約 593,080 件
https://w.atwiki.jp/slowlove/pages/2575.html
最近巷で流行りのゆっくりカフェというものに行ってみた。 もちもちのゆっくりのほっぺをツンツンしたりすりすりしたりしてみたいなあ。 「いらっしゃいませ~ゆっくりしていってんか」 受付のきもんげに案内されて店内に入る。そこには様々なゆっくりがゆっくりしていた。しかし・・・ ゆっくりめーりん「zzz...ZUN」 ゆっくりこまち「zzz...ZUN」 テルヨフ「zzz...ZUN」 チルノフ「zzz...ZUN」 「寝てるだけじゃねーか!」 「お客さんお客さん」 お、ゆっくりれいむだ。さすがにれいむはちゃんと起きてるようだ。 「ゆっくりはゆっくりしてるのがあたりまえなんだよ。だいたい本家のネコカフェの猫だって本来は昼間ゴロゴロしてるものなんだよ。 それを無理にいじるのはゆっくりしてないんじゃないかな?だからお客さんもいっしょにゆっくりしていってね!」 たしかに正論だ。きっと猫もゆっくりしたいんだろう。 ゆっくりカフェだけあってドリンクは基本ジュースとお茶だけだがお菓子は饅頭、羊羹、お汁粉といった和菓子からケーキやビスケット マカロンやアイスといった洋菓子。杏仁豆腐のような中華菓子まである。おお、これは幻想入りしたティラミスじゃないか。 とりあえずゆっくりからみても一口サイズのお団子をあげてみよう。ゆっくり食べていってね! 「・・・」 あれ?れいむが無言で食べている。 「ンマァーイ!」 え?「むーしゃむーしゃ!しあわせー!」じゃないの?味がイマイチだったのかなと思って食べてみると ヴチュウゥゥゥーッ! 団子から飛び出した謎の白い液体・・・ならぬ黒い液体がれいむにぶっかかった。 「お客さん・・・」真っ黒な顔でれいむが言った。 「このごま蜜団子は前歯で噛むと中の蜜が飛びてちゃうからあえてむーしゃむーしゃとは言わなかったんだよ」 「す、すまない」ナフキンでれいむの顔を拭き拭きする。 「あと食べたあとはしあわせー!じゃなくてンマァーイ!というのもマナーなんだよ、ゆっくり理解していってね!」 そうだったのか。ふと見るとれいむがほっぺをこっちに向けている。 これは「プニプニしてもいいのよ?」というサインなのだろうか?私はそっと人差し指をれいむのほっぺにつけてみた。 プニプニ・・・ つきたてのお餅のようなモチモチした感覚が心地よい。 プニプニプニプニ・・・ ゆっくりのほっぺツンツンが気持ち良くて思わず寝てしまったようだ。 ゆっくりにつられてこちらも寝てしまったようだが心地よい眠りだった。 「お客さんお客さん」 「ん?」 きもんげが呼び止める。 「延長料金」 ゆっくり寝すぎた結果がこれだよ! なんだこのほのぼのw もっと出してもいいのよ? -- 名無しさん (2013-09-24 23 23 32) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3008.html
※一部俺設定あり。 ※一見、罪のなさ気なゆっくりが被害に遭います。 【ゆっくりと大晦日の祭事】 私の村には毎年大晦日になると、ある方法によって翌年の兆候を占うという祭事がある。 それは、今年一年、大切に育ててきたゆっくりの家族を使用して占うものである。 このゆっくり達には、我々と同じ食事を与え、広々とした部屋で何不自由なく過ごさせている。 いわば、最高のゆっくりできる環境で育てているのだ。 ──とある年の12月30日、朝。 チュンチュン… 「ゆっ!おちびちゃんたち、そろそろゆっくりおきようね!」 「ゆ…、ゆぅ?」 「まりしゃまだねみゅいよ…?」 「れいみゅも…」 眠気まなこの赤まりさ一匹と赤れいむ二匹 そんな子供たちに、片親である親れいむは優しくそして元気に挨拶をする。 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆ?!おきゃーしゃん」「「「ゆっきゅりしちぇいっちぇね!!」」」 子供たちは親れいむの おはよう の挨拶にすっかり目が覚めたようで、元気に応える。 「さ、おちびちゃんたち、おはようのすりすりしましょうね!」 「ゆゆー!?まりしゃしゅーりしゅーりしゅるよ!」 「ゆゆ!れいみゅも!」「れいみゅだってしゅーりしゅーりしちゃいよ!」 僕はそんな光景を、少しだけ開いている扉の隙間から覗き込むように微笑ましく見ていた。 コンコン! ノック音 「ゆゆ?!おにーさんだ!さ、おちびちゃんたちあいさつするよ!」 「おにーさん、ゆっくりしていってね!」 「「「ゆっきゅりしちぇいっちぇね!!!」」」 僕はその挨拶に応え、朝ごはんを目の前に置いてやる 「ゆーっ!おにいさんありがとう!」 「「ゆゆーっ!あしゃごはんだにぇ!ゆっきゅりたべりゅよ!!」」 「「「むーちゃむーちゃ、ちあわちぇ〜!!!」」」 「むーしゃむーしゃ、しあわせー!」 幸せそうに朝ごはんを食べるれいむ達を確認し、僕は明日の"準備"に戻ることにする。 僕は仕事があるからゆっくりしているようにと伝えると、 「ゆ!?ゆっくりりかいしたよ!!むーしゃむーしゃ!!」 と、ゆっくり達はすぐさま食事に戻る。 同様に、"準備"の合間に昼・夜のご飯の用意をしてやり、ゆっくり達が寝る時間になると、 彼女たちが幸せそうに眠りに落ちていく様子を見て、自分の複雑な感情を抑えつつ、また"準備"に戻った。 このゆっくり達は暖房の利いた部屋の中で過ごしているため、冬籠りはしない。 そして、食料も僕が運んでくるため、狩りに行くこともない。 このゆっくり達はある理由により片親ではあるが、何不自由なく暮らせていた。 とてもゆっくりとした生活が出来ており、とても幸せだった。 この日までは ──12月31日、大晦日。 コンコン! ノック音 「ゆ?!おにいさんだよ!さ、おちびちゃんたちあいさつしようね!」 「おにーさん!」 「「「ゆっきゅりしちぇいっちぇね!!!」」」 今日もその挨拶に応え、朝ごはんを目の前に置いてやる。 「ゆゆー!おにいさんありがとう!」 「ゆ?!きょうはいつもよりごうせいだね!」 「ゆゆ?!ごうしぇい?ゆぅーっ!いちゅもよりしあわしぇだね!!」 「いただき…??? ゆっ?!」 ゆっくり達が朝ごはんを食べようとした瞬間に、僕はその動作を遮った。 「ゆゆ?!!どぼじでおじょぐじざぜでぐでだいどぉぉぉぉぉ!!?」 「ゆゆー!おにいざん、いじわりゅしにゃいで、ごはんちゃべちゃちぇちぇにぇ!!!」 「そーだよ!まりしゃはおなきゃすいたんだよ!?」 「ゆっきゅりはやく、ごはんたべしゃしぇてにぇ!!!!」 「ばきゃなにょ?しにゅにょ?!!」 罵詈雑言を浴びせ急かすゆっくり達に、僕は優しく諭してやる。 今日は大晦日という特別な日だから、体を綺麗にしてからご飯を食べようね。 体を綺麗にすれば、来年からはもっとゆっくりできるようになるよ。と 「ゆぅ…、ゆっくりりかいしたよ!はやくきれいきれいしてね!」 「「「ちちぇね!!!」」」 やや不満げな親れいむを持ち上げ、神酒を浸した布で丁寧に拭いていく。 「ゆ?なんだかゆっくりできないにおいだけど、とってもきもちいいよ!!」 それを見ていた赤ゆっくり達は、まりさも!れいむも!とねだってくる。 一通り拭き終わると、ゆっくり達に食事のGOサインを出してやる。 すると待ってましたとばかりに、飛びつくようにして食べ始める。 「「「むーちゃむーちゃ、ちあわちぇ〜!!!」」」 「むーしゃむしゃ、しあわせー!」 幸せそうに朝ごはんを食べるれいむ達を確認し、僕は今日の"準備"に備え部屋を出る。 「ゆぅ〜、にゃんだきゃれいみゅ ねみゅくなってきちゃよ…」 「ゆ…まりしゃもにゃんだきゃ ねむねむさんだよ…」 「れいみゅも…Zzz」 「ゆふふ!おちびちゃんたちはもうおひるねなの?とってもゆっくりして…いい…ゆっく…Zzz」 そうして、4匹はゆっくりと眠りに付いた。 ゆっくり用の睡眠導入剤を加えた食事を食べたゆっくり達は、 すーやすーやと寝息を立てて寝ている。 僕は少しだけ開いた扉の隙間から4匹が寝たことを確認し、そっと運び出す。 「ゆぅーん、ゆっきゅちちちぇっちぇね!」 「「ゆっくち!!」」 「ゆっくりしていってね!…ゆ?!」 ゆっくり達が目覚めた場所はいつもの部屋ではなかった。 そこはとある神社の一角。 ゆっくり達はそれぞれ個別の透明な箱に入れられており、 八卦を模した巨大な正八角形の盤には平面鏡を中心に、 坤の方角に「親れいむ」1匹、巽の方角に「赤まりさ」1匹、 離の方角に「赤れいむ」1匹、兌の方角に「赤れいむ」1匹と並べて置いてある。 「ゆゆ?!おにいさん、このはこせまいよ!ゆっくりできないよ?」 「おにーしゃん、ゆっくりしちぇないでここからだしてにぇ!!」 僕はその言葉を無視し、当代と呼ばれるこの神社の神主に、ある神具を渡す。 それは数百年続いてきたこの祭儀では無くてはならないもの。 しめ縄が付いた"横杵"である。 当代の指示に従い、赤まりさを白布の上に置き、しめ縄で縛り付け固定をする。 赤まりさは何が起きるのか理解しておらず、キョトンとした表情でこちらを見つめる。 「ゆゆ?!やめてあげてね!なんだかゆっくりできないきがするよ!!! れいむのおちびちゃんを ゆっくりはやくはなしてあげてね!」 当代は今年一年の穢れを払い、来る年の安寧を願い、祝詞を唱える。 当代の振り上げた横杵は、弧を描くように赤まりさへ向け振り下ろされる。 「ゆ? ゆべぇっ!!!!!」 ドグチャッ!と放射状に飛び散る赤まりさだったあんこ 「おじびじゃあああああああああああんんんんn!!!どどどぼじでぞんなごどずるどぉおおおおおおおおお!!!」 「ゆわーん!!ゆっきゅりできにゃいぃぃぃぃっぃぃぃぃぃぃ!!」 「もうおうちかえりゅううううううううう!!」 私の村には毎年大晦日になると、ある方法によって翌年の兆候を占うという儀式がある。 それは、今年一年、大切に育ててきたゆっくりの家族を使用して占うものである。 このゆっくり達には、我々と同じ食事を与え、広々とした部屋で何不自由なく過ごさせている。 いわば、最高のゆっくりできる環境で育てているのだ。 この村の祭儀では、ゆっくりを潰した時に四散するあんこの状態によって、来る年の兆候を占う。 四散したあんこを見て当代は不安げな面持ちで語る。 この飛び散り方は、虫害と水害による作物の不作の暗示だ。 「?!」 騒然とする村びと集は、どうすれば不作を防ぐことができるのか、当代へ詰め寄る。 当代は暫く口をつぐんだ後、独り言のように何かを呟き始める。 〜〜弱く幼き命を水の神へ、大もとたる命を大地の神へ〜〜 「ごろずっ!ごろじでやる!!!ごごをだぜ!じじい!!ごろじでやるぅぅっぅぅぅ!!」 涙と涎とショックで吐いたあんこによって、ベトベトな状態で箱の中から体当たりをする親れいむ。 「ゆ…ゆ…ゆ…ゆ…」 「ゆっ…ゆっぐじっ…ゆっゆっ…ゆっぐじじだいよぉぉ…おかあしゃーん!!!ゆぐっ…」 一匹の赤れいむはショックであんこを大量に吐き、痙攣を起こしている。 もう一匹の赤れいむは泣きながら箱の隅を押して外に出ようとする。 僕は当代の指示により、痙攣している赤れいむが入っている箱に清水をゆっくりと注いで行く。 「ゆ…ゆぼっ…ごぼぼっ…ごぼぼぼ…ゆぼ…もっと… ゆっきゅ… …」 「おじびじゃあああああああああああああんんんん!!!」 親れいむの声は痙攣した赤れいむへは届かず、箱は黒く澱んで行った。 次に僕が親れいむを見た時には、今までの表情とは正反対に変わっていた。 「ゆぅぅ!やべでぐだざい!!おでがいじばずぅぅぅ!!!もうぜいだぐいいばぜんがら!ぼっどゆっぐりじばずがら!!!」 「どどど どぼじでごんなごとずるのぉぉぉぉぉ!でいぶだじ わるいごど じでないの"に"ぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」 当代はゆっくりと口を開いた。 お前たちこの村のゆっくりはな、大昔から我々の畑を襲い野菜を奪い、水田を襲い米をダメにして来た。 毎年のように追い払うが、次の年には何もなかったかのようにまた襲いに来る。 お前らゆっくりのせいで、この村は何度も飢饉にあい、多くの村びとを失ったんだ。 その報いにお前らゆっくりを神に捧げ、豊穣を安寧を祈っているんだよ。 「ゆゆぅ!!でも、でいぶだじはぞんなこどじでぇ… ?!」 親れいむの脳裏にフッと浮かんだ記憶の断片。 〜 〜〜 〜〜〜 『……〜ん』 『…しゃ〜ん』 『おかぁしゃ〜ん、ここのおやさいしゃんはとってもゆっくちしておいちいね!!』 『ゆふふ、おちびちゃんもいっぱいたべて、ゆっくりおおきくなってね!』 〜〜〜 〜〜 〜 「…ゆっ…」 また別の記憶の断片が浮かぶ。 〜 〜〜 〜〜〜 『ゆえ〜ん!!おかぁしゃんにひどいことじないでぇ〜〜〜!!!!』 『お、おじびじゃん…れいむのがわいい…おじびじゃん…どうか…ゆっぐり…し』 ドグチャッ!!! 〜〜〜 〜〜 〜 親れいむは、以前もこれと同じ光景を見ていたことを思い出した。 だが今回は違う。見ている視点が違った。 親れいむの豹変ぶりに、僕はゾクゾクッと電気が走ったように震えたが、キュッと顔を引き締め、 親れいむの箱へ、アリの巣から取り出した大量のアリをゆっくりと入れて行く。 無数のアリに覆われ、蝕まれて行く親れいむは悲しげな面持ちのまま、黒い塊へと変わって行き、大地へと還った。 一匹を潰し豊穣の神へ捧げ、一匹を水の神へ、一匹を大地の神へ捧げた。だがこの祭儀には続きがある。 それは、残した一匹をその儀式に立ち会わせ、一部始終を見せることにより、トラウマを植え付け、 その後、しばらくはトラウマで人間不信となるが、すぐにそれを忘れる。 そして翌年伴侶を与え、子供を産ませ、不自由のない環境で育てたあと、大晦日に親と子供を潰す。 一匹を残して。 そして、次の年もその次の年もそのまた次の年も… 村の人間の多くは、来る年の吉兆を願い、また旧年の厄落としの意味で参加しているが、 私のように、ゆっくり達のあの表情を、あの命乞いを、 そして全てを悟ったかのような 最後のあの顔を見るために参加しているものも少なくはない。 あの状態でのゆっくりはとても甘く、素晴らしく美味な饅頭となるだろう。 それを豊穣の神へ捧げることにより、来る年の祈りと変えるのだ。 この祭儀は来年も、再来年も、ゆっくりが絶滅しない限りずっと続いて行くだろう。 あとがき 初めて書きました。読みにくい・面白くない・虐待分が足りない等、 多々あると思いますが、読んで頂きありがとうございました。 今度書く機会があれば、みなさんの作品や批評を参考にさせて頂き、 よりよいSSを書けるよう、努力します。 このゆっくり達の犠牲によって、新年はみなさんが幸せで暮らせますように。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4011.html
対戦型ゆっくりゲーム by 十京院 典明 対戦型ゆっくりゲームというのを買ってきた。最近流行っているらしい。 「おーい、れいむー」 俺は家飼いのれいむを部屋に呼びつけ、PCを起動する。 やがてぺたんぺたんと階段を上る音がして、れいむが俺の部屋のドアを開ける。 「ゆゆっおにーさんゆっくりしていってね!」 「あーはいはいゆっくりゆっくり。ゲーム買ってきたんだが、やるだろ?」 「げーむさん!れいむげーむさんするよ!」 このれいむには時々ゲームの相手をさせているので、ゲームパッドぐらいなら操ることができる。 ピコリーン \ゆっくりしていってね/ 「ゆゆ!ぱそこんさんのなかにもれいむがいるよ!ゆっくりしていってね!」 * * * * 俺はキャラセレ画面で固まった。 「……」 画面には10匹のゆっくりが馬鹿面を晒している。それはいいのだが、 左上から、れいむ、れいむ、れいむ、まりさ、まりさ、ありす、ちぇん、みょん、れみりゃ(胴なし)、れみりゃ(胴あり)。 「おにーさんどうしたの?」 「……れいむ三匹とまりさ二匹の見分けが付かないんだけど」 「ゆゆ!こんなのもわからないなんておにーさんはばかだね! れいむとれいむとれいむとまりさとまりさだよ!」 「仕方ない、マニュアルでも見るか」 俺はマニュアルを広げた。 = = = = マニュアル お買い上げいただきありがとうございます。 本ゲームは、従来の対戦型格闘ゲームとはびみょんに異なったシステムを採用した新感覚ゆっくりゲームです。 勝利条件は自キャラのゆっくりゲージを100%まで溜めることか相手のゆっくりゲージを-100%まで下げることです。 基本動作 A=隙の少ない、ゆっくりする行動をします。 B=隙の少ない、相手をゆっくりさせない攻撃を繰り出します。 C=効果の大きい、ゆっくりする行動をします。 D=効果の大きい、相手をゆっくりさせない攻撃を繰り出します。 ←←=バックステップです。後ろにゆっくり跳ねます。 →→=ダッシュです。前にゆっくり急ぎます。 (コマンド)=さまざまな効果を持つゆっくりむーぶを発動します。いわゆる必殺技です。 特殊なルールを紹介します。 通常種ルール 通常種のゲージは自動で微量ずつ99%まで増加します。 通常種には当たり判定が無く、各種通常技およびゆっくりむーぶ中のみ当たり判定が発生します。 従来の格闘ゲームのように相手を攻め殺すよりは、自キャラをゆっくりさせつつ、 相手をゆっくりさせない戦い方が基本です。 うーぱっく 試合中、うーぱっくが通りかかり様々なアイテムを投下することがあります。 プリンやキノコ、干し草といったゆっくりゲージ増加アイテムから玄翁、ガラス箱といった危険なブツまで種類はさまざま。 なお、ゲームの性質上ゆっくりのリアルスペックとの乖離が見られる場合があります。 あらかじめご了承ください。 キャラ紹介 およびゆっくりむーぶコマンド表 れいむ(れいむA) ゆっくりしていってね! A or C連打 ゆっくりはねるよ! ←→←B or D ここはれいむのゆっくりぷれいすだよ! ↓溜め↑A or C 『ゆっくりしていってね!』は全ゆっくり中最高のゲージ溜め性能があり、とくにC版は高効率。 移動の遅いれいむ(れいむC)やれみりゃざうるすと距離が離れたなら、 『ゆっくりはねるよ!』→『ゆっくりしていってね!』でゆっくりゲージを溜め切ってしまうこともあるほど。 『ゆっくりはねるよ!』は移動技。Bは後ろ、Dは前へと移動する。れみりゃ(胴無し)から逃げるほど速くはない。 うーぱっくからのアイテム回収や、ゆっくりしていってね!の布石に。 『ここはれいむのゆっくりぷれいすだよ!』は、わずかながら無敵判定の存在する攻撃技。ダメージもなかなかで、ゲージ上昇有り。 攻撃重視型のみょん、れみりゃ(胴無し)などへの切り返しやカウンターを狙おう。 れいむ(れいむB) ゆっくりしていってね! A or C連打 ゆ~♪ゆ~♪ ←/↓\→A or C ゆゆ~♪ 相手の近くで↑\←↓\→B or D 歌の上手なれいむ。『ゆっくりしていってね!』はれいむAの同技に比べてゲージ上昇が少ないものの、二種類の歌技がそれを補う。 『ゆ~♪ゆ~♪』Aは低く、Cは高く飛ぶ飛び道具で、相手に当たると動きを止める。画面端に消える際にもゲージ上昇有り。 『ゆゆ~♪』はいわゆる一回転投げ。歌で相手の動きを止め、相手をゆっくりさせる(わずかに相手のゲージも上昇)とともに 自らのゲージを大幅に上昇させる大技。当たり判定のない状態の通常種をも吸い込むため、常に近接状態で立ち回り 相手をゆっくりさせないことが重要。 れいむ(れいむC) ゆっくりしていってね! A or C連打 ゆっくりうまれるよ! ↓溜め↓ おちびちゃんゆっくりしていってね! ←/↓\→B or D ゆっきゅちちていってにぇ! →←↑ B or D 植物型にんっしん中のれいむ。移動が遅く、特定のキャラには大幅不利ながらもスペックは低くない。 おちびちゃんゲージ(初期値1)の数だけ使える『ゆっくりうまれるよ!』でおちびちゃんを増やしながらゆっくりしよう。 おちびちゃん4匹以上の『ゆっくりしていってね!』には攻撃判定が付属する。 『おちびちゃんゆっくりしていってね!』は赤ゆゲージを溜める技。隙が少ないので暇を見てゲージを補充せよ。 『ゆっきゅちちていってにぇ!』は『ゆっくりしていってね!』の硬直を減少させる専用技。 攻撃判定のあるゆっくりむーぶも移動技も持たないため、攻められると脆く距離を離されても相手に一方的にゆっくりされ終了、 という危険性をも孕む(にんっしん中だけに)テクキャラ。通常技での立ち回りと間合い取りを研究しよう。 まりさ(まりさA) ゆっくりしていってね! A or C連打 むーしゃ、むーしゃ、しあわせー! →\↓/← B or D ここはまりさのゆっくりぷれいすだよ! ↓溜め↑A or C れいむと同じスタンダードタイプのゆっくり。『むーしゃ、むーしゃ、しあわせー!』はうーぱっくから食べ物ゲット時にのみ 使えるゲージ大幅上昇技。移動速度が速く食べ物をゲットしやすいため、狙いどころは多い。 まりさ(まりさB) ゆっくりしていってね! A or C連打 ゆっくりしていってね! ↓\→A or C ゆっくりはねるよ! ←→←B or D まりさAよりもさらに移動速度が速いスピード特化型ゆっくり。 二種類の『ゆっくりしていってね!』を持ち、コマンド版は飛び道具。 ワギャ〇イザー、あるいはエコ〇ズAct2風の書き文字が攻撃判定を伴って飛ぶ。発生、速度にすぐれるD版は 相手のゆっくりむーぶを阻止するのに適する。 ありす ゆっくりしていってね! A or C連打 しゃんはーい →↓\A or C ほーらい ←↓/A or C 『しゃんはーい』はカチューシャから人形を生み出し前方に配置。相手を押し返す効果がある。最大8つまで配置可能。 『ほーらい』は高速で跳ねる飛び道具。6/1とらんぷる。 通常種の近くにいるとゲージの自動上昇率が高まるキャラ特性を持つ。しかし近接不得手のシューティングキャラ…… おお、つんでれつんでれ。 ちぇん わかるよー A or C連打 わからないよー 被ダメージ中に←→↓\B or D らんしゃまぁぁぁぁぁ!! ←/↓\→B or D 『わかるよー』はその場でゆっくりする、ゆっくりしていってねタイプのゲージ上昇技。 上昇率は低いものの、ゆっくりしていってねに比べ当たり判定が小さいため特定の飛び道具をかわしつつゆっくりし続けられる。 『わからないよー』は被ダメージモーションをキャンセルして高速離脱する。 『らんしゃまぁぁぁぁぁ!!』はゆっくりらんを召喚。らん存在時は通常技が変化しゲージ上昇率が上がったり性能が変化したりする。 長いコンボをことごとく封殺する『わからないよー』は伝家の宝刀。 しかしながら自身のゲージ溜め能力も高くは無いため過信は禁物。 硬直の大きい『らんしゃまぁぁぁぁぁ!!』を余裕を持って発動する位置取りが重要。 みょん ゆっくりしていってみょん! A or C連打 ちーんぽ! ↓溜め↑A or C でぃーっく! ↓溜め↑B or D 『ちーんぽ!』は黒くてたくましいもの(餡子製の刀)で相手を突き上げる攻撃判定技。ヒット時は黒くてたくましいもので さらに相手を突き上げる追加攻撃が2回まで出せる。 『でぃーっく!』は黒くてたくましいものを振り回す攻撃判定技。当たり判定も大きいので被カウンター注意。 通常技も主に、黒くてたくましいもので行う。 れみりゃ(胴無し) うーうー! A or C連打 たーべちゃーうぞー! 相手の近くで↑\←↓\→A or C ぐんぐにる ↓\→B or D 『たーべちゃーうぞー!』は相手ゆっくりゲージの80%を消し去る大ダメージ技で、当たり判定のない 状態の通常種も捕まえられるが、間合いが狭く発生も遅い。確定状況を作れるかどうかが勝負の分かれ目。 『ぐんぐにる』は槍状の飛び道具。 通常技も弾幕攻撃なので、なぶり殺しと一撃必殺の二段構えで相手をゆっくりさせないよう飛び回れ。 れみりゃ(胴有り) うー! A or C連打 うっうー! ↓\→A or C うあうあ♪ ←→←B or D れみりあうー☆ ←/↓\→A or C たーべちゃーうどー! 相手の近くで↑\←↓\→A or C ざうるす進化 ↓溜め↓ 捕食種ながら、こちらはゲージ上昇重視タイプのゆっくり。 『うっうー!』、『うあうあ♪』、『れみりあうー☆』は連続入力可能。『うあうあ♪』と『れみりあうー☆』には 攻撃判定があり、ゲージを溜めつつ攻撃できる。 『たーべちゃーうどー!』は『たーべちゃーうぞー!』と代わり映えの無い性能だが、各種ゆっくりむーぶでゲージを溜めつつ、 100%阻止に近づいてきた相手に狙えないこともない。 『ざうるす進化』は、文字通りれみりゃざうるすになる。ざうるす時はゲージ上昇速度が飛躍的に上昇するが移動速度が激減。 対れいむCなどに。同一コマンドで元に戻ることもできる。 = = = = 「なるほどねー。 ……それにしてもれいむまりさの顔の違いがわからん……」 れいむはれいむAを、俺はれみりゃ(胴無し)を選んでゲーム開始。 「どぼじででびりゃえらぶのぉぉぉぉぉぉ!!!???」 「このお兄さん、たとえ貴様がゆっくりといえども容赦せん。 それにもともと、ペットショップ使いなもんでね」 * * * * かくしてゲームスタート。 \れでぃぃぃ……ゆっくりしていってね/ 「語呂悪!」 「ゆゆゆ!ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね!」 開幕からゆっくりしていってね連呼のれいむ。 ……ああなるほど。 ゆっくりや⑨でもプレイできるように全キャラ連打コマンド持ってるわけね。 「ってやべえ!」 予想以上にゲージの上昇が速い。慌てて弾幕攻撃をするが、すでにれいむのゲージはかなり溜まっている。 少しずつゲージを削るが、通常種ルールの当たり判定消滅とゲージ自動上昇によって開いた差はなかなか縮まらない。 「ゆっぐりじでいっでねっでいっでるでじょぉぉぉどぼじでゆっぐりじないのぉぉぉぉ!!!」 俺は一向に当たる気配のない弾幕攻撃を諦め、れみりゃ持ち前の素早い飛行でれいむに近づく。 「てめーこそ喰らって死ねぇぇぇぇぇぇ!!!『たーべちゃーうぞー!』」 「『ゆっくりはねるよ!』」 すかり。 起死回生の一発は(たぶん暴発した)移動技にかわされ―― 「っ―――!?」 \うぃなー いず れいむ/ 「ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね!」 俺は、ゆっくりに負けた男となった。 * * * * 俺はこのゲームを舐めていた。それは認めよう。 俺はれいむの餌を七日分用意して、俺自身の身支度を整えた。 玄関に出た俺をれいむが呼び止める。 「ゆゆゆ!おにーさんどこいくの!?」 「旅に出る。 一週間後に、貴様との再戦を申し込む。それまでこの家には帰らん」 「どぼじでぞんなこというのぉぉぉぉ!!??おにーさんならとくべつにゆっくりしていっていいよぉぉぉ!?」 「もともと俺の家なんだが。 まあそれはいい。PCは置いていくから、せいぜい腕を……腕はないか。 せいぜいあんよを磨いておけ」 「いやだよ!!おにーざんといっじょにいだいよぉぉぉぉ!!!」 「俺も一週間後にもっと強くなって帰って来る。その時まで首を……首はないか。 あんよを洗って待っていろ」 「ゆゆぅぅぅーーーん!!」 * * * * それから、格ゲー仲間の友人に電話をかけ、メシを作ってやるかわりに一週間の格ゲー強化合宿を取り付けた。 言うまでもないが、飼いれいむに対戦で負けた話をしたらたっぷり三十分ほど笑われた。 こうして、友人との対戦に明け暮れる日々が幕を開けた。 「これぶっちゃけ、無しれみ弱いぞ……詰んでるマッチアップが多すぎる」 友人の指摘はもっともだった。 当初は気にも留めていなかった通常種ルールが、実は馬鹿にならない強さで設定されている。 あの日の初プレイでれいむが見せた、れいむAの高火力な開幕『ゆっくりしていってね!』が ゲームエンドに直結するほどにだ。一度奪われたリードはそうそう奪い返せない。 「うーむ……」 「胴れみはどうよ。俺も使ってないけど」 「そういや試してなかったな」 俺はれみりゃ(胴有り)を選び、友人はれいむA。 \れでぃぃぃ……ゆっくりしていってね/ 「語呂悪ぃ……」 「やっぱそう思うよな」 「うっうー!」 「うあうあ♪」 「れみりあうー☆」 「ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね!」 開幕『ゆっくりしていってね!に対して、『うあうあ♪』の先端に発生する攻撃判定がぎりぎり届かない。 単発の『うあうあ♪』も試したが、そもそもリーチが短く届かない。 そしてやはり逃げ切られる。 「なぁ……れいむAって強キャラじゃね?」 「まごうことなき強キャラだな……むしろ厨キャラまであるな。んで捕食種弱い」 「このサークル、れみりゃになんか恨みでもあるのか……?」 「マイルド調整の結果じゃねーの……それにしてもれみりゃ弱い」 「だけどさぁ、れいむA使う気ないんだろ?お前の性格からして」 「わかってんじゃねーか」 下手の横好きといわれても、俺は勝つためにキャラ換えしたことは一度も無い。 それは誇れることなんかじゃなく、くだらないこだわりに過ぎないのだがどうしてかキャラ換えできない。 それはきっと、俺そのものと強く癒着してしまっているのだ。 たとえば、ゆっくりがゆっくりを求めずにはいられないのと同じようにそれは当たり前のことなのだ。 「……次、行こうか」 「ああ」 俺はれみりゃを選び、再び対戦を始めた―― そして、またたく間に一週間が過ぎる。 俺は友人に礼を言って、帰途に就く。 「じゃあ、行ってくるぜ」 「頑張れよ」 * * * * 「ゆゆゆ!おにーさんまってたよ!ゆっくりしていってね!」 「だから俺の家だと言うに…… まあいい、勝負だ!れいむ!」 「ゆふふ……れいむはかなりあんよをあげたよ。せいぜいゆっくりしていってね」 「あんよ……?ああ、腕を上げたって事な。 俺だってそうさ。一週間前までのみじめな俺には二度と戻らない」 れいむはれいむA、俺はれみりゃ(胴付き)を選んだ。 \れでぃぃぃ……ゆっくりしていってね/ 0.60- 「ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね!」 れいむは開幕ゆっくりしていってねを放つ。単純だが効果的な戦法だ。対して俺も手を打つ。 ボワン 「ゆゆ?」 ざうるす進化だ。これにより、俺のれみりゃはれいむに負けないゲージ上昇率を得る。 友人との合宿で、れいむAの火力に対抗するべく俺が考え出した、たった一つのソリューション―― 俺達は発想を転換しなければならなかった。 相手を倒すことより、自分がゆっくりすること。 それがこのゲームシステムにおいて、もっとも効率よく勝利条件を満たす手段なのだ。 格闘ゲームの常識に捕らわれていた俺と友人が、使えない技として無意識に除外していたざうるす進化。 それこそが勝利への鍵だったのだ。 4.42- 「ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね!……」 「うーうー!ぎゃおー!うっうー!」 Cゆっくりしていってねの連打よりも、ざうるすれみりゃと化したれみりゃの技の方がわずかにゲージ上昇率が高い。 その微細な積み重なりは、やがて目に見える値となってゲージに表れる。現在れいむ57%、れみりゃ65%だ。 5.21- 「ゆゆっれみりゃはゆっくりしないでね!ゆっくりするのはれいむだよ!」 ついにれいむが痺れを切らせた。 「『ゆっくりはねるよ!』」 ――予想通りだ。 「『うーうー!もとにもどるどぉ~』」 ボワン こちらへ素早く跳ねてくるれいむのモーションに辛うじて反応し、れみりゃを通常形態へと戻すことに成功する。 ジャンプからのぼでぃぷれすをガードし、続く通常技を頭を抱えてやり過ごす。 「ぷんぷん!もうおこったよ! 『ここはれいむの……」 微妙な状況だ。 ――発生前に潰せるか(↓Aでカウンターを狙える) ――ガード(削られる/ゲージ2%減) ――喰らえば仕切り直し(ゲージ増減れいむ+7%れみりゃ-5%/それより距離が離れるのはまずい/Cゆっくりしていってねで死ぬ) 「……ゆっくりぷれいすだよ!』」 読み違えれば ――潰せる(無理だ) 負ける。 高速で流れる思考とは裏腹に、反射的に指が動いていた。 「――っ!」 俺の親指はAボタンを外してパッドを掴み、れいむのふくれっ面攻撃をガードする。 ――まだ行ける(ゲージはまだリード/進化or↓AB踊りコンボor投げ) 7.33- れいむが小さく一歩退がった。一瞬間が空く。 「うー!うー!」 それは俺のれみりゃのボイスではない。 画面の左上部から飛来する小さな影。その位置はれみりゃよりれいむに近い―― 「うーぱっく!れいむにあまあまちょうだいね!」 その瞬間、なにもかもがスローモーションに見えた。 俺は指を滑らせ←Cを繰り出す。 ←Cは攻撃判定は無く、前方に踏み出しながらゲージを溜める踊り技だ。 もしもれいむが攻撃を繰り出したらカウンターとなってしまう。 しかし俺には確信があった。 ――次に貴様は『ゆっくりはねるよ』と言う れいむは一生懸命にあんよで十字キーを操作している。 間違いない。れいむにとっては複雑な技コマンドを出すために、常時よりも丁寧にあんよを動かしている。 「『ゆっくり……」 ――逃がさん(投げ)(投げ)(投げ) すでに←Cの硬直を利用しコマンドは完成している。 「……はねるよ!』」 ――ここからなら ←Cで踏み出したこの位置からなら、ぎりぎり届く。 しゅばっ 「うー!」 れみりゃの手が伸びて、今まさに後方へと移動しようとしたれいむを捉える。 「ゆゆぅぅぅぅぅーーー!!??」 「つかまえたどぉ~。『たーべちゃーうどぉー!』」 画面がブラックアウトし、れいむの絶叫が響き渡った。 * * * * \うぃなー いず れみりゃー/ 「うっうー!」 「ゆゆん……さすがはおにーさんだよ!」 「いやーれいむこそなかなかだったぞ。レバガチャかと思ったら意外にコマンド正確だったしな」 だからこそキャラ差を読みでカバーすることができたわけでもあるのだが。 「もういっかい!もういっかいだよ!」 「よーし、やろうか」 俺は快く承諾する。 「さぁーて、”リベンジも果たしたことだし”俺もれいむA使っちゃおうかな~」 俺は勝つためにキャラ換えはしないが、その他の理由でキャラ換えすることは結構あるのだ。 「ゆゆっ!まけないよ!れいむがいちばんうまくれいむをつかえるんだよ!」 「俺だって負けないぞー。何せ、六日間もゆっくり練習してきたからな」 俺はこの時のために練習してきたれいむAで、れいむを完膚なきまでに叩きのめした。 「ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね!ゆっくりはねる(キャンセル)ぷくー! ゆっくりしていってね!ぷくー!ここはれいむのゆっくりぷれ(キャンセル)ゆっくりしていってね! ゆっくりしていってね!ゆっくりしていっ(キャンセル)ばかなの?ゆっくりしていってね!ばかなの?しぬの? ゆっくりしていってね!ばかなの?ばかなの?ばかなの?しぬの?ゆっくりしていってね!」 「ゆあああああああ!!!!!おにーざんばっがりずるいよ゛ぉぉぉぉぉぉぉ!!!! でいぶもゆっぐじじだい゛よ゛ぉぉぉぉぉぉ!!!」 俺は軽快にコンボを継続し、れいむを空中に浮かせ続けながら言ってやった。 「おそらをとんでるみたいだろ?れいむ、ゆっくりしていってね!」 「ゆぐぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛!!!!!!!!」 END ■ □ ■ □ ちなみにこの二ヶ月後、れいむA、れいむC、ちぇん、みょんに10割コンボが発見され―― 世界は、核の炎に包まれた。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/362.html
うちの庭はゆっくり達によく荒らされる。 花壇(すでに雑草だらけ)や池、そして外敵が少ないせいなのだろう。いつの間にかゆっくりが来て荒らしていくのだ。 今は面倒なので荒らされたまま放置しているが、それでもゆっくり達は煩いし何かとうざい。 最初は潰して駆除していたが、飽きずに奴らは来る。ゆっくりの死体を放置していても「はふはふっ」と食う始末だ。きもい。 なのでこの際やつらで遊ぶことにした。 そのために今回使うのは『ギロチン』。そう、首をはねる処刑道具だ。 今回はそれをゆっくりに使うわけだ。 早速庭にいるゆっくり霊夢の家族を部屋に連れていくことにする。 一週間ほどから庭に住み着いているゆっくり霊夢の家族は子ゆっくりが多く、マジでうるさい。 普段は閉め切っている庭への入口を開けるとちょうどゆっくり家族は池の脇でゆっくりしているところだった。 俺は奴らに近づくと『⑨でもわかるゆっくり虐め by阿Q』に従って声をかける。 「ゆっくりしていってね!」と。 「「「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」」」 ああうるさい。特に子ゆっくりの声は甲高くて耳に障る。 「ゆっ、おじさんどうしたの? ここはれいむたちのおうちだよ!!」 「いまみずばでゆっくりちてるのー!」「おじさんゆっくりできるひとー?」 おじさんとはひどい。まだ10代(16進数)だぞ。しかし我慢だ。 「ああ、ゆっくり出来るよ。おにいさんはほら、隣のおうちに住んでいてね。挨拶にきたんだよ」 「そこのおうちはおじさんのおうちだったんだ!」 お、一応そこの分別はあるんだな。ただこの庭も俺の家なんだけどな。 「おじさん!」 バスケットボール大ほどの一番大きな母ゆっくりが話しかけてくる。他の子ゆっくり達は水遊びに戻っていた。 「ん、なんだい?」 「おじさんのおうちはきょうかられいむのおうちにするね!!」 前言撤回。やっぱこいつら分別ないわ。いや、そういう次元の問題じゃないわ。 「あ~、だめだよ。でもおにいさんのおうちに来てゆっくりさせてあげてもいいよ」 「ゆっ! じゃあゆっくりおうちに入れてね!!」 あいよ、と子ゆっくり共々我が家へ入れてあげる。 入ってすぐの部屋が今日のために用意したゆっくり虐待ルームだ。なのでゆっくりに使う道具以外は何も置いてない殺風景な部屋である。 「はい、ここがおにいさんのおうちだよ。ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていくね!!」と母ゆっくり。 「ゆっくりちていくね!」「ゅ!なにもないよ!」「でもきのいたが冷たくて気持ちいいよ!!」 続く子ゆっくりは反応が様々だ。えぇと、全部で11匹か。母親ゆっくり含めて12匹と。 「おじさん、れいむたちのあたらしいおうちには食べ物がないの? ゆっくりもってきてね!」 「ちょっ」 もう新しいおうちとか言いやがった。ありえん(笑) …というかおじさんはいい加減やめて。 「わかったよ。でもその前にゆっくり楽しめるおもちゃで遊ぼうよ」 「あとでいいから食事もってきてね!」といい加減うざい母ゆっくりだが、子ゆっくりは楽しめるおもちゃという言葉に反応する。 「おもちゃ! ゆっくりだしてね!」「ゅーゅー♪」「おもちゃがさきにほしいよ!!」 そんな感じで子供が言うので母親も食事は後でよくなったようだ。 そしてようやくギロチン様の登場だ。 ゆっくり向けに作ったので高さは大体1m。刃はギロチンの高い所に留め具で固定されていて外すと刃は落ちるというわけだ。 さらに刃の背中側には一本の長い縄が付いていてそれを引っ張っていれば留め具がなくても落ちることはない。 ちなみに威力は実証済みだ。腕ぐらいに太い木の枝もバッサリだぜ。さすが冥界の刃だ。 ああ、もう早くこいつらを真っ二つにしたい。でももう少し我慢だ。 「ゆっ? なにそれ???」「たのしめるの??」「おじさんこれでゆっくりできるの??」 子ゆっくりは見たことのない道具に興味心身だ。 「まぁ待てこうやって使うんだよ」 俺はポケットから饅頭を出してギロチンへとセットする。 「ゅー!おまんじゅうたべたいよ!!」「ゆっくりわけてね!!」 なんて言いながらギロチンに突っ込んでくるゆっくりしない畜生どもを弾く。食べ物見るとこれだよ。 「ゆっくり見て行ってね!」 「「「「ゆっくりみていくね!!!」」」」 条件反射でゆっくり挨拶を返すゆっくり家族。扱いやすいなー。 「よーし、みてろよー」 留め具を外す。縄を手から放す。刃が落ちる。饅頭真っ二つ。 まさに一瞬だ。 ゆっくり達もびっくりしてるようだ。 「ゅー、こわいよー!」「おじさんこれじゃゆっくりできないよ!!」「ほかのおもちゃよういしてね!!「あとおかしもだしてね!!!」 さすがのゆっくりも危険なものだと判断出来たらしい。それはむしろ好都合だ。 俺は俺に向かって食事をもってきてねとうるさい母ゆっくりをギロチンの台にセットする。 「ゆゆっ! なにするの!!? ゆっくりやめてね!!!」 無視しながら母ゆっくりが逃げ出せないように固定する。あと、しゃべらせないために口に布をつめてやる。 「むぐーっ! んんぐぐぐぐーーーー!!!」 「ゅ! おじさんなにするの!!」「おかあさんをゆっくりはなしてね!!」「ゆっくりできないおじさんはしね!!!」 子ゆっくり達は勇敢にも体当たりしてくる。しかしダメージなどあるわけがない。 「おいおい、これからが楽しいんだぞ?」 「なにいってるのかわからないよ!! ぜんぜんたのしくないよ!!!」「はやくおかあさんをゆっくりたすけてね!!!」 11匹の子ゆっくりが抗議してる中、俺はギロチンの留め具を外した。 「アーッ!!」「おがあざああああん!!!」「やめでえぇぇぇえ!!!」「ゅーーー!!!」 しかし刃は落ちない。そりゃそうだ。刃に付けた縄を掴んでるので落ちることはない。 「ゅっ! おちてこないよ!!」「ゆっくりたすかったね!!」「おじさんのばーかばーか」「ゅー♪」 「お前ら馬鹿か? 馬鹿だろ? いや、馬鹿だ。俺がこの縄を放したらどうなるか覚えてないのか」 言うと勝ち誇っていた子ゆっくり達の顔が固まっていく。 「い”やぁぁぁぁぁ!!」「おじさんばなざないでぇぇ!!」 「じゃあこの縄をお前らが引っ張れよ。俺はもう放す」 俺はそう言うと縄を刃の上方、ギロチンの頂点に備え付けていた滑車に引っかけると子ゆっくり達に残りの縄を投げつけた。 長い縄なのでゆっくり全員で引っ張れるだろう。 すると子ゆっくり達は数秒考えた。 「みんなでおかあさんをゆっくりたすけるよ!!」「なわをみんなでひっぱるよ!!」「ゅー! ひっぱるょ!」 ゆーゆーと何やら気合い入れると、子ゆっくり11匹は縄を咥えて引っ張りだした。 それを確認すると俺は縄から手を離した。と同時にゆっくり達に襲いかかる重み。 「おもひよ!!」「へも、みんふぁでふぁんふぁればふぁいようふだひょ!!」 翻訳すると重いよ、でもみんなで頑張れば大丈夫だよ、か。いつまで保つやら。 だがしかし、子ゆっくり達の母を思う力は強いようだ。すでに始ってから3時間が経とうとしていた。 がんばってはいる。だが小さなゆっくりほど疲れが見てとれた。 「がんばるなぁ。そんなお前たちに感動したからお菓子用意したぞ」 床に色んな種類のお菓子をばらまいてやった。なんてやさしいんだ俺。 ゆっくり達は物欲しそうな瞳で床に散らばったお菓子を見る。 ちょっと縄から口を放して跳ねれば食べられる距離。そう、母を見捨てて家族を裏切ればの話だ。 子ゆっくり達は家族の絆と食欲の間で揺れ動く羽目になった。 (これからが楽しいところだな) ゆっくり達は食欲に弱いからな。食料が無いために共食いするなんてこともよくあること。 俺は隣の部屋へ移ると、扉にあけた覗き窓から様子を観察することにした。 お菓子を床に置いてから5分程だろうか。もっと短かったかも知れない。 一番のちびゆっくりが食欲に負けてお菓子へと飛び付いたのだ。 「ゅー!おいちいよ! ゆっくりできるー!!」 母や姉にも遠慮せずにバクバク食べるちびゆっくり。 子供なら仕方ない、そう言えるのは通常時のみ。今はゆっくり達にとっては緊急事態なのだ。 乱闘でも起こるかなと思ったがこのゆっくり家族は思いのほか絆が強いようだった。 一番の姉であろうゆっくりは言う。 「ゆっくりみんなのぶんもってきふぇね!!」「おかしみんなでたふぇたらげんきになっておかあさんたすけられるよ!!」 ちびゆっくりを責めず、今のゆっくり達にとって最良になりえる指示を出した。 だが、ちびゆっくりはその言葉を聞くと、 「ゅ! ぃゃだょ!!! これはぜんぶわたちがたべるの!!」 「だめだよ! おがあざんじんちゃうよ!!」 「おねえちゃんがたすけてね! わたちつかれたよ!!」 「つかれてるのはみんないっしょだよ!!」 しかしここで妹ゆっくり達が動き出した。 このままではちびゆっくりに全部のお菓子を食べられてしまう。 一人ぐらい縄を放しても大丈夫だろう。 食欲と集団心理が彼女たちを動かした。 一匹、そしてまた一匹と縄から口を放してお菓子に口をつける。 「はふっはふっ! うっめめっちゃうっめ!!!」 「な"んでみんないっぢゃうの"おぉぉぉぉ!!」 姉の悲鳴が響く。もはや縄を咥えて引っ張っているのは二匹だけだった。 姉妹の中でも大きい二匹だ。少しの間がんばった。つまり少しの間しかもうがんばれなかった。 ザンッ!!!! 「むぐっ!!?」 無常な風切り音と母ゆっくりの小さな断末魔が聞こえた。 見ると母ゆっくりは綺麗に真っ二つに斬られている。少し意識が残っているようだったが、餡子が床へ流れ出て死んだ。 さて、子ゆっくりはというと、 「なんで放したのぉぉぉ!!!」「おねえちゃんのせいだー!!」 「おねえちゃんとはもうゆっくりできないよ!!」「ゆっぐりじねぇぇぇ!!!」 ひどい話である。最後までがんばった姉ゆっくり達を、がんばらなかった妹ゆっくり達が責める。それもお菓子を頬張りながら。 姉ゆっくりはぷるぷると涙を浮かべながら震えていた。それは何かを我慢しているようだ。 「ゅー♪ がんばれなかったおねえちゃんはゆっくりちんでね!!」 一番最初に縄を放し、さらに家族の崩壊を招いたちびゆっくりの罵倒がトリガーとなった。 「うががあああああ!!!」「あががががが!!!」 突然ゆっくりとは思えない叫び声を上げて二匹の姉ゆっくりが暴走する。 二匹が向うのはまずちびゆっくり。 「ゅ!? うべぇっ!!??」 突進してきた姉ゆっくりに反応もできずに潰されてしまった。 もう一匹の姉ゆっくりは生きてるとも死んでるとも判別付かないソレに飛び乗るとそのまま何度も跳ねた。床に広がっていく餡子。 これでちびゆっくりは完全に死んだ。 「ゆ!? おねえちゃんたちやめてね!!」「ゆっくりさせてえぇぇぇぇ!!!」 「やあぁぁぁ!!!」「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"」 鬼と化した姉ゆっくり達に恐怖し、バラバラに部屋を跳ねまわる。 鬼ごっこの始まりだな。ただし鬼は殺る気モードの二匹だ。 追うものと追われるものでは動きがまるで違う。 追われるものは恐怖からか上手く跳ねまわれず、終いには転ぶ。 そうして小さく力の弱いゆっくり達から鬼姉ゆっくりに挽き潰され、噛みつかれ、そして食われた。 「や”あ”あ”あ”!! お、おじさんどこいったの!? おじさんだずげでぇぇぇ!!!」 おにいさんと言え。そしたら考えたかも知れない。あ、だめだ。食われたw そして10分程度でリアル鬼ごっこは終了し、11匹いた子ゆっくり達も姉ゆっくり2匹を残すのみとなった。 体は餡子にまみれ、髪には白髪がまじり、目は恐怖ではなく狂気で見開いていた。 こえぇ、これは子供が見たら絶対泣くぜ。 あまりに怖いからこの二匹はこのままこの部屋に放置しよう。 「ぎゃぅぁあばば!!!」 「なんだなんだ?」 その夜、あの二匹を放置した部屋から悲痛な声が聞こえたので慌てて見に行った。 「こいつら…」 するとその二匹が争っていた。口元には餡子。見ると部屋にまき散らされた餡子が無くなっていた。 ギロチンの周り、母ゆっくりが在った場所にも、だ。 (こいつら食べやがった。あんなに助けようとしていた母ゆっくりまでww) そしていま、お互いを食べようと睨み合っているのだ。 これは食欲じゃないな。お互い食べられるかもと信用できないんだ。 勝負は意外とあっさり終わった。 一匹が体当たりすると、体当たりされたゆっくりは転がっていった。 転がったゆっくりは台に落ちている刃へ当るとそこで止まった。 「ぐぁ…ぅ」 体当たりされたゆっくりは相当な衝撃を受けたせいで朦朧としている。 体当たりしたゆっくりはギロチンの縄を咥えて引っ張った。 数時間前は助けるために引っ張っていた縄。しかし今度は殺すために縄を引っ張った。 動けないゆっくりは、刃が上方に昇ったせいでよっかかる物が無くなったのでギロチン台へと突っ伏す。 それを確認した縄を咥えたゆっくりは、縄を放し、姉妹を処刑した。 「うげげげげげげげげげげげげげげげげげげげげ!!」 鬼と化し、完全に狂ったそのゆっくりは一晩中笑い続けた。 結局俺はその狂ったゆっくりを野へ放してやった。 殺したら何だか呪われそうだし、家に置いていても笑い方が怖くて眠れないしな。 それからしばらく我が家の周りに種別問わずゆっくりの死体が増えることになる。 数ヶ月後にはゆっくり達の屍の上で鬼のような顔をしたゆっくりが息絶えていたらしいということを聞いた。 終
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/132.html
森の中を三匹のゆっくりが並んで歩いていた。 真ん中に居るのはゆっくりアリス、繁殖には欠かせないゆっくりだ。 両側に居る四肢のある小さいゆっくりは、ゆっくりシャンハイとゆっくりホラーイ。 稀に、ゆっくりアリスと共に生まれてくる種類だ。 知能は意外と高く実際の人形並み、つまりゆっくり並にあるそうだ。 「ァリス、ココデユックリスルノ?」 「ユークリスルノ?」 「うん、きょうはここでゆっくりしようね!」 「ハァイ」 「ハーイ」 今日選んだ場所は、森にぽっかりと空いた広場。 寂しがりやのゆっくりアリスは時々、ここまでやってくる。 だからと言って何かするわけでもなく、ただジーッと木の陰から他のゆっくり達が遊ぶのを眺めているのだ。 ゆっくり達も気付いてはいるが、向こうからやって来ない事、それと何度か誘って一緒に遊んでも、やたらとはしゃぎ過ぎるので、大抵はそのまま気まずそうに遊んでいるのだ。 「まりさもれいむも、ちゃんとあそぼうっていってくれたら、あそんであげるのに」 「ァリィスカラサソェバ?」 「サソーエバ」 「せっかくきてあげたんだから、あっちがさそわなくちゃいけないの」 「ソォカ」 「ソッカー」 それでも、一緒に居るシャンハイとホーライのおかげで寂しくないアリス。 口から出るのは強がりばかりだった。 「そろそろ、おうちにかえってゆっくりしよう」 「ゥン、ユックリシヨゥ」 「ユクーリスルヨ」 先ほどの場所から、家までは随分遠いので家に着く頃には真っ暗になっていた。 「やっとついたよ!!!」 「ツカレタァ」 「ユックーリデキルネ」 その日も三匹固まって眠りに付く。 翌日、今日は初めて人里に行ってみることにした。 以前、同じように木の陰で話を聞いていると、最近、人里近くの綺麗な土地で野菜を食べていたゆっくり達が、人間の家に御呼ばれされているらしいと聞いたからだ。 これは聞き間違いだったが、友達の欲しいアリスには効果が抜群だった。 自分が人里に下りて人と仲良くする光景を想像する。 そんな光景に、アリスの心は激しく踊った。 翌日、ワクワクしながら街へ向かう三匹。 ようやく目的の街へ着いた時には、太陽が真上に昇りかけた頃だった。 「すごくひとがいっぱい」 「スゴォイネー」 「イッパーイダネ」 人里に下りると、沢山の人たちがひっきりなしに動いている。 初めての街、多い人、賑やかな空気、どれもこれも初めてな三匹は目を輝かせて驚いた。 しかし、三匹に誰も見向きもしない。 自分をかまってくれる人もいない、自分から動いてみることにする。 「でも、みんなゆっくりしてないね。アリスたちでゆっくりさせてあげようか?」 「ゥン」 「イイヨー」 「「「ゆっくりしていってね!!!」」」 大声で叫ぶ、ちょっと恥ずかしかったアリスだが、人と仲良くなろうとちょっとだけ勇気を出してみた。 …………。 ちらちらと振り向く人は何人かいたが、振り向くだけでみんな直ぐに通しすぎてしまう。 がっかりするゆっくりアリス。 「なんでいそいでるんだろ?」 「シャンハイワカラナィ?」 「ホラーイモワカンナーイ?」 「おなかすいたね」 「ォヒルマダタベテナィ」 「オヒルタベターイ」 ぐるっと辺りを見回す三匹、すると近くの屋台からから、美味しそうな匂いが漂ってきた。 「あそこからいいにおいがするね!」 「ィィニォーイ!」 「タベターイ!」 急いで屋台に駆け寄っていく三匹。 「おやねがついてるね?」 「デモ、カベガァナイヨォ」 「ダイガタカーイヨ」 初めて見る屋台、少し警戒したが食欲には勝てない。 勢い良く跳躍。 「おいしそうのみーつけた♪」 屋台の上に上がると、匂いの正体であるから揚げが目に入った。 時間はちょうどお昼時、山積みになった大量のから揚げは、人間でなくても食欲を掻き立てる。 「おいしそう! これだけあればゆっくりたべれるね!!」 「ユックリィデキルネェ」 「イタダキマース」 山盛り一杯のから揚げを美味しそうにほおばる三匹。 「おいしい! とってもおいしい!!」 「ホォラィ、ァーン」 「オイシイー、シャンハーイモアーン」 「ォィシィネ」 「ネー」 ボロボロと、涎や食べかすを口からこぼしながら食べる三匹。 店の主人は何処に行っているようでここには居ない。 「ホカノダィニモ、タクサンノッテルゥ」 「イーロイロオイシソーオ」 「こんなにおいしいのに、みんなきづかないのかな?」 「ミィンナ、ィソィデユックリシテナィカラ、キヅカナイノカナ?」 「ゆっくりすれば、おいしいたべものもいっぱいおちてるのにね」 「ネー」 「こんなばしょにかくれてるから、みんなみつけられないのかな」 「ソォウダネェ」 「ダネー」 気付かないわけではない、今ここでは屋台市が開かれようとしていた。 もちろん、まだ始まっていないので誰も屋台には来ない。 店主達は、出展許可証を貰いに行ってここには居ない。 それだけの事だった。 「ここにおちてるたべもの、みんなにだしたら、みんなもゆっくりできるかな?」 「デキィルヨ!」 「アリスー、アタマイー!」 「あたりまえだよ。ありすは、とかいそだちだもん♪」 えへんと、得意げなゆっくりアリスそれでもから揚げを食べる口は休めない。 一皿を粗方食べつくすと、三匹で隣の皿に移動する。 「みんなといっしょにゆっくりしようね!!!」 「シィヨウネ」 「ネー」 「いくよ」 「ゥン」 「ウーン」 ガッシャーン シャンハイとホラーイが皿をちょこっと持ち上げ、それをアリスが落とす。 勢い良く地面に転がるから揚げと、散乱する皿の破片。 「はやくほかのたべものもおとしてあげよう」 「ゥン」 「ハーイ」 次々に落とされるたべもの。 勢い余って屋台も壊している。 途中からじれったくなった三匹は、段々と雑に落とすようになっていた。 箱に入っているものは箱ごと落とす。 汁物が入っている鍋は揺らしてぶちまける。 その、光景に呆然と立ち尽くす人々。 ずらっと円形に円形に並んでいる屋台、屋台越しに移動する。 「アリスー」 「コッチモ、ィッパィアルヨ」 「ゆっくりたべてもらおうね!!」 「アリスーコーレハ」 「ゆ! これはとくにおいしそうだかから。みつけたありすたちでたべよう」 「ゥンソウシヨゥ」 しばらくして、市中の食べ物をひっくり返し終わった三匹。 食べ物ではないほかの屋台もひっくり返していたが、知能の低いゆっくりは気が付かなかった。 ガラス品や瀬戸物の屋台は、勢い良く着地した反動だけでもぐしゃぐしゃになった。 掛け軸の屋台も同様、葉っぱ同様に突破する三匹は難なく破り落とす。 閉じているものも地面に落とされ、料理の汁を吸って無残な状態に成り果てた。 「おわったね」 「ォワッター」 「オワータラオナカスイター」 「たべよっか?」 「「「ゆっくりいただきまーす」」」 意気揚々と地面に落としたものを食べ始める、自分達が普段こうやって食べているので人も同じだと考えたようだ。 「おい!お前達!俺の屋台でなにしてくれるんだ!!!」 一人の男が近寄ってきた。 彼は最初のから揚げ屋台の男なのだが、そのことは三匹も知らない。 いや、三匹は初めて声をかけてもらえた事で随分と喜んでいるようだ。 特にゆっくりアリスは、自分にも人と話すことが出来たことで非常に興奮していた。 「あっありすが、たべものいっぱいみつけたんだよ! おっ、おじさんもゆっくりしていってね!!!」 「ィッショニタベヨゥ」 「タベヨー」 「おじさん!! こっ、これおいしいよ♪」 ちょっと緊張してしどろもどろになりながら、近くに転がっていた食べ物を、パクッと口にくわえて男の足元に持ってくる。 地面に転がり埃まみれの上、ゆっくりの涎まみれになっていたそれは、間違いなくあのから揚げだった。 「ユックリダベヨォネ」 「コレモオーシーヨ」 同じく、散らばった田楽、トン汁の里芋を両手で掴んで男の本へ持っていくシャンハイとホーライ。 二匹も、初めて人と話が出来て楽しそうだ。 「……」 しかし男は、黙ったままプルプルと震えているだけだ。 「ゆ? ……おっおいしいよ。みっみんなもゆっくりしようね!!!」 こんどは違う女性に食べ物を運んでいく、今度はうなぎの蒲焼だった。 「これも、すっごくおいしいよ!!! ゆっくりたべてね!!!」 「……」 また無言、同じ反応だった。 「ユックリシヨゥ」 「ユークリデキルヨ」 「ゆっくりしていtt 「うるせー!」」 「「「!!!」」」 「お前らが好き勝手に遊んだ所為でこっちは商売上がったりなんだよ!」 「どうしてくれるんだい!」 「人が折角親切にしてやってたのに」 「やっぱり最初に来た時に追い返せばよかったぜ」 四方から浴びせられる罵倒、話の内容は分からなかったが、自分が何かいけないことをした事は気付いたようだ。 「ゆ! ごめんなさい!!! そうだ、しゃんはい、ほーらい、あれをあげよう」 急いで、円の中心部にあった屋台に向かう。 そこにあったのは四つの屋台、うち三つは、特に高そうな花瓶や壷が売られていた。 それも、躊躇なく倒す三匹。 三匹にとって、石を倒した位にしか思っていないだろう、これで整然としている屋台は一つになった。 それは、とても美味しそうだったので、自分達で食べようと思って取っておいた屋台。 高そうな、霜降りの牛肉が沢山並んだ屋台。 その荷台も同じようにひっくり返し、地面に落とす。 その中でも一番高そうな、ゆっくり達にしてみれば美味しそうな、一塊の肉を加えて戻る。 シャンハイたちも、次に美味しそうなものを持ってくる。 だがどちらも、肉が大きくて重いのだ。 アリスが運ぶと地面を摺り重さで千切れる、その度になんども噛み直す。 シャンハイ達が飛びながら運ぶと、今度は重さで肉が伸び、耐え切れなくなって落とす。 そんな光景が最後まで続いたのは、それがモノの二分程度で終わった事と、完全に屋台市を破壊され人々が呆然としていたからだ。 あの高級な肉は、運び終わった頃には、全体に噛み跡がある土まみれの肉に様変わりしていた。 「ごめんなさい。あやまるから、みんなでゆっくりしようね!!! こっ、これもおいしいよ!!!」 そういって肉を加えて男の前に置く。 「ほんとはありすがたべようとおもったけど、おじさんたちにあげるね♪」 「ゴメンナァサィ。コレシャンハィノダケェド、タベティィヨォ」 「ゴメンナサーイ。ホーライノモタベテイーヨ」 微笑みながら差し出す、これだけいいお肉を出せば喜んでもらえると思った。 だが実際は、火薬庫に火種が入っただけだったが。 「ふっざけるなぁ!!!」 男の足がアリスを捕らえる、そのまま後ろに吹っ飛ばされる。 「ゆゆっ! いたいよ! やめてよ!」 「アリスダィジョォブ?」 「アリスイタガテールヨ!」 人々は意に返さず、アリスたちに詰め寄っていく。 「ゆ゛!」 それは、アリスたちからみれば大きな壁のように見えた。 「ゆっぐりじないんだったら、ありすもうかえる! そっちからさそわれたってもうこないから!!!」 「アリス、ハヤクカエロォ!」 「カエーテ、サンニンデユクゥーリシヨー!」 そうは言ったものの、既に前面壁となっており、三人が出て行くスペースはない。 「おじさん、とおして!!! ありすもうかえるんだから!!!」 「トォシテ!!!」 「トーシテ!!!」 そういってズンズンと近づいてくる三匹、直ぐに蹴り返される。 それが合図になった。 落下地点で蹴られる、また次の落下地点で蹴られる。 もはや三匹はボールと化し、痛みと浮遊感しか感じていなかった。 「ごめんなざい。なんでもするがらゆるしてくだざい!!!」 「ユゥルジデ!!!」 「ゴメンナザーイ!!!」 人々も、何時までもこうしていては埒があかないと思ったのだろう。 直ぐに蹴りは収まり、代わりにここを掃除しろといわれた。 「なんで? ぜっがくよういじであげだのに、なんでみんなだべでぐれないの?」 「ガンバッテ、モォッテキタノニィ!」 「オイシーヨ、クサーテナイヨ!」 「人はテーブルの上で食うんだよ!! 地面に落としたのなんかゴミなんだよ!!」 それ以上の質問を許さず、作業を始めさせる。 大きな物体は人が運ぶしかないので、地面に散らばった残飯を綺麗に掃かせた。 シャンハイとホーライは、散らばっていた角材をモップ代わりにしたが、アリスは手足がない。 暫くぼうっとしていると、急に体を押された、それに付随して散らばった残飯も一緒に進んでいく。 「ゆゆっ! やめで、からだがよごれじゃうよ。やめでよぉ!」 「こうすればできるだろ」 それだけ言って一発蹴られた、直ぐに掃除を始めるゆっくりアリス。 もちろん自分の体をモップ代わりにしてだ。 「ゆっ!? いだい! いだいよ!」 ガラス片か瀬戸物の破片が刺さったのだろうか、途中で何度も絶叫するアリス。 それが何なのは分からなかったが、止まるとまた蹴られるので急いで掃除に戻る。 「い゛だい゛よ゛ー! ゆ゛っぐり゛じだい゛よ゛ー!」 片付けていく残飯の中に、売られていない餡子が混ざり始めた。 「ァリス、ァトチョットダカラガンバッテェ」 「モースグオワルカーラ」 「ゆ゛っぐり゛ざぜでーー!!!」 結局、掃除が終わったのは夕刻を過ぎた後だった。 全身傷だらけになったゆっくりアリスは、文字通り蹴り出されて村を後にする。 ひとはやばんだから、もうぜったいにいかない。 家に戻って、二匹に傷を手入れしてもらっている最中に二人に話しかけるゆっくりアリス。 二匹も当然と言った感じで答えた。 「ニンゲン、コワァカッタネェ」 「ゼンゼン、ユックリサセテクレナカータネ」 破片を全て抜き終えたあと。 都会派らしく、痛がりながらも近くの川で汚れを落とした。 その後、何時もよりギュッと寄り添って三匹は眠りに着いた。 翌日、昨日の傷の所為で遅くまで寝ていたアリスだったが、外で自分を呼ぶ声が聞こえたので、外に出た。 一日寝て、傷は大分良くなったようだ。 「まりさ!れいむ!ぱちぇりー!」 そこにいたのはアリスが一緒に遊んでいるらしい、あの三匹だった。 「みんなどうしたの?」 「これからみんなで、まちにいくの!」 「むきゅー!」 「いつもさんにんでいってたの、そうしたらこのまえ、おじさんがみんなといっしょにおいでっていってくれたの」 「れいむも、おかあさんたちといっしょにいくよ!!」 少し視線をずらすと、ゆっくり霊夢の家族が見えた、全部で15匹位だろうか。 他にも、時々三匹と一緒に遊んでいる、ゆっくり達、ゆっくりアリスが知っている友人も、知らないゆっくりもそこには居た。 「ありすもいっしょにまちにいこう!」 「ゆっくりできるよ」 「……うん、いっしょにいこう」 「ァリス、ィイノォー?」 「マタ、マチニイクノー?」 「うん、せっかくおともだちがさそってくれたんだもの。ひとづきあいをだいじにするのも、とかいはのすることなの!」 「ワカッタァ」 「ワカッター」 大勢のゆっくりで街に向かって歩いていく。 その列の、一番後ろに居たアリス達、途中で三匹が得意そうに説明するのを聞いて、ようやく昨日自分達がした事の間違えに気付いた。 ようやく街に着いた一行だが、今日の街はガランとしていた。 「おうちぐるま、あんまりでてないねー」 「ちがうよれいむ、やたいっていうんだよ」 「そうだったね! でもでてないねー」 「むきゅー? ひともすくないよ」 不思議がる霊夢達。 それはそうだ屋台の殆どは未だ修理中なのだから。 「あ、おじさんのやたいあった」 いち早く、それを見つけたゆっくり魔理沙と霊夢が近寄っていく。 一行も後に続く。 「おじさん、やくそくどおりみんなつれてきたよ!!」 「みんなでゆっくりさせてもらうよ!!」 「「いつものからあげちょうだい!!!」」 「ふざけんな! まためちゃくちゃにしに来たのか?」 そう言って二匹を蹴り飛ばす、直ぐ後ろに来ていたゆっくり達にぶつかったため、あまり飛ばされなかった。 「ゆっ!? おじさんどうしたの。いたいよ!」 「いたいよ。おじさん!!! いつもまりさたちにからあげくれてたんだよ!!!」 「うるせい! 今まで好意でくれてやってたのに。こっちは昨日大変だったんだぞ!」 そうして、怒鳴り散らす男、騒ぎを聞きつけてゆっくり達の周りには大きな人だかりができていた。 「そんなわけないよ。ありすはとかいはのゆっくりだもの!!!」 「それはちがうところのゆっくりだよ、ありすがそんなことするわけないよ!!!」 「むきゅー!」 それを聞いて霊夢達が反論する。これがいけなかった。 「やっぱりお前らグルだったのか! 昨日の仕返しにきたんだろ!」 昨日と同様に人の壁に囲まれたゆっくり達。 ただ昨日と違うのは、今日の人たちはそれぞれ鍬や鋤をもっていた事だった。 「ゆ゛ー!!!」 一匹のゆっくり霊夢の子供に鋤がっ刺さった、その直後、絶命した。 「あまり乱暴にするな、こいつらの餡子は高く売れるんだから!」 「ゆっくりにげてね!!!」 母親のゆっくり霊夢が子供を逃がす、混乱しているがどうにか意味は理解したらしい。 アリの子を散らすように逃げていく。 「わかるよわかるy!よーーー!!!」 「!!! ちーんぽ!!」 「うっう~♪ う゛ーーー!!!」 「ゆっくりしね! ゆっくりしn、しんじゃうよー!!!」 お母さんゆっくりも何時ものように子を守ろうと前に出るが、ゆっくり相手とはわけが違う。 あっという間にボロボロになる。 「ゆ~!!ゆ”ーーー!!!」 「こいつは餡が固そうだ」 近くの川に流されるお母さんゆっくり、その直前に見た景色は、自分の子供達全員が捕まった所だった。 「はやくにげないとゆっくりできないよ!」 「おがあざん!おがあざん!」 「むきゅ~」 ゆっくりアリスと数人のゆっくり達は逃げていた。 おそらく、今捕まっていないのは自分達だけだ。 まだ街を抜けるまで随分とかかる。 それでも、走るしかなかった。 必死に必死に走った、息が上がろうがゆっくしできなかろうが走った。 ようやく、一番近かった霊夢の家に飛び込んだ時には全員息が上がっていた。 アリスは、昨日自分がした事が間違っていたことに気付いていた。 しかし、親切でやったのにこんなに怒るなんて、人はやっぱりこわい。 これが今の彼女の心情だった。 「ここまでくればゆっくりできるね」 ゆっくりアリスが尋ねる、返事が無い。 息が上がって話せないのかと思い直して振り向く、確かに息が上がっていた。 ただし、そこに居たのはとシャンハイとホーライだけだった。 「みんな、み゛ん゛な゛。うっ、ぐす、ゆっぐりじだがったよー」 シャンハイもホーライも泣いていた、息が上っている為声が出なかっただけだ。 その後、一日待って戻ってきたのは傷だらけのおかあさんゆっくりだけだった。 広い広い森の中、沢山のゆっくりが住んでいたその一帯は、今やたった四匹のゆっくりしか住んでいなかった。 Please waiting next Story.
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/588.html
「厳しいゆっくり」 そのゆっくり一家の様子は、普通とは何かが違っていた。 一家を率いるのはバレーボールサイズのゆっくりまりさ。そこは何もおかしくない。 ついていくのはゆっくりまりさとゆっくりれいむ。数は大体半々ぐらい。そこもおかしくない。 普通とは何が違うのか…その違いは、話しかけてみて始めて分かった。 「ゆっくりしていってね!!」 ゆっくりの本能を深く揺さぶる、僕の一声。 普通なら、この言葉に反応しないわけがなかった。ところが… 「……ゆっ!」「…ゆ!」 子供たちは皆、少し声を漏らしただけ。 何か言いたげな顔はしているが、『ゆっくりしていってね!!』という元気な返事は返ってこなかった。 「おにーさん!!まりさたちはほかのばしょでゆっくりするからね!! なにもようがないなら、まりさたちはもうゆっくりいくよ!!」 先頭に立っている母まりさが、僕に向かって言ってくる。 こいつからも元気な返事はない。おかしいな…こいつら病気なのか? 試しに、もうちょっと揺さぶってみるか。 「まりさ、どこに行くのか知らないが、お兄さんはもっとゆっくり出来る場所を知ってるよ」 「ゆ!?そうなの!?ゆっくりちゅれていってね!!」「れいむもゆっくりしたいよ!!」 もう我慢できない、と言わんばかりに子ゆっくりたちが口を開いた。 そうそう、それが普通の反応である。だが、母まりさは普通ではなかった。 「ゆ!!そんなこというとゆっくりできないよ!!」 「ゆ゛!!」「びゃっ!!」 何も悪いことをしていないのに、母まりさに突き飛ばされた子ゆっくりたち。 転がるほどの勢いも、皮が破れるほどの破壊力もない、ただ痛いだけの攻撃だった。 子供たちは涙目で何かを無言で訴えてくるが、僕にも母まりさにも…何も伝わらない。 「おにーさん!!わるいけどまりさたちはゆっくりいそいでるからね!!じゃましないでね!!」 そう言い放つと、母まりさはとっとと先へ進んでいってしまった。 子供たちだけが、僕を名残惜しそうに見上げていたが… 「…ゆっくりしすぎだよ!!」 母の一言で、子供たちは飛び上がるようにして母の後を追いかけていった。 あの母まりさ、どう考えても普通じゃない。 『ゆっくりしていってね!!』『もっとゆっくり出来る場所がある』という二つの言葉。 ゆっくりの本能を最も刺激するはずの言葉に、母まりさは釣られなかった。 突然変異なのか、それとも病気なのか… 「こいつは面白そうだな…」 どちらにしても、この面白そうなネタを放っておくわけにはいかない。 僕は先ほどの一家をゆっくり追いかけることにした。 一家の巣はすぐに見つかった。木の根元に、精妙にカムフラージュされた大きな穴だ。 決して大きな穴ではないが、母まりさ+数匹の子ゆっくりなら十分な広さだろう。 僕は静かに巣穴に近づいて、隙間から中を覗いてみた。 「にんげんにはなしかけられても、しゃべっちゃだめっていったよね!!」 「ゆびゃああああぁぁl!!」 「みんな、おかーさんとのやくそくやぶってしゃべっちゃったよね!!」 「ぎゅべぇおおおおお!!」 「やくそくをやぶったわるいこはゆっくりできないよ!!おしおきだよ!!」 「あぎゅあああぁっぁ!!!」 合計5匹の子ゆっくりが一列に並んでいる。 よく見れば子ゆっくりというより、赤ちゃんゆっくりぐらいの大きさだ。 母まりさは、何か言葉を発するごとに子ゆっくりに一匹ずつ体当たりを食らわせる。 その勢いは母まりさの怒りに比例して強くなり…最後に体当たりされた子れいむは、壁にぶつかると口から 餡子を大量に吐き出してしまった。 ゆっくりにとって、命の源である餡子を吐き出すことは一大事だ。 処置を怠れば、死に至ることだってある。それは子ゆっくりもよく知っていた。 「うぶっ!!ゆべえええぇっぇぇえ゛え゛え゛ぇぇぇあ゛あ゛あ゛ぃ!!!!」 「ゆゆ!!おかーさん!!れいむが!!れいむがゆっきゅりできなくなっちゃうよ!!」 「ゆっくりたしゅけてあげてね!!ゆっくりなおしてあげてね!!」 周りの子ゆっくりたちが、必死に母親に助けを求める。 だが、母まりさは鼻で笑いつつこう言い返した。 「ふん!やくそくをまもれないバカなこは、ずっとそうしてゆっくりしてればいいよ!! みんなもやくそくやぶるとこうなっちゃうからね!!ゆっくりりかいしてね!!」 自分の仕事を成し遂げたと思っているのか、母まりさの顔は満足げだ。 それに対して、子ゆっくりたちの表情は完全に沈んでしまっている。 「子供を虐めるなんて…酷い母親だなぁ」 僕はくすくすと笑いながら、そのまま様子を観察し続けた。 母が食料を取りに出かけた後、しばらくして先ほど餡子を吐いた子れいむが目を覚ました。 「ゆ…ゆううぅぅ……!」 「ゆ!ゆっくりおきてね!!」「ゆっくりしていってね!!」 周りで見守っていた子ゆっくりたちが喜びの声を上げる。 気絶していた子れいむは特に外傷はないらしく、次第に元気を取り戻してゆっくりし始めた。 僕は母まりさがいなくなった今しかないと思い、巣穴に首を突っ込んだ。 「やあ!ゆっくりしていってね!!」 「ゆ?ゆっくりしていってね!!」 今度は5匹の子ゆっくり全員が応えてくれた。 やっぱり、普通じゃなかったのはあの母まりさに原因がありそうだ。 「さっきのおにーさん!!どうしたの!?」 「ここはれいむたちのおうちだよ!!ここでゆっくりすると、おかーしゃんにおこられちゃうよ!!」 怒られるというのは…たぶん“やくそく”のことだろう。 先ほどの様子からしてこの子ゆっくりたちは、母まりさと幾つか約束を交わしているらしい。 それらを破ると、先ほどのように罰を受ける…命に関わりかねない罰を。 つくづく理不尽な母親である。自分の都合を押し付けて、破ったら虐待だなんて。 「大丈夫だよ。すぐに出て行くからね。それより、皆に美味しい食べ物を持ってきたよ」 「ゆ!?たべもの!!ほちいよ!!ゆっくりちょうだい!!」「ちょうだいちょうだい!!」 クッキーを放り込んでやると、5匹の子ゆっくりは一斉に群がって貪り始めた。 母との約束という重圧を忘れた5匹は、本能に忠実な普通のゆっくりだった。 「ゆはっ!!うっめ!!めっちゃうっめ!!」「むーしゃむーしゃ!!しあわせー♪」 「じゃあお兄さんはもう行くからね。みんなはゆっくりしていってね!!」 って、食べ物に夢中だからたぶん聞こえてないな。 僕は食事を邪魔しないよう、追加のクッキーを数十枚放り込んで、静かにその場から立ち去った。 後ろからは、クッキーを貪り食う子ゆっくりの下品な声が聞こえてくる。 母まりさが帰ってくる頃に戻ってきて、“あれ”を実行することにしよう。 帰ってきた母まりさは、巣の中の様子に驚愕した。 一面を埋め尽くす見慣れぬ食べ物。それを美味しそうに食べている5匹の子供たち。 「ゆ!おかーしゃんおかえりなさい!!」「みんなでゆっくりしようね!!」 口の周りに食べかすをつけた子供たちが、出迎えの挨拶をする。 だが、母まりさはそれに応えない。 「これはだれからもらったの!?ゆっくりせつめいしてね!!」 母まりさの疑問は当然のものだった。子供たちが自力で食料を集められるわけがない。 しかも、5匹が食べきれないほどの量だ。母まりさだって、これだけの量を集めるのには2週間はかかる。 つまり当然の結論…『この食べ物は、誰かからもらった』 「ゆ……と、ともだちのまりさにもらったんだよ!!」「そ、そうだよ!!」 「うそをつかないでね!!にんげんからもらったにきまってるよ!!」 「ゆ゛!?」 母が真相を口にした瞬間、子供たちは固まってしまった。 “恐怖”…生まれたときから植えつけられてきた感情、たった一つに縛り付けられて。 約束を破ったことが母にバレた…その次に待っているのは、無慈悲な“罰”であることを知っているから。 横一列に、背を壁に向けて並べられた子供たち。 自分達のこれからを想像して、がたがたと震えている。 されることはいつもと同じ。だが、未だにその痛みに慣れることが出来ない。 「やくそくをやぶったらゆっくりできないよ!!」 「ゆぎゃああ゛あ゛ぁぁ!!」 「やくそくやぶるこは、おかーさんのこどもじゃないよ!!」 「ごみんあじゃあぁぁぁい゛い゛!!」 「にんげんとはゆっくりできないよ!!ゆっくりおぼえてね!!」 「もうゆるじでええぇぇぇぇえ゛!!」 「にんげんはわるいものだよ!!ぜったいゆっくりしちゃだめだよ!!」 「うがやおああおおおおぉおぉぉ!!」 壁と母まりさの身体で挟み撃ちにされる度に、悲痛な叫びを上げる子ゆっくりたち。 何度も何度も、何度も何度も、何度も何度も、何度も何度も。 繰り返し繰り返し、母まりさは5匹の子ゆっくりに順番に体当たりする。 『人間とはゆっくりできない』『人間と一緒にゆっくりしたら二度とゆっくりできなくなる』 全ては理解してもらうため。このことを理解して、覚えてもらうためだ。 自分は母に人間の危険性を教えてもらっても、すぐに忘れてしまった。 そして人間についていったばっかりに、友達を皆食べられてしまった…そんな自分の二の舞にならないように。 子供たちには忘れて欲しくない。ずっと覚えていて欲しい。だってそうしないとゆっくりできないのだから。 「がまんしてね!!がまんしてゆっくりできるこになってね!!」 「げりょうあおあおあおあおああああああ!!!」 母まりさは、何度も何度も、子ゆっくりたちに伝わることを願って…体当たりを続けた。 昼になって、例の巣に戻ってきて見ると…巣の中では再び虐待が行われていた。 母まりさが子ゆっくりに体当たりするたびに、張り裂けんばかりの悲鳴が僕の耳を突く。 「うぎゃあ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁぁぁぁぁ!!!」 「ぎゅええええべべべべええ!!!」 「あばばばばあああああぁぁぁぁあ!!」 何故だか分からないが、母まりさは相当怒っているらしい。 母まりさの言葉は乱れすぎていて何と言っているか聞き取れないが…かなりノリノリである。 待てど暮らせど、虐待の嵐はなかなか止まない…痺れを切らした僕は、釣り針を握るとそっと巣の中に手を 突っ込んだ。 「……よし」 虐待に夢中になっている母まりさは、自分の帽子に釣り針が刺さったことに気づいていない。 子ゆっくりたちも、すっかり怯えきってしまって周りの様子など目に入っていなかった。 僕は、糸を思いっきり引っ張った。それに従って、母まりさの帽子が脱げて瞬く間に巣の外へ飛んでいく。 「ゆ!!まりさのぼうし!!ゆっくりまってね!!」 即座に異変に気づいた母まりさは、帽子を追って巣の外へ。 終わりなき虐待から開放された子ゆっくりたちも、安堵の表情を浮かべながら恐る恐るついてくる。 「おにーさん!!それはまりさのぼうしだよ!!ゆっくりかえしてね!!」 糸にぶら下がった帽子をぶらぶら振り回す僕。 まりさは必死にジャンプしてそれを口で咥え取ろうとするが、ぎりぎり届かない高さに調節しているので、 どんなに頑張っても…帽子まで後一歩、というところで勢いを失ってしまう。 「ゆぎゅうううぅぅぅ!!ゆっぐりがえじでね゛!!がえざないどゆっぐりざぜであげないよ゛!!」 「あっそう、じゃあ返してあげるよ、ほーれほーれ♪」 上から目線で物を言う母まりさを、僕は満面の笑みでおちょくる。 ぶんぶん振り回される帽子を目で追いながら、あんぐりと口を開けて狙いを済まして… 命と同じくらい大事な帽子を奪い返そうと、必死にピョンピョン跳ね続けている。 「うぎゅうううぅぅぅ!!!いじわるしないでね゛!!ゆっくりがえじでね!!」 ふと、巣の入り口近くにいる子ゆっくりたちに視線を移す。 さっきからじっとこっちを見ているが…母を応援する声は聞こえてこない。 普通の一家なら、『おかーさんがんばってねぇ!!』とか、『おにーさんとはゆっくりできないよ!』の 一言ぐらいあるものだが… つまり、そういうこと。子ゆっくりたちにとって、母まりさは“そういう”存在なのだ。 「お母さんまりさにひとつ提案だよ。子供の帽子かリボンを持ってきたら、この帽子と交換してあげる」 「ゆ!?」 果たして口車に乗って、子供の髪飾りの強奪に乗り出すかどうか… 僕にとっては一種の賭けだったのだが…どうやら僕の勝ちだったようだ。 母まりさは目の色を変えて、巣の入り口に集まっている子ゆっくりたちに襲い掛かった。 「ゆっくりにげないでね!!おかーさんにぼうしとりぼんをちょうだいね!!」 「おがーざんごっじごないでえ゛え゛ぇぇぇ!!!」 「ぞんなごどずるおがーじゃんどはゆっぐりでぎない゛い゛い゛い゛ぃぃぃ!!!」 子ゆっくりにとっても、帽子やリボンは大事なものだ。簡単に取られるわけがない。 母まりさに捕まらぬよう、子ゆっくりたちは蜘蛛の子を散らすように逃げ出した。 「ゆっくりつかまってね!!にげるこはゆっくりできなくなっちゃうよ!!」 「やだあああぁぁぁぁ!!!づがまるどゆっぐりでぎないよ゛!!」 「おがーざんやめでね゛!!ゆっぐりごっぢにごないでね゛!!」 母と子には体格差があると言っても、命と等価のモノがかかっているこの状況では、子供たちはなかな捕まらない。 実のところ、先ほどのクッキーにはゆっくりの運動能力をちょっとだけ強化する薬物が入っていたのだが… 母まりさも、当の子ゆっくりたちもそのことにはまったく気づいていない。 「おがーざんにぼうしどりぼんちょうだい!!そうすればみんなでゆっぐりでぎるよ゛!!」 なかなか追いつかないので、目に涙を浮かべながら子供を説得しようとする。 しかし、そんな言葉で釣られるほど子ゆっくりは愚かではなかった。 「おがーざんうそづいでるよ!!うそづくおがーじゃんどはゆっぐりでぎないよ゛!!」 「ゆっぐりついてこないでね゛!!ゆっくりどっかいってね゛!!」 「ゆぐぐぐぐぐ…どうじでぞんなごどいうの゛!!ゆっぐりでぎなぐなっでもしらないよ゛!!」 まだまだ子ゆっくりたちには追いつきそうにない母まりさ。 僕は母まりさにもっと必死になってもらうために、ライターで母まりさの帽子に火をつけた。 ボオォッ!! 何の素材で出来ているのかわからないが、本当によく燃える。 「ゆぎゃああああーーー!!!まりさのぼうしもやざないでえ゛え゛え゛ぇぇぇ!!!」 子ゆっくりを追いかけるのを止めて、燃え上がる自分の帽子目掛けて飛びついてくる母まりさ。 だが、僕がうまく糸を動かして帽子をひょいっと遠ざけたので、母まりさはそのまま地面に激突した。 「ゆぶっ!!やめでね゛!!まりざのぼうじもやざないで!!はやぐひをげしでよお゛お゛お゛ぉぉぉ!!!」 「まぁまぁ焦るなって。結構綺麗に燃えてるじゃないか」 地面に顔から落ちて身悶えている隙に、母まりさの髪を釘に結び付けて地面に打ちつけた。 これで母まりさは、ほとんど身動きが取れなくなった。 「ひをげしで!!うぶゅ!!いだい゛!!いだいよ゛!!がみがひっばられでるううぅぅぅぅ!!!」 帽子を燃やされている悔しさと、髪を引っ張られる痛みで…母まりさの顔は涙でボロボロになる。 痛みにのたうち回ろうとすればさらに痛みが襲うので、下手に動けない状況だ。 それでも母まりさは、何度も何度も助けを求める叫び声をあげた。 「まりさをだずげでぇ!!ごのままじゃゆっぐりでぎなぐなる゛!!」 「おねがいだがら!!ごっがらはなぢでえええぇぇえ!!!あだまがいだいいいいぃぃぃい!!!」 「ぼうじ!!まりざのぼうし!!もやざないでよ゛ぅ!!」 「……らんぼうするおかーしゃんは、ずっとそこでゆっくりしてればいいよ!!」 突然、一匹の子れいむが震えながら力いっぱい言い放った。 するとそれに続いて、次々と子ゆっくりたちが母まりさに罵詈雑言を浴びせる。 痛めつけられる母まりさの姿を見て、子ゆっくりたちの心境に変化が生じたのだろう。 母まりさが動けないことに気づいた、というのもあるだろうが。 「そうだそうだ!!おかーしゃんのぼうしなんか、ゆっくりもえちゃえばいいよ!!」 「おかーさんはずっとそこでゆっくりしててね!!こっちにこないでね!!」 「ばかなおかーさんはゆっくりしねばいいよ!!」 「いや゛ああぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁ!!ひどいごどいわないでえ゛え゛え゛ええぇぇぇぇえぇえぇ!!!!」 次々に打ち明けられる子ゆっくりたちの本音が、母まりさの心を深く抉る。 今まで母まりさに虐待され続けてきた子ゆっくりの鬱憤が……ここで爆発した。 「ゆっくりしね!ゆっくりしね!」 「らんぼうもののおかーさんはゆっくりしね!!」 「れいむたちにいたいことしたよね!!だからおかーさんにもいたいことしゅるよ!!」 身動きの取れない母まりさを取り囲んだ5匹は、怒りを爆発させながら集団リンチを始めた。 つい数分前まで母の虐待に怯えていた子ゆっくり…僕がちょっと手伝ってやっただけで、立場は逆転した。 「いだっ!!いだいよ゛!!ゆっぐりやめでね゛!!やめだらゆっぐりさせてあげるよ゛!!」 「うるさいよ゛!!おかーさんのいうごとなんか、もうきかないよ゛!!」 「おかーさんのせいでいままでゆっくりできなかったよ!!ゆっくりしんでいってね!!」 一体どれだけの間、母まりさに虐待されてきたのだろうか…その間に溜めてきたストレスは相当のものらしい。 容赦ない体当たりが、母まりさの身体を深く傷つけていく。 ところどころ餡子が漏れ出し、さらに傷は広がって痛みを誘発させる。 「あぎゃああああああっぁぁぁあぁ!!やめでやめでやめでやめでやめでやめでやめで!!!! じぬ゛ぅ!!じんじゃう゛!!ごのままじゃじんじゃう゛!!おねがいだがらやめでよおおおおぉぉぉ!!」 母まりさの悲鳴を完全に無視し、リンチを続ける子ゆっくりたち。 僕はそんな子ゆっくりたちに優しく話しかけた。 「そろそろ疲れてこない?お母さんの帽子が燃えてるのを見ながら、ゆっくり休憩しなよ」 「ゆ!そうだね!!ゆっくりつかれてきたよ!!」 「ゆっくりやすもうね!!みんなでゆっくりしようね!!」 「おにーさんあたまいいね!!おかーさんとはおおちがいだよ!!」 そんなことを言いながら、母まりさから離れていく。 取り残された母まりさの姿は…それはもう酷いものだった。 「ゆぶ……どぼぢで…?……まりざはっ…みんなのだめにっ…!!」 目玉は片方が抉られ、口は不細工に引き裂かれ、頬も深く噛み千切られている。 まだ生きているが…このまま餡子を漏らし続ければ、命が尽きるのは時間の問題だ。 「ゆー!きれいだね!!」「ほのおってきれい!!」「ゆっきゅりー!!」 「もえろもえろー♪」「ゆっくりもえろー♪」 炎をあげて燃える母まりさの帽子。それを見つめる子ゆっくりたちの目は輝いている。 やっと母まりさの圧制から解放される。明日からは自由にゆっくり出来る。 掴み取った明るい未来を見据えた…そんな目だ。 僕は糸を木の枝に固定して子ゆっくりたちから離れると、そっと母まりさに近づいた。 「やぁ、気分はどうだい」 「うぎゅ…だじゅげで……ゆっぐりでぎな…いよ…!!」 「でも、子供たちは今までゆっくり出来てなかったんだよ。お母さんである君が虐めていたせいでね」 「うぞだよ!……まりじゃは!…まりじゃは……みんな゛のっ…ために゛…!」 まだ悪あがきを続けている。うねうねと動く母まりさの頬の皮が気持ち悪い。 「みんなのために……ねぇ」 僕はため息をつきながら振り向いて、子ゆっくりたちに声をかけた。 子供たちは糸にぶら下がった帽子が燃えているのを、まだ楽しそうに見物している。 「なぁみんな!!このお母さんどうする?助けてあげる?」 「ゆ?そんなのほっといていいよ!!それよりおにーさんもこっちでゆっくりしようね!!」 「おかーしゃんなんかそのまましねばいいよ!!ゆっくりしんでね!!」 との返答を貰い、そのまま視線を母まりさに戻す。 「…だとさ」 僕は母まりさに向けてニコリと微笑んだ。 母まりさは、僕にとって最高の表情をしたまま…最期の叫び声をあげた。 「ゆ゛っ……ゆぎゃああああぁあぁぁぁぁぁぁぁあがえんrぎなえりおいりあがあrがにrg!!!!」 声にならない叫びをあげたが最後、母まりさは動かなくなった。 子供たちにはずっとゆっくりしてもらいたい。だからこそ、厳しく接してきた。 だが、子供たちには伝わっていなかった。それどころか家族を崩壊させる一因になってしまった。 どうしてこんなことになってしまったのか、自分は間違っていたのだろうか。 母まりさは考える。考える。考える。でもわからない。餡子が足りないからわからない。 子供たちに伝わらなかった想い。伝わらなかった願い。 一生懸命伝えたつもりだった。でも、伝わらなかった。伝えたかったのに、伝わらなかった。 そしてこれからも、その想いと願いは、伝えることはできない… 傍らで笑いあう子供たちの声が、遠くに聞こえる。 母まりさは、ゆっくりと後悔しながら…さいごのいのちを吐き出した。 あとがき この話、本当にかわいそうなのは誰だろう? 作:避妊ありすの人 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1294.html
「ぎゃおー!たーべちゃうぞー!」 「たべちゃうだってさ」 「おおこわいこわい」 魔法の森のゆっくり達は襲い掛かるゆっくりれみりゃを見てゆっくり構えつつも即座に逃走に移った。 森を熟知しているゆっくり達はれみりゃが手を伸ばすよりはるかに前に散り散りになりれみりゃの視界から消えた。 「うー?う゛ー!う゛ー!ざぐやー!おながずいだー!」 相当おなかがすいていたのか、ごはんにありつけずゆっくりれみりゃは地べたに座り込んで泣き出した。 その汚らしい声に木に止まっている森の鳥達が眉根をひそめて囀るのをやめた。 このゆっくりれみりゃ、ある人間の女の子に飼われていたのだが大きくなった上にわがままで、親に言われて泣く泣く捨ててしまうことになったのだ。 父親が戻ってこれないようれみりゃが寝ている間に魔法の森に入って木の洞に入れておいたのである。 洞の中に朝日がさして目を開けたとき、誰も居ないことで最初はさびしくてずっと森の中で泣いていたが そこはゆっくりブレイン、すぐに飼い主のことなど忘れおいしそうな匂いのするゆっくりを見つけると本能なのかすぐにゆっくりを狩り始めた。 最初のころは油断したゆっくりを何匹か捕まえることが出来た。 しかしれみりゃが居ることがゆっくりネットワークによって広まるとすぐに警戒され、ゆっくりを発見するところまではいけるのだが 捕まえようとするとすぐに逃げられてしまい全く狩りは成功しなかった。 そんな状況が二日ほど続きれみりゃはもはやふらふらでもうザグヤザグヤと泣き喚くしかなかった。 ちなみにさくやというのは前の飼い主の女の子のことである。 その子はさくやという名前ではないのだが何故かれみりゃは飼い主の女の子のことをそう呼んでいた。 「うー!ざぐやー!うあー!うあー!だれでもいいからごはんー!ごはん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ー!!」 「ゆっくりでてきましょうか?」 そんなれみりゃの前に森の木々の間からぴょこん、とゆっくりゆかりんが飛び出してくる。 「ほらゆっくりでてきました」 「う?うー!ぎゃおーたーべちゃうぞー!」 ゆっくりゆかりんが目の前に出てくるとすぐに噛み付こうと諸手をあげて突っ込んでくるれみりゃだったが あっさりとゆっくりゆかりんによけられて顔面から地面に思い切り突っ込んだ。 「う、う゛ー!どおじでみ゛んな゛れ゛み゛り゛ゃにだべら゛れ゛でぐでだいどぉー! お゛な゛がずいだー!ざぐやー!ざぐやー!!」 案の定泣き出したれみりゃを見てゆかりんはあきれながら言った。 「ゆー…れみりゃにたりないのはゆっくり人のはなしをきくことかしら ごはんにありつくための」 「うー?ごはん?うー♪ごはんちょーだいーごはんー!」 現金なものでれみりゃはごはんと聞くとすぐにごはんをくれると勘違いして河馬の様に大きく口を開いて食べ物を貰うための体勢を整えた。 「だからゆっくりゆかりんのはなしをきいてね」 ゆっくりゆかりんは溜息をつくと嗜める様にれみりゃに言った。 「ゆかりんがごはんを集めるのをてつだってあげるよ そしたられみりゃはおなかいっぱい食べられるようになってゆっくり出来るよ そのかわりにゆかりんが冬を越すためのたべものをいっしょに集めてほしいの」 「うー♪れみりゃたべものいっぱいあつめるー!だからごはんごはんごはんー!うー!」 とにかくご飯にありつきたいれみりゃは躊躇せずにいい笑顔で即答した。 「ゆっ、れいむゆっゆっれいむぅ…!」 「ゆっ、ゆっまりさ!まりさぁ!」 「ゆゆぅっ、すっきりするぅ…!すっきりしちゃうぅ…!」 「ぎゃおー!たーべちゃうぞー!」 『ゆんほぉおおお!?』 粘餡を出しながら体をこすりつけ合わせている、要するに交尾真っ最中のゆっくり二匹を発見し ゆっくり近づいて茂みから飛び出したゆっくりれみりゃ。 「ゆ!すぐににげないとゆっくりできなくなるよ!」 名残惜しみながらもすぐさま体を離すゆっくり二匹。 その頬からは粘着質な糸が引いていた。 「ゆー…まりさたちにたりないのはの少女臭かしら あさましいしょうどうを抑えるための」 ゆかりんはれみりゃに抱えられながらそう言い放つと地を這うれいむとまりさに口から何かを吐いてかけた。 「ゆぐぅうう!?くさい!くさいよおおおおお!?」 「ゆ!ひどいよ!れみりゃもゆかりんもゆっくりしね!!」 納豆を頭にかけられたゆっくり二匹は捨て台詞を吐くと即座に用意していた逃走ルートを通って逃げて行った。 「うー!ま゛っでぇー!う゛ー!」 追いかけようとして思い切り転んでしまうれみりゃを尻目に二匹は後で落ち合って続きをしようと目配せをした。 「ゆー…臭いよ…れいむ…」 苦もなくれみりゃとゆかりんの魔の手から逃げ切ったまりさはゆかりんの吐いた納豆の臭さに辟易していた。 「ゆっくりけんじゃなんていってゆかりんもぜんぜんたいしたことなかったよ! あんなばかはゆっくりしねばいいのに」 ゆかりんに対して文句の一つも言わないと収まりきらない気分だった。 ああこんなゆっくり出来ない気分の時は早くれいむと落ち合って体を洗ってさっきの続きをしたい。 そのことを考えると体がぬとっとしてくるまりさであった。 「ま゛り゛さ゛にげでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」 「ゆ゛!?」 突如後ろから聞こえてくる声にその忠告を無視して思わずまりさは後ろを振り向いた。 「うー!ぎゃおー!たーべちゃうぞー!」 「れいむうううううううう!!!!」 まりさの目の前に居たのはゆかりんとれいむを両腕に抱えるれみりゃだった。 れいむの頭にリボンが外れかけて変わりに黒っぽいものが見える。 あれはなんだろうか、あの黒いものは。 「どうじでれ゛い゛む゛のあ゛んごがああああああ!!!」 「はいゆっくりでてきました」 恐怖に駆られ逃げ出そうとするまりさの前にれみりゃの上でから飛び降りたゆかりんが立ちふさがった。 「うーたーべちゃうぞー!」 「い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 「ま゛りざああああああああああああ!!!」 ゆかりんを避けるか、それとも弾き飛ばすかを躊躇した瞬間、まりさの頭をれみりゃの手が掴んでいた。 こうなればもうまりさに逃げる手段は無い。 「どうじでえ゛え゛え゛え゛!どうじでみづがっだの゛おおお! ちゃんとにげだの゛に゛い゛いいいいいい!!」 絶望で包み込まれたまりさが考えたことは何故自分の逃げた行方がれみりゃにわかったのかということだった。 「まりさの少女臭をゆっくり追って来たよ!」 「うー♪くちゃいくちゃい!」 「臭くないよ!少女臭だよ!」 そう、れみりゃとゆかりんはまりさ達についた納豆の臭いを追って来たのだ。 なんということだ、ゆっくり歩かずにすぐにでも川に向かって体を洗うべきだった、とまりさは嘆いた。 「うああああああああああああ!!!! じにだくな゛い!も゛っどゆっぐりじだいいいいいいいいい!!!」 「ぎゃおー!たーべちゃうぞー!!」 「だべだいでええええええええええええ!!!」 「そんなにゆっくりしたいなら、いくらでもゆっくりさせてあげるわよ」 「!?」 「ほんとに!?」 生気を失っていた二匹のゆっくりの目に光が戻った。 「うー?だめ~、これはれみりゃのごはんー!」 「れみりゃもおなかいっぱいになれるはなしよ」 「う~?おなかいっぱいー!ごはんー!ごはんー!」 「ただしゆかりんの言うことを聞いたらだよ そしたらゆっくりさせてあげるよ」 片目を閉じて二匹を横目に言うゆかりん。 「聞きます!聞きますうううううううう!!!」 泣きながらまりさはゆかりんにすがりついた。 しかしれいむは警戒を解こうとはしなかった。 既に頭を齧られているので当然といえば当然だろう。 そんな二匹に対してゆかりんは言った。 「れいむかまりさの家族の居るおうちをおしえてくれたらゆっくりさせてあげるよ」 ニヤリ、とゆかりんの口元がいじわるそうに歪んだ。 「!ぜったいにおしえたりしないよ! れいむたちをたべるならゆっくりしてないでとっととたべてね!」 やはりそんなことだろうと思った、れいむは胸中でそう自分の命は諦め代わりに家族を守るために硬い決心をした。 絶対に家族を売ったりするものか、その想いはまりさも同じである。 「こ゛っち゛です゛!ごっぢに゛れ゛い゛む゛だぢのおうぢがありまずううううう!!!」 「ま゛り゛さ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?」 と思っているのはれいむだけだったようだ。 まりさは顔中から餡子汁を流してニヘラニヘラと卑屈な笑いを浮かべながらゆかりんとれみりゃを案内し始めた。 ゆかりんはそれをみてケラケラと笑いながらついていった。 「まりさだよ!ゆっくりあけてね!」 「ゆ、いまあけるよ!ゆっくりしていってね!」 巣の中で冬の支度をしていたお母さんれいむは娘のれいむの友達のまりさが娘と共にゆっくり帰ってきたようなのですぐに家の扉を開けた。 「お゛があ゛ざんあげぢゃだめ゛え゛え゛え゛!!!」 「ぎゃおー!たーべちゃうぞー!!!」 「ぎゃあああああああああ!?」 扉を開けるとそこにあったのは娘とその友達の笑顔ではなく小さな、それでもゆっくりにとってはとても大きな手。 その手はお母さんゆっくりのおでこに5本の指を突き刺すとまるでみかんの皮でもはがすかの様に顔面の皮を引き剥がした。 黒い餡子にぽっかりと開いた空洞から断末魔が響き渡った。 「うー♪うま♪うま♪」 「いやー!」 「どうじでごんなごどずるのま゛り゛さ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 「はなぢでええええええええええええええ!!!!」 次々と食べられていくれいむの家族達。 「ここはゆかりんのおうちにするから汚さないでね!美しくね!」 ぼろぼろと食べこぼしながら巣の中を漁るれみりゃのおしりにゆかりんが噛み付いて抗議していた。 「い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!お゛があ゛ざんお゛があ゛ざんお゛があ゛ざあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん!!!」 「ゆー、騒がしくて美しくないからそのれいむももう食べていいよ」 「うー?うあー♪たーべちゃうぞー!!」 「ゆ゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!!!」 ゆかりんからの許可が出て早速さっき付けた傷の辺りから餡子を吸い出すれみりゃ。 れいむは一瞬で全ての餡子を吸い出されて湿った皮だけになった。 「うー、あま♪あま♪」 まるでその皮はデスマスクのようで、その表情は恐怖と悲しみと怒りの全てが入り混じった恐ろしい表情だった。 人間を使ってもこうも見事なデスマスクはそう簡単に作れないであろう。 「これいあない♪ポイっ、するの♪ポイっ♪」 しかして残念なことに餡子を吸い出した後の皮にれみりゃは全く興味は無くその辺に放り出して その皮はゆっくり、鳥と虫の滋養となった。 「これでまりさはゆっくりできるよ!」 その惨状を後ろから見ていたまりさは全てが終わったと思い歓声を上げた。 その笑顔はとても清清しいもので、それを見て思わずゆかりんも微笑み返してこういった。 「あのまりさももう用が無いから食べていいよ」 まりさの笑顔が凍りついた。 「ど、どどどどどどどどどどどどど」 まりさはカタカタと震えだした。 交尾の時でもこの半分も震えないだろう。 清清しい笑顔は引き攣った笑いとなってまりさの顔にへばりついた。 思い切り泣きわめきたいのに涙だけが一筋こぼれても引き攣り笑いしか出来なかった。 「どっどっどどどおしてややややくそっそそくしたたたたたた」 「ゆー、たしかまりさとはこれが終わったらいくらでもゆっくりさせてあげるわよってやくそくしてたわね」 「!?そそそうだよ!わすれちゃだめだよ!ゆっくりできないところだったよ!」 ただ単に約束を忘れていただけなのだ、そう知って安心したまりさは引き攣り笑いをやめて再びあの清清しい笑顔をしようとした。 「お友達のれいむのところで、永遠にゆっくりしていってね」 「たーべちゃうぞー♪」 しかしそれよりも早く現実とれみりゃの爪がまりさを引き裂いた。 「うー♪おなかいっぱい♪うーうーうあっうあっ♪」 そんな風にゆかりんとれみりゃが協力して狩りを続けて一週間ほどが経った。 れみりゃもゆかりんの指導の下で大分野生の生活と魔法の森にも慣れて、頑張れば一人でも餌を取れるようになっていた。 特に姿が見え無いときは饅頭の臭いを辿ってゆっくりを捕まえればいいとゆかりんに教わったことでれみりゃの狩りの力は大きく成長した。 まあ野生のれみりゃ種やフラン種は本能で簡単にやってのけてしまうことではあるのだが。 「そろそろゆっくりしてないでゆかりんのごはん集めを手伝ってね!」 れみりゃも一人前になってきたのでそろそろ当初の予定通り自分の冬越え用の食料集めを手伝ってもらってもいいだろうと ここ二日ほどゆかりんはしきりにそのことをれみりゃに訴えかけていた。 「…うー」 「拗ねても駄目だよ!ちゃんと集めてね!約束だよ!」 しかしれみりゃはせっかく気分良く踊っていたところで怒鳴られて邪魔されて面白くない。 ここ二日間ほどはずっとそうだった。 れみりゃはそのゆっくりブレインで考えた。 もう狩りの仕方も覚えたしれみりゃがゆっくりするのを邪魔するこの納豆は要らないのではないか。 そうだ、もうこれは要らない。 「うー♪こえいらない!ポイっするの!」 「ズギマ゛!?」 思い立てばその行動はすばやかった、全くゆっくりしていない。 ゆかりんは森の木に向かって投げつけられた。 「ゆ…ゆぐほっ!?」 ゆかりんはずるりと地面に落ちて、口から納豆を垂らして咳き込んだ。 「うー♪くちゃいくちゃい♪こえいらなーい♪ぽいっ♪するの、ぽいっ♪」 れみりゃは今までの鬱憤を晴らすためにもう何度も投げて壊れるまで遊んでやろうとゆかりんの方へと歩き出した。 「鼻につくわ…そのゆっくりれみりゃ特有の上から目線…!」 ゆっくりゆかりんの目付きがそれまでのゆっくりした目付きから鋭い、肉食獣のような目付きに変わった。 しかしれみりゃはそれに気づかずに屈んで手を伸ばした。 ゆかりんは負傷しているとは思えないほどの速さでその手の上に跳ね乗るとそこからさらに跳び、れみりゃの鼻に噛み付いた。 「!?う゛あ゛ー!?あ゛ぐや゛ー!!!あ゛ぐや゛ー!!!」 予期せぬ反撃にしりもちをついて手をぶんぶんと振り回すしか出来ないれみりゃの鼻の中にゆかりんはプッと何かを吹き込んだ。 「!?!?!?!?!?!?!?」 れみりゃが目を白黒させる。 「う゛あ゛あ゛ああああああああああ!?ぐぢゃ゛い゛!ぐぢゃ゛い゛い゛い゛い゛!!!!!??????」 そう、ゆかりんはれみりゃの鼻の中に納豆を吹き込んで居たのだ。 「まったく、れみりゃ風情が、ゆかりんとの約束をやぶるのは絶望的にはやいわ」 ゆかりんはれみりゃの鼻を離して地面に降りると、冷めた表情でれみりゃに問いかけた。 「ゆっくりでていきましょうか?」 「う゛あ゛あ゛あああぐぢゃ゛い゛の゛おおお!!!あ゛っぢい゛っでえ゛え゛え゛え゛え゛!!!」 「ほらゆっくりでていきました」 そういうと、ゆっくりゆかりんはどこからともなく現れたときのようにいつのまにか木々の間へと消えていった。 「う゛あ゛ー!!!ざぐや゛!ざぐや゛あ゛あああ゛ああ゛ああ゛あ゛!!!!」 「うー、うー…」 それから数日が経ち、何とか臭いになれて動けるようになったれみりゃは生きるために餌のゆっくりを探して何日もさまよい続けていた。 しかしゆかりんの下で覚えた狩りの方法は全くその効果を発揮しなかった。 れみりゃはあの鼻納豆で嗅覚を完全に破壊されていたのだ。 再生力の強いれみりゃ種でもここまで鼻の機能を壊されてしまえば臭いを追って獲物を捕まえることも出来ない。 目視できる場所からでは空腹で力の出ないれみりゃでは捕まえる前に逃げられてしまう。 れみりゃは着々と衰弱していた。 「うー…おなかすいた…さくや…さくやー………」 恐らくれみりゃが獲物にありつくことは二度とないだろう。 「さくや、さくや、さくや…」 遂に森の中でへたり込み、何度も飼い主の名を呼ぶ。 困ったときはいつもさくやが助けに来てくれた。 そのまま一歩も動かずれみりゃはさくやとの思い出を反芻し続けた。 「これかってもいいの?ありがとうおかあさん! よろしくね、わたしはあなたのかいぬしの○○○よ」 初めてさくやにあった日、まだ顔だけだったれみりゃにさくやは奮発してプリンをプレゼントしてくれた。 「もー!れみりゃー!散らかしたら駄目でしょ!」 れみりゃがおもちゃを散らかすとさくやはぷんぷんと怒りながらも代わりに片付けてくれた。 「れみりゃ、もうちょっとまわりのことを考えて迷惑をかけないでね お父さんとお母さんもちょっとれみりゃのわがままに迷惑してるんだから」 さくやは本当に心配そうにれみりゃにそう言った。 れみりゃにはよく意味がわからなかった。 「もうみんなに迷惑かけないって約束して、ね れみりゃだってがんばればちゃんと私との約束守れるよね」 さくやはれみりゃに不安で不安で仕方ないのを隠しながらきっと出来ると言った。 れみりゃは横を向いておやつを食べながらうんと返事をした。 「もう庇い切れないの!お願いだからもうお父さんとお母さんに迷惑かけるようなことしないで! 約束を守ってくれないと次は本当に…!お願いれみりゃ!私との約束を守ってぇ!!」 さくやは泣きながら、縋るようにれみりゃに頼み込んだ。 れみりゃはさくやに笑顔で返事をしてあげた。 その日の夕方ごろ、おかしはないかと食べ物を入れてある棚の中をぐちゃぐちゃにして結局おかしは見つからずふてくされてベッドで眠った。 朝起きると森の中に居た。 「うー、さくや、さくや…」 段々と、れみりゃにもわかり始めていた。 『拗ねても駄目だよ!ちゃんと集めてね!約束だよ!』 『まったく、れみりゃ風情が、ゆかりんとの約束をやぶるのは絶望的にはやいわ』 『約束を守ってくれないと次は本当に…!お願いれみりゃ!私との約束を守ってぇ!!』 「うー…ごべんな゛ざい゛…やぐぞぐやぶっでごべんな゛ざい…うー、うー…!」 ようやく、れみりゃにも何が悪かったのかがわかった。 「ざぐや゛ごべんな゛ざい゛…!やぐぞぐやぶっでごべんな゛ざいい…! う゛ー!ごべんな゛ざい゛ごべんな゛ざい゛ごべんな゛ざい゛、う゛ー!う゛ー!」 れみりゃは涙ながらに今までの自分の行いで裏切り、傷つけてきた人たちのことを想い心から謝った。 「やぐぞぐやぶっでごべんな゛ざいい…!ざぐや゛!ごべんあざい!ごべんあ゛ざいいい!ざぐや゛!ざぐや゛ぁ!」 飼い主の女の子がこの言葉を聞いたならばどれほど喜んでれみりゃを家まで連れ帰ってくれるだろう。 だがこの心からの謝罪がその子に届くことは無かった。 木々の枝葉の間から、鳥達が何も言わずにれみりゃが力尽きるのを見下ろしていた。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/436.html
新種ゆっくり誕生秘話 選ばれしゆっくり番外編 5KB ※選ばれしゆっくりの番外編です。 ※ゆっくりちるのの生態(後編)はもうしばらくお待ちください。。 ※駄文、稚拙な表現注意。 ※星蓮船ネタばれ注意。 ※俺設定注意 ※いろいろ矛盾があるけどきにしないでください。 約束のとき、聖地で行われる祭りに幻想の神主が現れる。神主は新しき円盤を信者に与えるであろう。 円盤は幻想の少女となりて東の方の信者は歓喜の涙を流す。 そしてそれと共に新たなゆっくりもまた生まれ出のだ。 (「湯九里創世記」より抜粋) 「な・・・なんだ。あれは・・・」 波に揺れる漁船の上で男は思わず声をあげた。 男は漁師でもう50年近く海に出ている。当然海については知らないものはない。 にもかかわらずあれはなんだ。 見たことが無い。 聞いたことが無い。 海の上にゆっくりがいるなんて・・・。 新種ゆっくり誕生秘話 選ばれしゆっくり番外編 ここは駅前にあるゆっくりショップ。さまざまなゆっくりがケース内で飼育されている。 やあ、二度目まして。僕は元研究お兄さんだ。 元とつくのはもう研究所はやめてこのゆっくりショップの店員に転職したからだ。これからは店員お兄さんと呼んでくれ。 給料は下がっちゃったけどもうゆとりにいても先が見えてるし、今の時代職があるだけましだよね。 「そろそろだとおもうんだがな・・・」 そう独り言を言いながらそわそわしているのはうちの店長。 お盆過ぎたあたり、特に昨日の晩からやたらそわそわしていてやたら携帯の着信をきにしている。 奥さんも恋人もいないはずなのになにかあったのかなあ。 「どうかしたんですか店長。落ち着かないみたいですけど。」 ついに気になった僕は聞くことにした。 「どうしたっておまえ。もうお盆は過ぎたんだぞ。あれがそろそろでるころじゃないか」 「あれってなんですか。くらげ?」 「ばか。海の家じゃないんだぞ。うちは。うちは何屋だ?」 「なにって・・・ゆっくりですけど?」 「だったらゆっくりに決まってるだろ。新種のゆっくりがでるんだよ」 「新種のゆっくり!?」 僕は思わず聞き返してしまった。 確かに新種のゆっくりが出ることはあるが、それってお盆とか季節に関係あるんだろうか? 「それがあるんだよ」 そうぼくの心を読んだように答える店長。あんたはゆっくりさとりか? 「その証拠にちれいでん種達もそうだっただろう。あいつらも去年の5月ごろから少しずつ目撃されるようになり、お盆過ぎあたりからさとりのようなその種のおさ的存在が確認され始めたはずだ。」 「たしかにそうですけど・・・。それって偶然じゃないですか?」 信じられず思わずそうつぶやく僕。 「それがそうじゃないんだ。実際にゆっくりについてかかれた古文書に書いてある。」 「古文書?なんですか、それ?」 「ゆっくりについてかかれたなぞの古文書「湯九里創世記」のことだ。作者も書いた目的も不明。その上内容は荒唐無稽だからゆっくり学者は眉唾ものだとされている」 そう言うときっと僕にむきなおり、 「しかし俺は信じる。荒唐無稽がなんだ。ゆっくりの存在自体荒唐無稽じゃないか。ならば俺は自分のただしいと信じた道を進む。」 ときっぱり言い切る店長。不覚にもそんな店長をちょっとかっこいいとおもってしまった。 「それで、その古文書にはなんて書いてあるんですか。」 「ああ、湯九里創世記によると、ゆっくりはゲンソウキョウという場所の少女たちをモデルに作られた生物らしい。 そしてその少女たちは夏に行われる聖なる祭りに神主よって生み出されると記されている。一部の少女はレイタイサイと呼ばれる春の祭りにうまれるようだがな。そしてその少女たちを思う東の方の神主の信者の思いがゆっくりをつくるらしい。」 「確かにつじつまは合いますね・・・。春になずーりん種たち新種もでてるし。」 「だろう!!だから俺は待ってるんだ。知り合いのゆっくりハンターにかたっぱしから声をかけて、新種を見たら携帯に連絡をくれと! 昨日の晩のニュースでも海に漂う新種のゆっくりの存在が目撃されている。この近くの山はゆっくりが多いし、きっと新種が生まれるはずなんだよ!!」 そうやたら興奮気味に話す店長。しかし無理もない。もし新種のゆっくりが捕まえられればそれこそ大ニュースであり、うちの店のいい宣伝になる。その上うちでその新種を売るとなればいくらぐらいになるだろうか。100万?200万?個人でなくゆっくり関係の大企業に売るとなればさらに高値が期待できる。一攫千金の大チャンスである。 その時携帯がなった。ばっと飛びつくように携帯をとる店長。 「も、もしもし。・・・・・・わかった。すぐ行く。」 そう言い電話を切るとあらかじめ用意していたらしいリユックを背負い 「そういうわけだから店番頼む」 とあわただしく出て行った。 そんな店長をお見送りしたあと、僕はゆっくりたちに餌をやろうと倉庫へと向かった。 新種のゆっくりが捕まればいいんだけど。 「ゆぎゃあああ!!だれかたずけてぇぇぇぇ」 ん?いまなにか悲鳴が聞こえたような。気のせいか? 「ゆ・・・ゆびぃぃっぃ」 ここは店員お兄さんの店の近くの路地裏。そこにまりさはいた。 とはいえもうまりさは長くないだろう。顔を食いちぎられ大量の餡子が流出している。 このまりさはのーぶるゆっくりがゲス化したもので、飼い主に捨てられて以後野良生活を送っていた。 のーぶるまりさは思った。 なぜ。なぜこうなったのだ。 自分はじじいに見切りをつけて(本当は捨てられたのだが)、このあたりの野良の王になったはずだ。 自分にけんかで勝てるゆっくりなどいなかったし、あたまも誰よりもよかった。 それを活かしてこのあたりのおろかな野良ゆっくりを統治してやったいたのだ。 (実際は野良ゆっくりから食料などを搾取、そしてなんくせつけて虐殺していただけである) しかし、あの見慣れない金髪のゆっくりがすべてを奪っていった。 見慣れない新入りを見かけ、自分が王だとわからせる為路地裏へ引きずり込んだまではよかった。 その後、何を言っても平然としており、生意気な面をしていたので踏み潰して食料にしてやろうと思い襲い掛かった。 しかし必殺のスタンピング攻撃はあっさりかわされ、かわりに頬に激痛がはしる。 頬を食いちぎられたのだ。 まりさは他の野良に助けを求めたが、当然今まですき放題していたのーぶるまりさを助けるものなどおらず、自分たちを開放してくれた 金髪のゆっくりとともにどこかへいってしまった。 もうだめだ・・・。死ぬしかない・・・。 のーぶるまりさは思った。 あのゆっくりはだれだったのだろうか・・・攻撃されたときすさまじい殺気を感じた。 そうまるで虎のように。 まりさは知らなかった。 その金髪のゆっくりこそが人間たちが血まなこで探している新種ゆっくりだと。 by長月 長月の作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る ひじりんとこのあの子だね。わかるよー。 -- 2015-10-12 02 54 47 一瞬るーみあかと思った。 -- 2014-11-09 21 47 55 れいむ:それはね、おにーさん。 おにーさん:うん? れいむ:寅丸s・・・ おにーさん:おーっとそこまでな。ネタばれするだろぅ? れいむ:ゆっくりりかいしたよっっ!ひんとさんはいいよね?下からひんと!だよ! ヒント3:財宝が集まる程度の能力 ヒント4:寅っぽい。 -- 2014-01-21 21 34 46 よく物を無くす奴ですね -- 2012-12-18 16 45 02 ヒント2:頭の上にみかんをのっけてる -- 2012-10-07 16 57 13 わきゃらにゃいよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!? -- 2012-08-06 15 27 34 ↓ヒント:ナズーリン -- 2012-01-26 16 51 56 い・・・・・・・一体何なんだそのゆっくりは・・・・・www -- 2011-10-28 20 33 19
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/330.html
ご注意 ※一部独自解釈を含みます。 ※今回はあまりゆっくりを虐待していません。 それでも宜しければ、お楽しみ頂ければ幸いです。 魔法の森からそう遠くないとある丘の一角に、人間の里を見下ろすように立つ屋敷 そこにはちょっと変った男と、ちょっと変ったゆっくり達が住んでいました。 そしてその屋敷の扉には、こう書かれた看板が下がっていました。 「ゆっくり改造工房 ここだけでしか手に入らないゆっくり、お作りいたします 品種改良から整形、改造、インテリア、能力強化まで」 マイスタ ゆっくり改造職人のお話 「ちんちーん」 一番鳥が鳴く声で男は目を覚ました。ゆっくり職人の朝は早い。 しかし何時聞いても酷い鳴き声だな……声の質自体は良いんだけれど。 ブツブツ呟きながら洗顔と支度を済ませて居間に下りると、既に彼の助手が食事の支度を終えた所だった。特徴的な耳がゆらゆら揺れている。 「あ、師匠、おはようございます」 「おはよう。あのゆっくり目覚ましの声、なんとかならないの?朝っぱらから卑猥なんですが」 「改造したの貴方でしょうに……ゆっくりみすちーなんか素材に使うからですよ」 「アイディアは良かったと思うんだけどなぁ」 苦笑する助手と漫才しつつ食事を取る。 「そういえば、この前作った試作型四足歩行まりさですが」 「おお、アレは跳躍行動を止めさせるのにえらく苦労したっけなぁ。行動半径が広がったから野外牧場に移してたが、どうだ調子は?」 「全員死んでました。機動力を生かして夜のうちに柵を飛び越えて逃げようとしてたはいいものの、着地を考えておらず 地面に激突して骨折した所をそのまま野生動物の餌になったようです」 「Oh…………」 食事が終わると、助手とともに多目的ゆっくり飼育場の様子を見に行く。 「むっきゅ~~!親方、おはようございますなの!」 「むっきゅ~~!今日もお仕事がんばりますなの!!」 「おはよう、もう他のゆっくり共の朝の餌やりは済んでいるな?じゃミーティング始めるぞ」 出迎えたのは10匹のゆっくりパチュリーだった。一般的にゆっくりパチュリーは体が弱い脆弱種となっているはずだが ここにいるパチュリーは全員が野生種の数倍体が大きく、血行の良いなんとも精悍な体つきをしている。 話す言葉も聡明であり、腰?には反抗的なゆっくりを制裁する為の警棒、帽子には彼女等の地位と権力を示すバッジがつけてあった。 彼女たちは男が、飼育所管理用に特別調教したエリート達である。 ゆっくり改造には、生きた状態の大量多種類のゆっくりが必要となる。 改造のメインボディーとなるゆっくりだけではなく、パーツ移植用、練習用、研究用に体質変化の為の飼料用など、膨大な数のゆっくりが使われるからだ。 それら全ての世話を、彼と助手だけで行うのは時間的に厳しく、かといって沢山人を雇う余裕も無い。 そこで考えたのが、ゆっくり種の中でも体は弱いが比較的頭がよく、雑務を命令するのに適したゆっくりぱちゅりーの教育であった。 まずは薬物と手術で強制的に巨大化、長命化させたゆっくりぱちゅりーを使い子供を大量に養殖、 そして生まれた数多の子供の中でも特に知性が高く従順なものを選び抜き、特別訓練を施す。 特別な栄養を与え、筋トレをさせ、ゆっくり飼育場に必要な多種多様の知識、特に他のゆっくり命令を出す為の帝王学を学習させる。 その中でノルマを達成すればよい食事を与え可愛がり、成績が悪ければ拷問を、命令に従わないものには死を与えることで、主人への一層の依存と忠誠心を植えつけた。 それが終わるといよいよ最終試験として、訓練済みぱちゅりー達を当時の収容所……もといゆっくり飼育場に放り込み、彼女等以外の全ゆっくりを完全に命令に従う状態にするよう命じた。 当然ゆっくりたちは猛然な反発をし、ぱちゅりー側にも相当な犠牲が出たが 訓練済みパチュリーたちは強い団結とナチス顔負けの恐怖政治で反対勢力を無力化し、とうとう飼育場を完全にその支配下に置くことに成功した。 こうして飼育場は修羅場を潜り抜けた歴戦のパチュリーたちによって管理され、労働力の問題はようやく解決されたのである。 「じゃぁ今日の仕事を伝えます。パチュリーA、B、Cは通常通り、部下と一緒に飼育場の清掃と給仕をお願い。 D、Eは農園の管理。最近野菜の数が合わないわよ、犯人を捕まえて見せしめで殺しなさい。適当に下手人を立ててもいいわよ。 F、Gは野外農場と家の周りの清掃。使う労働力は適当に見繕って。 Hは人体実験済みゆっくりの経過記録、Iはロボトミーれみりゃ軍団をつれて森の罠の回収に向かって頂戴 J、貴方は私と一緒に家内の清掃よ。 以上、解散!」 助手の掛け声とともに、パチュリーたちは一斉に持ち場に散っていった。 一通り飼育場を見て周ってから母屋に戻ると、助手が本日最初の依頼者を案内してきた。 見た目は40を過ぎた位の裕福そうな男。話を聞くと町の実業家だそうだ。 「それにしても珍しいですね。ゆっくり加工場にも永遠亭にも属さずに、個人でゆっくりの改造を行っているとは。」 「私は商売人でも研究者でも無く職人ですからね……まぁ半分は自己満足みたいなものです。 予算と時間さえ頂ければ、大抵のゆっくりは作って差し上げますよ。一体どのような改造をお望みですか?」 「それは……」 実業家氏は暫く口篭っていたが、やがて意を決したように言った。 「実は私の愛するゆっくりれみりゃの肉体を、できるだけ人間に近く改造したものが欲しいのです」 「HENTAI目的ですね。わかります。」 慎重に言葉を選んだ実業家の努力を、男は爽やかにブチ壊してくれた。 「い、いやわわたしは何も……」 「そう恥ずかしがることでもありません。実際人間タイプのゆっくりの改造を希望される方は、9割方性行為も視野に入れた愛玩が目的ですからね。 人として自然な欲求ですよ。比較的プラトニックなものから非常にサディスティックなものまで、その程度は様々ですが」 淡々と男は説明する。もっとも彼自身にはそういう趣味は無い。 だが彼のその言葉で、男性の心の殻は必要以上に破れてしまったようだ。 「そ、そうですよね!私は決してアブノーマルなんかじゃ無いですよね!それなのに世間一般の奴等はこぞってそういった趣味の人間を危険人物のように…… 大体少女愛や獣姦は太古から行われてきたことで、そのオルガズムは……」 「(うわ……地雷踏んじまったよ……)」 男の後悔をよそに実業家の熱弁は止まらない。そのまま10分近く演説を聴かされた所で、助手が盆を手に部屋に入ってきた。 「お茶をお持ちしました…………ごゆっくり」 「あ、こりゃどうも……」 罰の悪そうな表情で湯飲みを受け取る実業家。助手は笑顔で二人に一礼すると静かに部屋を出て行った。 「あはは、可愛い方ですな……ひょっとして奥さんですか?」 「ご冗談を、ただの助手ですよ。」 「……私達の会話、聞かれてましたかね?」 「多分」 気まずい空気を振り払うように、二人は改造仕様の具体的な協議に入った。 身長は原型のままでよいか? Aよい。ロリコンこそ正義 体型は? A歳相応に健康的に、だが胸は膨らみかけで 爪の移植は? A無くてよい。爪きりめどいし 髪の色は?顔の輪郭は?足の長さは?etc etc etc…… 大まかな注文が纏まると、男はそれを元に必要予算の見積りを出す。 提示された金額は、依頼者には払えぬほどでは無かったが、幻想郷の物価からすれば相当な高額であった。 「むぅ……少しお高いですな。」 苦言を呈す実業家に、男は反論する。 「お言葉ですが、ゆっくりというのは生物学的に見て、普段我々が思う以上にデリケートで予測困難な存在なのです。その施術の難しさは計り知れません。 単にゆっくりを切り刻み、肉体をくっつけるだけなら子供にでも出来ます。 しかし技術と欠いた手術は術後も傷跡が残ったり、施術した部分が歪んで再生したり、壊死したりと時間の経過につれて問題が噴出します。 そして何より、ゆっくりの潜在的な寿命を大きく縮めてしまうのです。 私が高額の料金を取るのも、そのような悲劇を防ぐ為に入念な下準備をおこない、最高の素材を用いた上で施術を行うからです」 「しかし、実際どの程度劇的な差ができるものかは……」 未だ渋い顔をしている実業家に、男は頷いて言った。 「まぁ言葉だけでは実感が沸かないとは思います……。では、サンプルをお見せしましょう おーい、キモ子!」 手を叩いて助手を呼ぶ。程なくして先程お茶を運んできた少女が、耳をピョコピョコ揺らしながらやってきた。 「お呼びですか師匠?あと次にその名前で呼んだらブン殴ります。Please call me レイセン, OK?」 「いや、かといってその名前は色んな意味で不味い気がするんだが……特に永夜ファン的に…… それはそうと、お客さんがお呼びだぞ」 「いや、私は人間型ゆっくりの改造サンプルを見せていただけると聞いただけで……」 困惑する実業家を前に、レイセンと名乗った少女は自分を指差すとニコニコ笑いながら言った 「でしたら、ここに。お疑いでしたら試しに触ってみてくださいな」 「いやいやいや(サワサワ)……ん(サワサワ)……え………うそぉん!!」 差し出された手を握ったまま、思わずのけぞった実業家を素早く支えつつ、男が話しかけた。 「はい、素晴らしいリアクションをありがとうございます!ええ、間違いなくゆっくりですよ。私の最高傑作です。 元々彼女は超特別製でしてね……迷いの竹林の奥深くにあるとされる永遠亭 そこでしか確認できない希少種『ゆっくりうどんげ』の中の、更なる突然変異『きもんげ』なのです。」 まだ口をパクパクさせている依頼者を横目に、男は説明を続ける。 「突然変異故、生まれつきゆっくりらしからぬ非常に高い知能を持っていたものの その顔面があまりにも、殺人的に、ウザくて不細工だった為に、仲間のゆっくりからも屋敷の住人からもひたすら嫌われ、いぢめられていました。 とうとう拷問の末処分されるというその一歩手前の所を、私が頼み込んで譲って貰ったのですよ。 それから半年程かけて、私の持っていた全ての知識と技術を投入し、整形手術を行い 見事『全米ブサイクな兎コンテスト』優勝候補だった彼女を、美少女として蘇らせることに成功したのです!」 苦笑いしている助手の肩に手をおいて、男は胸を張る。それは手塩にかけた自慢の娘を紹介する父親のようだった。 「しかし信じられない、どう見ても人間そのものだ……」 実業家の言うとおり、少女はどう見てもゆっくりには見えなかった。 身長も体型もゆっくりの胴長短足とは程遠いスレンダーなもの、そのくせ出ている所はしっかり出ている。 顔は睫毛から耳の形まで完全にモデルとなったであろう月兎の美少女を再現しており、実際に肌に触れてみない限り誰もゆっくりとは気付かなかったであろう。 「まぁ家一軒は余裕で建てられるほどの金を費やしましたので……素材も墓からにんg……ゲフンゲフン ともあれ、ダッチワイフもどきに金を捨てたと親族には罵られ、婚約者には逃げられましたが、結果には満足しています。」 苦笑する男、しかしその話を聞いた依頼者の態度は明らかに変わっていた。 「感動しました、貴方は男の夢の体現者だ!是非とも私にもその力をお貸し下さい、お願いします!!」 「解って頂けましたか。」 二人の男は堅い握手を交わし、その後つつがなく商談は成立した。 「……なお、体型等はなるべく其方の要望通りに作らせて頂きますが、顔についてはオリジナルに若干のアレンジを加えさせていただきます あまりに紅魔館の主そっくりに作ってしまいますと、万が一本人の目に留まった場合ほぼ確実に殺されますからね」 「なるほど……承知しました。」 実業家が帰ってしばらくしてやって来たのは、男が暮らす家の一つ隣にある村の村長だった。 「これは村長、いつもお世話になっております。今日はどういったご用件で?」 「いやー、実は……」 村長の話は次のようなものだった。 最近、村の畑をゆっくりの群れが徒党を組んで荒らすようになった。 これまでゆっくりの被害にあったことの無かったその村では、慌てて柵を作ったり罠を張ったりして対策を練ったが そのゆっくり達は長く生きて悪知恵に長けているのか、罠は看破するわ柵は地面を掘って進入するわでまるで効果が無いのだという。 しかも夜更けなど人が畑にいない時間を見計らって襲撃してくる。毎日畑に見張りを出すわけにもいかず、村人全員弱りきっているのだか。 「と、いうわけです。何か良いお知恵はありませんか」 「なるほど。それなら丁度良いモノを作っていた所です」 そう言って、男は村長を飼育場の方に案内した。 「あーー、にんげんだー、こんにちはーー」 「あそんでくれるんだねー、わかるよーー!」 「ゆっくりしていってねー」 村長が案内された飼育場の一角では、数匹のゆっくりちぇんが遊んでいた。 男達を見つけるとぴょんぴょんと飛び跳ね近づいてくる。 元々性格の良い個体が多いゆっくりちぇん種だが、ここで飼育されているちぇんは特に人間への警戒心が薄いようだった。 「ただのゆっくりちぇんじゃないですか……こいつらを番猫にしろとでも?」 「まぁ見ていて下さいな」 落胆する村長を尻目に、男はあるものをちぇんたちの前に放り投げた。 「ゆっ!」 それは一匹のゆっくり霊夢だった 柵の内側に投げ込まれたゆっくり霊夢。最初は男達に文句を言っていたがちぇんたちの姿を見ると笑顔になってすりよっていく。 「ゆっ!おともだちがいるよ!ゆっくりあそぼうね!!」 だが、その姿を見たゆっくりちぇんたちの取った行動は、彼女の期待とは真逆のものであった。 「ゆっ!てきがおちてきたよっ!」 「ころすんだね!わかるよわかるよーーっ!!」 「さっさとしね!むごたらしくしね!!」 突然表れたゆっくりれいむに対して、殺気をむき出しにするちぇんたち 先程まで優しい光をたたえていた双眸は、れいむを睨むと大型肉食獣のごとく吊り上がり 歯を剥き出しにした所を見ると、その口の中にはゆっくりちぇん種には似合わぬ凶悪な牙がズラリと並んでいる。 更には体をぶるぶると震わすと、刹那、その背中からは歪な翼が飛び出してきた。 「「「ゆっくりしねぇ!!!」」」 「どぼちてぇぇぇ!!!gbふぁa」 声をあげると、ちぇんたちは一斉に哀れなゆっくりれいむに飛びかかった。 牙で裂き、翼でえぐり、その体に似合わぬスピードで踏み潰す。 男達の目の前で、れいむはあっという間に原形を留めぬ汚いミンチとなっていった。 「これがわが工房の『高機動ちぇんF型』です。」 唖然としている村長を横目に、男は解説を入れる 「通常、ゆっくり同士の生体間移植は同種でしか成功しません。 種族ごとに、彼らの体を構成する『餡』が異なり、別種のものを入れても拒絶反応を起こして壊死してしまうからです。 しかし例外的に、彼らの皮膚や歯、羽や洋服といったいわゆる『皮』で出来た部分は、組成成分が近いせいか拒絶反応が少なく、移植が成功する場合があります。 これらのちぇんは、まだ拒絶反応が少ない幼少のうちに歯を全て引き抜き、代わってゆっくりふらんの歯と翼を移植したものです。 施術を施したものの多くは拒絶反応によって死にましたが、一部はこうやって生き残りました。 その後も、ゆっくりへの凶暴性を高めるために餌にゆっくりふらんの血肉を混ぜて与え続けたり 餓死寸前になるまで干しておいてから、徐々に他の生きたゆっくり種を餌として与えるなどして 最終的にこのような優秀なハンターとなるまで鍛え上げました。ゆっくり狩りには最適ではないでしょうか。」 その後も男は死亡率を下げるべく切開面を少なくしようといかに工夫したか、翼と背筋餡の接続にいかに苦労したかを延々と語り始めたが、村長は既に聞いていなかった。 呆然としてゆっくりちぇん達を眺める。先程まで殺戮に興じていたちぇんたちは、今は何事も無かったかのように嬉々として助手の少女と戯れていた。 「しかし聞いたところ、一匹のちぇんを強化するにはかなりの労力と費用がかかる様子 元々弱いゆっくりちぇんをわざわざ改造して強くするよりは、れみりゃ種を捕獲して番犬代わりに使った方が良いのでは?」 と、気を取り直して村長が疑問を呈す。 貴方は何も解っていない。魔改造したジムでビグザムの群れを殲滅できるようにするのが男のロマンでしょうが! と、男が独自の美学に基づいて反論しようとする前に、改造ちぇんを抱えてひょっこりと助手が顔を出した。 「それについては、私からご説明させて頂きます。 ゆっくりれみりゃは捕食者としては優秀ですが、いかんせんゆっくりの中では1,2位を争う頭の悪い種族。 散々苦労して仕事を覚えさせても、ある日突然蝶々を追いかけていなくなってしまった、などというのもよくある話です。 一方ゆっくりふらんはれみりゃほど知能は低くないもののプライドが高く躾が難しい、 下手に暴力で言うことを聞かせようとすれば、自殺してしまうことすらあります。 そして何よりこの2種は希少種です。最近養殖モノが出回り始めたとはいえ、未だに一匹辺りの値段は高い。 その点この改造ちぇんなら母体のゆっくりは安価に手に入りますし、移植する羽と翼は一匹のゆっくりふらんからいくらでも手に入ります。性格も良く躾も簡単。 忠誠心と有用性、コストパフォーマンスの全てを備えたこの改造ちぇんこそ、次世代を担う番犬ゆっくりなのです!」 相変らず良く回る口だと、村長に立て板に水のセールストークを続ける助手を見ながら、男は呆れ気味に思った。 助手に迎えてから解ったことだが、この元きもんげは金儲け関連の仕事をさせると抜群に上手い。 彼女に言わせると「人間が金儲けに関して抜けすぎているだけ」だそうだが、本人に商売の素質があることは間違いないだろう。半分詐欺まがいの商売を発案することもあるが…… 職人としてのこだわりから、しばし将来性や採算度外視の仕事に走る男と足して二で割って、丁度良くバランスが取れているといえる。 とか何やら男が考えているうちに、助手と村長の間では 村長の家で暫く試用期間を設けた上で、効果が認められれば村を代表して正式に購入する、という話が纏まったようだった。 「可愛がってあげて下さいね」と手渡された改造ちぇんを大切に胸に抱え、村長は村に帰っていった。 結局その日、新たに職人の下を訪ねてきた客は二人 一人は自分の飼っていたゆっくりが大きくなりすぎたので、餌代節約の為にサイズダウンさせて欲しいという男 もう一人はペット用ゆっくりアリスの避妊を依頼してきた業者で、ダンボール一杯に子アリスを詰めた物を置いていった。 「4件か……まぁ多い方かな。今日は準備だけに留めて、施術は明日から始めるとしよう」 「最近仕事もコンスタントに増えてきていい感じでんなぁ。スケベパワー様々や」 「……その似非方言は止めろと言っているだろ、関西人に失礼だ」 すみません、と助手は舌を出す。たまに偽関西弁が出るのも彼女に言わせると「きもんげの特性」だそうだ。 みっともないから男も注意し、本人も普段は注意しているのだが、たまに気を抜くとつい出てしまうのだとか。 そういえばこの前家計簿をつけさせたときも、札をカウントしながら 「どんだけ中身が薄くても、タイトルに東方ってつけて表紙どんげにすればアホがぎょーさん買うていく。笑いが止まらんわぐっへっへ」 とかなんとか言ってたが、あれは一体何のことだろうか。 「……まぁ、一番手間がかかる施術さえ元々生命力の高いゆっくりれみりゃの改造だ。失敗の可能性は薄いだろう。 コツさえ知っていれば誰にでも出来る、大工仕事だよ……たまには難易度の高いパチュリーの改造等をしてみたいねぇ。」 「そんなこと言っていますが、顔は笑っていますよ?」 美しい顔にニヤニヤ笑いを浮かべて助手は指摘する。この辺の性格は改造前とあまり変っていないな、と男は思った だがまぁその通りだ、なんだかんだと文句を言いつつ、自分は明日の仕事を楽しみにしている。 改造は、楽しい。 子供が粘土で「ぼくだけのかいじゅう」を作るように、男は自分の思うがままにでゆっくりに手を加える。 ゆっくりの命を切り貼りし、肉体を繋ぎ合わせ、醜い部分を削ぎ、綺麗な部品を加え、新たな生命として蘇らせる。 命を媒介にして行う粘土遊び。命を弄ぶ行為、神への冒涜と言われようと、これほど面白い遊びはこの世には無い。 安定した収入を捨て、これを生業に選らんだことで失ったものも多かったが、男は微塵も後悔してはいなかった。 「とりあえず俺はパチュリーどもと夜のミーティングを済ませてくる。お前jは明日使う器具と素材を準備してくれ。それが終わったら飯だ。」 「了解しました、師匠!」 助手と別れて飼育場に向かう男の目は、まるで明日は何をして遊ぼうかと考えている子供のように輝いていた。 後編に続く このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1225.html
ゆっくりこわこうりんの伝説 ============================================ ひとつ...特別な ゆっくりこうりんがありました そのゆっくりこうりんはゆっくりできない存在 普通の言葉は 「お前が生きる限り.. ゆっくりできねえよ!」 ゆっくりこうりんは他のゆっくりが嫌い けど 一番嫌いなのは自分自身 何故ならゆっくりこうりんは目がいない 眼鏡をかけてますがそれはただ伊達のためでした そしてこうりんの中にはなにもいない 空っぽ な存在であった だからこそゆっくりこうりんは他のゆっくりを狩りたてた, 他のゆっくりの目を奪た ... ... 永遠に