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とある講演会場。 今日は、ある著名なゆっくり研究家が重大発表をするため、会場内は人で溢れかえっている。 その多さは、ここに幻想郷中の全ての人間が集まっているのではないかと錯覚するほどであった。 どんな発表なのか、どんな新しい説が飛び出すのかと推測する者、ただ研究家の説が聞きたい熱心な信者、有名な人だと言う事で見に来ただけの野次馬……。 ――それでは、ゆっくり研究家、○○さんの入場です。 そんな、多種多様な人々でざわめく会場内が、研究家の入場により水を打った様にシンと静まりかえった。 研究家は、一つ咳払いをしてから、ゆっくりと語り始めた。 「ゆっくりできない。それは、ゆっくりにとって最も嫌な事です」 「彼らは、自分がゆっくりするためには同種を殺し、食べます。時には自分の親兄弟ですら」 「彼らにとって、それほどゆっくりする事が重要だという事から、私はある仮説を立てました」 「ゆっくりには、第四の本能ともいえる『ゆっくりしたい欲求』がある。それを満たすためならば、睡眠・食・性の他の三大欲求を犠牲にする事さえ厭わない」 備え付けの水を一口飲み、話を続ける。 「ところで、皆さんはゆっくりはどうすれば死ぬかご存知ですか?」 「基本的に、中身を取り出すとゆっくりは死にます。餓死もありますが、この場合は中身が減った事による死亡なのでしょう」 「眠りもせず食べもせず生殖もせず……一見、すぐに死にそうではありますが、ゆっくりさえさせておけばゆっくりは死にません」 そんな事が可能なのか、あの先生なら出来るんじゃないか……小声でそんな事を話し合い、ざわめく会場。 そんな会場も、研究家が「お静かにお願いします」と言っただけで、一気に静かになった。 「ここからは映像と一緒に説明させていただきます」 皆に見える様に大きく引き伸ばされた映像が、研究家の頭上に現れる。 「映像は、睡眠欲の抑制を試したものです。このゆっくりまりさは――」 発表はまだまだ始まったばかり。人々は、固唾をのんで映像を見つめ、研究家の話に聞き入っていた。 『ゆっくり魔理沙が極限までゆっくりできる話 その1:睡眠欲編』 「ゆっぐりやべろぉぉぉぉぉ!!!」 「ゆぎゅっ! ……なんでありすのあいをこばむの? まりざぁぁぁぁぁぁ」 ゆっくりまりさが、ゆっくりアリスに体当たりをして吹き飛ばす。 アリスが求愛をし、まりさがそれを拒む……ゆっくりの性質上、求愛を拒む事自体は良くあるのだが、この2匹は様子が違っていた。 ゆっくりまりさは、ゆっくりアリスを本気で殺そうとしているのである。 「ゆっぐりじね! じね! じねぇぇぇぇぇぇ!!!」 「まりざ、まりざぁぁぁぁぁぁ! ありすのあいをうげいれでぇぇぇぇぇ!!!」 ぼろぼろになったゆっくりアリスが、それでもまりさと生殖行為をしようとにじり寄る。 まりさは、本気で嫌がっているのだろう。目は血走り、よだれを垂れ流し、基本的にのんびりとした性格のゆっくりとは思えないほど険しい表情を満面に浮かべている。 「じねぇぇぇぇぇ!!!」 「まぎゅっぶぁ! ま……ぃ……ぁ」 ついに、ゆっくりアリスはクリームあんをぶちまけて死んだ。 荒い息を整えつつ、ゆっくりまりさは険しい表情を崩さずに呟く。 まりさをゆっくりさせないやつは、みんなしんでね……と。 このゆっくりまりさは、元々は他のゆっくりと同じく充実したゆっくりライフを営んでいた。 エサは毎日腹いっぱい食べてもあまるほどにあるし、雨を恐れる心配もない。 誰もいないのは寂しいけど、ゆっくりれみりゃやフランなどもいないため、心の底からゆっくりする事ができていた。 だが、ここ何日かは寝る間も休む間もなく連続してゆっくりアリスに襲われたために、凶暴化してしまったのである。 最初は、ある程度の攻撃で追い払っていた。 襲ってくるアリスは皆判を押した様にまりさより小さかったから、簡単に撃退できたのである。 だが、追い払ったと思うとすぐにアリスが来る。追い払う、来る、追い払う、来る……10匹も撃退した頃、まりさはゆっくりする邪魔者のアリスを殺す事に、何のためらいもなかった。 ゆっくりまりさは、アリスの死がいを引きちぎる事で完全にアリスが死んだのを確認した後、ようやく元のゆっくりした表情に戻った。 「やっとゆっくりできるよ……」 心の底から安堵した響き。 食事やその他の事は、もう明日で良い。まりさは充血した目を閉じ、そのまま眠りにつこうとした。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆぐっ!?」 まりさが眠ろうとした時、突然声が聞こえてきた。 誰だろう、どこにいるんだろう……まりさは辺りを見回したが、誰もいない。 「だれ? どこにいるの? まりさはおねむだから、ゆっくりねさせてね……」 「だめだ! 眠ったらゆっくりできないだろう!」 「ゆっ!?」 ゆっくりできない。それは絶対に嫌だ。 本能に根付いたゆっくりしたい魂で、まりさは強引に起きようとした。だが、どうにもならない。 数日眠れていない事に加えて、アリスとの攻防でへとへとになっているのだ。 起きよう、起きようと思っても、自然と眠くなっていく。 その後も、まりさが眠ろうとすると「ゆっくりしていってね!」と叫び、決して眠らせない声。 ゆっくりまりさは、段々苛立ってきた。 ゆっくり魂などとっくの昔に消し飛び、ただ眠りたくて眠りたくて仕方がなかった。 「いいかげんにしてよ! おねむなのにねさせてくれなきゃ、ゆっくりできないよ!」 「いーや、寝ていたらゆっくりできないぞ? ほら「まりざぁぁぁぁぁぁ!!!」」 声が終らないうちに、ゆっくりアリスが凄まじい勢いでゆっくりまりさの元へ駆け込んでくる。 まりさは、勢いのままに飛び込んでくるアリスを必死にかわした。 「ゆぎゅっ! ありす! ありすはゆっくりしね!」 「どーじでぞんなごどいうのぉぉぉぉぉ!!! ありずはまりざをごんなにあいじでるのにぃぃぃぃぃ!!!」 泣きながら飛びかかるアリス。まりさの言う事、自分の愛を受け入れてくれない事が信じられないのだろう。 一方のまりさは、もう何日も寝ていないのである。どうしても眠りたかった。 そのため、このアリスも殺して眠ろうと試みたが、眠ろうとするとまた声が聞こえ、別のアリスが飛び掛ってくる。 掛かってきては殺し、声が聞こえて掛かってきては殺しを繰り返し、5匹目のアリス。 全く同じ軌道で飛び掛ってきたため、振り払おうとすれば出来るのだがあえてそうせず、まりさはされるがままになっていた。 「まっまりざ! ありずはうげいれでぐれるのね! うれじいぃぃぃぃぃぃぃ!!!」 「……なんでもいいから、はやくやってはやくおわらせてね……」 飛び掛ったアリスを拒む事なく、そのまま受け入れるまりさ。 「まりさ! まりさまりさまりさまりさまりさ!!!」 「ゆっ……はやくしてね……」 アリスだけが動き、まりさは全く動かずに振動を受け続けている。 アリスを殺す、声、アリスが飛び掛る、殺す、声、飛び掛る……何度も何度も繰り返した結果、まりさはついにある結論に達した。 ――アリスを殺せば声がして眠れない。アリスに好きにさせれば、眠れる。 アリスが好き放題にすれば確実にまりさは死ぬ。それに気付かない、あるいは気付いていてあえて無視していたまりさは、既にどこか狂っていたのだろう。 「まっまりさ! まりまりまりまりまりまりまりまりささささんんんんんんんんほおおおおおおおおおおすっきりー!」 「……ゆっ……ゆ……ゆぅ……ゆぅ……」 絶頂に達するアリス。だが、まりさの方は全くの無反応どころか、穏やかな表情で眠りについていた。 アリスがどれほど激しく動こうと、茎が何本生えようと、茎に養分が奪われ、刻一刻と生命の危機が迫っていようと、全く意に介さずに、まりさは数日ぶりの睡眠をただ貪っていた。 「まりさまりさまりさまりさ! すっきりしてるよ! すっきりできるよ!!! んほおおおおおおおおおおイグイグいぐぅぅぅぅぅぅ!!!」 「……」 「まりさまりさかわいいよかわいいよまりさぁぁぁぁぁ!!! ありすもすっきりまりさもすっきり! たっまんねぇぇぇぇぇ!!!」 「……」 「ままりりささ!? まりざもすっぎりじでるよねぇ!? ごだえでよぉ!!!」 不自然過ぎるほどに何も言わないまりさの様子を、流石に不審に思ったアリスは動きを止めた。 「……まりさ? なんでなにもいわないの?」 もはや茎なのか饅頭なのかの判別すら難しいまりさに、親愛の印であり、求愛のサインでもある頬のすりよせをして、何とか反応を引き出そうとするアリス。 まりさはとっくの昔に死んでいた。死因は妊娠のし過ぎからくる栄養失調である。 だが、茎を除けた中にあるその顔は、やっと眠れたという満足感からか、とても安らかなものだった。 映像は、まりさが死んでいる事にようやくアリスが気付き、白目を剥いて叫び声をあげるところで終った。 「この時は、アリスをけしかけ、ゆっくり出来ない状況を作り出す事で睡眠欲をなくそうと試みました」 「ですが、このまりさはアリスに襲われる事より睡眠欲を優先したのです」 「ちなみにこの後、アリスは私が美味しくいただきましたw」 研究家の下手な洒落に、一部の信者だけがどっと笑った。 あまりウケなかった事が恥かしいのか、研究家は大多数の冷ややかな目から話をそらす様に一つ咳払いをした。 「ごほん……この失敗から、自然のゆっくりは睡眠欲がやや強いと学びました」 「次は成功例を見ていただきましょう。このゆっくりは、先ほどのまりさから取れたものですが――」 気を取り直して、すらすらと説明していく研究家。 今度は、病室の様に真っ白い部屋に、ぽつんとゆっくりまりさが一匹だけ鎮座している映像が映し出された。 会場内の人々は、食い入る様に映像を見つめている。 映像は、ゆっくりと動き出した。 「ゆっくりちていってね!」 生まれたばかりのゆっくりまりさが、家族に挨拶した。 だが、返事はない。ここにいるのは、ゆっくりまりさ一匹だけだからだ。 「ゆ……ゆー? みんなどこにいるのー? かくれんぼなら、まりちゃもまじぇてー」 辺りを見回したが、誰も見当たらなかった。 意地悪されているのかと思い、まだ上手く回らない口で、周囲に声をかけたが返事はない。 「いじわりゅやめてー。みんなでてきてー」 「なんでなにもいわないの? ゆっくりちてよー」 「おかーちゃーん、おねーちゃーん……どご、いっだの?」 「ゆ……ゆ……ゆ……ゆ”わ”あ”ぁぁぁぁぁん! み”ん”な”どごでぃい”る”の”ー!?」 何度呼びかけても返事はない。這いずる様に少しだけ動いても、誰もいない。 部屋の中に、ゆっくりまりさの泣き声が響き渡った。 ひっくひっくとしゃくりあげる声だけが響く部屋。 ゆっくりまりさは、食事も睡眠も取らずにただ泣き続けていた。だが、例え食事が目の前に置かれたとしても、食べるかどうかは分からない。 まりさはまだ生まれたばかりなのだ。食事が必要な事なのかどうか、分かっていない可能性が高い。 「ゆ……ひっく、どご、いっだ、っく、のぉ……」 泣き声が小さくなっていく。泣き疲れたのか、そのまま眠ってしまいそうだ。 だが、この実験中に眠る事は許されない。 半ば以上意識が闇に溶け込んでいたまりさの耳に、何者かの「声」が飛び込んできた。 「寝たらダメだ!」 「ゆっ!? だりぇ? どこにいるの!? ゆっくりちていってね! ゆっくりちていってね!」 「寝たらダメだ!」 「ゆっ……ふぁい! ゆっくりねまちぇん!」 「絶対に寝るなよ」 「ふぁい! でったいにねまちぇん!」 声を聞いた瞬間、ゆっくりまりさは勢い良く飛び起きる。 初めての声、初めての別の存在が嬉しくてたまらなかった。 相手が自分の言う事に聞く耳を持たなくても、ただ話が出来る事が嬉しかった。 だから、声の言う事を素直に受け入れ、絶対に眠らない事をそのアンコの奥に刻み付けた。 声が聞こえてから数日。 小さなゆっくりまりさは、食事を摂っていた。 普通のゆっくりの様に「むーしゃ、むーしゃ」とも「うめぇ! めっちゃうめぇ!」とも言わない。 言葉を発しながら食べたり、そこら中にカスを飛び散らせながら食べるなどの汚い食事の仕方は後天的なものである。 そもそも、誰とも会った事がなく、声しか聞いた事のないゆっくりまりさには、一々そんな事をする理由もない。 ただ静かに食事をし、満腹になったらゆっくりしているのである。 「ゆー……ゆっくり……」 「寝るなよ!」 「ふぁい! ねてまちぇん! まりちゃねてないよ!」 嬉しそうに飛び跳ねるまりさにとって、食事の後の声は唯一の楽しみだった。 「ネタラダメダ」「ゼッタイニネルナヨ」「ユックリシロ」「メシノジカンダ、クエ」この4つの言葉以外に聞こえるものは何もないが、だからこそ声が大切な存在になっていた。 ――おかーちゃんってこんなかんじなのかな。 眠らせない事だけを求めている声に対し、そこまで思い込む様になっていた。 生まれてから一度も、誰とも会った事のないゆっくりまりさにとっては、それほどに声は重要な存在なのだ。 欲を言えば、動いたりゆっくりしすぎた時以外にも聞きたいという程度か。 だからゆっくりまりさは、たまにわざと動いたりゆっくりし過ぎたりしてみる。 そして、大好きな声に返事をする。 ゆっくりまりさは、端から見ると不幸だが、本人からするとこの上ない幸せなゆっくりライフを営んでいた。 映像は、帽子を被っていない赤ちゃんゆっくりまりさが幸せそうにゆっくりしている場面で停止した。 「――以上の様に、声を聞かせ続ける事で睡眠を取らずにした例です」 「なお、このゆっくりまりさは判別のために帽子をとってあります」 「このゆっくりは現在も生きており、現在は50センチ程度にまで成長しました」 映像が切り替わり、帽子を被っていない成体のゆっくりまりさが映し出される。 「それがこちらのゆっくりまりさです。このゆっくりは、まだ一度も眠ってはおりません」 帽子を被っていない以外は、普通のゆっくりまりさがゆっくりしているだけの画像に切り替わる。 生まれてから一度も眠っていないとは信じられないほどに血色が良いその姿は、普通のゆっくりと比べてもなんの遜色もないものだった。 「それでは、次の映像の準備などのため、これから四半刻の休憩を挟ませていただきます。少々お待ち下さい」 一礼をして、脇に下がる研究家。ほどなく館内放送が響き渡る。 ――これより、四半刻の休憩を挟ませていただきます。 ――休憩中の出入りは自由となっております。厠などを済ませて下さい。 館内放送が流れると同時に、次々に立ち上がり、厠に向かう人々。 次の説明まで四半刻、厠は常に人が満杯になるだろう。 9スレ 382でナメた事ぬかした……もとい、お願いしていたまりさがいたので、極限までゆっくりさせてみました。 限界までゆっくりしていってね! 本来は1つになるはずでしたが、長すぎるため分けました。ゆっくり楽しんでね! by319 続? 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概要ゆっくり茶番 ゲーム配信 言動野良パーティーに対する悪態 自演による擁護 生放送内にてフレンドいじめ(個別記事あり) 配慮に欠けたタイトル トラブルを起こした時の対応 罹患していると考えられる病気 概要 御尊顔 別名義 トーリス・ロリナイティス、本田菊 など ゆっくり動画製作者 モンスターハンター、マインクラフト、地球防衛軍などPvEのゲームを好む プレイスキルは低く、基本的に野良パーティやフレンドに頼って攻略していくスタイル game8の地雷掲示板から知られるようになった(現在は閉鎖済) ゆっくり茶番 茶番の時は立ち絵を並べるだけで動くことがほぼ無く、クオリティは低い キャラクターの背景ぐらい切り抜いてあげたらどうだろうか ゆっくり実況 ゲームの実況ではなく、ゲームと全く関係のないパーティー内の雑談などを垂れ流す動画 3日坊主のため、どの実況も序盤で終わっている。 ゲーム配信 前述の通りでソロプレイでの限界は早く他のプレイヤーに依存する形のため上達することもなく見ごたえはあまりない。 モンハンを例にした流れ 申し訳程度のダメージ ⇩ ⇧ 攻撃をもらう ⇧ ⇩ ⇧ ⇧ 回復 長時間安全な場所でウロウロして味方に押し付け 本人の貢献度基準は 微火力0死>>>高火力n死 となっているため 救援で代わりにタメージを出してもらっているにも関わらず、毒を吐く場面が見受けられる。 トップへ 言動 自分を棚に上げていくスタイルで批判される原因 野良パーティーに対する悪態 41 50~ このメンバー終わってんなぁ…だって閃光弾は無いわ、回復道具無いわ…せんこうだーーん!終わった… 自演による擁護 【集】ゆっくり暁 @0kd6ajatuki 親友に裏切られました その親友にツイートで公開処刑されました LINEの内容全部公開されてました 名前隠されていても自分だとわかる内容でした 私にも悪いところありましたが 一応何度も謝ったですが 許して貰えてません その親友とは十年以上の付き合いでした 堀尾聡史 @horiosa0928 返信先 @0kd6ajatukiさん 親友なのに晒すとかないわぁまじありえんそんなやつ親友じゃないよなぁ https //archive.vn/9HNHA 堀尾聡史 @horiosa0928 https //youtu.be/idkUtWLnDgU 集え戦士のモンハンうぷ主は暁ことトーリス………らしいぜ 12 17 PM - 25 Mar 2016 https //archive.is/v3Oz8 堀尾聡史 @horiosa0928 https //youtube.com/watch?v=vKC5RLK4Sn4 feature=youtube_gdata_player モンハンで暁担当です☆ 6 30 AM - 17 Sep 2013 https //archive.is/8jKMj 生放送内にてフレンドいじめ(個別記事あり) 問題の生放送、未だ当事者への謝罪は無し 詳しくは→生放送内でのイジメ配信 配慮に欠けたタイトル 台風19号 2019年10月12日午後7時頃より伊豆半島に上陸し、日本列島に多大な被害をもたらした台風で 数日前よりニュース等で危険性を報道されていた程の台風であり、備える人も多数いた程 そこにゆっくり暁本人が同日17 47より「台風19号美味しいよ モグモグ」というタイトルで配信を始めた 現在はタイトル変更済み 生放送→https //youtu.be/lHeH_SmXq5o 言論統制 自分に意見する人はブロック&削除、通報すると公言している。 「ゲームの音量が大きくて声が聞こえづらいです」「誤字してます」 などの意見は全部アンチとみなされ削除対象となる。 この頃は批評に対して素直に反省し次に活かすコメントも残している(2017/07/01) アンチを過剰に気にする姿勢は昔からの様子 トラブルを起こした時の対応 https //archive.is/xHt4R https //archive.is/9UQYj https //archive.is/kUn7F LINE、twitterブロック、ゲームフレンド削除 https //archive.is/bgkOd 追求されるとTwitter等で「迷惑かけて申し訳ございません」「自●します」 具体的に自分の何がどう悪かったのかはおそらく理解しておらず、トラブった肝心の相手とは話し合わない、謝らない。 自●や自傷を自身に対する批判を封殺するための武器にしている節があり批判の原因となっている その後新たにフレンドを集い、精神病ゆえに上記の行動を繰り返す。 トップへ 罹患していると考えられる病気 現在診断書等のはっきりしたソースは無し 魚拓『いままでの経緯と うつ病について 私が喧嘩や口悪い理由』 https //archive.is/Mhkjk 写っているオランザピン錠5mg「杏林」の効果・効能より 統合失調症 双極性障害(躁鬱) + ヤブ医者? 記憶喪失と自殺願望が激しい日々 記憶喪失のほうはうつ病 か 若者何とか?って病気の症状ににてた どちらにしろ ストレス 病院は28日に行くですが 前に、いったとき何ともないで返された気がするが https //archive.is/NtS2T 病院行きました 記憶無くなるわ、気分が落ちすぎて 大変なんですよねと伝えた 薬飲んでも戻らない お医者さんから回答 いつもの薬飲んで下さいね のみ ヤブ医者め https //archive.is/ZCm90 支離滅裂な言動 自分の意見を持てて発言できる人を排斥し、一人に対し多勢で戦争をけしかけようとした人間がリツイートする内容ではない。 記憶障害 ツイートに記憶がない、消えた等の発言が見られるが、別れたFさんの件を2年弱覚えていた事から疑惑が残る。 さらなる疑惑 4年近く前のドラゴンズドグマでの喧嘩を覚えている。 元? トップへ
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ゆっくりClose Air Supportしてね! ※※※前フリ長くて申し訳ない※※※ 「きょうもゆっくりしようね!」「ここはさいこうのゆっくりポイントだね!」 ゆっくりがゆっくりできるかどうか以外にはさほど関心を持たないのはよく知られている。 ここにいるゆっくりの大群もまったくその通りで、食料がたくさん存在し天敵がいないこの地に満足し、ゆっくりしていた。 この群れはもともと数は多くなく、5匹ほどのゆっくりのグループが数を増やして形成したという経緯がある。 3ヶ月前、この地にやってきた5匹は昨日まで住んでいた森とは様子が違う木々に初めは戸惑っていたものの、 ゆっくりするのに十分以上の条件が整っていることが分かるとここを安住の地とし爆発的に数を増やした。 ゆっくり達は、時々仲間が消えるものの(川に落ちたんだろうと考えた)天敵のいないこの地におおむね満足し、最高のゆっくりポイントとした。 これからこの地はゆっくりの楽園となるだろう、そうゆっくり達は各々考えていたのだが… よく晴れた朝、ゆっくりれいむはここに住むようになってから妙にふやけるようになった皮を揺らしつつ、 朝食を求めて背の低い木を掻き分けていた。 「ゆっくりーとまっててねー♪」 やっと見つけた朝食候補に喜びをあげるれいむは舌をゆっくりと伸ばして捕食を試みる。 故郷の森では見たことが無い蝶だったが空腹の前にはそんなことはどうでも良かった。 と、そのとき。爆発音が響き木々を揺らす。 「ゆっ゛!?」 反射的に音源へと警戒態勢を取った。(といっても体を向けるだけだが) 近くで物体が動いたことに気が付いた蝶は当然逃げてしまう。 「ゆぅぅぅぅ…」 今日初めての食事は昼食になりそうだという事に残念がるれいむ。 気を取り直して音源のほうを見ると「鳥」が緑の中へと吸い込まれていくところだった。 ゆっくりれみりゃやゆっくりフラン、つまり自分達に危害を加える飛行物体には注意を払うゆっくりだが、 そうでない飛行物体、すなわち鳥や蝙蝠に普通は関心を持たない。 だが、れいむは自分の食事が台無しにされた事に腹を立てており、その抗議をしてあわよくば食料を手に入れるため、「鳥」が落ちたほうへと向かっていった。 さきほどの爆発音で同じ方向を見ていたゆっくりたちが、れいむの行動を不思議がって後を付いてくるのに気が付かずに。 幸か不幸か目的地は川のこちら側だった。(向こう側なら早々に諦めていつもの生活に戻れただろう。) 「鳥」が落ちたと思われる場所に到着したことでれいむ達の生活は永遠に変わってしまった。 生まれつきの警戒心があるれいむは、いきなり目的地(ちょうど木の密度が薄くなって広場のようだった)に出て行くことはせず、茂みを通してその場所を観察した。 そこにいたのはニンゲンだった。 見たことも無い妙な服を着ていたが体つきや顔からして間違いなくニンゲンだった。 「ゆっ、ゆっくりしていってね!」 れいむは故郷で何度か人間に殺されそうな目に合わされていたが、生物としての自己防衛反応のためかその事をすっかり忘れており、 食事の落とし前をどうしてくれようという気持ちで茂みから飛び出していった。 その割には第一声がまったくその気持ちを感じさせない物だったが。 だが、そのニンゲンは全く無反応だった。 れいむの自己に都合の良い記憶によればこのセリフを聞いたニンゲン何らかの反応を示すはずだが、 目の前の疲れきった顔の男は二つの目でれいむを注視するだけだった。 「ゆっくりしていってね!!」 今度はゆっくりの模範ともいえる声と顔で挨拶をするれいむ。 だが、男はやはり無反応だった。 「「「ゆっくりしていってね!!!」」」 三回目の挨拶は偶然にも合唱となった。 れいむを追いかけてきたゆっくりたちがこの段階で追いつき、いっせいに挨拶をしたのだった。 「いっしょにゆっくりしようね!」「このひとはいっしょにゆっくりできる?」 「あさごはんたべようね!」「ゆっくりしたいよ!」「にんげんだ!にんげんだ!」 「いいからかえってゆっくりしようね!」「ここでゆっくりしたいよ!」 れいむと他のゆっくり達が一斉に会話を始めて広場は騒然とする。 男は相変わらずれいむを見ていた。 ウィルソン・フォード中尉は混乱していた。 ちょっとしたミスから十字軍の名が付いた愛機を落とされ、かろうじて脱出してここに降り立ったがパラシュートが木に絡まって動けず何とか切り離す、 そこまでは自分が知っている知識の範疇の出来事だった。 ──だが、こんなに妙な丸っこい生命体が生息しているなんて聞いてないぞ! 最初の丸いのが茂みから飛び出してきたとき敵かと思い拳銃を構えたが、少なくとも敵ではないと分かり今は下ろしていた。 あまりの驚きからその場所で固まった彼は、後からどんどん増える丸い物体のお仲間に圧倒されて動くに動けないでいた。 こんな生き物が生息する地域に入ったらどんな目に遭うか分かったものではなかった。 幸いにもここは友軍基地に近く、救援はすぐに来ると思われたので何とかなるだろうという目論見もあった。 そこまで考えたところで丸い連中がいよいよ騒がしくなってきた。 「YUKKURISITENE!!」「YUKKURISITEITTENE!!」 やはり意味は分からない。響きから日本語かと思ったが(日本に駐留した事がある友人のおかげだ)彼には日本語に関する語学能力は無かった。 あまりに騒がしいとそれで敵がやって来るのは明白なので、彼は丸い連中を黙らせようと試みた。 「君達、少し静かにしてくれるかな?」 「YU?」「WAKARANAII WAKARANAIYOO!」「YUKKURISHABETTENE!!」「TIIIINPO!」 当然だが通じなかった。 こんな妙な物体と会話を試みた自分の頭が心配になってきた彼は、ここにいるとそろそろ本格的に危険だと考え、友軍基地の方角を確かめて歩き始めた。 「STOP! PLEASE!STOP! DANGER!」 「ゆっくりあるいてね!」「いっしょにゆっくりしようよ!!」 なるべく単語を減らして意思の疎通をこころみる男の努力も空しく、 意味が理解できない言語を投げかけられたゆっくりたちはますます彼に興味を持って後をつけるようになった。 彼は追跡者を振り切ろうと足を速めるが、障害物が多いため思うように進めない。 男とゆっくりの珍道中はしばらく続いた。 いい加減ウンザリしてきた中尉は怒鳴りつけて追い払おうと丸い連中のほうを振り返った。 何か相手をしてくれるのかと期待に満ちた目を向けてくる連中の向こうで何かが動いた。 ついに恐れていたほうの追跡者が来たのだ。 「クソッ!!」 もはや形振りかまっていられない為、直ちに全速力で逃走に移る。 それを丸い連中も何匹か脱落させつつ全力で声を上げつつ追いかけ始め、恐ろしいほうの追跡者がそれを追いかけるという形になった。 「YU!!…」「YUGUEEE!」 脱落したヤツが踏まれて断末魔を上げているのが聞こえたが、それにかまわず彼は走り続けた。 「おい!こっちだ!速く来い!」 「いいぞ、もう少しだ!頑張れ!」 目の前に現れた友軍の救出部隊が射撃しつつ声を張り上げる。もう少しだ。 そして、ついに友軍の後ろへと飛び込む。 「良く頑張った!フォード中尉! 悪いがもう少し待ってくれ!連中を片付け…なにっ!?」 労いの言葉を掛けてきた隊長と思しき人物が、こちらに全速力で向かってくる丸い連中と追跡者を見て途中で発音をやめる。 途中で丸い連中を踏んで混乱し、さらには銃撃を受けたためかかなり距離が離れていた。 背の低い丸い連中には弾が当たらず、弾幕の下でまごまごしているのが見えた。 突然の出来事で混乱しているのだろう。 こっちに来いと声を上げてみたが、意思の疎通はやはり不可能でやっぱりまごまごしていた。 『こちらスワローテイル。派手にパーティ中らしいからウェイターを連れてきたぞ。』 通信機から声が漏れていた。航空支援で追跡者を吹き飛ばすのだろう。 『お客の位置を知らせてくれ、でないと注文を取りにいけん。』 「俺達より北の連中だ!いま発炎筒を投げる!」 前線航空統制官の要請に隊長が答える。 直ちに指示が出され、赤い煙を上げる棒状の物体が追跡者のほうへと投げられた。 危険を感じ取った追跡者が撃たれながらも無理に接近しようとするが、丸い連中が邪魔で思うように進めなかった。 「赤い煙の辺りだ!派手にブチかませ!」 『了解した。 …確認した、今ウェイターを送る。コールサインはヴァイパーだ。』 『こちらヴァイパーリード。お客は確認した、今から料理を送るぜ!』 統制官の返答の後、パイロットが今度は答えた。 音が辺りに響き始め、あっというまに木々を揺らさんばかりの轟音となる。 ターボ・ジェットの音が耳を破壊するかどうかというほど大きくなったとき、上空を影が通過した。 ニンゲンは恐ろしい。れいむはそう思い始めていた。 あの妙なニンゲンに付いていったら仲間が次々と踏まれ、初めは100を越えようかという勢いだったゆっくりは50以下にまで減っていた。 「わ゛た゛し゛のあか゛ち゛ゃんか゛あ゛ああ!!」「おちついてゆっくりしてね!!」 「まりさ゛あ゛ああな゛んて゛え゛えええぇぇ」「そんなと゛こ゛ろて゛ゆっくりし゛ないて゛ええぇぇ!」 地球と同化した仲間や家族のほうを見たゆっくりが泣き叫んでいる。 今のところニンゲン同士で争っているみたいだから安全だけど、いつ矛先がこちらに向くか分からない。 そこまで考えたれいむは逃げ出すタイミングを伺っていた。 冷静に考えればゆっくりの身体なら這いずって逃げれば弾など頭の上を通過していくだけなのに、 小豆ペーストの脳ではそこまで思い至らないのは流石ゆっくりといったところだろうか。 そうこうしているうちに轟音が聞こえてきた。あの「鳥」がいると聞こえる音だが、いつもとは大きさが段違いだ。 何だろう?そう思ったれいむが音のほうを見ると、空中に丸い物体が浮かんでいるのが見えた。 その物体が何か考える間も無く、れいむの一生は幕を閉じた。 群れから脱落しつつ幸運にも踏まれること無くいたゆっくりまりさは恐ろしい物を見てしまった。 絶え絶えの息を整えつつ、先行した仲間達のほうを見るとちょうど轟音が聞こえてきた。 続いて何かが風を切るような高い音。 れいむと同じように疑問に思ったまりさは音のほうを観察する。 その瞬間、れいむ達と追跡者のニンゲンのあたりで爆発が起きた。 ニンゲンだったものやゆっくりだったものが高く放り上げられ、こちらにもそれが飛んできた。 あまりの事態に口をあんぐりと開けていたまりさだったが、その口にチビれいむが飛び込んできた。 あわてて吐き出すまりさ。チビれいむだけでも助かって良かったと思い始め、仰向けに寝転がる彼女をゆすりだす。 「ゆ゛っ!ゆ゛っ!おき゛て゛よ!いっし゛ょにゆっく゛りし゛ようよ!」 いくらゆすっても起きないのでより強くゆするまりさ。 その拍子にチビれいむがごろんと転がる。 「ゆ゛っ!ゆ゛う゛う゛ぅ゛ぅ゛!!な゛んて゛え゛え゛え゛ええ!!!」 チビれいむの後頭部は存在しなかった。代わりに残り少ない餡子が露出しており、顔の裏側が一部露出していた。 そういえば魔理沙の額にくっ付いている物体、これはこの子の一部じゃないのか。 「ゆふ゛ェッ゛!オ゛ェッ゛! ケ゛ヒ゛ュう゛!」 あまりにショッキングな事態にまりさは餡子を吐き始めた。 良く知られているように、餡子を吐き始めたゆっくりはまず助からないといわれる。 自制心が少ない生物の為、とちゅうで体調を持ち直して吐くのをやめる前に体内の餡子を出し切って絶命してしまうゆっくりが非常に多いためだ。 このゆっくりまりさも死へのマラソンをひた走り始めた。 だが、恐ろしい光景はこれで終わりではなかった。 爆弾の破片が体中に刺さって絶命寸前、仲良くぐったりと寝転ぶゆっくりとニンゲンの上からさらに何か落ちてきたのだ。 今度の物体は空中で何か液体を撒き散らしながら落下、液体はただちに発火してかろうじて生き残った生物を焼き始めた。 「やめ゛へ゛フ゛ッ!! にけ゛ヘ゛ェ゛ェ゛ェ゛ェ゛!!!」 こんな状態だというのに仲間達を気遣うまりさ。 真にたたえられるべき仲間意識だったがそれは全くの無駄に終わった。 まりさの悲鳴といってよい警告に気づいた何匹かのゆっくりが地面を転がって消火しようとしたが、ナパームの特性上それは無意味な行為だった。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!」 火達磨になったゆっくりたちが断末魔を上げながらもてる力を持って走り回る。 体中のナパーム燃料を撒き散らしながらのため、周り中の木という木に火が燃え移り、典型的な地獄を現出させていった。 ゆっくりは一匹、また一匹と力尽きていき残ったのは炎を上げる黒い炭素の塊だけだった。 「エヘ゛ッ゛!エヘ゛ッ゛!エ゛ヘ゛ッ゛」 火が静まる頃にはまりさもとうとう吐ける物を吐きつくして妙な空気音を上げる塊と化していた。 最後に「ゆっく゛り゛…」と呟いてまりさは動かなくなった。 「いい腕してるな、流石だ。全部きれいに吹き飛んだぞ!」 『ありがとう、悪い気はしないぜ!それじゃこっちはカンバンなんで帰るな!ヴァイパーリード、オーバー。』 『こちらスワローテイル。迎えが来るまでは上をカバーしておこう。いつでもモニターしてるから、何かあったら呼んでくれ。』 ターボ・ジェットの音が遠ざかっていき、後に残ったのは微かに聞こえるプロペラの回転音となった。 このようにしてれいむについて行ったゆっくりが悉く帰らなかった為、楽園のゆっくりは激減してしまった。 だが、残されたゆっくり達は連中のことをすぐに忘れ、減った分を穴埋めするかのように繁殖に勤しんだ。 食料は十分で天敵に怯える事が無く、仲間がたくさんいる生活をゆっくりたちは楽しんだ。 ここは楽園などではない事を知らずに… フォード中尉は無事に原隊復帰できたが、ジャングルで出くわした日本語のような言語を操る謎の生命体の事を話しても誰も真に受けなかった。 そのうち彼自身もその事を忘れ、ヴェトナムで任務に精励し続けた。 ある日、彼は妙な命令を受けて飛んだ。 「ジャングルのこれこれこういう地点を空軍と共同して爆撃せよ」という命令だったが、 その地点にはヴェトコンなど明らかにおらず、戦略的価値も無かった。 強いていえば野生のバナナなど「食料」が多いぐらいだが軍事的な意味は到底あるとは思えなかった。 彼は任務に忠実な軍人であるので命令に従って愛機を駆った。 やがて迫り来る爆撃目標地点で彼が見たものは… ────────────────────────────────────────────────── B-52で爆撃するつもりがF-105で航空支援してた\(^o^)/ おまけに虐待でも制裁でもなくてごめんなさい。 by sdkfz251
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初日 「ゆっくりしていってね!!!」 最近、このような鳴き声をよく耳にする。 ゆっくりとか呼ばれるそれは、ここ数ヶ月で幻想郷のあちこちで見るようになった謎のナマモノだ。 「ゆっくりしていってね!!!」 食用や愛玩用やストレス発散用、果ては性欲処理や衣料品にすら使われている。 種類によって特徴は異なるが、総じて知能は低く傍若無人。 「ゆっくりしていってね!!!」 甲高い声で常に大騒ぎする上田畑を荒らす事もあるので嫌っている人間も多い。 かくいう俺も、そんなゆっくりが大嫌いだ。 だがその理由は上記のものではない。知能が低かろうが大声で騒ごうが、そんな事は瑣末な問題だ。 「ゆっくりしていってね!!!」 俺が一番気に入らないのは奴らが常に他人に『ゆっくりする』事を要求している事だ。 全く気に入らない。生物か無生物かすらよく分からんようなナマモノの分際で人間様に命令するなんて。 そんな訳で野生のゆっくりをこの俺直々にゆっくりさせてやる事にした。何て親切なんだ俺。 「ゆっくりしていっt「ゆっくりしろぉ!!」 先程から散々騒いでいたそいつに、いきなり怒鳴り返してやる。 物凄く驚いたようで、目が白くなっている。歯茎まで見せ付けて気色悪いったらない。 「ゆっk「ゆっくりしろよぉ!!」 このように、人様にゆっくりさせようとする度にゆっくりさせ返す。 この必殺ゆっくり返しを続ければ、いくらクサレ脳味噌の奴らでもゆっくりしろ等とは言えなくなるだろう。 「y「だからゆっくりしろっつってんだろ!!」 ゆっくりブレインでも俺の鞭の愛を理解できたのか、壁の隅で感極まってブルブル震えている。涙まで流して、可愛い所あるじゃないか。 その日はもう喋らなかったので普段通り過ごす。 二日目 「ゆっくりしていってね!!!」 ゆっくり達の朝は早い。日の出と共に起き、とりあえず寝ている奴を片っ端から怒鳴って起こす。 何とも不快な習性だ。目覚まし時計よろしく壁に叩き付けて粉砕してやろうかと思った。 だがいけない。今の俺は愛の調教師。自分がやっているのは悪い事なのだと、こいつに教えてやる使命がある。 「ゆっくりs「ゆっくりしろモーニング!!」 朝の挨拶と調教を兼ねた、我ながら素晴らしい文句だ。寝起きの頭脳は時々こういう奇跡を起こすから面白い。 朝食を食べる頃には、何故あんな間抜けな台詞に感動したのか自分でも理解に苦しんだが。 「ゆ゛っ……ぐい゛……じで……っでね!!!」 呆れた事にこいつは食事中(芽が伸びまくってしまったジャガイモ)もこの台詞を吐いていた。 何という傲慢さ。これは思った以上に手強い相手だ。 「ゲフゥッ…ゆっくりしていtっ「ゆっくりしろ!!」 また顔が固まっている。いちいち面白い顔をするのはいいが、本当に理解しているのか疑問だな。まぁ、何とかなるだろう。 今更ながら付け加えると、うちのお隣さんまでは徒歩二十分かかるので安心だ。聞かれたら流石にヤバいし。 その後も四回ほど怒鳴りつけてから仕事にかかる。今育てているのはトメィトゥだけだ。 俺は親が莫大な遺産を残してくれたおかげで、好きな野菜を栽培しまくるという農家的に最大級の贅沢ができている。 去年は畑一面スウィートポテイトゥ祭りだった。 奴ら三日周期で収穫できる上一個120Gで売れるからつい植えすぎて大変な事になるんだよな。ウハウハだけど。 それはともかく紐で目の届く所にゆっくりを縛り付けてお仕事お仕事。可愛いトメィトゥに愛情たっぷりだ。 日が傾く頃には作業も終わった。その間ゆっくりさせた回数実に四十五回。喉がいてえ。 ゆっくりの紐を解き、家に連れて帰る。流石に反省したのか、家に入ってもぼんやり虚空を見つめている。 自分の夕食を済ませてからエサを与え(畑に生えていた雑草ども)風呂に入れる事にする。 エサを食ったら反省が消し飛んだのか、反抗的な目でこちらを睨んでいる。 「どうしたんだゆっくり。風呂に入れてやるからさっさと来い」 「ゆっくりしていっt「ゆっくりしろよ!!」 もう何が何だか。固まってる隙に風呂場に運び、湯をかけて全身をたわしで洗い、湯船に放り込む。 ゆっくりは綺麗好きというのは本当だったようで、先程までの反抗的な目はどこかへ行き、泣きながら俺に感謝していた。 「ゆっく…ゆっぐりじでいっ「ゆっくりしろ!!」 「ゆくくっくりじd「ゆっくりしろ!!」 風呂が気持ちよくてはしゃいでいるのか何度も何度も怒鳴らせられる。まだまだ調教が足りないな。 百数えてから湯船から引っ張り上げ、水を入れて湯を冷ましてから浸かる。 風呂はいいなぁ。人間の生み出した文化の極みだよ全く。ゆっくりが感動のあまりゴロゴロ床を転がって呻くのも良く分かる。 三日目 小鳥の囀りと共に目が覚める。布団の中を見るとゆっくりは起きていた。 起きていても騒がないとは、どうやら調教が効いてきたようでほっとする。 またあの雑音で起こされたら今度こそ壁を汚しそうだったしな。 だが朝の挨拶は大事だ。とりあえずゆっくりさせてから着替えて朝食を摂る。 食後歯を磨きながらゆっくりのエサ(昨日切った爪と壁を這っていた女郎蜘蛛)を与える。 今までのような汚い食い方ではなく、静かにゆっくりと食べていた。調教の成果に満足する。 だがまた忘れてはいけないので、特に何も言わないゆっくりをゆっくりさせておく。 またゆっくりを縛り付けて仕事に入る。昨日と違って随分静かで良い事だ。一時間に一回ゆっくりさせておく。 仕事を終え、ゆっくりを解こうかと思っていると野生のゆっくりが俺のゆっくりの傍にいた。 「ゆっくりしていってね!!!」 「…………」 「ゆ?ゆっくりしていってね!!!」 「…………ゆぅ……」 追い払っても良かったが、調教具合を確かめたかったので事の成り行きを見守る事にする。 「ゆっゆ。ゆっくりしていってね!!!」 「…………」 その後も野生のゆっくりは何度もがなり立てていたが、すっかり更正した俺のゆっくりは殆ど反応しなかった。 やがて飽きたのか、野生のゆっくりは俺のゆっくりの顔に一度体当たりしてからどこかへ行った。 俺の所有物に手を出すとは全くもって許せんので、帰る前にそいつを捕らえて鍬で潰しておく。 紐を解いていると何やら言いたそうにこちらを見ていたが、先回りしてゆっくりさせるとまた虚空を見つめていた。 その日のゆっくりのエサは夕方潰したゆっくりだった。 意趣返しをした主の俺に涙を流して感謝しつつゆっくりと食事するゆっくり。そんなに感謝されると照れるぜ。 とりあえずゆっくりさせてからハイパー風呂タイム。 昨日は男らしいちょい熱めの風呂だったので今日は温めに湯を沸かす。 タワシで洗ってからゆっくりを湯船に入れてやり、俺も体を洗ってからゆっくりを上がらせ湯を沸かして入る。 ゆっくりは温めの湯も気に入ったようで、ガチガチブルブル震えて俺に目で感謝していた。中々殊勝なのでゆっくりさせてやった。 風呂から上がって床に就く。そういえば今日はこいつ一度もゆっくりさせようとしなかったな。良い事だ。 四日目 今日も静かなグッモーニン。今日も騒いで起こさなかったゆっくりを誉めてやろうと思い、布団をめくると。 ゆっくりは干からびて死んでいた。 慌ててもしょうがないのでいつものように食事を済ませて仕事をする。 午前中で仕事を切り上げるとゆっくり加工所に連れて行く。あそこは最近ちょっとしたゆっくりの怪我等も見るらしい。 「朝起きたらこんな物が転がっていたんです。一体何なんでしょうかこれは?ゆっくりなのは分かるんですが…」 「これはゆっくりの死骸のようですが…しかしこの様な死に方は初めて見ます。解剖して調べてみても宜しいですか?」 「ええ、勿論です。別にペットとかいう訳でもないですし」 「そうですか。では、大した額ではありませんがどうぞ」 「これは?」 「ほんの気持ちです。変わった死に方をしたゆっくりを標本として提供してくれた方にお支払いしています」 「そうなんですか。どうもありがとうございます。では私はこれで」 「ええ。またおいで下さい」 珍しい死に方とか言っていたが一体何なんだろうな。その内聞きに行くとするか。 家に帰ると、野生のゆっくりが数匹飛び掛ってきた。何だ何だ。俺はゆっくりに恨みを買うような覚えは無いが。 饅頭が飛び掛ってきた所で痛くも何とも無い。とりあえず全て踏み潰しておいた。 また一匹捕まえて調教しようかとも思ったが、これ以上やると喉を痛めそうなのでやめておく。 ゆっくりは肥料にもなるらしい。とりあえずよーく潰してから畑に撒く。 また仕事をして、夕食を食べ風呂に入って寝る。 ゆっくり調教生活も今日で終わりだ。お疲れ様でした俺。 後日聞いた話だが、何でもあのゆっくりの死因は『ゆっくり欠乏症』とか言うらしい。 何らかの原因で長期間ゆっくりできずにいるとああやって死ぬんだとか。 俺がもっとゆっくりさせてやればあいつは長生きできたのだろうか。 そんなどうでもいい事を考えながら、今日もトメィトゥ達に愛を注ぐ。 TOMATO END 選択肢 投票 しあわせー! (8) それなりー (2) つぎにきたいするよ! (0) 名前 コメント すべてのコメントを見る
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涼やかな風が、赤色に染まった木々の間を吹き抜けた。 全てを焼き尽くすかのような太陽の熱も鳴りを潜め、夜と月の時間が復活を遂げる。 外の世界も、幻想郷も、四季の移り変わりに変化は無いのだ。 暑かった夏が終わり、季節は秋。 紅葉が風に乗って舞い散る様は、この季節独特の風情を感じさせる。 芸術の秋。 運動の秋。 食欲の秋。 夏の暑さに体力を奪われた者たちも復活し、活動を再開させた。 そしてそれは、人間に限った話ではない。 木陰でじっとしていた動物たちも、秋に生る果実目当てにその姿を見せた。 狐や狸、他にも愛くるしい小動物たちが人々の目に触れる。 同じように、野生に住まうゆっくりたちも、気温の下降と共に元気を取り戻すのだった。 「「「ゆっくりしていってね!!!」」」 澄み渡る秋空に、ゆっくりたちの声が重なり合う。 夏の間は少数だったその声も、秋の始まりと共にその数を少しずつ増やし始め、今では見事なまでの唱和となった。 夏は暑い。 それは人間も妖怪も動物も、そしてゆっくりも基本的に変わらない。 あまりに暑い太陽の日差しは動き回る元気を減少させ、水分の損失を防ぐために日陰でじっとしていることが多くなる。 だがゆっくりはその名前と違って動き回ることが大好きであり(大人になるとじっとしてゆっくりするのも好ましくなるが)、フラストレーションが溜まってしまう。 だから夏が終わり、秋になって涼しくなると、今までの積もり積もったストレスやら何やらを吹き飛ばす勢いではしゃぎまわるのだった。 「むきゅー! みんなたのしそうでいいわね!」 ここにいるゆっくりぱちゅりーも、そんな陽気に誘われたゆっくりの一匹だった。 ぱちゅりー種は知っての通り、ゆっくりという種族の中で身体が極端に弱い。 激しい運動は当たり前として、ちょっとした衝撃や、吃驚するような事態に遭遇しただけでも気分が悪くなったり、疲れて息が切れたり、吐いてしまうことすらある。 そんなぱちゅりーではあるが、動くのが嫌いというわけではなく、むしろ好きである(ゆっくりなのだから当たり前の話ではあるが)。 軽い運動程度ならこなせるので、跳ねることは出来ないがずりずりと歩き回ったり、他のゆっくりたちが元気良くはしゃぎまわっているのを見るだけで、とても幸せな気分になれた。 彼女たち風に言うのなら、とてもゆっくりしている、ということだろう。 夏の暑さに特に参っていたぱちゅりーは、開放感に満ち溢れていた。 「ぱちゅりー! いっしょにどんぐりさがそうよ!」 「ぱちゅりーがいてくれれば、ひゃくにんりきだね!」 と、そこにぱちゅりーの友人である二匹のゆっくりが、ぴょんぴょん飛び跳ねてやって来た。 ゆっくりれいむとゆっくりまりさである。 二匹はぱちゅりーを間に挟んで、親しげに頬を摺り寄せた。 ゆっくり種特有の行動である、親愛の表現だ。ぱちゅりーは嬉しくなって「むきゅー!」と鳴いた。 前述のようにぱちゅりー種は体力が極端に低く、地面に落ちている木の実などを拾ってくることすら辛い作業であり、狩りをするなど論外の域にまで達するほどだ。 だが、ぱちゅりー種が役立たずとして爪弾きにされないのには、理由がある。 ぱちゅりー種は先天的に知能に優れているのである(ただし、ゆっくりとしては、だが)。 ゆっくりは基本的に愚者であるため、餌を効率的に採取する方法や罠の作り方、外敵である捕食種や人間たちからの逃走方法に明るいぱちゅりー種をとても尊敬していた。 だからゆっくりたち――特にまだ若いゆっくりは狩りに出かけるとき、こうしてぱちゅりーを誘うことが多いのだった。 「このきせつなら、どんぐりだけじゃなくておいしいおやさいもたべれるわ!」 「ほんとう!?」 「ゆゆーん♪ やっぱりぱちゅりーをさそってよかったよ!」 嬉しそうな顔を浮かべるれいむとまりさ。既に自分たちが大量の収穫をした後のような気分になっているのだろう。 ぱちゅりーも、二人がそんな顔を見せるのはとても幸せなことだった。 これからも、ずっと一緒にゆっくりしたい…… ぱちゅりーは幸福に満たされながら、そろそろ出発しようと声をかけようとした。 「むきゅ! そろそ」 「ゆ……? なにかきこえない……?」 「ゆゆ……ほんとだ、へんなおとがきこえるね」 「……むきゅ?」 だが、れいむとまりさが不思議そうな顔で周囲を見渡したのに遮られた。 つられて、パチュリーも耳を澄ませてみる。 肉体こそ脆弱だが、感覚器官は他のゆっくりに劣っているわけではない。 程なくぱちゅりーも、地響きのような振動音を感じ取った。 「ぱちゅりー、なんなのこれ?」 「わ、わからないわ……」 分からないが、何だかとても嫌な予感がした。 自分の餡子に眠る、ゆっくりという種族の遺伝子が警告しているような…… 見ればぱちゅりーたちだけではなく、周囲にいた他のゆっくりたちも不安気な様子で騒然としていた。 「ゆゆっ、なんだろうね?」 「これじゃゆっくりできないよ……」 「ゆえーん! おかあしゃーん!」 中には事情も分からぬまま、異様な雰囲気に飲み込まれて泣き出してしまった赤ゆっくりもいた。 比較的落ち着いている年齢を重ねたゆっくりが慌ててあやしているが、その光景はゆっくりたちの不安を増幅させただけだった。 何が起きているのか、分からない。 分からないが、何故かこのままだといけないような気がする。 「ゆっ!? なにかくるよ!?」 と、その時、一匹のゆっくりれいむがある一方を見て叫んだ。 その場にいた全てのゆっくりが、その視線の先に瞳を向ける。 ぱちゅりーは木々の奥に、何かゆらゆらと揺らめく黒い靄のような影を見た。 「むきゅ……? なにかしら、あれ……」 その正体を確かめようと、じっと目を凝らす。 すると。 ほどなく、その影の正体が、判明した。 「いだわっ、がわいいゆっぐりだぢよ゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉぉぉ!!!」 「どがいはのあ゛り゛ずだぢがかわいがってあ゛げる゛わ゛あ゛あ゛あぁ゛ぁぁぁ!!!」 「んほぉぉぉおおぉおぉぉおおぉぉ!!! いっじょにぎもぢよぐなりまじょうね゛え゛え゛え゛ぇ゛ぇ゛ぇぇぇぇぇ!!!」 それは。 ゆっくりと呼ぶには、あまりにも汚く、醜く、荒々しい。 透き通るような金髪をかき乱し、蝶よ花よと詠われる顔を欲情で真っ赤にさせ。 目を血走らせ、涎を垂らすままに、鬼気迫る表情で歓喜に打ち震えながら疾走する。 発情した、五十匹を超すゆっくりありすの集団だった。 ゆっくりの繁殖は主に春と秋の初めに行われ、冬はもとより夏にもあまり行われない。 その理由は簡単、繁殖のための交尾の後、ゆっくりは酷く水分を消耗するのだ。 人間と同じようにゆっくりたちも生きるために水分を必要とする。 水分がなければ干乾びてしまい、やがて死に至るからだ。 夏の気温はゆっくりたちを消耗させ、汗をかかせる。 その上更に交尾して水分を失ってしまったら、新しい命を紡ぐどころか自らの生命が終わってしまう。 種の存続のため、ゆっくりたちは余程の愚者でもない限り夏の繁殖は避ける傾向にあった。 だが、その為に過度の精神的不可を溜め込んでしまうゆっくりがいた。 ゆっくりありすである。 普段はゆっくりぱちゅりーに次ぐ理知的な存在であり、その美貌で数多のゆっくりの好意を一身に集めるゆっくりありす。 だが、そんなゆっくりありすには呪いとも呼ぶべき恐ろしい本能があった。 性欲である。 一度発情したゆっくりありすは、普段の都会派っぷりはどこへやら、化け物と見紛う恐ろしい形相で誰彼構わずゆっくりに襲い掛かり、強引に繁殖を迫る。 その際、本当にゆっくりなのかと疑いたくなるような身体能力を発揮し、一度捕まってしまったら脱出を許されず、死ぬまで犯されるはめになる。 発情したゆっくりありすの通った後には、茎を大量に生やして黒く朽ち果てたゆっくりの死体と、生まれた瞬間から犯されて死んだ赤ちゃんゆっくりの死体しか残らないとさえ言われているほどだ。 そのため、ゆっくりたちの中にはありす種を徹底的に排除する集落まで存在する。 善良なゆっくりありすにとって迷惑極まりないことではあるが、それほどまでに発情したありすは恐ろしいのだ。 しかしそんなありすも夏の間は自らの発情を抑える傾向にある。 当然だ。いくら何匹のゆっくりでも相手出来る性欲魔人とはいえ、真夏の炎天下で交尾を続けていたら全ての水分を失って干乾びてしまう。 例外こそいくつかあれど、自らの命を守ろうとする本能が、夏の間だけありすの性欲を抑えているのだろう。 しかし夏を過ぎれば、溜まりに溜まった性欲が爆発する。 それが一匹だけならば被害も最小で済むのかもしれないが、何故かゆっくりアリスはこのような状況になった場合、徒党を組む傾向が見られた。 一匹だけでも恐ろしい存在が、無数に襲い掛かる。 ゆっくりたちは恐れ、戸惑い、一気にパニックへと陥った。 「ありすだぁぁぁぁ!!!」 「にげてぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」 「ゆっくりできなくなるよぉぉぉぉぉぉ!!!」 各自、滅茶苦茶な方向へ逃げ惑う。 懸命にぴょんぴょん飛び跳ねるその姿は、常にゆっくりすることをを是とするゆっくりとは思えないほど必死な表情。 ある意味、ゆっくりれみりゃなどの捕食種と相対したときよりも危機感を感じているのかもしれない。 「おいがげっごなんでじないで、わだしだぢどあいじあいまじょぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」 「ゆ、ゆーっ!? どうじでごんなにはやいの゛ぉ゛ぉ゛ぉぉぉぉぉぉ!!?」 だがゆっくりありすは、そんなゆっくりの速度を亀の歩みと言わんばかりの脅威的なスピードを発揮し、回り込んだ。 突然視界にドアップで映る、発情したゆっくりありすの醜い顔。 あまりの恐怖にゆっくりたちは一瞬動きを止めてしまい、その硬直した隙をゆっくりありすは見逃さなかった。 もっとも、発情したゆっくりありすの身体能力ならば、どちらでも結果は同じであっただろうが。 「んほぉぉ゛ぉ゛ぉぉ゛ぉ!!! ありずのあいをうげどっでぇぇぇぇぇぇ!!!」 「ゆ、ゆぎゃぁぁぁ!!? のっかからないでぇぇぇぇぇぇ!!!」 一匹のゆっくりれいむが、ゆっくりありすに圧し掛かられた。 体格は同程度。だが、れいむがどれだけじたばたしても振りほどくことが出来ない。 限界まで餅のように身体を伸ばして逃れようとするが、追いすがるゆっくりありすも同じように身体を伸ばして密着させてきた。 「はぁはぁ、ぞんなにあわでなぐでもちゃんとずっぎりざぜであげるがらぁぁぁぁぁぁ!!!」 「やべでぇぇぇぇぇぇ、ぎもぢわるいぃぃぃぃ!!!」 ゆっくりが交尾の際に分泌される特殊な粘液を背中に感じ、れいむは悲鳴を上げた。 激しく身体を擦られる感触が気持ち悪い。 交尾の経験がないれいむは未知の感覚にひたすら恐怖し、一刻も早くこの状況を打破しようと必死にもがいた。 このれいむは一週間前、ようやく親元から巣立ったばかりのゆっくりだった。 母や妹たちが見送る中、涙を呑んで家族に別れを告げ、少し離れた木の根元に居を構えた。 それから必死に巣の内部を拡張し、食料や生活に必要なもの、綺麗な石などを溜め込み、巣としての体裁が整ったのが三日前。 立派な家持ちのゆっくりとなり、やがて可愛いお嫁さんを見つけて子供を作り、ゆっくりとした幸せな家庭を築くはずだった。 そう信じて疑わなかった。 だが現実は、そんな小さな幸せをも奪った。 「い゛い゛っ、いいわ゛ぁぁぁ!!! はぁはぁはぁ、こども、だぐざんづくりまじょうねぇぇぇぇぇ!!!」 「やだぁぁぁぁ!!! ゆっぐりでぎなぃぃぃぃぃぃぃ!!!」 涙を諾々と流し、襲い掛かる暴力に抵抗しようとするれいむ。 だが身体はぴくりとも動かず、なすがままにありすの性交を受けてしまっている。 粘液の影響か、感じたくないのに段々と昂ぶっていく自分の心が嫌だった。 体内の水分が表皮に浮かび上がり、足元に水溜りを作る。 自分の身体がふやけ、それに反比例するかのように餡子が干乾びていくのが分かった。 「いいのね、ごごがいいのねっ!!?」 「やべでぇぇぇぇ!!! もうはなれでよぉぉぉぉぉ!!!」 「ぞ、ぞろぞろいぐっ、いぐわっ!!!」 「ゆぎぃぃぃぃぃ!!! だめぇぇぇぇぇぇ!!! ずっぎりじないでぇぇぇぇぇ!!!」 ありすの律動が早まる。そろそろすっきりするという合図だ。 れいむは本能的にそれを悟り、今まで以上に必死の形相で暴れだした。 だが、押さえつけるゆっくりアリスはびくともしない。 快感で見る者の生理的嫌悪感を催すような表情を浮かべながら、独り善がりの快楽を求めて振動を強めた。 「いぎまじょっ、いっじょにいぎまじょう!!!」 「い゛や゛ぁぁぁぁあ゛ああぁ゛ぁあ゛あぁぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁぁ!!!」 「んほおおおおおおおおおおおおおお!!! すっきりいいいぃぃいいいぃぃぃいぃいいぃぃぃぃ!!!」 「ずっぎりい゛や゛ぁ゛ぁ゛ぁぁぁぁぁぁ!!! ゆ゛ぅ゛ぅ゛ぅぅぅう゛うぅ゛ぅぅぅ!!!」 同時に絶叫。 ありすはこの世全ての幸福を手にしたような極上の笑顔で。 れいむは最大の苦痛と快楽を同時に受け、涙や涎でぐちゃぐちゃになった絶望の表情で。 凍り付いたように動きを止めるれいむ、やがてその額から、凄まじい速度で植物の蔦のようなものが生え始めた。 同時に黒澄むれいむの身体。 まだ若いれいむは、子供を生んで無事でいられる身体を持っていなかったのだ。 栄養の全てを蔦に獲られ、れいむは突然の運命を呪いながら、朽ち果てて絶命した。 「ゆっきゅりしちぇいっちぇにぇ!」 「ゆっきゅりしちぇいっちぇにぇ!」 蔦に生った三匹の赤ちゃんゆっくりたちが、声を上げて地面に落下した。 本来はもう少し大きな身体になるまで蔦から離れず、親の栄養を吸収する赤ちゃんゆっくりであるが、親が死んでしまった瞬間、蔦から生まれ出ずる。 既に親が死んでしまっているので栄養の供給が出来ず、少しでも早く餌を食べられるようにしようという生存本能なのだろう。 兎にも角にも、ありすのレイプによって生まれた赤ちゃんゆっくり――全てれいむ種――は、自分たちの親に挨拶しようと周囲を見渡し。 そして、未だ性欲覚めやらないゆっくりありすを視界に納めた。 「ゆっ、おきゃあしゃん?」 「ゆー♪ ゆっきゅりしちぇ」 「ありずのあがぢゃぁぁぁぁぁん!!! いっじょにぎもぢよぐなりまじょうねぇぇぇ!!!」 ゆっくりありすが飛び掛る。 生まれたばかりの赤ちゃんゆっくりたちは、ゆっくりすることを知らないまま、苦しんで死んだ。 「やべでぇぇぇぇ!!! まりざのごどもにひどいごどじないでぇぇぇぇぇぇぇ!!!」 別の場所では、割と大きな体躯のゆっくりまりさが、数匹のゆっくりありすに圧し掛かられながら滂沱の涙を流していた。 まりさの眼前では、彼女の子供のちびまりさやれいむたちが、同じように子供のゆっくりありすに犯されている。 その傍には、大量の蔦を生やして呻く、ボロボロの身体のゆっくりれいむ。 まりさの番であるれいむは、まだかろうじて生きてはいたものの、瀕死の重傷であった。 「だいじょうびゅよ、ありしゅにまかしぇちぇ♪」 「きょうやっちぇしゅりしゅりしゅると、とっちぇもきみょちいいにょよ♪」 「や、やめちぇにぇ! まりしゃたちをはにゃしちぇにぇ!」 「ゆえーん! おきゃあしゃーん!! たしゅけちぇぇぇぇぇ!!!」 赤ちゃんゆっくりありすに圧し掛かられ、振動を加えられている赤ちゃんゆっくりまりさたち。 皆、一様に悲鳴を上げ、母に助けを求めていた。 ゆっくりまりさはその悲鳴が耳に届くたび、何も出来ない自分の身を呪い、悔しさに心をすり減らす。 今すぐにでも、子供の下に駆けつけたい。 だが、自分を囲んで律動する三匹のゆっくりありすが、それを許すはずもなく。 「まりざぁぁぁぁぁ!!! ありずだぢのてぐにっぐでめろめろにじであげるわぁぁぁぁ!!!」 「はぁはぁ、まりざがわいいぃぃぃぃぃぃ!!! いっじょにずっぎりじまじょうねぇぇぇぇぇぇ!!!」 「さんにんどうじなんで、まりざっだらなんでづみぶがいゆっぐりなのかしらぁぁぁぁぁ!!?」 「やべでぇぇぇ!!! からだすりつけないでぇぇぇ!!!」 左右と後方からの振動に、ただ耐える。 既に何度かすっきりされたのか、額にはいくつかの蔦を生やしていた。 蔦には小さなまりさ種、そして自分を犯したありす種が、すやすやと気持ち良さそうに眠っている。 どうして、こんなことに…… ゆっくりまりさは朦朧とした意識で、過去を思い返す。 まりさとれいむは一ヶ月ほど前、餌を探しに出た森の中で出会った。 まりさが見たのは艶やかな黒髪を持つ美しいゆっくり、れいむが見たのは狩りが上手なかっこいいゆっくり。 二人はすぐに恋に落ち、一緒に暮らし始めた。 すぐにでも交尾したかったが季節は夏、炎天下でのすっきりは死の危険性が付き纏う。 だからまりさは誘惑を我慢し、れいむに手を出すことはしなかった。 そして先日、気温が下がり、秋が近付いたと確信した二匹は、ようやく子作りすることが出来たのだった。 蔦に生えた、愛の結晶。 小さなれいむとまりさが、生まれる日を夢見てゆっくりと眠っている。 れいむは家でおうたを歌ってあげ、まりさは子供の栄養も必要になったれいむのためにいっそう狩りに勤しむこととなった。 大変だったが、幸せに満ちた時間。 ついにその日がやって来て、生まれた子供が自分たちに向かって拙い声で「ゆっくりしていってね!」と言った瞬間、二人は感激の涙を流した。 あの時、二人は確かにゆっくりの絶頂にいたのだった。 「はぁはぁ、みょみょみょ、みょうしゅぐしゅっきりしゅるよ!」 「しゅっきりしゅると、とっちぇもきみょちいいにょよ♪」 「やぁぁぁぁ!!! やだぁぁぁぁぁ!!! しゅっきりちたくにゃいぃぃぃ!!!」 「みゃみゃー! たしゅけちぇ、みゃみゃー!!!」 「どうちてたしゅけちぇくれにゃいのぉぉぉ!!? おきゃあしゃんのばかぁぁぁ!!!」 子供たちの悲鳴が聞こえる。 助けてくれない自分をなじる声がする。 ごめんね、れいむ、まりさ。 まりさの意識は、闇の中へと溶けていった。 ぱちゅりーは、迫り来る暴力から必死に逃げようとしていた。 しかし、ぱちゅりー種は元来体力の低いゆっくり。 跳ねることが出来ず、這いずることしか出来ない速度では、やがて追いつかれてしまうだろう。 「ぱちゅりー、がんばってね!」 「ゆっしょ、ゆっしょ! ここをぬければきっとたすかるよ!」 それを支えるのは、友人のれいむとまりさだった。 二匹は両脇から挟みこむように陣取り、ぱちゅりーの背中を押している。 自分たちの命がかかっている中、このような行動を取るのは、なにも友達想いだからというだけではない。 二匹はぱちゅりーのことが好きだった。 いつか、どちらかを番に選んでもらおうと思っていた。 だからこうして、愛するぱちゅりーを見捨てず、背中を押しているのだった。 「む、むっきゅぅ……ふたりとも、ぱちゅりーをおいてにげて……」 そんな二匹に押されているぱちゅりーは、息も絶え絶えだった。 援護があるとはいえ、普段では到底出すことの出来ないスピードで走っているのだ。 脆弱な肉体は悲鳴を上げ、餡子を吐き出しそうになるのを必死に堪えている。 ありすに捕まりたくは無い。 だが、これ以上肉体に負荷がかかるのも耐えられない。 このままでは、れいむとまりさまで捕まってしまう。 自分が貧弱なぱちゅりー種であることを、ここまで恨んだことはなかった。 「なにいってるの! みんなでいっしょににげるんだよ!」 「そうだよ! がんばってにげて、いっしょにゆっくりしようね!」 だが二匹は元気付けるように微笑んだ。 ぱちゅりーは感極まり、嬉し涙を流す。 れいむとまりさはそれに気付き、そっと舌で涙を舐めとった。 「むきゅー……ありがとう、れいむ、まりさ……」 「さぁ、もうちょっとだよ、がんばろうね!」 「もうそろそろ、ありすたちも」 「いだわぁぁぁぁ!!! ごぉぉぉんなにがわいいゆっぐりだぢがざんびぎもぉぉぉぉ!!!♪」 と。 無情にも、ゆっくりありすが四匹、左手側の草むらから飛び出してきた。 三匹は恐慌し――だがれいむとまりさはすぐにぱちゅりーを庇う位置に立ち、ぷくぅーと威嚇するように頬を膨らませた。 「ぱちゅりー、にげて!」 「む、むきゅー! そんなことできないわ!」 「いいから、はやく!!!」 ありすたちはだれがどのゆっくりを担当するか、相談しているようだ。 その爛々と狂気に満ちた瞳。ゆっくりぱちゅりーの本能的な部分が警鐘を鳴らす。 友達を見捨てたくはなかった。 だけどそれ以上に、ありすに犯し殺されるのは嫌だった。 「ごめんなさい……!」 ぱちゅりーはれいむとまりさに背を向け、必死に這いずって逃げ出した。 後方で、れいむとまりさの悲鳴が上がる。 残酷な運命に、ぱちゅりーは先程とは違う種類の涙を流した。 「ゆっゆっゆー♪ ゆっくりのお歌はどんなもんだーい、と……」 太陽が沈み、月と星々が煌く夜空の下、俺はほろ酔い気分であぜ道を歩いていた。 本日は外界の話を本に纏めたいとかいうことで、俺を含めた村に住む外界の人間が阿求ちゃんの家に集められたのだった。 外界から幻想郷にやってきた人間は大抵妖怪の餌となってしまうが、無事村に辿り着いたものは外の世界へ戻るか、この幻想郷に残るかの選択肢を得られる。 俺たちは戻るのを拒否し、ここで新たな生活を手に入れた組。外の世界のことを知らない村人たちに話をせがまれたりすることもある。 年齢層は様々で、上は三十年も幻想郷で暮らしているというじいちゃん、下はなんと十二歳の子供までいる。 俺が五年前、幻想郷に誘われたのは十五歳のときだった。月日は経つものだなぁ、と少々感慨にふけってみたり。 とにかく、久しぶりに外の世界を懐かしんで話が出来たので、ついつい時間が長引いてしまった。 家で待ってるれいむも、お腹を空かせてしまっていることだろう。 急いで帰って晩御飯を作ってあげないとな。 「――――!」 「ん?」 今なんか、ゆっくりの悲鳴が聞こえたような。 足を止めて、きょろきょろと辺りを見渡す。 電灯のない、月明かりだけの暗闇と、静謐な雰囲気。 気のせいだったのかな? ついゆっくり関係に敏感になってしまう自分に苦笑しながら、耳を澄ませた。 「……こっちの方向か?」 林の中から、確かにゆっくりの声らしきものが聞こえた。 近いとは言えないが、それほど遠いというわけでもない距離のようだ。 うーん。 まぁいいや、見に行こう。 俺は酒の勢いもあり、お気楽気分で林の中へと足を踏み入れた。 「はぁはぁはぁ、い゛いでじょ!? ぎもぢいいでじょぉぉぉ!!?」 「むっぎゅぅぅぅ!!! だずげでぇぇぇぇぇ!!!」 なんか凄い光景が広がっていた。 れいぱーありすに、ゆっくりぱちゅりーが犯されている。 ありすの発情した顔は尋常なものではない。なんであのゆっくりの中でも特に可愛い顔がここまで変化するんだろう、って感じ。 あれだ、言うなれば……ヤマンバ。 一方ぱちゅりーのほうは、苦しそうに呻きながら、逃げ出そうともがいている。 涙を流し、必死な表情のゆっくり…… あ、やべぇ、興奮してきた。 「むぎゅ!? お、おにいざん!!! ぱぢゅりーをだずげでぐだざぃぃぃぃ!!!」 俺の気配に気付いたのか、ぱちゅりーが涙目、いや涙顔で俺に嘆願してくる。 んー。 んんー…… …… 助けてやるか。 俺、実は発情したありすって胴体付きれみりゃの次くらいに嫌いなんだよね。 ゆっくりをいじめる小道具としては好きなんだけど。 これでも俺はゆっくり愛で派なわけで、制裁は好きだけど虐待は嫌いなんだ。 人様に迷惑をかけない、悪いことをしていないゆっくりは、幸福に暮らすべきだと考えている。 だって可愛いもん、ゆっくり。 いやまぁ、このぱちゅりーがゲスではないなんて言い切れないんだけどさ。 とはいえ、今はゆっくりを捕獲出来そうなアイテムを所持していない。 仕方無い、気分悪くなるけどやるしかないのか。 「そら、よっ!」 「んほぉぉぉぉぉぉ!!! すっき……ゆげぇぇぇ!!?」 地面に落ちていた木の枝を広い、至福の顔ですっきりしようとしていたありすの頭を突き刺した。 激痛が走ったのだろう、ありすは悶え苦しみ、突き刺された穴の端からカスタードが少し零れ出る。 んあー、やっぱり肉体を直接攻撃するのは嫌いだなー、俺。 やっぱり攻めるなら精神のほうでしょ。 「むぎゅっ、むぎゅっ……」 ゆっくりぱちゅりーはありすの動きが止まったのを理解すると、なんとかありすの下から這い出した。 だが肉体的に極限状態だったらしく、えれえれと餡子を吐き出してしまう。 うわっ、きったねー。 俺はゆっくりありすの馬鹿力で枝が抜けないよう、もう一本渾身の力を込めて枝をありすに突き刺すと、ぱちゅりーが落ち着くのを待った。 やがてふらふらながらもなんとかしゃべるくらいの元気を取り戻したぱちゅりーが、俺に事情を説明する。 「ふーん、発情ありすの群れがねぇ」 話には聞いていたが、実際そんなことが起こるもんなんだなぁ。 じゃあ、集落一つ分のゆっくりたちが泣いて逃げ惑ったわけで……おっと、想像だけでなんかムラムラしてきた。 極力顔に出さないよう努めながら、俺はぱちゅりーを抱き抱えた。 「じゃあ、すぐ助けに行こうか。もしかしたら友達も救えるかもしれない」 「むきゅ、おねがいするわ……ごほっ、ごほっ!」 「ああほら、無茶すんな。静かに運んでやるから、な?」 「だ、だめよ、いそいで……れいむとまりさが……」 どうやら、友達思いのぱちゅりーらしい。ゲスじゃなくて良かった。 俺は体力を極端に失ったぱちゅりーを疲れさせないよう神経を使いながら、より深く林の奥へと進んでいった。 結論から言うと、生き残ったゆっくりは一匹たりとていなかった。 どのゆっくりも大量の蔦を生やし、黒ずんで朽ち果てていた。 「酷い有様だな、これは……」 あまりの惨状に、ごくりと唾を飲み込む。 こっちのれいむは犯し殺されたあげく、生まれた子供まで犯されたらしい。 あちらのまりさは、目の前で子供が犯される姿を見せ付けられたようだ。 どいつもこいつも、性交後のすっきりとした顔ではなく、怨嗟と憎悪に塗れた悲痛な表情をしている。 それほどまでに、恐ろしい体験をしたのだろう。 人間だろうが妖怪だろうがゆっくりだろうが、『死』というものを嫌悪する俺は眉をしかめた。 ゆっくりありすたちの姿は影も形も見当たらない。 存分にすっきりしたので、新たに生まれた赤ちゃんゆっくりありすを連れてどこかへ去っていったのだろう。 ……もしかしたら、未だ快感が足らず、他の獲物を求めに行ったのかもしれないが。 そうなると、また何処かの集落が同じように襲われ、ここと同じ惨状になるのだろうか。 想像したら気分が悪くなってきた。 「れ、れいむ……まりさぁ……」 ぱちゅりーの友人のれいむとまりさは、少し離れた場所で見つかった。 他のゆっくりと同じように、額から何本もの蔦を生やし、生まれ犯され死んだ子供たちに囲まれて朽ち果てていた。 黒ずんだ顔に光る涙の跡。 見るだけで苦しみが伝わってくるほど、酷い体験だったのだろう。 ぱちゅりーは呆然とした表情でそれを眺めている。 今まで暮らしてきたコミュニティの全滅、そして友達の喪失。 しかもそれはあらかじめ来ると予想されていたものではなく、ある日唐突にやってきた暴力。 ぱちゅりーはぶるぶる震えている。 だがすぐに、体力の限界となったのか、白目を剥いて気絶してしまった。 「あ、おい!?」 慌てて気を確かめようと揺らそうとし、思い留まる。 ぱちゅりー種は体力がない 子供を作ることだけは回避出来たとはいえ、精神的な疲労もあって瀕死状態なのだろう。 このままでは、本当に死んでしまう。 「仕方無い、乗りかかった船だ。家に連れ帰って介抱してやるか……」 万全の状態に回復出来るなんて断言出来ないが、出来る限りのことはしてやろう。 愛で派ですから。 ゆっくりの泣き顔を見るのも好きだけど、ゆっくりしているところを見るのも好きなんです。 「とはいえ、少しくらい役得があってもいいよな?」 俺はぱちゅりーを襲っていたゆっくりありすのところに戻った。 ありすはなんとか突き刺された棒から抜け出そうともがいている。 その度に激痛が襲い掛かるだろうに、大した奴だ。 俺に気付いたのか、ありすは血走った目で叫んだ。 「ぞのぱぢゅりーをよごずのよっ!!! まだあいじだりないわぁぁぁあぁああぁぁぁ!!!」 「……」 開口一番それかよ。 ゆっくりありすの精力、恐るべし! なんか嫌な気配を感じたのか、抱き抱えたぱちゅりーがぶるぶる震えだすし。 はぁ。 まぁいいか。 これから、また楽しくなりそうだ。
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※ 議論 と 投票 により、メニューから外し、旧SSページに移転しました。 ここは職人がSSを書くため、パーツごとに分解した設定を置いています。読者用ではありません。 レゴブロックのように色々組み合わせて楽しいSSを作ってください。 ここにある設定はあくまで一例です。使用を避けることで斬新な物語を作ることもできます。 組み合わせによっては深刻な矛盾が生まれる場合があるので注意してください。 記載ルール 設定は出来るだけ具体的、かつパーツごとに分割して組み替えが効くようにしてください。出来れば反対の設定パーツも追加しましょう。 ここはスレッドの議論で固まった設定を保存しておく場所ではありません。そういったものを一切無視して新しいSSを作る時のためのパーツ置き場です。 基本の文体 基本となる設定その設定から更に一歩踏み込んだ設定 ゆっくりとは何か ゆっくりの中身 ゆっくりの食べ物 ゆっくりの餌の食べ方 ゆっくりの寝床 ゆっくりとの遊び 飼いゆっくりと世話の仕方 ゆっくりの身体的特徴 ゆっくりの大きさ ゆっくりの身体能力 ゆっくりの繁殖方法 ゆっくりのグループ構成・社会母ゆっくり 赤ちゃんゆっくり ゆっくりの暮らし方 ゆっくりの住みか ゆっくりの知能や思考、行動パターン 帽子や髪飾り ゆっくりの傷の治し方 他の生物がゆっくりを食べることについて 個体ごとの特徴基本 よく出る その他、こちらも積極的に使ってみて欲しい ドスゆっくり ゆっくりとは何か 「ゆっくり~」が口癖。「ゆー」や「ゆゆっ」と鳴く。 動く饅頭。原理は不明。野生のものが動物のような生態をもって生息している。 饅頭の妖精。親がいなくとも自然の中から生まれてくる。 食べられたいと未練を残した饅頭の霊。 魔法生物。モデルになった人間の髪と餡子・ひき肉から作った不思議な力で動く人形(ぱちゅコン方式)。 何でもありなフリーダムな生き物。 人間社会の一員として溶け込んでいる。運送会社に勤めている。 挨拶として「ゆっくりしていってね!」と言う。 ゆっくりの中身 食べ物によって餡を変化させることが可能(野菜を食べさせ続けて抹茶餡など)。 れいむ・まりさは小豆餡、ありすはカスタード、ぱちゅりは生クリーム、ゆかりんは納豆またはナチュラルチーズなど、種によって様々。 実は餡ではない? ゆっくりの食べ物 お菓子や甘いものを食べる。お饅頭が大好物。 砂糖水やオレンジジュースを飲むと体調が回復する。 辛いものが苦手。 草や花、ちょうちょ、お菓子などメルヘンっぽい物を食べる。 昆虫や肉など何でも食べる雑食。にとりなどの水中型ゆっくりは魚を捕って食べる。 虫や小さな鳥を好む肉食。その愛らしい姿と共に農家に大層愛されている。 何も食べなくても生きていける。 かまって貰うことが栄養源。他のゆっくりや人間と一緒にゆっくりすると元気になる。 ゆっくり幽々子・レティ・れみりゃ・フランは他のゆっくりを食べる。 光合成で栄養を得ている。 ゆっくりの餌の食べ方 食事はゆっくり舌ですくって床や自らの体を汚さず食べる。 その念力で触らずに物を動かして食器を動かして食べる。要気合。 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせ~♪」と言いながら食べる。 ゆっくりの寝床 野生のものは巣の中で仲間と身を寄せ合って眠る。 うーぱっくのダンボールにすっぽりはいって眠る。 ゆっくり用アパートなどがあり、町でも自立して生活する。 ゆっくりとの遊び フリスビーなどで遊ぶ。 花火などの子供が好むような遊びをすると喜ぶ。 文字通りゆっくりする事。日向ぼっこ等。 飼いゆっくりと世話の仕方 寝床座布団を敷いて眠る。 飼い主と一緒の布団で寝てもらう。 食事食べ終わった後に顔を拭いてあげる。 飼い主がゆっくりの下に新聞紙を敷いてあげて、一緒の食卓でたべる。 どうぶつなどがプリントされた幼児用のビニル皿を使う。 手渡しで口の中に放り込んであげる。 飼い主が膝の上に抱っこしてあげて、食べ物を口に運ぶ。 ゆっくりの身体的特徴 下膨れた顔が特徴的。鼻と耳は見当たらないが嗅覚・聴覚は正常に働いている。 体内に嗅覚器・聴覚器にあたる部分がある。 跳ねるように移動する。 ナメクジのように這いずって移動する。 転がって移動する。 常に空中に浮いている。 瞬間移動する。 何事もあろうと一切動かない。 長時間水に入っても全く問題ない。 長時間水に入ると水を吸ってぶよぶよに膨張して膨らむ。 長時間水に入るとふやけて脆くなってしまう。 ゆっくりにとりは自由に水中を泳ぎ回って魚を食べることができる。 弾力があって、手で押すと水風船のようにぽんぽんと跳ね返る。 もちもちしていて餡の重みがある。触ると柔らかくて気持ちいい。 ある程度の高さから落ちるとべちゃっと潰れる。 皮はそれほど強くなく、ハンマーなどで何度か殴打すると破れてしまう。 皮はものすごく弾力があり、よく伸び、刃物を使っても破るのに苦労する。特殊な技術が必要。 皮は手触りが良いくせにもの凄く頑丈で、破れたり切れたりする事は無い。 体調を崩すと皮が削れて薄くなってしまったような、危うい柔らかさとなる。 ほっぺを突っつくと上等のマシュマロの様な手触りがする。 触っている手を沈み込ませると、中の餡子は手ごたえが違う。少し固く、にゅるっとした手触り。 脱皮する。 ゆっくりの大きさ 赤ちゃんがタバコの箱より小さく、普通でバレーボール、母親でサッカーボール程度。 赤ちゃんがバレーボール程度で、普通で50cm程度、母親は1mを越えることも。 赤ちゃんれみりゃ(体付き)が7,5cmほどの大きさとなっている。 胎生妊娠中の個体は子供の分だけ肥大化する。 栄養状態や突然変異によって際限なく大きくなることもある。 ゆっくりの身体能力 人がゆっくり歩くよりまだ遅い。どうやって野生を生き抜いているか不明。 人間の子供と同じくらい。天敵から隠れつつひっそりと暮らしている。 その形状からは想像できないほど速い。 壁を転がることで7階と同じ高さから降りる。木に登る。野生を生きるに十分な能力。 餡子の重さを利用した樹上からの奇襲で首の骨を折られる事があるため猟師はとても慎重。 ゆっくりの餡子は人間で言うところの血のようなもの。内部の餡子が3割以下になると死ぬ。 餡子を吐き出すのは死の兆候。 ゆっくりの繁殖方法 すりすりすると頭から茎が生えて子供が実る。 卵生。片方が小さな卵を大量に吐き出し、もう片方が粘液を吐き出し受精させる。 振動で興奮したあと性交、悲鳴を挙げて朽ち果て、死骸から子が実る。 お互いに熟成したゆっくり同士の性交はゆっくり和やかな物でどちらも朽ちない。 どこからともなくやってくる。何処から来るのか誰も知らないし繁殖方法も分からない。 妖精のように自然に発生する。それをうーぱっくがコウノトリのように仲間のゆっくりのところに届ける。 分裂する。分裂して発生した個体は新たな意識を構築し親の意識は消滅する。 分裂して発生した個体全てが親と同じ構造の意識を構築する。 ゆっくりのグループ構成・社会 それぞれ同じ顔をした英雄の家に1匹ずつ+数匹程度しか居ない。 ゆっくりの数は少なく霊夢・魔理沙が50匹程度、それ以外は1~2匹ずつしか居ない。 ゆっくりの数は多く霊夢・魔理沙が数えきれない位、それ以外は100匹ずつ位。 種類の違う友達と3~4匹の小さなグループを作る。 お母さんと赤ちゃんで構成された家族を持つ。 ゆっくり同士でのコミュニティを持ち、種類の違う仲間同士で協力している。 単独で生息している。 ゆっくりは妖精の一種なので、普段は妖精と一緒に暮らしている。 人間と一緒に暮らしている。種属の違う隣人のような感覚。 母ゆっくり 子供達を心の底から愛し、最後まで子供を守る優しいお母さん。 赤ちゃんゆっくり 無邪気で舌足らず。おちょこでお風呂に入り、タオルの上を転がって体を拭く。 人の服のポケットに入って一緒にお出かけするのを好む。 ゆっくりの暮らし方 咲夜さん→れみりゃのように溺愛している人の家にいる。 人間に飼われている。 人畜無害な草食動物、森の奥でひっそりゆっくり暮らしている。 人畜無害、どんな苦境にも動じずゆっくりしている。 饅頭の妖精なので、妖精と共に暮らしている(妖精設定の場合の一例)。 ゆっくりの住みか 朽ち木のうろ等を一時的な雨よけとして利用することはあっても特定の巣を持たない。 数人の種類の違う仲間といっしょに、ゆっくり出来る場所を求めて一緒に移動している。 自分で掘った穴や、岩盤の横穴に親子で一緒に住んでいる。 博霊神社、霧雨魔法店、紅魔館など同じ顔の英雄が住んでいるところに同居している。 木の上にロープを渡してハンモックにする。草の家を造るなど樹上で暮らしている。 ゆっくりとできる場所をゆっくりポイント(もしくはプレイス)と呼んで、ゆっくり達にとっては何よりも大切な場所となっている。 その辺に適当に湧いている。 人間の大工によって住処を提供させてもらっている。 幻想郷のどこかに"ゆっくり村"という小さな村がある。 ゆっくりの知能や思考、行動パターン 素直な子供のようで人を疑うことを知らず、思いやりもある。一人寂しく生きていた老人にゆっくり寄り添って彼の人生の最後を優しく看取る。 仲間の危機になると自分の身を顧みず勇敢に立ち向かう。 恩を受けたら、忘れた頃に恩返しにやってくる。 饅頭なので、他の生物に食べられる。 きれい好きで家に入る時は泥を落とし、食事はゆっくり舌ですくって汚さず食べる。 入浴を好み、小さいゆっくりは目を離すと人間のおちょこの中にすぐ入り込む。 人間同士の恋愛の手助けをするキューピット、略してゆーピット。 家を失った人に対して自らの家へと招待して、あの口癖で歓迎する。 良いことだけを記憶し、嫌なことや悪いことはすぐに忘れてしまう。ポジティブ。ゆっくりできない(自分の要求が受け入れられない)とすぐ大泣きして逃げる。 怒るとほほに息をため、風船のように球状にふくらんで威嚇する。その際にほほを押すと空気が抜ける。 少しうざったいけど悪い子じゃない。 人間の敷地内にゆっくりできる場所を見つけると、礼儀正しくお願いをしてゆっくりしていく。その後お礼を言って帰っていく。 人間と同レベルかそれ以上の思考能力を持つ。 知恵を持つゆっくりは長命種と呼ばれ、常に薄笑いを浮かべ「おおこわいこわい」を口癖とする。 あまり物覚えはよくない。それ故に失敗を繰り返す事もある。 訓練すれば二桁の足し算引き算、九九ぐらいは覚えるが割り算は覚えられない。 大人であればひらがな程度は読め、子供でも人間に訓練されれば読める。野生のゆっくりに文字という概念はない。 生まれたときから成体に近い知能を持つ。 ゆっくり文字というゆっくりのみに通用する文字が存在する。 帽子や髪飾り 結構おしゃれ。自分の持っている帽子や髪飾りを大事にする。 一個体に一つしかないので、心から尊敬・信頼する相手のみにこれを預ける。信頼の証。 何かの事故で無くしてもしばらくしたらいつのまにか復活している。でも粗末に扱わない。 一個体に一つとは限らない。親兄弟並に信頼できるゆっくりには信頼の証として装飾した予備をあげる。 ゆっくりの傷の治し方 大きい傷は小麦粉ペーストで傷を埋める。 砂糖水やオレンジジュースで回復する。 失った餡の代わりの餡を詰める。 ほうっておけば自然治癒。弱い分再生力が高い。 他の生物がゆっくりを食べることについて 普通に嫌がる。痛覚があるため、食べようとすると逃げる。 ゆっくりさせてくれた人に対しては自らの餡を差し出して恩返しする。その餡は恐ろしく甘く、一口ほどしか食べられたものではないが、どこか胸に響く。 好きな人に対してのみ食べられることを望む。 ゆっくりの餡子は嫌いな相手(敵)には苦くてまずい味となって自衛して、逆に好意を持った相手には甘い味を出す。相手の事を好いていればいるほど甘くておいしくなる。 食べられようとすること誇りに思い、自ら進んで体を差し出す。 そもそも野生のゆっくりはおいしくない。人の愛情を受けることによっておいしくなるので、野生の動物や虫に襲われない。養殖>天然。 皮が恐ろしく頑丈なゆっくりは基本的に食べられる事が無い。 「さあ、おたべなさい!」と宣言して真っ二つに割れる。食べないでいると「たべないと…ふえちゃうぞ!」と宣言して、それぞれ再生して二体になる。 個体ごとの特徴 基本 まりさ 友達思いで行動力のあるリーダー。仲間のために自分が犠牲になることも。 帽子に乗って川渡りとか出来る。 好奇心旺盛。 「なのぜ!」 紫の帽子で「ゆふふ…」と笑うまりさもいる。 れいむ 純真無垢で人を疑うことを知らない優しい子。 全てにおいて標準。 髪の毛が紫のれいむもいる。 ぱちゅりー 「むきゅー」 病弱だが知識は他のゆっくりより高く、群れのブレインを勤める 。 餌に毒を入れて侵入者を撃退する一方、ゆっくり同士の争いを仲裁することもある。森の賢者。 本を読むことを好み(内容を理解しているかは不明)、他のゆっくりを集めて授業を行い、様々な知識を与える。 きめぇ丸 独特の表情と「おぉ、こわいこわい」等の台詞が特徴。恐ろしく速い。 ニヒリストのように振る舞う。でも実は、ちょっとシャイなだけかも。 れみりゃ 基本的に「うーうー」と喋るお嬢様。希少種だが紅魔館付近には多く生息する。 言うことを聞かない我侭っ子。ちょっと都合が悪くなるとすぐ咲夜に助けてもらおうとする。 飽きっぽいところがあるが、畑に種をまく等の手伝いをすることも。 体付きの個体はよく踊る。 ふらん 他のゆっくり(特にれみりゃ)をいじめるのが好き。 めーりんとは仲がいい。 れみりゃによくなつき、まるで姉のように頼りにしている。 素直で礼儀正しく、意外と気が弱いところがある。 ありす 「とかいは」を自称しプライドが高いが、ツンデレで面倒見もいい。 考えてることの逆を言う習性があるようだ。 青いリボンをつけた小さい個体もいる(「ろりす」と呼ばれる)。 みょん(ようむ) 「ちーんぽ!」 まれに半霊を連れているタイプもある。 語尾に「みょん」と付けたりする。 ちぇん 素直。「わかるよー」「わからないよー」等が口癖。 猫と非常に生態が似ており、高いところから落ちても平気だったり、すばしっこい。 ゆゆこ 巨大だが俊敏。恐るべき速度で移動しながら捕食する。 大食い。胃袋は宇宙。 手足が着いた「ゆーびぃ」という亜種もいる。 しずは、みのりこ おりきゃらと呼ばれる事に納得がいかない。 あきしまい。ただし秋でなくても目撃されることがある。 登場頻度は驚くほど高い てんこ ブロントさん。 痛みを快楽として認識している。放置プレイも好き。 「てんこもかまってね!」 のうかりん 田舎に住んでいる幽香の母親。時々収穫物を幽香に送る。 スレ住民にらっきょうを育てる方法を教えてくれる。 よく出る にとり 水中でも生活できる。 機械が大好き。機械を与えるとそれで遊び始める。 ゆうか 綺麗な花が咲く所によく見られる。 植物を育てる事でゆっくりする。 長髪で寝坊しやすいゆうかもいる。 らんしゃま(らん) ちぇんを見ると可愛がる事が多い。「ちぇぇぇぇぇん!!!」 油揚げや稲荷寿司が好物。 ゆかりん 体が柔らかく、狭いところにも簡単に侵入できる。 加齢臭(または少女臭)と呼ばれる独特の体臭を持つ。かなりキツイらしい。 りぐる 蛍みたいに綺麗な川辺を好む。 ゴキブリみたいに移動する際にカサカサ音がする。 めーりん 「じゃおーん」と鳴く。喋れても良い。 昼寝を好むがさくやに邪魔される事もある。 ちるの 「あたいさいきょー!」「あたいってばゆっくりね!」 ゆっくりの中では頭が回らない傾向があるがくしゃみで物を凍らせる事も。 一定の状況下でゲル状になる。元に戻る事もできる。 「テルヨフ」に似たちるのを「チルノフ」と呼ぶ。 れてぃ 巨大で鈍重。素早く動く舌で器用に獲物を捕る。頬に獲物を溜める性質も。 どこからともなくできたてのチキンラーメンを出す。方法は不明。 その他、こちらも積極的に使ってみて欲しい さくや 「~ですわ!」 れみりゃ等の紅魔館に所属するモデルのゆっくりと共生する。 体からプリンを出す事ができる。方法は自由。 めーりんの昼寝を邪魔する事が多い。でもそれは構って欲しいかららしい。 るーみあ 「ゆっくりなのかー」食いしん坊。 だいちゃん 世話好き。 こあくま(こあ、こぁ) ぱちゅりーが召喚する。 ぱちゅりーの仕事を手伝う。 れみりゃザウルス 体付きれみりゃが怪獣の着ぐるみを被ったような姿。 「ぎゃおー!!!たーべちゃうぞー!!!」 うーぱっく、さがわうーびん 段ボール。 飛ぶのがうーぱっく、車輪付き(羽無し)がさがわうーびん。 普通のれみりゃが箱などを提げているタイプのうーぱっくもいる。 ゆっくりやゆっくりの餌などを運ぶ。 みすちー 「ちんちん」と鳴く。決して下品な意味ではない。 歌うのが好き。 けーね 他のゆっくりに物事を教える事を好む。 喧嘩が発生したら得意の頭突きで喧嘩両成敗。 てゐ いたずらっ子。 語尾に「うさ」が着く時は嘘をついていることが多い。 うどんげ(れーせん) 他のゆっくりより臆病。目で外敵を混乱させる事も。 耳が外れてしまうことがある。 えーりん 頭がいい。 かぐやとよく一緒にいる。 かぐや(てるよ) あまり動かない。本当にゆっくりしているとも取れる。 のんびり屋。 体付きは「テルヨフ」とも呼ばれる。 もこう 無理やり触ろうとすると高温を発するので火傷する。死んでも生き返る。 「とらうまになるよー!」 ぷりずむりばー三姉妹 るなさ長女。 凹みやすい(心理的な意味で)。「ゆっくりしたけっかがうつだよ…」 めるらん次女。 「めるぽ!」と言ったらガッしてあげると喜ぶ。 りりか三女。 めでぃすん(めらんこ) 体内に毒を持ち、食べようものなら腹痛に襲われる。 あや(あやや) 鳥みたいな生態を持つ。頭のかざりの白い物体は卵だったりする。 卵のうちいくつかは無精卵で子供の共食いを防ぐ。 一定の状況下で前述のきめぇ丸と化す。二つの状態を巧みに使い分ける。 こまち 昼寝とお話する事を好む。 めーりんと気が合う。 えーき 「よいぞっ!」「らめぇ…」 すいか お酒大好き。 ひな 常に横回転している。厄を集めているかは定かでは無い。 さなえ 献身的。奇跡を起こす事ができる。 礼儀正しい。「ゆっくりしていってくださいね!」 かなこやけろちゃんを世話している。 れいむがかなこの布教(洗脳)を受けると変化する。 かなこ 御柱を自由自在に扱う。注連縄で浮く事も。 注連縄はドーナッツ。 ゆっくりに布教活動(洗脳)する。 千歳飴のオンバシラ。 すわこ 「あーうー」「けろけろしていってね!」 水中でも生活できる。 いく 「ふぃーばー!」 雷を呼ぶことができる。 地震を予知できる。 きすめ 狭いところが好き。桶やバケツを住処として好む。一番は木の桶。 おとなしい。 やまめ 糸を出す。 ぱるすぃ(ぱるしー) 嫉妬深い。 ゆーぎ お酒大好き。 さとり 相手の考えていることがわかる。 こいし 「こいこがれるようなゆっくりがしたい!」 おりん ちぇんじゃないよ! 「おりんりんらんど、はっじまっるよー!」 おくう(うつほ、うにゅほ) 温泉卵が好物。 みま スモークチーズが好き。 けーねを見ると逃げる。 しんき けーねを見ると逃げる。 ドスゆっくり ドスまりさオリジナルは砂越天さんの漫画とイラスト。 神様とか精霊の域。もしくは森の守り神。トトロのようなもの。 見上げるほどの巨大なゆっくり。大きさは各自お好みで。( 参考 ) 数あるゆっくリーダーの中でも最も努力家で面倒見が良いゆっくりである。 普段は優しく、人間の子の面倒を見ることもあるが、いざ群れに危険が迫ると巨体を生かした強力なボディプレスや特殊なキノコを燃料とした光線(一般的には「ドスパーク」と呼ばれることが多い)を口から吐く事で応戦する。 ドスまりさの巣である洞窟内では、生えている幻覚キノコを噛み砕いて霧状に吹き散らしたり、洞窟の壁を利用した反射体当たりで攻撃するなど、地の利を生かした戦法を取ることが確認されている。 後頭部に付いている小さなリボンは、群れのゆっくり達がドスまりさにプレゼントした物で、リボンを数や結び方でドスまりさの年齢や群れの質、ドスまりさの信頼度を見る事が出来る。( 参考 ) ゆっくり達のリーダーであると同時に移動式の巨大な住居でもある。寒い日は髪の毛にくるまり、雨の日は帽子に入ることで、ゆっくり達は何時でも快適に過ごすことが出来る。 ドスまりさ式たかいたかい で相手をポンポン飛ばして一緒に遊んであげる。このとき、人間であることを言わないと落ちたときに危ない。 ゆっくりさせる程度の能力を持つ。どんな凶悪な人間に対してでも、この能力を使えば、相手は戦意を失ってゆっくりしてしまう。 他にもドス程の大きさを持つゆっくりは特別な名称で呼ばれることがある(ビグれいむ、クイーンありす、ラオめーりん、きめら丸、ティガれみりゃ等)。
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前 子れいむは怒っていた。凄く怒っていた。 まだ産まれて半年ほどしか生きていないれいむだが、これほどの怒りは覚えがない。まるで中身の餡子が溶岩に変わってしまったかのようだ。 原因は、みんながあっさり人間に付いていってしまったことだ いくら黒ゆっくりの効果は絶大で、高いところから降りられないのを助けてもらったとはいえ、敵である人間達とゆっくりすることなんて今の子れいむには考えられない。 なのに、協力してくれる筈のみんなはあっさりゆっくりしてしまい、お兄さんと楽しく雑談する始末。 子れいむの睨み付ける対象は、ごく自然に5つに増えていた。 そんな時だ。 ずりずりと縁を地面に擦りながら動いていた帽子が、子れいむの所まで下がってきたのは。 「ゆっ!?」 怒りと焦りを感じる強い口調で子れいむは向かえ入れる。 帽子から僅かに覗かせた顔は、宥めるような優しい笑顔だった。 「ゆっ、ごめんねれいむ。おこらないでね」 「……」 「おなかいっぱいになったら、このちょうしで れいむおかあさんの かたき をまりさがとるよ! だから……みんなでゆっくりしようね!」 「まりさ……」 言いたいことを言い終え、まりさはまた前へ戻っていく。途中、縁を頭に引っかけた帽子がずれ落 ち、また持ち上げるのに苦労していたが、時間をかけて何とか元の位置へと戻っていく。 「……」 気づけば、荒れていた心が嘘のように落ち着いていた。 子まりさと子れいむは住んでいる巣穴が近い、人でいうところの幼なじみな関係だった。年齢はほとんど変わらないが、せっかく見つけた餌を無くしたり、お母さんに怒られて泣いている所をよく子まりさが慰め、代わりのをくれたり一緒に遊んだりする姉妹のような関係だった。親を失って、失意のどん底だった子れいむが立ち直ったのも子まりさの気遣いあってこそだ。 今も、あれだけ大きな帽子を被っていたら歩くだけで疲れるのに、れいむの気分を察してわざわざ移動してきてくれた。 改めて子れいむの中に甘い親愛という気持ちがわき上がった瞬間だった。 そんなことは露知らず、犬神は戻ってきた子まりさと話を続けていく。 「その帽子は誰の帽子なんだ?」 「ゆふーん、まりさのおかあさんの帽子だよ! おきるまえにかりてきたんだよ!」 犬神の脳裏に、飾りを奪われ周りのゆっくりから徹底的に攻撃され、体のあちこちから餡子を滲ませ絶望を叫びながら死んでいく光景がいくつか浮かんだが、気にしないことにした。 「その黒ゆっくりというのは、丸くて全身が真っ黒なのか?」 「そうだよおにいさん! いまのまりさみたいなんだよ!」 「……なるほどなぁ……」 「黒ゆっくりはその口で人間だって食べちゃうよ! お兄さんもかくごしてね!」 「そうか……真っ黒か……」 やがて自らの家へ戻ってくると、犬神は子供達をそのまま引き連れて玄関へ入っていく。 ぴょんぴょんと、段差を小さく飛び跳ねて入っていく5匹へ静止を促した。 「ここまで持ってくるから、みんなはそこで待っててくれよ」 「ゆっくりりかいしたよ!」 「とかいは はまたせたりしないわ! 早くもどってくるのよ!」 その場から体を前に出し、手を伸ばして玄関を閉めるとそのまま奥へ向かっていった。 子れいむを除いた4匹の口からは、期待が自然とこぼれ落ちてくる。 「どんなごはんがやってくるのかしら! とかいは な きたいでいっぱいだわ!」 「人間はおいしいものをたくさんもっているって言ってたわ。むきゅー! たのしみね!」 「きょこーん!」 「……」 やがて遠ざかった足音がまた近づいてくると、犬神が透明な箱を持って帰ってきた。 「お待たせ、これがごはんだよ」 「ゆ?」 「むきゅ?」 それぞれが疑問の声を上げる。犬神が持っていた箱には透明で靄のように白い物が混じった何かが入っている。しかしそれは子供達の知識にはどこにもない食べ物だった。 「おにいさんそれは何なの? ゆっくりできるもの?」 「おや? ……そうか、そうだな。こうなったら分からないのか」 犬神は透明な箱を傾けると、オブジェである石で出来たテーブルのような物の上に垂れ流していく。濁ったそれは水飴のような粘りを見せながらも石の上に広がっていく。 子まりさ達には、どうしてそんなことをしているのかまるで理解できない。 「ゆゆ? 何をしているのおにいさん?」 「ん? 知らない物を食べるのは抵抗があるだろ、試しに食べてもらおうと思ってな」 流し終わって透明な箱を地面に置くと、子まりさの帽子をひょいっと持ち上げた。 「ゆゆっ!? なにするのお兄さん! おかあさんの帽子かえしてね!」 「食べてる間は邪魔になるだろ? 預かるだけだから心配しないで、ゆっくり食べてね!」 言うと早く、子まりさを片手で捕まえて石の上まで運んでやった。 「ゆ……ゆゆっ……」 「さぁ、食べてみてよ!」 「む、むきゅー!」 「まりさぁ! だいじょうぶぅ!?」 下からみんなの心配そうな声が聞こえてくる。 未知の恐怖に子まりさも震えを隠しきれなかったが、ふと目をやった先で心配そうに涙を浮かべた子れいむを見つけ、腹を括った。 「ゆゆーん! すごくゆっくりできそうだよみんな! まりさがさきにたべてみるね!」 「まりさぁ!!」 精一杯の虚勢を張り、改めて子まりさは目の前へ目を向ける。 所々白く、しかしほとんどが透明なそれは、まるで空にかかる雲が降りてきたように見えた。 「……っ」 そろりそろりと伸ばされた舌が、その透明な物体に触れた。 「ま、まりさ……」 「ちーんぽ……」 「……」 まりさは何も言わず黙っていると、今度は大きく口を開けてかぶりついた。 「むきゅー……?」 「はんだーち……?」 「……うめぇ、これめちゃくちゃうめぇ!」 途端、ガツガツと見境なしに食べ始める。 凶変したまりさの様子に3匹は素早く反応した。 「そ、そんなにおいしいの! ゆっくり出来るの!?」 「むきゅー! おにいさんわたしたちにも早く!!」 「ああ。それじゃ場所もないし、この箱の中で直接食べてくれるか」 「しゃせーーーーーいっ!!」 同時に箱へと飛びかかる3匹。犬神の補助もあってどうにか中へと入っていく。壺をしまうような縦長の透明な箱は、同時に入ってもまだ場所に余裕はある。ぶつかる心配もなく3匹は水飴のようなそれを貪っていった。 「むーしゃむーしゃ!!」 「むきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅっ!! すごくおいしいわ! とろけるようなあまみがすごいゆ っくりよ!」 「ぜっちょおおおおおおおっ!!」 次々と歓喜の声が上がっていく。 友達の絶賛するその光景に、子れいむはうずうずと体を動かしながらも食べようとはしなかった。 どうしても、敵である人間から食べ物を貰いたくない。 「れいむは食べないのか?」 「れいむはいいよ。れいむの分はみんなに あげてね」 「……そうか」 まぁいいかと、残念そうにため息を吐く。どこか違和感のある光景だったが、子れいむはさほど疑問には思わず、じっと犬神を恨みったらしく睨み続けた。 犬神はもう子れいむの事は気にしないで子まりさを見る。 そこには警戒していたのが嘘のように体中に水飴のような物体をつけ、食べたりないと石へ顔を擦りつけるように舐め回している姿があった。 今食べている物が、自分たちの排泄物だと知ったら、いったいどんな顔をするだろうか。 ちょっとした興味が湧いてくるが、どうにか欲求を抑えきり、犬神は質問した。 「まりさ、そういえば真っ黒になる良い方法があるんだが、試してみようか?」 「ほんとうおにいさん! ゆっくりためしてね!」 嬉しそうに声を出すが一度も犬神の方を見ず、もはや排泄物から出来た食べ物に首っ丈だ。 「よしわかった。ちょっと待ってろよ」 犬神はまた奥へと歩いていった。 むーしゃむーしゃと4匹が食べ続ける声が聞こえる。空腹を耐えている子れいむにとっては、この上ない拷問だ。 あまりの美味しさに正気を失っていた子まりさだが、堪え忍んでいる子れいむに僅かだが理性を取り戻した。 「れいむ! あとでいろいろゆっくりしたごはんとってくるよ! まりさたちばっかりゆっくりしてごめんね!」 「……うん、きにしないでまりさ」 体中を汚したままの説得力のない言葉だったが、あれほど一心不乱だった子まりさが気をつかってくれた事を子れいむは素直に喜んだ。 今度は短い時間で犬神は戻ってくる。手に何かを持っている様子だが、子れいむの角度からは見えなかった。 「ゆゆっ! おにいさんおかえりなさい! ゆっくりしていってね!」 「ああ、ゆっくりさせてもらうさ。取りあえず黒くするぞー」 「ゆゆーん! ゆっくりやさしくしてね……」 犬神は石の正面へと移動する。その僅かな移動が、子れいむの位置から子まりさを見えなくし、不安という魔物を一気に巨大化させていった。 「ゆっ!? ま、まりさああああああっ!!」 思わず叫び声を上げてしまうが、犬神の体越しに無事を知らせる声が飛ぶ。 「ゆゆ、しんぱいしないでれいむ! まりさはゆっくりしてるよ!」 「ゆゆ……まりざぁ……」 元気そうな子まりさの声を聞いても、子れいむの不安は消える事はなかった。大事な人の姿が見えないというのは、何よりも心をかき乱す。 先ほどから子供達が食べていた物は、俗にゆっくり達がしーしーと呼んでいる排泄された液体から出来たものだ。 「……ゆ?」 饅頭であるゆっくりから排泄されるものだけに、糖度の高い液体であり、調理に使ったりお菓子の材料にする人も少なくない。 「……お、おにいさん! なにしてるの!!」 「ゆっ!? ま、まりさ!! どうじたの!?」 しかしこのしーしー、含まれているのは糖分だけではなかった。 「う……うわあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!」 「ま、まりざああああああああああっ!! どうじだのおおおおおおおおおっ!!」 ゆっくりの油が含まれているのか、脂肪分も高く、発火性が高かったのだ。 犬神が子まりさの正面から離れる。 子れいむの目に映ったのは、炎上する石の中心で燃えながら叫び続ける子まりさの姿だった。 「いやあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!」 慌てて助けようと石へ飛び跳ねるが、その高さに助けるどころか飛び乗る事さえ出来ず、必死に石の麓で藻掻くことしか出来る事がない。 「れ、れいぶぅううううっ!! あずいよおおおおおおおっ!!」 「まじざぁっ!!」 慌てて状況を確認しようと身を引いて見える位置まで戻ると、皮は茶色い焼け跡がつき、髪の毛も溶け、苦悶の表情が顔に刻まれた別人のような子まりさがそこにいた。 溢れる涙も炎で蒸発し、子まりさの苦痛を和らげるものは何もない。 「あ、ああああああああ……」 子まりさが燃えていく。 綺麗だった髪の毛も、艶のある白かった肌も醜く爛れ。 絶望を叫びながら、親愛の相手が苦しんでいく──。 「やあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!! ゆっぐりじでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛っ!!」 やがてお菓子が燃え切り、鎮火すると。 舌を出し、虚ろな表情の焼き饅頭がそこにあった。 「……ゆぅ……ゆぅ……」 「……うん、黒ゆっくり美味しそうだ」 その焼き饅頭の出来に、思わず犬神も満足げに頷く。 燃え尽きたお菓子は溶け、まるでコーティングしたかのように焼き饅頭の体に照りを与えている。犬神の狙い通りだ。後は味さえ問題なければ……。 試食しようと、犬神の手が焼き饅頭に伸びた。 「まりざにざわるなあああああああっ!!」 怒りのままに子れいむは足へと体当たりを繰り返すが、お手玉程度の大きさではびくともしない。 まるで意に介さず、掴まれた子まりさは口の中へと運ばれた。 「がぶっ」 「ゆぐっ!? 焼けただれて続いていた痙攣が、一口食べられた瞬間、まるで動かなくなってしまった。 もう、子まりさはどこにもいない。 「うあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」 「……おおっ、やっぱり美味い!」 味自体は、普通よりは控えめな甘さとはいえ飴に饅頭と甘みが非常に強いが、今までにない溶けた飴の歯ごたえが口の中を楽しませる。 「これはいける!」 確信を得、そのまま残りも平らげようとした時、足に鋭い痛みが走った。 「っ!?」 「うううう~っ!!」 子れいむが足首を思い切り噛みついたのだ。 噛みつかれた箇所から、血の流れ出す感触が伝わってくる。 「……ふんっ!」 「ゆぐっ!?」 思いっきり足を振り、犬神は子れいむを吹き飛ばす。 「げふっ!!」 壁に当たり、子れいむはそのまま地面に倒れた。顔を俯せにしたまま起き上がる気配がない。餡子が漏れなければ早々死なないゆっくり。壁に当たった衝撃で気を失っていた。 思わずやってしまったが、死んでいない事に気づくと犬神はほっと息を吐いた。このまま踏みつぶしてしまってもさほど問題はないが、只でさえ子れいむが食事を拒否した為に面倒が増えている。手間はなるべく省きたかった。 犬神はゆっくりと、箱の方へ目をやった。 「……あ……ああ……」 「むきゅー! ……む、むきゅー!」 「た、たたたたたたたん、たん……っ!」 目の前で起こった一部始終に震え上がる、新たな食材を見つめていた。 子れいむは暗い暗い洞窟の中にいた。 「ゆ? ……ゆゆっ!?」 慌てて周りを確認するが、お姉さん替わりのような子まりさも、実の母親もどこにもいない。 いや子れいむには分かっていた。 確かにここに母親がいることを。 「お……おかあしゃああああああん!! おかあしゃああああんっ!!」 何度も叫び続けるが、母親が現れる様子はない。 ただあの大きい存在感が、子れいむに伝わってくるだけだ。 「おかあしゃあああああああん!!」 お母さんを求め、子れいむはただただ叫び続けた。 「おかぁ……!」 子れいむは目を覚ますと共に、その場で飛び跳ねた。 「……ゆ?」 なぜ飛び跳ねてしまったのか、子れいむ自身もよく分かっていない。なんだか凄く怖い夢を見ていたような気がするが、それが何なのか思い出せない。場所が玄関から部屋に変わっている事もあり現実感がないまま、微睡みに包まれていた。 「ああ、起きたのか。寝ている内に済ませたかったんだが」 「ゆぐっ!?」 そんな眠気も、犬神の顔を見た瞬間に吹き飛んだ。 開かれた引き戸から外を見ていた犬神は、体の向きを部屋の中へと変えた。 「お兄さん! まりざわっ! まりざわどうじだのっ!!」 「食ったけど」 「ぴぎゃぁっ!?」 否定したかった現実をまた突き付けられ、思わず後ずさった。 「黒ゆっくりと聞いて試しにやってみたが、思ったより美味くてよかったよ。どうも餡子としーしーが相性いいみたいでな」 「う……うう……」 「餡子じゃない奴らと相性が悪かったのが残念だけどな」 「……ゆっ?」 言われてはたと気づいた。友達3匹が入っていた筈の箱が見当たらない。 想像してしまった最悪の結果に思わず口が開いていた。 「み、みんなは! みんなはどうしたの!?」 「ああ、帰したよ」 「ゆゆゆっ!?」 良い結果、しかし予想外の返事に、逆に驚き戸惑ってしまう。 「ありすを黒ゆっくりにして食べたんだけど……飴とあわなくてね、これじゃ他の奴も望み薄だし、まだ元気だったから放してやったよ、ほら」 「ゆ……っ」 犬神が外を指さす。引き戸から外を見れば、元気なみんなの姿があるのだろうか? 子れいむは疑問を確認するために引き戸へ近づいていく。 「うーんしょ……うーんしょ……」 次第に明るくなり、外の景色が目に映ってくる。 「……ゆ?」 この家の手入れされた庭には、かすかに生えた草以外には何も見当たらなかった。 「だれもいないよ! おにいさんうそついたの!」 「おいおい、よく見てみなよ」 「ゆ……」 じっと目を細め、改めて庭を見る。 すると、草の生えた場所である変な物を見つけた。 「ゆ?」 黒くて丸い玉が3つ転がっている。 「……」 その黒い球体が口を開けた時、ようやく子れいむにもそれが何なのか理解できた。 「と……と……」 「……む……きゅ……」 「い……ぽ……」 「ひぐっ……っ!」 それは体全体を、皮が見えなくなるほど大量の蟻に食い尽くされ、痙攣を繰り替えす友達の姿だった。 「帰してあげたんだが、あの辺で力尽きたらしくて。さっき近づいて見たらゴマ団子みたいになってたよ」 「……っ! ……っ!!」 あまりの衝撃に、言葉が口から出てこない。 今やあの3つがゆっくりだと判別できるのは、口からだらしなく出ている舌と体の痙攣だけだ。気づけばその舌にも、いくつか蟻が群がり始めている。 恐怖に犯された子れいむの餡子の中では、同じように蟻に覆われた自分の姿が映し出されていた。 「あ、ありさん嫌っ! ゆっぐり、ゆっぐりいいいっ!!」 「おっ!」 もう復讐心は欠片もない。 ただ安心出来る場所を求め、子れいむは逃走した。 よほど怖かったのだろう、目は瞑り、前もあまり確認していない。 数秒も経たないうちに、硬いものにぶつかりその場でよろけた。 「ゆぐぅっ!」 涙がにじみ出てくるが、後ろにはもっと怖いものがある。 痛みを堪えて逃げようと前を向く。 しかしぶつかったものが何なのか確認した瞬間、子れいむに新たな出会いが待っていた。 「ゆ……?」 子供が間違える訳がない。 同族と比べても大きな体、綺麗な肌、そして大きなリボンがさらに特徴的だ。 そこにいたのは、確かに子れいむの母親だった。 「ゆ……ゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆ……っ! お、おかあしゃああああんっ!!」 「なにっ?」 感動のご対面に、子れいむは我を忘れて飛びかかる。 そして、先ほどと同じように跳ね返された。 「ゆぶっ!? ……ゆ? ゆゆゆゆゆゆゆ……っ!?」 ゆっくりは基本的に柔らかいが、空気を吸う事で膨らんだり、一時的に体を硬くする事が出来るものもいる。母親もそんなゆっくりだったが、久しぶりに会えて抱きついた子供に、体を硬くして拒絶される理由が子れいむには分からない。 跳ね飛ばされた場所で母親を見つめ、困惑していた。 犬神は、目の前で起きているまさかの事実に驚いていた。子供達が適当な相手に敵だと言っているだけだと思っていた為、その驚きも人一倍だ。 こんな事もあるんだなと、どこか感慨深く感じながら、呆然としている子れいむへ近づいていく。 やがて犬神が真後ろまで来た時、子れいむは気づいた。 母親は、一度も表情を変えていない事に。 「……!!」 「捕まって来たゆっくりが、普通のゆっくりにしてはかなり大きかったんでね。剥製にして記念に飾 ってるんだよ」 「……あ」 理解出来ない。 犬神が何を言っているのか、子れいむには理解出来ない。 ただ温もりもなくなってしまった母親の体が、子れいむに事実を伝えていた。 「ああ……」 ひょいっと、軽い動作で子れいむを持ち上げる。抵抗するような様子もない。 子れいむの餡子の中は、現実の辛さに耐えきれずもはや真っ白になっていた。叫ぶ気力もなくなっている。 ああ、楽に済んでよかったと思いながら、犬神は新たな黒ゆっくりを試作しようと台所へ向かった。 子れいむは運ばれていく間、虚ろな眼差しで母親を見続けた。 母親は一度も子れいむを見ないまま、空に向かって断末魔の表情を浮かべ続けていた。 まるで、子れいむのこれからを暗示するような姿だった。 その後、新たな目玉として発表された黒ゆっくりは大ヒットまではいかないものの、ヒット商品となり、犬神の名声をますます確かなものとした。 黒ゆっくりは食べ物として人々に広まり、それが新種のゆっくりだと思う者は誰1人いなかった。 「むきゅー! これでかんせいよ!」 新たな紙芝居を完成させ、絵好きのゆちゅりーは大きく声を上げた。何度も作ってきた経験が生かされているのか、最初に比べ、完成するのが随分早くなっていた。 黒ゆっくり以来、新しい話を考えては、ゆちゅりーは紙芝居にして子供達に披露している。 それは以前通り元気づける事が目的だが、あの時とは状況が変わっている。 以前紙芝居を観に来てくれた6匹を皮切りに、今度は少しずつ子供達がいなくなっているのだ。 子供は元気の象徴であり、おかげで群の中の雰囲気はかなり暗いものになっている。 人間達の仕業という話もあれば、謎の黒ゆっくりが原因だという声もあり、理由ははっきりしなかった。 「むきゅきゅ……どこにいっちゃったのかしら……」 紙芝居を観てくれていただけに、ゆちゅりーも思い出す度に気落ちしてしまう。 「むきゅっ!! こんなことじゃいけないわ! はやくわたしの絵でみんなをげんきづけましょ!!」 気持ちを新たに引き締め、紙の束を口に咥え、子供達の元へ向かっていく。子供がいなくなり、ますます元気がなくなった今こそ自分の紙芝居が必要だと、ゆちゅりーは真剣に考えていた。 得意のなめくじ歩きで、急いで広場へと向かう。 途中、ふと湧いた疑問を口に出した。 「それにしても……黒ゆっくりって何者なのかしら……むきゅぅ」 最初の紙芝居から、既に2週間が経っていた。 「ゆうーっ!!」 「いやああああっ!! ゆっぐりざぜでえええええええっ!!」 森の中を2匹の赤まりさが逃げていく。小さく跳ねて進むその姿は可愛らしいが、逃亡するにはいささか速度が足りない。 あっという間に、村の子供達に捕まってしまった。 「ゆぐうぅぅぅぅぅぅっ!!」 「ほぅら捕まえたぞ!」 「やったね! 早く黒ゆっくりにしようぜ!!」 「いやだあああああああっ!! 黒ゆっくりはいやだああああああああっ!!」 2匹がいくら泣き叫んでも子供達の手が緩む事はない。子供にとってご馳走に等しいお菓子を逃すなんて考えはどこにもなかった。 ゆっくりをそのまま食べるよりも甘く、調理方法も簡単な黒ゆっくりは、いつしか子供達の遊び兼お菓子として広まり、多くのゆっくり達が燃やされていった。 そのため、ゆっくり達の中で今や黒ゆっくりは恐怖の対象となり、口に出すだけで怯えるほどの存在になっていた。 きっとこれからも、怯え、燃やされる日々は続くだろう。 「しーしーたっぷりつけようぜ!」 「どうせだからこいつらの親も捕まえていかない? しーしーの量増やせるよ!」 「いやだ、やめて! いやだあああああああああっ!!」 赤まりさ達の泣き叫ぶ声と、子供達の楽しそうな声が木霊する。 今日もゆっくり達は、多くの人の口を楽しませていた。 このSSに感想を付ける
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※レミリアによる、ゆっくりふらん虐待。やや温め。軽い性的虐待含む。 ※18禁には、たぶんならない程度の性的描写が含まれています。 ※また、虐待していない場面も、いつものようにやたらございます。 ※fuku1514.txtの続きです。前中後編の中編になります。 ※ある意味ではレミリア虐めかも知れません。キャラ性格の俺解釈ひどすぎるので。 ※「美鈴と森のゆっくり」の後日談的な感じとなっておりますが、これ単独でも普通に読 めるようにしたつもりです……一応。 ※ゆっくりがゆっくりでは無い生き物に変化させられ、その後も虐められます。性的に。 ※当然のように俺設定満載な感じです。 ※原作キャラもゆっくりも俺設定要素多大ですので、イメージと大きく違う場合もござい ます。ご注意ください。 「レミリアと森のゆっくり 中編」 今宵の散歩は、お嬢様のトラウマとなりそうであった。 「ぐすっ……すんっ、ぐしゅっ……ひっく……」 受け入れたくない現実に直面し泣きながら逃げたレミリアは、倒木の上で膝を抱え泣い ている。 戦いに於いていかなる敵も恐れない夜の王といえども、レミリアはまだまだ幼い500歳 児。 あまりに特殊かつ変態的な性癖を目の当たりとしまっては、怯え拒絶し泣くのもやむを 得ないであろう。 「……ぐすん、ぐしゅっ…………!」 ひっくひっくとしゃくり上げる声と、肩の震えが唐突に止まる。 乱暴に手の甲で涙を拭き、レミリアは顔を上げた。 「……誰だ?」 変わり身早く、ピンと神経を張り詰めさせ、彼女は周囲の様子をうかがった。 自分へと向けられた、強い殺気に気付いたのである。 おそらくは"敵"はレミリアの泣き声で、その存在と状況を知り、襲撃を決めたのであろ う。 どのような相手かは知らないが、短慮な事だとレミリアは思った。 心に強い衝撃を受け、童女の如くに泣いていたとしても、彼女は吸血鬼。 夜の闇に生き、人妖問わず恐れ畏怖する強大な魔であるのだから、このような敵意を向 けられては、即座に意識を入れ替えられる。 「……ふんっ、私はもう貴様に気付いている。隠れてもムダだと言っているんだぞ」 先ほどまでの醜態を全く感じさせない、威厳にあふれた調子でレミリアは姿を見せない 敵に語りかけた。 異変を解決しに向かって来た巫女に対してや、弾幕ごっこのルール内での争いの時とは 全く違う、真剣な命のやりとりを行うときの口調であった。 そこに居るのは、もうカリスマ底値な500歳児ではなく、その首を狙い挑んできた愚か 者を悉く打ち倒してきた魔王である。 外に比べると平穏な幻想郷に入ってからは珍しい、いわゆるカリスマ超全開モードであ った。 「どうした? 来ないのなら、私から行くぞ」 レミリアは倒木の上に立ち上がった。 すでに相手の位置をわかっているように言っているが、それはブラフである。 非常に強い殺気で、疑いようもない敵性の存在は察知していても、その位置はまだ把握 しかねていた。 月が雲に覆われ、出ていないため、あらゆる力が本調子ではないのである。 ふと、レミリアは思った。 月が出ていない夜に襲撃を企てるとは、相手は妖怪では無いのか? しかし、人間が果たしてレミリアの命を狙うであろうか……自分に挑んできそうな人間 の心当たりはいくつかあるが、彼女たちなら普通に弾幕ごっこを挑んでくるであろう。 それ以前に、誰が何のためにレミリアの命を狙うのか? 心にわき上がった疑問が、レミリアを鈍らせ、焦らせる。 正体がわからない相手に狙われているというのは、普通に気分が悪い。 「ふんっ、今さら怖けづいたか? さぁ、どうした、私が怖いのか?」 レミリアは相手を挑発した。闇雲に動くよりも、敵に先に行動を起こさせ、後の先を取 る肚積りである。 己の回避能力に、彼女は絶大な自信を持っている。 しかし、敵は挑発に乗ってこない。 強い殺気を維持したまま、こちらの出方をうかがっているのか、何もリアクションが無 い。 「……ちっ……!?」 次に何を喋るか考えながら、焦れったさにレミリアは舌打ちした。 それとほぼ同時に、やっと敵が動き出す── 上空から弾が飛んできた。 上を見て軌道を読み、レミリアは敵弾をかわす。 敵はレミリアの上空で左右に飛びながら、自身を中心とした全方位に弾を放っているよ うだ。 弾の速度はそれほど速くもなく、威力も高くは無さそうである。 「ふんっ、無粋なやつだな。弾幕ごっこを挑みたいのなら、こそこそせず堂々と来ればい いものを!」 敵弾をかわしながら、レミリアは馬鹿にしたように言った。 弾の速度と威力から、彼女は敵の力量をだいたい推し量っていた。 推測通りならば、どう考えても相手は弱い。弱すぎる。 見なくても余裕で避けられる速度。 仮に当たったとしても、石礫をぶつけられた、いやテニスボールを当てられた程度に しか感じなさそうな威力。 殺し合いでも弾幕ごっこでも、どちらにしろ負ける事は有り得ない程度のレベルだ。 無論それが油断を誘うための擬態である可能性も、レミリアは一応考慮しているが。 「……ん……気の所為……いや、これは……」 飛んでくる弾を適当にかわし続けるうちに、レミリアは既視感を覚えた。 パターンに見覚えがあったのである。 今現在かわしているのに比べれば、それはもっと速く弾の間隔も狭いのだが、全方位発 射の二連弾をばんばん撃つ人物が身近にいる。 気になったのでじっくり敵の姿を確認しようと思ったが、飛んでくる弾が視界を遮り、 よく見えない。 一度、掃除しよう──なかなか敵が別の攻撃パターンに移らない上に、そろそろどんな 姿かも見てみたくなったので、レミリアは自ら行動を起こす事に決めた。 別に当たっても全く問題無さそうな弾を避けながら、これから行う攻撃が、ぎりぎり敵 に届かない位置へと移動する。 そして──周囲に紅い十字架状のオーラを巻き上げる大技、紅符「不夜城レッド」の威 力を抑えた簡易版を繰り出し、敵の放つ弾幕を消し飛ばした。 視界を遮る弾幕を掃除した事で、漸く相手の姿が見えてくる。 さらにタイミングが良い事に、分厚く空を覆う雲に切れ目が出来、月が顔を覗かせてき た。 「えっ……うっ、うそ……」 月を背に上空に浮かぶは、歪な形をした七色に光る翼を持った、まぶしい金髪に帽子、 紅い服に黄色のネクタイスカーフをした少女の姿。 「ふ……フ、フラン!?」 そう、自らの妹である──フランドール・スカーレットの姿がそこにはあった。 ──ように見えたが、顔と体型が微妙に違う。 身長は同じぐらいだが頭身が1つか2つほど下がったように見え、頭がやけに大きく、 顔全体がなんか丸い。 「……ゆ、ゆっくり……フラン、の……ゆっくり?」 いくらここ数日会っておらず、同じ館にずっと住んでいながら顔をあわせない日もある とは言え、自分の妹の顔ぐらいは覚えている。 と言うか、むしろ本人だったら、あまりに変わりすぎで嫌だ。 思わぬ事態に硬直するレミリアに向かって、彼女は口を開いた。 「……ゆっくりしね!」 言うと同時に、上空から真っ直ぐレミリア目がけて、急降下突撃を仕掛けてくる。 手を前方に突き出し回転しながら──そう、ソビエト連邦出身の残虐ロボ超人が得意と する、あの技に似た攻撃を試みようとしていた。 「ちょっ、え……なに、これ? ど、どどどういうことなのよっ!」 レミリアは混乱している。 物凄い殺気を放つ敵が、やけに弱い攻撃を仕掛けてきたと思ったら、そいつは妹を漫画 的にデフォルメしたような姿をしていて、死ねとか言いながら突っ込んできたのだから、 あまりにも事態が想定外過ぎた。 少し前まであったカリスマを、またも完全に雲散霧消させ、あたふたするレミリア目が けて、ゆっくりふらんは自身が放った弾より速く飛んで来て── 「わっ! ちょっ、い、いやっ! う、うそぉぉぉっ……きぁっ!」 「ゆっくりしね! ゆっくりしね! ゆっくりしね! ゆっぐべっ!」 レミリアの額に自らのおでこをぶつけた。 ともに目に仲良く星を散らしながら、もつれ合うように二人は倒れた。 「うっ……うぅっ……痛ぁ……な、なんてこと……」 目尻に涙を浮かばせて、レミリアはぼやいた。 気分が戦闘モードな時は、腕を吹き飛ばされたり首を刎ねられたとしても、痛みはほと んど感じず眉根を寄せる程度な彼女だが、そうでない普通の時は痛みにあまり強くない。 「んっ……ってか、こ、この体勢って……」 おでこを激しくぶつけた痛みで半べそをかきながら、身を起こそうとして、自分が相手 にのし掛かられているのに気付いた。 「……うぎ……うぐぅぅぅぅ……」 手を前に伸ばしていたくせに、額からぶつかってきた相手は、レミリアを抱きしめるよ うな体勢で目を回している。 「ちょ、ちょっとぉ! はっ、離れなさいよぉっ!」 言いながら覆い被さるふらんの肩に手を当て、はね除ける。 「う……うが……うぎゅぅっ!」 そんなに力を入れたわけではないのだが、ふらんはそのまま仰向けに倒れ、今度は後頭 部を地面にぶつけ、悲鳴を上げた。 「……もうっ! なんなのよぉ、こいつ……」 上半身を起こし、ずきずきと痛む額を摩りながら、レミリアは忌々しげに呟いた。 「ほんとに、さっきと言い、今日は散々ね……こんなんだったら、散歩なんかするんじゃ なかった……」 ぶつぶつと文句を言いつつ立ち上がった。 お気に入りの普段着も、ところどころ土で汚れてしまっている。 「あー、もうっ! こんな汚しちゃったら、また咲夜に怒られるじゃないの!」 別に咲夜は怒らない、ただ何故汚したのかを問い詰めるだけなのだが、レミリアからす ると叱責されているような気分になるのである。 無駄と知りつつ、手で服の汚れを叩く。 繊維になすり付けられた汚れは、その程度では落ちない。 付着した土ぼこりが多少薄くなったとしても、完全にきれいにするには洗濯が必要だ。 「いやだわ、服だけじゃなくて……髪や身体まで……あーっ! もうっ!」 森の土は湿り気がやや多い。 そんな上に転んでしまったら、色々と汚れてしまうのもやむを得ないとは言え、そもそ も地面の上に倒れるなどと言う事態を経験してしまったのが、非常に不愉快である。 「あぁ~っ、腹立つっ! ぶち殺しちゃおうかしら、こいつ……」 自分をこんな目に遭わせた犯人へと視線を動かす。 「……うぎゅぅぅぅぅ……うぐぅぅぅぅ……」 そいつはまだ目を回して、地面の上に大の字になってのびていた。 だらしなく開かれた口元からは、噛まれたら痛そうな牙が覗いている。 じっくりとレミリアは、ふらんの姿を見てみた。 頭身は違うが身長はほぼ同じぐらい、手足は本物よりも短く、頭は大きいが、それほど 異常な体型でもない。 顔については、全体的に丸い。口が大きく目も大きい、どことなくユーモラスな雰囲気 のある顔だ。 「…………な、なによ、こいつ……よ、良く見ると……」 かわいい、とレミリアは思った。 綺麗でも美人でも無いが、この顔は可愛い。そう、言うなればブサ可愛い。 犬で言うならパグとかのように、美しくはないが愛嬌があって可愛い、そう言う系統の 可愛さである。 「……い、いやだわ……わ、私ったらなに考えてんのよ……」 可愛いと思ってしまったことを、必死で否定しようとする。 だが、いきなり攻撃してきた上に、捨て身に近い特攻を行ってきた凶暴性がありながら、 このように無防備に倒れている様を見ると、なんとなく本物を連想してしまう。 レミリアの妹──フランドールは、情緒不安定というか、少し気が触れている。 総合的な戦闘能力は姉に劣るものの、純粋なパワー・破壊力は姉を凌ぎ、全てを破壊す る能力まで持っているが、気が触れているのである。 だから館の地下に幽閉しているのだが、本人は別に不満をほとんどこぼさない。 時々、外へ出たがったり、暴れ出したりすることもあるが、だいたいは温和しくしてい る。 「……違う……そう、こいつはフランじゃないのよ、フランじゃ……」 一度、似ている、可愛い、と思ってしまうと、必要以上に強く意識してしまう。 そもそも本物の妹に対する彼女の感情も、非常に複雑なのである。 自分では大事にしているつもりだし、姉として愛しているつもりでいる。 しかし、フランが姉をどう思っているのか、レミリアにはあまり良くわからない。 おそらく嫌われてはいない、むしろ好意は持たれている、とは思う。 会話をしたり、たまに遊んだり、時々ケンカをしたり、希に同衾したり、ごく希に大人 の遊びをしたりする際の、反応などから考えれば、愛されているかはわからないが、一定 以上の好意を持たれているのは間違いない。 「そ、そうよ! ふっ、フランじゃないから……」 なにやっても良い──そう、レミリアは思った。 普段は妹には絶対出来ないことも、こいつには出来る。 妹にしたいと思っていたことも、こいつにはしてもいいんだ。 やりすぎて殺しちゃっても、こいつなら何の問題にもならない。 美鈴だって、ゆっくりをゴミのように殺して、奴隷のように扱っていたんだから、きっ とみんなゆっくりに対しては、そうしているんだ。 みんながやっているのなら、私がやってはいけない事もないだろう。 むしろ、みんなの気持ちを知るためにも、私もした方がいい。 いや、しなければならない! これは、私の義務だ! 支配者としての義務! ──レミリアは、自分に言い聞かせ、思いついた考えを強引に肯定した。 「……い、いつまで寝てるのよ、お……起きなさい!」 決断した以上は行動あるのみとばかり、未だ倒れているふらんの脇腹を爪先でこづき、 起こしにかかる。 別にそんな事をしなくとも、腕の一本も引き千切れば痛みで目覚めるだろうが、それで は興が無さ過ぎると判断したのであった。 「……う……!? うがぁっ! うーっ!」 目を覚ますと、ふらんは素早く立ち上がり、後方に飛び退って戦闘態勢を整えた。 レミリアの目からすると遅い動作だが、普通の人間並みには素早い速度である。 「あら、思ったよりやれそうね……ふふっ、この私に刃向かったのを、後悔させてあげる わ」 無造作に彼女は一歩前に進んだ。 弾幕が全てかわされ、上空からの急降下突撃も失敗したのならば、接近戦で勝負を決め るしかないと判断し、 「うがっ! ゆっくりしね!」 レミリアの胸元目がけて、ふらんは手刀を繰り出す。 拳で打撃を与えるのではなく、伸ばした手で刺し貫く気である。 今まで数多のゆっくりを仕留めてきた必殺の攻撃だ。 だが、レミリアの身体に攻撃は届かなかった。 「遅い」 小さく短く呟くと、彼女はふらんの手首を掴んだ。 「うっ!? うがぁぁぁぁっ! ゆっくりしね!」 右手での攻撃が失敗したので、頭に血が上ったふらんは、左手を同じように繰り出した。 掴まれた手を振り解こうともせず、攻撃に重点を置く闘争心は、さすがと言うより無謀 であるが。 「だめね」 しかし、またも相手の身体に届くことなく、手首を掴まれた。 「うーっ! うがっ! はっ、はなせぇっ!」 焦りながら、ふらんは叫ぶ。 腕を引こうとしたが、全く動かない。 「あら、離しちゃったら逃げるでしょ? フランの攻撃はいつも単調なのよ」 そう言ってレミリアは悪戯っぽく微笑んだ。 「ぐっ! うーっ! ば、ばかにするなぁーっ!」 ふらんは怒りに顔を真っ赤に染め、右足で足払いを試みる。 「甘いわね」 ふわりと空中へ浮揚し、かわす。 「ほらほら、こうされちゃったら、あんたの短い足じゃ届かないでしょ? どうすんのよ?」 くすくすと楽しそうにレミリアは笑う。 「うがっ! うぅーっ! ゆっくりしね! ゆっくりしね!」 激高したふらんは届きもしない蹴りを放ち続ける。 「ふふふっ、本当にフランそっくり……わけわかんない理由で暴れ出して、私にかなうは ずもないのに刃向かってきて……」 言いながらレミリアは、ふらんの手首を掴む手に少しずつ力を込める。 「がぁっ! はなせっ! ゆっくりしね! うがーっ!」 馬鹿にされている怒りと、じわじわと手首を締め付けられる痛みで、ふらんは目を見開 き叫ぶ。 「そして、こうやって……痛めつけられる」 ぐちゃりと言う音ともに、ふらんの手首はレミリアに握りつぶされた。 手首を失った手は、腕から強制的にお別れとなり、ぽとりと地面に落ちる。 「ぐがっ! う゛ぁぁぁぁぁぁっ! て、てがぁぃぃぃぃぃっ!」 「ふふふっ、離せって、両腕を自由にして欲しいって事でしょ? ご希望通りじゃない」 確かにレミリアの言う通り、ふらんの両腕は自由になっている──手首から先を失った が。 「ぐがぁぁぁっ! てぇぇぇっ! ふらんのてぇぇぇぇっ! うぎゃぁぁぁっ!」 ぼたぼたと手首の先から中身を溢しつつ、ふらんは激痛に喘ぎ、両腕をめったやたらに 振り回し、地団駄を踏む。 「倒れなかったのは褒めてあげるわ。えらいわね、フラン」 そう言ってレミリアはにっこりと笑った。 「ぐぅぅっ! ごっころすっ! じねっ! ゆ゛っぐりしねっ!」 見事な闘争心と言うべきであろうか、痛みと怒りに目を血走らせ、ふらんはレミリアの 顔目がけて飛びかかる。 蹴りはかわされ、手を失ったのだから、頭突きと言う事である。 しかし、そんな単調な攻撃が当たるはずもなく、 「あらあら」 レミリアは軽く避けると、ふらんの後ろに回り込んだ。 背中から生えている双翼の根本を、両手で掴む。 「同じ攻撃を食らってあげるほど、私は優しくないわよ」 先ほど手首に対してしたのと同じように、じわじわと握る力を強めながら囁いた。 「ごぁっ! ぐぅぅぅぅっ! しねっ! ゆ゛っぐり゛じね゛ぇっ!」 ふらんは翼の根本を拘束され、じたばたともがく。 もがいたところで翼を拘束する力が弱まるわけもなく、逆にどんどん力は強められ、 新たな痛みを与えられてゆく。 「フランもねぇ、すぐ私に後ろを取られるのよ……ふふっ、ほんとそっくり」 翼は手首と比べると硬く頑丈なようだが、それでもレミリアにとっては充分に脆い。 「私ねぇ、フランの翼……この歪な七色の翼って好きなの、ちょうだい」 手首と同じように、レミリアはふらんの翼の根元を握りつぶした。 「あ゛ぎっ! ごがぁぁぁぁっ! う゛ぎゃぁぁぁぁぁぁぁっ!」 さすがに今度は立っている事が出来ず、俯せに倒れ、ふらんは激痛にのたうち回る。 「あら、無様ね。この程度で地面に這いつくばるなんて……ああ、やっぱこんな翼いらな いわ」 軽蔑したように言うと、握り千切った翼を無造作に投げ捨てた。 「ぐぎゅぅぅぅっ! はっはねっ! ふらんのはねぇぇぇぇっ!」 痛みよりも怒りが強いのか、ふらんは立ち上がり、レミリアを物凄い形相で睨む。 「へぇ、頑張るじゃないの。あんた本物のフランより根性ありそうね」 レミリアは素直に感心した。 ここまでこっぴどく痛めつけた事はないが、戦闘も弾幕ごっこも経験が少ない本物の妹 は、痛みに対しての耐性があまり強くない。 「ごっ、ころすっ! ころすころすころす! ごろじでやるぅぅぅっ!」 「殺すですって? おお、怖い怖い」 血の涙──中身の餡を溶け出させた涙を流し、激怒の叫びを上げるふらんに向かって、 レミリアは馬鹿にしたように言った。 実際、馬鹿にしている。 闘争心だけ旺盛で、あらゆる力が足りていないこの生き物を、レミリアは馬鹿にしてい る。 「うぎゅぅぅぅっ! うがぁぁぁっ! ば、ばかにするなぁぁぁぁっ!」 ふらん種は、ゆっくりの中でもプライドが高く、知能も高い。 語彙が少なく攻撃的で、感情表現も怒ばかりが目立つため、頭の悪い蛮族のように思わ れがちだが、非常に高い知能を持っている。 自分が馬鹿にされている事ぐらいは、ちゃんとわかる。 身体を痛めつけられるよりも、ふらんにとってはプライドを傷つけられるのが何よりも 耐え難い。 基本的にこの種は闘争本能と高いプライドからか、ゆっくりが本来備えている生への執 着がとても薄い。瓦全よりも玉砕を好むのである。 高い知能で相手との力量差、敵が複数ならば戦力差も理解する。だが、ふらん種は敵か らは絶対に退かない。 撃滅するかされるか、または敵に逃げられるまで戦う。 逃げた敵をどうするかは気分次第である。追撃するときもあれば、諦めて新しい獲物を 探すときもある。 ふらん種が戦いを避けるのは、敵と認識しない個体と種に対してである。 敵と認識しない個体に関しては、ふらん種各個体の個性で基準は一概に定まっていない が、種については、めーりん種さくや種が敵と認識しない種だ。 逆に敵と認識している対象は、全ての生物である。ゆっくりや普通の動物、昆虫にとど まらず、妖精や人間、妖怪であっても例外は無い。 もちろん、強いと言ってもゆっくりと言う枠の中での話であるから、野生動物や人間な どに挑んだ場合は、ほぼ確実に相手を倒せず終わる。 だからこそ、まだ強くない幼体の頃から無謀な狩りに挑み、返り討ちに遭う個体も多い ため、希少種となっているのであった。 そして、生き延び続けた個体は、どんどん強くなる──今レミリアに圧倒されている個 体のように、弾幕を放てるほど強くなり、さらにそれ以上の戦闘能力も備え得る。 「フランったら怒りっぱなしね……敵わないってわかってるんでしょ?」 怒らせているのは自分自身なのだが、ここまで痛めつけて馬鹿にしても、闘争心を全く 衰えさせないのが、少し面倒くさく思えてきた。 普通の生き物なら、圧倒的な力の差を目の当たりにしたら、戦意を喪失するのだから。 「うるさいっ! うるさいうるさいうるさいうるさいうるさい! ころすころすころす!」 そんな事は襲いかかる前から、ふらんにはわかっていた。 わかっていても見つけた獲物から、敵からは逃げられないのである。 生への執着が薄いとは言え、死への恐怖はもちろんあるし、痛いのは嫌いだ。 だが、会敵必戦し最後まで戦うのが種の本能なのである。 「あーっ、もうっ! なんなのよ、あんたは! 勝ち目なんて無いのよ? 怯えなさいよ! 恐れなさいよ! 媚びなさいよ! 命乞いぐらいしなさいよ!」 思い通りにならないため、彼女は癇癪を起こす。 痛めつければ、この妹に似た生き物は、怯え恐れ媚び屈服すると思っていた。 そう、本物の妹は、レミリアの強さに怯えることはあっても決して恐れず、姉に甘える ことはあっても絶対に媚びはしない。 恐れない媚びない妹の代わりに、この生き物を恐れさせ、媚びさせ屈服させたかった。 殺すのは容易いが、それはあまり気分が晴れない。 屈服させて可愛がるのが目的なのだから。 妹の代わりに、妹には出来ない、あらゆる方法で可愛がりたいのである。 逃げもせず、恐れもせず、怯えもせず、媚びもせず、ひたすらに敵意を剥き出しにして くる相手を前にして、レミリアは余裕を失い不満を募らせる。 「うるさいうるさいうるさい! ゆっくりしね! ゆっくりしね! ころすころす!」 目の前の敵──レミリアが、有利なのにもかかわらず精神的余裕を失いつつある事に、 ふらんは気付いている。 密かに再生能力を総動員して傷は塞いだ。 塞いでしまうと後で再生するときに時間がかかるが、これで痛みはある程度まで治まっ た。 敵の余裕を失わせてから、乾坤一擲の反撃に出ようと考えている。 しかし、そんな目論見は、脆くも打ち砕かれる。 「黙れっ!」 短く一喝すると、レミリアは両手を上にあげ、前に振り下ろす。 手刀ではなく衝撃波で、ふらんの両腕は肩から斬り落とされた。 「ごっ!? がぁぁぁぁっ! う、うでぇぇぇぇぇぇぇっ?」 痛みよりも驚きと焦りで、ふらんは絶叫した。 一瞬の出来事で、ふらんには何が起きたのか良くわからない。 だが、相手の攻撃で自分の腕が切り落とされた、と言う事だけはわかった。 ふらんは読みを大きく誤った。 目の前の敵は、ふらんの予想より遙かに早く余裕を失い、不満を爆発させたのである。 こんなにキレやすい、わがままな敵だとは、全く予想していなかった。 「腕がどうしたってのよ? うるさいわよっ!」 今度は片手を横に薙ぎ、ふらんの両脚を太腿のあたりで斬り捨てた。 「あ゛っ? な゛、な゛ん゛でっ? ぐぎゃぁぁぁぁぁぁっ!」 翼を失い、両腕に続き今また両脚も失ったダルマと化し、ふらんは地面に転がった。 ──なんなの、こいつ……きちがい……。 ふらんからすれば、いきなり不満を爆発させたレミリアはそのように思える。 「あははははははっ! 無様っ! ぶざまねっ! フランったらまるでダルマさんね…… あはっ、翼も腕も脚も無い方が可愛いわよ! あはははははははっ!」 ふらんの思いを裏付けるように、レミリアは狂気じみた哄笑を上げる。 本当は、こんな事をしたくはなかった。 恐れて媚びてくれれば、もう少し優雅に可愛がってあげようと考えていた。 その結果、やりすぎて殺してしまうかも知れないが、目的は愛玩であったのだ。 だから、悪いのはこいつだと思うことにした。 「う゛がぁぁぁぁっ! ころすころすころすころすころすぅぅぅぅっ! ゆっくりしね! ゆっくりしね! ゆっくりしねぇぇぇぇっ!」 はっきりと己が恐怖していることに、ふらんは気付いた。 殺されるのは間違いない、それもこんな狂った相手なのだから、物凄く残忍に嬲り殺さ れるだろう──さすがに、それは怖い。 だからと言って、ふらんは恐怖を表現する術を知らない。 そんな感情表現は備わっていないのである。 知っている、出来る感情表現は、怒りか笑いだけなのだから。 「なによっ、そんな姿になって、どうやって私を──このレミリア・スカーレットを殺す のよ? 馬鹿じゃないの? いや、馬鹿だお前は。身の程知らずめ!」 腹が立ったので脇腹を蹴り飛ばした。 「ごぶっ! がはっ……ゆ、ゆ……ゆっぐり、じね……ゆ、っぐり……し、ね……!」 黒っぽい何かを吐き出しながら、ふらんは敵意と憎悪が籠もった視線をレミリアに向け る。 「うるさい! 私を殺す? 死ね? やれるもんなら、やってみなさいよっ!」 再び脇腹を蹴るが、気が晴れない。 「……ああ、嫌な目ね。潰すわ」 ずぶり、と左目に指を入れ、眼球を抉り出す。 「ぎゅぶっ……ぐぐぐっ、ゆ、ゆっぐり、しね……ゆっぐ、り……し……ね!」 眼球を失った眼窩より、涙なのか中身なのか判然としない黒い粘液を滴らせながらも、 未だふらんの闘志は衰えていないように、レミリアには見えた。 「……くそっ!」 ──なんだ、これ? こんなにしても、まだ刃向かう気か? ふざけてる! 右目も抉り出そうかと思ったが、見えていた方が恐怖を与えられると思い直し、彼女は ふらんの襟首を左手で掴んだ。 自分の目の高さに、ふらんの顔を持って来て、 「命乞いぐらいしたら? そうしたら楽にしてやるわよ……どう?」 このまま顔を殴り潰したくなる衝動を堪えつつ、提案してみた。 「ぺっ!」 ふらんはレミリアの顔にツバを吐きかけた。 もう死にたいが、敵の慈悲にすがって殺して貰うよりは、怒りを買って殺されたいと思 ったのである。 「……! こ……こ、ここまで……私を虚仮にするか……ふざけんなっ!」 怒りに身を震わせながらも、レミリアは冷静に考えた。 ──殺したら、負けだ。恐れず死を望む相手を、怒りに任せ殺したら、私の負け。 生死の勝負ではなく、最早意地の張り合いである。 殺すか殺されるかであるならば、圧倒的にレミリアの優位は動かない。動かしようがな い。 だが、彼女は屈服を望んでいる。 最終的に殺すにしても、望む結果が得られずに殺してしまったら、それは敗北に他なら ない。 「ぶへっ、へ……へへっ……ゆ゛、ゆ……っぐり、じ……ね……」 ──おこってる、おこってる……いたいのに、まけてるのに、たのしい……あはっ……。 ふらんは笑った。 さらに相手を怒らせるためではなく、純粋におかしかったから、笑った。 目の前の敵は、自分と同じぐらいの大きさなのに、とても強い。 なのに、自分が負けを認めないと言うだけで、余裕を失い狂ったみたいに暴れている。 ──それが楽しくて仕方がない。 「……!……」 レミリアは空いている右手でふらんの右頬を叩き、次に左頬を叩き、また右頬を、と繰 り返す。 潰してしまわない程度に加減して、無言で彼女は往復ビンタを続ける。 「ぶべっ! ぼぶっ! がぼっ! う゛ばっ!」 休み無く両頬を叩かれ続けていては、ふらんと言えども喋ることが出来ない。 口から唾液などを飛ばしつつ、濁音だらけの短い叫びを上げるのみである。 ぱしん、ぴしん、ぱたん、ぴたん、と言う打擲音が夜の森に響く。 音が響くごとに、ふらんの顔は赤く腫れ、皮肌もところどころ傷つき、ぶさ可愛いから 醜いに変化してゆく。 「……はぁ、ふぅ……どう? 少しは立場わかった?」 さすがに手首が疲れてきたので、ビンタを中断して聞いた。 どうせ、答えは同じであろうと思いつつも。 「……ごふっ……かはぁ……ぺっ!」 ビンタで抜けた歯とともに、ふらんは再びレミリアの顔面にツバを吐き飛ばす。 狙ったわけでもないのに、中身の餡が混ざり黒く濁った唾液のつぶては、見事レミリア の口の中に入った。 「……え!? ……あ、甘い……あはっ……」 この場に似つかわしくない間抜けな声を出し、レミリアは顔を綻ばせた。 甘い──そう、ふらんの中身は、とても上品な甘さのこしあんである。 それも、ただのこしあんではなく、ラードや胡麻油で風味の付いた、あんまんの餡子だ。 粒あんが嫌いな人間は居たとしても、こしあんが嫌いという人間は少ない。 熱烈な支持者は粒あんに多いが、こしあんは嫌う者が少ないと言う強みがあった。 レミリアは──こしあんが好きである。ジャムもプレザーブよりジェリーを好む。 粒あんやプレザーブスタイルジャムの異物感を、あまり好まないのであった。 プレザーブだと、紅茶に入れた際に溶け残るのが許せない。 好物の味は気持ちを落ち着かせる。 そして、美味いものは──楽しい、笑いたい気分にさせる効果がある。 「あははははっ! あんた……気に入ったわ……んっ」 声を上げて笑ってから、おもむろにレミリアはふらんにキスをした。 甘い、とても甘い味が口内に広がる。 「うう゛っ!? むっ? んーっ……?」 何が起きてるのか、ふらんにはわからない。 今さっきまで怒り狂っていた相手が、突然接吻をしてきたのだから、もう何がなにやら。 レミリアは混乱するふらんに構うことなく、その口腔内を自らの舌で蹂躙する。 傷つき漏れ出した餡だけではなく、ふらんの唾液も甘く美味しい。 まるで何かに取り憑かれたかのように、レミリアはふらんの唾液を啜り飲み、餡が漏れ ている口内の傷を舌で舐めほじる。 「う゛っ! む゛う゛っ……!」 舌で傷を刺激され、新たな痛みを覚えたが、その痛みにより混乱から引き戻された。 一矢報いる好機であることに、気付いたのである。 敵の意図は全くわからない。 ふらんの理解の範疇を超える行動ばかりで、絶対に気が触れてるとしか思えない。 だが、これは紛れもなく、こちらから攻撃できる最後の機会だ。 ふらんは、口内に侵入し蠢く、レミリアの舌に噛みついた── 「んっ!? ……んーっ……」 痛みに、ちょっとだけ彼女は眉をしかめた。 相手が何をしたのかはわかっている。 だが、どうせ噛み切ることは出来ないだろうし、噛み切られたとしてもすぐ回復する程 度の軽傷であるから、放置することにした。 顎に力を入れ、ふらんはレミリアの舌を噛みちぎろうと試みている。 舌というものは、表面は柔らかい粘膜に覆われているが、その中は筋肉の塊である。 元気なときならばともかく、ボロボロにされたふらんの力では、粘膜を噛んで出血させ るのが精一杯であった。 ふらんの口内に鉄錆の味──レミリアの血の味がひろがる。 噛みちぎれないならば、せめて生き血を啜ってやれとばかりに、ふらんはレミリアの血 を飲んだ。 飲み込んだ瞬間、ふらんはびくんと身体を硬直させ、仰け反った。 合わさっていた唇が離れる。 「う゛っ! ……がっ、あ゛がぁっ……あ゛ぁっ!?」 かっと目を見開き、ふらんは苦悶の形相を浮かべる。 何が自分の身体に起きたのか、起きようとしているのか、ふらんにはわからない。 わからないが、身体の奥が熱く、苦しい。 「あちゃー……うっかりしてたわ、飲んじゃったのね、こいつ……私の血を」 苦しみのたうつふらんを地面に置き、レミリアは己の失策に頭を抱える。 吸血鬼の血は劇薬である。決して毒薬ではないが、恐ろしい劇薬だ。 「んー……でも、ゆっくりが飲んじゃった場合は、どうなるのかしら?」 彼女は首をかしげて考えた。 そんな事例は聞いたことがないため、考えたところで答えが出てくるはずがない。 「ま、いいか。どうなるのかは、見てればわかるしね……ふふっ、こんなの予想外だけど 楽しみだわ」 わくわくと期待に目を輝かせ、レミリアは事態の推移を見守ることにした。 続く? このSSに感想を付ける
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これはゆっくりいじめ系359 踏みにじられた花の勝手に書いた続きです。 読む前に踏みにじられた花をお読み下さい。 更に、初投稿なので拙い所もあるかと思いますが、楽しんでいただけたら幸いです。 めーりんが引き伸ばされ餓死した夜に、ある一匹のゆっくりふらんが死んだめーりんを見つけた。 最初は何か分からなかったが興味を引かれ近づくにつれ、見慣れた帽子や髪を見て慌てて近寄るが、既に死んでいためーりんにふらんは肩を落と し静かに泣く。伸ばされたお腹にゆっくりゆうかの死体があったが、ふらんにはどうでも良い事だった。 ふらん種にとってのめーりん種は母親に近い感情を持っている。 出会ったばかりの頃、めーりんはふらんを見るや齧られ投げられても、ニコニコして餌を取ってくれたり遊び相手になってくれる。 そんなめーりんにふらんも最初は疎んでいたが、自分を見る物は逃げ惑う者ばかりなのに変わらず側に居てくれるめーりんをふらんは家族に近い 感情で受け入れた。 それゆえに、ふらんはめーりんを襲うことは無い。それ所か子供が生まれたら自身が餌取りに出かける間、子供をめーりんに任せる位である。勿 論、子供を見てくれるめーりんの分のごはんも取らなければいけないが、安心して任せられるので苦にならない。 めーりんとふらんは実に良好な関係と言える。 そんな大好きなめーりんをこんな異常な殺し方をした犯人は許せないと、ふらんは泣き顔から一転憤怒の表情に変えて犯人を見つけ出して復讐す る事を決心する。 決心したは良いが犯人の検討がつかないふらんは困ったが、すぐそばの花畑でゆっくりの気配を感じそのゆっくりを捕獲する。 「ゆっくりわからないよー! ゆっくり離してねー!」 「うるさい! ゆっくり黙れ!!」 ふらんが聞くにはそのゆっくりはゆっくりちぇん家族で、子供が美味しいゆっくりスポットが有ると言うのでお腹が減って食べに来たと言う。 「おい!」 「ゆぅっ? 何っ?!」 ふらんは捕まえた親ちぇんをめーりんの所に連れてくる。子供達は親から助けたいのか逃げれば良いのに着いて来る。 「このめーりんをこんなにした奴を知らないか! 知っていたら殺さないでやる!!」 「ゆっくりわからないよー! ちぇんは今来たばかりだから何もわからないよー!!」 思わず睨む顔がきつくなる。手がかりを掴んだと思ったら何も知らないゆっくりだったからだ。今は潰す時間も惜しいので親ちぇんを捨てようと すると、周りで跳ねていた子ちぇんが大声を上げる。 「わっ、わかるよー! ちぇんはわかるよー!!」 「う?」 「ちぇんを此処に連れて来てくれたまりさ達がやっていたよー! 恐かったから近寄れ無かったよー!」 「そいつらが居る場所、分かる?」 「分かる、分かるよー! だからおねーちゃんお母さんを放してねー!」 手掛かりを掴んだと喜ぶふらんだが、親を助けたい為の出任せかもしれない。 「それじゃ、今からお前を掴んで空を飛ぶからそいつらの所に案内しろ!」 「ゆゆっ?!」 親ちぇんが抗議しようとするが掴む手を強めて黙らせる。 「ちゃんと案内出来たらお前達は殺さないと約束する。だから……頼む」 「ゆっ……」 親ちぇんも子ちぇんもふらんが命令からお願いに変わったのを聞いて、このめーりんがとても大事なものだと悟った。 「おねーちゃん、わかったよー! 案内するよー! ちぇんに任せてねー!!」 「……ありがとう」 ふらんはそっと親ちぇんを地面に下ろすと子ちぇんを両手で掴んで空に浮いた。 「凄いよー、お空を飛んでるみたいだよー!」 嬉しそうにはしゃぐちぇんに、みたいじゃなくほんとに飛んでるんだと言いたかったが案内を促す。 心配そうに見つめる親ちぇん家族を残し、ふらんは子ちぇんの案内の元犯人達へと急ぐ。 数分ばかり飛んだだろうか? ふらんは洞穴の前に居た。 子ちぇんが言うには此処だと言うが、確かな証拠が必要だ。勘違いで叩き潰しても良いが、本物の行方が掴めなくなっては困るからだ。 子ちぇんに静かにする様に言い含め地面に降ろし、洞穴の前で息を潜める。 洞穴のゆっくり達は餌をたんまり溜め込んでいる様で盛大に盛り上がっていた。恐らくあの花畑から持ち帰った物が殆どなのだろう。 声の様子から、中に居るのがゆっくりれいむ、ゆっくりまりさ、ゆっくりありす、ゆっくりぱちゅりーの四匹だと分かった。 「あのゆうかは馬鹿だよねー!」 「ほんとほんと、さっさとご飯を渡せば死なずに済んだのにね!」 「都会派ならご飯はお裾分けするのが常識なのにね!」 「むきゅむきゅ……」 ゆうか……? そういえばめーりんのお腹の上にゆっくりゆうかが居た気がする。そうか、あの花畑はゆっくりゆうかの物だったのか。 勝手な事を言う中の四匹に苛立ちを感じるが、ゆうかの事は自分とは関係ないと思い続きを聞こうとする。 「あんな最低のくずと仲良くしてるから死んじゃうんだよねー!」 「ほんとほんと、ゆっくり死んでー♪ ゆっくり伸ばされてー♪ そして~仲良く~ゆっくり死んでも一緒~♪」 「あの死んだ田舎物を伸ばしたくずの田舎物の上に落とすように指示したのはあなたでしょ? あなたのセンスはいつもながら冴えてるわ!」 「むっきゅきゅ♪」 関係無いと思っていたが大いに関係有った。めーりんとゆうかは仲良しだった。そしてこいつらに殺されたのだ。それが今の会話で全部分かった。 「いつもご飯を集めるしか脳が無いくずなのに、まりさを突き飛ばすんだもんね!」 「あれは許せなかったよ! 温厚なまりさも思わずカッとなっちゃったね!!」 「何が温厚なまりさよ~」 洞穴の中に楽しそうな笑い声が響く。それは入り口で潜むふらんにも伝わってくる。 こいつらを今すぐ殺してやりたい衝動に襲われるが、その前に約束を果たさなければならない。 見るもの触れるもの全てを噛み殺さんと歯を剥き出しにするふらんに、地面に居る子ちぇんは恐ろしさから小刻みに震えている。 ふらんは深呼吸をして自分を落ち着かせ、子ちぇんに精一杯の作り笑いを向け大事そうに両手で掴み花畑に戻る。 子ちぇんは笑顔を見た瞬間、気が抜けて思わず気絶しそうになった。 「「「ゆっくりおかえりー!!!」」」 花畑に降りたふらんを待っていたちぇん家族は待ちきれないとふらんに殺到する。 親ちぇん達の勢いに負けたふらんは尻餅を着くが、両手に持った子ちぇんを自分のお腹に乗っている親ちぇんの頭に返してやる。 「ただいまー! ちゃんと案内してきたよー!」 「無事帰って来てくれたんだねー! うれしいよー!」 親子の頬擦りに周りの子供達も加わり、静かだった花畑が賑やかになる。 「約束通りお前達は食べないよ、それじゃ!」 頬擦りを続けるちぇん親子達にそう告げるとふらんは飛び上がり洞穴に向かおうとするが、ふと思い立ち親ちぇんに声をかける。 「めーりんのからだは食べないでね、あとでこの花畑に埋めてあげるから」 そう言い残し、ふらんは返事を聞かずに飛び去る。 「ゆっ?! ゆっくり……わかったよー! ゆっくり任せてねー!」 その声はふらんに届かず闇夜に消えた。 ふらんは洞穴に向かいながらめーりんを殺した犯人達をどうやって殺してやるか考える。 『伸ばして殺されたのなら、伸ばして殺してやれば良い。』 そうだ、それで良い。自分がどんなに酷い事をやったのか思い知らせてやれば良いのだ。 ふらん達が洞穴の前にそっと降り立った時も、中ではまだ宴会を終わらず賑やかだった。 相手は四人でこちらは一人。負ける事は無いが逃がす事はしたくない。 なので作戦を考える事にした。 まず四つ身に分身する。 ふらん種は胴有り無しに関わらず、一時的に自分の分身を3つ作り出す事が出来る。 そして、まず一人が洞穴に押し入り一匹を捕まえて威嚇する。 他のゆっくり達は逃げ出すだろうから分身が待ち構えて捕まえる。仮に逃げ出さずに闘う姿勢を見せたら分身を呼んで中で捕まえてしまえば良い。 それぞれが一匹ずつ捕まえた後、痛めつけて動けなくしてから順番に引き伸ばして殺してやる。 決まってしまえば素早く行動するのみ、ふらんは分身を生み出し入り口に残し、自分だけ素早く飛び込み一番近くに居たれいむを捕まえ頭頂部に 頭突きをする。 「ゆっがぁっ?!」 余りの速さに呻き声だけ残し気絶するれいむ。 「ゆっ、何なんだぜ! れいむをはな……ふらんだー!」 「ふ、ふらん? いやぁぁぁぁぁぁぁ!!」 「むきゅー! むきゅー!」 「うるさい! ゆっくり黙れ!!」 ふらんが三匹に怒鳴るとぱちゅりーはガクガク震え、ありすはまりさと捕まっているれいむをキョロキョロ見返すだけで逃げようとしない。まり さはふらんをじっと見つめ動かない。 ふらんは思わず評し抜けした。これなら外の分身を中に呼んで捕まえてしまおうかと、ふらんが考えた時である。 「まりさはゆっくり逃げるよ! 恐いふらんはれいむとありすとぱちゅりーを食べてね!!」 考え事をしたせいでまりさから視線が外れ、逃げるチャンスと考えたのかまりさが仲間を見捨てて外へ駆け出す。 「まりさひどいぃぃぃぃ!!」 「むっぎゅぅぅ!!」 置いていかれたぱちゅりーとありすがまりさを呼ぶが、まりさは構わず外に消える。 自分達も続こうとするが、目の前のふらんが恐いのか動けないで居る。 「びぎょうものぉーー!!」 「おいでがないでぇー!!」 「どんくさいありすやぱちゅりーはゆっくり食べられてね! まりさはゆっくりはやくにげぶぎゃっ!!」 だが、消えた瞬間まりさの悲鳴が洞穴に響く。 外に待たせた分身が捕まえたのだ。 ふらんは外に居る分身を全部洞穴の中に入る用に念じる。 まりさを抱えたふらんを先頭に残りのふらん達が洞穴に入ってくる。 「ゆっくり離してね! まりさだけでも助けてね!!」 「この裏切りまりさ! あなたなんか都会派じゃないわ!!」 「むきゅ~……」 一匹でも絶望的なのに三匹も来てはどうにもならぬとぱちゅりーは諦めるが、ありすは逃げたまりさを非難する事で忙しいのか現状を理解してい ない。 結局ありすはふらんに抱えられるまでまりさを非難していた。 全員を捕まえるのに成功したので、作戦通りまずは適当に痛めつけて自力で逃げられないようにする。 分身を含めた四人で同時に地面や壁に叩き付けて痛めつける。 死に易いぱちゅりーは手加減しないといけないのでふらん自身がやった。 「むぎゅぁっ! ぐがっ!!」 「いだっ!! だぁっ! ぎゃべっ!!」 「ぶぶぅ! ごがぁっ!!」 「ぶぎゅっ……、うぶぅ……」 叫ぶまりさ達とは対照的にふらん達は黙々と叩き付ける。 全員が動かなくなるのを確認したふらんは手近にいたありすから引き伸ばす。 ありすに含む所があったのではなく、ただ一番近かっただけである。。 「いだあああああぁぁぁぁぁぁ!!! だぶげでぇぇぇ!!!」 泣き叫ぶありすを分身たちと協力して引き伸ばす。 「だれっ、でもいっ、いがらだず――ぎぁっ!!」 限界が来たのか分身Aが持っている足の部分がブチンと千切れるが、中身が漏れ出す皮を再度掴ませさらに引き伸ばす。 「うぎぎぎぎぎぎぎぃぃぃぃぃ……がっ!」 ふらんが持つ頭の皮が破れたことでやっとありすは死ねた。 残ったまりさ達はありすの惨状を見て震えるが、その引き伸ばされた様子を見てぱちゅりーは何故自分達が襲われたかを理解した。 そうだ、これは先日めーりんにやった事と同じだ。 豊富な知識を誇るぱちゅりーはめーりん種とふらん種の関係を思い出し、何故自分達を襲われたのか理解した。 「むきゅ! ご、ごべんなざい、ごぜんなざい……」 「ゆっ、ごめんなさいだぜ! 謝るからまりさを許してほしいだぜ! この通りだぜ!」 一歩前に出て鼻声でふらんに謝るぱちゅりー。その様子を見てまりさも謝るふりをする。れいむは変わらず震えている。 ふらんは伸ばされたありすを踏み越え、次はぱちゅりーを掴み引っ張り出す。 「むぎゅー! ごべんなざい!! いやぁー、伸ばざないでー!!」 ぱちゅりーは尚も謝るが、洞穴の前で一部始終を聞いていたので当然ぱちゅりーも許すつもりは無い。 今回はただ引っ張るだけでは許さない。 ありすの時とは違い四人で引っ張らず分身だけを使い、三角になる様にゆっくり引っ張り皮が千切れない様に余裕を残して暫く待つ。 「むぎゅぅ~~~~~、だずげでぇぇ~~」 その後、伸びた皮が安定したのを確認するとふらんはぱちゅりーから帽子を取り上げ口に突っ込み、伸びた皮を下から蹴り上げる。 「ゆっくり死ね! ゆっくり死ね!! ゆっくり死ね!!! ゆっくり死ね!!!!」 「むぐっ! むぎゅっ! むぅ~~!! むごぉ~~~!!」 口を塞がれ伸ばした背中を蹴り上げる苦痛にうめき声を上げるが、構わず蹴り続け段々力を強くする。 蹴られる衝撃で余裕が有った皮も耐え切れずに千切れるが、ありすの時と同じように千切れた部分は捨てて分身に再度持ち上げさせる。 「ゆっくり死ね!!!!! ゆっくり死ね!!!!!! ゆっくり死ね!!!!!!! ゆっくり死んでしまえ!!!!!!!!」 「むぎぃ!! むぎゃぁ!! むびゅっ!! むぎゅぁ――!!!」 最後の蹴りでふらんの足がぱちゅりーの口から飛び出し、皮を蹴り破られて帽子と一緒に餡子を撒き散らかしながらぱちゅりーは死んだ。 残るはれいむとまりさだ。 ふらんは先にれいむを始末しようと近づく。今度はどんな伸ばし方で殺してやろうか? 「ゆっ、もう充分だぜ! まりさを助けてほしいんだぜ!! ころさないでほじぶっ!!」 媚びた笑みを浮かべるまりさを蹴り飛ばし残酷な笑みを浮かべながられいむに立つが、さっきまで震えていたれいむがピクリとも動いて無い事に 気付くふらん。 「うー?」 様子を伺うと余りのショックに白目を剥いて死んでいた。思いっきり蹴飛ばしてみたが まだこいつには伸ばして居ない。なのに死んでしまった! 「うがー!! 死ね死ね死ね!! ゆっくりせずに死ね!!」 既に死んでいたが構わない。 苦しまない相手を引き伸ばしても意味が無いとばかりに、れいむの髪飾りを掴み壁に叩き付けるが、それでも癇癪は治まらない。 髪の毛ごと引き千切れるほど叩き付けた頃には皮だけになっていた。 漸く落ち着いたふらんは荒れた呼吸を整え、最後の一匹のまりさを殺そうと洞穴を見渡すがまりさが居ない。 「う? 何処?」 れいむを潰すのに夢中になってる隙に逃げられてしまったようだ。 だが、あの痛めつけられた体ではそう遠くには逃げられまい。 ふらんは素早く外に飛び出し分身を使って四方を探すと、花畑とは反対の方向に飛ばした分身が川の側で水を飲むまりさを見つけた。 水を飲むまりさの背後に分身が降り立つ。 「ゆぐっ! ゆっくり?!」 物音に気付いて振り返るまりさが見たものは、今まさに自分を捕まえようとする分身の姿であった。 「ゆっ、ゆっくり来ないでね! まりさは川を降って逃げるよ!!」 まりさは帽子を川に放り、それに飛び乗る。 普段なら慎重に乗るが、今はそんな場合ではない。乗った直後は落ちそうになったが、すぐに安定させ分身から遠ざかる。 「ばかなふらんだね! まりさはゆっくり逃げるよ~。ゆ~ゆっゆ~♪」 水の勢いは急では無かったが、飛んで追いかけるのは難しい速さだった。 まりさは追って来るが距離を離される分身を見て安堵する。 すでに失った仲間の事は忘れ、はやくゆっくり出来る場所が無いかと考えていた。 そんなまりさの前にふらんが待ち構える。 「なんでぇぇぇぇーーーー!!」 分身から念を拾って駆けつけようとしたのだが、まりさが川を降ってる事を知って川下で待ち構えたのだ。 帽子の船に乗って降ってきたのは、両手を広げるだけで捕まえられるからふらんにとって実に都合が良かった。 「逃がさないよ! 最後のお前は絶対に!!」 「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!」 暴れるまりさを洞穴に連れ戻し再度叩き付けて、こいつをどうしてやろうかと考えるふらん。 伸ばして殺すのはありすでやった。ぱちゅりーは伸ばして蹴り殺した。れいむは……残念だった。 それ以上の殺し方は……と考えた時、ふらんのお腹が鳴った。 そうだ、いつもやってるやり方をしよう。 「ゆぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ」 ふらんは千切れないギリギリの所までまりさを引っ張り伸ばす。 伸ばしたまりさをかつてまりさ自身がめーりんにやった様に固定して戻れないようにする。 「これで、お前はもう、ずーーーっと、伸びたままだ」 「いやぁぁぁぁ、もどにもどじでぇぇぇぇ!!」 暫くして戻らない事を確認したふらんはまりさを持って空に飛び立つ。 まりさは降ろせ降ろせと煩いがそれを無視してふらん達は手頃な棒を探す。 数分探した末にやっと見つけたのは、『この森はゆっくり達の森です』と書かれた立て看板だった。裏にゆっくりんピースと小さく書かれている。 ふらんたちはまりさをその看板の突き出た棒の部分に刺す。 「ゆぎぃぃぃぃぃぃ!!」 その際、餡子が漏れないように刺した部分を棒にくっ付けるように揉んで固定する。 「ゆぎぃ! ゆぎゅ! ゆぐぅ! ゆがぁ!」 「そこでゆっくり死んでいけ!!」 「いやだぁぁ、まりざをだずげでぇぇーー!!」 「煩い、ゆっくり食べられて死ね!」 「だずげでぇーー! だずげでゅぁ!!」 ようやく全て終わった事が分かると、ふらんは泣き叫ぶまりさの頭を最後に蹴飛ばしその場を飛び立つ。 お腹が空いていたが、その前に花畑に戻る。 めーりんを野ざらしには出来ず、ご飯の前に花畑に埋めてやろうと思ったのだ。 花畑に戻ったふらんは花畑で動くゆっくりを見つけたので、先に腹ごなしを済ませようか考えた。 「うー……」 だが、まずはめーりんの埋葬が先である。顔をパンパンと叩いて気合を入れてめーりんの所に向かう。 だが、めーりんの居た場所に降り立ってみるが、めーりんの死体が見当たらない。更にゆうかの死体まで無い。 「う? なんで? どこどこ?」 「おねーちゃん、おかえり~! わかるよー! 全部終わったんだねー!」 慌てて探すふらんのもとに、あの案内してくれた子ちぇんが現われてめーりんはこちらだと言う。 意味が分からないふらんは子ちぇんに着いて行くと、親ちぇんが穴を掘ってめーりんを埋めようとしているではないか。 「うぅ? 何してるの?!」 「わかるよー、埋めるんだねー。ちぇんはわかってるよー!」 ふらんは解らない。ここに戻ってくる事が解っていたのなら食べてしまう自分からは逃げてしまえば良いのに。 「いみがわからないんだねー、ちぇんはふらんが約束守って子供を帰してくれたからお礼をしてるだけだよー! わかってねー!」 お礼も何も、自分がやれと強要した事なのに……。 ふらんはそう思うが、親ちぇんにとっては一家全員が食べられててもおかしくない所を、お願いを聞いただけで助かったのだからお礼は当然だと 思っている。 ふらんは未だ分らない顔をしていたが、これがちぇん種なんだと無理やり理解した。 ちぇんに感謝したふらんは、これからはちぇん種は食べないようにしようと思い、親ちぇんと一緒にめーりんを穴へと運んだ。 そして、残されたまりさは――。 看板に固定されてすぐは夜だった為近づくものが居なかったが、朝になり鳥達が目覚め虫達が活動しだすと共に身を削られ餡子が付着した看板だ けが残った。 「ゆっぐりだべないでぇぇぇぇぇ……」 fuku1450.txtさん、作品をお借りしました。 このSSに感想を付ける
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さんさくめ ちょっと ちょうしこきすぎた あいかわらず だぶん だよ by おれまりさ とか よばれたひと 「あ~楽しィ~!マジAQN最高だぜ」 今日もハッピーターンをつまみながらビールを飲んで、某ゆっくりスレを見て1日の疲れを癒す。 そんな私はゆっくり愛好家。壁紙はゆっくり、勿論デスクトップを飾るのはゆっくりデスクトップアクセサリー なぜならゆっくりは特別な存在だからです。 デスクトップ画面には50匹を超えるゆっくりが縦横無尽に飛び跳ねている。 この為にCPUをセレロンからクアッドに変えたのは言うまでもない。 「あ~かぁいいよ~ゆっくり~!俺の大根もおろせる頬でスリスリしたいよ~~!」 悲しいかなこいつらは与えられた画像とルーチンでしか動く事できない デスクトップを見てニヤニヤしてる俺。親が見たら泣くね絶対、まだAV見てる方が救いがあるよねウン しばし至福のゆっくりタイムを満喫してると、辺りが一瞬真っ白い光に包まれに遅れてゴロゴロと言う音が外から響いていた 「結構近いな。落雷で俺のゆっくり画像が消えちまったら困るな。可愛いゆっくりちゃん、少しの間会えないけど我慢しててね」 そう言ってスタートボタンにポインタを合わせた瞬間であった ガラガラガッシャーーン!! 眩い閃光と共に耳をつんざく爆音が俺の部屋を襲った 同時に激しい衝撃で俺の体は吹っ飛ばされ壁に叩きつけられた 「うぉ…いってて、本当に落ちるとは…はっ俺のゆっくり1号カスタムは!?」 自慢のゆっくり専用PCを見やると本体は白煙を上げモニタは真っ暗な画面だけを映していた 「なん…だとっ!?」 何という事だ...給料の3か月分を費やして組み上げたゆっくり専用PCが!? 1年掛けて関連サイトやアップローダを暇さえあれば業務中でも探して集めた画像がッ!? 通勤中に思いついてにやけてしまう程の思いのたけを綴ったゆっくりとの妄想ライフSSががっ!? おきのどくですが ぼうけんのしょは きえてしまいました 3行の文が俺の中を渦巻いていた。 ゆっくりが居なくて何の人生を楽しめようか 目の前が真っ暗になり俺の人生も真っ暗にあんりかけたときであった ビッ ピーー 聞きなれた起動のビープ音がPCから聞こえた 「良かったPCは生きてる!」 後はデータが生きてるの確認するだけ OSのロゴが消えるとと何時もの乱雑なデスクトップ画面が映った 相変わらず暢気にゆっくり達が跳ねまわっている。よし問題ない 後はマイゆっくりフォルダを確認するだけだ。ポインタを置くと目を瞑って祈る思いでクリックする 「…。」 うっすら目を開けると白い背景にいくつものアイコンがいくつも見えた。 良く見ると虫食いの如く所々有る筈のフォルダが消えてる 「ま…PCが生きてるなら儲けものだな、ハハ…」 とりあえず飲み物をとって気を落ちつける事にした。もう流れちまった画像の事を考えると飲まないと涙が零れそうだからだ 「さてと…他の方は…ん?」 可笑しい…さっきまで有った筈のフォルダや画像のアイコンまでが消えている 「ま…まさかウィルス!?」 だがウィルスソフト反応してない。じゃあ一体なぜ?Why? 「ん…なんだこりゃ?」 何故かデスクトップアクセサリーのゆっくりれいむが妙な行動している。 AAでよく見るむーしゃむーしゃと物を咀嚼するアクション。 こんな動きしたか?徐にポインタを近づけてクリック するとれいむが口からアイコンを吐き出した。こ…これは!?タイトル名を見ると私的神画像の1つ!? 「れいむのしょくじをじゃましないでね!」 スピーカーから聞こえる筈のない物が聞こえた。 それだけではない他のゆっくり達を見るとデータにない筈の動きをしている 「これは一体?おまえはだれなんだ!?」 「れいむはれいむだよ。ばかなの?」 いや待て落ち着け……これは夢だ。夢でないとしたら幻覚だ。頬をつねろう 「あだだだだっ!?」 本物だ。じっくり観察してみるとデスクトップ上ではゆっくり達が思い思いに動いていた 数匹で歌を歌ってる者・追いかけっこをする者・フォルダのアイコンに顔を突っ込む者、絵やSSをみて想像するしかなかった光景が今ここに存在している 「フ…フハハハハハ!見ろ全国の『お兄さんども』よ!!俺はゆっくり愛好家達が誰もが羨む夢『ゆっくりと暮らす』をこの手に手に入れた」 「うるさいよ!しょくじちゅうなんだからゆっくりしずかにしててね!それとごはんがたりないからすぐもってきてね!」 「ああ・・・ハイハイゴハンね。ゴハン?お前ら電子データの癖に物が食えるわけないだろ」 「なにいってるの?おっきいおさらのなかにあるのがれいむのごはんだよ!」 よく見たら開いているマイゆっくりフォルダの中に多くのゆっくりが集っている。そいつら一様に何かを咀嚼している。ま…まさか!? 「こいつらファイルを食ってる!?」 何と気づいたらマイゆっくりフォルダの画像やテキストファイルの殆どが消失してる。こいつは不味い! 「ば・・・ばかたれ!今すぐ辞めろ!!」 「これはれいむがみつけたごはんだよ!ゆっくりできないおにいさんはきえてね!」 叫ぼうが一向にゆっくりはやめる気配がない。止めようにも画面の向こうの存在に干渉することなどできやしない。 「そうだ?さっきれいむに…」 フォルダでファイルをむさぼってる一匹のゆっくりをクリックする 「ゆ!?いたいよ!まりさをはなしてね」 ビンゴ!やっぱりそうだ。こいつらはデータなのでPCから操作で干渉できる 「おにーさんまりさをはなしてね!」 そのままドラグしてゴミ箱へドロップ 「ゆ゛ーーー!」 仲間の叫び声に気付いた他のゆっくり達が一斉に振り向く 「ゆっ!おにいさんまりさをかえしてね!」 「ここはれいむたちのおうちだよ!かってにいじらないでね!」 口々に非難の声をあげるれいむたち。 余りの事にこいつらの本質を忘れていた。 自分勝手で頼みもしないのに居着いてまるでそこの主の様に振舞う そして俺はお兄さん ならば成すべき事は一つ… 「おにいさんれいむをむししないで…むっぐ!こんなにごはんいらな゛っ」」 手始めにバックアップ済みの大容量データを放り込んであげた。 3GBもする御馳走を貰ったれいむは歓喜のあまり白目を剥いて気絶してしまようだ 「て゛い゛ふ゛ぅぅぅぅぅ!!」 れいむのつがいらしきまりさの口にはどっかで拾ったゆっくり.zip .exeとかいう何か怪しい香りのするファイルを御馳走させてあげた 「や"めでっ!?むーしゃむーしゃしあわせー♪」 「アレ何ともないのか?」 「ゆ…ゆっくゆっくゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりっくりっくりっくりっくりっくりっくりりりりりり」 「あ…やっぱりヤバいファイルだったか」 まりさは壊れた録音機の如く奇声を発しながら画面上を狂ったように走りまわる 今度は呆気にとられて動けない3匹のゆっくりを範囲指定して圧縮ソフトのアイコンに放り込んであげた するとデスクトップに3匹のゆっくりがいびつに融合した真四角なアイコンがあらわれたではありませんか 「き゛ほ゛「い゛や゛あ゛ぁぁ「は゛な゛れ゛て゛ぇぇぇぇ」ぁぁぁ」ち゛わ゛る゛い゛ぃぃ」 ゾクっとする様な不気味な声を立ててガタガタ動いている しかし本当の悪夢はこれからだ。ゆっくりデスクトップアクセサリの設定画面を起動してRemilaと名の付いたファイルを起動させる。 「うー?」 他のゆっくり達の顔が凍りつく。まさかれみりゃまで出てくるとは思いもしなかったろう 突如出現させられて戸惑っているれみりゃ。だが周囲を見回すと事態を把握したのかにっこりと笑う 「たべちゃうぞー!れみりあ うー!」 ようやく危機を悟り逃げ回る残りのゆっくり達。 「れ゛み゛り゛ゃ゛た゛ぁぁぁぁぁあぁ!!」 「い゛や゛た゛あ゛ち゛に゛た゛く゛な゛い゛ぃぃぃぃ」 半狂乱になって画面を逃げまどうゆっくりの様子は滑稽なものだった。 「ハハハハ!見ろ、人が…じゃなくてゆっくりがゴミの様だ!」 れみりゃに中身を食われてデリートされる物 画面端に逃れようとして将棋倒しになり押しつぶされる物 やけくそになったのか他の仲間を押し倒して性行為に及ぶ者 とにかく隠れようと自分からゴミ箱につっこむ者 宴は空が白むまで続いた。騒動が収まった頃にはデスクトップには数匹のゆっくりがポインタから逃げるように画面端で縮こまっている。 まだ続けたいところだが今日は出勤日、眠い目を擦り身支度を整え朝飯を取る。 今まで起こった事が夢のようだった。だけど現実なんだよこれが 出かけるので電源を消そうとPCの前に行く 「お゛ね゛か゛い゛で゛す゛ゆ゛っく゛り゛さ゛せ゛て゛く゛た゛さ゛い゛…」 その言葉を聞いて電源を切る手を止めた 「そうか帰ったらあそんであげるからそれまでゆっくりしていってね!」 俺は軽い足取りで家から出てゆく。何か聞こえた気がするけど気のせいだろう このSSに出てくる固有名称・団体名・商品名・企業名は実在の物とは無関係です このSSに感想を付ける