約 16,213 件
https://w.atwiki.jp/jovita/
エリクシールホワイト口コミと料理下手 私はハッキリ言って、調理がものすごく苦手です! 食べるのは大好きなんですが・・・(^_^;) 私の母はとてもお料理上手です。 小さい頃はよくドーナツやホットケーキも作ってくれました。 たまーに作ってくれるサンドイッチは、ただのジャムとバターが塗ってあるだけのものなんですが、私には特別なものでした。 簡単なものなのに、なぜか同じものが作れないんですよね・・・ 一度成人になってしばらくしてから、教えてもらいたいものがあるって言ったんです。 が、狭い台所だし、時間がかかるからやらなくていいって言われてしまったんです。 今思えば、それが私の料理好きになるかどうかの分かれ道だったんでしょうね(^_^;) 撃沈してしまいました・・・ エリクシールホワイト口コミ
https://w.atwiki.jp/animekininaru/pages/125.html
とある古びた一軒家で一人暮らしをしている高校生・夜知春亮。 ある夜、台所からの怪しい気配に目を覚ましてみると、そこにいたのは全裸の煎餅泥棒女で!? フィアと名乗るその少女曰く、自分は「呪われた道具」であり、その呪いを解くために夜知家を訪れたという。 呪いを受けつけない体質の春亮は押しかけ気味なその少女と同居することになるが、それがすべてのはじまりだった! 二人は同じく同居人のこのはとともに、呪われた道具を崇めたり知ろうとしたり破壊しようとする様々な組織と戦うことになるが――。 C3 シーキューブ画像検索 C3 シーキューブ動画検索 C3 シーキューブクチコミ #bf C3 シーキューブ関連ブログ検索1 #blogsearch C3 シーキューブ関連ブログ検索2 #blogsearch2 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/kagakyon/pages/703.html
ピンポーン。 インターホンが鳴った。 時刻はP.M.6 47。 そろそろかと思っていた。 「えーと、キョンくーん?約束通りに来たよー。」 柔らかい声が、機械通して聞こえる。 「えー……どちら様で?」 鼻摘みながらとぼけて見る。 「へっ?あれれ、でもここキョンくんの家じゃ……えっ、あの!ひ、柊つかさですけど…」 声だけ聞いてても今、アイツがどうなってるか容易に想像出来る。 「ハハハハハっ!」 慌て素振りを見てみたいもんだ。想像しててこんだけ笑えるなんてな。 「その笑い方!キョンくん!開けてよね!」 いつもとは違う、眉間に皺寄せてるんじゃないか?怒られた。 「ハハハ……はぁはぁ…悪ィ、今開ける。」 そう言ってインターホンを切った。 「おーっす、いらっしゃい。」 「ビックリしたよぅ……間違えたのかと思って…」 つかさなら有り得そうだ。 「すまんな、出来心だ。わざわざありがとうな。持つよ。」 そう言って、つかさが手にしている、晩飯の材料が入ったビニール袋を受け取った。 つかさの私服は何とも愛らしい。小動物かのような格好だった。 首元のもこもこが気持ち良さそうだ。 「ふぅ~重かったぁ。」 つかさは左手をぷらぷらと振って、ぐ~っと伸びをする。 「言ってくれれば俺も買い物付き合ってるのに…なんなら俺んちの冷蔵庫の中身だけでも」 「でもね、やっぱりヒトにご飯食べて貰うならちゃんとしたモノがいいなぁ、って思って。 何を作るかはバレたくないしね。」 えへへ、と頬を掻きながら笑う。 ふと、気付いた。 「つかさ……その膝…」 何度か擦り剥いた痕がある。血こそは出てない――いや、固まったのか―ーが。 「ん?コレ?気にしないで、ちょっと買い物した袋を持ったら予想以上に重くてふらっときちゃって。」 空元気で笑ってくる。そういう笑顔は見ててちょっと罪悪感に襲われる。 「ん……悪い…」 「気にしないでよ!私、運動神経ないからよくあるんだし!」 無駄に元気になってくれる。……いいのかね。 「まぁ早く家に入れ。手当てしてやるから」 「あーっ!つかさちゃんだー!」 「あっ、こんばんはー」 突如の妹の登場に驚いたものの、すぐに笑顔で返すつかさは流石だと思った。 「丁度いい。この荷物をリビングまで持って行ってくれ」 手にしてる袋を妹に突き出す。 「えー…なんでー?」 「つかさの足を見てみろ。怪我してるだろう。だからだ」 つかさの足を指差すと、つかさは傷を焦りつつも隠していた。 「だっ、大丈夫だよ!そんな心配してなくてもさ!」 「いーやダメだ。心配するだろ。女の肌に傷つけただけでも悪いってのに」 頼んだ俺が悪いんだからな。過ぎたコトを悔やむより今すべきコトだ。 「んー、わかったー」 そう言って妹は俺の手から袋を取って、両手でふらふらとふらつきながら家に入って行く。 「ほら」 俺は、つかさに背を向けてしゃがみ込む。いわゆるおんぶだ。 「えっ、い、いいって!」 照れ照れとしながらつかさは幾度と断り続ける。 「いいから。乗れって。痛むだろ」 「……じゃあ……ありがと」 つかさがゆっくりと俺の背中に体重をかけていく。 「まぁすぐだからな。我慢してくれ」 「う……うん…」 何か逆上せてるような感じでつかさは返事をした。 どうしたんだか。 おっと、言い忘れていた。 何故つかさがウチの家の晩飯を作りに来たかと言うと、今日は俺の両親がいないからだ。 学校で談笑の中でその事を呟くと、こなたが率先して「じゃあ私がキョンくんのトコの晩ごはん作ろうか?」と言い出したのがきっかけ。 今日は何をデリバリーしようと考えていた俺としては有難い限りだ。拒まず俺は感謝した。 そして、「じゃあ夜7時くらいに行くね、それから―――。ね?」と言って俺は了解してその会話は終わった。 まぁ多少の前後はお構い無しさ。 「これでよしっ」 とりあえず固まった血を濡らしたティッシュで拭き取って、消毒して絆創膏貼った。 というか、これでいいだろう。とりあえずも糞もなし。ベストだ。 「あ、ありがと…」 「いんや、悪いのは俺だ。気にするな」 「で、でも…」 「するなって。な?」 「う…うん」 「キョンくーん。台所掃除終わったよー!」 「おう、サンキュ」 俺がつかさの怪我を治療してる間に妹に台所の片付けを任せておいた。 条件は 1週間宿題の手伝い だ。こうでもしないとな。多少リスクはあるが。 「べ、別にいいのに」 まだ少々つかさはあがってるのか噛むんでしまっている。ふらふらと立ち上がった。 「今日のシェフでもある客人も調理場が汚いままで飯作りたくはないだろ?」 「シェフってそんな美味しい料理作れるわけじゃないよ……でも、ありがとう。ありがとう、ね。妹ちゃん」 そう言ってつかさは妹の頭を撫でていた。妹も嬉しそうだ。 「あ、テレビが始まるー!」 そう言って妹はリビングのソファに飛び込み、リモコンでテレビの電源入れる。 間抜けなOPが流れ出してきた。これからは妹を呼んでも無反応だろう。 「ふふ、キョンくんの妹可愛いね」 「たまには思うがいつもいると大変だぞ」 「そう?でも、家でも キョン って呼ばれてるんだねぇ」 「 キョン って仇名が広まった元凶はアイツだからな。ほとほと疲れるぜ」 つかさは再度笑い出す。なんだ、羨ましいのか? 「そうだね、羨ましいのかも。私お姉ちゃん3人いるだけで下にいないからね」 俺としては姉がいた方が勉強とか教えてくれたり、社会的にも楽じゃないか?と思うがな。 「そう?でも、妹とか弟の方が楽しいと思うよ」 なんなら俺のウチにでも来てくれたら妹が喜んでくれるぞ。 俺も歓迎するしな。 「え?いいの?」 ああ、妹もそっちの方がいいに違いないからな。 「ありがとっ、それじゃあ行ける時にはお邪魔するね」 ああ、その時は大したモン出せないかも知れんけど我慢してくれな。 ――っと、そろそろ料理始めるか。 「あ、そうだね。キョンくんお腹大丈夫?」 そう言いながらつかさはぱたぱたと俺のお袋のエプロンをちゃちゃっと着て台所につく。 俺の腹はつかさの料理に飢えているぞ。耐えれるけどね。 「あっ!ゴメンキョンくん。買い物袋持ってきてくれる?」 忘れてたぜ。人間2人が台所に突っ立っててもどっかの某猫型ロボットのようになんとかなるわけじゃないもんな。 俺は小走りでリビングにある袋を回収して台所に戻った。 ついでに、台所のキッチンテーブルに中身を置いていく。 えっと……卵にケチャップと鶏肉?それに冷凍のミックスベジタブルか。 「あ、ありがとー。さぁ、今日の晩ごはんはなんでしょー?」 妹が美味い飯を食った時のような笑顔を俺に向けてくる。くそ、可愛いな。 さて、どうしたもんか。問題についてだ。 今目の前にいる皆は解ったか?つかさらしいと言えばつかさらしい料理だ。 考えてみろ。卵にケチャップだ。単純なスクランブルエッグかも知れないが、そこに鶏肉だ。 これは1つの料理であって、これで1品、と考えてみろ。 必然と1つしか答えがないハズだ。……多分そのハズだ。 俺は解答を口にした。 「――オムライスか」 「わー、キョンくんわかっちゃうんだ」 オムライスはカレーとかに次ぐ子供の定番メニューだ。 1番の楽しみはケチャップでの文字だとも取れる。 あの4人の中で唯一、内外見共に子供のように愛らしいつかさならではの選択だろう。 「これなら妹ちゃんも好きかなーと思ってね」 あいつは見たまんまだからな。大丈夫だ。 「ならいいんだけどね。……キョンくんは大丈夫かな?」 作ってくれた飯に文句は言わないぜ。知人なら尚更だ。 「そう?よかったぁ」 ほっと胸を撫で下ろし、つかさはまな板と包丁を取り出す。 その時だ。 ピーッ、ピピピ、ピーッ 電子音が台所に響いた。 「あ、キョンくん覚えててくれたんだ」 今は会話で忘れてたけどな。 説明しよう。 話はつかさが来た時に話した件に戻る。 「それから―――」のところだ。 「それから、―――ご飯炊いておいて。ね?」 と言われて俺は了解したのだった。 成程。効率をよくする為だったか。納得した。 「それじゃ、お釜を出さないと……」 そう言いながらつかさは台所を見回し始めた。 どうした? 「いや、あの……熱いモノを持つ為の手袋みたいなの…あるかなって…」 なんだ、そういうことだったのか。迂闊だ。 それなら、この戸棚の内側に……。 「あ、つかさはいいぞ。俺がやる」 「え?でも」 「こういう飯盒炊さんの時の飯盒役みたいな仕事は男の仕事だろ。せっかく可愛いんだから火傷なんかさせたら俺が殺される」 ハルヒやかがみがこっぴどく怒ってくるのを想像したらゾッとするぜ。 俺は、つかさが率先する前に戸棚から鍋掴み――でいいのか?――を取り出して自らに装着した。 「あ、うん……それじゃあお釜を出してしゃもじでご飯掻き混ぜといてくれるかな」 「おう」 短く言葉を返して俺は炊飯器の蓋を開ける。 もわっと炊けた白ご飯の美味そうな匂いを含んだ熱い水蒸気が天井に向かって上っていく。 まともに喰らってしまった。 「おぅ!?あ、あつっ!」 「へ?わっ!キョンくん大丈夫!?」 まな板を洗っていたつかさが、手拭きタオルを水で濡らして即座に駆け寄って渡してくれる。 「あ、ありがとうな…不注意だ」 くそ、かっこわるいなぁ俺。思いながらあったまった顔を水で冷やす。 「ふふ、キョンくんも結構ドジなんだね」 「ん、悪い…もう大丈夫だ」 タオルをそこら辺に適当にかけて、釜を持ち上げる。案外重いな。 「おっと……よいしょっと」 アルミのキッチンテーブルに鈍い音が響く。 炊飯器の横に備え付けられているしゃもじを右手にご飯を掻き混ぜてやる。 横を見ると、つかさが丁寧に鶏肉をさばいていっていた。 皮の部分は切り外し、双六で使うサイコロ大の大きさに切っていく。 「手馴れたもんだな」 「え?そ、そうかな。いつもお母さんの手伝いとかしてるだけだけどね」 「努力が身についた、ってか」 「そ、そんなんじゃないよ…やり方わかったらキョンくんでも綺麗に切れるし」 へへ…、と笑いながら言うつかさの心中はちょっと重そうだった。 気付いてないだろうがな。切ってる鶏肉が大きくなってるぞ。 まぁ言わないけどな。 「つかさ、そんなもん誰だってそうだろ。 料理してたら料理が上手くなるし、ゲームしてたらゲームが上手くなる。 スポーツしてたら自然とそのスポーツのやり方がわかる。 人間、結局はやるかやらないか、だ。俺に限って言えば料理は後者だけどな。 自身持て。それはお前の特徴だから、な?」 柄にもないコト言っちまった。 「そう、かな……。うんっ、ありがと!」 こっちを向いて、また 別の 笑顔を見せてくれた。 「それじゃ、フライパンにミックスベジタブル、乗せといてくれるかな。あ、大きめのフライパンでお願いね」 次の指令を承った。 俺は、別の戸棚から1番大きいフライパンを取り出し、ミックスベジタブルを半分くらい入れる。 「それでね、炒めといてくれるかな?しばらくしたらケチャップをかけて、ご飯を入れてね」 「わかった」 そう言ってガスコンロがチチチチ...と鳴らせる。火が灯る。 木製のヘラを取り出して満遍無く混ぜてやる。どうだ、香ばしくなってるか? 30秒くらい中火で炒めて、ケチャップをかけて更に混ぜる。 「それで、次はご飯、か。」 ケチャップが香ばしくなるという料理経験の少ない俺にとっては珍しい匂いを堪能している時だった。 ぱしゃっ 液体 が床に跳ねた音が、した。 「きゃっ!」 何事かと思い、右を見る。 つかさが尻餅をついて、なんというか。何をしていたかはわかったが。 あまりにも色んな面で惨いと言うか。台所の床が畳とかじゃなくて洋風の床でよかったと言うか。 「……つかさ、大丈夫か?」 第一声がそれであった。 俺は火を止めて、つかさの元へさっきのタオルを持って駆け寄った。 「あ、うん……ゴ、ゴメン……」 簡単に言うならば、というか簡単にしか言えないが。 卵掻き回してたつかさが足滑らせて溢した、ってコトだ。 しかも、器に入ってた卵が先にテーブルから落ちてるから、その上に尻餅をついていた。 「いや、別にウチのコトとかはいいから。すぐ拭けるしな。とりあえず服だ」 「あぅ…下着には染み込んでないみたいだけど……気持ち悪いよぉ…」 つかさは軽く涙目になる。 とりあえず手を差し延べて体を起こしてやる。 「とりあえず、下着は大丈夫なんだな。んじゃあスカートだけでも履き替えるか」 「! えっ!?いいよいいよ。気にしなくても。ちょっと我慢すれば…」 顔を赤くして、溢した卵をタオルで拭こうと再度しゃがみ込む。 が。 「ひあっ!」 あまりに冷たかったんだろう。立ち上がる。 木枯らしの舞うこの季節なら店に備わってる温まってない洋式トイレの便座に座った時と同じだろうな。 「つかさ、無理はするな。ズボン貸してやるから」 流石にジーパンならデカ過ぎるだろうが七分ズボンならちょうどいい具合だろう。 「あ、いや、別に…」 「つ・か・さ」 言っとくが、命令みないなもんだ。つかさはどことなく 引く 癖があるからこうでもしないと… 「……わかったよぉ…」 すまんな、わざわざ萌え衣装とかに無理矢理着替えさせるわけでもないんだからいいだろ? 俺は自室のタンスからズボンを取りに行くと、その間に洗濯機のある洗面所に行かせたつかさの元へ持って行った。 「ほら」 「あ、うん……ありがと…」 少々顔を赤くしているつかさに渡してやる。 「脱いだスカートは洗濯機の上に置いといてくれればいいぞ。後で洗濯くらいしとくしな」 「えっ?わざわざそこまでやらなくてもいいよっ」 「同じ濡れてるモン持ってかえるにしても綺麗な方がいいだろ?」 「まぁ…そうだけど……」 「ならいいじゃないか。置いといてくれな」 「あ、うん…」 流石にいつまでも着替えたいであろう女子の近くにいるのも不憫なので台所に戻る。 「あー…そういやケチャップ…大丈夫か?」 リビングを経由して台所に向かう途中、ソファでは妹は幸せそうに寝息を立てていた。 「やれやれ」 そう言って、ソファの端で妹の足の下にある毛布を引っ張って掛けといてやった。 「……見事に固まってるな」 ご飯入れてないからか。絡まらずにケチャップは固まっていた。 もう1度ガスコンロに火を点けてケチャップを溶かしていく。 再び良い匂いがしてきた。 「おっと、卵も掻き混ぜないとダメだったな」 つかさがいる方が指示してくれて楽だったな。 頼もしい味方がいないのはどの状況であっても心細いもんだぜ。身を以て知る。 先程の器を洗って、つかさが買って来た卵を2つ程拝借し掻き混ぜる。 「あー!キョンくん!ケチャップ焦げてるよ!!」 後ろから叫び声というか、叱りの声が聞こえた。つかさが帰って来てた。 「えっ、な!うわ!やべっ!」 即座に器と掻き混ぜるのに使っていた橋を置いて、ケチャップを混ぜる。 「もー…」 「わ、悪ぃ…」 「それじゃ、そこにご飯を入れて。2人分くらい」 元々逆らってないが、もう逆らえない……すまん、つかさ。 だが、それよりも…… 「中々、似合ってるな」 さっきは怒声を浴びた時に瞬間的にしか見てなかったが、落ち着いて見れば。うん。 滅多に使ってないからそのズボン、あげようかね。 「そ、そんなことないって!大して意識してるワケでもないしね。ってこれはキョンくんが貸してくれたズボンだけど」 つかさはまたもや照れながら、俺に代わって卵に下味をつけていた。 俺はご飯をフライパンに入れて、しゃもじでケチャップとかと混ぜ合わせていた。 「…なぁつかさ」 「ん、何?」 「つかさは、もうちょっと前向きに行くというか。謙虚過ぎやしないか?」 「え、どうしたの?急に」 つかさの手が止まる。 俺は視線をフライパンに向けたまま、まだ喋る。 「つかさは自分の長所を否定し過ぎてると思うんだ。なんて言ったらいいかわからんが あまりにも自慢し過ぎるのもよくないけどな、その逆もダメだと俺は思う。」 「………」 「だから、さ。もうちょっと自分を褒めてあげたら……どうだ?」 「………」 これは自分にも言ってるんだけどな。俺も自ら卑下にするタイプだ。というか人間殆どそんなもんじゃね? ………炒め終わりそう、なんだがな。 俺がそう言ってから1分くらいか、ずっと重い沈黙が漂っていた。 「………」 つかさを横目で見ると俯いていた。ずっとだ。 言い過ぎたかね……俺としてはつかさはそうした方がいいと思ってたんだが。 「つか「そっか…」 声が重なった。どうしたつかさ。 「前向き、かぁ……」 言ってる意味が解らない。何をずっと考えていた? 「つかさ…?」 「うんっ、そうだね!ありがとキョンくん!」 急に振り向いて笑いながら結論だけ述べて来た。 「……どうした?」 「いや、今さっきキョンくんが私に言ってくれたことを考えてたんだけどさ…うん。 思えば私、少し引き過ぎてたかなって」 そのことか。 「そうだよね。ちょっと私前向きに行こうかな。すぐには無理かも知れないけど…」 つかさは再び卵に目を戻した。 自然と笑みが零れた。つかさの笑顔が見違えたからだ。 さっきまでの笑顔も良かったさ。俺や妹が面白いモン見て笑ったりする時の笑顔だ。 けれど、今見せてくれた笑顔は違う。 ハルヒが俺達に提案して来た時の笑顔。 もっと言えば、あの 2人きりの閉鎖空間 で 神人 を見た時の笑顔だ。 全身が喜びに満ち溢れてるのがよく解る時の、だ。 「ああ、つかさはその方が絶対良い」 俺に言えるのはそれだけだった。 「キョンくん、もし私が引いてたら、よろしくね?」 勿論だ。出来る限りやってやるよ。 「ありがとっ!」 きゅるる~…… 腹の虫が鳴った。つかさの、な。 「あ……///」 つかさは誤魔化そうと、頬をポリポリかいて言い訳しようとする。 「――急いで作るか。」 「う…うん、そだねっ」 もういいよありがとう、と言われて俺は料理から離脱した。 それからつかさの背中には何かオーラのようなものが見えた。気がした。 溶いた卵を別の火にかけたフライパンに箸を通じて広げる。 しばらく放置し、いい具合に液体が固体と化して来たらその上に手製チキンライスを乗っける。 そしてトドメに両端を巻いて―――完成。 俺に出来る事ははせいぜい皿を置く事くらいだった。 それをあと2つ。つかさは手早く行ってくれた。 「――これで、よしっ!」 真面目になり過ぎていたせいか、つかさの頬に汗が垂れる。 俺はリビングのテーブルにつかさがそれぞれの名前をケチャップで可愛らしく書いたオムライス3つを運ぶ。 卵の甘い匂いが否が応でも鼻に入って来る。 コップ・スプーンを3つずつ揃えてから、妹が寝ていることを思い出す。 「おーい、起きろー?」 妹の顔を覗き込んで見ると、涎を垂らせていた。 今から本当の飯だってのに…もう食ったってか? そんなことを言っても虚しいだけなので妹の体を揺すって起こしてやる。 「ん…ぁ?……あれ、カボチャのトマトスープは……?」 ンな不味そうなモン知るか。 「晩飯、出来たぞ」 「わーい!」 がばっと起きて妹はすぐさまテーブルに座ってこぽこぽとお茶を入れ始める。 「あ、起きたんだ、おはよー」 台所からエプロンを外したつかさが出て来る。 「おいしそーだね。あ、私の名前!つかさちゃん上手だねっ!」 「そう?ありがとう。それじゃ食べよっか。キョンくん早くー」 この短い距離で走ることもないか。 多少早めに俺は妹とつかさの正面の席に腰を置いた。 「では」 「いっただっきまーす!」「頂きます」「いただきます」 俺とつかさは素朴に手を合わせ、妹はスプーン片手に食前の挨拶をした。 食事中は殆どつかさと妹の会話だった。というか俺が傍聴人でいた感じだな。 互いの学校での暮らし方とか、妹の友達のこととか、俺達の部活での行動とかな。 楽しい時はすぐ過ぎる、体感時計の宿命だ。 オムライスを平らげてからもまだまだ話が続きそうだったので、 俺は少々席を外して勝手ながら予告通りつかさのスカートに洗剤を少量付けて洗濯機に投入。 3分くらい回した後タイマーを手動で止めて、乾燥機にダイビングさせる。 今度はタイマーを全部回す。 後は勝手に止まるので戻ることにした。 「あ、お帰り。もしかしてスカート洗濯しといてくれたのかな?ありがとー」 台所に行くとつかさが皿を洗っててくれていた。 「あ、悪い。俺がやらないといけないってのに」 「いいよ別にー。キョンくんは私のスカート洗ってくれてたんだしね」 「ん、そうか。ありがとう」 「どういたしましてー」 泡だらけの皿を水で流して乾燥機に綺麗に並べてこっちの洗濯は終わった。 ピンポーン インターホンが鳴った。こんな遅い時間に誰だ。 「柊――かがみですけど。キョン?つかさ迎えに来たんだけど…」 これは驚いた。そんな話は聞いてなかったしな。 「お、おう。今開ける」 扉を開けて玄関に入れるとビニール袋片手に現れた。 「お邪魔するわねー。あ、つかさ」 「お姉ちゃん!?ど、どうしたの?」 「いや、ちょっと喉渇いたからコンビニ寄ったついでにつかさを迎えに行こうかなって……迷惑だった?」 「い、いや、私は別にー…」 「ちょうど今食い終わったところだ。わざわざすまんな」 「いや、こっちも悪かったわね。つかさがまたドジってなかった?」 「つかさは実に美味い飯を作ってくれたぞ。金払ってもいいくらいだ」 「別にお金なんていいよいいよっ。あんなのでお金貰っても……」 「あ…つかさ」 「?……あ。」 「?」 つかさが引いてしまった。そのことを突っ込むとつかさもうっかりしてたようで。 かがみは理解してなかったが。 「そ、それじゃ帰るねっ」 「おう。また明日、な」 「今日はつかさの面倒見てくれてありがと。はい、お土産というか差し入れというか」 かがみはそう言いながらビニール袋の中からファン夕とゴゴ〒ィーを差し出してきた。 「サンキュー。今度何か返すわ」 「いいわよ別に。自然と返してくれる時はあるだろうしね」 「む…そうか」 「それじゃあね。長々と悪かったわ。おやすみ」 「あ、それじゃ、おやすみー」 手をひらひらと振りながら2人は扉の反対側に行った。 リビングに戻ってテレビを見ている妹にファン夕を放ってやり、俺はもう一本は冷蔵庫に入れる。 何となく慌しかった所為か、静まってると眠気が襲って来た。 「俺は先に寝るから、お前も早く寝ろよ」 「あ、んじゃあ私も寝るー」 さっきまで寝てたのに寝れるのか。 突っ込もうと思うが欠伸が止まらん。 先に妹が自分の部屋に戻ったので俺が渋々一階の電気を全消しするハメになった。 「ふわぁ……」 ダメだ。なぜか眠いぞ。 何かもう階段上るのも面倒だからソファで寝ることにした。 次の日、ソファで寝てた所為か6時くらいに起きれた。 スカートを乾燥させてそのままなのを思い出して、綺麗に畳んで適当な紙袋に入れて学校に持っていった。 学校に行くと、10人くらいの生徒しかおらず、その中につかさはいなかった。 今日当たりそうなところの問題を予習しているとつかさは来た。足の怪我は良さそうだ。 つかさも紙袋に俺が昨日貸したズボンを入れて持って来ていた。 互いに渡し受け取っていると、そのシーンをハルヒや谷口に目撃された。 それからはハルヒからは詰問。谷口からは泣かれて「友達だったのに」発言連発。 誤解が解けるのに1日要したのは余談とさせて貰おうか。 ――アフターディナー―― 「ふんふんふ~ん♪」 今晩の私はご機嫌だった。 キョン君の家でご飯作れたのもそうだし、何よりキョンくんが優しかった。 って、いつも学校でもそれなりに優しいけど……何か別の 優しさ だった。 「つかさ、どうしたの?嬉しそうじゃない」 横にいるお姉ちゃんが私の陽気さに気付く。 「ん、嬉しいよv」 お姉ちゃんの方を向いてにこっと笑ってあげた。 「ふふ、良かったね」 お姉ちゃんも釣られて嬉しそう。 「あ、はい。これ」 そう言ってお姉ちゃんはビニール袋から私の分のジュースを取り出してくれた。 「ありがとー」 そう言って受け取り、一口飲んだ。 「上手に、出来た?」 「うん。最終的にはね」 「へぇ、つかさでも失敗するんだ」 お姉ちゃんは驚いてこっちを見る。お姉ちゃん、誰だって失敗はするよ? ム、としながらもう一口、二口。ジュースを口に入れて体に通す。 少し寒くなってしまった。秋風が秋を知らせてくれる。 「で、何を得たの?」 唐突に質問された。 「え?」 聞き直した。 「だから、失敗した時同時に何かを得ているんだ……って昔から言われてたでしょ?」 ああ、お父さんがよく言ってたなぁ。 だから、失敗を恐れるな。って言葉が続いてたっけ。 何を得たかって?そりゃあ、ね――― ≪もうちょっと自分を褒めてあげたら……どうだ?≫ キョンくんの言葉が木霊する。 前向きに、後ろを振り向かずに、迷わずに。 私は変わろうと思った一言。 私が 得た モノ。 心の中で反響する。染み渡る。 段々と自分が見違えるかのような感覚に陥る。 心地良い。 私は、笑顔で、躊躇わずにこう言った。 「自分、かな?」 ……言ってから照れ臭くなってきちゃった… 誤魔化す為にまた、キャップを開けてジュースを体に入れる。 「ふふ」 お姉ちゃんが含んで笑ってきた。 「な…何?」 「いやぁ、つかさ。明るくなった気がして。 いや、いつも明るいけどさ」 「そ、そうかな?」 「まぁいいか。つかさが元気になるのは家も賑やかになるしさっ」 お姉ちゃんはそう言って、気付くと辿り着いていた家の扉を開ける。 「キョンはつかさを幸せにしてくれそうだし」 ……へ? それ、どういう………… !!! 「お姉ちゃん!!!」
https://w.atwiki.jp/orzbit/pages/116.html
Suffering of Paladin … part2 この作品は、「MELTY KISS」及び籠龍の作品「REDMOON」と世界観を共にした作品です。 思いっきり番外編なのでよしなに。 -Part 2- Jannne Bismarck Clare side 「んじゃ、とりあえず今のトコは待機な」 キエルから待機を命じられる。とはいえ、今の私の状況からすれば、余計な足手まといを増やしたくないだけなのかもしれない。 私は、聖騎士の理想を打ち砕かれ、目の前で神と教会のなんたるかをたたきつけるようにして見せられた。呆然とする私を、聖騎士二人は血のついた表情で笑う。 スールは、理想を持ってやってきた聖騎士にはよくあることだから、そのうち慣れると言っていた。しかし、私はどうすることもできず、どうする気力もおきない。 「ありゃ? お前は確か、クレアだっけか?」 名前を呼ばれ、すぐに顔を上げる。そこにはハウンドが立っていた。キエルやスールに聞いていたが、ハウンドはかなりの腕前を持っているらしい。聖騎士としての活動は二人を超えているという。 しかし、それならば彼もまた教会の威光のままに殺りく行為を繰り返しているのだろうか。 「どうした、こんなところで。んなちっこくなってると気持ちまでちっこくなるぞ」 私が教会本部の廊下でうずくまっているのを見かねたのだろうか。ハウンドは私の隣に乱暴に座り込むと廊下を見据える。 「なんだなんだ? 何か見えるのか? それともなんか来るのか?」 「いえ…そういうわけではないんですけど」 「じゃあなんだ? 腹でも減ってるのか? それとも下したのか?」 「…女性にそういうこと言わないでくださいよ」 まあ同じ聖騎士に女性がいるのは初めてだというのでこういう扱いもあるのだろう。 「んで、どうした。せっかくお前の正式な配属先が決まったってのに」 「配属先? 私はハウンドさんたちの隊なのではないのですか?」 突然新入りに転属が下りたのだろうか。やはり私では戦力にならなかったのだろう。 「や、違ぇよ。俺らの隊には所属してるけど、仕事の内容が違うってこと」 「…無罪の人を殺すことは私には向いてないですよ」 「んー、まあ。そういうことも含めてだな。キエルとかのやり方は強引だったけどわかりやすいはわかりやすいだろ」 「無茶苦茶すぎます」 私が気を重くしたのが伝わったのか、ハウンドは苦笑しながら廊下を通る人にあいさつする。 「ハウンドさんも人を殺したことはありますか」 藪から棒だったかもしれない。ハウンドは壁に背を預けながら天井を見ている。私の質問は聞こえたのだろうか。 「ある」 短く答える。やはり、彼もまたあのような殺戮行為をしているのだろうか。 「やっぱり…聖騎士は人を殺すこともあるんですね」 「聖騎士は教会の仕事をこなす人間っつううことだからな。めんどくさいこともするさ。そりゃ誰でも正義の味方にゃなれねえさ」 言葉に詰まる。それはスールからも言われたことだ。しかし、私は納得できない。 「神に仕えるって、人を助けるっていう精神はないんですか…? 教会が神に仕える機関であるなら、その下に就いている聖騎士もその意思を持っていてもいいんじゃないですか?」 「異端者の定義がお前にわかんのか?」 ハウンドは、立ちあがる私をじっと見る。 「…そういうことを話しているのではありません」 「いや、そういうことなんだよ。お前は神を信じてはいるが神を知らない。ここで目を背けりゃお前はこれからずっと盲目的に剣を振ることになるぞ」 ハウンドは力強い調子で私を否定する。ハウンドは立ち上がると、軽く手招きをして背中を向けてしまう。 「ついてこいってこと?」 通されたのは、教会の奥深く。とりわけ警備も格段に硬く、おいそれと通ることのできないエリアだった。聖都セリスタルは教会を中心にして放射線状に街が広がっているために、建物を横に長く作ることはできない。 それではどうやって教会の敷地を増やしているのか。 それはこの場所に答えがある。私はハウンドとともに重厚で大きな扉をくぐると、長い長い螺旋階段を下り始める。 セリスタルの真髄は、教会を地下に広げることが都市の強みでもある。有事の際には街の人々を地下に招き入れ、シェルターのようにし、唯一の入口である教会を死守することで大軍の奇襲に備える。 そのためセリスタルの地下は教会の他にも人々が避難するような施設も備えている。 私はその光景を眺めながら、ハウンドについていく。 「笑えるな。この国で一番神に近い存在が、地面の中でふんぞり返ってるなんてよ」 皮肉のつもりだろうか。しかし確かに、神聖を謳う教会の上層部のほとんどが地上の災害からは隔絶された所にいるなんてひどい話だ。 「それでも、彼らは生きる義務があります。神に仕え、その教えを広めるために――」 「結局、今の教会で必要なのはあのお嬢サマだけだ。他のお偉いじじいどもは、お前が言う汚いところで利益を得たりしてるんだ」 私は言葉に詰まる。確かに教会の裏話はよく聞いている。 聖騎士、教会関係者に限らず、教会上層部のきな臭い動きは街で暮らしていた頃からよく聞いていた。 しかし、それでも教会が約百五十年間続いているのは、唯一にして絶対の存在が揺るがないからだろう。 「ついたぜ。こっからは俺は通れない。ここを通るのはお前にだけ与えられた資格だ」 ハウンドは、ある扉の前で足を止める。 神聖で、非常に芸術的価値の高い装飾をしており、向こう何百年も朽ちることのないような清潔さと神々しさを持った大きな扉である。 ハウンドは、私を見ながらぶっきらぼうに右手を差し出す。その手の中には小さな紋章のようなものが握られていた。 「この紋章は…」 双翼によって守られた堅固な盾の紋章。間違いない、バグラチオン帝国のエンブレムを引き継いだ、聖都セリスタルの紋章である。 「これをつけてけ。お前は今から、生きた神に会うんだしな」 ハウンドはその紋章を私に渡すと、そのまま踵を返して今来た道を歩いて行ってしまう。 私は貰った紋章を胸元につけると、ゆっくりとその扉に手をかける。 『きましたね。純潔の麗かな騎士、クレア・ルージュ。入ってください』 扉に手をかけた瞬間、頭に声にもならないような意思が流れ込んでくる。 「な、なに…?」 しかし、声は一瞬だけで、その後には静寂が辺りを包んでいる。 私はしばらく考えていたが、埒があかないためにゆっくりとその扉を開いていく。 扉を開くと、そこはまるで子供部屋のような場所だった。小さなベッドに、お洒落なテーブル。そしてその部屋の中心には真っ白な少女が立っている。 「あ…、あなたは…」 私は思わず言葉を失う。 純白の法衣を何重にも羽織り、流れるようなその銀色の髪の一本一本が命を持っているかのように煌いて、その少女の人間性を失わせている。その陶磁器のように美しい肌と、透明な球のような瞳はどこか神々しくもさえある。 彼女こそ教会が掲げる神に最も近い存在、聖女ジャンヌ・ビスマルクだった。 「こんにちはクレアさんっ。今マタギさんから連絡が来て、貴女が来ると聞いたのですが…まだ何も用意できていなくて…今お茶を出しますね」 私の姿を見ると、ぱっと花開くような笑顔を見せて向かい側の部屋に消えていく。彼女が消えて行った方はちょうど台所のようになっていて、ちょっとした家のようになっている。 「あ、あの、ジャンヌ様ですよね」 私は震える声で尋ねる。ジャンヌは台所から顔を出すと、にっこりとほほ笑んでうなずいた。 「はい。私がジャンヌ・ビスマルクです。一応教会のトップってことになってますけど、そんなにかしこまらないでくださいね」 そしてまた台所に消える。私がそのまま棒立ちの状態でしばらく待っていると、トレイにカップをふたつ乗せたジャンヌが歩いてくる。私は慌てて彼女に駆け寄り、そのトレイをひったくるようにして受け取る。 「じゃ、ジャンヌ様! こんなこと私がやりますから! ジャンヌ様は座っていてください!」 「ああ、そうですか? ならお茶受けにスコーンを焼いているのでそっちの方を見てきますね」 そう言って再び台所に消えて行こうとする。私はすぐにトレイをテーブルの上に置くと、ジャンヌを追いかけて台所に飛び込む。 「ジャンヌ様、そのようなことは私がやりますから! どうかゆっくりしていてください!」 私はもう混乱しながらも、ジャンヌに最高の敬意を払って動いた。対するジャンヌは困ったように笑いながら「ありがとうございます」と私を面白そうに眺めていた。 「いえいえーこれは私の趣味のようなものですからー。クレアさんは座って待っててください」 ジャンヌは私を押し出すと、そのまま台所に入ってしまう。まだあどけない少女だが、教会の中で最高の権力を持っているのだ。 「な、なぜジャンヌ様の部屋に台所があるんですか…」 「あら、これは私の趣味ですよ。ずっと教会に居続けているので皆さんに無理を言って作ってもらいました。こんなことでもしないと暇で暇で…」 子供の外見ではあるが、もう百何十年も生きていると言われている。 神の力によって生きているとも、彼女自身が神だとも言われおり、教会の信仰の旗印のような存在である。 「できましたよ。今日はスコーンも付いています」 ほんのりといい匂いがする。彼女が再びトレイを持ってやってくる。 丁寧な歩き方と手の動きで素早くテーブルに選り分け、私を座らせる。ところどころに品の良さが感じられ、私とは違う環境で過ごしているということがわかる。 「あ、いただきます…」 私は流されるままにカップに手をつけ、口に運ぶ。柔らかい葉の香りが鼻をつつき、喉を潤す。完全に借りてきた猫状態で私は小さくなってしまう。 「そんなに小さくならないでください。ささ、スコーンも食べてください。いっぱい作ったので」 「いや、そんなに、ホント、大丈夫なんで…」 私は恐縮しながら人形のようにスコーンを食べ、お茶を飲んでいた。その様子を楽しそうにジャンヌは眺める。教会の中、特に上層部にはあまり女性は出入りしていないので私という存在が珍しいのだろうか。 「ところで、なぜ私をお呼びになったのでしょうか…お話をするためですか?」 「それもありますけど。もともと貴女とお話をしたかったので」 「私と?」 意外な話である。教会のトップであり、神のような聖女が私のことを認識しているなんて。 「はい。このセリスタルにいる人間くらいでしたら大体把握しているので、クレアさんのこともよく知っています」 「セリスタルって…この街全ての人をですか?」 いくら街単位といっても、過ごしている人の数は莫大である。それもバグラチオンの重要都市、セリスタルならなおのことである。 しかしジャンヌは涼しい顔でうなずく。 「はい。セリスタルで過ごす人、来た人、去っていく人。それら全てを私は把握できるんです」 そういうと、ジャンヌは私をじっと見つめる。彼女の透き通るような青い瞳は、まばたきの一瞬で純白の色に変わる。 「な―――っ! 魔女、いや、でも…」 異端である人狼の特徴は身体能力が異常なまでに高いこと、そして魔女の特徴は、その力の行使によって瞳の色が変わることである。目の前の聖女はその純白の瞳でうっすらと私を眺めている。 「やっぱり、貴女の魂は面白いですね、クレア・ルージュ。今まさに魔女の能力を有している私を目の当たりにしているのに、それでも神と同等の存在として崇められている私に対する信仰は揺らがない。それほどまでに貴女の神に対する思いは強いというのですね」 私の全てが見透かされているような感覚だ。彼女の純白の瞳が私の心そのものをつかみ取り、品定めしているような、不思議な感覚だ。丸裸で立たされているようなのに、目の前にいるのが聖女だからかだろうか、不快や恥じらいの気持ちは起きない。 「…ジャンヌ様は、魔女、なのですか?」 「私は人間を越えし存在、〝聖母〟ジャンヌ・ビスマルク。魔女などではありませんが、魔女の力を扱うこともできます」 ジャンヌは笑いながら言う。とてもではないが、先ほどスコーンを出してくれた少女と同じ人物とは思えない。 彼女はゆっくりと立ち上がり、その綺麗な腕を私の首へと回す。私の顔は彼女の体に包まれる。 「クレア・ルージュ。本日付で貴女を私専属の騎士とします」 「――へ、え?」 ぱっと離される。再び見た彼女の表情はいたずら心に満ちあふれていて、外見相応の幼いかわいらしさが漂う。 「クレアさん、先ほどセリスタルの紋章をいただきましたよね? それ、他の人の紋章とはちょっと違うので持っていてもらえませんか? きっと気に入ると思います」 ジャンヌは私が持っていた紋章を指す。言われた通り、私はそれを胸につけながら再び彼女を見る。もう彼女の瞳は元の色に戻っている。先ほどのやりとりがまるで白昼夢のようなものに感じられる。 「あの、さっきのことは…?」 「はい?」 「専属の騎士と、言っていたんですけど」 「ああ、ああ。そうですよ。これから貴女は私の騎士となってもらいます。ちょっとこれから移動が多くなるのでそのために聖騎士とは別の、私を守るための騎士が必要だと言われてしまいましたので…」 ジャンヌは少し上目遣いで私を見る。 「ダメですかね」 そんなことを言われて拒否のしようもない。私は勢いよく立ちあがるとその場にひざまずき、剣を捧げて首を垂れる。 「いえ、ジャンヌ様。光栄です。未だ若輩の私ですが、ジャンヌ様のお傍で仕えられるよう、身を粉にして剣を振るいます」 そのままジャンヌも席を立ち、私が差し出した剣を受け取る。略式の騎士叙勲を行う。 「それでは、別命あるまで待機していてくだいね」 「わかりました。それとジャンヌ様―――」 私は部屋を出る時、おそるおそる尋ねる。ずっと気になっていたことだ。 「なぜ、私を気にかけてくれたのでしょうか」 ジャンヌは狐につままれたような表情をするが、すぐに柔らかく微笑む。 「貴女が一番、神を信じているからですよ」 Janne side クレアが部屋を出た後、私は一人、部屋の奥に進む。台所とは違う、荘厳な廊下が続く通路を進み、やがて開けた場所に出る。 そこには、玉座とも言えるような椅子があり、私はそこに座る。 「クレア・ルージュ。貴女はなぜそこまで神を信じようとしているのでしょうか」 私は一人、言葉を紡ぐ。純白に変化した瞳には、クレアが教会の地上でへ戻っている様が映っている。くすりと笑みがこぼれる。 「貴女の魂は他の聖騎士以上に悲しい色をしていますね。人狼ほどに己が信念を貫く強さと、魔女並みにほどよく狂っている」 私は視線をめぐらす。 数人の死体が、腐ることなくそこに保管されている。魔女、人狼、そして人間。そして、それらの中心には、氷漬けのまま輝きを失わない槍が立っていた。 「貴女にこれを渡す日もそう遠くないでしょう。世界は今未曾有の危機を迎えようとしています」
https://w.atwiki.jp/kwskp4/pages/152.html
考 天城雪子コミュを進めていくと、家を出るために資格の勉強をするために勉強道具をジュネスに買いに行く場面がある。 この時、雪子の買い物リストの中には「勉強机」があるが、では今まではなかったということなのか? 秀才ぶりが当初から目立っていたが、家では一切勉強をしていなかったのだろうか? 察1 今までは居間や台所などの公共の場で勉強をしていたのではないだろうか。 資格の勉強は家を出るためなので、家人には知られたくないだろうからこれを機会に自室に机を設置したのでは。 補(結?) アニメ版にて六畳一間程の和室が登場している。文机や小さな書棚、鏡台、カレンダー等があり、その中で雪子が道端で拾った小鳥を飼っていたため、恐らくこれが私室と思われる。
https://w.atwiki.jp/rokumonsen/pages/79.html
幸村vs佐助→お団子防衛戦 お腹がすいた真田幸村は、真夜中に箪笥の中の団子を食べようとする。 だがそこに、武田軍の母である猿飛佐助が立ちはだかるのであった。 第一話「幸村、覚醒」 第二話「台所潜入」 第三話「獣の嗅覚」 第四話「佐助、始動」 第五話「団子を我が手に」 第六話「一串にかける攻防」 幸村vsお館様→決闘!熱血師弟 日々鍛錬を欠かさぬ真田幸村であったが、ある日武田信玄から手合わせを願われる。 燃える信玄、燃える幸村。今、甲斐の空が赤く燃える。 佐助vs信玄→給料値上げ戦 真田隊の薄給に苦しむ猿飛佐助は、とうとう真田幸村の上司である武田信玄に給料値上げを頼みこむ。 だが信玄は、自分に勝たねば許さぬと佐助の前に立ちはだかる。 自らの幸せのため、今佐助は決意を込め武器を取る。
https://w.atwiki.jp/legendworld/pages/374.html
コックローチポッドGとは、ゲームソフト「カスタムロボ」シリーズに登場する武器(ポッド)の1つ。 概要 敵に対して追尾性があり、敵にある程度近づくと速度が上昇する。 ぶつかると、敵を真上に思い切り吹き飛ばす。 威力はそこまで高くない。 最大まで同時に2発発射可能。 コックローチとは「検閲により削除」のことであるが、「G」も「検閲により削除」という暗喩があるため、 その名前のネタ性が評価されている。 家(特に台所)でヤツが出た場合、コックローチポッドGが出た、というのもいいだろう。 また派生タイプとして「コックローチポッドH」があるが、爆風タイプが「ホライゾン(H)型」に変わっていること意外は、基本的な性能は変わらない(ちなみにGは「ゲイザー型」を表す)。 登場作品 カスタムロボV2 カスタムロボバトルレボリューション 激闘!カスタムロボ 関連項目 アレつにより G(単語)
https://w.atwiki.jp/suka-dqgaesi/pages/3349.html
249 :名無しさん@HOME:2009/05/14(木) 11 17 12 O 缶詰大好きトメ宅の缶切りをこっそり持ち帰ってきた。 昼は缶詰の煮魚やら果物なんだよね。 プルトップのもあるから阻止はできないが、地味にダメージ与えてやる。 赤にレトルト離乳食食べさせたのは、 トメ宅の汚台所使いたくない、余計なもの作られ食べさせられたくないからだ。 普段はダシから全部手作りだよ。 お前の缶詰、レトルト、冷凍食品料理と一緒にスンナ。 250 :名無しさん@HOME:2009/05/14(木) 11 18 28 0 流れを断ち切ったからGJ! 257 :名無しさん@HOME:2009/05/14(木) 11 29 38 0 249 地味だが確実にダメージを与えられる返し、乙ですw 次のお話→256
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/19.html
57 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/10/19(火) 14 13 45 ID p9petdS60 [1/2] 大学に入り、家を出て下宿している京介。 週末に遊びに来た高校生の桐乃。エプロンを付けて台所に立ち、洗い物をしている。 「アニキはさあ… カノジョとか作んないわけ?」 「んー …べつにいいや」 68 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/10/19(火) 17 41 12 ID p9petdS60 [2/2] 桐乃「兄貴に新しいシャツ買ってきといたから、古いの持って帰って捨てとくね」 京介「いいよ、そこ置いといてくれ、自分でゴミの日に出すから」 桐乃「…持って帰る」 (曲芸でこんなのあったっけ) -------------
https://w.atwiki.jp/iandwa/pages/61.html
#blognavi 本をたくさんつめた。 わーは台所をやってくれた。いーこ。 本はいっぱいだな。 けど本屋に行けば、まだ読んでない本があるから不思議だな。 興味が尽きないなー。 と、つくづく気づきました、とさ。 インテリアはやっぱ地道にやるのがいいのだろうな。 適材適所というか。 目的を決めて、ものがどう収まるべきかを考えるのがいいのだろうな。 かわいくしようというのも目的の一つ。 かわいくて楽しくて便利で片付いてて広くて気持ちよくてってのが目的だな。 んば。 カテゴリ [ひっこし] - trackback- 2006年09月04日 00 41 42 地道にやるには、やっぱ趣味にしないと続かないね。がんばるぞー適当に。 -- わー (2006-09-04 12 54 57) 名前 コメント #blognavi