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薄御伽草子 ふしぎふかしぎぽんぽこりん ゆめかうつつかぽんぽこりん ひととたぬきのものがたり たぬきとひととのものがたり まことかうそか、ざれごとあそび だいいちまくの、はじまり、はじまりー…一幕・邂逅 僕が住んでいるのは、地方都市の片隅、開発途中の山の入り口だ。 すぐ裏が山というだけあって、様々な動物が庭に迷い込む。 野良犬や猫、たまに狐、狸、野兎。 宵闇が近付けば蝙蝠が飛ぶ。 実家暮らしのしがない大学生である僕は、長い夏休みを持て余して、時折庭に来る客人に余り物をご馳走していた。 今日の客人は、小狸だ。 僕の家の周りにいる狸は、警戒心の強い狐と違い、しっかりちゃっかり人間と共存して暮らしている。 かっかっ、と小さな音を立てて、僕からのご飯を食べ終えた小狸は、少し甘えるように僕の足に頭を擦り付けて去っていった。 (…大学に、涼みに行くか…) 余談だが、僕の家にはクーラーがない。 一年半通っている大学にはクーラーが付いている。 しかも、どの教室にも。 (私大ばんざーい…) 心の中で呟いて、僕は家を出た。 僕の家から大学へは、電車で40分ってとこだ。 しかし…今日は、昼過ぎのこの時間にしては混み方が異様だ。 ほぼ満員のまま、40分か…憂鬱だ。 小さく溜息を吐いて、吊革に掴まる。 半袖の白いカッターシャツはすでに汗でじっとりと湿り、視力が悪い僕の必需品にしてお気に入りのデザイナーズ眼鏡は曇っている。 う、本格的に前が見えない… 一度眼鏡を拭こうと思い、肩から下げている鞄に手を伸ばした、その時。 (う…) 誰かが、僕のジーンズの前を探っている。 誰だ? 僕は男だぞ? 「身動き出来ない満員電車の中で、見知らぬ誰かに股間をいじられている」 そう、頭の中で言葉にした瞬間、一気に体中を貫くぞわぞわした感覚。 (…ひっ) 途端に腰が熱く、重苦しくなる。 駄目だ、想像しちゃいけない、落ち着くんだ僕。 そう思えば思う程、僕のモノは硬くなる。 脳の中では、中学生の時に、いわゆる「痴女」に同じく電車で手でイかされた事を思い出している。 僕は嫌だったんだ、嫌だったはずなんだ、だからそんな眼で見るな、そんな白くて綺麗な手で性器に触るな、僕の耳元で息を荒げるな、舌なめずりをするな!! その妄想は頭の中で回り続けている。 現実の僕は体を前かがみにして、唇を噛みしめ、鼻からふっ、ふっ、と荒い息を吐き出している。 ふと、耳元で声がした。「見られて…感じてるの?見られるの、好きなのね…ふふ」 それは、以前の「痴女」と全く同じ台詞だった。 頭に血が昇っていく。 あの時の「痴女」と今の「痴女?」が同一人物だという保証はないのに、僕はもう何も考えられない。 すでにジーンズのファスナーを開けて、ボクサーパンツを少しずり下げて、上を向いている僕のモノを擦る手を掴んだ。 掴んだ感じ、どうやら相手は女で、僕の後ろに立っているらしい。 いつまでも子供だと思うなよ。 女の手に自分の右手を重ね、女が触るより乱暴に、女の手で自慰するかのようにモノを擦った。 包皮ももう被っておらず、太い血管が幹に巻き付いている僕のモノは、異様な状況と異質な物体に擦りあげられ、あっという間に陥落した。 しかし、精液はしっかり女の手のひらに放出した。 出た感じ、あまり水っぽくは無いようだから流れ落ちたりはしにくいだろう。 女の手を離し、モノをしまい、身支度を整えると、まるでタイミングを計ったかのように大学前の駅に着いた。 そそくさと電車を降り、眼鏡を拭いた。 そして、ほんの少し罪悪感を感じながら、徒歩五分の大学へ向かった。
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登録日:2009/05/28(木) 14 21 13 更新日:2023/09/09 Sat 20 03 25NEW! 所要時間:約 3 分で読めます ▽タグ一覧 つり手 つり革 エクストリームスポーツ エルルゥ 健康器具 冤罪対策 憧れ 救世主 ←この人痴漢で…あ 競技 路線バス 鉄道 電車 電車の中に吊り下げられる形で設置された、乗客がバランスを崩さないために掴むもの。 環状のものと球状のものに大別され、更に環状でも丸型、三角型(おにぎり型)、五角形型(ホームベース型)の三つに分類される。 女性や潔癖症の人などにとっては、時に雑菌の温床として忌み嫌われるものだが、 鉄道ファン(通称鉄ちゃん)の一部にはたまらない萌えポイントであったり、また背の低い子どもにとってはいつか届きたい憧れの対象であったりする。 いち早くこれに届くようになった者は羨望の眼差しを向けられ、一時的に勇者と崇められるが、それが当たり前になるのもまた早い。 また、余談ではあるが現在の電車でつり革として使われているものは、厳密にはつり手と言う。熱中倶楽部で言っていた。 近年では、筋力的な負荷をかけるために敢えて全体重を吊革に委ねてみたり、いかに難しい掴まり方をするかを競う競技の場としても活躍している。 以下に、若干だが競技における技を紹介する。 ▼基本型 どうつり革を保持するかによって、六つの基本型に分けられる。 ○○ホールドの○○や略称を接頭語として後述の複合技につけられ、得点の底上げに用いられる。 以下は得点の上げ幅。 スタンダードホールド(SH) +0 正にスタンダード、普通に環を手で掴む型。 誰でも出来るため技と見なされない場合が多く、得点も上がらない。 リストホールド(WH) +0.5〜+5 手ではなく手首で固定する型。 かかる体重に応じて得点が上がる。 バンドホールド(BH) +1 つり革の革の部分を掴む型。 安定感は高いが、反面芸術点(見た目の美しさ)が低い。 アームホールド(AH) +2 環に腕を通して掴まる型。 腕の太さが重要なファクターのため、使う選手が限られる。 フットホールド(FH) +3 文字通り足で掴まる型。 通常は逆立ちの体勢になるが、Y字バランスの要領で立ったまま掴まると難度・芸術点が飛躍的に高くなる。 レッグホールド(LH) +4 別名こうもり。脚を通し、膝裏でぶら下がる型。 脚が通らないことも多く、また地面に手がつかなくなるので、基本型としては高難度。 ▼複合技 つり革をいくつ、どう使うか、体勢などによって技が生まれる。 以下は難度。 ダブル、トリプルホールド A、B 掴まるつり革を、二つまたは三つに増やした技。 混雑時に行うのが困難なため、ダブルは一つ、トリプルは二つ難度が上がる。 クロスホールド B 二つのつり革の間に立ち、右のつり革を左の手や足で、左を右で掴む技。 つり革を交差させてしまうと反則となる。 ホリゾンタル C Horizontal、つまり鉄棒のように、つり革上部のバーに掴まる技。子どもにはまず出来ない、高難度な技である。 しかし、この時つり革に手か足を通していなければ反則となる。それではつり革関係ないのだ。当然である。 クルシフィクス D つり輪の十字懸垂のごとく、磔にされたイエスのごとく大きく両腕を広げぶら下がる技。 無防備に脇腹や腋を晒すことになり、ジャリ共から攻撃を受けることは免れない。 だがそれがいい。 WHで行えば、難度はIまで跳ね上がる。 金門橋(GGB) F サンフランシスコにあるゴールデンゲートブリッジのごとく、向かい合う四つのつり革に手と足を通して橋をかける技。 芸術点はトップクラス。通常乗車率の時でも実行は困難であり、また必然的にFHも用いることになるため難度も段違いである。 上手くつり革とつり革で手を縛ることもできる簡易拘束具にもなる。 下手すると自力で外せなくなるので、使う相手は慎重に選ぶように。 加筆、修正よろしく。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 体重かけて掴まってる人は離した後のことも考えてもらいたい。揺れて頭に当たるんだよ -- 名無しさん (2018-01-16 12 25 22) 名前 コメント
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辞書 品詞 解説 例文 漢字 日本国語大辞典 名詞 ① 動植物の肉、身を包んでいる、外側の膜(まく)。表皮。皮膚。 ※書紀(720)神代上(水戸本訓)「一箇(ひとつ)の小(すくな)男、白蘝(かかみ)の皮(カハ)を以て舟を為(つく)り」※古事談(1212‐15頃)一「相国、御前に枇杷の有りけるを一ふさ取りて琴のつめにてかはをむきて」 皮・革 ② 獣類の①を剥ぎ取ったもの。 ※万葉(8C後)一六・三八八五「韓国(からくに)の 虎と云ふ神を 生け取りに 八頭(やつ)取り持ち来 その皮(かは)を 畳に刺し」 ③ (「側」とも書く) (一般的に) 中身を覆い包むもの。蒲団の綿を包む表布、饅頭や餠の餡(あん)を包む外側の部分など。 ※人情本・閑情末摘花(1839‐41)初「残りしものを買集、竹皮(カハ)につつみて持て行(ゆく)」 ④ (比喩的に) 物事を包んでいる表面のもの。また、物事の本質、内面を隠している表面のもの。「化けの皮」「うその皮」「欲の皮」など。 ※歌謡・閑吟集(1518)「人のすがたは花うつぼやさし、さしておふたりや、うそのかはうつぼ」 ⑤ 物事の表面。うわべ。多く、中身のない、うわべだけの意に用いられる。 ※洒落本・三人酩酊(1799か)笑上戸の段「『おめへのるすに、てへてへわるくいいなはった事じゃアねへ』『そうだらうよどうも東さんはかはだよ』」 ⑥ (革) ②の毛を取り去り、なめしたもの。なめしがわ。 ※書紀(720)天智二年六月(北野本訓)「革(カハ)を以て、掌を穿ちて縛(ゆは)ふ」 ⑦ (⑥を用いてあるところから) 鼓(つづみ)または三味線のこと。 ⑧ 「かわばおり(革羽織)②」の略。 ※洒落本・深川手習草紙(1785)上「成程お前(めへ)は見かけに寄ねへ革だのう」 ⑨ =つりかわ(吊革) ※落語・船徳(1889)〈三代目三遊亭円遊〉「鉄道馬車や赤馬車が贔負で車が便利だてェので、幾ら混雑(こみ)合てても彼(あ)の革へ縋(ぶ)ら下(さがっ)て」 広辞苑 名詞 ➊覆って外面となるもの。①動植物の外表を覆う膜など。 新撰六帖5「身をすてて後さへ人を恋ひをればさこそは骨と―となるらん」。「蜜柑の―」「 面 (つら)の―」 皮・革 ②(「側」とも書く)中に物を詰め、その覆いとするもの。 「蒲団の―」「ギョーザの―」 ③物の表面。うわかわ。 「化けの―を剝がす」 ➋おもに獣類の皮を剝いでつくったもの。①皮を肉から剝ぎ取ったもの。あらかわ。毛皮。 ②(「革」と書く)あらかわの毛を除去したもの。また、なめしたもの。 「牛―の靴」「わにの―の装身具」 ③鼓 (つづみ)の別称。 万代狂歌集「節のそろはぬしほから声、―に合はぬをいかにせん」 大言海 名詞 (一){動物、植物ノ體ノ、 表面 (ソトガハ)ヲ包メル物。 倭名抄、三 五 「皮、被 レ 體也、賀波」 皮 (二){特ニ、獸類ノ皮ヲ剝ギ取リタルモノ。あら皮、毛皮、つくりか は (ワ)、 を (オ)しか は (ワ)、なめしが は (ワ)、もみか は (ワ)、等、各條ニ注ス。 (三) 大皮 (オホカハ)、 小 (コ) 皮 (カハ)(大鼓 (オホツヅミ)、小鼓 (コツヅミ))ノ略。 萬代狂歌集(文化)「節ノ揃ハヌ、シホカラ聲、皮ニ合ハヌヲ、如何セン」 (四)スベテ、物ノ上ヲ包メル物。 「竹ノ皮」蒲團ノかは」榮耀ニ餅ノ皮」 (五)へちまのか は (ワ)ノ條ヲ見ヨ。 検索用附箋:名詞物品名称 附箋:名称 名詞 物品
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690 :名無しさん@ピンキー [sage] :2008/01/10(木) 21 32 39 ID 0jW5/URE 「みーつけた」 俺はその声を聞いた。2日ぶりだろうか。なんでこんな早く。なんでなんでなんで。 かくれんぼは完敗だ。逃げ切れるどころの話ではなかった。 俺が逃げ始めて2日。彼女が探しはじめて1日だ。有り得ない。 自分の認識が甘かったことを悟ると同時に未来が真っ黒になっていくのが分かった。 「修くんの行くところぐらい分かるよぉ」 後ろの女はころころと笑っている。1日で、東京から長崎に逃げた人間が見つかるか? そんなバカな。赤い糸ってやつか?もしその馬鹿馬鹿しい話が本当だったとしても 俺とこいつを結んでいるワケがない。そんな筈はない。そんなのは認めない。 「お父様も意地が悪いわ。こんな風に私を試すなんて」 後ろにいる女にストーカー行為を受けていた。ストーカーなんてもんじゃない。 つきまとい、毎日来るメール、電話、部屋にあった盗聴器とカメラ。それだけではない。 俺と接触した女――たかが挨拶でも2、3日は学校に来られないような制裁を与えていた。 ある子は殴られ、ある子はレイプされ、ある子は腕を折られ、ある子は監禁放置された。 そして彼女の父親に呼び出された。 白髪のまじった思ったより年齢を重ねた紳士だった。 娘とかくれんぼをしろ、と。 渡されたアタッシュケースには500万円が入っていた。 5日間逃げ切れば娘は君に二度と接触はさせない。 だが捕まった場合は諦めてくれ。 そう俯きがちの壮年の男性に言われ俺はアタッシュケースをひっつかんでその屋敷飛び出した。 そしてその2日後。 彼女の指が俺の肩にかかる。 「ねえ修くん、これからは幸せに暮らそうね」 実に嬉しそうだ。本当に嬉しそうだ。この上なく嬉しそうだ。 俺は後ろを振り向けないまま、しばらくこの絶望を味わうことにした。 697 :名無しさん@ピンキー [sage] :2008/01/10(木) 23 53 52 ID 3eBdgjbD 10 00 彼女(仮に空子様と名付ける)、行動を解禁される 10 30 昨日、旅立つ修君と偶然会い、公園で2、3言話していた少女を捕獲 11 30 5歳だったが気にせず都内某電車内の吊革に全裸で緊縛して放置 12 00 家でランチ。海鮮ドリアを作る 13 30 学校に到着 14 00 一昨日修君に相談を受けていた同級生に内容を尋問。しかし修君の行き先は聞かず 14 10 箒で性的暴行を加え、屋上に閉め出す 15 00 午後の間食。昨日焼いたクッキー 16 00 偏西風に乗ってくる修君の匂いの方向の変化から、修君の居場所を長崎と特定 18 00 成田空港 20 00 長崎到着 ここまでくれば濃厚な匂いが場所を知らせてくれる 699 :16 00修くんを探す空子 [sage] :2008/01/11(金) 01 19 00 ID bwshePJs 空子は髪をほどいてテラスに出た。緩くウェーブのかかった髪が風に靡く。 白い膝丈のスカートがフワッと舞い上がってまるで一枚絵のようだった。 目をつむって神経を研ぎ澄ませる。どんなに遠く離れていても必ず分かる。 修くんの明るい、こちらまで笑顔になるような気配。 風が運んでくれる筈だ。国内にいるなら分かる自信が空子にはあった。 修くんのことを思い浮かべながら風を探る。 捨てられた猫に憐れみの視線を向ける優しさ、底抜けに明るい笑顔、意外にしっかりとついた筋肉、そしてそこに弾ける水…… 「いけないわ」 シャワーシーンを思い出して空子は1人顔を赤らめた。心なしか動悸がする。 乱れてしまっては探すことが出来ない。 深呼吸をして気持ちを落ち着けてからもう一度目をつむりなおし、気配を探すことに集中した。 一瞬風の中にはしる愛しい気配。 空子は見逃さなかった。 「見つけたわ、後藤。この方向は九州……長崎ね。すぐ飛行機を手配して頂戴」 「かしこまりました空子御嬢様」 忠実な執事に指示を飛ばすと空子は愛しい気配の方を向いて微笑んだ。 「待っててね、修くん」 ―――――――――――――――――― 反省はしていない
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【元ネタ】アーサー王伝説 【CLASS】セイバー 【マスター】 【真名】トレック 【性別】男性 【身長・体重】175cm・75kg 【属性】秩序・善 【ステータス】筋力B 耐久C 敏捷C 魔力E 幸運A+ 宝具C 【クラス別スキル】 対魔力:B 魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。 大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。 騎乗:B 騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、 魔獣・聖獣ランクの獣は乗りこなせない。 【保有スキル】 無窮の武練(偽):A+ ひとつの時代に君臨した英雄豪傑達を容易く打ち倒した武名。 対戦相手の自動失敗・致命的失敗の確率を高める。 黄金律:C 人生において金銭がどれほどついて回るかの宿命。 頭環の加護であり、失われたなら貧困の運命へと反転する。 透明化:E 可視光域における透明化を三度まで行使できる。 自らが攻撃態勢に移ると透明化は解除される。 妖精の加護:C 神秘の島の『智慧の館』で受けた教え。 危機的局面において一時的にスキルを獲得する可能性がある。 幸運判定を行い、成功度に応じてCランクまで取得する。 【宝具】 『禍福は彷徨える冠の如し(エウロルヴィン)』 ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:0~99 最大捕捉:2人 持ち主とその配偶者に幸いをもたらす黄金の頭環。 幸運値を一ランク向上させ、あらゆる判定において幸運値に応じた+修正を与える。 【Weapon】 『不思議な吊革の剣』 モンテクレール攻囲を解いた騎士に与えられる、至上の誉れを証する剣 ……の筈だが、彼の物語での“モンテクレールの貴婦人”はクソアマだったので 誉は損なわれ、宝具としての格を得るに至っていない。 【解説】 十三世紀の蘭語アーサーもの騎士物語『トレック』の主人公。 加入の誘いを断っているので円卓の騎士ではない。 彼の祖母マリオールは魔法の掛かった黄金の頭環を持っていたのだが、 夫王の兄弟ブリュアンがこれを盗み、夫王もほどなく亡くなってしまう。 ブリュアンはマリオールを幽閉し、彼女は絶望の中で娘を樽に入れ海へ流した。 樽が流れ着いた地で美しく育った娘はその地の王イドールと結婚し、 息子トレックが生まれる。彼女は息子を見て生涯で初めての笑顔を、 息子の旅立ちに際し二度目の、結婚時に三度目の、最後の笑みを浮かべたという。 若武者トレックは頭環の件を知るとこれを取り戻すべく探求の旅に出た。 やがて彼はブリュアンを見つけ出して一騎討ちの末に打ち負かすのだが、 頭環は既にこの男のもとに無く、しかも彼は毒の剣で傷を負わされてしまっていた。 乙女ミロードがこの傷を癒し得る、頭環も現在彼女のもとにある、と彼は聞く。 もしも貴方が円卓の騎士全てを負かせたなら、私も頭環も貴方のもの。 この世で最も美しい乙女ミロード、今や激しく恋する相手でもある彼女にそう言われ 奮い立つトレック。だが一つ大きな問題があった。全員にだと? 勝てる訳がねえ。 彼とて巨人や獅子に姿を消す騎士それに仇敵と、多くの難敵を降した騎士である。 だが相手はそういうのが山ほどいる怪物の巣、一人二人は何とかできるとしても。 ここで以前トレックが友誼を結んでいたワルウェイン(ガウェイン)が一計を案じ、 仲間達と「試合前に、体と鞍を固定する帯に切れ込みを入れておく」合意を交わした。 こうしてトレックはアーサー王を除く全円卓騎士を一撃で落馬させる事ができた。 ところで仲間外れのアーサー王は切れ込みを入れていなかった。 と言うのも、この作品での王は強過ぎて、出れば試合の勝者が決まってしまうからと ワルウェイン、ランスロット、ペルセファル総出で出禁の約束を交わさせていたのだ。 だが新たな強豪の出現にそわそわした王は変装し、他人のふりで試合場に出て来る。 二人の掴み合いの泥仕合の末、トレックはめでたく結婚し王位を継ぐ事となった。
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■ 公安警察5名の謀略部隊が電車内で「痴漢事件」をでっち上げて市民活動家を逮捕! ネットメデイアの監視と弾圧を目 的と する 「コンピュータ監視法」が6月17日の参議院本会議で民主、自民、公明の賛成多数で可決・成立しました。 この間この治安立法を阻止するため精力的に活動していた一人の市民活動家が6月15日の深夜帰宅途中の電車内で「東京都迷惑防止条例 違 反」 容疑で逮捕されました。 市民活動家のY氏は男3名、女2名の公安警察・謀略部隊に電車内で「痴漢事件」をでっちあげられ逮捕されたのです。 しかし彼らの謀略工作が余りにもずさんだったため、東京地裁の裁判官は検察官が出した10日間の検察拘留請求を却下し釈放を決定しま し た。 検察官は「抗告」もできなかったのです。 Y氏は昨夜9時半3泊4日の警察拘留だけで無事釈放されました。 ご本人は「植草さんの事件もあり車内では吊革を両手で掴むなど十分注意していたのだが不覚にも嵌められてしまった」と 反省していましたがいたって元気です。 ▼ 昨夜Y氏に直接聞いた「事件」の経緯 1)自営業で市民活動家のY氏は6月15日午後6時から渋谷で開催された緊急座談会「コンピュータ監視法の実態と危険性を暴く」 に参加しその後の打ち上げ会で酒を飲み少し酩酊状態で午後11時頃井の頭線渋谷駅から明大前駅で京王線に乗り換え帰宅しようとした。 2)。ドアから2.3列くらい中側に立っていたY氏は京王線千歳船橋駅に向かっていた車内で「貴方痴漢したでしょう」 と 25、 6歳の女性に突然声を上げられ腕を掴かまれた。 Y氏は「女の腕の掴み方は普通では考えられない位に強く今から考えれば訓練されてたような気もする」と言っています。 3)車内は混雑していてドアーから2―3列目に立っていたY氏は吊革につかまらず右手はショルダーバッグのベルトを抑え、左手はフ リーで 下に おろしていました。 4)多少酩酊状態であったY氏は右横から女性が突然声を上げたので最初何が起こったのか理解できず「何言っているのだ」と反論するの が精 いっ ぱいでした。 5)電車が千歳船橋駅に到着し多くの乗客と一緒に押し出される形で駅に降りた。 6)「痴漢したでしょう」と叫んだ女性とは別の女性1名と男性3名がどこからともなく近づきY氏をとり囲んだ。 7)2名の駅員が来て「痴漢したでしょう」と叫んだ女性に「警察を呼びますか?」と聞き女性が「呼んでください」と答えたので駅員は 警察 に連 絡し た。 8)5―6名の警官が2台のパトカーで到着しY氏は成城署に任意同行された。警察官は任意同行と言い駅で現行犯逮捕とは言わずに連行 し た。 刑事は取調室で「お前は逮捕されてるんだ」と怒鳴った。 9)警察では取り調べが朝の5時ごろまで続いた。供述調書には間違いを訂正させ事実経過を正確に書かせてから署名した。 10)最後まで「逮捕令状」は見せられなかった。現場で現行犯逮捕せず「任意同行」で警察に連行してから「逮捕拘束」したのは「不当 逮 捕」で はな いのか? 憲法第33条の「何人も、現行犯として逮捕される場合を除いては、権限を有する司法官憲が発し、且つ理由となつてゐる犯罪を明示する 令状 によ らな ければ、 逮捕されない」に違反している。 11)翌日(6月16日)午前と午後警察の取り調べがあった。 12)6月17日(金)に検察官の取り調べがあり検事調書に事実経過を正確に書かせてから署名した。 13)若い検事は「被害者からの告発があり10日の拘留を出さざるを得ないが却下され釈放された場合は任意の出頭は可能か」と聞いて きの で 「可能 です」と 答えた。 14)6月18日(土)に東京地裁の若い女性裁判官が検察の10日間拘留請求を却下し釈放を決定した。その際裁判官は「検察から「抗 告」 が出 さ れると 他の裁判官が10日間の拘留を認めてしまうかもしれない」と言ったが結局検察からの「抗告」は出されなかった。 15)昨日(6月18日)午後9時半成城署から釈放された。 ▼ 3泊4日で釈放されたの理由 救援連絡センターの担当者が「検察拘留が却下され釈放されたのは非常にまれなケース」と驚いた3泊4日で釈放されたおもな理由は 以下の3つが考えられます。 一つは、公安警察の謀略部隊のでっち上げがあまりにもずさんでお粗末だったため警察と検察は逮捕したものの証拠も証言もなく「事件」 化で きな かっ たこと。 二つ目はY氏が憲法の保障する「基本的人権」を盾に警察と検察の圧力に一歩も引かず「痴漢行為は一切やっていない」と一貫して主張し たこ と。 三つ目は、救援連絡センター(03―3591―1301)や弁護士さんや支援する仲間の「支援体制」が迅速に機能して警察・検察の権 力乱 用に 歯止 めをかけたこと。 ▼ 今回の事件は経済学者植草一秀氏への「痴漢謀略事件」とそっくり! 経済学者の植草一秀氏は2001年—2006年の「小泉・竹中構造改革」は米国流の「新自由主義」を日本に導入し用としている、と激 しく 批判 して いました。 特に2003年5月に小泉政権がりそな銀行を一時国有化した際に「破綻合併」の方針を一転して「国有化」方針に転換したのは、 竹中金融担当大臣(当時)による「国家によるインサイダー取引」と鋭く糾弾したのです。 植草一秀氏は2006年9月13日午後10時頃京急本線の品川駅-京急蒲田駅間の下り快特電車内で女子高生に痴漢行為をしたとして東 京都 迷惑 防止 条例違反の 現行犯で警視庁により逮捕されたのです。 警視庁公安部は取引先の宴会で酒を飲みかなりの酩酊状態で反対方向の電車に誤って乗り込んだ植草氏を「痴漢事件」をでっち上げて逮捕 した ので す。 植草氏を尾行していた謀略部隊は女子生徒に「痴漢行為」をして声を上げさせ、乗客を装った私服刑事が植草氏を「犯人」として取り押さ え 蒲田駅の駅員につきだし警察に逮捕させたのです。 小泉純一郎政権は2006年9月26日で終了し次の安倍晋三内閣に交代しましたが、2006年9月13日に起こした公安警察による植 草氏 への 「痴 漢事件」は小泉・竹中 政権が 仕掛けた最後の「謀略」だったのでしょう。 今回Y氏にかけられた「痴漢事件」は経済学者植草一秀氏にかけられた「痴漢事件」とそっくりなのです。 ▼ もしも警察に不当逮捕されたら もしも警察に不当逮捕されたら、警察と検察に対して毅然とした態度をとり、憲法が保障する下記の「基本的人権」を主張し、 救援連絡センターへの連絡を強く主張すべきです。 1)警察や検察に対し「不当逮捕であること」「逮捕容疑は認めないこと」を毅然として主張すること 2) 直ち救援連絡センター(03―3591―1301)に連絡して弁護士を派遣するように強く主張すること 3)警察や検察に対し憲法が保障する以下の「基本的人権」を強く主張すること ㈰ 憲法第31条:法定手続きの保障 ㈪ 憲法第32条:裁判を受ける権利 ㈫ 憲法第33条:逮捕の要件 ㈬ 憲法第34条:拘留・拘禁に対する保障、拘禁理由の開示 ㈭ 憲法第35条:住居の侵入・捜索・押収に対する保障 ㈮ 憲法第36条:拷問の禁止及び残虐刑の禁止 ㈯ 憲法第37条:刑事被告人の権利 ㉀ 憲法第38条:不利益な供述の供用禁止、自白の証拠能力 ㈷ 憲法第39条:遡及処罰の禁止・一事不再理 ㉂ 憲法第40条:刑事補償 4) 警察や検察は「微罪だから容疑を早く認めて釈放されたほうが良い」と嘘を言って供述調書に署名を強要しますが決して騙されない こ と。 ▼ 次は「共謀罪」が上程される 犯罪が実行されなくても二人以上が「謀議」するだけで逮捕・起訴出来る米国流「共謀罪」は小泉自公政権が日本に導入すべく3回も国会 上程 しま し た。 マスコミや国民世論の強い反対と当時野党の中心であった小沢一朗代表率いる民主党が反対したため「共謀罪」は3回ともギリギリのとこ ろで 廃案 にさ れたのです 今回成立した「コンピュータ監視法」は「共謀罪」の中に書かれていた「サイバー犯罪」「児童ポルノ規制」「強制執行妨害」を別個に取 り出 して 法案 化したもので、 「共謀罪」に強硬に反対した民主党は菅執行部(江田五月法相)になった途端、法務官僚の言うままに政府提案として計6回の委員会審議 だけ で民 主、 自民、公明「大連立」体制で どさくさに紛れて法案を成立させたのです。 私はこれを以て「日本は戦前の治安維持法下の「弾圧と失業と戦争の時代に突入した」と判断しました。 【関連記事】「日本は戦前の治安維持法下の「弾圧と失業と戦争」の時代に突入した」と判断しました。http //blog.goo.ne.jp/yampr7/e/77f04d90bc7ff62cae758ed3fa1c3d7d 我々は戦前には存在していなかったネットメデイアを駆使して大手マスコミの垂れ流す「大本営発表」報道の嘘を暴露し「真実」を発信す る必 要が あり ます。 我々は権力による国民への「弾圧」や「謀略」を許さず正面から戦い戦前の暗黒の時代を再び繰り返さないようにすべきなのです。 (終わり)
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当たり前の事 電車の中、吊革に掴った碇シンジはボンヤリと窓の外を眺めていた。いつも眺める悲しげな夕日。 今何処を走っているのか、終着駅が何処なのか、シンジは知らなかった。別に知る気もなかった。 仮に知ったとしても敷かれたレールを進む以外、自分に選択肢はないと思っていたからだ。 ―――この電車は何時でも夕暮れだよな。そういえば街を見るの、久しぶりかもしれない。 そしてふと思う。普段の自分は座席に座って下を向いていたはずだ。そう、目の前の少年のように。 「また来たのかい。こんな事してるヒマ、君にはないんじゃないかな?」 目の前に座っていた少年がシンジを見上げ、呆れた様な声を出した。1メートルも離れていないのに 顔は良く見えない。それでもきっと自分と同じ顔をしているんだろうな、とシンジは思った。 ―――いつもの事だよ。どうせキミもヒマなんだろ。いつも居るじゃないか。 シンジの精一杯の軽口に少年は肩をすくめる。『なに言ってんだよ』そう言いたげな態度だった。 「まぁ、いいさ。今日は込んでるみたいだから、またな……」 少年の言葉の途中、多少の振動と共に電車が停車した。何処へ到着したのか、ホームを見ても駅名は 見当たらないし、人影は無い。気が付くと座席に少年の姿は何処かへ消えていた。 無人の駅。降車する客に憶えなどないはずだが、見た事のある者が混じっていたような気もした。 降りる者はいても乗り込む者はいない。そして降りた者は何処へとなく姿を消していった。 ―――ここが何処だか良く分からないけど、みんな降りてるし、ボクも降りようかな? ホームに降りる乗客を見つめながら、そんな事を考えていると背後に気配を感じた。 「何も成さないまま、ここで降りるつもりか」 聞き覚えのある低い声。ゼンガー・ゾンボルト。交わした言葉は少なかったが、決して忘れはしない。 ―――無事だったんですね。良かった、本当に。僕も一緒に行って良いですか? 彼はシンジの肩を軽く叩き、そのまま横を通りホームへと降りた。 「降りたいなら降りろ。人に頼るな、自分で決めろ」 その一言だけ言うと悩んでいるシンジを後に、振り向きもせず消えていった。 ―――ボクはゼンガーさんみたいに強くはないんです。 自嘲気味に呟いた。自分で決断する。それはシンジにとって一番の難問だった。 「よぉ! テメェ、シケた面してんじゃねぇーよ!」 迷っていると突然、無駄に陽気な大声の男にヘッドロックを掛けられ、髪をクシャクシャにされた。 ―――何なんだよ一体。そもそも誰だよ、この人? 顔は良く分からない。見た事はないが、声を聞いた事があるような気がした。 「つまんねぇ事で腐ってんじゃねぇよ。俺はぁ一足お先にリタイアすッけどよぉ、お前は頑張れよ」 腕を放しながら男はアクの強いアクセントで言い放った。やはり何処かで聞いた気がする。 男が降車するのをシンジは軽く手を振って見送った。男は振り向かず片腕を上げて答えた。 「お前は立派な人殺しなんだからよぉ。一人殺すのも二人殺すのも一緒だぜぇ。ガンガン殺せよなぁ」 シンジは言葉の意味に、声の主に思い当たった。 ―――そうだ。ボクは人を殺したんだ。自分の意思で。 そして彼らが何処へ行くのか、電車から降りる事が何を意味していたのか、なんとなく理解した。 電車はまだ動かない。不気味なほど静かで殺風景なホーム。ふと視線を送った駅の外に彼女はいた。 寂しげな街中に、制服を着た赤い瞳の少女が立っている。いつか見た気のする場所だと思った。 ―――どうして綾波がそこに? 早くこっち側へ……… 良くは分からないが、ここがシンジの想像通りならば『降りていてはいけない存在』のはずだった。 「大丈夫。私は二人目だから。それよりも………」 『ジリリリリリリ………』 言葉を遮って発車を告げるベルが鳴り響いた。声は聞こえなかったが綾波レイの指差した車両には、 奇妙な格好の乗客に混じって吊革に掴っている金髪の少女の姿があった。赤い髪飾りが特徴的だ。 ―――アスカ、こんな近くにいたんだ。綾波も早く乗らないと……… 視線を戻すと綾波の姿は既に無く、どこからか『さよなら』と声が聞こえたような気がした。 悲しくなるから聞きたくない言葉だった。ようやくシンジは綾波のいなくなった場所を思いだした。 それは初めて第三新東京市に来た日、綾波レイと出会う前に彼女を見た場所。 電車は再び動き始めた。 無様に突っ伏した大雷凰の操縦席でシンジは目を覚ました。森を彷徨う内に倒れたらしい。 「うぐっ」 体を起こそうとしたシンジは全身に走る痛みに言葉を失った。涙が出るほど痛いが、なんとか我慢 して起き上がる。一応、彼も男の子。 「このくらい………」 少し涙が出ている。システムLIOHの後遺症などではない。発動しただけで、その隠された力を発揮し たわけではないのだから。汎用システムと言っても軍人向け、中学生には大きな負担を強いる。 要するに筋肉痛だ。他の参加者に比べ、シンジは根本的に体力が足りない。 「そうだ。昨日は………」 昨夜の事を思い出すと案の定、悲観的な自分会議で落ち込み始めたが、本格的な鬱モードへの突入は 抗議の悲鳴を上げた腹の虫によって阻止された。 「そういえば、一昨日の夜から何も食べてないんだよな」 生き抜く。そう決めた矢先に飢え死にしたのでは、流石にゼンガーに会わせる顔がない。軍用機なら 何かあるはず、と操縦席を漁ってみた。どこをどう見ても特機なのだが、EVAとNERVを基準としている シンジにとっては『ロボット=軍の秘密兵器』なのだ。 「サバイバルナイフに、こっちは救急箱と………薬かな?」 救急箱には消毒液や抗生物質やモルヒネ他多数が詰め込まれており、Cレーションもあった。 「包帯と注射器くらいしか分からないや。ケンスケなら分かるんだけどなぁ」 まともな軍事知識を持たないシンジには『見慣れない薬が一杯』としか見えない。折角の非常食も 食べられなければ無いも同じ。仕方なく十分に周囲を警戒してから機体を降りる事にした。 「やっぱり、大きい………よな」 座らせていても小さなビルほどもある大雷凰を見上げて、人間の大きさを再認識する。護身用に ナイフを持ってきたが気休めにしかなりそうも無かった。 「美味しい!」 大き目の葉っぱで草木に付着した朝露を集めて飲んだ。渇いた喉に森の恵みが心地よい。ただの水を 『美味しい』と思ったのは初めてだった。良くも悪くも都会育ちのチルドレンである。 突然、何かが茂みの中から飛び掛ってきた。シンジの脳裏に『死』が浮かび上がる。 「う、うわあぁぁぁぁ!」 無我夢中でナイフを振り回したが眼を閉じてしまっていては当たるはず無く、足をもつれさせ派手に 転んだ。ナイフで自分を傷つけなかった事を幸運と言って良い程、無様な転倒だった。 「リス? それともキツネ、かな?」 倒れたシンジの視線の先で、小さな動物が純真無垢な瞳で見つめている。心底ホッとすると同時に、 自分の間抜けさ加減で全身の力が抜けた。この光景をアスカが見ていたなら、半年は馬鹿にされそうな 滑稽な醜態だったと言えよう。 「ごめんよ。今、食べ物は持ってないんだ」 危険が無い事が分かって優しく話しかける。しかし活動を再開した腹の虫に危険を感じたのか、 キツネリス(仮)はシンジから距離を取った。腹の虫は全ての生命体に共通する危険信号なのだろう。 (捕まえれば、食べ物が手に入る) とっさにそんな事が頭に浮かぶ。生肉はパックの物しか知らない。生の動物を捌いた事は無いが、 生き抜く為にはそうも言ってられない。 「おいで」 ゆっくり身を起こすと、キツネリスに優しく手招きをした。後ろ手に鈍く光るナイフを隠して。 逃げられたら次のチャンスはないだろう。膝を着いたまま、慎重に間合いを詰める。 (ごめんよ。キミは全然悪くないんだ。でもごめんよ) ゆっくり、ゆっくりと近づいて行く。造り笑いは得意だった。自分でも凄く嫌な笑顔を浮かべている と思う。しかし再び鳴った腹の虫に、キツネリスは茂みの中へと姿を消してしまった。 (逃げられちゃったな。それじゃ、仕方ないよね) ゴロンとその場で大の字に寝転がる。残念なはずだがシンジは少しホッとしていた。生きる為には 必要でも、自分の手を汚す事には抵抗があった。エゴなのは分かっている。 (お腹減った。そういえばアスカは何か食べたれたのかな?) 大の字になったまま、どこかにいるはずの少女を思う。料理など出来ないはずだから、きっとお腹を 減らして文句を言っているに違いない。そんなシンジの想像は、大筋で正解であった。 気が付くと、いつの間にか先程のキツネリスが戻ってきていた。その前足には奇妙な実を抱えている。 「………もうお前を食べようなんて考えないからさ。えっ、くれるの? ぼくに?」 実を器用に前足で掴んで差し出す姿は、とても可愛らしい。実を受け取るとキツネリスは再び茂みの 中へと消えていった。奇妙な色に光る実は、とても不気味で食べられそうには無かったが、その好意が 嬉しかった。同時に自分の行為が恥ずかしく思えた。 「………生きるって、一人だけで生きてる訳じゃないんだよな」 なにか当たり前の事を忘れていたような気がする。 【碇シンジ 搭乗機体:大雷鳳(第三次スーパーロボット大戦α) パイロット状態:良好(空腹だが精神は安定)。全身に筋肉痛 機体状態:右腕消失。装甲は全体的軽傷(行動に支障なし)。背面装甲に亀裂あり。 現在位置:H-4の森 第1行動方針:アスカと合流して、守る 第2行動方針:出来るだけ助け合いたい 最終行動方針:生き抜く 備考1:奇妙な実(アニムスの実?)を所持 備考2:救急箱やレーションを所持(でも使い方を知らない)】 【時刻:二日目:05:30】 前回 第128話「当たり前の事」 次回 第127話「修羅と少女」 投下順 第129話「薔薇の騎士(ナイト)は斯く語りき」 第127話「修羅と少女」 時系列順 第129話「薔薇の騎士(ナイト)は斯く語りき」 前回 登場人物追跡 次回 第112話「魔神開放」 碇シンジ 第132話「新しい朝が来た」
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電車内で見かける乗客 576 名前:水先案名無い人 :2006/07/11(火) 23 25 53 ID K6Jtu+Ll0 全電車内で見かける乗客入場!! ダイヤ狂わせは生きていた!! 更なる研鑚を積み強制飛び込みが甦った!!! 次の電車を待て!! 駆け込み乗車する乗客だァ――――!!! 空席確保はすでに我々が完成している!! ちょっと失礼しますよ 小さなスペースにデカいケツを突っ込むオバちゃんだァ――――!!! ドアが開きしだい入りまくってやる!! 降りる人優先です! 降りる客を無視して入る乗客だァッ!!! 席の譲り合いなら我々の歴史がものを言う!! 車内の良心 どうぞお座り下さい 席を譲ってくれる人!!! 真の吊革掴みを知らしめたい!! 体力作り!? いつでも立っている乗客だァ!!! 内容はみみっちいが被害率ならいつだってオレが一番だ!! 満員電車のテクニシャン スリだ!!! 痴漢対策は完璧だ!! この人痴漢です! 強気な女性乗客!!!! 全電車のベスト・ポジションは私の席にある!! 計算された通勤通学ライフが来たッ 始発駅で悠々席に座る乗客!!! 席取りなら絶対に敗けん!! 常連客の眼力見せたる こいつは次の駅で降りる 何処で誰が降りるか把握している乗客だ!!! 風俗情報(18禁あり)ならこいつが怖い!! 子供には見せられないのエロス・ゾーン スポーツ新聞の風俗欄を慌ててスルーする乗客だ!!! 異国の地から謎の言語が上陸だ!! 「Hello!」 突然フランクに話しかけてくる外人乗客!!! ルールの無い乗り方がしたいから迷惑客(恥知らず)になったのだ!! 現代人の傲慢さを見せてやる!!シートに横になるヤツ!!! めい土の行く前に緊急停車とはよく言ったもの!! 病人の奥義が今 車内でバクハツする!! 発車を見合わせる急病人だ―――!!! 目的駅通過こそが空しさ最高潮の代名詞だ!! まさかこの間違いがきてくれるとはッッ 各駅停車と快速を乗り間違えた乗客!!! 窓の景色が見たいから靴まで脱いだッ 年齢一切不明!!!! 車内のビット(小さき)乗客 窓にへばりつく子供だ!!! オレたちはオヤジ最強ではない全ギャンブラーの中で最強なのだ!! 御存知赤鉛筆 競馬新聞を熱心に読む中年乗客!!! 鉄ヲタの本場は今や先頭車両にある!! オレを驚かせるヤツはいないのか!! 運転席の中を見ようと必死な鉄ヲタだ!!! 五月蝿ァァァァァいッ説明不要!! シャカシャカ!!! ズンズン!!! ヘッドホンから音漏れ乗客だ!!! お色直しは車内で出来てナンボのモン!!! 超実戦メイク!! 本家通勤電車から車内で化粧する女の登場だ!!! 新聞はオレも見たい 邪魔する場合は思いきりかわして思いきり覗くだけ!! 漁夫の利統一王者 人の新聞を盗み見る乗客! 演技力を試しにお年寄りの前に座ったッ!! 白々しい度全車内チャンプ 寝たふりで席を譲らない乗客!!! 網棚漁りに更なる磨きをかけ ”雑誌拾い”ホームレスが乗ってきたァ!!! 今の自分に意識はないッッ!! こっくりこっくり 見知らぬ誰かに寄りかかって寝てる乗客!!! 試験前の奥義が今ベールを脱ぐ!! 各種教育施設から 車内でも暗記帳やノートを確認する学生だ!!! 周囲の乗客の前でならワシはいつでも全盛期だ!! ワシは年寄りじゃない! 譲った席に座らない頑固老人 石頭で登場だ!!! 会社の仕事はどーしたッ スケベの炎 未だ消えずッ!! 触るも撫でるも思いのまま!! 痴漢サラリーマンだ!!! 特に理由はないッ 終電間近は酒臭いのは当たりまえ!! 奥さんにはないしょだ!!! 日の下開山! 酔っ払いがきてくれた―――!!! 秋葉原で磨いた実戦ヲタトーク!! 車内のデンジャラス・マニア 衆目監視の中で萌え談義をするヲタク達だ!!! 迷惑度だったらこの客を外せない!! マナーモードは常識なのに! 着メロを堂々流す乗客だ!!! 超一流酒飲みの超一流の朝帰りだ!! 生で拝んでオドロキやがれッ 歓楽街の駅の早朝!! 始発電車で帰る人達!!! 乗車中の暇潰しはこいつらが完成させた!! 音量は最小で!! 携帯ゲームに興じる客だ!!! 間抜けな乗客が眠っていたッ どこへ行く気だッ お客さんッッ 終点ですよッッッ寝過ごしてしまった乗客の登場だ――――――――ッ 加えてトラブル発生に備え超豪華なリザーバー達を御用意致しました! 出発進行 運転手!! 切符を拝見 車掌!! 駆け込み乗車はお止め下さい!駅員! ……ッッ どーやらあと一人は車内で助けた女性といい感じの様ですが、大団円を迎え次第ッ紹介致しますッッ 関連レス 584 名前:水先案名無い人 :2006/07/12(水) 12 38 26 ID pmJ0Uums0 576-579 あるあるwww コメント 名前
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# ラジオネーム 内容 ぷに パチェ スパッツ #128 深呼吸改めゴローワーズ伯爵 頬から落ちた涙の雫が振り向きざまに彼女が捨てた指輪にあたってぷにっと弾けた。 5ぷに 山田パチェ子 森ぷに助のぷに散歩。今日ぷにさんが歩くのは東京の台所築地。 7ぷに #138 大仏ラーメン ぷに助は象なのである。あぁ今日も空は青いのである 6ぷに 4パチェ #140 かさぶた モンブランを食べている。でもショートケーキが食べたい。 4ぷに 6パチェ かさぶた ぷに助は英語が得意。環境問題に興味があり、北京にいる。 4ぷに 6パチェ 流星群ティア ぷに助川柳 ぷにぷにぷ ぷにぷにぷにすけ ぷにぷにぷ 2ぷに 8パチェ パンパース交換条約 上田の母からの手紙 7ぷに 3パチェ #141 おどやんとてっちゃんと上田啓介 パンにするかごはんにするか 3ぷに 7パチェ サイレントJ ぷに助は貴乃花に憧れている 4ぷに 6パチェ もうしません ぷに助はよく、思った以上に、と口にする 7ぷに 3パチェ 毎日腹痛 ぷに助間違い探し。わかるかな? ぷに助 ペニ助 5ぷに 5パチェ 天ぷらという概念 ぷに助はボールペンのグリップを作る仕事をしている 8ぷに 2パチェ #142 サボテンヒーロー 国語辞典でオーストリアとアメリカをよく調べる 3.2ぷに 6.8パチェ サボテンヒーロー 我思う故に我あり 3.2ぷに 6.8パチェ チンカスふりかけ 左中間という言葉にハマっている 4.5ぷに 5.5パチェ かさぶた ぷに助イントロクイズ 1ぷに 9パチェ 寿限無寿限無 パンプキン還付金三角巾ソーセージ 8ぷに 2パチェ オナニーはじめました ぷに助は生まれてこのかたポルトガルを出たことがない 8ぷに 2パチェ #143 大仏ラーメン 通りすがりのラガーマンにタックルを仕掛けるバイト 4ぷに 6パチェ 青空とペニス ぷに助はぐうたら屋だ。まだ目覚まし時計は鳴っている 2ぷに 8パチェ 毎日腹痛 ペットショップでワンワン吠えるぷに助と出会う 7ぷに 3パチェ さとうラーメン ぷに助は小説を書きたいと思った 3ぷに 7パチェ みぞおちが弱点 ぷに助二択クイズ ぷに助は犬派でしょうか?猫派でしょうか? 9ぷに 1パチェ レモン汁専門店ぴこてぃ 現代のぷに助のポジションはサディスファクション 5ぷに 5パチェ てりやき産業 ぷに助あるなしクイズ 1ぷに 9パチェ #144 避妊具の向こう側 30浪を超えた受験生。今年齢50を迎えた 3ぷに 7パチェ てりやき産業 飛行機内で医者でもないのに患者を診る 1ぷに 9パチェ アゲアゲですよ ぷに助は鼻血が大好きだ 2ぷに 8パチェ 大木ぼんす ペットのマーキングを飼い主に伝えるバイト 7ぷに 3パチェ 大仏ラーメン 高層ビルのガラスに八丁味噌を塗りつけるバイト 5ぷに 5パチェ 毎日腹痛 ぷに助マンは気が向いた時だけ助けに行くヒーロー 4ぷに 6パチェ 大木ぼんす 茶碗蒸しを食べたいだけなのに 6ぷに 4パチェ 大木ぼんす まれに戦国武将のようなモチベーションのパートのおばさんがいる 8ぷに 2パチェ #148 てりやき産業 勝手に厨房に入り勝手に働く 4ぷに 6パチェ サイレンスズカ うんこを漏らすときの音を演じる 6ぷに 4パチェ アゲアゲですよ ちん毛生えないまま還暦を迎える 2ぷに 8パチェ てりやき産業 ひったくりの声を聞いて急いで追う 8ぷに 2パチェ #150 綺麗な花が好きだから 勃起したちんこにタオルを巻きつけサーフボードを磨く 3ぷに 7パチェ 2スパ 大仏ラーメン ドッキリで高度3000mから落下して目覚める 5ぷに 5パチェ 4スパ 大木ぼんす ラーメン屋に冷やし中華をやめるよう圧力をかけるバイト 8ぷに 2パチェ 1スパ 大木ぼんす 住民にタンドリーチキンを広めた功績が認められ智弁和歌山の監督に 1ぷに 9パチェ 8スパ アゲアゲですよ ぷに助の友達の後藤くんがおじいちゃんのアナルのシワを数える 7ぷに 3パチェ 6スパ #153 綺麗な花が好きだから ぷにすけの73歳の車 3ぷに 7パチェ 4スパ 大木ぼんす サンプラザ中野と泌尿器科で知り合う 7ぷに 3パチェ 8スパ 避妊具の向こう側 タマキニストきらきら星 9ぷに 1パチェ 1スパ 大仏ラーメン アジの開きに鍵をつけるバイト 5ぷに 5パチェ 5スパ 避妊具の向こう側 ヘルメットをつけて登校 2ぷに 8パチェ 6スパ 山田アーティ パチェ子は自分の学生服の第4ボタンを押し続ける 8ぷに 2パチェ 9スパ かさぶた 自動販売機のおつりのとこにうんこの趣味 1ぷに 9パチェ 3スパ #156 大仏ラーメン グレープフルーツと間違えてスーパーに美輪明宏を出荷しそうになるバイト 5ぷに 5パチェ 5スパ 大木ぼんす 北海道フェアで卑猥な形の大根を置いた罪 5ぷに 5パチェ 5スパ 綺麗な花が好きだから 勃起を吊革にするバイト 5ぷに 5パチェ 5スパ 大木ぼんす 押収した下着を並べるバイト 5ぷに 5パチェ 5スパ 看護ワゴン きよしコンドーム 5ぷに 5パチェ 5スパ 避妊具の向こう側 老人の良いところを10個言う 5ぷに 5パチェ 5スパ
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<第二部・登場人物> 秋山澪……N女子大学一年生・第二部の主人公 田井中律……N女子大学一年生 ××……N女子大学一年生・律の友人の一人 曽我部恵……N女子大学二年生・律と澪の高校時代の生徒会長 平沢唯……N女子大学一年生 <第二部> 律と出会って、十か月が経った。 私はバスに乗った。 同じように乗っていく人たちは、大抵私と同じぐらい若い。 イヤホンを耳にしている女の子もいれば、友達と楽しそうに談笑している子たちもいる。 このバスは女子大行きだから、ほとんどの乗客は女の子だった。 おそらく大抵はN女子大の学生だろう。だけど案の定私と交流がある人はいない。 いや、いる方がおかしいんだ。 私は冷えた指先を撫でた。 席は空いていなかったので、仕方なく吊革に捕まる。 片手が吊革を掴むと手を温めることができないので厄介だ。 それも手袋を忘れてしまった今日に限って席が空いていないなんて。 今日の運勢は最悪かもしれなかった。 マフラーに顎をうずめる。お気に入りの白いマフラーだ。 もう冬を感じるようになって二か月余り。 暦は二月。 大学の講義にも慣れきって、友達がたった一人しかいないという状況にも慣れた。 今年度の手帳は埋まりつつあって、それとはもう一月ほどでお別れだ。 手帳にはいろいろお世話になった。 (……寒い) だけどこれでも、もう少しで冬は終わるんだ。 でも、まだ冬は長かった。 ■ 「そういや澪ー、試験の課題終わった?」 「どうした律。まさかまだ終わってないのか?」 私たちはいつもの窓際の席で昼食を食べていた。 律はいつもここの麺類は安いんだ言ってうどんだったり蕎麦だったりを食べていたけれど、今日はハンバーガーだった。 どうやら今月はあまりお金がないらしい。さては先週買ったあれか。 律はハンバーガーを手に持ったまま、ちょっと恥ずかしそうに目を逸らす。 「だってさー、フロアタム買ったんだから練習に気合が入っちゃって」 「私だってこの前ワウ買ったけど、課題はちゃんとしたぞ」 「なんでバンドメンバーいないのにワウなんだよ!」 「だって欲しかったし。律だってバンド組んですらないのにフロアタムなんて」 「し、仕方ないだろ欲しかったんだし。それでさあ澪」 「なんだ?」 「課題、手伝ってくれないかなーなんて……」 律がハンバーガーを置いて、合掌した。 私は別に怒っているわけじゃないのだけど、とりあえず泣き喚いて懇願してくる律の姿も見てみたい。 なによりここですぐに折れてしまうと私らしくはなかった。 昔はもっと単純だったんだけどなあ。 「自分でやらないと力がつかないぞ? テストもあるんだから」 「だって課題難しいじゃん。あの教授、問題集の答え配らないなんて」 「答え配ると答え写して提出するだけの人が増えちゃうからじゃないか? お前みたいにさ」 「失敬な! 一度でも答え見たことあるかよ私が」 「……ないけど」 「ほら見ろ! 澪がいれば答えなんて必要ないのさ」 「そこに誇ってどうすんだよ」 そんなやり取りをしていたら、私たちのテーブルに誰かが近づいてきた。 「二人とも仲いいわねー」 そう言ってやってきたのは、律の友達だった。 確か、××さんと言ったかな。 私も一応、その人の名前だけは知っていた。 律は彼女のことを友達だけどさん付けしていた。どうやらうまい呼び方がないらしい。 律が大学に入って最初に仲良くなったというグループのうちの一人である。 私は彼女……それでなくとも律以外の誰かとは全然仲良くなかった。 だから彼女が話しかけてきたと同時に、さっきまで律に対して威勢を放っていたくせに委縮した。 私は口を閉じて、両手を膝の上に揃えて俯いた。 「何? どうしたの?」 律がハンバーガーを食べながら、その××さんに問うた。 「秋山さんの前じゃあれだから、ちょっと来てくれないかな?」 私の名前が出たので、上を向いた。律はよくわからないという表情で、彼女に連れて行かれてしまった。 連れて行かれたといっても遠くではなく、私に会話が聞こえないぐらいの位置だった。 食堂のほぼ真ん中だ。 私に聞かれたらあれって、どういう意味だろう。 二人は固まって何やら話している。私は食事のことなんかすっかり忘れて、その様子だけを茫然と見つめていた。 律はなぜか照れるように後頭部を手で触っていた。 その様子を見ていて、なんだかズキズキした。 律と出会ってから、こういうことばっかりだな……。 私は箸を持って、すっかり冷めてしまった味噌汁を飲んだ。 ■ 「なんだったんだ、さっきの話?」 午後の講義へ行く途中の廊下で、私は尋ねた。 律は天井を見ながら唸った。 「んー……澪は特に関係ない、けど」 「でも気になるだろ」 気になるんじゃなくて、隠されているような気がして嫌だからだ。 律は私の目をチラッと一瞬だけ見て、唸った後言った。 「いや、なんか……友達の友達に食事に誘われたというか」 律の濁らすような言葉が、少しだけ胸に刺さった。 何かを誤魔化そうとしてるのかな。 「友達の友達? お前の友達じゃないのか?」 「会ったことない人らしいよ。なんか別の学科の人なんだけど……」 「なんでそんな会ったこともない人が食事に律を誘うんだ?」 「……」 律は黙った。 私は気になって仕方なくて。 だけどこれ以上深追いすると、なんか律に踏み込んでるように思われるかもしれなかった。 律が誤魔化すように言ったり、黙ったり間があったりするのは、私にその事を話したくないからなんじゃないのかって。 そんな風に思ってしまった。 だから、これ以上話をするのはやめようかと思った。 律が嫌なら、私はそれをしたくない。 出会ってからずっと、私は律に嫌われたくない一心で動いてきた気がする。 もちろん最近は少しばかり律に突っ込んで話するようにもなったし、律と訓練して言葉遣いも強くなった。 ちょっとだけ律をあしらってみたりでもできる。課題ぐらい自分でやれだとか。 そういう風に律に言えるようになったのは進歩だろうか。 だけどいつだって私は律に嫌われたくなんかないのだ。 「言いたくないなら、いいけど……」 「言っていいの?」 「私に教えられないようなこと?」 午後の講義に向かう人の波。その中にいる私たち二人。 律は、どこか辛そうな表情をしていた。何か良くないことがあったんだろうか。 でもさっき二人で昼食を食べていた時はそんなことなかった。 表情が後ろ暗くなったのは、やっぱり××さんに連れて行かれた後からだと思う。 何か嫌なことでも言われたのか。そんな様子はなかったのに。 「……じゃあ、言うよ」 「うん」 「……私のこと、好きな奴がいるんだって」 「――」 え? 突風が私を吹き抜けるように、冷たい感覚がまず頭を殴った。 それから、じわじわと心の中から水が溢れ出す様にモヤモヤし始める。 お腹のあたりがぐるぐる痛んで、もう頭も痛くなって。どこも痛いだけになった。 だけど、いたって冷静だった。 「そ、そうなんだ……なんて子?」 「理学部の子らしいけど……さっきも言ったけど会ったことはないし、名前も教えてくれないんだ。××さんと同じ高校だったんだって」 ××さんのことはよく知らないけど、私と律とは違う県出身だと言っていたような気がする。 だとすると、やっぱり私と律は『その子』のことを知らないことになるだろう。 「へ、へえ……そうなんだ」 ズキズキ。 「それで?」 「……その理学部の子がさ、今度のバレンタインに食事に誘いたいんだって私を」 律は今度は下を向いて、告げた。長い横髪が律の横顔を隠す。 つまり、その『理学部の子』は律が好き。 バレンタインに食事に誘いたい。 でも話しかけるのは恥ずかしい。 だから高校から一緒の友達である××さんに頼んで、律への気持ちを伝えてもらった……。 そして律とバレンタインに食事をすることも言伝たと。 そういうわけ、かな。 講義室に辿り着いて、私はドアを開けた。すでに何人か人はいたけど、みんな友達と談笑していて少しばかり騒がしさがある。 まだ一応お昼休みみたいなものだったし、見慣れた光景でもあった。 私と律はいつもの一番前の席に向かって歩む。 「で、なんでそれが私に聞かれちゃまずいんだ?」 「どういうこと?」 私は鞄を机の上に置いて、律に問うた。 「だって言ってたじゃないか。私の前だとあれだからって」 「あー……それは、あれじゃない? 色恋話だし……澪は一応関係ないし」 私はその一言が微妙にショックであった。 律の色恋話に私が無関係。 確かにそうだ。私はただ単に律の友達ってだけだし、家族でも幼馴染でもない。 だから律のプライベートな会話に入り込んだり割り込む権利や理由なんてものは存在しない。 そこは律が決めることだし、私がどうこう口出しする問題じゃないだろう。 じゃあなんでショックなんだ私。 さっきからキリキリと胸が痛むのはなんでだよ。 私は席について鞄を開けた。 律も隣に座る。 鞄の奥を見つめながら、私は言った。 「それで……受けたのか」 一番重要で、聞きたいのはそこだった。 「返答はまだいいってさ……私も、考えたいし」 律はいつになく憂いた表情でそう言った。 律のことを好きな誰かがいる。 それを聞いて律が舞い上がらないのが、せめてもの救いだった。 なんで、律が喜ばないのが救いなんだ? おかしいだろ。自分のこと好きって言ってくれたり、食事に誘ってくれたら喜んじゃうのは当たり前だろ。 律はたまたまそうじゃなかったけど、律のこと好きっていう子がいたら、律は……律は、ちょっとだけ嬉しいんじゃないのか? だけど私は微塵も嬉しくなんかないんだよ。 そこに私は、私自身に対して疑問を抱かずにはいられない。 なんでこんな気持ちになるんだよ。 律が、律を好きな子の誘いにすぐに乗っからなかった。 そこに、喜んでるだなんて……。 無性に、苛立った。 怖かったのかもしれない。 「……行けばいいだろ。せっかくなんだし」 私は、勢いでそう言ってしまった。 ここで行ってほしくないとは、言えなかった。 だけど。 「……本当にそう思ってるのか?」 律の、少しだけ低い声が返ってくる。 私はそれがあまりにも予想外の反応だったので、声をあげて律を見た。 「えっ?」 「……なんでもねーよ」 律はぷいっとそっぽを向いてしまった。 ……なんなんだよ。そうしたいのはこっちなのに。 でも、律は何にも悪いことしてない。 それなのに、なんだか律を責めたい。 13