約 157,630 件
https://w.atwiki.jp/ffma/pages/67.html
ボコ 加入時期 初期 習得アビリティ チョコボ系消費ゲージ減少(JLv1),チョコボキック(JLv1),チョコボックル(JLv2)チョコボストライク(JLv3),回復アイテム(JLv3),補助アイテム(JLv4)攻撃アイテム(JLv5),チョコボダンス(JLv5) 元ネタ FFおなじみのマスコットキャラ、チョコボ。ボコはバッツの相棒でもある。 バコ 加入時期 初期 習得アビリティ チョコボ系消費ゲージ減少(JLv1),チョコボストライク(JLv1),回復アイテム(JLv1)チョコボキック(JLv2),チョコボックル(JLv3),補助アイテム(JLv3)チョコボダンス(JLv4),攻撃アイテム(JLv5) 元ネタ ココ 加入時期 初期 習得アビリティ チョコボ系消費ゲージ減少(JLv1),チョコボックル(JLv1),補助アイテム(JLv1)回復アイテム(JLv2),チョコボダンス(JLv2),チョコボキック(JLv3)攻撃アイテム(JLv3),チョコボストライク(JLv4) 元ネタ チコ 加入時期 初期 習得アビリティ チョコボ系消費ゲージ減少(JLv1),チョコボダンス(JLv1),攻撃アイテム(JLv1)チョコボックル(JLv2),チョコボストライク(JLv3),補助アイテム(JLv3)回復アイテム(JLv4),チョコボキック(JLv5) 元ネタ ルーネス 加入時期 タイクーン地方・ウルの村 習得アビリティ AP取得アップ(JLv1),ケアル(JLv1),回復アイテム(JLv1) 元ネタ FFIII DSの主人公。ウルの長老に育てられた少年。「強き心」の持ち主。 イングズ 加入時期 タイクーン地方・ウルの村 習得アビリティ AP取得アップ(JLv1),ケアル(JLv1),回復アイテム(JLv1) 元ネタ FFIII DSの主人公。サスーンの騎士。「信じる心」の持ち主。 アルクゥ 加入時期 タイクーン地方・ウルの村 習得アビリティ AP取得アップ(JLv1),ケアル(JLv1),回復アイテム(JLv1) 元ネタ FFIII DSの主人公。ルーネスの幼馴染みで博識な少年。「優しき心」の持ち主。 レフィア 加入時期 タイクーン地方・ウルの村 習得アビリティ AP取得アップ(JLv1),ケアル(JLv1),回復アイテム(JLv1) 元ネタ FFIII DSの主人公。鍛冶屋の娘。「愛しき心」の持ち主。 セシル・ハーヴィ(暗黒騎士) 加入時期 タイクーン地方・風の洞窟 習得アビリティ 元ネタ FFIVの主人公 バロン帝国飛空艇団「赤い翼」隊長 セシル・ハーヴィ(パラディン) 加入時期 試練の山(暗黒騎士と交代) 習得アビリティ 元ネタ 暗黒騎士の自分を乗り越え、他者守る力を得たセシル カイン・ハイウィンド 加入時期 タイクーン地方・風の洞窟 習得アビリティ 元ネタ FFIV セシルの親友。竜騎士。こんかいは いつも しょうき? ローザ・ファレル 加入時期 タイクーン地方・風の洞窟 習得アビリティ ケアルラ(JLv2),レイズ(JLv2),エスナ(JLv2),サイレス(JLv2) 元ネタ FFIVのヒロイン。白魔道士。モテモテ。 レナ・シャルロット・タイクーン 加入時期 タイクーン地方・カオス神殿 習得アビリティ 元ネタ FFV。タイクーンの王女。水のクリスタル「いたわり」の心を持つ バッツ・クラウザー 加入時期 タイクーン地方・ミストの洞窟 習得アビリティ 元ネタ FFVの主人公。風のクリスタル「探求」の心を持つ ファリス・シェルヴィッツ(サリサ・シュヴィール・タイクーン) 加入時期 タイクーン地方・ミストの洞窟 習得アビリティ 元ネタ FFV。レナの生き別れの姉で海賊。火のクリスタル「勇気」の心を持つ ガラフ・ハルム・バルディシオン ※デスティニージャッジ 加入時期 タイクーン地方・ミストの洞窟 習得アビリティ 元ネタ FFV。記憶喪失の老人、正体は王様。地のクリスタル「希望」の心を持つ。 リディア(子供) 加入時期 ミシディア地方・フィールド 習得アビリティ 元ネタ FFIVの召喚士。召喚士一族の村・ミストの最後の生き残り リディア(大人) 加入時期 アレキサンドリア・クジャ戦 習得アビリティ 元ネタ 時の流れが違う幻獣界で大人になったリディア。 テラ ※デスティニージャッジ 加入時期 ミシディア地方・フィールド 習得アビリティ 元ネタ FFIV・すべての魔法を修めた賢者。娘の仇であるゴルベーザに捨て身でメテオを放ち…… ギルバート・クリス・フォン・ミューア 加入時期 ミシディア地方・フィールド 習得アビリティ 元ネタ FFIV・歌を愛するダムシアン王子。恋人の死にうちひしがれていたが、後に逞しい商人、もとい国王に成長 フリオニール 加入時期 ミシディア地方・カーウェンの村 習得アビリティ 元ネタ FFII。革命軍メンバー。ゴクッ…… マリア 加入時期 ミシディア地方・カーウェンの村 習得アビリティ 元ネタ FFII。革命軍メンバー。小説版では彼女の体つきがねっとりと描写されている。 ガイ 加入時期 ミシディア地方・カーウェンの村 習得アビリティ 元ネタ FFII。革命軍メンバー。無口だが気は優しくて力持ち。 パロム 加入時期 ミシディア地方・ミシディアの図書館 習得アビリティ 元ネタ FFIVの天才黒魔道士。ナマイキ盛り。ポロムの弟。 ポロム 加入時期 ミシディア地方・ミシディアの図書館 習得アビリティ 元ネタ FFIVの天才白魔道士。おしゃま。パロムの姉。 ミンウ ※デスティニージャッジ 加入時期 ミシディア地方・ミンウの館 習得アビリティ 元ネタ FFIIの導師。革命軍のブレーン。彼の非業の死とともに得たアルテマのアレさは有名。 ヨーゼフ ※デスティニージャッジ 加入時期 ミシディア地方・試練の山 習得アビリティ 元ネタ FFIIの革命軍メンバー。渋いオヤジ。実際に親父(子持ち)である。 マッシュ(マシアス・レネ・フィガロ) 加入時期 ミシディア地方・試練の山 習得アビリティ 元ネタ FFVIの格闘家。熊のように見えて一国の王弟。ばくれつけんイベントは初見殺しである ヤン・ファン・ライデン 加入時期 ミシディア地方・試練の山 習得アビリティ 元ネタ FFIVのモンク僧。ファブール僧兵長から後に国王に。恐妻家。 レイラ 加入時期 ミシディア地方出航直後 習得アビリティ 元ネタ FFIIの女海賊。女は恐いんだよということを教えてくれる ガウ 加入時期 フィガロ地方南部フィールド戦闘 習得アビリティ 元ネタ FFVIの野生児。父親との再会イベントは必見。 リチャード・ハイウィンド 加入時期 フィガロ地方北部・フィガロ城 習得アビリティ 元ネタ FFIIの竜騎士。きみのお父さんになってもいいかな? ゴードン 加入時期 リチャードを連れてカーウェンの酒場に 習得アビリティ 元ネタ FFII・カシュオーン第二王子。FF史上最も役に立たないと云われている男。 リルム・アローニィ 加入時期 カシュオーン地方・カシュオーン城 習得アビリティ 元ネタ FFVIのピクトマンサー。絵に描いたものを実体化させられる。 ストラゴス・マゴス 加入時期 カシュオーン地方・カシュオーン城 習得アビリティ 元ネタ FFVIの青魔道士。リルムの育ての祖父。孫大好きジジイ。 ティナ・ブランフォード 加入時期 カシュオーン地方・ミスリル鉱山 習得アビリティ 元ネタ FFVIの主人公。幻獣と人間のハーフ。人間不信から恋愛を飛び越えて母性愛に覚醒した。 ロック・コール 加入時期 カシュオーン地方・ミスリル鉱山 習得アビリティ 元ネタ FFVIのドロボウもといトレジャーハンター。こう見えて凄惨な過去の持ち主。 モグ 加入時期 カシュオーン地方・ミスリル鉱山 習得アビリティ 元ネタ FFVIのモーグリ。仲間達はいずこに。 エドガー・ロニ・フィガロ 加入時期 モーグリの裏道後 習得アビリティ 元ネタ FFVIのマシナリー。フィガロ国王。モテモテのプレイボーイだがロリは守備範囲外 エッジ(エドワード・ジェラルダイン) 加入時期 闘技場・四天王戦 習得アビリティ 元ネタ FFIVの忍者。エブラーナ王子。人間の怒りってもんを見せてやるぜ カイエン・ガラモンド 加入時期 闘技場・四天王戦 習得アビリティ 元ネタ FFVIのサムライ。妻子と主を非道な方法で奪われ復讐に燃える。メカオンチ シャドウ(クライド・アローニィ) 加入時期 闘技場・四天王戦 習得アビリティ 元ネタ FFVIのアサシン。金さえもらえばどんなことでもやる。じつはリルムの父親。 レオンハルト 加入時期 大戦艦攻略後 習得アビリティ 元ネタ FFII、マリアの兄。力こそ全てと信じ帝国に下り、一時は皇帝まで登り詰めたが…… リノア・ハーティリー 加入時期 大戦艦攻略後 習得アビリティ 元ネタ FFVIII。レジスタンス森のフクロウのメンバー。魔女の力を受け継いでしまう。 セリス・シェール 加入時期 ミッドガル到着直後 習得アビリティ 元ネタ FFVIのルーンナイト。お堅い女将軍かと思えば、ノリノリでオペラの舞台に立ったり。 クラウド・ストライフ 加入時期 ミッドガル七番街・セブンスヘヴン 習得アビリティ 元ネタ FFVIIの主人公。チョコボ頭。自称・元ソルジャー。幼馴染みのパンツをポッケにしまい込む男。 ティファ・ロックハート ※デスティニージャッジ 加入時期 ミッドガル七番街・セブンスヘヴン 習得アビリティ 元ネタ FFVII、クラウドのおさななじみ。おっぱい!ちょっと背伸びパンツ!おっぱい! バレット・ウォーレス 加入時期 ミッドガル七番街・セブンスヘヴン 習得アビリティ 元ネタ FFVII、レジスタンスアバランチリーダー。亡き親友の娘を引き取り、育てている。 ヴィンセント・ヴァレンタイン 加入時期 ミッドガル神羅ビル・タークス戦後 習得アビリティ 元ネタ FFVII。棺桶の蓋を跳ね飛ばす印象的な登場シーンのあの人。ヴィンセントは改造人間である。 シドHW(シド・ハイウィンド) 加入時期 ミッドガル神羅ビル・タークス戦後 習得アビリティ 元ネタ FFVII。宇宙ロケットに夢を託すオヤジ。操舵手。助手のシエラに対してはツンデレ。 エアリス・ゲインズブール ※デスティニージャッジ 加入時期 ミッドガル神羅ビル・宝条戦後 習得アビリティ 元ネタ FFVII。花売り。古代種の娘。物語途中で離脱してしまう。彼女を残留させるバグ技が一時期流行った。 レッドXIII(ナナキ) 加入時期 ミッドガル神羅ビル・宝条戦後 習得アビリティ 元ネタ FFVII。コスモキャニオンを守る一族の生き残り。クールなのは演技で、素は少年である。 ガーネット・ティル・アレクサンドロスXVII世 加入時期 エボン地方西部・魔の森 習得アビリティ 元ネタ FFIXのヒロイン。王女だが王族の血筋ではなく召喚士一族。物語中では「ダガー(任意変更可)」と名乗る ジタン・トライバル 加入時期 エボン地方西部・魔の森 習得アビリティ 元ネタ FFIXの主人公。劇団タンタラスの花形スター兼盗賊。実は宇宙人だったり。 ビビ・オルティニア 加入時期 エボン地方西部・魔の森 習得アビリティ 元ネタ FFIX。ステレオタイプな黒魔道士。エンディングでプレイしたものの涙腺を崩壊させた。 フライヤ・クレセント 加入時期 エボン地方西部・魔の森 習得アビリティ 元ネタ FFIX。ネズミ族の女竜騎士。竜騎士の例に漏れず悲運だが、最終的に幸せを勝ち取った。 スタイナー(アデルバート・スタイナー) 加入時期 エボン地方西部・魔の森 習得アビリティ 元ネタ FFIX、堅物の騎士。ガーネットに強い忠誠を誓う。ベアトリクスとはライバルであり相思相愛…? ユフィ・キサラギ 加入時期 エボン地方南部・フィールド戦闘 習得アビリティ 元ネタ FFVIIの忍者。マテリア大好きウータイ産まれ。仲間にするときに煮え湯を飲まされた人は多いはず。
https://w.atwiki.jp/kai21/pages/118.html
1. …まぶたの向こうから,強い光を感じた.そして二人の,男性と女性の声が聞こえる. 「ミンウ,助かりますか?」 「はい.彼女も彼と同じように強い生命力を感じます.じきに意識を取り戻すでしょう」 私は目を開けられなかった.目を開けたら,また帝国の兵士が襲って来そうで・・・怖くて・・・.でも,ここはなんだか心が温かくなるような場所だということは,体中から感じられた.「ここは一体どこだと言うの・・・?」そう思った.すると,さっきの女性の声がした. 「あら,もう話せるまで元気になったのですね.ここはアルテアにある反乱軍のアジトのなかです.それも・・・」 そして今度は同じくさっきの男性の声がした. 「それも,負傷者を回復させる部屋,『魔方陣の間』だ.君はどうやら何かに怖がっているようだね.ここは,今ヒルダ王女からご説明があった通り,反乱軍のアジトだ.反乱軍は,帝国軍とは立場を異にする組織だから,大丈夫,目を開けて御覧なさい」 と言われたので,私は恐る恐る目を開けてみた.すると,白いターバンを巻いている男性と,頭に左右二対の角を生やした被りものをした女性が視界に入って来た. 「わ・・・私の声が聞こえていたのですか・・・?」 私がそう訊くと,その女性・・・ヒルダ王女は,はい,と頷いた. 「じゃあさっきの光は・・・,それより他のみんなは・・・?!」 私が思わずそう口にすると,白いターバンを巻いた男性は,私を落ち着かせるためなのか,穏やかな口調でこう言った. 「私は白魔導士・ミンウ.先程の光は私の白魔法によるものだ.『他のみんな』というのは,君と一緒に深手を負って倒れていた人たち,ということかな」 私はミンウの言葉に素早く答えた. 「はい,そうです.私はマリアといいます.他のみんなというのは,私の兄のレオンハルトと,フリオニールとガイというんですけど・・・」 と,言っている途中,この魔方陣の間に入って来た人がいた.彼は・・・. 「マリア 生きてた よかった・・・」 私は彼の声を聞いて,さっと起き上がり,彼の声と姿を認めると, 「ガイ!生きていたのね!良かった・・・」と,安堵した.そこで,反乱軍の一員らしい人がこの部屋の奥から来て, 「ヒルダ王女にミンウ様!次の負傷者が運ばれます!」 と言ったので,ミンウが, 「・・・どうやら君たちの最後の仲間かもしれない.さあ,回復作業は私に任せて,君たちは部屋の外に出ているんだ」 と言い,私とガイは魔方陣の間から出ることになった. 「最後の仲間」・・・?どういう意味だろう.反乱軍のアジトをガイと歩き回っている最中,私はさっきミンウから言われた言葉が気になったので,ガイに訊いてみた. 「ねぇ,ガイ.兄さんは?兄さんはどうしたの?」 するとガイはこう答えた. 「フィンの王女 おれたち 見つけ 助けた.魔方陣の間で回復 一番最初 おれ.レオンハルト いなかった・・・」 えっ?!兄さんは助けられていない?そんな・・・.じゃあまさか死ん・・・.・・・と,そこで,魔方陣の間からミンウとヒルダ王女が出てきたので,私は彼らに,兄さんの安否を訊きに話しかけようとしたけど・・・.他の反乱軍のメンバーに手を掴まれ, 「ミンウ様とヒルダ王女は作戦会議に入られるところだ!邪魔をしてはいけない」 と一喝された.だけど,次に魔方陣の間から出てきたのは・・・.私は思わず叫んだ. 「フリオニール!生きていたのね!良かった・・・.私・・・グスン」 兄さんと同じくらい想い慕っていた彼の無事を確認できたものだから,思わず涙が出てしまった・・・.でも涙を見られて心配をかけるのも,なんというか・・・申し訳ないので,すぐ涙を払って,素顔に戻った.そうだ.私は心配をかけてはいけないんだ.フリオニールは言う. 「マリア・・・ガイも無事だったか.レオンハルトは?」 ガイが状況を説明している間,私はずっと俯いてしまっていた.それを見て気づいたのか,フリオニールは, 「どうしたんだ?マリア.まだ傷が治っていないのか?」 と訊いてきた.あ,いけない,私ったら.心配をかけて申し訳ない,だから悟られまいと思いを固めていたところを,すぐに崩してしまって・・・.意志の弱い女ね,私って・・・.それに比べて・・・.私は答えた. 「傷は完治しているわ.ただ・・・兄さんのことがどうしても気がかりで・・・」 私がそう言うと,フリオニールは, 「大丈夫,生きているさ,きっと」 と,私を励ましてくれるかのように言ってくれた. 「そ・・・そうよね.きっとどこかで生きているわよね」 私もつられてそう答えた. 「反乱軍の会議,随分長いな.もう始まって何十分も経っている・・・」 「そうね・・・」 フリオニール,私,ガイの三人は,反乱軍のアジトにて,相談していた.相談の内容は,自分たち三人も,反乱軍に加えてもらえないか,ということだ.故郷を奪われたという思いもあるし,私たちの仲間・レオンハルトを捜すためでもあるし・・・.私たちの決意は,比較的すぐに固まった.やっぱりみんな幼馴染だから,思いが結束しやすいんだと思う. そうすること十数分後に,反乱軍の会議が終わったようだ.作戦会議室から,どやどやと同じような恰好をした人たちが出て来たのを見たからだ.私たちは,ヒルダ王女とミンウに会いに,作戦会議室の扉をたたいた.すると,扉の向こうから,どうぞ,と声がしたので,私たちは静かに入っていった.フリオニールがヒルダ王女に対して言う. 「あなたが私たちを助けてくれたのですね.ありがとうございます.ヒルダ王女・・・,ぶしつけではありますがお願いがあります.私たちを反乱軍に加えて下さい!」 だけど・・・ヒルダ王女は,「それはなりません」と答えた.それにはちゃんとした理由があって,私たちがまだ戦いに慣れていないから,とのことだった.そして,自分の町へ帰りなさい,とも言った.だけど私は納得がいかなくて, 「私たちの家はもう無いんです.帝国軍の攻撃を受け,両親も亡くしました.みんなが故郷を奪われたのに対し戦っているところを見ながら,アルテアでのんびりと暮らすことなんてできません.ですからヒルダ王女,私たちを反乱軍に加えて下さい!」 と熱弁をふるった積りだったけれど・・・. 「あなたはマリアといいましたね.『アルテアでのんびり暮らす』とあなたは言いましたが,それは合言葉ありきの話です.その言葉は,【のばら】です.よく覚えておくのです.【のばら】はフィン王国の紋章です.フィン王国・・・.先の襲撃で捕らわれた人々がフィンに集められ苦しんでいるという噂も耳にします.あなたの兄・レオンハルトも行方知れずでしたね・・・.もしかするとフィンの町に捕らえられているかもしれません.ただ,今ではフィンもモンスターで溢れかえっている危険な町です.ここを出る前に,ミンウにも話を聞いてみると良いでしょう」 と返された.そして,ヒルダ王女の言う通り,ミンウに話しかけると,彼はまずフィンへ行くことから全てが始まる,ということを言ったのだ. 反乱軍のアジトから出た私たち. 「これから,長い長い旅が始まるのね.まずは反乱軍に加えてもらわなくっちゃ」 私がそう言うと,フリオニールが答える. 「そうだな,マリア.まずは加えてもらうこと.それからが,長い長い旅の始まりだ.みんなでレオンハルトを捜しに行こう!そして・・・故郷を・・・取り戻そう!」 …私たちは,まずアルテアにいる人たちから情報を集めることにした. 2. アルテアの町を歩いてみて,気付いたことがあった.それは,町の人は皆,穏やかな生活をしている,ということ. 「辺境の町・アルテア」・・・.この町が辺境だということをミンウに教えられた私たちは,このアルテアの町を隈なく歩き,情報をかき集めようとした.そうして気付いたことが,この町の人の穏やかさだったりするわけで・・・.外部からアジトとして自分たちの町が拠点にされても意に介さないところが,やっぱりこのアルテアの町人たちの性なんだろうなあと思う. 「反乱軍のアジトで聞いた話なんだが」 フリオニールが話し始めた. 「帝国軍が滅ぼしたというカシュオーン王国の第二王子であるゴードンという人物がこのアルテアのどこかに身を潜めているらしいんだ」 そこで,ガイが, 「王子らしい人 見つけた おれ」 と言ったので,私も話に参加しようとした.そうよ,いつまでもビクビクしてばかりの意志の弱い女ではいられないわ!この旅の始まりから,意志の強い女になってみせるんだから!私の言うべき言葉は,「ガイ,その王子はどこに?」だ.「ガイ,その王子はどこに?」ね.OK,よし,これくらい練習したんだからもう言っても良いわよね. 「ガイ,その―」 「王子らしい人 いた アジトの裏に」 だけど,私の言葉は遮られ,更に私が言う間もなく, 「なんだ!灯台もと暗し,ってやつじゃないか!早速行ってみよう,アジトの裏に」 フリオニールがそう言い,私たちの行動はとんとん拍子に進んでいった. 私・・・マリアは,一人の人を相手にする時は会話が弾むんだけど,二人以上の人を相手にする・・・もしくは一緒に行動する時は,幼い頃からどうしていいか分からずにいた.ママごとだって,兄さんやフリオニール,ガイ一人だけを相手にするのなら,よく遊べたものだけど,そこにもう一人が入ってくると,もう手のつけようがないくらい,精一杯だった.今の私は,当時の私と同じで,もしかすると,対人関係に難あり?ひょっとするとコミュ障なのかもしれない. そう考えてばかりいると,ゴードン王子の言葉を聞き漏らしてしまっているかもしれないと思い,私は王子の言葉に耳を傾けることにした.すると・・・. 「そうか.君たちは帝国との戦いに志願したのか.私はヒルダに拒絶されるのが怖くて戦いに志願できずに,こんなところでうじうじしているんだ.笑ってやってくれ・・・」 私は一呼吸置き,そう言う王子に向かってこう話した. 「いいえ,ゴードン王子.あなた様を笑い飛ばすことなど私たちには到底できません.カシュオーンとフィンは同盟を結んだ国同士ではありますが,互いの距離は相当遠いものだと聞きます.ヒルダ王女への想いだけでここ辺境の町アルテアへ来るだけの気力だけでも称賛されるべきだと思います」 王子は一言, 「・・・ありがとう」 と言っただけだった.私はやっぱり一対一で話をするには問題ないんだけど・・・.どうしても二人以上になると・・・. 「・・・マリア,行くぞ,フィンへ」 「マリア 励ますの うまい」 ちがうの,ガイ・・・!そうじゃなくってね・・・! アルテアの町で装備を一式揃えた私たちは,いよいよフィンへ潜入することになった.フィンへ向かう途中,森に囲まれた村・ガデアにて旅の疲れを癒し,そしてアルテアから出発して何日が過ぎたことだろう,森を脱した私たちは,大きな湖の向こうに故郷・フィンとフィン城があるのを認めた. 「見て!フリオニールにガイ!私たちの故郷よ!湖の反対側からはこう見えていたのね・・・」 私は思わずそう叫ぶ. 「本当だ,マリア!あれが俺たちの故郷なのか・・・?」 と言うフリオニール.そしてガイは, 「湖 周らないと フィン 辿り着けない」 と言った.さすが幼い頃森で狼に育てられていた経歴がある人の言うことは違うわね.私たちは,また数日を湖を周るのに費やし,ようやっとフィン王国に辿り着いた. …フィンの町は,私たち三人が予想していた通り,戒厳令が出されていて,重苦しい雰囲気が漂っていた.城下町のなかは,帝国軍の兵士たちでいっぱいで,とても私たちが太刀打ちできる相手ではなさそうだった.私は,声を潜めて,フリオニールに訊いてみた. 「ねぇ,これからどうするの?町は兵士でいっぱいだし,単独行動もできないわ」 すると彼は, 「まず,情報収集の基本のパブへ行ってみることにしよう.何かが掴めるのかもしれない」 と私と同じように声を潜めて返した.そこで私たちはパブへと訪れた.フリオニールはパブへ入るなり, 「俺とレオンハルトでよくこの隠し扉のなかに入ってお互いの夢を語り合ったものさ」 と言いながら,その隠し扉とやらを開け,隠し部屋の奥へと入って行った.もしかしたら,この奥に兄さんがいるかもしれないと言うのね・・・.だけど・・・,隠し部屋の奥にあるベッドには,一人の戦士が横たわっていて,言うことには, 「俺を帝国に売るのか?それならせめて殺してからにしてくれないか.生きたまま捕まりたくない・・・」 …兄さん,レオンハルトとは違った声だった. フリオニールが合言葉【のばら】を言うと,その戦士は,ゆっくりと話し出した. 「そうか・・・君たちは反乱軍の一員だったのか.私の名はスコット.カシュオーンの王子だ」 そこでフリオニールは驚き, 「あなたがカシュオーン第一王子のスコット様なのですか?!討ち死になさったと聞きましたが・・・良かった!生きていらしたのですね」 と言った.スコット王子は続ける. 「ああ.だが私ももう長くはない・・・.反乱軍である君たちに頼みがある.弟のゴードンに・・・伝えてほしいことがある.もっと自分に・・・,自信を持て,と」 なるほどね・・・.やっぱり私の言った通り,ゴードン王子には素晴らしい気力があるのよ.そこで私が,「その他に伝えることはありますか?」と言おうと思った.一回練習したから大丈夫よね. 「その他に―」 「それから,ヒルダに愛している,と・・・.」 そこでまた私の言葉は遮られ,スコット王子とフリオニールのやりとりが始まった.王子は続ける. 「・・・いや,もうすぐ死ぬ人間の告白など・・・彼女を・・・,悲しませるだけだ・・・」 フリオニールは王子に訊いた. 「あの・・・レオンハルトという者をご存じありませんか?」 と.でも王子は・・・. 「生憎だが,役に立てなくてすまない・・・.その代わりにこれを持って言ってくれ.私の・・・『リング』と・・・,カシュオーン王家に伝わる書物の冒頭部分を書き写したもの・・・『世界年譜序文-冥界王-』だ・・・.長く話したせいか大分疲れてしまった・・・少し・・・眠らせてくれないか・・・」 と言って,そのまま息を引き取ってしまった・・・. フィンからアルテアまでの帰り際,コテージのなかで私たち三人は,それぞれ言葉を交わしていた. 「フリオニール,そのリング,綺麗ね」 「ああ・・・」 「どうしたの?顔色悪いわよ?」 「すまないマリア,心配をかけてしまって・・・.このリングの他にもう一つ貰ったものがどうしても気になって・・・うずうずしているんだ」 「うずうず?」 「ああ.何か末恐ろしいことが書いていそうな予感がして・・・.でも大丈夫だから.アルテアに帰ったら,マリアはゴードン王子にスコット王子からの言伝てを頼む.俺とガイは,ヒルダ王女にスコット王子からの形見の品を渡してくるから!」 そういったやりとりがあった日から数日後,アルテアに戻り,フリオニールから言われたようにして,私はゴードン王子に言伝てをし,アジトにてフリオニール,ガイと合流した.私たちを前にヒルダ王女は, 「フィンに潜入して生きて帰ってくるとはなかなか腕が立つようですね.私はあなた方の力を見くびっていたようです.是非とも反乱軍の一員として力になって下さい.魔金属である【ミスリル】を手に入れるために強い戦士を必要としているのです」 こうして,私たちは,反乱軍の一員として迎えられることになった. 3. 反乱軍の一員として,改めてヒルダ王女や白魔導士・ミンウに迎えられた私たち.そこで早速,ヒルダ王女は私たち三人に任務を与えた.彼女が言ったことを要約すると・・・.先のフィン襲撃で我々が負けてしまったのは,魔金属・【ミスリル】で作られた武具を装備していなかったためだという.【ミスリル】の武具を装備した帝国兵たちに敵うはずもなくここアルテアに逃げてきた,とも言った.そして,【ミスリル】についてだけれど,その魔金属について調べさせている,サラマンドという町に住む反乱軍の諜報員・ヨーゼフからの音信が不通なので,様子を見に行ってきて欲しい,とのことだった.更に,あなたたちの助けになるでしょう,と言って,私たち三人に加えて,ミンウも同行することになった. ミンウは,改めて私たちに自己紹介をして,作戦会議室のヒルダ王女のすぐ横でサラマンドへの道程を分かり易く説明してくれた.そこへヒルダ王女も話に入ってきて,また新しい情報を教えてもらった.彼女の話によると,先のフィン襲撃で帝国側も手傷を負っているらしく,それを補うためにバフスクという町で沢山の町人や奴隷を使って【大戦艦】と呼ばれる【飛空船】を建造中なのだという.そしてミンウからも新しい情報を教わった.彼は【飛空船】について色々と話した.昔,フィンには「白騎士団」というものが存在し,そのリーダーはシドと言う男だったけれど,天翔ける【飛空船】の建造に夢中になってフィンから去って行ってしまったこと.そして今現在そのシドはポフトという町で運輸業を営みつつ【飛空船】の研究に没頭していることを話してくれた. フリオニールとガイは,うんうん,と頷いていて話の内容をきちんと把握しているようだったけれど,私はといえば・・・,サラマンドへ行く目的を理解するので頭がいっぱいいっぱいだったのに,【大戦艦】,バフスク,が出てきた辺りで頭のなかがパンクしてしまいそうになった.とにかく,今の私たちの目的はサラマンドへ行ってヨーゼフという人の様子を見に行ってくることよね?それでいいのよね?反乱軍のアジトを出た後,私は自分たちの目的がなんなのかを確認するためにフリオニールに一応訊いてみた.ミンウにはあまり聞こえないように.だって,折角反乱軍の一員として認めてもらったのに,「君はもう目的を忘れてしまったのか?使えないやつだ」と思われるのはイヤだから.フリオニールにそのことも打ち明けてみたら彼は, 「そんなことはないんじゃないか?仲間一人一人がちゃんと目的を理解し合っているのを確認するのは大事なことだと思う.よく言うだろう?『聞くのは一時の恥 聞かぬは一生の恥』だって.それにマリアが今,目的を確認しに訊かなかったら,俺も目的が分からなくなっていたところだったよ.【大戦艦】のことで頭がいっぱいで・・・」 そうだったのね,フリオニール.あなたはもうそんな先のことまで考えていたというのね.そこで不意に誰かが後ろから私とフリオニールの肩をくっつけるように抱えたと思うと, 「みんな 目的 わかる これ 大事」 と声がした. 「ガイ・・・ありがとう」 と私が返す. フリオニールはどういうわけか少し照れくさそうにしていた. ミンウはというと,こんな私たちを見て,優しく笑っていた.私,こういう雰囲気・・・ほのぼのとした感じ・・・が大好きよ. ミンウが持っているカヌーで,パルムの町へ目指し,湖を渡っていた.私たち四人は,それぞれ別の行動をしている.フリオニールはずっと湖の向こうを見ているし,ガイはカヌーを漕いでいる.ミンウは,じっと目を瞑ったままだ.瞑想でもしているのかな?私はというと,やっと使い慣れてきた弓の手入れをしていた.そうしながら,湖面を見てみた.太陽の光が水面に反射されてキラキラと光っている.私は心の中で呟く.「きれいね・・・」と. 湖に囲まれた,私たちの故郷,フィンでは今,なにが起こっているんだろう. あの日,私は朝早くに行われる王国主催の弓技大会予選に出るために早く寝ようと思ったんだ.そうしたら寝る前に母さんが私の部屋に入ってきて,こう言ったんだっけ. 「マリア.あなた,一体どうして弓に興味を持ち始めたの?レオンハルトやフリオニールに影響されて?あの子たち,血気盛んなんだから・・・.母さん,あなたにはガイのようにじっとして落ち着きがあって優しい人になって欲しいと思うの」 と. 「母さん.私は,もう自分の人生を他の人に決められたくないの.父さんや母さんの言うことは分かるけど,私は私が決めた道を歩くことにした,それだけよ.弓に興味を持ち始めたのは,いつもの狩りに役立つかなって・・・」 と私は返すと,母さんは寂しそうに部屋から去っていったっけ.これが,私の両親との最後の別れになってしまった・・・.私はそのまま寝て,次に目が覚めた時には,家が全焼した後だった.奇跡的に助かった私は,机の上に弓と一緒になって残されたメモを見つけ,読んでいく内に大粒の涙を流したんだ.メモには, 『沢山のパラメキア帝国の軍隊が来て,女子どもを渡さないと家に火を着ける,と言われたわ.マリア,どうやらあなたの言っていたことは正しかったみたいね.あなたはあなたの思うがままに生きなさい 母さんより』 と書かれていた. あの日から・・・私は目を開けるのが辛かった.だってまた帝国軍が襲ってきて私の周りからまた誰かがいなくなると思うと・・・夜も眠れなくなって・・・ 水面からの光が原因なのか,一時の間,私はフラッシュバックしていた.フリオニールが,私に話しかける. 「マリア.どうしたんだ?気分でも悪いのか」 私は答える. 「ええ,ちょっと『あの日』のことを思い出してね・・・」 「そうか・・・『あの日』から全然眠れていないものな・・・マリアは」 とフリオニールは言い,ミンウにどうにかして欲しいと頼んだ.すると,ミンウは, 「それならば,この『スリプルの本』を読みなさい.読んでいくと,誰でも,海より深く眠れる本だ」 私はミンウからその本を受け取ると,早速読み始めた.・・・すると,彼が言った通り,私は微睡という名の流砂に飲み込まれていった. 4. ハッピーバースデー トゥー ユー♪ ハッピーバースデー ディア マリアー♪ 「ねえマリア!ぼくといっしょにおどろうよ!」 「なにを言っているんだフリオニール!マリアはぼくとおどりたいにきまっているだろう?」 「なにおう?ぼくたちだってマリアのたんじょうかいによばれたんだぞ!」 「み・・・みんなおちついて・・・」 この後,私と誰が踊るかで町の男の子同士で取っ組み合いのケンカが始まったんだっけ.私はというと,本当は兄さんと踊りたかったんだっけか・・・.更にその後,結局私は一人ぼっちになってしまうことになる.自分の誕生会なのに. 「マリア.着いたぞ,湖の向こう側に」 と言って,私を夢から覚まし,フリオニールが起こしてくれた.彼は続ける. 「この先,しばらく歩いた後にパルムという町があって,そこからミンウが言っていた,シドがいるポフトの町までの定期船が出ているらしい」 「ガイとミンウはどこへ行ったの?」 私がそう言うと, 「先にパルムの町に行って待っててもらっているよ.定期船の運賃がもっと安くならないか交渉中でもある」 とフリオニールが言ったので,私は急いでカヌーから降り,彼と一緒にカヌーを折りたたみ,パルムの町まで急いだ.反乱軍に入って,すぐ足手まといになった気がする・・・.もっとがんばらなきゃ・・・! パルムの町へ着いた私たちは,ガイとミンウに合流」し,早速定期船に乗せてもらった.船に乗っている間,弓の手入れを完璧にやり遂げた私は,私たち幼馴染三人に新たに加わったミンウに積極的に話をしようと,彼に声をかけた. 「ミンウ様.あなたが担いでいるその円筒の形をしたものはなんですか?」 私がそう尋ねると,ミンウは私の方を振り向き,こう話し始めた. 「マリアか.ミンウ,と呼んでくれても構わない.この筒には【反乱軍の旗】が入っていてね.この先の旅路で役に立つかもしれないと思い,持ってきたんだ」 私は更に,その【反乱軍の旗】について尋ねると,ミンウはまた続けて話した. 「この【反乱軍の旗】には重大な意味が込められていてね.私の出身地であるミシディアの古の伝説から来ているものなのだが・・・.聞きたいか?」 私は,はい,と答えた.そうすると,ミンウはゆっくりと話し始めた. 「昔々,戦争によって離れ離れになった織物屋を営んでいた夫妻がいた.夫は戦場へ兵士として戦いに出て行かなくてはなり,妻は夫の帰りを待つことになった.だが,戦争が終わっても,夫は帰って来なかった.妻は,自分の町に住む人々にその不条理を訴えた.すると,町人の多くの人が彼女に賛同の意を示したのだ.何故,戦争が終わったのに愛する人を帰してくれないのか,と.そこで民衆は一念発起し,その妻・・・女性を先頭に,彼女が独自に織った旗を掲げ,国に陳情に出たのだ.これが,ミシディアに伝わる,『民衆を導く健気な女神』伝説だ.その時に使われた旗が,今正に君たちが目にしているものなのだよ.この話は伝説ではなく,きちんとした史実なんだ.フィンで反乱軍を立ち上げた時,私はこの旗を,【反乱軍の旗】にしたらどうか,とヒルダ王女に告げた.すると,彼女は,快諾してくれた」 【反乱軍の旗】をいつの間にかガイとフリオニールも加わってまじまじと見る私たちに,ミンウはそう語ってくれた.旗は,よく見てみると,タペストリー調になっていた.要するに,旗一枚に,一つの物語が織ってあった.始めから途中までは,夫への想いが込めてあったのか,その夫妻の生活風景が織られていた.そして最後に織られていたのは,炎をまとった鳥だった.不意に,フリオニールが 「この一番最後の鳥・・・のようなものは・・・」 と言ったので,ミンウはこう返した. 「火の鳥・・・『転生の炎』という術を使うと言われる,不死鳥・フェニックスのことだ.私もミシディア出身だというのに,至らぬところがあるのは許してほしい」 フリオニールは慌てて,「いえいえ」と言ったけど・・・.要するにミンウはフェニックスに関してよく知らないところがあるのね.そこで,ミンウが唐突に, 「フリオニール.君にヒルダ王女からの伝言がある.『率先して仲間を引っ張っているあなたはリーダーの才覚があるのでしょう.私もあなたから見習うべきところがあるようです.称賛すべきものです』だそうだ」 と言った.言われたフリオニールは,照れくさそうに,「俺はそんな・・・」と言っているかのようだった. そうこうしている内に,私たち四人を乗せた船は,港町ポフトに着いた.ええっと,確かこの町には,元白騎士団のリーダーだったシドという人物がいるのよね.ポフトの町のパブに,彼,シドはいた.白騎士団のリーダー・・・.そういう肩書きを聞くだけでは,すごく強くて頼りになりそうなイメージだけど・・・.実際のシドは,そういうイメージとはかけ離れていて,第一印象は"飲んだくれの中年男"みたいな人だった.とても,ミンウが言っていたように,きちんと運輸業に全うとしていて,【飛空船】の研究もしている人とは思えなかった.けれど,第一印象はアテにならない場合ってよくあるから,私はもっとシドのことを知ろうと直接彼に話しかけた. 「あの・・・シドさん?【飛空船】って一体どんな仕組みで動いているんですか?」 と.すると,シドは,よくぞ訊いてくれた!と言わんばかりの顔をしてパブの奥から丸めた紙を数本ばかし持って来ると,机の上にそれらを広げ, 「よくぞ訊いてくれたな,姉ちゃん!近頃は子分ですら俺の研究三昧に冷たい眼差しを向けるものだから,滞っていたんだよ!」 と言った.そして,ああだこうだ机の上に広げた【飛空船】の図面を指差されながら彼から説明を受けることになった.ミンウは,やれやれ,という態度をとっていたし,フリオニールとガイも,その様子を見ていて,少しばかりか引いている感じだった.・・・あれ?私,また余計なことしちゃった?もしかして・・・.また足手まといをした・・・とか? やがて,シドが,声のトーンを落としながら喋り出したので,私は,シドの話を聞くのに集中した. 「・・・それでな,この最新型の【飛空船】には【エクトラズム】という油が必要なんだが・・・.こればかりは,俺も手が出せねぇ.なにせそれが採れる場所といったら・・・セミテの滝の洞窟なんだからよ.今は帝国の領地内だ」 私は一応尋ねてみる. 「シドさん?その【エクトラズム】って外見はどんな風なものなんですか?」 すると,シドはこう答えてくれた. 「洞窟の奥の泉から,水と一緒に出て来る蛍光するものさ.油だから,水と分離していて採り易い.・・・ん?なんだ姉ちゃん,あんたまさかそれを採りに行って来てくれるって言うのか?」 「はい!困っている人を助けたいですから」 と私は答えたけれど,シドは, 「馬鹿なことは言いなさんな.姉ちゃん一人で帝国軍領地へ入るのは,わざわざ死にに行くようなもんだぜ」 「でも!」 私は反論しようとした.だけど・・・. 「マリア.そこまでにしておきなさい」 ミンウに止められた. …ポフトの町の宿にて,私はミンウから叱りを受けていた. 「いいかい,マリア.私たちは一番に成すべきことがある.それが何であるか,君にも分かるだろう?」 「はい・・・.サラマンドへ行って,ヨーゼフという人の様子を見に行って来ることです・・・」 「そもそも我々反乱軍は,祖国を捨てたあのシドを快しと思っていない.ましてやその彼から,今回の任務とは関係のないことまで引き受けてしまって・・・.もしそれが失敗したとしたら,誰が責任を取るというんだ?」 私は「すみません・・・」と言うしかなかった.結局,私は反乱軍の足手まといでしかないというのね・・・.私は宿屋のロビーから自室へ戻った.ややあって,私の部屋のドアをノックする音がしたので,どうぞ,と言うと,フリオニールとガイが入って来た.フリオニールが開口一番に言うことには, 「マリアが今日・・・シドに色々訊いたこと・・・間違いじゃなかったと思うんだ.その・・・ミンウに叱られていたところを見てしまったんだが・・・.俺たちも,マリアのことを,手助け・・・いや,力になりたいと思っている.だから,そんなに落ち込むことは,ないと思うんだ」 と.続けてガイも, 「おれたち 仲間 だから 協力する」 と言った.そこで私は,前々から思っていたことを打ち明けてみた. 「・・・ねぇ,フリオニールにガイ.私って反乱軍の一員として,足手まといというか・・・活躍できていないと思ってる?」 と.すると,意外にもフリオニールからすぐ返事が返ってきた. 「活躍できていないも何も・・・俺たちはまだ第一の任務を果たしていないじゃないか?」 「でも!このポフトに来るまでに私,あなたたちやミンウに沢山迷惑をかけてしまったわ!」 ガイが言う. 「マリア それ 『迷惑』 言わない」 「え?それどういう意味,ガイ?」 「誰でも 良いところ 良くないところ ある だから そこ おぎない合って 助け合って 仲間は生きていくもの おれ むかし そう 教わった」 「なるほどな」 とフリオニールは言う. 「マリア.ガイの言う通りだよ.人は迷惑をかけ合って生きていく生きものなんだ.そこをおぎない合えるか.助け合えるか.だから仲間ができるんだ.側にいられるんだ.・・・迷惑をかけない人なんて存在しないんだよ.だから・・・もう『足手まとい』だなんて悲しいことは言わないでくれ・・・」 そう言って二人は寂しそうに私の部屋から去って行った.私はその時,デジャヴを感じた.これは・・・!「あの日」の夜と状況が似ている!このまま目を瞑ったらまた私は大切な人を失ってしまうというの?お願い,それだけはやめて!フリオニールにガイ,もう一度私の部屋に来て,せめて笑顔で帰っていってよ! …そう言って大声で泣きじゃくる私の声を聞いたのか,フリオニールとガイがもう一度私の部屋に戻って来た. 「どうしたんだ?!マリア」 「『あの日』がまた来ないかって・・・怖くて怖くて・・・」 「おれ ミンウ 呼んで来る」 「マリア,もう怖がらなくても大丈夫だ.『あの日』のことを思い出したのか?ここポフトは,元白騎士団のリーダーのシドがいる町だ.さっきこの宿に手紙が届いてな.差出人はシドからで,なんでも『俺の目の黒いうちは帝国軍には入らせねぇ!』だそうだ.だから,安心しても良いと思う」 「ありがとう,フリオニール・・・」 ガイによって呼ばれたミンウは,その手紙を読み, 「・・・彼のことを少し見直したよ」 と言ったそうだ. 翌日,何も起こらずに平凡な朝を迎えられたことに感謝した私は,仲間たち三人に遅れをとらせまいと急いで準備をすると,サラマンド行きの【飛空船】に乗り,そこに降りた.サラマンドの町に着いた私たちは,ヨーゼフに会いに来た,と町人に言うと,その町人は,彼の家へ案内しれてくれた. 5. サラマンドの町は,町全体が雪で覆われていた.町の人にヨーゼフが住んでいるとされる家に案内されて行く間,私たち三人,フリオニール,私,ガイは,「雪」というものを初めて見て,興奮していたんだった. 「見て!フリオニールにガイ!雪化粧ってこういうのをいうのね・・・」 私がそう言うと,フリオニールは, 「ああ.確かに綺麗だな・・・.それよりマリア,寒くないか?」 と言ってきたので,私は答えた. 「大丈夫よ.実はヒルダ王女から事前にサラマンドについて色々聞いたから・・・.携帯用の防寒具をあなたたちの分まで一式持ってきているわ」 「さすが マリア しっかり者」 ガイったら・・・.・・・でも,「しっかり者」?本当にそうなのかな,私・・・. ギュム,ギュムと雪を踏みしめる音を立てながら私たち四人は,やがてヨーゼフの家の前までやって来た.そこでミンウが, 「反乱軍の参謀,ミンウですが」 と言った.けれど,家のドアから人が現れる様子もなく,ただ一言,「合言葉は?」と返ってきたので,ミンウは,【のばら】です,と言った.それでやっと玄関の扉を開けてくれるのかと思いきや,その家の主は,合言葉だけでは信用できんな,と言い,加えて,何か反乱軍であるという証拠の品を持っているのなら家に入れてやろう,と言った.私はハッと思い,ミンウに彼が担いでいる【反乱軍の旗】を指差した.ミンウは,分かっている,と呟き, 「証拠の品ならあります.【反乱軍の旗】です」 と言うと,いきなり玄関のドアが開き,緑色のコートを着込み,つるっ禿の逞しい男の人が出てきた.そして開口一番に, 「おお!これはこれは,ミンウ様ではありませぬか!ささ,どうぞなかへ.・・・そちらの方は?」 と言って私たちの方へ目を向けると,ミンウは答える. 「新しく反乱軍へ入ったフリオニール,マリア,ガイの三人です.どうぞ歓迎してあげて下さい」 と.結局私たちは,その男の人・・・ヨーゼフに案内されて,彼の家の中へ入っていった. ミンウは,早速【反乱軍の旗】を机の上にバサッと広げると,ヨーゼフを納得させた.そしてそれ以来,ミンウは何故か無口になってしまったのだ.ヨーゼフも黙っている.これは一体,どういう状況だというの?さっぱりだわ!やがて,フリオニールが,なるほど,分かった,と呟くと,ヨーゼフに向かって, 「あなたが反乱軍の諜報員であるヨーゼフさんですね?」 と言うと,彼らのやりとりが始まった. 「いかにも」 「あなたはヒルダ王女から【ミスリル】の調査をするようにと命を受けていたはずです.・・・音信が途絶えたのは何故でしょうか?」 「それは言えん・・・」 「そうですか・・・.それでも,あなたが生きていて良かったです.我々はあなたが帝国軍に命を奪われたのではないかと心配だったのです」 「・・・【ミスリル】のことだが・・・少しだけなら情報を教えてやろう.セミテの滝の洞窟で,この町の男たちが働かされている.【ミスリル】の採掘に皆疲れ果てているようだ.彼らを助け出すことができれば,お前たちは堂々と反乱軍の一員だと名乗れるだろう.そして,お前たちのことを信用してやろう」 これってもしかして・・・私たちのことを試そうとしているの・・・?ガイにそう訊くと, 「フリオニール 悟った テストなう と」 やっぱりそうだったのね・・・.と同時に,私は一つ思うところがあった.それは,【ミスリル】が採れる場所と,【エクトラズム】が採れる場所が一致しているということと,決して私がシドに色々訊いたのが間違いででなかったということを,ミンウに伝えたかったという思いだった.そしてそれをミンウに伝えると彼は, 「・・・偶然なこともあるものだ」 と言っただけだった.なに,その答え方?!私たちが一生懸命シドやヨーゼフから聞き出したことを,「偶然」という一言で一蹴するなんて酷いと思わない? ミンウが【反乱軍の旗】をしまい,セミテの滝へ向かおうとしていた時,ヨーゼフが, 「気を付けて行って来るのだぞ」 と声をかけてくれた.それから私たちは十数日をかけて,サラマンドから西部へ進み歩き,今度はカヌーに乗ってまた何日も,狭い水路を東へ逆戻りし,そして遂にセミテの滝の洞窟まで辿り着くことができた.早速洞窟の中へ入ろうとする私たち三人を,「待つんだ」とミンウが止め, 「ここからはパラメキア皇帝が魔界から呼び出したという魔物が潜んでいるところだ.無用な戦闘は避けること.回復役は私が引き受けるが,受けた傷は基本自分で治すことも忘れてはいけない」 と注意を促してくれた.そうして,私たちの初めての敵陣攻略が始まった. フリオニールは剣を,私は弓を,ガイは斧を,そしてミンウは杖を携え,どんどん地下へと進んでいった.洞窟内はなるほど,さすがに魔金属・【ミスリル】が採れるだけのところはある.何ヶ所に渡ってキラキラ光る水晶が岩肌からその有様を見せていた.・・・私たちは,更に洞窟の奥へ進んでいった.すると・・・.スコップやつるはしなどの道具が見えたかと思うと,洞窟内でもちょっと開けた場所に数人の男の人たちが採掘作業をしているのを見つけた. 「皆さん!我々は反乱軍の者です!もう大丈夫です,もうじきここは帝国の陣地ではなくなります.・・・ここの指揮官はどこにいるのですか?我々がなんとか打ち倒してみせます!」 とフリオニールが叫ぶと,それまで採掘作業をしていた男の人たち・・・と一人の女の子が出て行こうとした.私はその女の子を引き止め,話しかけた. 「ねぇ,あなた,どうしてこんなところにいるの?」 すると,女の子は振り返り,私の言葉に答えた. 「大きな帽子を被った怖いおじちゃんが・・・私に言ったの.『お前はヨーゼフんとこの娘だからなぁ・・・人質になってもらうぜ』って・・・.それで私怖くて・・・」 私は彼女と背丈を同じくし,優しく話しかけた. 「私はマリア.あなたのお父さんの味方だから,怖がらないでね.もう大丈夫だから,安心して良いわよ」 と.女の子はぱあっと笑顔になり, 「ありがとう,お姉ちゃん.私,ネリーっていうの!」 私は,そう!,と返した.そして彼女らが地上に戻って行くのを見送った後,仲間の三人に遅れを取らすまいと急いで後を追った.・・・そして・・・.フリオニールが,「来たか,マリア!」と小声で言うと,ミンウが岩場に隠れるよう指示を出した. 「あの帝国兵・・・サージェントは,今まで相手にしてきた魔物とは比べ物にならないくらいの強さだ.みんなの力を合わせて立ち向かわないと,勝つことは到底不可能だろう」 と同じくミンウが言う.そして私たちは,ミンウの合図とともに,一斉に行く手を阻むサージェントに立ち向かっていった. … サージェントを倒した私たちは,奥まで進んでみると,確かにシドが言っていた通り,この洞窟の奥に泉があるのをみつけた.私は,取り敢えず【エクトラズム】を採ろうと,泉に浮かぶその油を一杯だけ掬ってみた.なるほど,これもシドが言った通り,蛍光・・・仄かな光を発している.他の三人は,【ミスリル】を探しているみたいだけど・・・.どうやら見つからないみたいだ.私が【エクトラズム】を掬い,バケツに入れていると,泉の最深部から煌めきを感じた.私は腕をまくって,その煌めいたものを泉の最深部から取り出した.これは,青みを帯びた金属・・・ひょっとして,これが【ミスリル】? 6. 私は,その青みを帯びた金属を両の手で持ち上げたまま,少しだけ意識が飛んでいた.・・・フリオニールに話しかけられるまで. 「マリア!それってもしかして・・・!【ミスリル】か?!」 私は意識を取り戻す. 「ええ,多分,【ミスリル】に間違いないわ.そうでしょ?ミンウ」 ミンウは答える. 「ああ,そうだな.その青さといい,女性である君でも軽々とそう持ち上げられる軽さといい,なによりその金属から放つ魔力はすさまじいものを感じる.【ミスリル】だと断定してもいい.マリア,よくやったね」 ああ・・・.私,初めてミンウに褒められた.良かったわ・・・.続けてガイが, 「マリア 大活躍なう」 と言ってくれた. …これって,私はもっと自信を持っていいよってことなのかしら?だって,みんな私のことを褒めてくれるから・・・.そうしたらこの場所に,なにか記念になるものを残しておきたい気になるじゃないの.洞窟の壁に文字を刻むとか?それじゃあなんだか地味よね・・・.もっと,こうパッと目立つような何かを・・・.・・・.あ!そうだ,あれをここに設置するのはどうかしら・・・.私はミンウに尋ねた. 「あの・・・ミンウ,ぶしつけではありますが,あなたが担いでいる【反乱軍の旗】をここに設置してもよろしいでしょうか・・・」 恐る恐る訊いてみたので,最後の方がほとんど聞き取りにくかった・・・と思ったけれど,ミンウは意外にも, 「ああ,いいと思う.反乱軍がここまで来たという帝国軍への見せつけにもなるだろうから」と許諾の意を示してくれた. セミテの滝の洞窟は,その最奥部にて,私たち四人は,【反乱軍の旗】を設置しようとしていた.泉の前に,まず旗を立てるための三脚を用意して・・・と.フリオニールが言う. 「しかしこんな大事な旗,こんなところに設置しても良いものなのですか?」 「ああ.旗は数枚あるから大丈夫だ」 とミンウが返す.みんなでこうやってなにかに一緒になって作業していると・・・色々思い出すわね・・・.無言状態になるのを心配した私は,呟いてみた. 「私・・・なんか『あの日』の前のことを思い出してきたわ.兄さんと私とフリオニールとガイと一緒にいた頃の話よ」 すると,フリオニールは,「ああ.あの頃は良かった・・・」と話に乗ってくれそうだった.ガイも,「あの頃 まだ 幸せ」と返してくれたので,私はゆっくりと話し出した. 「ねぇ,二人とも.あの頃は,よく四人で一緒に遊んでいたわよね.こうやって,丸くなって・・・.まるで,公園の砂場でお城をみんなで一緒に造ってた時みたい.他にも色々作ったわよね?懐かしいわ・・・.だけど・・・もうあの日々は二度と帰ってはこないのね・・・」 私は,これ以上続けると涙が出てきそうだっただったので,話題を変えようと,一生懸命次の言葉を探し,思いつき,そして言おうとした.でも・・・. 「あ,そう―」 「ガイ.そういえば君にもヒルダ王女からの伝言がある」 私の言葉は,ミンウによって遮られてしまった.その一連の様子を見ていたのかフリオニールは,私にこう話しかけてきた. 「なぁ,マリア.マリアって度々誰かに言葉を遮られているよな.本当に最近のことだけど.一体どうしてなんだろうな?・・・・・・・・・悩んでいるんだろう?一人の時はいいんだけど,二人以上の人とどう接していいか分からないって」 …私は正直,彼の言葉を聞いて,心を見透かされたような恥じらいと,分かってくれる人がいた,というような安心感を,激しく心の中で感じた.それと同時に,フリオニールという男性を見る目もなんだか変わったような・・・.そんな不思議な気持ちになった.こんな気持ちになったのは初めてで・・・.結局,私は「ええ・・・そうなのよ」とぶっきらぼうにしか答えることができなかった. 【反乱軍の旗】を無事設置することができた私たちは,ミンウのテレポでセミテの滝の洞窟の最奥部から脱し,瀕死状態のミンウをまだ熟練度が低い私のケアルで回復させた.そして,数日かけて,サラマンドへ戻った.ヨーゼフは娘のネリーちゃんが帰ってきたことで大変嬉しがっているようだった.特にネリーちゃんを励ました私に感謝の気持ちを伝えたいらしく,大きな手で何度も握手するのを求められた.彼が言うには,以前彼が私たちにとっていた態度は,私たちを試す積りだったのもあるけれど,ボーゲンという元フィンの伯爵で今は帝国の将軍に,脅されていた所以もあるらしい.ボーゲンって確か・・・スコット王子も話していたあのボーゲン伯爵のことかしら.あと,ヨーゼフはこんなことも教えてくれた.【大戦艦】は,【ダークナイト】が指揮官になってから建造が急速に進んでいるらしい,とのこと.もっともこれはフリオニールから後で聞いたことで,私といえば,ネリーちゃんの遊び相手になっていたんだけどね.そうなのね,帝国にはそんな強そうな人がいるのね・・・. ポフトの町へまた数日かけて戻った私たちは,シドに【エクトラズム】を見せた.すると彼は, 「すげぇや,よくやってくれたな姉ちゃん!これで俺の【飛空船】開発も一気に進むぜ.【大戦艦】なんかよりも遥かに高性能なやつをな!」 と私の手を握りながら大喜びしていた. パルムの町へ向かう船の上で,私たち四人は,早くも次にすべきことを話し合っていた.ミンウが言い出した. 「次の作戦のキーワードは,【ダークナイト】と【大戦艦】だ.皆,よく覚えておくように」 私は思い切って会話に参加してみた. 「その【大戦艦】って,バフスクで建造中なんですよね?では,【ダークナイト】もそこにいるということですね」 と.すると,ミンウは自然と頷き, 「ああ.そう言えるだろう.だが帝国軍も愚鈍ではない.我々が【ミスリル】を手にしたことで,もしかしたらサッと作戦を変えてくるかもしれない」 そういうやりとりを遠くから見ていたフリオニールは,私に「その調子だ マリア」というアイコンタクトをしてくれた.・・・多分,だけど. アルテアにある反乱軍のアジトへ戻って来ると,ヒルダ王女は,【ミスリル】をアルテアの鍛冶屋に持って行くことを私たちに伝え,そして,ミンウの予想通りの情報を私たちに提供してくれた.彼女が言うには,【大戦艦】の建造を指揮していた【ダークナイト】はかなり有能な者のようで,今は別の任務に就いているということ,そして【大戦艦】を破壊するなら今しかない,今すぐバフスクへ行ってそうして欲しい,とのことだった. そしてミンウから私たちの作戦報告を受けると,ヒルダ王女は,「まあ!」と叫び,私を自分のところへ来るように呼ぶと,握手し,抱きしめ,小さな声でこう言った. 「マリア,よくやってくれました・・・.実をいうと私もあなたと同じく,辛い立場にいたのです.ああ・・・,一度は王族の家になど生まれなければ良かったと思った時もありました.けれど,そのような思いを,誰に言うことができましょう?あなたも男の人ばかりのなかで懸命に生き抜いてきた女性なのですね.こうやって指示ばかり出している私などより・・・ずっと強い女だと思います.あなたのそんな強さを分けて欲しいくらいです.民を引っ張りきる力を.お互い,女同士,精いっぱい生きましょう.そして取り戻しましょう,平和を!」 私は,「はい!」と小気味よく返事を返した.そして,次の任務を果たすため,私たち四人は,ヒルダ王女に見送られ,アジトを去った. ねぇ,兄さん.兄さんは,今どこで何をしているの?私,兄さんとは別の意味で好きな人ができちゃった.でもそれは秘密.言ったらその人と喧嘩になるから.私たちが兄さんを見つけたら,笑顔で迎えてね.その代わりに,兄さんが故郷に帰って来たら,私たちが笑顔で迎えるから―. その時は,この世界にはきっと【反乱軍の旗】がいっぱい立ってて,平和な世界になっているに違いないわ―――! 戻る
https://w.atwiki.jp/daisenryakudaitoua2/pages/57.html
戦艦 大日本帝國軍 兵器名 価格 編成 耐久 最大索敵 最大防御 移動力通常/高速 燃料 武器名称 弾数 火力 射程 回数 高速戦艦金剛型 77000 1 52 海5 海39 6 / 7 680 36cm連装砲15.2cm単装砲12.7cm単装高角砲25mm連装機関砲 4,414,142,410,10 9773 6331 8888 戦艦扶桑型 82000 1 50 海7 海33 5 / 6 700 36cm連装砲15cm単装砲12.7cm連装高角砲25mm連装機関砲13mm4連装機銃 614482 97733 63311 88888 戦艦伊勢型 74000 1 49 海5 海32 5 / 6 680 36cm連装砲14cm単装砲12.7cm連装高角砲25mm連装機関砲 616410 9773 6331 8888 航空戦艦伊勢型(最終改装型) 83000 1 52 海6 海34 4 / 6 670 36cm連装砲12.7cm連装高角砲25mm連装機関砲補給物資 482830 9730 6310 8881 高速戦艦長門型 81000 1 53 海6 海34 5 / 6 740 41cm連装砲14cm単装砲12.7cm連装高角砲25mm連装機関砲 418410 9773 6331 8888 戦艦大和型 79000 1 68 海7 海36 6 / 7 560 46cm3連装砲15.5cm3連装砲12.7cm連装高角砲25mm連装機関砲13mm連装機銃 34682 118732 73311 88888 戦艦大和型(最終改装型) 90000 1 68 海8 海36 6 / 7 560 46cm3連装砲15.5cm3連装砲12.7cm連装高角砲25mm3連装機関砲25mm連装機銃 32122926 118743 73311 88888 戦艦797号艦型 86000 1 59 海8 海36 6 / 7 560 46cm3連装砲15.5cm3連装砲10cm連装高角砲25mm3連装機関砲 331029 11874 7331 8888
https://w.atwiki.jp/kuroneko_miku/pages/179.html
問題文 答 備考 次の文字列を順に選んで 2013年7月にタカラトミーが 発売したおもちゃの名前に しなさい 超飛び ジャンボ 黒ひげ 危機一発 次の文字列を順に選んで 「ベアブリック」などを 発売している玩具メーカーの 名前にしなさい メ ディコ ムト イ 次の文字列を順に選んで 世界初のトレーディング カードゲームの名称にしなさい マジック ザ ギャザ リング Magic The Gathering 次の文字列を順に選んで カードゲーム『マジック:ザ・ ギャザリング』の発売元である アメリカの出版社名にしなさい ウィザーズ オブ ザ コースト Wizards of the Coast 次の文字列を順に選んで ラジコン玩具に使われる カーボンブラシ式小型モーターの 正式名称にしなさい 永久磁石 界磁形整 流子 電動機 次の文字列を順に選んで プラモデル『宇宙戦艦ヤマト』の メカコレクションシリーズNo.024 の商品名にしなさい 地球 防衛軍 コスモ ハウンド 次の文字列を順に選んで プラモデル『宇宙戦艦ヤマト』の メカコレクションシリーズNo.005 の商品名にしなさい 白色彗星 帝国軍 デスラー 艦 次の文字列を順に選んで プラモデル『宇宙戦艦ヤマト』の メカコレクションシリーズNo.006 の商品名にしなさい ズォーダー 大帝 超巨大 戦艦 次の文字列を順に選んで プラモデル『宇宙戦艦ヤマト』の メカコレクションシリーズNo.016 の商品名にしなさい ガミラス 帝国軍 デスラー 戦闘空母 次の文字列を順に選んで プラモデル『宇宙戦艦ヤマト』の メカコレクションシリーズNo.014 の商品名にしなさい 白色 彗星 帝国軍 大戦艦 次の文字列を順に選んで 日独が第三次世界大戦を戦う という内容のボードゲームの タイトルにしなさい レッド サン ブラック クロス 次の特撮ヒーローを バンダイのフィギュアシリーズ 『S.I.C.』で発売された 順に選びなさい イナズマン 仮面ライダーシャドームーン 仮面ライダーZO アクマイザー3 仮面ライダーディケイド 1999 2002 2004 2005 2009 次のフィギュア 『ねんどろいど』の商品を 発売された順に選びなさい イカ娘 東雲なの アリス・マーガトロイド No.237 No.242 No.275 次の文字列を順に選んで バンダイの展開するフィギュアの ブランド『S.I.C.』の 正式名称にしなさい スーパー イマジネイティブ チョウゴウキン Super Imaginative Chogokin 次のキャラクターを 誕生したのが古い順に 選びなさい モンチッチ なめ猫 ストレイシープ リラックマ 1974 1980 1994 2003 次のおもちゃを 発売された順に選びなさい フラフープ リカちゃん人形 スライム ベイブレード バウリンガル 1958 1967 1978 1999 2002 次の立体パズルを 面の数が多い順に 選びなさい メガミンクス スキューブ ピラミンクス 正十二面体 正六角形 正四面体 次のガンダム関連の商品を 発売された順に選びなさい MSV SDガンダムBB戦士 ZEONOGRAPHY 1983 1987 2003 次のバンダイの 「∞にできる」シリーズの 商品を発売された順に 選びなさい 『∞プチプチ』 『∞ペリペリ』 『∞缶ビール』 『∞ところてん』 2007/09/22 2007/11/22 2009/06/27 2009/12/03 次のルービックキューブを 構成する立方体の数が 少ない順に選びなさい ルービックキューブ ルービックリベンジ プロフェッサーキューブ 次の乗り物を題材とした玩具を 発売された順に選びなさい トミカ チョロQ ミニ四駆 1970 1980 1982 次のプラモデルのシリーズを RX-78ガンダムの価格が 低い順に選びなさい HGUC MG PG 次のスポーツ選手を バンダイの「デジタルグレード マスターシリーズ」でフィギュア 化された順に選びなさい 石川遼 浅田真央 金本知憲 次のI/R・R/C ヘリコプター玩具を メーカー希望小売価格の 高い順に選びなさい テレビファルコン メタルマスター4 FX27 スカイチャレンジャー \16,590 \11,550 \4,179 次のI/R・R/C ヘリコプター玩具を メーカー希望小売価格の 高い順に選びなさい スカイイーグル ウィンチマスター3+1 ナイトサンダー \10,290 \5,754 \5,229 次のプラモデルを作る工程を 早い順に選びなさい 箱を開く ランナーから部品を切り取る 部品を組み立てる デカールを貼る 次の鉄道模型を 線路幅が広い 順に選びなさい Gゲージ Oゲージ HOゲージ Nゲージ Zゲージ 次の女性声優を タカラトミーの玩具 「リカちゃん」の声を 担当した順に選びなさい 杉山佳寿子 大野まりな 星河舞 初代 二代目 三代目 次の男の子向け玩具を メーカー希望小売価格の 高い順に選びなさい スーパーオートトミカビル DXゴーバスターエース ジャイロゼッターRMシリーズ 6,279円 5,040円 3,129円 次のロケットや人工衛星を バンダイの『大人の超合金』で 製品化された順に選びなさい アポロ11号 スペースシャトル・エンデバー号 南極観測船・宗谷 2010/03/27 2010/12/03 2013/01/25 次のアクションフィギュア 『武装神姫』シリーズの商品を 発売されたのが古い順に 選びなさい 戦車型MMS ムルメルティア フェレット型MMS パーティオ ケンタウロス型MMS プロキシマ 2008/04/05 2009/02/26 2011/01/27 次のガンプラを 最初に発売されたのが 古い順に選びなさい パーフェクトガンダム Ex-Sガンダム ガンダムRXF91 ハイドラガンダム ドレッドノートガンダム 1984 1988 1992 1997 2004 次のハイパーヨーヨーの トリックを難易度が低い 順に選びなさい ウォーク・ザ・ドッグ アラウンド・ザ・ワールド ストップ&ダッシュ サイドワインダー スーパーレベル7 スーパーレベル12 ハイパーレベル4 ハイパーレベル7 次のフィギュア 『S.H.Figuarts』の商品を 発売された順に選びなさい レッドホーク リュウレンジャー ハリケンレッド 2012/08/25 2013/08/10 2013/09/21 次のフィギュア 『ROBOT魂』の商品を 発売された順に選びなさい 龍王丸 ビルバイン AS-1ブレイズ・レイヴン 2012/05/26 2012/07/28 2012/09/29 次のミニ四駆を アニメ『爆走兄弟レッツ& ゴー!!』で、星馬豪が使用した 順に選びなさい マグナムセイバー ビクトリーマグナム サイクロンマグナム ビートマグナム
https://w.atwiki.jp/gamemusicbest100/pages/6183.html
ペーパーマリオ カラースプラッシュ / Paper Mario Color Splash 機種:WiiU サウンドディレクター:村上聖 作曲者:金﨑猛、後藤重満、磯部文弘 効果音:松永政信、馬場泰久、森下弘生、青木大地、山田泰正 サウンドエンジニア:関河義人、田中靖憲、谷川充博 サウンドコーディネーター:いけだあきこ サウンドスーパーバイザー:近藤浩治 開発元:インテリジェントシステムズ 発売元:任天堂 発売日:2016年10月13日 概要 ペーパーマリオシリーズの第5作目。 「色」が新たなテーマとなり、色を使った仕掛けや謎解きが特徴。 前作の『ペーパーマリオ スーパーシール』と同じく、バンプールの工藤太郎氏がディレクションに関わっている。 音楽はインテリジェントシステムズ所属の金﨑猛氏が中心に作曲。曲数が多くバラエティ豊かな音楽が収録されている。 サウンドギャラリーがあり、各エリアで色ヌケ修復率を100%にすると聴ける曲が増える。 (前作:ペーパーマリオ スーパーシール 次作:ペーパーマリオ オリガミキング ) 収録曲 曲名 作・編曲者 補足 順位 メインテーマ タイトル画面 メインテーマ(ラグタイム) ジャンケンしんでん ワールドマップ ドロボーヘイホーのテーマ フッくんメドレー イロドリスプラッシュ! スタッフロール イロドリタウン カードショップへようこそ イロドリ博物館 手紙キノピオのゆうびん屋 あやしい街角 さびれタウン キノピオ大ピンチ! 恐怖のストロー ベニーロード バトル! 通常戦闘 通常戦闘曲314位 イロドリCafe WAになってヘイホーダンス いたずらヘイホー 出動!レスキュー隊 モノ~ショウカキ アカミル湖 きりとれキリトリ 一番モノしぼり 選ばれし超パワー マッカッ火山 燃えよドラゴドン 湯る~り極楽 マッカッ温泉 モノ~ドライヤー アキャットタワー 空飛ぶクッパ船 ボス登場! 原曲:KINPAKU(ペーパーマリオ スーパーシール) オラオラ!モートン モートン戦 きらめく大ペンキスター 大(ビッグ)ペンキスターゲット時 ペンキスター・メモリーズ 大(ビッグ)ペンキスターの回想 モノ~マネキネコ イロドリサンバ ブルーノどうくつ 恐怖のストロー(リプライズ) しゃくとりヘイホー戦 モノ~レモン モノ~ラバーカップ アイキキビーチ 海フェス・オンステージ シャッフル シャッフル! くつろぎのビーチベッド ペーパー・パイプライン モノ~センプウキ ホテル オーシャンブルー ミステリアス・ホテル 怪奇ホテルの謎 キノピオ・ゴー・トゥ・ヘブン 「ムーチョdeムーチョ」OP 原曲:ムーチョdeムーチョ(ペーパーマリオ スーパーシール) それでは おこたえください! もんだいを ごらんください! モノ~インスタントカメラ コバルトドック せいれつ!ヘイホー中隊 大戦艦スーパー・ルド号 決戦!ルドウィッグ ルドウィッグ戦 2016年153位マリオ155位ボス戦308位 色彩のワルツ ヤマブキー山 山小屋のダンナ様 くるくるドアゲーム キーコロとうげ テ・ン・カ・イ キーノコハウス モノ~ブタノチョキンバコ 砂の大穴 ムーチョの地下アジト サンボがマジにやってくる マッキーコロシアム 大乱闘!バトルロイヤル イギー・ザ・チャリオット イギー戦 マリオ206位 モノ~アイスピック モノ~センヌキ 踊る!イロドゥーリ ダイダイ谷 ワンワン!オチビちゃん ダイダイトゲしんでん 噴けよマグマ、呼べよ溶岩 強敵バトル! 中ボス戦 2016年172位 レストラン オレンジーノ キッチンスタジアム マリオのアクションクッキング モノ~ムシメガネ サンセットエクスプレス さすらいのソンブレロ ラリーの暴走機関車バトル ラリー戦 ペンキー&カントリー パ・プールていえん 毒々パ・プールていえん ノコノコ・メロメロ物語 ゆれてる濃い心 モノ~ティーポット バイオ列島かいきょう 船だっかん作戦 いざ、大海原へ! 船乗りの歌 モノ~デンチ モノ~コンパス バイオ列島の島 バイオ列島の島(ウラ) バトル!(ウラMIX) 裏世界の通常戦闘 いざ、おたから島へ! とうだいディスコ バイオ列島 おたから島 バイオ列島 おたから島(ウラ) ウェンディとの決闘 ウェンディ戦 第11回963位2016年133位 モノ~シオコショウ もんだいを ごらんください! モノ~インスタントカメラ モノ~バーベキューコンロ イロドリアン舞曲 どうってことない森 ミドゥーリの大森 カメックのテーマ るんるん教授 5連爆走!クリボー族 けちらせ無敵スター モノ~カブ バトル!(ピコピコMIX) モニター世界の通常戦闘 モノ~カナヅチ モノ~タテブエ フカミドゥーリシアター ザ・ジャグラー(ピアノ) ザ・ジャグラー ミドゥーリサーカス レミーの華麗なるショー レミー戦 マリオ189位 モノ~ミラーボール イロドリシティはダンスフロア クロクッパ城 マリオ 216位 レインボーロード マリオカート64の「レインボーロード」のアレンジ ロイのペンキでヌ・フ・フ ロイ戦 2016年261位 クッパのテーマ 対決!黒いクッパ クロクッパ戦1 黒ペンキ 最終決戦 クロクッパ戦2 2016年208位 さよなら エピローグ1 平和ふたたび エピローグ2 紹介映像
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/58.html
宇宙戦艦ゴモラ 【うちゅうせんかんごもら】 ジャンル シューティング ※画像はMD版 対応機種 アーケード 開発・販売元 UPL 稼働開始日 1990年 判定 なし ポイント プレイヤーが侵略者側自機が巨大戦艦典型的なUPLの悪い例 概要 システム 評価点 問題点 総評 家庭用移植 余談 概要 藤沢勉の手がけたUPLの横スクロールシューティングゲーム。 最強の宇宙戦艦ゴモラの魔の手が新たな文明に忍び寄る! ストーリーを見るとゴモラの侵略から文明を守るゲームのように見えるが、実際にプレイヤーが操作するのは侵略を行うゴモラの方である。 海外では『BIO-SHIP PALADIN』のタイトル名で発売された。 システム 8方向レバー+2ボタンで操作。全9ステージの1周エンド。二人同時プレイ可能。ライフ+残機制でミス後の復帰はその場復活方式。ただし一人プレイ時にコンティニューをした場合はステージの最初からやり直しとなる。 レバーで自機移動。ボタン1は攻撃用のボタンで、ボタン2は照準の操作で使用する(後述)。 自機とは別に照準が表示されており、ボタン2を押している間は照準を動かす事ができる。ボタン2を押したままボタン1を押すと照準の場所へビーム攻撃を行う。ただし、ボタン2を押して照準操作を行っている間は自機が一切動かせなくなる制限がある。 攻撃方法は2種類。自機そのものから発射されるごく普通のショットと、照準を操りそこへ発射されるビーム。 前者は溜め撃ちが可能。ライフアイテムによって自機が巨大化(後述)するとショットも強化され、更に溜め撃ちでチャージに必要な時間が短縮化される。溜め撃ちはそこそこ高火力である一方で、通常ショットは高速で連射しても火力が低め。 後者は自機が動かせなくなるデメリットはあるが、通常ショットよりも連射が速い上に敵弾を相殺することができ、自機と照準の間にある障害物や他の敵を無視して攻撃できると強力な性能であり、事実上本作におけるメイン武装となる。また、取得すると一定時間自動照準及び自動攻撃を行う「オートビーム」アイテムが存在し、その効果が発動している間は例外として照準ビームを撃ちながら自機を動かすことができる。 自機は非常に鈍重。ライフアイテム取得で自機の耐久度が増加すると巨大化して攻撃力が大きくなる一方で、当たり判定も同じように大きくなって行く。 逆に耐久度が下がると縮小化して攻撃力・当たり判定も小さくなる。耐久度がなくなると残機を1機失う。なお、ライフ減少によって縮小化した際は無敵時間が発生する。 アイテムにより自機の周りに支援攻撃と敵弾防御を行うビットを装備できる。自機の上下それぞれ3個ずつの最大6個装備可能。ビットそのものの耐久値は高くないが大量に出現するため、自機が巨大な本作では主にバリア的な使い方がメインとなる。ただし、配置の関係上、真正面・後方からの弾は防ぐことはできないため注意が必要。 評価点 現在でも珍しい自機が巨大戦艦のシューティング。 耐久値に応じて3段階の変形を見せるため、見た目のインパクトはなかなかのもの。攻撃手段も戦艦らしく溜め撃ちが可能なショット以外に照準を操作してのビーム攻撃、アイテムで装着できるビットからのショットと多彩。一方で回避力はアイテムによるスピードアップこそあるものの、それでも自機が自機だけに高いとはいえないため、時には照準ビームでの敵弾消去と高い防御力に物を言わせてごり押しする判断も必要となる独自の戦略性は他のゲームではなかなか味わえないだろう。 照準ビームは弾消し可能で強力だが、使用中は自機の移動ができない大きなデメリットがあり、闇雲に撃ちまくってると却って窮地に陥ってしまうリスクも孕んでいる。それ故に一定時間照準攻撃中移動不可の制約から解放されるオートビームは非常に強力。取得時の演出も画面内にデカデカと「AUTO BEAM」の文字が表示されるというUPLらしい派手なもの。 なお、巨大戦艦が自機のSTGは本作よりも前に『バミューダトライアングル』が存在するため、本作が初めてというわけではない。 自機が文明を侵略・破壊する側というこちらもあまり例を見ない設定。 敵の侵略から文明などを守る設定は数あれど、逆に自機が侵略する側なのはとても珍しい。 + エンディングについて。ネタバレ注意 エンディングは本作で登場するボス敵をスペックと共に紹介していくというものだが、その中に搭乗者数の項目がある。 一見なんてことないように見えるが、こちらの攻撃もしくは時間経過による自爆で轟沈させた以上、全員ではないにしろ、大多数は死亡したと推測できる。 更に後半のステージではボスのサイズに対して搭乗者数が少なくなり、ラスボスに至っては搭乗員数が3人と異様に少ない。こちらが侵略する側の設定といい、何か黒いものを感じざるを得ない。 なお、元スタッフによるとラスボスの搭乗者数の少なさは「ゴモラの侵略に恐れをなしてみんな逃げたから」とのこと。 新しい基板を採用したことにより、グラフィックやBGM、SEの表現力がアップした。 『オメガファイター』までは古臭さが否めなかったが、今作では同時代のACと比べても遜色の無いクオリティとなっている。 グラフィックの質も向上し、背景が丁寧に描かれている。 問題点 照準ビーム操作のハードルの高さ 照準ビーム使用中は照準合わせと動かせない自機両方に目を配る必要がある。独自の面白さを築いているとはいえ、慣れるまでは厳しい。 敵の耐久がおかしい。 元スタッフによると「この頃のUPLは難易度を敵の耐久値で調整していた」ようで、本作の敵はその見本であるかのように耐久が異様に高い。後述の仕様と特定のボスで条件を満たすと発動する発狂パターンの存在により、後半面のボスでの最適解がほぼ自爆待ちになってしまうのは疑問符がつく調整といわざるをえないだろう。 本作では「プレイ開始から3分経過すると自機の攻撃力が無条件で半減し、コンティニューすると元に戻る」という調整が取られている模様。 耐久が高いにも拘らず攻撃は異様に激しい。敵の攻撃を照準で消して、隙を見て敵を攻撃して、また敵の攻撃を消して……と繰り返すので元々冗長になりがちなシステムなのにその事を一切考慮していない。 槍玉にあげられやすいのは4面中盤で後方から出現する敵大型戦艦。敵本体の上下に回ると相殺可能だが弾速の速いレーザーを大量に連射してくる。対策法が分からなければ装備が整ってても成す術もなく圧殺される凶悪さで、それまでの道中と比べて急激に難易度が跳ね上がる。更に最終面ではこの戦艦が時間差で複数出現し、本作屈指の難所となっている。 ミス後のリカバリーが難しい ライフを全て失いミスになると初期装備に戻された上で復帰となるが、このうち自機移動速度リセットのペナルティーがかなり重く、ただでさえ難しい敵攻撃の回避が更に困難になってしまう上に被弾後の無敵時間も短い。そのため、激戦区でミスしてしまうと残機数に関係なく事実上ゲームオーバーが確定になる事態が起こりがち。 総評 藤沢勉の手がけたゲームは総じて斬新かつ面白いアイデアのシステムを内蔵しており、独特の中毒性と稀なゲーム性を持っている。だが、上記「敵耐久」の面でのバランスの悪さが評価を低くしている。そのため、良くも悪くも藤沢勉、良くも悪くもUPLと言ったゲームである。 しかし独特の世界観とゲーム性は他のゲームではまず味わう事が出来ない。刺さる人にはとことん刺さるゲーム、と言えるだろう。 家庭用移植 メガドライブ版(UPL、1991年9月30日) 長らく唯一の家庭用移植であった。UPLの最初で最後のMDリリースソフトでもある。 1P側で自機の移動とショット・2P側で照準の移動とビームを担当する協力プレイが可能なモードが追加された。 Nintendo Switch/PlayStation4版(ハムスター、2021年8月5日) 『アーケードアーカイブス』シリーズとして配信。アーケード版の忠実移植で上記の海外版も収録。 余談 本作のボスの名称は全て酒の名称・銘柄が由来となっている。
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/5620.html
69: 635 :2019/02/23(土) 06 54 28 HOST p1898232-ipbf412souka.saitama.ocn.ne.jp 銀河連合日本×神崎島 ネタ 原作柏木大使は憑依する世界を間違えたようです 木霊するクルーの悲鳴、掻き回される様な頭の痛み。 「ニヨッタ船長!ホムスさん!フェル!」 ムワッとするような空気の中、柏木は目を覚ました。 今いるのは見たこともない部屋だ。 「どこだここ…。いや、この場所を知っている?」 外は青い海が広がり、南国の景色が広がっている。 右手のPVMCGが鳴り、ゼル通信が繋がれる。 愛するフェルさんが映るが、フェルさんはいつものヤルバーンの制服ではなく白い海上自衛隊の制服の様なのを着ている。 『マサトサン起きマシタカ?』 「フェ、フェル?その格好は!?」 『ナニ寝ぼけてるデスカ。今日は空母鳳翔での訓練だと昨日言ったデスヨ、』 「あ、ああ、そうだったな。」 『休みだからって寝てばかりじゃダメデスヨ。今日は定時で帰りマスカラ。』 「ああ、分かった。」 通信が切れた。 (航空母艦鳳翔?日本海軍の?知っている、神崎島鎮守府の空母だ。フェルはその艦の主計士官。?あれ、フェルが軍人?鎮守府?) ワケが分からず周囲を見回す。 昨日脱いでそのまま掛けた礼服。 自分は彼の方の侍従もしていて。 (まて!先代の陛下は亡くなられて四半世紀以上経つんだぞ!?でも俺は侍従!?) そして狂った様に周囲を探し新聞を見つけて読んだ。 『イゼイラ鎮守府秋刀魚祭りが行われる。イゼイラ東郷神社境内にて東郷平八郎元帥を中心にティエルクマスカ市民達は艦娘音頭を楽しむ』 一面記事を読んで混乱も何もかもブッ飛んだ。 (つд⊂)ゴシゴシ ( ゚д゚) (;つд⊂)ゴシゴシ (;゚д゚)!? 「東郷元帥とかイゼイラ東郷神社とかツッコミたいけど、それよりイゼイラ鎮守府秋刀魚祭りってなんだ!?」 何かに取り憑かれたかのように新聞を読み進める。 『打撃護衛艦ふじ、戦艦金剛と主砲を使った演習を行う』 『米海軍戦艦エイブラハム・リンカーン神崎島へ寄港、戦艦長門がホスト艦を務める。』 『ティ連仕様瑞雲改二、ヤルバーン級都市型探査艦の艦載機に選定される』 『艦これ運営ディスカールサーバを増強決定』 『日本の軌道ステーション「ひやく」運用開始』 「どこから突っ込めば良いのだろうか…?」 あまりの情報量に柏木の背中は煤けていた。 「うん、今度はテレビで情報収集するかな。」 努めて明るく柏木はテレビを付けた NHKのニュースだ。 『ヤルバーンが日本、神崎島だけでなくアメリカ、ロシアの支援も受けて進行中の発達過程技術再現計画は』 ( ゚д゚)!? 『次のニュースです。天皇陛下が横須賀に寄港している戦艦大和を訪れ艦娘大和と懇談されました。』 ( д )゚ ゚ 「艦娘だとお!?」 柏木は目を剥きテレビに齧りついた。 70: 635 :2019/02/23(土) 06 56 09 HOST p1898232-ipbf412souka.saitama.ocn.ne.jp 「なんなんだこの世界!?ネット、ネットの掲示板なら!!」 655名前:名無しさん[sage] 【世はまさに】イギリスに続き、イタリア戦艦進水【大戦艦時代】 ttp/XXXXXXXXX.XXX 656名前:名無しさん[sage] 確かナポリタン級だっけ? 657名前:名無しさん[sage] タンは余計だこの野郎。 658名前:名無しさん[sage] ナポリたん…… ふむ。 659名前:名無しさん[sage] 君たちそれくらいにね。 イギリスと言うと、何か謎の艦艇案が存在するとか何とか。 ttp/XXXXXXXXX.XXX 「イギリスにイタリアが戦艦だと…。なんなのホント…。」 「疲れているんだ…。DVDでも見よ。」 『絶対に笑ってはいけない鎮守府24時』 「え?」 長門「・・・何だコレ?ww」スパーン 大和「こ、粉塗れにww」スパーン 金剛「マタ酷い仕掛けデースww」スパーン 日向「滅茶苦茶粉塗れじゃないかww」スパーン 扶桑「・・・な、何なんですか?この粉は?」スパーン 「艦娘がなんで笑ってはいけないに出てんだよ!?」 驚いてばかりの柏木の耳に遠くから爆音が響き、窓に駆け寄る。 柏木の目に眩い閃光が空へと登っていくのが目に入る。 慌ててテレビの画面を変える。 「今度はなんだ!?」 『皆様ご覧下さい!マーキュリー7を乗せたNASA所属のヘビーリフターおおとり4号機フレンドシップ7が打ち上げられました!』 「はあああ!?」 偏った知識を持つ柏木はマーキュリー7の言葉に驚くがそれ以上に驚くことがあった。 「ヘビーリフターおおとりって遙かなる星かよ!?」 柏木は後ずさる。 「まさかこの世界、遙かなる星と艦これのクロスオーバーか…?にしてはアメリカとロシアが存在する…。」 ガンバレ柏木、この世界はもっとヤバイものだ。元の世界の常識が大体粉砕されるぞ。 元の世界に戻った後の柏木報告書をゼル会議で読むメンバー達 藤堂「海自に戦艦配備!?」 多川「瑞雲がティ連で正式採用!?」 大見「宇宙ステーションねえ…。」 新見「艦娘いるんかい!?」 フェル「ワタシが軍人サンデスカ。フフ。」 サイヴァル『発達過程技術再現計画とは凄まじいな…。』 マリヘイル『トーラル技術なしでティエルクマスカの国民が宇宙へ行くなんて…。』 三島「まさか、遙かなる星とはなあ。」 二藤部「それより皆さん、彼の方が生きてらっしゃて柏木さんが侍従なんですが(汗)」 日本人全員が明後日の方を向いた。 ティ連組は不思議そうな顔をしている。 71: 635 :2019/02/23(土) 06 58 09 HOST p1898232-ipbf412souka.saitama.ocn.ne.jp 以上になります。 文章の引用の許可を下さった194氏とリラックス氏に感謝を。 実際に憑依があり得る世界なのでこんなネタを思いつきました。 転載はご自由にどうぞ。
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/2184.html
前:嗚呼、我等地球防衛軍(第16話〜第20話) 次:嗚呼、我等地球防衛軍(第26話〜第30話) 『嗚呼、我ら地球防衛軍』 第21話 ボラー連邦軍艦隊がガトランティス帝国軍に大敗を喫し、壊滅したという情報はボラー連邦上層部に衝撃を与えた。 有利な条件(数で勝り、さらに敵の根拠地である白色彗星を撃破している)にも関わらず、このような大敗北を喫した ことはボラーの威信を失墜させるものだった。 「首相、お待ちを。も、もう一度だけチャンスを!!」 「お前のような無能者は要らん! 連れて行け!!」 首相官邸に弁明に訪れた軍高官は、べムラーゼの指示を受けた秘密警察の人間によって逮捕され、処刑された。 「機動要塞、それにプロトンミサイルも投入せよ。何が何でもガトランティス帝国軍を撃滅するのだ! いや、ここまでコケにされては銀河系にいる奴らを潰すだけでは足りん。アンドロメダ星雲への大遠征も準備せよ!!」 怒れる独裁者べムラーゼの言葉に逆らえる人間はいなかった。 尤もべムラーゼの介入で、戦力の結集が終っていない状況で攻勢を余儀なくされた軍の高官達の中には、大敗の責任の幾らかは べムラーゼにあると思っている者も多かった。 だがそれを口にするのは、自分の処刑執行書類にサインするに等しい。このため彼らは必死にガトランティス帝国軍殲滅のの準備を 進めた。 「今度こそは勝利して見せます!」 だがべムラーゼの機嫌は直らない。 「地球人は二度も勝ち星を挙げているというのに、我が連邦はいいところ無し。何故かね?」 「ち、地球人は宇宙に進出前から同族同士で戦ってた、戦闘民族といってもよい連中です。 それがガミラスにさえ勝ち、このたびの活躍の理由になっているのかと……」 「加えて彼らはこの前までガミラスと戦っており、準戦時体制といってもよい状態です。準備の差は大きいかと」 軍人達の言い訳を聞いたべムラーゼは「ふん」と鼻を鳴らす。 「我が軍の軍人が得意なのは言い訳だけだな。次は必ず勝利せよ。星ごと破壊してもかまわん」 一方、地球防衛軍ではボラー連邦軍の敗因を分析していた。 「敵の新型長距離砲。都市帝国の調査で『火炎直撃砲』という名前であることが判明しましたが、これが問題です」 防衛軍司令部の会議室では多数の名無しキャラ達が、この新兵器にどう対処するかで話し合っていた。 しかし波動砲の2倍もある長距離砲となると正面からの対処は難しいという結論がそうそうに出た。 「幸い、敵空母部隊は壊滅している。我が軍の宇宙空母やムサシを総動員すれば航空攻撃でしとめることは出来るだろう。 それに鹵獲したデスラー艦についていた瞬間物質位相装置で奇襲することも可能だ」 参謀長の意見に大艦巨砲主義者(特に波動砲を過信していた人達)がムスッとした顔をするが、反論は無かった。 「それとプロキオンの攻略作戦を政府に提案したいと思う。何か意見は?」 「参謀長、ガトランティス帝国軍は空母部隊こそ壊滅しましたが、打撃部隊は健在です。危険なのでは?」 「確かに危険な作戦だ。だが、このままだとボラー連邦がこの地域を制圧するだろう。連邦の今後を考えると好ましくない。 それに……ボラー連邦が態勢を整える前に、奴らが態勢を整えて太陽系に押し寄せないとは断言できないだろう?」 「積極的自衛権の行使……ですか」 「そういうことだ。また今回、ヤマトとムサシを組ませたα任務部隊を結成し、シリウスでの独立任務に当てたいと思う」 「……ヤマトをですか?」 何人かは嫌な予感しかしないという顔をするが、参謀長はどこぞの特務機関司令官のような黒い笑みを浮かべ言い放った。 「そうだ。ガミラス本星を滅ぼし、白色彗星さえ撃破して見せた、彼らの活躍に期待しようじゃないか」 ここに至り、参謀長はヤマトの主人公補正を存分に使うことにしたのだ。 勿論、それだけに頼ることはしないが利用できるものとして作戦に組み込むつもりだった。 (馬鹿とハサミは使いようだ。ガン○ムのホワイトベース隊みたいな活躍を期待するとしよう) 藤堂と参謀長は防衛会議の席で、プロキオン攻略作戦を提案した。紆余曲折の末、防衛会議はこれを承認。 地球防衛艦隊の機動戦力の半数をつぎ込んだ大作戦が行われることが決定された。 加えて防衛軍のさらなる戦力の強化のために波動砲3門、51センチショックノン砲4連装5基という凶悪な打撃力を持った 『改アンドロメダ級』とも言うべき戦艦を速やかに建造することが決定された。 「『しゅんらん』の建造が可能になったな」 幸いというか参謀長の根回しもあり、アンドロメダ級の建造のために多数の部品が調達されていたので、建造は比較的早く できると考えられていた。 これによって地球防衛艦隊はアンドロメダ級5隻に加え、来年中には改アンドロメダ級を2隻手に入れることになる。 戦闘空母の建造も進められており、既存の宇宙空母と併せると原作では考えられないほど充実した戦力を地球防衛軍は 持つこととなった。 「個人的には自分が乗って指揮を取りたいが……くっ何故、私は前線に出れないんだ!? いやここで連邦の支配地域が広がれば前線ポストにも増えるはず。諦めるのは早い」 参謀長は気合を入れて、このたびの作戦を成功させようと決意する。 だがそれが、さらに自分の希望を遠ざけることに彼は気付くことはなかった。 『嗚呼、我ら地球防衛軍』 第22話 ボラー連邦艦隊は大敗したが、勝利したガトランティス帝国軍も消耗していた。特に空母部隊は壊滅的打撃を受けた。 航行不能になった艦は機関部を爆破後に遺棄されたが、地球防衛軍からすれば宝の山であった。都市帝国で得られた 数々の技術や希少資源で味をしめた防衛軍上層部は、ただちにこれらの回収を命じた。 勿論、ガトランティス帝国軍の攻撃を受けることを懸念して、反対する意見もあったが参謀長はこう言って退けた。 「うち(地球)は金と資源が無いんだ。仕方ないだろう」 「「「………」」」 世知辛かったが、軍というのは金食い虫なので、何かしらの臨時収入があるとなれば見逃せなかった。 「ボラーは良いな。金と資源と人的資源が有り余るほどあって……」 密談の席で零れる参謀長のぼやきに、他の転生者が肩をすくめる。 「仕方ないですよ。こちらは零細の恒星系国家。彼らは銀河を支配する超大国。地力が違いすぎます」 「正直、金持ちとはあまり喧嘩したくはないですよ。というか何とかうまく付き合って、旨い汁を吸いたいものです」 「人口が減ったせいで市場も縮小していますからね……復興特需とイスカンダルやガミラスから得られた技術による 技術革新で経済成長していますが、ボラーと比べると市場は小さい」 『ずーん』と重たい空気が漂う。何はともあれ時代は変われど、世の中、金だった。 「何はともあれ、敵から資源と技術を収奪し、それを連邦の強化に役立てよう」 こうして防衛軍はデブリ回収業者のごとくガトランティス軍艦艇や航空機の残骸を回収していった。 この際、一部の将校から懸念されたガトランティス軍による攻撃はなかった。 彼らもボラー連邦軍との戦いで消耗しており、攻撃に出る余裕がなかったのだ。 「都市帝国や巨大戦艦の残骸、さらに今回回収したデブリを利用すれば1個艦隊以上の艦を楽に揃えられる。 有人艦隊を計画以上に拡張するのは難しいが、無人艦隊の整備には使える。それに太陽系内の防衛線の構築も捗る」 参謀長は上機嫌だった。 地球防衛軍はデブリ回収業者の真似事をする傍らでプロキオン攻略作戦を急いだ。 土方総司令自らが指揮をとるプロキオン攻略艦隊(戦艦24隻、巡洋艦48隻、宇宙空母5隻が中核)とヤマトと共に独立任務に 当る予定の機動戦艦ムサシが11番惑星基地に集結していた。 隻数こそガトランティス艦隊に劣るものの、相手は空母機動部隊が壊滅し、主力部隊も消耗していることから十分に戦えると 判断されていた。 アンドロメダの艦長室で報告を受けていた土方は険しい顔で口を開く。 「ガトランティス帝国軍の大機動部隊が壊滅していなかったら、職を賭してでも反対したな」 土方の座る机の前に立つムサシ艦長の古代守は頷く。 「確かに」 ガトランティス帝国軍が強敵であることはボラー艦隊の敗戦を見れば明らかだった。 敵旗艦が持つ火炎直撃砲も怖いが、大戦艦が持つ衝撃砲も侮れない。また駆逐艦の機動力も馬鹿にできない。 「しかしヤマトが白色彗星を潰してくれたにも関わらず、これだけ手強いとは……」 「そうだな。もしも敵艦隊がボラー艦隊と戦わずに太陽系に押し寄せていれば、苦戦は免れなかっただろう」 「敵主力だけでも脅威ですが、あれほどの空母部隊と戦うのはぞっとしません。我が軍も航空戦力を強化していますが」 機動戦艦の指揮を執る故に、古代守は航空戦力の重要性を理解していた。 「やはりボラーと手を結ぶという参謀長の考えは外れではなかったな」 「はい。もっとも進はボラーを毛嫌いしているようですが」 土方は苦笑した。 「あの男は頑固だし、少し青いところがある。古代艦長、いやα任務部隊司令官。頼むぞ」 「お任せください」 ヤマトとムサシはα任務部隊を形成し、シリウス恒星系でガトランティス軍を撹乱する任務を与えられていた。 たった2隻で後方撹乱という、どこぞのホワイ○ベース隊のような任務だが、ヤマトは艦隊で動くことに慣れていないので この任務は適当と思われていた。 加えてヤマトは白色彗星を撃破したことで、ガトランティス帝国軍にも名前が轟いている。このため、ヤマトがシリウスに 入り込めば、間違いなく食いつくとも予想された。 「相手からすれば仇敵であるヤマト、そしてその準同型艦であるムサシを何としても討ち取ろうとするだろう。 厳しい任務になる」 「判っています。ですがこれほどの重要任務を拒否するつもりはありません。それに我々の任務は敵の撃滅ではなく霍乱。 やりようはあります」 古代進こそ目立たないが、古代守はヤマトがイスカンダルから帰ってくるまで、地球を守りきった地球防衛艦隊の一翼を担った 一流の、そして歴戦の宇宙戦士だった。 その男の言葉には重みと説得力があった。 「そうか。期待しているぞ」 「吉報をお待ちください」 惚れ惚れとする敬礼をして、古代守はアンドロメダの艦長室を後にする。 ムサシの初陣はもうすぐだった。 『嗚呼、我ら地球防衛軍』 第23話 地球防衛軍は満を満たして、プロキオン恒星系の攻略を開始しようとしていた。 「地球連邦は諸君らの献身に期待している」 地球連邦大統領が直々に司令部で激励した後、藤堂長官は厳かに作戦の開始を告げる。 「地球人類の興亡はこの一戦にあり。全部隊出撃せよ!!」 『了解しました』 土方は敬礼すると、作戦に参加する全艦隊に出撃を命じた。 11番惑星基地に集結していた防衛軍艦隊は整然と隊列を整えて地表から離れていく。 1年前はガミラスによって絶滅寸前に追いやられていた地球人類が作り上げたとは思えないほどの大艦隊だった。 「ヤマトとムサシが出撃しました」 「続けて土方総司令の攻略艦隊も出撃しました」 防衛軍司令部でオペレータから報告を聞いた参謀長は「ふむ」と頷くとメインスクリーンに映される宙域図を見上げる。 「プロキオン攻略作戦『アウステルリッツ』の開始だ」 「はい。いよいよガトランティス帝国に対する反攻のときです」 「そして地球が星間国家として飛躍できるかどうかの分岐点でもある。この戦いには勝たなければならない」 地球連邦はまだ駆け出しの新興国。 ガミラスを打ち破ったとは言え、その立場は脆弱なものだった。ボラー連邦の気が変わればどうなるか判らないのだ。 確かにボラーは二度敗れた。二度目に至っては地球防衛艦隊の総数を遥かに超える艦艇を失っていた。 だがそれでもボラーは立ち上がる余裕がある。それは地球では到底真似は出来ないものだった。 (赤色銀河が現れるまでは我慢だ……) 11番惑星から出撃した後、土方艦隊と分かれたα任務部隊(といっても2隻だが)はシリウス恒星系に向かった。 ヤマトはこれまで戦死者が皆無なので戦力低下はなく、ムサシと併せればドリームメンバーが揃っており、2隻の『破壊力』は ずば抜けていると転生者たちは考えていた。 「まぁさすがに二重銀河を吹き飛ばすみたいにシリウスを崩壊させることはないだろう」 「ですが参謀長、メンバー的には『二重銀河の崩壊』の面子に近い気が……」 ムサシ艦長は古代守。技術班長は彼の同期であり天才技術者である大山俊郎、機関長は山崎奨。 コスモタイガー隊にはヤマトから転属した山本明と鶴見二郎が居る。ちなみに戦闘班長を務めるのは沖田艦長の息子だ。 乗員のスキルは防衛軍指折り。おまけに名前ありの準主役級も多数乗っているという心強さだった。 「山南はいないし、『しゅんらん』も第7艦隊もない。波動融合反応もない。大丈夫だ。大丈夫だろう。大丈夫と思いたい」 「(湯呑みを持つ手が震えていますよ)参謀長、水と胃薬を持ってきます」 参謀長とその部下がオーバーキルを心配していることなど露も知らず、2隻の乗員は意気軒昂だった。 初陣であるはずのムサシでさえ、誰もが不安を見せず、やる(殺る?)気に満ちている。 「また面倒な任務だな」 「いうなよ、トチロー。司令部もこれ以上、戦力は割けなかったんだ」 「やれやれ」 真田に勝るとも劣らない地球の頭脳。大山俊郎はそういって肩をすくめる仕草をする。 尤も口ではそう言いつつも、言葉とは裏腹に表情は暗くない。 「まぁ連中の情報は白色彗星の残骸から大方掴んでいる。 暗号だろうが何だろうが、あっという間に丸裸にしてやるよ」 「頼むぞ」 ヤマトを含む地球防衛艦隊が出撃したとの情報を入手したバルゼー提督は直ちに迎え撃つことを決意する。 「地球人め、目に物見せてくれる!」 旗艦メダルーザでバルゼーはそう言って気炎を挙げた。 特に大帝と都市帝国を打ち破ったヤマトも居るという情報は、大帝の敵討ちに燃える彼の闘志を掻き立てた。 「提督、他の地球艦隊はどうされます?」 「ヤマト、そして準同型艦のムサシとやらを沈めるのを優先する! 他の船は後回しだ」 バルゼーは他の艦には目もくれなかった。 だがこれには大帝の敵討ち以外の理由もあった。 彼は勇敢果敢な武人であるものの決して無謀な人間ではなかった。彼は現在の自軍の艦隊では地球艦隊を完全に撃滅する のは難しいと判断していたのだ。 (空母部隊は壊滅し、我が艦隊も消耗している。さらに地球人にはこちらの奥の手を知られている。これだけでも不利だ。 加えて兵の中にはアンドロメダ星雲へ帰りたがっている者も多い) 大帝の死や都市帝国崩壊はいつまでも隠しきれるものではなかった。このため艦隊ではかなりの情報が出回っていた。 これによる士気の低下は甚だしかった。 (それに大帝が死んだことで本国では反乱が起こっている。おかげで補給も危うい……この際、大帝の仇であるヤマトを 討ち取り、速やかに本国に帰還するのが適当だろう) 合理的な判断だった。だが彼は理解していなかった。相手は不可能を可能にしてきた男達だということを。 特に真田と大山。地球人類が誇る二大マッドサイエンティストに加え、古代兄弟を敵に回したガトランティス艦隊は散々な 目に合うことになる。 『嗚呼、我ら地球防衛軍』 第24話 ヤマトとムサシはシリウス星系に侵入すると、次々にガトランティス帝国軍の拠点を攻撃していった。 60機も艦載機が搭載できるムサシからは、ヤマト戦闘機隊の倍の数の部隊が発進しようとしていた。 『爆撃隊の護衛頼むぞ』 ムサシ航空隊隊長である山本は、通信機ごしにムサシ航空隊副隊長である鶴見に念を押す。 『判っています。任せてください。加藤隊長には無様な真似は見せられませんから』 『いや加藤じゃない。ヤマト戦闘機隊に、だ。俺達はいまやムサシ航空隊で、今回はムサシの初陣だぞ』 『了解! ムサシはヤマトの姉妹艦だっていうことを教えてやりましょう』 ヤマト、ムサシから出撃した戦爆連合70機による猛爆を受けるガトランティス軍は堪ったものではなかった。 戦闘機隊が応戦したものの、圧倒的な練度と戦意を持つコスモタイガー隊によってあっさり駆逐され制空権を 奪われると、あとは一方的な展開だった。 「た、助けてください! バルゼー提督、このままではこの基地は全滅してしまいます!!」 『うろたえるな! 今から救援を出す! それまで持ち堪えよ!!』 「無理です。もう、我が基地には満足に抵抗をする力が……」 しかし基地司令官は最後まで自分の台詞を言うことはできなかった。 ガトランティス軍シリウス方面軍第15哨戒基地司令部は、ムサシ航空隊から放たれた波動エネルギーを籠められた 新型対地ミサイルによって木っ端微塵に爆砕された。 「第15哨戒基地、音信途絶しました……」 「戦闘開始後、わずか15分で……」 だがガトランティス軍にとっての悪夢はこれからだった。 ヤマトとムサシのコスモタイガー隊による猛爆、そして直後に突進してきたヤマトの一撃離脱攻撃という まさに通り魔的な攻撃によってバルゼーが築き上げた拠点は叩き潰されていった。運悪く(?)ヤマトと遭遇した 輸送船など1隻残らず血祭りだった。 「ヤマトから攻撃を受けていると連絡してきた後、第23輸送艦隊からの通信が途絶しました!」 「第10資源採掘施設壊滅!」 旗艦メダルーザの艦橋では、悲鳴のような声で通信兵が凶報を次々に報告する。 「護衛部隊は何をやっていたのだ!?」 「その護衛部隊も全滅したとの報告が……」 「………」 次々に壊滅していく拠点と部隊。一方でヤマトとムサシは巧みに姿をくらましていた。 (ガトランティス帝国軍がこれほど愚弄されることになるとは……) ヤマトとムサシが巧みにガトランティス軍の警戒網を潜り抜けているのは、真田と大山の功績だった。 彼らはガトランティス帝国軍の通信を次々に解読。これをもとに警戒網の穴を突いたのだ。 しかし彼らがそれで満足する訳が無い。 「ついでに偽のデータも流して撹乱してやろうぜ」 「だな。あとコンピュータウイルスも混ぜて送ってやろう」 大山と真田の悪巧みによってガトランティス軍の情報ネットワークは半ば麻痺していった。 これで古代弟の戦闘指揮能力(?)と島の神業的な操艦能力が加わったヤマトが直接襲ってくるのだ。 堪ったものではない。 「奴らは悪魔の化身か何かか?!」 ガトランティス軍の将校はそう言って頭を抱えた。 シリウス方面のガトランティス艦隊主力がα任務部隊に翻弄されたことで、プロキオン方面は手薄となった。 その隙を突くように、地球防衛艦隊はワープを使って一気にプロキオンへ侵入していった。 「糞、迎え撃て!」 慌ててガトランティス軍は迎撃しようとするが、数で劣るガトランティス軍は防衛艦隊によって包囲殲滅されていく。 「撃て!!」 土方の号令を受けてアンドロメダ以下の戦艦群のショックカノンが火を噴く。 ガトランティス軍の大戦艦がその砲火に囚われる。地球の主力戦艦を超える大型艦だったが、ショックカノンの集中砲火を 受けては一溜まりもなく、轟沈した。 「敵空母が艦載機を発進させようとしています!」 「発進させてはならん!」 先の戦いで辛うじて生き残ったガトランティス軍の大型空母(滑走路4本持ち)が攻撃機を発進させようとする。 しかし発進させる直前に、アンドロメダから放たれた波動カードリッジ弾3発が命中。弾薬の誘爆も起こり、大戦艦の後を 追う様に火達磨になった後、宇宙の塵と化した。 逃げ惑う残った船には、防衛軍の巡洋艦以下の高速艦艇が襲い掛かる。もはや戦闘というよりリンチ状態だ。 「逃げる奴はガトランティス軍だ! 逃げない奴はよく訓練されたガトランティス軍だ!!」 巡洋艦妙高の艦長(勿論転生者)はそう言って、逃げ惑うガトランティス軍艦隊を蹂躙した。 プロキオンに地球防衛艦隊が来襲したとの情報を聞いて、バルゼーは自分が嵌められたことを悟った。 「おのれ、地球人どもめ!!」 何と言うが遅かった。このままではプロキオンは陥落するのは間違いない。 そうなればバルゼー艦隊は二正面、いや三正面(ボラー軍、太陽系の地球防衛軍、プロキオンの地球艦隊)を強いられる。 「何としても大帝の仇であるヤマトだけでも沈めておかなければ! 偵察機を出せ! 何としても見つけるのだ!!」 この彼の願いが天に通じたのがヤマト発見の報告が齎される。 「よし、艦隊を急行させよ!」 かくしてシリウスにおける最後の戦いの幕が開ける。 『嗚呼、我ら地球防衛軍』 第25話 ヤマト発見の報告を受けたバルゼーは即座に艦隊を差し向けた。だがそこに居たのは大山が用意していたダミーだった。 「おのれ、小癪な!!」 ダミー艦を全力で破壊した後、バルゼーは再び全方位で索敵を命じた。 しかし帰ってきたのは『複数』の『ヤマトを発見した』という内容の報告だった。 真田と大山特製のコンピュータウイルスによる情報ネットワークの混乱もあって、バルゼーはどれが本物のヤマトが 全く判らなかった。 さらに一部の偵察部隊からはヤマトと思われる艦がシリウスから脱出しようとしているとの報告さえあった。 「奴らの任務が我々の霍乱であったのなら、用済みと言うことで離脱しても不思議ではない……」 「提督、どうされますか?」 「艦隊を3つに分けて捜索する。兵力の分散になるがしかたあるまい。それに分艦隊とは言っても数では圧倒している。 易々とは負けはせん!」 しかしそれこそがα任務部隊指揮官である古代守の狙いだった。 偵察機からの報告を艦橋で聞いたこの男は、不敵な笑みを浮かべる。 「奴さん、罠にかかったな。凝ったダミーを作った甲斐があったぜ」 「ああ。トチローには感謝だな」 古代進ならここで敵旗艦への突撃……と言う方法をとったかも知れない。だが、彼はさらに辛辣だった。 「攻撃隊発進。だが全力では攻撃するな。こちらも消耗しているように見せかけるんだ。 それとヤマトにも『予定通りポイントRに待機』と伝えろ」 「了解」 ムサシの攻撃隊に襲われたのは旗艦メダルーザ直属部隊から最も離れた第2部隊だった。 だがムサシ航空隊の攻撃がいつもの精彩に欠けることを見抜いた第2部隊司令官はバルゼーにその旨を報告した 後に追撃に入る。 「奴らも疲れているのだ! 追え!!」 第二次攻撃部隊が少数であったことも、彼らの認識をより強固にした。 だがそれは、古代守の思う壺だった。 「これだけ暴れたのだから、こっちも疲れているに違いない。いやきっとそうだ……と思い込ませる。辛辣な手だな」 「心理戦も戦術のうちさ」 この光景を見ていた沖田(息子のほう)は戦慄する。 (これがうちの艦長か……) 虎の子の艦載機まで出してムサシの居場所を突き止めた第2部隊はムサシだけでも撃沈するべく急進した。 本来は戦力の結集を待つのが適当なのだが、ムサシが逃げ出したとの報告を受けてはそうは言ってられなかった。 「さて、連中をポイントRに誘導してやろう」 こうしてムサシは巧みに付かず離れずで第2部隊を引き付け、最初の作戦通りポイントRにまで誘導していった。 加えて小数のコスモタイガーで巧みに第2部隊の動きを牽制する。このため第2部隊はいつの間にか狭い宙域に密集する ことになった。 「さすが兄さんだ」 現れた敵艦隊を見て古代進は感嘆し、真田も相槌を打つ。 「同期でも指折りの指揮官だからな、あいつは。さて古代、いつまでも見ているわけにはいかんぞ」 「勿論ですよ」 「ではいくぞ。岩盤爆破!」 小惑星帯に隠れていたヤマトは周囲に纏っていた岩盤を爆破して姿を現す。 ムサシの追撃に夢中になっていた第2部隊にとっては青天の霹靂であった。 「や、ヤマトです。3時の方向からヤマトが現れました!!」 「何?!」 慌ててヤマトに艦首を向けて攻撃態勢に入ろうとする第2部隊。だがそれは遅かった。 「波動砲発射!!」 先手必勝とばかりに、ヤマトから放たれた必殺の波動砲が第2部隊を襲う。 ムサシ航空隊の手によって巧みに一部の宙域に追い込まれていた第2部隊は、その半数以上が波動砲の一撃の前に 宇宙の塵と化した。 「よし、今だ。反転180度!」 第2部隊の多くが消滅したことを見た守はムサシを反転させ、艦首を第2部隊残存艦に向ける。 「全コスモタイガー隊発進! 本艦はこれよりヤマトと共に敵艦隊に突撃。一撃を加えた後に離脱する!!」 「「「了解」」」 このあとの展開は言うまでもない。 コスモタイガー隊のミサイルや、ヤマトとムサシの46センチショックカノン、艦首ミサイルが残ったガトランティス艦艇を 次々に火球に変えていった。 「何という砲撃精度だ」 大戦艦の艦長はそう唸った。 特にヤマトの砲撃の命中率はずば抜けていた。それは古代だけでなく、砲術科チーフの南部の才覚を示すものだった。 「凄い命中率だな。沖田戦闘班長、ヤマトに負けるなよ」 「任せください! 修正、仰角+2! 撃て!!」 航空機を先頭にして戦艦と戦闘空母が敵艦隊を挟撃するという、後に古代チャージと言われる戦術によって第2部隊は 20分も経たないうちに1隻残らずデブリに成り果てた。一方的な勝利だった。 第2部隊が文字通り全滅(軍事的な意味の全滅ではなく)したとの報告は、猛将バルゼーをも呆然とさせた。 「馬鹿な。20分も経っていないのに、第2部隊が全滅だと?!」 勿論、バルゼーは最初は信じなかった。 だが急行した宙域にかつて第2部隊の艦船だった物の成れの果てが漂っているのを見ると、それが事実であることを 認識せざるを得なかった。 「地球人、恐るべし……アンドロメダ星雲で叩き潰してきた蛆虫共とは比べ物にもならない」 ガトランティス主力艦隊の3分の1が成す術も無く2隻の戦艦に捻り潰された……この事実は将兵の士気を打ち砕く には十分すぎた。 白色彗星を砕き、シリウス恒星系の自軍拠点をいいように蹂躙し、さらに次に第2部隊を赤子の手を捻るかのように 殲滅する……これまで長きに渡って侵略戦争を続けていた彼らにとっても、このような悪魔のような敵は初めてだった。 「提督……」 「判っている……」 バルゼーは項垂れてシリウスからの、銀河からの撤退を決断する。このままでは全滅すると判断したからだ。 だが彼らにとっての試練はそれで終わりではなかった。 これから彼らガトランティス帝国軍将兵は、自分達がどんな星に手を出そうとしたかを嫌と言うほど思い知ることになる。 前:嗚呼、我等地球防衛軍(第16話〜第20話) 次:嗚呼、我等地球防衛軍(第26話〜第30話)
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/30851.html
登録日:2014/12/26 (金) 19 48 39 更新日:2024/07/11 Thu 22 26 58 所要時間:約 3 分で読めます ▽タグ一覧 ベストセラー モンスター ロマン 三式弾と噴進砲無双 不沈戦艦紀伊 大艦巨砲主義 子竜螢 学研 尾張 戦艦 架空戦記 歴史群像新書 神重徳 紀伊 豊田副武 超大和型 軍艦 『炸裂する51センチ砲!! 昭和19年10月…… 全長328メートル、12万トンの超巨大戦艦が出撃した--!!』 不沈戦艦紀伊とは、子竜螢執筆による海戦シミュレーションノベル及びその漫画版、ないし作中に登場する戦艦のことである。 90年代に『レッドサン・ブラッククロス』や『紺碧の艦隊』をはじめ、一大ブームを巻き起こした架空戦記小説。 複数の出版社から多数の作品が生まれたが、その中でも大手であった歴史群像新書の代表作のひとつである。 第二回歴史群像大賞『奨励賞』受賞作。全16巻+1、幾多の架空戦記小説を生み出した子竜螢氏のデビュー作でもある。 それまでの架空戦記でもあったが、超大和型戦艦=紀伊型というイメージを決定づけた作品といえ、その後も架空戦記での紀伊型戦艦といえば超大和型戦艦であるとする作品が生み出されていくきっかけとなった。重版を重ねる人気シリーズとなり、後に全10巻でコミック化。現在も文庫本サイズで販売されている。 コミック版は現在は電子書籍で読むことができる。スリガオ海峡での紀伊の初陣やB29の空襲など、展開の一部が異なっているので読み比べてもいい。 紀伊型戦艦 要目 全長 328メートル 最大幅 45.2メートル 基準排水量 98,600トン 速力 30.5ノット 主砲 20インチ(51センチ)3連装3基9門 副砲 8インチ(20センチ)3連装2基6門 高角砲 5インチ(12.7センチ)連装24基48門 噴進砲 5インチ30連装4基 対空機関砲 1インチ(25ミリ)3連装48基144門 乗員数2600名 この他、装甲内部にゴムとウレタンスポンジ層が仕込まれており、被雷の衝撃を緩和して浸水を軽減する工夫がなされている。 対空火器も充実しており、航空兵器への対策も万全を期している。 総合的な防御力は大和型の比ではなく、最大では40センチ砲弾37発、魚雷64本、その他多数を受けながらも生き延びている。 このスペックは一見して荒唐無稽のようだが、史実でも実際に大和の発展型として検討されていた案の一つである。(かつ、その内の最大案である) なお、同型艦『尾張』は鋼材の不足により高角砲をすべて噴進砲に交換している。 また、内部のゴムとウレタン層の防御も『紀伊』とは違いウレタン層のみとなっている。 ※史実の"超大和型戦艦" このような艦が計画された背景には、日本が軍縮条約を脱退したことで大和型戦艦を設計した事、対抗心に燃えるアメリカ海軍がある。 事の発端は開戦のおよそ数年前。ちょうど大和と武蔵を建造中の日本海軍は米軍が建造中という新鋭艦『モンタナ級戦艦』の情報を掴んだ事で腰を抜かし、顔面蒼白に陥った。(モンタナ級は主砲口径以外のすべてのスペックが戦艦大和に匹敵する、アメリカ軍が計画した戦艦では最強無比を誇るバケモノ戦艦) 大和に匹敵する戦艦が5隻も建造予定であり、しかも主砲は46cm砲であるという懸念が日本海軍を怯えさせた。 そこで万が一に備えて、スペック面で大和を凌ぎ、実戦で圧倒できる戦艦として計画されたのが、この"超大和型戦艦"である。 なお、実際のモンタナ級の主砲は40cm砲を予定していたため杞憂であったとも言われるが、かつて建造中だったコロラド級が長門型やG3型、N3型に対抗して主砲を36cm砲から40cm砲へと換装した事や、軍縮条約締結前の時点でアメリカは46cmの試作に成功していた事を踏まえると日本の懸念は間違い無いもので有ったと言える。 しかし当時の日本海軍には新規設計をする余裕は残されておらず、ちょうど新造戦艦のフォーマットとして大和型を設計し終えて間もない時期であったため、 規格統一も兼ねて、最新型であった大和型をベースにして計画されたのである。上記のスペックは艦政本部が最初期に検討していた設計案とほぼ同一のものである。 しかしその後、12万トン級の船体では修理補給設備や建造設備をすべて一から揃える必要があるために早々に没になり、第二段階で八万五千トン級に縮小されたが、それでも51cm三連装砲の製造が不可能と判定されたことで更なる縮小を余儀なくされ、最終的に大和型を多少拡大した7万5千トン級の船体(大和型のままでは51cm砲の反動に耐えられないため)に51cm連装砲を乗っけた妥協案が採用され、開戦の半年後には試作砲塔が完成間近のところまでこぎ着けていた。しかしミッドウェー海戦が敗北に終わったことで空母の需要が高まった事、既に戦艦の存在意義が薄れていたことで計画は中止されてしまい、砲塔はそのまま放置され、歴史の闇に消えた。 現実問題を打破する手段として計画されたが、結局は空母が主役となったために、『大艦巨砲主義の幻』として泡に消えた悲劇の戦艦と言える。 その他、本作オリジナルの艦艇など ◆伊吹型防空巡洋艦 史実では中止された改高雄型重巡。 雷装を撤廃して噴進砲を増強した対空艦としてレイテ後に旅順で完成、『伊吹』『鞍馬』の二隻が登場して『紀伊』型の護衛艦として活躍する。 ◆改秋月型駆逐艦 『伊吹』型同様にレイテ後に旅順で完成、同じく雷装を全廃して噴進砲を搭載している。 『立待月』『居待月』『寝待月』『名月』『十六夜月』『黄昏月』の六隻が登場。 ◆24インチ(60センチ)列車砲 米軍が欧州戦線で鹵獲したもの。作中では2両登場する。 コミック版ではどこぞの勇者王ばりにアレに置き換わっている。 ◆フロリダ級戦艦 米国が紀伊型戦艦に対抗するために着工した新型戦艦。18インチ砲が12門で8万トン(小説版では対20インチ防御であり、砲が開発されれば20インチ8門に換装されると述べられている)が予定されていた。 しかし、着工が1945年に入ってからだったので流石の米国といえども大戦中に完成させることはできなかった。 ◆五式徹甲弾 沖縄戦の戦訓から開発された、徹甲弾の内部に三式弾を詰め込んだ砲弾。 装甲を撃ち抜いて敵の艦内から焼き尽くしてしまおうという発想の代物で、開発の遅さから実戦使用数は少なかったものの命中すれば正規空母すら大破に追い込む威力を持つ。 ※この他にも、米国ではアイオワ級戦艦『イリノイ』『ケンタッキー』が建造再開され、『モンタナ』級も建造されている。 英国では『ライオン』級、ソ連では『ソビエツキー・ソユーズ』級が『紀伊』型の影響で建造続行されている。 また、軽巡『北上』が史実とは異なり最後まで重雷装艦として活躍し、『樫野』も大戦末期まで存命しているなど細かな違いもある。 あらすじ 昭和12年、海軍中将豊田副武は造船官牧野茂、福田啓二から驚くべきことを伝えられる。 「豊田中将、『大和』は期待するほどの不沈戦艦ではありません」 驚愕する豊田に牧野と福田は語った。 限られた予算と資材では『大和』型が精一杯のところであり、他の戦艦よりは強いものの「不沈戦艦」とまでは呼べない欠陥品であると。 そして、もしも制限がなければ自分たちは文字通りの不沈艦を建造してみせると断言した。 感銘を受けた豊田は旅順総督に就任すると、巨大計画の実行を始めた。 良港旅順に巨大ドックを2基建造。予算と資材は『武蔵』以降のすべての戦艦と空母の建造を中止。 二隻の超巨大戦艦は『紀伊』『尾張』と名づけられた。 しかし時代の流れは2隻の完成を待たずに太平洋戦争へと突入してしまう。 真珠湾攻撃、マレー沖海戦を経て航空主兵主義によって日本海軍は緒戦を支配する。 だがその勝利は、パイロットの圧倒的な技量の差によって生まれた一時の錯覚に過ぎなかった。 時が流れると、生産力・航空機性能・パイロット育成などのすべてにおいて劣る日本の航空兵力はもろくも壊滅してしまう。 マリアナに敗れ、ついに米軍の手は日本の生命線であるフィリピンへと迫る。 そんな絶望のさなか、ついに大望の紀伊型一番艦『紀伊』が完成した。 志摩艦隊を追う形で出撃した『紀伊』はスリガオ海峡にてオルデンドルフ艦隊と交戦。ただ1隻で敵6隻の戦艦を血祭りにあげる華々しい初陣を飾った。 だが栗田艦隊の反転によってレイテ沖海戦に日本は敗北。フィリピンは失陥してしまう。 圧倒的な戦力で米軍は次に硫黄島へと迫った。 しかし、レイテで『紀伊』のために6隻もの戦艦を失った米軍は十分な支援砲撃をおこなうことができず、上陸部隊は大苦戦を余儀なくされた。 その隙を突き、『紀伊』は連合艦隊の残存艦艇とともに大油送作戦を決行。膨大な量の資源の輸入に成功。 だが、資源と引き換えに硫黄島は陥落し、米軍の手は本土の一端である沖縄へと届いた。 史上最大の兵力で沖縄を埋め尽くそうとする米軍。が、日本陸軍は硫黄島での教訓から沖縄南部に巨大地下要塞を築いて迎え撃つ。 一方日本海軍もまた、稼動全艦をもってしての沖縄への殴り込みを決意する。 強大な防空火力と装甲で航空攻撃をはじき返し驀進する『紀伊』。未完成ながらも連合艦隊を追って出撃する二番艦『尾張』。 立ちはだかる米主力戦艦部隊をも圧倒する『紀伊』。しかし、うまくいきすぎる戦況に、連合艦隊主席参謀神重徳大佐は一抹の不安を覚えていた。 そして予感は現実となってしまう。米軍は『モンスター』と呼び恐れる『紀伊』を仕留めるため、ある秘策を持って待ち構えていたのだ… 作品考察 この作品の斬新なところは、やはり【大艦巨砲主義】を前面に押し出したところであろう。 同期の作品には『超弩級空母大和』や『黎明の艦隊』などがあるものの、いずれも日本が史実より早く航空主兵に目覚めたというものであり、 ほかの作品でも戦艦は脇役か、出番があっても時代遅れの最後の花道ばかりであった。 が、本作では逆に戦艦が徹底的に強く描かれる。航空機をバタバタと撃墜し、爆弾も魚雷も通用しない戦艦に対して空母機動部隊は為すところがなく、 その威力に戦慄した各国は新型戦艦の建造競争を開始するにまでいたる。 ただし、その反動で山本五十六などのいわゆる航空主兵の提督が悪し様に言われているので彼らのファンは注意。 また、超兵器系が登場する作品はほとんどが開戦前、もしくは序盤に投入されて日本軍無双をやるが、紀伊と尾張が投入されたのは敗色濃厚となった 1944年末のレイテ沖とかなり遅い。 そのため、劇中間違いなく最強ではあるものの、砲弾より多い敵と戦わねばならないので無双になれずに、この手の小説としては珍しく艦隊決戦ではなく 補給路の破壊に主眼をおいて日本軍が作戦を展開する。 それにより、全体的に地味な印象が続くものの、そのおかげで本作が乱造された架空戦記と同じにならずにリアリティと緊迫感を維持できたことが 長期連載につながる人気を得られた要因であったといえよう。 ※注意 架空戦記の現実性についての議論は水掛け論にしかなりません。 思っても、突っ込みはするだけ野暮ですので自重しましょう。 ※余談 本作を執筆した子竜氏は山本五十六を主役に据え、奇跡的に生き延びた彼に引き入れられた日本軍の逆襲を描いた架空戦記も執筆しており、 本作で山本の扱いが悪いのはあくまでも展開上止むを得なかった結果である。 子竜氏はリアリティと緊迫感のある展開を得意とする一方で戦艦の防御力に対しても極めて強い拘りを持っており、 「新造された戦艦大和が北朝鮮を崩壊に追い込む」という衝撃の展開を綿密な政治劇、自衛隊を完全善にはさせてくれない戦争の残酷さ・非情さを 織り交ぜながら描くのと同時に、戦艦の防御力と46㎝砲の火力を前面に押し出した大艦巨砲主義万歳小説「戦艦大和2010」を後年になって執筆している。 こちらは大和の出番が非常に遅いものの、その分とんでもなく強力な艦として描かれており、大和が苦戦することはない。 『資源の乏しい我が項目には、追記・修正が必要なのです』 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] ZATばりな作戦でドーラぶち込む話が好きだ、尚ノビーがやったときは・・・ -- 名無しさん (2014-12-26 22 31 40) 翔鶴以降の空母なしでどうやってマリアナまで凌いだんだろう… -- 名無しさん (2014-12-26 23 14 50) 建造中止になった空母は大鳳と雲龍級なのでマリアナまでの史実は特に変わりない -- 名無しさん (2014-12-26 23 31 48) ???「51センチ砲を味わうのじゃ!」 -- 名無しさん (2014-12-27 22 26 38) あのニミッツ級よりデカい とは…。 -- 名無しさん (2015-01-02 22 58 38) 戦後の超大型タンカー建造に大和が参考にされていることからも、本当にこれくらい作れる技術力はすでに日本にあった -- 名無しさん (2015-01-12 23 46 34) もし艦これに紀伊が収録されたらケッコンカッコカリしたい -- 名無しさん (2015-01-22 17 52 39) まさかの艦これに紀伊型実装のきざしが… -- 名無しさん (2015-02-07 18 23 33) 主砲の門数で言えばアニメ版旭日の艦隊12話以降の日本武尊と同じだな。なお、マブラヴのは12門である模様。紅の戦艦はあのサイズで日本武尊や紀伊並の砲門数で速力はマヴラヴよりも上である模様 -- 名無しさん (2015-02-07 22 28 48) 子竜螢氏は実現性はともかくマイナー兵器や目から鱗なアイデアを繰り出してくるからいつも新鮮で好き -- 名無しさん (2015-02-10 22 11 46) 最強とか無敵とかよりも、”不沈”戦艦という異名には言葉にできないすごみがある。子竜先生はほんとセンスあるわ -- 名無しさん (2015-03-26 05 59 05) コミック版の出版がやたら遅かった印象がある -- 名無しさん (2015-05-16 06 33 36) コミック版は、軍艦のカットをやたらと使いまわしていた印象が。俺は何度同じカットの紀伊を見たのだろうと。 -- 名無しさん (2015-05-23 01 45 40) 伊吹って改高雄型じゃなくて改鈴谷型では? -- 名無しさん (2015-07-23 10 35 49) ↑コミック版では高雄型のシルエットになっている -- 名無しさん (2015-08-18 00 27 16) 扱いが悪かったり愚物だらけなソビエト海軍にまともな人材(アルハンゲリスクの艦長)が出てくる珍しいネタが -- 名無しさん (2015-08-18 00 32 38) ↑4コミック版のコピペは残念だったけど、1巻と2巻は間違いなく傑作。全滅寸前の志摩艦隊の背後から雄雄しく現れる紀伊やB-29の編隊をドックの中から焼き尽くす尾張の勇姿は原作からいい意味で改変されてて胸が熱くなった -- 名無しさん (2015-09-26 21 10 55) 子竜先生、マジで続編を書いてくれないかなあ -- 名無しさん (2016-01-12 12 16 05) 原作の列車砲は60センチだったけど何を持ってきたんだろうか -- 名無しさん (2016-04-14 23 29 29) 本土決戦までやったのはやりすぎだと思う -- 名無しさん (2016-10-12 16 15 08) 紀伊が艦娘になるとしたら、最期は恐らく無念ではなく全てを成し終えた満足のうちに眠りについたろうから、自分以外を守ろうとする性格になるかなあ -- 名無しさん (2016-11-29 16 56 15) ↑月桂樹の冠持ってたら泣く自信あるぞ -- 名無しさん (2017-02-11 21 43 51) 艦これでガングートが出たんで知ったけど、6巻で尾張と大和にフルボッコにされたフルンゼって史実では動けさえしなかったんだな。欧州戦線も細かな違いがあったのかもしれないな -- 名無しさん (2017-05-14 00 18 11) 艦これ冬イベでのE-4のル級6隻編成とか見て本作を思い出した人がいたみたいだな -- 名無しさん (2018-04-24 20 30 39) ↑冬イベでのE-4のル級6隻編成 仮想戦記でいっつも大和や武蔵に瞬殺される戦艦の皆さんじゃんか、自分は征途だけど、他の作品も調べだしたら山ほどあるだろう。 -- 名無しさん (2019-02-02 22 02 44) 紀伊の最後、長門とブラボー実験を複合させたものだったな -- 名無しさん (2019-09-11 18 40 43) コミック版では、大和が重巡洋艦に見えると言われた巨艦だったそうな。 -- 名無しさん (2021-02-22 16 58 03) コンビニ本だと排水量125トンって誤植を表紙でしていて、海どころか空気にすら沈みそうにない文字通りの不沈艦である。 -- 名無しさん (2021-12-23 18 29 30) 大和改二、ついにこの次元まで来たか -- 名無しさん (2022-06-09 23 52 45) 超紀伊型戦艦の活躍する続編が読みたいとずっと祈ってる -- 名無しさん (2023-05-18 09 56 40) 個人的には『アズールレーン』辺りで計画艦枠でコラボしてきそう。運営割とマイナーな架空戦記が好きだし -- 名無しさん (2024-05-21 13 27 01) ↑魚雷80本に耐えるスペックをゲーム的にどう表現すべきかな -- 名無しさん (2024-07-02 10 58 10) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/6781.html
367: yukikaze :2020/12/31(木) 21 06 12 HOST p574198-ipngn200409kamokounan.kagoshima.ocn.ne.jp 何とか出来上がった。今年最後の投稿ですねこれ。 越後型戦艦(大改装ver) 基準排水量 102,000 t 満載排水量 120,000 t 全長 308.4 m 最大幅 48.4 m 吃水 11.2 m 主機 石川島播磨ガスタービンエンジン8基 出力 280,000馬力 速力 28.5ノット 航続距離 18ノットで 10,000浬 乗員 約1,600名 兵装 50口径50cm3連装砲 3基 54口径12.7cm単装速射砲4基(片舷2基づつ) 62口径76mm単装速射砲4基(片舷2基づつ) 74年式VLS 64セル×2 32セル×2 計192セル (他に35ミリ連装機関砲及び20ミリ多連装機関砲がそれぞれ4基) 装甲 舷側 560mm 甲鈑 330mm 主砲防盾 800mm(前盾)370mm(側盾)330mm(天蓋) 同型艦 『越後』『武蔵』『伊予』『琉球』 (解説) 冷戦も最高潮になりつつあった1970年代末期から、越後型戦艦に施された大改装の姿である。 ほぼ完全に艦影を一新させたことで、『ミサイル戦艦』『海上要塞』という異名を受けることになり敵国であるドイツからは『邪龍』と呼ばれ忌み嫌われることになる。 1947年に就役した越後型戦艦は、第二次大戦においてその圧倒的なまでの実力を見せつけていた。 SAM1型を始めとする新時代の防空火器は、ドイツ空軍の飽和攻撃を一蹴し、ドイツ最新鋭戦艦であったフリードリッヒ・デァ・グローセを50センチ砲によって叩きのめし、その後、アデン港を1から作り直した方が早いと言われるレベルで吹き飛ばしたことで、第二次大戦の勝利を決定づけたからである。 ドイツ建国以来の大敗に、ドイツ皇帝ヴィルヘルムⅢ世は「あの船を必ず沈めよ」と叫んだ後、憤死したとも言われるが、その後20年以上にわたり、越後型戦艦は、まさしくドイツ第二帝国にとって仇敵以外の何物でもなかった。 彼女を叩き潰されるために作られた『グロス・ドイッチュラント』級戦艦2隻は、確かに彼女より砲口径こそ大きかったものの、ドイツ海軍の悪癖であった「近距離砲戦に適した高初速砲」に拘り過ぎた余り、25,000m付近での砲撃力は、越後型戦艦よりも劣るものであり、何よりも100,000tを超える戦艦を2隻とはいえ維持するのは、予算不足にあえぐドイツ海軍にとっては至難の業であった。 そのため、ドイツ第二帝国にとって、越後型戦艦は長らく恐怖の象徴であった。 「越後型戦艦1隻は、1個空母機動艦隊に勝る」 と、砲戦派が豪語したのも無理はなく、ドイツ空軍の1個航空艦隊が、実質的に越後型戦艦への対応を専任されていたのをみれば、彼女の抑止効果がどれほどのものであるかが見て取れる。 とはいえ、1970年代になると、さしもの彼女も性能が陳腐化しつつあった。 無論、ミサイル運用能力の強化は最優先で行われており、高角砲についても、76㎜連装砲を撤去する代わりに、中距離空対空ミサイルを艦載化したものを導入するなど、一定の防空強化を行っていたものの、ドイツ空軍が半ば意地になって開発してきた長距離重空対艦ミサイル『バルムング』(ミサイル重量6t 速度M3.5 距離600km)の飽和攻撃を受けた場合、さしもの越後型戦艦も大被害は免れないと見込まれていた。 この時点で、海軍は「そろそろ越後型も予備役か」と、皮算用をしていたのだが、そうは問屋が卸さなかった。 まずいの一番に反対したのが陸軍であった。 何故かといえば、この時期、妙高型重巡洋艦の退役も取りざたされており、ただでさえ上陸支援用の砲火力の低下が見込まれているところに、上陸作戦時の守護神である越後型戦艦までいなくなるなど、とてもではないが容認できるものではなかった。 何しろ彼らは、第二次大戦だけでなく、各地で起こった紛争において、「無敵の鉄の城」の砲撃に、幾度となく助けられていたのであった。 次に大反対したのは、意外なことに外務省であった。 外務省にしてみれば、「越後型戦艦は、極めて分かりやすい抑止力であり、彼女の活躍によって余計な紛争が減っている」ことを主張。 実際、「抜かずの宝刀」扱いの反応弾戦力をちらつかせるよりも、通常戦力であるが故にカードとして切ることができる越後型戦艦の方が、諸国に対する抑止効果としては極めて強く、余計な軍事的冒険を阻止する効果を示していた。 368: yukikaze :2020/12/31(木) 21 07 21 HOST p574198-ipngn200409kamokounan.kagoshima.ocn.ne.jp また、イギリス政府からも、非公式に「退役するならドイツ何とかしてからにしてくれ」と、泣きつかれることになる。 理由は言うまでもない。越後型戦艦がなくなった場合、彼女専任の部隊にフリーハンドを与えることになり、その矢面はイギリス本土がたたされることになるのである。 ただでさえそれなりの軍備維持に四苦八苦しているイギリスにとって、これ以上の負担など悪夢以外の何物でもなかった。 こうした声に海軍側は「いやだって現状だと戦力として厳しいし、大改装すれば何とかなるけど予算がね・・・」と、返答したのだが、これに対し「金さえあればなんとかできるんだな?」と、時の兵部大臣が海軍に白紙小切手を出したことで、越後型戦艦は、予備役から一転、更なる化け物へと進化することになる。 余談だが、この時の兵部大臣は、第二次大戦において『琉球』に主計士官として乗艦しており、敵『バイエルン』を第一斉射で轟沈させたのをリアルタイムで見たことを死ぬまで自慢していた男であった。 その男―後に首相となる中曽根康弘退役海軍主計大尉にとって、偉大なりし漢の船であり、自らの青春そのものでもあった越後型戦艦を延命させることは、己に対する義務であった。 さて、色々な勢力から、越後型戦艦の延命を求められることになった海軍であったが、越後型戦艦の強化は、戦術的な観点からも悪い話ではなかった。 この時期海軍は、本体である機動部隊とは別に、艦隊前面でピケット(斥候)任務の小規模艦隊が必要であるという認識を抱いていた。そして先頭を進む斥候艦なので敵の攻撃が集中しやすいが、簡単に戦力価値を失ってもらっては困るという観点から、防空火力を高めた越後型戦艦こそ斥候艦に相応しいという意見が根強くあった。 これについては主にコストの面と「大戦艦を斥候任務に駆り出すのはいかがなものか」という感情的な側面から立ち消えになっていたのであったが、今回の一件により、越後型戦艦に斥候艦として必要な能力を付与する決定が下されることになる。 では、越後型戦艦の近代化改装であるが、一言で言ってしまえば「新造した方がコスト的にマシ」と言えるレベルでの大改装を行うことにしていた。 ここら辺は、日本海軍が白紙小切手を手渡されたことで気を大きくした側面もあるのだが、それ以上に、改装するのならば中途半端ではなく徹底的に改装した方が、安物買いの銭失いにならないと判断したことが大きかった。 また、いささか生臭い話ではあるが、造船会社への救済策という観点もあった。 この時期の造船業は、これまでのような日本一強ではなく、アメリカ共和国や満州王国、それにベトナム王国などもシェアを伸ばしてきており、必然的に日本の造船メーカーが、主にコスト面で苦境に立たされる状況であった。 この流れについては、最終的には『メガフロート』という新たな分野に舵を切ることにより、事なきを得るのだが、海軍としては造船業界からの悲鳴のような要望を無碍にすることはできなかったのである。 改装工事が2年以上かかったのは、タンカー建造の穴を埋めるための雇用維持のためでもあったのだ。 閑話休題。 まず海軍側が最初に手を付けたのが機関の刷新であった。 この時期の海軍艦艇の主流は、蒸気タービンから、ディーゼル乃至はガスタービンへと移り変わっていた。 海軍としては、これ以上蒸気タービン艦が増える可能性は低く、本型のためだけに新型蒸気タービンを設計するのはコスト的に割が合わないとして、ディーゼルまたはガスタービン機関への換装を計画していた。 もっとも、すんなり決まったのはここまでで、ディーゼルとガスタービンの配分をどうするかについては揉めに揉めた。 まず、燃費という点で支持が高かったのはオールディーゼルであったが、高馬力ディーゼルエンジンの開発という点で、幾分ハードルが高かったという点と、ほぼ越後型戦艦以外に使われない機関に、民間メーカーが手を上げるのかという問題があった。 次にオール・ガスタービン案であるが、こちらについては、瞬発力や加速性、さらには即応性に優れているだけでなく、高い巡航速度で連続運転ができて、最も短期間で日本本土からイギリスまで行けることや省力化などで高い評価を受けていた反面燃費の悪さや、ガスタービン自身が、今まで搭載していたボイラーと蒸気タービンと比べて軽すぎた事により、船全体の重心バランス上の問題を抱えることであった。(新型機関の開発という問題もあったが、こちらはまだこれ以降の巡洋艦や駆逐艦にも使われるという点から許容範囲とされていた。) 最終的には「戦艦に燃費求めるのは意味なくね?」という理由により、オール・ガスタービン案が採用されたものの、大蔵省からは「札束を燃料にして進む艦」と、えらく恨まれることになる。 369: yukikaze :2020/12/31(木) 21 08 17 HOST p574198-ipngn200409kamokounan.kagoshima.ocn.ne.jp 次に防空火力であるが、こちらについては一切の自重を捨て去っている。 従来の高角砲及び誘導弾のランチャーをすべて撤去して、金剛級重巡洋艦で採用された74年式VLS及び54口径12.7cm単装速射砲(史実オットーメララの127mm砲)及び吹雪型駆逐艦で採用された76mm単装速射砲(史実オットーメララの76mm砲)を搭載している。 この中でも一番の注目は74年式VLSであろう。 吹雪型駆逐艦や神風型防空駆逐艦にこそ間に合わなかったものの、天龍型軽巡洋艦や前述の金剛型に採用された同装備は、従来の発射機が露天甲板上に露出していたのに比べて、メンテナンスを含めた耐候性に優れ、また、甲板上に露出する部位が減るため、レーダー反射面積が低下し、ステルス性向上につながる。重心も低下するため、船体の安定性を崩しにくく、何より従来の発射装置では最速でも4秒に1発程度とされる連射速度を、1秒に1発程度に短縮できるほか、個々の発射筒が独立しているため、1基が機械的に故障しても他に影響が出にくいという利点を有していた。 そして、越後型戦艦は、船体が巨大である分、その搭載数も破格であった。 金剛型が128セル、天龍型が96セルなのに対し、越後型は艦首部と第一砲塔の間に128セル。両舷にそれぞれ32セルずつの合計192セル搭載している。 これは現段階において、VLS搭載数で最大であり、アーセナルシップ構想が凍結された現在では、しばらくは破られないと判断されるが、実のところこれでも大分抑えられたものであり、計画においてもっとも搭載数が多かったのは、両舷もそれぞれ64セル、第三砲塔と艦尾の間にも128セルの合計384セルという代物であった。海軍としては、「対空・対潜・対地を一手に引き受けるにはこれくらい必要では?」という意見もあったが、流石にこれは与一システムを組み込んだ越後型でも手に余る代物であり、ついでに費用も大分掛かることから下方修正されている。 なお、しばしば取りざたされる、艦首と第一砲塔のVLSに被弾したら大被害を受けるのではという意見について、海軍側からは「砲戦に移行している時点でミサイルの弾庫は空になっているから問題ない」と、全く意に関していない。 搭載している誘導弾については、その大半はSAM3型(史実スタンダード)となっている。 一応、最低限のアスロックは搭載されているものの、巡航ミサイルについては一切明言をしていない。 当初は、装甲ボックスランチャーに搭載する計画もあったのだが、こちらについては被弾時の脆弱性及び対空火器との兼ね合いもあってバーストしている。 なお、一つの理由として「核攻撃を受けた場合、装甲ボックスランチャーでは耐えられないが、VLS搭載ならば報復攻撃できるためというものが上げられているが、こちらも日本海軍では明言を避けている。 この破格と言っていいミサイル搭載数を有効活用するために、本型では大々的に「与一システム」を採用している。 「与一システム」は、それ以前の「為朝システム」(史実ターター・システム)の問題点であった、「攻撃に際しては、同じ目標を捜索レーダーと射撃指揮装置が重複して追尾することになること」「ミサイルの発射から命中まで、1つの目標に対して1基の射撃指揮装置が占有されてしまうこと」への解消が求められていた。 「与一システム」においては、「多機能レーダー」「指揮決定システム」「武器管制システム」「射撃管制システム」「誘導弾ランチャー」「SAM3型」「自己診断システム」「即応性保持システム」「YDS(ヨイチ・ディスプレイ・システム」とが高度に統合されており、艦全体の戦闘を有機的に統括している。 これにより、越後型戦艦は誘導弾誘導用のイルミネーターを6基搭載していたこともあって、「為朝システム改」時の8目標(イルミネーター4基搭載時)から、一気に24目標への同時誘導が可能とされている。(実際にはそれ以上とも)それが示されるように、改装を終えた『武蔵』率いる小艦隊(『武蔵』、防空駆逐艦1隻、汎用駆逐艦1隻)に対し、海空軍合同で航空攻撃(戦闘攻撃機48機)を行った際には、攻撃を行う前に航空隊が壊滅されるという結果に終わり、海軍砲戦派の面々は演習海域にちなんで『坊ノ岬沖海戦』と(非公式的にだが)名付けたりしている。 主砲については、新開発された50口径50センチ砲に換装されている。 これは第二次大戦から始まりいくつかの紛争等に参加しては、たびたび艦砲射撃任務に従事していたので、最低でも激しい砲撃で摩耗していた砲身内筒の交換が必要となっていたこと。また、砲身以外の部品も老朽化や劣化が進んでいたこともあり、更には、砲システムの省力化もしたいことから、思い切って他のパーツの交換に合わせる形で砲身の新造を決めることになる。 371: yukikaze :2020/12/31(木) 21 10 16 HOST p574198-ipngn200409kamokounan.kagoshima.ocn.ne.jp この時の砲生産についてはNHKの『プロジェクトX』でも取り上げられることになるのだが、既に大口径砲を碌に作ってもいなかった(最大で20センチ自走砲の砲身くらいである)ことから、当時の主砲製造を担当していた関係者全員が召集される(最年長は80歳を優に超えていた)所から始まり、半ばロストテクノロジーとなっていた分、その苦労は並大抵ではなかったとされる。 もっとも呼び出された面々は「越後の主砲をさらに強化するだと!! よし今すぐ連れていけ。亀ヶ首発射場に今すぐ連れていけ」と、鼻息荒く迎えの者に告げるや、荷物そっちのけで旅立つもの多数であり、「ドイツっぽのブリキ軍艦が2センチ程度の差で威張り腐りやがって。越後の主砲一撃でお陀仏にしてやらあな」と、昼夜を問わずに議論するのが常であった。 その結果、同砲は、これまでの2.4tの超重量弾を更に重くした75式徹甲弾(重量3.0t)を主砲として利用しており、『グロース・ドイッチュラント』級戦艦を、いかなる距離でも確実に貫けるだけの攻撃力を備えることになる。 砲塔システム自体も大きく改良されており、特に装填の機械化が大幅に進められ、自動装填化されていた。結果、最短で15秒に1回、通常で20秒に1回砲撃が可能となっている。実際は砲身の加熱もあるため、30秒に1回程度とされていた。 さらに、監視カメラを多数設置するなどして、砲員も大幅に減っている。 主砲以外については、防空用として完全に割り切っているところである。 127mm及び76mmとも、防空火器として破格の性能を有しているのに、それを贅沢に4門づつ装備しているのである。 しかもどちらも改装前の方と比べて信頼性が増しており、鉄壁の防空砲火を提供している。 これに、35ミリ連装機関砲及び20ミリ多連装機関砲いるのだが、ここでは35ミリ連装機関砲について説明する。 この砲は、元々は海軍の砲ではなく、1960年に開発した60式対空戦車(史実ゲパルト)の主砲をモチーフとしている。 この時期、陸軍は、同対空戦車の射撃統制コンピューターをアナログ式からデジタル式へと改良していたのだが、主砲用及びSAM4型(史実シースパロー)誘導用として開発していた70式射撃指揮装置2型(史実FCS-2)のアレイ周りのモジュールやコンポーネントを同対空戦車に組み込ませてもいた。(勿論狙いは、量産効果で70式射撃指揮装置2型の取得費用の圧縮である) そのことから、海軍としては、同砲塔を艦載用として改修し、搭載している。 なお、70式射撃指揮装置2型(史実FCS-2)についても、艦橋部だけにとどまらず、両舷にもそれぞれ2基づつ備えられている という状況であるとともに、主砲の照準装置として旧来の技術の延長となる光学式の照準装置を艦橋上部に設置している。 あくまでサブシステムでしかないのだが、海軍の砲術士官にとって、越後型の光学式照準装置で主砲を撃つのは「1度はやってみたい役得」であったとされている。 次に防御についてであるが、こちらについても大分手が加えられている。 ガスタービンエンジンに換装したことで船体下部が軽くなってしまったことによる重量バランスの是正という点があったが、船体の外装バルジを取り払って、新たな外装バルジを取り付け、隔壁の更なる細分化及び強化を行うことで、砲弾及び対艦ミサイルの運動エネルギーを、主装甲板に至るまでの間に可能な限り減衰させようとしていた。(船底も可能な限り強化した) また、ガスタービンエンジン採用により更なる大食いになった越後型のために、燃料層もかなり拡大させている。 無論、主装甲についても、最新の技術を使って、より粘りやすい装甲になっている。 最後に、航空兵装については、基本的には対潜ヘリ1チーム6機を搭載することが決められ、船体内に中型ヘリを十分に格納できる高さの格納庫を設置。さらに上甲板とエレベーターで接続。艦載機の装備の搭載区画も別個に確保されることになっている。 格納庫内でヘリのローターを広げた整備ができるのも特徴で、対潜空母の真似事すらできるようになるのだが、アメリカ共和国が開発したハリアー戦闘機も、着弾観測機として運用する能力まで付与されている。 まさに「ぼくのかんがえたさいきょうせんかん」「あんなこといいなできたらいいなを具現化された艦」と、全世界の海軍士官が半ば羨み半ば呆れた船へと進化することになる。 374: yukikaze :2020/12/31(木) 21 20 08 HOST p574198-ipngn200409kamokounan.kagoshima.ocn.ne.jp 投下終了。改めてみると冷戦時代以外にこんな酔狂な船絶対に作れんわな。 コンセプトは『征途』大和のリファイン型。 あれは色々と無茶しすぎた艦でしたので、もう少し大人しめなものを作って見たところです。絶対に新造艦作った方が安上がりですけど。 とにかく大戦艦にイージス能力付与している訳ですから、維持費用考えなければ敵としては「ふざけんのも大概にしやがれ」と怒鳴りつける代物。 何しろこいつのせいで同時飽和攻撃のハードルが何段も高くなります。 そしてダッシュ力の高いこいつが懐に入った場合どうなるかというと、欧州沿岸部が業火によって覆われることに。 割とマジで「核じゃなきゃ止められねえ」と、ドイツ帝国軍は頭を抱え、それに政府筋が「核でベルリン燃やす気か!!」と、すごいことになってそうです。 なお、被帽破砕装甲がオミットされていますけど、ここら辺は隔壁の強化だったり、新型装甲に改装されたりしたからです。 理論上ですが、『グロス・ドイッチュラント』相手にした場合でも、主砲戦距離の25,000m付近では、ほぼ完封勝利で勝てる状況になります。 お陰で艦対艦誘導弾を積まないなんてことになります。 海軍砲戦派曰く「うちの50センチ砲見えねえのか? 豆鉄砲なんかおよびじゃないんだよ」だとか。