと思って。 おれは、できるんだろうか。身体中を真っ直ぐ縦に、冷たい思いがはしる。 (ry) おれは、ずっとあいつのキャッチャーをやっていけるんか。いつか、追いつけなくなる日がくるんじゃねえか。 →思いが揺らぎ、一瞬野球をやめようかと思うが、できるわけないと思い直す。巧の球をずっと自分のものにしていたい。 2-3 他人をよく見てる、人間の説明がうまいと巧にほめられる 2-4 巧がランニングに気が入ってないことを見抜く オトムライがおかしそうにそう言った。海音寺の口元も笑っている。豪には信じられなかった。巧の球を何球も見ているのだ。 すごいと思わなかったのだろうか。打ってもいいですか。今はだめだ。そんな会話が通じる球だと思っているのだろうか。信じられなかった。 (打てるわけねえんだ、絶対に打てない) →巧の力を絶対的に信じている のんきでなんにでも強くこだわることがないが、巧の球にだけには強くこだわっている 4年から野球、ずっとキャッチャー 巧に監督に従うよう助言する 手のひらをはらわれ、びっくりする →拒まれないと思っていた ぞっとした。知り合って初めて、巧を怖いと感じた。オトムライにどなられたときの比ではない。ふんばった足に力を入れないと、後ろに下がってしまいそうだった。 そこまで自分で自分の力を評価するんか。それ、高慢じゃないんか。おまえは思い上がった鼻持ちならないガキにすぎんのじゃねえのか。 そんな言葉をぶつけてみたいと一瞬思った。けれど、心のどこかが、巧の言葉の方に強引に引かれていく。 →納得させられるほどの巧の才能 →人物2 頭の後ろをなぐられたような気がした。外側からでなく、内側からなぐりつけられたようなショック。豪は口を開けて、空気を吸いこんだ。酸素が肺まで届かない感じがする。窒息しそうだった。 半ば反射的に巧の胸ぐらをつかみあげる。 その程度のものだったんか。おれとやる野球は、自分の意地を守るためなら、簡単に捨ててしまえるほどのもんだったのか。 (ry) 悔しかった。心底悔しかった。バッテリー組んで試合に出て、おれたちの野球をやって……。 →巧の球への執着、魅力からこその怒り →自分のことは考えてもらっていなかったという悲しみ、悔しさ 「おまえなんか、最低じゃ」 2-5 現実の厳しさをしっており、野球がやりたいならいやでも従えと巧を諭す。 →冷静 巧にいいように使われるのは我慢ならない →豪には豪のプライドがある 巧の球を捕れるならたとえ納得いかない相手に従ってもいい、試合に出たい 2-6 巧の「おまえは、信じてないのか」という問いかけに答えられなくて困る 結局答えられずに帰ってくる 嘘は口にしながらはらはらしてしまうから嫌い →誠実さ →それでも言わない、心配をかけたくないというのもあるが、もっとこう……うーん 母の悲しむ顔は見たくない →やさしさ、こちらのことを思っているという母なりの気持ちを理解している(←巧との相違点) あまくない現実達とと折り合いながら、がまんしてでも夢を叶えられさえすればそれでよかった →巧の試合にはそこまでの価値がある 巧は負けないと信じているのだろうか。どんな事にも人にも、負けないでいられると本気で思っているのだろうか。 (現実はあまくないぞ、巧) →負ける巧を見たくない? 夢から自分は巧を信じるしかないことを悟り電話をかける →だから俺のことも信じろ?とにかく球を投げ続けてくれ 2-7 だとしたら、すごいじゃないか。大人に頭を下げなくても、うまく折り合おうなんて考えなくても、自分の意志を貫き通すことができるなら、大人、子ども、教師、生徒、支配する者、される者、そんな立場を、自分の持っている力で超えていく事が可能なら、すごいじゃないか。 →今までの仕方ないが全部巧の力によって払拭された 2-8 巧が平気な顔でいられるよう、心配しつつも巧が嫌がるようなことはスルー。気を遣われるのを嫌うのを解っているから、自然に振る舞う。 可愛がられて育ったからこそ自分でやる。 「(ry)だから、自分でやるんじゃ。おふくろより先に自分のことだけは自分でやっちゃおうて思うたんじゃ。(ry)」 「子どもって、つまんねえよな」 (ry…先に生まれたっていうだけでえばられて) 「おれ、早く大人になりたいよ。子どもなんかつまんねえよな」 (ry) 豪は目をふせた。巧にこれ以上、言ってほしくなかった。子どもが嫌だなんてセリフ、今の自分を否定してしまうようなことを巧の口からだけは聞きたくなかった。 →自信満々の巧(オトムライさえも屈服させた)でいてほしい 巧が投げ続けられるのか不安に思ったが、逆に打ち勝ってやると意気込んでいてほっとする。 東谷 2-2 すぐに野球部に入部 4組 2-4 巧にきっぱりと監督に従うよう助言する(具体的に) 2-5 笑い上戸 2-9 「そんなに原田がだいじかよう」 東谷の目が下から豪をにらんだ。 「巧、巧って、なんだよ、ほんまに。サワのことは心配じゃねえのか。原田がきてからおまえ、おかしい、絶対おかしい。ええか、豪、もし原田がサワをなぐったら、おれ、原田なんかといっしょに二度と野球せんけんな」 →よそ者より俺らが大事だろ!?次々に問題をひっぱってくる巧をかばう豪がわからない。年齢らしい。 巧や豪が沢口が疑っているんじゃないかと思い啜り泣く 沢口 2-2 すぐに野球部に入部 2組 2-4 巧におびえ、ぼそぼそと発言したり口ごもったりする。 2-5 豪と巧の中をとりなそうと、家に呼んで苺狩りをさせる ひつじのメリーさんが巧を気に入る^^ 2-6 メリーさん…聞き分けのいいおとなしい羊。それが今日はえらく興奮してた 2-8 暗闇が怖いと外で待っている 事件後、部室に豪とヒガシを呼びにいったが、その後行方不明 2-9 次の日に学校に来ていない 家で木に登っていた 小野に相談するも、展西たちに引き渡され 体育館倉庫に連れ込まれる 矢島繭 2-3 巧の隣の席のショートカットの女の子 風紀委員 自分の主張は持っているのにいざというところで怯んでしまう。 2-5 風紀委員は自主的にクラスで持ち物検査を行うよう言われる 2-6 持ち物検査を自己申告制にしようと電話する 友達が泣くようなことしたくない 繭という名前が気に入らなかった 大人って無神経(あさの作品の特徴) 自己申告制を可決で押し通す →1段階越え。蝶になれたんじゃない? 吉貞信弘 2-3 1組 自転車で転んで手の骨にひび 美都面ナインズ(新田に3つある少年野球チームの1つ)のセンターで4番だった 2-5 一年にもバッティング練習をさせてくれと頼んだら練習後に緑川さんが投げてくれて、結構打てた…ら下校中に自転車で転ぶ。ブレーキがこわれていた。自転車は入学式の一月前に勝ったばかりのもの 海音寺 2-4 日に焼けた小柄な三年生、キャプテン 生徒会長(入学式であいさつ) 2-5 巧の球を純粋に誉める。しかし緑川への取りなしも忘れない。 →自然に周りに気を使える良い子! 2-7 監督に打席にたってみたらとすすめる →巧をちゃんと評価している チームで一番選球眼がいい(byオトムライ) 2-10 一度は受験のために学校に逆らいたくないと言うが、結局やってくる 「やっぱりな、どうも、おまえらが野球やるの見てるだけってつらいもんな。今日は出てきた。明日はわからんけど……けど、おれも野球やりたいからな……」 →野球が好きな人間 展西 2-3 3年 ニキビ面 風紀委員としてホックをとめてない巧を捕まえる 副キャプテン キャッチャーで3番 野球の気配が全く感じられない 2-4 白いユニフォームを着てさえ野球の匂いを放たない。 何か読み上げるような平坦な口調で練習メニューを言った後、監督に確認をとる 巧の球を本気で捕ろうとしない 2-5 オトムライと同じような口調で指令をする 3年2人を引き連れて巧に絡む(慣れた感じで) 2-9 「だいじょうぶ。野球部員は内申が良くなるってことだからな」 「当然。なんせ顧問のオトムライが生活指導主事なんじゃから。(ry)」 「そうでもないと三年間、がまんしたかいがねえもんな」 飄々としながら巧にねちねちと嫌がらせ 沢口をリンチしていた時に見つかり、お互いのために黙っていようともちかける。 「おれらは、ずっといい子ですごしてきたでしょうが。先生のいうことなんでも聞いて、好きでもない野球をやってきたんだから。これくらい、大目に見てくれても、ええでしょう」 巧に野球が好きかたずねる。 「そうか、そりゃ幸せ者じゃ」 嫌いだったのかたずねられる 好きでも嫌いでもなく、どうでもよかった。内申のためだけのつもりだった 「ほんま、まじめにやってたんだぜ。やっぱ、試合に勝ったら、ちょっとは嬉しいし、負けたら悔しいしな。(ry)がまんしてそこそこやってたんじゃ」 (ry) 「おまえさえ、入部せんかったらよかったんだよ。おまえみたいに言いたいこと言うて、やりたいことやって……好きかってやりやがって、それでいきなり先発だと。ふざけんなよ。なんのがまんもせんといて、自分の思いどおりのことやって……野球が好きだって……ばかにすんな。(ry)」 →我慢して自分が手に入れたものをあっさり手に入れた巧の才能への嫉妬、怒り 「あ、それとな、海音寺は、おれらとはちがうぞ。あいつは、ガキの頃から野球大好き人間だったんじゃ。(ry)……そう、あいつは、おれらとはちがうんだ」 →純粋に野球が好きな人間への妬み、羨み 緑川 2-5 展西と一緒に巧を囲む ピッチャー 2-8 「おれの球を、おまえらなんかと比べるなよ」 (ry) 「てめえ。よくも」 くぐもった声がふるえている。今までまったく抑揚のなかった声が、揺れていた。 2-9 自分のやった事に後悔し怯える 吉本 2-7 ライト 奥平 2-7 センター 他メンバー 奥平と逗子