約 592,729 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/105.html
【六十年目のゆっくり裁判】 そこには、今まさに命の灯火が消えようとしているゆっくりれいむがいた。 「ゆ…っゆ…っ。」 ゆっくりれみりゃに捕食されながら、そのゆっくりれいむは虚ろな目で虚空を見つめていた。 既に体の三分の一以上が喰われ、中身の餡子が飛び出している。 体が重い…。 湖のほとりで、蝶々さんと遊んでいただけなのに…どうして…? ゆっくりれいむは自分の不幸を怨めしく思った。 「うー!うー!」 既に、ゆっくりれみりゃの鳴き声も、ゆっくりれいむには聞こえていなかった。 「(もっとゆっくりしたかったよ!)」 そんなことを思いながら… ゆっくりれいむは死んだ。 「ゆっ!?」 ふと、ゆっくりれいむの目が覚めた。 そこは、赤い花が一面に広がっていた。 「ゆっくり!?」 そして、先程までの自分との状況の変化に気付いた。体が軽い、どこも痛くない。 「ゆっくりー!!」 おまけに体がスイスイと動く。 先程までの苦痛が嘘のようだ。 「ゆっくりできるよ!!!」 ゆっくりれいむは幸せいっぱいに、赤い花畑を飛び回った。 しかし、自身の体の外見の変化には気付いてはいなかった。 額に白い三角の布をつけ、体の底がたなびいているその姿に…。 そう、ゆっくりれいむは死に、魂となってこの彼岸に来たのである。 「お、またゆっくりかい。」 「ゆっ?」 楽しそうにしているゆっくりれいむに、ガタイの良い、肩に大きな鎌を担いだ女性が近づいてきた。 「最近多いんだよね~。ゆっくりの魂が。」 その女性は、ヤレヤレといった表情だ。 「おねえさんだれ?」 「あたいは小野塚小町。死神さ。」 「しにがみ?おねえさんもゆっくりしていってね!!!」 「クスッ、ゆっくりはみんな同じことを言うねぇ。でも生憎、あたいはゆっくりしてられないんだ。あんたを この川の向こう岸に連れていかなきゃならないんでね。」 「むこうぎし?そこはゆっくりできるの!?」 小町に問いかけるゆっくりれいむ。 「ああ、ゆっくりできるさ。お前のお友達もみーんなゆっくりしてるよ。」 「わぁい!れいむもゆっくりしたい!!」 「そんじゃ、そこの舟に乗った乗った!お代はいらないよ、ゆっくりだしね。」 そう言うと、小町はゆっくりれいむを舟に乗せ、舟を対岸へと向かわせた。 胸にゆっくりが二匹入っているんじゃないかと言いたくなるような豊満なバストを揺らして、小町は舟を漕い でゆっくりを対岸へ運んでゆく。 「…でね!…だから、ゆっくりしたんだよ!!」 「ほお~そうかいそうかい。」 途中、小町はゆっくりの自慢話のような話に付き合ってやる。もうゆっくりの自慢話は聞き飽きたよと言わん ばかりの顔で。 …そうこうしている内に、舟は対岸へと到着した。 「ほら、着いたよ。後はあんた一人で行けるだろ?あのでっかいお屋敷の中がゆっくりできる場所だよ。」 「ありがとうおねえさん!ゆっくりしていくよ!」 そう挨拶すると、ゆっくりれいむはピョンピョンと屋敷へ向かっていた。 小町は、去ってゆくゆっくりれいむの後ろ姿を眺めながら、ポツリ。 「ま、あんたがゆっくりできるかどうかは映輝さま次第だけどね。」 屋敷の門に辿り着いたゆっくりれいむ。 「ゆっくり?」 門をくぐり抜けると、ゆっくりれいむの目の前に、大きな扉が立ちはだかる。 「ゆっくりさせてね!」 と、ゆっくりれいむが、少し怒りぎみで声をあげると、大きな扉はギギギ…と、音を立てながら開いていった。 扉の奥へと入るゆっくりれいむ。そこにゆっくりできる場所がある。ゆっくりれいむは期待に胸を膨らませた。 だが、扉の向こうは特に面白みのない無機質な広い部屋だった。正面には5mほど台があり、その上の机には、 立派な装飾の施された帽子を被った緑髪の女性が座っていた。 「ゆっ?おねえさんだれ?」 また知らない女性がゆっくりれいむの前に現れた。 「私の名は、四季映輝・ヤマザナドゥ。幻想郷の閻魔です。」 「し…え…やまだなどう?」 映輝の肩書き付きの長い名前を復唱できないゆっくりれいむ。しかし、 「おねえさんもゆっくりしようね!」 気にも止めずに、いつもの台詞だ。 「残念ですが、ゆっくりしているヒマはありません。」 「ゆっ?」 「これから裁判を始めます。」 映輝がそう言うと、ゆっくりれいむの背後の扉がギギギと閉じてゆく。同時に、ゆっくりれいむの立っている 場所がせり上がってゆく。 「ゆゆゆっ!?」 3m程持ち上げられたところで、ゆっくりれいむを乗せた台は止まった。 「ゆっくりれいむよ、よくお聞きなさい。私はこれから貴方の生まれてから死ぬまでの行いを、この浄瑠璃の 鏡で見渡します。貴方の行いによって、私は貴方の今後の行き先を決定します。」 「おねえさん!ゆっくりできないよ!はやくおろして!」 まるで聞いてないゆっくりれいむ。 「ゆっくりれいむよ、今一度言います。これは貴方がゆっくりできるかどうか大切なことなのですよ?」 「ゆっくりできるの!?」 ゆっくりという言葉に反応するゆっくりれいむ。 映輝はゆっくりれいむが聞く耳を持ったことを確認すると、説明を続けた。 「生きている間の貴方の行いによって、あなたはこれから二つの道のどちらかを行かねばなりません。」 そう言って映輝が右手の手の平をバスガイドが案内するかのように上げると、楽しげな極楽の様子が写し出さ れた。 そこは、お日様いっぱいの花畑。ゆっくりゆゆこやゆっくりレティ、ゆっくりフランがニコニコと楽しそうに 遊んでいる。正にゆっくり天国だ。 「わあっ!たのしそう!!れいむもそこでゆっくりしたい!!!」 次に、映輝は左手を上げる。そこには…。暗くてよくわからない。しかし、とにかくあまり楽しそうではない ことは確かのようだ。 「いかがですか?ゆっくりれいむよ。」 「そっちでゆっくりしたい!」 ゆっくりれいむは天国の様子が写し出されたほうを向いてピョンピョンとその場を飛び跳ねる。 「そうですか、ゆっくりれいむよ。しかし、私は今、あなたの人生をすべて拝見しました。…判決を下します。」 キラキラとした目で映輝を見つめるゆっくりれいむ。その顔は、自分がゆっくりできそうな場所へ行けると信 じきっている顔だ。 「あなたには、地獄へ落ちてもらいます。それも、最も過酷な“ゆっくり無限焦熱大大地獄”です。」 「ゆっくり!?」 映輝が何を言っているのかよく分からないゆっくりれいむだが、自分がゆっくりできなさそうな場所へ連れて いかれることは、何となく理解した。 「貴方は生前、たくさんの虫を殺して食べました。たくさんの田畑を荒らしました。そして何より、『ゆっく りしていってね!!!』と大声で叫び、人々を不愉快にさせてきました。………そう、貴方は少しウザすぎる。 地獄に落ちて、終わることの無い様々な苦痛を永遠に受けること。これが今の貴方が積める善行よ。」 映輝がそう言うと、ゆっくりれいむの足元の床に穴が出現した。 「ゆうーーーっ!」 そのまま落下するゆっくりれいむ。 文字通り、ゆっくりれいむは地獄へと落ちていった。 六十年目のゆっくり裁判・下へ続く。
https://w.atwiki.jp/slowlove/pages/890.html
*CAUTION* あるキャラの2次設定を使用しています。あと、オチがくだらないです。 その上けっこう使い古されたネタだと思います。 それでも一向に構わんッッッッッ!というお方はどうぞ。 *CAUTION* パチュリー・ノーレッジは知っている。 この頭だけの生き物の存在を。 「「ゆっくりしていってね!!」」 パチュリー・ノーレッジは知っている。 こいつらが 饅頭生物だということを。 (でも…どうしてかしら?) パチュリー・ノーレッジは知らない。 なぜこいつらがここにいるのか。 「「ゆふふのふ…」」 パチュリー・ノーレッジは知らない。 なぜこいつらがこんなに得意げに…いやまあそれもあるけど。 パチュリー・ノーレッジは知らない。 ゆっくりというものの生態を。 (ちょうどいいわ。前の研究が終わったばかりで暇してたし) パチュリー・ノーレッジは思いついた。 戯れに、ゆっくりの研究でもしてみようかと。 「「ゆっくりしていってね!!」」 「ええ、ゆっくりさせてもらうわ」 『そのゆっくりの正体は』 [ゆっくり] いつの間にか幻想郷のそこかしこに現れ始めた生き物。 幻想郷の力ある人妖の姿を模しており、頭部だけのもの・五体のあるものがいる。 人語を解することができ、多くの種が『ゆっくりしていってね』と口癖のように発することから この名が付けられた。 表面は饅頭生地・中身が餡子であることから饅頭の妖精、または妖怪なのではないかという 見方がされているが、詳細は不明である。 研究の第一段階として、パチュリーは現在自分が知っている事をまとめあげた。 今までゆっくりと接触していなかったので全て書物から得た知識である。 とはいえ、その『書物』が問題で… (流石に文々。新聞ソースの情報を鵜呑みにするのは間抜けよね) 別に新聞に限った事ではないのだが、『書物に書かれている=正しい』 『権威あるものが言っていた=正しい』『あるあるで言ってた=正しい』などと考えるのは愚か者の思考である。 本の虫であるパチュリーだがそこは当然、弁えていた。えらいぞ。 (基本は観察かしらね) そういうわけで、当分の間(=飽きるまで)パチュリーはゆっくりの観察日記をつけることにした。 研究といってもまぁ、息抜き暇つぶし程度のつもりでいたのでこんなもので十分だろうと思いながら。 3月1日 日曜日 天気は外に出てないから知らない。どうでもいい。 昨日から図書館に湧いてきた2体のゆっくり。見た目からしてれいむ種とまりさ種であることは確定的に明らかである。 知人と同じような容姿をしているのは少し気味が悪い反面、見ただけでなんという種か分かるのでその点は便利だ。 今日一日観察していて分かったのだが、この2体一日の大部分を寝て過ごしている。これが連中の言う「ゆっくりする」という 事なのかとも思ったが、書を漁るに他のゆっくりは森の中など野生のうちに生きているものもいるらしく、そういった連中が 無防備にぐーたらぐーすか寝て過ごすなど考えづらいのでおそらくこいつらが特殊なのだろう。 大きさは野球のボールよりやや小さい程度。書に載っていた写真のゆっくりがおよそバスケットボール大であった事を考えると、 この2体は幼生体、または特別小さい個体であると推測される。 :今日わかったこと: 一日の大部分を寝て過ごす 大きさはおよそ野球のボールよりやや小さい程度(ただし上記2点は研究対象が特殊な個体である可能性が高いため、ゆっくり全体の特徴とは言えないと考えられる) 3月2日 月曜日 どんな天気でも家の中に居れば関係ない ゆっくり達が本棚に向かって跳ねていったので尾けてみた。ぽよんぽよんとしばらく跳ねていった後 「どれにする?」 「これにしようよ!」 というやり取りを行い本を一冊抜き出した。本を使って何をするつもりなのだろうか、もし破いたり食ったり しようものなら即サイレントセレナだと思いながら観察していると、意外にも本を開き読み始めた。 どうやらゆっくりは人語を解するだけでなく、字も読めるらしい。5ページくらいめくった後 「ゆははははははははは!」 「ゆひひひひっひひひひ!」 突然笑い出した。びっくりした。頭に「ゆ」を付けるのも種族的な特徴なのだろうか。その後も2,3枚めくるたびに ゆふふだのゆへへだの笑い転げていた。このあたりにそんなに面白い本があっただろうか。 「ゆほほほほ…れいむ、れいむ、そろそろやめにしない?」 「そうだね、これ以上読んだら腹筋やばいね!」 腹筋、とはどこの事を指しているのだろう。およそ50ページ程度読み進めた時点で2体は読書を中断した。 本を閉じ、棚に戻す。うん、それだ。それこそが図書館の本の正しい使い方である。 死ぬまで借りるなどとほざきながら勝手に持ち出していくなど言語道断だというのにどうしてくれようかあの白黒…おっと観察観察。 「ゆっくりできたね!」 「いっぱい笑ってすっきりー!」 2体は満足そうにぽよんぽよんと跳ねていき、その後昨日と同じように眠りについた。 後で本が気になったので棚に戻って調べてみると、どうやら『罪と罰』を読んでいたらしい。どこがウケたのだろう。 今日は比較的動いていた。 :今日わかったこと: 笑い声や鳴き声の頭に「ゆ」をつける 字が読める?(本を読んでいるような動きはしていたが、反応を見るに本当に『読んで』いたかは不明) (字が読めると仮定した場合)笑いのツボが一般的な人妖とかなり離れたところにある 3月3日 火曜日 咲夜に天気聞いとけば良かった 今日はゆっくりが現れなかった。どこかとも知れない場所から来た連中なだけに、どこへとも知れない場所に行ってしまったのだろうか? このまま現れないようであれば研究はここで終了である。文字通り3日坊主となってしまったことが悔やまれるが、もともと暇つぶしで 始めた研究なので特に問題は無い。始まりはいつも突然だが、終わりも突然来るものなのだ。 関係ない話だが今日久しぶりに咲夜を見た。と言っても図書館から出て行く一瞬だけだったが。 研究中は邪魔にならないようこっそりと仕事をしていたのだろう。完璧で瀟洒と言われるだけはある。 :今日わかったこと: 特になし(研究対象が現れなかったため) 3月4日 水曜日 小悪魔が雨だったと言っていた 昨日現れなかったゆっくりだが、今日は再び現れた。昨日の事を問いただしてみる。 「昨日はどこに行っていたの?」 「ゆ?れいむたちはずっといたよ?」 「おねえさんの、心の中にね…」 そう言ってニヤニヤ笑い出した。ちょっとムカつく。後で改めて聞いたところ『昨日は一日中寝てたからよくわからない』そうだ。使えない。 日曜日にもほぼ一日寝ていたことから考えるに、48時間中46時間寝るとかそういったリズムで生きているのだろうか? そうだとしたら流石にゆっくりしすぎではないかと思うのだが、こと睡眠に関してはそれ以上にゆっくりしていそうな妖怪を知っているので なんとも言えないところである。 (そういえば、中身が饅頭だって本当なのかしら…。解剖してみるのが手っ取り早いんだけど研究対象が消失してしまうのは好ましくないわね) そんな事を考えていたら 「おねえさんおなかすいてるの?だったら…」 「さあ!お食べなさい!」 自分からぱっくり割れてくれた。案外気が利くヤツらだ。 2つに割れ、合計4つになったうちのひとつを手にとってしげしげと観察する。残った3つが周りをぴょんぴょん跳ねながら 「「「おいしく食べてね!」」」 「「「ゆっくり食べてね!」」」 などと3chサラウンドで喚き散らしているがとりあえず無視。 にぎにぎと揉んでみると、ぐにょぐにょと簡単に変形した。なかなかに柔らかい。皮の部分は饅頭生地ではなく餅のようなもののようだ。 その上餡子の量が極端に少ない(無い、と言ってもいい)。やはり特殊な個体なのだろうか? 一通り調べて、とりあえず断面をスケッチしたところで元の位置に戻した。4chサラウンドにバージョンアップした音声が 「「「「食べないの?ねえ食べないの?」」」」と言っているがそれも無視。しばらくすると 「「「「ふーんだ!おねえさんのケチ!ツンデレ!」」」」と文句を投げてきた後 「「シンメトリカル!」」「「ドッキング!」」と叫んで元の2体に合体した。なんとも便利な体である。 :今日わかったこと: 場合によっては一日中寝ていることもある? 自己の意思で2つ(あるいはそれ以上?)に割れることが出来る。割れた後もそれぞれで行動可能 また、割れた後再び結合することも可能 捕食されることに抵抗は全く無い、というよりむしろ進んで捕食されたがっているように見える 3月5日 木曜日 とりあえず雨ではない 今日もゆっくりは現れなかった。…代わりにあの白黒が来た。 「邪魔するぜ」 「そう。気をつけないで帰ってね」 そんな私の、願いを込めた言葉を無視して本棚に向かう白黒。もう半分諦めているのでとやかく言う気ももはや無い。 「ああ、そういえば。咲夜なんかあったのか?」 「?どうしたのよ急に」 「いや、たまたま外で出くわしたから弾幕りあったんだが…」 ご愁傷様。 「なんかいつもと違うような…こう、違和感を感じてな」 「具体的には?」 「んー…上手く言葉に出来ないんだが、前見たときとどこかしら違ってたんだよなぁ…」 「…何にせよ、ここ最近咲夜とは会ってないからよくわからないわ」 「なんだ、ケンカでもしたのか?」 「無遠慮な貴女には分からないことよ」 「あーん?……まあいいぜ」 そう言うと白黒は再び本棚に向かっていった。 …咲夜に違和感?何なのかしら…いや、いいわ。重要な変化ならレミィが気づかないわけないし、 そうでないのなら放っておいて構わないということ。この件に関しては忘れましょう。 :今日わかったこと: 特になし(研究対象が現れなかったため) 3月6日 金曜日 もういいじゃないか、天気なんて 今日は現れた。隔日で現れるとかいうルールでもあるのだろうか。 そういえば、割と大切な謎が残っていたのを思い出す。 「ねえあなた達、ここへはどうやって来たの?」 そう。 この紅魔館は壁に囲まれている。決してゆっくりが跳ねて越えられる高さではない。 それに正門には門番が…あ、こっちはアテにならないわ。 何にせよ、この近辺にゆっくりはいないはずである。なぜ、どうやってここに来たのか少し興味があった。 「れいむたちはね…」 「うん」 「気が付いたら、ここにいたんだよ!」 「そう、わかったわ」 『気が付いたらここにいた』という事は、意識的に侵入したわけではないということ。かといってこいつらが無意識にこんな所まで 到達できるとは考えにくいので、何者かが館内に持ち込んだ可能性が高い。 と言っても、こんなものを潜り込ませたところで何が出来るとも思えないので害意ある第三者の仕業ではないだろう。 おそらく妖精メイドあたりが物珍しさで持ち込んだとか、そのあたりだろう。 …そこまで思考を巡らせたところで視線をゆっくりに戻すと、2体揃って寝息を立てていた。経験上、こうなると当分目覚めない。 ぶっちゃけ、そろそろ飽きてきたので観察も終わりにしようか。いや、でも明日でちょうど一週間だから明日で終わりにしよう。 一週間少女なだけに。(上手い) :今日わかったこと: この2体は自発的に紅魔館に侵入したわけではない→無意識下の行動?それでここまで到達できるとは考えにくいだろう→何者かによって運び込まれた?おそらく妖精メイドあたり。何にせよ害は無いだろう 3月7日 土曜日 パターンからすると今日は出ないんじゃあないかと思っていたら、案の定現れなかった。 最終日の観察結果が『現れなかった』で終わってしまうのは少し残念な気が…しないわね。全く。 明日まで延ばすのもなんだかかっこ悪いので、すっぱりこれで終わってしまいましょう。ごきげんよう、何の役にも立たない研究。 :今日わかったこと: 特になし(研究対象が現れなかったため) そこまで書いて観察日記を閉じる。それなりの暇つぶしにはなったわ。たまにはこういう息抜きも必要ね。 「咲夜、いるかしら?」 「お呼びでしょうか」 どこからともなく現れるのは、友の従者十六夜咲夜。 「紅茶となにかお菓子を適当に持ってきて頂戴」 「かしこまりました」 一息つこうと、咲夜のほうに向き直ってお茶を頼む…その時感じた違和感。 「ちょっと待って」 「はい?」 今度は咲夜をじーっと観察する。 前から。後ろから。横から上から。 「あの…パチュリー様…」 観察結果から仮説を立て、咲夜に近づき耳をすませる。 「「ゅー………ゅー………」」 聞こえてくるのはあの寝息。 「…なるほど、ね」 じっと咲夜の顔を見上げる。咲夜のほうは、何かを恥じる様子も無く、何事もないかのようににこりと微笑をよこしてきた。 「…いいわ。お願い」 「失礼致します」 完璧で瀟洒なメイドは、その微笑を崩さぬまま図書館を後にした。 その胸から微かな寝息を響かせながら… -PADエンド- チル裏で『BADエンド』という言葉を見てこのオチを思いつき(思い出し?)ました。ので書きました。 ところで明日は例大祭ですが、みなさんサークルチェックは済ませましたか?小銭の両替は? 入場と同時にゆっくり本を買いにスペースまで直行する心の準備はOK? by 映姫さまの本を買って善行を積もうと思っている『えーきさまはヤマカワイイ』 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4328.html
注意 虐待ありません パロディです。 都合上、ゆっくりが現れてからの年数を「Y歴○○年」と表記しています。 『YUKKURI of THE @%#$?』 #1 あそぼうれみりゃ 「ねぇ、まりさ知ってる? 子ゆっくり達の間で流行っている噂」 「ゆっくり知ってるぜ! あれだろ? "あそぼうれみりゃ"」 「ええ、おかげで遊び場に遅くまで居座る子ゆっくりがいなくなって助かるわ」 今、子ゆっくり達の間で『あそぼうれみりゃ』という噂がまことしやかに流れている。 どのようなものかと言うと… 「ゆぅ、すっかり遅い時間だよ! 早くゆっくり帰るよ!」 ほぼ太陽が沈んだ頃、子れいむは忘れ物を取りにドーム型の人工洞窟に戻ってきた。 この人工洞窟はいつからあったのかは定かではないのだが、天井に発光成分のあるコケが張り付いており、 いつでも明るかったため子ゆっくり達の遊び場となっていた。 成ゆっくり達はこの場所を利用できない。 なぜなら、入り口が横に狭く、成体ゆっくりでは進入できないから。 「でも、みんなばかだよ! "あそぼうれみりゃ"なんてただの噂話なのに怖がって!!!」 (むきゅ、夕方過ぎまでこの洞窟にいると、入り口にれみりゃがくるそうよ!) 「ゆ…あ………ぁ……」 洞窟の入り口にはゆっくり通常種の天敵の捕食種、れみりゃがいた。 普通のれみりゃは太っていて鈍重だが、このれみりゃは骨と皮だけと言わんがばかりに痩せている。 腕も足も木の棒のように細く、服もスカスカ。 顔も下膨れが引き締まり、まるで餓死直前であるかのような様相だ。 (それでね! れみりゃは洞窟の中には入ってこないのよ! だから、こういって誘い出そうとするのよ!!!) 「あそぼお」 「ゆっくりこの中に入れないのはわかってるよ!!! れいむはゆっくり帰るからさっさと出て行ってね!!!」 子れいむは振り絞れる勇気すべてを使ってれみりゃに威嚇する。 「はやぐででいっでよおおおおぉぉぉ!!! れいむががえれないでじょおおおおぉぉ!!!」 れみりゃは出入り口に両手足をかけ、入り口を揺さぶる。 「あそぼおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」 「あそぼおおおおおぉぉぉおおおおぉぉぉおおおお!!!」 「あそぼおおおおぉぉおおおおおぉぉぉおおおおぉぉおおおおおお!!!」 「あそぼおおおおぉぉおおおおおおぉおおおぉおぉおお!!!」 入り口がガタガタと音を立てて揺れる。 子れいむは恐怖のあまり声を出すこともできずにこの光景を見ている。 もし、『あそぼうれみりゃ』が「入ってこない」のではなく「入ってこれない」のだとしたら? もし、「入ってこれない」理由が「入り口が狭いから」だとしたら? もし、洞窟に進入するためにガリガリに痩せたのだとしたら? ----Y暦31年.人工洞窟 #2 訪問 がさがさ… 「はぁ」 またか、とみょんはため息をつく。 夜中、たまに自分の家と間違えてバリケードを破って入ってくるゆっくりがいる。 しかもたちの悪いことにそのままおうち宣言するということもある。 みょんは少々手荒だが、木の棒でしたたか叩いてから追い出すようにしている。 光コケの蓋を取り、明かりを確保。武器である木の枝を咥え、侵入者を待つ。 がさささ!!! ひときわ大きい音がしてバリケードが完全に崩れた。 そこにいたのは 「み"ょん!!?」 ゆっくりれいむであったが、額から右頬にかけて皮が破れだらりと垂れ下がり、 左頬は損壊し歯が見える。 そして頭には見たこともない金属片が突き刺さり、眉間には木の枝が突き刺さっていた。 「ゆュ……まチガえタ」 みょんが固まっているとれいむは一言 そう残してどこかへと跳ねていった。 ----Y暦27年.泉のほとりにほど近い洞窟 #3 帰り道 ザーザー… 「ゆぅ、全くついてなんだぜ…」 友達のれいむと遊んでいたら、突然雨が降り出した。 れいむの巣はすぐ近くだがまりさの巣は結構遠い。 最初はぽつぽつとしか降らなかったので、大きな葉っぱを傘代わりにすれば濡れずに帰れるだろう。 そう思ってれいむの巣で雨宿りせずに帰路についたが、 もうそろそろ巣につくであろう頃になって雨脚が強まった。 傘代わりの葉を見ながらまりさは思う。もっと早くに帰ってれば良かった。と。 ずん! 「ゆっ?」 突然葉が重くなった。 バランスを崩しながらも葉をのぞくと、そこには沢山のゆっくりの顔が映り込んでいた。 「げらげらげらげら!!」「げらげらげらげら!!」「げらげらげらげら!!」「げらげらげらげら!!」 「げらげらげらげら!!」「げらげらげらげら!!」「げらげらげらげら!!」「げらげらげらげら!!」 「ゆ、ゆうぅぅうううう!!!」 恐ろしくなって葉を離し、逃げ出す。 後ろを振り返り、葉を見るとそこにはゆっくりの顔も笑い声も無くなっていた。 「……………」 ----Y暦3年.まりさの巣の近辺 #4 訪問2 「ゆぅ……ゆぅ……」 ちぇんとらんは二匹寄り添って眠っていた。 「おい」 「おいィ」 「おい」 「おいィ!!!」 「ゆぅ?」 「むにゅ…、どうしたのらんしゃまぁ…」 何者かの声にらんが気付き、起きる。ちぇんはらんが起きるとつられて起きた。 何だろうと光コケの蓋を外す。 すると、気の棒などで覆ったバリケードの外に何者かがいることがわかった。 「おいィ!」 ガタガタガタ!!! 木の棒の隙間から声が聞こえる。 二匹はそちらを見て絶句した。 木の棒の隙間から目玉が何個も二匹を凝視しているのだ。 「おいィ…………」 「こコを……アけロ」 正体不明の訪問者にがたがた震える二匹。 「オいぃ!!!」 ----Y暦30年.場所は伏す #5 他に、誰がいたのか 「ゆー、ありす、まりさ! こっちだよ! 早く来てね!!!」 「れいむ、都会派は焦らないのよ!!!」 「そうだよ、もうちょっとゆっくりしようよ…」 れいむ、まりさ、ありす。 仲の良い三匹はこのたび親元を離れ、新しい巣に引っ越そうとしていた。 「でも、そこ本当に誰もいなかったの?」 「ゆ! 誰もいなかったよ! れいむちゃんとこの目で見たもん!!!」 れいむが見つけたのは中くらいの大きさの洞窟。 前日に中をのぞいて見たところ、住人もおらず、誰かが住んでいる様子もない。 三匹で生活するには広すぎるくらいの広さ。 れいむは一目で気に入り、三匹での生活に心踊らせ、二匹に知らせ 早速翌日三匹で下見をしに来たのだ。 「ゆ! ついたよ! ここだよ!!!」 岩肌に見える小さめの穴。成ゆっくり一匹分の入り口。 「ゆー! なかなか都会派な場所じゃない!!!」 「まりさここ気に入ったよ!!! さすがれいむだね! ゆっくりできるよ!!!」 早速三匹は順番に洞窟の中に入った。 「ゆわ~ひろ~い!」 「ありす、ここが気に入ったわ! さっそく、お引っ越しの準備しましょ!」 「ゆ? 誰かいるよ!!!」 入ってきたときは誰もいなかったはずなのに、気がつけば自分たちの目の前にゆかりんがいた。 そのゆかりんは一瞬だけ笑ったように見え、 ザクッ! 袈裟に切られた。 しかし三匹には何がゆかりんを切り裂いたのか、見えなかった。 ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ! ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ! ゆかりんは中身をまき散らかし、残骸があちこちに散らばった。 その中で、目玉だけはしっかりと三匹を見据えていた。 ----Y暦27年.山奥の洞窟 お気づきの方もいらっしゃると思いますが、 これらは「不安の種」のエピソードを元に作成されています。 これかなり怖いので、怖いの苦手な方は見ない方がいいです。 次は「不安の種+」のエピソードも書こうかなぁ、と思っています。 今まで書いたSS ドスまりさとゆうか1~3 ゆっくり闘技場(性)1 不幸なきめぇ丸 名物餡玉 行列の出来るゆっくり スカウトマンゆかりん前・後 ファイティング親子とゆっくり まりさの商売 ぱちゅりーの失敗1~4 盲点 進化 ぶっかけ!ぱちゅりー! 短い話しを一つだけ ありふれた話 対決!ドスまりさ! 被虐のみょん_その一 とあるきめぇ丸の一日 おさんぽバターみょん さなえに首ったけ ゆっくり兵団 このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/5397.html
ここは人間の里何度かドス率いる群れに襲撃されていただからそういうことには慣れていた最初はかなり巨大なゆっくり魔理沙がきたので最初はみんなたじろいで契約にしたがったが 勇敢 と言うよりこわい物知らずのやつが向かっていくとドスはドススパークや巨体を活かした攻撃を仕掛けたがほとんど全員の人が所詮ただのゆっくりだと言うこととどちらの攻撃も弱点があると言うことをほぼ瞬時にわかった なので攻撃を避けながら攻撃しているとすぐに倒れた 「ゆ ゆ ゆあああああ!!ドスぅぅぅぅぅ!!」群れの幹部であろうパチュリーが叫ぶと混乱は群れに伝わっていった「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁ!!」「ばぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」しばらくこれは続いたそして数分後にやっと落ち着いてきたそして気づいた 人間のことをやっと認識したのであるほとんどのゆっくりはこれから何があるか予想がついていた そしてその予想は見事的中 すぐに人間たちがゆっくりたちを潰してきた「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁ!!ひでぶぅ!」「ゆんぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」ぶちゅっ!「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!やべでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」ぶちゅっ!「霊夢はかわいいから殺したらだめだよぉぉぉぉぉぉ!!!」ぶちゅっ!!「魔理沙は強いんだぜぇぇぇぇぇ!!だから殺しぶぅぅぅぅぅぅ!!!」そんなわけで数匹のみ重症で帰り途中で全滅した 最初以外は似たことが何度かあったそしてまたドスはやってきたそして里の人は戦闘準備をした が ドスが言ってきたことも態度も違った脅しをする様子もなく 見下す目で見ることもなく契約をしようとしたことかなりまともだった 契約とはこうだ 1人間はゆっくりに危害は加えないがゆっくりが契約を守らなかった時だけ破ったゆっくりにだけ危害を加えてもいい2ゆっくりを働き手として雇いそれに見合った物をくれる3働くゆっくりにのみすみかを与える という物だった里の人はゆっくりがこんなまともな契約をしたことと群れにゲスと見える態度をすることゆっくりもいずに全員人間で言えば頭を下げる動作をしてきたので人々は喜んで契約を結んだ そんなわけで数日が過ぎたこの頃はまだ誰も契約を破らずに働いているゆっくりは真面目で給料として野菜を貰いすっきりすると迷惑になると思いやらなかった 2匹の夫婦を除けば この夫婦は善良種の行動はほとんどすべて知っていたのでばれなかった最初だけは この2匹は働かせてもらうとさぼってばかりで契約にはないと言う理由で給料をもらっていた そして同じ理由で大量にわけてすっきりし子供を50匹ほど生んでいたがこの生活も簡単に終わりを迎えるある日2匹は子供が生まれたので食料を大量にもらいにきたこの2匹の妄想ではもらった大量の食料を子供なんかには与えず全員餓死させまたすっきりして大量の子供を生んで の繰り返しのはずだった しかしこの2匹はかなり嫌われていた この群れの他のゆっくりだったら喜んで野菜をあげていただろうなにせこの群れの優しさはれいぱーに産まされた子供でも普通に愛す程であるもちろんれいぱーは殺して子供の餌にするが だが自分達も使ったそんなの契約にはないと言われあっさり断られる ただそういった以上契約を破るわけにも行かないので危害は加えない そしてその日その2匹についてドス達に相談に行ったそして緊急会議が行われた結果はあの2匹と子供を群れから追い出すということに決まったそれと従わないなら殺していい そして翌朝腹をすかせながらどうやって騙すか考えていた所に村長と群れの幹部とドスがやってきたそしてこういった「会議で決まった、君たち二人と子供には出て行ってもらう」 「ゆ?そんなの従わなければいいんだぜ 無理矢理追い出すことも契約っさんで無理なはずだぜ」「あー そのことなんだが会議で無理矢理追い出すこともできるし殺すこともできるようになったから生きてこの群れと里から出るかここで一家皆殺しかだ」「ゆぇぇぇぇぇぇぇ!!そんなの聞いてないよぉぉぉぉぉぉ!!」「そもそもいま初めて言ったからな で どっちを選ぶ?」「ゆ··ゆ··『ピコン!』そうだ 魔理沙達の子供を全員殺していいのぜだからせめて魔理沙と霊夢は残してくれだぜ」清々しいほどにゲスである するとやっとドスが口を開いた「そんなゲスなら、なおさら群れに置くわけにはいかないのぜ、なぜならここの群れはゲスは禁止だぜ」「どぼじでぞんなことを言うのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」「決まっているでしょ、ゲスだからでしょ で、どっちにするの?」「子供を殺して魔理沙と霊夢は残るよぉぉぉぉぉぉ!!」「なるほどじゃ一家皆殺しで」「なんでぇぇぇぇぇぇ!!」「殺すか出て行くかだよね無垢な子供を犠牲にしてまで生き残るゲスは死ねぇ!、じゃ、人間さんなるべく苦しませて死なせてください」この群れは優しいがゲスにとっては地獄の群れである「そうだ!近所にゲス専用虐待お兄さんがいるから任せよう!」虐待お兄さんに事情を話すと喜んで引き受けてくれた
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1247.html
幻想郷に突如として現れた謎のナマモノ、通称ゆっくり。 旺盛な繁殖力によって、各所でその数を増やしていが、 その傍若無人振りは当然人間や妖怪の知るところとなり、やがて害獣として駆除されるようになった。 また、早い段階でゆっくり種が様々な中身の詰まった饅頭であることが認知されると、 食料としての狩猟、または飼育対象にもなっていた。 ここは人間に害をなすゆっくり達を捕獲し、主に食料として加工する「ゆっくり加工所」 加工所は複数点在するが、ここはその中でも比較的小規模だ。 今日もゆっくり達が荷馬車で運ばれ、中から木箱が複数降ろされる。 捕獲されたゆっくりが押し込まれているらしく、 中からは「ゆ~」だの「ゆっくりだしてね!」などと気味の悪い鳴き声が聞こえる。 この加工所ではゆっくりの飼育は行っていない。 ただ純粋に害獣であるゆっくりを捕獲し、副産物である皮や中身を加工して利益を上げるだけだ。 加工所での作業に従事している人間も、ゆっくりの傍若無人さは身に染みついているため、 彼らはゆっくりを「饅頭」「ゴミクズ」などと揶揄する。 実際ゆっくりはなぜか人間の言葉を喋るが、知能が低く、所かまわず人間の農作物を荒らす、 人を小馬鹿にした態度を取る、などの理由があり害獣として認知されている。 まれに愛玩用のペットとして飼う物好きもいるようだが、加虐心を誘う態度のせいで 大抵は虐待された末、潰れた饅頭となる。 この加工所では自動機械の類はなく、全て人力によってゆっくりの処理が行われている。 憎たらしいが人でも動物でもない、殺しても何の罪悪感も生じることのない、ただの饅頭である ゆっくりをこの手で直接始末できるとあって、作業員にとっては趣味と実益を兼ねていると言えるかもしれない。 前述のゆっくりが押し込められた木箱が作業所内へと運ばれる。 そこは10メートル四方の何もない倉庫のような部屋。 木箱が空けられ、すかさず木箱を運んできた人間は部屋を出てシャッターを閉めた。 中のゆっくり達が一斉に飛び出す。 「ゆー!」「やっとお外に出られたよ!!」「ゆっくりしていくね!!」 ゆっくりの中でもっとも種類の多いれいむ種とまりさ種が全部で20体はいるだろうか。 何もない殺風景な部屋を跳ね回る。 「なにここー!」「はやくごはんもってきてね!!」 3人の作業員が人間用の扉から中に入ってきた。 手にはそれぞれ棍棒、ナタ、竹槍を手にしている。 「さて、やるか。たっぷりと恐怖を味合わせてやれ」 「ゴミどもが。腹が立ってしょうがねえ」 「おいおい、あまりやり過ぎるなよ」 ゆっくり達にとっての地獄。人間達にとっての至福の時間。 突然の出来事に逃げ惑いながら、それぞれ殴られ、両断され、突かれ、 阿鼻叫喚の表情で崩れた饅頭となっていく。 「だずげでぇ゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙!!!」 「どゔじでごん゙な゙ごどずる゙の゙ぉ゙ぉ゙ぉ゙ぉ゙ぉ゙!!!!」 「ゆ゙っ ゆ゙っ゙ぐり゙や゙め゙でぇ゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙!!!!!!」 残り5匹。作業員達はそれぞれゆっくりと怯えた饅頭達を部屋の隅まで追い詰める。 「だずげでぐだざい゙ぃ゙ぃ゙ぃ゙!!!」 1体のゆっくりまりさがどこで覚えたのか敬語で必死に命乞いを始める。 だが作業員達はまりさのずる賢い性格を熟知している。 こんなことは無意味どころかかえって作業員達を刺激するのだ。 「けっ、ゴミクズが てめえだけは助かりたいってか つくづく腹の立つ饅頭だ」 思い切り棍棒を叩き降ろされ、まりさは目や口から餡子を吹き出し、潰れた。 「終わったか、よし、餡子と皮を回収するぞ。」 「しかし、恐怖を感じながら死ぬと味が増すってのは本当かねえ」 「ま、ウチは小規模だが商品の餡子はそこそこ好評だ それに俺の大嫌いなゆっくりを思う存分ぶちこわせるココは最高の職場だぜ」 餡子や皮をヘラで袋に回収し、ゆっくり達の入っていた木箱を片付けようとする作業員達。 だが、木箱の中には思いがけないモノがまだ残っていた。 「これは・・・」 そこには蔦が生え、茶色く朽ち果てた1体のゆっくり。蔦の先にはプチトマト大くらいの ゆっくりの幼体が5個実っていた。 「こいつ、運ばれる途中に交尾してやがったのか」 「生存本能というやつか?」 「荷馬車の振動も刺激になったのかもな」 蔦をつかまれ、木箱の外に出されるゆっくりだった泥団子。 そして無慈悲に蔦からもぎ取られたゆっくり達は、 食らわれ、握り潰され、または踏み潰された。 「ふう、すっきりしたぜ」 「やはり泣き叫んで逃げ惑ってくれないと処理のし甲斐がないな」 「休憩だ、戻るぞ」 人里を荒らすゆっくりは後を絶たない。 それはひとえにこの饅頭達の学習能力のなさにも起因するが、 だからこそ、このような施設が存在し得るとも言える。 この人間とゆっくりの奇妙な関係はいつまで続くのだろうか・・・ 後書き======================= 前置きが長い割にゆっくりを処理する描写が薄すぎてすいません。 直接ゆっくりを嬲り殺す施設という設定で書きたかっただけです。 使いやすい設定かと思いますので、どんどん使ってゴミゆっくりを処理してやってください。 食用にも虐待にも使える万能ナマモノ、ゆっくり万歳! このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1853.html
注意 死なないゆっくりがいます。 ぬるめです。 死後のゆっくり 「ゆ、じじぃ!!ここはまりささまのゆっくりぷれいすなんだぜ!!にんげんさんはつうこうりょうをはらっていくんだぜ!!」 俺が道を歩いていると饅頭が話しかけてきたので蹴っ飛ばしておいた。 「ゆぎゃべ!!」 コロコロと道端に転がっていく。すると物陰から伺っていた番らしきれいむが出てきた。 「ばりざぁぁぁぁぁ!!だいじょうぶ!!ゆっぐりじでねぇぇぇ!!」 あたまの茎をゆっさゆっさ揺らしながらまりさに近づいてくる。よく落ちないな。 「ゆぐぐ、だいじょうぶだよれいむ・・・。って、でてきちゃだめでしょぉぉぉぉ!!なんででてくるのぉぉぉぉ!!」 「まりざがじんぱいだからでしょぉぉぉぉぉぉ!!どぼじでぞんなごというのぉぉぉぉぉ!!」 なんかうるさいので黙らすことにした。 「ゆげっ!!やべっ!!ばりざざま・・・ゆべっ!!・・・づよいんだ・・・ゆぼべぇ!!」 「や、やめてね!!れいむにはあかちゃんがいるんだよ!!ゆへへ・・・れいむにはかわいいあかちゃんがいるんだがらてはだせないよね・・・ ゆっぎゃああああああああああ!!やべでえええええええええ!!でいぶにはあがぢゃんいるのにぃぃぃぃぃぃぃ!!」 さて、体は黒ずんでボロボロ、歯はガタガタ。帽子もリボンも見る影もなくなったこの二匹。 無事なのはあえて残したれいむの茎についた赤ゆっくりのみだ。 「ゆぁぁ・・・ごれじゃあもうゆっぐりでぎないぃぃぃ・・・」 「せっがぐあがぢゃんがうばれるのにぃぃぃ・・・」 まあこれだけ痛めつけられていれば自然治癒も難しいだろうからな。 「ゆぅぅぅゆっぐりじだいぃぃぃ・・・いだいのなんどがじでぇぇ・・・」 暇だし少しからかってやるか。 「なんとかしてやろうか?」 「「ゆ"ゆ"っ!」」 一斉にこっちを見るゆっくり。 「くそじじぃ・・・はやぐばりざざまをだずげるんだぜ・・・でないどいだいめみるんだぜ・・・」 「はやぐじでね・・・でいぶのがわいいあがぢゃんがみれなぐっでもいいの?」 こいつら・・・誰がこんなめにあわせたかもう忘れたのか? まあいいやこいつらの餡子脳に付き合っていたら時間がいくらあっても足りやしない。 「ああ、いい方法がある。・・・幽霊になればいいんだよ。」 「ゆうれい・・・?なにぞれ?」 「あ~なんていうか・・・すごくゆっくりしたゆっくりだけがなれる究極にゆっくりした状態・・・かな?」 「ゆ"、きゅうきょくにゆっぐり・・・?」 「ああ、そうすれば俺にも手出しはできないし、永遠にゆっくりできるんじゃないのかな?」 「ゆ"、どうずれば“ゆ~れい”になれるの・・・?」 「簡単さ、幽霊になりたいって強く念じながら眼をつぶるだけでいい。後の手順は俺がやってやるよ。」 「ゆっぐりりがいじだよ・・・ゆっへっへ、にんげんざんはばかだね!! まりざだぢはゆっくりをこえたきゅうきょくのゆっくりをてにいれるよ・・・」 「れいむたちはゆっくりをちょうえつするよ・・・。」 なんだか聞いたことがあるようなないようなセリフを吐いて眼を閉じる二匹。 なにやら必死に念じているようだ。・・・さて、動きも止まったのでさっさと踏み潰させてもらおう。 グシャ!! 「ゆべえっ!!」 グシャ!! 「ゆぼろっ!!」 見事にぺっちゃんこに潰れる二匹。間違いなく死んでいるだろうな。 さて、適当に思いつきで幽霊になればいいなんていったけどほんとうになったりするのかな? っていうかこいつらに魂ってあるのか? などと考えていたら、潰れた饅頭から何か白いものが出てきた。 「ゆ~どろどろどろ~・・・」 「ばけてでるよ~、おどろくの?しぬの?」 「うわっ、マジで出てきた!」 そこには憎たらしい顔と各々の飾り、あとよく幽霊がつける三角のやつ(天冠というらしい)のついた白い丸いものがゆらゆら浮かんでいた。。 「ゆっふっふ、まりさはゆ~れいさんなんだよ!どどろいたでしょ!!これでにんげんさんにもてはだせないよ!!」 「わかったらはやくおかしをちょうだいね!!れいむはおなかがすいたんだよ!!」 「ああ、わかった。・・・ホレ。」 俺は持っていた小さいキャラメルを地面に置いてやった。 「ゆっへっへ、ゆ~れいになったまりささまはむてきなんだぜ。あまあまさんいただくんだぜ・・・むぐむぐ・・・?」 「ゆゆ~ん♪さすがはれいむのまりさだよぉ~。じゃああまあまさんいただくよ・・・むぐむぐ。・・・ゆ?なにこれ?あじがしないよ?」 「ゆゆゆ!まりさもだよ!!やいくそじじぃ!!これはあまあまさんじゃないよ!!はやくちゃんとしたあまあまさんをちょうだいね!!」 「いや、違うよ。それはちゃんとしたキャラメルで甘いものだし。それに味がしないんじゃなくてお前らが食べることができてないだけだよ。 そら、ちゃんとそこにキャラメルあるだろ?」 男が指し示した場所には男の言ったとおりちゃんとキャラメルが原型のままあった。 「ゆ!ほんとだ!ゆっくりいただくよ!・・・むぐむぐ・・・どぼじでたべられないのぉぉぉぉ!!」 「そりゃ幽霊だからなぁ。この世の食い物は食えないんじゃないかな。」 「じゃあどうずればいのぉぉぉぉ!!」 「さあ?どうもしようがないんじゃないかな?」 「そんなのやだぁぁぁぁぁぁ!!」 じたばたと暴れる二匹だが実際俺にはどうしようもないことだしなぁ・・・。 ていうか幽霊だから物食わなくてもいいんじゃないのかね?教えないけど。 「ゆぎぃぃぃぃ!!まりざざまをごんなめにあわぜるばがなじじぃはじね!!ざっざどじね!!」 まりさがこっちにのろのろと突っ込んでくる。 「ゆ!いいよまりさ!!まりさのちょっといいところをれいむにみせてね!!」 「まかせてねれいむ!!」 しかしおそいなこいつら待ってるほうが疲れる。 ようやく俺にたどりついたまりさ。追突する直前に眼を閉じ防御体制をとる。 しかし、まりさのからだは俺のからだをスゥ・・・と通り抜けまりさはそれに気づかぬまま進んでいく。 「まりさーー!!うしろ、うしろ!!」 「ゆ?・・・ゆゆ!!きたないじじぃなんだぜ!!まりささまのこうげきをよけるんじゃないんだぜ!ぷんぷん!!」 そういって再び体当たりを試みるまりさ。だが何度やってもぶつかることはない。 「どぼじでぶつからないのぉぉぉぉぉ!?」 「まあ幽霊だからな。この世のものには干渉できないんじゃないか?」 「じゃあどうずればにんげんざんをだおぜるの!?」 「さあ?無理なんじゃないかな?俺もお前らを倒せないけど。」 「なにぞれぇぇぇぇ!!だまじだね!!ぐぞじじぃ!!」 「騙してないだろ俺には手出しできないんだから。」 「うるざいよ!!ごんなのぜんぜんゆっぐりでぎないよ!!」 ギャーギャー五月蝿いな。害はないとはいえあまりにやかましい。 そういえば前に読んだ漫画にお経で悪霊退散させるのがあったな。やってみるか。 「え~っとどんなんだったかな?確か・・・南無大慈悲救苦救難広大霊感うんたらかんたら・・・」 「「ゆぎゃあああああああああああ!!やべでえええええええええ!!」」 お、効いてる、効いてる。なんか上のほうが薄くなってきてる。 「オン コロコロ センダリ マトウギ ソワカうんたらかんたら・・・」 「「ゆぎゃあああああああああ!!いだいいいいいいいい!!エレエレエレエレ!!」」 なんか吐いてる。・・・これ病気とかを治すときに言う真言だったと思うんだが・・・ 適当でもいいのかな? 「チャー○ーヘッチャラーうんたらかんたら・・・」 「「ゆげげげげげげげげg!!ゆ"っゆ"っゆ"っゆ"っゆ"っ・・・」」 痙攣しだした、何でもいいみたいだな。本当に適当な連中だ。 しばらくして回復すると 「もうゆ~れいさんはぜんぜんゆっくりできないよ!!まりさとれいむをさっさともとにもどしてね!!」 「そうだよ!!もどさないとひどいよ!!ぷんぷん!!」 「そういわれてもなぁ。お前等のからだはもうあんなんだし。」 そういってつぶれた饅頭を指差す俺。 「ゆ!なにいっでるの!!まりざざまのうつくしいからだはあんなにつぶれてないよ!!」 「じゃああの帽子にも見覚えないのか?れいむ、おまえは?あのリボンに心当たりは?額に生えた赤ゆっくりに心当たりはないのか?」 「ゆっ!!た、たしかにれいむのりぼんさんだよ・・・じゃあれいむはいまのれいむはなんなの!?」 「だから幽霊だよ。お前等は死んだの。」 「ゆ、じゃ、じゃああれはまりさっでごど?」 「そうだよ。」 「・・・ゆ、ゆぎゃあああああああああああ!!エレエレエレエレエレ!!」 「ば、ばりざあああああああああ!!エレエレエレエレエレ!!」 あらあら、まりさのもらい吐きでれいむまで・・・ていうか零体になってんのに何はいてるんだろう? そんなことを思っているとなんとれいむの死骸に生えていた赤ゆっくりがぷるぷると動き出した。 もしかして踏み潰したときの圧力で餡子が蔦まで行って成長促進されたのだろうか? ぷるぷるぷる・・・ぷちっ!! 「ゆっくちちていっちぇにぇ!!」 一匹目が生まれた、まりさ種だ。まだはいていた二匹もその声に反応してそちらを向く。 「ゆぅぅぅぅぅぅぅ!!おちびちゃん!!ゆっくりしていってね!!」 「さすがれいむのおちびちゃんだよ!!とってもゆっくりしているね!!」 二匹は赤まりさにすりすりをするが赤まりさのほうはきょとんとしている。 そうしているうちに次々と赤ゆっくりは生まれた。その数7匹。赤まりさが三匹、赤れいむが四匹だ。 う~ん、こいつらの意見に同意するのは不快だが生まれたてのゆっくりはなかなか可愛い。おもわず目をくりぬいてやりたくなる。 「「「「「「「ゆっきゅちちていっちぇにぇ!!」」」」」」」 「おちびちゃんたち!!ゆっくりしていってね!!」 「おちびちゃんたち、れいむがおかーさんだよ!!ゆっくりしていってね!!」 俺から見ると始めての親子の会話なのだが赤ゆっくりたちからするとそうではないようだ。 「ゆぅ?おきゃーしゃん?どきょにいりゅにょ?」 「かきゅれてないぢぇにぇ!!きゃわいいまりちゃがうまれちゃよ!!」 「れいみゅおにゃかへっちゃよ!!ごはんちょーだいにぇ!!」 どうやら赤ゆっくりには親子が見えていないらしい。 「ゆゆゆ!!おちびちゃんたち、おかーさんはここにるよ!!」 「そうだよ!!ちゃんとこっちをみてね!!」 しかしやはり赤ゆっくりには伝わらないらしい。しだいに赤ゆっくりたちも苛立ってきた様だ。 「にゃんじぇおきゃーしゃんたちいにゃいにょぉぉぉぉ!?」 「こんにゃにきゃわいいれいみゅたちをおいてどこいっちゃのぉぉぉ!!」 「やくたたじゅなおやはちね!!ちね!!」 「「どぼじでぞんなごどいうのぉぉぉぉぉぉぉ!!」」 やはりゲスの子はゲスか。 生まれたばかりだというのにもう口汚くなってるし。 「ゆゆ!!しょこにょおにーしゃん、れいみゅのおきゃーしゃんたちしらにゃい?」 ようやく俺の存在に気づいたらしく話しかけてくる赤ゆっくり。 「さぁ?俺は知らないなぁ?」 白々しくとぼけて見せる俺。と、親の二匹が抗議して来る。 「なにいっでるのぉぉぉ!?おちびちゃんのおかーさんはまりさたちでしょぉぉぉぉぉ!?」 「そんなこともわからないの!!ばかなの!?しぬの!?」 五月蝿い。 「南無大慈悲・・・以下略」 「ゆぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃ!!」 「ゆべべべべべべべべべべべべべべ!!」 便利だなこれ。 そこに赤ゆっくりがまたしゃべり掛けてくる。 「じゃあおにーしゃん、かわいいまりちゃたちのためにごはんをもってきちぇにぇ!!はやくちてにぇ、ぐじゅはきりゃいだよ!!」 「いやだよ、・・・ていうかご飯ならお前等の後ろにたくさんあるじゃないか。」 「ゆ?ほんちょだ!あみゃあみゃなにおいがしゅるよ!!」 「なにいっでるのぉぉぉぉ!!ぞれはおかーざんだぢでしょぉぉぉぉぉ!!」 「たべちゃだめぇぇぇぇ!!ゆっぐりでぎないよぉぉぉぉぉ!!」 後ろの餡子の塊に向かっていく赤ゆっくりとそれを必死に止めようとする親二匹だが、二匹には止める術がないので結局・・・ 「「「「「「「む~ちゃ、む~ちゃ・・・ちちち、ちあわちぇ~♪」」」」」」」 「「ゆぎゃあああああああああ!!どぼじでだべじゃうのぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」」 赤ゆっくりたちはあっというまに二匹に群がりかなりの量を食べてしまった。 もうほとんど原型は残っていない。 「ゆぁぁぁぁ・・・ばりざのたくましいからださんが・・・」 「でいぶのぷりちーなおかおがぁぁぁ・・・」 赤ゆっくりたちは食べ過ぎたのかすでにおねむの時間のようだ。ゆ~ゆ~寝息を立てて寝ている。 するとそこに何かやってきた。 「う~う~!あまあまさんのにおいがするど~☆う~☆」 「「れれれ、れみりゃだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」 親の二匹は大声をあげて空中をのろのろと逃げる。だから必要ないというのに・・・。 「う~☆あまあまいっぱいだっど~☆」 その声に気づき二匹も引き返してくる。 「おちびちゃんたち!!れみみゃだよ!!はやくにげてね!!」 「れみりゃはゆっくりできないんだよ!!ゆっくりしてないでいそいでね!!」 当然、聞こえていないので赤ゆ達はゆ~ゆ~寝たままだ。 「おにぃぃぃざぁぁぁぁん!!おちびちゃんたちをだずげでぇぇぇ!!」 「なんでもじまずがらぁぁぁぁ!!おねがいじまずぅぅぅぅ!!」 こいつ等にこんなに子を思う気持ちがあるとは思わんかった。 とりあえずれみりゃに話しかけてみる。 「おい、れみりゃ!」 「う~?おにいさんなんだど~?」 二匹はなにかこちらに感謝のまなざしを向けている。赤ゆを救ってくれるとでも思っているのだろう。 「おのこしはするなよ。」 固まる二匹。 「う~☆わかってるんだど~☆えれがんとなおじょうさまはおのこししないんだど~☆う~☆」 「ゆああああああああああ!!ちがうでしょおおおおおお!!」 「はやぐおちびちゃんたちをたすけでえええええええええ!!」 無視。 そしてれみりゃの食事が始まった。 まず、赤ゆを一匹づつつかみ底部を傷つけ逃げられないようにしていく。 「ゆ~・・・ゆ~・・・ゆ?ゆぎゃ!!まりちゃのあちがあああああああ!!」 全部が済むと一匹づつ中身を吸い出していく。 「う~☆あまあまおいしいどぉ~☆」 「ゆぎゃああああああああああ!!まりちゃ・・すわれっ・・・もっ・・・きゅち・・・」 「「おちびちゃああああああああああああん!!」」 しかし三匹ほど吸い出すと残った四匹を一箇所に集め丸めて固めだした。 赤ゆっくりは死んではいないようだが痙攣している。 「おい、れみりゃ。そいつらどうするんだい」 「う~?れみりゃのおちびちゃんのごはんにするんだどぉ~☆」 なるほど、子持ちだったか。まあれみりゃは捕食種だし見逃してもいいか。 「そうか、じゃあ子育てがんばれよ~」 「う~☆わかったんだどぉ~☆」 そういって飛び立っていったれみりゃ。 「ゆああああああああああああああ!まっでええええええええ!!」 「あがぢゃんおいでげええええええええええ!!」 今は同じく飛べる二匹だが速度がまるで違うし追いつけたところでできることもないだろう。 すぐにあきらめたようだ。 「あああ、れいむのおちびちゃんが・・・」 「まりさとれいむのあいのけっしょうが・・・」 さて、そろそろ飽きてきたし俺も帰るか。そう思って立ち上がると 「ゆ!じじぃ!どこいくんだぜ!!」 「れいむたちをこんなふうにしたせきにんをとっでね!!」 「そんなの知らないよ。お前たちがなりたいって行ったんだから自業自得だろ。」 「「どぼじでぞんなごどいうのぉぉぉぉぉぉ!?」」 そしてそのまま帰る俺。とはいっても村はすぐそこだが。 「まっでぇぇぇ・・・おいでぐなぁぁぁ・・・」 「までぇぇぇぇ・・・まだないにんげんはじねぇぇぇぇ・・・」 面白いのでそのまま村の前まで追いかけさせてやった。 「ま、まっでぇぇぇ・・・・ぜぇぜぇ・・・」 「おいでぇぇぇ・・・いぐなぁ・・・・ぜぇぜぇ・・・」 霊体の癖になんで疲れるんだよ。なんとか村の前に来たゆっくり。、 しかしそこで 「ゆべっ!!」 「ゆぎゃ!!」 まるでそこに壁があるかのように吹っ飛ぶゆっくり。 「ゆぅぅぅ・・・なんでかべさんあるのぉぉぉ・・・」 「いだいよぉぉまりざぁぁぁぁ・・・」 「それは壁じゃないよ。結界だ。」 「「ゆ?」」 「さすがに強いのには効かないが知能の低い低級な霊や妖怪が入れないように結界がしいてあるんだよ。」 「まりざはでいぎゅうじゃないぃぃぃぃぃ!!」 「そっぢにいれろぉぉぉぉぉ!!」 「うるせぇ糞饅頭。ずっとその辺で彷徨ってろ。」 俺はさっさとそこを後にした。 「「ああああああああああ!!まっでえええええええええええ!!」」 残された二匹の幽霊饅頭は絶望したこれからどうすればいいのだろう。 なにをすればいいのかまったくわからない。 「ゆぅぅぅぅぅぅぅ!!でいぶぅぅぅぅぅぅぅ!!ごれがらどうじよぉぉぉぉぉ!!」 「わがらないよぉぉぉぉぉ!!なんどがじでよぉぉぉぉぉ!!ばりざぁぁぁぁぁ!!」 ゆーゆー泣いているとなにか近くの空間が歪んで来た。 「ゆ・・・?なに?」 するとそこから何かが出てきた。 「ふっふっふ、地獄のそこからやってきた。不撓不屈の虐め魂を持つ男・・・虐待おにーサッ!!」 なにやら白装束を着た頭に三角をつけた男が腰を低くし両手を広げて出てきた。 「な、なんなのぉぉぉぉおにいざん!!」 「ふははは!!ゆっくりどもよ!!ようこそこちらの世界へ!!地獄でもさんざん虐めぬいてやるからな!!覚悟しろッ!!」 「「やだぁあぁぁああああああああああああ!!」」 男は再び高笑いを始め二匹の幽霊ゆっくりを捕まえ空間に消えていった。 そして二匹のゆっくりは虐待おにーさんによって死んでもゆっくりできないのでした。 あとがき 最近書いても書いても書きたいことの軸がぶれてしまい消しては書き直しの連続です。 一応これはなんとかなったと思うので楽しんでいただけたなら嬉しいです。 作者 甘党 今まで書いたもの ゆっくりコールドスリープ ゆっくりを効率的に全滅させるには。 ユマンジュゥ きれいなゆっくりの作り方 ゆっくり達のバザール ゆっクエ あるゆっくり達の冬篭りと甘い罠 ラジコンうーぱっく 笛吹き男とゆっくり
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4091.html
(前編から) ゆっくり共の苛めの執拗さは人間の比ではなかった。 人間なら、いくら他人をいじめたって日がな一日そればかりやるわけじゃないが、 ゆっくり共は一日中ひたすらいじめに没頭していた。 集中力がすごいのか、単純な思考しかできないゆえか、 なんにせよ、その標的にさらされたこちらの負担は計り知れない。 いつでも握りつぶせるような、自分よりはるかに弱い連中に苛められることが、 これほどまでに悔しく苦しいとは想像もしていなかった。 まりさとれいむ二匹だけの時は、「たかが饅頭のやること」と受け流すこともできたが、 今ではその「たかが饅頭」の意識が俺を苛んでいた。 そのたかが饅頭に、俺の生活は蹂躙され、何もやり返せないでいるのだ。 苛立ち、怒り、悔しさ、俺の精神的ストレスはすでに限界を超えていた。 外では意味もなく道端の木を殴りつけ、缶が転がっていれば力いっぱい蹴り飛ばした。 友人が俺を少しばかり避けるようになったが、どっちみち友人と遊んでいる時間は全くない。 由美にしても、自分の趣味のために苦労をかけている引け目があるらしく、 ゆっくり以外のことでは近頃本当に気を配って聞き分けよくしていた。 しかし、ゆっくりを全力でゆっくりさせるという計画の苦難はこれだけではない。 ゆっくり同士の関係にも気を配らなければならなかった。 全員がゆっくりしていなければ計画の完遂はないのだ。 しかし、こいつらが繰り広げるゆっくり模様はまさに地獄だった。 まりさは、相も変わらず傍若無人に振る舞っていた。 十匹の子ゆっくり共には目もくれず、食べたいものを食べたいときに食べ、 子ゆっくり共の注視の中でれいむやありすにすっきりを要求した。 まりさの相手をするのは主にありすだった。 ありすのすっきりテクニックは完全にまりさを虜にしていた。 かつては人間に躾けられ、人間の強さを知っているありすの方も、 その人間に勝てるまりさを手放してはならじと、全力で奉仕した。 まりさはオーラルすっきりがお気に召したようで、 ありすの舌技ですっきりすることも多く、交尾そのものはそんなに行わなかった。 直接交尾をしてにんっしんっをしてしまえば、体力が奪われてそれ以上すっきりしにくいものだが、 この技術により、ありすは通常では考えられないほど連続でまりさをすっきりさせていた。 また、舌を使うことで、 たとえにんっしんっ中であってもありすはまりさのすっきりを相手することができる。 なによりその点が、そのへんのゆっくりとは決定的に違っていた。 それでも一匹だけでは飽きるようで、まりさは外出先でもとっかえひっかえすっきりし、 一方で、厚かましくも家でれいむにすっきりを要求した。 「ゆっ!まりささまとすっきりするんだぜぇ」 「うらぎりまりさはれいむにちかよらないでね!!」 初めのほうこそ、れいむは形ばかりの抵抗をしていたが、 子供たちを父なし子にしたくないという母心と、そしてありすに対する対抗心から、 すぐにまりさとすっきりするようになった。 日々ありすの性技を目の前で見せつけられていたれいむはすぐに真似し、技術を磨いていった。 「んほっほっほおぉぉぉ!!!たまらないのぜぇぇぇぇぇ!!!」 互いに対抗心を燃やし、日々技を磨いていく妻と妾とのすっきりは、 もはやそこらの野良ゆっくりとは比べものにならず、 まりさが外出先ですっきりすることはめっきり少なくなった。 さて問題は、にんっしんっした子供である。 俺としては、これ以上一匹だって増えてはほしくないし、 数が多ければそれだけトラブルの種も増えるだろう。 由美と相談のうえ、なるべくこれ以上増やさないように誘導する方針を固めた。 れいむとありすは、その時点ですでにまたにんっしんっしていた。 れいむは頭に茎を生やし、ありすは下顎をぼってり膨らませている。 その母どもに対し、俺は説得を試みた。 ここは手狭だから、あまり増えるとみんなゆっくりできなくなる。 その方向で言葉を尽くした。 しかしやはり、れいむが言う事を聞くはずはなかった。 「なにばかなこといってるのおおおおおぉぉぉぉ!? かわいいあかちゃんをみればみんなゆっくりできるにきまってるでしょおおおおお!!! ばか!!ごみ!!むのう!!しね!!」 「ちにぇ!!ちにぇ!!」 「おきゃーしゃんのいうこちょをきけ!!」 処置なしだった。 強すぎる母性愛により、こいつの餡子脳内では、 赤ゆっくりがすべてを解決することになっているようだ。 一方ありすの方は、論外であった。 「みゃみゃ、かちきゅがにゃにかほえちぇるわね?」 「なんだかこうふんしてるみたいね。ほうっておきなさい」 「きちゃにゃいきゃらおいかえちまちょう!」 「およし。つかれたらかってにおとなしくなるわよ」 どれだけ言葉を連ねてもこの調子だった。 全く目線を合わせてこず、家族同士でせせら笑うだけだ。 俺は頭を抱えたが、 子供数の問題に関しては、結局のところ、紆余曲折を経ながらも最終的には決着した。 かかる状態において、当然ながられいむとありすの関係は最悪だ。 憎悪と侮蔑、同じ屋根の下に住みながら互いに家族と認める気は皆無のようだ。 子育ての途上で、互いに互いの家族を貶めた。 あのれいむ共はゆっくりできない、あのありす共はみんなれいぱーだ。 部屋の反対側の隅どうしで、互いの家族は固まって暮らしていた。 どちらも相手を蹴落とし、家から追い出すチャンスをうかがっていた。 最初の十匹の子供が生まれてからまた十日ほどがたったころ、 れいむの茎の子供がまたぽとぽとと生まれた。合計五匹だ。 暗い表情の俺に向かって、喜色満面のれいむがいきいきとあまあまを命令する。 由美は俺を気遣いながらも、やはりどこか浮きたっていた。 その顔を見ると、もう少し頑張ってみるかという気になった。 その翌日、事件は起こった。 「でいぶのおぢびぢゃんがあああああーーーーーーっ!!!」 絹どころか牛革をも裂くような甲高い悲鳴で、俺は起こされた。 押入れから出ると、れいむ一家が泣きわめいている。 「れいみゅのいもうちょがあああああーーーーーーーー!!!」 「ゆっぎゅりぢで!!ゆっぎゅりぢでよおおおぉぉ!!」 「どぼじでごんなごどにいいいいいいいいーーーーーー!!?」 れいむ一家が囲んでいるのは、黒ずんだ五つの小さな饅頭だった。 昨日生まれたばかりの赤ゆっくり共。 どれも苦悶を顔に貼り付け、頭の上から何本もの茎を生やして死んでいた。 その周囲に垂れこびりついているこの液体は。 俺はありす共を見た。 ありす共は何も言わず、揃ってにやにやと見下した笑みを向けている。 全てが一目瞭然だった。 「お前ら……………やったのか?」 くだらない質問だったが、俺は聞いてみた。 「はあああぁ~~~~~~?」 返ってきたのは唇をゆがめた冷笑。 「ばかがなにかいってるわねえ?」 「みゃみゃ!あのどりぇい、いよいよおかちくなっちぇるわよ」 「ときゃいはにゃありしゅちゃちをうちゃがうにゃんて、きっちょあちゃまがおきゃしいのにぇ!」 「あら、ちょんなこちょはみゃえからわきゃっちぇちゃわよ!」 「ゆっほっほっほっほ!!」 言葉こそまだ舌足らずだが、こいつらはもう子ゆっくりとしてはそれなりの大きさだった。 昨日生まれたばかりの小さな赤ゆっくりを標的に、夜中にこっそりすっきりしたのだろう。 親れいむを起こさないように赤ゆっくりだけを舌でそっと連れ出し、 赤ゆっくりの小さな声が届かないほど離れたところですっきり殺したあと、ご丁寧に戻しておいたわけだ。 見ると、俺が寝ていた部屋の隣にある部屋の押入れが開いていた。 その中にカスタードが落ちている。ここに連れ込んでことに及んだのか。 物音や声が聞こえなかったおれも迂闊だった。連日の疲れで毎日泥のように眠っていたのだ。 「あでぃずううううううううーーーーーーーっ!!!」 泣き喚きながられいむが突っ込んできた。 胎生型にんっしんっしているありすに激突し、ありすはごろんと転がって悲鳴をあげた。 「ゆひぃいいいっ!!?いだいいぃぃぃぃ!! ゆっくりごろし!!ゆっくりごろし!!たすけて!!たすけてまりさああああ!!!」 「じねええええええーーーーーーゆびゃ!!」 なおもつっかかろうとするれいむに、まりさが横から激突した。 「ばかなことはやめるんだぜ!! ゆっくりどうしなかよくしろだぜぇ!!」 どの口が言うのか、家庭内不和の元凶がなにか叫びだしている。 「ばりざああああ!!あでぃずが!!あでぃずがでいぶのごどぼおおおおおお!!! でいぶのおぢびぢゃんだぢがあでぃずどもにごろざれだんだよおおおおおおお!!?」 「ちょうこもにゃいにょにちょんなこちょいわにゃいでよ!!」 「りぇいしぇいになりなちゃいよ!!いにゃかもにょね!!」 子ありす共が口々に罵る。 まりさはありすを起こしてやりながら、れいむに向かって言った。 「うるさいんだぜ!! なかよくできないんならここからでていくんだぜ!!」 「ゆっ!?で、でも!!」 「じぶんのこどもをちゃんとみてないれいむがわるいんだぜ!! いくじほうきなんだぜ!?めんどうごとはごめんなんだぜ!!」 本当にどの口が言うのか。 「…………ゆあぁぁぁ……ゆがああぁぁぁぁ………」 ちゃんと見ていなかったお前が悪いと、母性愛にケチをつけられると弱いようだ。 れいむはその場に突っ伏してむせび泣いた。 「ゆゆっ、うるさいわね!やばんないなかもののそばになんかいられないわ」 「まったきゅ、みっちょもにゃいわね!」 「あっちでおけちょうをなおちまちょう!」 その場から離れ、家族でぺーろぺーろを始めるありす共。 まりさはあくびを一つして、俺にあまあまを要求するとむしゃむしゃやりはじめた。 れいむの家族だけがいつまでも泣き続けていた。 昼過ぎにやってきた由美は、俺に成り行きを聞いて絶句していた。 これであきらめてくれればもうけものだが。 忍耐力を示す手前、俺のほうから計画の中止を言い出すわけにはいかない。 「ありすちゃんは、無理、かな……」 さんざん考えた末、ありすを追い出せば解決するという結論に落ち着いたようだ。 まあ、それでひとまずは収束するだろう。 「ねごとはねてからいうんだぜ!!」 まりさの一喝で、その提案は一蹴された。 「追い出すわけじゃないの。ありすちゃんたちに別のところに住んでもらって、 まりさちゃんが通えば……」 「ここでいいんだぜ!!めんどくさいんだぜ!!」 「でも、れいむちゃんと喧嘩しちゃうでしょ?」 「けんかなんかないのぜ!!いじめはありません!! ちゃんとまりささまがとりまとめてるのぜ!! まりささまのりーだーしっぷにけちをつけるきかぜぇ!?」 リーダーシップなどというものが自分にあると、このまりさは思っているらしい。 まりさはかたくなに固辞した。 理由は不明だが、俺の思うところ、 目の前で二匹のゆっくりが自分をめぐって争うのが気分がよかったのではないだろうか。 その結果子供が殺されようと、むしろ面白がっているふしがある。 とにかく、まりさが拒否する以上、 まりさがゆっくりできない可能性のある選択肢は取れなかった。 どうしようかと気をもんでいるうちに、やはり報復は行われた。 ありすが胎生型出産で、二匹の赤ありすを産み落とした翌朝のことだ。 「ゆぎゃあああああああああ!!!」 その日の朝は、ありすの悲鳴で起こされた。 予想できていた光景がそこにあった。 二匹の赤ありすが、風呂場で潰されてカスタードのカスになっていた。 狼狽するありす共の後ろで、れいむ共がこれ見よがしに笑っている。 「あなたたち!!あなたたちがやったのね!!?」 「れいむはしらないよ!!みてなかったそっちのせきにんだよ!!」 「ちょうこもにゃいのにうちゃがわにゃいでにぇ!!」 「ばぁ~きゃ!!ばぁ~きゃ!!」 ぽんぽん飛び跳ねながらせせら笑うれいむ共。 とかいはを自称するありすは、さすがにれいむのように暴れることはしなかったが、 ぎらつく殺意の視線をれいむに向けている。 ありすはまりさに泣きついたが、面倒ごとはごめんだとばかりに取り合われなかった。 こうして、ここは地獄と化した。 毎日思うさますっきりするまりさの子供たちは、 弱い赤ゆっくりのうちに敵対する家族に殺された。 れいむの子はありす共に殺され、ありすの子はれいむ共に殺される。 互いに必死に自分の子を守ろうとするのだが、 所詮ゆっくりの事、つけいる隙はいくらでもあった。 結局、すでに大きくなって力のついた一番最初の子供十匹以外は、 成長する前にことごとく殺され、それ以上子ゆっくりが増えることはなかった。 こんな状況に、ついに由美が泣きだした。 わがまま放題にゆっくりさせるのは構わないが、このゆっくり共は子供を殺している。 可愛い子ゆっくりが殺されていくこの地獄を前に、 まりさ達を自由にさせたい、しかし子ゆっくりが死ぬのは可哀想だ、というジレンマに苛まれていた。 由美が泣いて俺は俄然うろたえ、事態の収束を決意した。 俺は考え、新たに1メートル四方程度の透明なガラス製の箱を設置した。 まあ水槽のようなものだが、これを部屋の両端に一個ずつ置く。 箱の壁は高いのでゆっくりには飛び越えられないが、人間が入れてやればよい。 箱の底にタオルを敷き、こうして寝床ができあがった。 寝るときなど無防備な際は、俺たちに言えばこの中に入ることができ、 赤ゆっくりを守ることができるわけだ。 れいむ種とありす種がそれぞれ別の寝床を使った。 こうしてこいつらはひとまずゆっくりできるようになり、 由美は俺に抱きついて大袈裟なくらいに喜んだ。 ついつい鼻の下を伸ばしてしまう。 由美がゆっくり馬鹿なら、俺は恋人狂いだろう。 しかし、問題はそこでは終わらなかった。 最大の問題児はまりさ種だったのだ。 「むーしゃ、むーしゃ!!うっめ、これ、これめっちゃうめえ!!ぱねえ!!」 「はむっ、はふはふ、はふっ!!」 「しあわちぇなんだじぇぇぇぇ~~~~~!!」 今、まりさと子まりさ三匹は、あまあまにむしゃぶりついている。 そのあまあまは、赤ゆっくりのなれの果てであり、 それを差し出しているのはこの俺だ。 そもそも、ここで一番強いのはまりさだった。 個体としては身体能力が高く、狩りが得意で、ときには外敵を撃退する。 ゲスにはままあることで、その強さゆえに増長するケースがほとんどだ。 それゆえ、まりさは俺たちに対してだけでなく家族にも横暴にふるまっていた。 子供たちの食べている食事がうまそうだと思えば、横から奪い取る。 楽しい遊具は片っ端から独占し、他のゆっくりが触れると体当たりを食らわせる。 れいむやありすが寝ている最中でも、お構いなしにすっきりを強要する。 面倒だと思えば話しかけられても返事もせず、文句を言われれば暴力で返した。 先ほどガラス箱の寝床のことを書いたが、 まりさに限っては、自分専用の天蓋つきの高級ゆっくりベッドを使用していた。 最初のうちは父親を恋しがって近づいていた子ゆっくりも、 その横暴を恐れ、三匹の例外を除いていまでは父親には近づかないようにしていた。 三匹の例外とは、子まりさである。 最初の子ゆっくり十匹のうち、三匹がまりさ種だった。 二匹がれいむの子、一匹がありすの子だが、 このまりさ種に限っては両母親の確執とは無関係に接触し、行動を共にするようになった。 三匹のまりさ種は父親のまりさを慕っていた。 いつも父親の後をついて歩き、機嫌を損ねないように媚びへつらう。 子育てを面倒がるまりさも、自分を持ち上げてくれる子まりさ共は憎からず思うらしく、 ついてくる分には勝手にさせていたし、気が向けば自らの武勇伝を語って聞かせていた。 語られる強さにあこがれ、子まりさ共はますます父親を尊敬し、その価値観にすり寄って、 妻と妾を同時にはべらせて顧みない横暴をさえかっこいいと思っているようだった。 新たなゲスまりさが三匹完成したというわけである。 れいむ種やありす種が家族でゆっくりしている間、 子まりさ共は母親の傍にも行かず、ひたすら格闘ごっこをしていた。 クッションをサンドバッグに見立てて体当たりを繰り返し、 子まりさ同志で取っ組み合いを始める。 父親のような暴力を奮い、権力をものにするための鍛練だった。 すぐに子まりさ共は子ゆっくりの中では強いほうになり、 三匹で固まってうろついては俺や他の姉妹をいじめ出した。 そんな子まりさ共を、父親は悦に入って眺めていた。 直接喧嘩しても勝てないのはもちろん、 父まりさお気に入りの三匹に抵抗したらどんな目に逢わされるかわからない。 それゆえ、子まりさ共が他の家族に忌避されるのは必然だった。 同族食いの味を発見したのは子まりさだった。 生まれては殺されていく赤ゆっくりの死骸を、ある時一匹の子まりさが餡子の匂いに惹かれて舐めた。 「ぺーろ、ぺーろ……ちちちちちあわちぇぇぇぇ~~~!!!」 甘い餡子やカスタードで構成されるゆっくりは、ゆっくり自身にとっても御馳走だ。 れいむ種やありす種は同族食いに怖気をふるったが、 完全にゲスとなったまりさ共は、積極的にタブーを犯すことを楽しんでいた。 子まりさ共が争って死骸をむさぼり、続いて親まりさがその死骸を横取りした。 今まで差し出されてきたどんなあまあまよりも濃厚かつ深い甘味。 やがて、子まりさ共が率先して赤ゆっくりをつけ狙うようになった。 母親や大きくなった子が守っているあいだは手を出されないが、 母親たちが寝静まった夜中にこっそり盗まれたり、 うっかり赤ゆっくりだけにしてしまった時に襲われる危険性は日常的についてまわった。 いよいよ赤ゆっくりは安心できなくなり、ほとんどをケースの中で過ごしていた。 面白くないのはまりさ共のほうで、すでにやみつきになった甘味を忘れられない。 しかしさすがに母親に面と向かって子を差し出せと言えず、夜中に盗もうにもケースの中には入れない。 やがて、他のゆっくり共が寝静まったある夜、彼らは奴隷を使うことにした。 「おい、ごみくず!あのあまあまをもってくるんだぜ!!」 子まりさが顎でしゃくったほうを見て俺は唸った。 「赤ありすの事か?」 「にゃにいっちぇるんだじぇ!!ありぇはゆっきゅりじゃなきゅてあみゃあみゃなんだじぇ!!」 「さすがに、そんな手助けは」 「おいぃ!!ごみくじゅがにゃにまよっちぇるんだじぇぇ!? ごみのうみしょなんきゃうごかちたっちぇしょうがにゃいんだじぇ!!」 「くちょどりぇいはだまっちぇはいはいいうこちょをきくんだじぇぇ!!」 俺は考えてしまった。 赤ゆっくりを保護したはいいが、これ以上増やしては世話しとおす自信がまったくなかった。 そして、こいつらの渇望は深いようで、ここで拒否したら後々めんどうそうだ。 またぞろ由美の目の前で、堂々と赤ゆっくりを殺しかねない。 二つの問題を解決するために、俺は手助けしてしまった。 あとあとこの決断を深く後悔する事になったが。 大きめの赤ありすを一匹持ち出し、ケースから離れて子まりさ共に与えた。 「ゆぴぃ……ゆぴぃ……ゆぴぎゅっ!?」 起きる暇さえ与えられず、一撃のもとに踏みつぶされて絶命する赤ありす。 そのカスタードを子まりさ共は貪った。 その日から、毎日のように少しずつ赤ゆっくりを持ち出してはまりさ共に食わせた。 親まりさも舌鼓を打ち、赤ゆっくりを食すためにますますすっきりするようになった。 同族殺しの罪悪感、というよりは母親を激怒させては面倒なので、晩餐は夜中に秘密裏に行われた。 ゆっくりは数を数えるのが苦手なので、あまり多くなると自分の子供の数が把握できなくなる。 度重なるまりさとのすっきりで、母親共は数多くの赤ゆっくりを生み出したが、 一見わからない程度に少しずつ盗み出しているぶんにはばれないようだった。 大きくなってきたものから順に運び出していったので、 どれも子ゆっくり程に成長する前に間引かれることになった。 しかし、やはりやがてはばれるものだ。 そんなことを繰り返していたある日、たまたま起きだしてきたありすに見つかった。 自らの子を貪り食うまりさ共をしばし呆然と見つめた後、 ありすは聞いてきた。 「……どうやってありすのこどもをとったの?」 「ゆっ」 居直ったまりさが咀嚼しながら俺のほうを指した。 ありすはしばらく黙っていたが、やがて信じられないことを言ってきた。 「ありすにもあっちのあかちゃんをもってきなさい!」 まさかこいつらも食うつもりなのか。 そういえばこいつが俺に直接口を聞いてきたのは初めてのような。 とにかくれいむ側の寝床に寝ていた赤まりさを取り出して渡してやると、ありすはケージの中で震えはじめた。 「ま、ま、ま、まりさかわいいよまりさああああああ!!!」 「ゆぎゅっ!?」 赤まりさに突撃し、すさまじい勢いで交尾を始めた。 「かわいいあかちゃああああんん!!ありすのとかいはなあいをたっぷりそそぎこんであげるわねええええ!!!」 「ゆぶっえっ、ぎぼ、ぎぼぢわりゅいいいいいい!! おがあじゃああああんだじゅげぢぇええええええ!!!」 ここに来てから、生きるためにまりさをすっきりさせるばかりだった生活。 本来、性欲の並はずれて強いゆっくりの中でもだんとつに性欲が強いありす種にとって、 それは恐ろしいほどの欲求不満だったのだろう。 というか、やっぱりレイパーだった。 「んほほおおおおおおおおすっきりーーーーーーーーーーーーっ!!!」 「もぢょっ!!」 小さな赤まりさの中に大量の精子カスタードを注ぎ込み、その勢いで赤まりさが爆ぜた。 断末魔は、「もっとゆっくりしたかった」の言いかけだろうか。 「ゆふぅ、ゆふぅ………まりさたちにおすそわけしてあげなさい」 ありすの指図で、茎を生やして黒ずんでしまった赤まりさをまりさ共の前に差し出してやった。 まりさ共は喜々として貪った。 あんなに黒ずんで崩れた饅頭は食べる気も起きないが、少なくともゆっくりにとって味は問題ないようだ。 まりさ共の死体食に、ありすが一枚噛むことになった。 溜まりに溜まった性欲と、同族食いを目の前にしての集団心理が、ありすを子殺しに追いやったのだろう。 ありすは自分の赤ゆっくりさえ犯し殺しはじめ、死骸をまりさ共に差し出した。 茎を生やして黒ずんだ赤ゆっくりはまた特別な味らしく、まりさ共は喜んでいた。 自らの子を、まりさは食らうために、ありすは犯すために、以前の何倍ものすっきりを繰り返した。 子ありす達がそれに参加しはじめ、子まりさ共とすっきりし、出産と強姦に加わったことで、 数倍のペースで出産される赤ゆっくりは数倍のペースで消費されていった。 子殺しの宴は、表向きは秘密にされており、 夜中は自宅に帰っている由美は幸い知る機会がなかった。 ひっきりなしに出産しているはずなのに一向に増える様子のない赤ゆっくりを、 彼女は疑問に思っていたが、俺が取り繕った。 「外出のときに、森のゆっくりの群れに預けてるんだよ。 このゆっくり達も自分では手に負えないってわかってるみたいで、間引いてこいってさ」 由美はすんなり信じてくれた。 残念だけど、子供たちが死ぬよりはずっとましだと喜んでいた。 「でいぶのおぢびぢゃんになにじでるどおおおおおおおおおおおおおおおおーーーーーーーーっ!!!?」 れいむに露見したときには、やはりそれまでのようにはいかなかった。 母性愛の強いれいむにとって、赤ゆっくりは絶対だ。 その赤ゆっくりを犯し、食らっていたありすとまりさ共に向かって飛び跳ねたが、 ガラスケースをばんばん叩くばかりだった。 「だぜえええええええ!!ごごがらだぜえええええーーーーーーっ!!! おばえらみんなごろじでやぐううううううううううーーーーーーーーー!!!!」 れいむの剣幕に、さすがにまりさとありすも少々青ざめていた。 目玉と歯茎をむき出しにしてがんがんガラスに体当たりする様は、確かにこの世のものではなかった。 しばらくたじろいでいたが、やがてありすが叫んだ。 「あ、ありすはしらないわよ!そこのどれいがかってにやったことよ!!」 「ゆゆっ!そうだぜ!!そいつがもちだしてころしたんだぜ!! まりささまはしたいをかたづけてただけなんだぜ!!」 まりさがすぐに口裏を合わせた。 面倒事はすべて奴隷に押し付けろ、の方程式がここでも採用された。 「おばえがあああああーーーーーーーーっ!! だぜ!!だぜ!!だぜ!!ごろじでやるがらだぜえええええええええ!!!」 あっさりと信じたれいむが俺に殺意を叩きつけてくる。 弁解しても火に油を注ぐだけだろう。 仕方なしに、運び出そうとケージに手を突っ込んだら、思いっきり右手に噛みついてきた。 痛くもないが、急に引き抜いたら歯を折らせてしまいそうなので、慎重に運びだしてやる。 「じね!!じね!!じね!!ゆっぐりごろじのごみぐじゅはじねえええええ!!!!」 床に下ろされた途端、すさまじい剣幕で体当たりを繰り返してくるれいむ。 適当にやられたふりでうずくまる俺を見て、まりさとありす共はけたけた笑っていた。 「ころちぇ!!ころちぇ!!」 「れいみゅのいもうちょをころちちゃごみくじゅはゆっくりちないでちにぇ!!」 「おきゃーしゃん、かちゃきをとっちぇにぇ!!」 子れいむ共がガラスケースの中でわめいている。 しばらくの間黙ってやられていたが、やがてまりさが言った。 「ゆっ、れいむ!そこまでにしとくんだぜ!! このどれいにはまだまだはたらいてもわらなければならないんだぜ。 ころすんじゃないのぜ!!」 「ゆはぁーっ、ゆはぁーっ……」 全身を上下させて息を整えてからようやくれいむが答える。 「こんなどれいはもういらないよ!かわりをつれてくるよ!! こいつはここでしまつするんだよ!!」 「あら、そんなにあっさりころしてきがすむのかしら?」 ありすが口をはさんでくる。 「かわいいおちびちゃんをなんびきもころしたにんげんを、ひとおもいにころすなんてやさしいのね」 「ゆっ!?」 「しぬまでゆっくりくるしめたほうがえれがんとにたのしめるんじゃないかしら?」 「……そうだね!!」 憎いありすに同意するのは不本意だろうが、俺への憎しみが勝ったようだ。 れいむは俺に向きなおって宣言した。 「おまえはいっしょうゆるさないよ!! これからずっとゆっくりさせないよ!!ゆっくりくるしんでいってね!!」 その日から、苛めは制裁に変わり、制裁はやがて虐待になっていった。 れいむの憎悪はすさまじかった。 その日からすっきりもせず、 子れいむ共ともども、すべての生活と意欲を俺への虐めに注ぎ込んだ。 「ごみくずはどげざをしてね!! いいというまであたまをあげないでね!!」 理由もなしにいきなり土下座を強要され、いつまでも続けさせられた。 「れいむたちのうんうんをじっくりみててね!!めをそらさないでね!!」 正座させられ、れいむ親子が一列になってうんうんをひり出す様を見せつけられた。 「れいむたちのうんうんをかたづけてね!! どうぐはつかっちゃだめだよ!!ぜんぶきれいにたべてね!!」 床のうんうんやしーしーを綺麗になるまで舐め取らされた。 「ひまなんだったらかべさんにあたまをうちつけててね!!」 えんえんと壁に頭突きをさせられた。 さすがに演技で、本気ではやらなかったが、それでも相当苦痛だった。 「くそじじいはうごいちゃだめだよ!!」 仰向けに寝転んで動かぬよう強要され、 れいむ共に上で跳ねまわられしーしーをかけられた。 「なにおへやにはいろうとしてるの?ばかなの?ほんもののばかなの? おまえのへやなんかもうないよ!!ごみくずはゆっくりしないでね!!」 押入れに逃げ込むことも許されず、一日中部屋の中を追い立てられた。 「だれがごはんをたべていいっていったのぉ!?くそじじいはいっしょうたべなくていいんだよ!! それをだしてね!!む~しゃむ~しゃ、しあわせぇ~!!」 部屋の中では食事ができなくなった。 れいむの執拗な攻撃にまりさ共とありす共も喝采して、 右にならえで俺への虐めを強化した。 俺の無様な姿を目の当たりにして、由美はさすがに狼狽していた。 これまでさんざん見下され馬鹿にされてきたが、 これほどの虐めは想定していなかったのだろう。俺だってしていなかった。 「あの、れいむちゃん、許してあげて?」 「おねえさんはだまっててね!! ゆっくりごろしにかけるなさけはないんだよ!!」 「ゆ、ゆっくり殺し?」 俺のほうを見る由美に向かって、俺は慌てて言った。 「いや、なんでもないんだ。ちょっと勘違いしているだけなんだよ」 嘘でもあるし、事実でもあった。 「なにがかんちがいなのおおおぉぉぉ!!?」 れいむが体当たりを浴びせてくる。 「なにがちがうのぉぉ!?いってみてね!!ゆっくりごろし!!」 本来なら俺のほうを信じてくれるはずの由美が、 今までにないれいむの剣幕にうろたえている。 そんな彼女に向って、大丈夫だという笑顔のサインを向けてやる。 こいつらの子殺しに加担していたということはどうしても伏せておきたかった。 由美を泣かせたくはなかったし、 ゆっくりの子を次々死なせていたという事実が愛護派の長浜氏に知られると大変だ。 「ゆふぅ~ん……つがいのにんげんにはしられたくないらしいわね」 ありすが無駄な鋭さを見せ、俺の弱点を読み取った。 その日はなんとかごまかせたが、 ゆっくり同士で密談が行われ、翌日からそのカードをいちいちちらつかせられるようになった。 「あのことをしられたくないんでしょ?さっさとよういしなさい!!」 「やりたくないならしなくてもいいんだよ! おねえさんにかわりにやってもらおうね!!」 「まりささまはくちがかるいのぜ!! ききわけよくしてないといつくちがすべるかわからないのぜぇ!?」 俺が誰をかばってやっていると思っているのか。 そして現在に至る。 こんな地獄を、俺は二か月以上自分の部屋で耐え忍んできた。 甘やかされ飽食しきったゆっくり共は、 三匹の親ゆっくりが直径50cm、十匹の子ゆっくり共が直径30cm程度に膨れていた。 昼は虐められ続けた。 寝る暇も食べる暇もなく、通学をはじめとした外出だけが俺の休息だった。 勉強なんてとてもじゃないがやっている時間はない。 夜はまりさとありすの子殺しパーティーに加担させられ、日々赤ゆっくり殺しの片棒をかつがされた。 れいむはもう子供を作っておらず、この宴に関わっていない。 自分でも自分の忍耐力にあきれる。 何度投げ出そうと思ったか、何度殺しそうになったか、何度死にたくなったか。 それでも、由美。 由美だけが俺の支えだった。 長浜氏に認めてもらい、由美と一緒になる。 それだけを思い描き、来る日も来る日も耐え続けた。 あんないい女、どこを探したっていない。 俺があの子と付き合っているなんて、何度考え直しても夢としか思えないような話だった。 ゆっくり狂いについては機会をみつけておいおい話し合うとしても。 そして今、ついに、その地獄から解放されるときが訪れた。 ある件のために、計画の中止が長浜氏から言い渡されたのだった。 由美が妊娠したのだ。 俺の子だ。 続く
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4551.html
※最初で最後のゆっくり虐待に挑戦中です。 ※どくそ長いです。 ※うんうん、まむまむ描写あり。 ※標的は全員ゲスです。 ※虐待レベルはベリーハードを目指します。 ※以上をご了承頂ける方のみどうぞ。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 『永遠のゆっくり』20 「ゆー水はいらないのか?」 「多分ね。 ご存じのとおり、ゆっくりは思い込みの生き物だからさ。 何か月もかけて人間はゆっくりできると刷り込んだから、 もうゆー水の香水がなくても、人間でゆっくりするはずだよ。 でも、一応少し振りかけとこうか。はい、シュッシュッと」 「うん。ああ……もういい」 「わかってると思うけど、一応念を押させてね。 これはもう圭一さん個人の制裁じゃないんだから、 感情にまかせて潰したりしちゃだめだよ」 「ああ」 「なんでこんな目に合ってるのか、 きちんと理解させるのが大事だからね。 筋道の通ったやりかたでお願いね」 「わかってる。大丈夫だよ」 一日目 俺の目の前では、 涙と涎をまき散らし、床に顔面をこすりつけて尻を振りながら、 十三匹のゆっくりが必死に詫び、許しを乞うていた。 「ごべんなざい!!ごべんなざい!!ごべんなざい!!ごべんなざい!!」 「ゆるじでぐだざい!!でいぶだぢがわるがっだでず!!おにいざん!!ゆぅああああーーっ」 「あでぃずばみにぐいいながものでずううううぅぅ!! あでぃずをおじおぎじでぐだざい!!づぐなわぜでぐだざいいいいいいい!!」 「おねえざんをっ!!あがぢゃんをっ!!ばりざだぢは!!ばりざだぢはあああああああ!!」 無様だった。 どうしようもないほど増長していたあの十三匹が、 今こうして、人間の足元にひれ伏し、本心からの悔悟を示し、謝罪を重ねている。 ゆっくり用の宗教を作り、人間を尊敬させる。 馬鹿らしい手法だとは思ったが(今でもそう思うが)、 この様子を見て、須藤春奈博士の手腕に舌を巻く思いだった。 子供ならではの乱暴な発想力が、 ゆっくりという存在にぴったり合ったのかもしれない。 こいつらが悔悟しようとどうだろうと、 俺個人としてはもはやどうでもいい。 土下座をしながら這い寄ってくるゆっくり共を蹴散らすと、 俺は部屋のテーブルにつき、テーブルの上にあった新聞を取り上げて読みはじめた。 長い間ゆっくり共は大声でわめき、詫び続けていたが、 俺が新聞に目を落としたまままったく反応しないのに気づき、 おずおずと近づいてきた。 「お、おにいさん………?」 無視する。 「れ、れいむたちがわるかったです…… おにいさん………ごめんなさい………?」 一匹の子れいむが這い寄ってきて俺の側面に回り込み、 新聞に目を落としていた俺の視界にもぐり込んできた。 足を上げ、その顔面に蹴りをつき込む。 「ゆぎゃべぇっ!!」 「ゆっ!!!」 子れいむの顔面がひしゃげ、床を転がっていく。 他のゆっくり共がびくんと身をすくませ、怯えた目を向けてきた。 「喋るな。ゴミクズ共」 新聞に目を落としたままでそう言ってやると、 ゆっくり共はぷるぷる震えながら、はらはらと落涙しはじめた。 つくづくウザい。 初日は、一日中ゆっくり共を無視しつづけた。 俺の怒りに触れることを恐れながら、 それでも救いを求めて、 ゆっくり共はおずおずと俺に近付き、謝罪の言葉をつぶやいてくる。 それらをすべて無視した。 廊下や床の行く手に立ちはだかり、何事か言ってくることもあったが、 完全に無視し、蹴散らし、踏み越えていった。 「おにいさん!!まりさたちはあびゅっ!!」 「あゅうぎゅううっ!!ぎいでっ!!ぎいでぐだざいいいいい!!!」 夜になり、俺が眠る頃には、 十三匹はぼろぼろと涙をこぼしながら、遠巻きに俺を見つめるだけになっていた。 四日目 三日間、俺はゆっくり共を無視しつづけた。 これまで口を聞いたのは、最初の「喋るな」と言った一度だけだ。 ゆっくり共は哀れっぽい、すがるような目を向けてくる。 俺は部屋の中で新聞や本を読み、書類仕事をし、食事をするが、 ゆっくり共には一切目もくれない。 その日、一匹の子ありすが言ってきた。 「……おにいさん…………」 俺は答えない。 「ありすたちに、おしおきをしてください…………」 「…………」 「おしおきをして、つみをつぐなわせてください……… ありすたちは、ありすたちは…… にんげんさんにゆっくりしてもらえるようになりたいんです……」 「無駄だよ」 そこでようやく、俺は口を聞いてやった。 前に出ていた子ありす、そして遠巻きに見守っていたゆっくり共がばっと顔を上げる。 「人を殺すようなゆっくりに、 今更罰なんか与えたって無駄だろ。 人間に奉仕する?本気で言ってるのか? お前らにできるわけがないだろうが」 「できっ!!できます!!ほんとうです!!」 「にんげんさんにゆっくりしてほしいんですうう!!」 やっと口を聞いてくれた俺に、ゆっくり共がすがりついて叫ぶ。 その顔面に蹴りをくれ、俺は吐き捨てた。 「ぎゅべぇっ!!」 「嘘をつくんじゃないよ。 お前らが人間をゆっくりさせたいなんて思うわけがない。 人間を騙そうとしたってそうはいかないんだよ」 「ぼんどうでずううぅぅ!!じんじでぐだざいいいいぃぃぃ!!」 「ばんぜいじばじだ!!ばりざだぢがわるがっだでず!! ごみぐずをみぢびいでぼじいんでずうううぅぅ!!」 言いすがるゆっくり共の前を横切り、 俺は居間の壁際にあった大画面のテレビのスイッチを入れた。 『ゆっ!!ごみくじゅがこっちをみちぇるよ!!』 『こっちみりゅな!!くちょどりぇい!!』 『くちょどりぇいにはきゃわいいれいみゅたちはもっちゃいにゃいよ!!』 『ばぁ~きゃ!!ばぁ~きゃ!!』 「ゆあ………あぁぁ……!」 ゆっくり共が大口をあけて狼狽している。 あの「しんっぱんっ」の時に流したビデオだ。 俺と由美に対する侮辱と苛め、そしてあの殺人までがドキュメンタリーで記録されている。 「ごべんなざいっ!!ごべんなざい!!おにいざん!!」 「あんなぐぢをぎいでずびばぜんでじだぁぁ!!ゆぐじでぐだざいいいいい」 また必死に詫びようとしてくるゆっくり共を放っておき、 俺はビデオを早送りさせた。 『なにばかなこといってるのおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!??』 かつて自分が発した絶叫に、親れいむがすくみ上がった。 『ゆっくりとにんげんさんはちがうでしょおおおおおぉぉぉぉ!!?』 『うん、そりゃぁ、違うよ』 『ぜんっぜんちがううううううううううううううぅぅぅぅ!!! おまえらがじぶんのこどもをころされたからって!! ゆっくりのあかちゃんをころしていいわけないでしょおおおおおおおおおおおぉぉぉぉ!!? なんでっ!!そんなことが!!わからないんだあああああああああぁぁぁぁーーーーーーーーーーっ』 『…………』 『おまえらのあかちゃんが!!さんびきころされても!! もっといっぱいころされても!!もっともっといっぱいころされても!! ゆっくりのおちびちゃんひとりだってころしちゃいけないんだよおおおおぉぉぉぉぉ!!! なんでわからないの!?ぜんっぜんちがうでしょ!? ひとりのゆっくりのおちびちゃんは、にんげんさんのこどもがなんびきあつまったよりゆっくりできるんだよおおおぉぉぉぉ!!』 『……………同感だな。一部を逆にすれば』 『にんげんさんなんかにっ!!いいこととわるいことのくべつがつくわけないでしょおおおぉぉ!! にんげんさんがゆっくりをおしおきしていいわけないんだよおおぉぉお!!ゆっくりりかいしてねえぇぇぇ!!!』 「ゆぁがっ!あっ!あっ!あぎゅうああああーーーーっ!!」 狼狽しきった親れいむが面白い声を上げていた。 あの時の問答は、すべて録画されていた。 「しんっぱんっ」(このネーミングはなんとかならなかったのだろうか)の際には流さなかったが、 先ほどのドキュメンタリーの仕上げとして、この時の映像がビデオに収録されている。 『にんげんさんなんかとくらべるなあああああぁぁぁ!!! なんでゆっくりとにんげんさんをくらべるなんてはっそうができるのおおおおおぉぉぉぉ!? にんげんさんよりしたのいきものなんかどこにもいないんだよおおおぉぉ!!!』 『あらら、ずいぶん嫌われてるね。 じゃあ、鳥さんは?犬さんは?魚さんは?』 『とりさんもいぬさんもさかなさんも!ゆっくりよりしただよおぉ!! くだらないしつもんをするなぁぁ!!!』 『この世界の生き物みーんな、ゆっくりより下なの? ゆっくりが一番偉いの?』 『そんなこともしらなかったのおおおおおおおぉぉぉぉ!!? ばか!!ばか!!くそばかぁぁぁ!! こんなにあたまがゆっくりできないいきものが、 ゆっくりとおなじことばをつかうなんてはずかしくないのおおおぉぉぉ!!? もうしゃべるな!!にどとしゃべるなああぁぁぁ!!!』 『ゆっ♪ゆっ♪ゆっ♪ゆっ♪』 『ゆっくり♪ゆっくり♪』 人間を徹底的に見下し侮蔑する、かつての親れいむ。 それに賛同して嬉しげに飛び跳ねる家族。 現在の十三匹が、テレビの前で狂ったように身悶えして叫んでいた。 「ちがっ!!ごべっ!!ごべんなざいいいいいいい!! あんなぐぢをぎいでごべんなざいいいいいいいいい!! ゆっぐりでず!!ぐぞばがは!!ごみぐずは!!ゆっぐりのぼうでずうううぅぅ!! おにいざん!!おにいいざあああん!! にんげんざんをばがにじでごべんなざああああいいいいいいいーーーーーーーーっ」 「いいかげんにしろよ。人を騙そうとしやがって。 ゆっくりが一番偉いんだろ? 他の生き物をゆっくりさせてるから偉いんだろ。 せかせかしてる人間はみっともないんだろう」 「ぢがいばず!!ぢがいばずううぅぅぅ!! でいぶは!!でいぶはなにもじらながっだんでず!! でいぶがばがでじだ!!ゆっぐりでぎばぜんでじだ!!ぼうじわげありばぜんでじだあああーーーっ!!!」 このテレビはつけっ放しにしておく。 ビデオは自動的にループ再生されるしくみになっている。 毎日、このゆっくり共は、 かつての自分の悪行と思い上がりを再確認させられることになる。 「お前らは信用できない。 信用できるわけがないだろ?俺はお前らに子供を殺されたんだぞ」 「ゆぅうううううう!!あゅううううううーーーーーっ」 「口先だけならなんとでも言える。 お前らが本当にゆっくりできるというんなら、行動で示してみろ」 「ゆっ、あ、ゆぐっ」 「部屋の中のものは好きに使っていい。勝手にやれ。 そして俺の命令には絶対服従だ。 ゆっくりできないゆっくりとして捨てられたいなら別だけどな」 「ゆっ…………ゆっぐじわがりばじだ!!」 「あじがどうございばずうううぅぅぅ!!!」 自分たちは人間さんを心から敬い、奉仕する。 それを証明するための、ゆっくり共の無様な努力が始まった。 五日目 「おにいさん!」 部屋から出ようとしている俺の足元で、ゆっくり共が跳ねていた。 「きょうのごはんさんはなにがたべたいですか?」 「……牛丼」 「ゆっくりわかりました!!」 「きをつけていってらっしゃいませ!!」 そのまま俺は外出した。 外出といっても、映像室に移り、カメラを通してこの部屋の様子をチェックするだけである。 「俺がいない時間」を定期的に作り、その間の様子を観察することも重要だ。 春奈博士や使用人と一緒に観察する中で、 ゆっくり共は部屋の棚や冷蔵庫から食材をあさり始めていた。 もともとゆっくりの調教のためにしつらえられたこの部屋の家具は、 おおむねゆっくりでも使えるように、登るための足場やひらがなの説明書が備え付けられている。 説明書と、かつてビデオで見たゆっくりが奉仕する映像を頼りに、 ゆっくり共は苦労しながら食材を揃え、調理しはじめた。 といっても、インスタントの牛丼をレンジで温め、炊飯器で炊いた飯の上に載せるだけだが、 こいつらにとっては重労働だろう。 さんざん苦労して作り上げた牛丼を取り囲み、頬笑みを交わすゆっくり共。 互いに頬をすり合わせ、目を細めて呟く。 「ゆっくりできたよ……」 「これならおにいさんもゆっくりしてくれるね……」 「ゆっくりしてほしいね………がんばったよ……」 ゆっくり共の目元には涙さえ浮かんでいた。 俺が部屋に戻ると、ゆっくり共が跳ねてきて叫んだ。 「おにいさん、ゆっくりおかえりなさい!!」 「おつかれさまでした!!」 「ごはんさんをよういしておきました!!ぎゅうど」 部屋の真ん中に置かれた丼を、俺は脚で蹴飛ばした。 「片付けろ」 呆然としているゆっくり共を無視し、 俺ははテーブルについて、弁当屋の牛丼を食べはじめる。 こいつらが作った牛丼を食うなどとは一言も言っていない。 ゆっくり共はしばらくの間、俺が食べている姿を見つめていたが、 やがてうつむき、ぽたぽたと涙を床に落とした。 「早くしろ」 俺に命じられ、ゆっくり共は黙々と床にこぼれた牛丼を片づけ始めた。 七日目 「ゆびゃああああ!!びゅえええええぇぇーーっ!!」 「ごみくずはゆっくりくるしんでね!!もっとくるしんでね!!」 「いぢゃい!!いぢゃい!!いぢゃいぢゃいぢゃああああ!!!」 「やびぇ、おぎゃあしゃ、やびぇでっ!!いやぢゃあああぁぁ!!」 目の前で繰り広げられているのは、ゆっくり共の我が子への虐待だった。 生まれて間もない赤ゆっくり共が、母親に苛められて泣き叫ぶ。 「ゆっくりつぶれてね!!」 「ゆびゅう!!ぶびゅううううぅぅ!!」 背中側からローラーのようにじわじわと押し潰され、ぱんぱんに膨らんで黒ずむ赤まりさ。 「まだまだだよ!!もっとねじろうね!!」 「いやぢゃあああ!!ぼうおうぢがえりゅううう!!」 二匹の子れいむに両側から頬を噛まれ、雑巾絞りのようにねじられてわめいている赤ありす。 「ゆっくりしないでね!!ゆっくりしないでね!!ゆっくりしね!!ゆっくりしね!!」 「ゆわぁああああああん!!ゆわあああああああぁぁーーーーーーっ!!!」 壁際に追い詰められ、母親にえんえんと言葉責めを受けて泣き叫ぶ赤れいむ。 ゆっくり共は昨晩のうちに互いにすっきりをし、 頭に生えた茎に生った赤ゆっくり共に、俺から渡された成長促進剤を吹きかけた。 すぐに生まれ落ちた赤ゆっくり共の生まれて初めての「ゆっきゅちしちぇいっちぇね!!」は、 挨拶ではなく虐待で応えられた。 全員が赤ゆっくり共をいじめ抜きながら、一匹も殺されることはない。 ゆっくりに関する知識を教団で学んだ十三匹は、 ゆっくりが苦しむほどに甘くなることを知っており、 赤ゆっくりを旨くするための作業にいそしんでいた。 「やべちぇよおおぉぉぉ!!おきゃあしゃああああん!! れいみゅがかわいきゅにゃいのおおぉぉぉ!? ゆっくちさせちぇよおおぉぉぉ!!」 「おまえみたいなごみくずがかわいいわけないでしょおおおぉぉ!!? かわいくないくせにゆっくりさせてもらえるなんておもわないでね!! おまえみたいなおもいあがったごみくずがにんげんさんにめいわくをかけるんだよぉ!!!」 「ゆびゃあああああ!!!」 特に、れいむ種の虐待は執拗で、作業にしては情念がこもっていた。 かつてあれほど我が子を守ろうとしていたれいむ共が、 今は心底我が子を憎み、苦しめようとしている。 子供たちに、かつての自分を投影しているのだろうか。 赤ゆっくり共をかつての思い上がった自分たちに見立てて、 過去の過ちを払拭したがっているように思えた。 さんざんにいじめ抜かれてほぼ死ぬ寸前の赤ゆっくり共がかき集められ、 皿に盛られて俺の前に差し出された。 「おにいさん……。 くずまんじゅうです……ゆっくりおめしあがりください」 おずおずと頭を下げるゆっくり共。 俺は一匹の赤れいむをつまみ上げて眺めた。 「……………ゆ………………ゆぅ…………」 赤れいむはぼろぼろにひび割れて餡子を滲ませていたが、 絶え間なく流れ続けている涙が光る筋を表面に走らせている。 赤ゆっくりは生まれる直前まで、 生まれ落ちて家族でゆっくりする事を夢に見てそれを楽しみに眠っているという説がある。 それが本当なら、生まれた直後に虐待された苦痛は想像を絶するものだろう。 口に入れ、一気に噛みつぶす。 「ゅぎゅ」 おそろしく濃厚な甘味が口の中に広がる。 甘すぎる。一口で胸焼けがした。まるで砂糖袋をまるごと口に放り込んだようだ。 しかし、俺は次のように言い渡す。 「甘くないよ」 「!!ゆっくりごべんなざい!!」 皿をひっくり返し、赤ゆっくり共を掴んで親共に叩きつける。 「よく手が抜けるな。俺を馬鹿にしてるのか?」 「じでばぜん!!ばがにじでばぜええええんん!!」 「さぼって適当やりやがって。なまけてるのがわからないと思ってるのか」 「ゆぐっ、ぢがいばず!!いっじょうげんべいやりばじだ!! ごれいじょうやっだらじんでじばいばず!!」 「口答えか。偉いもんだな」 口答えをした親まりさの頭に大皿を叩きつける。 親まりさの頭部がひしゃげ、皿は粉々に割れた。 「ずび、ずびばぜん………でじだあぁぁ……」 「自分の子供だから手を抜いたんだろ? 赤ちゃんは可愛いもんな。人間なんかよりずっとゆっくりできるもんな?」 「でぎばぜん!!ゆっぐりでぎばぜん!! ごみぐずのあがぢゃんなんでゆっぐりでぎばぜええん!!」 「別にいいんだぞ。 俺を無視して、赤ちゃんを可愛がって家族でゆっくりしたらどうだ?」 「ゆあああああぁぁぁ!! にんげんざああん!!おでがいじばず!! みずでないでぐだざい!!ばりざをみずでないでぐだざい!! いっじょうげんべいがんばりばずがらあああああぁぁ!!!」 その顔面をしたたかに蹴りつけ、俺は吐き捨てた。 「掃除しとけ。次はもっと甘くしろ」 「ばいいいぃぃ……… ごしどう……あじがどうごじゃいばじだああぁ」 「あじがどうございばじだ……!!」 ゆっくり共はすすり泣きながら、残された数十匹の赤ゆっくり共を食べはじめた。 九日目 「あごぇっ!!ゆごっ!!おっ!!おごっおっおっ」 俺は便所の掃除をしている。 手にしているのはバスケットボール大の子ありすだ。 子ありすの口の中に手を突っ込み、舌の付け根を握りこみながら、 子ありすの髪の毛を便器の中にごしごしとこすり付ける。 「意外と落ちるじゃないか」 「あぎょえええ!!ゆごべえええぇぇぇ!!」 ありす共が、掃除をしたと言って便所を見せてきた。 もともと清潔な部屋なので、汚れているといってもたかが知れている。 しかし、俺はありす共に向かって言ってやった。 「きったないなあ。本当に掃除したのかよ」 「ゆゆっ!?しました!!ほんとうにそうじしたんです!! ありすたちはがんばってっ」 「黙れよ」 そう言い、俺は子ありすの口を持ち上げた。 便器にこすりつけられ、子ありすの髪の毛は少しずつ抜け、溶けていく。 絶叫する子ありす。 もっと便器が汚れていれば、子ありすの髪は茶色く悪臭を放つようになっただろう。 さんざんこすってから、子ありすを解放した。 少量のカスタードを吐き出し、びくんびくんと痙攣する子ありすの髪は、 三分の一ほどが削れてなくなっていた。 「掃除はこうやるんだ。覚えとけ」 「はいいいぃぃ!!ごしどうありがとうございました!!」 光景を見守っていたありす共が涙目で叫ぶ。 その日から、ゆっくり共は自分の髪をあちこちにこすりつけて掃除をするようになった。 もちろん、そんなもので綺麗になるわけはないが、 苦痛のほうは充分な効果をあげているようだった。 十三日目 「びゅぅ!!」 べちゃりという気持のいい音を立てて、子れいむが壁に叩きつけられる。 一瞬だけ壁に張り付いていたが、そのままずるずるとずり落ち、床にうつぶせになった。 「来い」 「………ゆぅ……ゆぶひぃぃ………ば、ばいいいぃぃ………!」 がくがくがくと震えながら、子れいむはやっとのことで起き上がる。 全身に黒ずんだ打撲傷を作り、歯をほとんど叩き折られた子れいむは、 それでも、餡子の筋を床にこぼしながら、必死にこちらに向かって這いずってきた。 「ゆびぃ………ゆびぃ………ゆびぃ………ゆびぃ………」 俺の目の前まで来ると、うなだれたままぶるぶるぶるぶる震えている。 いつまでも震えているので促す。 「顔を上げろ」 「ばいいぃ………」 涙に濡れ恐怖にゆがんだ顔が引き上げられた。 その目の前に、ゴルフクラブを突き付ける。 「ゆびいいいぃぃぃ………ゆぅひいいぃぃぃぃぃ…………!!」 クラブから目をそらすことは許していない。 子れいむはがたがたがたがた震え、歯をがちがち噛み合わせながら、 これから自分の顔面に叩きつけられることになるクラブのヘッドが、 タイミングを計って近づいたり遠ざかったりするのを見つめなければならない。 すでに何度も繰り返された動作だが、その度に失禁でしーしーが床を濡らす。 フルスイング。 「ばびぇえ!!」 丁度しーしー道のあたりにクリーンヒットし、子れいむはまた壁に叩きつけられた。 床にずり落ち、びくびくと痙攣する子れいむに、俺はまた促した。 「来い」 「ゆうぅぅう………ゆぅうぐううう………!!」 子れいむは泣き、震え、再び立ち上がり、 自分を打ちすえるゴルフクラブの元に自ら這いずっていかなければならない。 他の十二匹は、全員が目に涙を浮かべてその光景を見つめていた。 抗議の声をあげるものは一匹もいなかった。 「やっぱり思ったほど面白くないな」 十何発も打ちすえたあと、 俺はぼろぼろになって横たわる子れいむにゴルフクラブを投げつけ、後片付けを命じた。 「あじ、あじ………あじがど、ごじゃ……ばじだ……」 顔中がぼこぼこに腫れ上がった子れいむが、ほとんど歯の抜け落ちた口で何ごとか呟いていた。 別のゆっくりがが備え付けの救急箱を運んできて、 小麦粉をオレンジジュースで溶いたどろりとした溶液を、 刷毛で子れいむの表面にに塗り込みはじめた。 (後編へ)
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/835.html
この作品は以下のものを含みます。 ゆっくり対ゆっくりの構図 虐待でも愛ででもないそれは全く新しい(ry)お兄さん ドスまりさ ゆっくり改造 この作品は以下のものを含みません。 人間によるゆっくりの虐待・虐殺 愛で ギャグ ↓それでもよろしければ、お進みください。 復讐のゆっくりまりさ(前) ざあざあざあざあざあざあざあざあざあざあざあざあざあざあざあざあざあざあざあざあざあ。 降りしきる雨粒と雨音は、まるでまりさを迎える死神の歌声だった。 ああ──自分は死ぬんだ。 まりさは、ゆっくりらしくあまり上等な頭の出来はしていないが、それでもそのことだけははっきりと理解した。 頭の中を走馬灯が駆け巡る。 ゆっくりしていたあの懐かしき日々。友と遊び、ご飯を食べ、それだけで満ち足りていた。 何よりも、幼い頃からとても仲の良かった、一匹のれいむ。その姿は何より輝かしくまりさの人生を照らしている。 ──決して手の届かない太陽のように 「ゆへ、ゆへへへへへ」 土砂降りの雨に包まれているというのに、笑い声はどこまでも乾いていた。 曇天の空に光はない。このまま泥のように、自分は死んでいくのだろうと、まりさは思う。 だから、せめて、最期くらいは。思い出の中で笑いながら── 「…………ゆ?」 突然、雨の音が消えた。 帽子のつばから覗く視界に、いつの間にか、人間の足があった。 おずおずと顔を上げると、一人の男が無表情にまりさを見下ろしている。 「生きたいか?」 男はそう言った。 まりさはしばらくその意味を理解できながったが、やがて理解すると、自嘲気味に笑い出した。 「ゆへへ……もう、いいよ。まりさはここでしんでいくのがおにあいのごみくずなんだよ」 瞳に希望の色はない。ただ諦観と悲哀だけがまりさを満たす全てだ。 だが次の男の言葉は、まりさにとって思いがけないものだった。 「勝ちたいか?」 「──?」 ただそれだけでは意味の通らないようなその言葉は、しかし、清水となってまりさの中に染み渡っていく。 「勝ちたいか?」 重ねて、男は訊いた。 勝ちたいか。何にだ。──決まっている。倒したい相手、憎い相手は確かにいる。 でも、勝てはしない。強さが違いすぎる。そしてこの厳しい自然の中では、強い者こそ正しいのだ。 だから弱い自分は間違っていて、ここでこうして死ぬのが似合いだ。 だが── 「勝ちたいか?」 勝ちたくないはずなど、ない。 「……ちたい」 「聞こえないな。どうしたいって?」 「かちたい……!」 「聞こえない、と言っている。お前の気持ちはそんなものか?」 まりさは、強く身を震わせ、 「か゛ち゛た゛い゛ッッッッッ!!!!!」 「──よく言った」 男はまりさを抱き上げた。 「なら、俺がお前を強くしてやる。どんなゆっくりよりも、どのゆっくりよりも、強くだ」 温かい腕と、力強い言葉を与えられ、まりさの意識は遠のいていった。 「強い目をしているな。……いや、強くなるものの目だ」 だがそこに暗闇に落ちていく恐怖はなく、ただ真綿に包まれるような安らぎがあったように思う。 「……ゆ?」 まりさが次に目を覚ましたとき、そこは森の中ではなかった。 何もかもが見慣れないものばかりの、四角い閉ざされた空間。 まりさはその中心に寝かされていた。 「起きたか?」 とそこに、男が入ってくる。まりさは一瞬警戒したが、その男が自分を助けてくれたことを思い出すと、すぐに礼を述べた。 「おにーさん! たすけてくれてありがとう!」 「おう、中々礼儀のできたやつだ。まぁ気にするな。俺が勝手にやったことだからな。それよりも──」 男はまりさの前にどっかと腰を下ろすと、まりさの瞳を見透かすように目を細めた。 その目を、まりさは少し怖いと思った。 「──まりさ、お前は、勝ちたいんだな」 「……そうだよ」 搾り出すように、まりさは返した。 そう、勝ちたい。その思いは確かに、冷たく澱んだものしかなかったまりさの精神で、小さいながらも確かに光を放っていた。 「まりさは、かちたいんだ」 ふむ、と男は顎を撫でた。 「なら、まず聞かせてくれないか。お前が勝ちたい相手と、その理由を」 まりさは、あるゆっくりの群れの長の息子だった。 聡明で強い成体まりさの子として、自らも将来は皆のリーダーとなるべく日々を生きてきた。 実際、既にまりさのリーダー性は発揮されつつあった。群れの若いゆっくりのまとめ役として、充分な働きをしていたのだ。 ゆくゆくは、その同年代のゆっくり達が成長したとき、それをまとめあげる存在に、まりさはなる予定だった。 両親も、群れの皆も、勿論まりさ自身もそれを確信していた。 だが── ある日のことだ。群れに3メートルはあろうかというドスまりさが現れた。 精々が30センチ、大きくても50センチ程度のゆっくり達にとって、ドスまりさはまさに天を衝くような大きさだった。 ドスまりさは、土砂崩れで自分の群れの仲間を喪い、旅をしていたのだという。 そうして立ち寄ったのが、まりさのいる群れだったのだ。 ドスまりさは数日滞在しただけで立ち去るつもりだったのだが、それをまりさの父が引き止めた。 『どす! せっかくだからまりさのむれでゆっくりしていってね!』 『ううん、そんなことをしたらまりさたちに悪いよ。わたしは旅をつづけるよ』 『そんなこといわないでね! もしよかったら、まりさのあとのりーだーになってね!』 それを聞いて色を喪ったのはまりさだった。 何故なら、次のリーダーには自分が内定していたはずなのだ。 だというのに皆、そのことを忘れてしまったかのようにドスまりさを支持した。 唯一、あの愛しいれいむだけは何も言わず、まりさを悲しそうに見ていたが、それだけだ。 結局ドスまりさは群れに留まることを決め、まりさの父はその日のうちに引退宣言を出した。 群れはドスまりさを中心にして、再構築されていった。 ……自分を差し置いてリーダーになったドスまりさを、まりさは快く思わなかった。 しかし一方でこれほどリーダーにふさわしい者もいないと分かっていた。 実際、ドスのお陰で群れの食糧事情は格段に良くなったし、ドスが授けてくれた知識は狩り以外の局面でも役に立つものばかりだ。 そうして群れが繁栄していくのなら、まりさとしても、不満を言い出すような筋合いはなかったのである。 だがやがて、まりさはドスの行動に違和感を見出し始めた。 ドスは普段は深い洞窟の奥に住んでいるが、そこに他のゆっくりを招き入れ始めた。 入っていったゆっくりは、ひどいときには一週間以上姿を現さなかった。 しかも出てきたときには身体はやつれ、だというのに目はきらきらと輝いていたのだ。 『むっきゅん、だいじょうぶよ。どすはぱちゅりーたちにいろんなことをおしえてくれているの』 友人のぱちゅりーはそう言ったが、今にも倒れてしまいそうだった。 日に日に洞窟の中に入っていくゆっくりの数は増えていく。 その中には──自分が愛したれいむもいた。 ある夜、まりさはドスまりさの家に忍び込んだ。 洞窟の中は外からは考えられないほど広く、そこかしこに小部屋があった。 部屋のいくつかには人間の文字で色々書かれていたが、まりさにそれらは読めなかった。 そしてやがて、一つの部屋に辿り着く。 その部屋には、ドスの体格と同じほどはあろうかという量の食料が集められていた。 ──ドスが皆に命じて食料を集めさせていたのは知っている。 もし何らかの事情で餌が取れなくなったときのため、あらかじめ保管しておくというのが言い分だった。 実際、何週間も雨が降り続いたときは、ドスは溜めておいた食料を皆に分け与え、飢える心配をなくした。 だがここに集められている量は、そのときの倍以上はある。 まさかドスはこれを独り占めしているのでは──まりさはそう思いつつ、別の部屋を見て回った。 石がたくさん集めてある部屋。木がたくさん集めてある部屋。そして、葉っぱが敷き詰められている部屋──そこで、まりさはドスを見つけた。 そこはドスの寝床だったのだ。だがそこにいたのはドスだけではなかった。 (れいむ……!) まりさが愛したれいむは、ドスに寄り添うように眠っていた。 それだけならまだいい。れいむは全身傷だらけだった。何かゆっくりできないことがあったのは明白だった。 まりさの視線は、ドスに向いた。 ドスの力は、まりさも認めている。そのドスの近くで、れいむが傷を負うようなことなどないはずだ。 だとしたら、何故れいむは怪我をしているのか。もしかしてその傷の原因は──ドスまりさ自身ではないのか。 まりさの頭の中を、やつれたぱちゅりーや仲間達の姿が駆け巡っていく。 あのときのぱちゅりーの目の光は、明らかに異常だった。本当に大丈夫だったのか? ドスが無理矢理従わせているのではないのか? いや、ドスは『ゆっくり光線』なるものを持っているという。まさかそれによって、無理矢理ゆっくりさせられているのでは──? 次々と疑念が膨らんでいく中、眠るれいむが身じろぎをした。 『まりさ……』 寝言で紡がれた言葉は、とても悲しそうに聞こえた。 その声を聴いた瞬間、まりさの中で一つの事実が確定した。 このドスまりさは、良いドスまりさなんかじゃない。 まりさ達を騙している、悪いドスまりさ──いや、ドスまりさですらないのだ! まりさはドスの家を飛び出すと、夜が明けるなり、群れの皆に主張した。 あのドスまりさは偽物だ。まりさ達を騙して、搾取するつもりでいるんだ。 当然、群れの皆は反発した。だがまりさは諦めずに主張を繰り返した。 あんなになってしまったれいむを、一分たりとも放っておくことはできない。 少しでもいい、仲間ができてくれれば、その仲間と一緒に虐げられているゆっくり達を救い出すのだ。 ──だが結局、まりさの言葉を聞いてくれるゆっくりは一匹もいなかった。 最後には、まりさは父親の手で群れから追い出された。 『ざんねんだよ! おまえはどすの、いちばんのたすけになってくれるとおもってたのに! ゆっくりできないおまえはもうまりさのこどもなんかじゃないよ! ゆっくりでていってね!』 そして皆から石もて追われ、まりさは独りきりになった。 群れから追い出された辛さよりも、ドスに騙された皆を救えなかった自分の無力さに腹が立った。 何日も森をさまよい続け、やがて怒りの後に来たのは、諦め。 そしてまりさは、あの雨の中、静かに朽ちていく──はずだった。 全てを語り終える頃には、まりさの身体はすっかり乾いていた。 「そうか」 男は頷き、それだけを口にした。 慰めや励ましなど一切なかった。ただ、確認するようにまりさに問うた。 「お前は強くなりたいんだな? 強くなって、ドスを倒し、群れの皆を救いたいと、そう言うんだな」 「そうだよ!」 まりさの心は、今や炎のように燃え盛っていた。 回想するうちに、一度は忘れていた怒りに再び火がついていた。 「まりさはどすにかちたいよ! そしてみんなをたすけるよ!」 「そうか……だが本当にいいんだな? 俺はお前を強くするが……その結果、お前は二度とゆっくりできないゆっくりになるかもしれんぞ」 「ゆっ……! そ、それでもいいよ! まりさはぜったいどすにかつんだから! だからおにーさん、まりさをつよいゆっくりにしてね!」 「…………」 男はしばし、まりさの目をじっと見つめていた。 三十秒だろうか、一分だろうか。それとももっと長い時間だろうか。 それでもまりさは目を逸らすことなく、強い思いを込めて男の瞳を見つめ続けた。 やがて男は力強く頷き、言った。 「……分かった。いいだろう。俺がお前を強くしてやる。ドスに勝てるゆっくりにしてやる」 男はまりさを抱え上げ、そして部屋を出た。 その日のうちに、まりさは三本の注射を打たれた。 一つは餡子増強剤。ゆっくりは餡子の量や密度によって知能が上がるというのは周知の事実だ。この薬物は餡子の密度を高めるものである。 一つは繁殖抑制剤。万が一発情期のありすに襲われても大丈夫なように、生殖能力を立つ。要は去勢だ。 また去勢することにより、エネルギーを他のことに回せるという利点もある。 一つは皮硬化剤。饅頭であるゆっくりの皮を、弾力性に富んだ硬いものに作り変える。 いくら強い力を得たところで、中身の餡子を喪えばそれでゆっくりは同じだからだ。 「…………! …………!」 三つの薬品が自分の身体を作り変えていく感覚に、まりさは悶え苦しんだ。声も出せぬ痛みが全身を襲う。 まるで死んだほうがましなような痛みの中、 「ドスまりさを倒すんだろう?」 「────!」 男の声が、まりさの気力を復活せしめた。 そうだ、こんなことでへたばってどうする。あのドスを倒し、群れの皆を救う使命が自分にはあるのだ。 まりさは歯を食いしばり、痛みに耐え続けた。 三日後、ようやくにしてまりさは痛みから生還した。飲まず喰わずだったせいで、その身体はやつれきっている。 「食事だ」 「ゆ! いただきまー……!」 そう言ってまりさの目の前に出されたのは──縦に潰された、ゆっくりの屍骸だった。 「お、おにーざん! ごれ……!」 「喰え」 「ゆ゛!?」 男は冷たく言い放つ。 「喰え。そのゆっくりを喰って、その餡子を自分のものにするんだ」 「で、でもっ」 「いいから喰え。言っておくが、今後一切食事はゆっくりしか出さん。飢えるのが嫌なら、喰え」 そうだった。自分は三日も何も食べていないのだ。ここで食べなければ、本当に死んでしまう。 だが──いいのか。同族殺しは最大の禁忌であり、それを食することも同様だ。 既に死んでいて、他のゆっくりも見ていないとはいえ、その禁忌を犯してもいいのか。 「何をためらうことがある。言ったはずだ、お前はもうゆっくりできないゆっくりになるかもしれないと。 それに、ゆっくりであるドスに復讐するお前が──同じゆっくり程度喰らえなくて、どうするというんだ?」 「ゆぅ……」 確かに、ドスに勝つのは生半な覚悟では無理だろう。そのために力をつけなくてはいけないというのは分かる。 そのために、このゆっくりの屍骸を食べねばならないというのも分かる。 だがその一線を、まりさは中々越えられないでいた。 男は仕方なさそうに溜息をついた。 「良心が咎めてるのかもしれんが、一つだけ言っておくぞ。 そのゆっくりは、人間の畑に忍び込んで、野菜を盗んだゆっくりだ。俺が捕まえて殺して、今そこにいる」 「ゆ……なら、このゆっくりは、わるいゆっくりなの?」 餡子増強剤によって知能の高まったまりさは、男の言葉の意味を正確に理解できた。 「そうだ。どんな事情があれ、他人のものを不正に奪うのは悪いことだ。 それはお前が一番知っていると思うがな」 男に言われ、まりさは目を見開いた。 他人から奪った食べ物を、自分勝手に扱う──それはあの洞窟で見た、ドスまりさの姿そのものだ。 まりさには、目の前の屍骸がドスまりさと同じものに見えてきた。めらめらと、心が暗黒の炎で沸き立っていく。 「──ゆっくりしね!」 がぶり、と大口を空けて、その顔だったと思しき部位に食らいついた。 そしてそのままがつがつと、一時も休まずゆっくりを胃の腑に納めていく。 甘いはずだが、味はしなかった。ただ憤怒の熱だけが舌を焦がしていく。 その様子を見て、男は一つ頷くと、部屋を出て行った。 翌日から、まりさの本格的なトレーニングが始まった。 平均台を渡らされたり、高さの違う台を乗り継いだり、飛んでくる石を避けたり様々だ。 硬化剤を注入されたまりさは、強い弾力が生まれた身体を上手く動かせなかったが、 「三日で自在に動かせるようにしろ。でなきゃ死ぬぞ」 その言葉通り、三日目からは全てのトレーニングに死の罠が設置された。 平均台の下には鋭い棘が並び、台は動き出して外側にはやはり棘がある。飛んでくるのは石の変わりに鉄球だった。 まりさは、その訓練を必死でこなした。クリアできなければ死ぬ。死への恐怖がまりさを突き動かす。 だが訓練は日に日に厳しくなり、一度ならず、まりさは生を諦めかけた。 その度に男の檄が飛んだ。 「そんなことでどうする。お前はそれでいいのか。ドスを殺すんじゃなかったのか。 ドスの魔の手から、皆を救うんじゃなかったのか」 その言葉がまりさにいつも勇気を与えてくれた。 そうだ。自分がここにいるのは、ドスを倒すため。お兄さんは、そんな自分に付き合ってくれている。 一刻も早く強くならなければならない。こうしている間にも、ドスは皆から搾取を繰り返しているだろう。 友は無事だろうか。 パチュリーは生きているだろうか。 愛するれいむは、笑えているだろうか。 「れいむ、れいむ……!」 記憶の中で鮮やかに輝くれいむの笑顔が、まりさに無限の活力を与えてくれる。 そして今日も、より厳しい訓練に取り組んでいくのだ。 二週間が過ぎた。 食事の方法にも変化があった。最初のほうはゆっくりの屍骸だったが、やがて生きたゆっくりが与えられるようになった。 どれも男が村を襲いに来たのを捕まえたものばかりだった。 始めは足を焼かれたれいむやまりさからだった。生きているゆっくりをそのまま食べるのは気が引けて、殺してから、数度に分けて喰った。 足を焼かれていないゆっくりを相手にしたときは、幾度となく傷を負った。 発情したありすは、嫌悪感から即座に噛み殺してしまった。その勢いのまま全て口の中に納めていった。 足の焼かれていないゆっくりの中でも、巨大なまりさは特に手強く、そして一番憎い敵でもあった。 「あのゆっくりは、他のゆっくりを働かせて搾取していたらしいな。お前が言うドスと一緒だ」 そう男から聞いたとき、まりさから一切の情けの心が消えたのだ。 激しい死闘の末、まりさは巨大まりさを内側から食い殺し、そして一日をかけて全て消化した。 一ヶ月が過ぎた。 この頃から、まりさはただ身体を動かすだけでなく、戦うための知識や道具の使い方を教え込まれた。 自分より大きな敵を相手にしたときの立ち回り方や、ゆっくりの弱点。 また一対一のみならず、大多数の敵を相手にした場合の対処法まで。 それだけではない。れみりゃやふらんといった凶暴な捕食種を想定した戦闘技術の伝授も行われた。 そしてその日学んだことを活かさせるかのように、『食事』が与えられていく。 やがてまりさは、胴付きのれみりゃやふらんでさえ物ともしないだけの戦闘力を身につけるに至る。 道具──武器については、ゆっくりはその体格のため、一度に一つずつしか使うことができない。その辺りも踏まえての訓練が行われた。 「落とした武器を拾おうと思うな。お前が身体を下に向けるのは、相手にとって最大のチャンスだ。 武器は基本的に使い捨てるものだと憶えろ。最後に残るのは、お前の身体一つだ」 その日は、その言葉通りの訓練が行われた。 まりさに与えられたのは、数本の、重石のついた竹の棒だけ。 敵はそれと同数の、飢えたゆっくり。 まりさは一本一本を的確にそのゆっくり達に突き刺し、重石の重みで自由を奪ってから仕留めていく。 途中、二本の棒を落としたが、男の助言に従いまりさはそれを拾わず、自らの身体能力だけで勝利を収めた。 そのような戦い=食事を幾度となく繰り返した。 絶対的不利な条件下からの逆転を求められ、それに応えた。 全ては、そう、ドスに勝つためだけに。 強く根付いた復讐心だけが、まりさを動かす全てだった。 一ヶ月と二週間が過ぎた。 この頃から、再度、まりさ自身の身体に手が加えられ始めた。 一日ごとに薄めた硬化剤を塗りつけ、ありとあらゆる薬物投与が行われた。 その苦しみたるや、最初の三日間の比ではなかった。 だがそれは、まりさがドスまりさに勝つために、必要な措置であったのだ。 ドスの『ゆっくり光線』や幻覚を見せる能力は、戦いに利用すればこの上なく危険な代物である。 まりさはそれを無効化する必要があった。そのための改造だった。 しかし、それはまりさが真にゆっくりできなくなることと同義だ。 『ゆっくり光線』を浴びてもゆっくりしないということは、その者の肉体と精神に、『ゆっくりする』という概念が存在しないということだ。 まりさが薬物によって与えられたのは、『痛み』だった。 内側から餡子を責め立てるような痛みが、常にまりさには満ちていた。 その痛みがある限り、まりさはゆっくりすることがない。 まともに動くことも、眠ることすらできないほどの痛みを受け、しかし男はそれ以外のスケジュールに一切の変更を加えなかった。 戦う相手は日ごとに強くなっていき、殺して喰らわねば明日を生きる命(しかく)はない。 「──お前はここで終わるのか?」 胴付きふらん五匹と相討ち同然の死闘を繰り広げたまりさに、男は声をかける。 まりさは答える気力すらない。 「これがお前の望んだ結末か?」 「ゆ゛ぅ……」 「お前がもうゆっくりしたいと言うなら、俺は止めはしない。楽に殺してやろう。 だが、お前はそれで良かったのか? 何故お前はここにいるんだ?」 ああ、それは、もちろん。 「ドスまりさを、殺すためだろう?」 そうだ。 「ドスまりさから、皆を救い出すのだろう?」 そうだ。 「愛する友や、家族たちに、再びゆっくりしてもらいたいんだろう?」 そうだ! 「──いい目だ。 立て。そして喰え。お前が生き延びるため、そして、仲間の明日を護るために」 「ゆ゛、ゆ゛ぅぅぅぅ」 まりさは、激痛の走る身体を動かして、ふらんの屍体に齧りついた。 自分ひとりの痛みなど、それがなんだというのだ。 今頃仲間達は、ドスに騙されていることにも気づかぬまま、ゆっくりと死の道を歩き続けているというのに。 その自覚なき苦しみに比べたら、この程度の痛みで弱音を吐いている暇などない! 「ゆ゛っ、まりざは、がづんだ……どずをごろじで、みんなを、れいぶを、だずげるんだ……!」 うわ言のように、しかしゆっくりとしては考えられないほどの強固な意志で、まりさは言う。 そこに溢れる漆黒の殺意を感じ、男は満足げに頷いて、部屋を出た。 あとにはまりさがふらんを咀嚼する音だけが響いている。 ある日、まりさは初めて男の家から出された。 「お兄さん、どこにつれていく気なの?」 まりさが来て、もう二ヶ月近く。この頃にはまりさは人間同様の明朗な発音が出来るようになり、また痛みに苛まれる様子もなくなった。 だが痛みは消えたわけではなく、今もまりさと共にある。ただそれに慣れ、寝食を共にすることを可能としただけだ。 その事実を示すかのように、まりさの目には、最早かつてのような奔放な輝きは宿らない。 復讐の業火で灼かれ、苦痛の鎚で叩かれた、刃の如き鋭さを湛えていた。 男はある大きな柵の中で立ち止まった。 「……!」 そこには、大小さまざまなゆっくりが掻き集められていた。 大きいものから小さいものまで。まだ赤子のゆっくりもいる。その数は百は下らないだろう。 「こいつらは昨日、群れ丸ごとで村を襲いに来たやつらだ。大規模な罠仕掛けて一網打尽にはしたが、反省する様子はない」 ゆっくり達は男に興味などないように、必死に柵に対して突進を繰り返している。 仲間と励まし合うもの、お互いに責任を押し付けあうもの、泣き叫ぶ子と、それをあやす親、気にせずゆっくりしているもの。 そこには様々なゆっくりの様々な在り方があり、それにまりさは、かつていた群れを思い出した。 復讐の炎が、ほんの僅か、ゆらぐ。 まりさの心を悟ったかのように、男は続けた。 「これだけの数が丸ごと押し寄せてきたんだ。何か、並々ならぬ事情があったんだろうさ。 だとしても俺ら人間にとって、許す理由にはならないが──お前にとっては、どうだろうな」 「ゆ……」 まりさがたじろいだのは、これだけの数を前にしたからではない。 もっと心の奥底の、どこかに置いてきたものが、まりさに訴えかけてきたのだ。 「まりさ、これを咥えろ」 男が差し出したものを、まりさは反射的に口で受け取る。 それは、工具のノミだった。 戸惑うまりさをよそに、男はまりさを柵の中に放り込んだ。 「「「「ゆゆっ!? ゆっくりしていってね!!」」」」 いきなり放り込まれた同族にゆっくり達は驚いたようだったが、すぐにお決まりの言葉を返した。 だがまりさは何も返せなかった。ひとたび『武器』を咥えた口は貝のように閉じ、それを落とすことを許さなかった。 「まりさ、そいつらを全員殺せ」 男は、まりさにだけ聞こえる声で言った。 「ゆっ!? でも……!」 振り返り、思わず抗議しようとするまりさに男は取り合わず、今度は他のゆっくり達を向く。 「おい、お前ら、よく聞け!」 「「「「「「「ゆゆゆ!!!???」」」」」」」 そして、思いもかけぬ言葉を発した。 「このまりさを殺したら、お前ら全員解放してやる! 餌もたっぷりやるぞ! どうだ!?」 「「「「「「「「ゆ゛!!!!????」」」」」」」」 驚きの声は、まりさからも発せられていた。 「お、お兄さん! どうしてそんなことを──!」 「「「「「「「ゆっくりしんでいってね!!!!!!!」」」」」」」 まりさの声は、後ろから叩きつけられた数多の殺意に押しつぶされた。 (ああ────) 何かが急激に冷めていくのを、まりさは自覚した。 さっきまで、励まし合っていたゆっくりが、責め合っていたゆっくりが、泣き叫んでいたゆっくりが。 親が、子が。良いゆっくりが、悪いゆっくりが。れいむがまりさがありすがぱちゅりーが。 百二十一匹のゆっくりの群れが。 今はその全ての意志を、まりさ一匹を殺すために向けている── 「殺せ」 男は見もせず、まりさに言った。 背後からはゆっくりの跳ねる音が、波濤となって押し寄せてくる。 まりさは振り向いた。 そして、一方的な虐殺が始まった。 あとがき 虐待でも愛ででもない、全く新しいジャンルを生み出そうとして、試行錯誤した結果がこれだよ! 書いてる途中でいつのまにか40KB越えてたんで分割しました。しかもまだ途中です。 文章が無駄に長くなってしまうのは自分の悪い習性ですね…… 簡潔かつ効果的に感情をゆさぶれる他の書き手さんたちが羨ましいです。 続きは近いうちに。 今までに書いたもの ゆっくり実験室 ゆっくり実験室・十面鬼編 ゆっくり焼き土下座(前) ゆっくり焼き土下座(中) ゆっくり焼き土下座(後) シムゆっくりちゅーとりある シムゆっくり仕様書 ゆっくりしていってね! ゆっくりマウンテン 続き このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3643.html
『真冬のゆっくり対策 2』 「そこ掘ってください」 「堀作るだけでも違うかね?」 「この幅でしたら小型のゆっくりは飛び越えられないでしょう。ただまりさ種は帽子で渡るかもしれません」 「これ以上の幅だとこっちが落ちるときがあるかもしれないな」 「無いよりマシですよ。他に柵とか壁も作りますから」 「加工所から職員がやってきましたよ。ビニールハウスとかいうものを持ってきたそうです」 「なんですかね。新しい箱でしょうか?今行きます」 「さ~てどこにいるのかなあ?」 虐待お兄ちゃんは山の奥へ入っていく。途中ゆっくりの死骸や巣を壊され泣きながら修復作業をしているゆっくりを見かけた。 他の人達もまずは地面に巣を作るタイプから潰しているようだ。 「ゆんしょ!…ゆうううう!!!さぶいいいい!!!」 「まりさあ…ゆっくりしないでね!おちびちゃんたちがさむがってるよ」 「でいぶもてつだってよお…ゆ!!おにいさん!!まりさのおうちをなおすのてつだってほしいんだぜえ!!」 「れいむに手伝ってもらえよ」 「だめだよ!れいむはおちびちゃんのめんどうをみるんだよ!!」 「仕方ねえな。ほれ、まりさじっとしてろ」 「ゆうう…ゆっくりしないでね…」 「よっと…」 彼はシャベルを振り上げた。 「それ!」 「ゆぎゃああああああ!!!!!!!」 「ばりざあああ!!!!どぼじでぞんなごどずるのおおおお!!!!」 彼はシャベルでまりさの中身を穿り出した。 「ゆぎゃがががぎゃぎゃあがやああああ!!!!!」」 「やべでえええ!!!ばりざのながみがあああ!!!!」 「れいむ、奥に入ってな」 「ばりざああ!!!!ばりざああ!!!」 奥に行かないれいむをほっといてまりさだった皮を巣に入れ餡子で穴をふさいだ。 「じゃあ俺は行くよ」 「おにいいざあん!!!!まっでええ!!!!」 「ゆ?なんだかあまあまさんのにおいがするよ!」 「あみゃあみゃしゃあ~んまりしゃにたべりゃりぇてね!」 「なにじでるのおおおお!!!!それはまりさだよおおお!!!たべじゃだめだよおおおお!!!!!」 「さて…どういった所を巣にしているのかな」 ゆっくりが一番住み易い巣は洞窟である。入り口が水平であるため雨水が浸入しにくく天井が壊れにくいからだ。 といっても洞窟がたくさんあるわけではない。大抵は斜面に穴を掘って巣を作っている。 「丁度これくらいの角度がいいよなあ」 山道沿いの斜面を見て彼は言う。急斜面だと巣に帰るのが大変になってしまう。そのため緩やかな斜面に巣を作るのだ。 「しかし雪で真っ白だな。これじゃ分からん…なんだこれ?」 丸くて小さな穴が斜面に向かっている。 「まさかゆっくりの足跡?」 注意深く見てないと見落とすところであった。足跡は斜面の途中で途絶えていた。 「どれどれ…あ、あった。」 彼は雪を掻き分け石や藁が詰まっている穴を見つけた。入り口だろう。 巣の中- 「ゆううう…さむかったよ!」 「まりさ、なんでおそとにでたの?おそとはあぶないっていったでしょ!」 「おかあさんまりさをしからないであげて」 「まりしゃおねえしゃん!ゆっくちちてね!」 「ゆっゆっゆ…いもうとたちにぷれぜんとがあるんだぜ!」 子まりさは帽子の中から雪を取り出した。 「まっちろしゃんだ!まっちろしゃん!!」 「ゆきさんをとりにいってたの?」 「そうなんだぜ!いもうとたちがまっしろさんにさわりたいっていうからもってきたんだぜ!」 「なんてとかいはなまりさなの!ゆうかんだわあ」 「まっちろしゃんちゅべちゃい!!」 「おねえしゃんありがちょー」 「さむいいい!!!!おかあさんすりすりい」 「す~りす~り。ゆっくりしていってね!」 「ごはんのじかんなんだねー。みんなきてねー」 この巣には数組の家族が住んでいるようだ。 「ゆ!いりぐちからへんなおとがするんだぜ!」 「ゆっくりできないね!みんなゆっくりしないでおくにはいってね!」 「しょくどうにいこうね!ごはんたべながらかくれようね」 食堂は巣の奥にあった。最悪天敵に入り口を壊されても食糧のある部屋まで逃げれば天敵も諦めるだろうし食糧を取られずに済む。 「ああ…巣だわ。しかし奥が深くて見えないや…。ゆっくりしていってね!!!」 「「ゆ…ゆっくりしていってね!」」 微かに返事が返ってきた。相当奥に隠れているようだ。 「どうしよっかなあ…わざわざシャベルで巣ごと壊すのも面倒だなあ」 彼は悩んでいた。 「ゆううう…きょわいよお…」 「だいじょうぶだよ!しょくどうまでにげればとどかいないよ!」 「このおうちはれみりゃもはいってこれなかったんだよ!だからしんぱいしないでね」 このままであればゆっくりの知恵が勝っていただろう。しかし世の中そう甘くは無かった。 「よう兄ちゃん、そんなところで突っ立ってどうした?」 「どうも。いやゆっくりの巣を見つけたんですが奥に逃げられましてね」 「ああ、わざわざ巣をぶっ壊すのも面倒なんだろ」 「はい」 「じゃあこれ使いな」 男は2つの丸いものを取り出した。 「何ですかこれ?」 「煙幕だよ。でもただの煙幕じゃないぞ。唐辛子とタマネギエキスが入った特製だ」 「うわあ…効果ありそうですね」 「奥が深いなら2つ入れれば届くさ。俺はこの先で駆除するからこれで失礼するよ」 「ありがとうございます」 男は去っていった。彼もゆっくり駆除を手伝いに来た人なのだろう。 「じゃあ早速入れますか」 虐待お兄ちゃんはライターで煙幕に火をつけ巣の中に入れた。そしてすぐ穴を雪で塞いだ。 「ゆゆ!いりぐちがくらくなったよ!」 「やったね!あきらめてかえってくれたよ!!」 「きょれでごはんをゆっきゅりたべりゃれるね!!」 ゆっくり達はご飯を食べ始めた。 「「「むーしゃむーしゃ…しあわせえ♪」」」 「「ちあわちぇえ♪」」 いつも通りの平和な食事だ。貯蓄された食糧は充分にある。春まで余裕で暮らせるだろう。 「ま…まりさ!はるになったらいっぱいこどもうんでゆっくりしようね!」 「れいむ!こんなところではずかしいんだぜ…」 数分後 「ゆげえええええ!!!!!」 「きゃりゃいよおおお!!!!ゆべえええええ!!!」 「おめめがじみるよお!!!!!ゆぎいいいい!!!!」 「げほっ!げほっ!!!!ゆぎゃあああ!!!!!ゆぎぇえええええ!!!!」 天国から一気に地獄になった。小さいゆっくりから餡子を吐き出し巣の中はパニックだ。 「まりさのおちびちゃんがあああ!!!!ゆぎぇえええ!!!」 「でいぶう!!!じっがりじd…ぎゃあああ!!!おべべが!!おべべがああ!!!!」 「ゆっぐりできなよおおお!!!!わがらないよおおおお!!!!!!」 「ごんなのどがいはじゃないわあ!!!ぎゅうううぎゃあ!!!!」 「むぎゅ…ぎっどごれはどぐよ!!ぎゅううう!!!」 「ばじゅりいいい!!!じっがりじでええ!!!!げほっ!ぎいいい!!!」 「だれが…どぐをそどにすでで……むぶうううう…」 数匹のゆっくりが入り口に向かった。途中で餡子を吐き出し息絶えるゆっくりもでた。 「ごのばるいのが…ぎいい!!!…いげないんだね…ゆぎゅううう!!」 ちなみにゆっくりは手足がないため物を運ぶ時は大抵口の中に入れるか口に咥える。 「む!!!…ゆぎゃああびゃああああああ!!!!!!」 煙幕を口の中に入れたまりさは煙幕を吐きながら餡子も外に出してしまった。 「むうう!!!!むううう!!!!」 こちらのまりさは息を止め体で煙幕を押していた。 「もしかして全滅したのかな」 虐待お兄ちゃんが煙幕を入れてから十数分が経った。 「お、何か出てくるぞ」 雪が盛り上がりまりさが顔を出した。 「むううううう…ゆふうっゆふううううう…ゆうううううう…」 「わざわざ返してくれなくてもいいのに」 「どぼじでえ…ごんなごどじだのおお…あがじゃんも…おぢびじゃんも…でいぶも…じんじゃっだよお…」 「さあてね。なあ、煙幕は2つ入れたんだぞ。あと1つはどうした?」 「ぞ…ぞんなあ…なんでごうなるのおお……」 「ほれ、行った逝った」 「やべでえええ…おざないでええ…」 まりさは巣の中に戻されてしまった。 「これも持ってけ」 「ぜっがくだじだのにい…」 外に落ちた煙幕を巣の中に入れなおした。失意のあまりまりさも死んでしまった。 「これでここは駆除できたかな……うわっ!!これはキツイ。俺でも死ねるわ」 彼は穴の中を覗き煙幕を嗅いでしまった。 「げほっ!げほっ!これならもう死んでるわ。げほっ!」 咳き込みながら山道を登っていった。 「ふう…落ち着いた…。アレ結構キツイな。俺も量産してみるかな」 ふと道から外れたところを見ると大きな黒い帽子が動いていた。 「え、ドスまりさ?」 彼はその帽子を追った。 「う~ん…あ、違う人間だ」 帽子はとある女性が被っていた。 「こんにちは」 「あら、手伝いに来てる人かしら?こんにちは」 「その帽子は?」 「これ?ちょっと前に小さめのドスから取ったものよ。ちょっとぶかぶかね」 「なんでそんなものを?」 「私の記憶が正しければこの近くに洞窟があるのよ。警戒されずに中に入るためね」 「昔この辺りに暮らしてたんですか?」 「ええ。今日数年ぶりにここに戻ってきたわ」 「そうですか。洞窟は大きめなんですか?」 「そろそろ着くわ…。あ、あれよあれ」 少し先に洞窟があった。かなり大きい。 「これは…かなり広そうですね」 「あなたも中に入る?とりあえずれいむのリボンもあるわ。手に結び付けとけば大丈夫よ」 「そういう話よく聞きますね。本当に見分けがつかないんですかねえ」 「まあ付けてみてみればわかるわよ」 彼らは洞窟の中へ入っていった。 「ほお…これは…すごい」 「こんなに大きかったかしら?百匹はいるわね」 洞窟の中は予想以上に広かった。壁には多数の穴が掘ってあり中からゆっくりの声がする。 「ゆゆ!すっごいおおきなれいむとまりさだね!ゆっくりしていってね!!」 「こんなおおきなれいむみたことないよ!」 「もしかしてどすなの?」 「どすだよね!れいむたちをゆっくりさせてくれるためにここにきたんだね!」 「ね、気付いてないでしょ」 「本当なんですね…これが餡子脳か。で、一体ここをどうするつもりなんですか?」 「まあ見ててくださいな。…ねえれいむ、この巣の中をドスに案内してくれないかしら?」 「いいよ!みんなー!!どすがきたよ!!このむれにもどすがきてくれたんだよー!!!!」 壁から出るわ出るわその数数百匹。リーダーであろう大きいありすがやってきた。 「なんてとかいはなどすなのかしら!!よこにいるれいむもおおきくてりっぱだわあ」 「貴方がここのリーダーね。この巣を案内してくれないかしら?」 「いいわ!みんな!ドスとれいむに挨拶してね」 「「「「「ゆっくりしていってね!!」」」」」 「「「「「ゆっきゅりしちぇいっちぇね!!」」」」」 「ゆっくりしていってね!」 「はは…ゆっくりしていってね…」 壁に掘ってある穴は百ヶ所はあるだろう。寝床だけでなく赤ゆっくりを育てるスペースや出産するスペースまである。 「冬篭り中なのににんっしんしているゆっくりがいるね。食糧は大丈夫なの?」 「ゆっへっへ。だいじょうぶなのだぜ!!」 「しょくどうにあんないするわ!!みてびっくりしないでね!」 食堂とされる大き目の穴は大人が屈めば入れるくらいの大きさだった。中にはたくさんの野菜や果物、虫の死骸や草花などがぎっしり詰まっていた。 「この野菜は?」 「はたけさんからもってきたんだぜ!にんげんはずるいんだぜ!!おやさいさんをひとりじめするなんてずるいんだぜ!」 「この果物は?」 「にんげんのおうちからもってきたわ!いなかものがたべるよりとかいはなわたしたちがたべるべきよ!」 「(これは…)」 「(ええ。こいつらね。荒らしているのは。一思いに殺してあげようかと思ったけど苦しませて駆除した方がいいわね)」 「(…………言うねこの子)」 「どす!まりさたちはすごいんだぜ!!これならあかちゃんだってそだてられるんだぜ!」 「ふうん…ねえまりさ、野菜はどうやって大きくなるか分かってる?」 「しってるんだぜ!おやさいさんはかってにはえてくるんだぜ!」 「へえ…そうなの。ちょっとドスはれいむと話したいことがあるから外に出るわね」 「おそとはさむいよ!ゆっくりしないでかえってきてね!」 「ええ…。……ちょっと来て」 「あいよ」 「さて、どうやって苦しめますかね?案とかありますか?」 「ここがまだマシな方だったら洞窟に油撒いて火攻めにしようと思ったんだけどね」 「油どこにあるんですか?」 「さっき出会った所に置いてあるわ。赤ポリタンクよ」 「準備いいですね」 「火攻めだったら一瞬で終わるんだけど…。そうね、貴方は何か考えてる?」 「何か持ってきてますか?俺が持ってきてるモノだと……」 「それはいいわね。私が持ってきてるのは………」 果たしてどのようにして苦しめるのであろうか?彼らの話し合いは続く。 つづく by 虐待おにいちゃん