約 241,211 件
https://w.atwiki.jp/newgenreschool/pages/566.html
やさしい。 あいつは優しすぎるくらい優しい。優しいって言葉はあいつの為にあるかの如く優しい。 そんな性格を考えればあの時に何故あんな言葉を吐いたのか、何故あの時に泣いたのか容易くわかる。 でも俺はなにも 何も、言えなかったんだ。 結果的にあいつはあの喫茶店から出ていった。泣きながらだ。俺はそれをなにもせずに、追いかける事も出来ずに見送った。 ――――最悪だ。 一言言えば済む話だった。追いかければいいだけの話だった。後悔ばっかりが俺を襲う。 シューの言葉には全く反論が出来ない。それが全てを物語っている。 あいつは多分明日俺に会って謝ってくるに違いない。それか俺の事を絶対に許すだろう。もしくは何もなかった事の様に接してくるに違いない。本当にあいつは優しいやつだ。 ―――――それに甘えてしまえばいいんじゃないか? 男「まったくもって戯言だよなあ・・・」 なんてどっかの小説の主人公みたいな事を呟いてみる。 もしそうだとしてもそんなわけにいくはずが無いだろうが。 男「ケジメはつけないとな・・・」 結局俺は皆の優しさに甘えてただけなんだろう。罪の意識を持たなくちゃならないのはあいつじゃない。むしろ俺の方だ。 巷で言われてる「ハーレムズ」とかいう名前、つまりはツン、クー、ヒーを筆頭に対する言葉なんだがあれは結局周りから俺に対する皮肉なんだろう。 友、俺、Bは何も言わない。あいつらはそういう奴らだ。なんだかんだで優しいから。 いつかはこれが崩れる事なんてわかってたはずなのに。 あんなガタガタな状態でバランスが良く保たれてたって話だ。 それがわかってたのに今の現状から甘えて、逃げて、見て見ぬ振りをして。いつの間にか本当に気付かなくなって。 しっぺ返しが今来たってだけの話だ。 覚悟をしないといけない時が来る。 男「それが、今か・・・」 覚悟、完了。 明日全てにケリを着けよう。 俺を想ってくれてる人のために、俺をかばってくれてる人のために、そして何より自分のために。全て自分のわがままだけど。 決着を着けよう。 朝のHR風景。相も変わらず平和だ。何があろうが世界は回る。 シュー「おは米」 なんだその挨拶は。 シュー「朝の挨拶だけど何かおかしかったかい?」 ああ、もういいさ。好きにしろ。 シュー「どうやら決意が決まったようだね?」 お前のおかげでな。 シュー「どう転ぼうが私は受け入れるよ。グッドラック。」 痛い。生米を投げるな。なんの儀式だ。 シュー「全てがうまくいくお祈り。」 そうかい。ありがとよ。てか痛い。米が刺さる。 友「おは米。」 流行ってるの!? 友「世田谷じゃ最先端の挨拶だぜ?」 嘘を着くな。嘘を。 友「それはそうとなんで米まみれなんだ?」 男「→」 友「ああ、なるほど。」 友「頑張れ。今日は色々とさ。どんな事があっても友達だ。」 ああ、頑張るさ。今日はな。ってお前も知ってんのか? 友「いや何も知らん。」 ああそうかい。クソ。やたらと緊張する。 男「トイレ行こうぜ。」 友「あ?いきなりなんだ?」 男「いや一人じゃ寂しいじゃん?」 友「一人で行け。一人で。・・・と言いたい所だが俺もしたいしな。」 人はこれを連れションと言う。 友「で、なんか決意でも固まったのか?」 男「・・・何が?」 友「お前が積極的に連れションを誘うのはなにかある時だしな。」 男「お前本当は知ってただろう。」 友「・・・あんな公衆の面前じゃ言えないだろ。優ちゃんが泣いて喫茶店から出てきたなんて。何されっかわかんねーぞ。」 男「見てたのか。」 友「そこだけ偶然にな。今回は。」 今回は? 友「気にするな。まあその後からお前が出てくればなんとなく察しは着く。」 男「バレバレか。」 友「バレバレだ。」 なんかこの調子だとまだ知ってる奴がいそうだなあ・・・ 友「あ、ちなみに俺の美少女もこの事知ってるから。一緒にいたし。」 お前らはデキてんのか? 友「まさか。俺は構わないがアイツはキレるぞ。」 トラウマもんだもんなあ。 友「まあアイツの事だ。別に言いふらす事もないだろよ。」 いらん心配をしないでさっさと決めてこいって事か。 友「って事さ。」 応ともよ。 持つべきものはいい心友だね。 友「玉砕したら宴だぜ!」 前言撤回。 で、だ。どうするかね。 優の方が先か、ツン達が先か。 優の方が最優先だな。しかしどうやって呼び出すかだな。問題は。 良く良く考えてみたらメルアドも番号も知らねえや。 友「お前の携帯電話、不携帯電話だもんな。」 嫌いなんだよ。持っててもなんかな。 友「文明の逆ベクトル行く男。」 いやな通し名だ。 友「普通に呼べば?」 出来れば苦労しねえよ。 友「でも他に無くね?」 まあそうなんだが。 友「腹くくったんだろ?怖じけ付いてる場合じゃないじゃん。」 うん。そうだな。 男「よし。決まった所で教室戻るか。授業始まるぜ?」 友「自分勝手な。」 男「たまにはそうなるさ。」 友「ま、しょうがねえか。だが、な。その前にだ。」 なんだ? 友「手は洗え。」 ヤベ。忘れてた。
https://w.atwiki.jp/newgenreschool/pages/464.html
友「そういや最近お前優ちゃんと仲良いよな。」 男「ん?そうか?」 まあ確かに前は存在自体を知らなかった訳なんだが。 友「優ちゃんのファンクラブの奴らから嫉妬されてるぞ(笑)」 (笑)とか付けるんじゃねえ。 てか最近やたら野郎共の視線感じたのはそういう事か。 男「知るかっての。」 友「おーおー。余裕ッスねwwwwwwwサーセンwwwwww」 お前はどこぞの美容師か。 男「それになあ。仲良いってか普通に話してるだけじゃね?他の奴らも普通に話してるんじゃね?」 友「いや、確かに優ちゃん皆に優しいから会話はあるかもしれんが異性で談笑レベルしてんのはお前だけじゃね?」 そんなもんかねえ。 友「だってデートしてるじゃん。」 男「デート?なにそれ?」 友「この前二人で買い物とかしてたじゃん。」 ・・・見てたのか。この野郎。 友「んー、ストップストップ。別に俺だけじゃないぜ?クーとかツンとかも一緒に見てたし。」 最近やたらつっかかってくるのはそのせいか。てか別にデートじゃないしなあ。 男「ってか優が買い出し頼まれてたからそれの手伝い頼まれてそれに付き合ってただけだぜ?」 友「そんなん頼まれるのお前ぐらいなもんだよ。」 にやにやしてんじゃねえ。別に俺だけじゃないだろよ。そんな手伝いなんてさ。 友「・・・ま、そういう事にしておくよ。」 なんだかなあ・・・。 友「ま、お前はそのままでいろよ。何も変わらないのが一番さ。」 言われなくてもわかってるさ。 友「お、噂をすればなんとやら。じゃお暇するぜい。」 なんて言ってる友の視線の先を見る。 優「男君、ちょっと放課後付き合って欲しいんだよー。」 ああ、優か。ん?確かになんか妙に視線が背中に刺さる・・・。あ゛ー。やたらクーとかツンとかがこっち見てるし。 ってテメエ!友!ニヤニヤしながらこっち見てんじゃねえ! ・・・あーもういいや。疲れる。全部気にしない事にした。 男「んー?また買い出しか?」 優「そうなんだよー。」 男「たまには断れよ・・・。お前いいように使われるだけだぞ?」 優「えへへー。男君は優しいねー。」 男「・・・?なにが?」 優「へへー。」 男「まあいい。じゃあ放課後な。前と同じ所でな。」 優「ありがとなんだよー。」 ガラガラガラ。バタン。 B「うおいっ!!!なんでお前優さんとあんなに親しげなんだ!!??」 クー「前も二人で買い物してたしな。」 「「ええええええ!!??」」 おい。クーさんや。余計な事は言わんで・・・ ツン「なんかいい雰囲気だったしね!」 ツン・・・。お前もか・・・。しかもなんかお二人さん不機嫌っぽい? 「「てめえ男コンチクチョウ!!しっかり色々聞き出してやるからなオイ!!」」 ダッルーーー。こうなったらアレしかないなあ・・・。 男「敵 前 逃 亡 ! !」 友「逃げたぞ!!追えい!!」 テメエ!友コンチクチョウ!!後で覚えてろ!! ・・・ああ、もう午後はサボりコースか・・・ 男「オイッス・・・」 優「なんか男君非常に疲れてる顔してるんだよー。今日は手伝うの止めるんだよー。」 男「いや・・・いい・・・。ちょっとな・・・色々あってな・・・」 待ち合わせ場所の駅前の広場に命からがら向かってきたわけで。 本当にな・・・。あの友コンチクチョウ。 優「んー?」 男「気にするな。俺は俺の意思でここにいるんだから。」 優「・・・なんだか照れるんだよー。」 何故?俺何かそんな様な事言ったか? 優「うー・・・。男君は鈍感なんだよー・・・。」 男「?まあいい。さっさと買う物買ってこうぜ?」 優「ん。じゃあ行くんだよー。」 約束していた画材屋に行く。キャンバスやら絵の具やらってなんか一式買ってるんだが・・・ 男「一式全部買うん?」 優「そーだよー。なんか文化祭の出し物で使うらしいよー?」 男「一からやるのか・・・」 ご苦労なこった。しかしなあ・・・ 男「それこそこんな重い物自分達で買いに行けってーの。」 優「うーん。でも他にする事があって忙しいんだよー。」 こいつはどんだけお人好しなんだよ・・・ 優「これで全部かなー?」 男「どれどれ?」 優が持ってるメモを覗き込む。 男「んー。こんなもんだな。・・・って顔赤いぞ?どうした?」 優「顔が近いんだよー・・・」 ああ確かに。そりゃいきなり男に顔近づけられたらなあ。 男「あー。悪い悪い。」 優「いや、別に悪くはないんだょー・・・・・」 やたら小声で何か言われたんだが聞こえん・・・。なんか気を悪くさせたか? 男「ん?どうした?」 優「・・・なんでもないんだよー。じゃ、買うんだよー。」 変なの。 ・・・マズイ。さっきの画材屋から出てきてから全く会話が無い。ヤッベーよ。なんか機嫌悪くさせちゃったっぽいしなあ・・・。 男「な、なあ優。」 優「・・・」 ヤッベー。全く反応してくんねー。 男「ゆ、優さん?」 優「・・・」 うわー・・・ 男「優さーん。おーい・・・」 男「優?」 優「・・・!!っえ!?な、なにかなー?」 男「あ、いや、あのさ。なんかどっかで休まないか?ちょっと疲れたし。奢るからさ。」 優「・・・あ。いいよー。ってか別に奢らなくてもー・・・」 男「いやいや。俺の希望だし。こういう時の好意は素直に受けてくれ。」 優「んー。じゃあ甘えさせてもらうんだよー。」 男「それにさ。」 優「?」 男「こんな時に割り勘とかだったらカッコ悪いだろ?」 優「あはは。確かにそれはあるねー。」 うん。ようやく笑ってくれた。うん。女の子は笑顔が一番だね。
https://w.atwiki.jp/suproy3/pages/49.html
それは不思議な出会いなの! ◆I0g7Cr5wzA 「……どういうことなのだろうな、これは」 ラウ・ル・クルーゼは一通り目を通し終えた名簿を閉じる。 あのホールでの出来事からそう時間は経っていない。場所は変わって、空に大地が見えることからコロニーの中のようだ。 正直なところクルーゼにも状況が把握できているとは言い辛いが、それでも座して狩られるのを待つ気はない。 気がつけばこの機体に乗っていたので、とりあえずは情報と参照した名簿にはいくつか知った名があった。 自身が隊長を務めるクルーゼ隊の部下、ディアッカ・エルスマン。 かつてクルーゼが憎しみの種を植え付けたカナード・パルス。 そして、もう一人のクルーゼとも言える存在――レイ・ザ・バレル。 スーパーコーディネイターたるキラ・ヤマトや、クルーゼのオリジナルである男の息子、ムウ・ラ・フラガの名はなかった。 どういう基準であのシャドウミラーと名乗る男達は参加者を選出したのか。いやそもそも奴らの目的は何なのか。 それらもろもろ、クルーゼにはどうでもいいことだった。 今ここに自らが存在している、その事実だけで。 記憶にある最期の瞬間、ラウ・ル・クルーゼは死んだ。 キラ・ヤマトが操るフリーダムに機体を破壊され、ジェネシスの光に灼かれて、塵も残さず宇宙に散ったはずなのだ なのにこうして、五体満足で機動兵器のコクピットに座っている。 主催者たちに蘇生されたのだろうか。いずれにしろ、望む物を与えるという言葉に不可能はないと見ていい。 ならば、是非もない。 「理由などどうでもいい……踊れと言うなら踊って見せよう。だがその代わり……」 機体のレーダーに一つ、新たな反応が灯った。 ちょうどいい。こいつを喰って、狼煙を上げるとしよう。 「叶えてもらうぞ、ヴィンデル・マウザー。私の願い……全てを無に帰すほどの、激烈なる戦争の到来を!」 呟きと共に、身を潜めていた縦穴から飛び出した金色の巨人――名をアカツキ。 モルゲンレーテ社が総力を挙げ開発した、連合製でもザフト製でもない純粋なるオーブ製モビルスーツ。 全身に「ヤタノカガミ」なるビーム反射装甲を、背に「シラヌイ」なる機動砲撃システムを備えた、見たこともないタイプのMSだ。 幸い、クルーゼが直前まで乗っていたプロヴィデンスと同系統の機体と言える。 オーブ製のOSにも早々に慣れ、自身の才覚もあってクルーゼはすぐにこの機体を掌握できた。 飛び出しざま、右腕のビームを近づいてきた反応に向ける。 「…………ッ!?」 だが、その指が引き金を引くことはなかった。 敵機の姿を目にした瞬間、あり得ないという思いが心中を満たしたためだ。 クルーゼが目にしたのはその敵機の上半身、それのみなのだが―― その上半身だけで、既にこのアカツキ以上の大きさだったのだ。 落ち着いてみればおそらく全長60mほど。どう見ても、モビルスーツであるはずがない。 状況をあくまでコズミックイラの者による殺し合いと認識していたクルーゼは、そのギャップに呆けてしまったと言う訳だ。 それはあからさまな隙だったのだが――その機体も飛び出してきたアカツキをどう思ったか、攻撃してくることはなかった。 「……ッ!」 「待ってください!」 反射的に機体を退き、撤退しようとしたところで敵機から通信が入った。 「俺はミスト、ミスト・レックスと言います! 戦う気はありません、話を聞いてください!」 声色からするに若い男の声だ。 戦えばこのサイズ差だ、おそらくクルーゼに勝ち目はない。 (ここで退けば撃ってくるかもしれん……ええい、奴の話に乗るしかないか!) アカツキを停止させ、クルーゼもまた回線を開き、 「私はラウ・ル・クルーゼ。済まない、襲われると思い気が逸ってしまった。もちろん私もこんな殺し合いをする気はない」 平然と嘘をついた。 ◆ 「ディアッカさん、カナードさん、レイさん……が、クルーゼさんの知り合いですか」 「ああ。みな腕は立つが、いかんせん子どもばかりだ。特にレイはまだスクールに通っているはず……ああ、無事でいてくれればいいが」 「クルーゼさん……よし、俺も手伝います! 仲間を集めて、あのシャドウミラーって奴らを倒しましょう!」 「私としてはありがたい話だが、いいのか? 君に探す人はいないのかね」 「ええ、俺の知り合いはこの名簿には載ってません。敵なら載ってましたけど」 「ほう……誰だ?」 「イスペイルって奴です。俺の故郷はあいつらに滅ぼされたんだ……! だから、あいつだけは俺がこの手で倒します!」 どうやら警戒するほどのこともなかった。 オレンジの髪も眩しいミストと名乗った青年は、殺し合いに乗る気はないらしい。 クルーゼもそう返すと、何を安心したか自分から機体を降りた。 罠かと疑いはしたが、話してわかった。単にこいつは大して深く物事を考えていないだけだ、と。 仮面を疑わしそうに見ていたので、傷を隠すためだと言ったらあっさり納得したことからもそれは明らか。 とにかく扱いやすいタイプではあるようだ。 だからクルーゼは彼が望むであろう性格、つまり正義に燃え悪を憎むという体裁を取って会話を続けていた。 予想通り、ミストはシャドウミラー、そして自分の仇に反逆すると言う。 「そのイスペイルと言う者の他にも戦いに乗る者がいるだろう。そういった輩にはどう対処する?」 「……倒しましょう。俺は、そんな勝手に誰かの命を奪うやつは許せない!」 「危険人物は排除、か。レイやディアッカへの危険も減る……私もそれに異論はない。 だがナチュラルが私たちコーディネイターを信用してくれるだろうか?」 「ナチュラル……自然? ああ、地球人のことですか。そうですね……確かに、地球人の意識は……。 いやでも、こんな状況じゃあさすがに地球人だって内輪の小さな戦争なんてやってる場合じゃないってわかりますよ!」 「そうだといいのだが……では、そろそろ行こうか、ミスト君。こんな無益な戦いは即刻止めさせなければな」 「はい! 俺、最初に会えたのがクルーゼさんでよかったです……! じゃあ、まずはその三人を優先的に探しつつ、仲間を集めましょう!」 意気揚々とミストが機体に戻っていく。その横顔からはすでにクルーゼを信頼しているという様子が読み取れた。 今なら簡単に殺せる――そう思ったクルーゼだが、止めておいた。 機体を奪うのも手だが、それでは結局一人で戦うことになる。 ミストの口ぶりからすればそれなりに腕に自信があるようだ。 弾避けの盾に、あるいは邪魔者を間引く剣として精々利用させてもらうとしよう。 そしてディアッカ、カナード、レイと合流し適当な悪人を仕立て上げ撃破させていき、用済みになれば処分する。 ディアッカやカナードは抵抗するだろうが、レイは確実にこちらにつく。 (優勝した後で主催者に働きかけ、レイだけは蘇生するように計らえばいい……わかってくれるな、レイ?) レイはもう一人のクルーゼ自身。クルーゼの望みはレイの望みでもあるのだから。 前を行くミストの機体を見る。 そう、必要になったらあれももらうだけだ。 (信頼した者に背中から撃たれる――君はどんな絶望を見せてくれるのだ、ミスト・レックス君……) その顔を想像し、一人、邪悪に笑う。 ◆ こうして仮面の男とアトリーム人は手を組んだ。 しかし実際に銃火を交えることのなかった二人は、まだ知らない。 ミストが乗る機体、最強ロボヴァルシオンに秘められた機能、ゲイム・システムを。 ひとたび戦い始めれば際限なくパイロットの力を高めるが、同じだけの高揚感を生み出し己を見失わせるシステムを。 誰かを守りたいと願う青年がその手に取った剣は、その実誰をも守ることなどできない毒でしかないということを。 そしてもう一つ。 クルーゼが身を預ける機体。 彼が最も憎み、そしてある意味では最も愛する男の愛機だということも。 闇の呪縛から彼を解放し、愛する女を守った機体だということも。 まだ、二人は知らない。 【ミスト・レックス 搭乗機体:ヴァルシオン改@スーパーロボット大戦OGシリーズ パイロット状況:良好 機体状況:良好 現在位置:a-1 コロニー内部 第1行動方針:仲間を集める(レイ、ディアッカ、カナード優先) 第2行動方針:イスペイルを倒す 第3行動方針:戦いに乗った危険人物は倒す 最終行動方針:シャドウミラーを倒す】 【ラウ・ル・クルーゼ 搭乗機体:アカツキ(シラヌイパック装備)@機動戦士ガンダムSEED DESTINY パイロット状況:良好 機体状況:良好 現在位置:a-1 コロニー内部 第1行動方針:手駒を集める(レイ、ディアッカ、カナード優先) 第2行動方針:できるだけミストに戦わせ、自身は安全な位置に置く 第3行動方針:ミストを使い邪魔者を間引き、参加者を減らしていく 最終行動方針:優勝し再び泥沼の戦争を引き起こす 】 【一日目 6 15】 BACK NEXT 010 この拳は最後の武器だ 投下順 012 その男、『冷静沈着で頭脳明晰』につき 008 倒す決意 時系列順 002 Xと呼ばれたガンダム 登場キャラ NEXT ミスト・レックス 042 破滅を望む者、破滅を呼ぶ物 ラウ・ル・クルーゼ 042 破滅を望む者、破滅を呼ぶ物
https://w.atwiki.jp/tw2-yukikaze/pages/73.html
「・・・ここか?」 「ここだと思う」 目の前には廃工場。ここに、何が・・・。 「あなたでしたのね・・・」 玲奈の声、だがかなり挑発的、そして敵意のある声がする。 「だったら、どうなるのかな?」 もう1人、女の声が聞こえる。 「・・・殺すだけですわ・・・」 ・・・このフレーズを聞いて、父さんが手で合図をしていた。 (気付かれないように、行くぞ) それに従って、彼女等が見える位置まで着いた。 「あれ、あたしを殺す気?」 すでに玲奈は銃のようなものを女性に突きつけている。 が、おかしい。 「・・・なんで・・・」 なんで白いドレスなんて着ているんだ?さっきまで茶色のコートだったろ? 「・・・本気のようね・・・」 その言葉で、セーターにジーンズ姿の女性の横に何か奇妙な生物が現れた。 「・・・なんだ・・・?」 「・・・俺にも分からない・・・」 「図鑑とか、そういったものにはないよな?」 「・・・」 口では説明しきれないその生物が、玲奈に突撃していった。 「・・・」 だが玲奈に近づく前に、その生物は塵となって消滅していく。 「・・・意味が分からん・・・」 「・・・」 生物学とかそんな次元を通り越している、そんな俺等の混乱を他所に彼女達はまだ睨み続けていた。 「・・・下手な駒は無駄、ということかぁ・・・」 「来ませんの?」 「なら、遠慮なく」 挑発に乗った女性が、一気に玲奈へ突撃する。 「・・・っ!!」 それに対して迎撃態勢を取った玲奈の体が、一瞬見えなくなった。 「・・・あれ?」 「ここですわよ」 いつの間にか女性の上方に跳んでいた玲奈が、その女性に銃弾を叩きつけている。 「んぐっ・・・」 痛みで蹲る女性に対して、玲奈はさらに跳び蹴りを打ち込もうとしたが、 「甘いよ」 その玲奈の右足を捕まえて、コンクリートの床に叩きつけた。 「ぐっ!」 それでも辛うじて受身を取れていたらしく、すぐに起き上がって女性の顔面に銃弾を叩こうとしたものの、 「弱いよ」 それより早く、女性がいつの間にか持っていたナイフが玲奈の脇腹を掠める。 「っ・・・」 さらに、左足の膝蹴りが玲奈の鳩尾に吸い込まれる はずだった。 「フレイムバインティング!!!」 そう、玲奈が叫んだ途端、女性の体が動かなくなった。 「・・・何をしたの?」 「金縛りですわ。本来は遠距離用ですけど、至近距離なら当てられると思いましたの」 「・・・くっ・・・」 必死に逃れようとする女性に向かって、 「ゆっくり、眠りなさい」 銃弾が放たれ、女性は消滅した。 「・・・・・・」 もう、意味が分からん。 「・・・あっ・・・」 そして最悪な事に、玲奈と目が合ってしまった。 「・・・これは、話せない事か?」 「見えましたの?」 そう話すうちに、玲奈の服装がコートの姿に戻っている。 「見えたもなにも、全部」 「・・・これも、世界結界が弱まっているからなのかしら・・・」 今、なんて言った? 「・・・『せかいけっかい』?」 「・・・家に帰られましたら、お話します」 家に帰ってから、彼女は全てを話した。 世界結界・ゴースト・能力者・先程戦っていたリリス・来訪者、 そして、彼女の恋人を殺した土蜘蛛の事。 「・・・」 それを、俺はともかく、父さんと母さんは理解できるのかと思ったが、 「・・・つまり『世界結界』、というものが失われつつあり、そして全勢力の全面戦争への可能性もある。そういう事か?」 「・・・私も断片的にしか理解できていませんけど、そうだと思いますわ」 父さんも母さんも理解しているらしい。すごい。 「・・・」 そして、戦争が近い事も。 「狼ねぇ・・・、大丈夫なの?」 「なんとかなるとは思いますわ。でも、今回は私は参加しませんの」 「その方がいい。まだ状況を理解していない時に動くのは危険だからな」 「はい」 勇気と無謀は違う。父さんの口癖だ。 「それにしても、知らない所で大変な事になってるんだな・・・」 父さんの言う通りだ、俺もこんな事が現実にあったなんて知らなかった。 「・・・」 それから、現在に至る。
https://w.atwiki.jp/unnyu-bukyou/pages/66.html
#blognavi 出会いがあれば別れもある、当たり前のことなのですが、如何せん寂しさは拭えません。 昨日に引き続き二日連続で知り合いの壁さんが引退していまい、胸にぽっかりと孔が開いてしまった感じです。。。 cripsさん、ダンちゃん・・・いつも当たり前のようにいる人達だったから、寂しさは一際ですよ・・・OTZ クリさんは自分はサブで吏に入ってまだ一ヶ月ぐらいなのによくしてくれたし・・、ダンちゃんはLv30前後ぐらいのときのジュジュからの付き合いだし・・・てか、確かフレ登録の一番↑自分だったんだよね・・><; ここみたら何か書きこんでくれると嬉しいけど・・・(ぅw; クリさん理由とか聞けなかったから事情わかんないけど、負けるな! ダンちゃん、68槍+12成功おめでとう・・そして、リアルも頑張れ! カテゴリ [Blog] - trackback- 2006年02月12日 23 42 38 名前 コメント #blognavi
https://w.atwiki.jp/awsuhz/pages/5.html
まとめサイト作成支援ツールについて @wikiにはまとめサイト作成を支援するツールがあります。 また、 #matome_list と入力することで、注目の掲示板が一覧表示されます。 利用例)#matome_listと入力すると下記のように表示されます #matome_list
https://w.atwiki.jp/awsuhz/pages/2.html
メニュー トップページ プラグイン紹介 まとめサイト作成支援ツール メニュー メニュー2 リンク @wiki @wikiご利用ガイド 他のサービス 無料ホームページ作成 無料ブログ作成 2ch型掲示板レンタル 無料掲示板レンタル お絵かきレンタル 無料ソーシャルプロフ ここを編集
https://w.atwiki.jp/awsuhz/pages/11.html
コメントプラグイン @wikiのwikiモードでは #comment() と入力することでコメントフォームを簡単に作成することができます。 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_60_ja.html たとえば、#comment() と入力すると以下のように表示されます。 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/kagakyon/pages/785.html
「あたしが決めたの。みくるちゃんはあたしのオモチャなのよ!」 去年と全く同じだ。聞いた瞬間、俺の頭に血が上った。 二回目となると我慢できん。本気で頭にきた。一瞬で衝動が思考を凌駕する。 気が付くと俺の右手はハルヒをはたいていた。 「なにすんのよ!団長に手をあげるなんて何様?あんたもうクビよ!」 「ああ、望むところだ。仲間をオモチャとしか考えてたいような団長様のもとで活動なんかしたくもない。じゃあな!」 売り言葉に買い言葉ってのが正しいのかもしれん。 古泉の顔は、笑顔を張り付けたまま蒼白。 朝比奈さんは、目に涙を貯めておろおろしている。 長門は、俺にしか分からいくらいだが焦りの表情をうかべている。 古泉に対して申し訳なく思ったが、その場から全力で走って逃げた。 胸くそが悪い。2年になってまだ一週間もたってないのにな。 こんな日はさっさと寝るに限る。 家に帰ると妹が「キョン君かえって来るの早いね」と言ってきたが無視してそのまま自室に行き寝ることにした。すまんな妹よ。 朝、妹に襲撃される前に起きてしまった。 早起きしたのにこんなにも胸くそ悪いのは、はじめてかもしれん。まあいい、今日行けば明日からゆとり教育のおかげで安息日だ。 寝起きの頭でそんなことを考えながら、ケータイに電源をいれてみると古泉と朝比奈さんからメールが来ていた。 「閉鎖空間は発生しませんでした。涼宮さんも自分の非を無意識にみとめているのでしょう。ただ、いつどうなるか予断を許さない状況です。今回は手をあげてしまったあなたにも責任がありますよ。早く謝ってください。」 文面は簡潔だった。 閉鎖空間が出なかったのは、不幸中の幸いだ。しゃくだが、「すまん」とだけ送っとこう。 朝比奈さんからは、 「早く仲直りしてくださいね。」 とこれまた簡潔に書かれていた。 「すいません。善処します。」 朝比奈さんの頼みでは断れないな。早く起きたし、早めに学校行きますか。 まだクラスには誰もいないだろと思っていたが、すでにハルヒは後ろの席にいて、顔を外に向けていた。 席に座ったところで切り出した。 「あー…昨日はそのなんだ?悪…」 「なによ?あんたもしかしてSOS団に戻りたいの?絶対許さないわよ。二度と話しかけないでくれる?」 「………」 怒りを通り越して呆れてしまった。 「わかった。手をあげたのは悪かったな。」 すいません朝比奈さん。このバカは、俺の手には終えません。 昼休みまでには、なんとか平常心を取り戻すことができた。 昼休みに、団員たちに別れの挨拶でもしなきゃならんな。 谷口と国木田に今日の飯は他所で食うと告げると 「涼宮と食うのか?」とアホの谷口がニヤけながら聞いてきた。バカか?とも言わず無視して教室を出た。 個々の教室に行くまでもなく、教室の外に古泉がいた。 「その様子ではあまり首尾はよくないようですね?」 ああ、謝ったが二度と話すなと言われたな。 「まあ、こうなると思ってました。会談の席を設けましたので、ついてきてください。」 今度ばかりは、無駄だとおもうんだがな。 つれてかれたのは食堂だった。奥の方に行くと朝比奈さんと長門、ハルヒがいた。 「古泉君、これどういうこと?」 「うそをつくような真似をしてもうしわけありません。彼も反省していると思うのでどうでしょう?涼宮さん、彼を許して差し上げませんか?」 「そうですよ。涼宮さん、キョン君もあやまったんでしょ?」 「ええ、まあ」 「古泉君、二階級降格。みくるちゃんも一階級降格。このアホを目の前からさっさと退かしなさい。」 「「涼宮さん!」」 二人とも顔が真っ青だ。古泉のこんな顔を二度も見れたのは喜ぶべきことだろうか 「涼宮ハルヒ意地を張るのはやめるべき。」 長門は、はっきりと-俺にしか分からないだろうが-怒っていた。 「有希、あんたまで反抗する気?」 「もういいやめろ。俺がみんなに言って取り持ってもらったんだ。悪かったな。」 SOS団を分裂させるよりこっちの方がいいだろ。 「そうよね。古泉君たちが反抗するわけないもの。有希にもあんなこと言わせて最低ね。あんたそんなにまでして和解したいなんて、あたしのこと好きなの?やめてよね。あんたみたいかなんの不思議のかけらもない男。」 このとき俺もショックでどうかしてたんだろ 「ああ、お前のこと好きだったよ。悪かったな。今まで後にくっついたりして」 「え?」 「もうSOS団には近づかないから許してくれ。じゃあな涼宮。」 「あ、ちょっちょっと!」 教室につき、鞄を持って出てから記憶がない。気が付いたら、例の公園にいた。なにやってんだ俺は。ちくしょう、なぜか涙が出てきた。アホか俺は。そのまま例のベンチでうずくまっていた。 ふぅ。俺らしくもないひとしきり泣いたらさっぱりした。 どこの乙女かね?俺は。自虐しててもしょうがない。さっさと帰るか。 もうあたりは暗くなっていた。 家に帰ったらまたしても妹が 「キョン君今日も早いね。何かあったの?」 無邪気な顔で聞いてきやがる。 「なんでもねーよ」 それだけ答えて、すぐに部屋に行って布団に入った。 妹にこの顔を見られるわけにはいかないだろ。 次の日、休日なのに妹の襲撃前に起きた。怠惰な生活を楽しもうと思ったが、あまりに早く寝すぎたためまったく眠くない。どうっすっかな。 まあ、これからはへんてこな団のせいで金を使うこともないし、 でかけるか。駅に行くとあいつらに会いそうだな、、 隣町にでもいってみるか。 1~2時間ぶらついただろうか。携帯ショップの前を通りすぎた。ちょうどいい。間違いってあいつにメールを送らないように携帯でも替えるか。そう思い某携帯ショップに入った。 中に入るとどこかで見たことのあるやつがいた。 「やあ、キョンじゃないか。一週間ぶりだね。」 「ああ、佐々木か。そうだな。今日は橘達といっしょじゃないのか?」 「今日は橘さん達は学校があってね。一緒じゃないんだ。ただ最近仲良くなった塾の友達ときたんだよ。柊かがみさんだ。」 「はじめましてかな?どこかで見たことあるような気がするのよね。」 ツインテールで少し気の強そうな女子だった。 そういわれれば、俺もどこかで見たことあるような気がする。 「柊さん、彼はキョン。私の中学時代の親友よ。そういえば、柊さんは北高じゃなかったっけ?なら見かけたことはあるんじゃないかな?」 北高生でも塾に行ったりしてるんだな。 ってかおい、お前も人を紹介するときキョンなのか?勘弁してくれ。 「ええ、そうよ。彼も北高なの?何組?」 「ん、5組だ。」 「あ、私の妹が5組なのよ!知らない?柊つかさって言うんだけど」 「悪いな、まだクラスメートの名前と顔が一致しないんだ。」 「そっか・・でもそれ以外にもなんかあったとおもうんだけどなぁ。」 「そういえばキョンこそ涼宮さんたちと一緒じゃないのかい?」 「あ~!おもいだした!そういえばキョン君てSOS団員だよね?」 「ああ、昨日やめたが」 まあ隠しててもすぐばれるだろ。 「えーーー!涼宮さんと付き合ってたんじゃないの?」 「そんなわけないだろ。あんなやつこっちから願い下げだ。」 初対面の人に少し乱暴すぎたか、 「喧嘩でもしたのかい?」 「うるせーな。どうでもいいだろ?」 こいつの言い方はときどき頭にくるんだよな。 「む、気に障ったようだね。すまない。じゃあキョンはこの後暇なのかい?」 「ああ、携帯変買ったあとならな。」 「ふむ。じゃあこのあと僕たちは図書館で勉強する予定なんだが一緒に来ないか?どうせ学年はじめの実力テストも手を抜いてあまり成績よくないんだろ?」 そうだな、何も考えないですむなら勉強もいいかもな。はは、俺もよっぽどだな。 「ああ、携帯買った後でいいなら頼む。」 「おどろいたな。誘っといてなんだが、キョンが自分から勉強しようなんて明日は遅い雪でも降るんじゃないか?」 へーへー悪かったよ。 「え?SOS団の人ってみんな頭いいんじゃなかったっけ?」 「ああ、今のメンバーはな。」 「あ、ごめん・・・」 いくら頭にきてるからってこの言い方は無いな。 「いや俺の言い方もわるかったな。すまん」 「ほらさっさと決めて1年の総復習でもしようじゃないか」 やっぱやめときゃよかったかな・・・・ 30分くらいかけて新しい携帯に決めた。 携帯選びでも柊や佐々木の意見はかなり参考になったな。 手続きがすぐに終わったためそのまま近くの喫茶店に向かった 喫茶店につき、飲み物を頼むと二人とも早速教科書を取り出した。 「そういや俺勉強道具何も持ってないぞ?」 「そうだね。柊さんどの教科の教科書持ってる?」 「えーと、英語と数学ね。」 「よし、じゃあキョンの苦手な数学から行こうか。」 「いきなりかよ。」 やっていくうちに思ったより勉強に集中できた。 たまには勉強もいいかもしれん。なんてな。二人が教えるのうまいんだろう。特に柊はなんかすごいなれてるな。 「柊は教えるのうまいな。」 「そうかな?ありがとう」 「キョン、納得いかないな。それは僕がへたってことかい?」 「いや、お前もうまいよ。中学のころはかなり助かったしな。ただ柊は慣れてるっていやいいのかな。まあそんな感じだ。」 「あ~さっきも言ったけど、私は妹がいるからそれでなれてるのかもね。あと できの悪い友達いるしね。あ、その友達もキョン君のクラスにいるわよ。」 「そうなのか。なら今度話しかけてみるかな。」 「う~ん。変わったやつだから無理して喋らなくてもいいわよ?」 「まあ、気が向いたら話しかけてみるわ。」 「へー。北高は楽しそうだね。」 まあ賛否両論だけどな。 「う~ん、そうね変わったやつは多いわね。」 「私のところは、みんな勉強ばかりで楽しいことがろくにないから柊さんやキョンがうらやましいよ」 まあ、そんなもんかね。変わり者にも迷惑やストレスを与えるやつもいれば、和みをあたえるやつなどいろいろいるがね。 「ところで、キョン、そろそろ君のアドレスを教えてくれないか?旧友といつでも連絡できるようにしたいんでね。」 ああ、いいぞ。 「キョン君、私もいいかな?」 「ああ、むしろこちらからお願いしたいくらいだ。」 「え?」 あ、俺なんか不味いこといったかな。 「キョン、君はいつの間にそんなナンパな人間になったんだ?」 そういうことか 「ああ、変な意味じゃなくて勉強とか教えて貰えるし。」 「あ、ああそうよね!勉強よね!私も教えるとで頭に入りやすくなるし、つかさがいじめられてないかとか監視するためよ!」 見事、利害が一致しているな。 柊の顔が何やら真っ赤になっているが暑いのかね? まだ三寒四温の季節なのに。 佐々木は佐々木でなんか不機嫌だな。 その後も日がくれるまで話ながら勉強した。中学時代俺が何やったとか、柊の妹の話とかな。 解散するときの会計は俺が出した。 二人とも割り勘でいいと言ってくれたが、勉強教えてもらったから俺が奢ると言っておいた。まあ当然だろ。割り勘にしようと言ってくれるだけで、 俺の精神的ダメージはかなり減る。ありがたいことだ。 そのまま柊とは駅前でわかれ久しぶりに佐々木を後ろにのせて帰った。俺と機嫌と反比例してずいぶん機嫌が良かったな。まあ俺も楽しかったが。 「キョン君お帰りー!」 「ああ、ただいま」 「今日のキョン君は機嫌直ったみたいだねー。」 「まあな。昨日まで辛くあたって悪かったな。」 柊の妹の話を聞いて触発されたのだろう。俺らしくもない。 「なんかキョン君ヘーン。」 失礼なやつめ。 部屋に戻り着替えを済ませるとふとケータイを入れていた袋が目に止まった。 こんなにかく張ってたっけ? 袋を調べてみると、数学の教科書が入っていた。 あ~、柊の教科書持ってかえってきちまったのか。 とりあえずメールしとくか 「今日は勉強見てくれてありがとな。それと悪い、柊の数学の教科書持ってかえっちまった。月曜に返せばいいか?」 こんなもんだろ 風呂でも入ってくるか。 「いや、こっちこそいろんな話できて楽しかったよ。うん、月曜日のお昼にとりに行くから持ってきて。ああ、あとしつこいかもしれないけどなんでSOS団やめちゃったの?」 風呂をあがるとメールが返ってきていた。 会話になるメールをするのがこんなに感動するなんて嬉しいね。と感慨に浸ってもしょうがない。 さてどうこたえるかな。 「ああ、わかったじゃあ昼に待ってるわ。辞めた理由は、まあ団長の理不尽さに耐えきれなくなったことかな。」 まあ今更な理由だな。 「いろいろ大変ね。私も友達に振り回されてばかりだからよくわかるわ。今日初対面だったけど、悩んでるんならいつでも相談乗るわよ~。」 初対面のやつにも俺が凹んでることがわかったんだろうな。 「気をつかわせたみたいで悪かった。困った時はお互い様で頼む。じゃあまた月曜な。」 一般人の女子とメールなんてずいぶん久しぶりだな。柄にもなく緊張しちまった。 「うん。またね!」 メールが返ってきたあとすぐ、 「キョン君ゴハーンですよぉ~!」 そういやここ2日晩飯食べてなかったな。 「ああ、今行く!」 久しぶりに肉ものを食べたな。 飯の最中に母親が「ここ二日でてこなかったけど失恋でもしたの?」 ブフォ。飯をこぼしちまった。 「あなたの年なら失恋なんてよくあることでしょ?中学の頃の佐々木さんとだって続かなかったじゃない。」 と、勘違いの極みな発言をしてきた。 さらに妹が、「キョン君振られたの~?はるにゃん?」 黙りなさい。今後二度とその固有名詞をだすな。と言うと本気で勘違いするだろうから無視して部屋に戻った。 え~い忌々しい。今日やった勉強の復習でもしてやる! ヴーヴー 今度は、誰だ?つっても佐々木と柊しか今のところ無いんだよな。 また柊か? ケータイを見ると 佐々木 と表示されてる。 「今日は久しぶりに楽しかったよ。また今度一緒に勉強でもするかい?」 勉強ねぇ。 「ああ、困ったら頼む。あと橘たちにSOS団辞めたこと言わないでくれないか?付きまとわれたらかなわん。」 まあもうばれてるかもしれんがな。 もう不思議ごとはまっぴらだ。 「分かった。君のたのみなら仕方がない。そうそう、余計なお世話かもしれないが、些細なことで涼宮さんと喧嘩したなら和解したほうがいいよ。」 もう修復は不可能だしするつもりもないが、「ああ、善処するよ。じゃあまた今度な。」もう勘弁してほしい。月曜に学校でもいろいろ言われるんだろうな。全くやれやれだ。 「また、機嫌を損ねたみたいだね。すまない。ああ、また機会があれば君の自転車に乗せてもらうよ。」 そんなに、乗り心地が良いもんかね? さて続きをやりますか。 しかし、勉強もそこそこに、漫画を読み出した。なんと脆弱な我が意思よ。と嘆いてもしょうがない。そろそろ寝るか。 次の日、西洋ではいわゆる安息日。日曜である。この日は家でゲームをしたり、妹の相手をして過ごした。 月曜に備えての休息日だ。 どうせ、クラスの奴らにいろいろ聞かれるのだろう。 そういえば、世界が崩壊していないところをみるとまあなんとかなってるのだろう。 すまん古泉。今度缶コーヒおごってやるとチラッと考えたが取消だ。金がない。 月曜日、これほど足が重い日はもう無いと願いたい。似たようなことを3日前に考えていたがな。 北高名物の坂を登っていると谷口が話しかけてきやがった。 「おいキョン!いきなりケータイを変えるなよな。メールが送れなかったじゃねーか。」 「ああ、悪い。教室着いたら教える。」 意外だな。一発目から金曜のこと聞いてくると思ったのに。 「そうだ、キョンよ。金曜日はなんでいきなり帰ったんだ?」 まだSOS団のことは知らないみたいだな。 「体調が悪かったんだ。」 嘘ではない。精神的な苦痛も立派に労災がおりる時代だしな 「そうか、あとお前が帰ったあと席替えと自己紹介をしたんだ。お前のあだ名を広めといたぞ。あとな、残念ながら嫁とは正反対の場所だったぞ?」 「広めなくていい。嫁って誰だ?んなもんいないぞ」 「何いってんだ涼宮だろ?」 「あんなアホ知らん。」 席替えは涼宮のとんでも能力のせいだろ。 「おいおい喧嘩でもしたのか?」 そのまま谷口を無視して教室に向かった。 「おい、まてよ。キョン!」 教室に着いて国木田にもアドレスを教えておこうと思ったが、いなかった。 そのままいつもの所に行こうとしてしまったが、なんとか思い出して廊下側の席に向かった。 「え~と、キョン君だよね?」 突然、自分の席を探していると声をかけられた 「ああ、そうだけど?」 可愛らしいリボンを着けた女の子がいた。 「キョン君の席ここだよ。」 「ああ、ありがとう。」 「えへへ。席、隣だねよろしくね。」 「ああ、よろしく。」 「つかさ~フラグたてたね?」 ちびっこがそこにいた。 「違うよ!フラグなんかたててないよ!挨拶しただけだよ。」 「かがみんに言っちゃおうかな~。」 「だからなんにもしてないよ~」 おもいっきり蚊帳の外だ。 「やあ、キョンおはよう。金曜日はどうしたの?」 後ろから話しかけてきた。 「ああ、国木田か、体調が悪くてな。あ~あと携帯変えたから教えとく。」 「うん、わかった。」 交換して席に戻ると さっきの二人が話しかけてきた。 「途中で騒いじゃってごめんね。私柊つかさ改めてよろしくね。」 「あたしゃ~泉こなたと申しやす。兄貴よろしく。」 「よろしく。あ~あと柊さんはもしかして柊かがみの妹か?」 「え?お姉ちゃん知ってるの?」 「ほう、かがみんもやるねぇ。」 「ああ、一昨日あったばかりだけどな」 柊の言った通りの女の子だな 「あ、ゆきちゃんおはよう。」 「おはようございます。つかささん、泉さん。」 特もry。朝比奈さんよりあry 「あの、そちらの方は?」 「ああ、キョンキョンだよ。席が近いから話してたんだよ。」 「はじめまして。高良みゆきと申します。キョンさんなんて珍しい名前ですね。留学生の方ですか?」 「こちらこそよろしく。キョンはあだ名だ。」 「あ、ごめんなさい勘違いしてしまいました。」 「いや別に…」 「おいキョン。早くケータイ教えろよ!」 「ああ、ちょっとまてよ。」 ったく空気が読めないやつだな。 「じゃあまあ一年間よろしくな。」 「おい、キョンどうやって泉たち何を話したんだ?」 顔が近い!もう少し離れろ! 「いや、これと言って何にもないが。」 「泉こなたはBランクプラス、柊つかさはAランク、高良みゆきはAAランクプラスだ。どうしてお前ばっかりいい思いができるんだよ!俺を紹介しろ!」まだランク付けしてたのか。 「俺が知るか。まあ後でこっちに来れば話してくれるんじゃないか?」 「それでこそ俺の心の友だ。」 お前はどこのジャイアンだ。 「そういや今日は涼宮がいないな。旦那は何か聞いてないのか?」 「誰が旦那だよ。俺は知らん。」 「そうか。金曜日キョンが帰ったあと呆然としてたぞ。土日に慰めてやったのか?」 「うるさい黙れ」 「なんだよ。機嫌わりぃな。じゃあ次の時間よろしくな!」 谷口がそういい終わるとすぐに岡部が入って来て授業が始まった。 授業が終わると朝の三人が集まってきた。 「キョン君お姉ちゃんとどこで知り合いになったの?」 「私も気になるよ。旦那。」 ここで携帯ショップであったことを話した。 「かがみんも顔が広いねぇ。」 「そうですね。かがみさんはしっかりしてますから頼られることが多いんでしょうね。」 「そういや、柊妹は塾に行ってないのか?」 「私は勉強できないし、まだ2年生だしいいかなと思って。」 普通そうだよな。 「呼ばれて飛び出てジャジャジャーン!どうも谷口です!」 谷口KYだ。 「谷口それはないよ。」 国木田よく突っ込んだ。谷口、三人を見なさい。反応に困ってるじゃないか。 「うん、私柊つかさだよ、よろしくね。グッチー。」 世界が氷ついたかと思われた。 「ぐっちー?」 「谷口だからグッチーだよ。」 みなさんここに谷口のあだ名が完成した。これからは谷口のことをWAWAWAのグッチーと呼んでやってくれ 6人全員の自己紹介が終わると始業のチャイムがなった。 ちなみに国木田はクッキーだそうだ。 よかったな国木田。谷口と兄弟みたいだ。 黒木田ならクロッキーでもいいんry 口にはだせんがな。 まあ午前中はこれ以外は、特に何もなく終わった。 飯の時間になると柊姉が来た。 「おーすこなた」 「おっすかがみん。」 「よ。悪かったな柊姉よ。」 教科書をわたす。 「こんにちは。キョン君わざわざありがと。」 「いや俺のほうがもちかえっちまったしな。」 (かがみんいつもと態度違うヨ) (うるさいわね) 「あ、そうだキョン君いつもグッチーたちと一緒にご飯食べてるんでしょ? 「あたしたちと一緒に食べない?」 「そうだな。飯はみんなで食ったほうがうまいよな。おーい谷口、国木田! 柊たちが一緒に飯食おうってよ!」 これで谷口のナンパ論をきかなくてすむぜ。 「キョンよくやった!」 はいはい礼はいいから今度なんかおごってくれ。 「キョンお前は、柊姉とも知り合いだったのか?」 「ああ、まあな。」 「ちくしょう。お前ばっかり!」 意味分からん。 谷口をあしらいながら机を傾けた。 みんな弁当を開いたが柊姉妹の弁当が一番見栄えがあった。 「ほー今日はつかさが弁当当番かな?」 「うん、そうだよ」 「柊家は自分でつくってるのか?大変だな。」 「そうだよ。でも私料理好きだからたのしいよ。キョン君は自分で作らないの?」 「俺には無理だ。」 「二人とも家庭的なんだね。」 「国木田の旦那そいつは違うよ。つかさだけさ。かがみんはね・・・」 「あーうるさい!どうせ私は家庭的じゃないわよ!ふん!」 「まあ苦手でも普通につくれるんだろ?それだけですげーよ」 「キョ、キョン君フォローはいいわよ!で、でもゴニョニョ・・」 何やら赤くなってるな。 「みゆきさんは料理するの?」 「ええ、でもお手伝いだけであまり得意ではないんです。」 「へー意外だな。柊姉は予想ついたがみゆきさんもなのか。」 「ちょ谷口のだんな・・・」 「グッチー・・・・」 やっぱばかだこいつ。 「谷口君!悪かったわね。」 「あ、やごめんわるかった。」 その後も泉のおたく論だとか、谷口はナンパばっかしてるとか お互いの話で盛り上がった。 飯を食い終わると柊姉は自分の教室に戻っていった。 午後の授業は前の席にもかかわらず、寝てしまった。 しかし意外なもので前の席というものはなかなかきずかれにくい。 わるくないな。 放課後になっても古泉たちから接触がなかった。 なにかしらあると思ったのだがな。 帰りも泉たちと帰ることになった。 しかしここで谷口たちにばれた。 「キョンお前団活はいいのか?」 「ああ、俺やめたんだ。」 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 「何ーーーーーーーー!」 「キョンなんでまた!?」 「キョンの旦那は、はるにゃんと付き合ってたんじゃないの?」 まておまえらおちつけ! 「いろいろあったんだ。泉、その冗談はわらえない!あるわけないだろ!」 帰りの道中では質問攻めだったやれやれ。 平日のこんな時間に変えると結構暇だななんて考えてると 「キョン君お疲れ様。こなたやつかさが根掘り葉掘り聞いちゃってごめんね。」 柊姉からこんなメールが来た 「いや柊妹はそんなでもないさ。むしろ谷口のほうが大変だったぜ。」 送信と 「まあね。谷口君には少し空気をよませなきゃだめね。 「 あ、そうそう柊姉、妹って言いにくくない?かがみとつかさでいいわよ?」 そーだな。 「そうか?じゃあそう呼ばしてもらうわ。これからよろしくな。かがみ」 ちょっとなれなれしかったのか、この後メールの返事が返ってこなかった。 12時くらいまで待っていたが来なかったし、遅いから寝るかね。 朝メールを見てみると 「うん、よろしく」 と送られていた。 一時まで何やってたんだ? いつもより少し遅く家をでたが例の坂の途中で柊姉妹にあった。 「おはよう、つかさ、かがみ。」 「ひゃう!キョン君なんでいきなり下の名前なの?」 なんだかがみはつかさに言ってないのか。 「ああ、昨日のよ…」 「ワー!ワー!そうよ!区別をつけるためにそうよんだのよね?」 「あ、ああ」 ずいぶんでかい声だな回りが見てくるぞ。 「な、なんだびっくりした~。」 なんか残念そうだな。 「やっぱり柊姉妹でよんだほうがいいか?」 「ううん、つかさでいいよ!」 耳元で大声を出された。耳が痛い。 「そういえばね、昨日の夜、お姉ちゃんすごかったんだよ?」 慌てたように次の話題を切り出してきた。 いきなりだな。 「何が?」 「ちょっとつかさ!」 「部屋でいきなり叫んでゴロゴロ転げ回ったんだよ。」 「なんでゴロゴロ転げ回ったんだ?」 想像したら吹き出しそうになった。 「え、ええと、そうよ!ちょっと足の指をぶつけちゃったのよ!」 だからメール送れなかったのか。 「ぷふぅ。クックック」 すまん耐えられん。 「笑うな!も~つかさも余計なこというな!」 「えへへ。ごめん」 などと話しているうちに学校についた。 かがみと別れ、つかさと教室に入った。 何気なく窓の方に目を向けると、 今日はいた。一瞬目があったが、すぐに顔を背けた。 どうでもいいけどな。席につくと高良と泉が挨拶してきた。 「おはようございます」 「オハー、キョンキョン。つかさと登校デートかい?」 おい変なこと言うな。 それに変なオーラも出すんじゃない! 俺は念能力はもってないぞ。 「坂でいっしょになっただけだ。かがみもいたぞ。」 「え?キョンキョンかがみんを名前でよんでたっけ?」 「ああ、今日からだ。区別するためにな。」 何やらその後不機嫌のようだったが谷口や国木田が来て昨日と同じように談笑して朝を過ごした。 午前中の授業は聞いてもさっぱりだったな。昼飯の時間になると涼宮が一目散で出ていった。学食なんだろ。 飯を食おうと机を傾けると国木田がよってきた。 「古泉君たちがよんでるよ。」 ついに来たか。 廊下に出ると、 「ついてきてください」 「涼宮に謝れって話なら行かないぞ。」 「いえむしろ、、まあとにかくついてきてください。」 古泉単品ならついていくつもりはなかったが、朝比奈さんと長門がいるんだ。 ついていかない訳には行かないな。 「ちょっと待ってろ。弁当取ってくる長くなるんだろ?」 「いえ直ぐに終わるので」 じゃあなんでわざわざ移動するんだ?まあいいか 「わかった。ただ谷口たちに飯を食うなと釘を差しておくから少し待ってろ。」 教室にもどり、谷口たちにちょっと話してくると告げ、そのまま廊下に出た。 歩いて行くと久しぶりと思えてしまう場所についた。 文芸部室だ。身を屈めつつ、なかを見たが団長はちゃんと不在みたいだな。 いつも座っていた席につくと朝比奈さんがお茶をだしてくれた。 やはりあなたのお茶は最高です。 「早速本題に入りますが、昨日、やっと涼宮さんの精神は落ち着きました。なのでこれ以上刺激しないために今度涼宮さんに近づかないでください。出来れば僕たちにもです。」 1年一緒に活動してたんだ、目を見れば本心で言ってる訳ではないとわかった。分かっていながら俺は頭が真っ白になった。 「んなもんお前に言われんでも分かってる!全くいままでお前らを仲間だと思って協力してきたのがアホらしい。そっちこそ二度と近付くな」 背を向けて部屋を出ようとしたとき長門が何か呟いた。 「なんだ長門?まだなんかあんのか?」 今度は、はっきり聞こえた。 「私は悔しい。」 内心かなり動揺した。長門の感情を初めて聞いた気がする。 「このようなことを言わなければならないのは、涼宮ハルヒのせいでもあなたのせいでもない。私は自分の立場が恨めしい。」 朝比奈さんは泣き出してしまった。古泉もなんか泣きそうだ。 今度ネタにしてやろう。 「近付くな、なんていってわるかったな。」 また今度図書館にでもつれてくか。 「古泉、お前まだあの約束覚えてるか?」 目があう。にやけてはいない。 「え、ええ。」 「あれは除名されてもSOS団の為なら有効だよな?」 「もちろんです。」 「覚えとけよ。」 「分かりました。」 「朝比奈さん。」 「グズッ、ふぁい」 「またお茶が飲めるよう努力するので待っててください。」 「は、はい!」 「長門ありがとうな」 「いい。むしろ感謝するのはこちら。」 「じゃあまあまだ時間かかると思うがまたな。」 部室をでて歩いているとまたもや国木田が来た。 「大変だよキョン!早く教室に来てくれ。」 「なんだよ。腹減ってるから走りたくねぇよ。」 なんだ、血相変えて 「いいから早く!」 はあ、やれやれだ。 教室に着くと異様な雰囲気だった。クラス全員がいつもの弁当を食べている風景のままある一点を向いて固まっているのだ。 「つかささん落ち着いてください。」 「ハルにゃんも落ち着いて。」 なんだ?さっぱり理解できない。 「おい国木田何があったんだ?」 「僕も知らないよ。ただキョンが出ていったあと、気になって泉さんと僕と谷口で追跡してたんだ、ああそのことはごめん。でも文芸部室の中に入ったから引き返してきたんだ。そしたらこんな状況で…。キョン仲裁してくれよ。」 なんで俺がとは思えなかった。 にらみあったまま動かないのだ。 「落ち着けつかさ、それと涼宮も、」 すまん古泉早速破った。 「キョン君!」 「!?」 「みんな弁当を食えないじゃないか。一旦和解しろな?」 「うん、…」 「うるさいわね。なんであんたがしゃしゃり出てくるのよ?この子の彼氏にでもなったの?」 何勘違いしてんだこいつ。俺のバトルフェイズか? 「はあ~。何があったんだ知らんがもういいだろ?つかさ席に戻れ。涼宮もだ」 つかさが席に着いたらその場は収まった。 「つかさ、なんであんなに怒ったの?」 泉が聞く 「なんでもない。」 これの一点張りだ。 「あ、お姉ちゃんには絶対内緒にしてね!」 そういったとたんに、かがみが教室に入って来た 「おーす。」 「おっす」 その日の飯は平常心で会話するように勤めたが、 「みんななんかあったの?」 かがみのやつ鋭いな。 「ああ、キョンの好みの女を聞いてたんだがな。」 「「「どんな人なの?」」」 おい、谷口なんだそのはぐらかし方は? もうちょいましなのないのか? それよりもなんでみんな反応するんだ。 そんな話してないってばれるだろ! 「しゃべらないから、微妙な雰囲気なんだ。」 「うるせーな。中学時代から恋愛なんかしたことねーよ」 「でもキョン、佐々木さんと付き合ってたんじゃないの?」 国木田め、余計なことを。 「え、そうなの?」 かがみが反応した。 「んなわけあるか。あいつは恋愛なんか精神病の一種だとか言ってたんだぞ?仮に俺が好きだったとしてもありえないね!」 完璧な理論武装だろ?なんだよ国木田、高良、なんでニヤニヤするんだよ。 谷口、顔がアホの子だぞ!あ、元々か。 「本当にキョンキョンは付き合ったことないの?」 「ねーよ。まあ、興味がないわけじゃないけどな。泉は、ないのか?」 よし話を転嫁してやる。 「私は、オタク文化が彼氏さ!」 それでいいのか? 「高良さんや柊さんたちはどうなの?」 「あ~私たちにそんな浮わついた話ナイナイ。」 かがみさん、そんな遠い目をしないでくれ。こっちも悲しくなるから。 「高良さんもないの?」 「ええ、一度もありませんね。」 「確かにみゆきさんを見過ごしてきた男どもはアホだけど、つかさがモテないのは、かがみんのせいだよ!姉が鬼じゃ近づけないしネ。」 「なるほどな。そりゃあ当たってる!」 … 「二人とも後で体育館の裏に来なさい?」 鬼がいる。 泉の発言も嘘じゃないかもな。口には絶対出さん。 かがみのおかげで? 昼にあったきまずい雰囲気も、なんとか回復。 その日の晩、妹の相手をしているとつかさからメールが来た。 「今日は迷惑かけてごめんね。お姉ちゃんに言わないでくれてありがとう。」 「いや、別にいいけどもうケンカするなよ?」 理由は俺も聞かれたくなかったし、聞くのはやめとくか。 「うん、今度何かお詫びをさせてね。」 「ああ、別に気を使わなくていいぞ」 このあとは、何時ものように適当なメールをして終わった。 と思ったら今度はかがみからメールが来た。わざとやってるのか? 「本当につかさに何も無かったの?」 鋭いな、本当に。 「ああ、なんもないぞ」 すまんな、かがみ。つかさのためだ。 「そう、ならいいわ。あ、それと佐々木さんと本当につきあってないの?はじめてあったとき親友って言うより夫婦にみえたわよ?」 「んなわけあるか。かがみこそなんかないのか?」 「まったくないわ。絶賛売れ残り中ね。今ならたたき買えるかもよ?」 おい。 「たたき買えるほどかがみは安くないだろ。じゃあ俺は寝るわ。また明日。」 おふざけなのはわかるが、やめてもらいたい。 こちらは思春期絶賛進行中なんだ。 翌日もかがみは小指をぶつけたらしい。 つかさが言うには、今回の転がり方は半端じゃなかったそうだ。 この日からは涼宮も大人しく、つかさも怒ったりはしなかった。 去年と同じように平和な日が続いた。平和万歳! そんなある日の飯どきに谷口が 「みんな、ゴールデンウィーク暇か?暇ならどっかで遊ばないか?」 などと聞いてきた。 俺はぐうたら過ごす。暇じゃない。 「僕は、最初の2~3日なら大丈夫だよ。」「私も大丈夫です」 「私も大丈夫だよ~。」 「私も前半は大丈夫。こなた、何悩んでんのよ?あんたいつも暇でしょ?」 「失礼な。やることいっぱいあるんだぞ!」「どーせギャルゲーかアニメでしょ?」 「ムム」 こいつらの掛け合いは何度見ても面白いな。 「で、どっか行きたいところあるか?」 考えてから誘えよ。 「ハイハイ!ゲーマーズ!」 「お前はそれしかないのか!」 「私はピクニックが良いなぁ。」 「ウィンドウショッピングも良いですね。」 まとまりねぇな。 「じゃあ一辺に出来そうな街にでも行く?」 「それがいいんじゃないか?」 ってことで強引だが、街に行くことになった。 俺は行くとは言ってないんだがな。まあ1日位ならいいか。 「おーす、かがみ。早えな。つかさは一緒じゃないのか?」 ゴールデンウィーク初日、 谷口と愉快な仲間たちが親睦を深める会、命名谷口。 と略す気にもならん何時ものメンバーの集まりである。 SOS団なら考えられんが、2番手に到着だ。集合時間の20分前だからかね。 「つかさはお花を摘みに行ってるわ。」 ちょっと例えが古いんじゃないか? 「あ、そうだキョン君明後日暇?佐々木さんと勉強する予定なんだけど一緒にやらない。」 「昨日の晩に佐々木からすでに誘われたぞ。」 「なんだ、なら早くきた意味がないじゃない…。で、来るの?」 「もちろんご一緒させていただきます。」 宿題を一辺に終わらせるチャンスを誰が逃すのだろうか、いやない。最近習った反語である。 「じゃあ、たぶんこの前の喫茶店になると思うけど今日明日に連絡するね。」 「ああ、悪いな。」 たぶん佐々木からも来るんだろうが。 「あ、キョン君おはよー。」 「おう、つかさ。来るの早いな。」 「うん、今日はしっかり起きられたんだ。」 「本当に今日は早かったわよね。いつもこれくらい早く起きれば良いのに。」 「今日は楽しみだったからね。あ、そうそう、私とお姉ちゃんでお弁当作ってきたんだ。味の保証は出来ないけどね。」 柊家印の弁当か、いつも見てるが綺麗だしな。 「いや、楽しみだよ。谷口なんか、泣いて喜ぶんじゃないか?」 「まあ、つかさがメインで作ってるから味は完璧よ!」 「お姉ちゃん、プレッシャーかけないでよ…」 「オッスキョンキョンたち!」 「おはようございます。かがみさん、つかささん。」 「オッスこなた、みゆき」 「つかさ、その手に持っているのは弁当かい?」 「うん、そうだよ。」 「つかさ印の弁当かい?それともかがみん印の爆弾かい?」 お前の発言が爆弾だ。 「あんたには無理矢理爆弾くわしてやろうか?」 「お代官様、何卒お情けを!」 こんな町中で大声出すな。恥ずかしいぞ! 「おはよう。みんな早いね。キョンより遅いのは、久しぶりだな。」 「俺よりは、余計だろ。谷口は一緒じゃないのか?」 「一緒に行こうと思ったんだけど、来なくてさ。さっきメールで先行ってろってきたんだよ。」 集合かけたやつがビリじゃ世話ないな。 「全くグッチーは、何やってんだろ?」 「バツゲームが必要だネ」 「何がいいかな?」 「喫茶店で罰金でいいんじゃない」 どっかの団長とみんな発想は同じなんだな。 「みんな早いな。」 5分遅刻してきやがった。 「谷口の旦那遅刻だから罰金ネ」 「おいおい、俺はあるものを作ってたから、遅れたんだ。勘弁してくれ。」 「あるものって何?」「ジャジャジャジャーン。東中名物くじ引き!」 あのくじ引き東中名物だったのか。 「大勢でぶらついても芸がないからな。2人組を2つと3人組を一つで回らないか?」 「「おお!」」 別段騒ぐほどでもないだろ?なんでそんなにテンション上がるんだよ? 「谷口君にしては良くやったじゃない。」 「だろ?だから奢りは勘弁してくれ。」 うんそれ無理。 とりあえず喫茶店に向かい、どこかの団と同じように昼に一度集まることを決めて、くじ引きをした。 組み合わせは、 谷口、国木田。 俺、泉。 柊姉妹、高良。 だった。 「せっかくくじ作ったのに、国木田とかよ!全くついてねぇ!」 「じゃあ柊さんたちのお弁当があるから13時に例の公園でいいかな?」 「OKよ。」 「わかった。」 「じゃあキョンキョン、私たちも行こうかネ。」 「ああ、とりあえずゲーマーズ行きたいんだっけか?」 「イエッサー。」 「じゃあ行くか。」 たわいもない話、まあ俺がやめる前のSOS団の話をしたり、 (かなり興味を持ったみたいだ。) 泉がかがみたちに出会った頃の話をした。あと泉のオタク化の原因が父親にあるということもわかった。そんなこんなでゲーマーズへついた。 俺はここに来たのは初めてだ。まあ、予想通りの店だ。 「あ、も○●もん新刊出てるよ。早速買わなきゃ。」 「三冊も買ってどうするんだ?」 「保管用、普及用、とネ」 「そんなにいらんだろ?」 「わかって無いなぁ。キョンキョンは。」 あんまり分かりたくねーよ。 会計をしてゲーマーズを出た。 泉のやつは財布に諭吉さんを入れてやがった。くそう忌々しい、いやうらやましい。 「諭吉さんを持ってるなんて、泉はバイトでもしてるのか?」 「うん、最近始めたんだヨ」 「どんなバイトなんだ?」 こいつがまともにできる仕事あるのだろうか。とは言い過ぎか? 「今まともな仕事できるのか?とか考えてたでしょ?失礼しちゃうぜ。旦那。」 「え?顔に出てたか?すまん。」 「やっぱ図星かよ。まーいいヨ。コスプレ喫茶だしね。」 「お前にぴったりかもな。良かったじゃんか。」 考えるより口が先に動いた。 「そうかな、ありがとう。そうだ!キョンキョン今度うちの店来てみなよ。」 「ああ、金に余裕ができたら行くよ。」 「よし!あと、誉めてくれたお礼にこなたと呼ぶ権利を差し上げよう!感謝してたもれ。」 突然だし、意味が分からん。 「なんでだよ?別に泉で良いじゃねぇか。」「まあそう照れるな。かがみんやつかさは名前じゃないか。私も一つよろしく頼むよ。」いたずら猫のような、しかも上目遣いで頼まれては仕方がない。俺は猫が好きなんだ。決して可愛かったからじゃないぞ! まだ時間があったので、そこら辺をぶらぶらして時間を潰した。 公園に向かった。 公園につくと、みんな揃っていた。まだ10分前なのに。 「みんなはええな。」 「お腹空いちゃったからね!」 かがみは機嫌悪そうだな。早く飯にしなければ雷が来そうだ。 「野郎2人で街を回ったって楽しくないからさっさと切り上げてきたんだ。」 御愁傷様だ。 どこか腰を落ち着けられる場所を探していたら、 「あそこら辺がいいんじゃないかな?」 と国木田がなかなかのポジションを見つけたので飯にすることにした。 「うおー。うまそうだな!」 「美味しそうですね。」 「どうぞ召し上がれ。」 「「いただきます。」」 うんうまい。 「ん?なんかここら辺の料理だけ形が悪くないか?つかさでも失敗するんだな。」 あのバカ。今流行りのエアクラの名を授けてやる。かがみも作ったって話を聞いては……遅刻してきたから無かったか。 かがみの顔がいつもとは違う―落ち込んだ―曇り方をしていた。 ヤバい泣きそうだ!何とかしなければ! ひょい、パクっ 「いや形は悪いかもしれないが味はなかなかいいぞ?うん、このハンバーグもうまいな。」 嘘ではなく、本当にそう思った。 「え?」 かがみが顔をあげた。「だいたいろくに料理ができないのにんなこと言うなよな。谷口。」 「ああ、そうだな。すまん。つかさ」 「え?ええっとそれは私の……。」 「全くよ。それは私が作ったの。いやなら食べなきゃいいじゃない!」 元気を取り戻したようだ。 「あ、かがみが作ったのか?すまん。」 「もういいわ。さっさと食べて午後の散策もやりましょ。」 またくじ引きをすると今度はつかさとだった。ちなみに他のグループは 谷口、高良、こなた 国木田、かがみだった。 「終わったら集合してカラオケでも行くか?」 めんどくさいな。 「いいねー。行こう行こう」 まあいいか。 「キョン君午前中何してたの?」 ピクニックをしたい。 と言っていたので、近くの山もとい丘を登っている最中である。 「ゲーマーズとかいうところで買い物と今みたいな散歩かな。つかさは何やってたんだ?」 「あ、私も散歩かな?」 なんで疑問系なんだ? 「あ、珍しい。キョン君この花何て言うか知ってる?」 紫色か… 「花の名前なんかわかんねーよ。」 「ゼラニウムだよ。この花お姉ちゃんみたいなんだよね。」 「なんで?」 「もともと観賞用で綺麗なんだけど、丈夫で育ちやすいから手がかからない。でも気温には敏感だったり、うーんうまくまとまらないけどそんなかんじ。」 なんとなく共感できた。 その後丘を降りてカラオケをして帰った。 谷口とこなたがほとんどマイクを握ってたがな。 あっという間に時間が過ぎその日は解散した。 その夜にかがみから 「明後日の昼に図書館になったから。1日勉強するから荷物多めにね。あと、お世辞でもフォローしてくれてありがとうね」 と来た。 「わかった。フォローでもなんでもないぞ。そりゃ、つかさと比べるから見た目が悪く見えたかもしれないがまた食べたいとは思ったぞ。」 昼の顔を思い出してしまった。 「ありがとうね。明後日は、ビシビシしごいてあげるわよ!じゃあね。」 「ああ、よろしく頼むぜ。」 全く疲れる1日だったぜ。 「キョン、君にしては早いじゃないか。」 「いつも遅くて悪かったな。」 「む、すまない。そんなつもりで言ったんじゃないんだ。」 「へいへい。」 俺と佐々木はこれから電車に乗るところだ。なぜか?それは昨日の夜にかがみからまたメールがあり、 「明日親がいないから家で勉強しない?」 こりゃ予想外だ。 「佐々木は了解したのか?」 「うん、図書館だと教えたり話したり出来ないしね。」 「わかった。どうやっていけばいいんだ?」 というわけである。 電車を使い30分位で柊家についた。 ピンポーン 「佐々木と申しますがかがみさんおられますか?」 そういえば俺は女子の家に来るのは―長門を除いて―初めてだな。そう考えると長門の家に入ったのはなかなか勇気があったな俺。 「あ、どうぞあがってください。」 かがみでもつかさでもない声だな。親がいないんじゃなかったのか? 「…姉ちゃ…たち……ば!」 家の中から声が漏れている。 「なんか賑やかだね。許可出たし玄関開けてみようか。」 中に入ってみるとお姉さんたちがいた。 「あ、いらっしゃい。ちょっと姉さんたちもういいでしょ?早く出掛けなさいよ!」 「ハイハイ。へ~。あなたが佐々木さんね?」 「初めまして。」 「キミがキョン君かな?」 ここでもキョンですか………。 「初めまして。」 「君のことは最近食卓で話題にでるよ。」 はは、なんとも反応に困るな。 「かがみが男の子つれてくるなんてはじめてよね~。」 「もう!うるさい!早くでてけ!!」 お姉さんたちはかがみに何か言って出ていった。 「じゃあ早速始めましょ!」 結構強引だな。かがみも。 「そう言えば、つかさはいないのか?」 「ああ、あの子はまだ寝てるわ。昨日いつもより遅くまで起きてたみたいだから昼過ぎまで寝てるわね。」 気持ちはわかるぞ、つかさ。 すぐに居間に通され、勉強を始めた。 女2人男1人では、さすがに部屋には入れてくれないだろう。 まあ俺が何かしようとしても二人になら叩き潰されるだけだがな。するつもりもないがな。 「キョンそこのthatは同格で訳すんじゃなくて副詞的に訳すんだ。」 「あ、そこの助動詞の「ぬ」は打消じゃなくて完了よ。」 マジで勉強付けにされた。もう少しペース落としませんかお二方。「あ、もうお昼ね…私が作る予定なんだけどいいかな?」 「うん、柊さんのお昼は是非いただきたいわ。キョン、君も楽しみなんじゃないか?」 「ああ、かがみの飯はうまいぞ。」 「キョン君プレッシャーかけないでよ!」 と言って台所に引っ込んだ。 「キョン!君は、柊さんの料理を食べたことがあるのかい?いつどこで?」 やけに食いつくな。 「一昨日、公園でだ。」 「君は柊さんとデートしてたのか?」 心なしか声がふるえてるぞ? 「んなわけあるか。クラスのやつらと一緒に遊びに行ったんだ。」 「なんだ、そうなのか。それは良…いや残念だったね。」 残念もくそもあるか。 その後は普段の学校生活について雑談をして待っていた。 「お待たせ。お口に合うかわからないけど、どうぞ。」 ポニーテールにエプロンのかがみに思わず見いってしまった。 ……… 「私の顔になにかついてる?」 我に帰った。 「あ、いや、うんサンドイッチか!うまそうだな。いただきます。」 「うん、美味しいよ。柊さん。是非また食べたいな。」 「ああ、家のお袋より丁寧なつくりしてるぞ。」 (やった!でも誉めすぎよ。照れるじゃない…) 「何か言ったか?」 「あ、お口にあってよかったわ。」 あっという間に食べてしまった。 「デザートにプリンあるんだけど食べる?」 「ああ、是非。」 「かがみが作ったのか?」 「うん、昨日ちょこちょこっとね。」 「ずいぶん手間かけてくれたんだな。」 (また食べたいって言ってくれたから…) 「本当に柊さん凄いね。料理が苦手って言ってたのに。」 「そんなことないわよ。苦手なのは変わらないし、サンドイッチならパン切れれば作れるしね。」 かがみも女の子なんだよなぁ、なんてその時はなんとなく思った。片付けを終えて勉強午後の部を開始した。 しばらくやってると 「お姉ちゃんおはよぅ~」 「おはようじゃないわよ。もう3時よ?」 「顔洗ってくるね。ってあれ?キョン君?私まだ夢の中なのかな?」 「何言ってんのよ。昨日キョン君と佐々木さん来るって言ったじゃない。」 「ああそっか。……はわわわわわわ。着替えてくる!」 ドタドタ パジャマか・・・・・ 「まったく…だらしないわねぇ。」 1時間位してからつかさは居間に来た。 そこからは佐々木とつかさが自己紹介したり、学校の話をして盛り上がってた。 「ただいま~」 「げぇ!親が帰ってきた!」 「じゃあそろそろいい時間だし帰るか?」 「そうだね。暗くなってきたし。」 玄関で柊姉妹の両親に会った。 「こんばんわ。」 「もうおかえり?」 「ええ、お邪魔しました。」 「あら、あなたがキョン君?」 「ほー、君が」 「ええ、そうですが・・・」 俺はこの家ではすっかりキョンなんだな・・・・ 「いつも娘たちがお世話になっております。ところで、神主に興味などありませんか?」 「「ちょっとお母さん!?」」 「神主ですか?」 なんでまた神主なんだ? 「もう!お母さんたちはあっちいってて!」 「駅まで送ってくるからね!」 「はいはい。」 「おじゃましました。」 「まったくこれだから親は・・・」 「なんでまた神主の話しなんかしたんだ?」 「な、なんでもないよ。ね、お姉ちゃん?」 「そ、そうよ!あ、駅が見えたしここまででいいわね。」 「柊さん、今日はありがとね。」 「ううん。ぜひまた来てね。」 「じゃあ、あさって学校でな~」 「じゃあね~」 地元の駅につき佐々木を後ろに乗せて帰った。 最後の日は家でゆっくりするかね。 さて、ゴールデンウィークも終わると2年になり初めての中間テストである。忌々しい。 しかし今回はひと味違った。 なんせテスト一週間前はかがみと佐々木にみっちりしごかれたのだ。 そこ!変な妄想するなよ。 お陰で学年順位は俺では考えられんほど上がった。 しかし俺の知り合いはだいたい10位以内だがな。ああ忌々しい忌々しい。 あ、谷口は言うまでもないな。例外だ。 テストが終わると席替えをした。この席も楽しかったなと思ってくじをひいてみると、偶然だろう。凉宮の前いわゆる窓際後方2列目だ。忌々しい。 つかさとこなたは変わらず前方、高良と国木田は真ん中らへんで隣同士、谷口は教卓前だ。御愁傷様。 まあ、相変わらず昼飯はいつものメンバーで食べているがな。 そんなあるじめじめした6月のある日。なんと凉宮が話しかけてきた。 「あんた、あいつらの誰かと付き合ってんの?」 ずいぶん久しぶりな上に唐突だな。 「いーや。お前も恋愛ごとに興味でも持ったのか?」 自分で言って驚いた。まともに会話できるじゃないか。 「うるさい!」 いつだかのこいつを思い出すね。 それ以来、こいつが話しかけてくることが増えた。正直、気が滅入る。誰だってそうだろ? ケンカ別れして、しかも…… う、誰かピストルを持ってきてくれ、どっかのナイフ美人でもいいぞ。 うんやっぱそれやだ。 話の内容は単純で、不思議探索がはかどらない、鶴屋山に行ったなどの話だ。 だが実は全部聞いている。なぜなら俺は時々SOS団に顔を出しているからだ。 もちろん団長がいない日だがな。 経緯?じゃあまあ回想してみるか。 確か、掃除当番と日直が重なり大分帰宅が遅れた日。 待ってると言ったみんなを先に帰宅させて、ゴミを捨てをしていると、たまたま長門と会った。 「久しぶりじゃないか。元気してたか?」 僅かに頷いた。と思ったらいきなり俺の手をつかみ引っ張りだした。 「おい、長門どうしたんだよ?」 「来て。」 相変わらず必要最低限しか言わないな。 「どこに行けばいいんだ?」 「部室。」 は?待て意味が分からない。いまさら仲直りでもさせようと言うのか? 「俺はあそこであいつに会いたくない。やめてくれ!」 長門がピタリと足を止めた。 「大丈夫。今日は凉宮ハルヒは来ない。」 「なんでた?」 「あなたがやめてから凉宮ハルヒの団活出席率は低下した。今日は休みの連絡があった。」 俺が邪魔でやめさせて自分が活動やすむなんて世話ねぇな。 「なら俺が行く意味も長門が行く意味もないんじゃないか?」 「凉宮ハルヒが来なくても、朝比奈みくる、古泉一樹は部室に来る。私も本を読みに行く。」 相変わらず真面目なやつらだな。 「だからあなたにも来て欲しい。これは朝比奈みくる、古泉一樹の希望でもある。」 驚いたと言うより純粋に嬉しかった。 「凉宮は本当に来ないのか?」 軽く頷く。 「わかった。朝比奈さんにまたお茶をいただくと約束したしな。」 久しぶりに部室の前に立つと足が震えた。 情けないことにめちゃくちゃ緊張した。 長門が部室の扉をあけた。 「ああ、長門さんずいぶん遅かっ…」 ガタン、 「あ、今お茶を…」 ピタ 「連れてきた。」 長門が抑揚のない声で言った。 「久しぶりです朝比奈さん。古泉もな。」 二人とも固まったまま動かん。 「仲直りされたのですか?」 かろうじて古泉が声を出した。 「いや長門に頼まれて来ただけだ。迷惑だったか?」 「とんでもない。嬉しい限りですよ。」 「キョン君~。よかった。もうお茶を飲んでくれないかと思った。」 朝比奈さんは泣きながら抱きついてきた。 「約束は守りますよ。朝比奈さん。」 あなたのお茶はこの世のどんな飲み物よりも癒されます。 「グス。早速お茶を入れますね。」 ああ、離れてしまった。 「久しぶりにオセロはどうですか?」 古泉もいきなりテーブルゲームを進めて来た。 団活は通常通り、っていっても俺が居たときのだが、行われた。 活動中は主に俺が抜けたあとの団活はどうだとかの話をしたが、未来的、宇宙的、超能力的な話はしなかった。 まあ極力凉宮の話を避けるとそうなるだろう。コイツラなりに気を効かせてくれたんだろうな。 帰りには長門と図書館に行く約束をして、帰った。 SOS団はやはりいいもんだなと思ったし戻りたいとも思った。 だが凉宮にもう一度謝ってまで戻りたいとは思わなかった。 俺にもショボい意地はある。2度もあやまったが返事すらしないようなやつにこちらから下手にでるつもりはない。 久しぶりにイライラしたな。 はいこれ以上回想すると怒りが沸点に達しそうだ。ここらでやめとく。 6月はそんな感じで凉宮と話したり、飯メンバーで遊んだり、団活に出たり、と充実していた。 と同時に退屈とは言わないが、ある種の物足りなさを感じてもいた。こんなことを考えていたからバチが当たったんだな。 期末テストも佐々木、かがみのおかげで乗りきれた。あとは短縮授業が2週間ないあいだに、学生のパラダイス夏休みがあるって浮かれ始めた日。 ことは起きた。 最近の凉宮は落ち着いていたし俺との会話も増えていた。 いまだに気まずさは残るし気が滅入るが、それなりには会話ができていた。 こいつが謝るならSOS団に戻ってもいい。 そう思っていたが… 突然だった。 授業もあと一時間って時だ。俺がトイレに行って教室を離れていると、俺の席周辺が騒がしい。 俺何かやったか?と思い戻ってみると 「どうして凉宮さんは!」 「うるさいわね!どうしてもよ!」 前回と違い、声をあらげてる。 教室はまたも騒然。 のちに言われる第二次ハルヒ×つかさ戦争の勃発である。 「おい、やめ…」 これまた前回同様、俺が仲裁に入ってつかさが席に戻ればかたがつくと思った。 「キョン君は黙ってて!」 あのつかさがこんなに頭に来てんのか、涼宮はなにやったんだ? 「落ち着け、つかさ。凉宮もだ。」 今回は説得に時間かかるかもな。 第一なんでみんなはとめないんだ? 俺は裁判官じゃないぞ。 予想に反して今回は凉宮が折れた。 「うるさいわね。帰るからそこを退け!」 と叫んで出ていった。一方つかさは睨んでいたが、 ガタン。 いきなり倒れた。 俺は頭の中だけは冷静だった。 ただ情けないことに、ここで俺は行動できなかった。 「つかさ大丈夫!?」 こなたが一番で反応した。 「気持ち悪い・・・」 意識はあるみたいだな。 「貧血だと思います。早く保健室に行きましょう。」 高良の迅速な判断により、つかさを保健室に運んだ。 ここでやっと運ぶのを手伝った。 少し休むといくらか回復したようで保険の先生は柊の両親に連絡して家に帰した。 その時にかがみにいろいろ聞かれたが何を話したか覚えてない。本当に情けない。 しかし本当に大変だったのは次の日だった。 昨日の今日で教室に行くのが精神的に辛いが坂をなんとかのりきり教室に入ってみると、昨日と既視感を感じた。 谷口は、俺を見つけるやいなや 「キョン、3回目だ。どうにかしてくれ。つかさならどうにかなったが、あの2人はどうにもならん。」 あの二人ってだれだ? 喧騒に目を向けてみると 「凉宮さんもはっきりさせなさいよ!つかさは苦しんでるのよ!」 「何であたしがあんな奴に…だいたいあんたがしゃしゃり出てくるのがおかしいのよ!もしかしてあんたもそうなの?全く、姉妹揃って…」 「おい、いい加減にやめろ。」 「「!?」」 「かがみもお前らしくもないぞ。凉宮、お前は3…」 俺の対処は間違ってないと思う。確かに3ヶ月前にあんなことしたが、今さら仕返しか? バッチーンッ! おもいっきり平手打ちを喰らった。 「!?」 わけがわからない。 俺が張り手される理由を知っているやつがいたらここにこい。 教えてくれ。何か言いかえそうと思い、凉宮を睨み付けると目が潤んでいた。 俺は凍りついた。こいつが泣く?WHY? 自問自答していると、凉宮は突然走り出した。 俺もとっさに追いかけた。 「おい、凉宮待て。俺が何かしたのか?」 今思うと理不尽すぎるな。 「うるさいついてくんな!」 スピードをあげられ、校門の所で見失ってしまった。 くそ、なんだってんだ。教室に戻るとかがみも居なかった。 しょうがない、次の休み時間に何があったか聞いてみるか。 多分無駄だがな。 全く柊姉妹と凉宮は相性悪いのか? 谷口達が何で凉宮とかがみがケンカしたか、 さらに俺がなんで張り手を喰らったのか詳しく聞いてきたが俺も知らないんだから答えられるわけがない。 その後も先生が来るまで質問ぜめだったが、聞かれた内容は覚えてない。 全部無視だ。 次の休み時間、つかさに仲介してもらいかがみの教室に行こうと思ったが、休みだった。 そりゃ昨日の今日だもんな。 ・・・・・ なるほど、かがみと凉宮のケンカの理由はわかった。 おそらくケンカの理由を聞いてかがみが怒ったかなんかしたんだろう。 とりあえず会って詳しく聞いてみるか。 単身かがみのクラスに向かった。 「柊を呼んでくれるか?」 ドア付近の女子に頼むと、ニヤニヤしだした。 「おーい柊!男が呼んでるぞ!」 おい。男を強調するな。いらん誤解を生むだろ。 反撃の怒声が聞こえるかと思ったが、静かだった。 気になり、教室を覗くとゆっくりと下をうつむきながら歩いてきて俺の前でとまった。 「つかさのことでケンカしたのか?」 聞き終わると殆んど同時に、胸に抱きついてきた。 「お、おい!?」 回りの奴等が、特に「ヴァ!?」ばっかり言ってるさっきの女子が、黄色い声をあげているがかまっている余裕がない。 「おい、どうしたんだ?涼宮になんか言われたのか?」 かがみは肩を震わせ泣いていた。 俺の様子が変だと周りも気付き出した時だった。 かがみがいきなり顔を上げた。 少しの沈黙。 泣き顔がかわいいななんて思った罰だろうかね? バチーン。 凉宮とは反対側の手、 つまり左手でひっぱたかれた。 周りも俺も凍りついた。 我に帰って思わずかがみを睨んだが、ぶったたいた本人が一番驚いてた。 俺の顔と自分の手を交互にみてから何か呟いて走り出した。 すぐに追いかけようとしたが、 谷口と兄妹の[ヴァヴァヴァ女]命名俺、に止められ 「お前柊に何したんだ?」 さっきとはまるでちがう雰囲気で聞いてきやがった。 「俺もわかんねーよ。凉宮とケンカした理由を聞きに来ただけだ。」 「じゃあなんで柊は泣いていたんだよ!?あやのはなせ。こいつに一発かまさなきゃきがすまないんだってヴァ!」 後ろでヴァ女の手をつかんでる女子がいた。 「みさちゃん落ち着いて。あなたも柊ちゃんと何があったか知りませんが、早く仲直りしてくださいね。」 情けないことに何も返事ができず、俺はかがみのクラスから立ち去った。 クラスに戻ったら戻ったで 「キョンキョンかがみんは何て言ってた?」 こんなかんじにこなたを筆頭にいろいろ聞いてきやがる。 谷口!WAWAWA煩いんだよ! 帰る時間になってもしつこく聞いてくるので全部無視して一目散で帰った。 家についたらついたで妹が話しかけてきたが全部無視だ。 悪いな妹よ。 いったい俺が何をした? 存在そのものがうざいのか? 部屋に入りいろいろ考えたり途方にくれていたが、気が付いたら寝てしまっていた。 いや正確には寝た意識は無かったのだが、 例の空間にいるという状況は寝ているのだろう。 例の空間、つまり閉鎖空間だ。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― つかさは、ただの貧血だったらしく家出おとなしくしてるようにと医者に言われたらしい。 とりあえずなんともなくてよかったわ。 夜ご飯のとき、貧血以外になんとなくつかさが不安に思っているように感じた ―まあただの勘なんだけど― から聞いてみることにした。 コンコン 「はいるわよ。つかさ」 「うん・・・・・」 返事に元気がないわね・・・ 「まだ体調悪いの?」 「ううん。大丈夫だよ」 体調は確かによさそうだけど・・・ 「そう?何か悩み事でもあるんじゃない?顔にかいてあるわよ?」 「え?と、突然どうしたの?私は何も悩んでないよ?」 はい、確定ね。なんかあるわね 「どうしても話せないことならいいけど、話したほうが楽よ?」 「うん・・・」 しばしの沈黙。よっぽどのことね。 「お姉ちゃんは最近誰かを好きになったりした?」 いきなり何言い出すのこの子は? 「あ、あるわけないでしょ?」 なぜかある男の子の顔がうかんできた。ええい!!消えろ!! 「実はね・・・・」 つかさの話はこうだった。 涼宮さんとケンカを、しかも2回もしたらしい。 この子にもそんな度胸があったのね。 一回目のケンカはSOS団、いえキョン君のことだけど 「どうしてやめさせたの?キョン君落ち込んでるよ?」 「あんな平凡でアホな奴この世に必要ないわ」 この言葉でつかさは我を忘れてにらみつけたらいい・・ 私もたぶんそうしてたわね・・・・・ まあ確かに、出会ったころのキョン君はどこか物憂げで 寂しそうだったわよね・・・ まあそれが良か・・・ええい! そして昨日のケンカの理由これが・・・・ 二回目は涼宮さんのほうから話しかけてきたらしい 「ここ最近あんたキョンと仲がいいけど付き合ってんの?」 こういわれたらしい。たまたまそのときこなたたちもいなかったみたい 「え?わ、私は・・・」 誰かに助けを求めることもできずしどろもどろだったんでしょうね・・・ 矢継ぎ早に涼宮さんが 「あんなアホのどこがいいの?遅刻癖もあるし、頭悪いし・・」 つかさはここでまた頭に血がのぼったらしい。 「涼宮さんこそ、そんなにキョン君が気になるなんて好きなんじゃない?」 まるで小学生のケンカね・・・ と思うのと同時に私は不安感が襲ってきた 「それでヒートアップしちゃって・・・」 「あきれたー。それで貧血おこしたの?」 「えへへ、迷惑かけちゃってごめんね。」 「まったくよ。次学校行くときみんなに謝っときなさいよ?」 「うん。でも寝ながら涼宮さんのいったこと考えてたんだけど」 次に来る言葉が直感的にわかった・・・ 「私キョン君のこと・・・・・」 お願い!つかさそれ以上いわないで! 「好きなのかなぁって。えへへ私らしくないかな?」 ・・・・・・・・ 「ううん。そんなことないわ。きっとつかさなら大丈夫よ!!私は応援するよ!涼宮さんなんかメじゃないわよ。」 どうしてこんなこと言っちゃったんだろ。 「お姉ちゃん気が早いよ!それにまだキョン君だってゴニョゴニョ・・」 「キョン君は意外と倍率高いだろうから早くしないと手遅れになっちゃうかもよ?」 言ってて空しくなるわ・・・ 「え?そんな・・・」 「まあ私は応援するからがんばりな。」 「うん。ありがとうお姉ちゃん。」 その一言が何より重いわ・・・ 「じゃあお休み。」 部屋を出てすぐに外に向かった。 「こんな時間にどこいくんだ?」 お父さんが聞いてきた。 「ちょっと裏の金魚を見てくるね」 そういって私は走った。今年一番の速さで・・・ 境内に着くと涙が出てきた。 幸い、声は出さなかったけど。 やっぱり双子だからかなぁ。 今まではっきりと感じたこと無かった。 ううん。嘘ね。 認めてなかっただけ。 考えてみればつかさも私も露骨にアピールしてたじゃない。 あ~あ、みんなにバレてたらただのピエロね。 なんでよりによってつかさもなの? 本当に… 結局どうすればいいのかわからず、気持ちの整理もつかぬまま家に帰り布団に入った。 ただこんな状況で眠れるわけもなく朝になってしまった。 朝食をなんとか胃に納めているとき、つかさは大事をとって一日休むことを母から聞いた。 まあその方が良いわね。 私も凉宮さんと話したいし。 いつもより早く家をでて、つかさの教室へ向かった。 後ろからこそこそと確認したけど、キョン君はいないわね。 今あったら精神的にヤバイわ。 凉宮さんはいた。窓際で外を向いてる。 ちょうどいいわね。 「凉宮さん、昨日は妹が迷惑かけてごめんね」 少しの沈黙。 「あんた、誰?」 キョン君から聞いてたほどパワフルな人には感じられなかった。 「あ、私柊かがみ。つかさの姉よ。」 「あっそ。全くはやくくっ付けばいいのよあいつら。ノロマ同士お似合いよ。」 つかさが怒るのも無理ないわ。 「そうね。たしかにトロい所あるかもしれないけど、つかさはひねくれてないから去年のあなたと違って二人はうまくいくわよ!」 ずっと思ってたことをつい言ってしまった。 「な!私がひねくれてるっていいたいの?それに去年の私と違ってってどういう意味よ?」 「そうよ!キョン君が好きなのにケンカしてSOS団やめさせるし、そのくせ最近仲良くなったつかさにも嫉妬してる。ひねくれもの以外の何者でもないじゃない!」 「うるさい!そんなわけないじゃない!あんたこそ、妹に取られてさぞかしお気の毒ね。」 この言葉のあと良く覚えてない。 いつの間にかヒートアップしていた。 「いい加減にしろ。」 「!?」 何でこんな時に来るの? 「凉宮、お前は3…」 バチーン! 凉宮さんが走り去っていく。 私以外誰も凉宮さんがひっぱたいた理由分からないだろうなぁ。 「お、おいちょっと待てよ!」 キョン君も慌てて追いかける。 不思議とキョン君より凉宮さんに同情してしまった。 良く周りを見ると人がいっぱい集まってた。まあ当然ね。 「かがみん、何があったの?」 「あ…、つかさのことについてちょっとね。」 嘘はついてない。途中から論点がずれたけど。 その後、みゆき達にもいろいろ聞かれたけど答えられなかった。 「ごめん。教室戻るわ。」 クラスに戻りながら凉宮さんに言ったこと、言われたことを思い出していた。 凉宮さんにひねくれ者なんて言ったけど、私は臆病者よね。 結局は一緒。 言いたいのに言えない。 席につくと峰岸や日下部が話しかけてきた。 「オース柊!」 でも私は机に突っ伏して寝た振りをした。 「オイってヴァ!」 「柊ちゃん?」 ごめんね。二人とも。でも、こうでもしなきゃ耐えられないわ… 授業が始まってからも、突っ伏しながらいろいろ考えていた。 昨日の夜と同じで結局答えは見つからない。 授業が終わってから少したつと後ろから呼ぶ声がした。 「柊!男が読んでるぞ!」 多分キョン君だろう。 顔を見ないように後ろへ向かった。 それでもダメだった。 キョン君の胸で泣いてしまった。 分かってるのよ。私がつかさに言った通り応援すればそれで済む。 「お、おい大丈夫か?涼宮になんか言われたのか?」 キョン君の顔を見上げた。 どうしてそんなに優しいの? いっそキョン君が、私のことを嫌いになればいいのに・・・ バチーン え?え? なんで固まってるの? あれ?私? う・・・そ? 急いで教室をでる。 昨日の全力疾走を早速更新ね・・・ 家に帰ると親はいなかった。 よかった。 つかさも寝るようだ。 あ~あ、やっちゃったな。 別にキョン君はなんもしてないのになぁ。 明日からどんな顔すればいいんだろ? はぁ・・・・・ 気がついたら寝てたのかな? 目が覚めるとそこは灰色の空間だった。 まるで私の心みたいな。 なんなのここは? 学校? 校門から出ようとしても、見えない壁で通れない。 これ夢かな? 自然と足がつかさの教室に向かった。 なんなのかしら? 教室を覗くと重苦しい雰囲気、 つかさと凉宮さんが教室の両端に座ってた。 「あ、お姉ちゃん!」 「つかさ!」 「なんであんたまで出てくんのよ…」 「悪かったわね…」 気まずい沈黙ね…。 なんでこんな夢なんだろ。 「昨日、今日とむきになったりして悪かったわね。」 凉宮さんが突然喋り出した。 驚いた。凉宮さんが謝るなんて! キョン君の話では一度も謝ったところを見たことがないって言ってたのに。 凉宮さんが言うように夢なのかな? 「いや、だいたいケンカ吹っ掛けたの私だし、こちらこそごめんなさい。」 全面的とは言わないけどケンカに発展させたのは、私よね… 「私もごめんなさい。でもなんでお姉ちゃんが謝るの?」 「あ、つかさは知らないか。私も凉宮さんとケンカしちゃったのよ。」 「え!?そうなの?なんで?」 「大したことじゃないわよ。」 「あ、そうなんだ。」 また気まずい沈黙が襲ってくる。 「キョン君にも謝らなきゃなぁ。」 つかさが言い出した。 「なんで?あんたは別になにもしてないじゃない?」 「ううん。凉宮さんとのケンカも仲裁してくれたし、いろいろ心配してくれたから。」 「そうね、私も謝らなきゃなぁ。」 本当よね… 「………」 「お姉ちゃんキョン君になんかしたの?」 「なんでもないさ。ちょっと愚痴を聞いてやっただけだ。」 「キョン君…」 ありがとう… 「私も悪かったわね…」 ・・・ キョン君の顔が崩壊してる… 「お前、熱でもあるんじゃないか?」 「な!そんなわけないでしょ!悪いと思えば私だって謝るわよ。」 「そうか。いや俺こそ春のあれは悪かった。ひっぱたかれてようやくいたみがわかった。本当に悪かったな。」 「本当よ!全く。でもそうね、今回のことは私にも過失があるから特別に春のことは水に流して再入団を許可してあげるわ!」 凉宮さんも素直じゃないな… 「はいはい。ありがとうございます。団長様。」 「はい、は一回!あとあんたたちもSOS団に入りなさい!」 え? 「おい、なんの脈絡もなくいきなり言うな。作者の想像力の無さが露呈するだろ!」 作者? 「うるさいわね。もうばれてるわよ。あんたは黙ってなさい。」 本当にいきなりね。 「ところで、SOS団って何するところなの?」 興味津々だなつかさ。 「宇宙人や未来人、超能力者やそれに準ずる不思議を探して遊ぶことが目的よ!」 ……… 「わー面白そうだね!」 「おいつかさ。いいのか?後戻りはできないんだぞ?」 「でもキョン君だってもどるんでしょ?」 「いや、まあそうなんだが………」 すごい複雑な顔してるわね。 「お姉ちゃんは?」 「つかさが一人で入るのは心配だからね。私も入るわ。」 私も素直じゃないわね。 「つべこべいわず入ればいいのよ!そうね明日は入団祝いで鍋にするわ!キョンあんた一発芸の用意しなさいよ!」 「なんで俺が!どうしてもってんならなんか見返りよこせ!」 なんか夫婦見たいね。 つかさが怒るわよ? 「あ、そうだ。キョン君、今までのお詫びに何か一つだけお願いきいてあげるよ!」 おいおいつかさ、対抗するのはいいけどいきなり爆弾過ぎないか? 「う~んそうだな、じゃあポニーテールにしてきてくれないか?明日七夕だしな。」 キョン君も甲斐性ないわね。あったら困るんだけど…。 それよりも七夕だからってポニーテールってなんか関係あるのかしら? それともただの好み? 「このエロキョン!成敗してやるわ!!」 「やめろハルヒ!」 キョン君が宙を舞ったのは見えた。 柔道を詳しくみたことないからわからないけど 背負い投げっていうのかしら? ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― どすん。 んは?家…か? あ、ああ ぐおー。なんつー暴言はいちまったんだ。森元首相も爆笑だっぜ! 今だかつてない恥の極み。 谷口並みにアホかもしれん。 いやそれは自分を卑下しすぎか。 ガチャガチャ 「キョン君起き…キョン君が起きてる!」 「おう」 「うわー珍しい!今日は雪が降るね!」 真夏に雪なんか降るわけありません!第一今日は快晴だぞ。 「お母さん~キョン君が起きてるよ~」 その後もうるさい妹をあしらって家を出た。 今だかつてない恥ずかしい夢、か・・・? な~んてしったこっちゃねぇや。こうなったら開き直りが大事だ。 「よう、キョン…。そんなとこで何を買ってるんだ?」 「ちょっとな。」 すばらしくタイミングがわるいなお前は。 「それよりもだ、お前かがみにもひっぱたかれたんだってな。何したんだ?」 こいつはなんでそんな情報ばかり集めるのが早いのだろうか。 「知らん。それよりも谷口、チャックあいてるぞ。」 wawawaのチャック、グッチーめ。ハッチポッチス○ーションでも出演してろ! 「俺は先に行くぞ!」 「おい、キョン待てよ!」 「ガヤガヤ」 ガラッ 「あ、おはようございますキョンさん…」 「ああ、おはよう。」 ピタッ なんでみんなこっちを見てくるんだよ… 気まずいじゃないか・・・ 席につくとクラス中が静まりかえっていた。 やっぱりなんとかしたほうがいいのか。 「なあ、ハル…」 「今日の放課後部室来なさい!来なきゃ死刑だから!」 そっぽを向きながら言い出しやがった 部室で何をやらされるんだろうね。 「わかったよ。死刑はいやだからな。」 「ふん」 そう言うと席を立ってどっかに行った。もうホームルーム始まるのにな。 「キョンキョン良かったね!」 「おう、こなたか。ああ、まあな」 「私も放課後よばれてるんだヨ。」 なんでだ? 「もしかして高良もか?」 「ええ、朝来たら突然誘われました。」 「私も誘われたよ!」 「つかさもか?ってことはハルヒとのケンカは収まったのか?」 まあわかってたが。 「うん。今朝凉宮さんがうちに来たんだ。」 「な、なんですと!?」 「キョンキョン顔が怖いよ…」 顔面崩壊してたかもしれん。あいつがそんなことをするなんて信じられん。 まだ夢を見てるのか? 「どんな話をしたんだ?」 「え?えと、その。仲直りとか?」 なんで疑問系なんだ? 「ダメだよ、キョンキョン。乙女は秘密が多いものなのさ。」 「こ、こなちゃん!」 ケンカの仲直りに乙女もなにも関係ないと思うがな。 「そうなのか?まあでも、良かったな。」 「うん。キョン君にも迷惑かけちゃってごめんね。」 「いや…」 「おい、キョン!凉宮が放課後に部室こいなんて言ったんだが、何か企んでるのか?」 またまた間の悪いやつだ。 「僕もだよキョン。一体何をやるんだろうね?」 準団員は総出なのか? 「知るわけないだろ!俺だって強制参加だ。」 「え!じゃあ凉宮さんと仲直りしたの?」 「いや正直わからん。」 「はぁ?どういう意味だ?」 そのままの意味だ。 それぐらい理解しやがれ。 「まあいいだろ。なんだって。」 その後も谷口が何か喚いたがホームルームになった。 問題はかがみだよなぁ。どうすりゃいいか… 結局授業が終わってもハルヒは帰って来なかったし、かがみから接触もなかった。 「キョン!先に行ってるぞ」 「ああ、さっさと行かないと死刑にされるぞ」 全く忌々しい。 なんでこんな日に限って掃除当番なんだ。 あー忌々しい。ゴミ捨てまでやらされてやっと解放された。 しかも下駄箱に・・・ また精神的につかれるな・・・ 岡部め、これで死刑になったら三代あとまで祟ってやる。 部室に向かう途中 「あ、キョン君!」 「ああ、かがみか…」 しばしの沈黙…。何したか自覚がないからかがみの方が気まずいな。 「あの、昨日はごめんね。」 閉鎖空間と同じで大丈夫かね? 「いや俺も気にさわったこと言ったのかもしれないしな。すまん。」 「ううん、気にしないで。全面的に私が悪いの。あ、そうそう、キョン君もハルヒに部室呼ばれてるんでしょ?一緒に行かない?」 かがみもこの話はきまずいんだろうな。 「ああいいぞ、かがみもなのか?」 こいつもハルヒのこと下の名前で呼んでたか? 「そうなのよ。それに私だけじゃなくて峰岸や日下部もなのよ。あ、二人ともクラスの友達なんだけどね。」 多分ヴァヴァヴァ女達の事だろうな。 しかしハルヒは本当に何考えてるんだ?全く意図がつかめん。 「お姉ちゃん、キョン君!」 「あれ?つかさなんで外にいるの?」 「分かんない。いいって言うまでハルちゃんに外で待ってろって。」 ハルちゃん?やっぱり今朝なんかあったのか? 「あとキョン君とお姉ちゃんも待ってろって。」 「何たくらんでるんだあいつ?」 「つかさー!かがみとバカキョン来た?」 部室の中から無駄に元気な声が響いた。 「うん、揃ったよ。」 「じゃあ入っていいわよ!」 ガチャ パン、パン、パン。 突然左右と正直から音が鳴り響いた。 「かがみん、つかさ誕生日おめでとう!」 は? 「おめでとうございます。」 「え?あ、今日だっけ?」 「こなたに聞いたら今日があんたたちの誕生日だって聞いてね。SOS団で七夕を祝うついでよ、ついで。別にあんたたちの為にやってるわけじゃないわよ!」 「良く言うぜ!あんた達手伝いなさいってさんざんこき使…」 「煩い!」 「ギャー!」 なるほどな。だから授業に出てなかったのか。 あ、谷口よ南無。 「はいこれプレゼント。」 「うわーありがとうこなちゃん!」 「え、あ、うん。ありがとう。」 「かがみん照れてるの?顔が真っ赤だよ?」 「ち、違うわよ!!」 「おめでとうございます。かがみさん、つかささん。」 「おう、柊おめでとうだってヴァ!」 「柊さんたちおめでとう。」 「そうね、私からはSOS団入団の資格をプレゼントするわ!ありがたく受けとりなさい!」 双子1、2と書いてあるいつもの腕章だ。 「ああ柊姉妹よ。お前達もそっちの世界にいっちまうのか。」 「黙れ!」 「ギャース!」 余計なこと言うからだぞ谷口。 「あとキョンキョンのSOS団復帰記念パーティーも同時開催でいいんだよね古泉君?」 「ええそうですよ。」 「ちょっと古泉君何よそれ!?」 「おや、僕は長門さんにそう言われたのですか?」 「ちょっと有希どういうこと?」 「だめ?」 長門その顔は反則だ!谷口や国木田なんか顔真っ赤だぞ。 「む、むう。ゆ、有希の希望ならしょうがないわね…。キョン!有希に感謝しなさいよ!」 ふう。あの非日常が戻って来るのか。やれやれ。 「長門ありがとな。」 「いい。」 「ナガモン可愛い!」 その後長門はこなたに捕まってしまった。 「そういえばキョンあんただけプレゼント渡してないじゃない?」 チ、よく見てやがる。 「すまんかがみ、つかさ用意できなかった。」 ・・・ 「いいよ。私たち自分でも忘れてたし、私は今日会話できるだけで・・・」 最後のほうは聞こえなかったがやっぱりショック受けるよなすまん。 「おいキョン今朝のは・・・」 谷口が口を挟んできたがハルヒの怒声に消された。 精神的ダメージは食らうが、谷口の発言をかき消したのはほめてやろう。 「谷口や国木田でさえ用意してたのにあんた最低ね。」 事情があるんだ!いえないがな。 「キョンキョンそりゃひどいよ。」 「すまん」 「いいよ。キョン君。来年は忘れないでね?」 「ああ、絶対だ。」 つかさもかがみもショック受けてるよな・・・すまん。 「さて、じゃあ短冊に願い書いたら鶴屋さん家行くわよ!」 「今年も書くのか。っておい!パーティーって鶴屋さん家でやるのか?ちゃんと許可取ってあるんだろうな?」 「もちろんよ!だからここに鶴屋さんがいないんじゃない!」 なるほどな。 「キョン君お茶です。」 「朝比奈さん…。遅くなりましたが、約束は果たしましたよ。」 「うぐ、ぎょんぐん良かったよ~」 大変嬉しいのですが朝比奈さんあなたのそのグラマラスなものがですね、その… 「あ、朝比奈さん、」 「ひゃい!あ、ごめんなさい。つい嬉しくて」 「このぉ!エロキョン!あんたバツゲームに一発芸ね!」 「なんでだ!俺はやましいことは何一つしてないぞ!」 「顔に出てたわよ!神聖なる七夕にいやらしい!」 部室の全方向から寒くて痛い視線を感じるんだが。ほらかがみ、つかさ、誕生日なんだから笑え。いや笑ってください。 助けろ古泉と視線をやると、御愁傷様ですと視線を送り返してきやがった! 覚えてろよ! 「それよりも早く短冊を書きませんか?」 よくやった古泉!前言は撤回してやる。 「そうね、一人2枚ずつ書きなさい。谷口達とかがみの友達の二人もついでに書いていいわよ!」 「おう、そうさせてもらうぜ!」 「みさちゃんが書くなら私も書かせてもらうね。」 みんな一枚はさっさとつけたが二枚目は出し渋ってたな。俺と古泉と国木田と柊の友達以外は結局着けなかった。 「おい、ハルヒお前もつけないのか?」 「同じ場所につけてるよりもバラバラにしたほうが効果あるに決まってるわ!だからもう一枚は家に飾るわ!」そうかい。 「じゃあみんな書き終わったら早速鶴屋さん家に行くわよ!」 「ハルヒ、私達鶴屋さん?って人知らないけど大丈夫なの?」 「大丈夫よ。許可は取ってあるから。それに鶴屋さんは名誉顧問だからいい機会よ。名前覚えてもらいなさい!」 「鶴屋さん家行けるのか!楽しみだな。またメイド姿なのか?」 「んなわけネーだろ。」 本当に煩悩の塊だなこいつは。 「う~んそうね、たまには谷口良いこと言うじゃない。コスプレねぇ・・・・鶴屋さんに頼んで浴衣用意してもらおうかしら。」 何? 「あ、もしもし鶴屋さん?私。今から浴衣10着用意できる?うん、もちろん鶴屋さんの分も入ってるわよ。うん、本当に?さすが鶴屋さんね!わかったわ。じゃあこれから行くからよろしくね。」 行動すんの早!即断即決だな。 「キョン!俺は生まれてはじめて涼宮が神に見えたぞ!」 良かったな古泉。お前と同じ信者ができたぞ。 「いやー僕もたのしみだな。」 まあ俺も楽しみだけどな。 「ちょっと急に浴衣なんてサイズとかどうすんのよ!」 「鶴屋さん家に色々あるから大丈夫よ」 「おい、涼宮!私達もついてっていいのか?」 「いいわよ。そうね、あんた達も準団員にしてあげるわ」 「ハハハ…」 南無。 「はるにゃん、私とみゆきさんは?」 「あれ?言ってなかったっけ?あんたらも今日から団員よ。」 「ヤフー!」 「ありがとうございます。涼宮さん。」 二人とも楽しみだったのか? 二度あることは三度ある。同じことを言ってまた谷口がボッコボコにされた。 そんな訳で人数が増えたSOS団で鶴屋さん家に向かった。 「よっく来たね!おお!キョン君めがっさ久しぶりだね!はるにゃんと仲直り出来たのかな?」 鶴屋さんも元気だな。 「お久しぶりです。ええまあ。」 「うんうん。みんなキョン君が居なくて寂しかったんだよ!特にみくるなんか…」 「つ、鶴屋さん!浴衣はどこなんですか?」 「おお、みくる。あっちの部屋さ。ん?君たちが新団員かい?」 「そうよ、鶴屋さん。自己紹介は歓迎パーティーの時でいいわ。時間は止まってくれないんだからさっさと着替えてやりましょ。」 「そうにょろね。ささこっちっさ~。あ、男子諸君は庭の方の準備を手伝ってきてほしいにょろ。」 「古泉君、このアホどもが覗きに来ないようにしっかり見張っててね!」 「わかりました。」 俺がそんなにスケベに見えるのか? 谷口を除けばここにいる男は紳士な方だと思うんだが 中庭に向かう途中に、 「貴方には感謝すべきなんでしょうね?」 「なにがだ?」 「昨夜の閉鎖空間のことです。前回よりも強力で全く入れなかったんです。本当に世界が終わるかと思いましたが、さすがですね。」 「俺は何にもしてないぞ。礼なら柊姉妹にしとけよ。」 「ま、そういうことにしておきましょう。そうそう、柊さんたちを少々調べさせていただいたんですかご安心ください。貴方と同じ一般人です。」 聞いてないぞ。 まあ少し、ほんの少しだけ疑問に思ってたがな。 「古泉、キョン何やってんだ!はやくいこうぜ。」 全くそんなに急いだって女子が終わるまで待たなきゃならないんだぞ。 俺らが準備を終えてボーっとしてるときだ。 「どうかな?めがっさ似合ってると思わないかな?」 「ええ良くお似合いですよ。」 古泉の歯に浮いた感想はどうでもいい。 正直そのポニーテールがたまりません。 「鶴屋さん似合ってますよ。」 月並みにしか言えないがその通りなんだからしかたがない。 「そんなに褒められると、照れるっさ。お、はるにゃんたちも来たみたいだね。」 いつもの歩くペースの三分の一ぐらいのスピードでやって来た。 「ふん!しっかりと用意は出来てる見たいね!」 「まあ時間があったしな。それよりもなんでみんなポニーテールなんだ?」 朝比奈さん、鶴屋さん貴女方は正しく女神だ。申し分ありません。もう、最高です。 「みゆきが言うには今日はポニーテールの日でもあるのよ!だからみんなでしたってわけ。ただそれだけよ。深い意味なんてないわよ。」 「そーかい。」 「ったく。涼宮も大人しくしてれば最上級ランクなのにな。ただでさえ3ヵ月のブランクあるんだ。その性格直さないとつかさや泉にとられちまうぞ。」 話の内容が全くつかめん。なんか三人で争奪戦でもしてるのか? おい、古泉大丈夫か?顔が真っ青だぞ? 「グッチー!」 「な、なんのこと言ってるのかな?」 「た、谷口あんた何を勘違いしてんの?し、死刑よ!」 顔を真っ赤にしてそんなに怒ることなのか? 「おいおい!何を勘違いしてるんだ?俺はまだ目的語を言ってないぜ?」 珍しく谷口が押してるな。速攻魔法が発動したか? 「問答無用よ!」 残念ながら発動しなかったみたいだな。今度こそこなたからの追加攻撃もあったから致命傷だろう。つかさやめてあげなさい。谷口のライフはとっくに0だ。 ハルヒが谷口だったものをそこら辺に捨てといて、SOS団新入団員歓迎会with柊バースデーが始まった。 オープニングで早速罰ゲームだと強制で誕生日の歌を独唱させられ柊姉妹を祝福し、喜んでもらった。 俺の精神的苦痛が物凄かったがな。まさかこの歳で歌うことになるとは… その後続けて新団員、新準団員達の自己紹介も終わり、盛り上がりを見せ始めた。 「えっとキョンだったか?昨日はつかみかかったりして悪かったな。なんか全面的に柊が悪いらしいじゃないか。」 む、ヴァ女だからえっと日下部か、やっと分かったか。 「ああ、わかったならもういいぞ。」 「そ、そうか。お礼にミートボールやるよ。」 「ああ、いただく。」 「おやおや、みさきち。キョンキョンにフラグかい?」 「ち、ちびっこ?」 いつの間にいたんだ?こなた。 「みさきちもかぁ……。ふう、キョンキョンにはやれやれだね。」 何の話だ? 「お、おいちびっこ勘違いするなってヴァ!こらまて!」 二人とも足早いな。 「うーんみさちゃんもかぁ。キョン君すごいね。」 「峰岸だったか?何が凄いんだ?」 「うーん私の口からは言えないよ。」 さっぱりわからん。 「そうだよキョン、早めに一人に絞らないと刺されちゃうよ?」 いきなり入ってくるな黒木田。 びっくりするじゃねーか。 もう宇宙人に刺されたことあるぞ。 しかし、 「何を絞ればいいんだ?」 ・・・ 「「やれやれ」」 なんだよ。二人して俺のセリフパクりやがって 「それより、峰岸さん。柊(姉)さんの方は、どうだと思う?」 「う~ん柊ちゃんは遠慮はしてるわよね?やっぱり妹に遠慮してるんじゃない?喜緑さんに調節してもらおうかしら?」 「うん、それがいいね。」 なにやら二人で意気投合して会話にはいれないな。 ただなんか聞いてはいけない固有名詞をきいたような?? その後も古泉の愚痴を聞いたり、王さまゲームをやると聞いて蘇った谷口をあしらったりと大変だった。 ああ、王さまゲームの内容は聞かないでくれ誕生日の歌と共に消し去りたい記憶だ。 王さまゲームのあとはかがみが塾があるらしく、お開きになった。 自分の誕生日ってこと忘れてて、受講日にしたらしい。 真面目だな。 「今度活動があるときは塾なんかサボんなさいよ!」 「ハハハ…」 「じゃあ解散!」 やれやれ。まだこいつと二人で歩くのは気まずいな みんなと別れて谷口、ハルヒ、俺になったときだ。 「キョンよ、最近家の回りは治安が悪い。だから、涼宮を送ってってやれ。」 「お前ん家のほうが近いじゃねーか?」 「俺はちょっとよらなきゃならない所があるからお前が送ってけ。それと渡すものがあるんじゃないか?」 と言って去っていきやがった。 ちくしょう。朝のバレてたのか。 「全く私一人で暴漢ぐらいぶっ潰せるわよ。第一まだ暗くなってないじゃない。全く谷口のやつ…」 全くだ。もう目の前まできちまったじゃねーか。 「キョン!」 「なんだよ?」 「渡す物ってなによ?」 くそ、聞こえてたのか。 「あーほら。その、和解のためにな一つ用意したものがあってだな。これなんだが…」 「ふ、ふん!キョンにしては殊勝な心掛けじゃない!どうせ大したものじゃないだろうけどいただいておくわ。」 「そーかい。ま、気に入らなかったら返してくれ妹にやるから。」 「そうね。そうさせてもらうわ。」 まあ恥ずかしいこと連続でしてたから俺も気が変になってたんだろうな。 そうにちがいない!! 「ま、それをつかってポニーテールにでもしてくれ。俺の目の保養にもなるしな。 何を血迷ったことを言っているんだ俺は!!誰かピストル持ってこい!」 「な!!」 「あ、いやうん。じゃあな!」 今年一番のスピードが出たな。 明日どんな顔すりゃいいんだ? まあいい。とりあえずミッション1が終わったからよしとするか。 ブーブー。 「はい、もしもし?」 この中途半端な時間に誰だ? 俺はまだ用事が残ってるというのに・・ 「もしもしキョン君?私に用って何?」 「つかさか?な、なんでわかったんだ??」 おいおい、超能力者か?だとしたら古泉も機関もあてにならんな。 「さっきグッチーからキョン君に電話するようにメールが来たんだけど…」 あんの谷口め!余計なことばっかしやがって!明日覚えてろよ! 「あ~今から会えるか?」 「え!?それって…」 さすがにかがみはまだ帰ってないよな。 「ああ、ちょっと渡したいものがあってさ。」 「う、うん。どこに行けばいい?」 そーだな。中間地点と言うとあそこがいいな。 「春みんなで行った公園に来てくれないか?」 「う、うん!す、すぐ行くよ!」 ピ 20~30分くらいか… 「あ、キョン君…」 「おうつかさ。」 「あの渡す物って?」 「ああ、俺だけ誕生日プレゼント用意してなかったからな。これなんだが…」 「わざわざ用意してくれたんだ。あ、ありがとう!開けてみていい?」 「あー。たいしたものじゃないからできれば家で開けてもらえるとありがたいんだが」 「うーん。今あけたいけど、キョン君がそう言うなら家で開けるよ。でも本当に嬉しい。ありがとね!」 「気に入ってくれるといいんだが、まああんまり期待しないでくれ。」 「ううん。目一杯期待するよ。えへへ。」 「がっかりしたときの保証はないからな。」 「多分大丈夫だよ。」 「ところで他のみんなからは何を貰ったんだ?」 「えーとね………」 人のこと言えんかもしれんが、結構ぶっ飛んだ物渡したんだな… プレゼント談義が終わり、辺りも真っ暗になってきたしそろそろかがみも終わる頃だろ。 「あーそろそろいい時間だし駅まで送ってくよ。」 「え、う、うん。」 それ以来つかさは駅に着くまで黙っていた。時々目が会うんだが、すぐそらす。なんかまずいこと言ったかな? 「え?駅についちゃったけど、こんな人通りの多いところで?」 突然意味不明なことを言い出した。 「何がだ?」 ・・・ (キョン君のバカ。あんなとこによびだしてぇ・・・期待した私もだけど・・・) なにやらぶつぶつ言ってるが大丈夫か? 「つかさ?」 (うん!長期戦は望むところだよ!) 「キョン君今日はありがとうね。あ、それとポニーテールどうだった?」 なんだそのニヤニヤした顔は!いままでのつかさじゃないぞ! あの発言覚えてたのか・・・・・ 「そのなんだ、なかなか似合ってたぞ。」 うおー!この口か?この口がいけないんだな? 誰かボッコボッコにしてくれ! 「あ、ありがとぅ。じゃあね!」 タッタッタ。バタ。 あ、こけた。 なんかいいもの見れた気が・・・ ええい!自重しろ! 今日の記憶は消すか。うん、長門に頼むか。 やれやれあと1つか・・・ つかさを見送ったあとそのまま駅前で待つことにした。 あと30分もかからんだろ。 正直かがみが一番悩んだ。 つかさと同じものでいいか?と考えて朝は同じもの買ったんだが、それはなぜかいけないような気がした。 なんとなくなんだがな。 「あれ?キョン君何してるの?」 春にも思ったが私服に着替えると印象変わるよな 声かけてもらわなければ気がつかなかったな。 「かがみか。塾の帰りか?」 「そうよ、キョン君は何してるの??」 「ああ、ちょうどかが・・」 「あれ?キョンなにやってるんだい??」 「佐々木か。」 そういえば一緒の塾にいってたんだな・・・ 佐々木の前では渡せないしな・・・ やれやれ。 「ああ、ちょっと買い物にな。」 嘘ではない。買い直したからな。 「ほう。ここであったのも何かの縁だ、僕と柊さんはこの後ファミレスによる予定なんだが一緒に来ないか?いいよね?柊さん?」 「う、うんいいわよ。」 「じゃあ早速行こう。」 中に入ると佐々木がいきなり切り出してきた。 「キョン、SOS団にもどれたんだって?」 「なんでしってるんだ?」 「あ、私が話したの。」 「それはおめでたいことだけど、キョン、君は柊さんにひどいことをしたそうだね?」 「佐々木さん!言わないって約束したのに!ひどいわよ!」 「すまん・・・」 「ほらこうなっちゃうじゃない・・・」 「ハハごめんね柊さん。ってことでキョン、ここはもちろん君がおごってくれるよね?」 くっそーそのために切り出したのか・・・ 今朝の出費で野口さんも少ないときに・・・ ああ、月初めなのに野口さんが・・・・ 「わかった。本当にすまなかった。かがみ」 「もういいわよ。これ以上引きずってると意地の悪い女になっちゃうじゃない。」 「あれ?柊さんいつもはポッキー一つでもおこるじゃないか!」 「こら!佐々木さん、言うなー!!」 こいつらこんなになかよかったんだな。驚きだ。 ブーブーカガブー。 「ワー!/// も、もしもし?」 ずいぶんかわいい着信だな 「珍しいね?どうしたの?え・・・・う、うん、わかった。」 「どうしたの?」 「ごめん、ちょっと用事ができちゃった。私帰るね。」 げげ、今度はかがみん家にいかなきゃならないのか? 「じゃあ僕らも帰ろうか?」 「ああ、そうするか。」 店を出ると 「じゃあねー!」 と言ってかがみは走って行ってしまった。 おかしいな?あっち駅じゃないんだが・・・ しかし、今日中に届けるなら今度はかがみの家まで行くのか・・・ 「キョン、また途中まで送ってってくれないか?」 時間差を考えるならまあいいか。 「さっきの柊さんの様子変だったね。」 「そうか?俺にはわからんかったが。」 まあ変な方向にはすすんでたが。 「うん。駅の方に向かってなかったしね。もしかすると彼氏かもね?」 「そうか?」 「うんまあ僕にはわかんないけどね。」 ・・・・・・・ 「うん、ここらへんでいいよ。」 「そうか?いつもより手前じゃないか。」 「ちょっと歩きたい気分なんだ。」 「わかった。じゃあまた今度な」 少しゆっくりしすぎたな。 「ああ。」 返事が聞こえたので走りだした。 「キョン!涼宮さん達SOS団のメンバーに伝言をたのんでいいかい?」 10mくらい進んだところで佐々木が大声をだした。 「なんだ?」 珍しいなこいつが大声出すなんて。 「後部座席は譲らないよ!ってね。」 「なんの意味があるんだ?」 後部座席?なんのことだ? 「君はわからなくていいのさ。 (それにしても涼宮さんも苦労してるんだろーな・・・) 「わかった。じゃあな。」 譲らないってあいつも何かをかけてるのか? それよりもハルヒ達とかかわりがあるのか? はー。やれやれ。何かあっても俺を巻き込まないでくれよ? 後部座席ねぇ・・・ ヴーヴー 今度は誰だ? 「よー。おつかれ。最後のかがみもあの公園な。場所は飯食ったあたりだ。」 くそったれ。最後は本人か。 どっかでみてんのか? あたりを見回してみたがそれらしき姿はない。 つかさと同じ呼び出し方とはあいつも芸が無いな。 どうせならもう少し早く送れってんだ。 ずいぶん待たせてしまってるじゃないか 結構とばしてきたがまだいるか? お、あれはかがみか? 少し近づくと 「あ、た、谷口君!」 は? 「ご、ごめんなさい!私その、谷口君の気持ちもうれしいんだけど・・・ さっきやっと決心がついてその・・・私も好きな人にたいして・・・」 なんだなんだ?つかさのときと違うのか? 「かがみ?」 「え???キョ、キョン君?え?なんで?」 「いや、谷口にかがみが呼んでるって言われたんだが・・・」 どうなってんだ?つかさに対しては俺って言ってたのにな。 「私もその電話で呼ばれて、メールで・・・」 ケータイを取り出してなにやら確認してるが・・ 「あれ?おかしいな。なんで?あれ?」 何なんだ? 「私の勘違いだったのかも・・・?」 「まあいいが・・・」 「ってああああ!いや私何もいってないよ?」 「何がだ?」 「あ、お、覚えてないならいいわよ!」 「そんなに顔真っ赤にして怒るなよ。」 「キョ、キョン君のせいよ!」 何だよ理不尽だな。 「まあまあ。そんなご機嫌ななめなかがみ嬢に渡すものがございます。」 「な、何よ!」 なんかハルヒみたいだな 「昼間渡せなくてわるかったな。これ・・・」 トン まてまてまて、なんでまたよりかかってくるんだ? またひっぱたかれることなんか無いよな? 「おい!かがみ?」 「ごめんもうちょっとこのままにさせて。」 まあその男としたら喜ばしいことこの上ないんだが・・・ 「うん。もういいわ。プレゼントありがとね。」 「あ、ああ。」 「あけていい?」 俺はかまわないんだが・・・ 「いやたいしたものじゃないし、家であけてくれ。」 「うーん。じゃあ期待して持って帰るわ!期待はずれだったらポッキーね!」 「はは・・佐々木の意地が悪いって話嘘じゃないな・・・」 「なんですってー!」 なんかかがみの性格かわったか? 「でもそうね、これからは意地悪くなるくらいじゃなきゃ戦えないわね。」 かがみも誰かと戦うのか? 「あ、思い出した。さっきの好きな人がどうとかって話か?」 「な、ど、どうしていまさらかな~!」 「図星か?顔が真っ赤だぞ!」 「う、うるさい!」 「ま、かがみには今学期一番世話になったしな。できる限り力になってやるよ。」 (・・・キョン君の馬鹿・・・) 「そんなんじゃないわよ!も、もう遅い時間だし帰るわ。」 「駅まで送っていこうか??」 「ううん。歩きたい気分だからいいわ。じゃあねキョン君。」 「ああまた明日な。」 さてミッション3もクリアだ。 あとはあのベンチだな・・・ ベンチには栗色の髪の毛を持つ妙齢の女性・・・ 大人の朝比奈さんがまっていた。 なぜかむしゃくしゃするな。 「朝比奈さん!いったいあれはなんだったんですか?!」 「あら、キョン君機嫌悪いの?ごめんなさいでもお疲れ様。ありがとね。」 「あ、いやすいません。でもなんでわざわざ個別にとどけなきゃいけなかったんですか?」 「そうねこの先の未来にかかわってることがあるの。詳しくはごめんなさい。禁則事項です。」 未来にかかわることか・・・ 俺の些細な行動で何が変わるっていうんだろうね?全くやれやれだ。 「でも本当にお疲れ様。お礼にそうね・・・ポニーテールにしてあげようか?」 ぬかった!未来の朝比奈さんにはばれてんのか? 「うふふ。でもそうね。あまりにも涼宮さん達がかわいそうだからお預けかな?」 そんな・・・いつもハルヒたちに振り回されてるのは俺じゃないですか。 「うん、お預けね。もう時間だし・・・じゃあねキョン君」 スタスタ歩いて消えてしまった。 朝比奈さんめ!期待させといて 忌々しい。 「キョン君おそえりー!晩御飯もうないよ!」 「ああ、外で食ってきたって連絡入れたじゃねーか。」 「えへへー!」 妹の行く末を案じながら寝る準備をしていたときだ。 ヴーヴー 今日はよくメールが来るな・・・ 「キョン君さっきはありがと。つかさやこなたには言わないどいてね?」 「ああ、俺は谷口と違って誰が好きだとかそういううわさに興味ないから安心していいぞ。」 俺は昔から口は堅いぞ。 「だからちがうわよ!まあいいわ。それよりポニーテールどうだった?」 ちくしょう!誰かの陰謀か? なんでそろっておんなじこと聞いてくるんだよ! 「良かったぞ。」 なんで今日に限ってこんな恥をかかなきゃならんのだ。 それもこれも谷口がわるい! 明日見てろよ! いつだかの用にかがみからの返信も無かったので 寝た。こういう日は寝るに限る! 「キョン君おきて!」 「ぐへ。やめろ!」 「えへへ~ご飯だよ!」 久しぶりに襲撃食らっちまった。 全くやれやれだ 坂の途中柊姉妹に会った。 「おーすキョン君」 「おはようキョン君」 「よお。」 互いに昨日のことを話すでもなく 変わりも無くいつも通りの日常会話をしていた。 「あ、キョン君、お姉ちゃん久しぶりに転がりまわったんだよ?」 「こらつかさ!」 「また何かやったのか?あんまりつかさのことトロイとかいえないぞ?」 「うるさいわよ!」 「にゃにー!キョン君私のことそんな風におもってたの~?」 「いや言葉のあやだ!」 一言余計なのは谷口菌がうつったかね 教室に入って早速谷口を問い詰めてやった。 「よおキョン涼宮とはうまくいったか?」 黙れ。一発殴ってやった後に 「つかさやかがみに対してまで余計なことをいやがってもう2発なぐらせろ!」 「は?俺は涼宮以外なんもしてねーぞ?」 は? 「嘘をつくな。メールホルダ見れば一発で・・・ってあれ?」 ねぇな。何でだ?消したか? 「ほらみろ夢でも見てたんじゃねーか?涼宮と。」 黙らせるためもう一発殴っといた。 授業は短縮でもSOS団は活動中ってなわけで放課後 去年より人口密度が増えている暑苦しい部室で活動だ。 「ただいまより新生SOS団による第一回ミーティングを始めます!」 回数覚えてねーからごまかしたな。 「明日10時に駅前ね遅れたら罰金よ!!それとキョンあんたなんか佐々木さんから伝言もらってるんじゃないの?佐々木さんから連絡あったわよ?」 どうやってれんらくとったんだ?まあどうでもいいが・・・ 「ああ、なんかな、後部座席は譲らない?だったかな。SOS団員につたえてくれって言われたぞ。」 ・・・ ってあれ?なんだこの空気? 長門、目線が痛いんだが・・・ 古泉おまえまた顔が青いぞ? 「なんかよくわからないけどちょっと、いえかなり腹立つわね」 「珍しくハルヒと同意見だわ。」 「私は前がいいなぁ・・・」 「じゃあ私は背中をもらおうかネ」 「ちょっとあんたたち!」 「私は空気ですね。」 何をいい争いしてんだ? おい、古泉お前本当に大丈夫か? そんな部室でのひと悶着の翌日、つまり不思議探索だが、 どうやら俺がまた最後らしい。 ま、今日はいいもの見れたしおごってやるか。 黄色のリボンと青いピアスと赤いネックレスがな。 おしまい 作品の感想はこちらにどうぞ
https://w.atwiki.jp/dvdsite37/pages/190.html
「逆賊:民を盗んだ盗賊 DVD」イ・ハニとユン・ギュンサンが強烈な出会いを果たした。 この日、チャン・ノクスはホン・ギルドンの噂を聞きつけ、彼を呼び寄せた。彼女は「名声は聞いている。女性が気に入った男性は、誰でも自身のものにしてやると聞いた。私にもそうしてくれないか」と聞いた。 「韓国ドラマ 逆賊 DVD」では、ホン・ギルドン(ユン・ギュンサン) とチャン・ノクス(イ・ハニ) の出会いが描かれた。 すると、ホン・ギルドンは「俺は神様でもあるまいし、全部はできない。しかし、気にかけている人は誰か?」と聞いた。 チャン・ノクスは「王様、私は王様を自分の男にしたい」と言い、顔を見せてほしいというホン・ギルドンの言葉を受け入れた。 ホン・ギルドンは「絶世の美人かと思ったら違った」とし、チャン・ノクスは「だから私にとって大変なことだ。綺麗な顔で男性を口説くのは簡単だ。私に王様を抱かせることができるか?」と聞いた。 すると、ホン・ギルドンは「それは分からないが、俺の相手はどうか。ずる賢い女が好きだ」と話す。これを聞いたカリョン(チェ・スビン) はホン・ギルドンの頬を叩いた。