約 1,001,302 件
https://w.atwiki.jp/fairdol/pages/1011.html
→わくわく職業体験イベントに戻る NPCキャラクター台詞 ※表情は全て(喜)です。 キャラクター ステージ名 台詞 ココア所長 張り切って参りましょう! それじゃあ皆、今日は頑張って!後で様子を見に行くかもしれないから、その時はよろしくね? 警察官のお手伝い!! キャビンアテンダント補佐 締め切り前の修羅場 次は漫画家さんのお手伝いって聞いてたけど、誰でも良いからって…漫画家さんって忙しいんだね ナースなお仕事 昼食タイム♪ やっと分かってもらえた…びっくりしたなぁ。次はカフェだっけ。ちゃんと皆の写真を撮らないとね カフェにて ふふ。皆、接客上手だなぁ。接客業って難しいから心配だったけど、これなら安心だね 私がアイドル!? ドリ☆フェス お仕事って大変!! ロビン 張り切って参りましょう! ロビンもみなしゃんと一緒にお仕事するでしゅー! 警察官のお手伝い!! ぴっぴっぴー!!通る時は右と左をよく確認して歩いてくだしゃーい! キャビンアテンダント補佐 チキンのお客しゃ……ってあれ?さっきの飛行機って、まだお手伝いのフェアドルしゃんが乗ってたような… 締め切り前の修羅場 漫画家しゃん、ホワイト終わったのでしゅー!!印刷所は12時まででしゅ、頑張るのでしゅー!! ナースなお仕事 ほえ?さっきしょちょーの声が聞こえたような…気のせいでしゅかね? 昼食タイム♪ しょちょーとかミケしゃんとか、みなしゃんがお仕事してる時に写真を撮ったりしてるのでしゅ!でも一体どこにいるんでしゅかね? カフェにて チーズデミグラスオムライスと、ミネストローネと、か、か、カラマリリプエニのおきゃ…じゃない、これはまだでしゅー!! 私がアイドル!? ドリ☆フェス こねこね…出来たのでしゅ!しょちょーの顔のパンなのでしゅ!!結構うまく出来たのでしゅ♪えへへ… お仕事って大変!! かるめ 張り切って参りましょう! 今日は職業体験の日!!よーし、頑張るよー! 警察官のお手伝い!! 病院はこの角を曲がってー、ガーッと進んでぐいって右に曲がるんですよー!それで次の細い路地をすうっと進んで行くと… キャビンアテンダント補佐 空港の中って大きいよねー!ちょっとでもキャビンアテンダントさんから目を離したら、迷っちゃい……あれ? 締め切り前の修羅場 ひぃ~!漫画家さんって大変だよー!!っていうか、何でギリギリまでげんこーやってなかったのー!? ナースなお仕事 ほ、包帯がからまっちゃったよー!助けて恭子ー!! 昼食タイム♪ おおおお…このお店は天国だよ…!お芋のゴージャスプレート、これにしますっ!! カフェにて いらっしゃいませー♪何名様ですか?…二名様ですね!お席にご案内しまーす!! 私がアイドル!? えっ!?アイドル?!えっと…副業って大丈夫だったっけ…? ドリ☆フェス みんなー!!今日はアタシのスペシャルライヴに来てくれてありがとー♪今日は楽しんで行ってねー!! お仕事って大変!! ふぅ…波乱万丈な一日だったよ!でもこういう日も悪くないね、恭子!! ジュリア 張り切って参りましょう! 張り切ってドジ踏まないでよね、かるめ 警察官のお手伝い!! ちょっと、何で泣くのよ…お母さんならきっとすぐに来るから、その、泣かないでよ? キャビンアテンダント補佐 ……あら?さっきまで後ろにかるめが居たはずなんだけど…まさか迷ったりしてないわよね…? 締め切り前の修羅場 かるめっ!口を動かしてる暇があったら手を動かす!!あーもうっ!猫の手も借りたい状況とは正にこの事よ! ナースなお仕事 昼食タイム♪ それにしても…大きなカフェよね、ここ。やっぱり評判のカフェだけあるわね… カフェにて ようこそ闇の館へ…じゃない、フェアリーカフェへ。席まで案内するわ。ついて来て頂戴 私がアイドル!? ドリ☆フェス ここに集められた魔術師の血統たちよ…今宵の晩餐を楽しみなさいッ!!ビシィッ! お仕事って大変!! ミケ 張り切って参りましょう! 警察官のお手伝い!! さっそくジュリアが迷子の子をなだめてるにゃ…シャッターチャンスにゃ! キャビンアテンダント補佐 にゃにゃ?何か寝てたら…空の上にゃ!? 締め切り前の修羅場 ……この部屋にはいったら、問答無用でお手伝いにされそうな気がするにゃ… ナースなお仕事 病院内は…このシラスの作った特殊カメラで撮影するにゃ。許可は取ってるけど、やっぱり何か気が咎めるにゃー 昼食タイム♪ にゃぐもぐ…このササミのソテー定食、良い味にゃ。評判だけじゃなく、味も一流なのにゃ♪ カフェにて 私がアイドル!? 何にゃ、このポスター…『ダークアイドルジュリア、天然ポテトアイドルかるめ』?…他人の空似かにゃ? ドリ☆フェス くんくん…良い匂いのするパン屋なのにゃ♪にゃ!!あそこに居るのは妖精っ子…て、店内では抑えるのにゃ…! お仕事って大変!! あちこち走り回って疲れたのにゃー。写真をシラスの所に持ってくのにゃ! タイプ毎のイベント会話内容 ※タイプ追加される以前のイベントは、表はありますが会話内容はありません。 妖精 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 びぎなー 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 おてんば 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 生意気 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 ツンデレ 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 泣き虫 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 ボーイッシュ 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 クール 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 おっとり 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 甘えん坊 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 天使 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 悪魔 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 姫様 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 戦士 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 コスモ 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 ヤンデレ 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 コメント 名前 コメント すべてのコメントを見る (c)Ambition
https://w.atwiki.jp/buttobasour/pages/69.html
秋山蓮【CV:松田悟志】(仮面ライダーナイト・クラブオルフェノク) (※同一のセリフを各項目で聞く場合、耳にする頻度の高い項目にそのセリフを置き、同一のセリフを同ページ内に重複して書くことがないようにして下さい) 長くなってしまった項目は、場合によって折りたたむなどの措置をお願い致します。 タイトル ブットバソウルの世界へようこそ! 説明 スキャン バトル チャンスタイム プレイ終了後 特定のキャラに対する反応 汎用セリフ シチュエーション不明 その他・小ネタ等 別ページにあるクロスオーバー コメント欄 [部分編集] タイトル タイトルコール「仮面ライダーブットバソウル! ……城戸。お前が最後に信じるものを見つけたように、俺にも信じるものはある。ライダーの一人として」 「仮面ライダーブットバソウル。お前はライダーをやるには甘過ぎる。戦い続けることだけが、神崎士郎へ近づく道だ」 プレイ開始「いらっしゃいませ。……かしこまりました」 「戦わなければ生き残れない!」 [部分編集] ブットバソウルの世界へようこそ! 自分について「俺は秋山蓮。」 ブットバソウルについて「ブットバソウル……何なんだこの世界は」 「全員ライダーか。お前達を全員倒せば、大当たりになると言うことだな。まとめて相手をしてやる、かかってこい!」 「(上記の発言に対しツッコミが入って)なに? そう言う世界じゃないのか?」 このシーンのみのセリフ「騒がしい奴が多すぎる」 「お前とは、マトモに話ができそうだ」 「(マトモに話ができなかった)……そうでもなかったか」 説明 ゲームシステムの説明 フルボトルの効果「次はボトルか。いろいろあるな」 各キャンペーンの説明「キャンペーンのことも忘れるな」 ゲーム開始 説明を飛ばした際のコメント「せっかちな奴だ。後で後悔しても知らないぞ」 [部分編集] スキャン スキャン全般「メダルスキャンだ」 エントリーメダル「新しいメダルを一枚スキャンしろ」 「攻略メダルでエントリー成功だ」 エナジーアイテム「次はエナジーアイテムのスキャンだ」 フルボトル「最後だ、フルボトルをスキャンしろ」 バトル 敵の登場 各ボスへの名指しのセリフはこちらへ移動しています。 ルーレット「マークボーナスルーレットだ」 ギャレン乱入「橘…。何故見ている。橘、本当に裏切ったのか?」 バトル開始「チーム決定だ。まあ、いいんじゃないか」 カットイン「戦わなければ生き残れない!」(ナイト) 「よし、決めろ」 「これで決める、行くぞ!」 「やるしかない、行くぞ!」 「行け―!これで終わりだ!」 HIT数「さて……遊んでやる」 「そこだ! ボタンを押しまくれ!」 「ボタンを連打だ!」 「ボタンを押せ!」 「ボタンを、押せえ!!」 「まあまあのHIT数だ。フン、やるじゃないか!」 エナジーアイテム発動 決着勝ち「フン……楽勝だったな」 [部分編集] チャンスタイム 戦闘員準備中「おい、チャンスタイムとやらはまだ始らないのか?ミラーワールドと違い時間制限がないとはいえ、さすがに長すぎじゃないのか」 「おめでとう。北岡、少ないがとっておけ。結婚のご祝儀だ。話は聞いた。あそこまですれば結婚だろ。まあ、式には呼ぶなよ。面倒だからな」 チャンスタイム専用セリフ通常時「よし、行けぇ!」 「なんなんだこの世界は?あまりにも非常識だ!」 「意味がわからん」 「ん?イルカが居たな」 ピンチ時「まだこれからだ、諦めるな!」 他ライダーに関する反応「いいだろう、お前に任せる」 特殊演出専用セリフ(ナイトチャンス)「まだ終わっていない。戦わなければ生き残れない。いくぞ!」 「やるしかない、いくぞ!」 「任せておけ」 「まったく、黙って待てないのか」 「当然の結果だ」 (龍騎ライダー関連チャレンジ)「お待たせ致しました、セイロンティーになります」 「セイロンティーと伺いましたが……」 「お前のような客はいらん! 当然の結果だ!」 「それでも、飛んでいてほしい戦闘員だから。大切なものがあるなら、どんな犠牲を払ってでもソイツを守ればいい。それが戦闘員じゃないのか」 「飛びつづけなければ生き残れない」 (三島正人/仮面ライダーザビー関連チャレンジ)「あいつは、北岡のところの……いや、別人か」 当選結果 プレイ終了後 「今日はもう寝たほうがいい、一度にプレイすると疲れるだろう」 [部分編集] 特定のキャラに対する反応 +仮面ライダーファイズ 仮面ライダーファイズ 乾巧/仮面ライダーファイズ(モット03収録の星4以外)「彼女を……頼む……これ以上、苦しませないで……」 +仮面ライダー龍騎 仮面ライダー龍騎 城戸真司/仮面ライダー龍騎「お前はそうやって何でも飲み込もうとするから迷うんだ」 秋山蓮/仮面ライダーナイト「城戸、お前が最後に信じるものを見つけたように、俺にも信じるものがある……ライダーの一人として……変身!」 北岡秀一/仮面ライダーゾルダ「確かに奴は馬鹿だが、俺やお前よりマシな人間かもな」 浅倉威/仮面ライダー王蛇「相変わらずくだらん奴だな」 須藤雅史/仮面ライダーシザース「優衣に手を出すのはやめろ!優衣はライダーじゃない」 芝浦淳/仮面ライダーガイ「俺が弱いと言ったな。すぐに勝てる。……試してみるか?」 手塚海之/仮面ライダーライア「手塚、このサバイブの力はお前から貰った力だ」 東條悟/仮面ライダータイガ「大切なものがあるなら、どんな犠牲を払ってもそいつを守ればいい。それが人間じゃないのか」 佐野満/仮面ライダーインペラー「……で、何の用だ」 高見沢逸郎/仮面ライダーベルデ「俺は闘う。自分の弱さにも、勝ってみせる」 霧島美穂/仮面ライダーファム「女も、ライダーバトルに巻き込まれていたとはな」 リュウガ/仮面ライダーリュウガ「城戸、正直に言う。俺には今まで、友と呼べるようなやつは居なかった。欲しいとも思わなかったしな。だが、お前は……唯一の友と言えるかもしれない。」 [部分編集] 汎用セリフ 喜び ツッコミ 驚き 悲しみや哀れみ「付き合いきれんな」 「勘弁してくれ」 怒りや咎める口調「どうなっているんだ、あまりにも非常識だ!」 「しつこい!」 「もうやめろ!」 戸惑い・疑問「何?どういう意味だ?」 威勢がいい・挑発的「いくぞ!」 「よし、いけェ!」 「まだこれからだ」 励まし 不特定多数に向けて「やれやれ。騒がしい奴が多すぎる」 作中内でのセリフや口癖「戦わなければ生き残れない!」 その他「多分な」 [部分編集] シチュエーション不明 [部分編集] その他・小ネタ等 自己紹介でのコント(ブットバソウルの世界へようこそ!) 汎用の使い回しなので別ページには記載しないが、秋山蓮主体の会話文の場合、大体が「俺は秋山蓮。お前とはまともに話ができそうだ」→(一見マトモに見える人物が強烈な自己紹介をする)→「……そうでもなかったみたいだな(呆れ)」の流れになる。 今のところ、秋山蓮とそのやりとりが確認できているまともじゃない人物は、名護啓介・門矢士・檀黎斗・花家大我。 [部分編集] 別ページにあるクロスオーバー 戦闘員が準備中 相棒を語る左翔太郎に、どこか心当たりのある秋山蓮。 コメント欄 情報や誤載の指摘等、何かありましたらお気軽にどうぞ。 名前
https://w.atwiki.jp/83452/pages/10484.html
私は異常なんだと思う。 だってほら、校医さんも私を奇異の目で見ている。 「今日も体調が悪い、と」 澪「……はい」 これで4日続けて保健室に通っている。 授業にも若干の支障が出ているし、 本当に体調が悪いなら、病院に行くことを考える状況だ。 でも私の悪いところは体の調子ではない。 誘惑に負けて、本当に体が悪くなったような気にさせる、私の嘘つきな心だ。 「秋山さん……」 校医の先生は、既に覚えてしまっている私の名前を溜め息まじりに吐いた。 「ハマッちゃうのは分かるけど、程々にしたほうが良いわよ? 大事な場所なんだから」 澪「は……は!?」 一瞬にして顔に血がのぼって、かあっと熱くなる。 「思春期にはよくあることだけどねぇ。私もそんな時期が」 がしゃりとシャッターをおろして、先生の言葉を防ぐ。 相談した訳じゃないのに、軽々しく踏み込んでくるのは止してほしかった。 私のサボタージュを咎めているのかもしれない。 だけど、ここだけは触れないでほしい。 「無理に我慢しろー、とは言えないけど、今晩は少し頑張ってみない?」 澪「はあ」 話の終わる気配に私は耳を開き、そして曖昧に頷いた。 「うん、うん」 校医さんは満足そうにこくこく首を振る。 「それじゃ秋山さん、私4時間目くらいまで用事あって居れないから」 「ここ、お願いね」 ウインク。ターン。オープンザドア。退出。クローズワン。 澪「……」 このままでは私も、あんな風になるのではと危惧した。 私も存分におかしいが、先生も相当のものだ。 未来――いや、今はそんな暗いことを思うのはやめよう。 本当に、確かに少しだけ、眠気はあるのだから。 私は上靴を脱いで、一番奥のベッドに座った。 スカートを何度も直しつつ、布団に潜る。 澪「……あと20分か」 携帯をそっと出し、時刻を確認する。 あの心配性のお嬢様が、あと20分したらやって来る。 とくとくと胸が高鳴るのを感じる。 やっぱり私はおかしい。 嘘で固めて築いた、私たちが見詰め合うステージは まさしく軋むベッドのように不安定だ。 でも、そんなステージでさえ、私は立ちたいと思う。 ……ムギの出てくるストーリーなら。 しばらく目を閉じていたら、チャイムが響いた。 2限の終わりだ。 澪「……」 脈動の速さは、最高潮に達していた。 保健室に足音が近づくたび、呼吸が止まる。 がちゃりとドアが開くと、太腿の筋肉がぴんと張った。 紬「澪ちゃーん?」 澪「ムギ……」 わざと小さな声でムギを呼ぶ。 ライアー・インザライは嘘に余念がない。 しゃっとカーテンを開けて、ムギが現れる。 そして一歩進んで、私たちだけの狭い空間をつくった。 紬「……体の調子はどう?」 ムギは、優しい。 私の嘘に気付く様子もなく、ただ私の体調を案じてくれる。 それが仕事である保健室の先生にすら、疑いのまじる視線を向けられる私なのに。 澪「ん……少し、胸が苦しいかもしれない」 嘘ばかりつくのが申し訳なくて、一匙だけ真実を加えてみる。 紬「苦しいって……大丈夫なの?」 嘘をつかなかったご褒美かは分からないけれど、瞳に焦燥をにじませ、ムギが私の顔を覗きこむ。 澪「い、いや、言う程でもないよ。そんな感じがするくらいだ」 慌てて体を起こす。耳から煙が出そうだった。 そのとき。 紬「こら澪ちゃん、寝てないとだめ!」 ムギが私の両肩に手を置いた。 ふわりと柔らかな力がかかって、私はベッドに沈められていく。 その一瞬が、耐えようもなく甘かった。 きしん、きしん。 私の頭の裏で、何かが数度軋みを上げた後、無音にて断たれた。 澪「ムギ……」 天井の前で、ムギは慌てふためいた顔をしていた。 紬「ねぇ、本当に大丈夫? 顔が真っ赤よ?」 何を言っているかは分からなかった。耳がきいんとして、聞こえない。 でも、私に語りかけていることは間違いない。 そして、それだけでムギのことを愛しく想うには十分だった。 紬「?」 手をのばして、ムギの後ろ頭に左手を置く。 指にふわふわの癖っ毛が絡んだ。 少し力を入れる。抵抗感はなく、ムギの顔が私の口元におりてくる。 紬「……」 ムギは目を開いたまま。 私も、どうしてかタイミングを失ったか、目を開けたまま。 わたし達の唇は、奇跡的にぴったり重なっていた。 「ちゅ」と間抜けな音は、カーテンの中いっぱいに響いた気がした。 ムギが唇を離したのだった。 紬「み、澪ちゃん?」 その声は、ただ純粋な疑問のみを含んでいた。 驚きも、興奮はおろか、嫌悪すらない。 私は、こんなにもぐちゃぐちゃと感情がないまぜになっているのに。 澪「ムギ。……な?」 明確なのは、私がムギを愛しているという事だけ。 ムギの脇の下に腕を差し、ぎゅっと抱き上げる。 紬「ひゃあ!」 やっぱり抵抗しない。ムギには抵抗できないのかもしれない。 されるがままに、ムギが私の上にのしかかる。 澪「うむ……」 紬「あの、澪ちゃん……?」 足の爪先を動かし、少しずつ私たちを阻む布団をどかしていく。 返事をせずに、私はムギをぎゅっと抱きしめる。 紬「……」 ムギの身体はこんなにも温かいのに、彼女はぶるっと小さく震えた。 澪「なぁ、ムギ。ムギは私のことどう思う?」 紬「澪ちゃん……いったい何の話?」 澪「おかしいと思うだろ。こんな私……」 私はなにが言いたいんだろう。 こんな話をムギにして、どうしようっていうんだろうか。 紬「私は……澪ちゃんがおかしいとは思わないけれど」 ムギは私の顔から視線をそらすように俯いた。 紬「嘘をつくのは、いけないと思うわ」 私は息をのんだ。 澪「知ってたのか!?」 紬「だって、澪ちゃん……元気いっぱいじゃない」 目の前のムギの顔が、にわかに歪んだように思えた。 その笑みはどこか淫靡な、私の見たことのないムギだった。 そういえば、私はムギのことをほとんど知らない。 澪「……元気いっぱいということもないと思うけど」 私はぼそりと言う。 体がほてり過ぎて、小さな声しか出せなかった。 紬「そうね。澪ちゃんはきちんと悪いことをしてるって自覚があるからね」 ムギの指先が私の顎に触れる。 背筋に、ぞくりと言い知れぬ感覚が走った。 澪「む、むぎぃ……」 愛されているというより、母親にあやされているような感じだ。 ……悪くない。 紬「澪ちゃん、可愛いわ……」 不意に、ムギが目を閉じる。 つられるように、私も瞼をおろし、ムギに身を任せた。 唇が触れ合う。 澪「ん……」 紬「ふふ。……ちゅ」 私のくちびるが、ほのかに潤んだムギの唇に食まれる。 頭がぼうっとして、何も考えられなくなる。 私の背中に、ムギの腕が回される。 わたし達はさらに密着する。 制服越しに、ムギの胸の柔らかさが感じられる。 澪「っ……」 状況の整理もままならない。 けれど、とにかく我慢できない。 私はそっと、左手を浮かす。 ムギの腰より、すこし下。 そこへ手をおろし…… 紬「こらっ」 澪「たっ」 目にも止まらぬ速さで、ムギの右手が私の手をはたいた。 紬「みーおーちゃん?」 澪「……」 そうだ。 そのまえに、本当のことを言わないといけない。 けれど。 澪「……」 もう、手も口も動かなかった。 その理由ははっきりしない。 うそばかり言っているから、真実を口にできなくなったのかもしれない。 紬「……そう」 ムギが残念そうに言って、身体を起こした。 ベッドをおりて、ムギは私に背を向ける。 紬「それじゃあ私、そろそろ教室に戻らないと」 澪「あ、ああ……」 顔は見えないけれど、ムギの笑った気配があった。 紬「澪ちゃん。しっかり休んで、元気になってね?」 それだけ言って、すたすたとムギは去っていく。 なにを咎めることもなく、ほんとうに見舞いに来ただけのようだった。 澪「……」 先生、ごめんなさい。 私は今も、今晩も、頑張れそうにありません。 そして、明日もまた、嘘を吐きに参ります。 終 2 あとがき (;^ω^)……!? おわりです 澪「ライムギ畑で嘘ついて」というフレーズが頭の中にがっちり固定されてしまって もうこれしか書けそうにありませんでした 話の落とし所もわかりませんでした
https://w.atwiki.jp/mitugetu/pages/92.html
弓スカ体験談(どんどん追加していってね(^o^)/) ある人の体験談 弓スカが前に出れない原因を探る ホルやカセでは、しばしば歩兵負けというのがあります。レベル差が一番の原因である気もしますが、よく「後衛の位置が後ろ過ぎる」、特に「弓スカはもっと前に出て皿スカを牽制してくれ」と耳にします。ここではどうしてそのように言われるのかを探ってみたいと思います。 まず弓スカのすべきことは、主に皿スカの牽制、弱った敵のとどめをさすことです。別のところでも言及されているので、詳しくはそちらを参照してください。 次にやってはいけないこととして、射程外(かな~り後ろのほうから)からイーグル・トゥルー・レインを使う、通常弓などでヘビスマやヘルファイアを打ち消す(ダメかぶり)、むやみやたらとピアで吹き飛ばす、イーグル・レインで氷を割るなどの味方の妨害行為です。よく言われる弓カスとはこれらの行為を頻繁に繰り返すスカのことです(たぶん)。 これらの全ては注意していれば防ぐことができるように思えます。ではなぜそれほどまでに前に出ろ前に出ろと言われるのか。 実際弓スカ(無課金Lv22、スキルはトゥルーLv3、レインLv3まで)を作り、前線に出てみるとよく分かりました。 ①敵ヲリが突っ込んできて非常に危険 ②氷皿に凍らされる←死亡フラグ ③パニスカの格好の餌食 ④さらに弓スカにも狙われる ⑤ぶっちゃけレインやトゥルーで皿スカ妨害できてると思えない(あまり当たらないし威力ないし)www 上記の理由でなかなか前に出れないと思われます。とくに凍らされてヘルやヘビスマで死亡するのが多かったです。あとパニスカも非常にうざい(皿狙えよって言いたくなる)。PSの問題もあるかもしれませんが、たぶん自分は平均並だと思います。 ならどうすればよいか。 ①に関してはどうしようもないです。味方ヲリ皿を信じる、あるいは、蜘蛛矢・毒矢・火矢をいれてやる。 ②は、サラに射程内に近づかれないように常に気をつけ、レイン、トゥルーで詠唱妨害してやる。 ③も常にハイドスカに注意し、見つけたら蜘蛛矢か何かで暴いてやる(うまい相手は見破るのは困難ですがね~(^_^;)。 ④は、相手も同じ射程の長さなので、どうにかがんばって妨害するしかないです(テキトーすぎww)。 ⑤レベル上げる、課金する、エンチャントする。 以上のことをやっていれば弓カスにはならないかなぁ、たぶん。 弓スカは他のどの職よりも射程があり、有利だなぁ、簡単だなぁというイメージがあると思われますが(自分はそう思ってました) 気をつけなければならないことがたくさんあり、非常に難しいです。 自分の主観入りまくりの感想みたいな考察ですが、ここまで読んでくださった人に感謝。 役に立たない、間違いだらけだぞって思う方は遠慮なく削除訂正お願いしますです。 (※一部不適切な表現があったため訂正しました) アーズ談 天才と馬鹿は紙一重というように しっかりとした考えを持った行動は 最高の兵士だと言ってもいいのではないかということ 例えば弓で言うならば ヲリに攻撃する弓はカス しかし敵ヲリを300削って 味方ヲリへのアドバンテージを付けることは非情に有効です 氷にトゥルーを撃つやつはカスだ 氷のHPが100くらいの皿や弓ならば 即解凍反撃皆無な弓のトゥルーでサクっと殺したほうが有効なのではないか ちんたらしてたら敵は回復するよ スタンに攻撃する弓はカスだ スタンに攻撃するやつがいないので毒矢やトゥルーで削っておいた ダメかぶりはしないように配慮をした 前に出ない弓はカスだ HPが少ないので後方支援しつつ HP回復した 一体あなたは何を考え何をしようと思ってその行動をしましたか? それが大事なんじゃないかな? アグレッシブに攻めてダメかぶちゃった 氷割れちゃったなどならば全然許容範囲では無いでしょうか? それを咎めるほうがどうかしてると自分は思いますけどね ちなみに↑の①~⑤に答えてみる ①ダメ与える!相手だって永遠と引き撃ちされて 一方的にぼこられてHP少なくなったら下がるしかなくなるはず まぁ味方がいるなら味方のほうに近づけていくなどもあり ただ無理して死なないように相手をしっかり見る事 無理ならガン逃げ! ②HPが少ないならまず回復をしっかりすること 皿ならうまく狙えれば魔法キャンセル狙えるし 弓に攻撃して反撃しやがれ!!ってやるのも有効 ヲリに対してはアムブレとか持ってればいいけど 無いならとにかくHP回復 食らった瞬間すぐ倒れれるようにステップ連打 とにかく即死だけは気をつけるって事かな ③これは経験 パニがどこから来るかもなどが分かればある程度サーチ出来るはず 俺もいまいちだけど・・・ 後は見つけたら蜘蛛なんかよりトゥルーでも何でもいいから暴くこと ハイドしてるやつ見つけたら 粘着してでも暴く事が重要 ハイドはPw50更にパニに84 パニに繋がらなくてもPw50削り取るだけで相手にとっては 大ダメージになります 後は絶対ハイドしてなければパニにはならないので まずハイドを封じるこれが第一!とにかくハイド見つけたら スパークでもレインでもいいのでとにかく暴くことが重要 アグレッシブに攻撃してれば下手なパニならトゥルーとかの直線状にいたりして 暴ける事もあるしね ④そうこれ重要 現状で弓にアンチ職ヲリとなっていますが まず後ろでしっかりと視野を持ってる弓なら ヲリなんていい的くらいなもんです 射程外から一方的にぼこれるので なので弓に対抗するには弓が重要 更に言うなら状況で狙うやつを分けるとベストかも 例えば味方が皿と弓ばっかなら 弓を狙ったほうがいいです 味方皿への援護に繋がって 連携効果が見込めます 逆に味方ヲリが多いなら 皿を狙ってヲリのフォローに など状況に応じた動きが重要! これが出来ない人多い気がする ただ皿狙ってるだけとか 皿狙っても突っ込むヲリいないから あんま意味無いのにな~ということ思う事多々あり ⑤並みで満足するな 課金しろだの装備だのは2の次 レベ20で16000ダメを叩き出せます 課金なし装備はブレッシドボウでね PSそして自分の絶対的な武器を用意することが重要 自分は当てるのがうまい 自分はかわすのがうまい 自分は範囲攻撃がうまい 何でもいいからまず1つ1つやっていくことが重要 後は失敗を恐れるな ちゃんとした考えを持っていてやってるならば文句言われても言い返せる 上記参照!まぁそれでも悪い事や迷惑なことなんてのもあるけどね 注意されたら治せばいいし 正直課金してレベル高くてエンチャして それで全く当たってないとか見た時の絶望感といったら・・・ まるで成長していない・・・ と安西先生に言われないように! 自分を磨くそれが一番重要ですよ
https://w.atwiki.jp/highwaystar0308/pages/9.html
スキル カード 装備 める鯖仕様なものを紹介します。 スパノビのフレコン フレコンとはフレイムコントロールの略です 使うと全ステが大幅に+されます ディレイがかなり長いです ハエなどでキャンセルできます。 取得条件 ヒールLv10 スパノビはJObが254まであがるので一発ゲー向きです バーサーク 本鯖と取得条件が違うので気をつけてください 槍修練7Bds5スピアブーメラン2 で出ます、ライディングとかの取得条件は?とか聞かないでくださいね。 間違ってる場合はお知らせしてくだし~ WSの武器精錬 みじっそー。 職がプリやハンタとかじゃないのに集中とかが使える アクセサリーショップのsなしアクセを装備すると使えます。 グローブ:集中 イヤリング:ブレス ブローチ:速度うp ネックレス:エンジェラス リング:ラウドボイス それぞれlv3です。 これが結構重要な役割を果たしてくれますので、補正込みでステ考えたりするときもこれを入れると○ HD (ヘヴンズドライブ)について 固定詠唱です。DEXがいくつだろうと関係ないです ちなみに無詠唱DEXは225です ステを99以上にする場合 /str+ 180 と打ち込めばあがります 基本スキルについて 0でもなんら支障ありません。 エモだせればPTも組めるし全部できます、おまけに9ポイント浮いてラッキー。 特殊なc ロッカーc:DEX+10 ポリンc:LUK+10完全回避+1 ピッキc:STR+10 子デザc:INT+10 ブパc:HP+7000 ウルフc:ATK+150 アンドレc:ATK+200 ファブルc:HP+1000VIT+10 まぁ適当に書きましたが、cを右クリすればめる鯖仕様の説明がでると思いますので、ここはあまり参考にせず・・・・ つれているとステに補正が入るペット達 エンジェリング AGI+3 ファブル LUK+10 月夜花 AGI+3 プパ LUK+10 ドッペルゲンガー AGI+3 インジャスティス DEX+3 九尾狐 STR+3 これくらいかな? バグ報告は公式HPにどうぞ 以下コメントフォーム、間違いや追加要請はここにおねがいします。 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/mahabharatapotal/pages/1045.html
第6-103章.第6-104章.第6-105章. 第6-104章. サンジャヤは言った、「王よ、正午に、ビーシュマとソマカ族の間で、大虐殺を伴う激しい戦いが起こりました。ガンガーの息子は、パーンダヴァの隊列を、何百、何千もの鋭い矢で焼き尽くし始めた。汝の主君デーヴァヴラタは、牡牛の群れが籾の山を挽くように、それらの軍勢を挽き始めた。そして、ドリシタデュムナ、シカンディン、ヴィラータ、ドルパダは、その戦いでビーシュマに襲いかかり、その強大な車騎兵を多数の矢で打ち抜いた。そしてビーシュマは、ドリシタデュムナとヴィラータをそれぞれ3本の矢で貫き、ドルパダに向かって長い矢を放った。こうして、敵を挽くビーシュマに戦いで貫かれた弓の名手たちは、王よ、怒りに満ち、(人間の足に)踏まれた蛇のようになった。その時、シカンディンはバラタ族の大祖を(多くの矢で)貫いた。しかし、衰えぬ栄光のビーシュマは、敵を女と見なし、彼を打たなかった。ドリシタデュムナは、その戦いの中で、炎のように怒りに燃え上がり、孫悟空の腕と胸を3本の矢で打ち抜いた。そして、ドルパダはビーシュマに5本と20本の矢を刺し、ヴィラータは10本、シカンディンは5本と20本の矢を刺した。深く刺し貫かれたビシュマは血にまみれ、花で彩られた赤いアショーカのように美しくなった。ガンガーの息子は、お返しに、それぞれを三本のまっすぐな軸で刺した。そして主よ、彼はドルパダの弓を、頭の広い矢で切り落としました。ドラパダは別の弓を取り、ビーシュマに5本の矢を刺した。そして、彼は戦場で3つの鋭いシャフトでビーシュマの戦車隊を貫いた。その時、ドリシタデュムナが率いるパンチャラ族を守ろうと、ドラウパディーとカイケヤ族の5人の息子、そしてユディシュティラが率いるサトワタ族の5人の兄弟とサトヤキも、ガンガーの息子に向かって突進した。王よ、汝の軍の戦士たちもまた、ビーシュマを守るために、パーンダヴァの軍勢に向かって突進した。そして、あなたの軍勢と彼らの軍勢との間で激しい総力戦が起こり、ヤマの王国の人口が増加した。そして、車騎兵が車騎兵に襲いかかり、互いに閻魔大王の住まいへと派遣された。そして、男や象乗りや馬乗りは、他の者(同類)に襲いかかり、まっすぐな軸で彼らをあの世に送り出した。王よ、これらの車は、戦いの中で多くの人と馬を押しつぶし、(その速さは)風そのものに似ており、(その絵のような形は)大空にある蒸気のような建造物に似ているように見えた。また、鎧に身を包み、気力に満ち、耳輪と頭飾りをつけ、花輪と腕輪で飾られた多くの車騎兵は、天人の子らに似ており、戦いの腕前はサクラに匹敵し、富ではヴァイシュラヴァナを凌ぎ、知性ではヴリシャスパティを凌ぎ、広大な領土を支配し、偉大な英雄主義を有していた。人の長よ、巨大な牙もまた、熟練した乗り手を奪われ、友好的な隊列を押し潰しながら走り、大きな悲鳴を上げて倒れた。聳え立つ雲のようで、咆哮もまた雲のようであった。主よ、彼らのチャマラや様々な標準、黄金の杖を持つ傘、そして(彼らの乗り手の)明るい槍が散乱していた。 王よ、象乗りたちは、あなたの軍と彼らの軍の両方に属していた象を奪われ、そのひどい圧力の中を(徒歩で)走るのが見えた。また様々な国から来た、金の飾りをつけた馬が、何百、何千と、風のような速さで走るのが見えた。また、馬を奪われ、剣で武装した馬乗りが、その戦いの中で走るのを見たり、(他の者たちに襲われて)走らされたりした。象は、その恐ろしい戦いの中で、飛んでいる象に出会い、足軽や馬を素早く粉砕しながら進んだ。同様に、王よ、それらの巨大な生き物は、その戦いで多くの車を押しつぶし、車もまた、倒れた牡牛にぶつかり、(その進路で)それらを押しつぶした。王よ、駿馬もまた戦いの中で、多くの歩兵を(その蹄で)押しつぶした。こうして王よ,かれらは様々な方法で互いに潰し合った。 その熾烈で凄まじい戦いの中で、血の流れる恐ろしい川が流れた。そして弓の山が,その直進を妨げ,(殺された戦士の)髪が,その苔を形成した。また(壊れた)車がその湖をなし,矢がその渦をなす。また駿馬が,その魚を形作り また(幹から切り離された)頭部は,その石塊となった。また象が氾濫して,その鰐を形作り また帷子と頭飾りが,その泡を形作り また(戦士の手にある)弓はその流れの速さを表し、剣はその亀を表す。旗と旗印がその岸に生い茂り、木々を形成した。また人間たちがその岸を構成し,その川は絶えず蝕まれた。またその川には,白鳥を形づくる人食い人種が多くいた。そしてその川は(その流出で海を膨れ上がらせる代わりに)ヤマの王国の人口を膨れ上がらせた。そして勇敢なクシャトリヤたち、すなわち力強い車の戦士たちは、王よ、あらゆる恐れを捨て、筏や舟の役割を果たす車や象や馬の助けを借りて、その川を渡ろうとした。そして、ヴァイタラニ川がすべての亡霊を死者の王の領地へと運ぶように、血の流れがあるその川は、感覚を奪われたすべての臆病な男たちを気絶させて連れ去った。そして、クシャトリヤ族は、そのひどい殺戮を見て、皆、こう叫んだ、「残念だ、ドゥルヨーダナのせいで、クシャトリヤ族が絶滅させられている。なぜ、ドリタラーシュトラは、貪欲に惑わされ、多くの徳に恵まれたパーンドゥの息子たちを妬んだのでしょう」。パーンダヴァを讃え、汝の息子たちを咎める、このような様々な叫びが、互いに聞こえてきた。この言葉を聞いて あなたの息子ドゥルヨーダナは、すべての戦闘員によって発せられた言葉を聞いて、すべての違反者であったが、ビーシュマ、ドローナ、クリパ、サーリャに向かって言った。慢心せずに戦え。そして、クルス族とパーンダヴァ族との戦いが再開された。王よ、あの激しい戦いは、サイコロの勝負によって引き起こされ、ひどい虐殺によって特徴づけられた。ヴィチトラヴィリヤの子よ、あなたは今、多くの著名な人々によって警告されたにもかかわらず、あなたが(友人たちの忠告を)拒絶したことの恐ろしい結末を見るであろう。王よ、パーンドゥの息子たちも、その軍勢も、彼らに従う者たちも、カウラヴァたちも、戦いの中で自分たちの命を少しも顧みない。このため、人の中の虎よ、恐ろしい近親の滅亡が起こっている。"王よ、運命によるか、汝の邪悪な政策によるかのいずれかである。 第6-103章.第6-104章.第6-105章.
https://w.atwiki.jp/kkjs/pages/87.html
暫く呆然と同じ場所に立ち竦んでいたククールは、 泣きそうに歪む顔を伏せそのまま小さな声で一つの魔法を唱えた。 「ルーラ」 短く呪文が唱えられた瞬間、ククールのいた周囲に風が巻き起こり、 そのまま風に運ばれるようにしてククールの姿が空に消える。 そこから数メートルも離れていない位置で、 突然起きた風にゼシカは小さく「きゃ」と悲鳴をあげて目を閉じ、 エイトは反射的に風の起こった方を振り返った。 (アレは…ククール?!) ゼシカを庇うように立ち上がりながらも、 一筋の弧を描いて空の彼方へと消える姿を見て、驚きに目を見開く。 ククールがゼシカを想う気持ちにも、ゼシカがククールを想う気持ちにも、 それとなくエイトは気づいていた。 二人がその想い故に擦れ違っていることも。 (もしかして今の会話を聞いていたとしたら… どうしよう、ククールは、何処に行くつもりなんだろう) 「エイト?」 自分に背を向けるようにして立ったまま、 腕を組んで何事か考え込んでいるエイトを不審に思い、 ゼシカは声を掛けるも、深く考え込んでしまったエイトの耳には届かない。 (いちかばちか…行ってみるしか) ゼシカの声に気づかないまま、エイトは何かを決意した眼差しで空を見上げ、 そうして先程ククールが唱えたものと同じ呪文を大きな声で口にした。 ふわり、と地面に着地する手前で身体が一瞬浮き上がり、 トンと軽快な音を立てて目的の場所、ドニの町へとエイトは降り立った。 足が地面に着き切るのを待たずにその足を前方へ向けて走り出し、 町の入口を猛スピードで潜り抜ける。 そして目前にあった大きな酒場へと、 勢いを止めずに飛び込むようにして足を踏み入れたと同時に叫ぶ。 「ククールはいますか!?」 酒場では活動時間外の真っ昼間に、 突然大きな声をあげて入って来た青年に、 中にいた数人の人が振り返って入口を見る。 その視線の中に、今しが金髪のバニーガールを引き連れ、 裏口から出ようとしている赤い制服を男を即座に見つけると、 エイトは即座に駆け寄った。 驚きに見開かれた蒼い瞳が、ふい、とバツが悪そうに背けられる。 行こうぜ、とククールが隣にいるバニーガールの子の 腰を引き寄せて言いかけた声を遮って、エイトが口を開く。 「やっぱりココにいたんだ」 「……わざわざ追いかけて来たのか?悪趣味だな」 傍にいたバニーガールを腕を伸ばす仕草で、 先に外に出したあと追いかけて来た人物を振り返り、 馬鹿にしたような表情を浮かべてククールが返す。 一瞬、言葉に詰まりエイトは俯くも、首を横に振って見せた。 「…君の行動を咎めるつもりで来たんじゃないんだ。 僕は、もし今の旅が嫌になったら逃げても良いと思ってる。 いや、君にも他のみんなにもその権利はあるんだ」 真摯な眼差しで、一言一句確かめるように言い放つエイトから視線を外して、 ククールは自嘲気味な笑いを零す。 「だったら放って置いてくれよ。…そのうち、気が向いたら戻るからさ」 「それは構わないよ。…ただ、ゼシカが心配するから、 彼女には一言何か言ってあげて欲しい」 「そりゃあ悪かったな。でもオレなんかより、 愛するお前から伝言受けた方がゼシカは喜ぶぜ?」 一瞬躊躇うように言葉を切った後、 どことなく遠慮がちに言葉を紡ぐエイトが全部言い終わらぬ内に、 ククールが吐き捨てるように言い、そのまま背中を向けて一歩踏み出す。 「…やっぱり、ククールは誤解してるよ」 エイトはその後ろ姿を追いかけようとはせず、 僅かに首を傾げてポツリと呟くように零す。 「…何が?」 いかにも迷惑そうな表情を作りながらも、 エイトの台詞が気にかかった様子で、ククールが今一度後ろを振り返った。 「…こんなことを僕の口から言いたくはなかった。 だから黙ってた…けど、ゼシカが好きなのは僕じゃない」 エイトは、キュッと何かを堪えるように胸の上で拳を握り締めると、 普段と変わらぬ淡淡とした声音で告げた。 顔だけを振り返らせたククールの冷めた表情に、 一瞬僅かな動揺が走ったあと、おどけた仕草で肩を竦めて見せた。 「…冗談。さっき不思議な泉でゼシカから告白されたばっかりだろう? それとも、何、オレをからかってんの?」 「僕が君をからかったり、 君が敢えて傷つくような冗談を言う人だと思ってるの?」 作り笑いのような表情を浮かべ、 どこまでも軽く受け流そうとするククールの態度に、 エイトの表情と声に僅かな怒りが篭もる。 ククールは、虚を突かれたように目を薄く見開くと、 僅かに体勢を変えてエイトと向き直り目を伏せる。 暫しの沈黙。先に口を開いたのはククールだった。 「……いや、そんなことは、思ってない…悪い」 心底申し訳なさそうな表情を浮かべ、 口許を押さえて掠れた声でククールが謝罪する。 エイトはそれに首を横に振って答えて、一拍置いてから口を開く。 「…それより、ゼシカとちゃんと向き合って、話であげて。 君のことを放っておく訳にいかなくて、一人で置いて来ちゃったんだ。お願い」 少し物悲しいような、どことなく切なそうにも見えるエイトの表情と、 最後に付け足された短い一言に、 ククールは困ったように首を傾げた後、肩を竦めた。 「……エイトにそう言われると、オレ、何も言い返せなくなるんだけど。 オレは、確かに、ゼシカの口からエイトが好きだって、聞いたぜ?」 「きっと、タイミング悪かっただけだよ」 困惑気味に言葉を紡ぐククールに、エイトは苦笑して答える。 疑惑をきっぱり否定するように言い切られてしまい、 ククールは降参したように両手を挙げた。 直後、開け放たれたままの扉の隙間から、 ひょっこりと先程のバニーガールが顔を覗かせた。 「話は終わったの?」 一度エイトをチラリと見たあと、 ククールの様子を窺うようにして尋ねる。 「いや、その話なんだが…ちょっと用事が出来たみたいでさ、」 気まずそうに髪を掻きあげ、 悪いんだけど…と続けようとしたククールの言葉を遮るように、 立てた人差し指をチッチッと横に揺らす。 「悪いんだけど、全部聞かせて貰っちゃった。 酒場にいた他の人もみ~んな、 ククールたちの話に釘付けだったみたいよ? 女の子が店内を見渡すようにして言ったその言葉に反応するように、 酒場のあちこちからゴホン、とかウン!などと言った咳払いの声や、 止めていた作業を再開するような音が響いた。 エイトはその様子を見て、困ったように頬を掻き、 ククールは呆れたように嘆息した。 「大事な女の子がいるんでしょ?ククールにも、そんな時期が来たのね。 この借りは次来てくれたときに返してくれればいいわよ。はいどうぞ」 何故か楽しそうにクスクスと笑いながら、 バニーガールの娘は外に出るのを促すように扉を開けてみせる。 ククールはチラリとエイトを見た後、 「じゃあ悪いけど、行くよ」と誰にでも無く言葉を返して、 裏口から外へ出て数歩歩いた位置で再びルーラを唱えた。 エイトは安心し切った微笑みをたたえて、その後ろ姿を見送った。 un titled1 un titled2 un titled4
https://w.atwiki.jp/mahabharatapotal/pages/1722.html
第12-239章.第12-240章.第12-241章. 第12-240章. ヴィヤーサは言った、「あなたに尋ねられた優秀な息子よ、私はサンキャ体系で説かれている知識の教義に従って、あなたの質問に対する答えがどうあるべきかを、本当にあなたに話した。今、ヨーガの教義に従って(同じ目的のために)なすべきことをすべてあなたに説明するので、私の話を聞きなさい。知性と心、すべての感覚、そしてすべてを貫く魂が一つになることは、最も優れた種類の知識であると言われている。その知識は、穏やかな気質の者、感覚をマスターした者、(瞑想によって)魂にまなざしを向けることができる者、(そのような)瞑想に喜びを感じる者、知性に満ち、行為において純粋な者によって、(戒師の助けによって)獲得されるべきである。この知識を得るためには、賢者には知られているヨーガの五つの障害、すなわち欲望、怒り、嫉妬、恐れ、眠りを捨てなければならない。怒りは静寂な気質によって克服される。欲望は、すべての目的を放棄することによって克服される。熟考に値するテーマについて理解の助けを借りて熟考することによって、忍耐に耐えた者は眠りを捨てることに成功する。地道な忍耐によって、(不相応な、あるいは罪深い耽溺から)自分の生成器官と胃を抑えるべきである。人は目を(使って)自分の手と足を守るべきである。人は心の助けによって目と耳を守り、行為によって心と言葉を守るべきである。注意深さによって恐れを避け、賢者を待つことによって慢心を避けるべきである。先延ばしにすることなく、これらの手段によって、ヨーガの妨げとなるものを制するべきである。人は火とバラモンたちに敬意を払い、神々に頭を下げるべきである。あらゆる不吉な言説、悪意に満ちた言葉、他の心を傷つける言葉を避けなければならない。梵天は(万物の)発露の種である。それはまた、このすべてがどこから来たのか、その種の本質である。 梵天は、この可動宇宙と不動宇宙という形で、誕生したすべての実体の眼となった。 瞑想、学問、賜物、真理、謙遜、簡素、赦し、身体の純潔、行為の純潔、感覚の抑制、これらは人のエネルギーを高め、(高まれば)人の罪を滅ぼす。すべての生きとし生けるものに対して平等にふるまい、努力することなく簡単に得られるものに満足して生きることで、人はすべての目的の成就に到達し、知識を得ることに成功する。すべての罪を清め、気力を充実させ、食を慎み、感覚を完全に制御し、欲望と怒りの両方を鎮めた後、梵天に到達することを目指すべきである。 五感と心を一つにし(あらゆる外的対象から遠ざけ)、視線を内側に向け、夕方の静かな時間か夜明け前の時間に、知識の上に心を置くべきである。もし人間の五感のひとつでも抑制されないままであれば、その人の知恵はすべて、革袋の底に開いた穴から水が漏れるように、五感から漏れてしまうだろう。漁師が、魚の中で自分の網に最も危険を及ぼすものを無力にしようとするように。まず心を抑えたら、次に耳、目、舌、鼻を抑える。これらを抑制した後、心を固定する。そして、心をあらゆる目的から引き離し、知識に集中させる。確かに、五感を抑制したヤティは、それらを心に固定すべきである。これらの第六の心が知識に集中し、こうして集中したまま安定し、悩みがなくなると、ブラフマーは、燃え盛る炎の煙のない火や噴出する輝きの太陽のように知覚できるようになる。その時、人は自分の魂の中に、天空の稲妻の火のようなものを見る。そして、その無限性の結果として、すべてのものがその中に現れ、すべてのものの中に現れる。知恵に富み、不屈の精神を備え、高い知識に富み、すべての生き物の善に従事する、高い魂を持つブラフマーナは、それを見ることに成功する。厳粛な誓いを守り、孤立した場所に一人で座って6ヶ月間このように行動するヨギンは、不滅のものと等しくなることに成功する。 消滅、拡張、同一人物や同一身体において様々な様相を呈する力、天上の香り、音、光景、味覚や触覚の最も心地よい感覚、冷たさや温かさの快い感覚、風との平等、(内なる光によって)経典やあらゆる天才的作品の意味を理解する能力、天女の交わり、--ヨーガによってこれらすべてを獲得するために、ヨギンはそれらを無視し、すべてを知識の中に融合させるべきである。 言論と感覚を抑制し、夕暮れ時、夜明け前、夜明けにヨーガを修行する。 すべての感覚を心の中に抑制し、集中した状態で、次のことを考える。 この世の人間が富や財産について考えるように、精神を集中させ、永遠不滅のものについて考えるのだ。ヨーガを実践している間は、決してヨーガから心を離してはならない。非常に落ち着きのない心を抑えることができるような手段に、献身的に身を委ねるべきである。ヨーガから離れることを決して許してはならない。感覚と心を他のすべてから遠ざけ、ヨギンは(修行のために)空の山の洞窟、神々に奉献された寺院、空の家やアパートに身を置き、そこに住むべきである。言動、思考のいずれにおいても、他者と交際してはならない。あらゆるものを無視し、非常に禁欲的に食事をし、ヨギンは得たものも失ったものも同じ目で見るべきである。誉める者にも咎める者にも同じようにふるまうべきである。どちらか一方の善や悪を求めてはならない。手に入れたものを喜んだり、失敗や損失に出会って不安に陥ったりしてはならない。すべての存在に対して一様な振る舞いをし、風を模倣すべきである。 心がこのように自分自身に向けられ、清らかな生活を送り、すべてのものに平等な目を向ける者には、たとえ6ヶ月でもこのようにヨーガに従事し続ける者には、音によって表される梵天が非常に鮮明に現れる。 ヨギンは、すべての人が(富と安楽を得るために)不安に苦しんでいるのを見て、一塊の土、一片の石、一塊の金を等しく見るべきである。本当に、彼はこの道(富を得る道)から身を引き、それを嫌悪し、決して茫然自失に陥ってはならない。たとえ劣等生であったとしても、また女であったとしても、上記のような道を歩めば、二人とも必ず最高の境地に達することができる。 自分の心を鎮めた者は、自分の知識の助けによって、創造されない、古代の、劣化しない、永遠のブラフマー、すなわち、固定した感覚によらなければ到達できないもの、最も精妙なものよりも精妙で、最も総体的なものよりも総体的なもの、そして解放の自己であるものを、自己のうちに見るのである』」。 「ビーシュマは続けた。 智慧を持つ者は、すべての存在を飲み込む普遍的な解脱が訪れる時まで、ブラフマン自身と(経典に書かれている)等しくなるのである。 第12-239章.第12-240章.第12-241章.
https://w.atwiki.jp/usagike/pages/32.html
梅雨入りも間近い、湿った空気の漂う頃のことだ。 「今日は本当にありがとうございました」 「いえいえ、こちらこそありがとうございました。お役に立ててよかったです」 琳吾は愛想よく笑って握手をした。相手は琳吾より一回りほど年配の夫妻だ。 背の高い若白髪の男性と笑顔皺のある小さな女性は海の近くでカフェレストランを開くらしい。 旦那さんがフランス料理のコックで、奥さんがホールデザイナー。少しレトロな外観にしたいと幾つか調度品をお買い上げ頂いた。 タイプライターや小さな卓上ランプ。中でも一番大きな商談はオルゴールだ。 一般に普及する手のひらサイズのものではない。オルフェウスというギリシャ神話の詩人の名を冠すそのオルゴールは、小さな戸棚の背丈がある。 滑らかなアンバーの木枠と張ったガラスの奥に、星座盤のように無数の穴があいた金属盤がある。この穴に歯を引っ掛け、音を鳴らすのだ。 可愛らしいのは装飾で、緻密に彫られたアールデコ調の草花が支柱を覆い、天井には花と子犬が遊んでいる姿が浮き彫りにされている。ところどころに金メッキの補強が入っているのも豪奢に見せていた。 本当は、ピアノとピアノ弾きがいたらね。 奥さんはそう言って笑った。 夫妻は昔、フランスのピアノがあるバーで知り合ったらしい。残念ながら、レストランに置くには資金も場所も足りない。 かわりに、と紹介したオルゴールの柔らかい金属音に、嬉しげに笑顔を見せてくれた。 「イメージはもっと静かな感じなの。どうにか出来るかしら」 「もちろん。では、音量とテンポの調整をして、……そうですね、今月末にはお持ちします」 「首を長くして待っています。そうだ、よければ食事をサービスしますよ。とても綺麗な街並みだから、通るだけでも楽しいですがね」 ご機嫌な夫妻を見送って、琳吾は手帳を捲った。 細かい調整をするとなると、専門家の手が必要だ。こういう事が得意な昔馴染の職人が丁度来週にくることになっていて助かった。 頭の中で予定を捏ねくり回しながらレジに鍵を掛ける。 ちょうど一区切りついたところだった。一息入れようと思ったのだ。 いつもなら店の扉を開けて、ただいまの代わりにおやつーと叫ぶ来地が、珍しくこっそりと玄関から入ってきた。 今の時間はまだ開店中。見咎める事もなかっただろう。 たまたま、琳吾が手洗いに立っていなければの話だ。 「あれ、らい君。おかえり」 声をかけると、来地はギクッと肩を跳ねさせた。 「り、琳吾兄ちゃん! 店は?」 「今、ちょっとトイレに行ってきた。あれ、らい君、ブレザーどうかしたの?」 「な、なんでもない…」 来地が慌てたように丸めていたブレザーを抱きしめ、そこからクーンと苦鳴がした。 琳吾は目を眇めた。 「…………犬か」 ブレザーから小さな仔犬が鼻先を出した。 宇佐木家の末弟は、末っ子で甘やかし過ぎたのかなんなのか、中学生になっても小学生のようなことをする。 犬猫を拾ってくるのもその一つだ。ならば、それに対して雷を落とすのが責任ある長男の義務である。 いつになく冷たい表情の琳吾に来地がブレザーから覗く犬とそっくりな情けない表情をした。 「らい君、戻してきなさい」 「琳吾兄ちゃん酷い! 鬼!」 「鬼でもなんでも、らい君面倒みれないでしょ」 「だってかわいそうじゃん。もしおれが拾わなかったら、この子達、夜になって凍えて死んじゃったかもしれないんだよ」 「あのねえ、らい君。今かわいそうでも、うちじゃどうしようもない。うちにはもうノブナガがいるし、皆学校とか仕事とかで忙しいでしょう」 「でも琳吾兄ちゃんは大体うちにいるじゃん」 「ほら、そうやって人任せにする。自分で責任もてないなら拾ってくるなって言ってるの」 「琳吾兄ちゃん酷い! 揚げ足取り! ……鬼!」 語彙の少ない来地が言葉に詰まって地団駄を踏んだ。徹底抗戦のつもりか、潤んだ目で睨みつけブレザーをぎゅっと抱きしめる。 きゅう、と先ほどより弱い鳴き声がした。 「ちょっと、らい君仔犬絞めてない? 今変な声したけど」 「え、え、」 慌てる来地の腕からブレザーを奪い、そっと剥がすと鼻先の出ていた犬と、もう一匹、一回り小さい仔犬が出てきた。 どちらも泥だらけだ。小さい方は息が短く、脇腹が盛んに上下している。ぐったりと目を瞑り足を投げ出した姿はいかにも弱っていた。 「らい君、どうして具合悪いの先に言わないの!」 「えー、だって琳吾兄ちゃんが」 「ぬるま湯とタオル持ってきて。早く拭いてあげないと」 頬を膨らませたあと、来地ははぁいと返事をしてバタバタと台所に走っていった。 琳吾は足音を聴きつつ、店用のエプロンで顔周りの泥を拭ってやる。ポケットからスマートフォンをだすと行きつけの動物病院を呼び出した。 # # # 軽い栄養失調と悪戯で泥をかけられたための体温低下が原因だったようで、一晩点滴を受けた二匹の仔犬はすっかり回復していた。 茶の間におろすと元気に足を動かし始めた。お尻ばかりが目立って、コロコロ転がっているようにしか見えないが。 「元気になってよかったね」 小さなしっぽを掴まえた来地が、ふわふわになった仔犬を撫でた。 前に進まないことが理解できてないのか、仔犬は短い足で一生懸命足踏みしている。 もう一匹の鼻先をつつき、悠が伺うように言った。 「で、兄貴。これ飼うの?」 卓袱台の向こうでは、琳吾がこめかみを揉んでいる。 「飼わないけど、ここまで関わっちゃったからね。里親探しまではするよ」 「よっしゃ! ありがと、琳吾兄ちゃん」 「来地は里親、一人くらいは見つけて来いよ」 「わかってるって」 安請け合いした来地の隣で、達巳がボソリと言った。 「ノブナガと喧嘩しないかな……」 「大丈夫だって! こんなに小さいんだよ?」 「むしろノブナガにやられるんじゃね」 蜜柑の皮を剥きながら言う悠に来地が決意の目をした。 「マリオとルイージはおれが守ってみせる!」 「なにそのマリオとルイージって」 「え、この子達の名前」 「え、マジで」 「いや、らい君。さすがにそれ可哀相だから」 「ヒデヨシとイエヤス」 「それもどうかと思うよ、たつ君」 「……あ、寝ちゃったみたい」 兄弟の会話をよそに、仔犬はくっつきあい、しっぽを丸めて寝てしまっていた。
https://w.atwiki.jp/chisato_ojosama/pages/290.html
前へ バス停から歩くこと8分。 林道を抜けたところで、大きな白い建物が目の前に現れた。 そう、そこは、私が進学希望先として考えていた、あの女子高だった。 “高校なんて、別にどこでもいい” 私は誰かに志望校を聞かれるたびに、そんな風に答えていた。ここは制服がかわいいという理由で選んだ高校だったから、もちろんそれで語弊はなかったのだけれど。 今、この学校には雅がいる。そう思うだけで、この特別愛着があるわけでもない学校が、神々しいもののようにすら感じられる。 中高一貫(幼稚舎、初等部も別のところにあるらしい)の学校だけあって、敷地はかなり広い。体育をやってる生徒達だろうか、同い年ぐらいの女の子のはじけるような笑い声が、しきりに耳に入ってくる。少しズキンと胸が痛んだ。 当てもなくぐるりと敷地の周りを一周したあたりで、だんだんリハビリ中の足がだるくなってきた。グラウンドが見える位置まで移動して、フェンスにもたれかかる。 パンフレットでしか目にしていなかったらわからなかったけれど、通っていた公立の中学校に比べると、ずいぶんきれいな学校だ。 ただ、特別お嬢様学校というわけではないらしく、特殊な柵や塀もないから、フェンス越しとはいえグラウンドの様子は丸見え。 そんなわけでしばらく体育の様子を眺めていると、いきなりガシャンと大きな音がして、近くのフェンスが撓んだ。 「うわっ」 どうやら、テニスボールが激突したらしい。思わず仰け反ると、汗だくの女の子が「桃子、ノーコン!とかいってw」と独り言を言いながら走ってきた。 同い年ぐらいの相手で、しかもかなりの美人。緊張が走った。 「こんにちはー。ずいぶん長いこといらっしゃるみたいですけど、学園にご用ですか?見学とか?正門は右の角ですよ」 そんな私とは対照的に、その生徒はにっこり笑いかけてくる。 「あ、こ、こんに、ちは。あの、見てるだけなんで、大丈夫です」 「そうですかぁ。どうぞごゆっくり。ん?ごゆっくりはおかしい?」 彼女はぶつぶつつぶやきながら、また忙しなく、グラウンドの中央に戻っていった。なんとなく力が抜けて、私は大きくため息をついた。 ――こんなに長時間、学園の中をじろじろ見ている不審者を咎めるでもなく、挨拶までしちゃうとは。なんていうか、かなり楽観的でのんびりした校風なんだろうな。って、彼女だけかもしれないけれど。 ふと、思考が雅のことへと戻る。 ああいうあっけらかんとした人が、雅のクラスにもいたらいいなと思う。人見知りな雅を、明るく笑って迎え入れてくれるような。ていうか、あの人は何年生だったんだろう。 もし同じ1年生だったら、そして私がここを受験して受かっていたら、あの人を新しい友達として、それで雅も一緒に・・・ 「・・・やめよう。」 雅のことをあんなに傷つけたくせに、まだ未練がましく、心配なんてしている自分が情けない。 すべては自分の行動が招いた結果。「たら」とか「れば」とか「もし」とか、そんなことを言ったって何の意味もない。 もう、帰ったほうがいいかもしれない。 私はそっとフェンスを離れて、とぼとぼと林道を引き返し始めた。 「・・・ん?」 しばらくぼんやりと足を進めていたら、帰りは道が二股に分かれていることに気づいた。行きは一本道だったけど・・・・これ、どっちに行ったらいいんだろう。 自慢じゃないけれど、私はかなりの方向オンチだ。直感で道を選んだら大体外れる。 そんなわけで、とりあえず「こっちかな?」と思ったのとは反対の道を選んで、そのまま足を進めた。 ――数十分後。 「ヤバいんじゃないの、これ・・・」 私は近くにある、ベンチに腰を下ろした。 あきらかに、行きの倍ぐらいの時間歩いている。選択ミスだ。まだ療養期間だというのに、こんなにわしわし歩くことになるなんて。 あの後もいくつか道が枝分かれしていて、そのたびに私は直感と逆の道を選んだ。それがいけなかったんだろうけど、今更そんなことを言ってもどうしようもない。 早く引き返さきゃ。そう思ってはみるものの、疲労はピークに達している。私は病み上がりの自分の体力を過信していたみたいだ。 喉も渇いた。でもペットボトルはもう空っぽだ。 不本意だけど、ここはお母さんに助けを・・・いや、ケータイは家に置いてきたんだった。どうしよう、どうしよう―― 「あの、何かお困りですか?」 その時、頭上から声が降ってきた。顔を上げると、女の子が立っていた。 ぷっくりしたほっぺたと、くりんと丸い目が、ネズミやハムスターを連想させる。 そのわりに服装はモノトーンで大人びていて、不思議な雰囲気を纏っている子だった。 「怪我、ですか?」 「え?」 「足。熱持ってるみたい。手当てしたほうがいいかもしれないです」 女の子はスカートから覗く私の足を、しゃがんでしげしげと眺める。 顔が幼い感じだから年下っぽく見えてたけど、真剣な表情になるとまた雰囲気が違うみたいだ。 「あの・・・私、バス停に行こうとしていて・・・で、迷って・・・」 「――舞波ちゃん?どうなさったの?こっちへ来て、舞波ちゃん!」 私が説明しようと口を開きかけたら、道の奥から、さらにもう一人の声が聞こえた。 「あ・・・、ちょっと、待っててくださいね。」 女の子はスッと立ち上がると、声のした方に走っていった。程なくして、2匹の犬を連れた小さな子と手をつないで、私のところへ戻ってきた。 「あら・・どなたかしら?舞波ちゃんのお友達?」 短めの髪に、黒目がちな茶色の瞳。次に現れた子は、仔犬っぽい顔だ。仔犬が仔犬の散歩とはこれいかに。 もうひとりの彼女はともかく、こちらは確実に年下だろう。小学生かな?ちょっとたどたどしいお嬢様言葉がかわいい。 「ううん、知り合いではないんだけど・・・。足、辛そうだから、お屋敷で手当てをしてあげてもいいかな?あと、お水も。顔色が悪いし、脱水症状っぽくなってる」 そんな、いいです、と言おうとしたけれど、喉がピリッと痛んで声が出ない。そういえば、頭も朦朧としているような・・・ 「・・・舞波ちゃんがそうおっしゃるなら。あの、千聖のおうちまでもう少しだけ歩くけど、大丈夫ですか?」 「肩、貸しますよ」 「すみません・・」 よかった、とりあえず遭難は免れたみたいだ。 小柄な2人(私もだけど)に支えられて、私は歩いてきた道を引き返しだした。 次へ TOP