約 241,211 件
https://w.atwiki.jp/gone0106/pages/272.html
PHASE 00「風の出会い」 のどかな日差しが照らす河原。周囲には草木が茂り、ハイキングでもするにはピッタリの場所。そこに、美しさに欠ける音が響いていた。 「うおげぇぇぇぇぇ」 地面に手をつき青い顔で、胃の中のものを茂みに吐き捨てる一人の男がいた。紫の髪と、長いもみあげが特徴的な若者。名を、ユウナ・ロマ・セイラン。オーブ連合首長国を代表する、五大首長家のひとつ、セイラン家の跡取りである。 「くそ、もう少しうまい運転ができないのか……」 ようやく胃の中のものを出し終えて、愚痴を言う気力くらいはできたようだ。 運転手に恨み言を言いながらも、心身に力を込めて立ち上がる。早くトラックに戻らなくてはならない。大事な荷物を運ばなくては……。 そう考えたところで、彼は視界に人影を認めた。さっきまでは気持ち悪すぎて気づかなかったが、大きめの木によりかかって眠っている男がいた。顔立ちも服装も悪くないが、際立っていいというわけでもない。どこにでもいる普通の男だ。 (休みとってピクニックか何かか? いい気なもんだね) セイランはそう思って、すぐにトラックに戻ろうとしたが、そのとき、更にもうひとつのものに気づいてしまった。 (あ、あれは?) 眠れる男は、それを優しく握っていた。眠りながらも壊れ物のようにそぉっと握っていた。ユウナにとっても、よく見ることのあるその物体。 「えっ……!?……!!……ああっ!?」 それは、『人間の手』だった。手首から切り取られ、赤黒い断面を見せる、一本の手だった。 「う、うわあああああああああっ!!」 思わず、ユウナは叫んでしまった。その叫びが起こす結果は、当然、ただひとつ。 「……む」 男の目覚め。 男は、ユウナを見つめた。そしてうんうんと頷き、『手』を上着の内ポケットにしまう。 「こいつはしまった……あまりに気持ちよかったんで、ついつい気が緩んでいた」 あまりにも自然にそう言うと、座ったまま、 「……私の名は吉良吉影」 「な、なんだって?」 ユウナは、自分の婚約者の弟の名と同じ姓を持つ男に、困惑の声を出す。 「年齢は34歳。1年前、戦争難民の帰還にまぎれてオーブに来た。結婚はしていない。 仕事は『トミノデパート』の会社員で、毎日遅くとも夜8時には帰宅する。タバコは吸わない。酒はたしなむ程度。 夜11時には床につき必ず8時間は睡眠をとるようにしている……寝る前にあたたかいミルクを飲み、20分ほどのストレッチで体をほぐしてから床につくと、ほとんど朝まで熟睡さ…… 赤ん坊のように疲労やストレスを残さずに朝目を覚ませるんだ……健康診断でも異常なしと言われたよ」 羨ましくなるほど健康的な生活を聞かされ、ユウナはますます混乱する。 「だ、だからどうしたっ」 「わたしは常に『心の平穏』を願って生きてる人間ということを説明しているのだよ。勝ち負けにこだわったり、頭を抱えるような『トラブル』とか夜も眠れないといった『敵』をつくらない。 というのがわたしの社会に対する姿勢であり、それが自分の幸福だということを知っている……もっとも闘ったとしてもわたしは誰にも負けんがね」 男、吉良吉影はすっくと立ち上がると、ユウナに対し笑みさえ浮かべて言った。 「心の平穏のため……君には死んでもらわなくてはいけない」 「ひっ、ひいいいいっ!!!」 ユウナは男に背を向け、全力で逃げた。そんなユウナを、吉影は追いかけることもなく、立っていた。だがそれは、何もしなかったというわけではなかった。 「あ、ユウナ様。車酔いは大丈夫ですか?」 ユウナの姿を認めた運転手は、暢気にそう言った。対するユウナの言葉は、 「出せ!!」 の一言だった。 「え、ど、どうかしたんですか?」 「いいから出せ!! 全速力でだ!!」 運転手はわけもわからず、鬼気迫るユウナに促され、アクセルを踏んだ。 トラックが走り去ると同時に、吉影が道路に上がってきた。走り去るトラックを見つめ、やはり追おうとせず、悠然としていた。ちらりと左手を見て呟く。 「どこまで逃げられるかな? 我が『第二の爆弾』から」 (あれはなんだなんだなんだ!!) ユウナはいまだに混乱と恐怖の極地にいた。あの男の目。自分を本当に殺そうとしている目。それでもまったく罪悪感や殺す覚悟といった、力を宿さない目。あの男に追いつかれたら、殺される。ごみを片付けるようにあっさりと。 「あれ、ヒッチハイクですよ? 手ぇ振ってます」 運転手の暢気な言葉が非常に気に障った。 「知るかそんなの!! 無視して行けぇっ!!」 ゴオオオォォッ 音を立てて走り去るトラックを見送り、ヒッチハイカーは肩を落とした。 だがすぐ気を取り直し、次の車が来ないかとトラックの来た方を見て、彼は顔色を変えた。 彼は高速で走る『それ』見た。そして、『それ』が自分の前を通り過ぎるのを見送り、直感的に悟った。 『それ』がトラックを追っているのだということを。 そして十秒と経たぬうちに、巨大な爆発音が響き渡った。 「な、何が起こった?」 横転したトラックの助手席で、ユウナは呻いた。奇跡的にかすり傷程度ですんだようだ。 運転席を見ると、運転手も無事らしかった。意識は失っているが、呼吸はある。オーブのトラックの高い耐久力に感謝すべきだろう。 「くっ、あ、あいつの仕業か?」 トラックの下で何かが爆発したようだった。その衝撃でトラックは横倒しに倒れたらしい。 ユウナが外に出て調べると、どうやらトラックのエンジン部分で爆発が起こったらしい。トラックに積まれたコンテナにも亀裂が入り、荷物が半分飛び出ていた。荷物自体に損傷はなさそうだ。 「って、いまは荷物なんてどうでもいい!」 これがあの吉良吉影の仕業だとしたら、まだ終わりではないだろう。 ユウナの考えを裏付けるかのように、新たな爆発が起こった。今度はさっきまでユウナがいた、トラックの中で火柱が立った。ユウナの目の前で、気を失っていた運転手の体がバラバラになって空中に投げ出された。 人間の残骸がベチャベチャと湿った音を立てて道路のアスファルトに落ちる。 「ひ、ひいいいいぃぃぃっ!!」 降ってくる人間の死体を避けながら、ユウナは悟ってしまった。 次が自分の番であることを。 「う、うああああああっ!!」 自分で、それが断末魔だとわかっていて、なお叫ばずにはいられなかった。だが、実際はそれがユウナの断末魔となることはなかった。 何かを殴ったような鈍い音が響き、そして、ユウナから10メートルは離れた地点で爆発が起こった。 「え……?」 そこでようやく、ユウナは自分の側に一人の男が立っているのに気づいた。吉良吉影ではない。 耳まで覆う、角の生えた妙な帽子を被っている。均整の取れた、たくましい肉体の持ち主だ。顔立ちも男らしく、ユウナは少しコンプレックスを刺激された。なぜか爪先立ちをしており、本来よりも背が高く見える。 「事情はよくわからないが……君は『スタンド』に襲われているようだ……」 男が、ユウナの耳元に口を寄せてボソボソと言った。息が生暖かかった。 「ものは相談だが……俺を雇わないか? 命を助ける代わりに……」 男の正体はさっぱりわからなかったが、ユウナはたとえそれが藁であってもすがりたい状況であったし、男は藁よりは頼りになりそうであった。ユウナはガクガクと何度も頷いた。 「よし……契約成立だ。俺の名は……」 男は言葉を切って考え込み、そして言った。 「ウェザー・リポートだ」 それが、青嵐、青葉を吹き渡る、爽やかな初夏の風の姓を持つ男、ユウナ・ロマ・セイランと、風と共に在った、名を捨てた男、ウェザー・リポートの出会いであった。 ガンダムSEED・BIZARRE 『序章・風の出会い』 「さて、今の状況について説明しよう」 ウェザー・リポートと名乗った男は、やはり耳元で言う。癖なのかどうか知らないが、男色の趣味のないユウナにはあまり気分のいいものではない。 「今、君が受けているのはスタンド攻撃だ」 「ス、スタンド?」 「簡単に言えば、超能力だ」 「はあ?」 超能力。よりにもよって超能力。そりゃいきなり爆発が起きるのは不思議だが、超能力なんてあまりにも馬鹿馬鹿しすぎる。 「信じられないのはわかるが事実だ……目に見えない守護霊のようなものがいて、それが者を動かしたり、様々な能力を使ったりする。それがスタンドという超能力だ」 「……ああ、納得いかないけど、こんな状況だ。ひとまず信じる。それで、どうすりゃいいんだ?」 ユウナはウェザーの真面目な口調に、少しは信じてやる気になった。 「スタンドは一人につき一能力が原則……敵の能力は『爆弾』のようだな」 そう言うウェザーの目には、こちらに向かってくる小型の戦車のようなスタンドが見えた。髑髏の顔を持ち、キャタピラを動かして迫ってくる。 「コッチヲ見ロ~~~」 戦車はそう言いながら、飛び掛ってきた。 「ウェザー・リポート!!」 ウェザーは自らのスタンドを出し、その拳で戦車を弾き飛ばす。彼自身の名と同名のスタンド。何本も角を生やした人型のスタンド、『ウェザー・リポート』。 「突進して爆発する……それがこいつの能力らしい。俺のスタンドでなら、防げる」 「じゃ、じゃあもう安心なんだな?」 「いや……それはまだ早い。この単純な動き。このスタンドはどうやら『遠隔自動操縦』らしい」 ユウナはまた理解できない言葉が出たことに眉をひそめた。それを見てウェザーは説明する。 「遠隔自動操縦とは、スタンド使いが操らなくても自動的に行動するスタンドのことだ。普通、スタンドはスタンド使いの本体から、離れれば離れるほど力が弱くなるが、こいつはそうではない。 しかも、任務を達成するまで決して行動をやめない……このまま防御しているだけでは、いずれ俺の方が先に力尽きる」 「じゃ、じゃあどうするんだよ!」 「落ち着け……手はある」 ウェザーの泰然とした様子に、ユウナはだんだん騒ぐのが馬鹿らしくなってきた。まず話を聞いてみることにした。 「まず、遠隔自動操縦は複雑な動きはできない。今のように突進して爆発するとか、単純なことだけだ」 また襲ってきた爆弾戦車をウェザーは払いのけながら話す。 「そして、こいつはどうやって俺たちを攻撃対象と判断しているのか。その条件がわかれば、こいつの動きを制限することもできる。君は……」 「あ、僕はユウナ・ロマ・セイランだ」 「ではユウナ。君はどのように攻撃された?」 「一度目は、トラックに乗っているところでエンジンを吹っ飛ばされて、二度目は気絶した運転手が殺されて、で、三度目が僕を狙ってきたらしい……」 「なるほど……だとすれば、まず君自身に確固たる目印があるわけではないな。運転手を殺す理由はないのだから。臭いや見た目ではない。そして動きや音でもない。運転手は気絶していたのだから。だとしたら……」 ウェザーは道路の脇の林を見つめ。 「ウェザー・リポート!!」 自らのスタンド能力、『天候を操る力』によって、一条の雷を放った。雷は一本の木に当たり、木を燃やす。炎が燃え上がると同時に、戦車がユウナたちから、燃える木の方に向きを変えた。 「やはり、こいつの攻撃対象は熱だ。温度を攻撃している。最初はエンジンの熱、次に手近にいた運転手の体温、そしてユウナの体温という順番に攻撃していたというわけだ」 木が爆破される。ウェザーはすぐさま別の木にも火を放ち、戦車の気をそらした。 「さて、戦車の動きはこれでコントロールできる。ユウナ、このスタンド使いに心当たりはあるか?」 「あ、ある。さっき人殺しに会った。間違いなくそいつだ」 「殺人鬼か……場所はどこだ? 遠隔自動操縦のスタンドは本体を叩くのが一番いい」 「会った場所はここから1キロくらいだと思う」 「遠いな。そいつが車に乗っていたら、かなり逃げられている」 ウェザーの声に焦燥が混じる。そのときユウナに思いついたことがあった。 「あれが、使えるぞ!」 彼は、トラックに積んでいたコンテナを指差した。 「動かせるのか?」 「飛ぶくらいなら」 ユウナとウェザーは、『荷物』の中にいた。亀裂の入ったコンテナに入り込み、荷物に乗ったのだ。 「エンジンをかけると、その熱をあの戦車が追いかけてくるだろう。空を飛んで全速力で敵のいるだろう場所に行くぞ」 「了解!」 ユウナの声は弾んでいた。こんな状況だというのに、恐怖はあまり感じなかった。さっきまではあれほど恐怖に打ち震えていたというのに。 (やはりこの男か) この男が、幾度もの苦しみと戦いを乗り越えてきた戦士だということは、感覚でわかっていた。 今までに会った軍人たちの誰よりも、戦士としての風格は上だと感じた。この得体の知れない敵も、彼がいれば乗り切れると、自然に信じることができた。 「ユウナ・ロマ・セイラン、『コテツ』、出撃ぃっ!!」 ユウナの掛け声と共に、コンテナを破り、一体のMS(モビルスーツ)が空を飛んだ。試験的に基地に配備される予定だったオーブ軍の新型MS、『コテツ』。 機動性に重きをおいたムラサメに対し、PS装甲を装備し、耐久力を重視した機体だ。それでも速度はアストレイを上回る。 コテツは空中で戦闘機型に変形すると、目的地へと発進した。 のんびり自動車に乗っていた吉良吉影は、空を飛んでくるMSの音に気づいた。 「MS……あんなものがなぜここに……そういえば、さっきのトラックは軍用の……もしや」 吉影は自動車を止め、林に入り、身を隠した。 コテツは一分とかからずに目的地に到着した。MS型に戻り、空から林を見下ろす。 「あれを見ろ……自動車だ。時間と場所から考えて、あの自動車が怪しい」 「けど停車している……きっと隠れたんだ。どうやって探すんだ?」 「探すまでもない」 「どういう意味だよ」 「標的であるユウナ・ロマ・セイランが生きているとわかれば、向こうから接触してくるだろう。完璧なとどめを刺すために」 「そ、それって囮になれってことか!? 冗談じゃないぞ!!」 「だがそうでもせねば……」 ウェザーの顔色が変わる。 「ど、どうしたんだ?」 「戦車が追いついてきた……予想以上に速い」 「コッチヲ見ロ~~」 地上より100メートルの高さを、自動追尾爆弾『シアーハートアタック』は飛行していた。スタンドである以上、重力なんてものは関係ない。 そして、彼は周囲で最大の高温を放射する熱源、コテツへと突進した。 その様子をウェザー・リポートで確認したウェザーは、すぐに防御に向かわせようとした。だがその時、予期せぬ衝撃が彼らを襲った。視界を光が満たし、光が過ぎ去った後は、粉塵が撒き散らされた。 突如コテツの右足が爆発したのだ。爆音を響かせ、PS装甲が粉微塵になる。 「なああっ!?」 「爆発!? だが戦車はまだ……」 戦車はまだ百メートルは離れている。にもかかわらず、コテツの右足が跡形もなく破壊されていた。 「ど、どうなってんだよ!?」 ユウナが叫ぶが、ウェザーにもわからない。敵にはまだ解明していない能力があるのか? ウェザーが思案する間に、更なる爆音が響き渡った。 「ま、またぁっ!!」 今度は左手が破壊された。 「……今、見えたのは……そうか」 「な、なんかわかったのか!?」 「ライフル弾だ。ウェザー・リポートの目に、地上から飛んでくる弾丸が見えた」 「ライフルぅ? そんなんでMSを破壊するほどの爆発が起こせるわけないだろ! ましてコテツの装甲は、ミサイル数十発にも耐えるPS装甲なんだぞ!」 「PS装甲とかいうのはよくわからんが……それも能力ということだろうな。ライフルの弾丸と接触した物体を爆破させる能力……。同じ『爆弾』の能力とはいえ、二つも能力を持つとは……これはまずいな」 ウェザーが苦い顔になる。 「ライフル弾と戦車、一度には防げん」 『シアーハートアタック』の破壊力は人間を吹き飛ばせるという程度。PS装甲は破れないだろう。だが飛行に使うバーニアの噴射口に入り込まれたら、墜落は必至。 異なる方向から飛んでくる攻撃を、ウェザー・リポート一体で防ぐことは困難だ。雷で起こせる火よりも、コテツのエンジン熱量の方が大きいから誘導もできない。 またもライフル弾が飛んできた。だが拳で弾けば爆発する。そこでウェザー・リポートは周囲に雲のようなものを作り出した。 ライフル弾はその雲に突っ込むと、軌道を変え、あさっての方向に飛んでいく。空気の層をつくり、その抵抗でライフル弾を跳ね飛ばしたのだ。これは2メートルという近距離から撃たれた弾丸の軌道もそらせられる。 だが、ライフル弾を防いだのも束の間、 「いかん! 戦車がもう10メートルの距離まで近づいてきている!!」 ウェザーが叫んだちょうど一秒後、爆音が空気を揺るがした。 ウェザー・リポートの視界に、地上に輝く爆発と、その爆発へと向かう『戦車』が見えた。 「今のは……ユウナ、お前が?」 ウェザーは若干驚きを浮かべ、震える青年を見る。 「は、はは、僕には見えないけど、その戦車ってやつは熱に向かうんだろ? 自然破壊しちゃったけどさ」 彼の手に握られたレバーは、コテツが現在持つ唯一の武装、高エネルギービーム砲を放っていた。林の一部を焼き払い、コテツのエンジンや飛行バーニアよりも熱い熱を発生させたのだ。距離は現在地からおよそ800メートル先、往復には多少時間がかかるだろう。 「よくやったぞユウナ……ライフル弾の射線からして、奴の位置はだいたいわかった。ビーム砲は撃てるか? ここから爆撃すれば簡単に倒せるが」 「もう無理だ……これ以上はエネルギーがもたない」 戦闘を想定していなかったため、もともとエネルギーは少なめなうえ、エネルギーを食うPS装甲を使っていることを考えれば、一発撃てただけ上出来だ。 「では降りるぞ。あの戦車が戻る前に片をつけたい」 「シアーハートアタックは防がれたか……私の位置も大体わかっているようだ。敵にもスタンド使いがいるな……」 吉良吉影は冷たい眼差しをコテツに向けながら呟く。 「猫草がいれば、もっと簡単に仕留められたのだが……まあいい」 手には数発のライフル弾。もしものときのために日ごろから準備しているものだ。 「この吉良吉影の望む『植物のように平穏な生活』は……誰にも邪魔はさせない」 左手右足を失ったコテツが、やや乱暴に林に着地した。コテツの左足を曲げ、三角座りをさせる。 「敵は木の陰から俺たちを攻撃してくるはずだ……あのライフル弾は、おそらくライフルから撃ち出されたものではない。 人型のスタンドの手から投げ放たれたものだ。空気抵抗の少ないライフル弾、パワーや精密動作性の高いスタンドなら、70メートル先のネズミを撃ち抜くことも可能だろう。 こんなデカイMSに当てることなどたやすい。つまり……ライフルなんて邪魔な荷物を持たず、身軽に動いて、物陰に隠れられるってことだ」 ウェザーは冷静に分析する。 「だが、パワーの大きなスタンドは大抵、本体から遠く離れることはできない…… ライフル弾が飛んできた方向に必ず本体がいるはずだ……」 ウェザー・リポートをコテツの頭上に配置し、周囲を見張る。敵の動き、呼吸のひとつも逃さない。 「次に攻撃してきたら……攻撃のきた方向に、ウェザー・リポートの雷をくれてやる」 雷ならば、こちらに弾丸が当たるよりも早く、敵を撃つことができる。相手はこちらが雷を使えることは知らない。次に攻撃してきたときが相手の最後だ。 「攻撃してきたら、私の位置がわかる……そこを攻撃する。そう考えているな」 吉良吉影は、 「だが、甘い」 ライフル弾を発射した。 「ば、馬鹿なっ!!」 思わずウェザーは叫んだ。 弾丸は林から飛んではこなかった。コテツの左足元から飛んできたのである。それも、コテツ自体を狙わず、ウェザー・リポートを目がけて。 (なぜあんな所からっ! いや、それよりも今はこのライフル弾をっ!) 完全に予想外の方向から放たれたライフル弾は、もはやかわしきれない距離まで迫ってきている。ウェザー・リポートは、周囲に空気の層を作り、弾丸の軌道を変えようとする。しかしその時、 「……点火」 ズゴォォォォォンッ!! ライフル弾が爆発した。 「っ!!」 ウェザー・リポートが爆風に吹き飛ばされ、本体にもダメージが及ぶ。スタンドが傷つけば、本体であるスタンド使いも傷つくのだ。ウェザーの全身に傷ができ、血が吹き出る。 「ウ、ウェザー!!」 ユウナが悲鳴をあげる。 「あいつめ……ライフル弾に接触したものを爆破させるだけでなく……ライフル弾そのものも爆破させることも、できるのか……このスタンド……『破壊』に関しては……圧倒的に、強い……」 ウェザーは傷ついた体をコクピットの壁にもたれさせる。 「くそぉぉぉぉっ!!」 ユウナは叫んで、ただ一つ残った右腕を吉影に叩きつける。 「キラークイーン!」 しかし、MSの拳打など、音速の銃弾も指でつまみ受けるスタンドのスピードの前には、スっトロいものでしかない。一瞬にして爆破させられ、吉影には何の影響も与えられなかった。 吉良吉影は、ダルマ同然となったコテツの前にたたずんだ。 「うまくいったようだな……」 吉良は満足げに言った。 彼の側に人影が立っていた。たくましい男性の肉体に、頭は猫と髑髏を融合させたような不気味で凶悪な面相。吉良吉影のスタンド、『キラークイーン』。 その能力は『爆弾』。その指先で触れたものはどんなものでも『爆弾』にできる。爆弾そのものを爆破させたり、爆弾は無傷のままに爆弾に触れたものを爆破させたり、自由自在。 ものの強度に関係なく内側から粉々にでき、爆破した痕跡すら残さない。左手からは熱に反応して自動的に攻撃する爆弾戦車『シアーハートアタック』を撃ち出すこともできる。 まさに万能の爆弾スタンド。そして、もうひとつ。キラークイーンの起こす爆弾は周囲になんの影響もあたえないことができる。すなわち、音の無い爆発も起こせるのだ。 吉良吉影は、音の無い爆発で地面を吹き飛ばして穴をつくり、気づかれぬようにコテツの足元までの地下通路を掘ったのだ。 そしてウェザーの不意を突き攻撃した。当たれば完璧に爆発させられたが、たとえ当たらなくてもライフル弾そのものを爆破させられればダメージは与えられる。 「スタンド使いは倒した……あとは……」 吉影はライフル弾を放ち、コクピットを爆破した。しかし、この爆発では破壊されるのはコクピットのみで、中にいる人間に影響はない。 爆煙が晴れると、ぐったりと壁にもたれるウェザーと、銃を構えるユウナの姿があった。 「油断はしない……冷静に慎重に……このライフル弾で仕留める。『ジョー・モンタナ』の投げるタッチダウンパスのように確実にだ」 ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ 「そっちの男がスタンド使いか。君は……どうやって、彼と出会ったんだ? まだ他にもスタンド使いがいるのか?」 吉影はユウナの銃など意に介さず、質問をした。 「お、お前、いったい何なんだよ。なんで、こんなことするんだ……」 ユウナが震えながら言うと、 「質問を質問で返すなあーっ!! 疑問文には疑問文で答えろと学校で教えているのか?」 「ひいっ、ぐ、偶然だよ! さっきたまたま会ったんだっ!!」 指を突きつけて怒鳴る吉影に、ユウナは思わず答える。 「ふーむ……スタンド使いとスタンド使いは引かれあう……か。まあいい、ここで始末すればすむことだ」 その言葉を合図にしたかのように、ユウナは無我夢中で引き金を引いた。しかし、弾丸はすべてキラークイーンによって弾かれ、ある弾丸は林の奥に消え、ある弾丸は吉影の足元に落ち、一発として命中しなかった。 やがて弾も切れ、引き金を引いてもカチャカチャと音が鳴るだけになる。 「あ、ああ……ゆ、許して……」 ユウナの震える唇から言葉が漏れる。 「許して? 私は別に君が憎くてこんな真似をしているわけじゃない。『趣味』だよ。若く手の美しい女を殺さずにはいられない、持って生まれた『サガ』なんだ……」 吉影はライフル弾を構えた。ウェザーはスタンドを見せておらず、攻撃の気配はない。ウェザーにはわかっていた。たとえ雷であれ、風であれ、傷ついたこの体の反応速度では、相手より速く攻撃することはできないと。 「だから『前向き』に『趣味』を楽しんで生きようとしている。それだけさ……そのために君が邪魔なだけなんだ」 吉良吉影には殺気や殺意もなかった。これから確実に害虫を殺せるという、すっきりとした安堵感に満ちていた。 「これで終わりだっ! キラークイーン!!」 爆弾と化したライフル弾が放たれようとしたとき、 ベチャンッ!! 吉影の手に、一匹のアマガエルが落ちてきて、潰れた。 「………?」 吉影は自分の手にひしゃげ、張り付いた蛙をまじまじと見て、次に頭上に目をやる。 「なっ、なにぃっ!?」 吉影は驚愕した。空から、何百匹もの蛙が落ちてきたのだ。 「う、うわああああ!?」 理解不能の状況に、とりあえずキラークイーンで降りかかる蛙を跳ねのける。 「こ、これは貴様の能力かっ!」 吉影がウェザーに向かって叫んだ。 結論から言うと……この事態を引き起こしたのはウェザーである。 この現象を詳しく説明することははぶくが……少し話をしてみよう。 1859年2月9日 、イギリスのウェールズ地方グラモガンシャーの山奥材木置き場で働いていたジョン・レーウィスが、 屋根を激しく打った音にビックリして外に出てみると何千というイワシが屋根の上や地面の上ではねており、それを拾って焼いて食べたという。 1973年9月24日の『ザ・タイムス』紙には南フランス・ブリニョル村に幾万ものヒキガエルが降ったと報道している。 1947年11月20日アメリカ・フロリダ州タラハシー、1971年9月27日フロリダ州オカラなど、1887年から1974年までの間にアメリカ・フロリダ州だけで50例以上の魚・蛙・蛇・羊の群れが空から降ってきたとの報告があり…… 原因はトルネード…竜巻説が有力とされている。 「……よくやったぞユウナ……これで終わる。この戦い……俺たちの勝ち、だ……」 ウェザーは、小さな声で、だがはっきりと、そう言った。 「ふざけるな! こんな蛙がなんだというのだ!!」 一瞬混乱したが、たかが小動物の群れが落ちてきた程度で、どうなるというのだ。 吉良吉影が、体にぺしぺしと当たって潰れる蛙を無視してウェザーに狙いをつけたとき、 ズザッ 彼の足元に一際重い、落下音がした。 「……こっ、これはっ!」 そのとき、吉良吉影は相手の狙いを理解した。彼の足元に落下したもの、それは、 「コッチ見ロ~~」 爆弾戦車『シアーハートアタック』。 「蛙は、ただの目くらまし、本命はそいつだ。ユウナには、そいつを運ぶまでの、時間稼ぎと、そして……『仕掛け』の準備を、してもらった」 仕掛け。それはすぐにわかった。吉良吉影の足元にあるもの。さっき吉影が弾き飛ばした、ユウナの撃った弾丸。それは、火薬の熱を帯び、その場で最も高い熱源となっていた。 「シ、シアーハートアタック解じ――」 ドッギャアアアアアアアン!! 解除は間に合わず、シアーハートアタックは爆発した。 吉良吉影の体は軽々と空中に舞い上がり、やがて落下に転じて、大地に叩きつけられる。その体は焼き焦げと、大小の傷が無数に刻み付けられていた。中には体を貫通している傷も少なくない。左足は半ばからちぎれ、右足もズタズタになっていた。 「こ、こんな、馬鹿な……この吉良吉影に、こんなヒドイことが……」 これだけ傷ついても、まだ意識を失わずに殺人鬼が呟く。 「いつだって……運命は、私に味方するはずだ……いつだって命が運ばれてくるはず……ハッ」 起き上がろうとする吉影は、背後に気配を感じた。ウェザー・リポート。それが拳を振り上げている。 「お前の命を助ける……『運命』など」 「キラークイーン!!」 キラークイーンがウェザー・リポートに触れようとする。しかし、それより早く、ウェザー・リポートがキラークイーンの腕を殴り折った。 「うああああああっ!!」 「俺が見てきた『正義の心』に比べればちっぽけな力だ……確かに存在する……『心』に比べれば」 それでも這いずって逃げようとする吉良吉影に、ウェザーは容赦なく追撃を仕掛ける。肉体の損傷度はいまや吉良の方が酷い。 何より、正面から立ち向かう精神力が吉良には欠けていた。精神力はスタンド力。スタンドのスペックが高くとも、精神力の弱いものは勝てない。 「彼女に代わって……叫ばせてもらう!!」 ウェザー・リポートが風をつくる。風圧により、パンチ力をアップさせるために。 「うああああああ!!」 吉影の絶望の声に答えるように、ウェザー・リポートは拳を繰り出した。 「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァァァァァァァッ!!!!!」 ドッバアアアアァァァァァンッ!! 吉良の体が、ウェザー・リポートのラッシュによって吹っ飛ばされる。 「こ、こんな……せ、せっかく、『生き返った』のに……またこんな……」 ドバシィィィィッ!! 吉良の体は木にぶち当たり、木に亀裂を入れるほどの衝撃を与えて、ようやく静止した。 一度だけ全身を激しく痙攣させ、口を数度開閉させると、糸が切れたかのように前のめりに倒れた。暗黒の魂を持った殺人鬼はうつ伏せに倒れ、そして二度と起き上がることはなかった。 「お。終わったのか……?」 ユウナはおずおずと言った。このあまりに常軌を逸した状況が、収まったことが容易には信じられないのだろう。 「ああ……奴の呼吸はもう完全に止まっているのが『分かる』。奴は死んだ」 「そ、そうか! やったな!」 「ああ……ユウナの協力のおかげだ……助かったぜ」 ユウナは照れくさげに頭を掻いた。超能力などを差し引いても、偉大な戦士に違いない男の助けとなり、褒められたことに、自分でも驚くほどの喜びを感じていた。 「ところで……報酬の件だが……」 ウェザーが切り出す。 「お、おお、いくらでも言ってくれ!」 雇用契約を交わしたことを思い出し、ユウナは胸を張って答えた。 「とりあえず救援を呼んでくれ……もう指一本ほども動かせそうにない」 ウェザーはそう言い、コクピットに座り込むと、今度こそ完全にぐったりと気絶した。 吉良吉影『キラークイーン』――完全敗北…死亡 ユウナ・ロマ・セイラン――生還。この後、父、ウナト・エマ・セイランに連絡。正気を疑われるも、3時間かけて説得し、信じさせることに成功する。 ウェザー・リポート――ユウナの呼んだヘリに乗せられて病院へ。5時間後に目を覚ます。ウナトと交渉後、オーブ軍に入隊。一尉となり、ユウナの護衛を勤める。 オーブ政府公式記録――トラックの事故、運転手の死、森林の火災、MSの破壊などは、テロリストの襲撃があったということになっている。 TO BE CONTINUED 次へ
https://w.atwiki.jp/iliasion/pages/557.html
ep.385 ネットストーカーの恐怖!メンヘラとの出会い等 その人、本当に知らない人ですか?「出会い系・マッチングアプリの怖い話」 放送内容 参加メンバー Tomo Kimura K-suke その他 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/awsuhz/pages/4.html
ニュース @wikiのwikiモードでは #news(興味のある単語) と入力することで、あるキーワードに関連するニュース一覧を表示することができます 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_174_ja.html たとえば、#news(wiki)と入力すると以下のように表示されます。 【グランサガ】リセマラ当たりランキング - グランサガ攻略wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【まおりゅう】八星之紋章交換のおすすめ交換キャラ - AppMedia(アップメディア) Among Us攻略Wiki【アマングアス・アモングアス】 - Gamerch(ゲーマチ) マニュアル作成に便利な「画像編集」機能を提供開始! - ナレッジ共有・社内wikiツール「NotePM」:時事ドットコム - 時事通信 マニュアル作成に便利な「画像編集」機能を提供開始! - ナレッジ共有・社内wikiツール「NotePM」 - PR TIMES 【Apex Legends】ヴァルキリーの能力と評価【エーペックス】 - Gamerch(ゲーマチ) モンハンライズ攻略Wiki|MHRise - AppMedia(アップメディア) 【ウインドボーイズ】リセマラ当たりランキング(最新版) - ウインドボーイズ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) ポケモンBDSP(ダイパリメイク)攻略wiki - AppMedia(アップメディア) 【テイルズオブルミナリア】リセマラ当たりランキング - TOルミナリア攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) SlackからWikiへ!シームレスな文章作成・共有が可能な「GROWIBot」リリース - アットプレス(プレスリリース) ドラゴンクエストけしケシ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【ウマ娘】チャンピオンズミーティングの攻略まとめ - Gamerch(ゲーマチ) 【ウマ娘】ナリタブライアンの育成論|URAシナリオ - Gamerch(ゲーマチ) 【ウマ娘】フジキセキの育成論|URAシナリオ - Gamerch(ゲーマチ) サモンズボード攻略wiki - GameWith 【スタオケ】カード一覧【金色のコルダスターライトオーケストラ】 - Gamerch(ゲーマチ) 【スマブラSP】ソラのコンボと評価【スマブラスペシャル】 - Gamerch(ゲーマチ) 【ブレフロレゾナ】リセマラ当たりランキング【ブレイブフロンティアレゾナ】 - ブレフロR攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【ポケモンユナイト】サーナイトの評価と性能詳細【UNITE】 - Gamerch(ゲーマチ) 【ガーディアンテイルズ】ギルドレイド戦(秘密の研究所)の攻略とおすすめキャラ【ガデテル】 - Gamerch(ゲーマチ) 仲村トオル、共演者は事前に“Wiki調べ” - 沖縄タイムス 【ENDER LILIES】攻略チャートと全体マップ【エンダーリリィズ】 - Gamerch(ゲーマチ) 【ウマ娘】あんしん笹針師の選択肢はどれを選ぶべき? - Gamerch(ゲーマチ) 【ポケモンユナイト】アップデート情報・キャラ調整まとめ - ポケモンユナイト攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【Apex】シーズン11の新要素と最新情報まとめ【エーペックス】 - Gamerch(ゲーマチ) ロストジャッジメント攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【Among us】新マップThe Airship(エアシップ)の解説【アモングアス】 - Gamerch(ゲーマチ) ハーネスについて小児科医の立場から考える(坂本昌彦) - 個人 - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ゼルダ無双攻略Wiki|厄災の黙示録 - AppMedia(アップメディア) ウマ娘攻略Wiki - AppMedia(アップメディア) ゲトメア(ゲートオブナイトメア)攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【白夜極光】リセマラ当たりランキング - 白夜 極光 wiki - Gamerch(ゲーマチ) お蔵入りとなった幻の『スーパーマリオ』 オランダの博物館でプレイ可能?(リアルサウンド) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ナレッジ共有・社内wikiツール「NotePM」が「ITreview Best Software in Japan 2021」のTOP50に選出 - PR TIMES 真女神転生5攻略Wiki|メガテン5 - AppMedia(アップメディア) 【B4B】近接ビルドデッキにおすすめのカード【back4blood】 - Gamerch(ゲーマチ) ポケモンスナップ攻略wiki - AppMedia(アップメディア) 富野由悠季「ブレンパワード」作り直したい!ファンを前に意欲(シネマトゥデイ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【ウマ娘】査定効率から見た取るべきスキルとおすすめキャラ【プリティーダービー】 - Gamerch(ゲーマチ) 【スマブラSP】カズヤの評価とコンボ【スマブラスペシャル】 - Gamerch(ゲーマチ) ナレッジ共有・社内wiki「NotePM」が「ITreview Grid Award 2021 Fall」で、チームコラボレーションとマニュアル作成部門において「Leader」を5期連続でW受賞! - PR TIMES メモ・ドキュメント・wiki・プロジェクト管理などオールインワンのワークスペース「Notion」が日本語ベータ版提供開始 - TechCrunch Japan 【ギアジェネ】リセマラ当たりランキング【コードギアス】 - ギアジェネ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) モンスターファーム2(MF2)攻略wiki|アプリ・Switch移植版 - AppMedia(アップメディア) 文芸誌『早稲田文学』のホラー特集号が発売開始。ガッチマン氏とVTuberらとの「ホラーゲーム実況対談」のほかSCP財団やChilla s Artも(電ファミニコゲーマー) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【ブラサジ】最強キャラTierランキング【ブラックサージナイト】 - Gamerch(ゲーマチ) 【パワプロ】鬼滅の刃コラボ情報まとめ - Gamerch(ゲーマチ) 【SPAJAM2021】第3回予選大会は「クイズ!WIKIにゃんず!」を開発したチーム「かよちゃんず」が最優秀賞! | gamebiz - SocialGameInfo 検索結果における「ナレッジパネル」の役割とは・・・ウィキメディア財団とDuckDuckGoの共同調査 - Media Innovation ナレッジ共有・社内wikiツール「NotePM」が「BOXIL SaaS AWARD 2021 Autumn」にて「コラボレーション部門」を受賞! - PR TIMES Wikipediaが「中国人編集者の身の安全を守るため」に一部の編集者アカウントをBANに - GIGAZINE 【ドッカンバトル】3.5億ダウンロードキャンペーン最新情報 - ドッカンバトル攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) BTS(防弾少年団)のV、8月のWikipedia閲覧数が韓国アーティストで1位!グループでは4ヶ月連続トップ - Kstyle 【イース6オンライン】リセマラ当たりランキング|召喚ガチャの開放条件は? - Gamerch(ゲーマチ) BacklogからNotePMへwiki情報を自動API連携する「Backlog to NotePM」をSaaStainerに掲載開始 - PR TIMES ライザのアトリエ2攻略Wiki - AppMedia(アップメディア) 真女神転生3リマスター攻略Wiki|メガテン3 - AppMedia(アップメディア) タスクも文書もWikiもデータベースもまとめて管理できる「Notion」とは? - ASCII.jp ナレッジ共有・社内wikiツール「NotePM」が、見るだけ専用ユーザー『無料』の新プランを発表! - PR TIMES 【かのぱず】リセマラ当たりランキング【彼女お借りします】 - Gamerch(ゲーマチ) 【乃木フラ】リセマラの必要はある?【乃木坂的フラクタル】 - Gamerch(ゲーマチ) メトロイド ドレッド攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【パワプロ】生放送まとめ|パワフェス2021 - パワプロ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【ポケモンユナイト】サーナイトのおすすめビルド(わざ・持ち物) - Gamerch(ゲーマチ) ルーンファクトリー5攻略wiki|ルンファク5 - AppMedia(アップメディア) シャーマンキングふんばりクロニクル攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 簡単操作で自分専用Wikiを構築できるMarkdownエディタ「Obsidian」のモバイル版を使ってみた - GIGAZINE ディーサイドトロイメライ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 情報マネジメントツール「Huddler」がwiki機能を刷新 - PR TIMES シェアエコ配送アプリ「DIAq(ダイヤク)」のアンカーアプリで、高層ビル・商業施設の入館方法などお役立ち情報をまとめた「DIAqwiki」を公開 - アットプレス(プレスリリース) 異常熱波のカナダで49.6度、いま北米で起きていること(森さやか) - 個人 - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【ツイステ】マスターシェフの攻略~辛味のふるさと~【料理イベント】 - Gamerch(ゲーマチ) 【ラグナロクオリジン】リセマラは不要?おすすめ職業は?【ラグオリ】 - Gamerch(ゲーマチ) 白夜極光攻略wiki - AppMedia(アップメディア) 【バイオミュータント】2.02アプデ|アップデート1.4情報 - バイオミュータント攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) ニーアレプリカントリメイク攻略wiki|ver.1.22 - AppMedia(アップメディア) 【ウマ娘】ゴルシウィークはいつから?キャンペーン情報まとめ - Gamerch(ゲーマチ) シーズン66 - 【超速GP】ミニ四駆 超速グランプリ攻略まとめwiki - 電撃オンライン 乃木坂的フラクタル攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 「こんなことになるとは…」13年前のエイプリルフールについた“嘘”がネットで… ある男の告白(BuzzFeed Japan) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 整理不要の情報共有ツール(社内Wiki)「Nerve」シードラウンドで総額約3500万円の資金調達を実施 - PR TIMES Nerve - 整理不要の情報共有ツール(社内Wiki) ローンチカスタマー募集開始のお知らせ - PR TIMES パニシンググレイレイヴン(パニグレ)攻略wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【ひなこい】最強ひな写ランキング - ひなこい攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 稲作アクションRPG『天穂のサクナヒメ』における「農林水産省攻略wiki説」は本当なのか? - AUTOMATON スタスマ攻略Wiki【スタースマッシュ】 - Gamerch(ゲーマチ) 無料とは思えない多機能っぷりなWikiインフラ「Wiki.js」レビュー、自前でホスト&外部サービスと連携可能 - GIGAZINE Microsoft Teamsの基本と活用(24) TeamsのWikiを使う - マイナビニュース 『ゲーミングお嬢様』での提起が話題に “企業系wiki”に横たわる問題点とは - リアルサウンド 「エイリアンのたまご」,自動周回機能と公式wikiが登場 - 4Gamer.net 【リゼロス】Re ゼロから始める異世界生活 Lost in Memories攻略まとめwiki - 電撃オンライン 【世界初!】モノの背景を全方位で執筆できるVintage Wiki「VOV」を正式リリース - PR TIMES 足もとのベストアンサーを“編集”! Wikiペディキュア! - ビューティ特集 | SPUR - SPUR.JP パワプロ2021/2020攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) ヌーラボ、「Backlog」の絵文字入力の補完機能やWiki編集の自動マージ機能を改善 - CodeZine(コードジン) ヌーラボ、プロジェクト管理ツール「Backlog」の絵文字入力の補完機能・Wiki編集の自動マージ機能を修正改善 - PR TIMES Backlog、Wikiにファイル添付が容易にできる機能をリリース -- グローバルバーの視認性改善なども実施 - PR TIMES GK川島、パンチング失点でWiki書き換え炎上 「セネガル代表」「プロボクサー」... - J-CASTニュース Wikipediaで「ヒト」を象徴する画像が、タイの男女に決まるまで 5年の激論を経て選ばれた「1枚」の物語 - WIRED.jp
https://w.atwiki.jp/awsuhz/pages/8.html
動画(youtube) @wikiのwikiモードでは #video(動画のURL) と入力することで、動画を貼り付けることが出来ます。 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_209_ja.html また動画のURLはYoutubeのURLをご利用ください。 =>http //www.youtube.com/ たとえば、#video(http //youtube.com/watch?v=kTV1CcS53JQ)と入力すると以下のように表示されます。
https://w.atwiki.jp/awsuhz/pages/9.html
@wikiにはいくつかの便利なプラグインがあります。 アーカイブ コメント ニュース 動画(Youtube) 編集履歴 関連ブログ これ以外のプラグインについては@wikiガイドをご覧ください = http //atwiki.jp/guide/
https://w.atwiki.jp/animelonif/pages/78.html
028 出会いはある時突然に… ◆5cyPCmuV8s 【ペットショップ1/2】 1羽の妙に着飾ったハヤブサ――ホルス神のスタンド使いでDIOの側近であるペット・ショップは 池の黒い水面を覗きこみながらぼんやりと考えていた。 ここはどこだ?と。 ヒロカワとかいう人間に拘束され、独特な生存競争に強制参加させられている身なのは理解できている。 さっき鳥の身でも比較的扱い易い支給品――参加者名簿を取り出し目視し、元々の敵であるジョースター一行六名のうち五名の 承太郎、ジョセフ、花京院、アブドゥル、イギーも参加させられているのも確認している。 主であるDIOも参加させられている許しがたい一点を除けば、己にとって特に気にするほどの事態ではない。 主と出会う前から、多分卵の頃から殺し合いは日常の一部だ。なんてことはない。 己と主の不利益にならなければ、無数の生物を始末し回っても気分は良くなりこそはあっても、悪くならないだろう。 現にここに連れてこられる前には、主から不用意に館を探る者の殺しを――門番を任せられていたくらいだ。 「……」 問題は、何故死んだはずの己が生きているのかだ。 主の宿敵であり標的のジョースター一行のメンバーである、チビ犬――イギーとの戦いで己は殺されたはずだった。 クチバシを噛み砕かれ、体内に作った爆弾を暴発させられて。 そして更におかしい事に、さっき何気なしに見たルールブックの内容を解読できないはずなのに読めたのもおかしかった。 名前くらいならまだしも、長文を読めるだけの知識は己にはないはずなのに。 根本からおかしい、ここはこの世でなくあの世とやらか? それとも己がおかしくなっているのか? 分らん、何もかもが解らない……。 ペット・ショップは困惑した。 スタンドの調子も良くない、これでは殺し合いで不利だ。 半ば呆然としたまま、ペット・ショップ顔を上げると水面の向こうに見覚えのある建物のシルエットを発見する。 主の住処――DIOの館ににそっくりだった。 もっとも周囲の地形故に本物とは思えなかったが。 「…………」 決めた。 まずはあの建物に行くとしよう。 主やジョースター一行も含めた他の参加者もいずれ立ち寄るに違いない。 いい気になった殺し甲斐のあるムカつく獲物や強敵といえる参加者と遭遇できればいいんだが……。 そう己を奮い立たせペット・ショップは翼を広げ館の方へ向かった。 ◆ 【蘇芳1/2】 蘇芳・パブリチェンコは混乱していた。 これまで何度か命の危機に遭遇した事はあれど、ここまで大規模かつ訳の解らない事態 ――72人もの人間が参加する殺人ゲームに巻き込まれる事は想像さえできなかったからだ。 やたらと強い一応蘇芳の保護者の黒も、ゲーム説明の際に見かけた事からして殺人ゲームに巻き込まれてしまっている。 黒以上のやり手の知人がいない以上、外部からの救助もあまり期待できそうにない。 とりあえず行動に移さなきゃと蘇芳は思った。 蘇周囲をきょときょとと見回す。 「うわぁ……」 不気味な洋館を見つけた。凝視するまでもなくいかにも怪物が住んでますって感じだ。 現在位置は館の塀の外側。蘇芳は更に混乱し、思わず呻いた。 「ん?」 近くには茂みがあった 蘇芳はすぐにそっちに隠れると小さく安堵の溜息をついた。 首輪によって殺し合いを強要されている以上、乗る参加者がいてもおかしくない。 そういった参加者に遭遇する前に、まずは生存の為にディバックの中身の確認をしなければいけないと考えた。 食料、飲料水、地図、デバイス、ルールブック、コンパス、時計といった基本支給品は全部ある。 次にデバイスを起動させ………明かりが茂みから漏れないように注意し、地図を見て現在位置を確認する。 現在位置は不気味な館…‥‥DIOの館だろう……の付近で恐らくB-5。 次は参加者名簿の確認。知った名は自分と黒、そして黒の探し人の銀。 ゲーム前の同行者だったジュライと、ペットのモモンガ ペーチャ……に憑依している猫(マオ)の名前はなかった。 その事に蘇芳はとりあえず安堵した。 次、ルール内容、時間を確認。ルールは広川が言った事の詳細で現時刻はAM0:15。 次はランダム支給品の確認。身を守れるものがあればいいけど。 「……携帯か。これって」 ランダム支給品の一つは携帯電話だった。 助けを呼べるわけないんだし、と落胆しながらも蘇芳は電話を作動させる。 支給品である以上何かの役には立つと信じて。 とりあえず知った電話番号をかけてみる。やはり繋がらない。 一旦通話は諦めて登録データを調べてみる。 いくつもの情報があった。 だがそれは殺人ゲームに関係する情報ではなく、一個人のある参加者に限られたものだった。 つまり 「これって、参加者の私物じゃないか」 と蘇芳は言い捨て、電話をジャンバーのポケットに仕舞った。 全く収穫はないではなかったが、期待はずれの範疇だった。 もし持ち主に会えたら返そうと、次の支給品を取り出しながら蘇芳は思った。 「……」 平べったいものを掴んだ。 嫌な予感がした。 取り出したそれは説明文が書かれた一枚の紙切れだった。 特別にペンダントは没収しないでおくよ。 無くしたり、壊したりしないようにね。 運営より 「……言われなくても。大事なものだし」 蘇芳は愚痴りながら自身の胸元にまさぐった。 以前、父から貰った大事なペンダントは確かにあった。 更にディバックを探る。支給品はもうなかった。 「それだけ?」 蘇芳は引きつった顔で紙をひらひらと上下させた。 紙を破きたい気持ちになった。 だが蘇芳はその衝動を抑え、ディバックを逆さにして何度も振った。 何も出ない。蘇芳は情けなさに不貞寝さえしたくなった。 でも死にたくないので気持ちを奮い立たせ、今度はある確認をすると決めた。 ペンダントを没収されなかったのは不幸中の幸いだった。 ――蘇芳・パブリチェンコは契約者と呼ばれる異能者である。 彼女の能力は対戦車ライフルPTRD-1941(デグチャレフ)の具現と使用。 能力の発動には日頃身につけているペンダントと、契約者としての代価を使用後に払う必要がある。 蘇芳はルールブックのページを何枚か千切った。 彼女独特の代価、折り紙を折る準備の為だ。 蘇芳は能力の行使が可能かどうか確認したかった。 それはゲーム開始前の、主催の広川が言った『きみたちのあらゆる異能を自由に制御する』という発言が どうしても気にかかったからだ。 蘇芳は異能を別にしても非力ではない。 最近とはいえ、黒からスパルタとも言える戦闘訓練を受けているからだ。 その甲斐もあってか、今では無手でも一対一ならそこらの一般人相手なら負けない程度には強い。 とはいえ、蘇芳にしてみたらこの場を生き抜くには心許なさすぎた。 広川の言を信じるなら、魔法、スタンド、錬金術といった契約者とは別の超能力使用者も参加者の中にはいるはずだから。 蘇芳は目を閉じ、深呼吸をした。 そして程なくして蘇芳の異能が発動し、琥珀色の円形のペンダントが発光する。 蘇芳は上体をそらし、ペンダントから光る棒状のものが形成されていく。 そして光が剥がれるように飛び散り、大型のライフルが現れる。 蘇芳は目を開け、ライフルを構えた。 「…………!??」 伸し掛かるような急激な疲労が突如蘇芳を襲った。 何だ何が起こった? 疲労と恐怖から蘇芳は顔をしかめ、構えていたライフルが発光し粒子となって消え。 未知の現象による混乱から思わず能力を解除してしまったからだ。 しまったと蘇芳は思った。 黒がこれを見たら間違いなく殴られるくらいのミス。 ここは殺人ゲームの会場、もしこのタイミングで好戦的な参加者と遭遇したらまずい……!。 顔を上げ、早く能力の代価を払おうとした矢先、空気を裂く小さな音と鳥の羽ばたきが蘇芳の耳に聞こえた。 ◆ 【クマ1/2】 古いながらも少々の荘厳さと得も知れぬ不気味さを漂わせている館の中を、 デフォルメした熊と人間の子供を足したような可愛らしい顔の二頭身のぬいぐるみのような生き物が歩いている。 暗闇の中を歩いている。 その生き物はぬいぐるみではない。 ぬいぐるみ――名はクマ。仲間でもあり、殺人ゲームに参加させられたセンセイと慕う鳴上悠らのいた世界において、 人間の情念が実体化した魔物シャドウが蔓延る更なる異界の住民である。 クマは高い、少年のような声色で呟く。 「雰囲気がいかにもって感じなのに……誰もいないクマ……」 ゲーム開始前の惨劇の直後、気がつけばクマは館らしき建物の中にいた。 クマは知る由もないが、雰囲気はDIOが本拠にしていた館に良く似ていた。 つまり不気味で奇妙なのである。 更に付け加えるなら、霧こそ出てい無いがクマが長年住んでいたテレビの世界にも似た空気をも漂わせていた。 クマ自身のセンスが合わない事もあり、とても居心地は悪かった。 殺人ゲームの危険さは彼なりに理解している。 仲間と一緒にいるか、あるいは雰囲気が悪くなければ、道具集めも兼ねて探索していただろう。 だが今のクマは一刻も早く館から出たい気持ちで一杯だった。照明スイッチ見つけられないし。 「みんな、どこいったクマ~」 クマはゲーム開始前に惨劇の場にはいなかった。 他の大多数の参加者同様に不可視の力で動きを封じられてたのは同様だったが、 一人暗闇の中、モニター越しで上条当麻の最期を視聴させられたという点で他参加者と違っていた。 クマはそのことを支給品確認の後、疑問に思ったがその理由はすぐ解った。 クマの人間形態ともいえる金髪の人間の少年の姿 熊田になれないからだった。 支給品確認後、最近身につけたペルソナ召喚と熊田への脱皮(?)を試みてみたが ペルソナ召喚は問題なく使えるのに対し、熊田化はできなかったのである。 つまり上条が殺された時、今のクマがいれば見せしめの効果が薄くなっていたのである。 変身できないのはあまりクマは気にしていなかったが、隔離されたのは点では釈然としなかった。 できないものはとりあえず置いとくとして、クマは足早に外出を目指す。 わずかに月明かりが漏れてるのが見えた。クマは更に歩行ペースを上げた。 窓が見えた。 「!」 その窓を小さな影が高速度で横切るのをクマは見た。 何クマ?思わずクマは足を止めた。 ◆ 【プロデューサー】 館の塀の側の蘇芳が隠れていた茂みとはまた別の茂みに、背広を着た整っているが厳しい顔の大男が隠れていた。 彼――殺人ゲームに参加者名簿でプロデューサーと記載されている男は、 ランダム支給品の一つをスーツのポケットにしまうと館を見上げた。 館の規模からして探索は止めておこうと彼は判断した。時間が掛かりそうだったからだ。 彼は行き先をどこにしようか迷っていた。 自分の職場と同じ名称の346プロ事務所か、会場の中心に近い図書館か。 彼は芸能プロダクション346プロの……それも何人もの人気アイドルを育てた実績のあるプロデューサーである。 殺人ゲームに巻き込まれても、教え子であるアイドルを我が身より先に気遣う彼の姿勢は変わらなかった。 そんな彼の当面の目的は島村卯月、前川みく、渋谷凛、本田未央といったアイドル4人の捜索と保護だ。 自身の支給品の内容やゲーム開始前の広川の発言を考慮すれば、急いで346プロ事務所に行った所で探し人に会える 可能性は低いと彼は推測した。 アウトローならまだしも、人間関係等に余程の問題がなければ友人仲間同士で集まればその分殺し合いは停滞する。 ゲーム内容からして企画者は結果だけでなく過程も楽しむ傾向が感じられる以上、 容易に仲の良い穏健な参加者同士再会できるように配置しないだろう。 今後の活動拠点の最有力候補としては、情報収集で筆記具や大量のメモを必要としている事情もあり 舞台の中心に近い図書館がいいのだが、現在位置が事務所からも近いこともあって完全には割り切れなかった。 万一、彼女が事務所の近くに配置され、そこで自身達を待っていたら……という懸念が頭から離れられないからだ。 そう悩んでいた矢先、羽ばたきと少女らしき小さな悲鳴が突如少し離れた所で聞こえた。 彼は思考を切り替え、しばし黙考し足早に悲鳴のの発生源へと向かった。 そしてジャンバーを着た三つ編みの中学生くらいの少女と、何やら着飾った1羽の鳥――ハヤブサの姿のが見えた 互いに距離をとって対峙しているようだった。 少女に声をかけようとしたが、止めた。 少女とハヤブサの間にただならぬ空気が漂っていたからだ。 ハヤブサが彼の方を向いた、睨みつけるような眼差しだった。 自分と同じような首輪を付けていると彼は気づく。 視線の先を追って気づいたのか少女も彼の方に一瞬だけ顔を向けた。 冷や汗を流し、助けを求めているとも取れる眼差しで彼を見ていた。 彼は少女へ再度声をかけようとするが、威圧感を感じ、思わずまた止めてしまう。 ハヤブサはそこらの人間より、明らかに迫力があった。 ハヤブサにとって自分が邪魔なんだろうと思った。 彼は一瞬ここから立ち去りたいと思った。 だがすぐ思い直した。 あのハヤブサがどういう行動原理で動いているか見当は付かないが、 少なくとも目の前の女の子に危害を加えようとしている可能性が非常に高いのは推測できた。 そのまま放置してしまえば、最悪女の子を殺しても不思議でない凄みがハヤブサには感じられる。 故に『彼女たち』ではないとはいえ、三つ編みの女の子を人として見殺しにはできなかったのだ。 彼は意をを決した。 彼はハヤブサを極力刺激しないようゆっくりとした歩調で…… ディバックに手を突っ込みながら、少女の前面へ移動しようとする。 「っ!」 ハヤブサからの威圧が増した。 敵意のようなものさえ感じられ始める。 それでも彼は平常を保ち、敵意のない眼差し(?)で中の物をハヤブサの前面へと放った。 「……」 放り投げられたそれを見て、ハヤブサの威圧感が若干和らいだ。 それは透明のビニールに包まれた大きなメロンパンだった。 彼のランダム支給品の一種『パン詰め合わせ』の中から取り出したのだ。 ハヤブサは彼の顔を見つめた。 しばしの沈黙。 いつのまにか少女は彼の背後に回ってた。 何やら紙片のようなものを取り出して何やらしていた。 ハヤブサは少女の方に視線を向け、そのままじっと動かなくなった。 少女も何らかの作業を終えた後、彼の背後に隠れながらハヤブサの方を見て身構えていた。 彼も右手をポケットに突っ込みながら静止する。 互いに静止5分位経っただろうか、ハヤブサは彼の方に顔を向けると羽ばたき始め、館の方へ飛び去っていった。 「……」 彼には飛び去る直前のハヤブサの目がどこか面倒くさげに見えた。 ◆ 【蘇芳2/2】 助かった……のかな? 蘇芳は安堵からの息を吐くと、星の形に折った紙片をポケットに入れた。 能力のを代価を払い終わったからだ。 致命的なミスになるところだった。 能力を使う際、ペンダントが発光してそれからライフルが具現化する。 その発光現象を参加者である変なハヤブサに見られたのがまずかった。 一旦能力を解除してしまえば代価を払うまで能力の再行使はできなくなる。 それが蘇芳がハヤブサに対応できなかった理由だ。 いきなり高速度で飛行してこちらの周りを何周も旋回した後、鋭い目つきで睨んでくる 得体の知れないハヤブサ相手に折り紙を折る隙なんて出せるはずもない。 怖かった。 契約者となった影響で殺人マシーンのようになった、かつての級友ターニャに初めて殺意を向けられた時よりも。 これまで見たどの敵よりも迫力があって、契約者やドールとも全く異なった異様さをあのハヤブサは持っていた。 少なくともライフルを使えたとしても、自分一人でどうにかできる相手じゃないと蘇芳は思った。 「あの」 蘇芳はさっき自分を助けた(?)のだろう、心配そうに声をかけてきた ――黒をごつく厳しくさせたような容貌の黒スーツの大男に対し慌てたように顔を向けた。 もっと肝心な事をするのを忘れていた。 「え、と……ありがとう、ございます。あなたは?」 蘇芳の礼に対し、男は無表情ながらも丁寧な、そして意外に渋い声で応えた。 ◆ 【ペット・ショップ2/2】 人間二人とのにらみ合いの後。 ペット・ショップは館最上段の窓の外にいた。 スタンド能力を行使し、窓の下に氷の足場を作りそれに乗っかっているのだ。 近くの壁には己のディバックを貼り付けてあった。 「……」 飛んだ見込み違いだったようだ。 ペット・ショップは落胆していた。 先ほど人間の女――蘇芳にちょっかいをかけた理由は、他参加者どういうのがいるかか確かめるためだった。 後、自らのやる気――闘争心を出させる為の獲物になり得ると思ったからでもあった。 己と同じ、銃を操るスタンド使いならば、と。 だが、あれだけ挑発しても仕掛けようとはしなかったし、途中で割り込んできた人間の男からも戦闘意欲が感じられず、 身のこなしからしてスタンド使いではないと解れば、こちらの戦闘意欲も向上するはずがない。 その上、餌付けしようとパンを放ったと思えば、直後に身構えてそのまま静止という行動もわけがわからない。 二人ともそこらの人間のザコよりは強そうだったが、すっかり興ざめした。 せめて館に侵入しようとするか写真でも取ってでもいれば、自己暗示で殺る気は出せたかも知れないが。 「…………」 どうもスタンドだけではなく体の調子も良くないようだ。 風邪を引いた時のような気だるさがある。 いつからだ?何が原因か判断がつかない。 ペット・ショップは思考を打ち切り、窓の方へ顔を向けた。 主の気に召す建物であればいいが……。 そう思いペットショップはスタンドで生成した氷のナイフで窓をくり抜くと、ディバックを咥え館の内部に飛びこんだ。 ◆ 【クマ 2/2】 ペット・ショップが館に入ったのと同じ頃。 「お、おかしいクマっ……起き上がれないクマ~」 クマは前のめりに倒れて、起き上がれないでいた。 急いで館を出て、敷地内からも出ようとした矢先、大きな石につまずいたのである。 本来なら弱点は克服し、起き上がれるはずだが、これもゲームによる制限の副産物なのか すぐに起き上がれそうになかった。 【C-7/DIOの館付近西部/1日目/深夜】 【プロデューサー@アイドルマスターシンデレラガールズ】 [状態]:健康 [装備]:不明支給品(小型の武器です) [道具]:デイパック、基本支給品、パンの詰め合わせ、不明支給品1つ(確認済みです) [思考] 基本:情報収集を行いながら、島村卯月、前川みく、渋谷凛、本田未央の捜索と保護に務める。 ゲームには乗らない 0:館から離れて、目の前の少女(蘇芳)と話をする。 1:図書館か、346プロの事務所に移動して、筆記具と多量のメモ用紙を入手したい 2:不審なハヤブサ(ペット・ショップ)を警戒 【蘇芳・パブリチェンコ@DARKER THAN BLACK】 [状態]:疲労(小)、混乱(小) [装備]:流星核のペンダント [道具]:デイパック、基本支給品、参加者の何れかの携帯電話(改良型) 折り紙 星に折られた警告文書、折り紙用に千切ったデバイスの説明書 [思考] 基本:ゲームには乗らない。 0:館から離れてから、目の前の男(プロデューサー)と会話する。 1:黒と合流したい。 2:変なハヤブサ(ペット・ショップ)を警戒。 [備考] ※ 蘇芳からペンダントが離れるか、破壊されるかすると記憶を失い衰弱死する可能性があります。 ※ 流星核のペンダントと警告文書はセットで1つのランダム支給品です。 ※ 能力制限で銃を投影すると、急激に体力を消耗します。弾丸の補充も消耗するが、銃の具現よりは負担は低め。 ※ 携帯電話の元の持ち主はラブライブ!かアイドルマスター シンデレラガールズ出典の参加者の誰かです。 ※ 携帯電話には主催陣による何らかの改造が施されています。蘇芳はその事にまだ気づいていません。 ※ 参戦時期は6話以降です。 【B-6/DIOの館内/1日目/深夜】 【ペット・ショップ@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】 [状態]:健康、困惑(小)、元いた世界における敗戦による死のショック(無自覚、小~中) [装備]:なし [道具]:デイパック、基本支給品、不明支給品1~3 [思考] 基本:夜が明けたらDIOと合流して指示を仰ぐ。邪魔と判断した奴は殺す。 1:夜明けまでDIOの館内部を調べつつ、休養を取る。トレーニングもしてみたい。 2:ジョースター一行(承太郎、ジョセフ、アヴドゥル、花京院、イギー。 参加者じゃないがポルナレフも)は見つけ次第始末、特にイギー。 3::手強そうな参加者とは可能な限り戦いを楽しみたい。 [備考] ※ 何らかの能力制限をかけられています。ペット・ショップはそれに薄々気づいています。 ※ 参戦時期は死亡後です。 【B-6/DIOの館付近南部/1日目/深夜】 【クマ@PERSONA4 the Animation】 [状態]:健康、熊田(人)化不可、転倒中 [装備]:なし [道具]:デイパック、基本支給品、不明支給品1~2 [思考] 基本:仲間(鳴上悠、里中千枝、天城雪子と一応足立)と合流して殺し合いを何とかする。 ゲームには乗らない。っていうか邪魔する。 0:起きあがれないクマ~ 1:仲間達を探す [備考] ※ 人化と起き上がりのコツが制限されています。 ですが何かのきっかけで取り戻せるかもしれません ※ 自力で起き上がれるかどうかは次の書き手さんにお任せします。 ※ 参戦時期はペルソナ習得、人化取得以降です。 時系列順で読む Back あたしは殺しだってやってやる Next メメント・モリ 投下順で読む Back 偽りの悪評 Next 人外の定義 GAME START ペット・ショップ 038 アニマル対決 プロデューサー 054 殺戮者の晩餐 蘇芳・パブリチェンコ クマ 038 アニマル対決
https://w.atwiki.jp/rozenmaidenhumanss/pages/481.html
https://w.atwiki.jp/nichijoseikats/
日常生活での出会い/Dialy life 英単語ミニ知識 「その都市は人口が多い。」を英語で言う場合、The city has a large populationとなり、逆に「人口が少ない」は...a small population.となる。「日本の人口はどのくらいですか」はHow large [What] is the population of Japan?と表す。 Why did he wear thi particular T-shirt? 彼はなぜほかならぬこのTシャツを着ていたのだろうか。 I go to the office by bicycle except on rainy days. 雨の日を除いて、自転車で会社に行っています。 What else do you want to discuss? 他に話し合いたいことがありますか。 There are three main topics of discussion today. 今日は3つの主な討議の話題があります。 He is a member of the tennis club. 彼はテニス部の一員です。 What was the population of Japan in 1990? 1990年の日本の人口はどれくらいでしたか。 We have to call on him tomorrow at any rate. 我々はとにかく明日彼を訪問しなければならない。 センター試験出題例 No one really understands why flowers open and close like this at particular times. なぜ花がこんなふうに特定の時間に開いたり閉じたりするのかを本当に分かっている人はいない。
https://w.atwiki.jp/tpsd/pages/40.html
The Tennis Player s Dream... #08 奇跡なのかもしれない『出会い』 第3ゲーム 注意:若干方言がきついかもしれません。 そして、東方キャラの口調及び性格などが変わっているかもしれません。 大丈夫な方は進んでいってください。 あらすじ 1、ゾーン状態 2、ブンブンサーブ 3、避けよった! 「・・・何が面白いの・・・?」 「この攻撃を止めてくれたら話したる。疲れたし」 「・・・貴方は運がいいわね。これで最後だし、時間切れにもなる」 「へー」 3 2 1 0 「・・・ッツ(舌打ち)。運がいいことがn」 「もう言うな。飽きた」 2人は息をついた。 「さてと・・・本題入ろう。急やけどな、あんたさんに頼みがあんねん」 「随分と急ね」 「言っただろ」 そう言って、ブンブンはひざを着いて頭を着いて手をついて・・・ 早い話が『土下座』をした。 「頼む、俺とダブルス組んで!」 …究極に急すぎる。ブンブンも「さすがに無理か」と思っていた。 「・・・は?」 大正解、おめでとう。 ただ、本気で組みたかった。 こいつには、『素質』があった。こいつと、本気で組みたい。 そのためには、これぐらいの努力しかなかった。 『だからこそ』、こいつと組みたい。 少年説明中・・・ 「・・・何か分からないけど、わかった。組むわ」 …え? 幻聴じゃないだろうな。 「・・・へ?」 「『組む』と言ってるでしょう」 「マジで? ほんまに?」 「・・・何回聞くのよ」 まじかよ、まじですか!? すっげえ!俺すっげ・・・いや、やめておこう。 「ありがとな! ほんまありがと!」 「・・・・・・」 「せや、名前は?」 「・・・水橋 パルスィ」 「俺は、木橋 ブンブン。よろしく頼んまっせ」 そうだ、と、ブンブンはラケットを渡した。 「・・・何これ?」 「必要やねん」 「ふうん・・・」 手渡されたラケットは、ごく一般的な形・・・ではない。 グリップに近い三角形の穴が無いタイプである。 このタイプは、スピンがかけやすいといった長所がある。 (やべっ、このタイプしか無かった・・・ま、ええか。)「じゃ、大会は明日な!」 「あ、明日!?」 「強行日程過ぎるけど、頼むな!」 「・・・・・・・・・」 あとがき ども。古明地ゆうまです。 相当ネタバレしていましたが、パルスィでしたー。 はい、十分承知していましたよwww ちょっと細かいルール説明。 スペカ使用O.K.ですが、 弾幕は撃ってはいけない。 つまり、『テニスのショットでどれだけ スペカを表現できるか』といった感じです。 それでは。
https://w.atwiki.jp/baragakuen-highschool/pages/69.html